読売新聞【ワシントン18日=永田和男】
サッカー・ワールドカップ(W杯)で米国が72年ぶりのベスト8進出を果たした。米国ではプロバスケットボールが先週閉幕したこともあってW杯報道は徐々に熱を帯びてきており、
17日の主要テレビは終日、スポーツバーや街頭で歓喜するファンが、五輪などでおなじみの「USA!」を連呼する様子を流した。
ワシントン・ポスト紙は、通常の朝刊締め切り後に行われた試合結果を伝えるために同紙始まって以来の「W杯最終版」を2万5000部発行。通常最終版で1面にあったタイガー・ウッズのゴルフ全米オープン優勝を外してW杯米代表の勝利を収容した。
一方、ホワイトハウスのマクレーラン副報道官は17日、「ブッシュ大統領は米代表の力強い試合ぶりに勇気づけられている」と語った。しかし大統領がテレビ観戦していないことも認め、記者団はやや物足りなさそうだった。
「ブッシュ大統領(55)はサッカーを知らない世代。僕らの世代は皆目を赤くして、夜通しテレビに歓声を上げている」と言うのはワシントン・ポスト紙のW杯担当、ブライアン・ストラウス記者(27)。
実際、サッカーは米国の若い世代によく浸透している。全米運動具用品製造協会の調べだと、6―17歳のサッカー競技人口は昨年、720万人とバスケットボールの1110万人に次ぐ多さだ
ストラウス記者は、「サッカーに親しんだ世代が徐々に台頭している」と指摘。今回の快進撃を機にテレビ放映も増え、サッカー熱もいずれ世界並みに近づくと期待する