【長編SS】鬼子SSスレ6【巨大AA】

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15チリチリおにこ
という訳で「チリチリおにこ」>>6-9の続きを投下しまスっ
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  ◇ ◇ ◇
「──んで、紅葉のねーちゃん。今ンところはあのデカブツをブッ倒すしかここを脱けだす手段がネってか」
嘘月鬼は今聞いた話を確認した。
 溶岩溜まりの中央に鎮座している巨大な繭。それはだんだん羽化の蠢動を早め、表面に浮きでた無数の卵にも
ヒビが入りはじめている。どちらも間をおかず、生まれ出て襲いかかってくるだろう。

「やることがシンプルでしょ?気張りなさい」
紅葉は素っ気なく返した。
おにこは嘘月鬼の上に座りながらもやや緊張した面もちでナギナタを握りしめている。

 ドクン ドクン ドクン……

 繭の胎動が伝わってくる。大気が鳴動し、恐ろしい存在が生まれ出ようとしていた。
紅葉は生まれようとしている式鬼に目を見据えたまま、背後にいるおにこ達に指示を出す。

「とにかく、あなた達は寄ってくる雑魚から身を守る事に専念なさい。余計な事にわずらわされなければ、
 私はアイツに専念できる。返事は?」

「あい!」
おにこがナギナタを掲げ、元気よく返事する。
「わぁってら。ヤベー奴に自分から関わったりゃしねーよ」
続いて嘘月鬼も返事する。
「……そろそろ来るわよ。気をつけなさい」
紅葉はヘッドマウントディスプレイを下ろし、戦闘に備えた。

 どくん どくん どくん!

繭に亀裂が入る。表面を割り、ずるりと長大な腕が伸び、灼熱の地面をつかむ。
抜け出るように上体が半透明な膜から出てきて頭を持ち上げた。

 オォオォオォオォオォオオォオオオオオオ〜〜ン

 獣のような声で咆哮し、昆虫のような頭部の魔物が生まれた。頭から胸にかけては黒光りする甲殻に覆われている。
昆虫を模した頭部は凶悪な面構えに加え、口からは時々チロチロと火が漏れ出ている。甲殻の下から伸びている
足は剛毛の生えた腕でそれぞれ凶悪な鉤爪がついていた。そして足の付け根からは鋭い棘が無数についた腹部が
伸びていた。
六本の腕を足のように使い、おぞましい昆虫とも獣ともつかない巨体が這いだした。全体的なシルエットはヤゴに
類似しているが、こんな生物は地球上のどこにもいないだろう。

 同時に繭についていた卵もポロポロと地面に落ち、割れた。中から先ほどの眷属よりも一回り大きく、そして堅そうな
甲殻に鎧われた蟲の化け物が生まれた。シルエットだけ見れば蜻蛉のようだが、凶悪な針と牙を備えている。
 前の眷属より手強そうだ。眷属達は卵から孵ると同時に羽ばたき、宙を舞い始めた。無数の羽ばたき音が
響きわたり、周囲は不快なノイズで満ちた。

 紅葉は崖から飛び降り、灼熱の地面に着地すると同時に繭に向けて疾走する。瞬動術は使わない。一つはおにこ達に
向かう敵を減らす為、もう一つは贄を少しでも多くひと所に集める為だ。
 紅葉の動きに刺激され、新たに生まれた眷属達は紅葉に向け殺到した。

 だが紅葉は怯まない。走りながら得物に手を伸ばす。眷属達は五月蝿いくらいにノイズをまき散らしながら
紅葉の頭上に飛び寄ってきた。そして、唐突に尻尾から、鋭い針を飛ばした。
「!」
 紅葉は咄嗟にかわす。無数の棘がカカカッと乾いた音をさせ、灼けた地面に刺さり、穴を穿った。
 眷属達はその凶悪な飛針を次々と放つが紅葉はそのことごとくをかわし、弾き、受け流した。

「よぉっし、いいぞーぶっちめっチまえ〜」
「もみじがんばれーーーっ」

後方で紅葉を応援する声が飛ぶ。
16チリチリおにこ:2012/10/18(木) 20:27:03.76 ID:NtFib3VU
「簡単に言ってくれるわね……」
 紅葉はそう呟くと、手近な眷属に向け跳躍し、刀を繰り出した。
が、しかし……

 ギンッ!!

 「?! なにっ!」
 眷属の甲殻は紅葉の攻撃を弾き返した。ビリビリと手が痺れ、一瞬刀を取り落としそうになる。
「もみじあぶないっ!!」
後方でおにこが警告する。
「!」
 膨大な『炎の気』が前方で膨れ上がるのを感じた。紅葉は咄嗟に目の前の眷属を足がかりに瞬動術で宙を跳ねた。
途端、今居た空間を長大な炎の帯が通り過ぎていった。親玉……いや、『本体』の式鬼の火炎攻撃だ。
予想どおり、強烈な火炎を吐けるらしい。足がかりにされた眷属は逃げ損なって一瞬で焼き尽くされた。

「もみじーーっ!」
 おにこの悲鳴が響く。一瞬の事だったので、おにこには紅葉が炎に包まれたように見えたのだろう。だが……
「その程度?」
紅葉はそう呟くと、再び手近な眷属へと跳びかかる。そして、次の瞬間、眷属を蹴り落とし、地面に叩きつけていた。

 ピギィィィィィッ!!!
地面に叩きつけられた眷属は裏がえり、のたうち回っている。『気』で強化された蹴りを受けた上、固い地面に
打ち付けられ、甲殻にヒビが入っていた。そこにすかさず、刀を叩き込んで、とどめを刺した。
眷属はまるで絡みついたいとがほどけるように分解され、無に還った。すると、刀が偽りの命を吸い、不穏な気配を
刀身に揺らめかせた。命を吸った妖刀は斬れば斬るほど切れ味を発揮する。

「本番はこれからよ……っ!」

 ザンッ!
   ザンッ!
      ザザンッ!
 紅葉は次々と飛来する飛針をかいくぐって空を跳び、立て続けに三匹の眷属を硬い甲殻ごと斬りはらった。
 そのたびに刀の斬れ味は冴え渡り、屠る手応えは軽くなっていく。
眷属を四匹屠った後、本命の式鬼に攻撃を加えようと分身である眷属どもに背を向けて走りだした。
 一瞬、目標を見失った眷属どもがあわてて、紅葉を追いはじめる。本体である巨大な式鬼は六つの腕で身体を固定し、
向かってくる紅葉にむけ、灼熱の炎を吐いた。
 太い柱のような炎が圧倒的な圧力と熱をもって紅葉に襲いかかる。
だが、紅葉は易々とその炎をかわした。威力は目を見張るほどだが、当たらなければ無意味だ。
次に、式鬼は接近する紅葉を押しつぶそうと前足の一つを振り上げ、地面に叩きつけた。巨大な鉤爪が、頭上から迫る。
 だが紅葉は横っ飛びに飛びのき、かわすと、逆にその前足を斬り飛ばした。

 ザンッ

甲殻に覆われてない前足はアッサリと妖刀に切断された。

おおぉおぉおぉおぉぉぉぉぉぉおお〜〜〜〜〜っ!

 前足を斬り飛ばされた式鬼が咆哮する。六つある足のうち、一つが失われた。
ついでにもう一太刀、胴体にも斬りつける。

 ギィィンッ

刀は弾かれた。この程度の『贄』ではこの甲殻を斬り裂けないらしい。なら、別の所を切り裂けばいい。
足りないなら『贄』を追加すればいい。手はいくらでもある。

次の瞬間、再び二つの腕が両側から挟み込むように紅葉を襲った。
 が、紅葉は残像を残し、上方に瞬動。腕は互い違いにすれ違うようにして空を掴んだ。紅葉はすかさず『気』で
強化した脚力で空を蹴り、急降下。その勢いのまま、交差した腕を両方とも斬り飛ばした。
またも空気を震わせ、昆虫の頭部をもった獣が絶叫する。
一際大きな叫びに周囲の空気が振動し、地面が鳴動した。
17チリチリおにこ:2012/10/18(木) 20:27:46.85 ID:NtFib3VU
 残りの腕は三本。だが、その身体を支えるのに最低でも二本の腕を使うことを考えれば、実際の攻撃に使える腕は
あと一本。
「いける!」
そう思った時だった。おにこの悲鳴が聞こえたのは
「ぴゃぁあっ?!」
「おにこっ?!」
一瞬だけ、紅葉の注意が敵の式鬼からそれた。その一瞬が致命的だった──

その一瞬の間隙をぬい、横なぎに払われた太い一本の腕が強烈な膂力をもって紅葉を張り飛ばした──

 ◇ ◇ ◇
「おにこアブねぇっ!!」
 いきなし、一匹の雑魚がおにこに向かって毒針を飛ばしてきやがった。
「ぴゃぁあっ?!!」

 おにこのヤツぁ、びっくりしながらもなンとか毒針をナギナタで弾き返した。
「ちぇいっ!」
次の瞬間には跳躍し、なンとか雑魚を返り討ちにすることができた。あっブねっ!!
 あのねーちゃンとの稽古はオレっちの頭上でも有効らしい。腕を上げてやがる。てーしたもンだ。跳びあがって
雑魚を迎撃したおにこの下にオレっちはまわりこんでアタマでおにこを受け止めた。
おにこは器用にオレっちのアタマに着地する。

「!っ もみじっ!」
と、唐突に焦った声で、おにこが叫ンだ。なンだ、急に?いってー何がおこった?

 だが、オレっちは振り向いて様子を確認する必要はなかった。すぐそばをスッゲー勢いで張っ飛ばされた紅葉の
ねーちゃんがスッ飛んでいったからだ。

 ちぃっ!!あにやってンだ。あのねーちゃん!
 そして、紅葉のねーちゃんは背後の崖に叩きつけられ、落下しそこなって、かろうじて崖にひっかかった。
そンはるか下はドロドロとした溶岩が河となって流れてやがる。崖の端っこから石ころが転がり落ちて溶岩の中に
ダポン、ダポンと落ちてった。
 くそっあのねーちゃんが脱出の鍵だってのに、なんてこった!あにいきなりヤられそーになってんだよっ!

「うっちゃん!いって!」
おにこが珍しくせっぱ詰まった声でオレっちに言った。だが、そいつぁ聞けねぇ相談だ。
 戦闘中に紅葉のことを察知できたおにこも大ぇしたもンだが、オレっちも、負けてねぇ。敵の不穏な気配を
察知していた。

「バカっ!そっちよか、あっちを気にしやがれっ!見ろ!炎が来ンぞっ!」
身体ごとまわって、おにこの視線をあのバカでっけぇ式鬼に向けさせた。
 ソイツは、最初ン時みてぇに、口を開いて、紅葉のねーちゃんに向かってでっけぇ火柱を吐こうとしている所だった。
残り三本の腕で身体を固定してっから、全力で攻撃をするツモリなンだろう。
 ヤベェぞ、紅葉のねーちゃんがアレをまともに食らったら、消し炭も残らねー。

「!!っ うっちゃん!」
おにこも同じように察したらしい。焦った声で叫んだ。
「わぁってらぁっ!おにこ!その辺の雑魚をあいつにぶつけて気ぃ引け!」
オレっちはそう叫び返すと、一番近くの雑魚に突進した。オレっちの飛行速度はそう速くねぇ。あの火炎を
邪魔する事ができるとしたらそンくれぇしか方法がねンだ。

「ちぇぇぇええええぁぁああああーーーーーっ!!」
  ガンッ
 おにこが目いっぱい、ナギナタの背で空中を飛行している雑魚を殴り飛ばした。張り飛ばされた雑魚は装甲を
ヘコませながら、ピギィィッッつって吹っ飛び、ヤツの複眼あたりに叩きつけられた。ちっこいとはいえ、さすがは
鬼の馬鹿力。
18チリチリおにこ:2012/10/18(木) 20:28:27.08 ID:NtFib3VU
 ゴゥッ────

 次の瞬間、ヤツぁスッゲェ火柱を口から吐きやがった。だが、ヤッパ、さっきのが利いたらしい。わずかに狙いが
それ、火の柱ぁ、紅葉のねーちゃんをハズレて遠くの崖にぶち当たり、空しく四散しやがった。
へへ。ざまぁみろってんだ。
 紅葉のねーちゃんが先に腕を切り飛ばしてたのも結果としちゃぁよかったらしい。衝撃を支え切れずに軌道が
ブレやがった。

──けど、今ので間違いなく目ぇつけられちまったよーだ。デカブツの複眼がこっちをニラみ、他の雑魚どもが
改めてオレっちらを囲むように飛び回りだした。

……しょーがねぇ。紅葉のねーちゃんがあーなっちまった以上、オレっちらがヤるしかねぇのか。
「おにこよぉ」
オレっちは頭上のおにこに声をかけた。
「あい」
「このままだと紅葉のねーちゃんはヤラれちまう」
「あい」
おにこは静かに返事をする。
「そしたら、こっから逃げる手段がなくなっちまう。そうなりゃオレっちらだっておしめーだ。だからよ……」
「あい」
「オレっちらであのデカブツ、ブッちめちまおうぜ!」
「あい!!」

 おにこの返事は力強かった。おし、いい返事だ。
「よっしゃ!行くゼ!」
不本意だが、コレしか手がねぇなら、ヤルしかねぇっ!オレっちはおにこがしっかりツノに掴まっているのを
確認すっと、デカブツに向け一番の速度で飛びだした。

 ◇ ◇ ◇
「…………」
──私はブラックアウトした視界が徐々に戻りつつあったのを自覚したが、気を失っていたのが一瞬の事なのか
数時間後なのか判別がつかなかった。
「がっ……はっ……」
 どこかで荒い呼吸を繰り返す息が聞こえる。『気』で強化していたはずの手足もロクに力が入らず、なにもかも
朦朧として、萎えた腕で必死に身体を支えている。
 時間の経過とともに徐々に意識レベルが回復してゆく……そう……私は紅葉……現在……戦闘中で……
 戦闘中!!そこまで考えて急に意識が覚醒した。

「ぐ……なんて事」
 ビキリと身体が軋む。現状に対する状況を把握してゆくにつれ、だんだんと絶望的な状態に陥っていた事を
思い出した。

まさか最後の最後にあのコの声で動揺するなんて。
 現状は最悪だ。周囲を確認すると私は溶岩の河の上の崖に辛うじて上半身が引っかかる形で九死に一生を得ていた。
身体を支えてる肘に押されて小石が崖から転げ落ちる。小石は遙か下を流れている溶岩流に飲み込まれて瞬く間に
消えていった。
 身体を引き上げようにも、手足に力が入らず、萎えたままで、落ちないようにするのが精一杯だ。呼吸一つするのにも
全身に痛みが走る。あれだけの力で張り飛ばされたのだ。『気』で身体を強化していなければ即死だったかもしれない。
 だが、その『気』も意識が途切れ、呼吸が乱れた今、消え失せた。ダメージのある身体では『気』を練るのも
かなり難しい。

「……なら、なぜ、私は今も生きてる?」
数秒もかからず、現状と自己の状態を確認して最初に浮かんだ疑問だった。
とどめを刺すには絶好の状態だ。敵がこれを見逃すとは考え辛い。辛うじて動く身体を捻り、頭をめぐらせて敵の方を
振り返った。
 すると、目に飛び込んできたのはあのコの奮闘する姿だった。
あの浮月鬼の頭上で、時にはそこから跳び上がり、ナギナタを打ちはらっては次々と眷属を斬ってゆく。
19チリチリおにこ:2012/10/18(木) 20:29:07.82 ID:NtFib3VU
 その動きは拙いながらも、まるで私の動きを真似たようだ。確かに戦闘訓練の時、教え込んだ足捌きだが、
浮月鬼の協力があるとはいえ、それをまさか空中で再現されるとは思わなかった。
考えてたより、あのコの上達は目覚ましかった。この極限の戦闘状態が彼女の才能を覚醒させたのだろう。

「ちぇあっ!たあっ!」
 ナギナタの一振り一振りごとに、着実に眷属どもは打ち落とされてゆく。
眷属達の打ち出す飛針もことごとく跳んで、あるいは弾いてかわしていた。

 この非常時にもかかわらず、紅葉は考えずにはいられなかった。
このコの先を見てみたい、鍛えれば私を越えるかもしれない……

が、そこまで考えて、その考えを打ち消した。鍛えれば何だというのか。あのコは正式な弟子ではないし、
私は追われる身だ。今も我が身の不始末であのコを巻き込んだような状況なのに。
 その上、あのコの声でこんな簡単に動揺するなんて……陰謀にはめられたり、連続してあの小癪な式鬼に後れを
とったりと、最近はケチの付き通しだ。

「私もヤキがまわったかしら……」
 自嘲気味に考える。己の身一つなら何とかなると強がっていたが、この体たらくだ。私はこれ以上、あのコと一緒に
いない方がいいのかもしれない。
 最初はあのコの中に鬼子の影をみていたが、この成長で鬼子とあのコは違うのだろうと結論に至った。
ならば、私のような闇に生きる者はあのコの前からは消えるべきなのだ。でなければ、いずれあのコも闇に喰い殺される
ことになる……さっきまで考えていた事と全く逆の結論に及んでいた。

 それにあのコはこの先、もう十分、生きていけそうだ。あのコを胡散臭い式鬼にまかせるのは若干不満が残るが──

 そう考えるうち、彼女の奮闘も佳境に入った。ほとんどの眷属が切り払われ、残るはあの巨大な式鬼だけとなっていた。
だが、その式鬼は迎え撃つように口の中に強力な火炎をため込んでいる。

 いけない!あれでは式鬼の方が少しだけ早い!!

 無謀にも式鬼が火柱を吐く前に倒そうというのか、おにこはナギナタを構え、そのまま浮月鬼とともに、
突進していった。このままだと、あのコはチリも残さず燃え尽きてしまうだろう。そうはさせない。
「助けるのはこれが最後よ……」
 そう呟くと、私は崖を蹴り、ありったけの『呪縛クナイ』を取り出すと、そのすべてを式鬼に対して投げつける。
結果、式鬼の動きは一瞬だけ『呪縛』され、止った。そして支えを失った私の身体は崖から落下していった──
20チリチリおにこ:2012/10/18(木) 20:34:26.39 ID:NtFib3VU
という訳で「チリチリおにこ」第14話>>15-19を投下したっ

【専門用語解説】
紅葉の妖刀/おにこの薙刀:もみじのようとう/おにこのなぎなた
 妖刀自体はこの世界にはいくつも存在し、とりたてて珍しいものではない。実際、血を吸うと切れ味が増す妖刀は
もみじのもの以外にも多数存在する。
が、紅葉の妖刀はある特性により、企業の極秘プロジェクトにかかわっており、そのプロジェクトは一度動き出すと
大多数の一般人を無為に巻き込む非道なものだった。
紅葉はそのプロジェクトを阻止する為、その妖刀を持ち逃げしたのだ。
武器としての性能は血を吸う事で上昇する威力に上限がないのではと思われる程のキャパシイと、いかなる物理的手段を
もってしても破壊できないほどの堅固さが特徴。
そのため下手に封印することもできず、破壊する手段を模索している最中である。
 一方、おにこのナギナタはかつての「プロジェクトOniko」の残骸である。ナギナタ単体では「岩を切れる業物」以上の
特徴はなく、ガラクタ程度ならともかく、本来なら巨大式鬼どころか初期の『眷属』の甲殻さえ斬ることはできない。
作中、一撃で巨大式鬼を下しているのは「鬼に対する一撃死」の性質によるものである。
 その性質は「ひのもと鬼子」の属性に由来するものであり、それは「鬼子」が「ナギナタを持つ」ことにより
発揮される特殊能力──妖力──である。
そういう意味で言えば、チリチリも鬼子と言える。また、登場する敵のほとんどが式鬼であるこの世界では、ほぼ無敵の威力をもつ。
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>>11-13
感想どうも。励みになりまス。
>>11
ヤゴで生まれて暫く暴れたあと、蜻蛉になる生態なのかもっ その前に軍隊出てきて退治されるだろうけどっ

>>14
残り書き込めるのはたった3KBで、そんだけ書きこむとオチるんじゃなかったか……あと1話でこのシリーズ終了なので
どうしたものか……暫くは閲覧できるようにして欲しいなーというのが個人的な気分。