海外メディアを通じて伝わるW杯熱には、驚かされるばかりだ。日本−ブラジル戦が行われた22日、
リオデジャネイロのコパカバーナ・ビーチから人が消えたという。近くのバーや街頭テレビに人が群がったためだ。
「常に人でごった返す海岸が、砂漠のようだった」。ロイター通信は、驚きをもってこう表した。
日本では、時差の関係で開始が早朝になった。それでも各所でパブリックビューイングが行われ、
わずかな可能性にかけたサポーターが声を枯らした。だが、熱狂は参加国だけの特権ではないらしい。
特に、お隣の中国からは連日、異常なほどの熱気が伝わってくる。あるW杯サイトは、
開幕1週間で1000万回という驚異的ヒット数をマーク。
23日の朝刊紙は、明け方に終わった日本戦の結果まで速報した。ファンの間では熱中しすぎて死者も出た。
3戦連続でテレビ観戦して急死した男性や、観戦をめぐるけんかで飛び降り自殺した女性までいた。医療関係者は
「長時間の観戦は、免疫力の低下で顔面まひなどの障害が出る恐れがある」と警告するなど、社会現象化した。
北朝鮮は韓国の協力を得て、初めてW杯をテレビ中継した。アフリカ諸国では、テレビのかたわらにラジオを置き、
急な停電に備えるという。もはやW杯は、強豪国や出場国だけのものではない。決勝トーナメント進出を逃した
日本でも(体を壊さない程度に)」
彼らのような熱狂ぶりが続くことを願わんばかりだ。
http://germany2006.nikkansports.com/paper/p-sc-tp4-20060624-0041.html