1.そういうわけでセッション、セッション!
GM「そういうわけで、君たちは殺人事件に巻き込まれてしまったってわけよ」
ベル「わたしじゃない! わたしは殺ってないのよぉ!」
マチョ「落ち着け! と言ってベルの頬っぺたを張り飛ばそうw」
ベル「覚えておきなさいよ……。(裏声で)ベルはしょうきにもどった!」
アフロレイ「ちょw それ戻ってないフラグwww」
リリア「とりあえず状況をまとめようか。話が進まん!」
GM「(まとめ役が一人いるとGMは助かるなぁ。仕切りを丸投げできるし……)」
今回のセッションは貴族のパーティーの警備員に雇われた面々が殺人事件に巻き込まれてしまった……というお話。
ただの警備ミッションでは済まないとは思ってたのでしょうが、まさか殺人事件になるとはプレイヤー全員予想外だった模様ですね。
屋敷という一種の閉鎖された空間で起きた殺人事件、凶器は、証拠品はどこに消えたのか? まるで本格ミステリー!
とはいえ百戦錬磨(?)のプレイヤーどもですから、すでにノってきている様子です。はっちゃけ自重。
市警のグレタ警部率いる警察官の尋問責めにあっているところです。
ここでプレイヤーキャラクター(PC)を紹介。
ベル:現世利益最優先の生臭僧侶。通ったあとにはぺんぺん草も残さないがモットー。ヒール一発銀貨10枚が口癖(※あくまでロールプレイです
マチョ:筋肉は世界を救う! がモットーのガテン系戦士/学者。趣味は筋トレと読書で先史文明の書物を蒐集している(※あくまでロールプレイです
アフロレイ:額にキュピーンと灯火の魔法を発動させるのが趣味の魔法使い/シーフ。魔法の実験をしては爆発を起こしてアフロヘアになっている(※あくまでロールプレイです
リリア:パーティーの取りまとめ役な戦士(騎士)。生真面目で苦労人。たまに面白いことを言う(※ロールプレイではなく地であるらしい
【それからどうなった?】
GM「市警のコグレ警部は特に君らが容疑者と思ってるわけではないらしい。警備中に不審なことが起きなかったかを知りたいみたいだね」
マチョ「…………」
ベル「…………」
アフロレイ「喋れwww」
リリア「警備の仕事ほったらかして会場でつまみ食いしてたとは言えないよねぇ(怒)」
マチョ「すんませんっしたー」
ベル「反省シテマース」
GM「コグレ警部は呆れたように「それでいいのかね? 殺されたのは君たちの雇い主だろう?」と言って、君らを見回して「……冒険者なら信用問題もあるだろう仕事的な意味で」と言うのだが」
ベル「うぐぐ。これって依頼失敗ってことになるのかね?」
実際の所今回のセッションはパーティー会場の警備ではなくてこちらの殺人事件解決が本編なので失敗ではないのですが、こういうところ脅しという名の誘導をかけるのもGMのお仕事なのです。
任務失敗となると、報酬や経験点の減額という制裁が下りますし、プレイヤーとしても悔しいですよね。
GM「コグレ警部は先日の城塞爆破事件の捜査に人を取られていることもあって人員を割けないので、君らに捜査を手伝って欲しいようだ」
この城塞爆破事件というのは前回のセッションの事件でした。こういうところを織り交ぜるとなんか話が続いているって感じがしていいですよね。
マンガでも以前関わったことのあるキャラが再登場すると嬉しかったりするもんですしね〜。
2.じっくり探索、ねっとり捜索
この手の事件ミッションでは例えば屋敷の見取り図とか用意しておくと説明しやすいですね。
図面があれば説明もしやすいですし、図面自体をアイテムとして用意しておけばクエスト中に手に入れたことで事件解決の取り掛かりにするという展開も見込めます。
マチョ「地図をみつけたんだゼ?」
ベル「なんで屋敷の見取り図が離れの納屋に隠してあったんだゼ?」
アフロレイ「事件の匂いがする……」
リリア「いや、すでに事件起きてるし」
アフロレイ「そんなことよりさー、ここちょっと見てよと言って、アフロは地図のここをみんなに見せる」
GM「(そこに気がつくとは……やはり天才か)離れの納屋がどうかしたのかね?」
アフロレイ「庭園と築山があるから気が付かなかったけど、離れの納屋と本館のパーティー会場って直線距離だとすぐそばなんだよね」
ベル「そこに気が付くとは……やはり天才か」
マチョ「貴方がいなければ気が付かなかった。貴方はエスパーかもしれない」
GM「(ガンダムかよ)確かに直線距離だとすぐ近くだねー。けど出入り口とか通路があるわけじゃないねー」
マチョ「だがちょっと待ってほしい。風の声に耳を済ませたら出口が見えてくるかもしれないではないか」
ベル「そこに気がつくとは(ry」
リリア「アフロの出番か」
アフロレイ「省略するなし。アフロレイだし」
そういうわけで怪しい離れの納屋を調べ始める面々。アフロレイの感知の魔法とトラップ知識のスキルが床下の秘密通路を暴きます!
ベル「秘密通路キター」
マチョ「秘密通路キター」
アフロレイ「わたしのおかげだな」
リリア「犯人はここを通って会場からここに逃げてきたのね」
ベル「とすると、犯人は外部の人間?」
マチョ「こんな秘密通路を知ってるくらいだし、むしろ内部の人間なんじゃね?」
アフロレイ「わたしのおかげだな」
ベル「アフロはすごいなー(棒」
マチョ「アフロは賢いな(棒」
リリア「飴ちゃんお食べ」
アフロレイ「ちくしょう」
3.さぁみんなで考えよう!
ベル「犯人は兄のジャギ男爵ではなかろうか?」
マチョ「その心は?」
リリア「兄より優秀な弟はいねぇ!」
ベル「あたしの心を読んだ、だと?」
リリア「ジャギ男爵じゃなくて、ジャンゴ男爵でしょ?」
GM「もうジャギでいいよ(元々そういうつもりで付けた名前だし。犯人そいつだし)」
そう、被害者であるケロウ子爵を殺害した犯人は兄のジャンゴ改めジャギ男爵だったのです!
実はジャギ男爵犯人の証拠品も複数配置してあったのですが、なぜかそこだけ避けるかのようにことごとく探索ロールに失敗している面々!
物的証拠がないながらも印象でアタリをつけてきたようだったのですが……。
アフロレイ「けどさァ物的証拠もまだないし、早計じゃね?」
ベル「確かにそうかも。印象だけで決め付けたら失敗するかもね」
GM「(……えっ)」
アフロレイ「確かに印象だけで見れば一番うさんくさいのはジャギなんだけど、普段王都にいないジャギが秘密通路の仕掛けの整備とかできるかなと思ったんだ」
リリア「事件が起きた時のアリバイはトイレに行っていて閉じ込められていた、だっけ」
アフロレイ「トイレと秘密通路の方向って真逆だしさ、彼が犯人ってのにはムリがないかなとアフレイは主張するぞ!」
マチョ「ふむ、一理ある」
ベル「ベルですが、ふいんき的にボケられそうにありません」
ボケるなwwwww
た、確かに屋敷の見取り図的にトイレと秘密通路の入り口は真逆で少々距離がありました。無理があるとも言えなくもないけど……そっちの廊下は人が通らないから人目に触れずに移動できる廊下なんだぞー!
こりゃ本格的にミッション失敗回かなと思うGMだったのですが、そんな荒んだGMに救いの御手が!
マチョ「実は気になっていたことがあってな、と言ってマチョは見取り図を指す!」
GM「なんだね脳筋学者」
マチョ「実はこの秘密通路がダミーで、実は犯人は逃げなかったという可能性さ!」
マチョが言い出したのは秘密通路を使わずに会場を出て証拠品を処分する方法だったのです。
全然想定していなかった方法なのですが、理路整然としていて問題ない感じ。むしろトリックとしてはこちらの方が完成度が高い?!
しかもこの方法だと……。
マチョ「つまり、犯人は……ケロウ子爵の後妻リアだったんだよ!」
GM「な、なんだってー」
ベル「世界は滅亡する!」
4.おもしろけりゃいいのよ
夫の死に涙する妻……しかし、真犯人はその妻だった! というのは火サスや土ワイの定番だけど、今回は全然考えていませんでしたの。
しかし……
トリック→説得力あり
真犯人→説得力あり
話として→おもしろい
GM「(……採用)」
TRPGの醍醐味は楽しいこと、面白いこと、でもあるのです。
この点、HANA子はシナリオを途中で改変したりすることも厭いません。
もちろんいつもいつもこんなことをしてるとTRPGの良い所を潰してしまうこともあるので、あくまで“たまには”ですけどね。
そういうわけでプレイヤーとの掛け合いや探索の合間につじつま合わせしながらシナリオを改変しつつストーリーを進めていくHANA子です。
で、セッションは最終局面へ。
オヤクソクノフィールド
押し寄せる波が砕け散る断崖絶壁
GM「リア夫人は短剣を喉元に宛がって「来ないで! 来たら死にます!」と叫ぶ」
ベル「本気かどうかわかる?」
GM「心理学ロールをどぞ」
ベル「(ダイスをコロコロ)成功かな?」
GM「相当追い詰められてるようだ。本気だね。みんなが近寄っていったら間違いなく刺すと思われる」
リリア「短剣を落とさせることは出来ない? 投げナイフかなんかで」
マチョ「風が強いし距離もあるから難しいかも。下手すりゃ喉にグサッだね」
ベル「よし」
アフロレイ「ん?」
ベル「ベルは一歩だけ前に出て「甘ったれるんじゃない!」と叫ぶぞっと」
マチョ「説得キター」
ベル「あんたは偉いよ。たった一人で貴族の麻薬組織相手に戦って……その親分を殺して。でも貴族の不祥事だから世間には明かせない」
ベル「おかしいじゃないか! たいへんな事件を未然に防いだあんたがなんで身を隠して、死ななきゃいけないのさ!」
GM「リア「それが密偵の宿命だからよ。貴方達に真相を知られたからには……」」
ベル「「それじゃあんまりだ! あんまりにも救われないじゃないか!」と言いながらアフロに目配せ」
GM「(こっそりリアがその目配せに気付いたか判定ロール……失敗)かまわん、続けて」
アフロレイ「隠密ロールいい?」
GM「難易度は困難ね。……ちょっと待って(コロコロ……)リアの注意はベルに向いてるようだからボーナス+3」
アフロレイ「(コロコロ……)成功。アフレイは姿を隠す。ドロン〜」
ベル「自分が誇りある仕事をしているって思うのなら、あんたはその仕事に報われなきゃおかしいんだよ!」
GM「リア「むちゃくちゃ言わないで!」」
ベル「ムチャを言って何が悪い! あんたあたしに言ったよね? 人は誰でも幸せになる権利を持っているんだって! 自分はそうじゃないなんておかしい理屈を信じているっていうんなら、まずその理屈をぶち壊す!」
GM「(ベル条さんキマシタワー)リアは動揺しているみたい。ベルの説得が効いてるみたいだね。アフロは?」
アフロレイ「死角から不意打ちでリアの短剣を叩き落とす。達成値は?」
GM「(ここでファンブッたら面白いなァ)隠密が成功してるから……難易度は普通ね」
アフロレイ「(コロコロ……)……あ」
マチョ「あ」
リリア「あ」
ベル「このベルしゃんのカッコイイところでファンブルとな?」
GM「……クリティカルしやがった。大成功ですし……(ちっ)」
かくして貴族のパーティー席上で起きた難事件は解決。
麻薬密輸事件の真相は闇から闇に消されたものの、嫌疑をかけられた青年貴族「ジャンゴ」改め「ジャギ」の名誉は守られたのでした。
そしてこの後、麻薬事件を闇に葬った国王直属の秘密警察にリアを殺させない為のミッションが始まるのですが、それはまた別のお話だーん。
そういうわけでTRPGミニリプレイでした。
いかがでしょ? 興味をもってもらえたら嬉しいんだけどなァ。