1 :
創る名無しに見る名無し:
学校の屋上から、空を見上げる
落書きだらけの上靴をはき、ボロボロの制服を着た私。
せめて最後くらいは、綺麗な格好でいたかったけれど。
背中まで付くほどの長い髪が、風にゆれる。
「いじめ問題で自殺って、本当にあるんだなぁ。」
そうつぶやいて、私は一歩進んだ。
二歩目、三歩目、ゆっくりと足はすすむ。
2 :
創る名無しに見る名無し:2012/11/19(月) 22:23:34.82 ID:n7KraGNc
最後の一歩を踏み出そうとしたとき、不意に私の名前が呼ばれた。
「なにしてんの」
振り返ってみると、そこには私をいじめていた主犯の人間が立っていた。
「なんでここに」
「別にいいじゃない。学校の室内の空気がいやになったから、そとの空気を吸いにきただけ。」
3 :
創る名無しに見る名無し:2012/11/19(月) 22:24:56.23 ID:n7KraGNc
私的には、こんなところ見られておいて生きるなんて、またいじめがさらにエスカレートするから
早く死んでしまいたかったけれど、なぜか身体が動かなかった。
「なに死のうとしてんの」
主犯が問いかける。
「べつに、死のうとなんてしてない」
「じゃあなんでこんなところにいんのよ。」
「・・・ここからだと、空が綺麗に見えるから」
震える声で私は答えた。嘘は苦手だったけれど、空が綺麗に見えることは事実だった。
5 :
創る名無しに見る名無し:2012/11/19(月) 22:25:53.02 ID:n7KraGNc
「ふーん、言われてみれば、ね。で、この綺麗な空に、あんたは飛び立とうとしたわけね」
ジロッと、主犯が私を睨んだ。
怖かったけれど、私には少し余裕があった。
だって、何かあったら落ちてしまえばいいんだから。
死んでしまえば、なにも恐くないんだから。
「そんな、黙ってないでよ。ほら、座んな。」
でも、この綺麗な空の下で見る主犯は、周りの取り巻きがいないせいなのか、いつもの主犯とは少し違った。
6 :
創る名無しに見る名無し:2012/11/19(月) 22:27:33.79 ID:n7KraGNc
私は、ゆっくり体育座りをした。主犯も、足を広げて、最高にリラックスした状態で空を眺めている。
「あの、もうチャイムなってますよ、いいんですか、教室に戻らなくて」
「いいのよ。それと、敬語やめて。」
「・・・あっ、うん。」
私はうつむいた。すると、自分の落書きされた上靴が目に入り込んだ。
そうだ、私はこの女のせいでここまで心が傷つけられて、自殺しようとまで思って・・・。
なのに、それなのに、この女は、よくもひょうひょうと私に話しかけられるなぁ。
一発言ってやろうかと思った。
ぶん殴ってやろうかとも思った。
・・・ここから突き落として、殺してやろうかとも思った。
でも、どうせ私はもうすぐ死ぬ人間。
最後くらい、綺麗に終わりたかったんだ。
いきなりスレ立ててんじゃねえよカス
おもしろい!続き期待してます
続きはよ
せっかく立てたんだから責任持って続き書きなさい
10 :
創る名無しに見る名無し:2012/11/23(金) 03:41:55.24 ID:JJTtE4E8
スレ立てたならせめて200〜300レスくらいまで伸びるよう書き続けなよ
内容はおもしろそうなんだから
期待age
いちいち無駄に単発延命させるな
沈めとけ
test
13 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:05:13.75 ID:O/w929dw
すみません
14 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:07:18.23 ID:O/w929dw
遅くなってすみません。誰も見てないかとは思いますが、やりますね。
1です。
「今頃、皆は数学で辛い思いをしてるね。私達、ずるいじゃん」
主犯の綺麗な顔が、にっこりと微笑んだ。
「・・・そうだね」
私はここにいても辛い思いをしてるけど。
「本当に空が綺麗。今日はいい天気。」
「・・・そうですね」
咄嗟に敬語がでてしまった。
やっぱり主犯にため口は、さすがのもうすぐ死ぬ人間でも堪えた。
「汚い服に、汚い靴」
「・・・え?」
「汚い顔に、おどおどした中身。」
「・・・」
突然、主犯は、いつもの主犯に戻った。
「そんなあんたを見てると、いつもイライラしてくる。」
いつもどおり、まっすぐに言われた。
主犯は、主犯とはいえども物理的な暴力とか、物理的な汚しはしてこなかった。
物理的な攻撃をしてくるのは、主犯ではなく、その周りの取り巻きであった。
しかし、主犯は圧倒的な言葉の暴力で、私を苦しめてきた。
15 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:09:26.04 ID:O/w929dw
中身はともかく、私の外見を汚したのは私じゃないのに・・・。
でも、主犯の美意識が高いことは、紛れもない事実。
だから、そんな主犯から見れば、私はものすごく汚いものなんだろう。
「そうですか・・・。ごめんなさい。」
慣れてるからなのか、私が生きることを諦めたからなのか、あまり哀しくはなかった。
澄んだ表情で主犯は言った。
「あたし、知らなかった。ここで、こんな綺麗な青空が見えるなんて。」
「・・・。」
思った以上に、この青空を気に入っていたようだ。
16 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:10:20.09 ID:O/w929dw
「上を見れば綺麗な青空、でもふと視線を下げると汚いあんた。」
「・・・。」
「そして、この綺麗な青空の下であんたは命を絶とうとしてた。」
「・・・それは・・・。」
「そんなの、あたし許せない。この青空を汚さないでほしい。」
「そ、そんなの、私の勝手じゃ・・・」
反論しようとしたけど、主犯の目から溢れ出る、涙ならぬ圧力が半端ではなかったため、
途中で声がでなくなってしまった。
「あんたが死ぬことはあたしには関係ない。だから、あたし思いついたの。」
「え?」
「今日はあたしがあんたを綺麗にしてあげる。この青空にふさわしくなるように!」
「・・・!?」
17 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:11:17.05 ID:O/w929dw
そんなおかしなことを自信満々に言うもんだから、私は思わず笑ってしまった。
「そんな、なんですかそれ・・・」
「名案だと思うの。あんただって、最高でしょ。
いじめの主犯とも言えるあたしに、整えられて死ねるなんて、さ。」
この女の考えていることは、とことんわからない。
しかし、よくよく考えてみると、いじめの主犯というわりには、そんなに陰湿な攻撃もされてないし
物理的な暴力もされてない。ただ、私の悪口をいつも、いつでも、真正面から言ってきただけ。
それに、周りの友達や取り巻きが過剰に便乗してきてただけであって・・・。
18 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:12:12.28 ID:O/w929dw
そして、取り巻きの居ない状態の今の彼女は、少し丸くなったようにも見えた。
だからといって、私が強気ででられる相手ではないことにかわりはないけれど。
「じゃ、ほら、行くよ。」
そう言って、彼女は屋上から地面へつながっているはしごをすごい勢いで降りていく。
「あ、え、あ、待って下さい」
よたよたと、私もあとを追う。
書くんならスレ全部使い切れよ、あとageんな
20 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 22:13:38.54 ID:O/w929dw
こんな経験、初めてだった。
皆が授業してる間にトイレにこもることはあったけれど、学校を抜け出すなんてこと、したことなかった。
なにが起こるのだろうという期待もあったが、その反面、死ぬはずだった人間がこんなことをしても良いのだろうかという
不安もあった。けれど、どうせ死ぬのなら、今までに経験したことのないことを思いっきり経験してやろうとも思ったんだ。
・・・主犯の言うことには、逆らえないからというのもあったけど。
21 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:06:08.39 ID:O/w929dw
先生に見つからないように校門を出て、街に行く。
彼女が向かったのは、私とはまったく縁がないような可愛らしくて上品な服が売っている、高そうな店だった。
「本当に、こんなとこ、入るんですか?」
「うん」
「私、お金、もってませんよ?」
「気にしなくていいよ。あたしの財産力なめんじゃないよ。ま、親のおかげだけど。」
「そうですか・・・。」
「それより、あんた汚いから、離れてついてきて。」
「・・・はい・・・。」
22 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:06:42.12 ID:O/w929dw
私は彼女に離れてついて行った。見る服はどれも見たことがないような、キラキラしたものばかり。
こんな世界もあるんだと、感心するほどだった。
私の格好があまりにも不格好なもんだから、ほかのお客さんから痛い視線も感じたけれど、
そんなのは気にならなかった。
23 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:07:34.27 ID:O/w929dw
しばらくすると、主犯が大量の服をもってきた。
「青空にあう色って、何いろかなぁ。まあ、とりあえず全部着てみて。」
金持ちは、やっぱりものの感覚が違うんだ。
「これをですか?全部?」
「そう、全部。」
内心驚いてはいたけれど、彼女は彼女なんだと割り切ることにした。
「でも、私汚いので、きたら商品が汚れちゃいますよ。」
ぼそっと呟いた私の言葉に、彼女は
「そう。じゃあ、お風呂に入ったらいい。」
と、澄ました顔で言った。
24 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:09:00.98 ID:O/w929dw
「はい、これではやくして」
そういって彼女は私に一万円を手渡した。
「えっ?」
「もうすぐお昼になっちゃう。時間がないから、近くの銭湯でいいよ。」
「せ、銭湯?」
「ほら早く、服はあたしが選んでるから。早くしなきゃ、綺麗な青空がなくなっちゃうでしょ。」
25 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:09:41.33 ID:O/w929dw
「えーと・・・」
いそいで銭湯に駆け込んだ。銭湯なんてめったに行かないから、入るのにすこし手こずってしまった。
それでも、お湯というものは落ち着く。本当に体も心もほぐされていくのがわかった。
平日の午前ということで、客はお年寄りばかりだったが、本当に居心地がよかった。
26 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:10:33.47 ID:O/w929dw
もう、70は超えているだろうというお年寄りが声をかけてきた。
「あれぇ、お嬢ちゃん、学校は?」
「えと、ちょっと、調子悪くて休んでるんです。」
じゃあなんで銭湯にいるんだと言われたら爆発できるくらい、下手くそな嘘だった。
でも、そのお年寄りはそんなの気にも留めなかった。
「そうかい、そうかい。学校なんて、懐かしいねぇ。」
「はは・・・」
「学校は、楽しいかい?」
胸の奥に衝撃が走る。
「・・・、あんまり・・・。」
今度も嘘をつこうかと思ったけれど、さすがに言えなかった。
いじめられて自殺しようとしてる人間が、楽しいなんて言えるはずもなかった。
「おばさんもね、そうだったさ。学校なんてなんのためにあるのなんてね。」
「・・・。」
「でもなぁ、ここまで生きてこられて、よかったと思っとるさ。」
「・・・え?」
「学校なんて、おばさんの人生に換算したら7分の1にも値せぇんのさ」
私は、おばさんの話を黙って聞いているしかなかった。
「ま、それだけのことさね。長生きしてりゃ、何かしらいいことは起こるもんよ。」
「・・・はい。」
このおばさんは私の心の中が読めるのかというくらい、核心をついてくる話ばかりしてきた。
27 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:11:03.18 ID:O/w929dw
「もうそろそろ、あがりますね。ありがとうございました、お元気で。」
結構長居してしまったかもしれない。主犯に、怒られる。
「元気でな、病気と事故には気をつけるんだよ。」
「はい。」
私は、精一杯の作り笑顔で返事をした。
28 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/03(木) 23:11:41.56 ID:O/w929dw
「遅いよ。でも、かなり見違えるように綺麗になった」
鼻で笑うように主犯が言った。
「・・・ありがとうございます。」
「褒めてないけどね〜。もともとがよっぽど汚かったんだよ、あんた。」
「へへ」
「笑わないで、気持ち悪い。それと、これどう?」
彼女は、まるで天使の衣装のように真っ白なドレスを差し出してきた。
「えっ、これを私が着るんですか?」
驚きが隠せなかった。こんな、見たこともないような純白なドレス、私が着られるものか。
「イヤはなし。あたしが丸2時間かけて、青空に似合うものを探したんだから。」
彼女は、またニッコリと笑った。
私が、見たこともないような表情である。
それどころか、普段の学校生活の中でも、友達に見せたことのないような笑顔。
友達というか、とりまきというか。私は、彼女の全てを知っているわけではないけれど。
>>4を見てもなお、続けるということは・・・
1000レスもしくは512kbまで投下して使い切るという覚悟! と受け取って構いませんねッ!
まあがんばってください
ちなみにそれを達成出来た人間はまだ二人しか見たことありません
主犯がなに考えてるか気になるだろ。つづきはよ
31 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/05(土) 14:51:38.01 ID:7c8Oa66z
1です。遅くてごめんなさい。
受験生なんです...。
見てくれている方ありがとうございます。
頑張ります。
32 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/06(日) 22:51:52.36 ID:ntq0A53n
主犯は、私以外の人間には、こんな態度ではない。
いつもにこにこしていて、優しい言葉遣いで、おしとやか。
絵に書いたようなお嬢様という感じ。
でも、私を前にすると、コロっと変わる。
33 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:22:25.92 ID:vVQUI5zL
なんでもかんでも正直にぶちまける。罵声でもなんでも構わずに。
そんな彼女の姿を見た取り巻きが、私にならそうしてもいいんだと思い込み、
同様に罵声やら悪口やらを、なんでもかんでも私にぶつけてくるようになった。
それがエスカレートしていき、暴力や、落書きになっていった。
そして私は肉体的にも、精神的にも、参ってしまったわけだ。
34 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:23:04.72 ID:vVQUI5zL
私はなれない手つきでやっとこ純白のドレスを着た。
「わお、すごい綺麗!」
「あ、え、そうですか」
「うん、あんたにしては、って意味。」
「そうですか、それじゃあ私、そうとう綺麗になったんですね。」
「じゃ、お昼いくよ。」
「待ってください、制服に着替えるんで、」
「は?なに言ってんの。そのままだよ。ちゃんとタグもとってあるから安心しな」
「え?」
いくらなんでも、この私がこんな高級で上品な服を着ていいわけない。
「あんたがいやでも、青空がよければいいの。あたしはあくまでも、青空を汚さないためにやってるんだから。」
35 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:23:41.30 ID:vVQUI5zL
「・・・う」
「ちょっと、靴も忘れちゃだめよ。」
そう言って主犯は、ヒールの高い靴をさしだした。
「履けませんって!恐いです」
「履きなよ。」
彼女の目が、明るみを無くす。
そして私は、やむを得ずおそるおそる靴を履いた。
「高っ・・・」
ヒールがすごく高いせいで、私の身長まで高くなった気分だった。
「あたしと同じくらいね、おめでとう」
私が10Cmのヒールを履いて、はじめて、彼女と同じ背の高さになった。
36 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:24:22.94 ID:vVQUI5zL
歩きづらい私をよそに、彼女は、私の手をひいてずんずん歩く。
「まってください、足が限界です」
靴のサイズはピッタリだったのだが、ふくらはぎをつってしまいそうだった。
「あ、そこよ。デザートが美味しいの。」
私の訴えなんぞ無視して、彼女は言った。
彼女が指さした先には、バカがつくほどでかい大きな大きなレストランがあった。
なんだかピカピカしてる外見。私のような一般人が立ち入ってはいけないような場所だということは、
すぐにわかった。
けれど、彼女の足は止まらなかった。
37 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:24:56.18 ID:vVQUI5zL
キラキラ光る宝石が散りばめられたようなイスに座り、メニューを眺めた。
しかし、どれも、万単位。
「ええええ、ああああ、ああの、私、何もいらな・・・」
「わかった、ここからここでいい?」
彼女は、英語で書かれたメニューのデザートの欄の、一番上から一番下までを指した。
「い、いくらすると思っ」
「すいません、ここからここ下さい。」
私の主張は完全に無視して、彼女はウェイトレスに頼んだ。
「かしこまりました」
38 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:25:30.86 ID:vVQUI5zL
デザートを待ってる間、彼女は言った。
「どうせもうすぐ死ぬんだから、もっとはっちゃけなって。」
「・・・!」
いつも、もっとひどい言葉を浴びせられて慣れているはずなのに、
この言葉は、一ミリたりとも狂わずに私の心に刺さってきた。
生に対する執着心は、全て捨てたはずだった。
もう、いつ死んだっていいやって、思えてたはずだった。
けれど、意外にも、
「もうすぐ死ぬ」という言葉に、恐怖を感じた。
39 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:26:09.81 ID:vVQUI5zL
「きたよ、まずはパフェ。」
「は、はい・・・。」
そのことを考えると、食欲も失せてしまった。
「食べないの?食べなって」
「はい・・・。」
失せたと思った食欲は、そのデザートを一口食べた瞬間、復活した。
「美味しい・・・!本当にこれすごく美味しい・・・!」
なんとかパフェを食べ終えるも、次から次へと、デザートというデザートがくる。
プリンにクレープ、あんみつ、ワッフル、シュークリーム、マカロン・・・。
どれもこれも、初めての味だった。
全部は食べられなかったけれど。
40 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:30:00.36 ID:vVQUI5zL
「やっぱり美味しい。生きててよかった。」
「本当に美味しいです・・・。」
「あんた、手が遅い。もっと食べなって・・・。体重なんか気にしなくていいよ、もう死ぬんだから。」
「あ、はい・・・。でも、私はいいとしても、」
「ん?」
「えと、あなたはそんなに食べてていいんですか?」
「あたしに、太るから食べるなって言いたいわけ?」
41 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 00:42:33.73 ID:4XMSe3sz
そろそろ、私の家族構成とかクラスの立ち位置とか部活とか
どうゆうきっかけでいじめられるようになったのかとか
主犯の名前とか家柄とかクラス的立ち位置とか
とりまきの名前とか性格とかそーゆうのも説明してほしい。
42 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 07:11:18.17 ID:glapeiC7
>41さん
すいません、後にでてきます...。
受
験
に
集
中
し
ろ
44 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/07(月) 18:39:23.54 ID:/7qHDFok
>43
ですよね、すいません...。
ありがとうございます。
46 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:40:38.97 ID:mMOqq/KB
「えーと・・・。」
「余計なお世話。あんたが心配する必要ない。」
主犯の言葉は、最もだった。
色白でうすっぺらい身体をもつ主犯にとっては、縁のない心配事だった。
なんでそんなことを聞いてしまったんだろうと自分に問いかけた。
主犯が本当は自分に合わせてくれてるんじゃないかとか、本当は食べたくないんじゃないかとか。
でも、私にそう思わせる原因として、デザートを食べる時に主犯に迷いがあったことは、事実だった。
47 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:41:19.03 ID:mMOqq/KB
それから私達は、たらふく食べた後、街をぶらぶらして、再び学校へ向かった。
学校へ向かった理由は、そう、死ぬため。
向い始めの時は、特に何も考えずにぼーっと歩いてた私だったが、
徐々に学校に近づくにつれて、足取りは重くなっていった。
48 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:41:59.21 ID:mMOqq/KB
校門をくぐり、朝に降りたはしごを登る。
今度は、私の足も主犯の足も、よたよたとしていた。
屋上につき、二人はうつむく。
そして、重い空気の中、私はずっと聞きたかった事を、口にした。
「私は、もうすぐ死にます。でも、ひとつだけ聞かせて下さい。」
「ん?何。」
49 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:42:33.43 ID:mMOqq/KB
主犯の茶色い巻き髪が、風に揺れる。
冷ややかな空気が全身をつたう。
「なんで、なんでいじめてた私なんかを、助けてくれたんですか?」
50 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:43:40.81 ID:mMOqq/KB
主犯は下に広がる住宅街をながめたまま、こちらも見ずに言った。
「は?」
彼女の横顔から見える瞳には、深いなにかが隠されているように見えた。
「私、死のうとしてたんですよ。なのに」
「助けてなんかない。第一、あんたのその格好はなんのためだと思ってるの?」
「・・・」
「今日一日は、いつのために過ごしたと思ってるの?」
「・・・!」
「今、あなたが飛び降りるためでしょ?全て。」
彼女の言っていることは正論であったが、納得のいかないことが一つあった。
51 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:44:58.90 ID:mMOqq/KB
「でも、もう、よ、夜ですよ。」
そう、もう夜なのだ。彼女の望んでいた青空は、もうない。
だから、青空にふさわしい格好をしたことも、今日一日を楽しく過ごしたことも・・・。
「あ、あなたが今日したことも、わたしが今日したことも、す、すべて無駄だったんですよ。」
わかってる。こんな変な言いがかりを付けて、自分は死を免れようとしてるなんてこと。
簡単に命を絶とうとして、簡単に命を守ろうとして、自分は命をなんだと思っているんだろう。
そんなへんな罪悪感と嫌悪感が私の頭の中に渦をまく。
52 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:45:38.56 ID:mMOqq/KB
相変わらず、視線を変えようとしない主犯は、考え事をしているようにも見えた。
夜風が強くなる中、主犯がつぶやいた。
「無駄じゃない」
風のせいでうまく聞こえなかったが、そうつぶやいたのはわかった。
「・・・どういう意味ですか?」
私は、小さい声で聞き返した。
「だって、今日の朝屋上であんたとあたしが会わなかったら、二人とも死んでたから。」
53 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 00:47:23.61 ID:mMOqq/KB
衝撃だった。
「・・・どういう意味ですか・・・・」
驚きが隠せなくて、かすれた声で私は言った。
「二人は、同じ死因でね。」
「・・・!」
54 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:13:12.41 ID:mMOqq/KB
主犯が・・・あの、何もかもが上手くいってそうに見える主犯が。
「あたしが汚いものが嫌いなのは知ってるでしょ。だから、屋上行って死のうと思ったけどあんたを見たときに、
最後くらい、いじめっこくらい、綺麗にしてやろうと思ったんだよ。」
「・・・」
55 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:32:56.52 ID:mMOqq/KB
「あたしの周りの人間、汚い人ばっかで。お金お金って、いつもお金の話ばかり。
ママだってパパだっておばあ様だってお爺様だって・・・あたしの親族は皆そればっかり。」
主犯の家はお金持ち。代々続く老舗ってわけでもなく、歴史を残しているわけでもない。
いわば、成金というものらしい。
「生まれた時には既にあたしの周りはお金や新しいもので溢れてた。お金はあるけど普通の幼稚園に通ってたから、
すぐに周りの子との違いに気付いたの。」
「でもそれなりにあたしはそのことを理解して、周りとの違いに耐えながらも頑張ってきた。」
56 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:34:07.40 ID:mMOqq/KB
*
「ぱぱ、あのお人形さん欲しい!」
「あんなものが欲しいのかい?バカだなぁ。お前にはもっと高貴なものが似合う。」
「でも、あれが」
「ほら、こっちのジュエリーショップへ行ってみよう」
「・・・」
「まま、今度の金曜日、授業参観があるんだ!」
「あらそう、じゃあその日のために新しいお洋服買いましょうか。」
「あ、うん、それでね、授業参観にままも・・・」
「ままはお店の取引のお約束をしなきゃならないの。わかるでしょ?今一番大事な時期なの。」
「・・・」
「どうしたのそんな顔して、何か欲しいものでもあるの?」
「ううん、なんでもない。」
57 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:34:47.17 ID:mMOqq/KB
「まま!ちょっと見て」
「ほら、これあげるからあっちいって頂戴。」
「いいよお金なんか!あたしが言ってるのはそうじゃないんだよ!」
「・・・なあに?」
「・・・母の日だから・・・ままにハンカチを買ってきたの。」
「・・・どこのよそれ?どこのブランド?」
「そこの・・・お店で・・・」
「あなた、自分の立場わかってらっしゃる?そんなどこのものかわからないもの、人にプレゼントして恥ずかしくないの?」
「えっ」
58 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:35:26.60 ID:mMOqq/KB
*
次第に主犯は、欲しいものを欲しいと言えず、嫌なことも嫌だと言えず、好きなものも好きだと言えなくなっていったそうだ。
親の愛情を注がれずに育った主犯は、きっと他人に対してバリアを張るようになってしまったのだろう。
だからかもしれない。学校での主犯は本当にお嬢様で、ニコニコしていて、気品があって、何もかもが完璧なロボットのように見えた。
けれど、なにかしらの理由で私だけに対するバリアが壊れてしまった。
59 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:36:10.85 ID:mMOqq/KB
「所詮ぱぱとままはあたしの愛よりお金なの。あたしへの愛よりもお金。あたしが赤ちゃんの時の面倒は全てベビーシッターに任せたって話を聞いたときは、
ぶん殴ろうかと思っちゃった。みんなの前でおしとやかなお嬢様装うのも精神的にすごく辛いし。ああもう死のうって。」
けれど、どんな理由があろうと私も自殺まで追い込まれたのは紛れもない事実。
ここで主犯を許してしまったら、私はお人好しになるのだろうか。
でも、許さなかったとして、それがなんになるのか。
60 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 01:37:19.37 ID:mMOqq/KB
「本当はあんた嫌いだったけど、どうせあたしはすぐ死ぬから、もういいやって思っちゃってさ。」
「・・・」
「・・・」
私と同じような言い分だった。
「デザートを食べちゃおうか食べまいか迷ってたのも、死のうか死ぬまいか迷ってたからですか?」
「ご想像にお任せするわ。」
「・・・食べたってことは、死ぬんですか?」
自分でもわからないけど、涙が出てきた。
「何ないてんの。」
そう言いつつ、主犯も涙をこらえているのがわかった。
「死ぬんですか?」
私はもう一度言った。
数秒間の沈黙が流れた。
葉っぱと葉っぱのこすれる音が敏感な耳に届く。
61 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 02:04:38.66 ID:mMOqq/KB
私はわずかながら、主犯に生きて欲しいと思っていることに気がつき始めた。
なぜだろう、私を自殺まで追い込んだ人なのに。なぜなんだろう・・・。
そしてふと、私は主犯と出会った日のことを思い出した。
*
62 :
創る名無しに見る名無し:2013/01/08(火) 02:05:16.78 ID:mMOqq/KB
1年前、高校一年生になったばかりの頃。
根暗で内気で負のオーラをぷんぷんと漂わせている私は、完全にクラスで浮いていた。
友達が出来るどころか、どことなく避けられるほど。
そんな時、初めて声を掛けてくれた人がいた。
「緊張するよね、こういうときって。」
不意にぽん、と背中を叩かれたので振り向くと、笑顔で主犯がいた。
私はおどろいた。
主犯の見た目はそのときから、決して派手ではないけれど目を離せなくなるような
華やかさと凛々しさを持っていた。
頑張れ
64 :
創る名無しに見る名無し:2013/03/20(水) 13:57:06.84 ID:IP3Uh62n
続きはよ
受験も、もう終わったでしょ
65 :
創る名無しに見る名無し:2013/04/10(水) 20:27:53.77 ID:gxr2ZV4a
1です!高校受験無事合格しました!
おめでとー!
67 :
創る名無しに見る名無し:
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 ̄ ̄ I WANT YOU ニュー速(嫌儲)
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http://fox.2ch.net/poverty/ 【ひろゆき】今2chで何が起こっているのか?【#偽2ch騒動】
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