そ、そんな言葉尻、すげーどうでもいいwww
そんなのみんな知ってるけど誰も問題視してないし、議題にもならんわ
そんなことで粘着してんの…? いや、スレ違いだし、アホっぽいからマジでやめとけよw
これのどこが断筆と決めつけた宣言なの? マジで分からんのだが。
ヒント:ツイッターがデマッターと言われる拡散効果
【引退】
[名](スル)役職や地位から身を退くこと。スポーツなどで現役から退くこと。「スター選手が―する」「―興行」
別に身を引かれているわけではなく、また戻るつもりだった人相手に対してこれは無いよね…。
やっと話を理解できた
想像以上にどうでもよくてワロタw
しかも荒らしに標的とされたから休筆ではなく、仕事の都合上だそうだし。
何もかも滅茶苦茶で、おまけに一切説明されてないならそりゃあ勘違いする人もでるわ。
…まさかついな作者=挑戦バカで、既に引退する事を決めていた訳ではあるまいし。
あの、ここ最近の同じ議題で此処(出来れば避難所)で話を続ける人はレス番でもいいので名前を付けて頂けませんか?
(一つの議論の最初に話に加わったレス番でお願いしたい。ここ何日かは同じ人、数人しか喋ってませんよね?)
私はROM専で時々静観させてもらってますが
『#』と『議論のタイトル』を付けて頂けると小説UPの邪魔にならなくて良いかと思います。
小説を読ませてもらうつもりで来た人も一目で分かりそうだし、
何より書く人もタイミング気にせず作品を挙げて貰いたいので。
お手数ですが宜しくお願いします
…こちらに書いたら怒られそうですがまだ此処で話が続きそうなのでお願いしてみました
108 :
85:2011/11/16(水) 23:10:13.41 ID:KzYL08+I
了解です。
そういや避難所でもどうせなら作品挙げろとか言われてるのに、
一人二人のだけしか挙げてないな。しかも綿抜鬼の人を擁護している人か青狸の人のみ。
まぁ設定だけってのをカウントして良いものか、多少迷う所ではあるけれども。
ついな作者を擁護している人って、もしかして印象を悪くさせたくて必死なのですか?
>>102 証拠提示、有難うございます。自分はもうこの話を書かない様にしますね。
根拠無い事で馬鹿呼ばわりされ続けるのはもうウンザリだわ。
自分は二人のキャラを見るたびにモヤモヤするのが嫌だから一度説明して欲しいだけ。ついなを消せとも思わないから上でも設定は挙げてみた。
猪突猛進系なついなちゃんなら実際人の機微より任務優先しそうだし、実際宝庵さん(?)だか科学者なお爺ちゃんもいたしな。
綿抜鬼には現状のグロなのに何故だか人気がある状況を当てはめてるから、本来の性質無視してるだろうけど…。
まあ、万が一上の設定が纏めてSSに出来たら持って来ます。その時までにモヤモヤが晴れてたら嬉しいけど、無理難題だよな…。
はいはい。そうは言いつつ、日付が変わったらまた別人の振りで、
下らん言いがかりを書き込むんだろ。いつものパターン乙。
これで満足か?偽物出されても迷惑なんでな。
証拠も出せないで馬鹿呼ばわりするクズはとっとと出て行けよ。
112 :
107:2011/11/17(木) 00:19:22.04 ID:LG74YYya
>>108 >>111 すみません、お手数おかけして。謎解き感覚で議論の応酬を見てるので誰が誰なのか分かりやすくなります
本当は議論は別の所へ(避難所さんなぜAUダメなのかな?困ったねー)、SS師さんが早く気楽に書いて貰えるようにしたいですね
おやすみなさい
こちらもコテハンつけておくか。勝手に別人の振りとか言われても困る。
いい加減言いがかりで綿抜鬼に苦情を付けている奴らの、その根拠を見せて欲しいんだがね。
『完全に一人歩きしているなら』という部分を満たさず、あんたらにとってあくまで挑戦バカの作品であり、
荒らしの残した異物として消し去りたいというのは、他の作品には適用されないみたいだしさ。
そちらがそう言うなら、ついな作者もあくまで問題発言ばかりのトラブルメーカーであり、
誰かがその作品を扱わないで欲しいと言うなら、実際に使用を取り下げるべきだろ?
「作品が良ければ、経緯なんか関係ねーんじゃね?」この結論は自分も確かに見ていない。
そして挑戦バカがあくまで12月頃に戻りたそうにしていたのに、突然荒らし宣言して消えた理由も理解できない。
間にあったのは外部でも精力的に活動しているあの作者が、勝手に他のSS書きへ引退者と紹介している事だけ。
ツイートが間違っていたとか、そんな訂正をしていたという話も、上記の結論と同様に見ていない。
構図は同じだよね。ついな登場前に夜叉子さんもライバルキャラとしていたのに、
泣き落として無理やりついなを捩じ込み、以降ほとんど夜叉子さんは利用されていない。
今度はお気に入りのSS書きの人へ、以前いた書き手は消えたと平然と嘘を伝えて、
挑戦バカは何があったのか全部消して姿を眩ました。本当に荒らしかは証明のスベも無い。
自分のキャラを使って欲しいばかりに、一体何人消し潰していけば気が済むのさ?
もしそんな意図が無かったなら、何故一度も明確な説明をしようとしないのさ?
あれだな、両親が子供に大会優勝して欲しいばかりに、他の子供を潰していくなんていう、
『親馬河(オヤバカ)』っていう鬼でも作って、ストーリー練ってみるか。
言っておくけど、もちろん最後に一番傷ついて友達も一切無くすのはその子供本人だぜ。
誰も子供に罪があるとは言ってない。本気で自分の作ったキャラが大切なら取らない手段を取り過ぎだと言いたいんだ。
短編小説
『心の鬼とは』〜現状認識と祓った後〜1/2
鬼子と情報交換をしている刑事さんから聞いた話で、こう言うのがあった。
「ネット犯罪が増えててね」
ネットと言う言葉を田中さんから聞いていた鬼子だが、良く理解は出来ていない。
だからその刑事さんからも、色々教えてもらっているみたいだ。
刑事さんが言うには、その世界には言葉の暴力と言うものが存在しているらしい。
そして、その世界で人間形成をしてしまう人が沢山いる事も教えてくれた。
言葉を投げつけるだけなら誰でも出来るけど、受け止めるとなると、凄く重く感じてしまう。
重く感じてしまったら、鬱陶しくなり、楽な方を選ぼうとする。
そうなると、言葉を投げつけるだけの作業の中から、自分の存在価値を見出そうとする。
そう・・・。歪んだ存在価値を・・・・・。
しかし、自分自身ではそれに気付く事は無い。
歪んだ存在価値を、自分自身を正義と勘違いしてしまう。
自分が吐く言葉が、全ての人と同じ意見だと思い込み、
別人が吐く言葉には、大きな壁を作って否定している。
「画面を相手に、言葉を喋っている」
そんな人達が大勢いる世の中になってしまったようだ。
画面相手に理路整然と言葉を打ち込み、勝ち誇って存在価値を高めていく。
例えば、
「心って、なんなんだろう・・・」
誰かがそうつぶやくと、一斉に見知らぬ相手から無責任な罵倒の嵐が降ってくる。
そんな世界になってしまった今の生活を、誰も止めようとはしなかった。
いや・・止めようとしないのではなく、既に歪んだ存在価値を創り上げている者から
そんな発想が出てくるわけが無いらしいのだ。
暗闇の中、鬼子の後ろで頭を下げている刑事さんがいる。
刑事さんは、気を失った男の人を車に乗せ走り去って行った。
今回、心の鬼を祓った人物は、その刑事さんから聞いていた人で、
ネットの世界で暴言や罵倒、さらには嘘の情報を大量に流していた人物だったのだ。
心の鬼を祓った行為に対して、虚しい衝動にかられている鬼子がいた。
「私も、心の鬼に取り付かれる事があるのかしら・・」
鬼子はいつもそう思いながら、心の鬼を祓っているのだ。
都会のビルとビルの谷間は、人を寄せ付けない異世界のようで、音の無い暗い空間を創っている。
心の鬼を祓った場所を、黒い瞳が寂しそうに見つめていた。
手に持つ薙刀が、泣き止んだかのように淡い光りを失っていく。
肩を落とし、独りたたずむ鬼子の傍らに、白い四本足を持つ小さな動物が近寄って来た。
2/2
「そんな寂しそうな顔をせんでくれ」
地蔵様が、鬼子の足元で小さく微笑みながらそう言った。
「地蔵様・・・。心の鬼の正体って・・・」
地蔵様の耳が、小さく動く。
「残念ながら、鬼子が考えておる通りかもしれんな・・・」
小さな白い足が、二歩、三歩と前へ進む。
鬼子は、地蔵様の背中を見つめながら話を聞いていた。
「確信は無いが、生きる者の“心”と“心の鬼”とは表裏一体なのかもしれん。
個人的な利害を求めて他の者を罵倒したり、あらぬ噂を立てて混乱させる。
思い込みの激しさに、自分をも飲み込んでしまう事がよくあるからな」
鬼子はユックリとうつむきながら、瞳を閉じていく。同じ思いを抱いていたのかもしれない。
「生きる者の心が、心の鬼を産み育てていく。そして、育ってしまった心の鬼は・・」
「地蔵様・・それ以上言わないで・・」
鬼子は、言葉を詰まらせながら精一杯そう言った。悲しい、辛い惨状が目に浮かんだからだ。
地蔵様は顔を上げ、何かを思い出したかの様な表情をしている。
「・・・しかしそんな現状を前に、遙か過去にこう言い放った奴がおるんじゃ」
地蔵様のその言葉に、潤んだ瞳を傾ける鬼子。
「心と心の鬼は別物だ。俺は、目の前でそれを見た・・・とな」
鬼子の表情が険しくなり、地蔵様の背中を見つめている。
「地蔵様・・それって、その言葉って・・・」
ユックリと鬼子の方へと振り向く地蔵様。
その目線は鬼子の頭の傍らにそそがれていた。
「そう、般若面が言った言葉じゃ。・・・まだ面になる前の・・・遙か昔の般若がな。
今では力を使い果たし、語る事も出来なくなった般若面じゃが、
誰かを通じて、何かを語ろうとしていた様にも見えるんじゃ」
鬼子は、心の鬼を祓った場所を改めて見つめ、薙刀を握り締めた。
「誰かを通じてって・・もしかして・・・」
地蔵様は、ビルとビルの隙間から覗く星空を見上げながら言った。
「そう、鬼子を通じてな」
完
ヒワイドリから一言。
「乳の・・もとい。創作の話をしようじゃないか!」
ワクワク創作〜
名前入れ忘れ・・
お!今気付いた。
IDのWとTの間にaを入れると今噂の!
>>114-115 GJです。
重くなるのを嫌ってか、滅多にこのテーマが扱われる事ってないですよね…
結局は鬼子って「人」と向き合うもののハズなのに
鬼子と向き合おうって人はほとんどいないのかも知れない。
て、そこでWatきますかw
>>114〜
>>115 スレの流れを創作に戻してくれて有難う御座います。
貴方にとっては、レスの内容全てが創作の糧となるんですね。
恐れ入りました。
>手に持つ薙刀が、泣き止んだかのように淡い光りを失っていく。
薙刀はただの道具にすぎないと思っていたのですが、
時の番人さんの中では、もしかして…
>>118と同じ内容になってしまいますが、
そこでWatきますかw
>>114-115 まさかの時の番人さんwお疲れ様です!
SS読んで、すっきりしました。
なんか、自分の思ってることを体現してくださるものを目撃すると気持ちがいいなあ。
WT5……Watと五変態ですね分かります。
>>114-115 ぬわにぃ〜番人さんとな!お久です。
俺は般若面の悲しい過去の隠れファンなんで、
般若面に関してのちょぃSSが読めて嬉しいです。
2ちゃんの世界は人との交わりや同調が難しいみたいなので
鬼子も苦労してそうですね。
>>120 WT5……Watと五変態。なるほど奇跡が起った。
GJの流れになったな。
さすが鬼子だ。
俺を含め多数の心の鬼を
散らしてくれたのかも。
色んな人が思い思いの鬼子ワールドを自由に創作出来る場は
やはり守っていかないとな。
AU、書き込める様にしてあげてくれ
したらばさん。
>>123 数行でも良い。創作SS頼む。
何?お題くれってか??
じゃぁ、、、、こにぽん対モモサワの御握り争奪戦!でw
いや、それを創るのは思いついた君の権利だ。ボクは受け取らないよ。君が創ればいい。
小日本『ねねさま…無事に帰ってくるのかな?』
小日本は一人、オムスビを作っていた。いつも一緒にいた鬼子の姿はそこには無い。
ハンニャー『大丈夫よ…あの子は強いわ。きっと天魔党なんかにも負けない位に』
この国に限らず、戦により無念の死を遂げた者は多い。その念による悪鬼は心の迷いが生み出した生者の鬼より強大である。
ましてやその念を呪詛にまで高めて、何故存在を許されなかったのかと、全てを恨む様に産まれた悪鬼は、近付くだけで心を病む。
鬼に侵された者自らの迷いを断ち切りたい想いを増幅し、鬼を浄化する刃となす『鬼斬』で斬れるかどうかも解らない。
鬼子は、誰にも呪詛が及ばぬようにと皆を残して一人で旅立った。あの天魔党の本拠地へと…。
帰ってきた時にお腹を空かせてたら可哀想と、小日本は毎日せっせとオムスビを作り上げる。悪くなる前に皆で食べるのだけれど。
ハンニャー『小日本…塩を入れるのも忘れる位心配なのね…』
モモサワ『ワイのにはキチンと塩味が付いてまっせ?』
見ると、小日本は耐えきれなくなり、さめざめと泣いていた。もう会えないかな…それなら嫌だな… でも…でも。
後日、ハンニャーはある庵を尋ねたのだった。鬼子とってはやはり敵。しかしもし可能性があるならこの一族…。
ハンニャー『あなたの所って、確か本来はお寺の家系よね…もしかして「死者の念」に対抗する手段も知ってないかしら?』
先日の天魔党との戦闘で後鬼を失い、その復活のまじないを行っていたその者は手を止め、ニヤリと笑う。
ついな『あるでぇ…とって置きのヤツがな。アイツらと戦う覚悟、ようやく決まったみたいやな!』
皆は一足先に旅立った鬼子を追う。小日本の涙を止めるため、鬼子を一人で戦わせないために。
ヒワイドリが運転する車のトランクに、オムスビを抱えた小日本が隠れているとは気づかないまま…。
争奪戦にはならないが、まあ…その…申し訳無いです。ごめんなさい。こんな形でアレなんですけど。
126 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/20(日) 14:24:56.12 ID:ivoSXC2X
[こにぽん対モモサワガエル・御結び争奪戦]
「最近、モモサワってヤイカみたいにメタボってきたよね」
モモサワを見ながらそう言うのは、こにぽんだった。
その言葉を聞いたモモサワが、不意に怒り出す。
「ワイは立派な両生類だぞ!あんなエラ呼吸の魚類と一緒にすんな!!」
そうは言うものの、皆陸上で生活しているのだが‥‥。
ここで、こにぽんが名案を思いつく。
「ネネ様がね、あの御結び山の頂上に“一年間御結び食べ放題券”を置いたんだって。
その券を取りに行く競走をしようよ!」
こにぽんは、モモサワの身体を気遣って運動させる気なのだ。
もちろん食べ放題券なんて存在しない。
しかし、モモサワも馬鹿ではないので、嘘だとすぐ気づくだろうが。
こにぽんが恐る恐るモモサワの表情を観察していた。
すると‥‥。
「まじか!!?じゃぁ今すぐ競争だ」
ここで一句、
モモサワは 食につられて 走り行く
幼き心 気付かぬままに
おわり
>>124 >>126 お二方ともGJ。
自分も何か書いてみたいが、最近長文書くと文章が尻滅裂でな。
───ふぅ、今日はまた一段と冷えるな。
オレは庭先を適当に掃き掃除しながら、ブルッと身体を震わせた。オレはわんこ。そう呼ばれている。
当然、ホントの名前ではないが……まあ、それはどうでもいい。オレはさる事情から
ひのもと家に居候している自称番犬だ。この家に住んでいる鬼の姉妹に世話になっている。
食客の手前、それなりに家事を手伝ったりしている訳だが……早朝から庭先の掃除は少し厳しくなってきた。
本格的な冬まであと少しだろう。冬支度も大体終わったし、後は新年を迎える支度をしなきゃな。
どうせ、今日も色々とお使いをしなきゃなんねえだろうな。まあ、オレの俊足でさっさと用事を済ませるとして、
小日本の遊び相手をするのにどれだけ時間が割けるかだな。そろそろあの姉妹は朝餉を済ませる頃か
つらつらとそんな事を考えながら、落ち葉を掃き集めていると……
「ネネさまなんて、キライ!」
突如、家の奥から癇癪をおこした幼いだろう女の子の叫び声が聞こえてきた。
おいおい、朝っぱらかよ。勘弁してくれ。あの姉妹は、まあ、いわゆる『喧嘩するほど仲が良い』のだが、
毎回毎回、トバッチリを食うのはオレの役割だ。見ててほっとけないとはいえ、毎度振り回されていると
「またか」と思ってしまう。ま、だからといってホントにほっとく訳にもいかないがな。
「こに!待ちなさい!」
ドタドタと玄関に向けて駆けてくる足音を追いかけるように女性の声が響いた。
ああ、あれはいちお、オレの主人の鬼子だ。なんだろな。出自は鬼なのに、鬼を祓う事を生業としている。
鬼を祓う時はあれだけ凛としているのに、日常生活じゃどうしてああもヌけているんかなって人柄(鬼だけど)だ。
いや、ま、本人は一生懸命で生真面目なんだけどよ。もうちょっと肩の力を抜いた方がいいと思うぜ。
口に出したりはしない。ま、まがりなりにもご主人様だかんな。
そんな事をぼーっと考えていたら、玄関をガラガラと開けたと思ったら、ピンクの着物を着た人影がテケテケと
駆けていった。
「もう、あの娘ったら」
玄関口に姿を現したのは赤いもみじ模様の着物の女だ。長い黒髪のなかにツノが日本にょっきりと生えている。
いちお、さっき話していたオレの主人、鬼子だ。毎度の妹分の癇癪に途方にくれた様子だ。
オレは掃除していた手を止め、どうしたものかと竹箒の柄で耳の付け根をカリコリと掻いた。どうせこっちに
お鉢が回ってくるんだろうが、進んで面倒事に片足を突っ込むのもどうしたものか。
ぶっちゃけ、兄弟(姉妹)喧嘩なんて夫婦喧嘩並に首を突っ込むもんじゃないって思い知っている。
何せ、オレの兄弟がそうだったからな。だから、あんまり関わりたくないのだが……
「わんこ、あの子をお願い」
……内心、ため息をついたが仕方ない。ご主人さまのごよーぼーとあっちゃあ仕方ないか。毎度毎度、気にしすぎ
だとは思うけど、こう思い詰めた表情で頼まれては無下にするのも気が咎めるし……しょーがねぇ。
また無駄骨折ってやっか。だが、その前に諍いの原因は何だったのか聞いておかないとな。
「んで、今度は一体ナンだってんだ?」
いちお、水を向けてみると、鬼子はおずおずと、言いにくそうに切り出した。
「えぇと、夕べあのコが『朝ごはんにすいとんを食べてみたい』って言い出して……でも、色々な都合でそう
急に変えたりもできなくて……まさか一晩経っても覚えているなんて思わなくて、あのコそれでスネちゃって
……『ねねさまは、こにことなんかどうでもいいんだ』なんていいだして……」
「…………わかった。後は任せとけ」
とりとめもなく話し始めたからもうそれ以上の顛末は目に浮かぶようだった。だから遮った。それにしても……
夫婦かっ!ここまで聞いただけでもクラクラしてくる。アンタらより中のいい姉妹、きっと他にいねーよ。
なんてか、取り掛かる前からメチャクチャ脱力するんだけど!
「お願いね、わんこ」
すがりつくような目で言われてもな……本人生真面目で気がついてないようだけど、んなに深刻に
なるようなもんでもねーだろよ。さて、あのお姫様の気をなだめて、連れ戻すか。グッと自慢の足に力を入れて……
「あ、それと」
駆け出そうとする直前、鬼子が呼び止めた。オレは勢い余ってひっくり返りそうになった。
「……んだよ」
ぶすっと返したが、鬼子は辺りに誰もいないのに憚るように周囲を見回し、オレの耳元に口を寄せた。
「あの……ね、田中さんが……(ゴニョゴニョゴニョ)」
「…………」
まあ、鬼子のヤツの吐息とかオレの鼻が人間よりよく効くとか色々気になる部分もあるがそれはおいといて。
「……わかった。じゃあ、それまで適当に誤魔化しておけばいいんだな」
そうして、もう一度走りだそうとしたら「あ、それと」と、呼び止められた。何かと思ったら、上着を手渡された。
寒いからこの上着を持って行ってやってくれ。との事だ。
「あのコ、寒そうな格好のまま飛び出していっちゃったから」「分かった」
そう答えると、また呼び止められたらかなわないのでとっとと走り出した。
───さて、こんな時、アイツはいつもの所に居るって分かってる。そこで不貞腐れているんだ。
昔は鬼子がどこにいるか見つける度に場所を変えていたらしい。だからイチイチ場所を探さないといけなかったが、
オレが来てからはここが定番の不貞腐れスポットになっている。まあ、オレが貧乏くじを引くことになったのも
そういった事情があるんだろうけどな。
ざむざむざむ。と、背丈もあるほどの枯れ草を踏み分けてゆくと、チャポン、ちゃぽん、と、水音が聞こえて
きていた。あぁ、やっぱりここに居たか。きっと、小石を水ん中に蹴り落としているんだろう。
池の畔なんて場所、寒いだろうに。
「……だから、考えすぎでヤスよ……そんなに気に病むことじゃないでゲス」
「でも……ねねさま、あんまりなんだもん。ゼッタイ、こにのこと、どうでもいいって思ってる」
……誰か先客がいるようだ。会話が聞こえて来る。ま、誰と話しているかは確認するまでもないけどな。
「でも……でも……」
そう言って涙ぐんでいる小日本にバサッと頭から上着をひっかぶせた。
「おら、何やってんだ、こんな所で。そんな格好じゃさみーだろが」
「わんわん……」
わんわん言うな。ったく、どいつもコイツも。
「ほら、お迎えがキタでヤス。素直に帰って謝ればきっと鬼子も許してくれるでゲスよ」
やっぱり、こにぽんと話しているのはヤイカガシだった。いちお、お守りの妖怪だから警戒する相手じゃないし、
逆にこにぽんと一緒に居たなら、心強い相手ではある。
だが、その一言は地雷だったな。
「こに悪くないもん!悪いのはネネさまだもん!」
あーぁ、ヘソ曲げさせちまった。宥めるのにオレがどんだけ苦労するのやら。ま、オレが来るまでコイツの話相手を
していた事とチャラだな。
「あー……だったら、どっかいってみっか?とっておきの場所があんだけどよ?」
ヤイカガシに余計な事を言ってくれたな的視線を送りながらボソッと呟いてみた。
「……いい、こに、ここに居る……」
さよけ。しょーがねえ。ちょっち付き合ってやっか。
・・・・・・・・・・・・・
むず、と鼻がむずがった。
「っっっぶぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っくしっ!!」
ズビーあ”〜〜〜そういや、鬼子のヤツ、こにの分しか上着、用意してなかったもんな。そんだけ、こにぽんの事が
気になって仕方がなかったんだろう。走ってる間ならともかく、じっとしてっと身体が冷えて仕方ねえ。
「わんわん寒いの?」
だからわんわん言うなっての。
「へ、ダイジョブだっての。普段から鍛えてるオレ様をみくびんなってんの」
こんなちっこいこにぽんに気遣われるなんて冗談じゃねえ。ここは男をみせないとな。ズズー……ぶぇっくしっ!
「も〜〜しょーがないなあ、わんわんは……それじゃ、いこ!わんわんのひみつきち!」
む。なんとなくをのこの矜持が傷つけられた様な気がしないでもないが、コイツが移動する気になったんなら、
なんでもいいや。
「おし、そんならついてきな。とっておきの場所に連れてってやる」
「うん!」
とと……その前に、こにに「ちょっと待ってろ」と待たせて、まだ律儀に一緒に居たヤイカガシを呼んでボソボソと
耳打ちをした。
「……わかったでゲス。こっちでやっておくでヤス」
おし、これで大体、なんとかなるかな。
「……?む〜〜〜一体、何ナイショ話してるのよ〜〜〜」
「あん?ウマそうなミミズの有り場所を教えてやったんだけど、何、聞きたいの?」
「い、いい、いらないっ!」
ヤイカガシが抗議の視線を送ってきたが、わりい、後で埋め合わせする。仕草で抗議を遮った。
「さて、んじゃ行っか!」
これ以上ややこしくされても困るのでさっさと話を切り上げた───
「──ふわあ〜大量、大量〜〜〜」
さっきまで泣いてたが上機嫌でニコニコしている。ふぅ、なんとか機嫌が戻ったか。
オレがこにぽんを案内したのは秘密の場所──柿がいっぱいなっている場所だった。
最近は季節が妙なせいか、この時期が一番多くできていた。まあ、今朝が寒かったからこれが最後の旬だろう。
「いいか。ここは秘密の場所だからな。誰にもナイショだぞ。いいな」「うん!」
やれやれ。これからどうするかだな。
「じゃ、これねね様に届け───」
ここで不意に表情が曇った。あー……思い出したか。
「ま、まあ、なんだ。鬼子ならこの柿見せれば機嫌治るんじゃねーかな。だってよ。こんなに沢山あんだぜ?」
そんなわきゃねーんだが、とにかくそうしないと話がすすまねえ。
「……うん」
まあ、渋々だけど、こうやってひのもと家にオレたちは帰った。
────!?っ
家には鬼子が居なかった。それどころか、家の中はメチャクチャに引っ散らされていた。
「ねねさまっ?!ネネさまっ!」
こにが手に持っていた沢山の柿を放り出し、家の中に駆け込んだ。だが、広いとはいえないこの家のどこにも
鬼子は居なかった。
「どうしよう……わんわん、ねねさまが、ねねさまがどこにも居ない……」
コホン……さて、と。
「あー見ろ。こにぽん。こんな所に矢文があるぞー」
指さした先には矢に丁寧に文が折り畳まれ結び付けられ、土間の土に矢ごと突き刺さっていた。
こにぽんはそれを見てサッと顔を青ざめさせた。
オレはそれを広げて読み上げた。
「あーなになに?『わはは、ひのもと おにこは おれがさらった。こんどはたなかをさらってやる。くやしければ
たなかをさらうのをとめてみせろ。わるものより』だってさ。どうするよ?」
「…………許せないの」
俯き加減にボソリと呟いた。
「ん?」
「許せないの!ねねさまを取り返して田中を守るのーっ!わるもの、やっつけるの!わんわん背中貸してっ!」
「お、おう」
こにぽんは奮然と怒りに燃えていた。おいおい、つい気圧されちまったけど、ホントに大丈夫か?
オレはコイツを背に乗せると、おっことさないように気をつけて山道を走りだした。
───さて、田中の家だ。その頃には辺りもとっぷり暮れて暗くなり始めていた。つるべ落としってやつだな。
オレはこにを下ろすと、今にも飛び出しそうなこにを抑えることにした。
「いいか。悪者は、きっとまだオレたちが到着したことに気がついてねぇ。だから、そっと入って脅かしてやろう
そうすりゃ、ビックリして鬼子を放すに違いないぞ」
それを聞いて今にも大声で怒鳴りこみそうだったこにぽんは大人しくなった。
田中の家は、暗く周囲に沈んで辺りの家と比べ、灯りがついてなかった。唯一、玄関の入り口だけはオレたちを
招き入れるかのように蛍光灯が灯っていた。
ガラガラガラ───玄関に鍵はかかっていなかった。
「……誰もいないの?」
廊下のボンヤリとした灯りが辺りを薄暗く浮かび上がらせていた。心なしかこにぽんは怖気付いたようだ。
「どうする?きっと、この奥に悪者はいるんじゃねえか?何なら、オレがいくか?」
その言葉にもこにぽんはフルフルと首を横に振った。
「わんわんはあくまでさぽーとなの。ねねさまがいない今、こにがねねさまを助けなきゃいけないの」
「──わかった。じゃ、せーの、で中に入るぞ」「うん」
──さて、そろそろだ。巧くいってくれよ。
「「いっせーの、せっ!!」
ガチャッ
パッ パッ!! パパッ!!
「きゃっ!」
一斉に室内が明るくなり、目の前には真っ黒な衣を纏ったいかにも『わるもの』といった感じの怪人が
立ちはだかっていた。
「わははははっ!よくぞここまでやってこれた!このわるものを倒せるかな〜?……なーんてねっ!」
「えっ?」
『わるもの』はアッサリとその黒い仮面とビニール製の衣を剥ぎとると、田中になった。
いつもより高い位置から見下ろして、いたずらっぽい表情で笑っている。
「えっ?えっ?えええっ?たなか、わるものだったの!ねねさま、ねねさまはどこ?!」
落ち着け。台詞がひらがなのままだぞ。
「ははは、よし、ここまでやってきた良い子には鬼子を返してやろう〜〜」
芝居がかった台詞を吐くと、そのまま仮面と衣装を放り捨てた。
すると、黒衣の下からバツが悪そうに鬼子が姿を現した。田中の下にしゃがんで黒衣の中に隠れていたのだ。
「ごめんなさいね。こに。どうしても田中さんがこうやってこにの誕生日ををお祝い……て、」
そこまでしか言えなかった。こにぽんが鬼子の胸に飛び込んで泣き始めたのだ
「ねねさま、ごめんネ、ごめんネ、ねねさまぁ……」
……やっぱり、なんだかんだ言って、喧嘩したことをずっと気にしていたのか。悪いことをしたかな。
緊張の糸が切れてヒックヒックとしゃくりあげるこにぽんを鬼子は優しく抱きしめた。
「ううん。ありがとう、こに。アナタは私の自慢の妹よ。よくここまでガンバったわね」
田中のね〜ちゃんが思いがけない展開にぽかーんとしていたので、今朝方、鬼子とこにぽんが喧嘩した事を
そっと耳打ちして教えた。それを聞いて、アッチャ〜〜〜とばかりに頬をポリポリと掻いていたが……
「そそそ、それじゃ、二人の仲直りに、いっちょ、ぱ〜〜〜〜っとやっちゃいましょうか!」
「やっ!」
「へっ?」
こには鬼子の首にギュッとしがみついて田中を睨み付けていた。
「田中がわるものだったなんて!ねねさまはこにのものなの!こにがねねさまを守るのっ!」
鬼子の首にひしとしがみついてちゃ、あんま説得力ねーぞ。こに。まあ、気持ちはわかるけどな。
「はは、その設定、まだ生きてたのね。えっと、あ〜〜〜〜こ、こにちゃん?」
おぉ、珍しい。田中のねーちゃんが固まってる。
「えっと、こに、ダメよ。田中さんはアナタの為にわざわざ『わるもの』役を引き受けてくれたのだから」
そう。これはこの前、鬼子がさぷらいずで誕生パーティーを祝ってもらって「こにも”さぷらいず”して欲しい!」
と、ダダこねたのを覚えていて、別の趣向をこらしてみたものだった。
実は鬼子はこにみたいな小さい子にこんな凝ったものは出来っこないのではないかと心配していた。
まあ、実際はちゃんとここまで来れた訳だけど、それまで鬼子はヒヤヒヤしていたに違いない。
「ほら、よく見て、この前と同じようでしょ?」
鬼子が示す先には『こにちゃんお誕生日おめでとう!』の文字。
「……えぇと、じゃあ、田中は『わるもの』じゃなかったの?」
まだよく分かってないようでおずおずと鬼子に聞いていた。まあ、あれだけ思い込んでちゃそう簡単に
思い込みを変えるのは難しいもんだよな。
「ん、んん!それじゃあ、その証拠に……もう一度仕切りなおすね」
田中が気を取り直して喉の調子を整えた。
「こにちゃん!お誕生日!
「「「「 おめでと〜〜〜〜〜〜!!!」」」
不意に、田中の音頭に大勢の面子が唱和し、クラッカーを打ち鳴らした。
「えっ?えっ!!ええっ?!」
実は、みんな実は壁際で今か今かと出番を待っていたんだ。壁だと思っていた所はみんな布を掲げて
その裏に隠れていたんだ。危うく台無しになる所だったけどな。
まあ、おかげでなんとか「さぷらいず」になったかな。オレも一時はどうなるかとヒヤヒヤしたぜ。
みんなが一斉に現れてから、やっと事情が飲み込めたみたいだ。こにもビックリしていたが、やがて笑い始めた。
切り替えが早いのはこんな時、助かる。まあ、場所が場所だし、ヤイカガシに人集めを頼んだの急だったから
鬼子の時ほど盛大には祝えなかったが、こにぽんは大喜びだ。
さて、それじゃ、オレはひとまず誘導役は終わったし、料理や飲み物を運ぶとするか。
……と、お菓子の方が多いけどな。今日は。
これだけ骨を折ったんだ。骨付き肉のひとつや二つ、つまみ食いしたっていいよな。
そんな事を思いつつ、オレは会場を背後に田中家の台所に料理を取りに向かっていた────
──終──
133 :
こにの誕生日:2011/11/22(火) 02:41:57.11 ID:EIy75bnF
>>128-132 くぅ、間に合わなかった。そんな訳でこにの誕生日でした。そういえば、鬼子の代表デザ決定からそんなに間をあかず、
こにぽん投票したっけね。こっちは、設定上は、鬼子とこにぽんが出会った日。という設定で祝っています。
なにせ、鬼子もこにも、出自は分からない状態ですからね。それではっ!
>>128-133 乙です。まー、我々リアルでこにぽんの誕生日忘れてたので少々胸が痛い。
そして犬のくせに意外と寒さに弱いわんこ萌えw
>>128-133 乙!長文お疲れ。
わんこって縁の下の力持ち的な存在ですね。
心の鬼が誕生日を忘れさせたんだーーーーっと
思うようにする・・・。
『panneau氏のHDDが逝っちまっただよ事件』
「鬼子、大変だ!panneau氏のHDDが逝っちゃったらしいんだ」
そう声を荒立てて言うのは、panneau氏の心の鬼、“パソ狐ーン”(パソコーン)だ。
心の鬼と言っても、害の無い鬼もいる。
顔が平べったく、その平べったい部分に目と鼻と口がある。
一応耳も二つ上に飛び出ていて、四角いタワー状の可愛い体をしている。
アクセサリー感覚でシッポも付いているので、見た目は可愛らしい心の鬼だ。
鬼子が冷めた視線をそのパソ狐ーンに向けた。
鬼子「ぁあ、電磁波の森の中で生活している方だったわね。
私、電磁波が苦手だから行ってあげられないわよ」
【ガーン・・・】
パソ狐ーンの平らな顔に、“プログラムが応答しません”と言う文字が赤色で表示される。
鬼子「・・・意味わかんない・・・。パソ狐ーンが言う事はいつもいつも
理解出来ないわよ・・・よく解らないけど、電池切れじゃないの?」
パソ狐ーンの平らな顔に、また何かが表示される。
“仮想メモリ最小値が低すぎます”・・・と。
鬼子「意味わかんないって言ってるでしょ!」
そう言いながら鬼子は、薙刀でパソ狐ーンを叩きだした。
しかし、パソ狐ーンは動く気配がない。
そしてまた、平らな顔に文字が表示される。
“【重大】害を及ぼす、または望ましくない可能性”と・・・。
鬼子「・・・喋りなさいよアンタ・・でないと・・・・・」
鬼子の目が赤く変っていく。イライラが徐々に大きくなっていってるのだ。
手に持っている薙刀がゆっくりと上へ上がっていく。
その時、ドタドタとこちらに走ってくる心の鬼がいた。
その心の鬼は、代理の人の心の鬼“大狸忍”(だいりにん)だ。
大狸忍「パソ狐ーン。過去ログSSスレの項目に1289833811.datがあって・・・あぁ!!」
仁王立ち状態の鬼子。大狸忍の助言が間に合わなかったようだ。
パソ狐ーンの平らな顔から冷や汗が流れ落ちる。
怖いから、鬼子を怒らすのはこれくらいにしておこうと思っているのだろう。
そして、また平らな顔に文字が表示される。
“システムは深刻なエラーから回復しました”
パソ狐ーン「あ・・あのさ、鬼子・・・」
その後、パソ狐ーンがどうなったかは俺には解らない。
>>136>>137 いつもいつも乙かれ〜。
ダメだよ鬼子さん!てれびは斜め45°でチョップしないと!(違
>>137 ありがとうございます。
正しくこれで、普通にatwikiにあったとは・・・
>>138 このままいくとこれも"小品・断片5"に収録だな。
>>141 毎度おつかれさまです!
SS作品も増えてきましたなあ。
というか、こんなにあったのか……。
それから『歌麻呂 ◆Bsr4iViSxg氏の歌』が開かないんですけど、これはミスですかね?
乙!こうしてみるとけっこうあるね。ネタの掘り返しをする際に参考になりそうなのもあるかも。時間が空いたら
一度じっくりと読んでみたいな
>>141 乙乙乙でヤンス。
SSスレ1だけでこんなに!!!
本当に作業乙でヤンス。
こうやって萌え歴史が刻まれていくんでヤンスね!
>>142 ご指摘あざす
調べたら何故かxhtml版の方を上げ忘れてたので、朝上げますた。
jsがおかしかったので、さっき直しまひた。
作ってもらった
_
∧ '.:.:´.:.:.:.:.:`.:∧
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{.:.:/ニニニニニニムー=====―ムニニニニニム
j:/ニニニニニニムニニニニニニニニムニニニニニニム
ムイニニニニニニニ7ニ==-----==ニムニニニニニニイ
{ニニニニニニニニ/ニニニニニニニニニニl|ニニニニニニ|
|ニニニニニニニニムニニニニニニニニニニニ|ニニニニニニ|
|ニニニニニニニニ{ニニニニニニニニニニニl|ニニニニニニ!
かわええv
>>146 和んだw
そういえばここはAAのスレでもありましたね。
容量落ちは予期せぬタイミングで襲って来ますし。
>>146 萌え〜
そそ、SS、AAスレでもあるから
これでいいのだ
>>146 おお、この髪のもっさり感は、私のハピバ絵ですかね?
ありがとうございます!
二日かかった…
ト、
ト、_Eヌメ、
yクミミミ込
ノレトミLリリリリリミ、 _彡ニ二.、
ノ勿フミ州州州念モ〒テミニ彳⌒ヽミツ
(_rヘ._|ミミ文ミミ彡千仁文木ニミメ、
 ̄_//Xミミミラ禾:::::::彳⌒r不、::::::::X、
_レ禾⌒テララXリ入ミミミテミヲ 人豕レへ:::::::\
(__/ノメナナナメソソノ::::yνμノ州ミ州州\::::::|
/ ̄ ̄ ̄\\トー木⌒フノ_ナ彡ィ 八ヽ\.丗∀ルルヽ√
| ――ヽ、\|::::\::/::::::::::::::::/ / λハX\__
\__ \八:::::::\::::::::::::::ノ ム/..入::::\::::::::::::::ア
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Y\\ /√艾 ̄´ \............ノ::::::::|:::::入:::\
ひざ蹴りかましている鬼子さんかw
>>151 なんか合成したくなった……
ト、
ドゲシィッ! ト、_Eヌメ、
yクミミミ込
゙''‐、_\ | / / ノレトミLリリリリリミ、 _彡ニ二.、
─‐‐‐ ・←>>*** ノ勿フミ州州州念モ〒テミニ彳⌒ヽミツ
// | \ (_rヘ._|ミミ文ミミ彡千仁文木ニミメ、
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てすと
鬼子がUTAUになって一年ほど過ぎたのでカキコしてみる
それは一年前のことだった。
鬼子はUTAUとなったことで、どこぞの町にある事務所(実際には登録作業しかしてない)に出向くことになった。
何しろ鬼である。皆が震え上がったりとか恐れを為して逃げるとかそういうことにならないことだけを切に祈っていた。
どこからか届いた案内状に目を通して事務所の呼び鈴を押した。
「誰だ」ぶっきら棒な声がスピーカーから鳴った。
「日本鬼子です。」相手の声を聞いて鬼子はどうなるんだろうかと思いながら自分の名前を言った。
「ああ、今日だったか。入っていいよ。」
「いいんですか?」
「入っていいといってるだろうが。」柔らかい声だがどこか冷たい響きがしていた。
鬼子は扉を開いた。本当に事務所もいい所だった。
芸能事務所程の活気はないが、ここを本拠に活動することになる。その時まではそう考えていた。
紫の髪の少女が鬼子に話しかけた。
「君が日本鬼子か」
この人がさっき機械で喋っていた人ね。鬼子は操合点するとお辞儀をした。
「日本鬼子です。若輩者ですが―」
その時外で車が急停車する音がした。
目の前の少女は「やっと来たか」と呟き、奥にいる桃色の髪の毛の少女は頭を抱えた。
ドアが荒々しく開き、やはり若い娘が足音も荒々しく入ってきた。
髪は赤みがかったピンクで縦ロールのツインにしている。目も赤かった。
その目を見た時本生りの自分がこうなるような気がして嫌になる。
「来たか」紫の髪の少女が呟いた。と同時にドアが荒々しく開いた。
ドアを蹴破る勢いで開けた少女は肩で息をしていた。
「テト、また寝坊か?」紫の髪の少女が言った。
「ちがーう!ルコリツテイを叩き起こして学校に行かせて、そんでもってテイがいきなりだなー、
れんきゅんに会いたい、ってホザクもんだから無類やり学校に送還してたんだ!」
鬼子は紫の少女に尋ねた「この人は誰なんですか?」
「ああ、鬼が来ると言っていたが、君か。あたしは重音テト」少女―テトは先ほどとは打って変わった雰囲気で自己紹介をした。
「デフォ子、自己紹介はしたのか。」テトは鬼子の傍らに立っている紫の少女に言った。
「ああ、まだだ。」
[ったく。君の傍らにいるのが唄音ウタ。あそこの机で寝ているのが桃音モモだ。」
「あたし、寝ていません。」モモと呼ばれたピンクの髪の毛の少女が切り返す。
デフォ子は鬼子に手を差し伸べた。「あたしが唄音ウタだ。皆はデフォ子と呼んでいる。」
「デフォ子、さん、ですか。」鬼子は握手をした。デフォ子は思いきり力を込めて握手した。
誰もが鬼子が叫ぶものだと思っていたが、そこは鬼である。鬼子はデフォ子の手を強く握り返した。
続きます
>>155の続き
デフォ子が鬼子の手を強く握りしめ、鬼子がそれに判事をするようにデフォ子の手を強く握り返すのを見てテトはデフォ子に一言言った。
「デフォ子、いい加減やめんか。」
「鬼は力持ちらしいからやってみたくなったんだ。」
二人の手がパッと離れる。
「鬼子、こいつはロボットでな。性格は、まぁ、見ての通りだ。」
「えーと、ロボットって…機械なんですか。」
「身も蓋も無い言い方だな。」デフォ子が答える。「ついでに言うとあそこにいるモモも同じだ」
「はぁ。」鬼子の要領を得ない返事。
「鬼子さんですね。先程紹介に与りました桃音モモです。」いつの間にかモモが鬼子の近くに寄っていた。
「あ、こちらこそよろしくお願いします。」鬼子が返事をする。
「えー、ところで、鬼がUTAUとかになっても大丈夫なんでしょうか。」
「大丈夫だ。問題ない。」テトが返事をした。「何しろUTAUには色んなのがいてな。兎の妖怪がいる。」
「はぁ?妖怪がもういるんですか。」
「天音ルナっていう兎の妖怪で、あれでもUTAUの初期メンバーだ。」
「はぁ、そうなんですか。」
「後はだな、怪鳥ラルゲユウスとか、キャベツとか、宇宙人とか、オカ魔族とか、果ては全高2000mの大仏までいるぞ。」
「何で大仏がいるんですか。」
「知らん。ネタに走るにも程があると思うんだが、一体何を考えているものやら。ゼントラーディー軍と戦争するつもりか。」
「テト、そのネタは古いだろ。」デフォ子がすかさず突っ込みを入れた。
「そうだな。ならクトゥルーとやり合うと言うのはどうだ。」
「やめて下さい。真面目に取られたら困ります。」モモが突っ込んだ。
「あのぅ。で、何で大仏が。」鬼子はおずおずと尋ねた。そんなものがいるとは理解の範疇を超えていた。
「だから知らないって。俺歌無能とか言うんだが、ここまで来るとネタにもなりゃしない。」
「はぁ、そうですか。あと何かいろんなものがいるとか言ってましたけど。」
「ん?そうか?何しろ大仏から宇宙人まで幅広く取りそろえているからな。あと猫娘とかコヨーテとか。」
鬼子は眩暈がして来た。そう言えばさっきこの人なんて言ったかしら。さり気に酷いことをサラッと言ったような。
「えーと、他に何がいましたっけ。」
「ん?だから、怪鳥ラルゲユウスとか」
「テト、それ誰も知らんぞ。」またしてもデフォ子の突込み。
「ああ、乙飛女クユの事だ。」
「その怪鳥なんとかって。」
「その昔ウルトラQという特撮番組に出た・・・」
「そうじゃなくって、何で怪鳥なんとかになっているんですか。」鬼子とモモが同時に突っ込んだ。
「ああ、あれね。通常は普通の女の子なんだが、興奮すると巨大な鳥に変身するんだ。」
「それでこいつ傍にいて踏みつぶされそうになったんだ。」デフォ子が茶々を入れた。
テトはデフォ子を睨みつけた。
「事実だろうが。」デフォ子は何食わぬ表情で切り返す。
「寸でで逃げました。」テトが答える。「いきなり抱きつくわ、巨鳥に変身するわで散々だったわ。」
「なんとなく分かりました。あのー、あとなんて言ってましたっけ。」鬼子が質問した。
「え?キャベツとか、オカ魔族とかがいるんだわ。」
「キャベツって、あの野菜の事ですよね。」
「うん。何故かそんなものがいる。考える気も起らん。」
「で、オカ魔族って。」
「魔族なんだが男のくせにオネェ言葉で話すのでそう言ってる。」
「あのー、魔族の尊厳とかどうなるんでしょうか。」
「本人に聞いてくれ。最早突っ込む気すら失せた。」
鬼子は苦笑した。
まだまだ続く
>>156の続き
「まぁ、一々気にしてたら身が持たんぞ」デフォ子が切り出す。
「そうですか…」
「何しろこいつからして31歳の・・・グッ」
「まー、これから頑張ってくれ。」デフォ子の口を塞いだテトが大きな声で言った。
「何をする。」デフォ子の抗議。
「え?何かあった。」テトがしらばっくれる。
「喧しい。この・・・ぐぎゃああああああああ」デフォ子は最後まで喋らせてもらえなかった。
「あ、あの、デフォ子さんバラバラなんですけど」
軽機関銃を持ったテトに鬼子が話しかける。
「あ、気にすんな。直ぐに元に戻るから。」
「そうなんですか。(だ、大丈夫なのかしら)。」
「ほれ、もう再生し始めてるから」
テトは床を指さした。確かにデフォ子のパーツが自分で結合し始めていた。
「テトさん、事務所内で銃器を出さないでください。」モモが突っ込んだ。
テトは、ん、そうか、と言って機関銃を懐に仕舞った。
鬼子はこの人、どこからこんなものを出し入れしているのかと思った。
「あ、あの、テトさん。」
「何だね。」
「あの、年齢の事なんですけど。」
「ゐ゛?」
「一応存じてます。」
テトは毒気を抜かれた表情で、あ、そ、と言った。
と同時に復活したデフォ子が怒気を含んだ声で言った。
「私に対してこの仕打ち、かくなる上は」
「桃子が怒るぞ」RPGを向けられたにもかかわらずテトは平然としていた。
後ろからデフォ子の肩を叩く者がいた。デフォ子はRPG7を構えたまま後ろを向いた。
そこには不機嫌な表情をしたモモがいた。
「うん。確かに事務所でこれは拙いな。」態度をコロッと変えたデフォ子はRPG7をロッカーに仕舞った。
ロッカーの中を垣間見た鬼子は恐怖した。そこにはあらゆる銃器が収められており、まるで武器庫のようだった。
「どうかしたか。」鬼子の態度に気がついたテトが話しかけた。
「あの中一体どうなってるんですか。」名状しがたい声で鬼子は答えた。全くここは何が何だか分からない。
「ああ、あれか。デフォ子は武器フェッチなのだ。ああやってあちこちから銃器を買い集めては
あそこのロッカーとかに入れてる。」
「もう手狭でな。」RPGをロッカーに格納したデフォ子が答えた。
「まだ、あるんですか。」鬼子の声に力は無かった。呆れ果てているのだった。
「どこだっけ。M2重機関銃とかホチキスとかも手に入れたと言うが」
「テトさん、その話は止めて下さい」モモ子の苦りきった声。
「まぁ、そうかもしれんな。」テトは同意した。
鬼子はホチキスってなんだろうと思っていた。
因みにここで言っているのは第二次世界大戦で米軍が愛用した40mm機関砲の製造所だった。
当然その言葉が指しているのは同社製の機関砲のことである。
それはそれとして、鬼子はなんかとんでもない所に来たのではないかと思い始めていた。
まだ終わらない
>>157から
「で、これからどうなるんでしょう。」鬼子が尋ねた。
「告知を出しますので、その後、あなたを気に行ったプロデューサーがいれば採用されるでしょう」モモの快活な声が返ってきた。
「ここが活動の中心じゃ・・・」
「ないよ」残り二人が同時に返事した。
「あくまでも登録と告知場所だからね。」テトが言葉を継いだ。
「まぁ、そこのキメラの様に運が良ければ何とかなるだろ。」デフォ子の言葉にはどこか棘があった。
「ま、そういうこと。」デフォ子の言葉に含まれたものを無視してテトが応じる。
仕方あるまい。テトは思った。デフォ子は殆ど日の目を見なかったからなぁ。
メジャーと言えるまでになるのに一年以上かかったんだっけ。
「まぁ何かきっかけがあればメジャーになるだろうしね。」テトが言った。
「きっかけですか。」鬼子は不安になった。
「でもテトはあれだろ。ネタが先にあったから。」デフォ子が言った。声がどこか冷たい。
「まぁね。まぁでも鬼子は一応きっかけ程度はあるんだし、なんとかなるんじゃないの。」
「きっかけ、ねぇ…」デフォ子は承知していない様だった。デフォ子がメジャーになったきっかけは一つの動画からだった。
それまではデフォルト音源でありながらマイナー扱いされていたのだった(多分)。
「そんなもんだろ。あれこれ心配してもしょうがないしさ。」テトはデフォ子の問いらしきものに答えた。
「そりゃお前はそう思うかも知れんが。」
「ミクだって始めから高速道路を疾走してたわけじゃないだろ。あいつだって始めは苦労してたじゃないか。」
「まあな…」デフォ子は納得のいかない様子だったが、
「まぁ、それにだ。ボカロと言っても皆が超売れっ子と言う訳ではなかろう。」
「ああ、そうだな。」デフォ子の声は沈んでいた。
「気にするなよ〜デフォ子はみんなの人気者じゃないか〜」テトはデフォ子の両肩を勢い良くゆすった。
「ぐはぁ、な、何をする。」デフォ子が声を荒げた。
「あんまり沈んでるのもらしくないと思ってな」
「喧しいわ」
デフォことテトのやり取りを見ていた鬼子はモモに尋ねた。
「あの二人はいつもああなんですか。」
「あんなもんです。何時もはデフォ子さんが主導権を握るんですか。」
「はぁ」鬼子はため息とも受け取れる返事をした。
そして新キャラが登場する
>>158から
ドアが荒々しく開けられた。皆がそちらを見る。
モモと同時に入口の方を見る。和装と言うか、和風と言うかやはりミニスカを着用に及んだ少女がそこに立っていた。
「あら、マコさん。」
鬼子はマコ―和音マコに挨拶しようとしたが、マコはその儘鬼子に近づいてきた。
「本当に鬼が来たのね。と言うかどうしてきた。」
「どうしてと言われましても。」鬼子は答えた。「あ、わたくし、日本鬼子と申します。」
「礼儀正しいのね。」マコは平板な声で答えた。
「どうしたミニスカ忍者」マコが来たのに気がついたテトの声が響いた。
「それ言うな!」マコが怒号で返す。
「じゃあマコ、ルナは?」テトが切り返す。
「ああ?あの兎は鬼と聞いて速攻で逃げたわ。」
「まぁそうかもな。」テトは気にしていない様だった。「鬼は最強の妖怪と聞くし。あいつ如きじゃどうにもならんだろ。」
「そーかー?あれでも結構すばしっこいから大丈夫と思うけど。」マコは納得していない様だった。
「テトぉ、何マコと話してるんだ。」ようやく我に返ったのかデフォ子が割り込んできた。
「和音マコが鬼子に興味を持ったようです。」テトが答える。
「ルナの性癖がうつったのか」
「違ーう」デフォ子の声にマコはとっさに反応した。
「そうなのか。」どうとでもとれるデフォ子の声がした。
「まぁ、それはそれとして、何の用だ。」
「鬼が来たというから見に来ただけだ。」
「それで報告はタイキに押しつけると。」テトが返した。
「後輩の義務だわ。」マコは悪びれていない。
「よく言うよ。面倒は悉くタイキに押しつけて自分は遊んでるくせに。」
「可愛い後輩を教育するための愛の鞭と言って欲しい。」
「痛いだけだろ。」今度はデフォ子の番だった。
「まだ若いからね。多少の苦痛はやむを得ないさ。」
「親方の娘でなきゃとっくの昔に里に強制送還だろうが」テトが言う。
「まるで私が仕事をしていないみたいじゃないか。」マコは鼻で笑いながら答えた。
「仕事してたのか。」テトとデフォ子が同時に白けきった言った。
最も職業柄マコの本当の仕事なぞ誰も知らないし、UTAU関連以外詮索しないことは暗黙の了解だったから、
誰も何も知らない筈だったが、テトやデフォ子はマコの「本当の仕事」を知っていた。
そしてその仕事をさぼりまくっているからこそ、違う里からだが風歌タイキが派遣されてきたのだった。
勿論、現代において忍者は壊滅状態なのだが、残存する「里」ではそれぞれ人材を融通し合ってあれこれと仕事を請け負っていた。
無論仕事の内容は目の前の例外を除いて他に漏れることは無い。
「ええい、だからここに来たんじゃないか!」マコが怒鳴った。
それを聞いた三人娘は、ばればれだろうが(でしょ)と思ったが口には出さない。
「な、何だかよく分からないけど、お仕事頑張って下さいね。」鬼子がマコに話しかけた。
「あ、ああ、どうも」マコは答えた。
これで空気が変わった。その後は和やかな雑談の時間になった。
鬼子が驚いたのはUTAUが全世界のあちこちにいることや人数が4桁に達していたことだった。
これでは自分が日の目を見るまで時間がかかると言われたのも納得できた。
この後にも何人かのUTAUが来た。始めは鬼子を見て驚き、それから新しい仲間だと聞いて、へーとかああそうとかいう反応が返る。
鬼子の態度が柔らかいのか、皆がすぐ打ち解けた。
そしてまだ続くのだった。
>>159より
「お、そろそろ時間だ」壁に掛けられた時計を見てテトが言った。
「どしたの」雪歌ユフが言う。
「テイを迎えにいかないとね。」
「一人で帰れるんじゃないの」ユフと共に来た揺歌サユが答える。
「あいつが信号機を見るとどうなるか知ってて言ってるのか。」テトが言った。
「ああ、そう言えば。」マコが答えた。「硬直するんだっけ。」
「試験の時は母親が送り迎えしたそうだ。」テトが答えた。
「えー、テトさん帰るの?」音飛女クユの抗議。
テトに会えるという理由でここに押しかけたらしい。流石にテトに会ったからと言って巨鳥にはならなかったが。
「悪いが、家にはルコとリツが戻っている筈だ。何時までも言えを開けとくわけにもいかんだろう。」
「う〜」クユの抗議を他所にテトは外に出た。
事態は急展開する
>>160から
外に出たテトは鎧兜を着た青い狸と背後の黒い影と対峙していた。
「何だ、お前ら。」
「鬼子はここか。」
「その前に何の用だ。」
青い狸は軍配をテトに突き出した。「知れたこと、鬼子を斃す為だ。」
「あー、そう。」
「何だ、その言い方は。大人しく鬼子を突き出せ。さもなくば」
「その前にここの住人に挨拶なり了解なり取ったのか。」
「何を言う。我らにそんなものは必要ない。」
「ああそう。」テトは鼻白んだ。こいつらこの町の住人に断りなしでこんなことしてるんだ。「まぁ、いいけどねぇ。」
「ああ?何だ?その余裕は。痛い目を見たいのか。」
青い狸は叫んだ。
「ノイズ・ブレーカー」
少女の声とともに後ろの黒い影共が薙ぎ倒された。青い狸は、何が起きたかもわからない様子で後ろを見ていた。
「だから言ったろ?ここの住人に挨拶はしたかって。」テトの相変わらずな声がした。
そして、声をした方を見る。初音ミクのカラーリングを黒にしたような少女と、
ツインテールの銀髪を靡かせた少女よりは色の黒い背の高い女性が立っていた。二人ともスーツを着ていたが。
「どうも有難う」テトの平板な声がした。「雑音ミク」
「フン。ボクが本気を出せばこれくらいどうってことないさ。」雑音ミクと呼ばれた少女は自慢げに言った。
「まったく、あたしらに何の断りも無しに大挙して押し寄せた連中がいると思ってきたら、何だい、これ。」銀髪の女性が言った。
「ウイルス一匹にも値しないじゃないか。」
「あ、あ、何だと・・・」青い狸の呻き。
テトの背後でドアが開きUTAUの面々が外を覗き込んでいた。
「あなたたちは」モモの声がした「どうしてここに。」
「気にしなくていいよ。助けてもらったんだから。」テトが背後のモモに答えた。
「でも」
「本気ならあそこで突っ立って居ない。」
「言ってくれるねぇ。」銀髪の女性が答えた。
「くっそおー」青い狸は忌々しげにテトと女たちを見た。「かくなる上は。」
青い狸は刀を抜いた。
ほぉ、ヤル気か。見上げた根性だ。ならば少し本気で相手に、テトがそこまで考えた時に青い狸は逃走に移った。
「覚えてろー」
いつの間にか、デフォ子が大きめのランチャーを持って外に出ていた。ランチャーを構えてからミサイルを打ち出す。
「闇音アク。町の外ならば構うまい。」デフォ子は銀髪色黒の女性に尋ねた。
「撃ってから言うセリフかね。」アクは呆れた声で言った。「まぁ、いいけどね。」
少しして町の外で轟音が響いた。
でもこれで終わらないのだった。
>>161の続き
闇音アクと雑音ミクは扉にいる面子を見ていた。
外に出ているの三人娘で、他は扉から顔を出している。その中に鬼子もいた。
「ま、要件も済んだことだし。何かあったら言いな。相談に乗るよ。」アクはテトに言った。
「大丈夫だろ。それに相談料だけでも高くつきそうだしねぇ。」
「へぇ、そうかい。まぁ、これだけ大きな町だから、争い事には事欠かないさね。」
そう言い残してアクはテト達から去っていった。
「何しに来たのでしょうか。」モモがテトに尋ねた。
「偵察、かな。」テトが答える。
「何のですかね。」モモの言葉には棘があった。彼女は闇音アクと雑音ミクのコンビを心底信用していないのだった。
「鬼子かも知れないね。」
「何かあるんでしょうか。」外に出た鬼子がおずおずと尋ねた。今までの展開についていけないらしい。
「さあね。基本はさっき言った通りなんだろ。連中から見たら目障りだし。あ、鬼子はあの連中誰か知ってるの。」
「青狸大将です。」鬼子の即答。
「整理対象?」テトが答えた。
「さっき整理ならしたが。」デフォ子が口を挟む。
「あ、青い狸の大将と書いてですね、青狸大将です。」鬼子が説明する。
「であの黒い影は。」テトは重ねて質問した。
「悪の手叉鬼と言います。まぁ、下っ端の戦闘員ですが、ああもあっさりと片付けるとは。」
「へぇ、そういう名前なんだ。アクが来なかったらこっちで片付ける気だったんだけどね。」
「えっと、ここはシンガーの事務所ですよね。」鬼子が尋ねる。
「そうだよ。」テトはこともなげに答えた。
「どうしてこうなるんでしょうか。」
「色々あってね。」
「色々、ですか。まぁ、あいつらも原因と言えばそうだし。」
「そうなんですか。」
「さぁて、これ以上テイを待たせるわけにもいかないから、あたしはここで帰るわ。
モモ、まだお客が来るみたいだから対応よろしく。」テトはモモにそういうと車に乗ろうとした。
でも事件はまだ終わっていなかった。
>>162から
向かいの建物の屋上に影が見えたのは、その時だった。
「フフフフ。我らに気づくとは大したものだ。」
屋上にいる影はそう言い放つと颯爽と飛び降りる。どう見ても猪と狼の化けものだった。
「何ですか、これは。」モモは鬼子に尋ねた。
鬼子は口ごもった。それはそうだろう。こいつらの名前など、口に出せたものではない。
「我らを知らんとはとんだモグリだ。」オオカミが答えた。
「よく聞くが良い。我らは七つの大罪より生まれし色鬼隊(しきたい)!我が名は色鬼隊二の槍、穢狼(エロ)!」
「あ?」モモの声が変わった。
「同じく三の槍、助平牙鬼(スケベガオ)!」モモの態度の豹変に気づかず彼等は名乗りを上げた。
「エッチなのは・・・」モモが呟いた。そしてテトは車内で十字を切った。
「フフフ、このご時世にドロワーズとはいい度胸だ。とっくと―」穢狼は最後まで喋らせてもらえなかった。
「いけないと思いまぁす!」モモの声と共に箒で二人とも宙に飛ばされた。
「第一次宇宙速度には足らなかったか。」デフォ子はシレっとした声で言った。
モモは肩で息をしていた。この手の話題はモモの前では禁句なのだった。言うなれば核地雷原を全速で突っ走るようなものである。
鬼子は茫然としていた。この人たち何なの。
「うんじゃぁ、あたしゃ行くわ。」テトはそういうと車を走らせた。
「ああ。」デフォ子が答えた。
「あ、あの・・・」鬼子はデフォ子に尋ねようとした。
モモは何かブツブツ言いながら戻ってきている。
「何だ。」デフォ子が対応する。
「何なんでしょうか。」
「見ての通りだ。モモの前でエロい話は禁止な。」デフォ子は簡潔に答えた。
鬼子はモモにヤイカガシ達を会わせまいと心に堅く誓った。
そして後日談(?)。
>>163の後の話
数分前。
アクとミクは街中を歩いていた。
「何か飛んで行きましたね。」雑音ミクがアクに話しかける。
「モモの箒だろ。」
「何やらかしたんだか。」
「決まってるさね。」
「ですよね。」
「まぁ、最初からいるのは解ってさね。」
「ですよね。」
「何か言いたげだね。」
「まとめて片付けても良かったんじゃないかと。」
「ああ、元々連中の面倒なんだから連中がやるってのが筋ってもんじゃないかい。」
「そうですか。」
「そうさね。」
そして街外れ。
青狸大将は体中から煙を吐いてとぼとぼ歩いていた。
一目散に逃げたまでは良かったが、あの後飛翔弾の直撃を喰らったのだった。
逃げる青狸大将に対してデフォ子はスティンガーを放ったのだった。
「畜生、畜生」目の幅で涙を流しながら青狸大将は呟いていた。
「あいつら…必ず仕返しをしてやる。」
穢狼と助平牙鬼が彼の頭上に降ってきたのはその時だった。
穢狼と助平牙鬼は自分たちが何に当たったのか理解もせずに立ち上がった。
「フッ。意外と手強かったな。」初めに喋り出したのは穢狼だった。
「なぁに、今日は小手調べ。何れ奴らの痴態を堪能できる日が来る。」助平牙鬼が余裕たっぷりに応じた。
「そうだな。それに今日は収穫が多かった。」そういうと穢狼はあちこちで盗撮した写真とビデオを取り出した。
「奴等も何れ同じ目に合わせてくれよう。」助平牙鬼が自信満々な声で言いきった。
それと同時に彼等は火に包まれた。当然「今日の収穫」は全部灰燼に帰したが、そんなことよりも誰がこんなことをしたのか
火を放ったものを見た。そこには良く見なれた青い狸がいた。
「青狸大将、いかな貴貎と言えど、今の仕打ちは―」
「きーさーまーらぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」穢狼に最後まで言わせず、青狸大将の怒りに満ちた声が辺りに響く。
「どうしたのだ、落ち着かれたらどうかな。」助平牙鬼が宥めようとしたが、青狸大将は刀を振り被ると二人に斬りかかった。
「おい、待て、何があった」「話せば分かる」穢狼と助平牙鬼は口々に叫びながら逃げ惑う。
「喧しい!今日一日で受けた屈辱を貴様らの体で晴らしてくれる!」青狸大将は叫びながら二人を追いかけた。
「それは八当たりだろう」「うるさい!!」「落ち着け。我らに」「黙れ!」
それを遠くから眺めていた黒バットと守銭童子はその場をぐるぐる回りながら何かを叫んでいる3人をどうやって止めようか
(あるいは何時まで見物するか)考えていた。
お終い。
UTAUの登場人物(既出分除く)
唄音ウタ
UTAUに漏れなくついてくるデフォルトの音声。
一応ロボット。粉々になっても自己再生するとか。
表情の変化に乏しくむっつりの印象を与えるが、実は熱血野郎かもしれない人
桃音モモ
初期メンバーで家政婦ロボット。天才科学者百瀬博士の作品。
和音マコ
少女忍者。だが仕事はさぼりっぱなしで歌ばかり歌っているらしい。
雪歌ユフ
これもほぼ初期メンバー。「せっか・ゆふ」と読む。ミニスカ雪女と言われるが本人は暑いのが嫌いなだけだそうである。
揺歌サユ
肉まんをこよなく愛するチャイナ服の人。「ゆりか・さゆ」と読む。ユフと共にいることが多い。
音飛女クユ
種族は音飛女と言い、仏教の迦陵頻伽と迦楼羅のハーフ(ニコニコ大百科より)なのだから目出度い鳥なのだが(多分)、
テトと出合い頭に興奮のあまり巨大な鳥になり、 テトを踏み潰して以来ラルゲユウスの渾名を賜った。
因みにラルゲユウスとはウルトラQに登場する怪鳥のこと。
以下名前だけ登場
天音ルナ
兎の妖怪で何故か碧眼金髪。他にも家族がいるらしいがどうしてこうなったか本人にも解らない。
鉛音ピネ
本文中で「宇宙人」と言われた少年(?)のこと。発言しても、何喋ってるか分らない位発音不明瞭である。
コトダマ
文字通りオカ魔族。実際中の人がオネェ言葉で喋って以来こうなった。
俺歌無能(UTAU) 名前だけ登場
誰かがネタで作ったキャラクターだが、全高2000mは無いだろう。「おれがむのう」と読む。
猫娘
猫歌スキかねこっぽいの辺りを指しているらしい。UTAUにはそういうキャラが沢山いるようだ。
コヨーテ(伺)
本文中でコヨーテと呼ばれた人。「こよーて・うか」と読む。犬との区別がつかないが本人に犬娘と言うのは止めよう。
性格は相当内気で詩文を作るのが趣味らしい。
甘藍
足の生えたキャベツの姿を持つ。何でこんなのがいるんだ。読み方は「かんらん」
風歌タイキ
少年忍者。「ふうが・たいき」と読む。同業者のマコがさぼりっぱなしなので送り込まれてきた。
ボーカロイド亜種の登場人物
闇音アク
初音ミクの亜種で悪のボーカロイドとして亜種祭り末期に登場したとか。
本来の格好は初音ミクをモチーフにしたワンピース水着のような格好に
紫のコートといういでたち。色黒の銀髪でミクよりむちましい人。
物憂げな目つきに特徴がある。腕にある番号は「893」である。
ニコニコ動画では悪役として登場する。
雑音ミク
初音ミクのカラーリングを黒系にしたキャラ。亞北ネルとキャラ被りするのかただの2Pカラーだからなのか、
認知度はいま一つで、出てくれば大概悪役と言う何だか報われない少女。
二人して初音ミクとなんか関係しているらしいが今はまだ語るべき時ではない。
あけおめ
あけおめことよろ。
新年からヒワイなことだ \(^▽^)/
皆さんあけましておめでとうございます。
今年は鬼子さんの年にしていきたい歌麻呂です。
とりあえず、今日から【編纂】日本鬼子さん書きはじめようと思います。
投下はしばらく先になると思いますが、これからもよろしくお願いします!
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へ、 __/ ̄ ̄⌒/⌒ /
r:::::::::::|ヽ`/ 鬼子本 /
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見つけたので転載(収まらなかったので分割))
テスト用スレッドver.44
ttp://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/otaku/12973/1324744310/855
テト達が住む町の描写をしてみる。
鬼子はこの町に何度か出向いているが、驚くことばかりだった。
例えば「終音精肉店」。本業では牧場を経営しているのだが、
そこの家畜には悉くその家畜に因んだ食い物の名前が付けてあった。
そこの看板娘(確かニクと言った)は「家畜達に自分たちの運命を悟らせるためなのです」ときっぱりと言い切った。
誰もが異口同音にそれは酷過ぎだろと言っているが、あそこはそれを一向に改める気は無い。
その御蔭で、この町では肉はあまり旨くないもの、ということになっている。
それはそうだろう。家畜達の名前が、食い物の名前なのだから、そっちを思い出して肉がまずくなるのだった。
そして花屋なのだが、何を思ったかラフレシアが置いてある。以前は露天にあったが、
余りの匂いの不味さにあちこちから苦情が出た。まぁ、大きくて奇麗なのは、そこの主の華音ミルの言う通りなのだが、
辺り一面に肉の腐ったような匂いを放ち蠅を呼び寄せるのでは苦情やむ無しである。
実物を見た鬼子にはグロテスクとしか思えない代物だった。
この「フラワーショップ華音」には何を思ったかマンドラゴラが植えてあるらしい。
何があっても引っこ抜くなと言うきつい警告を受けた。何でも引っこ抜くとそれこそ凄まじい絶叫が辺りに満たされるらしい。
勿論誰も試してみようとは思わない。本物だったら困るからだ。
その上、性質の悪いことに、警報用の罠に使っているらしく、
間抜けな盗賊がこれをうっかり引っこ抜くようにしているという話を聞いたことがある。
極めつけは「桜井青果店」だった。八百屋だが、レジ近くに座布団の上に鎮座するキャベツが座っていた。
あれもUTAUの面子らしいが、直に足は消えるらしく、その時は売り物として棚に置かれる。
これもどういう訳か2体以上いることは滅多にない(見たくない)が、
時々棚にある方が騒がしくなるのは、購入意欲を殺ぐのには十分だった。
店主の桜井博士に「甘藍は食べられて欲しいのです(キリッ」と言われても返事のしようがない。
登場人物:
終音ニク:ボーカロイド亜種。精肉店の看板娘にして牧場経営者の一人娘。
額に「肉」と書いてある。
華音ミル:ボーカロイド亜種。男の娘らしい。鏡音リン・連の鼻声を皮肉ったキャラ。
いっけんデフォ子風の外見。但し短パンを吐いているのが識別点で蓄膿症なのか嗅覚皆無である。
甘藍:要するにキャベツで、どうしてこういうのがUTAUにいるのか分らない。
桜井博士:農学者で甘藍の持ち物とされる人物。ここでは青果店の店主。
>>175からの小ネタ。
「凄いねー。まさに世界を股に掛けるボーカロイド」PCの画面を見ていたテトが呟いた。
「はぁ。」鬼子の相槌。
「まぁ、アメリカトヨタが彼女を採用したとか聞くし。」
「はぁ」鬼子の反応は同じようなものだった。
「あっしには関わりのねぇことでござんす、って顔だな。」
「だって、オリンピックのオープニングだなんて、どう考えても縁が無さげだし。」
「もしからしたらオマケでも出れるかもしれんよ。」
「だといいですねぇ。」
「まぁ2位以下が組織票総動員なのは丸見えなので、どうなるか分らんけど」
「そこまでする必要があるのでしょうか。」
「ああ、あの人間未満共はそう考えているらしい。」
「人間じゃないんですか?」鬼子の疑問。
「大丈夫だ。問題ない。あいつらをまっとうな人間と思わないほうがいい。」テトの声は冷ややかだった。
「まぁ、併合した後、負の霊圧が少し減ったようですが。」
「そんなことがあったんだ。」
「それ以前も碌なものではなかったのですが。」
「大陸は?」
「あそこは土地が広いので、あまり霊圧は高くならないのです。」
「今は酷そうだな。」
「酷いです。私が言うのもなんですが人が増え過ぎました。とても祓い切れません。」
「で、例の国については。」
「上半分はもうお終いでしょう。助けようがないです。霊圧がどうという以前の問題です。下の方は上が蓋になっているので。」
「上は御臨終。下は水を入れ過ぎた風船か。」
「はい。あれで日本憎しの感情を止めて現実を見るか未来を良くする方に努力すれば多少は改善したかもしれません。」
「もう、手遅れか。」
「ですね。多分恐ろしい位悲惨なことになると思いますが、彼らの負の感情全部をこの国が引き受けるには余りにも量が多すぎます。」
「しかも彼等の正体に気がついている人が多くなったからねぇ。」
「引き受けたくないですよ。彼ら自身の負の感情が作り出した化け物に彼ら自身が囚われ過ぎています。
こちらはこちらでその作りだしたものにも向きあわなければなりません。」
「焚きつけようとする馬鹿には事欠かないが。」
鬼子はため息をついた。化け物と言っても妖怪の類ではない。彼等が作り出した憎悪や嫉妬が何を齎すかである。
そして彼等が作り出した感情と、破壊した国土のもの。それだけだったら良かったかもしれないが、もはや手遅れ。
国家が滅ぶというのは、てっぺんに置いてある巨石を転がすようなものだ。
転がすまでは梃子でも動かないが、転がり出すとだれにも止められない。そしてその間あらゆるものを手当たり次第に破壊しつくす。
しかも、問題は理性より感情を重視する連中とばかりときている。手に負えない。
欠片でも理性があれば何とか出来るかも知れないが、混乱が収束するまでは時間がかかる。
そして今の世界には彼らの面倒を見ることが出来る国家や機関等存在しない。
いやないことは無いが、その国は政権交代のお祭り騒ぎと震災の復興のツケを否応なく支払わなければならない。
鬼子とテトが深いため息をついたのは同時だった。
こんな感じですか。
或る日の四天王
この日も城郭トップにいる四天王は額を寄せるようにして密談を行っていた。
議題は当然行方不明になっている「幼き領主」の捜索である。
鬼が率いる妖魔の集団によって滅ぼされた国の住民が
鬼となって甦るとは皮肉であるが、とにかく当面の課題は国家のトップを何が何でも探すことである。
問題はあのときの混乱によって鬼となったであろう領主の今の容姿が全く不明なことである。
もちろん「その当時」の容姿はみな頭に叩き込んでいるのだが、
鬼化した筈なのにその姿を知るものは誰もいないという有様だった。
勿論その中には鬼駆慈童も含まれる。
その時の混乱を一言で表せば地獄だった。為すすべもなく次々と襲われて倒れていく領民たちや、
あっさりと城門どころか濠やら何やらを突破して城に雪崩れ込む妖魔たち。
危急を聞きつけ急ぎ戻った侍達が鬼ども相手に戦うがまるで歯が立たない。
それを陰陽術で防ぐが数が多過ぎとてものことでは防ぎきれるものではない。
そして彼等は鬼駆慈童を狙った。
その恐るべき混乱の中で彼は鬼化の術を決行した。勿論領主も含めて。
そしてこの国は鬼の国となった。
そういえば鬼駆慈童って、国に対して忠実なんだろうかなあ。
なんか己の野心を奥底に秘めてるって感じのきな臭いというか胡散臭いイメージがある
話創るときもソッチ方面でいこうかな〜って思うが……いつかは
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く\ L.._」 〈/
\冫 '⌒ヽ
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/゙7⌒^:::〜く ,、
ハ _,.イ;;;;;ハ;;;;;;;;;ハ;;;;;;;さ ら
{. V厶シ' レwノ V;;;;;;Чミ:、 萌え咲けっ♪
彡∨イ ┃ ┃ノノ;;;リ;;;;ト、\
/ ノ;;;人 '' r‐┐'' リッ;;;;;;ッゝ);ノ
>>177 >>178 鬼駆慈童には今のところ大した設定というものが無いので、その辺りは自由に創造して下さって結構ですよ。
というか設定自体を考えるのが不得手なもので…。
今後使用するかどうかは別として、一応自分の中で浮かんでいるものは
「幼き領主を魂魄と肉体に分離させた、片一方が小日本(?)」
とか
「中成・鳥人間形体で膝枕されると超気持ちいい」
とかですかね。
あと小日本可愛い。
鬼駆慈童の素顔も気になるところ
本スレでおいおい決まってくのかなぁ?
他のキャラも絡む設定は基本的に動かす人(漫画を描く人やSS書く人)の裁量に任せている感じですよね。
それも踏まえたらスレ自体で固定化はしない気がする。
__し⌒ ト、州州州州州ミミミ州州州ノ-7州州ヾ州\ `ヽ ノ_ ヒ ャ ッ ハ ― |
\ _,ノタヤカァ リリリリリリリリ,ハリリリリヽヒ‐ヲ リリリリリリヽミミ\ (( E彡\ ⌒ヽ_____ノ
| /T' レ''ミミミуミミミミミミミミ// ヘミノミミミミΥミミミミミミミミヽミミミミ\ (○)|
レ'´ | ) ノリリリ/リリリリ/リリ// リλミヽリリリリメリリリリリリリリミミミ州i `''´ ノ
,| ル/州州|州/ノ州/ノ ソノ ,,ヽミヽヽ州|州州州州.ト、,{州ノヽ ノ ヤイカガシ
/ / ァノ州州州/l|州リ ''ン ミ\ミ|ルル|州州iミミトミ州州州) ぶつけますよっ
,イ| /:.人|州州ハ州彡ソ ─=rテテt;i,''|ミ/州/リ//州州州州/
/:;:;|,| /.:ノ:;:;l|州|州|彳‐rテtr` i''ミシ'リ |/州.///州州州ノ洲人.___
.|;:;:;:レy:.:/;:;:;:;:;:.!州|多ヽ l'ミリ  ̄~ ル州//州州州彡,,.r<洲ミr-、ヽ
|:;:;:;:;ヽ.:ノ;:;:;:;:;:;:;ミリル彡| `ー' ,r彡リシ洲州州リ,.r '´;:;:;:;:;:;:\洲ミ,川、
.|;:;:;:;::;:;V:;:;:;:;:;:;:;:;:,/洲リ/!、 ' 〃//リリリ州州.フ´:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;ヽ、彬ノ
|:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:_/彬リノ勿ヽ、 Tゝ ,ホ//洲洲リルメ;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;: ̄ ̄:;`ヽ塗エゥ、
|;:;:;:;:;:;:;r--/ ̄,rー-メ、.物物クヽ,.---<´,/塗/塗塗//:;:;:;:;:;:;:;:;:,.-‐ー-==:、;:;〈_塗ミミラホ、
|:;:;:;:;:;:/ /_,./, ,___ ヽミリク'´:.:.:.:.:.:.:.:.:くへL塗塗_____r'´∠_;:;r‐-=`--、ヽ、ミミミ、
__l,,,,,...y' ./ {__,.r‐' \ ヽ、ゝー⌒ヽ.:.:.:.\;:;:;:;:`ヽ、;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:`ヽ、;:;:;:;:;:;:;:\リ〉
.(____,./`,L/――- ヽ \:.:.:.:.\:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;:;\:;:;:;:;:;:;|ノ
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またスゲエのが来たな!!
最近投下されるAAのクォリティ高すぎるだろww
タヤカァ
細け〜AAだなや。
俺には作れん。
十二話「そんなわけねえっつうの……」(仮)
φ
目が覚める原因として最も多いのは廊下の足音だ。
天魔党一ヶ城天守三階の床はよく軋むことで有名であり、そしてここに『忍』幹部の部屋が設けられている。
二階と四階をつなぐ廊下に面する私の部屋は、忍にあらざる者も通るため、なおさら足音が耳障りなのだ。
『鬼を祓う鬼』日本鬼子の敗北の報を聞き、私は歓喜するよりもまず睡眠にありつける安堵のほうが遥かに大きかった。
城に戻り、この部屋の襖を開けるや否や、畳の上に伏せて三日は眠ってやると心に誓ったのだ。
そしてあの日から三週間が経った。
職業病とでも診断されても私は驚かない。今までまとまった眠りにありつけることなく二十一日間を過ごしてきたのだ。
どんなに努力をしたってほんの些細な物音で目が覚めてしまう。
鼠の足音を敵襲と勘違いしてしまったときは、本気で自分自身を怨みたくなった。
こうなったら「眠り」の定義を変えるべきかもしれない。目をつむった瞬間から睡眠は開始される。
そう考えれば幾分か気持ちが楽になる。まばたき一回刹那の睡眠、塵も積もれば山となる、
寄せ集めれば日の入りから日の出まで寝続けてるくらいの睡眠時間になるのではないだろうか。なんて健康的な生活だろう。
「そんなわけねえっつうの……」
「どうしたミキティ」
ため息交じりに声が出ていたらしく、『忍』の頭である鵺様が声をかけてきた。
「申し訳ございません、独り言にございます」
頭巾を上げて口と頬を覆い、恥じらいの情を隠す。
鵺様は特に関心もなく床を軋ませ、蛇の緒のように長い虎柄の尾を振って前を歩いていた。
ミキティってなんだよ、とため口で訊きたい衝動を抑える。
そもそも私はなぜこの方が私をミキティと呼ぶ主旨をよく理解していないのだ。
本名を口にしてはいけないという理由であれば烏見鬼(おみき)と呼べばいいのに、
ミキティ、ミキティと懲りずに呼び、しまいにはそれで定着してしまった。
しかも、鵺様は特に私をからかうでもなく、ましてや好意をもって称されたわけでもないのだ。
親しみを込めて下さっているのか、それとも単なる気まぐれなのか。
忍の端くれとして読心術を得てはいるものの、鵺様は表情からも声質からも感情というものが剥離されていて、
真意が謎に包まれてしまっている。
一段が膝小僧ほどの高さもある急な階段をのぼる。
一ヶ城四階。
御用部屋の襖を開けた途端、鎧をまとった獣の鬼が足元まで転がってきた。
「どういうことだ、青狸大将!」
こんなスカポンタンな雑文を書いていますが、
まあほんのりまったり書いていきますので、
もしよろしければほんのりまったり待っていてくださいませー。
更新ペースはガクンと落ちますが、そこらへんは申し訳ないです。
>>188 いえいえ、乙です。
こっちはどういう訳か知らんが極東に以前書いたものを貼られていた。
何考えてるんだ。
ツイッターを見たのですが、二期OPを「BLOOD」にされるという事は、
以前にいた同じく後半テーマに「BLOOD」を選んだ、挑戦バカとかいうのと同じ方向で作る気なのでしょうか?
『それぞれが自分の世界観を〜』と本スレで話されている中、せっかく珍しく長編をあげて下さっている方が、
以前にあったものと似たり寄ったりの駄作へ流れられるかと思うと、寂しくてなりません。
どうか歌麻呂さんご自身の色をお見せくださいませ。お休みなさい。
>>190 あんなド屑の作品はそもそも無かったも同然だろうが。
歌麿さんに粘着して勝手に作風指定してんじゃねぇよ、カス。
ま〜た挑戦バカさんへの粘着か。これが歌麻呂さん本人で無い事は願う。
まあ以前の『断筆前に断筆宣言』のやり取りされてた容疑者の片方(発言自体は恵方)ではあるが…。
なんかミキティえらいかわいいな。
天魔党。その居城の一画に妙なる笛の音が響きわたっていた。その笛の音に通ずいするようにいくつもの打楽器と
弦楽器の音色が幾重もの音色を奏でていた。だが、暗いその部屋には演奏者は一人しか居なかった。
室内だというのに、市女笠を深くかぶり横笛で細く高く笛の音を操っているのはここ天魔党の四天王の一角、局。
またの名を藤葛の局と呼ばれる女が奏でる音色だった。
彼女の笛の音に合わせ、周囲を取り囲むように配置されている楽器たちが弾き手もいないのにひとりでに音を
奏でる。それは絶妙な演奏であった。
これは、彼女にとって、一日の終わりのささやかな楽しみ──楽の音を奏でてから休みに入る──いつもの習慣
だったのだが……
ドォン……
不意に、その演奏が無粋な騒音で遮られた。城内がわずかに振動する。彼女は演奏を止め、やれやれとばかりに
横笛から口をはなした。
「やれやれ、あの殿方にも困ったものじゃ。おかげでこれでおチチが張るようになってかなわぬわ」
そう、ひとりごちてそっと笛から手を放した。笛は一人でにふわふわと揺れ、彼女から離れていった。
「白露や」
彼女は暗闇の向こうにある何かに声をかけた。上着を脱ぎながら。すると闇の向こう側から白磁の器が
ふわふわと漂い寄ってきていた。それの真白い表面には龍の透かし彫りが施されていた。
白露と呼ばれるこの『水差し』。不思議な効能があり、中に入れたお茶や飲み物はいつまでたっても冷めたりせず、
劣化もしない不思議な効能があった。
そうして、いつもの慣れた様子で胸を覆う布地を上にはだけると、真っ暗な闇の中に豊満な乳房が白く浮かび上がった。
すかさず、白磁の水差しの口が変形して彼女の胸に吸い付いた。
ちゃぷ、ちゃぷ
とぽ、とぽ、とぽ……
徐々に、おちちが吸い出され、水差しのなかに溜まってゆく。そうしている間も例の騒音は騒がしく
響き渡り、周囲の壁が鳴動していた。いつもの事だ。これでおちちが張る様になる。というのも困ったものだ。
「まったく、殿方というものは……」
水差しにおちちを吸わせながら、彼女は嘆息する。かつては、この城の城主の為に乳母の役を引き受けていた。
こんな事で胸が張ったりはしなかった。彼女ら天魔党が『敵』によって封印され目覚めるまでどのくらい時が経たのか
よくわからない。しかし、今、このおちちを必要としているのはかわいがっていた主ではないのだ。
それを思い出し、心が少しシクリと寂しさで疼いた。今、あの子はどこで何をしているのだろうか。
まるでつい先日の事のように思える。
ドォン……
おちちを絞り終える頃、例の騒々しい爆音が一際高く響き渡り、決着がついた事が知れた。
おそらく、もう少ししたらここにやってくるだろう。それまでには準備をしておかなければ……
彼女がすいっと手をあげると、今度は物入れの中から、軟膏入れが漂い出てきた。
白露に指示を示すと、先程絞ったおちちをその軟膏入れに数滴、ポトポトと注ぎ入れた。それに指を入れ、
ゆっくりとかき混ぜ、練りこませる。そうしていると、やがて部屋の前に複数の人の気配が現れた。
「かまわぬ、今日はどちらが運ばれたのかや?」
軽く、彼女が手を振ると一人でに扉が開いた。丁度扉の向こうの者が声を掛けようとしたようなタイミングで。
そこに居たのは花魁姿に女の面を被った黒金蟲の配下、憎女だった。さらにその後ろに3つの人影が佇んでいた。
「夜分にすみませぬ。またお手を煩わせる事になりそうで……」
そう、面をつけた女は後ろの二人にちらと目をやり、促すと、二人はあいだに挟んでいる人物を部屋に運び入れた。
一人は、一本ツノに赤い衣装の少年か少女か分からない黒金蟲の弟子、カイコ。もう一人は「忍」に所属する
くのいち、黒伍ミキだった。そして、二人が肩を貸している人物こそ、その「忍」の頭領、鵺だった。
「ほほほ、今宵はまた、一段と手ひどくやられたものよの」
彼女が軽く手を振ると部屋の奥から一枚の板が浮遊して三人の前に横に浮かび上がった。二人は慣れた様子で
鵺をその板の上に横たえた。彼の身体はあちこちボロボロになってて、それを覆うように布状の白い帯があちこちに
巻き付いていた。その下からはジワリと赤いものが染み出している。
「全く、幾度やられても少しも懲りぬとは、おかげで、わらわの寝る前の習慣になってしもうたではないかえ。
たまには心安らかに眠りにつきたいものよの」
そう言いながら、先ほどの水差しからポタリ、ぽたりと液体を傷口に垂らし始めた。
「へっ あんなオモシレー事、そう簡単にやめられっか。俺ぁこれを条件にここに来たんだ。これが済んだらもう一勝負だっ!」
どうやら、相変わらずらしい。事あるごとに黒金蟲に挑んではここに送られてくる。毎度ボロボロにされるのに当人は
『面白かった』と言うばかりで、全く懲りたりしないようだ。ただ、それだと他の仕事に支障をきたすので、
こうして彼女が毎度手当をする事になるのだ。
おかげでそうやって手当するウチに、あの戦いの音を聞くだけで、おちちが張るようになってしまっていた。
「しようもないものよのぉ、おのことは。これでは子供がまだ二人も居るようなものではないかえ」
そう言いながら、傷口にをひと通り濡らした後、口におちちを含み、一際深く抉られている傷口に唇を近づけた。
そして、ゆっくりと傷に吹きこむようにしてチカラを注ぎ込む……
──数分後、そこには何事もなかったのように身体に巻きついた白い帯をむしり取る鵺の姿があった。
彼女の力によって全ての傷は癒されたのだ。
「おぅ、身体が軽い軽い。思うように動かなかったのがウソみてえだ。サンキュ。さあて、もう一勝負だっ!」
そう、意気込んで駆け出そうとしたが、憎女のキッとした気配を仮面越しに感じたのか、渋々といった感じで
「……わあったよ。また別の日だ別の日」
と、引き下がった。そして配下のくのいちを引き連れ、部屋を出ていった。くのいちは終始無言で、頭領の後ろに
付き従い、廊下の闇に溶け込むようにして消えていった。
「やあれやれ、相変わらずだな。あのあんちゃんも。じゃあ、俺も引っ込もうかな」
腕を頭に組んで、気楽に言い捨てると、挨拶がわりに軽く彼女らに手を降り、カイコも部屋を出ていった。
続いて、憎女も部屋を辞しようとした時、彼女に呼び止められた。
「?」
その憎女の手に彼女はあの軟膏入れを手渡した。彼女のおちちが練りこまれている傷薬だ。
「ぬしのあるじに伝えよ。『これを今日中に使いきらねば、もうあの男の手当は引き受けぬ』とな」
彼女の表情は仮面越しなので、表情はよくわからない。
「あの男もなかなかに強情よの。先ほどの血糊の臭いに、別の血の臭いが染み付いている事に気づかぬわらわではないわ」
つまり、毎回同じ結果のように見えて、だんだんと勝負が拮抗してきているようだ。黒金蟲もいくらか傷を負ったのだ。
そのうち、勝負の結果が逆転することもありえるかもしれない。
「・・・・・・」
憎女は、彼女に向かて一礼すると、何も言わずに部屋を辞した。だが、彼女の主への気遣いに侮辱だと腹を立てたりはしないだろう。
あの男もなかなかに強情だ。
「さてもさても、ああは言うたが、近頃はあれが無いと一日が終わったという気がせぬの。そろそろ休むとするかの」
そういって、彼女の多忙な一日は終わりをむかえた。
──終──
>>195-196 というわけで、今まで出てきた設定を適当に組み合わせてSS書いてみた。能力&アイテムから「白露」と呼ばれているのと、
本性から藤葛の局とも呼ばれている。とか、両方取りの設定だったりする。それでは。
乙です!上手くまとまってますね。
しかしなんというヒワイドリが喜びそうな治癒方法なんだろうw
回復サポートか。役割としてはイイね。
四天王は上手い具合に役割分けができてるな。
お忘れの方が大半かと思いますが、歌麻呂です。
『【編纂】日本鬼子さん』の続きです。
一話一話の更新感覚がかなーり開いちゃうと思うので、
十二話から、何日かに分けて投下しようかなと思います。
序〜十一話(注:pixiv版)
http://www.pixiv.net/series.php?id=50805 ※夏コミに向けて、序〜十話までを製本化しようかなと思います。
校閲・校正を手伝ってくださる方、
製本編集の協力をしてくださる方、
イラスト・ラクガキを寄せて下さる方がいらっしゃいましたら、
onikokurabuあっとgmail.com(あっとを@に!)へメールを下さいませ。