【SS専用】東方project関連キャラSSスレ1

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1創る名無しに見る名無し:2012/04/01(日) 21:26:08.49 ID:+FOp4y0J
東方project関連キャラの小説・SS系の創作物を
「連投形式で」投稿するためのスレです。

無かったので勝手に立てました
2創る名無しに見る名無し:2012/04/02(月) 05:46:17.40 ID:tTXRW3wO
age
3創る名無しに見る名無し:2012/04/04(水) 21:28:40.73 ID:viu1EsJ4
保守
4創る名無しに見る名無し:2012/04/04(水) 21:57:11.95 ID:esvJ4KtW
>>3

保守したということは…

あなた…『覚悟して来た人』ですよね…?


『保守』しようとするって事は
逆に『何か投下』しなきゃいけないという危険を

『覚悟して』保守している人ってわけですよね…
5 ◆91wbDksrrE :2012/04/05(木) 10:00:03.55 ID:PotykusI
「つまり、ここは何をするスレなんだぜ?」
「東方project……つまり、私達が出る二次創作小説なんかを投稿するスレらしいわ」
「二次創作小説、っていうと、私が俺っ子だったりするアレか」
「語尾が全部『ぜ』になったりね」
「ZE♪」
「東方M-1のネタやっても、文字だから見えないわよ」
「なんてこった! じゃあ、読んでる人にはちゃんと私が霧雨魔理沙で、
 お前が博麗霊夢だって事は伝わってるのか?」
「……少なくとも、あんたが魔理沙だって事は伝わってるんじゃないかな」
「まあ、霊夢は腋が見えないと『あ、巫女だ』って言ってもらえないもんな」
「いやいやいや、そこまで没個性じゃないって!? 確かに、こういう風に
 会話してて、特にツッコミ役だと、アリス辺りと区別付かないとか言われそうだけど……」
「じゃあ、アレだな、語尾に腋をつける」
「なんでよ!?」
「それくらいしないと一発で『あ、霊夢だ』ってわかってもらえないぜ?」
「全語尾『ZE』のあんたじゃないんだから……っていうか私って腋ありきなの?」
「あるいは、語尾に貧乏をつける」
「腋と貧乏が私の個性のすべて腋か!?」
「二次創作界隈じゃそんなもんな気もしないでもないぜ」
「……ひ、否定しきれないかもびんぼう」
「まあ、そんなどうでいい話はさておいてだな」
「ああ、どうでもいいんだ……まあいっか。で、何?」
>>1に『連投形式で』って但し書きがついてるのはなんでなんだぜ?」
「それは、この板にはもともと『リレー形式で』東方projectのSSを投稿するスレがあるからよ」
「リレー形式?」
「そう。一時期流行った、バトルロワイヤルに○○が参加したら、って形式で、作者さんが
複数集まって、話の続きをどんどんリレーしながら書いていく、ってスレが先にあったの」
「だから、但し書きがついたんだな」
「まあ、そういう事ね。バトルロワイヤルが流行ったのはちょっと前の事だけど、
 東方バトルロワイヤルスレは今も稼働中よ。物語も佳境に近づいてきているらしいわね」
「バトルロワイヤルって事は、私と霊夢がスペカルール抜きで、ガチンコ勝負したりするのか?」
「さあ? 詳しく読んだ事ないからわかんないわ」
「読んだことないのかよ!?」
「完結したら読もうかなー、と」
「それって読まないで終わるフラグな気がするぜ……」
「ちょっと眺めてみた限りだと、結構面白そうではあったんで、興味がある人は覗いてみたら
 いいんじゃないかしら」
「私はきっと大活躍してるだろうな! へへっ、弾幕はパワーだぜ! マスタースパークっ!
 いえーい、大勝利! みたいな感じで」
「はいはい。ともかく、ここが何をする為のスレかはわかった?」
「ああ、わかったぜ。要するに、小説をここに書きこめばいいんだろ? パチュリーやアリスも
 誘って、何か書いてみるとするぜ!」
「……ちなみに、覚悟はできてる?」
「へ? なんの?」
「いえね、この板って、即死ライン……10レスくらいかな。それ超えちゃうと、スレッドがdat落ちしなくなるの」
「……どゆこと?」
「要するに、適当な覚悟でもってスレを即死超えさせちゃったら、後はそのスレがどれだけ過疎っても、
 ずっと残り続けるの。作品の投下もなく、ただただスレ一覧にあり続けるだけのスレッドは、この板では
 GGG団という秘密結社によって食いつぶされる事になるわ」
「GGG団……何か凄そうな秘密結社だな」
「ああ、リグルの親戚みたいな人達がいっぱいいるらしいんだけど」
「一気に凄くなさそうになったぜ……」
「最終的にはGGG団によって食いつぶされるにせよ、そうなる事自体をこの板の人達は望んでいないの。
 だから、スレを伸ばす気があるなら、覚悟は出来てんの、と聞いたのよ」
「へっ、そんな覚悟は、生まれる前に済ませてきたぜ!」
「……意味はよくわからないけど、なんだか凄い自信ね」
「見てろ、霊夢! SSもパワーだって事を、教えてやるからな!」
「……ああ、うん、まあ、その……やるなら頑張んなさい」

                                                   続くのか?
6創る名無しに見る名無し:2012/04/05(木) 15:12:09.08 ID:OYy8Kodi

  _____
 |∧ ∧.||  .| |  / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 |( ゚Д゚)||o | | .<  即死回避は3レスらしいよ!
 |/  つ  | |  \______
   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄





  パタン
ヾ'_____
 ||    |   |
 ||o   .|   |
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   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
7 ◆91wbDksrrE :2012/04/05(木) 17:39:30.24 ID:PotykusI
>>6
責任とって今日中に投下しようと眠い目こすりながらやってたのにw
ゆっくりやるとするわw
8名無真:2012/04/11(水) 20:31:05.59 ID:AXDwBWW4
おや、このスレは?
9創る名無しに見る名無し:2012/05/13(日) 00:39:34.28 ID:J4mhnLZK
あげ
10創る名無しに見る名無し:2012/05/22(火) 08:58:41.92 ID:162fNhNm
あげ
11創る名無しに見る名無し:2012/05/28(月) 15:36:00.90 ID:HLR2TbhU
あげ
12創る名無しに見る名無し:2012/09/18(火) 11:19:12.19 ID:VZWtMuCm
13 ◆91wbDksrrE :2013/02/27(水) 17:56:57.85 ID:WDJSS7Q6
注意※美鈴×咲夜メイン 魔理沙×パチュリー微量 霊夢×レミリア微量 ※

              ●

「美鈴?」

 そろそろ2月も終わりだというのに、紅魔館の赤い屋根は白によって覆い尽くされていた。
 雪だ。

「美鈴ってば」

 3月は季節としては春に分類される。だから、3月も間近のこの時期になれば、そろそろ春告精も出てこようかという程に
寒さが緩くなってきていなければならないはずだ。だが、ご覧のとおり、寒さは緩むどころか厳しくなる一方だ。

「……美鈴?」

 わたしの仕事は基本屋外がその勤務場所となる。だから寒さの影響を極端に受ける。
 そして、生き物というのは、寒くなると暖を欲する。暖を欲し、そして身体が温まれば、生き物は睡眠欲を換気される。
 それは自然の摂理というものであり、これに抗う術をわたしは持たない。いや、わたしだけではないはずだ。誰だって
こうやって雪が降る程寒い日に、焚き火を前に温まっていれば眠くなる。

「……美鈴」

 だからこうしてわたしがうとうとしているのも自然の摂理であり、生き物である以上仕方が無い事のわけで……Zzzzz

「起きないと……刺すわよ?」
「寝てないですアル!?」

 凄まじいまでの殺気に目を開ければ、そこには眼前に迫った一本のナイフ。
 視線を送れば、その先にいるのは銀の髪の女性。
 フリルのついたメイドエプロンにメイドカチューシャ。一目見て、彼女がメイドであるという事がわかるその服装は、
彼女の普段着であり、正装でもあった。

「咲夜さん……目は勘弁してもらえませんか?」
「あら? 起きてたのね、残念」

 十六夜咲夜。この紅魔館のメイド長であり、屋敷の一切合財を取り仕切っている才色兼備の麗人だ。
 その口調と冷ややかな目がちっとも冗談に聞こえず、見えずに、わたしの頬に冷や汗が流れる。

「わたしの目に何か恨みでもあるんですか……?」
「いえ、別に……」

 そして、彼女にナイフを突きつけられて殺気で叩き起こされたのが、わたし、紅美鈴。この紅魔館の門番だ。

「ところで」

 その咲夜さんの言葉を合図に、突きつけられていたナイフは、どこへともなく消える。
 瞬きなどできようはずもないこの状況で、いずこかへと。

「今日もまた霧雨魔理沙が図書館に侵入したそうだけど」
「あららー。それはまたパチュリー様に申し訳ない事を」
「ちっとも申し訳なさそうに聞こえないのは気のせいかしら?」
「いえいえー、そんな事はありませんよー?」

 つい先刻、魔理沙さんがやってきたのには気づいていた。もちろん、素通ししたのは言うまでもない。
 パチュリー様はもう少し外の世界を知るべきだ――などと思っているわけでは別に無いのだけれど、図書館に
引きこもっているパチュリー様の元に訪ねて来てくれる友人を妨げるという選択は、そもそもわたしには無かった。
 聞けば、魔理沙さんも「これは借りるだけだぜ!」と言って毎回図書館の本を持ち出し、次にやってくる理由に
しているそうだ。テンプレのようなツンデレだと思う。
14 ◆91wbDksrrE :2013/02/27(水) 17:57:28.27 ID:WDJSS7Q6
「……まあいいわ。今日は別にその事で貴方を責めようと思ってきたわけじゃないのだから」
「あれ? わたしはてっきりその事かと……」

 だが、今日は別にその事をあれこれ言われるわけではなさそうだ。珍しい。大抵魔理沙さんや霊夢さんを素通し
した後は、こっぴどく説教をされるものなのだけれど……。

「……ほら、これ」

 ん? 咲夜さんが差し出した物に、わたしは軽い驚きを覚えた。

「手袋と……マフラー、ですか?」
「……そうよ。他の何かに見える?」
「……は」
「腹巻に見えるとか言ったら――刺すわよ」
「……ハラショー? 素晴らしいですじょ?」

 そこには、確かにまあ、手袋とマフラーに見える程度には整えられた毛糸の塊があった。
 あれ、でも、咲夜さんって編み物くらい軽くこなせるはずなのに、この手作り感は一体……?

「……ちょっと、失敗しちゃって。だから貴方にあげるわ」
「ああ、そういう事ですか」

 なるほど。お嬢様達に差し上げようと作ったはいいが、失敗したけど勿体無いからわたしに、と。
 ……なんだか微妙な気分?

「こんな見た目だけど、温かいのは温かいから」
「うーん、それは非常にありがたいです。これでわたしのお昼寝タイムも充実するというもの」
「させたら刺すわよ?」
「これでわたしの門番の仕事も充実するというもの」

 まあ、理由はどうあれ、ありがたいのは確かです。

「ありがとうございます、咲夜さん。大事に使わせてもらいますね」
「……べ、別に、そこまで感謝される程じゃ……」

 あれれ?

「咲夜さんも、寒いんじゃないですか? 顔赤いですよ。風邪ひいたら大変ですから、早く中に戻った方が――」
「……そ、そうね。そうさせてもらうわ。美鈴も、無理せずにね。でも昼寝は厳禁」
「そんな殺生なー」
「ちゃんとお給金の分は働きなさい」
「え!? わたしって給料貰ってたんですか!?」
「……何を言ってるの貴方は」
15 ◆91wbDksrrE :2013/02/27(水) 17:58:27.73 ID:WDJSS7Q6
                   ●

「全く、難儀なものね」

 ランプの光に照らされた部屋で、笑みを浮かべる少女。っていうかレミリアの奴。
 いやまあ、こいつが何かニヤけてるのはいつもの事なんだが……私は一応礼儀だし、聞いてやる事にした。

「何がだぜ?」
「あの二人よ。特に咲夜の方」
「……お前は何か見えてるのかもしれないが、人間の私にゃさっぱりなんだが……」
「あら、ごめんなさい。貴方には運命が見えないのをうっかり忘れていたわ」

 こいつのこういう所が私は微妙にムカつく。霊夢はそういう所気にしないから、コイツも懐いてんだろうなー。

「いえね、咲夜ったら、美鈴の為に手袋とマフラー作ったのはいいけど、何か緊張しちゃってうまくできなかったって言うの」
「へえ……あのメイド長にも可愛い所があるもんだなぁ」
「でね『出来が悪くても、気持ちがこもってれば大丈夫よ』って言ってあげたんだけど……どうやら、素直に
 渡せなかったみたいなの。運命の流れが全然変わってないのだもの」
「運命見れたらそんな事までわかるのか?」
「まあ、ね」

 便利な能力だぜ。私も不老不死物にしたら練習してみるかなー。

「練習してどうにかなるものじゃないわよ?」
「……運命が読めたら読心もできるのか?」
「顔に書いてあったわ」

 ……コイツのこういう所が以下略。

「ま、別に門番とメイド長がどうなろうが、私にゃ関係ないぜ」
「貴女はパッチェとの事で忙しいものね?」
「なっ……」

 ……だから私はコイツの以下略!

「引き止めて悪かったわね。図書館に行ったら、帰りにでもフランと
 会ってやってちょうだい。あの娘も貴女と遊びたがっていたし」
「それはいいんだが……一体お前が何をしたくて私を呼び止めたんだかさっぱりだぜ……」
「うふふ……知りたい?」
「別に」
「……あら、そう」

 意趣返しってわけでもないが、私は普通に興味が無かったもんで、そう言って
部屋を後にした。何か後ろでレミリアの奴が何とも言えない残念そうな顔をしている
ような気がしたが、多分気のせいだという事にしておこう。
 さて、今日も図書館で本を借りる仕事に移るぜ、っと。

                                          終わり
16 ◆91wbDksrrE :2013/02/27(水) 18:02:40.40 ID:WDJSS7Q6
ここまで投下です。

何か思いついたのでやった。
17 ◆91wbDksrrE :2013/03/28(木) 16:59:45.05 ID:vobxxxXR
「おーい、パチュリーいるかー? 今日も本を借りにきた」
「……日符『ロイヤルフレア』」
「ぜぇええええええええええ!?!?」

 それは問答無用の先制攻撃。私が図書館の扉を開けた瞬間、パチュリーの奴、いきなり
弾幕を打ち込んできやがった!
 でも、霧雨魔理沙は慌てない。騒がない。ちょっと叫んだりしたような気もしないではないが、
それは気のせいって奴だぜ。沈着冷静な私は、あの時見つけたこのスペルカードの盲点へと、
慎重に移動し、全ての弾を華麗に避けきった。

「……ふぅ。魔符装備じゃなければ即死だったぜ」
「これだけの弾幕が一発も当たらない、か。あの時と同じね。やっぱりこの賢者の石でもう一度……」
「待て待て待て!」
「何を待てというの?」
「酷いじゃないか、パチュリー。ただ本を借りに来ただけの友人に、いきなりロイヤルフレアは無いぜ!」
「胸に手をあててよく考えた後でも、もう一度その台詞を言えるかしら?」
「酷いじゃないか、パチュリー。ただ本を借りに来ただけの友人に、いきなりロイヤルフレアは無いぜ!」
「躊躇すら無いとかどうなのよ……とにかく、今日もまたうちの本を盗りに来たのかしら?」
「人聞きが悪い事を言うなよ。私の事をよく知らない人が、私がまるで泥棒か何かだと勘違いする
 だろう? 私はただの人間で、普通の魔法使いだぜ」
「その人間と普通の魔法使いの頭に、手癖の悪いとつけておきなさい」
「それはさておき、今日も本を貸してもらうぜ」
「おかないで欲しいわね……とにかく、うちは里の貸本屋ではないのだから、そもそも貸出自体お断りよ」
「鈴奈庵で借りると、ちゃんと返さなくちゃいけないから面倒なんだよ」
「うちの本もちゃんと返しなさいよ! ……とにかく、今日という今日はお断りよ」
「ふふっ、これを見てもそんな事が言えるかな……?」

 そう言って私は懐から一冊の古ぼけた本を取り出した。
 表紙にはGrimoire of A;liceのタイトル。そう、それは……

「それは……アリスの持っていた……!?」
「へへっ、究極の魔法を記した魔導書、らしいな」
「……この図書館の蔵書にも写本すら存在しない、彼女だけが持つorigin……
 それをどうして貴方が?」
「ちょっと借りてきただけだぜ」
「……盗ってきたのね」
「だから人聞きの悪い事言うなって」
「で、その魔導書と引き換えに、貴方は何を望むの?」
「デートしようぜ!」

 私の言葉に、パチュリーは思いっきり目を見開いた。
 こいつのこういう顔が見れただけで、今日は大収穫ってもんだぜ。

「デートって……何を言っているの、貴方?」
「で、え、と。だぜ! パチュリー、私とデートしよう!」
「……あのね、魔理沙? デートというのは、好き合ってる男女がさらに
 その恋愛関係を深くする為に行う物であって……」
「私はパチュリーの事、好きだぞ?」
「……」

 あれ? 私、おかしな事言ったか? 何かパチュリーの奴、顔真っ赤にして
プルプル震えてるんだが……

「……貴方は、そういう事を無自覚に言うのよね……そういうつもり、全然
 無いのよね……だというのに私は……ああ、もう……」
「何ブツブツ言ってんだ? まさか、喘息の発作でも出たのか!? 苦しいのか!?」
「違うわよ! ……心配は無用よ」
18 ◆91wbDksrrE :2013/03/28(木) 17:01:02.48 ID:vobxxxXR
 まったく、おかしな奴だぜ。まあ、発作とかじゃないなら何よりだ。

「で、どこへ行こうと言うの?」
「へ? 何がだ?」
「貴方が行こうと言い出したんでしょうが! その……で、デートよ」
「ああ、そうだよ。まあ、遠出はパチュリーもきついだろうし、そこの湖にでも行こうぜ」
「湖、ねぇ。まあ、今の時期は氷精達もおとなしいでしょうし……いいわよ」
「そうと決まればスタコラサッサだぜ!」
「ちょっとまって……小悪魔」
「はいパチュリー様!」
「おう、いたのか、小悪魔」
「ええ、ずっと」

 パチュリーの使い魔である小悪魔が、本棚の影から現れた。
 こいつ、パチュリーが呼んだらどんな時でもすぐさま出てくるんだよなー。普段
どこにいるんだろうか?

「釣竿と疑似餌を用意してちょうだい。二人分ね」
「あいあいさー!」
「……釣り? 湖でか?」

 それはちょっと考えてなかったな。

「ええ。魔理沙、貴方は少し落ち着きというものを身につけた方がいいわ。釣りという
 遊戯は、忍耐力を養う為にはぴったりよ」
「……苦手なんだがなぁ、じっくりと待つってのは」

50 自分: ◆91wbDksrrE [sage] 投稿日:2013/03/28(木) 16:52:35.97 0
 ……そう、苦手なんだよ。霊夢とかよく神社近くの川でやってるが、見てるだけで
イライラしてくる。はっきり言って、向いてないぜ。

「苦手を克服してこその魔術師よ。動かない大図書館を動かそうというのだから、
 そのくらいは我慢しなさい」
「まあ、パチュリーがそうしたいってんなら別に構わないが……」

 とはいえ、まあ今日はやむを得ないか。実際、パチュリーの言う通りでもあるしな。
 苦手を克服し、常識を超越してこそ、大魔法使いへの道は開かれるってもんだ。
 ……ちょっと憂鬱だけどな。

「よし、じゃあ行こうぜ、パチュリー!」
「……本当に……私を外へ連れ出したいだけなら、こんな回りくどい事する必要ないのに」
「ん、何か言ったか?」
「いいえ、何も。……あ、そうだわ。帰ったら、その魔導書、見せてもらうわよ」
「ああ、約束だな! ほら」
「……?」
「ほら、小指出せよパチュリー。指きりげんまんくらい知ってるだろ?」
「………………」
「……パチュリーって、何か時々脈絡無く顔真っ赤になるよな? なんでなんだぜ?」
「貴方にわからないなら、多分私にもわからないわよ……」

 ちなみに、件の魔導書の中身が、ただのアリスの日記帳で、それを見た私達が
生暖かい目でアリスを見る事になったのは、ただの後日談なんだぜ。

                                          おわり
19 ◆91wbDksrrE :2013/03/28(木) 17:03:13.50 ID:vobxxxXR
コピペミスは見ないふりしてくださいねっ♪(汗

ここまで投下です。
20 ◆91wbDksrrE :2013/03/28(木) 17:20:21.25 ID:vobxxxXR
注意書き忘れるとは・・・

パチュマリです
21創る名無しに見る名無し:2013/07/26(金) NY:AN:NY.AN ID:J7fI22+G
>>1 東方 安心と信頼の紅魔(工作)
→紅魔人気を演出するため投票や動画で工作開始 その影響で最萌が開催不能になりニコ動では紅魔動画マイリスの不自然な増加が見られるように
→→萃夢想で萃香に余裕で倒され激怒でディス工作 文花帖も併せて運命操作(笑)のレミリア厨はう〜と池沼の真似をし現実逃避
→儚月抄の依姫圧勝で紅!魔!厨が発狂 徹底的にキャラ&作品を叩きなかった事にしようとする月に関与が深い永遠亭も工作にて封殺を図る
→→上位に割り込んだ挙句自機にも割り込んできた早苗を徹底的にディスる流れへ工作 なお射命丸の時にも同様の工作を実行
→紅魔を完全スルーした星蓮船をネガキャン 出番を増やすため人気の出てきた地霊殿の古明地姉妹に擦り寄る紅魔
→→神霊廟で妖夢自機抜擢早苗自機続行で咲夜厨が以前から行っている工作を強化 紅魔が蔑ろにされ続ける宗教路線のネガキャンへ
→紅魔が背景扱いの心綺楼をネガキャン 咲夜自機(笑)の輝針城を持ち上げる が体験版直後の投票は咲夜急落で工作メイドと揶揄 レミリアも鈴奈庵登場で厨が持て囃した割に無様な結果
紅魔以外の勢力リーダーはBBAとディスって定着させよう
→被害者:幽々子・紫・永琳・神奈子・聖 ビックリするほど紅魔に都合がいい組み合わせ 魔理沙:泥棒 妹紅:人殺し 文:マスゴミ 早苗:非常識 聖:偽善者などのレッテルを極端にしたディス工作にも紅!魔!厨が多数関与

http://i.imgur.com/5z9kh.jpg http://i.imgur.com/fVQ2B.jpg http://i.imgur.com/fB8aO.png http://i.imgur.com/B05hr.jpg http://i.imgur.com/REB8Q.jpg
http://i.imgur.com/0DnAt.jpg http://i.imgur.com/udyV6.jpg http://i.imgur.com/NbLcv.jpg http://i.imgur.com/1caXJ.jpg http://i.imgur.com/ueuni.jpg
http://i.imgur.com/NsBPO.jpg http://i.imgur.com/B3EjQYG.jpg http://i.imgur.com/M0JhRE7.jpg http://i.imgur.com/X0QaBIg.jpg http://i.imgur.com/p9pes.jpg
http://i.imgur.com/Bw268PP.jpg http://i.imgur.com/IqaS6nd.jpg http://i.imgur.com/uUnI2v2.jpg http://i.imgur.com/oTaAoNv.jpg http://i.imgur.com/kco4ecF.jpg
http://i.imgur.com/mLWkMLo.jpg http://i.imgur.com/4nojk2s.jpg http://i.imgur.com/bL16y.jpg http://i.imgur.com/YIbxs.jpg http://i.imgur.com/grr2qSG.jpg
http://i.imgur.com/JvaPWeZ.jpg http://i.imgur.com/Ix5jdqh.jpg http://i.imgur.com/wEmbw.jpg http://i.imgur.com/pvtGa.jpg

東方心綺楼 http://www.tasofro.net/touhou135/
東方心綺楼で出て欲しいキャラ http://www.logsoku.com/r/news4vip/1349777531/
28 : >>25 紅魔は人気あるから出て当然 逆に不人気は要らない
35 : >>32 姉妹と咲夜以外は人気無いし要らない
37 : >>34 人気あることには変わりない
41 : >>38 で? その紅魔アンチさんに紅魔陣営を殲滅できるほどの力がございまして?w
50 : >>43>>45 人気キャラや人気な陣営が優遇されるのは当然の流れ 勝手にキチガイにするなアンチが騒ごうとこの流れが変わるわけが無い

紅!魔!厨は害悪…
https://twitter.com/koumachu_bot
22創る名無しに見る名無し:2013/07/26(金) NY:AN:NY.AN ID:J7fI22+G
東方鈴奈庵に紅魔が出た時の紅$魔$厨
http://i.imgur.com/4ZHfWnp.jpg http://i.imgur.com/grr2qSG.jpg http://i.imgur.com/Bw268PP.jpg http://i.imgur.com/uUnI2v2.jpg
新三部作は糞ゲーに篭っててな  やっぱり星と神はいらねえな
東方はやはり永まで  新三部は糞ゲーと一緒に沈んでね  宗教勢力敗北!紅魔大勝利!
やはり紅妖が正義やな  茨はもう用済みだな  茨いらね  心綺楼はやっぱ糞ゲーだわ
産廃宗教勢力敗北  心綺楼は…うん 宗教勢力もろとも消えてな  カルト集団とかいらないっす
やはり宗教は害悪  鈴おまけ漫画もゴミだったし  やはりレミリア正義
秋枝とかいう糞ゴミ完全に死亡 もえがいればいい  大 正 義 紅 魔 館  心綺楼も期待できないし
やはりZUNはやれば出来る奴やな  宗教勢力もこれぐらいかわいい生き物用意してみせろよ
可愛すぎる…やっぱり東方は永で完結していたんや…  ゴミ屑カルト信者死亡wwwwww
秋枝とかいうゴミは二度と東方書かないで欲しい  もえの時代がきた  秋枝がいかに無能だったのかがわかるな
秋枝ってマジで才能ないゴミクズ漫画家だったな  やっとまともな東方公式作家が現れたんだ
早苗死亡確認ざまぁwwwwwwwwwwwww  やはり紅魔は東方にて最強…
人気ない奴らをどうにかしようと足掻くより偶発的に人気出た奴らをどんどん推してったほうがやっぱ界隈は活気づくな
本当にレミリア大勝利すぎる 可愛いは正義だとあらためて思った   早苗息してない

>>1 http://dic.nicovideo.jp/b/a/%E5%8D%81%E5%85%AD%E5%A4%9C%E5%92%B2%E5%A4%9C/1741
1768 11位の不人気糞キャラの信者は無視するとして・・・
1782 別に謝らなくてもいいと思うよ 俺も早苗嫌いだし
1801 でも実際早苗は嫌いだろ? 出番とられたわけだし
http://dic.nicovideo.jp/b/a/%E5%8D%81%E5%85%AD%E5%A4%9C%E5%92%B2%E5%A4%9C/1261
1270 人気の紅組か不人気の永組か 空気を読むかあえて壊すか…。どうなんだろ・・・
1272 「二次創作は見ない」と公言する人ほどに我が道を行くやり方の人だが同時に「話題にならないキャラを使っても…」という発言もあるからねーまあどちらを使っても話題にはなるから後者で考えるのは的外れかな
1276 >無軌道にキャラ増やさないように自重し始めた >「話題にならないキャラを使っても…」
   どこでの発言だこれらは紅$魔$厨の妄言にしか見えんぞ
1277 また延々逆ギレして他キャラネガり続けるだけだし次は自機でいいよそれで気が済むなら >>1270みたいな無自覚に傲慢なセリフが出てくる奴ってのは怖いね
1279 まあ紅魔はファンの数が多いので割と何を言っても許される雰囲気はあるかも色んな勢力のキャラのファンを兼任してると違いを実感することも多いえっこれ叩かれないんだあるいは逆にこの扱いにすら文句付くんだみたいな
1280 特定のキャラのファンだからそれ以外のキャラを批判するって本当にあるのかなキャラ問わず原作二次問わずに東方が好きだから悲しくなるまあ好きな順位くらいはあるけどね
1281 >特定のキャラのファンだからそれ以外のキャラを批判する
   悲しい事だが咲夜周りの絵師サイドで何人かそういう事する奴を知っているんだ・・。
23創る名無しに見る名無し:2013/07/26(金) NY:AN:NY.AN ID:J7fI22+G
「紅以外のキャラ貶し ネタだから怒るな」 「紅魔館のキャラ貶し キャラ叩きするな」
>>1
口授の能力は自己申告っていうのでとあるビッグマウスのゴミキャラを思い出してすべて納得したわ 運命を操って最強とか脱糞ものの踏み台二次を大量配布し続けてきた紅!魔!厨って生きてて恥ずかしくないの?

ニコニコの人気投票の紅!魔!厨の多重酷いな 咲夜は上位を散らしていきなり1位パチュリーは25位→5位とかあからさま過ぎて笑えるレベル 美鈴とか地味なのも軒並み票伸ばしてやがるし最萌2の時と同じで紅魔キャラ全部に多重しやがったのが丸解り
いつかの人気投票でも「人気がすべて人気の無い連中は紅魔の踏み台で当然」とかガチで言ってたし
紅魔信者が東方二次創作ゲーで儲けたきゃ紅魔を出して待遇よくしろよ とかガチで言っていたのはマジドン引きしたわ

咲夜を超えたキャラが叩かれて次の年引きずり降ろされる流れはもう飽きた 今年:こいし 一年前:アリ 二年前:幽香 三年前:早苗 四年前:射命丸 こいつら例外無く咲夜かレミリア超えてから紅!魔!厨に叩かれ出したし
自分達は永遠低とか不人気寺とか落ち目守矢とかボロクソネガキャンしてる癖に二次で紅魔の扱いが悪かっただけで作者を叩きまくるから紅!魔!厨は質が悪い
普通の感性なら他sageして露骨な紅魔ageするような二次はどうか簡便してくださいって思うところを当然当たり前としてやっちゃうのが怖いわぁ 紅魔さえいれば東方は安泰東方人気は紅魔のおかげ売れたきゃ紅魔優遇しろとか狂気の沙汰や

神霊廟発表時の咲夜厨の暴れっぷり 自機になった妖夢と自機続投の早苗をボロボロに叩いてる姿には恐怖すら覚えたね
咲夜とかすぐ他の従者キャラを踏み台にする 完璧で瀟洒とか言って他の連中をダシに咲夜をシタリ顔で持ち上げ 挙句にDIOより凄い優れてるとかクロス作品でもやる無神経さ傲慢さ浅はかさ
咲夜の自機選外ネタもdisり役のキャラが明確な悪役で不遇な咲夜さんかわいそう!て描かれ方だしやり口がワンパターン

http://i.imgur.com/juM1pgb.jpg (;´∀`)うわぁ…なぜか紅魔館キャラだけコメとマイリスの相関がおかしい…相変わらず紅魔は工作ばっか……
黙ってマイリス(笑)えらい再生数多いからどんなかと思ったらマジで意味がわからん手抜き動画だったり そういうのやたら紅魔が多いんだよねぇ〜何でかなぁwマジ露骨過ぎてワロタ
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/comic/5990/1345389843/181
紅魔が使いやすいとかいう主張は設定がペラいから二次設定を詰め込みやすいと読み替えていいだろう お得意の妄想とゴリ押しさえあればそりゃどこでもSやろな アホやろか
お手軽創作キット紅魔様で二次創作が量産 →新参がそれを公式だと勘違い →新参が創作を始める時、お手軽創作キット紅魔様に手を伸ばす おおクズの連鎖怖い

カリスマブレイク(笑)とか言ってるけどレミリアに本当の意味での汚れは絶対にさせない「格好いいレミリアがこんなに可愛いでしょ?汚れ仕事させたよ?」っつー風潮
ホフゴブリンを偉そうに顔踏みつけてるレミリアなんなの?ゴブリンがどうでも良かろうが レミリアが綿月より見下しと傲慢の酷いクソキャラなのは変わらん訳で それで綿月だけ叩いてレミリアスルーとかどう見てもただの紅!魔!厨
何がレミリアのカリスマで集まっただ 嫌われているって設定だったろうが 本当こいつら他叩く時は平気で捏造でも嘘でもやるくせに 紅魔持ち上げマンセーする時は好きなだけ 都合良く設定無視しやがる

某スレで踏み台欲しい発言聞いて戦慄した…ああだから平気で他のキャラdisれるんだなって こいつらが空気読まずにアーカードやDIOをレミリアや咲夜の当て馬にして持ち上げなんて恥知らずなことするから完全に東方は厄介者扱い
なんでそんな恥知らずなことが当たり前にできるのか紅!魔!厨は理解に苦しむ…普段他キャラを貶め慣れてるからその延長の気分であっさりやっちゃうんだろうね
http://or2.mobi/data/img/29182.jpg http://or2.mobi/data/img/29183.png http://or2.mobi/data/img/29184.jpg http://i.imgur.com/B05hr.jpg http://i.imgur.com/REB8Q.jpg
魔理沙アンチ=早苗アンチ=星アンチ=紅!魔!厨
24 ◆91wbDksrrE :2013/12/15(日) 15:16:54.69 ID:WQQpgv3j
「霊夢ぅさぁん! 遊びに来ましたよぉー!」

 時刻は太陽が頂点を過ぎ、やや下り始めた頃。住居たる博麗神社の境内を掃除していた
霊夢は、自らの名を呼ぶ陽気な声に、地面に集めた落ち葉から視線を上げた。
 吐く息は陽が高くとも白く、霊夢もいつもの服の上から羽織を着こみ、かじかむ手に吐息を
吹きかけながら箒を握っていた。

「……でかい声出さなくても聞こえてるわよ」

 ボソリとしたその声が届いたのか届かなかったのかはわからないが、どうやら陽気な声の
主もまた霊夢の存在に気づいたらしく、てとてとと駆け寄ってくる。
 緑の髪に、蛇と蛙の髪飾り。蒼をあしらった白い巫女装束……のような服。何が楽しいのか、
いつもにこにこ笑っているような気がする。
 それが彼女、東風谷早苗だ。

「お掃除中でしたか?」
「ええ、今からこの集めた枯れ葉を使って――」
「焼き芋ですか? 定番ですね」
「――をする為の芋をどうやって調達しようかと思ってた所に、ちょうどあんたが」
「……へ? どうしてわたしとお芋に関係が?」
「ほら、奇跡でこうぱーっと芋を」
「……霊夢さーん。わたしはもしもボックスじゃないんですからね」
「もしも……ぼっくる? コロボックルの親戚か何か?」
「お願いしたら何でも叶う、都合のいいアイテムじゃないって事です!」
「外の世界では、そういう道具の事をもしもボックスって言うの?」
「まあ、それはちょっと微妙に違うんですけど……説明、長くなりますよ?」
「じゃあいいわ。で、芋。出せるの? 出せないの?」
「出せませんってば! どっかの豊穣の野良神様じゃないんですから……」
「あれはあれでねぇ……だって、お尻から出すじゃないの」

 霊夢は手をひらひらさせながら、目の前の少女の姿を改めて見た。
 今日もいつもと同じようににこやかに笑っている。以前、とある異変の時にちょっとお灸を
据えて以来、何故か度々この神社にやってくるようになった。本人は分社――その異変の
折に彼女の住まう神社のご神体を分社の形で置いているのだ――の手入れをする為だと
言っているが、実際にそれをしている所を見たことはほとんど無い。
 だったら一体何の為に……と霊夢も考えた事はあったが、三秒程でやめた。本人がここに
来る事を望み、それが楽しいのならばそれでいいだろう。
 それはさておき――と霊夢は改めて集めた落ち葉の山を見た。

「……せっかく集めたのに、何かこのまま火つけて燃やすだけ、ってのも、ねぇ……」
「……なんでチラチラこっち見てるんですか」
「ほら、何か持ってきてるんでしょ。出した出した」
「もぉー、なんで霊夢さんってそんな遠慮が無いんですかー。巫女としての慎みとか、
 そういうのはどこへ置いてきちゃったんです?」
「あんたが常識を置いてきちゃった所に、多分あるわよ」
「……ああ、あそこですか。じゃあ取り戻すの無理ですね」
「そそ、無理無理。で?」
「……いや、ありますけどね、おみやげ」
25 ◆91wbDksrrE :2013/12/15(日) 15:20:19.60 ID:WQQpgv3j
 霊夢の視線は、先ほどから「それ」をずっと見つめていた。早苗が小脇に抱えている風呂敷
包みを、だ。そして霊夢の勘は、その中身がある物だという事を告げていた。
 この季節――冬だ――、風呂敷包みに包まれて持ってこられる物。ただぶらさげるだけでなく、
小脇に抱えるという事はやや柔らかい物であると考えられる。また、基本的に早苗の持ってくる
おみやげは食べ物であるという経験則に加え、尚且つ冬のこの寒さの中、外で食べる物だとは
考えられない。
 以上の事から、霊夢はその中身をこう推理した。

「じゃあ、さっさと出しなさい。焼きみかんするわよ」
「……毎度、よくわかりますよねぇ。別に匂いとかで察知してるわけじゃないんでしょう?」
「勘よ、勘。貧すれば鋭するのよ、私の感覚は」
「あー。また貧してるんですか……」
「まあ、食うに困るって程ではないけどね」
「最近異変もありませんからねぇ……」
「あんたも頑張ってるみたいだし、ね」
「いやあ、それほどでも……てへ」
「微妙に皮肉だったんだけどなぁ」
「皮肉とか、わたしには通じませんからっ!」
「なんでそこでドヤ顔……あんたも一応巫女みたいなもんなんだから、もうちょっとこういう
 機微は身につけておいた方がいいんじゃないの?」
「えへへ……善処しますです、はい」

 博麗神社は、とにかく人が来ない神社として有名である。理由は様々だが、最大の理由は
主――正確には神社の主は祀られている神なので、便宜上の家主としての主――である霊夢
が、人も妖怪も霊魂や妖精の類まで、全く別け隔てなく接し、害を為さない物には平等に応対
する結果、神社が遠慮の無い妖怪のたまり場と化している……という噂が流れている為である。
そして、煙とは火の無い所に立たない。ようは、噂は事実である、という事だ。
 そして神社とは、基本的に参拝客にお守りや破魔矢などを売ったり、参拝時のお賽銭などで得られる
金銭をその収入としている。つまり、参拝客が来ないという事は、神社としての収入はほぼ零である、
という事なのである。どこぞの妖怪には「霊夢――零 無――って名前が悪いんじゃないの?」などと
言われた事もあるが、親――生死もわからない行方しれずだが――から貰った名前を今更変える
つもりは霊夢には無かった。というか、名前でそんなもん――金運とか――変わるわけねえだろ、
というのが彼女のポリシーである。
 何物にも縛られない、あらゆる物から自由でいられる程度の能力――霊夢のそんな能力は、こんな所
でも発揮されているという一例だった。
 閑話休題。

 そんなこんなで、遊びに来る理由などはよくわからないが、早苗の来訪は霊夢としても歓迎なのである。
 そして、今日もまたこの集めた落ち葉を無駄にせずに済む、ナイスなおみやげを持ってきてくれたと、
その無表情からはわからないが、内心はガッツポーズなのであった。
 尚、これはツンデレではなく、単に物欲が優先されているだけであるという事は、予め記しておく。

続く
26 ◆91wbDksrrE :2013/12/15(日) 15:21:17.25 ID:WQQpgv3j
ここまで投下です。
27創る名無しに見る名無し:2014/03/16(日) 01:07:22.59 ID:of1jWB6C
 
28創る名無しに見る名無し
正邪自機かー