経営者じゃなくて残念でしたね。
429 :
おいら:2005/10/06(木) 07:24:14 ID:+txuURzI
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
430 :
おいら:2005/10/06(木) 07:24:55 ID:+txuURzI
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
431 :
おいら:2005/10/06(木) 07:25:47 ID:+txuURzI
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
432 :
おいら:2005/10/06(木) 07:26:33 ID:+txuURzI
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
433 :
おいら:2005/10/06(木) 07:27:33 ID:+txuURzI
あっおはようございます〜埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )埋めるざまぁ〜すφ(.. )
435 :
おいら:2005/10/06(木) 08:26:43 ID:+txuURzI
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
436 :
おいら:2005/10/06(木) 08:27:57 ID:+txuURzI
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
437 :
おいら:2005/10/06(木) 08:29:05 ID:+txuURzI
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
φ(.. )(^^)/▽☆▽\(^^)☆彡(☆。☆)(−Q−)(*^_^*)( ̄〜 ̄)ξφ(.. )(^^)/▽☆▽\(^^)☆彡(☆。☆)(−Q−)(*^_^*)( ̄〜 ̄)ξφ(.. )(^^)/▽☆▽\(^^)☆彡(☆。☆)(−Q−)(*^_^*)( ̄〜 ̄)ξ
埋めております〜
438 :
おいら:2005/10/06(木) 08:30:09 ID:+txuURzI
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
埋めます〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜埋めております〜
>>426 経営者どころかニートだろ?お前は。
早く働けよ。
赤松富士男は目覚めた時、なにか大事なものをどこかに置き忘れていることに気づいたのだが、それがなになのかはまったく見当がつかなかった。
無理に思い出そうとすると、こめかみの血管が脈打つ。
頭痛。身におぼえのある痛みだ。宿酔い? どうもそうらしい。
その時になって足元がずいぶん涼しいことに気づき、慌ててコートの襟をあわせる。
ふとまわりを見渡して、舌打ちをひとつ。
野宿をするには早すぎる季節だというのに、公園のベンチに背を丸めるようにして横になっていたのだ。
若いころならともかく、もう何十年もこんなバカな真似はやってない。
そう思うといささか面痒いものもあり、ちょいと誇らしげでもある。最後にこんなに羽目を外したのは、いったいいつのことだったろうか。
正確には思い出せなかった。記憶があやふやになるほど、遠い昔。
苦笑しながら起き上がり、ベンチの上に座り直す。
コートのポケットからセブンスターと百円ライターを出し、最後のよれよれになった一本を咥え、空になった箱をねじり、おおきく伸びをする。
ねじった煙草の空箱をベンチのとなりにあったゴミ箱に放りこみ、深々と煙を吸い込む。
その時になって、この公園には来たことがあることに気づいた。
月美の、マンションの近くに在る公園だ。
月美は接待でよく利用するバーの女だ。赤松とはいきがかり上、何度か寝たことがある。
赤松は月美のマンションへも、何度かあがったことがあった。
酔ったいきおいで月美のマンションへ行こうとした途中、疲れて公園のベンチで休憩しているうちに、そのまま眠りこんでしまったらしい。
どうにも、しまらない話しだ。
夜が明けたばかりの公園は朝もやにつつまれている。赤松は煙草が一本灰になるだけの時間、白濁した風景にみとれていた。火がフィルターを焦がす寸前に煙草を地面にほうり、爪先でかるくもみ消す。腕時計で時刻を確かめ、月美のマンションへ歩きだした。
時刻からいえば始発はすでに動いているはずだが、まあいいだろう。月美は普段の表情より怒った顔のほうが魅力的だった。月美が寝入ってから、まださほどたっていないはず。
そう思うと、赤松のなかにも微かに残っている悪戯っ子じみた幼稚な部分が、低い笑い声をもらした。
なんだか身体全体が軽くなった気分だ。たった一度、公園のベンチで夜を明かすだけで、これほど心持ちが軽やかになるものだろうか。
赤松は夢見心地で朝もやのかかった町中を歩いた。途中、喉が渇いたため販売機で缶コーヒーを買う。渇きはとれず、甘味料のために口のなかが粘つくようになるだけだった。
まあいい。
一度チャイムのボタンを押し、しばらく間をおいてから、また押す。
三度目のチャイムをならすかどうか迷っていると、ドアが開き月美が不機嫌な顔をだした。
二秒ほど赤松の顔をながめた後、大きなため息をついて無言のままドアのチェーンをはずす。
月美は無言のまま赤松にダイニング・キッチンに置かれたテーブルセットの椅子をすすめ、やかんに水道の水をいれてコンロにかけた。
「昨日、退職になったよ。名目上は、希望退職ということになった」
結局、このことを誰かにいいたかったのかも知れない。
家族や元同僚たちではない、誰かに。赤松はそう思った。だから、昨夜もあんなに無理な飲み方をしたのかも知れない。
月美はふっ、と笑った。
「そんな時に、朝帰りなんかしてもいいの」
ききわけのない子供を諭すような口調だ。赤松は月美のこんなところが気にいっていた。
月美はさして美人ではないし、本人は二十五だと主張しているが、実際には三十をいくつかこえているだろう。
それでも赤松のようなパッとしない初老の男の、他愛もない愚痴を真剣に聞いてくれる。
同情やなにかではなく、親身に話してくれる希少な存在だった。
何度かなりゆきで寝たことはあるが、赤松にとって月美とは浮気の相手というより精神安定剤に近い存在だった。
「いいんだ」
そういった赤松の声はかすれていた。涙声だった。
「いいんだ」
もう一度、同じ言葉を繰り返す。そのとき赤松は、ああ、おれは泣きたかったのだな、と気がついた。
月美がコンロの火を消し、赤松の座っている椅子に近づいて、両手で赤松の肩をそっと抱いた。
赤松は月美の豊かな胸に顔をうずめ、声をあげてわんわん泣いた。
しばらくして泣き疲れるると、月美に誘導されるまま、月美のベッドに這い入り、そのまま眠る。
眼をさますと昼すぎで、隣には月美が寝ている。欲望を覚えた赤松は、月美を抱きよせる。月美は抵抗せず、されるがままにしていた。
赤松は行為の最中、うわごとのように「なにか大事なものをどこかに置き忘れたんだ。なにか大事なものをどこかに置き忘れたんだ」といい続けたが、本人はそのことに気づいていなかった。
家にかえっても、妻の節子にはなにもいわなかった。珍しいことではない。
赤松は仕事の関係上夜半を過ぎてかえることが多かったし、ひどい時には二週間も妻とまともに顔を合わせなかったことさえある。
お互いの存在に対する、さしてひややかでもない無関心さ──ここ何年かのこの夫婦の関係を言葉で表現すると、そういうことになる。
それでも、赤松が皺だらけのスーツを部屋着に着替え応接間にいくと、湯飲みに暑いお茶を淹れ朝刊をわたしてくれる。
その間も、つけっぱなしのテレビから眼をはなさないのだが。
赤松はとりあえず一口お茶をすすり、節子になにか言いかけるのだが、その時になってこの場に適切な言葉を思いつかないことに気づき、黙って新聞をひろげ、丹念に読みはじめた。
二人とも無言のまま時間だけが無意味に経過し、赤松がほかにするべきことも思いつかないまま朝刊の隅から隅まで三回繰り返して読み終わった頃、唐突に電話がなった。
よっこらしょ、とちいさく呟きつつ節子が大儀そうにたちあがり、部屋の隅においてある電話の受話器をとる。赤松は新聞をたたみ、老眼鏡をはずして目蓋をかるく揉んだ。
「はい。赤松ですけど。え。警察。警察がいったいなんの。え。死体。主人の。ええ。あの。ちょっとまってください」
受話器の送話口を手で包むようにして持ちながら、節子は赤松のほうに振り返っていった。
「あなた。警察の方が、あなたが公園で死んでるっていってますけど」
赤松はタチの悪い冗談だと思ったが、それは事実だった。
赤松と節子は連れだって警察署に死体の確認にいったが、赤松の存在は当然問題になった。
「ちょっ、ちょっ、ちょっとまってください。失礼ですがそちらの方は、親類の方かなにかで……」
「はあ。その。あの。大変いいにくいのですが。わたくし、赤松富士男と申しまして。その。お初にお目にかかります」
「赤松富士男、って……。じゃ。あの。その」
「たいへんお恥ずかしい話しなんで、恐縮なんですが、その……本人です」
「本人って、あなた。そんな非常識な。ほほほ本人が自分自身の死体を確認にくるなんて」
「いや。その。どうも。大変申しわけない。自分が死んだなんて全然気づかなかったもので」
「気づかなかった。って。あなた。そんな。非常識な」
「いや。その。すいませんすいません」
「すいませんねぇ。うちの主人がお手数かけまして」
「お手数がどうのって問題じゃあ。あの。その。……とにかく! ご遺体の確認をお願いします」
その担当者は管轄外のことには深く関らないほうが身のためと考えたのか、以後は努めて赤松の存在を無視し、ひたすら事務的に自分の職務を遂行した。
「これは……おれだなあ」
「あなた、ですよねぇ」
「死んでるよなあ」
「死んでますよねぇ」
「ええ。今朝午前十一時頃、○○公園のベンチで横になっているところを発見されました。」
「というより、その前後に、ベンチに横たわっている不審な人物の様子がどうもおかしいという市民からの通報がありまして、近くの派出所から出向いた警官が調べましたところ、こときれてすでに冷たくなっていたということです。」
「死亡推定時刻は、発見された時刻の五時間から六時間前。死因はいまのところ心臓発作ではないかといわれております。ご主人に、その、赤松富士男氏本人であることに、間違いございませんね」
「ええ。多分、うちの主人だとは思うんですけど」
「そう……だよな。この人は、ほぼ確実におれだよなあ」
「なにいってるんですか。間違いなくあなたですよ」
「そりゃそうなんだけど。その。そうすると、おれは?」
「……やっぱり、あなたですよねえ」
「だよなあ。おれ、だよなあ」
「ねぇ」
「なぁ」
「でもあなた」
「なんだって○○公園なんてまったく見当違いな場所で死んでたりしたんです。ウチとはまったく別の方向じゃあないですか」
「それは、だな。その」
節子の追求は厳しく、結局赤松は額の汗を拭いつつ、警官達と自分の死体の前で月美との今までの関係を洗いざらい白状する羽目になった。
「ただいま」
今年二十五になる息子の英一が帰宅した。英一は一浪一留の末去年大学を卒業し、すでに就職している。
「とうさん、死んだんだって?」
「うん。どうもその、そうらしい」
「なんでも女の人ん所にいく途中だったていうじゃないか。おれ、その話し聞いてとうさんのこと見直しちゃったよ」
「だ、誰から聞いたんだ。そんなこと」
「誰からもなにも。近所の人がみんないってるよ」
「本当に、かっこうの悪い!」
「評判にもなるよね。こうして堂々と迷ってでてきてるぐらいなんだから。そのうちテレビが嗅ぎつけてくるかもしれないよ」
「本当に、世間体の悪い!」
「で、どう。成仏する方法みつかったの」
「成仏もなにも……おれ、いまだに自分が幽霊だという実感がもてないんだよ」
「死体、確認してきたんでしょ」
「う、うん。あれはたしかにおれだったんだけど」
「ああ。あるよね。頭では納得してもなかなか実感がわかないことって」
「なにくだらないこといってんの。喪服だしといたからはやく着替えなさい」
「ああ。なんか片付いていると思ったら、これから葬儀なんだよね」
「うん。今夜が通夜になる。もうすぐ遺体が警察から届くはずだから。それからだな。おじさんたちも、もうそろそろ着く時分だ」
葬儀に集まった人々にはあらかじめ電話で事情を説明しておいたため、予想していた混乱は起きなかった。
ただ、噂を嗅ぎつけたテレビ局が何社か強引に葬儀の模様を中継しようとしたり、ひっきりなしにインタビューやコメントを求める電話がかかってきたりしたことを除いては。
この二点は警察と知り合いの警備会社に応援をもとめ、電話のプラグを引っこ抜くことでなんとか解決した。
「ホトケさんに見守られながらお経を唱えるのは初めてだよ」顔見知りの和尚はいう。
赤松夫妻は「どうもすいません。お手数かけます」としか、いうべき言葉がなかった。
その和尚の長々しい読経もそろそろおわりに近づいたころ、玄関でちいさな騒ぎがもちあがった。和尚に小声でことわってから赤松が様子をみにいくと、目を赤く腫らした月美がいる。
「赤松さん。テレビであなたが死んだって聞いて。来るべきかどうか迷ったんだけど、わたしの家の近くで死んだって聞いたらいてもたってもいられなくって。迷惑だとは思ったんだけど」
月美の登場であたりの雰囲気はさらにぎこちないものとなった。和尚のやけくそ気味の読経の声だけが気まずく静まり返った中に響く。
ヒトの噂もなんとやら。一月もしないうちに、赤松の幽霊がいかにも暇をもてあました様子で近所を散策するさまも、好奇の目を引かないようになっていた。
そもそも、いきさつを知らなければどうみても普通のしょぼくれた初老の男にしかみえないのだ。
あれから赤松は、定年退職後にはこういう生活をするだろうと思っていた通りの生活をしていた。
つまり、暇だが無趣味なためやることがなく、家の中でごろごろしているか、それとも目的もなく近所をぶらぶらとうろつくか。
最初の何日かはそれでも時間になれば節子とともに食事をしていたが、飢えも渇きもとくに感じてはいないことに気づくと、それもやめるようになった。
ある休日、節子の留守中、居間で赤松が新聞を読んでいると、テレビをみながら英一が語りかけた。
「とうさん」
「ん」
「あの時本当に悲しんでいたの、月美さんだけだったね」
「うん」
「じつはさ」
「ん」
「いまおれ、月美さんとつきあっているんだ」
「うん」
「いい人っていうか、いっしょにいてリラックスできる人だよね」
「うん」
別の休日、やはり節子が買い物に出かけている時、英一は赤松に語りかける。
「とうさん。もう随分になるよね。べつに急かすわけじゃあないけど、なんか未練っていうか、やり残したことでもあるの」
赤松は読んでいた新聞から目をあげ、何秒か英一のほうをぼんやりとみつめた後、新聞をたたむ。
「その、なんなのかな。とうさんにも、よくわからないんだ。なにかこう、大事な、大切なものをどこかで失したか、落としたかしたような気もするんだけど……。それが一体なんなのか、いっこうに思い出せないんだよ」
英一に説明するというより、自分自身に言い聞かせるような口調だった。
「とうさん、最近姿をみせないね」
「そうねえ。今度こそ、ちゃんと成仏してくれてるといいけど」
英一と節子の間でこのような会話がかわされるのは何度めだろうか。もうすぐ赤松の一周忌だ。
その間、何度か赤松が姿を見せないことがあったが、節子が「ああ。やっとイってくれたんだな」と心中で安堵するようになるころに、決まって再び姿をあらわす。
仕事でほとんど家にいることのない英一はともかく、節子は中途半端な状態にさっさとけりをつけてしまいたいと、心の底から願っていた。
だが赤松は一月がたち二月がたち、三ヶ月目に突入しても、姿をあらわそうとしない。いよいよ本当に成仏したようだ。英一と節子はそう思った。
──だけど。
英一には、ひとつ気にかかっていることがある。
──とうさんは、どこかで落とすか失すかした、なにか大事なものというのを、見つけたんだろうか。
そうとは思えなかった。富士男はついにその『なにか』を見つけることができないまま、この世からいなくなったのではないだろうか。
英一がそのことに確信をもつにいたったのは、それから何十年も先のことである。
その頃の英一は、亡くなった時の富士男よりずっと年老いていた。そして富士男が亡くなった時より、ずっと多くの『なにか』を失していた。だが……。
だが、その年齢になってもまだ、その『なにか大切な、失したもの』を言葉で具体的に表現することはできなかった。多分、死ぬ間際になっても、不明のままだろう。非常に多くのなにか大切なものを、失していることは確かなのだが……。
終
始
目覚めると目の前にひしゃげたみにくい肉塊があった。くらいピンクの地にどす黒いまだら模様がはいっている。
それが額を割られた中年男の顔だと気づくまでに、しばらく時間がかかった。
え。
ふとみる。そしてつくづくとみる。
おなかのあたりの脂肪のつきぐあいといい、頭髪がいかにもさびしげなことといい、どこからどうみてもそれは、風采のあがらない五十がらみのおっさんの見本だ。
満員電車や場外馬券場の群集にまぎれこんでしまえば、すぐに個体識別が不可能となったことであろう。
生前はさぞ脂ぎっていたことだろう。
さほどおおきくない会社のせいぜい部長どまりで、会社の女の子たちにはこれといった根拠もないのにやたら嫌われてて、
ふとった奥さんと反抗期の子供が二、三人もいて、毎朝電車のなかでスポーツ新聞のえっちな記事ををおもしろくなさそーな顔して読んでいる……。
そんなかんじの日本のおとーさんの典型が、みごとな死体となって目前にごろん、と無造作にころがっていたりする。
こう、三十センチくらいにのびきったどす黒い舌を、だらーんと土色になった自分の顔のうえにのっけちゃったりして。
……うそ。
ずさ。
ずざざざざざざざざざざざざざざざざ。
あたまをボリボリかきながら、半分寝てるのーみそで、こんとんとした思索を展開していたあたしは、ことここにいたってよーやく事態を把握し、思わず部屋のすみにまであとずさる。
……ちょっとおっさん待てよおいだれにことわってよりによってこんなトコでどたまかち割られておっちんでるわけ
よりによってこのあたしの目のまえで死体になんかなってることないじゃないいったいどういう料簡してんだろ
よりによって死体だなんて死体だなんて死体だなんて死体だなんて死体だなんてし……た……い?……。
のーみそはまだきちんと機能していないらしく、あたしの思考は素敵にループ、リズミカルに最後のフレーズをリフレイン、顔面そーはくで腰ぬかしつつぽかんと口をあけること数分間。
いわゆる「パニック」ってやつかも知んない。
自分のおかれた事態はなんとか把握したんだけど、なすすべもなく壁ぎわにぺたんと座りこんでいたわけね。
えーん。やだ。ちょっとこれヤバイじゃない。やだよー。
とかなんとかいって、空白どたま状態からなんとか脱出、とにかくしばらくして、やっとこさジョウキョウをカクニンする余裕がでてきたワケ。
で、結論。
『あたしとおっさんの死体が半裸でひとつのベッドで同衾していたという事実。これは動かせない』
おっさんはシマのトランクスにノースリーブシャツ、あたしにいたってはあわいブルーのスキャンティ一枚というはしたない格好である。
もしここに第三者がいれば、間違いなくあたしたちはそーゆー関係だったと思うことだろう。
あたし自身の意見をいわせてもらうなら、けっしてそーゆー関係はなかった! と、めいっぱい否定させていただく。
あたしにだって選ぶ権利はあると思うし、たとえぜーんぜん記憶がないとはいっても、こーんなむさいおっさんを相手にするほどあたしの趣味は悪くないはずである。
たとえぜんぜん記憶がないといってもたとえぜんぜん記憶がないといってもたとえぜんぜん記憶がないといっても……。
え?
と、ここでまたしつこくループ状態に陥ろうとするわがドタマを両手ではしっとつかみ叱咤する。駄目よだめ。お願い、正気を保ってて。
なんてこった。
どーもあたしののーみそはまだまだ本格的に稼動していなかったらしい。
ここにいたってよーやく思い当たったのだ。
自分が、記憶を喪失していることに。
あたしは、あたしがたったいま目覚める以前の記憶というものを、いっさいもっていなかった。
首都圏ならどこにでもあるなんの変哲もないワンルームマンションの一室。
テレビ。ベッド。電話。冷蔵庫。それに窓をおおっているレースのカーテン。
以上が、この部屋にあった家財道具の全リストである。
ベッドの向い側の壁にちいさいながらも備えつけのクローゼットがある。
開けてみたけど服のたぐいは一切ない。ただ下に新品の毛布が一枚たたんでおいてあった。
玄関のわきにはよーやく手があらえるかな? といった大きさの流しがあり、そのとなりに備え付けの電気コンロがひとつ。
その下が戸棚というか食器入れになっていて、それも開けてみる。
砂糖ひと袋。しょうゆ、ソース、胡椒、サラダオイルそれぞれひと瓶ずつ。包丁一本に、ちいさめの鍋とやかんとフライパンがひとつずつ……。
どれも買ったまんまの状態で、ぜんぜんつかった形跡がない。
がちゃ。冷蔵庫もあける。
キャベツまるごとひとつ。ちゅうくらい大きさのニンジン五本。タマネギわりとおっきいのが五個。そこそこのおおきさのジャガイモ五つ。
四つ切りの食パンひと袋。植物油マーガリン一箱。お徳用の袋入り素麺ひとつ。やはりお徳用の袋入りパスタ一袋。麺つゆ一瓶。
一リットル紙パックの牛乳二本。玉子十個いりのパックひとつ。冷凍庫には製氷器の氷以外なにも入っていない……。
ユニットバスの戸棚もしらべる!
石鹸、歯ブラシ、歯磨きのチューブ、トイレットペーパー、バスタオル、普通のタオル、それぞれ未使用ものがふたつづつ置いてある。
わーわーわー。と、絶叫して頭をかきむしりたくなったね、あたしは。
いくらなんでも、ここまでてってーてきに、まるっきり手掛かりらしいものがないなんて、あんまりじゃない!
この部屋には生活のにおいがなかった。
というか。
ここにだれかが住んでいたような形跡をひとつでも発見することは、ついにできなかった。
……ということで、いきなりなにもやることがなくなったあたしは、とりあえず顔を洗うことにした。
歯ブラシのパッケージを破りそのうえに歯磨きのチューブをにゅるんとしぼる。これからどーすっかなー、なーんてなこと漠然と考えながら。
がしゃごしょと歯ブラシをつかいながら上目づかいに鏡をのぞく。
『美人』ってゆーより『かーいー』って感じの女の子が歯ブラシくわえてちとフテくされてたりする。
としの頃は二十前後で髪は肩よりちょい上のショート、ちょこっと童顔かな。ふむふむ。あたしってこんな顔してたんだ。まあまあの顔だったんでとりあえず満足。
こんごのてんぼーを考える。警察に電話してきてもらう。
まあ、無難なテではある。が、却下。
さすがに記憶をなくしたとはいっても、『ひゃくとーばん』が警察の電話番号であることくらいは、覚えている。
したがって、けーさつやさんに電話すること自体は、なんら問題はない。ないのだが、肝心なのはその通話内容である。
『はいひゃくとーばんです』
『あのー、ですネ』
『はい?』
『今朝おきたら目の前に知らないおじさんの死体があったっんですけどー』
『……』
『ンで、ですね。あたし、自分がどこのだれだか、まるでぜんぜんさーっぱり覚えていないんですぅ』
『……で、その、そこの住所は?』
『それもぜーんぜんわかんないんですぅ。あたし、目が覚めたらなぜかほとんどはだかにちかいかっこしてたから、外にはでられなかったしぃ……』
ごん。
かるく額を洗面所の鏡にぶつけて妄想を打ち切る。
駄目だこりゃ。
どーみたってこれじゃーみえみえのイタズラ電話だよー。
それからむきだしのままのこぶりの乳房にきづき、戸棚からバスタオルをだして体に巻きつける。そーいえば服や下着の替えもそのうちなんとかしなくちゃな、なんてなこと考えながら。
だってこの部屋、とりあえずしばらく飢えずにすむぐらいの食料はある。けれども、着替えやなんかはまるでないんだもん。
まあ、トイレットペーパーがない!、なんてのよりはずっとましだけどネ。それでもトシゴロの乙女としましては、これはけっこう問題だったりする。
ほんと、あしたっからどーしよー。
……けーさつに電話もだめ、トップレスの下着すがたで外に出ていけるほどあたしは大胆ではない……。
とすれば、じょーきょーがかわるまで、このおっさんとこの部屋で同棲せねばならないという……。
がっくし。はふ。
とまあ、あたしを取り巻く状況というのは、かようにおもわずうなだれてため息のひとつもつきたくなるようなものであった。
そりゃあ、現実逃避とはわかっているけどね。だけどさ、現実逃避してぼーとテレビでも眺めたくなるわよ、ほんとに。
それこそ平日の午前中のテレビなんてほーんと退屈きわまるもんで、その日もどこぞのタレント夫婦が離婚しそうだ、とか、
どっかの嫁が姑を刺し殺すまで、とか、どっかのきいたこともない国の大統領の訪日がお国の政変のため延期になった、とか、
例によって例のごとく、どこの局でも足並みそろえたよーにどーでもいいようなことをさも真剣に延々と報じたり論じていたりする。
でもね。
そのくっだらないテレビ番組をみてぼーっとするほうがずっと、ずうーっと、気が楽なわけ。
あたしがすわっているベッドに寝そべっている、ふたつ目の死体を直視するよりは。
そう! こともあろうに今朝目が覚めると、ふたつ目の死体がさも当然といわんばかりの顔してあたしの横に寝そべっていたのだ。なんてこと! もしも、この世に神様なんてのがいるのなら、思わず中指たてちゃうわ!
な・ん・で。
あたしだけがこんな目にあわなきゃならないわけ。あんまりだわ。わーん。
などと泣いたところで、ふたつの死体がどっかに消えてくれるわけではない。
いやいやに、ではあるが、あたしは現実をしげしげと検分することにした。
こんどは下着すがたのむさいおっさんなんかではなく、ちゃんと服を着たいろっぺーねえちゃん……もとい、妙齢のきれいなご婦人である。
化粧の濃さと服装から十中八九おミズの方だろうと思われる。チャームポイントは首に巻き付いたストッキング。
これはおそらく殺される直前まで自分がはいていたものでしょう。だってこのおねーさん、素足なんだもん。歯をむきだしにして食いしばったお口のあたりからかなり強いお酒のにおい。
……なんといおうか、殺された状況というのがけーっこう安易にそーぞーできてしまったよ、あたしは。
でもさ。
な・ん・で。
その死体がこんなとこまでこっそりやってきちゃったりするわけ?
どーせ殺されるならあたしのしらないところで殺されて、そのままそこでじっとしていて欲しいものである。
すくなくとも目が覚めたらあたしの横に寝そべっているだなんてお茶目な振る舞いは今後つつしむように! なーんて死んだ人に説教してもはじまらない。
とりあえず、合掌。
これからかなり失礼なことするけど、化けて出てこないでね。
これはどーしても必要だからやるんであって、決してあなたを辱めようとする意図はないかんね。あなたも女ならわかるでしょ。
などと思いつつ、あたしはもの言わぬ彼女のからだから『ぱんてぃ』と『ぶらじゃあ』をはぎとった。
じゃじゃあん。
こうしてあたしは、かねてからの懸念であった『替えの下着』を手に入れた。
さっそくバスルームへ洗いにいく。
バスタブのなかで寝息もたてず安らかにお休みになっている例のおじさん
(念のためにいっておくが昨日あれからずるずるとここに運んできて、丁寧に洗ってあげ、ここに安置してあげたのである。主として美観のため、あいかわらず下着姿のままだけど)
を横目に口笛なんか吹きながらじゃぶじゃぶあらっちゃう。正直いって、かなりうれしかったのだ。
一時は背に腹はかえられない、いざとなったらおっさんのシマパンをおかりせねばなるまいなどと、かなりもの憂げに考えてたりもしてたもんだから。いやー、よかったよかった。
バスルームのビニールカーテンのレールの上に洗い終わった下着をのっけて、いよいよおねーさんの検分である。
いっけんして『かなりくるしんだな、こりゃ』とおもった。
くわっと見開かれたおめめと食いしばった歯がそれを語っている。それと、首に自分でつけた爪痕とが。髪の毛なんかも、もう、乱れ放題でね。
肉づきがよく、グラマーというか豊満なタイプ。出るべきところは出ていて、セックスアピールというのかな、まあ、ある種の男性のかたがたが、というか、ごく一般的な男性のかたがたが、このテの女性を好むのは、あたしも知ってはいる。
だからさ。あたしとしてはある種の偏見をもっていたわけ。彼女にたいして。
どういう事情でこのような姿になったのかは知らないけど、半分かそれ以上は、彼女自身の日頃の生活態度や交友関係……よーするにその、自堕落な生活のせいなんだろうなーって、独り合点していたんだけど。
なみだとよだれでぐしゃぐしゃになった顔のお化粧を清めてあげて、髪の毛なども整えてあげるうちにそうした意見は百八十度、とはいかないまでも、九十度くらいは修正してあげたい気になった。
彼女の素顔は、……あまりにも幼かったのだ。
あたし自身よりは確実に年下、つまり十代で、それもミドルティーンか、ひょっとしたらローティーンということだってありえる。
そう思うほどに、彼女の顔はあどけなかった。体つきの豊かさとは対照的に。
彼女がこのような姿になるまで、どのようないきさつがあったのだろう。
彼女はいったいどこからきたのか? そして……。
……あたしはその日の残りの時間を、つけっぱなしのテレビを眺めつつ、そんなことを考えてすごした……。
そして。
……あたし自身は、どこからきて、どこへいくのか。
ひゃあ。ひゃあ。ひゃあ。ひゃあ。ひゃあ。
ちょっと。いくらなんでも。これは。
あのね。
ここまでくれば、どんなにあたしが愚鈍だといっても、先の展開というものがあるていど見えてくる。
だから、次の日目が覚めたとき、となりに死体が転がっているのに気づいても、さして驚かなかった……。
でも。くっさあ。これは別よ! これは!
なんで、朝一番に見るものが、よりによって、『レゲエのおじさん』のどアップなわけ!
なんといってもこのにおい。この強烈に自己主張してくださる素晴らしき臭気!
思わずベッドからとびおきて、左手でハナをつまみ右手ではたはたと目前の空間をあおぎつつたたたたたっと窓のところまで駆けていってしまったわ。
いそぎカーテンをあけ窓をあけ、外の景色をあおぎみればまだ夜明け前。
いつもは昼前後まで寝てるから、すっごく早起きした勘定になる。
ぜいぜい。
いき切らしつつふりかえりみれば、やっぱりまだいる。夢じゃない。
ベッドの真ん中に汚れと悪臭のかたまりが海岸にうちあげられた鯨のごとく『どでん』といった感じでしっかり実在していたりする。うわああ。
このとんでもない事実を目前にして、頭がくらくらっときたあたしは、その場に倒れてまた眠りこけそうになったけど、あけはなした窓から入ってくる早朝の空気の冷たさがそれをゆるさなかった。
それというか、彼というか、そのレゲエのおじさんは、とにかく巨大だ。とくに、おなかが凄い。
からだのほかの部分は『骨と皮』という形容がぴったりで、とにかくやせ細っているんだけど、おなかだけがなぜだかまるまると巨大で、これほどよごれていなければ七福神の、あーなんていったっけ、そうそう、『布袋さん』といってもとおるかんじ。
……ただたんに汚れているんならまだしも、このにおいはたまんないなぁ。
その日のその後の行動についてはおおく語るまい。語りたくない。
たとえば『彼』のからだにあついシャワーをかけたとき、熱によって活性化し鼻の奥にいきなりごつんときた悪臭だとか、浴びせかけた熱湯がすぐさまどす黒くなってだぼだぼ音をたてて排水口から流れ出る様子とか……。うう。
おもいだしたくない思い出したくない!
あたしは『彼』を満足いくまで洗うことで、一日のほとんど大半を過ごした。
納得いくまで汚れをおとしてみると『彼』はおもいのほか若く、ひょっとしたらまだ三十才前かもしんないって感じで、皮肉なことにいままでの死体の中で一番安らかな死顔をしていた。
……病名など、あたしには見当もつかない。が、この『病状』をみるかぎり、けっして苦痛のない最後とはいえなかったはずだ。
あたしはシーツのない(シーツはきのう『レゲエのおじさん』のつぎに洗ってほしたまま、まだ乾いていない)ベッドの端にすわり、昨日の『彼』のポケットからみつけた煙草に火をつけ、ふかぶかとすいこみ、そしてむせる。
どうやら記憶をなくす以前のあたしには喫煙の習慣がなかったらしいことが、そのことでわかった。それでももっとおもいっきり煙をすいこんで、むせて、涙を流したい気分だ。
背中にいるちいさな息をしていない体のことを、極力意識したくなかった。
そうしているうちにやたら悲しくなってきて、きづいたらあたしはちいさな泣き声を漏らしていて、その泣き声はどうにもとめようがなく次第に大きくなり、あたしは枕に顔をうめ、おもっいっきり大声をだして泣いた。
おんなのこの体のいたるところに土がついていた。
おんなのこの顔には涙のあとがあった。
おんなのこの服は強引にひきさかれていた。
おんなのこの顔は恐怖と苦痛に歪んでいた。
おんなのこのちいさな裂け目は血と精液とで汚されていた。
おんなのこはまだちいさかった。ほんとうに、幼かった。
おんなのこの喉はつぶされ、首にはおおきな掌の痕がのこっていた。
おんなのこは目をみひらいたままこときれていた。
あたしは悔しくて、悲しくて、自分の無力さがどうにもたまらなくなって、どこにもぶつけようのない怒りのために頭が真っ暗になって、ほかにどうすることもできずに枕に顔をうずめてわんわん泣いた。
最後の煙草が燃えつきようとしている。火はフィルターとともにあたしのくちびるも焦がそうとしていたが、なんだかそんなことどうでもいいような気分になっていた。
結局、あれから一睡もしていない。
眠れず、ベッドの端にこしかけ、ほとんど動かず、みているわけでもないテレビに目をむけて、じっとしていた。なにもする気になれず、ずーっとそうしていた。
なかば狂いかけていたんだと思う。
そうしているうちに日が暮れて、夜もふけ、テレビの画面も砂嵐しか映さなくなって……。
それでもまだあたしは何もする気になれず、横になって目を閉じるのさえ億劫で、そのままの格好でじっとしていた。
一昼夜ぶんの時間がすぎて、窓の外がだんだんと白みはじめたころ……。
あたしの目前に、なんの前触れもなく轢死体が出現した。もっと正確にいうなら、轢死体になりかけの男が、だ。
ねずみ色のスーツをだらしなく着こなしたその人ははじめのうち半透明で、あきらかに酔った足どりでやすっぽいフローリングの床の上を二三歩あるいていく。一歩あるくごとに色がつきはじめ、存在感をましていく。
と。
ふいにくずれおちて四つんばいになり、いかにも苦しそうな顔をしてOの形に口をあける。ごろごろと喉をならしたかとおもうと、その場に透明な液体を大量に吐きだす。
急に顔をあげ、まるでまぶしいものをみるかのように手をかざし、目を細める。
そして。
おそろしいいきおいでからだ全体が地面にたたきつけられる!
からだのうえを見えないタイヤが通過した。脇のしたからあばらにかけての部分があっ、とさけぶ間もなくぺしゃんこになる。あたしは骨と肉とが踏みつぶされるいやぁな音をきいた。
そのすぐ後に(おそらく)後輪が腰とお腹をぺちゃんこにする。
原形をとどめない内臓と体液をあたりにぶちまけて、挽き肉でできた轍をのこした。
そのころにはその人は(その人の残骸は)半透明の亡霊じみた存在などではなく、なぜかきちんとした実体としてこの部屋に存在していて、そのおかげでぶっつぶれた肉やら内臓やら骨の破片やらが飛び散って、あたしの目の下あたりにぶつかる。
ぺちゃっ、という小気味のよい音。
かくしてあたしは、はじめてこの部屋に死体が出現する過程をつぶさに目撃することになり、この部屋の死体はまたひとつふえたのである。
すでにあたりまえの感情が死んでいたあたしは頬に手をあて、掌を染めた血をしげしげと眺め、のろのろとバスルームに足を運び、念入りに手を洗う。
手を洗いながら顔をあげるとそこには目の下にクマをつくったまるで幽霊みたいな顔色をした女の子がいて、その子の顔をみていると急になにもかもがおかしくなって、はじめは低く、そしてだんだん高く、乾いた声で笑いはじめる。
笑って笑って、もう、息が苦しくなるぐらい笑って、むせかえって、咳をして、そうやって咳きこんでいるうちに気もちが悪くなってきて、かたわらの便器に顔をむけてにがく黄色い胃液を吐いた。ほとんど丸一日なにも食べていなかったから、ほかに吐くものがなかったんだ。
便座に両手をついてあらい息をしているとしだいに冷静というかいくらかおちついた考えができるようになって、
バスルームにうっちゃいといた『レゲエのおじさん』が着ていたボロをひろいあげ洗面台でじゃぶじゃぶゆすいで、できたてほやほやの轢死体さんをかたずけにかかる。
腕から上と腰から下は多少汚れているとはいっても固形物だからまだいいが、そのあいだにあった全体の三分の二にあたる部分は液体と固体の混合物として部屋中のそこここに跳ね散らばり、
あるいは付着していた。そのひとつひとつを偏執狂じみた執念でごしごし洗い落とし、あるいはがしがしこそぎ落とすうちに陽は昇り高くなり、あたしの頭と体の動きは重く鈍くなっていく。
どうにかこうにか部屋中をひと通りかたづけおわったかなと思う頃、あたしの体は耐られないくらいに重くなり、そのままベッドに倒れこむ。
そして何十時間ぶりに快適な夢のない眠りに落ちる。
浴衣姿の小柄な老婦人はまるで何世紀も前に死んでそのまま保存されていたようにみえた。
その表情をたとえるなら能面かあるいはロウ人形で、ただ単に『表情がない』としか形容のしようのない表情を浮かべている。だから、その老婦人がどのような生涯を送ったのか、またったく想像のしようがなかった。
あたしはがしごし歯を磨きながら新たな死体の置き場所を考え、そして五分後には他の死体と同様その存在を極力頭の中から追い払った。
人間というものは、どんな事態にも慣れてしまうものである。
そしてあくる日の朝、あたしは念願の靴を手に入れた。
そのスニーカーをもたらしたのは、二十代半ばのきれいに喉笛をきられた東南アジア系の青年で、数えてこれで七つめの死体。一晩につき一つの死体だから、あたしがはじめて目を覚ましたときからちょうど一週間がたったことになる。
下着姿のおじさんとおミズのおねえさんとレゲエのおじさんは、きつかったけど三人仲良くクローゼットの中、ちいさな女の子とおばあさんはバスタブの中、轢死体さん(の残骸)はベッドの下、外国青年はベッドの上。
バスルームを使うときやなんかは一時的に移動させたりしたけれど、最終的にはそのような配置となった。さいわい危惧していたように腐りはじめるものもなく(むしろ死後硬直というやつが進行しつつあった)、あたしが外出するに足る装備は万端ととのった。
おミズのおねえさんの服。轢死体さんからいただいたお財布。そして、喉笛ぱっくり青年のスニーカー。
轢死体さんの革靴は血糊でぐしゃぐしゃだったし、それにかたいっぽうがどこにトンでいったのか部屋じゅう探してもみつからなかった。だから東南アジア系青年のスニーカーは、あたしがはじめて手にいれたまともな履物ということになる。
派手めのおねえさんの服にスニーカーはアンバランスもいいとこだし、だいいちどちらもサイズ的にあたしにとっては大きすぎるのだが、このさい贅沢をいっている場合ではない。あとは意外と豊かだった轢死体さんのお財布の中身で、外に出てから何とかすることにしよう。
ついに、この忌々しい部屋から開放され、外にでることができるのだ!
鼻歌なんぞハミングしつつ身仕度を整えたあたしは、さっそく入手したスニーカーの紐をきつめにしめ、希望に胸おどらせてドアをあけ、未知の世界に一歩踏み出した。
その、五分だか十分のちのことである。
いきなりなんのことわりも前ぶれもなく、世界が(あたし一人をのぞいて)滅亡したのは。
何十年もまえから危惧されていた、数分で終わる最終戦争というやつである。
とーざいたいりつは終わっただの、れーせんこーぞーは過去になったなぞとほざいても、核ミサイルは地球上のほととんどの生物を死滅させるのに充分な数だけあったし、事実それらはそのような用途にしっかりと使われた。
あたしが知っているのはそうした『結果』だけであって、『原因』つまりどこの馬鹿が最初のボタンを押したのかなんてことは、てんで知らない。調べようがないし、だいいちあまり興味もない。
あれ以来長いながあい時間がたったけど、あたしは生きて動いているあたし以外の生物を一度もみていない。
そりゃあ、この地上は『核の冬』とやらでいまや陽がさすことさえ希な極寒の地だし、そこいらじゅう放射能だらけでもある。けれども、そろそろそうした環境に適応した生物かそれとも生物もどきがあらわれてもいいように思う。
あたしの記憶と計算がただしければ、あれから五十三万七百六十二年と五ヶ月と二週間と三日もたつのだから。
あたしはといえば、あれ以来ずっと凍えっぱなしで飢えっぱなしだが、こうして死ねないでいる。その間に何度も自殺を試みたり気が違いかけたりしたが、どうしたかげんか時間がたつとすべてもとにもどっているという始末。
あたしは、この終末以後の世界で、あとどれだけ憂鬱な不死の時間を過ごせばいいのだろうか?
この疑問に答えるものは、もちろん、どこにもいない。
終
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了
終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終終
了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了了