1 :
創る名無しに見る名無し:
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|Д`) ダレモイナイ… トウカ スルナラ イマノウチ
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気の知れた友人である流川と富岡と共に、居酒屋で飲んでいた時のことだ。
「おい、花田、この前の旅行の話してやろうぜ。」
流川が俺にそんな話を振ってきた。
あれか。あまり気が乗らない話題だがな……。
「あー、あれ僕も行きたかったんだよなぁ! どんな話?」
富田、興味津々だな。
しょうがない、話してやるか。
「あれは、バスで観光スポットを巡っているときの話だった。」
『花田! もうバス出発しちまうぞ!』
『ちょっと待ってくれよ流川、今土産選んでるんだから。』
『ちっ、俺は知らないからな!』
怒った顔で流川はバスの所へ走っていった。
ほどなくして俺も土産を選び終わり、バスの集合場所に向かった。
しかしそこには誰もいなかった。
あの時はまだ、流川の言うことをちゃんと聞いていれば……と思ってたな。
仕方無く俺はタクシーを呼んでバスを追うことにした。
でも、タクシーがトンネルに差し掛かった時、運転手が突然叫んだんだ。
『兄さん、こりゃあだめだ! 落盤事故だ! すまないが戻らせてもらうよ。』
「後で知った話だが、その落盤事故には俺が乗るはずだったバスも巻き込まれ、生存者はいなかったそうだ。」
「そう……なんだ。ごめん、悪いこと聞いちゃったね。」
富田は申し訳なさそうな顔をした。
俺はしょぼんとする富田を慰める。
「気にすんな、俺が話したいから話しただけさ。」
「……そうだ、別の店に行って気分を変えようよ。」
富田も気を取り直したようだ。
「そうだな、そうしようか。店員さん! お勘定お願い!」
近くにいた女性店員に声を掛けると、彼女は厨房に向かって叫んだ。
「15番カウンターの2名様、おあいそ入りまーす!」
俺と富田は代金を折半して(富田はちょっと文句がありそうだったが)、次の店に向かうのだった。
おわり
4 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/11(火) 01:08:07 ID:iP+ocKQB
最初の方に出てきた流川があれだったっていうあれか
とある男が自殺しようと崖の上に立ち、飛び降りた
後になって警察が調べたところ遺体は発見できず、血のシミ一つ発見することができなかった
数日たって、男の遺品が見つかった
奇妙なことに服だけが地中から掘り出されたが警察官の間では話題にもならなかった
男はとある売店でガムを購入した
そのガムは素晴らしい味がして何度も購入した
男は後に詐欺で逮捕されて、数件の殺人と強盗、人を喰らう性癖ということが判明し、世間は震撼した
男が購入したガムは偶然にも製造工程で人の指が欠損し混入していたそうである
『数えてはいけないもの』
大人数でコタツに入った時、脚の本数を数えてはいけない
明らかによけいな脚が暖を取っているから
墓場を訪れた時、花の本数を数えてはいけない
帰る時に増えるから
パーティーの集まりの時、靴の数を数えてはいけない
何度数えても来場者の数と合致しないから
自分の呼吸の回数を計ってはいけない
自分の寿命を知ることになるから
「私は監視されている」と女性が警察に相談しにいった
女性の話は聞けば聞くほど、人間では不可能な監視の仕方ばかりで、警察はヒステリーだとしてそのまま女性を帰した
後日女性は首と顔をナイフで刺して死んだ
奇妙なことに、状況からして明らかに自殺であるのに左腕だけには防御痕が発見されたという
Nさんが会社での付き合いで呑み過ぎて吐いてしまい終電に間に合わなかったときのこと
駆けつけた時に電車はもう無く、眠かったのでベンチでうとうとしてしまった
ふと目を覚ますと電車が来ていたが、中から驚くほどの人が出てきたので乗ることができなかった
Nさんは諦めて駅を出ると、タクシーで帰宅した
翌日、気になったNさんは時刻表を調べてみて驚いた
彼が乗ろうとして乗れなかった電車は、時刻表に載っていなかったのだ
第二次世界大戦の真っただ中、とある戦場にタバコが好きな日本帝国軍将校がいた
彼は片時もタバコを手放さず、給与の大半をタバコの確保に注ぎ込むほどであった
ある時米軍機の爆撃で彼は戦死した
後の記録では全身を吹き飛ばされ焼かれながらもタバコに火をつけていたことがわかった
ホラーな話を書き続けるため、数多くの残虐な映画や小説を観賞し続けた作家がいた
彼はその情報と蓄積した経験をもって大衆を恐怖のどん底に叩き落とす作品を書き続けた
ある日、彼の友人が彼を訪ねてみると、既に死亡していた
机から一歩も立ちあがらずに原稿を書き続けたことによる過労と、栄養分不足による餓死だった
そもそもこんな話を書こうとしたきっかけはなんだったか
私は考えに考えたが思い出すことができなかった
自分自身の意思とは無関係に指先が動いてしまう
きっとこれはははははあhjkl;:」
トイレに逃げ込む際には以上の点に注意しなくてはならない
・上を見ないこと
・便器の中を覗かないこと
・鏡を持ちこまないこと
・背後からの質問に備えること
東京都の警備員の間でまことしやかに噂される話がある。
監視カメラを注視していると、侵入者があった。
見なれた格好をしていたことに気がついたが仕事をするべく駆けつけると既にだれもいない。
警報を鳴らして通報したはずなのに作動していない。
翌日にも似たようなことがあり、警備員はあらかじめ張り込むことにした。
表れた人物を見て警備員は腰を抜かした。
なぜならば、それは私服を着た自分自身だったからである。
1966年。ネバダ州郊外、アメリカ一乾燥したバレーオブファイア州立国立公園で事件があった。
ネバダ州警察がとある強盗事件の犯人の車を追って公園に立ち入ったところ、犯人が死体となってみつかった。
捜査はその時点で切り替えられたが、犯人が殺害されたのか自殺したのか事故なのか病死なのかすら不明のまま迷宮入りした。
なぜなら犯人は車内の天井に押しつけられ半分潰れた状態でミイラ化していたからである。
「その他の危険」という標識をご存じだろうか。
「!」とだけのシンプルな標識で、文字通り標識に描ききれないその他の危険を警告する標識であるが、こんな話がある。
その他には未分類の他にも見通しが悪かったりする場所にも設置されている。
幽霊が出没し危険だから設置してあるという話もあるが、真相は不明である。
日本の大学生F.O君が有名なブロッケン山に登りに行った時の話
彼は山が好きで、日本中の山を登り海外にも進出して山に登っていた
ただ山を登るのは嫌いだった彼は、折角だからブロッケン現象を見ようとしたのだ。もくろみは当たり彼はブロッケン現象をみることができた。
ただ一つ、ブロッケンの影が自分と違う動きをしたことを見てしまったのが満足いかなかった点だった。
埼玉県在住のA.Fさんは、付き合っている彼氏と同じマンションに住んでいる。
同棲は親が許してくれないからとA.Fさんは語った。
彼氏とは仕事の時間帯が合わず、いつも一声かけてから仕事に出かけるようにしているのだが、近所の住民が気難しくしょっちゅう苦情がくるため、三回のノックで済ますのが日常だった。
A.Fさんはある朝、ノックの音を聞いた。
その日の夜、A.Fさんは彼氏にメールで「今日ノックしたよね」と秘密の暗号を送るように聞いてみた。
返事はこうだった。
「今日は昼間まで寝てた。俺じゃない」……と。
ある占い師が、商売道具の水晶球を磨いていたときにふと思いついた。
自分で自分の未来をみることはご法度とされているのなら、あえて見たらなにがうつるのかと。
占い師は水晶球に手をかざして占ってみた。
次の瞬間、青白い手が浮かび上がり手招きをしてきたので占い師は水晶球を投げ捨て破壊した。
トビウオという魚を初めて目にしたものは感動するという。
とある海域では、観光船に反応してトビウオがひっきりなし飛びまわるので、観光名所となっている。
一方で、その観光船に乗った子供がみな口をそろえてこう言うというのはあまり知られていない。
「トビウオを海の中から口を出して食べてるおじさんがいる」。
イカスミスパゲッティが流行したのは今は昔である。
もしも貴方が食したことがあるならば注意しなくてはならない。
イカスミの味をよく知らないものが多いことを逆手にとり、とある物体を煮詰めて作った偽イカスミをイカスミと偽り提供しているのだ。
全体ではなんと7%にも及ぶという。
学校を歩く時に気をつけること
・ロッカーから物音がしても開けてはならない
・一人でいるときに使われていない机の中を覗いてはならない
・ノートの最後のページを破いてはならない
・階段の数を数えるときはかならず親指を握り込んでおくこと
『意識してはいけない事柄』
呼吸を意識してはいけない
無意識が阻害されて悪影響を及ぼすから
他人の視線を意識してはいけない
何事も堂々とすることが必要だから
部屋で一人の時に視線を意識してはいけない
視線の方向を見ると気がつかれてしまうから
自分の体を意識してはいけない
ひょっとすると自分だけが使っているとは限らないから
.
原子力発電所の周囲には放射性物質が微量ながら漏れているという噂は有名である。
周囲には巨大生物や奇形生物が生息しているという噂も有名である。
これは、原子力発電所を不気味がり人が立ち入らないから生物が大きく育つことからきた迷信である。
と、原子力発電関連の会社の社長が笑って言った。
携帯電話をとてもよく愛する男が米国テキサス州にいた。
彼、マイケル=ウォーレンは友人に「これは俺の全てだ」と自慢げに話していた。
ある日彼は事故に遭い病院に担ぎ込まれた際、携帯電話も共に破損した。
容体は安定していたが、携帯電話の充電が無くなると共に息を引き取った。死因は老衰だった。
イジメを受けた女の子がいた。
彼女はある日自殺をしようと思いトイレの個室に入った。
その時、イジメをしていたグループがトイレに入ってきた。彼女はその場で首を刃物で切り、個室を赤く染めて死んでしまった。
赤いちゃんちゃんこの噂が立ち始めたのは丁度このころからだった。
ハンバーガーの肉にミミズを使用しているというのは大きな誤りである。
ミミズ肉を指摘すると金銭が貰えるというのも真っ赤な嘘である。
ミミズを集めて精肉すること自体に膨大なコストが発生するし、何より偽装する利点が何一つないのである。
第一、ハンバーガーチェーンで使用される牛肉に限りなく似た肉に近い味は再現できないのだ。
>>6 【製造過程で】
類似する話に「水道水を一時的に溜めておくタンクに死体が入っていた」というものがある。
身近な出来事に潜む恐怖を端的に表現していると言える。
もしかすると貴方の食べている食品にも、製造過程で人肉が混入しているかもしれない。
>>22 【親指から幽霊】
指の中でも親指は爪の隙間が大きいので幽霊が入りやすいとする一種の迷信のこと。
指はものを触れる部分であり、外部と接しやすいこともこれに関係していると思われる。
>>25 【原子力発電所の巨大生物】
N君が遠足に出かけた際、赤黒く巨大なバッタを捕獲した。
これを学校で見せびらかしたところ、警察がやって来て教師にバッタを没収され、謝るように言われた。
という話がある。
らしい。
めざせ100話
ウィルスほどしぶとい生き物はいない。
真空や超高温などの環境下でも生存することができる種類は山のように存在する。
中には宇宙との境目付近、上空100kmを漂うものもあるという。
学者の中には宇宙から飛来したウィルスがあるというが真相は不明である。
幽霊や不気味な噂は得てして普通では見えない。
これは人間が暗闇を恐れ火を用意するように、よくわからないから恐怖するのと似ている。
つまり、よく見えないものこそ恐怖の対象なのである。
今貴方の後ろや、ベッドの下、もっと近いところでは目の盲点などにも何かがいるかもしれない。
日本の東北地方の某所で奇妙な事件が起こった。
地面に埋められた犬の、首だけが切断されて放置されていたのだ。
犬の死体の前には金属のお椀があった。
飼い主の男性が行方不明になっていることから、警察では事件に巻き込まれたとみて捜査を続けている。
有名な杉沢村。実は本当に実在していた。
ただし実際に事件があった訳では無く、単なる過疎で村人皆が山を下りて町に出て廃村となっただけである。
なのでアンビ○バボーやTVタ○クルは全部ヤラセ。
当時、本当に杉沢村出身のおじいちゃんが杉沢村ブームを憂いて取材に応じて、地元紙の一面を飾っている。
ここまでは史実。問題は例の事件を騒ぎ立てたテレビ番組が次々と打ち切りになり、ディレクターやVTRに出た「自称杉沢村の関係者」が行方不明になる事がそこそこあった事。
心霊写真はほぼ全てが偽物だと愛知県で写真店を営むY.Nさんは語った。
光の映り方、フィルムの露出、レンズの汚れ、その他素人では区別できない光学現象。
これらが原因で不可思議な写真が生まれ、また合成写真が出回り心霊写真ができるのだという。
彼は我々が帰ろうとした時に「ただこの一枚だけは説明がつかない」と言ってきたが、その写真を見せてはくれなかった。
学校の七不思議は定まっていない。
ひとりでに鳴りだすピアノや、人体模型が歩きだすのはほぼ決まっているが確定しているわけではない。
これは友人の友人から聞いた話だが、七不思議には八つ目があるというのだ。
肝心の八つ目を知ってしまうとその人に不幸が起こるらしいが詳細は分からない。
室内であるというのに雨が降ったという話を聞いたことはないだろうか。
雨はしばらく降っておらず天井に水道管もなく雨漏りしたこともないのに、突然水が落ちてくるという現象のことである。
原因は不明だが、気のせいであるという意見も多い。
はたして本当に水だったのだろうか?
守護霊なる概念は、実はいずれの宗教にも存在しない。
一種の流行り廃りものの一種で、家族観の急激な変化や社会不安がこう言ったものを生み出したと言われる。
にも関わらず霊能力者と呼ばれる職業の人たちは「存在する」と肯定するのだ。
では我々の背後に居る存在は本当に我々を守護する存在なのだろうか。
都内某所の有名な公園であったこと。
50歳に差し掛かった男性が大きい溜め池で釣り糸を垂らしているとアタリがあった。
必死になって釣竿を操って吊りあげてみると、とても大きい魚だった。
本人は後に知ったが、その魚は海でしか釣れない魚だった。
2009年、とある男性は年末の大掃除をしていた。
リビングなどを一通り片付けた男性は、最後にお風呂を掃除して食事にしようとした。
そこで男性は、ブレーカーが落ちたままになっているのに気が付き震撼した。
次の瞬間、ブレーカーが静かに通電の位置に動いた。
寿司屋を経営している女性は、ある日コンビニでプリンを購入した。
彼女は甘いものに目が無く、時折買っては食べていた。
そのプリンを一口食べた彼女は吐きだした。
検査機関に調査を依頼したところ、カラメルソースから人間の血の成分が多量に検出された。
1998年、日本の新潟県で偽札騒動があった。
コンビニ店員が紙質の微妙なムラに違和感を抱き警察に相談したところ、偽札と判明したのだ。
犯人は追跡捜査の結果逮捕されたが、既に死亡しており、捜査は打ち切られた。
ただ一つ、偽札を作る設備や維持費が偽札分を超えており、どうお金を調達したかがいくら調べても不明であった。
ここ二日間の間に私はたしかに書き込んだ
だが書き込まれた様子はどこにもない
履歴を追ってもどこにも書き込んだ様子はない。データを復元してもなかった。
果たしてあれは夢だったのだろうか
ちょっと失礼します
ふ〜
お邪魔しました
2007年、ロシアで驚くべき事件が起こった。
ある女性が腹痛をうったえ病院で検査を受けたところ、消化器の中からゴキブリが発見された。
ゴキブリは摘出されてからしばらく生きていたが、やがて死んだ。
死因は餓死だった。
有名な都市伝説に、首なしライダーの話がある。
一方埼玉県境ではまるで逆の話がまことしやかに囁かれている。
赤塗りのバイクで走っていると、後ろからバイクに追い抜かれた。
よく見てみると、そのバイクのドライバーは首から上しかなく、胴体もないのに「運転」していたというものだ。
某県の市営プールで、排水口が詰まり水が溢れる事件があった。
職員は水を抜くわけにもいかず、業者に依頼して詰まりを直してもらうことにした。
しばらくして業者は悲鳴をあげた。
排水口には小学生くらいとみられる子供が詰まっていた。
人間の脳は奇形であり突然変異がもたらした異常であるという学説がある。
学説の第一人者によると、人間は他の動物と違い意味もなく同族を殺せる珍しい生き物だという。
これは人間そのものが霊長から外れた奇形種であり、やがて淘汰されるのだと彼は語った。
学会はそれを否定したが、否定の根拠を示せる学者もまたいなかった。
保存料や着色料を食べ続けると死体が腐らなくなるというのは真っ赤な嘘である。
発がん性が指摘されている物質を食べても、死体は腐るのである。
防腐処理と同等の量を体に残すには途方もない量を食い続ける必要があるが、それは人類には不可能である。
では、腐らない死体を目にした人は、一体何と見間違えたというのだろうか。
くだらないことでも、警察は調書を書かなくてはいけないのだという。
酔っぱらったオヤジが「首が伸びるねーちゃんに会った」「車で走っていると100km以上の速度で走るババアに追い越された」……などでもある。
これらの調書は一応保管され、期間が過ぎ次第破棄されることになっている。
ところがなぜか調書の何割かが行方不明なるそうなのだが、誰も気にしないらしい。
2011年新潟県で通報があった。
どうやらひき逃げ事件があったというらしいのだが、通報者は曖昧に誤魔化すばかりなのだ。
駆けつけた警察官達は、ベテランですら目を覆う光景を目撃してしまった。
そこには肉片を道路にまき散らしぼろぼろになった人間の死体があった。
ニコニコ動画という動画投降サイトには、ニコニコ生放送というコンテンツがある。
これは一般の投降者が道具さえ揃えればテレビのように映像を放送できるというものであるが、こんな噂もある。
国の規制や法律が完全に行き届かないのを利用して犯罪が行われているというものだ。
軽犯罪が大半だが、麻薬の密売などにも利用されているという。
日本ではストーカー被害を軽視する傾向にあり、メディアで批判されたこともあり対策が強化された。
2000年にはストーカー規制法が成立したが、ストーカーに関してこんな話がある。
被害を訴えてくる人間の中の一定の割合で、加害者が存在しないものがあるという話である。
これは自分の思考がまるで他人の考えや話声に聞こえてしまう解離性障害であるが、当の本人らは己が被害者であると信じてやまない。
みかんの皮を剥くと、白いものが血管のように付着しているのはご存じであろう。
あれはアルベドという繊維質であり栄養が豊富で体によい。
だが我々は注意しなくてはならない。
アルベドと同じ白い色をした寄生虫が報告されているのである。
Bさんは、ある日嫌な夢を見てしまった。
斧を持った男がベッドの下に隠れていて、殺されてしまう夢であった。
Bさんは用心してベッドの下を確認すると就寝した。
翌日、Bさんの友人が不審者に斧で滅多打ちにされて殺されるという事件が起こった。
地図に無い街というのがある。
政府専用の街でもなく、理由があるから地図に載せられない街のいずれでも無い街がどこかにある。
街に入るためには「迷う」ことが必要であり、複数人ではいけない。カメラなどの記録器具を有してはいけないという。
ここに迷い込むとほぼ間違いなく帰ってこないため、「神隠し」扱いになるらしい。
幼い頃、アキラさんは奇妙な店に迷い込んだ。
一人で買い物をしてくるように親に言われ、メモとお金を握りしめて目的の店に行く途中、見たこともない店をみつけた。
好奇心で入ってみると、なにやら難しい漢字ばかりの表記が印字されたパック詰め肉が並んでいた。
大人になって気がついたが、品名が全て人間の臓器だった。調べてみたが店そのものがあった記録すらなかった。
F.J君は、物置の扉の隙間に何かがあるのを見た。
なんだろうと思い近づいてみると女の人の顔が覗いていた。
幼かったこともあり恐怖を感じなかったF.J君は、物置の扉を思い切って開けた。
中には誰も居なかった。血まみれの女性が背後に居ることに彼は気がつかなかった。
>>34 【ヤラセ】
番組では初めからそうなるように仕組んでおいて「ありえない」として視聴率をとることがある。
更には心霊番組では心霊写真どころか見間違いや光学現象を「不可思議」と断定することがままある。
霊能力者とは名ばかりの連中を集めて寄ってたかって「霊視」させることもよくあり、生きているのに死んでいると「霊視」してなおかつ「守護霊」としてあなたの後ろにいますと断定したものもいたほどである。
我々はこれらを見極めていかなくてはならない。
提示された情報全てが真実とは限らないのである。
>>47 【排水口に詰まり】
実際に排水口に引き込まれて溺死する事件が発生しているが、排水口に詰まっているのが発見されたことはない。
>>50 【100km以上の速度で走るババア】
通称ターボばばぁ。ターボ爺さんもいるらしい。
車で走っていると後ろから高速で走る高齢の女性に追い抜かれたという有名な都市伝説。
とあるローカル線でたびたび目撃されている人物の話。
彼女は赤いコートを着ている。
彼女は帽子を被っている。
彼女の身長は2mを超え、目を合わせると笑い声をあげる。
体験談。
中学の頃だったか、英語塾に通っていた私は帰りに団地の階段からなにかを目撃した。
夜だったのでよく見えなかったが、団地や家のすぐ上空が暗闇で切り取られているようだった。
輪郭は丸く、飛行機や建築物が位置を知らせるときに使うランプが点滅していた。
その時は「飛行船かな」と気にしなかったが、今思えばあんな低空をしかも夜に飛ぶ飛行船などありはしない。
第一、プロペラの音もなんにもしなかったというのに。
たぶん見間違いか、暗闇で距離感を失っていたが故の錯覚だからだろうと見当をつけているが、記憶があいまいで物証もなく、あれがなんだったか解明の術が無く残念である。
これは私が耳にし、検証した話である。
都内有数の広さを誇る某公園では、その広さゆえに自殺者が多い。
通報があってから救急車や警察が駆けつけるのだが大抵の場合手遅れで、死体となって運び出される。
自殺者があったということが知れればイメージダウンに繋がることから、死体はさっさと片付けられおおっぴらな捜査はされない。
つまり公園は一見して平静を保っているように見えるというからくりである。
この噂を検証すべく私は散歩も兼ねて公園に出かけて証拠を探した。
あった。
ベンチに焼け焦げたあとがあった。
噂によるとホームレスが焼身自殺を図ったらしいというらしいが………。
それにしては、焦げ跡が小さい。ただのボヤ騒ぎを起こしただけにしかみえない。
どうやら噂は噂であるだけのようだった。
インターネットで探してみても焼身自殺のことは書かれていない。
少なくとも調べられる範囲内では「噂は所詮噂」ということで結論付けざるをえない。
なおこの公園の周囲には「お化け屋敷」なる家がある。
実際に行ってみたところたしかに不気味な家が存在した。
時間があれば検証してみたい。
ってかそろそろ寝るかな
ホラーな時間通り越して朝になっちまぁ
さりげなく体験談でも書いておくか。俺のトラウマ。
ある夏の日、とある公園でキャッチボールしていた時の事、俺は尿意を覚え、とりあえず近くのトイレへと駆け込んだ。
その公園はかなり広く、そのくせ園内に三ヶ所しかトイレが設置されていない。自然公園的な場所で、だだっ広い芝生が広がる割にはあんまり人が来ない。
そして我慢の限界の俺がトイレに駆け込むと凄まじい異臭。誰かがウンコ流さずに行ったのかと思った程だけど便座は綺麗。
しかしながらゴキは居るわハエは多いわで大変。おまけに超臭い。
とりあえずこっちも限界なんで用をたして脱出。
次の日、そこで首釣って自殺した人が居たと知りましたとさ。
夏だから結構腐ってて、後で知ったけど腐っちゃうと清掃しても異臭はなかなか取れないそうです。
うひぃ
脳の血管が詰まると脳細胞に酸素や栄養が行き渡らなくなる。
酷い時には生命維持すら妨げて本人を死に至らせる。
ごく稀の話であるが、壊死した部分の細胞が記憶や性格を司る部位であり、まるで別人になってしまうことがあるそうである。
身の回りにも居ないだろうか、ある日突然性格や行動が変貌してしまった人は。
有名人死亡説はご存じだろうか。
芸能人やスポーツ選手が死亡していないのに死亡していると噂が立つもので、逆に生存説もある。
生存説ではジョン・レノンやエルビル・プレスリーなどが多いのだという。
なかには写真を写したという人もおり、稀にどうみても本人としか思えない写真があるらしい。
樹海には首吊り死体や練炭自殺したと思われる車が数多くあるという。
また、樹海の中には生きているのか死んでいるのか分からない何かが徘徊しているとも噂されている。
基本的には興味半分で訪れる者らを少し離れたところからじっと見るだけでなにもしてこない。
だが、もしも調子に乗って写真を取ろうとしたのなら、彼らの仲間入りするであろう。
都市伝説は興味深い
故に恐ろしい
うふふ
72 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/17(木) 14:14:59.66 ID:WS/1hrXr
誰か、「粘土の夢」って話知ってる人いる?
73 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/07(木) 05:26:56.39 ID:lP5zrxse
B君は夢の中で大勢の人と一緒に歩いていた
皆一様に白い服と布切れを頭から下げていて川に向かっていく
B君が皆についていくと船があったが、船の番に乗るのを断られてしまった
目が覚めるとそこが病院で自分が事故で気を失っていたと聞かされたという
ある村に絶品と噂のワインを作る農家があった
独特の味と経験の無いうっとりする匂いがなんとも絶品で、農家に訪れる人が後を絶たなかった
やがて農家の住民が死ぬと家が取り壊されることが決まり、ワイン樽も薪代わりにばらばらにされた
驚くべきことにワイン樽の中には人間の骨と思しき破片が入っていた
岩手県山中で報告された奇妙な遺体についての話
その遺体の両肩には爪のような鋭い痕跡がある
衣服は乱れており切り傷が多数見つかった
遺体は少なくとも数十メートルより高い場所から落とされて死んでいた。飛び降りるべき木も山も無い場所で。
下水道には捨てられたワニが繁殖しており、いずれもアルビノであるという都市伝説がある
実際にワニが捨てられて生存していた話もあるがアルビノになることは無く、水温が低く餌も無い下水道では繁殖は望めない
一方でワニのようでワニではない別の生き物であると唱える人もいる
彼らによると牙を持ち透き通った体を持っているとのことだが……
自分しか覚えていないクラスメートをご存じだろうか?
彼もしくは彼女とあなたは仲良くしていたが、進学とともに分かれてしまった
同窓会などでクラスメートと再会した時に彼もしくは彼女の話をしても誰も憶えていないどころか、写真にも、記録にも、最初からいなかったようになっている
周囲がおかしいのか、あなたがおかしいのかは誰にもわからない。
エレベーターは魔界に繋がる時があると言われている
深夜過ぎに、ありもしない階で止まって扉が開く
もし降りてしまうと二度と本来の世界に帰還することは叶わなくなる
降りるときは現在の階層をしっかり確かめることが必要である
どこかで聞いた話
学校が早く終わったので、河原で石を投げて水面上を跳ねさせる遊びをやっていた
飽きたのでランドセルを背負い直し、川を背中に向けた。次の瞬間、石が飛んできて自分のすぐ隣に転がった。
振り向いてみても川しかなかった
戦後まもなくの貧しい頃。静岡県山中の町で不可解な事件があった。
ふらりと訪れた観光客が町中で気狂いしてしまった。
彼もしくは彼女は見えない敵と戦うかのように暴れた。
翌日、村病院に預けられたが、いつの間にか姿が無くなっていたという。
1987年神奈川で謎の失踪事件があった。
両親が家にY.K君を留守番役としておいて買い物に行って帰ってくると、もうY.K君の姿はなかった。
窓や扉に侵入の痕跡はなく、Y.K君には他人を家に入れてはいけないときつく言い聞かせていたのに、まるで家の中から突然消えたように失踪してしまったのである。
一年後、彼の名前を語る老人から電話があったが、両親が追及すると切れてしまったという。
とある子供が学校と神社の丁度真ん中にある公園で遊んでいたところ、死骸をみつけた。
死骸はセキセイインコのもので、子供ながらに死んでいるとわかった。
彼が可哀相に思い友人らと公園に埋葬してあげた。
翌日見に行くと死骸は何者かの手によって掘り起こされていた。
懐から財布を取り出し、小銭をよく観察してみよう。
どれもこれも古い通貨か、最近のに分かれる。
中には新品同然のものもあるだろう。
もし未来の年号の入れられた通貨があったら川に捨ててしまうことだ。
日本のテレビ番組が企画したもので、発展途上国に井戸を掘ろうというものがあった。
職人を集めて現地の人間を雇い、多少の遅れが出たものの無事掘り当てることができた。
視聴率もよく、現地の人も喜んでくれた。
その井戸水にヒ素が含まれているという事実が判明したのはしばらくしてからである。
阪神淡路大震災の時の話。
震災で街は瓦礫の山と化して多くの人が亡くなった。
消防警察自衛隊が協力して町中を捜索し、多くの遺体を回収した。
一部には震災後に何者かによって殺害されたと思しき死体もあったという。
『あめ』
あめうります と書かれた店があった。
A君がお店に入るとメニューはたった一つ「あめ」
値段は1000円で、とても子供の彼に買える値段ではなかった。
彼は彼なりに努力して、あめを買うお金を溜めて、よく晴れたある日買うことができた。
買った次の瞬間、お店は消え去り、バケツをひっくり返したような雨が降っていた。
もっともっと!
世界には数多くの菌糸類が生息しており、いまだ未発見のものも数多く存在する
アジアのとある少数部族だけが栽培法を知っているキノコには特別な毒があるという。
その毒は即効性がありながら分解速度が極めて早く、検出が困難とされる。
暗殺に用いられたとしても心不全としか診断されないそうである。
東京都に住むA.Dさん(主婦)は、ステンレス流しの調子が悪いことに気が付いた。
水が詰まりやすく一気に流すとあふれてしまうのである。
掃除しようと思ってゴムパッキンを開けた彼女は悲鳴を上げた。
自分のものでも、夫のものでもない、細い白髪がびっしり詰まっていた。
あるアパートの一室から異臭がした。
管理人が鍵を開けると、ガリガリに痩せた子供と、赤ん坊の死体が、生ゴミに紛れて発見された。
ネグレクトにより数週間も放置され、一人は生ゴミを食べて生き残り、赤ん坊は敢え無く死んだのだった。
ニュースが流れ、母親は人殺しと罵られた。
父親は離婚していたので、少しだけ責められた。
彼らや子供たちに手を差し延べられなかった社会は、何の責めも受けなかった。
ホラーというよりもAC
ハンバーガーを食べたら軟骨が入っていた
出してみたら人の指先だった
自殺の名所と呼ばれる滝がある
生還者の話によると、滝に近寄ると耐え難い感情を襲われるという
母や父など、すでに亡くなったものが滝壺に手招きするそうである
生者を死に呼び込む存在―――……一般には死神という。
創作を投下します
「寝苦しい夜」1/2
とある蒸し暑い夜のこと
冷房代をケチっていた私はその暑さから
夜中に何度も目が覚めてしまっていた
起きるたびに時計を確認しては
もう2時か・・もう3時だ・・と憂鬱な気分になっていた
そうして目を覚ましたのがもう何度目になったところだろうか
時間ははっきり覚えている
3時41分の事だ
またもうっすらと目覚めてしまった私は時計を確認したのだが・・
その時に、体中に冷たい悪寒が走った
私は、目の端で確実にそれを捉えてしまっていたのだ
時計の置かれていたその奥
ベランダに、長袖の服を着た一人の女性が立っている
表情は暗く、ぶつぶつと何かをつぶやきながら
正気ではないと解る目で何かを探していた
私はその不気味な女性をしばらく眺め、そして恐怖した
それが幽霊なのか生きている人間なのかはわからないが
何よりも恐ろしかったのは・・
冷房代をケチっていた私は、ベランダの窓を全開にしていたのだ
網戸は閉めていたものの網戸なんて外からでも簡単に開けられてしまう
今はまだその女は、私が起きている事に気付いていない
しかし、もしそれを気付かれてしまったら・・
私はどうなるのだろう
私はその女が一刻も早くいなくなってしまう事を祈りながら
強く目を閉じて寝たフリをした
ベランダでその女が立てる物音
ペタペタペタ・・ガタ・・ガタガタ・・ペタペタペタ・・
その音がベランダの端から端までを何度も往復し
私の部屋の目の前を何度も通り過ぎた
恐怖に耐えられなくになってきていた私は
そこで恐ろしい考えを持ってしまったのだ
このまま彼女がいなくなるのを待っていても・・
これがいつまで続くかわからない
まして、何かの気まぐれで私の部屋に入ってこないとも限らない
それなら・・
女が目を離して入るうちに、素早く窓を閉め鍵をかける事はできないだろうか
私はうっすらと目を開け、女を確認した
こちらに背を向け、ベランダに置いてあった箱の中身を物色している
私はゆっくりと窓の端に手を伸ばした
心臓がバクバクと音を立てながら女の背中を凝視する
ようやく窓に手が届くかというその時に・・
こちらに顔を向けた女と目が合った
私は急いで手をその場におろし、目をつぶり寝たフリを続けた
心臓の音がバクバクと高鳴り、女にも聞こえてしまうのではと思えるほどだった
頼む・・気づかないでくれ・・・
何度も何度も心の中で呟いていたが
その祈りは無駄だったようだ
カラカラカラ・・と網戸が開く音が耳に届く
フー・・フー・・と生暖かい息が私の顔に当たる
そして耳元で一言
ねえ、起きてるんでしょ?
・・・どうやら私はそのまま気を失っていたらしい
目を覚ますと朝の6時頃だった
私自身の体には特に変わった様子もなく
部屋が荒らされた様子もない
あれは夢だったのかとも思ったが、
それに気づいた私は絶句した
寝ていた私の真横
ちょうど私の頭の真隣の位置に
女の長い髪が何本も落ちていたのだ・・
続いて都市伝説
「傘」
もしあなたが、コンビニなどで時間をつぶし
外へ出た時に突然の大雨に遭遇していたらどうしますか?
あなたは傘を持ってきていませんでした
そして店外の傘立てにはいくつもの傘が並んでいます
あなたは・・傘泥棒をした事がありますか?
もしかしたら傘を盗まれた事がないという人はいないんじゃないかというくらい
傘泥棒は日常的なものになってしまいました
かくいう私も、もう何本もの買ったばかりの傘を盗まれており
そんな時には目には目をのつもりで他人の傘を拝借してしまう事も少なくありませn
しかし傘泥棒ももちろん泥棒に変わりありません
傘1本で想像すらできない悲劇がおこる事もあるのです
それはある高校生の話です
彼は学校帰りにコンビニで立ち読みをしており
コンビニを出ると外は大雨になっていました
ふと外の傘立てを見ると女性ものの赤い傘が1本立てかけられていました
少年は躊躇する事もなく
その傘を手に取り、開いて家へと歩いていきました
その結果・・彼は家に辿り着く事なく死んでしまったのです
雨上がりの道で倒れていた少年
少年は口から泡を吹きすでに息絶えていました
その手には1本の女性ものの傘が
検死の結果
少年はある毒物の中毒症状で命を失った事がわかりました
その毒物は傘の内側に塗られ、空気中の水分と反応し毒ガスとなる薬品だったのです
雨の中、その傘を開いた少年は、傘の内側という密室空間で
その毒ガスを吸い込み命を落ちしたというのです
警察はこれを悪質な無差別殺人事件として捜査を行いましたが
結局この傘をあのコンビニに置いた犯人の事はわかりませんでした
ただ一人、容疑者として挙がった男が一人
彼はある薬品工場に勤めている男だったのですが
事件のあった数年前に母を亡くしていました
父親のいない家庭で、一人息子のために尽くしてきた母親は
ある日パートの帰りに自分の傘が盗まれている事に気づきました
しかし、人の良い彼女は他人の傘に手をつけずに雨にうたれながら帰宅し
もともと体の弱かった彼女はその雨にうたれた事が原因で
喘息の発作を起こし亡くなったという事でした・・
証拠不十分という事で男は釈放されましたが
もし彼が真犯人であったとするならば
彼は今もなお、この毒ガス傘を仕掛け続けているのかもしれません
傘泥棒によって母を奪われた、その復讐のために・・・
「怖いもの第3位」
「おはよ」
電車を降りて高校へと向かう道で、山田が声をかけてきた。俺達はいつものようにたわいも
ない話をしながら歩いた。
「俺コンタクトを月額制のやつに変えたんだよ。今まで2週間限度のやつそれ以上使ってた
から」
と山田は言った。
「お前それマジやばいよ」
「そんなにやばいのか?」
「目はやばい。俺の怖いものベストスリーに入るな」
「どういうこと?」
「目が見えなくなって、残りの人生を送ること」
24時間テレビなんかで、よく失明した人が出てくる。自分がああなったら本当に恐ろしい
なと、俺は思うのだ。
「第2位は?」
勝手に1位にされてしまった。
「首から下がまったく動かない体になること」
「お前現実的だな。普通怖いものっていったら幽霊とかだろ」
「山田は幽霊信じてるの?」
「いないかもしれないけど、いるかもしれないじゃん。もし会ったらビビるよ」
「もしいたとしても、相当低い確率じゃん? それに、その時怖いだけだろ。失明したら、一生
だぜ?」
「お前のベストスリーも十分確率低いと思うけど。で、第3位は?」
「うーんと、そうだな。焼死とか、癌とか」
「ありゃりゃ、4つになっちゃったよ」
「焼死は痛いぞ。苦しい死に方ベストスリーに入るんじゃないかな」
「またベストスリーかよ」
「癌は確率高いぞ」
「癌は嫌だな」
「あと、戦争で敵に捕まってスプーンを目と肉の間に挿し込まれてえぐり出されるとか」
「5つになっちゃったよ。てかまずない」
うーん、他に何か、第3位にふさわしいものがあったような気がするんだけど、思い出せ
ないや。
それから1ヶ月ほど経っただろうか。俺は自転車をこいでいて角を曲がったらいきなり車に
轢かれた。あれよあれよという間に救急車で病院に運ばれた。俺は1週間もがき苦しんだ。
鎮痛剤は一種の麻薬なので、1日に何回も注射するわけにはいかないとのことで、痛く
てたまらない時間の方が圧倒的に長かった。
俺は衰弱していった。そして1週間後、自分でも「あ、もうだめだな」と思った。
医者と親父は沈痛な面持ちで立っている。母はすすり泣いている。親戚が次々と駆けつけ
てきた。
「お父さん、お母さん、有難う……」
意識がすーっと遠のいていった。
次に気がついた時、俺は真っ暗な空間にいた。これがあの世だろうか。
手で探ってみる。何か細長い箱の中にいるようだ。
ボッという音が聞こえた。次第に暑くなってきた。
俺はやっと「俺の怖いもの第3位」を思い出した。「火葬場の棺おけの中で生き返ること」だ。
「お、おい。開けてくれ! 俺はまだ生きてるんだ!」
俺はふたを何度も叩いた。
「誰か、助けてくれ! ここから出してくれ!」
だが、ボーッという音と、パチパチという音しか聞こえない。誰かのすすり泣く声も聞こえ
ない。だぶん俺の言葉も届いていないだろう。
突然明るくなった。俺の左腕のすぐ横に炎が出現したのだ。
「うわあああ!」
俺はふたを叩き続けた。
99 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/31(日) 23:59:16.74 ID:PGbrE9x2
こわい
乙です!
>>95 これはマジに怖い! 眠れない夜に読んだからなおさら!
金縛りによく遭うけど、いやーなものだよね
>>97 ホラーってより、サスペンス風? な感じがした
>>98 うわ、これは怖いし痛々しい話。
焼死・溺死・生き埋めみたいな生きながら死んでいくのは
想像しただけでおっかない
街外れの静かな住宅街に電話ボックスがある。
その電話ボックスは奇妙なことに常に扉が開きっぱなしで、誰かが閉めても次の日には誰かが開けてしまう。
例え固定しても、必ず誰かが開けてしまう。
その誰かを目撃してしまうと必ず不幸になるという。
道端に落ちている汚らしいビニール袋を見たことはあるだろうか。
中身はゴミだったり、犬の糞だったり、誰かの落し物だったりする。
ところが中には一定の割合であるものが入っているという。
それは人間の内臓である。
写真や映像にしか映らない存在があるという。
その存在が危害を加えてくることはなく、映るだけである。
が、もしもカメラやビデオが壊れたり、写したものが乱れたりしたら要注意である。
その存在が貴方のことを殺そうとしているのだから。
おらー
105 :
家畜1/4 HANA子 ◆zvLTXEoOaA :2011/08/27(土) 04:41:50.78 ID:xFDJvwUJ
窓から外に目をやると既に雨は止んでることに気が付いた。
建物の中にいると雨音は届かない。気が付かなかったのもおかしくはない。
「雨、止んでいたのね」
彼女も気が付いたようだ。
真夏の夜のディナー。ホテルのレストランはいつになくひっそりとしていて、違和感さえ感じるほどだった。
仕事はかなり難しい局面にあると言っていい。この泥沼をどう引っくり返すかということを考えるだに憂鬱の色が深くなる。
本音を言えばこの食事だって、以前からの約束とはいえ放り出して仕事にもどりたい気分だったのだ。
とはいえ、それはさすがに躊躇われた。結局食事は予定通り、明日からの休暇はキャンセルという妥協が彼女との妥結点となった。
「ねぇ」
外に気が取られていたせいか、私は彼女の表情が悪くなっていっていることに気が付いていなかったようだ。
「ねぇ!」
今度は少し強い調子で彼女が声をあげる。私は素直に「ごめん」と言って彼女の方に向き直った。
「何を考えていたの?」
「うん。さっきの雨はだいぶ激しかったなと思って」
呆れた表情の彼女に私は無難な返事を返した。雨の調子にそんなに関心を持っていたわけではないのだが、その場を言い繕うようにそう答えたのだ。
そんな私の意図に気が付いているのだろう。彼女の表情がやれやれといった調子に変わっている。
普段は大人びていてクールな性格の彼女だけど、こうして二人でいるときはやや子どもっぽい顔をのぞかせる。
彼女は男の嗜好というものを良く知っているのだ、と少し意地悪な評価を僕は持っている。
そうだ『この顔は貴方といる時だけに見せるのよ』という男好みのアプローチを彼女は良く理解していて、それを表現することに躊躇しないのだ。
でも、それは彼女が私たちの関係に次の段階を望んでいるという意味だ。
──もちろん、私も彼女同様にそれを望んでいる。
「さいきん夢を見るの」
最後のデザートまで平らげた後、彼女がそんなことを言った。
「夢?」
頷く彼女は窓の外に顔を向ける。
彼女の夢と言うのはこうだ。
誰もいない町を葬儀の列が歩いて行くのを見たのだそうだ。
その葬列は顔のない人々の行列で、中ほどに紐をかけて引き摺られる棺桶があったと。
松明をかかげ、先頭の男──やはり顔はなかったらしい──は誰かに似ていたのだが、その誰かが誰なのかは分からなかったという。
「なんだか怖い」と彼女は言い、私は「ただの夢だよ」と慰めた。
恐らくこれも彼女なりのアプローチ法なのだろうと私は推測した。
夢に怯える自分を訴え、私の保護欲を誘おうというのだろう。
ただの夢だから大丈夫だと彼女を落ち着かせる言葉を言いつつ、私は少し意地悪をしてやろうというつもりになっていた。
「でも……葬列の夢ってのは何かよくないことの前触れなんじゃなかったかな」
さも知った風なことを私はすらすらと口にした。
もちろんそんな知識は私にはない。口からでまかせだ。
「そうなの?」
心底心配そうに彼女が怯えた口調で私をじっと見る。
「そんなことを聞いたこと覚えがあるのさ。……なにかお守りは持ってるかい?」
いいえ、と彼女は頭を振った。
なら、と私はポケットを探った。
「これを開けてごらん」
テーブルの上に差し出した小箱を彼女に渡す。その中に入っているのは、
「これはネックレス?」
それは小さな縞瑪瑙のメダルをあしらった金の鎖のネックレスだ。
「なにかしらこのメダル……何か見たこともない文字が刻んであるのね」
「それはうちの家に伝わるネックレスなんだ。いつか君に贈ろうと思っていて、ね」
これは君を守ってくれるお守りさ、と私は差し出された彼女の細首にネックレスをかける。
「ステキ……」とつぶやく彼女に私は気障ったらしくウインクなどしてみせるが……彼女の視線は手に取ったネックレスに留まり、私などまるで見ていない。
今度は私がやれやれとつぶやく番だ。
「気に入ってくれたようで安心したよ」
「えぇ、とてもステキなネックレスね……あら?」
ふと怪訝な表情になった彼女に私は「どうしたんだい?」と問う。
「歪んでいるのかしら? 留め金が……外れないわ」
きつくはないから大丈夫だけど取れないのは困ったわねと、大して困った風でもない顔で彼女は言った。
「石鹸水にでも浸してみたら緩むんじゃないのかい?」
そう言うと彼女は「そういうものかしら」と笑った。
夢の話に怯えた表情を見せた彼女は、もうどこにもいないようだった。
106 :
家畜2/4 HANA子 ◆zvLTXEoOaA :2011/08/27(土) 04:42:42.62 ID:xFDJvwUJ
その夜、私は嫌な夢を見た。
黄色の衣に無貌の仮面の葬列が無人の街を行く夢だ。
夢を夢と理解したまま見続けることなど普通は有り得ないのだろうが、その時の私にはこれが“夢”だということが分かっていた。
その顔のない人々は無言で松明を掲げ、荒縄をかけた棺桶を何人かで引き摺りながら無言で歩き続けている。
人々が纏うその黄色の衣はボロボロで、人が纏っているからこそぎりぎり衣として認識出来る代物だった。
これがそのまま道に打ち捨てられていたらゴミとしか思えなかっただろう。
そしてその蒼白の仮面。
それは仮面でありながら硬質な感触はまるでなく、私はぶよぶよとした蛆虫のようなぬめりとした印象を受けた。
彼らは足音もなく行進を続け、やがて私の前で止まり、そして──
そこで私は目が覚めた。
その日、私は仕事に忙殺されていて先夜の悪夢について思いをいたす暇もないほどだった。
異常な程の円高と株安が圧し掛かってくる様子は、まるで自分たちが人に踏み潰される蟻になったかのような思いを抱かせる。
間違いではない。経済という怪物の前では私たちは等しく無力な蟻に過ぎないのだから。
無意味なのだ。無機質で広漠な“世界経済”の前では個人の価値観や希望などには何の価値もなく、人はただ盲目的な運命に翻弄されるのみなのだ。
そうだ、人間など無力な家畜に過ぎない。いつか追い立てられ、引き立てられ、屠殺されるだけの存在に過ぎないのだ。
・
・
・
ようやく息をつけたのは夕方になってからだった。
喫煙所で煙草を取り出し、火をつけてしばし休息を取る。
そうするとつい先刻まですっかり忘れていた先夜の悪夢のことが頭に浮かんだ。
『そういえば彼女が語った夢の内容とやらにずいぶんと似ていたが』
目が覚めた後の嫌な気分が思い起こされるが、それよりも嬉しさが先に立った。
『同じ夢を見たっていうのは心が通じているってことだろうか』
そのように思えたのだ。
一服終えた後、私はふと思い立って彼女の携帯に電話をかけた。
3回、5回、10回と呼び出し音が鳴るが、ついに彼女が電話に出ることはなかった。
思えば仕事だからと彼女との休暇の約束を反故にしてしまったのだから、怒っているのかもしれない。
私はパタンと閉じて胸ポケットに携帯電話を戻し、仕事へと戻るのだった。
仕事が終わったのはかなり遅い時間になってからのことだった。
タイムカードを押して職場を後にした頃には辺りは真っ暗になっており、乏しいオフィス街の灯りがいくらか道を照らしているだけであった。
市の中心部とはいえ──だからこそと言うべきだろうか──このオフィス街は夜になると人影はほとんどなく、まるで幽霊街(ゴーストタウン)のようになってしまう。
折からの電力不足もあり、節電の為ということでただでさえ少ない街灯はさらに少なくなり、ビルの看板に掲げられた灯りも絶えている。
私はこの街にいる人間が自分一人であるかのような錯覚に陥っていた。
『無人の街に顔のない人たちの葬列が奔る』
彼女が語ったあの夢の話を私は思い出していた。
バカバカしいと笑おうとして……私は息を呑んだ。
前兆はなかった。それはあまりにも唐突に私の目の前に現れた。
107 :
家畜3/4 HANA子 ◆zvLTXEoOaA :2011/08/27(土) 04:43:55.20 ID:xFDJvwUJ
黄色の衣をまとった無貌の仮面。それがいた。
なぜかこの漆黒の闇の中、私はその存在の姿を性格に認識出来ていた。
黄色に染められたボロ布を纏い、蒼白の仮面を着けている……いいや、あれは果たして“ボロ布”なのか? あのざんばらに引き摺っている“アレ”は本当にただの布なのか?!
そしてあの仮面だ。
あの仮面の下にあるのは果たして当たり前の人の“貌”なのか?
ムッとする生臭い匂いが私の鼻に衝く。その存在の異様さが私に例えようのない嫌悪感を覚えさせる。
私は踵を返して走り出そうとした。コレに背中を向けるのには勇気が必要だったが、いつまでもコレの方を向いていようとする努力よりは容易だった。
コレの声を聞いたのはその時だった。
「もう分かったね?」
その瞬間私の頭の中にイナヅマのように激しい光と衝撃が閃いた。それは物理的な痛みさえ感じさせるほど凄まじいものであった。
私はもう何も考えずに駆け出していた。何も考えず、何も感じず、ただただ機械的に足と腕と心臓を酷使しその場を離れる為の最大限の仕事を身体に課した。
狂騒する風が、狂乱の雨粒がいつしか私の身体を襲っていた。その総てが意味不明な音楽を奏で、私の精神と身体とを責め苛むのだ!
暗い夜だった。しかし人は少ないまでもいないはずはない。街の灯りも少ないまでもないわけじゃない──はずだ。
しかし私の狂騒を静めてくれる人の声も街の灯りも、何もなかった──そうだ、何もなかったのだ!
見慣れた街の姿はもはやどこにもなかった。暗黒の空間がどこまでも拡がっていて、そこには音と私しかない世界だった。私の知る世界とは似ても似つかぬ世界だった。
雨音は狂ったように泣き叫ぶボレロ、奏者は天空の深淵に鎮座する半獣神の群れだ。
刺す様な鋭い響きが鳴り渡った。それは牛飼いが家畜を追い立てる笛の音なのだ。
家畜──いあ! いあ! はすたあ!──底意地の悪い音が私を追い立てる。人を小馬鹿にした音色が私の背中を押し上げる。
もはや私は息が続くの続かないのも関係なく、生命の総てを費やして闇の中を蠢いていた──はすたあ くふあやく ぶるぐとむ──。
家畜じゃない、私は家畜ではない! そう叫んだはずなのに思考は音となって外には出なかった。
繋がれて引き回されるのはご免だ。追い立てられ飼育されるのもご免だ。まして牛や豚のように屠殺されるなんて冗談じゃない!
見ろ! 私には家畜の証につながれてはいないじゃないか! 私を追い立てるのなら私が家畜だという証を示してみろ!!
どちらが前なのか、追い立てられているのは果たして後ろからなのか、そもそも私は走っているのか、這っているのかさえわからない。
それでも自分が必死に何かから逃れようとしていることだけはわかっていた。無数の怪物が闇の中に踊り狂っていた。
あぁ、彼女! そうだ愛しい人! あの人のところに逃れられたなら!!
暴風雨と稲光、そして狂える者たちの演奏に包まれながら私は求めるべきものの存在を願った。
会いたい。彼女に会いたい!
私は跳ねるようにはてしなく続く階段を駆け下りた。そうして狭い路地を駆け抜けてのしかかってくるようなビル群を後に川にかかった橋を渡った。
気がつくと風は止んでいた。雨もなかった。月は空に輝き、街の灯りはいつもどおりに瞬いていた。
世界が元に戻っていた。
.
108 :
家畜4/4 HANA子 ◆zvLTXEoOaA :2011/08/27(土) 04:44:46.85 ID:xFDJvwUJ
窓から外に目をやると既に雨は止んでることに気が付いた。
建物の中にいると雨音は届かない。気が付かなかったのもおかしくはない。
窓は開けさせてくれない。開けたくても窓と私の間には格子があって、手が届かない。
その部屋は板張りで隅のトイレ以外にはコンクリートの壁と鉄の格子、頑丈な扉以外は何もない。
あの後、私はどことも知れぬ牢屋のような場所に閉じ込められた。たまに私の様子を見に来る白衣の人々以外には誰も私に会いに来ない。
あぁ、私は、私は……どうなってしまったというのだ。
愛しい彼女のことを語ると誰もが顔をしかめて非難の目付きで睨む。誰も私の弁解を耳にしようとはしない。
しようがないではないか!
私は追い立てられる中で家畜ではないと証明できた。だから追い立てられはしたものの屠殺はされないですんだ。
だけど彼女は違う。
彼女は家畜の証である黄色の印を身につけていたのだから屠殺されてもしようがないではないか。
もしかしたら彼らは私が彼女を屠殺したのだと思っているのかもしれない。そうだとすればそれはいささか不本意に過ぎる。
なぜ彼らにはわからないのだろう?
無人の街を歩くあれらは葬列ではない。引き摺るのは棺桶ではない。
彼らは単によく越えた家畜を引き立てにきただけなのだ。
そう、あれは今も吹きすさぶ暗闇の中で響くボレロの奏者たちの仕業だというのに。
三周年記念祭にて常駐スレ以外に投下してみました。
投下してからsage忘れに気が付きました。
ごめんなさいです。
乗ってはならない電車をご存じだろうか?
その電車は深夜過ぎ、終電が来た後にやってくる。
これ幸いと乗り込んだ者、酔って前後不覚の者、時刻表をよく読まないものを乗せて発進する。
彼らがどこにたどり着くかは誰も知らないし、何が起こるかも知られていない。
幽霊が現代機器を利用するという話は有名である。
とあるオフィスでは深夜になるとそのコピー機が使い物にならなくなる。
深夜に使うと女の顔が紙一杯に印刷されて出てくるそうである。
業者に頼んで修理しても、直ることはないらしい。
とある愛し合うカップルの内、男が不慮の事故で死んで埋葬された。女は悲しみのあまり焼身自殺をした。
数年後、墓場が災害で破壊された際、男の死体が表に出てしまった。
男の死体は、なぜか灰と骨になっていた。
同じ死に方をしたかったに違いないと村人は噂している。
113 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/16(日) 14:58:12.67 ID:v/D7E13M
携帯を肌身離さず持っている女子高生がいたんだって。
でね、ある朝、その携帯がなくなってて、仕方ないから携帯なしで学校に行ったそうなんです。
そしたら、怖い先生の授業中にいきなりその女子高生の携帯の着信音がバイブと同時に鳴り始めたの。
どこからだと思う?
彼女の下腹部から。
114 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/31(月) 23:50:53.14 ID:zfapowBH
女が妖となる面妖な話
「ある男が酒の席で笑いをとろうとして、美しい若い女に竹取物語を永吟した。
するとその女はさめざめと泣き出し、引きこもってしまい、ひと月立たないうちに夭逝した。
そして女は妖となったのである。」
女が籠ることから出来た歌、「でんでらりゅうば」の由来についての話
「昔昔、長崎に籠もって出てこない女がいた。
そこで近くにいた神主が籠もっている屋敷の竹を取るることを勧めた。
竹を取ると龍が地面から飛び出し、天に登っていき、その後、女はみるみる元気になり外へ出て楽しく仕事が出来るようになった。
女はそのことを歌にした。『でんでらりゅうば、でてくるばってん、でんでられんけん、こられんけん、こんこられんけん、こられられんけん、こんこん。』これが今に伝わる歌『でんでらりゅうば』の興りである。」
女が妖となる失笑する話←本当はこうか?
「ある男が酒の席で笑いをとろうとして、美しい若い女に竹取物語を永吟した。
するとその女はさめざめと泣き出し、引きこもってしまい、ひと月立たないうちに夭逝した。
そして女は妖となったのである。」
女が籠ることから出来た歌、「でんでらりゅうば」の由来についての話
「昔昔、長崎に籠もって出てこない女がいた。
そこで近くにいた神主が籠もっている屋敷の竹を取るることを勧めた。
竹を取ると龍が地面から飛び出し、天に登っていき、その後、女はみるみる元気になり外へ出て楽しく仕事が出来るようになった。
女はそのことを歌にした。『でんでらりゅうば、でてくるばってん、でんでられんけん、こられんけん、こんこられんけん、こられられんけん、こんこん。』これが今に伝わる歌『でんでらりゅうば』の興りである。」
なぜ三重投下したしw
>>117 推敲を投稿したあとしたくなる癖があるんです(´;ω;`)
より推敲するとこうなります。
プログラムを常にリリースコンパイルして製品化してから出し直しするようなものですが、
許されるところで手馴ししたいので書きました。
ご愛嬌で見てください。
女が籠ることから出来た歌、「でんでらりゅうば」の由来についての話
「昔昔、長崎に籠もって出てこない女がいた。
そこで近くにいた神主が籠もっている屋敷の竹を取ることを勧めた。
竹を取ると龍が地面から飛び出し、天に登っていき、その後、女はみるみる元気になり外へ出て楽しく仕事が出来るようになった。
女はそのことを歌にし『でんでらりゅうば、でてくるばってん、でんでられんけん、こられんけん、こんこられんけん、こられられんけん、こんこん。』と口ずさんだ。
これが今に伝わる歌『でんでらりゅうば』の興りである。」
猫が二十年生きて姿をくらました。
ある日、猫を名乗る美人が現れた。
「貴方のおかげでネコマタになれました。御礼をしたいのですが、何かお役に立てますでしょうか」
主人はネコマタを抱いた。
そうして散々抱いてから気がついた。
あれ?俺、こいつがネコマタになるためになんかしたっけ。
「しましたよ。いつも薬をくれたじゃないですか」
猫は猫だったころ猫エイズに罹っていた。
とあるホームページにはネット上全ての悪口が記されているそうである。
つい最近の言葉はもちろん、ネット黎明期のものまで、全てあるというのだ。
仮に何を思いついて悪口を言っても、それは所詮ホームページからの引用に過ぎない。
誰が管理しているかを知るものはいない。
マンホールの下には水道から電気配線まで多種多様なものが存在する。
普通の道具では開けることはできないのが一般的である。
凝った模様を刻んでいるものもあり、町のシンボルをいれているのもある。
注意すべきは無登録のマンホールが存在し、中がどこにつながっているのかさえわからないというのだ。
謎の声を聞いたことは無いだろうか?
深夜、どこからともなく人の歌う音がする。音源を探るも発見できない。
夜に騒ぎ立てる近所迷惑な酔っ払いの声ではないと貴方は断言できる。
窓を開けると音が止んでしまう。理由はわからない。
真夜中のエレベーターの話。
とある学生が深夜のバイトから帰ってきてエレベーターに乗ると、どうも動きがおかしい。
目的の階に行く前に止まったり、扉が開かなかったりするのだ。
彼が不思議に思いエレベーターを降りると、そこはエレベーターではなく、自宅だった。
とあるプログラマーが徹夜に次ぐ徹夜で死に掛けていたときの話。
彼はプログラムを組みながら、ボーっとしていた。
ふと意識を取り戻すとプログラムは組みあがっていた。しかも完璧な仕上がりだった。
だが彼はプログラムの最後の列を見て驚愕した。『死ね』の文字が狂ったようにタイプされていたからだ。
アメリカの某州で不思議な自殺事件があった。
首を吊って死んだ死体が発見されたのだ。
これだけならばなんてこともない自殺だったのが、たった一点について警察も検死医も首を捻った。
何も無いはずの上空30mで首を吊った後、体を損傷することなく地面に落ちてきたとしか思えない現場の状況だったからだ。
高速道路でトラックを運転していた運送業の男性の話。
彼は夜間の休憩を終えて早朝にサービスエリアを出発した。
お昼前になった頃、前方から奇妙なバイクが走ってきた。
フルフェイスのヘルメットを前後反対に被ったライダーだった。
自殺には様々なやり方があるが、こんなやり方はご存じだろうか。
某県の高等学校で猟奇的な自殺があった。
とある生徒が両手足を切断して自殺したのちに遺書を残したというのだ。
自分で両手足を切断できるわけもないことから警察が動いたのは言うまでもない。
◇ ミ ◇
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/彡#_|ミ\
</」_|凵_ゝ
【ラッキーAA】
このAAを見た人はコピペでもいいので
10分以内に3つのスレへ貼り付けてください
そうすれば14日後好きな人から告白されるわ宝くじは当たるわ
出世しまくるわ体の悪い所全部治るわでえらい事です
落ち続ける夢を毎日のように見るサラリーマンがいた。
彼はこれを正夢と受け取り、日常あらゆる「落下」の要素を排するようにした。
そんなある日、彼は首を吊って自殺した。
外国為替取引において保有する通貨が大暴落したのだ。
笑わない女の子がいた。
両親は彼女を笑わそうとありとあらゆる手段を駆使したが、笑わなかった。
医者に診てもらっても異常はなかった。
唯一、彼女が笑ったものがあった。それは人の死ぬシーンのある映画や漫画だった。
透明なものに拘る王様がいた。
彼は宝石はもちろんガラスも好きで、装飾品を次々と作らせた。
彼は贅を尽くしてガラスづくりの宮殿をこさえて中で酒を楽しんだ。
翌日、召使が王様のもとに行ってみると、ガラスが光を集めたせいで焼け死んだ王様の姿があった。
133 :
丸猿 ◆w.IkoiIb6s :2012/01/24(火) 00:09:41.16 ID:nRh1pchi
俺の悪友にさ。
いつもイタズラをしかけたりくだらないウソをついてはみんなを騙して喜んでるような奴がいるんだよ。
でさ。このまえそいつがまた言い出したんだよ。
夜中に、学校の3階のトイレのカガミを見ると、幽霊が映るんだってさw
で、そんな悪友の言う話だからまぁ結果はわかってたんだけどさ。
肝試しってやつはやっぱいいネタになるじゃん?
友達みんなで、じゃあ今日の夜見に行こうぜwwwwwwってなったんだ。
夜中にみんな学校の正門とこで集まってさ。
3階の一つしかないトイレ。その男子トイレの流しんとこのカガミ見て、裏門で再集合ってな。
例の悪友が1番手。そいつが流しんとこに全員分のピンポン玉置いて、
その後おれたちが一人ずつ行ってピンポン玉持って裏門向かうのな。
で、みんなが次々学校ん中入ってって、いよいよ俺の番って訳だ。
正直さ。夜中の学校ってめちゃめちゃ怖いのなwwwwww
普段は眩しいくらいの明かりに照らされていて、みんなの声で騒がしかった場所が今は指の先も見えないくらい真っ暗で、ヤバいくらい静かなんだよwww
で、俺もちょっとマジでビビりながら3階について、例の男子トイレに入っていったんだ。
例の幽霊が映るってのは流しのカガミ。んで、俺が持ってかなきゃならないピンポン玉ってのは流しに置いてある訳だ。
俺はカガミを見ないようにそぉっとピンポン玉を取ったんだけどさ。
いや待てよと。ビビってカガミを見ないとか俺は男かと。
まあくだらないプライドみたいなやつが沸き上がった訳よ。
とか言って実際は、このあと裏門で集まってみんなで悪友を小突きまわすのに、本当は自分カガミ見てないってなるのがイヤだっただけなんだけどさwww
で、思い切って俺は顔を上げて、正面からカガミを見てやったのよ!
なーんてことない。自分がビビりきったアホ面晒してるのが映ってるだけなんだよな。
まあ当たり前だよwwwwww
でもまあ俺もこれで大手をふって集合場所に行けるってもんだ。
で、裏門に着いたらやっぱりもう始まってんのよ。
みんなでバカ笑いしながら例の悪友を小突きまわしてんの。
おいなんだよwwwなんもなかったじゃねえかwwwwwwってさ。
俺はもういつものみんなとのやり取りに安心して、さっそくその輪に入ってったよwwwwww
おいふざけんなよwww何も変なもん映らなかったぜwwwwwwってな。
134 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/12(日) 22:38:36.02 ID:ZlusOFeZ
実は自分が幽霊だった。…というオチなのか?
ピンポン玉なんか本当は置いてないよってことじゃないの?
もしくは、なぜ先に入ったはずの仲間とスレ違わなかったのか、とか
正門出発、裏門再集合だからすれ違わなかったのはまあ
ていうか「なんもなかった」って「鏡」がなかったのでは
鏡を見にいったのに?
もしや我らに謎を残す事が目的の物ではあるまいなこの話は。
・ピンポン玉が無かった
→無いはずの物があった。なにそれこわい
でも悪友君の悪戯としては「置いたって言ったけどウソで―す」はちょっと弱い気がするし
最後にわざわざ「何も映らなかった」って強調するのも不自然
・鏡が無かった
→無いはずの鏡に映った。なにそれこわい
でも普通学校のトイレの洗面所に鏡は付いてるし
悪友君がバールのようなもので引っぺがしたと言う可能性も低そう
後が大変そうだし、明らかに鏡をはがした後があったら「なんもなかったじゃねえか」よりも言うべき言葉がある
・俺が幽霊だった
→最後にピンポン玉が一つ足りなくならないと、話として成り立たない
蛇足になったらごめんなさい
正解としては「鏡がなかった」です。
そのトイレの鏡がなくなっていたのに気がついた悪友のイタズラ・・のはずが
最後に「何も変なもの映らなかったぜ」と言いながら合流したその後、
友人たちがどのようなリアクションをしたのかも想像して楽しんでもらえればw
140 :
136:2012/02/16(木) 17:15:35.18 ID:2N39GS6F
当たったw
幽霊が映ったんじゃなくて、むしろ鏡が幽霊だった的な
「指先も見えない暗さ」なのにトイレにたどり着いて鏡を見れたのがおかしいのかなあ、とも思ってた
本当にそんなうわさがある鏡が撤去されて、変色した壁だけがそこにあったら
昼間、普通にトイレに行く時余計に怖いよね
鏡が存在してれば「いやー幽霊が映るとかないわ―」で済むけど
撤去されてたら「え…あれ事実だったの?(ぞわっ)」ってなりそうだ
141 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/16(木) 21:24:41.31 ID:/3wHTOXU
学校にあったわそうゆう鏡
あばばばばwww
age
144 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/20(火) 21:13:32.94 ID:KsUeqJRx
上がってなかったw
145 :
創る名無しに見る名無し:2012/05/20(日) 00:08:21.93 ID:bew20Kwl
あげ
146 :
タモーレ ◆8esMS.OL2k :2012/05/20(日) 05:37:25.70 ID:ySsEu0y8
さっちゃんは交通事故で両足を無くしていました。
さっちゃんは無い足を見ていつも泣いていました。
ある日名医が現れて、さっちゃんに高性能の義足をプレゼントしました。
でもさっちゃんはあまり喜んでいない様子…
たまり兼ねた名医が尋ねました。
これを付ければ歩けるようになるんだよ。嬉しくないのかい?
すると、さっちゃんが一言…
「私が欲しいのは命だよ」
ここには携帯で読めるホラー漫画を置いてます。
内容は稚拙ですが、良かったら読んでみて下さい。
↓
http://id35.fm-p.jp/69/brynoehkjr/
147 :
創る名無しに見る名無し:2012/05/20(日) 10:17:35.96 ID:xB2AkhZ6
__ノ)-'´ ̄ ̄`ー- 、_
, '´ _. -‐'''"二ニニ=-`ヽ、
/ /:::::; -‐''" `ーノ
/ /:::::/ \
/ /::::::/ | | | |
| |:::::/ / | | | | | |
| |::/ / / | | || | | ,ハ .| ,ハ|
| |/ / / /| ,ハノ| /|ノレ,ニ|ル'
| | | / / レ',二、レ′ ,ィイ|゙/ 私は只の数ヲタなんかとは付き合わないわ。
. | \ ∠イ ,イイ| ,`-' | 頭が良くて数学が出来てかっこいい人。それが必要条件よ。
| l^,人| ` `-' ゝ | さらに Ann.of Math に論文書けば十分条件にもなるわよ。
| ` -'\ ー' 人 一番嫌いなのは論文数を増やすためにくだらない論文を書いて
| /(l __/ ヽ、 良い論文の出版を遅らせるお馬鹿な人。
| (:::::`‐-、__ |::::`、 ヒニニヽ、 あなたの論文が Ann of Math に accept される確率は?
| / `‐-、::::::::::`‐-、::::\ /,ニニ、\ それとも最近は Inv. Math. の方が上かしら?
| |::::::::::::::::::|` -、:::::::,ヘ ̄|'、 ヒニ二、 \
. | /::::::::::::::::::|::::::::\/:::O`、::\ | '、 \
| /:::::::::::::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::'、::::\ノ ヽ、 |
| |:::::/:::::::::/:::::::::::::::::::::::::::::::::::'、',::::'、 /:\__/‐、
| |/:::::::::::/::::::::::::::::::::::::::::::::::O::| '、::| く::::::::::::: ̄|
| /_..-'´ ̄`ー-、:::::::::::::::::::::::::::::::::::|/:/`‐'::\;;;;;;;_|
| |/::::::::::::::::::::::\:::::::::::::::::::::::::::::|::/::::|::::/:::::::::::/
| /:::::::::::::::::::::::::::::::::|:::::::::::::::::::::O::|::|::::::|:::::::::::::::/
148 :
タモーレ ◆8esMS.OL2k :2012/05/28(月) 07:29:22.03 ID:xz+ZsKpw
A(男)は最近、引っ越したばかり。
引っ越しを手伝ってくれたB(男)と、新居にて軽い夕食を取っていました。
B「それにしてもCちゃんがあんな事をするなんて…」
A「俺が第一発見者だったからな…。押入れを開けた瞬間は死ぬほどビックリしたぜ」
C(女)とは…Aの元彼女。
前に住んでいたAの部屋の押入れで遺体として発見された。
死因は頸動脈をカッターで切っての出血死…
B「でもよ、お前に整形がバレたぐらいで自殺するなんてな…。ちょっと衝動的というか何というか…」
A「それだけショックだったんだろうな」
B「………」
B「なんかCちゃんのこと話してたら怖くなってきたな。テレビでも見ようぜ」
テレビを付けると運の悪い事に心霊番組をやっていました。
B「なんだよ!よけい怖くなるじゃねえか」
すると2人は、すぐにある事に気づきました。
B「あれ…ちょっとA…この場所って…」
2人は度肝を抜かれました。取材場所はなんとAの前の部屋…
B「嗅ぎつけるの早いなアハハハ…」
A「ていうか心霊現象なんて起こるかよ、バカバカしい」
2人はあまりに突然の事で動揺し、強がる形で盛り上がっていました。
B「お、いよいよ例の押入れですよ。旦那」
A「オチはどうするんだろうな(笑)」
レポーターが息を飲みながら、一気にバンッと押入れを開けました。
Aは気を失うほどビックリしました。
そこには見覚えのない女がCと同じ体育座りの姿勢で座っていました。
A「い…いや、まてまて。これは仕込みだろ。こんなにはっきり霊が出るわけない!」
A「てか番組スタッフはCの顔も知らねーのか?アハハハ…」
するとBが怪訝そうな顔でAを見て、
B「お前、さっきから何言ってんの?押入れには何もなかっただろ」
A「え…?」
A「いるじゃん。知らない女がCの服装まで真似て…」
Aは呆れ半分、もう一度テレビの画面を見ました。
すると押入れの女がこちらを睨みつけて一言…
「犯人しか見えないよ」
149 :
☆:2012/05/31(木) 18:10:35.44 ID:vZPRxdGC
150 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/01(金) 19:42:21.76 ID:GYf4ZkZ+
最近、小説投稿サイトで連載をし始めました。
http://ncode.syosetu.com/n4078be/ 天正10年六月二日、京都・本能寺で起こった明智光秀による謀反。
歴史の教科書には一行に満たない文字数で記されているが、その夜、
信長を含む”変”当事者達に起きた奇妙な出来事の数々…。
すいません…文芸書籍サロンの自作を晒すスレが集スト?に占拠されて
チャット状態で使い物になってないので、こちらに貼らせてもらいますね?
151 :
創る名無しに見る名無し:2012/06/01(金) 22:48:45.99 ID:us6DU6FH
以前まったく同じ内容のレスをオカ板で見たよ。
いや、見てないよ。
男は今日も歩いていた。電車を降りて会社に向かう道だ。
いやあ今日も暑くなりそうだ。見上げると太陽がギラギラと輝いている。ふと、ビルの上の階
から何か点が落ちてくるのに気付いた。
その瞬間、男の時間はひどくゆっくりと流れているように感じた。その点はだんたんと大きく
なっていった。
小さい子供だ。ニ、三歳だろうか。
男は思い出した。ビルの手すりから幼児が身を乗り出し、落ちた。それを通行人が見事に
キャッチした。そんなニュースがあった。
そうだ、俺も英雄になるんだ、と男は思った。
男の頭は通常の何倍もの速さで回転した。両腕を前に出し、落下地点を計算し、足を動かす。
大丈夫だ。俺が抱きとめてやる。
次の瞬間、男の目の前でベシャッという音がした。
ゆっくりと血の海が広がってきた。
猫の妹
妹が猫病になりました。猫病というのはあまり知られていない病気ですが、猫ひげが生えて
瞳孔が細くなります。性格的にはすごくおとなしくなります。
妹は高校生で、私は大学生です。姉妹の場合妹は生意気と相場が決まっているらしく、私
の妹も例外ではありませんでした。それが、猫病になると、私が「おいで」と言うと来て、膝を
ぽんぽんと叩くと乗るのです。私だけになついて、父や母にはなつきません。私は妹を抱っこ
している時が幸せでたまりませんでした。
このまま妹の猫病が治らなければいいのに、と思っていました。
猫病になった妹はほとんどしゃべらず、「うん」の代わりに首を縦に振り、「んーん」の代わり
に横に振ります。
ご近所さんからは美人姉妹だなどとはやしたてられますが、妹は本当に、昔の奥菜恵の
ようにかわいいのです。
そんなある日、妹がキッチンで四つん這いになっていました。妹は芳子と言います。
「よっちゃん、何してるの?」
次の瞬間、私は悲鳴をあげました。
妹はねずみをバリバリと噛み砕いていました。
156 :
創る名無しに見る名無し:2012/07/09(月) 11:41:56.10 ID:2jdIGg1/
そこまで怖いオチじゃなかったw
かわいい
いや可愛くはないだろうw
158 :
創る名無しに見る名無し:2012/07/10(火) 00:53:42.94 ID:nDw/UjP5
十分怖いだろw
君、気をつけたまへ。
電車がトンネルの中に入ると、レールの継ぎ目の音がうるさく響くわけだが、よく耳をすまして
みると、それに合わせて天井からトトン、トトンと誰かがノックする音が聞こえる。だが、決して
「誰だっ?」などと呼びかけてはいけなひ。そんなことをしたら、君、君のすぐそばの窓からゆっ
くりと長い黒髪が下りて来て、もしトンネルが長過ぎたりしたら、君はもう二度と正気で日の光
のもとへ出られなくなるのだから。
ほんとうは作り話の怖い話
平川夢冥、といえばご存知の方もいるのではないだろうか。恐怖体験談を収集し、出版する。
それが私の仕事である。その類の本を読んで「著者の作り話じゃないの?」と思う人も多い
だろうが、少なくとも私の場合は違う。
多くの場合、私の方から取材を申し込むのだが、私の名前を知っていて、向こうから話を
聞いてくださいと頼んでくることもある。今日訪ねる大山氏もその一人である。
大山氏は小太りの紳士といった感じの人物で、お決まりの挨拶をしていよいよ怖い話を聞く
ことになったのだが、彼が放った最初の一言に私は仰天した。
「これは作り話なのですが」
「え!?」
「ええ、ですから作り話なのですが、東京の千代田区でですね」
まあいい。これは珍しい人だ。聞くと案外おもしろいかもしれない。
「サラリーマンなんですが、深夜一人で残業をしていましてね。背後に人の気配を感じて、
振り返ると小学生くらいの女の子が立っていたんですよ。『お嬢ちゃん、どうしたの?』って
聞いても笑顔のまま答えない。その女の子、すーっと歩いていっちゃったんですね。その方
もふらふらーっとついていっちゃったんですね」
なんだか話し方が稲川淳二のようになってきた。
「屋上に出て、女の子がおいでおいでをするんですね。で、その方その子の方に近づいていく
んですけど、逃げ水のように遠のいていってしまうんですね。それでまた近寄っていく。それを
繰り返していって、ふと気がつくと足元に地面がなかったんですよ」
翌日、ニュースを見て驚いた。東京都千代田区で大手電機メーカーに勤める男性が深夜に
会社の屋上から飛び降り自殺したというのだ。
これは単なる偶然だろうか? 真相を確かめるべく再度大山氏を訪ねた。ところが彼はその
ことには触れようとせず、またもこう切り出した。
「これも作り話なんですけどね。天田翔子という方なんですけど」
その人物なら知っている。前に取材に協力していただいた女性だ。
「温泉旅館に来ていて、ひとだまを見たんですね。その人、後を追いかけてっちゃった。ひと
だまは森の中にすーっと入ってっちゃたんですね。どんどん奥に行っちゃう。正気にかえると、
その人湖の中に首までつかってたんですよ。その方助からなかったそうですよ」
二ヶ月後、T温泉近くの湖畔で女性が溺死したというニュースが流れた。画面隅に映った
写真を見て思わず「あっ」と声を上げてしまった。天田翔子だ。
私は今度こそ真相を聞き出そうと大山氏を訪ねた。
「ですから、私のは作り話なのです」と彼は言った。「まあ、単なる偶然ならいいのですが」
「これを偶然で片づけるのですか! ではもう一つ話をしてください。それで当たったら、これは
もうまったく新しいタイプの怖い話です」
「いいでしょう。これも作り話なのですが、大岩剛三という方がですね」
私の叔父だ!
彼の話を要約するとこうなる。叔父は幽霊を見るようになった。ベッドの脇に、赤いワンピース
の、髪の長い女性が現れるという。何度も何度も出てくるので、叔父は眠れなくなって、とうとう
最後には気がふれてしまったという。
三週間後、私の携帯に連絡が入った。叔父が重度の統合失調症で隔離病棟に入院したと
いうのだ。
なんということだ。私はもう一度大山氏を訪ねた。
「これは、予知能力ではないですか?」
「いえ、違います。予知能力の場合は、これは未来に起こることだと確信していると思うんです
ね。私はただ思いつきでしゃべっているだけです」
「そんなことが……私にはまだ信じられません」
「ではもう一つお話をしましょう。平川さん、あなたについてです」
私は口を開いたまま、大山氏を凝視した。
「これは作り話なのですが……」
A(兄)とB(弟)は一卵性の双子。
唯一の違いはBの耳の裏にホクロがあるくらい…
AとBはともに漫画家を目指していた。
Aはわずか数ヶ月で受賞デビュー、トントン拍子で売れっ子漫画家になっていった。
一方Bの方は受賞すら出来ずに万年志望者のまま…
A「絵柄は全く見分けがつかないのに、なんでこうも違うんだろうな?」
B「兄さんの漫画は派手で勢いがあるからね。万人受けするタイプだよ」
B「それに比べて僕の漫画は暗くてバッドエンドばかりだから…」
B「それに……兄さんはパクるのも上手いし…」
A「パクりが上手いか…」
A「さすが実の弟だな。売れっ子漫画家にも気兼ねがない。ハハハ」
A「なぁなぁ、もしも俺が死んだら、お前どうする?」
B「え?」
A「俺に成り変わって売れっ子漫画家に…」
B「バカバカしい…いくら絵柄が同じでも僕に兄さんの漫画が描けるわけないだろ」
A「真面目だな、Bは」
A「でもよ、ここだけの話、成り変わってもいいぜ。面白そうじゃん」
B「いいかげんにしてくれよ!」
A「わかったわかった。謝るよ」
数日後、双子の一人が心臓発作で急死した。
駆けつけた救急隊は双子と言うことで少々驚き、
慎重に第一発見者の双子の片割れに尋ねた。
「この方は…?」
双子の片割れは少し間を置いて答えた。
「兄のAです」
つづく
162 :
創る名無しに見る名無し:2012/08/03(金) 13:27:59.94 ID:BnlZZEMg
その後Aの漫画は打ち切られ、多くの読者は悲しんだ。
暫くしてBがAの元編集部を訪れて、こう言った。
B「僕が兄の遺志を受け継ぎます」
B「これ新作なんですが兄を思って描きました。一読お願い出来ますか?」
編集部は真摯に対処しつつも内心では売れない弟を早く厄介払いしたかった。
…のはずだったのだが、この漫画が思いのほか面白い。
相変わらず暗くてバッドエンドのストーリーなのだが、何故か面白かった。
Bは売れっ子漫画家Aの遺志を受け継ぐ弟として話題を呼び、瞬く間に売れた。
編集部もBを絶賛。まるでAが乗り移ったかような快進撃と持ち上げた。
B「そんなに誉めないで下さい。僕は兄の作った道をただ歩いてるだけですから」
B「それにしても駆け上がるのはやっぱり楽しいですね。ワクワクしますよ」
そう言うとBは照れくさそうに耳の裏をかいた。
…何かが落ちた気がした…
【END】
狂気
気が付くと私はそこにいた。波の音が聞こえる。どうやら海の近くらしい。
ここは何処であろうか。
残業帰りに何者かに腕を引っ張られ、無理矢理車に乗せられた。
車には 見た事もない若者数人が乗っていた。
顔面を二、三発殴られた後、財布を取られた。
ここからの記憶がない。
今は早朝であろうか、
まだ空はそれほど明るくはなかった。
ふと、足元に何かが転がっているのに気が付く。
空が明るくなってくるにつれ、それが酷く変形した人型である事に気付く。
私だった。
私は、私を見下ろしていたのだ。
理解する事に少し時間がかかったが、結論は一つしかなかった。
私は死んだのだ。
続
狂気2
考えられる結論は一つ。
地面によじれた躯を晒しているのは、私の亡きがらであり、見下ろす私はその肉体から抜け出た魂であると。
つまる所、幽霊である。
眼下の抜け殻は相当に傷ついており、中でも頭部は腐ったジャガ芋のように潰れており、恐らくはこれが致命傷となったのであろう。
気休めに壊れた肉体と重なって見たが、やはり
「生き帰る」
などという事はなかった。
取りあえず、誰かに死体位は見つけて欲しかったが、何故だろう、ここは誰もいない。
未練なのか、私は私の死体から離れる事は出来なかった。
ここで何日も何日も誰かが来るまで死体と共に過ごすのであった。
続
狂気3
あれからどの位経ったであろうか。
徐々に肉体は腐っていく。
蛆が。
鳥が。
微生物が。
容赦なく私の躯だったモノを食い漁る。
周囲には蝿が無数に飛び回り、腐った肉体は水分となり、土に溶け出し、やがて骨だけになっていた。
私はそれを見ていた。
と、言うよりもただ傍観するしかなかったのだ。
モノに触れる事さえ出来ない、ただの幽霊に何が出来ようか。
やがて周囲が騒がしくなって来た。
何だろうか、トラック数台が私のすぐ近くに止まり、数人の男達が測量を始めたのだ。
チャンスだった。
続
狂気4
男達は私(とその骨)のすぐ近くに来ていた。
思わず手を振りながら、
おい、ここだ!ここに私がいる!
と叫んだ。
誰も気が付きはしない。
当然だ。誰にも私の声など聞こえないし、見えもしないのだ。
しかし思わぬ偶然が起こった。これは幸運なのか。一人の男が私の正面から向かって来る。
男はズボンのチャックを下げながら近づいて来る。恐らくは用足しであろう。その時やっと気付いてくれたのか、男は物凄い悲鳴をあげた。
男の視線のその先の、私の骨に。
男は腰が抜けつつも仲間の方にむかって四肢を駆使して這う。まるで犬のような姿勢で仲間達に叫んだ。
「大変だ骨が、人間の骨が転がってる!!」
続
今晩はこれにて。
乙です
続きが気になる!
狂気5
しばらくすると車が二台、白と黒の色に××県警の文字がある。その中から制服姿の男達が降りてくる。先程私の前で腰を抜かした男と二、三言話し、私の元に近づいて来る。
一人の警官が、私の骨を少し観察した後大きな溜息をついて
「あぁ、この仏さん、他殺だなあ。」と呟いた。
他殺?
私は殺されたのか?
もう一人の警官がうん、うんと頷く。
「頭蓋骨が陥没してる。
なんか棒状のエモノで殴られたんだなあ、それにほら、首も折れている。」
警官達は私の骸を見下ろし、拝む。
その後は私の骨を丁寧に、徹底的に拾い集め、
第一発見者に事情聴取。
そのまま骨を車に乗せて
帰っていった。
続
狂気6
この頃になると私はこの辺り周辺を退屈しのぎに散歩するようになっていた。
いつの間にかプレハブ小屋が出来、その横に立て看板で
「国土交通省九十村道路計画」
ああ、ここに道路が出来るのか、などと考えつつ、ぶらぶらと歩く。
気になる事はいつかの警官の発した「他殺」の二文字だ。私は殺された。
恐らく私を殺した奴らは
あの時の若者達だ。
悔しい。
私には家族がいた。妻と娘が。
きっと心配している事だろう。私を殺した奴らは今ものうのうと生きているのだろう。
その理不尽さに怒りが込み上げる。
その時だった。
海だ。海の方から異様な気配を感じた。
黒い海。その中で何十何百という人影とも獣とも形容しがたい黒い物体がうごめいていた。
奴らは海の下から頭と腕を延ばし、まるで波の用にユラユラと揺れていた。まるで私に手招きをすりように。
おぉーおぉー
彼らの叫びとも泣き声とも付かぬ声が、私の中を貫いて行く。
恐怖が私を包みこむ。駄目だ!止めてくれ!!
思わず叫ぶと海はまた平静を取り戻すのであった
続
狂気7
道路の工事は進み、じょじょに現場関係者と思われる人間が増え随分と賑やかになった。
私は今、人の形ではなくなりつつある。恐らく、
遠い記憶が時が経つにつれ朧げになるのと同じ用に、人であった頃の記憶
〜自分の生前の姿を忘れつつあるのだ。
この場所を離れようと思ったが、なぜかある所まで行くと透明な壁に付き当たり、そこから先にはどうしても進む事が出来ないのだ。
帰り道に妙な建築物を見つける。
石で出来た鳥居のような、昔何かの図鑑で見たストーンヘンジのような物だ。この物体の先へは、
やはり例の「透明な壁」
があって先に進む事は出来ない。
しかたないので、自分の居場所、かつて私の骸があった所に帰ろうとしたその時、何処からか私に向けての視線に気が付く。
振り向くと男が私を見ていた。
続
狂気8
この男は私を見る事が出来るのか!!
しかし男は青ざめた顔で
目を反らし、何事もないようにプレハブ小屋の方に歩いて行く。心なしか少し小走りだ。
私は彼に着いて行く。
やっと私に気付いてくれた人間を見つけたのだ。
この機は逃さない。
男の脚はどんどん速くなって行く。こちらがついて来る事に気付いているのだろう。一言だけでもいい。何か言葉を交わしたい。もう孤独はうんざりだ。
なぜか私は彼の背中のすぐ前に瞬間的に移動していた。私の霊体の一部は
彼の身体の一部に食い込むような形になった。
何故私を無視するのだ。
大丈夫だ、何もしやしない。ただ言葉のやり取りをしたいだけなんだ。
私は彼の耳元で囁く。
俺の事、見えてるんだろう....?
男は悲鳴を上げてプレハブ小屋に走って逃げてしまった。
脅かすつもりではなかったのだが。
続
狂気9
この件が妙な事態を巻き起こす。
現場にまことしやかに囁かれる幽霊遭遇事件。
どうやら彼の他にも私に気付いていた関係者はいたらしい。
そしてついに私を成仏させる為の「おはらい」が敢行される事になったらしい。
もうこの頃の私は人の姿であったろうか?
もはや生前の姿などとうに忘れてしまった。
今の私は人の形をした黒い影のような存在になっていた。寧ろいろいろと面倒な人間の姿よりも動き易く快適であった。
ああ、今日もあの黒い海から心地よい風の音が聞こえる。呪詛の念、この現世への冒涜的な言葉..彼らは私を誘うのだ。
同情し、時には蠱惑的に誘惑し、あの石の門を開けて彼らをこっちの世界へと連れ出してほしいと
...待っていてくれ、もうすぐだよ...私が君達を開放してあげよう。
君達が奏でる忌まわしい音楽が私を少しづつ黒に染め上げていく。
なんとも言えない高揚感そう、「この世」などは
何の意味もない..
ただの言葉にすぎない。
続
乙 支援
支援
狂気10
今日は...目がなくなったよ。
現場の作業員達が私の死体が遺棄された場所で黙祷している。
その前で宮司がありがたい経典なんかを物々唱えてる。
炎が炊かれる。
宮司は相変わらずお経を詠み上げている。
わざと宮司の前に立って見る。
こっちに気が付いてないみたい。お経に夢中?
それとも本当は幽霊なんか見た事ないインチキ宮司?
さあ、その有り難い説経とやらで俺を成仏させて見ろ!!
もはや俺は現世を怨む化け物だ、この程度の力で俺を昇天させる事なんか出来やしない。
全ての行事が済んだ後、
俺は作業員の前で、
宮司の首を跳ねてやった。
そりゃあもう大騒ぎだ。
泣き叫ぶ奴、発狂した奴もいた。いい気味だ。
海の中の友人達も喜んでくれた。
やがてここに人間はいなくなった。プレハブ小屋の立て看板には誰が貼ったのか「着工日未定」と書かれた紙があった。
さあ、友よ、もうすぐだ。君達を閉じ込めているあの石の門を開け、狂気に満ちた漆黒のケガレの風を吹かせよう。
所詮、この世は欺瞞と矛盾に満ちた歪んだ闇だ。
完
>>176 どーもです。
小説書くの初めてだったんでいろいろと酷い部分もありますが...
でもここは書き込み規制ユルくていいですね。
狂気 その後
以下、S県捜査一課丸山信吾巡査部長の手記より抜粋
×月×日S市某賃貸住宅にて変死体を発見との通報あり。死亡者の氏名は林勝広
通報したのは死亡者と恋人関係にあったK
殺人の可能性もあった為
死亡者の部屋を捜索。
その結果死亡者の机の引き出しより、
「小野寺順一」の物と見られる自動車免許証と財布を発見。
「小野寺順一」は三年前、行方不明となりさらに二年前に九十村にて白骨死体となり発見されている。
(歯の治療跡と右足部の骨折治療跡により本人と断定)
続
狂気 その後
死亡者、林勝広は私が個人的に調べていた
「白木丈一」と当時交遊関係があり、小野寺順一死体遺棄事件の主犯の一人として現在調査中。
奇妙な事に死亡者の死因は溺死。しかも黒い海水を多量に飲んでいた
×月×日
やはり白木丈一と交遊関係にあった、「相沢ほなみ」が勤め先のT都K町の風俗店のトイレにて変死との連絡が警視庁より有り。こちらは管轄が違うので詳しい情報はまだ不明。死因は溺死との事。
続
狂気その後
白木丈一は九十村出身であり、死体遺棄現場にも土地勘がある。
後日、九十村に足を運んでみる事にする。何か嫌な予感がする。
依荏子山
ケガレの風
(別の人物の筆跡で
小塚早苗###‐####‐####)
×月×日
小野寺順一死体遺棄事件の主犯としてやはり白木丈一と当時交遊関係にあった「堀川保」を緊急氏名手配。どうやら林勝広に免許証と財布をネタに金を恐喝されていたらしい。(恐喝の件は捜査二課で調査中)
×月×日
S市某ホテルにて、堀川保が変死体で発見される。
死因は溺死。例の黒い海水−−−。
犯人死亡のまま逮捕。
この日の夜、九十村で見た少女の幽霊に遭遇。
「あなたも気をつけて」
.....警告か?
狂気その後
小塚早苗嬢よりTellあり。
彼女の話に寄れば、自宅にて女の幽霊に遭遇し、
気を失ったとの事。
気が付いた後、フローリングに大量の泥の付いた足跡と黒い「くし」を発見したとの事。
今日の夜落ち合う予定。
※例の九十村出身の警官とやっと連絡が取れた。
結城優
完
>>183 ありがとうございます。
まだまだパズルのピースはたくさん残っております。
終電を逃してしまった。
調子に乗って、もう一杯頼んだのが、いけなかった。
自宅までは、3回乗り換えがある。その2つ目の駅で、乗るはずだった電車を見送った。
どうする。
仕方が無いので、ここからタクシーで帰ることにしよう。
高くつくが、やむを得ない。明日も仕事がある。
こういう時に限って、タクシープールは行列がものすごい。
ったく、終電があるうちに帰れよな……
自分を棚上げし、毒づく。
少し歩いて駅から離れれば、流しのタクシーを拾えるかもしれない。
そう考えて、歩き出す。
しかし、そうそう捕まるものでもない。
通りすぎるのは「賃走」か「回送」の表示ばかり。
運良く「空車」を見つけても、あからさまに知らんぷりだ。
ふざけんな、嫌がらせしやがって……
夜道をとぼとぼ歩きながら、惨めな気持ちになりながら、走りゆく黒い車を目で追う。
経験したことはないが、砂漠でオアシスを求めて彷徨うのは、こんな感じなのだろうか。
半ば諦めかけたその時。
一台のタクシーが、一時停止をしてからゆっくりと路地から出てきた。
慌てて手を上げ、通せんぼをするように立ちふさがる。
逃してたまるか、そういう気持ちに近かった。
タクシーは、後部席のドアを開けた。
やれやれだ。
体をシートに滑り込ませ、溜息をつく。
「どちらまで」
「〇〇団地なんだけど、いいかな」
「あぁ……あそこね。いいけどお客さん、つかれちゃうかもな」
「はは、もう十分疲れてるよ」
「あ、そうですか。なら大丈夫かな」
運転手が車をスタートさせた。
しばらく目をつぶり、じっとしていた。
タクシーはほとんど停車せずに走っている。
あの駅から自宅までの距離を考える。
大体、5千円くらいだろうか。深夜割増も考えると、7千円位を覚悟した方が良いか。
カーブが多い気がする。抜け道なのか。
見たところ、ベテランの運転手のようだし、道をよく知っているようだから、遠回りすることも無いだろう。
目を開けて、窓から周囲を見る。
さっきまでは住宅街だったが、両脇に木が生い茂っている。林か山の中かを走っているのか。
団地までの道のりに、そういった場所が無いわけではない。信号に引っかからないような、抜け道なのかも知れない。
しかし……
時計を見る。
もう1時間近く乗っている。
メーターは1万を超えている。
びっくりして、たまらず声を掛ける。
「ちょっと、ここどこ? どこ走ってんの」
「いや……」
「あの駅から〇〇団地なんて、そんな遠くないでしょ」
「そうなんですけどね」
「遠回りしたって、金は払えないよ」
「お金ですか」
そういうと運転手はメーターを倒した。
「お代は結構です……自分でも分からないんですよ……どこを走っているのか」
「はぁ!?」
「途中まではいい感じに来てたんですけどねぇ……やっぱ今日は日が悪かったかな」
「何言ってんだ、早く戻ってよ、分かるトコまで」
「いや、もちろんそのつもりで走ってますよ……でもねぇ」
「じゃあいいや、とにかくここで停まってよ。ここがどこか、地図で調べりゃいいじゃない」
「停まる? 嫌です。そんなおそろしいこと、できません」
「何言ってんだよ……」
「止まったら、つかれちゃいますよ」
「は? いやもうとっくに相当、疲れてるんだけど」
「そうですか……じゃあ、後ろのは何なんでしょうね」
振り向くと
.
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190 :
止まない音:2012/08/14(火) 23:52:54.52 ID:ZAICLv59
まただ。
いったい、いつまでそうしてるつもりなんだ。
駅のトイレの個室の中で蹲り、さっきまで暴れまっていた腹を宥めながら、ぼんやり思う。
慌てて入ってきたので時間は覚えていないが、たぶん10分は経っている。
ここへ入る前から、隣の個室は人が入っていた。
奥に一つだけ空きがあるのを見つけて、やれ幸い、と思ったのだ。
自分の腹が落ち着くと、周りの音が聞こえ始める。
それまでに隣の奴が水を流す音も出て行く音も聞かなかった。
聞こえたのは、トイレットペーパーを引き出す、あのカラカラという音だけだ。
それが聞こえると、大抵の場合次に水を流す音が聞こえて、衣服を直す音に続いて隣人が出て行く。
そうして隣人がトイレから出て行くまで待ってから、出るようにしている。
なぜだかよく分からないけど、顔を合わせると気まずいので、そうやってやり過ごすのが常だった。
しかるに、隣の奴。
さっきから、間断的にトイレットペーパーを引き出す音が聞こえている。
もう何度目だ?
そんなに拭きたりないのか? 潔癖症で、いくら拭いても気持ち悪いのか?
だいいち、ペーパー無くなっちゃうんじゃないか。
それとも、床にでもこぼしたのか。
ここは洋式だが、隣は和式なんだろうか。
カラカラ音が聞こえたあと、何かを拭いている音はする。
その後しばらく無音が続き、再びカラカラ音。
いったい、何をしているんだ……
終わったなら、さっさと出ていって欲しい。
191 :
止まない音:2012/08/14(火) 23:54:37.92 ID:ZAICLv59
腹は、どうにか落ち着きを取り戻したようだ。
やはり昼に牛乳を飲み過ぎたのが悪かった。
隣の奴は出る気配ないし、顔を合わせないよう今のうちに出よう。
そうして自分もペーパーに手を掛けたとき、隣の奴が個室を出た。
なんだ。
ちょっと待つか……
洗面台で、水を流す音が聞こえる。
手を洗ったら、さっさと出ていけよ。
ところがだ。
一向に、水を流す音が止まない。
ただ流しているわけではなくて、手を洗っているような音だが、それがずっと続いている。
なんだよ、今度は手洗いか?
勘弁してくれよ。
そこへ、別の足音がした。新たな利用者が入ってきたらしい。
なんだよ、タイミング悪いな……
「うわあああぁぁぁぁ!!」
.
192 :
止まない音:2012/08/14(火) 23:56:14.57 ID:ZAICLv59
突然、叫び声がした。
走り去る足音もした。
なんだ?
いったい、なんなんだ?
何かを見て逃げた?
何を?
もしかして、ずっと手を洗っている奴か?
耳を澄ますと、水音は止んでいる。
なんだ。
いったい、奴は何者なんだ。
なんで、叫び声をあげて逃げたんだ。
そのまま息を詰めて様子を伺う。
何の音もしない。
もう、無人のようだ……
そう思った矢先、
「う、うわあぁぁ!!」
別の叫び声がした。
おい、ちょっと待て……
まだ、いるのか?
耳を澄ます。
個室のドアが、ゆっくりノックされた……
.
193 :
止まない音:2012/08/14(火) 23:57:17.74 ID:ZAICLv59
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ヽ /彡i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!ヾミヽ l
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i彡;;:'i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!iミミミi
ヾ〃.,i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!iヾミi
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_,-‐/ !\!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!i!/ iヽー-、
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ヽ \ / i
ヽ `ーt--t‐'´ /
ヽ / ◎ヽ、 /
ヽ /i iヽ /
おしまい。
乙 AAもありか
泥と櫛1
ようやくS市に着いた。
お昼にバスに乗って着いたのは夜の7時。
とっくに日は落ち、駅前はネオンの光に照らされていた。
九十村のレポートを今日中に終わらせたかったけど、明日にしよう。
自宅への帰り道、S県警の前で止まった。
(丸山さん、ここで働いてるんだ。)
朝のニュースで流れてたっけ。二年前の九十村での死体遺棄事件の容疑者を緊急指名手配..。
とりあえず疲れた。早く部屋に帰ってシャワー浴びたい。
私の住んでる部屋は駅からちょっと遠い。だから家賃も安いんだけど。
いつもの曲がり角。暗くてちょっと怖い曲がり角。電灯が壊れてていつもチカチカしてる。
この角を曲がれば部屋へは5分と掛からない。
そこで私は後の気配に気付く。
泥と櫛2
どうしよう。後を見る勇気がなかった。
人?違う。
猫?違う。
もっと何か、奇妙な物。
私は歩くスピードを早める。
それは私にずっと着いてくる。
後で、ホウキでゴミを払う時のような音がする。
ざっざっざっざ
アパートはすぐ目の前だもう視界に入っている。
恐怖。
今まであった事のない悪寒。
見ちゃ駄目だ見ちゃ駄目だ見ちゃ駄目だ。私は頭の中で繰り返す。
アパートの門をくぐり抜け、階段を上ろうとした時、
見えてしまった。
地面から生える黒い髪の毛。
それが私を目指して
ざっざっざっざ。
近いてくる。
もう脇目も振らず階段を駆け上がる。
右奥の角部屋が私の部屋だ。
ドアの前で急いで鍵を開けて、部屋に入ってドアを閉じ、鍵を閉め、ついでにチェーンロックを掛ける。
呼吸が荒い。思わず玄関でへたり込む。
泥と櫛3
何よ、何だったのあれは??
とりあえず部屋に入って少し落ち着く。
電気を付ける
いつもの部屋だ。
何も変わらない私の部屋だ。
荷物をベッドの上に放り投げ、着替えようと振り向く。
い た。
あの髪の毛が私の部屋にいた。
恐怖で口を塞ぐ。
なぜか髪の毛から目を話せない。よく見ると、
髪の毛の下に
顔があった。
おでこから鼻の上位まで。
まるでフローリングに埋まっているようだ。
それは二つの眼で私を凝視する。女性のようだった。
真っ赤に血走った目。
フローリングから右手が延びる。左手も延びて来る。
べちゃっ
フローリングに両手を着けて、力を込める
ず ず ず ずっ
徐々に彼女の半身がはい上がる。
次に左太ももからひざが。
右太ももからひざが。
まるで土下座をしてるような姿勢になる。
もう駄目だ。助けて!!
叫ぼうとしても声がでない。
続
泥と櫛4
そして彼女はゆっくりと立ち上がる。
朱い着物、額に十字の印
そして泥だらけだった。
まさか?ジンチュウ様?
彼女は急にがたがたと震え始める。
その亀の甲のような干からびた泥がこびりつくその口で
私を見て
「きゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああっっっっ−−−−−−−!!!!!!!!」
この世の物とは思えない、まるで地の底から響き渡るような声で絶叫したのだ。
その響き渡る苦悶にみちた悲鳴を聞きながら、私は気を失った。
モウマニアワナイノカモシレナイ....
そんな声が聞こえた気がした。
続
泥と櫛5
気が付いたは朝の6時。
どうやらあのまま眠ってしまったらしい。
昨夜の余りに現実離れした体験に、
ひょっとして夢でも見てたのかな、と思ったが
フローリングの床を見て絶句する。
昨夜、彼女が立っていた周辺に泥の付いた足跡を大量に発見したのだ。
その中央部分になぜか
「櫛」があった。
泥の付いた櫛だった。
完
小塚早苗帰宅と同時刻
(以下同時刻1)
俺は本当に自首するつもりだった。そのつもりで警察に連絡したんだ。
だけど出来なかった。
あいつに見つかったからだ。
あいつに捕まったら殺される。
多分、白木も林もほなみも皆奴に殺されたんだ。
あの化け物に。
とにかく今朝、奴から逃げるために、このビジネスホテルにチェックインした。
..早く警察来てくれ。
俺を守ってくれ。
同時刻2
携帯を取り出して
「警察か、俺、堀川保だよ、事情があってここから出られない。早く来てくれ。助けてくれ!。」
プライドを棄てて懇願する
死ぬ位なら刑務所にいったほうがマシだ。
「堀川か今どこにいるんだ!!」
「S市のホテル※※だよ、302号室だ、頼む、早く来てくれ!」
..じじじ...じじじ
...
奴の笑い声だ、もうすぐここまで来ている!!
「お前自首するんじゃなかったのか!?そこから出られないってどういう事....」
おれは電話を切った。
とにかく、この部屋で隠れる場所を探す。ユニットバスか、収納か、ベッド、ベッドの下!!
ここなら奥に入れば見つからないかもしれない。
ベッドと床の隙間はかなり狭かったがなんとか入る込む事が出来た。
じじじ.....
じじじじじ.....
(足音)
近くにいる!!部屋のドアのすぐ近くに....!!
続
同時刻3
(ドアノブを捻る音)
(ドアが開く音)
(足音が続く)
なんで!!なんでロックがかかってるドアが開くんだよ!?..警察が来てくれたのか...
じじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじじ
違う!警察じゃない!!
やっぱり奴だ!!
(何やらアチコチを探す音。ユニットバスのドアが開く音、収納の開く音)
(足音、部屋の中を言ったり来たりの足音)
頼むっ!!来るな!!
こっちへ来るな!!
(ベッドの近くを歩く足音)
...奴の足が俺の方から見える。早く行けっ!!行っちまえ!!
(足音が止まる)
.....いなくなった?
(ベッドの上に上がる音、ベッドが軋む音)
上、俺のすぐ上に!!
続
同時刻4
(何やらしゃべる声#※≫≡+..聞き取れない)
早く....早く....もう行ってくれ..
(ベッドから下りる音)
(沈黙)
(沈黙)
(沈黙)
(沈黙)
そうだ!!もう諦めろ!!諦めろ!!
ベッドの隙間から、床に膝を付くのが見える。
シーツをめくりあげる
そこからベッドの隙間を覗く
あの
黒い目と
歯も
舌もない、
あの悍ましい顔が、
今俺の目の前にある。
終わった。
俺は死ぬ。
続
同時刻5
(勢いよく水の中へ投げ込まれる音。)
気がつくと海にいた
真っ黒な海水が俺を包む。
息が出来ない。たまらず海面へと勢い良く顔を出す。空気、呼吸、呼吸をしなくては。
太陽はもうない
あるのは月の光
そこには、いつか見た、
あの石で出来た、鳥居の出来損ないみたいな妙な建築物。
あそこだ。あの場所だ。
海面で何かが揺らめく。
一つや二つではない。何十、何百と月明かりの中ぼんやりと見える
腕。
いくつもの腕が
まるでミミズの群体のように犇めきあっている。
その多くの腕が
俺の足を、腕を、顔を、
押さえ付け、再び海に引きずり込む。
闇。
闇だ。
引きずり込まれた、その先は死という名の漆黒.........
オマエハ 「ニエ」ダ。
誰かが俺の耳元で囁く。
完
人生手品
「では、最後の魔術です」
マジシャンは宣言した。
星川氏は観客の一人として、彼を見ていた。
「ここに一人の赤ん坊がいます」
なるほど、テーブルの上に赤ちゃんが寝かされている。
「よく見て下さい。この子は生きた人間です。ちゃんと動いていますね?」
星川氏は赤ん坊を見つめた。マジシャンの言う通り、手も、足も、動いている。
「これから彼の人生をお見せしましょう。0歳から20歳までです。そして私は、20歳になった
時点で、彼を殺します」
星川氏は舞台をじっと観察した。何も怪しいところはない。
「5歳になりました」
台の上には男の子が、しばりつけられ、猿轡をかまされ、いやいやをしていた。赤ん坊の
時は裸だったが、今はちゃんと服を着ている。「やめてくれ」と目が訴えていた。
普通のマジックと違い、布がかけられることはなかった。
「10歳になりました」
少年は「うーうー」とうなっている。少年は一度も隠されることなく、大きくなったのだ。
「15歳になりました」
彼はうぐうぐ言っている。自分の死期が迫っているのを悟り、「助けてくれ」と懇願している
のだろうか。
「20歳になりました」
青年は涙を流し、首を横に振り続けた。
「皆様の中には疑っている方もいらっしゃるのではないでしょうか。精巧な人形、ロボット、
はたまた霊ではないか」マジシャンは剣を取り出した。「彼が生きた人間であることを証明
するために、殺してみせましょう」
冷酷にも剣が心臓に突き刺さり、青年はかっと目を開いた。そして、ぐったりとなった。
胸からは血の洪水が噴き出し、テーブルから滴っている。もはや生きた人間である、いや、
あったことは疑いようもない。
いやあ、驚くべきマジックだった、と星川氏は思った。食事もとらず、トイレにもいかず、
風呂にも入らず、服もサイズに合わせて変化していき、台にしばりつけられたまま人生を
送ったのだ。いったいどんなトリックを使ったのだろう。
20年にも渡る長い長いマジックを見終わった後、星川氏も、他の観客達も、手品師も
−−霊達は、死体を残して、すーっと消えていった。
結城優1
「おい、結城巡査」
僕は自転車でのパトロールを終えて、ペットボトルのお茶を飲んで、一息付いた所で、先輩に呼び付けられた。
「刑事一課の丸山巡査部長は知っているか。」
知らない。聞いた事もない。第一、殺人課とは、今の所なんの関わりを持つ身分ではない。
「知りません」
一言言うと再びお茶を飲む。
「お前と会いたがっている。」
「はあ」
「何か心当たりはあるか?」
こっちが聞きたい。
僕はまだ、一年前警察学校を卒業したばかりで県警に知り合いなどほとんどいない。
「用件は知りませんが、あちらが会いたいと言うのならば、後日。」
先輩はその丸山巡査部長と言う方の情報を持っていた。県警の方ではかなり有名人らしい。
「検挙率はずば抜けているが、かつて上層部の人間と捜査のやり方で大喧嘩したらしく、出世コースから外れて、今も巡査部長止まり。本来ならば今頃は警視正位にはなっていたはずの人なんだ」
続
結城優2
僕は故郷が嫌いだった。
あの古い風習、閉鎖的な風土、何よりあの村独特の宗教。
だから高校卒業後すぐに村を出て、警察学校に入学したのだ。
父の葬儀から一度も帰っていない。もう戻る気もない。将来的には母をS市に連れて、一緒に暮らす予定だ。
その為にあえて寮ではなく、賃貸アパートで暮らしている。
今日も一日、何事もなく、引き継ぎを済ませて帰路につく。
あの夢を見たのはその日の晩だった。
結城優3
「優兄様、優兄様。」
誰かが僕を呼ぶ。声に聞き覚えがある。
彼女が遠くで手招きしている。
あれは...留美さん。
長谷川家の留美さんだ。
「こっちに、こっちにいらして。」
僕は彼女に近付くと、彼女はまた遠くに行く。
「こっち、こっちに。」
行けども行けども、彼女には一向に近づけない。
その内にいつの間にか暗い洞窟へと入って行く。
「兄様、こっちよ」
声を頼りに洞窟の奥深くまで突き進んだ。
しばらくすると、大きな、開けた場所に辿り付く。
その場所には、地面から天井まで突き刺さる泥の柱が何十とあった。
僕は遠い記憶の中から村の儀式を思い出す
「ジンチュウ様の間だ」
続
結城優4
「優兄様、こっち」
柱の中から声が聞こえる。
いくつもの柱の中から、
留美さんの声を頼りに、
一つの柱に目を付ける。
「ここ、私はここよ、」
僕は柱を掘る。指の皮が破けても、爪が剥がれても血だらけになったその手で一心不乱に掘り続ける。
そして、泥な中から生々しい感触を探り当て、そこを目指し、優しく、彼女を傷付けないように手の平で泥を退かしていく。やがて顔が浮かび揚がる。
「留美さん..」僕は優しく問い掛ける。
「ああ、優兄様。」
掘り当てた、留美さんの顔に絶句する。
干からびていた。
まるで干物のように。
干からびている皮膚とは
違い、目は爛々と輝いていて、僕を見つめる。
「ああ、優兄様!!!」
「ああ、優兄様!!!」
「ああ、優兄様!!!」
干からびた口が僕を呼び続ける。
変わり果てた留美さんの姿に、思わず顔を背ける。
そこで夢は終わった。
続
結城優5
目が覚めて、体が動かない事に気付く。金縛りにあっている。
子供の頃から何度も経験しているので、冷静だ。
しかし
今回は自分の回りのその異様な光景に恐怖する。
何十人と言う女が僕の布団の回りを取り囲む。
朱い着物に、額の十字の印。顔はどれも蒼白で、
全員が僕を見ていた。
その中の一人がしゃがみ込み、僕の顔を睨む。
僕と彼女の顔の間には1センチも隙間がなかった。
女がその姿勢のまま僕にぼそぼそ囁く。
(トキガナイ イソゲ)
僕はもう一度目を覚ます。
もう布団の回りには誰もいない。
落ち着いて明かりを付けると、畳にもの凄い量の泥の付いた足跡があった
完
面白かった 次も期待します
やっと第一部終了の予感です。
第二部もこのスレのお世話になると思いますのでよろしく。
井塚光次1
私の家は先祖代々、九十神社を護る役目にある。
名士会筆頭としてもっとも重要な名誉ある役職である。
本日の朝早く、九十巫女の長谷川家の留美が我が家を尋ねて来た。
留美は霊感が極端なほど強く、世が世なら、ジンチュウ様選びの筆頭となっていただろう。
普段は余り顔に表情を見せないあの娘が、珍しく不安げな顔で私に会いに来たのだ。
「おじ殿、今朝恐ろしい事が。」
何かと聞くと
「今朝、水占いをしましたの」
水占いとは九十巫女独特の占いで、我が村の依荏子山の清らかな霊水を桶に入れ、その水に巫女の血を垂らし吉凶を占う物である
続
井塚光次2
「結果が全て「凶」と出ましたの。」
留美の手を見ると十の指全てに絆創膏が貼ってあった。
「十占い、その全てが凶であったと申すか。」
何か言い知れぬ不安が過ぎる。
「それと、近々優兄様が帰って来られます。」
なんと、結城家の優が。
この村を嫌い、出て行ったあの男が。
「あの方、色々とすっきりしたようですわ。」
優か、奴も留美に勝るとも劣らずの霊力の主。
しかし、その力を忌み、自ら封印した。
世継ぎのいない私が、養子縁を申し入れたが、受け入れなかった。
続
井塚光次3
私は九十村を三期努めている。
もっとも、選挙など名ばかりで、名士三家の中から家長の一人を選び、たらい回しにしてその任に付かせる。たまたま三期努めているだけだ。
ただし、やはり小さな村であっても村長の仕事は多く、名士会筆頭の任もあいまって、その忙しさに忙殺されるのだが。
今日も居間にて書類の整理の最中である。
そんな時の事であった。
居間の中心に娘が立っていた。
青白い顔で朱い着物、額に十字の印。
「ジンチュウ様。」
その場に座し、頭を下げる。
そのお方はゆらゆらと立ち、私を見下げる。
続
井塚光次4
私にはいくらかの霊感があるが、ジンチュウ様の霊を見るのは六十と三の人生の中で初めてであった。
いかにジンチュウ様とは言え、その恨めしげな姿はやはり恐ろしい。
頭を下げたまま、恐ろしくて顔を見る事も出来ない。
サ ン ニ ン ニ モ ン ヲタ ク セ
その姿は徐々に明滅していく。
サ ン ニ ン ニ モ ン ヲタ ク セ....
もう一度なにか電波信号のような声で囁き、完全に消えた。
後に残ったのは泥の付いた足跡だけであった。
それを見て私はもう一度土下座する。
お告げであった。
「三人に門を託せ?」
門とは首無し牛の岬の辺りにある、ケガレの門の事であろう。
気になるのはその三人が誰かと言う事であった。
完
218 :
創る名無しに見る名無し:2012/08/24(金) 00:46:47.89 ID:XcYSsh7d
この世には半妖なる者がいる。いわゆる半分人間半分妖怪の存在である。
世界は冷たい。半妖達はまともな仕事にも就けずその日暮らしを強いられていた。
そんな時、とあるコンテストが開かれる事になった。
優勝賞金300万円…しかもそのコンテストは半妖達らにとても有利ものだった。
大会当日、参加者が全国から集まって来た。
鴉天狗人間、鵺人間、朱雀人間、ジュウシマツ住職etc…
コンテスト主催者は青ざめていた。
「青ざめるのも分かります。
普段見慣れない半妖の我々がこんなに集まっているのですからね」
するとため息まじりで主催者がこう言った。
「このコンテストは距離を競うんだよ…」
ある朝、目を覚ますと、桃花はなめこに寄生されていた。
起きざまの違和感。
やおら顔に手を伸ばすと、ほの痒い感触と共に、
やわらかで華奢でぬるつるっとしたものがほろりと墜ちた。
「またあの女の仕業ね……」
寝ている間に誰かが悪戯したのだろう。
そう、誰かが。
たぶん胸がないやつが。
他愛もない悪戯だった。
白いシーツにぱら、とひとつふたつ散るなめこ。
シーツに粘液がつくのも嫌なものと、洗面所へ行って落とすことにした。
食べられないこともないかもしれない。
毒キノコではないのだろうし。
鏡に映ったほの白いシルエットを、なめこが縁取る。
落とそうとした桃花はしかし。
「!!!!!!!」
戦慄の叫びが大気を引き裂いた。
耳からなめこをもぎ落とした刹那、おぞ気が走るようなものを、彼女は目にしていた。
そう、もぎ落としたその耳に、新たななめこが2株、ちょこと顔を覗かせたのだ。
視線を落とし、ばらばらとなめこを掻き落とす。
恐る恐る顔を上げると、幸い、なめこは減ってくれていた――かに見えた。
もちろんそれは錯覚で。
今こうしている間にも、ほら、かわいいなめこがまぶたの裏から愛らしい顔を見せ始めている。
落とさなくては。
剥がさなくては。
やや感覚がにぶってきたかのように思ったが、実際には神経は過敏に反応し続けていた。
頭蓋骨の裏は脳。
そして、その骨にはいくつか通路が開いている……。
そして、桃花を見たものはいない。
221 :
創る名無しに見る名無し:2012/08/26(日) 03:13:15.31 ID:IjDKz9Xb
ほんとに書いたwww
222 :
創発4周年記念投下作品1/7 ◆ea7yQ8aPFFUd :2012/08/27(月) 00:27:29.21 ID:Wuz0JA35
今思えば、あの物語のきっかけは母の一言であった。
「ネズミの天ぷらが食べたい・・・。」
私が知っている上で病気・・・どころかケガひとつも負ったことの無い、まるでスーパーマンのような母。
そんな母が珍しく夏風邪を引き、数日ほど寝込んだことがあった。
ちょうど夏休みに突入していた私は、母親を知り合いの病院に連れて行ったり、お粥を作ってあげたりと母の看病に徹していたが、
母の病状は良くなるどころか日に日に悪くなっていった。
そんなある日のこと、母はつらそうな顔を見せながら、私に先程のセリフを言い放ったのであった。
「ネズミの・・・天ぷら・・・?」
私が困惑したのは言うまでも無い。
ネズミと言えば、ゴキブリレベルで台所の食品を荒らす、ドブなどの汚い場所に生息する・・・など、
簡潔に言えば汚らわしき害獣であり、スキ好んで食べるような代物では無い。
そんな動物の・・・しかも夏風邪で胃腸が弱っている状態での天ぷら・・・。
しかし、この時の私は『ついに夏風邪で妄言まで言いだす状態に・・・』と思ってしまい、したことと言えば、
母のおでこに置かれた濡れタオルをこの日から冷却材に変えた程度であった。
そして、悪夢はこの日から始まった・・・。
母への看病生活が一週間を過ぎようとしたある日の夜、私は変な胸騒ぎがし、台所へと向かった。
目的は自分を落ち着かせるために麦茶を飲みに行く・・・というのであったが、その目的は突如として打ち破られた。
台所の一部から漏れる光・・・その光源は冷蔵庫であり、その前には何かを探す母の姿があった。
「・・・うん?お母さん、体の調子はどうなの?」
寝ぼけ眼で母に声をかける私。
・・・だが、私の眼に飛び込んできたのは『母』では無かった。
「・・・!」
一瞬にして目が覚める私・・・と同時に、その体は恐怖感に包まれていた。
私の眼の前に居る存在・・・それは、体の半分は母、そしてもう半分は獣と化し、口には明日の朝食に使う予定であった油揚げが、
まるで捕えられた動物の死体のようにダラリとぶら下がっていた。
「・・・え・・・え・・・。」
声を出そうにも『え』の一言しか出ず、そのままへたり込む私。
一方の母・・・いや、獣人は私に構うことなく油揚げを丸飲みし、そして後ろの勝手口から外へと飛び出すのであった。
「・・・!ま・・・待て!!」
平静を取り戻し、扉の開いた勝手口に掛け込む私。
だが、眼の前に広がっていたのは夜の闇のみであり、耳に入ってくるのは風の不気味な笑い声、
そして獣が遠吠えするような鳴き声だけであった。
次の日、病状が若干落ち着いた母を確認すると、私は図書館へと急いだ。
昨日の夜の出来事は夢じゃない・・・現に冷蔵庫から全ての油揚げが消え、
そして母の手足にはまるで四つん這いになったかのような泥汚れが付いていた・・・。
母のあれは病気じゃない・・・何かが取り憑いている!
私は図書館の中にあるいくつかの本を漁るように読んだ。
『病気』、『妄言』、『獣』、『油揚げ』・・・母の病状から思いつく限りのワードから検索をかけ、
母の病気の正体・・・いや、母に取り憑いた存在の正体を探る私。
そして数時間後、私はその正体を『妖怪辞典』と記された本から知るのであった。
「狐憑き・・・。」
本にはこう記されていた。
狐憑き・・・それは人間の体に狐の魂が宿り、その者の体や心を蝕むだけでなく周囲の人間をも混乱させ、
一族その物をこの世から抹消する怪奇現象のひとつである。
この現象を除去する方法として、取り憑いた狐の魂を一時的に外へと排出させる必要があるが、
狐は妖力を多分に含んでいるため、人間の体から切り離すのは容易ではない。
だが、狐の大好物であるネズミの天ぷら(もしくは小豆飯)を取り憑かれた人間に捧げることで狐の魂の注意は食べ物にのみ集中され、
除霊が幾分か容易となることを付け加えておく。
「ネズミの天ぷら・・・。」
私はハッとした。
あの時の母の言葉・・・それは、自身が狐憑きに取り憑かれていることへの意志表示であり、ネズミの天ぷらが解決策の提示であった。
だが・・・私はそれにまったく気付かず・・・そして・・・。
私は泣いた。
静寂な図書館の中で、大声で泣いた。
周囲に人が集まり、「どうした?」だの「静かにしろ」だの言っていたが、私は無視して泣き続け、
その涙で私の前には水たまりのような物が形成されつつあった。
・・・だが、泣いていては始まらない。
まるでスイッチが入ったかのように泣き止む私。
そして、本を机の上に置きっぱなしにしたまま図書館を後にすると、一直線に近所のペットショップへと向かった。
私は知っていた。
そのペットショップではハ虫類も扱っており、その餌用として冷凍されたハツカネズミが販売されていることを・・・。
数分後、霜が浮かんだハツカネズミ数匹の入った袋を片手に、私は帰宅した・・・が、玄関に立った瞬間、
得も言えぬ胸騒ぎに襲われた。
「・・・まさか!」
勢い良く扉を開ける私。
次の瞬間、私の眼に数多くの情報・・・しかも、それは悪い情報が飛び込んできた。
玄関に散らばった多量の靴、ひっくり返された靴箱、そして玄関から居間へと続く廊下にスタンプされた足跡のような泥汚れ、
さらにトドメを挿すかのように台所から聞こえてくるまるで何かが暴れているかのような物音、
そして・・・獣人と化した母の姿であった。
「お母さん!」
おもわず叫ぶ私。
対する母はその言葉に反応した・・・が、その反応は『母』としてではなく『恐怖に震えた獣を見つけたハンター』としての反応であった。
たくましい前足と後ろ脚で飛び上がり、私の体に覆いかぶさる母。
そして、獣人と化した母の顔からは溢れんばかりのヨダレと生臭い吐息があふれていた。
母は・・・いや、母に取り憑いた狐は私を捕食しようとしている!
母の重たい体に手足を抑えつけられ、もがきながらも打開策を考える私。
だが、この状況では何もアイディアが出ず、ただただ獣人に頭を齧られるのみしかなかった。
「・・・くそっ・・・もう・・・駄目だ!!」
私があきらめかけたその時だった。
突如、私の顔の上で鼻先をフンフンと動かす獣人。
その動きは私の顔から下へと降下し、最終的には手に握られたビニール袋へと移動した。
「・・・そうだ!やい、狐憑き!!そこには、お前の大好きなネズミが・・・冷凍物とはいえ、数匹入っている!!!それを食え!!!!」
叫ぶ私・・・よりも早く、私の手から袋を奪い去る獣人。
そこには、ペットショップから自宅までの間に解凍されてしまったネズミが数匹入っており、
獣人はその中から美味そうな個体を1匹取り出すのであった。
「さあ・・・食え!お前の大好きな・・・身も心も油断してしまうネズミだ!!」
獣人と距離を取り、叫ぶ私。
一方の獣人も、私の声に反応してか否かは分からないが、そのネズミを口元へと近付け、そして果物を食べるかのように飲み込むのであった。
その直後、母の体から獣人のような荒々しさが消え、そこにはいつもの母が気絶した形で倒れていた。
いつもの母を取り戻し、ホッとする私・・・であったが、もうひとつ仕事があった。
「・・・そうだ・・・これだ!」
そう言って、ズボンの後ろポケットに手を突っ込み、何かを取り出す私。
それは、冷凍ハツカネズミを買いに行った際にお寺の側を偶然通ったので、念のために買っておいた<妖怪封印のお札>であった。
「これをお母さんの額に貼って、狐憑き退治は終了だ・・・。」
そう言って立ち上がり、倒れた母の元へと近付く私。
そして、気絶した母の体を仰向けにし額を露わにさせると、お札を母の額に貼るのであった。
「さらばだ、狐憑き・・・。」
呟いた直後、光を放つお札。
その光は母の体を包み込むかのように徐々に広がっていき、そして母の体が光と化したかと思うと・・・
『母』を封印してしまった。
「・・・え?」
数分後、私は母が封印されたお札を片手にお寺に殴り込み、寺の住職の胸倉を掴んでいた。
「どういうことだ?!狐憑きではなくお母さんが封印されるなんて・・・貴様、どういうつもりであんなインチキお札を売りやがった?!?!」
「ま・・・待ってくれ・・・あのお札は・・・正真正銘、妖怪退治用のお札で・・・。」
「じゃあ、何でお母さんが?!お母さんが妖怪だとでも言うのか?!?!」
「・・・待てよ・・・お主・・・母の病状は・・・本当に狐憑き・・・なのか?」
「何を言う!貴様、俺のせいにして責任逃れするつもりか?!」
「ま・・・待て・・・お主の札の封印は・・・解除出来る・・・じゃが、その前に・・・試したいことが・・・ある・・・。」
「・・・試したいこと?」
その言葉を聞いて、住職を放す私。
「痛たたたた・・・何と乱暴な奴じゃ。ところで、お主の母は『ネズミの天ぷら』が欲しいと申していたんじゃな?」
「ああ、だからネズミをペットショップで・・・。」
考え込む住職。
そして、ひとつのアイディアを思いついたのか、私にこんな依頼をした。
「お主の手元にあるネズミ・・・それを全て天ぷらにして、また寺に来い。ワシらは封印解除の儀のための準備をしておく。」
「・・・?分かった。だが、また変なことしたら承知しないからな!」
住職に暴言を吐いた私はすぐ帰宅。
そして、台所にあった残りのネズミを使い、ネズミの天ぷらを作り上げると、それをタッパに包んでお寺に再び参上するのであった。
「・・・おお、意外と遅かったのう。」
本堂の前で私を待っていた住職。
そんな住職に声をかけようとした瞬間、私は言葉を失ってしまった。
「・・・!お母さん!!」
私の眼に飛び込んできた光景・・・それは、お寺なのにもかかわらず、
本堂の中にある十字架のような拘束具に張り付けられた状態で気絶する母の姿だった。
不謹慎ではあったが、その姿はまるでSM映画のようであった。
「おい、住職!お母さんは・・・お母さんは?!」
再び住職の胸倉を掴む私。
「ま・・・待て・・・とりあえず、その・・・ネズミの天ぷらを・・・お前の母さんの前にある・・・盆に・・・。」
「・・・分かった。」
住職を放して本堂へと入り、ネズミの天ぷらが入ったタッパを母の前にある盆の上に置く私。
タッパのフタを開けると、そこからは油の匂いと肉の香ばしい香りが一気に放たれた・・・次の瞬間であった。
私の頭上で響く、獣のうめき声。
「・・・?!」
声の方向を見ると、そこにいたのは母ではなく獣人であった。
「早く、本堂の外へ!」
そう言って、私の腕を引っ張って本堂の外へと連れ出す住職。
突然の事態に再び住職の胸倉を掴もうとする私であったが、住職はこう言い放った。
「若者よ・・・お主の母は狐憑きに憑かれたのではない・・・彼女自身が狐なのじゃ。」
「・・・え?」
その直後、本堂の中から聞こえてくる、何かを引きちぎるような音。
音の方向を見ると、獣人は己の手足に巻かれていた金具をとてつもない力で破壊して自由を手に入れ、
眼の前にあるネズミの天ぷらに喰らいつこうとしていた。
獣人の口元へ一匹ずつ消えていくネズミの天ぷら。
そして、獣人が全てのネズミの天ぷらを食べ終えた瞬間、獣人の体は熱を帯び始め、
そしてその熱を莫大なエネルギーに変えて放出するのであった。
吹き飛ぶ私と住職。
また、エネルギーの凄まじさに本堂は砕け散り、その爆心地には元の姿に戻った母が不思議な顔をしながら立つ・・・という
シュールな光景が展開していた。
「・・・お・・・お母さん!!」
爆発の凄さに泡を吹く住職を放置し、母の元へと駆けつける私。
そして、周りのことなど気にすること無く、母の体に抱きつき、そして胸元に顔をうずめた。
「いやねぇ・・・いつまで経っても甘えん坊さんなんだから。」
「・・・そうだ、教えてくれ。お母さん・・・あなたの正体を!」
「・・・本当は、あなたが独り立ちするまで黙っておこうと思ってたけど・・・私は人間じゃない・・・私は妖怪・・・『妖狐』なの。」
「妖・・・狐?」
「そう・・・でも、信じて。私は悪い存在じゃない・・・人間を愛しているから、あなたのお父さんと結婚し、あなたを授かったの・・・。」
「そんなこと・・・言わずもがなだよ、お母さん。僕を長い間育ててくれたお母さんに対して『悪い人間』だなんて・・・
言えるワケ無いだろ?」
照れくさくなってしまい、ちょっとクールっぽくいう私。
そんな言葉に母はうっすらとうれし涙を浮かべていた。
「ところで・・・どうしてお母さんはあんな・・・暴走みたいなことに?」
「実は・・・どうもあれは夏風邪じゃなくて、妖怪の流行病らしくてね・・・原因はよく分からないけど、妖怪の理性を失わせ、
闘争本能や欲望のみを活性化させるみたいなの。」
「闘争本能や欲望・・・。」
「私はあの時、油揚げや・・・あと、ちょっと恥ずかしいけど・・・野ネズミを食べて回復を図ろうとしたんだけど、
衝動を抑えるまでは行っても治るまでには至らなくて・・・で、最終手段のネズミの天ぷらで治したってワケ。」
「つまり、ネズミの天ぷらは狐にとって『特効薬』みたいな物・・・ってこと?」
「そういうことでございます。」
「そうか・・・ははは・・・ははは・・・あっはっはっはっ!!」
おもわず笑ってしまった私。
『どんな感情か?』と言われると表現しにくいが、とりあえず言えることは、母が完治したことへの喜びであるのは確かであった。
「さあ、帰りましょう。長い間、迷惑かけちゃったし・・・今日は、あなたの大好きなハンバーグにでもしましょうか?」
「賛成!僕も手伝うよ!!」
こうして、私と母の不思議な物語は終わった・・・ハズだった。
「・・・ちょっと待てい!」
後ろから聞こえてくる叫び声・・・その声の主は住職であった。
「いくらお主の母が助かったとは言え・・・さすがに本堂の修理代は弁償してもらうぞ!!」
「・・・え?」
「・・・あ。」
粉々になった本堂を前にして青ざめる親子。
だが、住職の方はニヤリと笑うと、言葉を続けた。
「じゃが、ワシも鬼じゃない。そこでじゃ、お主にはちょっとしたアルバイトをしてもらうぞ。」
そう言って、私を見る住職。
「アルバイト・・・?」
「そこの妖孤の娘よ、さっき『妖怪の流行病』の話をしておったな?」
「え・・・ええ。」
「実は、ワシの寺では冠婚葬祭の他に妖怪ハンターを生業としててな・・・時々妖怪の封印や退治を行ったりするのじゃが、
ここ最近凶暴な妖怪が増え続けておるのじゃ。」
「・・・!まさか、流行病のせいで?!」
「確信は出来んが、可能性も否定出来ん。そこで・・・。」
「・・・って、妖怪ハンターなんてアルバイト感覚でなれる物なんですか?」
「いや、いくつか厳しい修行が必要じゃ!だが・・・かつて、京の地を守っていた安倍清明が狐の血を引いていたように、
妖孤の血を引くお主にも強力な力が眠っているかもしれんとワシは睨んだ。どうじゃ・・・やってみるか?」
「ひとつ聞いて良いですか?」
「何じゃ?」
「・・・修行ってお寺に泊まり込みですか?それとも、自宅から通っても良いですか?」
「・・・?別に自宅通いでも構わんが・・・何故?」
「だって・・・お母さんに会えないのはつらいから・・・。」
そう言って、母の手を握る私。
「やだ、この子ったら・・・本当に甘えん坊さんなんだから!」
一方の母も嬉しかったのか、私の体を引きよせ、顔を胸に押しつけて抱き締めるのであった。
「・・・こりゃ、妖怪ハンターとしての能力を鍛える前に、マザコンを治したほうが良さそうじゃな・・・。」
こうして、本当の物語が始まった。
マザコンな私が、息子LOVEな妖孤の母に支えられながら、妖怪ハンターとしての道を進んでいくという物語が・・・。
続く・・・もんか
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以上です、お目汚し失礼しました。
創発4周年&夏なのでホラー作品に初挑戦してみた・・・のですが、ちょいファンタジーよりになってしまってすみません。
229 :
創作大会で尻切れトンボな物を投下します。すみません:2012/08/28(火) 00:06:52.33 ID:7/2Maax1
こんな真夏の暑い日は怪談話でもして涼まないか? と友人の森田から電話が掛かって来た。
どうやら俺を含めた数人を家に招いて、怪談大会だのなんだので騒ぎたいらしい。最初は正直面倒臭いなと思った。
しかし大学は夏休みだし、バイトもやってないからどうせ暇だろ? と図星を突かれてしまった為、行かざるおえない。
まぁ、どうせ夜になってもある程度暑さは続いているだろうし、時間だけは有り余ってるから行ってやろうと考えなおす。
森田に指定された時間帯は夕方六時ごろ。築何年か分からないボロアパートの軋む階段をよっこらせと一歩づつ昇っていく。
少しだけ廊下を歩き、あいつが待っている部屋のドアノブを握る。緩々としていて今にも落ちそうなドアノブを回す。
ドアは開いていて、奥の四畳半から森田がおー待ってたぞと気さくに声を掛けてきた。森田の周囲には、既に先客がいる。
大学でいつも一緒にいるお馴染みの面子だ。新鮮味もなにも無い。お前らも暇だな。
靴を脱いでお世辞にも綺麗とは言えない玄関から廊下を抜けて居間へと着く。
「遅かったな。どこで道草食ってたんだ」
よっこいしょと座って胡坐を掻いた俺に、森田が興味深々といった表情で尋ねてきた。
俺は頭をポリポリ掻きながら誤魔化す事も無く淡々と答える。
「何となく遅れただけだ。別に理由はねえよ」
「そうか。まぁ良いや。ちゃんと怖い話持って来てんだろうな?」
正直そんなの持ってきてない。精々時間が潰せたら良いな程度で来たからな。
ま、もし俺の番が回ってきたらよくある都市伝説なり幽霊話なり適当に取り繕えば良いか。
特に深く考える事無く、俺は適当な相槌を打ちつつ答える。
「あぁ。それなりのを」
「それなりにか。楽しみにしてるぜ。じゃあ最初誰が話す?」
森田がそう言いながら周りの面子をキョロキョロと見回す。
別に期待してないがそれなりに長いのを頼むぜ。田辺、岸田、南……ん?
あれ? 俺は一寸目を擦る。あれ、顔馴染みの面子が揃っている筈だが、一人。
一人、見慣れない奴がいる。こんな夜だってのにクソ暑い中真っ黒な長袖の服を着ていて、顔が髪の毛で隠れて見れない。
誰だコイツ。森田も田辺も他二人もこいつがいるのを当り前の様にしてるが、俺、コイツを大学内で見た事も話した事も無いぞ。
「おいおい、お前ら黙ってないでトップバッター飾れよ。何の為に集まったんだよ」
何故だか怖い話を話そうとせずに田辺達は黙ったまま俯いている。
そんな田辺達にへらへらと笑い掛けている森田。んで、森田の方を向いている無言の貞子ヘアの誰か。
つうか本当に誰だよコイツ。俺はどうしても気になってしまい、森田に聞いてみる事にする。
もし本当の所会っていて俺が忘れているだけなら、謝ってすむのだが。
「なぁ森田。話の腰折って悪いんだけど、この長袖着てる人を紹介し……」
「しょうがねえな。じゃあ俺から先に話してやるか」
俺の質問を遮る様に、森田が自ら率先して、怖い話を話始めようとする。
おい、ちょっと待て。お前の話を聞かない訳じゃないが、どうしても気になって参るんだよ。
悪いなと思いつつも、俺は強引に貞子ヘアが誰なのかを聞こうと声を掛ける。
「森田悪い、その話の前にこの人を紹介してくれないか?」
「数日前、俺は田辺達と一緒に肝試しに行ったんだよ。肝試しに」
な……何だお前? 森田は俺の話を遮るどころか、聞こうともせずに勝手に話し出した。
お前そんな失礼な奴だったか? 暑さのせいか俺の頭はイライラで沸騰しそうになる。
まぁ良い。良いさ。そんなに話したい内容なら話せばいいさ。俺は黙って聞いてやるよ。
だけど最後まで聞いたらちゃんと俺の質問に答えろよこの野郎。俺は両腕を組んで、不本意ながらも森田の話を聞く事にする。
つうか肝試しってお前ら俺の事誘わなかったよな。クソッ、誘えよ馬鹿野郎。
「それで心霊スポット行って、何か出るかなぁと思ったんだけど全然出てこなくてな。
何だつまんねえって事で適当に遊べるところ行こうぜって事でその場を後にしたんだよ」
あれ、もう帰っちゃうのか? 普通そこで何か起こってるから怖い話が始まるんじゃないのか?
拍子抜けしつつも、若干先が気になる。にしてもさっきから田辺達の様子が妙だ。変に額にタラタラ汗掻いてる。
暑いは暑いけど汗掻く程じゃないだろ。俺全然汗掻いてないぞ。どうでも良いけど。
「んで、街へと向かってる最中に妙な奴を見掛けてさ。暗闇の中に紛れるみたいに真っ黒な服着てる変な奴でさ。
気味わりいなと思いながらも通り過ぎたんだよ。それで、早く街に行きてえなと思いながら車飛ばしてたらさ」
まさかそいつがいたとか陳腐な事言うなよ。分かりやす過ぎるだろ。
「またそいつがいたんだよ。うわっ、マジかよと思いながらまた通り過ぎたんだよ」
麦茶吹いた。麦茶飲んでないけど。で、いつになったら怖い話になるんだよ森田。
「疲れてるんだろうなぁ、俺と思いつつゾーッとしてさっきに増して車飛ばしたんだよ。
でも何度通り過ぎてもいるんだよ、そいつ。まるで俺達を待ち構えてるみたいに」
ん? 何となく空気が冷たくなってきた。茹だる様な暑さだったのに、急に空気がヒヤヒヤとしてくる。
奇妙な肌寒さに俺の全身の毛が僅かに逆立っている。一体何なんだ、この冷たさは。ふと、視線が貞子ヘアへと向く。
……奴を見た途端、俺の毛が一気に逆立った。奴は、笑っている。髪の毛の中から見える、紅い唇がニタリと笑っている。
「俺は気でもおかしくなったのかと思ったよ。隣とか後ろに座ってる田辺達も顔が青ざめててさ」
気が付けば、俺は森田の話にじっと耳を傾けている。身動きが取れないというか、身体が勝手に固まって、森田の話を聞こうとしているみたいだ。
頭の片隅でほんのりと、目の前の鬼太郎ヘアの正体が何なのかが分かって来た気がする。つまり奴の正体は……。
「もうそこからは覚えてないんだ。とにかく夢中になって全速力で家に帰ったよ。んであいつの事を忘れようとした」
そうして森田は数秒ほど俯いて黙する。森田が今、どんな事を考えているのかは分からない。
分からないし、俺の中でこれ以上知ってはいけないとシグナルを出しているもう一人の自分がいる。
しかし、しかしだ。ここまで来て話の真相を聞かない訳にはいかない。もしここでストップを掛けたら、一生後悔する気がする。
だから俺は聞く。最後まで森田の話を、聞く。
「だけど忘れよう忘れようとしても頭ん中にこびり付いて離れないんだ。いつもいつも、そいつが近くにいる気がしてな。
俺がこんな事になってるから田辺達はどうなのかと思って連絡入れたら、やっぱり俺と同じく、あいつらも奴の事が忘れられないらしくてな」
そりゃあそうだよな……何たって、肝試しに参加して無い俺でさえ、こんなにはっきりそいつの姿が見えるんだぜ。
お前らがどれだけ怖い思いしてるかひしひし分かるよ。あまりにもはっきり見え過ぎて幽霊に見えない位ハッキリ見えてるし。
もしかしたら、いや、やっぱりお前ら……憑かれてるよな。つうか俺も巻き添え食らってる気がするけど。
「でだ、ここからが本題なんだが……」
身構える。何となく、森田が俺にどんな事を聞いてくるかが予想できる。出来てしまう。
本当の事を言えば逃げ出したい。逃げ出したいが、もし今逃げ出したら、俺はある種森田達を見捨てる事になってしまうのではないか。
そう思うと、どうしても逃げ出す気になれない。こいつらは正直馬鹿だと思う。肝試しなんて事するから、こんな目に遭っちゃうんだろうがと。
だけど曲りなりにも、俺はこいつらの友達だ。もしこのニタニタ笑っている貞子ヘアが悪霊だとしても、どうにかこいつらを救いだす方法を探さなきゃいけない。
「今日、何でお前をこの怪談大会に誘ったか分かるか?」
いきなり何を言い出すんだ? 俺は首を軽く傾けつつ、答える。
「そりゃあお前、今日暑いからだろ?」
「それもあるがその、何だ……お前を誘った本当の理由を話すとな……」
そうして、森田は俺の顔をじっと見据える。見据えて、一字一句しっかりとした言葉でこう、聞いてきた。
「お前にも見えてるかってのを確認させたくてな……俺達が連れて来ちゃった何かを」
やっぱりそうか……。俺はある種安心する。ある程度覚悟していたから、ショックを受ける事は無かった。
真面目な事を言うと、何で俺を巻き込むんだという怒りの気持ちもある。こんなにハッキリと見えてる幽霊、どう考えてもヤバいに決まってるだろと。
でも何だろう、こう、不謹慎だけどワクワクしてる自分もいる。何たって目に見えてる悪霊と戦う事になるんだぜ? 普通の体験じゃないよな。
「あぁ……見えてる」
「やっぱりな……。俺や田辺達に見えてるから、お前にも見えちゃうほどヤバい奴なんだよ」
「そうだな……」
俺は再び覚悟を決める。きっと森田は指を指すなり顔を向けるなりするだろう。この貞子ヘアに。
そして森田は、人差し指を立てるとそのヤバい幽霊を指差した。
「そこの窓から見てる真っ黒い人影がいるだろ? そいつが俺達についてきちまった奴でな……」
えっ!? じゃあこの貞子ヘアは何なの!?
終
色々と失礼しました
後途中鬼太郎ヘアとなってるのを貞子ヘアに脳内変換して頂けると助かります
質問を振り切って怪談話が始まるあたりが強引。
ここは怪談話が始まってから、見慣れない人がひとり居ることに気付いたほうがスムーズ。
また「きっと○○だろう」と書いてしまうと、「○○じゃない可能性」に気付かれてしまうので、
「俺」に余計な思考をさせずに、さらっと流したほうがオチを守れる。
最後の一行はないほうがいい。
サーバーの呪い
遺書
私が死を決意した理由は、腕にできた人面瘡にある。私はこの件について、二人の霊能
者に相談した。一人目の霊媒師は、腕を切り落とすしかないと言った。恥ずべきことなの
で人面瘡ができた理由は書けないが、二人目の霊能師はその根源はWebサーバーにあり、
取り除くことは不可能だと言った。
私には腕を切断してその後の人生を送る勇気がない。よって自ら命を絶つこととする。
流川慶介
私の右腕にはほくろがある。手の甲の側、手首と肘の中間くらいの場所だ。それがここ
最近、急激に大きくなってきたのだ。直径は2センチ近くになる。しかしもっと恐ろしい
のは、徐々に浮かび上がってきた模様である。人の顔に見えるのだ。もっとも、目を見開
いたり、口を動かしてしゃべるというものではない。一昔前に火星の人面石が話題になっ
たが、あれを彷彿とさせる。
ネットで検索すると、左右非対称でいびつであり、境界のはっきりしないものは癌であ
るという。私は真っ青になった。まさに私のそれと一致する。恐ろしくてそれ以上調べら
れない。しかし、悪性腫瘍であれば痛みを感じるとも書いてある。私は感じない。
癌なのか、違うのか。私は悩んだ。ほくろであれば、医者に診察してもらう必要はない。
しかし早期に診てもらった方がいいのも事実だ。
私は小心者であり、病院に行くことができなかった。あちこちに極太の針を突き刺して
検査をし、何度もメスで切り刻み、転移しているとなれば、体中管だらけとなって死に至
る。それが私の癌に対するイメージである。ならば、いっそのこと放っておいてもらいた
い。
さらに恐ろしいのは、それが人面の形をしているということだ。これは医者に見せる類
のものではないのではないか。私は「祈祷」や「除霊」をキーワードにして検索した。
参考料金
73,500円〜105,000円(交通費別途)
……高いな。私はいろいろなサイトを見た。
霊視鑑定 10,000円
除霊・浄霊 30,000円より
これがよさそうだ。だが私は迷った。祈祷なんて、馬鹿馬鹿しい。しかし、この顔をな
んと説明するのか。やはりただごとではない。決意するのに数日かかった。
「人面瘡です」
霊媒師の老婆――佐山さんは言った。
私は一人暮らしだ。製薬会社に勤めており休日は少ないが、ある日曜日、申し込んでお
いた霊媒師が家にやってきたのだ。
「あの、癌なのでしょうか」
佐山さんは少し首を傾げた。
「そういうものとは違うと思います。人面瘡は、医学的な病気ではありません」
「すると病院に行っても治らないのでしょうか」
途端に佐山さんは怒ったような顔になった。
「医者に診せてどうなるというのです。皮膚に見えているのはほんの表層に過ぎません。
けがれは奥深くにまで浸透しています。病院に行って治すのであれば、腕を切り落とすし
かありませんよ?」
「そ、そんな。私はどうすれば……」
「なにか呪われるような心当たりがありますか?」
「いえ、特には……」
私は小心者で、おとなしくしている。私のような人間が人に恨みを買うはずがないじゃ
ないか。
「そんなはずはありません。これは非常に悪い霊です。このままでは近いうちに大変な不
幸に見舞われますよ。大病を患ったり、大事故にあったり」
するとどっちみち癌のような恐ろしい病気になるということか。
一つだけ、心当たりがある。だがとてもじゃないが人には言えない。
「今表情に表れましたね。私には隠さないでください。打ち明けていただけなければ、流
川さんを助けることはできません」
「実は、その、とても言いにくいことなのですが」私の顔はそれこそくしゃくしゃになっ
ていただろう。「私にはリョナという性癖があるのです」
「それは何ですか?」
猟奇的オナニーの略だが、そんな直接的表現では言えなかった。
「女性が痛めつけられる様を見て性的に興奮するのです」
「SMですか?」
「いえ、少女が腹パンチされたり、女戦士が怪物にプロレス技をかけられるのです」
「それです!」佐山さんはさらに怖い顔になった。「そんな不浄な性欲を、神仏がお許し
になるはずがありません」
「あの、私はどうすれば……」
「それはどのようにして見るのですか?」
「パソコンです。画像や、動画です」
「では、これから私がお祓いをします。それが済んだら、即刻パソコンから消してしまい
なさい」
佐山さんは香炉の線香に火をつけた。
「アビラウンケン ソワカ」
除霊が始まった。
「リン ビョウ トウ シャ カイ ヂン レツ ザイ ゼン」
佐山さんは呪文を唱えながら、指を素早く動かし続けた。その行為はしばらく続いた。
「オンケンバヤ ケンバヤソワカ」佐山さんの表情がふいに柔らかくなった。「これにて
除霊を終わります。一ヶ月後にまたご連絡ください。おそらく良くなっていると思います」
その後、私はリョナ画像や動画を全部削除した。もう二度と手に入らないものも多いだ
ろうなあ、と思いながら。
一ヶ月後、やってきた佐山さんに私は文句を言った。少しも良くなっていなかったのだ。
すると、彼女は自分には解決できないと詫びた。なんと、パソコンに詳しい霊能者がいる
と言うのだ。佐山さんの紹介で、私は峰岸さんという霊能師を訪ねた。
「ファイルを削除したつもりでも、残っているのですよ」
恵比須顔の男は、にこやかに言った。歳は50代だろうか。
「ハードディスクのファイルシステムから情報を消しているだけで、実データが記録され
ているクラスタはそのままの状態なのです」
「ずいぶんとお詳しいのですね」
「最近、そういうお悩みの方が多くてねえ。勉強しました」
「ではどうすれば……」
「残念ながら、あなたのパソコンはけがれに満ちています。廃棄処分するしかありません」
え? 20万もしたのに。
「それは、メーカーに引き取ってもらえばいいのでしょうか」
「取扱い説明書に方法が載っていると思いますよ。乱数でハードディスクの内容を上書き
してしまうのです。それと、メーカーに引き取ってもらうのや、ハードオフに売るのはも
ってのほかです。部品が再利用されてしまいます。つまり、呪いが人に移ってしまうとい
うことですね」
峰岸さんによる除霊を受けた後、私はさっそく家に帰り、彼に言われた通りにした。説
明書を読み、ハードディスクのデータを乱数で満たす。真っ青な画面に白い英語でなにや
ら書いてある。10%、20%、……。
ああ、これからパソコンなしの生活が始まるのか。
バーが100%になるのに、2時間ほどかかった。だが峰岸さんの指示はもっと完ぺき
を期すものだった。
私は風呂に水を張り、ノートPCから電源ケーブルやプリンタケーブル等をすべて抜き、
水没させた。これで私のノートは完全に使い物にならなくなった。
2時間ほど漬けた後、ボストンバッグに入れ、車をとばして山の奥深くに入っていった。
ここなら誰にも知られることはないだろう。私はパソコンを雑木林の中に放り込んだ。
さらに一ヶ月待った。私は再び峰岸さんの家を訪れた。精神的には憔悴しきっていた。
「パソコンは廃棄しました。周辺機器も燃えないゴミに出しました。ですが、人面瘡は消
えません。何か、他の原因があるのではないですか? 例えば、知らないうちに心霊スポ
ットを通り、憑かれてしまったとか」
「そういうふうには感じませんねえ。原因はリョナで間違いないと思います。あなた、他
の場所にアップしたのではないですか?」
それだけは言いたくなかった。だが、大きな病気や大事故でもがき苦しみながら死ぬの
は嫌だ。背に腹はかえられない。
「リョナ小説を書いて、自分のサイトに載せました」
それ専用に作ったサイトだ。他の、まともなコンテンツは、真面目なサイトとして作っ
てある。そうやってジキルを演じていると、ハイドもやってみたくなるものだ。
「そのサイトを消しても無駄です。前にも教えましたが……」
「クラスタに残っているんですよね! ええ分かっていますよ!」
私は飛んで帰り、パソコンショップに行き、10万のノートPCを買い、光回線を契約
した。
ネットにアクセスできる日が待ち遠しかった。各種IDやパスワードはUSBメモリに
取ってある。もちろんリョナのコンテンツは入っていない。
工事が済んで、急いでFFFTPを起動し、自分の作ったリョナサイトを消去した。無
駄だろうとは思いながら。それでも、けがれに満ちたものを消さずにはおられなかったの
だ。
「どうしたんですか。顔が真っ青ですよ」
と峰岸さんは言った。
私は袖をまくり、人面瘡を見せた。
「どうしたらいいんですか」
私は泣きそうになりながら言った。
「うーん、サーバーに残っているんじゃ、消しようがないですね。まさか、他のサイトに
もアップしたんじゃないでしょうね」
私ははっとした。
「2ちゃんに書きました」
「それこそどうしようもない。ですが、あきらめてはいけません。もう一度除霊をしてあ
げましょうね」
こうして私は峰岸さんによる最後の除霊を受けた。
家に帰り、壁に背をつけてへたりこんだ。そうしているうちに、2ちゃんでよく「あぼ
ーん」という文字を見かけることに気が付いた。
そうだ。あれはどうやってやるんだろう。さっそく検索してみる。「荒らし」投稿や個
人情報などの不適切な投稿を「ひろゆき@どうやら管理人」「削除人」「削除屋」の判断
で削除した痕跡なのだそうだ。どうやら「自分の書き込みを消してください」という目的
では使えないらしい。
私は絶望した。もう、手は残っていないのか。
その日以来、私は会社に行かなくなった。電話が鳴っても出なかった。壁によりかかっ
てずっとぼんやりとしていた。時々腕を見つめ、目の前が真っ暗になった。腹が減ったら
コンビニに行き、適当なものを買って帰るだけの日々が続いた。
遺体安置所から白衣を着た爺さんが出てきた。首つり死体を見てきたところだ。自殺な
ので、検死は行われない。だが、遺書の内容が気になるので、特別に呼ばれた皮膚科医だ。
「で、どうでした?」
と刑事は問うた。
「ああ、人面瘡ね」爺さんは不謹慎なことに笑った。「面白い模様だが、ただのほくろで
間違いないです」
<了>
239 :
創る名無しに見る名無し:2012/09/14(金) 19:43:10.39 ID:oq5v2r36
とりあえず上げてみる
てす
てす
>>25 そういえば線量計の機能が付いた携帯が出てたよね
近隣住民で測ってみたことある人は居ないのかな
こんな話を聞いた
Aさんが住む近くに交差点がある
Aさんはそこを「ツジガミ」と呼んでいた
田舎道の直線と直線が交わる交差点。周りは田んぼばかりだ
見晴らしが良すぎる道なのに、事故が絶えないという
余りにも多いために、田舎には似つかわしくない信号機が設置された
だが事故は減ることは無かったという
先日、その交差点付近に落雷があって信号機が壊れたそうだ
245 :
創る名無しに見る名無し:2012/12/15(土) 22:13:33.14 ID:NT/Y+lJX
ものの見事に神の通り道じゃないかw
246 :
創る名無しに見る名無し:2012/12/17(月) 17:39:21.97 ID:bdEDr9Gd
こんな話を聞いた
BさんがPCに向かっていると後ろ髪を引かれる気がした
頭を触っても何もない
そんな事が続いたある日、また同じような感触を味わった
度々続いていたために恐怖よりイライラが勝っていたBさんは
後ろ手に頭上を思い切り引っ掴んでひっぱった
手にはBさんのものとは違う髪の毛があったそうだ
玄人気取りのおバカさんレビュアー AVANZSUR
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
249 :
創る名無しに見る名無し:2013/02/15(金) 02:23:15.34 ID:iJJkBMEh
251 :
創る名無しに見る名無し:2013/05/18(土) 17:57:33.02 ID:9jDVJVCz
想像してください
あなたは不老不死になりました
飢えることもなく息を止めても死ぬことはありません
首を刎ねられても再生し、病魔はあなたを侵すことはありません
想像してください
親が死に友人が死に恋人が死に子が死に孫が死に周りの人が死んでいき
日本という国が終焉を迎え国家が崩壊し別の文明が興り
新しい文明が興っては滅び興っては滅び
地球が寿命を終え消滅し太陽が消滅し銀河系が消滅し
全てが無に帰そうとも、あなたは死ねません
想像してみてください
別に苦しくないならそれこそ考えるの辞めて寝るだけかな
青空町耳嚢 第3/21話
【消火栓ボックス】
勤務中、別のフロアの課に書類を届けに行こうとした時だった。
廊下の奥で子供の声がした。
うちのビルに子供がくるような業種は入っていない。
よくよく見ると、火災報知器の下の消火栓ボックスに出入りして遊んでいるようだ。
一人、二人、三人。小学生ぐらいの背格好の影が消火栓ボックスから順にでてくる。
注意しようか迷っているうちに、その三つの影は階段を駆け下りて行ってしまった。
しかたない。今度見かけたら注意しよう。
無理に追いかけるのはあきらめて、火災報知器と消火栓ボックスがいたずらされていないかを調べに行った。
火災報知器、異常なし。
消火栓ボックスは、と扉をあけてみると、中にはホースが幾重にも折りたたまれてぎっちりと収納されていた。
子供が入れそうなゆとりは、どこにもなかった。
【終】
青空町耳嚢 第4/21話
【唐傘人間】
出張帰りで新幹線にのっていた。
たしか静岡あたりだったと思う。
何の気なしに窓の外をみると、進行方向の夜空がたくさんの花火に彩られていた。
江戸川の花火大会どころではない圧倒的な数の牡丹花火。
このまま進めば、もっとよく見えるに違いない。
そう思って心躍っていたところ、急に電車がとまって車内アナウンスが響いた。
「ただいま、進行方向を進む車両にトラブルが発生しました。問題解決まで、今しばらく停車いたします」
冗談じゃない。停車している間に花火大会が終わってしまったらどうする。
私以外にもそう思った乗客がいたようで、車内のあちこちから「かまわず進め!」という野次がとんだ。
だが、そんな心配は無用だった。
次第に花火のほうがこちらに近づいてきたのだ。
どうやら、打ち上げる場所自体がだんだんと近づいてきているようだ。
花火がどんどん大きく鮮やかになってくるにつれて、車内から別のざわめきがもれだした。
「花火大会にしちゃ、変じゃないか?」
「打ち上げ場所が移動する花火大会なんて聞いたことがない」
「それになんだか、空に風船みたいなのがたくさん浮かんでないか?」
「おい、あれ、風船じゃないぞ!」
浮いていたのは風船ではなかった。
無数の唐傘がひしめきあっていて、その一つ一つに黒い人影がぶら下がって、ゆうらゆうらと揺れていたのだ。
打ち上げ花火、下から見ずに、横から見ている唐傘人間達。
車内はパニックになった。
「停まってる場合じゃねえぞ!」
「バックだ!バックさせろ!」
「おい、どんどんこっちに来るぞ!」
車内が恐怖と混乱のピークに達したその時、ふいに夜空一面に金色の大輪がパッとひらいた。
花火大会の終わりによく打ちあがるあれだ。
そのキラキラきらめく光の粒子は、花火も唐傘人間も、すべてを包み込んでいき……消え去った。
信じられないことに、あれだけいた唐傘人間達が、かき消したようにいなくなっていたのだ。
呆然とする車内にアナウンスが響いた。
「進行方向の車両トラブルは無事に解消しました。これより運行再開いたします」
新幹線は、ただの平凡な地方都市を通り過ぎていった。
そこに花火のなごりらしきものは何もなかった。
【終】
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【8/27】創作発表板五周年【50レス祭り】
詳細は↓の317あたりをごらんください。
【雑談】 スレを立てるまでもない相談・雑談スレ34
http://engawa.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1361029197/
255 :
創る名無しに見る名無し:2013/08/29(木) NY:AN:NY.AN ID:Qs+saZUb
仕事です
お前らビール
暑い中
256 :
創る名無しに見る名無し:2013/08/31(土) NY:AN:NY.AN ID:+Vy0Feh0
257 :
創る名無しに見る名無し:2014/02/19(水) 22:23:49.91 ID:IuGJ8fhS
258 :
創る名無しに見る名無し:2014/08/02(土) 19:34:20.29 ID:7fFdiW0O
ほ
ちんやまぺに