多ジャンルバトルロワイアル Part.10

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1創る名無しに見る名無し
ここは様々な作品のキャラを使ってバトルロワイアルの企画をリレー小説で行おうというスレです。
みんなでワイワイSSをつないで楽しみましょう。一見さんも、SSを書いたことのない人も大歓迎。
初投下で空気が読めないかもしれない? SS自体あまり書いたことがなくて不安?
気にせずにどうぞ! 投下しなくちゃ始まりません。
キン肉マンのラーメンマン先生曰く「最後に勝負を決めるのは技(SSの質)ではない! 精神力だ! 心だ!」

リレー小説バトルロワイアル企画とは……
原作バトルロワイアル同様にルールなし、特定会場で最後の一人が生き残るまで続くという企画です。
キャラをみんなでリレーし、交わらせ、最後の一人になるまでリレーを行う、みんなで物語を作るスレです。
ここしか書けない、このキャラしか書けないという人も分かる範囲で書けるし、
次どうなるかを期待して次の人にバトンを渡すこともできます。
全ての作品を知りつくてしなければ参加できない企画ではないので、興味が沸いたらぜひ参加を!

詳細ルールに関してはこちらを
ttp://www44.atwiki.jp/tarowa/pages/13.html

〜予約、トリップについて〜

予約する際はトリップをつけてしたらばの予約スレに書き込んでおいてください。
トリップのつけかたは、名前欄に #の後に半角8文字以下、全角4文字以下の好きな言葉を打ち込んで書きこんで。
したらばに予約するのは、「他の人が書いてるから避けよう」という心理を利用し、予約だけして放置することで
企画を妨げる「予約荒らし」という行為を防ぐためです。予約期間は5日(120時間)ですが、
間に合わないからもうちょっと伸ばして!という報告があればさらに2日予約期間を追加(48時間)できます。

したらば(予約などいろいろな時にご利用を)
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11918/
wiki(まとめサイトです)
http://www44.atwiki.jp/tarowa
2創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 00:17:14.10 ID:5FkmQPvm
★キャラクター能力制限★
・シャナ(@灼眼のシャナ)、C.C.(@コードギアス)は再生能力を落とす&急所(頭)をぶち抜かれたら即死。
・ルルーシュ・ランペルージ(@コードギアス)のギアス能力は、「死ね」「殺せ」など、直接相手や自分の生死に関わる命令は無効。(「死ぬ気で頑張れ」とかならあり)
・らき☆すたキャラのオタ知識、ラノベ知識は制限。
・仮面ライダー龍騎キャラのミラーワールドへの侵入禁止。
・ローゼンメイデンキャラのnのフィールドへの侵入は禁止。
・泉新一(@寄生獣)はミギー付き。
・COMP(@真女神転生)は禁止。
・シャナ(@灼眼のシャナ)の「封絶」は禁止。

★支給品としてのアイテム制限★
・KMF(@コードギアス)などのロボ系は禁止。
・仮面ライダー龍騎キャラには、自分のカードデッキを支給品枠2つ分としてカウントして支給。それ以外のキャラに支給される場合は支給品1つの扱い。
・デスノート(@DEATH NOTE)は禁止。
・サタンサーベル(@仮面ライダーBLACK)はシャドームーンから没収&世紀王の呼び寄せ禁止。
・カードデッキの変身は10分で解除。
・カードデッキは変身すれば1時間、ファイナルベントを使えば更に1時間使用不可となる。

★その他★
・ひぐらしのなく頃にの雛見沢症候群は、まあ、空気読む方向で。
3創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 00:18:15.78 ID:5FkmQPvm
4/6【コードギアス 反逆のルルーシュ@アニメ】
●ルルーシュ・ランペルージ/○枢木スザク/○C.C./○ロロ・ランペルージ/●篠崎咲世子/○ジェレミア・ゴットバルト
2/6【ひぐらしのなく頃に@ゲーム】
●前原圭一/○竜宮レナ/●園崎魅音/●北条沙都子/○園崎詩音/●北条悟史
3/5【スクライド@アニメ】
○カズマ/●劉鳳/○由詑かなみ/○ストレイト・クーガー/●橘あすか
3/5【らき☆すた@漫画】
○泉こなた/○柊つかさ/●柊かがみ/●高良みゆき/○岩崎みなみ
2/5【るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-@漫画】
●緋村剣心/●斎藤一/○志々雄真実/●瀬田宗次郎/○雪代縁
3/4【仮面ライダー龍騎@実写】
○城戸真司/○北岡秀一/○浅倉威/●東條悟
2/4【ルパン三世@アニメ】
○ルパン三世/●次元大介/○石川五ェ門/●銭形警部
3/4【ローゼンメイデン@アニメ】
●真紅/○水銀燈/○翠星石/○蒼星石
1/3【ガン×ソード@アニメ】
○ヴァン/●レイ・ラングレン/●ミハエル・ギャレット
3/3【寄生獣@漫画】
○泉新一/○田村玲子/○後藤
0/3【ゼロの使い魔@小説】
●ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール/●平賀才人/●タバサ(シャルロット・エレーヌ・オルレアン)
1/3【バトルロワイアル@小説】
●稲田瑞穂/●千草貴子/○三村信史
1/2【相棒@実写】
○杉下右京/●亀山薫
2/2【仮面ライダーBLACK@実写】
○南光太郎/○シャドームーン
2/2【真・女神転生if...@ゲーム】
○男主人公/○狭間偉出夫
2/2【DEATH NOTE@漫画】
○夜神月/○L
1/2【TRICK@実写】
●山田奈緒子/○上田次郎
1/2【バトルロワイアル@漫画】
●織田敏憲/○桐山和雄
1/1【ヴィオラートのアトリエ@ゲーム】
○アイゼル・ワイマール
1/1【灼眼のシャナ@小説】
○シャナ

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4創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 01:45:02.55 ID:IququXyt
スレ立て&埋め乙

自分もやっといて何だけど、カオスだった
5創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 01:45:22.27 ID:5FkmQPvm
埋め乙ー
ちょうど1,000レス&500kbか
6創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 01:54:12.03 ID:dXKY34E/
スレ立て&埋め乙ー
7創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 01:55:44.96 ID:cQVyDX3c
スレ立て乙です
8創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 10:23:52.50 ID:KAsYF6oU
スレ立て乙です
何気に上田先生と縁がセットで笑えたw
9創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 11:19:54.68 ID:Xr5GwXrm
立て乙
最後の真ん中誰?
10創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 19:15:57.80 ID:IququXyt
上田?
11創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 19:46:36.82 ID:81BeS0Qj
とりあえず不幸四天王を作って用語化しようぜ

北岡先生 筆頭。ただし最近は主人公化の傾向がある。しかしサラマンダー浅倉やL4詩音に付け狙われたり、周りは危険人物だらけだったり、包囲網が現在進行形で増殖中だったりと相変わらず不幸である。ゾルダのデッキさえ盗られなければこんなことには???

ストレイト?クーガー 休まない人。フルボッコ対主催。とにかくむくわれない。ちなみに彼の不幸の要因のほとんどに泉こなたが関わっており、もしかしたら彼女に幸福を吸われているかもしれない
12創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 19:48:54.34 ID:81BeS0Qj
やべ、なぜか?になってる
13創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 20:15:14.10 ID:Xr5GwXrm
でも北岡ってあれだけ病院で色々あったのに、同行してた五ェ門もつかさも死ななかったし
怪我もしてないし
そもそもデッキ取られたのって不幸じゃなくて単なるミスだし
これからどん底に落ちるかも知れないけど、不幸のただ中にいるって感じしないんだよね

スザク見た後だからそう思うのかも知れないけど
14創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 20:18:32.30 ID:5FkmQPvm
北岡先生は不幸を乗り越えることができる
スザクは不幸を乗り越えたところでどうしようもない

不幸四天王作るなら確定面子と候補面子に分けたら?
15創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 20:25:25.77 ID:81BeS0Qj
確定面子
クーガー、スザク
候補面子
北岡先生、ジェレミア、レナ、かなみ、蒼星石ってところか???
16創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 20:48:04.56 ID:BGBuX3PJ
背負ってる悲しみの量だけで言えば、
見せしめでいきなり親友殺されて、第一放送で姉のような存在に死なれたみなみもなかなか

つかさも第一放送直前ならここに入ったかもしれないけど、上手く持ちなおしたからなぁ
17創る名無しに見る名無し:2011/11/26(土) 20:50:26.01 ID:IququXyt
>>15
さっきからsage忘れてるぞww
しかし確定メンツ二人の安定っぷりが異常

北岡は既に色々言われてるから略
ジェレミアはフルボッコ対主催&ルルーシュがもう死んでて「不幸を乗り越えたところでどうしようもない」って点がスザクと共通
レナは影月と後藤の両方に出会っちゃって不幸、ついでにひぐらし勢がガンガン死んでいくのも不幸
かなみは相手の心が分かる能力持ちなのに次から次へとマジキチに会っちゃうのが不幸、周りの人が死にまくるのも不幸
  でも一番の不幸は最初に出会ったのが上田だって点だと思うの
蒼星石は同行者を一度に失ったうえに残ったのがステルスマーダーなのが不幸

個人的にはもう一人のフルボッコ対主催として蒼嶋を挙げたいところだけど、人数多すぎるェ
あと他の候補がみんな対主催なのに、一人マーダーなのに不幸なスザクはやっぱパネェ
18創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 01:36:51.47 ID:UDW/zLTL
上手く説明できないけど、スザクだけはなんか他の不幸連中と違うんだよなぁ
ジェレミアやクーガーは熱血死も十二分に有り得そうだけど、スザクは鬱死以外の終わり方が見えない
19創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 02:53:17.32 ID:1A1bFXtL
原作からして父親を殺してしまう、祖国からは裏切り者扱い、恋人を親友に殺される、
親友を売ってまで地位を得た果てに街を一つ消滅させ、最後は極悪皇帝の騎士として名を残して親友を殺すと不幸まみれだからな
そういえば、スザクはこれまでにロワに六回出ているけれど死んだのはアニ2ndだけだな
20創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 04:47:46.80 ID:nFAcEsxP
>>9
遅れたけれど最後の真ん中の人はイナズマイレブンの五条さん
右京さんと同じく思わずさん付けして呼んでしまう人だ
21創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 11:55:59.58 ID:ZpIP8Qqs
確かにクーガーが鬱死するところは想像しづらい
22創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 12:19:51.68 ID:H3QL64wt
対主催で一番元気なのって
志々雄さんだろうな
23創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 13:07:32.23 ID:wCQI4s79
>>22
むしろ中途半端でぬるいみたいな事言ってたしな。
24創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 18:43:32.56 ID:H3QL64wt
蒼嶋ってそんなフルボッコだったけ?
25創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 18:48:49.61 ID:Ls2SOJjs
蒼嶋の話題どこにあったかな?
ちょい会話の流れを見失った
26創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 20:54:13.72 ID:QsO0AIB/
>>17じゃね?
27創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 20:58:08.90 ID:Ls2SOJjs
おー、了解了解。
直前に蒼違いのがあったから見逃してたw

ここまでの戦績が全部黒星に近い形でしかも交流深めてたちーちゃんを殺されちまってたな。
他の対主催勢と比べて和気あいあいと親交を深めてただけに実際に受けた傷以上にフルボッコな印象はある。
28創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 21:22:26.12 ID:wCQI4s79
宗次朗の紹介ページでスタンスがマーダーのままだったんで、変えといた。
29創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 22:08:28.31 ID:lZygi4yP
ぜんスレでも言われてたけど、対主催には一歩足りないんじゃないかなぁ
少なくともわざわざ変える必要もないような
変えるとしたら死亡者リストまでいじらないといけないし
30創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 23:02:33.14 ID:wCQI4s79
うーん、そうかね?
じゃあ戻しとく。
31創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 23:07:48.12 ID:0i7NarHE
現在までの状況で、もしらきロワにこのロワが参戦してたらどういう面子になってたかね?
とりあえずかがみと行動共にして、こなたと因縁あってつかさと出会ってるクーガーは鉄板って感じがするけど。
32創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 23:45:46.42 ID:nFAcEsxP
とりあえずクーガー、五ェ門、北岡、才人あたりじゃないか?
あとはスザク、カズマ、右京、L、光太郎、アイゼルから1〜2人ぐらい
33創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 12:26:32.44 ID:eoO0qczU
みゆき殺しただけのスザクなら、関係拗れてる最中のジェレミアの方が関係濃いような
あとズガン枠でルルーシュ入れようぜ
34創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 16:22:20.25 ID:rFXHV9IL
ミハエルと東條と宗次郎に
酷評される上田先生w
35創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 17:27:50.28 ID:MSv3iYoW
カズマにも酷評されてる
36創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 17:31:01.99 ID:L8Znc5LH
スタンスからして役立たず・疫病神だからなw
37創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 20:26:06.83 ID:rFXHV9IL
志々雄さんと縁か
るろ剣勢で残ってるのw
38創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 21:02:53.26 ID:yF0ucxdv
マーダーでも特にダメな二人組に貶されるとか相当だな
39創る名無しに見る名無し:2011/11/28(月) 22:59:09.54 ID:A994JBC6
上田先生ディスんじゃねーよ
対主催の中でも特にスペック高いんだぞ

活用できてないだけで
40創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 14:29:29.98 ID:/943kINd
上田先生はかなみに好意以上のもの持ったら
危機的な場面で活躍するはず

カズマにボコられるだろうけど
41創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 15:36:02.03 ID:vN3xR+Uy
上田はカズマにも光太郎にも関わってるし
二人とも最強クラスの対主催でだけに不安w
影月はまだまだ元気だし
42創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 16:06:10.79 ID:kQ/F0HfU
実際がんばってもらわないと困るんだけどな
首輪関連を何とかできそうなのって他に三村ぐらい?
43創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 16:10:12.28 ID:tmS3UBaM
狭間もじゃね
44創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 20:49:41.84 ID:922hJ1t2
狭間もだな、スーパーハイスペック
でも現在位置を見てみたら涙がでてきた
マジでボッチだ…
45創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 21:36:47.11 ID:vN3xR+Uy
ヴァン達もボッチ化しそうw
46創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 21:41:54.78 ID:9jGSSGTX
ヴァン達は近くにカジノやモールやホテルとなんかありそうな施設があるから見ててにぎやかな感じになりそうだからいいけど
狭間は素で一人な上に目的から考えるに次に訪れる地点が牧場とか……w
47創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 21:46:46.65 ID:tmS3UBaM
牛さんと戯れる挟間を想像した
48創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 23:04:15.31 ID:WLh1BWp0
牛がナンディさんなんですね、わかります。
デミナンディなら食肉加工とかできるんだろうか…?
49創る名無しに見る名無し:2011/11/29(火) 23:59:01.86 ID:bn1MXFjp
>>42
ルパンを忘れるなんて!
あと、アイゼルも技術者だ。
50創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 00:00:52.80 ID:7CfNhNmv
サタンサーベルって世紀王が持つとどんなことができるんだ?
ビルゲニアの盾を切り裂いたことくらいしか覚えてない
51創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 00:26:03.14 ID:ZToR6ePM
なんかすごいんだよ、その……とにかくなんかすごい剣なんだよ
ビルゲニアもすごいヤツだし創世王からもらったから使えただけで、本来は世紀王しか使えないし(ロワだと制限とかそういう理論で他の人が使えてもいいかもだけど)

真面目な話をするとあれは切れ味とかそういう武器的な面よりも、代々の世紀王が持っていた剣っていう祭器的な面のほうがゴルゴムにとっては重要なんじゃないかな
天叢雲剣みたいな国宝というか、ゴルゴムにとっては神聖で権威を象徴するものとするというか
52創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 17:00:15.61 ID:3Dk6CEXj
影月とタイマンで闘えるキャラって
光太郎以外にいるかな?
53創る名無しに見る名無し:2011/11/30(水) 17:19:43.80 ID:NJ7kMckQ
話の演出やら構成やら次第だけどそりゃいるだろ。
強さ議論は荒れやすいから細かく挙げてくつもりはないけど影月最強!とか言うつもりもない。
54創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 01:37:50.00 ID:zqWqvlC5
後藤もあんなに絶望感漂ってたのに、けっこうあっさり敗戦したしな
相手が悪かったとはいえ
55創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 02:08:03.79 ID:t/x0+8bI
後藤にとって志々雄は相性最悪だからなー
それでもタバサに致命傷与えてるし、後藤も相当やばい
56創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 05:50:49.84 ID:WTbfCt2O
例外はいくつかあるけど仮面ライダーは基本、飛行能力持ちや長距離攻撃に弱いイメージ
57創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 10:49:43.67 ID:sX8W8zaa
るろ剣勢も飛行能力持ちや長距離攻撃に
弱いイメージだね  
もう二人しか残ってないけれど
58創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 12:04:54.20 ID:l/pgnwck
>>57
おっと飛翔のヘン也さんへの嫌味はそこまでだ
59創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 18:42:26.61 ID:t/x0+8bI
>>58
蝙也さんは弱点を克服するよりもまずは竹刀一発で沈むその耐久力を鍛えたほうがいい
60創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 18:50:31.82 ID:iaDTImqq
鍛えて筋肉つけたら重くなって飛べなくなっちゃうだろ!

…あれ?そもそも飛ばずに普通に鍛えればいいんじゃ(ry
61創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 19:38:58.72 ID:zNKadxYf
蝙也が強いっていうかダイナマイトが強いだけだしな
空を飛んで爆弾落とすって戦法ができるのは蝙也だけだけど、自分が飛ばなくてもなにかしらの代替手段ありそうなところがまた……
62創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 20:28:27.97 ID:sX8W8zaa
縁は参戦時期が倭刀術を学ぶ前とかなら
詩音とかでも倒せるのにw
63創る名無しに見る名無し:2011/12/01(木) 21:59:25.26 ID:zqWqvlC5
蝙也さんってダイナマイト以外に何か武器持ってたっけ?
あのちっちゃい刃物だけ?
64創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 09:46:11.21 ID:qjfwhFST
>>60
単純に腕力が強い奴はいくらでもいる。しかしアイツの体型では腕力を鍛えても上限値はさほど高くない。
しかし飛べるのはアイツだけ。オンリーワンから来るアドバンテージは大きい。
65創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 12:21:38.97 ID:/Sq2rjPJ
そして即席の作戦で飛んだ子供に負けるんだな

宇水さんといい、志々雄さんは色物が好きなんだろうか
66創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 13:11:18.85 ID:kHD7GVpK
弥彦は10歳児としてなら剣心より強いらしいし、あの後にすぐ気絶してるから相討ちなんじゃね
67創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 18:48:20.30 ID:kHD7GVpK
今日の九時から金曜ロードショーでルパン放送
68創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 20:04:04.02 ID:WodncgEK
>>67
ありがとう、毎回忘れるんだよ!
今回は絶対見る!
69創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 20:09:22.27 ID:pXs08ObE
蝙也は津南さんの炸裂弾を持たせればよかったのにw
70創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 21:03:38.21 ID:kHD7GVpK
それだと爆発が強すぎて死んじゃうんじゃね
71創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 22:55:39.77 ID:WodncgEK
「私は神世界の神に〜」のくだりで爆笑しちゃった
72創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 23:16:59.19 ID:kHD7GVpK
あの血液を支給品として出そう
73創る名無しに見る名無し:2011/12/02(金) 23:45:59.58 ID:bFd5o1jl
アカーン
74創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 00:18:36.77 ID:/VsoTm5R
キャラの魔改造ですね、わかります
ドーピングコンソメスープ思い出したわ
75創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 00:58:19.06 ID:zzj5zKYX
       /. : /. : :/. : . / . : : : : . : : : : : : : : : : : : : : !
       i.:::::. /.: : /. : .:: ,.′.: : :/. . : : i: : : : : : : : : i: l
       l:::: /.::: : .::: .:: ./ :/. : :/. : . ://:}: : : :::. i: : : :| :l: |
       l:::::}:::::: ::::..:: / :/. /}. : : //}::ハ: :i: ::. :}: : : | :|: {
       |:::::|::::i::. !:::::/.:イ: / /: : イ:/ l::l  l: ト、::. |: : : | :|: l
       }i::::|::::i:::.{:::イ:/_i:/ /:::./// j::{ .」斗ヘ:::}:/ : }. ト、!
      イ:::ハ::|::::V十rfリミ」:::/// , //ィf≧=ヘ小/. :イ: :ハ:ト、
       }/  lハ:::::ヽ、近Zソ|/メV/7/ーヘ北シメ/. :/ }/ }{
      ノ′ |ヽト、:::ヽ    i{   ノ′       /. :/.ィ:!
         |:::ハ:::ヽト\⌒´  ノ!      /: :イ: .イ:l
         |/ }::|::::\   、____.ノ イ: /i |/ リ   <神世界の神となる
         }!  |ハ::::::i\  `二二´ /イ:!: ハ::{
             }从Li」 ヽ、   ∠_.」」:::{ }:l
               ト--T r‐`´─┐|‐‐イV .リ
               }_ハ_」 |: : : : : : :| L「!」
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76創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 13:28:46.73 ID:L7FAnkCK
魔王様なにやってんすか
77創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 15:09:11.03 ID:/VsoTm5R
余計なこと言った俺が悪かった
つーか何で月じゃなくてルルーシュwww
78創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 15:33:11.22 ID:RigKW7Jl
実写版の剣心と薫って
ミスキャストだなw
79創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 17:25:36.36 ID:aopQ1WaD
>>75
キメェwwwwww
80創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 11:49:30.96 ID:PdJemAot
シシオさんの信者になりそうな人
三村以外あんまり考えられないね
81創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 11:57:18.58 ID:Ju9OSk1t
それにしてもTV見てると阿部寛がイケメンすぎて困る

上田ェ…
82創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 11:58:47.93 ID:yN/54y8U
上田だって阿部寛なのになんであんな……
83創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 14:09:53.10 ID:5Lq1WUPs
白い春ってドラマに出てた阿部寛は本当にかっこよかった
84創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 15:07:17.02 ID:PdJemAot
上田さんだって黙っていれば男前じゃない
縁と一緒でw
85創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 20:09:15.79 ID:5Lq1WUPs
上田だけやたらとパロディ多いよね
「ハッハッハ! わ、私は……別に…………ルラギッタワケデハ…………」 ←オンドゥル語
「時に下町の殺人事件を解決し、時に飲料水からエコを訴え、時に世紀末の荒野で悪党の秘孔を突き、」 ←新参者、ロハスのCM、北斗の拳

他にあったっけ?
86創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 20:32:42.99 ID:a2XFh923
パロディはそんなもんなんじゃないかな
問題のある部分だったら挙げきれないぐらいあるけど
87創る名無しに見る名無し:2011/12/05(月) 02:48:03.09 ID:9Ud5vlJw
ツッコミどころしかないとも言う
88創る名無しに見る名無し:2011/12/05(月) 12:37:40.24 ID:a8MZtdEG
幼女に助けられる程度の能力

そういや影月とかの西の参加者が書かれたらもう放送?
89創る名無しに見る名無し:2011/12/05(月) 22:07:47.56 ID:9Ud5vlJw
メンツ見ると、放送前にまだ誰か死にそうだなぁ
90創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 05:20:49.13 ID:O/HAqzx5
第一回放送はギアス・ひぐらし・らき勢あたりに会心の一撃だったが、第二回放送で生存者に影響与えるような死者はあんまりいないな
上田がどう反応するかは気になるけど
91創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 15:59:33.11 ID:5DzJnqTg
圭一と菜緒子ぐらい?
今回死んだ参加者は同じ原作のキャラとよりもロワ内で知り合ったキャラと繋がりが濃かった印象がある
貴子とかタバサとか
ロワ内で知り合ったキャラは結構死ぬのを見届けてたりするから、放送がなくても死んでるのを知ってる
だから放送でショックを受けて錯乱、っていうのはあんまりなさそう
92創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 19:08:48.40 ID:pfWVrRvy
今回の放送は直接関わっては来ないだろうけど、スザクに一番影響があるんじゃないかな
聞けば水銀燈が死んでないのわかるのに、放送なんて聞かない聞こえないだし
93創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 19:47:48.40 ID:OpxVMB5Y
強いて言うなら次元もだが、彼らは元々明日をも知れない闇世界の住人。常に覚悟はあったろうから、それで参ることはないだろうな。

>だから放送でショックを受けて錯乱、っていうのはあんまりなさそう
放送を聞く前に既にダウンした奴がいるけどな。
早く琥珀湯飲めるといいな。
メタルゲラスの死肉のダシも入っているが。
94創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 19:53:27.06 ID:WZNtJKwO
>>93
>強いて言うなら次元もだが

ああそうか、アニロワのルパンと逆パターンになるのか…これは楽しみだ
月のせいでそれどころじゃないかもしれないけど
95創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 21:09:27.93 ID:5D2zI3ff
上田だったら…上田だったら、きっと放送聞いてないも
やってくれる!
96創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 21:55:21.47 ID:D/XAKvrN
まあルパンは次元の死をもう知ってるけどね。
97創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 21:57:34.47 ID:fyNSLl86
まさかの影月死亡で
光太郎ショックなんてありえないかw
98創る名無しに見る名無し:2011/12/07(水) 00:57:30.69 ID:8j3Ox2fP
>>93
このロワ見てて、実はジェレミアってメンタル弱いんじゃないかって気がしてきた
ルルーシュが死んだうえに追い打ちがかかりまくったってのもあるけど
99創る名無しに見る名無し:2011/12/07(水) 19:32:12.85 ID:C4rcetzh
咲世子の方がメンタル強そうw
100創る名無しに見る名無し:2011/12/07(水) 23:00:38.39 ID:nsA5Do2W
一期ジェレミアはメンタル弱そうだけど、R2で仲間になって以降は鋼のメンタルだと思う
101創る名無しに見る名無し:2011/12/08(木) 10:23:51.31 ID:cU6DDyhO
主が健在なら、って注がつきそうだな>鋼
102創る名無しに見る名無し:2011/12/08(木) 23:56:41.51 ID:n5azD5Uo
主さえ健在ならどうとでもなりそうだけど、主が健在じゃないとどうにもならなくなりそう
103創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 00:12:01.60 ID:3yKlFZA9
ジェレミアって忠義に依存してるのかもしれないな
104創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 00:57:46.85 ID:Dg6v8/eW
「何かに頼る、弱い男」
105創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 02:22:52.15 ID:3yKlFZA9
>>104
ふぅ……
106創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 05:37:34.73 ID:J0yGhlZU
サタンサーベルの世紀王の呼び寄せ禁止って、35話でシャドームーンがビルゲニアにやったみたいな名前を呼んでサタンサーベルを呼び寄せるのができないってこと?
107創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 11:00:17.10 ID:mhPtfq8j
多分、そうなんじゃね
それができるとサタンサーベルって実質支給品じゃなくて初期から持ってるものになるしw
108創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 23:17:55.03 ID:MB3+nUGz
影月から武器奪った!→「サタンサーベル戻ってこい」→振り出しに戻る
一言で努力がパーって、心折れるよな
109創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 23:44:30.27 ID:3yKlFZA9
仮にサタンサーベルを落としたとして、誰かが拾う前に戻ってこいって言うのはダメか?
一度影月が手にしてるわけだし、まだ誰も手にしてなかったらありだと思うんだが
>>108の絶望感をちょっと見てみたいww
110創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 01:56:26.61 ID:MdRZqm69
>>109
つ書く人の裁量
制限ってロワが始まる前に決められたものだし、ロワが進行する中である程度は臨機応変に使っていけばいいんじゃないかと個人的に思う
KMFとかnのフィールドとか封絶とかだと議論必須かもしらんが、サタンサーベル一本の話だしなー
この辺は人によって考え方違いそうだが
111創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 14:30:50.98 ID:trzh13yE
サタンサーベルを壊すことは可能なんだろか
112創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 15:14:57.08 ID:cq0TAyAE
折れるときは折れるだろう
連戦のあとでヒノカグヅチと正面からぶつかったりとか
113創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 15:20:04.39 ID:CAwhR+1z
KMFは科学者・技術者系の面子が数人いれば、何とかなりそうな気もするが…。
ただ、一から作るのはどう考えても無理だな。

そういえば、ペルソナ3以降にベルベットルームってあるんか?
114創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 19:41:01.23 ID:0aib6VF2
ペルソナ4のアニメにあったからあるんじゃね
115創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 01:19:29.02 ID:1DWCmdrV
じゃあ、会場のどこかにベルベットルームもあるんかな?
特定のスキルやアイテムで出現させるようなものじゃないから、所有物や能力の制限には引っかからないし。

でも確か、あの中って時間が流れてないって聞いたな。
よしんばルームがあったとしても、中に入って大会終了までゆっくりしていってね! ってわけにはいかないな。
116創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 01:42:26.51 ID:QCBViDld
アトラス作品の設定知らんけど女神転生とペルソナは同じ世界なのか
117創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 01:57:28.27 ID:AVVtC5HG
ifしかやってないからよく分からないんだが、ifにベルベットルームって出てきたっけ?
118創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 02:08:49.13 ID:xyhoPljU
出てないよ、だからない
ifとペルソナの接点ってたまきちゃんだけじゃねーかw
119創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 12:52:55.33 ID:RvuWiCMR
ifの主人公は魔法とか
技が使えないから弱いのかな
120創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 14:58:00.82 ID:AVVtC5HG
主人公は装備ありきだけど、ガーディアンが強いから基礎能力もかなり高い
121創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 21:50:19.51 ID:o5NWGCpL
縁や影月相手だったから負けただけで、蒼嶋は別に弱くないと思うぞ
122創る名無しに見る名無し:2011/12/12(月) 02:09:15.72 ID:X64K/Jsp
むしろ縁相手に善戦、影月相手に戦力の一人として扱われた時点でかなりの実力者に当たると思う
123創る名無しに見る名無し:2011/12/12(月) 16:15:34.16 ID:hWHC3Qqk
その二人からボッコにされた東條ェ…
124創る名無しに見る名無し:2011/12/12(月) 19:55:55.19 ID:71ZEHiHU
もう縁は女性にとっては危険
ではなさそうだなw
125創る名無しに見る名無し:2011/12/12(月) 20:08:57.14 ID:i6zWIo3Z
>>123
東條だって、あの即席の同盟っぽいのに加わって戦闘をしてれば影月に戦力として認められてたと思うんだよ
最初の放送の前では善戦してたし
縁は一時的に影月とタイマンはってたけど、ヴァンや蒼嶋はも多分タイマンは無理だろう
影月にボッコにされただけなら東條に非はないよ

他の部分が酷すぎただけだ
126創る名無しに見る名無し:2011/12/12(月) 23:25:23.58 ID:X64K/Jsp
あの時は東條が空気読めなさすぎて、影月が普通の良い人にすら見えた
127創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 04:41:47.14 ID:SfFrz0zs
東條が対主催殺して影月がマーダー殺してたしなー
128創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 16:09:50.82 ID:ZJUJk8yY
マジキチ東條と影月がいる戦場じゃ、蒼嶋がちぃちゃん守れなくても責められないよなー
129創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 17:32:11.40 ID:nYRTaHJ3
縁は危険じゃないのかw
130創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 18:41:43.38 ID:ZJUJk8yY
>>129
あの話の縁って東條ボコって影月と戦っただけで、対主催に何もしてないじゃん
131創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 20:04:32.16 ID:ALWu3Yjf
縁はロワを認識して完全なマーダーに覚醒しそう
132創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 23:41:27.36 ID:nYRTaHJ3
ついでに冷静さが縁にあれば
かなり脅威なマーダーになりそう
133創る名無しに見る名無し:2011/12/14(水) 19:37:54.74 ID:NfNNKwpC
激情家だからこその縁だと思うけどなぁ
もし縁が冷静になったら、逆に弱くなりそう
134創る名無しに見る名無し:2011/12/14(水) 20:55:24.95 ID:wmdJXR8G
激情家って言っても、剣心とか巴関連以外でキレたことあったっけ?
135創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 00:42:19.44 ID:to7FQh9A
よく覚えてないけど、一応だった仲間だったおかっぱ相手にキレてなかったっけ?
136創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 01:00:16.28 ID:LB+pMvXy
おかっぱ…?黒星か?
あれは剣心と決着つけるのにその周りをチョロチョロしてたからじゃなかったっけ
あと最後に巴と薫かぶらせたやつ
キレる手前一回にボッコ一回にフルボッコ一回で計3回やらかしたけど
137創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 01:14:15.42 ID:to7FQh9A
ググったけどそいつだ
京都編はアニメの再放送とかよくやってるけど、人誅編は漫画読んだ一回きりなんだよな……
138創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 11:04:18.63 ID:h+/qq+Wk
縁はそろそろ食事取ったほうがいい
139創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 12:54:37.52 ID:lTE7OBf5
しかし縁はデイパックを持っていない!
食事するなら社交性を発揮するかころしてでもうばいとるしかないぞ!
140創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 15:18:41.33 ID:disUy3De
パロロワの参加者は一般人ですら睡眠も飲食も無しで一日中動けるイメージ
141創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 19:48:02.48 ID:h+/qq+Wk
施設内に普通に食糧とかありそうだけど
142創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 21:06:09.37 ID:to7FQh9A
描写の外で食ってるんだよ
次元とロロがカップ麺、ルパンと月がパスタを作中で食ってたね

>>138
縁は嘔吐してるから、腹の中すっからかんだろうなぁ
143創る名無しに見る名無し:2011/12/15(木) 23:39:38.43 ID:h+/qq+Wk
社交的な縁って六人の同士の時のか
胡散臭すぎるw
144創る名無しに見る名無し:2011/12/16(金) 15:32:14.40 ID:HgttHODk
食事ならしてるじゃないか、
令子と後藤が。
145創る名無しに見る名無し:2011/12/16(金) 19:43:26.07 ID:zVyLUQyw
>>144
たしかに合計で人間七人分ぐらいの食事があったな!
それにしても放送後の後藤は半分ぐらい寝てたこともあって大人しかったな、ロロの腕は食いちぎってたけど
志々雄さんのせいか


そういえば今年のロワ語り、多ジャンルは25日らしい
クリスマスwwww
146創る名無しに見る名無し:2011/12/16(金) 19:54:53.56 ID:HR4aSx8M
食事と言えばハザマの食事は無駄にぼっちっぽさが強調されてて素敵だったなw
147創る名無しに見る名無し:2011/12/16(金) 19:58:11.86 ID:p1UlswrF
ロワ語りは上田と縁の話題で豊富だろうな
148創る名無しに見る名無し:2011/12/16(金) 20:04:39.42 ID:6IT8aGLP
ロワ語りやってたんか
去年も確かこの時期にやってたよね
149創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 11:22:42.96 ID:OLuAkoTm
上田先生って強いんじゃないか
真面目に闘えば強対主催になるんじゃないの?
150創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 11:51:19.39 ID:UqsxqXMZ
手が伸びるしな
151創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 20:14:47.52 ID:qTO+iRwW
真面目に闘う上田とかリア充な魔神皇並みに想像が出来ないんだがw
152創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 21:43:04.97 ID:MVefrd+/
むしろリア充だったら魔神皇になってねーよwwww
153創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 21:56:57.27 ID:IcuJc/Qp
お前ら劇場版で一晩戦い続けた上田先生の勇姿を忘れたのか
154創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 22:01:15.64 ID:GebKDdK/
上田がハイスペックなのは分かってる
でもそれをフル活用してロワで活躍する上田は想像できないんだよ
155創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 00:19:22.08 ID:4VKx/7X1
一ヶ月おきくらいに「上田って実際は強いよね」っていう話題が出てる気がする
156創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 00:50:24.52 ID:6jUQdXj9
上田「一ヶ月おきに書きこめばばれないだろう、ハハッ!」
157創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 00:55:05.09 ID:IN1vhlUb
「邪魔です、上田さん」
158創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 09:59:59.79 ID:P8m68cIC
素の浅倉になら勝てそうなのは
地味に凄いよね
上田先生
159創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 11:16:01.06 ID:4VKx/7X1
浅倉はたぶん感覚で戦ってるけど、上田は格闘技持ちだからな





















ただし通信教育
160創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 12:28:53.93 ID:P8m68cIC
縁だって独学で武術を学んだらしい
問題ないw
161創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 14:47:23.03 ID:6jUQdXj9
>>159
通信教育であそこまで自分を高められた上田先生のポテンシャルはヤバいだろ
162創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 20:34:29.78 ID:7mJBJ2iR
レナって唯一後藤と影月の二大マーダー両方に遭遇してる参加者なんだな
出会って運が悪いのか両方とも切り抜けて運がいいのか…
163創る名無しに見る名無し:2011/12/18(日) 20:56:38.46 ID:IN1vhlUb
>>162
切り抜ける都度、真紅とか貴子が死んでるから運は悪いと思う
164創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 00:29:58.57 ID:3KT8TMxJ
お人好しな対主催にとって非力な一般人はマーダーから守る為に無茶しがちだから厄介なんだよ
165創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 15:57:55.01 ID:K2lJmuj9
特に悪質なマーダーって
誰だろう?
銀様や桐山あたりかな
166創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 20:08:13.35 ID:p/gSGli7
蒼嶋とかクーガーとか五ェ門のことですねわかります>お人好し対主催

>>165
悪質の内容による
167創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 01:38:44.87 ID:YIEo1LHr
他の参加者を生かす為に戦うマーダーはある意味一番悪質に見える
散々悪行を重ねておいて対主催に未練がましい言葉残して後味の悪い死に方するのばかりだから
168創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 02:13:39.93 ID:QYqpAiIH
ここで言うと詩音やスザクがそうなるのかね
169創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 02:36:15.41 ID:X0Sc2sJt
>>165見ると、他の参加者を利用して使い潰すのに抵抗のない類のマーダーを指すのかと思ったが
敵を真正面から叩き潰す後藤やら影月やら浅倉とは違った嫌らしさがあるよな

しかし詩音が微妙によく分からん
病院のフラグが弾ける前は、クーガーに言われて悟史たちが生きてるって信じる方向だったと思うんだけど
レイ兄さん殺したあたりはもう悟史たちが死んでるって気づいてて、かつ優勝して生き返らせるとかじゃなく八つ当たりぽい目的で参加者皆殺し狙ってるのか?
170創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 15:41:33.17 ID:DvBjgNwG
クーガーがあまりにもしつこく説得するから、一応納得したつもりだったんじゃないかな
でも乱戦で一人になって取り繕う必要がなくなった
171創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 20:35:20.16 ID:nQCbAI+0
縁と詩音は八つ当たり目的で
参加者をなぶり殺しにしそう
172創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 20:59:22.21 ID:OstbKY+z
最近、縁の危険性を繰り返し強調する人がいる気がする

…いや、実際原作では危険人物なんだけども
現状ネタキャラだし現実と向き合うフラグ(?)立ってるから
違和感あるんだよな…自分がちゃんと読めてないだけかな
173創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 21:03:08.87 ID:eRR5evXe
上田に対するアレと同レベルのネタでもあるから無問題
174創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 22:34:08.25 ID:BLYAXRng
>>173
危険視されるのは、今のところマーダーに変わりはないからかまわないんだけど
ネタ扱いを通りすぎて小馬鹿にしたような書き込みが多いと、原作の縁好きな身としてはちょっとイラッとする
上田は原作からして基本的にあの調子だし、ネタ扱いにも愛されてる感じがあるけど
他の話題を無視してやたらと縁の話を振ったり、他キャラと並べて縁ディスったりは正直やめて欲しい
175創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 23:21:45.44 ID:6L3infsP
>>174
お前はここに向いてないから消え失せろ
ネタと理解出来ならもう来るな
176創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 23:45:33.14 ID:QYqpAiIH
ネタにしてもちょっとなぁと思う時があったのは否めない
縁がネタにされてるとの別に嫌いじゃないけど、それが過ぎるとちょっとアレに感じる
縁だって頑張ってるじゃないか!
177創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 07:19:12.41 ID:tIxboPCf
どんな事でも度が過ぎると嫌な思いをする人がいるって事じゃないかな。
178創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 11:52:24.63 ID:BnZ/G/Vf
スザクをウザク呼ばわりするネタやなのはが「頭冷やそうか」言いながら他のキャラをボコるネタに本気で怒る人がいたロワもあるしな
179創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 12:17:56.14 ID:aCMd/IPW
やりすぎっていうか毛色の違う人がいたと思うときはあった
皆が「縁ドンマイw」って感じの空気だった時に、
「こいつは今に冷酷な無差別マーダーになるよ」みたいな方向に持っていったり
180創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 12:31:52.41 ID:XMiby9TX
気にする人もいるからちょっと気をつけようぜってことにしてこの話題終りにしようぜ
あとあったりまえのことだけど、注意するにせよ諌めるにせよ言葉選ぼうな


気になってたんだが北岡のお人好し度ってどれぐらい?
自分と同じく病気な相手には少し優しかったけど、それ以外に対してはどうかなって
原作全体通してとロワ通してでまた変化してそうだけど
181創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 16:35:22.34 ID:mdbtBvnz
北岡先生は最終回直前からの参戦だし、かなりのお人好しって言ってもいいんじゃないかな
境遇が同じとはいえ知り合いでもない相手に三千万円渡してるし、普段はただ悪ぶってるだけな気がする
182創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 17:12:12.20 ID:ht/tZnzV
ルパンもお人好しだよね
弱者には優しいし
183創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 17:41:55.46 ID:BnZ/G/Vf
でもTVスペシャルの北岡は容赦無さすぎる
最後は9対2で襲いかかるとか……
184創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 19:52:30.05 ID:W4jRleMD
元から殺すことに躊躇もないし、卑怯な手も平気でする性格だったろ
ライダーバトルでも私生活でも悪人の部類だし、蓮みたいにトドメを刺せないとか、殺人を後悔したりっていうのは考えられない

ただ、人並みの良心は持ち合わせているっていう程度で、お人好しってほど性格が良い感じもしない
北岡が病人を助けるのは、東條が親子助けたみたいに、「ただなんとなく」とか自分を投影したとかそんな感じじゃない?

美穂みたいに彼の弁護で減刑された事件の遺族の気持ちとかを考えると「悪ぶってる」じゃ済まない気がする
185創る名無しに見る名無し:2011/12/21(水) 20:45:14.95 ID:mdbtBvnz
でも最終回直前で浅倉がライダーになったことに責任は感じてたみたいだし、根っからの悪人には見えないんだよなぁ
作中で真司の影響を受けて、初期の頃とだいぶ人柄が変わってる気がする
186創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 00:45:39.79 ID:WsmyNX4u
>>185
志村ー、sage忘れsage忘れー

北岡先生ってけっこう評価分かれるんだなぁ
個人的に「お人好し度ってどれぐらい? 」って問いで気になるのはジェレミアなんだよな、悪人とは思わないんだけど
皇族じゃない相手に、忠義がどうこう以外の理由で善人っぽい対応をしたシーンが思い当たらないんだよね
187創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 12:16:24.11 ID:3vdGVdbd
このロワの中じゃ、北岡もそうだけど結局いい人の枠に入りそうな気がするなー
あれだけ悩んで琥珀湯まで使ったあとで「柊つかさ、やはり貴様は死ね!」ザクッ!とかなったらちょっとびっくりするしww
188創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 17:18:21.63 ID:Xi4oO6Ew
死亡者名鑑の更新乙です、密かに楽しみにしてました

ここのマーダーはほぼ全員が殺すことに何のためらいもないからなぁ
全体的に見れば、北岡やジェレミアはいい人に入っちゃうと思う
189創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 17:24:32.43 ID:VkQWgDNG
マーダーでないけれど
有力対主催者を二人始末してる
玲子さんw
190創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 17:35:35.19 ID:VffDuLDC
殺人快楽者はいそうでいないんだよね
浅倉とCCOは殺人そのものより闘争が好きっぽいし
後藤の殺人衝動は本能であって娯楽とは違うし
191創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 21:51:09.41 ID:FDSp93HI
一応浅倉は暴力も好きだけど殺人も大好きだから快楽殺人者も兼用してるんじゃね?
美穂の姉とかもひたすら追い回して追い込んでから殺す残虐なやり方してるし
192創る名無しに見る名無し:2011/12/22(木) 22:38:28.26 ID:E+0CFeTT
浅倉は戦闘狂+快楽殺人者じゃね?
そうじゃなかったらインペラーにとどめを刺さないでしょ
193創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 20:58:54.26 ID:W7RKTpKB
龍騎ってTV本編もSPも劇場版も、タイムベントでループしてる世界の一つって解釈で平気?
それぞれでキャラの印象が全然違うというか、よく似た別の人っぽさがあって不安になるんだけど
194創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 21:14:35.42 ID:OdjeWMfR
龍騎VSアギトでは浅倉が「大丈夫か!?龍騎!」って言ってる
195創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 21:28:07.15 ID:e2eb4uP/
>>194
あれは夢オチじゃないか

時間軸が変わるたびに話も変わるから、登場人物の性格も変わるんじゃないかね
それでも芝浦の噛ませっぷりは変わらないが
196創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 21:36:39.31 ID:4kxplLY3
シザースの中の人なんて年齢まで変わってるんだぜ
197創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 10:21:51.37 ID:dPEv4QdP
龍騎の話題に乗っかるけど、オルタナティブゼロのアクセルベントと縮地の速さが加わったらクーガーを越えそうだよな。瞬間的かもしれないけど
198創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 10:30:22.66 ID:rZTcCU3M
SP
・インペラーやタイガがオーディンと同格の扱い
・ライアとナイトの関係が古い友人みたいになってる
・本編では敵のファムとリュウガが協力し合っているように見える
・ライダーたちの住所のメモに謎の名前が多い

劇場版
・ライダーバトルの開戦理由が違う
・オーディンが最後のライダーとしての役割を果たしていない
・ゾルダが自分の意思で脱落する(テレビ版では死以外の脱落は許されない)

HERO SAGA
・真司の家族構成や過去が全然違う(兄がいる)

ループしてるにしても、ライダーバトルの開戦理由や開戦以前の人生まで変わるのはおかしくね?
タイムベントで数十年分くらいループして、開戦以前(登場人物の出生以前)まで戻ってるならライダーバトル自体開戦理由がなくなって無かったことになるかもしれないし
公式ではループ扱いだけど、完全パラレルなんじゃないかと思う
199創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 13:03:05.37 ID:G3BK2kF3
もしくはライダーバトル関係者の精神が
ゲームリセットの度に平行世界の過去に転移というオチとかね
200創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 17:58:33.07 ID:XMe43IAc
ネコ型ロボがタイムベントしただけで嫁がジャイ子からしずかに変わる世界もあるんだからそんな些細な事気にスンナ
201創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 18:05:35.14 ID:MWGqcZFq
あれ、ジャイ子に失礼すぎるよな。
202創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 18:33:12.74 ID:Y9ffGFrO
ジャイ子って最後勝ち組になるんだっけ?
203創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 19:11:05.49 ID:XMe43IAc
デブス同人女が相方のイケメン君と同人活動しただけ
204創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 19:20:30.77 ID:uNWGv+EM
茂手もて夫とかすげー名前だ

今日はクリスマスイブだな……
205創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 19:54:59.17 ID:jVWhux6a
>>204
狭間「クリスマス爆発しろ」
206創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 22:47:37.75 ID:uNWGv+EM
このスレの二大非リア充は挟間と織田だな
207創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 23:27:01.29 ID:jVWhux6a
上でもあったけど一応宣伝
0時から丸一日、毒吐き別館のパロロワ企画交流雑談所で多ジャンルバトルロワイアル語り
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/8882/1294453193/
208創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 00:04:49.78 ID:iJFFG5MY
ジャムくんがいれば三大非リア充だったのにな
209創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 02:22:21.15 ID:nhXinglb
リア充と言えばゼロ魔のギーシュは全くロワで見かけんな
二次創作だとルイズに召喚された使い魔の噛ませキャラとして印象深いのに
210創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 08:53:38.67 ID:C4On6BIF
ギーシュは一応魔法安価ロワには出てるな
ロワ事態が序盤で頓挫してしまったが
211創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 10:55:16.80 ID:l5C059+S
ギーシュよりはキュルケの方がロワに出るよね
ジョゼフとか強キャラだけどなかなかでない
212創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 11:02:29.65 ID:iJFFG5MY
この中だと社長が一番リア充な感じがする
三村みたいにDQN兼ねてる感じじゃなくて、凄い幸せそう
213創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 14:34:52.15 ID:OyBUi5Fk
原作の最後は勝ち組だったもんな
214創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 17:57:08.08 ID:Vcb3fm0n
小説版では結婚して一児のパパらしい>社長
215創る名無しに見る名無し:2011/12/26(月) 00:01:55.28 ID:ym97UM+r
ロワ語り終わったと思ったら予約来てたああああああああ!!!
216創る名無しに見る名無し:2011/12/26(月) 11:53:25.89 ID:9fbrTxx5
まあ、よく考えてみれば社長は幼少期ボッチだけどね
217創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 07:52:46.48 ID:TslkAVDz
ロワ語りで話題として出てた「志々雄が惚れ薬を飲んだら」がなんかツボだったw
確かに言いそうだw
218創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 11:07:25.69 ID:f/94cA5v
後藤がスザクを食ったら惚れ薬って効果うつったりしないよね?
219創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 12:39:23.63 ID:YBIqSno1
前例がないからなんとも……
ほれ薬って原作でも一回しか出てこないし

好き勝手やっていいんじゃね?
220創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 16:53:29.80 ID:V5JT4tDS
そもそも後藤に性欲無いですし
221創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 16:59:19.74 ID:VX/ONr4+
ほれ薬が効かなさそうな人って
寄生獣勢や影月も効かないだろうな
222創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 19:01:10.83 ID:j5msC5dl
性欲がないのに惚れるって、食欲に変換されそうだ
223創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 19:01:36.23 ID:cOuOC/I/
寄生獣は生殖行為をしないから、恋愛感情もないんだろうな。
224創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 21:48:02.88 ID:4VeKavb/
>>221
少なくとも影月は精神攻撃無効にできるみたいだし効かないと思う
寄生獣勢は新一には効くんじゃないかな
225創る名無しに見る名無し:2011/12/27(火) 21:52:59.02 ID:BkICAdAF
薬とか盛られると身体の統率が上手く行かなくなるとかなかったっけ
226創る名無しに見る名無し:2011/12/28(水) 01:11:44.50 ID:er7LAmZ/
酒飲んだら顔が崩れてたな
頭部だけのパラサイトであれなんだから、後藤が飲んだら全身の統率がやばそう
227創る名無しに見る名無し:2011/12/28(水) 23:03:11.96 ID:5cpVFbs+
後藤の弱点ktkr

そう考えるとやっぱり影月が一番厄介だな…
228創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 02:57:36.26 ID:wgP4qPHy
影月ってギアス効く?
精神系だけど
229創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 03:06:17.95 ID:AKdxMcYd
シャドームーンに精神系の攻撃が効かないって記述どこにあるんだ?
230創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 09:30:25.56 ID:UtV5t7HW
脳改造されてるし、目の受光機関も普通の人間とは違うだろうからなぁ
効くかもしれないし、効かないかもしれない
まぁロロのギアスは理屈がよくわからんし、精神攻撃でもないから効くんじゃね
231創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 11:24:38.84 ID:GKFdycWz
生態改造人間だけど、その辺はロボットと同じようなもんじゃないの?
生物の原型留めてないし
ロロのは効いてもおかしくないけど
232創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 12:06:04.80 ID:myA5HU1O
いや、ギアスは全部精神系だよ
ルルーシュのギアスが効くならロロのも効くはず
233創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 13:40:15.82 ID:AKdxMcYd
シャドームーンは時間操作系は無効にできるらしい
だからルルーシュのは効いたとしても、ロロのは絶対に効かないんじゃないかな
234創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 14:00:31.10 ID:SubgJMMu
俺は天才だからな
ソースのない情報は信じないんだ
235創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 14:18:22.16 ID:jdGbnO/V
こうしてみると
後籐と影月の実力差って結構あるのかも
影月は弱点がないねw
236創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 15:06:29.91 ID:vmCZPIyt
後藤は「かよわい」からな
237創る名無しに見る名無し:2011/12/29(木) 17:02:06.47 ID:wgP4qPHy
>>233
ロロのギアスってDIO様みたいに時間止めてるわけじゃなくて、相手の体感時間を止めてるだけなんだよね
これも時間操作に含まれて無効になるのかな?
ロワの中では、C.C.のショックイメージは見てたよね

しかし影月って心がない割には怒りを覚えるぐらいのことはしてるんだけど、どう解釈したもんなんだろう
238創る名無しに見る名無し:2011/12/30(金) 02:14:26.61 ID:CYBW7Epb
>>234
上田さんなにしてるんすか
239創る名無しに見る名無し:2011/12/30(金) 19:52:13.34 ID:CYBW7Epb
今日辺りが投下日のはずだよね?
240創る名無しに見る名無し:2011/12/31(土) 03:23:29.51 ID:aLIYjdK+
延長か、頑張ってください

スクライドの映画版はもう少し多くの劇場でやるべき
241 ◆Louise/.3txu :2012/01/01(日) 00:13:34.55 ID:/Q3MVUv4
書き手・読み手のみんな
新年あけましておめでとう。

ルイズです。
私は知らないトーキョーの文化なんだけど、貴族は使い魔にお年玉をあげなきゃいけないらしいのよ。
なんでわたしが……、ったく才人。お年玉なんて、わたしまだもらう方なんだからね。

ま……、でもあげてあげないこともないわよ。
http://www23.atpages.jp/tarowa/shinChizu/index.html
す、少しだけ見やすくなったかしら……わたし不器用だから……

あ、あと、アニメの『ゼロの使い魔F』。
新シリーズが今年から始まるわ。
みんな、こっちもよろしくね!

多ジャンルロワ。今年も全力全開でいくわよ
242創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 00:32:19.94 ID:P4zV4zLN
おお、スクロールでこれまでの動きが見れるのか!
新年早々乙です!
243創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 00:40:25.87 ID:3tG+kD9Q
あけましておめでとうございま…って何これすげええええええ!!
参加者全員の軌跡見れるの!?
乙です!ちゃんとアニメ新シリーズ見ます!

それにしても100話前後の病院の参加者集合っぷりが笑える…ww
244創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 01:02:14.11 ID:5jrySZLW
>>241
ダリナンダアンダイッタイ……

あけおめ!
245創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 06:43:38.04 ID:HNY51/So
あけましておめでとうございます。
そして>>241さん乙です
246創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 12:23:59.93 ID:rLQYe9hd
カズマとかシャドームーンの真っ直ぐ進んでる感が凄いなwwww
247創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 14:45:12.75 ID:Pvf6sieQ
悟史はそんなにいい男なのだろうか
それとも詩音が惚れた男にヤンデレするタイプだったのか
248 【218円】 【小吉】 :2012/01/01(日) 17:08:15.57 ID:5jrySZLW
悟史は公式でイケメン設定あったような
でも詩音も思い込みの激しい性格だから元からヤンデレの素質あったんだと思う
249創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 18:35:20.13 ID:rLQYe9hd
園崎家だもんな
250創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:31:13.82 ID:8OJ1dEB4
相棒面白かった
あとは投下まで待機だ! 相棒で暖まったから全裸も余裕だ!
251 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:35:20.39 ID:P4zV4zLN
大変お待たせしました、投下させて頂きます
252 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:35:43.32 ID:P4zV4zLN

バトルロワイアル会場に車の排気音が響いた。
釣られるように城戸真司、泉新一、翠星石の三人は音の方向へと意識を向ける。
そこにはオープンバギーが丁寧な運転でこちらへと向かってきていた。
オープンバギー、つまりフロントも剥き出しの車であるため、それに乗る人間の姿も目視できた。
眼鏡をかけた皺の目立つ壮年の男性とに制服を座った短髪の女子学生の二人だ。

『車か、随分と堂々とした連中だな。それと、あの制服は最初に見せしめにされた女生徒同じもののようだ』

新一の右手に寄生しているミギーが淡々と言葉を吐く。
ミギーの言葉に視線を上げると、確かに助手席の女生徒は記憶の中にある第一の被害者・小早川ゆたかと同じ制服を着ていた。

「おい、ミギー……あれってまさか?」

だが、新一にはそれ以上にあの二人が寄生生物・パラサイトではないか、という疑問が浮かんでいた。
田村玲子と後藤と、新一が知っているだけでもパラサイトは二匹も混じっている。
その二匹が居る以上、他のパラサイトが居ても不思議ではない。
また、パラサイトは外見で判断することは不可能であるため、新一の疑問は当然とも言える。

『いや、あれに乗っている二人はパラサイトではないな』

しかし、ミギーはその新一の言葉を即座に否定する。
パラサイトとパラサイトは互いにテレパシーのようなもので感じあう事ができる。
そのパラサイトであるミギーが相手はパラサイトでないと断言したのだから、パラサイトではないのだろう。
新一はミギーの言葉に胸をなでおろすが、すぐに気を引き締めなおす。

「いや、でも殺し合いに乗ったって可能性も……」
「車に乗ってるだけに、ですぅ?」

茶化すような場違いな言葉に、新一も真司も目を丸くして翠星石へと視線を向ける。
その視線に翠星石はハッと顔を赤く染めて、「冗談にもならねえですね」と自身の言葉にツッコミを入れる。
姉妹である真紅の死を受け入れたはいいが、未だに動揺しているのだ。
ミギーはその翠星石の言葉を拾わず、新一の言葉をつなげる。

『パラサイトではないことがわかっただけで、殺し合いに乗っているかどうかまではわからないな。
 あの車でそのまま我々を轢き殺そうとしてくるかもしれないぞ』
「じゃあ隠れるか?」
「いや、もう遅いんじゃないのか? それに、スピード落としてる」

先ほど、すべてを守ると決意を新たにした真司はライダーデッキを構えたまま呟く。
そして真司の言葉通り、オープンバギーはスピードを落としながら近づいてくる。
新一たちにも、車に乗った二人の顔がくっきりと見えるようになる。
運転手の男性は眼鏡をかけた皺の目立つ壮年の男性だ、背はあまり高くない。
助手席に座った女生徒は、ミギーの言葉通り確かに見せしめにされたゆたかと同じ制服だ。

『新一、様子見のために私は口を閉じる。下手なことはするなよ』

ミギーの言葉と同時に、キキっと小さなブレーキ音を立てて車は完全に動きを止めた。
そして、その眼鏡をかけた上品な雰囲気を持つ男性がにこやかな表情のままに車から降りてきた。

「突然申しわけありません。もしや、貴方は『翠星石』さんでは?」

言葉通り突然な問いに、真司たち三人は思わず虚を付かれる。
しかし、手を上げながら降りてくる二人に敵意がないことを察することも出来た。
新一と真司は翠星石に視線を移し、翠星石は心得たと頷いた後に口を開く。

「確かに私は翠星石ですぅ……でも、なんで翠星石のこと知ってるですか?
 って言うか、お前誰ですか?」
「ああ、これは失礼しました。私としたことが、自己紹介という大切なことを忘れていたなんて」
253創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:35:51.13 ID:5jrySZLW
支援
254杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:36:27.94 ID:P4zV4zLN

眼鏡の男性は照れ笑いを浮かべる。
その立ち振る舞いを見るかぎりでは、この男性が悪人とは思えなかった。
もちろん、一見しただけで善人と悪人を見分けられるほどの眼力を持っている人間はこの三人の中には居ない。
だからこそ、三人は緊張を解くことはしなかった。

「私は警視庁特命係の杉下右京、こちらは岩崎みなみさんです」

ペコリと頭を下げた眼鏡の男性・杉下右京の言葉に反応して、女生徒・岩崎みなみも小さく頭を下げる。
だが、その顔は曇った表情を貼りつけており、なにかに追い込まれているように見えた。
新一たちは少々みなみの表情に引っかかりを感じながらも、お辞儀を返す。

「あ、どうも。俺は城戸、城戸真司です」
「俺は泉新一です……って、警視庁?」
「警視庁の人ってことは警察官じゃないか!」

順に真司と新一が右京の警視庁という言葉に反応を示す。
だが、僅かではあるが警戒を解いた新一に対して、真司の様子はむしろ警戒を深めたようだった。
警官であろうと一人の人間であり、それだけで信用できないということは過去の出来事で身にしみている。

「ええ、警察手帳があればいいのですが、生憎にも手帳も手錠も奪われてしまったようでして」

刑事だというのにこんな様では懲戒免職ものですねぇ、と笑いながら答える。
右京の懐の深い物言いは、確かに刑事といった荒事に通じた職業であることを考えれば説得力があった。

「貴方や貴方の姉妹が人形であるという情報を持っていたもので、その整った顔立ちと小柄な体躯からそうではないか、と思ったのです」

真司の身体に隠れた翠星石へと、右京はやはり穏やかな笑みのまま言葉を返す。

「情報って、この子の知り合いにでもあったんですか?」
「いえ、支給品と私のちょっとした憶測です。
 全ての参加者の背景が事細かに……とまでは行きませんが、ある程度の情報が記されたデータを私の仲間に支給されていまして」

ある程度の情報、と聞いて新一は思わず抱え込むようにして右腕を左手で握り締める。
新一がパラサイトのミギーと同居をしている存在だと知られている可能性がある。

「……それは、その人の秘密とかも?」
「いえ、簡単なものですよ。職業と性別に年齢だけです。
 職業欄を見ると犯罪者や革命家、流浪人など中々バラエティに飛んでいるようですね」

「ただ世紀王や魔神皇などの聞き覚えのない単語が混じっているのが少々気にかかりましたが」と右京は付け加える。
それだけならば、ミギーのことを察しているとは思えない。
ミギーという人外の存在に対して、必ずしも好意的な反応を示すとは限らないからだ。
そして、その反応は同時に新一への懐疑心に繋がる可能性もある。

「でも、それだけの情報でどうしてこの子が翠星石だってわかったんですか?」
「いえいえ、翠星石さんの項目は非常に個性的なため、意外とわかるものですよ。
 なにせ、異様なまでに長寿で職業が人形なのですからねぇ。
 私もこれには半信半疑と言ったところでしたが、あまりにも小柄な女性を見かけましたので、もしや、と思い声をかけさせて頂きました」

稼働時間ではなく文字通り製造時から現在までの時間だとしたら、恐らくこの場に居る中で最も長いはずだ。
右京がその事実を受け止められたのは翠星石の姿を見てから、信じがたいほどの年齢だ。
255創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:37:27.96 ID:8OJ1dEB4
支援
256杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:38:21.40 ID:P4zV4zLN

「翠色の服も着ていましたし、翠星石さんを探すという目的がありましたので、確信までは持てずとも声をかけさせて頂いたのです」
「翠星石を探してた、ですか?」

翠星石が小首を傾げながら尋ねる。
右京は相変わらず柔らかい表情を崩すことなく、だが少し言いづらそうに口を動かした後に翠星石の疑問に答える。

「おっと、これは回りくどくなってしまいました。
 実は貴方が劉鳳さんと共に居た場面を見た人が居るんですよ」

劉鳳、その名前に翠星石と真司がぴくりと反応を示す。
真司もその性格からか顔をうつむかせてしまう。
右京は真司の反応をしっかりと確認していたが、今は問い詰めることはしなかった。

「劉鳳さんのことは、非常に残念です。
 彼の知り合いとも出会い、劉鳳さんが非常に正義感の強い人物であることを聞きましたからねぇ」

すらすらと滑らかに言葉を口にしていくが、その顔は怒りと悲しみが織り交ざった表情が作られていた。

「その、劉鳳さんの知り合いっていうのは、もしかして……」

「そこのみなみちゃんですか」と、真司には最後まで言うことは出来なかった。
真司は劉鳳を殺した、それは誤魔化しようのない真実だ。
悪意を持って殺したわけではないが、劉鳳にも一切の非はなかった。
そこに悪があるとすれば、短慮であった真司以外の他にない。
だからこそ、今の真司は劉鳳の知り合いと会うこと以上の恐怖がなかった。
たとえ、いずれ行わければいけない償いであったとしても。

「いえ、みなみさんではありませんよ。今は別行動をしています。
 カズマ、というアルター使いで知り合いを探しに一人で行動しています」
「そう、ですか……」

真司は思わずホッと胸をなでおろすが、その事実に自己嫌悪の情が浮かぶ。
その振る舞いに、右京は鋭く反応を示す。
だが、ここで言うべきかどうか、一瞬だけ迷いを示すが、少々顔をつらそうに歪めながら口を開いた。

「城戸さん、少々不躾ですが、貴方は劉鳳さんの死と関連していますね?
 ……ひょっとすると、直接的な原因になっているのでは?」
「ッ!?」

「推測ですがね」と付け加えるが、右京は確信に近い思いで抱いていた。
右京は笑みを消し、何も言わずにじっと真司を見つめる。
ゴクリと、唾を飲み込んだ後、うなだれながら真司は口を開いた。

「俺が、殺したんです……劉鳳さんを。
 だけどわざとじゃない! その、劉鳳さんが翠星石を殺そうとしてるのかと思って……!」

真司が叫ぶように言い放つが、右京はまだ何も言わずに真司の次の言葉を待つ。

「もう二度と誰も殺さない、殺したくなんてない……劉鳳さんが守ろうとしていた命を絶対に俺が守ってみせる……!」

命に変えても、と真司は心を絞るような声を漏らした。
257創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:42:29.20 ID:5jrySZLW
しえん
258創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:42:48.09 ID:3tG+kD9Q
支援!
259杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:42:50.92 ID:P4zV4zLN

「なるほど、自衛の手段を持たない人を守るという考えは素晴らしいものです」

右京は眼鏡の下の瞳を柔らかい色に染めながら、真司の言葉に賛同する。
だが、その言葉の奥に僅かな危うさも感じ取っていた。
自身を犠牲にしてでも何かを守ろうとする危うさと、守ることを意識しすぎて敵対者を殺しかねない危うさを。

「ですが、人を殺すという考えは捨て切れていますか?」
「……」

真司は何も言わずに、右京の目を見て右京の真意を図ろうとする。
右京は無言の真司からその思いを感じ取り、言葉を続ける。

「正当な防衛の結果であろうと、襲われた人を救おうとした結果であろうと、貴方が人を殺したという事実は決して消えません」

真司に苦悩の表情が出ていることを察しながら、右京は言葉を続ける。
罪には罰が与えられる、それは加害者にも被害者にも必要な儀式のようなものなのだ。
だからこそ罪を誤魔化してはいけない、罰に恩赦を与えてはいけない。

「一人を殺すことも二人を殺すことも同じです。
 そして、なにかを成そうするために自らの命を捨てることも同じなのです。
 その全てが、命に対する冒涜なのですよ」

眼鏡の奥に潜む、右京の瞳が鋭く光った。
僅かにたじろぐ真司に、さらに畳み掛けるようにして言葉を続けた。

「他者の命を奪う道が決して償いの道ではないように、自らの命を捨てる道も償いの道ではありません。
 貴方だってわかっているはずですよ、城戸さん」

真司は右京の責めるような言葉に窮しながら、しかしどこか高揚した心のまま口を開く。

「だから……襲った相手に対しても命を奪わず、むしろ守るって言うんですか?」
「もちろんです。私は生き残っている全ての人を守るつもりです。
 当然、その全ての人には悪意を持って人を殺して回っている人物も含めますよ。
 誰も殺さないし、誰も殺させません。そして、V.V.なる少年を逮捕するのです」

真司は右京の言葉にゴクリと唾を飲み込む。
右京は真司に仲間になって欲しいと思いつつも、殺人犯として扱っているのだ。

その右京の姿勢に、真司の心はこれ以上ないほどに高揚していた。
罪を認めその罪を償え、と言われた。
それは精神的な償いだけでなく社会的な償いもしろ、と。
思えば、それを求めていたのかもしれない。

右京は殺人に後悔しているという真司の罪に目をつぶるつもりは一切ない。
それは己のために全てを踏み台に欲望を求めるライダーバトルよりも、よっぽどまともなことのように思えたのだ。
260杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:44:01.40 ID:P4zV4zLN


「でも、それって少し危ない考えじゃないですか」


だが、真司が賛同の意を示すよりも早く、新一が割りこむように言葉を放った。
その瞳に込められていたものは、嘲りでも焦りでも冷たさもない。
ただ冷え切った怒りだけがあった。

「ここにはパラサイトが……それこそ文字通りに人を食い物にするバケモノが二匹も居るんだ。
 アイツらは言葉は通じるけど話は通じない……アイツらから見た俺たちはただの餌に過ぎないんだ!」

胸を抑えながら、新一は半ば叫ぶように右京に言葉を投げつける。
脳裏に浮かぶものは胸の傷がついた出来事、新一の母を殺しその身体を乗っ取ったパラサイトがつけた傷だ。

「それは田村玲子や後藤と言った寄生生物のことでしょうか」
「そうさ! アイツらは何人もの人間を食べてるんだ! 殺したんじゃない、食べたんだ!
 倫理とか道徳とか、そういう前提が俺達とは何もかもが違うんだよ!」

激昂とはまさしくこのことなのだろう。
空中に木霊する新一の叫びに、真司や翠星石、みなみは目を丸くする。
だが、右京は顔を引き締めたまま新一へと返答する。

「泉新一くん、でしたね。なるほど、パラサイト生物のことについてなにか思う所があるようですね」

その新一の態度から、新一もまたパラサイトが起こした事件の被害者なのだと右京は察した。
どこか現実味のなかったパラサイト事件にも、確かに被害者はいるのだという事実が右京の胸に義憤を起こす。
だが、それでも右京は言わなければいけなかった。
誤魔化すという行為は真実を濁らせ、真実の濁りはやがて大きな事件を巻き起こすからだ。
すぅっと短く息を吸い込んで、新一の胸中を思いながらはっきりと言葉を口にした。

「あえて言いましょう、そこに例外はありません」
「なっ……!?」
「彼らに物事を判断する理性があるのなら、それは我々のような一個人が裁くべきことではありませんよ」

その言葉に新一が言葉を失い、信じられないものを見る目を右京へと向ける。
田村玲子の冷徹さも、後藤の現実離れした恐ろしさも身にしみている新一にとっては信じられない言葉だった。

「だから、アイツらを……あの後藤を捕獲する? 冗談じゃない、殺したほうがよっぽど安全じゃないか!」

誰も殺させないという理想は立派だが、現実味がない。
この年配の男性にパラサイトを取り押さえることが出来るとは到底思えない。
いや、仮に取り押さえることが出来たとしても、本当に安全を確保するたまならばパラサイトは息の根を止めるべきだ。
パラサイトがどんなに言葉を繕おうと、人間をやめたパラサイトは居ないのだから。
261杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:45:02.15 ID:P4zV4zLN

「泉くん、彼らが人の姿をして人の生活をしているのなら、それは法で裁かれるべき存在です」
「アイツらは死刑になるに決まってる、大勢の人が犠牲になってるんですよ!
 だったら、わざわざ生かしておく必要なんてないでしょう!?
 杉下さんはアイツらのことを何も知らないからそんなことを言えるんだ!」

新一の喉を枯らすほどの叫びを聞いて、右京は目を固く閉じる。
語調からして新一はパラサイトに対して憎しみの念を持っているのは間違いないだろう。
それでも、右京は言葉を曲げる訳にはいかなかった。
目をゆっくりと開いて言葉を放つ。

「裁判の結果、犯人に与えられる罰が死であることは当然あり得るでしょう。
 ですが、決して個人が死を与えて良い理由にはなりません」

今度こそ新一は言葉を失った。
理知的に見えるこの杉下右京という初老の男性は、新一なんかよりもよっぽど狂っている。
新一の目には、それこそ法律の奴隷のように見えた。

だが、杉下右京という人間の本質は決して奴隷ではない。
杉下右京の正義とは真実を誤魔化さないことだ。
妥協という誤魔化しは真実を濁らせ、その瞬間に尊い真実は価値を失ってしまう。
だから、彼は一切の妥協もせずに彼の正義を貫くのだ。

「だからこそ、私は誰も殺させはしません。
 たとえ相手がどんな悪人であろうと、たとえどのような哀しい理由があろうと……人が人の命を奪って良い道理などありはしないのです」

だが、その正義は素足で薄氷の上を走り続けるようなもの。
走ることそれ自体が鋭い痛みを味合わせ、まっすぐ走ることもまた困難である。
そして何よりも、道そのものが突然壊れてなくなってしまう危険もある。

「恐怖に侵され自己の保身のために行った殺人も、復讐の炎に焦がされた末の殺人も私は許しません。
 ……私だけでなく、どうか皆さんにもこの決意をして頂きたいのです。
 私という個人の力だけではどうしても限界があるのですから」

暴走の末に全てを無に帰してしまかもしれない、あまりにも高潔な杉下右京の正義。
それがこの殺し合いを打破する突破口となるのか、あるいは殺し合いを加速させる起爆剤となるのか。

『どうやら、杉下という男は人間の非自然的な要素をありったけかき集めたような人間だな』

新一は呆然とした頭に響く、ミギーのどこまでも冷静な声を聞いた。
262杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:45:40.78 ID:P4zV4zLN

【一日目昼/E-1道路】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン、真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、確認済支給品(0〜2)
[状態]健康
[思考・行動]
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、かなみと合流する。
3:真紅が最後に護り抜いた人間に会い、彼女の遺志を聞く。
4:水銀燈を含む危険人物を警戒。
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※真紅のローザミスティカを取り込んだことで、薔薇の花弁を繰り出す能力を会得しました。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3(朝食分を消費)、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎、確認済み支給品(1〜4) 、劉鳳の不明支給品(1〜3)
[状態]ダメージ(中)
[思考・行動]
0:多くの人に危険人物の情報を伝える。
1:右京の言葉に強い共感。
2:やっぱり戦いを止めたい。
3:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
4:翠星石のことは守り抜きたい。
5:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。

【泉新一@寄生獣(漫画)】
[装備]無し
[所持品]基本支給品(水一本と朝食分を消費)、拡声器@現実、イングラムM10(32/32)@バトルロワイアル、傷薬×4@真・女神転生if...
[状態]ダメージ(中)、疲労(少) 、背中に火傷(処置済み)
[新一の思考・行動]
1:シャナを倒す、殺さない。
2:生き残る。
3:右京の言葉に呆然。
4:ミギーの行動や言動の変化に疑問。
[ミギーの思考・行動]
1:シャナを倒す。
2:出来る限り周りに存在を知られないようにする。
3:生き残る。
4:杉下右京に呆れとも恐れともつかない妙な感想を抱いた。
5:感謝されると嬉しい……?
263杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:46:40.95 ID:P4zV4zLN

【杉下右京@相棒(実写)】
[装備]君島の車@スクライド
[支給品]支給品一式、S&W M10(6/6)、S&W M10の弾薬(24/24)@バトル・ロワイアル、ゼロの剣@コードギアス、首輪(魅音)
[状態]健康、強い決意
[思考・行動]
0:誰も殺さない、誰も殺させない。
1:協力者を集めてこの殺し合いをとめ、V.V.を逮捕する。
2:亀山を殺害した人間とシャナ、玲子を逮捕する。
3:みなみに注意しながら同行する。
4:仲間を集い、参加者を警察署へ集める。

【岩崎みなみ@らき☆すた(漫画)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式
[状態]健康、深い悲しみ
[思考・行動]
1:右京や翠星石たちと共に行動。
2:ゆたかとみゆきの仇を取りたい、その為の力が欲しい。
3:Lに対する強い嫉妬。
4:他の知り合いが心配。
5:カズマと光太郎にもう一度会いたい。
6:V.V.の言葉も頭の片隅に留めておく。

[全体の備考]
※翠星石・泉新一・城戸真司で情報交換を行ったため、三者は互いの事情についてある程度は理解しました。
※上記の三人は浅倉威、水銀燈、後藤、シャナ、和服の青年(宗次郎)、メイド服の女(咲世子)を危険人物の認識しています。
 また東條悟、田村玲子に関しても警戒するに越したことはないと判断しました。
※右京とみなみはミギーの存在を知りません。
264杉下右京の正義 ◆EboujAWlRA :2012/01/01(日) 23:46:53.29 ID:P4zV4zLN
投下終了です
265創る名無しに見る名無し:2012/01/01(日) 23:55:15.23 ID:5jrySZLW
投下乙!
法律の奴隷って言葉がすごいしっくり来た気がする
バトロワは法律の外にあるような環境だけど、その中で右京さんの倫理観がどこまで通用するのか……
L右京みなみ光太郎のグループは一見対主催グループで磐石に見えるけど、各個人がそれぞれに問題抱えてるんだなってのがよく分かった
右京さんはその緩衝材になるかと思ったけど、これ見るとそうは思えないなぁ
このあと右京さん達と真司がどうするのか気になる
266創る名無しに見る名無し:2012/01/02(月) 00:05:40.51 ID:YacQigsu
投下乙!

いやいや、右京さん。
いくらなんでも人間以外に人間の法律を当てはめたらイカンでしょwww
当てはめるなら、器物に対する法律を当てはめた方がしっくりくるよ。
あくまでも見た目が人間ってだけで、別の生物なんだからさ。


しかし、キャラの考え方の違いが明瞭に表れていて面白かったです。
267創る名無しに見る名無し:2012/01/02(月) 00:09:56.56 ID:1Rd/F6JA
投下乙です!
新年早々右京さんに惚れる…!
誰に会ってもブレないな、影月に会って亀山くんを殺したんだって知ってもブレそうにない
バトロワ内で起きた殺人について右京さんが法律を適用させようとするのはわかってたことだけど、ここで改めて見せつけられた感じだ
場合によっては殺人も肯定するミギーを抱えてる新一に不安定なみなみに…起爆剤がいくらでもあるだけに心配なチームだな
色んな問題が浮き彫りにしながら、でもちゃんとここから突破口になる可能性も示されてて面白かった
改めて乙でした!

指摘ですが、真司の劉鳳殺害の原因は翠星石ではなく魅音の死体だったかと思います。
268 ◆EboujAWlRA :2012/01/02(月) 00:19:03.59 ID:GSShao2o
>>267
指摘ありがとうございます、完全にミスをしていました。
指摘された>>256の部分を
「だけどわざとじゃない! その、劉鳳さんが死体の側にいるところを見て、人を殺したんだと勘違いをして……!」
と修正させて頂きます
それと、>>260の最後の行ですが、
× パラサイトがどんなに言葉を繕おうと、人間をやめたパラサイトは居ないのだから。
○ パラサイトがどんなに言葉を繕おうと、人間を食べることをやめたパラサイトは居ないのだから。
と、『食べることを』が抜けていました

年始なので何日か待って、通すことが出来ないような矛盾の発見や指摘がくるかなどの様子を見た後に、保管庫で収録する際に修正させて頂きます
269創る名無しに見る名無し:2012/01/02(月) 19:36:26.04 ID:1Rd/F6JA
>>268
すみません、こちらの言い方が悪かったです。
劉鳳殺害の原因は、真司が魅音の死体を発見して触れようとしたのを劉鳳が目撃し、誤解が生まれたことだったと思います。
重ねての指摘となってしまい申し訳ございません。
270創る名無しに見る名無し:2012/01/02(月) 22:19:12.52 ID:Vqd2y6RC
投下乙です
元旦相棒SPの直後にまた右京さん活躍とかワロタ
右京さんも基本的にはいい人なんだけど、どこか機械的で冷酷なところあるよね
法律をあらゆる物よりも優先して他のことを顧みない、優秀だけど窓際に送られた理由がよく分かった
でも今回のSPで不法侵入とかしてたけどあれはいいのかww
271創る名無しに見る名無し:2012/01/03(火) 01:24:06.19 ID:49Q3Z8dn
乙です
右京さんも頑固というかぶれないな
でも実際問題として後藤を生け捕りになんて出来るのだろうか…w
272創る名無しに見る名無し:2012/01/03(火) 12:18:19.86 ID:z7bMn/SX
乙、右京さんブレねぇ…

>>270
右京さんの場合は法律遵守というよりは事件解決が一番の目的だし…
ぶっちゃけ事件解決の手段で違法捜査しまくりだもん
273創る名無しに見る名無し:2012/01/03(火) 15:42:02.03 ID:AIhkluwz
あと影月と縁とヴァン達で
次の放送?
274創る名無しに見る名無し:2012/01/03(火) 18:15:47.05 ID:B/j2Jh8N
そうなるけど別に無理して書かなくてもいいんじゃないかな
このまま放送行っちゃっても問題なさそう
275創る名無しに見る名無し:2012/01/03(火) 21:21:18.28 ID:Wa1hdIFy
投下乙。
右京さん…どこぞのバーローなみに殺人忌避の信念強いなあ。
この殺し合いの場で彼の信念がどう影響を与えるのか…

確かにこのまま放送いっても問題はなさそう、かな
276 ◆EboujAWlRA :2012/01/04(水) 20:11:09.90 ID:IDQgSsZn
>>269
大変失礼しましたorz
「だけどわざとじゃない! その、劉鳳さんがライダー……いや、とにかく人を殺したんだと勘違いして……!」
に修正しました
277 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/05(木) 01:36:15.92 ID:JNhGcnC6
すいません、今書いているパートがあるので放送越えはもう少し待っていただけませんか。

あと修正お疲れさまです。
278創る名無しに見る名無し:2012/01/05(木) 15:34:03.45 ID:zbBe5YbM
早速予約ktkr
戦力的な不安もあるけれど、右京さんがシャドームーン相手にどう対応するかに注目だな
279創る名無しに見る名無し:2012/01/05(木) 21:04:26.03 ID:82t16HiI
この話と放送が投下されたら、また人気投票がやりたいな
第一回放送後〜第二回放送を対象にエピソード、キャラ、死亡者で
280創る名無しに見る名無し:2012/01/06(金) 09:57:01.17 ID:8YI6iEbq
予約アカンw
右京さんがカメるw
281創る名無しに見る名無し:2012/01/06(金) 20:42:28.56 ID:upIeMZ3e
(推定)放送直前にやばい予約キターーー!!
282創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 03:59:39.23 ID:ELyLWubw
浅倉って何気に探してた北岡と二回も遭遇できてるんだよな
縁みたいに二度と会えない奴もいる中、なかなかツイてると思う
283創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 10:05:14.78 ID:T4RPAaMT
狭間や影月が狙ってる
蒼嶋も光太郎もまだ生きてるしな
剣心は早々にズカンされちゃったよね
284創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 11:33:44.96 ID:mph4LeEj
ルルーシュと違って縁ぐらいしか影響らしい影響受けてないしな、剣心
宗次郎は剣心が生きててもあの調子だっただろうし
285創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 13:48:10.02 ID:T4RPAaMT
参戦してないるろ剣キャラでも
剣心が死んで影響大なキャラがいないw
286創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 16:46:07.60 ID:wcvbn1cC
むしろギアス勢が影響ありすぎる
287創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 16:54:32.29 ID:gU/LJWap
>>285
さすがに薫ぐらいは影響あるだろうw
原作でも面と向かってさよなら言われただけで寝込むようなメンタルだし
…それ以外だと本当に影響するキャラいないな
主人公ェ
288創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 19:19:21.77 ID:lK7g7Bq8
弥彦とか、左之助とか
…は、死んだことにショック受けたり「何で死んだんだ!」って怒ることはあっても精神病んだり立ち直れなくなったりはしないな
操だって泣くかもしれないけどそんぐらいだろうし
斎藤が生きてたって、放送聞いても眉をひそめるぐらいだっただろうな

これはギアス勢が異常なのか剣心の人望が薄いのか
289創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 20:37:09.65 ID:ELyLWubw
剣心の人望が薄いってことはないだろ
るろ剣勢はそれぞれの芯がしっかりしてるから、悲しむことはあってもそれが今後に影響することはないってだけじゃね?
290創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 21:36:58.37 ID:mph4LeEj
ギアス勢っつーか主にジェレミアとロロのルルーシュへの依存度が高すぎたのが原因じゃね
剣心と薫みたいな主人公とヒロインの関係ならともかく、そういうわけでもないのに「主人公が死んだら生きてる意味がなくなる」勢いって相当だと思う
現実的に考えれば、家族にだってそこまでの感情を抱くのは難しい
多分るろ剣勢の反応の方が普通
291創る名無しに見る名無し:2012/01/07(土) 21:46:46.27 ID:MEOaq8Od
剣心の死を悲しみはするけど、どうせ誰かを護って死んでいったんだろうなと最終的には納得しそうだよな
292創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 08:22:05.46 ID:vtMADV4d
とにかく参加してたこと自体が忘れられがちな斎藤が悲惨
293創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 11:23:12.59 ID:ab+8eJBn
クーガーは覚えててくれてるよ、多分!
294創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 11:31:00.42 ID:IrVsIsuC
阿呆が…
295創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 12:10:20.65 ID:ZuyfO1Qv
一応亀さんと並んで第1クール死者1位なんだけどねえ
亀さんと言えば、この前の年始のSPで初めて亀さん見た
俳優にそんなに詳しくないんだけど、神部さんと比べると武骨っぽい外見なんだな
296創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 12:48:16.32 ID:zQWUNi9j
ゼロ魔勢も生存者達からあまり印象持たれてなさそう
タバサに関してはCCOは自分の野望の礎として誰が死んでも感傷は無さそうだし
三村とはそれほど会話してなくて今は超COOLなCCOの旦那に夢中っぽい
297創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 15:18:31.86 ID:3NsJJiTJ
るろ剣勢はラスボスが二人残ったのが面白い
CCOと縁
298創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 16:42:39.05 ID:lfoRCqcu
三村「グゥゥゥゥゥゥレイトォォォォォォ!!最高だ!最高だよ!超COOLだよ、CCO!俺あんたについてくよ!」
299創る名無しに見る名無し:2012/01/08(日) 16:54:55.11 ID:DxeD1epF
声優は石田彰ですね、分かります
300 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/08(日) 18:50:41.96 ID:uKVWILNM
今回の予約分ですが、最初から本スレに投下するのが不安なので仮投下スレに投下させていただきました。
問題ないと判断していただけたのなら、改めて本スレに投下しようと思います。
301創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 00:37:15.41 ID:6OisSZpu
>>300
投下おつです。
感想は本投下があってから言うとして、内容は問題ないと思いました。
本投下を待ってます。
302 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:45:00.07 ID:c6VSbPsM
意見ありがとうございました。
それでは改めて城戸真司、翠星石、泉新一、杉下右京、岩崎みなみ、シャドームーンを投下します。
303創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 01:47:10.06 ID:c6VSbPsM

「……」

結局新一たちが右京たちと同行することはなかった。
右京の掲げる理想はあまりにも非現実的であり、心の底から寄生生物の恐怖を知っている新一との摩擦が大きすぎたのだ。
それを右京たちの車が四人乗りだったことが後押しする。
翠星石が非常に小柄であるため、強引に乗り込むことはできただろう。
だがそこまでする気にはとてもなれず、新一は彼の仲間になってほしいという誘いを断った。
去り際に警察署で仲間と落ち合うつもりだと言っていたが、今の心境では赴く気になれない。
真司が人殺しであるという事実を改めて知らしめられ、彼らの間にはどこか重苦しい雰囲気が漂っていた。
無言のまま十数分ほど歩き続ける三人。
カシャ、カシャと妙な音が聞こえた時には既に遅い。
Fー1に突入した辺りで、彼らはそいつと出会ってしまった。

「あんたも……ライダーなのか?」

彼の隣にいる青年、城戸真司が語りかける。
全身を覆う銀の鎧、昆虫のような緑の双眼、目と同じ色の宝石が嵌めこまれたバックル。
確かの目の前にいる者の姿は、真司の変身する龍騎によく似ている。
だが、似ているだけ。
龍騎とは、決定的に何かが違う。

「そうか、貴様もカードデッキを持っているのか」

嬉しそうに笑い声を漏らす。

「我が名はシャドームーン、次期創世王にして貴様らの命を終焉に導く者だ」

サタンサーベルを掲げ、高らかに宣言するシャドームーン。
仮面に覆われ表情は伺えないが、全身から発せられる殺気は尋常ではない。

「な、なに言ってんだよアンタ!」

まるで機械のように無機質で冷酷な殺気。
視線を合わせるだけで、心臓を鷲掴みにされたような感覚に陥る。
他の二人も同じなようで、翠星石に至っては脚が震えていた。

「私から見れば貴様ら人間など一方的に虐殺されるだけの家畜に過ぎない、だがそれでは面白くないだろう
 変身する時間くらいは与えてやる、その力でこの私に抗ってみせろ」

尊大で傲慢な物言いだが、その言葉は裏打ちされた実力から発せられている。
シャドームーンがその気になれば、自分たちを一方的に殺すことなど赤子の手を捻るのと大差ないのだろう。
全身から溢れ出る殺気は、かつて後藤と対峙した時と似たような恐怖を覚える。

『シンイチ、戦え』

シャドームーンの威圧感に気圧される中、ミギーはいつもの調子で言葉を口にする。
しかしその言葉は、無駄な争いを好まない彼らしかぬもの。

『こいつは後藤と同じか、それ以上の力を持っている
 戦闘を回避するのは不可能だ、戦って逃げるしかない』

淡々とミギーは告げる。
五匹の寄生生物を操り、超人的な動きをする後藤。
目の前にいるシャドームーンは、そういう次元にいる相手なのだ。
304ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:49:13.61 ID:c6VSbPsM

『こいつは三人で戦っても勝つことは不可能、生き残ることすら難しいだろう
 三人の力を合わせて、初めて生き残れる可能性が生まれる
 だから力を合わせて戦うんだ、そうしないと全員が死ぬことになるぞ』

ミギーのその言葉に、真司と翠星石は固唾を飲み込む。

「まだか、死を甘んじて受け入れるというのなら構わんぞ」

サタンサーベルを剣先を新一たちに向ける。
シャドームーンにとって意味があるのは強者との戦い。
変身を渋るようであれば、その人間の存在価値はないのだ。

「……変身!」

道の脇にそびえ立っていたカーブミラーにデッキを掲げ、真司は龍騎へと変身する。
戦うことへの忌避感を抱いていた真司が真っ先に戦意を見せたことに、残りの二人は驚きを示す。

「多分こいつは浅倉やシャナと同じだ。人を殺すことに何の抵抗もない……そんな奴を野放しにしておけない」

バックルからカードを抜き出し、右腕のドラグバイザーに装填する真司。
認証音と同時に空中からドラグセイバーが出現し、彼の掌へと舞い降りる。
カードデッキの所持者が見せる戦意に、シャドームーンは満足そうに笑う。

「でも、殺しはしない」
「なに?」

シャドームーンから笑いが消える。

「どんな理由があっても命を奪うことは許されない……だから命は奪わずにお前を説得してみせる!」

ドラグセイバーの剣先を突き付け、真司は己の理想を口にする。
するとシャドームーンは不愉快そうに肩を落とした。

「ならばやってみろ! その考えが紙細工のように脆いことを教えてやる!」
「行くぞ!」

ドラグセイバーを構え、真司は駆け抜ける。

『シンイチ、君も覚悟を決めろ! 三人の力を合わせなければこいつには勝てない』
「分かってるよ、クソッ!」

背丈以上もある巨大な両刃剣をデイパックから取り出し、新一は真司の後へと続く。
一直線に並び、シャドームーンの元へと走る二人。
真司は軽快に跳び上がり、シャドームーンの頭上を。
新一は空いた前方へと加速し、シャドームーンの胴体を。
急造ではあるが、抜群のコンビネーション。

「こんなものか」

だが、シャドームーンはそれを右腕一本で受け止める。
サタンサーベルが真司を、エルボートリガーが新一を。
そして右腕を振るうと、彼らは呆気なく吹っ飛ばされた。
305創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 01:50:40.85 ID:B0ZkkG55
支援
306ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:51:13.31 ID:c6VSbPsM

「うわあぁぁっ!」

弧を描くように飛ばされた二人は地面に追突しようとするが、地面に敷かれた大量の花弁が優しく包みこむように受け止めた。

「サンキュー、翠星石」
「助かったぜ」
「礼は結構ですよ、翠星石だって戦えるです!」

紅と翆の瞳で彼女は二人を見上げる。
その目は力強く、一切の迷いは見られない。

『闇雲に突っ込んで勝てる相手じゃない、なんとか隙を作って逃げ出せ!』

ミギーの言葉が骨身に染みる。
翠星石が受け止めてくれたからこそ大事には至らなかったが、一歩間違えればあの一瞬で勝敗が決していたかもしれない。
たった一回のやり取りで痛感させられる絶望的なまでの戦力差。
三人の力を結束させないと、逃げ出すことすらままならないだろう。

『真司、君が前線で戦ってくれ
 シンイチや翠星石では防御が手薄過ぎて、下手に近づいたら即死しかねない』
「ああ、分かった!」

前線は一番危険な役目であるが、だからこそで最も攻守の優れた者が請け負わなければならない。
彼もそれを理解していたのか、ミギーの言葉に即答する。

『我々も遠くから援護する、あいつの装備では遠くにいる敵は狙えない――――』

そこまで言いかけ、ミギーは言葉を失った。

『なんだあれは……』

シャドームーンの腰の宝玉が発光しながら高速回転をしている。
そこから電光が迸り、サタンサーベルを持っていない左腕へと流れ込む。

『そんなことまで……できるのか?』

左腕から光線が発射されるのと、真司が新たなカードを装填したのはほぼ同時だった。


――――GUARD VENT――――


両腕にドラグシールドを握り締め、重ねるように前方へと展開。
それを覆うように翠星石が花弁を飛ばし、三重の盾が彼らと光線の間に立ち塞がる。
そして光線が盾に触れた瞬間、轟音と閃光が彼らを埋め尽くした。

「うわっ!」

粉塵が舞い、土煙が視界を覆う。
盾を展開してもなお相殺しきれず、十メートルほど押し込まれる三人。
地面には道路との摩擦で磨り減った跡が残っている。
307ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:53:33.36 ID:c6VSbPsM

『あいつ、飛び道具まであったのか!』

ミギーの声色に焦りが見え出す。
シャドームーンを侮っていたわけではないが、それでも飛び道具までは予想できなかったのだ。

「もうあのビームは撃たせない、俺が絶対に止めてやる!」

ドラグシールドを両肩に装着しながら宣言する真司。
真司一人だけで持ち堪えられるかの不安はあるが、現状はこれに頼る以外の手段はないのも事実。

『……頼む』
 
苦しくはあるが、彼が粉塵の中を突っ切っていくのを見守るしかなかった。


   ☆ ☆ ☆


サタンサーベルが赤い軌跡を描きながら振り下ろされる。
左肩の盾でそれを受けた真司は、右手に握り締めた剣を突き出す。
だがそれは側面からの手刀で払われ、シャドームーンは再びサタンサーベルを振るう。
真司も同じように左肩の盾で受け止めたが、ピシッと嫌な音が鳴る。
シャドービームにサタンサーベルの連撃を受け、ドラグシールドに亀裂が入ってしまったのだ。

先ほどシャドービームが発射された時、咄嗟の判断でガードベントを発動した真司。
だが、彼は冷静かつ器用な立ち回りができる男ではない。
ならば何故発動できたのかといえば、それは生物としての本能と経験がそうさせたのだ。
シャドームーンの左腕に集中していくエネルギーを見て、全身の血液が凍りつくほどの恐怖を覚えた。
これの連発を防ぐには接近戦を挑むしかないが、腕力や剣技の実力も差があり過ぎる。
真司の目の前にいるのは、どうしようもない絶望だった。

「ああああぁぁぁっ!」

それでも彼は退くわけにはいかなかった。
我武者羅に剣を振り回すが、全てが呆気なく回避される。
そしてその間隙を縫って、シャドームーンが横一文字に剣を振るう。
盾ではなく剣でそれを受けるが止めきれず、ドラグセイバーは彼の手から弾け飛ぶ

「この程度か」

攻め手を失い狼狽える真司。
一切の慈悲もなく、サタンサーベルが振り下ろされる。

「薔薇の尾!」

が、直前に薔薇の花弁がシャドームーンの右腕を弾いたため、攻撃が届くことはなかった。

「翠星石がいることを忘れてもらっちゃ困るです!」

薔薇の尾はかつて真紅が多用した技。
薔薇の花弁を動物の尾のように集中させ、自由自在に操るというもの。
二人分のローザミスティカの力が付与され、真紅の時よりも威力は増している。

「俺もいるぜ!」

間髪入れずに機関銃を構えた新一が足元に向けて発砲する。
シャドームーンの身体は鎧のような皮膚に覆われているが、足元は例外の一つである。
故に胴体のように無傷というわけにはいかず、後退を余儀なくされてしまう。
308ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:55:33.72 ID:c6VSbPsM

「今のうちに剣を拾うです!」
「分かった!」

翠星石の指示通り、ドラグセイバーを拾い上げる真司。
素早く接近して、シャドームーンへと斬りかかる。
銃撃で彼の体勢は崩れているため、今が攻めこむ絶好の好機と考えたのだ。

「舐めるな」

だが、それは誤りだった。
足元に銃弾を浴びながらもシャドームーンは両脚で立ち、繰り出された横薙ぎの斬撃をサタンサーベルで受け止めたのだ。
銃弾は無傷とはいかないまでも、決して脅威とは成り得ない。
今までは不要なダメージを受けないために回避していたが、体勢を崩すと呼ぶには小さすぎるダメージだったのだ。

「そんな……ドラグセイバーが!」

度重なるサタンサーベルとの衝突によりドラグセイバーが限界を迎える。
かつて初めてモンスターと戦った時のように、根元からぽっきりと折れてしまったのだ。
厚さ40cmの鋼鉄をも切り裂くドラグセイバーも、世紀王の象徴たるサタンサーベルには及ばなかったのである。

「カードデッキを使っていながらこの体たらくか、もっと頭を使え、もっと力を振り絞れ、そしてもっとこの私を楽しませてみせろ」

サタンサーベルを地面と水平に構えて突き出す。
両肩の盾を手に持ち替えて対抗するが、サタンサーベルの前ではあまりにも脆い。
左腕の盾は亀裂が広がり粉砕、右腕の盾も貫通しても止まらず剣先は真司の胸を穿つ。
そして追撃のシャドーパンチが繰り出された。

「があああぁぁぁっ!!」

最後に残った盾も呆気なく破壊され、突き抜けた拳が真司の腹部を叩く。
甲高い悲鳴を上げながら、突き飛ばされていく真司。
翠星石が薔薇の花弁で受け止めるが、花弁ごと数メートル押し込まれる。

「うぅ……あぁ……」
「真司! 大丈夫ですか!?」

地面に倒れ伏す真司の元に駆けつける翠星石。
彼女の援護で地面への衝突は防げたものの、真司のダメージは決して小さくない。
頑丈なはずの胸部のアーマーには、大きなヒビが入っていた。
そして真司が倒れたため、前線でシャドームーンを抑える者がいなくなる。
つまりそれは、シャドービームを放つ隙を与えるということ。

「クソッ!」

機関銃を構えながら新一が突撃する。
シャドービームを放たれれば三人仲良くお陀仏、それだけは絶対に避けなくてはいけない。

『待て! 行くな! 君一人で敵う相手ではない!』
「んなこと分かってる! でも俺がやるしかないだろォ!」

震え混じりの声で新一は叫ぶ。
シャドービームを撃たせないためには、彼か翠星石のどちらかが前線に出る必要がある。
だが彼女の能力は前線で戦うには不向きであり、何より女の子をあんな恐ろしい相手と戦わせるわけにはいかない。
一見無鉄砲な突進に見えるが、現状ではこれがベターな作戦なのだ。
309創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 01:55:50.54 ID:B0ZkkG55
支援
310ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:57:23.67 ID:c6VSbPsM

『そんなことは分かっている! だが――――』

それは全体の生存率を上げるものだ。
前線で戦う新一の危険度は跳ね上がっている。
ミギーが優先すべきはあくまで新一の命なため、彼が命を捨てるような状況になるのは避けたかったのだ。
ここで新一の命を最優先するならば、今すぐこの場から立ち去るべきなのである。
逃げ切れる可能性は低いが、前線で戦うよりはマシだろう。
決してミギーが冷血漢なわけではない。
自身の命を勘定に入れていたのは事実だが、この中で一番前線向きなのは総合力に優れた真司である。
本気で全員が生き残れるような作戦を考えたし、それを望んでいたのもまた事実。
だが、シャドームーンはその作戦を軽々と乗り越えた。
はっきり言ってしまえば、真司が倒れた時点で詰みなのである。

『……私に策がある、成功する可能性は限りなく低い、それでも構わないか?』

それでも彼は抗うことにした。
このような状況で新一が他人を優先するのは知っているし、制止しても従わないことも知っている。
お互いのことを知り尽くすには、彼らが過ごした時間は十分過ぎるくらいあった。
だから僅かな可能性に賭けることにしたのだ。
この状況を予想していなかったわけでもないため、伏線も既に張ってある。
作戦というにはお粗末過ぎる代物だが、現状はこれに頼る以外の手段はない。

「分かった、お前を信じるぜ!」

新一はニヤリと笑った。

『銃弾程度では効かん、斬馬刀を取り出せ!』

喧嘩屋斬左こと相楽左之助の愛刀、斬馬刀。
本来は翠星石の支給品だったが、彼女の身長では扱えないため新一に譲渡されたものだ。
普通の人間の筋力では振り回せない重量だが、ミギーの細胞が混じった新一なら扱いこなすことができる。
デイパックに機関銃を戻し、斬馬刀を取り出す新一。
華奢な少年が背丈以上の大剣を振るう姿は異様だが、今の彼にはどこか似合っていた。
両手でしっかりと柄を握り締め、シャドームーンへと立ち向かう。

「くらえ!」

力任せに斬馬刀を振り下ろす。
シャドームーンはサタンサーベルを横に構えてそれを受ける。
ガチン、と響く嫌な金属音。
斬馬刀の刀身に、ヒビが入っていた。

「マジかよ、脆すぎだぜ!」
「そのような無骨な刀でサタンサーベルと打ち合おうなど、万死に値する」

サタンサーベルを大きく振りかぶるシャドームーン。
超重量の斬馬刀はサタンサーベルとは違い、次の攻撃に移るまで時間がかかってしまうのだ。
斬馬刀の腹で振り下ろされる斬撃を受け止める新一。
だが既にヒビの入っている斬馬刀では、サタンサーベルを受け止めるには限界があった。
一瞬にしてヒビが全体へと広がり、斬馬刀は砕け散ってしまう。
311ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 01:59:16.20 ID:c6VSbPsM

「他愛もない」
『それはどうかな』

それが、ミギーの狙いだった。
斬馬刀を手放したミギーは、高速で刃へと変化してシャドームーンの首元へと迫る。
全ては予定通りだった。
意図していたわけではないが、先の銃撃でシャドームーンの弱点が銀に覆われていない箇所だと気付いた。
手首や足首、胴体などがその例である。
他にもいくつかあるが、全ての共通点が人間でいえば可動部分であること。
それらを硬い皮膚で覆ってしまうと、動きに支障が出るのだろう。
そして、一箇所だけ急所でありながら銀に覆われていない箇所があった。
それが首の根元。
首の大部分は銀色だが、根元だけは黒が見えている。
ここを頑丈な皮膚で固めてしまうと、首が回らなくなってしまうのだろう。
作戦はこうだ。
巨大な斬馬刀をあえて破壊させることで視界を塞ぎ、同時にサタンサーベルで本命の一撃を防御できないようにする。
武器を破壊すれば攻撃手段を失ったと思い込むだろうが、彼らの真の武器は変幻自在に変化する右腕。
この奇襲のために今までずっと右腕を変化させなかった。
寄生生物があらゆる物に変化できるのは絶大なアドバンテージだが、一度知られてしまうとそれが薄れてしまう。
寄生生物の刃は非常に鋭利かつ正確であり、狙いを定めた場所を確実に切断する。
完璧なタイミングで繰り出した、一撃必殺の攻撃。
不確定要素は多かったが、最後には成功した――――はずだった。

『何故、見抜けた』

ミギーが全身全霊を込めて放った奇襲。
それをシャドームーンは、右肘のエルボートリガーで受け止めていた。

「貴様は喋りすぎだ」

新一に作戦を通達する際、ミギーは声を発さざるを得なかった。
死角になる位置に口を作って会話していたが、それでもシャドームーンの目には不自然に写った。
右手が刃に変化することは予想外だったが、それでも詳細を知らない右手を警戒する理由にはなったのだ。

『クソ!』

エルボートリガーに受け止められた刃の中央からやや左に逸れた箇所。
シャドームーンの首に最も接している部分に突起が生まれ、そのまま槍のように首元へと伸びる。
万が一この策が破られた場合にミギーが考えていた最終手段。

「無駄だと言っているだろう!」

だが、世紀王の前ではあまりにも無意味。
エルボートリガーの超振動でミギーは斬り落とされ、地面へと落下していく。

『避けろ、シンイチ!』

ミギーを失い無防備な新一を前に、シャドームーンはサタンサーベルを振りかぶる。
避ける手段は、ない。

「ああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁッ!!!!」

舞う血飛沫、昇る悲鳴。
サタンサーベルは新一の左肩から右胴までを切り裂き、真紅の刃を更に深く染める。
そしてシャドームーンは間髪入れずに回し蹴りを叩き込み、新一の身体を遠方へと蹴り飛ばした。
312ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:02:44.93 ID:c6VSbPsM

「新一ィィィィィィィィッ!!」

翠星石が花弁で受け止めるが、彼の負傷はあまりにも大きい。
虫の息という言葉が、これほど似合う状態はないだろう。

『くっ!』

地面を跳ねて素早く後退するミギー。
その後ろ姿を見送りながら、シャドームーンはゆっくりと右手を掲げる。
前線で彼を抑えるものがいなくなったため、シャドービームを発射する環境が整ってしまったのだ。

「消えろ」

発射されるシャドービーム。
恐ろしい速度と精密さを誇る光線は、必死に逃げるミギーの背をあっという間に捕らえる。
だがその直前に上空から降り注いだ火炎弾が、身代わりになる形でシャドービームと衝突した。
大きな爆発音が響き渡り、次いで爆炎と爆風が拡散。
塗装された地面が弾け飛び、周辺の草木が炎に呑まれて爆ぜる。

「やはり、私を止めるのはその力か」

燃え盛る地面を歩くシャドームーン。
その視線の先にいるのは、龍騎とその契約モンスターであるドラグレッダー。
龍騎の手には、ドラグレッダーの頭部を模したドラグクローが装備されている。
間一髪のところで真司は立ち上がり、ストライクベントでミギーの逃げ場を作ったのだ。

「だがこの程度の力ではまだ足りない、もっとその力を見せてみろ」

背後で炎が揺らめいているせいか、銀の仮面の口元が歪んだような気がした。


   ☆ ☆ ☆


ドラグクローでシャドームーンに応戦する真司。
だがそれはもう戦いではなく、一方的な殺戮であった。
縋るように戦う真司に対し、シャドームーンは息一つ乱していない。
元々の能力の差もさることながら、シャドームーンには一度見た動きを解析するマイティアイがある。
ドラグレッダーの援護があるからこそ、辛うじて生きながらえているようなものだ。

『スマない、翠星石』
「謝ることなんかないです」

新一の傷口に傷薬を塗る翠星石に、新一の右腕に戻ったミギーが謝罪を述べる。
一度真司の戦う姿を見ていた彼女は、彼がストライクベントを装填した時点で何を狙っているのか予測することができた。
だからミギーが爆発に巻き込まれないよう、花弁の障壁をミギーの背後に展開したのだ。

「新一は大丈夫ですか?」
『正直なことをいえば、非常に危ない状態だ』

繊細な動きで患部に軟膏を塗りつける翠星石。
白魚のような手が赤黒い血に汚れていくが、彼女が気にする様子はない。
市販品よりも効力の高い傷薬だが、この傷の前では無いよりはマシといった程度の効力しかなかった。
313創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:04:36.05 ID:B0ZkkG55
支援
314ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:05:53.71 ID:c6VSbPsM

「がああぁぁぁッ!!」

真司の悲鳴が耳を劈く。
ドラグクローがサタンサーベルの斬撃で破壊され、続く正拳突きで殴り飛ばされたのだ。
翠星石は急いで受け止めようとするが間に合わない。
真司はボールのように何度も地面を跳ね、十数メートル転がった後に停止する。
胸部のアーマーは完全に破壊され、赤いスーツが露出していた。

「グオオオオォォォォォッ!!」

主人が倒されたことに憤慨してだろうか。
大口を開けたドラグレッダーが、上空から急降下して体当たりを仕掛ける。
それを一瞥したシャドームーンは、無言のまま跳び上がりドラグレッダーの頭部に裏拳を落とす。
咆哮とも悲鳴ともつかぬ叫びを上げ、地面へと落下していくドラグレッダー。
地面にその巨体を叩き付け、そのまま動かなくなった。

「そん、な……」

あれほど巨大なドラグレッダーですら、呆気なく倒されたことに戦慄する翠星石。
真司も倒れ、新一は起き上がらない。
シャドームーンの緑色に輝く複眼が彼女の姿を捉える。

「貴様で最後だ」

機械のような無生物的な声色。
それがこれでもかというほど彼女の恐怖心を刺激していく。
水銀燈やシャナにも恐怖は感じたが、シャドームーンはその比ではない。
例えるなら、恐怖そのもの。
シャドームーンの一挙手一投足、言葉の一つ一つを聞くだけでガタガタと震えが止まらない。

「この私が怖いか、当然だろう、私はこの地球を征服する世紀王なのだからな」

カシャ、カシャと足音が少しずつ近づいてくる。
目の前にある恐怖に勝てるわけがないことを誰よりも知っているのは彼女自身だ。
だが、この場で戦えるのは彼女しかいない。

「何の真似だ」

無言でシャドームーンの前に立ち塞がる翠星石。

「こ……こ……こ」

震え混じりの声。
否、声だけではなく彼女の全身が震えている。
それでも、彼女は退かなかった。

「こっちに来んなですうぅぅッ!」

掌から薔薇の花弁を噴射し、シャドームーンに叩きつける。
真司は劉鳳を殺したけれど、それでもいい人間だった。
新一も右腕に変な生物を飼っているけど、決して悪い奴ではない。
シャナに襲われた時、二人とも身を挺して庇ってくれた。
そんな二人が死ぬと考えただけで、身を引き裂かれるような思いが全身に走る。
シャドームーンは怖い、でも真司や新一を失う方がもっと怖い。
この場で彼らを守れるのは、彼女しかいないのだ。
315創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:08:55.80 ID:QTg5X4Ug
支援
316ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:09:05.62 ID:c6VSbPsM

「無駄だ」

噴射された薔薇の花弁を、シャドームーンは左腕で払い落とす。
たったこれだけの動作で、彼女の渾身の一撃は散ってしまった。

「薔薇の尾!」

今度は薔薇の尾を繰り出すが、サタンサーベルの一閃で崩れ落ちる。
その後何度も薔薇の花弁を放つが、全てが蝿のように払われてしまう。
そして――――

「あ……あ……」

シャドームーンは翠星石の手前まで辿り着いた。

「感謝するがいい、お前たちはゴルゴムの、そして世紀王の礎となるのだから」

太陽を遮るようにサタンサーベルを掲げるシャドームーン。

「すい……せいせき……」

掠れた声が聞こえる。
そちらを振り向くと、倒れながらも真司が手を伸ばしている。
だがその手は、あまりにも遠すぎた。


   ☆ ☆ ☆


必死に身体を動かそうとするが、激痛が走って動けない。
劉鳳に翠星石を護ってくれと頼まれた。
死に際だった劉鳳の最期の頼みがそれだったのだ。
だから、絶対に破るわけにはいかない。
でも、あまりにも遠すぎる。
手を伸ばせば届きそうなのに届かない。
ドラゴンライダーキックが翠星石を貫こうとした時、劉鳳は自らの命を賭して彼女を護り抜いた。
その護り抜いたものを、奪おうとした自分が託されたのだ。
ここで護り抜かなかったら、劉鳳の死が無駄になってしまう。
だが、自分にはその力がない。
劉鳳のもつ絶影のような、翠星石を守る力がないのだ。

「死ね」

振り下ろされる赤い刃。
力が欲しい。
翠星石を、新一を、不幸になろうとしている他の人達を守る力が。
劉鳳のもつ、絶影のような力が。

「翠星石いいいいいいいいいいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃッ!!!!」

手を伸ばすが、届かない。
目を瞑り、現実から目を逸らす真司。
暗闇が視界を覆う。

――――何を目を背けている!?

ふと、聞き覚えのある声が聞こえる。
目の前を見ると、暗闇の中に劉鳳の姿があった。
317ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:12:27.45 ID:c6VSbPsM

――――城戸、貴様に翠星石を任せると言ったはずだぞ

「でも……」

――――でもも何もない、俺の意志を継いだのなら最後までやり通せ

「劉鳳さん……」

殺した自分を恨んでいる様子もなく、その言葉はあまりにも眩しすぎる。

――――それに……俺から継いだのは意志だけではないはずだ

「え?」

その言葉を最後に、劉鳳は暗闇の中に溶けていく。
ゆっくりと目を開ける真司。
そこに広がっていた光景は、彼の想像を遥かに越えたもの。

「なんだこれは!?」

サタンサーベルが、翠星石の手前で浮いている。
否、二本の交差する二つの触鞭に受け止められている。

「劉……鳳……?」

悪を断罪する鋼鉄の意志を持った男、劉鳳。
彼の操る自立可動型アルター、絶影が彼女とシャドームーンの間に立ち塞がっていた。

「なんで……絶影が」

目の前の光景を理解できず、目を丸くしている翠星石。
劉鳳の命が尽きたその瞬間。
あの場にいた全員が劉鳳の死体に注目していて気付かなかったが、ドラグレッダーは殺害した劉鳳の魂を捕食していた。
通常ならばそれで終わりだが、劉鳳はアルター使いである。
アルター能力は使用者の魂が具現化したものであり、ドラグレッダーはそれを吸収したことになる。
ミラーモンスターには捕食した魂をエネルギーに変換する力があるが、アルター能力の宿った劉鳳の魂はあまりにも強大過ぎた。
謂わば魂の反逆。
本来ならば起こり得ることのない奇跡。
真司が心の底から翠星石を助けたいと願ったため、内側に眠っていた劉鳳の魂が力を貸したのだ。
二本の触鞭をしならせ、サタンサーベルを弾き返す絶影。
真っ直ぐな瞳が、シャドームーンに突き刺さる。

「貴様!」

シャドームーンは憤慨しながらサタンサーベルを振り上げるが、絶影の動きはそれよりも速い。
二本の触鞭がシャドームーンの左腕に巻き付き、そのまま勢いよく投げ飛ばした。

「翠星石!」

真司はボロボロの身体を引き摺り、翠星石の元まで駆けつける。

「大丈夫か!?」
「私は大丈夫です、それよりも新一が……」

草原に打ち捨てられるように倒れている新一。
サタンサーベルをの一閃をもろに受け、傷口からの出血が未だに止まらない。
318創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:15:35.72 ID:QTg5X4Ug
ゼロ魔見た支援
319ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:15:42.90 ID:c6VSbPsM

「早くあいつをなんとかしないと……」
「それはそうですけど……なんでお前が絶影を」

真司の傍に立ち尽くしている絶影を見る翠星石。

「分からない……翠星石があいつにやられそうになって、なんとかしなきゃって思ったら劉鳳さんの声が聞こえて……」
「劉鳳の声が……?」
『なるほど、そいつは絶影というのか』

指の先端に目玉と口だけを貼り付けたミギーが、二人に間に割って入る。

「ミ、ミギー!? 大丈夫なのかよ」
『……ああ、なんとかな、それよりもその絶影というのであいつは対処できるのか?』
「なんとかする、劉鳳さんの意志を受け継いだんだ、絶対になんとかしなきゃいけない、できるできないの問題じゃないんだ」

拳を握りしめ、空を仰ぐ真司。
自身に宿った絶影の姿を眺め、ミギー、翠星石と視線を移す。

『よく言った、私に策がある、上手く行くかは分からないが、二人とも乗ってくれるか?』

顔を見合わせる真司と翠星石。

「乗るよ、俺の考えるよりもお前が考えたほうがずっといい作戦になる」
「しゃ、しゃーねぇですねぇ! この翠星石も乗ってやるです!」

二つ返事で了解する二人。
一緒にいた時間は短いが、この中で一番頭がいいのはミギーであることを理解している。
そしてなにより、絶体絶命の状況下でも信頼を置ける程に彼らの絆は深かった。

『よし、時間がない、素早く説明するから聞いてくれ』

ミギーは触手を二つに分離させ、作戦を語り始めた。


   ☆ ☆ ☆


ゆっくりとした歩調でシャドームーンと対峙する真司。
両者の距離はおよそ十メートルほど、彼の真上ではドラグレッダーが待機している。
既に全ての武器は使い尽くして徒手空拳。
胸のアーマーが砕けて痛々しい姿だが、今までとは違う空気をシャドームーンは感じ取っていた。

「作戦会議は終わったか」
「ああ、終わったさ、絶対にお前を倒してやる!」
「やってみろ!」

サタンサーベルを構えたシャドームーンが突進する。

「絶影!」

真司の背後から飛び上がった絶影が、触鞭をサタンサーベルへと伸ばす。
二つの触鞭はサタンサーベルの刀身に巻き付き、シャドームーンの足を止める。
320創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:16:22.74 ID:B0ZkkG55
支援
321創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:17:04.47 ID:sQIi3voP
支援
322ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:19:11.39 ID:c6VSbPsM
「サタンサーベルを奪うつもりか、だが甘い!」

サタンサーベルを振り回し、強引に触鞭を振り払うシャドームーン。
先ほどは不覚を取ってしまったが、本来は絶影単体では相手にならないほどに強い。
結果として絶影の行動は、シャドームーンの勢いを一瞬落としただけ。
だが、その一瞬は次の攻撃への布石だ。

「ウオオオオオォォォォォッ!!」

空中から急下降するドラグレッダー。
狙いはやはりサタンサーベル、その巨大な口で刀身に食い付こうとする。

「甘いと言っているだろう!」

先ほどと同じようにシャドームーンは跳躍する。
ドラグレッダーの動きは先の戦闘で解析しているため、対処するのはあまりにも容易い。
頭部に裏拳を叩き込めば、簡単に崩れ落ちるだろう。
左腕を持ち上げ、ドラグレッダーの頭部に振り下ろそうとする。

『やはり、そう来ると思ったよ』

その瞬間、縄のように伸びたミギーがドラグレッダーと拳の間を掻い潜って現れた。

『君は確かに強い、だが機械的過ぎたな』

一度見た動きを完全に記憶し、冷徹に対処するシャドームーン。
だが裏を返せば、シャドームーンの動きも全く同じものだ。
これは、ほんの油断だったのかもしれない。
跳躍して裏拳を取り出すという一連の動作を、ミギーによって完全に読まれていたのだ。

「成る程、多少は工夫してきたようだが、それでも貴様ごときにがサタンサーベルに触れることは許されない!」

ドラグレッダーとミギーをどちらも対処するのは、そう難しいことではない。
左腕で裏拳を繰り出し、右腕でサタンサーベルをを振るう。
これで十分なのだ。

『君はまだ勘違いをしているようだな、私の本当の狙いは――――』

そう言うと同時に、ミギーは進行方向を変える。

『その伸び切った左腕だ!』

シャドームーンの左腕に到達にしたミギーは、肘から下に絡みつき包帯のように幾重にも重なる。
絶影やドラグレッダーのサタンサーベルを狙う動きは囮。
奇襲を仕掛けたミギーの狙いがサタンサーベルであると錯覚させるための布石。
真の狙いは、裏拳を繰り出すために伸びた左腕を拘束することだったのだ。
323創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:19:48.39 ID:QTg5X4Ug
支援
324創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:21:01.61 ID:sQIi3voP
支援
325ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:22:35.91 ID:c6VSbPsM

『今だ、翠星石! 真司!』

間髪入れずに花弁と触鞭がシャドームーンに飛びつく。
翠星石の花弁が右腕を、触鞭が両脚を拘束。
まるで空中に張り付けにされたかのような格好になるシャドームーン。


――――FINAL VENT――――


そして地上に待機していた真司が、馴れた手付きでカードを装填した。
垂直に跳躍する彼の周囲を、急降下してきたドラグレッダーが旋回する。
いくらシャドームーンとはいえ、ファイナルベントの一撃をまともに受ければただでは済まない。
ドラグレッダーの口から炎のエネルギーが発射され、それを背に受けた真司が蹴りの姿勢を取る。

「……」

数時間前での公園の戦闘と同じシチュエーション。
一つ違う点は、シャドービームを使えないということ。
ナイトの飛翔斬、雪代縁の虎伏絶刀勢。
それらを立て続けに浴びたシャドーチャージャーは、予想以上に消耗していた。
回復が不完全な状態なため出力は落ち、昇竜突破で相殺できるほどに威力は落ちてしまう。
その状況で爆発を浴び、シャドーチャージャーは故障してしまったのだ。
力づくで四肢に絡みつく拘束を引き千切るが、その時には真司の姿は既に目前。
事実上の詰み、一人としての限界。
炎を纏った蹴りは、ついにシャドームーンを捉える。
空中で蹴り飛ばされたシャドームーンは、砲丸投げのように地面に叩き付けられた。


   ☆ ☆ ☆


「ッ……シャァ……」

着地した瞬間、真司の変身は解除されその場に崩れ落ちる。
その場に近寄る翠星石。
真司は辛うじて意識はあるが朦朧としており、もはや戦える状態ではない。
新一も未だに起き上がれず、これ以上の戦闘続行は不可能。
まだシャドームーンが立ち上がってくるとしたら、彼らに生き残る手段はない。

「あいつ……本当に死んでないよな……?」

ミギーから作戦を聞いた時、命を奪う可能性のあるファイナルベントを使用することに抵抗を覚えた。
結局ミギーに説得されて使用したわけだが、それでも生死が気になってしまう。

「あの銀ピカ野郎はきっと気絶してるだけです! それよりもさっさと逃げるですよ!」

翠星石が花弁を介して新一の身体を持ち上げ、脇目も振らず逃げ出そうとする。
その時だった。
326創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:23:20.12 ID:B0ZkkG55
支援
327創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:25:48.65 ID:QTg5X4Ug
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328ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:25:56.53 ID:c6VSbPsM

カシャ、カシャとレッグトリガーが上下する音。
恐怖の襲来を表す足音が、戦場に響き渡る。
身体の表面からは煙が上がり、歩き方もどこか覚束ない。
それでも、シャドームーンは立ち上がった。
龍騎の最強の技を受けても、シャドームーンは気絶すらしなかったのだ。

「あぁぁ……」

絶望が支配する。
ドラゴンライダーキックすら効かない相手に、今の自分たちがどう抵抗すればいいというのか。
一歩ずつ、死が迫ってくる。
弱者である自分たちは、それをただ呆然と受け入れるだけ。
目の前に聳え立つ絶望に屈しそうになった瞬間。
シャドームーンの背後から、見覚えのあるオープンバギーが突進してきた。
十数分前に出会いすぐ別れた二人組、杉下右京と岩崎みなみの車だ。
車はシャドームーンの脇をすり抜け、翠星石たちの目の前で止まる。

「早く乗ってください!」

右京が鬼気迫る表情で叫ぶ。
車は四人乗りであるが、翠星石の身体は小さいため無理すれば乗車することができる。
逡巡している暇はない。
翠星石と真司は新一を抱えて車に飛び乗り、右京は全速力でアクセルを踏む。
タイヤと地面の摩擦音が耳を貫き、エンジンの回転音と共に彼らの乗る車は発進する。
だんだんと遠くに見えていくシャドームーン。
銀の恐怖は小さくなり、やがてその姿は見えなくなった。


   ☆ ☆ ☆


既に車の姿は見えない。
呆然と立ち尽くしながら、物思いに耽けるシャドームーン。
今ならまだ追いつくのかもしれないが、追う気にはなれなかった。
最後に放ったドラゴンライダーキックは、シャドーチャージャーを直撃していた。
シャドービームで迎撃していた飛翔斬と違い、無抵抗で受けたために損傷が大きい。
今までの負傷と併せて、回復にはそれなりの時間を要するだろう。
シャドービームを使えずとも負けるつもりはないが、相手は命懸けで戦い勝利した者たちなのだ。
今だけは勝利の余韻を味わわせてやろう。
そう、彼らの勝利だ。
先ほどの戦闘は今までのものとは異質のものだった。
カードデッキの所持者も一人だけで、戦っている人数もたったの三人。
しかもその内の一人は女であった。
今までよりも圧倒的に有利だったにも関わらず、今までよりも損傷が大きい。
世紀王でありながらこの醜態。
実質的な敗北といっても過言ではないだろう。
329創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:27:17.62 ID:QTg5X4Ug
支援
330ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:29:24.08 ID:c6VSbPsM

「素晴らしい……」

だからこそ、賞賛に値した。
数時間前にカードデッキが「一定の強さに変える」のか「強化する」のかを考えた。
その時は結果が出なかったが、今回の戦いでその答えが出た。
カードデッキは誰が使用してもある程度の力を得ることができるが、強い人間が使用すれば更なる力を発揮することができる。
つまりどちらも正解。
もし生身で立ち向かってきたあの三人がカードデッキを手にすれば、もはや無視できない敵となるだろう。
それを正面から捩じ伏せることで、世紀王としてのプライドは満たされる。
しかし龍騎の変身者は、生身での戦いは決して強くない。
シャドームーンはそう推測していたし、実際にその通りである。
ならば、何故龍騎は世紀王たる自分を敗北に追いやることができたのか。
それは仲間たちの援護があったからだ。
彼らの援護がなければ、最後の一撃は迎撃することができていた。
それをさせなかったのが彼らの結束であり、今まで戦った者たちにはない強みだ。

「次は必ず勝つ」

それを理解しても、彼がやることは変わらない。
この場にいる参加者たちの命を奪い、屠り、殺す。
彼らの間にある結束も、二度と戻らないように破壊し尽くせばいいだけだ。
三度の戦いを経ても、シャドームーンは止まらない。


【一日目午前/Fー1 最北端】
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品1〜3(確認済み)
[状態]:疲労(大)、胸とシャドーチャージャーに傷(回復中)
[思考・行動]
1:殺し合いに優勝する。
2:元の世界に帰り、創世王を殺す。
3:かなみは絶望させてから殺す。
4:殺し損ねた連中は次に会ったら殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※しばらくシャドービームは使用できません。


   ☆ ☆ ☆


ある程度の距離を取り、シャドームーンが追ってこれないと判断したところで車が停止する。

「ご無事で何よりです」

運転席から出た右京が、柔和な笑みを浮かべながら言う。
だが額にはびっしょりと冷や汗が浮かび、吐息も僅かに乱れているのを翠星石は見逃していなかった。

「あ、ありがとうです……」

彼女自身もあまり右京には好感を抱いていないが、窮地を救ってくれたのも事実であるため感謝を述べる。
十数分前に彼らと別れた右京たちだったが、背後から聞こえてくる戦闘音に気付いてUターンしたのだ。
危ない考えだと否定した右京の理想に助けられたのは、どこか皮肉めいていた。
331創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:29:46.72 ID:sQIi3voP
支援
332ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:33:11.60 ID:c6VSbPsM

「話し合っている時間はありません、お二方の治療に取り掛かりましょう」
「それならこれを使うといいです」

普通の物よりも効果があるようですと付け加えながら、彼女は傷薬を手渡す。

「これはこれは……ありがとうございます。みなみさん、手伝っていただけませんか?」
「……はい」

右京が頭部を持ちみなみが脚を抱え、体勢を崩さないように新一を車から降ろす。
同じ要領で真司も降ろした後、二人は傷薬の蓋を開けた。
みなみが真司を、右京が新一を担当するようだ。

「ふぅ……」

ようやく肩の重荷が外れ、一息吐く翠星石。
すると急激に眠気が降りてきて、身を任せるように彼女は瞼を閉じる。
真司が気絶してしまったのは外傷以外にも、不慣れなアルター能力を使用したことによる精神的疲労もあるのだろう。
思ったよりも表面的な傷は少なかった。
しっかりとした休息を取れば、時期に回復するだろう。
新一も重傷ではあるが、あれだけ一生懸命に傷薬を塗ったのだ。
ミギーも動き回っているし、きっと大丈夫なはずである。

(みんな無事でよかったです……)

三人ともボロボロであるが、全員無事で帰れたことに彼女は安堵した。

「……翠星石さん」

ふと、重苦しい声を出す右京。

「なんですか?」
「これから僕が言うことを、驚かずに聞いてください」
「え……?」

口を開くのも躊躇われるというような声色。
彼女が口を開く前に、右京は二の句を告げる。

「泉くんはもう……亡くなってます」

それは予想していた中で最悪の言葉だった。

「う、嘘です! そんなことあるわけないです! だって……だって新一はさっきも翠星石たちと一緒に……」
『杉下右京が言っていることは事実だ』

新一の右腕から顔を出すミギー。

「寄生生物!?」

新一の右腕から現れた異形に、右京たちはひどく狼狽する。

「ミギーは悪い寄生生物じゃないです! シャナって奴に襲われた時も私を助けてくれたです!」

急いでミギーの擁護をする翠星石。
必死に訴えていると、驚愕に満ちていた彼らの顔に冷静さが戻っていく。
333創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:33:25.81 ID:QTg5X4Ug
支援
334ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:36:37.73 ID:c6VSbPsM

「その言葉を信じましょう、私もシャナが他の参加者を殺し回っている人物であることを知っています」
『その様子だと……シャナに会ったのか?』
「ええ、あなた方とお会いする数時間前ほどに
 ところで先程お会いした時に寄生生物だと教えていただけなかった理由は、我々が信用に足るか図っていたのですか?」

右京とミギーの視線が交差する。

『それもあるが私とシンイチは寄生生物でも人間でもないはぐれものだ、滅多なことでは他の者には教えていないのだ
 地球上の生き物は少しでも自分の種と違うところがあれば群れから追い出すだろう?』

中指の先端の目で右京を見上げ、掌の口を生やしているミギー。
その異形は地球上の生物のどれにも当て嵌まらず、まるで映画に出てくる宇宙人のようだ。

『ところで君に一つ問いたい』
「なんでしょうか?」

異形の姿にも馴れたのか、右京の表情に動揺は見られない。

『君もあの場でシャドームーンの恐ろしさを見ただろう、それでも全ての参加者を生きたまま保護するというのか?』

ミギーの問いを聞き、右京の雰囲気が僅かに変わる。
光太郎から事前に話を聞いていたが、実際に見たその姿は想像を絶するほどだった。
目を合わせることすら躊躇われる威圧感。
今まで見てきたあらゆる犯罪者を凌駕する悪意。
同じ空間にいるだけで、こめかみに銃口を突き付けられているような悪寒を感じた。

『私とシンイチは並の寄生生物では相手にならないほど強い、おそらく田村玲子にも勝てるだろう
 それに加えてライダーに変身できる真司や、特殊な力を持つ翠星石もいた
 しかし我々が束になっても逃げ出すのがやっとだった、そんな相手にただの人間である君はどう立ち向かうつもりだ?』

淡々と言葉を綴っていくミギーだが、その内側に悔しさと怒りがあることを彼女は感じ取っていた。
無二の親友を殺された怒りと、尻尾を巻いて逃げることしかできなかった悔しさ。
それらが言葉の内に渦巻いているのだ。

「ええ、そのつもりです」

だが、右京はそれが当然であるかのように返答した。
先程とまるで変わりない、凛と澄み切った口調。
おそらくどのような状況に立たされても、杉下右京が己の正義を覆すことは生涯ない。
会話を交わしたの時間は僅かなのに、はっきりとそう感じさせられた。

『そうか、ならば私から一つ言っておこう』

一呼吸置いて、ミギーは口を開く。

『君の正義はいつか暴走する、そして周りの人間たちを滅ぼすだろう』

それはかつての彼の上司が送った言葉。

「胸に留めておきます」

そう告げる右京の顔に、変化はなかった。
335創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:37:12.97 ID:QTg5X4Ug
支援
336ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:40:19.97 ID:c6VSbPsM

「ミギー……なんで……」

ミギーの傍――――新一の遺体に近寄る翠星石。
新一の身体には大きな傷があるが、顔は遺体とは思えないほど綺麗だ。

『スマナイな、シャドームーンに斬られた時点で、シンイチはもう助からない状態だったんだ』
「でも……でも……新一は翠星石たちと一緒に戦って!」
『あの時に戦っていたのは私だ、君に語りかけていたのもずっと私だったろう?』
「あ……」

サタンサーベルを受け止める絶影、雄叫びを上げるドラグレッダー、炎を纏った蹴りでシャドームーンを倒した真司。
映像の中にミギーの姿はあっても新一の姿はない。
新一が動いていたのは、シャドームーンに斬られる前だけだ。

『私とシンイチは一心同体、いや二心同体と言うべきか
 シンイチの身体に刻まれた傷が、致命傷であることはすぐに分かったよ』

独白のように。
否、誰かに語りかけるように言葉を紡いでいくミギー。

『でもまだ致命傷だった、即死じゃなかった、シンイチの意識は既に無かったが私は動くことができた
 ずっと動かずに安静にしていれば、もしかしたら助かったのかもしれない
 だがそうしたら君たちはシャドームーンに勝てず、そのまま殺されていただろう
 だから私は君たちに加わって、シャドームーンを倒すことにしたんだ』
「でも! それで……シンイチやミギーが死んじゃったら……!」

涙が零れ落ちる。
急いで服の裾で拭い取るが、すぐに新しい涙が出てくる。
泣かないと決めたはずなのに涙が止まらない。

『多分シンイチもこうすることを望んだだろう、彼はそういう奴だ
 最初は人間の自己犠牲の精神が理解できなかった、でも今なら少しだけ分かるよ』

嗚咽を漏らす翠星石を尻目に、ミギーは話を続ける。

『死ぬということは確かに恐ろしい、だがそんなに悪くないとも思っているんだ
 こうやって君と最後に話をすることができたんだ、戦ってなかったらきっと出来なかった』
「でも……! でも……!」
『どのみち君たちが殺されていたら、シンイチも寿命がわずかに伸びるだけだった。これで正しかったんだよ』

否定したいのに言葉が出てこない。
翠星石のドレスの裾はびっしょりと湿っている。

『そんな悲しそうな顔するなよ、ツンデレっていうのは二人きりの時じゃないと泣かないんだろう?』
「なに、バカなこと言って……」
『どうやら……そろそろ時間のようだ、とても眠い』
「ミギー! ミギー!」
『絶対に、生き延びろよ』

その言葉を最後に、右手から目と口が消える。
そして、二度と現れることはなかった。

【泉新一@寄生獣 死亡】
【ミギー@寄生獣 死亡】
337創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 02:42:43.10 ID:QTg5X4Ug
支援
338ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:43:22.91 ID:c6VSbPsM

【一日目昼/G-1】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン、真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、確認済支給品(0〜1)
[状態]疲労(大)
[思考・行動]
0:新一の死に深い悲しみ。
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、かなみと合流する。
3:真紅が最後に護り抜いた人間に会い、彼女の遺志を聞く。
4:水銀燈を含む危険人物を警戒。
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※真紅のローザミスティカを取り込んだことで、薔薇の花弁を繰り出す能力を会得しました。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3(朝食分を消費)、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎@二時間変身不可、確認済み支給品(1〜4) 、劉鳳の不明支給品(1〜3)
[状態]気絶中、ダメージ(大)、疲労(極大)
[思考・行動]
0:気絶中。
1:右京の言葉に強い共感。
2:やっぱり戦いを止めたい。
3:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
4:翠星石のことは守り抜きたい。
5:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。
※絶影を会得しました、使用条件などは後の書き手の方にお任せします。

【杉下右京@相棒(実写)】
[装備]君島の車@スクライド
[支給品]支給品一式×2(水と食事を一つずつ消費)、S&W M10(6/6)、S&W M10の弾薬(24/24)@バトル・ロワイアル、ゼロの剣@コードギアス、首輪(魅音)
    拡声器@現実、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、傷薬×1@真・女神転生if...
[状態]疲労(小)強い決意
[思考・行動]
0:誰も殺さない、誰も殺させない。
1:協力者を集めてこの殺し合いをとめ、V.V.を逮捕する。
2:亀山を殺害した人間とシャナ、玲子を逮捕する。
3:みなみに注意しながら同行する。
4:仲間を集い、参加者を警察署へ集める。
5:シャドームーンに対する恐怖。

【岩崎みなみ@らき☆すた(漫画)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式
[状態]健康、深い悲しみ
[思考・行動]
1:右京や翠星石たちと共に行動。
2:ゆたかとみゆきの仇を取りたい、その為の力が欲しい。
3:Lに対する強い嫉妬。
4:他の知り合いが心配。
5:カズマと光太郎にもう一度会いたい。
6:V.V.の言葉も頭の片隅に留めておく。

[全体の備考]
※翠星石・新一・真司で情報交換を行ったため、三者は互いの事情についてある程度は理解しました。
※真司、翠星石の二人は浅倉威、水銀燈、後藤、田村玲子、シャナ、和服の青年(宗次郎)、メイド服の女(咲世子)を危険人物と認識しています。
339ニ心同体 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 02:47:15.38 ID:c6VSbPsM
【斬馬刀@るろうに剣心】
喧嘩屋斬左こと相楽左之助の愛刀。
彼の背丈以上の刃渡りを持つ巨大な刀で、常人では扱えないほどに重い。
だが剣心との戦闘で叩き折られ、それからほとんど登場していない。

以上で投下を終了します。
>>322の”をを”は修正し忘れてしまったので、wikiに収録時に修正しておきます。
たくさんの支援をありがとうございました。
誤字脱字などがまだありましたらご指摘お願いします。
また、改めて意見がありましたら遠慮なくどうぞ。
340 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/09(月) 03:08:53.89 ID:B0ZkkG55
改めまして投下乙です。

放送に関してなのですが、もう一話だけ書き上げたい話がありまして、今暫くお待ち戴けませんでしょうか。
放送を遅らせる形になってしまい申し訳ございません。
長くは掛からないと思いますので、どうかよろしくお願い致します。
341創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 12:09:07.16 ID:SpqDaTsI
投下乙です。
シャドームーンに打ち勝ったか…。
絶影まで登場したのは予想外だったけど、幾つもの力が結集してシャドームーンを倒す展開はなかなか熱い!
ある意味で周りを和ませた新一ミギーはここで退場。彼ららしい死に様でしたね。
ミギーは向こうでルイズを見てどう反応するのかww
342創る名無しに見る名無し:2012/01/09(月) 15:56:40.04 ID:ldIIKW/n
投下乙です。
名の通り影を絶ちきることは出来なかったが影月相手に3人とも凄かったよ。
危ない人には何回か会ったがとうとう話し合い所ではない相手に右京さんが会ったか。

一点だけ指摘を、>>334において右京の台詞は
参加者を生きたまま保護するのか?という質問に対しての答えなのだと思いますが、
どう立ち向かうつもりだ?の次に「ええ、そのつもりです」とあるので違和感がありました。
343 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/09(月) 23:15:37.09 ID:z1/CcpNE
感想ありがとうございます。

>>342
指摘ありがとうございます、確かにこれだと会話のドッジボールになっちゃってますね。

『私とシンイチは並の寄生生物では相手にならないほど強い、おそらく田村玲子にも勝てるだろう
 それに加えてライダーに変身できる真司や、特殊な力を持つ翠星石もいた
 しかし我々が束になっても逃げ出すのがやっとだった、そんな相手にただの人間である君はどう立ち向かうつもりだ?』

『私とシンイチは並の寄生生物では相手にならないほど強い、おそらく田村玲子にも勝てるだろう
 それに加えてライダーに変身できる真司や、特殊な力を持つ翠星石もいた
 しかし我々が束になっても逃げ出すのがやっとだった、それでもまだ君は意見を変えないつもりか?』

に変更させてください。
344 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/10(火) 02:13:27.12 ID:bFAdbcUM
Wiki収録ありがとうございました。
それでまたミスを発見したのですが、シャドームーンの時間帯は午前じゃなくて昼です。
既にWikiの方は自分で修正しておきました、今後は気をつけますorz
345創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 07:30:01.86 ID:3T2Lmn4i
すげーおもしろく読ませてもらいました。影月のヤバさと貫禄を認識しました。とにかくバトルが熱かったな〜真司はちょっと頼りないけど主人公っぷりを見せてくれたし。

そしてミギー新一…二人ともかっこよかった…特にミギー、最後の翠星石とのやりとりが寄生生物のクセに男前過ぎるだろw
とりあえず感想が書ききれないのでここら辺で。投下乙です。
346創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 13:44:52.45 ID:6M/4fXi3
ゼロ魔F始まったね
347創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 14:22:59.81 ID:WBNsCFcu
投下乙
ミギー新一も良かったが、右京さんの筋金入りもすごいな
原作でもあった「周りの人間たちを滅ぼすだろう」って予言が、
ロワだと本当に文字通り味方の人間を滅ぼしかねないからな…

そして、それを予想できないほど馬鹿じゃないのに「意見を変えない」のだから
感嘆するのと同時に、原作以上に薄ら寒いものを感じるわ
348創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 17:15:40.07 ID:qBjMBho4
しかし、前話に続いてみなみは空気だな…
まあ、今日初めて読んだ2巻見た感じだと口数が少ないのがデフォっぽいキャラのようだが
349創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 22:10:15.47 ID:riVbNKrK
最新巻だと背景になってたような
350創る名無しに見る名無し:2012/01/10(火) 23:03:59.96 ID:9UIRCQnk
遅ればせながら投下乙
影月やべぇwww右京さんもある意味やばいw
新一は寄生生物と混ざっても攻撃特化で耐久力は並だから斬られたら死ぬよね…
ミギーも実にミギーらしかったけど原作後半から呼び出されてからか
シンイチの気持ちをちゃんと汲み取って翠星石達のために戦ってくれたんだろうな…
ともあれ2人(?)ともお疲れさん
351創る名無しに見る名無し:2012/01/11(水) 10:45:19.45 ID:9iNu4r2c
投下乙

相変わらず右京はブレないな。
ミギーの方が柔軟に思考できるぐらいだぞ。
シャドームーンの力を見ても、非殺を考えているのなら、今後も翠星石との衝突が避けられなそう

そして新一・ミギーはらしい市に方でした。
352創る名無しに見る名無し:2012/01/11(水) 10:52:50.52 ID:fd2oJNi1
>>350
「右京さんもある意味やばいw」がなぜかツボだったw
シャドームーンと並んでやばいと言われる右京さん恐るべし
353創る名無しに見る名無し:2012/01/11(水) 11:40:06.32 ID:G6hu0a5f
うわあああああん
新一もミギーもかっこよかったよぉ

投下乙ですわぁ…
354創る名無しに見る名無し:2012/01/12(木) 21:52:57.21 ID:eInLv0FQ
Lは犯罪者を仲間に引き入れたり、被疑者を二ヶ月近く監禁したりとか違法捜査してたけど
右京さんはこれをどう知ったらどうするのかねぇ
355創る名無しに見る名無し:2012/01/12(木) 22:44:36.33 ID:O5N3Aqjf
ギアスの続編、やっと新情報きたな
長かった…
356創る名無しに見る名無し:2012/01/13(金) 00:16:03.51 ID:Nfu9aWlG
ジェレミアが磔にされて電気流されてたって情報だけ見てしまった
これだけだとマジで意味がわからない
357創る名無しに見る名無し:2012/01/13(金) 00:35:02.37 ID:FXZS5CoX
>>356
何でよりにもよってそこだけ見ちゃったんだよwww
一番くじでやってた不思議の国のアリスとギアスのコラボの映像作品
全体的にパロディなギャグっぽいし、あんまり把握の役には立たなそう
劇場版の方を期待すべき
358創る名無しに見る名無し:2012/01/14(土) 00:00:12.49 ID:AMheP3wg
>>354
違法捜査自体は右京さんもやってるから同じ穴のムジナだと思うけど
Lの取ってる手段そのものに対してはあまりいい印象は持たないかもねえ
359創る名無しに見る名無し:2012/01/14(土) 00:57:19.10 ID:54tixP1/
Lのは捜査はなんというか度を越してる気がする
さすがの右京さんでも家中に監視カメラ仕掛けたり二ヶ月近く監禁とかはしないでしょ
360創る名無しに見る名無し:2012/01/14(土) 12:30:03.47 ID:MiFBPxX3
スクライドやギアスの情報が続くのもいいけど、ガンソのことも時々でいいから思い出してあげて下さい…orz
361創る名無しに見る名無し:2012/01/14(土) 12:50:18.61 ID:J2NukWkl
ヴァンって女がやたら寄ってるくるね
362創る名無しに見る名無し:2012/01/14(土) 22:01:16.29 ID:i8JixeQd
右京さんは現実でなら有能だが、ロワ内では無能な働き者でしかないからなw
ステルスマーダーとの同行のがマシなレベル
まだ、田村とか縁とかCCO辺りと同行したほうが長生き出来そう



と思ったけど、後藤・影月辺りとエンカウントしたら右京さんが何を思ってどう動こうが無意味か
363創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 11:00:07.05 ID:x28DZdwD
まだ右京さんより
バーローの方が柔軟だったりしてw
364創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 12:55:23.69 ID:wK1E0xMP
というか相棒は見たことないんだけど右京さんってこんなに融通効かないの?
なんか少年漫画における味方フラグもちの敵役っぽくなってんだけど
365創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 13:17:33.19 ID:DXM0s65q
>>363
バーローの基準はあくまで「人を死なせるのがNG」だから
某ロワじゃ勇次郎相手に「殺さなきゃ戦っていい」みたいに妥協してたけど
右京さんは「正義に反したことがNG」だからそれも無理っぽいしなぁ…
366創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 15:26:50.78 ID:/7FjK9nP
>>364
一応人材の墓場って言われ続けてたしねぇ
右京さんはFateの士郎に似てる気がする
367創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 15:55:19.72 ID:7ZamkHDC
金田一が一番ユルいな
悪人とかが死んでも結構ドライで、むしろ犯人のことを一番考えてる
368創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 16:39:41.00 ID:jPvxazrr
>>362
右京さんがそれ聞いたら
「その考えがまず間違っています」って言うだろうな

>>365
カメ監禁された時に事件の原因自分なのに最後まで言わなかったり犯人が共犯殴ってても止めなかったり
桜田門内の変だったかでカメに人殴らせて防護服奪わせてたり
実は右京さんも殺人以外は融通利かないでもない
殺人でも犯人に罪の意識があれば糾弾しても全く温情なしじゃない
つーか、右京さんの目的は事件解決だし…
369創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 17:26:02.99 ID:qIxQSRZI
士郎の場合はまだ若いだから青臭い、理想に溺れて溺死しろって言えるけど
右京さんは年齢を重ねて世の中の酸い甘いを知ったうえでやってるんだよなぁ
今回はミギーに忠告されてたけど、右京さんに危険性を示唆できるのって限られた存在だよね
そういう意味で余計に厄介かもしれない
370創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 17:29:24.00 ID:Iw9fsX6J
ここにきて株が急上昇!
371創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 17:36:01.22 ID:Iw9fsX6J
>>369
人生経験で言えばミギーなんて……
そのはずなのに、どうしてミギーの方が経験豊富に見えるんだろう。
372創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 18:02:29.22 ID:wK1E0xMP
まあミギーの場合は人生経験のなさが逆に物事の本質を突くというか盲点を突くというか
枠にとらわれない思考だからなあ
373創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 18:50:52.66 ID:qIxQSRZI
人間の枠の外側から客観的に(ある意味好きに)意見できる立場だから言えたんだと思う>ミギー
374創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 19:04:36.25 ID:woH789S3
>>373
つまり今後は翠星石に期待ということだな
375創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 19:44:28.53 ID:wUXdRwYa
対主催者もますます涙目だ
右京さんも上田さんも別の意味で厄介だしw
376創る名無しに見る名無し:2012/01/15(日) 20:31:22.49 ID:DSWYuxAb
このロワの対主催者は右京さんに上田さんにCCO様にてつをと、錚々たる面子が揃って……
ほら、シャナも一応対主催者だし…………
うん、まあクーガーにはこれからも頑張って貰いたいところだな
377創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 02:15:58.86 ID:t+4QhkKr
有力対主催陣
クーガー:身体中に鈍い痛み、腹部に裂傷(傷が開く)、両脚に激痛、疲労(大)
カズマ:疲労(大)、ダメージ(大)、右腕、背中に裂傷
五ェ門:左手のひらに大きな傷、右肩に刀傷、軽い裂傷が数か所(それぞれ処置済み)、腹部に裂傷(処置済み)
ジェレミア:右半身に大ダメージ(ごく簡単な処置済み)、疲労(大)、精神的疲労(大)
ヴァン:疲労(大)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲
蒼嶋:各部に裂傷、疲労(中)、全身打撲
真司:気絶中、ダメージ(大)、疲労(極大)
疲労(中)、各部に軽度の裂傷、十分弱の戦闘で体温上昇中
てつを:健康
シャナ:健康

マーダー陣:戦えなくなるほどのダメージを受けてるやつはほとんどいない

…たいしゅさいがんばれー(棒
378創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 02:18:52.68 ID:t+4QhkKr
真司とてつをの間にCCOさんの名前入れ忘れた!
379創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 06:32:18.30 ID:7RDoX3Ie
今の桐山は対マーダーとの貴重な戦力になるが
成長性が異常だから決着を後回しにすればするほど厄介になりそうだ
380創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 07:30:53.78 ID:HYgD7MC9
>>377 マーダー陣営じゃ後藤がそれなりにダメージ受けてるけど、逆に凶暴になった感があるしな。

影月は龍騎のファイナルベントを受けて疲労はあるけどダメージらしいダメージはないみたいだし…多少の傷程度。てつをに期待するしかないのか……
381創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 09:17:34.79 ID:t+4QhkKr
>>380
後藤は片腕になって戦力ダウンしただけで、ダメージ自体は大したことない
ダメージ量なら縁が一番食らってると思うけど、精神が肉体を凌駕してる人だし
浅倉も疲労蓄積でおとなしくなる人じゃないし

いやー、マーダー陣営は強敵ですね!
382創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 13:30:59.15 ID:uVKkCCgD
せめて狭間が対主催になってくれれば
383創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 17:48:34.82 ID:fGCmOPvh
そういやついにつべの東映公式チャンネルでBLACK最終回か
このロワでの二人はどうなるのやら…
とりあえず出会ってほしいが
384創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 02:43:42.27 ID:sZQs1Wr3
予約ktkrって右京さんたち三話連続で登場かw
385創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 10:38:30.91 ID:3KvdQ6Jk
>>382
対主催になろうがマーダーになろうが、そもそも密集地で予想される修羅場に間に合うか怪し(ry
386創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 12:24:25.41 ID:MNSbSUAM
縁がいなければ問題ない組み合わせだったのにw
387創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 12:44:21.56 ID:3KvdQ6Jk
>>386
問題ないか?
カギ爪の復讐を目的にしてるヴァンや、テロリストの共犯者なCCは右京さん的には十分アウトじゃないか?
…まぁ、そこまで詳しい事情に触れるかはわからんが
388創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 14:56:23.36 ID:xi6mb24q
右京さんはこの二話で一気にキャラ立ったな
今まではちょっとまともなLって感じだったのに
389創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 15:23:14.86 ID:Ri3JOjja
C2さんに冷笑される様が目に浮かぶ
390創る名無しに見る名無し:2012/01/17(火) 15:34:20.57 ID:MNSbSUAM
C2さんは右京さんよりずっと
人生経験豊富だしな
391創る名無しに見る名無し:2012/01/18(水) 20:57:39.57 ID:gAe5SJJn
まともに戦えるのヴァンだけか
真司は気絶してるし
392創る名無しに見る名無し:2012/01/18(水) 21:02:44.63 ID:9vPiTA/5
翠星石はバトルできるし、右京さんも一応剣の達人クラスらしい
393創る名無しに見る名無し:2012/01/18(水) 22:03:18.54 ID:Rn247AyE
右京さん>>強いチンピラ>亀ちゃん>チンピラ

護身術が強いんだよ護身術が
394創る名無しに見る名無し:2012/01/18(水) 22:15:27.77 ID:gAe5SJJn
右京さんはるろ剣で言うと剣術は
薫ぐらいだったりしてw
395創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 09:55:00.73 ID:fS2ONEOJ
>>394
亀山「俺がなんだって?」
396創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 10:00:50.23 ID:yCB/Mfhh
>>395
作中の描写(剣術含む)を見る限り、たぶんこんな感じだよね
右京さん>>神戸、イタミン(剣術あり)>強いチンピラ>イタミン(剣術なし)、亀ちゃん>チンピラ

…薫ちゃんェ
397創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 11:17:20.21 ID:jqco51YX
右京さんがデッキで変身すれば
398創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 11:57:20.63 ID:OZdj/2o5
相棒見たことない俺は、デッキで変身しても、言葉で説得する姿しか想像できないw
399創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 16:06:36.14 ID:KiSaUUDL
まだ出てないカードデッキはベルデとオルタナティブだけだな。そういえばナイトのカードデッキはどこに行った
400創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 16:38:18.64 ID:krN3N5zE
ヴァンかC.C.が持ってたような
401創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 17:35:35.77 ID:3nEldrxQ
>>399>>400
Wikiの経過と消費見れば一発なんだから活用しようよwwww
402創る名無しに見る名無し:2012/01/19(木) 17:47:10.68 ID:jqco51YX
最近シシオばっかり注目されてたから
縁の方はどうなるか楽しみ
403創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 11:45:42.12 ID:t/TyhfPw
>>399
オルタナティブはオルタナゼロと被るし
ガイ、ライアはモンスターが王蛇と被るから
実質、ベルデ以外は無理じゃね?

それに一回目放送までデッキを使用せず戦わないまま
モンスターは持ち主を襲わずに大人しくしてられたっけ?
404創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 13:44:19.46 ID:PsWY6QaA
え、モンスターって6時間も待てないの?
ライダー寝られないじゃん
405創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 13:46:48.07 ID:PsWY6QaA
間違えた、次は第二回放送だから12時間か
それにしたってこれが待てないんだったら休む暇なくね?
406創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 14:13:26.21 ID:8oR5tBQ/
そもそもそんな制限はなかったような……
それにミラモンは戦いじゃなくてあくまで餌を求めてるわけだから、誰も殺せてない王蛇やナイトもヤバくなっちゃうんじゃないの?
407創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 19:24:00.74 ID:+BvIx1qY
てすと
408創る名無しに見る名無し:2012/01/20(金) 19:25:32.58 ID:+BvIx1qY
規制解除されてるヒャッフウウウウ!!

カードデッキがそのまま持ち込まれてるなら、ロワ開催中は餌上げなくてもミラーモンスターは暴れないんじゃないかな
409創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 08:14:55.91 ID:fTsNhuJC
 龍騎知らないから『設定』については何もいえないが、『生物としての一般常識』の方を適用するなら、肉食獣はエサが基本的に何処にでもある草食獣と違い、いつでも獲物が手に入るとも、いつも狩りに成功するとも限らない。
 なので肉食獣は食いだめが可能になっていて、数日間何も食べなくても大丈夫とか。

 で、ミラモンは肉食獣なんだろ?
410創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 11:22:05.35 ID:75lWpAoH
原作で浅倉も襲われそうになってたけど、まぁ2〜3日は余裕でしょ
411創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 14:33:59.36 ID:/E/Efzti
このロワで初めて龍騎に興味持ったよ
一回通して見てみるわ
412創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 15:49:46.08 ID:LUMpVrCO
>>409
サルは雑食だし、シマウマは草食獣だし、セミは獣ですらなくて虫だし
何が言いたいのか理解出来ない
何で肉食獣が出てくんの?

人間を捕食=頭からバリバリガブリんちょじゃないんだけど?
口でチュウチュウジュルリんちょだっているんだが
413創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 17:30:30.76 ID:wSGAzier
設定がないから肉食動物を例に出したんじゃないか?
414 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:51:58.69 ID:JALWLe3t
岩崎みなみ、杉下右京、城戸真司、翠星石、ヴァン、C.C.、雪代縁を投下します。
415 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:52:49.24 ID:JALWLe3t
岩崎みなみ、杉下右京、城戸真司、翠星石、ヴァン、C.C.、雪代縁を投下します。
416彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:53:41.79 ID:JALWLe3t
 雪代縁は一人荒野に立っていた。
 全身傷だらけだが、足はしっかりと地面を踏み締めてその体を支えている。
「……」
 無言のまま足元の刀のような形状をした銃と、一目で業物と分かる日本刀を拾い上げた。
 日本刀を鞘から抜いて振って感触を確かめる。
 逆刃刀よりは扱い易い。
 そちらを一度地面に置くと、今度は銃を何発か試し撃ちする。
 十メートルほど離れた場所にある小石を狙うと過たず命中し、その精度の高さに驚いた。
 縁は中国マフィアの頭であり、西欧諸国の兵器も取り扱っている――だがそれと比較しても、次元が違う。

「なるほど……」

 一人納得して思考する。
 戦闘が終わってから縁は体を休め、これまでに起きた事を思い起こしていた。
 そして考えが纏まった結果ここに立っていたのだが、こうして新たに加わった情報も交えて整理する。

 V.V.が主催する殺し合い。
 遠隔操作型の首輪によって参加者を管理する高度な技術。
 際限なく物を出し入れ出来る鞄。
 高い機動力を見せた四輪駆動の車。
 勝手に対象を束縛する縄。
 記憶を流し込む能力。
 奇妙な格好に変身する為の支給品。
 高い命中精度の銃。

 一つ二つなら「少し進んだ技術」「催眠術」と切り捨てられたかも知れない。
 だがこうも重なれば、どれも夢物語のようだ。
 それでも縁は目撃したものを一つ一つ吟味し、これが現実なのだと再認識する。
 つまりこれは姉にとっても想定外の不足の事態だったのだ。

「……殺す」

 人誅を目前に控えた時期の縁をこの場に連行し、人誅を阻んだ存在。
 その為に緋村剣心は命を落とし、縁は彼を地獄の底へ叩き落とす事が出来なくなった。
 縁の十五年を否定するような真似をした者を、生かしておく理由はない。
 口ぶりから考えれば他の参加者を皆殺しにする事で再会出来るようだ。
 言葉の真偽は定かでないが、別の手段を考えるのはそれで会えなかった時でいいだろう。

 差し当っては鞄を手に入れる必要がある。
 日本刀二本と銃があれば得物は充分だが、持ち運ぶには少々かさ張る。
 ついでに食料が入っていれば尚望ましい。
 他の参加者から奪う事を念頭に置きながら、縁は道路沿いに東へ向かった。
 ゆっくりとした移動で体力を徐々に回復させ、その上で市街地にいるであろう参加者に接触する為だ。

 途中で後方から爆発音が聞こえ、戦闘が起きている事に気付いた。
 ここで場に乱入して参加者減らしに掛かるのも良いが、長い目で見れば今は休息と移動に努めるべき。
 付近で殺し合っている者達を他所に、縁は足を止めずに後回しにしていた案件について考え始める。

――願いを叶えてあげるよ。

 夢物語のような数々の技術。
 縁の常識では測れないようなその力があれば、不可能と思えるような願いも叶うかも知れない。
 そう――例えば死者蘇生のような。

 雪代巴と緋村抜刀斎を生き返らせる。
 緋村抜刀斎に改めて人誅を下し、姉との幸せな生活を今度こそ取り戻す。
 そんな、文字通り夢でしかなかった幻想も……?
 降って湧いた希望に、縁は子供のような笑みを浮かべた。

「……」
417彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:54:17.49 ID:JALWLe3t

 けれどそこで縁は表情を消す。
 思い出すのは先程垣間見た景色――目の前に横たわる花嫁の姿。



 杉下右京は車を走らせながら周囲に目を光らせていた。
 隣の助手席に座るのは高崎みなみ。
 後ろの荷台にいるのは合流を果たしたばかりの城戸真司と翠星石――右京以外は全員眠っている。
 まだ若い彼らに対し、殺し合いという環境はただそこにあるだけで体力を奪っていく。
 真司と翠星石に至っては強力にして凶悪なシャドームーンと戦い、仲間を一人失ったばかりだ。
 右京と協力して見張りをしていたみなみも、深夜に殺し合いに放り込まれた為に睡眠が足りていなかったらしい。

 警察署に向かい、Lや光太郎と合流する。
 またそれまでの道中で他の参加者と接触し、可能ならそちらとも警察署まで同行する。
 それが右京の受け持った役割だ。
 殺し合いを止める為ならば、何日でも寝ずにいる程度の覚悟はある。
 亀山薫の分まで戦わなければならないのだから。

 やがて遠くにホテルの姿が見えてきた頃、正面に一台のバイクが見えた。
 黒いテンガロンハットとタキシードの男が運転手らしい。
 胸元を見ると肌色の腕が絡んでいる――どうやら後ろにもう一人乗せているようだ。
 右京は車を止めて降り、道に立ち塞がるようにして立った。

「そこのお二方――」

 泉新一という少年とミギーというパラサイトの命が潰えて間もない今、右京は最大限に警戒していた。
 銃を構えながらバイクの男に声を掛けるが、バイクは速度を緩めない。
 まさか殺し合いに乗っている?
 他の参加者を問答無用で挽こうとしている?
 右京は警戒を強め、声を大きくする。

「止まりなさい!!」

 バイクは速度を緩めずにグングンと右京との距離を縮めた。
 もしもの時の為に引き金に指を掛ける右京の緊張が一層高まる。

 そして二人乗りのバイクは、右京の横を通り過ぎて行った。

「…………は?」

 放心する右京の耳に、後方から女性の声が響く。
「おいヴァン、他の参加者を無視するとはどういう事だ!」
「北に行くんじゃないのか?」
「参加者がいて、しかも声を掛けられているんだぞ!?
 レナの時から成長していないのかお前は!!」

 右京がバイクの方へ振り返ると、バイクはブレーキを掛けて停止していた。
 後ろに乗っている女が運転手の男の背をポカスカと叩いている。
 どうやら今の通過は右京を無視をしようとして無視したというより、二人の間で意志疎通が上手く行っていなかった故に起きたようだ。

「もしもし」
 改めて声を掛けると、緑髪の女がギッと右京の方に顔を向けた。
 その特徴的な姿は、最初の会場でルルーシュと名乗った少年と会話していた女性と相違ない。
 虫の居所は悪そうだが、殺し合いに乗っているようには見えなかった。

「僕は警視庁特命係、杉下右京と申します」


418彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:54:49.03 ID:JALWLe3t
 砂浜に転がって数十分、傷の再生を済ませたC.C.は動き出した。
 傷付いて動けなくなったヴァンに肩を貸してやり、遠くに望んだホテルを目指す。
 こんな所で寝ていて襲われたのでは笑い話にもならない。

 到着し、襲撃される可能性を考慮してロビーからかなり離れた部屋を占拠。
 最初にした事はヴァンの傷の手当て。
 それからC.C.は塩水でドロドロになった衣服を脱いでシャワーを浴びた。
 殺し合いの最中にする事ではないが、不死たるC.C.の優先順位としては間違っていない。
 濡れた髪、玉のような雫が浮いた少女らしい細く白い肢体をそのままに、クローゼットに備え付けられたバスローブを纏う。
 海水に浸かった服にも洗面所で洗い、その後ドライヤーを使って強引に乾かした。
 本来ならばこのような事はC.C.本人がやらずに他人を行使するのだが、ヴァンにこういった事は期待出来ないのだ。
 乾いた服を着てシャワールームからベッドルームに戻ると、ヴァンは二つあるベッドのうちの一つを占領して寝転がっている。

「私はピザを食べるが、お前はどうだ?」
「あ゛ー」

 だらけた態度と同じくだらけた返事がある。
 先の戦闘での鬼気迫る様にはC.C.も気圧されたものだが、見間違いだったかと疑いたくなるところだ。
 C.C.はそんなヴァンの様子を余所にピザをテーブルに置いた。
 辺りに広がるチーズの香りに気を良くしていると、彼も匂いにつられたように起き上がる。
 横着な態度に閉口してピザを引っ込める事も考えたが、戦闘に際してだけは活躍出来るだけに無碍には扱えない。
 「ほら」と、嫌々ながら彼に箱ごとピザを差し出した。

 C.C.は切り分けられたピザを一つ取り、垂れそうになるチーズを落とさないように口に運ぶ。
 歯を立てて生地を千切り、伸びるチーズを引っ張りながら咀嚼する。
「……」
 支給されたピザは無制限にデイパックから出て来る。
 味見は既に済んでおり、味はどれも同じはずだ。
 しかし、その味がほとんど感じられなかった。
 C.C.は溜め息を吐いて一口だけかじったピザを置く。

「……こんなに不味いピザは初めてだよ」

 本当にここから脱出出来るのかと、不安や心配はある。
 一時行動を共にしていた竜宮レナについても気掛かりだ。
 しっかり者の彼女なら上手くやっているとは思うが海を渡る手段はなく、連絡も取れない。

 だがそれ以上に、こうして安全地帯に留まってゆっくり休息を取っていると思い出してしまう。

――ルルーシュ・ランペルージ。

 最初の放送で呼ばれた共犯者の名。
(……悪い女だ、私は)
 今更めいた事を考え、自嘲する。

 C.C.は多くを知っていた。
 ルルーシュは母であるマリアンヌ・ヴィ・ブリタニアの死の真相を暴く事を目的としていたが、C.C.は初めから知っていた。
 それどころか、未だ死んでいない事さえ知っていた。
 度々苦悩するルルーシュを見ていながら、C.C.は黙し、口にする事はなかった。

(お前を殺したのは、私なのかも知れないな)

 何もかも全て最初に教えていれば、ルルーシュの辿る道は別の物になっていただろう。
 そうなれば――彼がこの場に呼ばれる事はなかったかも知れない。
 或いはこの場に呼ばれても死ななかったかも知れない。
 全ては可能性に過ぎないが、C.C.は一際大きく溜め息を吐くのだった。

「だったらよ」

 そこへ、ヴァンが突然口を開いた。
419彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:55:44.74 ID:JALWLe3t
 C.C.は何の事かと一瞬狼狽えるが、「ピザが不味い」という言葉を受けてのものだと思い当たった。
 彼の両手には見覚えのある、毒々しいまでに色とりどりの調味料。
「ば、馬鹿よせ!!」
 食欲がさほどなかったC.C.はピザを一枚しか出していなかった。
 箱から切って直接取る形で、一枚を二人で分けようとしていたのだ。
 それが今、災いする。

 ヴァンは二人分のピザ全体に容赦なく調味料をぶちまけた。

 衝撃的な映像を目にしながらC.C.は頭を抱える。
 この一枚は責任をもってヴァンに処理させて、新たにもう一枚ピザを出すべきだろうか。
 しかし元々薄かった食欲は、彼が創り出したカラフルなピザのせいで一層衰えている。
 もう食事は諦めようかと思った時、彼は言う。

「食えよ。今回だけ特別だからな」

 人のピザの上で勝手に惨劇を起こしておきながら、どの口で。
 悪態を吐こうとするが、ヴァンはグイとC.C.の方へピザを一切れ差し出して来た。
 いつの間に用意したのか彼の手にはフォークがあり、それをピザに突き立ててC.C.へ向けているのだ。
 今更ながら品性を疑わざるを得ない。
 こうしている間にもそこから調味料の余剰分がボタボタとテーブルに落ち、惨状を悪化させる。
 C.C.は目前に広がる光景に嫌気がさした。
「一口だけ食ってやる……有り難く思うんだな」
 そうしてC.C.はヴァンのフォークから乱暴にピザを取り、マーブル模様のそれを口にした。
「……辛い……」
 マスタードとタバスコが鼻に抜けて涙が出そうになる。
 しかし同時にC.C.は驚愕の事実に気付いた。

「旨い……だと……」
「だろ。ったく、どいつもこいつも食う前から文句ばっか言いやがって」

 ぶっきらぼうに言いながら、ヴァンも箱から取ったピザを口に運ぶ。

「辛ぁぁぁぁぁぁあああああああああい!!!!!!」
「……馬鹿だ」

 もう一口、C.C.は調味料に染まったピザを齧る。
「……しかし、確かにいける」
 C.C.の味覚は目玉焼きにマンゴーソースを掛けて食べる程度に、ヴァンのそれといい勝負をしているのだ。
 何より、多分。

「……おいヴァン、やはり辛すぎるぞ。
 水を持って来い」
「ミルクはないのか?」
「ない。いいからとっとと水を二人分持って来い!」

 今の心境には、辛過ぎるぐらいが丁度いい。



 テーブルの上の惨状はそのまま。
 ヴァンと共に一つずつベッドを独占して寝転がりながら、いびきをかく彼を余所にC.C.は物思いに耽る。
 思い巡らすのはこの殺し合いとV.V.に関しての事だ。

 まず考えるのは、この会場に集められた者達の人選について。
 C.C.が元から知っていた面々に加えてヴァン、レナ、ミハエルと東條、白髪の男、シャドームーン、蒼嶋、千草。
(……濃いな)
 身体能力か、精神力か、特殊能力か、或いはそれら全てか。
 誰も彼も、普通の人間から大なり小なり逸脱していると言っていい。
 アトランダムに選んだとしては明らかに不自然で、何らかの意図があってのものだろう。
420彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:56:23.74 ID:JALWLe3t
 また不死であり殺し『合う』事が出来ないC.C.をわざわざ殺し合いの場に連れて来ている時点でおかしい。
 V.V.の目的は殺し合いそのものではない。
 そもそもV.V.は人々が殺し合うのを見て喜ぶような快楽主義者ではない。
 恐らく殺し合いは手段であり、目的は別にある。

 心当たりがあるとすれば『ラグナレクの接続』。
 C.C.も一時は関わっていた計画。
 二つのコードを用いて集合無意識に働き掛け、生死を問わず全ての人間の意識を統合するというものだ。
 V.V.とその弟のシャルル・ジ・ブリタニアはC.C.が嚮団から離脱した後も、恐らく諦めていない。

 シャドームーンのような嚮団の手にも余りかねない者まで集めたこの殺し合いは、随分手が掛かっている。
 そう考えればこの殺し合いは『神殺しの計画』に関わっていると考えた方が自然だ。
 しかしどう関わるのはという所まで踏み込むと、これはV.V.に直接聞かなければ分からない。

 敢えて仮定するなら、と考えたところでC.C.の背筋に悪寒が走る。
 C.C.はそこで思考を停止させた。

 時計をチラと見、放送が近付いているのに気付いてC.C.は立ち上がる。
 バスローブを脱ぎ捨てて元の服に着替え、ヴァンと自分のデイパックを整理しながら彼に声を掛ける。
「行くぞヴァン。
 お前もこんな殺し合いはさっさと終わらせて、やる事があるんだろう?」
 そう言うとヴァンは気だるそうにしながらも素直に起き上がった。
 だらけた男だが、本来の目的に対しては並々ならぬ執着があるらしい。

 ヴァンと共に部屋を出、移動手段を求めて駐車場を検分する。
 そして見付かったのが、バイク――バトルホッパーだった。
 ヴンヴンヴン、と音を立てながらライトを明滅させる様は、ヴァンとC.C.に何かを訴え掛けているようにも見えた。
 その様子に、C.C.は念の為確認を取る。

「ヴァン、こいつが何か言っているように見えるか?」
「車が喋るわけないだろ」
「お前の言葉にしては正論だ」

 ヴンヴンヴン、とエンジン音を立てながら、首を振るようにヘッドを左右に動かすバトルホッパー。
 勝手に動いた事にヴァンとC.C.は驚きを見せるも、気のせいという事で片付けた。
 他者とのコミュニケーション能力に著しく問題のあるこの二人に、バトルホッパーの必死の訴えが通じるはずはなく。
 バトルホッパーはそのまま普通のバイクとして扱われたのだった。

「北か南。どちらに向かう?」
 レナ達と合流したいところだったが、今は海を渡る手段がない――よって進路は二択だ。
 レナは南の小病院付近で蒼嶋達と出会ったと言っていた。
 それまでに誰とも出会わなかった、つまり南には他に参加者がいないのだ。
 順当に考えれば北上すべきだろうが、懸念すべきはシャドームーンの動向。
 南北どちらに向かっていてもおかしくはない。
 まずはシャドームーンから逃げるように動くべきか、シャドームーンを倒すべく動くべきかを考える必要がある。
 C.C.とて殺し合いの打破を目論んではいるものの、わざわざその為にあの化物ともう一度戦闘をする程の義理堅さはない。
 かと言ってC.C.自身には確固たる目的はなく、結局ヴァン次第という事になる。
 なるのだが。

「めんどくせぇ」

 ヴァンはシャドームーンの相手をするのが面倒なのではなく、そもそもどちらに向かうべきか考えるのが面倒なのだ。
 そんな彼の取った行動に、C.C.は目を見張る。

「倒れた方に行く。いいな?」
「……正気なのか?」

 どこからか拾って来た木の枝を地面に突き立て、C.C.の目を見据えるヴァン。
 この男は手を離して、枝が倒れた方向によってこれからの進路を決めようとしている。
 もしルルーシュならああでもないこうでもないと考察を並べ立て、あらゆる可能性を吟味してから行動している場面だ。
421創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 23:56:33.74 ID:r3/r/PHM
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422彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:56:48.91 ID:JALWLe3t
 それなのに小枝に判断を委ねる――ここでの選択が生死を分けるかも知れないというのに、偶然に頼る。
 C.C.の想定の斜め上を行く発想だった。
 もしホテルを指したらホテルに戻って寝直すつもりか?
 やりかねない。

「やるぞ」
「……もう好きにしてくれ」
 C.C.が投げやりに言い、それを受けてヴァンが枝から手を離す。

 倒れた方角は、北だった。

 不本意ながらも進路が決まり、二人は移動を始める。
 C.C.がバイクの後ろに乗ってヴァンの腰に手を回すと彼は無言のまま発進させた。

 眼鏡を掛けた初老の男とすれ違うのは、それから程なくしての事だった。



「コード保持者のC.C.さんと、無職のヴァンさん……申し訳ありませんが、これだけでは良く分かりませんねぇ」
「……まぁ、そうだろうな」
 C.C.とヴァンが名乗ると、右京は詳細名簿の存在を明かした。
 一方的に情報を知られているのはC.C.としては不快だったが、詳細と言っても大した情報は入っていないらしい。
 現にこうして『コード』の説明はなく、ヴァンに至ってはこれでは何も分からない。
 V.V.は参加者に喧嘩を売っているらしいと、今更ながらに呆れざるを得なかった。
 しかしC.C.には、完全に信用した訳ではない相手にギアスやコードの説明をする義務はない。
 よって一先ずは元いた環境について触れる事にした。
 レナやヴァンとの話から考えれば、それはこの殺し合いの根底にも関わる問題だからだ。

 レナがいた世界は昭和58年――西暦1983年。
 西暦と皇歴が一致するとすれば、C.C.がいた皇歴2018年の世界よりも三十年以上過去の世界である。
 そして右京の時代は、レナの時代とC.C.の時代の中頃だという。
 これだけならそれぞれが異なる時間から呼び出されたのかと考えるところだが、彼らの常識の中にブリタニアという国はない。
 参加者それぞれが異なる世界から連れて来られたのだという右京の意見は、やはり正しいのだろう。
 常識から考えれば「周囲の人間が全員嘘を吐いているか脳に異常を来している」と結論付けるべきだが、相手はV.V.だ。
 常識で計るべきではない。

 放心したように明後日の方向を見ていたヴァンにも無理矢理説明させると、右京も自身の考えに改めて納得したようだった。
 しかし一つ得心したというだけで、右京は追求をやめない。
「あなた方の世界については分かりましたが、よろしければ『コード』についても教えて戴けますか?
 僕の想像では最初の会場でルルーシュ少年が見せた、あの奇妙な仕草に関係があるものだと思うのですが」
 C.C.は内心で舌打ちする。
 あの場でルルーシュは自身の名乗りを上げてギアスを発動させようとした。
 更にそれを諫めようとしたC.C.まで、参加者全員に顔を見られてしまった。
 わざわざC.C.の職業欄に書かれた『コード』を、ギアスと結び付けられても文句は言えない。
 むしろ文句を言うべき相手はルルーシュの方だろう。

 それでもC.C.が躊躇っていると、意外な事にヴァンが口を開いた。
「話せよ。何か、あの……何だ、ギアスとか」
「おい、ヴァン!」
「そのおっさん、頭いいんだろ。
 だったらあのガキの考えだって分かるかも知れねぇ」
「……」
 ヴァンにとっては、元の世界に戻ってやるべき事をやる、それ以外の関心事は基本的にない。
 楽に帰還出来るならそれに越した事はなく、C.C.が周囲に積極的に情報開示をした方がいいと考えているのだろう。
「……仕方ないな。今度はお前もちゃんと聞いておけ」

 レナにしたのと同様の説明を右京にも行う。
 不死性について信じ難いと言う右京の前でC.C.は掌を切り、再生する様を見せてやると信じさせる事が出来た。
 互いに真剣ではあるが、敵意はなく警戒心も薄い場で話し合いは進む。
 しかしC.C.がギアスについて話し終えた後、その空気が変わった。
423彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/21(土) 23:57:33.19 ID:JALWLe3t
 切っ掛けは、右京が放った一言だった。



「私は殺人という行為を決して許しません。
 ……私だけでなく、どうか皆さんにもこの決意をして頂きたいのです。」

 情報交換を終えた右京は真司達にも告げた事を、C.C.とヴァンにも説く。
 しかしC.C.はキョトンとした表情を浮かべ、それまで話を聞いている様子すら薄かったヴァンの目付きが鋭くなった。

「私は殺し合いを止め、V.V.を逮捕します。
 その為に――」
「知った事か」

 切り捨てるようにヴァンが右京の言葉を遮った。
 どこかボンヤリとした印象のあった彼がこうして強い感情を見せた事に、右京は僅かに戸惑う。

「あんたの理屈は分かった、だが俺は俺の理屈を通す」
「それは……殺し合いをするという事ですか?」
「違う。だが俺は俺が殺したいと思った奴は殺すし、それを邪魔する奴も殺す。
 あんたに指図される筋合いはない」
 それだけ言うとヴァンは右京に背を向けた。
 これ以上話を聞く気はないという意思表示だろう。
 それでも右京が話を続けようとすると、今度はC.C.がそれを止めた。
「やめておけ、そいつは話を聞かないぞ」
「ですが――」
「ついでに私からも言わせてもらう」

 有無を言わせないC.C.と向かい合う。
 少女のような容姿でありながら相手を深く見透かすような視線は、不死たる者の証明のように思えた。

「『そもそも住む世界が違う』……お前も分かっている事だろう。
 ヴァンも私も、V.V.もだ」
 エリア11――強国ブリタニアに占領され、尊厳を奪われ、テロリストが日々国を取り戻す為に活動している。
 エンドレスイリュージョン――ほとんど雨の降らない乾いた厳しい土地で、無法者達が闊歩する。
 生きてきた世界が違えば価値観も違う。
 同じ世界の者同士ですら、完全に分かり合うのは難しい。

「その通りですが、人の命の価値と尊厳は普遍です」

 しかし価値観の違いは右京とて承知していた事で、その上で理解を求めていたのだ。
 故に右京は揺るがない――そしてC.C.もまた引かなかった。
「それはお前がゴミのように殺されていく人々を見た事がないから言えるんだ。
 国に、社会に、法律に守られているのが当たり前の世界なんだろう?
 ……まぁ、理想としては正しいが」

 C.C.の声に怒りはない。
 むしろ憐れみさえ含んでいるように聞こえた。
「お前は正しいよ右京。
 どんなに多くの世界があっても殺人を推奨する世界はそうそうないだろう。
 好き好んで人を殺す人間は少数派だ」
 淡々とした調子のまま、C.C.は溜息を吐いてから続ける。

「だが、お前はこの殺し合いを掻き回す事は出来ても止める事は出来ない」

 その言葉は人外の存在であるミギーによる忠告と重なり、右京は静かに息を飲んだ。
「……それは、何故ですか」
「お前にとっての正義は私達にとっての正義ではないし、参加者全員でその考えを共有するのは無理だ。
 その上でお前の平和な国の常識や法律を、この会場全体に当て嵌めようと考えているなら。
 お前が自分で自分にとっての常識や法律に従うだけでなく、それを他人にまで強制するなら――」
424創る名無しに見る名無し:2012/01/21(土) 23:59:43.83 ID:r3/r/PHM
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425彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:00:41.65 ID:JALWLe3t
 C.C.はそこで一度言葉を切った。
 射抜くような視線に、数々の危険をくぐり抜けてきた右京ですら背筋に冷たいものが伝う。
 シャドームーンとはまた別の威圧感を伴って、その一言は紡がれる。


「お前は、傲慢だ」


 人の何倍も生き、誰よりも傲慢である事を許されたC.C.が端的に示したその一言は強く、重かった。

 荒野の中を自分の力だけで生き抜いて来た男。
 彼は右京の正義を否定しなかった。
 あんたの理屈は分かった、と。
 数百年、人の生き死にや戦争を見届けて来た存在。
 彼女も右京の正義を否定しなかった。
 お前は正しい、と。
 だが彼らは共感せず、感化されず、右京の正義を拒んだ。

「行こうヴァン。これ以上の話は無駄だ」
 C.C.は背を向けていたヴァンの手を引き、駐車していたバイクの方へ促す。
 右京は彼らに言いたい事が幾らでもあったのだが、ここまでの話し合いで顕著だったように彼らは人の話を聞かない。
 その上で「話は無駄」と断言した以上、もう右京の声に耳を傾ける事はないだろう。
「本当によろしいので?
 北にはシャドームーンが――」
「俺は北に行くんだよ」
 思った通り取り付く島もない返事があった。
 俺の理屈を通すという、その言葉の通りの姿だった。
 言いたい事を言いたいだけ言い、相手に反論させずにさっさと立ち去る。
 その態度は彼ららしいと言えば彼ららしい。
 バイクは走り出し、彼らは一度も右京の方を振り返る事なく景色の中に溶けていった。

――君の正義はいつか暴走する、そして周りの人間たちを滅ぼすだろう。

 C.C.の言葉の奥にあるものは、ミギーに言われた事と同じだ。
 右京の思考は危険であり、周囲を振り回すのだと。
 それでも、万人に同じ考えを共有させる事がどんなに困難だろうと右京は考えを曲げない。
 ここで曲がる正義なら、ここに至るまでのどこかで既に曲がっていただろう。

 しかし車の方へ振り返った事で、右京の思考は一旦途切れる事になる。
 みなみ、真司、翠星石が眠る車――しかしみなみだけが目を覚ましていた。
 そしてその手は荷台で眠る真司のデイパックへ伸びている。

「みなみさん!!!」

 右京の声に、みなみはビクリと肩を震わせて手を引っ込めた。
 目的は恐らく真司のカードデッキ。
 彼女は力を求めている。
「わ、私、私は、……」
 人の物を盗もうとした。
 その事実にみなみ自身が動揺しているようで、彼女は顔を両手で覆って嗚咽を漏らす。
「落ち着いて下さい、みなみさん……」
 シャドームーンと真司の激しい戦いの空気に当てられたのだろう。
 それに真司のその力がデッキによるものであると、みなみは知ってしまっている。
 真司だけの特別な力ではない、誰でも手にする事が出来る力――それは恐らく彼女が最も欲しているもの。
 右京は短い時間であれ彼女から目を離した事を反省し、警戒をより強くした。

 亀山を失った悲しみは、未だ右京の中にある。
 この喪失はそうそう埋められそうにない。
 それはみなみもきっと同じはずだ。
 そして右京には正義という喪失の悲しみよりも優先すべきものがあるが、みなみにはない。
426彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:01:09.02 ID:JALWLe3t
 だからこそみなみにも理解して欲しいと思う。
 人を殺す事は罪なのだと、どんな悲しみがあろうと許されない事なのだと。

――お前は傲慢だ、右京。

 例え独り善がりの正義だとしても、構わない。

――お前は殺し合いを掻き回す事は出来ても止める事は出来ない。

 玲子もシャナも止められなかった。
 シャドームーンへの恐怖も未だ消せずにいる。
 ヴァンもC.C.も説得出来なかった。
 それでも殺し合いを止め、犯罪者を法によって裁くという決意は鈍らない。

 命の尊厳と信じた正義の為に、右京は道をひた走る。


【一日目昼/H−2 道】
【翠星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]真紅のステッキ@ローゼンメイデン、真紅のローザミスティカ@ローゼンメイデン
[支給品]支給品一式(朝食分を消費)、確認済支給品(0〜1)
[状態]疲労(大)
[思考・行動]
0:睡眠中。
1:殺し合いから脱出。
2:蒼星石、クーガー、かなみと合流する。
3:真紅が最後に護り抜いた人間に会い、彼女の遺志を聞く。
4:水銀燈を含む危険人物を警戒。
[備考]
※スイドリームが居ない事を疑問に思っています。
※真紅のローザミスティカを取り込んだことで、薔薇の花弁を繰り出す能力を会得しました。

【城戸真司@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]無し
[所持品]支給品一式×3(朝食分を消費)、龍騎のデッキ@仮面ライダー龍騎(二時間変身不可)、確認済み支給品(1〜4) 、劉鳳の不明支給品(1〜3)
[状態]気絶中、ダメージ(大)、疲労(極大)
[思考・行動]
0:気絶中。
1:右京の言葉に強い共感。
2:やっぱり戦いを止めたい。
3:劉鳳を殺してしまったことに対する深い罪悪感。
4:翠星石のことは守り抜きたい。
5:シャナを倒し、彼女の罪をわからせる。
※絶影を会得しました、使用条件などは後の書き手の方にお任せします。

【杉下右京@相棒(実写)】
[装備]君島の車@スクライド
[支給品]支給品一式×2(水と食事を一つずつ消費)、S&W M10(6/6)、S&W M10の弾薬(24/24)@バトル・ロワイアル、ゼロの剣@コードギアス、
    首輪(魅音)、拡声器@現実、イングラムM10(0/32)@バトルロワイアル、傷薬×1@真・女神転生if...
[状態]疲労(小)、強い決意
[思考・行動]
0:誰も殺さない、誰も殺させない。
1:協力者を集めてこの殺し合いを止め、V.V.を逮捕する。
2:亀山を殺害した人間とシャナ、玲子を逮捕する。
3:みなみに注意しながら同行する。
4:仲間を集い、参加者を警察署へ集める。
5:シャドームーンに対する恐怖。
※ギアスやコードについて一定の理解を得ました。
427彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:02:10.60 ID:JALWLe3t
【岩崎みなみ@らき☆すた(漫画)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式
[状態]健康、深い悲しみ、動揺
[思考・行動]
1:右京や翠星石たちと共に行動。
2:ゆたかとみゆきの仇を取りたい、その為の力が欲しい。
3:Lに対する強い嫉妬。
4:他の知り合いが心配。
5:カズマと光太郎にもう一度会いたい。
6:V.V.の言葉も頭の片隅に留めておく。

[全体の備考]
※翠星石・新一・真司で情報交換を行ったため、三者は互いの事情についてある程度は理解しました。
※真司、翠星石の二人は浅倉威、水銀燈、後藤、田村玲子、シャナ、和服の青年(宗次郎)、メイド服の女(咲世子)を危険人物と認識しています。



 右京と別れて数分。
 バイクの後部で風を切りながら、そろそろ放送だろうかとC.C.は時計を見やる。
 しかし同時に嫌な想像をして額に冷や汗を浮かべた。

 『異なる世界』。
 右京と話す前から分かっていた事だが、それがこの殺し合いの根幹に関わっている。
 ただ参加者を集めて記憶を操作する程度ならともかく、そこまで行けば嚮団の技術から逸脱する。
 V.V.の近くにいる、それこそ『異なる世界』からの協力者の存在を考えた方がいいだろう。

 殺し合いと『ラグナレクの接続』。
 そして更に『異なる世界』との関係性を考えるとしたら、それは――



「おいあんた」
 ヴァンが呼ぶと、後ろに座っている緑髪の女の方からハッと息を飲むような気配があった。
 続いたのは普段通りのつっけんどんな切り返しだ。
「……まだ覚えていないのか?
 私はC.C.だ」
「すみません。
 それであんた、」
「おい、いい加減にしろ!」
 緑髪の女はヴァンの受け答えが気に入らなかったようで苛立ちを噴出させたが、ヴァンは構わずに続けた。

「俺は……このくだらねぇ殺し合いの間だけだがよ。
 あんたの護衛を、続けてやってもいい」

 ヴァンは、一人では出来ない事があると知っている。
 一人でカギ爪の男を追っていた頃はともかく、ウェンディを初めとした人々との出会いを経た今は分かっている。
 仲間の重要性を理解している。
 V.V.と知り合いだとか、不死身と自称するだけあって傷の治りが早いとか、そういった利点だけではなく。
 ヴァンが一人で突っ走るだけでは解決しない問題もあるのだと、理屈ではなく感覚で気付いていた。

 唐突と言えば唐突なヴァンの申し出に、暫く緑髪の女の反応はなかった。
 バイクを運転するヴァンからはその表情は見えない。

「……似合わないな、おまえがそんな事を言うのは」
「あぁ?」
「褒めてやってるんだ」
 ヴァンの抗議の声にも動じず、緑髪の女は続けた。
428彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:02:55.03 ID:mqhs/bhU
「大体さっきもピザを食べたんだ、これからも護衛を続けるのは当然の労働であり義務だろう?
 今更繰り返す事じゃないぞ」
「……へいへい」
 多少不満はあったものの、ヴァンは「まぁいいか」と意識を正面の景色の中に移す。

 思い出すのは先程垣間見た景色――白い粉が舞い散る場所で惨殺される女の姿。



 縁に見えたのはほんの一瞬。
 絨毯に広がる血痕、逆光の中の仇の姿。
 それは縁の記憶ではなく、恐らく先程出会った黒い帽子の男のものだ。
 それは、縁が最愛の人を奪われた光景ととても良く似ていた。
「……ふん」
 だからと言って、縁の進む道は変わらない。
 ただ珍しく姉に関係のない事で感傷的になった、それだけの事だった。

 姉は、いつでも縁の傍にいる。
 だが返事をしないし、未だ微笑みも戻らない。
 縁は知っている。
 姉はもういないのだと、目の前にいる姉は幻影に過ぎないのだと。

 だから――死者蘇生が夢物語だと言うのなら、それでも構わない。
 けれどせめて、一目だけでも。
 一瞬触れるだけでもいい。
 幻ではない、あの優しかった姉ともう一度だけ会いたい。

 それが叶うなら、縁は他人だろうと自分だろうと全てを犠牲にする覚悟がある。

「何で死んじゃったんだよ……」

 僅かに見えた光明。
 それでも十五年前の喪失の悲しみは、癒える事はなかった。



 ヴァンに見えたのはほんの一瞬。
 白い粉と共に飛び散る血、赤い髪の仇の姿。
 それはヴァンの記憶ではなく、恐らく先程出会った白髪の男のものだ。
 それは、ヴァンが最愛の人を奪われた光景ととても良く似ていた。
「……けっ」
 だからと言って、ヴァンの進む道は変わらない。
 ただ珍しくエレナに関係のない事で感傷的になった、それだけの事だった。

 エレナは死んだ。
 人は死ぬし、生き返らない。
 エンドレスイリュージョンという過酷な環境で生きて来たヴァンは理解している。
 エレナと、二度と会う事はないのだと。

 だから――会えない事は、嘆かない。
 けれどたった一つ譲れないのは、仇であるカギ爪の男を殺す事だ。
 許しはしないし、逃がしはしない、忘れはしない、無かった事にもさせない。
 エレナを奪われたヴァンは、彼女の死だけは誰にも奪わせない。

 仇討ちさえ叶うなら、ヴァンは他の何をも捨てられる。
429創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 00:02:58.06 ID:3NQd3H83
支援
430彼と彼女の事情 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:04:13.99 ID:mqhs/bhU

「……待ってろよ」
「何か言ったか?」
「別に、何も」

 暗闇の中であろうと、構わない。
 光が無くともと自分の手足で、ヴァンは望みを果たす。


【一日目昼/G−1 道】
【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎
[状態]:疲労(中)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲
[思考・行動]
0:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
1:レイが気にならない事もない。
2:緑髪の女(C.C.)の護衛をする。
2:北に行く。
[備考]
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。

【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2、ファサリナの三節棍@ガン×ソード、
    カギ爪@ガン×ソード、予備弾倉(60/60)、確認済み支給品(0〜2)
[状態]:疲労(中)
[思考・行動]
1:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
2:レナ達と合流したい。
3:後藤、シャドームーン、縁は警戒する。
4:北へ向かう。
[備考]
※不死でなくなっていることに気付いていませんが、回復が遅い事に違和感を覚えています。
※右京と情報交換をしました。

【F−2 道】
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:無し
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(中)
[思考・行動]
1:参加者を皆殺しにし、可能なら姉と抜刀斎を生き返らせる。
[備考]
※殺し合いを認識しました。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。



 殺人を否定する者。
 殺人を肯定する者。
 それぞれの思惑に関わらず、放送の時は訪れる。

 嘲笑うように。
 蔑むように。
 哀れむように。
 子供のような姿と声の、老獪な主催者による放送が流れる――
431 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:04:44.79 ID:mqhs/bhU
投下終了です。
誤字脱字、問題点などございましたら御指摘戴ければ幸いです。

SSを書き上げた後に調べたところ、バトルホッパーは世紀王にしか扱えないとの事でした。
錬金術士しか扱えないアイテムも皆で普通に使っているのだし、という事で修正を行なっておりません。
問題ありと判断された場合はバトルホッパーに関する記述を全て削除し、バイクを光太郎のスズキ・GSX-R400に差し替えます。
この件に関しまして、御意見を戴きたく思います。
432創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 00:05:19.19 ID:3NQd3H83
支援
433創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 00:30:54.23 ID:3NQd3H83
投下乙!
右京さん三回連続で出演してるけど、全部否定されまくりでちょっと可哀想になってきた
今まで出会った面子が誰一人として普通の世界の人じゃないんだよなぁ
ヴァンと縁は立場は似てるけど、進んだのはまるで別の道になったか
特に縁はなんか覚醒したっぽいし、ネタキャラ脱却してガチのマーダー化するのだろうか
そしてみなみんがデッキをパクろうとしたのはちょっとリアルだった、確か一回盗まれてたよね

バトルホッパーですが別に問題ないのではないでしょうか
世紀王しか使用できないとなると持て余されちゃいますし、確か光太郎が指示を下せば世紀王以外も乗ってたような
あと気になったのですが、結局縁は拾った銃と刀(東條の遺品?)は拾わなかったのですか?
434 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 00:50:01.34 ID:mqhs/bhU
>>433
支援&感想、バトルホッパーに関しましても御意見ありがとうございます。

>指摘
失礼致しました、状態表を直し忘れました。
拾っています。縁の状態表をWikiにて↓

【F−2 道】
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(中)
[思考・行動]
1:参加者を皆殺しにし、可能なら姉と抜刀斎を生き返らせる。
[備考]
※殺し合いを認識しました。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。

に修正致します。
435創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 01:45:48.01 ID:/wNkDFJ/
お疲れ様です! 今投下に気付き、ただただ読み入ってしまいました。
世界そのものが違う中、それぞれが自分の正義を貫こうとする姿が印象的ですね。
どちらも正しくあり、どちらも間違っている。矛盾しているような感想ですが、
どんな環境にあっても己を曲げない、そんな魅力がひしひしと伝わってきました。

バトルホッパーは、やはりシャドームーンを振り落とすのだろうか…w
436創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 03:58:40.48 ID:/3hlGQj7
投下乙です
右京さんの正義はここでも否定されたか
このままだと殺し合いの打破どころか孤立してしまいそうだな

バトルホッパーは一応自意識があるようなので自身の判断で乗せていることにしても問題ないかと
ですが制限としてサタンサーベルと同じく世紀王の呼び寄せには応じないというのを加えるべきだと思います
これがないと光太郎やシャドームーンが呼べばその場所に行ってしまいますので
437創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 08:29:38.10 ID:TrM1K50C
>そしてその手は荷台で眠る真司のデイパックへ伸びている。
>真司だけの特別な力ではない、誰でも手にする事が出来る力――それは恐らく彼女が最も欲しているもの。

 一方その頃、つかさは自分を主のカタキと呼ぶ者のために薬と爆弾を作っていた。

 見事に対照的だな。二人の邂逅がどうなるか、今から気になる。
 なんだか、『無事に会えてよかったね』では済まない気がする。
 しかしみなみは武器を持ってないし、つかさがフラムをぶつけるとも思えないし…はてさて。
438創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 14:54:54.68 ID:+tQC0ZO1
縁がネタキャラに思えなくなってきたw
できたら剣心も生き返らせて人誅を下すって
元の世界で薫を殺すつもりなんだろうか

439創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 19:13:24.08 ID:R9b+xbcj
これでもう第二回放送行けるのかな
440 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/22(日) 22:18:01.34 ID:VTpX9voP
御感想ありがとうございます。

>>436
了解致しました。
Wiki収録時に以下の支給品説明をSS最下段に加えます。

【バトルホッパー@仮面ライダーBLACK】
ゴルゴムが世紀王専用マシンとして開発した自我を持つメカ生命体。光太郎の愛車。
世紀王の命令以外は一切聞かないが、このロワ内では自己判断で他の参加者を乗せているらしい。
また世紀王の呼び寄せには応じない。

それから細かい点ですが書き忘れがありましたので縁の状態表を再度修正致します。↓

【F−2 道】
【雪代縁@るろうに剣心】
[装備]:逆刃刀・真打@るろうに剣心
[所持品]:レイ・ラングレンの銃@ガン×ソード、菊一文字則宗@るろうに剣心
[状態]:左肩に刺し傷、両拳に軽症、全身打撲、各部に裂傷、疲労(中)
[思考・行動]
1:参加者を皆殺しにし、可能なら姉と抜刀斎を生き返らせる。
2:デイパックを手に入れる。
[備考]
※殺し合いを認識しました。
※『緋村剣心』以外の死者の名前、及び禁止エリアの放送を聞き逃しました。
441創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 22:56:05.92 ID:Ag9oKuDw
予備マガジン60にピザ大量とか地図取り出すのも一苦労だな
地図と名簿を探してる間に放送終わりそう
442創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 23:02:13.43 ID:R9b+xbcj
>>441
予備マガジンが60丁もあるんじゃなくて、予備マガジンの残弾数が60なんじゃないの?
443創る名無しに見る名無し:2012/01/22(日) 23:43:28.44 ID:Ag9oKuDw
AKのマガジンですら30だからバームクーヘンみたいなやつじゃなきゃ60も入んない
444 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/23(月) 00:10:28.74 ID:g+YBD7pX
このマガジンは弾数60発のマガジンです。
ttp://tunes.sakura.ne.jp/gunsword/index.php?%A5%EC%A5%A4%A4%CE%BD%C6
に載っているのですが、レイの銃のマガジンは通常タイプが100発、脇差しタイプが60発になっていて後者を支給品として登場させました。

あと今回の投下で多分第二回放送を迎えることができると思うのですが、まだ他に投下予定のある書き手さんはいらっしゃいますか?
空いた時間に第二回放送を書き上げておいたので、禁止エリアさえ決まれば投下は可能です。
もし禁止エリアについて何かアイデアのある方がいらっしゃいましたらご意見いただけるとありがたいです。
445創る名無しに見る名無し:2012/01/23(月) 00:11:18.03 ID:Tgpsf68T
マジキチはるろ剣勢みんなは卒業したね

446 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/23(月) 00:18:15.20 ID:9EESHzxw
執筆お疲れ様です。
こちらは放送前に思い残す事はございませんし放送案もございませんので、いつ放送に入って戴いても大丈夫です。

禁止エリアについて、どうしてもC‐6を推したいのですが如何でしょうか。
それ以外に希望する箇所はございませんので、可能ならば読み手の方の御意見も取り入れて戴ければと思います。
447創る名無しに見る名無し:2012/01/23(月) 12:33:19.94 ID:c4FWHk8h
第一回の三ヶ所が全部南側だったから、バランスを考えれば北かな
北東も北西ももうあんまり人行かなそうだし
でも細かい判断は書き手の方々にお任せしたいです



しかしC-6ってwwww
448創る名無しに見る名無し:2012/01/23(月) 18:30:54.95 ID:om/ElczE
>>441
RPGによくある、いくらでも入る上に、中のアイテムを探している間は時間が止まる袋だったりして。
449創る名無しに見る名無し:2012/01/23(月) 20:03:31.00 ID:eg5J8yok
>>444>>446
おつかれです。

禁止エリアは書き手の方にお任せします。
ちなみに、個数は幾つぐらいを想定しているんでしょうか?
450 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/23(月) 22:23:02.66 ID:9EESHzxw
>>449
こちらは第一回放送と同様の三箇所と想定しておりました。
これまでのロワ全体の流れを見ると増やしても(場所次第ですが)問題ないと考えますが、敢えて増やす理由もないというのが私個人の見解です。
逆に言えば増やす理由があるならば増やしても良いと思います。

>◆ew5bR2RQj.氏
すみません追記になるのですが、C−6が可能であった場合はなるべく早い時間(13:00〜など)だと嬉しいです。
我侭を重ね申し訳ございません。
451創る名無しに見る名無し:2012/01/23(月) 22:50:29.23 ID:viyD+Elc
>>444
おー、成る程

てことは「予備弾倉(60/60)」じゃなくて
「レイ・ラングレンの銃の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード」って事ですか?
452 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/23(月) 23:59:36.01 ID:g+YBD7pX
>>451
そうなりますね、説明不足でした。
弾薬も特殊なものを使用しているようなので後で修正しておきます。

禁止エリアの意見ありがとうございました。
なにもなければ明後日辺りに投下しようと思うのですが大丈夫ですか?
453 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 00:39:12.55 ID:0CNQ0IU4
こちらはいつでも大丈夫です。
454創る名無しに見る名無し:2012/01/24(火) 00:57:43.89 ID:bWFpt0sM
こっちもいつでも大丈夫です
今すぐ投下しちゃってもいいんだぜ
455 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:17:40.38 ID:0GmhxymV
すぐに意見を撤回するようで少々忍びないのですが、
今すぐ投下しても問題ないようですし、ロワを停滞させるのも勿体無いと思うので今から第二回放送投下します。
456 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:18:32.68 ID:0GmhxymV

地平から現れた太陽が空の頂上まで昇り、時計の長針と短針が頂点で重なり合う。
つまり正午を迎えた時、空から幼子の声が降り注ぐ。
二回目の定時放送の時間だった。


   ☆ ☆ ☆


こんにちは、みんな。
最初の放送から六時間経ったから、また放送をしなければいけないんだ。
みんなは僕がこんなことしてて面倒くさいんじゃないかって思うかな? 
でも違う、僕はとっても嬉しいよ。
みんなが僕の話を聞いてくれることが、とっても嬉しいんだ。
前よりも話を聞いてくれる人が少ないのは残念だけど、だからこそ生き残ったみんなにはしっかりと聞いてほしいな。
じゃあ、そろそろ放送を始めるよ。
一回しか言わないから、ちゃんとメモをしてね。

あ、もうこの放送が本当のことだって分かってもらえてるよね?
さっきも言ったけど、僕は嘘が大嫌いなんだ。
分かってる人は分かってるみたいだけど、まだ僕のことを信じてくれない人がいるみたいだね。
どうすれば僕が心から嘘が嫌いだって分かってもらえるかな。
あ、そうだ。
今まで嘘を吐いた人を、みんな殺しちゃうっていうのはどうかな?
フフフ、冗談さ。
そんなことしちゃったらつまらないし、そんなことしたらみんな死んじゃうだろうからね。
え、今のは嘘になるんじゃないかって?
違うさ、今のは冗談だよ。
冗談が分からない人は、他の人とも上手く付き合っていけないよ。

話が逸れたね、先に禁止エリアから発表するよ。
前も禁止エリアから言ったけど、いつもこうとは限らないよ。
出来ればそうしたいけど、僕は嘘が嫌いだから不確かなことは言いたくないんだ。

13:00から【Cー6】
15:00から【B−3】
17:00から【E−9】

だよ。
ちゃんとメモしてくれたかな?
してなかったとしても、もう一度同じ事を言うのはできないよ。
だって、さっき一度しか放送しないって言っちゃったからね。
さあ、次はお待ちかねの『死亡者の発表』だ。
これを聞きたくて焦れている人もいるだろうし、前置きはなしにするね。
457第二回放送 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:19:45.89 ID:0GmhxymV

泉新一
稲田瑞穂
次元大介
篠崎咲世子
瀬田宗次郎
タバサ
千草貴子
東條悟
前原圭一
ミハエル・ギャレット
山田奈緒子
レイ・ラングレン

これで全員だよ。
最初の時よりも五人少ないね。
うーん、できれば最初のペースを維持して殺し合ってほしかったかな。
未だに二人としか会ってない人もいるみたいだし、もっと積極的に動かなきゃダメだよ。
あ、今回と前回の人数を合わせると合計で二十七人だから、あと六人死ねばちょうど半分になるね。

それじゃあそろそろ終わりにするよ、ちょっと喋りすぎちゃったかな。
じゃあ、六時間後にまた会おう。
君たちがまた僕の声を聞けることを祈っているよ。


   ☆ ☆ ☆


「ふぅ……」

放送を終えたV.V.は人知れず溜息を吐く。
背後にある古い時計は、カチコチと音を奏でながら時間を刻み続けている。
生活に有り触れた音であるが、彼はこの音が割と好きだった。

「ん?」

ガチャリ、と扉が開く音。
V.V.のある部屋に、一人の人物が尋ねてきたのだ。
458 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 01:20:02.23 ID:0CNQ0IU4
支援
459第二回放送 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:21:26.48 ID:0GmhxymV

「ああ、君か」

身長に不釣合いな長髪を床に引き摺らせ、彼はその人物へと身体を向ける。
その人物が着込んでいる黒い衣服が、端正な顔と美しい金色の髪を際立たせていた。

「放送、お疲れさまです」
「うん、ありがとう、でも僕はこの放送そんなに嫌いじゃないんだ」

子供のように声を弾ませながらV.V.は語る。
どんな状況であろうと、この放送だけはしっかりと聞く者は多い。
自分の話を多くの人間が聞いてくれるという時間は、彼にとって至福のひとときであった。

「それで僕に何か用なのかな?」
「ええ、大した用ではないのですが……」

訪問者は切羽詰まった様子でV.V.に話を耳打ちする。

「うん、確かにそうだね、これはちょっとまずいかもしれない」
「でしたら……」
「でも、ダメだよ」
「え?」
「そう簡単に僕らが介入したら面白くないじゃないか、あくまでこれは彼らの問題だよ」

せせら笑うようにその人物を見上げるV.V.。
最初は呆然としていたが、やがて見る見るうちに怒りの色に染まっていく。
訪問者は唇を噛み、嫌悪を込めた目で彼を睨みつけた。

「そんなに睨まないでよ、君が協力してくれていることは感謝してる、とても僕だけじゃやっていけないからね
 だからもし本当に君が言うような事態になった時は、僕が多少は手引きをしよう」

そう言い残し、V.V.は身体を翻す。

「さあ、仕事に戻りなよ、きちんと仕事をしてくれなきゃ、さっき言ったこともやってあげられないよ」
「ちょっと!――――」

下された裁断が不服だったのか、早口でV.V.に捲し立てる訪問者。
だが彼が再び身体を翻すことはない。
これ以上講義しても無駄だと判断し、訪問者――――鷹野三四は無言で部屋を後にした。
まるで親の仇であるかのように彼を睨みつけながら。
460 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 01:24:04.97 ID:0CNQ0IU4
支援
461 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:24:33.05 ID:0GmhxymV
以上です。
誤字脱字などがありましたらご指摘お願いします。
また禁止エリアや新しい登場人物について、ご意見ありましたらいただけるとありがたいです。
462 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:29:26.71 ID:0GmhxymV
あ、一人分死者が増えたの忘れてました。
>>457
最初の時よりも五人少ないね。→最初の時よりも四人少ないね。
あ、今回と前回の人数を合わせると合計で二十七人だから、あと六人死ねばちょうど半分になるね。→あ、今回と前回の人数を合わせると合計で二十八人だから、あと五人死ねばちょうど半分になるね。
になります。
463 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 01:34:20.64 ID:0CNQ0IU4
投下お疲れ様です。
禁止エリアの我侭をお聞き戴きありがとうございます。
その他の箇所、また主催側の人物も問題ないと考えます。

それから放送を迎えるにあたり二点、確認させて下さい。
・予約解禁の日時
・予約と投下から次の予約までに、時間をどの程度置くべきか
よろしくお願い致します。
464 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 01:46:23.36 ID:0GmhxymV
あくまで自分の意見になりますが

・予約解禁の日時
第一回放送の時と同じなら、投票を行った後になると思います。(投票をするのならですが)

・予約と投下から次の予約までに、時間をどの程度置くべきか
予約後に即投下しちゃっても問題ないんじゃないですかね。
わざわざ時間を空ける必要もないですし。
465 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 01:57:58.14 ID:0CNQ0IU4
お答えありがとうございます。

・予約解禁の日時
では、こちらは全体の御意見をお伺いするべきですね。

・予約と投下から次の予約までに、時間をどの程度置くべきか
説明が下手でした、すみません。
予約→投下→次の予約
二番目の→、投下の後の時間について、より具体的にはSSの連続投下は可能なのかという疑問でした。
失礼致しました。
466 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/24(火) 02:03:22.84 ID:0GmhxymV
あ、すいません、ちゃんと読んでませんでした。
連続投下が可能ならやってもいいんじゃないでしょうか。
もし完成しているとしたら、そのままお蔵入りになってしまうと勿体無いですし。

というか、そんなに書き溜めあるんですか……
467 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 02:13:26.94 ID:0CNQ0IU4
了解致しました。
そうですね、予約被りを起こすと泣く事になる程度の量はあるので、出来る事なら早め早めに投下したいと考えております。
468 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/24(火) 03:09:33.05 ID:0CNQ0IU4
すみません、読み直したら勝手にお話を進めてしまった感がありましたが、反対意見がありましたら勿論連続などと言わずに適度な時間を空けて投下致します。
放送内容に加え、こちらに関しましても御意見をお持ちの方はおっしゃって戴ければと思います。
469447:2012/01/24(火) 13:44:31.46 ID:JL34EijM
投下乙です。意見を取り入れて下さってありがとうございました。
他の場所も問題ないと思います。

予約解禁は前回は投票後だったけど、書き手の方々が準備万端ならもう解禁しちゃってもいいのでは…ww
単に俺が早く読みたいだけとも(ry
投票やるなら「あくまでも第二回放送前の投票」って強調して解禁後のSSの影響受けないようにするとか

連続投下は個人的には気になりません。
470創る名無しに見る名無し:2012/01/24(火) 15:04:05.14 ID:PrN7ojBz
なんというwktk感……一目見ただけでわかった
これは今後が楽しみ
471創る名無しに見る名無し:2012/01/25(水) 20:10:09.00 ID:92b+D9rA
全面的に同意。楽しみで仕方がありませぬ。
472創る名無しに見る名無し:2012/01/25(水) 21:51:54.62 ID:4bnuH/R0
鷹野さんだったのか
とりあえず主催同士仲良くしてほしいもんだ
473創る名無しに見る名無し:2012/01/25(水) 22:22:08.36 ID:UWA5C5Eb
えーと、自分なりに考えてみたのですが
人気投票をやるなら今週末(土日)にして26日午前0時に第三回目放送解禁というのはどうでしょうか?
書き手の方々も既に準備万端のようですし、人気投票をやるなら人が多い土日のほうがいいと思うので
474 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/25(水) 22:39:21.28 ID:1R9dVcLS
こちらはいつ解禁でも大丈夫なように準備をさせて戴いておりますので、>>473氏の御意見の通りでも問題ございません。
ただこの場合解禁までに余り時間がございませんので、他の書き手氏もこれで問題ないのか、御意見を頂戴したいです。
475 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/25(水) 23:24:36.77 ID:xK0Cu5eT
自分も大丈夫です、すぐに投下できます。
476 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:01:32.73 ID:/n1L6IEA
後藤、志々雄真実、三村信史を投下します。
477追う者、追われる者 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:02:40.99 ID:/n1L6IEA

整備されたコンクリートの地面を後藤は走っている。
硬質化させた二本の脚は、多少の制限を加えられてもなお速い。
しかし片腕を喪失したため自重が偏り、その歩調はどこか辿々しかった。

(やはり右腕がないと動きづらい……)

志々雄との戦闘から時間が経過したせいか、怒りに任せて叫ぶような真似はしない。
だが怒りや殺意が薄れたわけではなく、むしろ身体の不自由さを痛感させられてそれらは増していた。
氷結が解除された直後に左腕の寄生生物を右腕に充てたため、右半身の切断面自体は既に塞がっている。
だが流れ出た血液は多く、消費した体力も決して少なくない。
今までの食事で摂取したエネルギーも全て無駄になってしまったようだ。

(人間ごときにッ!)

寄生生物が誕生した当初、人間は捕食される立場にあった。
しかし時間が経つにつれて寄生生物の優位性は薄れ、ついには人間と寄生生物の立場が逆転した。
それこそが市役所で行われた大規模な戦闘。
学者や警察が念入りに作戦を計画し、軍隊が対寄生生物用の散弾銃を用いて実行。
突然の奇襲に為す術もなく、市役所にいた寄生生物は”ほぼ”全滅してしまった。
が、突入した軍隊は全滅した。
唯一生き残った寄生生物、後藤によって。
五十三人の対寄生生物用の軍隊を一人で壊滅させた後藤は、もはや地上で最強の生物といっても過言ではないはずだった。
だが、それは呆気なく志々雄真実によって覆された。
未知の科学力を行使し、炎の力が宿る剣を操り、炎を吐く黒龍を使役する。
相性が悪かったのも事実だが、それでも人間ごときに敗北した事実は見過ごせなかった。

(どこだ、どこにいる泉新一!?)

切れ長の目で周囲を探索するが、泉新一どころか他の参加者すら見当たらない。
後藤の今後の方針はこうだ。
まずは泉新一の右腕を奪い、十分な食事を摂る。
そして十分な休息を取ったところで、今度こそ志々雄真実を殺しに行く。
順序に変動はあれど、最終目的は変わらない。
本能が告げる命令に従い、ただひたすら人間を喰い殺す。
それだけの話だ。

『こんにちは、皆』

走り続けているうちに放送が始まるが、後藤が足を止めることはない。
誰が死のうが一切関係ないし、進入禁止エリアに気をつけていればいい話である。
幼い声が告げる進入禁止エリアだけは聞き、死亡者の発表が始まる前に彼は走り出す。

――――それから、彼が最停止するまで一分もかからなかった。

『泉新一』

憤怒と驚愕が混じり合った表情を浮かべる後藤。
V.V.が読み上げた名前の中に泉新一の名前があったのだ。
鎮まりつつあった怒りが込み上げてくる。
泉新一が死んだということは、つまりあの右腕も死んだということ。
478追う者、追われる者 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:05:10.99 ID:/n1L6IEA

「オオオオオオオオオオオオオオオオオォォォォォォォォォッ!!!!」

野獣のように咆哮する後藤。
大気が震撼し、地面が地響きを立てる。
マグマのように吹き出した怒りが、彼の全身を支配していた。
あの右腕を奪い取らなければ、全力を発揮することができない。
非常に悔しい話ではあるが、五体満足の状態で志々雄に負けたのは事実だ。
全力で挑まなければ志々雄に勝利できないことは、沸騰した頭でも理解することができる。
泉新一の右腕を奪うことは勝利への必須条件だった。
しかし、それはもう叶わない。
故に彼の怒りは頂点に達していた。

(血が足りない、血が!)

泉新一の捜索を最優先にしていたが、死亡している以上どうしようもない。
ならば現状で満たさないといけないのが食欲だ。
支給された食料は食べ尽くしてしまったため、何処かから調達しなければいけない。
しかしネックなのがやはり片腕の喪失。
単純に戦力が半減したことに加え、プロテクトにも大きな隙が生まれている。
並の相手には負ける気はないが、万が一という可能性は否定できない。
志々雄真実はもちろんのこと、一回目の放送前に戦ったサングラスの男も未知の力を使っていた。
この場に招集されている人間は、ただ漠然と街中を歩いている人間たちとは何かが違う。
警戒するに越したことはないだろう。

そうして考えを巡らせているうちに、一つの目的地が浮かび上がった。
そこは負傷した人間や弱い人間が集まりやすい。
幸運にも彼のいる場所から近場にあり、餌場には持って来いだ。
その場所は――――


   ☆ ☆ ☆


稲田瑞穂。
タバサ。
千草貴子。

三村の関係者で今回名前が読み上げられたのは三人。
この数字が他者と比較して多いか少ないかは分からないが、四分の一が関係者であるといえば多く聞こえるだろう。
だが、三村の表情に変化はなかった。
タバサは目の前で死んだから、改めて名前を呼ばれても感じるものはない。
稲田や千草とは交流が薄く、前の世界で腐るほどクラスメイトの死を告げられていたため今更感慨は浮かんでこない。
強いて言うならば、千草の名前で一瞬だけ友人の顔を思い出しただけだった。

「宗の奴……死んだのか」

だが、志々雄は違った。
死亡者の名前を聞いた瞬間、会話中だったにも関わらず突然黙り込んでしまったのだ。
神妙な様相から察するに、呼ばれた名前の中に知り合いの名前があったのだろう。
傍若無人な志々雄が他者の死を悼む姿は、三村の目に意外なものとして映った。
479追う者、追われる者 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:07:18.94 ID:/n1L6IEA

「誰が死んだんだ?」
「あぁん? ……瀬田宗次郎って名前でな、俺の一番最初の部下だ」
「そいつは強かったのか?」
「ああ、俺の次くらいに強かったな」

志々雄の次に強い部下。
その存在を知り、三村は軽い嫉妬のようなものを覚えた。
かつては友人たちの間でもリーダー格だった彼だが、今は志々雄の配下に加われたことに満足している。
しかし、それはNo.2としてだ。
一番が志々雄で、二番が自分自身。
タバサが死亡したことで、自分がNo.2の座に収まったと思っていたのだ。

「だが、どれだけ強くても死んじまえば同じだ
 死んだあいつよりも、今は生きてるお前の方が使えるってこった
 おい三村、ちゃんと禁止エリアと死んだ奴の名前は写してあるだろうな?」
「もちろんだぜ、しっかりとメモってある」

有用性を認められ、三村の顔は思わず綻んでしまう。
しかし、それを素直に喜べない自分も否定できなかった。
何故なら瀬田宗次郎の死が告げられてから、志々雄がずっと浮かべていた薄ら笑いが一度も出てきていないのだから。


「ところで……これからどうするんだ?」

二回目の放送が終わってから五分ほど経過したところで、三村が唐突に口を開く。
教会を出てからしばらく歩いていたが、自分たちが何処に向かっているかふと気になったのだ。

「はん、決まってるじゃねぇか、あいつの息の根を止めに行くんだ」

あいつ――――教会で戦った後藤のことだろう。

「今のあいつは腕を斬られて弱ってる、狩るなら今だ」

教会の窓越しに見ていた二人の戦いは想像を絶するものだった。
変幻自在の四肢を操り、あらゆる場所から必殺の攻撃を繰り出してくる化物。
自分があれと戦えば、おそらく十秒と持たないだろう。
だが志々雄は笑みすら浮かべ、まるで余裕だという風に振舞っていた。

「だが、あいつが今何処にいるのか分かるのか?」

教会から出た直後は血痕があったが、途中からそれは消えていた。
何らかの方法で傷口を塞いだのだろう。

「三村、それを考えるのがお前の仕事だろ」

底冷えするような声で告げる志々雄。
目は獲物を定めた猛獣のように鋭く、実際に三村信史という犬の是非を品定めしている。
その視線に射抜かれ、三村は思わず竦んでしまった。
下手なことを言えば、タバサのように黒龍の餌にされるかもしれない。
とぐろを巻く黒龍の記憶を背後に感じながら、三村は必死に頭を回転させる。
480追う者、追われる者 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:09:36.33 ID:/n1L6IEA

「と言いたいところだが、もう目星はついている」

嘲るように三村の顔を覗き込みながら、志々雄はそう言い放った。

「は?」
「もうとっくにあいつの行き先なんざ見当がついてる、お前の意見を聞くまでもねぇ」

額に冷や汗を浮かべている三村。
志々雄は喉を鳴らしながら、心底楽しそうにその表情を眺めている。
からかわれた。
最初から後藤の行き先に見当がついていたにも関わらず、あえて三村に意見を求めたのだ。

「お、驚かすなよ……」
「くく、俺の部下張るならこのくらいは受け流してみやがれ」

三村の反応がそんなにも面白かったのか、志々雄は上機嫌だ。
当の本人である三村は、心臓が口から飛び出そうな気分であったが。

「そんな顔しなさんな、からかった詫びにあいつの行き先教えてやるからよ
 と言っても、少し考えればすぐ分かることだがな
 おい、地図を出せ」

志々雄の命令を聞き、三村はデイパックの中から地図を取り出す。
それを差し出すと、志々雄はぶっきら棒にそれを受け取る。

「俺たちが今いるのがここだ」

志々雄が指さした地点はG−7。
東西南北にそれぞれ施設が一つずつあり、それらの橋渡しになるような場所である。

「あいつは教会の入り口から飛び出していった、だから山の方には向かっていない
 そしてこの近くで怪我人が行く場所と言ったら……一つしかないだろ?」


   ☆ ☆ ☆


「「総合病院だ」」

志々雄真実と後藤の声が重なる。
奇しくも彼らが選んだ目的地は同じであった。
いや、これは当然の結果というべきだろう。
食物連鎖の頂点から転落した後藤は、生まれて初めて追う者から追われる者の立場になった。
故に逃げるという思考すら初めてであり、導き出した結論は直接的で拙い。
一方で志々雄は政府の暗殺者に追われた過去があり、強者でありながら追われる者の立場を体験している。
両方の立場に立ったことのある志々雄にとって、この結論に至ることはあまりにも容易かった。

既に四人の人物を殺害し、今もなお血を求めている後藤。
強力な武器を多数所有し、自身の戦闘能力も優れている志々雄。
参加者の中でもトップクラスの二人が、かつて戦場と化した総合病院に向かう。
そこに訪れるのは、厄災以外に有り得ない。
481追う者、追われる者 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:12:19.95 ID:/n1L6IEA

【一日目日中/ G−9 南】
【後藤@寄生獣】
[装備]無し
[支給品]支給品一式×3(食料以外)、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0〜1、カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿
    三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
[状態]疲労(大)、左腕(三木)欠損
[思考・行動]
0:総合病院に向かい、食料を補給する。
1:休養をとった後、志々雄真実を殺す。
2:強い奴とは戦いたい。
3:田村玲子が本物なら戦ってみたい。
[備考]
※参戦時期は市役所戦後。
※後藤は腕を振るう速度が若干、足を硬質化させて走った際の速度が大幅に制限されています。

【一日目日中/G−9 北】
【志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]:サバイバルナイフ@現実
[所持品]:支給品一式×2、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎、不明支給品0〜1、林檎×8@DEATH NOTE
     ヒノカグツチ@真・女神転生if...、鉄の棒@寄生獣
     マハブフストーン@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)
[状態]:各部に軽度の裂傷
[思考・行動]
0:総合病院に向かい、後藤を狩る。
1:自分の束ねる軍団を作り、ぶいつぅを倒す。
2:首輪を外せる者や戦力になる者等を捜し、自分の支配下に置く。
3:ロロの術の正体を探る。
4:気が向いたらガリア王国のジョゼフを持て成す。
[備考]
※首輪に盗聴器が仕掛けられている可能性を知りました。

【三村信史@バトルロワイアル(小説)】
[装備]:金属バット(現地調達)、マハブフストーン×3
[所持品]:支給品一式、確認済み支給品0〜2(武器ではない)、ノートパソコン
[状態]:左耳裂傷
[思考・行動]
1:このまま志々雄についていく。
2:主催のパソコンをハッキングするための準備をする。
3:ロロか緑色の髪の女に接触し、V.V.の情報を聞き出す。
4:今回のプログラムに関する情報を集め、志々雄の判断に従う。
5:志々雄に惹かれている事実を自覚している。
[備考]
※回線が生きていることを確認しました。



482 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 00:13:01.46 ID:/n1L6IEA
お先に失礼しました、以上で投下終了します。
誤字脱字などがありましたらご指摘お願いします。
483 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:13:37.04 ID:u9YuGTQZ
投下乙です。

アイゼル・ワイマール、ジェレミア・ゴットバルト、ストレイト・クーガー、柊つかさを投下します。
484消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:14:05.15 ID:u9YuGTQZ
 どれほど強さを手にしたら、何も傷付けず済むの?




 ジェレミア・ゴットバルトは改造人間であり、その左半身は機械化されている。
 またナイトギガフォートレスを操縦するパイロットとして調整を受け、機体の爆発にも耐え得る頑強さを持ち合わせていた。
 この二点によりエンドオブワールドの直撃を受けても火傷の範囲は狭く、命を繋ぐ結果となった。
 だが、それに何の意味があるだろう。

 如何なる時でも死ぬ覚悟ぐらいは出来ている。
 元より軍人なのだから今更惜しくはない。
 それなのに命を落とすのは護りたいと思っていた皇族であり、勇敢な戦士であり、聡明な仲間であり。
 マリアンヌも、クロヴィスも、ユーフェミアも、ルルーシュも、次元大介も、山田奈緒子も、死んでしまった。
 いつもジェレミアは残される側にいる。
 ただ己の不甲斐無さを思い知らされるばかりで、誰も守れない。

――代われるものなら、代わりたかった。

 ジェレミアには後悔がある。
 同行者達に対して単独行動を禁じておきながら、彼女らを置き去りにした。
 仇を討つ事ではなく味方を守る事を優先していれば、きっと今までと同じ喪失を繰り返さずに済んだ。
 また激情に駆られずに次元と連携を取り続けていれば、戦況はいずれ有利になっていただろう。
 どこかで異なる選択をしていれば、何かが変えられたかも知れない。
 それでも何も変えられず、何も守れず、手の中にあったものは指の隙間から零れ落ちて行く。

――あの炎に焼かれて死ぬのは、あの瓦礫の下敷きになって死ぬのは、私であるべきだったのに。



 意識が覚醒した時、ジェレミアは診療室のベッドに寝かされていた。
 朧げながらアイゼル・ワイマールに連れて来られた事は覚えている。
 恐らくそのまま眠ってしまっていたのだろう。
 反射的に体を起こして半身の痛みに呻く。
 だが本来ならば、そもそも体を起こせる状態ではなかったはず――それに気付いた時、声が掛かった。

「良かった、ちゃんと目が覚めて。
 傷はまだ痛みますか?」

 アイゼルはジェレミアが起きるのを待っていたようで、ベッドの隣の椅子に腰掛けていた。
「ごめんなさい、色々あって薬が足りないんです」
 彼女はジェレミアの問いを待たず、病院での戦闘の顛末を起点として現状の説明を行った。



(最初に謝った方がいいのかな。
 それともいきなり話を始めるより、世間話とか……?)
 ジェレミアと石川五ェ門の衝突の後、つかさはジェレミアに謝ると決めた。
 例え謝って済む問題でないとしても――悪い事をしたら謝る、それは当たり前の事だから。
 一度目の放送の前に死亡した姉の柊かがみに早く会いに行きたい、という思いは当然ある。
 けれどそれは彼への謝罪が済んでからだと自身を戒めた。

 そうしてつかさなりに色々と考えてみるものの、どう会話して良いものか分からない。
 アイゼルから錬金術を学んでいる間も悩み続けたのだが、どうにも纏まらなかった。
 見知った人々の安否が放送で確認されて無事に安堵するも、自分の問題は解決出来ていない。
(具合はどうですか? とか……怒られるかな)
 悩んで、悩んで、それでも分からず、結局つかさは調合を終えてからアイゼルに相談した。

「そう……謝りに、ね」
 事情を話すと、アイゼルは軽く腕を組んで考える様子を見せる。
485消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:14:41.29 ID:u9YuGTQZ
 危ないから駄目よ、早く北岡さん達の所に帰りなさい、等と言われたらどうしようかと心配していたがそれは杞憂だったようだ。
「言いたい事はあるんです……けど、どう言ったらいいのか分からなくて」
 調合に使った食器を片付けながら迷いを口にする。
 それに対するアイゼルの答えは厳しかった。
「それはあなたが自分で考えて、自分の言葉で伝えなければ意味がないわ。
 私には大した助言は出来ないわね」
 当然と言えば当然。
 これはつかさの問題であり、アイゼルが口出しして解決するものではないのだ。
 だが彼女は厳しいだけでなく、同じぐらい優しい事をつかさは知っている。

「その代わりあなたが必死に考えた言葉なら、きっとジェレミア卿にも伝わるわ」

 アイゼルに後押しされ、つかさは頷く。
 「ルルーシュを殺した」とジェレミアに告げた時は衝突を招いてしまった。
 けれど彼も、アイゼルや北岡達と同様に『いい人』だと思う。
 きっと聞いて貰える。
 話す事で、何かが変えられるかも知れない。
 この選択は決して間違っていないはずだと強く言い聞かせる。
 ルルーシュを撃ち、ただ泣いていた頃の自分とはもう違う。
 ほんの少しだけれど、強くなったはずだから――そう信じ、つかさは考え続けた。



 それが中断されたのは救護室へリフュールポットを運ぶ途中、外壁の崩れた通路から正門付近で動く影を見かけた時だ。
 つかさは初め浅倉が戻って来たのではと身構えたが、ふらつくそのシルエットが別人であるとすぐに分かった。
 その影が地面に倒れ込んだのを見て、慌ててアイゼルと共に駆け寄る。
 全てが終わった総合病院に来訪したのは、クーガー。
 速さを信条として己の成すべき事の為に駆け抜けて行った彼は、ここでその足を止めた。



 速く。速く。
 クーガーのその思いは常に変わらない。
 けれど対照的に前へと踏み出される足は重く、よたよたと不格好に歩くのがやっとだった。
 向かっているのは大規模な爆発が起きた総合病院、最悪の事態は既に起きている。
 だから一刻も早く速くと思うけれど、戦い続けてきた体が悲鳴を上げる。
 黒煙を上げる病院は遠く、病院へ辿り着くより先に放送の時刻となった。
 クーガーはそこで己の遅さを改めて思い知らされる。

――次元大介
――山田奈緒子

 かがみの友人達の名前が呼ばれなかった事に一瞬安堵した。
 だが病院で出会った者のうちの二人の名が呼ばれた事で、クーガーの離脱後に起きた事態の一部が窺い知れる。

 ゾルダのデッキを持った男が爆発を起こし、二人が命を落とした。
 細部の状況は分からないが、この認識で大きな間違いはないだろう。
 他の面々が無事だったのは上手く病院から逃げ切ったのか、あの男を撃退出来たのか。
 爆発が起きてから時間が経過して、事は既に収束している可能性もある。

 それでもクーガーは足を止めなかった。
 まだ病院にあの男が残っているようなら倒さなければならない。
 爆発の後に身動きが取れなくなり、助けを待っている者がいるかも知れない。

 クーガーには責任がある。
 かがみへの誓いの為に、戦闘を放棄してこなたを追った。
 あの場にいた次元や五ェ門といった者達の実力を信じていたと言えば聞こえはいい。
 けれど信頼すると言っても会って間もない者達。
 またゾルダの実力についても、一度撃退したナイトのそれと大きくは変わらないと聞いて甘く見ていた。
 かがみの妹であるつかさがいる病院を、離れるべきではなかったのだ。
486消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:15:06.57 ID:u9YuGTQZ
 クーガーが残っていれば、異なる選択をしていれば、何かが変えられたかも知れない。

(すみません、かがみさん……)
 病院を放置して向かった先ではこなたの説得に失敗し、南光太郎にも大きな勘違いをさせてしまったようだ。
 クーガーの選択がもたらした結果は散々だった。
 何もかもがもう遅い。
 かがみを救えなかった時と同じ、余りにスロウリィ。
 それでもクーガーは己の責任を果たす為に、心身共に打ちのめされながらも病院を目指した。

 やっとの思いで辿り着いた病院の正面玄関で目にしたのはエンドオブワールドによる惨状と、次元の遺体。
 そして前に進もうと足を踏み出した時、偶然通路につかさとアイゼルの姿を捉えた。
 大きな怪我をしている様子もない彼女らの姿を目にし、安堵したところでクーガーの視界は暗転した。


【一日目日中/G−8 総合病院】
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:葛西のサングラス@ひぐらしのなく頃に
[所持品]:基本支給品一式、不明支給品(確認済み)0〜1
[状態]:身体中に鈍い痛み、両脚に激痛、疲労(中)
[思考・行動]
0:気絶中。
1:こなたを正気に戻す。
2:かがみと詩音の知り合い(みなみ、レナ)を探す。
3:詩音が暴走した場合、最速で阻止する。
※総合病院にて情報交換をしました。



 アイゼルはつかさと二人掛かりでクーガーを診療室へ運び込んだ。
 そこで問題になったのはリフュールポットの数だ。
 放送前に六個調合し、ジェレミア一人を回復させるにはそれで十分だと踏んでいた。
 しかしクーガーが訪れた事で再考する必要が出てきた。
 二人の怪我は一様に重く、どちらにも複数のリフュールポットが要る。
 表面的にはジェレミアの方が重傷だったが、クーガーの方は内面に何か問題があるらしい。
 それにこの場にはいないが五ェ門も傷を負っている。
 彼と合流した時、或いは不測の事態の時に備えて余らせておくべきだろう。
 よって、使えるリフュールポットは一人につき二つだけ。

 更に計算違いだったのは、リフュールポットの回復力がアイゼルの想定したよりも少々低かった事だ。
 原因として考えられたのは材料として用いた薬品そのものの質の低さ。
 病院にあった有用な薬品はクーガーと詩音が回収し、参加者同士で分配した。
 その為アイゼルは病院内に残っていた薬で錬成を行ったのだが、どうやらそれが品質を下げてしまったらしい。
 ポットを二つずつ使用してもジェレミアは完治に至らず、クーガーの状態も相変わらず芳しくない。
 アイゼルはクーガーから分配された薬品や包帯でジェレミアの手当を行い、同時に再度の調合を画策する。
 この場にいる全員の薬品を集めれば、今度こそ高品質のリフュールポットを作れるかも知れない。

 しかし調合を後回しにし、アイゼルはジェレミアの隣に腰掛ける。
 琥珀湯を使ったので彼が混乱や錯乱を起こす事はないだろう。
 それでもルルーシュや奈緒子を失ったという事実は当然消えずに残っている。
 誰かが傍にいて支えなければならない。
 それは「協力を惜しまない」と約束した自分の義務だと思えた。

「アイゼルさん、これ……本当にいいんですか?」
 つかさの声に振り向くと、彼女の手には二個のリフュールポットがあった。
 恐らく五ェ門に使う事になるだろうと渡しておいたものだ。
「いいのよ、五ェ門さんには私も助けて貰ったし。
 あなただって調合を手伝ったんだから、それを持つ資格はあるわ」
 つかさはアイゼルの言葉に従ってポットをデイパックにしまったが、それでも何か言いたげな表情だった。
「……負い目はあるでしょうけど仕方ないわ。
 それより、誰か来ないか見ていてくれるかしら?」
487創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:15:31.09 ID:/n1L6IEA
支援
488消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:15:37.45 ID:u9YuGTQZ
「は、はい!」
 パタパタとつかさが給湯室を出て行くのを見送る。
 やる事があれば悩みも少しは紛れるだろう。
 そんな思惑もあって頼んだのだが、どちらにせよ危険人物でも味方でも接近が分かった方がいい。

 しかしそれらとは別に、アイゼルにはつかさを遠ざけたい理由がある。
 大きく溜息を吐いて肩の力を抜き、両手で顔を覆った。

 殺し合いに放り込まれて半日、大きな怪我はなくとも精神的な疲労は大きい。
 そして、奈緒子の死。
 人間の遺体を見たのは初めてで、暫くは実感が湧かなかった。
 ジェレミアの事もあって満足に悲しむ時間もなかった。
 けれど時間が経ち、放送を聞き、次第に彼女の死が現実味を帯びて心を蝕む。

 三人で過ごした車内は楽しかった。
 時間は短くても、学院でエルフィール達と一緒にいた頃を思い出した。
 けれど奈緒子はもういない。
 ジェレミアとも、もう談笑するような事はないだろう。
 幸せな時間が失われるのは一瞬だった。

 最初の放送で、大勢の参加者が命を落としている事は知っていた。
 ルルーシュを失ったジェレミアの悲嘆も知っていた。
 それでも親しい人との突然の離別の意味を、こうして直面するまで理解出来ていなかった。

 アイゼルには失敗がある。
 日本刀を持って駆け付けた戦場で、出来る事はあった。
 浅倉を倒す事は不可能でも、ロートブリッツやシュラオプストックは目くらまし程度にはなっただろう。
 危険を冒してでもジェレミアに刀を渡すべきだったし、逆上して冷静さを失った彼を諫めるべきだった。
 或いは初めから戦いを諦めて奈緒子や詩音と共に上の階で待機していれば、奈緒子が命を落とす事はなかったはずだ。
 何か違う選択をしていれば、何かを変えられたかも知れない。
 白髪の男との接触を初めとして、時間の経過と共に後悔が降り積もる。
 最初の放送の後にも後悔をしたはずなのに、何も学べていなかった自分の甘さを思い知った。

 それでも年下の少女であり錬金術を学ぶ弟子でもあるつかさの前では、アイゼルは大人でなければならない。
 弱さなど見せられない。
 その強がりが限界だったから彼女を遠ざけたのだ。
 顔を隠す手の中で、アイゼルは声を殺して嗚咽を漏らす。
 ジェレミアが目を覚ますその時までだけでも、弱さを許されたかった。



 アイゼルは知る限りの事、そして放送の内容を全て話し、ジェレミアはそれを静かに聞いていた。
 話し終えると彼は「石川と次元に感謝せねばならないな」と独り言のように言う。
「貴女が無事で良かった」
 その一言の裏側には奈緒子の存在が見えて、アイゼルは苦しくなった。
 対する彼は落ち着いた様子で、けれどルルーシュを失った時よりも一層暗い影を落としている。
 悲しみや、怒りや、後悔や、あらゆる感情の混ざった表情は、逆に何も残っていないように空っぽに見えた。

 互いに暫し沈黙した後、ジェレミアはベッドから離れようとする。
 アイゼルはまだ休養が必要だと制すが、彼は首を横に振った。
「次元と奈緒子を、あのままにしておく訳にはいくまい」
 淡々とした、何の感情も籠もらない声。
 浅倉と戦う彼を目にした時のような胸騒ぎがした。
 だがアイゼルにはその正体が何なのか分からず、制止しようとした手が止まってしまう。
 にも関わらずジェレミアは足を止め、不思議に思ったアイゼルは彼の視線を追った。

「あ、あの、……」

 様子を見に来たのであろうつかさが、ドアをほんの少しだけ開けて覗いていた。
489消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:16:06.86 ID:u9YuGTQZ


 「私が殺しました」とつかさが告げた時。
 忠義と情で悩み抜いた挙げ句、ジェレミアはそのどちらも選べなかった。
 もし忠義を選び本気でつかさを殺そうとしていれば、クーガーが初めから介入して問題は早期に解決していただろう。
 情を選んでいたならば、そもそも五ェ門と衝突する事はなかった。
 そのどちらかであったなら、総合病院を訪れた二人のライダー達の各個撃破も可能だったかも知れない。

 後悔は幾つもある。
 けれどそもそもの間違いは、ここにあったのかも知れない。

 ドアを開けて恐る恐る近付いて来るつかさを見ながらジェレミアは己に嫌悪感を抱いた。
 選べなかった結果多くを失ったというのに、未だ迷っている。
 自分はこれから優先すべき事は何なのか。
 だがつかさが何を話そうとしているのか、何を言う為にここにいるのか、察しは付いている。
 だからこそつかさが言いあぐねているうちに、ジェレミアから先に切り出した。

「身勝手は承知している。しかし――」

 最初の対話の機会を自ら断ち切ってしまった。
 それをやり直せるというのなら。

「事の経緯を、教えて欲しい」

――知っている事なら何でも良いのだ!
――あの方に何があったのか、その手掛かりだけでも……!!

 未だに答えが出せない中で、ジェレミアは原点の問いに立ち返る。



 つかさは目を覚ましたジェレミアの様子を扉の合間から見、ホッと胸を撫で下ろした。
 しかし安心している場合ではないと慌てて気持ちを入れ替える。
 扉を後ろ手に閉めて進み、彼と向き直った。
 いざ本人を目の前にすると決意したはずなのにたじろいでしまう。
 何か言わなきゃと焦るが「えーとえーと」としどろもどろな言葉が出るばかりで会話にならない。
 そうしているうちに、彼の方から尋ねられた。
(経緯……そうだ、まずはそこから話さなきゃ)
 一度に色々な事が起きて有耶無耶になってしまったので忘れていた。
 ジェレミアに伝える事が出来たのはルルーシュを殺害したという結果と、その際の最期の言葉のみ。
 何があったのか、何故そうなったのか、それを話さずに謝っても意味が無い。
 段取りの悪さで怒らせてしまっただろうかと彼の顔色を窺ってみるが苛立ちは見られなかった。
 アイゼルの方にもチラリと視線を遣ると、力強く頷かれる。

 伝わる、大丈夫。
 つかさは深呼吸して落ち着きを取り戻す。
 なるべく詳細に、ルルーシュと出会ったところから。
 一時的にパニックになっていたせいか記憶がはっきりしない部分も多々あったが、話せる限りの事を話し始めた。



 「やはり」と言えばやはり。
 蓋を開けてみればルルーシュの死の原因はギアスの過信と使い方のミス、近くに浅倉がいた不運。
 死因を作ったのが浅倉とつかさとは言え、ほとんど事故のようなものだった。
 聞く前から分かっていた事ではある。

「……ごめんなさい」

 消え入るような声でつかさが言う。
 ジェレミアはかつて枢木スザクに謝罪に行くか否かで、特派の二人とヴィレッタに散々手を焼かせた自分の姿を思い起こした。
490消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:16:31.96 ID:u9YuGTQZ
 恥や外聞ばかりを気に掛けた臆病な自分――思えば下らない。
 そこで躊躇したばかりに、スザクに伝えるべき言葉を伝え損なった。
 この殺し合いに互いに参加させられている現状を考えれば、もう彼に伝える機会は訪れないかも知れない。
 それに比べてつかさは。
 一回りも年齢が違う、しかも既に一度対話に失敗した相手とこうして向き合う為に、どれだけの勇気を振り絞ったのだろう。
 名誉だの誇りだのと理由を付けて逃げていたかつての自分よりも、ずっと勇敢だと思えた。

「あの時、凄く……自分でも良く分からないぐらい冷静で……。
 人が死んだら、もう取り返しが付かないんだって……そんな当たり前の事も分からなくなって……」

――どうして彼女を憎めるだろう。

 つかさはただそこにいて、ギアスの悲劇に巻き込まれただけだ。
 ルルーシュがギアスを憎むきっかけとなった、シャーリー・フェネットと同じ不幸。
 それまでつかさはただ友人や姉と日常を楽しんでいて、銃など見た事もない一般人だった。
 それがどうして、こんな罪を背負わねばなかったのか。

「許して貰える事じゃないのは、分かるんです……でも、それでも謝らなきゃって……」

 つかさやその友人達は、奈緒子は、アイゼルは、ジェレミアやルルーシュや次元達とは違う。
 撃つ覚悟も撃たれる覚悟もない人々だったのに。

――V.V.……何故、彼女達を連れて来た?

「だから……ごめんなさい」

 深々と頭を下げるつかさを見ながら、暫く言葉が出なかった。
 主君を殺害した張本人を憎む事が出来ない己の不忠に呆れながら、それでも彼女の謝罪に応える。

「君の言う通り、私は君を許さない」

 頭を下げたままのつかさの肩がビクリと揺れた。
 「許す」と言ってしまえば不忠を認める事になる。
 しかし彼女がここに立つ勇気を無碍に出来るはずがなく、ジェレミアは躊躇いながら続く言葉を口にした。

「だがルルーシュ様は、君を恨んではおられないだろう」

 つかさはゆっくりと顔を上げた。
 聴こえた言葉が聞き間違いでないか確かめるように幾度か瞬きする。
 やがて彼女の大きな眼からポロポロと涙が落ちた。
 袖で拭って留めようとしていたが、緊張の糸が切れたのか涙は止まらずに零れ続ける。

 憎んでなどいない。
 だが許す訳にはいかない。
 ジェレミアは相反する思いを伝える術を持たず、この場にふさわしい言葉も見付けられず。
 最後まで忠義と情のどちらも選べないまま、会話は途切れた。



 ジェレミアは奈緒子の遺体を両腕で持ち上げた。
 自身の服がべたりと赤黒く染まったが、構わずに歩き出す。
 最初の放送の前にも彼女をこうして抱き上げた事があった。
 その時よりも重く感じる理由は、ジェレミアの身体が万全な状態でないからというだけではないだろう。

 感情に任せて暴走するという一年前と同じ失態を犯し、その結果次元と奈緒子は死んだ。
 守れなかった――違う、殺してしまったのだ。
 命令とあらば民間人の命とて奪ってきたが、それとはまるで違う。
 自分のミスが仲間を殺した。
 それは軍の指揮官としては往々にして負わねばならない責任だが、余りに重い。
 傷付いた腕にその重みがズシリと掛かる。
491消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:16:57.01 ID:u9YuGTQZ

 奈緒子と出会ったばかりの頃は、互いにいざという時は見捨てるという事で同意した。
 事実、ルルーシュと無事に合流を果たせればすぐにでも別れるつもりでいた。
 その後数時間、行動を共にしただけの関係だ。
 それなのに胸に去来する虚無感は拭えない。

 瓦礫の下敷きになりながら助けを求めたかも知れない。
 しかしその声は誰にも届かず、奈緒子は一人で死んでいった。
 多くの皇族が手の届かない所で命を落とした事を嘆いていたのに――手の届く場所にいた彼女の所へ、駆け付けてやれなかった。
 悔いが棘のように胸に残る。

 つかさとアイゼルが探し出した地下への階段を通り、霊安室へ入る。
 つかさは姉と再会し、一度は収まった涙をまた落としていた。
 ジェレミアはその様子を横目に奈緒子をストレッチャーに寝かせ、霊安室を出る。

 そこから向かった正門の近くに次元は横たわっていた。
 その焼かれた肌を見ながら彼の帽子を拾い、奈緒子の時と同様に運ぶ。

 この手で殺したも同然だった。
 死を看取ってやる事すら出来なかった。
 だが次元が最期にアイゼル達を守ってくれたからこそ、ジェレミアは未だこうして立っていられる。
 正気を失わずに、まだ前を見ていられる。

 辿り着いた霊安室で彼を横たわらせる。
 そしてその胸の上に彼のトレードマークだった帽子を乗せ、後悔と感謝の念を抱きながら黙祷を捧げた。



(お姉ちゃん、私、ちょっとだけ強くなったよ。
 たくさん間違えて、失敗して、色んな人に迷惑を掛けちゃったけど……。
 優しい人達が一緒だから、大丈夫)

 かがみの死に様はクーガーから聞かされて、既に知っていた事ではある。
 最初の放送の後も彼女の為に泣いた。
 それでも生まれた時からずっと一緒に育ってきた双子の姉――妹の死は悲しい。

 奈緒子と次元の遺体が運び込まれると、つかさはジェレミア達と共に黙祷を捧げた。
 誰よりも近しかったかがみ、助けてくれた次元、いい人だった奈緒子、そしてここにはいないがルルーシュ。
 皆、死んでしまった。
 つかさは大粒の涙を落としながら、北岡と五ェ門の姿を思い出す。
 もう失いたくない、役に立ちたい。
 誰も傷付けずに済むだけの強さが欲しい。
 その為に錬金術だって習ったのだ。
 喪失の悲しみと共に、つかさは前を見据える。

(お家に帰ったら、きっと伝えるね。
 お父さんやお母さんやお姉ちゃん達に……お姉ちゃんも、一生懸命戦ったんだって)

 別れの言葉と共に霊安室を去る。
 その際にジェレミアからデイパックを差し出された。
 かがみの遺体の横に安置されていたものだ。
「君が持っていた方がいいだろう」
 突然の事だったのでつかさは目をパチクリさせていたのだが、そのうちに彼の意図が分かる。
 「ありがとうございます」と、受け取ったかがみのデイパックを抱き締めた。



 つかさとジェレミアに作法を聞きながら、アイゼルは次元と奈緒子、それにかがみに黙祷を捧げた。
 暫し蝋燭の炎と線香から上がる煙を眺め、目元を袖で拭う。
 奈緒子達の死が悲しい。
492創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:17:04.14 ID:/n1L6IEA
支援
493消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:17:38.04 ID:u9YuGTQZ
 しかしそれ以上に人の死が怖い――死ぬのが怖い。
 そう感じてしまう自分を情けなく思う。
 アイゼルは自分が震えている事に気付き、腕に爪を立ててそれを押さえ付けた。
 奈緒子を失った今、ジェレミアは自分が支えなければならないのだから。

 その為霊安室にいる間、ジェレミアの様子が気懸かりだった。
 涙脆い人物だと思っていたのだが、彼が奈緒子達の遺体の前で涙を見せる事はなかった。
 既に奈緒子の為に泣き、つかさと話し合った事で気持ちの整理が付いたのか。
 軍人という職業柄、人の死に慣れて悲しくなくなったのか。
 アイゼルは彼の様子にどこか違和感を覚えるも、追求出来るような事ではない。
 ただ言いようのない不安を募らせた。

 黙祷を終え、三人で順に霊安室を出る。
 その際アイゼルはデイパックからソレを取り出し、奈緒子の遺体の横に安置した。
 そして階段を上がりながら前を歩く二人に声を掛け、今後について話し合う。

 大きな爆発が発生した以上、この場所には危険人物が集まってくる可能性がある。
 しかし気を失ったままのクーガーを置いて行く事は出来ず、アイゼルとジェレミアはこの施設に留まらざるを得ない。
 大柄なクーガーを移動させるにはジェレミアが背負わねばならないが、そうなると戦える者がいなくなってしまうからだ。
 北岡達を呼んで手伝わせるという線もあったが、彼らにはデッキを取り返すという目的がある。
「つかささん、貴女は北岡さん達の所に帰りなさい。
 今頃きっと心配しているだろうし……貴女まで危ない所に留まる必要はないわ」
 アイゼルが言うと、つかさは暫し唸りながら悩む。
 そして彼女はアイゼルの申し出をきっぱりと断った。

「またリフュールポットを作るんですよね?
 それを、手伝わせて欲しいんです」

 アイゼルは困ったような表情を浮かべ、やがて「駄目よ」と首を横に振った。
 つかさが言わんとしている事は分かる。
 調合の間に話をしていて北岡達の役に立とうとしている事は伝わってきたし、力不足を何とかしたがっている事も知っている。
 それでもつかさの身を危険に晒す事は、大人として認められない。
「お願いします!」
「駄目よ、危ないって言ったでしょ?」
「お願いします!」
「駄目」
「お願いします!」
「…………仕方ないわね」
 かと言って真摯に頼み込む彼女の願いをそれ以上撥ね付ける事は出来ず、アイゼルは了承してしまったのだった。
 給湯室へ向かって駆けていったつかさの背は瞬く間に小さくなっていった。



 錬金術を教わったと言っても基礎の基礎で、これだけではまだ北岡達の役には立てない。
 それにつかさが戻らなければ彼らの方から迎えに来る約束をしたので、ここに留まっても合流出来なくなる心配はない。
 だからつかさはアイゼルに食い下がった。
 アイゼルの言い分が安全を思っての事だと分かっているだけに申し訳なくなるが、北岡達の為にも引き下がれないのだ。
 そしてアイゼルから了承を得ると安堵し、つかさは時間を僅かでも無駄にすまいと走る。

(……これで、良かったのかな)

 ジェレミアに謝るという目的は達成出来た。
 しかしそれで責められた訳でも和解出来た訳でもなく、何も変わっていないように見える。
 ただ、無駄ではなかっただろうと思えた。

――ルルーシュ様は、君を恨んではおられないだろう。

 ルルーシュ本人が本当にそう思っているかは分からないし、ジェレミア自身ははっきりと「許さない」と言った。
 だが嬉しかった。
 アイゼルが言った通りつかさの気持ちは伝わったのだ。
494消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:18:03.52 ID:u9YuGTQZ
 だから無駄ではない。
 それにジェレミアと話が出来たというだけでも、つかさにとっては大きな前進だった。

(もっと、しっかりしなきゃ)

 これで満足していてはいけない。
 まだこの会場の中だけでも、C.C.やロロ・ランペルージといったルルーシュと親しかった者達がいる。
 つかさは彼らに謝罪し続けなければならない――それこそ、一生。
 それが分かっているから、つかさは必死に走る。
 運動が苦手な上に足を怪我しているので大した速度ではないが、それでも前へ前へと進み続けている。
 優しい人達に出会った。
 いつだって支えられていて、気遣われている。
 だから次はつかさが誰かを支えて気遣う番で、今のつかさに出来るのはそれだけなのだ。

 かがみとの別れは辛い。
 走って進めばそれだけ彼女から遠ざかってしまう。
 それでも待っていてくれる人達がいるから、つかさは立ち止まらない。


【一日目日中/G−8 総合病院】
【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ三つ)、眠りの鐘@ゼロの使い魔、確認済み支給品(0〜2) 、フラム(1個)、レシピ『錬金術メモ』、
    陵桜学園の制服、かがみの下着、リフュールポット×2
[状態]軽症、左足首にねんざ(固定済み) 、疲労(中)
[思考・行動]
1:アイゼルを手伝う。
2:錬金術でみんなに協力したい。
3:もっと錬金術で色々できるようになりたい。
4:みなみに会いたい、こなたは……
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。
 他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。



 ジェレミアは黙祷を捧げるアイゼルとつかさを横目に溜め息を吐いた。
 奈緒子達の死体を前にしても涙は不思議と出ず、己の薄情さに驚く。
 そして彼女達が死者に思いを馳せる間、己の内を見詰める。

 つかさとの再度の接触で分かった事がある。
 彼女とルルーシュのスタート地点は山小屋で、話を総合すれば死亡したのはC−6。
 二度目の放送で禁止エリアに指定された区画だ。
 これでジェレミアがルルーシュの亡骸を回収する事は出来なくなった。
 つかさから情報を得る直前に宣告された禁止エリア。
 このタイミングの良さはV.V.が参加者の会話や動向を全て把握している証拠だろう。
 だが今は、主催側の技術や思惑を考察していられる程の余裕はない。
 分かったのはV.V.の事ではなく――自分が知らずに抱いていた感情。

 ナナリー・ヴィ・ブリタニア――主の妹のもとへ、彼とその最期の言葉を届けるつもりでいた。
 だが認めるべきだ。
 元より社会的に死亡した人間が、皇女かつエリア11の総督たる彼女に会える訳がない。
 それでも彼女に会う事を目的としていたのは、ただ生きる理由を求めていた故に過ぎない。

 主や仲間を守る事も出来ず、主の最後の心残りを解消する事も出来ず。
 微々たる事しか出来ないなら、これから取るべき指針は単純たるべきだ。
 V.V.を殺す。
 浅倉を殺す。
 ルルーシュが命を落としたこの地に骨を埋める。
 感情に振り回されて多くを失ったのならば、感情など捨ててしまえばいい。
495消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:18:35.54 ID:u9YuGTQZ
 多情は捨て、ただそれだけの為に生きる機械になればいい。
――そう割り切れたなら、きっと楽だっただろう。

 主への忠義を優先するならば、それは即ち浅倉やV.V.を殺すまでジェレミアは死ねないという事だ。
 周りの人間の安全よりも自身の命を守らねばならない。
 忠義以外の多情を捨てる事は、彼らを見捨てるのと同義である。

 それでも、それが出来ない事をジェレミアは自覚していた。
 奈緒子に「いざとなれば見捨てる」と言いながら結局出来なかったように。
 周りにいる者達――例え数時間の付き合いの間柄であっても、仲間に変わりはない。
 何もかもと手を伸ばしたところで弱い自分には守れないと思い知った今も、どうか彼らに日常に帰って欲しいと願ってしまう。
 彼らを切り捨てる事は出来ない、自分の性分を理解している。

 しかし、切り捨てられないのはそんな綺麗事の為だけではない。

 ジェレミアはルルーシュの『代わり』を、他の誰かに求めている。
 ルルーシュとてマリアンヌの『代わり』と見た事はないとどうして言い切れるだろう。
 忠義と呼べば聞こえはいい、しかしそれは言い換えれば他者への依存に他ならない。
 祖国の為に、家名の為に、ブリタニア皇族の為に、ルルーシュの為に。
 自分の為に生きる事も自分の為に剣を振るう事も出来ず、いつも国や家や皇族や個人に縋って来た。
 己の内に秘めるべき『忠義』をわざわざ口癖のように言うのも、それによって自分の立つ場所を定義する為だ。
 縋る対象への確固たる思いが揺らげば、自分自身さえ見失うからだ。
 国や皇族に依存してきたように、常に守る対象がなければ自己を確立出来ない。
 その弱さ故に、今もアイゼル達を守ろうとしている。
 他者を見捨てる見捨てない以前に、ジェレミアの方こそが他者に縋っているのだ。
 暴力の為に暴力を振るう浅倉とは違う――何かに頼る、弱い男。

 そして何より。
 今はただ、失う事が怖い。

 これまでに地位と名誉と半身を失い、主を失い、仲間を失った。
 これ以上守れずにこの手から取り零してしまう事が怖い。
 失う事で己の無力を突き付けられる事が怖い。
 一人残される事が怖い、喪失感を味わう事が怖い。
 騎士としても、貴族としても、軍人としても、恐怖を抱く事は恥ずべき事だと知りながら払拭出来なかった。
 その事を、つかさとの会話で思い知った。

 復讐と自分の弱さを見据えながら。
 それでもこれ以上何も失うまいと、胸の内の怯えを隠すようにジェレミアは拳を握り締めた。

 何も守れはしなかった。
 だからこの先も何も守れないだろうと悲観し、悲嘆に暮れたくなる。
 だが己の進むべき道を見失った事は一度や二度ではない――そして一度も諦めなかったからこそルルーシュとの再会は叶った。
 例えほんの僅かな期間に過ぎなくとも、確かにジェレミアは彼の臣下だった。
 その結果は紛れもなく自身の諦めの悪さによって得られたものであり、その事を誇りに思っている。
 どんなに多くのものを失っても、この誇りを手放しはしない。
 この先も何かを守る事を、諦めない。



 つかさから一歩遅れて給湯室へ向かう中、ジェレミアの前を進んでいたアイゼルがふと振り返った。

「ここから帰る事が出来たら、ジェレミア卿はどうされますか?」

 核心を突くようなアイゼルの問いにジェレミアは肝を冷やした。
 しかしアイゼルにそのつもりはなかったようで、彼女は返事を待たずに続ける。
「私は、昔の友達に会いに行きます。
 ……今は難しいかも知れませんけど……先の事を考えるのも、大事だと思いますよ」
 彼女は戦争とも殺し合いとも縁なく生きてきた。
 死者の後を追うなどと想像した事もないのかも知れない。
496創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:19:00.39 ID:/n1L6IEA
支援
497消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:19:47.99 ID:u9YuGTQZ
「……そうだな。検討しておこう」
 彼女の心遣いに対して真っ直ぐに応えられない事が、ただ申し訳なかった。



 今のままでは浅倉に勝てないだろう。
 そして会場には他にも、クーガーが接触した後藤のような強力な敵がいる。
 何らかの対策が必要だ。
 普段のアイゼルならば勝てない敵には経験値を貯めてレベルを上げる事を考える。
 しかし今は装備を揃え、万全な態勢で望むぐらいしか対策はない。
 その為には錬金術の存在は必要不可欠で、むしろ錬金術士の腕の見せ所。
 だからアイゼルは弱気になりそうな自分を奮い立たせ、普段よりも早足に、ジェレミアに先行する形で進んでいた。
 しかし会話が途切れて暫し経ってから、彼が付いて来ていない事に気付いて後方の様子を窺う。

「ジェレミア卿?」
「……ああ、今行く」

 ジェレミアは振り返って霊安室の方を見詰めていた。
 アイゼルはその表情を見て、これまでに感じていた不安の根幹に気付く。

 何か大切な感情が抜け落ちてしまったかのような。
 何か大切な感情が壊れてしまったかのような。
 恐らく、本人も無自覚のうちに。
 それだけ悲しい出来事だったから。
 それだけ悔しい出来事だったから。

――霊安室で泣かなかったのは気持ちに区切りが付いたからでも、まして悲しくないからでもない。

 ジェレミアが霊安室から目を離して歩き出す。
 追い抜かれてしまいそうになり、アイゼルも歩みを再開した。
「どうかしたのか?」
「い……いいえ、大丈夫です」
 何度も彼の方を振り返っていたので訝られ、アイゼルは慌てて視線を前へ戻す。
「向こうに着き次第、話しておきたい事がある」
「分かりました」
 彼に顔を見られないようにしながら答えるが、堪えていた涙が一筋落ちた。

――きっと、この人はもう。


――涙を枯らしてしまったのだろう。

498消せない罪 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:20:41.32 ID:u9YuGTQZ
【一日目日中/G−8 総合病院】
【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ】
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、無限刃@るろうに剣心、不明支給品(0〜2)、琥珀湯×1、フラム(2個)、薬材料(買い物袋一つ分程度)
     エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、メタルゲラスの装甲板、メタルゲラスの角と爪
[状態]:軽傷、疲労(中)
[思考・行動]
1:ジェレミア達と一緒に脱出。
2:ジェレミアに協力を惜しまない。
3:より高度な作業が行える機材が設置されている施設を探す。
4:次に白髪の男(雪代縁)に会うことがあったら見逃さない。
5:つかさに錬金術を教える。
[備考]
※自分たちが連れてこられた技術にヘルミーナから聞かされた竜の砂時計と同種のものが使われていると考えています。
※電気や電化製品について一定の理解を得たことで、より迅速に錬金術を行えることに気づきました。
※病院にて情報交換をしました。
※クーガーと分配した医薬品の一部(包帯など)を使用しました。
※ウニは海の生き物なので、アイゼルのデイパック内で死亡しました。奈緒子の隣に安置されています。

【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]なし
[所持品]支給品一式(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×3@コードギアス 反逆のルルーシュ、こなたのスク水@らき☆すた、
    ミニクーパー@ルパン三世
[状態]右半身に中ダメージ、疲労(中)、精神磨耗、左腕の剣が折られたため使用不能、失う事への恐怖
[思考・行動]
1:浅倉とV.V.を殺す。
2:アイゼル達を元の世界に帰還させる。
3:全て終えてからルルーシュの後を追う。
4:給湯室でアイゼル達にギアスとコードについて説明する。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。




投下終了です。御支援ありがとうございます。
誤字脱字、問題点等ございましたら御指摘戴ければ幸いです。
499 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:23:10.40 ID:u9YuGTQZ
上田次郎、由侘かなみ、L、南光太郎、泉こなた、枢木スザク、カズマ、蒼星石、桐山和雄を投下します。
500創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:24:21.09 ID:/n1L6IEA
なん……だと……?
支援
501 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:25:08.32 ID:u9YuGTQZ
 放送を聞いて、上田次郎は愕然としていた。

――山田奈緒子

 何か忘れているような気がしたのはこの事かと、山田の存在を今更のように思い出す。
 そして同時に彼女が死んだという事実に打ちのめされた。
 腐れ縁に近い、上田が事件解決の依頼を受けた際に随行させるには便利な女。
 最近は麦とホップのCMで活躍中。
 紅白の司会はもうやらないのか?
 その程度の認識だったはずなのに、握った拳がわなわなと震えた。

「山田……」

 一言漏らし、黙り込む。
 同行している由たかなみ、L、南光太郎、泉こなたは今回の放送で失った知り合いはいないようで、上田の様子を見守っていた。

 やたら食う、緊張感に欠ける、手が掛かる、やかましい、貧乳。
 思い返すと悪口しか出てこなかった。
 恐らく向こうが同じ立場であったとしても、同様に上田に対して悪口ばかりを思い付く事だろう。
 そんな取る足らない喪失だったので、上田は再び彼女の事を忘れる事にした。

――私は、君の事が、す……

 本当に忘れられるかはともかくとして、上田は自分の命の関わる目の前の問題へ意識を移すのだった。
「大丈夫ですか、上田さん?」
「おぅふっ!!」
 Lが上田の顔をかなり近い距離まで踏み込んで覗き込み、上田は飛び上がる。
「だ、大丈夫も何も、私は初めから何の問題もない」
「そうでしたか? ……では、話の続きを伺います。
 東條悟君とミハエル・ギャレット君が北条沙都子ちゃんを殺害した、その後の事です」
「そうだったな……その……」

 一行は警察署を目指しながら情報交換を行っていた。
 合流した直後は急を要すとしてカズマの部分だけ掻い摘んで説明したが、その前の出来事についてはまだだったのだ。
 怪我をして体力を消耗しているかなみは上田の背に負われ、ゆっくりしたペースでの移動。
 上田としては光太郎に代わって貰いたかったのだが、他の参加者との接触の可能性が高い市街地で彼の手が塞がるのは危険だ。
 そうLに説得され、渋々かなみを負う役を担っている。
 話の途中で放送の時間となったので説明も歩行も中断していたが、ここで再開した。
 そして上田は光太郎の方をチラリと見て、言いづらそうにしながら続ける。

「シャドームーンという――」
「信彦!?」

 光太郎君が変身した時の姿に似た男が、と続けようとした上田の言を遮って、光太郎が声を上げる。
 「信彦に会ったんですか!?」と身を乗り出す光太郎に、『信彦』という名に心当たりのない上田は狼狽してしまう。
「落ち着いて下さい光太郎さん、順番です」
 Lの冷静な声に光太郎が下がり、上田は気を取り直した。

 シャドームーンと出会って目にした出来事の顛末を話すと、話はカズマと笑顔の少年の話へ繋がる。
 上田が経験した事を一通り喋り終えると、光太郎は苦虫を噛み潰したような険しい表情をしていた。

「上田さん、信彦――シャドームーンに会ったのは公園なんですね?」
「あ、ああ」
 気圧されるが、幾ら上田と言えどここまでくれば信彦とシャドームーンが同一人物であり、光太郎の知り合いだと分かる。
 光太郎にどんな言葉を掛けようかと悩む上田を余所に、Lは相変わらずの落ち着いた声色で言う。
「光太郎さん、彼らが公園にいたのは一度目の放送の前です。
 今から行っても接触出来ないでしょうし、この場は――」
「はい……分かってます」

 上田やかなみ、こなたという非戦闘員がいる場を離れる事の危険性は、光太郎も承知しているらしい。
502創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:25:28.08 ID:/n1L6IEA
支援
503 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:25:41.88 ID:u9YuGTQZ
 Lの戦闘力は未知数だが、自分を守ってくれる人は多い方がいい。
 光太郎がいなくならないと分かると上田もホッとした。

 しかし上田の視界の端に、光太郎以外にも表情を険しくしている人物がもう一人いた。
「……」
 こなたは東を見詰めている。
 その視線の先には黒煙が上がっていた。



 こなたの焦りは増すばかりだった。
 後藤を倒す為に他の参加者を教会に向かわせるという目的を掲げていたものの、Lはまるで取り合わない。
 こなたにはただ後藤を倒すだけでなく「他の参加者を弱らせる」という目論見もある為、光太郎には教会に向かって貰わなければ困る。
 彼は味方としては心強いが、いずれは殺さねばならないからだ。
 後藤がいつまでも教会に留まっているとは限らない中、こなたは何とかLと光太郎の関係を壊せないものかと必死に考える。

 そんな矢先に起きたのが、教会方面の炎上――放送前の事だ。
 家屋に遮られてどこが燃えているのかは判然としないが、この方角には教会以外の施設はない。
 誰かに後藤討伐の先を越されたのか。
 それとも後藤は最終形態になると火を吐けるようになるのか。
 それも充分にあり得る、大魔王なのだからあの炎はメラゾーマではなくメラなのかも知れない。

 もし後藤が倒されたとすれば、光太郎を倒す手段が限られてしまう。
 放送前のように光太郎とストレイト・クーガーを衝突させる方向で動くべきか。
 計画の変更を考え始めたが、放送によって後藤の生存が確認出来たので杞憂だった。
(まぁ、ラスボスが主人公の知らないところで倒されちゃうわけないよね。
 NPCはNPCらしく身の程をわきまえてくれないと)
 そうなると後藤がまだ教会にいるのかが気になり、こなたの視線は自然とそちらにばかり注がれる。

 とにかく、邪魔になるのはLの存在だ。
 教会の炎上を受けて改めて「後藤に囚われた友達」への心配をアピールしたが、Lの反応は変わらなかった。
 むしろその友達が死亡した可能性がより高くなったとして警察署行きの意志を強めている。

「さて泉さん、後回しにしてしまいましたが次は貴方の番です」
 上田の話を聞き終え、光太郎をなだめていたLが突然話を振ってくる。
「確か友達が教会の化け物に捕まったという事でしたが、その友達の名前は?」
「……知らない。
 会ったばっかりだったから」
 不用意に名簿の知らない名前を言い、L達がその人物と知り合いでは困る。
 光太郎ならともかく、Lを相手に無闇に嘘を吐くべきではない――しかし、ここでこなたは違和感を覚える。
 上田には初めから順を追って説明するように言っておきながら、こなたにはそれを求めていない。
 『友達』の生死が掛かっているから優先したのかとも思うが、Lは死亡をほぼ断定している節がある。
 じっと覗き込むような視線に、こなたはようやくLから完全に疑われている事に気付いた。

「では友達の性別とおよその年齢、外見的特徴を。
 それから別れたのはいつ頃かもお願いします」
「は……?」
「話していませんでしたが、私は全ての参加者の情報の記載されたデバイスを支給されています。
 よって、名前が分からない参加者もこれで分かります」

 こなたの背にドッと汗が噴き出す。
(何それ……?)
 どうする、どうする、どうする。
 ただでさえ疑われているのだ、嘘はバレる。
 だが誤魔化さなければならない。
 TRPGも『汝は人狼なりや』もプレイした事のないこなたにとって、複雑な情報のやり取りは難し過ぎた。
(選択肢、選択肢出てこないの!?
 矢印どこ!? カーソルどこ!?)
 混乱しながら、長い沈黙を作るまいと無理矢理言葉を紡ぎ出す。
「か、髪は……」
504 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:26:05.98 ID:u9YuGTQZ
「髪は?」
「髪は、緑色。ロング。
 女子高生ぐらいで、かなり美人。
 最初の放送の前に、後藤に捕まっちゃった」
 とっさに後藤と最初に出会った時に居合わせた少女の外見を答えた。
 これでこの場にいる面々の中に放送後の彼女と面識のある者がいれば、詰みだ。
 また彼女の名が二度の放送のうちのどちらかで呼ばれていれば、詰みでこそないが教会にはもう行かれない。
「……そうですか」
 Lが爪を噛みながら、変わらずこなたの顔を凝視している。
 その視線にこなたは目を剃らしたくなるが、堂々と振る舞おうと開き直った。
 そして長く沈黙を作った後、Lが口を開いた。
「まぁ、この話は目的地に着いてからゆっくりしましょう」
 ふい、とLがこなたから興味を失ったように視線を外す。
 こなたはこの場で糾弾される覚悟までしていたのだが、Lの予想外の態度に唖然としてしまう。

「すみません、実はそんなに詳細な情報ではないんです。
 なので数名まで絞り込む事は出来ましたが、特定は出来ませんでした」

 カマを掛けられた。
 怒りに震えて睨み付けたくなるが、グッと堪える。
「なぁーんだ。期待してたのになー」
 トボケた返答をするこなたに、Lは顔を近付けて耳打ちした。

「貴女が嘘を吐いている可能性は、94パーセントといったところです。
 ですがどちらにせよ、大人数で動いた方が安全は確保出来ますよ。
 妙な気を起こす事はオススメしません……ああ、残る6パーセントの方だったらすみません」
「なっ、ななな……」

 突然近付かれた事にも見透かされている事にも驚き、情けない声を出してしまう。
「何でそんな……」
「例えば……例えばですよ。泉さんが犯罪者だったとしましょう。
 私は悪を許しません、つまり泉さんを許しません。
 ですが私は使える人間は犯罪者であろうと使う主義です。
 今は少しでも人手が欲しい、だから例え泉さんが犯罪者であっても私は協力を申し出る。
 そういう事です」
「……」
 協力を申し出ると言いながら、結局は「使いこなせる程度の相手」と見くびられている。
 しかしLの言う通り、ここは手を組んでおくべきだろう。
 光太郎とLが二人揃っていては手の出しようがないし、この二人がいれば敵に襲われても守って貰えるのは確かなのだ。

「L、こなたちゃんに何を言ったんだ?」
 こなたの様子を不審に思ったのか上田が首を傾げて尋ねる。
 こなたの方から何でもない事を主張しようとしたのだが、Lに先を越されてしまった。
「すみません、泉さんがとても可愛かったのでほっぺにチューしちゃいました。
 何もそんなに動揺しなくてもいいじゃないですか、泉さん」
「何と!? 羨ま……ではなく、こんな時に何て事を!」
 よくもぬけぬけと。
 Lの態度に歯ぎしりしながら、落ち着け落ち着けと自分に言い聞かせる。
 上田は誤魔化せたものの、Lにやり込められてしまったこなたは大人しく一行に付いていくのだった。



「!……上田さん危ない、伏せて!!!」

 かなみが声を上げたのは、一行が情報交換を終えて暫し経ってからの事だった。
 先頭を歩いていたLは反射的に振り返る。
「と、突然何を――おぅ!?」
 反応の遅い上田の髪をかなみが強く引っ張り、上田は堪らずのけぞった。
 そして上田の頭があった場所を弾丸が通り過ぎていく。
505創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:26:30.73 ID:Lp18sCha
連続投下……だと……支援
506 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:26:32.39 ID:u9YuGTQZ
「誰だ!?」
 弾が向かってきた方へ光太郎が声を張り上げるが、応える者はない。
 ただ殺気だけがその方角、住宅地の中から漏れ出ていた。
 そして再び銃声が聞こえ、光太郎に庇われながら全員で民家の陰に飛び込む。
「光太郎さん、相手は諦めていないようです」
「はい……Lさん、上田さん達を連れて先に行って下さい。
 俺もすぐに追い掛けますから」
「……分かりました。
 予定を変更します、我々は真っ直ぐに『目的地』に向かいますので、光太郎さんも寄り道せずに来て下さい」
「分かりました」

 本当は総合病院に立ち寄る予定だった。
 教会と違って警察署へ向かう道の途中にあり、マップ上の位置からして他の参加者が多数集まっていてもおかしくないからだ。
 爆発が起きて間もない事もあり、助けられる者もいるかも知れないとも考えていた。
 だが光太郎が離脱するとなれば話は別だ。
 Lが多少武術をかじっているとは言え、怪我人や女子供を連れた状態でこれ以上のリスクは負えない。
 病院に危険人物がいればそれだけでアウト。
 怪我人や同行者が増えるのも望ましくない。
 いち早く警察署に向かい、体勢を整え、光太郎や右京らと合流してからでなければ病院には向かえないのだ。

「行きましょう、上田さん、由詑さん、泉さん」

 光太郎を置いて逃げる中、Lは一度だけ振り返って襲撃者の顔を確認する。
 光太郎と向き合っていたのは、茶髪の少年。
 高校生程の細身の少年で、身に纏う白い豪奢な服は薄汚れていたものの高貴さを失ってはいない。
 彼の淀んだ眼が、印象的だった。



 枢木スザクが南に真っ直ぐ進んで山を下りると市街地に出た。
 そこで他の参加者を捜したところ、すぐに見付かる。
 静かな住宅地の中、大人数で会話しながら移動している者達――格好の獲物だ。
 スザクは銃をデイパックから取り出し、狙う位置と対象を決める。
 奇襲で最初に殺すのは眼鏡の成人男性。
 三人いる中でも、少女を背負う注意力散漫な男を選んだ。
 この男さえ殺せば残るは痩せ型の男と白いライダースーツの青年、少女二人。
 白いライダースーツの青年は筋肉質であり武術の心得がある事が見て取れたので、彼だけは警戒せねばならない。

 しかし頭部を狙った弾丸は外れ、一同の視線はスザクが潜む方向へと注がれた。
(読まれた……!?)
 気配は消していたはず――水銀燈を蘇らせる第一歩が失敗した事で、殺意がぞわりと沸き上がってしまう。
 続く二発目も当たらず、青年を一人残して逃げて行く一行を目で追う事しか出来なかった。
 水銀燈を生き返らせるのが遅くなってしまう事を口惜しく思いながら、スザクは青年の前に姿を見せた。

「君は、何でこんな事を……!」
 真っ直ぐな目で、青年がスザクに問い掛ける。
 年の頃はスザクとそう変わらない。
 けれどそのひたむきさはスザクが置き去りにして来たものであり、彼に対して抱く感情は羨望や嫉妬に近い。
「君に、叶えたい願いはないのか?」
 無駄と知りながら、スザクは青年の問いに答えずに逆に問い返す。
 青年は一瞬狼狽してみせたが、すぐに揺らぎは消えた。

「あったとしても……人々を犠牲にするのは、間違っている!!」

 その答えは、とても懐かしかった。
 そう思っていた頃が、確かに自分にもあったはずだ。
 親友に対し、そう考えていたはずだ。
 この青年と自分はどこで道を違えたのだろう。
 あんなに正しくあろうとしていたのに。
507創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:26:38.13 ID:/n1L6IEA
支援
508 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:26:50.65 ID:u9YuGTQZ
「そうか……君は、正しいんだね」

 青年の正しさが眩しかった。
 それでも僅かに沸いた迷いを振り捨てるように、デイパックから一つの支給品を取り出す。
 もう戻れないのだから。
 みゆきを殺し、水銀燈を守れず、ルルーシュを撃った自分に、最早正しさは要らないのだから。

 その支給品を初めて見た時は武器とは思わなかった。
 しかし浅倉威や蒼星石を見て抱いた疑問のままに改めてデイパックの中を検分し、説明書を見付けた。
 そして理解する。
 これは強力な武器なのだと。

 一応水銀燈に報告したのだが、彼女の美的センスには叶うものではないらしいのでスザクが持ち続けていた。
 それを民家の窓ガラスにかざすと、腰にバックルが出現した。
 既に臨戦体勢に入っていた狭間偉出夫の前では使えなかったが、この青年にその心配は要らない。
 お人好し――正しい人間だから。
 青年が慎重にスザクの動きを見守る中、スザクはバックルにカードデッキを差し込む。

「……変身」

 スザクの全身を覆ったのは、鮮やかな黄緑色のライダースーツ。
 仮面を初めとした体の各部にはカメレオンを模した意匠が見て取れる。
 スザクに支給されたのは、この会場に残された最後のカードデッキ――ベルデのデッキ。

 青年の表情に驚きはなかった。
 恐らくデッキについて事前知識があったのだろう、そして青年は両手を右斜め上に突き出した。

「変身!!」

 青年の全身が黒いライダースーツに包まれる。
 スザクは彼がデッキなしで変身出来た事に驚くものの、バイザーからカードを抜きながらブラックに向かって走る。



 茶髪の少年が変身した時は驚いた。
 上田からカードデッキによる変身について聞いてはいたものの、光太郎は半信半疑だった。
 光太郎は人体改造によってライダーに変身出来るようになったのだから。
 日常生活の中でも上昇した身体能力に戸惑い、他者との違いに苦悩してきた。
 改造を受ける事なく、デッキさえあれば誰でも簡単に変身出来るなどという話を易々と受け入れられるはずがない。

 ベルデと拳をぶつけ合い、蹴りが交わる。
 だが光太郎が押される事はなかった。
 即席のライダーには負けない。
 背負っているものが違う。
 力を殺人の為に使うような悪人に敗れる訳にはいかない。
 素早く決着を付けてL達を追おうと、その手足に力を込める。

 それでも決着がすぐに付かなかったのは、純粋な力でベルデがブラックに劣りながらも特殊な能力を有していたからだ。

――CLEAR VENT――

 機械音声と共にベルデが周囲の風景の中に溶け込み、ブラックの拳が空振りに終わった。
 相手の姿が見えないなら相手の攻撃と共に反撃をしようと待ち構えたが、再び機械音声が届く。

――HOLD VENT――

 声と風を切る音に反応し、とっさに向かってきた攻撃を払い落とす。
 ヨーヨーのような武器による遠距離攻撃。
 数度の衝突でベルデも力ではブラックに敵わないと理解したようで、こうした絡め手を使っているのだ。
509創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:27:40.32 ID:/n1L6IEA
支援
510 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:27:59.88 ID:u9YuGTQZ
 この程度の攻撃ではブラックは倒れない。
 それにデッキによる変身は10分で切れるという。
 ブラックが敗北する事はない――だが今は何よりも時間が惜しかった。

「てめぇら、何してやがる」

 ブラックでもベルデでも機械音声でもない、聞き覚えのない声が掛かったのはその時の事だった。
 乱暴な物言いに、それにふさわしい粗野な雰囲気。
 チンピラと形容するに足る、右腕を真っ赤に染め上げた少年。
 光太郎は彼に心当たりがあった。

「君は……カズマ君、かい?」



 放送と共に、市街地の一角で蒼星石による簡単な手当を受けていたカズマは訝しげな声を上げた。

「ソウジロウだと……?」

 カズマと同様に瀬田宗次郎は確かに重傷だった。
 しかし死ぬような傷ではない。
 カズマと別れた後、何かあったのだろうか。
「あの野郎……!!」
 別段親しかった訳ではない、ただ喧嘩しただけだ。
 だが釈然としない苛立ちと共に、何故か怒りが込み上げる。
 蒼星石も同じく首を傾げていたが、宗次郎の死因は分からなかった。

 考えても埒が明かないと判断したカズマは早々に立ち上がって歩き始める。
「無理しない方がいい」
「うるせえ。この先にはかなみがいるんだよ」
 蒼星石の咎める声を無視して進もうとすると、視界の端に桐山和雄の姿が入った。
「大丈夫だったかい、桐山君」
「ああ、問題ない」
 心配して駆け寄る蒼星石への桐山の受け答えは淡泊で、言葉少ないままカズマの方を見た。
「行くのか」
「ああ。てめぇらが行かねーっつっても俺だけで行くぜ」
「いや、俺達も行く」
 蒼星石はまだ休むべきだと抗議していたが、カズマも桐山も止まるつもりがないと見ると諦めたようだった。
 三人で連れ立ち、かなみが向かった警察署を目指す。

 静謐な市街地に轟音が響いたのはそれからすぐの事だった。
 音に誘われるように覗き見ると、奇妙な格好をした者達が戦っている。
 片や黒。
 片や鮮やかなグリーン。
 顔はどちらも覆面に隠れ、敵味方の区別は付かない。
 確かなのは両者が敵対し合っている事だ。
「ど、どうする……?」
 不安げな声で、蒼星石がカズマと桐山の両者の顔色を見比べるようにしながら尋ねた。
 それに対しカズマは低い声で言う。
「……お前ら、先行ってろ。
 俺はこの連中を止めてから行く」
 蒼星石は当然「一人では危ない」と止めようとするが、カズマはそれを拒絶した。
「おい桐山。かなみの事、任せたからな。
 もしもの事があったら……俺の自慢の拳でぶっ飛ばす!!」
「……分かった」
 桐山が頷き、蒼星石を連れて離れていく。
 蒼星石は何度もカズマの方を振り返っていたが、カズマはそれを無視するように戦闘の方へ目を向けた。
「くだらねぇ事しやがって……まだ近くにかなみがいるかも知れねぇってのによぉ」
 苛立ちと共に足を前に踏み出し、そして息を吸い込む。
511 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:28:27.35 ID:u9YuGTQZ
「てめぇら、何してやがる」



 早足で進む桐山を追い掛ける形で、蒼星石も警察署を目指す。
 放送で翠星石の名が呼ばれなかった事にホッと安堵したものの、水銀燈もまた健在で、大勢の犠牲者が出ている事に変わりはない。

 それに、ここから無事に帰った後の事を考えても気が重くなる。
 時計屋のマスターは今頃寂しがっているだろうか。
 真紅のマスターである桜田ジュンには、彼女の事をどう説明したものだろうか。
 雛苺やノリもきっと悲しむだろう。
 そうしてこの場にいない者達の事を思うと望郷の念に駆られ、一層悲しみが増す。
 胸を痛めながら、蒼星石は前を進む桐山を見る。

 千草貴子も稲田瑞穂も死んでしまったが、桐山は特に影響を受けていないようだった。
 しかし桐山は感情が分かりにくい人物で、そう見えるだけで、内心は深い悲しみに包まれているのかも知れない。

「桐山君……」
「何だ」
「無理、してないよね」
「していない」
「……なら、いいんだけど。
 もし何かあったら、言ってね。
 僕にだって……きっと、桐山君の力になれる事があるから」
「そうだな」


【一日目日中/F−6 市街地北部】
【桐山和雄@バトルロワイアル】
[装備]コルトパイソン(5/6)@バトルロワイアル、無双正宗@真・女神転生if...
[所持品]支給品一式×2、コルトパイソンの弾薬(22/24)、オルタナティブゼロのデッキ@仮面ライダー龍騎
[状態]右上腕に刺し傷
[思考・行動]
1:遭遇した参加者から情報を聞き出した後、利用出来るなら利用、出来ないなら殺害する。
2:警察署を目指す。
3:水銀燈、紫の戦士(浅倉)、騎士服の男(スザク)は次に出会えば殺す。
[備考]
※蒼星石、あすかとはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。
※縮地、天剣を会得しました。(縮地が全力のものかどうかは次の書き手さんにお任せします)

【蒼星石@ローゼンメイデン(アニメ)】
[装備]防弾チョッキ@バトルロワイアル、贄殿遮那@灼眼のシャナ
[所持品]支給品一式、ランダム支給品(確認済み)0〜2
[状態]疲労(小)、胸部に打撲
[思考・行動]
1:桐山と一緒に警察署に行く。
2:自分とあすかの仲間(クーガー、かなみ、翠星石)を集めて脱出する。
  三村は保留。騎士服の男(スザク)、水銀燈は警戒。
3:襲ってくる相手は容赦しない。
4:カズマの事が心配。
[備考]
※nのフィールドにいけない事に気づいていません。
※あすかと情報交換をしました。
※桐山とはお互いの知り合いの情報しか交換していません。
 能力(アルター、ローゼンメイデンの能力)に関しては話していません。
※カズマとはほとんど情報を交換していません。

512創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:29:00.61 ID:/n1L6IEA
支援
513How many miles to the police station? ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:29:42.93 ID:u9YuGTQZ

「何だ、知ってやがるのか」
 光太郎に名を呼ばれたカズマは一方的に知られている事が不満があるのか、舌打ちしながら言い捨てる。
「かなみちゃんとLさんから聞いている」
「そうか、なら話が早ぇ。敵はこっちか」
 カズマが鋭い視線をベルデの方へ向ける。
 ベルデは黙って光太郎とカズマのやり取りを観察していたのが、その両者の視線が向けられた事で動いた。

 ベルデがデッキからカードを抜く。
 それを民家のガラスにかざすと、鏡面からカメレオン型のモンスターが出現した。
「なっ……」
 光太郎だけでなくカズマもそれに目を奪われる。
 そしてカメレオンが吐き出した長い舌に掴まり、ベルデは高く舞い上がった。
「待ちやがれ!!」
 追おうとしたカズマに対し、ベルデを空中に放ったカメレオンがその舌を勢い良く叩き付ける。
「危ない!!」
 光太郎が駆け、カズマに命中する寸でのところで舌を拳で払い落とす。
 舌を弾かれるとカメレオンはガラスの中に逃げ込み、ベルデの姿は既にない。
 後にはカズマと光太郎だけが残された。

「悪ぃな、助かった」
「いや、君も俺を心配して来てくれたんだろう?
 ありがとう」
 変身を解きながら、カズマに礼を返す。
 それに対してカズマは居心地悪そうにしていたが、ハッと思い出したように表情を変えた。
「かなみ!! かなみはどこだ!?」
「さっきまで一緒だったんだが、途中であいつに襲われたんだ。
 だから先に――」
「さっさと追うぞ!!」
 光太郎が言い終わるのも待たずにカズマが走るが、突然ガクンと失速した。
「カズマ君!?」
 その左腕を掴んで支えるが、カズマの顔色は悪い。
 かなり失血しているようだった。
「休んだ方が……」
「かなみが先にいるんだぞ!
 休んでられるか……!! かなみが……」
 叫んでいるうちに抵抗していた力が抜け、カズマは眠るように目を閉じた。
 気を失ったカズマを前に、光太郎は思案する。

 手当てはしてあるものの、カズマの怪我は重い。
 出来れば動き回らずに休ませるべきだ。
 だがかなみを始めとした警察署に向かった面々が心配なのは光太郎とて同じ。
 光太郎はカズマを背負い、なるべく揺らさないように注意を払いながら警察署へ早足で向かった。


【一日目日中/F−6 市街地東部】
【カズマ@スクライド(アニメ)】
[装備]暗視ゴーグル
[支給品]支給品一式、タバサの杖@ゼロの使い魔、おはぎ@ひぐらしのなく頃に、Lのメモ
    かなみのデイパック(支給品一式、確認済支給品(0〜2))
    上田のデイパック(支給品一式×3(水を一本紛失)、富竹のポラロイド@ひぐらしのなく頃に、デスノート(偽物)@DEATH NOTE
    ベレッタM92F(10/15)@バトルロワイアル(小説)予備マガジン3本(45発)、雛見沢症候群治療薬C120@ひぐらしのなく頃に、
    不明支給品0〜1(銭型に支給されたもの)、瑞穂のデイパック(支給品一式、シアン化カリウム@バトルロワイアル、不明支給品0〜2)
[状態]疲労(大)、ダメージ(大)、右腕、背中に裂傷
[思考・行動]
0:気絶中
1:かなみを追って警察署に行く。
2:『他』は……後で考える。
[備考]
514How many miles to the police station? ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:30:17.94 ID:u9YuGTQZ
※Lのメモには右京、みなみの知り合いの名前と簡単な特徴が書いてあります。夜神月について記述された部分は破られました。
※蒼星石とはほとんど情報を交換していません。

【南光太郎@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、炎の杖@ヴィオラートのアトリエ
[状態]健康、自らの無力を痛感して強い怒り、劉鳳を探しに行かなかったことへの後悔
[思考・行動]
0:カズマと警察署に向かう。
1:この殺し合いを潰し、主催の野望を阻止する。
2:主催とゴルゴムがつながっていないか確かめる。
3:信彦(シャドームーン)とは出来れば闘いたくない……。
※みなみを秋月杏子と重ねています。
※本編五十話、採石場に移動直前からの参戦となります。



 ブラックとの戦闘は、敗北に終わったと言っていい。
 ベルデが弱かったのではない、むしろ身体能力の大幅な上昇がスザクにも実感出来た。
 スザクの元々のスペックの高さのお陰でその強化にも違和感なく適応していた。
 ただ仮面ライダーブラックの力が圧倒的だった――それだけの事だった。
 トリッキーな動きで翻弄して何とか対抗はしたものの、能力の差は埋まらなかった。

 王蛇の戦いぶりは見ていたが、ブラックはそれともまるで違う。
 カードデッキによる変身と、デッキを用いない変身。
 この二つはどうやら根本的に何かが異なるらしい。
「くそっ……」
 スザクはデッキを見詰めながら舌打ちする。
 あれだけ大勢の参加者を発見しながら誰も殺せなかった。
 水銀燈との再会が遠のいてしまった。
「ごめん……ごめんよ水銀燈……」

 しかしこの戦いで得たものがない訳ではない。
 まずデッキを使った戦闘を経験出来た事。
 狭間のような容赦のない参加者の前では練習などしていられないので、大いに助かったと言える。
 それに狭間やブラックのような、デッキに頼るだけでは勝てないような強大な力を持つ相手がいると分かった。
 慢心した事はないが、これで油断して敗北するような結果は避けられる。
 長期戦を前提として動き、無駄な体力の消耗を避けるべきだろう。

 デッキをデイパックにしまい、思考を切り替える。
 説明書によればデッキは一度変身すると一時間は使用出来なくなるらしい。
 これから一時間は自分の力で切り抜けなければならない以上、より慎重に行動すべきだ。

「ごめんね……待っててね、水銀燈……」

 スザクは再び歩き出す。
 その先に救いはないと自覚しながら、それでも愛しい人との再会の為に。


【一日目 昼/C−6 南部】
【枢木スザク@コードギアス 反逆のルルーシュ(アニメ)】
[装備]:ゼロの銃(弾丸を三発消費)@コードギアス 反逆のルルーシュ、ベルデのデッキ@仮面ライダー龍騎(一時間変身不能)
[所持品]:支給品一式×2(食料は一つ多め)、ワルサーP−38(3/9)@ルパン三世、ワルサーP−38の弾薬(11/20)@ルパン三世、
     日輪の鎧@真・女神転生if...、Kフロストヅーラ@真・女神転生if...、確認済み支給品0〜1(武器はない)
[状態]:ダメージ(中)、『生きろ』ギアスの効果継続中、惚れ薬の効果継続中、記憶と精神の一部に混乱、疲労(中)
[思考・行動]
0:放送なんて聞かない、聞こえない。
1:参加者を全員殺し、水銀燈を生き返らせる。
2:狭間偉出夫は絶対に許さない、見付け出して殺す。
[備考]
515How many miles to the police station? ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:30:50.41 ID:u9YuGTQZ
※ゾルダの正体を北岡という人物だと思っています。
※水銀燈は死亡したと思っています。
※ユーフェミアの事を思い出せなくなっています。
※第二回放送を聞きませんでした。



「何で私が先頭なのかな?」
「ダメですか?」
「……別に」
 背後にいるLの表情を想像しながら、こなたはこっそりと舌打ちした。
 こなたは女神の剣を所持しており、その気になればこの場にいるL、上田、かなみという面々を殺害する事が出来る。
 それを躊躇っているのは、まずLの強さが未知数だからだ。
 光太郎と違って細身で強そうには見えないが、万一返り討ちにされては困る。
 次いで、他の参加者に殺害現場を見られる可能性がある為。
 三人を一度に殺すのは難しく、女神の剣を以ってしても少し時間が掛かってしまうだろう。
 その間に誰かに目撃されては自分の首を絞める事になる。
 まして今いる場所は市街地で、いつ他人と接触する事になるか分からないのだ。

 ポジティブに考えれば、後藤のような強力な敵と遭遇した場合にL達を囮に逃げるという選択肢が生まれるが――
 とにかくLに警戒されてしまい後ろから刺すという手も使えなくなっている今、こなたは動くに動けないのだ。
 駆け引きはやはり、Lの方が二枚三枚と上手だった。



(さて、ブラフはいつまで持つでしょうね……)
 Lはさも自分も戦えるかのように振る舞っているが、実際には超人とは程遠い。
 こなたは強力な支給品を持っており、彼女がその気になってしまえば一瞬で詰む。
 しかも光太郎や右京らが合流するまでの間この状況はずっと続く。
 そんなギリギリの、命懸けの駆け引き。
 明らかに分が悪い――だがLは諦めない。
 悪が蔓延る会場の中であろうと、世界の頂点に立つ名探偵のスタンスは常に変わらない。
 例え死んでも、変わる事はないのだ。


【一日目 日中/F−7 東】
【L@デスノート(漫画)】
[装備]無し
[支給品]支給品一式、ニンテンドーDS型詳細名簿、アズュール@灼眼のシャナ、ゼロの仮面@コードギアス、おはぎ×3@ひぐらしのなく頃に、角砂糖@デスノート
[状態]健康
[思考・行動]
1:協力者を集めてこの殺し合いをとめ、V.V.を逮捕する。
2:警察署に向かい、他の参加者を保護する。
3:こなたを疑う。
※本編死亡後からの参戦です。

【泉こなた@らき☆すた】
[装備]:女神の剣@ヴィオラートのアトリエ
[所持品]:支給品一式、確認済み支給品0〜2個、ルイズの眼球、背骨(一個ずつ)
[状態]:健康
[思考・行動]
1:優勝して、ブイツーからリセットボタンをもらう。
2:参加者を教会に向かわせて後藤と戦わせる。後藤が弱ったら後藤を倒す。
3:みなみと合流できたら、リセットボタンの協力を持ちかける。
4:今はLに従う。
516創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:30:53.39 ID:/n1L6IEA
支援
517How many miles to the police station? ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:32:11.26 ID:u9YuGTQZ
【上田次郎@TRICK(実写)】
[装備]無し
[支給品]無し
[状態]額部に軽い裂傷(処置済み)、全身打撲 、疲労(中)
[思考・行動]
1:面倒事はカズマに任せて警察署を目指す。
2:竜宮レナと北岡秀一と瀬田宗次郎を警戒。
3:杉下右京に頼る。
4:何か忘れているような……。
※龍騎のライダーバトルについてだいたい知りました。
 カードデッキが殺し合いの道具であったことについても知りましたが、構造などに興味はあるかもしれません。
※東條が一度死んだことを信用していません。

【由詑かなみ@スクライド(アニメ)】
[装備]無し
[支給品]無し
[状態]左腕骨折、頭部に損傷、全身打撲(処置済み)
[思考・行動]
1:警察署でカズマを待つ。
2:アルターが弱まっている事、知らない人物がいる事に疑問。
※彼女のアルター能力(ハート・トゥ・ハーツ)は制限されており相手が強く思っている事しか読む事が出来ず、大まかにしか把握できません。
 又、相手に自分の思考を伝える事もできません。
※本編終了後のため、自分のアルター能力を理解しています。


投下終了です。御支援ありがとうございます。
途中まで題を入れ忘れておりました、失礼致しました。
誤字脱字、問題点等ございましたら御指摘戴ければ幸いです。
518 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:34:25.01 ID:u9YuGTQZ
石川五ェ門、北岡秀一、園崎詩音を投下します。
519鬼さんこちら ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:35:10.39 ID:u9YuGTQZ
 胸ぐらを強く掴まれ、北岡秀一は背を壁に押し付けられた。

「何故……先に言わなかった!!」
「落ち着け五ェ門……悪かったよ」

 掴み掛かっているのは石川五ェ門で、北岡を相手にこのように激情を露わにするのは初めての事だった。
「先生を責めないでやってくれよ兄ちゃん。
 俺だって、どう切り出していいか分からなかったんだからよ……」
 なだめるようなデルフリンガーの声に、ようやく五ェ門は手を離した。

 放送で、次元大介の名が呼ばれた。
 この場に彼がいない事、北岡とデルフリンガーが病院で起きた顛末について言葉を濁した事から、覚悟していた事ではある。
 だが、長年連れ添った仲間の死を伏せられた事は。
 それを主催者の放送によって初めて知らされた事は。
 五ェ門を逆上させるに充分な出来事だった。
 北岡が次元を見た最期の姿を説明するも、五ェ門の怒りは収まらない。
「何故拙者を起こさなかった!?
 何故あやつ一人を置き去りに……!!」
 五ェ門とて分かっている。
 その時の次元の怪我は、もう助からないと分かる程のものだったのだろう。
 そして事態は切迫していた。
 北岡達とて断腸の思いで瀕死の次元に場を任せたのだ。
 それでもなお納得出来ないのは、仲間と過ごした時間の長さと絆が故。
 責めるべきではないと分かっていても、納得など出来るはずがない。
 総合病院でジェレミア・ゴットバルトと衝突した時、彼はこのような気持ちであったのだろうかと、今更ながらに理解した。

「お前だって戦える状態じゃなかった。
 それはお前が一番良く分かってるんじゃないの」
 北岡の言い分に五ェ門は返す言葉を失い、そのまま一同は押し黙る。
 第一回放送後、銭形の遺体と対面した。
 その時に北岡に指摘された通りだ。
――どっかで、不死身な人間がいると思ってるんじゃないの?
 銭形の死を目の前にしても、それでも五ェ門は次元やルパン三世が死ぬ姿を想像出来なかった。
 どこかで彼らを不死身だと思っていた。
 その考えの甘さを痛感させられる。
 ルパンだろうと、次元だろうと、銭形だろうと――自分だろうと、人は死ぬのだ。
 それに気付く為の代償は、余りに重かった。



「北岡殿……頼みがある」
 壁を背にして座っていた五ェ門は暫し沈黙を守っていたが、ふとそう口にした。
「病院に戻りたい、だろ」
 その言葉がいずれ出るだろうと予想していた北岡は、彼の提案に先回りする。
「そうだ……つかさ殿の事もある」
「分かってる、俺だって心配なんだよ。
 でももう少し休んでからだ」

 放送で呼ばれたのは、次元だけではない。
 北岡が知る名前は篠崎咲世子、次元、東條悟、タバサ、前原圭一、そして山田奈緒子。
 咲世子はジェレミアの、東條は北岡の、タバサはデルフリンガーの、圭一は園崎詩音の知り合いだ。
 圭一以外はそれぞれにとって親しい間柄ではなく、大きな衝撃はなかった。
 しかし、奈緒子はあの病院で短い時間ながら一緒にいた参加者。
 残念だと感じるのは勿論、ジェレミアの状況が気に懸かる。
 正確には彼に謝罪しようと考えているであろうつかさの状況が、気懸かりだった。

 つかさは放送前、「姉に会いに行きたい」と言ってこの民家を発った。
 しかし病院には恐らくジェレミアが残っている。
 接触すれば、つかさはルルーシュ・ランペルージ殺害の件で彼との会話を試みるだろう。
 病院でのジェレミアとのやり取りを鑑みれば、つかさが彼に殺されるという事はまずない。
520鬼さんこちら ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:35:40.09 ID:u9YuGTQZ
 なかった、と言った方が正しい。
 彼と奈緒子とは随分親しい間柄に見えた。
 その奈緒子を失った今、彼がどんな心理状態にあるのかを察するには北岡が彼と接した時間は短過ぎる。

 つかさが殺される。
 それは飽くまで万一の可能性だが、この環境の中で捨て置ける可能性ではない。

「俺もよぉ、嬢ちゃんに『手伝う』って言っちまったんだよ。
 あの機械の兄ちゃんと話すんだったら、傍にいてやりてぇなぁ。
 帽子の兄ちゃんとだって付き合いは短かったが……礼ぐらい言いてぇよ」
 デルフリンガーの言葉に北岡も五ェ門も頷く。
「何にせよ、五ェ門はまだ休んだ方がいい。
 俺も疲れたし。
 その後でつかさちゃんを追い掛けよう」

 五ェ門はそれ以上言い返そうとはせず、黙って目を閉じた。
 その落ち着いた様子に北岡はホッと息を吐きつつ、気を取り直す。
 病院はあれだけ派手な爆発が起きたのだから、今後も危険人物が集まるかも知れない。
 浅倉が幾ら猪突猛進でも、途中で北岡の思惑に気付いて引き返して来るかも知れない。
 ゾルダのデッキは金髪の男と共に見失ったまま。
 そういった意味では大変なのはむしろこれからだ。

 それにデッキを取り返したにしても、そこがスタート地点。
 今度こそ浅倉との決着をつけなければならない。
 浅倉が北岡との決着に執着しているように、北岡とてこのままズルズルと現状を続けるつもりはない。
 浅倉を野放しにした事への責任を果たす為に、北岡もまた決着を望んでいるのだ。

 しかしどうあれ、五ェ門との関係が良好なものであるに越した事はない。
 それは、その方が事が運びやすいから。
 生存して日常に帰る目が高くなるから。
 そう思う。
 それならつかさを本気で心配しているのは何故か。
 少女を連れていた方が、接触した参加者から信用されやすくなる?
 五ェ門とデルフリンガーがうるさいから?
 ただの同情?

「……ちょっと甘過ぎるんじゃないの?」

 北岡は五ェ門にもデルフリンガーにも聞こえないように、小さな声で独り言を呟く。
 現在の自分の姿に戸惑いはあるものの、悪い気はしない。
 その事が余計に疑問になって胸にわだかまりを作る。
――北岡さん、それは甘いんじゃなくて、優しいって言うんですよ
 つかさの言葉と、それを言った時の彼女の表情を思い出す。
 やはり悪い気はしない。
 すっかり毒気を抜かれてしまったようだと、北岡も自覚しない訳にはいかなかった。



 「そろそろ行けるか?」という北岡の問いに、五ェ門は力強く頷いて立ち上がる。
 ゾルダから受けた傷は深く、素人のつかさと北岡による手当を受けただけなのだから相変わらず重傷のままだ。
 しかしただ休んでいるには時間が惜しい。
 五ェ門は腰にデルフリンガーを携え、北岡に続いて民家を後にした。
 北の方角にある病院はそう遠くない、すぐに到着するだろう。

 銃声が聞こえたのは、そう考えた矢先の事だった。

 五ェ門がデルフリンガーを抜き、北岡を狙った弾丸を残さず斬り落とす。
 曲芸にも似た達人の技に、しかし銃の持ち主はまるで動揺していなかった。

「はろろ〜ん」
521創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:35:54.58 ID:/n1L6IEA
支援
522鬼さんこちら ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:36:08.52 ID:u9YuGTQZ

 気の抜けるような声で、何事もなかったかのような声で、銃を構えたまま詩音は挨拶して来る。
 浮かべる表情はゾッとする程に眩しい笑顔だった。

「詩音殿、これは……」
「元気そうで安心しましたよ。
 北岡は是非とも私の手でぶっ殺してやろうと思ってましたから」

 ゾルダのデッキを奪われ、北条悟史の呼び掛けを無視した北岡。
 それに対し詩音が憎悪を向けていた事は五ェ門も知っている。
 しかしその後戦線を離れていた五ェ門は、その感情が次元に銃を向ける程のものに成長していた事を知らなかった。
「今はこんな事をしている場合では――」
「黙れ」
 五ェ門が詩音を鎮めようとするが、詩音からの返事は低く重い。
 コロコロと調子を変える様は二重人格にも似て、病院で話をした少女と本当に同一人物なのか分からなくなる。
「そっちにやる気がなくても、こっちはやる気満々なんですよ。
 これを見たらやる気になります?」
 彼女がもったいぶるように大仰に取り出したのは、金の意匠を施された緑色の板――紛れもないゾルダのデッキ。
「な、何で!?」
 驚きの余り素っ頓狂な声を上げた北岡に、詩音は冷ややかな視線を向ける。
「さぁ、何ででしょう?
 欲しいですか、これ?」
「返せ!」
 見下すようにおどけながら、詩音が挑発する。
 それは状況を楽しんでいるようではあったが、心の内から滲む憎悪は隠せていなかった。

「全部、これをあんたがちゃんと管理してなかったせいなんですよね?
 壊しちゃおっかなー」
「……っ!!」
 詩音がデッキを地面に叩き付ける素振りを見せる。
 北岡がとっさに動こうとした瞬間、彼女は背を向けて逃げ出した。
「あはは、こっちですよー」
「お、おい待て!!」
 詩音が向かっているのは北東、病院からは遠ざかっていく。
 北岡は躊躇っていたもののデッキに代えられるものはないと判断したのだろう。
 走り出す――そしてすぐに速度を緩めた。

「五ェ門……」
「……すまん、北岡殿」
 五ェ門は、走れない事はない。
 しかし全力疾走も長距離走も難しい。
 常時なら詩音に追い付いて捕らえる事も容易いが、今は追い掛けるのがやっとだ。
 五ェ門の負傷を知る詩音は、この事を見越して挑発していたらしい。

「しかし北岡殿、ここで詩音殿を逃がすわけには行くまい」
「そうだな……」
 ここで詩音を逃がせば、ゾルダのデッキによって更なる犠牲者が出ないとも限らない。
 ここで取り返せなければ、いつ取り返せるか分からない。

 次元との別れは惜しく、つかさの事も心配だ。
 だが今は別れを惜しむ時ではない。
 心配する時でもない。
 次元をほんの少しだけ待たせて、つかさを信じる時だ。

「五ェ門」

 詩音を見失わない程度の速度を維持しながら、五ェ門の前を走る北岡が改まった声で言う。

「取り返すぞ……絶対」
523鬼さんこちら ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:36:35.73 ID:u9YuGTQZ
 会ったばかりの頃、北岡は五ェ門に絡め手の交渉を持ち掛けて強引な協力関係を結んだ。
 総合病院では「俺がデッキを取り返す」と言った。
 だが今北岡が口にした言葉には「二人で」――デルフリンガーも加えれば「三人で」取り返そうと、そんな響きが含まれていた。
 命令でも頼みでもなく、協力し合う事を前提とした言葉。
 『仲間』だからこそ出た言葉に、五ェ門は自然とルパンや次元達の事を思い出した。
 だから、信じられる。
 前を走る北岡の表情が見えなくとも分かる。
 背中を預けられる。

「言われるまでもない」

 五ェ門は自然と笑っていた。
 詩音を追い、北岡と共に走る。


【一日目日中/G−9 市街地】
【北岡秀一@仮面ライダー龍騎(実写)】
[装備]レイの靴@ガン×ソード
[所持品]シュートベント(ギガランチャー)のカード、レミントン・デリンジャー(0/2)@バトルロワイアル
[状態]疲労(小)、軽症
[思考・行動]
0:病院にいるつかさを信じる。
1:詩音を追い、デッキを奪い返す。
2:1を達成し、浅倉と決着をつける。
3:戦闘は五ェ門、交渉は自分が担当する。
※龍騎勢が、それぞれのカードデッキを持っていると確信。
※一部の支給品に制限が掛けられていることに気付きました。
※病院にて情報交換をしました。


【石川五ェ門@ルパン三世】
[装備]デルフリンガー@ゼロの使い魔
[支給品]支給品一式(水を消費)、確認済み支給品(0〜2)(剣・刀では無い)
[状態]左手のひらに大きな傷、右肩に刀傷、軽い裂傷が数か所、腹部に裂傷(それぞれ処置済み)
[思考・行動]
0:病院にいるつかさを信じる。
1:北岡、つかさを護衛する。
2:北岡のカードデッキを奪い返す手伝いをする。
3:ルパンと合流し、脱出の手だてを探す。
※龍騎シリーズライダーについてはほぼ正確に把握しました。
※デルフリンガーが魔法吸収と錆を自由に落とせる能力を思い出しました。



 圭ちゃんが死んだ?

 悟史君の仇を討った私は放送までの間、疲れた体を民家で休めていた。
 気分がすっきりした事もあって気が抜けていて、放送の事をちょっと忘れていた。
 だからちょっとだけ圭ちゃんの名前に驚いたけど、私がこれからやる事に影響はない。
 むしろ「殺す手間が省けた」と、それぐらいにしか思わなかった。
 くけけけけけけけけ。
 お姉は圭ちゃんが好きだからこれを聞いたら怒るかも知れないけど、これはお姉の為でもあるんだから。

 悟史君や沙都子やお姉を差し置いて、生き残ってる連中。
 許せない許せない許せない。
 何でみんな悟史君達を助けてくれなかったの? 守ってくれなかったの?
 誰も近くにいなかったの? みんながみんな見捨てたの?
 許せない許せない許せない。

 悟史君といい、沙都子といい、お姉といい、圭ちゃんといい、私の知り合いばっかり死んでいく。
524鬼さんこちら ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:36:59.60 ID:u9YuGTQZ
 これは何かの陰謀に違いない。
 私達に敵意を持った何かが意図的に殺しているんだ。
 許せない許せない許せない。
 くけけけけけけけけけけけけけけ。
 クーガーさんは主催者が嘘の放送で私を煽ろうとしている可能性があると言っていたけど、今更そんな話は信じられない。
 放送は嘘なんかじゃない、悟史君も沙都子もお姉も死んじゃったんだ。
 あれはクーガーさんも勘違いしていたんじゃない、私を騙そうとしていたんだ、馬鹿にしていたんだ嘲笑っていたんだ。
 違いない、違いない。
 許せない許せない許せない。

 私達の幸せを邪魔した奴は、一人残らず死ねばいい。

 ちょっとの挑発で、案の定馬鹿な北岡達は付いてきた。
 馬鹿め、馬ー鹿馬ー鹿。
 くけけけけけげげげげげげげげげげげげ。
 真正面からじゃ五ェ門を殺すのは難しい。
 病院での一連の戦闘を間近で見て、それは素人の私だって良く分かってる。
 さっきも事も無げに銃弾を弾いていた。
 化け物じみてる。
 だから怪我を利用するしか、悔しいけど私に勝ち目はない。

 鬼さんこちら、手の鳴る方へ――まあ、鬼は私の方なんですけどね。

 ぐげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげげ。
 逃げ回って、隠れて、時間を稼いで、少しずつ体力を奪う。
 デッキがある以上、北岡達には私を追い掛け回す以外の選択肢はないのだから。
 そして最後にデッキを使って二人とも仕留める。
 実際に使った事はないけど、馬鹿な北岡が御丁寧に説明してくれたし、ゾルダと王蛇が使ってるところも見た。
 ぶっつけ本番だって大丈夫。
 シンプルイズベスト、完璧な作戦。

 待っててね、お姉、沙都子、悟史君。
 仇は私が必ず討ってあげるんだから。
 こんな時、何て言うんだっけ?
 ぐげげげげげげげげげぎぎぎぎぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃぎゃ。
 えーと。
 そうそう。


 ふぁいと、おー、なのですよ。
 にぱー☆


【一日目日中/G−9 市街地】
【園崎詩音@ひぐらしのなく頃に(ゲーム)】
[装備]鉈@バトルロワイアル、白衣@現実(現地調達)
[支給品]支給品一式×3(食料と水を一つずつ消費)、AK-47(カラシニコフ銃)@現実、AK-47のマガジン×9@現実、ゾルダのデッキ@仮面ライダー龍騎
    クマのぬいぐるみ@ひぐらしのなく頃に 、確認済み支給品0〜2(銃器類は入っていません) 消毒薬@現実(現地調達)×1
[状態]手に軽い裂傷、疲労(小)、血塗れ、雛見沢症候群L4
[思考・行動]
1:北岡とクーガーを含む全参加者を殺す。
[備考]
※雛見沢症候群が悪化しています。
※ゾルダのデッキからはシュートベント(ギガランチャー)が抜かれています。
※病院にて情報交換をしました。
525創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 00:37:59.27 ID:/n1L6IEA
支援
526 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 00:37:59.59 ID:u9YuGTQZ
投下終了です、長時間お付き合い戴きありがとうございました。
誤字脱字、問題点等ございましたら御指摘下さい。
527創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 01:21:06.94 ID:qlojEjr8
投下乙。
こんな時間に一気に来たなー。
明日の朝がつらいなぁ…。
528創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 01:51:02.87 ID:/n1L6IEA
投下乙です。
・消せない罪
病院乱戦後に残されたキャラ達が描かれててよかったです。
複雑だったそれぞれの関係や、色々と失ったジェレミアの心情が印象的でした。
ジェレミア関連は一応決着はついたんだろうけど、もう二度と後戻りできないんだろうなぁ……
この人ももうハッピーエンドが見えない。
あとつかさもちょっとずつ成長してるのが見えて嬉しい。

・How many miles to the police station?
光太郎がついにシャドームーンの手掛かりを掴んだのか。
すぐに突っ込んでくのかなと思ったけど、踏みとどまったのはちょっと進歩した感じがした。
でもL的に考えると、光太郎いない方がやりやすそう。
こなたのキョどりっぷりが凄いなぁ、光太郎いなくなったせいでかなり不利になっちゃったし。
そしてスザクにベルデのデッキかー。
相手が悪かったから今回はいまいちだったけど、元のスペックが高いからかなりの強マーダーになるんじゃないだろうか。
あと桐山と蒼星石の最後のやり取りがちょっと寂しかった。
蒼星石の気遣いはまるで伝わってないんだろうなぁ。

・鬼さんこちら
うわぁ……これはマジキチですね。
なんだこれは……たまげたなぁ。
マジキチコンビに宗次郎と多くのマジキチが脱落した中、新しく台頭してきた詩音には期待せざるをえないです。
でも早速五エ門に喧嘩売っちゃう辺り、理性とかも消し飛んじゃってるのかなぁ。

指摘になりますが
>>501の由詑かなみが由たかなみになっています。
あとこれは指摘というより質問に近いのですが、ベルデのデッキが最後ということはオーディンやガイ、ライアは登場しないということですか?
自分はどれも登場させる予定はないですが……
529創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 04:30:29.41 ID:7PgzcEYw
執筆者の方々、乙です!
同じく明日の朝が辛そうだが、これは見逃せませんね!
武人の葛藤、名探偵のある種孤独な戦い、契約から僅かに見えた仲間としての片鱗…

個人的には心を持たないシャドームーンと、感情を失った桐山が純粋に怖いですね。
後、無双正宗ですが、あれはifプレイ時、「無想正宗」だった記憶が…
しかし以前からこちらでは無双表記だったので今さらですし、ソースもないので流して下さい。
530創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 05:03:54.94 ID:u9YuGTQZ
遅くなりましたが投下乙でした。
まさか後藤がここまで追い詰められるとは…。
三村の志々雄への憧れが宗次郎に嫉妬をするまでのものに育っているのも興味深いです。
この先病院にいる人達は大変そうですね。

>指摘
御指摘ありがとうございます。
・「由詑かなみ」Wiki収録時に修正致します。
・ベルデのデッキについて:他のデッキの事を忘れて書く→本スレの雑談から思い出したけど修正するのを忘れる、のウッカリコンボをキメました。
 こちらでも書く予定はありませんが、わざわざ可能性を狭める必要もないと思いますので、Wiki収録時にこの記述は削除します。

こちらからは細かい点なのですが、後藤は右腕を切り落とされた直後に切り口を凍結されていますから、出血は斬られた直後のみのつもりで書いておりました。
よって逃走するにあたって、教会を出た直後だけであれ血痕は残らないと思いました。
531 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/26(木) 20:18:25.59 ID:/n1L6IEA
>>529
ググッてみたんですけど、夢想正宗が正しいみたいですね。
実はifプレイ時に夢想正宗は手に入れ逃しちゃいまして……
おかげで結構苦労しました。
今ならまだそんなに出てないと思うので、wikiの情報は後に修正しておきます。

>>530
失礼しました。

教会から出た直後は血痕があったが、途中からそれは消えていた。
何らかの方法で傷口を塞いだのだろう。

焼け落ちた教会から飛び出した後藤は、目にも留まらぬ速さで走り去っていった。
傷口が凍結していたために血痕もなく、その後の足取りは一切掴めていない。
首輪で支配されている以上いつかは必ず出会うはずだが、あの化物がそう簡単に姿を表すとも思えなかった。

に変更させてください。
532創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 20:48:19.88 ID:qlojEjr8
>ウニは海の生き物なので、アイゼルのデイパック内で死亡しました。奈緒子の隣に安置されています。

つかさ(お供え物かな?)
ジェレミア(お供え物だな。)
533創る名無しに見る名無し:2012/01/26(木) 21:47:06.04 ID:qlojEjr8
>普段のアイゼルならば勝てない敵には経験値を貯めてレベルを上げる事を考える。

 なるほど、これが◆.WX8NmkbZ6氏のアトリエのプレイスタイルか。
 自分の場合は、体鍛えてる暇があったらとにかく新兵器だ!新兵器を作れ!ってスタイルだ。
 触れただけで全身に石化毒が回って死ぬまで何も出来なくなる魔杖とか、レジストとあわせると属性攻撃を完全に無効化する上に板金鎧以上の防御力を誇る服とか、空中戦艦を数発で沈める手榴弾とか作ったなぁ…。
 っていうか、ここまで爆装できればライダー相手に正面から戦えそうだ。
534 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/26(木) 23:35:06.05 ID:u9YuGTQZ
>>529
すみません私のSSへの御指摘でしたのに反応しておりませんでした、失礼致しました。
Wikiに掲載されていた分は全て修正致しました。今回の収録分でも夢想政宗としておきます。

>>533
すみません、基本的にゲームは力任せの脳筋スタイルなんです…。
ついでに錬金術士無双になると私の好きなキャラの出る幕がなくなってしまうのでつい(ry

それから予約の際に枢木スザクが自己リレーである事を明言し忘れました。
申し訳ございませんでした、以降気を付けます。
535 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/27(金) 00:20:31.82 ID:W8TpXMRH
「How many miles to the police station?」におきまして、一部状態表の時間や現在位置がおかしかったので修正致します。

スザク→日中、F−7西部
カズマ、光太郎→F−7北部
桐山、蒼星石→F−7東部

失礼致しました。
536 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/01/27(金) 00:42:39.83 ID:W8TpXMRH
L、上田、かなみ、こなた→F−8東部

です。全部ズレてました、すみません。
537創る名無しに見る名無し:2012/01/27(金) 20:52:19.01 ID:vMYuNdB5
人気投票だけど前回と同じ日程&方式にして
一位が3点、二位が2点、三位が1点で
土曜日に好きな話&好きな戦闘、日曜日に好きなキャラ&好きな死亡キャラでいいかな?
538創る名無しに見る名無し:2012/01/27(金) 23:46:55.44 ID:xbxcAvt/
いいんじゃね、ってかもうすぐか
539創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 01:19:44.31 ID:OQGTEA3A
したらばにて人気投票開催中。今日は好きな話&好きな戦闘です
540創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 20:22:59.14 ID:OQGTEA3A
思ったよりも投票数が少ない……
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/11918/1266589657/でやってるのでお暇な方がいましたら投票お願いします
集計が大変なくらいあると嬉しいな
541創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 21:42:03.91 ID:3RF2TwUq
ギリギリまで待ってみようかと思ってたけど集計の手間忘れてたw
ごめん、早めにするわ
542創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 21:59:48.91 ID:XSj14NOE
いや、とりあえず日付変わるまでは待とうよ
543創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 22:03:53.26 ID:XSj14NOE
あ、早めにするって投票をか。
集計を早めにって意味だと勘違いしてた
544創る名無しに見る名無し:2012/01/28(土) 22:42:07.59 ID:3RF2TwUq
あ、変な書き方してすまんかった
投票な>早め
545好きな話 結果発表:2012/01/29(日) 00:46:43.97 ID:FJSXbHzl
1位T 119話 杉下右京の正義 7点

1位T 117話 本日は晴天なり 7点

3位T 104話 英雄、Calling 5点

3位T 105話 夢の終わり 5点

3位T 114話 人形劇 5点

6位T 110話 パラサイトを狩るモノたち 3点

6位T 95話 絶望キネマ 3点

8位T 115話 血染めの■■■ 2点

8位T 120話 二心同体 2点

8位T 106話 少女が見た日本の原風景 2点

8位T 108話 Waiting for the End of the Ground 2点

8位T 96話  仮面ライダーvs寄生生物 2点

13位T 93話  上田次郎は二人の狂人を前に気絶する 1点

13位T 111話 拗れる偶然 1点

13位T 98話  あやまちは恐れずに進むあなたを 1点
546好きな戦闘 結果発表:2012/01/29(日) 00:47:24.35 ID:FJSXbHzl
1位 117話 瀬田宗次郎vsカズマ 13点

2位 110話 志々雄真実&タバサvs後藤 9点

3位 104話 シャドームーンvsヴァン、雪代縁、蒼嶋駿朔、C.C.達 7点

4位 120話 泉新一、城戸真司、翠星石vsシャドームーン 6点

5位 109話 ロロ・ランペルージvs後藤 5点

6位 120話 狭間偉出夫vs水銀燈・スザク 3点

7位T 93話 前原圭一vs稲田瑞穂 2点

7位T 105話 レイ・ラングレンvs浅倉威vs園崎詩音vsジェレミア・ゴットバルト・次元大介・石川五ェ門 2点

9位 121話 杉下右京vsみなみ 1点
547創る名無しに見る名無し:2012/01/29(日) 00:47:54.07 ID:FJSXbHzl
集計結果、多分合ってると思います
今日は好きなキャラ&好きな死亡キャラ
548創る名無しに見る名無し:2012/01/29(日) 01:01:28.23 ID:1zXsF1d4
集計乙ー
549創る名無しに見る名無し:2012/01/29(日) 22:55:00.66 ID:gC+CQBye
ギリギリになってから投票する人多いんだね
550創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 00:17:37.78 ID:XF8JLgqP
>>477
>――――それから、彼が最停止するまで一分もかからなかった。
再停止
551好きなキャラ 結果発表:2012/01/30(月) 00:29:16.09 ID:nLB6qU45
1位 柊つかさ 9点

2位 杉下右京 8点

3位 カズマ 6点

4位 志々雄真実 4点

5位T 枢木スザク 3点

5位T ジェレミア・ゴットバルト 3点

5位T シャドームーン 3点

5位T 上田次郎 3点

9位T アイゼル・ワイマール 2点

9位T 狭間偉出夫 2点

11位T 桐山和雄 1点

11位T 城戸真司 1点

11位T 北岡秀一 1点

11位T ヴァン 1点

11位T 岩崎みなみ 1点
552好きな死亡キャラ 結果発表:2012/01/30(月) 00:30:37.56 ID:nLB6qU45
1位  東條悟 12点

2位T 瀬田宗次郎 7点

2位T 泉新一(ミギー) 7点

4位  レイ・ラングレン 6点

5位T 山田奈緒子 5点

5位T 次元大介 5点

7位T ミハエル・ギャレット 2点

7位T 千草貴子 2点

9位T 稲田瑞穂 1点

9位T タバサ 1点
553創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 00:31:59.35 ID:nLB6qU45
以上が結果になります
熱血死した二人を抑えて東條が一位!おめでとう!
554創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 00:34:50.30 ID:98NDzhtC
しかも大差じゃねーかww
集計乙乙
555創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 00:35:45.53 ID:+VIfTUK/
>>550
修正しておきました。
今度こそ誤字無いと思ってたのに……
556 ◆ew5bR2RQj. :2012/01/30(月) 00:43:17.36 ID:+VIfTUK/
酉忘れてました。
557創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 01:04:38.95 ID:/owr0zZE
前回と今回の好きなキャラ&好きな死亡キャラ投票の点数を総計したものを作品ごとに集計してみた。
せっかくだからこれも載せてみる。

1位 【るろうに剣心】 23点

2位T【スクライド】 20点

2位T【仮面ライダー龍騎】 20点

4位 【相棒】 19点

5位 【寄生獣】 16点

6位 【仮面ライダーBLACK】 14点

7位 【コードギアス 反逆のルルーシュ】 13点

8位T【らき☆すた】 12点

8位T【ガン×ソード】 12点

10位 【TRICK】 11点

11位 【ルパン三世】 7点

12位 【バトルロワイアル(小説)】 6点

13位T【ローゼンメイデン】 5点

13位T【バトルロワイアル(漫画)】 5点

15位 【ゼロの使い魔】 4点

16位 【真・女神転生if...】 3点

17位 【ヴィオラートのアトリエ】 2点

18位T【ひぐらしのなく頃に】 0点

18位T【DEATH NOTE】 0点

18位T【灼眼のシャナ】 0点


参加者6人いて投票数0のひぐらし勢…
558創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 01:10:20.22 ID:nLB6qU45
むしろたった二人で四位に食い込んだ相棒がすごい
亀山くんの死に方カッコよかったからなー
559創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 01:41:52.61 ID:98NDzhtC
つーかBLACKってほとんど影月の票じゃね…?
光太郎ェ…
560創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 01:52:50.10 ID:/owr0zZE
うん。ほとんどどころか全部影月のだよww
561創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 18:49:16.13 ID:UYusCNF7
このロワで何か好きな台詞ってある?
これは投票しなかったし、ちょっと語ってみるか。
562創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 19:28:43.41 ID:r/89KZNZ
「ええ、そのつもりです」に一票
563創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 22:15:34.00 ID:BbHS9d9X
「 俺 の 糧 と な る か ? 」
564創る名無しに見る名無し:2012/01/30(月) 23:51:51.87 ID:+OO3IBdg
「黙れ! 俺は……俺は、ガンダールブなんだぞ……! ルイズの、虚無の使い魔の、伝説の――――」
「助けて、助けて仲村君……佐野君――」 〜「香川先生――……」
「ブラックサン……南光太郎を知っているか?」

東條の台詞は好きなの多い
565創る名無しに見る名無し:2012/01/31(火) 00:44:15.69 ID:9j6zfKz7
「…………かなみちゃん、君は変身に興味はないか? 仮面ライダーになったら、きっと楽しいぞ。ハッハッハッ……」
「ブラックさんなどという人物は知らない」
「さあ、今の内に逃げるぞかなみちゃん!」
「…………ずるいかも……」
「なんて姑息な人なんだ……!」
「そうか……なら、ここは君がライダーに変身してくれないか?」
「あれで先生と同じ大学教授…………」
「…………あの人に期待した自分が馬鹿だった」
「本当に現れた……しかも私の指示に従っている……………………これが、大学教授の威光か」
「ハッハッハ! わ、私は……別に…………ルラギッタワケデハ…………」

「…………創世王だか……ソーセージだか知らねえがな…………警察を……舐めるなよ!
特に……俺たち特命係はな……………………どんなきつい事件からも逃げたことはねーんだよ!!」

blool bathは上田が完全にネタキャラと化した話だけあってネタセリフのオンパレード
この時だけはマジキチコンビがまともに思えた、この時だけは
あと亀山くんの最期のセリフはかっこよすぎ
566創る名無しに見る名無し:2012/01/31(火) 01:43:39.14 ID:a6UqGncU
「…………フッ、掛かって来い我が敵よ」
567創る名無しに見る名無し:2012/02/01(水) 18:13:43.93 ID:3lDcU9cH
よく見たら前回のを含めても死者ランキングで東條が一位じゃないっすか
568創る名無しに見る名無し:2012/02/01(水) 18:38:22.74 ID:pecy2Jvf
1位 東條悟 15点

2位 シャドームーン 14点

3位 泉新一 10点

4位T 柊つかさ 9点

   亀山薫 9点

   斎藤一 9点

7位 杉下右京 8点

8位T 劉鳳 7点

   ルルーシュ・ランペルージ 7点

   瀬田宗次郎 7点

11位T カズマ 6点

    上田次郎 6点

    レイ・ラングレン 6点

14位T ストレイト・クーガー 5点

    志々雄真実 5点

    次元大介 5点

    ミハエル・ギャレット 5点

    山田奈緒子 5点

    真紅 5点

19位T 後藤 4点

    北岡秀一 4点


ミスあるかもしれないけど前回と今回の生存者・死者の総合20位まで
死者が上位に入りやすいのは人数少なくて票が集まりやすいからだろうな
それにしても影月を抜くとは東條さんってば
569創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 07:03:23.98 ID:AdwSFY44
東條…よかったね…ww


それにしても病院詰んでね?
周りにいた対主催は全員病院スルーして警察署に行くか詩音追っかけるか
後藤と志々雄とロロが向かってて、他に行き先が決まってないのはマーダーのスザクしかいない
四面楚歌ってこのことか、何だか社長包囲網思い出したぞ
570創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 09:27:25.73 ID:DVv4t2hB
>>569
志々雄さんたちは対主催…


…いや、病院組は間違いなくマーダーと判断しそうで怖いが
571創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 11:54:23.67 ID:ca/wsDK9
スタンスがどうあれCCOはCCOだから、結果に大差ない気がしてしまう
積極的に殺しにいかないってだけで弱った対主催見つけたら糧にしちゃうだろうし
間違ってケンカでも売ろうもんなら、マーダーもびっくりの報復が待ってそう
572創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 12:18:12.64 ID:eRS2Eptg
ロロとつかさが揃っちゃうのが肝だな
ジェレミアの時みたいに済むとは思えない
573創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 17:17:44.58 ID:pA0iRLU4
影月があっちに居て良かった
縁は東へ向かってるぽいけど
574創る名無しに見る名無し:2012/02/02(木) 21:46:03.64 ID:UChXHYFH
つかさの巻き込まれ体質も凄いな
いや、レナのほうが凄いか?
575創る名無しに見る名無し:2012/02/03(金) 01:22:29.52 ID:F+LIjdOA
レナは影月と後藤の両方に会っちゃったって一点だけだからな
十分っちゃ十分な不幸だけど
人間関係で言ったらつかさの方が濃い
576創る名無しに見る名無し:2012/02/03(金) 21:19:57.61 ID:+obKgcOO
レナも放送で圭一のこと知るし
唯一生き残ってる部活メンバー
はマーダー化した詩音・・・
577創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 16:41:07.52 ID:+12OwgwF
女の参加者で不幸なのは
レナかつかさかな
巻き込まれるアイゼルあたりも
578創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 21:42:21.58 ID:Plw8ckU9
オープニングで後藤とエンカウントしたるるるさんが一番
579創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 21:49:39.41 ID:T1Zz2Nzn
ゼロ魔勢と後藤の縁の深さは異常
580創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 22:55:25.37 ID:fMEqj8fG
るるるさんは後藤とほとんど会ってない
581創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 23:19:21.31 ID:Plw8ckU9
謁見の間で王様に魔王倒してこいって言われて階段降りたら出待ちしてたキラーマジンガが襲いかかってくるぐらい理不尽
582創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 05:06:00.84 ID:n/eXHqPj
やっとのことで倒した相手が実は本気出してませんでした^^だもんなぁ……
583創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 10:33:47.02 ID:TiZDL8b+
このまま縁が東へ向かえば
原作では面識なかった
CCOと出会うかもしれない
584創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 13:59:50.36 ID:TYf45csV
後藤第二形態
585創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 23:53:15.33 ID:fwMipzyf
>>582
オラならワクワクすんのに
586創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 01:18:52.74 ID:YUlrF9hM
帰れ戦闘民族
587創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 04:07:32.73 ID:ZwrW5tIK
成長期→ヤクザ事務所戦
成熟期→三木
完全体→市役所戦
究極体→ミギー吸収時
588創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 16:53:14.51 ID:WTa2+vXo
ところで秘密バッグはどこ行った?
589創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 17:30:10.75 ID:ZwrW5tIK
蒼嶋が持ってるらしい
590創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 19:42:59.33 ID:jcE1XOp8
だから支給品追跡表を活用しろとあれほどwww
591創る名無しに見る名無し:2012/02/06(月) 21:47:09.87 ID:CHfkHYwN
おかーさん、アレどこー?
592創る名無しに見る名無し:2012/02/07(火) 10:14:27.79 ID:AAOcb6SU
ヴィオラートはあの
幽霊の人が強かったよね
物理攻撃無効だったけ?
593創る名無しに見る名無し:2012/02/07(火) 10:29:41.53 ID:090DbSih
物理攻撃有効な幽霊のが珍しいと思うけど
594創る名無しに見る名無し:2012/02/07(火) 17:47:32.59 ID:UFv0n7Dv
神戸が相棒卒業か…

今なら神戸だけじゃなく、イタミンや米沢さん、ラムネあたりも参戦できそうだな
595創る名無しに見る名無し:2012/02/07(火) 22:00:55.98 ID:FNsegE9z
ラムネが参戦したら真司辺りが人違い起こしちゃう
596創る名無しに見る名無し:2012/02/07(火) 22:02:17.44 ID:FNsegE9z
なんで真司にしたんだ
東條が真っ先にラムネを殺しちゃう
597創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 01:03:21.62 ID:/EE+NCZ9
イタミンがライダーを迷惑な存在と罵る
一応互いを認知してないとはいえ、てつをとイタミンは共演してるな…
598創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 16:45:12.06 ID:p2XirQIa
神戸さんって右京さんよりは柔軟なのかな?
599創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 17:27:52.84 ID:I5BJof1k
>>598
ずっと普通だよ。というか青い。
余命いくばくもない被疑者の母親(息子が凶悪犯罪をしたと胸を痛めて明日にも死にそうになってる)に、
息子は冤罪だと教えようとしたのを右京さんに「捜査情報を漏らすな」と止められて
「(今回のようなケースで漏らしたところで)それで誰が困るんですか」と食ってかかったことがあったはず
600創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 20:23:29.14 ID:p2XirQIa
右京さんの正義に同意しそうな人は少ないだろうな
対主催でもw
601創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 21:01:02.42 ID:Ll2i+SSs
右京さんは必要悪でも許さない代わりに、犯罪スレスレのことやってる人は一言注意するだけで終わらせそう
602創る名無しに見る名無し:2012/02/08(水) 22:44:57.10 ID:XK9pYcBn
ヴァンとかカズマのやってることはどう見ても傷害罪に器物破損罪だがあれは右京さん的にはアリなのだろうか
603創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 01:24:52.36 ID:XilJRxXY
そこを追求して余計に反感を買う姿を想像した
604創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 02:28:05.82 ID:xocVaM3m
あのマウンテンかメールだって、かなみらを守る為&元から勝算無しの戦いだったとはいえ、
平気で影月を海に叩き落としてたしなぁ
…右京さん、下手したら相棒にさえ賛同して貰えなかったよ

まあ亀なら右京さんの考え方には慣れてるから、道を分かったりはしないだろうが
605創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 10:13:57.31 ID:YdF4/p8Y
IF展開の話になっちまうけど、たとえば右京さんが斉藤と会ってたらどうリアクションしてたのかな
CCに主張した論旨(「世界が違っても命の価値は不変だし、殺人を肯定する世界はそうないはず」)から言えば
斉藤はそれこそ「自分の殺人を社会に肯定されてる(警官の任務としての殺人)」なわけだが
606創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 16:16:23.53 ID:4C3brLVN
CCが言ってる殺人を肯定する世界って、必要悪としての殺人のことじゃなくて「そもそも法律とかで殺人が否定されてない世界」のことじゃね?
ルルーシュだって散々やってるし
斎藤も表向きはただの警官であって、政府から暗黙の了解的に認められてるだけであの社会が認めたわけじゃない
藤田五郎として人を殺すシーンはなかったはず

どっちにしろ右京とは衝突する…まぁ斎藤はガン無視しそうだけどな
607創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 17:07:47.32 ID:oZXOFlul
斎藤ならまだ剣心とか薫の方が
右京と衝突しないかも
不殺だし
608創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 17:52:37.42 ID:xocVaM3m
>>606
志々雄討伐の時は大っぴらに警察権力使ってなかったっけ
(警察の精鋭部隊50人を選抜してたという言い方から考えて、警察側も殺す気で動いてたっぽいし)

真司のケースから考えて、剣心とは相性良さそう
609創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 19:23:51.85 ID:W43Spdya
>>608
大っぴらっつっても志々雄の存在自体が世間に触れないもんなんだし、政府や警察が必要悪として殺人おkなだけじゃないかな
社会は認めてない、というよりそんな事実知らない

相性はいいかも知れないけど右京さんが「罪を認めて方による裁きを受けてください」って言っても剣心は従わないよね
610創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 19:44:00.45 ID:f+mE/utr
>>609
あの時代(司法権の独立も曖昧だし治罪法さえ整備されてない明治初期)に、
出頭したところで剣心を裁けるような法律があったか微妙だから案外おkじゃね?と思ったけど

よく考えたら剣心、アヘン事件の時に恵さんが警察に自首しようとしたのを口ふさいで止めてたな
結局考え方の部分では相容れないか
611創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 22:29:53.90 ID:W43Spdya
>>610
ついでに右京さんの正義は相手にとっての常識とか法律じゃなくて右京さんにとっての常識とか法律が判断基準になるから
「こっちの世界では別におkでした」は通じない
だからC.C.の「この会場全体に当て嵌めようと考えているなら〜」って話になるんだし
どんな理由があれ人を殺した、って時点でNGなんでしょ
自分の世界に連れて帰って裁くわけにいかないんだから、どうやって償わせるのか知らないけど
612創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 23:43:57.20 ID:f+mE/utr
>>611
そこまで極端だったのか…まぁ殺人自体NGだろうには全面同意だけどけど、
「(意訳)お前らの世界では殺人おkかもしれんけど、世界が違うからって命の価値が変わるわけでなし不殺の妥協くらいできるだろ」ぐらいかと思ってたw
相棒本編を見る限り、右京さんは「法律の内容が正しいからそれに従うべき」なんじゃなくて「それが法律として定められているから従うのが正しい」みたいな考えっぽかったから
(「この国の法はおかしい!」みたいな主張をする政治犯が出てきた時は
「それでもその手段として法に外れたやり方を取るべきじゃない」みたいなスタンスだったから)

確かに、異世界人のVVを逮捕する逮捕する言ってる分には、右京さんの世界の刑法基準なのかもな…
613創る名無しに見る名無し:2012/02/09(木) 23:59:04.93 ID:W43Spdya
>>612
すまん相棒全話見てるわけじゃないからSSの内容で判断してるw
この会場にいる参加者個人個人で命の価値判断明らかに違うから、結局衝突は避けられないだろうけど
「違う世界から連れてこられてる」って分かったうえでパラサイトまで法に当てはめる人だから、右京さんにとっての法律が重視されるのかなーと

そういえばそうだった>V.V.逮捕
どうやって、というよりどこで裁くんだろう
614創る名無しに見る名無し:2012/02/10(金) 04:48:20.94 ID:Ry9UmYBR
逮捕が目的という点ではLも一緒だな
こっちは必要とあれば表向きは柔軟に対応しそうだ。腹の中ではなに考えてるか分からんがw
615創る名無しに見る名無し:2012/02/10(金) 13:44:14.57 ID:1T/Pvq9e
Lはこなたが何かやらかしてるの前提で利用しようとしてるけど、これも右京さんとしてはどうなんだろう
突っ込んだ話し合いになったら最悪右京さんとLが道を違える可能性もあるか?
616創る名無しに見る名無し:2012/02/10(金) 13:46:58.32 ID:8K8JBG7h
いざとなったらLは月を殺す覚悟でいるからなぁ
617創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 10:37:25.37 ID:wq7wiRjn
 後続の書き手さんの参考になるかはわからないけど、自分なりにパラサイトと法律について考えてみた。
 ちなみに、この法律ってのは現在の日本の法律の事ね。作品世界の法律の事は知らん。収拾つかなくなるし。



 まず、パラサイトが法律で保護される存在か(人権が存在するか)といえば、それは否。
 なぜなら、法律で保護されるためには人権享有主体である必要があり、それは日本国民…日本国籍を有する者に与えられるとされている。
 当然、パラサイトに日本戸籍など無い。
 外国籍の者に対しては、国際協調の立場から一部(例:生存権は保障されるが、選挙権は無い等)の人権が保障されているが、パラサイトには外国籍も無い。
 このことから、パラサイト自体は法律で保護されない事になる。

 だが、ここで厄介な問題がある。
 パラサイトは人間と入れ替わる性質を持つため、その入れ替わられた人間の死亡届は、おそらく出されていないということだ。
 こうなると寄生された人間は法的にはまだ生きていることになり、彼らはあくまでも寄生生物に冒された患者、田村さんであり、後藤さん(自称)という扱いになる。
 となると、彼らを殴れば傷害罪であり、殺してしまえば殺人罪となってしまう。

 そんなわけで、彼らを殺せば確実に裁判になるだろうが、ここで問題になるのは、脳死が人の死であるかどうかだろう。
 まず、患者が脳死状態にあることは、誰の目にも明らかである。文字通りの脳無しなのだし。
 患者を殺した時点で寄生された状態(脳死状態)にあった事の立証は難しくないだろうから、脳死=その人の死であると認められるか否かが裁判の焦点になるはずだ。
 一応、臓器移植法の関係で、患者の事前の意思表示や遺族の承諾があれば脳死した患者を死体として扱う事ができるようだが、今回の件は臓器移植とは全く関係ないし、彼らが生前(?)意思表示をしていた描写はないし、遺族の考えもわからない。

 ここで、脳死が人の死であると認められれば、『死体がなぜか攻撃してきた。死亡届は出し忘れていただけ』という扱いになり、罪状はおそらく死体損壊罪。
 しかし、こんな凶暴な死体(?)は破壊した方が、その死体を放置するより損害は圧倒的に少なくなるであろうため、正当防衛で無罪を主張でき、その主張はおそらく通るだろう。

 厄介なのは、脳死が人の死と認められなかった場合だ。
 この場合、もちろん罪状は殺人罪である。
 こうなってしまうと、正当防衛で無罪というのは厳しいかもしれない(無論ある程度酌量されるだろうが)。
 かと言って、防御と回避に徹して怪我なりをしてしまった場合にも、患者は脳死状態であるため責任能力なしとして損害賠償もしてもらえない。
 保護責任者がいる様子も無いので、そちらの監督責任を問うこともできず、完全に泣き寝入りである。



 …右京さんは、ここまで考えて一連の発言をしたのだろうか?
 そうでないとしたら、国民の安全を守る者としても、法に携わる者としても、あまりに無責任であると言わざるを得ない。
 そりゃ、彼の正義はいつか暴走する、そして周りの人間たちを滅ぼすだろう。
618創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 12:54:18.81 ID:/EdTOYfj
>>917
そもそもバトルロワイアル自体、広義の緊急避難で裁けるか微妙な環境だから
右京さん的には、どう裁判されるかより「法の下(白日)に晒す」ことが重要なんじゃないかなぁ…

右京さんは翠星石も人間扱いしてたけど、そうなると右京さん的にアリスゲームは殺人扱いなんだろうか
今回のローゼン勢はアニメ出典だから銀様を一度はジャンクにしているのだし
そうなるとミーディアムとして協力したジュンは共犯扱い?
619創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 13:00:05.62 ID:/EdTOYfj
訂正
今調べたけど、緊急避難は、助かる人数>>死なせる人数、じゃなきゃ成立しないのか
なら正当防衛と言った方が正しいのか
…そうなると>>917の条件でまたややこしくなるんだけども
620創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 13:05:48.83 ID:fScZRrCx
でも日本の警察だって、パラサイトに対しては普通に実力行使に出てなかったっけな
警察官であれば制圧が難しい相手に対しては射殺も許されるだろうし、他の一般人にその役割を担わせるくらいなら
右京さん自身が手を下したほうがまだマシな気がするが…
621創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 13:39:17.94 ID:/XrCPZmS
立件出来る前提ワロス

無断欠勤して行方不明になってた部下が急に戻ってきて
「何もない空間に拉致されて首輪を嵌められて殺しあうように強要されました。そこで意識が途切れたと思ったら会場に移動していて殺し合いされられていたので、首謀者を捕まえてきました」
「因みに、大勢の人が触手が刃物になっている化け物やバッタの様なロボットに殺されました(キリッ」
って報告されたら、穏やかな表情で刺激しないようにしながら休暇取るように勧めるけど
622創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 14:38:40.06 ID:7u8c117G
パラサイトがそもそも人外なんだから、人間社会に適応したからって人間の法を当てはめるのは無理あるよな
パラサイトにとってはただの食事なんだし

熊が人語を解して人間社会に適応したって人権を認めるわけにはいかない
人語を解した熊が人を襲ったら「それは傷害罪です」って逮捕するより撃ち殺すべきだろう

他の人の言ってることと論点ズレてる気がしたけど気にしないことにした
623創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 15:33:00.46 ID:wq7wiRjn
>>622
 そこなんだよな。
 本来的な区分は害獣駆除で、猟友会(…では実際には対処できないだろうから、多分自衛隊)あたりの出番。
 パラサイト自体は普通に駆除してOK。
 仮にオウムが人を襲うようになったとして、普通に駆除されるだろうし。

 でも、絶対エセ人権団体が騒ぐんだろうな。自分だけは安全な所から。
 さらに言うと、今の日本政府だと一昨年の口蹄疫の件からかんがみるに、いよいよ被害が隠し切れなくなるまで徹底的に情報を隠蔽しそうで怖い。
 しかも、パニックを起こさないようにして事態を収束させるための情報規制ではなく、取り返しが付かなくなるまで何もせず、自分たちだけは安全な所から黙って見てそう。
624創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 17:15:02.14 ID:7u8c117G
オウムだと言われたことをただ繰り返してるだけで理解とは言えないから、この場合の「人語を解す」は人間と政治討論ができるレベルな
熊が政治討論できようと、熊は熊だろうという話
右京さんとしては政治討論ができる熊は法で裁いて欲しいんだろうか
625創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 19:24:31.74 ID:fScZRrCx
まぁ知能が高そうな動物ってだけで人権に準ずる権利を与えたがる奴らもいるけどな
626創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 19:51:06.14 ID:/XrCPZmS
>>623
オウムは偉いさんヒットされて本気になった警察が駆除しました

>>624
その定義だと、結構な数の国会議員が人語を解せないってことになるな
秘書やら次官やらに貰ってる原稿なかったらしどろもどろになるだけだし
普通は、人語を解す=人類の言語で意思の疎通が可能
627創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 20:24:26.59 ID:wq7wiRjn
>>624
>右京さんとしては政治討論ができる熊は法で裁いて欲しいんだろうか

彼の意見としては、多分そう。
だからこそ危険。あまりにも無責任で独善的すぎる。

熊であれオウムであれパラサイトであれ、人を襲うようなら知能の有無に関係なく害獣であり、言うとおりに排除されるべき。
少なくとも今の日本の法律ではそうなっている。

大体、知能の有無を人権享有主体となる条件とするなら、幼児や重度の知的障害者には人権がないことになってしまう。
628創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 23:29:39.41 ID:sQJTCExI
予約ktkr
やっぱりクーガーは休めそうにないw
629創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 00:41:07.31 ID:4r4LCTzB
動物保護の高まりないし地球外生命体との接触で、将来的に人に準ずる又はそれ以上の知能を持つ種に○○(種名)権ってのは有りえなくもないが、『人』権は人が持つ生存権・自由権等の権利の総称でしかないから人にしか当て嵌められない
『知能の有無を人権享有主体となる条件とする』ことは、程度の差こそあれど石器時代からある弱者保護の精神がこの福祉全盛期のご時世に何故か退化ないし消滅しない限り有りえないから無意味な定義

被寄生者の死亡を証明出来ない限り、寄生された人の人権は何人たりとも侵せないから、母体が人間な時点で人権は有る
憲法11条改正か裁判所が被寄生者とは公法上で別物って解釈しない限り彼らを害獣としての駆除は不可能
正当防衛もしくは、始末書ないし処分前提の苦渋の決断で、凶悪すぎて逮捕が困難な大量殺人犯として治安当局員による射殺が限界

「すべて国民は、〜」って前置きがあるだけで日本国民=完全保障、日本国民でない人=すべて国民に含まれないから保障外だが国際協調の姿勢で一部の自由権等を除いて保障
ってスタンスで日本人以外の人権は例外だって最高裁が解釈する融通の利かない国だから、被寄生者の人権剥奪とか夢のまた夢ってレベル
裁判所に被寄生者とは別物って解釈されたらされたで次はイルカ権、クジラ権よろしくパラサイト権の議論が起きるだけ
630創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 00:49:07.26 ID:I15aGVgU
なんか色々難しい話題になってるなぁ
右京さんは出会った寄生生物が田村さんやミギーみたいな比較的大人しい連中だから、ああやって人間のように裁けると思ってるんじゃないかな
もし後藤とかAに出会ってれば流石に人間扱いはしない……か?

そして予約キタああああああああああ!!!!
631創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 00:53:09.59 ID:80PxFJ4V
パラサイト法律論で白熱するのもいいけど、予約にノーリアクションで熱く語るのってさすがに失礼じゃないの
まぁ語るなとは言わないけど

予約楽しみ
632創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 01:11:53.48 ID:E3/V5Urk
予約キター!!
第二次病院大戦…いや、まだロロが予約されてないから、下手したら三次もあるか?

相棒原作だと、右京さんって相手が政治家ないしその回し者で
「逮捕してもどうせすぐ釈放されるよ」「逮捕してもどうせ上の圧力で正しく裁かれないよ」みたいなケースでも、
とにかくまずは逮捕しようとしてるんだよね

だから右京さん的には「裁判が成立するか」より「公に引きずり出されること」が重要なんじゃないか
ロワで言ってた「真実を曇らせてはならない」っていうのも、多分そういうこと
それでいて「死刑は法が与えるもなで個人が与えるべきではない」とか
言ってるから、どっちみち無責任に変わりない気がするが…
633創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 01:23:33.96 ID:I15aGVgU
>>632
最後の方にロロいるじゃん

裁くのは右京さんじゃないし、最終的にどうなるとしてもとりあえず逮捕することが大事なんだろうね
634創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 01:59:30.31 ID:E3/V5Urk
>>633
ロロいたか
見落としすまん
635創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 07:14:07.87 ID:LFS23Pi+
志々雄さんは対主催……なのに一緒に予約された時の不安感はなんだろうw
636創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 09:09:53.43 ID:9r6w66Il
>>635
CCOに関しては、アイゼルとつかさはあんまり心配していない。
二人を殺してしまうには、この状況において錬金術の利用価値は高すぎるし、CCOはその辺理解できる頭がある。
あとは、半病人二人が下手な行動を起こさないかどうかとオモ。

問題は、後藤が先に到着したときだな。

アイゼル「暗黒水が〜あれば〜 楽にゴトウマンを倒せるけど〜♪」

…思ったんだが、アイゼルってこの戦いにおいてのロックマンだよな。
正面からの力押しで勝てる相手は少ないが、○○を用意すれば楽に勝てるってパターンが多い。
637創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 13:20:47.09 ID:mZZinrGF
ラアウェの写本とか、貴婦人のたしなみとか、
があっても、後藤・CCO倒せそうだな。

人間系はMP低いから……
638創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 16:39:43.32 ID:9r6w66Il
ラアウェの写本は相手を殺さず逮捕したい場合に便利だな。
精神をダイレクトに攻撃する性質上、PDSDになりそうだが。

…なんか、これはこれでまた変な人権団体が騒ぎそうだ。
相手をPDSDにするラアウェの写本は非人道的だの何だのと。
周りに大きな損害を与える犯罪者連中の方が、よっぽど非人道的だってーの。

でも、後藤に効くかなぁ…?
要するにあれ、硬くて早くて賢いぷにぷにだろ?
ぷにぷに系はMPダメージ無効だったはず。
639創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 16:54:47.03 ID:mZZinrGF
PTSDね。

そんなこと考えたこともなかった…
言われてみれば、精神直接攻撃ってトラウマものだよな。
所謂、「心のイジメ」ってやつか。

>でも、後藤に効くかなぁ…?
あー、確かに、
後藤には効かないような気がしてきた。
640創る名無しに見る名無し:2012/02/13(月) 02:19:43.24 ID:ljNJ+5l6
アトリエシリーズやってないからよくわからないんだけど、精神攻撃って志々雄に効くんかね
あいつが精神揺さぶられてダメージ受けてる姿が想像できない
他にも心がないシャドームーンや、トラウマがあるのか分からない後藤、感情を失った桐山とか……

そういうのとは違うのか?
641創る名無しに見る名無し:2012/02/13(月) 21:47:33.02 ID:Xq/OHPwQ
ゲーム中だとMP(精神力)のゲージが削られるだけで特にそれっぽい描写はない
C.C.のショックイメージはMP攻撃に入るのかも

今のジェレミアにMP攻撃すれば一撃で倒せる気がする
642創る名無しに見る名無し:2012/02/13(月) 22:20:32.18 ID:HzqgS8O+
 どうも、ラアウェの写本はトラウマ的な映像を見せて攻撃してるわけじゃないっぽい。
 もしそうだとしたら、怒り狂って攻撃してくる場合も多いだろうし。
 人間や亜人以外にも、獣や昆虫に対しても効くあたり、多分脳に対して強烈なストレス(負荷)を与えることで、対象の行動を停止させるアイテムと見た。
 まぁ、ある意味麻薬と真逆の性質を持つ攻撃なのだから、その結果として凄い悪夢を見る可能性は高そうだが。

 逆に、脳を持たないゴーレムには全く効かない。脳機能がほぼ停止しているゾンビ系も同様。
(物理的な脳がなくとも、精霊や幽霊のようなオカルティックな精神体にはよく効くが、精神と脳と霊魂の関連性については、現代科学より錬金術の方が真理に迫っているのだろう。多分)

 面白いのは、昆虫にも効くと言っても、有効なのは群れを統率している女王に対してだけであり、兵隊には効かないことだ。
 これはおそらく、昆虫は一つの群れが女王という脳によって制御された一つの生物であると言える事に起因しているのだと思う。
 だから、脳たる女王には有効だが、手足に過ぎない兵隊には効かないのだろう。
(ちなみに、大ボスクラスの敵には大体効かないが、話が立ち行かなくなるのでボス特権と割り切った)



 そんなわけなので、CCOにラアウェの写本は効く。
 ただ、精神力はそれなりに高いので、一発で倒すのは厳しいかもしれない。
 しかし、言霊(っぽいもの)を使っての攻撃なので、切り払うことも出来ないし、盾を構えても防げないし、回避も困難。
 普通に殴り倒す場合の大変さに比べたら、やはり有効といえると思う。

 桐山にも多分効く。
 感情がないとか言っているが、誰かの指示によってのみ動くロボットではない。とりあえず、昆虫の女王よりは確たる自我がある。

 逆にアリスドールには効かない。あれ、ゴーレムの延長だろうし。

 後藤は…わからない。
 >>638のとおり、ぷにぷには何故かMPダメージが無効なので、その延長線で考えると後藤には効かないことになる。
 これが脳がない生物だからなのか、それともぷにぷにだけの特権なのか…?

 シャドームーンは…後藤とは別の理由でわからない。
 シャドームーンがロボットではなく改造人間であり、人間の脳を使用している以上、何かしらの理由で人間の脳を制御システムとして使用しなければいけない理由があったはずだ。
 その重要なパーツに過負荷を与えて機能不全に追い込めば、シャドームーンの制御に大なり小なり不具合が発生するだろう。
 問題は、どの程度の不具合が発生するかだが、こればっかりはシャドームーンの設計者に話を聞かないとわからない。
643創る名無しに見る名無し:2012/02/13(月) 22:37:00.38 ID:ljNJ+5l6
肉体を殴るのと同じように、精神を殴ってるって感じなのかねぇ
ちょっとイメージがあやふやで言葉が分かりづらいけど
644創る名無しに見る名無し:2012/02/14(火) 19:48:51.10 ID:7gsFuZNn
精神を殴るってかなり痛そーだな

ところで今日はバレンタインデーですけどハザマさんは息してますか?
645創る名無しに見る名無し:2012/02/14(火) 20:40:34.93 ID:1msc4ADi
狭間と織田様はローソンにうまい棒買いに行ってるよ
646創る名無しに見る名無し:2012/02/14(火) 20:44:19.44 ID:63zi2Llc
ラアウェの写本って現実世界の「写経」でもって、読みあげて効果がある「言霊」でもあるわけだけど
そもそも現実世界のそれらが異教徒にも果たして効果があるのかどうか、っていうね
自分が悪霊になったとして、聖水かけられてもギャーってならない気がするし
アフリカ奥地の独自の宗教を信仰してた幽霊に、「なんみょーほーれんげっきょー」言った所で効くとも思えないし
日本人の自分ですら、別に仏教徒じゃないからお経とか特に思い入れないし
そもそも吸血鬼に十字架ってのも本家がキリスト教圏の人だからだし
そこら辺を踏まえて作者が好きなようにすれば良いかも
647創る名無しに見る名無し:2012/02/14(火) 22:33:40.31 ID:T/cSey3G
>>642
考察乙。

言われてみたら、後藤は難しいよね。
648創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 02:02:23.22 ID:ejI/+zmF
狭間のことは知らんのだが、魔法が使えるのなら、

パピルマ
敵複数をHAPPY状態にする

とかで、チョコレートをもらったハッピーな妄想にでも浸れるんじゃないだろうか?
649創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 18:18:17.76 ID:9nrR4+vu
最近らきすたを古本屋で全巻そろえたんですが、こなた曰く「UFOキャッチャーは貯金箱である」をもろに今日実践してしまって傷心中…
うん…今度は回数決めてやろう
650創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 19:31:58.59 ID:OnVQA6cd
>>649
勉強できてよかったな。
これがパチンコだったら桁が2つ3つ違ってたぞ。
「パチンコ台は貯金箱」と言いながらガンガンつぎ込む連中の多いこと…。
パチンコ中毒にならずに済むための予防接種だったと思えば安い。
651創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 19:56:30.74 ID:9nrR4+vu
>>650
ありがとう
ちょっと気が楽になったよ
652創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 20:17:11.02 ID:rLoJZ25/
>>650
これから(かなり先だと思うが)ギアスにつぎ込もうかと思ってたよアブネーありがとう
653創る名無しに見る名無し:2012/02/15(水) 22:44:43.01 ID:xU5Ji6EX
カードゲームもかなりの金食い虫だぜ!
654創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 01:36:42.36 ID:Fz/7qqxk
ガンバライドとかな
ガンバライド版王蛇の声がルルーシュにしか聞こえない
655創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 01:49:33.02 ID:zQwsbUhy
俺以外にも同じこと思ってる人がいたか、絶対あれ本人だよね
656創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 09:02:33.81 ID:SG0jovx5
ガンバライドは別売のスイッチが無かったら集めてたなあ
657創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 15:48:54.46 ID:zQwsbUhy
スイッチといえばフォーゼに蟹が出てきたけど、すぐ退場しそうに見えるのは間違いなくシザースの呪いだよな
658創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 16:34:00.29 ID:mYbRzVhN
縁「ぐはっwww効果はバツグンだwwっうぇwww」
659創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 21:25:03.17 ID:zQwsbUhy
予約スレ見て気付いたけど今日投下かwktk
660創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 22:49:06.43 ID:fPGicy12
アイゼル・ワイマール、ジェレミア・ゴットバルト、ストレイト・クーガー、柊つかさ、後藤、志々雄真実、三村信史、ロロ・ランペルージを投下します。
661死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:49:37.43 ID:fPGicy12
アイゼル・ワイマール、ジェレミア・ゴットバルト、ストレイト・クーガー、柊つかさ、後藤、志々雄真実、三村信史、ロロ・ランペルージを投下します。
662死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:49:53.13 ID:fPGicy12
「弱肉強食。それがこの世の理だ」
「そいつは何度も聞いたぜ、ゴシュジンサマ」
「いいや、てめーはまだ分かってねぇ」

 俺自身、理解はしている――俺は志々雄に心酔している。
 志々雄のイカレた考え方に共感しようとしている。
 今更その事を否定するつもりも、後悔するつもりもないさ。
 だけど、どうしても俺は忘れられない……いや、あの病院で思い出しちまった。
 政府が仕組みやがったプログラムに最後まで抗った、瀬戸豊の事を。
 俺が進む道は、選択は本当にこれで合ってんのかって……疑問がよぎっちまう。
 弱肉強食が。
 志々雄真実の言うこの世の理が。
 本当に正しいのか……?

 志々雄の立ち回り方によっては、あの出来事は起こらなかった。
 後藤をあの場で確実に仕留めたり、もっと早く病院に向かったり、な。
 その事が、俺を迷わせる。
 志々雄はそれに気付いてるから、こんな話を振ってくるんだろうな。

「三村。俺の言ってる事がまだ分からねェってんなら思い出してみろよ。
 ついさっき、あの病院で何があったのかよ」

 病院での出来事に、俺達は最初から最後まで部外者だった。
 だから俺達が知っているのはそこにいた奴から聞いた話と、そこから推測した事の顛末だけ。
 それでもやれってか?
 ……OK、ゴシュジンサマ。
 犬らしく、言われた通りに思い出すさ。
 あんたのNo.2でいるにはそれが必要なんだろ?

 既に終わった出来事――二人の道化と、化物と、弱者達の物語を。



 ギアス、C.C.とV.V.、嚮団の話。
 ジェレミア・ゴットバルト自身の話に、その主君であるルルーシュ・ヴィ・ブリタニアの話。
 またギアスユーザーであるロロ・ランペルージの能力と、彼が兄の為に殺し合いに乗っている可能性があるという話。
 総合病院の給湯室で錬金術の作業をするアイゼル・ワイマールと柊つかさの背に向かって、ジェレミアは訥々と語る。
 そして彼は話を終え、アイゼルとつかさから特に質問がない事、それに幾つかの注意事項を確認してから給湯室を出て行った。
 二度目の放送の前に大規模な爆発が起きたこの場所には、どんな参加者が訪れてもおかしくない。
 それでもアイゼル達はこの場に留まらねばならず、その為に見張りが必要なのだ。

 ジェレミアがクーガーを背負って移動する形であっても、この病院からは早く離脱した方がいい。
 戦闘要員がいない状態で動く危険とこの場に留まる危険なら、恐らく後者の方が大きい。
 しかしここの給湯室は一度調合を行っているので、次の調合の準備がすぐに出来るというメリットがある。
 それにつかさが言うには、大きい病院だけあってここは一般家庭のキッチンよりも広く使いやすいという。
 そうなるとアイゼルとしては、せめてリフュールポットの調合が終わるまではここに留まりたいのだ。
 ジェレミアは渋っていたものの、いざという時にはクーガーや彼自身を見捨てる覚悟をする事を条件に認めてくれた。
 アイゼルも危険は承知の上なので、戦う力を持たないつかさにフラムをもう一つ持たせ、いざという時には躊躇わずに使うよう言い含める。

 ジェレミアやクーガーを見捨てる。
 つかさがフラムで人を傷付ける。
 そんな瞬間は来て欲しくないと思いながら、アイゼルはつかさと共に作業を続けた。

 そんな中で、アイゼルは得られた情報を整理する。
 ジェレミアから聞かされた話は、錬金術を扱うアイゼルにとって時間を掛ければ納得も理解も出来るものだった。
 錬金術を極めれば不老不死とて可能――アイゼルも「手段を問わなければ出来ない事はない」と考えているが故だ。
 しかし、実際にそれを手にした者をアイゼルは知らない。
 それを殺し合いを主催したV.V.と、その参加者の一人であるC.C.は持っているのだという。

 相変わらず疑問が残るのはV.V.がこの殺し合いを始めた理由だった。
663創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 22:50:49.91 ID:zQwsbUhy
ふおおおおおおおおおおおおおおおおおおお支援んんんんんんんんんんんんn
664死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:50:52.04 ID:fPGicy12
 アイゼルの考えを裏返せば不老不死は「手段を問わなければ出来ない」ような事。
 それを既に手にしているV.V.が今更何を求めているのか。
 話の途中、アイゼルが最初に考えたのはルルーシュの嚮団殲滅に対する報復だ。
 しかしそれはジェレミア自身が否定した。
 そんな個人的な思惑が背景にあれば、同時にもっと極端な個人攻撃をしているはずである。
 例えばナナリーを殺し合いに参加させたり、最初に参加者を集めた場で彼女を見せしめとして殺害したり。
 それをしていない以上は他に目的があるはず、というのがジェレミアの意見だった。

 代わりに彼が挙げた可能性が、現ブリタニア帝国皇帝とV.V.の間で進められていた計画。
 二人の計画への執着は並々ならぬものだったらしい――だが詳細はジェレミアも知らされていないという。
 V.V.に関する情報は増えたものの、これ以上は考察しようがなかった。

 それに、これまでの会話や同行は全てV.V.に筒抜けになっている。
 それこそがジェレミアがこれまで情報の開示に踏み切れずにいた原因だった。
 「本当に話されたくなければ、そもそも私やC.C.はこの場に連れて来られていない」。
 「連れて来なければならない必然があったのなら、話したところで首輪を爆破されるとは思えない」。
 ジェレミアなりに悩み、その末に全て話すという結論に至ったようだった。
 そして今こうして会話していた三人が無事でいるという事は、彼の判断は正しかったという事になる。
 同時にこの話は、V.V.にとって首輪を爆破してまで止める必要のないものだったとも言える。
 V.V.自身に関わる情報が明かされても、脱出や反逆をされない自信があるのだろう。
 ここを出る希望は未だ見付からない。

 ただ、一つ仮説を立てる事が出来た。
 この会場に参加者を集めるにあたり、参加者一人一人がギアスを掛けられたのではないか、と。
 ギアスが効かないジェレミアやC.C.には別の方法を用いた事になるが、前後の記憶がないという後遺症が一致している。
 ギアスユーザーは一人一人が異なる能力を持つそうだが、能力によっては参加者集めも容易いはずだ。
 嚮団が殲滅されたと言っても、V.V.の他にギアスユーザーが関わっている可能性は高い。
 手の内の知れないV.V.だったが、僅かながら姿が見えたのは大きかった。

 考えているうちにリフュールポットは完成間近となり、アイゼルはホッと息をついた。
 最初に錬成した物よりも材料の品質に気を遣ったので、高い効果が期待出来る。
 これでジェレミアに残った疲労も怪我も回復するだろう。
 クーガーの完治には高品質のエリキシル剤のような特殊な従属効果が必要だが、今は病院から動けるようになる事が第一だ。
 鍋の様子見をつかさに任せ、アイゼルはいつでもここを離れられるよう片付けを済ませた。
 そして残りの時間を無駄にせず、つかさの錬金術メモに書き足しをしながら完成を待つ事にした。

 アイゼルは書きながらふと顔を上げ、つかさの背を見詰めて溜息を吐く。
 ジェレミアとつかさの確執。
 一定の解決は見たものの、つかさは当然まだ引き摺っているし、ジェレミアとてこれで話を終わりとする訳にはいかないだろう。
 アイゼルにしてみればもどかしい案件だ。
 二人はお互いに憎み合っている訳ではないが、水に流す事も出来ない。
 本当に解決する時が来るとすれば、それはずっと――何年も先の事だろう。
 二人とも悪人ではない、むしろ人の好い部類に入るだけに、アイゼルは二人の間の埋まらない溝が悲しかった。

 何とか出来ないものだろうか、と考えつつ鉛筆を紙の上に滑らせていく。
 だが強く四度扉が叩かれた事で、アイゼルは背筋を凍らせて手を止めた。
 それはジェレミアが給湯室を出て行く前に決めた合図だ。
 北岡のような顔見知りの参加者が訪れた場合は、普通に扉を開けて報告すればいい。
 しかしそれ以外、敵味方の判断が出来ない相手が来た場合はそんな暇はない。
 だからジェレミアがここを離れる際には、扉を叩く回数によって危険度を知らせるように決めていたのだ。
 危険が高ければ回数も増え、四度叩かれた場合は――明らかな危険、緊急事態。
 ジェレミアが倒される事を前提として籠城し、それが無理と判断した場合は早期に病院から逃走。
 とにかく最悪の事態を考えた上での取り決めだった。

 こんなにも早く合図を使う事になるとは思っていなかった。
 しかし考えてみればエンドオブワールドが炸裂してから二時間以上が経過している。
 やむを得ない事情があったとは言え、やはり長居し過ぎたのだ。
665死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:51:32.54 ID:fPGicy12
 見通しが、甘かった。
 アイゼルは手早くコンロに掛けていた火を消し、脇に置いていたデイパックを取る。
 無理はしない、戦闘には加わらない、合図を決める際にそう合意したはずだった。
 だがアイゼルはこれまでずっと、何とか出来たはずの事態を傍観して来た。
 何も変わっていない自分が嫌で、とにかく状況を判断しようと部屋の小窓から顔を出さないようにしながら外を覗く。

「ガアァァアァアアアアアアアアアアアア!!!」

 壁も窓も突き破るように響く獣じみた咆哮に、アイゼルとつかさは怯んでしまう。
 正門近くでジェレミアの対面にいたのは、左腕と両足を鉤のように変形させた異形の化け物。
 特徴は完全には一致しなかったが、クーガーから聞いた後藤だとすぐに分かった。
 それ程に圧倒的な存在感だった。
(ダメ。助からない。
 ジェレミア卿……私とつかささんも探し出されて、殺される!!)
 死が明確に、目の前に見えた。
 ジェレミアと話していた時はピンと来なかったが、これが「籠城が不可能な状況」なのだ。

「つかささん……逃げましょう」
 「でも」と抗議に近い声を上げたつかさの手を取り、アイゼルは給湯室を出る。
 未完成のリフュールポットや未だ目を覚まさないクーガーの事が気に掛かるが、今は後回しにせねばならない。
 クーガーとジェレミアを見捨てねばならない時が、来てしまった。
 だが足を怪我しているつかさを逃がし、その後でジェレミアの援護に戻るつもりでいる。
 「協力する」と言いながら彼を置き去りにする事は、アイゼルには出来ない。
 出来れば彼と二人で後藤の足止めをしながらつかさを逃がしたいところだが、つかさ一人では他の参加者に襲われた際に危険だ。
 最優先すべきは、まだ二十歳にも満たない少女の安全。
 向かうのは正門と反対方向にある裏門。
 しかしジェレミアの事が心配になって、途中の廊下の窓から正門の方を見た瞬間――後藤と、目が合った。
「……!!」
 純粋な殺意に足が竦み、座り込みそうになる。

 その後藤の視線を遮ったのは白煙だった。
 ジェレミアの支給品の煙球で後藤の周囲に煙が立ち込めたのだ。
 アイゼルはジェレミアからの助けを受けながら再び走り出す。

 院内の廊下を通って裏口を出、裏門へ向かう。
 裏門を出た先は車が二台すれ違える程度の広さの一本道が続いており、視界を遮るものは何もない。
 だから二人の進む道を阻む少年の姿がすぐに目に入った。
 一刻も早くつかさを逃がそうとしていた、その足が止まってしまう。

「ルルーシュ・ランペルージに会ってませんか?」

 黒い学生服に栗色の髪。
 幼い顔立ちの少年から前置き無く投げ掛けられた質問に、握っていたつかさの手が瞬時に強ばり顔が蒼白になる。
 アイゼルはこの少年についてすぐに思い当たった。
 ジェレミアから聞かされた、ルルーシュの偽りの弟――『絶対停止の結界』を持つ、殺し合いに加わっている可能性があるギアスユーザー。



 負傷した人間や弱い人間が集まりやすい場所。
 殺し合いが始まって半日が経ち、焼け跡から戦場にもなった事が窺える場所。
 必ずここには餌が居る、居なければならない。
 総合病院に到着した後藤は半ば理性を失いながら、獲物を捜して正門からその敷地へ足を踏み入れた。
 草の根を分けても捜し出す、食い殺す。
 そして未だバランスの取り方の掴めない身体に苛立ちを募らせる後藤の視界に、動く物が映った。

 それは後藤の目が普通の人間と同じ二つであったならば、死角となっていた角度。
 周囲の観察の為に後頭部の裂け目から覗かせていた目が、振り下ろされる金色の剣を捉えた。
 殺気を剥き出しにした後藤に奇襲を仕掛けたのは、仮面の男だった。

 首筋を狙った一撃を変形させた二本の刃のうちの一本で弾き、残る一本で男の胸を狙う。
666死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:52:07.39 ID:fPGicy12
 だが初激を防がれた男は即座に後退して胸に突き刺さろうとしていた刃を躱し、後藤から距離を取った。
 普段の後藤ならば、ここでわざわざ逃げずに向かって来た男に対し興味を抱いていたかも知れない。
 しかし今の後藤は逆上している。
 人間は全てただの餌にしか見えない。

「ガアァァアァアアアアアアアアアアアア!!!」

 後藤が怒りのままに吠え、牙を剥く。
 そんな中で病院の片隅で逃げて行く人間の背が見えた。
 二人――餌が逃げる。
 反射的に男を無視して追い掛けようとすると、顔に向かって手のひら大の球体が投げ付けられた。
 咄嗟に左腕を盾に変形させて防御するが、ぶつかった球体は煙を吐き出して周囲を白く染める。

 ここで後藤は既視感を覚えた。
 どこかで同じような事があったような、そんな気がしたのだ。

 それは放送前、人形と少女を相手にした時。
 煙幕弾を使った二人は戦わずに逃げ出し、結局餌にありつけなかった記憶。
 その時の事を思い出すと更に怒りが増し、逃がすまいと左腕を二本の刃に変えて振り回す。
 しかしその時と違うのは、刃が金属とぶつかり合って止まった事――敵はまだ、逃げていない。
「!!」
 煙幕が晴れるのに時間は掛からなかった。
 そして視界が良くなった時には仮面の男は片方の刃を左腕で払い除け、もう片方を剣で打ち払い、後藤の間合い深くまで踏み込んでいた。
 真正面から、後藤の眼に向かって真っ直ぐに突き出された剣。
 刃は敵を逃さないよう腕ごと広範囲に伸ばしてしまい、至近距離まで迫った剣を止められない。
 避けようとするが、咄嗟の体重移動に片腕を失った身体は付いて来られずにバランスを崩した。

 切っ先が後藤の四つの目のうちの一つを傷付ける。
 それでも掠めただけで、後藤はすぐに攻撃に転じた。
 広げていた腕を縮め、至近距離まで接近していた男の背後から二本の刃を振り下ろす。

 だが、肉を裂くはずだったそのニ撃は失敗に終わる。
 男の背と接触した瞬間に金属音が響き、斬る事が出来なかったのだ。
 真後ろからの衝撃に僅かにたじろいだ男は、後藤から見て右側に向かって跳躍して追撃を逃れた。
 そこは本来ならば、後藤の右腕が逃げ道を塞いでいたはずだ。
 分かり切っていた事ではあるが、片腕を失って出来た隙は大きい。

「貴様をこの先へ進ませはしない……このジェレミア・ゴットバルトがな」

 傷付いた眼を肉に埋め、新たな眼を形作る。
 そしてジェレミアと名乗った男を、後藤は四つの眼で改めて注視する。
 軽微であれ傷を負わされ、反撃に失敗した。
 だが病院を訪れた直後と違って後藤の頭は冷え切っていた――我に返った。
 本来ならば一人の人間ごときに手傷を負わされた事で怒りを覚えるところだが、既に逆上し切っていたからこそ別の事を感じている。

 死角からの攻撃と視界を奪う煙幕、背に仕込まれているであろう装備、後藤の腕の欠損を利用した回避。
 後藤が求めていた『戦いの工夫』を見た事で本来の欲求を取り戻す。

 それは食欲に勝る、戦闘欲求。
 戦いこそが自身の存在意義であると、思い出したのだ。
 志々雄に敗北した――だがパラサイトが食う側、人間が食われる側という構図が変わった訳ではない。
 三木を失った――だが頭部以外に未だ三体のパラサイトを従える後藤を倒せる人間は、この会場内とて多いはずがない。
 逆にその敗北と欠損を埋めてこそ、最強のパラサイト足り得る。
 『戦闘の工夫』を求めて来た後藤が、今度は工夫する番になる。
 ただ強大な力で敵を捩じ伏せるだけではない、むしろこれこそが戦いの本質なのではないか。

「……後藤だ」

 ジェレミアの存在は脅威ではない。
 身体能力は高くともあのサングラスの男程ではないし、一見して火器の類は装備していない。
667死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:52:36.85 ID:fPGicy12
 遠距離攻撃の手段を持たず、出来るのは接近戦のみ。
 また剣の形状を見ると腕に直接仕込む種類のものであり、右腕さえ使用出来なくすれば戦えなくなるだろう。
 ただし万全でない今の後藤が油断すれば、先程のように一矢報いられる可能性はある。
 冷静さを取り戻した後藤は慎重に相手の出方を伺う。

 「先へ進ませない」という言葉から考えれば、ジェレミアの目的は足止め――恐らく病院の裏手に向かった人間を逃がそうとしている。
 その思惑に気付いても、後藤には既に逃げた二人を追うという選択肢はなかった。
 戦えれば、それでいい。
 ただ後藤は機械のように戦いに身を委ねる。



 ロロは放送で篠崎咲世子の名前が呼ばれて少々驚いたが、それだけだった。
 強かろうと死ぬ時は死ぬ、この殺し合いがそういう場なのだという事は既に分かっている。
 故に方針を変える程の事は何も起きていない。
 放送を聞き終えてから更に長く休憩を取り、それから徒歩で総合病院へ向かった。
 ズーマーデラックスを用いなかったのは、片手で運転するには有事の際に危険で、エンジン音が邪魔になるからだ。

 病院に近付き、まずは裏門から中を探る――二人の参加者と出会ったのは、その裏門に入る直前の事だった。
 どちらも女、ロロでも対処し得る殺害対象。
 如何に効率良く殺すかを心中で模索しながら、その前に情報を得ておこうと単刀直入に尋ねる。

「ルルーシュ・ランペルージに会ってませんか?」

 さっと二人の表情が強張ったのを見て、ロロはこの二人がルルーシュについて知っているのだと気付く。
 質問を重ねようとすると、何かを言い掛けた少女の声に被せるようにその隣りの女が答えた。

「ロロさん、かしら。
 私達は……何も知らないわよ」
「……どうして僕の名前を?」

 志々雄の傍に控えていた少女には、「兄」という言葉から名を知られてしまった。
 だが今はその時のようなミスは犯していない。
 緊張を高めるロロに対し、女はすぐに種明かしをした。
「ジェレミア卿から聞いているわ」
 ロロはその言葉を聞いて安堵する。
 ジェレミアとは親しい訳ではないが、同じ陣営に属す仲間だ。
 そのジェレミアから情報を得ているなら、この二人は自分への警戒を解く――殺しやすくなる。
 そう思いロロは一歩、二人に歩み寄った。

 だが二人は同時にロロから距離を取った。
 ロロとの間にある距離を縮めまいと、後ろへ下がったのだ。

「……どうしたんです?」
「貴方の事は、聞いているのよ。
 あなたの能力……それに、殺し合いに乗っているかも知れないって」
 ロロは密かに舌打ちする。
(余計な事を……)
 それもギアスの話までしているという事は、ジェレミアはこの二人――明らかな弱者と同盟関係にあるのだろう。
 つまりV.V.が嘘を吐かないと知りながら、ルルーシュの蘇生よりも弱者の保護を選んだのだ。
(兄さんの家臣だなんて言いながら……!!)
 それはロロにとってはルルーシュへの裏切りに等しい。
 ジェレミアに対し怒りを沸かせながら、ロロは目の前にいる二人の方へ意識を戻す。

「ジェレミアがどう言ったか知りませんけど、僕は殺し合いなんてしませんよ」
 それを聞いても二人は警戒を解かなかったが、少女の方は明確な変化が起きていた。
 顔色は会話した分だけ青ざめていき、これではルルーシュについて深く知っているのだと白状しているようなものだ。

「今……ジェレミア卿は正門で、左腕を変形させる化け物と戦っているわ。
 彼を助けてくれるなら、私はあなたを信じてあげる」
668死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:53:06.27 ID:fPGicy12
 沈黙を見かねたのか、女が交渉を持ち掛けて来た。
 その『化け物』にロロは心当たりがある――教会で遭遇した後藤だ。
 左腕という部分に引っ掛かりは感じたが、変形する化け物が会場のこんな狭い範囲内にゴロゴロいるとは思えない。

(冗談じゃない……!)

 後藤はジェレミアと二人掛かりでも勝てる気がしない、別次元の相手だった。
 ジェレミアが一人で対処しているとなれば、いずれ彼は死ぬだろう。
 ギアスキャンセラーを持つ彼を倒す手段を持たないロロにとって、それはむしろチャンスだ。

「兄さんの事、知ってるんでしょう?
 あなた方が兄さんの事を教えてくれたら、ジェレミアを助けに行きます」
 心にもない嘘に対して二人が明白に狼狽したのを見て、あと一歩だとロロは密かにほくそ笑んだ。
 ここまで情報開示を躊躇うからには、決定的な情報を得ているはずだ。
「僕は……どうしても知りたいんです。
 僕と兄さんは、たった二人の兄弟だから……」
 同情を惹くように言葉を選ぶが、偽りはない。
 ルルーシュよりも他人を優先したジェレミアとは違う、純粋に誰よりも兄の事を思っている。

「お、お願いします!!」

 涙声で少女が言う。
 それを制止しようとする女を押し退けるように、少女はロロに訴えた。

「私の事は、後で好きにして下さい!
 だから今は、ジェレミアさんを助けてあげて……!!」

 ロロの事を信じ切った、切実な叫び。
 出会ったばかりの相手をこうも簡単に信用するとは、上手く行き過ぎて気持ちが悪いぐらいだ。
 「私の事は……」という一文に妙な引っ掛かりを覚えるも、些末事として聞き流した。
 笑い出しそうになるのを堪えながら、ロロはその続きを聞く。

「私が、ルルーシュ君を……殺し、ました」

 「は?」と、訝しげな声を出してしまう。
 ロロもまさかこんなに幼く見える少女がルルーシュ殺害の張本人だとは思っていなかった。
 だがこれまでの態度、そして今の真剣な表情から考えれば、少女が嘘を吐いている可能性は極めて低い。
 「私の事は、後で好きにして下さい」――つまりは、そういう事なのだ。

 ギョロと目付きが変わる。
 ロロは彼女に、殺意を露わにした。



 どうしても耐えられなかった。
 一生謝り続けるのだと、そう決めたのだから。
 ジェレミアには全て打ち明けて謝罪したのに、ロロには危険だからと真実を黙っている事が正しいと思えなかった。
 何よりジェレミアが一人戦っている――しかも彼と共に戦う事も出来るアイゼルが、自分を逃がす為にここにいる。
 二人の足枷となっている罪悪感が、ますます焦燥を生む。
 助けて欲しい、協力して欲しい、その為なら自分に出来る事は何でもするのだと。
 そしてつかさは、罪を告白した。

 つかさは成長した、強くなった。
 ただ守られるだけだった頃とは違う、努力もしている。
 けれどつかさは人の悪意に対し余りに鈍かった。
 ジェレミアとの決裂を免れてしまったが為に、『最悪の事態』を知らずにここに至ってしまった。
 余りにお人好しな、一般人だった。

 ロロが放つ不穏な空気につかさもすぐに気付く。
 それはただの怒りではない、ジェレミアと衝突した時とは違う。
669創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 22:53:22.63 ID:zQwsbUhy
支援
670死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:53:40.38 ID:fPGicy12
 それは殺意なのだと、浅倉やゾルダと接触して来たつかさは知っている。
「あ……」
 目の前に蛮刀を振り上げたロロがいた。
 つかさが向けられた殺意に呆然としたのは一瞬だった、彼とは数メートル以上の距離を置いていた、彼は手ぶらだった。
 それなのに彼が近付くのも刀を出すのも見えなかった。
 ロロのギアス、絶対停止の結界――ジェレミアの説明はつかさには難しかったが、これで身をもって思い知る事になる。

 そのロロの蛮刀を受け止めたのはアイゼルだった。
 これまでずっと使う事のなかった日本刀で彼の一撃を押し返す。
 アイゼルの力は強いとは言えないが、片腕の彼よりは有利なようだった。
「っ、どうしてギアスが……!!」
 悔しげに言いながらロロが離れる。
 つかさも不思議に思う――彼のギアスは一定の範囲内の全ての人間に作用するという話だった。
 しかしアイゼルはロロと同様にデイパックから日本刀を抜き、彼の行動に対応している。
「つかささん、鐘を!」
 アイゼルの声を聞き、ハッと我に返った。
 つかさはすぐに合点が行き、自身のデイパックに手を入れた。

「させるか!!」
 鬼気迫るロロの声につかさが怯み、同時に彼と対峙した状態にあったアイゼルの動きが止まる。
 アイゼルの刀は容易く払われ、無防備になった彼女をロロが袈裟懸けに斬り裂いた。
「アイゼルさんッ!!!」
 飛び散る血を見て悲鳴に近い声で叫びながら、急ぎ眠りの鐘を引き出す。
 そして鐘を握った手を振り上げた。
「させないって……言ってるだろ!!」
 ぶん、とつかさが鐘を握った手を振り下ろす。

 しかし鐘は鳴らず、つかさは「え?」と間の抜けた声を出してしまう。
 見れば鐘は斜めに斬られ、鐘としての機能を果たせなくなっていた。

 そして見上げれば、ロロがいる。
 その眼を見ただけで、つかさは呼吸する事も動く事も出来なくなった。
 浅倉のものとも違う、つかさだけに向けられた殺意と悪意。
(強くなったはずなのに……)
 カタカタと震えながら地面に尻餅を着いてしまう。
 落としたデイパックに手を伸ばすが、震えてしまって中から物を取り出せない。
 ロロは黙ったまま、刀をつかさの右足の甲に突き立てた。

「あ、あぁっぁぁあああああぁあぁあああああ!!!!」
 悲鳴を上げて刀を抜こうとする。
 けれどロロは上からそれを押さえており、外せない。
 ぐり、と軽く刀を捻られただけでつかさは気を失いそうになった。
「ゃ、痛……ああああ!!!!!」
 涙をボロボロと落としながらロロを見上げる。
「お前が悪いんだ……兄さんを殺したお前が、全部全部全部全部」
 憎悪の言葉を吐き、それでも顔はとても嬉しそうだった。
 刀に触れて抜こうとするつかさの手を踏み付ける。
「〜〜〜〜〜ッ!!!」
 体重の掛かった足の裏が指を千切るようで、刺された足の痛みと相まって悲鳴が声にならない。
 地面にはじわじわと血が広がり、横に落ちていたデイパックに染み込んでいく。

 それでもつかさは唇を噛み締め、叫び出したくなる自分を押さえ付ける。
 歯の根がガチガチと震えて合わなくなる、それでもロロに向かって話し掛けた。

「お願い、……します……」
「は?」

 あからさまにロロは不機嫌な様子を見せるが、今のつかさに出来る事はこれだけだ。

「助けに、行ってあげて……。
671死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 22:54:31.25 ID:fPGicy12
 お願――」

 言いかけたところでロロに頬を蹴られた。
 唇の端が切れて血が滲み、鉄の味が口の中に広がる。
(でもルルーシュ君も、お姉ちゃんも、次元さんも、奈緒子さんも……もっと、痛かったよね)
 足を刀に拘束されたままつかさは地面に倒れる。
 それでも起き上がり、もう一度ロロを見上げた。
「何回でも、蹴っていいから……お願いします……」
 ロロは黙り、つかさを睨んでいた。
 つかさも黙って、彼の返答を待つ。

 やがてロロは刀をつかさの足から引き抜いた。
「いっ……!!」
 声を上げそうになりながら押し殺し、傷に手を当てる。
 痛がっている暇はない。
 いまはただ、何としてもロロを説得せねばならない
「つかさ……って呼ばれてたっけ」
 痛みを考えないようにするつかさに、ロロは言う。
 つかさは返事をしようとするが声が出なかった。

 そしてロロはつかさの返答を待たずに、つかさの腹を蹴り飛ばす。
「!! ぁ、は……ッ」
 唐突な痛みにつかさの思考は追い付かない。
 その間にロロは何度も、何度も、何度も、同じ箇所に蹴りを入れる。
 つかさが手で腹を守ろうとすればそれごと蹴り抜いた。

「何で僕が、お前の言う事を、聞くと、思うんだよ!!!
 兄さんを殺したくせに、殺したくせに、殺したくせに!!!!
 ここで殺すに決まってるだろ、僕がこの手で、お前が苦しむように、殺してやる、殺してやる、殺してやる!!!」
 つかさが苦痛の声を漏らし、胃の中の物を吐き出し、それでもロロの激情は止まらない。
(ごめんなさい……私やっぱり、何の役にも……)
 諦めてつかさは目を閉じた。

 しかし突然鼓膜を破りかねない程の大きな爆発音と共に、閉じた瞼に強い光が刺さる。
 体に熱風を浴びて煽られ、コンクリートの上を転がされた。
 呻きながらつかさは目を開け、よろよろと起き上がる。
 周囲の黒煙が晴れるとロロは病院から遠ざかる形で、十メートルは離れた所に倒れていた。
 辺りに火薬の臭いが満ち、一本道を形作っていた民家の塀はそこかしこが崩れて爆発の激しさを物語っている。
 爆発の原因は、フラム。

「ごめんなさい、遅くなったわ……」

 アイゼルがロロにフラムを投げたのだ。
 時間が掛かったのは恐らく少しの間気絶していたせいだろう。
 斬られた箇所から血を流しながら心配してくれるアイゼルに対し、つかさは「大丈夫です」と無理矢理笑って見せた。

「ロロさんは……」
「あの威力では、分からないわ。
 でも今は、とにかく回復してここを離れ――」
「あれ……」
 アイゼルにリフュールポットを使おうとするが、つかさの傍にあったはずのデイパックは見当たらなかった。
 爆発の衝撃でどこかに飛ばされてしまったらしい。
672創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 22:54:54.99 ID:zQwsbUhy
不吉なタイトルだなぁ
673死せる者達の物語――Everything is crying ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:00:04.03 ID:fPGicy12
「どこに――」
 探そうとして見回し、つかさは気付く。

 ロロが立ち上がっていた。
 学生服は焼けてボロボロになりながら、破れた隙間から覗く肌には傷一つない。
 そして彼の手にはデイパックがある。
 血の付着したそれは彼のものではなく、つかさのものだ。
 彼はつかさとアイゼルがそれを探していた事に気付いていたようで、わざわざ見せ付けるようにして後方に投げ捨てた。
 回復手段はもう無い、残った二つのフラムもあのデイパックの中だ。

「平気よ」

 だがアイゼルはつかさを勇気付けるようにそう語り掛けた。
「つかささん、これで止血を。
 すぐ終わるから、そこで待っててね」
 つかさはアイゼルから包帯と彼女のデイパックを受け取った。
 だが、この状況を作ってしまったのはつかさなのだ。
 戦う力がない、足に怪我をしたつかさに出来る事は何もないが、それでもアイゼル一人に戦わせるのは忍びなかった。
「アイゼルさん、」
「弟子ならそこで見てなさい」
 アイゼルは落ち着いた声でつかさの呼び掛けを遮り、ロロと対峙した。
 止血をしながらつかさは彼女の背を見る。
 それは凛とした、大人の女性の背だった。


674――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:01:37.75 ID:fPGicy12
 忠義を優先するなら、後藤を視認した瞬間に逃げるべきだった。
 戦えば死ぬと、一目で分かったのだから。
 だがジェレミアは退かなかった。
 忠義に背く事になると理解しながら、失う事への恐怖がジェレミアを突き動かした。
 今もただ、失いたくないという一念で後藤に立ち向かっている。

 剣と左半身の装甲で後藤の刃を防ぎ、踏み込んで頭部を狙う。
 後藤の身体は、クーガーと共に戦っていた斎藤一の一撃さえ受け止める程に強固だったと聞いている。
 だが最初の攻防で眼球の強度は人間と変わらないと分かった。
 また後藤が眼の傷を埋める様を観察し、修復の間は全身に隙が出来る事に気付く。
 故に狙うのは首から上。
 逆に言えばそれ以外に、後藤を倒す手立てはない。

 しかし十、二十と攻防を繰り返すうちに、元々抱えていた疲労が足を重くする。
 完治していなかった傷が熱を帯びる。
 そして徐々に動きが鈍るジェレミアとは裏腹に、初めはぎこちない動きだった後藤は次第に速度を増していった。
 クーガーの話では後藤は五体満足だった――恐らくどこかの戦闘で腕を失い、調子が狂っていたのだろう。
 それが戦いが長引くにつれて腕のない状態に慣れ、ジェレミアが攻め込む隙は失われていく。
 更にジェレミアが後藤の頭を狙うように、ジェレミアの装甲の範囲を読み取った後藤は生身の部位を重点的に狙い始めた。
 一進一退だった戦況から、徐々に防戦一方へ追い込まれていく。

 後退を余儀なくされているうちにジェレミアの背が病院の周囲の塀に当たった。
 二本の刃がジェレミアを挟み込むように左右から襲い掛かる。
 ジェレミアはそれを剣と左腕で払うものの、追い詰められた状況から脱する隙はない。
 その攻防の間に後藤は更に距離を詰め、ジェレミアの眼前に迫っていた。



 後藤の左腕が枝分かれして変形した二本の刃は、細い腕によって支えられている。
 制限がなければ人間の胴体を容易に切断する力があるものの、この会場にいるような者達なら刀剣で弾く事が出来る。
 速さは充分だが、重さが足りないのだ。
 これまではその分両腕、四本の刃の手数によって攻撃力を上げていたが、その手段はもう使えない。
 このままじわじわとジェレミアの体力を削っていけばいずれは勝てるという確信はあっても、それでは意味がない。
 後藤は――パラサイトは、圧倒的でなければならない。
 たかが人間ごときとは違う存在なのだという確固たる自覚を取り戻さなければ、志々雄への敗北は払拭出来ない。
 だから後藤は解決策を考え、思い出す。
 最初の放送の前、サングラスの男が見せた戦い。
 両腕を地面に着けて――

 後藤は二本の左腕を刃から鉤爪に変形させ、地面に突き立てる。
 そして腕で全身の体重を支え、両脚を振り上げた。

 制限が掛かっていても自動車並の速度を誇る強靱な脚。
 移動の為の利用が主、斎藤やクーガーとの戦闘でも用いたが飽くまで腕の補助であり主軸としては使って来なかった。
 それを足技を多用するクーガーの動きを参考に、両脚を腕の代用となり得る武器として活用する。
 本来の身体を支えるという役割故に腕のように長さを自由に変えられないが、接近戦しか出来ない相手にはリーチは大きな問題にならない。
 その一撃、否、二撃は腕の刃よりも重い。



 後藤の振り上げた右足をジェレミアが剣で受ける。
 その勢いを削ぐには片腕の力だけでは足りず、剣を左手で支えて漸く止まった。
 しかし後藤が振り上げたのは両脚。
 残る左足を止める術はなく、蹴りがジェレミアの右腕を直撃した。
 塀に押し付けられる形になった右腕が後藤の脚力と体重によって潰され、骨がバキバキと音を立てて折れる。
 ジェレミアは上げそうになった悲鳴を歯を食い縛って噛み殺すが、後藤は更に足裏を棘のように変形させた。
 折れた腕を貫かれ、塀に縫い止められる。

「ぅあああああああああ!!!!」
675創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:02:11.85 ID:zQwsbUhy
支援
676――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:02:16.07 ID:fPGicy12
 絶叫し後藤から逃れようとするが、離れるには刺さった足を抜く必要がある。
 後藤はその暇を与えず、突き刺した左足をそのままに右足で更に蹴りを加えた。
 ジェレミアが左腕でそれを防いでも完全には止めらない。
 腹部を腕ごと圧迫する蹴りが二度、三度と繰り返され、その度に衝撃の伝わった塀に亀裂が広がった。
 五度目の蹴りでジェレミアの口から血が一筋零れ落ち、後藤の蹴りを押し返そうとしていた腕の力が抜ける。
 ジェレミアの左腕が僅かに下がったのを見逃さず、後藤の踵はジェレミアの腹を穿った。
「がは……っ」
 コンクリート製の塀に亀裂を走らせる威力のそれを直接受け、ジェレミアは血の塊を吐く。
 力尽きたように全身を弛緩させたものの、唇を噛み締めて意識を繋ぎ留めた。
 しかし唯一の武器を持つ右腕が縫い止められていては反撃のしようがない。

 後藤が右足の先を鋭い棘に変えるのを、ジェレミアはどこか冷めた目で見ていた。
 このままただ蹴りを続けていても相手を殺せる、それなのに武器を用意するという事は、後藤はこれで終わりにするつもりなのだろう。
 案の定、棘はそれまで狙っていた腹部ではなく更に上、頭部へ向けられた。
 矢のような速度で迫ってくるそれは、命中すれば容易くジェレミアの頭蓋を突き破る。
 間違いなく死ぬ。
 間違いなく――死ねる。
 何もかも終わりに出来る。
 やっと、主達のもとへ行かれる。
 そう思うとそれもいいのではないかと思えた。
 やけに動きが遅く見える凶器を前に、そうなればどれだけ楽だろうかと想像してしまった。

 だが、ジェレミアはその誘惑を打ち払った。
 未だ捨てられない誇りの為に、生に執着した。
 仇への復讐も、彼女達を守る事も、諦められなかった。

 ジェレミアは首を横に傾け、標的を失った棘は塀に深く刺さった。
「おおおおおお!!」
 そして身を乗り出し、前へ進んで後藤の頭へ左手を伸ばす。
 腕を貫かれたジェレミアは後藤から逃げられなくなったが、逆に言えば後藤もまたジェレミアから離れられないのだ。
 前に踏み出す事で縫い止められた箇所が裂け、傷が広がる。
 ブチブチと肉が千切れていく音に構わず更に前へ体を押し出し、上半身を後ろへ逸らして躱そうとしている後藤の顔を掴んだ。
 四つの目のうちの一つへ親指を押し込み、顔面ごと握り込む。
 後藤の顔に驚愕や怒りの色は浮かぶものの、痛みを感じているようには見えない。
 だが、目玉は透明な硝子体を弾けさせて潰れた。

 意図しない反撃で頭部を圧迫された後藤は手足の変形を解いた。
 ジェレミアが更に握る力を強くし、後藤が少しずつ頭部の形を変えても外す事は出来ない。
 しかし後藤はゆっくりと振り上げていた両足を地面に下ろし、腕に代わって体重を支える。
 そうして体勢が整ってから、刃のなくなった腕を鞭のようにしならせてジェレミアに叩き付けた。
 指の力が緩み、ジェレミアの体が吹き飛ぶようにして後藤から遠ざかり地面に転がる。
 すぐに起き上がったジェレミアは飛び退り、後藤から更に距離を取った。

 ジェレミアは潰されて血に染まった右腕を押さえ、息を弾ませる。
 荒い呼吸と共に喉の奥に込み上げた血を吐き出した。
 スカーフで腕を縛るが、貫通した傷から溢れる血の勢いは少々弱まった程度。
 額には脂汗が滲み、失血に目眩がする。
 対する後藤は既に新たな目を構築し終わっているにも関わらず、ジェレミアの止血を見逃していた。
 変形の解けていた手足も今は元の形状に戻っており、態度に余裕が見られる。

 もし後藤の頭部への攻撃で手足の変形が解けていなければ、右足の棘が背後からジェレミアの首を貫いていただろう。
 攻める事だけを考えた捨て身の攻撃――それでも後藤には、大したダメージを与えられなかった。

「どうする?」

 後藤はジェレミアに追撃せずにそう尋ねた。
 その語調に哀れみはなく、ただ機械的なものだ。
 諦めずに戦って死ぬか、諦めて食われるか――動きの鈍っていくジェレミアに残された選択肢はこの二つだけだった。

「私は……まだ……!!」
677――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:02:49.99 ID:fPGicy12

 ジェレミアは諦めない。
 後藤を倒してこの場を生き残り、復讐を果たす。
 例え倒せなかったとしても、一分でも一秒でも長く彼女達が逃げる時間を稼ぐ。
 動かなくなった右の手首を左手で掴んで持ち上げ、剣を構えた。

 だがジェレミアの決死の思いを嘲笑うように、裏門の方角から爆発音が響く。

「なっ、……」
 ジェレミアは視線をそちらに奪われ、絶句した。
 細く立ち上る黒煙がアイゼル達と無関係だなどと楽観出来るはずがない。
 音と煙の原因はアイゼルが調合したフラムだと想像するのは容易い。
 彼女達がそれを使わざるを得ない状況に陥っているのだと、嫌でも思い知らされる。

「どうする?」

 後藤は再度尋ねた。
 時間稼ぎは無駄だったのだと、これ以上戦ったところで無駄なのだと、変わらずただ事実を突き付けるように言う。

 アイゼル達は、無事かも知れない。
 あれはフラムによる爆発ではないかも知れないし、フラムだとしてもあの爆発で脅威を撃退出来たかも知れない。
 だが、浅倉やゾルダが戻って来た可能性がある。
 他の危険人物が訪れた可能性がある。
 無事な可能性はある――だが失う可能性が怖い。
 後藤を倒さなければ助けに行かれない。
 後藤を倒さなければ守れない。
 後藤を倒さなければ失う。
 後藤が、邪魔だ。

「そ、こを――」
「?」

 ジェレミアの声は震え、後藤は聞き取れなかったようで首を傾げる。
 そしてジェレミアは今度は吼えるように叫んだ。

「そこをどけええええええええええええええええええ!!!!!!!」



 アイゼルと十メートル以上の距離を空けながら、ロロの手に握られた大振りの蛮刀は直接的な死のイメージを作り出していた。
 恐怖で震えそうになる手足を押さえ付け、アイゼルは彼と睨み合う。
 斬られた箇所は未だに出血しており、痛みと熱で気を失いそうだった。
 だがつかさを後藤がいる病院から逃がすには、この道に立ち塞がるロロを倒さなければならない。
 彼女の足が無事ならアイゼルが彼を引き付けている間に逃がしているところだが、それも出来ない。
 だからアイゼルはここで戦わなければならないのだ。
 それに例え彼に時を止める能力があっても、勝算がない訳ではない。

 時を止める能力はそれだけで圧倒的で、勝つには「時を止めている間は心臓が止まる」という短所を狙う必要がある。
 即ち使える回数に限りがあり、時を止めながら激しい運動をする事は出来ないという欠点だ。
 またギアス能力を除けばロロの身体能力は常人と変わらないという。
 ルルーシュがつかさにあっさりと殺されてしまったように、ギアスユーザーにも漬け入る隙はあるのだ。
 こうした情報を予め得ている点も、アイゼルにとって大きな助けになる。

 アイゼルは刀を片手持ちにし、空いた方の掌を離れた場所に立つロロに向ける。
 初めは戦う事に躊躇した為に簡単に倒されてしまったが、今はもう覚悟を決めている。
 一度も威力を確認していないフラムを投げた時点で、相手を殺す事への躊躇いは捨てた。
 だから、アイゼルは叫ぶ。

「ロートブリッツ!!!」
678――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:03:29.12 ID:fPGicy12
 アイゼルの手から赤い雷がほとばしり、ロロに直撃する。
 ジェレミアやロロの世界に魔法はない、故にロロの不意を完全に打つ事が出来た。
「な、ん……」
 体をぐらつかせ、それでもロロは倒れていなかった。
 杖のような威力を底上げする武器はなく、また今のアイゼルのレベルではこの程度の威力にしかならない。
 しかし、それで充分。

「シュラオプスタッフ!」

 手をかざして再び叫ぶと、今度はロロが一瞬で離れた場所に移動して白い炎を回避していた。
 ギアスを使った為にそう見えたのだろうが、それはアイゼルの読み通りだった。
 ロロの移動距離はシュラオプスタッフを避けられるだけの最低限のもので、時を止めたのは僅かな時間と分かる。
 今のロロは長時間の時止めを出来ない、その証明。
 ロートブリッツという電撃をその身に受けた彼は、それだけで心臓に負担を掛けている。
 無理に時を止めれば死に至る状況に追い込む、その覚悟が出来ていなかったからこそ先程はこの手を使えなかったのだ。

 ロロが一気に間合いを詰める。
 長期戦が危険だと気付いたのだろう、しかしアイゼルは手を彼に向けたままだ。
「シュラオプスタッフ!!」
 ロロは再び瞬間移動――ギアスを使用したが、やはりその回避はギリギリのもの。
 もうギアスに頼った戦いは出来ないはずだ。
 だがアイゼルもアイテムの錬成で疲労しており、魔法を撃てる回数に限がある。
 だからここからはお互いに前に出るしかない。

 接敵するロロをアイゼルが正面から迎え討ち、無限刃と蛮刀が衝突して鍔迫り合いになった。
 ロロは完全に息が上がっており、今心臓を止めるのは自殺行為だとアイゼルにも分かる。
 その上でアイゼルは追い打ちを掛けた。
 片腕の彼には同じく片腕で対処出来ると判断して片手を刀から離し、その言葉を口にする。
「ロート――」
 ロートブリッツの直撃も時止めによる心臓への負担も、どちらも命に関わるだろう。
 だからアイゼルはロロを殺害する覚悟でロートブリッツを放つ――対する彼が取った行動は、蹴りだった。
「くっ……」
 アイゼルの言葉は途切れ、蹴られた腹部を庇うように背を丸めてしまう。
 そこへ振るわれた蛮刀はかろうじて弾いたものの、アイゼルは体を支えられなくなって崩れかけの塀に寄り掛かった。
 蹴られた衝撃でほとんど処置の出来ていなかった傷が開き、押さえる手が紅く濡れる。
 しかし痛みで僅かの間だけロロから目を離してしまったアイゼルは、慌てて周囲の状況を確認した。

 つかさはアイゼルと道を挟んだ反対側、より病院に近い位置で塀を背にして座り込んでいた。
 止血した後、戦いの邪魔にならないよう道の端に移動したのだろう。
 そしてロロは病院に背を向ける形で逃げ出していた。
 弱ったアイゼル、それに復讐の対象であるつかさを放置した事に違和感を覚えるが、ロロを追い返せたのだと気を緩ませる。
 しかし彼は立ち止まって振り返った。

 アイゼルからの距離は十メートル以上、その手の中にあったのは――フラム。



 後藤の呼吸を図る事もなく、衝動のままにジェレミアは駆け出した。
 動かない右腕を左手で補助し、迫る二本の刃を剣で順に払い退けて後藤の目前まで踏み込む。
 あと一歩で頭部に届く――だがそれは誘い込まれたのだとすぐに気付いた。
 二本の刃は回避した、しかしそのうちの一本から更に枝分かれした細い刃が控えていたのだ。
 頭部を狙われていたのは、ジェレミアの方だった。

 ジェレミアは咄嗟に上体を逸らして回避したものの、刃が額を掠め、裂けた箇所から流れ出した血が右目を塞いでしまった。
 血糊を拭う代わりに即座に仮面を開き義眼の左目で周囲を見渡そうとすると、目前に後藤の変形した脚が迫っている。
 それをかろうじて左腕で受けるが、弾かれて数メートル先の病院の外壁へ叩き付けられた。
「がッ……!!」
 背の装甲から伝わった衝撃が半身の傷に響き、肺から空気が搾り出される。
 たたらを踏みながら何とか倒れる事は避けたが、後藤は既にジェレミアに向かって来ていた。
 ジェレミアは後藤をギリギリまで引き付けてから地面を蹴り、後藤に背を向けないようにしながら横へと逃れる。
679――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:04:05.54 ID:fPGicy12
 その動きへの対応が間に合わなかった後藤はそのままの速さで壁に衝突した。

 だが後藤にとっては壁も地面も条件は変わらない。
 衝突の瞬間に後藤は壁を蹴り、跳ね返るようにして速度を落とさずにジェレミアに追い縋った。
 横へ回避するのがやっとだったジェレミアに追い付くのは一瞬。
 がば、と大きく開いた口はジェレミアの頭を飲み込まんとするが、ジェレミアは盾代わりにかざした剣に食らいつかせた。
 剣と強靱な歯が擦れ合いながら耳障りな音を立て、同時に後藤は左の二本の刃を振り上げる。
 ジェレミアに刃を止める術は残されていない。
 右腕に力が入らない以上、それを支えている左手を離せば後藤は剣を吐き出して再び牙を剥くだろう。
 二本の刃がジェレミアの右の脇腹に真横から突き刺さり、そのまま胴体を三つに切断する――

「ぐっ、おおおおおおおおお!!!」

 しかし、まだ終わらない。
 苦悶の声と共にジェレミアが機械の左足を蹴り上げ、剣に噛み付いていた後藤の顎に命中させた。
 噛み締めている最中に強い衝撃を受けた後藤の歯、そしてジェレミアの剣に亀裂が走る。
 そしてジェレミアは後藤の顎の力が弱まったのを見計らい、後藤の口を振り払った。

 ジェレミアが普通の人間ならば、生身の体に後藤の刃が当たった時点でバラバラにされて死んでいる。
 そうならなかったのは胴体の厚みよりも長かった刃が、背の装甲に当たって止まったからだ。
 刃が短ければ止まる事はなく、ジェレミアは今頃腹わたをぶち撒けていた。
 運に助けられた――しかし後藤を倒すには、その程度ではまるで足りない。

 後藤はヒビの入った歯に代わる新たな歯を作り出す。
 複数のパラサイトを統率するだけで莫大なエネルギーを必要とする頭部が変形する事で、後藤の全身は隙を見せた。
 後藤のプロテクトが無くなる、ジェレミアにとって最後の好機となる。
 しかし後藤とて理由なく隙を見せた訳ではない。
 痛みに鈍いパラサイトにとっては、急いで歯を再生させる必要などない。
 ジェレミアが攻撃して来ないと判断したからこそ、急がなくてもいい変形をする余裕がある。

「はぁっ……はぁっ……!!」

 血の滴る脇腹を押さえながらジェレミアが膝を着く。
 途中で刃が止まり運良く即死を免れたとは言え、傷は深く出血は止まらない。
 嘔吐感と共に口の中に濃い鉄の味が広がる。
 後藤の隙に気付いてはいても、すぐに動けなかった。
 だが震える足で無理矢理に体を支え、駆ける。
 そして後藤の腹へ剣を突き立てた。

「惜しかったな」

 後藤の腹を貫くはずだった剣は、硬い皮膚の表面で止まっていた。
 ジェレミアが立ち上がるよりも早く歯の生成を済ませた後藤は、既に全身をプロテクトし直していたのだ。
 僅かな傷も付けられず、逆に亀裂の入っていた剣は砕け散った。
 後藤が脚を折り曲げ、その膝でジェレミアの腹を抉るような勢いで蹴り上げる。
「ぐ、ぁ……っ」
 ジェレミアは防御も出来ずにその一撃を受け、身体を宙に浮かせた後で地面に強く打ち付けられた。
 痛みに苛まれて呻き、蹲る。
 一度は上半身を起こしたものの力が抜け、再度地面に這い蹲った。
「ゲホッ、ごふっ……」
 咳き込むと血が撒き散らされ、手足はガクガクと痙攣する。
 そしてジェレミアに当たっていた陽光が遮られ、影が出来た。

「よく持った方だが……終わりだ」

 太陽を背にして傍らに立った後藤を目にし、ジェレミアはもう一度足に力を篭める。
 長く続いた攻防で体力は限界まで削られ、全身が悲鳴を上げる。
 よろめきながら立ち上がるが、武器はもうない。
 それでもジェレミアは拳を握り、素手で後藤に殴り掛かった。
「はあああああああ……!!!!」
680創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:04:18.18 ID:YHRmNi1b
681――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:04:47.81 ID:fPGicy12
 後藤を一撃で仕留めて走れば、まだ間に合うかも知れない。
 今まで届かなかった手が、今度こそ届くかも知れない。
 例え不可能であっても、ここで諦めれば更に失う事になる。

 しかしジェレミアが腕を振り上げた瞬間、声が差し挟まった。

「衝ぉぉ撃のおおぉおぉぉぉぉぉ――」

 それは後藤にとってもジェレミアにとっても聞き覚えのある声。

「ファーストブリットぉぉぉぉおおおおおおおおおッ!!!!!」

 後藤の顔面に向かって横合いから、最速で向けられた一撃。
 それを反射的に刃から変化させた盾で受けた後藤は、攻撃されたのと逆の方向に跳ぶ事によって勢いを和らげた。

「ストレイト・クーガー……」
 ジェレミアが名を呼ぶと、クーガーは後藤と向き合ったまま振り返らずに問うた。
「つばささん達は裏門か!?」
「つかさだ……」
「どっちでもいい!!
 さっさと行け、こいつは俺が相手をする!」
 律儀に訂正するジェレミアを半ば無視しながら、クーガーは顎で裏門の方角を指し示す。
 これまで後藤によって塞がれ、どう足掻いても開けなかった道が開けた。
「恩に着る……!」
 クーガーの不調についてジェレミアもアイゼルから聞かされている。
 故に後藤と一対一で向き合わせる事に抵抗はあったが、この場ではアイゼル達の安全以上に優先される事はない。
 ジェレミアは走り去り、後にはクーガーと後藤だけが残された。



 ロロが手にしたフラムを見て、アイゼルはすぐに合点がいく。
 アイゼルのフラムを受けてから彼が立ち上がるまでに時間があった。
 彼はその間に自前の、傷を完治させるような――リフュールポットよりも優秀な回復アイテムを使った。
 そして更に、つかさのデイパックを物色したのだ。
 今も逃げたのではなく、爆発に巻き込まれないよう用心して離れただけ。
 そこまで気付いても、アイゼルの足は動かなかった。
 血を失った体は重く、動かない。

 つかさを苦しめてから殺すと言ったロロが、なりふり構わずに一撃でアイゼル諸共彼女を殺そうとしている。
 それはアイゼルがギアス以外の未知の能力によってロロを追い詰め過ぎてしまったせいだ。
 悔いてももう遅い、離れた場所にいるつかさを庇う事も出来ない。
 ゾルダのエンドオブワールドを材料にしたフラムの威力は既に一度試している。
 周囲の民家の塀まで崩したあの力は、レジストを持つアイゼルが万全の状態で受けても危険だ。
 まして今は負傷しており、つかさに至っては身を守る術を一切持たない。
 フラムが炸裂すれば、アイゼルもつかさも死ぬ。

(つかささん、ごめんなさい……)

 錬金術の師として、彼女を守りたかった。
 ヘルミーナなら、イングリドなら――或いはエルフィールなら、こうはならなかっただろうか。
 もっと強ければ、もっと非情でいられたら、もっと優秀な錬金術士だったなら、彼女を守れただろうか。

 諦めかけたそこへ、声が届いた。

「アイゼル!!」

 その声はとても意外で、アイゼルは反射的にそちらに視線を奪われる。
「ジェレミア、卿……」
 助けに行くつもりだったはずなのに、助けに来られてしまった。
 申し訳なさと共に後藤の事が気に掛かるが、今はそれどころではない。
682創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:05:05.39 ID:zQwsbUhy
支援
683創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:05:09.05 ID:YHRmNi1b
684――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:05:28.85 ID:fPGicy12
 裏門まで辿り着いたジェレミアがアイゼルの方へ駆け寄ろうとしている――それでも状況は悪いままだ。
 ハッとしてロロの方へ視線を戻す。

「みんな、死んでしまえ……!!!!」

 駆け付けたジェレミアを目にしながらロロは止まらない。
 叫ぶ声と共に、ロロはフラムを投げた。
 一度ロロの手を離れてしまえば、もう爆発を止める手段はない。

 切迫した状況下で、アイゼルに手が差し伸べられた。



 ロロが投げ込んだフラムを目視し、ジェレミアは舌打ちする。
 この状況に至るまでの過程を想像している時間はないが、これから訪れる結果が最悪なものだという事だけは確かだ。

 フラムを直接弾く――否。
 フラムは恐らくアイゼル達とロロの中間地点で爆発する。
 だがジェレミアの位置からはアイゼル達の所まで間に合うかどうかさえも危うく、フラムに手が届く前に爆発が起きるだろう。
 そうなればジェレミアはともかくつかさもアイゼルも死ぬ事になる。

 つかさとアイゼルを抱えて少しでも爆発地点から離れる――否。
 ジェレミアの右腕は使い物にならない。
 普段ならともかく、今は人を二人運ぶ事は不可能だ。

 つかさとアイゼルを庇う――否。
 ジェレミア一人では、両者とも小柄とは言え人間二人を爆発から庇う事は出来ない。
 フラムが一度使われたと思しき周囲を観察すれば、フラムの威力は窺い知れる。
 中途半端に守ろうとしても二人共爆発の余波を受け、最悪どちらも命を落とす。
 そもそもつかさとアイゼルの二人の位置が離れている以上、両方を庇うには一人を抱えて移動しなければならない。
 今のジェレミアには難しく、時間も余裕も残されていない。

 故に助けられるのは――庇えるのは、つかさとアイゼルのうちの、どちらか一人だけ。

 だからジェレミアは、アイゼルを選んだ。
 一瞬の判断で、迷ってはいられなかった。
 フラムがロロの手を離れてから爆発するまで数秒、その間に彼女を助ける為に疾走する。
 痛みさえ忘れ、真っ直ぐに。

「アイゼルッ!!!」

 もう一度彼女の名を呼び、ジェレミアは手を伸ばす。
 皇族達にも、同行していた女性にも、今まで誰にも届かなかった。
 誰も助けられなかった。
 もう同じ事は繰り返すまいと、その一心で走る。
 その為に、ジェレミアはつかさを見捨てた。

 アイゼルに手を伸ばしながら、ジェレミアの視界の端につかさが映る。
 足に怪我をして身動きの取れないつかさは泣き出しそうな表情だった。
 泣き出しそうな表情で、ジェレミアと目が合った瞬間――彼女は強く頷いた。
 自分の死が間近に迫っている事を知りながら、それに怯えながら。
 「助けてあげて」と。
 そう言っているように見えた。


 そして、フラムは炸裂した。



685――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:06:06.50 ID:fPGicy12
 クーガーが目覚めたきっかけは爆発音だった。
 全身の痛みの為に意識が戻ってから立ち上がるまでに時間が掛かってしまったが、動けるようになるとすぐに救護室を出て周囲を確認。
 爆発が起きた裏門の方角へ向かおうとしていたのだが、それよりも先に正門付近で戦うジェレミアの姿を発見した。
 そして敵対する相手が、風貌こそクーガーの知るものと異なるが後藤であると気付く。
 僅かに逡巡してからクーガーは裏門ではなく正門へ走った。

 二人の間に割って入ってからジェレミアを裏門へ向かわせたクーガーは、後藤の出方を伺う。
 だが後藤がジェレミアを追い掛ける気配はなく、クーガーはアルターを纏った脚を屈伸させながら尋ねた。
「何だ、追わないのか?」
「……俺は戦えればいい」
「そーかい」
 クーガーが言い終わるより早く、二人は一度目の放送の前に中断した戦いを再開した。

 クーガーが飛び蹴りを放ち、後藤が二本の左腕を束ねて盾に変えて受け止める。
 次いで後藤が蹴りで空中にいたクーガーを狙うも、クーガーは蹴りに使わなかった方の足裏で止めた。
 衝突によって弾かれるように両者が距離を取る。
 体力を失っているクーガーと右腕を失くした後藤は互角だった。

 しかし戦闘が長引けば不利になるのはクーガーの方だ。
 こうして戦っている間も両脚に激痛が走り、力を抜けば膝から崩れ落ちてしまうだろう。
 だから短期決戦が必要になる。
 クーガーは後藤から更に距離を置く為に後方に向かって大きく飛び、着地する。

 フォトンブリッツ――クーガーが持つ最速の手にして諸刃の剣。
 使えばクーガーはここで命を落とす事になる。
 だが命懸けで討つだけの理由がある相手だ。

 その最中、裏門の方角から再び爆発音が轟いた。
 時間にしてジェレミアが到着した頃だが、裏門で何が起きているのかはとても想像出来なかった。
 出来る事ならクーガーも駆け着けたいところだが、後藤がそれを許す相手でない事は重々承知している。
 つかさやアイゼルの事を気に掛けながら、クーガーは全てを諦めた。
 目の前にいるこの化け物を倒す為に、残る力の全てを注ぎ込む。

 クーガーが周囲の物質を分解し、再構成させる。
 後藤はそれを興味深げに見詰める――が、両者は同時に気配を感じて正門の方を見た。

「ああ、俺の事は気にすんな。
 ただ見学してるだけだからよ……そのまま続けてくれ」

 その男は隠れる素振りすら見せずにそこにいた。
 全身を包帯に覆った、薄紫の着流しの男。
 後藤とクーガーの両方から視線を注がれながら、まるで動揺する様子はない。
 軽薄そうな口調とは裏腹に男の眼は真剣なもので、この場で起きる全てを一つ漏らさず観察しているようだった。

「……また仕切り直し、だな」
 クーガーにとっては敵か味方かも判然としない男の登場だったが、後藤はあっさりと身を引いた。
 拮抗した状況が崩れる事の危険を察知しての事だろうかと推測してみるものの、実際のところは分からない。
 後藤は跳躍し、正門でも裏門でもない病院を囲む塀を飛び越えて姿を消す。
 その目線は最後まで、クーガーではなく包帯の男に向けられていた。

「逃げちまったか。
 面白えもんが見れると思ったんだが、残念だな」
 男がクーガーに襲い掛かって来る様子はない。
 それを確かめたクーガーは警戒をそのままに、男を置き去りにする形で裏門に向かって走る。
 ジェレミアは二人のもとに辿り着けたのか、つかさとアイゼルは無事なのか。
 後藤の脅威が一時的にであれ消えた以上、クーガーにこれ以上の関心事はない。

 そして裏門に到着したクーガーを出迎えたのは数カ所に広がる血痕と原形を留めない塀、一部が崩れた民家に爆発痕。
 惨状と呼ぶにふさわしい光景だったが人の姿は見当たらない。
 ここには少なくともつかさ、アイゼル、ジェレミア、それに恐らく危険人物の四人がいたはず。
686――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:07:10.18 ID:fPGicy12
 その誰もがここに残っていないという事は移動したのだろうか。
「つばささん、アイゼルさん、ジェレミア卿!! どこに――」
 呼び掛けながら先に進もうとした時、クーガーの耳に小さな声が届く。

「クーガー……さん……」

 消え入りそうな弱々しい声――少し離れた民家の庭からの呼び掛け。
 クーガーはすぐに声の出所に気付き、駆け寄った。



 フラムを投げる直前にジェレミアの姿が目に入っても、ロロに迷いはなかった。
 ルルーシュよりも他人を優先した裏切り者。
 何より携帯電話越しに聞いた、ナナリーを探す彼の声を思い出す。
 フレイヤによって政庁ごと消し飛んだナナリーは死体も残らなかった。
 それなのに捜し続ける彼の姿勢は、余りに不愉快だった。

 ジェレミアの存在は、邪魔だった。
 ルルーシュの前に現れた瞬間から信用され、既に嚮団殲滅戦と第二次東京決戦の二度の戦闘に起用されている。
 嚮団から奪ったジークフリートを改造したワンオフ機、サザーランド・ジークまで与えられた。
 アリエス宮――ロロの知らないルルーシュの過去を知る、腹心。
 しかもロロにとって天敵とも言えるギアスキャンセラーを持っている。
 ルルーシュのギアスが暴走した際に止められる唯一の人間。
 ロロにとっては目の上の瘤だ。
 それをここで始末出来るなら、これ程都合の良い事はない。
 つかさを甚ぶって殺せない点には悔いが残るが、邪魔者を三人も殺せる絶好の機会。
 故に、ロロはフラムの使用を躊躇わなかった。

 爆発による閃光と爆音、爆風にロロは反射的に腕で両目を覆って保護した。
 だがその直前に目にした光景に狼狽する。

 轟音の後、徐々に煙が晴れていく――そして改めて状況を確かめ、直前に見たものが見間違いでない事を知った。
 同時にジェレミアの生存を確認する。
「ッ……!!」
 怯えるようにロロはその場から逃走した。
 つかさのデイパックを回収してからズーマーに乗り込み、一度も振り返らなかった。

(どうして……何で!?)

 何度か角を曲がって病院からある程度距離を取った後、ロロはズーマーから降りて座り込んだ。
 痛む胸を押さえ、息を整える。
 アイゼルと戦ってからずっと頭痛が続き、このまま運転を続けるのは危険だ。

 休憩して気持ちを鎮め、それでも疑念は拭えない。
 つかさは信用出来るか定かでない状態のロロを前に、ルルーシュ殺しの罪を認めた。
 それなら同盟関係にあるジェレミアにも当然言っているはずだ。
 しかしつかさはジェレミアに殺されていなかった。
 その上――

(何で……!?)

 具合がある程度回復したのを確認し、ロロはズーマーに乗って逃走を再開する。
 爆発の後、ジェレミアは死んでいなかった。
 ジェレミアの姿を見た上でフラムを投げたからには、彼との敵対は必至。
 だが戦うには相性が余りに悪く、病院には戻りたくとも戻れないのだ。
 追って来られる可能性も考えれば、少しでも離れなければならない。

 そう思ったロロの数メートル先、立ち並ぶ民家の屋根の上から道路の中央に人影が降り立った。
 ロロは急ブレーキを掛けてその影の直前で止まり、慌ててズーマーを降りる。
687創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:08:23.78 ID:zQwsbUhy
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688創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:08:28.09 ID:99MIrWqp
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689創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:09:32.21 ID:99MIrWqp
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690創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:10:21.94 ID:99MIrWqp
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691創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:10:44.14 ID:YHRmNi1b

692創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:11:01.57 ID:YHRmNi1b
693創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:11:09.46 ID:99MIrWqp
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694創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:11:13.64 ID:zQwsbUhy
支援
695――Don't be afraid of shade ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:11:16.16 ID:fPGicy12
「ジェ、ジェレミア……」

 道を阻んだのは、今まさに会いたくないと思っていた相手。
 右半身を血で染め上げたジェレミアがそこに立っていた。
 左手には抜き身の日本刀を握り、仮面の下から覗く左目の視線はロロに向けている。
 彼に表情はなく、呼び掛けに対する返事もなかった。

 片腕で運転するロロはズーマーの速度を上げられず、その後に短いながらも休憩を取った。
 対するジェレミアは屋根伝いに最短距離で移動し、義眼の視力を利用してロロが逃げた方角、そしてエンジン音からこの位置を特定したようだ。
 それでもズーマーでの逃走にこうも簡単に追い付かれるとは思っておらず、ロロは歯噛みする。
 憎しみと共に彼を睨み付けるが、同時に彼から向けられる殺気に膝が笑っている事に気付いた。
 無表情ながら、後藤から向けられたものとは違う――敵意も殺意も憎悪も、人間の負の感情を何もかも混ぜ込んだような視線だった。

 だがすぐに冷静になる。
 目の前の男は満身創痍――初めにロロの前に現れた時点で血塗れで、更にフラムの直撃を受けたのだから当然だ。
 肩で息をしている状態で、ここまで追い付くのがやっとだったのだろう。
 こうしている間にもジェレミアの右手からは少しずつ血が滴り、コートの赤い模様が広がっていく。
 例えジェレミアがどれだけの殺意を抱いていようと、ギアスキャンセラーであろうと、今なら勝てるかも知れない。

「……何で……兄さんを殺したって知ってて、つかさを殺さなかったんだ」

 勝ち目が見えた事で余裕が出来たロロは、答えの出なかった疑問を口にする。
 ジェレミアはそれに、答えようとする素振りすら見せなかった。
 その態度が余計にロロの神経を逆撫でる。
 もしかしたら知らなかったのかも知れない、という可能性もこれで消えた。

「何で、……何で僕の邪魔をした……!」

 爆発の前後の光景を思い出す程に怒りが湧き、握った拳がわなわなと震えた。
 それでもジェレミアは答えない。
 ロロは叫ぶように、ジェレミアへの怒りをぶち撒ける。


「何でつかさを庇ったんだよ!!!!」


 ジェレミアは何も答えない。
 ぼんやりとした機械的な光を帯びた左目の奥からは、彼の真意を読み取る事は出来なかった。


696創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:12:34.81 ID:YHRmNi1b
697死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:12:50.24 ID:fPGicy12
 とても、残酷な事をした自覚がある。

「アイゼルッ!!!」

 彼は、私に手を差し伸べてくれたのに。

「駄目ッ!!」

 私は……彼を拒絶した。

 エルフィールは優秀だった。
 初めは鈍くさいだけだと思っていたのに、いつの間にか追い抜かれていたわ。
 ノルディスも私には決して振り向かなかったのに、あの子には応えていた。
 だから私は自分を見詰め直そうとして、旅に出た。
 悔しくて、悲しくて、それでもエルフィールを嫌いになれなくて、もう近くにはいられなかったから。

 でも私には、エルフィールに自慢出来る事がある。
 ヴィオラートとつかささん、二人の弟子。
 真面目でひたむきな錬金術士の卵達。
 エルフィールだって優秀な錬金術士なんだから、今頃色んな生徒を抱えてるかも知れないけど――この二人は、私だけの教え子。
 ヴィオラートはまだまだで、つかささんにも基礎の基礎を教えただけ。
 それでも二人の存在は、私の誇り。

 だからつかささんの前で、ちょっとだけお姉さんぶって、痩せ我慢をして。
 私よりも彼女に助かって欲しいと、ジェレミア卿に助けて貰いたいと、そう思ってしまった。

 私の気持ちを汲んでくれたジェレミア卿はあの瞬間、走る方向を切り替えてつかささんに駆け寄って――爆発から庇った。
 今、私の顔を覗き込んでいるつかささんの姿を見て、私はホッとする。

「ごめん、なさい……」
 私の止血をしようとしているジェレミア卿に謝罪する。
 彼にとってつかささんを助ける事がどんな意味を持つのか、私にだって分かってたわ。
 それにルルーシュさんが亡くなった事で彼がどれだけ傷付いたのか、私は知ってる。
 「また助けられなかった」と奈緒子の遺体を前に嘆いた姿だって知ってる。
 そんな彼が、助けようとした相手に拒まれたらどれだけ絶望するか――分かってたのに。

 けどここでジェレミア卿が彼女を見捨てたら、二人が向き合った時間が無駄になってしまう。
 やっと歩み寄り始めたのに、何もなくなってしまう。
 ジェレミア卿の苦悩も、つかささんの勇気も、消えて欲しくなかった。

 身体が痛くて、少しずつ眠くなってきた。
 でも彼の仮面の下の瞳を初めて見て……淡く緑色に光るそれをもっと近くで見てみたくなって、私は手を伸ばす。
 怒られるかも、って心配だったんだけど、彼は何も言わない。
 仮面に触ってみる――ベタ、と触れた箇所に赤い痕が付いた。
 血……これ私の血、よね。
 ジェレミア卿も酷い怪我だけど、リフュールポットはロロさんに持って行かれてしまったし……。
 ……やっぱり私、もう助からないのね。
 道理で、ジェレミア卿もつかささんも悲しそうな顔をしていると思ったわ。

 二人とも辛そうで、苦しそうで。
 でも二人がこうして傍にいてくれるお陰で、死ぬのが少しだけ怖くなくなった。
 ……ごめんね、奈緒子。
 私……貴女より少しだけ、幸せだったみたい。

 殺し合いが始まったばかりの頃、一人ぼっちで心細かった。
 でもジェレミア卿が手を差し伸べてくれた。
 初めは戸惑いの方が大きかったけど、三人で過ごした車内は楽しかった。
 今も、こうしてジェレミア卿とつかささんがいてくれるから……怖いけど、寂しくはなかった。
 「ありがとう」と口にしたけれど掠れてしまって、二人の耳に届いたかは分からない。
 今度はちゃんと聞こえるように、声を出す。
698創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:13:03.63 ID:YHRmNi1b
699死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:13:32.46 ID:fPGicy12

「生きて、ね」

 頑張って、なんて言えなかった。
 二人とも頑張り過ぎてるぐらいなんだから……元気にしていてくれれば、充分よ。

「私の分も……」

 死ぬのは怖い。
 けど私は、エルフィールに恥じない生き方が出来たと思う。


【アイゼル・ワイマール@ヴィオラートのアトリエ 死亡】



 クーガーが駆け寄るとつかさが足を引き摺りながら、庭先の茂みから這い出て来る。
 慌てて彼女の上体を確かめると、足の怪我は不器用にではあるが既に止血されていた。
 命に別状はないようでクーガーは胸を撫で下ろす。
「つばささん、二人はどこに……?」
 クーガーが尋ねると、堪えるように下唇を噛み締めていたつかさは眉をひそめ、くしゃりと表情を歪ませる。
 二度の爆発と地面の血の跡から、無事ではないだろうと覚悟していた。
 だから悪い知らせがあると理解しながらも、クーガーは続きを聞こうとする。

「クーガー。それにつばさ……いや、つかさか」

 しかし、背後から聞こえた声にクーガーは即座に振り返る。
 そこにいたのは包帯の男と学制服の少年――先程は隠れていたのだろう。
「そう警戒すんなって、てめーとやり合うつもりはねェよ」
 言いながら男は俯いているつかさの方へ視線を動かし、語り掛ける。
「それより嬢ちゃん、俺達にも話を聞かせちゃあくれねェか。
 俺達はここに来るまで運悪く、他の参加者に全く会えなくてよ」
 わざとらしい声色で、嘘だとすぐに分かった。
 だがこの男は恐らく、嘘だと分かるように言っている。
 要は「こっちから渡す情報はないがお前らの知ってる事は全て教えろ」と。
 お願いという名の脅迫をしているのだ。

 無条件で情報を渡す事に抵抗はある。
 とても信用出来る相手ではなく、情報を悪用される可能性すらある。
 だが身のこなしと余裕から、この男が実力者である事は疑いない。
 要求を断れば、最悪戦う事になる――つかさがいるこの場で。
 クーガーにはこの男の言う通りにする以外に道はないのだ。
 渋々アルターを解いて話し合いの姿勢を見せると男は笑みを深め、名乗った。

「俺は志々雄真実、こっちは三村だ。
 ま、仲良くしようや」



 志々雄の姿を見て、俺は逃げた。
 強者二人を同時に相手取るのは無理と判断したからだが、それは逃げるという行為を正当化しようとしているようで我ながら不快だった。
 しかも志々雄から逃げたのはこれが二度目で、俺の内側で怒りが渦巻いているのを感じる。

 それでも三木を奪われた時ほどの怒りではない。
 今は既に、俺が求めるべき本能を取り戻している。
 そう、俺にとっては戦いこそが……。

 ただ二戦連続して中断した事でストレスが溜まっているのは確かだ。
 更なる闘争と餌を探す為に、俺は再び会場内を徘徊する事にする。
700死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:14:04.55 ID:fPGicy12
 泉新一の死によって一度は右腕の代替を諦めた。
 だが改めて考える――田村玲子の存在を。
 本物なら、利用しない手はない。
 ヤツを右腕として統率出来るかは試してみなければ分からないが、少なくとも取り込んでプロテクトの足しにする事は出来る。

 思考しながら家々の屋根から屋根へと跳び移って進んでいるうちに、下方の道路に血溜まりを見付けた。
 飛び降りてみると、顔を潰されて死んでいる金髪の人間。
 周囲の血は固まっており、死んで少し時間が経っている事が分かる。
 戦闘の後にこれは、丁度良い。
 志々雄のせいで使い過ぎたエネルギーを補給する事にしよう。
 俺は大きく口を開け、その死体の上半身に食らい付いた。


【一日目午後/H−8西の裏路地】
【後藤@寄生獣】
[装備]無し
[支給品]支給品一式×3(食料以外)、前原圭一のメモ@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0〜1、カツラ@TRICK、カードキー、知り合い順名簿
    三村信史特性爆弾セット(滑車、タコ糸、ガムテープ、ゴミ袋、ボイスコンバーター、ロープ三百メートル)@バトルロワイアル
[状態]疲労(大)、左腕(三木)欠損、ダメージ(小)
[思考・行動]
0:会場内を徘徊する。
1:志々雄真実を殺す。
2:強い奴とは戦いたい。
3:田村玲子が本物なら捜し出して取り込む。
[備考]
※後藤は腕を振るう速度が若干、足を硬質化させて走った際の速度が大幅に制限されています。



 僕は何も間違ってない。
 兄さんの弟なんだから、兄さんの仇を討とうとするのは当前……おかしいのはその仇を守ろうとするジェレミアの方だ。
 だからその事を糾弾しようとしたのに、ジェレミアは無言のまま。
 僕はそれが余計に勘に障って、わざとジェレミアの神経を逆撫でる言葉を選ぶ。

「そもそも何でブリタニア貴族の癖に兄さんの隣りにいるんだよ……マリアンヌの部下だったから?
 忠義なんて言って、兄さんの事をマリアンヌの代わりとでも思ってたんじゃないか!?
 だからつかさの事だって殺さずにいられるんだ……!!」

 偉そうで、自意識過剰で仕草が芝居掛かっていて、兄さんに仕える自分に誇りを持っていて。
 僕がジェレミアに抱いていた印象はそんなところだ。
 だからこう言えば必ず食って掛かって来ると思っていた……なのに、それでもジェレミアは黙ったままだった。
 背筋をピンと張って自信に満ちていた、僕の知るジェレミアとは別人のようだった。
 むしろ逆の……沈鬱な空気を纏った、死人みたいな。
 勝ち目が見えて冷静になったはずなのに、嫌な汗は止まらない。

「結局、本当に兄さんの為を思っているのは僕だけ――」
「ロロ・ランペルージ」

 遮るように、ジェレミアが漸く口を開いた。
 声が持つ威圧感は僕が知るままだったけど、底冷えするような重さを持っていた。
 「ひ」、と僕は情けなく息を飲んでしまう。

「私は貴様と問答をしに来たのではない」

 僕のここまでの話を全て無視するようにジェレミアは言う。
 「じゃあ何?」と精一杯の虚勢を張って聞くと、ジェレミアは左手に握っていた日本刀をゆっくりと持ち上げた。
 視線は僕に向けたまま、静かに宣言する。

「速やかに死ね」
701死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:14:38.54 ID:fPGicy12
 ぞわ、と全身の毛が逆立つ。
 これだけ殺気を向けられていたんだから分かってたはずなのに、それでも恐怖に支配されてしまう。
 今まで僕の話を黙って聞いていたのはただ、「知り合いのよしみで遺言ぐらいは聞いておいてやる」って……その程度の理由だったんだ。

 だけど……僕は兄さんの姿を心に思い描く。
 そうすると自然と平常心に戻れた。
 僕はデイパックから蛮刀を抜き、ジェレミアに向ける。

「最初から気に入らなかった……!
 後から来た癖に、当たり前みたいに兄さんの傍にいるお前が!!
 咲世子も、C.C.も、お前も、誰も要らない!!
 僕には兄さんだけがいればいいし、兄さんには僕だけがいればいい!!」
 兄さんの弟という確かな立場に裏打ちされて、僕の震えは止まっていた。
 けれど返事を期待していなかったこの言葉に、ジェレミアは溜息混じりに返して来た。

「奇遇だな、ロロ……私も初めから気に入らなかった。
 ナナリー様がおわすべき場所に平然と居座る貴様がな」

 ブツン、と。
 僕の中で糸が切れるような音がした。

「い、……言ったな……その名前をッ!!」

 ナナリー……!!
 ナナリーなんかよりも僕の方が兄さんを愛してる!
 目と足が使えないナナリーと違って、僕は兄さんの足手纏いになんてならない!!
 ナナリーも、ナナリーの名前を呼ぶ人間も、みんな、みんな消えてしまえ……!!!

「わぁぁぁああああああああ!!!」
 蛮刀を振り上げ、ジェレミアに向かって駆ける。
 ジェレミアは動かない。
 怪我の重さを考えれば、動けないのかも知れない。
 ギアスが効かなくても今なら仕留められる、仕留めるなら今しかない。

 上段に構えていた蛮刀をジェレミアに向けて振り下ろす。
 けれどジェレミアはそれを一歩後ろに下がっただけで簡単に避けてしまった。
 そして僕の蛮刀が大きく空振りになると、ジェレミアは今度は前へ一歩――ただ歩くように僕の方へ進む。
「ぇ、……」
 ジェレミアに構えはなく、力を籠めた様子もなく。
 最小限の動きで突き出された刀が僕の胸に吸い込まれた。
 流れるような動作に、初めは何をされたのか分からなかった。
「あ、が……」
 ゴブリと血を吐いて漸く僕は刺されたのだと気付いた。
 ゆっくりと刃が引き抜かれ、同時に勢い良く僕の胸から鮮血が噴き出す。
 支えを失って蛮刀を取り落とし、僕はコンクリートの地面に崩れ落ちた。
「げ、あぁ、あ……」
 胸を押さえて蹲るけど、血が止まらない。
 見上げると、ジェレミアが僕を見下ろしていた。
 「助けて」とは口が裂けても言えない――こいつは兄さんを、裏切ったんだから。
 ナナリーの名前を……出したんだから。

「シャーリー・フェネットとアイゼルに謝罪して来い。
 ……私も後から行く」

 ……?
 シャーリー?
 何で……?

 イケブクロの駅で鉢合わせたシャーリーを殺した。
 兄さんに説明したら「良くやってくれた」と笑顔を向けられた。
702死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:15:10.23 ID:fPGicy12

 そうだ、僕は間違ってなんかいない。
 だって兄さんは褒めてくれたじゃないか。
 シャーリーが悪いんだ、僕と兄さんの間の邪魔をしようとしたから。
 ……ナナリーの名を口にしたから。
 正しいのは僕だ、そうだよね兄さん?

「兄……さ……」

 ジェレミアと違って僕は、ちゃんとつかさを殺そうとした。
 ジェレミアさえ邪魔しなければ、ちゃんと殺せてたんだ。
 だから兄さん、あの時みたいに――兄さんは僕を、褒めてくれるよね?


 嘘でも、いいから。


【ロロ・ランペルージ@コードギアス 反逆のルルーシュ 死亡】



 ジェレミアはロロが事切れるのを見届けた後、ふらつきながら彼のデイパックに手を伸ばす。
 少し探すと中からつかさのデイパックが見付かり、リフュールポットを一つ使用した。
 完治こそしなかったが出血は止まり、右目の周りの血糊を拭って義眼を仮面の下へ閉ざす。
 そして辺りに散らばった支給品を回収してその場を後にした。

(何をしているのだ……私は……)

 ロロを追うよりも先に、すべき事はあった。
 一人後藤と相対すクーガーに加勢せねばならない。
 命に別状がなかったとは言えつかさを一人にしたのも悪手だ。
 最悪の場合、既に二人共殺害されているかも知れない。
 それにデイパックを取り返す為だけなら殺す必要はなかったし、ましてロロの能力はこの先も有用だった。

 それでも殺した――生かしてはおけなかった。
 何故、と自問すれば結局、アイゼルを殺された憎しみ故であり。
 アイゼルを守れなかった自分への怒りから来る八つ当たりだ。

 もっと速ければ、ロロがフラムを投げる前に止める事が出来た。
 もっと強ければ、両腕を使って二人をどちらも庇う事が出来た。
 遅かったから、弱かったから――アイゼルを死なせた。
 だからこれは八つ当たりに過ぎない。
 彼女の仇討ちをしようとしたのだと正当化する事は出来るが、彼女は一言もそんな事は求めなかった。
 ジェレミア自身が自分の為に、ロロを殺したのだ。
 あれ程後悔したというのに、大局を見ずに感情のままに動いた。
 そして生まれて初めて、命令や忠義の為ではなく私情で人を殺した。
 ルルーシュも奈緒子もアイゼルも誰も守れなかったのに、人を殺すのは簡単だった。
 それは、とても胸の悪くなる事実だった。

(何を……)

 そしてつかさを助けたという事実が困惑を深める。
 アイゼルの言葉を無視してアイゼルを助ける事とて出来たはずだ。
 それをせずにつかさを助けた、咄嗟にその判断を下したのは、ジェレミアに迷いがあったからに他ならない。
 本当につかさを見捨てる事が正しいのか、と。
 追い詰められた状況下で迷いを捨て切れなかったから、つかさを助けてしまった。

 ロロは正しかった。
 周囲の人間の事など省みず、ただ復讐の為に動いたロロは何も間違っていない。
――結局、本当に兄さんの為を思っているのは僕だけ――
703死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:15:47.97 ID:fPGicy12
 そうかも知れない。
 忠義を謳いながら自身の感情を優先したジェレミアよりも、ロロの方が余程純粋だった。

(間違っているのは、私の方だ……)

 胸の内にある戸惑いを消せないまま、ジェレミアは急ぎ来た道を戻る。
 だが回復してもなお足は重く、走ろうとしても歩き程度の速さにしかならなかった。
 そしてあと少しで裏門に辿り着くという所で声が掛かる。
「ジェレミア卿」
 同時に、道を塞ぐように立つ一人の男の姿を目に留めた。
「クーガー……生きていたか」
「それはお互い様だな」
 クーガーの目はサングラスに隠れて見えないが、声に以前のような覇気はない。
 失敗の上塗りをしたのもお互い様だ。
 後悔の色を滲ませる声色は、ジェレミアのそれと良く似ていた。

「事情はつばささんから一通り聞いた。
 今は病室に隠れて貰ってる」
「つかさだ」
「どっちでもいい。
 ただつばささんを守ってくれた事には礼を言っておく……かがみさんの大事な妹だからな」
「……」
 守ったのではない。
 見殺しにしようとした。
 つかさを守ったのは、アイゼルだ。
 礼を言われるような事は何もしていない。
 けれどクーガーの間違いを指摘する気力すらなく、何も言い返せなかった。
「ロロってのはどうした」
「殺した」
「……だろうな」
 クーガーの口調に咎めるような響きはなく、ただ悲しみを混じらせていた。

 それからクーガーは後藤が逃走した事、志々雄という男に情報提供を行った事などを手短に述べた。
 クーガーはその志々雄を『敵にも味方にもすべきでもない男』と称したが、既に病院を離れたらしい。
 話を終えるとクーガーはジェレミアと擦れ違う形で進み、病院から遠ざかって行く。
「どこへ行く?」
「逃げた後藤を追う。
 かなたさんやまなみさんが襲われる前に止める」
「こなたとみなみだ」
「どっちでもいい!
 とにかく俺は、かがみさんとの約束を果たす!!」
 ジェレミアに背を向けたまま言うクーガーは、まだ止まる気がないらしい。
 自身の無力を突き付けられても尚、信念は曲がらない。
 ジェレミアには、迷いのないその姿が眩しく見えた。

「徒歩で行くのか」
「俺は最速の男だからな」
 どう見ても強がりだ。
 万全でない状態で後藤と衝突し、中断されたとは言え先程まで戦っていたのだから。
 足を僅かに引き摺るクーガーを横目に、ジェレミアはデイパックからズーマーを出した。

「くれるのか?」
「要らんのなら返せ」
「いいや、車の方がよかったがこれはこれでいい。
 特に車体のオレンジがイカしていて素晴らしく文化的だ」
「この色の良さが分かるとは、美的センスの割にまともな色彩感覚だけはあるようだな」
「あんたに美的センスについて言われる筋合いはないな。
 その仮面はいつ外すんだ?」
「サングラスを割られるかバイクを返すか、どちらか好きな方を選ぶがいい」
「冗談が通じねぇなぁ」
704創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:15:49.84 ID:zQwsbUhy
支援
705死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:16:19.57 ID:fPGicy12
 無理矢理にでも会話を繋いで沈黙を避けるように、無理矢理にでも負の感情から気を紛らわすように。
 無駄話でもしていなければやっていられないとでも言うように、互いに減らず口を叩く。
 そしてクーガーがズーマーに跨り、エンジンを掛けた。

 走り出そうとしたところでクーガーはハタと止まり、ジェレミアの方へ振り返って神妙な面持ちで言う。
「一つ頼みがある」
「断る」
 それをジェレミアはにべもなく撥ね付けたが、クーガーは苦笑しながらも引き下がらなかった。
「そう言うなって……最初で最後だ。
 頼みが嫌なら約束でもいい」
「……存外、貴様は卑怯な男らしいな」
 今のジェレミアに、他人の頼みを聞いている余裕などない。
 だがこんな言い方をされては聞かない訳にはいかなかった。
 一呼吸置いてクーガーは言う。

「つばささんを頼む」
「……正気か?」

 それを聞いてジェレミアは思わず問い返す。
 つかさとジェレミアがどんな関係にあるかを知りながら言える台詞とは思えなかった。

「口実があった方が、あんたもいいだろう?」

 これからどうするか。
 そう問われれば、ジェレミアに残されているのは主君の為の復讐と、他の参加者への協力――つかさの保護だけだ。
 今更つかさを放置する事は出来ない、それはアイゼルの遺志にも反してしまう。
 しかしつかさがルルーシュを殺したという事実は揺るぎなく、守る事など出来るはずがないのだ。
 だから――

「……そうだな。
 約束ならば、仕方がない」

 だからその為の『口実』は、確かに必要だった。
 心の内を見透かされたようで少々不本意ではあったが、ジェレミアはクーガーに応える。

「約束しよう。
 柊つかさは私が守る……全力でな」
「それなら俺は後藤を倒す。最速でな」

 拳を突き出したクーガーに、ジェレミアも拳を作ってそれにぶつける。
 ズーマーが走り出し、ジェレミアはクーガーを見送った。
 クーガーもまたこの地から生還する気はないのだろうと、そんな予感を抱きながら。



 全てが遅い、裏目に出る。
 余りにスロウリィ。
 そもそも俺が病院を離れたせいで二人死んだ。
 慌てて戻った後は、動けない俺の為にあの三人は病院に足止めされ――結果がこれだ。
 回復薬も俺のせいでなくなった。
 目を覚まして助けに行くのも遅かった。

 だが、それは俺が足を止める理由にはならない。
 守れなかったもんは一つや二つじゃない、だからってこれから守れるもんも一つや二つじゃないはずだ。
 俺は最速の男なんだからな。
 ここには俺の弟分までいるんだ、俺がこんな所でめげてどうする。
 俺のせいで死んだ連中がいるなら、俺がそいつらの分まで戦わないでどうする。
 立ち止まらない。
 戦い続ける。
 かがみさんだって、それを望んでるはずだ。
706死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:16:54.46 ID:fPGicy12

 どっち道、俺に安泰な老後なんざありゃしない……だったら尚更、悔いの残るような真似はしない。
 今まで通り、最速で走り抜けるだけだ。


【一日目午後/G−8 総合病院付近】
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:葛西のサングラス@ひぐらしのなく頃に、城戸真司のズーマーデラックス@仮面ライダー龍騎
[所持品]:基本支給品一式、不明支給品(確認済み)0〜1
[状態]:身体中に鈍い痛み、両脚に激痛、疲労(中)
[思考・行動]
0:気絶中。
1:こなたを正気に戻す。
2:かがみと詩音の知り合い(みなみ、レナ)を探す。
3:詩音が暴走した場合、最速で阻止する。
4:後藤を最速で倒す。約束は守る。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。ただし情報源がつかさなので、漠然としています。



「うっ……うぅっ……」
 隠れてるんだから、声を出さないようにしなきゃ。
 そう分かってるのに、声が隠せない。
 病院一階の病室――ベッドにはアイゼルさんが横になっている。

 私のせいだ。
 私がルルーシュ君を殺したから、私があの時眠りの鐘を使えなかったから、デイパックを手放したから。
 あの時――あそこに、私がいたから。
 ジェレミアさんはアイゼルさんを守れたはずなのに、私のせいで。
 みんなの足を引っ張るばっかりで、全然強くなんてなってなかった。
 ……ばかだなぁ、私。
 勘違いばっかり……。

 これからどうすればいいんだろう。
 クーガーさんと包帯の怖い人、それに学ランの男の子に色々な話をしたけど、上手く伝えられたか分からない。
 ただ上手にお話する事も出来ない私に、何が出来るんだろう……。
 自分で考えなきゃ……せめてそれぐらい、自分で決めなきゃ……。

 同時に、なかなか帰って来ないジェレミアさんの事が心配だった。
 私を助けてくれた後、私とアイゼルさんを順に茂みに隠してジェレミアさんはどこかに行っちゃった。
 どこに行くのか教えてくれなかったけど、多分……ロロさんからデイパックを返しに貰いに行ったんだと思う。
 でもその前に、私は見ちゃった。
 ジェレミアさんは腕の止血はしていたみたいだけど、血はそれでも止まっていなかったし、怪我はそこだけじゃない。
 それにジェレミアさんが苦しそうに咳をして――口元を押さえた手から、血が滴った。
 私は、怖くなった。
 痛みにもがいて苦しんでいたルルーシュ君、あの時の事を思い出して……私は今も、震えが止まらない。

 部屋の隅で怯えながら待っているうちに、カツカツと廊下から足音が聴こえた。
 ジェレミアさんの足音だと気付いて迎えに出ようとするけど、足が痛くてすぐには立てなかった。
 扉を開けたのは、予想通りジェレミアさん。
 ジェレミアさんの怪我は少し良くなっていて、私はホッとする。
 リフュールポットを使ったみたい……でも相変わらず痛そうだった。
「ジェレミアさん、わ、私……」
 アイゼルさんの事をどう謝ればいいのか分からなくて、声が上手く出せない。
「ごめん、なさい……ごめんなさい、ごめんなさい……私……私のせいで……」
 堪え切れなかった涙を制服の袖で拭いながら謝る私に、ジェレミアさんは暫く何も言わなかった。

「私さえ、いなければ――」
707死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:17:30.62 ID:fPGicy12
 でもそう言った途端、ジェレミアさんは私の襟を掴んでぐいっと持ち上げた。
 足の先が地面とギリギリ触れ合うぐらいの高さで痛い……でもアイゼルさんはきっと、もっともっと、痛かったよね。
 今度こそジェレミアさんは、私を殺すのかなって思った。
 ルルーシュ君の事もあったんだから……きっと、そうしたいよね。
 もっと早くこうなってれば……私がさっさと死んでれば……アイゼルさんは、生きてられたのかな……?
 でもジェレミアさんは、私を殺そうとはしなかった。

「そうだ、ルルーシュ様もアイゼルも……皆死んだ!
 だから……!!」

 少しだけ近くなった距離のまま、怒鳴るような……でも泣き出しそうな声で。
 言葉を一度詰まらせてから、ジェレミアさんは叫んだ。

「生き残るのが君の義務だ……こんなところで死ぬ事を、この私が許しはしない!!
 死なせるものか……絶対に……!!!」

 言い終えるとジェレミアさんは手を放して、力が抜けてしまった私は床にぺたりと座り込む。
 ジェレミアさんに言われた事の意味を考えているうちに、ジェレミアさんは座ったままの私の横にデイパックを放った。
 私のデイパック――ロロさんに返して貰えたみたい。
 嬉しくなった私はすぐに中に手を入れて、最後の一つのリフュールポットを取り出した。
 それからジェレミアさんに使おうとしたんだけど、手が届かない。
 立とうとしたけど足が動かない。
 私がもたもたしていると、ジェレミアさんは痺れを切らしたように片膝を着いて私の目線の高さに合わせてくれた。
 これでポットを使える、って安心したんだけど、手首を強く掴まれて。
「何をしている」
「あっ……」
 私からポットを取り上げたジェレミアさんは、私にポットを使った。
 ジェレミアさんに、使って欲しかったのに。
 私の怪我はポット一個でみんな治って、何だか余計に悲しくなった。
 ……でもこれで、私は自分のやる事を見付けられた。

「時間……を、下さい」
 怪訝そうな顔をするジェレミアさんに、私は続ける。
「ジェレミアさんの分……それに五ェ門さんの分の薬は、私が調合します。
 アイゼルさんと一緒に作って、途中まで完成してますから……絶対、失敗なんてしません」

 ジェレミアさんはここに来てからずっと、左手を使ってる。
 私の襟を掴む時もデイパックを放る時もリフュールポットを扱う時も、右手をほとんど使わなかった。
 多分まだ、治ってないんだと思う。
 だから私に出来る事は、アイゼルさんの代わりに薬を作る事。
 病院を早く離れた方がいいのは分かってるけど、これだけは譲っちゃいけない事だと思うから。
 「やるなら急げ」と小さく言ったジェレミアさんに頷き、私は給湯室へ向かう。

 けどその前に大事な事を思い出して、部屋を出る前に止まった。
 デイパックから出したフラムをジェレミアさんに渡す。
 弱い私が持つべきだって、それは分かってる。
 でも、ジェレミアさんに持っていて欲しかった。
 私よりもジェレミアさんの方が、長くアイゼルさんと一緒にいたから。
 泣いていなくても、悲しくないわけない。
 何となく――ジェレミアさんには必要なんじゃないかって、思えた。
 それから私は大きく息を吸い込んで、頭を下げる。

「助けてくれて、ありがとうございました」

 私がお礼を言って頭を下げると、返事まで少しだけ間があった。
「……礼なら私ではなくアイゼルに言いたまえ」
 それを聞いて、私はジェレミアさんとベッドで眠っているアイゼルさんを見比べる。
 「ごめんなさい」と言いそうになるのを堪えて、もう一度おじぎをした。

「アイゼルさんも、ジェレミアさんも、ありがとうございました」
708創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:17:41.04 ID:zQwsbUhy
支援
709創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:18:38.19 ID:99MIrWqp
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710創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:19:15.12 ID:99MIrWqp
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711創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:19:49.43 ID:zQwsbUhy
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712創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:20:03.57 ID:YHRmNi1b
713創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:20:28.63 ID:99MIrWqp
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714創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:20:59.65 ID:99MIrWqp
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715創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:21:34.45 ID:zQwsbUhy
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716創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:21:40.39 ID:99MIrWqp
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717死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:21:47.14 ID:fPGicy12

 今度こそみんなの役に立ちたいから。
 アイゼルさんの分まで、頑張りたいから。
 私は走る――さっきお姉ちゃんに会って霊安室を出た後も、私は走っていた。
 それと同じように走るけど……今はもう、アイゼルさんはいない。
 そう意識するとまた涙が出て来てしまったけど、涙を拭きながら私は走り続ける。
 泣いて立ち止まってる時間は、もうないから。


【一日目午後/G−8 総合病院】
【柊つかさ@らき☆すた】
[装備]なし
[支給品]支給品一式×2(水のみ三つ)、確認済み支給品(0〜2) 、レシピ『錬金術メモ』、陵桜学園の制服、かがみの下着
[状態]健康
[思考・行動]
1:リフュールポットを完成させる。
2:錬金術でみんなに協力したい。
3:もっと錬金術で色々できるようになりたい。
4:みなみに会いたい、こなたは……
[備考]
※錬金術の基本を習得しました。他にも発想と素材次第で何か作れるかもしれません。
※アイゼルがレシピに何か書き足しました。内容は後続の書き手氏にお任せします。



 私は……守りたかった。
 忠義を擲ってでも――失いたくなかった。
 それだけの覚悟で戦いながら、それでも私は無力だった。

――生きて、ね。
――私の分も……。

 アイゼルの最期の望みにすら、私は応えられない。
 私の最期はこの地であると、既に決めているのだから。
 故につかさは生き残らねばならない。
 ルルーシュ様の分も、アイゼルの分も。
 奈緒子の分も、次元の分も、この会場で死んでいった者達の分も――出来る事なら、私の分も。

 だからクーガーから『口実』を与えられた時、私は安堵してしまった。
 それが忠義に反する事に変わりはないというのに。
 復讐は果たせず、仇を助け、主君の偽りの弟を殺害し……あまつさえこの先も、仇を守ろうとしている。
 仕える者としてとしてあるまじき行為を重ねている。


 それでもルルーシュ様……遠からぬ先、私も貴方のおわすCの世界へ向かいます。
 その時貴方は、イケブクロで忠誠を誓ったあの時のように――

 私を再び臣下として、迎え入れて下さいますか……?


 つかさを先行させてしまったが、一人で行動させるのは危険だ。
 合流する……だがその前に、私はアイゼルの遺体を霊安室に運ぶ事にした。
 リフュールポットが完成すればここに留まる理由はなくなるのだから、せめて今のうちに弔いたかった。
 しかし近付こうとした途端、ガク、と膝が折れて床に倒れ込んでしまう。
 上体を起こしたものの、立つ事は出来なかった。
 涙は出ず、何か叫ぼうとするがそれさえ出来ない――もう私は、この程度の事では悲しくないらしい。
 ならば何故、前に進めないのだろう。

 アイゼル……奈緒子……今だけは、こうして立ち止まってもいいだろうか。
 甘えはこれが最後だ。
718死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:22:17.88 ID:fPGicy12
 守りたかった者達を誰も守れなかった私には、これから立ち止まる事は許されない。
 戦い続ける事しか許されない。
 だから、今だけは……。

 見上げると、窓ガラスに私の顔が映り込む。
 アイゼルの血で塗れた仮面が、血の涙を流しているように見えて……涙を流せない私に対する、皮肉に思えた。


【一日目午後/G−8 総合病院】
【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス 反逆のルルーシュ】
[装備]無限刃@るろうに剣心
[所持品]支給品一式×2(鉛筆一本と食糧の1/3を消費)、咲世子の煙球×2@コードギアス 反逆のルルーシュ、こなたのスク水@らき☆すた、
    ミニクーパー@ルパン三世、不明支給品(0〜2)、琥珀湯×1、フラム×1、薬材料(買い物袋一つ分程度)、メタルゲラスの角と爪、
    エンドオブワールドの不発弾(小型ミサイル数個分)、メタルゲラスの装甲板、ヴァンの蛮刀@ガン×ソード
[状態]右半身に大ダメージ、疲労(大)、精神磨耗、両腕の剣が折れたため使用不能
[思考・行動]
1:浅倉とV.V.を殺す。
2:他の参加者に協力する。クーガーとの約束は守る。
3:全て終えてからルルーシュの後を追う。
4:アイゼルの遺体を霊安室に運ぶ。
5:病院から移動する。
[備考]
※病院にて情報交換をしました。



 それにしてもギアス……な。
 ルルーシュとやらやロロの手品の種ははっきりしたが、面白ぇ。
 何せぶいつぅを潰せばそいつも俺のもんになるんだからよ。
 そんな事を考えながら歩いていた俺に、それまで黙りこくってた三村が問い掛けてくる。
「志々雄、これで良かったのか? ……仲間は要らないのか?」
 俺が思い出せっつってから随分時間が掛かったが、こうして俺に話しかけて来たんなら大体記憶の整理は終わったってこったろう。
 どうやらこいつは俺がクーガーを誘わず、更にジェレミアが戻るのを待たずに病院を出た意味が分からねぇらしい。
「能力はあるかも知れねぇが、どいつもこいつもくたばり損ないだったじゃねーか。
 しかも抜刀斎に負けず劣らずの甘ったるい連中とくれば、俺の配下に引き入れる価値は全くねぇよ。
 勝手に踊らせとけばそのうちくたばるだろ」
 後藤も、クーガーが倒すっつった以上は任せときゃいい。
 だがそう教えてやっても、三村はまだ分からねぇって顔をしてやがる。
 こいつは頭は悪くねぇが、まだまだ経験不足だな。
 しかも宗みてぇに真っ白って訳じゃねぇから刷り込みも出来ない――教育が必要だ。
 ま、こいつに働いて貰うのはこれからなんだ、それぐらいの手間は掛けてやるか。

「クーガーはもう長くねぇ。
 将来性がないんじゃ、俺の仲間にしても無駄だろ?
 それにあいつが味方すんのは結局自分と弱者だけだ」
「ジェレミアは……」
「実際に会った訳じゃねぇが、聞く分には良く躾られた犬ってとこだな。
 飼い主が決まってるんじゃ飼い慣らすのに時間が掛かる。
 それにこいつを連れ込むならあのガキも付いて来る……俺の組織に、運が良いだけのガキは要らねェ」
「錬金術ってのに興味はないのか?」
「あるさ。当然な。
 だが専門家からちょっとばかり聞きかじっただけの素人なんざ、わざわざ連れて歩く意味はねぇ。
 全ての世界を征服した暁には、どっちにしろ手に入るんだしな」
 ついでにロロに関しちゃ十中八九死んでるだろ。
 ジェレミアの事は良く知らねぇが、これは勘だな。

 まだまだ分かってねぇな、三村。
 確かに時間が経てば経つ程に死人が増える、俺の組織に加えられる人間が減る。
 だがこの会場にいるようなアクの強い連中を何十人も連れ歩くのは、どっちにしたって無理ってもんだ。
 十本刀が十人しかいねぇのと理屈は変わらねェ。
719創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:24:06.47 ID:YHRmNi1b
720死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:24:44.05 ID:fPGicy12
 弱い奴から淘汰されてく会場内で、生き残った連中から引き抜く――『歩』は幾つ居ても困らねぇが、それ以外の駒は少数精鋭。
 これまでの進み具合からして生き残ってんのは三十人強ってとこだが、まだ多いぐらいだ。

 三村も納得がいったらしく、それ以上の質問はなかった。
 だから俺は改めて教えてやる事にする。
「この現世こそ地獄……俺の言った意味は分かったか?」
 三村は俯いている。
 恐らくだが、前に弱い奴を守ろうとして失敗したような――今回の件を他人事と割り切れねぇような事があったんだろう。
 こいつは既に俺を信奉しているが、修羅にはまだ足りない。
 ……ま、足りないってんなら補ってやるよ。

「あの病院の話を聞きゃあ分かるだろ?
 他人の為にだの、ぐだぐだ言ってる連中が馬鹿を見る」
 大体クーガーを置いてとっとと病院を離れてりゃ、あの三人は後藤にもロロにも遭わなかったじゃねぇか。
 お人好しってのは難儀な連中だ。

 人が死ぬ――殺されるのはそいつが弱かったからだ、他に何がある?
 それをあの手合いの連中は、あの時どうしていれば、ああしていればと責任を自分に押し付ける。
 自分で自分の首を絞め上げる。
 自分で自分の墓穴を深くする。
 自分で自分の逃げ道を勝手に塞いじまって、そうなりゃもう立ち止まる事ぁ許されねェ。
 進み続ける事しか許されない。
 戦い続ける事しか許されない。 
 今頃「いっそ死んだ方がマシだった」なんて思ってるかもな。

「あの連中は、この世が地獄だって事を知っている。
 そんだけなら大歓迎だが、そこから他人を助けようって思考をしてやがる。
 そんな頭の悪い奴らは俺の組織には邪魔だ」
 なぁ三村、てめぇはあっちとこっち、どっちの人間だ?
 あっちだってんなら、今ここで俺が楽にしてやってもいいんだぜ?
 この世を――地獄を楽しめねぇ人種だってんならよ。

 そして返答を待つ俺を前に、三村は笑った。
「そうだな志々雄……あんたが正しいよ。
 こうして結果が出てるんだ」
 口を引き攣らせるでもなく、形だけのもんでもなく、ごく自然にその表情を作った。

「俺はあいつらとは違う。
 俺はもう――いや、俺はあいつらと同じ失敗はしない。
 俺は俺の為にあんたに協力して、……強者になるんだ」

 上出来だ、三村。
 それでこそ俺の手元に置いとくだけの価値があるってもんだ。
 こっち側の人間だってんなら――お前も楽しいだろ?
 地獄の楽しさが分からねぇ連中が憐れに見える程度にはよ。

 まぁ、今は……死に掛けの身体を引き摺って駆けずり回って血反吐を吐いて。
 それでも何も手に入れられなかった可哀想な連中に、同情ぐらいはしておいてやろうか。
 弱者に食われる、惨めで愚かな連中に。
 『無駄な努力を御苦労さん』ってな。


「ハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!!」
721創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 23:25:35.20 ID:zQwsbUhy
支援
722死せる者達の物語――I continue to fight ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/16(木) 23:27:11.45 ID:fPGicy12
【一日目午後/G−8 総合病院付近】
【志々雄真実@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-(漫画)】
[装備]:サバイバルナイフ@現実、ヒノカグツチ@真・女神転生if...
[所持品]:支給品一式×2、リュウガのデッキ@仮面ライダー龍騎、不明支給品0〜1、林檎×8@DEATH NOTE、鉄の棒@寄生獣
     マハブフストーン@真・女神転生if…、本を数冊(種類はお任せ)
[状態]:各部に軽度の裂傷
[思考・行動]
1:自分の束ねる軍団を作り、ぶいつぅを倒す。
2:首輪を外せる者や戦力になる者等を捜し、自分の支配下に置く。
3:気が向いたらガリア王国のジョゼフを持て成す。
[備考]
※首輪に盗聴器が仕掛けられている可能性を知りました。
※クーガーから情報を得ました。クーガーがどの程度まで伝えたのかは後続の書き手氏にお任せします。
※ギアスとコードについて情報を得ました。ただし情報源がつかさなので、漠然としています。

【三村信史@バトルロワイアル(小説)】
[装備]:金属バット(現地調達)、マハブフストーン×3
[所持品]:支給品一式、確認済み支給品0〜2(武器ではない)、ノートパソコン
[状態]:左耳裂傷
[思考・行動]
1:このまま志々雄についていく。
2:主催のパソコンをハッキングするための準備をする。
3:緑色の髪の女に接触し、V.V.の情報を聞き出す。
4:今回のプログラムに関する情報を集め、志々雄の判断に従う。
[備考]
※回線が生きていることを確認しました。




投下終了です、御支援ありがとうございました。
タイトルが長いと言われ省略してしまいましたが、中央のSSのタイトルは「死せる者達の物語――Don't be afraid of shade」です。
誤字脱字、問題点等ございましたら御指摘戴ければ幸いです。
723創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 00:41:25.16 ID:mxLbAeHj
投下乙!
あああう…アイゼル。
ここで死んじまったか。
ジェレミアがますますかわいそうなことに。
彼とつかさの戦いは、これからどうなっていくのやら…
クーガーは…相変わらず休むことを知らない忙しい奴だ
カズマともども頑張ってくれー。
でもちょっとは休んでくれー。

そして、そんな彼らの想いをあっさりと嘲笑ってのけるCCOさん。
本当に鬼だ、悪魔だ!だがそれがいい!

724 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/17(金) 02:31:44.53 ID:K4gv/Mrv
御感想ありがとうございます。

クーガーの状態表が間違っていたので修正致します、失礼しました。
【一日目午後/H−8 総合病院付近】
【ストレイト・クーガー@スクライド】
[装備]:葛西のサングラス@ひぐらしのなく頃に、城戸真司のズーマーデラックス@仮面ライダー龍騎
[所持品]:基本支給品一式、不明支給品(確認済み)0〜1
[状態]:身体中に鈍い痛み、両脚に激痛、疲労(中)
[思考・行動]
1:こなたを正気に戻す。
2:かがみと詩音の知り合い(みなみ、レナ)を探す。
3:詩音が暴走した場合、最速で阻止する。
4:後藤を最速で倒す。約束は守る。
※総合病院にて情報交換をしました。
※ギアスとコードについて情報を得ました。ただし情報源がつかさなので、漠然としています。
725創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 18:15:24.18 ID:CU6EtqkW
投下乙!
なんというか凄まじい話だった
多分今までの話の中で一番生々しい戦闘をしてたと思う
隻腕だったとはいえ後藤相手にあそこまで奮戦したジェレミアも凄いし、アイゼルも時間停止相手にかなり頑張ってた
ジェレミアがボロボロになり過ぎて、ここで死んじゃうのかと思った
右腕がボロボロ、胴体は切断されかけてて……
回復アイテム使ったとはいえ、この先も戦っていけるのか
そしてアイゼルの死ぬシーンはここのSSで初めて涙が出てきた
自分が死ぬのを覚悟して、それでも別の人を助けようとするとか……
弟子を庇って死ぬ辺りも大人の女性に恥じない最期だった
そしてロロはなぁ
復讐に正当性がないわけでもないけど、最期のジェレミアとの問答で自分のことしか考えてないのが分かってなんとも
同じ忠臣だったジェレミアとロロだけど、ここで明確に差が出ちゃってたよね
正直死んでもざまぁwwとしか思えない
でも最期の死ぬ直前の独白は、東條に似たものを感じてちょっと憐れだった
そして志々雄さんも勝ち誇ってる感じだけど、もう少し深入りしてれば無限刃を手に入れることができたんだよね
ジェレミアとかクーガーのこと皮肉ってるけど、なんか志々雄自身の行動もちょっと皮肉に感じる

>>699で学制服ってなってるところがあるけど、これは学生服なのではないでしょうか?
あとつかさの状態が健康となってますが、今まであった足首の捻挫含めてリフュールポットで完治したってことですか?
726 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/17(金) 18:51:41.57 ID:K4gv/Mrv
>>725
御感想ありがとうございます。
>>699「学制服」は誤字ですのでWiki収録時に修正致します。
また同じく>>699「彼女の上体」は「状態」ですのでこちらも修正します。

つかさの怪我は捻挫も含め完治させました。
リフュールポットについてはゲーム的な処理で考えております。
低品質リフュールポット=色々なゲームに登場する回復薬(小)程度、具体的に例えればHPを50回復させるアイテムと判断
同じく具体的に例えればHPが500とか1000とかありそうなジェレミアやクーガーに使っても焼け石に水でも、HP50のつかさが使えば全回復
といった解釈をしております。
ただしLP回復もあるのかと思いきや調べ直してみたらなさそうだったので、
健康→疲労(中)
に修正致します、失礼致しました。
727創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 22:52:12.22 ID:OwUgZGKX
乙!

うわー、つかさのアトリエのスタートは悲惨なことになってるなぁ…。
歴代シリーズの中でも最悪の状態じゃ…。
幸いにしてミニクーパーがあるから、移動は素早く行えるが…。

あと…

[思考・行動]
0:気絶中。
気絶したままの運転はあぶねーです。クーガーさん。

それと、
>アイゼルの考えを裏返せば不老不死は「手段を問わなければ出来ない」ような事。

手段を『選んでいたら』出来ないのでは?
728 ◆.WX8NmkbZ6 :2012/02/17(金) 22:59:00.75 ID:K4gv/Mrv
>>727
感想、御指摘ありがとうございます。
クーガーについては>>724のように修正致します。

アイゼルの部分は日本語が不自由になっていました。以下のように修正致します。
>アイゼルの考えを裏返せば不老不死は「手段を選んでいては出来ない」ような事。
729創る名無しに見る名無し:2012/02/18(土) 03:49:37.10 ID:OY7OFuhF
改めて読み直して思ったけどロロの小物っぷりがぱねぇ
この全身から溢れ出る小物臭は東條以来だ
730創る名無しに見る名無し:2012/02/18(土) 11:30:36.39 ID:a+BMfPEJ
ロロは東條と違ってまだ厨房だし
つかさたち相手に調子に乗ってた部分はともかく、ジェレミアにビビるのは仕方ない
怒り心頭の天敵が血まみれのまま、日本刀片手にターミネーターばりに追いかけてきたら誰だって怖い
俺だって怖い
731創る名無しに見る名無し:2012/02/18(土) 20:15:07.12 ID:AR0VP8pd
>>730
あの精神状態のジェレミアに喧嘩売ったロロの自業自得だが、それに関しては同情する
俺だったら泣きながら土下座して命乞いしてるレベル

許してくれないだろうけど
732創る名無しに見る名無し:2012/02/19(日) 09:24:55.02 ID:qDF1+1R8
予約入ったけどこれヴァンたち絶望的だな
下手したらシャドームーンにバトルホッパーという機動力が追加されるし
733創る名無しに見る名無し:2012/02/19(日) 20:27:38.88 ID:iDFHMJwa
予約きてたあああああwktk!
734創る名無しに見る名無し:2012/02/20(月) 02:59:54.74 ID:JxbjSTsS
ルルーシュの参戦時期ってジェレミアが臣下になる前だったのか
コードギアス見たことないから詳しい事情は知らないけど
735創る名無しに見る名無し:2012/02/20(月) 14:04:39.92 ID:IxPHNWtv
この参戦時期のルルーシュの視点だと、ジェレミアは「ゼロ(俺)を恨んでいるしつこいやつ」だな
ロワ内で接触してたら排除しようとしてたかもしれん
挨拶されても「何を言っているんだこいつは…」ってリアクションしそう
736創る名無しに見る名無し:2012/02/20(月) 23:11:22.40 ID:DHseSGsf
出会い頭に撃たれてたかもな
737創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 14:33:57.29 ID:V+hkKrTL
ロロに至っては存在すら知らない時期だから、確実に「だれお前」になってたな…
738創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 15:21:46.74 ID:5tvnu5dG
いや、ロロのことは二期の一話から知ってるだろ
ロロがシャーリー殺す前だから心象がいいぐらい
ルルーシュの参戦時期で実害があるのはジェレミアだけだ
739創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 15:30:17.91 ID:V+hkKrTL
>>738
すまん、1期11話からの参戦かと思ってた…2期11話か
740創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 16:04:13.74 ID:PboesE8y
>>738
ロロに対するルルーシュの心象が良かったのって二期一話くらいじゃなかったっけ?
741創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 19:36:37.56 ID:5tvnu5dG
>>740
シャーリー殺す前だと「ちょっとマシ」とは言えると思う
あとロロと参戦時期一緒だった場合は「嫌いなんだよ!」ってキレた後だからさらに悪い
742創る名無しに見る名無し:2012/02/22(水) 20:11:59.06 ID:kg841+Cq
>>738
ジェレミアェ…
743創る名無しに見る名無し:2012/02/23(木) 12:52:24.47 ID:4Cgz5VOn
不幸四天王の二人目と三人目はもうクーガーとジェレミアでいいんじゃないかと今回の話で思った
744創る名無しに見る名無し:2012/02/23(木) 13:29:56.57 ID:OljCROmp
四人目はつかさでいいんじゃないかな、とも思う>今回の話
745創る名無しに見る名無し:2012/02/23(木) 17:20:33.90 ID:VfSah/Bd
>>744
つかさは何だかんだで周りが助けてくれるから、候補には入れていいと思うけど個人的にはまだ保留

しかしスザク・クーガー・ジェレミアだと全員谷口作品だな
746創る名無しに見る名無し:2012/02/23(木) 17:33:28.14 ID:DAR8l7nN
脱落者も入れると社長やかがみん辺りを推したい
個人的には才人も候補に上げたいんだけど、行動が行動だから無理かな
747 ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:29:21.49 ID:E0BVwHei
ヴァン、C.C.、シャドームーンを投下します。
748Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:31:25.11 ID:E0BVwHei

右京たちと別れ、暫くの間北上を続けていたヴァンとC.C.の二人。
放送から十分前――――十一時五十分になった頃、道の脇に一軒の小屋を見つけた。
それは、彼らが最初に出会った小屋。
だからそこにしたという訳ではないが、万全の状態で放送を聞くために彼らは一度そこで休憩を取ることにした。
小屋の側にバトルホッパーを停車させ、周囲の気配を確認して小屋の中に入る。
最初に出会った時とは違い今は日中なため、灯りをつける必要はなかった。

「……」

デイパックの中から名簿に地図、そして鉛筆を取り出したC.C.。
目の前には古びた机があり、いつでも放送に入ってもいい状態だ。
しかし、放送まではあと一分ほどあった。
何かをしていればあっという間に過ぎてしまうが、何もしていなければ妙に長く感じる時間。
会話でもして時間を潰せばいいのだが、今のヴァンに会話をしている余裕はなかった。

『こんにちは、みんな』

そうしているうちに放送が始まる。
C.C.は忙しなく腕を動かしながら、ヴァンは鋭い目で腕を組みながら。
支配者を自称する少年の声を聞き続ける。

『君たちがまた僕の声を聞けることを祈っているよ』

放送が終わる。
黙々と情報を書き記すC.C.とは対照的に、ヴァンは怒りを堪えるように歯を食い縛っていた。

「東條の野郎!」

ヴァンの拳が古びた机に振り下ろされる。
朽ちつつあった机は衝撃に耐え切れず、真っ二つに砕け地図と名簿が宙を舞った。

「……落ち着け、ヴァン」

床に落ちた紙を拾いつつ、ヴァンを宥めるC.C.。
シャドームーンと会う直前に東條と再会した時、一緒にいたはずのミハエルの姿がなかった。
最初から嫌な予感はしていたが、東條はミハエルを殺したと告げた。
もしかしたら生きているかもしれない。
そんな希望も、たった今行われた放送で打ち消された。
ミハエル・ギャレットの名前ははっきりと告げられたのだ。

「クソッ! あの陰険野郎!」

現状ではカギ爪の男に繋がる唯一の手がかりだったミハエル。
それを訳の分からない理由で奪っていった東條に怒りを抱かないわけがない。
もし東條が目の前に現れたら、あの陰気くさい顔に拳骨をぶちかましていただろう。
だが、東條も死んだ。
他でもない、ヴァンの目の前でだ。
749Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:34:33.68 ID:E0BVwHei

「……」

そしてもう一人、彼にとって馴染み深い名前が呼ばれた。
レイ・ラングレン。
彼と同じようにカギ爪の男に花嫁を殺され、復讐鬼と化した男。
レイは決して仲間などではなく、同じ仇の命を狙っていたことからむしろ敵と言えただろう。
一時的に協力関係にはあったが、彼とは手を取り合うことはなかった。
だからいつ何処で野垂れ死んでも構わない。
そう思っていたはずなのに、胸の中にある蟠りがいつまで経っても消えなかった。

「……おい、とっとと行くぞ」

不機嫌そうにヴァンは立ち上がる。

「待て、まだ放送で告げられた情報を記し終えてない」
「んなもん後でやればいいだろ、さっさと行くぞ」
「待て! 今のお前に運転を任せていたら、そのまま禁止エリアに突っ込んでいきそうだ
 せめて禁止エリアくらいは頭に叩きこんでからにしろ」

C.C.がところどころにバツ印の記された地図を叩きつけてくる。
ヴァンとしては今すぐにでも出発したかったが、今のC.C.はそれを許してくれそうにない。
渋々といった形ではあるものの、彼は渡された地図の情報を頭に叩き込むことにした。


   ☆ ☆ ☆


「しっかり捕まったか?」
「ああ」

ヴァンが禁止エリアの情報を叩き込んだことを確認し、二人は小屋から出発することにした。
運転をするのはヴァンで、その後ろにC.C.が乗るというのは変わらない。
バトルホッパーの座席は一つしかないが、本体が大きいため二人乗りも余裕である。
エンジンをかけると排気音が鳴り、モーターが唸りを上げ始める。
見た目は少々珍妙ではあるが、ヨロイやKMFにも匹敵する何かを感じさせた。

「行くぞ!」

そして、二人を乗せたバトルホッパーは発進する。
その馬力は凄まじく、二人乗りであることをまるで感じさせない。
周辺の景色が目まぐるしく変わっていき、海辺であるため潮風が吹き込む。
これが殺し合いの最中でなければ、かなり心地良いドライブになっていただろう。

「ヴァン」
「あー!? なんだー!?」
「う、うるさい! そんな大声を出さなくても聞こえてる!」
「……すいません」

C.C.の一喝で、ヴァンは落ち込む態度を見せる。
周囲の雑音に声が紛れてしまわないよう彼なりの気遣いだったのだが、それを踏まえても声が大きすぎたのだ。
750Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:36:37.00 ID:E0BVwHei

「で、どうした?」
「ああ、さっきの放送でレナが生きているのが分かった、このまま北に進むのか?」

シャドームーンとの戦闘で分断されてしまったレナと蒼嶋。
おそらくはワープして会場の東側に行ったのだろうが、その後の消息が掴めていなかった。
放送で名前が呼ばれなかったことで、少なくとも放送が始まった段階では生きていたことになる。
彼女たちと合流するのならば、東に方向転換するべきだとC.C.は判断していた。

「おい」
「なんだ?」
「レナって誰だ?」

返ってきた問いにC.C.は深い溜め息を吐いた。

「もういい」

それっきり彼らの会話は途切れ、無言のままドライブを続けることになった。
元々彼らは他者とコミュニケーションを取るのが苦手であり、特段饒舌というわけでもない。
故に沈黙が続いても気まずさを感じることはなかった。

「ん、なんだあれは?」

そうしてしばらく走り続けた後、前方にぼんやりと人影が映った。
デイパックが見えることから、おそらくはこちらに背を向けている。
つまり、自分たちと同じように北上しているということだ。

「おい、分かってるな、ヴァン」
「ああ」

気怠そうに返答するヴァン。
彼は先程右京たちから声を掛けられているにも関わらず、無視してそのまま進もうとした。
こういう場であるからこそ、多少危険を伴うとしてもコミュニケーションを取った方がいい。
右京たちと別れた直後、C.C.は彼にそう進言していた。
バトルホッパーが進むにつれ、だんだんと人影の輪郭が顕になっていく。

「あれは……ッ!」

その姿は彼らにとって見覚えのあるものだった。

太陽光を反射する銀の鎧に、両肘と両脚に取り付けられた突起。
一目で人間でないと理解できる異形。
醸し出している殺気は尋常ではなく、右手に携えた深紅に輝くサーベルがそれをさらに濃くしていた。
数時間前に多くの人間と共闘し、それでも歯が立たなかった存在。
目の前にいるのは紛れもなくシャドームーンだった。

「……引き返すぞ」

大勢で立ち向かっても敵わなかった相手に、たった二人で立ち向かうなど無謀という言葉をいくつ重ねても足りない。
元々北に向かったのもヴァンの気紛れであり、ここで引き返すのが間違いなく正答だ。
今ならまだ距離があるため、逃走するのは非常に容易い。
751Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:38:30.29 ID:E0BVwHei

「おい、聞いているのか!? 引き返すって言ってるだろ!」

だが、ヴァンはUターンしない。
一定のスピードを保ちながら、ひたすら北上を続けている。

「いや、アンタさっき他の奴とは話しろって……」
「時と場合を考えろ! あいつとまともに会話ができると思ってるのか!」
「知るかよ、どのみちもう引き返すのは無理だ」
「なに?」
「あいつ、俺たちを待ち構えてる」

ヴァンの言葉で視線を前方に移すと、そこには道の中心で立ち尽くしているシャドームーンの姿があった。

「俺は北に行くって決めたんだ、このまま行かせてもらう」
「待て! 考え直せ!」

C.C.が制止してもヴァンはスピードを緩めず、どんどんと道を進んでいく。
やがて五十メートルまで近づき、シャドームーンの姿がはっきりとC.C.の瞳に映った。

「ッ!?」

緑色の双眼に射抜かれ、思わず竦んでしまうC.C.。
それでも怯むことなく進み続けるヴァン。
二十メートルほど手前からだんだんと速度を落とし始め、五メートルほど前まで来た時点で停止した。

「お前たちか」

二人を見定めるように視線を這わせるシャドームーン。
見た目は非常に機械的であるにも関わらず、その声は青年と呼べるほどに若々しい。
だが、普通の青年とは比べ物にならないほどの老練さも混在していた。

「悪いな、俺たちは北に行くんだ、そこ通せ」

ぶっきらぼうに言い放つヴァン。
その態度を見て、C.C.は頭を抱えだす。
数時間前に出会った際、色々と状況が悪かったのもあるがシャドームーンとは出会った瞬間から戦闘になった。
シャドームーンは元から好戦的な性格なのだろうが、だからこそ相手を刺激することは避けたい。
二人だけで敵うような相手ではないのだから。

「やはりあの程度では死なないか、そうでなくては困るがな」

あの程度というのは、フライングボードを撃ち落とした時のことだろう。
支給品の中にエアドロップが無ければ、少なくともヴァンは死んでいた可能性が高い。
あるいは、彼女自身も――――

「おい、話聞いてんのか、そこ通せっつってんだろ」
「通さないと言ったら?」
「力尽くで通る!」

宣言すると同時に、薄刃乃太刀を構えるヴァン。
752Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:41:26.99 ID:E0BVwHei

「バカ! お前一人でそいつに敵うはずないだろ!」
「その女の言う通りだ、貴様一人でこの私に勝てると本気で思っているのか?」
「知るか」

C.C.やシャドームーンの言葉をヴァンは一蹴する。

「三人がかりでもこの私を倒せなかったのだ、たった一人で倒せるわけがないだろう」
「うるせえ」
「……お前のような奴のことを馬鹿と言うのだろうな」

シャドームーンは肩を竦め、呆れたような物言いをする。

「私は刹那的な戦いを求めているわけではない」

シャドームーンの口から出た意外な言葉。
それに対しヴァンよりも早く反応を見せたのがC.C.。
冷たい銀の仮面に隠され、その奥にあるシャドームーンの素顔は一切見えない
故に彼女はこれまでの言動や挙動から、彼を享楽的に戦いを求める人物だと思っていたのだ。

「どういうつもりだ?」
「生身でこの私に肉薄する力を見せた貴様たちをこの場で摘んでしまうには惜しい、そういうことだ」
「わけのわからねぇこと言いやがって……」
「お前は黙ってろヴァン! ならどうすればそこを通してくれる」
「なに、単純なことだ」

そう言い、シャドームーンは一呼吸置く。


「少々、私の話に付き合ってもらおう」


   ☆ ☆ ☆


バトルホッパーを道の脇に置き、シャドームーンと対峙するヴァンとC.C.。
彼らの間にある距離は、先ほどと変わらず五メートル。
会話をするには少々間が開きすぎているが、ヴァン自身に会話をする意思が無いのだから仕方がない。
そもそも最初はこの提案を拒否していたのだが、C.C.の説得がしつこいので渋々了承しただけである。

「で、話ってなんだ、お前から切り出したんだからお前が話さないと先に進まないぜシャドームーンさんよ」
「そうだな、まずはお前たちの名前を聞かせてもらおう」
「なにぃ……?」
「いちいち突っ掛かるな、C.C.だ」
「けっ……ヴァンだ、今は無職のヴァンで通ってる」
「……」

自己紹介と呼ぶには険悪過ぎる雰囲気。
ヴァンは鋭い視線を向けるが、シャドームーンは意に介さぬといった様子で話を続ける。

「貴様たちと戦った数時間ほど後、別の三人組と戦った」
「あぁ?」
「その三人組との戦いでキングストーンに傷を負わされ、挙句の果てに逃げられた、私は負けたのだ」

シャドームーンの独白にC.C.は眉をピクリを動かす。
753Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:43:24.00 ID:E0BVwHei

「その三人組というのは最後は車に乗って逃げたのか?」
「そうだ」

C.C.の質問に短い言葉で肯定するシャドームーン。
彼が言っている三人組とは、間違いなく右京の車に乗っていた者たちのことだろう。
情報交換の際に後部座席で眠っていた"二人"が、シャドームーンと交戦したことを右京から聞かされた。

「なにが"私は負けたのだ"だ、カッコつけやがって」
「なに?」
「俺たちは少し前にそいつらに会ったけどよ、戦った二人はボロボロだったぜ
 それにシンイチって奴が死んでる、どう見てもお前の勝ちじゃねぇか」

シャドームーンの言葉に、ヴァンは深い反発を見せる。
キングストーンに傷を負わされたというが、それが致命傷には到底見えない。
白髪の男が胸に刻んだ傷も明らかに浅くなっていた。

「私はいずれ全人類を支配する次期創世王・シャドームーンだ
 相手を完膚無きまでに屈服させてこそ、初めて勝利を誇ることができる」

尊大で傲慢な物言いだが、決して嫌味を言っているわけではない。
本心からそう思っていることが、ヴァンにもC.C.にも伝わってくる。
だからこそ、余計に腹が立った。
シャドームーンの言葉を言い換えれば、自分が勝利するのは当然であると言っているようにも取れる。
何処までも上から目線の物言いはとにかく癇に障った。

「で、なんでわざわざそれを俺に話すんだよ」
「それはお前が強者だからだ」
「俺が?」

――――俺をボコボコにした奴がなに言ってやがる。
ヴァンは心中で毒づく。

「ああ、貴様はカードデッキを知っているか?」
「……こいつのことか?」

ヴァンが懐から取り出したのは、蝙蝠のレリーフが刻まれた長方形のケース。
遠目に見ただけであるが、おそらくは東條が変身する際に使用した道具と同じ物だろう。
東條のデイパックの中に入っていた一品であり、付属していた説明書にはナイトのデッキと記されていた。

「ほう、既に持っていたか」

シャドームーンの声が僅かに弾む。

「こいつがどうかしたのかよ」
「そのカードデッキを持つ者と何度か戦い、私は一つの結論を得た
 それはこの道具が与える力に際限はないということだ、強い者が使えば使うほど強くなる」

シャドームーンの言葉を聞いたヴァンは、握り締めたナイトのデッキを興味深そうに観察する。
一見すると玩具にも見えるが、内に秘められた力は未だ計り知れない。
754Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:46:16.79 ID:E0BVwHei

「私は今までに四度の戦闘をした――――」

言葉を紡いでいくシャドームーン。
一度目の戦闘は銃を持った男との戦い、決着は一瞬で着いた。
二度目の戦闘は三人のライダーとの戦い、決死の特攻を仕掛けてきたインペラーには辛酸を舐めさせられた。
三度目の戦闘はヴァンを含んだ大勢の人間との戦い、全員が生身であったにも関わらず決して小さいとは言えない傷を刻まれた。

「四度目の戦いが、先ほど話した戦いだ
 最初は取るに足らない有象無象だと思っていたが、戦えば戦うほどそうは思えなくなっている
 命を賭して戦う者、武器に頼らずとも十分な力を持つ者、仲間と結束する者
 どの者たちも、私にはない強さを持っていた」

最初に出会った時とは違い、シャドームーンは饒舌に語る。
しかし言葉を連ねるたびに威圧感は増していき、ヴァンとC.C.は黙したままそれを聞き続けるしかない。

「そして、ふと知りたくなったのだ」

シャドームーンの、雰囲気が変わる。

「もしこれらの強さにカードデッキの強さが合わさった時、一体どれほどの力を生むのだろう、と」

命を賭して戦う強さ、武器に頼らずとも十分な強さ、仲間と結束する強さ。
そして、カードデッキが与える未知数の強さ。
それらが一同に介した時、おそらくは想像を絶する力が生まれる。
シャドームーンはその先にあるものを求めているのだ。

「私に匹敵する力……いや、もしかしたら私を凌駕するかもしれない」
「そいつを知って、お前はどうすんだよ」
「決まっているだろう」

ヴァンの問いかけに、シャドームーンは強く拳を握り締める。

「灰塵すら残さないほどに叩き潰す、そうしてこそ世紀王としての矜持は保たれる」

高らかにそう宣言するシャドームーン。
その瞳の奥に混在する計り知れないほどの狂気をヴァンとC.C.は見た。
ミハエルや東條とは比べ物にならない、あまりにも純粋で強大な狂気。

「ヴァンと言ったな、貴様には私を倒し足りえる力がある、いずれ再び剣を交わす時が来るだろう」
「一人でやってろ、俺はお前に構ってられるほど暇じゃねぇんだよ」
「このバトルロワイアルのルールを忘れたか、最後に生き残れるのはただ一人だけだ、お前が拒否しようといつかは必ず戦う時が来る」
「誰があんなクソガキの言うこと聞くか、俺はこいつを外してさっさと脱出する」
「そうか、なら私は貴様の脱出を妨害するだけだ」
「なら、ここで叩き潰す」

カードデッキを掲げるヴァン。

「今は興が乗らん、私も貴様も全力ではない」
「逃げるのか」
「そう解釈しても構わん、だが戦えば死ぬのはお前だ」

言葉の応酬が続く中、シャドームーンは自らのデイパックの中から一枚のカードを取り出し投げつける。

「なんだこれは?」

二本指でそれを受け取るヴァン。
表面を見ると、蒼い背景に烈風が渦巻き右枠の端から黄金の翼が描かれている。
755Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:48:52.91 ID:E0BVwHei

「デッキの力を更に高めるカードだ、受け取れ」
「いるかよ、こんなもん」

受け取ったカードをヴァンは投げ捨てようとする。

「それをどうしようが私の知ったことではない、だがこの先生き残っていくには力が必要だ、貴様のような者がつまらない場所で朽ち果ててしまうのは興が冷める」

どこまでも傲慢な物言い。
だがその発言が間違っていないことは、苛立った頭でも理解することができる。
この先も戦い抜くには力が不可欠だ。

「後で後悔するなよ」

舌打ちと共に受け取ったカードをデッキに装填するヴァン。
それを確認したシャドームーンは身体を翻そうとし、思い出したように立ち止まった。

「最後に一つ言っておこう」

道の脇に停めてあるバトルホッパーを指差しながら。

「そのバトルホッパーは本来は世紀王の乗り物だ、本来ならお前たちが乗ることなど許されない」
「だから返せっていうのか?」
「その通りだ
 が、今はバトルホッパーに乗ることを許してやろう
 しかし次に会った時は容赦しない、その命ごとお前の全てを踏み砕く」

最後にそう言い残し、シャドームーンは踵を返す。
そのまま道を歩き始め、こちらを振り返ることもしない。

「おい」

その去っていく背中に、ヴァンは声を掛ける。

「なんだ?」

ピタリと止まって、首を振り向けるシャドームーン。

「お前のことは心底気に入らないがこいつはいいマシンだ」
「……」
「次に会う時まで借りておく」
「そうか」

それだけ告げ、ヴァンも踵を返す。
互いに振り返ることなく、もう言葉を交わし合うこともない。
シャドームーンは北の道へと、ヴァンは道の脇に停めてあるバトルホッパーへと。

「おい、行くぞ」

バトルホッパーに跨ったヴァンは、呆然と立ち尽くしているC.C.に声を掛ける。
それで我に返った彼女が駆け寄ってくるのを、ヴァンは気怠そうに見る。
やがて自らの胸元に細い腕が回ったのを確認し、ゆっくりとスロットルを回した。

「……」

瞬時に加速したバトルホッパーは、轟音を立てながら道を進む。
その最中にシャドームーンの側を横切るが、彼らが視線を合わせることはなかった。

756Blood teller ◆ew5bR2RQj. :2012/02/23(木) 23:51:31.03 ID:E0BVwHei

【一日目日中/E−1 分岐点の前】
【ヴァン@ガン×ソード】
[装備]:薄刃乃太刀@るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-、バトルホッパー@仮面ライダーBLACK
[所持品]:支給品一式、調味料一式@ガン×ソード、ナイトのデッキ@仮面ライダー龍騎、サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎
[状態]:疲労(小)、右肩に銃創、右上腕部に刀傷、各部に裂傷、全身打撲
[思考・行動]
0:とりあえず前に進む。
1:カギ爪の男に復讐を果たすためさっさと脱出する。
2:緑髪の女(C.C.)の護衛をする。
3:次にシャドームーンに会ったらバトルホッパー返す。
[備考]
※ヴァンはまだC.C.、竜宮レナの名前を覚えていません。

【C.C.@コードギアス 反逆のルルーシュ R2】
[装備]:無し
[所持品]:支給品一式×4、エアドロップ×2@ヴィオラートのアトリエ、ピザ@コードギアス 反逆のルルーシュ R2、ファサリナの三節棍@ガン×ソード、
    カギ爪@ガン×ソード、レイ・ラングレンの中の予備弾倉(60/60)@ガン×ソード、確認済み支給品(0〜2)
[状態]:疲労(小)
[思考・行動]
0:東に行きたい。
1:利用出来る者は利用するが、積極的に殺し合いに乗るつもりはない。
2:レナ達と合流したい。
3:後藤、シャドームーン、縁は警戒する。
[備考]
※不死でなくなっていることに気付いていませんが、回復が遅い事に違和感を覚えています。
※右京と情報交換をしました。

【一日目日中/F−1 最北端】
【シャドームーン@仮面ライダーBLACK(実写)】
[装備]:サタンサーベル@仮面ライダーBLACK
[支給品]:支給品一式、不明支給品0〜2(確認済み)
[状態]:疲労(中)、胸とシャドーチャージャーに傷(回復中)
[思考・行動]
1:殺し合いに優勝する。
2:元の世界に帰り、創世王を殺す。
3:かなみは絶望させてから殺す。
4:殺し損ねた連中は次に会ったら殺す。
【備考】
※本編50話途中からの参戦です。
※殺し合いの主催者の裏に、創世王が居ると考えています。
※しばらくシャドービームは使用できません。


【サバイブ(疾風)@仮面ライダー龍騎】
これを使用することで、仮面ライダーナイトが仮面ライダーナイトサバイブへと進化する。
なお設定上はライア、王蛇もこのカードを使用することでサバイブ体になれる。
757 ◆ew5bR2RQj. :2012/02/24(金) 00:00:30.19 ID:Ta85O5sh
以上です。
誤字脱字などがありましたらご指摘お願いします。
事後承諾になってしまいましたが、シャドームーンが自己リレーになったことをご容赦ください。

今回のタイトルは未来日記の1クール目ED「Bllod teller」から取りました。
多ロワとは直接関係ないですが、バトルロワイアル系の作品なのでこのジャンルがお好きな方にはオススメです。
758創る名無しに見る名無し:2012/02/24(金) 00:10:25.10 ID:Cn5MbfEL
投下乙!!
ヴァン馬鹿かっこいい!
影月ももはや立ってるだけでかっこいい
ここに来て影月が他人との会話を求めるっていうのは意外だった
単体話以外で戦闘がなかったのは初めてだな
成長って言い方は影月には似合わないかもしれないけど、確実に変化が起きてるよね
どいつもこいつも最終的にどこに着地するのか楽しみだ
サバイブの登場も胸熱、これからに期待!
759創る名無しに見る名無し:2012/02/24(金) 00:17:23.88 ID:ZSdtzo+f
乙。

嵐の前の静けさ的なこの雰囲気。いいな。
760創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 01:33:53.11 ID:9DNI8d/o
投下乙です
ヴァンたちは戦闘にはならなかったけれど北に行けばシャナ、東に行けば縁とまだまだ安心できないな
それとバトルホッパーはできれば光太郎に渡してあげてw
761創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 13:50:23.03 ID:KKHUEiM5
志々雄さんがなんか後から出てきて美味しいところだけ持ってった感じになってるけど
他の参加者に会えてないから情報ないってのもあながち嘘じゃないし、支給品を根こそぎ持ってかれなかった分だけまだマシだよね
さらに言えば後藤が撤退したのも志々雄さんがいたからなわけだし

よって志々雄さんは人間の鑑
762創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 16:51:21.17 ID:irPxByvb
つまりロロを殺してデイパックを奪ったジェレミアは極悪人と
763創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 19:37:48.10 ID:ZjIBSFe+
いやいや、ジェレミアさんはこのロワで2人目のマーダーを始末した対主催じゃないか!
(1人目はKを殺した光の戦士)
764創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 20:33:21.56 ID:0Lizd1dp
死亡者リスト見ると、危険対主催でも洗脳されてるわけでもない普通の対主催が人殺すの自体が初めてだったな>ジェレミア
しかしマーダーを倒した達成感とは完全に無縁なあたり不幸だが
765創る名無しに見る名無し:2012/02/26(日) 09:50:13.65 ID:UMRvOeVn
>>760
あー、これは借りモンだから...

って言われる様が容易に思い浮かぶ。
766創る名無しに見る名無し:2012/02/26(日) 22:04:03.13 ID:5sYX2c6F
RXにスクライドって怪人がいるらしいな
767創る名無しに見る名無し:2012/02/28(火) 12:45:32.47 ID:+gQf0oGd
ジェレミアとクーガーも普通にバイクのやり取りしてたけど、あれ真司のだよな
光太郎といい、持ち主ェ…
768創る名無しに見る名無し:2012/02/28(火) 21:05:53.94 ID:cBQLSxv0
持ち主のところに一向に戻ってこないゾルダのデッキェ…
769創る名無しに見る名無し:2012/03/01(木) 19:55:27.42 ID:j/zz92KM
ゾルダのデッキは本編中で唯一本来の変身者以外が使ってるな
SP版含めるとナイトもそうだけど
770創る名無しに見る名無し:2012/03/01(木) 22:07:59.72 ID:tHWNALQF
王蛇のデッキを浅倉以外が使うのって想像すると激しく違和感あるな
771創る名無しに見る名無し:2012/03/01(木) 22:10:08.06 ID:n4wRdVkB
このロワで同じデッキで二人以上の人物が変身したケースって今のところないよね
ナイト、ゾルダはもうすぐ達成しそうだけど
772創る名無しに見る名無し:2012/03/01(木) 23:12:47.72 ID:Ow+M60cs
他のやつの手に渡る前に高確率で壊れるしな
773創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 00:38:02.77 ID:6hBi89uh
>>769
SP版含めるなら龍騎も真司の前に変身者が居るな

>>771
一応上田が亀山の前にインペラーに変身している
774創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 03:21:23.23 ID:dGa/5rMF
破壊されたデッキがシザース、インペラー、タイガ
対主催側にあるデッキが龍騎、ナイト、リュウガ
マーダー側にあるデッキがゾルダ、王蛇、ファム、ベルデ、オルタナティブ

一つだけ激しく違和感あるけど、概ね原作と同じ感じだね
775創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 03:21:30.40 ID:KhJoQjHi
気絶しただけで戦ってないけどな!>上田
776創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 09:37:55.13 ID:7hff6dat
今後もし他のロワに登場したとしても、王蛇のデッキが対主催に渡ることはないだろうなw
777創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 11:58:03.50 ID:3D9t4pw0
>>774
おいCCOさんディスんなよ

ファムはマーダー側ではない、一応
778創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 16:17:42.38 ID:u/ygaSm6
TVSPでのゾルダとファムの行動を見ると
城戸の影響が無ければマーダーになってもおかしくないと思えてくる
779創る名無しに見る名無し:2012/03/02(金) 19:46:11.01 ID:dGa/5rMF
初期北岡は蓮に腐った奴とか言われてたし、霧島も結構最後ら辺まで戦うのやめなかったし……
やっぱり真司の影響でかいな
780創る名無しに見る名無し:2012/03/03(土) 15:17:39.88 ID:ikNlqWMc
>>773
榊原さん…

あの人ってテレビ版でもライダーだったのかな?
あの人の家で真司はデッキ見つけたんだよね
781創る名無しに見る名無し:2012/03/03(土) 20:31:33.06 ID:RUMx+E8b
>>780
特に語られてなかったような……
まだモンスターと契約してなかったみたいだし、手塚の友人みたいに戦うの拒否ってたのかもしれないね
782創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 19:41:35.80 ID:xTG6yKuV
話ぶった切れるんだが、メガテンの世界観で魂とかってどういう扱いなんだ?
会場内なら制限とかあるけど、エピローグで「リカームでみんな生き返りました!」って言ったら多分萎えるよね
783創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 19:54:33.85 ID:MmiLXr+y
そこまで蘇生系の魔法は万能じゃないからそういう心配はいらないと思う。
稀にゾンビ化してもかつての精神を引き継いでたり、
人よりも高位の存在によって蘇生されることもあるけど、
その稀なケースでも精神的にも能力的にもどこか壊れるというか、同一のものではなくなってしまうし。
784創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 20:00:19.11 ID:AkQlF2HR
>>782
作中でメインが死んでも蘇生魔法を使わないってことは、やっぱり意味がないんだと思う
別のメガテン作品だと復活用のアイテムを使って、逆に成仏したのも居るぐらいだし

基本的に死んだら三途の川を渡る、特別な事情を持っているのはそのまま戻されて復活って感じだと思う
魂だけのまま幽霊みたいになってるっていうのもあるけど、それでもそいつらも特殊な例だし
785創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 21:51:40.29 ID:xTG6yKuV
>>783 >>784
d
戦闘中の死とストーリー上の死は違うと見ていいのかな
786創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 22:11:44.75 ID:MmiLXr+y
違うと見ておk。
ストーリー上の死は一般人はおろか、それに対して対策を必死で巡らせていた専門家でも覆せない。
主人公の周りからして母親がそこらの雑魚に序盤にあっけなく殺されたりするのがデフォなシリーズだし。
787創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 22:55:15.56 ID:GwLwbSq5
原作小説でも中島が逝って弓子の精神がアボンヌしてたりするもんなぁ
まぁ転生はありだけど
788創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 23:41:26.00 ID:xTG6yKuV
なるほど。何か納得した。
789創る名無しに見る名無し:2012/03/07(水) 11:03:09.53 ID:PmIEa8iH
>>785
どんなRPGでもプレイヤーじゃ覆せないだろ
覆面パンツも涙目エルフもぬわーもジジイも花売りも

プレイヤーのミス(戦闘死)はいくらでもリカバリー出来るが、シナリオ死は神様(開発陣)が決めた運命だから、神様の気まぐれでしか覆せない
DQだけは無駄にゆるいが
790創る名無しに見る名無し:2012/03/07(水) 16:47:56.73 ID:+ns87qks
>>789
でもそれってメタ的な話だよね
ゲーム内でこのことはどう解釈されてるのかなって
791創る名無しに見る名無し:2012/03/07(水) 17:44:02.63 ID:M+dY092b
昔はHP0=死亡だったけど、今のゲームはHP0になっても戦闘不能って言われてると思うよ
リカームとかレイズとかは蘇生魔法じゃなくて、強力な回復魔法って位置づけだと思う

ドラクエだけは棺引きずってて言い訳出来ねえけど
792創る名無しに見る名無し:2012/03/07(水) 20:03:23.59 ID:PmIEa8iH
>>790
メガテンには瀕死→死亡→消滅まであるから死は終着点じゃない
死亡+αで完全にこの世からおさらばになるんでしょ
793創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 00:53:53.01 ID:H2XlRKFN
>>791 >>792
今度こそ腑に落ちた、d
794創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 21:24:53.95 ID:3hvl4bVy
そういえば、作品にもよるがメタルマックスでは割と平気で死人を生き返らせてたな。
795創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 21:38:27.93 ID:rWHTW5OQ
それを言い出すとマンキンとか(ry
796創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 02:06:27.09 ID:w9p3jP0d
ドラゴンボールのことですねわかります
797創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 02:45:24.06 ID:Vfiowqx2
>>795>>796
それらはゲームじゃないだろww
798創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 22:11:43.04 ID:+IQ3pMdL
ギアスの最後でルルーシュが階段を落ちるシーンが、レイ兄さんの最期から来てるって聞いたんだけど本当なのかねぇ
799創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 00:59:10.98 ID:eHVTNkho
>>798
監督一緒だから本当でもおかしくないと思うけど
個人的にはルルーシュがあんまり好きじゃないから、レイ兄さんと並べられるとビミョンな気持ちになる
800創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 12:21:22.98 ID:zH/kyVJv
そのレイ兄さんとやらは、アニ3でも悲惨な末路だったなあ
801創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 14:28:32.51 ID:Rg4x9maR
こっちでも顔をメッタ打ちにされた挙句、死んだ後も餌にされるという
やったことがやったことだし仕方ない……か?
802創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 17:22:13.67 ID:TnJW5on1
かっこいいけどロワで活躍するのは難しいタイプだよな、兄さん
ヴァンはどうなることやら
803創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 18:03:12.99 ID:9pENMJIH
レイ兄さんはマーダーを一切殺さず対主催だけを殺してるマーダーの鑑
804創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 19:17:12.11 ID:lHkdkPT9
悲惨な最期も含めてな
805創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 23:21:48.10 ID:Rg4x9maR
最後に対主催を一人マーダーに引き込んでるし兄さんは本当に仕事人だな
806創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 01:57:56.64 ID:/61iLRQM
好き勝手非道な事をやりまくったマーダーが皆に尊重されながら綺麗に逝ったら犠牲者達が救われないですし
807創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 03:32:46.33 ID:vz/QXMOf
原作東條「テヘッ」
808創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 21:52:08.79 ID:a+5Ezsuq
しかし直接殺すわ死体損壊するわで好き放題やってる後藤と玲子さんがどう逝くか想像がつかないな
809創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 01:59:00.71 ID:8m65hDDE
その辺の連中や影月は死ぬ時はあっさり死にそう
810創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 02:03:14.94 ID:9veVKbi8
シャナもどうなるんだろうな、と思ったがあいつは対主催だったな
811創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 12:52:34.00 ID:8m65hDDE
>>806
今のところはどのマーダーも因果応報というか自業自得な結末迎えてるけど、常にそうなるとは限らないんじゃね?
本編の東條みたいに死ぬ前にちょっといいことしたら報われちゃうこともあるし、逆に佐野みたいにそんなに悪い奴じゃなかったのに罰が重すぎることもある
確か次回作の555でも似たような例があった
812創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 15:38:45.16 ID:hY6xrNi3
後藤なんかは善悪で測っても仕方ないしな
ライオンがウサギ食うのに、残されたウサギの気持ちなんか気にしないし
か弱いウサギを喰ったライオンが惨たらしい死を迎えなくてはいけない理由もない
個人的には、原作では毒針で刺されたようなものだから
今度は純粋に力で倒されて欲しい気がするが
813創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 17:19:11.40 ID:UiUCJ/N2
>>811
それは分かるが心情的には納得したくない展開ってのはどうしてもあるんだよね
別のロワで例えば卑劣なマーダーが正義面で他のマーダーの存在を否定するSS読んだ時は
お前がそんな台詞吐くなとツッコミたくなったり
814創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 18:54:13.14 ID:J6sKbzvR
るろ剣読み返したけど
縁さんは薫を殺せないなら
部下とかにやらせればよかったのに

815創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 21:36:38.74 ID:7R9vgEFj
>>811
佐野って戦い離脱したのに、彼女のために変身してミラーワールドに入って死んじゃうんだよな…
東條助けたり、金さえ絡まなければ凄く良いヤツな印象がある
816創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 22:28:37.48 ID:qZMnMpP5
>>816
佐野って善悪以前に、あの死に様が悲痛すぎて可哀想って印象にしかならない
817創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 23:40:27.17 ID:8m65hDDE
>>815
あいつは離脱しようとしたくてもできなくて、それで今の生活を守るために戦うことにした
あの話が収録されてるDVDの見出しが「歪んだ理想は思わず形で成就するが、呪縛がもたらす裏切りがそれを無残に引き裂く」だった
東條を助けたのだけはほとんど善意だったのになぁ……
818創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 15:20:37.63 ID:E6kpHqdP
善人→真司、佐野、手塚
中立→蓮、北岡、霧島
悪人→須藤、芝浦、高見沢
狂人→浅倉、東條

だいたいこんな感じだと思う
東條も結構アトリでは感じよくやってたね
案外「英雄」が絡んでこなければ紳士的で優しい人っていう印象
中立の三人は境遇とかが原因だけど、悪人の三人は最初から頭おかしい気がする
819創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 16:53:59.84 ID:9WcPaEBt
>>818
下に狂人枠あるのに悪人三人が頭おかしいって、ライダーの半分は頭おかしいことになるwww
820創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 17:42:28.76 ID:WGzOS2G9
金で雇われて躊躇無く優衣を殺そうとしたんだし
佐野も中立よりじゃね?
821創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 18:28:10.31 ID:rdTeg/3S
佐野が善人って感じは俺もしないなぁ
追記するならリュウガは悪人、オーディン(神崎士郎)は凶人かね
822創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 19:36:58.26 ID:EZZ99ghH
神崎士郎って極悪シスコンだね
縁といい勝負なくらい
823創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 20:54:27.88 ID:6E8GPud4
>>819
悪人の三人はゲロ以下の臭いがする生まれついての悪で、狂人の二人はもう文字通りなんじゃねーかな
香川先生って何処に分類されるんだろう
824創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 16:03:00.54 ID:mvadcDY2
>>823
先生は中立なんじゃね
志だけなら善人だけど、その為に犠牲が出るのも已む無しって方針だし
825創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 19:02:08.54 ID:LCVN+18K
>>820
金に執着しすぎて本来の自分を失ったようなもんじゃない?
善人っていうよりは温厚とか普通とかそんな感じかな

そもそもリュウガは人ですらない気がする
826創る名無しに見る名無し:2012/03/15(木) 02:24:47.15 ID:KGZtPoLO
リュウガは約束を破った真司を優衣が絵に書いて生まれたって説がなかなか面白かった
827創る名無しに見る名無し:2012/03/15(木) 20:52:10.60 ID:j1s/nCno
アイゼル脱落で年上お姉さんが
いなくなってしまったな
828創る名無しに見る名無し:2012/03/15(木) 22:40:02.80 ID:EJ/zQSHS
>>827
C.C.「私がいるじゃないか」
829創る名無しに見る名無し:2012/03/16(金) 00:40:02.71 ID:LZRvPjRw
死亡者名鑑来てた乙ー
ミギーと三木の扱いの差www
830創る名無しに見る名無し:2012/03/16(金) 00:49:11.09 ID:uAtZKtkC
そういや三木も死んでたなぁ
831創る名無しに見る名無し:2012/03/16(金) 14:40:49.81 ID:65g83/e5
だってミギーの方が可愛いし
832創る名無しに見る名無し:2012/03/16(金) 20:32:26.81 ID:GjWrDfpk
縁に襲われた女性はみんな
脱落してしまった
833創る名無しに見る名無し:2012/03/17(土) 12:42:13.73 ID:qrgpXHyl
CCOさんってつかさのこと
嬢ちゃんって言ってるたけど
若い女には紳士なんだろうか
834創る名無しに見る名無し:2012/03/17(土) 14:01:24.18 ID:a3Cp2UJP
>>833
まぁ…君の死に場所をここにするRPG的な意味で…。
835創る名無しに見る名無し:2012/03/17(土) 22:22:37.83 ID:qrgpXHyl
CCOさんって育ちよさそう
浅倉みたいな粗暴さがない
836創る名無しに見る名無し:2012/03/18(日) 00:13:49.79 ID:8todHjMr
なんかナイフとフォーク使ってステーキ食べてる姿が想像できる
837創る名無しに見る名無し:2012/03/18(日) 01:32:36.54 ID:hT7Hz+/0
まぁ、単純に強いだけの戦闘力馬鹿じゃ仲間はついてこないし、国家征服なんて夢物語だからな。
838創る名無しに見る名無し:2012/03/18(日) 10:34:20.12 ID:nEO4pAdO
身長が170cmってのには驚いたけど…考えてみれば時代が時代だもんな
839創る名無しに見る名無し:2012/03/18(日) 10:47:36.30 ID:BNa3SiTO
あの世界の上海マフィアのトップが
黒星さんに勤まるのも謎だw
840創る名無しに見る名無し:2012/03/19(月) 14:53:26.19 ID:aiy8x+kR
CCOはアイゼルが生きてたら
手下に欲しがったのかな
錬金術の専門家だし、ロワでは貴重なセクシー美女だし
841創る名無しに見る名無し:2012/03/19(月) 22:37:19.29 ID:EeiLML+m
やっぱり回復アイテムを量産できるのは便利だからねぇ
でもあんまり同じ場所に長居とかしたくなさそうだし、志々雄自身はほとんど回復アイテム使わなさそう
842創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 01:05:10.08 ID:xwcA/9In
>>841
CCOの理念は、詰まるところ超タカ派の国家運営。CCOだけが無敵の強さを得る事じゃない。

で、強い国を作るためには高い技術力、高度な教育も必要になり、錬金術の存在はその二点を強化する事ができる。
はっきり言って、アイゼルは十本刀を何人か使い潰してでも手に入れたい人材だと思うぞ。
843創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 09:19:10.77 ID:gDRGlXMX
>>842
錬金術の世界ごと手に入れる予定だから錬金術師に価値はない
欲しいのは個人じゃなくて全部
844創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 14:02:33.64 ID:L5WeHqul
ロワ内で即戦力になるとは言いづらいからなぁ、錬成で時間取られるし
しかしアイゼル(とつかさ)が志々雄の保護下に入ると、割と殺し合いの中で安全圏にいることになるから
アイゼル達を死なせたくないクーガーやジェレミアが志々雄に協力的になる
即戦力とついでに無限刃も手に入って、実現してれば志々雄ウハウハだったかも
845創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 17:34:00.81 ID:vYnRIGGW
CCOは縁のこと知らないけど
縁はCCOのこと知ってるんだよね
846創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 22:12:33.43 ID:kIB3lIcB
>>843
専門家から聞きかじっただけの駆け出し錬金術士を欲しがるほどがっついてないってだけで、アイゼルが生きてれば自分の下に置こうとしたんじゃないかなぁ
アトリエ世界を牛耳る足がかりになるかも知れないし
847創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 02:01:01.95 ID:W2Mn0AKt
タバサの扱いとミイラさんの気質から考えると
タバサ=駅で配ってるティッシュ
アイゼル=駅で配ってるチラシ
ぐらいの評価だな
848創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 03:23:14.81 ID:2xtzbX9l
>>847
おい、それだと受け取ってすらもらえねーぞアイゼルww
直接本人と接触する機会がなかった&既に死んでたってことでスルーしただけで、多分会ってれば傘下に入れてただろ
志々雄が最初に会ったのがアイゼルだったら、タバサにしたのと同じような対応してたんじゃないかな
849創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 16:08:26.50 ID:ybzldc/Q
志々雄さんは対主催の中で一番期待されてる
850創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 18:02:21.33 ID:dmydBEEG
>>844
そこまで上手くいくかねぇ
志々雄自身が散々マーダーと勘違いされるくらいの危険人物だし、クーガーやジェレミアが協力するとは思えない
851創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 20:43:36.68 ID:iqn5OcL+
>>850
万全の態勢&一人の時ならジェレミアもクーガーも真っ向対立すると思うけど
体力ギリギリでアイゼル達を守ろうとしてる時に「協力しないなら女子供から殺す」って恐喝されたら、従わざるを得ない
志々雄だって一応対主催だから「その辺にいる連中を殺してこい」なんて命令はしないだろうし
852創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 21:14:57.61 ID:W2Mn0AKt
美少女とエンカウント即で「することは1つだろ?」とかいいながらリュウガのストライクベントかますようなおっさんなんだぜ?
853創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 21:47:59.45 ID:SK7h5Vlj
そもそも志々雄の保護下って安全でも何でもねえだろ
いざとなったら自分の女ですら余裕で切り捨てるし(互いに理解し合った結果でもあったが)

つかさあたりをいらない子扱いして険悪になりそう
854創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 22:19:14.64 ID:2xtzbX9l
志々雄を的に回すのと味方にするのとどっちが安全かって言われたら、(志々雄の気が変わらないうちは)味方にした方が(まだ)安全
855創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 22:20:00.48 ID:dmydBEEG
志々雄さんはまだ30歳だからおっさんじゃねぇ! 北岡先生と同い年だろ!

>>851
もし志々雄がそんなこと言い出したら完全に危険人物だから、クーガーもジェレミアも戦って逃がそうとする気がするなぁ
856創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 23:25:48.75 ID:ybzldc/Q
るろ剣勢って登場話見ると
ほとんど女性と遭遇してるね
857創る名無しに見る名無し:2012/03/21(水) 23:33:12.73 ID:/9a20f9P
>>853
いろんな意味で志々雄の思想についてけないつかさの扱いはぞんざいだろうな
858創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 00:21:20.52 ID:IjUWTzFY
>>855
志々雄って29でジェレミアと同い年じゃなかったっけ

アイゼル達を逃がそうとしたクーガーとジェレミアをなぎ倒してアイゼル捕まえて、「こいつら(クーガー達)殺されたくなきゃ俺の軍門に下りな」と脅迫
そんな志々雄さんを幻視したけどこれじゃまるでマーダーじゃないか
859創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 00:38:07.39 ID:HvAnmieX
wikiに29歳ってあったわ、北岡先生より1つ若かったわ
860創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 00:52:59.35 ID:IOb2WGXg
>>859
るろ剣キャラの年齢は数え歳表記だったはずだから、実際はそれより1つ2つ若いんじゃね?
861創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 00:57:03.61 ID:cTjGDQf9
でもさー、少年漫画において、ボス格のキャラに「あのような雑魚、捨て置け」とか言われた物語の中心近くにいるキャラって、最終的に凄い強くなるよね。
862創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 01:15:22.17 ID:q2oDC0pD
志々雄も桐山も行動方針は変わらないだろうし今は敵に回っていないだけで
いつか対主催連中と決着付ける時が来るんだろうな
863創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 01:23:12.41 ID:FCujsN7E
>>861
.                 ///////////////////         / /   /
. ┌──┐  .ノ ̄--┐    ////////////////ノ         / /   /
. └┐__/ ノ ノ ̄/ /    ////////////////''"        /  /  /    /
. ,-、    \'" ノ /    "/ /  //////////         /  / /    /
. ( "---┐ ,--'" /     "  /////////|ノ         /   //   /    ./
. "-----" ヽ-''" _       //////////         /   /   /     /
.   | ̄| __ | ̄|  | |      /////////      j|   /  /  ,,/      /
.  ,r" ___| |  |  | ..|     ////////ノ      /|  /     /        /
. / r'"   └┘ ノ .ノ    ///////r''"      / |  /   /         /
. (_二二] ┌-''"/     ///////       / | /   ,/         /
.  _    ヽ--"_    ///////       ./ |/   /
. _| |__ '\ | ̄|  | |   "'/////        /  /  ./
..|_ __ ヾ-" | .|  | |    //"-"        / /  /     __
. / / | |  └┘ノ /   |./          /  "  // _,r--'''""^'--、      /
. くノ[二ノ   [__ノ    |/         j   ,r" ̄  ,r-、 /  v// /
  ┃   ,、       |/          |  /   /"_(  (   .ヾ_,-''"
  ┃   く ヽ  ノヽ,    ̄"/        |/  / / ||  ノ    |
  ┃   ヽ/ / /    /         j"、 ,, .//   ノ      ,,>      ___,r
  ┃   ___ノ /    z         「ゝヽj-< 0,,,,/'"     <"
  ┃  丶___/    /        ┌┴'''"、二- """"     ミ、 r''''''''-、
  ┃    ,r---、   /         ./\"  ,r'" ̄"\       》-",r、  |
  ┃   / r7 ,、\  |         / ,二''""__,r--___,|        /  l  l
  ┃  | | ノ ノ | |  |        |  |  ,r'"     |    し  く--  l  |
  ┃  \__//__/  |        |  ト、ノ)、     .|        "”"]  .ノ  /
  ┃           |        ヽ  .| \彡>     |       j"  ノ /
  ┃           \       \ |  '''  ,ノ ̄"|      "-'' ̄/
  ┃           \       \ .|  ,r7 ̄  j'''7     し,,,,,,/ミ、
  ┃            __\      \ |r"-/ ,,r-''" /     /     \   "
 ┃┃┃┃        r"        \.l "''''''"  ノ     //   |  ヾ
 ・ ・ ・ ・        |          \."'----'''""   ,,//   ノ |  /
               z           \      ,/ '//    /  >'''"
              /             \_____/''" //    // /
        / ̄ ̄\>             / "'--''" /  /   /  ,,r-
864創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 02:08:46.84 ID:4L2sQuY1
そろそろ次スレだな
865創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 04:00:40.96 ID:IjUWTzFY
866創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 04:23:45.27 ID:IjUWTzFY
.                        / !
                      /  |
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          <´     `丶.,、./    ;
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867創る名無しに見る名無し:2012/03/22(木) 04:27:13.73 ID:IjUWTzFY
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     _, イ^>、  /  }  i   /r'7夊ト、``ー、 」 //ー-、    /7ヽィニニニソjト、
  /  //  >、  ト、 |  /::/ /::, 个:トヽ  !,. イ‐-、   // / ̄``ー- 、  l
 / _,.ィトハ  /  >、 j:::爪! |::::ト/::/! fj :| i:::ト、/:::ハ、    // /         ` ┴- 、
.〈fレ'7::/ ヽ ト、  / ノ/:::i1| | ヾニニi::! fj l:| ヾニニ 'I  `ゝ、_ノ/ /   ̄`¨`ー- 、  /::::\
/ /::/   ヽト、__,イ /:::::| l! |     |:| fj j::!   | |! / ノト、イヽ     ̄`ヽ  /::::::::::::.
868創る名無しに見る名無し
                       |  / /       /  / | ヽ ヾ!
                       /イ  /   ____/ ,,. / _|_|___|___
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        /, '        ヽ:::::::::::| {ノ:::::::|           | `ー' /:::ハソ          ヾ   /
     //            ゝ、:::ヽヽ::::::::ト               |   l:/              ̄/
    / /-──- 、        ヾ_:::::\_\ヘ、        ‐ /   /          ,.. -‐ ' ´
  /´ |ハ       `  、       ンハ| |         _    /      _ , -‐ "
  {   } }          \     /! 人     /´"' _‐ゝ , '\-‐ ''"´
  ` 二ン            \__∠___|    ヽ     ´    /´ ̄`
                    | ̄'┴-!、_   \       /
              r───‐┴──ァ 、` 'ー 、\     人
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              |         |  ゝニ´:.:.:.:.| |  / /r--ァ7   ̄ ー- 、
              |           |    //´l:| |  | //:.ゝソ/         `丶、
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       ,、 ‐ '"´   ヽ ヽ\     |    ,rニ:`:| |  //  /            ,、r "´  ̄ ̄



            /    /   //        / / /ヽ ヽヽ
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      | | l                ヽヽヽー- 、_ :: //イ |   :|./  /|゙T''くニ二 ; :
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