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名無しさん@実況は実況板で:
エンゼルスからわずか1年で解雇を通告された松井。
WSMVPを所持するゴジラにとっては不名誉以外の何物でもなかった。
昨季の成績は450打数で.270 20本塁打 80打点。
松井にとっては物足りない数字だが、左腕投手の時はベンチという不遇の状況の中、エンゼルスでトップクラスの働きを見せた。
そんな松井を欲するチームは数多く存在した。
「常時スタメンで使えば、マツイは3割30本は計算できる。」というのが、玄人の主流の考えだった。
そしてゴジラの新天地は、昨季ヤンキースに競り負け辛酸を舐めたレイズに決まった。
松井は来る日も来る日も念入りに調整を行なった。
「ヘイ、マツイ。君は偉大なスラッガーなのに、何でそこまで練習するんだい?」
同僚ペーニャの言葉に対し、松井はこう答えた。
「確かにスロー調整でも20本は打てるよ。でもそれじゃレイズは優勝できない。レイズの優勝のためなら僕はこの苦しみを受け入れる。」
この松井のチーム愛を示すエピソードはすぐに有名となり、レイズの各選手も松井を見習って調整に励んだ。
真面目に調整に取り組んだ松井が好成績を残すのは必然だった。
4月の成績は.320 5本 32打点とクラッチヒッターぶりを発揮し月間MVPを獲得した。
6月には因縁のエンゼルスとの3連戦を迎えた。
その初戦、サンタナの速球を捉えた松井の打球はハンターの頭上を超える先制3ランホームラン。
レイズファンの大歓声とエンゼルスファンの悲鳴が交錯する中、松井は黙々とグランドを駆け抜けた。
第2戦、第3戦にもホームランを放ち、かつてのチームメート達も松井の打棒に驚嘆した。
この時点で松井の成績は.335 16本 74打点。
「何で松井と再契約しなかった!」エンゼルスファンの怒りはアナハイムを震撼させ、ソーシア監督は解任に追い込まれた。
結局、前半戦は.326 20本 85打点という上々の出来で締めくくったゴジラは、オールスターでもダントツの1位で選出された。
盟友A-ROD、ジーターらと再会を喜ぶ一方で、ミゲル・カブレラ、ユーキリス、ハミルトンなどア・リーグを代表する強打者と高度な打撃論を展開し、その様子は日本でも報道され絶賛された。