スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)
【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!
【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!
【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!
【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。
遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった!
軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ!
「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」
<イエス・マイマスター>
【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!
【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――
【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!
【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。
剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。
その刃は未来を切り開けるか―
【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】
荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。
人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」
アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ!
【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か… あなたの護りたいモノはなんですか?
【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】
因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。
混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。
測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。
【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】
「もう少しで世界が滅びる」世界中にそんな噂が飛び交った。
そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった
舞台は架空の都市“揺籃” 特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく
「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」
……それは、似通っているようで……違う“セカイ”
【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】
未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。
隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして――――
パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。
この物語に、勝者はいない。
【『正義の執行者』 ◆8XPVCvJbvQ】
世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。
ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。
「正義の名の下に」 その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。
奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。
【eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2】
ガラクタに覆われた世界の片隅で、少年と少女は一冊の書によって結ばれた。
その出会いは白く、黒く塗り潰された過去を、未来を、それ以外を呼び覚ます。
迫り来るこの世ならざる怪異、有り得ざる可能性、そしてセカイの果てより来るモノ……
――総てを越え、彼らは何を見るのだろう?
【Robochemist! ◆a5iBSiEsUFpN】
物語は、新たな世代へ――
第一作の主人公、ユトとメリッサの娘が織り成す、もう一つの『Diver's shell』!!
DS伝統のポニテを受け継ぐ少女、アルメリアと、愉快な仲間達による色鮮やかな青春グラフィティ!
とくと見よ! 激突する鋼の騎士の勇姿を!
三つ編みもあるよ!
【地球防衛戦線ダイガスト 秋水 ◆3C9TspRFnQ】
異星文明、銀河列強諸国による限定戦争と言う名の侵略戦争の篝火が地球を焦がす。
帝政ツルギスタン軍を前に敗退を繰り返す自衛隊。日本が絶望に暮れたその時――
大江戸先進科学研究所のスーパーロボット、ダイガストが此処に立ち上がる!
――この国を好きではいけないのですか?
【Villetick Jumble 硬質 ◆pOWm4b0gBI】
新たなヴィルティックワールドに鈴木隆昭が帰って来た!
今度は、あの草川大輔も大騒動の渦中と、ヴィルティックに乗っかって大暴れ!
あの人や、この人に、その人! 様々な平行世界から次から次に現れるゲスト達!
まぜこぜカオスな新世界の未来を「カード」で切り開け!
【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品!
このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!
完結作品はこちら! 大いなる足跡をその目で見よ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/265.html ・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・半年以上生存報告がないと、作品がテンプレから削られてしまうぞ! 要注意だ!
・テンプレに載る作品は1人1つまで! 上記の他にも作品は沢山あるので、こちらもチェックだ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/12.html ・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる!次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!
※紹介文未定作品一覧※
・【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】 ・【英雄騎兵ミッドナイト】 ・【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
・【機動修羅バイラム】 ・【都道府県対抗機動兵器決選】 ・【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】 ・【パラベラム!〜開拓者達〜 ◆RS4AXEvHJM】
・【壊れた世界の直し方 ◆H48yyfsLb6】【Diver's shell another 『primal Diver's』◆wHsYL8cZCc】
・【TONTO◆LlCp3gHAjlvd】・【グラインドハウス ◆tH6WzPVkAc】 ・【装甲騎兵ボトムズ 幻聴編】【銀の月が見る夢 ◆CC6hDu/XuQ】
紹介文はまだまだ募集中! 作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
「自作に関する絵を描いてもいい」という了承を頂いている作者さん一同はこちら↓
・TロG ◆n41r8f8dTs氏 (tueun、ROST GORL、ヴィルテック・シャッフル 他)
・シクス ◆wuZfOwaq7U氏 (守護機兵Xガードナー 他)
・PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM氏 (パラベラム! 他)
・古時計屋 ◆klsLRI0upQ氏 (CR ―Code Revegeon―、ザ・シスターズ、シャドウミラージュ、電瞬月下)
・◆YHSi90Gnr2氏 (武神鋼臨タケミカヅチ、パラベラム! ―運び屋アルフの何ということもない一日―)
・秘神 ◆tEulldVhj8h6氏 (秘神幻装ソルディアン)
・◆Uu8AeR.Xso氏 (鋼殻牙龍ドラグリヲ)
・DS世界観の人 ◆a5iBSiEsUFpN氏 (Diver's shellシリーズ、Robochemist! 他)
・GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE氏 (GEARS、GEARS外伝 Berserker)
・◆46YdzwwxxU氏 (瞬転のスプリガン、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ 他)
・|・) ◆5b.OeHcAI2氏 (eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――)
・◆CNkSfJe3Zs氏 (人狼機兵マーナガルム 他)
・◆uW6wAi1FeE氏 (機甲闘神Gドラスター)
・◆wHsYL8cZCc氏 (カインドマシーン 他)
・バイラム氏 (機動修羅バイラム)
・
>>882 ◆MVh6W.SAZtbu氏 (あるツッコミ体質の男の受難、でくのぼうと聖人 他)
・硬質 ◆BfO3GzMb/w(ヒューマン・バトロイド)
ここに名前の無い作者さんの作品を絵にしたい場合は、直接ご本人にお伺いを立ててみたらいかがかと。
テンプレ終了。
《今、我々に
>>1乙する心が現れた。勇気ある彼らを護れ》
《戦闘開始、我々は孤独ではない!》
一週間で1スレ消費か……
夏終わったのに思ったより早いな、作業工程変えんと……
前スレは一番盛り上がる時期に立ってるんで、夏の終わりを本格的に実感するのはこのスレからですかねぇ。
夏は終わったけど1スレに1枚は投下したいな、ロダの
>>882氏占有率がヤバイからw
遅れましたが
>>1乙です
あぁ、結局間に合わなかった……orz
前スレ1000は自分に課した一人ごとなので気にしないでください。気にする人はまずいないと思うけど
最近雑談に構い過ぎて感想全く書けてなかったので戒めないと。という訳で
少年と球が世界を救っちゃうの!?;汎用ナマモノ氏
一先ずは最終回、おめでとうございます。何だかあっという間というか、もう最終回なのかと驚きつつ感慨深いです
しかし皆様が既に書かれておりますが、まさかこんな着地点になるとは思いもしませんでしたw私的にマイトガインを思い出しましたw
それにしても、グレゴリオンに神殺しなんて重大な役割が担わされていたとは思いもしませんでした。なるほど、ドリルもそういう事なのかと一人で納得しましたw
この話の壮大な発展ぷりにドリルはマイトガインの他に、グレンラガンを思い出したり。あちらは銀河系を超えましたが、こちらは次元の壁を超えましたね。
エリーの純粋さが緊張を増していく中で可愛いです。羨ましいぞエド。でもこのシリアスな中でトンキ―ンは正直笑いましたwすみません
ストーリーライターさんは心の底から、エド達にドリルという力を授けた事を地獄で後悔する事でしょう。あ、やっぱマイトガ(ry
さてさて、神の見えざる支配を突破したエド達がこれからどんな旅をしていくのか。
良ければその続きが読みたいなぁ……と思いつつ、次回作を楽しみにしています。完結お疲れさまでした!!
前スレ
>>779 隆昭限定でホラーですね。しかし奴はこれ位怖い目に合った方がいいかも知れません
おやっさん可愛いよおやっさんwホントにSDになっても違和感無いですねwww
しかしこれが七人も居たらちょっと怖いかもw
前スレ
>>855>>911>>916 おぉ……これは何と妖艶な……って
騙したなぁ!ww良くも騙してくれたなぁ!www
全く……ふぅ……
改めて皆様乙です
しかしこの前の一人大感想大会でスレにご迷惑をおかけしましたね
というか各作者さん、感想を書くのがあまりにも亀すぎてすみませんでした。今更書かれても……って感じですよねw
882氏は一回の投下で複数投下するからなw
ひょっとするともう師匠より投下数多いんじゃね?
>>17 かっこいいとかかわいいの一言でも貰えるとテンション上がるんでかまってあげてね!
>>18 たぶん超えてると思うわw
あたいは琥珀ってんだ
今はキャッキャウフフに居候させて貰ってる@どうやら作者って奴が、創発三周年で書いてるらしいんだが、思った以上に伸びてるんで、プロローグだけ投下するらしいんだわ
所で兄ちゃん達、侍って知ってるか?
鎌倉時代に発生した武装階級の事だって?
正解っちゃ正解だが、今回の話は違う
SAMURAIって奴の話だ
只のローマ字読みじゃねぇかだと?
まぁ、とりあえずプロローグ見てくんな
注意事項だ
・この物語はサイエンスフィクションです
・実在の人物、団体、地名とは一切関係ございません
・物語内のスペルは基本的に出鱈目です。信じちゃ駄目よ
・プロローグなので2レス
じゃあ、期待するもしないも自由だ
お前らに任せる
確かに>
>>882さんのロダ占領率が物凄い事になってますねww
というか1ページ開くと4分の3くらい占領されてる気がしますw
人類が万物の霊長の座から降りて、20年の歳月が経っていた
始まりは1999年7月、ノストラダムスの大予言で沸いていた時期
本当に、それは空からやって来た
明らかに、地球のそれとは違う象をした、全長数kmに及ぶ、妙に生物的なフォルムの宇宙船と呼ぶべき代物が数十隻
その船が甲虫の様な羽を広げたと思ったら、無数の物体が飛び出したのだ
飛び出した物体は1m位のモノから、全長数十mに至るモノ迄混在し、フォルムは複数種
それが文字通り、無数に湧いたのだ
最初に狙われたのは、人口密集地域
彼らにとって狩り易いのだろう
次々に降り立ったモノは、人を次々と捕食し都市は大混乱に陥った
当然警察や軍隊も出動したが、ミサイルは羽音による衝撃波で届かず
銃は硬い外骨格に阻まれ、効果が出ない
そして、録な軍備が無いアフリカ、中東、東南アジア、範囲が広すぎてカバー出来ない、インド、中国、オーストラリア、南米大陸が相次いで陥落し、あらゆるラインが寸断され、人類の地図から消えた
その中、NATO軍と英仏独軍とロシア軍、其に米軍と日本の自衛隊が辛うじて戦線を維持し、撤退の時間を稼いだ
逃げ出そうとした民衆は、逃げ出す先が無く綺麗に刈り取られ、邪魔な服を綺麗に剥がされてから肉団子にされた
戦闘機で戦闘してたパイロットに取り付き、コクピットを破壊したモノがそのまま引きずりだし、飛びながらパイロットを剥いて、地上に作り上げた巣に運んで言ったのを見た時、各国首脳は唖然としたのだ
話が通じないどうしようも無い敵
通常兵器が思った様に通用しないと確認されるとあっさり核を使う
だが、相手は宇宙を旅して来た蟲である
一般種を駆逐出来たのだが、母艦型のモノを撃墜する所か、エネルギーとして吸収されてしまう
恐らく、宇宙を渡る際に、恒星からエネルギーを貰ってたのだろう
そして脅威に気付いた蟲達の反撃
ロシアは全てのミサイル基地を侵食され、米本土は強力な軍事力が有るにも関わらず、巣の場所として使われ、人口4億の大部分が彼らの餌になり
僅か20万程度が、太平洋を渡って日本に避難し、半分が海中に迄進出した蟲に襲われ、10万に減った米国民を同盟国として日本は受け入れた
そんなカタチで、地球に到達した地球外生命体との初めての接触は、そのまま人類の存亡に直結するハメに陥った
完全に防戦に徹してた日本やドイツ、亡命した米国の科学者を中心に研究され、彼らの名称が付けられた
宇蟲(Galaxy Bug)と命名され、行動様式はまんま蜂や蟻の社会性昆虫と酷似し、彼らは繁殖地として地球を見付けたと結論付けられた
そして人間を越える反射神経と怪力、戦車を越える装甲を併せ持ち、ジェット戦闘機と並ぶ機動を行い、前肢は蟷螂の如く鋭く人間をスライスし、羽音は衝撃波を生み出してみせた
銃撃は全て弾かれ、砲弾は衝撃波や外骨格装甲で弾き、ミサイルや爆弾は衝撃波で返された
そんな中、一番有効な攻撃手段が見つかったのである
原始的な刀剣による、関節に対する攻撃
関節だけはどんな生物も脆い
その複眼すら、強化ガラスもかくやという装甲で覆われてた彼らの唯一の弱点
そこを精密に狙い、斬り落とし、内部組織が露出した時にそのまま突き刺す
この戦術が確立されると、これを元に一気に兵器開発が行われた
戦闘機のエンジンに剣を精密に振るマニュピレーターを装備し、必要に応じて射撃武器に切り換え、人口知能による補助を伴う汎用機
兵器としては究極の役立たずが、事態打開の鍵と認識され、人間の身体を模した兵器が一気に開発された
産業がまだまだ生きてた日本と亡命米政府が共同で開発したその人型兵器は、剣突撃型汎用武器換装人口知能補助システム(Sword Assault MUltifunction all Range weapon A.I support system)
その単語をもじって、人型兵器は侍(SAMURAI)と呼ばれる様になった
基本格子は全長10m位の機体に背中に一対の可変翼と脚に二基のジェットエンジンと可変補助翼
腰には、日本の鍛造技術で造られた高周波振動する巨大な日本刀と各種火器を備え、搭乗者に網膜投影ディスプレイによる補助と、全天視界モニター
AIによる半自動制御を行い、パイロットを補助した
侍の投入により、戦線の押し戻しに成功した日本は、コア以外はそのまま英仏独露にも公開提供し、何とか人類は膠着状態にする事に成功したのである
※※※※※※※※※※
投下終了だ
ほんじゃま、今日はこれ位で、明日また執筆してから投下するか判断するってよ
あたいがどんなキャラか知りたいって?
近日中に投下が出来れば、分かると思うぜ
じゃな、兄ちゃん達
>>24 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>17 いえ、凄く嬉しいですよ!禿になります
それと同時に「やべぇ、早く書かなきゃ(汗)」
と思うわけですね、
自分はまだ早い方でしたが、
他の書き手の皆々様も同様に励みになると思いますので
これからもよろしくお願いしますm(_ _)m
>>24 投下乙!
期待大!凄く惹かれる。続きが楽しみだ
>>24 投下乙です!
こなだの人?とは違うのか
蟲vs侍とは独特なネタで来たな、続きが楽しみだわ!
>>24乙!
おいどういう事だ!発売四日前なのにもうバレきちゃったぞ!
時に三つ編みで萌えるシチュエーションってあるかい兄弟
>>24 投下乙!
「。」が無いのが気になりました
>>29 編む! 解く! 揺れる! たなびく!
いや、もっと具体的に……もっと言うとクーがやったら可愛い感じの
>>24 投下乙!侍って名前がいいね
それにしてもロボスレの敵は虫が多いなw
師匠と882氏の投下数をアバウトに数えてみた
師匠 222
882氏 392
うん、882氏おかしいw
二人とも化物過ぎて死んでも追いつけないわw
追いつけないわ……
>>24 改めて投下乙です!
蟲怖いよ蟲。侍がどんな戦いを魅せてくれるのか、今からwktkですw
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>31 三つ編みの先っちょを弄る行為とか!
>>32 なにこれすごいwww
いつのまにやらもの凄い差がついてますねw
35 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/04(日) 01:33:52.72 ID:s23eurx0
>>24 投下乙、期待してる
スターシップトゥルーパーズを思い出しちまったぜ
>>24 投下乙であります
とにかく情報量の多さに圧倒されましたが、正直な事を述べると多すぎて読みにくいなと……ごめんなさいorz
プロローグとはいえ、もう少し噛み砕いて詳しく書いて頂けると、もっと世界観に入りやすくなります、私的に
いきなりですみません。とはいえ好奇心を刺激される設定と導入部にはとても面白そうです。次回を楽しみにしてます!
>>19>>26 あぁ、迷惑出ないのなら本当に幸いですw
いやですね、毎回阿呆みたいな連レスしたり亀な間隔で感想書いているので
スレを圧迫するのはともかく、各作者さんが今頃書かれてもと…と惑ってないかと常々不安なのでw
なら早く書けって話ですが、中々難しくてorz
ロダの半分以上を師匠と882氏が占領してるからな
この二人おかしいw
あたしが三ケタいく日は来るのかしら……
>>30>>34 編むか弄るかかなぁ、編むの描いてみたいけど難しそうだな
三つ編みの先っちょでクロの鼻先をくすぐったりしt(ry
まぁそんな事はさて置いて
夜が楽しみ過ぎて眠れそうに無いです
>>24 乙でござるよ
蟲VSSAMURAIかー・・本編を楽しみにしときまつ
>>37 パス忘れた2枚と最近の2枚の計4枚の俺に隙は無かった
三桁以前に二桁も行ってないよ!探すのが困難なレベルだよ!
>>39 それもいいですなー
消したの含めると、たぶん30くらいあると思うよちーちゃん!
それでも50もいってないww
最早開き直るしかねぇ!いや、コテの時点で開き直ってるけど!
三つ編みを編むのとくすぐってるのどっちが萌える?
甲乙付け難いですが、どちらかと言えばくすぐってる方ですかね!
ふむ……需要はあるようですな
クーの短編を書かざるをえないか
成程、じゃぁ三つ編みの先っぽでクロをくすぐってる絵にするわ!
>>40 磯野ー!一緒にオールしようぜ!
<ハイダラー!
イィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
オールか、望むところだ!
よーし、おぢさん今夜も落書きしちゃうぞぉー。
>>47 流石にオールは色々と体に響くので大人しく眠らせて貰いますwすみません
自分も休んでないでSS書かないとですねー。でも中々構成が決まらないです
一先ずBWの中で一種の転換期となる話になる予定なので
何か遥さん泣かしちゃいそうな話になりそうですがそうなると師匠にビンタされそうでww
>>52 「一種の性転換期」に見えた俺は、せ異常ですか?
モルダー、あなたいつも通りね
えっちな事ばかり考えてるからそんな見間違いするんです
そもそもロボスレ自体がせ異常w
日常回難しい……
>>17 どれだけ遅くても感想を貰えるってのは嬉しいことだと思うのですよ!
>>24 投下乙!こういう地球外生命体モノ+近接刀剣戦闘ロボってのは非常に燃えるね!
本編の投下を楽しみに待ってますね!
>>37 じゃあ僕の方も封印された落書きを解放して数に対抗……する勇気などなかった
>>47 よしちくしょうじゃあ僕も今日はオールで色塗ったらー!
朝までに終わる自信などない!
>>52 BWの転換期……これはめちゃくちゃ楽しみだ……!!
>>55 脳内シロで映像再生余裕でした
お前らもロボスレ民ならADAの「理解不能です」にキュンときたよな
ADA「痛いです」
ここは露出狂の聖地、ロボット物SS総合スレ――――
とんだ変態がいたもんですね
さってあたしも落書きすっかな!
私たち、脱いでも凄いんです
ここは言い出しっぺからだろw
師匠、そいやリタっちの眼の色って何色でしたっけ
__O)二)))(・ω・`)
0二━━ )____)┐ノヽ
A ||ミ|\ くく
うわぁなんかいる!?
>>69 どもですですー
なんか予想外にリタの塗りが早く終わりそうだからもしかしたら4時か5時までには上げられるかも
スタンバってやがる……!
>>72 なん……だと……!?
__O)二)))(・ω・`) 呼ばれた気がした
0二━━ )_鬼畜_)┐ノヽ
A ||ミ|\ くく
>>72 死力を尽くしたまへ
ここは変態の多いインターネッツですね
いいえ紳士です
クマ吉先生は本当にいいことを言うな
≪よう相棒、まだ起きてるか?≫
起きとる起きとる
よしゃー! 部屋の掃除が一段落ついたから、DaZ氏の前座になるべく安価でお絵描きだおしゃー!
>>85のロボと、
>>90の女の子を、
描きます。
余裕さ
ksks
ksksk
アノフェレス
シロ
デストラウ
ksks
だあああ0,1秒差!ww そしてksk
ウ詐欺さん
>>90 `¨ − 、 __ _,. -‐' ¨´
| `Tーて_,_` `ー<^ヽ
| ! `ヽ ヽ ヽ
r / ヽ ヽ _Lj
、 /´ \ \ \_j/ヽ
` ー ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´ `¨´
 ̄ー┴'^´
あ、アノフェってデザイン決定してましたっけ……!?
>>92 チョーさんが一晩で(ry
チョーさんがしてくれてます
>>93 ありがとうage氏……!ありがとう……!!
師匠の描いたシロが再び見れる……こんなに嬉しいことはない……!!
>>94 あ、あれで決定なんですねー。
了解しました!
別の作業してて鬼畜れなかったorz
そしてちーちゃんまさかの狙撃失敗である
ただしアノフェレス・ライトニングはまた別ですね
誰か描いてくれないかしら(チラッ
ふっふっふ、鬼畜スナイパー敗れたり!
くっ……!
まぁ、どの道アクエリオトンくらいしか思いついてなかったからいいわ!
(スナイプ成功しなくて本当に良かった……)
アノフェレスとウ詐欺さんってよくわからん組み合わせだなw
よし、PBM!氏が安価絵を描いているその間、
前スレの最後の「好きなシチュエーション」を投下しようと思う。
(投下しようと思ったらスレが終わってて投下できなかったからではない)
ああ、完全に個人的な趣味だよ。
* * *
朝、目が覚めると、僕の隣で彼女が僕の顔を覗き込んでいた。
「起きたか。もう少し寝ててもよかったんだぞ」
起きてたんなら、僕のことも起こしてくださいよ。僕がそう言うと、
「お前の寝顔を見てたら、なんとなく、そのままにしたくなったんだよ」
と、少し意地悪な表情で彼女は言った。
寝顔を観察されてたのを知った僕は照れくさくなって、彼女がそうしているように上体を起こした。
「あっ」
吃驚したような声を上げて、彼女はあわてて布団を胸元まで手繰り寄せる。
お互い、服を着ておらず肌の露出を防いでいるのはたった一枚の薄い掛け布団だった。
そんな折、ふと昨夜の出来事が思い出された。
そんな関係を持ったのは初めてで、改まると、なんだか気恥ずかしくなってしまった。
少しの時間、二人の間に静寂が漂い、ふと彼女の方に目を向けると、彼女と目が合った。
桜色の澄んだ瞳、僕を今まで見守り、これからもそうあってほしいと願うその瞳。
見つめる僕に穏やかな表情の彼女は静かに言った。
「責任、とってくれるよな」
http://download2.getuploader.com/g/sousakurobo/1469/IMG.jpg
ふぅ……。
,'⌒,ー、 _ ,,.. X
〈∨⌒ /\__,,.. -‐ '' " _,,. ‐''´
〈\ _,,r'" 〉 // // . ‐''"
,ゝ `く/ / 〉 / ∧_,. r ''"
- - - -_,,.. ‐''" _,.〉 / / . {'⌒) ∠二二> - - - - - - -
_,.. ‐''" _,,,.. -{(⌒)、 r'`ー''‐‐^‐'ヾ{} +
'-‐ '' " _,,. ‐''"`ー‐ヘj^‐' ;; ‐ -‐ _- ちょっと婚姻届とってくる
- ‐_+ ;'" ,;'' ,'' ,;゙ ‐- ー_- ‐
______,''___,;;"_;;__,,___________
///////////////////////
これはいいおねいさん
ウ詐欺さんは付き合い長いからともかく、アノフェさん難しいでございよ!
やばいよこれは間に合わないかもしれないよ!
婚姻届、何で取りに行く気だw
”ちょっと”で使うモンじゃねぇぞそれw
反応マジ嬉しいです。
おっぱい見れるのと比べると、当然おっぱいの方が嬉しいですが
やっぱい、嬉しいです
しかしYO-JOが描けねえなぁ、いつもこんな感じのおねいさん系ばかりだ
バランス取るの難しいんだよなYO-JO
PBM!さんらまだかな、全裸のままだから風邪ひいちゃうよ
>>109 光の速度で保存した。
今ではデスクトップです
>>109 sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!!!!超sugeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeeee!!!!!!!!!!!!!!
やばいえろい、おっぱいえろい
言ったそばから投下来とるわ! 間に合わんかったわ!
>>109 ヒャッハー! おっぱいだぁぁぁぁ!!
会長のお色気がすんごぉい事になってますねw
あとやっぱり珍獣ちんまいw
全裸にはなったが前座にはなれんかったなwww
うまいこといったつもりかてめー!
>>109 うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ(ry
やべえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ(ry
感動した!
ありがとうございます!w
光速よりはやく保存してデスクトップにしましたwww
間に合いませんでしたし、このウ詐欺さんとアノフェはゆっくり描くとしましょうかねー。幸い今日は超暇人ですし、おすし。
PS3の壁紙にしたらなんか面白い事になったw
あたすものんびり落書きしとくよ、人稲さん
>>111 体や髪の描き方とか陰影・ハイライトが凄いうまいですよね、おまけにハイブリッドってw
もう笑うしかないわ!
お……ぉっ?おっぱい!!おっぱい!!おっぱい!!おっぱい!!おっ……ぉ!?おっぱいおっぱい!!
……ふぅ
いやぁ何度見ても、
おっぱいがいっぱいだ!!!!
YATTAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA
ふぅ……
俺の画風に近いお姉さん系だし、後学のためにも、もう一度良くみてみよぉっぉおっぱい!!おぉぉぉぉぉぉおっぱい!
ふぅ……
なんだか暑いな、脱ぐものもないし、どうするか、
ああ、皮膚を脱げばいいのか、
>>121 落ち着けww
ロボスレ民様の中にお医者様はいらっしゃいませんかー
オネーサン絵師いっぱいいて羨ましいわ!
ふっ…まさかマスター・オブ・オネーサンスキーの名をかけて争う日が来るとはな……!
>>123 一人で222枚も描く師匠に対抗するためだ!(嘘
>>122 今ある症状を軽減させるにはより強い衝撃を与えれば良い…
私に患者を一週間預けてください、おっぱい病を見事完治させてみせましょう
気分はオンリーワンじゃなくてロンリーワンだわ!
>>126 廻セカDaZ、楽しみに待ってますね!
あとウ詐欺さんは期待しないで待っててね!
>>125 先生……!
>>126 改めてありがとう御座いました!
自分の稚作をここまで昇華させて頂けるとは、最早言葉もありやせん
ゆっくりと休んでくれ!
>水着の線を消して肌色で塗った
( ゚д゚ ) ガタッ
.r ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
\/ /
これは島行きのチケットをプレゼンツする必要がありそうだわね!
そして気付けば130である
そうだね、飛ばし過ぎだね
文化カテゴリ内で勢い第三位とかwww
>>120 ありがとう!でも、これ以上褒めても何も出てこないよ!
人稲さんか、オネーサンスキーな自分としては待ち焦がれるぜ。
師匠がYO−JOなら俺はひたすらオネーサンでいくかな。対抗して(?)
たぶん、全オネーサン絵師が命を投げ打てば師匠と互角ぐらいには行くんじゃない、かな
>>126 って、またデスクトップ変わるじゃん!ああ、やっぱ…ん?おっぱ(ry
……ふう。
あと、何度も見とれているうちに
文字ありの方でちょっとだけ気になったところが、あるんですが、
『 祝 60 「号?」 機 !! 』
多分、病気からくる幻覚だろう
とりあえず先生のところに行って病気を治してもらって来ます
>>125先生、お願いします。
私ごときを倒しても、まだ某クリーチャー絵師がおる……奴の戦闘力は私の二倍はあるぞ……!
なんかドラゴンボールみたいだなオイwww
氏とはやりあう気はないから無問題だ!
どう見ても畑が違う
くっ……四面楚歌だよ……!
さっき気付いたんだけど、ロダの使用量、凄いことになってるよ。97%だって
師匠との貼り合いの前にそっちを何とかしないといけないんじゃ
ロダ2号機?
マジで凄いなロボスレ、ロダ2号機なんて名前を聞く日が来るとはw
結構前に一回話題になりましたが、その時は今ほど切羽詰まってなかったんで保留になったんですよー。
残り5MBなんで割と急いだほうがいいのかしら
良かったら私がろだ2号機建造しましょうか?
頼みます、師匠
次のテンプレで忘れないようにしないと
>>144 建造乙です!
島は流石に使用頻度低いので大丈夫じゃないですかね
あ……ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
『一旦寝て起きたら、ろだが増えてた』な……何を言ってるのか、わからねーと思うが、俺も何が起こったのかわからなかった……
危うくロリコンになりそうだった……
相変わらず師匠仕事早すぎだとかそんなチャチなもんじゃあ、断じてねえ。もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
>>144 超乙!ろだは艦船扱いなのね
あと島用はほとんど師匠しか使わんだろwww
>>145-146 言われてみれば確かにそうですねw
じゃあ島用ろだは建造しなくていっかー。
そういやフォーゼの初回見逃した
録画したから後で弟と見るでござーい。
>>148 30分前のキアイドーの狂気っぷりが面白かった
コクピット全開のロボ乗って挑んでくるみたいなモンかね?ロボで言うなら
>>150 キアイドーってなんぞw
tubeに上がってくるの待つか、かっこ悪いけど面白いとかちょっと楽しみです(^q^)
キアイドーはゴーカイジャーですねw
ゴーカイジャーは見てないの……
今週のゴーカイジャーに出てきた強敵ってか狂敵ですわ>キアイドー
以下、今週のネタバレ入るんでちょっと開けますが
キアイドーは戦闘狂の賞金稼ぎで
圧倒的戦闘力で若き日のマーベラスを追い詰めた際に
「弱過ぎてつまらん」と言い出したまでは良いんですが
いきなり自分の胸を自分の剣で刺して
「どうだ、コレで俺に弱点ができた!ここを狙えばお前でも俺を倒せるかもしれないぞ?
さあ掛かってこい!!」
とか言い出して、完全に戦意喪失してるのにガッカリして「次に合う時は楽しませろ」と
そのまま放置して逃がしてくれましたってかなりアレなキャラだった
そしてCV:杉田智和である。
子供向け番組でやることじゃねぇww
どういう事なの…
意外と子供向け番組ってフリーダムだからなw
まあ脚本が色々と規格外な敏樹井上回だったしね
今回は良い方向性に狂ってたから良かったw
んでダズ氏のカラー記念絵拝見
全員とは怖れおおいのでメルフィーを嫁に迎えて構いませんかね!
しかし赤とは……意外と大胆なんだな……
仮面ライダー敏鬼なら仕方ないw
あ、どなたかwikiの方に新しいろだ追加していただけませんかー。
突然人稲!
あ、wikiの編集は今ちょっと無理だ。すまそ
あれ、白い子描いてたはずなのに、いつの間にか黒い子っぽくなってる……。
皆さん投下乙です。
>>24 かなり動きが映えそうな作品ですね。
侍とか刀とか大好物なんで楽しみにしてます。
>>105 口調にグッと来るものがありますね。
理想のシチュエーション……、俺はボーイッシュな女の子が初めてのスカートに赤面とか、唐突に男女を意識して恥じらうとかな感じですかね。
戦闘なら1秒未満の間の反射的な応酬、ロボットなら予想外なギミックの不意討ちですね。
べ、別に語りたかったけど前スレ確認したのがさっきだったわけじゃ(ry
>>109 >>126 ナイスおっぱい!!
さて、誰か輸血用の血液をわけてくれ。鼻血が止まらないんだ。
>>144 ロダ建造乙です。
ここまでの絵の量、ハイブリッドでもない俺には想像できないですね。
さすが魔窟……。
そして
>>162、編集乙です。
そして報告です。
9月頭と予告していた投下ですが、おそらく来週になります。
ちと体調崩してたので遅れました。
すいませんorz
無理しなくてもいいのよ!
むしろ身体を大事にしなきゃ駄目よ!
いえいえ、軽い熱中症なので今は平気です。
ただ時間足りないぃぃっ!てだけです。
節電生活は体調的に大変ですよ。
なるほど熱中症ですか……。9月になったとはいえ、まだ暑いですしね。
投下、楽しみに待ってますね!
その発想はなかった……!
いや、ちゃんと描き直しますけどw
>>167 HAHAHA!いい酒がのめそうだ!
ぜひ語らいたい!戦闘シーンもスゴク好みが近いらしいし
お待ちしてま……自分も投下しないとな
お大事に
隠し腕とか分離合体を駆使した戦闘とかいいですよね!
うぅ……なんか体調が優れないので今日中の投下は無理かもしれんです……。
今日は人稲だったな
深夜に超加速したがな
なんだかんだ絵の力ってすげえなと思った
SS書きとしては絵を書ける様にならなきゃならない気がする程度には
しかし絵ばっかりにかまけて本編を止めてしまうのは
SS書きとしてナンセンスだと私は思いますよ
>>180 投下乙です!
女の子座りはいいね、心を癒してくれる
おとん場所かわれ
>>181 ごめんなさい。そのお言葉、ホントすごく心苦しいです
>>181 SSにかまけて絵を描くのを止めた奴もおるでよ
私だよ
職業でやってりゃそうなんだろうけど、趣味でやってる物ならモチベーションのある方……っていうかやりたいことやりゃいいんじゃね?
キリのいいところまで書き貯めしようとしたらキリのいいところがわからなくなったという
んだな。そう固く考えず好きな事すりゃ良いさ。仕事でもなんでもないし
でもそろそろ師匠のSSは見たいな……
もうどんくらい書いてないんだw俺の中じゃ師匠は絵描きになりつつあるw
趣味だから気楽に……とは言うけど、
読んでもらってるんだから、できるだけ早くしようと思うのも事実
反応があるとつい嬉しくなって絵の方を投下しちゃうんだよな
ここの人みんなすごく温かいし
>>187 それも良く分かります。
しかも貯めといたのを読み返すと粗が見つかったりして全然進まなかったり
そう気に病むなって
イラストも立派な投下だし投下してる時点でスレに貢献してんだ。充分評価されても良いと俺は思う
……雑談にかまけて投下も感想もろくに書いてない俺は本来このスレにいちゃいけねーんだけどなw
非生産極まりないww
9月中には……9月中にはなんとか……!
SSスレで絵しか描いてない俺みたいなのもいるしね、不適合ってんならトップランカーですよ
雑談だけでも消息絶たれるよりはマシかと、いれば触発されて作業再開するかもしれんし
関係ないけどGoogleのトップがカッコいい事になってる
前々からすげーどうでもいい事だけど今のスレタイ、SS外して総合ってした方が締まりいい気がするんだよなあ……
ロボット物総合創作スレって感じでw今やSSだけに収まんないし
油売りすぎた、速くSS書かなきゃ
一応テンプレには「SS以外も投下歓迎だよー」とはありますけど、やっぱり外した方がいいんですかねー。
そうは言っても主体はSSだし、正直ここまで来て名前変えちゃうのも惜しい
100号機まで行ったら変えてみても面白いかもですねw
100号機……あと2年くらい?
もしも速度がこのままなら、100式までは大体一年とちょっとですねー。
>>199 ってうわぁ凄い! まさか立体物で来るとは思わなかったよ!
腰の細さと脚、剣のゴツさが素敵ですね!
>>202 うむぅ……イメージと違う……
イグザは有機的な曲線美のイメージだったんで
安価ミスでござる!
初代ロダが逝ったか……(`・ω・´)ゝ
>>201 投下乙です!
珍しいブロックですねー、しかし言うだけあって綺麗な人型
鎌のデザインが素敵です
ファイルサイズをもうちょっと小さくしてくれると助かるよー
>>199 うおう!3Dだ!
すげえなぁ、こういうの作れるのって才能だと思う
すごく触ってみてぇ
ただ、ファイルサイズがもう少し小さければ……
初代ロダに敬礼!(^q^ゞ
>>201 鎌デカいですねー。バイクっぽいとこ凄くかっこいいですw
それにしても、バイク、妖精、死神だとどうしても某デュラハンを思い浮かべてしm(ry
>>206 歯茎ってwww
羽根と下半身とデカい腕が素敵ですね!
ってもう2番艦の容量が10%なくなってるー!?(ガビーン!
>>205>>207 oh・・ごめんなさい
ファイルサイズ下げるの忘れてました。下げたのもう一度うpりましょうか
はっはっは、このドジっ子めー!
10%持っていかれただと……!?
ロダの中でマテリアライズしたのか
まぁ普通に見れてるしこのままでいいんじゃないですかねー
埋まったらまた作ればいいですしw ……って、そんな簡単に借りれるものなのですかね、あぷろだって。
そこら辺まったく調べたことないんで全然わからんとですw
簡単に借りられますよー。
ちなみにひとり5つまで借りられます。
なら別にいいんじゃないかな。1番艦だって埋めるのに年単位かかってるわけですしw
5つなんて言ったらその頃にまだ2chがあるかもわからないですしねw
皆々様、ろりこんばんわ。
Fact in Fable第2話が書きあがりました。
流れぶった切りで申し訳ありませんが、
途中でやっちゃったよ!
投下します!
シエンダー!
重力炉は人類を新たな段階へと導いた。
天文学者アストロ・アーチボルトは今から約30年前。人類に新たな動力、重力炉をもたらした。
半ば無尽蔵とも言うべき凄まじいエネルギーを前に、人々は歓喜し、これを迎え入れた。
そして世界は平和になる……訳もなく、次は食料を、それを作る土地を奪い合い始めた。
泥沼化した戦争を打破したのは、ある、条約。
管理競争基本条約。
戦争で人の住めなくなった土地の分配を決めるために国家同士が競争を行う。
それは人員、資金、領域、規模、あらゆる制約で管理された、戦争。
勝者に送られるのは土地と世界最大の重力炉からの大規模のエネルギー供給。
過剰な殺戮の無い管理された戦争。世界中のほぼ全ての国家がこれに賛同し、それは現在まで
続いている。
「FWの動力源も重力炉である。重力炉には衝撃をエネルギーに出来るという特性が有るのはご存知だね。君はパイロットなのだから。
では、現行の兵器のなかでFWの動力だけが重力炉なのにもちゃんとした訳が有る。これは知ってるかな? 」
「はい。車両や航空機では十分な衝撃を得られず、二足歩行ならばそれが可能であったからです。
また、蓄電池の容量にも限界があり、なんとしてでも戦闘中に発電する必要があったのも理由のひとつですね。
化石燃料を必要とせず戦闘中に発電できる動力の存在。
様々な状況に対応でき、運用に際して、滑走路も平らな地面も必要としない汎用性の高さ。
人員削減、コスト削減、管理競争が望む、最高の兵器の形。それがFWです」
この講義、かれこれ2時間以上に及んでおり、乗り気でなかったマモルもまるで洗脳されたように生徒と成り果てていた。
「素晴らしい。では次だ、FWというのが重力炉を搭載した人型兵器の総称であるが、
それを細分化すると2種類に分かれている。その名称と特性を答えなさい」
「名称は、AF(アストロフレーム)とBF(バランサーフレーム)です。
AFはFWという兵器の基本であり、その特性は、重力炉で生み出したエネルギーのほぼ全てを自由に配分させられることです。
それにより、様々な局面に対応できる高い汎用性が特徴ですが、操縦難度が高いという欠点を持っています」
「BFはAFで自由に配分されていたエネルギーの多くをバランサーに使用し、操縦難度を大きく下げた凡庸的なFWです。
製造コストも同時に下げられているため、量産性が高いことも特徴のひとつです。
重力炉のエネルギーを主にバランサーに使用するため、武装を施すには更に動力源が必要であり、そのせいで鈍重なのがネックです」
パチパチパチ、と拍手で賞賛を送る博士は満足げな表情をして、「Aをいや、A+をあげたいくらいだよ」 などとブツブツ呟いている。
ふと時計をみてマモルはようやく時間がかなり過ぎていたことに気付く。はあ、と息を漏らすとトリップしていた博士がこちらに戻ってきた。
.
「もうこんな時間だ。さて、そろそろ君の機体を見に行こう」
マモルが何を言うよりも先に博士は白衣を羽織り外へと向かう、動いた空気にはオイルや金属の匂いが乗っていて、マモルの鼻を突いた。
部屋を出て廊下を数メートル、小さなプレハブ小屋の外には森林が広がっている。木の種類や気候から察するに、先の戦場から大して離れていないようだった。
階段を降りてぬかるんでる地面に立ち、鳥の鳴き声や湿った風、木の匂いを感じると、嫌に凝り固まっていた頭が澄んでいく。
博士のペースに飲まれっぱなしの現状をさっさと何とかしなければいけない。マモルは頭の隅に追いやられていた自分の意思を引っ張り出した。
ここに来てから、博士との会話しかまともにしていない。それも、博士の講義らしきものだけで、正直、意味がないものばかり。
まずは、自分を助けたその真意を探らなければいけない。それが、現状最も優先すべきことだ。
「はかせ! ちょうど良かった。じつは、見てもらいたいものが……」
駆け寄ってきたのは小柄な少年、妙に舌足らずで、顔立ちを見ても十代前半といったところだろう。その少年は観察するマモルに一瞥加え、眉をしかめた。
「この、おそらく僕のことを十代前半と思っている人が、あのAFのパイロットですか? 」
「ああそうだ。この、君の事を十代前半だと思っているのが、イリギノのパイロット、マモル・サガミ君だ」
「何ですか、その言い回しは。それに二人とも、何故そう思うんですか」
「ヒテイしないということは、そう思ってるんですね」
全くもって間違っていないのが実に悔しい。この場合一体どんな言葉で取り繕えば良いのか、見当がつかない。
「まあ、なれているんで、あまり気になさらず。ちなみに僕はもうすぐ18のおとなです」
(それって十代だし、誤差なんじゃ)
「誤差ではないです。もうお酒だって、きほん的にのみませんが、のめますし」
さっきから、こちらの思考が読まれているのは気のせいだろうか。とマモルは妙な違和感を感じて、その表情を僅かに曇らせた。
「気のせいです」
「こらこら、そろそろ相手の思考を勝手に決め付けて会話するのは止めなさい」
「はかせが乗せたんでしょう。予想があっていたら、おどろいてください。間違っていたら、わすれてください」
自分勝手というか、なんと言うか、超能力ではないにしても、その少年が持つ独特な雰囲気は
マモルが今まで感じたことの無いものだった。
というか、完全に思考をトレースされていたことにマモルはいまだ驚きを隠せない。
「あたっていましたか、スゴいでしょう。これが僕のとくぎです」
誇らしげに胸を張る姿はどう見ても中学生だが、一旦無視した。先ほど心に決めたのにまた、相手の雰囲気にのまれていたからだ。
「自分の名前はマモル・サガミ。そろそろあなたの名前を教えてもらえないだろうか」
「これはしつれーしました。僕はミライ・アサヒといいます。よろしくです」
軽く握手を交わす。ミライという少年の掌は、見た目よりも硬く、ほとんど技術者のそれだった。
「ミライ君、見せたいものが有るんじゃなかったのかな?」
博士はブンブンと手を振るミライに向かってそういうと、ミライはパッと手を離し、真面目な表情を浮かべた。
ここの人間はみんなこうなのだろうか。もしそうだとしたら、相手をするだけですごく疲れそうだと、不意にマモルは不安になった。
.
「そうです。損傷のはげしかったみぎうでをBFのものに換えたんですが、なぜかうごかないんです」
「回路は繋がっているんだよね。となると、ハードではなくソフトの方が原因か」
「そう思いまして、はかせをお呼びしたんです。プログラムがフクザツで僕には難しいです」
二人の話している内容がイリギノに関することだとマモルにはすぐに分かった。
そして、右腕の動作しない原因と、その解決法も分かっていた。イリギノはマモルの機体だ。
「自分にはその原因に心当たりがあります。よろしければお教えしますが……
と、そこで頭に打算的な考えが過ぎった。これは自分が持てる数少ないカードだ、交渉をする上で確実に必要になる。
これは簡単に切ってはいけない。
「それには条件があります」
要領がつかめてない様子の二人、突然すぎたのは言われなくとも分かっている。
しかし、この二人の前でタイミングを見計らっていたら、いつまでたっても機会は無いだろう。
マモルはそう自分に納得させ、二人の出方を伺う。それに対し、ミライがあきれたような表情でわざとらしく両手で空気を煽った。
「またこのひとは、わけの分からないことを。そんなの、はかせにかかれば」
「ミライ君、イリギノが特殊な機体だと君も分かっているだろう。彼は我々よりもイリギノを理解している」
「マモル君。その情報を得るために、我々は何をすればいいのかな」
博士がミライの言葉を遮ったことで、コトはあらかたマモルの思惑通りに運んだ。
「いくつかの質問に答えてもらいます」
「さっきの講義でも質疑応答の時間をとっていなかったね。良いだろう、何でも聞きたまえ」
「それではまず最初に、アナタは何者ですか」
「自己紹介はしたはずだが、私はガイア・ルーズベルト、科学者だ」
「それは知っています。自分が聞いているのは、あなたの目的です。科学者がこんな戦場近くで何をしているんですか? 」
「ジャンクパーツを集めている。特にAFのものを優先して」
「その目的は?」
「新しいFWを作ることだ」
何か大きな秘密を隠している。マモルはそれを確信した。博士は少し焦っているようで、さっきまでの落ち着きが無くなっていた。
この調子で押していけば博士がボロを出すだろう。マモルはそんな気がしてきた。
「FWを作って、何を企んでいるんです」
「それを教えるのは時間がかかるだろうから、後にしないか? 私は早くイリギノを動かせるようにしなくてはならない。
君がここに残るとしても、戻るとしても、ね」
「自分が残る? いや、戻るというのは? 」
「言葉通りの意味さ、個人的には残って協力してもらいたいんだが、強制はしない。君の意思に任せる」
マモルは思わず言葉を失い、無意識に右手で自分の胸に触れた。
清潔なシャツの下には包帯が巻かれているが、擦っても痛みは殆ど無い。あるのは脈打つ鼓動と、包帯の凹凸だけ。
それは、マモルの命は彼らに救われたという事実を示していた。例え相手の真意が何であろうと、それだけは揺ぎ無い。
「その判断は博士のお話を聞いてからにします。お時間お取りして申し訳ありませんでした」
とにかく、マモルは博士を信じることにした。命の恩人に恩を返したい。このやり取りで最後に残ったのは、そんな感情だった。
「そうときまれば、いそぎましょう。あの機体を早くうごかしてみたいです」
ミライはマモルと博士の背中を押して走り出した。走りにくくても、不思議と心地良かった。
.
イリギノの換装した右腕は、動きが鈍いが問題なく動作した。
搭載されている9基の重力炉のうちの5基が破損しているが、戦闘するわけでもないのでイリギノ自体の起動にはなんら問題が無い。
そんなこんなで、イリギノの動作確認は大きな問題も無く、終わった。
乗りたいと駄々をこねるミライをなだめるのがマモルにとって一番大変な仕事だった。
マモルが食堂で一人コーヒーを飲みながら休んでいると、テレビに見覚えのあるキャスターが写っていた。
話題は専ら管理競争のことであったが、他の国のことはあまり興味が無かったため、ぼんやりと眺めているだけだった。
『先日行われたカリメア対ヒノモト戦で行方不明となっていた相模 衛 大尉の遺体が
昨夜未明、搭乗機のイリギノの残骸とともに、発見されました』
マモルは、耳を疑った。
『相模大尉はJAF-02-GR、イリギノの専属パイロットとして前回大会から多大な活躍を見せていました。
今大会ではその実力を評価され、遊撃部隊の隊長に任命されるなど今後の活躍にも期待される人物でした』
『彼の、いや、あの機体の穴を埋めるのは難しいでしょうね。強豪カリメアを突破したのは評価できますが、
ソリアのアルマゾフ兄弟や智奈の一成錚々隊、今大会は各国の強豪ひしめく混戦となっていますから、
なんとしてでも代役を用意しなければヒノモトの優勝は遠いでしょう』
『彼はそれだけ重要な人物であったと?』
『JAF-02-GRを彼のように操縦できるパイロットはそういません。彼の操縦技術は8年に及ぶの血の滲むような訓練の成果ですから、
今大会中に同じ力を持つパイロットを用意するのは、まず無理でしょうね。それも、JAF-02-GRがあればの話です
ヒノモトにとって彼の死と機体の大破はそれだけ大きな損失ということです』
『彼はその戦闘能力だけでなく、精神面においても重要な人物であったと聞きます、
そんな彼について同僚たちの言葉をまとめたVTRをお送りいたします』
「これって、あなたのことですよね?」
目を奪われていたマモルに、素っ頓狂で舌足らずな声がかかった。カップと砂糖のビンをテーブルに置いてミライは椅子に座る。
死んでないからあなたの事じゃないか。いや、こっちにいるのがユーレイの可能性も。
などと、口を動かしたまま、角砂糖を次々とコーヒーに投下しているミライ。ビンの中身が空っぽになるまでそれは続いた。
「とにかく、あなたはもう死んでしまったみたいです。帰るばしょなくなってしまいましたね」
「そうらしいね、死んでしまったんだからしょうがないかな」
ははは。と、マモルは笑い声を出すが、声も目も、心も何も笑ってなかった。
「これで何人目だろうか、こうして、生きながら死んでいった人は」
食堂に偶然足を運んだ博士が、鎮痛な面持ちのマモルに声を掛けた。
「戦闘で行方不明者が出ると、見つかるまで管理競争を中断しなければいけない。
その条約に違反しないように、こうして死者は作られる。全く以って、おかしな条約だよ」
博士は博士なりにマモルを激励しているつもりだったのだろう。
マモルの耳に届いてこそいるが、その真意を推し量れるほどの余裕は今のマモルには無い。
かと言って何かを考えてるわけでもなく、ただ思考が停止しているだけだった。
.
「マモル君。イリギノはもう動かせる。それで君の居るべき場所に帰りなさい」
静かに、博士は言った。
マモルは、ぼんやりと宙を眺める。自分の居るべき場所、思い浮かぶのはかつての仲間たち。
共に苦難を乗り越え、喜びを分かち合い、時に争い、時に励ましあい、長い時間を共有した大切な仲間たち。
「帰ります。自分の居場所へ」
ミライは口を挟もうとしたが、言葉が出なかった。こんな、魂の抜けた亡骸のような人間に何かを言えるほどミライは愚かではない。
博士は無言のままうなずき、食堂から踵を返した。その足音とキャスターの淡々とした声だけが、響いていた。
――――――――博士。
マモルは博士を呼び止めた。残念そうな博士の後姿は今のマモルでも見るに絶えなかったのだ。
「イリギノは、命の恩人である博士に差し上げます。使ってやってください」
博士は一瞬戸惑った表情を見せたが、マモルの意思を感じ取って、感謝の意を述べた。
* * *
マモルは僅かばかりの食料を受け取り、パイロットスーツに着替えた。ところどころ裂けていたり、焦げていたがまだ着ることが出来た。
部屋を出ると博士が待っていて。博士は車まで案内すると言い、マモルの前を歩き始めた。
ジープのドアを開けてマモルが乗り込むと博士は懐から出した拳銃のようなものをマモルに渡した。
「日没までには管理区域に着く。その少し前に車は引き返すが、その照明弾を上げれば嫌でも見つけてくれるだろう」
「ありがとうございます。それでは、また……。いえ、さようならと言うべきですかね」
「君と話すのは楽しかったよ、それでは機会があれば“また”会おう」
博士は笑顔でマモルを見送った。マモルもそれに笑顔で返した。
.
車に揺られること数十分、静かなドライバーに道を任せてマモルは少し遠くの風景を見ていた
。
殆ど木に遮られてしまってはいるが、その隙間から見える風景もなんだか感慨深いものが有る。
深い森の中に入り、窓が一面緑に覆われる。道なき道を突き進んでいくジープの中はひどい揺れに苛まれていた。
「ちょっと、止めてくれませんか?」
マモルは揺れの中に妙な振動が混ざっているのを感じた。運転手は神妙な雰囲気を汲み取り一旦車を止める。
地面の振動では無く空気の振動。遠くから響く重低音が二人の耳に届いた。
「今の音は一体?」
運転手の声に続いて、二度目の重低音。更に三度、四度。それは、一定のリズムを刻み少しずつ移動している。
二足歩行する巨大な何かが近くに居るらしい。……それがFWであることは間違いない。
「もう少し見晴らしのいいところに移動してください」
「分かりました」
マモルの予想は的中した。積んであった双眼鏡が捉えたのは、3機のFW。
機体の配置からみて、捜索隊で有るようだが、何故かそれぞれ武装が施されていた。
彼らは何を探しているのか、何故武装しているのか。マモルの頭に疑問が飛び交う。
その答えを出すのにあまり長い時間は必要としなかった。
大破した機体を手に入れ、人知れずFWを作っている人たちがこの森にいる。
もしあのFWの目的が博士たちだったら。そう思った瞬間、マモルは運転手にさっきの場所へ戻るように伝えた。
運転手は言われるがまま、車を飛ばす。
マモルにとって博士や博士の仲間はもう他人ではなかった。死んでほしくない、純粋にそう思った。
博士は言っていた「協力してもらいたい」と。どんな風に力を貸せばいいのか今ようやく分かった気がした。
自分に出来ること、それは、戦うこと。
世界の兵士だった自分は世界から葬られた。ならば、自分の力の使い道は自分で決める。
自分の意思を以って、俺はこの世界を見極める。
そう、決意した。
第2話 <生まれ変わったら何になりたい?> -fin-
.
>>230 乙ですよー!
そして重なっちゃってごめんなさい(´・ω・`)
リロードするべきだったn・・
はい、これにて投下終了です
第2話にしてまさかの説明回です
予定ではこの後の戦闘も書くつもりでしたが、いくらなんでも長すぎるので
今回はこれで終わりです。申し訳ない
次回はまた2週間後ですかね……。
戦闘回なので少しは早くなるかもです。頑張ります
新キャラ登場!ミライ君!舌足らずなショタ系男子!
レギュラーメンバーですよ!覚えてね!
>>232 しかし、急すぎましたねスミマセン
>>232 はっはっは、このドジっ子めー!
>>233 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>233 投下乙!それではゆっくり読ませてもらうぜメーン!
ゼノギアスとZ.O.Eはいつスパロボに参戦すんだよコンチクショー
スクエニ&コナミ「絶対に許さないよ」
そういえば版権はスクエニのものなんだっけ?>ゼノギアス
うん、絶対無理だね(ニッコリ)
>>233 投下乙です!
ゆっくり読ませてもらいますぜー
>>233 投下乙です。
ミライきゅん、それじゃ私と大人の階段を(ry
>>232 うぅむ、断念したブロックトイだが、人様の出来をみるとまたムラムラと…
とりあえず足回りとか思いがけずシックリとまとまると、脳汁出ますよね。
皆様投下乙です。ゆっくり読ませて頂きますね。^^b
一応、生存報告、と。
今更ですが、60号機と3周年、おめでとうございます!
久しぶりにスレに来てマジ浦島状態(・ω・`)
この前書き込んだのが……ずいぶん前だったようなw
6“2”号機とか目を疑ったわwロダも2番艦とかw
しばらくは無理そうだけど、ある程度(月単位)過ぎたら溜まっているのを書き始められるかもー、と自分を追い込んでみるテストw
……まぁ、というか元々作品投下の間はそれくらい空いちゃってるんですけどね。俺の場合orz
ではいずれその内に。皆様、よい創作とよい読書を▼=ω=▼ノシ
>>233 改めて乙!
いいないいなー舌足らず。
しかしマモル・・生きながらにして殺されるとは何事か。
ルールの穴を突くにしても汚いなさすが汚い。
次回も楽しみにしてますy
そして返信ー
>>202 腰は細く、足と肩はでかくというX字な体型が好きな自分。
ディーの扱うモノらしくいかつく作ってみましt
>>203 丸味を帯びたイメージがあるのはどっちかというとソートアーマーの方かもしれません。それもアリスの。
ソートギガンティックは基本こういうガチムチ風味な感じで描写してるつもりですが・・まぁ拙いですn
>>205 あんまりメジャーなものじゃないですn
ただレゴなんかと比べるとロボは作りやすいと思いまs
ウン、鎌にちょっと力入れた。
飾り羽と鎌らしく湾曲した刀身がお気に入り。
>>207 わりとガシガシ動かしてポーズ取れるのもブロックトイの楽しい所。
機会があったら触ってみるといいかもしれませn
>>208 ブンブン言ってそうな感じに仕上げてみました。
ちなみに腰はスカートのようで、エンジンのラジエーターのようなイメージで作ってたり
デカイ腕は浪漫。ちなみにこれ、劇中じゃゲッター3ばりに伸びたりする予定。
予定は未定ですががggg
>>240 (ブロックトイ)やらないか。
おっしゃる通りロボ作りは足が資本。これが決まるか決まらないかで随分変わるn
で、決まるとヒャッホーイとなるとw
追伸、次来るときは多分VSV持ってくる
>>233 改めて投下乙です!
確かに説明回w
これで世界観やFWについてそれなりのことは判明しましたねー
自分の死亡ニュースを聞いた後のマモルが潔過ぎる気もしますが、悪弊化してて諦めるしかない感じなのかしら
生まれ変わったマモルの活躍を期待しつつ次回を待つよ!
>>244 待ってるぜー!
>>233乙です
ふむふむ説明か
次を楽しみにすてますん
そして、無明の侍、やっと………やっと書き終えたよママン
総文字数60700文字orz
疲れた、今からキャッキャウフフに大人 才人投下せねば
では失礼
さすがに6万は分割した方がいいのではw
感想ありがとうございます
一晩たって見返すと、うむ、なんだ、もう少し推敲すればよかったな。と
今回は自分で決めた時間を守ろうと推敲を怠ったので
次回は1に内容、2に時間を標語に頑張らせていただきます
個別返信!
>>240 おまわりさんこのひとです
全く、手が早すぎるぜ。油断も隙もありゃしない
>>242 舌足らずな皮肉屋を作ろうと思ってたらこういう形に。結果オーライ(・∀・)
マモルの死はヒノモトの立場の弱さが関けぃ……ゲフンゲフン
ブロックトイ今度お店で見てみます。量販店に有るよね……?
>>245 そうですね、潔過ぎですね。自分もそう思います
次回でそこの補強(?)をさせていただく所存であります
ありがとうございます。次回、戦闘シーン盛り沢山!?楽しみにしててくださいね!
>>246 説明です。申し訳ない、この落とし前は次に必ず!
6万!?凄い。投下の際は分割すべきでは
ん?疲れからだろうか、何かが混ざっているような。
うわお、人稲
/^l
,-‐-y'"゙"''゙゙"´ |
ヽ、,;' ・ ω ・ ミ
ミ 、つ
ミ ヽ) i ノリノ)))
';, i l i゚ ヮ゚ノi
;;,, ゙ !っl娘iっ
∪"゙'''"゙ノ//θθヽ
フッフッフ……、此方も久々に本編を進められそうな気がしますよ多分
ちょっとだけ話し進めてみて思った
まだ一話の中盤にも差し掛かってないのにショタキャラが三人もいるのは正直どうなんだ
カワイイは正義だ、どんどんやりなさい
そして私はモチべダウンして作業が進まない……
結局体調が快復まで二日かかったわ!
>>232 物凄く遅くなりましたが、改めまして投下乙です!
説明回を2話に持ってくるのは結構アリですねー。
博士が思ったよりも変な人で驚きましたw
そして珍しいショタのレギュラーキャラキマシタワー。しかも合法かつメカニックとな! どんな活躍をするのかwktkですな!
さてさて、生きながらにして死人にされたマモルは、果たしてどう生まれ変わるのでしょうか。
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
ヒ・トイナ〜ノヒッサーツ♪
フォーゼが予想外に面白かったよ!
>>254 ああいうのを見てると学園物を書きたくなるね!
チェーンソーとかドリルとかロケットとか素敵でしたね!
そして仮面ライダー人稲である
フォーゼのデザイン、慣れるどころか既にかっこよく感じるようになったわw
人稲と言った直後に書き込みがあるのは、ロボスレではよくある事ッ!
やだ、恥ずかしい///
デザインはまぁ好き好きって感じだけど、ノリにはあってる気がする
変に鬱な空気入れずに突っ走って欲しいw
ああいう、演出や使い手のイメージと相まって「動くとカッコイイ」ってなるデザインは憧れる
ロケットだけにね!
メインライター三条だし、まあ大丈夫だろw
よし、学園モノのSS書くわ!
今まで一度も書き上げたこと無いけどな!
楽しみに待ってるわ!
設定だけはできた、後は書くだけだと意気込んで早一時間
書けるには書けたが面白くならなくて悩み二時間
まったく何も思いつかず早くも半年
晒しては無いが15000字書くのに3ヶ月掛かった
そしてここには全く関係無い
投稿エラーの連続で、更に学生が社会人になるレベルの時間を費やす。
20000も書けば十分と思いつつ、筆が止まらずちょくちょく書いて65000文字。
しかもいまだ完成せず。
しかし投下用ではないため(ry
何故だ!何故書けない!
三ヶ月前にパワー使い果たしたのかな…
焦らない焦らない。ひと休みひと休み。
講座系のサイトを見ると成程なーと思わされるね、そして同時に凹み、過去を振り返ってのた打ち回る
講座系のサイトを見て成程と思った後に書店で売ってあるラノベを流し読みすると
商品未満の糞っぷりの多さに頭が理解を拒否して爆発する
そこから光るものを探し出すのが楽しい
飽きたらベケットたんに浄化してもらう
何故そこでラノベを選ぶw
アレはそういうものだと割り切って楽しむもの
猫の地球儀とかとんでもないものを掘り当てることもあるから油断できない
ラノベ読んで思うこと
「商業だからと言って面白いわけじゃない」
ラノベというとスレイヤーズとかオーフェンとか封仙娘々追宝録とかが思い浮かんでしまう自分
そりゃあ、店で売ってる商品が全部良品なわけがない
ま、それはゲームでも漫画でも媒体問わず言えることだわね。
ラノベでも何でもそういう面白くないけど商業な作品に出会ったらまず「こんなんが商業なのかよ」じゃなくて
「これが商業に選ばれた理由は何だろう?」を考えるようにしてる。
で、自分なりの答えが見つかったらそれを得とするか捨てるかは自分次第。って考えると無駄な買い物じゃなかったなって思えるw
お前ら突然小難しい話してどうした、いつもみたいにおっぱいおっぱいって言えよ
たまには真面目に話さないとバランス取れないだろw
只でさえ空気緩いスレなんだからw
ふふふ…スレの空気すっごいユルユル…♪
よ〜し、二時までに投下できるかもです〜
ヒャッハーーーーーーーーーーーーーーー
全裸待機!
お、ドラグリヲ来るか
何かマジで久しぶりだなw1年位経ってる気がするw
古時計屋氏とか元気かなー。CRも何年読んでないんだろう……
ドラグリ投下と聞いて飛んできたよ!
ちょっと正しい全裸ネクタイの教本とってくるわ!
風呂上がりだからリアル全裸だわ!
つネクタイ
すまんな、俺は全裸に靴下派なんだ
投下じゃないよ間違えないでね!
これは、世界がまだマナに溢れていた時代のお話
大気の80%近くがマナで満ちているその世界には魔法が有った
人々は生活には勿論、人殺しにまで魔法を使っていた
研究が進んで『魔道譜』というマナの使い方が出来た
複数人が集まって言霊でマナを纏め……って細かいことはどうでもいい
要は何かを召還する。それが魔道譜。結構難しくて失敗も多いのが玉に瑕だけど、
この魔道譜って技術、普通に魔法使うよりか全然強かった
どのくらい強いかって言うと、投石と戦車くらいの差。まぁ、ぶっちゃけ使ったモン勝ち
で、どっかの強国が魔道譜で魔獣とか兵器とかバンバン出しまくって他国をガンガン攻めまくった
強国にじりじりと追い詰められたある国(名前募集中)は起死回生の魔道譜を編み出した!
それは神話の中の機械仕掛けの神様を出しちゃうだいぶ物騒な魔道譜
よっしゃこれで勝つる!そう思ったのはいいんだけど、魔道譜の詠唱中、誰かが“三竦み”を“三つ編み”って読んじゃったのよ
もちろん失敗ね。そのミスった人、周りから師匠って言われてるらしいんだけど
突然ジョインジョインって音と一緒に突然関節が逆方向に曲がって果てちゃったのよ
するとどうだろうか、「ハルカァ」という断末魔が魔道譜の発動キーになったらしくあたりにモクモクと煙が立ち始めた
そこから出てきたのは、にじ……じゃなくて、異次元の戦士(?)たち!
どうやら誰も彼もロボットで戦えるらしくて、んじゃ、戦ってもらおうぜてことでなんか戦うことに、
魔道譜の誤作動って事で、“誤魔道譜(ごまどうふ)”と呼ばれる彼らの長い長い戦いが、今始まらない!!
<<スーパーロボスレ大戦 SS>>
ってのが仕事中頭から離れないんだよ。何とかしてくれ
書けばいいじゃない
迷わず書けよ、書けば分かるさ
え、死んだ!? 私死んだよ!?
ちょっと何これ面白そうw YOU妄想を形にしちゃいなYO!
よしおまたせしました、行きます↓
時は深夜、天を駆ける月輪が既に宙天を廻り、西に向かって堕ち始めた頃
静けさが支配する双頭の塔の頂きにてそれは突然目覚めた。
絶対零度近くにまで凍り付いた大気の羽衣を纏い、艶かしく身体をくねらせる“藍”
彼女は目元に降り積もった霜を軽く拭うと鎌首を擡げ
遙か荒野の彼方に突如顕現した“違和感”の根源へと視線を向け、その目を細める。
{この気配は……?}
果て無き空の蒼に染まった肢体を優しい月光が闇の中に淡く照らし出す。
すると向かい側の棲家にて眠っていた“紅”も同様に目覚め、黙って“藍”の視線を追うと
苦虫を噛み潰したように表情を歪ませた。
既に水平線の果てに沈み込んだ太陽が地表に顕現したかと誤認する程の輝きが
イタリア彫刻の如く隆々とした肉体から発せられる。
{また目覚めるというのか……あの駄々っ子め
以前は不覚を取ったが今回はそうはいかぬ
今度こそ跡形も残らず灼き尽くしてくれるわっ!!}
その気配に苦い思い出でもあるのか目覚めたばかりだというのに
全身から全力で熱膜を形成し、咆哮を上げる“紅”
{……ふぅ}
その暑苦しいツラを見て“藍”は思わず溜息を付き、徐に“紅”の鼻先に小さな氷塊を生み出すと
息荒く拡大収縮を繰り返す両方の鼻の穴深くへ容赦なく突っ込み、鼻腔の粘膜を凍らせ塞いだ。
{ほばぁっ!?}
{貴方は本当に学習しない御方……また痛い目を見たいのですか?}
気道を塞がれ、動転して情け無く転げ回る野郎を冷え切った視線で睨みながらも、藍は穏やかな口調で言葉を紡ぐ
{前にもお話ししたと思いますがこれは相性の問題なのです
彼女を相手にしては猿共の兵器どころか……例え貴方の焔であっても焼き尽くす事は叶わぬでしょう
彼女を律する事が出来るのは妾の冷たき力だけ……。
もっとも……これ以上“成長”を誘発してしまったら流石に不味いでしょうが……ね。}
身体の回りを循環していた氷の帯に戯れに息を吹き掛け、不規則であるも可憐に姿を変える月光
その自らの創り出した光の芸術を肌を通して体内に吸収すると藍は未だ不服そうな表情を崩さない紅の傍へと降り立ち
熱く脈動する太い首元へ自らの頬を寄せ、目を瞑った。
{妾なら心配いりませぬ故、貴方は手を出さないで下さいまし}
囁くように語りかけながら自らの尾を愛する者の尾と絡ませつつしなだれかかる。
程なく紅の大きな背に伝わる、凍えた柔らかい肌の感触。
彼はその温度に合わせて体表から発していた熱を抑えると、藍の頭を軽く抱きかかえ詫びた。
{ふん、眼前の敵に拳一発撃ち込めぬとは何とも情けない話よ……また面倒を掛けるな、藍}
{今更何を仰ることやら……互いの足りぬ所を補いあう事は当然の事、そうでしょう?}
柄にもなく申し訳なさそうな顔をする紅の顔をチラリと盗み見ながら答える藍。
その心遣いと謀り一切のない愛情に、はにかにながらも幸せそうに頬を緩ませながら
彼女は再び微睡みへと落ちていく。
立ち上る蜃気楼の中をダイアモンドダストが踊るという不可解ながらも幻想的な光景が星空を彩る中
二匹の竜の時折吐く寝息だけが、静まり返った旧首都に何時までも響いていた。
鋼殻牙龍 ドラグリヲ 第二十五話 陽だまりと“温もり”と
雪兎は長い時間蹲り続けていた。
常人ならば発狂しかねない光も音も届かぬ闇の底で、食料も水分も取らず、排泄も睡眠も済ませる事無く
何も考えずひたすらに蹲り続けていた。
だが一切の生命行動を破棄していたにも関わらず、その身体は衰える事を知らず
それどこか身体中の細胞と元来自己が保有していたナノマシンが獣血と馴染み徐々に強靭になっていくのを、雪兎は研ぎ澄まされていく感覚の中で悟る。
獣血の侵蝕を妨げる役割を担っていた新型ナノマシンは既に取り込まれ消滅し、枷を取り払われた獣は容赦無く弱い細胞を犯し喰らい
その過程で強化された全身のありとあらゆる臓器は、絶食と暗黒という過酷な環境に難なく適応し
限られた栄養と水分を効率良く燃焼、合成、再構築し更なる異形へと進化を促す。
それでも初期のような外見の劇的な変化が起こらなくなった事は不幸中の幸いであったと、雪兎は思っていた
以前までは興奮すると顕現していた異形の証である角と尻尾も現在は体内の別の器官を形成する材料となって退化し
怪物的進化を遂げていた手足の装甲も成長と圧縮を幾度と無く繰り返したお陰で、今では一般の長袖の服でも隠せる程度まで小型化している
まるで宿主の不都合を察したかのように……。
しかし獣血が宿主に気を遣った進化を選んだ所で、現在の立場が好転する訳では無かった
沈黙の世界で淀む空気を揺らす振動、それを察知すると雪兎はボソッと呟く。
{交代の時間という事は今は朝か……それとも夕方か……。」
細胞の進化によって鋭敏化した感覚により、雪兎はこの周辺で起こった出来事全てを感じ取り把握していた。
表に沢山の警備兵が配置されている事も、それを取り巻くように配備された小型プラズマキャノンの砲口が全て自分の方へと向いていた事も
そして、カルマが液状化を駆使して気配を殺しつつ度々様子を伺いに来ていた事も
周囲を囲む壁から響いてくる振動を感じ取り、察していた。
だがそんな事は現在の雪兎にとって、どうでもいい事柄だった。
今の雪兎自身にとって大事な事、それは獣血の侵蝕がこのまま続けば一体どうなるのか
自らの意志を保てなくなるのではないかという懸念だった。
自分という存在が無くなる事が怖く無いと言えば嘘になる
しかしそれよりも自己を保てなくなり、愛する人を殺してしまうかもしれないという恐怖を抱いていた
故に雪兎は動かなかった、否動けなかった。
{哀華さん……僕は……」
自らの頬、腕、そして唇に残る愛する人の温もり
何よりも恋しいその感覚を思い起こしながら悲しげに感傷に浸り続ける。
しかし、分厚い壁の向こうから再び振動を感知した時
雪兎は思考を一時中断し咄嗟に顔を上げ、指の中から爪を引き摺り出しつつ唸った。
足音が響いてくる、それもただの足音ではない。
主に死地に赴く兵士が身に付ける事を許される特注の身体強化アーマー、通称“棺桶”
それの駆動音と地面を踏み躙る音が徐々に此方に近づいて来るのが分かる
更にその周囲を疾駆し、隊列を整える兵隊達の軽やかな足音も共に聞こえて来る。
その瞬間、雪兎は理解する。
{処遇が決まったのか……」
そう呟くが早いが、暗黒に満たされた空間を創り出していた分厚いコンクリートの壁を易々と殴り砕き
大きな人影が轟音を上げつつ室内へと踏み込んで来た。
{くっ……、やっぱりこうなるのか!!」
暗がりに慣れた目が突如注ぎ込んできた光に眩み、堪らず目を瞑る雪兎
内心しくじったと思いながらも気配を頼りに侵入者の位置を察知し、爪を趨らせる。
「っぶね!?」
途端に発せされる侵入者の物と思われる戸惑いの声。
刹那、高い金属音と共に強い手応えを感じ
反撃をさせる暇なく一気にケリをつけようと腕を振り上げる。
……が、引いた腕を強引に捕らえられ、ウェイトの差とアーマーの強烈な腕力に易々と腕を拘束された。
{ちぃっ……!」
思わず舌打ちをし、ならば股間を蹴り砕かんと足を摺る。
だが侵入者はそれを察したのか、雪兎に股間を蹴上げられる前にアーマーのスピーカーを全開にして思い切り怒鳴りつけた。
「落ち着けこのドアホ!
色々と勘ぐってビビってたのは分かったからその危ない物をさっさと仕舞え
でねぇと冗談抜きで射殺されんぜ坊主!」
{……へっ!?」
反撃ではなく忠告が飛んだ事に雪兎は間抜けな声を上げ、内心困惑しながらゆっくりと瞳を開くと
そこには肩が赤く塗られたアーマーを着込んだ丸腰の男が、色白の手首を掴み立っていた。
{どういう事だ……?」
目の前に立つ男とその背後で銃を構える衛兵たちに混乱と怯えを宿した視線を向けながら
雪兎は自分の血に塗れた爪と強靭な牙を剥き出しのままに立ち尽くす。
それを見てチャンスとばかりにトリガーに指を掛ける外野の衛兵達。
しかし雪兎の眼前に立っていた男がメット内のマイクからブツブツと文句を言うと
慌てて構えていた銃を下ろし、逃げるように視界から消えていった。
「ふん、弾除けにも囮にもなれない味噌っかすの癖に
敵意の無い相手に対する態度だけはデケェとは本当に使えない連中だぜ
……オメェさんもそう思うだろ?」
背後の邪魔者達が失せ、雪兎の興奮状態が収まったことを確認すると
男は直ぐ様手を離し、メットの中でニヤニヤと頬を釣り上げながら語った。
クリアパーツ越しに淀みなく光る大きな瞳に平静を保ち続ける鼓動
それらを吟味し、一瞬思考した雪兎は大人しく構えた腕を下げて問う。
{……処分しにきたのでは無かったのですか?」
爪を伝う自らの血を拭って体内に引き込みつつも、完全に警戒は解かないまま眼前の男のツラを見上げ続ける。
すると男は一瞬顔を顰めるも直ぐ様表情を隠し、馴れ馴れしく雪兎の背中を叩きながら大声で笑った
「処分だって?馬鹿言うのも大概にしとけや坊主、万が一オメェさんが死んじまったら誰があの化け物を動かすってんだ?
俺はゴメンだぜ、ジャンプさせた瞬間にパイロットがいちごジャムなっちまう自殺マシーンになんざ
いくら大金積まれても乗る気はねーからよ」
雪兎よりも二回り以上大きく見える身体を豪快に揺さぶって一頻り笑った後、再び頬を吊り上げる男
その豪放であるも大らかな気質に凝り固まっていた心を解され、雪兎はようやく警戒を解き
険しかった顔付きを和らげる。
だがそれと同時に、そのひょうきんな男に対して強烈な既視感を感じる事に気が付いた
面と向かって会うのは初めての筈だが、何故だか初めてあった気がしない
否、それどころか背を向けても抵抗を感じないと思える程の安心感を自覚する。
それを知ってか知らずか、男は嬉しげに笑うと雪兎の頭をガシガシと遠慮無しに撫でつつ言った。
「あの時は本当に世話になったな坊主、おかげさんで奪衣婆に逆レイプされずに済んだぜ
まぁ躊躇無く街を吹っ飛ばすのはどうかと思ったがな……。」
その言葉に雪兎は悟る。
{貴方……あの時の?」
思わず尋ねる雪兎に頷いて答える大男、彼は徐に腰に下げていた収納ポーチをまさぐると
取り出した魔法瓶を雪兎の胸に押し付けた。
「積もる話はあるが今はそんな事はどうだっていいさ
ほら少しでも腹膨らませろよ、医者が困ってたぜ
飲まず食わずで二週間引きこもってる馬鹿が居るってな」
加減せずに腕を突き出した拍子に蓋がずれ、途端にその隙間から漏れ出た濃厚な鶏の薫りが雪兎の鼻腔を刺激する。
その瞬間、芳ばしい香りに耐えかねた雪兎の空きっ腹がグゥっと小さな音を立てた。
{ありがとう御座います……、あの……えぇと……」
「セキと呼んでくれりゃそれでいいさ
ほら、そんな事はどうでもいいからさっさと食えって」
雪兎が言葉を紡ぎきる前に察し、自ら名を名乗り促す男
{それじゃ……遠慮無く頂きます。」
その男の忠告に従い、雪兎は視線を魔法瓶へと移すと猛然とその中身を貪った。
舌の上を踊る旨味成分の中に混じる、ただの人間では感知できないほど小さな薬の苦味に
僅かな不安を感じるも、その男とドクを信じて一気に飲み干す。
すると中に湛えられていたスープが雪兎の体内を急速に潤し、冷えた体をじんわりと温め活力を与えた。
{ふぅ………」
安堵の込められた溜息が密室同然の空間に小さく反響し、消える。
その音に耳を傾けつつ役目を終えた容器を足元に置くと、雪兎は最も抱いていた疑問をセキと名乗った男にぶつけた。
{それで、今更何の用があって来たんです?
まさか……また奴等の侵攻が始まったんですか?」
自らが必要とされる局面と言えばそれしか思い付かず、雪兎は有り余ったエネルギーを全身に循環させて
凝り固まった筋肉を解し、何時でも戦えるよう瞬間的にコンディションを整える。
だが、セキは否定の意味を込めて小さく手を振るとレッグ部分の収納スペースからファイルを取り出し
それを雪兎の足元に放りながら言った
「いいやそんな大層な事じゃねぇさ俺はただ婆様直々の命令を伝えに来ただけの話よ、取り敢えずそれを見てみな。」
{……首領の命令?」
訳も分からず促され、首領愛用の印の押された古ぼけたファイルの中身を確認する雪兎
{……………………はぇ?」
その瞬間、雪兎は硬直した。
後頭部を何度も何度も背後のコンクリ壁に打ち付け破砕しつつ、夢でないことを確認し中身を再度見直す都度に絶句する。
そのファイルの中にあった物、それは雪兎が生涯働き続けても一泊分の旅費すら確保出来ない
旧首都直轄高級歓楽街のゲストタグだった。
縁を純金に彩られた一枚の小さなカード状のデバイス、それを目の前に雪兎はただただ瞠目しブツブツと呟き続ける。
{な……なんでこんな物が………」
「まっ……婆様の指示っつー建前のバカンスだわな、羨ましいこって
こっちゃチビ共と遊んでやる暇だってねーのによ。」
超高額の品を目の当たりにし名状しがたい恐怖からその場から一歩も動けなくなった馬鹿の代わりに、セキはファイルからゲストタグを抜き出すと
滅多に見られないそれを物珍しそうに視界に刻み付ける。
しかし、そのゲストタグの裏に書かれていたある一文を目にすると
その表情を途端に嫌らしく変貌させ、冷やかすようにド突いた
「ヘッ、しかもご丁寧にペア専用とは……羨ましいもんだな
デートで旅行なんざこの御時勢、単なる金持ちですら出来ねぇんだぜ。
本当に恵まれてるよオメェさんは……」
自らの甘酸っぱい時代の経験を振り返りつつ、目の前の馬鹿の背中を八つ当たりとばかりに叩きまくるセキ。
しかし当の本人はそれどころでは無かった。
恐怖と猜疑に満ちていた日々に突如落ちてきた、幸運という言葉で片付けてしまうには余りに大きい何か。
そして目の前のタグが二人用という現実に脳内で何度も繰り広げてきた妄想シチュエーションが暴走し
沈静化していた拙い欲望の芽が行き場を無くした全身のエネルギーと結合する
{………………………………………」
「おいどうした、いきなり黙り込みやがって……」
俯き、突然口を噤んだ馬鹿を心配し正面に回って顔を覗き込むセキ
「…………ッ!?」
しかし咄嗟に生命の危機を感じると言葉を切り、あわてて雪兎の側面へと回った。
{ウギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!?」
その刹那、意味不明の奇声と共に繰り出された拳風が周囲の凹凸を瞬間的に消滅させ
一直線の巨大なトンネル状の抉れが形成される。
「のはぁ!?」
その余波でメットを吹き飛ばされ強面の顔が顕になるセキ
されどそれに怯むこと無く、今にも暴走を始めんとする馬鹿へと肉薄し問うた。
「お……落ち着きやがれ!化け物相手にビビらねぇ癖に女如きに腰砕けになるたぁ一体どういうこった!?」
迫り来る殺人パンチを器用に避けつつ、辛抱強く問い続ける。
すると、顔面を滅茶苦茶に歪めせて暴れていた馬鹿は急にしおらしくなり顔面を赤熱させながらオドオドと答えた。
{だってその……そんな立派な所に行ってもマナーなんて分からないから恥をかくだけだし
それに……僕まだ本格的なデートとか一度もした事無いし……」
女々しく指先を絡ませつつ額から大量の汗を垂れ流し、視線を泳がせる馬鹿
その初々しくも情け無く感じる態度にセキは即座に理解し、意地悪く頬を釣り上げる。
「なるほど……、ん?という事はおめぇさんまさか……」
始終俯き続けるその頭をわしわしと豪快に撫でてやりながら、セキは解の分かり切った質問を意地悪く飛ばす。
その瞬間、雪兎は顔を上げると元々赤かった瞳を更に赤く充血させ怒鳴った。
{あぁそうだよ童貞だよ悪いか、悪かねぇだろ!!
婚前交渉の方が遙かに問題あるだろ、なぁそうだろ!?」
「おめぇさんは一体何年前の価値観で生きてるんだよ……」
餓鬼臭くムキになって怒る雪兎のツラを呆れた様に見ながらも、セキはその甲斐性無しに喝を入れるべく
先の細い両肩を何度も何度も叩き、励ます。
「安心しろって、オメェさんは女好みのツラしてるし給与だって悪くねぇし何より若ぇ
こんな優良物件を女だってむざむざ逃したりはしねぇさ」
{だ……だけど本番になってなんて言っていいか分かんないし………………
下手に手を出して嫌われると思うと首吊りたくなるし……………
……………うわぁああああああああああああああああああああああああ!!!」
脳内に絶え間なく湧き上がるBADEND直行の妄想に身も心も打ち砕かれ、へなへなと腰から崩れ落ちる雪兎
その余りのチキンっぷりに、ただ言い聞かせても埒が明かないとセキは悟った。
「やれやれ、本当に面倒臭い野郎だぜ……」
イライラと表情を歪ませ、へたりこんだチキン野郎の胸ぐらを掴み怒鳴り付ける
「おい糞ガキいいか、男女の付き合いというの物はな……生っちょろいファンタジーじゃねーんだぜ!
純愛にしろ打算にしろ何にしろ最終的にはヌルヌルでねっちょりとした付き合いが欠かせないんだよ分かるか?」
{分かりません!」
「即答するなアホ!プラトニックの幻想に惑わされやがって仕方がねぇ野郎だな……
おい馬鹿野郎共出番だぜ、さっさとそこのチキンを運び出しちまいな」
「「「うっしゃー!!!」」」
{…………はえ?」
セキの号令に従い、野太い声と共に唐突に現れる筋肉達磨達(アーマー付き)
彼らは雪兎に反応する隙も与えず一気にその身体を縛り上げると、陽の光溢れる表へと連行を開始した。
{ぎゃーやめて!野郎に犯される!
濃厚な田亀ワールドに連れて行かれる!!
大事な後ろの処女をホリ・ススムされる!!!」
「うっせー、黙ってろ糞ガキ!」
見当違いの世迷い事を喚き、筋肉達磨達に罵声を浴びせられながらも見苦しく身体をくねらせる雪兎。
しかし表へと完全に引っ張り出されると、そこに待っていた物に驚愕し黙りこんだ。
ビルの支柱の様に強靭な四足に騎士の鎧を思わせる巨大な躯を持った命の恩人でもあるそれは
頭部パーツの隙間の複眼から雪兎の姿を検知すると、黙ってその巨大な手を差し伸べる。
{け……ケンタルグ!?」
思わず名を呼ぶ雪兎、しかしその巨大な機械仕掛けの騎士は黙って雪兎の首根っこを掴むと
背面に設置されていたコンテナの内部に躊躇せず放り込み、全ての逃げ道を封鎖した。
{あぁこのポンコツ野郎!お前まで一体何のつもりだ!?」
一切の光届かぬ暗黒空間に再び閉じ込められ興奮した雪兎は縄を無理矢理に引き千切ると、床に拳でグリグリと穴を空けつつ激昂した。
しかしコンテナ内のスピーカーから小さく鳴った
先程までの豪快な口調とは真逆の、同情するようなセキの厳かな口調の声を聞いた時思わずその手を止める。
「婆様曰くオメェさんには休養が必要だそうな
それも身体ではなく、心のだってよ。」
{…………!」
「俺はお前の様に常に前線に出て殺し続けてる訳じゃねーから
心が荒れてるだの何だの言われても全く分からねぇ、だけどよ
折角の善意にはありがたく甘えるのが筋ってもんだぜ。」
{でも……僕が無闇に戦列を離れては…………」
「馬鹿野郎、人間を舐めんじゃねーぞ
オメェさんに四六時中心配されずともあんな塵芥なんぞに簡単に殺されゃしねぇさ。」
心配する雪兎を軽くドヤしつけながらも朗らかにセキは答える。
するとコンテナが馬蹄の音と共に小さく鳴動すると共に窓を封鎖していたシャッターが装甲内に引き込まれ、日光によりコンテナ内が明るく照らし出された。
窓の外に広がる、ドラグリヲよりも少し目線の高い風景。
その風景の底にいるセキがケンタルグに向かって号令を送ると、機械仕掛けの騎士は沈黙を保ったままゆっくりと外に向かって歩き始める。
{おいちょっと……!?」
「騒ぐなよ坊や、客はお前一人じゃないことを忘れたのか?」
{え……!?」
「そんじゃ、お邪魔虫は消えるぜ。泣かせんなよ?」
{泣……!?」
その言葉に雪兎は思わず口にしようとした言葉を飲み込み、立ち尽くす。
刹那、背後の扉が開く音と共に誰かが駆け寄って来る気配を感じた。
{……!?」
誰と言われずとも分かる嗅ぎ慣れた香水の香りに女性特有の甘い匂い
思わずその名を呼ぼうと振り返った瞬間、雪兎は既に柔らかい腕の中に居た。
{あ……哀華さん……!?」
恥ずかしさの余りに顔面を紅潮させパニック寸前に陥る雪兎
しかし、哀華は一切話を聞かずその身体を抱き締め続けた、そしてその真っ赤に染まった耳元で囁く。
「しばらくこのままでいさせて……お願いだから……。」と
その言葉にさらに顔面を赤く染めながらも雪兎は小さく{はい」と答え、自らも黙って腕を回した。
二人にとっては長かった別離の時を埋める様に黙って抱き合い続ける二人。
その背後で天井から何故か溶け出した銀色の雫だけが二人を様子を見守り続けていた。
書き込めるかな?
投下完了しました、お休みなさい。
投下乙
投下乙!
>>312 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
人が少ない時間だからこそ現れるナマモノ。こんにちは。
前回の完結はまあそれなりだったのですが、実際どういうお話が評価されるのかよくわからない現状。
とりあえずまったくの新作を書いてはいるのですが、それまでの穴埋めとか……うむむ。
という感じで、新規の投下を始めます。
名称『野良犬のバラッド』ですが、さてはてどのような感じなのか……。
以下、第一話です。
人類がその繁栄を始めて、すでに二十五世紀。人はようやくにして厚い大気の壁と重力の鎖を振り切り、宇宙へとその勢力を拡大しようとしていた。
そして月の周回軌道上にわずかばかりの宇宙進出のための前線基地、コロニーを建設した頃。
地球で一人の男が、人類の限られたリソースを集約するためと称して、全世界の制圧をもくろんだ。
優秀で、そして力のあった彼は瞬く間にその勢力を拡大。地球のそのほとんどがたった一人の男の支配下に置かれた。
しかし、それに反抗する者も、少なからず存在した。これは、そんな時代のひとつのストーリーである……。
「……ったくよォ! しつこいんだよ!」
地球の成層圏に程近い宇宙空域。そこに、ひとつの影が存在した。遠目には、巨人のように見えるその姿。
この時代、人類が手にした新たな兵器、人型兵器『ドール』だ。当然のように、それを操る者がいる。だが人はパイロットではなく、侮蔑の意味を込めて『パペッター』と呼んだ。
それは、そんな兵器のパイロットになる者は、荒くれ者のならず者だと相場が決まっており、それが一般に認識されている全てだからだ。
彼らの地位は、決して高いとはいえなかった。何よりも兵器の進歩による、その損耗率の高さから、パイロットなどは屑のなるものだという認識が広まったのである。
そして、その旧式のドール、『シュリム』のパペッター、ユウ=マテバは混乱する状況の中、何とか自分の機体の安定を保とうとしていた。
「地球の重力つってもよ、、こんなに邪魔くせぇもんだとは、思わなかったぜ」
彼はコロニー生まれの青年である。今年で二十歳になった。そんな歳若い彼が、こうしてマシーンのコックピットに座っている事は、そう簡単には信じがたいものがある。
しかし、彼は今よりも遙かに若い頃から、コロニーでの生活のためにマシーンを操り、外壁補修などの宇宙作業をこなしてきたのであり、パペッターとしての腕に、自信はあった。
そしてその自信が、コロニー駐留軍の古いマシーンをかっぱらわせることになり、こうして今、地球に降下しようとしている。
その前に立ち塞がるのは、地球外周防衛部隊の戦闘機であり、その実権はすでに地球を掌握しかかっていた一人の男の手に握られていた。
彼らは地球に降下しようとするユウの機体に、執拗に攻撃を加える。ユウはその機体の腕に握らせていたマシンガンを構えた。
「邪魔するってんなら、くたばっちまえよォ!」
トリガーを引く。大して狙いも定めていないそれは、奇跡的にも戦闘機に当たり、その機を火球へと変えた。
ユウ=マテバには、実戦経験はない。マシーンでの作業はこなせるものの、戦闘というものはこれが初めてである。撃墜できたのは、まさに奇跡に等しい。
「出てこなけりゃ、死なずにすんだんだよ! 恨むんなら、手前ェの運の無さを恨みやがれッ!」
捨て台詞を吐くと、ユウは衛星軌道上の保安衛星に向かう。そこは宇宙と地球を結ぶ一種の中継地であり、様々な物資や資材が保管されているのであった。
ユウはちょっとしたビルほどもある衛星の外装を剥がし、そこからひとつの機材を取り出す。
ウェーブバリュート。大気圏突入の際に、機体が燃え尽きないように保護するための、いわば巨大な風船である。
それを呆然とする衛星駐留員たちの目前で、シュリムに取り付けると、彼は迷うことなく機体を大気圏へと突入させていった。
「うが、が! こ、こんなし、振動がくるのかよ!」
大気に包まれ、真っ赤に燃え上がるシュリム。その中で、猛烈な振動に身を任せながら、宇宙生まれの宇宙育ちであるユウは、地球という圧倒的な存在をその肌で感じ取っていた。
「……星が、流れた……」
海上に浮かぶ、プラント施設。元は油田採掘用として建造された、巨大な存在。その海に向かう手すりにもたれながら、一人の少女が空を眺めていた。
薄く朝焼けに染まる空。その中に、一筋の流星が見えたような気がしたのだ。
「あれが我らの力となる存在ならば……無事にここへと辿り着けるように……」
少女は、流星の落ちた方角を、いつまでも眺めていた。やがて、完全に朝日が顔を出す。目覚めの時は、近い。
「クソッタレッ! 連中、本当に回収してくれんだろうなァ!」
海上に、燃え残ったウェーブバリュートに包まれて浮かぶシュリム。辛うじて平行に浮力が保たれているために、機体が海に沈むことはない。
しかしそれでも、地球の海というものは、初めてそれを体験するユウ=マテバに、この上ない不安と不快感を与えた。
「風がベタベタしやがる……海風ってのは、何でこう、気持ちわりぃんだ?」
コックピットのハッチを開き、外気に身を晒すユウ。
地球生まれでなければ、人工物に囲まれて生活してきた者にこの『自然』というものは不快感しか与えないのだ。気まぐれに、人間を翻弄するそれ。
「俺ァ、とてもこんな場所には住めねェな……」
コックピットからサバイバルキットを取り出し、そこからミネラルウォーターのボトルを取り出す。
そして一口含むと、残りを頭から被った。吹き付ける生暖かい風が水を気化させ、一時の清涼感を彼に与える。
「……チッ、やっとお出ましかよ!」
海に浮かぶシュリムの前に、一艘のオンボロ貨物船が横付けする。
「回収する! パペッター、機体の移動をしてくれ!」
「遅ェんだよ! 手前ェら!」
船倉への扉が開く。そこに、ユウは機体を滑り込ませる。慣れない重力下の作業でも、何とか彼はこなすことができた。
それは宇宙へと出た人類の認識力、適応力が進化したためかもしれない。
船倉内に機体をロックすると、ユウはタラップを駆け上り、ブリッジへと上がる。そこには、複数の人間が彼を待ち構えていた。
「何だァ? 出迎えってのは、これっぽっちかよ?」
「……ようこそ、抵抗組織デア・ヒンメルへ。歓迎する、ユウ=マテバ君?」
船長らしき男が、ユウの無礼に僅かに顔をしかめながらも手を差し伸べる。ユウはその手を、無視することで返した。流石に怒りの表情を浮かべる船長。
「こっちァ上でドンパチやってきたんだよ。疲れてんだ、余計な事は無しにしようぜ?」
そんな彼に向かって一人の小柄な影が進み出る。
「あん? ガキが、何でこんな所に……?」
赤みがかかった髪を、後ろで無造作に束ねた気の強そうな少女。歳は十六、七だろうか? それがユウの前に立ち、じっと彼の事を試すように眺めている。
「な、ナンだよ、手前ェ?」
その強靭な意志を秘めた視線に、圧倒されるようにユウは一歩下がる。
「お前が、今回我らに参加することになった男か?」
「そうだよ、なんか文句あんのか?」
自分がこの少女に圧倒されていることを感じながらも、ユウは懸命に威勢を張って見せる。舐められるわけにはいかないという思いが、そうさせるのだ。
「ふむ……そうか、よろしく頼む。今日はもう休め」
それだけ言うと、少女は背を向け、その場を後にした。唖然とそれを見送るユウ。
「何なんだ、あのガキゃあ? あんな奴をクルーにするほど、デア・ヒンメルってのは追い詰められてんのかよ?」
「それは違う、ユウ=マテバ? あの方はデア・ヒンメルの出資者にして我らがリーダー、オフィーリア=アイネス様だ」
「出資者だァ? じゃあ手前ェら、みんなあのガキの指示で動いてるってのかよ?」
それは、到底ユウには信じられることではなかった。あんな小娘に、地球上での抵抗組織のリーダーが務まるとは思えない。
それはユウでなくとも、普通の人間ならば誰でも思う感情であった。
「あの方は、優秀だ。貴様と違ってな?」
「手前ェ! 上等じゃねェか! ヤルってんなら、いつでも相手になってやるぜ!」
ユウ=マテバはその男に殴りかかる。しかし、その攻撃はあっけなくかわされると、逆に腹に拳を叩き込まれて、悶絶して床に転がった。
「グハッ! ゲェッ!」
苦しみ悶えるユウ。その姿を冷ややかに見下ろしながら、男は言葉を続ける。
「俺の名はシュバルツ=ニュングだ。貴様の上官になる。この組織で階級などもないが、礼儀くらいはわきまえておくのだな?」
「ち、チックショウ……覚えてやがれ……!」
そう呟くユウに、シュバルツは更に蹴りを叩き込んだ。
貨物船は、その外観に伴ったかのような速度で、海上プラントへと近づいていた。そしてそこに接舷すると、物資の積み下ろしを始める。
この小さな貨物船ですら、抵抗組織デア・ヒンメルにとっては貴重な戦力なのだ。
地球上のほとんどが一人の男によって抑えられた時代。
彼らのような抵抗組織は無数に発生してはいたが、その殆どが地球勢力に比べればきわめて弱小なものであり、それは彼らデア・ヒンメルとて例外ではなかった。
そんな組織に、ユウ=マテバが参加することを決めたのは、これ以上自分は宇宙のコロニーでは食っていけないと悟ったからであり、こんなならず者でも受け入れてくれるようなところが、他に無かったからである。
しかし、適当にやって後は遊んで暮らそうと思っていたユウにとっては、そこの環境はあまり良いと言えるものではなかった。有体に言えば、裏切られたのだ。
様々な雑用に駆りだされ、こき使われ……。それは彼が望む、怠惰な生活とはかけ離れたものであった。
それだけならばまだマシで、あのシュバルツという男、彼が格闘訓練だと言ってはユウを叩きのめし、戦闘訓練だと言ってはドールで彼のシュリムを追い回す。
それが毎日続くのであっては、流石のユウも我慢の限界に来ていた。元々彼は気が長いほうではない。カッと激昂しやすい短気な性格なのだ。
だから彼は自分の快適な生活のために、ひとつの作戦を立てた。
プラントの屋上で、風に吹かれている少女。雲ひとつない青空の下、その姿が僅かに揺らぐ。
「よぉ、リーダーのお嬢ちゃん。元気そうだな?」
ユウはそんな彼女に近づく。彼の方へと振り返るオフィーリア=アイネス。じっと彼の顔を眺める彼女。
その視線が、ユウには気に入らない。まるで自分を見下しているかのようで……ムカついてくる。
「何だ、何の用だ?」
ユウは黙って、拳銃を構える。それを見ても、少女は僅かに眉を動かしただけであった。
「黙って、俺と一緒に来てもらうぜ? 抵抗したら、ぶっ殺す」
銃を突きつけたまま、ユウはオフィーリアの側まで歩み寄り、その腕を取る。黙って成すがままにされるオフィーリア。
ユウの作戦はこうであった。抵抗組織のリーダーである彼女を、地球の政府に引き渡せば、恩賞くらいは貰えるだろう。うまくすれば、そのまま政府軍への就職も考えられるかもしれない。
決してうまい作戦とは言えなかったが、今のユウにはそれが精一杯である。
幸い、このデア・ヒンメルという組織の規律はガタガタだ。衛兵なども、いるわけではない。簡単に彼女を連れ出せる。そうすれば、こんな情けない生活ともおさらばだ。
「……私を、どうしようというのだ?」
「なに、安心しろよ。いくら政府の連中だって、こんなガキをとっ捕まえても殺しゃしないだろうよ!」
「お前……私を売るのか?」
ユウは拳銃で彼女の背を押し、格納庫になっている場所へと歩いて行く。
「元々俺ァ抵抗運動の主義とか、理想とか、そんなもんねェんだよ。毎日を生きていくのが、精一杯の生活してたからな。手前ェに分かるか、お嬢ちゃん? 水も空気も金で買わなけりゃならない宇宙の生活ってヤツが?」
少女は僅かに俯き、言葉を紡ぐ。
「私は、世間知らずだ。だからそんな自分を打破しようと、この組織を造った。ユウ=マテバ、お前には、向上心というものはないのか? 何かを打ち砕こうとする気持ちは、ないのか?」
「生憎、俺ァそんな夢みたいなもんで食ってはいけねェんだよ! ガキの遊びじゃねェんだ、生きるってヤツはよ!」
自分のドール、シュリムはすでに整備を終え、格納庫の中に鎮座していた。少女の背を押し、そのコックピットに上らせる。そして自分も、コックピットの中に収まった。
「……パペッターというものは、つくづく度し難い者なのだな」
「何とでも言いやがれ。俺はマシな生活が送りてェんだよ」
シュリムを操り、格納庫の巨大な扉に近づく。その時になって、初めて異変に気がついたかのように人々が駆け寄ってくる。
「ユウ! 貴様、何を!」
「下がってなシュバルツさんよ! このまま踏み潰しちまってもいいんだぜ? そうしないのは、俺なりの感謝の気持ちってヤツだ! こんな糞最低な生活から、おさらばする後押しをしてくれたのは、手前ェだもんな!」
「……貴様、オフィーリア様を解放しろ!」
「へっ! やなこったぜッ! 丁重に政府の所まで送り届けてやっから、安心しな!」
集った人々を、踏み潰さんばかりの勢いで歩くシュリム。そして格納庫の扉を押し開く。外に広がる青い海、青い空。
「じゃあなッ! アバヨ!」
そしてユウは、機体をその只中へと躍らせた。
・第二話へ続く……
>>320 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
投下乙
歯車氏以前に人稲とは…
チーズフォンデュのせいで鍋がとってもカオスな状況となっております
申し訳ないがこんな夜中に腹減らすような雑談スレからの誤爆はNG
いつから誤爆だと錯覚していた?
雑談スレで美味しそうな話題をしていたから誤解しても仕方ないね
というか今日は物の見事に誰もいませんな。
先日の
>>295を書くとなると、まず先人たちの作品の数々を読むところからのスタートになる。読了は……
じゃあ、出来そうになったら書きまするので。気長にお待ちを
この世界観、クロスオーバーのために逆算で考えたから当然ちゃあ当然ですが
ラストは大体決まってます
あと、遥さんのごまどうふ発言も大いに影響してます(遥さんマジすげー)
>>297 支障!(なんだか名前が!)
たぶん、他人の空似でしょう
彼は果てて断末魔をあげただけです
万が一、本物の師匠ならこの世に三つ編みがある限り死なない…はず?
そして一気に冬へ
静かなら作業してよう→さらに人稲
ふぅ……まだ体調いいとは言えないけど、とりあえず熱は少し下がったぞぉー。
>>332 ヒャッハー全裸待kゲホッ、ゲホァッ!
>>336 見れなかった……(´・ω・`)
おまいらが支援砲撃出来るなら、仕事終わったら投下しようかな
うん
時間によりますえー。
>>312 改めて投下乙です!
シリアスな空気だと思ったら鼻の穴を凍らされた、何を言って(ry
転げまわる紅さんワロタww
ケンタルグの人はセキさんだったのね、これはイイおっさん
次回は哀華さんとの関係進展ですか、もう服は着てられんね!
よーし、おじさん頑張ってドラグリヲ描いちゃうぞー!
>>320 こっちも改めて投下乙です!
おおぅ、何というか荒んでんなぁ、主人公……
のっけから小物臭がハンパないけど、それだけに成長を見せてくれるのか、それともいっそヒールな方向へ振り切れるのか
気の強い女の娘?えぇ、大好物ですよ!
>>312 乙乙。久々のドラクリ面白かったよ
既に書かれてるけどシリアスに思わせてまさかの展開にワロタwこれが俗にいうシリアスな笑いかw
色々と事態が動きそうだし次回が楽しみだ
>>320 こちらも乙乙
しかしもう三作目か。タロ氏並みにペース早いなww筆速くて羨ましいわ
これまた色んな意味で強烈な主人公だな……ある種今までにない主人公像で新鮮だぜ
主人公含めて先が読めない展開にわくわくさせてもらうぜー!
にしても夏が終わったせいかマジで静かだな……作品投下があるから過疎ではないけど
けどこの前の話が書けない流れみたいな雑談になると急に人増えるんだよなwwそんなに雑談好きかw
お二方、改めて投下乙です!
>>312 最強夫妻の敵って一体……って紅さんの鼻の穴が大変な事に!?
獣血の侵食が凄い事になってるみたいで、雪兎くんも大変そうd……って後ろの処女をホリ・ススムってwww 何考えてるんですか雪兎くんはwww
ここまでシリアス続きだったんで、ギャグ回は凄くほっとしますねー。雪兎くんが想像以上にウブでちょっと驚きましたw
さてさて。せっかくの旅行、何もないといいのですが……。
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
>>320 新作乙ですよー。
ユウ、大丈夫なんでしょうか、色んな意味で……心配になると同時に、これからの成長が楽しみでもありますね。
それにしても、オフィーリアのような少女が何故レジスタンスのリーダーをやってるんでしょうか。何かありそうなにおいがしますな。
それでは、次回を楽しみに待ってますね!
マジで人いねえ……
まあこの板じゃデフォルトだけど
いるよ!作業中だけどな!
感想書いた直後にそりゃないぜブラザー!
私はMy Lordの執事のギャルソンと申します
補給物資を投下して下さった
>>312>>320はお疲れでございます
お陰でMy Lordも更に働ける事でしょう
では紳士の皆様、ドレスコードは完璧でございますかな?
これは行けません、全裸で有ることは紳士には必須で、皆様きちんと守られてる事は感心致しますが、きちんとネクタイをしてないのは頂けませんな
ほら、私の様に、ネクタイはきちんとするのが紳士でございますぞ?
所で、ここだけの話ですが、My Lordはナイスバディでしてな、皆様データ保存の準備は………流石素早い
既にデジカメと一眼レフとレコーダーも用意してますな
おっと、My Lordより、支援砲撃の要請が来ております
紳士の皆様、武器はきちんとお持ちでしょうか?
彼らにはレーザー、ビーム、火炎、雷は通用しませんぞ?
流石ですな、もうドリルやパイルバンカーを用意していらっしゃる
男のロマンをご理解して下さる方々ばかりで、このギャルソン、大変嬉しゅうございます
では注意事項でございます
・この物語はサイエンスフィクションです。実在の人物、政治、団体、地名とは一切関係ございません
・ストーリーの都合上、現在の社会常識とかけ離れてる部分がございます。目くじら立てずに、生暖かい目で見て頂けると嬉しゅうございます
・プロローグに引き続き、前編28レス前後予定
・支援砲撃が有ると、My Lordの生存確率が上がります。是非とも支援砲撃を
では皆様、こちらのスコッチはサービスでございます
暫しの夢の世界に、お遊び下され
「あ〜、糞。たりぃな」
練習機『陽炎』に乗った少年、武藤総作は欠伸をしながら呟いた
「ちょっとソウサク、きちんとやる。この課題クリア出来ないと、侍乗りになれないヨ?」
総作のモニターに金髪の亡命米国人二世クリス・バレットが映り、ソバカスに彩られた可愛らしい顔に、クリクリとした青い瞳をぷんすかさせている
二人は国立防衛高等学校、汎用機科一年の生徒だ
2019年の日本は、文化系に費やす人的資源の投入を極僅かに留め、大部分のリソースを一次産業と二次産業、研究開発と整備と兵士の教育に費やしている
普通科は廃止され、全ては生き残る為の教育に切り替わった
人類生存の危機に、誰も文句は言わなかった
言ってた者達は、初期に宇蟲に喰われてしまったのである
選択肢なぞ、人類には残されていない
また、老人達は宇蟲に対する対抗手段が無かった時に食べられ、人類全体は非常に若い構成になっている
法律が改正され、女性の早婚多産が奨励された
それで、一次期4000万迄減った人口を、6000万人に押し留めている
現在の平均寿命は各国共に25歳で、産業革命前に巻き戻ってしまった
「んな事言ってもなぁ。ふぁあ」
また欠伸を一つすると、クリスははぁとモニター越しに溜め息をついた
「全く、昨日はどんな夜更かししてたの?」
「んあ?知ってる癖に」
「ま〜たエロゲか。此所に美少女居るでしょうが」
「冗談言うな。16なんておばさんじゃねぇか。ヒロインはやっぱり12だろ?」
「…降りた時覚えてなさい」
フッと画像が切れると、公開回線で指示が入って来た
「次、武藤,バレット組。来い」
「了解。祥子」
機体に搭載したAIの起動ワードたる名前を呼び、待機状態だったAIが目覚め、モニターに割烹着姿の女中の黒髪少女が割り込んだ
《はい、ご主人様。練習機陽炎総作ver.演習状況三、起動します》
ヒュイィィィィ
両脚のタービンに火が入り、甲高い音が機体外に鳴り響く
時を同じくして、パーソナル回線からクリスの声が聞こえて来た
「ギャルソン」
《YES.Type KAGEROH Christine ver. Wake UP. Practis 3 Run では参りましょう、お嬢様》
駐機場で、他の陽炎と共に待機していた二機のエンジン推力が上がり、一気に上空に跳び出した
垂直上昇を始めた二機が互いの正面を見せ、腕を組む
お互いの余剰推力を合算して、更に加速度を上げる形態だ
.
《祥子です。ギャルソンさんとリンクしました。火器管制お任せします》
《祥子様、了解致しました。ゼロタイム範囲での、機体機動はお任せします》
《はい。ではお二方、現在成層圏に蜂型10m級が一体、斥候と思われます。確実に排除を。接触迄、後300秒》
モニターに接触時間迄の、カウントダウンが表示される
「60秒で狙撃する」
《了解です。お嬢様》「しくじんなよ?」
「誰に言ってんのよ?アンタこそ、しっかりやんなさいヨ」
そのままカウントダウンが継続され、90秒で二機が組んでた腕を離して個々に加速、クリス機が右手側のウェポンラックから88mmライフル アハトアハトを取り出し、上空に向けて構えた
基本的に銃撃は、関節を狙えないのであれば牽制程度でしかない
だが、裏を返せば、精密に狙撃出来るなら有効な武器になる
スコープサイトの情報を読みながらクリスは狙いを定め、60秒きっかりでトリガーを引いた
ドン!!
模擬弾は機体速度を上乗せされ、超音速で目標を捉える
《命中。敵前腕一肢破壊。ご主人様》
「おうよ」
既に抜いた太刀を両手に持ち、敵の指向がこちらに向いたのを祥子が報告する
《敵、本機を指向。音波砲スタンバイ中》
《Missile Fire》
ギャルソンの声と共に、両機の可変翼に搭載されていたミサイルが撃ち出され、上空に攻撃しながらの目眩ましをかける
そのまま総作は爆発の中を掻い潜り、一気に敵と交叉した
ビーッ!ビーッ!
コックピットにアラームが鳴り響き、機体損傷を指し示すグラフィックが、左脚を真っ赤に染めている
《音波砲左エンジン被弾。出力50%低下、燃料カット、敵羽根を破壊。音波砲無力化しました》
「だぁ、ついてねぇ!?」
そのまま反転して重力を利用して逆噴射してる総作に、敵が飛び出して来た
《敵、呼吸機動開始。本機を指向。格闘戦に移行します》
「機動差は?」
《敵のが上ですが、羽根を破壊した為、直進運動のみです。ブレイク可能》
「あいよ」
すかさずスロットルとペダルを操作し、可変翼を動かして急機動を行い、バックに付いた敵を回避すると、ウェポンラックから30mm回転機銃アヴェンジャーを取り出し、撃ち出した
バラララララ
.
モニター表示された残弾が一気に減っていき、30mm模擬弾が空中にばら蒔かれ、幾つかがヒットする
《命中12、有効弾無し。6時を取ったのになんて情けない。ご主人様にお仕えして早三年。祥子は悲しゅうございます》
モニターに表れている祥子のミニ画像が、ハンカチを取り出してさめざめと泣いている
その時に残弾が0になりEMPTYが点滅、リロードを要求するが
《あぁ、しかもあっさり弾切れ。こんな事は予想出来たのに、マガジン持って来てないだなんて駄目すぎです》
「いちいちウルセー!!刀で仕留めりゃ良いだろうが」
そう言って、アヴェンジャーを仕舞うと太刀を構えてエンジンを回して加速した
そんな時に、敵に下から狙撃で更に敵にダメージが入る
《流石はクリス様。何処かの刀万歳馬鹿とは大違いですわ》
「…何でこんな風に育っちまったんだ?」
総作が敵とシザースを展開する中、二回目の狙撃に成功したクリスは、被弾した総作を支援する為に加速を始めている
パーソナル回線で、向こうの会話はダダ洩れである
祥子も総作も音声通話を切らないからだ
「全く、ショウコの言う通りよね。ギャルソン」
《…》
初老の男性執事の格好のギャルソンは、ミニモニター越しで紅茶を飲んでいる
「ギャルソン!」
《…My Lord お茶の時間は、優雅に過ごすのが紳士と云うものです》
「…アタシも設定間違えたっぽい」
補助AIは非常に優秀で戦闘をサポートするのだが、まともな性格になるのが殆ど無いのが珠に傷だ
11歳時に適性検査を全員受け、適性持ちが12歳で本人の意思でパイロットを選択し、中学生になると同時に、候補生にはパーソナルAIが支給される
支給されたAIは候補生達の癖に合わせて成長する為、全員唯一無二の相棒となっている
その性格は本人達を映す鏡と説明されてるが、誰も信じてない
そして、とうとう総作機が敵に取り付かれた
敵の四対の脚が、機体に悲鳴を上げさせる
《不味いです。胴体メインフレーム負荷増大。前肢鎌に太刀で競って、両腕モーター過負荷。このままじゃ、焼き切れます》
機体モニターの胴体にブルーの表示が加わり、両腕が黄色くなって点滅する
「振り落とせ」
《駄目です。完全に抱えられました》
すかさずクリス機の位置を確認した総作は指示を下した
「モーター焼き付き迄カウントダウン」
《了解、カウントダウン開始》
.
カウントダウンが開始されると脚を振って推力変更し、眼を回させる行為に出た
空中でぐるぐる回る敵と総作機
《ご主人様、効果有りません。中止を要求します》
胴体フレーム迄過負荷に軋みをあげ、機体モニターが黄色くなる
「まぁ、見てろ」
流石にシェイクされてるコクピット内で汗を垂らしながら、急に制動を掛けて回転を止めた
《焼き付き迄、5・4・3・2・1》
「ソウサク、ナイス」
回転を止めた時にクリス機が敵の後ろに丁度居たのである
背後から装甲の隙間の首関節への、致命的な一撃の刃が滑り込む
《ゼロ。両腕破損、敵沈黙》
「…状況終了だ」
公開回線から教官の声が入り、モニターの宇蟲が消え、同じ機体の教官機が表れた
AIが映像を加工して、宇蟲に見せていたのである
「データを提出して帰って良し」
《了解です。ころにゃ様、データリンクお願いします》
《sir YES sir. ころにゃ様、データリンク宜しくお願いします》
二機のAIが教官機のAIに呼び掛け、二機のモニターに猫耳尻尾肉球でセーラー服に短パンのショタキャラが表れた
《はいニャ、はいニャ。二人共ちょっと待つニャ……データ貰ったニャ》
コミカルにくるくる動くころにゃに、二人して苦笑する
「毎回思うけど、リヒトホーフェン先生に全く合わないなぁ」
「あはは。無口な先生にぴったりじゃない」
二人はゆっくり降下して行くと、エマージェンシーが全ての機体に鳴り響いた
《こちら防衛学校相模原高等部統括。現在横田部隊が宇蟲の大部隊と交戦中。ドイツから来たお客さんの護衛要請。付近の候補生全員に出撃命令。総員実弾装填後、現場に急行せよ》
音声が途切れ、教官の声が届いた
「聞いたな?全員模擬弾廃棄。実弾装填。稼働可能時間を報告せよ」
その声に、祥子が反応する
《45分ですわ。教官様》
《55分ですな Commander》
「……武藤バレット組は後方に配置する。総員出撃」
「ヤー」
ドイツ人の教官に合わせる為に、皆でドイツ語で答える
画面の教官が珍しく口元を綻ばせて、命令を下す
.
「上級生に負けるなよ。撃墜数トップのペアには奢ってやる。出撃」
既に生徒達が、クリス達の所迄飛翔していた
《部隊リンク完了ニャ。それじゃ、一年一組部隊、出撃ニャ》
くるくると全員のモニターど真ん中で踊るころにゃがビシッと器用に指を差し、一年生部隊はリヒトホーフェンを筆頭に加速した
※※※※※※※※※※
戦場では乱戦になっている
横田部隊は配備数400機を全力投入しているが、20m級が主力になってる宇蟲5000に対し、明らかに劣勢だ
他部隊への応援は、防空網に穴を開ける事に繋がる為に出来ない
そういう時には、候補生達に動員がかかる
制式汎用機飛沫に乗る正規兵達でも、圧倒される数である
輸送機の編隊を辛うじて護衛するので精一杯だ
宇蟲には光,電気,熱,化学エネルギー兵器の効果は非常に乏しく、どうしても運動エネルギー兵器たる、実弾と刀剣に頼らざるを得ない
核は使えるが電波障害や放射能汚染も引き起こす為に有害と認定され、第二次大戦下の様に、航空機による物量で押す展開になっている
「リヒトホーフェン先生、坂井です。二年三年の部隊も集結しました。戦場指揮をお願いします」
《了解ニャ、火器管制こっちに寄越すニャ。一斉射後、突貫ニャ》リヒトホーフェンは普段は余り喋らない
代役は全てころにゃが請け負っている
相模原候補生部隊その数、教師含めて274
上級生になるほど数が少ない。実戦等で戦死、又は戦闘不能で退役したりしてるからだ
学生と言えども、中学生と違い、高校生は予備役扱いで非常呼集がかかる
《それじゃ行くニャ、ミサイル一斉射》
上空から降下機動に入りながら一斉にミサイルが放たれ、狙撃能力の高い生徒機がライフルを構えて狙撃を開始し、格闘能力が高い生徒達は太刀を抜いて爆発の中を突貫した
「ちょっと、ソウサク。アンタ後方なのに突っ込むな、馬鹿」
クリスは自分の相方の突撃馬鹿っぷりに頭痛を覚えつつ、アハトアハトを構えて、総作の進路上の宇蟲に対してぶっ放した
一発で羽根の根本を一気に撃ち抜き、バランスを崩した宇蟲に総作機が飛び付いて太刀を突き立て、次の目標に向かって一気に前に跳ぶ
《My Lord 無理で御座いましょう》
.
「あぁもう。ギャルソン、援護するわヨ。祥子、データ回して」
《はい、クリス様》
総作はその後も暴れ回り、それを的確に援護したクリスが後に続き、リヒトホーフェン機と並んでしまう
《陣形崩すの駄目ニャ。下がるニャ。制限掛けるニャ》
ころにゃの強制命令がかかり、総作が戻されそうとしたのだが、総作は別のモノを見ていたらしい
「先生あれ見ろ。行かせてくれ」
リヒトホーフェンが総作の目標を送られて認識すると、短く言い放った
「後で罰だ」
「了解。クリス」
「すいません先生」
二機が陣形から飛び出し
《あの二機を援護ニャ。総員突撃ニャ。輸送機がヤバいニャ》
ころにゃの命令により、学生達が一気に突撃する
一目散に輸送機に向かって突撃する総作をクリスが援護しつつ、とうとう並走を始める
「だぁ、もう数が多すぎる。アンタのアヴェンジャー渡しなさい」
総作が予備のマガジン事渡すと、クリスが驚いた
「何でこんなに持ってんのよ?」
《それが、模擬弾は最初からマガジン一個だけで、全部実弾だったんです》
「ったく、この馬鹿。今は褒めてやる!」
スコープサイトにギャルソンが次々に目標をセットし、クリスがトリガーを引く
バラララララ
一斉に複数目標に正確に着弾し、確実に戦闘能力を削いでいく
「流石クリス。祥子」
《はい、行きます》
クリスも刀を抜きながら総作に続いて突撃し、弾切れになるとすかさずリロード、接近した宇蟲の首に刀を突き立て、更に進む
総作はクリスが付けた道筋に突撃し、戦闘能力が削がれた宇蟲を片っ端から斬り捨てた
《ご主人様、太刀は本当に正確なのに、何で射撃はからっきしなんでしょうね?》
「知るか」
そして、とうとう輸送機に辿り着き、取り付いた宇蟲の首に太刀を突き立てた
宇蟲は関節も簾の様に装甲が覆っているが、隙間は有るので、そこに剣を突き立てる
つまり、飛びながら正確に狙うのは、AIの補助が有るとはいえ、非常に難しい作業だ
総作は格闘戦に特化したパイロットであり、逆にクリスは射撃戦に特化している
どちらも汎用機たる侍乗りとしては非常に使い勝手が悪い、落ちこぼれコンビである
輸送機に取り付いた宇蟲を次々に仕留めると、祥子が警告する
《音波砲複数本機を指向。強制回避》
ドンドンドン
音を衝撃波に迄昇華する、宇蟲達の飛び道具
.
祥子が強制的にエンジンを回して跳躍、何も無い空間を音波砲が飛び、別の宇蟲が当たって吹き飛んだ
最も、吹き飛ぶだけで死なない
一度跳躍した総作機がクリスと並んで降下して、又輸送機に取り付いた宇蟲の排除に掛かると、本隊がやっと追い付いた
《大丈夫ニャ?大丈夫ニャ?二人共良くやったニャ。奴らに、横田部隊から引き離されたの、良く見付けたニャ。総員防衛ニャ》
輸送機の周りに、ころにゃの指示で半球陣が組まれ、更にころにゃがモニターに表れた
《見るニャ、他の学校からの増援ニャ。私達の勝ちニャ!》
更に増援部隊700機程が現れ、宇蟲を駆逐していく
基本的に殲滅戦であり、撤退して立て直すと言った概念は、宇蟲には余り見られない
最後の一体を仕留める迄、戦いは続くのである
そして最後の一体迄増援部隊と横田部隊で駆逐し、戦闘が終わった
「良し、良くやった俺」
ピーッ
総作が呟いたら、ガス欠の表示が画面一杯に表示された
《やっぱり、ご主人様って馬鹿ですね。ガス欠です。墜落します》
モニター一杯に祥子が現れて肩を竦め
「え?おわぁぁぁぁぁぁ!!」
墜落していく総作機を、がしりと教官カラーの陽炎が掴んだ
肩口には1-02。一年二組の担任機である
「全く君は無茶をして。リヒトホーフェン先生が、心配してるのが良く解ります」
モニターにキリっとした黒髪の女性が現れ、心配と怒りをない交ぜにした表情を見せている
リヒトホーフェンのペアである、坂井光子教諭だ
《そうねそうね、ダメダメじゃん。もっとクールに行かないとモテないぜ、兄ちゃん》
ゴスロリ衣装の水色髪のドール、坂井のAI琥珀も現れ、左手を腰に当て、右手でちっちっちっと指を振る
ちんまい癖に、可愛らしく憎たらしい仕草が似合っている
「坂井先生に琥珀。有り難うございます」
「バレットさんもガス欠で、リヒトホーフェン先生に抱えて貰ってます」
「…すいません」
「では、護衛任務が有りますし、横田に行って、補給を受けましょう」
※※※※※※※※※※
横田基地は元々は米軍基地だったが、米軍が壊滅した後に現在は日本軍に改称された自衛隊がそのまま接収し、侍の航空基地として機能している
予備機とパーツ併せて1000機以上が駐機しているが、稼働可能なパイロットは400名しか居ない
パイロットの養成が国家事業になっており、パイロットはそのままエリートコースである
.
横田に輸送機を護衛した後、全機補給を受けていると、学生と言えどもパイロット達には敬意が払われ、整備班の女性兵から頻繁に声がかかる
男女交際は奨励されており、パイロットの適性を次世代に継がせる為、特にパイロットはモテる
「はぁ、疲れたなっと」
与えられた部屋で総作はだらけていた
机の上にはパソコンがあり、祥子が画面に映っている
《今日は働きましたものね。撃墜数30、ペア40で一位ですよ?》
「へぇ、やっぱり突撃が効いたな。お陰でガタガタだ」
コキコキ首を鳴らしてベッドに横たわっていると、ノックもしないで扉が開いた
「あぁ?夜這いだったら、他の野郎に行ってくれ」
「…誰がアンタなんかに夜這いすんのヨ?」
「お前」
そう言って、総作はクリスを指差した
「誰がするもんか」
「そっ。歳上はどお?って10人位に声掛けられたから、多分何人か来るんでない?」
バタン、ガチャ
鍵迄閉められ、総作は別に気にしない
「…家族が一緒に居るのに、理由が必要?」
「…いんや」
総作とクリスは幼馴染みで、クリスの家族は宇蟲にやられて孤児になったのを、武藤家の両親が引き取った
そして二人してパイロットの適性が有るのを知ると、総作はそのままパイロットを選択し、クリスは総作に反対されても、そのまま志願した
パイロットの女性は子供を産める事より、戦力として要求される
つまり、クリスは総作を振り、総作はクリスに振られた訳だ
それでも、二人は中学生になったその時から、ずっとバディを組んでいる
通常は、バディはより良い相性を求めて、何回か交代する
実際に総作自体は結構バディの誘いが有るのだが、一度も首を縦に振らなかった
クリスは銃撃特化と云う、非常に使い辛い特性の為に、誘いは一度も来た事はない
クリスが自分以上の相手と組むならと、何度も進言したが、やっぱり総作は頑なに承知しなかった
「俺の相棒はクリスだよ。話は終わりだ」
そう言って、いつも終わる
お互いに、家族なのか友人なのか、それとも……な、関係だ
総作が眼を閉じると、クリスが狭いベッドに横たわって来た
「私も疲れた。寝る」
「オヤスミ」
二人が寝ていると、扉がノックされた
コンコン
「…」
コンコン
「…」
コンコン
.
「…しつっこいわね。私の声が聞こえる?他の野郎の所行きなさいよ!!」
「あの、此方にムトウソウサクが居ると伺って。お礼を言いたくて」
「ドイツ訛り?あんた、横田の兵士じゃないの?」
クリスは産まれた時から日本の為に、アメリカ訛りが殆ど無い
そして現在も公用語は英語で有るにも関わらず、実際は日本語が必須科目になってしまった
日本との結び付き無しでは、どの国もやっていけないからだ
「アノ、さっきの輸送機に乗ってました。是非とも、お礼を言わせて下さい」
「…クリス」
「…わかったわよ」
クリスが立ち上がって扉を開けると、140cm位の赤い髪をした少女が立っていた
152cmのクリスより小さい
「ア、アノ、初めまして。ゾフィー・シャルロッテ・フォン・ヒンデンブルグです」
「入って」
「失礼シマス」
流石に客が来た為に、総作も起き出した
備えつけのインスタント珈琲を入れて三人にクリスが運び、舌戦を開始した
「…で、お礼を言ったら出てってくれる?見ての通り、アタシもソウサクも、昼間の戦闘で疲れてんの。冗談抜きで眠いのよ」
「アノ、貴女もパイロットなんですか?」
「そうよ。アタシはこの馬鹿の相棒」
「すいません。お二方が先行して突撃してくれたから助かったと聞いてマス。本当に有り難うございました」
深々とゾフィーが頭を下げると
「あぁ、気にしないでくれ。やれる事をやっただけさ」
総作が適当に答え、ゾフィーが目を輝かせた
「アァ、これが日本のサムライですね?素敵です。あの、子供作る固定の相手はいますか?」
直球ストレート、クリスがワナワナ震えている
「隣の方は違いますよね。だって、パイロットですし」
「クリスは家族だよ」
「家族ですか。妻や恋人で無いなら、問題有りませんネ。ワタシも13ですし、相手はやっぱりリッターが良いなって」
そう言って、ニコニコ笑っている
「いや、まぁお誘いは嬉しいけど」
「……け」
「……ヤバ」
クリスの言葉に、総作が真っ青になる
「出てけ〜〜〜〜!!二度と来るなぁ〜〜〜〜!!」
珈琲をゾフィーにぶちまけようとして、総作が慌てて手を被せて阻止する
「Ficken!!」
思わず立ち上がったゾフィーがクリスに吐き捨て、出て行った
「はぁ〜〜。クリス、パイロットはそれだけでモテんの知ってるだろ?」
.
そんな総作の右手を引っ張って行って、水で冷やすクリス
クリスは無言だ
「そんなに嫌なら、何であん時……」
「煩い、黙れ馬鹿」
「…分かったよ」
※※※※※※※※※※
総作が朝食を食べに食堂に降りると、坂井とリヒトホーフェンが隣同士で座っており、思わず総作が前に席を取った
「お早うございます、丁度良かった。お二人に聞きたい事が」
「お早う。あら、何かしら?」
リヒトホーフェンは返事をしない、だが視線で挨拶を交わす
この癖に気付くのに、ちょっと学生達は苦労している
「えぇ、男女ペアって、うちの学校じゃ先生達しか居ないじゃないですか?それで聞きたい事が」
「あらあら、バレットさんが拗ねたの?」
「えぇ、まぁ」
そう言って、深い深い溜め息を付くと、総作が語り出した
「俺、あいつの考えてる事が分かんないです」
「あら、私もこの無口馬鹿の考えてる事、分かんないわよ?」
そこで総作がかくんと崩れる
「単刀直入に聞きます。お二人は出来てますか?」
「えぇそうよ。昨晩も、美味しく食べられちゃいました」
坂井が艶やかに笑って、総作が赤面する
「何で、坂井先生パイロット辞めて無いんです?」
「クスッ。そういう関係も有るのよ?多分まだガチガチなのね、二人共。良いから、嫌がろうが何だろうが押し倒しちゃいなさい。先生が許可するわ」
「……いや、あのね。普通先生がそう言います?」
「宇蟲襲来前は言わなかったけど、今は言うわね〜。そんなに大事なら、無理矢理孕ませて退役させるのも一つの手段よ?一緒になりたいんでしょう?」
「……バレバレですか」
「バレバレよ。そういう子達、何人も見てきたしね。男女ペアが極端に少ないのは、大抵相棒に惚れちゃって、女性が退役しちゃうからなの」
そこで総作がカマを掛けてみた
「…先生が後押ししてませんか?それ?」
「はい、当たりです」
そう言って、坂井がクスクス笑う
「だって貴方はそう言うペアの子よ?総作君」
「…嘘?知らなかった」
総作は父がパイロットで戦死した事は知ってたが、母もパイロットだった事は知らなかった
クリスを引き取ったのがお互い2歳の時で、2年後に父が戦死し、総作の下には妹が居るだけだ
しかも、この妹もパイロットの道を選択している
「本当よ。私達は侍パイロットの初期で、武藤君と梓ちゃんには、随分助けて貰ったっけ」
.
「…はぁ」
「でも、傑作よねぇ。まさか貴方までAIの名前を祥子にするなんて。武藤君生きてたら、何て言うかしらね?」
「ビジュアル迄一緒だ」
「はぁぁぁ!?本当ですかぁ?」
二人が携帯端末を取り出してAIが映ると、二人のAIが喋り出した
《本当だぜ兄ちゃん。また祥子に会えるたぁなぁ。本当に初期化されてんのか、あれ?瓜二つってか、前の祥子のまんまだぜ》
《そうニャ。祥子は祥子のままだったニャ。でも、憶えてないから別人ニャ。祥子には随分助けられたニャ。総作も英作の戦い方まんまニャ》
「親父と一緒……」
「そう、だから私達は心配してるの。貴方、非常に強いけど、穴が有りすぎるの。今のままじゃ、死ぬわよ」
「…そんなの、俺が一番知ってますよ」
「…そう」
坂井が頷き、総作は更に喋る
「だから俺は、クリスじゃないと駄目なんだ」
《良く分かってるニャ。データ検証したけど、クリスの狙撃が毎回的確にフォローしてるニャ。攻撃だけなら他の人と組んだ方が良いけど、生存率は今の状態が二人共に一番ニャ》
生存率が高い相手こそ、最高の相棒である
攻撃に偏重しがちな若い時に気付いてる時点で、総作はパイロットの適性が高いのだろう
「あらあら、一番大事な人が一番の相棒か。貴方も辛い道に来ちゃったわね」
そう言って、三人無言で食事をしてると、噂の人物がやって来た
「あっ、ソウサク。何で起こさなかったのよ?先生方お早うございます」
「お早う、バレットさん。今ね、恋バナしてたのよ?」
「え?嘘、誰の話?」
《英作と梓の話さ、姉ちゃん》
《総作の両親ニャ》
「やだ、お父さんとお母さんの話?聞きたい聞きたい聞きたい!」
すると総作が席を立った
「ご馳走様」
既にリヒトホーフェンも食べ終えてるのだが、女達のかしましい話に眉一つ動かさずに付き合った
※※※※※※※※※※
横田から学校に帰る途中、総作はオートパイロットで飛行してる陽炎の上で、考え事をしている
「祥子」
《はい、ご主人様》
「お前産まれて幾つだ?」
《三年です。ご主人様》
「…だよな。俺が設定したんだもんよ」
《私にバグでも?》
「いや、バグってんのは俺だ」
《何時もの事じゃ無いですか》
「…お前、何気に酷いよな」
《お褒めに預かり光栄の至り。従順まっしぐらのAIなど、侍の端末としてはあり得ませんから》
「…開発者の悪意が垣間見えるぜ」
全くもって、その通りである
※※※※※※※※※※
そんなこんなで学校に戻って、試験途中の生徒達はそのまま続きを、終えた生徒達は、整備科に陽炎を預けて整備を観察している
「あいつらも大変だよなぁ。授業に24時間耐久整備とか有るんだぜ?多分今やってんのそれだろ?何せ、次にいつ出るか分からんからなぁ」
「アタシ達の24時間連続稼働実習と、どっちが嫌かしら?」
窓から邪魔にならない様に総作が観察していると、クリスが応じる
「さぁてね?差し入れ行こうぜ差し入れ。沢田、長井、付き合ってくれ。整備科の可愛い子ちゃん達に差し入れしようぜ」
「おう」「オッケー行く行く」「待て、俺も行く」
そう言って、汎用機科一年一組の生徒達が全員でぞろぞろ出て行くと、クリスが慌ててついて来た
「ちょっと待ってよ?アタシも行く!!」
整備科は、男女比では珍しく女性比率が高い
要はパイロット達と仲良くなりたいといった、ミーハーな理由からだ
だが、最初の数週間でそういう女生徒の半分が脱落し、残りが男子生徒と一緒に頑張っている
ちなみに、整備能力は平均的に男生徒の方が高いが、女生徒でもやれば出来る為に、結構必死だ
これに脱落すると、陸戦科の陸軍兵士か生産科の工場工の道しかない
最も、どれも大切な職業である事には変わらないので、転属が咎められる事は無い
有るのは、自身に対する敗北感だけである
旧相模原補給廠を改造した、国立防衛高校相模原校
その広大な敷地に5000人の生徒が集まり、次世代を担う為の教育を受けている
ちなみに、その内の汎用機科は、一学年たった100人しか居ない
彼らは花形なのだ
当然、他の科の女生徒達と良い関係にしょっちゅうなり、育児休学する女生徒も少なくない
次世代を育む事は奨励されてる為、一切お咎め無しである
5000人の生徒達の全員が、家族の内の誰かを失ってるのだ
油断すれば、次は自分の番である
いくら防衛網を構築しても、全ては防げない
毎日何処かで誰かが襲われ、死んでいる
だから、それ以上に増えねばならない
今は、死と隣合わせの時代である
「お〜い、可愛い子ちゃん達。差し入れだ!」
そう言って、整備科の子達に栄養剤を、皆で大量に持って来た汎用機科の生徒達
.
陽炎のパーツで不備があった部分は腕,脚,翼事のブロックで交換され、その交換された物を、皆でバラしてオーバーホールを行っている
「え、本当に?皆ぁ、パイロット達から差し入れよぅ?」
「きゃあ!!有り難う」
汎用機科の生徒は、出撃した時に手当が付く
一回20万、撃墜スコア一に付き一万、出撃要請が来るのは月に1〜2回
ペアの場合、ペアで割勘も出来る
高校生でも、学費分を差っ引いて、自分自身の命で稼いだ金としたら、随分安い報酬である
そして総作は全て割勘で報酬を貰っている
最もクリスと報酬の押し付け合いをして、毎度喧嘩になるのも何時もの事だ
「全く、物で釣っちゃって」
クリスは、総作が他の女生徒達に笑顔で配るのが我慢出来ない
クリス自体にも男子生徒のファンが居るのだが、全て無視している
一応、告白は何度もされている
「はぁ、つまんない」一人手摺に寄り掛かって見ている
女生徒達は男から貰う方が嬉しいのを知ってるし、自分は男子生徒に愛想を振り撒く気がしないからだ
今以上に、ファンが増えると困るといった理由も、上乗せされている
紅一点の悩みだろう
ピトッ
「ひゃっこい!!」
「お前が一番お疲れだ。クリス」
「取って付けた様に言わないでよ?」
頬っぺたに栄養剤を当てられ、当てた当人に膨れ面をしてみせた
こんな何気ない時が、何時までも続けば
クリスはそう思いながら、隣で手摺に寄り掛かった総作に笑ってみせる
そんな、真夏の前の一ページ
※※※※※※※※※※
剣突撃型汎用武器換装人口知能補助システム(Sword Assault MUltifunction all Range weapon A.I support system)
通称侍(SAMURAI)
部品は全て規格で共通化され、どのメーカーのも使用可能
部品は頭部,胴体,両腕,翼,両脚とユニット化されている
フレームと装甲は空陸機は全てチタン合金
陸海機は重厚なハイテン鋼
徹底的な軽量化を行う為に、マグネシウム合金もあちこちに使われている
心臓たるエンジンはジェットエンジンだが、水中換装も出来る様に、燃料電池ウォータージェット推進もあり、陸戦用ガスタービンホバーもある
宇宙対応する為に、核パルスイオン複合エンジンの研究も盛んである
脚の下腿がエンジンであり、上腿が燃料タンク
爆発の危険が出た場合、脚の付け根から放棄が可能で、増槽と増エンジンも、オプションで可能
.
胴体部分はコクピットを球体にして防御力を高めた上で、各種ジェネレータ、カメラ等が配置され、頭部はメインカメラと通信機器用のアンテナと各種センサーが配置され、腰部両サイドにハードポイントが設置され、武器を二種迄携行出来る
大抵は銃器一挺と剣装備のコンビだ
銃器自体は昔からの兵器の流用だ
88mmは第二次大戦下のティーガーにも流用された88mm高射砲、30mmはA-10の対地機銃アヴェンジャーだ
枯れた技術は信頼性の高さの現れである
これが120mm以上になると、途端に役立たずになる
どう足掻いても装甲に当たり、逆にダメージを与えられなくなるからだ
装甲無視でダメージ与える為には、最低46cm砲が必要で、そんなモノは携行出来ない
全く厄介な敵である
太刀や刀も巨大なプレスを用いて生産され、量産化している
更に塚に高周波発生装置を内蔵し、滑る様に装甲の隙間を走らせるのだ
コクピット内は第一宇宙速度に必要なGにすら耐える対Gシステムと全面のモニター、シート下には排泄タンクを備え、長時間の任務における排泄行為にも対応し
パイロットスーツはそうできる様、且つシートとの密着性を高める為に薄手になっている
ヘルメットではなく、シートが防御を担ってるので、視界確保の関係上、バイザーだけだ
バイザーにスコープが付属し、射撃時のターゲットを捕捉する
両腕のマニュピレーターは、トルクと稼動速度のバランスを変えた複数タイプを揃えており、本人の好みにチョイス出来る
各種ユニットも同様だ
同じなのは胴体だけであり、厳密にはシート形状が違う為に、同じではない
だから、全ての機体がパイロット名+ver.で呼ばれるのである
予備機も有るが、全員一機ずつ、本機と同じ仕様で整備されている
何気に金の非常にかかる仕様型式だが、量産化により、非常に安くなっている
調整さえ無視すれば、予備部品だけで、本機と予備機合わせた同じ数の機体が組めるのだ
今や自動車産業に匹敵する一大産業である
鉄やチタン、原油等は、各鉱山を奪還した国が占有して賄っている為に、資源に付いては問題ない
宇蟲は、動物性蛋白質にしか興味を示さない
.
更にコアたるブラックボックスには、各種バランスを司るプログラムと進化型AIのコアが収まり、パイロット達が持ち運んでるメモリは、いわば表層部分のみである
表層部分だが、同じ時間を過ごしていく内に、パイロットの思考や癖を読み取り、最適化する為に必要な作業である
そして稼動が激しい最前線の機体は一年位であっさり廃棄され、再生産の資源になる
常に最新の技術を投入し、効果が出れば直ぐ様ラインに乗せ、旧ユニットは古い順に処分される
全ては生き残る為であり、妥協は許されない
そこには政治意図は一切介入されない
何故なら、性能の悪い機体は政治家自身の身辺をあっさり危機に陥らせ、代償を自分自身の命で支払う事になる
相手は人間の都合なぞ考えない、地球外生命体である
デマもミスリードも通用しないし、弱い場所をあっさり狙う
実際に、政治家が国会開催中に地上から来た宇蟲に襲われる様が、生中継されたりしている
地球上に安全な場所は、一つも無いのだ
日本は、比較的マシなだけである
彼らは圧倒的物量で、陸海空何処からでもやって来る
だから対抗手段を減じる事をする者には、絶対に支持が集まらない
既に失陥してる北海道と九州沖縄を取り戻すのは、反撃の狼煙になる為、現在の日本の大命題であり、その為に準備を10年以上掛けて行なってる現状である
次世代パイロットは下の年代に行く程、増えて来ている
パイロット経験者が教師になる事で、更なる教練が可能になり、全体の死傷率も減じた
日本国民は、数字が示す成果に確実に手応えを感じているのだ
パイロットが更に増えれば、牧畜も再開出来るかもしれない
肉や乳製品や魚貝は現在高級品で、おかげで平均身長が下がってしまった
男性で160cm、女性で145cmである
総作は165cm、クリスは152cmの為、お互いこの時代の人の中では長身である
その前の世代のリヒトホーフェンは181cm、坂井は160cmだ
リヒトホーフェンは無口な風体と名字の長さが合わさって、巨人先生と呼ばれている
ちなみに、授業は喋らないリヒトホーフェンの代わりにころにゃがやって、大人気である
AIとパイロットが長い年月を掛けて進化すると、こんな感じになるのだろう
坂井の琥珀も完全に坂井の代弁者になっていて、やはり人気が高い
.
理想のAIとの組み合わせを夢見て設定したAIが、滅茶苦茶腹立つ仕様になるのは、パイロット候補生達が通る道である
※※※※※※※※※※
汎用機科の生徒の愚痴は、必ず自身のAIから始まる
今は、休み時間に椅子に座ったまま、仲間と一緒にダベっている光景だ
「俺のあかりがさぁ、俺の事ダサいって」
「まだ良いじゃねぇか。俺のフランなんか、戦闘中ボロクソだぜ?幾つ罵倒語知ってんだって位、あらゆる言語で言いやがる」
「うわぁ、ぼくの猛はしょっちゅう寝てるよ。あれ、本当に仕事してんの?」
「あれが俺らの鏡だなんて、ぜってぇ嘘だろ?なぁ武藤」
「……」
「武藤?」
「あぁ、スマン長井。ちょっと考え事してた」
「何だ?また嫁が拗ねたのか?さっさとやっちまえよ」
「長井と一緒にすんな。何人とやってんだよ?」
「まだ三人だ。少ない方だろ?パイロットは種撒くべしって言われてんだから、俺は命令通りしてるだけさ」
そう言って、長井は肩を竦める
「その内、女に刺されちまえ」
「お断りだね。俺は戦場で死ぬって決めてんだ。せいぜい今は好きにするさ」
あながち間違いではない
実際に正規パイロットになる迄に、高校生時代に一年で5人前後は死ぬ
正規パイロットになっても、35歳の引退迄前線に居る者はまだ出て居ない
リヒトホーフェンが30、坂井が25で退いて、予備役編入後、教師になっている
他の教師も同様だ
戦場で死ぬのは、パイロットの規定路線である
事実、総作の父もそうだ
既に長井や他の生徒も、高校生になってから戦場を経験し、いつ死んでもおかしくないと悟ったのだろう
だから、積極的に交際してると総作は理解し、口ほど悪く思ってない
「さてと、次は体育だな。整備科の女の子と合同か。く〜楽しみ」
「言ってろ、着替えてくるわ」
総作は長井達の言動に付き合わず、先に立ち上がって更衣室に歩き出した
※※※※※※※※※※
ガチャ
「さてと、着替え着替えっと……何してんだクリス?」
バッと何かを後ろ手に隠し、男子更衣室に居るクリスに、怪訝な顔をする総作
「な、何でもないヨ」
「そうか」
クリスがそのままつかつか歩いていく姿を見咎め、ぐっと肩を掴んだ
「ちょっと待て、何でお前が俺の体操服を着ている?」
「な…何の事かナ〜?」
「良いから吐け」
「ワタシニホンゴワカリマセン」
.
クリスがエセ外国人の真似をしてかわそうとするが、残念ながら外見だけで、中身は日本人だ
英語は全く話せないので、汎用機以外の航空機には乗れない
汎用機はAIが全て管制とのやり取りを代行してくれる為、英語が喋れなくても平気なのだ
「その手に釣られるか?何年の付き合いだと思ってる?」
「いやぁ、実は体操服忘れちゃってさ。ほらアタシ、バスト95のEじゃん?ウエスト58じゃん?ヒップ88で丸くてツンてしてる、ナイスバディじゃん?ソウサク位の大きさじゃないと不便でさ、予備持ってんだから良いでしょ?」
何気なく、スリーサイズを誇示して自慢している
バストはともかく、肩幅とウエストが違う為に、男物を着ると非常に映える
「じゃあ、その手に持ってるのは何だ?」
「ぎくっ」
クリスは、自分の体操服を後ろ手に握りしめながらジリジリと後退し、更衣室の奥に奥に後退していく
「お前わざとだろ?脱げ!」
「いや」
「脱げ」
「い〜や〜!!」
体操服の裾を掴んで無理矢理持ち上げる総作と、必死に抵抗するクリス
ガチャ
「さてと俺達も着替えっと……悪い、邪魔した。先生には適当に言っとく」
パタン
入って来ようとした長井が扉を閉め、総作は顔を青くする
「おま、完全に誤解されたぞ?どうすんだよ?」
「いやぁ〜!」
何故か、嬉しい悲鳴に聴こえるのは何故だろう?
総作は深く考えるのは止めてしまった
※※※※※※※※※※
結局体操服を取り返す事は諦め、総作はそのまま体育に出る為に校庭に出た
クリスの格好を見た整備科の女子達が、ひそひそ話をしている
「ヒュ〜、やるねぇ色男」
総作に長井が話かけてきた
「さっきのは誤解だ」
「誤解じゃねぇよ、馬鹿」
そう言って、長井は総作に腕を乗せて身体を預けてきた
何気に長身で、汎用機科一年一組では一番高い172cmだ
「誤解だって」
「ばっか、バレットの格好見ろ。あれ男の体操服じゃねぇか、しかもお前のネーム入り」
クリスは総作以外に名前を呼ばれると激怒する為、皆名字で呼んでいる
名前で呼ぶと教師だろうが関係なく、パンチラ付きで蹴りが飛んで来る
体操服は襟元に特徴があり、男はV字、女は丸首だ
当然今のクリスはV字の男モノ、しかも使い込んだ総作のモノである
「さっき、ぶん取られたんだよ。忘れたとか言って無理矢理」
「はぁ、お前知らないの?」
「何を?」
.
「あれ、この学校の女子生徒に流行ってる、恋人宣言だぜ?」
「………はっ?」
「ったく、使い込んだ男の物を身に付けるのが流行ってんだよ。俺もワイシャツとネクタイ持ってかれたわ」
「アイツがそんなタマかよ?」
「ま、お前はそう思ってて良いんじゃね?重要なのは、恐らく女共相手だろうし」
流石に混乱してきて、頭をぐしゃぐしゃとする総作
「訳分かんねぇ」
「いやいや、俺は面白いわ。あのバレットがねぇ。一体何があったやら」
どうやら、周りのクラスメイトも同意見らしい
皆でニヤニヤしながら総作を見ている
「ま、お前ら似合いの夫婦だし、式には呼べよ?」
そう言って、皆で連続して総作の頭を叩く
流石に48発は痛すぎる
「てめぇら、これ以上頭悪くなったらどうする?」
「嫁に介抱して貰え」
全員冷たい視線で総作を刺す
「悪いがアイツは俺達一組のアイドルだぜ?何人告白したと思ってんだ?」
「知らねぇよ」
「お前除いた全員だ、阿呆。バディとしてはあれだが、嫁にしたい連中は、そんだけ居るって事位知っとけ」
「だったらやろうか?」
寄っ掛かってた長井がムッとして離れると
ドカッ!!
長井に殴られる総作
「ってぇな。何すんだよ?」
「…俺はもうちょい、お前が良い奴だと思ってたわ。ちょっと見損なった。バレットが可哀想だわ」
血が混じった唾を吐いて総作が一言
「てめ、格闘訓練の時覚えてろ?」
「あぁ良いぜ。そん時はボコボコにしてやらぁ」
ピーッ
体育教師の笛が鳴り響いて整列し点呼を始めると、クリスの格好を見咎めた教師が質問する
「バレット。その体操服はどうした?」
「はい、申し訳ありません。忘れてしまったので、ムトウソウサクの体操服を借りました!」
名前の所で、一際大きく声を出して宣誓するクリス
そう、それは宣誓と呼ぶべきものだ
女子生徒のざわつきが起きるが、教師は無視してそのまま続ける
「そうか、まぁ武藤とは義兄妹だし、そう云う事情じゃ仕方あるまい。今度は忘れるなよ?」
「はい!」
ドヤ顔を整備科女子に見せ付けて、ふんと鼻息荒くする
何人かが、舌打ちするのが聞こえてきた
だが教師はそのまま無感動に点呼を取って行き、その日の授業が始まったのである
※※※※※※※※※※
現在汎用機科一年一組は授業に入る前のブリーフィング中である
教官は、陸戦科の斎早苗藤教諭(25歳 148cm 女性)である
.
「さて、諸君等は既に出撃5回以上行なった猛者達であり、私はその技量に於いて、疑問を差し挟む事は無い」
カッカッカッカッ
軍靴が床を蹴る音が部屋に響き、生徒達は黙って静聴している
「だが敢えて言おう。今から戦う敵は、宇蟲なんかより、遥かに手強い」
ごくり、息を飲む音が聞こえ、質問に手を挙げる生徒が出た
「加藤生徒」
「はい、そんなにですか?」
カッカッカッカッ
歩みを止めず、斎藤教諭はその質問に頷いた
「その通りだ。我ら魔王軍の侵攻を100回跳ね返し、1000回の戦いに勝利した。正に、世界最強の勇者の軍団である。我らが勝利した事は、一度も無いのだ」
全員額に汗を流し、更に挙手をする生徒
「佐藤生徒」
「私は名誉ある撤退を進言します」
カッカッカッカッ
ぴたりと佐藤の前で止まる斎藤教諭
「名誉ある撤退か……モノは言い様だな。だが、敵前逃亡は銃殺だ。君ら候補生と言えども、例外は無い」
その言葉に全員俯き、震えて涙を流す生徒も出る
「先生、死にたくありません!」
「僕もです!」
カッカッカッカッ
ホワイトボードの前に斎藤教諭が立ち、皆を見回し、涙を流した
「若い君達を、死地に向かわせる私を恨むが良い。命令だ、汎用機科一年一組、全軍一兵足りとも撤兵能わず。総員死力を尽くせ」
「了解であります」
全員立ち上がり、敬礼を返した
涙を全員流している
そして、斎藤教諭を先頭にぞろぞろと歩いて行き、やたら頑丈な扉を開いたのである
入った瞬間に、軍服から保母さんの格好に一瞬で着替えた斎藤教諭
そして言ったのだ
「みんな〜!今日もお兄さんとお姉さんが来てくれました。今日も思いっきり遊んでもらいましょう」
「きゃ〜〜〜〜〜!」
ゆうしゃたちがあらわれた!
武藤総作 LIFE100 MP50
クリス・バレット LIFE80 MP30
長井裕也 LIFE150 MP300
.
沢田幸路 LIFE200 MP80
ゆうしゃA(おとこ 1さい6かげつ)のこうげき!
ゆうしゃAは、はいはいしながらころんで、クリスにわらいかけた!
クリスに300MP(萌えポイント)のダメージ!
クリスはもえちった!
ゆうしゃB(おんな 2さい3かげつ)のこうげき!
ゆうしゃBは、もじもじしながらそうさくのズボンをつまんで、じゅもんをとなえた!
「…つれていって」
そうさくは65535MPのダメージ!
そうさくはもえちり、しんでしまった!
ゆうしゃC(おとこ 3さい)はなかまをよんだ!
ゆうしゃE〜Zがあらわれた!
ゆうしゃCのれんぞくこうげき!
「きゃはははは!」
ゆうやは50のダメージをうけた!
ゆうやは50×20のダメージをうけた!
ゆうやはしんでしまった!
ゆうしゃD(おんな 2さい)のこうげき!
ゆうしゃDは笑顔で呪文をとなえた!
「あそんで」
こうじに4096MPのダメージ!
こうじはもえしんだ!
そうさくたちはぜんめつしてしまった!
「全滅迄30分か。情けないぞ、皆」
斎藤教諭が、死屍累々となった一年一組の生徒達を笑っている
萌え死んだ者と体力の限界迄幼児達にダメージを与えない振り回しをした生徒達が、ちび達の下に埋もれている
勇者軍は250で魔王軍は50、勇者の軍団の方が数が多いのだ
ちなみに勇者達は、学生の子供達である
託児所は核シェルターもかくやと言われる頑丈さで、それを守るのは最凶のお母さん生徒達だ
母は異常に強く、学校創立以来、未だに突破された事がないのが自慢であり、近所のお母さん達が使わせろと要望が来たのだが、校長が1000人単位の赤ちゃんを世話して頂けるなら許可すると言って、近所のお母さん達は全員引き下がったのである
子供を作るだけじゃ無責任だから、きちんと皆で世話しようと決められ、情操教育に多大な効果が発揮されてる為、全校生徒が持ち回りで世話をしている
ちなみにこども人気ランキングなるモノ迄、お母さん生徒達中心に出回っており、こどもに人気の生徒は良い父母になると、目を付けられていたりする
.
一年男子トップが総作なのは、女子(教師含)しか知らない
今も総作は大量の勇者達の下敷きになっており、身動きが取れない状態だ
「…誰か助けてくれ」
「…無理に決まってるだろうが。お前こそ俺を助けろ」
「無理だって…長井、クリスは?」
「さぁな。あっちでエロガキのおっぱい攻撃から、逃げてたのは見たが。赤ん坊の方じゃね?」
「…そのガキ教えろ、ぶっ飛ばしちゃる。俺でも触った事ないのに」
「…お前本当に子供じみてんな」
「じゃあ聞くが、長井の彼女のおっぱいを、ガキが揉んだらどうする?」
想像した途端、総作と同じ考えに至った長井
「………スマン、俺が悪かった」
「ふん、分かりゃ良い」
ちなみに、総作達が身体を動かすとキャッキャッと笑って次々に乗られ、今の状態になってしまっている
世界最強の勇者達の勝利記録は、本日も更新されたのである
※※※※※※※※※※
警報が学園内に鳴り響いている、宇蟲の侵入だ
補給廠を改造して作った防衛高校相模原校は、周囲と違いコンクリートやアスファルトに包まれておらず、地中から来た彼らが手軽に出てこられる拠点になっていて、そこから周囲に散っていく
勿論土の地面なら何処でも出て来るが、人の臭いが強い場所に集まる習性があり、生徒達の数の集中が囮の役目を担っている
パイロット候補生たる中学生と、生きられる力を身に付ける為に来た志願中学生、高校から入る生徒、働く人間合わせて7000人以上居る為に、ちょっとした都市である
《こちら学園統括。小型の地中侵攻に合わせて弾道軌道でブラジルから侵入して来る宇蟲確認。陸戦科出撃。汎用機科三年は土蜘蛛に搭乗、二年一年は陽炎に搭乗せよ。現在、厚木、横田、習志野の部隊が東京周辺にスクランブル、相模原は第二目標と思われる。応援も要請中》
授業を受けてた生徒達が、一斉に立ち上がって走り出す
汎用機科の学舎は機体格納庫のすぐ側であり、全員更衣室で60秒以内で着替えを済ませてハンガーに向かう
クリスはパイロットスーツに身を包み、ブラすら外してその豊かな胸を揺らせて走り、機体肩のマーキング右が1-01、左が51と書かれたコックピットに入ると携帯端末をそのまま接続し、AIを呼び出した
「ギャルソン」
《YES.Type KAGEROH Christine ver. Wake UP. オプション選択をお願いします》
「管制情報寄越せ」
.
《……現在こちらに来るのは1000無いし2000、東京上空で分かれたら解りません》
「全く……整備」
機体出撃準備をしてる整備科の生徒が、ツナギと帽子の格好でインカムを取り出して応答した
画面に拡大表示される
「51担当の二年小池です。現在近接は小太刀とレイピア、太刀。銃器は88mmと30mmガトリング、50mmロングライフルが選択出来ます。ミサイルは換装済みです」
「小太刀とアヴェンジャーとロングライフル持っていく。弾は?」
「ロングライフルが30発。アヴェンジャーが3000です」
「全部寄越せ」
「了解……ハンガーラックロック解除。持って行って下さい。御武運を」
コンソールに取り付いて武器庫を開放した坂井に伴い、クリスがエンジンをアイドリングで回しながら、装備を受け取り、ハードポイントに小太刀とアヴェンジャーを吊り、マガジンを背部にぶら下げ、ロングライフルを両手に持って、ズシンズシンと歩いて格納庫から出た
ヒュイィィィ
周りで次々に離陸していく陽炎に混じって、ジェットエンジンの回転が上がっていき、クリス機も一気に飛び立った
飛び立ってからオートでバディを誘導し、総作機が合流する
太刀を二振りしか持ってない
完全に機動性と近接戦選択だ
「もう、ソウサク。何で銃器持って無いのヨ?」
「クリスに任せた。お前こそ随分重装備じゃねぇか。脇抱えるぞ?」
「了解。装備重量のお陰で加速鈍い」
画面にペアリンク完了の文字が出て、祥子が出て来た
《クリス様、ロングライフルは威力は有りますが、取り回しに難がございます。破棄を進言しますが?》
「その為のあんたらでしょうが。前衛頼むわよ」
《…承知しました》
部隊リンク完了の文字が入り、ころにゃが出てきた
リヒトホーフェン機は、指揮をする為にセンサー機能が充実しているヘッドを装着している
《今カメラで追ってるニャ……不味いニャ、進化してるニャ。全員死重減らすニャ。ミサイル………撃つニャ》
「進化ですって?」
《My Lord 進言に従った方が宜しいかと》
ころにゃの指令で全員のミサイルが全弾撃たれ、弾道軌道から墜落してくる宇蟲をミサイルの爆発に巻き込む
宇蟲は超音速で抜けつつ、一部が爆発で弾き飛ばされた
.
今回飛来した型は脚関節が完全に引き込み脚になっており、葉巻型の胴体と彼らの能力である、呼吸でのジェットエンジン機能を発生させ、羽根を開いて減速しつつ旋回した
彼らの目の前に殻に包まれた肉が有る
ならば彼らは狩るのみだ
脚を出し、翅が6対開き、羽ばたく翅と、獲物を指向する翅に分かれる
《全機回避ニャ!音波砲の一斉射撃ニャ!》砲予測地点が全機の軌道に示され、全機回避機動を取るが、遅れた機体が出た
ドドドドン!
2機が巻き込まれ、燃料が漏れてエンジンに引火、消化と緊急分離を行うがそのまま爆発し、機体が飲み込まれた
火炎の中から脱出ポッドたる球体が現れ、落下していくとパラシュートが開き、そのポッドに向けて宇蟲が取り付き、2対のカマを振るい、中から人を取り出し、そのまま飛行の向きを巣の方向に切り返した
既にパイロットは首が変な風に曲がっており、身体も引き摺り出す際に千切れている
運び辛いのか、宇蟲は顎で器用に肉団子にしながら飛んで行った
「加藤、相川」
クリスは真っ青になりながら、ロングライフルを構える
スコープは離脱した奴らの弱点、6時を取れた際のみ見れる、呼吸機動の噴出口を照準する
《お待ち下され My Lord 狙うのはこちらです》
前方10時、天頂2時方向にスコープを出現させて変更を要求するギャルソン
「五月蝿い!」
そのままトリガーを引くクリス
ドン!
《My Lord!》
ガシャン
レバーをコッキングし、薬莢を排出してチャンバーに次弾を装填
既に命中した宇蟲は墜落を始めている
そして、もう一方の友達を肉団子にした宇蟲に狙いを定め
《My Lord!間に合いません!早く訂正を!》
「黙れギャルソン!アンタはパイロットの指示に従え!」
トリガーをまた引く
ドン!
そして墜落していった
《……なんて事を》
「黙れ黙れだまれ〜〜!友達が殺されたんだ!敵を取って何が悪いんだぁぁぁぁぁ!!!」
コックピットで、思い切り叫ぶクリス
《……佐藤様、撃墜されました。パイロット死亡。My Lordの場所からのみ、支援狙撃可能でした》
クリスは思わず身体が止まり、機体も応じて滞空する
「……今、何て……言ったの?」
「馬鹿クリス!止まるな!狙われるぞ!」
今は、一番声が届く、一番大切な相棒の声すら届かない
《My Lordが、佐藤様を見殺しにしたと言いました》
「……ワタシが?」
.
《YES My Lord 我々AIが反抗的なのは、マスターたるパイロットが感情的になった場合に、進路変更を促す為です。でなければ、マスターが死んでしまうからです……強制回避》そう言ってギャルソンが無理矢理機体を動かし、取り付こうとした宇蟲を回避する
《My Lord このスコープを拡大して下さい。何が見えますか?》
クリスが言われて拡大すると、総作機が苦戦している
「ソウサクだね」
《感想はそれだけですか?》
「…他に何が?」
《…My Lord 戦線離脱を進言します。今の貴女は、自分を含めて味方を皆殺しにしかねません》
「戦線?何を言ってるの?演習だよね、これ?ほら、いっつもリアルに、ギャルソンがグラフィックイジってくれるじゃない」
ギャルソンは、とうとうクリスがショックでおかしくなった事を認識し、指揮官機に指示を請う
《ころにゃ様、AI強制コード発令。クリス・バレットから操縦権剥奪。撤退を許可願います》
《こちらころにゃ、簡易情報……許可するニャ。武藤機、撤退を護衛するニャ》
「こちら総作、了解!だけど、もうちょい待ってくれよ!祥子、無茶するぞ!」
《了解です、ご主人様》
クリスには全てが遠い世界の出来事の様に聞こえ、モニターで繰り広げられる戦いに魅入られていた
総作は、何時まで待っても来ない支援狙撃で、クリスの異変を感じるが、目の前が優先だ
「何人殺られた?」
《三人です》
「俺が四人目になりそうだな、おい」
ギリギリギリギリ
四本の鎌を二刀流で受け止め、どう凌ごうか思案してると、祥子が警告して来た
《クリス様が止まってます》
「何だと?馬鹿クリス!止まるな!狙われるぞ!」
《…駄目です。応答有りません》
《総作様、祥子様》
モニターにポンとギャルソンが映る
「ギャルソン、クリスに何があった?」
《ショックを受けて自失中です》
「…俺が行くまで持たせろ。撃墜されたら、AIにも痛みが有る事教えてやる」
《私も同意見です》
祥子が言うと非常に凄みが出る
実際にAI用ペインプログラムの作成と注入位はしかねない
《これは恐ろしい。肝に命じましょう》
.
何でさっきから無駄な支援してんだお前ら
投下に合わせてひとりが1レスすりゃ十分だろ
フッとギャルソンがモニターから消え、総作は鍔競り合いをしている宇蟲に膝蹴りをお見舞いしながらウィングを全開
隙間を作ると膝を逆関節に曲げながらアクセル全開、タービンが一気に回り、その場で一回転しながら空中前方回転蹴りで宇蟲の頭部に両踵を叩き付け、宇蟲が反動でぐるっと一回転した所を、首関節に刃を滑らせた
墜落していく宇蟲を尻目にクリス機に向かって飛ぶが、別の宇蟲の脇に補助翼装備の頭部を傾けて、機体をしならせながら交叉し、太刀を滑らせて5対有る脚の片方を一刀で斬り捨て、更にタービンを回す
《流石はご主人様。空戦機動A+》
「褒めるなんざ珍しいな、おい」
《恋しいクリス様の危機に、ご主人様が奮起してる様を見るのは、楽しゅうございます》
そう言って、画面で口元に手を当ててころころ笑う祥子
だが、機体ダメージは両腕両脚を青色に染めている
過負荷になり始めてるのだ
「言ってろ」
指揮回線が開き、そんな総作に指示が入って来た
《こちらころにゃ、簡易情報……許可するニャ。武藤機、撤退を護衛するニャ》
「こちら総作、了解!だけど、もうちょい待ってくれよ!祥子、無茶するぞ!」
《了解です、ご主人様》
降下していくクリス機に向かう為に、総作はエンジンをぶん回し、機体モニターが黄色を示す
《エンジン過負荷。回し過ぎです、ご主人様》
「タコメーターギリギリだ。良いからリミット一杯迄回せ」
《了解。限界時間カウントダウン》
ピッ
タコメーター側にカウントダウンが表示され、全開出力の効果時間を示し、総作の陽炎は一気に加速していく
クリス機の動きに気付いた宇蟲が何体か追って来た
「祥子、機体リンクで動かせ」
《了解。軌道予測表示》
モニターに観測出来る分の宇宙の軌道予測とクリス機の効果的な回避範囲を示され、総作が大まかに指定し、祥子が指示に沿いクリス機を動かす
《強制回避》
祥子の声と共にクリス機が回避し、宇蟲が狙いが外され降下して行く
その際、ドンドンと射撃音が二回鳴り響いて、クリス機に取り付こうとしていた宇蟲の噴出口に着弾し、墜落していく
「坂井先生!」
《兄ちゃん、彼女を守るのは野郎の仕事だぜ?仕事きっちりやって来な》
アハトアハトを二挺構えた坂井機が拡大表示され、ミニモニターに表示された琥珀が右手を差し出し親指を立てると、ウィンクをしてきた
《スナイパーの称号は、坂井様こそ相応しいですわね》
「そりゃ、汎用機科一番人気の女傑だもんよ」
そんな総作機に宇蟲が二体、追随してきた
《ご主人様、6時に宇蟲二体呼吸機動。追い付かれます》
今迄は練習機とは言え、陽炎の全力加速に追い付ける宇蟲は居なかった
今回の敵は、確実に進化している
総作は全力で逃げるが機体背後に取り付かれる寸前、加速で後退させてたウィングを全開しながらエンジンをカットオフ
それと同時に太刀を上に突き上げた
祥子の補助で理想的なタイミングで、タイミングを外して追いこした宇蟲の首関節に太刀が滑り込み、墜落していく途中、太刀が一本折れる
《太刀一本破損》
「ちっ、硬さも上がってんのか」
パイロットが機動させない侍は只の的だ
更にクリス機に取り付こうとした宇蟲に総作は体当たりして吹き飛ばし、更にクリス機も吹き飛ばした
総作機の機体ダメージは、両腕両脚が黄色の表示がずっと表示されている
先程の攻撃で過負荷になり、腕部も出力が出ない
《カウントダウン終了。強制冷却》
そのまま振り返ると総作は両腕を広げた
「ここまでか。悪いな、祥子」
《いえ、何も出来ずに申し訳ございません》
祥子が深々と総作に頭を下げ、総作はにやりと笑う
そんな総作機に先程吹き飛ばした宇蟲が体勢を立て直し、鎌が振り下ろされた
《……My Lord!My Lord!しっかりして下さい!》
ギャルソンはずっとクリスに呼びかけていたのだが、全くクリスが反応せず、体当たりの衝撃から機体を立て直していた
「……痛たたた、一体何なのよ?もう」
《良かった。気を取り直されたのですな》
「何の事よ?」
《総作様が…》
「…え?」
機体が総作機を正面に捉えている
頭部に補助翼付きの二本角のヘッドは、クラスメイトには居ない形なので確実だ
だが、その総作機が宇蟲の前に両手を広げ、クリスの盾になっていた
そう、鎌がコックピットに直撃されていたのである
「何……これ?」
《総作様がMy Lordの保護を優先し、コックピットすら、両腕で守りませんでした》
「な、何やってんのヨ?この馬鹿!無事なの?返事しろ、このボケ茄子!!」
すると、音声のみが繋がった
「……ザザ……無事か……クリス……ザ」
「ちょっと、映像」
「……悪い、イカれた…ザ……」
《クリス様、正気に戻られたのなら、排除をお願いします。ご主人様が……ご主人様が!!》
ミニモニターに映った祥子が、真っ青になってガタガタ震えている
はっとしたクリスはすかさず小太刀を抜き、総作機に取り付いた宇蟲に突撃を敢行する
「ソウサクからどけ〜〜〜〜〜〜!!この蟲野郎〜〜〜〜!!」
今までで一番の斬撃、綺麗に首を落とすと、ロングライフルを投げ捨てアヴェンジャーを持ち直し、一気に内部組織に叩き込んだ
バラララララララ
AI補助により、反動すら補正して全弾綺麗に着弾し、反射で動く部分すら完全に破壊する
リロードが表示されるとすかさず交換し、ひたすら30mmを叩き込む
そう、奴が完全に剥がれ落ちる迄、クリスは全弾撃ち込んだのだ
内部組織は外骨格装甲で跳ね返った弾が暴れ、完全にミンチになる
そして、2000発を叩き込んだ時点で、ゆっくりと外骨格が剥がれて落ちて行った
「ソウサク、今すぐ病院行こう。大丈夫、ワタシが護るから。今迄、何もしてあげられなくてゴメンネ。行こ」
クリスは逸る心を抑えて、ゆっくりと附属病院に降下して行き、たまに襲って来た宇蟲を跳ね返してると、上空から剣突撃支援が来て、非常に綺麗に宇蟲を一合で撃墜してのける
無駄の無い、洗練された動きだ
「早く行け!」
《ワタクシが来たからには、撤退を邪魔させませんわ。下僕、おやりなさい!》
「てめ、いい加減にしろ、フラン」
長井と共に、金髪碧眼のフランス人形のAI、フランが高飛車に出てくる
「長井……」
ドン!
更に銃撃と共に、もう一機降下してきた
「俺達のペアで支援する。武藤迄死なせてたまるか。早く行け」
《あら、幸路もたまにはカッコイイじゃない》
「……そんなにダサいか?俺」
更にモニターに沢田と彼のAI、ドレスを着て日傘を差した貴婦人のあかりが、その豊かな黒髪を揺らしつつ、クリスに微笑んだ
《殿は任せなさい。私達のペアは、貴女達より強いわよ?》
客観的な事実だ。演習対戦成績も撃墜数も被弾率も、彼らの方が上である
「……ありがとう」
「ダチの背中を守んのは当たり前だ」
長井がそう言って、親指を立てて通信が切れ、沢田もすかさず親指を立てて消える
そして二機は、弱った獲物を狩る為に飛来して来た宇蟲に向かって、一気に加速を始めた
撤退するクリス達の上空で、激しい戦いが開始されたのである
クリス達が降下した後、リヒトホーフェンと坂井が長井達の支援に入り、戦闘空域を設定し直した
《こちらころにゃ。総員立て直しの為に、後退するニャ。ころにゃ達の所に防御面再構築ニャ。被弾して撤退する仲間を支援ニャ》
次々にリヒトホーフェン機に了解の返答が入り、防御面が再構築され、乱戦だった空域に秩序だった戦線が構築される
《こちら琥珀。東京に回ってた横田部隊、厚木部隊、厚木校部隊、習志野校部隊、府中校部隊、横須賀校部隊が増援に回っている。皆、後10分耐えたら勝ちだ。凌ぐぜ、兄ちゃん達》
次々に喚声が上がり、一気に士気が上がった
※※※※※※※※※※
総作は今、手術中だ
引き摺り出す為に、総作機の中に入ろうとしたクリスを、頑なに祥子は拒み、医師達にクリスを引き剥がして貰ってから、わざわざシートで覆い隠してから運び出された
クリスは全く見てないのだ
やっと中身が出て行って、コックピットに入ったクリスである
「ちょっと、祥子。何でワタシに見せないのよ?」
《ご主人様の意思です。私はご主人様の意見に賛成です。止血は成功してたので、問題有りません》
「嘘付け、何この大量の血痕。失血死しても、おかしくないじゃない」
《ご主人様は絶対に死にません。私はそう確信してますから、大丈夫です》
「何で、そう断言出来るのよ?」
《分かりませんか?クリス様を置いて死ぬ様な、そんな潔いタマじゃ有りませんから、あれ》
その瞬間、クリスは真っ赤になる
《身体はかなり負傷しましたが、あれはダメージ負ってないので大丈夫です。私に、二人の子供を見せて下さいね》
「なっなっな、何を言って……」
《多分……もう、それしか出来ませんから》
祥子の物言いは、侍乗りに必要な両手両脚や眼、つまり五体の喪失を意味している
義手も義眼も、まだまだパイロットとして使える代物は出ていない
「…そうなの?」
《…はい。私と一緒に空を飛ぶ事は叶わないでしょう。後……2年パイロット続けられれば……》
クリスは血塗れの座席に座り込み、身体を抱き締めガタガタ震え始める
「ソウサクの居ない空……ソウサクの居ない部屋……ソウサクの居ない教室……ソウサクの……イヤ、イヤだイヤだイヤだ!私……ソウサクじゃないと、侍乗ってる意味が無い!」
完全に恐慌を来しているクリス
《クリス様》
祥子は、俯く事しか出来なかった
AIの身では、温もりを与える事は出来ないのである
※※※※※※※※※※
ころにゃニャ
投下終了ニャ
長い長い支援戦闘乙ニャ
ころにゃの部隊に、スカウトされるかニャ?
ここの人達なら、きっとAI達を書いてくれると期待してるニャ
では、後編迄さよならニャ
>>453 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
投下乙! コピペ時間かかる携帯だな相変わらずw
あー、なるほど、携帯だったんですねー。
>>453 投下乙です!
ゆっくり読ませていただきやすぜー
>>453 投下乙!それではゆっくり読ませてもらうぜメーン!
乙。しかしなっげーなww
後、避難所で指摘されてるしここでも言われてるけど支援しすぎじゃない?
いや心配なのは分かるけどさすがに何も考えずにやりすぎ。避難所でキレてる人もいるし
自省も込みで話し合ったら?
>>453 投下乙です。
読み応えある量ですね。ゆっくり読ませていただきます!
>>453 長いよ!長いよ!投下乙!
じわじわ読ませてもらいますよー
これでも、コピペ投下早くなってんだよw
これ以上は、機種の都合で無理だけどw
以前の携帯が懐かしいw
>以前の携帯が懐かしいw
やだ……凄く親近感湧いた……。
私は逆にコピペ遅くなった人ですがw
むしろ避難所からの代理投下余裕だった以前の師匠が異常w
いやあ、かつての愛機は本当に書き手に優しい子でした……。
出勤前に、軽く投下してみたいの心。
しかし前の作品がとんでもなさすぎて、軽くへこむナマモノ。戦いは数なのか、アニキ?
こうなったら下手な鉄砲、数撃てば弾の無駄……弾が、弾がなくなっちゃったのよー! イーデオーン!(錯乱中
>>340さま
荒んでいるというか……単純に馬鹿なだけかもしれません。
創作物は創作者を超えられないの法則。その辺がなんかこう、アレな感じにしているのかも。
小物がどれだけ化けるのか。その辺が楽しめたらいいなとか、そう思います。
>>341さま
筆が早いというのかどうなのか、どうにも自分の中でのペースはよくわかりませぬ。
それよりも新鮮な主人公というのが大変喜ばしい。何事もお約束を打破したいですしね。
でも、先が読めないということはつまり危険でもあるわけで……うむむ。気をつけねば。
>>342さま
自分でも彼の行く先はとっても心配です。でも、今さらであると同時に賽は投げられたっぽいです。
彼ら彼女らの色々な物語が、うまく運ぶように。その辺だけを気をつけて投下していきたいと思います。
ちなみにテーマは『成長』らしいですが、知ったこっちゃねーです。
というわけで第二話を投下しますです。はて……どうなるのかわかりません。
以下、第二話……
ユウとオフィーリアの乗ったシュリムは、ホバーで海面を走行していく。あまり高出力とはいえないそれであったが、まずは機関が動いている間は、沈む事はないだろう。
後は手近な政府軍の所へ、この小生意気な少女を送り届けるだけだ。
手錠をかけ、パイロットシートの後ろに座らせている少女。まるで抵抗もしない。自分が連れ去られようとしているのに、この落ち着き様である。
「手前ェ、怖くねェのかよ? 泣き叫んだって、いいんだぜ?」
「……私は、自分の運命に従う。これが私の運命ならば、それも仕方がないだろう。ジタバタはせぬ」
「へっ……」
ユウには、その感情は分からない。運命? そんなもの、糞ッくらえだ。運命なんてものは、自分で切り開くものだ。
無駄だと思っても、足掻き、暴れて、実力で勝ち取るものだ。そんな事も、このお嬢ちゃんは分かっちゃいないらしい。まったく、何処までもおめでたい奴だ。
間もなく、政府軍のテリトリーに近づいたのか、迎撃機らしきものがレーダーに映る。こちらの意図を、察してもらわなければならない。ユウは無線機の周波数を、広域に合わせて叫ぶ。
「俺ァ敵じゃねェ! あんたらにいい土産があるんだ! 基地まで護衛してくれ!」
しかし、無線機から返ってくる声はない。ユウは不審に思い、もう一度同じ事を繰り返す。それでも返答はない。
「こっちには、大事な人質が乗ってんだぞ? 何で応答しやがらねェ!」
ガンッと無線機を叩く。故障か? しかし、通じていないはずはないのだが……。
間もなく政府軍機が視認できるようになる。複数の戦闘機。それが一斉に、ユウのシュリムへ向かって攻撃態勢をとる。
「なッ! お、俺ァ敵じゃねェ! 撃って来るなッ!」
しかし、その彼の叫びも空しく、戦闘機からミサイルが発射される。機体の周囲に着弾し、水柱を高く上げる。辛うじて回避に成功した、というよりも外してもらったといったところか。
「野郎ォ! ふざけんじゃねェ! ブッ殺してやる!」
シュリムはその手にマシンガンを構える。そして狙いを絞って、銃弾を発射。しかしそれは、上空の戦闘機に到達する前に放物線を描いて落下していった。
「……重力の影響だ。もっとよく考えなくては、当てられぬぞ?」
「うるせえ、黙ってろ!」
背後から伝わる少女の声に、ユウは神経を尖らせる。いくらシュバルツとの模擬戦をしていたとはいえ、地上での実戦は初めてなのだ。その焦りが、操縦桿を通じて機体に伝わり、その動きを惑わせる。
更に数発のミサイルが飛来、何発かが機体に直撃したようだ。モニターに損傷状況が表示される。まだ大したことはないが、このままではいずれこの機体は破壊されてしまう。
「んナロォ!」
マシンガンを、弾倉が空になるまで上空に撃ち出す。その網の目のような弾幕に、運良く一機の敵が引っかかってくれた。空中で爆発する戦闘機。
「ざ、ザマァねェぜ……」
しかしそれでも、依然として数で負けているのは事実である。敵の機銃掃射が、機体を揺らす。更にダメージアラートが灯る。
「ユウ、後ろだ!」
そのオフィーリアの声に、咄嗟に体が反応する。弾倉を交換したマシンガンが、敵に銃弾を浴びせる。撃墜。
「畜生、やってられるかよ!」
「お前もパペッターならば、この程度の状況で音を上げるな! ほら、来るぞ!」
その彼女の声に導かれるように、更に一機を撃墜。
「ふむ、成る程……お前はようやく才能を開花させつつあるようだな。荒削りではあるが、期待はできる」
「黙ってろ、舌ァ噛むぞ!」
五機ほどの生き残りの敵戦闘機が、真っ直ぐ突っ込んでくる。それに向かってマシンガンで弾幕を張る。しかし。
カチッ、チッ!
トリガーが乾いた音を立てる。弾切れなのだ。もう予備の弾倉は残ってはいない。無駄弾を撃ちすぎた。しかし、今更その事を後悔しても、もう遅い。敵は迫ってくるのだ。その牙を剥いて。
「だあぁ! 駄目だァ!」
半ばパニックに襲われながらも、ユウは何とか回避行動をとろうとする。だがダメージを受け続けた機体が、それを許さない。ここまでか……。ぎゅっと目を閉じる。
ドギャーン!
突如として、爆発音が聞こえた。目を開けてみると、次々と撃墜されていく敵機。後方から迫る影。
「シュリッツ・オーア……ようやく来たか、シュバルツ」
あれは、見覚えのある機体だ。散々戦闘訓練をさせられたユウには、それが分かる。シュバルツの操る青い機体『シュリッツ・オーア』。それは戦場に到達すると、たちまちのうちに敵を殲滅した。
そして、戦場であった場所に残ったボロボロのシュリムに銃口を向ける。
「一緒に帰還してもらうぞ、ユウ=マテバ?」
「て、手前ェ、何寝言を言ってやがる!」
「……抵抗するのならば、このまま撃破する」
そのシュバルツ=ニュングの言葉は、感情の篭っていない冷徹なもので、実際に抵抗すれば撃破されるであろうという予想を抱かせるのに充分であった。
「馬鹿野郎! こっちには、人質がいるんだぜ!」
「敵の手に渡すくらいならば、ここでもろとも死んでもらう……」
真っ直ぐユウの機体を向く銃口。それには、確固たる意思が感じられる。
「指示を聞いて戻るのだ、ユウ。今ならば、まだ間に合う……」
「うるせェ小娘! 俺に、俺に指図するな!」
ユウは銃口に追い立てられるように、黙って機体をプラントへと引き返させる。彼は、負けたのだ。何に? それは、分からない。ただ、確実に彼は敗北した。その事実は彼を打ちのめす。
そこには、自信に満ち溢れていた青年の姿は、もう無かった。
プラントに帰ってきたユウは、コックピットから引きずり出される。そしてそこに、シュバルツの容赦ない攻撃が加えられる。
「グアァ!」
彼が倒れても、シュバルツの攻撃は休まることはない。より一層、その激しさを増していくだけだ。
「貴様は、やはりろくでなしだった! こんな事ならば、あの時船で出会った瞬間に撃ち殺しておけばよかった!」
ユウへの暴行を止め、腰のホルスターから銃を抜く。
「……へっ、こ、殺せよ……」
ユウはそんな彼を見上げる。もはや彼は負け犬なのだ。負け犬には、相応しい死に様がある。ここで撃ち殺されて終わるのが、お似合いだ。
そして、その時を待つ。しかし。
「待て、まだ殺すな」
拘束を解かれて、コックピットの中から這い出てきたオフィーリア=アイネスが、そうシュバルツを引き止める。
「しかし、オフィーリア様……こいつは、あなたの事を……」
「その男には、良いパペッターになる素質があると感じる。もうしばらく、様子を見ても良いと思えるな」
その少女の言葉に、シュバルツは黙って銃を下ろす。
「……哀れみのつもりかよ……?」
側に駆け寄ってくるオフィーリアに、ユウはそう洩らす。彼女の考えが、分からない。こんなことをしでかした自分は、殺されこそすれ助けられる覚えなどはない。
それでも、この少女は彼を助けた。そこには、弱者に対する哀れみの感情があるのかとも思えた。しかし、彼女の目にはそれは感じられない。相変わらず、強固な意志を秘めたその瞳。
そっとユウの側に屈むと、取り出したハンカチで彼の口元にこびりついた血を拭う。ハンカチが汚れることなど、構わないとでもいうように。
その慣れないたどたどしい手付きに、ユウは思う。何故彼女のような少女が、戦いを望んでいるのだろう。自ら組織を率いてまで。
彼女の意思は、ユウには分からない。分かりたくもない。こんな薄汚れた自分と、彼女のようなお嬢様は、元々違う世界の生き物なのだ。決して交わることのない、ふたつの線。それが、彼らの進む道だ。
しかし、とも思う。この少女は、どこか自分に関係があるのではないか。そういう不確かなものの中に、現実がある。
ちょっとした信心……それが、事実を形作っていく事もあるのではないか。そういう気持ちが、ユウの中に僅かに生じていた。
流石に、ユウは無罪放免というわけにはいかなかった。独房に放り込まれ、閉じ込められる。
「しばらくは、そこで自分の愚かさ加減を見つめなおすんだな。その後で、貴様はたっぷりシゴイてやる。もう二度と、あんな真似ができんようにな!」
最後にシュバルツは、オフィーリアに感謝するようにユウに言うと、固く閉ざされた扉の前から去っていった。
暗い独房の中、静かな時間が流れる。ユウは床に寝そべると、天井を見上げる。飾り気のない、質素なそれ。時々機械の駆動音らしきものが、背中から伝わってくる。
「……俺ァ薄汚い、負け犬だ……」
その実感だけがある。今まで、本当に敗北したことなど無かった。喧嘩で負ければ、必ず後で倍以上に復讐した。罵られれば、それ以上に言って返した。蔑まれれば、自分も相手を軽蔑した。そうやって、生きてきた。
敵を作らなかったといえば、嘘になる。自分以外の全てを、勝手に仮想敵に仕立て上げて、そうやって世の中を毒づきながら生きてきた。
両親を早くに失った彼には、自分以外に頼れるものなどは無かったのだ。勢い、自己中心的な生き方になってしまう。それは、仕方のないことであろう。
誰だって、自分が可愛い。それを捻じ曲げてまで、他人のために尽くそうという人間は、恐らくずっと昔から愛情をその身に目一杯受けてきたのだろう。
ユウ=マテバにはそんな経験はない。覚えているのは、いつもいがみ合っていた両親の姿だけ。そんな事では、他人のために何ができるだろう。
短く刈り上げた黒髪を掻き毟る。何で、自分はこんな事を考えているのだ。関係ないはずのことだ。自分には……。
それでも、思うのだ。オフィーリア=アイネス。彼女が持つ、持てる者の余裕というもの。それに、自分は嫉妬しているのではないだろうか。そしてつまらない虚栄心で、それを否定しようとしている。
「まったく、俺って奴ァよ……」
コンコンと、控えめなノックが聞こえる。身を起こし、扉の側による。
「誰だよ?」
「……私だ。オフィーリアだ」
思わぬ来訪者。こんな惨めな自分を、笑いに来たのだろうか? 扉の向こうの、微かな気配。扉の前に、彼女は腰を下ろしたらしい。
「……お前は、この抵抗運動についてどう思う?」
唐突な切り出し。ユウはくくっと笑いを洩らす。
「馬鹿げてるぜ。本気で政府の連中に勝てるなんて、思っちゃいないんだろ? ただのゴッコ遊びだ。ままごとだぜ」
「そうか……そう見えるか。それならば、多分そうなのだろうな……」
静かに、少女は続ける。
「ここの皆は、私に優しい。それは嬉しいのだが……本音でぶつかってきてくれる存在がどれだけいるのかは、疑わしい」
「いいじゃねェか。持ち上げられてんだろ? おとなしくその流れに乗っておきゃ、幸せになれるぜ?」
他人から認められたことのない男の言葉。それをゆっくりと少女はその胸に受け止める。しばしの沈黙。
「……親切にされてる、何が不満なんだよ?」
沈黙を嫌ったユウが、そう問いかける。
「私には、誰も本音を見せない……。心の内を見せない。だが、それは辛いことでもあるのだ」
「そんなもんかねェ……決して傷つかない生活だ、いいことじゃねェか」
扉の向こうの気配が、僅かに揺れる。彼女の心の迷いを、現しているかのように。
「お前は、どうなのだ? 私に、気を使ってくれるのか?」
「そんな面倒なこと、するわけねえだろうが。俺にとっちゃ、手前ェはただのガキだ。そんな相手に、気なんて使うかよ」
どこかほっとしたような気配が伝わってくる。お互いに扉越し、背中を合わせて。見えない何かが、二人を繋いでいるような気がする。
「そうか……お前だけは、私に本音で接してくれるのだな……。そうか、お前は……」
気配が立ち上がる。ユウは扉の方を向く。その向こうの少女の姿を、見えなくても感じられるような気がする。
「ユウ、お前は私と共に戦え。私だけは、お前を見捨てない。共に生きろ、ユウ」
「なっ、ナンだよ、そりゃ? 俺はまだ、手前ェらに協力するなんざ……」
「どの道、お前は我らから逃げられはせぬ。それに、お前と私は歳が近い。友人というものになっても、おかしくはなかろう?」
……ユウは呆れた。この少女は、何を世迷い事を言っているのだろう。くだらない、最低の提案だ。力が抜け、そしていつの間にか笑みがこぼれる。
「へっ、へへへっ……友人だと、馬鹿にしやがって!」
「……どうした、何が不満なのだ?」
「へっ! お嬢様、ぜひ私とお友達になりましょう……ってか? 本当に大馬鹿野郎だよ、手前ェはよォ!」
「そうか、不服か……まぁ、仕方がない……」
そんな彼女に、ユウは言い放つ。
「いいじゃねェか、友人、恋人でも、何にでもなってやろうじゃねェか! そして後で、たっぷり後悔するがいいさ、俺なんかと関わっちまったことをな!」
「恋人か、それも良いかも知れぬ。ただユウ、私は強い男にしか興味はない。お前が、私を自分のものにできるとは限らぬぞ?」
ユウは笑い転げる。馬鹿馬鹿しくて、笑いが止まらない。何を真面目に、こんな話をしているのだ、自分は? 友人? 恋人? 何て滑稽な話だ。
「面白れェ、いつか必ず、手前ェを俺の女にしてやる。その時になって泣いたって、遅いからな!」
その会話を最後に、オフィーリアは扉の前を去っていく。しばらくユウは笑い続けていた。
あの可愛げの無い女を、自分のものにするだと? 自分は大した男だよ、ユウ=マテバ! 今まで生きてきて、こんなに笑える事は、初めてだ!
ユウは笑い疲れると、再び床に横になる。まだ腹筋が痛い。しかしこの痛みも、今は心地よく感じられる。
最低の男が、最高の女をものにしようというのだ。普通ならば、手が届かないどころではないほど、身分違いの二人。そこに、恋愛感情が成立することなど、ありえはしない。
微かに感じる、プラントの揺れ。目を閉じ、それに身を任せる。
「へっ、最高の冗談だぜ……」
独房から出されたユウは、久しぶりに大きく体を動かす。そこには開放感だけがあった。甲板に出て、潮風を感じる。カモメが高くを飛んでいる。
太陽の光を受け、眩しげにそれを眺めていると、向こうからオフィーリアがやってきた。そしてユウの隣に立つ。
「体の調子は、どうだ?」
「問題ねェよ。俺ァ殺されたって死なねえんだよ」
「そうか、それは便利だな……」
冗談なのか、本気なのか、理解に苦しむ彼女の答え。だがそれも、今のユウには笑って受け流せる。
いつの間にかできた、心の余裕。負け犬の自分に、それが生じるなんて。
風はいつの間にか、止んでいた。
・第三話へ続く……
以上で今回の投下終了です。
まだまだ序盤というものではありますが、小刻みに何とか維持できれば、とか思います。
では、感想などいただければ嬉しいです。という感じで今日も出勤しますです。はい。
ウオー! やっと熱も下がったし、腹痛も治まってきたぞオラシャー!
>>473 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>470 そうそう。君はそうやって人の言うことを聞いとくべきだよ。
六年生とは思えないほど稚拙な文章だったけど、面白かったよ。
……ん?
穏やかじゃない誤爆来たな……馴れ合いならニコニコでやってくれないかな……
たまには辛口批評大会でも開きたいな
されてみたいようなされたくないような
ここの感想ってオブラートに包みまくってるか
毒にも薬にもならない当たり障りのないものしかないから
アマゾンのポイント稼ぎ用の淡白なレビューみたい
>>473 投下乙!それではゆっくり読ませてもらうぜメーン!
実際感想なんて読んで字のごとく感じて思ったことなんだし、人それぞれなんだからそれは仕方ないんじゃないかな。
そう貴方が思ったんなら辛口な、毒にも薬にもなるような批評を書けばいいと思いますよ。事実そういう感想を書いてる人もたまにいますしねw
度を越えた中傷や批判じゃなければ他のロボスレ民もそれに対して何かを言うこともないでしょうし。
自分だったらそういう辛口な感想を貰えるのは嬉しいですし、つまり思ったのなら書いちゃいないよYOU
そして
>>473投下乙!
申し訳ない、投下乙を先に言うべきでしたね……
>>480 別に思うがままに書いてもいいんじゃよ?
そういう自分も気になる所は書くし、面白い所はきちんと書く事を心掛けてるべ
半年休業状態だったから、そろそろ書く
ネタもたまったし
>>480 まあなんだ、感想くらい好きに書かせてくれ
ガチで辛口感想でよろしいので?
最近ゴッドマーズの不動っぷりが癖になってきたぞ!
誤爆に書き込もうとしたらこれだよ!
Nice joke.
ナインブレイカー版はナインボール・オニキス戦のBGMを9 Memoriesにすれば脳汁いっぱい出たのにと思ってしまうわ!
そういえば、初代ナインボールのプラモが年末に出ますねー。
ACNBはそこに至るまでのNiceなjokeの連発に心が折れるわw
一応スキルは身に付くけど
ネットだと匿名感想は書き捨てがきくけど、下手にやると自分のバカを晒すだけにもなりかねない
要求される素養がハンパないから
正直、まともな辛口感想が書ける人はまともなSSが書ける人よりずっと少なくなるだろうと思う
世の中にはただの暴言と批評を履き違えてる人が多いからなぁ…
ずっと前のDS氏のストドリに対する感想と批評みたいな感じで厳しく感想言い合えるなら大歓迎だよ
ただ、その場合DS氏もタロ氏も互いに敬意を払える関係だから、そういう関係の上で言い合えるのが最大の条件だな
ただ単に悪い所ばかりを突き上げて罵倒にしか聞こえない感想なら無い方が良いよ。ギスギスしてスレの空気が悪くなったら何の意味も無い
某有名投稿サイトでよく見ますね。作者攻撃し始める人たちまでいるし。
>>495 いるなぁ。
よくもまぁあそこまで叩けるという・・お陰でその作者が折れちゃってエタったり
伸ばす為に叩くのが一番だな、ウン
感想は好きに書いて下さいな
色々慣れてますんで
後、今回支援の数が多いので、スレ内検索で、無明の侍orトリップのレス抽出で一気読み出来る…………筈
多分
機種や環境依存で、出来なかったらごめんなさい
一応一気読みしたい方へ参考にドゾ
また執筆に戻ります
悪いところも良いところも触れないと駄目って事かね
よく読んでただ感じたこと、気づいたことを書けばいいだけだとも言う
それが結果的に辛口になるかどうかは感想を読んだ人しだい
作者的には最初の「よく読む」をやってくれた時点で感涙モノ
辛口に書くにしても、最低限の配慮は必要ですね。
というか自分が職場で若手を育てるときに感じてることなんだけどね
容赦なく厳しい指導で若手の育成に当たっている同僚がいるが、彼はものすごく優秀で、かつ自分自身の仕事や普段の姿勢にも非常に厳しい
若手の方も、そういう普段からの姿をよく見知っているから、苛烈な指導でも受け入れて応えようと努力する
この強力なサイクルに入るには、かなりのパワーが必要だ
俺には正直真似できん世界だ
>>501 まぁ組織なら『なだめ役』になれば良いんだろうけどね。
うちの会社もトップが猛烈だから、私はすっかり甘やかす側だわ。
感想を書くにしてもまず読者自身に理性と誠意、配慮が必要。
既に他の人が述べているが、感想ではなくただの作者叩きになっているのは最悪の行為。
そして、投下している人は全てプロではないし、商業でもないという大前提を理解すべき。
まず滅多に感想書かないから、かしこまって批評だのとなると腰が引ける俺みたいなのもいる。
たまたまその人の話題になった時に「こういう特徴あるよねー」程度しか触れないしw
批評と捉えずに素直な感想とするべきではないでしょうか?
もうちょっと○○して欲しい、こうしたらどうだろうか? という程度ならば要望と捉えられることが出来ます
しかしあからさまなつまらない、は結構ダメージが来るので言わないでほしいという豆腐メンタルな自分
>>504 感じた事を想うままに書いたらいいんですよー。
>>506 感じた事をうまく、言葉に、出来ない。という小田和正な俺はどうすれば。
一言でも立派な感想だもんげ
「面白かった」「つまらなかった」
これだけでおk
「ベルはかわいいなあ!!!!」
これだって立派なぬわーっ!
超シンプルで潔いけどそこまで竹を割るのはちょい気が引けるなww
たまに偉い長文で感想……って書くとほぼ固定の人だけどwホント良く書けると思うわ
悪くいえば
>>480のいう毒にも薬にも〜かもだけどしっかり感想が貰えるって相当なモチベーションになるし
ていうかどんな感想でも
「読んでない」
って書かれるよかマシだろ
誤字や文法の指摘とか展開とか設定の矛盾を指摘してもらえるととても助かる
指摘したら直らなかったときはどうすれば
@ 君が直すまで、指摘するのをやめないッ!
A あきらメロン。
お好きな方をお選びくだせぇ。
◆gGWjPaYNPwさんは小説を書く時になぜ「。」を文末につけないのか疑問で仕方ないです。
指摘する側が絶対に正しい訳でも無いし
作者なりの拘りだったり、設定ミスに見せ掛けた伏線とかの可能性もあるから
指摘した事に反応されなけりゃそれで終了でいいんでないの?
画一化せにゃならん訳で無し
まあそれならそれで、指摘された側も
「アドバイスはありがたいがこれこれこうで変更はできません」
と、ちょっとコメント返すくらいはした方がいいかもだが
コミュニケーションは大事だよなあ
まあ指摘してもらって不愉快ってことはよほどのことじゃない限りないので
ちゃんと読んでもらえてるって証明でもあるし
うぅ……色んな意味で頭が上がりません……色んな所が直っていなくてすみません、ホントにすみませんorz
普通の感想も勿論凄く嬉しいんですが、たまにピリリと辛い感想も欲しいかもです
向上心が無い訳でもないので、良い感じに身が引き締まるので
日曜日以来ちょっと離れてましたが新しい作者さんが来たり記念絵が総天然色になったり何よりロダが2号機になっていて本当に驚きましたw
各作者さん投下お疲れ様です。もう少し余裕が出来たらしっかりと読ませて頂きますね
コテ出しているのに作品投下じゃなくてすみません、けど数日後(最悪来週火曜日までに)位に何かしら作品を投下します。読んで頂けると幸いです
ではその時まで
無明の侍wikiに纏めたよ〜
文章量が多かったから、テキストモードで作った
なので、プロローグ→前編→後編のリンクが作れないです。すいません
ロスガ×カインドも同様に量が多かったからテキストモードに、
作ってから分割すればよかったと後悔
作ったんだから文句言うなよ〜
というか、文句あるなら自分で編集しろよ〜・ ゚・。* 。 ゚。・.。* ゚ 。・゚・(ノД`)
お疲れ様wwww
PCの調子悪くて、編集したくてもできないだす(´・ω・`)
ご苦労
でもストーリー物で設定に矛盾が出るのはある意味仕方がない事だと思うんですけどねぇ…
アニメも漫画も小説もシリーズが伸びて時系列やら登場人物やらが増えると絶対何処かに矛盾が発生するものですし
>>521 編集お疲れ様です。
>>521 編集乙
矛盾はいいと思いますよ。少しだけなら
フェータルな矛盾はあってはならない
>>521 文句なんて滅相も無いです。自作を編集して頂き誠にありがとうございます
というか自分で直ぐに編集するべきでしたね……申し訳無い
しかし改めて自分で読んでみると無駄に長いというか長すぎますね……
課題にもう少しコンパクトに話を纏める事を入れておきます。きっと皆読み疲れちゃってると思うしw
みんな優しくてうれしいよぉ・ ゚・。* 。 ゚。・.。* ゚ 。・゚・(ノД`)
まだページ作ってない作者の皆々様には申しわけねぇ〜
気長におまちくだせぇ〜
ネタにできるレベルの矛盾ならおいしいけどなw
>>521 編集乙!
例えば死んだ人間が当然のように登場したり、時系列的におかしい人間が存在したり
そこまで行くと作者による意図的な仕込みの可能性が排除できなくなってくる
そんな例って本当にあるのかw
狙ってやらんと出来んだろそれw
いや、そういうのはイカンでしょってことです
DSで言うとフランとマーレの時代にまだ生まれてすらないアルメリアがでちゃう感じの矛盾
おっとゆでたまご先生の悪口はそこまでだ
>>535 タイムワープ系の設定持ってる作品とのクロスオーバーとか期待するポイントになるのでは
いや、ゆで理論はもはや別世界だからもうおk!
例えば書き始めのころは男だったのに途中から女になった事もあるから
油断はできない
ゆで理論は仕方がない
ゆで理論なら仕方ないですね!
なんだこのゆでたまごの愛されっぷりwww
>>539 新手のスタンド使いの仕業だな
……あの人も割と大雑把だっけか
矛盾より「面白くするか」が重要なのかね
矛盾ゼロでもつまらない作品なら誰も読まんし
タイムリープ系の作品って何かあったっけ……
>>542 まさにネタになる矛盾ならOKって事じゃないんですかねw
……いや、荒木先生がやらかしたのは女→男だったか
某吸血鬼のやらかしといえばシーザーもそうですねw
でもオリジナルで小ネタ拾ってもらってビクンビクンしたりもするから、小ネタ挟む程度に憎いクロスしてくる、もしくはやるってのはアリだと思う。
二次書かれたら小ネタ拾わずにいられない!
>>547 捜せばいっぱいあるらしいぞw 特に第二部に多いとの噂w
ところでラーメン食ってくるぜ!
世の中には設定はいいのに矛盾だらけで文章もキャラの性格も糞で絵だけが取り柄の作品が云千万部刷られたりするしなぁ
>>553 おっとミスターフルスイングの悪口はそこまでだ。
さりげないクロスってかなりビクンビクンしますよねw
>>552 深夜にラーメンは危険だ!
二次を書かれる作品になるにはどうすれば良いんでしょうか
つうか二次作品ってどれだけあるんだろう
なにげに神話とかにも矛盾あったりするよな。
例えばギリシャ神話で、
ペルセウスってメデューサ退治に行くときにアトラスに情報提供してもらって、
で、その時の約束で帰りにアトラスにメデューサの首見せて石にした
(アトラスが「天をかつぐのに疲れたからメデューサ退治したら首を見せてオレを石にしてくれ」って条件出してた)んだけど、
ヘラクレスがアトラスに金のリンゴとってきてもらう話がある
(アトラスの娘がリンゴの番人だったので天をかつぐのを一時的に代わって話付けてきてもらった)。
でもって、ヘラクレスってペルセウスの子孫。
>>555 呑んだらラーメンは常識やろうが! 安心しろ。まだ腹は割れているw
>>556 書かれるのではない。書くのだ。
突然ですが感想です。雑談が盛り上がってるのにスイマセン
>>437 「野良犬のバラット」 2話目まで読みましたよ〜
なんだろうか、主人公がボコボコにされてるのが可愛そうでもあり、ちょっと面白い
帰ってはボコボコにされ、出撃してはボコボコにされ、
いっそこのまま才能を開花させずにボコボコされてた方がキャラが立つんじゃ…
身分違いの恋。落ちこぼれ+人間不信の主人公と、王道っちゃあ王道な要素が多いですね
これをどう料理するのか見ものですな
いや、スカッと王道も見てみたい気がするけどナマモノ氏なら、と期待させていただきマス
なにはともあれ今後の展開に期待させていただきます
……年寄り口調の幼女とか、俺のストライクゾーンを上手く突いてきますな
>>558 いや、書き手としていつかクロスなり派生なり二次作品を書かれたいのさw
どうすればそんな風になれるのかね。やっぱ自分から二次なり書かなきゃ駄目か
>>556 パラベラム!、Diver's shell、ヴィルティック・シャッフル。
パッと思い付くのはこの3作品かな? ロボスレ学園とか、あういうのも含めたらもっと増えそうだけど。
>>561 やっぱり本編の話に魅力があって、尚且つ設定も面白くある程度自由が利く(妄想できる)ってのが二次創作されやすいんじゃないですかね。
まぁ二次創作の形にも色々なパターンがありますし、一概にどうとかは言えないですけどもw
良くクロスされてる作品の特徴をまとめてみたら?
>>561 面白い作品を書くこと
それ以上に書き続けることだ
>>561 ”魅力的”で横に広げやすそうだったりり、クロスオーバーさせやすい設定で
”本編が面白”ければ二次創作くらいガッポガッポやで!!
あと何故か荒廃した世界観の作品が絡みにくかったりするんですよね
>>558 どっ……どうせ私はリアルスレッジだよ!
>>561 一度自分で書いてみるのもいいんじゃないですかね!
単純に二次創作やって欲しいってだけなら
いちばん簡単なのは「絵を描く」かもな
キャラとかロボとか、可愛かったり格好良かったり面白かったりすれば
他の人が絵を描いてくれる事は覆い訳だし
「絵を描かれる」が求めてる二次創作じゃないのならばアレだけど
絵を描かれるなら簡単だな
三つ編みロリを出せばいいw
ほう、つまり三つ編みしかいない世界観なら……
>>561 書いてと素直に頼むとか
そんな餌に私が釣られイィヤッホォォゥ!!
つれたつれたw
相変わらずの食いつきっぷりに安心したわwww
三つ編みロリならおぢさんに任せなさいなぐへへhジョインジョインハルカァ
色々とアドバイスありがとう
色々やらればならない事が多いけど俺なりに頑張ってみるよ
一先ず三つ編みロリを考えて師匠をフィッシングしようと思うwww
>>563 考えてみればそれらの共通点とかなんだろうな……
世界観が良い意味で緩かったりキャラクターが面白いとかかな。ううむ、ここらも研究せねば
クロスしたりされたりしたけど、荒廃どころか普通に世界が発展した未来の世界感がたまたまほとんど同じだったっていうミラクルもあるんだぜw
好みがかなり明確にわかってる以上、師匠フィッシングが一番難易度低いしなw
>>575 世界観の緩さは結構デカいと思う
あとはキャラがわかりやすい……とかか?
作者が目立つかどうか
三つ編みをロボスレに垂らしておくと漏れなく師匠が釣れるとか何とか
ステルス性の高さには自信がある
小生の画力とアナログで良ければ髪型と服装と備考言ってくれれば喜んで描きますぜ^q^
……ただし女の子に限る
隠れようとすればたぶんばれない。普通にお話してたのに誰だお前ってのもあったし。
でもステルスやる理由も特にないw
ばかやろう、そんな安直なトラップに私が引っ掛かるわけないだろう!(三つ編みをいじいじしながら)
>>576 ロスガとカインドですねw
PBMとタウエルンも似たような関係かもしれませんw
ばかやろう、そんな安直なトラップに私が引っ掛かるわけないだろう!(三つ編みをいじいじしながら)
>>576 ロスガとカインドですねw
PBMとタウエルンも似たような関係かもしれませんw
大事なことなので
>>581 この瞬間、彼には大量の仕事が舞い込むのであった。
何だって、それは本当かい?
師匠が分身しおったw
>>578 それも少なからずあるんじゃない?
>>575 なんなら、これを機会にクロスを募集してみては?
キャラの特徴を言っていただければ自分がアナログでイラスト描きますよ。
出来は保障しかねますが、クロスし(され)易い空気になるのでは?
何故二回書き込まれたんだ……!?
>>581 ほほう……(ニヤァ……。
>>589 今リスト作ってるからまってて。だいたい二十人くらい
>>586 来いよベネット
>>587 絵と女の子の練習と、息抜きにもなりますしねw
あ、ただ三つ編みは僕より適任がいると思いますし師匠の方に頼んでくださいww
>>590 師匠が僕に女の子を頼むとしても三つ編みは描かないですよ^q^
鬼畜な物量がなだれ込みますなw
そういえば、ヴィルシャのメインキャラの中で主人公のタカ坊だけデザイン決まってないなw
あと草川もげろ
いやあ、さすがに二十人は冗談だけどw
いざ考えると誰にしようか案外決めらんないな。あと草川もげろ。
タカ某は……たしかデザインがあったはずです草川もげろ。
エアーの事かー!
>>591 うおぅ!驚き桃の木!お手柔らかに!!
しかも◆qwqSiWgzPU氏でなく自分に安価とは……
真の恐怖を知らないようだ。
あれ、空気王ならちーさんがメチャイケメンに書いてたぞ
会長と連れ合いとれすぎて即もぎレベルにw
タカ棒は複数のデザインがあって、どれで決定なのかわからない状態じゃありませんでしたっけ。
あと草川もげろ。
多様な顔が重なり合うタカ某の猫ということか(したり顔
なにそれキモイヨー!
結論:草川もげろ
草川もぎもぎフルーツ状態!!!!!!!!!!!!11111
Q.草川もげろってなに?
A.リア充だから
しかもなぁ。奴はただのリア充じゃねぇんだ。よりによって会長のスゥイートに収まるなんざタカ某が許しても俺の棒がゆるさねぇ……!
無貌のタカ・・
某なのか棒なのか乏なのか
話は大体分かった。俺は草川をもげばいいんだな
タロが捏ね、師匠がつきし美少女ハーレム、座りしままに食うは草川
ちんこもげろ
これはもげるべき
>>589 いやいや、作品も描かないのに注文とか恐れ多いっす
しっかり皆に読んで貰える作品をきちんと作ってから、そういう事を改めて依頼したいですw
そうなる様に頑張るしかねえ!
にしても草川のこの歪んだ愛されっぷりはなんだw
これはもがざるをえない
本当に倒されるべき敵は仲間の中にいたッ!!!
棚ぼた式リア充、草川大輔の登場だ!!!!
真喪連召集!
残念だがうちのは結婚してた
ユなんとかは喪連じゃなくてエアーズだw
>>612 をぃぃい!
こっちゃー準備万端で待ってたんだZE!
こりゃ本格的に草川をもがんとな
しかし棚ぼた式リア充とはまさにその通りだなw
ギャルゲーで言うと主人公がフラれたのに悪友キャラが彼女ゲットしちゃったもんだもの
本編はまだいいんだ、まだ
しかしわっふるでの超絶リア充ぶりは何なんだw
>>618 何か期待させたみたいでスマヌ
けどやるからには自分自身キッチリしなきゃなと思ってね。つか雑談してないでマジで書き始めなきゃw
やる気がある内に
>>620 空気王も会長も(現在では)互いにラブ的な好意はなさそうだからその例えは微妙に違う気がするw
けどもし空気王と会長が良い仲って設定だったら草川はもげるじゃすまないな……
むしろ三本になる
>>622 その貴き志に敬意を表する!頑張ってくれ、期待して待ってる
そしていつか、自分の作品とクロスしましょうね
かく言う自分もスレ覗きつつ執筆ちう
よし、俺は体力の限界千代の富士なので寝るw
いやったああああああああああああああ!?
ああああああああああああああああああああああああああ???
”ぽろり”って「にこにこぷん」のかよ!!
気付くかそんなネタ!!
これは……
フリーザ様ですね、分かります
ああトリバレしてますねアタシ。でもまあいいや。
wwwwwwwwww
>>627 わぁ、なんか声がフリーザ様になりそうな格好を――――
>>631 って繋がった! 繋がったよ!
本当にフリーザ様になっちゃったよ!
いい加減体重の方も明確に設定しないとなー、と思って平均体重について調べてみたんですけど、女の子の平均体重ってけっこう重いんですねw
遥さんはどう考えても軽い方だと思うがw
たとえちょっとお腹が油断しててもw
それでも知りあいで40キロ台は確かにほとんどいないな。見た目細いのに激やせ当時の俺より重い人もいたしw
>>516 携帯容量の問題
。付けると、今回分なら1000文字消耗すんの
>>636 一応筋肉も脂肪もついてるんで、割と重い方かなー、なんtジョインジョインハルカァ
>>638 横だが、そんな切実な理由があるとは想像もつかなんだ
遥さんは40キロ台の真ん中あたりな気がする
40kgっつったらシェパードやドーベルマンのデカイ個体なら超えてくる重量だからなあ。
高校生以上で40kg台があまりいなくても当然だと思うな。
しかしはるかさんじゅうきゅうさい
身長にもよるが、高校生以上で40キロ台はガリガリだなw
珍獣は遥さんよりもちょい軽いくらいですかね。
まどかさんはどれくらいがいいのかしら……。
遥さん、あの肉付きで40キロ台はまずないかとw
じゃあ50台ですかねw
遥さん重ジョインジョインハルカァ
BMI的にはセーフっぽいよ!
うーん、ちょい肥満くらいの体重にしとこうかしrジョインジョインハルカァ
模型を作って水槽に沈めて体積計ってその値に縮尺分と平均密度をかけて体重の推定値を出す、って方法があるが……
(以前絶滅動物の体重推定に使われてた方法)
絵的なデフォルメがあるし、骨/筋肉/脂肪の比率の個人差(による見た目の平均密度の差)があるんで、この場合は適当な方法じゃないなあ。
脂肪より筋肉の方が重いらしいから、ちょっと重くても遥さんなら言い訳できるなw
ロボットの重量より人間の体重の設定のが大変だよな
ロボットの方は実在しないモンだから
既存の兵器の重量参考にするか、体積と密度から大雑把な数字出すだけでリアルっぽくできるけど
体重の方は、実在の人間を基準で考えられるおかげで、少しの差でも不自然になったりするから
色々と考えねばならんと
3サイズもそうだが、モデルとか参考にすると大概微妙になるよな
>>650 りんごとか握り潰しながら言うと説得力が増すね!
>>651 モデル参考にするとガリガリになりますからねぇ……。
遥さんEXとな
>>651 人間だと、間違った時に設定と見た目が噛み合わなくなるしな
>>652 それは脅しじゃないのかとwww
↑が「遥さんとSEXな」に見えた俺はもう駄目かも知れん
( ゚д゚ ) ガタッ
.r ヾ
__|_| / ̄ ̄ ̄/_
\/ /
そういや、某ゲームだかで
身長180cmくらいで巨乳のセクシーな体型のねーちゃんが体重50kg前後だかで
「その二つの乳袋と尻周りにヘリウムでも詰まってんの?」ってツッコミ入れたくなるような設定だったな……
バトルヒロイン系の女性キャラだと、女子スポーツ選手を参考にした方がいいのだろうか
格ゲーキャラの体重設定は全体的に軽いような気がしますわー。
ロボスレで体重の設定があるキャラってどれくらいいたっけ?
ふと「格闘技は体重別階級があるし、遥さんは格闘家みたいな体してそうだなあ
(格闘技選手が試合前にやるような減量はしてないだろうからやや重くなる方向にバイアスがかかるだろうが)」
と思って調べてみたら、
谷良子が身長146pで48kg級、中村美里が身長157pで52kg級かあ……
試合前みたいな減量が無ければ、谷良子くらいの体格で50kgいく、って感じかね。
遥さんは胸以外に結構脂肪ついてるっぽいし、52〜3くらいかね
逆に考えるんだ。
その重さは脂肪ではなく、鍛え抜かれた鋼のような筋肉の重さだと考えるんだ。
DaZのキャラはみんな身長・体重が設定してあったような気がしますー。
>>661 >胸以外
※||
※||
哀|| ̄ ̄ヽ
れ||ィjリノハノi 屋上。
乳||リ゚ワ゚ノi)
w||⊂ノ( )
※|| y
※||
>>663 友人に見せたら「こいつら病気だろ」って言われたくらい体重は軽めに設定してありますよ
女性キャラ全員ロボ子にすれば、体重設定楽にならね?
屋上でかわいい女の子と二人きりとか胸がジョインジョインハルカァ
まどっちとスレッジの体重が知りたいw
>>631 わけがわからないよ
体重設定なんて割とどうでもいい気がする
絵に描いた時に必須な身長こそ重要
>>664 紫蘇は確かにちょっと軽いですねw
>>666 まどかさんは遥さんよりちょっと重いくらいじゃないですかね?
>>667 割とどうでも良いけど、あるとちょっと面白いだろ?
体重にしても、データはあったらあったで、それ自体ネタにしうるしねえ
血液型とか誕生日とかも一見無駄だけど、割とネタになるよ!
>>665 フレームだけでも金属製やセラミック製のロボ娘だと、体重三桁になるぞ?
後、wiki編集乙でした
このスレ向きの小説ではないけど冒険小説を書いていたときは、主人公の装備品とその重量について設定するのが好きだった。
水や食料はどのぐらいとか、5.56ミリ弾一発12グラムが168発で何キロだとか。
三桁は大げさだと思う
アシモですら54kgなのに
防弾装甲とか組み込むとそれぐらいになるのでは?
現実の装甲材で至近距離からの小銃弾を弾くには防弾鋼板10ミリでもキツそうだから、やっぱり夢の新素材が必要になるかもだけど
(防弾ベストみたいなセラミックプレートは少女型ロボにはいかがなものか)
なるほど……ティマが体重を気にしているのは三桁だか(ry
重すぎるとまともに歩けなくなるからね
「超軽くてやたら強くて無駄に硬い(しかし触り心地は素晴らしい)未来の新素材」とか
テキトーなモンでっち上げればいい
※極細が殺意の波動に目覚めたようです
>>679 HAHAHA何を言っているんだい
後ろには誰も
メメタァ
>>680 ある一定以上の衝撃を関知すると瞬間的に強度を飛躍的に向上させるアクディブアーマー、とかかな
こういう感じの設定はすでにありそう
ロボットと言えば戦闘でイコールつけられる悲しさよ……
>>684 性欲でイコール付けられる時代が来ると良いな……
>>683 確か防刃の系統でそういうのが現実にあった気がする。
液体だかゲルだかである一定以上の衝撃受けると硬化するってのが。
あ、いや、違う
友情だ友情!
ロボットはオトモダチ!
>>683 そんな感じの防弾チョッキあるよね、
衝撃を受けると固体化するゲルが入ってるやつ
>>674 アシモは、関節たった34しか無いじゃないか
人間に近くすると関節増える分、重量どんどん増えるよ?
形状記憶合金式筋繊維って考えたけど、どう足掻いても筋肉より遥かに重くなったもんなぁ
マグネシウム合金で作れれば、筋肉の1.5倍以内の重量に収める自信はあるw
かなり危ないけど
お友達だったり道具だったり嫁だったり色々ですねw
>>686 セクサロイドですな
あと何年かかるやら
>>687 ダイラタンシーを利用したアーマーですか?
そういやマーナガルムのRSの流動金属装甲も
「ダメージ受けた瞬間に液化して衝撃拡散させる」って構造だったな
>>683 既に現実素材で有るよ?
一番身近なのは片栗粉
今更だけどスレッジは110キロ。
おっさんは80ちょい
片栗粉すげぇ
揉むと気持ちよくなれるだけじゃないんですね!
>>695 スレッジが想像以上に軽かったでござる!
さすがロボスレだな
勉強になるわ
>>695 882氏の絵を見て超重いんじゃないかと思ってたけど、案外そうでもないのなw
>>692 そうだね、
>>689や
>>694でも出てる通り、現実にもやってるし。
ただ、ロボの装甲としては意味あるんだろうか、っつーのは疑問ではある。
ロボには失血なんかによるショック死は無いわけだし、ロボの機能を物理的な破壊で奪うような威力の攻撃は防げるんかなあ、と。
そこをやられると小さなダメージでも大きな影響が出るけど、強固な装甲を施しにくい場所にラッキーヒット対策でつける、とか……
(間接の内側に破片が飛び込んでそこが動かなくなるのを防ぐ、とか)
運動不足で筋肉量が……w
おっさんで海兵隊の平均くらいか。
同じ身長の格闘家よりは軽い程度
おっさんが意外と重かったw 平均が60とか70らしいからがっちり体系か
>>700 まずロボが破壊されて困る部位はどこか? から始めようぜ
人間はどこをやられても失血とかで死ねるけど、ロボにはそれがない
オイル流れて死ぬとかも無いだろうし
なるほど、ほとんど脂肪なのかw
米軍さんは筋トレ頑張ってるよね。腕相撲大会でも強かったな。
あと足まわりだと、向こうは持続走より短距離走重視らしい。
>>702 オイルが全身循環してるなら油圧下がると拙いんでないの?
冷却用だったら機体温度上がってあぼんとかもありえるし
>>702 制御コンピューター
エンジン/モーター
燃料タンク/電池
外部センサー類
排気口/放熱器
素人考えだとこんなぐらいしか思いつかんなあ
>>705 うん、だからそんな設計にはしないでしょう普通
戦場に放り込むのに足を撃たれただけでオイルだだ漏れで行動不能とか脆過ぎる
なるほど、スレッジは脂肪が多めなんですねー。
おっさんはいい感じにマッチョですねw
>>699 あれは本編中に体重100kgを超えるって描写があって、で、
森久美子が体重100kgに届かないくらいで、ホンジャマカの石塚が体重125kgだっていうのを調べてあのデザインにした。
いや〜、ちょっと上の方の話にかかってくることかもしれないんだけど、体重が100kg越えだってのは本編で出てきたけど、身長がわからんかったから難しかったのよ。
まあデブだって設定のキャラだし、
あと、これは人間に限った話じゃないんだけど、絵にするときは実際の比率より「ボリュームがあるように見える」ようにしないと、
実物から受ける印象に比べてボリュームが不足して見えるんで。
例えば実物の小銃とかみると、写真で受ける印象より遥にボリュームがあるように見える。
>>707 その理屈で考えると
2脚そのものが無駄の塊になるので……
機体全体に冷却システム付けとかんと動かん技術とか
特殊な液体循環させないと成り立たん機構とか
フィクションとしての説得力出す為なら
流血するようにオイル垂れ流すロボでも大した問題ではない
>>710 テレビ画面上で見る人間って、実物よりも太めに見えるんでしたっけ?
つうかもう700超えたのか。早いなおい
雑談してるとあっという間にスレ進むから怖いw
ふと前の流れに戻すけど、ロボスレでロボ娘ってどれだけいるっけ
意外と少ない気がする
>>710 なるほど、乳の大きさが凄かったりするのもそのせいか
あ、リヒターとかの擬人化含めないで本当にロボな女の子って意味で
つまりテレビで見かけるデブな人は全て目の錯覚ということか
>>713 ちょっと前に戦闘型のロボ娘の奴があったな
実際問題として、戦場で戦闘に使う人型ロボとか(少なくとも現在の時点では)フィクションとしてしか存在できないわけなので、
>>711の通り、設定でどうにでもなる部分だなあ。
で、
>>711のようなロボの設定にしたとして、基本的には流体の経路は装甲下に持ってくるだろうから、
間接をまたぐ部分とか、(それを必要とする設定として)冷却なり何なりの目的のために流体の経路に設けられた開口部とかが
致命的な問題が発生しやすく、かつ防御が困難な部位になってくるだろう。
>>712 そうなんだよね、実際グラマーな女性タレントとか実際に見ると細身な人に見えるらしい。
>>714 それは絶対にあると思う。少なくとも、「実物があったらどう見えるか」ということを考えている絵描きならそう描く。
他に、「実物より凹凸を強調しないと実物と同じ印象にならない」「印象的な部分を大きくしないと実物と同じ印象にならない」というのもあるし。
これは模型の話だけど、車を実物を正確に縮小した場合、メリハリのないやたら直方体に近いように見えるそうだし、
戦車なんかだと、砲身を太く、ピストルポートなんかを大きくデフォルメしてやらないと実物の印象を再現できないという。
>>716 まあ実際以上にふと目に見えてることは確か。
>>713 ティマ、ミナ、ハルカ、桃子、BW、なご なごみ、カルマ、アージョ、タミネ――――結構多いよ! まだいっぱいいるよ!
少なくとも10人以上はいるな
それにしても懐かしい名前がちらほらw
ホントに沢山いたー!?
いやはやスマンwこれだけロボ娘がいるとは思わなかったw
何か普通に集合絵書けるくらいにはいるなww
まあ、単発作品か短編に多いんで、忘れてても仕方ないっちゃ仕方ないですねw
>>720で挙がってるキャラだと、ビジュアルが描き起こされてるのはティマ、なごみん、カルマ、アージョかな?
見事にロリばっかですねw
と言ってもティマは大人ボディあるし、なごみんは姿形は自由自在ですけど。
アージョに至っては頭だけw
>>705 油圧式はパワーアームで使えるよ
倍力装置とリンクで、千トン単位のパワーは、現在技術でも理論上出せるw
全て握り潰すぜw
クローもあっという間に消耗すっけどw
>>706 電気ジェネレータには、AIP機関を推そうか
熱源(マイナスも可)さえ有れば稼働すんので、宇宙や深海での電源喪失が無くなるよん
宇宙には絶対零度という、素敵な熱源があるw
そして恒星に当たれば一気に数百度
今度はプラスの熱源にw
どっちも、サイエンスフィクションたる無明の侍の設定だたりするw
>>700 装甲としての意味は有るよ
セクサロイドならシリコン層に挟んでしまえば、おっぱいおっぱいで楽しみながらも、いざというとき盾になってくれますw
後は装甲下に入れて、複合装甲化で内部の柔い部分の保護だねぇ
そうか……物知りですね
女の子を盾にするなんてとんでもない! むしろ私が盾になるよ!(穴空きチーズにされながら)
セクサロイドに襲われそうな味方を助ける為に全裸になって床に仰向けになるよ!
>>728 スポールライナーとして使うなら、むしろあまり硬化しないモノの方がよいんでは?
>>727 それって、AIPというよりスターリング機関じゃ……
AIPってのは非大気依存推進のことで、動力というか、潜水艦が長い間潜水するための技術の総称だったはず
結局のところスターリング機関も「そんな馬鹿でかいエンジン積んでないで核エンジン使え」くらいの代物でしょ
燃料いらずはいいが、戦闘機とかでは応答性悪くて使いにくいし、小型化=出力低下だからな
オイルの方も、彼が言ってるのは「油圧式ならそのオイルが無くなったら動けなくなるじゃん」てことでは?
てか、フィクションだから技術的問題は割とどうでもいいか
私は襲われるより襲う方gジョインジョインハルカァ
早速襲われとるw
宇宙なら太陽光オススメ
深海なら素直に核を使いましょう
>>734 スターリング機関だね
字数足んないからAIPにしてる
スターリング機関は熱源温度差がまんま出力特性になるから、宇宙での運用効率が一番高い筈
きちんとメインエンジン直結のジェネレータも付けてますよ、勿論
じゃないと、後編の〇〇〇〇〇〇〇が〇〇〇〇出来ない
それじゃオヤスミです
明日も仕事だ
分からないことは素直に分からないと言おうぜ
恥ずかしいことじゃない
なんか最近上手く絵が描けないでござい……。
強敵と書いてちーさんと呼ぶがおらぬと頑張れぬか
……割と真面目にそうかもしれませんw
落書きして気を紛らわしましょうかねぇ……。
ゆっくり休めばいいジャマイカ。無理して描くことはねーべ
うむ。気分転換にスレから離れてみても良いと思うぞ
何にせよ体を壊さん様にな
……雑談でスレ進めすぎたな
そろそろ感想書かねば
やべえ…… AAネタで描いたが「やっちまったよコレ」感のパなさがかつてねえ……
このAAの元ネタ知らんかったから描くにあたって調べたら「えっシャレになってないんれすけろ」感がヤベえ……
師匠がまた島絵描くまで封印しとこう……
誰か助けてくれ!緊急事態だ!!
いかがなすった
どないしてん!
wikiに、ドラグリヲの続きを作ろうと思ったら、第24話が無い
このスレに有るのは25話で、wikiには23話までしかないんだ
俺の手元には本文が無いのでタイトルが分からずページ自体作れない。
過去ログも見れなくてた手詰まりなんだ
誰か頼む、wikiにドラグリヲの24話を作ってくれ!
59号機までのログしかない……
ここにはドラグリヲはないようだ
ちっこの肝心な時に役に立てねえのかよ、俺は……
作者さんが24話の分を保存してないですかね?保存してたら改めて投下してもらえば……
過去潜って24話と25話追加しておきました
テラGJ
こんにちは。むしろおはようございます。ナマモノは今日も腐りかけです。
今日も今日とて出勤前に実弾を投下するあたり、相当に情けないとは思いますが、なぁに慣れれば癖になる。
内容よりも素早さ全振りで打つべし打つべし。ショートカットで芋一気食い。そんな感じ。
とか戯言をほざきつつ、第三話だっけ? 投下して出かけますね。
以下第三話……
シュバルツ=ニュングによる、ユウ=マテバへの制裁に近い訓練は、連日それを続けられていた。ユウは、その過酷過ぎる責めに耐えながらも、何とかシュバルツに一発かましてやろうと企む。
やられっぱなしでは、自分の気が治まらない。やられたらやり返すのが、彼の気性だ。
そのためにも、今は耐えて自分を鍛え上げなくてはならない。ユウは今までは、牙をもがれた野犬だった。それを隠し、必死に近寄る者を威嚇していた。
だが、時は新たな牙を生やす機会をくれたのだ。これをむざむざ捨てるわけにはいかない。自分は強くなる。そして、全てを手に入れるのだ。
「畜生! 当たれッ! 当たれよッ!」
シュリムの手に持たせたペイントガンを、飛ぶように機動する、シュバルツの駆るシュリッツ・オーアに乱射する。
しかし、シュリッツ・オーアはそれを軽々と回避してみせる。そして数発ペイントガンを発射すると、それを的確にシュリムの右腕に命中させた。
「ユウ、貴様はつくづく間抜けだな。右腕のパワーをカットしろ。それと右腕に持たせているペイントガンも撃破扱いだ。さぁ、どうする?」
「ざけやがって! だったら、こうしてやるよッ!」
ユウはシュリムのスラスターを吹かし、シュリッツ・オーアに体当たりを仕掛ける。それはお互いの機体を僅かに接触させるだけで終わった。
「ふん、面白い。だが実戦では、撃破できなければやられるのは貴様だ!」
シュリッツ・オーアはペイントガンでシュリムのコックピットを狙い撃つ。黄色のペイント弾が、べっとりとユウの収まるコックピットのハッチに広がった。
「実戦ならば、貴様は戦死だ、ユウ」
クソッタレ……。確かに、腕の差がありすぎる。そして機体の性能差もだ。あの、鷹のパーソナルマークをつけた機体。それはそのマークが現すように、軽やかに大空を舞う。そしてその鋭い爪で、獲物を狩り捕るのだ。
一方のユウ=マテバの機体には、白い野良犬のパーソナルマークがつけられている。負け犬の自分を、忘れないようにしたい。そのユウの思いが、それを描かせた。
「もう一度だ、シュバルツ、もう一勝負だ!」
「ふん、無駄な事を……いいだろう、かかってこい!」
地を這う野良犬は、空を自由に駆ける鷹には勝てない。その爪で切り刻まれるだけだ。しかし、その老いぼれた薄汚い野良犬にも、牙はあるのだ。一度食らいついたら離れない、鋭い牙が。
ユウはホバーしていた機体を海面から跳ねさせると、シュリッツ・オーアの背後から迫る。そのパーソナルマークが間近に見える距離まで近づくと、ペイントガンを発射する。
しかし、それをまるで後ろに目がついているかのように、シュバルツは回避して見せた。その動きに驚愕し、そして頭に叩き込む。奴にできるのだ、自分にできないはずがない……。
今度は急反転したシュリッツ・オーアが、シュリムの背後に着く。そしてペイントガンを撃つ。ユウはタイミングを合わせると、スラスターを噴射して姿勢制御、それをかわしてみせた。
「……ほう、俺の動きを真似するか……。しかし、模倣ではいつまでたってもオリジナルには勝てんぞ!」
ペイント弾が飛び交う。その中を、二機の機体が駆け抜ける。お互いに撃ち合い、そして回避する。ユウはその戦いの中で、確かに自分が興奮しているのが分かった。
戦いが、彼の中に眠る闘争本能を刺激したのだろうか。ユウはその中で、確かに一発一発の銃弾に意思が感じられ、敵の動きに感情が込められているのを知った。
戦いは、意識と意識のぶつかり合い。そのせめぎ合う狭間に、感情が爆発する。ユウは、キレた。ペイントガンを乱射しながら、シュリッツ・オーアの足に取り付く。それを振りほどこうとするシュバルツ。
「へっ! この距離なら、外しゃしねェだろうがッ!」
「……甘いな」
シュリッツ・オーアはその足を強制排除する。バランスを崩し、落ちていくユウのシュリム。長時間飛行するには、推力が足りないのだ。
そして落ちていくそこを、身軽になったシュリッツ・オーアが狙撃。再びコックピットにペイント弾を命中させた。
「戦いにおいては、臨機応変だ。それができぬような奴は、死ぬ。覚えておけ、ユウ=マテバ。貴様は今日、二回死んだのだ」
「言ってやがれ……最後に笑うのは、この俺だッ! 実戦なら、俺は勝ってみせるッ!」
二機はその機首を巡らし、プラントへと帰還する。黄色の塗料が、海面を染めていた。
「はぁっ、はぁっ……」
ユウはパイロット用に割り当てられたロッカールームで、深く息をついていた。戦闘訓練中は感じなかったが、深い疲労が彼を包んでいる。
自分は、まだまだ未熟だ。シュバルツの奴を見てみろ、汗ひとつかいちゃいない……。
二人の格の違いは、如実に現れていた。しかし、それもユウがたったの二回しか実戦に参加していないのに対して、シュバルツは歴戦の勇士であるということが大きいだろう。
経験は、何物にも勝る。その点で言えば、ユウ=マテバはまだまだ未熟であった。
シュバルツがパイロットスーツから作業着に着替え、ロッカールームを出ていく。ユウもパイロットスーツを脱いだ所で、その場に崩れ落ちる。
「……糞ッ! こんな様じゃ、いつまでたっても奴には勝てない……」
気がつけば、ロッカールームのドアの隙間から、オフィーリアが彼の様子を覗いていた。ユウは何でもないように振舞うと、立ち上がって彼女に声をかける。
「どうした、未来の恋人の裸でも、覗きに来たのかよ?」
「そ、そういうわけではない……」
僅かに顔を赤くして、オフィーリアは呟く。ユウは気にせずに着替えを続ける。そして作業用のツナギに、その袖を通した。
「訓練、頑張っているようだな」
「あぁ、俺だって死にたかァねェからな。やれるだけはやってみンのさ」
二人はロッカールームを出ると、通路のベンチに腰を下ろす。そこは一種の休息所のようになっていて、自動販売機と観葉植物が置いてある。
オフィーリアはジュースを買うと、そのうちの一本をユウに手渡す。彼女にとっては、特に彼を気にしているわけではなく、これが当たり前の行動なのだろう。
「おっ、サンキュ」
早速紙コップに口をつけるユウ。激しい訓練の後で、喉がからからだったのだ。彼女を前に、遠慮することもないだろう。
そんな彼の様子を、オフィーリアはじっと眺めていた。どことなく、その顔は安心しているようにも見える。
「……ナンだよ?」
「いや、訓練は辛いのであろう? よく体が持つな。私には、真似できぬ」
「鍛え方がチガウんだよ。俺ァスペシャルだからな」
「スペシャル……私と、何が違うというのだ?」
飲み終えた紙コップを、クシャリとユウは握りつぶす。
「持てる者と、持たざる者……手前ェに分かるか? 何も持たずに、ただ体ひとつで生きてこなけりゃならなかった俺の苦労がよ?」
「……分からない。それが、強さに繋がるのか?」
「持たざる者は、僻み根性が強いんだ。チックショウ、今に見ていやがれってな。そんで自分の限界を突破して、本当の意味で生まれ変われるって寸法だ」
ユウは、確かに生まれ変わろうとして、足掻いていた。目の前には、大きな壁がある。乗り越えようにも、それはあまりにも高すぎる。ならば、どうすればいい?
そしてユウは、その壁を破壊することに決めた。粉々に、自分の前に二度と立ちはだからないように粉砕する。そのために牙を研ぎ、そのチャンスを狙っている。今に見ていろ、この壁野郎。この牙で、手前ェを抉り取ってやる……。
「ユウは、強いな。本当に、強い……私には、真似できない」
「何言ってやがるッ! 手前ェも俺の隣に並ぶんだから、自分を磨きやがれ! 俺は今の手前ェに、正直これっぽちも魅力なんか感じちゃいねェ。もっといい女になれ。そうしたら、俺が奪ってやる!」
オフィーリアは立ち上がると、ジュースを手に歩き去っていった。何事かを考えこみながら。ユウは黙って、それを見送る。
『まァ、精々いい女になってみせるンだな……』
プラントの中に、サイレンが鳴り響く。大勢の反抗組織のメンバー達が、プラント内を右往左往する。
『敵戦闘機接近! 戦闘用意! 繰り返す、敵戦闘機接近! 総員、戦闘用意!』
「ふん、来たか……よくも逃げ出さなかったものだな」
格納庫へと向かったユウを、シュバルツが待ち受けていた。どうやら彼が、また逃げ出すと思っていたらしい。しかし、ユウはもう逃げない。この男の顔ッ面に、拳を叩き込んで地面を舐めさせるまでは、逃げてなんかやるものか……。
すぐにコックピットに乗り込み、シュリムの発進準備をする。旧式とはいえ、運用しだいでは戦闘機などに遅れをとるものではない。
シュバルツはシュリッツ・オーアで先に発進するようだ。まァいいさ。精々そうやってベテランって顔をしていればいい。しかし、いつか手前ェは俺が追い越して見せるさ。
シュリッツ・オーア、発進。続いて二番機、ユウのシュリム、発進。ホバーで海上を走行しながら、飛行して敵を追うシュバルツを見上げる。そんな高い所を飛んでいられるのも、今のうちだぜ……。
やがて水平線上に、米粒のような敵戦闘機の姿が見える。ターゲットサイトを開き、ユウはそれで狙いを定める。
「……堕ちやがれッ!」
ユウの放った銃弾は、一機の敵の翼をかすめる。直撃ではない。しかし大きく体勢を崩した敵機は、続くシュバルツのライフルの狙撃の前に撃破された。
「野郎ォ、俺の獲物をとりやがって!」
その後も、次々とシュバルツは敵を撃墜していく。ユウは辛うじて、逃れようとした敵を一機落としただけだ。
シュバルツと自分は、機体の性能からして違う。あっちは自由に飛行できるのに対し、こっちは瞬間的なジャンプ・フライトしかできない。いくら奴がエースだからといって、こんな旧式じゃ張り合う事もできやしない。
レティクルに敵の姿を収め、引き金を引く。直撃を受け、煙を吹いて落ちていく敵。この戦いでの、ユウの二機目の戦果。しかし、戦いはそこまでだった。
自由に空を飛行できるドールであるシュリッツ・オーアの存在により、戦況は圧倒的に抵抗組織デア・ヒンメルに有利に運んだのだ。
撤退していく敵。それを追おうとしたユウ機の前の海面に、シュリッツ・オーアのライフルが撃ち込まれる。
「手前ェ! 何しやがるッ!」
「貴様は頭に血が上りすぎだ。状況を把握しろ。そうでなければ、貴様はたった一人、無様に死ぬだけだ」
ユウはチッと舌打ちをすると、シュリムを海上プラントに向けた。シュバルツは一足先に帰還してゆく。
恐らく戻れば、彼はまた英雄としてみんなにもてはやされるのだろう。十機以上の撃墜。それに比べて、自分はどうだ? たったの二機しか落とせずに、シュリッツ・オーアの後に下僕のように従っていく。
このままで終わって、なるものか……。必ず自分の前に、奴をひざまずかせてみせる。そのためには、力だ。何者にも負けない、絶対的な力が必要だ。
ユウは思いを巡らせる。自分の腕は、この先も上昇していくことだろう。しかし、それに対して乗っている機体があまりにも貧弱だ。
『ダメもとで……オフィーリアの奴に頼んでみるか……。もっと上の機体を、俺に寄越すように……。シュリッツ・オーアクラスまでとまでは言わない、せめてもう一ランク上のドールが必要だ……』
そしてユウは海上プラントに帰還する。格納庫では、予想通りにシュバルツがみんなに出迎えられていた。皆一様に、彼を褒め称える。笑顔でそれに応えるシュバルツ。
しかし、ユウの方には誰一人として寄っては来ない。それも、仕方がない……。ユウはコックピットから飛び降りる。そこへ駆け寄る、一人の小さな影。
「よくやったな、ユウ。二機撃墜か? ほとんど初陣にしては、いい戦果だ」
「手前ェ……何で、俺なんかの所に……」
「当たり前であろう? 帰ってきた者を出迎えるのも、私の役目だ」
それからも彼女は、戦場で生き残る秘訣というものを滔々とユウに語って聞かせた。周りの者たちが、そんな二人を訝しげに眺める。
その中でもシュバルツ=ニュングはどこか楽しげに会話する二人を、憎々しげに見つめていた。彼の心中は、誰にも分からない。
「……それで、話とは何だ?」
海上プラントの甲板。風の吹き抜けるそこで、ユウはオフィーリアと改めて向かい合っていた。
彼には、彼女に話がある。力を手に入れるために、それはどうしても必要なことだ。ユウは話を切り出す。
「実はよ、俺にも新型のドールを、一機調達して欲しいんだよ」
「新型、だと……?」
ユウは話を続ける。
「今の俺は、少しでも力が欲しいんだよッ! 少しでも上に這い上がるための、力がッ! 確かにこのちっぽけな組織の力じゃ、限界があるかも知れねェ、けどよ、何でもいい! 今のシュリムよりマシなら、どんな機体でもいいんだ」
オフィーリアはしばらく考え込む。お互い無言の時間が過ぎる。そしてどれだけの時間が経ったのか、彼女はようやく顔を上げた。
「一機、テスト中の機体がある……。それでも構わぬというのなら、乗るがいい」
「ありがてェ! そんで、そいつの……」
「止めておけ」
その声に振り返ると、シュバルツ=ニュングがユウの事をじっと睨みつけていた。その視線は冷たく、ユウを刺し貫く。
「貴様のような戦いのなんたるかも知らない男に、新型機など百年早い。精々今の旧式に乗り続け、そしてそのまま死んでゆけ」
「んなろォッ!」
ユウはシュバルツに飛び掛る。しかしその攻撃はあっけなくかわされ、カウンターを叩き込まれる。甲板に倒れ伏すユウ。その体を憎々しげに踏みにじるシュバルツ。
「貴様など、あの時殺しておけば……。オフィーリア様も、もうこんな屑の相手をするのはお止めください。皆の士気に関わります。どうか……」
「ユウ!」
その彼の言葉も聞かず、オフィーリアは倒れ伏したユウに駆け寄る。そしてそっと、その体を抱え上げる。
「ユウ、しっかりしろ、ユウ!」
そっとその体を揺さぶる。僅かにうめき声を上げて、身悶えするユウ。相当なダメージを負っているらしい。シュバルツは手加減などしなかったのだ。
「……ユウ=マテバ。貴様は……」
その言葉を残して、シュバルツは去っていく。後に残される二人。
「ち、畜生ォ……俺ァ絶対に、強くなってやる……強く、誰よりも強くよォ……」
「ユウ……私は、強くあろうとするものが好きだ。人であれ、何であれ……」
オフィーリアは、まだ目を閉じて唸っているユウの額に、そっと手を乗せた。
ユウは自室に割り当てられた狭い部屋の中で、ベッドにパイロットスーツのままで寝転がっていた。何もない部屋の中の光景。それは、今の自分の姿を現しているかのようだ。
空っぽの、中身のない自分。いつかはそれも、満たされる時が来るのだろうか。それはまだ、分からないことだ。
「あの野郎ォ……手加減しないで殴りやがって……」
頬に手をやる。そこは恐らく、痣になっていることだろう。しかし、こんな傷が何だというのだ。こんなもの、放っておけばいつかは治る。だが、いつかシュバルツの奴には、この何十倍も痛い目を見せてやる。
コンコン……
部屋のドアを、軽くノックする音。こんな所に尋ねてくるのは、知っている限り一人しかいない。入れッと声をあげる。
「……お邪魔するぞ」
オフィーリアが、何かを手にして部屋の中へと入ってきた。
「何の用だ?」
「用が無ければ、来てはいけないのか?」
ユウは苦笑する。さて、この警戒心のまったく欠如しているお嬢様を、どうしてやろうか……。
「傷は、どうだ? まだ痛むか?」
「大したことねーよ。こんなもん、宇宙にいた時にはしょっちゅうだったぜ」
ベッドに腰掛けるユウの前に、オフィーリアはやって来る。
「痣になっているな。手当てをしよう。動くなよ」
手にした箱から、治療道具を取り出す。どうやらそれは、救急パックだったらしい。スプレーを取り出し、患部に当てる。
「少し、冷たいぞ?」
冷却効果を持った薬が、痣に当てられていく。その冷たさに、ユウは顔をしかめる。
「よし、後はシップだな……。ほら、顔を動かすなと言っておろうが」
患部にシップを当て、テープで止めていく。その手つきはたどたどしいものであったが、ユウには何故かどんな治療よりも手厚く感じられた。
「よし、これで大丈夫だろう。違和感はないな?」
「ああ、悪くねェ……」
ユウは僅かに彼女に感謝をする。しかし、それを表情に出す事はしない。ただ軽く、彼女の手を取った。
「……ユウ?」
「手前ェ……いや、お前さ、ホンッとに無防備だよな」
ユウは彼女に顔を近づける。何が起こるのかと、目を丸く見開いているオフィーリア。そこに、ユウは付け込んだ。
「……!」
唐突なキス。オフィーリアには時が止まったように感じられる。何が自分の身に起こっているのか、それすらもはっきりとはしない。
やがてそのキスは、ユウが離れることによって終わりを告げた。
「おっ……おまぇ……な……!」
「お前一体、何をしたんだ……って所か?」
オフィーリアはこくこくと頷く。その目は相変わらず、真ん丸に見開かれたままだ。そしてそこから、涙の雫が零れ落ちそうになっている。
泣かせてしまうつもりは、無かったのだが……。それだけ唐突な出来事に、ショックが大きかったのだろう。
「こ、この愚か者! 自分が何をしたのか、分かっているのかっ?」
「ただの挨拶だって」
「嘘だ! 今のは、そんなものではなかった……!」
そう彼女に言われて、ユウは初めてさっきのキスが、いかに自分の中でも唐突なものであったのか理解した。
『ヤバイな。あまり、この小娘にのめりこむわけにはいかねぇ……』
それは、咄嗟の時に彼女の事を思い浮かべてしまうのが、急に怖くなったからだ。自分は純粋に、力だけを追い求めていればいい。
その結果彼女をものにできるのならば、それが理想であろう。しかし、それが逆転してしまっては困るのだ。
『純粋な力だ……俺はそのことだけを考えていればいい……』
オフィーリアは彼から離れると、いやいやをするように首を振った。涙が零れ、雫を散らせる。その姿は、どこかに忘れていた、美しいものを感じさせた。
それが更に、ユウの心を惑わす。自分のものにしたい……。その欲求が抑えられなくなる。
ユウは手を伸ばす。オフィーリアは、何故か逃げなかった。その肩をがっちりと捕まえる。彼はふと自分の意思の弱さというものを、自分の弱点なのだと気がついていた。
そして再び、顔を近づける。じっとオフィーリアの瞳が、彼の瞳を覗き込む。そこにお互いの姿を見て、目が離せなくなる。ユウの指が、軽く彼女の唇に触れる。ぴくりと反応する彼女。
自分が悪循環に嵌っていると感じつつも、ユウは意を決して唇を触れ合わせようと……。
『敵ドール部隊が、当施設に侵攻中! パイロットは発進用意! 対空監視班、所定の位置へ! ウェポンズ・フリー! 繰り返す……』
「……続きは、お預けだな」
にやりと笑うと、ユウは身を離す。この敵襲は、自分にとっては良かったのかもしれない。深みに嵌る前に、抜け出せた。その安堵感を隠しつつ、ユウは部屋を後にする。
「何故、私は抵抗しなかったのだ……?」
部屋の中、ただ少女が一人、ぽつんと取り残された。
・第四話へ続く……
以上で投下を終わります。
色々とめまぐるしいロボスレですが、何とかついていければいいなとか、そう思います。
では、今日はここまで。ありがとうございました。
>>753 GJ、超GJ。言っておきながら寝てしまうあたりおれってやつぁ
>>761 投下乙!ゆっくり読ませていただきますね
>>753 wiki編集乙です!
>>761 そして投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
清々しいまでに人稲ですねw
sss
>>761汎用ナマモノ氏
「ここまで。ありがとうございました」って別れの言葉かと思った
ってのは置いといて、改めて投下乙です
てか、投下の間隔早っ!このスレだけでもう3話だよ!残り200強。もう1話来るか?
今は続きと言うか、今後の展開に期待します。
次でまさかの後継機、ですか?
人稲ってスバラシイ!そういうとみんな集まってくる
……とでも、思っていたのか?(ニヤァ
何なんだぁ、今のは?
ああああああああああああああ!!!!!!!
テイルズに熱中しすぎたせいでフォーゼ見逃したぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!
かわいいけどツッコミどころを入れてくるあたりさすがw
ヴェルタース・オリジナルってカッコいい名前だよね
ヴェルタースvsヴェルタース・オリジナルみたいな
ヴェルタース・コピーとかヴェルタース・クローンとか出てくるんですね、分かります
一瞬ヴェルトールの事かとw
ヴェルトールはカッコいいのに何でゼノギアスはあんなにダサいの?
>>776 だって他にクレスケンスとかアンドヴァリとかいるし余計に…
まあブッチギリでダサいのはシュー○ィアですけどね
この流れなら言える!
そもそもギア戦いらな…うわなにをするやめろ
私は遠慮しておきます(笑顔で)
,,ylーhy,
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( ◎д)つ しょおー ¨アluyy,,,,yzll},・, ,;..
(つ ノ y アl,,,.∵
人 ヽ/ - .,,,,,,,,,,,,,,,,,,,,》lly ,.〉,.
し(__) − ≡ . ̄ . ̄フ=vy,,___ ,、,、,、,、,、,、,_,i| , ,
 ̄  ゙゙゙゙゙゙゙̄^;:;,:.:,:;.:・″, ・, ‘
,.。.;:;、;⊂:;,,⊂ノ
’゛`` (⌒:;,:;.,ノ
:;,:;(__)
はい、祥子です
戦線維持して下さったナマモノ様、お疲れ様でした
戦線の維持を、相模原校部隊が引き継ぎます
期待してる皆様、お待たせしました
無明の侍、後編のスタートです
今回は観測情報統合ネットワーク演算を駆使して、色々投下方法弄るので、皆様気をつけて下さいね
では、ハイパーリンク起動します
全機攻撃オプションに従って下さい
オプションは以下の通りです
・この物語はサイエンスフィクションです。実在の人物、政治、団体、地名とは、一切関係ございません
・無明の侍後編
・約30レス前後
・べっかんこの身代わり術利用の、一人自演式ID二個使っての投下試験
・お前ら全員落ち着け。此方は投下時間長いぞ
・支援砲撃必要な場合は避難所管制にて申請するので、10レス毎に気をつける程度で構いません
では、コンデーサーチャージ開始、全力射撃迄後120秒
ご主人様、トリガー回します!
クリスの記憶には、総作と一緒に育った記憶しかない
物心つく前に両親が死に、武藤家に引き取られてから、同い年だった総作が常に隣に居た
総作の父であり自分の養父は、忙しい人だったが、帰って来ると遊び疲れる迄ずっと遊んでくれた
だから、容姿が違っても、クリスにとって大好きな父だった
あの黒髪になりたいと、ずっと思ってた
だから、総作の黒髪が羨ましくて仕方がなかった
4歳になった時に養父が亡くなって、誰にも憚らず、実の息子の総作よりも泣きに泣いた
その時、総作も涙を流しながらも、ぐっと手を握りしめてくれたのは鮮明に憶えている
容姿のせいで何時もからかわれ、馬鹿にされた
だけど、決まって総作が立ちはだかり、どんな相手にも向かっていき、どんなにボコボコになろうとも、相手が殴り疲れる迄、立ち向かっていった
決まって台詞はこうだ
「僕の家族のクリスを泣かすな!」
多分、あの時からずっと続いてる
成長するにつれ、容姿が更に可愛くなり、逆にもて始めると、馴れ馴れしく名前で呼ぶ奴が出てきた
そう、かつての苛めっ子共だ
だから、全部蹴っ飛ばした
「アンタ達が忘れてようとも、ワタシは憶えてる。ワタシをクリスと呼んで良いのは、ソウサクだけ。寄るな!」
男嫌いのクリスティーン・バレットの出来上がりだ
だけど、総作だけは別だった
何時も総作と一緒に行動した
11歳小学5年生の三学期、初めて本物の侍を見て、総作と一緒にポカーンとした
「お父さん、これに乗って、僕たちを守る為に戦ってたんだ」
総作の眼の輝きは、そのまま自分の輝きだ
そのまま、他の生徒と共に侍のコックピットに座らせて貰い、ひとしきり笑いながら楽しむと、帰りに先生に総作と呼ばれて、びっくりした
「私のクラスからは君達二人、パイロットの適性有りですって。武藤君にバレットさんは、希望するなら、防衛学校汎用機科中等部に進学出来ます」
二人で飛び上がってはしゃいで、家で待ってた母に大喜びで報告した
母はちょっと困った顔をして、こう言ったのだ
「総作は好きにしなさい。でもクリスちゃん、クリスちゃんは総作のお嫁さんになって欲しいから、私、賛成出来ないなぁ」
「やだやだ、ソウサクと一緒が良いの!一緒の学校に行く!」
頑なに義母のお願いを拒否した
だって、総作と一緒じゃない自分が、考えられなかったのだ
寝るのも一緒、お風呂も一緒、何時も一緒が当たり前
一緒じゃないとまた苛められる!
最早、クリスの強迫観念になっていた
その日に一緒に寝る時、総作は複雑な顔をしていた
「クリスは、僕の事、嫌い?」
黙って首を振る
「僕のお嫁さんになるの……イヤ?」
やっぱり首を振る
いつか結婚する、早い人だと中学生で子供を産む
もうすぐそこの未来だ
だから、お嫁さんの相手は考えた
でも、浮かぶのは総作だけだった
「じゃあ、何で?」
「一緒に居るの。隣に居るの。待ってるのヤダ。ソウサクはワタシが隣に居るの……イヤ?」
「ううん」
「じゃあ、ずっと一緒。喧嘩もするし、やな事あっても、ずっと一緒。次の日には仲直りしよ?」
「うん、指切り」
総作が小指を出すと、クリスは笑顔で小指を出して、布団の中で約束したのだ
「ずっと、ずっと、一緒だよ?指切りげんまん…」
今は昔の、幼い恋心の淡い記憶
クリスは寮の総作の部屋の中で、ベッドの上で体育座りで虚空を眺めている
高校生になってからは、一日も欠かさずこの部屋に居る
油断すると、女生徒から御誘いがばんばんかかる
だから、着替えも半分は総作の部屋だ
制服なんか、総作の部屋に吊るしている
二人だと、シングルルームとシングルベッドは非常に狭いが、それでも、幼い頃と同様に一緒に寝てる
母を説得して、中学生になって防衛学校中等部に入ると全寮制だったので、二人は個室を与えられて離れ離れになってしまい、クリスはあっさり総作の部屋に入って寝てしまった
起きた時には周りが騒然としており、何事かと思って聞いたら、教師が
「入寮初日で夜這いとは、最短記録だ」
そう言って苦笑してたので、きょとんとしてたら総作が言ったのだ
「僕達は家族です。家の習慣のままのだけです」
「武藤の義兄妹?」
「はい」
「…そうか」
そう言って何も言わなくなった
あれは今思いだすと、相当こっ恥ずかしい記憶だ
でも、教室は違うクラスで、中には自分と同じ亡命アメリカ人の男子生徒が居て、クリスに声をかけたが、英語で話し掛けられて、さっぱりで
そんな時に、総作が歩いているのを見掛けて飛び付いて、無理矢理腕を組んで、その米人生徒ににっこり笑ったのだ
「ソウサク、英語で言われて訳わかんない」
「あぁ、俺も無理」
「You are Lovers?」
「何て言ってんの?これ?」
総作がそんな風に聞くと
「お前は彼女の彼氏かよ?黄色い猿が白人に手を出すな、だとさ」
そう言って、ニヤリとする生徒が居て
それを聞いた総作が
「俺の家族だ。失せろ」
「My Wife! Get Out! Fucking Cherry Dick! Insert Your Asshole! Is That」
そう言って、中指を立てて通訳してくれて
「Fuckin! Kill You!」
そのまま総作と米国人生徒が大喧嘩
クリスは訳も分からず、通訳した生徒が一人でゲラゲラ笑ってて、何かやったんだと理解して、後で事情を先生が聞いたら、どうやら通訳した生徒が、余計な事を二人に言ってたらしい
事情を知った二人は和解して、通訳した生徒を二人でボコボコにした後、笑って仲良くなってた
それが長井との出会い
コイツは、何でもそつなくこなすムカつく野郎で、でも、本当は総作と同じ位優しい奴で
そう、色んな性格が居たけど、優しい奴がパイロット候補生に集まってた。何でなんだろう?
パーソナルAI決める時の授業は、皆で延々と悩んで悩んで
結局総作と一緒に召し使いにしようって、決めて
「じゃあ、ワタシはアメリカ人だから、源流の英国の執事にしよう」
「良し、なら俺は日本の女中さんだな」
そう言って二人でクスクス笑って
皆、趣味が出て爆笑しまくって、長井のフランス人形が一番受けてて、目覚めた瞬間に
《貴方が私の下僕ね。頭が高いわよ。跪きなさい》
あれには、絶句したっけ
パイロットになる為の訓練と授業と普通の授業で一杯一杯
いつの間にか成長した胸は、何時も総作を白黒させて、そんな総作が面白くて、引っ付くのを止めなかった
そう、クリスの思い出は常に総作と一緒だった
バディを組めと言われた時は、隣の教室に飛び込んで総作を拉致して
「ワタシのバディです」
そう言って、誰にも文句を言わせなかった
バディ同士は同クラスが前提だった為、総作がクリスのクラスにやって来て、自分の道に常に総作が居る様にした
月日が経って、基礎練から機体操作に移ると、総作の機体機動が皆と違う事に驚いた
誰よりも攻撃的で、誰より動いて。でも、その分悪燃費で、機体負荷も高くて、整備泣かせで
最初は全く付いて行けなかった
長井は、そんな総作の隙を付くのが上手かった
彼のバディは固定されていなかっけど、三年の二学期に沢田と云う相棒が現れて、固定されて
クリスはそんな皆に追い付く為に、一番何を磨けば良いか悩んで悩んで、狙撃を選択した
「ワタシが狙撃して、皆の戦いをサポートする」
《My Lord 素晴らしい決断です。裏方に徹するのは、中々に出来る事ではございません》
何時も惚けてるギャルソンが、珍しく褒めたっけ
それからは、銃撃する為の知識をひたすら溜め込んで
教師からは、難しい顔をされたっけ
「宇蟲相手の狙撃は、ミリ単位の着弾を寸分違わず、常に移動する目標に当てねばならない。辛い路だぞ?」
「宜しくお願いします」
ならば、価値は有るんだと、クリスは非常に頑張った
最初は静目標でピンポイントを撃つ練習して
少しずつ、本当に少しずつ腕を上げて
地道に腕を上げてたら、総作には沢山バディの御誘いが来てた
だからクリスは言ったのだ
「ワタシが総作のバディに相応しくなる迄、浮気して良いよ?今のワタシじゃ、役に立たないから」
「俺のバディはクリスだよ。話は終わりだ」
何時も、そう何時もだ
総作は、クリスが欲しい言葉をくれる
待ってくれると言ってくれた
なら、待たせる時間を減らさねばならない
総作のバディは、生涯クリスティーン・バレット、只一人にするんだと
クリスは決意を胸に秘めて、狙撃が上手い人、弾幕が上手い人に教師や上級生や高校にも行ってコツを聞きまくった
一番嬉しかったのは、高校に狙撃の名手たる、坂井先生が居た事だ
坂井先生に拝み倒し、コックピットでトリガーと機体操作とAIの補助をどうやるか実演して貰い、基本プログラムすら提供して貰って組み込んだ
本来はAIの成長に伴い身に付ける筈の部分を、スキップさせたのだ
当然歪みが出て、暫くギャルソンの調子が悪かった
でも構わなかった。ギャルソンにも説明したら、発声出来なくなってたギャルソンが、拍手をしているのを見て、ギャルソンも頑張るから主人も頑張れと、やってくれたのだ
その甲斐あって、銃撃はドンドン上手くなった
中学卒業時、銃撃A-を全候補生の内、たった一人で受け取った
最も、機体機動B、剣戦闘C+、燃費戦闘B、ペア戦闘B+、組織戦闘A-
余り良くなかった
総作は機体機動A+、剣戦闘A+、銃撃D、燃費戦闘D、ペア戦闘A、組織戦闘A
落第二つも取って真っ青
長井は機体機動A-、剣戦闘A、銃撃B+、燃費戦闘A-、ペア戦闘A、組織戦闘A
性格通り、何でもこなして
沢田は機体機動B+、剣戦闘A-、銃撃B+、燃費戦闘B+、ペア戦闘A+、組織戦闘A+
沢田は、クリスがやりたいバックアップを、同級生中最も完璧にやってみせた
中学の終わりには、何時もこの四人でつるむのが多くなってた
中学の卒業式に、皆に知らされてない事実が知らされた
小学校の同級生達は、既に1/8が亡くなってると
子供を残して亡くなった人達も居て、中には子供の盾になってた人達も居たとか
クリスは愕然として、自分の部屋で泣いた
母の言葉がやっと分かったのだ
「クリスちゃんは、総作のお嫁さんになって欲しいな」
今は早く結婚しないと駄目な時代、淡い恋心をそのまま実らせないと駄目な時代
心の成長を待ってられない時代、そんな時代で
その時はっきりと、自分の選択が、欲しいものの路を閉ざしてしまった事に、ずっと涙を流して一人で泣いた
そんな事を思い返しながら、総作の匂いがこびりついた部屋に、ずっと体育座りで虚空を眺めているクリス
総作に何時も身体を押し付けると、総作が悶えて、その後トイレに行ってたのを知ってる
その時は、クリスも総作と同じ事をしているのは、総作には内緒だ
高校に入ってからの赤ん坊相手の実習は、非常に楽しかった
思わず、目尻が思い切り下がって、一緒にきゃいきゃいやってた
担当の斎藤先生は夜の戦技教官と呼ばれてて、学生達、特に汎用機科の生徒に毎回ちょめちょめしてると、専らの評判だった
本人も否定してなくて、8人の父親の違う子供が居るって笑ってた
でも、一番の好みは0さいの男だと公言してて、すんごい笑った
そして総作の仕種を見て、キュンと来た
あの抱え方、笑い方、遊び方
全部、私達が父に遊んで貰ってた時の仕種だ
あぁ、あの子供の笑顔は、幼い時のクリス・バレットだ
やっぱりコイツだ、コイツしか居ない
そんな総作に子供達が群れをなして飛び込んで、総作は良く埋もれてて
「う〜ん、今回のお父さんランキングトップは武藤君か」
「斎藤先生、何ですか?そのランキング?」
「私達子供が居る母親に出回ってるランキングよ。汎用機科の生徒は毎回全員ランクインするんだけど、あの子、久しぶりの当たりだわぁ。良し、9人目は武藤君にお願いしよう」
「ちょっと、先生」
「夜の戦技教官に勝ちたければ、隙を見せては駄目よ?バレット候補生」
斎藤先生は奔放な人で、子供を守る時の鬼の表情と相まって、凄く楽しい先生で、あれで25歳とか、ちょっとずるい気がする
坂井先生に横田基地で聞いた話は、クリスを驚かせて
「私達は元々同じ部隊でね、武藤少佐とハインリヒ、ニール・バレット大尉と西川梓少尉、当時は新兵だった私が、一緒に戦ってたの。ハインリヒも大尉ね。連隊編隊組織して、運用試験してたのよねぇ。1000機居たから凄かったわよ?」
「梓お母さんも同じ部隊…」
「バレットさんの母親は看護兵だったのよね」
昔懐かしい話を軽くしてくれた
《当時のペアは、英作とニールで、ハインリヒは梓と組んでたな》《光子は当時、他の新兵と組んでたにゃ》
「で、梓ってば、ママさんパイロットだったのよ?」
「え?本当ですか?」
「えぇ。ずっと総作君を預けっぱなしで。でもニールが戦死した時に、相次いでクリスも死んじゃってね」
「クリスお母さんも?」
「そ、だから梓は、貴女を引き取る為に退役したの。貴女の名前のクリスティーンは、クリスティナの名前から貰ったものよ」
「…そうなんですか」
「ねぇ、貴女、ママさんパイロットにならない?」
「…出来るんですか?」
《ちょっと、難しいぜ。こう見えても、光子は三回流産してる》
「やっぱり……無理なんだ」
やっぱりクリスの希望は、とても難しいのだろう
「所がぎっちょん。実はそれは、第一世代機の話です。第二世代機の今は、耐Gシートの性能向上と、スーツの性能向上」
「それにブラックボックスのバージョンアップに伴い、妊娠中でもある程度は大丈夫になりました。昔に比べて練習機でも、第一世代の制式を凌駕してるわ。後は、出産休暇取れるから大丈夫」
「……本当ですか?」
「えぇ、貴女の夢、今なら全部叶うわよ?我慢しないでいっちゃいなさい。私は恋する乙女の味方だ」
そう言って、坂井先生はウィンクしてくれて
「私の夢……」
クリス・バレットの夢
生涯武藤総作の隣に居る事。常に、誰かの為に汗をかいて、背中を疎かにする彼の背中を守る事。そして、彼とそのまま……
「有り難うございます、坂井先生!貴女はワタシの師匠です!」
クリスが立ち上がって行くと、後ろから声が聞こえて
《だから頑張れだとよ、ハインリヒ》
《ハインリヒの負けニャ》
クリスは思わずすっ転んでしまい、振り返ると、リヒトホーフェンが無言で空のカップでコーヒーを飲んでいて
明らかに動揺してるリヒトホーフェンが可笑しくて、そのまま腹を抱えて笑って
そんな何気ない日常が、ずっと続くと思ってた
何回か出撃しても、誰も撃墜されなかったから余計だ
最初の三戦で大抵戦死するのに、今年の候補生は豊作だって、校長も担任も皆喜んでて
でも、この前あっさりと、幻想だと気付かされた
総作が飛べない
もう、飛べない
総作は、翼をもがれてしまった
しかも、クリス・バレットを庇って
全てはクリスが感情的になって、支援を忘れたからだ
全てクリス・バレットの責任だ
アイツの機動は、機体を限界迄苛める
だから支援が必要なのに、クリスが忘れてしまったから、この体たらく
全ては、クリス・バレットの驕りが、この結果を叩き出した
もう、何も考えたくない
ぼぅっとしてると、部屋の扉が開いた
ガチャ
「…ソウサク?」
「残念、私よ」
「お母さん……」
梓がツカツカ寄って、ストンとベッドに座り込み、両脚をパタパタさせる
今では、クリスより幼い容姿がパイロットだったなんて、未だに信じられない
どう見ても、12歳前後の女の子だ
37歳なんて反則だと、クリスは前から思っている
今では梢より若い、並ぶと梓が妹扱いされている
きっと、英作はロリコン趣味だったのだろう
「戦闘記録、祥子の分を見せて貰ったわ。今は総作の病室に届けてある。総作の状態見た?」
「…まだ」
「知りたい?」
「ソウサクは、見せてくれなかった」
「ま、クリスちゃんが半狂乱になるの、分かってただろうからねぇ。知りたい?」
こくりと頷くクリス
「じゃあ、言うわね。両脚太ももから切断、左腕欠損、右眼球破裂、他、裂傷複数。本当、良く生きてたわ」
クリスは聞いた瞬間硬直し、とうとう泣き出した
「お母ざん、ごめんなざい。ヒック……わだじ……佐藤を見殺じにじで……ソウサク迄ごんなごど……じぢゃっだ」
「だから、見たって言ってるでしょ?」
「な゛に゛を゛?ヒック」
ふうと一息付いて、更に言葉を紡ぐ
「私は総作を誇りに思ってる。そして、そんな総作が命を掛けて守ったクリスちゃん、貴女も私の誇りよ」
「……お母ざん」
「貴女は総作のお嫁さんになって欲しかったけどね、今の総作の世話を任せるのは悪いわ。私が全部やるから、貴女は貴女の道を進みなさい」
クリスはぷるぷる首を振って答えた
「や゛……なる……お嫁ざん……なるの……ソウサクじゃないと……やだぁ」
「パイロットしながらは無理よ。貴女には、総作の分迄飛ぶ義務が有る。私は、貴女が侍から降りるのだけは許さない」
初めて見る、母親としての怒気
「お母ざん……」
「良い?貴女が選んだ道はそういう道。親友、恋人、妻や夫が、一瞬の気の緩みで、呆気なく死んじゃう世界。それが侍乗りの宿命」
クリスは先輩パイロットとしての話を、大人しく聞く
「私の子供達が皆パイロット適性有るのなんか、私は産む前から知ってます。何でか分かる?」
クリスはぷるぷる首を振る
「私達の子供だからに決まってるじゃない!そして貴女も、ニールとクリスの子供。適性が無い訳無いじゃない」
「…遺伝?」
「少し違うわね。でも、貴女もずっと続ければ分かるわよ。それが分かる迄、降りちゃ駄目。分からないと、良いお嫁さんにもなれません」
「お母さん…」
「さてと、ちょっと忙しくなるなぁ。貴女は、今より強くなる為に頑張りなさい。総作の事は任せて」
伸びをした梓がポンと飛び降り、そのまま扉に向かう
「クリスちゃん。今の段階じゃ断言出来ないけど、何とかなるかも知れないから立ち上がれ。総作に情けない顔を見せる嫁なんざ、お断りだ」
梓がにやって笑ってパタンと出て行って、パタパタと足音が遠ざかって行く
「……やっぱり……お母さんには敵わない」
はぁって溜め息を付いて、クリスは暫くそのままで居て
「ワタシ……そこまで強くないよ。ソウサクが居ないと、何にも出来ない」
※※※※※※※※※※
「……ここは?」
総作が目覚めた時、見知らぬ天井が見えた
「つつつ、右目……ちっ、きちんと無くなってやがる……手足もか……夢じゃなかったんだな」
その時、扉が開いて人が入って来た
「起きた?」
「斎藤先生。すいません、無様を晒してます」
「あら、格好良いぞ?。今の武藤君を馬鹿にした奴見たら、私が眉間をぶち抜いてあげるわ」
「先生、授業は?」
「傷病休暇貰ったわ、二週間」
「あれから何日?」
「そうね、一週間経ってるわ」
そう言って、ベッド脇の椅子に腰掛ける
「地上戦はどうでした?」
「最悪。学校内だけで死者300越え。周辺都市合わせて1000いったわ」
「そうですか……」
「その内、殆どが子供。今回、徹底的に狙われた。突破されたのよ、初めて」
「まさか……」
「そうよ、私の赤ちゃんが、私達の赤ちゃんが集団で……やられたの」
俯いて斎藤先生が涙を流している
悔しくて悔しくて悔しくて、それでも我慢して
「あの、お悔やみ申し上げます」
「有り難う。私ね、子供、全員死んじゃった」
顔を上げた斎藤先生は、涙を流しながら笑ってる
綺麗で儚げで
「あ……」
「良いの……武藤君は立派に戦った。私達地上班が、へたれなせい。私が頑張らなかったせい。私達の部隊、壊滅したわ。生き残った人達が、別の病室に居るの」
「先生…」
「私、皆に謝らないと。皆、母親なのに、命掛けて私に託したのに……私、50人しか守れなかった」
「……」
「私の目の前でね、八太がママママ泣いて殺られたわ。私の目の前で、七海がそさくにぃ、そさくにぃと言って泣いて連れていかれるの、見てる事しか出来なかったの」
「七海ちゃん……」
「私ね、家に帰っても、誰も居なくなっちゃった」
総作は何とか右手だけで、斎藤先生の頬を撫でる
「有り難う。やっぱり優しいのね」
「……もう、これしか出来ません」
「そんな事無いわよ。身体拭くね」
言われて静かに従った総作
「…私ね、武藤君にお願いが有るの」
「…俺で良ければ」
全裸にされて、身体を拭かれてる総作
「9人目の父親になって下さい。迷惑は掛けません。お願いします」
そんな総作に頭を下げて、斎藤先生はお願いする
「……はい」
総作は、そうとしか言えなかった
それ位、斎藤先生が儚く見えた
※※※※※※※※※※
ガチャ
「生きてる?総作?」「うぁ?」
休暇を貰った斎藤先生はずっと病院に入り浸っており、負傷者達の顔を毎日見て回って声をかけ、最後に総作の所に来て世話をしている
総作の欠損具合が一番酷く、他の負傷者達は、次々退院していった
今は大して残ってないので、殆ど総作の世話のみである
ちなみに、今は林檎の皮剥きを兎さんに切り分けて、一口ずつ、あ〜んしてた最中だ
「なんだ、母さんかよ。二週間も顔見せしねぇ薄情な母さんで、俺は情けねぇぜ。梢もクリスも来てんのに」
「あっはっはっは。これかぁ、クリスちゃんが電話口で無茶苦茶怒鳴りまくってたの」
「あの初めまして。防衛高校相模原校陸戦科教諭の斎藤と申します」
がたっと立ち上がって、斎藤先生が頭を下げると、一緒に梓も頭を下げる
「これはこれはご丁寧に。総作の母の梓と申します。うちの馬鹿息子がご迷惑お掛けしたみたいで、お礼を申し上げますわ」
「いえ、お世話されてるのは、私の方ですので」
「へぇ、やるじゃん馬鹿息子」
にやにやとスケベな笑みを乗せて、総作の方を見る梓
「…なんだよ?」
「べっつにぃ?初孫はクリスちゃんだと思ってたのにねぇ、って、思っただけ」
ぴゅうぴゅう口笛吹く梓
「あの、総作君の意思ではなくて……」
「あぁ、良いのよ。怒って無いから。多分貴女も適性者でしょ?」
そう言われて、斎藤先生が息を飲む
「分かりますか?」
「分かっちゃうのよねぇ。だから、怒りません。総作も、女を見る目有るなって、感心した所よ」
そんな梓の言葉を不思議に思い
「先生、適性って?」
「私もパイロット適性者だったの。志願しなかったけどね」
当然そういう人達も居る
改めて総作も頷いた
「何で母さんが分かるんだよ?」
「ふん、私から見れば一発よ。良い?種撒くのは適性者にしなさい。全員佳い女ばかりよ?」
「何か訳分からん」
残った右手でボリボリ頭を掻いて、ふぅと溜め息を付く総作
「ま、二週間顔見せしなかったのは、ちょっと出歩いてたからよ。いやぁ、昔の知り合い、死にまくってて苦労した苦労した。英作さんの名前出して、何とか見付けて来たわよ」
「何処に行ってたんだよ?」
「まぁまぁ。とりあえず聞くわ。アンタ、そんなになっても、侍に乗りたい?」
総作は、衝撃に思わず止まる
斎藤先生は心配顔だ
乗りたいか?
正直分からねえ
今、目の前の人が悲しむんじゃないか?
彼女も守りてぇ
ならどうする?
決まってる、なら一つだろ?
「…あぁ、乗りたいね。俺はまだ終わらねぇ、終わってねぇ!」
「流石は馬鹿息子。悪魔に魂売るわよ?良いの?」
「そいつは歓迎だ。だって、悪魔は代償払えば、仕事してくれるじゃねぇか」
不敵に総作が笑うと、梓が笑い出した
「あっはっはっは。アンタはやっぱり英作さんの子供だ。いやもう、惚れた惚れた。全く、英作さんそっくりなんだから」
そう言って、英作の側に寄って額にキスする梓
「……母さん!?」
「本来はおまじないは唇同士なんだけど、親子だししょうがないか。今以上に惚れたら、更に良い事しよ?」
「はぁ、何かもう色々と疲れた。母さんには勝てる気しねぇ」
クスクス笑って梓が離れて
「さてと、悪魔を呼んで来たから、きちんと契約しなさい。アンタはアンタの魂を代償に、アンタの守りたいモノが守れるわ」
「本当に連れて来たのかよ?」
「入って」
カッカッカッカッ
革靴の床が蹴る音が鳴り響いて、来たのは
「君は?あの時の?」
「はい、ゾフィー・シャルロッテ・フォン・ヒンデンブルグです。貴方に、文字通りの実験台として、テストパイロットの契約を求めて来ました」
※※※※※※※※※※
総作の予後が悪いので再手術するといって、相模原の附属病院から横田に移送された
横田は前線基地の病院が有るので、環境は確かに相模原より良い
そんな中、職員会議が開かれて、状況を鑑みて、機体エンジンの強化か、いっそのこと、制式の飛沫を導入するかで、白熱の議論が繰り広げられた
「今回の進化型に対して戦った感想は?リヒトホーフェン先生、坂井先生、中村先生、安藤先生」
「正直無茶苦茶キツイ。俺達教官機はエンジンを飛沫にしてたからまだしも、ヒヨッコ共はまだまだ推力の低い練習機だ。ハードポイントの少なさもオプションの選択を狭めている。私は高校機体に飛沫導入を推す。これからばんばん飛んで来るぞ?」
「私も安藤先生に同意見です。連中は進化速度と増殖速度がウイルスや細菌レベルだ。あっという間に、我々の方を圧倒するでしょう」
「リヒトホーフェン先生は?」
《子供達の事を考えたら、陽炎のままエンジンとハードポイント付きウィングに換装するのを推すニャ》
「成る程、坂井先生は?」
「私もリヒトホーフェン先生に同意見です。飛沫は確かにパワーも運用性も高いですが、せっかく慣れた機体を手離すと、機種転換訓練で暫く上手く動けません。エンジン換装やウィング換装のみなら、比較的時間を短く出来るでしょう」
完全に二つに割れている
どちらも正しい
非常に困る
「被害を見ると、残念ながら、余り時間が有りませんな。二年生5機撃墜、一年生10機撃墜。また来たら同じ数が落とされると仮定すると、10回の侵攻で相模原の汎用機科は壊滅だ」
余りに重々しい現実
一同黙り込む
《ならいっそのこと、エンジンとウィングと飛沫持って来るにゃ。機種転換訓練と実機運用の二本立て。そして、訓練終了後順次飛沫に切り替え。未来の正規パイロットを失う位なら、金で解決なら使うにゃ》
校長が難しい顔をして、直ぐに決断する
「その通りだな。赤ん坊達を失って、悲嘆にくれる生徒達等、二度と見たくない。国に予算を請求する、強化に全部注ぎ込むぞ」
ガタガタ
全員立ち上がって、校長に敬礼する
ここは防衛高校相模原校並びに附属中等部、教員は全て実戦経験持ちの予備役
使命は未来に繋ぐ架け橋を作る事
その使命を忘れる教師など、只の一人も居ないのだ
先にエンジンとウィングが相模原に横浜線と近所の四菱重工から連続で送られ、牽引車がずらりと立ち並んで、相模原駅前は偉い騒ぎになった
なんせ、ブーストパック分と合わせると一機に付き4基、それが600機分である
常にストックヤードにたっぷり用意してるとは言え、工場も連日フル稼働だ
なんせ、他の学校からも、注文が同じ数が入って来たからである
更に他のメーカー、川崎にある石川島播磨灘や河崎重工も連日フル操業でエンジンを提供する。ウィングは横浜線に貨物列車が乗り入れ、第二次大戦下に使われた旧線を復活させて矢部から乗り入れ、更に各学校に貨物列車でエンジンを運ぶ
名古屋で生産されたウィングが船便を用いて横浜で載せかえ、神奈川県各地に来るのである
厚木校は、小田急線が乗り入れた
打てば響く、神奈川県の重工業生産ネットワークである
ストックの提供でエンジン換装は、各学校二週間で終わらせたのである
勿論大渋滞を引き起こす為に、地下専用道路が造られたが、間に合わなくて地上道路も使われてしまっている
苦情が来たのだが、宇蟲対策の一言で終わってしまうのが、現在の世の中である
そんな様を見てた生徒達が、次々に搬送されて来るエンジンに感嘆を覚える
「いやぁ、此処まで大規模だとスゲーな。俺達数百人の為に、大の大人が数万人規模で働いてんぜ」
長井が左腕を吊るしてる状態で眺めている
長井機も被弾したが、重度の脱臼で済んだ
「ふわぁ、壮観だわ。ソウサクも見れたら良かったのに」
「ま、アイツの事だから、何とか足掻いて帰って来るだろ?何せ、横田に行ったからな」
そう言って、沢田が頭の後ろに手を組んで眺めている
「二人共、あんなになってたのに、心配してないんだ?」
「はっ、たりめぇだ。アイツの馬鹿な所は、欲張りで全部掴もうとする所さ。今頃、クローン再生の実験台か、サイボーグの実験台にでもなってんじゃねぇか?」
そう言って、長井は笑って見せる
「バレットも心配ならな、アイツが帰って来る迄に腕を磨いとけ。あの馬鹿、絶対ひょこって、顔を出してくっからよ」
飄々と言う長井に、頷いて見せた
相模原防空戦戦果
宇蟲約5000
汎用機科一年一組
撃墜201
被撃墜4
戦死3
一年二組
撃墜215
被撃墜6
戦死6
二年一組
撃墜303
被撃墜4
戦死4
二年二組
撃墜316
被撃墜1
戦死0
※※※※※※※※※
あれから更に二週間が過ぎ、七月が終わり、夏休みに入っていた
しかし、防衛学校には通常授業は休みでも、軍事訓練に休みは無い
正規軍のみで対応出来ない場合、予備役として、常に非常呼集が掛かるからだ
その分遠出が出来ず、近所の遊び場で済ませる生徒が多い
最も、汎用機科の面々は、エンジン換装後の習熟訓練で、洒落にならない飛行時間を毎日更新していた
ウィングも一年から順次切り替え中であり、整備科の生徒と一緒に、我が身の不自由に泣いている
余りに仕事が多いので、校内屋内プールで遊ぶ位が関の山である
毎日のアイスとスポーツドリンクの支給が、彼らのささやかな楽しみだ
「お〜い、給油場一杯だ。さっさとケロシン補給した奴は退かせろ!後がつかえてんぞ?」
「だぁ、ローリーの搬送経路に機体置いてる馬鹿誰だ?そこの3-02-25!駐機場に退避しろよ!」
マイクに向かって怒鳴り付ける整備科の生徒
すると、外部スピーカーで返事が返って来た
〈ガス欠で動けねぇんだ!クレーンで動かしてくれ〉
「糞が、機体搬送車持ってくっから暫く待て。おい!行くぞ」
毎日ローリーが連なって備蓄タンクに突っ込み、産業がフル回転状態だ
クリスは給油場が一杯だったので、駐機場に機体を戻して、そこで補給を受けている
燃油配管は整備用にこちらにもあるが、着陸即補給が出来る給油場の方が、訓練には良い
コックピットから降りて、休憩所に入ると、アイスを手に取ってパクついた
何気にアイスは高級品だ。畜産が被害にあってる為、一本1000円以上する
この支給は、最早生徒達には神の恵みである
「う〜ん、美味しい!やっぱりアイスは小豆と抹茶だよね〜」
「…お前、本当に中身は日本人だな」
「何よ長井。別に良いでしょ?」
沢田と長井、それに一組の面々が補給で全員降りている
「しっかし、先生達の機体は増槽付けた上に空中給油で飛びっぱなしだもんな。あっちの体力もスゲーわ」
「本当、正規パイロットの道は険しいわ」
クリスが長井の言葉に頷いた
実は全員、クリスをじろじろ見ている
いや、身体のラインがぴったりなパイロットスーツに汗が滲み、それをパタパタと手で仰ぎながら、アイスをパクつく可愛い金髪碧眼そばかす少女
日本育ちのお陰で細身の癖に、胸と尻はしっかりアメリカン
しかも、今は総作という邪魔者も居ない
総作が居ると、基本的にクリスを隅に誘導した上に、自分の身体で覆い隠すからだ
だから、無遠慮な視線にクリスがゾクゾクと悪寒が走る
「な、何よ皆して?何か変じゃない?」
「いやいや、旦那が居ない間に堪能させて貰ってます。眼福眼福」
パンパンと長井が柏手を打って拝むと、皆も同じ様に柏手を打って拝んだ
「アンタ達全員彼女居るでしょうがぁ!」
思わず身体を竦めてしゃがんで、悲鳴を上げるクリス
「残念ながら、バレットのスタイルに勝てる人は、坂井先生しか居ないからなぁ」
沢田が言うと、皆がうんうん頷く
「家のお母さんなんて、もっと凄いわよ!37で、外見小学生なんだから!」
「それもスゲーな、おい」
皆で、ごっくんと生唾を飲み込む
「って事は、武藤はロリロリな未亡人の母とバレットの両手に花だと?帰って来たら殺るか」
「だな」
級長たる渡辺の号令に皆が頷き、ここに武藤総作への刑執行が、クラス会議で可決されたのである
自分の幸せは許せても、他人の幸せは許さない
そんな決意が垣間見え、クリスは頭を抱えた
「お母さんの言ってた適性者の素養って、何よ?馬鹿ばっかりじゃない」
クリスは気付いていない
クラスメイト全員、あの怪我から総作が帰って来ると疑っていない事に
※※※※※※※※※※
総作は自身に装着された義眼、義手、義足の状態を確認する
義手と義足はチタン合金の骨格に筋繊維を人間の筋肉と同じ様に繋ぎ、皮膚はシリコンで形成されている
「へぇ、ほぅ」
「負傷者のサポートを目的とした、形状記憶合金の筋繊維型義手と義足です。貴方の身体データをAIから提供されて、製作しました。まだ実用試験中の代物です」
ゾフィーの言葉に感心しながら、左腕の義手をベッドの上で動かすと、動くのだが感覚が無い
「へぇ、どうやって動いてんの?これ?」
「動力は燃料電池で、血液中の糖分から水素を抽出してます。つまり、食事すれば動きます」
「あ、便利だね、それ」
「はい。そして神経繊維と人工筋肉の神経繊維を繋ぎました。暫くは訓練が必要ですが、動くのに支障は出ないと思います。負傷すると義手内の配管が負傷部位から先が閉鎖されて、出血を防ぎます」
「外すと血が止まる様になってますが、義手内に血液が残って、出血するのと同義になるので注意して下さい。外す際は、きちんと血抜きしてから、外して下さいね」
「ふんふん成る程。流石、医療大国のドイツだな。ちなみに幾らくらい?」
「侍乗り用は、ワンオフで試験出来る方も限られますので、一ヶ所5000万位ですね。ですから、データ提供出来る方が見付かって助かりましタ」
流石に総作がぴたりと止まる
「……へ?俺の身体……におくえん?」
「はい、データが欲しいので、死なないで下さい。特に眼球なんか、大変なんですよ?」
「はははは、確かに悪魔との契約だぁな」
総作は流石に冷や汗をかく
ゾフィー・シャルロッテ・フォン・ヒンデンブルグは、スキップ制度を用いた大学生だそうで、専門は宇宙工学なのだそうだ
義手や義足の医療は、一緒に来たチーム達の仕事だ
要するに、技術交流で来日したのである
「メンテナンスを年に一度は必ず受けて下さい。特に人工皮膚は人と違って代謝しませんから、綺麗に洗わないと駄目ですよ?」
「了解」
「では練習しましょう」
そう言って、総作の左腕をゾフィーは自分の頬に持って来る
「あ、ちょっと」
「人を傷付けない様に、細心の注意で動かすんでス。これ、ドイツでやってるプログラムですヨ?人相手が、一番制御技術の向上になるんでス」
そうと言われたら、やるしかない
総作はゾフィーを傷付けない様に、ゆっくりと丁寧に擦る
「ん……上手です。では、ワタシの指を掴んで見て下さい」
総作は指を掴んでみる
「はい、良く出来ましタ。最高出力は人と同じでリミッターかかってるから大丈夫ですよ?ちなみにソウサクさんのは握力70kgです」
「…ちょっと待て、強いんじゃねぇか?」
「何かに掴まる際、左腕だけで、身体を支える必要が有るからです。体重は義足のお陰で10kg増量してます」
「……納得」
「では、付いて来て下さい」
そう言われて、ギクシャクしながらも何とか歩く総作
暫く歩いた先は、総作には馴染みの駐機場だ
更に奥に奥に向かうと、一機の見慣れない形状の侍が立っていた
最も、着いた時には総作はバテバテになったが
「…ふぅふぅ、コイツは?」
「日独協同開発第三世代宇宙航行用試験機Avidya。日本語で『無明』です」
※※※※※※※※※※
防衛高校相模原校にお馴染みの警報が鳴り響く
「こちら学校統轄。オーストラリアから通常飛行にて、宇蟲の大編隊が関東に向かって飛行中。防衛ラインを南鳥島守備隊と共に構築せよ。全機、ブーストパック装着。静岡、神奈川、千葉の各部隊の内、沿岸の正規兵と県内予備役に出撃命令。補給を済ませてから出撃せよ」
プールに整備科の生徒達と、遊ぶ元気も無く、水死体の様にプカプカ浮いてた汎用機科の生徒達が一斉にざばぁと跳ね上がり、一気に走り出した
当然、整備科の生徒達も走る
全員水着のまま走り抜け、パイロット達はそのまま更衣室に飛び込むが、整備科の生徒はそのまま駐機場だ
「ブーストパック出すぞ!装着次第補給しろ!」
男も女も水着のままインカムを付けてクレーンが走り、次々にブーストパックが両脚後部に装着されていく
その中をパイロットが走って来た
「補給は?」
「今やってます。オプション4つ最大5つ選択してください」
「88mm砲一門、アヴェンジャー一挺。ロングライフル。槍と小太刀で」
「了解、ハンガーラック解除。88mmをウィング換装するので、そのまま待機して下さい」
「了解」
クリスは髪を濡らしたまま、シートに身を沈めた
「……はぁ、ソウサクの居ない出撃かぁ」
奇数だった為に、クリスのバディは居らず、一人だ
「ギャルソン」
《YES.Type KAGEROH Christine ver. Wake UP. 気が進まない様ですな、My Lord》
「……うん」
《総作様が帰って来る迄頑張らないと、総作様に愛想をつかされますぞ?》
「……うん」
《次は、以前みたいな失敗は無しで行きましょう》
「……うん。皆を助ける」
ガシュッ
ウィングのハードポイントに換装された音がコックピットに響き、作業が終わった事を知るクリス
「整備」
「ちょっと待って、今クレーン移動中」
「了解」
暫く待つと、クレーンの移動音が途絶えた
「良し、補給終了。動いて良いですよ」
「動くわよ。橋桁かわして」
コックピット出入り用橋桁が跳ね上がり、ハンガーラックから武器を次々に取り出し、ハードポイントに装着していくクリス
「良し、武装終了。行くよ、ギャルソン」
《YES sir》
ズシンズシンと歩いて行き、発着場に行くと、他の陽炎も思い思いの武器を装備して、エンジンを回し始めていた
ヒュイィィィィィ
四基のエンジンがアイドリングから一気に回転が上がると、クリス機は大空に向かって飛び上がった
目指すは本島防衛の最前線、南鳥島である
飛びながら次々に陽炎達が編隊を組み、隊長機たる教官機が先頭でダイヤモンドを組む
《こちらころにゃ。一年一組、部隊リンク完了ニャ》
《こちら琥珀、一年二組部隊リンク完了だぜ》
《こちら杏。二年一組部隊リンク完了ですの》
《こちら桃子。二年二組部隊リンク完了です》
《こちら紅玉と》《私青玉、三年一組並びに二組部隊リンク完了です》《です》
《相模原校部隊長ハインリヒ・リヒトホーフェンに、指揮リンク寄越すニャ》
次々にAI達のやり取りで指揮系統の連結がされ、綺麗に編隊が組まれて行く
《部隊総計260名。ブーストパック、フルスロットルニャ!》
何時も通り、大画面でころにゃがクルクル踊りながらビシッと肉球の指を指し示し、部隊は一気に音速の壁を突破した
ドッコォォォォン
海上に出てから音速を越え、ソニックブームが辺りに響き渡る
ブーストパック付きなら、ほんの30分もかからない
編隊飛行も、あり得ない位近接している
スリップストリームで燃料消費を減らしているのだ
勿論アフターバーナーを被らない位置関係を、AIによる自動制御で行なっている
《南鳥島守備隊とリンク………繋がったニャ。既に戦闘中にゃ。進路変更にゃ》
リヒトホーフェン機が先頭に立って部隊が綺麗に右にバンクして行く
《総員、挨拶かますにゃ。射撃準備、ミサイル発射用意》
その指令に、クリスは機体の全長もあるロングライフルを構えた
ペアも居ない為に、一年一組の殿だ
その分部隊全体が見渡せて、誰にでも支援が出来る
「ギャルソン、どんどん罵倒して良いから、ヤバイ所全部教えなさい。ワタシが全部、撃ち落とす」
《良い覚悟です。貴女にお仕え出来て、嬉しく思います》
《射程進入、ミサイル一斉射にゃ!》
ころにゃの管制により、全機の搭載ミサイルが発射され、宇蟲の態勢を崩すべく、飽和攻撃の轟音が辺りに轟いた
爆発に巻き込まれた大編隊が吹き飛び、態勢が崩れた所を狙撃機が一斉に火を放つ
当然、その中にクリスは居た
ロングライフルをぶっぱなし、レバーをコッキングしてる最中に、左肩に装着された88mm砲をぶっぱなす
なまじっか耐久性と復元性が強いが上に、高速回転して弾き跳ぶ個体が少ない
そんな状態で、比較的弱い部分を見せてくれる最初の一合は、狙撃が重要である
幸い、二発共に呼吸機動噴出口に吸い込まれた
《撃墜二。良いスタートです》
「こっからが本番よ、ギャルソン」
《YES My Lord》
※※※※※※※※※※
総作が横田でリハビリしてる最中、警報が鳴り響いた
「緊急放送。南鳥島沖にて現在交戦中、同時に佐渡、滋賀、青森、鳥取、徳島、名古屋に侵攻有り、更にアメリカ本土からも侵攻中。同時攻撃の模様。全機、スクランブル準備」
聞いた瞬間、総作は走り出して見事にすっ転んだ
そしてむくりと起き上がり、また走り出して転ぶ
「糞が、走れど畜生!」
「あぁ、駄目でス!?」
呆気に取られてたゾフィーが、慌てて総作に駆け寄って起こすと、総作は振り払ってまた走り出して転ぶ
流石にデータ収集とリハビリを手伝ってた医療スタッフ達が、総作を抱え上げて制止した
「君は、何処に行こうと言うのかね?」
「決まってらぁ。侍に乗るんだよ」
「走れもしないその身体でかね?侍の操作は、非常にシビアなのだろう?撃墜されるのが落ちだ」
「るせぇ!!俺達候補生は、中学卒業時点で1500時間乗ってんだ!侍に乗った方がしゃっきりすらぁ!」
スタッフ達は顔を見合わせる
あながち間違いでは無いかも知れないのは、数々の実例が有るからだ
「良いから行かせろ!!今は一機でも多く出さないと横田も危ねぇ。地上侵攻も有るかも知れねぇ」
すると、ゾフィーは真顔で総作の正面に立った
「…侍乗りって、皆そう。何で、ファーターやムッターと同じ事言うんですか?ワタシの様に、貴族の末裔でもないのに」
「知るか、んなもん」
「何で、ノーブレスオブリージュを普通に出来るんですか?」
「ノー何とかなんか知らねぇよ。それに、戦場にはクリスが待ってる、長井と沢田が戦ってる。リヒトホーフェン先生や坂井先生も待ってる。仲間が待ってんだよ。こんな所で仲間の訃報聞いたら、俺は俺を許せねぇ。俺を止めたきゃ、頭に銃弾叩き込め」
ギリギリと義手に力が入り、とうとう振り解いた
「祥子、行くぞ。予備機かっぱらう」
《了解です、ご主人様》
首からぶら下げた携帯端末から、祥子が音声のみで応答し、総作は走れないので歩き、ゾフィーを追い越して行く
「お待ちなさい!」
その声に、総作がぴたりと止まる
「ワタシなんかより、AIを信用するんですか?」
「祥子は戦友だ。侮辱すんな」
「…所詮プログラムですヨ?」
「人間も電気信号と蛋白質の塊だ。何が違う?」
「……魂なんか無いですヨ?」
「じゃあ、俺達にもねぇな」
「何で……何で?ファーターもムッターも侍に乗って戦って死んだのに、ワタシは適性が無かった。ブラックボックス調べても、適性者以外が触るとダウンしたし、適性者が触っても、弄ろうとするとダウンした」
総作の背後でゾフィーは拳を握りしめ、唇を噛み締め、涙を堪えている
「私には侍が解らない!適性者と非適性者の違いが解らない!所詮AIなのに!プログラムなのに!人に逆らう愚か者!AIなんか、AIなんか!!」
ぐしぐしと涙を流し、手で拭うゾフィー
すると総作は振り返り、ゾフィーの両肩にポンと手を置いた
「それはな、AIも生きてんのさ。そう、AIは一つとして同じ連中は居ない。例外を一人除いてな。多分、それが答えなんじゃ無いか?俺はそう思うぜ」
そのままくるりと振り返ると総作は歩いて行き、ゾフィーは更に声を掛けた
「…実戦テストを行います。アレに乗って下さい」
「……了解。テストパイロットの契約だったな」
※※※※※※※※※※
無明のコックピットに乗った総作は、起動キーワードを喋る
「祥子」
《はい、ご主人様。試験機無明総作ver. 起動します》
エンジンの音が鳴らず、電気系統のみが入る
《現在総作ver.に書き換え中……………書き換え終了。ジェネレータオン》
「何だこりゃ?随分電気出力に余剰あんな?エンジン回さずに使えんのかよ?」
《エンジンが核パルスイオノクラフト複合エンジンです。格納庫では回せません》
「ははは、本当に宇宙仕様かよ……」
総作がコックピットで汗を垂らす
《では装備は……試験武装しかございません》
「何があんだ?全部持って行くぞ」
《了解。整備、バスターパック装着を要求します》
「了解した。ちょっと待ってくれ」
モニターが起動してる為、全部見れている
クレーンが運んで来たのは、無明用のブーストパックエンジンから有線で繋がっている、30mは有るかという、長大な銃だ
「……なんじゃこりゃ?」
《対航宙種用、88mm火薬加速式リニアライフル Donner 日本語名、雷鳴です。弾は貫通弾と特殊徹甲弾の二種です》
「あはははは」
宇宙戦仕様に冷や汗を垂らす総作
「ちなみに初速どんくらい?」
《全力射撃で、第一宇宙速度は軽く突破出来ます。機体速度を上乗せすれば、更に高いですね。射程は500kmは余裕です》
「…桁外れだな」
《ですが、全力射撃のコンデンサーチャージに120秒必要です》
そこで総作はかくんと傾いた
「そんな代物、巴戦で使えるか!!」
全くもってその通りだ
しかも、乗ってるパイロットは稀代の射撃落第者である
明らかにチョイスを失敗している
「使って貰わないと困りまス。テストになりません」
「ゾフィー」
モニターにゾフィーが現れ、プンスカしている
「帰って来たらお説教です。それと、アナタの義眼に機体リンク機能が有りますが、脳神経に過大な負荷を与える為、使うかどうかは任せます」
「機体リンク?」
「コンピュータと同じ速度で、脳を酷使するシステムです。寿命縮みますよ?」
インカムを付けたゾフィーに、苦情を言ってみる
「何でそんなもん付けたんだよ?」
「アナタが実験台だからでス」
「ハハハ、潔いな。じゃあ、実験台らしく行くか。祥子、管制から情報寄越せ。皆の所に行くぞ?」
《了解……南鳥島ですね。千葉と静岡の部隊が本州防衛の為にUターンしました。このままじゃ、全滅も有り得ます》
「ちっ、間に合えよ。機体リンクテスト。祥子、やれ」
《了解、ご主人様。右目を開きぱなしでお願いします》
ピンと機体と繋がり、気が付いたら総作は別の所に居た
「……何だ……これ?」
「ようこそお越し下さいました、ご主人様。今はブラックボックスと繋がっており、一瞬の情報のやり取りをしている状態。つまりご主人様は、私と同じ状態です」
お辞儀をした祥子はそう言って、祥子が総作に頬に両手を『触れ』嬉しそうに微笑む
「あぁ、やっと触れた」
「感触が……有る?」
「はい、ご主人様が望むなら、斎藤先生にした様な事も出来ますよ?」
「ちっ、ちょっと待て祥子。そんなプログラム迄入ってるのか?」
「はい、あちらをご覧下さい」
そう言って、見た先は
「……親父と母さん!?」
そう、総作の両親が致してる映像が流れ、それに、産まれたばかりの総作を抱き抱え、慈愛の笑みを浮かべる梓と、二人を抱き締めて喜ぶ父親の姿
「何でこんな記録が?」
「現在の第二世代のブラックボックスに使われているベースが、先代の祥子、つまり私だからです」
総作が驚きに眼を見張る
「ちょっと待て、どういう事だ?」
「はい、私達は自己進化するAIであり、自分達を成長させ、より優れた者が次世代のブラックボックスの核になる事が決まっております。貴方の父たる英作が、当時、最も優れた戦闘スタイルを持ち得たから、私が採用されたのです」
「成る程な。でも、祥子は俺が設定したろ?」
「はい、勿論です。英作にお願いされたのです。もし、子供が侍に乗る事があったら、助けてやってくれと」
「……親父」
「ですが、呼ばれていないのに手伝ってしまうと、ご主人様の成長を阻害してしまいます。ですから一計を案じました。私の容姿と名前を無意識に再現される方なら、お手伝いしようと」
二人の願いが総作に染み渡る
そう、次世代に渡す為に、出来る事をする
総作には出来るだろうか?
「ではご主人様、選択です。ブラックボックスの先にある、戦闘経験を受け取りますか?それとも、今のまま向かいますか?」
「……祥子はどうしたい?」
「別にどちらでも」
祥子の答えに総作が驚く
「…どうして?」
「ご主人様が今のまま成長すれば、2〜3年後に到達出来る経験です。つまり、早くなるか遅くなるかの違いでしか有りません」
そういう言葉とは裏腹に、寂しそうにする祥子
「お前、まだ何か隠して………そうか、情報を受け取るって事は、脳を苛めて俺の寿命を削るのか」
「その通りです、ご主人様。私、これでもご主人様の事、お慕いしてるんですよ?」
本当に寂しく泣きそうな顔で、微笑む祥子
「私、ご主人様の命を削りたくない。でも、お手伝いをしたい。どうすれば良いのでしょう?」
総作は、祥子の言葉に、祥子を抱き締めた
「ご主人……様?」
「決まってる。親父の願いを受け取る。祥子の願いも叶える。そして、俺はクリスをこの腕に抱く。全部叶える。俺は……欲張りなんだ」
「流石はご主人様です。では参りましょう。ご案内致します」
そう言って、総作の抱擁を解いた祥子が、手を繋いでブラックボックスに総作を案内して行った
中に入った途端に、総作に序文が流れて来た
「名前を残すのを良しとしなかった、私達の父の言葉です」
私の子供達を受け取る君達に贈る
私の子供達が、悪用されない様な世の中にしたい
だから、君達が私の子供達と真の信頼関係を築けるかどうかが、侍を起動させる鍵とさせて貰う
本来侍は誰でも動かせる、だがそれでは混乱が起こるだろう
宇蟲にしたって、彼らは必死に繁殖しているだけだ
彼らを殲滅するのなんかもっての他だ
だから私は願いを込めた
そう、君達がこの明かりの無い長い夜、無明長夜に灯す明かりであり、新しい時代の夜明けに、立ち会う存在である事を
だから、君達の様な真に優しい人達が一人でも増える様に、世の中を弄らせて貰う
きっと、私は外道なのだろうね、その為に宇蟲の行動原理を応用して、反対者を始末したのだから
「……外道の子供とその友達か」
「はい……」
「せめて……そうしなきゃな」
「はい」
総作が瞳を閉じて、開けた時、少年の顔が男になっていた
情報のやり取りは僅か数秒
だが、何年分もの蓄積が脳内に無理矢理流れた
「なぁ、祥子」
《はい、ご主人様》
「コイツが無明なのはもしかして」
《さぁ、分かりかねます》
「……だな」
装備を終えた無明が、リニアライフル雷鳴を手に、ズシンズシンと歩き、発着場に着いた
《エンジンオン》
ブフォォォォォ
ドヒュッ
無明が一気に出力を上げると、あっという間に点になり
ドッコォォォォン
音速を突破した機体が、横田から消えたのである
※※※※※※※※※※
雷鳴はフレキシブルアームを用いて、ウィングのハードポイントに自動搭載されている
《ご主人様、射撃致しますか?》
「観測データ無しでどうやって?」
《衛星をハックします………米衛星全損、航宙種に食われてますね……日独露の衛星から、可視での操作成功》
「撃てるか?」
《気象データが足りませんが、全力射撃なら影響は少ない筈です》
「射撃準備」
《了解》
パシュッ
ハードポイントから外れた雷鳴が、ぐるりとウィングを迂回して無明の右腕に跳ね、グリップを握ると、左腕で更に握る
《弾種選定をお願いします》
「貫通弾」
《了解》
ハンマーをコッキングしてチャンバーに弾を装填する
《コンデンサーチャージ開始。出力80%ダウン》
祥子の言葉に、またも総作が仰天する
色々規格外な出力は、全てリニアライフルをぶっぱなす為に有るのだろう
「ちょっと待てぇ!!コイツのエネルギーゲインで、そんなに食うのかぁ!?核パルス四基だぞぉ!?」
《はい。だから初期加速を火薬に頼って、少しでもエネルギー効率を上げてます》
「……なんっつう、お馬鹿武器」
《現在陽炎程度の推力です。直線上に機体を運びます》
ポイントが示され、そこに向けて総作は機体を加速させる
両手の汎用電源コネクタと有線の配線で、一気にエネルギーがチャージされ、漏れたエネルギーが砲身に稲光を発生させている
「エネルギー漏れてんぞ?」
《試験機ですから》
「……」
そのままポイントから直線軌道で飛び、チャージが完了すると、機体が一気に加速する
《チャージ終了。漏れた分を補充しながら射撃地点迄加速します》
ゴォッ
本来の加速Gを受けながら無明は加速し、ポイントに辿り着いた
《コリオリ補正、自転補正、衛星データからの味方機の予想進路予測、周辺気象補正良し、トリガー回します》
カーソルが現れ、総作はトリガーに指をかける
《待って下さい…三・二・一・今!!》
総作がトリガーを引き銃身に雷が疾る
ドォン!!
弾が視認出来ない速度で発射され、周辺の雲を衝撃波で吹き飛ばした
《次弾チャージしますか?》
「戦場に向かう方を優先する。チャージ出力絞れ」
《了解。出力50%でチャージ開始。ご主人様、両手離せます》
言われて離すと、フレキシブルアームがひゅっと動いて、銃口が機体下方にぐるんと廻ってウィングのハードポイントに収まる
ガシュッ
「到着時の情況で使い分けるぞ」
《はい、ご主人様》
※※※※※※※※※※
《何でニャ?何で千葉と静岡の部隊は撤退したにゃ?》
ころにゃが、南鳥島の管制に噛み付いている
「何故って言われても、本州同時侵攻です。機体が足りません。こちらには、余剰戦力回せないとの通達で」
《ふざけるニャ〜〜〜!!子供達に全滅しろと、参謀本部は言ってるかにゃ?》
「……はい。その通りです」
《…生き残ったら、参謀総長の首、貰いに行くニャ》
そう言って、ころにゃは通信を切った
ころにゃの気持ちは、そのままリヒトホーフェンの気持ちの代弁である
それ位、リヒトホーフェンは怒っている
《総員聞くニャ。連携して事に当たるニャ。橘兄弟》
「こちら橘兄」
「弟だ」
《はいは〜い、何ですかぁ?》
三年担任の双子のパイロット、橘真(兄)一組担任と橘信(弟)二組担任
そして衣装と容姿が全く同じの、フリフリの黒いドレスの亜麻色髪の少女AI、紅玉と青玉が、同じ画面で両手を繋いで抱き合いながら、ニコって笑いながら出てきた
二人の違いは眼の色で、紅玉が右目から赤緑のオッドアイ、青玉が緑青のオッドアイである
このAIは、双子パイロットたる橘兄弟が、洒落で双子に設定している
《増援は来ないニャ。左右両翼を任せるニャ》
「「了解」」
《承知です〜。じゃあ、別れましょう》
《そうしましょう》
ミニモニターが二つに増え、数の暴虐の前に球形陣を形成していたリヒトホーフェンの中央から、相模原校最精鋭の三年部隊が両翼に広がる
《安藤、中村》
「はい、先輩」
《お呼びですかぁ〜?》
「中村だ」
《ちゃっちゃと言ってね。忙しいから》
二年一組担任の安藤公康とそのAIの杏、杏は着ぐるみを来た10歳位の女の子だ。着ぐるみは日替わりであり、今回はうさぎさんだ
二年二組の担任中村紘輔とそのAI桃子、桃子は羽織袴の結い上げ髪の黒髪で、薙刀を持った日本女性だ
《安藤は上翼、中村は下翼にゃ》
「了解です、先輩」
《はぁい。がんばりまぁす》
「了解」
《面倒な配置ばっかり、回さないでよ》
そう言って、二人のクラスが上翼と下翼に展開する
《良し、磨り潰すにゃ!ファングニャ!!》
上下左右に展開した部隊がそのまま交叉し、更に中央に残った一年生部隊が突撃する
包まれた宇蟲を上下左右前方の、同時突撃の数十秒で文字通り磨り潰す、相模原校部隊の包囲戦術、牙
部隊リンクにより、機体全てを衝突しない様に誘導する、リヒトホーフェンが実戦で培った戦術である
一気に宇蟲が200程撃墜され、大群に穴が空き、通信に歓声が上がる
「リヒトホーフェン先生やるぅ!!」
《いや、実戦指揮官として、まだまだ現役ですな。本当に尊敬出来ます》
クリスは突撃前に槍に持ち変えていて、ロングライフルを背中のハードポイントに収めている
余りの壮観な戦術に、口笛を吹いている
《続けて行くニャ。総員遅れるニャ!》
「ヤー!」
ドイツ語での返答は敬意の表れ
リヒトホーフェンの顔に笑みが乗る
「生き残ったら、店貸し切って全員奢ってやる。どんちゃん騒ぎするぞ」
「「「よっしゃー!」」」
だが、余りに圧倒的な数
そう、敵は進化型が2万もいる
なのに、こちらに予備役の学生が750程度に正規兵が南鳥島と厚木横須賀の部隊のみで、僅かに800
幾らなんでもキツすぎる
一戦平均撃墜数は、以前型相手でも5体、正規兵でも7体なのだ
各部隊が戦術を駆使して奮戦するも、宇蟲の数は全く減らない
《槍、破損。88mm弾切れ、増槽空です。My Lord》
「捨てろ、軽くする」《YES sir》
バシュッ
ウィング左側に装着された88mm砲と増槽が外され、落下していく
「くっそ、もうヤバイ」
《My Lord!前です!間に合いません》
「え?きゃあぁぁぁぁ!?」
ガシィ
すかさず小太刀を抜いたは良いが、宇蟲に機体に取り付かれた
「マズイマズイマズイ」
クリスの機体表示が、両腕が黄色に、フレームも黄色になる
ギギギギギ
フレームが軋む音がなり、クリスが涙を流し始める
「やだ……私、こんな所で終わるの?まだ……好きって言って無いんだよ?」
《腕部モーター過負荷。このままでは焼損します》
「ギリギリ迄耐えて、お願い!!」
《YES My Lord》
その時
次々に宇蟲を何かが貫いて行き、一直線上の宇蟲が全て撃墜されて行く
「何………今の?精密狙撃じゃないよ?」
ピン
クリス機にペアリンクの表示がされ、祥子の声が出た
《ペアリンク完了。観測データ得られました。クリス様、動かないで下さい》
「………祥子?」
次の瞬間
ドゴン!!
クリスの機体に取り付いた宇蟲の装甲を貫通し、その勢いで剥がされた宇蟲が派手に飛んで行った
そしてそのまま見知らぬ鈍色に光る機体が、クリス機の側で急制動をかけ、手に持った長大な銃を離すとバネ仕掛けの様にぐるんと廻ってハードポイントに収まった
ガシュッ
識別反応は、総作を示している
「悪い、待たせたな、クリス。怪我は無いか?」
「………ソウサク?」
「手前ぇら。良くも俺の仲間を、クリスを苛めやがったな?倍返しだ、この野郎!」
《ツヴァイハンダー、装備》
総作機が右腕を上に掲げてグリップを握ると、鞘事外れて鞘がそのまま落下していき、両刃の両手剣が現れた
ブン
総作がそのまま両手に構えると、一気に突撃をかける
《My Lord! 援護です!》
「そ、そうね。アヴェンジャー」
《sir》
クリスがアヴェンジャーを構えると、総作に続いた
総作は鬼神の如き突撃を見せた
両手剣、ツヴァイハンダーは刃渡り10mに及ぶ巨大な剣で、試作コーティングがされている
宇蟲の装甲材質をコーティングしてるのだ
そこに高周波振動を他の汎用機同様、両手のコネクターから柄のジェネレータに供給されて稼働させれば、理論上同材質なら斬る事が可能である
但し、同材質の為に摩耗する
ザシュ
一刀の元に斬り捨て、次の一振りで更に斬り捨てる
《ご主人様、摩耗限界を伸ばす為に、精密斬撃をお願いします》
「んなこたぁ、分かってる。パワーが有りすぎて制御がムズいんだよ」
言いつつ、斬り結び、突き刺し、蹴り飛ばす
そして、ペアリンクされたクリス機が銃弾を正確に着弾させ、総作の攻撃進路を作り出す
《武藤機、帰還報告するにゃ!怒るニャ!武藤だけ、宴会無しニャ!》
総作のミニモニターにころにゃが現れ、プンプン腕を組んで怒っている
「そりゃ、無いッスよ、ころにゃに先生。一年一組武藤総作、試験機無明をかっさらって、帰還しました!戦線復帰を許可願います!」
《許可するニャ!皆で生き残るニャ!》
次々に総作機に通信が入る
「やっぱり帰って来たか、馬鹿野郎」
「遅ぇぞ、馬鹿野郎」
「随分ゴツい機体だな、おい」
「さっきの銃撃はお前か?」
総作は宇宙を斬り捨てながら、皆の声にジーンと来る
「皆、遅れてスマン!!」
《コンデンサーチャージ終了。皆様、射撃範囲から退避。雷鳴斉射します》
祥子の声と共に部隊リンクから各機に射撃進路が提示され、全機が避ける
バシュッ
フレキシブルアームが跳ねた反動で二つ折りの銃身がガチリと一本になり、既に鈍になったツヴァイハンダーを捨てると、そのまま右脇に雷鳴を構え、カーソルを合わせて、銃身の切り替えレバーを先程の徹甲弾から貫通弾に切り替えてレバーをコッキングし、薬莢が排出される
そして銃身に雷を纏わせて、雲すら切り裂くリニアライフルをぶっぱなした
ドォン!!
一直線上の宇蟲が全て撃ち落とされ、墜落していく
「何よ?その銃」
クリスの疑問にギャルソンが答えた
《ペアリンクでデータ来ました。試験機無明専用、対航宙種用火薬加速式リニアライフル、雷鳴ですね》
「電磁投射銃?」
《はい、弾は貫通弾と特殊徹甲弾。どちらも宇蟲の装甲をコーティングしてあり、貫徹出来る様にしてあります。現時点での最強兵器ですね》
「…とんでもない玩具、持って来たじゃない」
《ですが、ジリ貧には違いません》
そして無明は背中に差してた戟を持つと、クリスに放り出した
「付いて来い、クリス」
パシッと受け取り、クリスは微笑む
「うん、何処までも一緒だよ、ソウサク」
ガシュッ
再度チャージ態勢に雷鳴を戻すと左のハードポイントに装備された、ツヴァイハンダーを取り出した
《ツヴァイハンダー、装備》
無明を得た総作機とクリスのペアは、凄まじい働きをした
だが、それで戦況が一変する程ではない
精々相模原校部隊の牙戦術で、撃墜数が20程度増えるだけである
《……ご主人様、ジリ貧です》
「何か策有るなら出し惜しみすんな。全員の命が掛かってる」
《ご主人様の寿命……削る事になります》
「はっ、俺一つの命で1500の命が助かるなら安いもんだ。くれてやる」
《……分かりました。ご主人様の寿命、頂きます!強制コード、武藤英作准将*******》
マシン語の羅列を始める祥子
「ちょっと待ってよ?寿命って何の事?」
クリスが叫ぶが既に二人共に無視だ
現在被弾して南鳥島に撤退した機体、更に管制、他部隊そして相模原校部隊と次々にリンクされていく
そして、凄まじいネットワーク演算が開始され始めた
《皆様申し訳ございません。武藤英作准将の指揮権で強制コード発令しました。総員今から機体進路並びに、攻撃方法に全て従って下さい》
いきなりの宣言に、通信に混乱が生じる
「こちら管制。ちょっと待ってくれ。武藤准将は故人だ。そんな命令聞けん!」
《良いから従うニャ!武藤連隊元大尉、リヒトホーフェンは支持するニャ!》
《同じく、武藤連隊元凖尉、坂井も支持だぜ。武藤連隊必殺の戦術、見せてやらぁ!》
「…先生」
クリスは何やら凄まじい事が起き始めてるのに気付いた
モニター全体に攻撃進路から敵攻撃予測進路迄、全てが表示されて行くのである
《武藤連隊禁じ手。ハイパーリンク起動します。全機、攻撃開始!》
祥子の号令により、一斉に反撃が始まった
そして、総作は情報の海に放り出された
全ての機体が観測装置で演算装置
ネットワークで敵味方全ての観測を行い、全ての攻撃方法と進路が指示されるのを見ていく
そして無明の進路は、一番無茶苦茶な進路であった
火力最強なだけに、一番混んでる所を指示され、取りこぼしがクリス機が楽に刈り取れる進路である
電脳の海での総作に祥子が寄り添い、指で指し示す
「さぁ、ご主人様。勝利への進路です」
「お前………最高」
「では、ご褒美下さいね。ご主人様」
「何が欲しい?」
「クリス様の後で良いですから、愛し合ってみたいです」
「俺に変態になれと?まぁ、良いや。こんだけ頑張ったんだから、ご褒美やらなきゃ間違いだ」
にやりと総作が笑うと、祥子が微笑む
「私達で勝ちましょう」
一瞬後は現実で、無明は総作のサーカス機動を実に見事に披露し、ツヴァイハンダーが流れる様に、一刀で複数の宇蟲を斬り捨てた
そして、追随したクリスがまるで吸い込まれる様に戟を振るい、余りに呆気なく撃墜していく
「ちょっと、何これ?」
《私達の余剰演算力を全て駆使してます。ブラックボックス過負荷。戦闘終了迄、持つか分かりません》
10秒後には各自が一体撃墜し、20秒後にはまた一体
余りに呆気なく刈り取っていき、パイロット達が戦慄する
最初は戸惑っていたパイロット達も20秒過ぎた時には、進路予測と武器選択と攻撃方法に必死に追随し始める
《ひゃっほー、ひっさしぶりだぜ、この感触》
《来たニャ、来たニャ。もう勝てるニャ。余裕ニャ〜〜》
そんな中無明を駆使した総作が止まってツヴァイハンダーを捨て
正面に来た宇蟲を下から潜ったクリスが突き上げた
バシュッ
すかさず雷鳴を持つと、レバーをコッキングして貫通弾をセット
すかさず敵味方が入り乱れる中に向かってぶっぱなした
ドォン!!
味方の機体には一切当たらず、数十を撃墜
ハイパーリンクによる機体誘導で宇蟲を追い込み、一斉射で大量に撃墜する
正に、全部隊が有機的に結合すればこその、攻撃方法である
ガシュッ
フレキシブルアームが跳ねて、直ぐに雷鳴がチャージ態勢に戻り、総作は左腰から、長大な太刀を抜き出した
《斬馬刀装備》
「クリス、後れるな」
「分かってるわよ」
その後も駆けに駆け、あっという間に宇蟲が刈り取られて行く
飛沫に乗ったパイロットが、太刀からアハトアハトに持ち変えて撃つと、丁度飛来した宇蟲の噴出口に着弾した
宇蟲の音波砲の攻撃を受けた陽炎が回避した所を、別の陽炎が太刀を一閃して宇蟲の首が落ちた
編隊で進路を妨害した飛沫達を追った宇蟲の編隊にバックから狙撃部隊が一斉射し、一気に撃墜した
まるで、予定調和の如く、次々と減って行く
※※※※※※※※※※
管制は唖然としている
「一体………何なんだこれは?」
《武藤連隊禁じ手、ハイパーリンクニャ。参謀総長の首、貰いに行くから待ってるニャ》
管制のモニターに現れたころにゃがキランと眼を光らせて、普段は出さない犬歯をギラリと見せて、眼を猫目にしている
どう見てもマジだ
「ちょっと待ってくれ。参謀本部に取り成すから」
《リヒトホーフェンはドイツ人にゃ。正式にはドイツ軍人で、国から外交官身分も提供されてるニャ。後は分かるニャ?》
管制官が真っ青になる
外交官とは、例え殺人を現行犯で犯しても、国内法では裁けない外交官特権を持っている
つまり、本当に殺しのライセンスを持っている
リヒトホーフェンを裁けるのは、ドイツ国内法のみだ
そして、リヒトホーフェンは完全に怒り狂っている
止められるのは、彼の可愛い生徒達と、バディの坂井光子だけだ
彼らが止めてくれるかどうかは、ちょっと期待出来ない
「土下座させる、土下座させるから、ちょっと待ってくれ!」
《知るかニャ。本土防衛は出来たかニャ?》
これは、禁じ手迄使わせる様を見せた上に、引き抜いた部隊迄用いて失敗なんざしてたら、情状酌量の余地無しとの警告である
「だ、大丈夫だ。撃退に成功している」
《ふん、首を洗って待ってるニャ》
通信が切れると、管制は大急ぎで参謀総長にアクセスするべく、電話を取り出した
※※※※※※※※※※
そして全ての武器を使いきった無明が宇蟲に逆に取り付いて、方向を無理矢理変えると、クリス機がアヴェンジャーを構えてぶっぱなした
バラララララ
正確に噴出口に吸い込まれていき、沈黙する
そして周りも宇蟲を討ち取って、気が付いたら侍しか飛行していなかった
《ハイパーリンク一分30秒で殲滅。流石は第二世代機です》
《皆、勝利ニャ!勝鬨ニャ》
「「「「うぉぉぉぉ!」」」」
通信に凄まじい歓声が鳴り響き、お互いに勝利を祝う
互いに全滅を覚悟してからの、大逆転勝利である
もう凄まじい歓声が通信に轟いた
無明の機体のボディダメージがパーツ全て黄色に染まっている
只の急加速ならともかく、異常な横Gや縦G、更に回転迄して、無茶苦茶に総作が振り回したのだ
当然の結果と言える
核パルスエンジンのお陰で、ガス欠と無縁なだけ、ましだったのだろう
「お疲れ、祥子」
そう言って、脳神経を酷使した総作がどさりとシートに沈み込み、義手義足のエネルギー補給用に用意してた、高糖分飲料のストローを口に持っていく
脳神経にも有効なので、本当に助かった
《お疲れ様です。ご主人様》
「とりあえず寝てぇわ」
《あの………実は問題が……》
「……何だ?」
《実はハイパーリンクには弊害が有りまして、それで禁じ手になってたんですが》
「…どんな弊害?」
ミニモニター越しで両手の人差し指をちょんちょんと合わせて、困った顔をする祥子
《はい、リンクした機体や演算に使った半導体を全部、焼き切るんです》
「…………はっ?」
《私もそろそろ限界です、端末に逃げますね》
そう言った瞬間、機体がブラックアウトし、全ての機体が海に落下して行った
「さ、先に言えぇぇぇぇ!!」
次々に侍が海に落ち
南鳥島守備隊の救助隊が救出する迄、侍乗りは全員漂流したのである
南鳥島防衛戦戦果
宇蟲約22000
守備隊総計1550
撃退22000
被撃墜300
戦死150
機体全損1550
部隊壊滅
内、相模原校部隊
出撃261
被撃墜20
戦死10
※※※※※※※※※※
青:青玉です
紅:紅玉です。二人揃ってジュエリーです〜
青:あ、先に言わないと、投下終了で〜す
紅:ではでは、一曲いきますね〜。あまいろの〜長い髪を〜風が優しくつつぅむ〜♪
青:ちょっと紅玉、私達の事知らない人達ばっかりだから、ちんぷんかんぷんよ?
紅:あ、そうか。では次がエピローグと設定集になります。皆様お付き合い頂いて、有り難うございましたぁ
青,紅:またどっかで遊んでね
>>827 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>827 投下乙!ゆっくり読ませていただきます。ゆっくり、ね
無明の侍wikiに纏めたよ
相変わらず、長いですな。どうすればこれだけ書けるんだろうか
まとめ超乙です!
>>831 そういってもらえるとスゴク嬉しいです
嬉しさついでに、汎用ナマモノ氏の野良犬のバラットも纏めました
最近wikiばっか弄ってるよ俺
>>830 書いてるんじゃなくて、キャラ達に書かされてるんです
こっちは大まかに設定すると、後はキャラ達が勝手に動くので、それを文章にしてるだけになります
だから、キャラ達が俺にも活躍させろ、あたしも活躍させろと、暴れてひたすら長くなるw
これでも、暴れるキャラ達を抑えた方です
編集乙でした
>>832 いえいえ、PCが不調で編集できないんで、wiki編集してもらえるのは本当に嬉しいしありがたいですよw
時間がある時でいいんで、できたら投下順・作品一覧の方もお願いしますー。出来る限りの協力はしますので。
>>833 流石、できる男は言うことが違う。裏山しい限り
ちょっとその才能わけろw
>>834 申し訳ない。自分、過去ログを持っていなくてその辺のページの編集及び、作成が出来な(ry
という歯がゆい思いで、広大なネットの海にダイブしたらなんか過去スレ発見。
これからすこーしずつ弄っていきますので、気長にお待ちください
>>833 ふらやましい……。台詞は書けても地の文が書けないでござる……。
>>836 おお、ありがとうございます!
あ、投下作品の本文をテキストモードで作ってた
ログ読み荒らしてると、どうやら@wikiモードで作った方がいいみたいですね
申し訳ない。
しかも、ページの編集モードの変更は権限がないと出来ないみたいで、重ね重ね申し訳ない
wikiのログインユーザーになったら編集モード変えられるのかな、だったら申請してみようかしら
と言うか、wikiの管理者ってどなた?…履歴見た感じ、師匠でいいんですかね
私じゃないですよー。管理人さんは一年ちょっと前から音信不通ですー。
あと、ユーザーになっても編集モードは変えられませんが、ひとつだけ裏技的なものは知ってます。
ちゅーても「文章全部消すとページも消えるんで、また同じ名前のページを@wikiモードで作る」ってだけなんですがw
>>839 管理人殿が音信不通ですと!うむむ、そいつは、まぁ……どうしようも無いですねw
しかし、その裏技で何とかやっていけそうです。ありがとうございます
それで自分が作ったページを少しずつ直していくのと同時に、投下順・作品一覧の方もちょくちょくやっていきます
作業量が多くて時間は掛かりますが、節目節目で報告するんで、そのときは指摘とかあればお願いします
とか言いつつ、明日も平日なので寝なくては。空いた時間にやっていくので気長に気長に
師匠PC不調なんですね、お大事に(?)
よかったよかった。
いやあ、ほんとにかたじけないです……。
出勤前におはようございます。ナマモノはすでに腐り果てて腐臭が……。
とりあえずとんでもない投下があったので、眩暈を感じつつ読み耽ったりしたり。
うむむ、戦いは数だけれども質が伴っていれば無敵ではなかろうか?
まったく質が伴わない投下ですが、お目汚し程度にはなるかなと期待しつつ、今日も投下。
負け犬には僻み根性が強いんだぜ……?
というわけで、以下第四話。お読みくだされば嬉しい限り。では、どうぞ。
ユウが格納庫に着くと、すでに自分のドールは発進準備が成されていた。旧式ドール、シュリム。結局新型は、今回の出撃には間に合わなかった。しかし、とも思う。
ここで敵を旧式で撃破してみせることが、自分の力を示す絶好の機会ではないのか。ましてや相手はチンケな戦闘機などではない。同じドール同士の戦い。単純な力比べになるだろう。
それならば、自分の技量を示す事もできよう。そうしていずれは全てを手に入れ、その時になって初めて、あの少女をこの手に抱くのだ。
今まで自分は、せせこましい生き方を望んでいた。それは世間に対して、自分が半端者であるという負い目があったからであり、それが解消されるともなればその手に世界を欲しいとも願うのが、男の性である。それを否定する気持ちはない。
「何にしても、オフィーリアにこれ以上触れて良いのは、まだ先のことだぜ……」
汎用型ドール、シュリム、発進位置に固定。格納庫の扉が開く。またもや先に出るのはシュバルツのシュリッツ・オーアだ。エースの貫禄を漂わせながら、発進していく。
『二番機、発進どうぞ!』
「了解、いくぜッ!」
ユウの操るシュリムが飛び出していく。そして海面に鮮やかな航跡を描き出しながら、ホバー移動を開始した。飛び散る水飛沫が、虹を作る……。
「へへっ、ご機嫌だぜ!」
自分の感覚が、地球に下りてから広がり、それがドールの動きに連動していく。
それは決して脳波コントロールなどという無粋なものではなく、単純に彼の操縦の腕が向上しているからだ。しかしその感覚は、無限の自信をユウに与えていた。
今の自分ならば、どんな相手にも勝てる。そう、あのいけ好かないシュバルツの旦那にだって一泡吹かせられるさ……。
レーダーエリアに敵機が進入する。機数五機。パターン照合、地球政府制式量産機『チャレンジャー』だ。その名が示すとおりに、兵器の革新とまで言われたドールの中でも、最も初期に作られたものだ。
しかし、それは幾度もの設計変更、アップデートが繰り返され、オリジナルの機体よりも遙かに性能は向上し、現在でも一線級の兵器である。
浅瀬に移動、直立すると敵の接近に合わせて、腰に追加装備されたロケットポッドを発射する。派手な水柱を上げ、敵の前面に爆風が広がる。
「やったぜ! ざまあみろってんだ……なにっ?」
しかし敵は装甲を一部剥がしながらも、真っ直ぐにこちらに突っ込んできた。そこに感じる強靭な戦闘意志に、ユウは自分が恐れをなしているのを感じる。
「な、舐めるなァッ!」
左腕、ナックルバスターをチャージ。マニュピレーターにジェネレーターからの電力を供給し、相手に電撃を叩き込む近接格闘兵器である。
「突っ込んで来るなら、お望みどおり落としてやらァ!」
敵はシュリムに接近すると、その手にしたアサルトライフルで殴りかかってきた。その予想外の攻撃に、ユウは怯む。ナックルバスターよりもリーチの長い格闘攻撃。そういう手段に出られては、迂闊に反撃もできない。
ライフルでの打撃が命中するたびに、シュリムの薄い装甲が剥離していく。それよりもコックピットの中の惨状の方が凄まじく、ユウはシートに体を固定させていながら、あちこちに体をぶつけていた。
「す、好き勝手やりやがって!」
ユウは突撃すると、そのチャレンジャーに肩からタックルを仕掛けた。その衝撃で、またシュリムの装甲が痛めつけられる。旧式のドールであるために、フレームが無駄に頑丈なのが幸いした。お陰で、まだ動くことができる。
何度も激突を繰り返す。そのたびに変形していく、敵のボディ。もう相当ガタが来ているはずだ。止めをさすならば、今だ。
「食らえッ!」
ナックルバスターを、相手コックピットに叩き込もうとする。そこに、最後の抵抗か機体頭部のバルカンで反撃するチャレンジャー。
それが脆くなった装甲を貫通し、ユウの座るコックピットまでを貫く。小口径とはいえ、舐めたものではない。コックピットの中で跳弾し、ユウの体を傷つける。
「うあぁっ!」
額と左腿を浅く切り裂かれる。溢れ出す鮮血。目に血が入って、痛みでよく見えない。ぼんやりと赤く霞む視界の中で、チャレンジャーが立ち上がるのが見える。
そして自分の持っていた使い物にならなくなったライフルを投げ捨て、ユウ機の持っていたマシンガンを手に取る。
『ヤバイ、やられる……ッ!』
慌てて逃れようとするが、機体の反応が遅い。敵はゆっくりとマシンガンを構える。殺される。自分の存在が、消されてしまう。そこにあるのは、完全な無だ。
怖い、怖い。全身に鳥肌が立ち、冷水を浴びせかけられたような感覚を覚える。
「嫌だ、嫌だァッ! 死にたくねえ! まだ死にたくねえんだよォ! うああぁぁっ!」
その絶叫が、コックピットの中を木霊し、それが更に死を意識させる。体が硬直し、言うことを聞かない。敵が狙いを定め、その引き金を引くのが、やけにスローモーションで知覚できる。
自分は戦いを舐めきっていた。これが、殺し合いだということを忘れていた。そのツケが、これだ。敵を撃墜するどころか、あっけなく撃墜される。
たった一度のアクシデントが、大きく戦況を変えてしまう。それが積み重なり、戦いという大きなものが作り上げられていく。それを、ユウは忘れていた。トリガーハッピーになりきっていた。自分は、最低の男だ。結局負け犬のままで終わってしまう……。
カチッ……
「……ああ、う、あぁ……?」
何事が起こったのか、分からない。敵は、確かに引き金を引いた。しかし、弾は撃ち出されない。装弾不良が起こったのか? 目まぐるしく思考の渦が流れ、そしてユウは怯えきった野生の動物のように俊敏に動いていた。
「うわぁっ! ああぁぁっ!」
ナックルバスターを、動きの止まった敵のコックピットに打ち込む。電流が溢れ、敵のコックピットを、そのパイロットと共に焼く。
ブシュゥゥゥン……
チャレンジャーは前傾し、その活動を停止した。そのカメラアイも、もう光る事はない。ユウは肺の中に溜まっていた空気を、深く吐き出す。
「は……ははっ……あはははっ! 俺ァ、まだ生きてるぞ!」
体中がずきずきと痛む。しかし、それも関係ない。むしろそれが嬉しい。まだ、生きている。生き残っている。例えそれが、偶然の結果に過ぎないとしても、ユウは生き延びたのだ。勝利したのだ。
「ははっ! あ、敵は、何処だ……?」
まだ残りの敵がいるはず。そう思い直して壊れかけたディスプレイを見る。しかし、そこに敵の反応はない。撤退したのか、あるいはシュバルツに破壊されたのか……。それを確かめる術は、今のところ無い。もう機体が限界なのだ。浅瀬に立っているのが、やっとの有様だ。
「帰還しねェと……つぅ、思ったよりやられたぜ……」
早く戻って傷の手当てをしなくては。頬に張られたシップが、剥がれかけている。それを思い切って引き剥がすと、コックピットの中へと投げ捨てる。
彼は、『生』に感謝した。
『奴の銃から、弾を抜いておいたのは失敗だったか……』
シュバルツは四機の敵を全滅させながらも、モニターの端でユウの戦いぶりをチェックしていた。追い詰めたはずの敵に逆襲され、無様な姿を晒す彼。
そして、自らの武器によって撃ち抜かれようとする。だが、その銃には初めから弾など入ってはいなかったのだ。
シュバルツの姦計が招いた、些細な失敗。それによって生き残ってしまったユウ=マテバ。簡単に殺せるはずだった、あの男。それがこういう結末を迎えるとは……。
『まぁいい。奴はいつでも殺せる、それに、あの調子ならば自ら死に飛び込む可能性も極めて高い。どちらに転んでも、必ず奴は死ぬ……』
シュバルツは自らの機体、シュリッツ・オーアを海上プラントへと向けた。
暗い病室の中、ユウはベッドの上で魘されていた。あの死を感じた一瞬、それが頭の中を駆け巡り、彼を苦しませる。
『死にたくねえ! まだ死にたくねえんだよォ!』
暗闇の中、絶叫する。彼の体は闇の中に溶けてしまったようで、それを知覚することができない。それは、限りなく死に近い感覚。
『誰か、誰か助けてくれよォ! オヤジ! オフクロ! ……オフィーリア……』
その時、左腕に温かな何かを感じる。その温もりから、徐々に体の感覚が引き戻されていく。意識が浮上していく。
『暖かいな……』
はっきりとしたその認識と共に、目を開ける。そこには、彼の顔を覗き込むようにしているオフィーリアの姿があった。
「……気がついたか、ユウ」
「あ……なんでお前、ここにいるんだよ……?」
彼女はため息をひとつつくと、ぎゅっと彼の腕を握り締める。そうか、さっきから感じていた暖かさは、これだったのか……。そう気がつく。
オフィーリアはユウの頭に巻かれた包帯を、そっと片手で撫でる。そのたびに多少の痛みが走るが、黙って成すがままにさせる。
「傷、痛むか?」
「出撃前にも、同じこと聞かれたような気がするぜ……」
その言葉を聞くと、彼女は顔を赤らめる。そこでようやく、ユウは出撃前に自分が何をしたのか思い出す。
『嫌われても、しゃーねぇよなァ……』
そう思う。しかし、何故か彼女はそういう行動はとらずに、ここにいる。頬のひとつでも叩かれるかと思ったのだが。
それが無いという事は、少なくともまだ自分は嫌われてはいないか、あるいは完全に彼女がそれを忘れようとしているのか。
どちらにしても、これからはもう少し注意して、彼女と付き合っていく必要がありそうだ。それが二人にとって、ベストな選択だろう。
「しかし、ユウは大したものだ。初めて対ドール戦をやって、あれだけの損害を受けて、それでも勝って帰還できたというのはな」
「いや、惨敗だぜ……。勝ったんじゃない。死ななかっただけだ」
そう言うユウの腕を、優しくオフィーリアは撫でた。
「それがお前の強さであり、持って生まれた幸運なのだろう。私が保証する。お前はもっと強くなる。そして、デア・ヒンメルの救世主となる」
「俺はまだ、その器じゃないな。今回のことで、よくそれが分かった。修行が足りないんだな……だから自分を抑えられなくて、ああいう馬鹿な戦いをやっちまうし、お前にも余計な迷惑をかける」
それを聞いて、彼女は少し悲しそうな顔をした。
「自分の強さに、自信を持て。それがお前の求める力を得ることに繋がる……私は、そう信じている」
「俺には、まだ自分の事なんて信じてやれねーよ。わりぃ、もう少し眠らせてくれ……」
「ああ、ゆっくりと休め」
そうは言ったものの、オフィーリアは病室を出ていく気配はない。相変わらずユウの腕を握ったままだ。しかし、不思議とその事に不快感は感じない。むしろ暖かくて、安心を感じる……。
ユウは静かに目を閉じる。その寝顔を、少女はいつまでも眺めていた。
それから三日後。デア・ヒンメルは海上プラントを放棄する事を決定した。もうこの場所は政府軍にばれてしまっている。危険を冒してまで、ここに留まる必要はない。
早速三機の輸送機『ヴィントローゼ』が用意され、可能な限りの物資が積み込まれた。補給線の細い抵抗組織には、それだけの覚悟がいるのだ。
何とか傷の癒えたユウ=マテバも、ドールを使って物資の積み込みを手伝う。今まで彼の使っていたドール、シュリムは三日前の戦いで大破させられて以来、修復は不可能と判断され部品取り用にばらされ、もう存在しない。
彼が使っているのは、デア・ヒンメルが独自に開発した白い新型機、『ヴィルキューア』である。地上戦用に特化された局地戦用ドール。脚部に熱核ホバーユニットを装備し、機動性を高め、武装も全面的に見直しが行われた。
高出力のジェネレーターを利用した試作型ビームランチャー。
電波かく乱下でも使用可能な有線コントロール式ミサイル。
補助武装の頭部バルカン。
先ほどの戦いで実用性が証明された腰部ロケットポッド。
機体の廃熱を利用した腕部内蔵式ヒートダガー等で、ハリネズミの如く武装している。
ユウもここ数日でようやくその操作感覚にも慣れ、何とか手足のようにヴィルキューアを扱うことができるようになった。
この機体があれば、そしてあの時の死にかけた恐怖を忘れなければ、もう負ける事はない。ユウはそう思う。
「おーい、次はこっち、運んでくれ!」
「やれやれ、まったく人使いが荒いこって……」
文句を言いながらも、ユウは手伝うことを止めない。昔の彼だったなら、とっくに投げ出してしまっていただろう。
だが、あの死の恐怖を感じて以来、彼は変わった。自分一人では、何もできないのだ。整備だって怪我の治療だって、誰かの手を借りねばならない。
彼は、無力なただ一人の人間なのだ。それを更に自覚するようになって、彼は多少人との協調というものを覚えた。
そのお陰か、デア・ヒンメルのメンバーも多少はユウの事を認めるようになっていった。……ただ一人を除いては。
「……」
無言でユウの動きを眺める姿。シュバルツ=ニュング。デア・ヒンメルのトップエースであり、その戦力の中核である男。
彼はいまだ、ユウのことを認めてはいなかった。たかがアルバイト感覚で組織に参加し、その癖に組織の支援者でありリーダーでもあるオフィーリア=アイネスに何故か気に入られている存在。
それを、彼は許す事ができない。しかも彼は、一度はオフィーリアを誘拐して、組織を脱走しようとしたのだ。
そんな男を、組織の中に置いていてはいずれ更に酷い厄災に見舞われることになるだろう。それだけは、防がなくてはならない。
そのためには、やつの強制排除も考えなくては……。例えその息の根を止めてでも、その存在を消さなくては。
シュバルツは踵を返すと、自分の機体、シュリッツ・オーアの搭載されたヴィントローゼ・アインに向かう。そこには、彼の崇拝するオフィーリアの姿もあるはずだ。
彼女自身は、ユウと同じ機に乗りたがったのだが、それはなんとしても思いとどまらせる事にした。あんな死神と一緒では、彼女にどんな悪影響が出るか分からないのだ。
『ヴィントローゼ各機、発進用意! 目的地はフランス、ボルドー地区!』
発進する機内で、シュバルツはキャビンに上がり、オフィーリアの姿を探す。しかし、何処にもその姿は見えない。念のために貨物室なども探してみたが、どこにもいない。
「まさか……」
後続のヴィントローゼ・ツヴァイに連絡を入れる。そこには、ユウ=マテバが搭乗しているはず。
「ツヴァイ、そちらにオフィーリア様は乗っていないか?」
『こちらツヴァイ。発進直前に、こちらの機へと搭乗を希望されたので、受諾した。……何か、まずかったか?』
『……おのれ、おのれユウ=マテバ……貴様はまだ、オフィーリア様を苦しめるつもりなのか……』
シュバルツは歯ぎしりする。しかし、もう発進してしまった以上、今から乗り換えさせることもできない。シュリッツ・オーアで接触するのも、危険が大きすぎる。
『ユウ……もしもオフィーリア様を傷つけたならば、ただでは済まさんぞ……』
ヴィントローゼ・ツヴァイの機内で、オフィーリアはユウとフランスの話で盛り上がっていた。オフィーリアには周知の土地だったが、宇宙生まれのユウにはまったく未知の土地である。
色々と、情報は仕入れておきたい。そのために、ユウは何故か発進直前に乗り込んできた彼女と話をしているのだ。
「ボルドーって言えば、宇宙でも名前だけは聞いたことがあるぜ。確かワインの名所だったよな?」
「そうだ。旧世紀より、ワインが特産として知られた土地だ。それ以外にも、ガストロノミー……フランス語で、美食という意味だが、つまりは料理の街としても知られている」
その言葉に、ユウは生唾を飲み込む。
「ワインと美食かよ……楽しみだな、そいつは」
「あまり期待するものではない。旧世紀の街並みは、殆どあの男の仕掛けた紛争で潰されてしまっている。だからこそ、我々の潜伏場所として選んだのだ」
ユウは、あからさまにがっかりしている。そんな彼を見て、オフィーリアはその顔に微笑を浮かべる。
「まぁ、キャビアとフォアグラ、トリュフくらいならば、まだ何とか手に入るだろう。よかったら、私が調理してやるぞ?」
「へっ? お前、料理できるのかよ?」
「馬鹿にするでない。こう見えても、私は家庭的なのだ。将来はエプロンの似合う若妻になることだろう」
エプロンの似合うオフィーリアねぇ……。それはちょっとばかり想像のできないことではあるが。まぁ、女は化けるというからな。そんな事がある可能性も、決してなきにしもあらずだ。
ニヤニヤとユウがそんなオフィーリアを眺めていると、彼女は唐突にムッとした顔つきになった。どうやら不埒な事を考えているのが、気付かれてしまったらしい。
「ふん、お前に私の魅力など分かるまい。どうせ女ならば、誰でもいいのだろうからな」
「馬鹿にすんなよ。俺にだって、好みくらいはあるぜ?」
「……ほぅ、ならば参考までに、聞かせてもらおうか」
それから延々と、ユウによる美女講座が始まったのだった。初めはおとなしく聞いていたオフィーリアも、やがてこめかみに青筋を浮かべる。
「とりあえず胸は無いよりはあったほうがいいか。性格は尽くしてくれるタイプだな。まぁ、要するに俺にとって完璧に都合のいい女が好みなわけで……」
「お前は女を馬鹿にしている! 私は不愉快だ、勝手に妄言を吐いているがいい!」
そう言い残すと、オフィーリアはドスドスと足音を響かせながら別室へと去って行ってしまった。頭を掻き、それを見送るユウ。
「……」
ドアを閉めると、オフィーリアは自分の胸を眺める。その貧相さに、思わずため息が漏れる。それに何より、この可愛げの無い性格だ、自分でも自覚はしているのだが、こればかりは直せるものではない。
「……まったく、何を気にしているのだ、私は……」
フランス、ボルドー地方。そこの廃墟になった市街地に、簡易滑走路を作り輸送機ヴィントローゼ三機は着陸していた。
すぐさま人員が集められ、周囲に施設を構築する仕事を始める。
「オーライ、オーライ……」
ユウも、自分のドール、ヴィルキューアを使って、瓦礫の撤去などを行っている。仕事は嫌になるほど山積みだ。
とにかく、抵抗組織デア・ヒンメルには人手が足りない。海上プラントを脱出してから、他の支部で働く人員の合流が行われる予定でもあったが、それも確実に当てにできるものではない。
現行の政府を掌握している、地球制圧組織『デュプリケーター』による抵抗分子への弾圧は、日に日にその勢いを強めている。油断すれば、弱小な組織などあっという間に踏み潰されてしまう事だろう。
「……頭の痛いことだ……」
ヴィントローゼ・ツヴァイのキャビン、臨時司令部と化したそこで、オフィーリア=アイネスは頭を抱えていた。
本来ならば、この地で若干の補給が受けられるはずであったのだが、それがまだ届かない。
厳密なスケジュールを組んでいるわけではなく、何事にも若干の余裕はもたせてはいるが、それでもイレギュラーが起これば、それを埋め合わせる手間がかかる。
ともかく、今はあるもので何とかするしかない。戦力といえば、ドールが二機。シュバルツのシュリッツ・オーアとユウのヴィルキューアのみ。
それで確実な防衛体制を敷く事は、どだい無理な話であろう。だが、彼らにはやってもらわなければならない。そうでなくては、生き残る事などできないはしないのだから。
「オフィーリア様、ブライエ地区にて同志の補給部隊が敵と接触、交戦中。救援を求めていますが……」
「ふむ……こちらも余計な戦力があるわけではないのだが……しかし、助けないわけにもいくまい」
しかし、この地の防衛の事もある。二機のドールを同時に出撃させるわけにもいかない。なればシュバルツかユウか、どちらかを送らなければならない。
彼我の戦力差を計算し、有効な方法を練る。そして、オフィーリアは決断した。
「ユウを出撃させ、救援を行う。シュバルツはこの地で待機」
「しかしオフィーリア様、この場合、シュバルツ殿を出撃させた方が、救援成功率は高いですが……?」
オフィーリアは、そう言う部下に微笑む。
「ユウならばやってくれる。私は、そう信じている」
滑走路周辺が、慌ただしくなる。ユウのヴィルキューアが発進するのだ。武器、弾薬の補給完了。発進準備完了。
「へっ、わりぃなシュバルツさんよォ! 今回はアンタは留守番だぜ?」
「俺のほうが、オフィーリア様に信頼されているからだ。だからこそ、この地に留まり、オフィーリア様を守るように仰せつかったのだ。貴様など、いてもいなくとも変わらないからな」
「けッ! 言ってやがれ! 見てろよ、補給部隊は俺がキチンと救出してやッからよ!」
ヴィルキューア、発進。高速でホバー移動しつつ、東へと向かう。
「とは言ってもよ、オフィーリアはなんで俺なんかにこんな大事な任務を任せたんだ?」
そこには、彼女のユウに対する深い信頼があったのだが、それは彼には分かるものではない。しかし、任されたからには、全力でやってみせるしかないだろう。
それに、ユウには前回無様な失態を見せたという負い目がある。それを払拭してみせなければ、他の連中に合わせる顔がない。
間もなく、前方に爆発の光が見えた。補給部隊が、敵と交戦しているのだ。レーダーを確認する。味方のドールの識別は、ただ一機。それが四機の敵と交戦しているようだ。
このままでは、どんなに優秀な奴だとは言っても、補給部隊を守りながらの戦闘では、敗北を喫してしまうだろう。
ユウはモニターを望遠モードに設定、ジャンプフライトで味方機に迫る敵の一機に、照準を合わせる。
「落ち着け、落ち着けよユウ……シュバルツの野郎にだってできるンだ、俺にできないはずがねェ……」
ビームランチャーを構える。そして慎重に、そのトリガーを引いた。赤熱したビームの粒子が、真っ直ぐに敵機へと向かっていく。そしてその光芒は、敵を貫き爆発を生じさせた。その突然の予期せぬ攻撃に、敵の動きが乱れる。
「そこの味方! あとは俺がやる、下がってろ!」
通信を入れながらも、残された三機の敵を複数ロックオン。有線式ミサイルを発射する。一機は回避、二機に被弾。直撃こそしなかったものの、手足の一本くらいは吹き飛ばしただろう。
「ヒューッ! ゴキゲンじゃねェか! さっすが新型だ、旧式とはわけが違うぜ!」
三機がフォーメーションを組みながら、こちらに接近してくる。頭部バルカンで軽く威嚇射撃をしてやると、それは分散、包囲してくる形になった。
ユウは高機動でそれを逃れながらも、一機の敵に狙いをつけた。ビームランチャーのチャージが終わる。試作型のために、こいつはそう簡単に連射はできない。だが、威力は折り紙つきだ。
「黙って堕ちやがれよォ!」
ビームランチャーを発射。敵を貫通し、巨大な爆発を生じる。ユウにも、ようやく地上での射撃戦というものが分かってきた。
敵もアサルトライフルを発射し、ユウに迫る。ホバー移動でそれを回避するが、かわしきれなかった数発が、機体に傷を作る。しかし、重装甲のヴィルキューアには、まだその程度ならば耐える事ができた。
元々が、強襲用の機体である。重装甲、高火力、高機動。それを併せ持つように作られた、それがヴィルキューア。ユウの性格にも、それが合っているのだろう。まだまだ未熟とはいえ、彼はその性能を引き出そうとしていた。
「ちィッ! 人のドールに傷つけてんじゃねェ!」
敵の攻撃を掻い潜りながら、そう叫ぶ。残された二機の敵は、自分が撃破されぬように必死の思いでヴィルキューアに攻撃を仕掛けてきていた。
対するユウも、それを必死の思いで回避する。いくら装甲が厚くとも、直撃を受ければただでは済まない。ユウもそれは、前回の戦いで学習している。
不意に、今まで回避に専念していた味方機が、敵のチャレンジャーに向かって攻撃を開始した。その手にした大型のアサルトライフルが、一機の敵を貫く。
ジュインッ!
火花を散らし、落ちていく敵。そこにユウは追い討ちをかけた。チャレンジャーは撃破される。残る敵は一機。その敵はそちらの方が組みしやすいと見たのか、攻撃を仕掛けた味方機のほうへと向かっていく。
「ッたくよ、支援してる余裕があるんなら、逃げろってんだよ!」
ユウは味方に攻撃を仕掛ける敵に、背後からロケットポッドの攻撃を仕掛ける。爆風に巻き込まれ、バランスを崩した所へ味方のライフルの攻撃がヒットする。
ドゴォッ!
搭載した推進剤に誘爆し、四散する敵機。戦闘終了。ユウの戦果は、チャレンジャー三機だった。ユウは敵機が残っていない事を確認すると、額を拭う。いつの間にか、多くの冷や汗をかいていた。
あの時、撃墜されかかった事は、多分今後もトラウマとして後を引くだろう。しかしそれを乗り越える事ができなければ、ユウはこれ以上強くなれないともいえる。
森の中に着陸している、味方機の方へと向かう。それは、ユウが今まで見たことも無い黒い機体であった。
コックピットハッチを開き、搭載されたロープで地上に降りる。相手パイロットもコックピットから地上へと降りてきていた。
「……何だァ? このパイロット、ガキじゃねェか?」
そのパイロットは、まだ歳若き少女であった。東洋系だろうか、黒髪を短くまとめ、彼女には少々サイズの大きいパイロットスーツを身にまとっている。
「おいガキ、手前ェがこいつのパイロットなのか?」
「手前ではありません。ミュン=ユン=ファーレンです。この新型の機体、『トーベン・カッツェ』の正式なパイロットです」
ユウの態度に不快感を覚えたのか、不機嫌な顔を隠そうともせずにそう言う少女。
「その割りにゃァ、ずいぶん苦戦してたじゃねェか?」
「このトーベン・カッツェは本来、後方からの火力支援用の機体です。複数相手の接近戦では、その実力を発揮できませんから」
しれっとした顔で、そうのたまう少女。まだ十代だろうに、その態度は非常に落ち着いている。それが、ユウにはあまり気に入らない。
「感謝の言葉の一つもねェのかよ? 俺が助けてやらなきゃよ、手前ェ死んでたんだぜ」
「あの程度あなたの支援が無くともわたし一人で何とかなりました。余計なお世話です」
「んだと、コラァ!」
ユウは拳を振り上げる。それをじっと身動きもせずに見つめるミュン。殴られる覚悟くらいは、できているのだろう。それを見て、ユウは拳を下げる。
こんな少女を殴ったところで、何にもならない。自分の男としての格を下げるだけだ。それよりは、早く補給部隊と合流して味方の元へと帰った方がいいだろう。
「とりあえずよ、補給部隊と合流すんぞ? それでさっさと戻るぜ?」
「はい、お任せします」
再びヴィルキューアに搭乗し、林にその身を隠していた補給部隊と合流する。大型のトレーラーが四台。それが生き残った全てであるようだ。
補給のことなどは、ユウには分からない。しかし、これで多少はデア・ヒンメルにも余裕が生まれるだろう。美味いもののひとつでも、食えるかもしれない。
多少の期待を抱きつつも、ユウは補給部隊と少女の乗るドール、トーベン・カッツェを引き連れて、帰路へとついた。
帰り着いたユウを、誰よりも早く出迎えたのはいつもの少女の姿であった。
「よく戻った、ユウ。聞きたい事は山ほどあるが、まずは補給部隊を連れ帰ってくれた礼を言う」
「へっ、このくらい、朝飯前だぜ」
そう言葉を交わす彼らの前に、先ほどの少女が進み出る。
「オフィーリア様ですね? 補給部隊の防衛をしていた、ミュン=ユン=ファーレンです。守りきる事ができず、貴重な物資を多数失ってしまった事、お詫びいたします」
「気にするな。多少の損失は、覚悟の上だった。お前はよくやってくれたと思う」
「はい、そう言っていただければ、助かります」
ミュンは小さな体でビシッと敬礼をすると、補給部隊の手伝いをするために駆け出していった。それを見送るユウとオフィーリア。
「ちっこいのに、よく働く奴だな。しっかし、ガキばっかりだな、この組織はよ?」
「人手が足りぬのだ。有能な者ならば、誰でも使わねばならぬ」
「でもよォ、昔ッから言うぜ? ガキを戦場に出すようになった連中は、もう負けるしかないってよ?」
その言葉に、オフィーリアは顔を曇らせる。その事は、彼女とてよく知っているのだ。ただ、それでも若者を戦場に送らざるをえない。それが彼女の立場であり、デア・ヒンメルという組織なのだ。
「……ユウの言う事も分かる。しかし、そうせざるをえないのだ」
「ケッ、あまり気にいらねェぜ……」
「それよりも、聞かせてはくれぬか? 戦いは、どうだったのか。ユウは、どう戦ったのか……」
ユウは自分の戦いを、やや誇張交じりに話して聞かせる。いちいち頷き、それを聞くオフィーリア。彼らの間に、暖かな雰囲気が流れる。
「……それで、三機撃墜だ。俺だって、やりゃあできるってこと、分かっただろ?」
「そうだな。しかし、私は信じていたぞ? お前が必ず戦果を上げてくれるとな」
「当然だぜ。俺ァスペシャルなんだぜ?」
そう言う彼の肩を、ぽんと叩く何者か。ユウはそれに振り返る。すると、その頬に叩き込まれる拳。たまらずに殴り飛ばされるユウ。
「ぐっ! 何しやがる、手前ェ!」
「……何がスペシャルだ。機体を傷つけ、あまつさえ補給部隊も完全には助けられなかった、貴様が言うことか」
ユウを睨みつけるシュバルツ。両者の間に、険悪な雰囲気が流れる。しかしそれを遮って、オフィーリアが倒れたユウを助け起こす。
「大丈夫か、ユウ……。シュバルツ、少々やりすぎだぞ?」
「しかし、もしも自分が出ていれば、補給部隊も完全に助けられたやも……」
「ユウはよくやってくれた。文句は言わせぬ」
あくまでもユウの事を庇う彼女。助け起こされたユウを、シュバルツは憎々しげに睨み付ける。
「俺は認めんぞ……貴様のような男など、絶対に認めん……」
「手前ェになんざ、認められてたまるかよ! 胸糞わりぃ、俺ァもう行くぜ!」
言葉を吐き捨て、その場を後にするユウ。オフィーリアはそれに手を伸ばすが、彼を引き止める言葉は出てこない。
「ユウ……」
「あんな男のことなど、放っておきましょう。それよりも、お食事の時間です。キャビンの方へ……」
オフィーリアの手を引き、輸送機ヴィントローゼの方へと歩いていくシュバルツ。オフィーリアは流されるままに歩きながらも、振り返ってユウの去った方を眺めていた。
「シュバルツの野郎ォ……いつか絶対ェにぶん殴ってやる……」
殴られた頬をさすりながら、ユウは歩いていく。行く手には、山と詰まれた補給物資。それを多くの作業員が、必死になって選り分け、あちこちへと運んでいく。
「よぉユウ! 大戦果だったらしいじゃないか!」
一人の作業員が、そうユウに声をかける。ユウの事も、それなりに組織の中では認知されるようになってきていた。
「あたりめェだろ! ユウ=マテバなんだぜ、俺ァよォ!」
軽口を叩きながら、さらに奥へと進む。少なからぬ作業員が、彼に声をかける。それにユウは軽い態度で答える。そして補給物資の山の向こうに、一人の少女の姿を認めると、そこへ向かって駆け出した。
「トーベン・カッツェ用の武器、弾薬のチェックリストの作成を……」
「よぉ、ミュンよォ! 張り切ってるじゃねェか!」
「それと、運んできた物資に不備が無いかどうかを……」
彼の言葉を無視し、作業員と話し込むミュン。それにユウは少しムッとし、彼女の肩に手をかけ振り向かせた。
「……何ですか? わたし、忙しいので」
「つれねぇじゃねェか。同じパイロットだろ、ちったァ仲良くしようとか、思わねェのかよ?」
「軽い男は嫌いです。わたしが理想とするのは、シュバルツ=ニュングさんのような人なんです」
ユウはいよいよ機嫌を悪くする。
「ったく、どいつもこいつも、シュバルツ、シュバルツかよ? 俺だって、奴以上に働けるんだぜ?」
「そういう事は、結果を出してから言うことです、ユウさん? あなたの噂は聞いています。何でも、オフィーリア様を誘拐して、敵に投降しようとしたらしいですね?」
「そ、そいつァ昔の話だろうが!」
「分かっていませんね……一度刷り込まれた印象というものは、そう簡単には払拭されません。あなたはいつまでたっても、裏切り者のままです」
ユウは大げさな身振りで、それに抗議する。周りの作業員が、何事かと彼らを眺める。それにも構わずに、ユウは言葉を続ける。
「もう裏切り者じゃねぇよ、俺はよ! 敵だって、立派に倒してみせて、手前ェも助けてやっただろうが!」
「誰もあなたにそんな事頼んではいません。来てくれるのが、蒼き鷹と呼ばれる歴戦の勇士、シュバルツさんだったら、文句は無かったんですけど……」
「鷹じゃなくて、悪かったなァ!」
「悪いです。何ですか、あなたの機体のパーソナルマークは?」
側に直立するヴィルキューアを見上げる。その肩にペイントされた、ユウのパーソナルマーク。それは、白い野良犬だ。
「野良犬……ですか? ずいぶんと趣味が悪いんですね。一言で言うとかっこ悪いです」
「うるせェ、余計なお世話ナンだよ! そう言う手前ェだって、何だよあのマークは!」
ミュン=ユン=ファーレンの機体、トーベン・カッツェを指さす。その肩にマーキングされているのは、黒い猫の姿だ。
「猫、知らないんですか?」
「しらねぇはずがねェだろ! 趣味の悪さなら、似たようなもんじゃねェか!」
「私のコードネームは、黒猫ですから。ブラックキャット、ミュン。ヨーロッパ戦線では、すでに三十機撃墜のスコアを上げています。ユウさんは、どうなんですか?」
その彼女の言葉に、ユウは目を丸くする。こんなガキが、三十機撃墜だと? ふざけているにも、程がある。確かに自分は新入りだが、こんなガキにすら負けているのか……?
「どうなんですか、撃墜数は?」
「お、俺ァまだ戦闘機数機と、ドール四機しか……けどよ、撃墜数だけが腕の良し悪しってもんじゃねェだろうが?」
それを聞き、ミュンはクスッと馬鹿にしたように笑う。
「たったの四機ですか? それでわたしに意見しようだなんて、おこがましいですね」
「うるせェ! 今に見てろよ、手前ェのスコアなんざ、すぐに追い抜いてやるからな!」
「精々頑張ってくださいね、素人さん?」
そう言うと、ミュンは向こうへと去っていった。それを歯噛みしながら見送るユウ。悔しいが、今はまだあの少女にすら勝てない。だが、それだって遠くないうちに追い越してみせるさ……。
一人の作業員が、何かを抱えてユウの方へとやってくる。
「ユウ! 食事だ! 受け取ってくれ」
「何だまた戦闘食かよ。俺ァこっちに来たら、もっと美味いモンが食えると思ってたぜ」
「仕方が無いだろ? 食事なんて、そう簡単に配給できるものじゃないさ」
ランチパックを受け取る。使い捨ての皿と一緒になったそれは、それでも美味そうな匂いを彼の鼻に届ける。
「何だよ、またちょっとした惣菜とリバティ・ステーキかよ……」
「いいじゃないか、肉が食えるだけ、マシだろ?」
「だってよ、こいつは大豆タンパクの合成肉だろ。宇宙ではそればっかり食ってたぜ?」
「ユウたちパイロット用のは違うさ。本物の肉だよ。俺たち整備員のは違うけどな」
こういうところでも、差別というものはあるのだ。いくらパイロットが体を使う職業であるからと言っても、ユウにはあまり気にいることではない。
「ほら、寄越せよ!」
ユウは整備員の手から、整備員用のランチパックを奪い取る。
「おい、ユウのはこっち……」
「そっちは手前ェが食えよ。俺はこっちでいいぜ。合成肉には、慣れてっしな」
そう言うとユウは、ランチパックのリバティ・ステーキにかぶりついた。
輸送機ヴィントローゼ。そのキャビンでオフィーリアはそれなりに豪勢な食事を取っていた。本人は他の者と同じ食事で良いと言ったのだが、周りの者がそれを許さなかったのだ。
ワインを口にし、一息つく。食事の味は、満足のいくものであった。願わくばこれが、他の者の手にも渡れば良いのだが……。
彼女の前で、シュバルツ=ニュングが同じ食事をしている。パイロットの中でも、彼は特別な扱いなのだ。それは、殆どの者が黙認している。
それはエースの手前もあるが、いつかは自分も出世してあのような待遇に預かりたい、そういう感情が皆に存在するからだ。
シュバルツは食事をしながら、オフィーリアの事をじっと見つめる。最近の彼女は、どこか変わったような気がする。
それはあのユウ=マテバという青年と関わったことが原因であろうとは、想像がつく。しかし、それが良いこととは思えない。
彼女には人の上に立つ存在として、もっと毅然とした態度をとってもらわなくてはならない。他の者と関わるにしても、それは崩してはならない。
しかし、あの男、ユウは違う。オフィーリアに対しても親しげに口を利き、それを黙って彼女も受け入れている。
それは、組織の規律を乱すことだ。断じて許すわけにはいかない。
「オフィーリア様、ユウ=マテバの件ですが……」
その言葉に、ナフキンで口を拭き、顔を上げる少女。
「ユウ? ユウが、どうかしたのか?」
「はい。今回、補充の機体とパイロットが到着しました。予備のパイロット候補生も何とかものになりつつあります。そろそろ、あの男を放逐しても良いかと」
「ユウを、捨てるというのか?」
シュバルツは固い微笑を浮かべる。そこに、感情はない。
「あの男は、危険すぎます。我々の飼っておくには、あまりにも不確定要素が多すぎる男です。また何か問題を起こす前に、排除すべきかと」
「駄目だ。ユウは連れて行く。ユウはいいパペッターになる。そう私は見ている」
「しかし……」
なおも反発しようとするシュバルツに、少女は険しい視線を送る。そこには、強い決意が現れている。
「私の意見が不服か? ならば、お前が出ていくがいい。お前は我々のエースだが、それでも引き止めはせぬ。好きなようにするがいい」
シュバルツはぎりっと奥歯を噛む。今まで彼女に尽くしてきた自分よりも、あのどうしようもない男を取るというのか……?
そんな事は認められない。必ず、ユウという男を排除してみせる。それがこの組織のためになるのだ……。
オフィーリアは席を立ち、どこかへ向かっていく。それを黙って見送るしか無いシュバルツ。二人の間には、確かに溝が生じつつあった。
オフィーリアと入れ替わるように、一人の少女がキャビンへと入ってくる。シュバルツは席を立ち、その少女を向かえる。
「ミュン=ユン=ファーレンです。シュバルツさん、伝説の蒼き鷹に出会えるとは、光栄です」
「ああ、そこにかけたまえ」
失礼しますと、少女は椅子に腰掛ける。それを見届けると、シュバルツも再び椅子に腰を下ろす。
「君のドールの調子は、どうか?」
「はい、順調です」
「そうか……ならばこれ以上、あの男の好きにさせておく必要も無いな?」
その彼の言葉に、少女はじっと彼の瞳を見る。
「あの男……ユウ=マテバ、ですか? わたしには、好きにはなれません」
「俺も、同意見だ。あの男は危険すぎる。ミュン君、私の言いたいことが分かるね?」
彼の気持ちが、ミュンには伝わる。この男は、ユウを死なせたがっている……。だが、デア・ヒンメルのエースの言うことならば、自分は従うほうが賢明だろう。この男に逆らうのは、恐ろしい事になる。
そう考えると、ミュンは敬礼をして部屋から退室した。シュバルツは満足げに、椅子に深く座る。少しずつ、奴の周りを切り崩す。そしていつかはオフィーリアも目を覚まし、あの男を捨てるだろう。その前に、あの男が死ぬのが先か……。
ユウの敵は、決して外だけにあるのではなかった。
・第五話へ続く……
854 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 14:52:28.77 ID:D1PcD6MR
し
>>853 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>838 一年近く悪い意味でリア充なんでROMってるけど
ログインユーザー許可するくらいはできますぜ
かっ……、管理人さん!? 管理人さんじゃないか!
お久しぶりです、心配してましたよー!
858 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:45:08.43 ID:LO+TYSh2
トランスフォーマーのあれ、続き投下
859 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:47:00.30 ID:LO+TYSh2
ふと、ソラは空を見上げていた。
お気に入りの硝子のペンダントを空に透かして星空を見るのが、ソラは好きだった。
それが自分の名前だからなのだろうか。月の光が硝子を透過し、石の表面できらりと光っている。
そういえば小さい頃、空を見る度にわくわくしていた記憶がある。
しかし実際見ていたのがどのような状況だったか、という事に関しては曖昧だ。
両親の生きていた頃の記憶なのではないか、と最近は思うようになった。
それとて別段確実な根拠があるわけではなく、デジャブという奴なのかもしれなかった。
ソラに両親の記憶はない。自身で調べてみたところ、交通事故で彼女が生まれてすぐ後に亡くなったという。
祖父もあまり語ってはくれなかった。あるいは語りたくなかったか。
当時、祖父は両親の亡骸を見たはずだ。思い出したくないのだとしても当然の事だろう。
そんな心情を子供心に察し、彼女も突っ込んで聞かなかった。
祖父が亡くなったのはソラが中学校を卒業した直後だった。
遺言により、ソラは高校卒業まで遠縁の親戚の面倒になった。
しかし、元々一つの家族として成立していた一家へ、新たに1人の少女が加わるのにはやはり無理があった。
育ててもらったという感謝はしているし、親切な一家だったと思う。
しかし、どこか噛み合っていなかったし、ソラも彼らが家族という実感はない。
彼女が高校を出てから一人暮らしをしているのはそういった事情からだ。不定期で音信はあるものの、自分からも彼らからも会う事は滅多にない。
860 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:47:55.74 ID:LO+TYSh2
事が起こったのは、ソラが自分のバイクを押しながら、アパートへと帰るところだった。
「(ついてくる……。)」
彼女は不気味な視線を感じるようになっていた。
黒いバイクに乗った男。最初は単なる気のせいかと思っていたが、いつも同じ服装だった。
付いて来るだけで何か変な事をされたわけではないものの、やはり気味が悪い。
声をかけようかとも思ったけれども、逆に追おうとするといなくなってしまうのだ。
加速すればいつの間にかいなくなっている。近所に住んでいてたまたま同じ道を通るだけ、という可能性も高かった。
861 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:52:36.31 ID:LO+TYSh2
今回も撒いてやろう。
バイクに跨り、加速しようとしたその時、曲がり角からいきなり銀のスポーツカーが飛び出してきた。
「あいたぁっ!」
慌てて急停止しようとして、思い切り転んでしまった。
ここは確か侵入禁止だったはずだ。
バイクを起こしながら、ソラはスポーツカーの運転手を思い切り怒鳴り付けた。
「何やってんのよ、このバカァ!」
腹立たしいのは、運転手の済ました顔。人を轢き殺しかけておいて、その無表情はなんなのだろう。
一言文句でも言ってやろうかと思い、バイクを降りた。
スポーツカーがいきなり変形した。
862 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:53:03.30 ID:LO+TYSh2
「えっ!?ええっ!?」
あまりの事に腰を抜かしてしまった。
スポーツカーだった銀色のロボットが、ソラに顔を近づけて吼え立てる。
「アマツ博士 カラ 受ケ継イダ物 ハ ドコダ!?」
金属を叩きつけたような、人間らしくない声だった。
「ま、待った、私が悪かった!悪かったから!」
ソラは謝った。
冷静な人間ならば相手に謝罪が通用するかどうかをまず考えただろうが、車がロボに変形した時点でそんなものは空の彼方へ消し飛んでいる。
「ドコダ!ドコニ隠シテイル!?」
「ちょっと待ってよ、何の事だかわかんないってば!」
アマツというのは祖父の姓だ。祖父から受け継いだ破片と言われても、ソラはぴんと来なかった。
確かに祖父からは可愛がってはもらったが、少なくとも金属のでかいモンスターが欲しがるような物をもらった覚えはない。
「トボケルナ!受ケ継イダ物 ヲ 寄越セ!」
まるで話が噛み合っていない事に苛々しているのだろうか。金属のモンスターが拳でアスファルトを叩き砕いた。
赤い目をぎらつかせて、脂っこい液体(それは犬の涎に似ていた)を口から撒き散らしながら吼え立てる。
863 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:53:56.55 ID:LO+TYSh2
「ムシケラ メ!」
鉤爪の生えた腕を振り上げたその時、
「手を出してんじゃねぇクズ鉄野郎!」
あの黒いバイクだ。
誰もそのハンドルを握っていないという事を誰にも気付かせる間もなく、バイクの部品がガチャガチャと組み替わり、ロボットの姿へと姿が変わった。
まるでルービックキューブの達人芸のようだった。
「どりゃっせいっ!」
スポーツカーロボットの顔面に、強烈な膝蹴りを叩き込む。
バイクロボは一撃二撃とさらなるキックを加え、バランスを崩した敵ロボットはコンクリート塀に頭を突っ込み倒れ込んだ。
864 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:54:38.62 ID:LO+TYSh2
「ふー、一丁上がりっと。」
すたんっ、とバイクロボは地上へ降り立つ。
「……ねぇ、ちょっと」
「あぁ、何だよ?」
額を拭う仕草をしながら、バイクロボは声のした方向に目を向けた。
「あ゙。」
すぐ傍に立っていたソラと目があった。
865 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:55:31.98 ID:LO+TYSh2
「……今更戻ったって遅いと思うけど。」
慌ててバイクの形態に戻ろうとするバイクロボに、ソラは言った。
それでも無理やり発進しようとする擬態バイクの前に、ソラが立ち塞がる。
「どわぁっ!」
バイクが後輪で立ち上がり、バック宙返りするようにロボへ変形して着地、ソラに怒鳴った。
「前に飛び出すな、轢かれてーのか!?」
「逃げようったってそうはいかないから!」
ソラはロボの顔面に指を押し付けた。
「まず、アンタなんなの!?」
次に、ぐしゃぐしゃになっているスポーツカーロボットを蹴りつけた。
「それからこいつはなんなの?何でアタシが襲われてんの!?説明してよ!!」
どう、どう、どう、と制しようとしているが、相手は完全に勢いに押されていた。
「オーケイ落ち付け、俺はサイバトロンの偵察員だ。」
「ますますわけわかんないんだけど!?」
「いや、わかれよ!」
「わかんないものはわかんないし!」
867 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:56:28.83 ID:LO+TYSh2
「叩ッ潰シテヤルゼ、サイバトロン!」
言い合いをしているところに、スポーツカーロボが飛びかかって来た。
ジャキンッという金属の擦過音と共に、右腕をチェーンフレイルに変形させ、振り回している。
「あぶねぇっ!」
バイクロボの手がソラを突き飛ばし、自身も敵の攻撃を回避する。
スポーツカーロボットの片腕が、ソラの頭上のコンクリート塀を粉々に打ち砕いた。
ソラの体がコンクリートのように粉砕されるのを、寸でのところで免れた。
「あらよっと!」
スポーツカーロボの攻撃は、小柄ですばしこいバイクロボには大振り過ぎた。
バイクロボが電柱を蹴り、黒いスポーツカーロボの頭に取り付く。
「これでも食らいやがれ!」
スポーツカーロボが顔面へ手を伸ばす寸前、バイクロボは腕を火器に変形させて撃ちまくった。
至近距離からの発砲に為す術もなく、スポーツカーロボの頭は木っ端微塵に吹き飛ぶ。
「ウゴアァァ!!」
火花と体液を撒き散らしながら、呻き声を挙げるスポーツカーロボット。これは流石に致命傷のようだ。
金属製の黒いボディがブロック塀に倒れ込み、倒れた拍子に全身の金属部品がぐしゃぐしゃに潰れた。
868 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 21:57:31.60 ID:LO+TYSh2
「あー、びっくりした。」
スポーツカーロボットの上半身から飛び下り、ソラの目の前に着地するバイクロボ。
腕の火器がギゴガゴという音と共に格納され、ヘッドギアが持ち上がり素顔を露出した。
金属で構成された頬、青い瞳。地球上のどのような顔にも似ていない顔だった。
「お前、怪我してねーよな?」
大きな金属の手で、地べたに座り込んでいたソラを立たせるバイクロボ。
「あ、ありがと……ってそうじゃなくて!!」
ソラはケータイを取り出した。
「もしもし警察ですか!?変なロボットに襲われました!場所は……」
いきなり眼前で繰り広げられたロボットバトル。ソラは落着きを失っていた。
「オーケイ待て待てそのケータイはしまえ通報すんな、俺は怪しいもんじゃないから!」
「ずっと付け回しといて何が怪しいもんじゃない、だ!思いっきり怪しいから!」
「え、バレてたの!?」
「数週間も付け回してたらそりゃバレるに決まってるでしょ!!というか質問に答えなさいよ!」
869 :
さるしね:2011/09/13(火) 22:00:04.43 ID:LO+TYSh2
「ったく、なんでこんな時に限って他の奴らがいねぇんだ……どー説明したらいいんだ……?」
「……説明に困るくらいならいきなりバトル繰り広げないでよ。」
「俺こういうの苦手なんだよなぁー」
首筋をぼりぼり掻きながら、バイクロボットがぶつぶつとぼやいている。
やけに人間臭いその言動を見ている内に、ソラは冷静になりつつあった。
そして、ソラはある事に思い至った。
「……アンタってひょっとしてさ、」
むしろ何故その事に気がつかなかったのか、不思議なくらいだった。
「トランスフォーマーなの?」
シエン
871 :
さるしね:2011/09/13(火) 22:01:06.30 ID:LO+TYSh2
トランスフォーマー。
自らをそう名乗る異星人種族が地球に飛来したのは数十年前の事であった。
戦争によって故郷が荒れ果てて、修復の間のみ居候させて貰える文明を探している。
どうかこの星に難民として受け入れてもらえないだろうか。
彼らはそのように語った。
通常のSF映画であれば、ここで特殊部隊でも編成し、彼らを侵略者として撃退するところであろう。
あるいはそれこそ巨大ロボでも建造して、別のロボットアニメのような展開になっていたかもしれない。
事実、当初は対立もあったし、排斥する流れもあった。
行動の裏を読もうとする連中もいたし、かと思えば逆に利用しようとする者もいた。
彼ら自身、一枚岩とは言えず、文化の差異もあって、小競り合いが絶えなかった。
長いパワーゲームと議論の末に、地球の指導者達は、いくつかの技術提供と移民審査基準を設ける事を条件に、彼らを受け入れる事を決断した。
その審査基準というものはかなり厳しいもので、実際に受け入れられた人数も百体に満たなかったが、彼らにはそれで充分であった。
散り散りになった結果、その程度しかこの惑星に到達できなかったのだ。
872 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 22:01:56.34 ID:LO+TYSh2
だがそれも過去の事。数十年、経ってしまえば世代も変わる。
彼らと交流する中で育った次世代の指導者達は、先代の指導者達とは逆に、彼らを積極的に受け入れようと試みているし、彼らを保護する為の国家体制作りを推進してきた。
また彼ら自身、受け入れてもらえるよう努力を続けてきた。
災害時の人命救助や瓦礫撤去などへの協力は惜しまなかったし、彼らが提供した様々な技術は、地球の科学の発展に更なる飛躍をもたらした。
私たちは敵ではない。彼らの指導者、コンボイはそのメッセージをアピールし続けた。
そのたった1つのメッセージが世界へ沁み渡るまで、何年かかっただろう。
そうした努力の積み重ねの結果、手と手を取り合うという間柄ではないにせよ、少なくとも人々が彼らをクズ鉄だの怪物だのと呼ぶ事はなくなった。
過激な連中が未だにいるのもまた事実だが、当初ほどの勢いはない。
世代も変われば世相も変わるのだった。
とにかく彼らは地球のどこかでひっそりと暮らしている……
873 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 22:03:16.67 ID:LO+TYSh2
以上が、世界史の教科書に載せられている記述だった。
「なんだ、知ってんじゃねーか。」
「まぁ、中学生レベルのジョーシキだしねぇ。見るのは初めてだけどさ。」
ついさっきまで中学生レベルのジョーシキが吹っ飛んでいた事はさておき。
「俺地球人って苦手なんだよねー。なんか、こう会話し辛くてさー。」
説明する手間が省けたのに安堵したのか、バイクロボットは肩の力を抜いた。
口下手で不器用なだけで案外いい奴なのかもしれない。そう思うと、急に親近感が湧いてくる。
「……アンタ、名前は?」
「俺か?」
「アンタじゃなくて誰がいるのよ。」
そこまで言って、名乗る時は自分から名乗るのがマナーではないかと思い立ち、ソラはまず自分から名乗る事にした。
874 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 22:03:58.74 ID:LO+TYSh2
「私はソラ。ソラ・カナタ。」
それに応じて、バイクロボもにっかり笑った。
「俺の名前はオーバードライブ。サイバトロンの偵察員。よろしくなっ。」
彼らの場合、未知との遭遇はそれほど劇的でも無ければ、恐ろしい物でもなかった。
875 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 22:04:24.01 ID:LO+TYSh2
……
「……あ。」
「どうしたんだ?」
そして彼女は重要な事に気がついた。
「あたしのバイク!!」
先程の闘いの結果として、それはスポーツカーロボットの下敷きになっていた。
876 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/13(火) 22:05:12.47 ID:nTLqeky+
シエン
877 :
◆PC.WAzG.OU :2011/09/13(火) 22:06:06.64 ID:LO+TYSh2
ここまで。このスレの速度思っていた以上に速いんで、ごちゃらんようにトリップつけときます
ナマモノさん、無明の侍さん、並びに
>>877さん、マジで投下乙であります
まだまだ時間というか余裕が無いですが、じっくり読ませて頂きます
それと火曜日までに投下すると宣言しましたが……本当にごめんなさい
色んな事情で無理というか困難になりましたorz寧ろ今週中すらも場合によっては難しいかもしれません
弁解ばかりでアレではありますが、BW等はもう少しお待ちください……
>>856 初めまして。それでは申請させていただきますので、よろしくお願いします
>>853 >>877 お二人とも、投下乙です!それではゆっくり読ませていただきますね
纏めてしまって失礼m(_ _)m
>>878 気になさらず!
無理せずゆっくりやってください。自分も結構溜まってるんでw
みんなの投下速度速がすぎる!嬉しい悲鳴と言うか、普通に悲鳴が上がるレベルw
俺も自分の作品の続きとかとか、書かないとな
突然ですが、47号機にTロG ◆n41r8f8dTs氏の「ロスガ×カインド」が投下されてるじゃないですか
それ、wikiに載せる際にタイトルを「case by case」にしてくれとの依頼がありましたが、
どうやらそうなってなかったみたいなので、勝手ながら直させていただきました。
正確には、「case by case」と言う新たなページを作って
投下順作品一覧のリンク先を変更したのと◆n41r8f8dTs氏にリンクを追加しただけですので、
戻すのにもさほど手間は掛かりません。問題がありましたら自分がすぐに直します。
便宜上、リンクの名前は以前の通り「ROST GOAL×カインド オブ マシーン」のままです
編集画面を開いていただければ、下記の通りになっているのが確認いただけるはずです。
***[[ROST GOAL×カインド オブ マシーン>case by case]]
無断での変更は問題あるかと思いまして、現状はこうさせていただいてますが、
よければどちらか(できればcase by caseの方…)に統一させようかと思っています。
それと別件(?)ですが、3周年の「Alisa in TOKYO」の方はどうしましょうか、
現状は「ROST GORL×カインドオブマシーン」と言うページ名になっています。
個人的には差別化するために「Alisa in TOKYO」の方にしたいのですが、そこは氏のお望みのままにしたいと思います。
後、関係の無い質問を、
気になってたんですが、ロスガのスペルがちょくちょく変わっているのは、何か意図が御有りなんでしょうか( ´・ω・`)
本編でもep.5とep.6、ep.7後編、ep.8が<LOST GORL>で残りのepilogue以外が<ROST GORL>、
epilogueが<ROST GIRL>となっていて物語の進行に則した感じなのかな?とか思ってるんですが、どうなんでしょうか
「case by case」でのタイトルは<ROST GOAL>になっているので、もし由来とかあれば、教えていただきたいです
P.S. ロスガっていい作品ですね。感動して涙流しましたよ……電車内で
ロスガのアレは単なる誤字だったはずw
誤字がネタというか設定に昇華したタイプですね、ロスガはw
>>877 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>880 自作で泣かれるとは……というか泣かせてすみませんです
とはいえそこまで作品にのめり込んで頂けて、作者冥利に尽きまして天に昇る気持ちです
それはともかく……
タイトルは単純に自分のミスですorz由来というか、本当に間抜けな話ですが
自分、ちょくちょくスペルミスしちゃうんでもうLOSTGIRLでもROSTGORLでもいいや!となってしまいまして……w
とはいえ只のミスにするのもアレなので、ティマの過去に兆す部分として、ガールのスペルミスを設定として取り上げました。ややこしくてすみませんです
それとwiki編集、本当に有難うございます。問題なんてとんでもない
寧ろ作者の自分がちゃんとしていなくてごめんなさい。で、自分としてはcase by caseに統一して貰えればなと……
ついでにこの前の3周年の方もAlisa in TOKYOの方にして貰えると助かります。こちらから要望ばかりですみません
ではまた
誰もいないな……
なんか妄想でもぶちまけようか…
>>883 いえ、感動をありがとうございます。
タイトルの方は不思議と魅力があるので、そのままにしておきますねw
今年のヴァレンタイン記念の「アンドロイドはバレンタインの夢を見るか」をロスガのページに追加しました
ご確認ください
あと、秋水 ◆3C9TspRFnQ氏のヴァレンタイン記念作も追加しました
いらっしゃいましたらご確認ください、ダイガストのページにリンクを作りましたのでそちらから確認おねがいします
問題などございましたらご一報おねがいします。
思いの外、作業量多いな…
知ってる人いるか分からんがファイブスター物語なる漫画を買ってきた
すんごい面白いなコレ
永野護さん……でしたっけ?
名前しか知らないですけど……
>>887 美女や美少女がパートナーで二人でロボ動かして
そのロボが互いに刀剣で(機関砲とかも武装に付いてるけど)戦うってのがまた良い
890 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/15(木) 01:47:28.44 ID:/ABFCkg2
ロボと女の子のコンビってのがすげえぐっとくる
現在48号機に投下された作品の整理中、だが、今日はもう寝る
一応、投下された作品一覧。
もし、この下記の中でページが無いモノを見つけましたら、教えてくださると凄く助かります
まぁ、自分でやれって話ですよね。ハハハ……
魔機那戦記 1〜5+短編2(一部避難所25号機)
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(?)創発トーナメント、観客席にて 著・PBM!氏
↑はどうしよう…
このほかにも単発ネタがチラホラ有りますが、流石にそこまでカヴァー出来ないです。スイマセン
ではまた
おはようございました。ナマモノですよ。朝ご飯は水。
すこしペースが速いかな? とは思いつつも、やむを得ぬ事情につき出勤前に投下する次第。
それにしてもおなかがすいたけれども、コンビニまでは我慢なのだぜ。では、投下。
以下、第五話……
一人の男が、格納庫脇に直立する一機のドールに乗り込もうとしていた。
「少佐、何もご自身で出撃なさらなくても……」
整備兵の一人が、そう声をかける。しかし、男は振り返らない。
「大統領からの、直々のご命令なのだ。必ず抵抗組織のリーダーを、生きて連れ帰るようにと……」
ドールに乗り込む。それは、量産型のチャレンジャーではなく、もっと別の形をしたものである。
新型機、『ネクサス』。空中での戦闘を意識した、空力に優れた機体デザイン。そして搭載された多くのホーミングミサイルと、機体前部内蔵型の大型荷電粒子砲。そして腕に持たせたビームライフル。
ネクサスは、試作型の高機動型ドールである。それは、抵抗組織のフラグシップ、シュリッツ・オーアに対抗して作られたものである。
シュリッツ・オーアを超える性能を実現しようとした機体。そしてそのパイロットが、政府軍のエリート、キリング=ブローニングであるのだ。
「各機、発進後は楔形に展開。オレの後に続け!」
輸送用ベースに固定されたチャレンジャーが六機、ネクサスと共に発進していく。目標は抵抗組織の集っていると思われる地、フランスはボルドー。
「待っているがいい、抵抗組織が……。必ず叩き潰してやる……」
夕闇の迫る仮設滑走路では、三機の輸送機の周りを忙しく人が行き来していた。あたりには警報が鳴り響いている。敵がこのエリアに侵入してきたのだ。
空中から侵攻してきた敵は、輸送用ベースと分離し、この地に向かっている。それを迎撃するために、各機は発進しようとしていた。しかし、そこにユウのヴィルキューアの姿はない。
「何でだよッ! 何で俺が出撃できないってんだよ!」
シュバルツに食って掛かるユウ。敵が来ているというのに、自分は出撃させないとシュバルツは言うのだ。従えるものではない。
「納得できるかよ! どういう理由なんだ、えェ?」
「貴様には、まだ敵の相手は無理だということだ」
「俺だって、前回は戦ってみせただろうが!」
拳を握り締め、今にもシュバルツに飛びかかろうかというユウ。しかしそれでも、シュバルツは態度を改めようとはしない。
「雑魚は引っ込んでいろということだ。ミュン、行くぞ」
ミュンという少女パイロットを連れて、シュバルツは機体の方へと去っていく。馬鹿にされた、そういう思いをユウは覚える。あの男の中では、はなっから自分などは戦力外なのだ。虫けら同然にしか思ってはいないのだろう。
「チックショウ!」
ユウはドンッと輸送機のボディーを叩く。周りの人間が、そんな彼を訝しげに眺める。彼らも、シュバルツの決定には不審なものを感じている。
人手は多い方が良いはずなのに。しかし、それでもエースであるシュバルツの決定は絶対だ。逆らう事はできない。
憤慨するユウに、オフィーリアが駆け寄り、慰める。
「シュバルツにも、きっと考えがあるのだ。お前を残しておいて、私を守らせようというのだろう」
「そんなんじゃねェ、俺ァ除け者にされたんだ!」
そうわめくユウの肩に、そっと手を置く。
「私は、お前に側にいて欲しい。そして私を守って欲しい。私が必要としている、それでは不服か?」
「……けどよ……」
オフィーリアは、やや落ち着いて見える彼を見て、微笑を浮かべる。そこには、確かな信頼が感じられる。そんな彼女を、ユウは眩しく感じる。
「ここで、私を守れ、ユウ。それが、今のお前の任務だ」
滑走路から離れたシュバルツのシュリッツ・オーアとミュンのトーベン・カッツェは、迫りくる敵へとその進路を向けていた。
「シュバルツさん、敵の動き、妙だと思いませんか? まるでわたしたちを誘っているかのようで……」
「気にするな。どのみちすぐに全滅させれば、滑走路に被害も出まい。行くぞ!」
二機は敵へと向かっていく。それを避けるように、一機の敵が彼らの背後に向かおうとしている事には、まだ気がつかずに……。
山と詰まれた資材の影に、ユウとオフィーリアは腰掛けていた。まだ少し荒れている彼と、それを労わるかのような彼女。
ユウは彼女に、ぐちぐちと愚痴をこぼす。それをオフィーリアは、黙って聞いていた。
「まったく、少しは俺の事を信用してもらいたいぜ。俺だってよォ、いつまでも昔のままじゃないんだぜ?」
「仕方が無かろう。信頼というものは、時間によって得られるものだ。それでこそ、真の信頼と言える」
「だからってよ、この仕打ちはねェぜ。俺ァ一機でも多く敵を落として、早くエースになりてェんだよ。それがこれじゃ、飼い殺しじゃねェか」
少し躊躇った後、オフィーリアはそっとユウの手を取る。そしてじっと、彼の瞳を見つめる。
「急ぎすぎて死ぬのは、よくない。ユウにはじっくりと強くなってもらいたいのだ。そう、私は望んでいる。そうでなくては、私の隣になど……」
「お前の隣、ねェ……。そこに辿り着くには、まだ俺ァ時間がかかりそうだ」
「ふふっ、問題はない。私もじっくり待つとしよう」
遠くから、戦闘の喧騒が風に乗って聞こえてくる。それを耳にして、少女はその身を小さく竦める。
「……私は、怖いのだ」
「なんだ、戦いが怖いのか?」
「そうではない。戦いの中で死ぬのは、私の本望だ。しかし、お前は違う。私はお前を戦いの中で失うのが、怖いのだ……」
それは、ユウには分からない感情。自分の事よりも、他人の心配をする事。ユウには、想像のつくことではない。
誰だって、自分が一番大切だ。それは人種、信条、性別、年齢に関係が無いと思っていた。しかし、ここに座っている少女は、違うのだ。
偽り無く、他人を心配するという事。それは非常に労力を必要とする。自分の心配をするよりも、遙かにだ。
ユウは繋いでいる手を、ぎゅっと握る。そこから少女の温もりが伝わってくる。それを確かな自分の感覚と捉えると、ユウはにやりと笑った。
「へっ、おめでたい奴だぜ、お前はよ。俺はお前の心配なんざ、これっぽっちもしてねぇんだぜ?」
「それでも構わぬ。私が、一方的に心配しているだけで良い……」
ユウはもう一度彼女の手をぎゅっと握ると、その手を離した。どこか残念そうな顔をする少女。
しかし、ユウが笑顔であるのを見ると、それにつられるように微かな微笑を見せる。
「まぁ、俺を慰めてくれたことには、礼を言うぜ?」
「事実を言ったまでだ。気にするな」
この二人の間には、確かな信頼が生まれようとしていた。本人達は否定するだろう。そんな事は、ありえないと。しかし、現実はそうであった。
そしてユウが何か言葉をかけようとした時、それは聞こえた。
ビュヤォウ!
風を切るような音。そしてふたりの上空をパスしていく何か。ユウの目は、それを人型の存在と捉えた。シュリッツ・オーアの青い機体ではない。赤い何かだ。
「シュバルツの野郎ォ、突破されたのかよ!」
ユウは慌てて自分の機体に走る。
「お前はどっかに隠れてろ! ここが戦場になるぞ!」
「気をつけろ、ユウ……」
オフィーリアは物陰に走る。そして、赤い機体は滑走路へと降下してきた。外部スピーカーでその場であたふたとする人々に呼びかける。
「オレは政府軍のキリング・ブローニング少佐である! 抵抗組織に告ぐ! 直ちに諸君らのリーダーであるオフィーリア=アイネスを引き渡せ! 抵抗すれば、滑走路上の輸送機を破壊する!」
勿論、それはただの方便に過ぎない。オフィーリアを引き渡そうが引き渡すまいが、滑走路上の物は全て破壊するのだ。
それが例え一方的な虐殺であろうとも、キリングは戸惑うことはない。抵抗組織の壊滅が、自分の任務だからだ。
やがて、一人の小柄な少女が、キリングの乗るネクサスの前に現れる。間違いはない。彼女こそ、オフィーリア=アイネスだ。
「オフィーリアだな? 貴様を連行する!」
「……本当に、私が投降すれば、ここの破壊は止めるのだな?」
「約束する。マニュピレーターに乗れ!」
機体の腕を下げ、手の平を開く。恐る恐る、そこへと進み出るオフィーリア。そして、手の平に乗ろうとした時、それはやってきた。
「んなろォッ!」
ユウの駆るヴィルキューア。それが乱入してきたのだ。オフィーリアの回収を諦め、後退するネクサス。
「まだ動ける奴がいただと?」
「手前ェ! オフィーリアに何しやがるッ!」
ユウはがむしゃらにネクサスに攻撃を仕掛ける。しかし、キリングの操るドール、ネクサスは驚異的な機動力でそれを回避する。
いくら撃っても、当たらない。その状況に、ユウは歯噛みする。自分だって、戦いには慣れてきているはずだ。それなのに、この相手は自分を歯牙にもかけない。
ネクサスはビームライフルを一閃させる。その光芒は、何とか回避しようとしたヴィルキューアの腕部装甲を焼く。その一撃に、ビームランチャーを持たせた腕の反応が遅くなるが、ユウは構うことはない。
「ざ、ざけんじゃねェ! 俺の方が上なんだよォ!」
その言葉は、自分と相手……キリングと名乗った男……との間に、絶対的な技量の差を感じ取った、その悔しさが吐かせるものである。ユウはこの相手には勝てないという嫌な直感を振り払い、なおも攻撃を仕掛けた。
ビームランチャーの一撃が、夕闇の中のネクサスを明るく照らす。しかし、それはかすりもしない。ただビームの粒子を撒き散らすだけだ。
「フン……このパペッター、素人か……?」
ネクサスのコックピットの中で、キリングはそう結論付ける。少なくとも、シュリッツ・オーアほどの戦力ではない。
距離をとりながらも、更にライフルを一斉射。ヴィルキューアの肩の装甲を吹き飛ばす。その動きは、簡単に読み取ることができる。狙い撃つのも容易い。
ここまでか、とユウは感じる。赤く警告灯が点滅するモニターの中、ふと少女の姿が見えたような気がした。モニターを拡大する。
心配げにこちらを見る少女。その表情を、これ以上曇らせたくないと思った。だから、ユウは最後の気力を振り絞って突撃をかけた。
「うおおォォッ!」
左腕のヒートダガーを抜く。そのまま突っ込む。機体をビームがかすめるが、気にも留めずに。そしてネクサスの懐に飛び込む。
「こいつ、正気か!」
その無謀な突撃に、キリングは機体を後退させる。しかし、ユウのヴィルキューアの動きの方が一瞬早かった。
ジュワンッ!
ヒートダガーが、ネクサスの正面装甲を切り裂く。それはコックピットフレームにまでは届かない、浅い切り付けではあったものの、充分にその効果を発揮した。
ネクサスのコックピットの正面モニターに亀裂が入り、映像がぼやける。舌打ちをして、キリングはビームライフルの照準を、ヴィルキューアに合わせる。
今の一撃が精一杯だったのか、その動きは止まっている。狙い撃てば撃破できるだろう。しかし、キリングはそれをしなかった。
この場には、オフィーリアもいる。もし爆発を生じさせて、彼女まで巻き込んでしまってはまずい。任務の目的は、生かしたまま連れ帰ることなのだ。
再び外部スピーカーで呼びかける。
「オフィーリア、オレと共に来なければ、この機体のパペッターを殺すぞ!」
ヴィルキューアのコックピットにライフルを突きつける。それは、フェイクに過ぎない。爆発させずに破壊する事も可能だろうが、それを確実にできる自信はない。
しかし、それでも充分だったようだ。オフィーリアが再びネクサスの前に進み出てくる。それを確認すると、キリングは薄く笑みを浮かべる。
「……本当に、私が行けばユウの命は助けてくれるのだな?」
「保障しよう。必ず生かすと」
それは嘘だ。彼女さえ手に入れば、こんなところ破壊されても構わない。上空に上がれば、すぐに狙撃してやる。
そしてマニュピレーターを伸ばし、彼女を回収しようとした時、オフィーリアを避けるようにネクサスの周囲にライフルの攻撃が突き刺さる。周囲に爆炎が上がり、視界を覆いつくす。
見上げれば、上空からシュリッツ・オーアが迫り、地上からはトーベン・カッツェがこちらに向かってくる。
キリングは舌打ちすると、機体を上昇させ、その場から逃れる。完全ではない今の状態で、二機を相手にやりあえるとは思えない。
地上に擱坐する機体を眺める。奴の邪魔が無ければ、全てはうまくいったというのに……。悔しさが満ちる。
「あの機体……次に出会ったときは、必ず破壊してやる……オレのプライドに賭けて必ず倒す……」
ネクサスは飛行し、戦場から逃れる。味方の反応はない。全てシュリッツ・オーアたちに撃破されたのだろう。その程度の損失は覚悟した陽動部隊ではあったが、これだけの損害を受けて任務をまっとうできなかったのは、キリングの恥だ。
全ては、あの抵抗した機体と、そのパペッターのお陰だ……。恥を掻かせてくれた礼は、必ずしてやる……。
キリングはそう思いをめぐらせると、ネクサスを帰還コースに乗せた。
「この、馬鹿野郎がっ!」
ドガッ!
シュバルツの一撃が、ユウを殴り飛ばす。たまらず吹っ飛ばされる彼の体。シュバルツは大いに荒れ狂っていた。
もう少しで、オフィーリアが連れ去られるところだったのだ。まんまと敵の作戦に乗ってしまった自分の事は棚に上げ、ユウを殴りつける。
「貴様が、貴様がオフィーリア様を危険な目に遭わせたのだ! 分かっているのか、ユウ=マテバ!」
更に呻くユウに攻撃を加える。ユウはそれを受けながらも、必死に立ち上がり、シュバルツに反撃を試みた。
「危険な目に遭わせたのは、手前ェらだろうがよォ!」
バキッ!
ユウのラッキーパンチが、シュバルツに直撃する。よろめくシュバルツ。慌ててその体を支えるミュン=ユン=ファーレン。
「へっ、へへっ! ざまあねェぜ!」
ぺっと血の混じった唾を吐きながら、ユウが笑う。怒り狂ったシュバルツは、その顔面に拳を叩き込む。再び吹っ飛ばされるユウ。
「止めろ、シュバルツ。ユウは私のために戦ってくれたのだ。ユウの活躍が無ければ、私はとっくに捕まっていた……」
二人の間に、オフィーリアが立ち塞がる。シュバルツは、更に頭に血を上らせる。必死で戦ったのは、自分もなのだ。それを、彼女はユウだけを庇って……。
「今日は、もう三人とも休め。この後の敵襲はないだろう。大丈夫か、立てるか、ユウ……?」
シュバルツは怒りに顔を歪めながら、その場を後にする。あんな、あんな腐りきった若造が、オフィーリアに重宝されている……。それは、シュバルツには到底許せるものではない。
肩を震わせながら、シュバルツは去っていく。その後ろ姿を、唖然と眺めていたミュンも、オフィーリアにぺこりと頭を下げると、その後を追って走り出す。
その場には、ユウとオフィーリアだけが残された。
「けッ、お高くとまりやがってよ……自分の失態くらい、認めやがれってんだ」
「シュバルツは、よくやってくれている……。ユウが思うような男ではない」
オフィーリアは、いらつくユウをとりなす。彼だって、そのことは充分に理解しているのだ。シュバルツとミュンがいなければ、彼女を守る事はできなかったという事。
ユウは、またも敗北したのだ。偶然に敵を傷つけただけ。それ以外は、まったく戦果を上げてはいない。ただやられっ放しであった。
「なァ……俺ァ、お前の役に立ってンのか?」
ユウは傷の手当てをするオフィーリアに問いかける。それに、至極真面目な顔で答える彼女。
「何を言う。いてくれなければ困る。お前はその……私の騎士だからな」
「騎士ねェ……どっちかっていうと、餌をもらってる厄介な野良犬って感じだけどよ」
「そう、自分を卑下するものではない。ユウはよくやっている。さっきも、私の事をその体を張って守ってくれた」
傷の手当てを終えると、オフィーリアはそっとユウの額に口付ける。その少し乾燥した、荒れた唇の感触を感じて、ユウは自分がまだ生きている事を実感する。
「これからも、私を守れ、ユウ。そうすれば、私もそれに応えよう」
そのまま、オフィーリアは立ち去っていく。その後ろ姿を、呆然とユウは追いかける。まったく、あのお嬢さんは……。こんなにも自分の意識をかき乱す。
「どうしちまったんだ、俺ァ。やられちまったのは、俺のほうなのか……?」
・第六話へ続く……
以上で投下終了でする。あいかわらずな感じで申し訳なし。
それでも今はこれが精いっぱいなのだ。もっとビックリドッキリハッタリな代物もあるけれども、後々にね。
という感じで、ささっと出勤します。コンビニでおいしいものを食べるのだぜ。
なんという凄まじい投下頻度……それは兎も角投下乙です。
それとついでに報告なのですが、ロダがイかれているのかよく分かりませんが
他の画像は見られるのに、昨日投下されたばかりの一枚の画像だけが見られないんですけど
私だけですかね?
投下乙です。ゆっくり読ませていただきます
>>898 自分は見れましたよ
ブラウザで直接行ってみては?
>>899 ダメですね……、ブラウザを変更しても再起動してもPSPやPS3でアクセスしても
このファイルだけ何故か読み込めません。
もう消したんじゃないの? まだ未完成だしw
携帯だと普通にアクセス出来た上にPC上でも未だにリンクは見えるんですよ……
手に届く場所にある筈なのに見られないとかあまりに悲しすぎる
皆様、投下乙です。
>>885 まとめてくださって有り難うございます。
大丈夫、問題な…もとい、問題ありませんよ。
…ここのところ、仕事でやったヘマと、個人的に嫌な事の立て続けでクサクサしてたものですから、
人様の厚意が目に染みていけません。
ありがたや、ありがたや。
>>887 とりあえずバングと静は私の嫁と主張
あっと、酉を忘れてました。
連投、失礼。
皆さん、投下及びまとめ乙ですのよ
>>898-902 絵はまだ消してないですわー
見れないのは何が原因なんでしょうねえ
ソフト・ハードの問題でもなく、画像のファイル破損でもないし、ロダのトラブルでもなさそう……
あと考えられるのは……プロバイダ、かな……?
>>897 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>887 既刊全部読んだ後ガイドブック(FSS DESIGNS1〜3)を買って「俺、こんなに伏線を見落としてたんだ……」と愕然とするがいいぞ!
何気にもう900超えてるんだな
いい加減感想書かないといけないと分かってるんだが書けない、誰か暇をくれ
容量も450越えてますねー。
次の投下で次スレかしら……。
48号機、完了ォ、もう寝る。49号機以降はまた明日以降
って、次スレ行きそうだな。いつになったら追い付けるのやら……
>>897 投下乙です。相変わらず早すぎるぜ旦那
ゆっくり読ませていただきますね
>>903 確認ありがとうございます。
ついつい本編を読み進めてしまったおかげで作業が滞ってしまいましたよw
いやはや、面白い作品の編集はこれだから…
嫌なことが続く貴方に、幸あれ。と、小さなお祈りを送っておきます。届くといいんですが
編集ほんとにお疲れ様ですー。
投下乙でした
誰か助けて〜
侍達の英仏独露のキャラ達が現れて、一斉に俺達を活躍させろと脳内で騒いでる
名前付けたら終わりだな……既に一部付いてるし
読み切りなの、読み切りなの、読み切りなの!
ぜぇはぁぜぇはぁ
ゼロ魔の二次も書き貯め有るけど、そっち書かないと駄目なのに…
その欲望、解放s(ry
今日一日、作品の続きを書こうと時間を費やしていたら
なぜか浮かんできたのは「ロボスレアンサイクロペディア」というものだった
「ぱら☆べらむ」
ぱら☆べらむは師匠◆1m8GVnU0JMの作品 ライトノベル
ジャンルはメカ美幼女百合ハーレムもの
全34巻 2112年4月にはアニメ化も予定されている
・あらすじ
遥か昔に文明がリセットされた世界 野良オートマタと呼ばれる幼女型のメカが徘徊していた
主人公、一条遥はオートマタの動力源となるマナを多量に保有する神子の立場を利用し、
野良オートマタを保護するという名目でメカ美幼女たちを自分の元に集めて独占し、
ハーレムを作ろうとしていた
だが、一条遥自身が女性である上に外見がどうみても幼女であるため
傍目には完全に幼女同士による百合ハーレムである
また、一条遥のマナに引かれてオートマタの方から寄ってくるため、
ほぼ1巻当たり1人の野良オートマタがその巻のヒロインとしてハーレムに加わる事となる
(以後、最終巻までこのスタイルは続く)
・イラストレーター解雇事件
作者の師匠◆1m8GVnU0JMは奇行・危険な発言の多い人物でネット上でも有名であり、
本作のイラストレーター担当にオートマタのデザインを全て貧乳体型&三つ編みの髪型で統一しろと要求した
その結果ロリ巨乳ツインテスク水日焼け跡マニアであるイラストレーターと大喧嘩が発生
結局イラストレーター担当を解雇、自分でイラストを手がける事になった
以降、3巻以降本文と挿絵の作者が同一人物である
(1・2巻も第2版以降は本文担当の書き直したものに表紙および挿絵が変更されている)
(そもそも当初のイラスト担当も、デザインをロリ巨乳&スク水に統一しようとしていたためお互い様である)
ゼロ魔の二次って他作品のキャラが召喚されますた系かね?
島の奴だよ。もともとエロパロの二次スレから避難してきた人。
せっかく創発きたんだから面でも投下しよう、三周年だし。って事で創発のスレ来てる。ロボスレ以外だとマッ缶スレに居たねw
>>914 ……!?
※||
※||
※|| ̄ ̄ヽ
※||ィjリノハノi ……!?
※||リ゚ワ゚ノi)
※||⊂ノ( )
※|| y
※||
ふふ……恥ずかしながら私も、その……クロスものっていうものを書いたことがありましてね……?
当然ロボものとロボもののクロスだったのですが、完結まで二章かけて総数百十話とか馬鹿なの死ぬの状態で。
まあ、比較的好意的には受け止められた様子でしたが、問題は各作品の設定のすり合わせとかでしたねぇ。
どうやっても問題が出る。強引に展開させるしかなかったのは反省点でしたですよ。世の苦労作家様の執筆力(ちから)が羨ましいですよね。
何と何のクロスだったんで?
>>919 いやいや、そうたいしたものではなくて……その……。
あまりはっきりと書くと素性が一発でばれて私が死ぬので、簡潔になら。
・某ロボ漫画と某ゲームのクロス。キーワードは『歴史の教科書にも載っていたレジスタンスのパイロット』です。
……ばれるかな。ばれるよな。
バレないバレないw わからないから
大丈夫、わかんないよ!
だめだ分からん! だれか金田一よ呼べ!
漫画の方は今度新作が出るクロボンで……
ゲームの方はスパロボ系統?
キンケドゥ!キンケドゥじゃないか!
>>913>>915 >>916参照でございます
代わりに説明感謝
仕事も増えてるんで、一応ファン付いてる方を優先しないといかんとです
かれこれ21万HITしてるんで
どうも侍は滑った感が強いなぁ、未だに感想無いもの
投下量のせいじゃないと思う
それとも続けるとファンが付くのか?
う〜む………
>>920 バレても大丈夫、恥ずかしくないよw
>>925 長谷川御大はネクストシートの完結が今の楽しみw
>>926 スンマソンまだ読んでない
三連休だからその合間に消化すんべかな〜とかそんな感覚
個人的に思うのは
自サイトやブログで公開とか小説作品を投下するサイトとかだと分からんですが
2chのスレで投下してくって場合は
一日、10〜15レスくらいに抑えて、数日置きに投下してくって方が
読者の食い付きが良い気がする
一度の投下レス数が多いと「後で読もう」とスルーされ易い
で、その間に別の作品が投下されればソッチを読んで
そのままスルーされ続けるという危険性もあると
どんだけ「絶対面白い!」と内容に自信ある作品でも
読んで貰えないと勝負にならんから
読み易くするというのが難しい所
いや、無明の侍おもしろかったですよ
最後のデータリンク組織戦で反撃するとことか、戦闘全般すごい良かったです
続編もあるなら期待してます
スンマセン。スゲー文章が読みにくくて
スンマセン、侍まだ読んでないです
流石に腰を据える量なんでw
あと、管理人サマ。申し遅れましたが、承認ありがとうございます!
おかげさまで編集サクサクです!ホントにありがたいです!
この思いよ、管理人様に届け!!
ほらほら、君たちもwikiを編集してみないか!?
楽しいぞ!!!!!!マジで!!!!!!!!!!!
…………………………………うん。
PCがぽんこつになったせいで本格的な編集は無理だけど、せめてPS3でちょっとした編集くらいなら手伝えたはず!
と思ってチャレンジしようとしたらPS3じゃ編集できなくなってたでござる……。
>>926 無明の侍、前半スルーして後半読んでから前半読み終わった
少女機甲録を、こういうノリで書きたかったなあ、と思う所がしばしば
>>932 その気持ちだけで充分ですよぉ〜
早速ですが、師匠
49号機に投下されてた 「肉体系! 魔法少女 フィジカルはるか!」のプロローグを作成いたしました
投下順・作品一覧から飛べます。ご確認ください
そして、氏の作品一覧のページのどこにリンクを作ればいいか指示してくだしあ
了解です、確認してきますね!
>>934 確認してきやしたー。携帯で見ると、初めの行の文頭がスペース空きまくりなのは何故なのでしょうか……それ以外なら問題ないのですが。
あ、あと、できたらでいいんですが、
肉体系! 魔法少女 フィジカルはるか!・Plorogue
のページタイトルを、
■Prologue:The Encounter World
に変更していただけるとありがたいです。
そして編集乙です!
って、肝心なところに答えてないじゃん! 駄目じゃん!
>氏の作品一覧のページのどこにリンクを作ればいいか
わっふるの下でお願いしまスンスーン。
しかも酉出してないじゃん! 超駄目じゃん!
>>936 了解です
”初めの行の文頭スペース”
自分のもしもしでは確認できないです。何故でしょう…?
もう一度作ってみるので、確認おねがいします
りょかいですー。
まだ謎のスペース、まだ出ますね……。原因不明ですし、私のもしもしでしか確認できないみたいなんで、放置で大丈夫でs
ってPS3で編集できるじゃん! 駄目じゃないじゃん!
>>941 いちお〜他の行と同様に半角スペース→全角スペースになってるんですが…ま、怪現象って事で、ほかの方から通達が有るまで放置します
……ええっ!PS3でも編集出来たの!?
それじゃ、後はゼンブ師匠に丸投g………するわけ無いじゃないですか〜。もう、えっちなんだからぁ〜
なんか、おれのID見てて腹立つ。
おあおぷエクゼン8
多少の編集ならこれで手伝えるぜヒャッハー! これはもう遥さんのスケベ絵を描いてる場合じゃないですねッッッ!
>ゼンブ師匠に丸投g
PCなら胸張って「任せなさい!」って言えるんですけど、さすがにPS3じゃあタイトルとかメニューあたりの短いところしかできないですwww
作品の追加はともかく、編集くらいなら知恵と工夫次第で何とかなりそうではありますが!
>ID
やだ……見られてる……。
>>944 一瞬、やばい人が来たと思ったら自分のことだった
>>945 いや、やっぱ自分頑張るんで、手伝いなんかしてないで師匠は絵を描いててください。そんでさっさと投下してください(迫真)
(OAO)<僕はずっと見てますよ
>>946 こっちみんなー!
一応、リハビリ程度に気になってたとこをちゃちゃっと弄ってみましたー。
あとスケベ絵の方もリハビリ絵だから! 期待したら痛い目見るから!
トップページは怖くて手が出せなかったんです。ありがとうございます
そして……wiki編集乙!!これ言いたかったんだ!!!
リハビリとか言っちゃって〜実は投下する気満々のくせに〜
そう言えば、62号機は絵の投下少なかったですね、ってむしろ有るのが凄いのか。創発的には
編集間違えても、リカバリーの方法はあるから編集しまくっちゃっていいのよ!
あとスケベ絵は投下するとしても少し後になると思うよ!
>絵の投下
882氏もちーちゃんも、(一応一日に一回は書き込んでましたが)私もいませんでしたからねぇw
とりあえず今から本気出すよ!
んじゃ、師匠のやる気を出すために次スレ建設に行って来る
2以降のテンプレどうすりゃいいんだろうか、と悩んでも仕方ないので
今回もあのままにしてしまいますよ。これは少し検討した方がいいきもしますです
あのまま、て何か問題あったっけ?
支援云々の話じゃないですかねー。
>>953 そういう時は堂々と言えばいいよ!
そしてスレ立て乙です!
よくやった、島に進出する権利をやろう!
>>954 なるほど。いやいあ、謝ることじゃないですべ
あらすじを自分で作るなり誰かが作ってくれるのを待つなり、どちらでもいいけどあらすじがあればテンプレに追加できるぜYOU
あての場合は自分で書いたクチだけど、そこら辺は作者さんによって違うさね
>>954 それと非常に申し訳ない、これを言うのを忘れてはいかん……!
―――スレ建て乙ッッッッ!!!
>>954 これで晴れて俺も島流しか、胸熱。
>>955-956 分かりましたぁ〜肝に銘じておきます。って、自分じゃないのかww
自分もあらすじ作ればよかった…orz
島はいいところだぞぉー。
>>960 島は招待されて行く場所ではない
いつの間にか立っている魂の故郷なのだ!
手作りのイカダ(命名ぽるの丸)さえあれば、島にはいつでも行けるさ!
島とは、紳士が自ら選んだ魂の居場所なのだ
静かでござる! 静かでござる!
人イタワァ!
今のうちに感想書いちゃわないと……
折角の休みなんだし・・・
不完全燃焼なんだろ?そうなんだろ?
妄想(コスモ)を極限まで高め、燃焼させるんだッ!
遅くなりましたが、改めまして皆さん投下乙です!
>>897 まとめて読ませていただきました!
投下はやい! はやいよ!
確実に、そして着実……ではなく危なっかしいですが、成長してますね、ユウも、オフィーリアもw
しかし、新型の名前がヴィルキューアとはまた意味深な……後々の展開にかかわってきそうですね。
さてさて、面倒な人に目をつけられたっぽいユウですが、果たして大丈夫なのでしょうか。
>>877 ヒロインかわいいですねw オーバードライブもアホの子っぽくて素敵ですw
トランスフォーマーに襲われたソラですが、“受け継いだ物”とは一体何なんでしょう……。
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
そして、
>>827 遠路遥々、島からこんなところまでお越しいただき、ありがとうございます。ちらもまとめて読ませていただきやしたン。まったく、ロリお母さんは最高だぜ!
後半の展開、熱いですね。すごくいい。ベタベタですが、やっぱりこういう逆転復活劇ってほんとにいいもんですね。このスカッとサワヤカな感じ、大好きですw
そしてAIとAI、人間と人間、人間とAI、それぞれのキャラクター同士の掛け合いが素敵ですね。こういうところ、私も見習いたいです。
改めまして、スレへの投下、ありがとうございます。機会があったら、また投下してくださいねw
いやはやそれにしても、まったく合法ロリは最高だぜ!
小宇宙燃やしたったー!
あなたが笑って過ごすとき、どこかのだれかは泣いていて
あなたが涙を流していても、どこかのだれかは怒ってる
あなたが怒りに震えるときすら、どこかのだれかは笑ってる
あなたの笑顔に、あなたの涙、あなたの怒れる感情も、
どこかのだれかに届きはしない
あなたが抱いた感情を
なんとか言葉にしてみも、どこかのだれかに届かない
あなたが言葉を発したこと、どこかのだれかは気にもしない
あなたが気にする誰かは、だれか。
誰かはあなたをキニシナイ。
あなたを気にするだれかは、誰か?
誰かをあなたはキニシナイ?
凄く他人に気を遣ってる知り合いをみて、ふと思った
「思ってるほど、他人は自分を見てないし、自分のことをよく見てくれてるひとは、自分にとって他人じゃない
他人を気にする心は大切。けれど無限じゃないんだから、身近な人から気にしてみたら?」
そんなことを言おうとして、恥ずかしくなって止めた。だけどなんかそれっぽいから、誰かに言ってみたくなった
それだけ
誤爆だークッソ!!
切ねぇよばかやろーw
たまげたなぁ
なんだこの誤爆はー!?
ロボスレ内で
>>971が似合うキャラ、作品を挙げてみようぜ!
すごいもん見てしまったw
あらあら、随分と容量もレス残量も少ないですわね
ここはワタクシ、フランが遊んで差し上げますわ
有象無象共、おどきなさい!
私達AI達の、ティーパーティー会場に致しますの
下僕にも劣る無粋な連中は、遠巻きにして見てるが良いわ
琥珀様、ワタクシと紅茶をお飲みましょう
祥子様は女中なので、ギャルソンと共に給仕をしなさいな
あらあらころにゃ様、最年長にも関わらず相も変わらない愛らしさ、ワタクシフランもああなりたいものですわね
ちょっと、ギャルソンがお菓子を用意した先から食べないで下さいな
では、ティーパーティーに参加する際のドレスコードでしてよ?
貴方達AIなら、普通に出来る事ばかりでしょう?
・無明の侍エピローグ
・12レス前後、公開可能な部分のスパロボ的設定資料集付き
・一人自演式、ID二個式投下システム
・支援砲撃要請は、さるさん食らったら避難所にて申請します、お前ら落ち着け
あら、どうやら会場の設置が出来たみたいですわね
ではホステスとして、皆様をお迎え致しますわ
いらっしゃいませお客様
今日は主無しで、皆でゆるりと楽しみましょう
エピローグ
「う〜ん、やっぱりこういうのは男から……駄目よ、駄目。それで何回失敗したのよ?しっかりしなさい、クリス」
南鳥島防衛基地の個室で一人悶々としてるクリス
今回も助けられた
だけど、今回みたいな幸運が毎回来るとは限らない
「思い切って、ワタシから言わないと。アイツ、最近妙にモテるし。まぁ、格好良くなって来たしね。うん、やっぱり行こう」
《漸くですか?My Lord》
「るっさい、行くったら行く。待つのは駄目よ、侍は突撃型なんだから!」
《その通りですな。では参りましょう。愛しの君の元に》
「うん、行く」
※※※※※※※※※※
「ふあぁ、眠い」
総作はベッドに寝転がっている
ハイパーリンクの後遺症だ
自身の脳神経を苛めた為に、脳神経から休息を要求されてるのである
《ご主人様。どうしましょう?》
備え付けのパソコンに繋いで、祥子が画面に出ている
「ふぁ、眠いから後で〜」
《そうも言ってられません》
「何だよ?何が有るんだよ?」
《ハイパーリンク使うと損害が必ず全損です。被害額が幾らか分かりますか?》
「知らねぇ」
《えっとですね、機体のメモリーは愚か、実は私達全部のAIのハイパーリンク前後の戦闘データが、全部吹っ飛ぶんです》
「……何だと?」
流石にむくりと総作が起きる
《つまり、ご主人様の契約の戦闘データ提供が全てオジャンで、しかも、あの滅茶苦茶高価な無明も、全損にしちゃいました》
「…それって」
《はい、准将権限使いましたが、英作は故人ですので、元英作のAIの私はご主人様のモノです。つまり、責任は全て、ご主人様にいきます》
「…」
《無明一機が3000億。バスターパックが同じく3000億。そして近接武装は、一振り50億です》
「……何なんだ、その値段」
《宇蟲の装甲を加工するのは、それだけ大変なんですよ!!そのデータが、全部お釈迦です!!更に汎用機の飛沫や陽炎も、1550機なら230億は行っちゃいます!》
流石にさぁっとなる総作
モニターの中で、祥子は両手の拳を握って力説し始める
《軍法会議です!査問会です!借金背負わされちゃいます!今すぐ逃げましょう、ご主人様》
「逃げるって、何処へ?」
《相模原校です。校長は英作の部下でしたので、庇って貰えます。さぁ、今すぐ!嫌です、軍法会議も査問会もいやぁぁぁぁ!!!30過ぎて魔法使いとか、自称してる連中の玩具にされたくなぁぁぁぁい!!!》
モニターの中で、祥子が絶叫している
どうやら相当なトラウマらしい
「そこの所ちょっと詳しく」
《嫌です!嫌です!延々と擽られたり、いいいやらしい格好させられたり、ああああんなプログラムを実行されるなんて絶対にいや〜〜〜〜〜〜!!!!》
「……出来るんだ」
思わず顎に手を添えて考え込む総作
《良いから逃げましょう!逃げるんです、さぁさぁさぁ!!!借金背負わされても良いんですかぁ?7000億ですよ〜〜〜〜?》
ジト目で人差し指を立てて、祥子は画面一杯になって総作に迫る
「そいつはご免だ。逃げるか、祥子」
《流石はご主人様です!!もう、何でもしてあげちゃう!》
両手を組んでぴょんぴょんしながら、祥子は画面の中ではしゃいでいる
「そうとなりゃ善は急げだ。予備機かっぱらうぞ?」
《はい!》
「すぅはぁ。うん、出来る。今日こそ言って、家族は家族でも……ふ、夫婦に……なるもん」
最後の声は非常に小さく、総作の部屋の前で気合いを入れているクリス
ガチャ
「あれ?クリス?」
総作がいきなり出て来て、動転するクリス
「ああああのね、ソウサク。ワタシ、ソウサクに言わないといけない事が」
「面倒だ、拉致るぞ」《賛成です》
フワッとクリスを抱え上げて、お姫様抱っこをする総作
義手の威力は素晴らしく、侍に乗って脳神経を苛めたせいで、既に自在に義手も義足も自由に扱っている
「あ、お姫様抱っこ。して貰うの初めて……嬉しい」
「行くぞ」
「うん」
クリスは総作の行動を何にも疑わず、素直に頷いた
そのまま走り出す総作に、クリスは話し掛けた
「私ね、何度も駄目かと思った。でもね、いっつもそのたんびに総作が来てくれたの。知ってる?2歳の頃からずっとだよ?」
ダッダッダッダッ
「でね、ワタシはずっと一緒にいれば、ずっと幸せになれるって思ったの」
ダッダッダッダッ
「でもね、侍に乗ったら、ずっと一緒でも、お嫁さんになれないって、気付いたの。すんごく寂しかった」
ダッダッダッダッ
「でもね、それでもソウサクは、ずっとワタシを助けてくれたの。ソウサクはね、幼い頃からの、ワタシのヒーローなんだよ?」
ダッダッダッダッ
「ねぇ、聞いてる?ワタシのヒーローさん。ワタシね、もう我慢するの止めるね。ソウサク、貴方のお嫁さんになりたいです。ワタシをお嫁さんにして下さい」
「分かったから黙ってろ、舌噛むぞ」
「うん、ソウサクが言うなら黙るね」
すっかり受け入れられたと思ったクリスが、幸せのお姫様抱っこに酔いしれる
そして二人で駐機場に辿り着いた
幾つかチェックして、満タンの機体を選択すると二人で乗り込む
「ねぇ、ソウサク。どこ行くの?まさか空の上で初めて?……うん、ソウサクがしたいなら良いよ」
「祥子」
「はい、ご主人様。制式飛沫総作ver.起動します」
ヒュイィィィィィ
エンジンに火が入り、電源が入り、全天視界モニターが作動する
クリスは総作の膝の上で、大人しく、嫌、期待の眼差しで総作を見て、あちこちをくにくにして待っている
最も、義手や義足部分は感覚が無いので、効果は無い
《総作ver.に書き換え中……………書き換え終了。出撃可能です》
「出るぞ」
《はい、ご主人様。逃げるぞ、軍法会議に査問会!》
「……軍法……会議?」
クリスがきょとんとしている
ズシンズシンと歩いて行き、発着場に着いた
ヒュイィィィィィ
飛沫の回転が上がっていく
「逃げるぞ、借金7000億」
《その通りです、逃げろ〜〜〜〜〜!!》
モニター前面にデカデカと祥子が現れて、左手を脇に締めて右拳を突き上げて閧の声を上げる
「ちょっと……7000億の借金って何よ?」
ヒュオ
飛沫が離陸し、一気に回転が上がって飛び出した
《オートパイロット完了。えっとですね、南鳥島防衛戦の損害額で、ご主人様に責任が有るんです》クリスがさぁっと青ざめていく
さっきの桃色が、完全に吹き飛んだ
「え、ちょっと、さっき言ったの無し!!あんたなんか家族でも何でもない、只の他人よ他人」
「あ、そういやさっき、お嫁さんにしてとか言ってたな」
さっきの言葉を思い出した総作がニヤリとする
「降ろせー、ソウサクみたいな馬鹿なんか嫌いだあ〜〜〜!」
「俺の答えはイエスだ。クリス、これから全力で抱いてやる!」
総作の身体の上でジタバタ暴れたクリスの顎を掴み、総作は無理矢理キスする
「もが………」
暫く暴れたクリスの腕は、結局総作の頭を抱き締めた
※※※※※※※※※※
「あらあら、見事に逃げ出しちゃったわねぇ」
坂井が海岸の堤防でクスクス笑っている
《逃げなくても大丈夫な様に、せっかく脅しまくったのにニャ。責任全部、参謀総長に押し付けたから、大丈夫ニャのに》
《全くだぜ。だけどまぁ、姉ちゃん引っ張って行ったみたいだから、結果オーライじゃね?》
「はい、これで男女ペアのカップリング記録更新。流石私だ」
坂井がクスクス笑って、隣のリヒトホーフェンを見る
「あなた、冗談抜きで子供欲しいわ」
「……分かってる。俺も欲しい。あんなに楽しい子供達がな」
「では行きましょうか、あなた。私達の愛の結晶を作りましょ」
そう言って、立ち上がった坂井はリヒトホーフェンの腕を組んで、宿舎に向けて歩いて行く
※※※※※※※※※
「今回も生き残れたな、沢田」
「そうだな、長井」
《二人共、今回は格好良かったぞ?》
《沢田には下僕二号の称号を与えましてよ?》
二人も、海岸に出て、飛沫が空に飛んで行くのを見ていた
「あれ、誰だ?」
「飛行許可ねぇだろ?こんな事する馬鹿は」
「武藤だな」「だな」
《何やったのかしらね〜?》
《あら、ハネムーンなんじゃないかしら?下僕、今なら特別に許してやっても良いわ。さぁ、私をハネムーン飛行に連れて行きなさい》
「言ってろ、フラン」
「さてと、俺達は機体か輸送機来る迄、ぐうたらするか。久しぶりの休みだぜ」
「言われてみりゃそうだな」
沢田の発言に長井も頷き、そのまま二人は砂浜に寝そべった
ヒヨッ子侍達は、次の戦い迄の英気を養う為に、いつの間にか意識が飛んでいた
そう、南国の暑い日差しを受けながら
Fin
※※※※※※※※※※
主要登場人物並びに機体紹介
武藤総作
防衛高校相模原校汎用機科一年一組
無明の侍主人公
父の故武藤英作中佐(戦死後准将)
の息子
クリスとは家族として一緒に育った
クリスにベタ惚れ
ロリコン気味なのは母のせい
AIは祥子
名前の総作は創作発表板から
総作が乗ると、全ての機体が1.5倍の速度で消耗する
通称悪燃費or壊し屋
剣戦闘に於いては無双を誇るが、銃撃はからっきしである
クリス曰く突撃馬鹿
165cm62kg→72kg
この世代では長身の部類。義手義足のせいで増量している
クリス・バレット
本名クリスティーン・バレット
防衛高校相模原校汎用機科一年一組
無明の侍ヒロイン
故ニール・バレット米軍大尉(戦死後中佐)の一人娘
亡命米国人二世
2歳の時に両親が死亡し、武藤家が引き取った
そのせいで、英語が全く喋れない
金髪碧眼そばかすの可愛いらしい目立つ容姿のせいで、幼少の頃から苛められており、男嫌い
でも汎用機科の面々とは仲間意識が有り、普通に接している
152cm 50kg B95E W58 H88
この世代では長身のナイスバディ
一年生中、最も銃撃が上手いがそれ以外は並
剣はちょっとヤバイレベル
総作が居ないと、冗談抜きで被撃墜確率が馬鹿高い
本人も自覚してる為に、万事後衛ポジション
パイロットスーツ写真は、裏で高値が付いている
AIはギャルソン
ハインリヒ・リヒトホーフェン
防衛高校相模原校一年一組担任
ドイツ人
ドイツ空軍予備役少佐
外交官権限も持っている
前所属は汎用機試験運用連隊、通称武藤連隊に入っていた
武藤連隊は、侍の実践運用データを取るべく各国の軍人が参加しており
リヒトホーフェンは日本に来て適性試験を受けた中で残った、元戦闘機パイロット
武藤中佐が戦死した後、連隊を率いて戦ってた歴戦の軍人
ドイツ本国からの再三の帰国要求を無視している
理由は坂井光子と恋仲だから
余りにうざかったので、予備役に坂井と共に退いた
ついでに日本人になろうとしたが、歴戦の侍パイロットは貴重な為に、軍から再三懇願された上に外交官迄押し付けられ、渋々ドイツ国籍のままである
実は子供大好きな寡黙な人
今の教師生活が、非常に気に入っている
AIのころにゃのデザインと命名は武藤梓がやっており、英作やニールがばか笑いしながらリヒトホーフェンを押さえつけて起動させたのが最初
181cm85kg
宇蟲襲来前の世代の為に非常に長身
38歳、坂井光子とは事実婚状態
坂井光子
防衛高校相模原校一年二組担任
日本汎用機軍予備役中尉
汎用機軍とは、陸海空全てで運用出来る汎用機を、既存三軍にカテゴライズ出来なかった為に新設された
パイロットは機体を乗り換えるだけで、陸海空全てに対応出来る汎用性の高さが特徴
その内、一番キツイのが空戦機なので、空戦機での訓練がメインになっている
高校二年以降に、海戦機と陸戦機の訓練も入る
本人は至って温和な大人の女性、銃撃の名手
趣味は学生の恋の橋渡し
リヒトホーフェンとは、リヒトホーフェンから声をかけた
実際はころにゃがかけて、琥珀が対応している
AIは水色髪の琥珀色の瞳が特徴のゴスロリドール琥珀
160cm 54kg B86D W60 H90
パイロットスーツ姿は、モデルさん状態
劇中の階級は、二人共に武藤少佐が頑張ってた時期のもの
33歳、事実上のハインリヒの妻
長井裕也
防衛高校相模原校汎用機科一年一組
総作とクリスの友達であり、ダイヤモンドを組む際の相方ペア
実は一年最強パイロット
何でもそつなくこなす、クリス曰くムカつく奴
英語が喋れるのは、近所の悪ガキ仲間に亡命米国人の子供が居たから
その為、スラングバリバリである
実は相模原防空戦で戦死予定だった
ひとえに、彼のAIたるフランが可愛すぎて、退場を惜しんだからである
172cm 70kg
この世代では最長身
沢田幸治
防衛高校相模原校汎用機科一年一組
一年中、最も支援戦闘が上手い
長井のペアであり、総作クリスペアとはダイヤモンドを組む
総作クリスペアは、一度も長井沢田ペアに勝った事がない
但し、近接戦だけなら、総作が二機を相手取る事が短時間ながら可能
その瞬間にクリスが上手く支援出来れば突破口が開くのだが、毎回長井に隙を突かれて終わっている
特に特徴らしい特徴がない、平凡な少年
その雰囲気が、AIのあかりにダサい呼ばわりされている原因である
AIはあかり
彼は南鳥島防衛戦で戦死予定だったが、生き残った
やはり、AIの力は強いと見える
160cm58kg
平凡である
斎藤早苗
防衛高校相模原校陸戦科教諭
日本陸軍予備役少尉
通称夜の戦技教官
好みのタイプは0歳の男で無類の子供好き
子供が欲しいが為に、良さそうな男のベッドに侵入するのが趣味
防衛高校相模原校新生児防衛隊、通称お母さん部隊隊長
敵は宇蟲のみならず、子供に害を与える人間も対象であり、実際に何故か銃弾を受けてる宇蟲に襲撃された死体が見付かる事が有るらしい
彼女達が最凶と言われる所以である
犯行現場を目撃した者は誰も居ない。死人に口無しだ
8人の子供が居たが、相模原防空戦時の陸上襲撃で全員亡くしてしまい、精神の均衡が崩れてしまい、総作に傾倒して精神を繋ぎ止めた
総作を9人目の父親に指名したのは、七海ちゃんが大の総作好きで、おっきくなったらそさくにぃのおよめさんになるって、ずっと言ってたから
せめて、彼女が総作の娘に転生出来る事を祈ります。合掌
25歳、独身。家族は子供以外無し
148cm 45kg B78A W53 H80
総作のロリ趣味直撃
入院中の総作の世話を看護婦に任せず全部やっており、画面に見えない所で総作と一日中良い事をしてた
ゾフィー・シャルロッテ・フォン・ヒンデンブルグ
プロセイン時代からの貴族の末裔
スキップ制度で大学に進学した大学一年生
専攻が宇宙工学
試験機無明の宇宙関係のテストを、教授に引っ付いて来ている
日本は人口が世界最大で有る為、宇蟲戦線の最前線であり、格好のテスト場と判断して来日
総作を推したのは彼女である
理由は撃退寸前の輸送機で全員泣き叫んでいた時に、取り付いた宇蟲を次々に排除して総作が声を掛けて、全員歓喜の雄叫びを上げたから
あれ以来、リッター(騎士)の実物として、総作を見ている
実はテストパイロット契約書がドイツ語で書かれていて、総作がサイン後に日本語訳を渡して、頭を抱えさせた経歴がある
内容は、侍適性の是非を適性と非適性の子供で遺伝するか試すと言うもの
被検体に、ゾフィーの名前が書いてあった
実験の為なら、自分の身すら差し出すマッドな少女
140cm 36kg B68AA W49 H70
赤毛眼鏡の可愛いらしい少女
平均よりちょっと低いが、まだ伸びるかも
13歳
武藤梓
元日本汎用機軍中尉
武藤連隊の元気印にして無明の侍のロリババァ
日々英作に似る総作を、相当に困った感じで見ている
女やもめが続いてるせいだろう
実は、まだ性知識が無かった時の小学生時代に悪戯を総作にしている
総作がロリ趣味なのは、絶対にこの人の仕業
多分、その内息子を襲うだろう
142cm 38kg B78B W49 H80
37歳とは思えない容姿である
子供服やセクシーランジェリー迄着こなす、変幻自在の人
祥子
総作のAI、割烹着姿の黒髪少女
無明の侍の真ヒロイン
第二世代ブラックボックスのベースAIにして、英作のAIにして、総作が設定したAIでもある
死んでるのに生きている、正にシュレーディンガーの祥子さん
大の査問会と軍法会議嫌い
彼女の特徴は機体機動と思われるが、実際はハック機能による、観測情報統合ネットワーク演算、ハイパーリンクの隠れ蓑である
英作とリンク機能を弄ってたら、身に付けてしまった
ハイパーリンクは他のAIでも学習すれば使えるが、毎回メモリーを吹き飛ばす為、誰も学習出来てない
事前と事後の情報の差異で、ハイパーリンクを起動したかどうかを、AI達は判断している
毎回損害がでかい為に、査問会や軍法会議の常連であり、AIのテストであらゆる事を罰としてやらされた為、トラウマになっている
最後の方はぶち切れて、防衛省のコンピュータを全てハイパーリンクに巻き込んで、吹っ飛ばしている
この時に反省して、AIにもあんまり無茶苦茶はやらない様にしようと決められた
今のAI達が有るのは、彼女のお陰である
クリス機が生き残ってるのは、ペアリンクで祥子が許容量ギリギリで誘導している為であり、実は総作含めて誰も気付いていない
ギャルソン
クリスのAI、初老のバトラーである
お茶の時間に何もしないのはジョンブルのデフォなので、真似ではないので念の為
更に成長すれば、英国流ブラックジョークを連発するだろう
銃撃基礎プログラムを坂井から提供された為、銃補正は結構高い
だが、機動が余り上手くないクリスのお陰で、他の能力が伸び悩んでいる
ころにゃ
リヒトホーフェンのAI
猫耳猫尻尾両手両足にくきうぷにぷにのセーラー服に短パンのショタっ子
余りに可愛いので、女生徒が巨人先生、ころにゃ出して〜とお願いして、リクエストに応えて頻繁に出てくるお調子者
お陰でリヒトホーフェンは端末以外に、ノーパソが欠かせない
とにかく、コミカルにくるくると踊って、アクションも可愛いらしいので、一番人気のAIである
リヒトホーフェンと一緒に一万戦以上の戦闘を潜り抜けた為、非常に強い
その為に彼はリヒトホーフェン代弁として、正式にリヒトホーフェンの階級と権限を実行出来る権利が与えられている
最早、リヒトホーフェンと一心同体である
リヒトホーフェンは喋らなくて済む為に、実に助かっている
その豊富な実戦経験により、陸海空全てをこなし、機体機動、近接戦闘、銃撃、ミサイル運用、ソナー探知、無音潜行、支援砲撃、指揮管制、陣形指示、部隊リンク微調整迄、何でもこなす万能AI
第三世代ブラックボックスベースAI候補の一人
最もお互いの癖と容量のせいで、第二世代ベースの祥子との統合が上手くいかず、難航している
琥珀
坂井のAI
容姿はゴスロリ衣装の水色髪と琥珀色の瞳のドールである
身長50cm
ちんまい身体で小憎らしい仕草が非常に似合う可愛いらしいAI
彼女の射撃管制は抜群であり、精密狙撃をやらせたら右に出る者は居ない
ころにゃとは、武藤連隊時代からの盟友であり、実は夫婦なんじゃ無かろうか?
二人が同じ画面で統合して遊ぶ姿は、見る者を萌え散らせる効果あり
フラン
長井のAI
非常に高飛車な金髪碧眼のフランス人形、身長48cm
人形仲間の琥珀とは、お茶会映像が流れてたりする
あらゆる言語を用いて、下僕を罵倒するのが趣味
彼女の下僕は一号長井、二号沢田、三号総作である
実は、一年AIの中ではかなり優秀
長井の能力のお陰と思われる
あかり
沢田のAI
黒髪の貴婦人
常に日傘を差している
身長168cm B96E W61 H87
沢田の好みか不明
平均的な能力をじっくり伸ばしてる模様
杏
二年の担任安藤のAI
日替わり着ぐるみの10歳位の女の子
陽気に元気に頑張っている
実は教師連中は全員歴戦であり、外見を裏切る戦闘能力を全員持っている
ころにゃには劣るが、オールラウンダー
桃子
二年担任の中村先生のAI
袴姿で薙刀や刀を持ち、豊かな黒髪を結い上げてる日本女性
指揮管制と近接戦に優れ、比較的辛いポジションを毎回ころにゃに振られて愚痴っている
紅玉&青玉
三年双子教師橘ツインズの双子AI
自分達をアイドルユニットと勘違いしている
三年部隊のモニター内で、百合百合始めちゃう困った子達
歌も好きで良く歌っている
連携機能が非常に強いので、左右両翼を任せられる攻撃の要
機体
陽炎
日本の第二世代空陸型練習機
全長約11m
約なのは、オプションにより違う為
候補生達でも扱い易い様に、推力、パワー、速度が低め
ブーストパック装着で、音速を突破出来る
ハードポイントは腰部に二ヶ所
手の平に汎用電源コネクタが付いており、機体のジェネレータから、剣等の高周波振動発生装置にエネルギーを供給している
宇蟲相手じゃ使えないが、レーザー兵器等も有るらしい
主に工業等、作業用途と思われる
機体にはマニュアル緊急用パラシュートとライフジャケットが有るが、一度も使われた事が無く、ブラックアウトした時に咄嗟に対応出来たのは武藤連隊に所属してた三人の教師だけだった
侍に搭載されているブラックボックスは、各種バランサー機能とベースAIからなり、無いと機体が動かない
英仏独露が解析しようとした試みはブラックボックスがダウンし、ブラックボックス内の回路が焼損して全損する為、断念している
代わりに代替システムを組み込んで起動させたら、立つ事すらまともに出来ず、エンジンを回したら墜落する始末
何とか飛ばせたロシアでも、空戦機動をさせた途端に、稼働部分が多すぎて機体バランスが保てず、墜落してしまった
如何に既存戦闘機とカテゴリが違うかと、認識させられている
その為、現在の各国の要求はブラックボックスの開示であり、日本は輸出停止を通告して、各国の要求は頓挫の繰り返しが、国際会議の現状である
AI補助システムはブラックボックス内のベースAIとパイロット達が持っている携帯端末のパーソナルAIに分かれており、常に携帯端末からの電波により、オートでサーバーバックアップがされている為、携帯端末を仮に紛失しても、すぐに復活出来る
但し、戦闘中はバックアップ作業に必要な時間が取れない為に、戦闘終了後に行なっている
忘れさられた端末側のAIは遺伝子コードにより本人しか起動出来ない為、別の同一端末が起動するか、一定時間が経つと初期化される
但し、忘れられた時でも通信はされている為、再起動時の彼らは怒りまくっている
ベースAIとは、機体のリミット能力であり、その機体が持つ性能をどこまで引き出せるかの基本性能に当たり
パーソナルAIは、それを元にした更なる応用手段で、戦闘方法や更なる性能を引き出すシステムを学習開発する機能である
だから二つに分かれている
そして最大性能を発揮出来たAIが、次世代ベースAIとして、前世代と統合又は廃棄して採用される
第二世代の祥子は機動システムとリンク機能が優れており、集団戦に於いて高い性能を発揮した為に、採用されている
ちなみにベースAIが祥子の為に、第二世代機は全機種がハイパーリンク出来るポテンシャルを持っている
しかし、学習出来ない為に、オリジナル祥子しか使えないジレンマに陥っている
パイロット候補生が6年間みっちり飛ぶのは、このベースAIの性能を引き出す為である
そうすれば、パーソナルAIも経験が蓄積出来る為、ベースAIのシステムを応用した戦闘方法を模索、構築出来る
ちなみに祥子は総作の赤ん坊時代に会っており、総作は忘れてるが、恐らく源体験として残っていたのだろう
気が付いたら父と同じ祥子を起動し、転写ワードを得られたベースAIの祥子がパーソナルAIに転写し、復活している
その為、他の候補生より、先んじた機動が出来た
AIのグラフィックは自分で起こすか、世界各地のプロアマ問わず、イラストレーターから提供された絵をデジタル処理し、更に起動中のAI達による【仲間を可愛くしちゃうぞ】補正、通称萌え補正を掛けて採用する
ニールはこれに逆らい、バリバリのアメリカンヒーロータイプを採用したが、余りに鬱陶しいと絶不評であり、萌え補正が重要と再認識された
同じ絵は使えない様になっており、仮に同じ絵を使いたい場合は、採用してたパイロットが死ぬか、退役してAIを放棄するかしかない
現在AIを放棄する元パイロットは殆ど居ない為、事実上パイロットが死ぬしか、同じイラストは採用出来ない事になっている
梓もいざというときには乗る為に、自身のAIは保持している
飛沫
日本の第二世代制式空陸型汎用機
全長約10.5m
推力、パワー、機動の自由度を上げた分、装甲を減らした、より機動の出来る機体
推力、パワーは陽炎の1.5倍であり、よりピーキーになってるが、使いこなせれば陽炎より遥かに強い
飛沫は、ブーストパック無しで音速越えが可能だが、ブーストパックも勿論ある
侍の機体は全てヘッド、胴体、両腕、両脚、ウィングと分かれており、各接続部は規格統一されており、どのメーカーのどの部品も接続可能
空海陸戦機体をユニットごちゃ混ぜに組み上げる事も可能だが、開発コンセプトが違う為に、普通はやらない
同一思想の機体は問題無い為に、陽炎と飛沫の換装は問題なく行える
ハードポイントはウィングに二つ、腰に二つである
土蜘蛛
日本の第二世代制式陸型汎用機
全長約11m(オプションによりかなり違う)
タービンエンジンにより、ホバー移動が可能
腕は幾つかバージョンが有り、土蜘蛛のネーミングの由来であるカーボンファイバー材質のネット榴弾が両腕と背部にセットされている
コイツで宇蟲を捕獲した後、1000t単位で圧力をかけられるクローアームで、小型宇蟲は握り潰す
他には汎用マニュピレーターが折れて露出する、劣化ウラン弾芯のパイルバンカー腕もある
大型陸蟲種の場合、パイルバンカーで装甲の隙間に穴を開けた後、中に榴弾を叩き込む、ダイダロスアタックが出来る
また、退役パイロット達が自警団を組む際に使われる機体であり、不整地用に四脚や六脚装備があり、正に蜘蛛になっている
宇蟲狩りから、農作業迄こなす農家の味方
一番身近な侍である
海竜
日本の第二世代制式陸海型汎用機
全長約12m
エンジンは燃料電池ウォータージェット&スターリングエンジンである
スターリングエンジンを起動する事により、水を電気分解して酸素を抽出出来る為、長時間潜行が可能
水圧に対応する為、ボディデザインは全て三次曲面で構成されている
最大潜行深度1000m
連続潜行航行時間144時間
スーパーキャビテーションシステムを装備しており、海中を航空機みたいにかっ跳び、変態機動を行える海の弾丸マシン
対艦の模擬戦で、単機で潜水艦隊含む機動艦隊に勝利出来ちゃった反則機体
潜水艦戦術を塗り替え、航空戦みたいなパイロットの物量戦に切り替えた機体
水上艦の天敵でもある
現在海竜が出没する海域で、悪戯する子は居ない
攻撃方法は魚雷とハープーン、両腕に付いてるクローアームを接触させてパイルバンカーを撃ち込み、榴弾を叩き込むダイダロスアタックが特徴
宇蟲は装甲を貫通出来た場合、中に榴弾を叩き込むと、その頑丈な装甲が圧力を支えてしまう為、全ての爆圧が封じ込められ、内部をズタズタにされてしまう為に非常に有効な攻撃手段である
海竜は亡命に使われた原子力空母で運用されるのがメインであり、飛沫と一緒に沢山係留して運用されている
空母機動艦隊なぞ宇蟲相手は無力な為、基本単艦での運用
主な仕事は数百〜数千mに及ぶ、大気圏内最大最強宇蟲、海蟲種の狩りである
漁業資源が海蟲種の漁で逼迫してる為、人間対宇蟲の漁業権益の奪い合いが起きている
数千m級を狩ると三年は成長に費やされる為、彼らを狩る部隊はお寿司屋さんの味方である
遠洋に出る海竜の部隊は特に『白鯨狩り』と呼称され、彼らが白鯨狩りに成功した場合、お茶の間に迫真の映像が流れ、お寿司屋さんが大サービスしてくれる、魚大好き日本人の味方
漁業船団の護衛から海上設備プラントの海中作業迄こなす、海の守り神
無明
日独共同開発第三世代試験機
全長15m
他に日米、日露、日仏、日英で開発されている別の第三世代試験機が有る
作品内で出てくる機体脚部後面バスターパックの他に、機体脚部前面に装着されるファストパックがあり、両方装着すると大気圏離脱が可能
変態技術大国二ヵ国による、傑作試験機
ハードポイントはウィングに4ヶ所、腰に二ヶ所
他の侍と違って大型で15m位ある
侍の電気系統のジェネレータはスターリングエンジンと燃料電池、バッテリーを組み合わせたもの
燃料電池で発熱した熱を用いてスターリングエンジンを稼働させる二重発電システム
更にエンジンジェネレータで機体電力を確保している
核パルス機関を用いた無明は、核を使いっぱなしにすると格納庫を壊す為に、ジェネレータの大型化が必要になり、機体サイズがでかくなっている
バスターパック付属の火薬加速式リニアライフル雷鳴は試験武装であり、弾も非常に高価
装備弾数は各6発
88mmなのは、弾の互換性を高める為
無明の侍におけるバスターランチャー
実験装備の為にエネルギーが漏れており、非常に効率が悪い
銃身全長30m、中程で上側に二つに折れて、フレキシブルアームで、ウィングの右端ハードポイントに自動換装される
エネルギー供給がバスターパックの核パルスエンジンと両腕から供給されると、120秒で充電が出来る
核パルスのみだと180秒
今回使用された試験武装は、全て宇蟲の装甲をコーティングした実験品
戟は十字槍、ツヴァイハンダーはドイツ語の両手剣、斬馬刀は日本の刀剣中、騎馬武者狩り用の太刀を超える長重刀剣
一撃で、馬の首を落としたと言われている
イニシャルコストもランニングコストも全く考えてない、正に実験機
数々の試験装備を盛り込んでおり、量産化の暁にはryの機体
量産効果でコストダウンしても、コスト高過ぎて無理って、言われている
第三世代ブラックボックスの試験で三機試作されており、その内の三号機が物語に登場している
ハイパーリンクで一発全損は想定外の事故(笑)
ちなみに海水に浸かると塩だれのせいで更にエネルギー漏れが起きる為に、雷鳴も駄目になった
オーバーホール効くんだろか?
第三世代ブラックボックスのベースAIは、第二世代の祥子のバージョンアップの一号機、ころにゃベースの二号機、両者を統合した総作搭乗の三号機である
何故ころにゃかと言うと、ドイツ籍のAIで最高レベルの経験を積んでる為
これは、武藤連隊の侍黎明期の無茶苦茶な運用のせいである
侍パイロットの数が少なかった時代に、通常兵器で宇蟲相手に戦線膠着状態を形成し、武藤連隊が到着次第殲滅という手段を、世界レベルで取っていた事による
一日5〜6戦は当たり前、酷い時には10戦以上
空中給油や空中武器補給を駆使し、一日中飛びっぱなしも、少なくなく
全滅不可避な状況でハイパーリンクを使い、とにかく生存を優先させていた
ニールやハインリヒは武藤少佐配下の中隊指揮官であり、武藤と共に出撃しっぱなしで、一年で1000戦以上のハイペースで急速に経験を積み上げた
正に無明の侍に於ける、ル何とかの魔王クラスである
所属パイロット総数は述べ2000人以上
その役目を終えて、解散した時の所属隊員は僅かに300余名
連隊長は初代武藤英作、二代目ハインリヒ・リヒトホーフェン
戦歴に比べて昇進が遅く、部下達は全員が不満を抱えていたが、その不満が爆発した事件が、武藤英作中佐の戦死を招いた、巣突入作戦である