【SEA29】エイドリアン・ベルトレ汁【満身創痍】
某所より神の翻訳↓
●シアトルタイムス、ベーカー記者の試合後のブログより、『城島がマリナーズの急場を救う』
http://blog.seattletimes.nwsource.com/mariners/ 【(前略)・・・イチローが犠牲フライを打ってブルームクィストを生還させ、シアトルにとって非常に大きいダメ押し点が9回に入った。
(中略)イチローにとってはキャリア3,000本目を打つチャンスだったが、それを打つための時間はまだまだたっぷりある。
あの犠牲フライは、それと同じぐらいに大事な一打だった。
先頭打者の城島がヒットで出塁すると、代走に出たブルームクィストが2盗し、ベタンコートの犠牲バントで3塁まで進んだ。
そこでレンジャースのワシントン監督は、イチローを歩かせて満塁策をとるのではなく、そのままグァルダードに投げさせることを選んだ。
なかなか興味深い選択だ。3,000本安打のことを知っていたからなんだろうか…?いや、必ずしもそうとは限らないのだろう、多分。
イチロー自身は、左対左でグァルダードが出てきた時に、これで敬遠はないなと思ったのだそうだ。
しかし、多分、城島の守備も(イチローの犠打と)同じくらい今日の勝利に貢献していた。
8回裏、テキサスが1アウトでランナーを2,3塁に置いた場面で、城島が3塁ランナーのバスケスを牽制で刺したのだ。
打席にはあのジョッシュ・ハミルトンが入っていただけに、この牽制アウトは非常に大きかった。
その直後、ローズはカウント2−2からハミルトンをキレのいい変化球で三振に打ち取ってイニングを終えることが出来たのだ。
ベルトレと城島との間では、牽制プレー用の目の合図が決まっており、
3塁ランナーがベースから離れすぎた時に使われることになっている。
シーズン中はそういう練習はしないものの、春季キャンプではやっていた。
で、カウントが1−2になった時、ベルトレがそのサインを出したのだ。
「アーサーがかなり苦労していたんでね」とベルトレは言う。
「だから、牽制プレーを成功させて、彼がもっと余裕を持って次の球が投げられるようにしたかったんだ。」
ただし、実際にやるかどうかの最終的決定権は城島にある。なんといっても、非常にリスキーなプレーだからだ。
「これと似たような状況は、これまでにも何度も経験してきた」と城島は通訳を通して言う。
「いい送球をしたと思ってもランナーに当たってしまい、生還を許してしまったこともある。
そういうのが同点ランナーだった、勝ち越しランナーだったこともある。なので、とってもリスキーなんだ。」
確かにそうだった。今回の場合、ハミルトンがバットを振って空振りしてくれたのもよかったのだ。
それを見たバスケスが、ゴロになった場合に生還できるようにと、さらに1,2歩ホームに向かって踏み出してくれたからだ。
城島は躊躇しなかった。
「あれは非常に大きかった」とリグルマンは言う。「ベリー(ベルトレ選手の愛称らしい^^;)と城島があのプレーをするには、
かなりの勇気を要したと思う。というのも、ああいう送球が外野まで抜けていってしまって、
まるでリトルリーグの試合みたいになってしまったことが何回もあったからね。
でも、実際、こういうプレーについては、これまでにも何回も話し合ってきていた。
ああいうプレーをするチャンスは時々巡ってくるけど、成功させることができるかどうかは、全てベリーと城島に懸かっているんだ。」
そして、それは成功した。お陰でローズにかかっていたプレッシャーも少し軽減した。
その時点までにも、怖いハミルトンへの球は全部低目に抑えることに成功していたローズだが、2死2塁になったことで、
もう少し攻撃的に投げられるようになったのだ。牽制プレーが来ることに前もって気付いてはいなかったローズだが、
それが成功した瞬間には非常に興奮していた。それまでのように過剰に注意深く投げるのではなく、
嫌らしくも厳しい球を投げることができたのだ。
「あのプレーの後、『こいつは、俺が今ここで片付けてやる』って自分に言ったんだ」と彼は言う。
そして、その言葉通りになった。カウント2−2から彼が投げたスライダーは、ホームプレートの中央部分から入って、
外角低目の“靴紐の高さ”のところまでストンと落ちたのだ。中途半端なスィングしかできなかったハミルトンに、打てるはずもなかった。
彼が完全に負けたのだ。こういうことは滅多にあることではない。
これから数日間は、多分、トレード市場でのローズへの需要は上がるだろう。
あの球の映像が全国のテレビで今晩流れれば、その人気にはより拍車がかかるはずだ。・・・・(以下略)】
某所より神の翻訳2↓
●マリナーズ公式HP、『マリナーズ、対テキサス緒戦を長打力で勝つ』ジム・ストリート、より抜粋…
http://seattle.mariners.mlb.com/news/gameday_recap.jsp?ymd=20080728&content_id=3215245&vkey=recap&fext=.jsp&c_id=sea 【ベルトレが過去にも試したことのあるプレーがこの試合で非常にうまくいき、
それが今日40勝するか60敗するかの分け目になった可能性が高い。
(中略)
(シーズン最多の1試合4本塁打や、イチローの2999本目の安打、そしてロペスの15試合連続安打など見所満載の試合だったが、)
もっとも注目を集めたのは、マリナーズ守備陣が協力して成功させたあのプレーだった。
計画されたプレーといいスロー、そして素早いタッチが8回裏のレンジャースの勢いを一気に殺いだのだ。
ここまで投げた17登板で無失点を続けてきたローズは、1点リードでマウンドに上がった途端にヒットと四球を許し、
無死1,2塁にしてしまった。犠牲バントで両ランナーが得点圏に進むと、リグルマンがベンチから出てきてマウンド上で作戦会議を開いた。
「内野手達には、どういう守備位置についてほしいかを指示した」と彼は言う。
「あの時点ではタイ・ゲーム狙いの守備はしたくなかったので、バックホームしてランナーを刺せるポジションを取るように言ったんだ。
もしボールが外野に抜けて2点が入ってしまった場合の責任は、全て私が取るから、と言ってね」
そういうことが起こる可能性は、かなり高いように思えた。何と言っても、次に打席に入るのは、
現在のMLBの打点王でオールスター・ホームランダービーのスターのハミルトンだったのだから。
ハミルトンのカウントが1−2になった時、ベルトレが城島の方を見て牽制のサインを出した。
ハミルトンがバットを振って空振りをすると、城島が素早く立ち上がって強く正確なスローを3塁カバーに走りこんだベルトレに向かって放った。
バスケスはタッチアウトとなってツーアウトになり、ローズがハミルトンをスライダーで三振に打ち取ってその回を終えた。
「あれは、城島とA.B.(ベルトレ選手の愛称らしい^^;)とでやった凄くいいプレーだった」とローズは言う。
「かなり上手くやってくれて、お陰で試合に勝ったようなものだ。
あれを見て、『あいつをここでアウトにしてやる―ゴロでもフライでも三振でも、なんでもいいから』って自分に言ったんだ。
彼にヒットを打たれて同点にされたくはなかったからね。」
7回に3塁打を打って日米通算安打数を2,999本まで伸ばしたイチローが、
9回表に犠牲フライを打ってシアトルのリードを2点に広げた。
しかし、マリナーズの勝利を決めたのは、たぶんあの8回のプレーのほうだっただろう。
「お互いの目を見て、あのプレーをやってみるべきだと決めた」と城島は通訳を通して言う。
「あの場面では、向こうは1点ビハインドでベストヒッターを打席に送っていた。
やってみるにはちょうどいい場面だと思った…リスクも大きいけどね。
これと同じような状況は何度も経験してきたけど、いい送球をしてもランナーに当たって生還を許してしまったこともあった。
とってもハイリスクだけど、成功させる自信はあった。」
ハミルトンが振って空振りをしてくれたことも、マリナーズに有利に働いた。
「バッターが振ってくれると、ランナーがよりホームよりに動いてくれるんで、助かるんだ」と城島は説明する。
「もし、彼がスイングしてくれてなかったら、バスケスをアウトに出来なかったかもしれない。」
ベルトレは、あのプレーを以前にも試した記憶はあるが、成功したことは一度もなかったと思う、と言う。
「あれをやってのけるには、2人とも、かなりの勇気を要したと思う」とリグルマンは言う。
「ああいう送球が外野まで抜けていって、まるでリトルリーグの試合みたいになってしまったのを、何回も見てきているからね」
(一部略、1回の得点経過の説明)
2回にはラヘアがメジャーでの初ホームランを打ってシアトルのリードを2点に広げ、自身の連続安打試合も5試合まで伸ばした。
素早くベースを一周したラヘアは、3塁側ダッグアウトに戻って選手たちとハイタッチを交した。
「皆に、(新人なんだから)謙虚にしろって言われてたんだ」と彼は微笑む。
「ラウールには、ホームランなんてこれから沢山打つんだから、って言われたけど、
僕が主に目指しているのはホームランを打つことではなくて出塁することなんだ。」
試合に勝ったことで、この夜の嬉しさは更に増した。
「(初ホームランは)最高だったし、勝利はそれに花を添えてくれた。」
グリーンが勝利投手となり、モローが自身12回目のセーブチャンスで10個目となるセーブを記録した。
この夜のマリナーズのホームラン攻撃の最後を飾ったのは、
ベルトレが8回にセンター奥深くに打ち込んだ今季18本目となる特大ホームランだった。
彼が1試合に複数のホームランを打ったのはこれで通算18回目。今季では5月30日のタイガース戦に次いで2回目となる。
しかし、この夜の試合で人々の記憶に残るのは、彼のバットによる活躍よりも、むしろ頭を使った活躍の方だと思われる。】(以上)