>>100がらみで
【転載】From U・S・A プレスα
〓Los Angeles Times紙遊軍記者 マイク・ディジオバンナ〓
〜完全復活へ依存症と戦い続けるハミルトン〜
今年のオールスターで、レンジャースのジョシュ・ハミルトンは誰よりも注目を集めるだろう。
1999年ドラフトでイの一番指名選手でありながら麻薬におぼれ、出場停止処分を繰り返した。
それが懸命の努力で復活。27歳の今季、19本塁打、76打点で現在ア・リーグの2冠王だ。
年俸わずか39万7000ドル(約4287万円)だが、チームメイトのキンスラーが「これまで見た中で最高の野球選手」と呼ぶほど、攻守に輝いている。
いったい何があったのか。
99年にデビルレイズ(現レイズ)がベケットでなくハミルトンを指名したのは、彼が全く非の打ち所がない高校生だったからだ。
強肩、俊足、性格もいい。そんな彼がおかしくなったのは01年、乗っていた車が信号無視のトラックとぶつかり、腰を痛めてから。
そのリハビリ中に何もすることがなく、酒と麻薬を覚えた。薬物検査に引っかかったこと4回。本人は何度もやめようとしたが、なかなかうまくいかなかった。
ようやく06年に、8ヶ月以上酒を断ったことを認められて復帰を許され、マイナーで15試合プレーした。
そのオフにカブスへ移籍。そこからさらにレッズへトレードされ、07年は90試合で打率.292、19本塁打、47打点という好成績。同年オフにトレードでレンジャースに移り、この大活躍である。
麻薬、アルコール依存症の人は、いつまたその悪癖がぶり返すか分からない。ゆえに今、涙ぐましい努力を続けている。
まず財布に10ドル(約1080円)以上は入れない。夜、1人で外出はしない。レンジャースのナロン特命スカウト兼球団フロント顧問(※07年途中までのレッズ監督)がいつも一緒にいて監視している。
ホームではナロンがハミルトンのアパートに同居し、遠征先でもホテルの部屋は隣り合わせ。チームメイトが外出してバーで酒を飲んでいるときには、聖書を読む。そして、3日に1回の尿検査である。
ハミルトンは先週の試合で、ダイビングキャッチをして、左ひざを痛めた。だが「大丈夫だ」と力強く言った。
完全復活を果たすには、まだまだこれから戦い続けなければならないのである。