イチローに有利な指標OPS その1
アメリカ野球界においてOPSは打者の攻撃力を表す指標として打率や打点などの古典的な指標に取って代わった。
打率や打点が「欠陥のある統計」という認識が広まったことも大きな要因となった。
例えば、打率は単打も本塁打も同じ1安打としか記録されず、四死球による出塁も全くカウントされない。
打点は塁上の走者の数に大きく左右され、打順や前後の打者に影響を受けてしまうという明らかな欠陥がある。
出塁率は四死球は考慮に入れているので打率よりは優れているが、四球と単打、長打の区別ができない欠陥は解消されていない。
一方、長打率は単打と長打の区別は可能だが、打率と同じく四死球が無視されている。
出塁率は、四死球:単打:二塁打:三塁打:本塁打が1:1:1:1:1の比率で記録される。一方、長打率は0:1:2:3:4である。
OPSはこの2つの指標を足し合わせ、1:2:3:4:5の比率にすることで四死球から本塁打までを完全に区別し、欠陥を解消している。
つづく