右手のカタールを一閃しただけで、薄いセラスの上着は破れた。
色の白い、細い肌が目に焼きつく。
「口の中も切ってないかどうか、確認しないとな」
そう言って、俺の口を押し付ける。
「むぐぅっ!」
苦しそうな声・・・。
甘い香り・・・。
舐めつくすように、吸い尽くすように、俺は舌を動かす。
「・・・むぅ・・・・あ・・・ぁぁ・・・」
切なげな声を上げる。
一瞬口を離し、問う。
「いいのか?」
「ふ・・・・ぁ・・・・ち・・がう・・・・。ちがいます・・・」
息も絶え絶えに、反論する。
左手を体のラインに沿って静かに動かす。
「あぅ・・・・だ・・・め・・・です・・・・」
そして股間に手を伸ばす。
脱力した全身の中で、そこだけが熱くたぎっていた。
俺の手がそこに触れたとき、喘ぎ声をひとつ上げる。
「んんっ・・・」
軽くしゃくるたびに、手の中でさらに膨張し、熱を帯びていく。
「ふっ・・・はぁ・・・・だめぇ・・・・やぁぁ・・・・」
手の動きが早くなると、セラスの息も速くなっていく。
「やめ・・・てぇぇ・・・・。はぁっ・・・・あぁあぁぁっっ・・・・」
熱い飛沫とともに、セラスは俺の手の中で果てた。
「はぁっ・・・・はぁぁっ・・・」
冷めやらぬ興奮のうちに、セラスの瞳から涙が一筋落ちた。
俺は自分の手についた白い液体を舐める。
「美味だ」
そう言うとセラスは顔を真っ赤にして、むこうを向いた。
突然、セラスの舌が俺の中で蠢いた。
別の生き物のようにやわらかく、巧みに。
執拗に。
意識が遠のいた。
身体に手が廻された。
俺の衣服を解いている。
むき出しの肌を、慈しむように指が滑る。
全身の毛が逆立った。
何か言おうとした。
舌は絡め取られていた。
うろたえた。
突き飛ばした。
いつの間にか半裸になっていた。
残りを脱ぎ捨てた。
俺のはもう、痛いくらいになっている。
俺は薄く笑った。
いわなくても分かっていた。
目が、指が、全身が。
俺を欲している。
汗ばんだ両脚を高く持ち上げた。
貫いた。
入口に締めつけられた部分に、痺れるような快感がある。
中は思いのほか広かった。
「力、抜いて」
「ん…」
眉根が寄っている。
噛み締めた唇が色を失っている。
罪悪感。嗜虐の悦び。
悦びの方が強かった。
頂上に向かって逸る身体を、ありったけの理性で止めた。
膝の裏に口づけた。
汗の味。
角度をずらし、俺のが確実にそこを擦るように、浅く動かした。
秒替わりの苦痛と歓喜。
セラスの表情がめまぐるしく替わる。
「なっ、あっ、や、ゃあっ、ぁあっ。ん、あっ。あっ!」
手を伸ばした。口を片手でふさぐ。
「声、大きい」
セラスの目が、屈辱と怒りに燃えた。
もう片方の手で、セラスのをあやした。
憤怒の目を、快感が塗り潰していく。
止められない。
腰を突き上げた。
セラスのものをしごき立てた。
「あっ、ああ、ああっ!」
セラスが痙攣した。
入口が金輪のように締まる。
頭の中が白くなった。