★★★引篭り東風荘戦記★★★

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452引篭り東風荘
激しい頭痛がする。
酷く高い熱が出ている。
解熱剤を飲んで発熱は収まったが頭痛は治まらない。
身を起こす度に、立ち上がる度に、歩く度に激しい痛みを伴う。
ひょっとして脳溢血だろうか?このまま頭の血管が切れて死んでしまえば
楽だろうな、と思う。

死に対しての認識が甘いからそんな簡単に死のうなんて思えるんだ、と人は俺を嘲笑うかもしれない。
それは確かにそうかもしれないが、生に対しての執着が薄いのも確かな理由なのだろう。
くたばりそうな様子で寝ている俺の様子を見に来る親をありがたいと思う反面
煩わしくも思う。

親が居なければ俺はどうなっているだろう?
例えば一人暮らしのフリーター、頼る知人も近所に交流のある人間関係もなく
突如家から出て来なくなった俺は、誰にも知られることなく
身寄りの無い孤独な老人のように、アパートメントの一室で朽ち果てているのだろうか?
それともそんな状態でも無理矢理に生活費の確保の為に働きに出て、
突如どこかで倒れてそのまま御臨終と逝くのか?

どちらの結末を辿るのかは知らないが、そんな終わりも悪いモノではないなと最近は思う。
もしかしたら、俺は遠くあの時から心のどこかでそんな未来を期待していたのかもしれない。

いずれにせよ、今は、まだ、いい。
当面の所は惰眠を貪って身体を休めておく事にしよう。
幸か不幸か今の俺にはまだそういう選択肢が可能なのだから・・・