歩鳥「二十八……そりゃ年もとるはずだ……」
歩鳥「……そっか。あたし、あの頃の静ねーちゃんと同じ年になってんだ」
歩鳥「よく作家なんてできたよなあ……」
歩鳥「……ここでぐだぐだ言ってても仕方ない。いっちょ、商店街でネタ出しでもしてみますか!」
歩鳥「臨時閉店……っと」
猛「あれ? お姉ちゃん、臨時閉店って何さ」
歩鳥「!? な、なんだ猛と絵里ちゃんか」
絵里「こんにちは」
歩鳥「こんにちわ……いやね、ちょっとネタ出しに散歩でもしようかと」
猛「小説家も大変だね……そっか、臨時閉店か。エリと店でゆっくりしようと思ったんだけど困ったな」
絵里「ちょ、猛君!?」
歩鳥「はいはいそういうのいいから……二人なら店番くらいできるでしょ、鍵渡しとくからね。絵里ちゃんは後でバイト代あげるからね」
絵里「ありがとうございます、お義姉さん」
猛「今何かすごくあれな響きに聞こえたんだけど」
歩鳥「気のせいでしょ」
歩鳥「さてと、どこに行こうか……」
歩鳥「商店街っつっても行けるところ限られてんだよね」
歩鳥「うち……つうかシーサイドではカップルがイチャついてるし」
歩鳥「……仕方ない、あそこに行くか」