姉「ここは創作発表板姉SS総合スレよ///」Part2
姉「もーすぐ一年経つわね。」
弟「そうだな…。」
姉「大変だったもんねー。」
弟「未だにあちこちに影響と言うか被害が残ってる、どころか被害が増え続けてるもんな…。」
姉「…?」
弟「?」
姉「…あ、そっか、弟はそっちの事を考えてたのね?」
弟「…あ、姉は俺達が………。」
姉「ちょっと、そこで言葉を濁すんぢゃないわよこのへそ抜け!!」
弟「だ!? えー…、お、俺達が初めて結ばれた、掻き捨てた旅の恥を回収してくれない程大量に不法投棄した草津への『新婚旅行』の事を考えてた訳だな!?」
姉「そこまではっきり言うのもドゥーなのよー!?」
弟「どっちにしろ怒られるこの理不尽!!」
姉「…だって、恥ずかしいんだもん…ばか。」
弟「今までの人生で最ッ高に萌えたぜ『 』ーーー!!!」ルパンダイブ!!!
姉「え、きゃ、にゃーーん!!?」キイロイヒメイ
姉「弟ー?」
弟「ん? 何ぞ?」
姉弟「………!!」ジーン!
姉「……ぷはぁ。あんだかものすごい新鮮。」
弟「ちょっともうある意味これで満足だよな。」
姉「今まではいっつも弟が」
弟「今までは必ず姉が」
姉弟「!?」
姉弟「……。」
姉「にゃーーーー!!」
弟「キシャーーー!!」
母「うるさいわよあんた達!! いい年して姉弟喧嘩なんてするんじゃないの!!」シタノカイカラドナラレル
姉弟「イエスマム!!」
姉「…ほら怒られた。」
弟「何故俺のせい!?」
姉「それ以外のあにが原因だと?」
弟「よし姉。ちょっと胸」
姉「に手を当てて揉んで吸って甘えたいの? もーしょーがないにゃー?」ファサッ
弟「………!!! ごめんなさい負けを認めるんで甘えさせてください。」
姉「ッッ!! え、ええ、構わなくてよ!? ってゆーかむしろウェルカム!!」
弟「ごめん、お姉ちゃん…。」ダキツイテクル
姉「あーもー今日はドゥーしちゃったのよコイツときたらー(はぁと)!!?」
姉「にゃー…。声が出せなかったのが残念だったけど。ここ最近では一番の仕上がりだったにゃー…。」ホッコリ
弟「…ごめん姉。いきなりで。」
姉「あに言ってんのよ。いきなりのプレゼントにもーお姉ちゃん大満足よ?」
弟「…そっか。それならいいんだけど。」
姉「…んで。弟。ちょっとそこに座りなさい。」
弟「…へ?」
姉「いーから座りなさい。」
弟「ぅはい!」セイザ
姉「それで、あにがあったの?」
弟「へ?」
姉「へ? ぢゃなくて。おとーとがそこまでヘコむとか。仕事?」
弟「…参ったな。そこまでお見通しか。」
姉「まぁね。いつもぶってもつねってもぜんっぜん堪えない弟が急に甘えてくるとか。それ位しかないでしょ?」
弟「…言ってる内容を不穏当に思えなくなったって結構重症だよな俺?」
姉「え、…かなり前からじゃない?」
弟「本気で心配そうな顔して覗き込んでくるな自分に自信が無くなるから!」
姉「あに言ってるのよ。あれだけ私の事を自由自在に高みに押し上げたり深みに溺れさせたりする癖に。」
弟「このちょっと黙れぇぇぇ!!」
姉「ちょ、待ったギブ!! 痛いいたいイ………!!?」コエガデナイ
姉「…こ、声が出なくなるとは思わなかったわ…。」
弟「いや流石に俺もびっくりしたわ。これからは気をつけよう。」
姉「先制攻撃しといてその言い草…。いいわ、謂れ無き攻撃には自衛する権利が発生するわよね…?」
弟「いやあの! …いや、俺は愛する姉の全てを受け止めて見せよう!」
姉「言ったわね? その科白を後悔させて差し上げる事をここに宣言しておくわ。」
弟「まあ、死ぬ時は姉の胸の中でって決めてるからある意味無問題!!」
姉「えーと。あにを私を残して逝ってしまう気満々だってーのよこのヴァカちん弟。」
弟「いやまあ俺の理想を語っただけであって姉を巻き込む気は更々無いぞ?」
姉「それ言ったら私だって最後はおとーとを中で受け止め」
弟「何を言ってるのか分からんが取り合えずお静かにぃぃぃ!」
姉「痛たたた! ちょ、さっきと同じ所は! 同じ所は!?」
姉「………。」グッタリ
弟「最近マッサージ付いてるな。姉のコリとかも大分減ったかな?」
姉「…減ってるからタチが悪いわ。」
弟「そりゃあな。これで改善されなかったら俺は只の加害者だ。」
姉「…効力があれば全てが許されるってモンでも無いんだからね…?」
弟「ま、まあ、それは要相談って事で。」
姉「…まあ、愛するお姉ちゃんが身を張って弟のストレス解消に付き合った訳だけど。」
弟「ちょ、何だそりゃ!?」
姉「最初は心の底から愛しあって。その後は弟の加虐心を満足させてあげて。これで残ってるのは食欲と睡眠欲くらいな物の筈よ?」
弟「………参ったな。そこまで考えてくれてたってのか?」
姉「うんにゃ。あんにも。」
弟「何故、何故其処で場を崩す!?」
姉「うっさいわね。あんだけ好き勝手させてあげたんだからちょっとはサンドバックになりなさい?」
弟「もーちょっと言葉を飾ってくれよ!」
姉「はい。それでは弟のサンドバック講座deathー。」
弟「ちょ待て最後絶対英語だっただろ!?」
姉「うん。そだよ?」
弟「隠さなかった! 隠そうともしなかった!?」
姉「うっさい。さっきも言ったけど。ヤられたら殺り返す。基本でしょ?」
弟「誰か! 誰か今の姉の発音を活字にしてくれ!!」
姉「こうだよ?」
弟「本人にやられたら逃げ場が無いだろ!?」
姉「そんなもんある訳無いぢゃない。ゲームでもあったでしょ? 『苦しむ暇など与えるか!』って決め台詞。」
弟「光景までハッキリ浮かんだ俺はもう、ダメだぁぁ!!」ズガーン!!
姉「ちょ、それはキッチリ5からカウントダウンしてからのポーズでしょう!?」
弟「誰だ俺の愛する大切な『 』をこんな風にしやがったのは!?」
姉「9分9厘目の前にいるすっとこどっこいですがあにか?」
弟「ちょ、それは幾らなんでも言いすぎだ! やり直しを要求する!!」
姉「うっさいにゃーもー。」
姉「…そろそろガス抜きは出来た?」
弟「…お蔭様で。」
姉「あったく。おねーちゃんの目を誤魔化そうったってそうはイカの」
弟 ザッ!
姉「ちょ、そんな見構えなくったって! …とまあ、反応も戻ってきたし。大丈夫かにゃ?」
弟「…ん。すまん。ってそんな一目見て判る程だったか?」
姉「あったく。誰が見たって一目瞭然状態よ。自分で分かんなかった?」
弟「…やれやれ。『 』の」読みが鋭いんじゃなくて的が大きかったって事か。」
姉「そしてその的に対する飽くなき探究心と日々の研究の積み重ね、磨き上げられた技の集大成ね!?」
弟「ちょっとしんみりしてたのにいきなし雰囲気がグダグダだよ!!」
姉「おとーとだったら元からグダグダだから大丈夫!」
弟「そこで落とすか! そこで落とすのかYO!?」
姉「あら、もっと持ち上げてからの方が良かった?」
弟「ハイそこ落とす事前提で話を進めない!!」
姉「なら次は持ち上げないでいきなり落とす事にするから。」
弟「神様! 俺以外が危険です!!」
姉(ふぅ。あったくもー世話が焼けるんだから。まぁこの後の展開を鑑みればそれはソレで!!」
弟「漏れてる! 不穏な科白が漏れてる!!」
あれから一年(現在は過ぎてますが)。
皆様の生活が少しでも穏やかになっておられますように…。
姉「丸一年後も大変だったわねぇ。」
弟「あー。何だか分からんがおっかさんが『丸一年なんだから何かが起きる!』ってずーっと言ってたからなぁ。」
姉「確率的ってゆーかそんな事ある訳無い…実際に無くて良かったけど。買い物に行くのも『早く帰って来なさい!』って言われてたもんねー。」
弟「流石に丸一年以上経ったんだから、もう余震とかは無いと思いたいんだがな。」
姉「あんまし余計な心配して心労が重なるのも困っちゃうしね。」
弟「だからと言って無防備ってのもダメだしな。」
姉「難しい問題よね…。」
弟「『備えあれば憂い無し』で行くしかないって事だよな。」
姉弟「「はぁ…。」」タメイキ
736 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/24(日) 20:06:26.91 ID:tOukI18b
過疎の極み
737 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 00:30:34.46 ID:yNmjjJB9
確かに過疎ですね。
だからってわけでもないですが、賑やかしとして姉SSを投下させてもらおうかと
思います。賑やかしと言っても結構な長編になりそうなのですがw
台詞系ではなく地の文の入った形式なんで、読むのだるいよって方もいるかもしれませんが、
そんな時は軽くスルーしていただければ幸いです。
それでは投下します。
西暦2029年、5月12日。
この7つの数字の羅列は、日本国に小さな革命が起こった日として、未来永劫語り継がれていくこととなるだろう。
それが本当の意味での革命と認められるのか、それとも国の歴史上最も恥ずべき汚点として嘲られるか。冷静に公正な審判
を下すことは、今の社会では不可能なのだろう。その是非は、きっとこの先幾年もの歴史の積み重ねによってしか、正当に
判断できる者はいないのかもしれない。
誰が何を言おうと、歯がみしようと、地団太を踏もうと、この時もう、歴史は動いてしまった。
賽は投げられ、歯車は動き出した。投げられた賽に引っ込みはつかないし、動き出した歯車は簡単には止まらない。
西暦2029年、5月12日。
民法改正。
民法第734条改正。
改悪との反対の声が多数上がる中での、改正決定。
改正前の734条条文は、以下の通りだ。
《1.直系血族又は三親等内の傍系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、養子と養方の傍系血族との間では、
この限りでない。
2.第817条の9の規定により親族関係が終了した後も、前項と同様とする。》引用終。
これがこの日の法改正可決により、第1項が次のように改正された。
《1.直系血族の間では、婚姻をすることができない。ただし、三親等内の傍系血族の間においては婚姻を認める。》
いつになっても法律の条文が難解なものだというのには少しの進歩もなく、一般人たる我々には理解しがたい文言が並ぶもの
だ。僭越ながら軽く説明を加えようと思う。
傍系血族というのは、間をはしょって説明するならば兄弟姉妹・甥姪いとこなどを指している。それを踏まえて、もう一度
条文を読んでみてほしい。
おわかりだろうか。そう、そういうことなのである。
この734条改正により、今後日本国では血のつながった実の兄弟姉妹の結婚が認められるようになったのだ。兄と妹のカッ
プルが婚姻届を持って役所に行けば、滞りなく受理される。それがインモラルでも汚れたことでもなんでもない。日本国はそう
いう国になるという決断をしたのだ。インセストタブーという、高くぶ厚く、そして誰もが破ろうとさえしてこなかった壁を突
き破って。
ベルリンの壁よりも難易度の高い、まさに鉄壁と呼ぶべきその強固な壁を破る先頭に立ったのは、日本国で初めて生まれた
女性総理大臣だった。初の女性総理ゆえか、あるいはその若さゆえか、国民の支持厚く。それでいてただ人気があるだけでは
なく、政治家として一国の長として、確かな業績を残してもいた。そんな彼女が自分の最後の仕事として選んだもの。名誉も
評価も人心も捨てる覚悟で成し遂げようとしたもの。
その思いは確かに実り、この日こうして実を結んだのだった。
彼女には弟がいる。それがどういう意味を持っているのかについて、あえて語ったり詮索したりする気はない。これから
語られるのはあくまでも彼女とは関係のない、ある姉弟の話。この小革命を目の当たりにした、ごく平凡な姉弟の物語だ。
今回の投下はこれだけです。
あまり間を空けず投下したいと思いますので、どうぞ
よろしくお願いします。
740 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/26(火) 19:36:22.86 ID:mGg+FxGS
続きに興味が沸いた
wktk
742 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/29(金) 18:01:44.58 ID:wbKeHVae
暦が10月にもなると、お日様が沈むのもすっかり早くなるものだ。少し前まで明るいはずだったこの時間も、今はもう薄暗く、
見慣れた帰り道も濃い紫色に染まろうとしている。……とかたいへんに趣深い、秋の寂寥感を感じさせる情景描写を柄にもなく
語るところから入ってみたのは、今自分が置かれているこの状況から少しでも目を逸らし、背を向けたいという俺なりのささや
かな抵抗なのかもしれない。
どうやら、俺は今追われている。「どうやら」なんて曖昧な感じにしてあるのは、追ってくる相手が正体不明、まるで得体
の知れない何かだから。正直人間なのかどうかもわからない。言うなら……影だ。影が夕闇にまぎれて追っかけてくる、そんな
感覚を背に俺は一生懸命に逃げている……予防線を張っとくが、決して頭が残念だったり、お花畑だったり電波だったりはしないぞ。
本当に得体の知れない何か、としか言いようがないのだから仕方ない。今日少し遅めに高校の校門を出たその瞬間から、何か
奇妙な気配を感じてはいた。どこかからじっと見られているような感じ、でもどこなのかわからない。少しきょろきょろして
みても、特に周りにそんな怪しい気配はない。俺も年頃の男子だし、自分が思ってる以上に自意識過剰になってでもいるのかな。
そう割り切って深く追及はせず家路につくことにした、んだが……
やっぱり何か変だ。すぐにまたそう思った。さっきも言った通り俺は決して残念頭ではないし、電波受信も発信もできない。
この世に幽霊がいるかどうかはともかく、その存在をピキューンと知覚したりしたことだってない。でもこんな奇妙で今までに
感じたことのないような落ち着かなさは、やっぱり「今まで出会ったこともない」ものだからこそ覚える感覚なのかもしれない。
そんなこんなで、俺は早足から今やジョギングぐらいのスピードで、まるで人気のない帰り道を一人急いでいるわけだった。
どれだけ逃げてみても、奇妙な感覚は消えない。やっぱり俺をぴったり尾行してるとしか思えない。じゃあこれは一体なんな
のか。俺の頭で考えられる可能性は3つ。
可能性その@:あくまで気のせい。一番ありがたいと言えばそうだけどこの場合、俺は実はものすごい被害妄想癖のある人間
だということになる。そして何より厨二臭い。「虚世より出でし黒の狩人が俺を追ってきている……」みたいな。おおうこれは痛い……
可能性そのA:相手は変態。変質者。露出狂。レイプ魔。これはこれでもちろん怖いし許すまじだが、何が一番怖いかってそ
れはもちろん俺が男だってことだ。男相手に痴漢を働く変質者、男相手に己の逸物を開陳する露出狂、ノンケでもお構いなしで
いただいてしまうレイプ魔。確かに出会ったこともないド外道達……うん、もう少し速く走ろう! 俺の貞操がマッハで危ない!
可能性そのB:ほんとに幽霊。うん、ないな。ないないこれはない。そもそもあえてさっきも言ったくらい、俺は霊感なんて
便利なものを持ち合わせてない。幽霊がこの世にいるかいないかは、別にいてもおかしくないんじゃねくらいには思ってるも
のの、いかんせん俺はその存在を認識できないと思うのだ。たぶんこんなぞわぞわした気持ちにならない気がする。
そして結局わからんという結論になる。だからこそ怖いし、だからこそ結構必死で逃げている。余裕で語ってるフリこそして
るけど、実は俺結構ギリギリなんだよ? 今や200メートル走走ってるくらいのパワー出しちゃってるくらいだからね?
日ごろ体育の授業以外で運動してないせいか、体は結構ヤバい。この先の角を曲がったら、いったん休憩したほうがいいかな……
「んっくっ……! はぁぁっ、はぁぁっ」
堪える。これはきつい。つーか、止まんないほうがよかったかも……。なんか関節にも、ふぅっ、肺にも、立ち止まった瞬間
にむしろ、はふっ、負担が増したような……えほっえほっ。
しばらく俺はそこで、両ひざに両手を乗っけた中腰のまま動けなくなった。校門を出てずっと疾走してきたわけだから、体力
不足の自分の限界なんて完全に超えてた。そりゃ息絶え絶えにもなるって話だ。
そうして気がついてみれば、あれだけしつこかった例の追手の気配もしなくなっていた。背中に突き刺さるようだったあの
気配は、この時確かに消えていた。死に物狂いの逃走の甲斐あって、無事に撒けたんだ。ああ、俺は報われた。そう安心した時。
「ね〜え、君」
瞬間、全身の毛という毛が逆立った。その声は俺の背中からじゃなく、前方から聞こえてきた。回り込んだ? いや、そんな
ことはできないはず。ここは一本道で、わき道なんてない。俺を追いぬかずに前から現れるなんてことは……幽霊でもない限り。
「ね〜え、君。聞こえてない? こっち、見てほしいな♪」
再びの声。若い女の声だ。なぜかハミングしてる女の声だ。よかったな俺、少なくとも可能性@とAは消えることになるぞ……
なんて、あはは、こんな時にこんなどうでもいいこと考えるなんて、俺意外に度胸あったんだな。その割には全然顔上げれてな
いんだけどよ……
「お〜い。あれ〜やっぱ聞こえてないっぽい? どう思う? マイ弟」
「え? 何何? もう少し様子を見よう? えへ、そうね。せっかちはダメよね。お姉ちゃん反省しました。てへぺろ♪」
……やばいやばいやばい。これは思ってたのとは少し違う方向でやばい。可能性C:残念脳。電波脳。お花畑脳。を考慮
に入れてなかったわ。完全に一人で脳内の仮想マイ弟と喋っちゃってるよ。
必死に逃げた俺がアホのようだ。これは俺の敵じゃない。こんなのになぜ目を付けられ、話しかけられてしまったのかは
多少気になるが、そこ気にしたらたぶん負けだ。もう逃げない。怖くないし。そう思って、意気揚々と顔を上げてみた。
間もなく、激しい後悔の念に襲われた。
「あ、やっとこっち見てくれた♪ やあ少年、はじめまして」
どうして俺は可能性Cを見出した時、無条件に可能性Bを排除してしまったんだろう。これが女な以上@とAとCは決して
相容れない(厳密にはAはなくもない。でもリアル痴女とか……都市伝説だろう)のは確かでも、BとCは並立するじゃないか。
まったくもう、俺は本当にあさはかな高2だよ。あはは、ほんと我ながら呆れるぜHAHAHA……こればっちり、ばっちり……
「お化けぇぇぇぇぇっ! お化け出たあぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁ!」
それだけ叫んだあとの事は、俺はまるで覚えてない。気がついたら懐かしい我が家の前で、さっきと同じ姿勢でぜいぜい
息吐いてた。アレがまだ追ってくる気配は今度こそなかった。だから俺は、あれはもう何か性質の悪いマボロシでも見たんだ
ろうってことで、さっさと忘れることにした。
「たっだいまあ」
できる限りいつもどおりに我が家のドアを開ける。帰り道すがらの恐ろしくも恥ずかしい逃避行なんて誰にも語りたくは
ねえ。特に、
「あら、お帰り啓ちゃん。今日は遅かったのね。どっかで遊んでた?」
この人には絶対にだ。と、名前を呼ばれて今頃気付いたけど、自己紹介してないな。まあ特に興味ないだろうけど、せっか
くだし。
俺、月島啓祐(つきしまけいすけ)。近くの高校に通う高2。それでこの人は――
「あれ? なんか啓ちゃん汗びっしょりね? 今日暑かったっけ」
「あ、ああ。ちょっと運動しよっかなと思って。走って帰ってきた」
嘘はついてないよね。
「あら、そうなんだ。ほんと啓ちゃんはいつも元気で子どもみたいよね。ほら、汗拭いてあげる」
「い、いいって! 汗ぐらいほっときゃ渇くし! それよりお腹空いたな」
「あ、お姉ちゃんの好意をむげにする。ふん。風邪ひいたって知らないんだから」
そう言って、ツンと拗ねたように唇を尖らせているこの人。自分で名乗ったが、この人は俺のお姉ちゃん。月島佳澄(つきしまかすみ)。
割と近くの大学に通う2回生。
世間一般に言って、姉と弟の関係っていうのがどういうもんなのかは、俺にはよくわからない。ただ少なくともうちの場合、
姉は弟に過干渉気味な気はしている。この年にもなって、弟の汗を拭いてやろうという気概のある姉ってのはそうそういない
だろうと思う。冗談で言うくらいならあるかもしれないが、お姉ちゃんは違う。俺がやんわりとでもお断りしない限り、真面目
な顔してタオル持って戻ってくるだろう。というか実際こないだ来た。
でもまあ、それくらいならちょっと仲が良すぎるだけの普通の姉弟だろう。きっといずれお互いに姉離れ弟離れして、そこ
そこドライな関係に落ち着くはずだ。
そこのところ、うちの場合はそうもいかない事情がある。それはいっそ秘密にしたほうがいい、そして実際誰にも打ち明けた
ことのない、一種の禁忌とさえ呼ぶべきもの。それはそう――
「まあいいわ。風邪ひいたらお姉ちゃんがつきっきりで看病してあげるだけだし。ご飯今作ってるから、もうちょっと待っててね」
お姉ちゃんの耳に優しい落ち着いた声で、思考中断。にっこりと見とれるような微笑を俺にくれてから、ぱたぱたとキッチン
へと消えていく。つかなんかまた過保護なこと言ってたな。いやまあ、嬉しい、けどさ。
しかしまあ、逃亡劇で汗だくなのも事実、同時に腹ペコなのもまた事実。お姉ちゃんに言われた通りにしっかり汗をふきふき
しつつ、腹の虫がぐごごと鳴るのを聞き届けて、お姉ちゃんがいるリビングへと足を向けた。
月島家では、料理番はお姉ちゃんが担当している。
母さんはだいたい家にいないし……予防線張っとくけど、なんか複雑な家庭の事情があったりなんて全然ないからな? 仕事
の都合で海外に行くことが多いんだうちの母さん。
父さんは最近残業が多くて、帰ってきたらもうくたくたのへろへろ。子どもたちを愛してないわけじゃないと思うが、ご飯を
作ってくれる余裕なんてなさそう。さすがにへろへろの父さんにご飯作ってくれなんて言えないし。
そこでお姉ちゃんの出番。大学に入ってからずっと、朝飯晩飯を作ってくれる。最初はさすがに不慣れだったみたいだけど、
最近はすっかり板についている。今だってそう、鼻歌歌いながらフライパン捌いてる。料理してるお姉ちゃんの後ろ姿を見る
のが、俺の密かな楽しみだったり。軽く邪魔してみるのも楽しみだったり。でも最近してないな邪魔。よし、久々やってやるか
邪魔。のこのこと近寄って……
「お姉ちゃん、ご飯まだ?」
「あら弟くん。ごめんもうちょっと待って。あ、ちゃんと汗拭いたんだ? 偉い偉い」
「うわっ! な、なで、なでるな!」
「あ、照れちゃって。もー可愛いヤツめ。うりうり」
……邪魔しにきたつもりが。なでなでされてほっぺうりうりされて手なずけられてしまった……さすがはお姉ちゃん。
「せっかくだし、お味噌汁味見してよ。はい」
「いや、どうせもうすぐ食うでしょ?」
「もうちょっと塩っけがほしいとかあるかもしれないでしょ。ほら。飲みなさい」
「強制かよ。じゃ、ま……いただきます」
小さな味見用の皿を渡される時、お姉ちゃんの指が少しふれた。すべすべとした綺麗な指。味噌汁よりそっちの方が気になる。
でも腹減ってるから味噌汁ももちろん気になる。味見だけど、いただきます! ごくっ。終わった。
「うん、塩っけ絶妙。文句ないですお姉ちゃん」
「ほんと? へへ、ま当然よね。お姉ちゃんだし」
偉そうに言って、少し得意げな顔になるお姉ちゃん。合わせてぐっと胸を張る。ただでさえ大きい、男子の煩悩にパイルバ
ンカーを打ち込むようなそのご立派な胸がさらに強調されて、俺はたまらず視線を降ろした。すると今度はほっそいお腹。お姉
ちゃんは料理中しっかりとエプロンをする素晴らしい女性なんだけど、そのエプロンの紐を随分きつく締めるから、今ますます
細さがくっきりと見てとれる。またそんな状態だからその上の膨らみがますますいけないことになっていることにも今気付いて
しまったし。ああもうこの際だ。さらに視線を下へ。はい美尻。以上。とりあえず、お姉ちゃんがかなりのわがままボディの持
ち主だということは伝わったかな。
「啓ちゃん? どうしたのよ? いきなりお姉ちゃんの体をくまなく眺めたりして」
「な!? してないし! 今日はあんまり見ないエプロンしてるなって思っただけだし!」
したけどね。危ない危ない。ちなみにこの言い訳、後半は事実だ。たまたま珍しいエプロン着ててくれて助かった。
「おお! 啓ちゃんが気づいてくれた! 普段新しい服着ててもスルーのくせに」
「いやこれはさすがに気づくよ。色全然違うもん」
「ふーんじゃあ普段はなんで気づかないんだろうねー。あ、そろそろ仕上げしちゃうから、座って待ってていいわよ啓ちゃん」
悪戯っぽく(決して嫌みっぽくではない)言ってから、またにっこりと見とれるような笑顔をくれて、お姉ちゃんはフライパ
ンを捌き始めた。さすがにもう大人しく待っておこう。
正確に言えば「見とれるような」はおかしい。俺は実際、何度もお姉ちゃんの笑顔に見とれた経験ありだし。
綺麗だ。お姉ちゃんの笑顔はとても、本当に綺麗だ。しかもかわいい。綺麗なのにかわいい。これはもはやちょっとズルいだ
ろう。「かわいい」女性はいくらでもいる。「綺麗」な女性もままいる。でもお姉ちゃんはその複合体なわけだ。ズルい存在だ。
そんなズルい人の後ろ姿を見るのが好きだ。フライパンを捌くたびにふわりふわりと揺れる栗色の長い髪。傷みなんてまるで
無縁のさらさら艶々天使の輪っかヘア。つい最近事故って触ってしまったけど、なんか、あれ……そう、絹みたいだった。
部屋着から覗く肌。白い。練乳みたいだ。子どもの頃は結構日焼けしてた気がするけど、今は本当に白くて、それでいて染み
なんてかけらもない。毎日しっかりケアとかしてんだろうな……
「啓ちゃーん? なんか背中に尋常じゃない視線を感じるんだけどー」
「自意識過剰」
「何それー。啓ちゃん可愛くない」
かわいくブー垂れて、唇をツンと尖らせる。これはお姉ちゃんの癖。本気半分冗談半分のお怒りの意思表示。かわいいな。
ごめんお姉ちゃん。ほんとはずっと見てたよ。大好きなお姉ちゃんの後ろ姿を。って白状してみたって、お姉ちゃんはまた、
おバカな弟がくだらないこと言ってるなって思うだけかもしれないけど。
勘のいい人なら、いやそうじゃなくてもここまできたらわかるだろうけど。秘密にしたほうがいいだの、禁忌だのってもった
いぶってみたけど。こんなに長々と俺のお姉ちゃんの魅力を主観丸出しで語ってしまったらな。
そうなんだ。そういうわけなんだ。気持ち悪いって声が矢のように飛んできそうだけど、事実そうなんだ。
俺……好きなんだよね。その、お姉ちゃんのことが。シスコンとかそういうんでもなくて、もっとこう、本質的? な感じで。
本当に、お姉ちゃんが好きなんだ。これが俺たち姉弟、というか俺が抱える秘密で、禁忌だ。あ、気持ち悪いって言わないで
ほしい。そんなことはわかってる。自覚してる。でもそれでもやっぱり、好きなんだ。
今回は以上です。
本当に結構長くなりそうな気がします。
乙ん
ニヤニヤ
姉「…へ?」
弟「おぁ?」
姉「…あ、すごいよ、何ヶ月か振りに私たち以外の人が書いてくれてる!!」
弟「おお、素薔薇しい!! 規制もあったし忙しくもあったけど、あんまり俺達しかいないからちょっと貼れなかったんだよなぁ。」
姉「まあ『そんな事気にしないでちょっとでもレス増やせよ!』って話もあるんだけどね。」
弟「それを言っちゃあ。」
姉「でも貼っても誰も何も言ってくれなかったってのもちょっと悲しかったわよね。」
弟「んで、今書いて下さってる方にはレスがついた、と。」
姉「…筆者の実力不足を痛感するわね。」
弟「血の涙が出そうな事言わないでくれ…。」
久方振りに書いて下さっている方がいて良かったと言うか安心したと言うか。
続きを楽しみにさせて頂きます!
751 :
創る名無しに見る名無し:2012/07/01(日) 22:10:45.98 ID:QYAI+jyG
* + 巛 ヽ
〒 ! + 。 + 。 * 。
+ 。 | |
* + / / イヤッッホォォォオオォオウ!
∧_∧ / /
(´∀` / / + 。 + 。 * 。
,- f
/ ュヘ | * + 。 + 。 +
〈_} ) |
/ ! + 。 + + *
./ ,ヘ |
ガタン ||| j / | | |||
――――――――――――
姉「…え!? ちょっと、」
弟「………姉絵師様キターーーー!!?」
姉「え、しかもSS書いてるのまでそうなの!?」
弟「何だこの多重コンボ!? ちょっと待て誰だ『天は二物を与えず』とか言ったのは!?」
姉「いやちょっと反応して頂いただけでも嬉しいのに姉絵師様からとか!!」
弟「誰も想像できないだろこの展開!」
姉「こうしちゃいられない、今途中の奴大急ぎで書き足して貼る!!」
弟「うわ、ちょ、俺頑張る!!」
本気でびっくりしました!
姉絵師様お久し振りですってゆーかまたこのスレでお会いできるとは…!!
姉「さあ大急ぎYo!!」
弟「姉絵師様が見てる!! 震えるぞハートってなモンだ!!」
姉「あんだかもーこんな感じ久し振り! 燃え尽きるほどヒートね!」
弟「缶が爆発しても構わん、回せー!!」
姉「もーお風呂入ろうとか思ってたけどそれ所じゃ無いわね!!」
弟「取りあえず貼ってから考える!」
姉「もしくはさるさんなってから!!」
弟「…マジでそれもあるな…。」
姉「これはいつ頃だっけ?」
弟「まだ寒い頃だったよーな。」
姉「桜は咲いて無かったわよね?」
弟「だな。」
姉「そー言えばお花見ってしたっけ?」
弟「したよーなしなかったよーな…。」
姉「ぢゃあ次の話はそれね!?」
弟「!?」
姉「むう、まだ帰ってこない…。もう普通なら帰ってきてるのに…。」
姉「あったく…。マイ・ディア・お姉様を待たせるとは言わばナイス度胸!」
姉「帰ってきたらあーんな事やこぉぉぉんな事をして、もう、こねくり回すかの様にじっくりたっぷり嬲り倒!?」キュピーン!
弟「ただいまー。」
姉「!」
弟「あー、もうこんな時間か。やっぱし先に」
姉「おっかえりなさぁいぃーーーー!!!」ジャンプ!
弟「ちょ、だはぁ!?」
いつもの様に大好きな弟が帰ってきた瞬間に飛びつく。こう見えてマッシヴな弟はそんな私を平気な顔して抱き止めてくれて「ちょ、危ねぇって姉!?」とか言いながら抱き返してく
「ぐっ!」
…え?
「…いてて、っと、大丈夫か姉? どっかぶつけたりしてないか?」
まず私を気遣ってくれる。いつでも自分より私を優先してくれる弟に感謝と溢れんばかりの愛を込めつつ。
「…え、あ、ごめんなさい、大丈夫!?」
私が飛びついたのを支えきれず背中というか肩からドアにぶつかった弟。それでも自分より私を守る為に体を捌いてくれていた。その事に心の底からダクダク溢れる愛情と、
「ああ、無問題。姉は?」
「…私の事とかどうでもいいから! ちょ、怪我してるの!?」
「あ、ああ、ちょっとな? ってどうした姉!?」
弟を傷つけてしまった事への後悔が堰を切ったように押し寄せてきた。
「うわ、ちょ姉!? えぇぇ!? って!」
「うにゃあ!?」
涙が滲み始めた姉をお姫様抱っこして階段を駆け上がる。ちょっと待てナニがドゥーしてこうなった!?
急ぎ部屋に駆け込みドアを閉め一息。思い出したかのように痛み始めた足を気にしないようにして声を掛ける。
「あー、姉? どぎゃんしたつね?」
「………ん!! とりあえず弟が心配するから泣かない!!」
「ぅおぁ!?」
いきなり気合炸裂。俺に抱き抱えられたまま一瞬ぎゅっと両眼を閉じすぐに眼を開く。そこには本人が言ったとおり涙は無い。
「…もー何がなんだか。」
姉を下ろそうとしたら、
「この状況でその発言はドゥーなのよコイツときたらー!?」
「だはッ!? いきなり流れ弾のご褒美キタッ!!?」
「…んで!!」
「おぅ!? 何かテンションの上下が激しいぞ姉!?」
「あったし前ぢゃない!? 弟が、『わたしの大事な愛するおとーと』が怪我してるのよ!? 一体あにがあったのか根掘り葉掘り詳しく!!」
「分かった、分かったから落ち着けぇ!?」
「えーとだな。まあぶっちゃけ今日の作業中に足の上にモノ落とした。」
「…あにを?」
「あー、百聞は一見に如かず、ってか。…こんな感じ。」
細かく説明しても分からんかも知れんから左右の靴下を脱いで見せる。
「…え? あれ? ……え!!?」
最初は気付かなかった様だが、よく見てみたら分かったらしい。
「まあ、そんな感じ。直接出血はしてないし。…まあ、まだ内出血が続いてるっぽいから明日には真っ青になると思うが。」
「ちょっと、そっちの足と…この時点で全然違うぢゃないの! ああ、こんなに腫れちゃって…!!」
「ってちょっと触ったらアカン! だから痛い痛いって!!」
「あーもーこんなになっちゃって可哀相に…!」
「だから触ったら痛えんだYo!」
だから押すな揉むな抓ろうとするなぁぁ!!
「え、あ、ごめん! ぢゃあ、ん…。」
「いや待て何で舌を出して顔を近づける!?」
「え、でも、こうでもしないと触れられないんでしょ?」
何故そこまでして触ろうとするんだYo!?
「俺はどっかの尊い御方じゃないから! せめて風呂で足洗ってから! らめぇ!?」
弟「だー…。ちょ、マジで疲れたんですが…。」
姉「あったく。弟が素直になれば早かったのに。」
弟「もう面倒だから無視して続ける。まず姉!」
姉「にゃ!? あに!?」
弟「いきなり靴下脱いだばっかりの足を舐めようとするなぁ!!」
姉「えーー!!?」
弟「いやちょっと待て。その反応はマジでドン引きするぞ?」
姉「あんでよ!?」
弟「常識が通用しない…だと…!?」
姉「弟の常識世間の非常識!!」ドヤッ!
弟「ドヤ顔で何故か俺の方が否定された!?」
姉「だって。弟の足を舐めちゃ駄目だとか。…ねぇ?」
弟「いやだからそこで不思議そうに小首を傾げるな余りの可愛らしさに押し倒しそうになったから!!」
姉「あら。いいのよ? 私は『 』になら何時何処で」
弟「誰の挑戦でも、とか言ったら分かってるな?」
姉「…あにょね。流石におねーちゃんはネタでもそんな事は。」
姉(あ、危なかった…。ヘルメットが無かったら即死だった…ッ!)
弟「とか考えてんじゃないだろーなー?」
姉「にゃ!? にゃんの事でしゅかー!?」
弟「…まあいい。」
姉「そこで空気読んで止めてくれる弟が好きです大好きです愛してますー!!」
弟「ちょわぁッ!?」
姉「…ふぅ。そー言えばおかえりのキスがまだだったもんね。ごちそーさまでしたー。」ホッコリ
弟「…だは。もー何がナンだか…?」
姉「ご不満?」
弟「話の全てがなし崩しになったと言う点においては。」
姉「諦めなさい。」
弟「一切の前向きな努力も行動も検討すら行なわれずに即答!? しかも命令形!!」
姉「もー。聞き分けの無い子ねー。」
弟「俺か!? 俺が悪いのか!?」
姉「ぢゃあ私が悪いとでも?」
弟「誰か、誰か今の会話を録音していた方はおられませんか!?」
姉「してるよ?」
弟「ネタで言ったのに目の前に居たァ!! ってゆーか何で姉が!?」
姉「愛する弟との会話は大体録音しておりますがあにか?」
弟「ちょ、マジで!? 一体何の為に!?」
姉「弟の格好いい科白や甘えてきた所を編集して一人悦に入ってニヨニヨする為に決まってるでしょーが。そんな事も分からないの?」
弟「いやそんな事をさも当然の如く吐露されても!!」
姉「愛するおとーとを持つ姉としては最低限の嗜みにして至高の喜びであり日々の習慣ですが。」
弟「俺か? 俺の常識の方がおかしいのか!?」
姉「あに言ってんのよ。ちゃんと常識くらいありますー。」
弟「どの口がそんな事を言うのか! これか、この俺好みの可愛くてプルプルしてるこの唇か!?」
姉「ちょ、さり気に惚気を混ぜるんぢゃないわよコイツときたらー!!」
弟「自分で言っといてアレだが何処がさり気にだったんだろうか…。」
姉「私が言ったならそう云う事になるのー! 特に二人だけの時は絶対に!!」
弟「駄目だこの姉、早く何とかしないと…。」
姉「その言葉そっくりそのまま返すってゆーかあによその言い草は! どうしよーってゆーのよ!?」
弟「そりゃあ…こんな危険人物は野に放つ訳には行かないから」
姉「どの口が!? どの口がそんな科白を!?」
弟「でぇい、俺の科白をパクるな!」
姉「弟の全ては姉のものよ? この宇宙の真理に対して今更あにを言ってるのよ。」
弟「ガン無視してやる。…野に放つ訳には行かないから」
姉「あ、そこに戻るんだ。」
弟「無視するって言ってるだろぉ!?(デイトナ逆走風に。)…俺が責任を持って一生監視するしかないなー、と。」
姉「!!?」
弟「あ、監視・管理・運営するとは云え勿論ある程度の自由は保障されるが基本的に」
姉「私はあなたの、『 』のものです。」
弟「!」
姉「ええ、私の、『 』の全ては愛する『 』のものです…。」
弟「…あ、姉」
姉「まあ、逆も又真也、って事でおとーとは私のモノだからー!!」
弟「ちょ、てめ、マジで驚愕してほんのりジーンとしたのに一瞬で滅殺しやがったYo!!」
姉「え、にゃ、おそわれるってゆーか本気で襲われるー!!?」
弟「今日のマッサージその一から三だ本気で行くから覚悟しろよ!?」
姉「にゃーー!!? 痛いいたいイタイ痛にゃははははは!!?」
「…ふぅ。俺の全身全霊の力と『 』への溢れる愛を込めたからな。効いたろ?」
握力だけでなく腕全体がくまなくパンパンになっている。これ絶対明日の仕事に影響出るよな。どうしよ?
「………に、人間、本当に痛いと笑いが出るってマジネタだったのね…?」グッタリ
「でも、これで相当楽になった筈だそ?」
「…それについては疑ってないし、今の時点ですんごい楽になったのも分かる…。」
「そうか、良かった。」
コレで効果無いとか言ったらマジでナニされるか…精神衛生の為に思考停止しとこう。
「きょ、今日の所はこれで勘弁してあげるけど、この借りはずぇったいに返すかんね…?」
思考停止思考停止! 君子危うきに近寄らず!!
「とりあえず、弟…?」
「ヴぁいっ!?」
「足。足出して…。」
「とりあえず明日の仕事に支障が出る様なお仕置きは勘弁して頂きたく!」
「しないってそんな事。そんな程度で済ませる訳が無いぢゃない…?」
やヴぁい、眼がマジだ。いやあの『眼は笑ってるけど瞳が笑ってない』姉がマジでキてる時のあの笑みだ!!
…まあ仕方ない。自業自得と言えばそうだし、覚悟決めた。足も洗ってきてあるし、流石に折られはしないだろ?
(ってまあ俺の愛する大好きなお姉ちゃんがそこまでするとは思えないし思いたくないが。まあどんな事されたとしても俺の『 』への愛は絶対に揺るがないしな!!」
「後半漏れてる。」
「だは!? …失礼。まあそれはさておき。どうぞ。」
目の前に崩した正座で座っている姉に足を差し出す。ってこの場合こんな表現でいいのか?
「覚悟はいい?」
「ああ。姉の望む様にしてくれ。」
とりあえず、大声は出さない。その事を頭に置いて姉がナニをするのかに注目する。
……さるってるのかな?
ちょっと前から気にはしてたけど、そろそろ容量限界だよね
次スレ立てやってみるね
姉「はい、ここでさるげっちゅー!!」
弟「まあ予想通りだが引っ掛かったな。」
姉「もっとひとスレの文章を長くした方がいいのかなー?」
弟「でも俺が初めてこのスレ見た時こんな感じじゃなかったっけ?」
姉「あと9か10レス文位あるのね。」
弟「次引っ掛かったら書き方変えよう…。」
容量限界で途中落ちなんてあるんですか…。
知らなかった…。
…あったく。この私が愛する『 』を傷つける様な事をすると思ってんぢゃないでしょーね、コイツときたら?
前に勢いで鞄で殴って頭から流血させちゃった時、その場ではあんとか誤魔化した(誤魔化せた事になってるのよ私の中では!)けど、弟と別々に寝た後一人でお布団の中でマジ泣きしちゃったんだからね?
貴方を、『 』を傷つけたって事は私にとってそれ位大きいんだから!
そんなのにもし私が「足の指でも折るんじゃないか?」とかビクついてたりしたら………って、してないわね。それは流石に私を信じてくれてるのかな?
まあいきなし足の指を折ったり折られたりする姉弟ってのも常識外だと思うけど!
あにがタチが悪いって確かにやろうと思えばできるって所よねーお互いに。まあ死んでも愛する弟に乱暴………って、前にちょっと漢字二文字(性的とか)がつくのはアリ? OKだったりする?
「!?」
ちょ、待て、今いきなりトンでもない悪寒が体を突っ走ったんだが!?
姉、他人様には言えない様な事を考えてるんじゃないだろうな!?
「!?」
いきなし弟が大きく身震いをした。まるでトンでもない悪寒が体を突っ走ったかの様に。
…流石は私のおとーと、私が考えてる事には敏感って事?
まあそれは冗談としても、でも、ホントにそんな事があったらいいのにゃー。そしたらアレの時とかナニの時だったりとか…。
「…じゅるる。」
「いやちょっと待てなんでいきなり涎でも垂らしそうな!?」
「失礼ね、垂らしそうな、じゃなくて垂らしてんのよ!」
「訳が分からねー以前に人としておかしいから落ち着け姉!!」
「大丈夫。私は冷静よ?」
「冷静に、穏やかに、ごく自然に狂ってやがる…。」
「ちょ、あによその三段活用は!?」
弟の足は今、私の手の中にあるんだからね!?
「だは! ちょ、ごめんなさい姉ひねるな捻じるな地味にイタイいたい痛い!」
「っあーら、ごめんあそばせェー?」
「ちょそんなブルジョアマダムみたいな言い方すんな姉はいつもの方が似合ってるからイテテテテテぇぇぇぇ!!?」
変な事言うんぢゃないわよコイツときたらー!? 思わず思いっきり捻じっちゃったじゃないの!
割込みごめんね。
次スレ立てたから、容量超えそうなら次スレに投下できるよ。
ちなみに500KBで容量限界
弟「ちょマジで待てこれ以上ダメージ受けたらマジで明日歩けなくなるから!」
姉「そしたら私が一日中マンツーマンで看病してあげるわYo!」
弟「仕事どうすんだ仕事!?」
姉「さぁ?」
弟「テメこのちょっと頭キたぞこのヴぁかちんが!」
姉「にゃ、これって正面上のベストポジションからの右手首に左手まで添えた正統派アイアンクローの痛いいたいイタイーーー!!!?」
弟「足が使えない分上半身の力は有り余ってます!!」
姉「ぅにゃーーー!!? ちょ、ごめんなさいぃぃーーー!!?」
弟「お前にはいつもクローを掛けるねぇ!!」
姉「それは言わない約束ってだから割れる潰れるクシャッと逝っちゃうーーー!!?」
姉「………い、い、今までで一番あたまがぢんぢんするぅ……。」
弟「あー…。流石にちょっとやりすぎたか?」
姉「ちょっと所ぢゃ済まないわYOーーー!!! …って、まだ眩暈が…。」
弟「ちょ、急に大声出すから!」
姉「誰のせいだと…!!」アタマヲオサエル
弟「だから悪かったって。お詫びといってはアレだが。」ダキアゲナガラ
姉「?」
弟「今度、二人の休みが重なった時にデートしようぜ? 勿論俺の奢りで。」
姉「!!?」
弟「あ、無理に声出さなくていいから顔見れば分かる。って何故我が愛する姫姉様は意外そうにポカンと口を開いてお出でですか?」
姉「…お、弟にそんな甲斐性があるとは思わなかったから。」
弟「正直に答えやがったよこのお方!?」
姉「…わー、あんだろ。すごいビックリ。」
弟(そうか、俺はそこまでボンクラだと思われてたのか。これからはもっと精進して成長して姉の認識をひっくり返す位にならんとって何で泣いてるんだ『 』!?」
姉「…わ。あんだろ。すっごい嬉しい。」
弟「へ?」
姉「『 』が私の事を誘ってくれたのがすっごい嬉しい。あんでだろ。今までも誘ってくれたりデートした事はあったのに。あんで今回はこんな涙出る程嬉しいんだろ…?」
弟(えー。どうしよ。マジレスすると本気で姉が嬉し泣しちゃいそうだしなぁ。)
(だからってヘタな事言って怒らせるならまだしも(いや、怒られる事を望んでる訳じゃないからな!? そこんとこ誤解すんなよ!?)
弟(悲しませたり泣かせるなど絶対に許されん事だからな。どうボケようか…。)
弟「えー、まあ。姉の新たな境地開発が為された事については」
姉「ちょっとあによその言い草!?」
弟(まあ泣きそうな姉よりは怒ってる姉の方が見てて心配する事も無いしなってテテテテ!?」
姉「あーもー…。お姉ちゃんはまだまだ頭がぢんぢんするってゆーのに。これ以上頭痛の種を増やそうってゆーのねコイツときたら…?」
弟「いやゴメン俺が悪かったから足が動かなくなるのも困るけど耳が無くなるのも困るからごめんなさい止めてお姉ちゃん!?」
姉「はぁぁ…。」
弟「いやだからそこで『これ以上引っ張ると千切れちゃうんだけどな…。』とかボソボソ言うの止めれ! マジで何だかブチブチ言う音が聞こえ始めたから!!」
姉「…やっぱし弟って酷いわよね?」
弟「一体何をどうしたらこの状況でその発言が出来るのか!?」
姉「だって。ねぇ?」
弟「…ヤヴァイ。姉にその表情とその角度でそんな風に言われたらどんな事言われようと言う事聞く俺がいる。」
姉「え、ホント?」
弟「多分。」
姉「…ぢゃあもうやらない。」
弟「何故に!!?」
姉「そこであんで弟が大声出すのかよく分かんないけど。だって。」
『 』が無条件になんでも言う事を聞いてくれるなんて、つまらないもの。
「そうでしょう? 私達の想いはそんな風な形の物じゃないんだから。お互いがお互いを思いやり、愛し合うのが私達なんだから。」
思わず、無言になった。
そりゃそうだ。姉、いや『 』がいつもの「あ」を多用する発音じゃなくて。しかも俺ですら見た事が無いような真摯な表情で真っ直ぐな言葉をくれたのだから。
その言葉、表情共に俺の心を
「やっぱし弟には無理難題吹っかけてそれをお姉ちゃんの魅力で嫌々ながらもぢつは「悔しい、でも感(ry)みたいな流れにする方が」
「もーちょっとで貴様にハートをブチ抜かれて『我、理想の死に場所を得たり!!』とか叫んで精神的に『 』に溺死出来そうだったのに!!! もう、もう30秒保ってくれれば! 保ってくれれば!!!」
「ちょ、あんで急に泣きながら各種マッサージ!? ってそんな揉んだら揉みかえしが! 揉みかえしが!!?」
「俺も明日一緒に行動不能になってやるから! 今だけは八つ当たりされとけェェェ!!?」
「待って痛いアタタちょっと待ってイタタにゃははははは!!?」
姉「…んで、結局翌日二人ともズタボロの状態で仕事行ったのよね?」
弟「俺は仕事途中で痛くてまともに歩けなくなって病院行ったよ。打ち身だけじゃなくて捻挫も追加されたしな!!」
姉「大変だったのね…。」
弟「誰のせいかと!? 捻挫については誰が原因なのかと!?」
姉「そん時だっけ? 湿布と一緒にサポーターみたいなの貰ってきたの。」
弟「スルーした! スルーしおった!!」
姉「うっさいにゃー。どうすればいいのYo?」
弟「言っても聞いてくれないから既に諦めてる。」
姉「ならオッケーね?」
弟「…言いたい事は多々あれど面倒臭いからもーいい。」
姉「あんだか含みのある発言を…。」
弟「含むどころか既に丸呑みにされてんだよ!!」
姉「もー。おとーとのっておっきいから大変あんだからね?」
弟「ちょっと待ていきなり」
姉「ナニの話。」
弟「正直者にご褒美ぃ!!!」
姉「あいたたたた、ちょ、痛いってばー!?」
弟「痛いのは生きてる証拠!!」
姉「あたたたたた、って私は一子相伝の拳法継承者ぢゃないー!!?」
弟「…ふぅ。これで今週も姉の体調はバッチリだな!?」
姉「この恨み晴らさでおくべきか…。」
弟「いや怖いって。ってゆーかまた古いネタを。」
姉「それ以上言うと一回につき百日寿命が縮まるわよ?」
弟「えー、収集が付かんから飛ばしていくぞ?」
姉「次の土曜日を覚えてなさい? …んで、それが件のサポーターみたいなの?」
弟「ああ。最近は包帯使わないでこーゆーので一周くらい巻いて終わりになるんだそうな。」
姉「まあ、包帯って大変だものね。上手く巻くのも一苦労だし。」
弟「患部に巻く前にもう一回巻き直したりしなくちゃならないしな。」
姉「汚れちゃったら洗濯とかも大変だしね。洗濯物に巻きついたり絡んだりしたし。その上干す時は『ドゥーしろってゆーのYoーー!?』みたいな事になったしネー。」
弟「何故語尾がカタカナなんだ? …あー、俺が前に腰痛めてさらし巻いてた時なんか大変だったんだって?」
姉「大変でしたネー。もう洗う時はそれだけで洗った方が楽な事に気付いた程でしたネー。」
弟「ちょっと待て語尾が全部おかしくなってるぞ? …まあその当時は姉とおっかさんに迷惑掛けてたんだな。ごめん。」
姉「大丈夫ですネー。洗う前に私がくるまって寝っ転がったり、弟の匂いに包まれた中でバレ無い様にこっそりセルフバーニングしたりしてましたからネー。」
弟「何だその衝撃の事実!?」