CosmicBreak コズミックブレイク Part893

このエントリーをはてなブックマークに追加
5名も無き冒険者
2007年,GE Rはアイテム課金制への移行期にあり,まったく新しいビジネスモデル,今でいうフリーミアムモデルへと取り組んでいる最中であった。
当時,プレイヤーからの問い合わせの実に過半数がBOTに関する内容であり,その年のオフラインイベントでアップデートに関する質問を募ったのに「BOTをなんとかしてほしい」という意見陳情の場となってしまったこともあったという。
 「『アップデートに関する質問やご要望をお願いします!』と何度もお願いしましたが,止まりませんでしたねぇ……」(中尾氏)と当時を遠い目で振り返っていた。
それほどまでにBOTの数が多かったのだ。

 そうした状況を踏まえ,中尾氏は2008年から独断で本格的なBOT排除の実施に踏み切ったという。
その結果,BOTの大半を駆除できたのはよかったのだが,なんとゲームに接続するプレイヤー数は施策前の半分以下に落ち込む事態となった。

 「社内からは,『こんなに顧客を減らしてどうするんだ』と責められました。
RMT業者は顧客じゃないと反論したんですが,『もう何もやらなくていい』と管理者権限を剥奪される寸前まで追い込まれて……。
ところが,その翌月,接続するプレイヤー数が半減したにも関わらず,売り上げは上がったんです。
それで初めて,社内・経営陣も『彼の言っていることは本当かもしれない』と,若干ですが信用してもらえたわけです。