>>770 生まれ育ったロストランドの草原を駆け巡っていたとき、初めて人間に遭遇する。
「怖がらないで、傷つけたりなんかしないよ、キミと出会えることをずっと願ってたんだ」
「これからはいつも一緒だよ、一緒に旅に出よう、二人で強くなろう」
という言葉を信じて、その人間を主人と認める。
ロストランドから別の大陸に旅立ち、人間の沢山いる大きな町で今の主人に出会う。
冒険者の主人と共に壮大な森を駆け、広大な海を渡り、迷宮の奥深くを探検したりした。
危険な目に遭うことも少なくなかったが、自分にkirakiraという名前をくれた主人とは
宿で休息を取るときでさえ同じ部屋で眠り、片時も傍を離れることは無かった。
いつしか、主人とは今までになかった絆さえ感じるようになった。
ある日、冒険の途上で傷いついた主人が遂に力尽き、自分の背から落ちてしまう。
それまでこんなことは無かった。
地面に横たわる主人を守るために、必死にモンスターと戦ったが敵わなかった。
そして、気が付くと見覚えのある大きな町に立っていた。
ここは今の主人と初めて出会った場所だ。忘れるはずが無い。
きっと主人も忘れるはずがないと信じている。
必ず自分を迎えに来るだろう。
だからそれまで待っている。