ときめきメモリアルONLINE はるかぜ高校1年目
えーと、実は私、かなり冷酷な人間なんです。自分でも驚くくらい。
そして、それをずっと隠してきました。
まあ、うちは今でいうDVがあったんです。
酒を飲んでは暴れる、そんな父親がいました。
やがて離婚して、数年後、父は亡くなりました。
その父が死んだと聞いたとき、何の感情もわかなかった。
我ながら冷たいな、とは思いました。
問題はそれだけではなかった。
御通夜、葬式、その日は、都合よく学校が休みだったのに、私はゲーセンで遊んでい
ました。
周囲の親族の説得にも「自分を殺そうとしたヤツの葬式? 誰が行くかよ」の一点張
り。
今思えば、母と、祖母、どんな気持ちだったのか……。
自分の事ばかりで、矮小で残忍……、結局は周りの人を傷付けた。
結局は父と何も変らない。その頃から他人の事を考えていなかったのかもしれない。
それだけでなく、やっぱり父と似た部分、時々感じるんです。
自分の中に自分の一番嫌いなモノが入ってる。
父がしてきたように、誰かを傷つけるかもしれない。
抑え付けても押し潰すことは出来ない、すごく気持ち悪い。
父を否定した所で、もう自分の中にある父と同じ部分は変えられるはずないのに。
目を背けて、逃げて、偽って。それでも否定したいんです。
幸い、酒乱はなかったのは、よかったですが。
そんな冷酷な自分を隠すようにしてきました。
変えられないものを変えようと努力していたつもりでしたが、
本当は駄々をこねているだけだったのかもしれない。
逃げていただけかもしれません。