263 :
名無しさん@実況は実況板で:
アメリカ国民よ、2011年はテロリストやチンクよりも、まずゴジラの来襲に注意せよ。
このゴジラはマツイという名で日本で生まれ育ったパワフルな猛獣だ。
2003年にニューヨークに初上陸した際には、いきなりグランドスラムで市民を震え上がらせた。
マツイを倒すために、メジャーの一流投手たちは全力で立ち向かったが、このモンスターに穴は無かった。
「どこを攻めても返り討ちに遭う。」とサイ・ヤング賞の常連ヨハン・サンタナは語る。
しかし、凶暴に見えるマツイだが、その心根はとても優しい。
仲間に対して犠牲を払うのを厭わず、対戦相手にも敬意を忘れない。
相棒のジーターは「マツイは打撃も人間性もスケールのでかいナイスガイさ。」とマツイを賞賛した。
それから8年間、ゴジラは自由の女神と共に、アメリカ国民を勇気付ける象徴として称えられてきたのだ。
しかし、そんなゴジラも昨年は赤子のように大人しかった。
アナハイムという田舎の空気が体質に合わなかったのか、.274 21本 84打点という凡庸な成績に終わった。
そしてマリナーズに準ずる弱小球団、アスレチックスに拠点を置かなくてはならなくなった。
ゴジラの猛威はもう恐れなくていいのだろうか。
否、そんなことは無かった。
ゴジラのスイングは、09年に常勝球団フィリーズを撃破した当時のものを上回るかというほど、荒々しく力強いものだった。
開幕戦では、いきなりホームランを放ち、ゴジラの復活を予感させた。
特にそのゴジラを舐めかかっていたイチロー率いるマリナーズは、ゴジラの怒りを買い、三連戦で5発も核ミサイルを浴びるなどして玉砕した。
「マツイの怒りをどうやって静めればいいのか。」「ゴジラ来襲注意報」そんな表題が毎日のようにスポーツ紙を飾ったのである。
4月を.325 10本 29打点という上々の成績で終えたマツイ。
だが、彼の表情は冴えなかった。
その理由は、アスレチックスが西地区3位と低調だったためだ。
いくら自分の成績が良くてもチームの成績が悪ければ意味が無い。
マツイはエーズの皆にこう語りかけた。
「野球はチームで戦うスポーツだ。俺たちが力を合わせればワールドチャンピオンにだってなれるんだ。」
この発言はアスレチックスのチームメイトの涙を誘い、これを期にチームの結束が生まれ始めた。
264 :
名無しさん@実況は実況板で:2011/02/23(水) 12:06:01.05 ID:REPiXOgR
5月、6月とアスレチックスは徐々に成績を上げて行き、オールスター前には西地区首位に立った。
その快進撃の主役は、やはりマツイであった。
マツイの代名詞であるクラッチヒッターぶりを発揮し、前半戦終了時には既に昨年の打点を上回った。
チームメートのカート・スズキは「マツイはアジア人の誇りさ。僕もマツイという姓で生まれたかったよ」と絶賛した。
当然、オールスターでもダントツの得票数を獲得し、ア・リーグの4番を務めた。
試合中に、1番のイチローが自己中なプレーと発言をして、他の選手とつかみ合いになるという事件が発生したが、マツイがイチローを諌め、その場を丸く収めた。
その直後の打席で、逆転ホームランを放ち、旧友のジーターやロドリゲスは勿論、オルティスやハンターもマツイのスケールのでかさを賞賛した。
オールスターMVPを新たな起爆剤にして、後半戦もゴジラは勢いを止めない。
古巣のエンゼルス戦では、相手の自力優勝の望みを絶つグランドスラムを放ち、アナハイムはマツイを称える歓声とマツイを放出した者に対する罵声がこだまし、
ソーシア監督とリーギンスGMは解任に追い込まれた。
リーグ優勝を決める一戦は、奇しくもイチローのいるマリナーズ戦となった。
この時点でマリナーズは99敗、イチローは199安打であり、様々な記録がかかった重要な一戦であった。
しかし、記録に固執するイチローの初球ボール球打ちのおかげで、アスレチックスが勝利を手にするのは容易かった。
翌日のスポーツ紙には「ゴジラがコックローチを退治」という表題が載り、全米の野球ファンがマツイとアスレチックスの頑張りを称えると共に、
自分勝手な打撃でチームを100敗に突き落としたイチローの人間の小ささを批判した。
100勝越えで西地区覇者となったアスレチックスは、ポストシーズンでも、ミスターオクトバーことマツイの打棒のおかげで連戦連勝を飾り、見事ワールドシリーズ覇者となった。
特に最終戦でのマツイの逆転3ランは、アメリカだけではなく日本でも繰り返し報道され、ゴジラの素晴らしさを再認識することとなった。
265 :
名無しさん@実況は実況板で:2011/02/23(水) 12:06:59.14 ID:REPiXOgR
記録にはこだわらないと言っていたマツイであったが、しっかりとタイトルを総なめにするところがマツイらしい。
.340 46本 138打点という輝かしい成績を残したゴジラは、首位打者・本塁打王・打点王と三冠王を達成し、
WSMVP、ハンク・アーロン賞、エドガー・マルティネス賞、シルバー・スラッガー賞も見事獲得した。
また、被災者に大規模な寄付と慈善活動を行ったナイスガイにはロベルト・クレメンテ賞も授与され、全ての面において最高のメジャーリーガーとなった。
「野球はチームで戦うスポーツだ。」
ゴジラの言葉が身にしみる。