★★★引篭り東風荘戦記★★★

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194引篭り東風荘
弟は春に遠くの大学に入学し、既に家を出た。
そして兄は就職先の会社の寮に早々に入る事が決まり、家をもうすぐ出ると言う。
また、俺の周辺から人が減っていく。
家には俺が取り残されるだけだ。
二十歳を過ぎたこの俺がたった一人・・・
最近はこの重い現実に塞ぎ込むことが多い。
東風荘で麻雀をしている時ですら、その事を思い出し、鬱な気分になる。
ダメなのだ・・・何をしていても面白くない。
焦燥感があればまだいいさ。だが俺には向上心がないのと同様に
焦燥感に苛まれるような事もないのだ。
焦らないから現状を打破したいと思わない。
ただ塞ぎ込むのみで何ら前衛的な行動には出られない。
アルバイトをしている。だがいつまで続くんだ?こんな仕事が・・・
こんな給料でいつまで生活していられる?先は絶望的だ。
死にたいとは思わない。ただ消えたい・・・
死という痕跡を残したくない。
ただ、最初から存在しなければよかったのに、とだけ思う。いや願う。

俺みたいな無能は学校辞めるべきじゃなかったのさ。
例え何も楽しみがなくても、取り柄がないのだから大学を出て
平々凡々とした生活を目指していればよかったのだ。

誰か 俺を救え!!