ダル米国で英語・メシ・セックスどうするのか
日本人大リーガーが必ずぶち当たる壁と試練
◆「バカにされてるのが分からない」
日本人大リーガーが渡米後、最初にブチ当たる壁が「言葉」だ。日本人選手の多くは通訳付きで海を渡る。必要最小限度のコミュニケーションには困らないし、選手と1対1になっても言いたいことは辛うじて伝わる。問題はヒアリングだという。
ある日本人選手によれば、「グラウンドやロッカールームで、周囲の選手が何を話しているのかサッパリ分からない。みんなが大笑いしているので、一緒にケタケタ笑ったけど、『おまえ、意味も分からないのに笑ってるだろ』とバカにされてしまう。
最初はバカにされていることすら分からない。ニヤニヤしているだけで、やがて相手にされなくなっていく。これは英語を聞き取れるようにならないとマズいと本気で思った」そうだ。
いや、日本人選手がつまずくのは英語に限らない。米国は食習慣も含めた環境が、日本とは百八十度異なる。日本の盛り場で羽を伸ばし放題だった選手が、窮屈な思いをすればストレスになりかねない。このオフ、メジャーに挑戦するダルビッシュ有(25)は大丈夫か。
「しゃべりは分かりませんけど、ダルは外国人選手の話す英語をかなり理解している。ケッペルやウルフのしゃべっていることは、きちんと聞き取れていましたから」と、日本ハム担当記者がこう続ける。
「父親のファルサさん(51)はもちろん、母親も米国に留学経験がある。ダルが幼いころから自宅で頻繁に英語が飛び交っていた影響でしょう。ヒアリングの能力はかなりのものだと聞いています」
投手はひとりで投げることがメーンだ。野手と比べて周囲とコミュニケーションを持つ機会は少なくても、捕手とは配球に関するやりとりが必要だし、首脳陣とは意思の疎通を図らなきゃならない。
英語力はないよりあった方がいいに決まっているわけで、言葉に関してはチームにスムーズに溶け込めそうだ。
(続く)
日刊ゲンダイ 2012/1/11
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=254305&p=1