Granado Espada -グラナド・エスパダ- Part158
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埋めようぜ:
医者、弁護士、ボーイスカウトの少年、それから牧師が日曜日の午後小型飛行機に乗っていた。
突然その飛行機にエンジントラブルが発生。
パイロットは様々な努力を試みるが、飛行機は甲斐無く高度を下げていく。
ついにパイロットはパラシュートを掴むと乗客に向かって飛び降りた方が良いことを告げ、自分自身が飛んだ。
不幸なことに残りのパラシュートは3つだけだった。
医者が1つのパラシュートを取ると言った。
「私は医者だ。人の命を救うんだ。だから生きなくてはならない」
そして彼は飛び降りた。
弁護士が続いて言った。
「私は世界中で一番頭の良い人間だ。生きる価値がある!」
そして弁護士も1つ掴むと、飛び降りた。
牧師はボーイスカウトの少年の方に向き直り言った。
「若者よ。私は長く満たされた人生を送ってきた。君はまだ若くこれからが人生の本流だ。最後のパラシュートを持って行き、
平和に暮らしなさい」
「牧師様、心配しないでください」
ボーイスカウトの少年はパラシュートを牧師に返すとにっこり笑って言った。
「たった今『世界中で一番頭の良い人間』が僕のリュックを持って飛び降りましたから」