「もう二年か」テトが切り出した。
「二年ですねぇ。」鬼子が答える。
「色々あったような気がするし、なかった気もする。一番最初が大変だったか。」
「あの挨拶の時ですね。何と言うか。」
「気にするな。あいつらが悪いんだし。」
鬼子は子供たちがいる部屋をちらりと見た。ピンクや青緑の髪の子供達がヤイカガシ達の上に乗ってお馬さんごっこをしていた。
町の事務所で鬼子を紹介した後テトは健音テイを迎えに行ったが、事務所に戻った時にはヤイカガシ達が暴れまくっていた。
事務所には10代後半〜20代前半の少女が数多く居り、それなりに狭隘であったから連中にとってはいい目標となったのだった。
その騒ぎは小日本によって鎮圧されたが、鬼子は平謝り状態だった。
「でも、本当に済みませんでした。」
「気にしなくてもいいって。あれであいつら相当の代償を払わされたんだし。」
子供部屋の空気が一瞬凍りついた。勿論凍りついたのは5珍獣たちである。
あのあと小日本が持参した小型の籠に纏めて詰め込まれた揚句に「黒ひげ脱出ゲーム(但し脱出不可能)」の種にされたのだから無理はない。
何しろ最も大人しい雪歌ユフが完全にキレた位だから後は推して知るべきである。
そんなのほほんとしたシーンに似合わない連中がテトの家に向かっていた。
鎧武者に率いられた真っ黒な軍団。
だが鎧武者は側近の一言を聞き、鷹揚に頷くと配下の者共に下知を下した。
「もうスレが終わるから撤退する。」
出不将は颯爽と言い放つと踵を返して元来た道を引き返した。
黒い軍団も後に続いた。
>>389の続き
こうして鬼子たちの知らないうちに危機は回避され、
出不将は数少ない出番をさらに減らされるのだった。
SSスレ5版最後の物語 終わり