中央大学硬式野球部Part17

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934名無しさん@実況は実況板で
野球が“卒業しなくていい”免罪符にならなくなっている [中大監督・高橋善正「大学日本一を目指して」]
「土、日に試合やるしかない」

 大学は今、試験の期間中である。本学野球部も試験期間中は練習を休みにしたり、夕方4時あるいは5時開始の薄暮練習に切り替えている。大学によっては試験期間中は練習禁止の野球部もある。

 今は野球でメシが食えるというか、就職できる機会が減った。プロに行く選手はごくわずかだし、社会人野球も私が大学生だった頃に比べれば4分の1、いや5分の1くらいに減っている。講義に出て卒業の単位を取らないと就職もできない。
先日、ある東都大学の監督と話をしていたら、こんなことを言っていた。

「これからは東都も土、日に試合をやらなければダメですね」

 その大学は野球部の人数を絞り少数精鋭で戦っていた。4年生は、ほとんどが卒業したらプロや社会人野球に進めた。進めるような選手だけを集めて戦ってきた。野球でメシが食えるからか、中には卒業しない部員もいたようだ。

 ところがそんな少数精鋭ばかりの中で結果を残したような選手でも、昨今はなかなか野球の仕事がない。プロに進むのは限られているが、社会人野球も採ってくれなくなっている。
それにつれて卒業しない野球部員が大学で問題になってきたそうだ。野球で企業に入っても、野球をやめればサラリーマンだ。卒業をしていなければ高卒だ。大学は何をやっていたのだ、ということにもなる。野球が卒業しなくていい免罪符にならなくなっている。

 卒業するためにはきちんと講義に出て単位を取らなくてはならない。そのためには練習の合間を見て授業に出る。東都大学リーグの場合は平日に試合がある。試合がある日は必然的に講義には出られない。ますます卒業がしにくくなる。そこでいっそのこと「土、日に試合を」となったのだろ
う。私も部員には講義優先、定められた単位を取らないと練習をさせない方針を取っている。

 私の大学時代は野球部の練習は午後からだった。中には午前中に真面目に講義を受けるのもいたが、私を含めほとんどの部員は大学には行かなかった。それでも卒業できたし、それで世の中に出ても何とか通用した。

 本来なら大学生は学業が優先。それはいつの世でも同じはずだが、昔を思うと今とは隔世の感がある。

日刊ゲンダイ 2011/7/30
http://v.gendai.net/q?uid=1&sid=A817&i=article%2Fdetail&aid=240306&p=1