>>495 佐伯もだが、彼等は金のために祖国を売ったのか…
佐伯:中国は物事の分かる国だ。儂に送られて来た手紙には、
先ず契約金と報酬の事が書いて在った。時候の挨拶すら言わずにだ。
井川ひろゆき:金が目当てか…。
佐伯 :そうとも。祖国なんぞ如何でも良い。儂は金が欲しかったのだ。
健 :何て卑しい魂…。おどれ、其の自分の行いがどんな結果を招いているのか分かっとんのか?
佐伯 :百も承知だ。其の上で、儂は繰り返し言おう。金の為なら、何でもすると。
西方京介:終わったな…。
岸辺忍:ええ、もう引き返せないでござる。
狩野龍二:其れで? 金が手に入って幸せなのか?
佐伯:"本当の幸せは金で買えるものではない"と…。そう言い度い訳か?
馬鹿がっ…!確かに…幸せは金では買えない…。だが儂が買い度かったのは、"幸せ"ではない。"安心"だ。
平良学:成る程。
佐伯 :今も世界では多くの者達が、己が身を不幸と嘆き、或いは幸せに成り度いと叫んでいるだろう。
だが彼らは大きな勘違いをしている。不安なのだ…!不幸なのではなく…!
安心し度いのだ…!幸せに成り度いのではなく…!そして購入可能なのだ…!金に依って其れ等は…!
岸辺忍:ええ、もう引き返せないでござる。->ええ、もう引き返せません。
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狩野龍二:佐伯…。言わずとも分かっているな?
佐伯:勿論。私は故郷を売った。日本に反旗を翻した。
そして何より、其れを詫びる事も撤回する事も、私は行う意思が無い。
健 :狩野様、物を言って引く相手では在りません。
西方京介:そう云う事。力尽くで退散願うだけ。
狩野龍二;此処でもまた、同族の争い…。
佐伯:ナンセンスよ。此の"転機"に立ちながら"種"に固執するなんて。
健 :少しは慎め!此の売国奴がッ!
狩野龍二:一つだけ聞かせて?悔恨は?
佐伯:ナンセンス。
狩野龍二:そう…。ならば退ける迄。
佐伯:遠回りなのね。私は初めから其の心算なのに。
健 :貴様ァ…!万死に値するぞ!
四宮:おお、怖い怖い。佐伯、少しばかり怒らせ過ぎだぜ?
佐伯:今更同じ事よ。求められるのは神をも恐れぬふてぶてしさ。
他人事みたいな言い草で。貴方だって同じでしょうに。
貴方と私、知る物と見る物に相異は在れど、咎人としては等価なのよ。
四宮:小難しいぜ。
佐伯:簡単なことよ。
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