非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ part20

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1創る名無しに見る名無し
1999年刑行された小説「バトル・ロワイアル」

現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが
この企画では非リレーの形で進めていきます。

基本ルール
・書き手はトリップ必須です。
・作品投下前の登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などの発表は書き手におまかせです。
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。
・「〜ロワイアル」とつけるようになっています。
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!

前スレ
http://yuzuru.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1308842115/

非リレー型バトルロワイアルwiki
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html
2 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/14(木) 21:55:34.63 ID:FScs4TZ0
>>1
乙です!
3 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/14(木) 21:56:11.63 ID:opBKxLnM
スレ立て乙です
4 ◆ymCx/I3enU :2011/07/14(木) 22:00:52.25 ID:wObFWtRY
>>1 スレ立て乙です!
5 ◆YR7i2glCpA :2011/07/14(木) 22:52:00.02 ID:nHOderis
新スレ乙です!
6 ◆SIN/KBm/.Y :2011/07/15(金) 01:25:29.21 ID:EzcN1raO
 新スレ祝いでありんす。
7 ◆xzYb/YHTdI :2011/07/15(金) 14:25:06.80 ID:Ks6yk1cW
>>1 新スレ乙です
8 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/15(金) 23:09:01.96 ID:BjjdiEJb
投下します。
DOL3rd22話 信頼できる?できない?
登場人物:古川正人、◆6LQfwU/9.M、人吉善吉、我妻由乃
9信頼できる?できない? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/15(金) 23:10:09.21 ID:BjjdiEJb
「うーん、誰とも会わないけど…誰かいないかな…」
「書き手さんたちとも会いたいし…誰かと会いたいね…」

古川正人、◆6LQfwU/9.Mの二人はA-2の商店街を歩いていた。
誰もいないと思いながらも、誰かと会いたいという考えが捨てられない。

「まあ、誰かと会えるんじゃないのかなぁ…」
「そうだといいな」

古川は周りを確認する。
誰もいない…とは思う…。
そう思いながら歩いて行く。
そうすると、山の方向から誰かが走ってくる。

「おい!そこの人!手伝ってくれ!」
「え…?どうかしたんですか?」
「女に襲われてる!手伝ってくれ!」

茶髪の男…人吉善吉が息を整えながら言う。
古川は名刀「電光丸」を構える。
そして、来るだろう敵を待つ。

「……お前も邪魔するのか…」
「何の邪魔だよ…」
「そこをどけえええええええええええ!!!」

我妻由乃は鉈を振り回して襲ってきた。
古川は電光丸を起動して、構えた。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ちょ、待て!落ち着け!」

名刀「電光丸」で何とか防げる攻撃。
古川にも焦りが若干出る。
10信頼できる?できない? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/15(金) 23:12:11.97 ID:BjjdiEJb

「くそ…どうしようかな…やばいぜ?」
「守ってばっかなら、こっちからさらに行くわよ!」

由乃は全力の力を持って鉈を降った。
その斬撃で、電光丸の明かりが消えた。
バッテリー切れとなってしまったのだ。

「あれ、自動じゃなくなった」
「うおおおおおおおおおおおおお!!!!」
「ちょ、うおっ!」

古川が峰の部分を使い、由乃の腹部を斬りつけた。
由乃はそのまま倒れて気絶する。

「ふう…危なかったー」
「さすが…ですね」

どうにか、危機を超えた三人…。
そして、もうすぐあの開始の時から2時間がたとうとしていた。

【真昼/A-2商店街】
【古川正人】
[状態]戦闘による疲労(中)
[装備]名刀「電光丸」(バッテリー切れ)
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:三瀬竜二の殺害、それが終わり次第自害。
1:6Lさんと行動。
2:茶髪の男の話を聞く。
3:青木林を警戒…しなくてもいいか。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期はDOL2nd死亡後からです。
【◆6LQfwU/9.M】
[状態]健康
[装備]防弾ベスト
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:古川正人と行動。
2:他の書き手さんは保留?
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
11信頼できる?できない? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/15(金) 23:13:01.50 ID:BjjdiEJb
【人吉善吉】
[状態]戦闘による疲労(小)
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合いに反抗。
1:とりあえず、反抗するために動く
2:黒神めだかと合流。(優先度は低い)
3:球磨川禊、蝶ヶ崎蛾ヶ丸は若干警戒。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は『悪平等』側の五人と会って後からです。
【我妻由乃】
[状態]気絶中、腹部に痛み、戦闘による疲労(大)
[装備]鉈、雪輝日記のレプリカ
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:ユッキーを探す。
1:ユッキーを探す。邪魔をする奴は殺す。
[備考]
※願いは不明です。



投下終了です。
本当は人吉ではなくジャイアンと合流させるはずだった。
タイトルはその名残
12 ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:46:52.99 ID:PqephOB6
投下します。

ごちゃ混ぜロワ 33:Princess and Knight
登場人物:シェルトラン・ボルティアーノ、滝口優一郎
13Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:47:51.38 ID:PqephOB6
ぽたぽたと、少しずつではあるが血は傷口から溢れていく。
先程シェリーは見知らぬ男子高校生の襲撃を受けたものの、これを撃退した。
だがその時負った傷を治療する道具も知識も、シェリーは持ち合わせてはいなかった。
「ハァ…つ、疲れましたわ……」
元より体を動かす事はあまり好きではなかったシェリーだったが、なんとか南へ南へと歩いていた。
そして歩き続けた彼女の目の前に広がっていたものは、大きな湖だった。
シェリーは重い脚をなんとか動かすと、湖のほとりにある小屋までたどり着き、ドアを開けた。

そして、そこでシェリーの意識は闇に閉ざされた。
14Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:48:32.88 ID:PqephOB6



滝口優一郎は困惑していた。
自分はプログラムに巻き込まれていたのは覚えている。
クラスメイトの旗上忠勝と共に行動していたのも、相馬光子に出会ったのも覚えている。
そこで相馬光子と言葉を交わし、見張りを旗上と交代し仮眠をとって……

眼を覚ますと、そこは見知らぬ大広間。
そしてそこでまたもや、殺し合いをしてもらう、と見ず知らずのメガネの男に言われて、それに反抗した桃色の髪の女の人の首輪が爆発した。
そしてあれよあれよと言う間に目の前が真っ暗になり――
気づいたら今度は見たこともない掘立小屋の中にいた。
考えれば考えるほど、何もかもが分からない。
滝口優一郎という少年に、今の状況を理解しろというのは酷な話だった。

そうして滝口がまとまらない思考を繰り広げている時、ドアが開かれた。
滝口の目の前に現れたその少女は、滝口に気付くこと無く、ばったりと倒れた。
15Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:49:16.26 ID:PqephOB6



「…はっ?」
「あ、気がついた?」
シェリーが目を覚ますと、そこには見た事のない少年が心配そうな顔でいた。
いつの間にか、傷を負っていた自分の右腕には不格好ながら包帯が巻かれていた。
さっきまで感じていた痛みも、結構引いている。
「…あなたは誰ですの?」
「僕は滝口優一郎。城岩中学校の生徒だよ……大丈夫、僕は殺し合いに乗ってないから。」
当初はシェリーも警戒していたのだが、目の前の滝口という少年は本当に殺し合いに乗っているとは思えなかった。
彼のデイバックから出てきたのはごく普通の救急箱――治療に使ったのだろうか、一部包帯や薬が足りなかった――と、週刊少年ジャンプという分厚い漫画雑誌だった。
なるほど、これで殺し合いに乗ると言うのも無茶がある。
「で、滝口?あなたは何故私を助けたんですの?」
「なんでって……僕は殺し合いには乗っていないし、君は怪我をしていた。それに僕の支給品がこの救急箱だったってことは…助けないわけにはいかないよ。」
「……」
16Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:49:50.47 ID:PqephOB6

滝口の言葉の一つ一つに、嘘や偽りは一切なかった。
それだけではない。
滝口の言葉の端々、表情、シェリーの傷に施された処置から、シェリーは滝口優一郎という少年の優しさを感じていた。
だがそれは同時に、甘くもある。
この場は殺し合いの場なのだ。
シェリーは先程、見ず知らずの男子高校生に襲われた。
幸い武器があったため撃退には成功したのだが、それゆえに慎重に動いていたのは確かだった。
そんな際に出会った、滝口優一郎という少年。
彼の優しさは、シェリーの心を打っていた。


「シェリーちゃん?」
「…な、なんですの?」
「傷が痛むの?」
シェリーの顔を覗き込む、心配そうな表情にシェリーはふ、と小さく微笑んだ。
「…まだちょっと動くのは大変ですけど、大丈夫ですわ。心配してくれてありがとう。」
「いや…そんな」
小動物のように眼をそらした滝口を、シェリーは一瞬可愛いと思ってしまった。

――そうだ。

シェリーの頭に一つの考えが、浮かんだ。
17Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:50:26.86 ID:PqephOB6



「滝口、ところであなたはこれからどうするつもりなのですの?」
「え……えっと、どうしようかなあ。」
「もしすることが決まっていないのでしたら、私と一緒にお父様を探して頂けません?」
「お父…様?」
滝口も、口ではどうしようかと言ったものの、実際本心では七原や杉村と言った信頼のおける友人や、言葉をかわしたクラスメイトである相馬光子を探したいと思っていた。
だが、目の前のけがをした少女の頼みを断ることは滝口にはできなかった。

「…うん、分かったシェリーちゃん。一緒にお父さんを探そう。」
「ありがとう!それじゃあ…」
そう言い立ち上がろうとしたシェリーだったが、やはりまだ血を失って間もない彼女は立ちくらみを起こしよろけた。
それを滝口は慌てて支えてしまっていた。
「あ、そ、その……」
「……」
滝口の顔が熟したトマトのように赤く染まっていく。
その様に、シェリーは軽く微笑むと、そっと滝口の手をとった。

「…おんぶして頂けません?」



姫は騎士を伴い、父を探す。
父はどこにいるのか、騎士は頼れるのか、全ては姫には分からない。
だが、姫は迷わない。
父の作ろうとしている『楽園』へと向かうために。
小さな姫と、彼女に見込まれた騎士は、戦場を歩く。
18Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:50:58.09 ID:PqephOB6





【E−6湖/1日目午前】
【シェルトラン・ボルティアーノ@カオスウォーズ】
[状態]:左腕に軽い銃創(応急処置済み)、SP消費(小)、滝口におんぶされている。
[装備]:ハッピースタッフ@カオスウォーズ
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み、武器になりそうなものはありませんでした。)
[思考]1:お父様はどこですの?
   2:滝口に興味。

【滝口優一郎@BATTLE ROYALE】
[状態]:健康、胸がどきどき、シェリーをおんぶしている。
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式、救急箱@忍たま乱太郎、週刊少年ジャンプ@銀魂
[思考]1:シェリーのお父さんを探す。
   2:本当は七原、杉村、相馬光子を探したい。
   3:い、意外とやわらかい……
19Princess and Knight ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:51:51.25 ID:PqephOB6



【支給品情報】

【救急箱@忍たま乱太郎】
滝口優一郎に支給。
保健室に常備されているごく普通の救急箱だが、時代が時代なので現代チックな薬とかはそんなにないと思われる。

【週刊少年ジャンプ@銀魂】
滝口優一郎に支給。
坂田銀時の愛読している漫画雑誌。
結構分厚い。
20 ◆YR7i2glCpA :2011/07/16(土) 00:52:19.96 ID:PqephOB6
投下終了です。
21 ◆ymCx/I3enU :2011/07/16(土) 11:33:16.66 ID:17u+r/lc
投下乙です 自分もば
俺得5 38話 気付いてた「もう…戻れない」 登場:神楽、吉良邑子
22気付いてた「もう…戻れない」 ◆ymCx/I3enU :2011/07/16(土) 11:34:10.16 ID:17u+r/lc
38話 気付いてた「もう…戻れない」

「マダオとあのドSが死んだアルか…信じられないけど」

マダオと呼ぶ男とサド王子と呼ぶ真選組一番隊隊長の少年の死を、
神楽は放送で知る。実感が湧かなかったが、恐らく本当なのだろう。

「……」

無言で神楽は放送で呼ばれた名前を消して行く。
「長谷川泰三」「沖田総悟」の名前も横線を引いて消した。

「……銀ちゃんと新八は生きてるアルか……早く見付けよ……っていうか、
最近全く、他の参加者と会って無いネ……」

最初にエーリアルと言う狼と遭遇して――そいつも死んでしまったが――から随分と時間が経つが、
未だエーリアル以外の参加者と一切遭遇していない。はっきり言って寂しい。

「…飯食べてから行こ」

取り敢えず腹が減ったと、神楽はデイパックの中に入っている支給品の食糧品を取り出し食べ始めた。

……

食事をした後、神楽は隠れていた民家を出て市街地を歩き始める。

「市役所にでも行ってみるアルか…ショッピングモールや学校も気になるけど」

そして何気無く次の行き先を市役所に決めた。

神楽の背中を見て、とある人物が手にした謎の物体のピンを引き抜く。
そして、それを中華風の格好の少女目掛けて投擲した。

「え――――」

それに神楽が気付いた時はもう手遅れ。

ドゴォォォォォン!!!

大きな爆発が巻き起こり、衝撃波が周囲の建物にもダメージを与えガラスを吹き飛ばす。
爆炎と煙で市街地の道路は覆われた。

「やりましたかね…?」

曲がり角から投擲主である少女が通りに出る。
吉良邑子はもうもうと煙があがる爆発現場にゆっくりと近付く。
奇妙な見た目からは想像もつかないような威力を、ジャスタウェイは邑子に見せ付けた。
23気付いてた「もう…戻れない」 ◆ymCx/I3enU :2011/07/16(土) 11:35:00.44 ID:17u+r/lc
「…この爆発で生きているとは思えないですが…」
「…おい」

邑子の耳に低い少女の声が届く。
その声の主を捜そうと周囲を見渡すが誰もいない。

「…てめぇ」

いや、いる。
いるではないか、ついさっきの少女。
だが、邑子はその可能性は考えていなかった。かなりの大爆発を起こしたのに生きているとは思えなかったから。
しかし現実は時として常識を遥かに超える。

「何してくれとんじゃコラアアアアアアアア!!!!」

煙を掻き分け鬼の形相の中華風娘が飛び出してきた。

「う、そ――――!?」

何度も言うがかなりの大爆発だった。道路の舗装が抉れ、周囲の建物の窓ガラスが割れるぐらいの。
そんな中から爆発地点のすぐ近くにいたはずの人間が勢い良く飛び出してくるなど普通では考えられない。
少なくとも邑子の世界での常識では、だ。

ドォ――――。

怒りの力が合わさった渾身の殴打が邑子の左頬にヒットし、彼女は激しく回転しながら、
ゆうに三十メートルは吹き飛び、身体をアスファルトに擦りながら止まった。

「いきなり爆発物投げてきやがって殺す気かゴラァ!! そんなもんでこの神楽様を殺せるとか思ってんじゃねぇぞォォォ!!
おい、聞いてんのか!! …………あれ…?」
24気付いてた「もう…戻れない」 ◆ymCx/I3enU :2011/07/16(土) 11:35:35.50 ID:17u+r/lc
激怒しながらずいずいと倒れた少女に近付いていた神楽だったが、その怒りは急速に消えていった。

怒りに任せて、全く力をセーブせず生身の人間を殴打してしまった。
神楽――夜兎族の力は、普通の人間の比では無い。

少女の首が有り得ない方向に曲がっていた。

殴った時の衝撃で首の骨が粉砕したのだ。

「……あ、あ……私……」

殺すつもりは無かった、精々、叩きのめす程度のつもりだったのに、殺してしまったのだ。
かつて、地球に密入国し、チンピラ集団の手先となっていた時も、吉原で同じ夜兎族の男と戦い我を失った時も、
今まで経験した数々の戦いの中でも相手を殺す事はしなかったのに。

殺したくは無かったのに。

「あああぁああああぁぁあああああ……!」

自分がしてしまった事の重みに耐えかね、神楽はその場で泣き崩れた。


【吉良邑子@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【残り:15人】


【午前/E-3市街地】
【神楽@銀魂】
[状態]身体中に軽度のダメージ、大きな後悔
[装備]ナックルダスター
[持物]基本支給品一式(食糧消費)、???(銃器)
[思考・行動]
0:殺し合いには乗らない。万事屋メンバーを捜す。
1:……。
[備考]
※原作ラブチョリス編以降からの参戦です。
25 ◆ymCx/I3enU :2011/07/16(土) 11:36:21.77 ID:17u+r/lc
投下終了です。
26 ◆9QScXZTVAc :2011/07/16(土) 12:27:08.66 ID:/4zsBnRl
投下乙です。では自分も

アニメロワ第43話:結集する心
登場:岡部倫太郎、牧瀬紅莉栖、一方通行、シャルロット・デュノア、暁美ほむら
27 ◆9QScXZTVAc :2011/07/16(土) 12:40:53.61 ID:/4zsBnRl
つい先ほど、大量の銃声が響いた。そして最後に『最初』に聞いた爆発音。
間違いなく誰かが殺された。
危険を承知の上で、紅莉栖はIMIマイクロウージーを片手に向かっていく。
音の先はネットカフェであった。窓が割られ、室内にも随所に銃創がある。最初に目についたのは二人の死体。桃色の髪の少女と、金髪の少年が、胴体を真っ赤にして死んでいた。

更にその先。ラボメンの橋田至の死体を発見した。

「嘘…橋田……?」
「誰か居るのか?…もしや、助手か!?」

その声は、紅莉栖が最も会いたかった青年の声であった。
岡部倫太郎。未来ガジェット研究所の所長である。

「倫太郎、その人が?…あ、僕はシャルロット、よろしくね」
「ああ、こいつが俺の助手だ」
「私は牧瀬紅莉栖です、よろしく……というより岡部。何があったの」

岡部は口を濁すこともなかった。

「みんな、殺されたよ。俺は、みんなを殺した奴を殺した」

ほら、と指を指すと、そこには喉笛に大きな穴を開けた男の死体があった。
首輪を意図的に起爆したのだろうか。
そして、紅莉栖は岡部たちの首に首輪がはめられていないことに気付く。

「…首輪を解除したの!?」
28 ◆9QScXZTVAc :2011/07/16(土) 13:01:15.57 ID:pTgorz/o
「解除したのはダルだ。…このUSBを端子に差してみろ」

紅莉栖は言われるままに首輪に突き刺すと、がしゃん、と音を立てて首輪が地に落ちる。感嘆の一言に尽きた。凄腕のハッカーだとは知っていたが、これほどとは思わなかった。

「…ところで、あんた達はこれからどうするつもりなの?私はあの男を倒す」
「俺も同感だ。あいつだけは絶対に許さない」

利害は一致した。反撃の狼煙は今ここに上がる。
放送まで残り13分。
彼らの辿る未来は、彼らにも分からない。

◆【同刻】
もう、何もかもが分からない。
鹿目まどかを含む自分達魔法少女が何故救われないのかも。
何度時を繰り返したとしても、例えまどかが最強の超能力者と出会い最高のスタートを切ったとしても、決して鹿目まどかは救われない。それは暁美ほむらが救われないことにも繋がる。

目の前の風景は次から次へと蹂躙されていく。
白髪の少年の背中から噴き出す漆黒の翼により、破壊されていく。

ほむらはふと自分のソウルジェムを見る。
もう、完全に濁っていた。直に魔女化が始まり、自分は目の前の少年に殺される。
それも、いいのかもしれない。もう時は繰り返せない。まどかは帰ってこない。
29 ◆9QScXZTVAc :2011/07/16(土) 13:16:15.76 ID:YkTC3ZKa

『駄目だよ、ほむらちゃん』

そんな声が、ほむらの中で響いた。
一方通行もまた、翼の動きを止めている。聞こえているのだろうか。

次の瞬間。暁美ほむらのソウルジェムの濁りが一瞬にして消え、一方通行の翼が何かに抱かれたように消滅し、一方通行を正気に戻した。もうまどかの声は聞こえない。ほむらにはその意味が理解できなかったが、一方通行だけはその意味を理解していた。

「(神……概念となった存在…チッ、そォいう事か)」

冷静さを取り戻した一方通行は、ほむらに背を向けて歩き出す。
ーーー決着は俺がつける。
嘗めた真似をしてくれた主催者を、一方通行は許さない。
そして、ほむらを含む全てを血みどろに救ってやるーーーーーーーーーー。

「待ちなさい、私も行くわ」
「悪りィが邪魔なだけだ。オマエも夢と希望の魔法少女っつゥならイイけどな」
「夢と希望はないけれど、私も魔法少女よ」

ハァ、と一方通行はため息を吐く。
いつからこの世界には魔法や天使なんてものが存在するようになったのか、と。

「ついて来い。死ぬンじゃねェぞ」
「こちらの台詞よ」

ーーーーー悲劇では終わらせない。
30 ◆9QScXZTVAc :2011/07/16(土) 13:17:03.77 ID:YkTC3ZKa
投下終了です。
31 ◆ymCx/I3enU :2011/07/17(日) 06:09:57.38 ID:ydP1j0sg
投下乙です 自分も投下します
俺得5 39話 失われた日々 登場:坂田銀時、大沢木小鉄、有田美帆、シャロン、エルフィ、花丸木、テト
32失われた日々 ◆ymCx/I3enU :2011/07/17(日) 06:10:42.35 ID:ydP1j0sg
39話 失われた日々

放送後、市役所を目指す銀時達。
しかし一行の表情は暗い。決して明るくは無い。
先の放送で銀時、エルフィ、小鉄、花丸木の知人、友人の名前が死亡者として呼ばれたのだ。
美帆の友人二人の名前は呼ばれずシャロンはこの殺し合いに知り合いは呼ばれていないため、
前述の四人に比べれば心情は楽、だったが、素直には喜べない。

(長谷川さんと総悟が……ったく、愛する妻残して逝くなんざ洒落になんねぇだろ、長谷川さんよ……。
総悟……姉貴の所に行くにゃ、まだ早過ぎんじゃねーか……)

(ノーチラス……また会えると思っていたけど、死んでしまったのね……)

(のり子、フグ夫、仁、春巻、十三階段……信じられねぇよ、お前らが死んじまったなんて……。
寂しく、なっちまうな……帰ったら……)

(小鉄っちゃんの友達が、死んでしまったらむ……ちびっ子ギャングって呼んでたけど……。
死んじゃうなんて……本当に酷いゲームらむよ……)

知っている者を失った四人はそれぞれの思いを胸に巡らせていた。
そして市役所に到着し、正面入口から中に入る。

「!?」

途端、一行の鼻をついた臭いは、死臭。
市役所ロビーに複数の死体が転がっていた。既に腐敗が始まっているようだった。
その中の死体の一つに小鉄と花丸木は見覚えがあったが、それよりも、死体の山の前に立つ、
場所に不釣り合いなナース服姿の猫獣人の少女に目が行く。

「……あなたは……」

エルフィが反応する。猫の少女に見覚えがあった。
そして猫少女が振り向く。エルフィの予測は確信になった。

「テト、さん」
「……エルフィさんね」
「……こいつは……お前がやったのか?」

銀時が恐る恐る、テトに尋ねる。

「違う……私が来た時にはこうだった」

それに対しテトは否定の返答を出す。

「……のり、子? のり子!」
「小鉄っちゃん!」
「! ちょっと、二人共……」

小鉄が見覚えのある少女の死体に、堪え切れず駆け寄り、花丸木もそれに続く。シャロンが注意したが二人は聞かなかった。

「のり子……どうしてこんな……ああ、十三階段!? ……酷ぇ……こんなのって……」
「小鉄っちゃん……」

少女の死体のすぐ傍、脳漿を撒き散らして死んでいる男の死体も、二人が知っているものだった。
無惨な死体となってしまった友達と知り合いに、小鉄の一度は収まった悲しみが再び込み上がった。

「おかしいだろこんなの……何で、何で!!」
33失われた日々 ◆ymCx/I3enU :2011/07/17(日) 06:12:23.09 ID:ydP1j0sg
ダダダダダダダダダダダダッ!!!


突然の、猫少女が取った行動に、銀時、エルフィ、シャロン、美帆の四人は唖然とする。
持っていた短機関銃を、悲しむ小鉄と花丸木に向け掃射したのだ。

「あ……? 何、だ……よ?」
「熱、あ、つい、らむ」

身体を無数の灼熱に貫かれた小鉄と花丸木は、間も無く死体の山の仲間入りを果たす。

「…あ、あああぁああああぁあ!?」
「小鉄君、花丸木君!?」
「ひ、酷い、どうしてテトさん」
「て、テメェェエエエエエエエエエエ!!!」

美帆が悲鳴を上げ、シャロンが悲痛な叫びを上げ、エルフィが呆然とし、銀時が怒り狂う。
テトは左手を四人に向け翳し、


「さようなら」


無数の氷柱が出現し、四人に襲い掛かった。
一本一本が非常に鋭利な槍となった氷柱は、四人の身体をいとも容易く刺し貫き、その命を絶った。


「……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、こ、れ、で、あと、何人、か、な……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」


激しく体力を消耗し、その場にへたり込んだテトの双眸に宿るのは明らかなる狂気の光――――。


【大沢木小鉄@浦安鉄筋家族:死亡】
【花丸木@浦安鉄筋家族:死亡】
【有田美帆@オリキャラ死亡】
【シャロン@オリキャラ:死亡】
【エルフィ@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【坂田銀時@銀魂:死亡】}
【残り:9人】


【午前/D-4市役所】
【テト@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]肉体疲労(極大、命の危険あり)、軽い火傷、精神に異常
[装備]イングラムM10(11/32)、ナース服(調達品)
[持物]基本支給品一式、イングラムM10のマガジン(4)、焼夷手榴弾(3)、洞爺湖の木刀(血塗れ)@銀魂、果物ナイフ、
ベレッタM92FS(12/15)、ベレッタM92のマガジン(3)、スタンガン(違法改造済、残りバッテリー75%)
[思考・行動]
0:皆殺しにする。主催者も殺したい。
1:みんな、殺す……。
2:クラスメイトの中でも太田太郎丸忠信、壱里塚徳人、吉良邑子は惨たらしく殺す。
[備考]
※本編最終話直後からの参戦です。
※能力は特に制限されていないようです。
※相馬祐実の容姿を記憶しました。
※放送は聞いています。
※病院にてナース服を調達しました。
※能力の使い過ぎにより、体力が非常に消耗しています。命の危険があります。
34 ◆ymCx/I3enU :2011/07/17(日) 06:13:15.54 ID:ydP1j0sg
投下終了です。まあ適当な文かもだが、良いだろう
35 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 20:29:58.07 ID:PMwuPkbc
投下乙です。
ぎんさーん!!
というか、さすがテト……。
では自分も投下します。
DOL3rd23話 歩いてきた道振り返らない
登場人物:若王子隆太、高坂王子、音無結弦
36歩いてきた道振り返らない ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 20:30:36.90 ID:PMwuPkbc
「……鼻血出して気絶とか馬鹿だろ」
「面目ない」

桜見タワーから出てきた高坂王子と若王子隆太。
先ほどまでいた女はもういなくなっていた。

「よし、今度こそ行くぞ!」

すぐにその場から離れようとする。
すると、すぐ傍に隠れていた木から出てきた男…音無結弦。
そして…気付かれないようにそこから二人を…。

撃った
撃った
撃った
撃った
撃った

撃ちまくった。
出来る限り、見ないように。

「く……どうなった……?」

目をあけると、二人とも倒れているのが目に付いた。
それを見て、安心…いや、恐怖の念が浮かんできた。

自分は人を殺してしまった。
復活もしない…俺は殺人犯となってしまった。

「くそ……俺は……奏のために…!」
「誰だよ…それ……」
「!!」

死体だと思われていたうちの一人が起き上がった。
起き上がった方、高坂王子は音無に向かって歩き出す。

「お前はそのために…俺を殺すって言うのか…?」
「ああ、そうだよ!」
「……ふざけてんじゃねえぞ!」

高坂は叫んだ。
銃で撃たれた腹を押さえながら。

「そんな事をして、喜んでると思うのか!?違うだろ!」
「……」
「っこんな殺し合いなんざに、乗るなんて…あ、りえねぇ!」
「………」
「だから、目を覚ましやがれええええ!!!!!」

最後の力を振り絞り拳を音無の顔面にぶつけた。
そして、そのまま倒れた。
37歩いてきた道振り返らない ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 20:31:25.60 ID:PMwuPkbc

「お、俺って…輝いて…いた、な」

笑いながら、息を引き取っていった。
そして、殴られた音無はただその場に立っている事しかできなかった。

【若王子隆太@オリキャラ 死亡】
【高坂王子@未来日記 死亡】

【真昼/E-6桜見タワー前】
【音無結弦】
[状態]健康
[装備]ベレッタM92F(0/15)
[所持品]基本支給品、ベレッタM92Fのマガジン(3)
[思考・行動]
基本:願いをかなえるために殺し合いに乗る。
0:……。
1:もっと強力な武器が欲しい。
2:沖田(名前は知らない)を警戒。
[備考]
※願いは『立華奏と会う権利』です。
※参戦時期は最終回で立華奏が消えた後からです。
※名簿を見ていないので知り合いがいる事を知りません。

※若王子隆太の支給品と高坂王子の支給品がE-6桜見タワー前に落ちています。



投下終了。
続いて投下します。
DOL3rd24話 彼の事情
登場人物:◆VxAX.uhVsM
38彼の事情 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 20:31:58.58 ID:PMwuPkbc
「…もうこんなに死んじまったのか」

◆VxAX.uhVsMがモニターを見ながら言う。
開始二時間が過ぎようとしたところで八人の死者が出ている。

「……しかし、書き手さん方が誰も死んでないのが驚きだな」

何人かピンチに陥っているが、一人くらい死んでもおかしくない。
そう思いながら、モニターを切り替える。

「……遠藤清丸、球磨川禊…この二人は注意がいるな」

何かをしている二人を見ながら、つぶやく。
そして、時計が丁度午後二時を指した。

「さて、そろそろ放送の準備を始めるか」

【午後/??】にて
39 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 20:32:35.60 ID:PMwuPkbc
投下終了です。
1話目の方のタイトルは分かる人には分かる…はず。
40 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:07:46.96 ID:PMwuPkbc
続けて投下します。
DOL3rd25話 もし変われるのなら 黒 になる
登場人物:◆8nn53GQqtY、桐山和雄、三瀬竜二
41もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:08:15.03 ID:PMwuPkbc
「はぁ…はぁ……疲れた…ちょいと休憩」

C-2の市役所付近…。
◆8nn53GQqtYは一旦休憩するために施設の壁に寄り掛かった。
こんな日中で走れば、疲れるのは当然である。

「はぁ……桐山さんと早く合流しないとな…」

ペットボトルの水を少し飲んで、息をつく。
少し疲れが取れたらすぐに行かなければいけない。

「ふう、しかし…体力が……」

走って、結構距離はあったが…ここまで疲れるとは思っていなかった。
もう少し鍛えておけばよかった…と思うが遅い。
疲れが若干取れたので、立ち上がろうとした。
そして、左側から何か音が聞こえた。

カラン、カラ…

ふと左を向くと、返り血を浴びている男がいた。
◆8nn53GQqtYは警戒態勢を取る。
男も彼女に気付いたようで、少し笑いながら話しかけてくる。

「どうも……こんにちは」
「……」
「まったく…挨拶もなしとは…」
「怪しさ満点の人にあいさつされて、まともに返すとでも?」

出来る限り冷静に対処する。
男の方も、冷静に笑っている。
42もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:08:38.90 ID:PMwuPkbc

「ふん、気に入らない女だな…」
「こっちも、あんたみたいなのが嫌いなんだけどさ…」

出来る限り、攻撃される寸前まで精神攻撃をする。
時間を稼ぎたい、桐山が来るまで。
だから、一瞬も気を緩めてはいけない。

「悪いけどさ…私はここから離れるけどさ…」
「ふうん…そうか……じゃあさ」

FNハイパワーを構え、三瀬竜次は言い放った。

「ここで、死んでもらう」

乾いた音が、一発響いた。
そして、そして、そして…。



   ◆        ◇


43もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:08:58.90 ID:PMwuPkbc
「……!」

桐山和雄は市役所付近を歩いていた。
そこで一つ、乾いた音が聞こえてきた。
この音は、銃を撃った時の音だ。
ここの付近である、では…誰が撃たれた可能性が高い…?

「急ぐか…!」

桐山は走る。中学生とは思えないスピードで。
このスピードについて行ける同年齢の人間は、七原秋也と三村信史くらいであろう。
その異常なスピードで、音が聞こえた方面へ走った。
そして、施設が見えた。

そこにいたのは、倒れている◆8nn53GQqtYと一人の男だった。
桐山はさらに加速して、男に殴りかかった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!」

男、三瀬竜二は緊急回避のように後ろに転がる。
きれいな物ではないが、回避は出来た。

「おい、大丈夫か!」
「……桐山、さん」
「しっかりしろ!すぐに助ける」
「もういいです、駄目だって、分かりますし」
「………すまない」
「最後に、一つだけ…お願いがあります」
「言ってくれ」
44もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:09:26.52 ID:PMwuPkbc













「あの男を、無残に…見るに堪えないように、殺してください」











45もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:09:59.41 ID:PMwuPkbc
それは、悪魔のような命令であった。
普通の人間ならためらったであろう…。
しかし彼は「桐山和雄」なのだ。
この命令を素直に聞き入れ、桐山は立ちあがった。
そして、三瀬竜二をまっすぐ見つめた。

「……俺は、お前を殺すことにした」
「そうか…なら先手必勝だ!」

三瀬はいきなり、三回引金を引いた。
それは、確実に桐山の喉へと届く…はずだった。

「え、な……!?」

桐山は、すぐに上に飛んで、銃弾を回避した。
普通ではありえない光景に、三瀬の頬から冷や汗が出ていた。

「化物おおおおおおおおおおおおおお!!!」

バン、と再び音がした。
それは、桐山の右肩を貫通した。

「や、やった…」
「……甘い」
「え…………?」

桐山は、怪我なんて無かったようにM4カービンを構えて、撃った。
その銃弾は見事に、三瀬の足に命中した。

「ぐ、わあああああああ!!痛い!やめろ!やめてくれ!」
「……これは命令だからな…」

次に撃ったのは腹部、来ていた服が真っ赤になるほど撃った。
彼には、目の前で苦しんでいる男が見えないかのように撃ち続けた。
三瀬の体からは、体液と言う体液が流れ出ていた。

「じゃあな、これでお終いだよ」

グレネード弾が、三瀬の顔で爆発した。
これにて、見るに無残な処刑が終わったのであった。
46もし変われるのなら 黒 になる ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:10:19.96 ID:PMwuPkbc



   ◆       ◇



「……すまない」

桐山は◆8nn53GQqtYの目の前で合掌した。
守ると決めたのに、守る事が出来なかった。
桐山は、彼女の死体を持って立ち上がった。

「……」

彼は空を見た。
ただ青かった、青色が広がっていたのだった。

【三瀬竜二@オリキャラ 死亡】
【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手 死亡】

【午後/C-2市役所前】
【桐山和雄】
[状態]身体的疲労(小)、右肩に銃創
[装備]M4カービン(8/30)(グレネード0発)
[所持品]基本支給品、 M4カービンのマガジン(1)グレネード弾(3)、ゲームセンターのコイン(19)
[思考・行動]
基本:????。
1:????
[備考]
※願いは不明です。
※マンガ版死亡後からの参戦です。

※C-2市役所前に三瀬竜二、◆8nn53GQqtYの支給品が落ちています。
47 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/17(日) 21:11:16.38 ID:PMwuPkbc
投下終了です。
見てのとうり、三瀬m9プギャーな話なわけです。
本当は古川に体中切り刻まれる予定だったんだ…
48 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:57:09.86 ID:CKOO2+B9
投下します
タイトル:悲愴
登場人物:Tさん、◆WYGPiuknm2、◆VxAX.uhVsM、◆ymCx/I3enU
49 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:57:26.12 ID:CKOO2+B9
「まだTさんは起きない?」
「ああ、まだぐっすり眠ってるよ」

Tさんを背負い、ホームセンター付近まで歩いてきた2人。
体格のいいTさんはかなり重く、◆WYGPiuknm2の顔に疲労の色が浮かんでいる。

「マズいな。あっちの橋…たしか、禁止エリアだったよな?」
「地図地図…ああ、確かに禁止エリアになってる…困ったなあ…」
「…俺もちょっと疲れた、少し休憩しよう」

その場に腰を下ろし、Tさんもついでに寝かせる。
地面に直接寝かせるなんてTさんが知ったら良い気はしないだろうが…仕方が無い。
とりあえず、デイパックを枕代わりにして、頭の下に敷く。

「…はぁ…来た道を戻る事になるとはな」
「何とかなる…と思うけど…」

しかし、今更引き返して違う道を通るのも…。
思案を巡らせる。
どうすれば、病院へ早く辿り着けるか…。

「…ホームセンターに、何か役に立ちそうな物ってないかな」
「ああ…もしかしたら、あるかもな」
「それじゃあ、行ってみない?」
「ああ。じゃあ、行こう」

寝かせているTさんを再度背負い、立ち上がる。
ホームセンターへ向かおうとしている時に、出来れば出会いたく無かった相手に鉢合わせる。
50 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:57:51.67 ID:CKOO2+B9
「ym氏、か…」
「別に驚くことでもねえだろ、歩いてりゃいつかは出会うしな」
「…WYG氏から聞いてるよ、乗ってるんでしょ?」
「まあな、もう3人も仕留めてるよ」

3人も、殺した。想像するだけで、フラついてしまう。
しかし…。
自分には、ym氏を責めることはできない。
無我夢中だったとは言え、自分も。

「…今更、お喋りなんてする気にもならないし、とっととケリ付けさせてもらう」
「こっちも同じだ」
「さあ、どうする?今の所、戦えるのはVx氏だけみたいだけど?」

Tさんは未だ眠っていて、とてもじゃないが戦えない。
今から起こすにしても、寝起きで満足に戦えるかどうか。
それに伴って、Tさんを背負っている自分も、戦えそうにない。
結局、怪我も無く荷物も持っていないVx氏しか戦えない、と言うことになってしまう。
その唯一戦えるVx氏でも、3人も殺害しているym氏に正面きって勝てるかどうか…。

(Vx氏をナメてる訳じゃないが…確実に勝つためには、やはり2人以上でないと…)
「そっちから来ないなら…まず、戦えるVx氏から潰させて貰う!」

素早い動きで◆VxAX.uhVsMの懐に潜り込み、喉目掛け突きを繰り出す。

「…っ!」

間一髪の所で、桜吹雪を盾にしてかわす。
辺りに、鋭い金属音が響き渡る。

「危な…」
「一回防いだぐらいで油断してんじゃねーぞ!!」

今度は、腹部目掛けパンチを繰り出す。
流石に今度はガードが間に合わず、腹にクリーンヒットする。
51 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:58:24.15 ID:CKOO2+B9
「うぐっ…」

腹を抱え、桜吹雪を取り落としその場に蹲る。
殴られた部分が痛み、脂汗が滴り落ちる。

「これで暫く動けねーだろ。これで、ゆっくりWYG氏とその男を始末できるな…」
(…仕方ねえ、Tさんが無防備になるが、俺が応戦するしか無え!)

Tさんを降ろし、デイパックから折れた釣りざおを取り出し構える。

「そんな折れた釣りざおで戦う気か」
「これはTさんの釣りざおだ…きっと、Tさんの力が入っているに違いない」
「そんなあるかどうか分からない物に頼って生き延びられる程甘くねーぞ!」

再度爪で斬りつけようと走って近づく。

(頼む…何か起こってくれ!)

藁にもすがる思いで、釣りざおを振り回す。
そんな思いとは裏腹に、何も起こらずに、釣りざおは空を切っただけだった。

「そんな…」
「茶番はここまでだ。ひと足お先に…逝ってもらうぜ!」
(俺は死ぬのか…こんなところで死ぬなんて…)
「まっぴら御免だああああああっ!」

もはや半狂乱な状態で、真っすぐ釣りざおの折れた先を突き刺す。

「ぐ…!?」

折れた釣りざおが左肩に深く突き刺さり、血がにじんでくる。
表情が少し歪む。

「往生際…が悪い、んだよ!」

◆ymCx/I3enUが、◆WYGPiuknm2の喉を切り裂くために右腕を振り上げた瞬間。
52 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:58:52.00 ID:CKOO2+B9
「ううん…良く寝たな…」

今まで寝ていたTさんが、やっと目覚めたのだ。
眠たい目を擦っていたが、◆WYGPiuknm2の姿を見るや否や一瞬で覚醒する。

「何が起こっているんだ…おい、そいつから離れろ!!」

青白い光弾の構えを取り、◆ymCx/I3enUを恫喝する。

「もう遅い」

そのまま腕を振り下ろし、◆WYGPiuknm2の喉を切り裂いた。
首から血を噴き出しながら、ゆっくり倒れて行く。
それを見て、構えを解いてすぐ走り寄るTさん。

「…T…さ…」

処置どころか、最期の言葉すら聞き取る前に、◆WYGPiuknm2は力尽きた。
ゆっくりと刺さった釣りざおを引き抜き、その場に投げ捨てる。

「何てこった…」
「そろそろVx氏も復活してくる頃だな…その前に、少しでもお前にダメージ与えとくか」
「…破ぁ!」

不意打ちで青白い光弾を撃ち込む。
わざと、傷口を狙って。

「ぐっ…!」

あまりの痛みに、一瞬意識が飛びそうになる、がギリギリのところで踏みとどまる。
光弾の衝撃で、ほんの少し、出血が弱まる。

「背中がら空き!」
53 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:59:22.30 ID:CKOO2+B9
後ろから◆VxAX.uhVsMの声が。
振り返った瞬間、額に衝撃を受ける。

「なっ…」

◆VxAX.uhVsMの持つ桜吹雪の切先が、額を一文字に切り裂いていた。
傷は予想以上に深く、頭蓋骨を通り抜け脳まで達しているようだ。
ゆっくりと、後ろに倒れて行く。

(……そんな……俺が……こんな……)

急速に意識が遠のいて、そのまま消えた。







「…WYG氏…」
「…。」

もう動かない◆WYGPiuknm2の前で悲しみにくれる。

「何で、こんな…」
(今は、何を言っても、悲しみを増幅させてしまうだけだ…暫く、そっとしておいたほうがよさそうだな)
54 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:59:34.25 ID:CKOO2+B9
【一日目・朝/D-2】
【Tさん@Tさんシリーズ】
[状態]:健康、疲労(中)
[装備]:特殊警棒
[所持品]:支給品一式、ガム
[思考・行動]:
基本:このゲームを壊し、主催者を破ぁ!する。
1:…今は、何も言わない方がいいな

【◆VxAX.uhVsM@非リレー書き手】
[状態]:健康、ずぶ濡れ、精神的ショック(大)
[装備]:名刀桜吹雪@龍が如く2
[所持品]:端末
[思考・行動]
基本:…。
1:WYG氏…。

【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手 死亡】
死因:失血死
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手 死亡】
死因:斬殺
55 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/17(日) 22:59:54.70 ID:CKOO2+B9
投下終了です
56 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:16:05.53 ID:MdUpXW5T
投下乙です。WYG氏とym氏に南無

では投下します
雑多ロワ30話:腹黒いヤツほど笑顔がキレイ
土方十四郎、結崎ひよの
57 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:16:44.45 ID:MdUpXW5T

土方十四郎は、特別武装警察『真選組』の副長、つまり、れっきとした警察官である。
……部下の不始末で、テロリストより民間人に被害を与えることも多々あるのだが。
そんな彼が、殺し合いをしろなどと言われて、はいそうですかと承諾する道理など皆無であった。

しかし、この現状に困惑してもいた。
何故なら彼は、わりあい超展開がまかり通る彼のいた世界でも、
比較的常識人に属する人物だったからだ。
加えて『呪い』や『魔法』などといったオカルト現象への耐性も薄い。

例えば怪談を恐れていたり。
例えば幽霊に恐怖を抱いていたり。
例えばオカルトの類を忌み嫌っていたり。
……あんまり言うと本人がムキになって否定してくるので、この辺でやめておく。



土方十四郎は、気づけば森の中にいた。
腐葉土の土の匂いがした。頬を当たる風が涼しかった。
夢でここまで生々しく嗅覚や触覚が働くことはない。それは分かる。
しかし、現実でここまで不可思議なことが起こるものだろうか。

58 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:17:19.81 ID:MdUpXW5T
頬をつねってみる。
確かに、『痛い』という感触はしたように思えた。
だが、なにぶん自分自身で加えた暴力行為だ。
無意識に手加減が入り、どうにもはっきりと痛覚が刺激されない。
両頬をつねってみる。一人でにらめっこに興じるような、無意味な変顔ができあがる。
だが、それでも物足りない。
足元を探し、適当な石ころを拾い上げる。
ひょい、と頭上に投擲。
そして、その石の落下地点へと己のデコをさらけ出す。

ガン

どくどくと、土方の顔を血の太いラインがつたう。

「夢じゃねえな……」

こんな一人芝居を沖田総悟や山崎退らに見られれば、屯所での笑い話のネタにされること請け合いである。
しかし幸いなことに、この殺し合いの会場にいる真選組隊士は彼一人きりであった。

「地愚蔵の陰謀……じゃ、ねーよな。」

以前、悪ノリで拉致監禁され、酷いデスゲームをやらされて死にかけたことが頭をよぎる。
しかし、いくら何でもそれはないだろう。
だいいち、あの事件の黒幕だった部下はこの会場にはいない。


――それに、悪ノリで人の首は吹き飛んだりしない。


刀で人の首を切り落とした経験すらある土方であったが、
それでも民間人の少女が殺されるなど、決して気分の良いものではなかった。

「さて、あの白スーツをぶった斬るのは確定として、まずは刀が欲しいところだな」

支給されたディパックに長刀が収まっていれば、かならずディパックの隙間から鞘がはみ出るだろう。
だから、開けるまでもなく彼が望む武器は支給されていない。
しかし、何らかの装備は必要だ。ディパックの中を探る。

59 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:17:56.08 ID:MdUpXW5T
ところが、ディパックからむんずと引き抜かれたのは、立派な日本刀であった。

「おいおい、どこに入ってたんだよ……」
その刃長は70cm程度。二つに折り畳んでコンパクトにまとまるような仕掛けもない。
そして土方は、その刀身を黒鞘から引き抜いて更に驚く。
刃と峰が逆になっていた。つまり、刀の反りの部分に刃があった。

「まぁ、妖刀の類よりはマシか……」

刀らしく機能するのであれば何ら問題はない。土方は逆刃刀を装備する。

しかし、次に取り出された支給品は、流石にスルーすることはできなかった。

パトカーだった。

白と黒の車体に、大きなサイレン。
どこからどう見てもパトカー以外の何物でもなかった。
ただ、窓という窓が黒いスモークで覆われていることだけが通常の車と異なっていた。
どう頑張ってもディパックに入らない代物だ。
開け口の大きさと車体の幅が違いすぎる。

しかし、土方を狼狽させた問題は、別のところにあった。

問題は、土方はディパックから車などが出て来ることを予想だにしていなかったということで。
ディパックの中の手応えを引っ張り出したら、車が勢いよくゴロゴロっと走り出て来たということで。
つまり、

めり、と。

土方の靴の先が、パトカーのタイヤにはさまれていた。

(ぃぃぃいいいいっっっっづっっ…………!!)


右足小指の先端を壮絶な痺れが駆け抜ける。
どうにか足を引き抜こうと四苦八苦するが、靴はみっちりと挟まれており、
かといってタイヤをどかそうにも、下手に動かせばタイヤが前転して、薬指と中指までが二次被害を受ける危険性大。

(冗談じゃねーぞ、こんなん隙だらけじゃねぇか!
車のタイヤに足の指がはさまれたところを撃ち殺されるとか、間抜けってレベルじゃねーぞ!!)
60 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:19:37.44 ID:MdUpXW5T
しゃがみこんでパトカーのタイヤを抑えながら土方が格闘していると、



「あの〜大丈夫ですか〜?」



女性の声が、土方のすぐ背後から聞こえた。
唐突に出現した気配に、土方の防衛本能が即座に反応。
左手にしっかりと持っていた逆刃刀を振り抜き、背後をとった謎の人物へ向けた。

「わわっ。斬らないで。私は殺し合いに乗っていないのですっ」

振り向けば、三つ編みおさげの童顔な少女が、降伏を示すようにぱたぱたと両手を振っていた。
見たところ14、5歳くらい。
焦ったような台詞の割には、あまり怖がっている風でもない。
「私は見てのとおり、ただの恋する女子高生。結崎ひよのです」
胸に手をあて、礼儀正しい自己紹介。
「土方十四郎だ……」
もちろん真選組の副長たるもの、武器も持たない少女相手にいつまでも刀を向けているほど神経質ではない。
ひとまずは刀を降ろしたものの、しかし少女を信頼できるほどお人好しでもなかった。

「アンタ何者だ……? 完全に気配を隠して俺の背後を取るたぁ、ただの学生じゃねえな」

土方が驚き、反射的に剣を向けたのは、気配を完全に遮断して近づかれたからだ。
殺気溢れる修羅場をくぐり抜けた真選組の副長相手に、そこまで気配を隠し通せるとは、とても一般人とは思えない。
「まぁ、これでも警察関係者の知り合いですし、非常時の経験がないとは言いませんけど。
……でも、まずはご自身の身を何とかした方がいいんじゃないですか?」
問われてようやく小指の痛みを思い出した。
痺れを通り越して感覚のなくなってきた小指に危機感を抱きながら、少女に助けを求めるべきか迷う。
61 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:20:14.31 ID:MdUpXW5T

しかし、そこで別の疑問が生まれた。
「そう言えば、そういうアンタは何で俺に声をかけたんだ?
俺が殺し合いに乗っていて、この窮地を脱したとたん、襲いかかって来るとは考えなかったのか」
「実のところ、少し前から接触のタイミングを見計らっていたのです。
どうも口ぶりから殺し合いに乗っているようには見えませんでしたし、
それにちょっとユニークな方だったものですから、あまり危険性を感じませんでした」
『ユニーク』という言い回しが引っかかった。

「ちょっと待て、どっから見てた」
「変顔をしていたあたりからです」

「……………………………………ふぅ」
「いくら恥ずかしくて照れ隠しをしたいからって、足をはさまれたまま煙草を吸うのは危ないと思いますよ?」

土方は、直前のやり取りをなかったことにして切り返した。
「分かったように話すんだな。しかし、俺はその直後に背後を取られて、殺気を向けたぞ?
それこそ一般人なら普通はビビるぐらいにな」
「そうですねぇ。……土方さんのプロフィールぐらいなら分かってますよ?」

少女はどこからか小型の冊子を取り出すと、そこに書かれていたことを読み上げ始めた。

「土方十四郎。職業は対テロ対策特別武装警察、真選組の副長。通称鬼の副長。
5月5日生まれ。おうし座のA型。身長177cm、体重64kg。
好きなものはマヨネーズ。嫌いなものは幽霊と歯医者」

少女はぺらぺらと、土方のプロフィールを羅列した。
土方はその正確さと、何よりも初対面の少女がソレを知っていたことに驚く。
確かに真選組の不祥事はたびたび新聞を飾って来たし、鬼の副長土方のことを知っている民間人も少なくはないだろう。
しかしマヨネーズ好きなど、プライベートに関わる人間しか知らない情報まで握られている。

ただ、少しばかり納得できないところが。

「ちょっと待て、幽霊は恐かねぇよ別に。っていうかあれだろ。んなもんいるわけねーだろ?」
「……なるほど、このプロフィール情報は信頼できると分かりました」
「だから違うって言ってんだろ、憐れむような眼でみるなコラ。
……待てよ。
『信頼できると分かった』ってことは、テメーの集めた情報じゃねぇんだな。
そうか、参加者の情報が書かれた支給品があるのか」
62 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:20:59.87 ID:MdUpXW5T
「まぁ、そういうことですね。私に支給されたこれは、全参加者の肩書と人間関係、おおざっぱな能力が書かれた詳細名簿なのですが」

話しながら、背負っていたディパックを降ろすと、その口を大きく開いてパトカーにかぶせた。
土方を潰していたパトカーは、ディパックから出て来た時と同じようにして、するするとディパックにしまいこまれた。
なるほどこの方法があったのか、と土方は感心する。

「ありがとよ。…………助かった」

「いえいえ、お礼なんて要りませんよ。
………………………………………………(ボソ)ちゃんと体で払っていただかないと」
「おい、今最後にボソっと何つった?」
「そういうわけで土方さん、ひとまずは私と行動しませんか?
詳細名簿に書かれた内容について、色々と話し合いたいこともありますし」
土方は直感する。
もしかしたら、良くない借りを作ってしまったのかもしれない。



「私はいい情報を持ってますよ」

結崎ひよのは、天使のような笑顔を見せた。


【D−7/車道/一日目 深夜】

【土方十四郎@銀魂】
[状態]額から血、足の小指に痺れ
[装備]逆刃刀@るろうに剣心
[道具]基本支給品一式、不明支給品0〜1
[思考]基本:主催者をぶった斬る
1・この笑顔、黒そうな匂いがする……
2・結崎ひよのと情報交換
3・万屋連中については、合流できれば越したことはない。
(簡単には死なないと思っているので、この方針を優先するつもりはない)

【結崎ひよの@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]健康
[装備]詳細名簿@現実
[道具]基本支給品一式、パトカー@DEATH NOTE不明支給品0〜2
[思考]基本:『結崎ひよの』として行動する
1・詳細名簿の件も含めて、土方十四郎と情報交換。可能なら共に行動したい。
2・鳴海歩、ミズシロ火澄、ブレードチルドレンとの合流
(鳴海歩を最優先、火澄とブレチルについては、警戒を持って対応する)


【詳細名簿@現実】
参加者70人の身体的特徴、肩書、プロフィール、簡単な能力などが書かれた名簿。
デスノート対策として、顔写真は載っていない(ただし身体的特徴は書かれている)。
また、書かれているのはあくまで参加者の『肩書き』であり、本来の正体などについては伏せられている。
例、夜神月の正体がキラであることや仮面の男の正体、
結崎ひよのが偽名であることなど。
63 ◆8nn53GQqtY :2011/07/18(月) 00:22:02.61 ID:MdUpXW5T
投下終了です。
64創る名無しに見る名無し:2011/07/18(月) 00:33:25.97 ID:KpD6yROv
投下おつです。傍目には対主催コンビ結成って話だけどもひよのはね…。
『結崎ひよの』として行動するって言っても清隆の息がかかってそうだし。
胡散臭いったらありゃしない。
65 ◆ymCx/I3enU :2011/07/18(月) 13:07:59.37 ID:1DnH0499
皆様投下乙です 自分も投下します
俺得5 40話 うp主失踪
登場:三田村圭人、壱里塚徳人
66うp主失踪 ◆ymCx/I3enU :2011/07/18(月) 13:08:51.45 ID:1DnH0499
40話 うp主失踪

「……う……ああ」

壱里塚徳人はようやく意識を取り戻す。
酷く頭痛がする。完全には覚醒し切れていない。
気絶させられてから一体どれだけの時間が経ったのか、時計を見ようとした。

「よう、また会ったな」
「! あんたは……」

しかしその時、見覚えのあり、そして出来れば会いたく無い顔が見えた。

「…名前言ってなかったな、俺、三田村圭人って言うんだ。お前の名前も聞きたいんだが」
「…壱里塚徳人、だ」
「へー……」
「…俺を殺しに来たのかよ」

徳人が圭人に問う。
先刻、ホテルにて、徳人は圭人の目の前で一人の獣人の少女を殺害し怒りを買った。
だが圭人の足を銃撃し、後頭部を殴って気絶させた。
恐らく恨まれているだろうとは徳人自身も思ってはいた。

「…殺してやろうって思ったんだけどな」
「……」

よく見てみると、圭人の顔色は非常に悪く見えた。
足の傷には包帯が巻かれてはいたが、出血は止まってはいないようでズボンが血塗れになっている。
歩いてきたと思われる道路には赤い点が延々と続いていた。
声にも元気が無いように聞こえる。出血多量でまずい状態であると徳人にも予想はついた。

「血がな、止まらなくて…多分助からないな、俺、お前を殺せるだけの力も残ってねーや…けどな」
「……?」


ビーッ、ビーッ


「!?」

二人の首輪から警告音が鳴り響く。

「お前、放送聞いてないだろ、その様子だと。ここら辺、禁止エリアになるらしいよ」
「なっ」
「もうすぐ俺もお前もあの世行きって訳だ。わざわざ俺が手を下す必要も無くなったって事」
「そっ、そんな、くそっ、ふざけんな!! 死んでたまるか畜生!!」

焦った徳人は圭人を無視して走り出した。
67うp主失踪 ◆ymCx/I3enU :2011/07/18(月) 13:10:06.84 ID:1DnH0499
「……無理だって。間に合わないって」

徳人の背中を見ながら圭人が嘲笑うかのように言う。
そして、その場にへたり込んだ。もう足に力が入らず、一歩も動けない。
もしこの辺り一帯が禁止エリアに指定されていなくとも、自分は出血多量で死ぬだろう。
どっちにしても、もう自分は助からないのだ。圭人は覚悟した。

「美帆、祐実、出来ればもう一度、会いたかったな」

殺し合いに呼ばれた二人の友人の事を思い出す。
放送で名前は呼ばれ無かったのでもしかしたらまだ生きているかもしれない。
出来る事なら二人は生きて帰って欲しい。

「……ああ、くそ」

ふと、圭人は上を見上げた。
青空に白い雲が浮かんでいた。
こんなに空は綺麗なのに、どうしてその下でこんな血みどろの狂ったゲームが催されているのだろうと思う。
まだやり残した事は沢山あった。ゲームの実況動画も途中までのがある。
きっとタグに「うp主失踪シリーズ」など付けられるのだろうと、圭人は思った。

「死にたくねぇなー……」

……

走った。ただひたすらに徳人は走った。
首輪の警告音は段々と間隔が短くなりその時が近付いているのを嫌でも知らせてくる。
死にたくない。折角生き返れたのに、また死ぬのは嫌だ。

(嫌だ、嫌だ、嫌だ、畜生、死んでたまるか、死にたくねぇ!)

だが、いくら走っても、首輪の警告音は止まない。
それどころか、自分がどっちに走っているのかすら分からなくなってきた。
焦りと混乱が、彼を更に追い込む。思考を狭める。

「嫌だ、嫌だあああああああああぁあ!!! 俺はっ、俺は生き」



ピーーーーーーーーーーッ



ボンッ



【三田村圭人@オリキャラ:死亡】
【壱里塚徳人@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【残り:7人】
68 ◆ymCx/I3enU :2011/07/18(月) 13:11:19.78 ID:1DnH0499
投下終了です
69 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:36:36.23 ID:6UwaDyLo
投下乙です。
うp主失踪してしまったか…。
裏ではこんな事情があったのに…。
では自分も投下します。
DOL3rd26話 遭遇者により運命が変わる事がある/1
登場人物:剛田武、◆xzYb/YHTdI
70 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:37:18.95 ID:6UwaDyLo
「誰か…誰かいないのかよー!かーちゃーーーーーーーん!」

剛田武は叫んだ。
肺にある空気を出来る限り使って。

「くそ…来須さんも、きっと……」

自分の代わりに犠牲となってしまった来須の事を思い出す。
まだ死んだとは思っていない…でも、死んだと言って過言ではない。

「誰か……誰かいないのかよ………」

そう思いながら、テレビ局前に来た。
すると、彼の予想もしなかった光景が広がっていた。

「の……のび太………?うそだろ…のび太…」

何かによって貫かれた彼の死体。
それを持ちあげる。
のび太の顔は恐怖でひどく醜くなっている。

「畜生……まさかこいつもあの男に…」

死体を持ちあげて、テレビ局に逃げようとする。
するともう一つの人間も見つけた。

「……この人もつれていこう」

二人分の人体を持ち、彼はテレビ局に逃げ込んだ。



    ◆        ◇

71 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:37:39.81 ID:6UwaDyLo
「……この人、まだ死んでないぞ!?」

ジャイアンが、のび太の死体を所長室に隠した後に気付いた。
そう、◆xzYb/YHTdIはまだ死んではいない。
肉体はまだ、死んではいない。
精神がどうなっているかはまだ分からないが。

「……ドラえもんがいれば、戻せるんだ…」

これは、タイムパトロールが介入する話のはずだ。
のび太は未来、子供を持っている、せわしくんが彼の子孫なら。
でも、ここでのび太は死んでしまった。
だったら、どういうことだと考えよう。
きと、ドラえもんがこれを無かった事にするのが本当の未来なんじゃないのか。

「だから、ドラえもんを探さなきゃ…!」

彼を治療できるほど自分は器用ではない。
でも、きっとなにかはできるかもしれない。
彼がかばんを探す。
すると、彼の表情が歓喜の物に変わった。

「お医者さんカバン…ドラえもんの道具だ!これさえあれば…少しくらいは…」

彼がそれを◆xzYb/YHTdIの前に持っていった。
画面に結果が出るまで待つ。

『貧血デス 抗生剤ヲ 処方シマス』

中から注射器が出てきて、お医者さんごっこカバンは止まった。
彼は急いでそれを注射する。
それで、簡易的な治療は済んだ。
72 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:37:59.33 ID:6UwaDyLo

「……もうちょっと、ここにいるか…この人が心配だ」

【真昼/B-4テレビ局所長室】
【剛田武】
[状態]身体的疲労(中)
[装備]お医者さんごっこカバン(残り2回使用可能)
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出。
1:しばらくしたらここから離れる。
2:ドラえもん達、来須さんとの合流。
3:蝶ヶ崎蛾ヶ丸を危険視。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は未定です。
※蝶ヶ崎蛾ヶ丸の容姿を記憶しました。
【◆xzYb/YHTdI】
[状態]片方の人格の死、左肩に銃創
[装備]なし
[所持品]基本支給品、大螺子
[思考・行動]
基本:???。
1:???。
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
※彼の元の人格か、過負荷としての人格が死にました。

【支給品説明】
【お医者さんごっこカバン@ドラえもん】
剛田武に支給
どんな病気でもピタリと当てるカバン。
未来の子供がお医者さんごっこに使っている。
宇宙からやってきた未知のウイルスを退治したり、人間以外でも未確認の動物の病気を治す事もできるが、治せるのは簡単な病気だけ。
使用回数を3回と制限している。
73遭遇者により運命が変わる事がある/2 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:39:32.44 ID:6UwaDyLo
続いてもう一話投下します。
DOL3rd27話 遭遇者により運命が変わる事がある/2
登場人物:蝶ヶ崎蛾ヶ丸、リューグ、青木林
-------------------------------------------------
「……さて、どうしましょうか…」

A-3の橋を蝶ヶ崎蛾ヶ丸は渡っていた。
球磨川禊も見つからなく、ただ歩いているだけであった。

「まあ、あの人なら死ぬことは無いでしょう…」

すぐに橋を渡ろうと足を速める。
放送まで一時間をきってしまっている。
こんな橋の真ん中で休憩してしまって、ここが禁止エリアにでもなったら大変だ。

「……気配を感じますね」

そこからか感じる気配…その正体を見てみよう。



   ◆       ◇



「……止まった、今が好機か」

ウィンチェスターM70のスコープを覗きながら言う。
リューグは橋に見つけた男を狙撃しようとしていた。

「………今だ!」

引金をひいて、弾丸が男のもとに飛んでいった。
そして、スコープ越しに頭にあたったのが見えた。

「良し……?」

そこで違和感に気付く。
何故か男が倒れない。
仁王立ちしてその場を通さないという武将がいたという話があるが、それとは違う。
    ・・・・・・・・・・・・・・
まるで、痛みを誰かに押し付けたように立っていた。

「……ぐ、がああああああああああ!!」

リューグの頭に穴があき、鮮血が吹き出す。
よろよろと歩き、そのまま地面に倒れた。
74遭遇者により運命が変わる事がある/2 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:40:04.62 ID:6UwaDyLo



   ◆       ◇



「また一人死んでしまいましたか…まあ不慮の事故ですから仕方ないでしょう」

再び戻って蝶ヶ崎蛾ヶ丸。
気配を感じて、『不慮の事故』を使った。
その結果彼は助かった。

「ふん、じゃあ行くといましょうか」
「まあ、待てよ」
「………気配は貴方の方ですか」

そこに突如現れた男、青木林。
彼は右手に持っていたグロック19を構える。

「……死んでもらう」
「ええ、好きにしてください…ただしあなたはそのころには、不慮の事故に遭っていますよ」

バン

乾いた音は、眉間を貫通して赤い湖を作った。



   ◆       ◇



「……これで良いんだ、これで」

青木林は死体の前でつぶやいていた。
大事な妹を生き返らせるためなら何だってやる。
そう思っていたんだ。
しかし、人を殺す恐怖が上回りそうになる。

「……放送まで待とう」

彼は放送をここで待つことにした。

【リューグ@オリキャラ 死亡】
【蝶ヶ崎蛾ヶ丸@めだかボックス 死亡】

【午後/A-3橋中央部】
【青木林】
[状態]健康
[装備]グロック19(7/10)
[所持品]基本支給品、グロック19のマガジン(3)
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗る。
1:これで、良いのか?
2:相川友は…?
[備考]
※DOL2nd死亡後からの参戦です。
※願いは『青木百合を生き返らせる事』です。
75 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 18:41:07.38 ID:6UwaDyLo
投下終了です。
タイトルの意味はそのままです。
例えば、xz氏の所に蛾ヶ丸が行ったらどうなっていたか…ジャイアンが橋を渡っていたらどうだったか…。
そういう事を考えてみました。
76 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:29:55.88 ID:6UwaDyLo
投下します。
DOL3rd28話 遭遇、それは幸運なのか
登場人物:◆WYGPiuknm2、川田章吾、仲村ゆり、花卉久家子、三枝由貴
77遭遇、それは幸運なのか ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:30:47.41 ID:6UwaDyLo
D-2の住宅街。
そこに川田章吾と◆WYGPiuknm2は来ていた。

「……誰もいないですね」
「ああ、しかし…さっきの死体を見るからして、誰かいるにはいるんだろう」

街をうろつくが誰もいない。
ほぼ全員が出ていってしまったからだ。

「まあ、どうとでもなるさ…」
「そういうものですか?」
「まあな」

川田があたりを見渡す。
誰かがいた形跡はある。
死んでいた人間…あれはコルトパイソンの傷だろう。

「うわああああああああああああ!!」
「WYG!?」

後ろを振り向くと、◆WYGPiuknm2が銃を持った女につかまっていた。

「動かないで…いくつか質問したい事がある」
「……分かった、なんだ」
「質問一、貴方はこの殺し合いに乗っているの?」
「いや、乗って無い…友人がいるもんでねぇ…」
「質問二、私たちの仲間になってくれない?」
「仲間?どういうことだよ」
「殺し合いに対抗する戦線よ」
「……どうするか?WYG」
「いや、捕まってる自分に聞かないでくださいよ…」
「……わかった、協力しようじゃないか」

それを聞いて彼女、仲村ゆりはすぐに◆WYGPiuknm2を解放した。

「悪かったわね…私は仲村ゆり…で、後ろで隠れている二人は三枝さんと花卉さん、貴方達は?」
「俺は川田章吾だ」
「◆WYGPiuknm2…WYGとでも呼んでくれ」
「何?ニックネーム?」
「そんなものです…本名は覚え出ないんでWYGでお願いします」

仲村ゆりの率いる戦線は、ここにさらに強化された。
今の状態では、強力であろう。

【真昼/D-2住宅街】
【◆WYGPiuknm2】
[状態]健康
[装備]ペーパーナイフ
[所持品]基本支給品、鏡石×2
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:川田と行動、守ってもらいたい。
[備考]
※元々の世界の知識はある程度残っています。
※願いがなにかは不明です。
78遭遇、それは幸運なのか ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:31:47.45 ID:6UwaDyLo
【仲村ゆり】
[状態]健康
[装備]トンプソンM1A1(20/20)
[所持品]基本支給品、トンプソンM1A1のマガジン(2)
[思考・行動]
基本:殺し合いからへの対抗。
1:戦線メンバーを集める。
2:音無君、日向君、直井君との合流。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は本編最終回後です。
【花卉久家子】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、拡声器
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:三枝さん、仲村さんを信頼する。
[備考]
※願いは不明です。
【三枝由貴】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:二人と行動する。
[備考]
※願いは不明です。

投下終了です。
ついでにもう一話を。
DOL3rd29話 放送前、その状況
登場人物:黒神めだか、相川友、坂田銀時
79放送前、その状況 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:32:10.74 ID:6UwaDyLo
「……黒神さん、もうすぐ3時になるんだけど…」
「む、そうか…分かった、どこかで休息を取るとしようか」
「いや、それもあるんですが…放送が…」
「そういえばそうだったな……」

現在地C-2……市役所からは少し離れている場所である。

「あそこに小さな家があるな…あそこを失礼ながら借りさせてもらうとするか」
「そうですね」

相川友は黒神めだかが先行するのをゆっくり見る。
もし、この人が急に乗るだなんて言ったらどうなるんだろう。
そう思うと怖くなってくる。

「……まあ、どうとでもなるのかな?」
「…………相川殿?」
「あ、ごめん…ちょっと考えごと」

普通に言えるはずもなかった。
……この事は後に考えよう。

【午後/C-2民家(地図にのっていない)】
【相川友】
[状態]健康
[装備]コルトパイソン(2/6)
[所持品]基本支給品×2、コルトパイソンの弾(24)、火山の大型ナイフ、殺人日記のレプリカ
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗った奴を殺す。
0:放送を待つ。
1:黒神めだかについて行く。
2:坂田銀時、青木林に会う…?
[備考]
※願いは不明です。
※DOLバトルロワイアル終了後からの参戦です。
※殺人日記の効果が消えたかは不明です。
【黒神めだか】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:この殺し合いへの反抗、乗ったものの更生。
0:放送を聞く。
1:相川友と行動する。
2:人吉善吉、球磨川禊、蝶ヶ崎蛾ヶ丸との合流。
[備考]
※願いは不明です。
※生徒会戦挙編終了後からの参戦です。



   ◆       ◇
80放送前、その状況 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:32:27.55 ID:6UwaDyLo



「……もう3時間弱もたっちまったのか…」

デパート内を適当に散策するだけでこんな時間になってしまっていた。
もうすぐ放送が始まるのである。

「新八…死んでないよな…」

この場に呼ばれている万屋メンバーの事を思い出す。
新八自体は弱くなく、強い方なのであまり心配はない。
しかし、もし次郎長のような化物と会ってしまえば終わりだ。

「……」

ノイズが鳴り始めた。
これで、放送が始まる。
この放送で、誰がどう動くのか…。
それはまだ分からない。

【午後/D-6デパート】
【坂田銀時】
[状態]健康
[装備]虎鉄Z-II
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:とりあえず、知り合いを探す。
0:放送を聞く。
1:◆ymCx/I3enUを若干警戒。
[備考]
※願いは不明です。
81 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 19:32:59.29 ID:6UwaDyLo
投下終了です。
予定より超早くなってしまったが次は放送です。
82 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 20:02:49.94 ID:6UwaDyLo
投下します。
DOL3rd30話 第一回放送(DOL3rd)
登場人物:◆VxAX.uhVsM
83第一回放送(DOL3rd) ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 20:04:21.82 ID:6UwaDyLo
ノイズが鳴り始める。
そして、少し経った後に声が聞こえてきた。

『えー三時間ぶりだな…それじゃあ、オマエラお待ちかねの放送の時間だ』

それでは、禁止エリアの発表だ…。
この放送が終わってから1時間後に適用されるから注意しろよ。

A-1
C-5
E-3

この三つだ。
よーく覚えておけよ…。

それじゃあ次は死亡者発表だ。

骨川スネ夫
火山高夫
来須圭吾
源静香
志村新八
若王子隆太
高坂王子
野比のび太
◆8nn53GQqtY
三瀬竜二
リューグ
蝶ヶ崎蛾ヶ丸

以上12名だ。
お前らの知り合いはいたか?
ならばそれは好都合だ。
自分の知り合いを傷つける心配がないんだからな。

それではお前ら…良い殺し合いを。

【残り 33名】
84 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 20:04:43.95 ID:6UwaDyLo
投下終了です。
85 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:49:42.07 ID:6UwaDyLo
投下します。
DOL3rd31話 死亡体験コースへようこそ
登場人物:◆WYGPiuknm2、川田章吾、仲村ゆり、三枝由貴、仲村ゆり
86死亡体験コースへようこそ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:50:13.02 ID:6UwaDyLo
「それではお前ら…良い殺し合いを」

放送が終わって、戦線メンバーはひたすらに黙っていた。
もう11人も死んでいるなんて聞かされたからには当然だ。

「……もうこれ以上死なせないわ…大丈夫…落ち着きましょう」

最初に口を開いたのは仲村ゆりだった。
戦線のリーダーとしての落ち着いた行動だった。

「そうだな……ここでショックを受けてても、どうしようもないからな」

川田が続いて話しだす。
しかし…あとの三人は皆、口を閉じている。

「……飯にでもするか、WYG…手伝え」
「…はい」

二人が立ちあがって厨房の方に向かっていった。
そして、残ったのは仲村ゆり、三枝由貴、花卉久家子の三人と言う事になる。

「……ねえ、花卉さん………」
「…………」
「…?」
「ふ、はっはっはっははああいくぇd!1?!えd・?!」
「花卉さん!?」
「三枝さん!離れて!」

花卉久家子が三枝のデイバックからミニミ軽機関銃を取りだす。
そしてそれを無理やりに、乱射する。
87死亡体験コースへようこそ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:50:35.32 ID:6UwaDyLo

「花卉さガッ」
「………花卉いいいいい!!!」
「しhふぃえhqじゃhsjけ!!!!!」

二人が撃ち合う。
そして、そこですぐに銃を引いたのは、花卉久家子だった。

「が、は……」
「ふはああははうへへはjhdjhjhwlrhkwjq」

仲村ゆりは、そのまま三枝由貴とともに倒れた。
技量の差は圧倒的に仲村ゆりの上だった。
それでも、甘さだけは捨て切れていなかった。

(ごめ、みんな…私みたいな…リーダーじゃ…だ…)

そのまま、二人は動かなくなった。

「おい、お前ら…!!テメェ!!!」
「み、皆が!?」
「ふあいでゃhsんかhんdkfhlwq」

奇声を上げながら、今度は二人を撃つ。
二人は、すぐに扉の陰に隠れる。

「どうする…WYG…」
「……どうしようもないでしょう…どれだけ残弾あるんですかあれ…」
「そういうタイプなんだろうな…半端じゃないな…」

二人は、どうにか対策を考える。
そして、川田が手に持っていた包丁を構える。
88死亡体験コースへようこそ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:51:09.07 ID:6UwaDyLo

「……俺がしとめる」
「待ってくださいよ…危ないですよ!?」
「大丈夫……俺よりはお前が生きていた方がいい…」
「そんなこと言わないでください!」
「ひぁshfjkhlwし!!」

二人の気付かぬうちに、花卉久家子がすぐ傍に来ていた。

「う、わああああああああああああ」

 バババッ

「が……ご、ほ…」
「WYG!…貴様ああああああああああああああ!!!」

川田が包丁で喉を斬り裂こうとする。
しかし、その前に花卉久家子がミニミ軽機関銃を乱射した。
その銃弾の半分が命中する。
それでも、川田は倒れずに切りつけた。

「…kだくぇ」
「…………や、ったか…は、ざまぁ……みやが、れ」

川田がひょろひょろと壁に寄り掛かった。
少しづつ血が出ていく。
もう数十秒と持たないだろう。

「はぁ…すあ、ね…ななは、ら…おまえは、もういっか…いのののんおの、のり、こさんと…」

そして、民家には静寂が残った。



    ◆      ◇
89死亡体験コースへようこそ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:51:34.23 ID:6UwaDyLo



「………あれ?」

ここで、一人が起き上がった。
◆WYGPiuknm2だった。

「あれ……まさか……また鏡石が…」

バックを探そうと周りを見る。
すると、彼がにとって信じられない状況があった。

「う、うわあああああああああああああ!?な、なんで!?なんでこんなことに!?」

リビングに転がる仲村ゆりと三枝由貴の死体。
そして目の前に落ちている花卉久家子の死体。
そして、すぐ後ろにいた川田章吾の死体。

「き、記憶があいまいだ…な、ななな…何があったんだよ!?」

彼の精神は疲れていた。
記憶も無く、こんな状況になってしまったのだから。

「……もういやだ、知るか…こんな事…」

彼は、お守りとして鏡石を持って二階に上がった。
一室に入る、よくありそうな部屋だった。

「……おやすみなさい」

彼は体をベッドに投げだした。
意識がすぐに遠くなって、消えた。

【三枝由貴@オリキャラ 死亡】
【仲村ゆり@AngelBeats! 死亡】
【花卉久家子@オリキャラ 死亡】
【川田章吾@バトルロワイアル 死亡】

【真昼/D-2住宅街内住宅】
【◆WYGPiuknm2】
[状態]身体的疲労(中)、精神的疲労(極大)、睡眠中
[装備]ペーパーナイフ
[所持品]基本支給品、鏡石
[思考・行動]
基本:死にたくない。
1:………。
[備考]
※元々の世界の知識はある程度残っています。
※願いがなにかは不明です。

【支給品紹介】
【ミニミ軽機関銃@現実】
三枝由貴に支給
ベルギーの国営銃器メーカー、ファブリックナショナルが開発した、5.56mm NATO弾を使用する分隊支援火器。
弾数が200発と異常に多い。
それに準じて無装填状態でも6.9Kgという重さを誇る。
90 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/18(月) 21:52:43.02 ID:6UwaDyLo
投下終了です。
残機が後1しか残っていない…。
91 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:02:53.25 ID:RtfQqZAu
突然ですがもう1つロワを開催しようと思います
OP投下します
タイトル:実験開始
92 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:03:07.29 ID:RtfQqZAu
ひんやりとした床の感触で目を覚ます。
何だろう、この言い表せないほどの嫌な感じは。
幾度か感じた事のある嫌な感じ。

『これで、全員起きたかな』

どこかから声が響く。
目の前で囁かれているような、耳元で囁かれているような。
それとも、背後から?

『諸君に集まって貰ったのは他でも無い』

そのセリフの先が、何となく予測出来る。

『君たちには今から――殺し合いをして貰う』

やはり、殺し合いか。
そう思った瞬間、辺りが急に明るくなった。
見た所、映画館から座席を取ったような場所だ。
辺りを見渡してみる…自分の知る人間もちらほらいるが、どれも複雑な表情を浮かべている。

『こちらに注目して頂こうか』

ステージ上に、突然何者かが現れる。
空中に浮かび、体は透けている。
まるで、ホログラムだ。

『今からルールを発表する』
93 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:03:24.08 ID:RtfQqZAu
――

【ルール】
最後の1人になるまで殺しあう。
時間制限はなし。

【支給品について】
小型PDA、メモ帳と筆記用具、食料、懐中電灯、ランダム支給品(1〜3個)の入ったデイパックが配られる。
それに合わせて、腕にアノマリー探知機を装着させられる。
参加者の私物は没収される。

【小型PDAの機能】
以下の4つの機能がある。
ルールの再確認:説明されたルールや優勝者への特権の再確認ができる。
地図の表示:全体地図と施設の場所、禁止エリアの確認ができる。
時刻の表示:今の時間と、ゲームが始まってからの経過時間を知る事が出来る。
名簿の表示:参加者の名前を知る事が出来る。顔までは分からない

【放送について】
2時間ごとに放送が行われ、前の放送から今の放送までで死亡した参加者の名前と、禁止エリアが放送される。

【会場について】
会場内にある施設の使用は自由。
また、会場ではたまにアノマリー@S.T.A.L.K.E.R.が発生する。

【アノマリーについて】
発生するアノマリーは以下の通り。
Springboard・Electro・Fruit punch。
また、特定の場所でのみ、Timemachineが発生する。
94 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:03:41.28 ID:RtfQqZAu


地図
  1 2 3 4 5 6 7
A丘丘森森街海海
B丘森湖森街海海
C森街橋平街海海
D森街川平森森海
E公街川平森病海
F森平橋平平街ホ
G海海海海森崖海

海:ただの海。
丘:小高い丘。
森:普通の森。
平:普通の整備された道。
川:そこそこ深さのある川。
橋:ただの橋。
崖:ただの崖。
公:公園。
病:病院。
ホ:ホームセンター。

【施設】
A-1:大阪の城(龍が如く2)がある。
A-5:東部のはずれあたりに科幻博物館(クロノス・ジョウンターの伝説)がある。
B-3:湖畔に貸しボート屋がある。
D-2:街の中心あたりに新富製薬(絶体絶命都市2)がある。
F-1:森の中に風祝波祝神社(かまいたちの夜2)がある。
G-5:森の中に蓋(本当に危ないところを見つけてしまった…)がある。

――
95 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:04:05.54 ID:RtfQqZAu
『ルールは以上だ。質問があるなら受け付けよう』

誰も、一言も発しない。
普通なら、こんな得体の知れない場所に連れてこられたら、誰だって怒るであろう。
しかし、誰も何も言わない。
…いや、「言えない」のだ。
この場に漂う、目に見えない威圧感のような物が、文句を言わせないようにしている。

『…次に、首輪について説明させて貰う。諸君の首に付いているのがそれだ』

もはや確認するまでもない。
そうしている内に、いつの間にかステージ上にマネキンが出現していた。
マネキンの首にも、同様に首輪が嵌められている。

『本来なら、生身の人間で試すのだが、今回はマネキンで行う』

突然、マネキンの首輪から電子音が鳴る。
だんだん音の間隔が狭まって行き…。
ドカン、とマネキンの首ごと吹き飛んだ。

『マネキンの首を吹き飛ばした物と同じ物が、諸君の首にも嵌っている』

…予想以上だ。
別れ別れになる位の威力だったっけ、首輪って。

『さて、これで説明は終わりだ。早速、出発して貰う』

――悪夢の「実験」が、今…始まる。

【マイナー参加者ロワイアル 開始】
96 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:04:25.67 ID:RtfQqZAu


【主催】
C-Consciousness

【オカルト(5/5)】
○Tさん/○師匠/○ネタフリ/○マウンテンバイク/○◆uA7Hz14RQg

【絶体絶命都市2(5/5)】
○篠原一弥/○佐伯優子/○柘植明/○速水祐司/○須藤真幸

【龍が如く2(2/2)】
○桐生一馬/○真島吾郎

【かまいたちの夜2(2/2)】
○矢島透/○美樹本洋介

【S.T.A.L.K.E.R.(1/1)】
○Strelok

【クロノス・ジョウンターの伝説(3/3)】
○吹原和彦/○布川輝良/○鈴谷樹里

【コマンドー(1/1)】
○カルロ

【非リレー書き手(9/9)】
○◆VxAX.uhVsM/○◆ymCx/I3enU/○◆WYGPiuknm2/○◆xzYb/YHTdI/○◆8nn53GQqtY
○◆9QScXZTVAc/○◆YcpPY.pZNg/○◆YR7i2glCpA/○◆6LQfwU/9.M

計28人
97 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 22:04:36.03 ID:RtfQqZAu
投下終了です
98 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/18(月) 23:34:17.03 ID:RtfQqZAu
『ルールは〜』の前に以下の2文を付け加えます、申し訳ありません

『それと、殺しあう以上いつかは人数が減っていく。最後まで生き残れた方は元いた場所に帰してあげよう』
『ついでに、願い事があるなら出来る範囲で叶えるつもりだ』
99 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 00:07:56.51 ID:/Fv7ZlR2
マイナーロワ投下します
タイトル:吹原和彦の――
登場人物:吹原和彦
100 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 00:08:11.63 ID:/Fv7ZlR2
「…くそっ、何が何だかさっぱりだ!」

見覚えの全く無い街をふらつき、誰に言うでも愚痴をこぼす吹原和彦。
あの時、間違い無くクロノス・ジョウンターに乗り込んだ。
そして、過去へ向かった…はずなのに。
気が付いたら妙な所に連れてこられて、そしてこのに逆戻り。

「…ここは、一旦落ち着いて、情報を整理しよう」

あの妙な奴が言った中に、「名簿」と言うのがあった。
もしかしたら、来美子さんも。
自分と同様に、ここに連れてこられているのではないか。

「この機械か、どうすれば名簿が出るんだ」

しかし、操作が良く分からない。
無理もない、何度も過去へ飛んでは未来へ飛ばされたが、元は1995年の人間だ。
こんな道具なんて見たこともない。

「…これか?」

適当に、アイコンをタッチする。
すると、画面が切りかわりずらっと名前が表示される。
…やはり、その中に「蕗来美子」の名前はない。
101 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 00:08:33.35 ID:/Fv7ZlR2
「…やっぱり…」

やはり、あの時から、歴史は変わっていない。
結局、自分は愛する人を救えないのか。

「…ここは…」

考え事をしていたからだろうか。
目の前に建物があるのに気が付かなかった。

「…あの博物館じゃないか…」

目の前には、2058年に自分が必死に探した、「クロノス・ジョウンター」の在り処、科幻博物館があった。

「…っ!」

気が付いたら、体が動いていた。
扉を乱暴に開け、脇目もふらずに1階D室に駆け込む。
そこには…確かにあった。
あの時と変わらないままで、クロノス・ジョウンターが鎮座していた。

「早く、早く過去へ行かなければ…!」

クロノス・ジョウンターにくっ付いているボックス状の空間に入る。
しかし、そこでまた和彦は絶望する事になる。
…全く反応が無いのだ。
まるで、機能しないように設定されているかのように。

「…そんな…馬鹿な…」

幸運にも、クロノス・ジョウンターを見つけた所までは良かった。
しかし、動かないのでは何の役にも立たない。

「……」

彼にとって、この事実がどれほどのショックだっただろうか。
希望の一歩手前で、絶望の底に叩き落とされたような物だ。
102 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 00:08:46.51 ID:/Fv7ZlR2
「……クロノス・ジョウンターを使わなくても、来美子さんを助ける方法があるじゃないか」

あいつが言っていた。
『最後まで残れば、願いを叶える』と。
動きそうにないものを使うぐらいなら、確実な方法を選ぶ。
クロノス・ジョウンターから出て、デイパックを漁る。

「……銃……」

銃なんて扱ったことも無いが、別にいい。
最後まで勝ち残るには、力が必要だ。

「…今、助けにいきます」

【一日目・深夜/A-5:科幻博物館】
【吹原和彦@クロノス・ジョウンターの伝説】
[状態]:健康
[装備]:イングラムM10(30/30)
[所持品]:支給品一式、不明支給品×1、イングラムのマガジン×3
[思考・行動]
基本:最後まで生き残って、来美子さんを救う。
1:今、助けにいきます
※4度目の過去への渡航の直後からの参戦です
103 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 00:08:57.82 ID:/Fv7ZlR2
投下終了です
104 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:52:10.98 ID:ZKH2fu3f
投下乙です。
クロノス・ジョウンターの伝説…知らない…おもしろそうだな
では投下します。
DOL3rd32話 それが俺らの歩く道
登場人物:◆YR7i2glCpA、七原秋也、◆9QScXZTVAc、沖田総悟
105それが俺らの歩く道 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:52:36.94 ID:ZKH2fu3f
「……畜生ォォ!!」

七原秋也が叫ぶ。
自分がもたもたしている間に11人の死者が出た。
それだけで、彼が怒るのには十分だった。

「くそ…8n氏が…………あの人が死ぬなんて、くそ……」
「……これ以上殺させねぇ…!」

七原秋也は立ちあがる。
もう死人が増えていってしまっているかもしれない。

「YRさん、立てる?」

七原が◆YR7i2glCpAに肩を貸す。
右足を怪我している彼を気遣ったのだ。

「ありがとう……ごめんね」
「いや、悪いのはあいつなんだ…」
「うん……」

どうにかゆっくりと歩く。
少しづつ前に進んで行った。



   ◆       ◇


106それが俺らの歩く道 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:53:02.80 ID:ZKH2fu3f
「うそだろ…8n氏が死んでしまうなんて…」
「……新八君、死んじまうたァな……」

所変わりこちらは沖田総悟と◆9QScXZTVAcの二人。
七原たちと同じエリアのE-3にいる。

(万事屋の旦那はまだ生きてるし、土方さんも死ぬタマじゃあねぇ…山崎は知らないが)
(しかし、万事屋の旦那…大丈夫か?新八君が死んじまったが…でもまぁ、それほど心は脆くないのは知ってるし)

沖田は少し考えて、すぐに結論付けた。
そして、さっさと動こうとした時だ。

『……畜生ォォ!!』

そんな声が遠くから聞こえてきた。
その声にまず反応を見せたのは◆9QScXZTVAcだった。

「だ、誰でしょうね…この声…」
「さぁな…知らないが、行ってみるかぁ」
「う、嘘でしょ!?危険ですよ!」
「あぁ?だったらお前はここに残ってろい…」
「ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」

さっさと行く沖田を◆9QScXZTVAcは急いで追いかけていった。



   ◆       ◇



「……あれ、誰か人がいる」
「あ、本当ですね…」

七原と◆YR7i2glCpAは人を見つけた。
少し相談したあと声をかける事にした。

「おーい!こっちだ!」

七原が声を上げると向こうも気付いたようで、近付いてきた。
107それが俺らの歩く道 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:53:20.30 ID:ZKH2fu3f
「えー、いきなりでわりィが…お前らは殺し合いに乗ってるか?」
「いや、乗っていない…こんなふざけたゲームなんかには絶対のらない」
「同じくですよ」
「ふぅん…よし、おーけーおーけー…」
「ちょっと!沖田さん!」

そこで◆9QScXZTVAcがやっと追い付いてきた。

「はぁ…って、YR氏!」
「9Q氏か…!良かった…まだ生きてたか…」
「まあ、沖田さんに守ってもらったし…って、その足の怪我…」
「うん、実は…中学生みたいなやつに襲われてさ…」
「本当かィ?それは」
「ああ、俺がどうにか退かせたけど…」

沖田が少し考える。

「なぁ、アンタ等…俺たちと行動しねぇかィ?」
「ああ、俺にとっちゃあ好都合だ!よろしくな!」
「ええ、宜しくお願いします」

二人はためらうことなく承諾する。

「よし、じゃあ……どこに行くか?」
「とりあえず…学校とか市役所とか人がいそうなところで…」
「僕もそれがいいと思います」
「よし、じゃあ行こうかィ」

4人はそこから歩き出した。
ここから反抗が始まるのかもしれない。
108それが俺らの歩く道 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:53:36.53 ID:ZKH2fu3f
【午後/E-3】
【七原秋也】
[状態]健康
[装備]レミントンM870(3/4)
[所持品]基本支給品、こっくりさんセット、レミントンM870の弾(8)
[思考・行動]
基本:殺し合いに反抗。
1:◆YR7i2glCpA、沖田総悟、◆9QScXZTVAcと行動。
2:川田との合流、桐山を最大限に警戒。
3:あの中学生に注意。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は漫画版本編終了後からです。
【◆YR7i2glCpA】
[状態]右足に銃創(応急処置中)
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:七原秋也、沖田総悟、◆9QScXZTVAcと行動。
2:他の書き手さんは信頼できそうか…?
3:あの中学生に注意。
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
【沖田総悟】
[状態]健康
[装備]打刀
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:あの主催の野郎をぶっ殺す。
1:◆9QScXZTVAc、七原秋也、◆YR7i2glCpAと行動。
2:坂田銀時、土方十四郎、山崎退との合流。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は真選組動乱編終了後からです。
【◆9QScXZTVAc】
[状態]左肩に銃創(治療済み)
[装備]なし
[所持品]携帯電話、水(二本)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない。
1:沖田総悟、七原秋也、◆YR7i2glCpAと行動。
2:他の書き手さん達と合流。
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
109 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 19:54:06.68 ID:ZKH2fu3f
投下終了です。
これはいい強力対主催
110 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 20:12:54.82 ID:ZKH2fu3f
投下します。
DOL3rd33話 コインが煌めくそのトキに
登場人物:桐山和雄
111コインが煌めくそのトキに ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 20:13:28.77 ID:ZKH2fu3f
「………」

桐山和雄はそのまま立ちつくしていた。
◆8nn53GQqtYが死んでしまい、なにもできる事が無くなっていた。
放送も終わり、ただ座っているだけだった。

「………」

デイバックから再びコインを取り出す。
そして、コイントスをした。
太陽からの光で煌めいて、下に落ちてくる。
そして、出てきた面は。

「……再び同じ道を歩めという事か」

桐山和雄は◆8nn53GQqtYの死体を持ちあげて、市役所に入る。
そこには、死体が二体いた。

「……これは、マガジンか」

マガジンをデイバックに入れる。
そして、◆8nn53GQqtYの死体を市役所の受付の陰に置いた。

「……すまなかった」

彼は最後に合掌して、外に出た。

「………北に向かおう」

彼は走って北に向かった。
殺し合いに乗る事を再び決意した彼は一体どんな結末を迎えるのか。
まだ今は分からない。
そして、彼はまだ気づいていない…。
「白紙だった」紙に、願いが浮かんできていた事を。

【午後/C-2市役所付近】
【桐山和雄】
[状態]右肩に銃創(治療済み)
[装備]M4カービン(8/30)(グレネード1発) 、FNハイパワー(7/13)
[所持品]基本支給品、 M4カービンのマガジン(1)グレネード弾(2)、ゲームセンターのコイン(19)、 FNハイパワーのマガジン(2)
[思考・行動]
基本:この殺し合いに優勝する。
1:まずは北に行く。
[備考]
※願いは不明です。
※マンガ版死亡後からの参戦です。
112 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/19(火) 20:13:49.66 ID:ZKH2fu3f
投下終了です
113 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:22:59.95 ID:/Fv7ZlR2
マイナーロワ投下します
タイトル:伝説の龍と…
登場人物:桐生一馬、◆YR7i2glCpA
114 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:23:41.44 ID:/Fv7ZlR2
「いつかは参加させられるとは分かってても、やっぱ嫌なもんだな」

新富製薬2階のソファーに腰かけ、自らの不運を憂う◆YR7i2glCpA。
普通に書き手さんとチャットで話してただけだと言うのに…。
スーッと意識が遠のいて、気が付いたらこんなことになっている。

「人殺しなんてしたかないな、やっぱ」

書くのと実際に殺るのは違う。
それくらいは分かっている。

「とはいえ…支給品が悪すぎるだろ…」

武器を期待していた所に出て来たのが、鉄の腕輪のような物。
鉄の腕輪のような物は、小さな液晶画面が付いてはいるが何に使う物か分からない。
何に使うか分からないのでは、何の役に立たない。

「投げてみても…ダメだよな」

PDAをいじりながら呟く。

「大体予想は付いてたけど、書き手さんも沢山参加させられてるな」

一体書き手が何人参加させられているのか数えてみる。
…全部で9人。

(やっぱり多いなあ…って関心してる場合じゃねえだろ…)

何を考えても、何となく悪い方向へ進んでしまう。
しかし、気分転換をしようにも、こんな状況では外をフラつくこともできない。
せめて、普通に武器が出て来てくれたなら、少しは違ったのかもしれない。
115 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:24:01.35 ID:/Fv7ZlR2
「…おい、そこに誰かいるのか?」
「はっ!?」

いきなり声をかけられて、飛び上がりそうになる。
実際、ちょっと飛び上がったかもしれない。
声のする方を照らしてみると…。
かなり、ガタイのいい男が立っていた。
見た目から察するに、30後半と言った所か。

「お、お前は誰だ…?」
「俺は…桐生一馬と言う者だ。お前は?」
「◆YR7i2glCpA…だ」
「YR…本名か?」
「いや、本名はよく覚えてないんだ…」

本名を言おうにも、全く思い出せない。

「桐生さんって呼んでいいか?」
「ああ、お前はどう呼べばいい?」
「…YRでいい」
116 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:24:22.38 ID:/Fv7ZlR2




「桐生さんの武器は?」
「この銃だ。説明書には「FT 200M」とあったが…」

銃と共に説明書を出す。
説明書を手に取り、眺める◆YR7i2glCpA。

【FT 200M:スコープ・グレネードランチャー装備。使用弾薬:5.56x45mm弾・M209グレネード】
(何だか良く分からんが…結構強力そうな銃だな)
「そいつはお前が持った方がいい。見た所、武器を持ってないようだからな」
「ありがとう、桐生さん」

【一日目・深夜/D-2:新富製薬2F】
【◆YR7i2glCpA@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:FT 200M(30/30、グレネード1/1)@S.T.A.L.K.E.R
[所持品]:支給品一式、200Mマガジン×3、M209グレネード×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らないでおく。
1:桐生さんと行動。
2:桐生さんは素手で大丈夫なんだろうか?

【桐生一馬@龍が如く2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、パーソナル・ボグ@クロノス・ジョウンターの伝説
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る気はない。
1:YRと行動。
※本編終了直後からの参戦です
117 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:24:36.22 ID:/Fv7ZlR2
≪支給品紹介≫
【FT 200M@S.T.A.L.K.E.R】
銃としての性能は高いが、入手できる頃には重装甲の敵が多いのでイマイチに。
終盤に登場するため、出番が少ないのも残念。
実銃の名前はFN F2000。

【パーソナル・ボグ@クロノス・ジョウンターの伝説】
「布川輝良の軌跡」に登場。
クロノス・ジョウンターで飛んだ際に、これを装着しておくと長い間過去に滞在できる。
滞在中にスイッチを切ると、即座に未来へ引き戻される。
118 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/19(火) 20:24:48.19 ID:/Fv7ZlR2
投下終了です
119創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 01:59:28.44 ID:fg8YUihh
テス
120 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 21:21:40.25 ID:OO3imf+n
皆様投下乙です 投下します
俺得5 41話 猫耳デストロイヤー 登場:太田太郎丸忠信、安達洋子、シルヴィア
121 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 21:22:25.15 ID:OO3imf+n
41話 猫耳デストロイヤー

「ご主人様、誰か来ます」
「あ?」

何者かを発見し太田に伝える洋子。
太田が確認するとそれは太田が知る人物――クラスメイトの一人の女子だった。

「あいつはシルヴィアじゃねーか」
「ご主人様のクラスメイトの」
「ああ……何だか、様子が妙だな」

公民館の窓ガラス越しに見える、白髪猫耳少女は俯き加減で、制服が血塗れになっており、
更に足取りもふらふらとしているように見えた。
何かあった事は見た目からも明白だったが、太田にとっては別段、どうでも良い事で。

「殺しとくか…」
「はあ」
「多分あいつ正面玄関から入ってくるだろ、待ち伏せしておこうぜ」
「分かりました」

留まっていた部屋から、二人は正面玄関へと移動を始める。

……

もう何もかも嫌になってしまった。

シルヴィアはまるで抜け殻のようになっていた。
守れなかった――サーシャを。他の皆を。目の前で全員殺されてしまった。
この殺し合いにおいて再び会う事が出来たと言うのに、サーシャを助けられなかった。

「……もう、何も希望が無い」

彼女にとってサーシャはこの殺し合いにおける、彼女自身の「希望」そのものだった。
サーシャがいるから再びこの世に蘇られさせられて殺し合いをさせられても、頑張ろうと言う気になれたのに。

「……ああ、もういっその事」

そして自分でも知らない内に、シルヴィアは公民館の入口付近まで歩いて来ていた。

入口の裾辺りから二人の人影が飛び出す。

二人共銃を持っていた。自分の方に構えようとしていた。

シルヴィアは持っていたPPSh41短機関銃をその二人に向けて構え、引き金を引く。


銃声が轟く。
122 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 21:22:57.64 ID:OO3imf+n
数秒後、公民館正面玄関付近は、蜂の巣となり、身体中を銃弾に貫かれた二人の死体が転がっていた。

「……ぐぶっ」

シルヴィア自身もまた、腹の部分に銃弾が突き抜けていた。
二人を殺す直前、銃弾を受けてしまった。どちらのものかは分からない。
銃創からは止め処なく赤い液体が溢れ、シルヴィアの口からも同じ物が流れ出す。
身体中から力が抜け感覚が休息に薄れて行くのを感じシルヴィアは自分がどうなるか悟った。

「はは、サーシャ、今から私も、行くか、ら……」

それだけ言うと、シルヴィアは崩れ落ち、二度と立ち上がらなかった。


【太田太郎丸忠信@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【安達洋子@オリキャラ:死亡】
【シルヴィア@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【残り:4人】

投下終了です
123 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/20(水) 21:43:08.59 ID:ahn41x2s
マイナーロワの方投下します
タイトル:絶体絶命実験
登場人物:速水祐司
124 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/20(水) 21:43:35.05 ID:ahn41x2s
「僕は…一体?」

街灯がスポットライトのように、自分の座っているベンチを照らす。
確かにあの時、エキドナを死滅させた。そして、アポロンに…殺された。
…なのに、自分は生きている。

(このことがどう言う意味なのかは、僕にも分からない)

死んだ人間は生き返る事などない。
それは、絶対のはずなのに。

(しかし、現に僕は生き返っている)

…このことを深く考えても意味はなさそうだ。
今、自分が生き返ったカラクリを解明した所で何にもならない。
125 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/20(水) 21:43:55.11 ID:ahn41x2s
「確か、このデイパックに武器が入っていると言っていた…」

何が出て来てもいいように、身構えながらデイパックを開ける。
出て来たのは…1本の金属バットだった。

「…【組長のバット:あの組長が使っていたバット。】…意味が分からないな…」

とりあえず、護身用の武器にはなりそうだ。
バットとPDA以外の物を仕舞い、デイパックを背負う。

「地図は…これか」

PDAの画面をタッチし、地図を呼びだす。
辺りを見回して、自分のいる場所と地図の情報を照らし合わせる。
辺りに一般的な遊具などがあることから、ここは公園、E-2だと言うことになる。

「…何故、ここにあれが?」

新富製薬。
昔、自分が所属していた会社だ。
そこで、自分はエキドナの開発を行なっていたのだが…。
新富製薬は、富坂市にあるはずなのに…。
まさか、新富製薬をまるまるここに持って来たと言うのか?
そんなこと、できるはずがない。

「…いや、あながち、不可能でもないのかもしれない…」

なにしろ、1回殺された自分が生き返って、こんな得体の知れない場所に連れてこられているのだ。
それを考えると、建物をまるまる持ってくるなんて事も、朝飯前なのかもしれない。

(今は分からないことだらけだ…いろいろ、調べる必要がありそうだ…)
「…まずは、新富製薬に向かってみよう…」
126 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/20(水) 21:44:11.24 ID:ahn41x2s
【一日目・深夜/E-1】
【速水祐司@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:組長のバット@龍が如く2
[所持品]:支給品一式、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:何故こんなことになっているのか調べる。
1:D-2に向かい、「新富製薬」が本当に存在するか調べる。
※Aエンド後からの参戦です

≪支給品紹介≫
【組長のバット@龍が如く2】
攻撃力がなんと80もある、バット系の中では一番強い。
その割には、戦闘中などでよく手に入る。
127 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/20(水) 21:44:22.20 ID:ahn41x2s
投下終了です
128 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:51:48.36 ID:G0SS/UfO
投下乙です。
Aエンドってことは1番良いエンドだったかな…。
しかし2は未プレイだから知らない。
では自分も投下します。
DOL3rd34話 幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜
登場人物:直井文人、土方十四郎、日向秀樹、山崎退、鈴木とおこ、佐々木いちろ、ドラえもん
129幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:52:18.51 ID:G0SS/UfO
「……よかった音無さんはまだ生きている…」

直井文人は放送を聞き終わり少しだけ安心した表情を見せた。
しかし、その表情もすぐに冷たい表情へと変わる。

「……まだ後31人減らさなくてはならないんだ…気を抜くな…!」

直井は民家から拝借した包丁を持ち、歩き始めた。



    ◆       ◇



「……よし、OKだ…行くぞ日向」
「あ、はい…分かりました」

所変わって土方と日向の二人。
放送を聞き終わって、民家から出ようとしていた。

「こんなに死人出たようじゃ、動かない訳にはいかねぇ…」

土方は外に出て周りを見回す。
誰もいない、そう思われる。

「おい、日向…日向?」

後ろを振り向く、するとそこには信じられない状況になっていた。
喉を切り裂かれて即死になっている日向と、包丁を持った男。
一瞬で事情を理解した土方は棍棒を直井に向かった叩きつけようとする。
しかし、それをよけられてしまい、直井は土方に急接近しこう言い放った。

『お前は、僕の言うとおりに動く操り人形だ。
僕に逆らおうなんて思うな、僕に服従しろ』

土方の眼から徐々に光が失われていった。
そして、終わった時には土方はその名の通り『操り人形』となっていた。
130幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:52:39.90 ID:G0SS/UfO

「これをやる…音無さんと僕以外の参加者を殺すのを手伝え」
「……」

無言で受け取り歩き出した。
直井は口元をゆがませて土方について行った。

「…すみません、音無さんを生き残らせるためには…仕方が無いんです」

【日向秀樹@AngelBeats! 死亡】



    ◆       ◇



「のび太君…くそ……」
「……大丈夫か?」
「うん…なんとしても生きて帰って…のび太君を死ぬなんて事を無くさせる…!」
「……(無かったことにさせる?)」

いちろとドラえもんはD-3で放送を聞いていた。
いちろにとっては安心できる事だったが、ドラえもんにとっては最悪の放送であった。

「行きましょう…早くとおこを探したいし…」
「え?とおこ?」
「いや、何でも無いよ…」

あえて隠しておくことにした。
もしこれで勘づかれたら大変だ。

「……あれは!?」
「人がいる…?ね」
「とおこおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「え!?ちょっと待って!」

いちろはドラえもんを無視して走って行ってしまう。
それをドラえもんが追いかける。
一体いちろはどんな光景を見たのか…。



    ◆       ◇
131幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:52:59.31 ID:G0SS/UfO



「なあ、山崎さん…アンタいつまでついてくるんだ?」
「え!?酷いじゃないか!危ないでしょ!?」
「私みたいな高校生に頼っても無駄よ…?」
「くっ…そうだけどさ…」


放送後…さっさと逃げるとおこを山崎が追いかけていたのだ。
傍から見ればストーカーなのだが、気にしないでおこう。

「あれ…人が…いや、あれは土方さんだ!!おーーい!!」
「……あれ?」

山崎が走っていったのを見送る。
しかし、一つだけ違和感を感じた。
なっぜ、向こうは一切の反応を見せてこない?
普通だったら手を振るくらいしてもいいはずだ。

「良かった!土方さんがいればこんな事態…って、あれ?その人は誰ですか?」

山崎が直井を指さして言う。
そして、返事する間もなく土方は手に持っていた包丁で山崎を斬りつける!

「う、うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
ひ、土方さん!洒落になんないッスよ!?」
「…………」
「え…?なんで話してくれないんで…?」
「……!」
132幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:53:29.35 ID:G0SS/UfO

もう一度土方が包丁で切り付けてくる。
もう、それを山崎が避ける事は無かった。

「………くそ、すみません…局長…」
「……!?」

局長と言う言葉を聞き、土方が少し表情を曲げた。
それでも、すぐに無かった事のようにし、山崎に包丁が刺さった。

「良くやりました…では、あそこの女もやってください」
「……」
「や、やめろ!来るな!」

とおこは腰を抜かして、動けなくなっている。
土方がどんどん近付いて行く。
そして、すぐ目の前になった時に、とおこが小さくつぶやいた。

「助けて…いちろ……」
「……」

土方は、それでも容赦なく少女を刺した。
彼女からどんどん血液が抜けていくのが見えた。
罪悪感もなく、ただ立っていた。

「とおこおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

いちろが走ってくる。
しかし、それはもう遅かった。
地面には倒れて、血を流しているのが見えた。

「テメェ!よくもとおこに…ガは…?」
「……」

容赦なくいちろを刺す。
今度はためらいもなくだ。
七不思議を殺してきた彼も、幾度も戦いを切り抜けてきた男には勝てないのだ。

「よし、いいだろう…ここには用が無いから行くぞ」
「……」

ここに、最凶の手駒を手に入れた戦士が生まれたのである。

【山崎退@銀魂 死亡】
【鈴木とおこ@いちろ少年忌憚 死亡】
【佐々木いちろ@いちろ少年忌憚 死亡】
133幻想〜造られた幻想、壊れた幻想〜 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:53:45.78 ID:G0SS/UfO
【午後/D-3住宅街西側】
【直井文人】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(0〜1)
[思考・行動]
基本:音無さんを死なせない。
1:音無さんを見つけたい…。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は本編最終回後です。
【土方十四郎】
[状態]精神操作中
[装備]包丁(現地調達品)
[所持品]基本支給品、棍棒、素麺セット(残り三人分)、マヨネーズ(現地調達・2.5本)
[思考・行動]
基本:直井文人に従う。
[備考]
※参戦時期は未定です。
※願いがなにかは不明です。



   ◆       ◇



「な、なんでこんなことになっちゃったんだ!」

ドラえもんはすぐにその場から離れていた。
いちろが殺された時点で感じた、恐怖。

「ジャイアンはまだ生きているんだ…!早く見つけないと」

ドラえもんはその足で再び走り出した。

【午後/D-3住宅街】
【ドラえもん】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出、そして脱出したらこの殺し合いを事前に止める。
1:とにかくここから離れたい。
2:ジャイアンと合流する。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は未定です。
134 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/20(水) 22:54:34.98 ID:G0SS/UfO
…投下終了です。
ドラえもんも死ぬはずだったが回避させた。
いちろ勢は無傷から一気に残り一人に
135 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:26:34.20 ID:OO3imf+n
投下乙です 山崎ー!
投下します 俺得5 42話 例え全て失っても 登場:志村新八、フラウ、神楽、テト
136 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:27:23.22 ID:OO3imf+n
42話 例え全て失っても

同行者二人の凄惨な死を乗り越え、新八とフラウの二人は市役所へとやってきた。

(銀さんに会いたい、神楽ちゃんにも……どこにいるんだ二人共)

自分が慕う銀髪の天然パーマ侍と、家族も同然の大食い毒舌チャイナ娘の事を思い浮かべる新八。
市役所の入口を潜ると、そこには想像を絶する光景が広がっていた。

「!?」
「な、何、これ……」

ロビーは、死屍累々と言う言葉が正にぴったりな、地獄絵図と化していた。
見えるだけで、十人以上の死体が転がっている。
床は血だらけで迂闊に歩けば滑って転んでしまう、そのぐらい血が溢れている。
死臭が凄まじく新八とフラウの二人は鼻を覆った。

「…新八? 新八アルか?」
「!」

背後から、新八にとって聞き覚えのある声が聞こえ、新八は振り向いた。

「…! 神楽ちゃん!」

少し衣服がボロボロになっていたが、確かにそれは自分が捜していた二人の内の一人。

「新八、新八ぃぃぃいいいい!!」
「神楽ちゃん!!」

大粒の涙を流し駆け寄ってくる少女を、新八もまた涙をその目から溢れさせながら受け入れようとした。


ダダダダダダダダダダッ!!


だが、その再会は三人の背後から放たれた銃弾により引き裂かれる。

「がっ……」
「な……」
「え……?」

フラウと新八、そして神楽がその場に倒れ込む。
その三人に、ゆっくりと、ナース服を着た灰色の猫獣人の少女が歩み寄る。
その手にはイングラムM10短機関銃が握られていた。

「あ、あなたは…テト、さん」
「…フラウさん、だったかな…」

傷口を押さえながら、フラウは自分達を銃撃した主の正体を知る。
137 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:28:14.91 ID:OO3imf+n
「どうして…あなたはこの殺し合いに…?」
「ええ、乗ってるわ…だから、あなた達も殺す」

ダァン!

フラウの頭を.45ACP弾が貫通し、フラウは絶命した。

「ふ、フラウ、さ……何て事、を」

血を吐きながらテトを睨む新八。
テトは意に介さず、次に新八に銃口を向ける。

「やめろ、やめるアル…!」

神楽がテトを睨み、警告する。
立ち上がろうとしたが、銃弾が食い込んだ身体は言う事を聞かない。
夜兎族の特徴の一つである驚異的な治癒能力も上手く働いていないようだった。
それでも何とか動こうともがいている時、神楽は死体の山の中にある物を見付けた。

(――え?)

一瞬、自分の見間違いかと思った。なぜならそれは死体の山の中にあって良い物では無いから。
死ぬはずが無い。今までどんなに危険な戦いでも、死にそうになった時でも、生き延びてきたではないか。
一緒にいつもの万事屋に帰ってこれたじゃないか。

銀髪の、天然パーマ。

死体の中に、あって良いはずが無い。

(う、そ)

ダァン!!

「あ」

頭の中が絶望の思考で満たされる中、目の前で、新八の頭部から赤いものが噴き出し、新八が倒れ動かなくなった。
眼鏡の奥の瞳の内、一つが真っ赤になりそこから血が溢れ出していた。

「新、八?」

全ての希望を失った少女の、掠れた声が響いた。

テトは銃をベレッタM92FSに持ち替え、神楽に向け引き金を引いた。

三発の銃弾は、神楽の命の灯をあっさりと吹き消し、終わらせた。


……
138 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:29:00.18 ID:OO3imf+n
『…はい、これにて殺し合い終了です。第二回放送になる前に終わるとは。
おめでとうございます、テトさん。あなたが優勝ですよ。
それでは今から迎えをよこしますので、その場で待ってて下さい』


【志村新八@銀魂:死亡】
【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【神楽@銀魂:死亡】
【残り:1人】


【ゲーム終了】


【優勝者:テト@自作キャラでバトルロワイアル】


投下終了です
139 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:49:20.48 ID:OO3imf+n
俺得5 最終話行きます
140 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:52:20.37 ID:OO3imf+n
43話 オワリトハジマリ

「あー、おめでとおめでと、テトさん」
「……」

主催者、荒神健児――◆ymCx/I3enUの元に連れて来られたテトの表情に歓喜の色は微塵も無い。

「あら、優勝したのに嬉しそうな顔じゃねーな」
「……」
「まあいいや…凄いな、一人で十人以上殺すなんてな、桐山並だぜ。
…ああそうだ、好きな願い一つだけ叶えてやる。何が良い?」

荒神がテトに尋ねる。
しばらく間を置いて、テトが口を開いた。

「……取り敢えず」

そして、右手を、荒神に向けて翳した。

「……あなたが死ぬ事、で」

神の力が発動し、紅蓮の炎が荒神の身体を包む。

「うおおおおおおおおっ!?」

驚愕の声を発する荒神。
そして火炎が彼の身体を――――焼き尽くす事は無かった。

「なんてな」
「!? な、んで……グッ」

思いも寄らない事態に今度はテトが驚く。そして胸を押さえ苦しみ出した。

「…俺には効かないよ。そんな力は」
「がぁ……あ」
「一応俺も、色々特殊な力使えるんだ。普通の人間じゃないのよ。っていうかさ、
そんな力をバンバン使ったらお前さんの方がマズイんじゃないか?」
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

神の力を酷使する事はテトの身体に重大な負担をかける事にもなる。
ましてや殺人レベルの力を幾度も使ったテトの身体もはや限界に達していた。

「……主催者を殺そうとするなんて、優勝者でも許す事は出来ないな」
「あ…」
「……優勝は無し、だ」

荒神は拳銃らしき物を取り出し、スライドを引いた。

(ラ、ト――――――)

その脳髄を銃弾が突き抜ける刹那、テトの思考が最後に脳裏に再生した映像は、思い人の笑顔――――。

「全滅か、やれやれ……次はどうすっかな……変態集めるかまた?」

自分以外、誰もいなくなった空間で、荒神は次の惨劇の構想を思い浮かべ、笑う。

【テト@自作キャラでバトルロワイアル:死亡】
【俺得バトルロワイアル  END】
141 ◆ymCx/I3enU :2011/07/20(水) 23:53:26.34 ID:OO3imf+n
投下終了です ありがとうございました 次回作も宜しくお願いします
142 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:42:01.91 ID:1qtu0Mbp
投下乙です、完結おめでとうございます
自分もマイナーロワ投下します
タイトル:電撃
登場人物:◆YcpPY.pZNg
143 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:42:25.75 ID:1qtu0Mbp
「…まさか、私自身が参加させられるとは…」

橋の欄干に肘をつき、しばし思案に耽る◆YcpPY.pZNg。
SSとしてバトルロワイアルを開催する事はあっても、まさか実際にやるとは思わなかった。
それだけでも信じられないと言うのに、さらに自分が参加させられているなんて…。
おまけに、自分の本名が思い出せない。
名前として自分の記憶にあるのは、自分のトリップである「◆YcpPY.pZNg」だけだった。

(まあ、名前はなんとかなるでしょう…問題は、協力者をどれだけ集められるかですね)

一番、仲間にするのに手っ取り早いのは自分と同じ書き手さんだろう。
面識も、ある程度ある。
だが、全員を無条件で信用していいと言うことにはならない。
さっき名簿を見て確認したが、書き手さんは全部で9人もいるのだ。

(どの人とも、面識はある程度あるけれど…無条件に、信用することはできませんね)

全員が全員、ゲームに乗らないと言う確証なんて、どこにもない。
何の策も無く接触を図り、殺されては目も当てられない。
やはり、この場では同じ書き手さんでも油断はできない。

(アノマリー探知機、でしたっけ…さっきから、光点が表示されてるんですよね…)
144 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:42:43.88 ID:1qtu0Mbp

腕に取り付けられている機械の液晶画面には、小さな白い点が表示されている。
自分から見て、西側にその光点が示す物があるはずだ。

「見た所、ただの地面ですが…ちょっと、試してみましょうか」

辺りに転がっている石ころを持ち上げ、光点の示す辺りに投げてみる。
2回ほど跳ね、石ころは地面に転がった。
その瞬間、何もない地面から急にバリバリと音を立てながら小さな稲妻が石ころ目掛け走る。

「これは…一体?」

今の現象は一体なんだったのだろうか…。
もしかすると、あれがルール説明の時に言っていた「アノマリー」とやらではなかろうか?
となると、かなり厄介なことになってしまった。
さっきの反応を見る限り、対策なしにここを通れば一瞬で黒コゲだろう。
しかし、あの稲妻を防げそうな物は、今の所持っていない。

「大きさからして、避けて通ることも出来そうにないですね…」

何か、役に立つような物がないか、デイパックを漁ってみる。
自分へのランダム支給品らしき物は、宝石の付いたスーツと、1丁の拳銃。
拳銃は言わずもがな、宝石の付いたスーツも、身に付けてはみたものの稲妻への耐性は無さそうだ。
とにかく、今はここを通る事はできない。それだけは、確かだった。

「仕方ありませんね。他の道を探しましょう」
145 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:43:01.77 ID:1qtu0Mbp
【一日目・深夜/C-3】
【◆YR7i2glCpA@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:宝石スーツ@絶体絶命都市2、シグザウエルP230(7/7)
[所持品]:支給品一式、P230マガジン×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:橋の向こうに行ける他の道を探す。
2:乗っていないと言う確信を得た上で協力者を募りたい。
※C-3の橋西部にElectroが発生しています。

≪支給品紹介≫
【宝石スーツ@絶体絶命都市2】
ゲーム中に入手できる5つの宝石を集めてクリアすると貰える特典。
装備している間は、体が濡れなくなる効果がある。
146 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:43:15.02 ID:1qtu0Mbp
投下終了です
147 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 00:44:42.19 ID:1qtu0Mbp
状態表にミスがありました、掲載時に修正します
148 ◆9QScXZTVAc :2011/07/21(木) 17:54:54.24 ID:ROL7xJAL
投下します
俺主催ロワ第3話:勘違いブルース
登場:伊東学、山寺千佳、番外個体
149 ◆9QScXZTVAc :2011/07/21(木) 18:11:06.47 ID:ROL7xJAL
畜生、と伊東学は内心で吐き捨てる。
警官の地位を持ちながらも、金欲しさに強盗殺人を繰り返した外道の中の外道。
総額5000万円を超えた金を手に入れたというのに、この殺し合いに招かれた。
勿論、主催者を倒そうなんてヒーローじみた考えは捨てている。彼が目指すのは優勝の栄光。願いを叶える…なんてことが本当にあったなら、富と名声でも願うとしよう。

そう考えると途端に上機嫌になり、支給されたスミスアンドウエスンを持つ。
そして、適当に見つけた茶髪の高校生くらいの少女に銃口を向けた。

「かかかっ、悪いな」

ダァン!という音がして弾が放たれる。
次の瞬間、哀れにも少女の頭に赤い華が咲くーーーーー

ことはなかった。
少女が頭を左に反らして、弾を回避したのだ。

なっ!?と呻く学の右腕と左脇腹を錆びた鉄釘が貫通した。
少女は嘲るような笑みを浮かべながら片手で鉄釘を弄び、その右手から青い電気が迸っていた。知る者はこう語るだろう、『発電能力者/エレクトロマスター』と。
学が体勢を立て直そうとすれば、バチッ、と火花が散ってその意識が奪われる。

「悪いねー。ミサカちょっと過激なのが好みなんだ」
150 ◆9QScXZTVAc :2011/07/21(木) 18:30:24.06 ID:ROL7xJAL
少女は学の頭を軽く蹴り飛ばし、意識がないことに少し失望する。
そして、スミスアンドウエスンを奪い取り、またどこかへ歩いていく。

「(あーあ。面倒な事になっちゃいましたよーっと)」

第三位『超電磁砲』のクローン、『妹達』の中でも悪意を吸いやすい性質に調整された個体ーーー言うならば『番外個体/ミサカワースト』は、心底面倒そうに歩いていく。
ロシアから帰還し、第一位と暗部の『新入生』を撃退した辺りで急に意識が落ちた。
心理操作系の能力者の仕業だろうが、これはかなり大規模な犯罪だ。黙っていても警備員が駆けつけ、主催を制圧するだろう。
が、番外個体にはどうしてもそう思えなかった。
学園都市なら、まず首輪の性能が低すぎる。確かに精密な作りではあったが、これでは外部からのジャミングで解除されてしまうだろう。

「(…まあ、適当にふらつくとでもするかな)」

【深夜/d-2】
【番外個体】
基本:殺し合いには乗らない。適当にふらつく。
1:上条当麻を探す。
※新約一巻、『新入生』撃退後からの参加です


「……大丈夫かな」

県内記録でもかなりの上位に食い込む高校生アスリート山寺千佳は、伊東学の止血をしていた。
151 ◆9QScXZTVAc :2011/07/21(木) 18:38:27.03 ID:ROL7xJAL
彼女は何も知らない。
助けた男が、私利私欲の為に罪を重ねる外道だという事も。

【伊東学】
基本:殺し合いに乗り、優勝を目指す。
1:………。

【山寺千佳】
基本:死にたくない。
1:目の前の男の人(伊東学)が目覚めるまで待つ。
2:番外個体を警戒。


【伊東学】
29歳の警官。役職は警視。金目当てに強盗殺人を繰り返している。
殺したのは20人以上、奪った金は5000万円にも及ぶ。

【山寺千佳】
17歳のアスリート少女。
人が良すぎるのが災いしてか、よく騙されたりする。
152 ◆9QScXZTVAc :2011/07/21(木) 18:39:37.67 ID:ROL7xJAL
投下終了です
153創る名無しに見る名無し:2011/07/21(木) 20:25:01.77 ID:U1VHRKAc
投下乙です。
失礼かもしれませんがロワ投下です。
「戦力の差がカオスロワ」
154◇Su960nSX:2011/07/21(木) 20:32:06.54 ID:U1VHRKAc
   【銀魂】3/3
 O坂田銀時 O神楽 O泥水次郎長 
   【ハガレン】8/8  
 Oエドワードエルリック Oゾルフ・J・キンブリー Oイズミ・カーティス Oジャン・ハボック
 Oバリー・ザ・チョッパー Oラース(キング・ブラットレイ) Oランファン Oリンヤオ(グリリン)
   【ゴールデンスランバー】 2/2 
 O小鳩沢(ショットガンの男)O三浦(キルオ)
   【オデュボーンの祈り】 3/3
 O伊藤 O桜 O日比野
   【グラスホッパー】2/2 
 O蝉 O比与子
   【ワンピース】3/3 
 Oトニー・チョッパー Oニコ・ロビン Oジュエリー・ボニー
   【もののけ姫】2/2
 Oアシタカ(アシタカヒコ) Oサン 
   【ゲド戦記】 3/3 
 Oアレン Oゲド(ハイタカ) Oテルー 
   【ターミネーター】2/2
 OT1000 Oサラ・コナー
   【プライベートライアン】2/2
 Oダニエル・ブーン・ジャクソン Oティモシー・E・アパム
   【BLEACH】2/2
 O黒崎一護 O藍染惣右介
   【メタルギア】 1/1 
 Oネイキット・スネーク(BIG BOSS)
   【バイオハザード】1/1 
 Oアリス・アバーナシー
   【キノの旅】1/1 
 Oキノ
   【XMEN】1/1 
 Oウルヴァリン
   【実際の人物】 1/1
 Oチャールズ・ホイットマン 
以上36人と一匹

155創る名無しに見る名無し:2011/07/21(木) 21:15:09.38 ID:U1VHRKAc
いざとなったら、投下に失敗しました。すみません。
練り直しも込めて、近々投下します。
とにかく、能力の差が大きいです。
盛り上がっていたのにお邪魔してみなさん、失礼いたしました。
156 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 21:58:55.63 ID:kEovbSby
新ロワ予定ですか…藍染さんとかマジ期待しております!
では自分も投下します。
DOL3rd35話 戦争の開始だ
登場人物:古川正人、◆6LQfwU/9.M、人吉善吉、桐山和雄、我妻由乃
157戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 21:59:37.17 ID:kEovbSby
「……11人死んでるらしいぜ?お二人さん」

A-2の商店街にいた三人のうち、最初に口を開いたのは古川正人だった。
彼の殺す目的である三瀬竜二は死んだ。
しかし、すぐに彼は死ぬという訳にもいかない。
目の前に二人の人間がいるんだ。

「お前ら…これからどうする?」

まずはこれからの行動方針を聞く。

「俺は、めだかちゃんを探したい…手伝ってくれないか?」

次に口を開いたのは人吉善吉だ。
自分の幼馴染である黒神めだかを探したいと言う。

「めだかちゃんがいれば、どうにかこの殺し合いを止めれると思うんだよ」
「ふーん、6Lさんはどうする?」
「……手伝うよ、死んだ8n氏のためにも止めなきゃいけないんだ」
「うんうん、分かった…じゃあ、黒神さんって言う人を探す…ってことでOK?」
「ああ…二人とも、ありがとう」
「いや、お礼は僕よりは古川君の方に言ってあげてよ」
「堅苦しいのは無しな」

古川が気にせず歩き出そうとした。
そう、歩き出そうとしたが動けなかった。

「……人吉、手伝え」
「は?どうしたんだよ…ッ!?」
「……そこの三人、少し話をしてもいいか?」

三人の目の前に現れた男は淡々と話してきた。
古川も人吉も戦闘態勢に入った。
158戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:00:04.21 ID:kEovbSby

「6Lさん……逃げてくれ」
「え……でも、相手は……」
「足手まといだ…と言えばいいのか?」
「ッ…!」
「悪い、でも…あいつはやばい、逃げてくれ」

桐山から視線をそらさずに行っている所から、本気だと分かった。
◆6LQfwU/9.Mは急いでその場を離れようと後ろを向いて走り出した。
古川はそれで安心しきってしまった。

パン

乾いた音、そして後ろから聞こえてくる嗚咽…それが銃を撃った音だと分かるまでに時間はいらなかった。
古川は急いで後ろを見る。
するとそこには、血を流して倒れていた◆6LQfwU/9.Mがいた。

「6Lさん!」

急いで古川が◆6LQfwU/9.Mの所に走る。
人吉がなんとか桐山を引きつけている間に、◆6LQfwU/9.Mの所にたどりついた。

「は、はは…無、理だと、は…思ってたけど、さ」
「くそ…ゴメン……俺がもっとしっかりしてれば…!」
「気にしないで、古川君」

◆6LQfwU/9.Mは少し笑ったような顔を見せた。
そして、弱弱しい口から、最後の言葉が放たれた。

「ああ、でも…もっと、皆と、話したかっ、たな…」

◆6LQfwU/9.Mの最後を看取った古川はすぐに名刀「電光丸」を構えて桐山のもとへ走っていく。
その目は、青い鬼と対峙した時と同じ目だった。
古川がいきなり頭を狙うと、桐山はM4カービンの銃身で受け止める。
159戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:00:27.96 ID:kEovbSby
「テメェ…!ふざけてんじゃねえぞおおおおおおお!!!」
「古川!落ち着け!」
「……」

桐山は一切押される事もなく、古川の刀を受け止めている。
それどころか、若干押しているようにも見えた。
桐山は、古川を払いのけて銃を撃つのではなく、刀を使うような構えにする。

「く、ナメてんじゃねえぞおおおおお!!!」

古川が電光丸で対抗しようとするが、古川がそこである事に気が付く。
桐山の筋が、自分の筋に異常なほどに似ている事に。

「テメェ……まさか、一回ので俺のを盗んだとでも言うつもりなのかよ…」
「………」

それでも、古川は気にせずにとはいかないがある程度落ち着き戦いを続ける。
武器の重さ、威力から見ても古川に圧倒的な分があったはずなのだ。
それなのに、古川が押されている理由は至極簡単な事であった。

天才と凡才の圧倒的な力量差……それだけだった。

いつの間にか、桐山に傷ひとつないまま古川はボロボロになっていた。
人吉が加勢しても勝てない、圧倒的な力量差だ。

「……あー、駄目だなーこりゃあ」
「おい、あきらめんじゃねえよ…!」
「でも、こりゃあどうすんだっての…俺の唯一の剣技も通じないしさ…」

半分諦めたような表情に古川が変わった。
それを見た桐山が、とどめを刺すかのように銃を構え、発砲した。

パラララッ

その音とともに、古川はその場からいなくなっていた。
倒れた訳でもない。桐山に向かって突進していた。
腹部に銃弾を受けながら、それでも止まることなく桐山の懐に飛び込んだ。

「冥土の土産だ!受け取れ!!」

腹部に電光丸を刺し、そのまま勢いに任せて転がっていった。
160戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:00:50.43 ID:kEovbSby
「あー、クソ……いてぇな…笑子、すまねぇ…駄目っぽいわ」

そして、桐山がFNハイパワーを発砲する。
古川の頭には穴があき、血が流れ出ていた。
それを桐山は、まるで虫でも見るかのような目で見ていた。
人吉はその状況を見て異常だと思った。
銃で撃たれても臆することなく突進して、相手に傷を負わせた。

「クソ…!こうなりゃ、使うしかないか…」

<欲視力>を発動する。
そして、桐山の視界を撮る。
その視界に映ったのは、全て同じような物と取っている世界だった。
そう、すべて平等にしたような視界である。

「な、なんだこいつ…!」
「……」

桐山はグレネードを人吉に向けて撃った。
それを蹴って、遠くに弾き飛ばした。
弾き飛ばして、終わりではなかった。
桐山はその後すぐにリロードしていたM4カービンを乱射した。
その弾は人吉でも避けられず、弾丸が彼の体を襲った。

「ゲ……ホッ…!?」
「………」
「ちく、しょ…まちやが、れ……!」

人吉は這いつくばりながらも桐山の足を掴む。
それは彼の最後の意地と言っても過言ではなかった。

「めだかちゃんを、悲しま、せるわけにはいかないんだよ…!」
「………」

桐山はバックからグレネードを取り出し、装填する。
それを、人吉の顔に向かて撃とうとする。
しかし、それをするにはあまりにも危険だと判断して桐山は心臓部に撃った。
爆発して、人吉の体は動かなくなっていった。
161戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:01:22.65 ID:kEovbSby

「……」
「待ちなさい……!」
「?」

桐山がその場を離れようとした時、いつの間にか縄の拘束を解いていた我妻由乃が立っていた。
鉈を右手に構えて、桐山にいまにも襲いかかりそうな雰囲気を出していた。

「お前…ユッキーを殺そうとしているな…!」
「…………」
「見ていたぞ…お前はきっとユッキーもこいつ等と同じように殺す気だな…!」
「……そのユッキーが誰かは知らんが、俺は全員殺すことに変わりはない」
「ならっ…!死ねェェェェェェェェエエエエエエエ!!」

鉈で足を斬りつけようとするが、それは避けられる。
次に由乃は古川が使っていて、落ちている電光丸を桐山に投げつけた。
丸でナイフ投げのように、刀を投げつけたのだ。

「……」

キィン、とはじく音とともに由乃は桐山を斬りつけていた。
古川でもなしえなかった桐山への無傷での攻撃。
これこそまさに『愛』のなせる技であった。

「ユッキーと私の恋を邪魔するんなら…友人だろうと親だろうと神だろうとなんだろうとぶち殺すわ!」

彼女が言うと冗談に聞こえない、というか本気で言っているのだろう。
鉈を再び構えて、桐山を攻撃する態勢に入った。
桐山は、M4カービンの中に残弾が入っていないのを確かめて、グレネードだけ我妻由乃に向かって撃つ。
それをすぐに避けるが、桐山はM4カービンを投げつけた。
それを鉈で無理やり地面に打ち付けて、銃口を破壊する。

「さぁ、あんたの武器はなくなったわよ…!」
「……」

桐山は次に、電光丸を拾った。
こいつは自分が思っているよりも強敵だ。
あの殺し合いの中でもここまで苦戦したのは三村と川田と七原の三人くらいだろう。
遠距離がだめなら近距離線だ。
162戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:01:43.54 ID:kEovbSby
古川の筋を見切った彼には、それ以上に力を引き出せている。
由乃がすぐに桐山を狙うが、それをはじかれてしまう。
そのはじいている間に桐山が無理やりに心臓に向かって刀を突きだした。
それで終了、と行く訳もなく由乃はその刀を素手で受け止めた。
握った部分から血が流れる、しかしそれは桐山を掴んだ事と同等だった。

「勝機、死ねええええええええええええええええええええええ!!!!」

由乃は鉈で桐山の脳天を割ろうとする。
それを桐山は、刀を離して左に避ける。
そして、由乃を思いっきり蹴りつける!

「ぐ、ガァっ!」

凄まじい音、皮膚が削れる音がするがそんな事も気にせず由乃は受け身を取った。
そして、そこで二人とも止まった。
攻撃する隙を窺っているのだ。
桐山はFNハイパワーを持っているが、無駄に撃てばそれが隙となる。
簡単に撃つ事が出来ないのだ。

「…………」
「…………」

二人は、しばらく動かなかった。
そして、静寂が支配していたその時…一つの雑音が場を包んだ。
その音に反応したのは我妻由乃の方だった。
しかし、隙を見せる事が出来ないため見ることも難しい。

「………」

桐山は相変わらず隙を見せない。
ここで、我妻由乃は一つ作戦を立てる。
あえて、隙を少し見せて襲いかからせよう。
そんな単純な作戦ではあるが、それはとても危険な事である。
それでも、自分の恋人である天野雪輝に何かあったとすれば気にせずにできる訳が無い。
一時的な欲と勝利を両方勝ち取る、そんな作戦だったのだ。
形だけは完ぺきな作戦だったのだ。
163戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:02:05.98 ID:kEovbSby

由乃はちらっと携帯電話を見る。
書かれている文字を見る、そこに書かれていたのは。

-----------------------------------------
15:40
[??]
どうしよう!ユッキーが襲われてるよ!
由乃が助けなきゃいけない!

15:50
[??]
ユッキーが死んじゃった…
-----------------------------------------

「ッ!?」

それは予想外の日記であった。
雪輝が殺される日記だなんて誰が予想したか。
それが、異常なほどの隙を作ってしまった。
これを桐山が見逃すはずが無く、斬りつけに行く。
由乃は急にきた桐山への対応に手間取った。
結果、桐山の刀が由乃の右肩を貫いた。

「グ、ワァ!!」
「………」
「くそ……ふざけんな………このクソ野郎があああああああ!!!」

彼女は焦っていた。
雪輝の死亡表示…それだけで彼女にとって焦るべきことなのだ。
時間ももう少しと来ている。
だから、早く終わらせないといけない。
それが、とても大きな焦りと隙を生んでいるとも知らずに。
164戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:02:32.41 ID:kEovbSby

「………」
「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

斬りつける、しかし避けられる。
再び斬りつける、再び避けられてしまう。
それが延々と続く。
結果、体力が限界を迎えた我妻由乃と体力に余裕がある桐山和雄の図だった。

「くそ…相手をしやがれ…!」

戦力でも差があるうえに、心理状態でも差をつけられてしまった。
これで、勝負の結末は見えてしまった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!
死ねえええええええええええええええええええええええええ
えええええええええええええええええええええええええええ
えええええええええええええええええええええええええええ
ええええええええええええええええええええええ!!!!!」

桐山は、臆することなく我妻由乃を迎え撃ち、斬りつけた。
腹から、大量の血液が噴き出す。

「ゆ、、ッキー、ご…めん、愛しているよ…ユッ、キー」

我妻由乃は、一度神となった少女はここで命を落とした。
そして、この場に立っていたのは神の子。
いや、悪魔の子……桐山和雄だった。



   ◆       ◇



「ふん、終わったか」

全員殺し終わった彼には、疲れの色もなかった。
彼にとって殺すことは当然のことだ。
特に、この殺し合いと言う場にとってはだ。

「……?紙が、いつの間に」

白紙で何も書いてなかった紙に字が浮き出ていた。
それに書かれていた字を読む、そこに書かれてたのは。

『あなたが守ろうとした人を、生き返らせる権利を与えます』

そう、それは願ってもない事ではある。
約束を勝手に破ってしまったのだから。
それは最低限の罪滅ぼしにはなるであろう。
165戦争の開始だ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:02:52.44 ID:kEovbSby
「………」

彼は歩き出した。
その近くに転がっていた死体には、いっさい目もくれずに。

【◆6LQfwU/9.M@非リレー書き手 死亡】
【古川正人@オリキャラ 死亡】
【人吉善吉@めだかボックス 死亡】
【我妻由乃@未来日記 死亡】

【午後/A-2商店街】
【桐山和雄】
[状態]右肩に銃創、腹部に刺し傷、
[装備]FNハイパワー(6/13)、名刀「電光丸」(バッテリー切れ)
[所持品]基本支給品、ゲームセンターのコイン(19)、 FNハイパワーのマガジン(2)
[思考・行動]
基本:この殺し合いに優勝する、そしてせめてもの罪滅ぼしをする。
1:中央部…学校に向かう。
2:七原と川田はと会っても、容赦しない。
[備考]
※願いは『守ろうとした人を、生き返らせる権利』です。
※マンガ版死亡後からの参戦です。
166 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/21(木) 22:03:31.79 ID:kEovbSby
投下終了です。
願いの守ろうとしていた人はあのお方です…話を読めば誰か分かるはず。
167 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:11:03.81 ID:1qtu0Mbp
投下乙です 俺死んじゃった…
マイナーロワ投下します
タイトル:動き出す狂犬
登場人物:真島吾郎、◆8nn53GQqtY
168 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:11:47.42 ID:1qtu0Mbp
「一体何なんや、さっきのは…」

せっかく爆弾を解除して、いい気分でメシでも食いに行こうとした瞬間、気が遠くなって…。
気が付いたら、訳の分からない場所に連れてこられて、訳の分からないことをやられて…。
極め付けが、この腕にくっ付いて外れない妙な機械だ。

(アノマリー探知機…アノマリーが何なんかはよう分からんが…まあええわ)

どんなに引っ張っても取れない。
探知機より先に、手の方が外れてしまいそうだ。

(それより、ここはどこなんや。妙にボロい神社やな)

目の前にあるのはボロボロの神社。
鳥居に書いてある字は…読みかたが分からなかった。

「ちょっと蹴ったら壊れるんやないか?これ」

まあ、そんなことはどうでもいい。

(ここに立っとくのも何やし…中、入ってみよか)


169 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:12:07.39 ID:1qtu0Mbp




中は、予想通りボロボロだった。
天井は蜘蛛の巣だらけで、見るに堪えない。

(さて…何が入ってるか、拝見と行こうやないか)

デイパックをさかさまにし、中身を乱暴に放り出す。
中から、PDAや食料などが転がり出てくる。
それと一緒に転がり出て来たのは…長めのドス。

「おっ、ドスやないか…」

思わず舌なめずりをしてしまう。
いつも使っているモノでは無いが、まあいい。
喜んでいたのもつかの間。
もう1つ転がり出て来た物に、目を奪われる。
ベルトのような物にくっ付いた、微妙に動いている妙な物体。

(何やこれ…)

一緒に出て来た説明書を読む。

「何々…【Mama's Beads…防弾性能向上系アーティファクト。防弾性能+5%。デメリット無し。】…訳分からんわ」
(こんなモンで、本当に弾丸を防げるんかいな…?)
170 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:12:29.51 ID:1qtu0Mbp
とりあえず、効果を信じて身に付けてみる。
…何となーく、弾丸に強くなった気がする。

「さて…待っててや、桐生チャ〜ン!」

【一日目・深夜/F-1:森】
【真島吾郎@龍が如く2】
[状態]:健康
[装備]:長ドス@龍が如く2、Mama'sBeads@S.T.A.L.K.E.R.
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:桐生チャンを探して戦う。他はどうでもええ。
1:待っててや、桐生チャン。
※15章で会話した直後からの参戦です



「…い、今の人は一体…」

今の男が走り去ったのを確認し、茂みから出てくる◆8nn53GQqtY。

(あの人、何か危なそうだったし…接触しなくて正解だったかも…)

一応、周りに誰もいない事を改めて確認する。
その後、神社内へ入っていく。
中は真っ暗で良く見えないが、人の気配は感じない。

「…良かった、誰もいない」

誰もいない事に安堵し、思わずその場に腰を下ろしてしまう。
…埃で汚れるぐらい、気にしている場合ではないが、気分のいい物では無い。

(…それにしても…支給品がロケットランチャーなんて…私の力じゃ、重すぎて扱えないよ)

自分に支給されたのは、大型のロケットランチャーと小さな説明書。
説明書には「敵に向けて撃て」とだけ書いてあった。

「撃つ以前に、構えることすらできないんじゃ、何の役にも立たないし…」

武器の強さ的に言えば、十分「当たり」なはずなのに。
扱えないのでは、ただの重りだ。

「…こんな森の中じゃ、誰も通らなそうだし…やっぱり、人通りの多そうな所に行ってみよう」
171 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:12:43.78 ID:1qtu0Mbp
【一日目・深夜/F-1:風祝波祝神社内】
【◆8nn53GQqtY@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:ロケットランチャー@コマンドー
[所持品]:支給品一式、説明書、予備弾×2
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:人通りの多そうな場所へ行ってみる。
2:書き手さんたちは…どうしようかな


≪支給品紹介≫
【長ドス@龍が如く2】
その名の通り、長くリーチの広い武器。
そのリーチの広さもあって、使い勝手のいい武器。

【Mama'sBeads@S.T.A.L.K.E.R.】
Timemachineの中にあるアーティファクト。
性能の上昇数値は低いが、デメリットが無いので使いやすい。

【ロケットランチャーと説明書@コマンドー】
説明書を読むだけで撃てるスゴイ物。これでシンディーがメイトリクスを助けた。
ただし、構えることが出来なければ意味が無い。
172 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/21(木) 22:12:58.86 ID:1qtu0Mbp
投下終了です
173 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/22(金) 20:10:00.87 ID:4EbYRXt3
投下乙です。
説明書を読むだけで撃てるロケランってすごい。
では自分も投下します。
DOL3rd36話 心を強く持つ事の大切さ
登場人物:剛田武、◆xzYb/YHTdI
174心を強く持つ事の大切さ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/22(金) 20:11:07.65 ID:4EbYRXt3
「……スネ夫、しずかちゃん…」

B-4テレビ局…そこに剛田武と◆xzYb/YHTdIがいた。
◆xzYb/YHTdIはいまだ気絶しているので放送を聞いていたのは剛田武だけという事になる。

「…う、」
「は…!起きたのか!?」
「ぐ……ここどこ?」
「テレビ局の中…何があったか覚えているのか!?」

◆xzYb/YHTdIは周りを見る。
テレビ局と言っていたが、その中のどこかの部屋だろう。

「うーん、何があったって言われても…思いだせない」
「……そうか」
「君の名前は?」
「剛田武、皆からはジャイアンと呼ばれている!」
「ジャイアンか…ありがとうね、僕は◆xzYb/YHTdI、よろしく」
「は?えっくすなんだって?」
「……xzでいいよ」
「分かった…しかしそんな難しい名前がこの世にはあるんだな…」

実際そんな名前はない。
しかし彼にはそんな事が分かるはずが無い。

「……えーと、悪いんだけどさ……今何時?」
「15時32分だけど」
「え!?いつの間に…って言うか放送…」
「ああ、それなら大丈夫…ここは禁止エリアじゃない」
「そうか…よかった……で、死んだ人って覚えてる?」
「……ごめん、友達が死んで…聞き取れなかった」
「(あ…やっちゃった…)ご、ごめん…悪かったよ」
175心を強く持つ事の大切さ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/22(金) 20:11:43.34 ID:4EbYRXt3
「いや、こっちこそちゃんと聞いてればよかったんだ」
「……あのさ、一緒に協力して…Vx氏…いや、あの男を倒さない?」
「…………そうだな!よろしく!」

ここに、二人の男が同盟を組んだ。
彼らが知らぬ間に、大量に死人が出ていることなど…知る余地もなかった。

【真昼/B-4テレビ局所長室】
【剛田武】
[状態]身体的疲労(中)
[装備]お医者さんごっこカバン(残り2回使用可能)
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:殺し合いの主催への対抗。
1:◆xzYb/YHTdIと仲間を集めたい。
2:ドラえもんとの合流。
3:蝶ヶ崎蛾ヶ丸を危険視。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は未定です。
※蝶ヶ崎蛾ヶ丸の容姿を記憶しました、死んでいる事は知りません。
【◆xzYb/YHTdI】
[状態]左肩に銃創
[装備]なし
[所持品]基本支給品、大螺子
[思考・行動]
基本:主催を止める。
1:ジャイアン君と行動する。
2:……誰も死んでないといいな。
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
※彼の過負荷としての人格が死にました。そして過負荷時の記憶はすべてなくなりました。
※放送を聞き逃しました。
176心を強く持つ事の大切さ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/22(金) 20:12:17.37 ID:4EbYRXt3
投下終了です。
この二人って結構他から離れているイメージ。
177 ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:18:45.93 ID:5Tk37Y0P
投下乙です 新ロワOP投下します
ロワ名「エクストリーム俺オリロワ2nd」以前打ち切ったロワの再利用w
178オープニング(EX俺オリロワ2nd) ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:20:16.31 ID:5Tk37Y0P
0話 オープニング(EX俺オリロワ2nd)

ここはどこだ。
俺こと三谷傑はいつの間にか大勢の知らない人間やら獣人やら獣やら魔物やらがいる、
木造校舎の講堂みたいな所にいた。
おお、俺好みのオスケモやメスケモ、美少女だらけじゃないか、良いねぇ。
いや、良くねー、ここどこだ? 何か首に首輪的なもんがはまってるのだが。

「目、覚めたかな、みんな」
「注目」

講堂のステージの上に、黒と白の毛皮の狼獣人の少女と、スーツ姿の人間の男がいた。
あの狼ちゃんも可愛いな、おっぱいでかいし。
スーツ男、顔にでっけぇ傷あんな、ちと怖いな。

「まず自己紹介、私はアンネリーゼ、こちらは梶井伸一郎さん」

ふぅん、あの子、アンネリーゼって言うんだ。

「おい、俺をここに連れてきたのはお前らか? どういうつもりだよ」
「今日、大事な用あるんだから帰してよ」

何人かがアンネリーゼに突っ掛かる。多分全員、自分の都合関係無しにここに連れて来られたんだろう。
俺と同じように。俺だって今日前から気になってたエロゲが発売されるってのに何でまたこんな。

「……悪いけど、ただでは帰せない」
「……これからあんたらにはゲームをして貰う。それに優勝出来たら帰してやる」

はぁ、何言ってんだ……?

「殺し合い」

……えっ。

「殺し合いを、して貰うよ。あなた達40人で、最後の一人になるまで殺し合いをして貰う」

……何言ってんのあの子?
いやいやいや意味が分からないんだけど。

「おい、ふざけんな!」
「いい加減にしてくれ!」
「帰してよ! 家に!」
「何言ってるか分からない」
「所で俺のこれを見てくれ、こいつをどう思う」
「凄く…大きいです」

大ブーイングの嵐だ、当然だろうな。
何人かが前方にいる二人に詰め寄ろうとしている。
ん、アンネリーゼが何やら右手を翳して――――。
179オープニング(EX俺オリロワ2nd) ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:21:03.68 ID:5Tk37Y0P
ドォン!!

「うあっ」
「ぎゃっ」

詰め寄ろうとした数人が何かバリアみたいな物に弾かれて吹き飛んだ。
何だあれ、魔法って奴か? 凄いな初めて見た……いやそうじゃねーよ。

「……大人しく話を聞いてくれないなら、実力行使に出るよ」

そう言い放つアンネリーゼは異様に殺気立っている。少なくとも「実力行使」と言う物がハッタリでは無い事は窺えた。
それを全員察したのか、ざわめいていた人々が静かになった。

「……ありがとう。それじゃ説明するよ、殺し合いの、ね」

……

アンネリーゼ及び梶井から聞かされた殺し合いの概要は大体次の通りだ。

俺達、つまり参加者全員に爆弾内蔵の首輪をはめ、最後の一人が決まるまで殺し合って貰う。
最後まで生き残った一人が優勝者となり、家に帰る事が出来る。
会場内での行動に反則は無しとし、参加者間のやり取り、施設の利用は自由だと。

首にはめられた首輪は、次のいずれかの条件満たすと爆発する代物らしい。
@禁止エリアへの侵入(会場の外も同様。この場合作動して30秒で爆発する。時間内に禁止エリアから脱出すれば爆発は免れる)。
A無理に外そうとする
B運営側への反逆行為(ゲームの進行に大きな支障を来すような行為を行った場合に限る)
爆発したら、死ぬだろうな。

8時、12時、16時、20時、0時、4時に運営側からの放送がありその時刻までの新たな死者と禁止エリアの発表が行われる。

参加者には地図、参加者名簿、筆記用具、懐中電灯、懐中時計、コンパス、水と食料の基本支給品一式、
武器などのランダム支給品が1〜2個入ったデイパックを渡す。
デイパックには何でも入れられるが、参加者や明らかに常識外れの物(例:乗用車)は入らない。
ランダム支給品は当たり外れがあると。

参加者全員が死亡したり、12時間一人も死者が出なかった場合優勝者無し=ゲームオーバーとなる。
後者の場合はその時点で生き残っている全員の首輪を爆破……マジかよ。

……

「……それと、今いるこの分校のあるエリアはゲームが始まってすぐに禁止エリアになる」
「私達はこの分校で皆さんが戦うのを見守ってるから」

……ああ、それはつまり、何とかしてこの分校襲えばこの殺し合い潰せるって事?
いやでも禁止エリアになるって言うし、そうは簡単には行かねぇか……。
ああ、何でこんな事になっちまったんだ、俺、何か悪い事……うーん、したな結構。
覗き、女の子の下着盗み、ボディタッチ色々。

「……ああそうだ、首輪が爆発したらどうなるか、見せてあげる」

え?
アンネリーゼはスカートのポケットから何やら小さなリモコン的な物を取り出す。
それを人々に向けて、ボタンを押した。
180オープニング(EX俺オリロワ2nd) ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:22:47.16 ID:5Tk37Y0P
ピーーーーーッ

「え、何……」

バァン!!

……おい、マジか。マジか。マジか?
一人の女の子の首輪が爆発して女の子の喉に穴空いたぞ。
血が噴水みたいに噴き出して、女の子はうつ伏せに倒れて――――死んじまった?
死んだ!? 死、マジかおい……。

「きゃああぁぁあああぁあ!?」
「何て、事を」

「……名簿に載ってる今の小堀実緒さんの名前は消しておくね。見れば分かるよ。
それじゃ、首輪の威力を分かって貰えた所で、ゲームスタートと行こうか、頑張ってね」

そう言い終わると同時にアンネリーゼは呪文のような物を唱えた。
……あ? 何だ、急に、眠く――――。

……

「……姉さんがハマっていた『バトルロワイアル』、どんなものなのかな」
「……俺らも出来る限りの協力はするよ。俺も興味あるからな、柴田さんや宮原さんが受け持った『バトルロワイアル』には」

誰もいなくなった、否、少女の死体が残された講堂で、アンネリーゼと梶井伸一郎は語る。



【小堀実緒:死亡】}
【残り:39人】}

【エクストリーム俺のオリキャラでバトルロワイアル2nd:開幕】


≪キャラ紹介≫
【三谷傑】  読み:みつや たけし
19歳の大学生。ケモノと美少女をこよなく愛するスケベ。覗きや痴漢行為で、現実の女子からは避けられている。
基本的に怠惰だが意外と正義感の強い一面もあったりする。ちなみに童貞。

【アンネリーゼ】
外見年齢10代後半の狼獣人の少女。黒と白の身体で巨乳。
雌獣魔道師セイファートの実妹で、姉より幾分落ち着いているが残酷な部分は良く似てる。
とある事件で姉を失う。魔力や身体能力は姉に比べれば劣るがそれでも超人レベル。

【梶井伸一郎】  読み:かじい しんいちろう
30代前半と思われる人間の男。顔に大きな真一文字の傷がある。とある超法規的地下組織に所属。
かつてロワの担当官を務めた柴田行隆、宮原克行と面識がある。

【小堀実緒】  読み:こぼり みお
15歳の中学三年の少女。黒髪ツインテールで貧乳。自室にいる時は全裸で過ごすのが好き。
携帯の写メで自分のあられも無い姿を撮影しコレクションしている。
181EX俺オリロワ2ndマップ ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:24:01.41 ID:5Tk37Y0P
||1|2|3|4|5|6|7|
|A|海|海|街|街|崖|崖|崖|
|B|街|街|森|森|古|平|豪|
|C|街|森|森|森|山|街|街|
|D|平|森|森|頂|森|森|平|
|E|平|池|学|森|温|廃|平|
|F|街|駐|森|森|平|平|発|
|G|病|役|店|店|平|遊|海|
|H|街|港|灯|海|座|海|海|

海・・・完全な海
街・・・住宅街
崖・・・断崖絶壁
軍・・・軍事施設跡
森・・・森林地帯
古・・・小規模な古城
豪・・・豪邸
頂・・・山頂
浜・・・砂浜
池・・・貯水池
学・・・分校(運営本部)
温・・・温泉旅館
廃・・・廃屋群
駐・・・駐在所
発・・・発展場
病・・・小規模な病院
役・・・島役場
店・・・商店街
遊・・・廃業した遊園地
港・・・港
灯・・・灯台
座・・・座礁遊覧船
182EX俺オリロワ2nd参加者 ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:25:00.84 ID:5Tk37Y0P
【主催】
アンネリーゼ
梶井伸一郎

【男】
安野賢史
イェレミアス
井出孝徳
エマヌエル
緒方龍也
隠塚英紀
桐原貴博
久能浩之
小宮山宏輔
コンラート
佐川幸一
永易洋明
ヘンリッキ
三谷傑
宮内慶人
宗形昌輝
メルヒオール
ユルゲン
横村俊貴
リュディガー

【女】
アンヌッカ
江尻敬子
エルザ=マリア
ヴェロニカ
宇良明代
川西栞
君塚沙也
熊沢美沙都
グレートヒェン
黒沼恵利
五條堀ゆうか
五艘あやこ
小堀実緒(死亡)
長嶺和歌子
メルヴィ
ユーディト
横村千乃
吉賀青空
ロジーナ
若月由菜
39/40
183 ◆ymCx/I3enU :2011/07/22(金) 22:25:53.44 ID:5Tk37Y0P
投下終了です。
184創る名無しに見る名無し:2011/07/23(土) 03:07:05.95 ID:eBXMj+xJ
新ロワ乙!

俺得5th完結おめでとうございます。
記念のナース服テト様
ttp://iup.2ch-library.com/i/i0371543-1311357663.jpg
185 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 05:22:52.25 ID:ImMkCNWz
新ロワ乙です。
投下します
俺主催ロワ第5話:変態ラプソディ
登場:東唯、太田太郎丸忠信、明智光秀
186 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 05:38:46.43 ID:ImMkCNWz
太田太郎丸忠信は、若干の苛立ちを覚えながらこの状況について思案していた。
だが、それは『どう行動するか』ではなく、もっと別な、あまりにも不可思議な理由。
太田は、この殺し合いは『二度目』なのだ。『一度目』は、最後の方まで生き残るも倉沢ほのかに射殺されてしまったはず。額を撃たれて蘇生させるほどの医療技術はさすがに無いだろう。
あの◆9QScXZTVAcと◆VxAx.uhVsMと名乗った二人の男は、とにかく得体が知れない。この殺し合いを企画したのにも、ただの娯楽以上の意味があるのかもしれない。
太田はあの主催の言いなりになるのは癪だと考えていた。
つまり、彼のスタンスは対主催側。しかし、残念なことに彼には自分を優先する傾向がある。面倒な奴、自分に不都合がある奴は容赦無く殺してしまう。
俗に言う『危険派対主催』のポジションにありながらも、彼は努めて冷静に支給品を確認した。ランダム支給品は二つ。一つは高級な銘柄の煙草、もう一つはイングラムM12だ。サブマシンガンを引いたのは紛れもない幸運だったろう。太田太郎丸忠信はほくそ笑む。
彼を知る者ならば分かると思うが、彼の女性に対する願望は歪んでいる。
187 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 05:56:08.45 ID:ImMkCNWz

ーーー良い女は、犯して奴隷にする。

前回はロクな奴隷も手に入らなかった。今回は名簿にかなり可愛い女が居る。
何の因果か、彼が変えてしまった猫族の少女、テトの名前もあった。

「……テト、か。見つけたらまた……」

下品な笑みを浮かべる太田。やはり、この男は人間として根本から腐りきっているのだ。前回の殺し合いが起こったのも、元凶は太田たちがテトに行ったある行為だ。しかし、彼はそれを知らない。
苛立ちから一転上機嫌になった太田は、イングラムM12を提げてひとまずは女を探すために歩き出す。そして、彼は遭遇する。戦国に君臨した第六天魔王の家臣にしてその首を狙い、より激しく、残酷な戦を望む狂人、明智光秀に。


「畜生が!何なんだよアイツは!?」

太田太郎丸忠信は、防戦一方の戦いを強いられていた。
突如現れた不気味な銀髪長身の男。その両手には、これまた不気味な大鎌が。
当然射殺しようとしたが、彼は知らなかった。戦国武将たちは、自分たちの常識とは異なるものだと。彼らはあまりにも人間離れした力を振るう。明智光秀もまた、例外ではない。
発射されたイングラムの弾を鎌で叩き落とし、また圧倒的な速度で太田に迫る。
188 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 06:12:35.69 ID:ImMkCNWz
ずっとこの繰り返しで、しかし光秀に疲れた様子は無い。

「くふふふふ、もう終わりなのですか?もっと私を楽しませて下さいよ……」
「この…化け物が」

そうして再びイングラムの引き金に指を掛けた時。
辺りを、莫大な閃光と音が包み込んだ。それは太田もろとも光秀の視界も奪い取る。
スタングレネード。威力は控えめではあったが、至近距離から炸裂すればやはり違う。
投げた主は黒髪の少女、東唯。
太田の手を掴むと、光秀の視力と聴力が戻る前に逃走しようと走り出す。

「おい!誰だてめーーーーー、」
「静かに!とにかく逃げますよ!あの男は、あまりにも危険です」

ある程度の距離を取ると、ようやく太田の視力と聴力が戻ってきた。
唯を見た感想は、あまりにも単純に『奴隷にしたい』。

「悪いな。ところで、俺のどれーーーーー」
「礼なら、私を犯して下さい」

……は?と太田は言う。
東唯。彼女は、太田や光秀とは違うベクトルでの『変態』であったのだ。
だが、太田にも断る理由は無かった。そして、二人の体が交差する。


唯は、口から涎、もはや泡のようなものさえ出しながら、恥部の液体を隠すこともせずに恍惚としている。そして、失禁した。
189 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 06:29:40.61 ID:ImMkCNWz
随分良質な奴隷が手に入ったな、と太田はほくそ笑んだ。
目の前で無様な姿を晒す少女を見て、やはり奴隷とはいいものだ、と再度実感した。

【深夜/b-3】
【太田太郎丸忠信】
基本:主催に反抗する。だが、自分に不都合な奴は殺害する。
1:女は犯して奴隷にする。
2:貝町ト子は見つけ次第薬を盾に利用する。役に立たないなら殺す。
3:テトについては……?
※本編死亡後からの参加です

【東唯】
基本:太田に従い、共に行動する。
1:男性とは性行為をして快感を得たい。


『魔王の家臣』明智光秀は、獲物を逃しながらも笑い続けていた。
それは太田たちに対してではない。これから始まる戦いへの期待だ。殺し合いには甲斐の若き虎に竜の右目の名がある。どちらも、殺しがいは十二分にある武将だ。

「支給品とやらにも恵まれましたね……。桜舞を引けるとは」

桜舞。多くの命を摘み取り、多くの絶望を生んだまさに死神の鎌。
明智光秀は、本能寺で織田信長に謀反を起こし、山崎にて豊臣秀吉に討たれた。
何故此処に居るのかは分からないが、また戦う機会に恵まれた。
光秀にはたったそれだけで十分だったのだ。
190 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 06:34:49.25 ID:ImMkCNWz
【明智光秀】
基本:殺し合いを楽しむ。
1:甲斐の若き虎、竜の右目を探して戦う。
2:願いは特に無いが、とりあえずより楽しい戦いを
※死亡後からの参加です
※生命力の吸引は出来ません。

【東唯】
16歳の黒髪セミロング少女。
ビッチという訳ではなく、単にマゾ気質なだけ。
失禁癖があり、夜尿症。
191 ◆9QScXZTVAc :2011/07/23(土) 06:35:51.31 ID:ImMkCNWz
投下終了です
192 ◆ymCx/I3enU :2011/07/23(土) 09:49:08.70 ID:uNKlvmsA
投下乙です いいぞもっとやれ いや やって下さい

>>184 乙です! おお、今度は綺麗なテトを活躍させたいな しかしなんて言う胸だうおお
193 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:18:51.22 ID:wFsZedYb
投下乙です。
さすがだなー、もっとやれ。
と言う事で自分も投下します。
DOL3rd37話 終末【おわりのかそく】
登場人物:沖田総悟、◆YR7i2glCpA、◆9QScXZTVAc、七原秋也、土方十四郎、直井文人、天野雪輝、◆ymCx/I3enU
194終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:19:23.54 ID:wFsZedYb
D-3の住宅街に七原秋也たち4人は来ていた。
放送が終わって約1時間経って、禁止エリアが発動されたころにこの場に着いたのだ。
もうこの時点で何人死んでいるか分からない。

「……こんな住宅街なのに誰もいないって不気味だな」
「さぁな…どぉせあの男が何かしたんだろい」
「分からない…でも、ここまで生活感があるのに人がいなくなるなんておかしいよな…」

あの時は住んでいた人たちが移動したと言っていたような気がする。
しかし、あの男が何をしたかは分からないが…きっとこんなことをできるからには巨大な権力でも持っているのだろうか。
大東亜共和国…あのクソッたれな国を超える力なのか…。
こんな施設が揃った島が存在している訳が無い。
だったら作ったとでも言うのだろうか。
そんなことはあり得ない、こんな巨大な資金が必要な事出来るはずが無い。

「……しかし誰もいないな、七原君はどう思う?」
「まだ分からない、全然分からない」
「あ、ごめん…そこまで悩む事は………」

◆YR7i2glCpAは急にピリピリし始めた七原に謝り、黙りこむ。
何があるのかまったくと言っていいほど分からないこの状況…。
そして主催の男の謎などが膨らむ。
七原秋也の頭はパンク寸前と言って良かった。
元々考え事はあまり得意ではなかった。
考えるより行動するのが自分のタイプに合っているのだ。
だから考えていると頭が痛くなるのだが、仕方が無い。

「うっ……なんだこれ」
「死体…が転がっているな」
「まさか死体を見る時が来るなんて…」

七原は死体を見た。
銃による傷は一切見られないのが分かった。
しかし、これだけの人数を殺すとなるとよほどの奴しかあり得ない。

例えば?

(駄目だ!考えるな…!あいつはこんなことをもうしない…
きっとどこかで俺たちみたいに……)
195終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:19:43.76 ID:wFsZedYb

きっと、きっとそうだ…そうに違いない。
そう七原は自分の心に言い聞かせる。
信頼しなくてどうするんだ。
きっと桐山なら…分かってくれるはずなんだ。

「……山崎か」
「どうしたんですか?」
「いや、知り合いがいてな…チッ」

沖田が舌打ちをする。
いつもは酷い目にあわせても仲間は仲間である。
しかも、こんなふざけた殺し合いなんかで命を落としてしまった。
それだけでも、怒って当然のことなのだ。

「……しかし、この切り傷…綺麗すぎる、なんなんだこれ」
「まさか、な」
「心当たりがあるんですか?沖田さん」
「いや、気のせいだな…忘れた方がいいでさぁ」

沖田は焦ったような表情をいつもの表情に戻す。
最悪の考えでも思いついたような顔であった。

「しかし、こんなに人が死ぬなんて…クソッ」

七原は再び毒吐く。
もしかしたら川田も死んでしまっているかもしれない。
そんな考えが出てきては消える。
196終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:20:02.37 ID:wFsZedYb

「…………行こう、皆」
「行くっつったって…どこにいきゃいいんだ…」
「分からないけど……」
「焦り過ぎですよ…まずはなにするか考えないと…」
「……そうだよな、なにを焦ってるんだかな、はは…」

その会話が終わった瞬間、みんな黙り込んでしまった。
雰囲気が重く、誰もしゃべらない。

「……………誰もいないね、本当に」
「そうだな」
「……」

何か会話を出してもすぐに消えてしまう。
そんな雰囲気が続いた。
七原も何かを喋ろうとするが、会話が思いつかない。

「あれ、人がいる?」
「ッ!土方さんじゃないですかぃ…」
「沖田さんの知り合いなんですか?」
「あ、七原君…あいつは女を追いかけまわす変態だから。
 殺しておいた方がいいと思うがどう思うかぃ?」
「沖田さん、どれだけ酷いんですかその人」

注:沖田の情報には嘘が含まれています。

「おーい、土方このやろー」
「……」
「テメー無視ですかー、この野ろ…」
「沖田さん!」

土方が振り返って沖田に対し包丁で斬りつけようとする。
しかし、それは簡単に避けられて沖田は打刀を構える。

「土方さん…どういう事ですかぃ?」
「………」
「残念ですがあなたの声は届きませんよ」

そこで、直井文人が家の陰から出てきた。
沖田は警戒を強め、七原もレミントンM870を構える。
直井は特に焦った様子もなく淡々と話し続ける。
197終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:20:23.45 ID:wFsZedYb

「悪いですが…この人はすでに僕の支配下にあります…。
 貴方達が何を叫んでも、この人には聞こえません。
 残念ですが、貴方達に残された道はこの人に殺されるかこの人を殺すかのどちらかしかないんです。
 それでもあなたたちは武器を構えるんですか?」
「土方さんも甘ぇな…こんな奴に隙を取られるなんてな…」
「さあ、行け…僕の忠実な人形」
「悪いが…俺はお前を殺す気でかかるぜ、土方」

沖田の眼の色が変わる。
打刀を中段の構えにして、土方が来るのを待つ。
武器のリーチは沖田の方が圧倒的有利だ。
それでも実力は土方の方が上である。
だから沖田は油断しないで立ち向かう。

土方が包丁を振り上げて襲いかかってくる前に刀を振って対応する。
土方はすぐに後ろに下がり体制を整える。
しかし、沖田はそこから容赦なく襲いかかる。
顔面に刀を振り下ろす、それに土方は包丁の峰の部分で受け止める。
そして払いのけて土方が腹に向かって刺そうとする。
沖田は、拳を固めて殴る。
転がっていくがすぐに起きあがってくる。

「チッ…しぶといねぇ」
「…………」
「お、沖田さん!知り合いなんでしょう!?そこまでやらなくても…」
「………9Q、お前は甘すぎんだよ」
「ッ!」
「油断して俺が殺されたら元も子もないだろぃ。
 それとも、土方さんに勝てるとでも思うか?」
「……それは」
「だったら黙ってろ、分かったな」

沖田が再び土方の方を向く。
再びこちらに走ってきたのが見えた。
沖田は向こうのリーチが届く前に斬りつける。
それが避けられて再び同じような事を繰り返す。
198終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:20:49.50 ID:wFsZedYb

「ハァ……ハァ………」
「………」

沖田の方から明らかな疲れの色が見えてきた。
しかし土方の方は疲れの色を見せていない。
沖田は戸惑っていた、あんな事は言いつつも殺したくないのが本音だ。
だから軽く手を抜いていたのは事実だ。
本気を出せばリーチの差を生かし殺せていただろう。

「………すまなぇ、土方さん…もう手がねぇや………」
「……………」
「だから、もう殺すことに決めましたぜ」
「………」
「死ね、土方あああああああああああああああ!!!」








パァァァァァァン






甲高い音、それがこのあたりに響いた。
沖田は何事かと意識がその方に向いてしまった。
それが、一番の命取りとなてしまった。
土方がその一瞬で沖田の腹部に包丁を刺した。

「ガッ……ホ、ひじ、かたあああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ
あああああああああああああああああああああああああああああああ」

沖田が最後の力を振り絞り、土方の首に刀を刺した。
ふらふらとした足取りで◆9QScXZTVAcの所に向かった。
◆9QScXZTVAcが沖田を支える。
しかし、血の量が半端ではないほどに出ている。
199終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:21:09.32 ID:wFsZedYb

「は、ざまぁねぇな…本当に」
「沖田さん、なんで………」
「本当に集中してたら、あんな音…関係無かった」
「…………」
「もう俺は、協力できない…が、あとはどうにでもなる…たの、む」
「沖田、さん…ごめんなさい」

◆9QScXZTVAcの眼から涙が出てきていた。
それは、悔しさと悲しさが混じったものであった。
そこで、再び直井が出てきた。

「いやいや、いい話ですね…」
「……」
「こいつも、こんな感じで死んでしまって…本当に使えない」
「………」
「所詮駒なんだから関係ないですけどね…」
「…………」
「その男も馬鹿ですね…しっかりと殺す気になっていれば死ななかった物を」
「……………」
「まさに、その男はバカですね」




「ふざけるなアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!」




◆9QScXZTVAcが叫んで直井に向かって走る。
七原が急いで止めに行くが、差が離れていて止められない。
◆9QScXZTVAcは拳を握りしめて、直井を殴った。

「ふざけるな!本派と言えばお前のせいなんだろう!?」
「……そうですが?」
「テメェが……隠れて偉そうにしてたお前に沖田さんを笑う資格はない!」
「はっ、おもしろいですね……」
「なんだと……!」
「馬鹿にバカと言って何が悪い、きっとお前だってそういう事をしてきたはずだ。
 否定はさせない、いや…出来るはずが無いんだ。お前だってやってるからな。
 笑う資格が無い?その言葉が一番笑える事に気付かないのか?」
「ああ、そうさ!死ぬほど恥ずかしいようなセリフだろうな!」

◆9QScXZTVAcが再び直井を殴る。
七原はそこで◆9QScXZTVAcを止めた。
まだ殴る気だったのか、暴れていたが結局落ち着いた。
200終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:21:27.85 ID:wFsZedYb

「……悪かった、七原さん」
「いや、気にしないでいいよ…来るのが遅れたのは俺なんだし」

そこで、直井が立ち上がる。

「……おい」
「なんだ?お前はまずここから離れた方がいいぜ、9Qさんがいつ殴りに行くか分からない」
「ふん、そんな事は気にしない…」
「いや…離れた方がいいぜ」

その七原の予言は的中した。
決して予言ではなかったのだ。
それはただの脅し…だったはずなのである。
その問題は、その言葉が発生された瞬間に始まった。



パラララララッ



    ◆         ◇



俺、七原秋也がその音の正体が分かるのに時間はかからなかった。
腹にある痛み、そして熱さ……。
そう、この音は……銃弾が撃たれた音だ。

「な……なんで…?」

◆9QScXZTVAcが俺の横で倒れていた。
心臓に3発命中しており、もうすでに息もしていない。
そして、先ほどまで話していた直井も倒れている。
無事なのは、自分と離れていた◆YR7i2glCpAの二人だけだ。

「な、何が起きたんだよ……?」
「教えてあげようか?撃たれたんだよ、君は」

立っていた男は顔をニヤつかせながら来た。
その男に、七原は見覚えがあった。

「お前……あの時の奴か!」
「そう、正解だよ…しかし、残念だよ」
「何が残念だ…?」
「君も殺せると思ったんだけど、しぶといね」
「テメェ、9Qさんを殺してそれか!?」
「……僕には僕の目的がある、邪魔をするなら殺すぞ」
「なら、こっちから先に!」

レミントンM870を構えて、撃とうとする。
しかし、天野雪輝はそれを知っていたかのように冷静な顔をしていた。
そう、彼の未来日記はそれを予知していたのだ。
不意打ちだろうと、それが予測できているなら楽だ。
それに相手は日記所有者ではない。
つまるところ、DEADENDなんて簡単にひっくりかえせるのだ。
201終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:22:14.14 ID:wFsZedYb

「残念だったね、君のこの状況は詰みなんだよ」
「なんだと…?ふざけるなあああああああああああああああああああ!!!」

七原が引き金を引いた。
……しかし、弾丸は天野雪輝を貫かなかった。
轟音、それがそのあたりに響いた。
そして、血濡れになった七原秋也…。
彼には何が起きたかさっぱり分からなかった。
体に感じる痛みで、もう助からないのが分かった。
◆YR7i2glCpAがこっちに来ていた。
なんで悲しんでるんだよ…お前は生きてるだろうが。
……ああ、悲しんでくれてるのか。
典子さん…ごめんな、一緒に生きていくって言ったのに。
川田、ごめんな…お前が生き残ったら、典子さんの事頼むよ。
桐山、お前ならきっとこの殺し合いも止めれるはずだ。
三村や杉村が見えてきた。
ああ、お前ら…俺も今、そっちに……



    ◆         ◇



「七原君!お願いだ!返事してくれ!」
「さぁ、次は君だけど…覚悟できた?」
「くそ…武器、なにもなかったんだ…クソ……!」

デイバックにはハズレしか入っていなかった。
そして、七原君が持っていたショットガンも壊れてしまった。
自分に残されている手は、無いに等しかった。

「じゃあ、ね……」
「ち、くしょう………」

そして、◆YR7i2glCpAの意識は真っ暗な闇へと引きずり込まれた。

「……ぁ、」
「………ぉ」

何か声が聞こえてきたが、自分の耳には入っていなかった。
そして、薄く残っていた意識も闇の中へ……。



    ◆         ◇
202終末【おわりのかそく】 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/23(土) 23:22:33.09 ID:wFsZedYb



パァン

そう音が響いたのは、天野雪輝が銃を撃とうとした時だった。
その銃弾は見事に彼の頭にあたり、事切れていた。

「……まったく、危ない奴だな…こいつ…首輪、念のために貰っておくか」

そこにいたのは、◆ymCx/I3enUだった。
坂田銀時と交換した銃を右手に持っていた。

「YR氏、大丈夫か……?」
「………」
「気絶しちゃってるな……」
「………」
「よし、運ぶか…って言うかこの惨状は何なんだよ」
「………」
「YR氏が目を覚ましたら聞くかな…あ、って言うかこの姿じゃ誰か分からないかもしれないな…」

そんな事を言いながら、民家の中へと◆YR7i2glCpAを運んで行った。

【沖田総悟@銀魂 死亡】
【土方十四郎@銀魂 死亡】
【直井文人@AngelBeats! 死亡】
【◆9QScXZTVAc@非リレー書き手 死亡】
【七原秋也@バトルロワイアル 死亡】
【天野雪輝@未来日記 死亡】

【真昼/D-3住宅街民家】
【◆ymCx/I3enU】
[状態]健康
[装備]ワルサーPPK/S(6/7)
[所持品]基本支給品、ワルサーPPK/Sのマガジン(3) 、天野雪輝の首輪
[思考・行動]
基本:特にどうしたいわけでもない。
0:◆YR7i2glCpAが起きるまで待つ。
1:とりあえず、首輪をはずしたい。
2:他の書き手さん、どうなってるかな。
[備考]
※願いは不明です。
※青と白の毛の人狼の姿になっています。
【◆YR7i2glCpA】
[状態]右足に銃創(応急処置中)、気絶中、精神的疲労(極大)
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:……。
2:他の書き手さんは信頼できそうか…?
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
203 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/23(土) 23:34:59.92 ID:3tp+HC+8
投下乙です
マイナーロワ投下します
タイトル:※投げてはいけません
登場人物:師匠、◆WYGPiuknm2
204 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/23(土) 23:35:22.51 ID:3tp+HC+8
「何なんだこの状況は」

川辺の小さなベンチに腰かけ、数少ない情報を整理して行く師匠。
いつものように自分の部屋で眠って、目が覚めたら、妙な場所にいた。
そして、妙な男が妙な説明を始め、気が付いたらこの川辺に。

(霊より、厄介なことになりそうだな)

今まで、色んな霊を見たり祓ったりしていたが、今回はそうも行かない。
「幽霊より人間の方が怖い」と言う言葉が頭に浮かぶ。
今の状況はまさにそうなのだ。
「殺し合い」である以上、皆殺しを狙う奴も、出てこないとは言い切れない。
そんな奴を相手にして、勝てるかと言われれば…正直、自信が無い。
霊感がどれだけ強くても、それを戦闘に生かられる訳が無い。

「しかし、これからどうするか…ッ!」

立ち上がろうとする師匠の頬を、何かが掠める。
頬をかすめたその「何か」は、そのまま前方の闇に飲み込まれていった。

(ここは逃げた方が良さそうだな…)

自分のデイパックを拾い上げ、ダッシュでその場を走り去った。

【一日目・深夜/E-3:川辺】
【師匠@オカルト(師匠シリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×2(未確認)
[思考・行動]
基本:殺し合いをする気はない。
1:襲撃者から逃げる。


205 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/23(土) 23:35:42.39 ID:3tp+HC+8
「…逃げられたか」

師匠の走り去った方向を見つめる◆WYGPiuknm2。
せっかく、不意打ちで仕留めようとしたのに。
狙いが少しズレたせいで、頬を掠めるだけに終わってしまった。
おまけに、危険を察知した標的に逃げられる始末だ。

(…仕方無い、追うか)

【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:投げナイフ(4/5)
[所持品]:支給品一式、投げナイフ×15
[思考・行動]
基本:ゲームに乗る。
1:今の男を追う。
206 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/23(土) 23:35:55.04 ID:3tp+HC+8
投下終了です
207 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:42:04.16 ID:Sho/gvqK
投下します。

ごちゃ混ぜロワ 34:『愛』という名の『覚悟』
登場人物:杉村弘樹、北川理央、黒崎沙夜子、高階ヨイチ、礎等
208『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:43:16.40 ID:Sho/gvqK
『愛』というものは、明確な形を持たない。
それゆえに、様々な形を持つ。
異性に向けられる愛もある。
同性に向けられる愛もある。
親に向けられる愛もある。
子に向けられる愛もある。
無機物に向けられる愛もある。
人外に向けられる愛もある。
向けられる愛もまた、様々だ。
心を求める愛もある。
肉体を求める愛もある。
嗜虐を求める愛もある。
被虐を求める愛もある。
殺意を持った愛もある。
殺されることを求める愛もある。



愛の形とは、人それぞれなのだ。
209『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:45:08.45 ID:Sho/gvqK



杉村弘樹、中学三年生。
彼は、ごくごく普通の中学生だった。
ごく普通に学校で学業を修め、拳法道場で汗を流す、ごく普通の中学生だった。
ただ『普通』と違うところは、この殺し合いに参加させられる直前にも別の殺し合いに参加していた事くらいか。

北川理央、高校二年生。
彼女もごくごく普通の高校生だった。
ごく普通に学校で学業を修め、友人たちと共に様々な活動に精を出す、ごく普通の高校二年生だった。
ただ『普通』と違うところは、彼女は同性愛者――というよりはっきり言ってしまえばロリコンであり、所属する二年A組の担任である教師鈴木みかを深く愛している事くらいか。

そんな『普通』で『普通』じゃない二人は、どちらもこの殺し合いに乗る気はなく、また互いに探している人物もいたため共に行動していた。
杉村は、クラスメイトである七原秋也と滝口優一郎、そして死んだはずの千草貴子を。
北川は、最愛の人である鈴木みか、そしてクラスメイトの小林あかね、工藤雄一、中村元をそれぞれ探していた。
210『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:46:06.14 ID:Sho/gvqK
「北川さん、これからどこへ向かうべきだと思う?」
「そうね……ここは人の集まるところに行くべきね……」
「というと、病院か学校、ホテルあたりですかね。」
「ただ…」
「ただ?」
「この殺し合いに『乗った』人もこの中には確実にいるはずよ。その人も同じ事を考えたら、ちょっとまずいわね…今の私達には武器がなさすぎる。」
今二人の手元にある武器と呼べるものは、一本のアイスピックと二個のかんしゃく玉のみ。
それだけしかなかった。
仕方ないので、アイスピックは接近戦の心得がある杉村が、かんしゃく玉は北川がもっていた。
「…隠れながら、こっそり進みましょうか。」
「そうね…」

その時、爆音が二人の耳を貫き、火薬の匂いが風に乗って二人の鼻腔を駆け巡った。

「…北川さん、今のは!?」
「向こうから聞こえたわ!」
二人とも危険は重々承知していたが、もしあの爆発に知り合いが関わっていたら、と二人とも想像してしまっていた。
そして二人ともそちらの方へと駆けだしていた。



そして、その爆発が起こった地点より手前の地で、二人は出会ってしまった。

緑色の肌をした、この世のものとは思えない異形の存在に。
211『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:46:58.81 ID:Sho/gvqK



「な、何なのあれ?!」
「そんなのこっちが聞きたいですよ…」
二人は、前述したように『普通』の中学三年生と高校二年生だった。
彼らがいた世界には、目の前にいるような異形など存在するはずもない。
それゆえに、二人は一歩も動けなかった。

一歩、目の前の異形が踏み込んだ。
力なく突き出された両の腕が、二人にじりじりと近づいていく。
杉村も北川も、武器を構えることはできるのだが、脚が泥沼に埋まったかのように動かない。
そしてのばされた腕と二人の身の距離があと数センチまで迫った。

「…北川さん、逃げて!!」
そう叫ぶと、杉村はありったけの力を振り絞り、手にしたアイスピックを構え目の前の異形に突貫した。
がしり、と異形の細い腕が杉村の身体を引き寄せた。
それに構う事無く、杉村は異形の右の肩口にアイスピックをざくり、と突き刺した。
212『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:47:50.01 ID:Sho/gvqK
杉村は、殺し合いには乗りたくなかった。
たとえそれが、自分の命を狙っているような相手に対しても、杉村はその力を奪う事には使いたくなかった。

それは、状況が状況ならば賛美される事かも知れない。
だが、それはこの現状においては決して正しい事ではない。
今杉村に求められていたのは、『覚悟』だった。
自分と、同行している北川の命を守るためには襲い来る敵に対してそれ相応の『覚悟』を持たねばならない。
かつて杉村が体験した殺し合いにおいて、杉村は好意を寄せていたクラスメイトを探すために遁走していた。
そこには、なんとしてでも彼女に会いたいと言う『覚悟』を持っていた。
だが、今の彼にはその『覚悟』は無かった。



一方、肩口を突き刺されたその異形――HU599菌に感染した黒崎沙夜子には、『覚悟』があった。
それは、『娘である黒崎朝美を守る』という、まぎれもない『覚悟』。
自分が愛し、自分を愛してくれた夫の遺した、最愛の娘。
彼女を守ることができるのならば、自分はどうなっても構わない、そういう『覚悟』を常に抱いていた。
いや、『覚悟』と呼ぶには少し言葉が違う。
それは……『愛』。

(朝美……!)
HU599菌に感染し、その機能を失ったはずの大脳が動き出す。
走馬灯のように、朝美の笑顔が、朝美と過ごした長い日々が駆け巡る。
それだけで、沙夜子は強くいられる。
どんな苦境に立たされようとも……
213『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:48:54.91 ID:Sho/gvqK



「ぐあっ……!」

牙が、爪が、杉村の肉体に食い込む。
杉村の視界が、朱墨を垂らしたように紅く染まっていく。
抵抗しようにも突き刺したアイスピックを抜き取る力すら失われていった杉村に、もう助かる術は残されていなかった。
どろり、と肉体に何かが注ぎ込まれたような感覚を、杉村は覚えた。



それが、杉村弘樹が『杉村弘樹』として生きてきて最後に感じる感覚だった。



「……嘘。」
北川は、呆然としていた。
目の前で起きた惨劇。
遭遇してしまった異形に噛みつかれた杉村が、噛みついた偉業と同じような偉業へと変貌してしまう様は、普通の高校生だった北川にはショックが大きすぎた。
だが、ショックを感じさせる暇すら与えないと言うかのように、二人の異形が北川に迫りくる。


――来る?

――私を、殺しに来る?

――私も、ああいう風になってしまうの?



「い、嫌あああああああああああああああ!!」

錯乱しながらも、北川は唯一の武器であるかんしゃく玉を二人に投げつけた。
ただ、北川は生きたいとしか考えられなかった。
その本能的な思考の末の行動を、誰が責められようか。
そして投げられたかんしゃく玉は――奇跡かもしれない確率の末、二つのかんしゃく玉は両方とも命中した。

一つは、杉村弘樹だった異形の顔面に。
もう一つは黒崎沙夜子だった異形の方に刺さったアイスピックに。
214『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:49:43.61 ID:Sho/gvqK



――HU599菌は、人体に入る事により新たな『寄生脳』という器官を作り出す。
その器官ができる事によって、感染した人間は理性を失い、肌は緑色に、血液は黄色になり、本能のままに人を襲う異形と化す。
そして感染前よりはるかに強靭な耐久性を肉体に付与させる。
だが、感染した人間は『寄生脳』を物理的に消されると――その肉体が崩壊して、死に至る。
そしてその『寄生脳』はどこにできるかは誰にもわからない。
大脳と同じように頭部にできる場合もあるし、腹部にできる場合もある。
中にはつま先にできた場合も存在する。



どろり、と杉村弘樹だった異形の肉体が溶けていく。
杉村弘樹の『寄生脳』は頭部にできており、その『寄生脳』はかんしゃく玉の一撃を受け致命的な損傷を負った……

そして――『寄生脳』を破壊された肉体はスライムのようにどろりと溶け……そこに生命があった事すら感じさせないくらいに溶けてなくなった。
215『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:50:42.44 ID:Sho/gvqK



「あ、ああ……」
北川の前でドロドロに溶けてなくなった、さっきまで同行していた杉村弘樹。
彼の来ていた服だけが、彼がそこにいた事を示していた。

――死んだ?
死んでしまったの?
…否。
死んだんじゃない。
殺されたんだ。

誰に?
私に。
誰に?
私に。
誰に?
私に。
誰に?
私に。
誰に?
私に。



私が



殺した。
216『愛』という名の『覚悟』 ◆YR7i2glCpA :2011/07/24(日) 00:51:29.10 ID:Sho/gvqK





「――――――ッ!」



声にならない叫びをあげ、北川は走り出す。
ただ、自分のしたことの重さから逃げ出すために。
自分が犯した罪から眼をそむけるために。


北川理央は走る。
その先に何があるのかを、彼女は知らない。
いや
知ってはいけない。





【杉村弘樹@BATTLE ROYALE 死亡】

【F−7岩場/1日目午前】
【北川理央@せんせいのお時間】
[状態]:精神疲労(極大)、錯乱、肉体疲労(中)
[装備]:なし
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み、武器になるものはなかった)
[思考]1:何も考えられない
   2:みかセンセに会いたい。
217◇YR7i2glCpA 代理:2011/07/24(日) 01:00:28.41 ID:KaEtKBD3
◆YR7i2glCpA 氏がさるさん食らったそうなので代理投下します






「…ク、ククククク…実にすばらしいものが見れたよ…」
この惨劇を、高階ヨイチは高みの見物を決め込んでいた。
その結果、非常に有益な情報を得る事が出来た。
HU599菌のもたらす人体への影響と感染経路、そして感染した場合の弱点。
ヨイチは目の前で起きた戦闘からデータを得てほくほくとなっていた。

「さて、それじゃああの男のバックでも貰うとするかね…?」
そう呟き、踏み出そうとした瞬間だった。
「動くな。」

後ろから、声をかけられた。
ゆっくりと振り返ると、そこにはショットガンを構えた男の姿があった。
その姿を見ても、ヨイチは眉一つ動かすこともなかった。

「警察だ。お前に聞きたい事がある。」
「フン。」
とるに足らない男だ、とヨイチは思った。
ヨイチは自分の力を重々理解している。
更には、目の前の男はただショットガンを装備していると言うそれだけで、自分より優位に立っていると誤解している。
そう言う相手を、ヨイチは何人も見てきた。
数の上で勝っていると高をくくった軍団も、装備品が良いとそれに頼りきりだった大隊も、この目の前の男と同じような顔をしていた。
そして、その相手がどうなったかは――ヨイチ自身が、一番良く理解していた。


218◇YR7i2glCpA 代理:2011/07/24(日) 01:00:53.95 ID:KaEtKBD3




【高階ヨイチ@カオスウォーズ】
[状態]:健康
[装備]:ホッキョクツバメのライフル(弾無し)@ブシドーブレード弐
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)、沙夜子の支給品一式、空の注射器@クロックタワーゴーストヘッド
[思考]1:皆殺し。特に兵真、雫、ライゲン、シェリーは自分の手で殺す。
   2:目の前の男をどう相手するか考える。
   3:全員殺したら『楽園』へと向かう。

【礎等@クロックタワーゴーストヘッド】
[状態]:健康、怒り
[装備]:ショットガン(残弾4)@クロックタワーゴーストヘッド
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)
[思考]1:目の前の男に対処、場合によっては発砲も辞さない。
   2:優を見つけたら保護する。
[備考]:第二章、優を病院に運んだ直後からの参戦。

【黒崎沙夜子@まほらば】
[状態]:HU599菌によるゾンビ化(寄生脳がどこにできたかは不明、少なくとも肩ではない)、後頭部に傷(ほぼ完治)、ダウン中、右肩にアイスピックが突き刺さっている。
[装備]:アイスピック@BATTLE ROYALE
[道具]:なし
[思考]1:朝美……

[備考]:杉村弘樹の支給品の入ったデイバックが放置されています。
中身は不明ですが少なくとも武器になりそうなものは入っていません。


219◇YR7i2glCpA 代理:2011/07/24(日) 01:01:34.66 ID:KaEtKBD3


【支給品情報】

【アイスピック@BATTLE ROYALE】
北川理央に支給。
原作では千草貴子に支給された。
元々氷を砕くための道具だが、原作では作中随一の惨い死の立役者となった。

【かんしゃく玉@ブシドーブレード弐】
杉村弘樹に支給。
元々は鳴鏡の剣士、墨流のサブウェポン。
異国の火薬技術を駆使して作られた対人の火薬兵器。
爆風でひるませるのが目的だが、破壊力もある。

【ショットガン@クロックタワーゴーストヘッド】
礎等に支給。
原作では第二章以降で手に入る強力な武器。
散弾を発射するため、標準をいちいち合わせることなく寄生脳を撃ち抜けるすぐれもの。
だがその分弾数も4と少ない。
ちなみに、第二章の最後での病院脱出の時に礎が使っているショットガンとは別物。


220◇YR7i2glCpA 代理:2011/07/24(日) 01:01:51.12 ID:KaEtKBD3
代理投下終了です
221 ◆ymCx/I3enU :2011/07/24(日) 20:57:57.55 ID:f3GJcYYj
投下乙です 杉村ー!
投下します EX2 1話 ロリコンは正義か悪か、それとも 登場:メルヒオール、五條堀ゆうか
222ロリコンは正義か悪か、それとも ◆ymCx/I3enU :2011/07/24(日) 20:59:18.12 ID:f3GJcYYj
1話 ロリコンは正義か悪か、それとも

B-1住宅街、黒と紫の雄竜が人間の少女をお姫様抱っこしていた。

「殺し合いなんて知った事じゃねー、俺はロリとエッチな事出来れば良いんだ」
「捕まっちゃった、でも、もう、好きにして」

雄竜はいやらしい笑みを浮かべながら近くの民家に少女を連れ込んだ。

……

「…俺は剣鉈と競馬用の鞭が支給品みたいだ」
「私は、銃…レマットリボルバーて言うみたい。予備の弾は無いみたいだけど。
あ、あと……携帯用トウガラシスプレー、だって」

二人はすぐに行為には及ばず割と理性的に、互いの支給品を確認し合っていた。

「ゆうかちゃんは、知り合い、いるの?」
「いないよ、少なくともあの教室で全員見た限りじゃ、名簿にも知ってる名前は無かったし。
メルヒオールさんは」
「うんにゃ、俺もいねぇな」
「そう……」

二人共、この殺し合いに知っている者は一人も呼ばれていない。
誰か捜す必要が無いと言うのはある意味で気楽だが寂しくもある。

「だがまあ、俺はだ」
「あっ」

メルヒオールと呼ばれた雄竜が、ゆうかと呼んだ少女の衣服を脱がしにかかる。
ゆうかはドキドキとしながらされるがままになる。
あっと言う間にゆうかは一糸纏わぬ生まれたての姿にされ既に敷かれた布団の上に押し倒された。

「さっきも言ったようにロリとあんな事こんな事出来れば」
「……(どきどき)」
「良いんだよね……ああ、綺麗な身体だ」

まだ発達し切っていない幼い裸体をねぶるように見詰め、触り、舌を這わせるメルヒオール。
欲情した雄竜が与える快楽にゆうかは目を閉じ、身体をよじらせ、蕩けていく―――。
223ロリコンは正義か悪か、それとも ◆ymCx/I3enU :2011/07/24(日) 21:01:20.52 ID:f3GJcYYj
【早朝/B-1住宅街:平元家】
【メルヒオール】
[状態]五條堀ゆうかと***中
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、剣鉈、競馬用鞭
[思考]
0:ロリと***する。
1:ゆうかちゃんハァハァ……。
[備考]
※無し。

【五條堀ゆうか】
[状態]メルヒオールと***中、全裸
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、レマットリボルバー(9/9、散弾1/1)、携帯用トウガラシスプレー
[思考]
0:死にたくない。
1:メルヒオールさん……気持ち良い。
[備考]
※衣服はすぐ近くに置かれています。


≪キャラ紹介≫
【メルヒオール】
32歳の雄竜。黒と紫の身体。人間の少女にしか欲情出来ないロリコン。
自分の住処に少女を連れ込み性的な悪戯をして楽しむのが趣味。

【五條堀ゆうか】  読み:ごじょうぼり-
12歳の少女。現役小学生だが淫乱。
孤児院で生まれ育った。勉強、スポーツ万能。年の割に大人びた思考を持つ。
224 ◆ymCx/I3enU :2011/07/24(日) 21:02:13.61 ID:f3GJcYYj
投下終了です
225 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:22:16.46 ID:TKuQlReH
投下乙です。
     |┃三          /::::::::ハ、\、::::::::\\::::::::::::',
     |┃            i:::::::イ  `> ー─--ミ::::::::::::|
     |┃            {::::::::|    ::\:::/::::  \:::リ-}
 ガラッ.  |┃            ',::r、:|  <●>  <●>  !> イ
     |┃  ノ//        |:、`{  `> .::  、      __ノ
     |┃三          |::∧ヘ  /、__r)\   |:::::|
     |┃            |::::::`~', 〈 ,_ィェァ 〉  l::::::》
     |┃            |:::::::::::::'、  `=='´  ,,イ::ノノ从
     |┃三         ノ从、:::::::::`i、,, ... ..,,/ |::::://:从

では投下します。
DOL3rd38話 見えてくる希望
登場人物:遠藤清丸、球磨川禊
226見えてくる希望 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:22:49.27 ID:TKuQlReH
「……ふぅ、終わった…あれ、球磨川君が」

放送も聞かず集中していた彼はその作業を終わらせていた。
それで球磨川に話そうとしていたのだが…。

「まったく、どこに行ったのやら…」

実はどこに行くと言ってあったのだが彼が聞いていないだけなのである。

「まあ、そのうち帰ってくるだろう」

自分から行く気はないらしい。
それが彼らしさなのかもしれないが。



   ◆       ◇



『ごめんね、蛾ヶ丸ちゃん』

図書室の前に球磨川はいた。
放送を聞いてすぐに清丸に出かけると言って出てきたのだ。

『……よし、もういいや』

立ち上がって、図書室に入る。
すると、清丸がもう終わったのかこちらに反応していた。
にっこりとしてこちらに近づいてきていた。

「ちょっと、球磨川君…後ろ向いてて」
『ん?何するつもりだい?』
「ちょっと、ね」

何かをし始めた。
カチャカチャと音が聞こえてくる。
ガタン、と音が聞こえた瞬間に清丸がしゃべりだした。

「よし、首輪は外せたな」
『ああ、やっぱり首輪を外していたのか、ありがとね!』
「その代わり…手伝ってもらいたい事がある」
『なんだってしてあげるよ?』
227見えてくる希望 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:23:06.65 ID:TKuQlReH



「七不思議を全滅させるよ」



『七不思議…って、さっきの淫乱女の事?』
「誰の事か分からないんだけど…ブリッジしてたのかい?」
『うん、そんな感じかな』
「だったら一つ封印したか、じゃあ回るから…行こう」
『了解…』

【午後/C-3八十神学園図書室】
【球磨川禊】
[状態]健康、首輪無し
[装備]大螺子
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:『あの男をぶっ殺そう☆』
1:『めだかちゃん達を探そう』
2:『七不思議とやらを封印しようか』
3:『ごめんね、蛾ヶ丸ちゃん』
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は生徒会戦挙編終了後からの参戦です。
【遠藤清丸】
[状態]健康、首輪無し
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:七不思議を封印する。
1:佐々木君と鈴木君を探す。
2:球磨川君と行動する。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は本編終了後からの参戦です。
※首輪解除の方法を知りました。
228 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:23:49.78 ID:TKuQlReH
投下終了です。
とりあえずもう一話投下します。
DOL3rd39話 ああ、これは酷いなぁ
登場人物:相川友、黒神めだか
229ああ、これは酷いなぁ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:24:21.56 ID:TKuQlReH
「………」
「なんでこんな酷いことに…」

C-2の市役所…死体置き場となっているこの場所である。
黒神めだかと相川友はその死体を前にしていた。

「くそ…私がしっかりとしていれば…!」
「どうしようもないですよ…まずはこんなことしてる奴を止めないと…」

放送前に起きていた殺人劇。
彼女たちが何をした所で間に合っていなかったのだ。

「行こう、相川殿」
「そうですね、こんなことしてる間に誰かが死んでるかもしれませんしね」
「ああ……早く行こう」

人吉善吉、彼女にとって大事な人である。
死んでいない事を願いながら彼女は動き出した。
彼女が死んだ事を知った時に、物語は急展開を迎えることとなる。

【午後/C-2市役所】
【相川友】
[状態]健康
[装備]コルトパイソン(2/6)
[所持品]基本支給品×2、コルトパイソンの弾(24)、火山の大型ナイフ、殺人日記のレプリカ
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗った奴を殺す。
1:黒神めだかについて行く。
2:坂田銀時、青木林に会う…?
[備考]
※願いは不明です。
※DOLバトルロワイアル終了後からの参戦です。
※殺人日記の効果が消えたかは不明です。
【黒神めだか】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:この殺し合いへの反抗、乗った者の更生。
1:相川友と行動する。
2:人吉善吉、球磨川禊との合流。
3:善吉……死ぬなよ。
[備考]
※願いは不明です。
※生徒会戦挙編終了後からの参戦です。
230 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 21:24:50.46 ID:TKuQlReH
投下終了です。
231 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:13:04.83 ID:5c/cX2aD
投下乙です。
では自分も投下します

雑多ロワ31話:これより先怪物領域
登場人物:巴マミ、L
232 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:13:47.79 ID:5c/cX2aD

非常灯で仄かに照らされた、病院の廊下。
その通路の真ん中に、少女は立っていた。

手のひらに、黄金の宝石がひとつ。
大きさは、ウズラの卵より大きく、ニワトリの卵よりやや小さい。
卵型の器の中で、金に近い黄色の輝きが灯火のように揺れていた。

魂の宝石、ソウルジェム。
その石の名の由来は、まさに『言葉通り』の意味、魂そのものである宝石。
もっとも、その事実を彼女は知らない。
しかし、その宝石を手にする意味と、その重圧なら知っている。
彼女――巴マミは、一度死ぬはずだった運命を覆すことで、その石を手に入れたのだから。

「状況は分からないけれど……『魔法少女』として対応すべき事件なのは間違いなさそうね」

ソウルジェムを空中でくるんと放り投げ、キャッチすると同時に変身。
ジェムが黄金の輝きを放ち、その光は足先から少女の体を包む。
姿が変じるのは一瞬。
丈の短いフレアスカートに、リボンとコルセットで過剰に装飾されたブラウス。羽根飾りのついた貴族風帽子。
お伽噺の住人のように華やかな衣装は、巴マミが“魔女を狩る者”である証。

しかしその表情は、決して明るいとは言えない。

「あの男は間違いなく人間だった……ソウルジェムが何の反応もしなかったから、魔法の力は持っていないはず。
それなのに、“結界”の中に立てこもった上に“魔女”の力を使って見せるなんて……
それとも、単に“ソウルジェム”の調子がおかしいだけかしら?
テレパシーも使えなくなっているようだし」

233 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:14:58.73 ID:5c/cX2aD

巴マミの常識では、一般人を苦しめる存在が『魔女』であり、その魔女を狩る異能が『魔法少女』だ。

一般人を、魔女が食う。
その魔女を、魔法少女が狩る。
魔女を狩る過程で、一般人を助ける者と見殺しにする者がいる。
巴マミは前者だ。
魔法少女にとって、この構図は大前提。
魔女の形態が特殊だったり、魔法少女同士で対立するようなイレギュラーこそあれ、
“一般人が魔女を使役して魔法少女を拉致する”ような状況はあり得ない。

「キュゥべえがいれば心強いんだけど……テレパシーで居場所が分からないのは痛いわね。
これじゃあ、鹿目さんや美樹さんと合流することもままならない……」

これがいつもの魔法少女体験コースなら、テレパシーで二人の場所を補足して、すぐ助けに向かえる。
そう、彼女達は、マミの未来の後輩だ。
それに――数少ない、友人だ。
魔法少女稼業の為に、友達づきあいもままならず、また家族もいないマミにとって、とても大切な人間だ。
この殺し合いの現場にもしキュゥべえがいれば、最悪契約させてでも自衛させることはできるが、そんな都合よくはいかないだろう。
やはり、一般人の彼女らは一刻も早く合流して保護しなければ。

「あの子たち……特に美樹さんは、『私ならきっと何とかしてくれる』とか買いかぶってくれているかもね。
パニックになってるよりはマシな判断だけど……そんなこと無いのになぁ……」

いや。
そもそも、彼女たちを保護できたとして、それからどうすればいいのか。
魔法少女同士の間での縄張り抗争があることは知っているし、あまり縄張りに拘らないタイプのマミも、襲われた場合に備えて人を傷つける覚悟はある。
しかし、襲われた人間を殺すだけでは、事態は解決しない。
最後の一人しか生き残れないと、提示されてしまったのだから。

「……私、何も知らないんだわ。
この『魔女の口づけ』が、どういう仕組みなのかも。
そもそもコレが、『魔女』以外にどうにかなるモノなのかも。
キュゥべえが教えてくれたことしか知らない。ダメね」

心細さ、そして何より、莫大なプレッシャーがマミという少女にのしかかる。

そもそも、殺し合いに乗っている人間を殺せばいいという問題ではないのだ。
決して悪人ではなくとも、『殺し合い』という状況で我を失って、襲いかかってくる人もいるかもしれないのだから。
そういう相手を収めるにはどうすればよいか。
それは『呪い』を解いて、死の恐怖から解き放ってやるしかない。
それでなくとも、この実験自体を潰さなければ、複数人で生き残ることはできない。

そうなると、これはマミの力で解決できる範疇を、完全に越えている。
巴マミは、魔女の倒し方を知っている。
けれど、それ以外のことは、全く、何にも、全然、知らない。

234 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:16:34.93 ID:5c/cX2aD

魔法少女は、『魔女の口づけ』をなされた一般人を、助けなければいけない。
しかし、巴マミは、この状況を打開する方法がまるで分からない。


「まずは……この病院で誰か探しましょうか」


ぽつりと呟いて、マミは歩きだした。



コツン、コツン



ブーツのかかとが、リノリウムの床と足音を鳴らす。

その手には、ソウルジェムではなく懐中電灯。

ソウルジェムは魔女探しには必要だが、灯りとしての役割ならば電灯の方がはるかに上だ。

灯りを左右に揺らしてルームプレートを確認し、そこが小児科の待合廊下なのだと確認。

しかし、それを確認したところで、次にどこに向かおうという案が浮かぶわけでない。

何とかしなければ、と思うから、足は動く。

しかし、何をすべきか分からないから、方向は定まらない。

(私は、どこへ行こうとしているのかしら……)

動かないわけにはいかない。魔法少女なのだから。
しかし動けない。どうしたらいいのか、分からないのだから。

それはある意味で逃避であったが、それを自覚するつもりはない。
逃避とは、直視すれば現実と向き合わされるからこその、逃避なのだ。
そして、現実と向き合う力がないからこその、逃避なのだ。


ゴポッ


雑音が耳を濁した。

ジジッ、と電気が繋がるような音と、ゴポ、とマイクを叩くような音。

中学校でも、校内放送の前兆として流れる、独特の音。

マミは、思わず周囲を見回す。

『小児科前にいらしゃるそこの貴女。至急、四階の放送室へとお越し願います。
繰り返します。至急、放送室へとお越し願います』

235 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:18:05.58 ID:5c/cX2aD

低く、ぼそぼそとした声の男性だった。

ガシャコン、と独特の電子音を残して、放送は途切れる。

「どうして私がいるって……いや、放送室なら、セキュリティカメラぐらいはありそうね」

放送から得られた情報は少なく不親切。
あまりコミュニケーション能力に長けた人物とは言い難い。
しかし、殺し合いに乗っている人間なら、こんな放送をしたりしないだろう。
こちらの居場所を一方的に把握しているのなら、待ち伏せした方が確実だ。どんな馬鹿でも、それぐらい分かる。

「行ってみましょうか……一般人男性が相手なら、遅れを取るはずもないし」
銃を向けられたらリボンで拘束しても良し。負傷してもある程度なら自力で治癒できる。
殺し合いに乗った人間を説得する言葉は持たないが、単に生き延びる為の方法ならいくらでも知っている。



☆   ☆   ☆

放送室を見つけるのに、しばらく手間がかかった。
院内案内図を見る限り、この病院の放送室はナースステーションとセキュリティルームの二か所に設置されているようだ。男が呼びつけたのは後者だ。

解錠されていたドアを開け、まず視界を圧倒したのは、大量のビデオ画面。
しかし、今のところ画面は暗いままで、監視映像のスイッチは入っていなかった。
そして、それら全てを眺望できる回転椅子の上に、体育座りで丸くなる男が一人。

「ご足労いただき、ありがとうございます」

きぃ、と回転椅子が周り、椅子ごと男が振り向く。
眼の下に大きな隈。
落ちくぼんだ瞳と痩せた体は、不健康を通り越して、逆に強い生命力を感じさせた。

「私はL。探偵です」

L。
あまりにも名前らしくない名前だが、しかし確かに名簿に書かれていた名前だ、
アルファベット一文字だったものだから、印象に残っていた。

「巴マミと言います」

礼儀として名乗り返すが、しかし油断は解かない。
瞬時にマスケット銃を精製して、男の頭に照準。
狙いは違わない。何十回何百回と手慣れた動作だ。
男は、空中から出現したマスケット銃に軽く目を見開いた。

236 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:19:12.63 ID:5c/cX2aD

「私は、殺し合いに乗るつもりはありません。その上で、あなたに聞きます。
あなたは、この殺し合いでどう行動するつもりですか。
そして、私をここに呼び出した意図は?」

Lはさしたる動揺も見せずに答えた。

「順番に答えますと……まず、巴さんを呼び出した理由は、仲間を求めていたからです。
お互いに協力関係を築ける仲間を」
「私が、あなたに危害を加えないと判断した理由は?」
「カメラに映った挙動から、貴女が殺し合いに乗っていないことは99%ないと推測しました。
しかし、もしもの時はこれを」

「お札……?」

男が手渡したのは、黄色みがかった古い符だった。
梵字というのだろうか。判読不能な行書の字が書かれている。

「私の支給品の一つです。他にも数種類、各二枚ずつのセットになっていました。
特定の呪文を読み上げることで、符に書かれた効果、その札の場合は、雷撃が発生するそうです。
実際に一枚で試してみましたが、効果は確かなものでした」

魔法のお札。魔法少女であるマミが言うのも何だが、信じがたい効果だ。
しかし、何より、
「今、私が銃を出すところを見たでしょう? 私は、そんなお札でも倒せないぐらいの強敵かもしれませんよ?」
実際、その通りなのだ。
その札の威力は分からないが、少なくともマミが大量に出現させたマスケットの一斉射撃には火力で劣るだろう。
「貴女は病院内を探索する際に、懐中電灯を使っていました」
「……それが?」

「つまり、少なくとも貴女の視力は普通の人間と同程度のものだということです。
加えて、あなたの視界は病院の暗さに慣れきっている」

「あ……」
ようやくマミにも合点がいった。
この闇の中で雷の閃光がさく裂すれば、いくら魔法少女でも視界を塞がれるだろう。
Lが監視映像を切っていた理由も、これで判明した。
どうやらこの男、正体の不明瞭なところはあるものの、確実に頭の切れる人物だと理解する。

237 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:20:46.31 ID:5c/cX2aD

「よって、私は貴女との接触を試みました。
そして、私のこの殺し合いに対するスタンスはというと『この殺し合いを停止させ、主催者を捕まえる』ということになります」

殺し合いの停止。

顔をはたかれたような気がした。
マミとて、それをしなければと思ってきたのだ。
しかし、見た所一般人に過ぎない青年のLが、それを言い出したことがマミを驚かせた。

魔女を狩り、多くの人間を魔女の手から助けてきたマミにとって、魔法少女でない一般人は、魔法の戦いにおいて全く無力な、戦う手段を持たない存在だった。
マミの豊富な戦闘経験の中では、そうだった。
魔法少女でなければ、魔女には勝てない。
魔法少女が勝てなければ、魔女を止められる者はいない。
それがマミにとっての常識だった。
それ故に、この「呪いを解いてみせる」と言い切る一般人――あまり一般的とは言えない容貌だが――は、ガリバーに突進する小人のように奇異に映った。

「あなたは――あんな訳の分からない力を持った主催者に、勝てると思っているんですか?」

思わず、そう聞いてしまった。


「はい、必ず勝てます」


即答だった。
ハッタリでも虚勢でもない、揺るぎの無い確信があった。

「この『儀式』を計画したキヨタカという男は、私たちと同じ人間であるからです」

「あの男は、大勢の人を突然拉致したり、『魔女の口づけ』を使ったりするんですよ。
そんな相手が、ただの人間だと思っているんですか?」

「ええ、思います。何故ならあの男は、この企画を『実験』と称したからです」

Lは計器盤の上に置かれた薬品つぼから、薬さじで白い粉をすくいとり、口に運んだ。
よく見ればそれは、砂糖壺だった。

「あの主催者は、神と名乗りました。
主催者がその言葉通りに『何でも願いを叶えることができる』ならば、そもそも『実験』など行う必要はない。
『実験』とは、『予測が困難な対象を測定する』ということなのですから。
あの男は確かに“神”と称するに足る、人知を超えた能力を有しているのかもしれない。
しかし、少なくともあの男は全知全能ではない。
そして、『実験』を開こうとするからには、何か彼一人の力では解決困難な問題を抱えている」
238 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:22:00.89 ID:5c/cX2aD

こじつけだと切り捨てることもできる、漠然とした
しかし、そこにあるのは確かな確信と、論理だった。

「そして、全知全能でない人間のなすことには必ず綻びが生まれます。
ですから、この状況を打開する手段もどこかにあるということです」

Lの隈のできた瞳が、食い入るようにマミの眼を見た。

「そして巴さん、貴女も本当は信じたいのではないですか?
だからこそ貴女は、大きな戦力を持ちながら、殺し合いに乗っていないのではないですか?」

この時、彼女は理解した。

マミがいなかったとしても、この男は一人で主催者と戦えるだけの力を持っている。
しかし、その事実が虚しいかというと、『否』だ。

この男は、偶像としての“正義の味方”ではなく、対等な“協力者”として、マミの力を要求している。

「私に、力を貸してくれるんですか?」

「私が、力を貸してほしいと言っています」



その瞬間、芽生えた感情は何だったのか。

(私は、人に頼ってもいいの? もう独りで戦わなくてもいいの――?)

“安堵”と呼ぶには、まだあまりにも小さい、しかし確かな“希望”だった。


【D−2/病院/一日目深夜】
239 ◆8nn53GQqtY :2011/07/24(日) 22:24:14.67 ID:5c/cX2aD
【L@DEATH NOTE】
[状態]健康
[装備]小狼の符(雷帝×2、火神×2、風華×1)@カードキャプターさくら
[道具]基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考]基本:実験の停止
1・巴マミに協力してもらう。情報交換。
2・夜神月は最大限に警戒
※参戦時期は、少なくとも夜神月と知り合って以降。

【巴マミ@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]健康、ソウルジェム魔力満タン
[装備]変身済み、マスケット銃一丁
[道具]基本支給品一式、不明支給品1〜2
[思考]基本:『魔法少女』としてこの事態を解決する。
1・Lと情報交換。協力する。
2・Lを信じてみてもいいかもしれない…
※3話、病院へと向かう以前からの参戦です。
※魔法で出現させた銃器は、巴マミ以外の人間が持つと30秒以内に消滅する仕様になっています。

【小狼の符@カードキャプターさくら】
李小狼が作中で仕様していた符。
火神、雷帝、風華など、特定の自然物を召喚する。
小狼の魔力が込められているので、一般人にも使用可能。

投下終了です。
240 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 22:53:56.38 ID:TKuQlReH
投下乙です。
Lの再現率がすごい、さすがですね。
では自分も投下します。
DOL3rd40話 やはり不安はあるけれど
登場人物:◆YR7i2glCpA、◆ymCx/I3enU
241やはり不安はあるけれど ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 22:54:26.27 ID:TKuQlReH
「……ん、あれ?ここは何処だ?」

◆YR7i2glCpAは民家の中で目を覚ました。
記憶が曖昧になっており何があったか理解できない。
そこで、何とか理解しようと頭の中で考え続けた。

「……あー、駄目だ…思いだせない」

何かとてつもない衝撃でもあったのか…。
仕方なく、もうひと眠りでもしようかと思った時。

「あ、YR氏起きたのか」
「え…てうおおおおおおおおお!!何あんた!?え?」
「落ち着いて、俺だよ俺…◆ymCx/I3enUだよ」
「……え?」
「こっち来たらこの姿になってたんだよ」

しかし彼はまんざらでもなさそうに言った。
きっとこの状況を楽しんでいるんだろう。
しかし、偽物と言う可能性もあるのである事を聞いてみた。

「すみません、好きな獣人の種類ってなんでしたっけ?」
「狼だけど」

なるほど、本物だな。
242やはり不安はあるけれど ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 22:54:57.11 ID:TKuQlReH
と言う事で話を聞くことにした。

「ym氏…なんで俺気絶してたんですか?」
「………一時的な記憶喪失かなんか?」
「分かりませんけど…思いだせないんです」

◆ymCx/I3enUは顔をゆがませる。
それほどに酷い事でもあったのだろう。
少し時間をおいて、◆ymCx/I3enUは話しだした。

「9Q氏が死んでいた…他に、たくさん人がな」
「……9Q氏が…死んだ……」
「何か思い出せそうか?」

記憶が少しづつだが戻ってきた。
確か自分は、ここに来て……。
そして、あの男たちと会ったんだ。
そして、皆が……死んだ?

「う、うわあああああああああああああ!!?」

一気に記憶が戻ってきただけではなく、仲間が死んだショックも襲いかかってきた。
頭が割れてしまいそうな痛み。
それがどんどん自分を苦しめる。

「ぐわああああああああああああ!!」

この痛みで幻聴まで聞こえてきた。
何を言っているかはまだ分からないが、七原君たちの声だ。
聞きたくない、聞きたくない、聞きたくない。
やめてくれ、やめてくれよ。
耳が痛い、頭が痛い、心が痛い。
243やはり不安はあるけれど ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 22:55:21.60 ID:TKuQlReH

「………」
「大丈夫か?YR氏」
「なんとか、収まりました」

それは嘘である。
まだ幻聴も聞こえるし、頭も痛い。
しかし心配させる訳にもいかないのだ。

「行きましょう、近くに学校があるので…そこなら何かあるかもしれませんよ」
「そうだな、行こうか」

【夕方/D-3住宅街民家】
【◆ymCx/I3enU】
[状態]健康
[装備]ワルサーPPK/S(6/7)
[所持品]基本支給品、ワルサーPPK/Sのマガジン(3) 、天野雪輝の首輪
[思考・行動]
基本:特にどうしたいわけでもない。
1:学校に行く。
2:とりあえず、首輪をはずしたい。
3:他の書き手さん、どうなってるかな。
[備考]
※願いは不明です。
※青と白の毛の人狼の姿になっています。
【◆YR7i2glCpA】
[状態]右足に銃創(応急処置済み)、精神的疲労(極大)、幻聴、頭に強烈な痛み
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:学校に行く。
2:◆ymCx/I3enUと行動する。
3:他の書き手さんは信頼できそうか…?
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
※右足の痛みになれたので歩けるようにはなりました。
244 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/24(日) 22:55:48.56 ID:TKuQlReH
投下終了です。
245 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/24(日) 23:19:39.52 ID:wzOhRxBB
投下します
タイトル:見てこい、
登場人物:◆VxAX.uhVsM、カルロ
246 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/24(日) 23:20:11.28 ID:wzOhRxBB
「ああ、一体なんでこんなことに?」

崖の上で、自分の不運を嘆くカルロ。
あの時、命令に従って見に行ったせいで、自分は…。
意識が遠くなっていって、気が付いたらこんなところに。

(第一、外からバンバン撃つより手榴弾投げ込んだ方が確実なのに)

わざわざ回りくどい方法を取ったせいで、自分が見に行かされたのだ。

「おい」
「ん」

急に誰かに声をかけられ、振り向く。
その瞬間、相手は自分の懐に潜り込んでいた。

「が…」

腹部に痛みが走る。
思わず、倒れてその場ににのたうち回る。

「…よいしょっと」

ズルリと腹から一気に何かが引き抜かれる。
それと一緒に、夥しい量の出血が。
その尋常じゃない痛みに声にならない悲鳴を上げる。
出血と共に、意識も遠のいていった。



247 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/24(日) 23:20:30.46 ID:wzOhRxBB




血の海の中に倒れる男と、その傍に立つ1人の男、◆VxAX.uhVsM。
その手には血塗れのサバイバルナイフ。
生まれて初めて「殺人」と言う物をやってみたが、思っていたより簡単にできた。

「…こいつ、銃持ってるかな」

自分に支給されたのはサバイバルナイフ1本と、大きなチューブ入りののりだった。
「強力のり」とか言う名前だったはずだが、よく覚えていない。
銃があるだけで、戦闘において大きな力になる。上手く扱えるかは別として。
自分は銃なんて扱ったこともないが、まあ多分大丈夫だろう。

「…おっ、銃あるじゃん。何で使わなかったんだ」

出て来た銃は、結構眺めの銃。
多分「ライフル」とか言う奴じゃないだろうか。
しかし、マガジンが無く、予備弾は弾丸がそのまま支給されているようだ。

「…何々、【レミントンM700:ボルトアクション式小銃。装弾数4。スコープ付き】か」

ボルトアクションと言ったら、確か1発撃ったら装填しなおす必要があるんだったっけ。
あまり良く覚えていない。

(何にせよ、銃が手に入ったんだ。これで何とかなるだろ)

しかし、それでもまだ心残りがあった。
…他の書き手さんのことだ。
自分に、書き手さんを手にかけられるか。それが、大きな問題だった。

248 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/24(日) 23:20:49.10 ID:wzOhRxBB
「…いや、ここで迷うようじゃ生き残れないな」

いくら同じ書き手同士といえど、やはり敵だ。
最後に立っていられるのは、1人だけなのだ。

「さて…どこに行こうか」

【一日目・深夜/B-1】
【◆VxAX.uhVsM@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:レミントンM700(4/4)、サバイバルナイフ
[所持品]:支給品一式、強力のり@その他、7.62mm弾×12
[思考・行動]
基本:ゲームに乗って最後まで生き残る。
1:どこに行こうか。
2:相手が書き手さんでも…。

【カルロ@コマンドー 死亡】
死因:刺殺

≪支給品紹介≫
【強力のり@その他】
漫画・アニメ「日常」より。
初登場は日常の45。はかせが阪本さん達を動けなくするために作った。
名前通り強力でくっつくとなかなか取れない、が水をつけると簡単に取れるらしい。
249 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/24(日) 23:21:02.68 ID:wzOhRxBB
投下終了です
250 ◆ymCx/I3enU :2011/07/25(月) 21:00:08.05 ID:Lfd6gfrq
投下乙です

投下します EX2 2話 届かない光の向こう 登場:安野賢史、ヘンリッキ
251届かない光の向こう ◆ymCx/I3enU :2011/07/25(月) 21:00:49.54 ID:Lfd6gfrq
2話 届かない光の向こう

安野賢史はいじめられっ子である。それも空前絶後の。
虎の獣人だが小柄で、気弱な性格は格好の的になった。
そして現在男子校である高校に通い始めているのだが彼を更なる困難が襲う。
女性のようにも見える容姿の彼は。

性的ないじめも受けるようになってしまったのだ。

「どうして僕ばっかりこんな目に遭うの」

そして今度は殺し合い。いじめに耐え続けた結果が殺し合い。
心配をかけまいと親にも先生にも言わず(言った所で何も無いかいじめが酷くなるだけだろうが)、
極太のそれを無理矢理尻に入れられたりしても我慢してきた結果が。

「そうなんだ、神様は僕を嫌いなんだね…」

支給された自動拳銃ルガーP08を握り締める。

「なあ、君」

声を掛けられ賢史が振り向く。
筋肉質な濃い茶色の人狼が立っていた。手には特殊警棒が握られている。

「何ですか―――!?」

賢史が返事をするや否や人狼は特殊警棒で殴り掛かってきた。

ガッ

首と肩の間の辺りを殴られ賢史は卒倒する。
声も出せず激痛に悶える虎の少年から、人狼、ヘンリッキはルガーを奪い取った。

「良い武器が欲しかったんだよ」

ヘンリッキは地面に蹲る少年に向けルガーを構えた。

「悪いけど死んでくれ」

(……しぬ? だれが? え?)

激痛と脊椎辺りを殴られた事による意識の混濁の中、人狼が言い放った「死」と言う単語に、
賢史は酷く反応を示す。

(しぬって、ぼくが? ぼく、しぬの? いやだ、いやだ、そんなの)

「……だ」
「あ?」
「そんなのっ嫌、だあああああああああああ!!!!」

少年が絶叫し、人狼の足元に突進しその巨体を地面に倒した。
252届かない光の向こう ◆ymCx/I3enU :2011/07/25(月) 21:01:29.13 ID:Lfd6gfrq
「ぐああっ! このガキ……!」

思いがけない少年の反撃に怒ったヘンリッキがルガーを少年に向けて引き金を引いた。

ダァン!

「うぐぅ!!」

賢史が苦鳴を上げるが銃弾は彼の左頬を掠るのみに留まった。
無我夢中になっている賢史は痛みには構わず、立ち上がり、ヘンリッキの股間を思い切り踏み付けた。
露出している陰茎と睾丸に固い靴底による踏み付けがなされれば、いくら賢史が非力でも。

「ガアアァアアアァ!!?」

屈強な人狼に悲鳴を上げさせ股間を押さえのたまわさせる事は容易に出来るのだ。

「このガキもう許さ、」
「ガキガキうるせぇんだよ……」

虎少年を睨もうとしたヘンリッキが固まる。
いつの間にか少年はルガーを取り返し、銃口を自分に向け仁王立ちしていた。
声の質が先程までとは違い低めになっている。

「……おい、待て、待て! 俺が悪かった! 悪っ」

ダァン!

「悪いと思うんなら、死ねよ糞」

ヘンリッキの額から9oパラベラムの銃弾が後頭部まで突き抜け、彼の意識は霧消した。

「…どいつも、こいつも、僕を虚仮にしやがって!!」

死体となった人狼を何度も何度も蹴り上げる賢史。
先程までの彼とはまるで別人のように乱暴な口調と態度になっていた。

「みんな僕の事嫌いなんだろ、ええ? そうかよ。じゃあ、先に殺してやっから。いいよな?」

溜まりに溜まった鬱憤は爆発し彼を大きく変貌させた。
人狼が持っていた特殊警棒を拾い、更に人狼のデイパックも確認するが基本支給品以外は何も入っていないと見ると、
ルガー拳銃を装備した虎少年はその場から立ち去った。


【ヘンリッキ:死亡】
【残り:38人】
253届かない光の向こう ◆ymCx/I3enU :2011/07/25(月) 21:02:28.63 ID:Lfd6gfrq
【早朝/C-2森】
【安野賢史】
[状態]鬱憤が爆発した事による性格豹変、左頬負傷、首付近に打撲
[装備]ルガーP08(6/8)
[持物]基本支給品一式、ルガーP08弾倉(2)、特殊警棒
[思考]
0:全員殺してやる。
[備考]
※普段より攻撃的で乱暴な性格に変化しています。


※C-2森にヘンリッキの死体及びデイパック(基本支給品一式)が放置されています。


≪キャラ紹介≫
【安野賢史】  読み:あんの さとし
15歳の虎獣人の少年。小柄で女のような外見となよなよとした性格で小学校からいじめの対象に。
更に男子高に進学して性的ないじめもされるようになる。鬱憤が凄まじく溜まっている。

【ヘンリッキ】
22歳の人狼。濃い茶色の毛皮で筋肉質。
人狼の盗賊団の一員で正規の騎士と戦って撃退した事もある。肉は火を通して食う方が好き。
254 ◆ymCx/I3enU :2011/07/25(月) 21:03:08.49 ID:Lfd6gfrq
投下終了です。
255 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:13:03.27 ID:axQy2jd3
投下乙です。
投下します。
DOL3rd41話 この男、かつてないほどに危険につき
登場人物:◆VxAX.uhVsM、青木林、剛田武、◆xzYb/YHTdI、長谷川智美、ドラえもん
256この男、かつてないほどに危険につき ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:15:02.85 ID:axQy2jd3
登場人物に 桐山和雄 追加

----------------------------------------------
「あれ、こいつなんでこんな所で独立して寝てるんだよ」

◆VxAX.uhVsMはカメラの片隅で草むらに横たわっている女を発見した。
誰の顔か見て、ああこいつかと言うように顔をしかめた。

「仕方ない…どっかにワープさせるか…よいしょ」

ボタンを押して、長谷川はどこかに飛んでいく。
行き先を設定し忘れてどこに行ったか分からなかった。

「やべぇやべぇ…どこか探さないと…あ」

するとすごい量の汗が噴き出してきた。
それほどに大変なことだったのだろうか。

「っべー、まじっべーわー…ちょっと本当にどうしようもないわー」

画面を切って何もなかったことにした。



   ◆       ◇

「……くそ、俺は…殺したくない…でも、百合を……!」

B-3の平野で放送後休憩していた彼は自己嫌悪に陥っていた。
相川友はまだ死んでいない。
つまり彼を自分で殺さなくてはいけないかもしれないという事なのだ。
それは彼にとって悲しいことなのだ。

「………友、どうしてるかなー…会いたくないな…」

友人の安否が心配ではある。
友人が死んでうれしいと思う奴はあまりいないはずだ。
もう放送から何時間経ったかは分からない。
でも、時計も見る気がしない。
257この男、かつてないほどに危険につき ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:15:44.51 ID:axQy2jd3

「ああ、このまま全て終わってくれないかな…」

そんなはかない願いをするが、無駄である。
彼はまた再び自己嫌悪へと陥ってしまうのであった。



    ◆       ◇



「学校が見えてきたね」
「そうだな…なあ、腹減ったからちょっと休まないか?」
「ん?いいよ」

剛田武と◆xzYb/YHTdIは近くに大きな木のそばに座る。
まるでピクニックに出かけている様だが、そんな雰囲気で無い。

「あー、腹減ったー!食うぞ……」

ドスッ、と言う音が二人の前から聞こえる。
空から何かが降って来たような音であった。
二人とも前を見ると、そこには倒れている猫の獣人がいた。

「うわああああああああ!!なんかふってきたあああああああああ」
「お、お、お、お、、、、おおおちつこう!」

二人ともパニックになっている。
しかし、動かないのを見て二人とも少しづつ落ち着いてきた。

「……生きてないのかな?」
「分からないが、調べるか?」
「怖いけど、調べるしかないよね…?」

二人が死体に近づくと、遠くから小さな音が聞こえてくる。
パン、パン、パン……。
その音の後、目の前にいた女の体に3つの穴が開いた。

「うわああああああああああああああ!!?」
「ぎゃああああああああああああああああああああああ!!!」

二人とも絶叫を上げる。
三発の銃弾、もしかしたら自分たちも狙われていたのかもしれない。
二人とも足がすくんでしまっている。
死の絶望から来る恐怖が襲いかかってきていた。

「くそ、死にたくないんだ……!」

なんとか逃げようとするが、いつの間にか撃っていた男が近くにおり、腹部を撃たれた。

「ぐ、わあああああああああ!?いた、がが……」
「xzさん!?」
258この男、かつてないほどに危険につき ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:16:07.59 ID:axQy2jd3
桐山和雄は残りの弾丸が二発なのを見ると、剛田武の眉間に銃弾を撃ち込んだ。
何も話させずに、一撃で死んだ。
その瞬間、◆xzYb/YHTdIは死を覚悟した。
駆け巡ってくる思い出。
走馬灯と言う物を見るのは初めてだった。

「ああ、もう少し生きていたかったな…」

桐山は眉間に銃弾を撃ち込み、二人とも動かなくなった。

【長谷川智美@オリキャラ 死亡】
【剛田武@ドラえもん 死亡】
【◆xzYb/YHTdI@非リレー書き手@非リレー書き手 死亡】



    ◆       ◇



「おーい!そこの人ー!聞きたい事があるんだけど…」
「……なん、って…誰だお前!?」
「僕ドラえもん!22世紀のネコ型ロボットさ!」
「……22世紀?」

青木林の前に現れたのはドラえもんだった。

「……なんだよ」
「剛田武…ジャイアンを見てない?」
「ジャイアン…?残念ながら知らないけど」
「そうか……仕方ないな」

ドラえもんは残念そうな顔をした。
青木林は右ポケットに手を突っ込んだ。
グロック19を握りしめた。
これで撃てば、殺せるかもしれない。
ロボットでも、多分頭を撃てば殺せる。

「ごめんな…」
「ん?何か言った?」
「いや、気にしなくていいよ…じゃあな」

ドラえもんが後ろを向く。
259創る名無しに見る名無し:2011/07/25(月) 22:16:28.01 ID:axQy2jd3
ここが好機だ、と言わんばかりに後ろから銃弾を撃ち込んだ。
腹部を貫通して、中身の機会が見えた。

「な……なんで、なんでこんなことを…?」
「流石機械とでも言うべきか…悪いな、死んでくれよ」

引金をひいて、ドラえもんにあたる。
今度こそ倒れて動かなくなった。
バチバチ、と中で機械がショートしているのが聞こえた。

「……あー、やっちゃったな…これからどうしようか」
「なら、死ぬといいぞ」
「!!」

後ろから声が聞こえてくる。
すぐに振り向き撃とうとしたが、反応が遅かった。
その時にはすでに、撃たれていた。

「が…は、くそ…ゆ、り……」

倒れてのた打ち回る。
既に痛みが無くなってきていた。

「ああ、くそ………くやし、いな…」

もう意識も消えかかってきている。
もうこれで自分の人生はお終いなんだと思う。
仕方ないのは分かっている。
自分は人を殺してしまったからだ。

(こんなんじゃ、百合に合わせる顔が無い…な)

せめて天国で、幸せになりたいな。
いや、違うな…俺は地獄に行くべきなんだよ。

「百合…おまえ、だけは、しあわ…せ、に」

最後に一発その場に、甲高い音が響いた。

【ドラえもん@ドラえもん 機能停止】
【青木林@オリキャラ 死亡】



    ◆       ◇
260 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:17:01.64 ID:axQy2jd3



「……もうこの場にめぼしい場所は、学校しかないな」

桐山は、青木林が持っていた銃を回収して歩いていた。
放送も少なからず近付いているのははかった。

「次の放送が終わり次第…学校に行こう」

この男はきっとだれにも止められない。
悪魔が、現れない限り。

【夕方/B-3】
【桐山和雄】
[状態]右肩に銃創、腹部に刺し傷、
[装備]FNハイパワー(11/13)、グロック19(5/10)、名刀「電光丸」(バッテリー切れ)
[所持品]基本支給品、ゲームセンターのコイン(19)、 FNハイパワーのマガジン(1)、グロック19のマガジン(3)
[思考・行動]
基本:この殺し合いに優勝する、そしてせめてもの罪滅ぼしをする。
1:中央部…学校に向かう。
2:七原と川田はと会っても、容赦しない。
[備考]
※願いは『守ろうとした人を、生き返らせる権利』です。
※マンガ版死亡後からの参戦です。
261 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/25(月) 22:17:38.33 ID:axQy2jd3
投下終了です。
何故かsageが消えてた…不注意でした。
262 ◆9QScXZTVAc :2011/07/26(火) 10:07:38.33 ID:9N4bP8uU
俺の主催するバトル・ロワイアルの参加者を一部変更します。

【リトルバスターズ!】
・棗恭介

【Steins;Gate】
・桐生萌郁

の追加をお願いします。
263◇FN Fivw seveN:2011/07/26(火) 10:53:59.19 ID:EBTUXQjr
戦力差がカオスなロワイアル投下します
264◇FN Fivw seveN:2011/07/26(火) 10:54:28.92 ID:EBTUXQjr
「今からお前らに殺し合いをしてもらいます。」
狭いホールに男の低い声が響き渡る。それと同時に目を覚ました。
首に何か鉄の感覚があった。首輪だと言うのは気づかなかった。
しかもそれは、ルールを破ったり禁止エリアに入ると爆発する爆弾であるらしい。

「ここにいるのは、36人と一匹。全員で殺し合い生き残ったやつの願いをかなえてやる。」
「何でもか?」
近くにいた、髪の毛を束ねた青年が、突然声を上げた。
「ああ、かなえれる範囲ならな。」
「永遠の命と言うのはどうだ?」
髪を束ねた男の言葉に、一人の少年が反応した。
「ああ。もちろんさ。ルールの続きを言うぞ。」

地図
 123456    海→深い海。通れそうにない。
A×崖崖港海海    丘→小高い丘
B丘丘山山湖山    崖→ただの崖。 
C丘原原原湖崖    山→雪山。辛うじて放送が聞こえる。
D川川川橋川渦    原→野原や草原。
E森村森街街街    湖→大きな湖。特に何もない。
F森森×森街港    渦→小さな渦が発生していて通れそうにないが…。
G軍軍崖  海

Aの1、Fの3 最初の禁止エリア。禁止エリアは半日に一回の放送のたびに二箇所ずつ増える。
Aの4、Fの6 小さな港。
Bの1 山小屋。地下通路でCの6に繋がっている。
Bの2 ロープウェイ乗り場。
Bの6 ロッジ。地下室にワインセラーがある。
Cの4 小さな草原。何もなく、背の高い芝部だけのところ。喋る案山子(優午:オデュボーンの祈り)がいる。
Cの6 アンブレラの研究所(バイオハザード)。Tウィルスの研究所。Bの1と繋がっている。
Dの2 RPGで追撃されたブラックホークとパイロットの死体(ブラックホークダウン)が漂着している。  
Dの4 つり橋。放送のたびに開閉する。
Eの1 大きな櫓がある。
Eの2 アシタカの故郷(もののけ姫)にそっくりな村。
Eの2、Eの5 警察署、病院、ショッピングセンターが固まる所。
Eの6 ホテルと消防署がある。唯一放送が聞こえないところ。
Fの5 住宅街。小学校と中学校がある。近くには刑務所もある。
Gの1、Gの2 元アメリカ空軍基地。何故か瓦礫の山となっている。
Gの4、Gの5 地図に何も書かれていない場所。何があるかは不明。

【首輪について】
首についている首輪。容易に取り外せそうにはない。禁止エリアに入ると30秒以内に爆発する。
T1000は液体窒素が流れてT850やリンやバリーは威力が強力にしてある。

【ルール】
三日以内に最後の一人にならなかった場合は、全員の首輪が爆発する。

【支給品】
基本殺傷能力の高い武器。しかし例外もある。一人三種類ずつ支給される。所持品はほとんどが没収される。
懐中電灯、食料、時計、地図、名簿はこちらで支給。

「以上諸君,健闘を祈るぞ。」
265◇FN Fivw seveN:2011/07/26(火) 10:56:06.63 ID:EBTUXQjr
参加者一覧

   【銀魂】3/3
 O坂田銀時 O神楽 O泥水次郎長 
   【ハガレン】8/8  
 Oエドワードエルリック Oゾルフ・J・キンブリー Oイズミ・カーティス Oジャン・ハボック
 Oバリー・ザ・チョッパー Oラース(キング・ブラットレイ) Oランファン Oリンヤオ(グリリン)
   【ゴールデンスランバー】 2/2 
 O小鳩沢(ショットガンの男)O三浦(キルオ)
   【オデュボーンの祈り】 3/3
 O伊藤 O桜 O日比野
   【グラスホッパー】2/2 
 O蝉 O比与子
   【ワンピース】3/3 
 Oトニー・チョッパー Oニコ・ロビン Oジュエリー・ボニー
   【もののけ姫】2/2
 Oアシタカ(アシタカヒコ) Oサン 
   【ゲド戦記】 3/3 
 Oアレン Oゲド(ハイタカ) Oテルー 
   【ターミネーター】3/3
 OT1000 OT850 Oサラ・コナー
   【プライベートライアン】2/2
 Oダニエル・ブーン・ジャクソン Oティモシー・E・アパム
   【BLEACH】2/2
 O黒崎一護 O藍染惣右介

   【DEATHNOTE】1/1
 OL
   【メタルギア】 1/1 
 Oネイキット・スネーク(BIG BOSS)
   【バイオハザード】1/1 
 Oアリス・アバーナシー
   【キノの旅】1/1 
 Oキノ
   【XMEN】1/1 
 Oウルヴァリン
   【実際の人物】 1/1
 Oチャールズ・ホイットマン 
266◇FN Fivw seveN:2011/07/26(火) 11:12:41.15 ID:EBTUXQjr
一話「主催者もカオス」投下終了です。
267小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:22:46.54 ID:9ESPEnTN
これよりOP、投下します。
268小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:24:22.68 ID:9ESPEnTN

「あの」

その一言で現状把握に夢中になっていたオレ…枸雅匡平の意識は現実に引き戻された。
振り向けば特徴的な空色をしたショートカットの、中学生ぐらいの女の子。
首には灰色の、金属製の首輪が巻き付いている。
きっとオレの喉元にある違和感の正体もこれだろう。

「ここ、どこだか分かります?それにこの首輪…」

彼女もまたオレと同じくこの異常事態に対し困惑しているらしい。

「…いや、オレも分からないんだ。
 実家に帰る途中、気付いたらここに」
「私は学校に行く途中……」

状況は違えど、結果的にここに辿り着いていたという事実は同じ。
やはりお互いに何が何だか分からない。

改めて周囲を見渡してみると、ただただ暗闇がオレ達を守っているだけ。
そしてオレ『達』 の中には、学生服を着た人、時代錯誤な格好をした人。
コスプレ…というのだろうか、あれは。妙な衣装の人もちらほら。まったくもって統一感がない。

269小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:25:23.83 ID:9ESPEnTN

「あ」
「どうした?」
「あそこにあたしの友達が…」

どうやら知り合いが居たらしい。
女の子が指をさす方向を見てみると、そこには彼女とは相対して
曇り空を思わす髪色の男子中学生が佇んでいた。あちらはこちらに気付いていない。
女の子は友達とコンタクトが取りたいようだけど、この人混みの中では上手く動くことはかなわない。
彼女が口元に手を当てて友人に大きく呼び掛けるが、周りの雑踏によって
届くことはなく。仕方がないので無理にでも人の群れを掻き分けて進もうとしたその時。

「こちらを見て下さい、とミサカは皆さんに注目を促します」

声のする方角。空間の中心に額にゴーグルをつけた『ミサカ』を名乗る少女の姿が浮かび上がっている。
用件も方法も推測すらできないが、ミサカがオレ達をここへ集めたのだろうか?それとも…。

「ぃ……と…!」

近くからミサカへの呼び掛けと取れる言葉が聞こえたような気がしたが、
継続されたままの騒がしさに呑まれてしっかりとは認識できなかった。
ミサカもそれに気付かない。あるいは、無視をしているだけかこちらを見ない。

「皆さんにはこれよりゲームをしてもらいます、とミサカは皆さんをここに収集した目的を告げます。
 優勝した一名には元の世界への帰還と、一つだけ何でも願いを叶えることを約束します。
 ルールは簡単です。スタートから72時間以内に自分以外の参加者全てを
 殺すだけ、つまり殺し合いのゲームです、とミサカは分かりやさすくまとめます」

……はぁ?
呆気に取られているのはオレだけではない。
先程話した女の子もその友達も、そして他のみんなも。
突拍子のないミサカの要求に唖然とするばかり。
その言葉の意味を充分に吟味したあと、反発の声を上げる人も多かった。
270小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:27:31.83 ID:9ESPEnTN
「抵抗はしないほうがいいかと、でなければ…」

ピ、ピ、ピ、と鼓膜を突き破るみたいな甲高く、耳障りの悪い電子音が鳴き声を上げ始めた。
…――音は隣に居る女の子の、友人の首輪によるものだった。
喧騒が完全に止み、少年はみんなの注目の的となる。

「何だ…これ?」
「……き、恭介?!」

どうしようもない不安がオレ達を襲う。それ以上に動揺していたのは女の子だ。
女の子は群衆を強引に潜り抜けて、ひたすら首輪を撫でる少年の方へ走る。
一方で少年の首輪が奏でるそれは、音と音との間隔を狭めていった。

「恭介、恭介!」
「さや――――」

人混みから顔を出した女の子に気付いた瞬間、少年は胴だけの姿になり、
頭が生えていたはずの首の天辺からは血肉が飛び出していた。
天高く跳ねた頭部は、鼻より下がぐちゃぐちゃに
潰れていて、残った半円だけが女の子の足元に落下した。
…女の子の表情は見えない。ただ震えているのが見えるだけ。

「皆さんの首についたそれには、爆発機能がついています。
 無理に外そうとした場合、三日が経過しても二人以上が生存していた場合、
 六時間毎に死者の名前と一緒に発表される禁止エリアに入った場合は
 この機能が作動し、例え不死であろうが何だろうが必ず死にますと、ミサカは強く忠告します」

くそ、何が何でも殺し合いをさせたいのか!

「その他にも便利な力があります、とミサカは親切に説明を開始します。
 この中には錬金術や超能力といった類を使える者から何の力も持たないただの人間まで幅広く揃っています。
 だからなるべく公平にするため、特殊な力を持つ者に何らかの制限を発動するようになっているのです」

…超能力?錬金術?
よく分からないけど例えば……隻が案山子を操る能力のようなものが対象になるのだろうか。
271小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:30:19.16 ID:9ESPEnTN
「もちろんそれだけではあまり差が縮まらないでしょうから、
 支給品が一つ〜三つまで入ったデイパックを用意してあります。
 他には日用品、地図、コンパス、飲み物や食べ物、寝袋、救急セット、懐中電灯、
 参加者名簿にペン、時計など…。生活する上で必要なものは大体揃えているので安心して下さい」

無表情を隠すみたいに額のゴーグルを装着して、首をわずかに
オレの方に…オレの近くに居る誰かに向けて揺らしたように見えた。
まるで、その誰かに何かを伝えたいかのように。

「……それでは、ゲームを開始します」

どういうわけか、オレは足先から光の粒へと化していく。

(一つだけ、何でも願いを叶える…か)

さっき言葉を交わしただけの…たったそれだけでも接点を持った女の子の、まだ震えが止まない背中を見つめながら。
ただ彼女がこの先、オレの幼馴染のように人間としての道を踏み外さないようにと祈った。

【枸雅匡平@神様ドォルズ】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
【御坂妹10032号@とある科学の超電磁砲】

【上条恭介@魔法少女まどか☆マギカ 死亡】
【バトルロワイアル スタート】
272小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/26(火) 17:35:38.66 ID:9ESPEnTN
OPは以上で終了です。


【地図】

 1 2 3 4 5
A街街街森森 街=街。風景的には新宿や渋谷、秋葉原などを想像してください。
B街街墓墓森 墓=墓場。 森=A-5にはボロい学校、B-5には小屋が建っている。
C廃廃城砂砂 廃=廃墟。廃村。 城=どのエリアからも見えるほどに高い。 砂=砂漠。C-4にはオアシスがある。
D遊遊橋河原 遊=大きなプール付きテーマパーク。 山=あまり高くはない山。
E遊遊山村村 村=畑や田んぼが多い。家がちらほら。

【参加者名簿】

6/6【2ちゃんねる】ガチホモ/喪女/美容/電波/オカルト/引きこもり
5/5【とある科学の超電磁砲】御坂美琴/白井黒子/初春飾利/麦野沈利/フレンダ・セイヴェルン
5/5【鋼の錬金術師】エドワード・エルリック/エンヴィー/スカー/プライド/キング・ブラットレイ
4/4【マギ】アラジン/アリババ・サルージャ/モルジアナ/ジュダル
4/4【神様ドォルズ】枸雅匡平/枸雅詩緒/史場日々乃/桐生
4/4【るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-】緋村剣心/神谷薫/瀬田宗次郎/志々雄真実
4/4【魔法少女まどか☆マギカ】鹿目まどか/暁美ほむら/美樹さやか/佐倉杏子
4/4【銀魂】坂田銀時/神楽/志村新八/鳳仙
1/1【夏目友人帳】夏目貴志

37/37

これからお世話になります。それでは。
273FN Fivw seveN ◆9FxqcGTI0c :2011/07/26(火) 18:40:17.20 ID:EBTUXQjr
トリップつけました。

>>272アニメ版のプライドって、キングブラットレイと同一人物じゃなかった?
エンヴィーを心の中で少し応援。
274 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:55:44.44 ID:j29rAgHM
お二方新ロワ乙です!
戦力差がカオス>本当に戦力差がwwLが頑張ってくれないと大変だぞ
小規模>マギ!超期待します! あと2chww
では自分も投下します。
DOL3rd42話 緊急放送(DOL3rd)
登場人物:◆VxAX.uhVsM
275緊急放送(DOL3rd) ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:56:38.33 ID:j29rAgHM
『えー…悪いな、俺だ。緊急放送を始める』

じゃあまず死者から発表する。

三枝由貴
仲村ゆり
花卉久家子
川田章吾
日向秀樹
山崎退
鈴木とおこ
佐々木いちろ
◆6LQfwU/9.M
古川正人
人吉善吉
我妻由乃
沖田総悟
◆9QScXZTVAc
土方十四郎
直井文人
天野雪輝
長谷川智美
剛田武
◆xzYb/YHTdI
ドラえもん
青木林

以上だ

とりあえず今生き残ってる奴も言うぞ。

相川友
遠藤清丸
音無結弦
桐山和雄
球磨川禊
黒神めだか
坂田銀時
◆ymCx/I3enU
◆WYGPiuknm2
◆YR7i2glCpA

以上10人だ。
276緊急放送(DOL3rd) ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:57:31.10 ID:j29rAgHM

禁止エリアの設定はない。
この放送が終わったらその島に面白い仕掛けするから楽しみにしておけ

あと、これだけは言っておいてやるよ。


お前らじゃおれに完全には勝てない。
それだけは覚悟しておくんだな。


そして、放送が終了した。
それとともに始まった最後の時間。
待っているのは、希望か絶望か。

【残り 10人】

※マップ内に異常が起きました。


投下終了です。
では続いて投下
DOL3rd43話 失踪する善意と到来する悪意
登場人物:相川友、黒神めだか
277失踪する善意と到来する悪意 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:58:00.59 ID:j29rAgHM
C-2の市役所で死体を一通り埋葬してやった相川とめだかの二人は聞こえてきた声に驚いていた。

「あれ……まだ6時までには時間ありますよね?」
「何かあるのだろう…嫌な予感しかない」

『えー…悪いな、俺だ。緊急放送を始める』

「緊急放送って、なんでしょうね」
「………」
「めだかさん?」
「いや、大丈夫だ……」

隣で顔を真っ青にしているのに大丈夫と言われても。
そう思いながら放送を聞き始めた。

三枝由貴
仲村ゆり
花卉久家子
川田章吾

………

青木林

「……、林が?」

あの時も死んでしまっていた。
自分がなにかをしていれば変わっていたかもしれない。
それだから、悔しさが時出てくる。

「めだかさん?」
「……」

そして、場面転換



   ◆       ◇


278失踪する善意と到来する悪意 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:58:22.43 ID:j29rAgHM
三枝由貴
仲村ゆり
花卉久家子
川田章吾
日向秀樹
山崎退
鈴木とおこ
佐々木いちろ
◆6LQfwU/9.M
古川正人

これだけの名前は既に覚えた。
でも、次が聞きたくはなかった。
誰の名前が出るかなんて分からないのに。
分かるはずかないのに。
それでも、時は残酷に過ぎてしまう。











人吉善吉











その時、彼女の理性は吹き飛んでいった。



   ◆       ◇


279失踪する善意と到来する悪意 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:58:43.51 ID:j29rAgHM
「うわあああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ
 あああああああああああああああああああああああああああああ」

吠える、吠える、吠える、咆哮、耳が痛いような叫びだった。
彼女に一体何が起きたのか、僕には理解できなかった。

「善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉
 善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉
 善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉、善吉」

彼女は何かを言っている。
僕には理解できない。
しかし、彼女は泣いている。

「うわああああああああああああああああああああああああ!!!」

彼女は、僕の方に近寄ってきた。
でも、僕は動けない。
拳を握っているのが見えた。
でも、僕は動けない。
僕はきっと殺されるのだろう。
でも、僕は動けない。
でも、僕は動けない。
僕は、僕は―――――――――――――



   ◆      ◇



彼女はあの時から変わっていない。
人吉善吉が死んでしまい、乱心モードになり、人を傷つける。
彼女は決して、善意の塊の天使などではない。
悪意を持った悪魔でもあるということなのだ。

【相川友@オリキャラ 死亡】

【??/C-2市役所】
【黒神めだか】
[状態]乱心モード
[装備]なし
[所持品]なし
[思考・行動]
基本:――――――。
1:――――――――。
2:――――――――――。
3:――――――善吉。
[備考]
※願いは不明です。
※生徒会戦挙編終了後からの参戦です。
※支給品を捨てて走り出しました。
280 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/26(火) 18:59:12.65 ID:j29rAgHM
投下終了です。
281戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/07/26(火) 20:13:55.88 ID:EBTUXQjr
二話目投下です。
「人生は生きるに値しない」 
登場人物 ジャンハボック、キノ
282戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/07/26(火) 20:14:36.91 ID:EBTUXQjr
腹部に今まで感じたことの無いぐらいの強烈な痛みを感じた。黒い槍のような物体が腹を貫通している。
「ハボック!!」
ショットガンを持ったまま、力なく倒れた。腹からの出血はひどい。
「…っとに女運悪ィ…。」
つい数日前まで付き合っていた、女性がホムンクロスのラストだった。信じたくはない。
気が徐々に遠のき痛みも消えていった。


######

ハボック少尉は、不恰好なコンクリートの上で目を覚ました。
目が覚めると、辺りは瓦礫の山だったのでさっきのは夢ではなかったのだと確信した。夢であって欲しかったのは事実だ。
首にある首輪が苦しくて邪魔だった。そんなことよりも支給品をとりあえずは確かめることにする。

木刀だ。根元辺りに「洞爺湖」と掘られている。非殺傷武器だが、十分に使える。
もう一つは、拳銃のサイレンサー。これだけでは使えそうにない。
あとは…サングラスだ。これは武器に入るのかと思って調べたが他のものはなかった。
どうやら“例外”を引いてしまったらしい。今ことと言い、ラストの件といいまったくついてない。

瓦礫マミレで、更に孤独ときたら頭がおかしくなりそうだ。早く出たかった。
血まみれのヘルメットと、防弾チョッキが落ちていた。誰かの支給品かもしれないがこれは使える。
(よし!!ついているぞ)
ヘルメットに付着した血痕は、とてつもない異臭を放っていたがつけないと頭を撃たれた場合は即死だろう。
チョッキはかなりの重さだったが、銃弾から守ってくれる。急いで瓦礫の山から逃げるその時だった。

「動かないでもらえますか・・・」

今立ち向かえそうな武器はない。木刀でも今向けられている銃に立ち向かえるものではない。
あいにく、チョッキの鉄板は前にしか着いておらず後ろからの攻撃には無防備だ。

「あなたは殺し合い乗っていますか?」
「殺し合いなんてのらねェよぉ。」

死を覚悟した。引き金を引かれたら死ぬ。抵抗しても死ぬだろう。
心拍数は極限に上がり、頭の中には大佐と中央司令部の同僚の顔が思い浮かんだ。ここで俺は死ぬ。
283戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/07/26(火) 20:15:01.50 ID:EBTUXQjr
「そうですか…。」

背後にいた参加者は拳銃を遠ざけた。何を考えているかは分からなかった。
木刀を構えて振り返った。けども誰もいない。「いったい誰だったのか」と言う疑問を抱きつつも木刀を下ろした。




【一日目/早朝/G-2 元アメリカ軍基地】
【ジャン・ハボック@鋼の錬金術師】
[状態]健康
[時期]12巻辺り
[装備]木刀、防弾チョッキ、ヘルメット
[道具]基本支給品一式、サングラス(T-850)拳銃のサイレンサー
[思考・行動]
 0:殺し合いには乗らない。
 1:早く軍基地から出たい。


□■□■


「殺し合いなんて乗らねェよぉ。」

男からその答えが聞けてよかった。はっきり言うと人は殺したくはない。構えた拳銃を遠ざけると、その場を離れた。
旅の途中だったのに、いつの間にかここにいる。早く戻りたかった。
廃墟を出ると森に出た。地図には森の北に行くと川に出る。そこから北側に行ける。
それにしても、空白の部分が気になるがこの部分には何があるのか分からない。気をつけたほうがいい。

ズガン

どこかから銃弾が飛んできた。銃弾はスピンしながら近くの木にめりこんだ。
危険を察知して、銃を構えたが敵は見当たらない。やばい状況だ。

ズガン

今後は頬をかすった。どこから撃ってきているかは分からない。
北東600メートルほどに背の高い櫓があった。朝日が反射して不気味に光っている。

バン

銃の引き金を引いた。やぐらの一部にあたって木がはじけたが、相手には被弾せず脅しにもなっていない。
相手はスコープ付のパースエイダー。こっちはスコープのついていないパースエイダー。
相手のが有利だ。走って逃げることにした。

【一日目/早朝/F-1 ただの森】
【キノ@キノの旅】
[状態]頬にかすり傷
[装備]銃(種類や名前も不明。スコープはついていない)
[道具]支給品×2 基本支給品一式
[思考・行動]
 0:人は殺したくない
 1:狙撃してきた参加者からとりあえずは逃げる。
284戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/07/26(火) 20:16:38.04 ID:EBTUXQjr
投下終了です。
今回の話は少なかったので、次からは多くします。
285 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/26(火) 21:55:01.17 ID:xQYrivh/
新ロワ投下乙です
自分も投下します
タイトル:知恵×力
登場人物:◆ymCx/I3enU、須藤真幸
286 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/26(火) 21:55:21.52 ID:xQYrivh/
(情報が少な過ぎる…何が起こっているんだ)

病院の診察室内で、椅子に座り思案を巡らせる須藤真幸。
必死の思いでメディアタワーを駆け上がり、何とか助かった…そこまでは覚えている。
だが、それから先の記憶が無い。
助かった瞬間、意識が途切れて、気が付いたらあの場所に。

「…それより、気になるのは…」

何故、あの男がこんなことをしたのか。
「実験」だ何だと言っていたが、何か他に裏がある気がしてならない。
だが、今はそれを調べることもできない。

(殺し合いとなれば…奴の言葉に同調する人間も現れる可能性があるな)

…今の自分の状態では、満足に戦うこともできないだろう。
杖をつきながらでは、できる行動も限られてしまう。
第一、今の自分は丸腰だ。
幸い、杖は撮取り上げられなかったが、これは武器になりそうもない。

「…そうだ、このデイパックに」

机の上に置いてあるデイパックを開け、中を見る。
中から出てきたのは、ずっしりと重い拳銃。
自分は銃に詳しい訳ではないので、名前等は良く分からない。
だが、窓から入る月明かりの元に輝く拳銃は鈍い光を発し、まるで自分を誘惑しているかのようでもあった。
拳銃を上着の内ポケットに、予備のマガジンを上着のポケットに仕舞う。

287 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/26(火) 21:55:36.68 ID:xQYrivh/
「…こんなものを使わないで済めばいいんだが」

その時、誰かがドアをノックしてくる。
…素直に応答すべきだろうか?
もしも、殺しあう気の人間だったら、開けた瞬間に撃たれるのではないか。
しかし、そんな奴がわざわざドアをノックするだろうか。
相手をわざと警戒させることに、意味は無いと思うが。

「…今開ける」

とりあえず、今は素直に開けることにする。

「…やっぱ人いたか」

ドアの向こうに立っていたのは、一見普通の青年だった。
しかし、こんな状況だと言うのに何故かタキシードに身を包んでいる。

「失礼するぜ。あんた、名前何て言うんだ」
「…人に聞く前に、まず自分から名乗ってほしいな」
「分かった。俺は◆ymCx/I3enUだ…ymでいい」
「ym…?本名じゃないだろう?本名は何だ」
「思い出せないんだよ…それより、俺も名前言ったんだから、あんたも言ってくれ」
「…須藤真幸だ」







288 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/26(火) 21:55:56.65 ID:xQYrivh/
「で、あんた武器か何か持ってるか?」
「ああ…銃を、一丁」
「銃か…どんなのだ?…大丈夫だよ、取りゃしないから」

胸ポケットから銃を取り出し、手渡す。
それをいろんな角度から観察した後、◆ymCx/I3enUは言った。

「中々運がいいんだな、あんた。こんな良い銃支給されるなんて」
「そのデザートイーグルとか言う銃がどれほど強いのか知らないが、そろそろ返してくれ」
「ああ、悪い」

スッと銃を手渡され、再度胸ポケットへしまいこむ。
この銃が、より強力な物だと分かり、再度こんな物を使う訳にはいかない、と思った。

「で、あんたはこれからどうしたいんだ?どこか、行きたいとこあるか?」
「…ここだ。D-2…新富製薬。何故これがここにあるのか調べたい」
「分かった。しかし、杖ついてる奴に戦わせられないな」
「そうか…だったら、これはそっちに預けた方が良いな」


【一日目・深夜/E-6:診察室】
【須藤真幸@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:この「実験」の真相を解く。
1:とりあえず、この男と行動してみる。
※Aエンド後からの参戦です。

【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:タキシード、デザートイーグル(7/7)
[所持品]:支給品一式、デザートイーグルのマガジン×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:須藤を護衛しつつ新富製薬に向かう。
289 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/26(火) 21:56:09.28 ID:xQYrivh/
投下終了です
290 ◆9QScXZTVAc :2011/07/27(水) 10:09:43.02 ID:DUTMIrmQ
投下します
俺主催ロワ第11話:虚構の人間
登場:◆8nn53GQqty、棗恭介
291 ◆9QScXZTVAc :2011/07/27(水) 10:10:45.54 ID:DUTMIrmQ
◆8nn53GQqtyは、殺し合いに乗る道を選んだ。それも、姿を見せずに相手を殺害する俗に言うステルスマーダーとして。
支給されたのはジグザウアーH226。銃など撃った経験は無いが、自分の中にある知識で補えるはずだ。一応当たり支給品を引いたため、幸先のいいスタートだ、と思っていた、のだが。
後頭部に冷たい感触があった。そして、同時に人の気配も。
まったく気付かなかった。◆8nn53GQqtyは内心で歯噛みする。

「両手を挙げろ。そうすれば引き金は引かない」
「……貴方、何者ですか?」
「ーーーーーー闇の執行部部長、時風瞬」

時風瞬。そんな名前は名簿に載っていない。ここは偽名と考えるのがいいだろう。
◆8nn53GQqtyは、この状況を切り抜ける方法を模索する。

「焦らなくてもいい。お前の命を助ける条件はたった一つだ」
「条件………?」
「俺と手を組んで参加者を殺す」

悪い話ではなかった。時風という男は、常人では有り得ない身体能力を持っている。
正面から襲撃するだけでも、かなりの人数を減らせるかもしれない。
それに自分も加わり、隠れながら襲撃すればかなりの効果が期待できる。

「………分かりました」

◆8nn53GQqtyの声が響く。

「貴方の話に乗ります。私は◆8nn53GQqtyと申します」
「……直枝理樹。こいつを殺したなら、俺はお前を殺すだろうな」

時風のゾッとするような低い声が、ただ静かに響いていた。

【深夜/a-3】
【◆8nn53GQqty】
基本:時風瞬と協力して殺し合いに乗る。
1:頃合を見て時風を始末する。
2:とりあえず『直枝理樹』には手を出さない。


ーーー全部、上手くいった。
悪いな、◆8nn。この世界からは、理樹だけが脱出もしくは優勝できればいいんだ。
………悪いな、謙吾、神北。俺はあいつのために全てを殺す修羅になる。
朱鷲戸沙耶。まさかもう一度見ることになるとはな。だが今回は油断しない。お前にどんな理由があろうとも、殺させてもらうぜ。
………さあ、孤独な戦いの始まりだ。

【棗恭介】
基本:理樹を脱出もしくは優勝させる。
1:時風瞬として行動する。
2:◆8nnが使えないようなら始末する。
※沙耶ルート終了後からの参加です。つまりRefrain前の状態です。
292 ◆9QScXZTVAc :2011/07/27(水) 10:11:20.43 ID:DUTMIrmQ
投下終了です
293 ◆9QScXZTVAc :2011/07/27(水) 16:31:51.06 ID:rBBZhuuS
申し訳ありませんが、オリ版権ミックスロワを打ち切って新ロワ開始します。

【色々カオスなバトル・ロワイアル】
[参加者]
【オリキャラ】
・興呂史郎 ・浅川智弘 ・小畑瞬 ・岡村信之介 ・佐々木圭
・辻結花 ・渋井忍 ・浅川夕 ・長谷川多香子 ・イレーヌ
【都市伝説・2ch】
・テケテケ ・メリーさん ・ベッドの下の男 ・首無しライダー ・リカちゃん
【バトル・ロワイアル】
・七原秋也 ・桐山和雄 ・三村信史 ・相馬光子
【魔法少女まどか☆マギカ】
・鹿目まどか ・暁美ほむら ・巴マミ ・佐倉杏子
【遊戯王シリーズ】
・武藤遊戯 ・海馬瀬人 ・三沢大地 ・ルクス・ゴドウィン
【神様のメモ帳】
・紫苑寺有子 ・向井均
【俺の妹がこんなに可愛いわけがない】
・新垣あやせ

以上30名

【主催者】
・こっくりさん@都市伝説・2ch



以上です
294 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/27(水) 21:36:23.90 ID:NIWMDu91
新ロワ乙です。
都市伝説が超期待。
では自分も投下します。
DOL3rd44話 サムライハート
登場人物:坂田銀時、音無結弦
295サムライハート ◆VxAX.uhVsM :2011/07/27(水) 21:36:48.50 ID:NIWMDu91
「放送が終わった、か」

坂田銀時はC-4をうろついていた。
放送を聞き終わり、色々と思う所があるのかうかない顔をしている。
それも当然である…残りの人数が自分を入れて10人と言うのだから。

「新八も死んで、まさか真選組の奴らも死んじまうたぁな…」

正直言ってこれはショックを隠しきれない。

「仲間を早いうちに探さねぇと…」

近くにある施設は学校だ。
そこに行くしかないのだろう。
施設の大きさは申し分ない。
きっと味方が集まっているに違いない。

「行くか……」



   ◆       ◇



「皆が死んだ、だって?」

音無結弦は自分の耳を疑った。
名簿を見ていることに驚いていたが、まさか死んでいるなんて思ってもいなかった。
全員死にそうにないような人間だったはずなのに。

「……でも、逆に好機だ」

みんな死んだ事で、もう戸惑う必要もない。
全員殺せば、俺の勝ちなんだ。

「……奏、もう少し待っていてくれ…」

そこで音無が周りの異常に気がついた。
空が漆黒に染まっていたのだ。
先ほどまで橙色の空だったのに。
296サムライハート ◆VxAX.uhVsM :2011/07/27(水) 21:37:28.59 ID:NIWMDu91

「…………気味が悪い」

しかし何故か視界は悪くなかった。
歩き出そうとしたところに、一人の男を見つけた。
銀色の天然パーマ、だるそうな感じに歩いているように見える。
音無は次の標的を定めた。

「……あと9人殺せばいいんだ……」

近付くとともに鼓動が高まっていくのが分かる。
あと少しだから緊張でもしているのか。
それなら情けないとしか思えない。

「………いまだ!」

バンバンバン、と三発の銃弾が飛ぶ。
標的に飛んでいくのを確認して音無は勝ちを確信した。
しかし、そのまま音無の思惑通りとはいかなかった。
銀時は虎鉄Z-IIを抜いて銃弾を二つはじく。
一発ははじき損ね、肩に傷を負ってしまった。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「な、何!?」

傷も気にせずこちらに近寄ってきたのが分かった。
音無は発砲しながら逃げることにした。
一発撃つ、しかし当たらない。

「くそ、くそ……」

今度は二発、しかしそれも避けられる。
段々命中率も悪くなってくる。
焦りと疲れのせいなのだと分かるがどうしようもない。
297サムライハート ◆VxAX.uhVsM :2011/07/27(水) 21:37:42.81 ID:NIWMDu91
音無が撃ち続ける、しかしそこで弾切れが起こる。
急いでリロードしようとするが、そこで銀時が音無に追い付いた。

「ぬおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

銀時が音無に斬りかかる。
音無は避けようとするが足が動かなかった。
何故だか分からないが、最後に声が聞こえてきた。

もう頑張らなくていいよ、そんな声が。

この声には聞き覚えがある。
音無は最後に血だらけの口からこんな声を漏らした。

「かな、で……俺は、もう頑張らなくて…いいん、だ…」



   ◆       ◇



「訳わかんねぇ…何なんだあの男」

坂田銀時は血のついた刀を持ちながら歩いていた。
空は漆黒に染まり、ある建物を強調しているようだった。

「これが、学校って奴か…」

建物を前にすると気味の悪い感じが伝わってくる。
しかし銀時は覚悟を決めたように中に入っていった。

【音無結弦@AngelBeats! 死亡】

【??/C-3八十神学園】
【坂田銀時】
[状態]健康
[装備]虎鉄Z-II
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:主催をぶった切る、新八たちの仇を取る。
1:仲間を探す
[備考]
※願いは不明です。
298 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/27(水) 21:38:29.54 ID:NIWMDu91
投下終了です。
七不思議と銀さんって超相性悪いよな確か…どうしようか。
299 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/27(水) 21:52:23.47 ID:LhjSLqeb
投下乙です、マイナーロワ投下します
タイトル:超能力と一般人
登場人物:美樹本洋介、柘植明
300 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/27(水) 21:52:49.42 ID:LhjSLqeb
「チッ…」

湖畔を歩きながら、事態の整理をする。
何故、自分はこんなところに?
被験者共の回収のために、三日月島へ行った…。
そして被験者共を追いつめ、もう少しの所で…自分は、殺された。

(…そういえば、あの妙な奴が言っていたな。「最後まで生き残れば願いを叶える」と)

それを利用すれば、あいつを。
集められているのはただの一般人。自分の「力」を使えば一捻りだろう。

「おい、そこのあんた」

誰かが、自分に話しかけてくる。
振り向いて姿を見てみると、30代後半くらいの男が立っていた。
タクシーの運転手が着ている様な服を着ている。

「あ、あんた見た所頼もしそうだな…一緒に行かないか?」
「…悪いが、一緒には行けない」

「力」を、男の方に向ける。
男の頭あたりが揺らぐ。

「な、何を…」

ゆっくりと、男の首があり得ない方向へ捻じ曲がっていく。
相手には、何が起こっているのか分からないだろう。

「これが俺の答えだ」

そのまま、首は厭な音を立てて折れた。
この男は、結局自分がどうやって死んだのかも分からなかっただろう。
それが、せめてのも情けだった。
301 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/27(水) 21:53:02.99 ID:LhjSLqeb
「あの女は来ていないようだが…矢島透…」

矢島透。
自分も気付いていなかったが、奴も超能力を持っていた。
名前は、パイロキネシス。
念じるだけで、物を発火させたり爆発させたりする能力だ。
自分の物より、かなり厄介な能力だ。

(…奴を探して、気づかれる前に殺るか)

【一日目・深夜/B-3】
【美樹本洋介@かまいたちの夜2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×4
[思考・行動]
基本:参加者を全員殺害し、願いを叶える。
1:「矢島透」を殺す。
※サイキック編にて死亡後からの参戦です

【柘植明@絶体絶命都市2 死亡】
死因:頸椎骨折
302 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/27(水) 21:53:28.02 ID:LhjSLqeb
投下終了です
303 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 07:29:30.73 ID:F5Vo9+vb
投下します
色々カオスロワ第2話:怪奇さえ通じない
登場:メリーさん、桐山和雄
304 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 07:44:25.37 ID:F5Vo9+vb
この世には、何事にも動じずにただ物事をこなす機械のような人間がいる。
桐山和雄もその一人だ。その証拠に、先ほどの七原秋也のような動揺など欠片も見せていない。彼は事故で感情を失ったのだから。
桐山は一度死んだ。七原たちを襲撃して、油断が仇となり射殺されてしまったのだ。
もう一度彼は殺し合いに乗るのか。それによって、この儀式の結末は大きく変わる。

まさに運命の悪戯、支給品からは100円玉とコルトガバメントが出てきた。
指でそのコインを弾こうとした、その時。
参加者全員に配布されている通話可能(ただし三回のみしか掛けられない)PDAが着信を知らせたのだ。コインは海に落下した。ここはf-1。海沿いだ。

「……もしもし」
『私メリーさん。今、あなたの後ろに居るの』
「そうか。だが俺の後ろは崖だ」
『え?は、ちょ、ちょっと!こんなのってあり!?』

背後を振り返れば、そこには崖に必死で捕まっている12才くらいの金髪の少女が居た。
武器であったらしい短剣は海に真っ逆様だ。

「…助けてやろうか」
『余計なお世話よ』
「そうか。ではな」
『助けなさいよぉ!何で無言で立ち去ろうとするの!』

桐山は崖下に手を伸ばす。
305 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 07:56:49.21 ID:F5Vo9+vb
メリーの手を確かに掴み、落ちないよう静かに引き上げる。

「……一応、ありがとう」
「…メリーさんとは、あの怪談のメリーさんで合っているのか」

こくり、と首を縦に振るメリー。
桐山も取り巻きたちが話しているのを聞いたことがある。「私メリーさん。今○○にいるの」という電話を何度も掛けてきて、最後には自分の後ろに居るという怪談。

「…で、お前は何の為に俺の後ろに立ったんだ」

ガバメントの銃口を無言で突きつける桐山。彼には怪奇さえ通じない。
メリーは幾ばくか慌てた後に、口を開く。

「仲間に、なりたかったのよ。私は何人ももう殺しているけど、あんな狐の言う事を聞くなんて真っ平御免よ。だから…その……銃向けないで……」
「成る程。じゃあ俺は殺し合いに乗らなければいいんだな」

桐山のスタンスはここで決定する。対主催として、こっくりを討つ。
彼はコイントスに失敗したため、最初に出会った者のスタンスに合わせることにしていた。最強クラスのマーダーが生まれるのは阻止されたのだ。

「……行くぞメリー」
「え、あ、うん!」

桐山の後を走ってついていくメリー。一人と一つの怪奇の異色ペアが生まれた。
306 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 08:02:35.43 ID:F5Vo9+vb
【桐山和雄】
基本:殺し合いには乗らず、こっくりを討つ。
1:メリーを守りながら行動。
2:七原たちに信用されることは諦める。
※死亡後からの参加です

【メリーさん】
基本:殺し合いには乗らない。
1:和雄についていく。


【メリーさん】
有名な都市伝説で、話の中に出てきた通り…なのだが、今回は2chなどで創作された萌えキャラのメリーさんとしての参加。
能力はエリア内の相手に電話を掛け、その背後に移動できる能力。
307 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 08:03:28.79 ID:F5Vo9+vb
投下終了です
308 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 15:47:39.48 ID:Af3cMIz8
投下します
色々カオスロワ第3話:変わる未来
登場:興呂史郎、紫苑寺有子
309 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 16:05:55.46 ID:/FcojIx4
「……許さねえぞ」

警視庁の若手警部興呂史郎は、怒りに満ちた瞳で呟いた。
未だ大した功績はあげていないーーーーーというのも、事件の度に全てのものを救おうとして犯人を逃すなど始末書の数が人より多いからであるのだが。
何の能力も持ち合わせていないただの人間。そんな史郎でさえも、こっくりと名乗ったあの狐をトリックと断ずることはできなかった。正直、馬鹿馬鹿しいから帰ろうとも思ったが、それはある瞬間を境に変わった。
あの少女が、見せしめと称され殺された時から、史郎にとってこっくりは『憎むべき害悪』となったのだ。怪異だろうが知らない。悪は倒す。それが史郎の生き方である。

とりあえず、支給品を確認してみることにする。
中から出てきたのは、一本のアイスピックと、いかにもなパッケージをしたアダルトゲーム…『妹×妹』と題されたpcソフトだ。史郎には残念ながらそういうものへの興味が皆無だったため、無言でディパックに戻そうとしーーーーー、
そこでやっと、背後に一人の小柄な少女が立っているのに気付いた。
身長は恐らく130cmに届いていない。
腰くらいまで伸ばした綺麗な黒髪に、黒を基調にした服を着ている。

「君は?」
310 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 16:20:46.46 ID:40doFpri
「………アリス。しかし知らなかったな、警察というのはこんない、いかがわしいゲームを所持しているとは」

アリスと名乗った少女は若干顔を赤くしている。
史郎の脳内が警報を鳴らした。間違いなく、勘違いされてしまっただろう…

「違うぞ。支給品ってやつだ」
「そ、そうか。ところで君の名前は?」
「興呂史郎だ。警視庁に勤めてる。まあさすがにこんな事態に経験はないけどな」
「ぼくはニート探偵だ。間違えてもただの『探偵』とは呼ばないように」

ニート探偵?と疑問を抱いた史郎だが、聞いたことがあった。
家から一歩も出ずに、部屋の中から仲間に指示を出し、事件を解決する探偵の話を。
アリスというのはきっと偽名だろう。ハーフという可能性も捨てきれないが、少なくとも名簿に『アリス』という名前は載っていなかったはずだ。
探偵業を生業とする者で偽名を使う者は少なくない。
仕事柄その筋の人に命を狙われることが度々あるからだ。史郎たちも探偵の力を借りることは稀にあるため、そこにはあえて触れないでおくことにする。

「じゃあ、そのニート探偵さんから見て分かることは?」
311 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 16:27:56.49 ID:40doFpri
「まず、にわかには信じがたいことではあるが、この世には狐神ーーーーーーーこっくりのような非科学的な存在が確かに実在する。名簿にある『テケテケ』や『メリーさん』も、都市伝説通りの存在と見るのが利口だろうね」

確かにそれには史郎も同意見だった。
しかし、あの『制限』の存在。あれがある限り、こっくりを倒すことは叶わないのだ。あんなものが炸裂すれば、生き長らえるのは不可能だ。

「制限とやらは?あれがある限り、うかつに攻撃はできないぞ」
「君は、『大罪の器』という言葉を知っているかい?」


空気が、確かに凍り付いた。
312 ◆9QScXZTVAc :2011/07/28(木) 16:28:31.68 ID:40doFpri
投下終了です
313 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:17:28.07 ID:Clc/iTFg
投下乙です。
史郎みたいなキャラが大好きだ。
では投下します。
DOL3rd45話 集合と算数
登場人物:◆ymCx/I3enU、◆YR7i2glCpA、黒神めだか、桐山和雄、球磨川禊、遠藤清丸
314集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:18:04.38 ID:Clc/iTFg
「……ym氏」
「残ったのは十人、しかも書き手方は俺らとWYG氏か…」

◆YR7i2glCpAと◆ymCx/I3enUは八十神学園に向かっていた。
放送を聞き終わって歩いていると、空に異変が起きる。

「なんだ、この空……」
「Vx氏、何しでかしたよこれ…気持ち悪い」

漆黒の空が、一つの施設をきらめかせる。

「……Vx氏、誘ってるのかな?」
「分からないけど、行くに越したことないでしょ」
「そうだね」

学校内に入ると違和感が彼らを襲った。
何かに見られているような不快感。
それは七不思議によるものなのか……。

「誰かいないのかな…」
「とりあえず、探してみよう」
「そうですね」

◆YR7i2glCpAと◆ymCx/I3enUは学校内の探索を始めた。



   ◆       ◇



「……七原と川田が、死んだか」

放送を聞き終わった桐山は立ちあがった。
FNハイパワーとグロック19を持って学校を見る。
妙に目立って見える。
あそこなら人も集まるだろうと、向かおうとした。
315集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:18:35.61 ID:Clc/iTFg




「うわああああああああああああああああああああああああああ
 ああああああああああああああああああああああああ!!!!」




悪魔の叫び声が聞こえてきた。
桐山は後ろを振り向く。
走ってきているのは黒神めだかだ。
相川友を殺し、ここまで走ってきたのだ。

「……行くぞ」

FNハイパワーを先に構え迎え撃とうとする。
めだかはただこちらに向かって走ってきていた。
このまま撃てば確実に当たるだろう。

「……」

バァン!

火花とともに弾丸が放たれた。
その弾丸は軌道を描き黒神めだかの腹部にあたった。
桐山は動きを見るが、異常な違和感を持った。
撃たれたのに失速も何もしていない。
痛覚が遮断されていない限りそんな事はない。

「……」

バァン!バァン!バァン!

再び撃つ、顔にかすり傷を一つと肩に銃創を一つ作る。
それでも動きは変わらない。
あと7発でしとめなければリロードしている暇もない。
距離が大分縮まりめだかが拳を振り上げて襲いかかってくる。
桐山はそれを間一髪で避ける。

バキィ!

桐山がいた場所は地面がへこむほどの威力を受けていた。
そんな事実には目もくれずに桐山は発砲をする。
316集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:19:42.03 ID:Clc/iTFg

肩に撃つ、新しい傷が作られる。
足、これも命中する。
こめかみの部分、これは単に頭を狙ったのだがミスをした。
かすり傷程度の傷しかつけれなかった。

「……」
「うわああああああああああああああああああ!!!」

再び異常な勢いで走ってくる。
今度も避けれる自信は彼と言えどもなかった。
一発で勝負を決めようと、両手でFNハイパワーを構える。

「………」

バァン!

撃った瞬間、桐山は当たったのか分からなかった。
黒神めだかの攻撃で吹き飛ばされていたからだ。
しかし、それでの擦り傷程度で済み、起きあがる。

「………」

黒神めだかは倒れていた。
眉間から血を垂れ流している所を見ると即死だったようだ。

「あと何人か分からないが…仕方ない、行くか」

奇妙な光を出す学校に彼は向かっていった。



317集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:20:10.39 ID:Clc/iTFg
   ◆       ◇



黒神めだかはどうにか生きてはいた。
しかし、この致命傷でもう死ぬ寸前であった。

(私は、やはり正しくなんてなかった)

口はもう動かない。
頭の中で考えるので精一杯だった。

(善吉、私もそちらに行く…阿久根書記、喜界島会計、球磨川、すまない…私はここまでのようだな)

眠気が襲ってくる。
これでもう目を覚ますことはないのだろう。
彼女は正しかった。
最後に曲がってしまっただけで正しかった。
そんな彼女はもう終わりを迎える。
ハッピーエンドなんかではない、バッドエンドでもない。



一番最悪なワーストエンドだった。




【黒神めだか@めだかボックス 死亡】



   ◆       ◇



「さて、これで何体目だったか…」
『僕が殺した奴も入れて5体じゃない?』
「そうだね、あとは三年二組の『首吊り男』と屋上の『憑き子さん』だけか」
『首吊り男の方の倒し方は?』
「まあ、話を聞いてくれるかな?」

昔この学校では首吊りがあった。
三年二組の男子生徒で受験ノイローゼだったんだ。
遺書を書き残したららしいんだけど発見されなかった。
自殺を隠蔽しようとした学園側が遺書を隠したと言われているけど…。
オカルト仲間の間では彼を七不思議の仲間にしたい幽霊達が隠したという噂もあるんだ。
死んでからは、夜な夜な教室に現れ恨めしい顔で睨んでくるんだって。
これが七不思議の一つ『首吊り男』の話さ。

『へぇ、そんな事があったんだね』
「で、倒し方は」

首吊り男が探している遺書…噂では三枚あるらしいけどそれを正しい順番で読み上げる事。
対処法は簡単なんだけどね。気をつけなきゃいけない事がある。
名前通り首吊り状態での目撃例が一番多いけど…。
たまに紐が切れて襲いかかってきた!
って話を聞いた事あるよ。だから気を付けた方がいいよ。
318集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:20:34.29 ID:Clc/iTFg
『分かった…普通に殺せばいいんだね』
「君が何を聞いていたか知らないけど違うよ」
『遺書なんてそんな不吉な物読みたくないじゃない?』
「君みたいな不吉そうな奴が言うのもなんだと思うけどね…」

遺書らしきものが清丸の手にあるのを気付いた球磨川。

『それが遺書?』
「そういう事になるね」

清丸は教室をあける。
そこにいたのは首をつった男の幽霊。

『わーお、リアルゥー』
「さて、もうすぐ来ると思うけど」

その清丸が言った瞬間ひもが切れて追ってくる。
よろよろと血を垂れ流しながらこちらにやってくる。

「お父さんお母さん先立つ不孝をお許しください…」

首吊り男がグラグラと近寄ってくる…。

「僕はこの世界で生きていくのが疲れました…」

首吊り男がグラグラと近寄ってくる…。

「来世では良い人生を歩めるよう死んで生れ変ります…!」

首吊り男が消えていった。
そして、残ったのは二人になった。

『お疲れ様』
「まっとうに倒したのはこれが最初な気がするのは僕だけなのかな?」
『いや、あれくらいなら実力行使が早いじゃない?』
「君は七不思議をなんだと思ってるんだ」

しかし、これでとうとう一つを除き七不思議を封印したことになる。
これが一体どういう事を現すのか。

『そういえば放送とかないよね』
「そういえば……もう六時を過ぎたけど…」
『まさかここには届かなかったのかな?』

禁止エリアに設定されたわけでもなさそうである。
一旦外に出てみよう、と言う球磨川の提案で玄関に下りていった。

【首吊り男 封印】
【残りの七不思議…一つ】



   ◆       ◇


319集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:20:54.22 ID:Clc/iTFg
「……あれ、誰か人が来る」
「あれは、銀さんか」

◆YR7i2glCpAと◆ymCx/I3enUは玄関で座っていた。
放送前にここに入っていたら違和感に気付いたのだろうが…。
今は外に異変が起きてあまり違和感もない。

「おーい、久しぶりだな」
「テメェ……生きてたのか」
「まあ、久しぶりだな」

笑っている◆ymCx/I3enUに対して若干警戒している銀時。
そんな光景を見た◆YR7i2glCpAが銀時に話しかけた。

「あの……」
「ん?ああ、俺は坂田銀時。万事屋をやっている」
「あ、僕は◆YR7i2glCpAと言います」
「その男と同じ様な感じだな」
「名前が思い出せないんで仕方ないですよ」

警戒させてしまったか、と思うが仕方ない。
逆に話しかけなかった方が良かったか。
そう思ったころに再びドアが開く。

「……」
「……」
「……」
「……」

四人の対面である。
しかし、そのうちの一人は超危険人物であるが。

「あ、初めまして…」
「……」

バァン!

「うおおおおおおおおお!!」

桐山が◆YR7i2glCpAに発砲するが危機一髪で避けた。
すぐに銀時と◆ymCx/I3enUが戦闘態勢を整える。
320集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:21:15.77 ID:Clc/iTFg

「テメェ…乗っているのか」
「どうするか銀さん…」
「……殺したくなんかねぇが…やるしかねぇだろうな」

まず◆ymCx/I3enUが発砲する。
しかし桐山には簡単に避けられてしまう。

「銃避けるってどんな化物だよ……」
「お前は撃ってろ、俺があいつを斬る」
「……了解」

◆ymCx/I3enUが続けて発砲する。
それを見事桐山が避けていく間に銀時が近付いて行く。

「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
「……!」

桐山はFNハイパワーの銃身で刀を受け止めた。
銀時にとってそれは異常な事である。
短い銃身で刀を受け止めるなんてよほどできる事ではない。

「お、らあああああああああああああああああ!!」

銀時が無理やりにFNハイパワーを弾き飛ばした。
これで桐山は手に何も持っていない状態となる。
勝った、そう思い銀時は桐山に斬りかかった。

「甘い」
「ッ!?」

桐山はポケットからもう一つの銃を取り出した。
グロック19である。
もう武器はないと確信していた銀時にとってそれは最悪の事だった。

パァン

銃弾は銀時の心臓に当たる。
しかし銀時は最後の意地で桐山を斬りつけた。

「ナメんじゃ、ねええええええええええええええええええ!!!」

桐山は左腕を切り落とされた。
そのまま銀時は倒れ動かなくなった。

「クソ…うおおおおおおおおお!!」

パン、パン、パン、パン

連続で発砲する◆ymCx/I3enUだったが、そこでとうとう弾切れが起きてしまった。
急いでリロードしようにも相手が相手である。
321集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:21:56.53 ID:Clc/iTFg
一瞬の隙でも見せればただ御陀仏になるだけだ。

「一か、八かだ……死なば諸共だああああああああああ!!」

最後は己の爪のみで戦いを挑む。
獣人だからこそできる技であるが、無謀にもほどがあった。
桐山は特に気にせずにグロック19を発砲した。

パァン

その弾丸は◆ymCx/I3enUの左目を貫いた。
◆ymCx/I3enUの勢いが弱まるが、なんとか桐山を爪で切りつけた。

「ッ!」
「おかえしだああああああああああああああ!!!!」

爪は桐山の右目を潰した。
そして心臓も狙おうとした時に桐山がすぐに発砲した。
この近距離では外す訳もなく、心臓を貫いた。

「な、く…そ、ここまで、かよ…」

そのまま◆ymCx/I3enUは前のめりに倒れる。
これで残るは桐山と◆YR7i2glCpAの二人だけとなる。

「……ぁ、え…?」
「これで終わりだ、」

と、桐山がなにかを言おうとした時に助け船が入った。
◆YR7i2glCpAの後ろから飛んできた男が一人。

『っと、華麗に参上…なんちゃって』

現れたのは球磨川禊だった。
括弧つけての参上である。
322集合と算数 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 20:22:16.62 ID:Clc/iTFg

『さて、君に聞きたい事があるんだけどさ…』
「……なんだ」
『君からとてもめだかちゃんの臭いがするんだけどさ』
「お前の嗅覚はどうなっている」
『嘘だよ嘘、勘だよ…さて、お前はめだかちゃんに会ったのか?』
「残念ながらそんな女は知らないが」
『うーん、じゃあ髪が紫でさ…そう、胸がいやらしい感じの人会ってない?』
「……髪が紫の女なら先ほど殺した」
『そうかい』

球磨川は笑っていた、あくまでその時は。
笑いが収まった瞬間に球磨川は怒りを行動に移していた。
大螺子を持ち、桐山に襲いかかった。
片手を失ってもなお桐山の戦闘センスは変わらない。
見事に避けられ、逆に攻撃を食らいそうになる。

『残念だけど、君は僕を怒らせちゃったからね…覚悟しろよ』
「…ふん」

球磨川は再び大螺子を持つ。
今度は刺しに行くのではない。投げる。投げたのだ。
その行動に桐山は驚くが、軽く避ける。
そして、その避けた時視界に映ったのはもう一つの大螺子を持った球磨川だった。
先ほどまで持っていなかった大螺子を何故持っていたのか。

『これは僕が普段隠し持ってる普通の螺子だよ…ただの100円ショップで売ってる奴だけどね』
「くっ…」








『じゃあな、死んで後悔しろよ』








決着はここについた。
まさかの伏兵の意外な攻撃によって。

【坂田銀時@銀魂 死亡】
【◆ymCx/I3enU@非リレー書き手 死亡】
【桐山和雄@バトルロワイアル 死亡】



   ◆       ◇
323◇VxAX.uhVsM氏代理:2011/07/28(木) 20:35:40.93 ID:cLLpicjM
代理投下開始します
324◇VxAX.uhVsM氏代理:2011/07/28(木) 20:36:03.45 ID:cLLpicjM



「大丈夫かい?」
『大丈夫?』
「あ、はい…ありがとうございます」

戦いが終わり、三人は話していた。
放送などの情報を交換もした。
◆ymCx/I3enUを弔い、銃をもらって、死体を教室に隠してきた。
そして清丸に首輪も解除してもらった。
もうこれでやらなくてはいけない事はやった。

「実は今から最後の鍵になるかもしれない所に行くんだけど…行く?」
「え、どこですか?」





「屋上………だよ」


そして、最後の戦いが始まる。


325集合と算数◇VxAX.uhVsM氏代理:2011/07/28(木) 20:36:39.28 ID:cLLpicjM
【??/C-3八十神学園図書室】
【球磨川禊】
[状態]健康、首輪無し
[装備]大螺子
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:『あの男をぶっ殺そう』
1:『清丸ちゃん達と屋上に行くよ』
2:『七不思議とやらを封印しようか』
3:『ごめんね、蛾ヶ丸ちゃん、めだかちゃん、善吉ちゃん』
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は生徒会戦挙編終了後からの参戦です。
【遠藤清丸】
[状態]健康、首輪無し
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:七不思議を封印する。
1:球磨川君たちと屋上に行く。
2:いちろ君が死んだ…ね。
[備考]
※願いは不明です。
※参戦時期は本編終了後からの参戦です。
※首輪解除の方法を知りました。
【◆YR7i2glCpA】
[状態]右足に銃創(応急処置済み)、精神的疲労(極大)、頭に強烈な痛み、首輪無し
[装備]ワルサーPPK/S(7/7)
[所持品]基本支給品、ワルサーPPK/Sのマガジン(2)、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺し合う気はない、死にたくない。
1:球磨川君、風丸さんと屋上に行く。
2:◆ymCx/I3enU氏…ごめん。
3:WYG氏は……?
[備考]
※願いは不明です。
※元の世界の知識はある程度残っています。
※右足の痛みになれたので歩けるようにはなりました。


326◇VxAX.uhVsM氏代理:2011/07/28(木) 20:36:57.66 ID:cLLpicjM
代理投下終了です
327 ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:17:37.24 ID:leeBxbse
投下乙です。
俺しぶといなあ…てかなんで生きてるんだろ。

てな訳で投下します。
ごちゃ混ぜロワ 35:Shooting arrow
登場人物:七松小平太、真田幸村、岩下明美
328Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:18:17.93 ID:leeBxbse
七松小平太は豪快な男であった。
常に細かい事は気にせずに、大抵の問題はその人間離れした体力で切り抜ける、そんな男だった。
だが、そんな小平太でもこの現状が異質なものであると理解できた。
「…どうなってるんだ?」
何故自分はこんなところにいるのか。
今まで自分に起きた事を頭の中で整理する。
昨日もいつものように朝起きて、授業を受けて、体育委員会のメンバーと共にいけどんマラソンをして、長屋に帰って寝た……所までは覚えている。
だが、そこからどうして現在のような場所に来たかはさっぱり分からなかった。
見たこともない大広間で、メガネをかけた男から殺し合いをしろ、と命じられた。
そしてそれに反抗した女性が死んだ。
その凶器――そう呼んでいいのかは今はさておき――凶器となったもの、首輪は例にもれず小平太の首にも巻かれている。
そして今、小平太はいつの間にか見たこともない家の中にいた。

「…気にくわんな。」
小平太は、忍術学園の生徒、いわゆる忍たまの中でもプロの忍者に最も近いと言われている六年生だった。
その忍術学園で過ごした六年間で、小平太は様々な事を体験して来た。
それは、戦であり、決死の潜入であり、何度も命の危険は味わっていた。
時には長く連れ添った仲間の死も経験したし、自ら命を奪う事もあった。
それでも、今のこの状況は小平太には受け入れられない。
誰かの死をもって殺し合いを強要させるなど、反吐が出そうだ。
それにあのとき、女性の首輪が爆破された瞬間、あのメガネの男は笑っていた。
あの男は、命を何とも思っていない、吐き気を催すような邪悪。
小平太は、その邪悪に立ち向かおうと決意していた。
329Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:18:59.92 ID:leeBxbse

「…とは言ったものの、どうすればいいんだろうかなあ。」
小平太はデイパックを開き、あの男の言っていた支給品とやらを確認していた。
自分が得意とする苦無並びにそれに準ずる忍具のひとつでも入っていれば良いと思っていたのだが。
「何だこりゃ?」
出てきたものは三つ。
あのメガネの男の言うには、自分は運のいい子であるらしいが……

まず一つ目は、カードだった。
グー、チョキ、パーを表す手のレントゲン写真が印刷された、それぞれ4枚ずつ計12枚のカード。
『希望の船』エスポワール内にて行われたギャンブルにて使用されたカードなのだが、小平太は当然その事は知らない。
二つ目は緑色のビンだった。
ビンに書かれていた文字は英語交じりで、元よりそっちの知識の無い小平太には全てを理解することはできなかった。
だがそれでもどうにかそれが『バルサミコ酢』というものである事が分かった。
蓋を開け匂いを嗅ぐと独特のツンとした匂いが鼻を突き刺した。
そして最後の三つ目はごく普通の軍用ナイフだった。
こういう形のナイフは小平太はあまり使った事が無かったが、この非常時にはやむを得ない。
だがこの小さい軍用ナイフでは小平太のクソ力をもってすればすぐにダメになってしまうだろう。
小平太は少々不満を覚えながらも今度は基本支給品を確認した。
名簿に記されていた五人の同級生の名前に、小平太は奥歯を噛み締めた。
「…ひとまず皆と合流しないとな。皆は殺し合いに乗るとは思えんが……どこにいるんだ?」
「誰かおらぬかー!!」
どう動こうか思案していた小平太の耳に飛び込む、若い男の声。
その声は忍術学園で六年間苦楽を共にしてきた友、立花仙蔵の声に非常によく似ていた。
すぐにでも出ようと小平太は思ったが、一瞬止まる。
あの声は、本当に仙蔵の声だったのだろうか?
立花仙蔵という男は、忍術学園において最も冷静沈着な男だと小平太は知っていた。
そんな彼があんな大声を出すものだろうか?

もしここにいたのが小平太ではなく文次郎や長次であったならば、ここでじっくりと考えるだろう。
これは何かの罠なのではないか?
この声を発したのは本当に仙蔵なのか?
この殺し合いという狂気の沙汰が行われている場では、だれしもが慎重に行動する。
だが、この七松小平太と言う男の辞書に『慎重』という文字など存在しない。
小平太は家を飛び出し、声の元へと走った。
そこで、小平太は出会った。
真っ赤なライダースジャケットを着た若い武者に。
330Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:19:41.45 ID:leeBxbse



真田幸村は、熱い男だった。
常に何事も全力でぶつかり、己を鍛え上げる事に余念は無い。
また、忠誠を誓った主人である武田信玄と、部下である猿飛佐助との絆は何よりも固い。
彼もまた、あらゆる困難をその熱い気概と鍛え抜かれた肉体で切り抜けてきた男だった。
ただ、そんな彼もこの現状には困惑を隠せない。
「…どうなっているでござるか?」
何故自分はこんなところにいるのか。
今まで自分に起きた事を頭の中で整理する。



真田幸村は、待っていた。
宿命の好敵手、伊達政宗を。
いつ果てるともしれぬ戦いを、幾度となく繰り広げてきた。
そして、ついに決着をつける時は来た。

自らが生涯をかけて忠誠を誓った主も、その主の好敵手も、自らの部下の忍びも、伊達政宗は倒してきた。
そして、ついに誰にも邪魔はされない場所にて、最期の決着をつけんとした矢先に――突然、意識が途絶えた。

眼が覚めたとき、周りには見たこともない数多くの人間がいた。
何が起こったか、幸村には分からなかったが、次の瞬間壇上にいたメガネをかけた男に「殺し合いをしてもらう」と言われた瞬間には怒りの感情が渦巻いていた。
そしてそれに真っ先に異を唱えた女性の首が爆発した瞬間、幸村の心に今までにない純粋な怒りが溢れ出てきた。
その怒りが爆発しそうになった瞬間――さっきよりも長い、ブラックアウトに包まれた。

そして、今に至る。
いつの間にか手にしていたデイパックの中を探ったものの、愛用の槍も入ってはおらず、他に武器になりそうだと判断できたものもなく仕方ないので手ぶらで歩いていた。
見たこともない町並みを歩き続けてきたが、誰にも会う事はなかった。
当初は見慣れぬ場所ゆえに彼にしては珍しく慎重に行動していたのだが、やはり彼にはそのような行動は似合わない。
ついに、彼は叫んだ。
「誰かおらぬかー!!」
と。

その叫びに反応するかのように、一軒の家の扉が開かれた。
そして、幸村は出会った。
深緑の忍者装束に身を包んだ、若い忍者に。
331Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:20:21.23 ID:leeBxbse



「なんだ、仙蔵じゃなかったのか。」
「…おぬしは?」
「私は七松小平太、忍術学園六年ろ組の忍たまだ。」
「忍たま……あ、拙者は真田源次郎幸村と申す。」
こうして、二人の若き猛者が出会った。
互いに考えるよりも先にまず動くタイプの人間であり、また殺し合いに乗る気もなかったのですぐに打ち解けた。

「ふむ、つまり七松殿は忍術学園の友を探しておられると。」
「小平太で良いよ、それに探し人してるのは幸村もだろう?ならここは一緒に探さないか?」
「良いのでござるか?」
「ああ、とりあえず幸村の支給品はなんだった?」
「あ…も、申しわけござらぬ、今の今まで確かめるのを忘れておった!」
そう言い慌てながら幸村はデイパックを開こうとした。
その瞬間だった。
「――!避けろ!幸村!!」
そう目の前の小平太が叫ぶと同時に、背中に杭を打ち込まれたかのような感覚と共に激しい痛みが走ったのは。
「…矢?誰だ!」
幸村の背中に、深々とボウガンの矢が突き刺さっていた。
そこから、鮮血がたらたらとあふれてくる。
「幸村、しっかりしろ!」
「くっ…い、今何が…?」
「喋るな!一旦隠れるぞ!」
小平太は急いで幸村を抱えると、先程まで自分がいた家の中に飛び込んだ。
その場には、放置された幸村の支給品だけが残されていたが――
332Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:20:52.36 ID:leeBxbse

「…ふふふ、逃がさないわよ……」
幸村を狙撃した下手人が、そのバックを拾い上げた。
その下手人は――長い髪が特徴の見た目麗しい女子高生だった。
彼女の名は岩下明美。
鳴神学園に存在する闇のクラブ、殺人クラブの一員にして当クラブ中最も危険な人物と呼ばれている人間だった。

彼女は、ただ純粋に怒っていた。
殺人クラブの部長である日野の行いは、彼女の興には召さなかった。
ただ、それだけの事が、彼女をこの上もなく怒らせていた。
そんな彼女はどう動こうと思ったのか――?

それは、あまりにも単純。
この場にいる自分以外の全てを殺し、最終的に日野も殺すこと。
そんな彼女の手に渡ったアイテムは、何の因果か人を十分に殺す事の出来る――否、元より殺すために作られた武器――ボウガンだった。
333創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 21:21:03.60 ID:gmGG7Sb4
支援
334創る名無しに見る名無し:2011/07/28(木) 21:21:21.80 ID:gmGG7Sb4
支援

335Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:21:26.95 ID:leeBxbse





【D−6住宅街/1日目朝】
【七松小平太@忍たま乱太郎】
[状態]:健康、困惑
[装備]:軍用ナイフ@BATTLE ROYALE
[道具]:基本支給品一式、バルサミコ酢@現実、ジャンケンカード@カイジ
[思考]1:幸村を射た相手を警戒。
   2:幸村の怪我が心配
   3:忍術学園の仲間と合流したい。

【真田幸村@戦国BASARA】
[状態]:背中に矢が刺さっている(急所は外れたものの、深く刺さっており適切な処置を施さないと命にかかわる。)、困惑
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]1:今のは…?
   2:小平太殿…すまぬ……
[備考]:BASARA2政宗ストーリーモード最終戦『蒼紅一騎討ち』直前からの参戦。

【岩下明美@学校であった怖い話】
[状態]:健康、強い決意
[装備]:ボウガン@BATTLE ROYALE
[道具]:基本支給品一式(アイテム確認済み)、幸村の支給品一式(幸村が武器だと判断したアイテムはありませんでした)
[思考]1:全員を殺してから、日野も殺す。
   2:目の前の二人を殺す。
336Shooting arrow ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:22:12.32 ID:leeBxbse



【支給品情報】

【軍用ナイフ@BATTLE ROYALE】
七松小平太に支給。
原作では七原秋也に支給された。
コンパクトで大きさはあまりない。

【バルサミコ酢@現実】
七松小平太に支給。
ブドウの濃縮果汁を原料とした果実酢。
なお、『バルサミコ』とはイタリア語で『芳香のある』という意味である。

【ジャンケンカード@カイジ】
七松小平太に支給。
元々はギャンブル船エスポワールで行われたギャンブルで使用されたもの。
グー、チョキ、パーそれぞれ4枚ずつ計12枚ある。

【ボウガン@BATTLE ROYALE】
岩下明美に支給。
原作では赤松義生に支給された。
専用の矢を板ばねの力で飛ばす弓矢。
引き金を持ち、狙いが定めやすい。
337 ◆YR7i2glCpA :2011/07/28(木) 21:22:40.67 ID:leeBxbse
投下終了です。
支援ありがとうございました。
338 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 21:26:06.35 ID:3zWllmg5
投下乙です
自分も投下します
タイトル:始動!実験破壊システム
登場人物:佐伯優子、◆9QScXZTVAc
339 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 21:26:23.32 ID:3zWllmg5
A-4にて、会場外ギリギリの場所で向こう側を眺める◆9QScXZTVAcと佐伯優子。
境目辺りには、特に目立った目印も壁もない。
しかし、こんな逃げ出すのに最適な場所をがら空きにしているはずがない。
多分、外に出たら首輪が爆発でもするんだろう。
いや、それとも何らかの攻撃でもされるのだろうか?

「…実験してみるか」

そこらに転がっている石ころを、マップ外に放り投げる。
何があっても良いように、そそくさと木の後ろに隠れる。
…その後、30秒ほど待ってみたが、何も起こらない。

(やはり石ころじゃ駄目か)

となると、他に反応しそうな候補は…やはり、首輪だ。
参加者の首輪に反応して、何らかのアクションが起こるのだろう。

「ところで…どうしますか?」
「そうだな…どうやら、自分の知り合いもここに呼ばれてるから、出来ればその人たちと合流したい」
「分かりました」
「…しかし…俺の支給品、一体どうなってやがる」
「まるで、ロボットみたいですね」

顔の上半分をスッポリ包む顔パーツに、全身を覆う黒を基調にした鎧。
見た目からして、かなり強力そうだ。
340 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 21:26:52.14 ID:3zWllmg5
「名前は、【個人装備型TL-2A"アキレウス"】とか言うらしい」
「アキレウス…、どこかで聞いたことがあるような気がするんですが」
「ふむ…ま、大して重要なことじゃないだろう」

それよりも重要なのは、装備の強さだ。
説明書には、ビームサーベルとバルカンが附属しているとあったが…。

(引き金がここだから…こうか?)

スッ、と腕をその辺の樹に向ける。
そのまま、引き金を引く。

「…うおおおっ!?」
「きゃあっ!」

引き金を引いた瞬間、勢いよく腕のユニットから弾丸が飛び出し、樹を傷つけて行く。
見た目とは裏腹に威力はそこまででもなく、樹を倒すまでには至らなかった。
しかし、対人での殺傷能力は十分すぎるくらいだろう。

「…まるで、ゲームみたいですね」
「ああ、でも威力は…ゲームみたい、じゃ済まされねえだろうな」

確かに、今の攻撃を食らえば生身の人間なら即死するだろう。
このビームサーベルとやらも、バルカンと同等、もしくはそれ以上の力があるに違いない。

「…佐伯、さんだったよな、確か。あんたは何を支給されてるんだ」
「私は…これです」

そう言って佐伯がデイパックから取り出したのは、1つの手錠。
見たところ、ただの手錠だ。

「手錠か。特に変わった所はねーな」
「いえ、実はこれ…伸びるんです」
「の、伸びる?」

試しに、引っ張ってみると真ん中にある鎖が伸びた。
これで、手錠としての効果を発揮できるのだろうか?

「とりあえず、それだけです」
「そうか。それじゃ、そろそろ行くか」
341 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 21:27:11.92 ID:3zWllmg5
【一日目・深夜/A-4:エリア外ギリギリ】
【佐伯優子@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、手錠@絶体絶命都市2
[思考・行動]
基本:人殺しなんてしたくない。
1:9Qさんに付いて行く。
※Aエンド後からの参戦です。

【◆9QScXZTVAc@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:個人装着型アキレウス(エネルギー残り98%)@R-TYPE
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らないが、攻撃されたなら迎撃する。
1:どこに行くべきかな?
2:ああは言ったけど、書き手さん達を無条件で信用していいのだろうか

≪支給品紹介≫
【手錠@絶体絶命都市2】
何の因果か佐伯優子に支給。
ゲーム中で、佐伯が装着させられた物。
梯子を登る時に、真ん中の鎖が伸びているように見える(実際はゲームの都合だろうが)。
なにげに装着させられている状態でも服を着替えたりしている。

【個人装着型アキレウス@R-TYPE】
◆9QScXZTVAcに支給。
元はTL-2A"アキレウス"と言う機体。
機体をそのまま出すのも問題なので、人間が装着できるように改造した物を支給した。
使用出来る武装はバルカンとビームサーベル。
どちらも大幅に威力を落としてある。
342 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 21:27:27.31 ID:3zWllmg5
投下終了です
343 ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:01:27.08 ID:+yaGMVwJ
皆様投下乙です 久々に自分も投下します
EX2 3話 地獄の中に天使来る 登場:三谷傑、君塚沙也
344地獄の中に天使来る ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:02:25.07 ID:+yaGMVwJ
3話 地獄の中に天使来る

「ここは」

湿った雑草の上で三谷傑は再び意識を取り戻す。

「…そうだ、殺し合い…女の子の首が吹き飛んで……それで」

未だはっきりしない頭を擦りながら、ゆっくりと起き上がる。
周囲を見渡すと林の中に人工的に作られた池がある。機械のような物もあるので何かの貯水池らしかった。
遠くに木造校舎らしい物も見える。

「あれは学校……」

開催式の時に学校のあるエリアはゲーム開始直後に禁止エリアとなる、と聞いた。
学校――地図には分校――に主催者であるアンネリーゼと梶井伸一郎がいるはず。
あそこから参加者達が殺し合うのを見物しているのだろう。
つくずく趣味が悪いと、傑は思う。

「…くそ、殺し合いなんてなぁ……ん?」

ここで傑はある物を見付ける。
貯水池の畔に、人が倒れているのだ。
立ち上がりデイパックを持ってそれに近付くと、猫獣人の少女だった。
灰色の毛皮で、中高生らしい制服姿、そして爆乳。そう、ブレザーの上からでもはっきり分かるレベル。

「何と、自○ロワのテトを具現化したみてーな、そんな子だ」

以前友人のススメで読んだネット上のバトルロワイアル小説の登場人物とダブらせる。
ケモノ好きである彼のお気に入りのキャラと、目の前で気絶している少女は特徴がかなり似通っていた。

「……」

そして傑は思う。
思い、気付いた時には身体は、手は動いていた。

(違う、これは違う、俺の意思では無い。身体が勝手に)

心の中で誰にしているのか分からない弁明を繰り返しながら、傑は両手を、
猫少女の爆乳へと伸ばす。

むにぃ

(なん、だと……)

ブレザーの上からでもはっきりと、柔らかいと感じた。
思えば生まれて初めて女性の乳房を触ったのだ。
「マシュマロ」「ゴム毬」などと形容される女性の乳房、今、傑が両手に感じる柔らかさは、
その形容を遥かに上回る極上品。

(やわ、らけぇん、だけどっ!? うそぉ…まじぃ?)

美味い食べ物を食べた時と同じかそれ以上に、喜びの感情を満面に浮かべ、
更に激しく、傑は猫少女の乳房を揉みしだく。彼女が起きるかもしれないと言う考えは失念してしまっていた。

「……」
「……」

傑の動きが止まった。
猫少女と目が合った。イコール、猫少女は既に意識を取り戻していた。
345地獄の中に天使来る ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:03:47.80 ID:+yaGMVwJ
「あ……あ……あ」

顔が一気に引き攣り、頭の中が真っ白になる傑。
全く言い訳出来ない、だって明らかに乳揉んでるんだもの。

「……て」
「……え?」

猫少女が何か言ったが良く聞き取れず恐る恐る傑は聞き返す。

「…続けて」
「……何、だって」

思いも寄らぬとは、正にこの事だと、傑は思った。

……

君塚沙也と、猫の少女は名乗った。

「気絶してる少女の乳を揉むとは中々、やるじゃない」
「むぅ……」
「どうだった、私のおっぱいは」
「……」
「さあ言え」
「柔らかかった」
「自慢よーおっぱいは、やっぱり男は、おっぱい大きい方が好きなのかしら」

けらけらと笑いながら言う沙也。
話を聞いている限り、どうもこの少女は羞恥心と言う物が欠けていると傑は感じる。
いや、むしろ――――。

「あのさ、沙也ちゃんて、あれなの、えと何つーか」
「ビッチ?」
「……」
「そうだね、エッチは大好きだよ、気持ち良いしねぇ」
「おお……」

ビッチ――痴女とも――らしかった、目の前にいる猫の少女は。
確かに、爆乳に整った顔立ちと身体のスタイルは男を欲情させる悪魔的な魅力を持っている。
傑は正直な所、戸惑っていた。彼は童貞である。
妄想で自慰に耽る事は普段していても、淫乱な女を目の前にしてどうして良いか分からなくなるのだ。
心臓がいつも以上にバクバクと鼓動を早めているのが手に取るように分かった。

(ど、童貞卒業の、チャンス…いや、待て…これは、どうなんだ、やば、て、テンパッテキタ)

「どしたの三谷さん」
「ウェ!?」
「……ど、う、し、た、の?ww」

どうも、沙也は傑の心情を察しているようだった。
わざと、胸元を強調し、上目遣いで傑の事を見てくる。
殺人的に、可愛い。傑の心臓の鼓動が更に早くなる。

「……ねえ、あそこに良い感じで小屋があるよ」
「だ、だから?」

沙也が貯水池の傍に建てられたプレハブ小屋(何の用途かは不明だが)を指差す。
346地獄の中に天使来る ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:04:34.44 ID:+yaGMVwJ
「折角だし、お近付きの印として…」
「……」
「えっt」
「あーそうだ! あれだな! 支給品確認しないとなっ! あと他にも名簿とか地図とか見たりしねーと!」
「あらら」

結局、傑はもう一歩の勇気を踏み出す事が出来ず変な意地を張ってしまった。

(こんなに慌てちゃって、耐性無いんだなこの人、ふふ、面白そう…)

そんな青年を見て沙也はますますと興味がわいた。


【早朝/E-2貯水池】
【三谷傑】
[状態]テンパリ気味
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、???(1〜2)
[思考]
0:取り敢えず殺し合いをする気は無い。
1:沙也ちゃんと行動、でも、色んな意味で不安。
[備考]
※特に無し。

【君塚沙也】
[状態]健康
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、???(1〜2)
[思考]
0:殺し合いはしたくないけどエッチはしたい。
1:三谷さん面白そう。
[備考]
※特に無し。


≪キャラ紹介≫
【君塚沙也】  読み:きみづか さや
17歳の猫獣人の少女。灰色の毛皮で爆乳スタイル抜群の美少女、そして淫乱ビッチ。
頭も良く運動神経も良好と言う高性能猫でもある。某テトに酷似してるが何か力が使える訳では無く壊滅的音痴。
347 ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:05:53.89 ID:+yaGMVwJ
投下終了ですが続けてもう一話
4話 救済する者 登場:熊沢美沙都、エルザ=マリア
348救済する者 ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:07:07.18 ID:+yaGMVwJ
4話 救済する者

「やだ…怖い」

座礁した遊覧船の船室にて、熊沢美沙都は震えていた。
あの開催式の時まではまだ強気でいられた。しかし数人と共に主催者のアンネリーゼに詰め寄ろうとした時、
得体の知れない力によって弾かれ、更に首にはめられた首輪の威力を見せ付けられ。
あっと言う間にその士気は挫かれた。
デイパックの中に入っていたそれを見詰める。
旧式の自動拳銃、南部十四年式拳銃。本物の人を殺傷出来る武器である。

「これ使って人殺せって言うの……やるしかないの……?」

生きて帰るにはこの殺し合いで最後の一人になるしかないとアンネリーゼと梶井伸一郎は言っていた。
逃げようとしたり下手に主催に逆らえば、見せしめにされた小堀実緒と言う同年代の少女のようになる。
名簿を見た限りでは特に知り合いなどはいなかった。

「……やってやる」

美沙都は決心する。殺し合いに則り、優勝を目指す事に。
銃器など扱った事は無いが説明書を読んでおおよそは理解出来た。
遊覧船の二階に居た美沙都は一階への階段を下りる。

「可哀想に」
「!」

いきなり声を掛けられ驚く美沙都。
座席に白い雌竜が座っていた。

「あなたもこの殺し合いに運悪く呼ばれてしまった一人。
戸惑い、怯え、迷い、あがこうとしている……何て事でしょう」
「……?」

妙に達観した事を言う雌竜に、美沙都は銃を向ける事も忘れ、しばし呆然とする。

「救わないといけない、私が」
「す、救うって、この殺し合いに反抗するって事?」
「……」

ゆっくりと白雌竜が座席から立ち上がる。

そして右手で美沙都の胴体を刺し貫いた。

腹から入った雌竜の右腕はあっさりと少女の身体を貫通してしまう。

「がはっ……あ゛……?」
「そう、救うのです。この殺し合いから……この世から、解放してあげないと。この私――エルザ=マリアが」

そう言う白竜の表情はどこか熱に浮かされたように見えた。
口から赤い液体を溢れさせる美沙都は激痛と言うよりも鈍い未知の感覚が、
刺し貫かれた部分から広がり全体の身体の感覚が失われて行くのを感じる。
エルザ=マリアが右腕を引き抜くと、床に血が撒き散らされ、美沙都は十四年式拳銃を落とし崩れ落ちる。
349救済する者 ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:07:59.56 ID:+yaGMVwJ
「や……ダ…ぁ、ご…ん……ナ……」

覚悟はしていたがこんなにも早く自分の人生の終わりが来てしまうとは。
認めたく無かったが、もう、美沙都には、死の運命を受け入れる選択肢しか残されていなかった。
近くの台車の上に置かれていた手拭いで右腕の血を拭き取るエルザ=マリア。

「まず一人…救えましたね」

とても嬉しそうに白い雌竜が言った。
教会で育てられた彼女は、敬虔な教徒であった。
だが、彼女は教義をかなり曲解してしまっていた。要するに「死ねばこの世の苦しみから解放される」と思ってしまっていた。

「皆さん、私が救って差し上げます」

それが完全なる間違いだと彼女は気付く事は無い、彼女にとっては「間違い」などでは無いのだから。


【熊沢美沙都:死亡】
【残り:37人】


【早朝/H-5座礁遊覧船:一階部分】
【エルザ=マリア】
[状態]健康
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、???(1〜2)
[思考]
0:参加者達を救済する。
[備考]
※救済=殺害の意味です。


※H-5座礁遊覧船:一階部分に熊沢美沙都の死体及び所持品(デイパック(基本支給品一式、南部十四年式拳銃弾倉(2))、
南部十四年式拳銃省力型(8/8)が放置されています。所持品についてはエルザ=マリアが回収する可能性があります。


≪キャラ紹介≫
【熊沢美沙都】  読み:くまざわ みさと
16歳の少女。淡い青髪で巨乳の高校一年。勝気な性格であるが、精神的に脆い一面も。
コンドーム装着主義で装着しなければ絶対行為をさせない。但しぶっかけはOKらしい。

【エルザ=マリア】
17歳の雌竜の少女。白い身体で竜人体型、胸はそこそこ大きいぐらい。
幼竜時に教会前に捨てられ、教会で育ったため敬虔な教徒となった、が、教義を曲解しており、
死ぬ事で現世から解放され救われると思い込んでいる。
350 ◆ymCx/I3enU :2011/07/28(木) 22:08:45.89 ID:+yaGMVwJ
投下終了です。遅れを取り戻したい
351 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:14:59.10 ID:Clc/iTFg
投下乙です。
3日位しかたっていないのに久しぶりな感じがするのがym氏の凄さだと思います。
では投下します。
DOL3rd46話 それじゃあな
登場人物:◆VxAX.uhVsM、◆YR7i2glCpA、球磨川禊、遠藤清丸
352それじゃあな ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:15:24.64 ID:Clc/iTFg
学校の屋上…そこは人により解釈が違うだろう。
少なくとも、今この時には悪い印象しかない。
そう、全ての男である黒幕◆VxAX.uhVsMがいるからだ。

「よう…YR氏」
「Vx氏、なんでこんなことを……」
「ん?殺し合いの事?暇つぶしに決まってんじゃん」
「ひ、暇つぶし……?」
「そそー、暇つぶし、ひつまぶしじゃあねーぞ」

そんなつまらないギャグを言う。
しかし、それで笑えるのは一人だけだ。

「ふざけないでくださいよ…」
「え?何を?」
「貴方は暇つぶしのためにこんなことをしたんですか!?
ym氏だって6L氏だって9Q氏だってxz氏だってWYG氏だって…8n氏だって、皆あんな風に楽しく話していたじゃないですか!?」






「残念だねぇ…考え方が甘い…本当に残念だよ」








「何が残念なんだよ!ふざけるな!皆は死んでしまったんだぞ!」
「そうかそうか…まあいいや」
「何がいいんだよ!」
『落ち着いてくれよYRちゃん』
「この状況で何を落ち着けるのか…!」

◆YR7i2glCpAは心に余裕が無い。
だからもう耐えきれる事が出来なかった。
353それじゃあな ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:16:48.16 ID:Clc/iTFg
「なんで、こんなことをしたんですかVx氏!他に理由がなにかあるんですよね…?」


無駄な質問だ。
それは分かっていたはずだ。
でも心のどこかで理由があったと信じたかった。
こんなことをしても、仕方なくないが仕方ないような理由が。


「はっ、残念だけど答えは変わらないよ…ただの『暇つぶし』だ」
「ぐ、がああああああああああああああああああああ!!!」

撃つ、撃つ、撃つ。
撃ち続けた、弾が切れても撃ち続けた。
空撃ちでも、何でも良かったのだろう。

「……もういいや、お前らは帰っていいよ」
「お前はどうするんだよ…ふざけるなよ!」
「俺はこのまま敗北を認めて尻尾を丸めて消えますよ…」



「それじゃあな」



◆VxAX.uhVsMはいつの間にか目の前から消えていた。
そしてその場には3人が残っただけだった。

「……Vx…氏」
「あの機械が脱出装置か…行こう二人とも」
『そうだね』
「……はい」

三人は機械の前に行く。
脱出装置、簡単にそう書いていたスイッチがある。

「生存者が島から強制送還されます…か」
「本当に二人とも助かりました…感謝します」
『いや、僕じゃなくて清丸ちゃんに言いなよ…』
「二人共に助けられたんですから…二人に対してですよ」

三人の最後の会話が終わった。
もう彼らは話すことはなかった。
スイッチが押され、その場から3人が消え去った。

【◆YR7i2glCpA@非リレー書き手】
【球磨川禊@めだかボックス】
【遠藤清丸@いちろ少年忌憚】
【◆WYGPiuknm2@非リレー書き手】
【以上四人生還】

【バトルロワイアル 終了】
354 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:17:43.75 ID:Clc/iTFg
続いて投下
DOL3rd47話 これはハッピーエンドですか?いいえ、決してそんなことはありません
登場人物:◆YR7i2glCpA、◆WYGPiuknm2
355これはハッピーエンドですか?(略 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:18:27.83 ID:Clc/iTFg
                    
                  
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは殺し合いに参加させられていたと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにか生還していた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    OPで生還だとか全員生還だとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::... イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…



   ◆      ◇

俺の気持ちを代弁してくれたポルナレフさんに感謝。
うん、俺も何があったか分からない。
でも、俺はいつも通り自分の部屋にいた。

「あれ…どういう事?」

家の中で寝ていたはずだったのにいつの間にか自室にいた。
正直言って把握しきれない。

「訳が分からないよ…」

何もする気が起きない。
そう思うと、一つだけ頭をある事がよぎった。
書き手さんは、無事なんだろうか。
356これはハッピーエンドですか?(略 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:18:56.38 ID:Clc/iTFg

「そうだ…チャットを見れば…!」

急いでパソコンを起動する。
起動に掛かる時間がとてつもなく長く感じられた。
やっと普通に動く程度にPCが温まってきたのですぐにチャットを開いた。

「……2日前が最後…?」

最後の退室表示が2日前が最後なのに気付く。
誰か来るかもしれない…と思いチャットに入る。

お知らせ:WYGPiuknm2さんが入室しました。(20:18)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:一応誰か来るかもしれないから入室します。(20:19)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:……誰か来ないかな。(20:19)



   ◆       ◇



帰って来た自分はすぐに倒れてしまった。
疲れとかそういうのがあったんだろうが…1日ずっと寝込んでいた。
やっと自宅に帰れる日が来た。

「ただいま、と言っても誰もいないか」

いつも通りの部屋である。
あんな殺し合いがあったのに…なにもなかったようだ。
肩の傷も無くなっていた。
きっとあれは夢だったのかもしれない。
そうだったらいいなとどれだけ思うか…。

「チャット…のぞいてみよう」

パソコンを起動する。
色々と考えていると起動は完了していた。
357これはハッピーエンドですか?(略 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:19:19.06 ID:Clc/iTFg

「……あ」

お知らせ:WYGPiuknm2さんが入室しました。(20:18)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:一応誰か来るかもしれないから入室します。(20:19)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:……誰か来ないかな。(20:19)

「WYG氏…来てるじゃん」

急いで名前欄にトリを入れる。
そして入室する。

お知らせ:◆YR7i2glCpAさんが入室しました。(20:23)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆YR7i2glCpA:どうも…(20:23)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:おお!…こんばんは(20:24)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆YR7i2glCpA⇒入室者全員:良かった…生きてたんですか(20:24)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2⇒入室者全員:うん、俺死んだかと思ったんだけど…(20:25)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆YR7i2glCpA⇒入室者全員:まあ、生きてたのなら良かったです(20:25)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
WYGPiuknm2:今日は確認したかっただけなので落ちます…乙です(20:26)
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お知らせ:WYGPiuknm2さんが退室しました。(20:26)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆YR7i2glCpA:おっと、乙です…今日は誰も来ないようだし落ちるか(20:27)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
おみくじ:◆YR7i2glCpAさんの運勢は『大凶』です。(20:28)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
◆YR7i2glCpA:……(20:28)
―――――――――――――――――――――――――――――――――――
お知らせ:◆YR7i2glCpAさんが退室しました。(20:28)



   ◆      ◇



「……皆はもう帰ってこないのかな」

あのメンバーはもう帰ってこないのか。
そう思うととても悲しくなる。

「寝よう…そして、いつか」

最後に覚悟決める。
いつか、◆VxAX.uhVsMにあったら殺す覚悟を。
もし、その機会があったらだが。

「お休みなさい」

【非リレー書き手編 完】
358 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:19:44.92 ID:Clc/iTFg
投下終了です。
359 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:50:25.42 ID:Clc/iTFg
投下します。
DOL3rd48話 敗者から這い上がれ
登場人物:球磨川禊
360敗者から這い上がれ ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 22:51:14.44 ID:Clc/iTFg
『高貴ちゃん…もがなちゃん……ごめんね、僕は勝手に行くとするよ』

生徒会室に腕章だけを残して球磨川は立ち去った。
阿久根が腕章を見れば僕がやめる事は分かるだろう。
江迎ちゃんや飛沫ちゃんに言ってないけど問題ないだろう。
あの二人なら心配もしないで待ってくれるはずだ。

『僕の願いが本当なら…』

彼の願い、それはなんだったのだろうか。
それをここで話すとしよう。
彼は生涯負けて生きてきた。
そんな彼の願いは一つしかないと言えるだろう。

『一生に残る最大の勝ちを得る権利を与えよう』

それが本当なのだとすれば、今しかない。
だから球磨川は歩く。
最大にして最悪の敵の所に。

『さぁ、勝手ながら…最初にして最後の生徒会を執行しよう!』

球磨川の戦いは今ここに始まったばかりである。
しかし、それはまた別のお話。

【めだかボックス編 完】



続いて投下
DOL3rd49話 新しい七不思議
登場人物:遠藤清丸
361新しい七不思議 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 23:01:14.82 ID:Clc/iTFg
僕がこっちに変えてきて最初に聞いたのはこんな話だ。
学校の七不思議に新しいのが増えたんだ。
そんな話である。
それでは八不思議になってしまう?
そんなことは問題ではない。

「実はね…何かに遭うと殺し合いをさせられるって言う噂よ」

……やはり、噂となるのか。
でも、こんなうわさが広がるなんて言うのはおかしい。
僕は誰にも言っていない。
いちろ君ととおこ君も……死んでしまった。

「じゃあ、一体誰が広めたんだ…」

あの二人がいい広めるなんてことはしないだろう。
だったら誰が広めたのか調べるのが僕の役目だ。

「よし、じゃあ…オカルト研究会の活動を開始しようか」

彼の一人での戦いが始まろうとしている。
そして、いつか解明する日を……。

【いちろ少年忌憚編 完】


最終話投下します。
DOL3rd50話 ゲームは続くよいつまでも
登場人物:◆VxAX.uhVsM
362ゲームは続くよいつまでも ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 23:01:40.61 ID:Clc/iTFg
「……結果まとめ終了…っと」

◆VxAX.uhVsMは結果をまとめ終わり、くるくる回る椅子で回っていた。
何をしようか考えるが、特に思いつかない。

「そうだ、1回目のメンバーでやり直しさせようかなー…」

パソコンの一回目の名簿と書いてあるテキストを開く。
そこには34人の名前が並んでいた。

「そういえばこのメンバーじゃ…そうだそうだ、彼を入れよう」

最後に名前を一人つけたす。
「河合曽良」と。

「後は<過負荷>共でも集めるのも面白いかもな…」

彼の口からは笑い声が漏れていた。
既に狂っている、それは彼自身にも分かっていた。

「じゃあ……始まりと、終わりと行こうか」

そしてまたゲームは繰り返される。
彼自身が変わらない限り。
しかし、それはもう絶対と言っていいほどにないであろう。

【DOLバトルロワイアル3rd 完】
363 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/28(木) 23:04:12.84 ID:Clc/iTFg
投下終了です。
今作を読んでくださった方、感謝に尽きます。
こんな自分の趣味満載なロワを読んでくださりもう本当に感謝です。
新ロワはオリキャラロワでも考えております。
でもしばらくはRe:DOLを頑張らなくてはいけませんね。
では、今作を読んでくださった方…本当に感謝です!
364 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 23:12:19.84 ID:3zWllmg5
投下乙です、自分も投下します
タイトル:寺生まれって…
登場人物:Tさん、◆xzYb/YHTdI
365 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 23:13:20.30 ID:3zWllmg5
「破ぁ…いったい何が起こってるんだ」

ホームセンター内をうろうろしながら不満を漏らすTさん。
後輩と一緒に飲んだ帰りに、後輩と別れた直後に、記憶が途絶えて…。
気が付いたら、こんなところに呼ばれていた。

「しかし…人の命を弄んでしかもそれを「実験」とぬかすなんて…許せないな」

とはいえ、今、どこにあいつらがいるか分からない状態では、あいつを倒すことなんてできない。
それに、自分の首に付いている首輪。
こいつをどうにかする必要がありそうだ。

(おそらく…この首輪と、あのマネキンにつけられていた物は同じだ…って、それはあいつ自身が言っていたな)

しかし、これが同じ物だとすれば…。
ヘタにいじったりすれば、あのマネキンのように首が吹き飛ぶのだろう。

(…自分には解除出来そうにないな…)

生憎、自分には機械の知識はない。
一応、周りには道具になりそうな物は沢山置いてあるが…。
適当にいじって爆発してしまうのは、なんとしても避けたい。

(今は、分からない事だらけだ…何か状況を解決する事のできる物を探してみるか)

自分のデイパックを背負い、歩き出そうとした時。
角から歩いてくる誰かとぶつかってしまう。

「痛っ…」
「だ…大丈夫ですか」

ぶつかった相手は、自分の心配もせずにこちらの心配をしてくる。
結構いいやつなのか、それとも。
366 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 23:13:41.23 ID:3zWllmg5
「俺は大丈夫だ、そっちは?」
「僕は――大丈夫です」

ぶつかってきた相手は、見た所高校生くらいの歳の男だった。

「それじゃ」
「ま、待って下さいよ…僕も、一緒に…行ってもいいですか?」
「ああ、いいぜ」

とりあえず、殺し合いをしそうにもないので同行を許可する。

「いきなりこんなことを聞くのも何ですけど、何を支給されたんですか?」
「ああ、俺は…この妙な薬と銃だ。名前は良く分からんが…説明、読むか」

説明書を手渡し、妙な薬をポケットに仕舞う。

「【Anabioics:お手軽に仮死状態になれる薬。効果時間は15分。使い過ぎに注意】…危ない薬みたいですね」
「ああ、だからよほどの事が無い限り使いたくはないな。お前は?」
「僕は…ナニコレ…」
「ん?何が入ってたんだ…何…?」

その男が取り出したのは、頭に付けるパーティーグッズ…ネコ耳だった。
他に無いのか、といった表情でデイパックを引っ掻き回すが、出てきたのはまたもやふざけた品。
…ヒゲメガネだ。つけるだけで、自分の周りの空気が冷める程度の能力のある物だ。

「…まあ、何だ…気を落とすな、俺の銃をやるから」
「……………はい…………」
「…ところでお前…名前は?俺は…Tさんだ」
「……◆xzYb/YHTdIです」

367 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 23:13:53.00 ID:3zWllmg5
【一日目・深夜/F-7】
【Tさん@オカルト(Tさんシリーズ)】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、Anabiotics@S.T.A.L.K.E.R.×5
[思考・行動]
基本:この実験とやらを壊す。
1:…大丈夫か?

【@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:ウージー(25/25)
[所持品]:支給品一式、ネコ耳@絶体絶命都市2、鼻ヒゲメガネ@絶体絶命都市2、ウージーマガジン×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:…とりあえず、Tさんと行動。
2:書き手さん達は…どうしよう…

≪支給品紹介≫
【Anabiotics@S.T.A.L.K.E.R.】
Tさんに支給。
お手軽に仮死状態になれる、危険な薬。主成分はテトロドトキシン。
使い過ぎると体質が変わってしまう。使用後、日常のストレスから解放されて安らかな気分になれるらしい。

【ネコ耳、鼻ヒゲメガネ@絶体絶命都市2】
どちらも◆xzYb/YHTdIに支給。
一見ネタ装備に見えるが、意外と防寒値が高い。
基本的に全キャラクターが装備できるが、男キャラに猫耳は…。
368 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/28(木) 23:14:08.64 ID:3zWllmg5
投下終了です
369 ◆9QScXZTVAc :2011/07/29(金) 13:39:43.28 ID:x3sbvIJn
俺主催ロワ第13話:『FB』
登場:西村清一郎、剛田武、天王寺裕吾、桐生萌郁
370 ◆9QScXZTVAc :2011/07/29(金) 13:55:05.05 ID:x3sbvIJn
ミスターブラウンこと天王寺裕吾は、慣れた手付きで手の中の銃に弾を込めた。
銃の銘柄はイサカM37。散弾を吐き出す一種のショットガンである。
SERN、という組織を知っているだろうか。世界的な超巨大研究機関にして、実験結果を求める為に人命さえ平気で使い捨てにする、非道の組織。
天王寺はその中の『ラウンダー』と呼ばれる部隊を統率する役目を担っている。
発砲経験どころか、人を殺したのも一度や二度ではない。
組織の人間達は天王寺をこう呼んだ。


FB、と。


「動くなっ!」

背後から突然声が掛けられたかと思えば、天王寺の首にナイフが当てられていた。
身のこなしは確かに早い。だが、やはり格闘の技術に難があったのだ。
天王寺は相手の手を払い、そのまま背負い投げの要領で地面に叩き伏せる。

「立場が逆転しちまったな。今度はこっちが聞く。てめえは殺す気があんのか?」
「殺し合いに乗る気はないっすよ。ただ、あんたの銃の扱い方が手慣れてたから」

ほう、と天王寺は思う。
一般の少年に、銃の扱いを見て敵と判断されるとは思わなかった。
それと同時に、この少年は殺し合いに乗っていないとも確信する。

「俺は天王寺裕吾だ」
371 ◆9QScXZTVAc :2011/07/29(金) 14:06:43.23 ID:x3sbvIJn
「俺は西村清一郎っす」

互いに不信感のようなものはなかった。
しかし、彼らと同じエリアで、一つの悲劇が起きようとしていることを、彼らはまだ知らなかった。


「う、うおぉっ!」

剛田武は、走っていた。行く末も無く、ただ闇雲に、走っていた。
そして、背後から一発の弾丸が武の胸元に紅い華を咲かせて、武は倒れ伏した。
間違いなく、肺は破られている。

「(のび太……生き残れよ)」

思いは声には出さず、空気中に消えていき。
ガキ大将剛田武は、死んだ。
372 ◆9QScXZTVAc :2011/07/29(金) 14:17:10.49 ID:x3sbvIJn
追っていたのは、20歳くらいの女性だった。
手に持っていたのはグロックM19。武の命を奪った武器である。

『FB』天王寺裕吾を優勝させる。それが、桐生萌郁の目的だった。

【剛田武@ドラえもん】   死亡
【残り44/50人】

【天王寺裕吾】
基本:主催者を殺害し元の世界に帰る。
1:桐生はひとまず保留

【西村清一郎】
基本:殺しあいはしない
1:天王寺さんと行動する

【桐生萌郁】
基本:天王寺裕吾を優勝させる。
373創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 14:19:03.73 ID:x3sbvIJn
投下終了です
374小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:05:01.71 ID:jxuBiFrD
皆さん乙です。
どのロワでもそうだけどドラえもん勢が死ぬのは何だか悲しい…。

では、第一話投下します。
375小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:06:31.92 ID:jxuBiFrD

最初に収集されたときに着ていたやや大きめの赤いリボンが特徴的な制服ではなく、
戦士を思わす白いマントに露出の多いコルセットにミニスカートという
出で立ちで、美樹さやかは星の光だけを頼りに地図の隅に記載された村の一角を前進する。
脇にぶらりと垂らした手に握った武器であるサーベルの切っ先で、地面に彼女の行く先を掘りながら。

さやかの中にゲームのことや他の参加者のことなんか頭に無かった。
恭介が死んだ。ただあの瞬間だけが意識の中全てを支配していた。
信じたくない。認めたくない。受け入れたくない。何もかもが嘘。
でも、否定なんて意味が無い。
上条恭介が死んだことは曲げようのない事実。
この目が、心が、記憶が、震える身体が、さやかの全てが、それを知っている。

(恭介が…死んだ。殺された……)

最初に集められたあの空間。殺しをゲームと称して淡々と説明していたゴーグルの女。
あの女に殺された。さやかの目の前で、あの女が恭介を殺したのだ。

(許さない…)

黒く、黒く滲んでいくさやかの心。
息が弱くなった希望。
比例して、ソウルジェムが増す濁りにさやかが気付くことはなかった。
376小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:07:07.82 ID:jxuBiFrD
(絶対に許さない)

憎しみ。
怒り。
悲しみ。
絶望。

恭介の死を理解したからこそ湧き出たそれらの感情だけが、さやかの手を引く。
行く宛もなく、引きずるようにして両足を繰り出して…前方を横切る少女を見つけた。
見覚えのある…ありすぎる少女の姿を。

「ころす」



377小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:07:58.32 ID:jxuBiFrD


――せっかく、救えたと思ったのに。

「おい、妹」

人が生活していた名残が感じられる民家の一室。
御坂美琴は鏡台の中の自分自身を睨みつけ、か細い声で『妹』へ呼び掛ける。

「アンタは生まれてこれて良かったって…そう言ってくれたわよね。
 でもさ、こんなことさせられて、アンタはそれでもまだ、同じことが言える?」

御坂妹(シスターズ)とは、美琴が提供したDNAマップをもとに製造されたクローンである。
絶対能力進化(レベル6シフト)計画において10000体以上もの御坂妹が犠牲となり、
ある少年のおかげで最近ようやく凍結させることができた。

――救えたと、思ったのに。

差し込んだ光はすぐに影に覆われた。

「私…何もできなかった。また…あのときみたいに…」

殺し合いを強要し、見知らぬ少年を惨殺した妹。
しかし美琴がそれだけが真実とは認めるわけがない。
恐らくミサカネットワークが何者かに支配されているのだろう。
木から降りられなくなった子猫を助けたり、第一位に殺されそうになった
自分を守ってくれたとても優しい、大事な妹なのだ。
あのとき。この部屋に転送されるとき、確かにあの子は何かを伝えようとしていた。
あの子はきっと、助けを求めている。
378小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:08:34.47 ID:jxuBiFrD
「…嘆いている時間なんてない」

さきほど確認した名簿に載っていた大切な人たちの名前。
白井黒子、初春飾利。彼女たちを失いたくない。
そして妹に、これ以上誰かを傷つけてほしくないし、傷ついてほしくない。

「きっと私が救ってみせる」

そうと決まれば第一に重要なのは黒子と飾利、二人との合流の実現。
黒子はともかく、心配なのは飾利だ。
たしかに彼女は黒子と同じく風紀委員に所属する人間。一般人とは違う。
ただ、これまで美琴が関わった事件の中での飾利の活躍を
考えると、彼女はサポートタイプであって決して実践型ではないと判断できる。
ずば抜けている情報処理能力で、何度も試した美琴ですら敵わなかった
首輪の解除は可能かもしれないが、万が一彼女が殺し合いに乗った人物に
遭遇したときの対応力は無いはずだ。

…善は急げ。
まずはマップを開いて飾利が行きそうな場所の目処をつける。

「きっと初春さんはこの首輪の解除方法を探すと思うから…。
 パソコンのある場所…。市街地辺りかしら?って、遠いわね…」

現在地がエリアE。市街地はエリアA、B。
正反対の場所に位置しているため、この地図で区切られた一コマの直径は定かではないが
相当時間が掛かることは容易く想像できる。
しかし、そんなことを言っていられる状況ではない。
時間が無いのだ。一刻も早く二人を保護しなければ。

早速荷物をまとめ出口を潜り抜けて、北西に足先を向けて前進を始めた…瞬間だった。

月灯りに煌く三つの閃光が、美琴を襲ったのは。
379小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:09:25.32 ID:jxuBiFrD


(…どうなった?)

召喚した三本の剣を“ゴーグルの少女”目掛けて放った。
土煙が舞っていて様子が見えない。少しだけ接近して様子を窺う。

やがて明らかになったのは、“ゴーグルの少女”が立っていた場所が闇と化していること。
…闇?
さやかは不思議に思う。
時刻は深夜。天井に広がるのは当然夜空。
けれど、辺りの風景がうすらと見えるほどにはこの暗闇にも目は慣れているはずだ。
少女の姿を視認できたのもそのため。
でも剣に串刺しになっている少女の姿も、その奥に佇む景色も何も見えない。
ピンポイントでその空間が切り取られているかのように、そこだけ真っ暗闇。
何かがおかしい。
サーベルを強く握り締めて、また一歩だけ、少女へと近付いてみる。

途端その暗闇が、凄まじい速度でさやかの身体の真横をすり抜けていった。
いや、暗闇なんかではない。
黒い粒のようなものが群となって、大きな塊を形成しているようだった。

「不意打ちだなんて、随分と卑怯なマネしてくれるじゃない」

晴れた視界。そこに見えたのは少女の亡骸なんかではない。
傷ひとつ負っていない少女の姿。
その足元に散らかっている三つの刃はさやかが仕向けたものに違いなかった。
普通の人間にそんなことは不可能。
とすればこの女も魔法少女か?
それともあのときこいつ自身が言っていた、超能力や錬金術とやらか。
380小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:10:04.50 ID:jxuBiFrD
(何だっていい。とにかく私はこいつを…)

下唇を強く噛んで、平然と立っている少女を睨みつける。

「アンタ、このゲームに乗る気なの?」
「ゲーム?」

…あぁ、そういえば。
殺し合いだとか何だとか言っていたな、とさやかは薄っぺらい記憶を一つ引っ張り出す。
しかしよくよく考えれば、全部この少女が言い出したこと。
何にせよ、殺し合いだってこいつさえ居なくなれば終わる話。

「アンタの言いなりになるつもりはない」
「はぁ?ってアンタ、あのとき殺された男の子の……」

今更気付いたのか。
全部仕組んだのはお前だろう。
こうしたのはお前だろう。
殺したのはお前だろう。
殺したくせに。

殺した、くせに。

「あんただけは絶対に許さない!!!!」
「!」

魔法少女としてのさやか特有の速度をもって、少女の懐に潜り込む。
弾かれたように少女は後方へと上体をそらしてバランスを崩した。
チャンスとばかりに剣を振るい上げるが、ギリギリのところでかわされる。

「外した…」
「ねぇ、あなたは」
「黙れぇぇぇええぇえぇえ!」

381小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:10:59.21 ID:jxuBiFrD

速い。
二撃目を見て驚いたのは、相手の持つ絶対的なスピード。
一秒もたたぬ内に肉薄され、上手く体勢が保てなくなった一瞬を狙っての斬撃。
気持ちが昂ぶっているせいか、動きが雑なおかげで何とか回避はできた。
近付いてきた地面を手で押し跳ねて、何とか安定感を取り戻す。
もしも少しでも反応が遅れていたら…きっと剣の餌食になっていたはず。

「外した…」

忌々しそうに呟く相手の顔を、もう一度確認する。
…やはりそうだ。
あのとき、妹が首輪を爆破した少年に駆け寄っていた少女。
先刻の反応からして恐らく、彼女はゲーム云々というより少年を殺害した『ミサカ』が許せないのだろう。
向けられた切っ先は、妹とまったく同じ顔を持つ自分。
ゴーグルがあるかないか、普通の人ならそれだけでしか判別できまい。
その唯一のポイントも、装着を止めたと考えれば
少年を殺したのが自分だと誤解されたっておかしくはない。
…だからといってここで殺されるのも御免だ。
ならば解決する方法は一つ。彼女と話をしなければ。

「ねぇ、あなたは」
「黙れぇぇぇええぇえぇえ!」

話し合いの余地は無い…か?
激情に任せた直線的な突撃。今度はやや余裕をもって右手に避ける。

(だったら力ずくでも話を聞いてもらうわよ…!)

大きく背後へと跳んである程度距離を作り、バチバチと
火花を散らす前髪を起立させる。
一撃。一撃だけでいいのだ。
いくら速いとはいっても感情的になっている相手の動きを見極めるのは簡単。
相手が攻撃を外した隙をついて、強い一撃を見舞えばいい。
腰を低く落として、美琴は迎撃体勢に入る。
挑発するかのように不敵な笑みを表情に添えて。
382小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:11:30.01 ID:jxuBiFrD
「チッ。ナメてんじゃないわよ!」
(来た!)

予想通り荒さが目立つ四度目の攻撃。
心臓を目標に突き出されたサーベルの先端を潜り抜け、今度は美琴が相手の懐に入り込んだ。

「くそっ!」
(イケる)
「な、え?あっ…」

逃がさないように両腕で強く相手を抱き締め、
人間が簡単に意識を失うほどの威力を持った電撃を直接身体に叩き込む。

「あ、あぁぁぁああぁぁあぁあ!」

衝撃を受けた相手の上半身がビクンと跳ねて、力が失われていくのが分かった。
握力が無くなった手から剣が落下する。
一応念のために、徐々に威力を弱めつつも攻撃は続行する。

「…っと、こんなもんかしら」

脱力しきった胴体が美琴の肩にもたれかかった。
自分に掛かる体重によって、相手から戦闘力を一時的に奪うことに成功したと感じ
放電を止めて、気絶している相手の肩と腰に手を回し支えつつ隣へと移動する。

(やっぱり、まずは誤解は解くべきよね。
 それから妹のことも伝えて…分かってもらおう。
 ゲームが始まってまだ数十分。この子は私を殺せなかったし、
 きっとまだ誰も殺してない。
 だったらまだ引き返せるし、きっと落ち着いて話せば分かってもらえる…わよね)


横から相手の寝顔を眺めながら、今後の彼女への対応を思慮する美琴。
それによって注意力が散漫となり、足元に三本の剣が出現したことに気付くのが遅れた。
383小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 16:11:49.41 ID:jxuBiFrD


魔法少女になることと引き換えに、美樹さやかが願ったのは『上条恭介の手を治すこと』。
誰かを呪うことではない。人に希望を与える、癒しの祈り。
その影響で彼女の魔法少女としての回復力は普通よりも優れているのだ。
だからこそ、あれだけの威力を持った電撃を喰らったとしても、気を失うだなんて有り得ない。

単純だ。
御坂美琴の敗因は、それを知らなかったこと。
ただそれだけのこと。



三本の剣に貫かれた少女の身体を見下ろして、さやかはその場に座り込む。
今度こそ、本当の本当に脱力した。
抑えこんでいた涙が頬を流れる。

(恭介…ごめんね、恭介……あたし、守れなかったよ。
 恭介の手、せっかく治ったのに。
 これからたくさん、恭介のバイオリンが聴けると思ったのに)

声を出さずに、けれど激しく。
さやかは精一杯泣いた。
一人ぼっちのまま、精一杯悲しみに暮れた。

無関係な女の子一人を、殺してしまったことを知らぬままに。

【御坂美琴@とある科学の超電磁砲 死亡】

【一日目深夜/E−4、村】
【美樹さやか@魔法少女まどか☆マギカ】
[状態]:健康
[装備]:サーベル@魔法少女まどか☆マギカ、ソウルジェム@魔法少女まどか☆マギカ
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜3所持
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない?
1:恭介…。

※殺し合いが終わったと思っています。
※御坂妹と美琴を同一人物だと誤認しています。
384 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/29(金) 17:37:06.53 ID:RZwcIIFI
タイトルは第一話「人魚姫の涙」だそうです。
投下乙です。
美琴が一話死亡だってー!?さやか、お前は黒子と言う変態を敵回したんだぞ…!
さるったそうなので名簿をこちらに。
【参加者名簿】
6/6【2ちゃんねる】ガチホモ/喪女/美容/電波/オカルト/引きこもり
5/5【鋼の錬金術師】エドワード・エルリック/エンヴィー/スカー/プライド/キング・ブラットレイ
4/4【マギ】アラジン/アリババ・サルージャ/モルジアナ/ジュダル
4/4【神様ドォルズ】枸雅匡平/枸雅詩緒/史場日々乃/桐生
4/4【るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-】緋村剣心/神谷薫/瀬田宗次郎/志々雄真実
4/4【魔法少女まどか☆マギカ】鹿目まどか/暁美ほむら/美樹さやか/佐倉杏子
4/4【銀魂】坂田銀時/神楽/志村新八/鳳仙
3/3【花咲くいろは】松前緒花/鶴来民子/押水菜子
3/3【とある科学の超電磁砲】御坂美琴/白井黒子/初春飾利
1/1【夏目友人帳】夏目貴志

38/38

以上に変更するらしいです。

では、自分も新ロワ投下します。
『おはようございます……皆さん』

暗い部屋、縛られた両手…。
これは俗に言う誘拐と言う奴なのだろうか。

『まだ皆さんが起きておりませんね…仕方ないですが……』

どこからか男の声が聞こえてきた。
その声は、何かに包まれるような声だった。
言った自分でも意味が分からないが、そういったことなのだ。

『君たちは…自分が特殊な人間だってことは知っていますね』

特殊な人間……そうだ、確か…。
俺は診療所に行って…それでいつの間にか記憶が…。

『君たちの能力が完全に開花した今…やるべき事があります』

やるべき事…一体何なんだそれは。
声を出そうにも、声が出ない。

『君たちにはかるーく…』





『殺し合いをしてもらいます』




「ふざけるな!」

そこで一人が動き出した。
彼女が一体誰だかは分からない。
しかし、なぜ彼女だけ動けるんだ…?

『長谷川芽依…いや、<虚構炎球(ハウリングサン)>と呼べばいいか?』
「どっちでもいい!わたしたちをここからかえして!」
『それは無理な相談だよ…せっかくの機会なんだし』
「だったら……しね!」

彼女の左手には巨大な炎の塊が出来上がっていた。
それが前にいる男に向かって飛んでいく。
その炎が男を包み、炎が消えていく。

「え…なんでおまえ、いきてるんだよ…」
『君たちじゃ僕は倒せないんだよ…だって僕にはこの<幻想創造(イメージクリエイター)>があるんだから』
「いめーじくりえいたー…?」
『そう…僕が思った事を確実に遂行させることができる能力だよ…例えば』




『反逆者には、無残極まりない死を』




その声が終わった瞬間、強烈な風が吹いた。
長谷川…と言っていた彼女は吹き飛ばされる。
そして壁に激突し、磔状態となった。

『簡単に死ねると思うなよ、反逆者』
「い、いや…」

まず現れたのは多くの刃物。
それで彼女を切り裂いていく。
服が裂け、皮膚も裂け、筋肉も裂けている。
それだけでも無残なのに、終わりは来なかった。
次に来るのは多くの蟲だ。
その蟲が彼女の中に入っていく。
中って何だって?…言える訳ないだろう、恐ろしい。
彼女がうめき声と言うのか、そんな声を上げ出した。
中で喰われているんだろう。
正直言ってもう見たくなかった。

『それじゃあ、フィナーレと行こうか』

液体が降りかかる。
それで彼女の服がすべて溶ける。
……正直言うと僕は目を背けたかった。
しかし、何故か背けれなかった。
見たくない、これから起こっている事が分かっているんだから。


『手から炎を出す魔女は…火炙りの刑だ』



前にいる男が、指でパチンと鳴らす。
その瞬間、彼女の体が燃え上がった。
何やら叫んでいるのが分かるがもうまともな声として聞こえない。
そして、処刑完了と言わんばかりに炎が消え、彼女の体が地に落ちた。
しかしその体は、真っ黒に焦げて墨と同じ状態になっていた。

『こんなことになりたくなかったら…殺し合いをするんだね』

ああ、もう寝てしまいたい。
このまま夢オチでしたなんて言ったらどれだけ楽だろうか。

『細かいルールは携帯電話のメモに書いてある…簡単なルールだけ説明する』







『殺せ、殺せ、殺せ……!心行くまで殺せ!敗者には死を!勝者には褒美を!
 それでは、これからバトルロワイアルの開始だ!』








僕の意識は完全になくなった。
殺し合いか、なんて面倒なことになったんだか。
本当に、神様を恨むよ。


【長谷川芽依<虚構炎球(ハウリングサン)>】死亡確認

【DOLオリジナルキャラバトルロワイアル2nd(過負荷ロワ) 開幕】

<過負荷紹介>

【虚構炎球(ハウリングサン)】
長谷川芽依の過負荷。
怒りが著点に達した時に彼女の左手から炎が放たれる。
その炎は50万℃に達する。

【幻想創造<イメージクリエイター>】
◆VxAX.uhVsMの過負荷。
自分で考えたことを全て実現させる能力。
この能力を使うとセリフが「」ではなく『』となる。
名前の元ネタは上条当麻の<幻想殺し(イマジンブレイカー)>
389 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/29(金) 17:40:28.45 ID:RZwcIIFI
投下終了です。
では名簿を投下します。

1.赤坂 渉太<装弾瀑布(スモーキーカーニバル)>
2.秋月 大和<禁忌(アイミーマイン)>
3.稲田 弘文<絶叫幻影(ヴァニシングスクリーム)>
4.江藤 暁<融解(メビウス)>
5.岡本 隆平<月光憑依(ウロボロスファントム)>
6.軽木 流<錯誤(ネガティブインストール)>
7.吉良 義雄<圧殺六花(イミテーションプレッシャー)>
8.駒田 十平<囁く百景(ファイナルラビリンス)>
9.下田 基<陽炎忌避(シークレットウィンド)>
10.須田 良平<空笑幾何(デッドリーサイクル)>
11.中川 勇<人形運命(カタストロフィゲーム)>
12.疋田 一心<有象無象(エデン)>
13.牧原 悟<四重幽鬼(シャドウチルドレン)>
14.行木 団平<無双劇場(オーバードライブ)>
15.輪廻 明神<拡散(ダークネス)>
16.六道 仁<禁縛少女(クワイエットバインド)>


1.赤石 美玖<虚数廃墟(アシッドドールズ)>
2.上本 瑠那<焦熱隠者(プラズマクラスタ)>
3.岡崎 佐知子<絶望力学(アンノウンアビス)>
4.加賀 咲<蠢動(フェスティバル)>
5.区切 秋<暴虐抱擁(クラッシュクレイドル)>
6.盃  孝佳<爆裂戯画(スパイラルブラスト)>
7.須賀 未樹<心臓挽歌(ショットガンギャンブル)>
8.曽我 悠木<断絶狂乱(ノイジーワールド)>
9.月田 飾<火炎物語(アナザーレクイエム)>
10.永川 霧<黎明論理(カオスティックタナトス)>
11.沼井 友里<月光灰燼(スーサイダルテンデンシー)>
12.野上 早紀<零式無明(ヴォイスレスパラノイア)>
13.細田 真由子<群青螺旋(スパイラルシンドローム)>
14.和田 麻耶<破壊模型(ハードコアレプリカ)>
390 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/29(金) 17:40:58.10 ID:RZwcIIFI
【見せしめ】
長谷川芽依<虚構炎球(ハウリングサン)>

【主催】
◆VxAX.uhVsM<幻想創造(イメージクリエイター)>

続いてルールを

【時間帯説明】
0-2:深夜 6-8:朝   12-14:真昼  18-20:夜
2-4:黎明 8-10:午前 14-16:午後   20-22:夜中
4-6:早朝 10-12:昼  16-18:夕方  22-24:真夜中
当ロワでは朝からスタート。


【ルール】
施設に放り込まれ、そこで殺し合いをする。
放送は0:00、3:00、6:00、9:00、12:00
15:00、18:00、21:00
禁止エリアは1個から3個増える。
基本支給品は
■名簿、メモ機能がある携帯電話
■懐中電灯
■簡易医療セット
■飲料と食糧
不明支給品は1〜2個支給される。
優勝者は元の生活に帰る事が出来る。
携帯電話は番号を交換すれば通話もメールも可能。

| |1|2|3|4|
|A|ド|図|岸|岸|
|B|住|住|デ|岸|
|C|市|住|平|平|
|D|診|平|平|平|

ド…ドーム
図…図書館
岸…大きな岩がある海岸
住…住宅街
市…住宅街の中にある市役所
診…診療所
平…平地
391 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/29(金) 17:41:38.17 ID:RZwcIIFI
投下終了です。
今回はTHE・中二病な作品になりそうですが、どうぞよろしくお願いします。
392小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 21:20:33.54 ID:jxuBiFrD
◆VxAX.uhVsM氏、代理ありがとうございました。
厨二好きなのでこれから楽しく読ませてもらいますw

第二話投下します。
393小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 21:21:16.32 ID:jxuBiFrD

12歳の2学期。
Bカップでなぜか巨乳という設定のモテモテ美少女を
主人公とした自信作の漫画を算数のノートに描いてわざとそのページを
残したまま、先生に提出しました。
それを読んだ先生にめちゃくちゃ褒められてクラスのみんなにも絶賛され
小学生で漫画家デビュー★とか勘違いしてやってしまったことです。
先生は普通にノートを返してきました。ノーコメントです。
読んではいけないものを読んでしまったと思ったのでしょう。
何せモテモテ美少女は自分という設定でしたから。
主人公の名前は私。王子様役はクラスで人気の××くんの名前。
ライバルのブスはピチレモン系(笑)グループの中心○○ちゃん。
他、全員クラスの子の名前を使ってました。
そしてそのノートは母親に見られ、未だに家族全員にネタにされます。

13〜15歳の1月。
自分宛の年賀状が30通ほど着ました。
差出人は同学年の子たちだったり、先輩後輩だったり色々です。
あ、でもこれ実は12月の半ば辺りから一生懸命自分で書いた年賀状だったりするんです。
つまり分かりやすく言うと、自作自演ってやつですね。
六畳半の自分の部屋でこっそり書いたので多分家族にはバレてないです。
高校生になってからは何だかむなしくなって止めました。
進学した途端あんなに届いていた年賀状がぱったり来なくなって
親には「友達と何かあったの?」と心配されましたが
友達なんて居ないので問題が起きることがまず有り得ません。
だから安心してください。

17歳の11月。
修学旅行の班決めをしました。
もちろん私は余りもの。適当に人数が足りないところに入ることに。
スケジュール決めのときもぽつーんと一人。
誰も私の存在なんて知らないみたいにくっちゃべっています。
私は修学旅行の前々日、学校から帰った瞬間親に言いました。
「お母さん、お腹痛い。実は今朝からだった。
 でもお母さんに言ったら明後日の修学旅行、行けなくなりそうだったから…」シュン
優しいお母さんは「旅行なんていつでも行ける。それよりもあんたの体が心配」って
次の日の学校を休ませてくれて、
それでもひたすら水を飲んで氷食って下痢出しまくってたら
修学旅行も休ませてくれました。
あんな和気藹々とした輪の中に放り込まれるなら
お腹でギュルギュル言ってる虫ちゃんたちとお友達やってたほうがマシです。
394小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 21:22:01.80 ID:jxuBiFrD
卒業式の打ち上げにも呼ばれず、大学進学後もお決まりのぼっち生活。
成人式にも出ず、やっとこさ何の変哲もない小さな企業に就職して
少ないながらに家にお金を入れる毎日を送っています。

友達も彼氏も居ません。正直、私なんて生きてて意味はないと思います。
別に生きなくていいとも思っています。
ただ自殺はしたくないし怖いからしないだけで、全然死んだっていいんです。
生まれ変わって宮崎Aおいみたいな美女になるのです。
だから誰か殺してください。お願いします。

でも死ぬ前に、最後に一回だけやってみたいことがあるんです。

緑に囲まれた湖で月の光に照らされながら、全裸で背泳ぎしてみたい。

ここは地図で言えばA−5。
疲れきった私の心を癒してくれる緑が広がっていて
目の前には空で魅力を発揮する月を映す湖。
条件は揃っています。まあ二つだし、難しくもないですよね。

思い立ったら私はすぐにスウェットと100均で買った下着を脱ぎ去りました。
贅肉だらけのヨボヨボのお腹と垂れた乳を上下に揺らし湖の中に身を投げます。
イメージしてたのはちゃぷん…という慎ましい音だったんですけど
ドボーン!!!!!!!!ゴボボボボ…と大岩が沈んでいくみたいな
水音が響きました。当然です。

いざ背泳ぎに挑戦しようと両腕を広げますが、溺れました。
足もつきません。意外とここ、深かったんですね。
しかも私、よく考えると背泳ぎとかできません。
溺死はしんどいので嫌です。誰か助けてください。
バタバタと手足を羽ばたいてみますがどうにもなりません。
湖で優雅に泳いでいたあめんぼさんが迷惑そうにしているだけです。

歪んでいく視界。薄れていく意識。
喪女である私は、静かに目を閉じた。

395小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 21:22:45.16 ID:jxuBiFrD

「起きないわね…」

森を散策していたモルジアナはザッボンザッボンという激しい水音を聞きつけ、
すぐ傍に広がっていた湖から引き上げた女を介抱していた。
あれから十分が経過するが、女が起きる気配はない。
しかし心音は一定のリズムを保って機能しているようなので
命に別状があるわけではないのだろう。

「でもこの人、どうして全裸なのかしら。
 もしかして誰かに無理矢理脱がされたとか?だとしたら許せないわ」

弱者を虐げる行為。
かつて奴隷として身を売られたモルジアナにとって、それは許しが難いことだった。
モルジアナは誓う。
この女を、この島で無力な人たちを自分の手で守ろうと。
そして参加者名簿に載っていたアラジンやアリババ。
今度こそ自分を救ってくれた彼らの力になろうと。
強く拳を握り締めて、月を仰いだ。


【一日目深夜/A−5森の中・湖の傍】
【モルジアナ@マギ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜3所持
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:弱者を守る。
2:アラジンやアリババさんの力になりたい。

※喪女の服が付近に落ちていることに気付いていません。

【喪女@2ちゃんねる】
[状態]:意識不明、全裸
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜3所持
[思考・行動]
基本:誰かに殺してほしい。
1:―――。
396小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/07/29(金) 21:26:40.76 ID:jxuBiFrD
タイトル「ふケンコー全裸系」、投下終了です。
一応喪女のプロフィール的なものをこちらに。

【名前】喪女
【性別】女
【年齢】24
【身体的特徴】
身長158cm Cカップ。普通〜ポチャ体型。
黒いボサボサの髪を後ろで縛っているだけ。普通。黒いスウェットに健康サンダル。今は全裸。
【性格】ネガティブ。リア充が苦手。
【能力等】動物と意思の疎通が可能。
【備考】
最近美容が苦手なことに気付く。
イケメンが苦手。ガチホモはオカマであるため、オカルトは中身が、引きこもりは中身も顔も自分と同レベルまたはそれ以下のため大丈夫。
397創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 21:57:57.44 ID:b8v6hrPv
26:小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6
11/07/29(金) 16:20:20
第一話「人魚姫の涙」投下終了です。

それから名簿を見直してみたのですが、本当の意味での一般人の女の子が少ない…。
なので一部を訂正します。
以下が参加者一覧となります。

【参加者名簿】
6/6【2ちゃんねる】ガチホモ/喪女/美容/電波/オカルト/引きこもり
5/5【鋼の錬金術師】エドワード・エルリック/エンヴィー/スカー/プライド/キング・ブラットレイ
4/4【マギ】アラジン/アリババ・サルージャ/モルジアナ/ジュダル
4/4【神様ドォルズ】枸雅匡平/枸雅詩緒/史場日々乃/桐生
4/4【るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-】緋村剣心/神谷薫/瀬田宗次郎/志々雄真実
4/4【魔法少女まどか☆マギカ】鹿目まどか/暁美ほむら/美樹さやか/佐倉杏子
4/4【銀魂】坂田銀時/神楽/志村新八/鳳仙
3/3【花咲くいろは】松前緒花/鶴来民子/押水菜子
3/3【とある科学の超電磁砲】御坂美琴/白井黒子/初春飾利
1/1【夏目友人帳】夏目貴志

38/38

最後の最後でさるってしまった…。
すみませんが代理投下お願いします。

では、失礼しました。




どうでもいいけど代理投下する時はちゃんとそのまんまコピペしたほうが良いよ

398創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 23:21:44.65 ID:vIistvDG
やったぁぁぁ花咲くいろは!!!
菜子ちゃん応援します!
399創る名無しに見る名無し:2011/07/29(金) 23:45:17.07 ID:PZtxk40S
投下乙です!

・人魚姫の涙
 勘違いから悲劇が生まれてしまった……
 何故さやかちゃんはかわいそうな目にしか遭わないのか

・理由なんてない、それが始まりなのだから
 新ロワ乙です!
 「幻想創造」がチートすぎる……まあ、主催者はこれくらい凶悪でないとね!

・ふケンコー全裸系
 流石喪女、悲惨だぜ……
 てか最後にやりたい事がしょうもないぞwww
400 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:37:13.57 ID:LxkVzFjW
皆さん投下乙です。
それでは投下します。

雑多ロワ32話:ダヴィッド同盟
登場人物:七原秋也、アイズ・ラザフォード
401 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:38:28.30 ID:LxkVzFjW

(何が起こったんだ?
最後の一人になるまで殺し合えなんて、これじゃまるでプログラム……違うな。
俺も本物のプログラムなんて知らないけど、こんな超科学の代物じゃないはずだし、
それに、軍部があんなオカルトを研究してるなんて聞いたことがない)

白スーツの男の話は大半が意味不明だったけれど、とにかく『殺し合え』と言われたことは理解した。
しかし現在、七原秋也の頭を占めているのは『殺される』という恐怖でも『殺さなければ』という強迫観念でもない。

それは『こんなことが起こり得るものか?』という、現状への疑問。

一瞬であの広間から森の中にワープしたりと、ここで『実際に起こった非現実的なこと』を上げればキリはないのだが、
何よりも現状は、それまでに浸かっていた『日常』とギャップがあり過ぎた。


最後に覚えていたのは、クラスメイトの喧騒と、とても優しいまどろみだった。
何故なら彼は、クラスメイトと共に一つのバスに乗車していたのだから。
楽しい楽しい――というほどではないが、それなりに楽しい――ありふれた修学旅行が待っているはずだったのだから。


そう、祖国に対する愛情など欠片もなかったが、学校には親友がいて、好きな人も(振られたけど)いて、しかも音楽とギターまであった。
決していい世の中じゃなかったけれど、毎日の日常は平和で穏やかで、おおむね満足していた。


それなのに、叩き起こされたように目覚めて、気づけばあのファンタジックな空間に放り込まれていた。
果たして、走行中のバスから、クラスメイト42人の内の、たった数人を昏睡させて連れだすという真似ができるものか。
できるとしたら、今ごろ城岩中学ではどんな騒動になっていることやら。

402 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:39:08.48 ID:LxkVzFjW

そう、何よりあの『第六十八番プログラム』と大きく異なるのは、参加者が中学校のクラス固定ではなく、ほとんど知らない面子だということ。
それから、『魔法』というトンデモ要素が飛び出したこと。
参加者名簿を見る限り、秋也の知り合いは三人しかいなかった。

桐山和雄。
相馬光子。
三村信司。

正直に言うと、三村が呼ばれている事は有難かった。
いや、こんなデスゲームに呼ばれること自体は、有難くもなんともない。
しかし、三村は何より頭が切れるし、様々な能力において中学生離れした実力を持っている。
例えば本物の政府の『プログラム』に呼ばれたとしても、政府の施設を爆破するなどして皆を脱出させるんじゃないかと、そう思ってしまうようなカリスマがあった。
何より、すごくいい奴だ。決して殺し合いなどしないという信頼がある。

他の二人のことは、それほど知らない。
『町内でも有名な不良』の評判としては知っているけれど、交友があるという意味の『知り合い』ではない。

桐山和雄に関しては、あまりいい話は聞かない。
能力面に関してはずば抜けた賞賛ばかりが広まり、性格面に関しては悪い噂ばかりが広まる。
しかし、話の通じない人間ではないと秋也は思っている。
実際に彼の仲間である『ファミリー』の、沼井充や笹川竜平たちからは、絶対の信頼を置かれているのだ。
仲間意識はあるはずだし、信頼を築けない人間ではないと秋也は思う。

相馬光子に関しても、同じくお世辞にも素行が良いとは言えない。
しかし相馬光子は――何と言っても、女の子だ。
まさか人を殺して回るようなことをするはずがない。

何より、あの3年B組に、人を平気で殺せるような人間がいたとは思いたくなかった。
問題のある生徒も多数いたが、それなりに仲良く楽しく集団生活をしていたのだから(過去形にはしたくないが)。

403 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:41:16.57 ID:LxkVzFjW

なら、まず合流すべきはクラスメイトである三村、桐山、相馬(特に三村)であろう。
少なくとも、赤の他人よりははるかに信頼のおけそうな相手なのだから。

まずはどこへ向かおうかと、秋也は地図を広げた。
秋也がいるのは住宅街の裏通りだったが、仲間を探すことを考えれば大通りを進むべきか。
それとも襲撃を警戒して裏通り沿いに進むべきか。


しかし、そんな心配は無用だったと秋也は直後に知る。


ディパックを開けた微かな物音か。
手元を照らした懐中電灯の僅かな光か。
秋也のとった行動のどれが原因で、居場所を知られることになったのか。
あるいは、『見つけた側』の方がただ者ではなかったのか。


「手を上げろ」
銀髪碧眼の少年に、拳銃を突きつけられたのだから。



◆    ◆    ◆

路地裏から酒場らしき建物に侵入し、二人の少年は会話を交わしていた。
端正な美少年が二人――それも片方は、銀髪碧眼の氷人形のような美貌の持ち主だ――
闇夜のバーで会話している光景は、サスペンス映画の冒頭を思わせる。
しかし実態は、そんなドラマよりもよほど切羽詰まったものだ。

「日本語が上手なんだな……なんですね」
「敬語を使わなくてもいい。
それより聞きたいことがある。ナナハラと言ったな」
「ああ、そう言うあんたはラザフォードさんだな」

404 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:42:35.43 ID:LxkVzFjW

アイズ・ラザフォードという男は、先刻から鋭い眼光で秋也を観察している。
感情の組みとれない切れ長の青い瞳が、何故だかクラスメイトの川田章吾を思い出させた。
外見で言えば、武蔵坊弁慶と童話に登場する王子様ぐらいかけ離れているのに、不思議な連想だ。
青く鋭い眼光に宿る、恐ろしいほどに冷静な、ある意味では冷徹な威圧感が、類似していたのかもしれない。
そう言う意味では、桐山を思わせるところもあった。
拳銃を取り扱っていた所作といい、バーに侵入する際の警戒といい、素人とは思えないほど洗練された動きだ。
単に、サマになっているだけではない。研ぎ澄まされた『隙のなさ』から生みだされる優雅さだった。

正直なところ、『頼もしい』というより『怖い』という印象が勝る男だ。

しかし、秋也は戦意がないかを問われたきり、何も攻撃されなかった。
殺し合いに乗ってはいないようだ、と秋也はある程度の信用を置く。

「ナナハラは、あの演説していた男に覚えはないか?」
そして、この外国人も、秋也と同様に突然に連れて来られたらしい。
ほぼ鎖国状態の大東亜共和国において、イギリス人の少年を拉致するなど、どういう手段を使ったのやら。
「いや、全くの初対面だよ」
「そうか……なら、『魔法』や『魔女の口づけ』といった言葉に心当たりは?」
「いや、それも。と言うか、全く何が何やら分からないよ。
俺はクラスメイトと一緒に修学旅行に行く途中だったのに、気が付いたらここに連れて来られてたんだ」
「そうか……」

それきり、ラザフォードは口を閉ざして沈思黙考を始めた。
手の中にある支給品の金属片を、無言のまま色々な角度からながめる。

「なぁ、ラザフォードさんは殺し合いに乗っていないんだよな。
だったら一緒に力を合わせないか?
俺はクラスメイトたちと合流したいし、ラザフォードさんにも知り合いがいるんだろう?」

知り合ったばかりの男だが、『殺し合いに乗っていない』というだけで信用する理由にはなる。
何より、秋也一人で何とかできる事態ではないのだから。『仲間』が必要だ。

405 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:44:13.71 ID:LxkVzFjW
「俺との同行を希望するなら止めはしない。もっとも、己の命には己で責任を持ってもらうことになるがな」

淡々とした、しかし否定的ではない答えに、秋也はほっと肩の力を抜き、
「しかし、行動を共にするのだとしたら、断っておかねばならないことがある」



「俺はあの主催者の男と知り合いだ」



爆弾発言。

「……知り合い?」
「ああ。言葉通りの意味だ」
無表情で肯定されて、秋也は、どう問い返すべきか困った。
「じゃあ……なんで、なんで俺に、主催者を知ってるか聞いたんだ?」
「あの男は顔が広いからな。ここにいる参加者が、どういう基準で呼ばれたのか。それを考えてみようと思った」
「どういう知り合いなんだ?」
「それを言うことはできない」
「何だよそれ…! 俺はそいつに殺し合いを命じられてるのに、聞いちゃいけないのか!?」
秋也は声を荒げていた。
主催者と知り合いであるにも関わらず、主催者のことを語れない。
その自己保身とも取られかねない不可解さに、ラザフォードに対する信用の目盛が不安定にぶれる。

「怪しいと思ったか……?」

ずばりと言い当てられた。
「いや……それは」
「それでいい。それが普通の反応だからな。
しかし、少なくとも今の段階で教えることはできない。
出会ったばかりでまだ信用を築けていないこともあるが、元よりあの男に関わる情報は、うかつに漏洩できないというのが理由だ。
それこそ、外部に広まることで、軽く数十人の首が飛びかねないほどのな。
どう応えたらいいものか、困惑する秋也を見て、ラザフォードは微かに口元を緩めた。
微笑んだのかもしれない。

406 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:47:26.45 ID:LxkVzFjW

「しかし、教えられる範囲で、知り合いの情報は交換しておこう。
把握している参加者は多い方がいいからな」
「あ、ああ……それなら、あんたにも答えられるんだな」

二人は参加者名簿を取り出し、互いの知り合いを丸印で囲んで行った。

「ナナハラ、お前はクラスメイトと合流したいと言ったな。
そのクラスメイトは、お前にとって信頼に値する人材なのか」
「ああ、そうだよ。三村はいつでも冷静で頼りになるし、すごくいい奴だ。絶対に殺し合いに乗ったりしない。
桐山と相馬もガラは悪いけど……俺と同じクラスにいたんだ。俺は二人を信じたい」

「つまり、お前はそのキリヤマとソウマのことをよく知らないということか?」

その口調が責めているようにも聞こえ、秋也は彼と対峙して何度目かの気まずさを味わった。
「……だって、普通の中学生が殺し合いなんてすると思えないだろ?
そういうあんたはどうなんだ? ずいぶんたくさんの知り合いにマルをつけてるけど」

「微妙、というのが正直なところだな。
鳴海歩は間違いなく信用できる。結崎ひよのも、少なくとも殺し合いに乗ることはないだろう。
しかし後の四人は駄目だな。冷静に動いているならば協力できるが、そうでない場合も多分に考えられる。
殺し合いに乗らないとは断言できない」
「いや…………そいつら、『火澄』って人以外は、ラザフォードさんの親友なんだろ?
あんた、『仲間』同士で殺し合いができると本気で思ってるのか?」
憤りのにじんだ声で、秋也は反論してしまった。
見ず知らずの他人が信用できないというのなら分かる。
極端な話、参加者の中に指名手配中の快楽殺人者が紛れ込んでいたとしてもおかしくはないのだから。
しかし、ラザフォードが『乗るかもしれない』と挙げたのは、彼が『仲間』だと紹介した三人。
秋也の立場で言えば、三村信史との殺し合いを想定するようなものだ。

「ナナハラ、そう言うお前はどうなんだ?」
「え?」
「俺は少なくとも、奴らの能力、性格、その他の事情を考慮して『乗るかもしれない』と言っている。例によってその事情を語ることはできないが。
しかし、話を聞く限りでは、お前はキリヤマとソウマという人間をよく知らないのだろう?
お前はよく知らない人間を、無条件で『乗るはずがない』と決め付けられるのか?
例えばそいつらが、家庭の事情などから『どうしても死ぬわけにいかない理由』を抱えていないと、断言できるのか?
あるいはこんな状況から、恐怖で発狂しないと保証できるのか?
信憑性という意味では、よく知らない人間に対して無警戒になる方が危険だ」

冷めた表情で淡々と論破され、秋也はただ、圧倒された。
『信用できない』という主旨の言葉に反射的な反発が湧きあがり、しかし同時に、ラザフォードの話し方をとても論理的だとも思った。

407創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 00:47:31.69 ID:tJQI0zY1
  
408 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:49:10.77 ID:LxkVzFjW

「まぁ、それでも考え方が一致しないと言うのなら、無理に共に行動する必要もない。
ここで別れよう。
実際、今の俺の言い分だと、お前が俺を信用するのも危険なことだからな」


秋也は、自らを『危険』と称する銀髪碧眼の少年を見つめた。

『信用』することは必要だ。
しかし、彼の言い分では、うかつな『信用』をすれば、裏切られて寝首をかかれることも、また自明。

そして最初の問題は、この少年を『信用』すべきかという一点。

主催者の関係者だが、己の身分も主催者の身元も明かすことをしない。
知り合いがこの殺し合いに大勢呼ばれているが、殺し合いをしない保障はないと言う。
そして、七原秋也のことも、未だ完全に信頼するつもりはないらしい。
しかし、その行動や言葉から、奇妙に荒事なれした印象や、頼もしさを覚えてしまったのも事実……。

果たして、秋也の返答は――



◆    ◆    ◆ 

アイズ・ラザフォードはまず考えた。
己のなすべきことを考えた。

重大事は幾つかある。

例えば、『彼』との決着を間近に控えていた鳴海清隆が、唐突に姿を現し、『殺し合い』などという意味のない企画を催したこと。

例えば、大切な仲間の一人である竹内理緒が、いとも簡単に殺されてしまったこと。

例えば、親友であり血を分けた兄でもあり、そして何より故人であるカノン・ヒルベルトの名前が、名簿に記されている事。

特に後者は、『アイズ・ラザフォード』という人間にとって、根幹に関わる一大事だ。
彼を失ってから、ほんの数日しか経過していないのだから。
彼を失ったことによる事態の流動で、今現在のラザフォードや火澄の状況があるのだから。

しかし、それはあくまで、『彼個人の事情』に過ぎない。
最も必要なことは、鳴海清隆の脚本の中で、大局を見て行動することだ。
その為に、彼は『カノン・ヒルベルト蘇生の真偽を確かめたい』という願望を、ひとまず封印する。

409 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:50:18.09 ID:LxkVzFjW

色々なものを失ったが、それでもまだ彼は守るものを抱えている。
つい数日前、ラザフォードはそのことを再確認させられたばかりだったのだ。
ある少年が、ブレード・チルドレンを守るために、半身といってもいい少年を見捨て、切り捨てた。
その上で、彼はラザフォードに言ったのだ。

戦え、と。

たとえどんなに希望が見えなくとも、己の意思が続く限り、最後まで抗ってみせると。
だからこそ、己が諦めない限り、ブレード・チルドレンもまた、諦めることは許されないのだと。
もっとも絶望的な場所に立たされた者が、笑いながら希望を語ってみせたのだ。

なるほど、この現況は、その時の状況から大きく転じている。
何よりその時点で清隆は彼を呼び出し、一対一で決着をつけるつもりだったのだ。
それが何故、己の計画を翻し、このような無意味な殺し合いを企画するに至ったのか。

そこに疑問は尽きないが、しかしその状況でも『彼』は諦めないと確信できる。
ならば、ラザフォードもまた諦めるわけにはいかない。
ラザフォードは彼の計画を唯一知らされたブレード・チルドレンであり、いち早く、彼の計画に賛同してしまったのだから。

だからこそ、考えなければならない。
彼がいつもそうしていたように、論理を尽くして考えなければならない。
鳴海清隆の、目的を。
この『実験』の意味を。
そこから導き出される、己の果たすべき『役割』を。
それも、鳴海清隆が期待した『駒』としての役割ではなく、鳴海清隆の目論みをこえる、『希望』としての役割を。


鳴海清隆にとって、己以外の存在は、すべからく盤上の“駒”である。

しかしそれは、この『実験』の参加者にも、鳴海清隆のためになる、“駒”としての役割が与えられているということだ。
ならば、参加者の持つ“駒としての役割”を調べることで、逆に鳴海清隆の目的を探ることができるかもしれない。

できるだけ多くの参加者との接触。
彼はそれを、己に課した。

410創る名無しに見る名無し:2011/07/30(土) 00:50:51.80 ID:O+eQPYQk
411 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 00:51:23.04 ID:LxkVzFjW

『主催者の知り合いだ』という身分をあっさりと明かしたのもその為だ。
主催に不信感を持つ者なら、その身分に注意を喚起されないはずはない。
その伝聞が広まれば、向こうから接触してくれるケースもある。

そういう意味では、七原秋也の同行の申し入れも、『どちらでも構わない』という程度のものだった。
七原が他の参加者に『主催者の知り合いを自称する男に会った』というだけで、充分に『注目を集める』という効果は得られるのだから。
――まぁ、何らかの役割を期待するには、あまりにも頼りない人材だと言わざるを得ないが。


むろん、『主催者の知り合いだ』と公言して回ることで、同時に不信感を招きかねないというリスクも重々に承知している。
しかし、その危険性が大きかったとしても構わないのだ。

何故なら、鳴海清隆を最終的に倒すのは、鳴海歩であって、アイズ・ラザフォードではないからだ。

現時点で、鳴海清隆を打倒できる可能性のある人物と言えば、鳴海歩しかいない。
ミズシロ火澄との対決を見届けて、鳴海歩の精神の強靭さと、覚悟の強さをラザフォードは充分に知らされた。
たとえ状況がどう変わろうとも、鳴海歩は清隆を倒すべく動き、おいそれと挫折することはないだろう。
ならば、己にできることは、鳴海歩がそこに至るまでの道を切り開くこと。

むしろ、ラザフォードに参加者の眼が集まれば、その分だけ鳴海歩は安全になるのだ。
『主催者の知り合い』という意味では、むしろ実の弟である歩の方が危うい立場にいるのだから。

竹内理緒からは、死ぬ覚悟よりも死なない覚悟を持てと叱られるかもしれない。
ラザフォードにしても、危険を伴う役目を果たすとはいえ、おいそれと命を粗末にするつもりはない。

それでもラザフォードが捨て石になることが、鳴海歩の――ひいては守るべきブレード・チルドレンたちの――未来に繋がるなら、彼にとっては満足のいく結果だった。


412 ◆8nn53GQqtY :2011/07/30(土) 01:28:20.16 ID:LxkVzFjW
【G−5/劇場前大通り 裏道の酒場/一日目 深夜】

【七原秋也@バトルロワイアル】
[状態]健康
[装備]城岩中学校の学ラン
[道具]基本支給品一式、不明支給品0〜2
[思考]基本・殺し合いには乗らない
1・ラザフォードと行動する? それとも…
2・三村信史、桐山和雄、相馬光子とは合流したい(三村信史を最優先)

【アイズ・ラザフォード@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]健康
[装備]核金@武装錬金、S&W M59(残弾15)@現実
[道具]基本支給品一式
[思考]基本・鳴海清隆を打倒する為に鳴海歩をサポートする。
1・ナナハラと行動するかは彼次第
2・他の参加者と出来る限り多く接触し、鳴海清隆の目的を考察する。
3・知り合いとは合流したいが、ブレードチルドレンに関しては最悪『スイッチ』が入った場合も想定し、一応は警戒しておく。
4・カノン・ヒルベルトの蘇生に疑念。
※参戦時期は最終巻、火澄との決着後から、歩と清隆が対決する日までのどこかです。


投下終了です。
さるったので投下が遅れました。すみません
413 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:31:06.71 ID:O4n/RiyT
投下します
タイトル:布川輝良の――
登場人物:布川輝良、◆YcpPY.pZNg
414 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:31:38.48 ID:O4n/RiyT
橋から離れ、C-2の街を探索しに来た◆YcpPY.pZNg。
街灯以外は明かりも無く、ひっそりとしている。
こんなひっそりとした街が、これほど恐怖感を煽るものなのか、と改めて思う。
どの家も、明かりなんて灯っていない。
…ただ、一軒の家を除いて。

(…おそらく、あの家には誰かいますね。こんな時に電気をつけるなんて、不用心ですね)

あの明かりのついている家にいるのが、ゲームに乗っている奴か、それとも乗っていないのかは分からない。
しかし、もし乗っていないのなら、見逃す訳にはいかない。
たとえそれが、赤の他人であろうと。

「行ってみましょうか」







民家の2階、寝室であろう部屋で、参加者の一人である布川輝良は戸惑っていた。
自分はあの時、確かに時間の流れに押し戻されたはず。
そして、1991年から、元いた時代より先に飛ばされる…はずだった。
明かりの煌々と灯る室内の、よくあるベッドの上に座って、デイパック内にあった機械をいじる。
中に入っているのは4つのデータ。その中の1つ、「名簿」とやらに載っている、ある男の名前に気を引かれる。

「吹原和彦…って、確か野方さんが言ってた」

吹原和彦。
自分より前にクロノス・ジョウンターで過去に飛んだ、3人の内の1人。
しかし、その内の2人はあくまで実験目的による渡航。
吹原和彦の場合は、実験と言うより密航と言った方が正しいだろう。
そんな人も、ここに来ている。

(一体、どういうことなんだろうか。もしかして、「クロノス・ジョウンター」の故障…?)

副作用だとしても、実験で飛んだ内の1人は、戻って来ている。
人によって、と言う可能性もあるが…。

415 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:32:00.86 ID:O4n/RiyT
「…そう言えば、パーソナル・ボグが無い」

パーソナル・ボグの代わりに、訳の分からない機械が取り付けられている。
モニターらしき場所には、地図のような物が映っている。

(一体なんだろう)

腕時計…にしては大きすぎる。全く、訳が分からない。
その時。
トントンと、誰かが階段を登ってくる音が聞こえてくる。
その音にビックリし、思わずベッドから転げ落ちてしまう。

「そんなに驚かなくても大丈夫です。敵意はありません」
「あ、あなたは…」
「申し遅れました。私は◆YcpPY.pZNgと言う者です」
「Y…c…?」
「…本名が思い出せないのです。Ycとでも呼んで下さい」







「…Ycさんは、一体何故ここに?」
「外を通った時、ここの2階に明かりが付いているのを見かけたもので。誰かいるのだろうと思い、今に至る訳です」
「そうだったんですか」
「…いきなりで不躾ですが、明かりを消していただけますか?」
「えっ?どうしてですか」
「今、外は真っ暗。その中で明かりが煌々とついていれば否応無しに目立ちます。暗い中に、光があれば遠くからでも目立ちますよね?
こんな状況で、いつどこで殺しあう意思のある人間に襲われるか分かりません。そんな中で、目立っていると言うのは、良いことではありません。
暗闇の中の光は、人の注意を引きます。そうやってこちらに来る人間は、善人か悪人かなんて、こちら側では判断できません。
返り血でも浴びてれば分かりますが…暗闇の中では相手の姿を認識するのさえ難しいでしょう?ですから、明かりは消した方が良いのではないかと」
「わ、分かりました。今すぐ消します。」
416 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:32:20.84 ID:O4n/RiyT
言われるがまま、部屋の電気を消す。
何故か、この人の言葉には否応無しに従わなければならない気がしてしまう。

「…明かりには懐中電灯を使いましょう。これなら、明かりをつけるよりリスクが少ないですから」
「分かりました」

布川が懐中電灯を取り出し、スイッチを入れる。

「…そう言えば、名前は何と…」
「布川…輝良です」
「それでは、布川さん…支給品を見せていただけませんか?」
「この中に入っています、どうぞ」

デイパックごと◆YcpPY.pZNgに手渡す。
警戒しつつデイパックを丁寧に開け、中身を取り出す。

(…!!これは一体…)

中から出て来たのは、妙な形の物体。
なんとも、形容し難い形だ。

「これって、一体何でしょうか?」
「私にも、良く分かりません。ですが、説明を見る限り有用性はあるみたいですね」
「そうなんですか…って、もう1つのって、まさか、銃…!」

妙な物体に気を取られて気が付かなかったが、もう1つの支給品もどうやら出て来ていたようだ。
こちらは、ただのリボルバー式拳銃。変わった所もない。

「ええ、確かに銃ですね」
「…Ycさんは、驚かないんですか」
「…ええ、銃が出て来てもあまり驚きはしませんね」
「そうですか…」

もの凄く、「何故見慣れているのか」と質問したいが、また長々と説明されるかもしれない。
仕方無く、心の中に仕舞っておくことにした。

「私は、もう銃を持っていますので…布川さん、貴方が持っていた方がいいでしょう」
「え、で、でも、銃なんか使ったことないですよ」
「大丈夫です、何とかなりますよ。…さっきの明かりに引き寄せられた人がいるかもしれません。念には念を入れて、ここを出ましょう」
417 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:32:31.26 ID:O4n/RiyT
【一日目・深夜/C-2:民家2階】
【布川輝良@クロノス・ジョウンターの伝説】
[状態]:健康
[装備]:S&W M19(6/6)、Heart of the Oasis@S.T.A.L.K.E.R.
[所持品]:支給品一式、.357magnum弾×18
[思考・行動]
基本:殺し合いなんてしたくない。帰りたい
1:Ycさんと行動する。そして民家を出る。
※過去から戻ってくる途中からの参戦です

【◆YcpPY.pZNg@非リレー書き手】
[状態]:健康
[装備]:宝石スーツ@絶体絶命都市2、シグザウエルP230(7/7)
[所持品]:支給品一式、P230マガジン×3
[思考・行動]
基本:ゲームには乗らない。
1:布川さんを護衛したい。
2:この民家を出て、他の場所へ行く。

≪支給品紹介≫
【Heart of the Oasis@S.T.A.L.K.E.R.】
布川輝良に支給。【S.T.A.L.K.E.R. Call of Pripyat】より。
伝説のアーティファクト。クエストアイテムだが、自分の物にもできる。
ゲームではスタミナ回復、出血回復、ヘルス回復、空腹回復の効果があるが、支給された物はヘルス回復効果が取り除かれている。
また、デメリットとして微弱の放射能を帯びている。
418 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 01:32:41.51 ID:O4n/RiyT
投下終了です
419 ◆ymCx/I3enU :2011/07/30(土) 08:08:52.41 ID:Ilh5MZSm
皆様投下乙です 自分もば
EX2 5話 零式無明 登場:緒方龍也、桐原貴博

タイトル名、勝手ながらVx氏のDOLオリ2の参加者の一人の過負荷名から取らせて頂きました、すみません
420零式無明 ◆ymCx/I3enU :2011/07/30(土) 08:09:47.62 ID:Ilh5MZSm
5話 零式無明

寒い。潮風が身体にしみる。
警官の竜人、緒方龍也は警官制服の襟元を触りながら思う。寒い時彼は襟元を触る癖があった。

「…誰かいるな」

道路脇の草むらの中から人の気配を感じた龍也は、支給された回転式拳銃コルトS.A.Aシビリアンを携え、
警戒しながら草むらの中に入っていく。

「ひああああ……ん」
「何て事だ」

衝撃的な光景が広がっている。
狐の少年が全裸で喘いでいた。しかもその尻には何やら極太で長大な玩具が深々と――――。

「いい、いいよぉぉおおおああああぁああ!?」
「あ」

喘いでいた狐少年は龍也に気付き驚愕の絶叫を上げた。

「やだああいつの間に、見ないで見ないで…」
「……取り敢えず服を着ようか」

取り乱す狐少年を龍也を宥めまず服を着させる事にした。

……

「俺は緒方龍也、見ての通りお巡りさんだ」
「…桐原貴博です、中学一年です」
「そうか、いかんな、でも。こんな見晴らしの良い場所でああいう事をするのは」
「うう…試しに入れたら凄く気持ち良くってつい」
「…この…玩具は君の支給品なのか?」

貴博の傍に置かれた馬のペ*ス型ディ*ド――貴博の腸液ですっかり濡れている――を見ながら龍也が問う。

「はい」
「これだけ?」
「一応もう一つあるんですけど…」

自分のデイパックを開け貴博はもう一つの支給品を取り出す。
ステーキを切る時等に使う、ステーキナイフだった。

「ふぅん…持っておけ。一応武器にはなると思うから」
「はい」
「まあ、出来る限り君の事は守るつもりだが限界はある。自分の身は自分で守るようにしなさい」
「はい……」
「…君はこの殺し合いに誰か知り合いは呼ばれているか?」
「…見せしめにされた小堀実緒さんは僕のクラスメイトでした」
「あ……そう、か」

まずい事を聞いてしまったかと、龍也はばつの悪そうな顔をする。
421零式無明 ◆ymCx/I3enU :2011/07/30(土) 08:10:32.26 ID:Ilh5MZSm
「…話した事なんかほとんど無かったですけど。なので余り悲しくも無いです」
「……」
「あの、緒方さん」
「ん」
「これから一緒に行動して下さるんですよね」
「ああ」
「なら、あの…たまにで良いので」

いきなり狐の少年はズボンを脱ぎ尻を龍也に突き出す。
尻尾を誘うように振り、とろんとした目で龍也を見詰め門を露わにする。

「僕のお尻を掘ってくれませんか」
「いや、俺はそういう趣味は無い」
「むぅ…分かりました、じゃあこれで我慢するです」
「…程々にな」

馬のペ*ス型ディ*ドを愛おしそうに舐め回す貴博をやや呆れ気味の目で見ながら龍也が言った。

……

余り話した事は無かったが、それでもクラスメイトが殺されてしまった。
首輪を爆破され、喉元から血を噴き出しながら。
衝撃的で、とても怖かった。自分もああいう風に血を流して死ぬのかと。
だから快感に逃げようとした。支給された馬の肉*の玩具で自分を貫き。

運良く殺し合いに乗っていない警官の竜人の男性と遭遇する事が出来た。
しかし言えばすぐに自分を犯してくれた義父や近所のおじさん、クラスメイトとは違い犯してはくれなさそうだ。
自分で自分を慰めるしか無いだろう。

(…死にたくない。僕はもっと、犯されたいんだ…)

不浄な理由だが、強く「死にたくない」と、貴博少年は願う。
422零式無明 ◆ymCx/I3enU :2011/07/30(土) 08:11:02.66 ID:Ilh5MZSm
【早朝/F-5平原:幹線道路】
【緒方龍也】
[状態]健康
[装備]コルトS.A.Aシビリアン(6/6)
[持物]基本支給品一式、.45LC弾(12)
[思考]
0:殺し合いを潰し脱出する。殺し合いに乗っていない参加者を保護する。
1:桐原君を連れて行く。
[備考]
※特に無し。

【桐原貴博】
[状態]健康
[装備]ステーキナイフ
[持物]基本支給品一式、馬のペ*ス型ディ*ド(桐原貴博の腸液付着)
[思考]
0:死にたくない。
1:緒方さんについていく。
[備考]
※特に無し。


≪キャラ紹介≫
【緒方龍也】  読み:おがた りゅうや
25歳の竜人の警察官。黒い身体で引き締まっている。斜めに構えた性格で掴み所が無い。
中々の射撃の腕を誇る。須牙襲禅の後輩に当たる。

【桐原貴博】  読み:きりはら たかひろ
15歳の狐獣人の少年。中学一年。マゾで淫乱のケモショタ。
義父に強姦され目覚めた。基本的に善人だが、淫乱。見せしめにされた小堀実緒はクラスメイトだがほとんど面識無し。
423 ◆ymCx/I3enU :2011/07/30(土) 08:11:59.89 ID:Ilh5MZSm
投下終了です。
424 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 20:59:58.38 ID:jCacywfy
投下乙です。
襲禅の後輩だと!?
では自分も投下
DOLオリ2ndstory1 それは偶然?必然?
登場人物:岡本隆平、軽木流
425それは偶然?必然? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 21:00:46.50 ID:jCacywfy
軽木流(かるき ながれ)はB-2の住宅街に立っていた。
あの酷い様で死んだ女の子を思い出す。
自分もあんな風になりたくない。

「まったく…あの男、ふざけたことしやがって」

彼は能力的には強い方だ。
自分から手を加えずに殺すタイプの過負荷である。
その能力については後で説明しよう。

「さてと…じゃあ人でも探しますかね」
「後ろにいるのが気付かないのか?」
「うおっ!?」

後ろに立っていたのは岡本隆平(おかもと りゅうへい)だった。
急にいてびっくりしたのか、転んでしまった軽木を起こす。

「まったく、お互い運が無いよな…」

岡本が話しかけてくる。

「そうだな…なあ」
「ん?なんだよ」

俺は、合言葉を言った。
これが上手く行けば、俺の勝ちとなる。

「わーるどぷらす、でっどえんど」

「!?」

世界が暗転する。
それは死刑宣告であった。



現実→   →   →幻想
426それは偶然?必然? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 21:01:07.53 ID:jCacywfy



「あ、あれ……?」

岡本隆平は自分の家にいた。
先ほどまでいた場所にはいなかった。

「な、なんだ夢かよ…良かった」

そう思うと安心してくる。
なんてひどい夢だったのか、そう思うと腹が減ってきた。
安心すると腹が減るというのは本当なんだなと思う。

「おーい、お袋ー…何かない…ってうわああああああああああああ!!」

目の前に広がっていたのは彼の家族の死体。
あってほしくなかった、あるはず無いと思っていた場面だった。
彼はふらふらとした足取りで家族の死体に触れる。

「うそ、だろ…おふく、ろっ」

起きあがってきた。
死んでいなかったのだ、良かった…とは思えない。
すぐにでも救急車を…と思ったら、親が目を見開いてこっちを見てきた。

「おふ、くろ……?」
「グ、ガアアアアアアアアアアアアアアアアアア」

親は岡本の喉をかみちぎった。
岡本は倒れ込む。
恐怖で頭を支配する。
もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ
もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ、もう嫌だ

助けてくれ助けてくれタスケテクレ



現実←   ←   ←幻想
427それは偶然?必然? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 21:01:30.28 ID:jCacywfy



「ぐ、ははははははあはあははっは!!」

岡本は狂った。
その幻想により、狂わされた。
彼の眼に映るのは、化物だけだ。
全てが化物に見えるという状況の中、彼は動き始めた。

【夜/B-2住宅街】
【岡本隆平】
[過負荷]<月光憑依(ウロボロスファントム)>
[状態]発狂
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:化物を殺す。
[備考]
※精神異常により周りが化物(ゾンビ)に見えるようになりました。



  場面転換…



「よし、成功したな…」

軽木は陰で岡本の姿を見ていた。
彼の能力は簡単に言えば精神に鑑賞する能力だ。
それを使い、上手く駒を増やしたのだ。

「それじゃあ、行きますかい」

ここに、能力に埋もれた男が行動を始める。
428それは偶然?必然? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 21:01:46.24 ID:jCacywfy
【夜/B-2住宅街】
【軽木流】
[過負荷]<錯誤(ネガティブインストール)>
[状態]発狂
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:周りを利用して優勝する。
1:最高に良い駒が欲しい。

<過負荷紹介>

【錯誤(ネガティブインストール)】
軽木流の過負荷。
キーワードを構成して、相手の精神にその状態を見せる能力。
今回のように発狂させるだけでなく、自殺に追い込むこともできる。


【月光憑依(ウロボロスファントム)】
岡本隆平の過負荷。
月光の力を自分に取り込み、相手の能力を奪う。
しかし夜で満月でないと使えないので超不便。
429それは偶然?必然? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 21:02:18.30 ID:jCacywfy
投下終了です。
オリキャラ紹介の代わりに過負荷紹介が入ります。
430 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 22:14:32.23 ID:jCacywfy
投下します。
DOLオリ2ndstory2 Are you happy ?
登場人物:六道仁、加賀咲
431Are you happy ? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 22:15:16.70 ID:jCacywfy
速急に言おう、六道 仁(ろくどう じん)は変態である。
言ってしまえば<過負荷>を持つ人間なんて大体は変態である。
しかし、その意味の変態ではない。
単純な、アレな意味での変態だ。



0→  →  →1


「なんでこんなことになっちまったんだかねぇ」

加賀 咲(かが さき)はあの始まりの終わりを見た後この場所にいた。
残念ながら彼女にはあんなことどうでもよかったようだ。

「人が殺せるんなら…十分じゃないの」

彼女は立ちあがる、人を探すために。
しかし彼女は気付いていない。
後ろから近づく男の陰に。












「つぅうううううううううううかまあああああああああえ
たああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ!!!」







432Are you happy ? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 22:15:36.22 ID:jCacywfy
「きゃあああああああああああああああああ!!」

後ろから来た男に腕を掴まれる。
その男は掴んだで目があった瞬間ニヤッとした。
それが彼の能力の起動条件だからだ。

「さぁ、愉しめよ…お前みたいなやつが耐えれるかは知らないがなぁ」

ここから始まる、見るに堪えないような事が始まる。
少なくとも、六道は思っていた。



1→  →  →2



加賀は縛られていた。
この状況はまるで誘拐である。
そう思いながら少しづつ記憶が戻ってくる。

「ああ、そう言えば私…」

変な男に腕を掴まれたのを思い出せた。
しかし、今からの状況は思い出せなかった。

『フフフ…あなたが新しい獲物?』
『なかなかかわいい顔ね…フフ』
『フ…新しい……獲物』

三人の少女が現れる。
彼女らは私を冷ややかな目で見ていた。
まるで私を獲物として見るように。
433Are you happy ? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 22:16:11.12 ID:jCacywfy

『それじゃあ始めようか…』
『そうね、始めましょう』
『………始める』

三人はばらばらの体系をとる。
自分は恐怖を覚えた。
だって彼女たちは、にっこりしながら見ていたんだもの。



BAD→  →  →WORST



「フフフ…絶望をしてきた顔だ、さあそろそろいただこうか」

六道仁は彼女の胸に手を伸ばした。
今まではそれで犯して、捨ててきた。
だがそれは一般人に対してだけだ。

「ぐ、ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!?」

彼の体から血が噴き出していた。
何故、そんなことになったのか。
それは加賀の能力に遭った。

<蠢動(フェスティバル)>

それは自分の夢を相手に移す能力。
虫により運ばれる悪夢。
それを現実として発生させるのだ。
発動条件は、彼女がそれを願った時だ。

「く、ざまぁ無いわね…この変態男」

彼女は立ちあがった。
汗を大量に掻いている所を見るとそれほどに酷い夢だったらしい。

「さぁ…行きましょう、人を殺しに」

それは、一人の男の馬鹿な夢である。
そして、一人の女の悪魔な夢であった。

【六道仁<禁縛少女(クワイエットバインド)>】死亡確認

【夜/B-4海岸】
【加賀咲】
[過負荷]<蠢動(フェスティバル)>
[状態]精神的疲労(大)、身体的疲労(小)
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:他の奴を殺す。
1:こいつ(六道仁)は放置。

<過負荷紹介>
434Are you happy ? ◆VxAX.uhVsM :2011/07/30(土) 22:16:33.29 ID:jCacywfy

【禁縛少女(クワイエットバインド)】
六道仁の過負荷。
体の一部を触れさせ目を合わせることで発動する。
夢に引きずり込み3人の少女に酷い目にあわされる。
最後まで夢を見るとその精神的ショックで死に至る。

【蠢動(フェスティバル)】
加賀咲の過負荷。
自分の見ている夢を他人になすりつける能力。
殺される夢を見てこの能力を使えば一番近くにいる奴を殺せる。




投下終了です。
435 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 22:25:56.73 ID:O4n/RiyT
投下します
タイトル:Shadow of Battleroyal
登場人物:Strelok
436 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 22:26:20.13 ID:O4n/RiyT
森の中を、辺りに意識を巡らせて歩く。一体、何故こんなことになっているのか?
いつ死ぬか分からない戦場で生き抜いてきた自分としては、殺し合いと聞いても別段驚きはしない。
人を殺す事に対しても、もはや感覚が麻痺してしまっている。
しかし、今回は別だった。

「…何故あいつらは生きている」

C-Consciousness…。
自分が、確かにあの時奴らの「元凶」を殺したはずだ。
だが、何故か生き返り、今度は一般人も混ぜて殺し合いをさせると来た。
おまけに、それを「実験」と称すると来た。

(第一、ここはZoneじゃないな。一体どこなんだ)

ZONEと比べることすらできないような良い環境。
ミュータントもいなければ、放射能汚染もない。
こんな状況でもなければ、ゆっくりできるのだが。

(しかし、そんな良い環境にも関わらずアノーマリーは発生するんだな)

現に、さっきもアノーマリーを確認した。探知機を持っていなかったら、危うく踏みこんでいた所だった。
Springboard…さして珍しい物でも無いが、アーマーのない今、不用意に踏みこむと…良くて軽傷、悪くて即死か。
例え軽傷で済んだとしても、メディキットの1つも無い状態では、治療も出来ない。

「…こんなものを、支給されるとはな」

437 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 22:26:32.95 ID:O4n/RiyT
自分に支給されたのは、自分がチェルノブイリ内を駆けた時に、モノリス兵共から奪った…Gauss gun。
弾倉内部に入っているアーティファクトの力で、専用の弾丸を撃ち出す銃だ。
しかし、ここである疑問が浮かび上がる。
この武器の強力さは、奴ら自身が良く知っているはずだ。
自分たちの命を脅かす物を支給するなんて、どういうつもりだろうか?
俺達には、自分たちは殺せないとでも思っているのか?

(…まあいい。今度こそ、貴様らの息の根を止めてやろう)

ふと、デイパックに入っているPDAの事を思い出す。
あの中に沢山の人間の名前が乗っているページがあった。
見る限り、大体の人間が日本人のようだが…。
中には、奇妙なアルファベットの並びもあった。

「…何故、俺は漢字が読めるんだ」

そういえば、何故だろうか。
自分は日本語の勉強なんかしたこともない。

(訳が分からない事だらけだ…ここは、Zoneより綺麗だが…Zoneより過酷だな…)

その時、前方に妙な物を見つける。
鉄製の囲いに囲まれた、錆びた鉄板。

「何だ…これは。何か臭うぞ」

辺りに漂う、なにかの死臭。
人では無いようだが…気分のいいものではない。

「…早く、立ち去った方がよさそうだな」

そそくさと、その場を後にした。

438 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 22:27:05.85 ID:O4n/RiyT
【一日目・深夜/G-5:蓋付近】
【Strelok@S.T.A.L.K.E.R.】
[状態]:健康
[装備]:Gauss gun(10/10)@S.T.A.L.K.E.R.
[所持品]:支給品一式、専用バッテリー、不明支給品(確認済み)
[思考・行動]
基本:C-Consciousnessの所へ向かい、再度殺害する。
1:今はとりあえずここから離れよう
2:奴らはどこにいるんだ?
3:…何故日本語が?ここはどこなんだ?
※真エンドからの参戦です

≪支給品紹介≫
【Gauss gun@S.T.A.L.K.E.R.】
Strelokに支給。
本文中にもあるように、アーティファクトの力で、専用の弾丸を撃ち出す。
火薬を使用しないので発射音はほぼ無く、威力も小火器の限界を越えている。
精度もすさまじく、距離による降下もないのでスコープ越しに撃てばまず当たる。
ただし1発撃つごとにチャージが必要で、そのチャージ音は近くにいると聞き取れてしまう。
439 ◆6LQfwU/9.M :2011/07/30(土) 22:27:18.45 ID:O4n/RiyT
投下終了です
440 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 10:49:17.01 ID:N0ln4mcU
投下します
俺主催ロワ第14話:報われない戦い
登場:谷口慶太、ペリーヌ、朱鷲戸沙耶
441 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 11:03:21.83 ID:N0ln4mcU
最初からバッドエンドが決まっている物語。
それは、朱鷲戸沙耶の行ってきた『戦い』そのものであった。
戦地を駆け巡り、青春を謳歌することさえできずに悲劇の死を遂げた。その事実に抗うために、いや、目を背けるために『闇の執行部』と戦う。
永い、終わりがあるのかも分からない孤独な戦いは、沙耶のリプレイする意志のみが繋ぎ止めている希薄な存在。それがつい先日に終わりを告げた。
それは奇しくも、沙耶の自害という形で。
だが、物語は続いていた。殺し合いの場に死んだはずの沙耶が召喚されたのだ。

直枝理樹。名簿にあった一人の名前が、沙耶の行動を決定付けた。
理樹くんを守る。この殺し合いを終わらせるためにも。

直枝理樹になら、この殺し合いを終わらせることができる。
あの少年は、沙耶の希望だったのだから。
行き着く先は自らの死だとしても、彼女は止まらない。革命を起こすまでは。


谷口慶太は、追い詰められていた。
相手は高校生くらいの狐獣人なのだが、その手にあるのはナックルダスター。
一発もらえば大変なことになるという危惧が、彼の動きを鈍らせていた。
手元に有るのはレミントンM119なのだが、引き金を引くことさえ恐怖だった。
442 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 11:15:37.55 ID:N0ln4mcU
さすがにまずい。八方塞がりの状況下で、彼を助けたのは乱入者である。
ダァン!という破裂音の後、襲撃者の右の太股に穴が開いていた。

「説得は無理そうだから、逃げるわよ」
「お、おい、あんたは」

話は後だ、と沙耶と谷口は走る。


「成程な。沙耶は一度…いや二度は死んでる筈って訳か」

谷口の状況理解能力は高かった。
沙耶の話を一度で聞き取り、理解していたのだから。
まずは仲間を探すために、二人は闇雲ではあるが歩きだした。

【朱鷲戸沙耶】
基本:理樹くんを守る。
1:殺しはなるべくしたくないが、襲われたなら容赦しない
2:時風瞬が殺し合いに関わっている可能性を危惧。
※沙耶ルート終了後からの参加です

【谷口慶太】
基本:死にたくない。
1:沙耶と行動するが、都合が悪くなったら切る


「くっ…逃げられましたか」

片足を引きずりながら歩く狐の少女ーーーペリーヌは苦々しげに吐き捨てる。
殺し合いに乗る。しかし彼女は知らなかった。彼女の近くには、最悪の食人狼が居ることを。

【ペリーヌ】
基本:殺し合いに乗る。
443 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 11:19:14.33 ID:N0ln4mcU
【谷口慶太】
21歳の東大生。かなりのヘタレで、差別意識が強い。

【ペリーヌ】
18歳の狐獣人。日頃からクラスメイトを騙して金をせしめている悪人


投下終了です
444 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 15:41:30.55 ID:N0ln4mcU
投下します
俺主催ロワ第15話:救済の余地は無い
登場:有馬一葉、◆ymCx/l3enU、西園寺世界
445 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 15:57:27.57 ID:N0ln4mcU
「殺し合いか……参ったなあ」

猫族の中学生くらいの少女、有馬一葉は変わった子とよく評される。
彼女の好物はもっぱらBL本で、もはや文字同士でのCPさえ妄想できるほどに腐ったーーーーーつまり『腐女子』の一種。しかしその中でも異端なのだ。
簡単に言うなら、彼女の周りではBL沙汰が起きやすい。
あまりにも熱烈なBLへの愛が、周囲を自然に禁断の関係に陥れていくのだ。

しかし、残念ながら二度とそんな光景を見ることは叶わない。


望みの世界に望んだ者はいない。


「……ぁ…あ…?」

一葉の腹から、冷たい『何か』が突き出し、赤い液体を滴らせていた。
一番しっくりくるのは、西洋映画で騎士が持っている西洋剣だろうか。
その後は、背後の少女ーーーーー西園寺世界が悪鬼のような笑顔で、ただ一葉を切り刻み、なにも語らない肉塊に変えていくだけだった。


夢から覚めない者には永遠のユメを。


「……甘いぜ」

世界の背中に、二つの赤い華が咲いていた。

「邪魔…よ…わたしは…生き残っ…」

ダァン!

AK46から弾が吐かれ、世界の頭を破裂させて、恋に狂った少女は死んだ。
◆ymCx/l3enUは、現実的な解決を。
446 ◆9QScXZTVAc :2011/07/31(日) 16:00:38.66 ID:N0ln4mcU

最後に残るは現実主義者(リアリスト)。


【◆ymCx/l3enU】
基本:生き残る。

【有馬一葉@オリキャラ】
【西園寺世界@School Days】  死亡
【残り42/50人】





投下終了です
447 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:34:44.06 ID:RPPWUIh4
投下乙です。
さすがのym氏だなー。
では自分も投下します。
Re:DOL4話 ああ僕はいつごろ大人になるんだろう
登場人物:ドラえもん、野比のび太、青木百合
448ああ僕はいつごろ大人になるんだろう ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:35:24.65 ID:RPPWUIh4
「一体何なんだこれは!」

E-2の住宅街…青色のロボットが怒っていた。
彼の名はドラえもん。
22世紀から、野比のび太を世話するために来たロボット…とでも言えばいいのか。
そんな彼はロボットだからと言って感情が無い訳ではない。

「簡単に命を奪うなんて…あの男、許せない!」

緑色の服を着た中年が自分のすぐ近くで殺された。
今までになかったほどに気持ち悪い状態だった。
これまでの冒険より過酷なことになるのは分かっている。
それでも、ドラえもんは逃げることは許されなかった。

「皆がここに来ちゃってる…僕が探さないと」

ドラえもんは周りを見る。
自分が住んでいる街より都会な感じの住宅街だ。

「こんな街作るって…よほどの奴か、未来から来たやつでしかあり得ない…」

未来から来たならば、道具を使ってこんなことを出来る。
でも、そんな事で無ければ…。

「科学では説明できない何かで…?」

ドラえもんは考える。
だったら自分が出来ることは?
いつも通り、仲間を探して脱出することだ。
考えが付いたドラえもんはその重い体を起こす。

「あの……」

ふと、後ろの方から声が聞こえる。
ドラえもんが後ろを向くと、頭にカエルの髪止めをした少女がいた。
おとなしめで、こんな場にいるのに似合わないような風体だった。
449ああ僕はいつごろ大人になるんだろう ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:35:48.21 ID:RPPWUIh4

「えーと、君は?」

出来る限り怪しまれないように言う。
しかし、向こうはドラえもんの事を警戒している。
それも当然だ、初対面の人間から見ればあやしさ満点だ。

「私は、青木百合と言います…聞きたい事があるのですが……」
「ああ、分かる分だけなら答えられるよ」
「私の兄…青木林を見てないでしょうか?」
「青木…林ねぇ、外見はどんな感じ?」
「私より少し背が高く…黒い髪で…」
「うーん…」

ちなみにドラえもんが遭遇したのは彼女が初めてだ。
だから知っている訳はないのだが、この先で合えばという保険であった。

「残念ながら見てないよ、ごめんね」
「いえいえ……」
「なんなら、一緒に行く?多いほど安心できるし」
「いいえ」
「?」

「兄を知らないのなら、用済みです」

死んでください。
そう彼女は言った。
そして右手見持っていたのは炸裂手榴弾。
その手榴弾が僕に襲いかかる。



   ◆      ◇
450ああ僕はいつごろ大人になるんだろう ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:36:31.24 ID:RPPWUIh4



「うう…ドラえもん、どこにいるの…?」

野比のび太…彼もE-2の住宅街にいた。
持っているのは衝撃波ピストル。
ドラえもんの秘密道具であり、彼にとって最高の武器である。
人を傷つけずに、捕まえられる。
彼にとっての心の支えであった。

「でも…他の皆は……」

ジャイアンなら心配ない…と言う訳ではない。
彼とてただの小学生、大人には勝てない。
スネ夫もそうである。
頭は切れるが暴力沙汰には強くない。
だからこそ、ドラえもんと合流して、二人を見つけたい。
そうすればきっと今回もどうにかなる。

「急いで見つけ…って、あれ?」

遠くに青い機械を見つける。
あれは何かすぐに分かった。
いつも一緒にいてくれる友達…ドラえもんだ。

「良かった…ドラえもん……!」

彼は急いで友のもとに走る。
しかし、その途中で違和感に気付いた。
何かがドラえもんに向かって飛んでいた。
楕円形の物体が一つ。

「……!」

のび太はそれが何か気付いた。
映画で何度か見た程度だが、その通りならあれは手榴弾だ。
のび太は、何も考えずに走っていた。
右手に持っていた衝撃波ピストルで、ドラえもんの前にいた少女の顔に向かって撃つ。
エアガンと同じ軽さで反動もなかったので簡単に当たった。
本当にこの時は自分の特技に感謝した。
次にする事は、もう何も考えてなかった。
ただ自分の動くがままにしていた。
のび太は、爆発する瞬間に……ドラえもんを押し飛ばした。
これは、わずか5秒ほどの出来事である。



   ◆      ◇


451ああ僕はいつごろ大人になるんだろう ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:36:51.38 ID:RPPWUIh4
ドラえもんには、何が起きたか理解できなかった。
目の前に遭った手榴弾。
いつの間にか倒れていた自分の体を起こす。
まず見えたのは倒れている青木百合と言う女の子。
傷はない所から見ると死んでいないのが分かった。
そして、次に目が入ったのは。

「え……な、なん…」

あってほしくなかった光景。
ある訳ないと思っていた光景。
そう、そこに遭ったのは



自分の代わりに手榴弾を食らった野比のび太の姿だった。



「のび太君!!」

ドラえもんは急いで駆け寄る。
のび太はもうすでに虫の息である。
この時点で、もう生存する可能性は0である。

「は、ドラ…えも」
「のび太君!のび太君!」
「ごめん、ね……こ、れしか…思いつ、かなかったよ」
「なんで…なんでこんなことを…」
「だって、さ…僕ら」





「友達じゃないか」






のび太はそのまま笑顔のまま動かなくなった。
友人を救うために命を張った少年の最期であった。
ドラえもんはのび太の体をゆすった。
既に息もなく、脈もない。
それがあらわしているのは、完璧なる「死」だった。
452ああ僕はいつごろ大人になるんだろう ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:37:07.90 ID:RPPWUIh4

「う…っぐ、ぐぞぉ……ごめんよ゙ぉ…」

ドラえもんの目からは涙が出ていた。
自分のために命を張ってくれた親友のために。
ロボットでも、涙は出る。
悲しい時には涙を出して泣くのが、当然なのだから。
それがたとえ、ロボットだとしても。
人間と変わらないのである。

【野比のび太@ドラえもん 死亡】

【E-2住宅街/朝】
【青木百合@オリキャラ】
[状態]精神不安定、気絶
[装備]手榴弾(残り5)
[所持品]基本支給品 不明支給品0〜2
[思考・行動]
基本:兄のために全員殺す
0:……。
1:兄に会いたい
2:知人に会ったら…?
【ドラえもん@ドラえもん】
[状態]涙を流している、悲しみ
[装備]
[所持品]基本支給品 不明支給品1〜3
[思考・行動]
基本:この殺し合いを止める。
1:のび太君……。
2:ジャイアンやスネ夫と合流する。

≪オリキャラ紹介≫
【名前】青木 百合(あおき ゆり)
【年齢】14
【性別】女
【職業】中学生
【性格】兄思い 優しい
【身体的特徴】黒色の髪、頭に髪止めをしている
【服装】中学校の制服
【備考】DOL本家にて4話目にて死亡、なお3人殺害
453 ◆VxAX.uhVsM :2011/07/31(日) 21:37:50.97 ID:RPPWUIh4
投下終了です。
どんどんルートがそれていきます。
454 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 11:35:21.80 ID:k84151vL
投下乙です 前回生存ののび太が……。
投下します
色々カオスロワ第6話:翼神のYELLOW
登場:相馬光子、海馬瀬人、三沢大地
455 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 11:59:29.52 ID:k84151vL
世界的な人気を誇るカードゲーム――――デュエルモンスターズ。
今やデュエルが強い者こそが人生の成功を手にできるといわれるまでの大人気を誇り、その中枢となる『海馬コーポレーション』により、デュエルモンスターズの学校が創設された。
デュエル・アカデミア。
オシリス・レッドからオベリスク・ブルーまでに格付けされ、日々デュエルの為の勉強をしていく。
三沢大地も、その生徒の一人であった。
クラスはラー・イエロー。オベリスク・ブルーには及ばないものの、それでもブルーの生徒に匹敵するだけの戦略を有する優秀なデュエリストだ。
そんな彼もまた、何の因果に導かれてか殺し合いの場に招かれる。

「デュエルで勝敗を決めるんじゃなく、本当の殺し合いってことか……。」

支給されたのはウィンチェスターライフル。西部劇などで多く使われる銃だが、勿論殺傷能力は十二分に備えている。
殺し合いに乗ることはできない。
彼の心の中にある人間としての常識が、まずそれを前提とした。

そして、彼は1人の少女と出会うことになる。
黒髪の、『可愛い』と言うよりは『綺麗』が正しいような、どこか妖艶な雰囲気を醸し出す少女であった。
殺し合いに招かれて怯えていると考えると不憫だ。
ここは男である自分が彼女の心を癒さなければならない、と三沢は発起し、そして……

ドスッ

三沢の喉元に、一本の裁縫バサミが突き刺されていた。
途端に呼吸が困難になり、三沢はうずくまる。この鋏を抜けば、どれほどの出血があるのだろうか。そもそも、そんなことは関係なかった。
出血以前の前に、傷が深すぎたのだ。
気道の確保が困難になり、三沢はついに鋏を抜いてしまう。
ブシャアアアアアアッ、と血が噴き出し、辺りの地面を濡らした。

「………うふふ、お馬鹿さんね」
「ァ……何…で…だよ………何で…」

三沢大地の絶命を確認すると、相馬光子はまた妖艶な笑みを浮かべて見せた。
彼女のスタンスは、殺し合いに乗ることだったのだ。
三沢の死体には目もくれず、彼に支給されたウィンチェスターのみを奪い取り、愛おしそうに腕に抱く。
重火器というのは有能なものだと、『前回』の経験で知っている。
『前回』の失敗は、桐山和雄が防弾服を着用しているという事実を見落としてしまったことに他ならない。だからこそ、今回は頭を狙う。
どんな超人でも、脳髄を破壊されれば死ぬはずだ。

終わった少女は、また穢れを重ねて生きていく。
相馬光子。彼女の行く末は、まだ誰も知らない。

【三沢大地@遊戯王シリーズ】  死亡
【残り28/30人】

【相馬光子】
基本:この殺し合いに優勝する。
1:防弾服を警戒して、頭を狙って敵を殺害する。
2:桐山和雄に警戒。見つけてもなるべく戦いたくない。
※小説版・桐山和雄に射殺された後からの参加です
456創る名無しに見る名無し:2011/08/01(月) 12:06:42.66 ID:wpQaMJ1S
大地ィィィィィ!!
457 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 12:15:00.48 ID:k84151vL

海馬瀬人は、前述の『海馬コーポレーション』の社長である。
もっとも、この儀式に召喚された『海馬瀬人』は、まだデュエル・アカデミアを創設する前―――デュエルキング・武藤遊戯にアルカトラズの決戦で敗れた頃の海馬なのだが。
遅かったか、と海馬は思う。
目の前に在るのは、喉に刺し傷―――近くに落ちている鋏によるものだろうか―――がある少年の死体だった。
もう少し早く到着していれば、犯人を倒すこともできたかもしれないのに。

海馬瀬人は、基本的にプライドが高い人間である。
彼はそれ故にか、『仲間』『結束』といった大勢で群れるような行為を嫌う節がある。それで幾度か、ライバルの武藤遊戯とも衝突してきた。
しかし、彼が最も嫌う最悪の屈辱は。
他人の手で踊らされることなのだ。だからこそ、この『儀式』に参加させられたことに、激しい憤りを覚えている。
彼からすれば、こんな儀式に立ち向かうことなど些細なことにしか映らない。
義父・海馬剛三郎を打ち破る時の方がよほど緊張した。

今ここに、孤高の男が降り立った。
多くのものを救ってきたあの主人公とは違う形かもしれないが、只彼は自分に屈辱を味あわせた下賤を這いつくばらせる為に、儀式への反逆を決意した。

【海馬瀬人】
基本:この『儀式』を潰す。
1:殺し合いに乗る者には容赦しないが、殺人は控える
2:武藤遊戯を探すが、遊戯の意志を知りたいだけで、共に行動する気は一切無い。
3:自分に付いてくる者は拒まない。
※バトルシップ編で武藤遊戯に敗北した後からの参加です。
458 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 12:15:38.91 ID:k84151vL
投下終了です。少し長くかかってしまった
459 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:13:48.68 ID:k84151vL
投下します
色々カオスロワ第7話:変態紳士しんのすけ☆マギカ
登場:岡村信之介、佐倉杏子
460 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:27:04.74 ID:k84151vL
佐倉杏子は魔法少女である。一つの願いと引き替えに、魔女と戦う使命を与えられーーーーそしていずれ魔女になる運命を与えられた。
杏子が今不思議に思うのは、他ならぬ自分自身についてだった。

「あたしは……死んだ、よな?」

声に出してしまう。
杏子の言っていることは妄言でも現実逃避でもなく、紛れもない事実なのだ。
彼女は、『人魚姫の魔女』オクタヴィアーーーもとい、彼女と同じ魔法少女、だが杏子とは決定的にずれている少女、美樹さやかと相討ちになったはずだ。
相討ちとはいえ、それは杏子自身が望んだ一つの結果である。
さやかを恨むようなことはないが、死人の自分が生き返っているという事実は、杏子の脳内を混乱させた。そして、思い浮かぶのは『あいつ』の忌まわしい顔。

インキュベーター。杏子や先の美樹さやかなどの魔法少女たちを騙し、エネルギーを回収するために利用していた諸悪の根元。実際、もしインキュベーターが最初から事実を語っていたのなら。
杏子はともかく、さやかやまどか、もしかしたらあのほむらも魔法少女などにはならなかったのかもしれない。そう考えると、憎悪がふつふつと沸いてくるのが分かった。

「……ダメだな。落ち着け」
461 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:39:23.76 ID:k84151vL
この状況では感情的になってはいけない。
きっと、誰かを傷付けーーーーーーー悪くいけば殺してしまうかも知れない。
まず、自分がなぜ生き返っているのかは置いておく。どうせ理由を知るのはインキュベーターか、主催者であるこっくりのみだろうから。
今考えるべきは、最初にする行動だ。
仲間を探すのが一番一般的な方法ではある。だが、中には善人の皮を被った悪人が潜んでいるかもしれない。彼女の居た世界の人間でも、『暁美ほむら』に関して杏子は知っているようで何も知らないのだ。
例えば、何故鹿目まどかにあれほどの執着を見せるのか。
例えば、何故『魔法少女』の仕組みについてあれほど詳しいのか。
信頼してもいい奴だとは思えるが、やはり何かを隠されるのはいい気がしない。
それに、考えたくはないがほむらなら、まどかを優勝させるために殺し合いに乗るというのも考えられなくもない。人間の心理が複雑に絡み合う中、人を中々信じるのは難しいものだった。

と、そんな時。杏子の胸元辺りに、誰かの手が絡みついた。
敵か、とは思わない。その手付きは、紛れもなく『変態』『HENTAI』だったからだ。
ブチッ、という音が確かにした。
462 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:52:43.50 ID:k84151vL


「ーーーーいつまで触ってんだこの変態野郎がぁぁぁあああーっ!」
「ゲボッファア!?み、溝はやめっ…」

相手は18歳くらいの男だった。少し飛ばされた辺りで、安らかな表情で彼は言う。

「…JCのおっぱい……最高…!」
「勝手に締めるな変態」

槍で襟を持ち上げられる青年は、杏子の顔を見ても悪びれる様子はなかった。
一方の杏子も、さっきの行為について追求しようとは思っていなかった。

「おい変態。お前はこの茶番に乗るのか」
「NOだな。痴漢はするが」
「ぶち殺すぞ変態。……あたしは佐倉杏子。お前の変態名は何だ」
「変態名って何だよ…俺は岡村信之介」

覚えた、と言うと杏子は乱暴に信之介を床に落とした。
短い悲鳴の後にすくっ、と立ち上がり、杏子に同行しないか、と持ちかける。
実は岡村信之介は基本的には善人なのだ。だからこそ、痴漢行為の先に及んだことはない。何と素晴らしい。どこかのエロゲの主人公にも見習ってほしいものだ。

「……こっちもそのつもりだよ。行くぞ、変態」
「果たして自己紹介に意味はあったのだろうか」

【深夜/b-2】
【佐倉杏子】
基本:主催者をぶっ潰してとっとと帰る。
1:変態と行動。
463 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:56:59.26 ID:k84151vL
※第9話、オクタヴィアと相討ちになり死亡した後からの参加です

【岡村信之介】
基本:儀式とやらを潰す。
1:杏子ちゃんと行動し、たまにセクハラする。
2:襲撃されてもなるべく殺したくない。


【岡村信之介】
18歳の高校生で、スカートめくりからボディタッチまでやる変態。
しかし基本善人で、『その先』をしたことはない。
464 ◆9QScXZTVAc :2011/08/01(月) 16:57:42.31 ID:k84151vL
投下終了です
465 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/01(月) 21:07:08.35 ID:SLDWLdpN
投下乙です、おい信之介ちょっと屋上来い
投下します
DOLオリ2ndstory3 最強無敵の警察官
登場人物:行木団平
466最強無敵の警察官 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/01(月) 21:07:35.45 ID:SLDWLdpN
行木 団平(ゆくき だんぺい)という名前は一般世界で有名である。
超有能な警察官である。
検挙数は警視庁内トップ。
殺人犯が30人立て籠った時も全員逮捕。
そんな伝説を持っている。
しかし、そんな彼にも秘密はあるのである。
それは、彼の過負荷であった。
警察官としてその能力を使った彼。
彼は、その瞬間だけは過負荷ではなかった。
過負荷と言うのは心構えである。
悪い方向に持っていこうとすれば過負荷になる。
良い方向にもっていけばそれはただの特別や異常にとどまる。

「……」

彼は今良き方向に心が向いている。
しかし、それを主催が見放す訳が無い。
彼は、単刀直入に言えば。

操られている。
いや、心を入れ替えられている。

彼は、昔に戻っていた。
ただの殺人鬼だった時に。
そう、昔の彼を人はこう言った。





<無双劇場(オーバードライブ)>





彼は立ちあがる。
目に光はない、救いもない。
ここに、最強無敵の殺人気が始動する。
過負荷が、殺人鬼が、今ここに始まった。

【夜/A-1ドーム】
【行木団平】
[過負荷]<無双劇場(オーバードライブ)>
[状態]精神操作中
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:殺――――――。
1:全―――殺―――――。

<過負荷紹介>

【無双劇場(オーバードライブ)】
行木団平の過負荷。
敵の強さに比例して強くなる能力。
30人の殺人犯が襲いかかってきても、その戦闘力に比例して強くなるので負けない。
本来の彼はこの能力を正しく使っていた。
467 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/01(月) 21:08:01.23 ID:SLDWLdpN
投下終了です。
こいつの扱いが一番面倒くさそうだ…。
468 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/02(火) 22:25:15.38 ID:vfFW1eEa
投下します。
DOLオリ2ndstory4 炎の犯罪人
登場人物:月田飾、沼井友里
469炎の犯罪人 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/02(火) 22:25:43.44 ID:vfFW1eEa
月田 飾(つきだ かざり)はD-4の南端で立っていた。
目の前に広がる黒い壁。
これさえ壊せば外に出れるのではないかと思ってしまう。

「この壁を燃やせば出れるのかしら?」

彼女の能力は<火炎物語(アナザーレクイエム)>と言う能力だ。
名前の通り炎を操る能力である。
しかし、少し変わっている能力なのである。

「この壁は、私の炎により、燃やされる」

そのワードの通り、炎が壁を襲った。
しかし、炎はすぐさま消えてしまった。

「……この壁、不思議だわ…私の炎でも燃やせないなんて」

自分の能力に自信のあった彼女は少しショックを受けていた。
仕方なく、その場を離れようとした時に一人の少女の存在を見つける。

「……あの女は、私の炎による、焼殺される」

彼女はワードをつぶやいた。
そして炎が彼女に向かっていく。
彼女の体は炎に包まれ、墨となった。

「なぁんだ…簡単じゃない」

月田は笑った。
人を殺すなんてこんなに簡単だったんだと。

「じゃあ、さっさと殺して…帰りますか」

【夜/D-4南端】
【月田飾】
[過負荷]<火炎物語(アナザーレクイエム)>
[状態]健康
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:みんな殺す。
1:標的を見つけたい。


470炎の犯罪人 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/02(火) 22:28:43.42 ID:vfFW1eEa
1→  →  →2



「た、助かったー……」

月田が離れた瞬間、墨となった彼女が起き上がった。
いや、実際は墨になんてなっていない。
彼女の能力によってごまかしていたのだ。

「でも、絶対に死ぬわけにはいかないんだ……」

彼女もこのゲームに乗る理由がある。
その理由のために、他人をだまして生き残るしかない。

「よし、行こう!」

彼女の孤独な騙しの旅が始まる。

【夜/D-4南端】
【沼井友里】
[過負荷]<月光灰燼(スーサイダルテンデンシー)>
[状態]健康
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:他人をだまして優勝する。
1:強い人を見つける。

<過負荷紹介>

【火炎物語(アナザーレクイエム)】
月田飾の過負荷。
自分で物語を作り、そのとおりに炎が動く。
しかし、三文で作らなくてはいけない。

【月光灰燼(スーサイダルテンデンシー)】
沼井友里の過負荷。
月が出ているときにしか使えない能力。
相手の視覚を傷害して幻覚を見せる。
471 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/02(火) 22:29:01.43 ID:vfFW1eEa
投下終了です。
472戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/03(水) 10:46:24.07 ID:eeWovLaa
投下乙です。
2話「岩に染入る蝉の声」 
登場人物:蝉、キングブラットレイです
投下します。
473戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/03(水) 10:47:46.22 ID:eeWovLaa
わけの分からないところに集められた上げく首に何かつけられている。
「蝉」と言われるプロの殺し屋は、首輪を確認した。鉄製で少し首を曲げると苦しくなるほどきつい。
恐らく爆発物のようだが、不思議と嘘みたいだと頭の中で思った。
若い殺し屋は支給品の文化包丁を構えてやることもないのでただ歩く。
支給品が包丁で内心ほっとした。拳銃を使ったことはないし、爆弾の類ももちろんない。
下の道は舗装路で、足に伝わるコンクリートの感覚は悪路とは違いただ硬いだけだ。
都市部の一角のような高層ビル以外は、背の低い建物が集中する商店街で鍵が閉まっているものが大半。

(ただ歩くだけじゃ退屈だ。誰か来いよ!!)

人を殺せるから参加者と出会いたいものだがマップが広いので会うことはないだろう。
北側に橋があるが、それが上がったままならばこちらに来ることは出来ず、参加者とニアミスする確立は減る。

「ヒマすぎんなぁ〜。誰かいねぇのかよ…。」

思わず声を上げた。うっかりとしてしまった。声に気づいたのか、日が差す商店街のシャッターに人の影が映った。
他の参加者。暇を潰してくれるいい相手だ。参加者が所持している武器に日光が当たり、光が反射している。
遅れて参加者と地面のコンクリートがぶつかり、足音となって聞こえてきた。
青いコスプレでもしたような服にちょび髭と眼帯のおっさんだ。持っているのは刀で奇妙な色をしている。

(リーチが長いけどおっさんは動きは遅いだろう。ちょろいもんだ・・・。優勝はもらった!!)

「すまないが、エドワードエルリックと言う少年は知らないかね?」

(ってかなんで人探ししているんだよ!!殺し合いには乗ってねぇみたいだな・・・。)

「見たことねぇよ。」
「小柄で、金髪の三つ編みの片手が義手の少年だ。」

(くどいなぁ・・・。あんたにしか会わなくてこっちはひましていたんだ・・・。)

「いちいち、うぜぇんだよ・・・。」


殺す口述をどうでもよかった。ナイフを構えて腹部に狙い定めた。微動だにしない参加者に飛び込むように向かう。
474戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/03(水) 10:48:26.75 ID:eeWovLaa
(どっちにしろおっさんだ。動きは遅くて殺すのは楽だろう。暇つぶしにはいい相手だ・・・。)

ところが腹部に狙いを定めたナイフは大きく弾道を反れた。そして空振ったという感覚と共に体中に激痛が走っていた。
片手が吹き飛んだ。と言うよりも切り落とされた。とてつもない激痛とあまりの速さから驚けなかった。
暖かい鮮血が体から噴出す感覚はあった。叫ぶ余裕もなく、呻く余裕もない。
おっさんはいつの間にか背後にいて「蝉」の体中を切り裂いていたのだ。化け物のように早く目にとめることすら出来ない。
文化包丁を構えて、最期の力を振り絞って文庫包丁で参加者の胸を突きたてた。血が噴出すことはなかった。
文化包丁の刃の部分は、崩れ落ちて柄だけになっていた。一瞬のうちに全てをやり遂げていたのだ。
もう一つの手も斬り落ちた。胸部の罰マークに切り裂かれた傷から血が飛び出している。




「化けモン・・・じゃねぇ・・・か・・・・。」




蝉は消え行く意識の中で参加者の姿を確認した。
眼帯で隠していたほうの目は、不気味な色で人間とは思えないような怪物を睨みつけて息絶えた。


【蝉@グラスホッパー死亡】


正直言うと男が反撃してきたことは驚いたが、それ以外は遅くて単純な攻撃だった。まっすぐで急所狙い。
素人ほどではないが、弱い。所詮はただの人間でしかない。
さっきの参加者より、支給品の刀のほうだ。何かとてつもない何かを隠し持っていそうだ。何か不気味な力が働いている。

この青年の支給品を拾って確認した。何やら薬のような液体と「罪と罰」と言う文庫本が入っていた。
使えそうにないが、使う機会があるかもしれない。

エドワードエルリックとイズミカーティスは人柱の分際。どちらも殺すわけにはいかない。
ここまで練ってきた計画は全てパーになってしまう。皆既日食まであと少ししかない。
“お父様”もこれを逃したら長くは生きることが出来なくなる。

(一刻も早く保護しなければ・・・。子供と女性では狙われる的ではないか・・・。)

コンクリートの舗装路にたまった血の水溜りから、軍の大総統はゆっくりと離れていった。
475戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/03(水) 10:48:58.61 ID:eeWovLaa
【一日目・早朝/F-7】
【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康(疲労が極小)
[装備]:紅桜
[所持品]:支給品一式、薬のような液体、「罪と罰」の文庫本
[思考・行動]
基本:エドワード・エルリック、イズミ・カーティスの保護
恐らくマーダー?保護優先?

【紅桜@銀魂】
村田仁鉄が打った名刀。関わる者が次々と凶事に遭う妖刀でもある。
使用者に寄生することでその体をも操るばかりでなく、戦闘の経緯をデータ化し、学習を積むことでその能力を向上させていく。
さらに使い慣らせば一振りで戦艦十隻もの戦闘力に匹敵する。攘夷浪士の岡田が使用し・・・・

【罪と罰の本@グラスホッパー】
「鯨」と言う殺し屋の愛読書。日焼けしているただの文庫本。

【文化包丁@現実】
切れ味のいい包丁。結局壊れちゃったね。
476創る名無しに見る名無し:2011/08/03(水) 10:57:20.79 ID:eeWovLaa
投下終了です。
477小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:12:21.18 ID:N/kwIQvc
投下乙です。
蝉も一流の殺し屋とは言え大総統を年寄りとみくびったのが命取りになったな…。

第三話投下します。
478小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:15:11.14 ID:N/kwIQvc
物音がした気がして振り返るが、誰も居ない。
心を押し潰す恐怖。怖い、怖い、怖い。
……誰かに監視されている。
今度は四方を見渡す。
空で笑い合う月や星。頭上から見下ろす高層ビル。無意味に辺りに光を与える無数のネオン。
人は見当たらない。でも平常心の息の根は聞こえない。
神経が過敏になりすぎて、また後方を顧みる。それを繰り返す。
何度も何度も何度も何度も何度も何度も繰り返す。

――フラッシュバックする、少年の頭が吹き飛んだ場面。

込み上げる胃液。押さえる唇からこぼれ出る吐息。
吐き気をこらえて、胸の中のディパックを強く抱き締めた。

(怖い……)

私、押水菜子は水泳が得意なだけの、いたって平凡な女子高生である。
殺し合いなどという物騒なワードとは無縁の生活を送ってきた。
友達と学校に行って、授業を受けて、放課後はバイトに励み、家に帰る。
平和で穏やかな毎日がこれからずっと続いていくものだと。
それが当然のことだと思っていたから、そんなことを改めて考えてみたことさえなかった。
テレビで事件や事故のニュースが流れる。
怖いな、かわいそうだな。そんな感想を呟く。
でも、私は関係ない、大丈夫。今日も明日も私は生きている。
…無意識にそう思い込んでいた。何だか他人事のよう。
けれど実際、人間にはいつだって死がつき纏っているものだ。
寿命なんて来なくたって交通事故に遭っているかもしれない。
殺傷事件に巻き込まれるかもしれないし、誤って学校の窓から転落死してしまうかもしれない。
一秒後が保障されている人間など居やしない。
……知ってはいたが、自覚はしていなかった。
だから、本当に今回は思い知らされた。
人間はみんな、いつだって死ぬ。もちろん自分も例外ではないということを。
479小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:16:53.08 ID:N/kwIQvc
(みんち、緒花ちゃん、どこに居るの?逢いたいよ…)

参加者名簿に並べられていた友人たちの存在だけが唯一の救いであり、
同時に気がかりでもある。
他人が怖い私にとって二人は信頼できる心強い味方。
だからこそこんなゲームに巻き込まれていてほしくなかったのだ。
逢いたいのは自分が不安だから。それでいて、二人のことが心配だから。
二人は私ほど弱虫ではないけれど、きっとこんなことになって心細いだろう。
一緒に居たからといって何かができるわけではない。
それでもきっと、恐怖心を弱くすることはできるはずだ。
だって、友達だから。


「!!?」

覚束ない足取りで歩いていると突然大きな影が頭上を覆った。
驚愕に開いた瞳孔で仰ぎ見たそれの正体は、発芽した植物を思わせる…
青紫色の人形?ロボットのようにも見える。得体の知れないそれに早鐘を打ち始める心臓。
逃げなければ、と思うよりも先に足が後方へと方向転換し猛烈なスピードで走り出していた。
480小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:19:24.42 ID:N/kwIQvc
 



三つ編みと前髪が追い越していく風に押し流され、スカートの裾を大胆に揺さぶりながら全力疾走すること約十秒。
恐ろしすぎて路地に逃げ込むと凄まじい勢いをもって石ころにしてはあまりに大きすぎる
はたまた何なのか分からないものと衝突し、私のパニックは最大値を越え山を越え谷を越え地球をも越えた。

「いやあぁあぁあああ!誰か!ころさっ、殺されちゃうぅっ!みんち、緒花ちゃぁん!」
「いてて…。ってちょっと待って!あんまり大きな声を出したら誰か来ちゃうよ!」
「お願い、殺さないで!!」
「ねえったら!!!」
「ひっ……あれ?」

肩を強く叩かれてやっと我を取り戻す。
冷静に近付いた脳が認識したのは、どう見たって普通の男の子。しかも小学生くらいの。
人見知りとはまた違った意味で恥ずかしくなって、しかしさきほどの青紫の物体を
思い出すと赤くしたり青くしたりと忙しなく顔色を塗り替える。

「オバケだよ!オバケみたいなのが居たの!三丁目のおじさんにおへそを取られるとか
 そんなレベルじゃないよ!全部食べられちゃうんだよ!」
「……ごめんなさい。脅かすつもりはなかったんだ」

ゆらりと立ち上がった男の子の背後に浮かび上がる巨体。
よく見なくとも分かった、青紫のオバケだ。まさか仲間だったとは。
予想外の展開に髪の毛が逆立つような感覚を覚えた。
震えが止まらない足で必死に身体を支え逃げようとするが、後ろから手首を掴まれる。
481小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:22:40.29 ID:N/kwIQvc

「待って!違うよ、案山子は…武未禍槌は人を殺したりはしない!」
「ごめんなさい、ごめんなさい!」
「さっきのも違うんだ。周りに人が居ないか、案山子を使って偵察してただけで…決して驚かしたり食べたりしたかったわけじゃない……」
「……ぅぅ…」

男の子の必死な様子に段々と興奮状態から覚めていく。
振り返ってカカシと呼ばれたそれを一瞥して、改めて男の子と向き直った。男の子は多分、嘘はついてないのだろう。
だって本当に何かするつもりなら、オバケを使ってとっとところ、殺されてる…と思うから。

「お姉さん、逢ってないかな?…僕と同じ顔をした女の子と、黒い髪の…えっと、背はお姉さんよりもう少し高い男の人……」
「ぅ…ううん、こ、……ここに来て初めて人に逢ったから。そそ、それよりも」

男の子の背中からこちらを睨みつけるように佇んでいるカカシを指で示す。


「その…カカシって、何?」



482小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:25:01.06 ID:N/kwIQvc

案山子とは、選ばれし人間である隻だけが自らの意思とリンクさせ操ることができる神様の抜け殻である。
それもまたただの一説でしかないけれど、昔からとある村を…空守村を護り、救ってきた存在。
そう言い伝えられてきた村の人々にとって、案山子とは神様と変わらないものなのだ。



街の灯りが届かない路地裏の一角。
小型のゴミ収集庫を椅子にして、…僕、桐生と菜子お姉さんは肩を並べていた。

「神様……?」
「別に信じなくてもいいよ。
 悪意が無かったってことだけ分かってもらえれば…」

一通りの説明を終えて僕は武未禍槌を恐々と、しかし興味深げに熟視する菜子お姉さんを見やる。
武未禍槌を疑似空間に閉じ込めると、お姉さんは目を丸めて周囲を見回していた。

歳は…まひる姉様と変わらないくらい、あるいはそれ以上か。
いちいち反応が大袈裟なところをみるとお姉さんはきっと一般人。しかもかなり気が弱い。
本来なら案山子に関する解説なんかせずに放っておいても良かったのだが、他の人間に変な風に
言い触らされても面倒だし、万が一自分のせいで彼女の心身に何かが起きたら…。
そう考えると説明せざるを得なかった。

「本当に悪いことはしないんだよね…?」
「しないよ、言ってるだろ」
「そ、そうだよね、だってこの子を操作?してるのはあなただもんね。
 こんなに小さい子が人をこ、殺す…なんて…。子供にしては少し落ち着きすぎだとは思うけど……」

小さい子、か。
人に歳上ヅラするくせに、一度気が動転すると誰かに宥められなきゃ
平静を取り戻すことができない姿が誰かさんに似ているな。
483小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:26:50.37 ID:N/kwIQvc

「そんなことないよ」

本当はここに転送されたときは僕だって冷静ではいられなかった。
怖くて怖くて、だからこそ情緒不安定に陥っていた精神で武未禍槌を操り、付近に誰か居ないか下手くそな操作で巡回させていたのだ。
数十秒後には菜子お姉さんを見つけて、見つけられた。慌てて姿を消そうとしたけど、それより早く目標が動き出した。
そして邂逅。こっちだって取り乱しそうになったけど…、お姉さんの派手すぎる狼狽っぷりに逆にいつもの調子が舞い戻ってしまっただけだ。

「人の振り見て我が振り直せってね」
「…そ、そんなことよりさっき言ってた捜してる人はお友達なの?
 あ、でも同じ顔してる女の子と背が私よりも高いってことは家族か何かかな?」

痛いところを突かれ無理矢理話題を変えるか。
大人げないなあ、と双眸が細くなるのが自分でも分かった。

「家族…。まあ、似たようなものかな」
「…」

たしかに血は繋がっているが家族というには語弊がある気がして露骨に曖昧な物言いをしてしまう。
怪訝に思われているだろうけれどあまり自分の境遇を誰かに打ち明けたくはない。

…隠し事はもう一つ。
実を言うと、二人…匡平と詩緒は捜し人というわけではない。
禍津妃との闘いの最中に誤って詩緒の案山子・玖吼理を攻撃してしまったこと、
あまつさえ匡平の救出を放棄してその場から逃げ出してしまったことへの後ろめたさから、逢えたところで
どんな顔をすれば良いか分からない。寧ろできることなら逢いたくないというのが本音だ。
だからこそ二人の居場所を把握しておきたかった。そのポイントだけ避けて行動すればいいから。
もちろん二人もずっと同じ場所に留まっているわけではないだろうがそれでもなるべく遭遇しないための、一つの手段として。


「お姉さんこそ捜してる人が居るんじゃないの?さっき誰かの名前を叫んでたけど」
「…うん。鶴来民子ちゃんと松前緒花ちゃん……友達なの。桐生くん、知らない?」
「残念ながら。僕も初めて逢ったのが菜子お姉さんだから」
「そうだよね…、あれからまだ一時間も経ってないくらいだもんね」

一時間…か。匡平と詩緒は無事なんだろうか。これから僕はどうしようか。
人を殺すだなんてことは絶対に有り得ないが、この殺し合いにおいてどんな立ち位置で居ればいいのだろう。
菜子お姉さんはどうするつもりなんだろう。
様子を見る限りではどこかに隠れてやり過ごすとかそんなところかな?


484小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:30:32.22 ID:N/kwIQvc

「家族…。まあ、似たようなものかな」

桐生くんが言葉を濁したことから、他人には話したくない複雑な事情があることを感じ取った。
秘密事は誰にでもあるし、深入りすれば人を傷つけることもある。だからそれ以上追求はしなかった。


「菜子お姉さんは捜してる人は居ないの?さっき誰かの名前を叫んでたけど
「…うん。鶴来民子ちゃんと松前緒花ちゃん……友達なの。桐生くん、知らない?」
「残念ながら。僕も初めて逢ったのが菜子お姉さんだから」
「そうだよね…、あれからまだ一時間も経ってないくらいだもんね」

みんちに緒花ちゃん。今頃どうしてるかな、私みたいに怖い思いはしてないかな。
…まぁ私の場合は相手が弟よりも年下の男の子だったから、今はもう平気なんだけど。


話も一段落したし、そろそろまた二人を…うんと、桐生くんと一緒に四人を捜しに行こうかな。

「それじゃあ行こうか。みんながどこに居るかは分からないけど…」
「え?」
「な、何?」

立ち上がる私。間抜けな声を出す桐生くん。
もしかして何かおかしなこと言っちゃった?!

「隠れてなくて平気なの?」

平気じゃないよ!全然平気じゃない!素数が数えられないくらいに混乱してるよ!
あ、あれ?…なのに何で私、最初から隠れなかったんだろう……。

(……あ、そっか)

正直怖いしどこかに隠れていたいけど、みんちと緒花ちゃんの存在が背中を押してくれるんだ。
私は怖いから二人に早く逢いたくて、きっと怖がってる二人の元に早く駆けつけてあげたい、傍に居てあげたい。
臆病な私が最初からそうしなかったのは二人へのそんな思いのおかげなんだろうな。
隠れてるだけで何もしない間に……本当に二人に二度と会えなくなっちゃうことがいちばん怖いよ。
…一度逃げはしたけど。
今は神様?を操れる桐生くんも居て、こんなにしっかりした子と一緒ならきっと大丈夫。
…何かあったら逃げると思うけど。

「桐生くんが居るから平気だよ」
「それってさ、子供の僕を当てにしてるってこと?年上のくせに?」
「ち、違うよ…!そうじゃなくて……!」
「………いいよ、分かった。しばらくはお姉さんの友達捜しを手伝ってあげる」
「桐生くんの家族もちゃんと捜すよ」
「僕のはいいよ、お姉さんに協力してもらうほどのことでもないし」
「駄目だよ、そんなこと言っちゃ。桐生くんの捜してる人たちだって
 桐生くんに逢いたがってるはずだもん」

…少しだけ、桐生くんが嬉しそうに頬を弛めた気がした。



みんち、緒花ちゃん、待っててね。

485小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:31:26.05 ID:N/kwIQvc

【一日目深夜/A−1、市街地】
【押水菜子@花咲くいろは】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜3所持
[思考・行動] 基本:人殺しはできない
1:みんちと緒花ちゃん、桐生くんの家族を見つける。
2:桐生くんと一緒に行動する。

【桐生@神様ドォルズ】
[状態]:健康
[装備]:武未禍槌@神様ドォルズ(疑似空間)
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜3所持
[思考・行動] 基本:人殺しはしない。
1:お姉さんの友達捜しを手伝う。
2:匡平たちには逢いたくない、でも…。

【武未禍槌@神様ドォルズ】
桐生の案山子。
右側から伸びる細長い隻腕が特徴で、指は無く、小さな楔状パーツが伸縮する楔状パーツは放電機能があり、その出力は放射状からビーム状まで、自在に調整できる。
486小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/03(水) 20:35:22.27 ID:N/kwIQvc
タイトル「あねおとうと」投下終了です。

しばらく慣れない携帯からの投下になるので時間が掛かります、すみません。
487 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/03(水) 20:55:28.41 ID:X38KYBJX
投下乙です。
花咲くいろは途中見逃してみるのやめちゃったからなぁ…。
では投下します。
DOLオリ2ndstory5 一つを引き換えに一つを得る
登場人物:中川勇、野上早紀
488一つを引き換えに一つを得る ◆VxAX.uhVsM :2011/08/03(水) 20:56:20.99 ID:X38KYBJX
中川 勇(なかがわ いさむ)はD-2にいた。
向かいに立っているのは野上 早紀(のがみ さき)である。

「……あの、あきらめてくれません?」
「いいよ、とでも言うと思う?」
「野上さん、見逃してくださいよ……」

中川は一歩後ろに下がる。
自分の能力的に相手に近づかなければいけないのだ。
しかし、この状況では逃げるに限る。

「クソ……」
「とりあえず、これを使わせてもらおうかしら」

野上はデイパックから楕円形の物を取り出す。
それを中川は一瞬で何か分かった。
その楕円形の物が投げられる。
緊急回避、後ろに飛ぶ。
しかし、中川の予想は外れていた。
それは炸裂手榴弾なんかではない。
閃光手榴弾だった。

辺りが光と爆音に包まれる。
中川は視界が一瞬見えなくなる。
急いで見えるようにしようとしても、見えない。
そんな時、前に誰かが来たような感じがした。
野上早紀だ、野上が目の前にいた。

「じゃあ、ちょっといい?」
「え……」

野上は中川の顔に近づいてきていた。
気配で分かる、しかし肩を押さえられて動けない。
彼女の舌が、中川の目に触れた。
そして、瞬間に与えられるのは。

489一つを引き換えに一つを得る ◆VxAX.uhVsM :2011/08/03(水) 20:56:38.99 ID:X38KYBJX
「ぐ、があああああああああああああああああ!!!」


激痛、これまでに味わったことが無い激痛だった。
そして、彼の視界は本当に無くなった。
野上早紀の能力は、舌で触れた物の感覚を無くす能力。
そう、彼の眼は舌で触れられたため感覚が無くなっていた。

「く、ふざ、けるなああああああああああ!!!」

中川が手に何かを持っていた。
それはついさっきまで何もなかったはずだった。
持っていた物は人形、野上早紀のような人形だった。
その首を、一瞬で引きちぎる。

「ぐ、ぎゃ」

彼女の首は引きちぎられた。
その人形の通りに。
これが中川の能力であった。
危害を加えられた相手の人形を作成する。
そして、その人形の手を傷つければ本人の手が傷つく。
その人形と同じ運命をたどらせる。
これが<人形運命(カタストロフィゲーム)>と言う名の由来だ。

「が、ざまぁ見やがれ…」

彼はふらふらとした足取りでそこを離れた。
一人を殺しても視力はない。
彼に、生存する力なんて残っていない。
490一つを引き換えに一つを得る ◆VxAX.uhVsM :2011/08/03(水) 20:56:56.61 ID:X38KYBJX

【野上 早紀<零式無明(ヴォイスレスパラノイア)>】死亡

【夜/D-2】
【中川勇】
[過負荷]<人形運命(カタストロフィゲーム)>
[状態]視力を失っている
[装備]
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:優勝を目指す。
1:視力が…クソ……。

<過負荷紹介>

【零式無明(ヴォイスレスパラノイア)】
野上早紀の過負荷。
舌で触れた物の感覚を無くすことができる。
味覚を無くすためには…ピー

【人形運命(カタストロフィゲーム)】
中川勇の過負荷。
自分に危害を加えた物の人形を作る能力。
高校時代、これで不良を15人殺した。
しかし科学による解明は不可能なため逮捕されなかった。
491 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/03(水) 20:57:38.85 ID:X38KYBJX
投下終了です。
492 ◆ymCx/I3enU :2011/08/04(木) 11:37:00.74 ID:aJngJT4h
皆様投下乙です。自分も久々に投下します。
EX2 6話 笑う男 登場:佐川幸一
493笑う男 ◆ymCx/I3enU :2011/08/04(木) 11:37:44.13 ID:aJngJT4h
6話 笑う男

「大人数集めて殺し合いとは随分酔狂な事を考えやがる」

支給されたモーゼルKar98K小銃を携えた男、佐川幸一が言う。
病院の屋上から見えるのは海と市街地、そして森の広がる小さな山など。
微かに殺し合いの運営本部があると思われる学校も見えた。

「殺し合いなんてなぁ」

短く溜息をつくと、幸一はニヤリと笑みを浮かべる。

「最高じゃねぇか、楽しむとすっか、へっへっへ」

幸一は殺人によって爽快感や喜びを得るいわゆる快楽殺人犯だった。
そんな彼にとってこの殺し合いは抗うものでは無く享受されるべきもの。
絶好の舞台をくれたアンネリーゼと梶井伸一郎にはむしろ感謝の念すら抱いていた。

「さあてと、ここは病院か……中でも見てみるか」

幸一は病院内を探索するため階段室の扉へと歩いて行く。


【早朝/G-1病院:屋上】
【佐川幸一】
[状態]健康
[装備]モーゼルKar98K(5/5)
[持物]基本支給品一式、7.92o×57モーゼル弾(10)
[思考]
0:殺し合いを楽しむ。
1:病院内を見て回る。
[備考]
※特に無し。


≪キャラ紹介≫
【佐川幸一】  読み:さがわ こういち
28歳の殺人鬼。他人の命に価値を見出せず、己の欲望のままに殺す快楽殺人者。
頭が良く身体能力も高いので犯罪組織の用心棒を引き受けたりもする。
494 ◆ymCx/I3enU :2011/08/04(木) 11:38:21.75 ID:aJngJT4h
投下終了です
495 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/04(木) 20:20:32.58 ID:qAZSu4Ee
投下乙です。
来たぞ…こう言う奴は「まさに外道!」状態になるんだ…!
投下します。
DOLオリ2ndstory6 敗因は時間にあり
496敗因は時間にあり ◆VxAX.uhVsM :2011/08/04(木) 20:21:00.48 ID:qAZSu4Ee
「殺し合い…私の能力があれば余裕で勝てるはずだったのに…」

永川 霧(ながかわ きり)はA-3の海の前に立っていた。
<黎明論理(カオスティックタナトス)>と言う能力を持つ彼女。
能力は名前の通り…黎明に関係する能力。
しかし、今は夜である。
今の時間で勝ち目は0である。

「ハハ…もう嫌だ……絶望したわ……」

彼女はゆっくりと立ち上がる。
目の前に広がるのは、きれいな海である。
この海を、血で染めてやる。
無論それは誰の血でもない。
彼女自身の血であった。

「さ、よ、う、な、ら」

ここに、絶望して死ぬ者有り。
能力差……。
それほど空しい物はない。
優秀…いや、劣悪な過負荷程認められる今。
彼女には荷が重すぎたのか。
それともただ運が無かったのか。
それは、ただ一人の男のみぞ知る。


【永川霧<黎明論理(カオスティックタナトス)>】死亡


<過負荷紹介>

【黎明論理(カオスティックタナトス)】
永川霧の過負荷。
相手の体を一瞬で溶かす能力。
しかし起動条件が厳しいため使い勝手が悪い。
黎明であり、自分の視界に入っていることが条件である。
497 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/04(木) 20:21:36.34 ID:qAZSu4Ee
投下終了です。
498戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/04(木) 21:36:51.52 ID:UpZjjy4F
投下乙です。
殺人鬼つながりで、チャールズ・ホイットマンの話を投下します。
「蘇ったシリアルキラー」
登場人物:チャールズ・ホイットマン
499戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/04(木) 21:37:31.28 ID:UpZjjy4F
やぐらの上で目を覚ました大量殺人鬼はテキサスタワーの事を思い出す。

「どうしてこのような手紙を書いているのか、自分でもよく判らない。
 自分が最近どうしてこんな行動をとっているのか、その理由を曖昧ながらも書き残しておきたいからかも知れない。
 近頃は自分でも自分のことがよく判らない。
 道理をわきまえ、知力を備えたごく普通の若者。それが自分に期待されている姿だと思う。
 ところが、近頃はまともではない不埒な考えが次々と頭に浮かんでは、我が身を苛むようになった。
 こうした妄想はしつこくつきまとい、よほど気持ちを張りつめないと前向きな仕事に打ち込めない。
 精神科の医師に診てもらった。近頃、恐怖と暴力的な衝動に苛まれていたからだ。
 酷い頭痛に悩まされることもたびたびだ。
 私が死んだら、遺体を解剖して、何か精神的な障害があるかどうか調べていただきたい」


「考えに考えた末、妻のキャシーを殺すことにした。
 今夜、電話会社に迎えに行った後で殺すつもりだ。
 妻のことはとても愛している。
 自分にはもったいない女だと思う。どうして彼女を殺すのか、その理由は判らない。
 単なる我が儘なのか。これからの自分の行動が引き起こす騒ぎに巻き込ませたくないからなのか。それすら判らない。
 今、最もはっきりしていることは、この世は生きるに値しないこと。
 そして、愛する妻にはこんな世界で苦労させたくないということだけだ。
 なるべく苦しませずに死なせてあげよう。そう思っている。
 同じ理由から、母の命も奪わなければならない。
 可哀想なことに、母は彼女にふさわしい人生を送って来なかった。
 横暴な夫の犠牲になった、同情すべき女性なのだ」


迷惑をかけないためにも家族を殺すしかなかった。
帰宅したホイットマンは、就寝中のキャシーの心臓にナイフを3回突き立てた。即死だった。
500戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/04(木) 21:38:09.61 ID:UpZjjy4F
たった今、母を殺したところだ。こんなことをして、とても動転している。
 だが、天国が実在するのなら、母は今そこにいるに違いないし、よしんば死後の世界がないとしても、
 少なくとも彼女を現世の苦しみから救ったことにはなると思う」

「父に対する憎悪の激しさは、とても言葉では尽くせない。母はあの男に、女盛りの25年間を捧げた。
 あれだけ殴られ、辱められ、蔑まれたのだ。
 逃げ出すのは当たり前だ。あいつは母を売春婦のように扱った。
 彼女と寝て、その報酬として僅かな生活費を与えた。
 彼女を苦しみから解放する道をこれしか見出せなかったのは残念だが、とりあえず最善の方法だったと思っている。
 自分はこの女性を心から愛してた。そのことは疑わないで欲しい。
 神が何処かにいるとすれば、こうした諸々を理解した上で、然るべく裁定してもらいたい」


決行前日の午後九時過ぎに母親の家へ向かいマーガレットを撃ち殺す。マーガレットの胸を刺し、頭を撃ち抜いた。恐らく即死だろう。


あの時のようにホイットマンはスコープを覗き込み、引き金に指を掛けて血に餓えた狩人のように獲物を探す。
時々凶暴になるもう一人の自分は、テキサスタワーの時と同じくためらいを消してくれる。

スコープの先には小さな子供。ライフルを持っているがこちらには気づいていない。



「人生は生きるに値しない。」



大量虐殺を行った時のように一人の殺人鬼は、引き金を引いた。
501戦力差がカオスなロワ ◆9FxqcGTI0c :2011/08/04(木) 21:41:45.05 ID:UpZjjy4F
【一日目早朝・Eの1/櫓の上】
【チャールズ・ホイットマン@現実世界】
[状態]健康
[装備]スコープ付のライフル
[道具]基本支給品一式、そのほかの支給品
[思考・行動]
 0:手当たりしだい殺す。
 1:凶暴になる心を抑えたい。
 ※スタンスはステルスです。
 ※ついでに狙撃した参加者はキノです。時間系列順は3→1です。

投下終了です。多分つまらない話ですが、これか書かないとホイットマンが目立たなくなるので・・。
502 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:05:17.37 ID:0xgVMv19
投下乙です。
自分も投下します。

雑多ロワ33話:侍の国―White―
登場人物:志々雄真実、ティー、坂田銀時
503創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:06:25.11 ID:qAZSu4Ee
504 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:06:31.87 ID:0xgVMv19

奇妙な光景だった。


一人の男と一人の少女が、月光の反射する河岸で休息を愉しんでいた。

「ガキ。いい月だな。」
「…………」

川面に映る黄金の月を鑑賞しながら、少女に同意を求める男。
無言の少女。



何が奇妙なのかというと、男の異相である。
全身に包帯を巻き、着流しをはおった姿までは良い。
奇異だがサマになっており、ある種の“粋”すら感じさせる。

しかし、その上から西洋風の甲冑鎧を着こんでいる。

鎧の袖から間抜けにはみ出した着流しの袂に頓着することなく、男は懐中電灯をその手に持ち、ひねったり電池を取り出したりしている。

「こんなチャチな灯りのひとつとっても面白ぇじゃないか。この“でぃぱっく”とやらは。
どうやらこいつは、電気で動く仕組みらしい。
家庭用の灯り一つにまで電気が普及してるってことは、よっぽど文明が進んでるってことだな
……つまり、“これ”を作った国は、“国家兵器”レベルとなれば、欧米列強も比べ物にならないほどの“技術”を持ってるだろう、ってわけだ。
おそらく“甲鉄艦”なんか赤子扱いできるほどの、な」
「…………」

楽しげに語る男の隣に丸くなって座るのは、雪のように白い髪をした少女。
灰色のショートパンツに茶色の丸首シャツというまるで男の子のような格好だが、洞察力のある人間が見ればかろうじて少女と判別できる。

甲冑で武装し、ギラギラと肉食獣のように凶暴な気配を隠そうともしない男が隣にいれば
――ましてや子どもならば――誰でも恐怖で言葉を失うであろう。
しかし彼女が黙りこんでいるのは恐怖が故ではない。

505創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:07:56.80 ID:qAZSu4Ee
506 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:08:07.30 ID:0xgVMv19

彼女はその手に、日本刀だったものを持っていた。
『だった』というのは、先端に取り付けられた器具の為に、別の道具へと変容しているからだ。
鞘の先端を付属の部品を交換されたそれは――埃掃除に使う『コロコロ』の器具であった。
それを、先ほどから地面にコロコロさせて夢中になって転がしている。
つまり、一人遊びをしている。

怯えや緊張の感情は欠片もない無表情。
ただひたすらの無視(スルー)であった。
否、無表情というよりは、仏頂面が正しく、子どもらしいあどけなさ純粋さは、まるで存在しない。

「炎に包まれたところまでは覚えてるんだが、……どうやら、ここは地獄ってわけじゃなさそうだ。
こんなに技術の発達した“地獄”なんて聞いたこともないからな。
俺の支給品にしてもそうだ。
この甲冑の名前は“永”というんだが、何でも“鎧を被った人間の体内時間を止める”効能があるらしい。
聞くからに眉つばものだが、本当に効果があるようだ。体の体温が安定して、体調がずいぶん楽になったのが分かる」
「…………」

機嫌良く不可思議な現象について語り続ける恐ろしい形相の男を、少女はまたもや無視してコロコロに興じる。
そんな無礼な無言も厭わずに、男は語る。

男は、甲冑の腰に佩いていた大剣を抜き放った。
巨大な鋼の刃が、月光に輝く。

「しかも地獄なんかより、よっぽどサービスが効いてやがる。
ただで得物と水と食料もくれた上に、勝ち残った暁には『願い事を何でも叶えてくれる』ときた」
「…………」

男が、『殺し合いに乗っている』という意味の発言をしても、ちらりと目線をよこしただけだった。

「何か叶えたい願いがあるのかって?
決まってる。この『鎧』を持ちだした、主催者連中のいる『国』へ行く権利を貰う。
そこでその『国』の優秀な兵士、使える技術を残らず手に入れて……そうしたら『国盗り』の始まりだ。」
「…………」

まるで『ああ、あなたの気分ひとつで私は死んでしまいますね。でもいいよ。
死ぬより口を開く方がよっぽどおっくうだもん』と言わんばかりの、雄弁なる無口であった。
そんな少女を面白がるように見下ろして、男はなおも己の野望を語る。

507 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:09:37.24 ID:0xgVMv19
「主催者の連中をぶっ殺すのは最後だな。
『自分(テメェ)が最強だ』と成りあがってる連中を、同じ技術を得た俺が倒すことで『最強』と証明する。
そういう意味じゃ、この『異国征服』は、俺がいた『日本』の富国強兵と似てるかもしれねえな。
異国を倒す前に、まずはその国について学ぶのは必要だ。
その点、この殺し合いは殺し放題、学び放題ってところだな」
「…………」

どうやら彼の中では、主催者の力を借りて願いを叶えてもらうことと、最終的に主催者を殺すこととの間に、なんの矛盾もないらしい。

何かを確かめるように片手で大剣をぶんぶん振ると、男はそれを河原に置いた。
延々とだんまりを決め込んだ少女を見下ろして苦笑する。

「……ここまで動じないとは、面白いガキだな。それとも死にたがりの類か?」

少女は答えず、コロコロを中断して刀を抱きかかえた。そして背後を振り向く。

「あのーすみません……ちょっとお聞きしたいんですけど、特徴のないメガネのガキと、チャイナ服を着たガキを見ませんでしたか?」

少女の振り向いた方角から、だるそうな男の声がした。

声をかけた第三者は、死んだ魚のような目をした白髪の男だった。
小型の二輪車を押して、舗装されていない河原を歩いてくる。二輪車のキャリアの上には、黒猫が丸くなっていた。

少女に釣られて鎧の男も振り変える。
白髪天パの男は、振り向いた包帯グルグル巻きの、とてもユニークなファッションを見て、
『うわ、声をかけるんじゃなかった』という風に顔をひきつらせる。

「すんません、何か僕の人違いだったみたいです。失礼しま――」
人探し目的で声をかけておいて人違いも何もないはずだが、

「よお兄ちゃん。なかなか面白そうなものを持ってるじゃねえか」
包帯の男は、逃がすつもりなどなさそうだった。
男が押している二輪車を興味深そうに見つめる。

508創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:10:10.15 ID:qAZSu4Ee
509 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:11:43.16 ID:0xgVMv19

「いやいや、そう言うアンタの格好の方が面白いよ。
その包帯とか、鎧とか、包帯とか、鎧とか。どっちかにした方がいいよそれ。
カッコいいものとカッコいいものが合体しても、すごくカッコいいものが生まれるわけじゃないんだよ?」

「面白いか。違いねぇな」

突っ込みを入れる男が生温かい目をし、包帯の男がニヤリと笑っている中、


すっく、とこの場のただ一人の子どもが立ち上がった。


とことことこ、と天然パーマ男の元へと歩く。


その突然のアクションと、あまりにもマイペースな様子に、志々雄も天然パーマ男も、何となく動かずに見守ってしまった。

「あれー? この子、もしかして前に会った?」
「何、エルメェスの兄貴、知り合いなの?」
接近された天パの男が二輪車と会話を交わしている最中に、

「うぎゃ」
「おい」
二輪車が悲鳴を上げるのも構わず、黒猫をおしのけて、少女はキャリアへと乗り込む。



「だせ」



この殺し合いの舞台で、初めて喋った少女の台詞。

「いや、お嬢ちゃん。初対面の年下のお兄さんに、命令形はよくないと思うよ?」
状況が読めずに、鼻くそをほじりながら礼儀を説く男――坂田銀時と、

「なるほどな。自分じゃどう足掻いても俺に勝てないし逃げられないのが分かってる。
なら自分より強い奴につこうってわけか。悪くない選択だな。
いかんともし難い実力差をわきまえずに挑んでくる馬鹿よりはよっぽど賢い。」
心得たようにすたすたと近づいて来る包帯の男――志々雄真実。

「え? お兄さん何? もしかして見た目だけじゃなく中身もアレなの?」

志々雄の手には、少女の背たけほどもありそうな大剣。

510 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:13:33.28 ID:0xgVMv19

「しかし、戦略的撤退に徹するってことは――追撃されても恨みっこなしだぜ」

だん、と地を蹴る音。


――鬼が牙を剥いた。

口を張り裂けんばかりに大きく開けて笑い、一挙動で駈ける姿は正にそれだった。



ギィン!



少女のすぐ眼前で、交差した二つの刃。

片方は、殺す為。
片方は、守らんとする為。


「危ねーな。そんな格好で、こんな幼女に何やってんだよ。
そんなだから全国のまるでダメなオ○クの皆さんが偏見を持たれるんだよ」

冷や汗を一滴落としながらも、ひょうひょうと放たれた軽口。

「ほお。やるじゃねえか」

突き出された志々雄の腕には、腕の一部であるかのごとく延ばされた剣の切っ先。

大剣の刺突を鍔で受け止めたのは、一振りの日本刀。
少女の持っていた刀が、銀髪の侍の手の中にあった。



☆    ☆    ☆

ギリギリと、全力を剣の一点にかけながら、つば競り合いの均衡は続いた。

「――おい、聞くまでもないとは思うが、テメーは殺し合いに乗ってるってことでいいんだな?」
足を河原の砂利にめり込ませ、歯を食いしばりながらの守り手は坂田銀時。
「乗ってるも何も、これはそういうお楽しみだぜ?」
包帯と鎧で、その顔色を読ませない攻め手は志々雄真実。

鍔と刃の競り合いは、数秒で終わった。

511創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:14:55.96 ID:qAZSu4Ee
512 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:17:13.71 ID:0xgVMv19

「なるほど。それなりの奴らもいるってことか」

キン、

金属音と余裕を残して、後ろに飛びずさったのは志々雄。

「なら、こういうのはどうだ?」

その大剣を、深々と地に突き刺し、

「シャアァァァァァァァァァァァッッッッ!!!」

咆哮。
巨大な剣身で、地面を抉りながら、突進した。

「シャアッ!」

その破壊が意味を持つのは、大剣が地面を巻き上げた時。

「あー畜生……目がいてぇよこの野郎!」

ばらばらばら、と。

抉られる砂利と砂は巨大な砂埃の津波となって、銀時たちの視界を奪う。

視界を茶色く塞がれた向こうには、おそらく第二撃を加えんとする包帯男。
銀時は聴覚と気配を研ぎ澄ませ、続く斬撃がどこから来るか見極めんと目を閉じる。

ひゅお、と頭上で風切り音。

(真上か! ……いや、違う……!?)



――ガキン!



513 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:18:09.05 ID:0xgVMv19
斬撃は、真上から振り下ろされた。

跳躍の高度と剣自体の重量を乗せた、ただ破壊力に特化した一撃。
受け止めたとしても確実に刀身が先に折れる、重量を乗せた一閃。

――ただし、『銀時の真上』ではなかった。


「二刀流か……我流だな」


鞘と刀身がクロスして、振り下ろされた剣をその交点で受け止める。
守り手の右手には、抜き見の刀。左手には刀の鞘。

大剣は『少女の真上』に振り下ろされていた。

少女と志々雄の間に割り込んだ銀時が、片膝をついてその一撃に耐えていた。
そう、狙いは始めから、銀時ではなく少女。

「おいおい。モンスターハンティングにでも挑めそうな重装備の癖に、やってることはずいぶんとセコイじゃねぇか」

軽口の影ににじみ出るのは、おし殺された憤激。

「こういうのはセコイんじゃねぇよ。
弱い奴から死んでいく。それを“摂理”というんだ。」

余裕の影ににじみ出るのは、守り手の行為に対する侮蔑。

そう、条件は攻め手にとって有利。


元より、拳の一撃だけで殺す術にも長けている、尋常ならざる志々雄の腕力。
まだ余裕があるとばかりに更なる力を加えると、鞘が限界を越えてみしみしと亀裂が入った。

“砕く”ことに特化した西洋剣と、“硬さ”を削って“鋭さ”に特化した日本刀。
重力に従って刀を振り下ろす志々雄と、重量に抗して刀を受け止める銀時。

「………………っく」

徐々に徐々に、大剣が銀時の腕を圧迫し、振り下ろされんとした刃が銀時の眉間にじわじわ近付いた。

514創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:18:46.74 ID:qAZSu4Ee
515 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:19:19.47 ID:0xgVMv19

それでも銀時の側からこの膠着はほどけない。

銀時が膠着を解けば、斬られるのは少女。
少女が逃げれば、少女に早く追いつくのは、体勢の上で有利な志々雄。


その様子に、志々雄は溜息さえついてみせた。

「普通の刀を当たり前に使える様子を見るに、あの抜刀斎よりは自由な枠組みを持つ男のようだな。
しかし、『他人を庇って剣を取る』という意味じゃ、奴と同類だ。
『白』か『黒』かで問われれば、どうしても最後に『白』を取る。
一国を取るか、目の前の一人を助ける為にあたふたするかの二択なら、あっさり国を諦める」

志々雄の脚が鋭く振りぬかれた。
剣に体重を賭けたまま、甲冑に覆われた足を銀時の腹に蹴り入れる。

「ガッ……!!」

呼吸が止まったようなうめき声。
酸性を含んだ黄色い液体が、銀時の口腔から吐き出された。


「迷いなく『黒』を取る俺と出会った時点で、お前は既に詰みだ」


見下ろしながら言い捨てて、志々雄は大剣に更なる体重を乗せた。
メキメキ、と鞘にヒビが入る。



パキ、と鞘が砕け、大剣が鞘へと半ばめり込んだ。



「――るよ」



その低い呟きは、決して軽口ではなかった。

「あ?」

516 ◆8nn53GQqtY :2011/08/04(木) 23:20:50.24 ID:0xgVMv19

「『国』なんざ取るまでもなく、最初から持ってるっつったんだよ」

その一瞬を、待っていたかのように、

とうに痺れていたはずの両腕に、爆発的な力がこめられた。
めり込んだ鞘のヒビをレールのように利用して、二刀が剣身を滑る。

「おっ……」

摩擦力を込められた剣はそのまま鞘の動きに巻き込まれ、下方へとひねりを加えて巻きこまれた。

剣先が、斜め下へとあらぬ方を逸れる。



「俺の剣の届く範囲が、俺の国だ」



その隙をついて、銀時の脚が志々雄の脇に回し蹴りを叩きこんでいた。

「チッ」

鎧がダメージは軽減したものの、蹴撃の揺れで志々雄の体がたたらを踏む。

ブルルン!

耳障りだが軽快なエンジン音が鳴った。
膠着の解けた少女が、既に二輪車のエンジンをかけていたのだ。



「じゃあな。二度と会うなよ」
志々雄の隙を利用して、ひらりと飛び乗る銀時。

車体を斜めに倒すと、サイドブレーキは解かれて即座に発車した。
「ぎゃああああ!」
慣れぬ砂利道を走らされて二輪車から悲鳴が聞こえたが、この状況では些細なことだ。

タイヤを砂利で横滑りさせながらも、エンジンを全開で開けられた二輪車は車道へと乗りだし、瞬く間にその場から――



「甘ぇな……」
517創る名無しに見る名無し:2011/08/04(木) 23:22:01.79 ID:qAZSu4Ee
518◇8nn53GQqtY氏 代理投下:2011/08/04(木) 23:26:37.25 ID:qAZSu4Ee
代理投下を開始します。
――まだ、攻撃の手は終わっていなかった。

この場での、銀時たちにとっての弱点は一つ。

二輪車は、初速から最高速度に達することなどできないが、
『暗殺』を生業としていた元『人斬り』の脚は、――『神速』には及ばずとも――それに近い俊足を一歩目から生みだすのだ。


「ッシャアァァァァァァッッッ!!」


射とめられない距離ではない。

甲冑の男が、銀色の疾走を生み出す。
剣気が大気を振るわせ、二輪車のマフラーが放出する排気を吹き飛ばす。

初速の跳躍をそのままに、人斬りは矢のように二輪車へと突撃して、



ポイ



銀時の膝に乗せられていた少女が、『何か』をディパックから出して放り投げた。

小型の爆弾だった。
それだけなら、苦もなく大剣で弾き飛ばし、そのまま斬りかかっていただろう。

しかし、彼はその『爆弾』に見覚えがあった。

小さな円筒形の小型爆弾。

「ちっ……!」

それは、手投げ式炸裂弾。
志々雄真実が、その資材の五分の三以上を通して調達した甲鉄艦『煉獄』を、
たった三個の爆発で沈没させた、驚異的な炸裂弾だった。

「……運がねぇな」

甲冑のかかとでアスファルトに急ブレーキをかけると同時。
その剣を両手持ちで大きく振りかぶる。
放物線を描いて飛来する炸裂弾を、はっきりと視界に捕らえる。
519◇8nn53GQqtY氏 代理投下:2011/08/04(木) 23:26:59.27 ID:qAZSu4Ee


カッキーン☆



剣身の芯で炸裂弾を捕らえ、空高く、遠くへ遠くへと打ちあげた。


続け様に腕を振りかぶり、
びゅお、と大剣を円を描くように振り抜く。



打ち上げられた炸裂弾は、見る間に小さくなり、地上十数メートルで最高点に達して、

カッ――


白い灼熱がほんのひと時、地上を煌々と照らしだした。


ズドォォォォン


続け様に唸る、轟音。
地面が揺れた。
爆炎がぼたぼたと川面に降り注いだ。

その爆風の最中に、志々雄真実は、いた。

無傷で立っていた。
火の玉が降り注ぐ中を、動じずに立っていた。
ある意味で奇跡的な現象だった。
爆風が円を切り取るように、男の周囲だけを避けていた。
男の真上に落ちて来た炸裂弾の欠片は、彼の頭上で反射されたように跳ね返った。
まるで、彼が剣を振り抜いた軌道上の立体だけに、謎の壁が出現したかのようだった。


「……どうやら、こっちの剣の方の効果も本物だったようだな」


“永”の鎧と対をなす、その大剣の名前は“瞬”。

その効果は、『剣の軌道上に侵入したあらゆる攻撃を“跳ね返す”というもの』

「どさくさで銀髪の野郎には逃げられちまったが……しかし収穫はあったな。
異世界征服の前座のつもりだったが……なかなかどうして、この殺し合いも楽しめそうだと分かった」
520◇8nn53GQqtY氏 代理投下:2011/08/04(木) 23:27:21.48 ID:qAZSu4Ee
――俺の剣の届く範囲が、俺の国だ。

なるほど、『国』に何のしがらみも抱くことなく、ただやりたいことだけをやって生きていれば、
そこは確かに、征服するまもなく己が所有物たる国だろう。

抜刀斎と似た甘い男ではあったが、その行動原理は『偽善』ではなく『奔放』とでも称すべきもの。
そして何より、その主張が一貫しているところが、悪くないと思った。

「勝ちに行くのに一番手っ取り早い方法としてガキを使ったが……まぁ一対一で殺ってみるのも悪くはねぇな」

再戦をしてみたいという欲求はあったが、焦る必要はないだろう。

何より、“永”の鎧のおかげで、体の調子がすこぶる良い。

そう、体内の時間を『かぎりなくゆっくりにする』ということは、『体温の上昇も限りなく穏やかになる』ということで、
志々雄真実が、15分の時間制限を無視して、永遠に戦い続けられるということに他ならない。
つまり、この鎧がある限り、思う存分、体が動くままに戦いを楽しめるということ。


それを思うと、楽しくて仕方がない。


「支給品の効能も確かめられたし、適当にぶらつくとするか……まだ有象無象が、地図のあっちこっちに散らばってる段階だろうしな」

二輪車が駈け去ったのとは逆の方向を、悠々と歩き始めた。

その覇道の果てに何があるのかは、彼自身にも分からない。
しかし、目の前の道がどこに続いているからは、支給された地図から読み取れる。

「旅館か……。旅籠っていうんなら、広い風呂のひとつは期待してもいいよな?」

頬が緩む。
――志々雄真実は、無類の温泉好きでもあった。

【C−4/川の北岸/黎明】

【志々雄真実@るろうに剣心】
[状態]健康、鎧のおかげで体調万全
[装備]“永”の鎧@ポケットモンスターSPECIAL
“瞬”の剣@ポケットモンスターSPECIAL
[道具]基本支給品、不明支給品0〜1
[思考]基本・優勝し、願いを叶える権利で『異世界の通行券』を手に入れる。
1・適当にぶらつく。まずは旅館へ。
2・戦いを愉しむ
3・坂田銀時(名前は知らない)に興味。
※死亡後からの参戦です
※“永”の鎧の効果で、体温上昇が抑えられています。戦闘時の十五分制限がありません。
521◇8nn53GQqtY氏 代理投下:2011/08/04(木) 23:28:08.55 ID:qAZSu4Ee


「何だあの爆発は……。
どう見ても火薬の量と爆発の規模が一致してないだろ。
あれ、炸裂弾じゃなくて核兵器じゃないの!?
……あれ、包帯男が空に打ち上げてくれなかったら、俺たちも巻き込まれてたよね。
むしろ俺たち、あの包帯男に救われたよね」

銀時は、キャリアへと移動した白髪の少女を恨めしげに振り返った。

「…………」

少女は無言で、爆発の余韻が残る空を見入っている。
花火か何かを愉しんでいるようにも見える。

「それで、このガキをどうするつもりだ」
ツキが少女に抱っこされた状態のまま、不機嫌そうに尋ねた。
「まぁ、助けておいて放りだすわけにもいかんだろ。
つーかツキくん。化け猫なら加勢してくれよ。銀さんすごくピンチだったんだよ」
「メスガキがぎゅっと抱きしめてきやがったから飛びかかれなかったんだよ」
「あーあ。……二人乗りは重たいんだけどなぁ」
さんざんに乱暴な運転をされたエルメスが、憂鬱そうに呟く。
ちなみにレイジングハートは、「腹話術だと勘違いされて引かれたくない」という銀時の英断によって、ディパックの中で休息していた。

少女は喋るバイクと喋る黒猫にも、何ら驚かない。
そんなことよりも、さっきの爆発の方がよっぽど楽しかったとばかりに、首を限界までひねって、爆発のあった方を見ている。
522 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/04(木) 23:50:38.36 ID:cbFeNN5m
投下します
タイトル:知らない事は罪?
登場人物:篠原一弥
523 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/04(木) 23:51:00.57 ID:cbFeNN5m
「一体、ここはどこなんだろう」

どこに行くでもなく、暗い街の中を歩く篠原。
命からがら、水没して行く富坂市から脱出したはずだったのだが…。
ヘリコプターから出して貰った縄梯子に捕まった、その瞬間に意識が遠のいて。
気が付いたら、こんなところに。

(何でこんなところにいるんだろう?ここは…一体どこなんだろう)

辺りを見回してみる。
どこにでもあるような、ちょっと都会とは違う街並み。
一番近くにある家屋を照らしてみる。
…木造で、2階建て。
別段、珍しい家というほどでもない。

(…ますます、ここがどこだか分からなくなってしまった)

辺りの家を何軒か見て回ったが、結果は同じだった。
家の中には家具等があったが、人は誰一人としていなかった。

524 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/04(木) 23:51:14.97 ID:cbFeNN5m
「でも…何で、こんなことを」

「実験」と称し、人に殺し合いをさせるなんて。
正常な神経ではとても思い付かないだろう。第一、そんなことをさせて何になると言うのか。

(…春香!そうだ、春香は!?)

デイパックに手を入れ、PDAを取り出す。

(確か、これに名簿とか言う物が入っているはず…!)

PDAを操作し、名簿を呼びだして名前を見て行くが…「藤宮春香」の名前は書かれていなかった。
その事実に心から安心する。

「良かった…」

その後も名簿を見て行くと、ある人物の名前が目に止まった。
…佐伯優子。
災害に乗じて、留置所から抜け出した凶悪犯…と報道されていた。
しかし、ジオセクションで本人を目撃した時、自分にはそれが信じられなかった。
…本人を見た時に、何か裏があると思ったのだ。
だからこそ、佐伯を追跡していたと思われる刑事にも嘘を付き、逃走を間接的に助けた。

「本人に会ったら…どうしよう。真相を聞いてみようかな」

本当に、犯人なのか。
違うとしたら、真犯人は誰だったのか。
会えるかどうかは分からないが、もし会えたなら聞いてみようと思った。

「そうだ…他に何が入ってるんだろう」

あの変な奴の説明では、武器も入っているらしいが…。
例え武器が手に入っても、人を傷つけたくはない。
そう思って、デイパックからそれらしい物を出す。

「…何だろう、これ」

出てきたのは、武器とは到底思えないような機械。
画面やらボタンやらが付いている。
附属している説明書を読んでも、よく分からない。

「【デコーダー:真実への扉を開く鍵。】…真実への扉?鍵?意味が分からないな…」

525 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/04(木) 23:51:29.68 ID:cbFeNN5m
【一日目・深夜/F-6】
【篠原一弥@絶体絶命都市2】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、デコーダー@S.T.A.L.K.E.R.
[思考・行動]
基本:人殺しはしたくない。帰りたい
1:一体、これはなんだろう
2:佐伯優子に会えたら、幾つか質問したい
※Aエンド後からの参戦です

≪支給品紹介≫
【デコーダー@S.T.A.L.K.E.R.】
篠原一弥に支給。
「Shadow of Chernobyl」にて、Pripyat市内某所で手に入る。
真エンドを見るためには幾つかのフラグを埋めた上でこれを持ってChernobyl NPPに向かう必要がある。
しかもその上で特定の場所に行くと…。
526 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/04(木) 23:51:48.17 ID:cbFeNN5m
投下終了です
527 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:01:55.96 ID:FpTQPX+u
皆様投下乙です。
では自分も投下しようと思います。

ごちゃ混ぜロワ 36:剣と鎌と 前編
登場人物:長谷川泰三、灰原由起夫、空蝉、環樹雫、明智光秀
528創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:02:11.23 ID:eb84B2D2
支援
529剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:02:46.28 ID:FpTQPX+u
F−4に位置するレストランの裏に不自然に盛られた土の山がある。
その土の山には、つい先程まで妹や親友を探していた少女、柊かがみが眠っていた。
「…すまねえ、俺たちや留三郎がもっと早く来ていたら……」
「……あんまり悔やむなヨ、長谷川。」
「……で、バラさん、これからどうする……?」
「…留三郎は南に行っちまったからなァ…」
かがみを殺した犯人を追う留三郎は、現場に残された犯人のものとみられる足跡を手掛かりに南へと走って行った。
奇しくもこのレストランのあるF−4のエリアのすぐ南のF−5のエリアは、灰原と長谷川が人探しのために立ち寄りたかったホテルだった。
「…犯人が南に行ったとみると、今は南に行くべきじゃなさそうだな……」
「やっぱりそうなるか。」
「となると、次に近いのは学校…いや、役所か。」
今二人がいるレストランのすぐ北に、役所は位置していた。
ホテルほどではないが、確かに人も集まりそうだと二人は判断した。
「んじゃ行くか、バラさん。」
「いや、その前に…」
「どうしたんだよバラさん?」
「装備を整えてから行こう。まだレストラン内には使えそうなものが結構あると思うからな。」
二人はレストラン内に入って行った。
二人が外に出てきたのは入ってからおよそ20分後の事だった。
「…あんまり人に見せられる恰好じゃねえな。」
「…ダな。」

今の二人の装備。
長谷川泰三
頭■行平鍋
武器■六爪
胴体■プラスチックのまな板
盾■鍋の蓋
アクセサリー■タバコ

灰原由起夫
頭■寸胴鍋
武器■行平鍋
胴体■プラスチックのまな板
盾■鍋のふた
アクセサリー■流星ジョニー

「今の俺達、カッコよさの値マイナス行ってると思う……」
「…愚痴んなヨ。」

ブツブツ言う長谷川を窘めながら、灰原は長谷川と共に北へと向かった。
530創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:03:19.46 ID:67MEkAc1
 
531剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:03:27.40 ID:FpTQPX+u



長く、生きてきた。
初めて剣を手に取ったのは幾年前であろうか。
もう今では思い出すのも面倒に感じてしまうほどに長く、自分はサムライとして生きてきた。
人も、斬った。
それも、数えきれないほどの人数と理由で、斬ってきた。
全ての自分の行いは、一切後悔していない。
だがもう自分も五十路を回った。
もう今後はただの一人の老人として生きよう。
そうして温泉につかりながら時折昔をふと思い出すような生活をするのも悪くはない。
そう、最期の戦いが終わったら……そう、空蝉は考えていた。

「空蝉さん!」
「…っと、どうしたい、雫。」
「どーしたいじゃないよ、四階を調べてきたけど誰もいないみたいだったよ。」
「…そうか、三階は誰もいなかったぜ。やっぱりここには誰もいないんじゃねえのか?」
「むー、誰かいると思ったんだけどなあ……」
「まあまだ二階と一階がある。ゆっくり探そうぜ。」
「そだねー。」
空蝉も雫も、人を探している。
この殺し合いを転覆させるためには、多くの信頼できる仲間が必要不可欠だ。
雫が探している日下兵真という少年には、少なからず興味はある。
それに、自分の愛弟子である竹科辰美とも、合流はしておきたい。
彼には言わねばならない、彼の出生にまつわる秘密がある。
それを伝えないで死ぬ気はさらさらない。
その決意を胸に、空蝉は雫と共に歩き出した。
532創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:03:48.15 ID:67MEkAc1
 
533剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:04:06.75 ID:FpTQPX+u



足りない。
足りない。
血と、叫びが。
明智光秀は、飢えていた。
彼が求めているのは血と叫び、そして死。
この場には自分を含めて60人の人が集められていると言うが――
正直、足りない。
あの戦場で味わった断末魔の叫びと大河の如く流れて行った血は60やそこらの命でまかなえる量ではない。
虚仮にされた。
自分の歩んできた殺戮の道を虚仮にされたと光秀は当初憤慨した。
だが、デイパックの中に入っていた名簿を見た瞬間、光秀の顔に極上の笑みが浮かぶ。
伊達政宗、真田幸村、片倉小十郎。
いずれも自分が戦ってきた中でも屈指の剛の者。
そのものと、戦えるのだ。
彼らの断末魔を、この耳で聞きたい。
彼らの死に行く様を、この目で見たい。
彼らを死へと送るのは誰でもない、この自分だ。

だが、その時光秀は気付いた。
彼らを死へと送るべき、武器が無いと言う事に。
光秀は、柄にもなく困った。
愛用の鎌、桜舞が無ければどうしようもない。
だが悩んでいてもしょうがないので、光秀はデイパックを漁っていた。
そして出てきた、謎の六角形の金属の塊。
当初は役に立たないがらくたと思い捨てようとしたのだが、同封されていた説明書を読むと光秀は捨てようと言う考えを押しとどめた。
そして、その金属塊を胸の前に持ってきて、言った。
「…武装錬金。」

そして現れたもの――バルキリースカートに、光秀はそれこそ踊り出さんばかりに狂喜した。
鋭い四本の鎌を先に着けた金属の脚。
説明書通りに動かしてみると予想以上によく動く。
更に説明書には、『素肌から直接出すと精密動作性が増す。』と書いてあった。
それを試そうと武装錬金を解除し、袴を脱いだ時に一人の少女が目の前に現れた。
そして――



ぽたり、ぽたりと血の雫が垂れるバルキリースカートを解除した。
この核鉄というものは、持っているだけでヒーリングの効果もある。
この殺し合いにおいては十分『当たり』に属するものだ。
この『当たり』を引いた幸運を誰に感謝するでもなく、光秀は歩き出す。
殺戮をするために。
かつて死合いをした、歴戦の猛者とまた死合いをするために。
534創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:04:44.29 ID:67MEkAc1
 
535剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:04:59.88 ID:FpTQPX+u



「ふう、やっと着いたか。」
「油断するなよバラさん、どんな奴がいるかは分からねえんだ。」
「そうだな……」
そっと、扉を開いた。
(…誰もいねえぞ、バラさん。)
(…手分けして探すか。)
(…わ、分かった。)
(よし、んじゃ30分後にまたここで、何かあったら大きな声で叫べよ。)

正直気のりはしなかったものの、今の状況ではやむを得ない。
渋々ながら、長谷川は灰原と別れ一階を探索することにした。
(銀さんがいりゃいいんだろうけど…こんなお固いところにはいそうにねえよなあ……)
過去幕府の高官として様々な役所を見てきた長谷川であったが、こんなにさびしい役所を見るのは初めてだ。
人の気配が全くと言っていいほどない。
人がいないと言うだけで、こんなにも恐怖を感じるところになってしまうのか。
その現実に長谷川は背筋を震わせた。
(新八君……神楽ちゃん……も、いないだろうなあ…)
誰もいない現状が、長谷川の思考をどんどんと悪い方向へと導いていく。
役所の無機質な部屋が、無言の圧力を長谷川に浴びせていく。
これ以上いたくないと思っても、まだこの部屋を全部調べてはいない。
嫌々ながらも部屋の隅々まで確認する。
ロッカーの中、給湯室の中、あり得ないとは思いながらも机の引き出しの中――
冷静に考えると今の自分は相当滑稽に見えるのだろうな、と思った。

探し始めてからもう20分が経とうとしていたが、長谷川は未だに誰も見つける事が出来ないでいた。
(…ひょっとしてここには誰もいないんじゃねえかな?役所なんてお固い所に誰も好き好んでくるとは思えねえし、普通は病院とかの方に行くんじゃねえのか?あれ?ってことはこれって無駄脚?)
いくら探しても誰も見つからない事に少々疲労もたまっていたし、まだ約束の時間は来ていないが長谷川は一足先に合流先の受付へと向かった。

そこに、『彼』はいた。
銀色の長髪を靡かせ、細身の体をくねらせ、下には袴をはいていない。
長谷川でなくとも、彼のような人間をどう呼ぶかは分かる。
そう、それを言うなれば――

「へ、変態だー!!」
536創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:05:24.08 ID:eb84B2D2
 
537剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:05:38.38 ID:FpTQPX+u



灰原由起夫は長谷川泰三とは対照的に役所の中を隅々まで必死に探していた。
灰原自身も、長谷川の怖がりでヘタレな性格からあまり彼は積極的に捜索はしないだろうと思っていた。
それなら自分が彼以上に探せばいい。
そう思い、普段は見せないような俊敏な動きで役所の一階のあちこちを探していたのだが――
誰も見つけることは出来なかった。
それでも、この役所に誰か人がいると言う事は分かっていた。
それは、入口付近に落ちていた長い緑色の髪の毛。
一瞬、同じ鳴滝荘に住む黒崎朝美のものかと思ったが、その髪の色は朝美のエメラルドグリーンより深い緑色であり、朝美のそれより長かった。
それが朝美の髪の毛ではないと分かっても、この役所に人はいると確信した灰原は、それこそ何かに取りつかれたかのようにあちこちを探しまわった。
だがどれほど探してもその髪の毛の主はいないようだった。
(……この階にはいねえのか…仕方ない、長谷川と一緒に探すか…)
そう思った矢先だった。

「へ、変態だー!!」

長谷川の情けない叫び声が聞こえてきたのは。
538剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:06:19.41 ID:FpTQPX+u



「ねー、やっぱりこの階にもいないみたいだよ。」
「…仕方ねえ、一階探して誰もいなかったら外行って色々見てみるか。」
「行くとしたらどこがいーかな?」
「さぁなぁ…ん?どうしたい雫。」
吹き抜けになった二階から、雫は一階を見下ろしていた。
だが雫はある一点を見つめたまま、微動だにしない。
どうしたのかと思い雫の見つめている方を見るとそこには

袴をはいていない褌丸出しの銀髪の変態と、鍋やまな板で武装した変なおっさんが向き合っていた。

調理器具で武装したおっさんは、変態を見るや否や「変態だー!!」と叫んでいた。
その叫びに反射的に、雫と空蝉の二人は物陰に隠れた。

(ねえ、なんだろーあれ?)
(…俺に聞くなよ。)
(むー…)

咄嗟に物陰に隠れながら、様子をうかがっていた二人だったが、次の瞬間二人の目の前で、信じられない事が起こった。

銀髪の変態の脚から、四本の金属の脚が突然伸びた。
その脚の一本の先には、誰のものか分からない血がこびりついていた。
その鋭い切っ先は、十分に人を殺傷できるものだと空蝉も雫も理解できた。
その脚の一本が鍋のおっさんの方に伸びて行き……



腹を、切り裂いた。



「!?おい、雫!」
「やー!!!!」
空蝉が一瞬呆気にとられていた間に、雫は一階に飛び降りていた。
何という無鉄砲な事をやる娘だ、と空蝉は度肝を抜かれたが、彼女を放っておくわけにもいかないし、目の前で殺戮が起きようとしているのを放っておくわけにもいかなかった。
空蝉は急いで、階段を駆け降りた。
539創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:06:44.75 ID:eb84B2D2
 
540剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:07:08.59 ID:FpTQPX+u



何が起こったのか、さっぱり分からねえ。
ちょっと早く集合場所に来たら、入口が開いてそこには、袴をはいていない銀髪のどこからどう見ても危ない不審者が来ていた。
そして、俺は叫んでしまった。
「変態だー!!」
って。
そしたらその不審者、俺に対してにやりと笑ったんだ。
…あんな笑顔、今まで生きてきた38年間の中でもついぞ見たこと無いほどの恐ろしい――恐ろしい、なんて言葉じゃ表せないくらい恐ろしい笑顔だった。
まるでのど元に鋭く研いだ鎌を突き立てるような。
絶対的な死。
それを理性ではなく本能で感じさせるような、どんな闇よりも深く狂おしい笑顔。
その笑顔を向けられた俺は、まるで足がコンクリートで固められたかのように動けなくなってしまった。
だからだろうか。
その変態がどこからともなく出した鎌に、腹を切り裂かれた――



「痛てええええええええええ!!!!!!!」




役所の一階に、長谷川の悲痛な叫びが響き渡った。
541創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:07:33.36 ID:67MEkAc1
 
542剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:07:55.16 ID:FpTQPX+u

「長谷川!何があっ――」
「おや、お仲間がいたのですか。」

長谷川の叫びを耳にして集合場所に駆け付けた灰原の目の前には、信じられない光景が広がっていた。
袴をはいていない銀髪の変態が、見たこともない鎌が先についた謎の武器でもって、長谷川の腹を切った。
その圧倒的な現実に、灰原はただ呆然とすることしかできなかった。
「あなたもすぐ楽にして差し上げますよ…」
ゆらり、と目の前の変態が自分の方に向かおうとしている。
自分はどう動けばいいのか、灰原の混乱した頭ではそれを考えることは非常に難しかった。
そんな灰原に鎌が迫り来ようとした瞬間だった。
変態の後ろの方に何かが上から落ちてきて、ものすごい音を立てたのは。

「……あいたたた…こらー!何してるのあんたー!」

そちらの方を向くと、派手に土ぼこりが立ち込める中で緑色のポニーテールの少女が怒りの形相でこちらにハリセンを向けていた。
「おや、これは可愛らしいお嬢さんですねえ…」
「ほ、褒めても何も出ないよ!それより何してんのあんた!」
「…見て分かりませんか?」
変態は鎌の先についた血を、そっと指で拭うとそれをそっと舐めとった。
その淫靡さすら感じさせる仕草に、灰原の背にぞわりと悪寒が走る。
だがそれにより幾分冷静さを取り戻せた灰原は、急いで長谷川の元へと走った。

「オイ長谷川!しっかりしろ!大丈夫か!?」
「うう…痛え……痛えよぉ……」
幸いまな板を装備していたせいか、傷はそれほど深くはない。
だが出血を止めなければ最悪の事態も覚悟しなければならない。
「…今はとにかく喋るな。長谷川。」
「すまねえ…すまねえ、バラさん……」
口では勇気づけようとしているものの、この現状でどう動けば助かるのか、灰原には分からない。
目の前の変態は明らかにこの殺し合いに乗っている。
それどころか、この殺し合いという場を心の底から楽しんでいる。
まるで遊び場にいる子供のように、純粋にただ純粋に楽しんでいるのが灰原には分かった。
「ふむ…どなたからあの世へと送って差し上げましょうか…」
ぽつりと、変態がつぶやいた。
その声に灰原も長谷川も身の震えを止められない。
だが、横にいた緑髪の少女だけは違った。
「もー、許さないよ!」
無謀か、はたまた無知なのか。
どう見ても武器としては役に立ちそうもないハリセンを構えると少女は一歩前に出た。
「お、おい君!」
「おじさん、早く逃げて!」
こちらの方を一瞥もせず、緑髪の少女は叫ぶ。
確かにこのままでいるより安全な所に避難して長谷川のけがを治療しなくては、長谷川の命が危ない。
だが、この心もとない装備で変態に挑もうとしている少女を放って逃げることは、灰原にはできなかった。
どうすればいいのか――?
543剣と鎌と 前編 ◆YR7i2glCpA :2011/08/05(金) 00:08:45.33 ID:FpTQPX+u



だが、その悩みは意外な一手で解決した。



「…ったく、先行し過ぎだぜ、雫。」
「空蝉さん、遅いよ!」
突然階段から現れた、初老の侍。
彼の手には大きな西洋剣が握られていた。
「さ、おじさん達、早く逃げて!」
「…いや、雫、お前も逃げろ。」
「え?!」
「いいからお前も逃げるんだ!邪魔をするな!」
迫力のある一喝に、役所が建物ごと揺れたような錯覚を雫も灰原も覚えた。
「…わ、分かった、空蝉さん。」
「学校で、待ってろ。すぐ向かう。」
「させませんよ…」

もう目の前の空蝉は変態と闘う気が満ちており、変態も興味は空蝉の方に完全に向いていた。これならここから脱出するのもそう難しくはなさそうだ。

「…行くよ!おじさんたち!」
「ああ、しっかりつかまってろよ長谷川!」
「…わ、わかった……」

だだだ、と空きっぱなしになっていた入口から三人が逃げ出した。
それに全く興味はない、と言った感じで二人の剣豪はただ向き合っていた。

「…名前を聞いておこうか。」
「…私は明智光秀と申します。」
「……イメージと全然違うじゃねえか。」
「そういわれましてもねえ。」

ゆっくりと、互いの脚が互いの制空権に入ろうとしていた。
やがて両の足が、制空権へと入った。



ガキィン、と互いの獲物がぶつかり合う音が、誰もいない役所に響いた。
544創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:09:16.69 ID:67MEkAc1
 
545創る名無しに見る名無し:2011/08/05(金) 00:11:11.19 ID:q8wyHIAy
支援
546 ◆ymCx/I3enU :2011/08/05(金) 00:23:07.11 ID:DulRMjcu
さるさん食らったようですので 投下したいと思います
EX2 7話 こうなってしまうとは 登場:アンヌッカ、長嶺和歌子
547こうなってしまうとは ◆ymCx/I3enU :2011/08/05(金) 00:23:58.86 ID:DulRMjcu
7話 こうなってしまうとは

非常に強面な黒い竜がいた。
その眼光は睨まれただけで失禁しそうで、その爪牙は触れただけで全てを切り裂いてしまいそうで。
胸の膨らみと身体付きを見なければ雌だとは気付かないだろう。

「……どうしよう……怖いよ」

威風堂々とも言える外見とは裏腹に彼女――アンヌッカは臆病な性格だった。
更にその容姿のせいで一方的に避けられ友達らしい友達もいない。
そんな彼女が突然、死と隣合わせの殺し合いに放り込まれ怯えないはずは無い。

「怖い、怖い、怖い怖い怖い怖い!」

何か喋っていなければ気が狂いそうだった。
それが殺し合いにおいて自分の位置を知らせる非常に危険な行為だとアンヌッカは気付かなかった事が難点だった。
アンヌッカの前方の曲がり角から犬獣人の少女が躍り出た。

「動かない、で……!?」
「ふぇ!?」

双方の動きが止まった。
犬獣人の少女、長嶺和歌子は声だけでどんな人物か予想してしまった事を猛烈に後悔していた。

(えええ、何あれぇ、もっと、私と同じくらいの女の子予想してたんだけど、声からして。
一応女っぽいけど、私よりデカいし筋肉あるし、ええー)

凶暴そうな外見の雌竜に自分は愚かにも支給されたダイバーズナイフを向けてしまっている。
これで脅して相手のデイパックを奪おうと思っていたがそんな考えは一気に消し飛んでしまった。
雌竜の爪と牙に目が行く。明らかに自分の持つナイフより切れ味が良さそうだ。

「やだ、やだ……何するの」
「……(あれ、でも……大丈夫そう? 思ったより)」

しかし雌竜が意外に怯えているのを見て、和歌子は余裕を取り戻した。

「…変な真似しなければ何もしないから、あなたの持ってるデイパックを渡して頂戴」
「え? …だ、駄目だよ、まだ確認もしてないし、これ無くなったら困っ」
「いいから、痛い目に遭いたいの?」
「!!」

デイパックを渡す事を拒否する雌竜にナイフを突き付けて脅す和歌子。

「あ、あ、あ」

ぎらりと光る刃を雌竜アンヌッカは凝視する。
自分の爪牙の方が鋭いのだが彼女にそれは分からなかった。
その場にへたり込んでしまうアンヌッカ。
548こうなってしまうとは ◆ymCx/I3enU :2011/08/05(金) 00:25:10.26 ID:DulRMjcu
「あっ」
「えっ」

そしてアンヌッカは自分の股間が急速に湿って行くのを感じた。
ナイフを突き付けていた和歌子も驚いた声を上げる。

「……うううう」

泣き始めてしまうアンヌッカ。
彼女の下のアスファルトに液体が染み出して行く。

「えー、ちょっ……」
「ふえええ……」
「……」

予想外の事態に和歌子は完全に困り果ててしまう。
これではもはやデイパックどころの話では無い。
自分より年上なのか年下なのかいまいち分からなかったが相手を失禁させ泣かせてしまったのだから、
かなり罪悪感を感じてしまう。流石に失禁されるとは思っていなかった。

「…いいわ、見逃してあげる、じゃね」
「ぐすっ……うううう」

もうどうして良いか分からなくなり、逃げるようにして和歌子はその場から立ち去った。
地面と自分の股間を自分の尿で濡らし嗚咽を漏らす雌竜のみがその場に残された。


【早朝/A-4住宅街:路上】
【アンヌッカ】
[状態]失禁、嗚咽
[装備]無し
[持物]基本支給品一式、???(1〜2)
[思考]
0:怖い。
[備考]
※長嶺和歌子(名前は知らない)の容姿を記憶しました。

【長嶺和歌子】
[状態]健康
[装備]ダイバーズナイフ
[持物]基本支給品一式
[思考]
0:生き残る。手段は問わない。
1:良い武器が欲しい。
[備考]
※アンヌッカ(名前は知らない)の容姿を記憶しました。


≪キャラ紹介≫
【アンヌッカ】
17歳の雌竜の少女。黒い身体で強面、筋肉質なため怖がられているが臆病で泣き虫。
何とか友達を増やしたいとしているが爪牙が鋭く力も強い上、上手くコントロール出来ていないので上手く行っていない。

【長嶺和歌子】  読み:ながみね わかこ
16歳の犬獣人の少女。茶色と白の雑種でかなりの巨乳。
運動はそれなりに出来るが勉強は苦手。ヨーグルトを食べると腹を下してしまう。
549 ◆ymCx/I3enU :2011/08/05(金) 00:25:54.11 ID:DulRMjcu
投下終了です
550 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:30:09.77 ID:5jnYTfW4
詰まったため、Re:DOLを打ち切りにします。
見てくれていた方には誠に申し訳ないです。
その代わり思いついたので、新ロワ開始します。
OP 二度と同じ間違いはしないと
登場人物:◆ymCx/I3enU、相川歩、東優、七星悟(7主人公)、◆VxAX.uhVsM
551二度と同じ間違いはしないと ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:30:39.95 ID:5jnYTfW4

「……あれ?俺死んだはずじゃ」

暗い部屋で目覚めた俺こと◆ymCx/I3enUは困惑していた。
あの時桐山に殺されて、それで……。

「まさかここはあれか…?地獄だとでも言うのか?」

しかし一つだけ引っかかる。
この暗い部屋はどこかで見た覚えがある。
そう、まるであの殺し合いの始めの時のような。
そう思うとぞっとしてくる。
再びあんなことをしなくてはいけないかもしれないなんて。

「おい、そこのアンタ…」
「……なんだ?」

目の死んだ高校生くらいの男が話しかけてきた。

「これ、どういう事か分かる?」
「知らない、というか分かってたらこんな焦ってないよ」

そうか、みたいな顔するとその少年はどこかに行ってしまった。
追いかけようとするにも、この暗さである。
若干顔が見えるような位置から少し離れたら何も見えなくなる。

「クソ…どういうことだ……ッ!?」

辺りが一気に明るくなる。
そして周りにいる大量の人間。
そう、あの時と同じだ。

「どもどもー、初めましての奴と久しぶりって奴がいるなー」

そう、この声は…。
あの男の声だ。
もう冗談ではすまされない。
可能性は立った一つに絞られた。
552二度と同じ間違いはしないと ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:31:00.26 ID:5jnYTfW4

「うーん…反応悪いぜ?もっと明るく行こうや」

笑っているが、そんな事を言えているのはあいつくらいだ。
周りは何が起きるんだって顔をしている。
この場で何が起きるか分かっているのは少ないだろう。

「まぁ、そんなら本題に入るまでだなー」

本題、やはりそうだ。
出来る事なら聞きたくない。
何が起きるか分かってるからだ。

「まずはお前らには」

やめろ、やめてくれ。
また同じことをしなくてはいけないのか。
やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ
やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ
やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ
やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ、やめてくれ



「最後の一人になるまで……殺しまくってもらおうか」



周りから驚きの声が聞こえてきている。
しかし、どんな顔をしているかなどは見れない。
いや、見る気が起きない。

「じゃあ簡単に説明するぜー」

前にモニターを出す。
それに書かれていたのは前と同じようなことだった。
553二度と同じ間違いはしないと ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:31:18.35 ID:5jnYTfW4
――――――――――――――――――――――――――――
施設に放り込まれ、そこで殺し合いをする。
放送は0:00、3:00、6:00、9:00、12:00
15:00、18:00、21:00
禁止エリアは1個から3個増える。
基本支給品は
■名簿、メモ機能がある携帯電話
■懐中電灯
■簡易医療セット
■飲料と食糧
不明支給品は1〜2個支給される。
優勝者は決められた願いを叶えることが出来る。
そして、元の生活に帰る事が出来る。
――――――――――――――――――――――――――――

「ふざけるな!」

そこで一人の男が立ち上がった。
緑色の髪の学生服の男…東優だった。

「んー…東君か」
「ふざけるな!こんなこと許されるはずが無い!」
「だったらどうするんだ?殴って止めるか?」
「それしかないのなら、仕方ない」

東は走って◆VxAX.uhVsMの所に走る。
俺はいつの間にか叫んでいた。
やめろ、だったのか、行くな、だったのかは分からない。
しかし、その声は遅かった。
東と言う少年の体に斑点が浮かぶ。
その斑点が一瞬で真っ赤になる。
そしてその東と言う少年は動かなくなった。

「東先輩いいいいいいいいいいいいいいいい!!」

一人の帽子をかぶった男が走ってきていた。
高校野球のユニフォームのようなものを着た少年だった。
きっと先輩だったのだろう。
それも、信頼されるような。

「とりあえず、俺に逆らったらそれを起動するから…覚悟しろよ」

もう誰も話さなかった。
絶望していたのだろうか。
もう分からない。
少なくとも俺には、どうしようという気持ちはなかった。
そして始まる、殺し合い。
554二度と同じ間違いはしないと ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:31:38.73 ID:5jnYTfW4





「さぁ…絶望しろよ」





【東優@パワプロクンポケット7 死亡】
【残り 44人】

【?/?】
【◆VxAX.uhVsM】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]なし
[思考・行動]
基本:このバトルロワイアルの運営。
1:???
[備考]
※DOLロワ3rd終了後からの参戦です。
555 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:33:16.46 ID:5jnYTfW4
名簿投下
【非リレー書き手】7/7
○◆YcpPY.pZNg○◆6LQfwU/9.M○◆ymCx/I3enU○◆xzYb/YHTdI
○◆8nn53GQqtY○◆9QScXZTVAc○◆9FxqcGTI0c

【ファイアーエムブレム蒼炎の軌跡】6/6
○アイク○ミスト○ポーレ○ヨファ○オスカー○漆黒の騎士

【戦場のヴァルキュリア3】5/5
○クルト・アーヴィング○リエラ・マルセリス○イムカ
○グスルグ○ダハウ

【パワプロクンポケット7】5/5
○七星悟○湯田浩一○有田修吾○レッド○芹沢真央

【LIVE A LIVE】5/5
○サンダウン○田所晃○高原日勝○ユン・ジョウ○おぼろ丸

【魔法少女まどか☆マギカ】5/5
○鹿目まどか○暁美ほむら○美樹さやか○佐倉杏子○巴マミ

【これはゾンビですか?】4/4
○相川歩○ユークリウッド・ヘルサイズ○ハルナ○セラフィム

【クレヨンしんちゃん】4/4
○野原しんのすけ○野原みさえ○野原ひろし○野原ひまわり

【SIREN】3/3
○須田恭也○牧野慶○志村晃

44/44
556 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:34:52.96 ID:5jnYTfW4
施設に放り込まれ、そこで殺し合いをする。
放送は0:00、3:00、6:00、9:00、12:00
15:00、18:00、21:00
禁止エリアは1個から3個増える。
基本支給品は
■名簿、メモ機能がある携帯電話
■懐中電灯
■簡易医療セット
■飲料と食糧
不明支給品は1〜2個支給される。
優勝者は決められた願いを叶えることが出来る。
そして、元の生活に帰る事が出来る。
地図
| |1|2|3|4|5|6|
|A|海|海|漁|山|城|城|
|B|海|海|灯|山|山|山|
|C|堤|堤|湖|工|普|裁|
|D|市|病|図|普|学|普|
|E|墓|住|博|郵|神|軍|
|F|警|住|温|飛|住|住|
|G|寺|山|保|テ|電|交|

飛…飛行場
市…市役所
裁…裁判所
警…警察署
交…交番
保…保健所
海…海
漁…漁村
灯…灯台
郵…郵便局
学…学校
博…博物館
図…図書館
神…神社
寺…寺院
工…工場
病…病院
堤…堤防
城…昔の城
墓…墓地
温…温泉
住…住宅街
山…山
湖…湖
テ…テレビ局
電…電波塔
軍…軍事演習場
普…何もない普通の道路など
557 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 15:36:19.89 ID:5jnYTfW4
投下終了です。
ロワ名は「DOLバトルロワイアル4th」です。
かつてないほどカオスになりそうですが、宜しくお願いします。
558小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:15:02.34 ID:nAALbnvD
新ロワ乙です!
何度もロワに巻き込まれちゃあ病むよなあw

では第四話投下します。
559小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:17:15.90 ID:nAALbnvD

ライトアップされた遊園地。
エリアE−2の中央部に設けられた休憩所には、椅子に腰を掛ける青年の姿があった。

(うーん、これからどうしようかなぁ)

名を、瀬田宗次郎。
明治政府の打倒、そして国盗りを野望とする志々雄真実率いる反政府組織『十本刀』
宗次郎は志々雄より教えられた『弱肉強食』こそがこの世の全てであることを信じ、志々雄の側近を勤めてきた。
が、現在は一人の男…緋村剣心の手によって組織も壊滅。宗次郎は自分だけの真実を求めて旅に出た。

……はずだったのだが、今は。

(いくら考えても分からないや)

バトルロワイアルという殺戮を目的とするゲームに巻き込まれていた。
名簿の中に見た死んだはずの志々雄の名。二回もの空間移動。
明治を生きる宗次郎は爆発機能付きの首輪や、遠くに見える空中で回転する車輪のようなカラクリや
轟音を響かせ頭上を走り去る得体の知れない座席のようなものにも面を喰らった。
これらのような普通では有り得ないことばかりを目撃して、ただでさえ元々考えることを苦手とする宗次郎にはどれだけ苦慮したところでこの遊戯に対する答を見出だせやしなかった。

「こんな時でも緋村さんは緋村さんなりに、志々雄さんは志々雄さんなりに、それぞれの信念の中で闘うんだろうなぁ。
 …あなたは何の為に剣を抜いたんですか?誰かを守るため?それとも」
「やらねばならんことがある。ただそれだけのことだよ」

後方頭上から降り注ぐ声と殺気。
ゆっくりと立ち上がる宗次郎は腰に構えた刀を素早く引き抜き、空に翳した。
──刹那、鼓膜を引き裂くような鋭い音。重なり合った刃がギリギリと歯軋りをし、膝をバネにして敵を身体ごと弾き返す。
相手は空中をひらりと舞って円形の台の上に片膝を立て着地すると斬りかかってくるわけでもなく、ただ宗次郎の動きに称賛を与えた。
560小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:21:08.94 ID:nAALbnvD
「ふむ、なかなかやりおるな青年。貴様、名を何という」
「瀬田宗次郎です。あなたは?」
「キング・ブラッドレイ。一つの国をまとめる王だ」
「王様かぁ、そりゃあ面白いや」

刀を鞘へとしまって、志々雄が欲した位置に立つ男の顔をじっと目つめる。
歳は推定60歳前後といったところか。しかし先ほど相殺した一撃を見るに、老いを感じさせない程の実力を持っているのは確か。
肉体もかなり鍛え上げられていることが軍服の上からでも充分に分かる。
ちょっとやそっとでは倒すことはできないだろう。

「……」

睨み合う二人の間を、一陣の風が吹き抜けていく。
今度は宗次郎が先に強く地を蹴った。
まるで空間移動したかのように次の瞬間ブラッドレイの背後に回り込み、居合い術を見舞わんと刀を抜き放つ。
だが、やはりブラッドレイもかなりのやり手。振り向き様に抜刀術をいとも簡単にあしらわれ、
その終わりに刺突を上乗せして返される。
喉という急所部分を確実に狙っての一撃を刀身で受け止め、弾きながら足場にしていた台から他のテーブルへと跳ぶ間の更なる追撃。
速くて重いその一突き。
腕力だけでは対処できないような強い力が添えられた攻撃を受け流す際には、
身体が吹き飛ばないよう支える為に両脚に全体重を掛けるわけだが
足場が存在しない空中では刀に力を受けた瞬間に体勢が崩れてしまう。つまり隙を作るだけになるのでかわすしかない。
宗次郎は持ち前の脚力で宙すらも蹴って一段と高く跳躍し、何とか回避し着陸体勢に入る。
その間僅か0.1秒。
561小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:23:15.66 ID:nAALbnvD
……しかしブラッドレイの動きは宗次郎の予想を遥かに上回るもので、ブラッドレイはいち早く宗次郎の着地点を計算して先回りしていた。
振り上げられた刀身に咄嗟に刃を打ち返すが刀を振るう勢いが相手に押し負けて、
地に降り立った宗次郎の身体がかすかによろめく。
それが仇となり、急所は何とか守れたものの、ブラッドレイより放たれた鋭い突きを肩に受ける。
肉が抉られる感覚に表情を歪め、剣が引き抜かれた瞬間、何年ぶりだろうか。宗次郎は自分の身体から舞う鮮血を久しぶりに目にした。

(死ぬ、のかな…?)

ぼぅっとする思考。
他人事のように宗次郎が血を眺める片側で、トドメをささんとブラッドレイが剣を後ろへ引くと。

「ミャッハー!正義の魔女っ子ハナちゃんの登場だよぉ〜。ミラクルチェーンジ!」

頭痛を誘うようなキンキンと甲高い声と、起こったのはどうしてか、爆発だった。
気を緩めていた宗次郎は見事烈風に呑まれ、意識を手放す。



「む?」

最強の眼を持つ男、キング・ブラッドレイが巻き上がる爆風の向こうに見たのは幼い少女の姿だった。
敵襲に身を構えるものの、気付けば手にしていた剣が肌色が多い、プリっプリのお尻がチャームポイントの女の子の人形にすり変わっていて、
考えられない超常現象にさすがのブラッドレイも注意がそちらに奪われる。

「けしからん…!」

そうこうしている間に去っていく敵。
当然追いかけることも出来たが、獲物がこれだし、何となく戦闘欲が削がれた。

「……今回は見逃してやろう。
 しかし、なかなか面白い人間が居るようだな。
 これは期待してもいいのかもしれん」

決められたレールの上を、ただなぞるだけのつまらない人生。
人柱の兄弟といい、このゲームといい、良い退屈しのぎをさせてくれる。


口角を吊り上げ、人形の尻をちらりと見やると、ブラッドレイはディパックにそっとしまって少女たちとは反対方向に歩き始めた。


【一日目深夜/E−2、遊園地】
【キング・ブラッドレイ@鋼の錬金術師】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜2所持、千石撫子のスク水フィギュア@2ちゃんねる
[思考・行動] 基本:目的を果たすため、生還する。
1:殺し合いを楽しむ。
562小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:24:44.83 ID:nAALbnvD



『おい小娘、そいつをどうするつもりだ?喰っていいのか?』
「ダメだよぉ〜!狸は人間が餌なのぉー?そんなんじゃ太っちゃうよぉ、近所のヒッキーおじさんみたいに」(*´艸`)プププ

一方、気を失った青年と二つのディパックを抱え遊園地の中を颯爽と駆け抜ける女、電波と、その頭にしがみつく支給品の一つである不細工な猫、斑。

『狸じゃないわ!』
「ギャー!何てことすんのこのブタヌキー!」\(>_<)/ワーワー
『わー!』

顎下の白い頬を引っ掻こうと短い手をばたつかせる斑を落とそうと電波が頭を振り乱す。
地面に落下した斑を余所に電波は赤いフリルのワンピースをひらひらと風に遊ばせながら、軽々と跳躍し遊園地のフェンスを跳び越える。

「んん〜、でもどうしよーおかなー?わたしは正義感に従ってこの子を助けただけだし…。
 厨二臭くてここじゃあ何するか分かんないおにぃや自意識過剰なビヨーちゃんが居るから
 なるだけ早く探しだしたいんだよねぇ〜?みんなほぉぉんとぉーに世話が焼けちゃうよー」ι(`ロ´)ノプリプリ
『そいつらはお前に対して同じことを思っとるかもしれんな…。というか、夏目捜しも忘れるんじゃないぞ!』
「あー、そういえばそうだったねえ」(^∀^;)))アブネーアブネー

少し腰を沈めることで遅れてフェンスを越え隣に降り立つ斑を肩に誘導し、
確かに肩の上に豚一匹分ほどの体重を感じると、電波は奥に見えた従業員専用の休憩室へと歩を進める。

「まぁとりあえず男の子と豚抱えてるのはキツイからー、ちょっと休もうかな?
 この子もベッドで寝たほうが楽だろうし、何か血出てるから手当てもしたほうがいいよねぇ」
『儂は腹が減ったぞ!』
「うーん、この子の非常食もらっていいんじゃない?この子痩せてるから少食だと思うよ。いや知らないけど」(^∀^;)))ニャハハ

室内に入ると、周囲を気にして明かりは点けぬままに奥へと進み、青年を寝台に横たわらせた。
青年の足元でディパックから食料を漁る斑の隣に座り救急箱を探しながら、魔女っ子ハナちゃん大活躍の巻の妄想に浸り始める。

563小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:25:40.29 ID:nAALbnvD

正義に燃える女。
正義を知らない青年。
正義を嘲笑う妖。

二人と一匹の物語は果たしてどう交差するのか…?

【一日目深夜/E−1、遊園地休憩室】
【瀬田宗次郎@るろうに剣心】
[状態]:肩に刺傷、気絶
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜2所持
[思考・行動] 基本:分からない。
1:───

【電波@2ちゃんねる】
[状態]:健康(疲労小)
[装備]:斑@夏目友人帳
[所持品]:基本支給品、アイテム1〜2所持
[思考・行動] 基本:正義を貫く。
1:おにぃとビヨーちゃん、ブタヌキ(斑)の知り合いを捜す。


【斑@夏目友人帳】
[状態]:健康、空腹
[思考・行動]
1:夏目捜し。
2:電波についていく。

564小規模バトルロワイアル ◆ViScawnzc6 :2011/08/05(金) 20:30:11.13 ID:nAALbnvD
タイトル「それぞれの思い」投下終了てす。

【名前】電波(・お花畑)
【性別】女
【年齢】20
【身体的特徴】
身長151cm。notカップ。ロリ体型。
胡桃色のおかっぱセミロング。可愛い。赤いフリフリのワンピース。
【性格】明るい電波。
【能力等】ミラクルチェンジ?
【備考】
美容と幼なじみ。オカルトの妹。
565 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/05(金) 23:22:00.72 ID:5jnYTfW4
投下乙です。
千石撫子のスク水フィギュア…だと…。
DOL4thの参加者追加します。
【オリキャラ】6/6
○相川友○青木林○青木百合○古川正人○長谷川祐治○加藤清正
566 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/06(土) 09:20:19.07 ID:/9ahRt76
投下します。
DOL4th1話 達観しすぎてこの二人が怖い
登場人物:◆YcpPY.pZNg、加藤清正
567 ◆9FxqcGTI0c :2011/08/06(土) 09:20:56.50 ID:MDvI1EqW
朝鮮出兵の将軍、加藤清正ですか!
これは楽しみです。
568達観しすぎてこの二人が怖い ◆VxAX.uhVsM :2011/08/06(土) 09:22:03.34 ID:/9ahRt76
「ふむ……これは大変なことになったなぁ」

◆YcpPY.pZNg、通称「お気に入りの人」はこんな殺し合いによばれていた。
しかし、いっさい臆することなく対処法を考えていた。

「誰か仲間がいれば…なぁ」

いくら冷静な彼でも、戦闘力はあまりない。
だから出来る限り強い仲間が欲しいと思う。

「うーん…とりあえずあたりを探すか……書き手さんもいるらしいし」
「なあ、そこの者…ちょっと良いか?」
「え……あ、はい」

後ろから現れた古風のような男。
腰に刀を下げていた。

「儂は加藤清正と言うのだが…お主は?」
「◆YcpPY.pZNgと言います…」
「む?わいしー?そんな名前がこの世にはあったとは」
「いや、単なる偽名です…本名が思い出せないので」
「ほう、記憶喪失とは…お主も運が無いのう」
「いえ…まあ、こんなものなんでしょう」

二人ともこんな状況で冷静に話す。

「あの、加藤さん…あなたはこの殺し合いに乗っていますか?」
「ん?いいや…人を殺すなんぞ…二度とやりたくないのでな」
「…………殺したことあるんですか?」
「昔はそういう家業をやっておったよ…殺し屋とでも言うのか」

◆YcpPY.pZNgは始めてそこで動揺した。
目の前にいる男が殺人を犯したなんて言われれば誰でも動揺はするが。

「まあ、乗る気はないよ…弟子もいるしな」
「弟子…ですか?」
「ああ…古川ゆうてな、なかなか筋が良いんじゃが…まだ未熟なのでな」
「すごいですね、弟子がいるほどなんて」
「それほどでもないよ」

加藤が笑って見せる。
そこで◆YcpPY.pZNgが話を切り出す。
569達観しすぎてこの二人が怖い ◆VxAX.uhVsM :2011/08/06(土) 09:22:27.93 ID:/9ahRt76

「加藤さん、僕に協力してくれませんか?」
「協力……か、良いだろう」
「……ありがとうございます」

加藤はすぐにその場を離れる。
◆YcpPY.pZNgもそれを追いかけていった。

【真昼/E-4】
【◆YcpPY.pZNg@非リレー書き手】
[状態]健康
[装備]なし
[所持品]基本支給品、不明支給品(1〜2)
[思考・行動]
基本:このバトルロワイアルを止める。
1:加藤さんと行動。
2:書き手さんを見つけたい。
3:この呪いは…どうしよう。
【加藤清正@オリキャラ】
[状態]健康
[装備]打刀
[所持品]基本支給品
[思考・行動]
基本:このバトルロワイアルを止める。
1:Ycさんと行動。
2:古川を保護する。
3:あの呪い…どう対処すべきか……。

【加藤清正】
25歳の人間。
古川正人の師匠である。
元殺し屋である。家系は江戸時代では武士であった。
古川より圧倒的に強いため。師匠だから。
570 ◆VxAX.uhVsM :2011/08/06(土) 09:22:44.92 ID:/9ahRt76
投下終了です。
571 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/06(土) 22:26:15.18 ID:VWPoZm4F
投下します
タイトル:かなりヤバイ現実の話
登場人物:マウンテンバイク、ネタフリ、吹原和彦
572 ◆6LQfwU/9.M :2011/08/06(土) 22:26:54.87 ID:VWPoZm4F
「うう…怖い…」

暗い街を、ビクビクしながら歩いて行くマウンテンバイク。
ヤバい集落を見つけて、オカルト板にスレを立てた…とこまでは覚えている。
しかし、そこから先の記憶がスッポリ抜け落ちている。
もしかして、あの集落を見つけてしまったから…。
いや、それならスレを立てる前に、こうなっているはずだ。

「何で自分がこんなことさせられなきゃならないんだ…」

いくら文句を言ったところで、何の解決にもならない。
でも、文句は出て来てしまう。
自分は、こんな事をさせられなければならないほど、悪い事はしていない。

(とにかく、こんなところから1秒でも早く帰りたい!)

こんなところで、常に命の危険に晒されるなんてまっぴらゴメンだ。
そう思っていた矢先。
どこかで銃の連射音。それからほんの少し遅れて、何かが自分の背中に当たる。
当たった「何か」は、そのまま体を突き抜けていった。

「えっ…何…」

何が起こったのか。最初は分からなかった。
しかし、体に開いているいくつかの穴が、何が起こったかを物語っている。

573 ◆6LQfwU/9.M
「…うあああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!??」

あまりの痛みに悲鳴を上げ、その場を転げ回る。
傷口が、燃えるように痛い。
まるで、焼けた鉄棒でも突っ込まれているようだ。

「死にたくない!!死にたくないい!!」

さっきまで考えていた、何故こんな所に来たのか、とか帰りたいとかは何処かへ行ってしまった。
考える事は1つ。
――ただ、死にたくない。

(嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ!!)

殆ど発狂に近い状態で、何とか立ち上がって走り出す。
何もかも捨てて、走り出す。

「そうはいかない」

無防備な背後に、さらに銃撃を食らわせてくる。
ただでさえ痛いのに、さらに痛くなる。

「あぎゃあああああああああああああ!!」

再度地面に転がり、蹲る。
いくら逃げようとしても、体がもう動かない。
いくら生きようとしても、もう体も心も傷だらけだ。
そんなマウンテンバイクに、急速に死が近づいてくる。

「死にたくない!!殺さないでくれ!!」