〜ケガで退学した尾藤竜一ナゼ指名〜 火 8日
12月9日 曜 発行
日
疑心暗鬼の早大野球部
ドラフト当日、3人の選手が指名されて盛り上がる早大野球部を衝撃が襲った。育成
選手のドラフトで、巨人が尾藤竜一投手(19)を2位指名したからだ。尾藤は今年の
3月に早大を退学したばかりだった。
尾藤は2007年4月、早大入学。スポーツ推薦だったために3月に沖縄・浦添で行われ
たキャンプにも参加していたが、当時から肩やひじの痛みを訴えて投げ込みを度々回避
していた。その後も痛みは続いたため、野球部に姿を見せなくなった。その後、同年9月に
左ひじを手術し、088年3月、退学に至った。
スポーツ推薦で入学した生徒が退学すると、所属していた部は大きな”被害”を受ける。
(中略)
実際、早大野球部は尾藤の退学後、2人分の推薦枠を減らしている。そんな背景もあり
早大野球部は退学を思いとどまらせようと懸命な説得を行った。しかし、尾藤はひじ肩痛の
ほかにも 「大学生活になじめない」 といった理由を挙げ、意思を変えることはなかったと
いう。退学したタイミングも早大側の疑念を強くした。 その年のドラフトで指名されるには
3月までに退学していなければならず、年度をまたぎ4月に退学すると、プロ球団は翌年の
ドラフトまで指名することができない。
モラルに反するのでは
今度も同じケースが出てくる可能性
ちなみ退学からドラフトまで、尾藤に関して巨人から早大サイドに連絡はなかった。巨人が
連絡を入れたのは指名直後。応武篤良監督(50)へ、同野球部のOBでもあるスカウトから
電話があったという。
早大が問題視しているのは 「退学した選手を、その年にドラフトで指名するのはモラルに
反するのではないか?」 という点。
確かにルールでは問題ない。だが、これが認められるのなら在学中の野球部員でも「退学
→入団」 という道が出来上がってしまう。
つまりは斎藤が09年のドラフトでプロに入りたいと思えば、09年の3月までに退学すればいい。
それで希望球団に行けるのなら、今後も尾藤のようなケースが出てくるのではないか−。
早大サイドは危機感を感じている。
実際、早大は「尾藤は本当にケガをしていたのかという事実関係の調査を始めている。すでに
野球部は巨人へ 「出入り禁止」 の通達を済ませているといい、そうなると今後のドラフトにも
無関係ではなくなる。