1 :
東京都戦場市:
理想と、打算と、野望の錯綜する街、東京都湾上市。
人はこの街を「戦場市」と呼ぶ。
だがそれも、今は昔の物語。
いまや湾上市は……。
3 :
東京都戦場市:2010/12/08(水) 18:37:50 ID:0a+HMR8L
★政治背景(国外)
そう遠くない未来。世界は国際連邦設立に向け急速に一体化の道を
歩み始めている。既に連邦となったEU・NAFTA・CISが
それぞれアフリカ・中南米・中近東へと、その影響力を南へ南へと
伸ばしつつある。アジアでは中国がウィグルとチベットを連邦への
参加を条件に独立共和国と認め、モンゴル共和国にはこちらも連邦
への参加を条件に内蒙古自治区を譲渡、更に北朝鮮にも同じ条件で
東北部の領土を譲渡し満州共和国が誕生した。かくして中国・満州・
モンゴル・ウィグル・チベットの5国から成る「中華連邦」が成立。
中国政府はこれを「アジア連邦の前段階」位置づけた。一方、台湾
は米軍の力を背景に連邦への参加を拒否して独立を宣言「台湾民国」
となった。この台湾民国と、高度経済成長を遂げ中国にも匹敵する
経済大国になったフィリピンを中心に日本・韓国・シンガポールが
加わり「東亜連盟」を設立。中華連邦に対抗した。
4 :
東京都戦場市:2010/12/08(水) 18:49:07 ID:0a+HMR8L
★政治背景(国内)
日本国内には「自治区に非人道的な事をしてきた中国にアジア連邦は
任せられない」とする「連盟派」と「アジア連邦をNAFTAの傀儡
にしてはならない」とする「連邦派」が存在。国内は政府内部も含め
幕末の勤皇と佐幕のごとく真っ二つに分れている。この時代、日本は
道州制が導入され、かつて「地方」と呼ばれていた区分に州政府及び
州知事が存在している。
5 :
東京都戦場市:2010/12/08(水) 18:57:14 ID:0a+HMR8L
★経済背景(国内外全般)
石油が枯渇し、農作物を原料とするバイオエタノールがエネルギーの主流に。
この為、農業国はかつての石油大国にも匹敵する影響力を持つようになった。
日本も農業国の特性を活かし中国やフィリピン程ではないがそれなりの地位
を手にしている。
6 :
東京都戦場市:2010/12/08(水) 19:17:57 ID:0a+HMR8L
★湾上市について
この時代、日本では関東州知事が「首相を裏で操る」とも言われる事実上の
最高権力者である。東京都湾上市は東京湾に浮かぶ巨大人工島で日本における
貿易・流通・経済の中心であり「湾上市長になる」と言う事は事実上都知事
をも凌ぐ権力を手に入れ、次期関東州知事の最有力候補になる事を意味する。
いわば連邦派・連盟派のどちらが湾上市長になるかで国全体の方針が決まると
言っても過言ではない。この為、湾上市には数多くの政治結社(事実上政治家
の私兵)の本部や学生運動団体のアジトがひしめき合う。また、経済の中心な
だけに日本中のバイオエタノール企業がここに本社を置き、それに付随する
警備会社(事実上企業の私設軍隊)も乱立している。
7 :
東京都戦場市:2010/12/08(水) 19:22:11 ID:0a+HMR8L
・・・と、まあこんな感じで世界観は出来上がってるんだけど、
肝心のキャラクターやストーリーが、まだ全然なんだなこれが。
とりあえず築地市場はどうなっているのかな?
島京スレじゃないのかよ!?
11 :
東京都戦場市:2010/12/09(木) 18:06:09 ID:6opB/PVk
↑コレはコレで面白そう。
でもこのスレは、あくまで人間オンリーでいきたい所。
12 :
東京都戦場市:2010/12/09(木) 18:47:24 ID:6opB/PVk
★湾上市における国外勢力
@満州総連
旧朝鮮総連。中国政府の密命を受け、連邦派系の企業や政治結社に
陰で力を貸し、日本を東亜連盟から切り離すべく暗躍する。
Aシールド東京支社
ニューヨークに本社を置く外資系警備会社。探偵社並みの調査能力
も併せ持つ。非公式だが職員の中には現役のCIA工作員も混ざって
おり、また横須賀基地の軍人が数多くバイトをし、軍上層部もこれを
黙認するなど、隠れ蓑的な側面が大きいと言える。
BジュニアシールドTOKYO
シールド直営のボーイスカウト。主に防犯ボランティア活動を行なう。
と言うのが表向きの定義だが、実際には主に横須賀基地に住む十代前半の
子供たちで組織されたシールドのサポート団体。また、日本の子供たちも
募って連盟派思想教育も行ない、勿論サポート活動にも駆り出す。
★若者たち
@独立共和連合
連邦派学生団体の中でも最大の勢力。略称「独共連」。
A東亜青年同盟
連盟派学生団体の中の最大勢力。略称「東青同」。
B湾上フリーダム
湾上市を根城にするチーマー。スリルと小遣い稼ぎを兼ねて
連邦派・連盟派の両方を相手に情報屋で荒稼ぎしている。
◎若者たちの主な武器はナイフ・特殊警棒・鉄パイプ等だが
時に日本刀や青龍刀、火炎瓶やペットボトル爆弾、あるいは
改造拳銃やクロスボー等の飛び道具を使う事も有る。
14 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/11(土) 23:20:25 ID:QdBUbTgM
……で、ここまで読んだ俺は何をすればいいんだ?
企画の趣旨というか、
>>1の意図がわからないんだけど
16 :
東京都戦場市:2010/12/13(月) 18:13:20 ID:IWtWreax
>>14 自由に書いて下さい。設定・キャラ・ストーリー、何でも良いです。
世界観だけ決めて、あとはオムニバスにしたいと思ってるので
主人公が何人いても、ストーリーが何通り有っても構いません。
17 :
東京都戦場市:2010/12/13(月) 18:19:56 ID:IWtWreax
>>13補足
学生団体の中でも理系の学生が所属してる団体は
手製の時限爆弾や迫撃弾を使用する事も有る。
18 :
東京都戦場市:2010/12/13(月) 18:32:35 ID:IWtWreax
★バーサーカー
ステロイドとLSDの合成薬物。両方とも純度を極限まで高めてある。
ステロイドの効果で筋力は極限まで高められ、LSDの効果で脳の
リミッターが外れて火事場の馬鹿力状態になる。これを投与された者は
まさに北欧神話のバーサーカー(狂戦士)の様な状態になるのだ。元々
局地戦の歩兵用に開発された薬物だが、湾上市を含めた世界の大都市部
に蔓延、テロ活動やマフィアの抗争などに使用されている。
19 :
東京都戦場市:2010/12/14(火) 18:23:56 ID:eMc/30tE
>>12続き
C九龍財団
中国最大のマフィア組織。中国政府上層部と裏で繋がり
満州総連を非合法な活動面(主に武力)でフォローする。
D狼牙
主に10代の在日中国人で組織されたチーマー。
九龍財団の下請け的な役割を果たす。
ジュニアシールドの防犯ボランティアの
主な内容は、この狼牙との戦いである。
20 :
東京都戦場市:2010/12/14(火) 18:24:50 ID:eMc/30tE
ついでに20get
★湾上学園
保育園から大学院博士課程まで揃う巨大学園都市。
特に高等部以上は全日部・定時部・通信部に分かれ
更に高等部はそれぞれの部が普通科・理数科・農業科・
商業科・工業科の五つに分かれる。大学に至っては
実に百以上の学科数を誇る。大学を中心に独共連・
東青同が高等部・中学部にまで勢力を広げ、高等部・
中等部には狼牙やジュニアシールドの外部構成員
(内部構成員は中国人やアメリカ人なので)も数多く
在籍している。
★バイオエタノール企業
湾上市には数十のバイオエタノール企業が本社を置くが
特に大きな勢力を誇るのは、タカラコスモ・日石黄桜・
アサヒエッソ・シェルサントリー・白鶴出光・エネオスニッカ
・キリンキグナスの7社である。それぞれが強力な「警備部」
(事実上の私設軍隊)を持ち、政治家の私兵だけでは到底太刀打ち
出来ない。連邦派・連盟派を問わず、政治家が湾上市で力を
振るうには如何にして彼らに甘い汁を吸わせるかに係っている
と言えるであろう。
★キャラクターの一例
@フリーダム所属のワルぶってるけどヘタレな高校生(♂)。
Aその腕ゆえに両派から引く手数多なツンデレ剣道少女。
B秘密だが実は独共連所属の理系女子大生な@の姉。
C小6でジュニアシールド所属のAの弟。
★キャラクターの一例 その2
Dバイオエタノール系中小企業で30年近く営業一筋にやって来たのに
いきなり警備部長に大抜擢されてしまい、平凡なサラリーマンが突然
軍隊の総司令にされたにも等しいこの人事に困惑しきりの@の父。
だめだ設定が多すぎて覚えられない
いきなりエネルギー自給ができるようになって
国力は増したが混沌とした日本の
新首都・東京都湾上市の覇権を巡って
西と東の各勢力が血みどろの争いを繰り広げる……と
この程度までは分かるんだが
難点が二個ある。
1.日本は農業大国ではないうえに耕地面積もごく狭いので
この形でエネルギーだけ自給できてもさしてパワフルな国家にはなりえない。
(現実で食料の輸出国である大国がそのままエネルギー大国に変換される形になる。)
よって日本およびその中心・湾上市の政治の趨勢が
そこまで両国家群(連盟及び連邦)の興味は引かないだろう。
大した利権でも無いからな。
2.国家規模の息のかかった連中がしのぎを削る戦いのなかで、
「高校生だが実は」「小学生だが実は」レベルのカタギ出身の青少年が
大活躍バトルを展開するのは極めて困難だろう。
よほど強力なアドバンテージを主役陣に持たせないと
プロの傭兵、警備員、マフィアその他には対抗させようがない。
「適性のある若年者のみに効果をもたらす超人化薬/機械」などの
SFガジェットを導入しないとどうにもならないぞ、たぶん。
27 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/02(日) 13:35:10 ID:51zFqaQF
設定を羅列されてもつまらんよ
いきなりこれだけ設定出されても活かせる気がまったくしないし
傑作や大作でなくていいから、とりあえずSS書いて見せてくれ
「戦場市」を真ん中(東京湾)にドカンと置いて、
その存在の結果歪められた東京都内(情報収集、小競り合い、戦闘に使うブツの調達など)と
フルスロットルな戦闘(バトルフィールドとしての東京戦場市)を
行き来しながら戦う方がやりやすいのではないかな。
「戦場市」が存在する設定が弱いうえに細かすぎて整合性がないので
ここは何かはっきりと分かる存在意義を一個置いてやる必要はありそうだ。
「無限のエネルギー源」になる謎の新型炉がここにあって
なぜか人間が直接その中心部に触れないと操作できない、
ゆえに物理的にその1点(戦場市の中心部)という「座」を巡って
政治からガチバトルまでのあらゆる手段で複数勢力と個人が抗争を繰り広げるみたいな。
29 :
東京都戦場市:2011/01/06(木) 18:39:42 ID:8yh1GCdL
>>26 行きつけのネカフェで唯一アク禁を喰らってない店が早め(かつ永め)の
暮れ正月休みに入ってしまったので、すっかり返事が遅くなりました。
(自分のPCやケータイを持ってないもので・・・)
Re.1
アメリカの目的は、あくまで大国フィリピンを通じアジア全体を
実質支配する事。連盟は、その為の影響力のパイプ。中国の目的は
そのパイプを突き崩してフィリピン(及びNAFTA)の影響力を
南に封じる事に有る。つまり、台湾・韓国・シンガポールに於いても
同じ様な暗闘が有り、日本に於ける主戦場が湾上市と言う事。
Re.2
今のところ思い付いてるキャラ達は基本的に世の中に翻弄される役どころ。
Aの剣道少女にしてもアプローチして来てるのは、あくまで学生運動団体で
軍関係からオファーされてる訳ではないので。(ただ、Aの場合、由緒ある
剣術道場の跡取り娘で鎌イタチで戦車もブッた斬る的な究極奥義を会得して
いる、みたいな設定にするのもアリかも)
30 :
東京都戦場市:2011/01/06(木) 18:47:18 ID:8yh1GCdL
>>27 思い付きを書き連ねている内にストーリーが出来上がって来ないかなー
と言うスタンスなもので・・・
で、少しづつですがストーリーの種らしき物が出来て来つつあります。
イメージ的には「デュラララ!!」「凶気の桜」「ブラックラグーン」等
をゴチャ混ぜにした感じですが、最終的にどんな完成形になるかは未だ
未知数です。
31 :
東京都戦場市:2011/01/06(木) 19:13:03 ID:8yh1GCdL
★湾上三十五区
湾上市は、その埋立地の外周部を北横須賀区・東金沢区・東磯子区・南扇島区・
東扇島区・羽田区・東羽田区・若洲区・南若洲区・南浦安区・東浦安区・西美浜区・
南美浜区・北市原区・西市原区・北袖ヶ浦区・西木更津区・西君津区が形成し、
そのすぐ内側が方角に従って子区(ねずみく)・丑区(うしく)・寅区(とらく)・
卯区(うさぎく)・辰区(たつく)・巳区(へびく)・午区(うまく)・未区(ひつじく)・
申区(さるく)・酉区(とりく)・戌区(いぬく)・亥区(いのししく)に十二分割され
更にその内側は乾区(いぬいく)・巽区(たつみく)・艮区(うしとらく)・坤区(ひつじさるく)
に四分割、そしてその内側に人工島の中心、湾上区が有る。これが湾上三十五区である。
32 :
東京都戦場市:2011/01/06(木) 19:22:58 ID:8yh1GCdL
★湾上市の「町」
湾上市には基本的に町名は無く、それぞれの区が
北一条〜北十条・南一条〜南十条・東一条〜東十条・西一条〜西十条・中一条〜中十条
の計五十町に分かれ、それぞれに町内会が置かれている。よく「大江戸八百八町」と
言うが、湾上市はなんと千七百五十町である。
★湾上市庁
東京都湾上市湾上区中一条一丁目一番地一号
そこが正真正銘、湾上市の中心「事実上の
国会議事堂」とも言われる湾上市庁である。
34 :
東京都戦場市:2011/01/13(木) 18:29:08 ID:C3+vk6Km
★聖フェアリアス教会
湾上市に本部を置く新興カルト教団。
物質文明と人間至上主義を否定して自然界との共存を謳い、
反企業を標榜して私設軍隊を持つ大企業を標的にテロを行う。
企業の私設軍隊の抗争に巻き込まれて命を落した犠牲者の遺族
の共感を集めて立教から僅か数カ月で一大勢力に膨れ上がった。
35 :
東京都戦場市:2011/01/13(木) 18:30:11 ID:C3+vk6Km
35get
★キャラクターの一例 その3
E聖フェアリアス教会の教祖、フェアリーマザー。18歳の少女。
テレパシー能力を持ち、人の心を読んだり、逆に自分の思念を
相手の脳に送って心を通わせたり、敵に対しては同じ能力で幻覚
を見せたりする事も可能。また自然界の動植物から霊石に至るまで
心を通じ合い、その霊力(俗に精霊と呼ばれる)を借りて使う事も出来る。
2歳年下の妹が強力なサイキックだった為、その力に目を付けたシールド内
の強硬派分子(及び協力企業数社)によって両親は殺され、妹は拉致されて
洗脳され超能力兵士に仕立て上げられてしまった。辛うじて難を逃れた彼女は
自分の能力を最大限に使って妹を救出して洗脳を解き、両親の仇を討つ事を
誓った。そしてフェアリーマザーとして今日も悪徳企業と戦いつつ妹を捜す
日々を送るのである。
★キャラクターの一例 その4
F狼牙のリーダー。18歳。中国拳法と気孔武術の達人。
中国系移民の子として受けた様々な差別に反発して不良ぶっているが
根は気立ての良い人格者で、狼牙のメンバーたちからの人望も厚い。
★キャラクターの一例 その5
G社長令嬢。18歳。高校生活を送る傍ら、父に代って会社(警備部を含む)を
切盛りする事も有る秀才少女。高校では自分が令嬢である事を隠している。
(敵対企業に狙われない為と、普通の高校生活を送る為) Eとは同級生で
親友。Eがフェアリーマザーである事など知る由も無く、また、Eも彼女が
社長令嬢である事を知らない。
EとGが互いの正体を知らずに百合関係なんて展開もアリかも。
40 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/18(火) 00:04:08 ID:bHF7e1ba
俺はファンタジーやSF要素を限りなく削ぎ落とした内容がいいと思うけどな
これだけ舞台背景があって、最終的に感情論的展開とか最悪でしょ
そういう意味で上記のバーサーカーってのは
どれほど能力が上がるのか具体的に記されていないから
世界観にキズつけてる気がする
あと、既に指摘されてるけど、日本が農業国ってのは流石に無理があるわ
国内食物自給できないのにバイオエタノールの原料に回るとは思えない
41 :
東京都戦場市:2011/01/18(火) 18:27:01 ID:0Yke4iC3
>>40 ご意見有難う御座います。
確かに私も「もっとリアルに」と考えています。
>>18>>36に関してはもう少し練り直してみようかと。
あとバイオエタノール企業の設定は無し。湾上市は
貿易の中心と言う設定なんだから「貿易会社が乱立
している」と言う設定でも充分成立するんですよね、
良く考えてみたら。
42 :
東京都戦場市:2011/01/18(火) 18:56:22 ID:0Yke4iC3
★キャラクターの一例 その6
H九龍財団の幹部。Fが実の兄の様に慕う兄貴分的存在。
元々単なる移民系チーマーに過ぎなかった狼牙が九龍財団の
下請けになったのも彼の存在が有ればこそ。但し彼自身は
Fも狼牙も内心「切捨て可能な駒」位にしか考えていない。
>>18 補足
バーサーカーは並外れた強化剤だが決して人を際限無く超人化する物ではない。
個人差も有るのでハッキリ「常人の何倍」と数字で規定出来ないが、イメージ
としては「デュラララ!!」の平和島静雄。ただ、投与された者は正気を無くし
敵味方の区別無く襲いかかるので投与したら直ちに敵の真っただ中に放り込み
速やかに撤収すると言う形を取らねばならない。それと筋力は上るが体が丈夫
になる訳ではないので攻撃されればケガはする。但し痛みも恐怖も感じない為
刺そうが撃とうが車で撥ね飛ばそうが生きてる限りは暴れ続ける。この辺りは
バーサーカーと言うよりゾンビに近いものが有るが頭を撃てば一発で止まる。
45 :
東京都戦場市:2011/01/21(金) 17:57:21 ID:+B1IJXia
とりあえず45get
46 :
東京都戦場市:2011/01/21(金) 18:01:50 ID:+B1IJXia
★ニンジャガン
忍術とコンバットシューティングを併せた特殊戦闘術。
米軍でのマーシャルアーツの様にシールドではこれが
必修になっている。
47 :
東京都戦場市:2011/01/24(月) 18:33:39 ID:B1iv6fyV
★忍禅講(にんぜんこう)
湾上市を中心に密かに勢力を広げる新興宗教団体。
「忍術を通じ禅の精神を会得し極める」を信条とする。
決った宗教施設を持たず、ネット寺院とオフ会で仲間の
輪を広げ絆を深める。オフ会は山奥で開かれる事も有り
その場合、泊り込みで忍術の修行を行なう。こうして
ある程度忍術を体得した者は(あくまで本人の自由意志だが)
企業や政治家の横暴に傷つき苦しむ弱き者達の為に戦う。
施設軍隊同士の抗争に巻き込まれて命を落とした犠牲者の
遺族が多いので戦いを拒む者は殆ど居ない。戦う時は皆、
虚無僧姿で顔を隠している。学生運動団体が何とか仲間に
しようと血眼になって正体を探るが、彼らにしてみれば
学生だろうと結局は抗争を行なう者達の手先に過ぎない為
決して手を結ぶ事は無い。
48 :
東京都戦場市:2011/01/25(火) 18:38:03 ID:z+fvceCd
★キャラクターの一例 その7
E改 忍禅講の創始者。18歳。父は由緒ある忍術の伝承者だったが
シールドの「兵士になれ」と言う誘いを「私が忍術を修するのは
あくまで精神修養の為。今更これを戦の役に立てようとは思わない」
と断ったため「味方に付かない者は敵に回る危険性が有る」と言う
だけの理由でシールドのニンジャガン隊に母もろとも抹殺された。
辛うじて難を逃れた彼は自らの技と知識の全てをかけて復讐する事を
誓うが、計画を練っている途中でシールド以外の私設軍隊同士の抗争
で傷つき、あるいは大切な人を失って嘆き苦しむ人たちを数多く目の
当たりにし、禅にも造詣の深かった父の教えを思い出す。そして、
個人的な復讐ではなく、苦しむ多くの人たちを救うために忍術を広め
ようと考え、かねて持っていたコンピューターの知識を駆使して
忍禅講を立ち上げた。講内では「是空(ぜくう)」と名乗り、オフ会では
もちろん虚無僧姿で正体を隠す。学校では普通の高校生として振舞い
Gとは互いの正体を知らぬまま恋人同士。
「とうきょうとせんじょういち」って、何のマーケットかと思ったわ
50get
>>47>>48 一部変更
虚無僧の設定無し。戦うのは自由意志なので皆それぞれ
思い思いの服装をしている。共通なのは素性を知られぬ
よう顔を隠している事だけ。Eは托鉢僧姿に能の翁の面。
>>23 一部変更
Cは@の弟。
B長女 @長男 C次男 と言う構成。
Aは
>>29の剣術少女設定で練り直し。
53 :
名無しの侍:2011/02/01(火) 21:02:14 ID:/hDaL9d0
ミリタリーものがすきなんです書かせてもらいます。
「東浦安地区攻防」
「なんでだよ。」
俺はそうつぶやきあるトラックの中にいた。
肩にかけられた自動小銃がずしりと肩にのしかかる。
中にいる数名の兵士も同じことを考えているに違いない。
「なんでだよ。」
そう近くない未来。
東京湾上地区では、いくつもの私兵団が暗躍していた。
そんな湾上地区を黙殺する政府に批判は集中する中世界は動いた。
中国政府と険悪の中であった、ウィグルとチベットの独立。
両国は次々と隣国を併合していった。
危機を感じた中国は、宣戦布告を吹っかけた。
これが、血の歴史の一ページ「第3次大亜東大戦」の幕開けだった。
両国は爆撃を絶えず行って多く命を奪っていった。
開戦から2年後、連邦側にロシア軍、中東のテロリストが参戦。
そして、中国側にNATO軍、米軍がついて血泥まみれの戦局が悪化。
中立の立場を置いていた日本である事件がおきた。
中東テロリストによる原発占拠事件。
SITにより、事件は終息するも日本では学生が運動を起こした。
それに便乗した各グループは、湾上地区で抗争を勃発させた。
終戦後も絶えず起きる戦火に終止符を打つため部隊が結成された。
「DWW部隊」
54 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/01(火) 22:12:46 ID:uM8TU99J
DWWって何の略?
55 :
東京都戦場市:2011/02/02(水) 18:12:59 ID:0deFiFe7
有難う御座います。またの投下をお待ちしてます。
56 :
名無しの侍:2011/02/02(水) 22:25:44 ID:O7H3PI20
いえいえこちらも初心者なものですから誤字があるもので・・・
またミスがあったら、知らせてください。
57 :
名無しの侍:2011/02/02(水) 23:11:50 ID:O7H3PI20
俺戦争映画みたいにシリアスになるけど。いいですか?
ついでに今から書く話は「ブラックホークダウン」と
鋼の錬金術師のデビルズネスト殲滅の話を参考にしました。
両陣営に死者が無茶苦茶でるんですけど・・・
デュラララ読んだ事ないんですけど・・・
こんなシリアスでいいですか?
58 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/03(木) 19:28:48 ID:NsSedGsD
まず、ここはリレーのスレなのか?
59 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/04(金) 22:44:04 ID:6DHhf+o/
>>1 いっぺん、かいてみてわ?
60 :
名無しの侍:2011/02/06(日) 13:00:35 ID:xP8s/lqa
一応続きは書きます。
東浦安も昔はのどかな町だった。
喧騒も少なく、治安も比較的いいほうだった。
俺は東浦安の野球の名門校でエースとして活躍した。
甲子園にもいった。将来は野球選手として有望されるはずだった。
しかしある日のことだった、外資系会社が湾上市に現れたのだ。
61 :
名無しの侍:2011/02/06(日) 13:09:21 ID:xP8s/lqa
外資系会社同士の抗争は悪化。
次々とテロが発生し一般市民が大勢犠牲になっていった。
父と弟がホームセンターで爆発に巻き込まれ犠牲になった。
母は、妙な宗教に入り、1つ上の兄は学生運動に力を入れた。
テロで野球のできない肩になった俺と2つ上の兄は軍に入隊。
DWW部隊の特殊訓練を受けた。
格闘術、実弾を使った模擬訓練、爆弾解体。
ときには劇薬投与も行われた。
そして多くの兵士が死んでいった・・・
今回の作戦は故郷の東浦安。
「なんでなんだよ。」
俺はそう何度もつぶやいた。
89式小銃を肩に掛け、俺たちはトラックを降りた。
「俺たちは今から死ににいく。」
62 :
名無しの侍:2011/02/06(日) 13:24:01 ID:xP8s/lqa
今回の作戦は例えあなたたちが死のうと、軍は責任を負わない。
それを了承してください。
今回の作戦は、中国系の過激派の首謀者の殺害および捕獲です。
東浦安3丁目45−20にある、違法カジノが作戦地域のなります。
第一小隊は下水道から突入、第二小隊はヘリから屋上に着地し突入。
テロリストの殲滅を行いつつ、首謀者を捕獲、殺害を行ってもらいます。
第一トラック中隊、第一戦車大隊は捕虜の輸送を行ってください。
第一機械化武装隊、第二機械化武装隊は裏口から突入を行ってください。
なお何度もいいますが、死亡しても一切の責任を負いません。
以上。何か質問のあるひとは?
「あんた人、撃った事あるか?」
俺は口を開けたずねた。
「撃った事あるわけねぇだろ・・あんたは?」
中年の男が不機嫌に聞き返す。
「俺もねぇよ。あとよろしくな。」
「ああ・・・。」
63 :
東京都戦場市:2011/02/07(月) 18:04:32 ID:dmm9iM6i
どうもなかなかネカフェに来る時間が取れず、また間が空いてしまいました。
>>57 もちろん大歓迎です。私もシリアス志向です。
>>58 リレー形式にはこだわりません。むしろオムニバス形式で
思い付きを自由に書き込んで下さい。
>>59 そうですね。いま脳内でストーリーを練ってみてる所ですが
全部練り上がるまで書かないと流石に埒が開かなさそうなので
「長いストーリーの中の、ほんの一節」と言う形で、少し
思い付くままに書いてみようかなと思い始めている所ではあります。
>>60>>61>>62 私の求めていた世界観のイメージそのままです。
素晴らしいです。またぜひ宜しくお願いします。
64 :
東京都戦場市:2011/02/07(月) 18:10:51 ID:dmm9iM6i
>>24 一部変更
Dの勤め先はバイオエタノール系中小企業ではなく大手貿易会社。
65 :
名無しの侍:2011/02/07(月) 20:06:41 ID:sYT4AWEc
「私は、第一小隊隊長村上英彦だ。今からこの隊の指揮をとる。」
強面の大男で、厳しそうな外見の軍人だ。
「副隊長の平泉です。よろしくお願いします。」
どちらかといえば、優男の中年男性。
「この隊では、降伏は許さん。全員死ぬまで戦え。以上だ。」
隊員たちは、次々とはしごを降りて下水道へと向かった。
「死んでたまるか・・・」
近くにいた若い青年がつぶやく。
「死ぬまで戦うんだぜ・・・ばかみてぇだ。」
隊長に聞こえないように小声で言い返した。
「国のために死ぬべきだ。」
近くにいたまじめそうな兵士が言い返した。
「いつに時代の理想論だ?」
「おいべらべらしゃべっていると脳天ぶち抜くぞ。」
隊長が気づいたようだ。
「おい、お前は名前は?」
「五十嵐知徳。」
俺は言い返した。
「えっと、瀬内和則でっす・・・・。」
若い兵士が答えた。
「私は山本二十六です。階級は陸曹長です。」
村上隊長は、にやりとほくそえんだ。
「お前ら先頭へ行け。」
俺たち3人は小銃を構えて、先頭へ走った。
そのときだった。
通信兵の有田一等陸士が叫んだ。
「連絡があった。命令があるまで待機してください。」
66 :
名無しの侍:2011/02/07(月) 20:48:25 ID:sYT4AWEc
「第一機械化武装隊、通信が途絶えました。」
「第二機械化武装隊、退路を絶たれ救援を求めています。」
非常事態が発生した。
情報が漏れており、待ち伏せされていたのだ。
「隊長、どうしますか?」
「後退も、救出もせん。進め。」
「そんな・・・。仲間を見捨てるのですか?」
村上は銃を向けた。
「上官の命令は絶対だ。山本陸曹。」
「聞かなかったら、引き金を引くのですか?」
ズドン。下水道一帯に銃声の反響音が響き渡る。
薬莢が落ち、再びリロードした。
「隊長残念です・・・。立派に人だったのに・・・」
副隊長は拳銃を腰にしまった。
村上は右肺を撃ち抜かれ血だまりでもがいた。
「流れ弾だ。仕方ない。」
「そうだな・・・。」
その場にいた隊員は口をそろえていった流れ弾だと。
「隊長は殉職されたので、代わりに私が指揮を取ります。」
平泉は隊長の死体を足でどけた。
「仲間を助けたいものは、救援に向かってください。」
「それ以外の人は?」
「本部へ引き返して、ほかのものが死亡したと知らせてください。」
「了解。」
「救援に向かうものは?」
「全員だ。」
俺はすぐさま言い返した。
マンホールをはずして地上へと出た。
3月の東浦安の空の下、隊員たちは救出へと向かう。
67 :
名無しの侍:2011/02/07(月) 21:31:40 ID:sYT4AWEc
「こちら、UH-1Jスーパー65どうぞ。」
「こちら、本部どうぞ。」
「任務が実行できません。」
「了解しました。本部へ戻ってください。」
「了か・・・うがぁぁぁぁ。」
「どうしました。」
「ロケットランチャー被弾!!墜落します!!」
「全員墜落するぞ!!」
「うあぁぁぁぁぁ!!。」
「スーパー65?応答してください。スーパー65!?」
「ヘリがやられました。隊員全員の生死は不明です!!」
「全部隊本部へ帰還してください。」
そのとき、俺たちは墜落していくヘリが頭上を通過した。
煙を上げて大破していく。
部品が落ちてアスファルトが砕けた。
「何がおきている!?」
「状況を報告しろ!!第二小隊?応答しろ!!」
「うそだろ・・・。」
二台目のヘリが目の前で爆発した。
火だるまになった隊員が地面へと落ちた。
「いやだ・・・・。死にたくない・・・。」
彼の体は炎だ包まれていく。
グロテスクな光景が広がり、メガネの隊員がリアルに嘔吐した。
68 :
名無しの侍:2011/02/07(月) 22:03:31 ID:sYT4AWEc
爆発に気づいた市民が逃げ惑う。
コントロール不能になったヘリが商店につっこむ。
近くのタンクローリに引火して爆発を起こした。
「カジノへ向かえ!!市民の救出は二の次だ!!」
「だめです。副隊長、市民が邪魔で進めません。」
「くそっ、道をあけろぉ。」
トラックが市民の群れに突っ込む。
トラックの荷台にはマシンガンの銃座とライフルを持った兵士が搭乗している。
「敵だ。散開しろ!!」
「これじゃ動けません。」
俺は腰にかけた手榴弾を握り締めて大きく振りかぶった。
野球のエースだったんだろ・・・
このくらいの距離なんて・・・
次々と人をひき殺していく早くしなければ・・・
69 :
名無しの侍:2011/02/08(火) 23:20:49 ID:dOnJxlcZ
「援護しろ!!」
声を荒げたのは山本だった。
山本と二人の隊員は小銃を構えたて、走りだす。
ひとごみをかきわけて進撃した。
ライフルで撃ち抜かれて隊員が倒れた。
「桐谷!!しっかりしろ。おい!!」
もう一人の隊員が駆け寄る。
トラックの男がライフルの照準を合わした。
「やめろ!!狙われているぞ。」
「しっかりしろ!!桐谷!!きりた・・・くおぉぉ」
血しぶきが飛び散った。頭の皮が吹き飛んだ。
二人に隊員の死にも目もくれず、山本は自動車に乗り込んだ。
なにをやっている!?
まさか・・・・
「やめろ!!」
自動車がトラックにまっすぐ走り出す。
アクセルを全快に踏み込んだトラックはとまらない。
マシンガンが撃ち込まれて屋根が吹き飛ぶ。
ボコン。
車に荷台を特攻されたトラックが思いっきり横転した。
時間がゆっくりと進み、まるで夢のようだった。
70 :
東京都戦場市:2011/02/09(水) 18:46:52 ID:33+mmY4i
お疲れ様です。またの投下をお待ちしてます。
さて,私もキャラクター@とその家族を中心に
何かストーリーらしきものを書いてみたいと思います。
その前にまずは「これまでのあらすじ」みたいのを・・・
拓馬浩は高校二年。チーマー兼情報屋「湾上フリーダム」の一員。
フリーダムは両派分け隔て無く情報を売買するが,その活動の中で
浩は連邦派系チーマー「狼牙」のリーダー,李白文(リー・パイウェン)と
意気投合しマブダチ関係になっている。父,誠一は大手貿易会社の
ベテラン営業マンだったが,警備部が上層部の汚職をマスコミに
スッパ抜かれ(つまり他社との情報戦に破れ)上層部の一新を余儀無く
された事を受け,警備部長に大抜擢される。初めの内こそ困惑しきり
だったが「会社の為なら」と一念発起。営業で培った人心掌握術に
持ち前のバイタリティと人一倍の愛社精神で古参の幹部たちの心を掴み
彼らに支えられて何とか警備部(事実上の軍隊)を運営できるまでになった。
「かいつまんで」のつもりが結構長引くなぁ・・・・
もう少し「これまでのあらすじ」が続きます。
71 :
東京都戦場市:2011/02/12(土) 14:18:12 ID:bM+Xxfjh
>>70続き
誠一の会社の社長令嬢,白金麗(しろかねれい)は,高校生ながらも軍事
シミュレーションを得意とするコンピューターオタクで警備部の有能な
作戦参謀として手腕を発揮する。彼女が浩のクラスメイトであろ事は,
もちろん誠一は知らないし,彼女も浩が誠一の息子だとは夢にも思って
いない。また,彼女は学校では素性を隠して一般生徒としてふるまって
おり,会社では名を名乗らずただ「主任」か「お嬢様」とだけ呼ばれて
いるので,浩は時おり父の話に出て来る「主任」が彼女だとは想像だに
していない。誠一の会社がシールドとも繋がりが有る事に影響されてか
浩の弟,隆(11歳)はシールド系のボーイスカウト団体「ジュニアシールド」
に在籍している。母,和代は平凡な専業主婦。姉,美里は理系の短大に
通う女子大生で思想運動に関してはノンポリである(様にふるまっているが
実は違う事が後々になって判明してくる)。
72 :
名無しの侍:2011/02/14(月) 15:21:40 ID:iJ5EmFPu
ここはどこだろうか?
コンクリートで囲まれた無愛想な広間。
若い人が大勢いる。
さっきの戦場とは違う。なにかおかしい。
一度、見たことがあるからだ。
徴兵所。
横に兄がいる。まだ兄は生きている。
「兄貴?」
思わず声が出る。こんな再開をするなんて・・・
「知徳。俺から離れるな。」
もう19なのに・・・
「46番、47番来い。」
前にいたいかつい軍人が声を張る。
46番は兄、47番は俺。
検問されるような気分だった。
体重と身長を測られ、「クリア」といわれ、次の部屋へと歩んでいった。
兄はそれから数ヵ月後、3等陸准尉に降格した。
すぐに戦場に出向いた。工作員として東亜青年同盟として潜入。
上層部にたびたび報告して、襲撃の手助けをしていた。
しかし、素行がばれてしまった。
ほかの工作員がしゃべってしまったからだ。
20人の工作員全員無残な形で殺されていった。
兄は上半身を一部だけ帰ってきただけだった。
軍の奇襲作戦はすぐに行われ、結果はひとつ連隊壊滅。
生存者はいないというほどのことだった。
訓練兵の俺は怒りを覚え、訓練を集中していた。
この戦いを終わらして平和を取りも出すために。
73 :
名無しの侍:2011/02/14(月) 15:42:28 ID:iJ5EmFPu
DWW部隊
軍の精鋭部隊。米陸軍でいうレンジャー部隊。
奇襲やスパイ活動などを中心に行う。
人員は4500名前後。軍最大。上層部の将校6人で取り仕切っている。
中でも有力なのは、白州小五郎陸将で、権力を行使している。
行き過ぎた訓練を行い一度は計画自体白紙のはずだったが極秘に隠蔽されている。
主に、最前線は犯罪者などの人員で構成され、殺人を楽しむものも多い。
装甲車両を多く所持していることから、危険視する声も多い。
正式採用銃は89式小銃、M14などの小銃。
狙撃兵は、PGR1を扱い援護を行う。
しかし一部の軍人は、ステアやM870など殺傷能力の高いものを使う軍人も多い。
サブ武器は基本、コルトガバメント、デザートイーグル。
ナイフと手榴弾を通常装備としているが、日本刀で突撃する隊員も少なくはない。
M24型柄付手榴弾を使い、爆殺を専門とする隊員も多々いる。
74 :
東京都戦場市:2011/02/16(水) 18:30:14 ID:rQc3EIrV
>>71続き
もうチョットだけ「これまでのあらすじ」を
ある日フリーダムの情報屋活動中,浩は近日行われる
シールドの新型戦闘用車両の発表会に独協連の最新式
迫撃弾が打ち込まれるとの情報を得る。目的は勿論
新型車両の破壊との事。発表会にはジュニアシールド
も参列するが車両からかなり離れた場所らしかったので
情報屋としての守秘義務も有り「まあ大丈夫だろう」と
隆には何も知らせなかった。後に浩は,この判断の甘さ
を死ぬほど後悔する事になる。発表会には2発の迫撃弾
が打ち込まれた。1発目は車両への直撃コースを飛来し
事前に情報を得ていたシールドの小型迎撃ミサイルで
撃墜された。だが,2発目は想定コースを大きく外れて
ジュニアシールドの真っ只中に着弾した。死者86名,
負傷者327名に昇る大惨事であった。最寄の大病院は
さながら野戦病院の模様を呈していた。そこに浩とその
家族も駆け付ける。「隆が死んだ」と言う知らせを受けて。
あらすじ,ここまでです。
次回からの本編は「浩の独白」と言う形で進みます。
75 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/17(木) 22:22:00 ID:EAPEIt9p
追撃砲によるテロなんておきたら、軍や警察が動くほどだろ。未成年者が主人公はきついぞ。それに、未成年者が殺しに荷担する設定なら、よっぽどの理由がないとつまらなくなるぞ。あと、軍事モノのやつにひとこと、M24の威力はそんなにすごくないぞ。
76 :
名無しの侍:2011/02/18(金) 18:49:59 ID:cZWj2vJK
>>75 M24で行きたいんでやります。
衛生兵はすぐさま山本へ駆けつける。
だが、部品が形動脈を切りすでに息は絶えていた。
「・・・。」
誰も何も言わずその場を立ち去った。
三人の隊員は勇敢に戦った。そして死んだ。
彼らの死を無駄にはしない。
そう思ったとき一人の男が脳裏によぎる。
古市治秀。死んだ仲間のことだ。
彼は俺の旧友。出身は湾上市。
明るくへらへらとしており、ムードメーカーだった。
彼は、軍の計画を知り一時離隊した。けど俺が呼び止めて戻してしまった。
彼は、数ヶ月前に廊下に軍将校に銃口を向けた。
だが引き金を引く前に、護衛に撃たれて死んだ。
彼の銃には銃弾は入っていなかった。軍に対する反抗だった。
彼なりの考え方だったのだ・・・・
77 :
名無しの侍:2011/02/20(日) 14:27:27.30 ID:J/dYh7Mk
自警団「永遠の銀弾」
たびたび起きるテロや抗争から市民を守るため作られた。
一応、非合法な団体。人員は市民が中心。
元DWW奇襲隊、江川平八一等陸佐によってまとめられている。
中には、強盗や元軍人などの逸材や、機能していない警察を副職とする者もいる。
銃器などはほとんど所持しておらず、ライフル数丁と拳銃10丁程度。
猟師をしている者もおり、散弾銃を4丁だけ持っている。
仕切っているのが軍人なので、能力は高く団結力もある。
西浦安区を中心に活動しているが、ネットでさまざまなところで結成されている。
過激派と掛け持ちしているものもおり、スパイまがいのことも行われる。
東浦安の騒動を聞き駆けつける。
78 :
名無しの侍:2011/02/22(火) 22:24:49.27 ID:qmwekpEi
>>74 追撃弾をなぜ使ったのでしょうか?
破壊するなら時限爆弾とか爆弾巻きつけて自爆するとかのほうがいいと思うけど。
それに学生運動にしては行動が過激すぎでは?
するとしても会場を占拠するぐらいだと・・・・
民間人を巻き込むテロを書きたいなら「九龍財団」を使ったほうがいいと思います。
装甲車両作る会社なら軍の警備もきつい。
もう少し詳しく状況を書いてください。
79 :
東京都戦場市:2011/02/24(木) 18:28:10.08 ID:g34DnOG1
お待たせしました(って誰か待ってただろうか?)
>>75>>78 アジア全体でシールド(バックにアメリカ)vs九龍財団(バックに中国)の
代理戦争が繰り広げられてる世界観なのでチーマーや学生運動などの
未成年の集団と言えども軍事組織の下請け的な側面が強いのです。
過激さへの感覚も全体的に我々の住む世界より麻痺していると考えて下さい。
>>74続き
これが本当に隆なのか? 駆け付けた病院。待合室のベンチをどかして
つい立てで区切っただけの簡易霊安室。うめき声・泣き声・叫び声が
つい立て越しに渦巻く中、俺たちは立ち尽くしていた。「た、隆・・・」
お袋が横たえられた隆によろよろと歩み寄る。親父は何とか現実を
受け止めようとするかの様に、こわばった顔で隆を見据えている。
姉貴は顔面蒼白で能面みたいに無表情だ。俺はと言えば頭の中でグルグル
と同じ言葉を繰り返していた。 これが本当に隆なのか?
80 :
名無しの侍:2011/02/27(日) 18:55:52.40 ID:uLcYW0/3
>>79待ってましたよ。
ここしかまともに書き込めないので。
空気はだんだん重くなり、行軍が気まずくなってくる。
次、死ぬのはおれ?死にたくない。
徐々に恐ろしくなり、撤退したほうがよかったのではないかと感じてくる。
第二機械化武装の救難信号はそこで途絶えていた。
何名もの兵士が倒れている。装備は精鋭部隊のものだ。
「生存者はいるか!?」
誰かか叫ぶも、返事は当然返ってこない。
待ち伏せされて、包囲され、抵抗もむなしく全滅。
「おい・・・いたぞ!!」
物陰に隠れていた一人の隊員に気づく。
「おい、仲間だ!!たすけにきたぞ!!」
「よかった。まだ生きていた奴いたのか・・・。」
男はこちらへと向かってくる。見たことのない顔だった。
「機械化武装隊一等陸士、友部弘道です。」
「ほかのものは?」
「待ち伏せの機関銃部隊にやられました。」
「機関銃部隊はどこへ?」
「そちらのかどへまがって撤退しました。」
「了解。撤退するぞ。」
「だめですそちらには、狙撃兵がいます。」
「何だと。メインストリートに出ろ!!警戒しながらだ。」
兵士2名が、前方を確認した。
「GO!GO!GO!」
平泉の掛け声とともに、隊員たちは路地へと走り出す。
81 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/28(月) 18:15:29.67 ID:HNuDwnB2
バックに中と米だけじゃ、物足りない。
例えば、
・ロシアの極秘スパイvsCIAとの第二の冷戦。
・警察と過激派の小競り合い。
って感じに、企業の私兵団同士の抗争だけじゃ、リアルが欠けると思う。
俺書くの下手だから、いえねぇけど。
82 :
東京都戦場市:2011/02/28(月) 18:24:42.25 ID:cufwRf7Q
>>79続き
それは確かに隆が今朝元気に出かけた時に着てたのと同じ
ジュニアシールドの制服を着てる。背格好も確かに隆だ。
でも、これが本当に隆の顔なのか? 半開きの虚ろな目。
鼻と口から流れ出た大量の血がカサブタになって顔の下半分
をまるで髭みたいにドス黒く染め上げている。「隆?隆?」
お袋がまるで眠っている子を揺り起こそうとするかの様に
亡き骸を揺すって呼びかけてる。無理も無い。俺だってこれを
現実として受け止められないし受け止めたくもなかった。
隆の最期を看取ったと言う隊員が親父にその時の状況を説明した。
その隊員も重傷を負っていて、辛うじて動く右手で電動車椅子の
リモコンを何とか操作している状態だった。その隊員の説明によると
隆は着弾地点から数十m離れた場所にいたそうだ。だが高速で飛散
した迫撃弾の破片の一つが運悪く隆の胸から背中にかけて貫通し、
それが致命傷になったとの事だった。親父が務めて平静を装い聞いた。
「息子は、最期に何か言い残したでしょうか?」
「涙を流しながら一言『お母さん』と・・・」
お袋が隆にすがって泣き崩れた。親父も涙を流し、絞り出す様に呟いた。
「許さん・・・許さんぞ独共連・・・・・!」
83 :
名無しの侍:2011/03/01(火) 13:39:57.05 ID:Lg2nyO4+
一人の兵士を救うために3人が死んだ。
山本陸曹。桐谷三等陸士。郷田一等陸士。彼らの死はなんだったのか?
無駄死にではないか?隊長が射殺されたことは正解だったのか?
よく考えるべきだった。仲間が次々と死んでいく戦場では判断が生死を分ける。
この先恐ろしいことが起きるのでは?いやな予感が頭によぎる。
全滅という二文字で片付けられる。そしてまた送り込まれ全滅。
負の連鎖が続くだけなのではないのか?
俺たちは路地を出て、メインストリートに出た。
後数メートルで、市街地を抜けられる。戦いをしなくてもいい。
そう考えていた俺の考えを打ち破るかのように銃声が鳴った。
近くにいた、隊員が衝撃で前に倒れこむ。
「敵襲だ!敵の位置は不明 。」
自動小銃を構え、あたりを警戒した。前方から何かが飛んでくる。
「伏せろ!!」
10人ほどいた隊員の真ん中で追撃弾が炸裂した。砂煙が立ち上がる。
肉片と大量の血痕が飛び散り、骨の破片が頬を切り裂く。
アスファルトの欠片が頭に当たり、隊員の頭がつぶれ瀬内にもたれかかる。
瀬内の顔は真っ青で、血の気が引いていた。
「散開!!散れ。」
頭から出血した副隊長が叫んだ。しかし、半狂乱気味の隊員が逃げ出す。
そして機関銃の掃射で、跡形もなく粉々にされる。機関銃部隊もいるのだ。
友部がこちらを見て不気味そうに笑う。まさか・・・コイツ・・・・
「てめぇ、軍の人間じねぇな。」
「ハハハハハ。君たちは馬鹿だよ。仲間の顔も知らないなんて。おかげで誘導できたしね。」
友部の口の中に小銃の銃口を入れさせる。なおも、彼は不気味に笑う。
笑いがいきなりとまり、驚いたような顔をした。
84 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/01(火) 13:40:18.96 ID:Lg2nyO4+
頭を撃ち抜かれていた。狙撃でだった。用済みになったから殺された。
口から銃口を抜いて、腰に手榴弾を投げた。
肘が痛く、コントロールはむちゃくちゃになる。違うところに破裂し爆風が来る。
「有田。」
通信兵の有田が副隊長のほうへと向かう。
物が破裂するような音が鳴り響いた。有田の通信機器が撃たれたのだ。
有田はよろけながらも走った。
「衛生兵!!」
「殺されました!!追撃砲で爆殺されたんですよ。」
物陰に隠れてこちらを向いている。親指を立てた。彼の脇腹からは血が出ている。
彼はこちらに、何かを投げた。信号弾と発炎筒だった。
「おまえに運命を託す。」
「まだ助かる。」
有田はこちらを向いて、少し笑う。
有田の隠れていた物陰に追撃砲が打ちこまれる。爆音とともに有田が吹き飛ぶ。
俺はすぐさま瀬内たちのほうへと向かう。左肩を銃弾がかすめる。
「瀬内。お前が救出を呼べ、町のはずれの森に行くんだ。」
信号弾と発炎筒を託した。
「瀬内が救出を呼ぶ時間を稼ぐんだ。全員突撃だぁ。」
中年の隊員が叫ぶと同時に、残り数名の兵士が立ち上がる。
全員玉砕するつもりだ。
「やめろ!!やめるんだ。」
全員、銃を構えた走り出した。爆発で何人かはやられる。
しかし、血まちれで立ち上がり銃を撃ち返す。マシンガンで何人もやられる。
狙撃兵と砲兵二人の3人を射殺して、玉砕していった。
「まだ生きている奴はいるか?」
「はい。」
若い青年がこちらへと返事をした。
「注意を引き付けろ。」
裏路地へと入り込んだ。緊急用階段を駆け上がる。
屋上にいた兵士をナイフで切り裂いた。血が飛び散る。
砲兵が弾の装填をしていた。ライターを弾薬へと投げ込んだ。
けたましいほどの音がして、爆発した。火をかき分け、小銃を構えた。
機関銃士を頭を撃ち抜いた。マガジンの交換をしていた兵士がこちらに気づく。
ズガン。
青年兵士が彼を撃ちぬいた。が、死に底ないの敵兵に青年兵は射殺された。
一人だけになったビルの屋上で俺はリロードした。
85 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/02(水) 07:10:52.76 ID:8BcJORzY
リロードした瞬間、敵味方全ての人間が手と手を取り合って踊りだした。
青年兵士が絶妙な口調で音頭を取った瞬間、この場に居合わせた全ての者が、体を弾ませながら踊りだしたのだ。
「いったいこれは何だ!」
有田と瀬内はお互いに顔を見合わせた。
だが顔を見合わせた瞬間、有田の瀬内は同時に吹き出してしまった。
有田が間近にみた瀬内の顔には、いつの間にか見事なまでの梅王丸の隈取が描かれていたのだ。
一方、瀬内が見た有田の顔・・・それは普段のままの、素の有田の顔だった。
そう、有田の顔は素のままが一番面白いのだ。平たい顔面を垂直に穿ったような鼻の穴。
奇妙につりあがった両目からは、まるで小動物のようなかわいらしい瞳が覗く。
そして口元は、分厚い唇を突き破ったかのようににょきにょきと生える乱杭歯。
競りあがった頬骨から、頬のラインがまるで漏斗のように細い顎先までまっすぐと降りる。
その細い顎からは、申し訳なさそうに数本の無精ひげが、貧弱に生える。
た、たまらない!、瀬内は思った。
自分の見事な化粧に爆笑するその有田の顔こそ、まさに珍面。
瀬内もまた、爆笑した。
だがその笑い声は、踊り狂う群衆の雄叫びにかき消される。
そのまま有田も瀬内も、笑い転げながら、踊り狂う群衆の中に溶け込んでいった。
先ほどまで敵味方に分かれて戦っていた兵士たちが、抱き合って踊っていた。
その顔に浮かぶのは笑顔。満面の笑みを浮かべた彼らは、天空に銃をぶっ放しながら踊り狂う。
無秩序に見えるこの群集はしかし、ある一方向を目指し、徐々にその動きに秩序を生み出していた。
同時に行列は数を増してゆき、ゆっくりと東扇島方面から若洲区へと向かっていった・・・。
86 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/02(水) 07:12:09.36 ID:8BcJORzY
・・・東羽田区にある区立公園の広場でのことだった。
満州総連の愚連隊の連中が、ジュニアシールドのボーイスカウトの少年たちの肛門を犯している現場にぶち当たった。
欲情に狂った朝鮮人たちは、日本の無垢な美少年たちを犯し、征服し、鬱屈とした民族の恨みを晴らしていたのだ。
肛門から血を流しながら泣き叫ぶ日本人少年たち。
だがその悲鳴こそ、満州総連の朝鮮人たちに喜びをもたらすのだ。
少年たちを殴りつけながら、朝鮮人たちは彼らを犯し続ける。
中には犯されながら絶命する少年たちもいたが、朝鮮人たちは構うことはなかった。
するとどうだろう。
公園の目の前を通る第357号線の、東扇島方面の方から、大量の群集が近づいてきたのだ。
彼らは小銃をぶっ放しながら、または抱き合い、接吻し、脱糞しながら、こちらに近づいてくる。
全員、血走った目をしていた。
そして完全にあっちの世界にいってしまったような表情で、ケタケタと笑っている。
朝鮮人たちは唖然とした。
彼らはボーイスカウトのケツを掘るのを止める。
「踊るアホウに見るアホウ! 同じアホなら踊らにゃ損々!」
公園に差し掛かった時、行列が突然ピタリと止まった。
同時に、今まで派手に鳴り響いていた銃声やパーカッション、鼓笛隊の演奏も病む。
一瞬にして東羽田区は沈黙に包まれた。
夕闇を漂う一陣の風が、公園を吹きすさぶ・・・。
「な、何事ニダ?」
朝鮮愚連隊の連中に緊張が走った。
すると、踊り狂っていた兵士たちが突然動き出した。
あまりに自然な動きに、その場に居合わせた全員が反応できなかったほどに。
瞬きする間に、兵士たちは公園に駆け込み、朝鮮人たちに襲い掛かったのだ。
同時に彼らは軍服を脱ぎ始めた。脱ぎ捨てられた軍服が、まるで宙を舞う枯葉のごとくひらめく。
その瞬間にはすでに、兵士たちは朝鮮人たちに踊りかかっていた。
鍛え上げられた肉体が、薄闇の中で獣のごとく走る。
そう、兵士らは全員、バーサーカーを大量に服用していたのだ。
バーサーカーを仕込んだ副作用なのだろう、兵士たちの股間に起立するペニスは異常に肥大化していた。
それはまるで鍛えられた剣だった。
鈍く光る剣。そしてその剣は、朝鮮人の血を欲していた・・・。
87 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/02(水) 07:12:57.63 ID:8BcJORzY
・・・全てが終わるまで、おそらく数分ほどだっただろう。
四肢を引きちぎられた朝鮮人の亡骸が、公園内に散乱していた。
ついでにボーイスカウトの少年たちもズタズタに引き裂かれ、皆殺しにされた。
兵士たちは血まみれの臓器を手に取ると、それを頭上に掲げる。
そう、この血まみれの人肉は、月の女神に捧げる供物なのだ。
数百人にのぼる参加者もまた、兵士たちに従った。
公園中に散らばる朝鮮人やボーイスカウトたちの破片を拾い上げると、兵士たちと同じように頭上に掲げる。
彼らは夜空に浮かぶ見事な満月を凝視し、押し黙った。
双眸からは、熱い涙が溢れ出している。
そのまま彼らは全員、あたかも彫像のごとく動かなかった・・・。
・・・どれくらい時間が経っただろうか?
静まり返った東羽田区の街中に、突如無数の羽音が響き渡った。
それは街の方々から響き渡っている。
東羽田区一体に掛かっていた夜霧が、そのまま実体化したかのごとくだ。
黒い羽虫たちだった。
異様に腹が膨れ上がった黒い羽虫の群れが、ブンブンと羽音を立てながら飛び交っている。
その全てが、あの惨劇のあった区立公園へと向かっていた。
公園にたどり着いた羽虫の群れは、兵士たちが頭上に掲げる肉片に群がった。
その肉を喰らい、喰らった羽虫たちは再び中空に舞い上がり、別の羽虫たちと交尾を始める。
その間も、兵士や参加者たちは微動だにしなかった。
何人かの参加者が、供物と間違えられて羽虫たちに食い荒らされ、絶命した。
にもかかわらず、彼らは誰一人悲鳴を上げなかった。
それどころか、供物にされることを心底よろこんでいるような、そんな笑顔を浮かべてさえいた。
羽虫たちは交尾を終えると、残った肉片に産卵し始めた。
膨れ上がった黒い腹から、まるで棘のような産卵管を突き出すと、その先端を肉片にうずめる。
オレンジ色をした粒状の卵が、その産卵管から肉片の中へと注入されてゆく。
この羽虫たちこそ、兵士たちが崇拝する月の女神の化身なのだ。
この穢れ、堕落した東京を滅ぼすために使わされた、死の顕現なのだ・・・。
88 :
東京都戦場市:2011/03/04(金) 18:06:40.40 ID:Oz9qInAK
力作、お疲れ様です・・・・
ジュニアシールドの子供たちが犯されるくだりは初めて読んだ時は
呆気に取られましたが実際の戦場ではこんな事も起り得るんですよね。
まだまだ認識が甘かったです・・・
89 :
東京都戦場市:2011/03/04(金) 18:17:42.53 ID:Oz9qInAK
>>82続き
姉貴が霊安室を出て行った。顔面蒼白無表情のまま、幽霊の様にフラフラと。
隆の死に姉貴が一番ショックを受けてる様に見える。そう言えば隆が産れて
間も無い頃、一番お守りをしたり面倒見て可愛がってたのは、まだ小学生の
姉貴だったな・・・。親父が涙を拭き、隊員に言った。
「申し訳無いが、妻を見ていてもらえますか?」
「ええ、良いですよ」
親父が姉貴の後を追い霊安室を出る。俺も後に続いた。
号泣しているお袋を一人にするのは忍びないが
今は姉貴の様子の方が心配だ。
「・・・なあユウジ、ちんこにこれ塗ったら気持ちいいかな?」
バーサク状態(※バーサーカーでラリホー状態のことをいう)のケンタが、ヘラヘラ笑いながらそう言った。
俺はマユミとセックスをしながら、「さあね、どうだろ?」と答える。
マユミはというと、俺のちんこにまたがったまま「ああどうしよう! いま、何かの声が聞こえるの! ああっ!」とよがってる。
まあマユミはバーサーカー初めてだったからな。いきなりぶち込まれて相当すっ飛んでんだろう。
自ら腰を振るマユミ。その胸で大きく揺れる丸い乳房を揉みながら、俺はマユミの締め付けを楽しんでいた。
俺のチンコも、いつもとは違う疼痛のような、電気でしびれたような心地よさが伝わってくる。
特に亀頭周りのそれは素晴らしく、緊張を解いたら直ぐにでも射精しちまいそうだ。
普段以上にガッチガチで、本気ではち切れんばかりに勃起した俺のチンコ。
教壇の上ではアツシがユカにまたがって、ゲラゲラ笑いながら互いの股間をいじくりあってる。
何度発射したんか知らんけど、二人ともザーメンと愛液まみれなのは凄いね。
バーサーカーのカクテルってのは、性欲を増進させっからなあ・・・。
・・・バーサーカーは効力が強力すぎる薬物であり、純度の高い原液を皮下注射、静脈注射、筋肉注射はしない。
というよりマジでやったらマジで吹っ飛ぶらしい、実際は見たことないが狂って暴れまわるんだとか。
裏ルートで出回るバーサーカーは純度を落としたものが普通だ。
医療用のアンプルも出回ることがあるが、安全だが高価だから一般的ではない。
通常は元締めが原液を仕入れ、それを希釈して加工し、現場の売人の下ろす。
一番多いのは、グルコースと混合した錠剤を舌下摂取する形だ。通常は「キャンディ」っていう。
その名の通りキャンディ感覚で口に放り込む。効果もゆるやかで(つまり安全)、しかも溶けてなくなるまで持続する。
しかもその辺の中高生でも気軽に手を出せる低価格でもあるので、現在主流だ。
五粒セットで、この中学じゃ1万ってとこかな。お得意さんには割引もあるんだ。
キャンディみたいなのは、セックスすると性感が増し、性欲も増進するんだ。
だから年頃の性欲満タンなガキにはもってこい。オナニーだったら十発近くだせるぜ、試してみろよ。
今日俺たちが使ってんのは元締めの黒川さんが「お礼に」と俺のくれたバーサーカーの原液。
原液のままじゃまず死ぬんで、蒸留水にぶち込んで希釈液作ってスピリタスとジュースに混ぜて飲むんだ。
カクテルって言うんだが、悪いがこれ、キャンディなんかよりもガチで気持ちいい。マジいいぜ。
俺のアニキは高校中退後に黒川さんのとこで働いてて、北市原界隈の中高生にバーサーカー売ってた売人なんだ。
もっとも今はアホがアニキのことをサツにチクリやがったんで、鑑別所にぶち込まれちまったんだが。
俺はアニキを密告しやがったそのチーマーのアホをケンタと一緒にボコって運河に放り捨てたってわけ。
んで、黒川さんがその礼に、と、俺に直接、ただで原液おろしてくれたわけ。好きに使えってさ。
んで、俺は見込みがあるってんで、この中学担当の売人ってことになった。今月だけで50万くらい儲けたな。
売り上げが90万くらいで、仕入れや上納金、その他の経費を差っ引いた金額がこんなもんだ。
中学のガキは大して金ねーからな。まあ悪くはないわな。
そんで今日はまあ慰労会という感じだ。アホの頭蓋骨を金属バットでつぶしたのはケンタだし。
学校内で客集めんのも上手く、俺の商売の営業担当みたいなことやってくれてるしな。
で、ケンタが、「一度バーサク決めて乱交してーんだよ」と擦り寄ってきたんで、な。
そんで俺はケンタやアツシ、タツヤをつれて、マユミとミカとかユカを(バーサーカーをタダで出すと言って)呼びつけた。
んで、放課後の二年A組でセックス慰安バーサク中ってとこだ。
まあ、そんな感じだよ・・・。
「・・・なあユウジ、バーサーカーさ、チンコに塗ってセックスしたらぶっ飛ぶんじゃねーの」
またケンタが言ってきた。完全にラリホーしてやがる。
泡吹いて倒れてるミカは、ヴァギナからザーメン溢れさせながら痙攣してる。
まあ、そこに希釈液残ってると思うから、それ塗ってやってみたら?
ミカちゃんはもうグロッキーみたいだけどね。
で、俺は仰向けのまま、マユミのマンコを下から突き上げてやった。
マユミは絶叫し、一度大きく痙攣すると再び上り詰めた。
すげえクスリだね。マユミが「ああ、光が見える! 神の言葉が聞こえるっ!」だってさ。
そのまま俺の上に崩れ落ちるマユミ。マジで天国見てんだな、マユミ。
「で、何だってケンタ? チンコに擦り込むって?」
俺はマユミのマンコにチンコを突き上げながら面倒くさそうに答えた。
「ああ、チンコだよ。そこにバーサーカー塗ってマンコにぶち込んだら俺もミカもスゲエ飛べるんじゃねーかな?」
そう言うとケンタはケタケタと笑い始めた。バカかこいつ。
いいんじゃね?試してみろよ。どうなるか知らんけどよ。
と、そろそろ俺もイきそうになったんで、マユミを押し倒して正常位になった。
マユミの引き締まったケツに腰を叩きつけると、俺も20秒で絶頂に達したので、やれやれとため息をつきながら中出しした。
マユミはその寸前に再び絶頂に達したらしく、俺がザーメンを搾り出している間、悲鳴上げて白目剥いて泡吹いてた。
いやあ、俺が想像した以上に凄いな。何かザーメンがいつもより大量に出るし。
で、俺はたっぷり余韻を楽しんだあと、マユミからチンコを抜いた。
さすがにバーサーカー、あれほどたっぷりと射精したのに、未だに棍棒みたく勃起したままだ。スゲエ。
一方ケンタは四つんばいで、俺に汚らしいケツの穴を向けながら、希釈液の入った瓶を探していた。
まさか俺を誘ってんのか? と一瞬思い、笑った。
ついでにマルボロの箱から一本取り出すと、それに火を付けた。
俺は立ち上る煙の行方を目で追いながら、仰向けに寝転がる。
驚くべきことに俺のチンコは未だに隆々と勃起し、先端を天井に向けたままでいる。なんつーこった。
「・・・おいユウジ、もうボトル、空だぞ。 新しいのどこだよ?」
ケンタは四つんばいでケツの穴を俺に向けたまま、ついでに半分しなびかけたチンコをぶらぶらさせたまま聞いてきた。
まず汚らしいそれを隠せ、と心でつぶやきながら、俺は面倒くさそうに身を起こす。
やれやれ、また作るんかよ。面倒だねえ。
キャンディで我慢してくれりゃそれで住むのに。何なら尿道にキャンディねじ込んでみる?
で、俺は手近にあったバーサーカーの原液のバイアルを手に取った。
黒川さんは軍の病院にツテがあるらしく、これは軍放出品のマジモンなんだぜ。
で、未だにケツを向けてごそごそやってるケンタの滑稽な姿に、俺は顔をしかめた。
とりあえずこの原液のバイアルを渡そうか。と、ふと、ここで一つジョークが浮かんだ。
このバイアルごとケンタのケツにねじ込んじまったらどうだろ?
いいね、それ。俺は思わず自分のジョークを自画自賛した。
もちろん、まずい。
なにせこれ、バーサーカーの原液だしな。 このままケツの穴に突っ込んだら肛門が爆発しちまうって。
これをビーカーで少なくとも50倍くらいは希釈しなきゃ、人間ぶっとぶぜ。
今遊ぶぶんなら、注射器でせいぜい数CC出せば十分だし。
やれやれ、と俺はため息をつきながら、希釈用の蒸留水の入ったボトルを取るために立ち上がろうとした・・・。
その瞬間だった。
「・・・ねえっ! もっと! もっとしてよ! ねえっ!」
いきなりマユミが俺に抱きついてきた。
お前、さっき十回くらい逝ったのに、もう帰ってきちまったんか? エロい女だなおい。
「もっと〜っ! もっとあたしにぶち込んで掻き回してよぉ〜」
マユミは俺の首に腕を回し、頬やら唇やら首筋やらにキスしまくり、なおかつ丸い乳房を俺の胸に押し付ける。
俺のチンコは先ほどから勃起したままだが、さすがにザーメンの弾倉はすっからかん。あんだけ発射したんでね。
すると突然、マユミは俺の手にあるバーサーカーのバイアルに目を留めた。
これは原液だからダメ、と言おうとしたその瞬間、すでにバイアルはマユミの手に奪い取られていた。
「これ、マンコに塗ったら、すっごく気持ちよさそ〜」
まずい、マユミの目が飛んでる。カクテルが効きすぎたか?
おい、それ返せよ、と俺が手を伸ばすと、マユミはケラケラ笑いながらそれをかわした。
さらにバイアルのキャップを捻る。
「それ高いんだよマユミ、冗談はよせって」
少し怒気を帯びた俺の声をよそに、マユミはバイアルを開けた。
俺の方をいたずらっぽい目で見つめる。
おい、ふざけるなよ!と俺は怒鳴り、立ち上がる。
だがマユミはすばやく後ずさりし、傍にあったテーブルの上に座ると両足を大きく広げた。
黒々とした陰毛の下の、赤紫色のヴァギナ。そこから俺が先ほど流し込んだザーメンが滴っている。
「ねえユウジくん、もう一回セックスしてよ。ねえっ!」
うふふっ、とマユミは俺に向かって微笑んだ。
そして、そのバーサーカーで満ちたバイアルの瓶を、自分のマンコに突っ込んだ・・・。
・・・マンコにバイアル瓶をくわえ込んだまま、マユミは体を大きく痙攣させた。
何度も、まるで電撃喰らったように弾け、床に崩れ落ちる。
ひっくり返ったマユミはガチでヤバい状態だった。そんなの一目見ればバカでも分かる。
物凄い悲鳴を・・・いや、もはや吼え声と言ってもいいだろうな、あれ。
野太い声で吼えながら、両手両足をばたつかせる。
素っ裸だからなおさら不気味だった。マユミのスレンダーな白い肢体が、見る見る赤黒く変色していく。
か細い四肢が激しく痙攣するたびに、パンプアップしてゆく腕や足に静脈が何本も浮き出てくる。
マユミの全身が、傍目で見ても異常なくらいに筋肉が盛り上がっている。
髪の毛は全て逆立ち、吼え声は怒気をはらんだうなり声に変わってゆく。
なおも暴れるマユミは、立ち上がりかけた途端によろめき、けたたましい音とともに机の列に倒れこんだ。
やべえ、と俺は思った。が、どうしようもなかった。
崩れた机の中でうなりながら暴れるマユミの姿を、唖然として見つめることしかできなかった・・・。
・・・異変に気づいたケンタが、どうしたん? キメ過ぎてぶっ壊れたか?とマユミに歩み寄った。
その瞬間だった。崩れた机の中から弾け飛ぶように、マユミの体が跳ね起きた。
その瞬間には、マユミの顎は、ケンタの左前腕に噛み付いていた。勢いあまってケンタは、そのまま床に倒れこむ。
同時にケンタを突き飛ばすように、マユミは高く跳ね上がり、教卓の上にダンッ!と着地した。
マユミの口には、ケンタの左前腕がぶら下がっていた。
「・・・うへ? う?」
ケンタはおそらく状況を飲み込めていないのだろう、無くなった己の左腕を見つめながら、呆けた表情を浮かべている。
傷口は切断されたものではなく、引きちぎられズタボロだった。
肉の繊維とへし折られた骨が、あふれ出る血の中で妙に痛々しい。
教卓の上では、マユミがケンタの左腕をバリバリと噛み砕いていた。
その脇の、教壇のところではアツシとユカが、不思議そうな表情でマユミを見上げている。
バーサーカーのせいだろう、おそらく恐怖など感じてはいまい。
いや、それどころか、目の前の現実を正しく認識などしていまい。
ケンタは自分におきたことを理解し始めたのだろうか、うめき声が徐々に悲鳴に変わってゆくのがわかる。
呆けたような顔に、徐々に苦痛と恐怖の表情が浮かぶ。同時に無くなった左腕を抱えながら、絶叫を始めた。
マユミはケンタの左腕を無造作に放り投げた。それは俺の目の前にゴトリと転がり落ちる。
肉のカスがわずかにこびりついた象牙色の骨が、窓から差し込む西日の中で鈍く光った。
「う、ひぃ!」
俺は思わず悲鳴を上げてしまった。だがケンタの悲鳴の凄さに、それは掻き消えた。
それがよかったのかもしれない。
教卓の上のマユミはうんこ座りの体勢のまま、もがき暴れるケンタをジッと見つめていた。
赤く血走ったその双眸はまさしく・・・血に餓えた獣のそれだった。
同時に、マユミは口元を緩ませ、ニヤリと笑った。
真っ赤な唇の間からのぞいたその歯は、まるで研ぎ澄ました刃物のような牙だった。
マユミの筋肉が、脈打つようにうごめく。
「ケンタ! 逃げろっ!」
反射的に俺は叫んだ。
俺が叫ぶのとほぼ同時に、マユミの肉体は人間離れした跳躍で、血まみれで転がるケンタに踊りかかった。
まさに一瞬だった。飛ぶ、というよりも一瞬にして吸い付いた感じだった。
同時にバキリ、という鈍い音が教室中に響き、わずかに送れてケンタの断末魔が鳴り響いた。
ケンタの上に覆いかぶさるマユミの、異様に筋肉質な背中。
その背中の向こうで、ケンタの肉体が砕かれ、血しぶきが飛び散った。
まもなく断末魔は尽きた。
その間、俺は動けなかった。
完全に恐怖に震えていた。
すると、マユミはゆっくりと俺の方に振り返った。
顔に笑顔を浮かべながら。
金色に輝く瞳、耳まで大きく切り開かれた唇、唇の間からは、ケンタの血で穢れた牙がずらりと並んでいるのが見える。
だが、間違いなくマユミは笑っていた。そのマユミの喜悦が、何故か俺にはわかった。
マユミの笑顔の向こうには、無残に引き裂かれたケンタが見えた。
首や胴体が奇妙にゆがんだケンタは、体のあちこちにある裂傷からダラダラと血を垂れ流している。
やはりへし折られた大隊の間に、だらしなくしなびたペニスが垂れ下がっていた。
おそらく糞ももらしたのだろう、その股間の辺りに、茶色い液状の汚物が飛び散っていた。
俺にはそれが、喩えようもなく不潔なものに見えた。
ケンタへの同情や憐憫などが、なぜか全く浮かばなかった・・・。
「・・・ねえ、ユウジくん。何かね、声が聞こえるんだよ・・・」
唐突に、マユミはそうつぶやいた。金色に染まったマユミの目が、より輝きを増したように見えた。
同時に、血まみれの口元がさらに大きく、まるで笑ったように大きく裂けた。
寒気がした。
マユミはなおも俺を見つめ続ける。俺もまた、マユミの黄金色の瞳に吸い寄せられている。
その瞳は、まさしく魔性のものだった。もはや人間のそれではない。
マユミはふと目を閉じると、まるで何か物音を捕らえようとするかのように耳を澄ました。
しん、と静まり返った二年四組の教室で、マユミは俺には聞こえない何かを聞いている・・・。
「・・・ほら、ユウジくん。聞こえない? 何かきれいな音楽みたいな、そんなささやきがさ?」
マユミは目を閉じたままだ。その音に身をゆだねてるような、恍惚の表情を浮かべている。
目を閉じたマユミの顔・・・ケンタの血で塗れたその恐ろしい顔は、なぜだろう、喩えようもなく美しく見えた。
この静寂の空間が、恐怖の沈黙が、何か至高の美を具現化したかのようにすら思えた・・・。
・・・突然、沈黙を引き裂くように、けたたましい笑い声がした。
教壇のところでラリホーしながら交尾していたアツシとユカだった。
マユミの異様な姿を見て、弾けるように大笑いしている。
何がおかしいのかはわからない。こいつらはバーサーカーを相当ぶっこんだから正気じゃないんだろう。
クスリで呆けたまま笑うユカの姿に、何故か俺は怒りを覚えた。
何か高貴なものを壊されたかのような、そんな感じだ。
不思議なことに、俺は本気でそう思い、アツシとユカの態度に苛立ちを覚えたんだ。
が、声が出なかった。
金色に染まったマユミの双眸が、再び真っ直ぐ俺に注がれているのを感じた。
殺意なのか? いや違う。それは違う。何故かそれがわかった。
マユミの視線には、むしろ殺意以上の恐怖がそこに潜んでいるように思えた・・・。
「・・・ねえ、なんかケンタがグチャグチャだよ〜。チョーやばいっ!」
ユカはアツシに抱きつきながら大笑いしている。笑いすぎて、咳き込むほどに。
アツシもユカを抱きしめると、つられるように爆笑し、両手をパンパンと叩いてる。
俺の額に汗が滲んだ。緊張なのか恐怖なのか、よくは分からない。
だが何故か無性に怒りが湧き起こる。アツシとユカの嘲笑が、神経にチクチク突き刺さる。
はち切れそうな何かが、この教室を包んでいた。ちょっと触れれば全てが弾け飛びそうな、そんな感じ。
破裂寸前の巨大な風船、そんな感じのものかな・・・。
・・・ゆらり、とマユミが立ち上がったのが分かった。俺は横目でその姿を見た。
ケンタの生首・・・何故か脊髄が長い尻尾のように引っ付いたそれを、マユミは手でつかんでいる。
おそらく物凄い力で引きちぎったのだろうか、頭蓋骨が砕けケンタの顔が戯画のようにゆがんでいる。
でかい精子だな、なんて面白くも何とも無いギャグが浮かんだ。
俺は以外に冷静なのかも知れない。恐ろしくて叫びたい気分なんだが。
ケンタの生首を、マユミは無造作に床に捨てた。床に当たったそれは跳ね返ることも転がることもなく、そこで止まった。
そのケンタの哀れな目が、俺に向く。もはや生命の光を失ったその瞳が、俺を突きぬけ、窓の外を見つめていた。
ペタ、ペタという裸足の足音が、教壇に向かっている。
そのマユミの足音は、攻撃のタイミングを見計らっている。それが直ぐに分かった。
ヒリヒリするような、ユカとアツシを消し去ろうとする、すさまじい殺意がそこにはあった・・・。
俺は次に何が起こるかを、正確に悟った。
俺は次に何をすべきかを、正確に悟った。
マユミが床から飛び上がったその瞬間、俺は教室の窓に向かって駆けた。
ダンッ! という衝撃音と、ギャッ! という悲鳴を背後で聞いたように思えた。
俺は何故か途中で、全裸ではまずいな、と思った。この状況で、信じがたいほど馬鹿げてるが。
窓に向かう途中の椅子の背凭れに掛けてある制服のズボンを、すばやく取り上げる。
バーサーカーの残りも始末しなきゃまずい、とも思いあたった。だが、それはやめた。
そのまま俺は三階にある二年A組の窓を体当たりで突き破った。
肩で思い切り体当たりした瞬間、バンッ! という衝撃音が響いた。
下は市原運河。下水と溝鼠の死骸で満ちた東京の大動脈だ。
全裸でズボンを握り締めたまま、俺は宙を舞った。
熱を孕んだ風が、俺の裸の体を包んだ。茜色になりかけた空に、うっすらと月が見える。
西日が俺の皮膚を焼く。何故か心地いい、と思った。次の瞬間、俺は真っ暗な水の中に落ちた。
気絶する寸前、俺が飛び出した窓にマユミを確かに見た。
それは、アツシの血まみれの生首を口に咥えている、マユミの恐ろしげな姿だった。
破壊神カーリー、というのが俺の感想だ。軒並みだけどな。
西日を浴び、血まみれの女神となったマユミ。
その金色に輝くマユミの双眸が、確かに俺を見下ろしていた。
俺はその目を真っ直ぐに見返していた。その瞬間、悲鳴を上げていたように思う。
下水の悪臭が俺を包み込み、一気に暗闇が俺を覆った。
そして俺は気絶した・・・。
・・・集中治療室で目覚めた俺は、あれから三日間も眠り続けていたことを知った。
北市原区第24中学校爆破テロ事件。
あの事件がマスコミでそのように報道されているのをここで知った。
三日前の七月十二日、中学校校内で結成された「マルクス・エンゲルス革命同盟」なる左翼集団が暴発したという。
校内で武装蜂起をし、数人の教員と警備員を虐殺、さらに生徒ら30名以上を人質として政治犯の釈放を求めたという。
首都警察は通報を受け、直ちに揮下の東京管区特殊機動隊を出動させた。
が、マルエン革同(※上記団体の略称)には北朝鮮の軍属工作員が混じっている、という未確認情報が流布される。
すると、「これは敵国の軍事作戦である」という主張で、陸軍第一師団が強引に介入を主張したらしい。
警察がそれを無視し、特殊機動隊を投入。人質救出と犯人確保を行おうとした。
その瞬間、校舎が大爆発を起こした、という。
死者は実に62名。恐るべきことに、校舎内にいたとされる犯人および人質の生存者はゼロ。
突入した特殊機動隊員も13名が殉職した。
陸軍省は直ちに内務省警察庁に厳重抗議。
現在は内務大臣の辞任問題にまで発展している、という・・・。
テレビでは、爆破され廃墟になった第24中学の校舎の瓦礫が映し出されている。
未だに煙がぶすぶすと立ち上り、周辺のビルにも被害が及んでいるのか、壁が崩落したり窓が割れたりしていた。
カメラの前で、レポーターらしきメスが、何故か警察の対応を批判している。
過激派への批判を回避するあたりは、さすが進歩的左翼メディアである。
・・・だが、俺には何のことか、さっぱりわからなかった。
テレビで犠牲者の名前を読み上げられ、その中にケンタ、アツシ、ミカ、ユカの名前があった。
そして、マユミの名前もそこにあった。
俺は爆風で吹き飛ばされ、運よく市原運河のドブ水の中に落ちて助かった、ということになっているらしい・・・。
警察の調書では、俺はそういうことになっている。
というか、目覚めたと同時に、刑事にそう事情を説明され、調書にサインを求められた。
俺は面倒くさいので、とっとと調書にサインをした。
俺のバーサーカーはおそらく爆破で吹っ飛び、証拠は全部消えたな、と思い、ちょっとため息を漏らした・・・。
安心と、もったいなかったな、という投げやりな気分で。
ケンタやアツシ、ミカやユカへの憐憫の情はまったく浮かばなかった。
そして何故か、マユミへの悲しみも、全くなかった・・・。
・・・俺がマユミを見たのは、それから5年ほど後だった。
俺は驚くべきことに、大学生をやっていた。しかも結構名門の大学だ。
その日、俺は道端で、携帯で彼女と話していた。場所は湾上市にある新東京国際展示場の前の交差点だ。
近くに中々のデートスポットがあるんで、俺は最近こましたばかりの彼女と待ち合わせをしてたわけ。
場所が分からない、という彼女に、待ち合わせ場所の交差点の位置を説明してたときのことだった。
交差点の向かい、辺りを威圧するように立ち並ぶ巨大な尖塔がある。
最近急速に勢力を伸ばしつつある、あるカルト教団の教団施設だ。
この辺りには不釣合いなこの建物の前に、おそらくは信者らしき群集が屯っていた。
巨大なゲートと、その中へと続くロータリーに、数台のリムジンが入ってくる。
俺は携帯を片手に、そんな光景を何気に眺めていた。
リムジンが停車すると、後部座席の辺りに信者たちが群がっていく。
おそらくボディーガードらしき体格のよい男たちが数人、別のベンツから降り立った。
彼らはリムジン付近の信者を押しのけて後部座席の扉を開けた。
別の数人は入り口までの道を開くため、人員整理をしている。
俺は電話口の彼女の声を聞き、生返事をしながら、なぜかそんな風景をじっと見つめてたんだ。
虫の知らせなのかね? 俺にもよくわからないが、俺はずっと眺めてたんだ。
すると、リムジンから一人の長身の美女が降り立った。もうそれで十分だった。俺は完全にあっけに取られていた。
その女は、マユミだった。
彼女はフェアリーマザーを名乗り、聖フェアリアス教会なる狂信カルト教団の教祖になっていた。
俺は携帯を握り締めながら、唖然としてしまった。
マユミは、端正なその顔に微笑みを浮かべながら、信者たちに軽く手を振る。
信者たちは一斉にその場に座り込み、両手を合わせて彼女の前でひざまずいた。
異様な光景だった。
マユミはその群集の中を、まるで無人の野を行くかのように、悠然と歩く。
まるで別人のようなたたずまいだった、でも、間違いなくマユミだ。
すると、マユミはふと歩みを止めた。そしてゆっくりと、俺の方へと顔を向ける。
俺はその場で、足に根が生えたように立ちすくんだ。
マユミの目が、俺に注がれた。
距離はおそらく、70メートルはあるだろう。しかもこちらも人ごみの中にいる。
だが、間違いなかった。マユミは俺の視線を感じ取ったのだ。
その俺の視線に応えるかのように、マユミは真っ直ぐこちらを見返してきた。
俺の周囲の人間たちがざわつく。きれいね、だとか、凄い威厳あるね、とか、かなり美人だね、とか、そんな喧騒だ。
だが、マユミの瞳は、正確に俺を捉えていた。
あの日の夕方に見た、あの金色に輝く獣の瞳で。
マユミが一瞬、俺に微笑んだように見えた・・・。(おわり)
99 :
東京都戦場市:2011/03/07(月) 18:18:12.23 ID:ZKCL8L/s
お疲れ様。色々な切り口が有りますね。やっぱオムニバスにして良かったです。
>>89続き
廊下の隅に無造作に置かれた長椅子に姉貴は腰かけていた。
無表情のまま、へたり込む様に力なく。親父が隣りに座る。
「大丈夫か?」親父が聞き、姉貴が小さくうなずく。無表情
な瞳からポツリ、ポツリと涙が溢れ出す。親父が姉貴の肩に
手をかけ力付ける様にグッと引き寄せた。姉貴は目を伏せ
涙を流しながら声も無く肩を震わせている。俺は、外の風に
当りたくなり病院の玄関を出た。空を見上げる。雲一つ無い
澄み切った青空が今の俺には返って辛かった。
100 :
名無しの侍:2011/03/07(月) 21:24:42.93 ID:WvpLw/V8
>>1 久しぶりに来たらひどい有様だ。
あんたがやりたかったのはこんな話作ることか?
世界観崩れすぎだろ?狂い過ぎた世界にもほどがある。
いい加減に注意したらどうだ?
「戦場ではこんなこともあるんですね。」じゃねぇよ。
よく考えろ。確かにレイプもありえあるが、せめて女だ。ホモの集団じゃねぇか。
俺はこのスレを見放す。ましな板でも探す。
・・・と、こんな感じで、五十嵐知徳はこの狂った世界を捨てた。
で、あれから、どれだけの月日が流れ去ったのだろうか?
五十嵐が隊を抜け出し、当て所も無く新東京市を彷徨っていた。
かつて軍服だった衣服は、いまや殆どボロ布と言っても過言ではないほど汚れている。
そんな汚らしい格好で公園内の散歩道を練り歩き、シケモクを拾った。
フィルター部分に何故か口紅の跡が残るそれを、五十嵐は口に咥える。
ポケットの中から、軍の支給品であるジッポを取り出し、それで火をつけた・・・。
・・・茜色の夕日が、まもなく沈む。
頑丈な保護ネットを張った街頭が、冷たいネオンの光でアスファルトを照らしだす。
ベンチで酔っ払っている浮浪者たちが、胡散臭そうに五十嵐を見つめた。
エサ場を荒らされた野良猫たちが、五十嵐に向かって背中の毛を逆立て、唸り声を上げる。
おそらく、見慣れぬよそ者を警戒しているのだろう。
園内の広場には、不法投棄された粗大ごみが山のように積まれていた。
おそらく生ゴミも混じっているのだろうか、カラスがごみの山に屯し、ゴミ袋の中身をくちばしで引っ張り出している。
公衆トイレの建物も脇で、浮浪者の群れが、廃材に火を付け、焚き火で暖を取っていた。
鬱蒼と茂る木立の中で、そのオレンジ色の明かりが、ひときわ眩しく感じる・・・。
・・・五十嵐はそれを呆然と見つめた。
数人の浮浪者たちが、胡散臭げに五十嵐を見返している。
浮浪者たちにもシマがあるが、おそらく五十嵐をそのテリトリーの侵入者と思っているらしい。
もちろん、五十嵐はこんな場所にいつまでも居座るつもりなどないのだが・・・。
・・・彼は絶望していた。
今まで信じていた世界が崩れ去り、狂いに狂ったあの世界に耐えられなくなっていた。
そして、ついに見捨てたのだ。己の居場所を・・・。
・・・五十嵐は煙草の煙を思い切り吸った。のどをチリチリと焼く感触が、たまらなく心地よかった。
肺に煙が満ち、少しむせそうになる。軽い眩暈を覚え、彼はゆっくりと煙を吐き出した。
口元から吐き出された煙は、夜風にたなびき、公園の木立の中へと流れてゆく。
肌寒さを感じた五十嵐は、かつて軍服だったボロ布の襟を立て、そのまま近くのベンチに座った・・・。
・・・その様子を、木立の中で見つめる目があった。
ベンチに座り、昼間に拾った腐りかけの菓子パンにむしゃぶりつく五十嵐。
その背後、約20メートルほどの木立の中に、完全武装した3名の兵士の姿があった。
まるでガラス球の様な冷徹な六つの目が、五十嵐の背中を見つめている。
彼らは東京憲兵隊の捕縛班であった。
敵前逃亡をした五十嵐知徳三等兵を捕縛、軍法会議の場に引っ立てるのがその目的だった。
彼らは藪の中で互いに目で合図をすると、全く音を立てることなく、五十嵐の背後に詰め寄った。
もう、ほんの2〜3メートルの距離だ。気配すら悟らせない、見事な展開ぶりである。
一方五十嵐は、菓子パンのカビの生えた部分を千切り取るのに夢中だった。
久しぶりに入手した甘いクリームパンに、彼は心を奪われてしまっている。
元特殊部隊隊員といえども、空腹には勝てなかったのだ。
カビの生えた部分を、五十嵐はその辺の地面に捨てた。
ようやく中のおいしいクリームを味わえる、五十嵐がそう思い、微笑んだ瞬間であった。
首筋に、スタンガンの強烈な電撃が走った。
舌先に、クリームの甘い味を感じ取ったその瞬間、五十嵐の意識は暗黒の中に落ちていった・・・。
・・・あの公園での捕縛劇から3年。
五十嵐知徳は、新東京市南蔦原区にある秘密の地下牢に拘禁されていた。
彼に課された刑は懲役25年。あまりにも長い、といわざるを得ない。
だが、ここに投獄される前に、彼にはもっと恐るべき罰が下されていたことを知る人は少ない。
それを、これから語ろう。おそらく涙なくしては聞けないほど酷い話なのだから・・・。
・・・秘匿事項の多い特殊部隊から勝手に離脱した五十嵐の罪は、大変に重いものであった。
軍法会議でも当初は、不名誉除隊の上に銃殺刑、という案が主流であった。
何せ、彼は対テロ部隊にいながら、テロリスト同然の書き込みをした名無しにブチ切れ、敵前逃亡をしたのだ。
軍規違反、治安活動妨害、機密漏洩罪、軍備品の窃盗罪、器物損壊罪、わいせつ物陳列罪・・・。
五十嵐の数々の罪状が羅列されると、さしもの軍法会議のメンバーも顔を青ざめた。
これでは、彼の銃殺刑もやむをえない、メンバーたちは全員そう思った。
だが、オブザーバーとして軍法会議に出席したDWW第一小隊隊長、村上英彦少尉はその決定に真っ向から反対した。
誇り高きDWW部隊の名を汚した五十嵐知徳三等兵に対し、そのような刑罰では「軽すぎる」と。
村上少尉は、やはりオブザーバーとして参加した副官、平泉一等軍曹に向き直り、数語言葉を交わした。
その言葉に、平泉一等軍曹は一瞬、驚愕の表情を見せる。
だが、最終的に、平泉一等軍曹も村上少尉の案にしぶしぶと同意した。
結局、この村上英彦少尉の提案が、軍法会議の最終決定となった。
五十嵐元三等兵に下された刑、それは・・・
・・・それはガチホモ兄さん20人によって一年間アナルを掘られ続ける、
という夢のような罰であった・・・。
委員の中からは、「これでは五十嵐三等兵に対しての褒美になってしまうのではないか!」という少数意見も出た。
そう、五十嵐三等兵の精神鑑定の際に、彼には「そのケ」がある「マゾ」の可能性が高い、と出ていたからだ。
しかし、処断を下すガチホモ兄さんたちを見たとき、今まで処罰の方法に反対していた委員は一斉に沈黙した。
大量のドーピングで気持ち悪いほどに怒張した筋肉をムチムチさせながら入ってきたホモ兄さんたち。
五十嵐三等兵のスナップ写真を睨み付け、ビギニパンツの上から巨大なちんぽをいじくって興奮する彼ら。
そのちんこのでかいことでかいこと…。
「た、確かに凄いわ…幾ら五十嵐三等兵が真性のマゾでも、この巨大なものを挿入されちゃったら…」
軍法会議唯一の女委員であるキャサリン陸軍法務局中佐は、溜め息交じりにそう言った。
同時に、「このデカちん兄さんをつまんで、ちょっと味わってみたい」、と、キャサリンの脳裏を過ぎった。
でも、こんなの入れられたら・・・おそらく私、裂けちゃうわ!
・・・そしてモニター画面には、捕えられた五十嵐三等兵の映像が映し出された。
五十嵐三等兵は、頑強な鉄鎖で縛り付けられ、天井から吊るされていた。
全裸の彼は、すでに方々に擦過傷や裂傷があり、特に肛門から大量に出血していた。
今までに彼は陸軍拷問局拷問部隊所属拷問担当官(※最高位は陸軍大将)に激しく拷問を受けていたのだ。
さらに尿道には太々としたピアスリングが填められ、睾丸は数本の太い針で貫かれている。
乳首にもピアス…直径一センチ近いボルトナットを加工したもの、が装着され、今にも乳首が千切れそうだ。
なぜだろうか、血まみれの五十嵐三等兵は、笑っていた。
これほどまでに過酷な拷問に晒されているにもかかわらず、彼は喜んでいるようにすら見えたのだ。
「・・・か、彼は拷問に快感を覚えているのか?」
委員の一人は、声を詰まらせながらたずねた。
「・・・ええ、DWW部隊のモットーは、”苦痛を愛せよ”ですから」
DWW小隊隊長の村上英彦少尉は、冷酷にそう答えた。
”苦痛を友とせよ、苦痛を愛せよ” DWW訓練兵たちはこの言葉をモットーに過酷な訓練にのぞむ。
それが新東京市特別治安部隊、DWWの兵士たちのプライドでもあるのだ。
村上は思った。もし、五十嵐三等兵が本物のDWWならば、この過酷な罰に耐えられるはずだ、と。
だが、委員たちは、村上のこの言葉を全く別に解釈したようだ。
嬉しそうに痛がる五十嵐三等兵の艶姿を見て、やはり彼にはこの「厳しい罰」を処するべきだと・・・。
・・・そしてついに、その時が来た。
マッチョなガチホモ兄さんたちが筋肉をムチムチさせ、ウホウホ言いながら五十嵐三等兵の独房になだれ込む。
巨大な筋肉と、巨大なペニスを持ったガチホモが、天井から吊るされた五十嵐に群がる。
「ひ、ひいっ!」
五十嵐の顔が、恐怖にゆがむ様子がモニター画面に写った。
その瞬間、そのモニター画面は唐突に消された。
「せめてもの慈悲です…見ないでおいてあげましょう」
DWW第一小隊隊長、村上英彦少尉は、リモコンのスイッチを押しながらそう言った。
平泉には、その村上の瞳が、うっすらと潤んでいるように見えた。
遠くから五十嵐三等兵の悲鳴が聞こえてきた…。
・・・あの地獄のような拷問から、もう三年。肛門の傷は癒えても、心の傷は未だ癒えてなかった。
あの一年の間、マッチョなガチホモ兄貴たちは容赦なく五十嵐を苛め続けた。
泣こうと喚こうと、決して助けのこない、すさまじい調教に、五十嵐は何度絶頂感・・・いや絶望感を味わったか。
早く一年が過ぎ去ること、それが当時の彼に残された一縷の望みであった。
いつかは嵐が過ぎ去る、それだけを信じて・・・。
・・・今も、あの日々の出来事の夢を見る。
もちろんそれは、最上級の淫夢、じゃなくて悪夢だ。
そのたびに彼は真夜中の独房で絶叫し、目覚めた。
ましな板を探す旅であったはずなのに、たどり着いたのがホモ調教と地下牢幽閉。
狂った世界から逃れようともがいたはずなのに、その狂気のど真ん中に、いつの間にか飲み込まれていたのだ。
なんという皮肉。
なんという悲劇。
なんという喜劇。
だが、五十嵐は旅を諦めては居なかった。
いつかはたどり着く、彼だけのユートピアを心に抱き、今もこの地下牢で煉獄の日々を過ごしていた。
腐りかけたパンと水だけの食事にも耐え、栄養を補うために床を這うゴキブリや壁に生えた苔まで食べる。
そうでもしない限り、体力はいつか尽き果て、この暗黒の牢獄で獄死してしまうのだ。
生きてここを出る、それが五十嵐に残された最後の希望であった。
・・・ここの刑務所所長は残虐なサディストであった。
特に五十嵐は、幸運なことに、いや、不幸なことに、所長の「お気に入り」の玩具であった。
昨日も全裸で十字架に拘束され、その上尿道に鉛筆を差し込まれ、「それでションベンしろや」と命じられたのだ。
おとといはに乳首ピアスのフックに、どんどん錘を吊るされ「ほら、乳首切れちゃうぞ〜!」と脅された。
遂には重さに耐え切れず、乳首が千切れてしまったのだが…。
前にも所長にウンコを食べるように命ぜられ、拒絶すると口を金梃子で固定されて無理矢理食わされたこともあった。
全身を薔薇鞭で激しく打ち据えられ、その傷口に岩塩をすり込まれ、挙句の果てに唐辛子をすり込まれたり・・・。
そんな過酷な拷問にも、五十嵐は耐え忍んだ。
そう、苦痛の中で彼は快感に目覚め…いや違う。夢を捨てなかったのだ。
こんな狂いすぎた世界から抜け出し、自分だけの聖地にたどり着くという夢を。
それは自分のセンスと合わないやつを毛嫌いし排除する男の、華麗なる復讐の誓いだ。
清廉潔白にして謹厳実直なミリタリーマニア作家に下された、魂の試練なのだ・・・。
・・・その夜のことだった。
隣の独房から、五十嵐の名を呼ぶ声に気づいた。
初めは空耳だと思った。だが、石壁のわずかな隙間から、確かに自分の名を呼ぶ声が聞こえる。
か細い、だがどこかで聞き覚えのある声。
五十嵐はその声を聞き取ろうと、その隙間に耳をあてがった。
「…あ、あなたは五十嵐知徳三等兵ですか?」
蚊の鳴くようなか細い声だ。
間違いない、自分に呼びかけているものが、この壁の向こうにいるのだ。
五十嵐の表情が崩れた。それは喜悦なのか、安堵なのか、わからない。
この漆黒の世界の中で、彼は初めて苦痛ではない感情を味わったのは確かだ。
だが同時に、五十嵐の額に冷や汗が浮かんだ。
ここでは囚人同士の私語は厳しく禁じられている。
それに違反した者は、去勢された上にそのキンタマをボイルして自ら食べる罰が下る。
その理不尽極まりない規則を、ふと思い出した。
五十嵐は迷った。ここでこの声に応えるべきかを。
発覚してしまったら、この股間にぶら下がる自慢の金玉を切り取られてしまう。
そう思っただけで金玉が縮み上がった。
だが、
「・・・五十嵐さん、大丈夫です。」
その声の主は続ける。
「看守たちは、二つ向こうの監房で、囚人相手に脱糞アナルプレイやってますよ。当分終わらないでしょう」
男の声は低く抑えられていた。だが、そこには芯の強さが感じられた。
五十嵐は唾を飲み込んだ。確かに廊下の向こうの方から、囚人の誰かの悲鳴が聞こえてきた。
あの変態看守たちの慰みものになっているのだな、かわいそうに、と五十嵐はため息をつく。
再び五十嵐は壁の隙間に耳を当てた。男の次の言葉を待つ。
果たして自分は男に応じていいものなのだろうか、と五十嵐は疑った。
看守の罠かもしれない、という疑念が拭い去れなかったからだ。
五十嵐は焦燥した。同時に傍を這うゴキブリを一匹捕まえ、素早く口に放り込む。
廊下の向こうから聞こえる悲鳴はさらに高鳴り、まるで下痢便が噴出するような不気味な音がした。
それとともに香ばしい悪臭がこちらまで届き、五十嵐は顔をしかめる。
こんなところにいたら、またあんな目に合わされる日々が続く。
自分に必要なのは、ここから一歩踏み出す勇気だけだ、と五十嵐は思った。
「…確かに、私は五十嵐知徳三等兵。元DWW第一小隊所属だ。・・・きさまは?」
遂に答えてしまった・・・。
・・・すると、壁の向こうから、驚いたような溜め息が聞こえる。
「やはりそうでしたか。」
男は少し安心したように答えた。
その後、再び沈黙する。
「それよりも貴公は何者だ?」
沈黙が重かった。再び、これは罠かも知れない、という思いが五十嵐の脳裏に過ぎる。
「私は瀬内です、五十嵐三等兵。第一小隊で通信兵をやってた…」
瀬内? まさか! 五十嵐は驚愕した。
このような監獄で、瀬内の名を聞くとは思ってもみなかった。
「私もまた、このスレの世界崩壊に絶望し、見放したんです。」
瀬内は語る。その声は泣いているようにも思えた。
「すると武装警察隊が家に乗り込み、妻と子をブツ切りにして煮込み料理にし、全部召し上がりやがったんです・・・畜生!」
瀬内の声は、殆ど叫び声になっていた。
五十嵐はまずい、と思いつつも、その壮絶な告白に慄然とした。
「やつらは酷いです。妻をローストし、息子の肝臓をパテにして、盛大にクリスマスパーティーまでやりやがって・・・」
瀬内はそこで言葉を詰まらせた。
一体、どのような連中なのだ、という疑念が沸き起こる。
確かに自分は、この狂った世界と化したこのスレを見限った。瀬内もまた、そうであるという。
崩れ行くこの世界を目にし、彼もまた耐え難かったからだろう。
それだけが理由なのか? 五十嵐は自問する。
たったそれだけの理由で、自分と瀬内はこのような地下牢獄に幽閉されねばならなかったのか?
一年あまりもガチホモにアナルを掘られまくった挙句に・・・。
すると、今まですすり泣いていた瀬内が、突然話し出した。
「五十嵐さん、あなたはここから脱するべきです。あなたの幽閉されている理由は、それは…」
それは一体なんだ、と五十嵐が聞き返そうとした瞬間だった。
がたんっ!という大きな音と共に、隣の独房の扉が開く気配がした。
数人の大きな足音が、隣の独房にドカドカとなだれ込み、野太い怒号が響き渡る。
ムチと棍棒が振り下ろされる音が響く。
それと共に瀬内らしき男の悲鳴が響き渡る。
「貴様、勝手に喋るなとあれほど命令しただろうがっ!キンタマが残り一個しかないくせにまだ懲りないのか!」
看守の無教養な声が響く。
(キンタマが無い?キンタマが無いだって!瀬内は残り一個のキンタマを失う覚悟で、この自分に語りかけたのか!)
五十嵐は驚愕した。同時に目元が潤んだ。
このような地獄の中で、瀬内は真の漢たることを貫いたのだ。
そう、たといキンタマを失っていても、真の漢の魂までは奪えないのだ。
五十嵐は立ち上がった。
おそらく看守たちは、自分の独房にも来るだろう。
それが、たぶん自分にとって最後のチャンスとなるはずだ。
そう思い、五十嵐は自分の独房に向かってくる足音を聞き、身構えた。
手には拷問用の千枚通し…そう、不注意な看守が落とした、乳首にピアスの穴を開けた道具だ。
これが彼の手元にある、たった一つの武器だ。
それを手でしっかり握り締め、扉に向かって構える。
チャンスはたった一度、それが全てだ。
失敗すればキンタマは無くなる。それは受け入れがたい。
キンタマを失ったミリタリーマニアなど、イチゴの入ってないイチゴ大福と同じだ!
ドカドカとけたたましい足音が五十嵐の独房の扉の前で止まった。
ガチャガチャと鍵束の鳴る音が響き、扉の取っ手が動く…そしてゆっくりと扉は開いていった。
廊下の明かりが扉の隙間から独房の中に差し込んだ。
その瞬間、五十嵐は行動を開始した。
全力で扉に体当たりし、そのまま廊下に転げ出る。看守たちがの喚き声がする。
五十嵐はそれを後ろに聞きながら、裸電球の照りつける長い廊下を走った。
決して立ち止まらない。
決して夢を諦めない。
この狂い過ぎた世界から抜け出してやる!
この俺のためにも、キンタマを全て失う瀬内のためにも!
五十嵐は長く続く廊下を、全力で駆け抜けていった・・・。(おわり)
109 :
東京都戦場市:2011/03/09(水) 18:50:36.57 ID:WlUaay/a
>>100 あ、あれ?ずっと貴方が書いてるものとばかり・・・
いつの間に代っちゃったんだろう?? まあその、
「fhvgyンryるyヴrンjjm、hfty56うぇgふぉtbbいhjjけおこ」
みたいな不規則発言でもない限り基本的に何でもアリの
つもりで始めたので、もう少し様子を見てみます・・・・
>>99の続き
俺はフリーダムの情報からあの場で迫撃弾が使われる事を
前もって知っていた。ただ、標的は隆のいる場所から大分
離れた軍用車との事だったから情報屋としての守秘義務も
有り「まあ大丈夫だろ」と隆に何も知らせなかった。あの
大惨事が独共連の計画変更によるものか、それとも迫撃弾
の故障によるものか俺は知らない。ただ一つ解っている事
は「俺は余りにも甘過ぎた」と言う事だ。迫撃弾の使用が
判った時点で守秘義務なんて糞喰らえだった。どんな手を
使ってでも隆をあの場に行かせるべきじゃなかったんだ。
「俺が隆を殺した様なものだ・・・・・」
俺は自分が涙声になってる事に気がついた。
目の前の青空が急激に涙でぼやけていった。
「父さん・・・母さん・・・姉ちゃん・・・ごめんよ・・・
お・・・俺が・・・俺が隆を・・・・・」
あとは、もう言葉にならなかった。ただただ嗚咽と涙ばかりが
止めども無く俺の中から溢れ出していた。
俺のせいで隆が死んだ。こんな事、誰にも言えない。
親父にも、お袋にも、姉貴にも、誰にも・・・!
俺は誰にも言えない十字架を一生涯たった一人で
背負い続けていかなければならないのだ。
110 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 19:44:04.28 ID:Of5bWDju
>>26 >2.国家規模の息のかかった連中がしのぎを削る戦いのなかで、
> 「高校生だが実は」「小学生だが実は」レベルのカタギ出身の青少年が
> 大活躍バトルを展開するのは極めて困難だろう。
>
> よほど強力なアドバンテージを主役陣に持たせないと
> プロの傭兵、警備員、マフィアその他には対抗させようがない。
> 「適性のある若年者のみに効果をもたらす超人化薬/機械」などの
> SFガジェットを導入しないとどうにもならないぞ、たぶん。
だからサブカルチャーではロボットとか魔法とか超能力とかオカルトとか
子供や青年の身体的、戦闘的な能力欠陥を補う機能拡張アイテムが発展したんだな
自らロボットになる鉄腕アトムとかロボットを操縦する鉄人28号やマジンガーZやガンダムとか
AKIRAの超能力とかエヴァンゲリオンとかデビルマンとか変身ヒーロー全般とか
こうやって子供に能力を補って大人並みか大人以上にしてけば、この子供の主人公を戦いの場に放りこんでやることが可能だから
だけどその主人公の中身はあくまで子供のままで、精神的には大人になっていない
結果、ストーリーそのものは子供や青少年の成長物語のパターンしかなくなる
そのため自立した大人のストーリーというのが殆ど消えうせた
ついこのあいだハリソン・フォードが似たようなこと言ってたのが印象的だった
ハリウッドにもこういった青少年向けの成長物語くらいしかなくなったのでつまらないとか言ってて
現在のクリエーターたちの作り出す作品は、いつまでも自立できない子供の話
それとその子供が精神的に依存し続けている母性が極端かつ畸形的な肥大してるんじゃないかと思う
エヴァンゲリオンなんてガキがママの胎内で羊水に漬かりながら戦ってるくらいだから
宮崎駿とかの作品みると、近年の作品になればなるほど幼児退行してる印象がある
>>90-98 >>101-108 伏線か単なる思わせぶりなのか
111 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/09(水) 19:50:03.57 ID:Of5bWDju
>>100 あとついでにボーイスカウトなんてホモのネタの宝庫みたいなとこだぞ
聖歌隊の少年に手を出すホモの聖職者や刑務所の中の話なみに
それと軍隊とかも新兵が尻狙われるエピソード満載の場所だ
大英帝国海軍なんてそりゃもう
狂ってるくらいが普通なんじゃないかな
意外とまともな神経の持ち主なのかな?
まあ俺が書いたわけじゃないんだけどねw
「・・・いらっしゃい、拓馬くん、なんにします?」
とてもかわいらしいメイド服を身にまとった白金麗ちゃんが、愛嬌たっぷりに拓馬浩に微笑みかけた。
「え、何で麗ちゃんがこんなレストランにいる・・・」
「あちらの席へどうぞ! ・・・お客さま一名入りました!」
麗ちゃんは有無を言わさず、浩を空いているボックス席の方へ優しく誘う。
麗ちゃんの手が浩の背中を押す。細い指先が、浩の背筋に軽く食い込むのを感じる。
浩はその指に誘われるように通路を進むと、ボックス席の一つに腰を掛ける。
と、その時、麗ちゃんがこちらを振り向いた。
麗ちゃんの長い黒髪が目の前を軽やかに舞う。どこか甘い、さわやかな柑橘系の香りがする。
いきなり目の前で、麗ちゃんの可愛らしい双眸がこちらを見つめていた。
どこか潤んでいるような、上気しているような、そんな瞳で。
その目を見つめ返そうと、浩が目を上げた。その瞬間、麗ちゃんはさらに浩に接近する。
混乱する浩の耳元に、麗ちゃんの吐息がかかった。
「・・・拓馬くん、よく来てくれたね。 麗、ちょっとうれしいな、ウフッ!」
麗ちゃんは、いたずらっぽい声で、そう囁いた。
「あ、・・・ああ。」
浩は思わず赤面する。心臓はどぎまぎしていた。クラスでずっと一緒に居るときも、ここまで接近などしたことはない。
どうしたんだろうか、今日の麗ちゃんはちょっと大胆だぞ・・・。
「・・・では、ご注文が決まりましたら、及びください・・・ねっ! 拓馬くん」
動揺する浩をよそに、麗ちゃんは微笑みながらそう告げると、軽やかに身を翻した。
少し顔を赤らめながら、浩は麗の後姿を目で追った。
長い黒髪を黄色いリボンで結わえ、ちょっと短すぎのフレアスカートからは健康的な太ももがのぞく。
いつの間に、麗ちゃんも女になってきてるんだな、と浩はそう思い、思わず頬が熱く火照ってくるのを感じた・・・。
・・・他に客は誰も居ない。拓馬浩は何か、奇妙な違和感を覚えてた。
芳香剤に混じって、どこか肉の匂いがする。
ほんの僅かだが、それは一見清潔に見える店内の様子と比べ、どこかおかしい。
いや、店も何か、変に綺麗な感じだ。どこか不自然なほどに・・・。
そもそも、自分はなんでこの店に来たんだ? と浩は自問した。だが理由が全くわからなかった。
気づいたら自分は、この店の扉を空け、麗ちゃんに誘われるようにこの席に座ったのだ。
そう、今日の麗ちゃんの態度も、どこかおかしい。普段はどこか無愛想な、クールな印象のある子だ。
知的で端正、それで冷静な感じの麗ちゃんが、今日に限っては凄く愛想がいい。
先ほどのあの笑顔・・・麗ちゃんが、あんな可愛らしい笑顔の持ち主だとは思いもしなかった。
可愛らしく、愛嬌たっぷり・・・そう、不気味なくらいに・・・。
「・・・ご注文は決まりましたニカ? いや決まりましたでしょうか、浩くん?」
唐突に麗ちゃんが浩に声を掛けた。
「うわっ!」
浩は驚き、声を上げてしまった。全く気配を立てることなく、いつの間にか麗ちゃんは浩の横に立っていた。
「い、いきなり驚かすなよ、麗ちゃん。俺、びっくりしちゃった・・・」
だが、浩がそこで言葉を失ってしまった。そこには麗ちゃんが立っていた。先ほどと同じく、愛嬌たっぷりの笑顔で。
そしてその右手には、巨大なナタが握られていた・・・。
照明を受け、ナタの刀身はギラリと黒い光を反射する。鋭く砥がれた切っ先からは、真っ赤な液体がポタリと落ちる。
白いリノリウムの床の上に、その液体の飛沫が鮮やかに滴っている。
「・・・あ、えっ?」
血の気が一瞬にして引いたのを、浩は感じた。
同時に、麗ちゃんの右手に握られたナタから目が離せなくなっていた。
よくよく見ると、麗ちゃんの制服のエプロンは、所々を真っ赤に染まっている。
満面の笑みを浮かべながら、麗ちゃんは自分を見つめていた。
とろけてしまうような、そんな可愛らしい笑顔で。
浩は、返す言葉が全く浮かばなかった。沈黙が、痛い・・・。
「・・・ぎゃあーっ!」
突然、その沈黙を引き裂くかのように、店の奥の方から絶叫がした。
同時にドカドカと何かを激しく叩く音と、数人の怒鳴り散らす声がする。
な、何だ? 浩は振り向いた。どうやら店の厨房の方から響いてくるようだ。
再びドカドカと何かが暴れる音がし、さらに不気味なモーター音がした。
同時にドガッドガッと重いものを叩きつける音が響く。
怒鳴りつける声、悲鳴、それらが交互に浩の耳を貫いた。
「・・・ご注文なんにしますか? 浩くんっ!!」
視界を遮るように、突然、麗ちゃんの顔が浩の目前に現れた。
相変わらずの笑顔。だが、その顔はどこか引きつっているように見えたのは気のせいだろうか?
声の調子も、少し怒気が混じっているように思えたのは、果たして気のせいだろうか?
麗ちゃんは笑顔のまま、ジッと浩を見つめる。視線を逸らす様子もない。
有無を言わせない、そんな感じの目つきだった・・・。
「・・・い、いや。麗ちゃんあのね、まだ、まだ決めてないんだけど・・・一体あれ、何?」
返す言葉を上手く見つけられず、浩はオロオロとした口調で言った。途端、
「A定食ですねっ! 承りましたっ! オーダー入りましたっ、A定食ですっ!」
麗ちゃんは厨房の方に向かってそう叫んだ。
その声に応えるように、厨房からうなり声のような声が響いてきた。
浩が何かを言う暇など、一切与えなかった。そのまま麗ちゃんは立ち去ろうとする。
何かおかしい。完全におかしい。
よく見れば清潔そうなこの店内も、所々に赤茶けた染みのあとが見て取れる。
隣のボックス席のテーブルの上に、何かの肉片が転がっている。
その肉片の陰に、ゴキブリらしき虫の触覚が動いたのを、浩は見逃さなかった・・・。
「・・・ちょ、ちょっと待って麗ちゃん、今のは一体何だっ?! 向こうで何が行われているんだっ?!」
浩は麗ちゃんを呼び止めた。すると麗ちゃんは直ぐに立ち止まった。
が、そのままこちらに振り返ろうとしない。
しばしの沈黙。その沈黙の中で、麗ちゃんが小さく「チッ!」という舌打ちしたのが、浩にも聞こえた。
「れ、麗ちゃん?」
もう一度、浩は声を掛けようとした。途端に、麗ちゃんは振り返った。
麗ちゃんは、どこか引きつったような笑顔を浮かべていた。
「・・・お騒がせして申し訳ございませんニダ・・・あっ、ございません。今、仕込みを行ってスミダ・・・おりますので」
麗ちゃんは申し訳なさそうにそう言うと、浩を避けるように再び身を翻し、厨房の方へと駆けていった・・・。
・・・麗ちゃんが立ち去ると、店内は再び沈黙が支配した。浩は改めて店内を見回した。
すると、初めは綺麗だと思った店が、実はそうでないことがわかった。
椅子の下や物陰に、何かの食べ残しや、臓物のようなものまで無造作に隠されていた。
それらの間を這うように丸々と太ったゴキブリや蛆虫が蠢いている。
ふと視線を感じ、浩は入り口の方を振り返った。
入り口には、二人の男が立っていた。まるで拓馬浩が逃げ出さないように、ドアをふさぐ感じで。
こちらを睨みつけながら、二人ともニヤニヤとあざ笑っている。
その二人の顔を見て、浩は驚愕してしまった。
「・・・マ、マナブ? それにコースケ? 何でお前らがここにいんだよ?」
その二人は倉内学と滝沢康介だった。拓馬浩の高校、北美浜く第7高等学校二年五組の同級生だ。
・・・浩は立ち上がって声を掛けようとした。だができなかった。
普段のマナブとコースケとは、まるで雰囲気が違っていた。
どちらかと言えば陽気でお調子者のマナブと、どこかナヨナヨしたコースケ。
二人とも人の良い、平凡な高校生だったはずだが・・・?
それがいまや、血走った目をさせながら、こちらを睨みつけている。口元には、何かいやらしい笑みを浮かべて・・・。
明らかに悪意のある彼らの視線から、浩は逃げるように目を逸らせた。
今までの日常が全て崩れ去ったかのような、そんな気がした・・・。
「・・・お待たせしました拓馬くん。これ、A定食だよっ!」
麗ちゃんはまた突然現れ、手にしていたトレーを浩の目の前に置いた。
「ご注文の品は、以上でごまいますね・・・」
麗ちゃんが可愛らしい声でそう言う。浩の鼻に、何やら煮込んだ肉の匂いが届いた。
巨大なボール皿の中に、茶色く濁ったスープが満ち満ちている。
その中にプカプカと浮かんでいるものを見たとき、拓馬浩はそのまま意識を失った。
皿の中には、弟・拓馬隆の生首と手足が、臓物と共に盛り付けられていた・・・。
・・・まるで暗闇から浮かび上がるように、拓馬浩は意識を取り戻した。
どうやらどこかに仰向けに横たわっているようだ。頭がボーっとする。
天井らしき場所から、ことのほか眩しい電灯の光が、浩に降り注いでいる。
目を開けようとして、その眩しさに眩んだ・・・。
ブーン、というけたたましい羽音とともに、一匹の蝿が浩の頬に止まった。
浩はそれを払いのけようと、右手を動かそうとする。
が、右手は動かなかった。
「・・・こ、ここは、ここはどこだ?」
浩は声を上げた。だが誰も答える気配がない。
おそらくどこかの部屋だろう、何人かの人間の息遣いもする。
だが、彼らは一様に沈黙していた。
「…の、喉が渇いた。水」
浩は起き上がろうとした。が、
(?!)
起き上がろうとしても、起き上がれなかった。
浩は全裸だった。その上、両手両脚がテーブルの四隅に鎖で括りつけられていた・・・。
「・・・ようやく目覚めたニカ?」
傍らから声がする。その声には、どこか嘲りが含まれている。
誰だろう、と浩は思った。聞いたことのある声なのだが、思い出せない。
体が全く動かなかった。浩は声のする方向に目線を移し、誰だか見ようとした。
そこには麗ちゃんとマナブとコースケ、それに同じクラスの女子、山本啓子の姿があった。
四人とも、さもおかしそうに浩のことを見下ろしている・・・。
コースケは浩と目線が合うと、ちょっとおどけたような表情を浮かべ、声を立てて笑った。
するとそれに釣られて、麗ちゃんや啓子までもがケタケタと笑い出した。
浩は慄然とする。何か全てが壊れてしまったかのようだ。
自分の知らない間に、世界の全てが完全に狂ってしまっている。
「・・・こ、コレは一体、どういうことなんだ! 麗ちゃん! マナブ、・・・ここは一体どこなんだよっ!」
浩は声を張り上げる。同時に拘束から逃れようと暴れた。
だが、まったく四肢は動かなかった。硬い革ベルトのようなもので、がっちり固定されているようだ。
すると、四人が四人とも、弾けるように笑い出した。
目に涙を浮かべながら、浩のことを指差しながら、腹を抱えながら。
タイル張りの厨房に、その四人の笑い声がむなしく響く・・・。
「・・・チョッパリ、いや拓馬くん。君はウリたちの晩飯だ・・・貴重な生贄として美味しく召し上がってやるから感謝するニダ!」
麗ちゃんががそういうと、一同がドッと笑い出した。
四人は笑いながら何かを言い合っている。が、その言葉が何を言っているのか分からなかった。
浩にとっては全く未知の言語のようだった・・・。
・・・目に涙を浮かべながら笑う麗ちゃんが、浩の方に向き直った。
そして、先ほど客席で見せたような、可愛らしい笑顔を浮かべて歩みよってくる。
麗ちゃんの目には、憐憫の情が浮かんでいるように見えた。可愛らしい笑顔の奥に、ほんの僅かだが。
「・・・ゴメンね拓馬くん。私達が喰屍鬼なんだってこと、拓馬くんに教えるの、忘れてたね。」
麗ちゃんの顔がますます近づく。浩はそこから目線を逸らせなかった。
その誰もが恋に陥ってしまいそうな笑顔と、美しい瞳に吸い込まれそうだった。
だが、"喰屍鬼"。 ・・・麗ちゃんは、確かにこの言葉を言った。あの素敵な笑顔のままで・・・。
「・・・な、何だって? 喰屍鬼? ・・・何を言っているんだ麗ちゃ・・・」
だが、浩はそのセリフは全て言い終えることができなかった。
麗ちゃんは突然、浩と唇を重ねてきたのだ。
麗ちゃんの吐息が頬の伝わる。暖かく、甘く湿ったその吐息の感触が、浩にはとても心地よかった。
浩が見上げると、麗ちゃんは閉じていた両目をあけ、浩の目を見返した。
潤んだエボニーアイが、浩の心の奥底まで全てを見透かしているように輝く。
麗ちゃんはそのまま、舌先で浩の唇を裂き、前歯に舌を這わせた。
トロリとした唾液が、浩の口に注がれる・・・。
おそらくは一分以上、そんな風に唇を重ねていたのだろう。まもなく麗ちゃんは、ゆっくりと唇を離した。
浩と麗ちゃんの唇の間に、唾液の糸が引く。それは名残惜しそうに伸び、やがて切れた。
浩の息は騰がっていた。呼吸のたびに薄い胸板が激しく上下する。
麗ちゃんはその胸に、あのか細い手を這わせ、ゆっくりと撫で始めた・・・。
「・・・本当はね、拓馬くん。もっと早くに教えてあげようと思ってたの・・・」
麗ちゃんは浩を見つめ、胸をやさしく撫でながら話始めた。
浩は言葉が返せなかった。麗ちゃんの少し冷えた指先の感触が、心地よかった。
時折、その指先が浩の乳首をかすめるたびに、思わず声が出そうになる。
「でもね、拓馬くん。・・・その、拓馬くんが私を好きになったみたいで、何だかとっても切なくなっちゃって・・・」
麗ちゃんの細い指先が、浩の乳首を軽くつねる。
それは浩の性感をダイレクトの刺激した。抑えていたあえぎ声が、ほんの少し漏れ出てしまう。
浩があえぐのを見て、麗ちゃんはさらに嬉しそうに微笑む。
そして、その手はゆっくりと、浩の腹の方へと降りてゆく。
「だってそうでしょ? 拓馬くんがそんな風に私のこと思ってくれてるんだもん。言い辛いよね。」
麗ちゃんの手は、浩のへその辺りを這う。
それは明らかに、その下の部分を狙った動きだった。
ときおり浩のわき腹を優しく撫でつつ、さらにその手は浩の下半身へと向かってゆく。
浩の動悸は、さらに高まった。だが、麗ちゃんの瞳と手の動きに魅入られたように、全く動けなかった・・・。
「・・・それにね、拓馬くん。私、拓馬くんのこと、全然好きじゃないの。正直、タイプじゃなくてさ・・・」
衝撃的な一言だった。
が、その瞬間だった。
麗ちゃんの手は突然、浩のペニスを握りしめた。
先ほどのキスと、そして優しい愛撫で、浩のペニスは僅かだが充血を始めていた。
そのペニスを、麗ちゃんは無遠慮に握り締める。麗ちゃんはさらにそれを揉み始めた。
冷たい手の中で、熱を帯びてきた浩のペニスが形を崩し、もてあそばれる。
だがその度に浩のペニスの熱は増してゆき、徐々に膨張を始める。
突き立てられる麗ちゃんの爪。その痛みすら、浩には快感だった。
「・・・あ、あうっ!」
浩は目を閉じ、そしてあえいだ。快感と羞恥心が、交互に浩を苛める。
思考が混乱し、何もまとまらない。抵抗したくともそれができない・・・。
「・・・拓馬くん、私とこんなことしたかったんでしょ? ・・・私のこと、好きみたいだし」
麗ちゃんの手は、硬直を帯びてきた浩のペニスをこすり始めた。
もう浩は完全に勃起していた。そのペニスの亀頭のヘリを、麗ちゃんの指がたくみに擦りあげる。
快感が浩の体をしびれさせ、浩は身もだえしようとする。
だが、拘束された体は動かない。されるがまま、どんどん絶頂へと導かれてゆく。
麗ちゃんは、浩のペニスの頬を寄せた。そこから浩の表情を見つめながら、いたずらな感じで微笑む。
滑らかな頬に、ペニスが触れた。その感触は素晴らしいものだった。
このまま流されてしまいそうなほどに・・・。
「・・・れ、麗ちゃん! そんな・・・そんなことは止めてくれよっ!」
浩の、後のぎりぎりの理性が叫んだ。上り詰めてゆく快楽の中で、浩は必死に抵抗していた・・・。
・・・すると、麗ちゃんの手が突然止まった。
麗ちゃんの手の中で、浩のペニスは射精寸前にまで膨張していた。
赤紫色に充血したペニスが、麗ちゃんの手の中で耐えかねたように時折痙攣する。
沈黙の中で、ただ一人、浩の息遣いだけが響く。
マナブやコースケ、啓子ちゃんの視線が、自分の股間部分に注がれているのを浩は感じ取った。
亀頭部分に、麗ちゃんの生ぬるい吐息が吹き付ける・・・。
「・・・れ、麗ちゃん。俺は確かに麗ちゃんのことが好きだよ。だから・・・だから」
浩の目に涙が浮かんだ。
今の現実が信じられなかった。あの楽しかった高校生活を、浩は思った。
学校で顔を合わせ、楽しく語らい会ったあの日々。
物静かだが、時折見せる麗ちゃんのはにかむような笑顔が、浩の胸を甘く締め付ける。
平凡だが、とても幸せだった、今までの日常の光景・・・。
・・・すると突然、麗ちゃんは浩のペニスを口にくわえ込んだ。
「・・・あうっ!」
浩は思わず射精しそうになる。
だが次の瞬間、浩を襲ったのは、凄まじい激痛だった。
麗ちゃんが、浩の勃起したペニスを、その歯でで食いちぎったのだ・・・。
「・・・う、うぎゃああっ!」
浩は絶叫した。信じがたい激痛が浩の体を貫き、調理台の上に体を激しく打ち付ける。
「うぐうっ! うぐうううっ!」
体内の血が、引きちぎられたペニスからドクドクと溢れ出しているのが分かる。
全身の毛穴から一気に汗が噴き出し、鳥肌がぶわっ!と浮かんだ。
意識が朦朧とする。その現実とは思えない痛みの中で、周囲でみんなが大笑いしているのが聞こえた。
溢れる涙でぼやける視界、その視界の隅で、麗ちゃんが浩の千切れたペニスを吐き出しているのが見えた・・・。
「・・・ダメだよ麗! いきなり食べ始めちゃ…ちゃんと料理してからじゃなきゃ、生贄になる拓馬君に失礼だよぉ!」
啓子が麗ちゃんを諌める声が聞こえる。
「でも浩、ちんぽ勃起してたぜ!」「ちんぽ勃起させといて、やめろ! だってさ! チョーうける!」
「やめなよ、そんなにバカにするの、面白いじゃない!」
マナブやコースケが爆笑している。
「だってウケるよ、私がちょっと弄ったら、発射しそうになってんだもんっ!」
麗ちゃんもタオルで口元の血をぬぐいながらそう言い、同じように大爆笑している。
浩は涙で滲んだ目で、麗ちゃんの表情を見つめた。
まるで信じられないものを見るような、そんな感じで・・・。
・・・高校に来て間もなく知り合った、あのころの麗ちゃん。
一目で浩は麗ちゃんに恋をしていた。教室で初めて目があった瞬間、浩は麗ちゃんに引き込まれていた。
物静かで、成績優秀な優等生。あまり自分を語りたがらなかったが、育ちのよさそうな物腰や態度。
そして、ときおり見せる、あの素敵な笑顔・・・。
その麗ちゃん笑顔が、今、目の前で悪辣に歪んでいる。
それがこの麗ちゃんの本性なんだと、浩も頭では理解している。
だが、浩の心はそれを受け入れられない・・・。
なぜって、まだ、麗ちゃんが好きだからだ。
まだ、麗ちゃんを信じたかったからだ。自分でも信じられないことに・・・。
「・・・こんな残酷なことって、無いよな・・・」
浩は泣いた。泣きながらつぶやいた。誰に言うわけでもない。己に言い聞かせるように。
だがその言葉は悪意ある爆笑の渦に掻き消され、誰にも届かなかった・・・。
「・・・ねえ、そろそろ拓馬くん、殺さない?」
麗ちゃんが言った。まるで子猫をあやすような、そんな可愛らしい口調で。
「・・・そうね、そろそろ私達もお腹が空いてきたしね」
啓子ちゃんがそれに応じる。
俺たちも腹減ったよ、早く〆ちゃおうぜ、とマナブが言ってるのが聞こえる・・・。
・・・ふと周りを見渡すと、そこには父である拓馬誠一、母である和代の姿があった。
彼らは全員、血走ったような目で息子の浩を睨みつけていた。
口元を大きく歪ませ、その表情は明らかに常軌を逸している。
「・・・な、ど、どうして? どうして父さんと母さんが?」
浩の声はかすれていた。その浩の言葉を聞き、誠一はケタケタと笑った。
お前は食料なんだよ、今日のためにお前を太らせてきたんだよ、と隣で母が言っている・・・。
その声は遠くから聞こえてくるように思えた。もはや何が何だか分からなかった・・・。
「・・・じゃあ、そろそろフェアリーマザー様をお呼びしましょうっ!」
麗ちゃんが、突然そう言った。
するとそこにいる全ての人たちが、ウリナラマンセー! と声をそろえて叫びだす。
それに続き、全員で何やら呪文らしきものの詠唱を始めた。
全く意味不明な、聞いたことの無いような言葉だった。
詠唱が進むと、彼らは全員ハイになったように、興奮して体をゆすり始める。
麗ちゃんは何故か大声で笑いながら涙を流していた・・・。
これは、おそらくバーサーカー・・・浩自身も学校で数回試したことのある、あのクスリだ。
彼らの浮かれたような、呆けたような表情は、間違いなくバーサーカーだ。
浩は呆然としながら、そのことに思い当たった・・・。
だからといって、今の状況が変わるわけではないことも、また分かった・・・。
…ジャリッ、ジャリッ、と、厨房の奥のほうから何者かが近づいてくる物音がした。
すると麗ちゃんたちは、突然騒ぎをやめ、全員立ち上がった。
「ウリナラマンセー! ウリナラマンセーッ!!」
彼らは全員声を揃え、喉から搾り出すようにそう叫ぶ。
完全に狂気が支配していた。厨房の奥の扉を見つめる彼らの目は、狂信者のそれだった。
すると、その声に応えるように、厨房の奥からウーッ、と、唸り声が響いた。
浩もその足音の方を見る。まるで獰猛な獣のような気配が、確かに向こうから近づいてくる・・・。
遂にその者が現れた。 ついにフェアリーマザーが降臨したのだ。
身長2メートル以上・・・それはかつてマユミであったバケモノだった。
手には巨大な黒いナタが握られている。先ほど、麗ちゃんが握っていたやつより、さらに巨大なシロモノ・・・。
「・・・アニョハセオー」
フェアリーマザーの全身は、凄まじく盛り上がった筋肉で覆われていた。
なめしたようなその素肌には、気味が悪いほどに血管が浮き出ている。
それとバーサーカーの大量摂取の影響なのだろうか、そのアゴにはビッシリと髭が生えている。
もはや可憐な女子中学生の面影などどこにもない。
血走った目は完全に人間のものではなかった・・・。
「・・・フェアリーマザーさま、この青年が、今日の生贄のブタで、昨日ブチ殺した少年の兄だそうです。」
麗ちゃんがそう言うと、全員がその場にしゃがみこみ、フェアリーマザーなる化け物に向かって頭を下げた。
弟の隆まで手に掛けていたのだ。しかもこの場には父も母もいる。
父や母は何も感じないのだろうか?そもそも父と母は、俺たち兄弟をどうしてこの場に差し出したのか?
絶望的な疑問が浩の頭の中で渦巻く。おそらく誰も答えてくれない、悲しすぎる疑問だ・・・。
「・・・では、フェアリーマザーさま、お願いいたします・・・一気に殺っちゃってください」
麗ちゃんが、静かな口調でそう言い、フェアリーマザーなる化け物を浩の方へ促した。
フェアリーマザーは、フウフウと荒々しい鼻息を立てながら、浩に近づく。
「・・・やめろ、やめてくれっ!俺、死にたくないよっ!」
浩は叫んだ。喉が引き千切れるほどの大声で叫んだ。
ふと見ると、この部屋に集まっている人間全員が、浩のそばに集まっていた。
彼らは興奮した目つきで浩を見下ろし、その口元はにやけている。
その中には、浩の父と母もいた。二人もまた口元からヨダレを垂れ流し、凶暴な目付きで調理台の上の自分の息子を眺めている。
「みんなおかしいよっ、どうしちゃったんだよっ!なあ、正気に戻ってくれよ…父さん、母さん…それに麗ちゃんもっ!」
浩は叫ぶ。だがその叫びも、嘲笑の中で掻き消えてゆく・・・。
全ての希望は絶たれた。 その瞬間、
「・・・ウリイイッ!」
空を劈くような奇声を上げ、フェアリーマザーはナタを振り上げた。
「やめろーっ!」
大声で叫ぶ浩。それが浩の最後の言葉となった。
その浩の腹に向かって、フェアリーマザーは迷うことなく一気にナタを振り下ろした・・・。
…30分後、浩の肉体は完全に解体されていた。
内蔵は綺麗に抜き取られて壁のフックに吊るされた。後でこれでソーセージを作るのだ。
両手両脚はそれぞれ胴体から切り離され、さらに肘と膝で切り分けられた。
特に肝はフェアリーマザーさまの大好物であり、丁寧に処理され、大鍋で塩茹でにされた。
胴体から切り離された頭は、頭蓋骨に円状に穴を開けられ、露わになった脳髄にシオとコショウが振られた。
これは生のままマッコリの付け合せにされるのだ。
そして数時間後、そこに集った浩の縁者たちは、浩の肉体を綺麗に平らげた。
残った浩の骨は大鍋で煮込まれ、スープの材料となった・・・。(おわり)
・・・ふと起きてみると、五十嵐知徳はなぜか便器そのものになっていた。
そこは狭い大便用の個室の中であった。
浄水槽と壁、床に配水管でつながれた五十嵐の肉体は、どういうわけか堅い陶器に変化している。
頭上には、仄暗い蛍光灯の明かりが冷たく照りつけ、”TOTO”と刻まれた五十嵐の肉体を鈍く輝かせている。
「な、なんだよコレ・・・どうして俺が便器になっているんだよ!」
五十嵐知徳は焦り、叫ぶ。だがそれは音声を形成することはなかった。
当たり前だ、便器は普通、しゃべらない。
身体が動かない。びくとも動かない。
特殊部隊員として鍛えられた鋼の肉体は、今は何故か陶器製に変化している。
そりゃ動くわけがない・・・。
「・・・お、おい、ふざけんなよ。何だよこれ! 俺はあの地獄の地下牢獄から脱獄したはず・・・」
すると、ガチャ! と音とともにトイレの扉が開く音がした。
「だ、誰か来る!」
五十嵐はとっさに身構えた。いや、正確に言えば身構えようとした。
だが、便器は普通、身構えない。
焦る五十嵐をよそに、コツコツコツ、と足音が近づいてくる。
来るなよ、ここの個室には来るなよ・・・五十嵐は祈る。
もし彼が人間のままであれば、緊張で額とかに汗が浮かび上がっているはずだ。
だが残念なことに、便器は汗をかかないのだ。
そしてさらに残念なことに、五十嵐のいる個室の扉が、ゆっくりと開いてしまった・・・。
「・・・うっ!」
五十嵐はうなった。もちろんそれは声にはならない。
なぜなら便器というものは、普通しゃべらないからだ。
だが、彼がうなってしまったのも無理はない。
彼の目の前には、体重100kgはあろうかという脂性の、毛むくじゃらのデブが仁王立ちしていた。
「ま、まさかっ!」
五十嵐は焦る。だが便器というものはうんぬん、という説明は、今回はあえて省く。
そう、そのまさかなのだよ五十嵐くん。
そのむさ苦しい毛むくじゃらの脂デブは、ここに糞を垂れに来たのだ・・・。
「やめろっ!やめてくれぇっ!」
五十嵐は叫んだ。それは必死の形相であっただろう。
だが、便器というものは通常、表情を作ったりはしないものだ。
ついでに彼の叫びもまた、今ズボンのベルトをカチャカチャと外しているデブに届くはずもない・・・。
五十嵐は恐怖した。
今まで幾多の戦場を駆け抜けた凄腕の特殊部隊員(という触込みだけど)の彼が、恐怖でおののいているのだ。
そんな彼の恐怖をよそに、その脂デブは、シミだらけのブリーフパンツを引きずり降ろした。
五十嵐の目の前に、恥垢だらけの包茎チンコが突き出された・・・。
「ふう〜、ヤバイぜ。漏れそうだ」
豚のように声太った脂デブは、大きくため息をつきながらそう呟いた。
そしてぼりぼりと尻を掻きながら後ろを向く・・・。
「やめろっ! 頼むからやめてくれっ!」
五十嵐は叫ぶ。もはや懇願といってもよい。
だが、ふつう便器というものは、それを使う人間に対して頼みごとはしないものだ・・・残念だが。
静寂に包まれた大便用の個室の中で、弛んだ腹をさらけ出したデブの苦しげな呻き声だけが虚しく響く。
そして、五十嵐の目の前に、ケツ毛とイボだらけの汚いケツが突き出された。
「・・・いや、やだやめろ! やめろおおおっ! やめ・・・んんぐっ!」
汚いケツは、問答無用とばかりに五十嵐の口にドカリと腰をすえ、彼の叫びを遮った。
「むぐう〜っ!んむむ〜っ!」
五十嵐はうめく。もし便器に表情があるのならば、その顔は苦悶に満ちていただろう。
だがこの”TOTO”と銘打たれた便器は、冷たい陶器のたたずまいを崩すことはなかった。
すると突然、
”ブビーッ!”
凄まじい勢いで放たれた男の屁が、五十嵐の口の中に充満した・・・。
あまりの臭気に、五十嵐は眩暈がする。物凄い悪臭が彼の口内を循環し、幾度も幾度も彼を苛める。
五十嵐は泣いた。もちろん涙など誰も見ることはできないが、その涙を感じ取ることは、みなさんにもできたはずだ・・・。
・・・そしていよいよ、真の恐怖がやってきた。
イボだらけの尻の肉の奥には、浅黒い肛門が鎮座している。
通称”菊門”・・・だが、この世にこれほど汚らしい菊の花など、おそらくは存在しないであろう。
その汚い菊門が大きく開いてゆく。
ケツ毛だらけの汚い穴が、メリメリと音を立てているように、力強く、ヒクヒクと痙攣しながら・・・。
・・・ついに、巨大な一本糞の先端が現れた。
それは、メリメリとイヤな音を立てて肛門から搾り出されてゆく。 凄まじい太さの一本グソだ。
所々に未消化の食べ物が入り混じった、こげ茶色の憎い奴・・・。
五十嵐ははもがいた。そして神に祈った。
果たして便器が神に祈りを捧げることなどあるのだろうか?
彼の祈りは果たして、トイレの神様に届くのであろうか?
残念ながら、五十嵐自身が想像した最悪の事態へと、事は突き進んで行った・・・。
「・・・ふう〜。たっぷり出たなあ。 昨日ギョーザ食ったから糞も相当クセエし・・・」
脂デブはそう言って、大きく溜め息をつく。
その不細工なブタ面は、爽快感で満ち溢れていた・・・五十嵐の不幸をよそに・・・。
糞をくわえ込んだまま半狂乱になっている五十嵐。
その口の中に、アンモニア臭たっぷりの尿がジョロジョロと垂れ流されてゆく・・・。
さらに、脂デブはトイレットペーパーで自分の肛門を拭った。
それらももちろん、五十嵐の口の中に放り込まれる・・・。
五十嵐の祈りは、神に届かなかったのだ・・・。
・・・立ち上がったデブは、大きく伸びをした。
傍らで泣き叫ぶ五十嵐の存在など、まるで気づくことはない。
当たり前だ。普通、便器は口の中にウンコを突っ込まれたからと言って泣かないものだ・・・。
ふと、脂デブは私の方へ振り返った。
そして自らがひねり出した排泄物を一瞥し、ブタにそっくりなその顔を顰める・・・。
全長40センチちかく、もっとも太いところで直径が5センチを超える、見事なまでの一本グソ。
所々に未消化物含まれるそれは、モウモウと凄い臭気を立ち上らせていた・・・。
・・・脂デブは、便器の蓋を閉じ、レバーを動かした。
ジャー! ゴボゴボ! という、あまりにも悲しい水音が響く。
その音とともに、便器の中身の汚物は全て、五十嵐の胃へと流れ込んでいった・・・。
五十嵐は絶叫した。
だが、その彼の悲痛な叫びを聞いたものは、誰もいなかった・・・。 (おわり)
test
みなさん、私の名前はフェアリーマザー。
聖クリトリス教団の最高指導者であり、偉大なる預言者です。
誰ですか? 私のことを「高橋マユミ」だなんて名前で呼ぶのは?
私はフェアリーマザーですよ、高橋マユミなんてそんな名前、知りません。
そんなこと言い続けていると、あなた、地獄に落ちますよ。いいんですか?
さて、みなさん、今日みなさんにお集まりしていただいたのには訳があります。
それは私、フェアリーマザーが神からのメッセージを受け取ったからです。
それはそれは、とっても衝撃的な内容で、私は思わず戦慄してしまうほどでした。
そうです。そのことを皆さんにお伝えしようと、今日ここに集まっていただいたのです・・・。
さて、私ことフェアリーマザーは、今ここに予言します。
今から三日後、地球は滅亡する、ということを!
何ですかみなさん、その不審げな表情は?
私ことフェアリーマザーに対して疑問を抱くと、灼熱地獄の炎で赤外線加熱調理されてしまうんですよ。
いいんですか? 時間を掛けてたっぷりローストされた挙句、地獄の鬼たちに美味しく食べられてしまうんですよ。
まあいいでしょう、そんなこと。
それよりも、今、私がここに予言したことは、間違いなく事実です。
信じる者は救われるんですよ皆さん。
そうなんです、この穢れきった人類社会は、あと72時間ほどで、全て灰燼に帰します。
私は預言者なんですよ。だから全ての未来を見通せるのです・・・。
・・・私がこの能力に気づいたのは、忘れもしない先月か先々月の…、多分夏くらいの出来事です。
英文法と日本史、それと物理Tで赤点をとってしまったあの夕陽が美しい日のことでした・・・。
私ことフェアリーマザーは、そのとき絶望の淵に立たされていました。
おそらく明日返される古文と数学U、数学Bの点も芳しくないはず。
このままでは私は留年が決定してしまう、そう思うと、とてもやり切れませんでした。
それに、好きだった隆司くんが親友の美奈と付き合い始めたのも、ちょうどこの頃だったんです。
隆司君からは、「は、お前が俺のこと好きだって? うげえっ! やめてくれよブス、キモいんだよ!」
と辛い言葉で別れ話を持ちかけられたのです・・・。
おそらく、これは美奈のたくらみです。美奈が隆司くんを騙しているに違いない、そう私は思いました。
隆司くんも、本当は私のことを愛しているはずなんです。
なのに、美奈みたいな女のせいで、私に本当の気持ちを言えなかったのです。
挙句にこんな酷い言葉を隆司くんに吐かせるなんて酷い!美奈は間違いなく魔女です。許せません。
隆司くんとは前世からの運命の人だと、タロットフォーチューン占いでも示されているのに…。
そんなこんなで、心がズタズタになってしまった私は夕陽を見に、近所にある西美浜海岸に向かいました。
夕日を眺め、この傷ついた心を少しでも癒そうと、そんな気分でした。
道すがら、下品で無教養で安っぽい男たちが、私のことをジロジロと見てきます。
私がそちらを振り返ると、「すっげーブス!」とか言ってあざ笑っています。
おそらく彼らは私をナンパしようとしていたのでしょう。
だけど私が、彼らにとってはあまりに高嶺の花で手が届かず、自棄になって毒づいてるんでしょう。
哀れな人たちですよね。本当にまいっちゃうわ。
そう、私は隆司くんしか愛していないの。
あなたたちみたいな下品な男にホイホイとついて行くほど軽い女じゃないんです。ふざけないでください。
何ですか! その「何見てんだデブ」とか、「こっち見るな。キモいんだよブス」って言葉は!
私をナンパしようとして失敗した腹いせなんですか!? 全く、最近の人たちは失礼極まりないです。
不愉快な気持ちが湧きあがり、私は少し顔をしかめながら、早足で海岸に向かいました・・・。
・・・夕陽に照りつけられた海は、眩い黄金を散りばめたように煌めいていました。
ああ、美しい、と私は溜め息を付きました。
この地球の偉大さと自分の小ささに慄然とし、思わず体が震えました。
このままでは私は留年してしまうかもしれない。
それに前世からの運命に人である隆司くんが、美奈みたいな女に惑わされて堕落してゆく。
なのに私は何もできない、それがとても悔しくて、気づいたら涙を流していました。
そんな時だったのです。私に神の啓示が降りたのは。
ほんの一瞬の出来事でした。まるで雷に打たれたかのごとく、私の背筋に戦慄が走ったのです。
水平線に沈みゆく太陽の輝き、その中から大天使ミカエルさまがツラトゥストラとシヴァを引きつれて現れたのです。
右手には杓、左手には巨大な鬼太鼓を抱え、額には血のように赤いルビーは埋め込まれてます。
まるでバーサーカー中毒者の如く瞳孔の開ききった双眸から、まるでレーザーのような輝きを放っています。
もちろん3人とも全裸です。
まるで棍棒のような男性特有の…あの、その、恥ずかしくて言えません!
私はたじろぎ、その3人の神たちを見つめながら(主にその股間を)、立ち竦んでしまいました。
すると神々たちは、私に向かってこう言い放ちました。
「大日如来からの言伝がある、貴女は預言者であるぞ!世界滅亡を世の者どもに伝えるのだ!」
そういうと彼らは消えていきました・・・。
・・・でも、意味がわかりません。
多分私は預言者なんでしょう。
私も前々から自分が特別な人間であることは、薄々悟っていました。
でも、本当に預言者としての能力があるなら期末テスト前に教えて欲しかったです。
期末テストの答えを予言できるようにしといて欲しかったです。
まったくタイミング最悪です。神って結構気まぐれなんですね。
あと、なんか世界が滅亡するとか言ってたけど、それって今言われても、って感じです。
だって世界が滅亡するなら、今更警鐘をならしたところで運命は変わらないでしょ?
それなら何もわざわざ言わなくてもいいし、黙っていたほうが良かったんじゃないですか?
私って結構あたまいいですよね。みなさんもそう思いません?
それに今、美奈みたいな性悪女なに、私の隆司くんがかどわかされてしまっているんですよ。
もうこんな世界なんて滅んじゃえばいい、ってそう思いませんか?
・・・だけど、そんな疑問も些細なものでしかありませんでした。
とにかく私は神の啓示を受け、身を震わせるほどの感動の中にいたのです。
ああ、やっぱり私は特別な運命を背負って生まれてきたんだ、ってことが、これで証明されたんですから・・・。
・・・その瞬間でした。
突然、私の脳内に、あるイメージが浮かびました。
家でお母さんが台所に立ち、夕飯のカレーを作っている光景を!
まさか、これが予知能力なの?
私は驚き、それを確かめるために急いで家に戻りました。
玄関を開けると、家の中からカレーの香ばしい匂いが漂ってきます。
私は叫びそうになる自分を抑え、台所のドアを開けました。
するとどうでしょう。台所で、お母さんがカレー鍋をぐつぐつと煮込んでいたのです。
「あら、おかえんなさい」
そう能天気に言うお母さんの前で、私は絶句したまま立ち竦んでしまったのです。
「マユミ。今夜はあなたの大好きなカレーライスよ」
母はそう言って私に向かって微笑んでくれました。
だけど、そんなお母さんの声も、まるでどこか遠いところから響いてくるように聞こえました。
本当だ、本当だったんだ! 私は預言者になってしまったんだ!
私は恐れおののき、そして己の運命に驚愕してしまいました。
未来を予知できる能力・・・それが私に!
・・・それからというもの、私は預言者として、学校で数々の予言を行いました。
だけど私の預言者のレベルはまだまだ成長段階らしいです。
そのころは、私の予言が当たる確率はまだ1割ちょっとってところだったかな?
でも一割くらいは当たってました。今も同じくらいですけど・・・あ、いや、これは内緒だった。
とにかく、同級生たちは、この私を煙たがりました。
おそらく私が彼ら彼女らの不幸な未来を予言すると、恐れていたのでしょう。
人間というのは、つらい現実を突きつけられるのを嫌がりますからね。
そうなんです、人間ってとても弱い生き物なんです。だから私も、同級生たちを許しました。
とはいえ、それからまもなく、もともと友達がすくなかった私の周りには、ついに誰もいなくなってしまいました。
特別な能力を持つ人間というのは、常に孤独な運命に晒されるのです。
でも、私はめげません。
目の前で美奈が、まるで私に見せ付けるように隆司くんといちゃつくのを見ても、もう恐れません。
私の予言では、隆司くんは来世で私の恋人になり、結婚することが決まっているからです・・・。
・・・そしてつい先日、私は見たのです。
そう、それこそ、この地球が滅ぶという予知夢です。
今から三日後の正午、突然千葉県市川市にある環境保全センターの焼却炉から悪魔たちがたくさん出てくるのです。
その日収集された可燃ごみを焼却処分するために、環境保全センターの職員がガスバーナーのスイッチを入れます。
そのスイッチを入れた瞬間、その焼却炉が地獄と繋がってしまうのです。
繋がるとともに、地獄の業火の如く燃え上がる可燃ごみの中から、見るもおぞましい醜悪な悪魔達が飛び出してきます。
その悪魔達は地上に飛び出し、巨大な黒い翼を広げ、数十万匹もの群れを作って世界中に広がってゆきます。
そして彼らは人間達、生きとし生けるもの全てに襲いかかり、その血肉を喰らうのです。
特に美奈みたいな泥棒猫は、一番気持ち悪い悪魔に、生きながらゆっくりと食べられ、
長時間かけて苦しみながら、泣き叫び許しを請いながら、それでも許されることなく無残に殺されるのです。
私の隆司を奪った罰だから当然です。
ざまあみろ、って感じですよね。
とにかくそうやって世界は滅亡します。人類のみなさん、覚悟はいいですか?
預言者である私がそう言うんだから、多分間違いないと思います。(おわり)
test
もう終わりだね。今日まで頑張ってきたけど、それももう終わり。
間もなくここの核融合炉は溶解し、この施設は大爆発を始めるよ。もう誰も助からないんだ・・・。
この湾上都市のエネルギープラントは大爆発を起こし、周囲半径100キロくらいは完全な死の世界になる。
数百年から、果ては数万年先まで。放射能に汚染された土壌が広がるだけの、死の世界だよ・・・。
僕は手にしたサブマシンガンをテーブルの上に置いた。
部屋の中には、先ほどまで我々に抵抗していたエネルギープラントの職員たちが血まみれで倒れている。
無駄な抵抗なんかしなければ、彼らをここまで痛みつけてなかったのに。楽に死なせてやっていたのに。
命令どおり原子炉の制御棒を抜いて暴走させれば、仕事も早く済んでたのに・・・馬鹿な奴らだ。
けたたましい警報が鳴り響き、モニターには危険を告げる文字が点滅している。
でもね、明らかに上昇した炉心温度は、もはや停められないんだよ。
原子炉の核融合反応はとっくに臨界を越えてるんだ。
破滅の光が、ここから放たれるんだよ。全てを浄化する光が・・・あと少しで世界は滅ぶんだ。
僕はふと、警備用モニターに目をやった。
降りしきる雨の中、危険を察知した軍関係者が、施設に殺到しているのが見える。
特殊部隊員を満載しているであろう武装ヘリが、施設の上空を飛び回っているのが見える・・・もう遅いのに。
僕の同志たちが、ここに持ち込んだ機関砲でアーミーの連中に応戦している。
しばらくすると、モニターの映像の中で、アーミーの武装トラックの一つが炎上を始めた。
僕は、そんな虚しい光景を呆然と眺める。特に感動はない。ただ虚しさだけが、僕の心に去来する。
僕はタバコに火をつけた。喉をチリチリと刺激する煙を心地よく味わいながら、僕は笑った・・・。
原子炉の暴走が進み、完全に制御不能になった。すると、モニターに総員退去を命じる表示が出る。
どこに退去しろ、と、言うつもりなんだろうか? これからこの辺り一体は完全に死に絶えるのに。
全ての安全システムを破壊し、通信回線も破壊した。
唯一、政府安全保障室への回線だけが生きている。もちろんわざとだ。
今頃、政府は恐慌状態だろう。ざまあみろ。
僕はそのままウイスキーを取り出し、同志である美弥子に飲ませた。
彼女は先ほどの銃撃戦で腹を撃たれ、間もなく死ぬ。
だが愛する女の死を目の前にしても、悲しみは出てこない・・・むしろ幸せすら感じる。
僕だって同じだんだから。あと30分もあれば、僕も彼女とともに、この世から消滅するのだから。
この辺りに住まう、数百万人のくだらない人間たちとともにね・・・。
でもね、みんな。それは、とてもとても幸せなことなんだよ・・・。
・・・美弥子が事切れるのを見た僕は、そのウイスキーボトルに口を付けた。
彼女の口紅が僅かに付着するウイスキーボトル。
何度も唇を重ね、何度も僕のペニスを愛撫してくれた美弥子の唇だ。
僕はそのボトルの口に、最後の口づけをした。そのまま中身を思い切り煽った。
焼けるような刺激が喉に流入する。僕は少しむせながらも、その火傷しそうな琥珀色の液体を胃袋に流し込んだ。
少し涙目のまま、五月蝿く警報を鳴らすモニターに向かって乾杯と一言。
もう終わりだね。
施設内に特殊部隊員たちが突入したようだ。遠くからだが銃声が聞こえる。
サブマシンガンではなく、カービン銃の音がする。ここが核施設であることを忘れているのかな?
どちらにせよ、もうそんなこと言ってられないのだけど。
僕はサブマシンガンを手に取った。美弥子の死体から、サブマシンガンの予備弾倉と手榴弾を取る。
最後の戦いかもしれない。もしかしたら、世界を破滅に導く盛大な花火を見られないのかもしれない。
それが少し残念に思えた。
無線機から同志の村上が呼びかける声がする。直後、村上の絶叫が響き、同時に容赦のない銃声がした。
村上も一足先に、永遠の世界へ旅立ったようだ。
まもなくここにも来る。もう遅いのにね。もう停められないのにね。
管制室の廊下で同志が、軍の兵士たちと撃ちあいをしている。
炉心の融解を告げるメッセージか表示された。間もなく爆発が起こる。 さあ、もう終わりだ。
僕はモニターを見た。雨に打たれながら、装甲車や軍用車が佇むその光景。
この目の前で繰り広げられる殺戮の光景が、僕が見る最後の映像となるだろう。
おそらくすぐ後に、凄まじい光と熱線が僕を包み、その一瞬で僕はこの世から消滅するだろう。
最初に放たれた大量の中性子線で、おそらくこの地域数百メートルの人間は即死するのだ。
そのすぐ後に放たれる放射能の熱線が数十秒、辺りを焼き払う。
さらに巨大なエネルギーが一気に放たれ、この地域は全て破壊しつくされる。
最後に、大量の放射能を含有した雨が空から降り注ぎ、大地を穢してゆく。
僕もその一部となって、大地を穢してゆくつもりだ。(おわり)
test
ズンッ! という衝撃音と共に、目の前のビルの窓ガラスが一斉に割れた。
一瞬ほど送れて、叩きつけるような爆風が道路をはさんだ此方のビルのテラスに突っ込んでくる。
俺は銃を手にしたまま床に放り出されリノリウムの床に叩きつけられた。
キーンという耳鳴りがするが、それ以外の音が殆ど聞こえない。
まるで周囲を分厚い防音壁で囲まれてしまったかのようだ。
起き上がろうとするも、体のあちらこちらが痛んだ。
まるで水の中からの声のように、「立ち上がるな! 伏せろ!」と怒鳴る声。
視界前方に舞い上がった土煙が視界を遮る。その褐色の煙の中で幾つもの火花がちらついた。
同時にブンッ! ブンッ!といった感じの鈍い音を立てながら、俺の周囲を銃弾がよぎった。
奇跡というべきか、あれほどの衝撃の中で俺はアサルトライフルを手放さなかった。
俺は仰向けのまま、己の足の向こうに広がる煙幕へ向けてフルオートで連射した。
もちろん無茶苦茶に。これで当たればラッキーというものだ。
聴力が回復するに従って、周囲でバチバチと弾ける音がする。
同時にコンクリートの破片が降り注ぎ、顔や袖をチクチクと刺す。
恐怖に駆られた俺は仰向けのまま室内へと逃げ込もうとする。
このままじゃ的になってしまう。土煙が消えたら向こうから丸見え。
俺の鼻先から数センチのところを、弾丸が駆け抜けた。
その弾丸は俺の背後で弾け、モルタルの壁を砕く。
全身にモルタルの破片が降り注ぎ、その幾つかが目に入る。
俺は目を覆い、尻込みするように積んである土嚢の裏に飛び込んだ。
「栗原! そこはダメだ、引け!」
薄まる煙の向こうから、そう命令する声が聞こえる。やはり足立隊長だ。
足立隊長は片岡と二人で、階段の踊り場のところでうずくまっている。
足立隊長が指で階段の方を指す。そちらへ後退という意味だ。
そこまでの距離は8メートルくらいか?瓦礫だらけの足場の悪い床なうえに、一切障壁が存在しない。
チュンッ!という鋭い音とともに、俺の目の前の土嚢から土煙が上がった。
確実に俺は狙われている。俺は応射しようか、と思ったが、とてもそんな状況ではない。
片岡が物陰から顔を覗かせ、一気に銃弾を撃ち込んだ。
途端にその片岡に向かって、向こうからの一斉射撃が始まる。
片岡は壁際に引っ込み、頭を抱えてうずくまる。足立が片岡を怒鳴りつけるのが見える・・・。
・・・俺は思った。
匍匐前進でもどうせ丸見えだ。なら立って、一気に駆け抜けた方が早い。
どうせここに居たらいずれやられる。時間はもうない。
そう決断した俺は、恐怖を紛らわせるために何か叫び、土嚢の裏から飛び出した。
足立が両手で戻れ、と合図している姿が見えた。
うずくまっていた片岡が膝の間から顔を上げ、驚くような目で此方を見ている。
バシッ! チュンッ! という破裂音と共にモルタルの破片が大量に飛び散る。
俺は一歩目、二歩目と瓦礫の上を飛び上がり、飛び込むべき場所だけを見ていた。
スローモーションの中に居るような、まるで現実ではないような、そんな感じがした。
一歩目も二歩目も、もどかしいくらいに動きが遅い。まるで水の中でもがいているようだ。
靴底から礫状のものを踏み潰す感触が伝わる。その不安定さが俺を苛立たせた。
視界の僅か左で足立が俺に向かって何かを叫んでいる。
俺は一瞬、そちらに目線をやり、再び戻した。
・・・左足で三歩目を踏み込んだ瞬間であった。
わき腹から背中にかけて、鈍器で殴られたような衝撃が走った。
同時に左足が地面を掴み損ね、大きく横に滑る。
俺は何とかバランスをとろうとした、と思う。
だが、俺の体は投げ出されるように宙を舞った。
あれ? と俺が思ったとき、右肩が激しく床を打った。
直ぐ後に、俺のこめかみの辺りが、床に衝突する。
そのまま俺は床を滑った、と思う。
砂利のような瓦礫が、俺の肩や背中にめり込み激痛が走った。
俺は顔を顰め、うなった。
おそらくその間は、ほんの二秒ほどではなかったかと思う。
なのに、この時のことは今でも鮮明に覚えている。そう、嫌になるほど克明に・・・。
俺の体は壊れたおもちゃのように、床の上に投げ出された。
床の上で、これまた仰向けで停止したとき、俺の左肩から耳に掛けて衝撃が走った。
まるで物凄い熱い棒で叩かれたような、そんな感じだった・・・。
まもなく、全てが元に戻った。
再び飛び交う銃弾の衝撃音がブンブンと飛び交う。
モルタルの壁がバラバラと崩れ落ち、俺に降りかかる。
いったい、何が起きたのだろう?
こんな見通しの良すぎる場所で、俺は何で寝転がっているんだろう?
直ぐ後ろで、ガチャンというガラスの割れる音がした。そこはトイレで、その窓が割れたのだ。
その破片が、俺の上に落ちてきた。鋭い先端が俺の頬を軽く切り、ガラスの破片が口の中に入る。
とっさに俺は、破片を吐き出そうとした。
そして俺は、自分の体を見た。
左足が潰れていた。左わき腹が十センチほど裂けて盛り上がり、血がべっとりと滲んでいた。
俺は動転し、左手でその傷口を押さえようとした。
が、すでに左腕は、上腕の中ほどから失われていた。
肘よりも手前のところで引きちぎられたようになった左腕が、俺の目の前に現れた。
唖然としてそれを見ている俺の顔に、ぺちゃぺちゃと血が垂れてきた。
立ち上がらなきゃ、と俺はもがく。そこで気づいた。
俺の腰から下が、全く動かないことに・・・。
俺の視界が、徐々に暗くなっていった。
おそらく失血して意識が薄れたのだろう。
もっともそんなことは、随分後になってから気づいたのだが。
薄れゆく意識の中、向かいのビルの屋上でベッドシーツが何枚も干してあるのが見えた。
ああ、こんな土煙の中で干したりしたら、また汚れちゃうだろな、と俺は思った。
誰かが、俺の体を抱きかかえた。俺はなすがままに、その誰かに体をゆだねた。
瓦礫の上を、俺は引きずられている。背中からガリガリと瓦礫をつぶす感触が伝わった。
俺はそこで意識を失った・・・。
・・・目覚めたのは、東京極区にある陸軍第12病院の集中治療室であった。
蛍光灯の青白い光が、俺の目の中に溶け込むように照り付ける。
全くの無の世界から、ゆっくりと形作られるように目の光景が出現した。
とはいっても、それは淡いクリーム色をした天井でしかなかったが。
頭がぼやけている。何も考えられない。
おそらくは数分ほど、俺はそのまま天井を見上げたままだったと思う。
俺の左脇に、幾つもの医療用の機器が並んでいるのに気づいたのは、さらに数分経過してからだった。
寝転がったまま、俺はゆっくりと視線を移した。
オシロスコープのモニターに、規則的に何かの波形が描かれている。
画面の隅に幾つかの数値データが表示され、何秒かごとにその数値が上下する。
俺はどこにいるのだ?
目覚めて一番最初に、俺が意識して考えたことはそれだった。
それは目覚めからたっぷり十分以上掛かっていたと思う。
医療用機器から目線を外し、俺は再び天井を見上げた。映像は先ほどよりも鮮明だった。
蛍光灯の隅っこの方に、それを作ったメーカーのロゴが小さく見える・・・。
何も思い出せない。
いや、正確に言えば、何かを思い出そうとする努力が億劫だ。
濃い靄の中を漂っているような、全てがそんな曖昧な感じだ。
俺はそのミルクのような靄に沈み込むように、再び眠りについた・・・。
・・・次に目覚めたとき、俺は医師と看護婦数人に覗き込まれていた。
マスクを付け、銀縁の眼鏡を掛けた医師が、ガラス球のように無機質な目で俺を見下ろしている。
看護婦の一人が横を向き、手にした点滴用の袋をフックに釣っていた。
俺は数回ほど弱々しく瞬きをした。無性に眩しかった。
医師はそれを確認し、「・・・目覚めましたね」と穏やかな口調で言う。
状況は全く分からない。こいつらは一体何しに来てるのだろうか?
俺は医師の目を見返したが、医師は直ぐに俺から視線を外した。
脇にある機器の方に向き直った医師は、看護婦に何かを告げる。
左腕が無い、と気づいたのはそのときだった。
形の良い看護婦の尻・・・その手前に、ぐるぐるに包帯の巻かれた俺の左腕があった。
肩より先、ほんの十センチほどで、俺の腕は途切れている。
俺はおそらく、驚いたと思う。
だが同時に、腕が失われているということを既に知っていたことにも、何故か気づいた。
そう、俺は知っていたのだ。俺に一体、何が起こったのかを・・・。
・・・俺の肉体を貫いた弾丸は、合計三発。
ちなみに一発目と二発目はほぼ同時だったという。
まず一発目が俺の左わき腹に侵入し、そのまま脊柱を砕いて貫通した。
これで俺は腰から下の感覚を、永遠に失うことになった。
二発目は俺の左足の大腿下部の、左膝に近いあたりに侵入した。
銃弾は大腿骨を破壊すると同時に砕け、大腿四頭筋および大腿二頭筋を目茶目茶に引き千切った。
医師は俺の左足を治癒不可能と判断し、恥骨より12センチの場所から左足切断手術を行った。
三発目は俺が倒れた後だった。
倒れたとき、左肩から左耳に掛けて熱い棒で叩かれた感じがした、あの時だ。
その弾丸は俺の上腕の肘より上のところで、完全に左上腕骨を砕いた。
兆弾した弾丸は俺の耳の肉を僅かに剃り、さらにこめかみを掠めて飛び去ったという。
左腕は弾丸の衝撃で引きちぎれ、既にあの場で切り離されていた、という・・・。
・・・左半身全滅だな、と俺は思った。
もちろん、こんな状態になって冷静でいられるわけがない。
だが一度に多くのものを喪失したショックで、俺は感情を露わにする術を忘れてしまっていた。
医師が上記のことを告げているとき、俺はまるで他人事のようにそれを聞いていた。
自分に起こった現実として受け入れるには、あまりにも突飛過ぎたからだ。
俺の精神はまだ、自分がまだ五体満足であると意識したままなのだ。
だが現実の俺の肉体はもはやそうではない。そのギャップを、受容できていないのだ。
俺は泣き叫ぶんじゃないか、と思った。だがまだ、何も起こらなかった。
医師はおそらく鎮静剤やらモルヒネやらを投与しまくってるんだろう。
夢と現実の間の曖昧な場所で、俺の弛緩した意識がプワプワと漂っていた。
無気力なままに・・・。
・・・DWWに入隊したい、と俺が言ったとき、父は強く反対した。
実際の戦闘はそんな甘いもんじゃないんだぞ。
殺し合いの中に身を置くということは、自分にもそれが降りかかってくることでもあるんだ。
二ヶ月ほど前に他界した父は俺を睨みつけ、そう諭した。
実は父にも従軍経験はある。アジスアベバのゲリラ武装蜂起の鎮圧のために、国連軍が派遣されたときだ。
もっとも父は戦闘員ではなく、配電技術を担当する技術下士官としてであったが。
ゲリラを放逐した後の治安維持活動が主任務であり、そこでインフラ整備にかかわっていた。
二度ほど現地ゲリラの襲撃され、あわや殉職するところであったという。
地味で目立たない、そんな父の従軍経験を俺は軽蔑していた、と思う。
勇敢さも、格好良さもないような、そんな仕事を、果たして従軍といえるのだろうか、とすら思った。
それに引き換え、俺が希望するDWWは特殊部隊であり、対ゲリラ戦の精鋭だ。
過酷で激しい戦場の中で、俺は己の可能性を知りたかったのだ・・・いや、それはうそだな。
単純に俺は、軍の精鋭部隊とかゲリラとかの格好良いイメージに憧れていただけかもしれない。
強靭で勇敢なソルジャーというイメージに、自分の理想を重ね合わせていい気になっていただけかもしれない・・・。
俺は無事にDWW育成プログラムに合格し、18ヶ月の訓練を受け、憧れのDWW兵になった。
そして初めての戦闘・・・そのたった一回の戦闘で、俺は今のこの状態になった・・・。
・・・DWW中隊の中隊長・正岡少佐が俺の病室にやって来たのは、俺が意識を取り戻して一週間してからだった。
正岡によれば、俺は第二勲等受勲とともに名誉除隊となるそうだ。
同時に俺は直ちに二階級特進措置で俺は下士官の二等軍曹に昇進するという。
医療費及び二等軍曹としての傷痍軍人年金の終身保障、を告げた。
その後、正岡は弾けるように敬礼をし、それに俺は応じた。
退出寸前、正岡は俺の右手(俺の唯一の健常な部分)を握り、気を落とすな、と声を掛けた。
俺はハイ、アリガトウゴザイマスと答えた。
自分でションベンもクソもできないのに、気を落とさないで居られる人間などいるのだろうか?
・・・この日から、リハビリテーションが始まった。
リハビリ施設は病院と併設されている。病院と同じく軍の付属施設である。
そこは俺と同じように体のあちこちを失った軍人たちが群れていた。
ここでは手一本や足の一本が無い、なんてのは可愛いほうだった。
全身の7割を火傷したやつとか、両腕を綺麗になくしたやつとか、さらに両足までなくしたやつとかもいた。
最近の武器は性能が向上しているなと思った。
なにせ20mmの榴散弾がフルオートで撃てる時代だからな。
俺はその中に入り混じり、異様に腋臭がくさいインストラクターと共にリハビリを開始した。
障害者向けの社会復帰プログラムとして、最低限の生活ができるように身体機能を回復するためだ。
俺は一生涯、車椅子で移動することが決定している。
車椅子からベッドの移動は、絶対にマスターせねばならない能力なのだ。
実はこれがきつい。なにせ俺には左腕もないのだから。
残念ながら軍の傷痍軍人年金では専属の介護士を雇うことは無理だ。
さらに自分の排泄物の始末の訓練も行った。
脊椎損傷である以上、大便はゴム手袋をした指で直腸から掻き出さなければならないからだ・・・。
・・・殺し合いの現場では、相手だけではなく、己にも死が降りかかってくる・・・。
父はそう言っていたが、今の俺はそれが理解できる。
父は戦場で、一度だけ人を殺していたという。
俺がDWW訓練プログラムを終え、入隊試験に最終合格を果たしたときにそれを告げられた。
アジスアベバで二度目にゲリラに襲撃されたときで、サブマシンガンで応戦し相手のゲリラを斃した、という。
そのゲリラは、若い女性だった。そしてそのことが、父の生涯の重しとなった。
人を殺すことは、また同時に己を殺すことにもなる。
たといそれが身を守るためであったとしても、相手を殺したという事実は消えない。
俺の場合は、相手のゲリラを殺そうとし、そして殺していなかった。
あれほどの戦闘だったにもかかわらず、相手のゲリラは軽傷者が一人いただけだったという。
つまり誰も死ななかった戦闘で、俺だけが左腕と左足をと半身の感覚を失い、廃兵になったのだ・・・。
しかも俺にとっては初めての戦闘体験で・・・特殊部隊の精鋭が聞いてあきれる。
戦争なんてそんなものだ。俺は何も成せず、何も成し遂げることなく、ただ壊れてしまった。
ミリタリーのかっこいいイメージに安っぽく憧れていただけで、何も理解しないまま・・・。
その重しが、引きちぎれた肉体を持つ21歳の若者に、重く圧し掛かる・・・。
・・・週一度の検査通院とリハビリ施設での能力回復訓練。
俺は人生が続く限り、ずっとこれをやり続けることになる。
風の噂で、DWWのかつての同僚たちが、俺の判断ミスを嘲笑っていると聞いた。
混乱の中で気が動転し、無謀にも敵の銃口の前に飛び出して自ら的になった愚か者。
なるほど確かにそうかもしれない。それは事実でもある。
ついでにそれは一生癒えることのない俺の傷だ。
やつらもボロ雑巾みたいになっちまいやがれ。
過激派連中のパイプ爆弾で内臓撒き散らして死ねば良い。
俺は顔に笑顔を浮かべ、心の中でそう祈った。
そして心の中で泣いた・・・。
俺の祈りは時に通じ、そして時に裏切られた。
かつての同僚たちの死亡記事や負傷の話を聞くと、俺はひそかにほくそ笑み、心の中でガッツポーズをとっていた。
自分が歪んでいってるのがわかるよ。そりゃね、それくらいわかるさ。
だからなんだってんだ? 何か問題あるのか?
ならお前らも、やる気まんまんのゲリラの銃口の前を無防備に走ってみろよ。
運がよければ俺みたいになれるぞ? どうだ?
殺し合いの現場ってのは、死ぬのは相手だけじゃねーんだよ。
自分の体を敵の弾丸が貫き、血肉が切り裂かれ、骨が砕かれんだよ。
俺は俺がゆっくり死んでゆくのを感じる。
窓から夕日を眺めているときに、ケツの穴から自分のクソを指で掻き出しているときに。
死に切れなかった俺に課された煉獄の道を、たった一人で歩んでいるんだ。
この煉獄の苦しみに耐えかねて、爆弾でも作ってどっかに送りつけてやろうか、なんて思ったりする。
なにせDWWの訓練プログラムで作り方知っているからね。
そんなことを想像してにやけてる俺もいる。それもまた今の俺の姿だ・・・。
・・・殺し合いの中に身を置くと、自分にもまた死が降りかかる。
父の言葉を、もう俺は十分に理解していると思う。
そして父が自殺してしまった理由も。
死は時に、救いとなるのだ・・・。(おわり)
意味もなく殺し合う人々が行き着くところは何か?
僕はそのとき、機関銃を片手に飛び出していた。何のために殺しあうのか?
そう自分に投げかけながら・・・・。
東浦安の惨劇から数週間後。全国各地で軍に対する反乱が起きた。
大阪、愛知、そして東京・・・・。
意味もない殺し合いが続き、軍が行ったのは民間人虐殺。
武装化した中学生が軍の戦車に特攻をかけ笑いながら死んだ。
幼稚園が空爆され、園児が全員わけもなく殺された。
大人だけではなく、子供も戦いを挑んだ。この狂った世界に・・・・。
意味もなく死んでいく友人たち。
わけもなく殺された家族。
失うものがなくなった僕は、マシンガンを片手に飛び出した。
行軍中の小隊も背後からマシンガンを乱射した。
藪からぼうに襲撃された小隊は戦うこともできず全滅していった。
空になったマシンガンを投げ捨てた。
死体から拝借した手榴弾の信管を抜いた。自分の人生を終わらすために・・・。
意味もないこの人生に・・・・。
てっきり死に切れたのかと思っていたが、そこは簡易ベットの上だった。
ここはどこだ?
死んだのではなかったのか?
マスクをつけた看護士を見たときには異様さがようやくわかった。
何がおきているのかわかるわけもなく、ただ呆然としていた。
「君は今日から、五十嵐知徳だ。」
言ってるわけもわからず、左腕に注射を打たれた。
体中に熱が回る。骨が突き刺さるような激痛。
「君は今日から、五十嵐知徳だ。」
「君は今日から、五十嵐知徳だ。」
「君は今日から、五十嵐知徳だ。」
「君は今日から、五十嵐知徳だ。」
何度も繰り返される暗示のような言葉。洗脳されている・・・・。
劇薬が体中の組織巡っていく感覚があった。
おれはいがらしとものり
>>141のつづき
・・・再び目覚めた時、五十嵐知徳はなぜか便器そのものになっていた。
そこは狭い大便用の個室の中であった。
浄水槽と壁、床に配水管でつながれた五十嵐の肉体は、どういうわけか堅い陶器に変化している。
頭上には、仄暗い蛍光灯の明かりが冷たく照りつけ、”TOTO”と刻まれた五十嵐の肉体を鈍く輝かせている。
「な、なんだよコレ・・・どうして俺が便器になっているんだよ!」
五十嵐知徳は焦り、叫ぶ。だがそれは音声を形成することはなかった。
当たり前だ、便器は普通、しゃべらない。
身体が動かない。びくとも動かない。
特殊部隊員として鍛えられた鋼の肉体は、今は何故か陶器製に変化している。
そりゃ動くわけがない・・・。
「・・・お、おい、ふざけんなよ。何だよこれ! 俺はあの地獄の地下牢獄から脱獄したはず・・・」
すると、ガチャ! と音とともにトイレの扉が開く音がした。
「だ、誰か来る!」
五十嵐はとっさに身構えた。いや、正確に言えば身構えようとした。
だが、便器は普通、身構えない。
焦る五十嵐をよそに、コツコツコツ、と足音が近づいてくる。
来るなよ、ここの個室には来るなよ・・・五十嵐は祈る。
もし彼が人間のままであれば、緊張で額とかに汗が浮かび上がっているはずだ。
だが残念なことに、便器は汗をかかないのだ。
そしてさらに残念なことに、五十嵐のいる個室の扉が、ゆっくりと開いてしまった・・・。
「・・・うっ!」
五十嵐はうなった。もちろんそれは声にはならない。
なぜなら便器というものは、普通しゃべらないからだ。
だが、彼がうなってしまったのも無理はない。
彼の目の前には、体重100kgはあろうかという脂性の、毛むくじゃらのデブが仁王立ちしていた。
「ま、まさかっ!」
五十嵐は焦る。だが便器というものはうんぬん、という説明は、今回はあえて省く。
そう、そのまさかなのだよ五十嵐くん。
そのむさ苦しい毛むくじゃらの脂デブは、ここに糞を垂れに来たのだ・・・。
「やめろっ!やめてくれぇっ!」
五十嵐は叫んだ。それは必死の形相であっただろう。
だが、便器というものは通常、表情を作ったりはしないものだ。
ついでに彼の叫びもまた、今ズボンのベルトをカチャカチャと外しているデブに届くはずもない・・・。
五十嵐は恐怖した。
今まで幾多の戦場を駆け抜けた凄腕の特殊部隊員(という触込みだけど)の彼が、恐怖でおののいているのだ。
そんな彼の恐怖をよそに、その脂デブは、シミだらけのブリーフパンツを引きずり降ろした。
五十嵐の目の前に、恥垢だらけの包茎チンコが突き出された・・・。
「ふう〜、ヤバイぜ。漏れそうだ」
豚のように声太った脂デブは、大きくため息をつきながらそう呟いた。
そしてぼりぼりと尻を掻きながら後ろを向く・・・。
「やめろっ! 頼むからやめてくれっ!」
五十嵐は叫ぶ。もはや懇願といってもよい。
だが、ふつう便器というものは、それを使う人間に対して頼みごとはしないものだ・・・残念だが。
静寂に包まれた大便用の個室の中で、弛んだ腹をさらけ出したデブの苦しげな呻き声だけが虚しく響く。
そして、五十嵐の目の前に、ケツ毛とイボだらけの汚いケツが突き出された。
「・・・いや、やだやめろ! やめろおおおっ! やめ・・・んんぐっ!」
汚いケツは、問答無用とばかりに五十嵐の口にドカリと腰をすえ、彼の叫びを遮った。
「むぐう〜っ!んむむ〜っ!」
五十嵐はうめく。もし便器に表情があるのならば、その顔は苦悶に満ちていただろう。
だがこの”TOTO”と銘打たれた便器は、冷たい陶器のたたずまいを崩すことはなかった。
すると突然、
”ブビーッ!”
凄まじい勢いで放たれた男の屁が、五十嵐の口の中に充満した・・・。
あまりの臭気に、五十嵐は眩暈がする。物凄い悪臭が彼の口内を循環し、幾度も幾度も彼を苛める。
五十嵐は泣いた。もちろん涙など誰も見ることはできないが、その涙を感じ取ることは、みなさんにもできたはずだ・・・。
・・・そしていよいよ、真の恐怖がやってきた。
イボだらけの尻の肉の奥には、浅黒い肛門が鎮座している。
通称”菊門”・・・だが、この世にこれほど汚らしい菊の花など、おそらくは存在しないであろう。
その汚い菊門が大きく開いてゆく。
ケツ毛だらけの汚い穴が、メリメリと音を立てているように、力強く、ヒクヒクと痙攣しながら・・・。
・・・ついに、巨大な一本糞の先端が現れた。
それは、メリメリとイヤな音を立てて肛門から搾り出されてゆく。 凄まじい太さの一本グソだ。
所々に未消化の食べ物が入り混じった、こげ茶色の憎い奴・・・。
五十嵐ははもがいた。そして神に祈った。
果たして便器が神に祈りを捧げることなどあるのだろうか?
彼の祈りは果たして、トイレの神様に届くのであろうか?
残念ながら、五十嵐自身が想像した最悪の事態へと、事は突き進んで行った・・・。
「・・・ふう〜。たっぷり出たなあ。 昨日ギョーザ食ったから糞も相当クセエし・・・」
脂デブはそう言って、大きく溜め息をつく。
その不細工なブタ面は、爽快感で満ち溢れていた・・・五十嵐の不幸をよそに・・・。
糞をくわえ込んだまま半狂乱になっている五十嵐。
その口の中に、アンモニア臭たっぷりの尿がジョロジョロと垂れ流されてゆく・・・。
さらに、脂デブはトイレットペーパーで自分の肛門を拭った。
それらももちろん、五十嵐の口の中に放り込まれる・・・。
五十嵐の祈りは、神に届かなかったのだ・・・。
・・・立ち上がったデブは、大きく伸びをした。
傍らで泣き叫ぶ五十嵐の存在など、まるで気づくことはない。
当たり前だ。普通、便器は口の中にウンコを突っ込まれたからと言って泣かないものだ・・・。
ふと、脂デブは私の方へ振り返った。
そして自らがひねり出した排泄物を一瞥し、ブタにそっくりなその顔を顰める・・・。
全長40センチちかく、もっとも太いところで直径が5センチを超える、見事なまでの一本グソ。
所々に未消化物含まれるそれは、モウモウと凄い臭気を立ち上らせていた・・・。
・・・脂デブは、便器の蓋を閉じ、レバーを動かした。
ジャー! ゴボゴボ! という、あまりにも悲しい水音が響く。
その音とともに、便器の中身の汚物は全て、五十嵐の胃へと流れ込んでいった・・・。
五十嵐は絶叫した。
だが、その彼の悲痛な叫びを聞いたものは、誰もいなかった・・・。
さあ、どうなる五十嵐知徳! 君に明日はあるのか?
そして自殺願望を抱き苦しむ
>>134-139の主人公、栗原義雄との関係は如何に?(おわり)
test
「う、うぐうっ!」
思わぬ激しい突き上げに、五十嵐知徳は唸ってしまった。
五十嵐の鼻先は、密生した陰毛の中にうずもれている。
そして五十嵐の口の中には、勃起した男の男根が、激しく暴れている・・・。
五十嵐は今、新東京湾岸ホテル最上階のスィートルームに居た。
相手はDWW特務部隊の非公式スポンサーである朝鮮系の大物、金成勲という男だ。
もっともベッドの上ではハゲて腹の迫り出した、ペニスの小さい初老のホモ男でしかない。
五十嵐のことを大変気に入ってくれており、このような密会も今日で10回近い。
今日も今日とて、このスイートルームのベッドの上で、五十嵐は金成勲の怒張したペニスをしゃぶっていた。
もう、こうした”営業”も、五十嵐にとってはお手の物であった。
もともとDWW戦闘部隊の中でも取り立てて優秀な兵士ではない。
多くの兵士たちからは軽んじられ、一部の兵士たちからは”特殊な好意”を寄せられている。
それが五十嵐知徳だった・・・。
彼の唯一の特徴は、まるで女性を思わせるような、その面立ちだった。
奥二重のぱっちりとした目と、官能的に膨らんだ唇。
色白の滑らかな頬、うなじから首筋の優美で女性的なライン。
体つきも細く、DWW養成プログラムの選抜試験の際に、実は不適正とみなされていた。
だが、結局は彼はDWW養成プログラムへの参加を認められた。
DWW特殊部隊の戦闘隊員とはまた別の、”特別”任務を担う隊員候補生として・・・。
・・・養成プログラムが開始されてまもなく、五十嵐知徳は”ある種”の訓練のためにアナルを犯された。
そしてそれは幾日も幾日も続けられた。もちろんそれは”訓練”という名目で。実際は調教なのだが。
DWWは非正規戦闘部隊であり、その任務も公式のものではない。
いわば正規軍が行えないような”裏の仕事”を彼らDWWは担うのだ。
それは破壊工作や要人暗殺、諜報活動その他・・・五十嵐知徳が今やっているような”任務”も含めて・・・。
・・・五十嵐は金成勲のペニスを舌で刺激する。
同時に金成勲のアナルに中指を差込み、そこから指の腹で前立腺を刺激してやる。
すると男の生殖器に活力が漲り、五十嵐の口の中で怒張し、熱を帯びてゆく。
還暦近いのに大したおっさんだな、と五十嵐は思った。
「頼むニダ。もっと舌を丁寧に…そう、丁寧に裏筋をなぞるニダ、哀号!」
金成勲は五十嵐のフェラテクで何度もわななく。
興奮する金成勲は、更なる快感を求め、五十嵐の顔を己の股間に押し付ける。
五十嵐の鼻腔の中に金成勲の陰毛の先端が入り込み、何度も咳き込む。
徐々に金成勲の興奮が高まってきたようだ。
口の中の男根が見る間に膨張し、喉の奥深くに侵入しようと暴れる・・・。
・・・五十嵐は手で男の腰を押し返す。
だが興奮した朝鮮人は、そんなことお構いなしに五十嵐のオーラルを攻め立てる。
そのむさ苦しい体臭にげんなりした。
ここで五十嵐は、とにかく金成勲を一度、発射させた方がいいと考えた。
肛門から進入し、前立腺を刺激する五十嵐の中指。
その中指をさらに直腸まで差し入れる。
指の腹全体を用いて男の直腸内をなめす。同時に奥歯を用いて男の亀頭を刺激する。
さらに舌全体で亀頭を包んでやる・・・これらは全て、DWWの特務軍曹、大竹祐介に教わったテクだ。
「うがああっ!はあっ・・・哀号!アイゴー!!」
金成勲は、数秒で絶頂に達し、部屋中に響き渡る声で吠えた。
その瞬間、五十嵐の口の中に、ことのほか大量の精液が流し込まれた・・・。
任務完了、と、五十嵐は金成勲の精液を舌で受け止めながら、心の中でつぶやいた・・・。
・・・金成勲はそのままベッドに倒れこんだ。
五十嵐は金成勲を避けるようにしてベッドサイドに移動した。
サイドテーブルにあるエチケットペーパーを2〜3枚ほど抜き取り、その中に金成勲の残滓を吐き出す。
喉の奥や舌の先に、奇妙な不快感が残る。
自分が穢れていく嫌な感じがする。五十嵐はそれを思い、身震いがした・・・。
・・・もともと五十嵐はホモセクシャルではなかった。
彼の女っぽい容姿は、幼いころからバカにされてきた。
常々強さに憧れていた五十嵐は、格闘技やウェイトトレーニングなどで己を鍛錬してきた。
にもかかわらず、彼はさほど強くはなれなかった。やはり生まれつき、”強い男”ではなかったのだろう。
ナヨナヨとした見た目は高校卒業まで、”ある種”の人間たちに好意を持たれた。
そのことは五十嵐も知っていた。彼を”熱い視線”で見つめる”ある種”の男たちが存在することを・・・。
もちろん五十嵐はそんなの全て突っぱねた。
強い男への憧憬・・・それはもう、渇望にすらなっていた。
高校卒業と同時に彼は、DWW養成プログラムの選抜試験を受けた。
都市型ゲリラ対策の特殊戦闘部隊・・・その”強い男”の世界に、彼は飛び込んだのだ・・・。
・・・だが、ここでの五十嵐は、ただの男娼でしかなかった。
DWWで五十嵐が為す唯一の任務は、DWWのスポンサーに対する、肉の接待。
結局、五十嵐がたどり着いた居場所は、五十嵐自身が半生かけて毛嫌いしてきたそれであったのだ・・・。
・・・金成勲の手が五十嵐の股間に伸びてきた。
醜い男だ、五十嵐はそう思った。
だが今の五十嵐は、このような醜悪な男の愛撫であっても勃起ができる。
このキムチくさいブタの様な男のアナルの中に、射精すらできるのだ。
特務曹長の大竹祐介に教わったのは、ホモセクシャルとしての自覚だった。
それは今、五十嵐知徳の中で、確かな確信として芽生えていた・・・。
金成勲の手でペニスを玩ばれながら、五十嵐はマルボロに火をつけ、大きく一服した。
タバコの中に仕込まれている例のクスリが燃焼し、五十嵐の脳髄をチリチリと刺激してゆく。
これさえあれば、嫌な現実から目をそらすことができる・・・バーサーカー。
・・・五十嵐はペニスを勃起させると、金成勲は、大喜びで五十嵐のペニスをしゃぶりはじめる。
五十嵐はそんな金成勲の姿を軽蔑しきった目で一瞥する。
テレビを付けた。
どうでもよいバラエティー番組や、くだらないトーク番組をすっ飛ばして、五十嵐はニュース映像を探す。
何のことは無い、このくだらない雰囲気の中で正気を保てる何かがほしかっただけだ。
金成勲はネチャネチャと粘液質の音を立て、五十嵐のペニスを必死にバキュームしている。
このキムチ豚は、自分のペニスをしごいていた・・・醜いね、どうも・・・。
・・・普段の金成勲を、五十嵐は知っていた。周囲に威張り散らす傲岸な男だ。
在日四世だかで、曽祖父の代に三国人暴動で日本人を虐殺し、その後不動産やパチンコ産業で財を成した金一族。
この金成勲はその当主であり、ホモだ。日本人の美男子を異様に好む、気味の悪いガチホモ。
容姿の整った美少年への羨望と嫉妬に狂った、ただのホモの朝鮮人・・・。
五十嵐は自分の亀頭にざらついた感触を感じ取り、意思の力で勃起を維持する。
そうしながら、テレビのチャンネルを次々と切り変えていった。
そうだな、十分後くらいに射精してやろう、五十嵐はそう思った。
その瞬間、テレビの映像に五十嵐の目が釘付けになった・・・。
南滝沢区で起きた東亜青年連盟系の過激派組織、”反日アジア戦線”の武装蜂起の様子が流れていた。
オフィス街の中で激しい銃撃戦や爆破が起こり、火災であちこちから火の手が上がっている。
スタジオに居るニュースキャスターの声が、ヒステリックに響く・・・。
・・・まもなくカメラは上空に飛ぶUH-60ブラックホーク三機の姿を捕らえた。
それはもちろんDWW帰属の攻撃用武装ヘリだ。
ブラックホークはテロリストの潜むビルに向け GAU-19ガトリング砲を一斉に射撃した。
見る間にビルの壁面は崩壊し、大通りのアスファルトに大量の瓦礫が崩れ落ちる。
凄まじい土煙・・・その土煙の間から、十数名のDWW隊員が降下したのを、五十嵐は見逃さなかった。
素早く、かつ整然とヘリから降下したDWWは、訓練されたとおりに展開し、おのおのがビルの中へと突入する。
その滑らかな動きに、五十嵐は驚嘆する。
もちろん五十嵐は彼らを知っている。それだけではない。
画面の中の隊員たちはフル武装していて顔は判別できないが、明らかに知っている連中だ。
体つき、身のこなし・・・とりあえず五十嵐自身も彼らと訓練を共にしたことがあるのだ。
だから分かる。彼らの実力も、彼らの戦闘力も。
ビルに潜む”反日アジア戦線”の中には、北朝鮮軍の特殊部隊員たちも潜んでいるという。
だが、DWWの敵ではないだろう。ここはDWWのテリトリーなのだ・・・。
五十嵐は引き込まれるように、同僚たちの戦う姿を凝視していた。
その戦う姿の美しさや鮮やかさに、五十嵐は涙が出そうになる。
そこには己がなりたい、という理想像があった。真に強い男たちの、勇敢さ、勇猛さがあった。
五十嵐は、その中に自分の姿を必死に探した。だが、そんなものは無かった。
なぜなら五十嵐の戦場は、このベッドの上だからだ。
DWW戦闘部隊隊員たちがライフルを撃つのが任務であるならば、俺はペニスを勃起させるのが任務なのだ。
ホモのスポンサーを満足させるために。それが五十嵐の戦争だった・・・。
戦闘がクライマックスに向かい、無数のテロリストたちが投降してくる。
DWWはそれを乱暴に捕縛し、武装解除を施した後に護送用トラックに投げ込んでゆく。
現在日本は北朝鮮とは交戦状態であるので。戦時捕虜条約が適用されるためだ。
殺せるのなら、殺したほうがいいのだが・・・。
・・・気づけば五十嵐は涙を流していた。
同時に自分のペニスが怒張してゆくのを感じる。
もちろん金成勲のフェラチオで興奮したのではなかった。
テレビ画面に映る、己が決してたどり着けない虚像の姿に興奮したのだ。
五十嵐は目を閉じた。自分があの戦場で戦っている姿を想像した。
そこでの自分は、他の男たちを圧するように逞しく、タフで・・・、
「・・・う、うぐっ!」
五十嵐は射精した。
あの戦場の中で、五十嵐は勇敢に戦い、戦友のために己の命を散らしていた。
流れる血の暖かさを、彼は感じた気がした。
戦友たちのために戦える喜びを、五十嵐は味わったような気がした・・・。
・・・大喜びで自分の精液を飲み干す金成勲をよそに、五十嵐知徳は極彩色の夢を見ていた。
バーサーカー・・・魔のクスリ。(おわり)
test
・・・プレハブ小屋の周囲で、何台もの車が停車する音がする。
タイヤが砂利を噛み、おそらくは白褐色の土煙を上げながら。
同時に車の扉が開く音、トランクから何かを運び出す物音がする。
車から降りてきた男たちは、何か叫びながら駆け回っている。
おそらくは十人以上、もっといるかもしれない。
俺は拳銃の銃把をグッと握り締めた。
S&Wリボルバー、357マグナムホローポイント弾が六発。胸ポケットにさらに十二発。
脇にあるのはレミントンのショットガン。鹿撃ち用の散弾が、装填数五発、その他に九発。
絶望的だな、と思った。心拍が高鳴るのを感じた。
俺はしゃがみ込み、書類の詰まった棚の脇に寄りかかる。
ブラインド越しに差し込む午後の日差しが、やたら眩しい。
銃を握り締める手は震えてた。
なぜなら、確実に殺されることが分かっているからだ。
アドレナリンが分泌されているのがわかる。
額に汗が浮かび、口が渇いてゆくのも分かる。
ほんの僅かだが尿意を感じた。ここまで差し迫った状況で、それは滑稽に思えた。
今、尿意を開放したところで、おそらく十分後には俺は生きてないだろうから。
そうなのだ、もしかしたら数分後に、俺は死んでいるかもしれない。
なのに、今この時点では、俺は全くの五体満足なのだ。
どこにも病は無いし、きわめて健康で、若さと精気に満ち溢れている。
何事も無ければこれからも何十年と生き延びられるだけの生命力溢れた若き肉体なのだが・・・。
死は目前に迫っている。
テーブルの上には、既に事切れたマサユキが横たわっていた。
目をカッと見開いたまま、顔にはまだ汗を浮かべながら。
胸から腹に掛けて、大量に血を流したまま。
昨日腹を撃たれるまで、マサユキも元気に跳ね回っていたんだよな・・・。
だけどマサユキは、もう飯を食うことも、女とやることも、バーサーカーでラリってタコ踊りすることもない。
少しずつ腐ってゆく、ただの肉塊だ。まあ残念だなマサユキ。つか俺も結構ヤバイんだけどね。
タケシもコウジもみんな夜のうちに逃げやがって薄情なやつだ。
つか、賢いって見方もあるがな、眠りこけてた俺は全然気づかなかった。
外で砂利を踏みしめて走り回る足音がする。
やつらが一気に突入しないのは、こちらが武装してることを知っているからだ。
もう残弾数は、これっぽっちしかないんだけど。
マサユキが死んだことも、おそらくは分かっていない。
だから警戒している。そりゃそうだ。
こんな腐れガキ二人を始末するのに、怪我したり死んだりしたくないもんな・・・。
・・・再び尿意を感じた。
くそっ! と俺は罵る。今度は差し迫ってる感じだ。
これから殺されるってのに、肉体はとても健全に機能している。
精神の認識と、肉体の認識は異なるんだな。
精神の方では、確実な死を既に知覚している。
肉体の方では、自分が死ぬなんてこと思ってもいやしない。
というか肉体はそういうのを自覚する意識などないんだろうが。
意識するのはそもそも精神の方だし・・・とかなんとか。
で、この後に及んで、その肉体の方が激しい尿意を俺に訴えてきやがる。
俺が殺された後、外にいるやつらはションベン漏らしてる俺の死体を見るだろう。
そしてあざ笑うだろうな、こいつ、ビビりまくって死んでやがる! 情けねえ! とかなんとか・・・。
何かくやしかった。
そんなことを考えている間も、俺の膀胱は激しい尿意を訴えかけてくる。
早く開放してくれ! 早く俺を楽にさせてくれ! と。
それはむしろ、俺自身が今言いたいことなんだよ。それこそ絶叫したいくらいにだ。
「くそっ!」
俺は罵った。
誰に罵ったかだって? 知るかそんなこと。
俺は銃を握り、ついでにショットガンを抱え、床を這い始めた。
プレハブ小屋の隅にある、トイレの方へ。
やつらが小屋をぐるりと取り囲んだ気配がする。
まもなく突入してくるだろう。・・・いや、やつらは問答無用に撃ちこんでくるだろう。
俺みたいなガキなんぞ、いちいち捕らえてどうこうするわけないもんな。
ゆっくり、物音を立てずに。姿勢はなるべく低く。
死が確実なのに、俺はまだ必死に生き延びようとしている。
弾丸に当たらないように頭を下げるのも、膀胱が尿意を訴えるのも、俺が生きたいと思ってる証だ。
床を這うときに、太ももが床の砂埃をジャリジャリと擦る音を立てる。
そのほんの僅かな音すら、いらだたしく思う。
やつらに聞こえたら、中での俺の居場所が分かってしまうだろ! 俺は小さく舌打ちをした。
マサユキがくたばったテーブルの横を這う。
マサユキの腕がだらりと、机の端からたれていた。乾きかけた血がべっとりこびりついている。
力ないその腕は、年頃の青年らしい艶をまだ残していた。
色白で細く、青い血管が数本浮き上がった腕は、手首に奇妙な幾何学模様のタトゥーが施されている。
今まで、マサユキの腕なんて普段はそんなにマジマジと見たことなどなかった。
マサユキが死んで初めて、俺はこいつの腕を間近に見た。
何度か殴り合いのケンカをしたことがあるが、この手で俺の顎を殴りつけたこともあったな、と思い出す。
たいていケンカは俺が勝ったんだが、正直俺たちは二人ともケンカは弱いほうだったな、そういえば・・・。
俺はそのマサユキの手の下を潜り抜けて進み、ついにトイレの扉の前まで来た。
膀胱の方といえば、尿意がさらに高まり、一刻も早い開放を訴えかけている。
俺は顔を顰める。すると額にたまった汗が、俺の鼻筋を伝い、唇のところまで流れてきた。
舌先で汗のしょっぱさを少し感じる。
ションベンもこうやって汗で全て流れ出てくれりゃ楽だったのに、と思った・・・馬鹿げてることだが。
ところで一体やつらは何をしているのだろう。
小屋の壁の向こうで、何やらガヤガヤと騒いでいる。
もうとっくに突入してもおかしくはないだろうに。
やはりこちらが銃を持っていることを警戒しているのだろうか?
俺は床から手を伸ばし、トイレの扉の取っ手を掴んだ。
きつい姿勢のまま、その取っ手をゆっくりと廻す。
カチャリ、という音が、沈黙する部屋の中でことさら大きく響く。
俺はまた苛立ち、チッ! と舌打ちをした。
ゆっくり、ゆっくりと身を起こす。
膀胱がしびれるような尿意が、姿勢を変えるたびに俺を苛める。
くそっ! よりにもよって何で今なんだよ!
だが、結果として、このションベンが俺の命を救うことになるとは、この時はまだ気づかなかった・・・。
・・・トイレの中で、俺はゆっくりと立ち上がる。
壁にもたれながら、ゆっくりと。でも尿意は俺をせかす。
それだけではない、やつらがいつ攻撃を始めるか分かったもんじゃない。
ドアを閉めようとして思いとどまった。
何というか、逃げられなくなってしまいそうな気がしたからだ。
確かに俺はもう逃げ場がない。
外の世界へと脱出できる見込みなど、もう無いんだ。
でも人間は絶望の中でも見せかけの希望みたいのにすがるんだよ。
もしかしたら「何かあって」逃げられるかもしれないとか。
根拠など全然無いんだが、そう思いたいんだ。
だからちょっとだけ扉に隙間を残した。
と、いうよりも、死に場所がこの臭い便所ってのが嫌だったんだろうな。
マサユキですらテーブルの上で死んでるってのに、俺は臭い便所の中ってのは不公平じゃないか・・・。
・・・ベルトを外す。
バックルの金具がカチャリと音を立てるたびに、俺はビビリまくる。
静かに、ここに居ることを悟られるな! そんなこと自分に言い聞かせて。
アルミの格子が嵌まった窓ガラスは、いわゆる曇りガラスで外の様子はわからない。
むやみに眩しい西日が、窓から差し込む。
この窓の外には青空が広がっているんだろうな。
そこは空気が澄んでいて、鳥なんかは何事も無いようにチュンチュン鳴きながら飛び交ってるんだろうな。
俺は恨めしく、その窓をにらみ、同時にズボンとボクサーショーツを下ろすという器用なマネをした。
しかも音を立てずにだ、十分後にはおそらく何の意味の無い行動になってるんだろうけどさ。
自由というやつのありがたみが、これほどひしひし感じ取れたことなかった。
畜生! と罵りたい気分だった。怖くて悔しくて目に涙が浮かぶ・・・。
・・・いよいよ俺は自分のチンポを引っ張り出した。
濃く生える陰毛の中で、本日のチンポさまは殊更小さく縮こまっていた。
まあ普段も控えめなサイズなんだけどな。
今は俺の心情をそのまま表しているかのように、可愛らしく身を竦ませてやがる。
俺はちょっと笑った。目に涙を浮かべながら、ほんのちょっとだけ。
バカみたいだな。別に何が面白いってわけでもないのに・・・。
・・・便器にチンポを向ける。
和式のそのトイレの、水のたまったところを避けるように、チンポの狙いを定める。
今や破裂寸前となった俺の膀胱さまは、たまりにたまった尿を搾り出そうと痙攣を始めた。
さあ、いよいよだ!
俺はついに、水門を解き放った。
途端に熱く黄ばんだ液体が迸った。
凄まじい勢いであった。
飛沫を飛ばしながら、黄金色の放物線が白い便器にぶち当たる。
俺の股間を圧迫していた圧力が、徐々に緩んでゆく快感に、
「・・・あ、ああ〜っ!」
と思わずため息が漏れてしたった。
至福のときだった。おそらくあと数分後に死ぬってのに。
だが、俺は笑顔だった。信じられないことに。
尿はたっぷりとたまっていたらしく、勢いが全く衰える気配がない・・・。
・・・背後で、ゴトリ、という音がした。
尿が便器に当たる音に混じって、その音が俺の鼓膜に届いた。
プレハブ材の軋みか何かだろう、と早合点しようとした。
だけどさ、よく考えてみたら、俺は殺し屋十人くらいに囲まれてるんだよな。
すると今度は、ゴンッ! ゴトリ! ゴロゴロ・・・という嫌な音がする。
俺はションベンをジョロジョロと放出しながら(だって一向に止まる気配が無いんだもん)少し首を後ろにひねる。
トイレのドアの隙間から、トイレの前の床を見た・・・。
・・・手榴弾だった。
俺はとっさにトイレの取っ手を掴み、そのドアをバタンと閉めた。
我ながらびっくりの行動だよ。結局これが生死を分けたんだと後で理解したんだがね。
もちろんションベンは出たまま。直ぐに熱い液体が俺の太ももをぬらし、ソックスやブーツの中に染み入った。
うわっ、やべえ!(色々と)、と思った瞬間だった。
ドバンッ!という鼓膜がぶん殴られたような音と共に、俺は吹っ飛ばされていた。
巨大なものが何か勢いよくぶつかったような衝撃が俺を襲い、体が弾き飛ばされる。
体勢を整えている暇などなく、俺の上に大量の瓦礫が落ちてきた。
立ち上がる、なんて出来っこない。そもそもショックで俺の思考は完全に止まってた。
考える間も無く俺はプレハブの屋根の下敷きになる。途端、二発目が炸裂し、爆音が轟いた。
すると俺に降り注いだ瓦礫が再び吹っ飛ばされる。
ついでに俺も強烈なタックル喰らったようにどっかに転がされた。
俺は必死にもがいた。だけど何もできないまま瓦礫や角材が再び俺の上にのしかかってくる。
とにかくひたすら痛い。
俺は下半身丸出しでションベンをジョロジョロと垂れ流したままだ。
その素敵なファッションのまま、必死になって瓦礫を払おうとする。
だけどダメ押しのように中腰の俺の上に壁材が倒れてきた。
今度は、砂利の上にうつぶせに斃された。もう何がなんだか分からなかった。
うつぶせのまま、俺は顔を地面にうずめた。
砂と砂利が入り混じった地面の中で、俺は三発目だかの爆音を聞いた。
今度は俺の背後で何かが破壊され、崩れてゆく音がした・・・。
遠くから「すっげー爆発だな!」「マジやりすぎなんじゃないすか?」とか大声で怒鳴りあってる声がする。
「破片とか飛んでくるから、頭下げろや!」と野太い声で命令してるやつがいる。
それらの声は、瓦礫が立てるガラガラという騒音に混じって、くぐもって聞こえた・・・。
そのとき、俺は自分が瓦礫の山の下敷きになっているということが分かった。
そしてびっくりしたことに、自分が生きていることも分かった。
やつら、手榴弾なんか使いやがったんだ・・・やりすぎだろ。
ガキ二人殺すのに、オーバースペックすぎ。信じられねーやつらだよな。
ついでに言えば、俺のションベンはようやく止まった。
腹から足が全部ションベンでグショグショ。お漏らしは幼稚園以来だよ・・・。
・・・次に始まったのは銃撃だった。
外の様子がまるで分からないが、やつらは小屋(たぶん半壊くらいじゃないかな?)に向かって撃ち始めた。
俺たちがまだ四人全員揃ってて、なおかつ武装してると警戒してるんだろう。
だとしても今の手榴弾三発で全滅してるって考えるのが普通じゃないだろうか?
もっとも俺は今のところ生き残っているんだが。
瓦礫の下で、泣きながらうめき声を押し殺して、ついでにションベン塗れで。
泣きながら俺は何故か明るいほうへと向かった。つっても1メートルくらいだけど。
もはや本能みたいなものだと思う。暗いところに閉じ込められるのが嫌だっただけなんだろうと。
もちろん下半身丸出しでションベン塗れで、グスングスンと泣きべそかきながら、音を立てないように・・・。
・・・銃声が鳴り響くなか、ついに俺は出口に辿り着いた。
途端、俺は唖然としてしまった。
そこがピケ資材置き場だったからだ。
「・・・えっ?」
自然にそんな声が出たと思う。
背後では銃声が鳴り止み、やつらがガヤガヤと騒ぎながら瓦礫の山に向かってる。
足で瓦礫に乗っかり、ぶつぶつ文句良いながら。
・・・そう、全部背後からなのだ。
さきほどの銃声も全部、背後から鳴り響いていた・・・。
偏差値の低い俺の頭脳でも、色々と理解できた・・・。
俺は吹っ飛ばされたのだ。
吹っ飛ばされたのは、おそらくは十数メートルくらい。
プレハブ小屋のトイレの位置から、ピケ資材置き場までの距離が大体それくらいだった。
ションベンしながら、トイレの扉をとっさに閉めたのがよかったのかもしれない。
アルミ製のドアだったが、手榴弾の爆破と破片で破壊される前に、ドアごと吹っ飛んだんだろう。
安普請のプレハブ材だったから、手榴弾の爆破であっさりと崩壊したんだろう。
だから俺は助かったわけだ。
一メートルもないところで手榴弾が爆発したにもかかわらず。
アルミのドアが盾となり、ついで魔法の絨毯になって。
ついでにプレハブの屋根がシェルターになり、二発目と三発目の爆発から俺を守ったのだ・・・。
・・・何ということだ! 何という・・・僥倖。
・・・背後でやつらが話し合う声がする。
「・・・小僧の死体あったか?」
「ひき肉になってんのがあるけど、こいつか?」
(おそらくそのひき肉は、元マサユキだったやつだろう)
「つか、こんだけ派手に吹っ飛ばしたら、死体確認できねーよ」
(それはお前らが馬鹿だったからだろ、やりすぎなんだよ。こっちはラッキーだったけどな)
「まあ良いんじゃね? てかこの瓦礫の下に埋まってんのか?」
(・・・ヤバ!)
俺はプレハブの屋根の下から滑りでた。
下の地面が砂利なのが腹立たしかった。
だが、やつらはどうやら本気の馬鹿らしく、こっちに気が回っていない。
とにかく俺は這ったまま、ピケ資材置き場の裏へと回り込んだ。
必死だった。もちろん心臓が口から飛び出そうだった。見つかったら即射殺されんだから。
だが、うまいこと崩れた瓦礫の山の陰になっていたため、俺は無事に資材の後ろに回りこめた・・・。
・・・パイプの隙間から、俺はやつらの様子を伺った。
兄貴分らしい金髪に染めた偉そうなやつが、子分衆の連中になんか指図してるように見えた。
子分衆は散弾銃やらライフル銃やらを抱え、その辺に唾を吐いたりしながら車へ向かってる。
俺はその姿を、ジッと見つめる。まだ危険は去っていない、と俺は自分に言い聞かせる。
丸出しの下半身が、午後の風に晒されて妙な感じだ。
ションベンで濡れたままのズボンとパンツが、奇跡的にも俺の足首に絡まったままだ。
もう泥まみれ。だが下半身丸出しのまま逃げるよりもマシだろう。
やつらは車からポリタンクを取り出した。その中身を瓦礫の山に撒き散らす。
匂いで直ぐにわかった。それはガソリンだった。
俺はやつらに見えないように後ずさりする。
もう少しあとにフェンスがあり、その向こうには用水路が流れている。
吹き晒しの河原で身を隠せそうなのは、その用水路くらいしかない。
やつらは車に乗り込んだ。が、二人ほどまだ残ってるのがいる。
うち一人が口に咥えていた煙草を手に取ると、瓦礫の山に放り・・・小走りで車に駆けてゆく。
車は四台、その車が全部発射し、資材置き場の敷地から出る。
ちょうどそのタイミングでプレハブの瓦礫が火を噴き始めた。
俺は車がもっと遠くまで走り去るのを、ジッと堪えて待った。
炎はどんどん大きくなってゆく。
マサユキの火葬の手間が省けたな、と俺は思い、何故か笑った。
ダチの死を悼む気持ちが無いのかよ、と言われそうだが、俺は自分の命が助かったほうがうれしかった。
車は河原の土手を登る道を登りきった。このまま走れば湾岸の西扇島区へと向かう道だ。
俺は立ち上がり、炎を一瞥した。
ついでにションベンと泥で汚れたズボンとパンツを引っ張りあげる。
ジットリとした嫌な感触だが、今はこれで我慢するしかない。
俺は走り出した。フェンスを越え、用水路の中にもぐりこみ、そのまま振り返ることもせず。
逃げ切ってやる! 俺は笑顔を浮かべながら、そうつぶやいた・・・。(おわり)
test
「・・・クソッ! 小学生(※のように見えるけど19歳の女子大生)だと思って甘く見てたぜ!」
正義の味方『湾上フリーダム戦隊』の隊員、拓馬浩は焦った。
あどけなく微笑む小学生4年生(※に見える19歳の女子大生)・香苗ちゃんの、その圧倒的な攻撃力に・・・。
まさかこんな小娘・香苗ちゃん(※19歳女子大生)にこれ程のフェラテクがあるとは思ってもみなかった・・・。
すでに彼女の抜群のフェラで3度も絶頂に至り、たっぷりの精液を放出してしまった拓馬浩。
誰がどう見ても、完全に劣勢だ。
・・・今回の敵は、何と手ごわいのだ。
見た目はガキ。しかもキュートな猫耳。確実にローティーン(※違います。19歳の設定です)。
正義の味方にしてロリロリな十文字タケルのストライクゾーンだ。
だが小学4年生(※しつこいけど19歳だ)香苗ちゃんは、
そのあどけない見た目とは裏腹にとんでもないフェラテクの使い手。
まさか魔王ペロポンテは、俺の弱点(※ロリロリ)をわかった上で香苗ちゃんを送り込んできたのか!
このままではまずい。
拓馬浩は戦慄した・・・。
・・・だが、
「ぐ、があっ!」
けたたましい叫び声とともに、拓馬浩は遂に4回目の放精を許してしまった。
あまりの快感に身体を打ち震わせる。拓馬は再び大量の精液を吐き出してしまった。
香苗ちゃんは放出された拓馬浩の精液を全て口の中で受けた。
さらに驚くべきことに、それを美味しそうに飲み込んでしまう。
「ちょっと臭いけど、おいしい・・・」
香苗ちゃんはそう言うと、満面に笑みを浮かべた。
さらに口から溢れた精液を指先で丁寧にぬぐい、舌で舐めとる。
「くっ! 何て、何て小娘なんだ。この俺が、こんな娘(※19歳女子大生だけど)に翻弄されてしまうなんて!」
キャッキャとはしゃぐ香苗ちゃんの目の前で、正義の味方・拓馬浩は力なく崩れ落ちる・・・。
「・・・どう、正義の味方のおにいさん。もう私にこうさんする?」
香苗ちゃんは拓馬浩を見下ろし、嬉しそうに微笑む。
これほどの激しいバトルをしたにも関わらず、香苗ちゃんの笑顔の無邪気さは、まるで無垢な天使のようだ。
拓馬浩の百戦錬磨の男根(※ほとんどオナニーだけど)を手玉にしたとは思えないほど、あどけない笑顔・・・。
その笑顔が、湾岸フリーダム戦隊の戦士・拓馬浩のロリロリセンサーを再び刺激してしまう。
どうしたらいいんだ?
「・・・このままでは、この小娘に精気を全て吸い取られて、俺は死んでしまう!」
香苗ちゃんのピュアな笑顔に、拓馬浩は恐怖を覚えた。
しかし再び肉茎をくわえ込んだ香苗ちゃんのフェラテクに、ビンビン反応してゆく自分を抑えることはできなかった・・・。
…めくるめく快感の中で十文字タケルは、今まで戦った数多くの敵たちのことを思った。
湾上都市の支配を企む悪の組織、ヘルスエンジェルスたちが送り込んだ数々の美女・・・いや魔物たち。
抜群の乳房を持ちエレーヌ。
究極のヒップをフリフリさせたマリアンヌ。
フィンガーテクでは他の追随を許さないマリア。
数多くのセクシーな美女、じゃなくて、凶悪な敵たちの甘いテク、じゃなくて攻撃のことを思い出す。
エレーヌのパイズリで果てしなく搾り出してしまった西羽田区立公園での、あのバトル。
マリアンヌの腰使いに、不覚にも失神寸前になってしまった印旛沼リバティホテルでの、あの戦い。
そして先週の、マリアの千手観音手コキで金玉の精液タンクを殆ど空にしてしまった、あの激闘。
そんな数々の試練で、どれほど拓馬浩は法悦に浸った・・・じゃなくて苦しめられたことか・・・。
・・・そうなのだ。今までもそうした苦境を乗り越えてきたのだ。
この愛と平和の町、東京都湾岸都市を守るために、拓馬浩は必死に戦ってきたのだ。
『湾岸フリーダム戦隊』の名にかけて・・・。
「・・・そうだ、俺こと正義の味方・拓馬浩こそ、この美しい世界を守る救世主なのだっ!!」
挫けそうな拓馬浩のチンコ・・・じゃなくて、心に、再び正義の炎が燃え上がった。
既に拓馬浩のチンコは射精寸前まで勃起しきっていた。
危うく射精しそうになるのを、拓馬浩は最大限の理性と我慢で抑える。
「・・・この小娘めっ!(※でも19歳なんですよ) いい加減にしやがれ!」
香苗ちゃんのお口から勢いよくを抜き払う。
ジュポッ、という実にいやらしい粘液質の音に、あやうく拓馬浩は射精しそうになったが、これも抑えた。
拓馬浩は立ち上がると、小学四年生(※実際は19歳女子大生)香苗ちゃんの上にのしかかった。
そして、この超絶フェラ小娘(※19歳)をカッ!睨みつけ、叫んだ。
「お前のような小娘(※19歳女子大生です)に俺が屈すると思ったのか!」
叫びながら拓馬浩は、香苗ちゃんのワンピースを手で破り、パンティーを千切り取った。
何というか、まるで欲情で狂った男が、無垢でか弱い娘を陵辱せんとばかりに。
「キャアッ!」
恐怖のあまり悲鳴を上げる香苗ちゃん。
そんな香苗ちゃんを、拓馬浩は血走った目で睨みつける。
拓馬浩の鼻息は激しい。その口元からはヨダレが溢れ、ダラダラと滴る。
「おい!『湾岸フリーダム戦隊』を舐めるなよ小娘(※19歳)!」
もちろん、言うまでもないだろうが、その股間はビンビンのフル勃起。
拓馬浩はその勃起チンコを手で掴み、おびえる香苗ちゃん(※19歳だぞ間違えるな)に突き出す。
「この小娘めっ!(※19歳なんだよ) 本当の男の凄さを、この湾岸フリーダム戦隊・拓馬浩がお前に教えてやるわ!」
拓馬浩は周囲に響き渡る大声でそう絶叫した。
そして悲鳴を上げる香苗ちゃんの両脚を強引に押し広げる。
そこにはまだ未成熟で、恥毛も生えていないヴァギナが露わになる(※19歳ですよ)。
蛍光灯の光の下でその桃色のクレヴァスは僅かに潤み、まるで息づいているように微細に痙攣している。
「はあっ!はあっ! お前はフェラはプロ級だが、ここはどうやら未開発のようだな小娘!」
ぐふふっ!と、正義の味方らしからぬ歪んだ微笑を浮かべる拓馬浩。
久しぶりのロリ(※19歳だけど)、それと散々放精し疲弊した拓馬浩は、普段の冷静さを失ってしまっていた・・・。
・・・おい、貴様は正義の味方、『湾岸フリーダム戦隊』の隊員だろうが!
「キャーッ!誰か助けてーっ!」
香苗ちゃんは恐怖のあまり泣き叫んだ。
しかしその叫びも普段の冷静さを失った拓馬浩には届かない。
それどころか彼の中に眠る卑猥な蛮性を呼び起こしただけだった。
殆ど隆起していない香苗ちゃんの乳房に、拓馬浩の卑猥な手が伸びた。
初々しい乳房が汚らしい手の中で、無残にその形を崩す…なんて残酷な!
「はあっ! はあっ! この拓馬浩が思い切りここを調教してやろうか? んんっ?」
大暴れする香苗ちゃんの身体を、拓馬浩は力任せに組み伏せる。
さらに豆粒のような乳首を、拓馬浩はよだれまみれの舌で玩んだ。
素晴らしい味だった。
拓馬浩の中に眠るロリータの本性が、さらに燃え上がる。
香苗ちゃんの股間を指先でまさぐる拓馬浩。すてきな手触りだ、たまらない。
拓馬浩は、爆発しそうな己のペニスをむんず、と掴む。
必死に逃れようとする香苗ちゃん。
だが拓馬浩に抑えこまれ、抵抗もむなしかった。
卑猥すぎる指先が、香苗ちゃんのヴァギナを押し広げる。
すると、穢れを知らない香苗ちゃんの花弁が、拓馬浩の目前に晒された。
「・・・さあ小娘よ(※19歳なんだよ察してくれ)! いよいよだぞおおおっ!」
香苗ちゃんは果たしてどうなってしまうのかっ!!
正義の味方ヅラした淫獣、拓馬浩の欲情の生贄になり、その若き花を散らしてしまうのかっ!
ああっ!
・・・突然のことだった。
ダンッ! という音と共に、扉が乱暴に押し開けられた。
「・・・待て!動くな貴様っ!」
挿入寸前の拓馬浩の背後で、凄まじい怒鳴り声が響いく。
へっ? と拓馬浩はとまどう。
一瞬、その動きを止めた。
するとドカドカというけたたましい足音が部屋に突入する。
その足音は元正義の味方・拓馬浩の周囲を取り囲んだ。
・・・警官達だった。
「・・・な、なんで?」
突然のことに拓馬浩は唖然とし、そのまま正義のヒーローにあるまじきうめき声を上げる。
下半身をさらけ出し、勃起したペニスを握り締める拓馬浩。
拓馬浩の下で組み伏せられ、悲痛な泣き声を上げる香苗ちゃん・・・。
これはもう、誰がどう見たって、幼女(※19歳なんですけど)に対する強制わいせつの現行犯である・・・。
・・・その許しがたい光景を目にし、憤りで震える警官達。
その警官たちの中から、トレンチコート姿の初老の刑事が歩み出てきた。
厳つい顔つき、険しい目つき・・・そしてその顔は、怒りのあまり赤銅色に染まっていた。
まるで羅漢仁王像のごとく。
唖然とする拓馬浩。
そんな拓馬浩の目の前に、刑事は鬼のような形相で立ちはだかった。
噴火寸前の火山のごとく、怒りを抑えかねて。
握り締められたその拳は、力みすぎてブルブルと震えている。
「・・・き、きさま、きさまは獣か!」
刑事は握り締めたその拳を大きく振りかぶった。
周囲の警察官たちも、それをあえて止めようとはしなかった。
「このクズめがっ!こんな年端も行かぬ娘をっ!!」
その拳は凄い勢いで振り下ろされ、拓馬浩の顔面に叩き込まれた。
凄まじい衝撃が拓馬浩を襲う。
ボグンッ! と首が大きく捻じ曲がり、そのまま体ごと吹き飛ばされた。
さらにダーンッ!と激しい音とともに、拓馬浩は壁に叩きつけられる。
その瞬間、拓馬浩はあっけなく気絶した・・・。
同時に、射精したままだった拓馬浩のペニスが一度大きく痙攣し、ドロリとした精液を吐き出した・・・。
・・・一方、こちらは悪の組織”ヘルスエンジェルス”の本拠地、魔王宮殿ビル。
(※住所は東京都湾上都市南若洲区北七条大通り4−29−109 ヘルスエンジェルス健康科学梶j
そのベッドルームで、ヘルスエンジェルスのキング、高橋雅和が高笑いを上げていた。
「これで、あのバカこと拓馬浩の奴も終わりだな・・・なあ、香苗?」
キングは人間離れした巨大な男根で、香苗ちゃんの敏感なヴァギナを貫く。
そう、香苗ちゃんは、選び抜かれた地獄の美少女戦士(※19歳なんだってば)だったのだ。
ヘルスエンジェルスにとって色々と目障りな存在である『湾岸フリーダム戦隊』
その隊員である拓馬浩の唯一の弱点、それがロリータコンプレックスであった。
このロリコンバカはいつか猥褻事件を引き起こす。
ならば、こちらからそれを誘発してやろうではないか。
そうやって香苗ちゃん(※19歳女子大生ね)は、数万人の美少女(※全員18歳以上)たちの中から選ばれたのだ。
そしてキング自ら、香苗ちゃんにフェラ調教をたっぷりと、もうたっぷりと施して・・・。
「・・・ああっ!もっと貫いてください、キングさまっ!」
嬌声を上げてキングの肩に縋りつく香苗ちゃん。
キングはその声に応え、その腰を力任せに突き出した。
瞬間、可憐な美少女(※19歳ね)香苗ちゃんは大きく痙攣し、絶頂に達する。
「ふふ・・・目障りなバカが一人消えたぜ。」
そうほくそ笑むキングに、さらなる愛撫を求めて抱きつく香苗ちゃん。
そんな愛くるしい香苗ちゃんを抱きしめ返し、キングは笑った。
「香苗よ、ご褒美がもっと欲しいのか? ん?」
逞しい腰を突上げるキング。
そのキングの腰の上で、香苗ちゃんは喘ぐ。
巧みな愛撫に肢体をわななかせ、快感に酔いしれる香苗ちゃん。
その香苗ちゃんの初々しい肉体を犯しながら、キングは高らかに笑った。 (おわり)
164 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/15(火) 18:36:19.51 ID:R7xhe/DX
あ、あの〜・・・・基本線なんでもアリですけど
キャラの名前はオリジナルでやってくれると嬉しいなと(汗)
>>109の続き
どんなに辛く悲しく世界が終った様な気分でも時は流れ日は過ぎ行く。
隆の葬式を終えた俺たちは日常に戻っていた。親父は会社に、姉貴は
短大に、俺は高校にと、それぞれの日常に。正直、学校行って級友と
談笑する気分でもないのだがサボって引き籠ったりしたら、隆の死で
それでなくても憔悴し切っているお袋を余計悲しませてしまう。俺は
その日、昼休みの学園内を当ても無くただ呆然と歩き回っていた。
大学の敷地内で姉貴を見掛けた俺は声をかけようとした。が、しかし
その横顔を見た瞬間、俺はその場に凍りついた。怒っている。それも
並大抵の怒りじゃない。姉貴は元来オットリ系のドジっ子で、しかも
チビのメガネなもんだから短大生になっても男共から萌えキャラ扱い
されている。しかし今の姉貴には、そんな雰囲気は微塵も無い。般若
の面の眼の部分を姉貴の顔に貼り付けたような、そんな顔だ。あんな
形相の姉貴を俺はこれまで見た事が無かった。向うから一人の中年男
が歩いて来る。姉貴は怒りの形相のまま立ち塞がり静かに口を開いた。
「教授・・・・・」
「ああ、君か・・・」
「・・・・・事情を説明して下さい」
「何の話かね?」
次の瞬間、姉貴の発した声は叫びと言うより爆発音に近かった。
「とぼけないで下さいっ!!!!! あの最新式は2発とも
軍事車両の破壊に使う計画だったはずですっ!!!だからこそ
私は爆薬の調合にも協力したんですっ!!!!新兵器の犠牲に
なる人を一人でも減らせればと思ってっ!!!それをジュニア
シールドの真っ只中に撃ち込むなんてっっ!!!!!!!!」
俺は姉貴が何を言ってるか解らなかった、いや解りたくなかった。
え?何?何だって?爆薬の調合に協力??姉貴が??隆を殺した
あの迫撃弾の?????
「ダメだダメだダメだ!これじゃあ、ダメだ!」
自称・天才作家の五十嵐知徳は、薄くなった髪の毛をかきむしりながら絶叫した。
「これではノーベル文学賞に送ったところで、誰も俺の高尚かつ気高い思想を理解してもらえない!」
五十嵐の目は不気味なほどに見開かれ血走っていた。完全に狂人の目そのものだ。
歴史的大傑作に取り組んでもう三ヶ月。失業保険も切れて貯蓄もまもなく底をつく。
この最高傑作を完成させねば、五十嵐くんはおまんま食い上げだあ!
自分をタフでかっこいい特殊部隊員として登場させ、格好良く活躍する話を書いていたのに。
この俺こと五十嵐知徳が、凶悪なテロリストとか倒してすんげえ美女とかとアバンチュールしたり、
鉄砲とか爆弾とかドカドカバンバンやって派手でかっちょいいハードボイルドアドベンチャーしようと思ってたのに!
「・・・うううっ! うがあっ!」
言葉にならない唸り声をひとしきり上げた後、五十嵐知徳は立ち上がった。
そして机上の原稿用紙をグシャグシャに鷲掴むとゴミ箱へぶん投げる。
ゴミ箱の中に放り込まれた原稿用紙には、まるで小学生のような未熟な駄文の列。
つたない文章で描かれたその作品、彼いわく”歴史的大傑作”には、
現実の彼とは似ても似つかない主人公が描かれている。
不細工で冴えない現実の彼とは似ても似つかぬ男前で格好良いな五十嵐知徳。
ヲタくさくプライドばかり高いヘタレの現実の彼とは似ても似つかぬタフでクールな五十嵐知徳。
現実離れも甚だしいほどに美化されまくった己の姿は、その拙い文章の中でも僅か数ページで破綻している。
どれほど脳みそが腐りきれば、これほどの勘違いができるのだろうかね?
「・・・よしっ! また最初から書き直しだ!」
有りもしない才能を有ると勘違いし、決して見つからない才能を追い求める五十嵐知徳。
決して諦めないその根性は確かに見上げたものといわざるを得ない・・・。
・・・だが数分後、五十嵐知徳はおもむろにパンツを下ろし、貧弱な己のちんぽを引っ張り出していた。
おいおい、お前は歴史的傑作に再チャレンジするんじゃないのかね?
「とりあえず溢れ出る才気を発散させないと、ボクの内部で核融合爆発を起こしちゃうからな・・・」
と、訳のわからないことを呟きながら、五十嵐知徳は本棚の隠し引き出しより、彼の座右の書を取り出した。
その座右の書である幼女ロリ専門写真誌を、五十嵐知徳ははあはあと興奮しながら開く。
目指すは五十嵐お気に入りの小学五年生の少女・絵梨ちゃんのページだ。
そう、人生でろくにモテたことの無いヲタ、五十嵐知徳が最近見つけた”地上に降りた最後の天使”だ。
だがもちろん、この本は現在幼児ポルノと認定され、見つかれば逮捕されちゃうかもね!
「・・・え、絵梨ちゃああん」
ついに目的のページにたどり着き、五十嵐は大きくため息を漏らす。
まだ未成熟なその肉体の瑞々しさに、五十嵐は溜まらぬ欲情を覚える。
その天使のような笑顔、恥じらいながらこちらに微笑んでいるあどけない表情。
小鹿のように細長い手足は、色白でつややか。
触れれば壊れてしまうのではないか(もちろん五十嵐知徳が触れることなど一生ないんだけどねえ)。
そしてその未発達な胸・・・スクール水着の下でかろうじて隆起する、まだ穢れをしらぬ小さな胸。
どこに内臓がしまわれているのかと思うほどのか細い腰を経て、その下の禁断のゾーン。
引き締まったヒップと、細いモモにはさまれた、黄金のメコンデルタ・・・。
「・・・むう、た、堪らないナリ!」
亀頭の被った包皮を丁寧にむきながら、五十嵐知徳は自分のちんちんをしごき始めた。
頭の中で彼は、写真の中の絵梨ちゃんをひん剥いて裸にしていた・・・もちろん脳内の想像の世界で。
絵梨ちゃんの僅かに隆起する乳房を荒々しく掴み、乳首を舌でペロペロと舐めちゃう・・・もち妄想の中で。
そんな愛撫を、絵梨ちゃんは恥じらいながらも受け入れてくれる・・・現実には絶対ありえないどころか逮捕だ。
恥じらいと不安な表情を見せる絵梨ちゃんを見下ろしながら(もち妄想)、五十嵐知徳は嗜虐的に微笑んだ。
この妄想の中の五十嵐知徳の姿は、先ほどゴミ箱に放り込まれた原稿用紙の中のあれだ。
タフでマッチョでかっこいくてクールで勇敢で・・・全部、現実の五十嵐知徳には決定的に欠けているんだけど。
「そう、絵梨ちゃんは、俺が開発してやるんだ。
この小娘を性奴隷にして、まだ見ぬ快楽の坩堝の中で甘美なリビドーの溺れるのだっ!」
完全に幼女わいせつというか法定強姦罪、それと略取監禁罪が成立する凄まじい夢。
五十嵐知徳よ、貴様は完全に廃人だな。とっとと死ねよバ〜カ。
だが、そんなつっこみなど意に介さず、五十嵐知徳の右手はさらに激しく上下してゆく・・・。
・・・カビ臭い四畳半の中で、五十嵐知徳の生臭い吐息が満ちてゆく。
快楽に顔を歪めながら、彼は笑った。その口元から覗く乱杭歯は黄ばんで虫歯だらけだ。
くすんだ素肌、緩みきった肉体、不潔さ漂うその容貌…そんな一人の醜男が今、オナニーに浸っているのだ。
こんな醜い光景が、この世にあるだろうか?
・・・数分後、五十嵐知徳は華々しく果てた。
赤黒くひん曲がった貧弱なちんぽの先端から、生臭い精液が飛び散る。
その精液はちゃぶ台の上に広げた写真誌に飛び散る。
そしてあろうことか、恥ずかしそうな笑顔を見せる絵梨ちゃんの写真に降り注いだ。
「ああっ!」
五十嵐知徳は慌てた。
彼にとって女神であり天使である絵梨ちゃんの御真影。
その御写真に、己の汚らわしい精液が粘着してしまったのだ。
大急ぎでティッシュを引き出すと、絵梨ちゃんの写真にへばりつく精液を拭う。
ゴシゴシとこするが、粘ってへばりつく精液は、絵梨ちゃんの写真に染みこんでしまっており、中々落ちない。
一瞬、五十嵐知徳の脳裏に「もしかして俺、絵梨ちゃんに生で顔射しちゃったのかも!」という戯言が浮かぶ。
そのイメージに酔いしれ、萎びかけた自分のペニスが少し反応したのがわかった・・・。
バカかお前は。
「・・・そんなことより、早く精子を拭わないと、絵梨ちゃんの写真がヨレヨレになっちゃうよ!」
と、少し唾液で濡らしたティッシュでこすってみた。
だが、絵梨ちゃんの顔の部分の印刷が少し剥げただけであった。
仕方なく五十嵐は雑誌を持ち上げた。
そのまま絵梨ちゃんの写真を、舌でぺロリと舐め上げた。
自分の口の中に、自分の精液の生臭い臭いが充満し、五十嵐は思わずむせ返る。
しかも絵梨ちゃんの御写真は、今のペロリで唾液が付いてしまい、よれてしまった・・・。
ああ、何ということだ。
「・・・う〜、もう、この際だから絵梨ちゃんを食べてしまおう!」
そう思った五十嵐知徳は雑誌のページを破りとって丸める。
自分の精液の降りかかったそのページを口の中に放り込んだ。
そのまま良く咀嚼する。
するとどうだろう、自分の精液の味に混じって、憧れの小学五年生・絵梨ちゃんの甘い味がしたような気がした。
そのページを丸呑みしたころ、五十嵐知徳は呆けたような笑顔でケタケタと笑いだした。
五十嵐知徳の苦渋の日々はまだ当分続きそうだね・・・。(おわり)
test
169 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/19(土) 21:35:37.52 ID:fKrRvIVw
★福島原発事故は【人災】でしかない件★
震源地から一番近い『東北電力・女川原発(宮城県)』は無事。
→東電OL事件で有名な『東京電力・福島原発(福島県)』は壊滅的。
※『東北電力・女川原発』も福島原発同様に、『大地震・大津波』にあっています!
============================
170get
171 :
東京都戦場市:2011/03/23(水) 18:37:22.79 ID:UWetlr4Q
>>164の続き
「・・・状況に若干の変化が有ったのだ。計画をシールドに察知されてる事が
判ってね、あのまま計画通り遂行しても2発とも迎撃される事は目に見えて
いた。最新式を用いて単なる示威行為に終っては余りに芸が有るまい?そこ
で1発は人材確保の妨害に使う事にしたのだ。ジュニアシールドに入ったら
死ぬ危険が有ると言う事になれば誰が好き好んで可愛い我が子を入れるかね?
そんな事をするのは余程狂信的な連盟派くらいのものだ」
「ジュニアシールドの過半数はローティーンです!小学生だって
いるんですよ!?それを・・・」
「犠牲者の中に君の弟さんがいたのは聞いてるよ。残念な事だ」
姉貴が言葉に詰まった。教授とやらの顔には言葉とは正反対の冷たい
うすら笑いが浮かんでいる。奴が何を言いたいか俺にも解った。
要するにこいつは犠牲者の中に隆がいた事実を突き付ける事で
遠回しにこう言ってるんだ。
「君の主張は単なる感情論だ。正論ですらない」と。
俺はその場に飛び出してってあのオッサンを殴り倒してやりたい
衝動に駆られた。
172 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/23(水) 23:14:11.87 ID:fAtdq8xA
やっとキモエロオムニバスが終わって、まともな話だ。
まじありがと。
裏で応援してた。この調子で頑張ってくれよ。
173 :
忍法帖:2011/03/23(水) 23:23:10.88 ID:n50b+Ugv
テス
174 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/24(木) 19:56:34.18 ID:myqYREYc
>>172 何さりげなくケチつけてんの?
自分の趣味に合わないからってケチつけるのは卑怯なんじゃじゃないの?
もっとキモエロやってくれ
おもろい
175 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/24(木) 22:27:23.55 ID:suzxLamr
>>174 エロパロへいったら?あそこのがエロイ
それに文句ばっかでうぜぇ。自分で板作れカス。協力できねぇなら、書き込まないでくれない?
エロキボンヌ。たぶん、シリアス望んでいる奴なんていないよ。五十嵐ネタサイコー。
できれば、ホモネタよりレズネタキボンヌ。
一方、五十嵐知徳は、何故か朱雀四条区にある関東自動車梶i※偶然の一致)朱雀四条工場にいた。
そこはトヨタ(※似たような名前の別の自動車会社)の車体を作っている世界的工場である。
だが一方で、ここは湾上都市版奴隷工場としても知られている。
安い給与、過酷な労働条件、社保も厚生年金も無く、労働基準法などほぼ無視。
利益重視の方針からコストカットと雇用調整が徹底的に行われ、ワーキングプアのたまり場とも言うべき工場。
五十嵐はそんな組み立てラインの一つで、黙々と仕事に従事していた・・・。
・・・クレーンに吊るされレールに乗って流れてくる未完成の大きな機械の箱。
それが目の前に来たら、五十嵐は手早く、よくわからない謎の部品を取り付ける。単純でバカでも出来る作業だ。
「あれ、ボクは確か、DWWの特殊部隊隊員として勇敢でかっこよく戦ってたような気がしたけど?」
作業を続けながら五十嵐は首をかしげる。
記憶をたどると、DWWなる謎の劇団に勧誘されて、方々の保育園で着ぐるみ人形劇をやってたような?
あれ、違ったかな?DWWという会社の営業マンとしてイボつきのコンドームの訪問販売をやってたっけか?
五十嵐のおつむは混乱する。
まあ、無理すんな五十嵐くん。君のおつむじゃその辺が限界だからさ。
それよりも仕事の手が止まると、凄く怖い製造ラインの監督官にまた折檻されちゃうぞ。
いいのか五十嵐君。あの折檻されたら三日くらいは血まみれのウンコしなきゃならなくなるんだぞ。
「・・・まあいいや、へへへっ!」
口元から垂れる涎をツナギで拭いながら、五十嵐は手に取った謎の部品を車体に取り付ける。
どうせ記憶違いだろう、最近は自分の記憶が混濁して、時々自分の名前も忘れちゃうくらいだし。
さて、再び目の前に大きな箱がやってきた。
五十嵐は手早く部品を取り上げ、そこに取り付ける準備をはじめる。
その際、ふと手にした部品をチラリと眺めた。
その部品は縦20センチ、横15センチ、高さ15センチほどの直方体をしている。
表面はつや消しの黒色で、手に持つとちょっと重い。
そしてなぜかそこに「危険!! 取り扱い厳重注意!!」という書かれたラベルが貼られている。
またそのラベルには他に幾つもの髑髏のマークと、放射性物質を示すマークが描かれている・・・。
「・・・ふーん、なんだか危なそうだなあ・・・」
五十嵐の頭脳では、そのラベルに書かれている内容などロクに理解できまい。
こういう五十嵐みたいなおめでたい奴が、このラインに廻されるんだがね。
「・・・ま、いっか! てへっ!」
五十嵐は嬉々として作業に没頭した。
そう、五十嵐くんはここ最近、とっても幸せなんだ・・・え、何故って?
それは簡単。他のラインの仕事よりも時給が良いからだ。
通常のライン作業であれば、時給は僅か1000円ほど。
さらに日研総業による中間搾取分を抜くと僅か時給550円。奴隷産業と言われる所以がよくわかる。
しかし現在五十嵐くんが就いたラインでは、時給で実に3400円。
他のラインとは比べ物にならないくらいに高額だ。
もちろん悪名高い日研総業の中間搾取分はある。それを差し引いても1800円に達する。
この給与は五十嵐くんの今までの人生の中で、最も高額なものであった・・・。
・・・そしてついに週末、待ちに待った給料日!
どきどきしながら給与明細を見た五十嵐君。
もう大喜びではじけちゃいそうです。。
美味しいプリンアラモード食べたりプレミア付いた絵梨ちゃんの写真集や美少女フィギュア買ったり、
それからそれからえっと・・・もう五十嵐君、興奮しすぎて脱糞しちゃいそう!
各種手当ての欄に書かれた「重度危険作業特別手当て」という文字。
とてもとても大事なんだけど、五十嵐くんは当然そんなの見落としている・・・。
それだけじゃないんだ、五十嵐くんにはもう一つ嬉しいことがあった。
それは給料が出るたびにヘイドレクのところに毟りに来るヤンキーたち。
そいつらが五十嵐君に近寄らなくなったのだ。
それどころか廊下ですれ違っても、怯えたような表情をして五十嵐くんに道を空ける。
もっとも滅多に会うこともなくなったのだ。
ロッカールームも別室で、出入り口もまた別。
工場内の作業工程も完全に隔離。
そのせいか、五十嵐君はかつてのいじめっ子たちに出会うことすら稀になっていた。
心の平穏な日々が続く幸せに、五十嵐くんは喜びの色を隠せない・・・。
「・・・いやあ、やっぱり幸せって誰にでも巡ってくるんだなあ」
そう呟きながら五十嵐くんは、皮膚のアチコチにできた紫色の腫瘍をぽりぽりと爪で掻いた。
最近目眩が増えてきたのも、血便が良く出るようになったのも、今の五十嵐くんにとっては大して問題ではなかった。
目の上に出来た赤黒い腫れ物からの出血や、あごの端のリンパ節の肥大も大して気にならない。
「もしかして、このまま大金持ちになっちゃうかも、うふっ!」
不治の病に冒された病人を見るような周囲の目線も、今の五十嵐には嫉妬と羨望の眼差しにしか感じられなかった。
結局、資本主義というのは、このような奴隷をたくみに用いて固定費を減らし、利益を上げるのが一番なのだ。
湾上都市の発展には、こうした五十嵐くんのような使い勝手の良い奴隷たちの血と汗が不可欠なのだよ。
嗚呼、五十嵐くん、君はどうなってしまうんだ!
test
「・・・みなさん、こんにちは! 今度写真集を発売させていただいたエリナですっ! よろしくお願いします!」
短く切り詰めた短いスカート。大きく胸元を強調したノースリーブ。
露出度の極めて高いステージ衣装を着用し、エリナはステージの上で愛想を振りまいていた。
・・・新人グラビアアイドル、エリナ。
18歳になったばかりの、初々しい魅力に溢れた美少女アイドル。
今日は新しい写真集の販売促進のためにファンイベントだ。
ここは東京湾に浮かぶ特別行政特区の湾上都市、西扇島区の新秋葉原町。
湾上都市のサブカルチャーのメッカであるこの町は、同時に新人アイドルたちの下積みの町でもある・・・。
決して広くは無い特設イベントの部屋。だがそこには、既にむさ苦しいヲタたちがひしめき合っている。
露出の高い胸元や、スカートの裾から伸びる健康的な脚線美は、彼らの熱い視線を捕らえて離さない。
自分の体を貫かんばかりの、欲情に満ちた視線。その視線を全身に浴びながら、エリナは怖気がした。
そんな己を喚起するかのように、エリナは必死に笑顔を作る。気持ち悪いのを我慢して。
作り笑いの笑顔が、少し不自然かも、と脳裏に過ぎる。
だが、客席の男たちは、そんな笑顔でもわいわいと沸き立つ。
そこには「湾上シールド」と呼ばれるアイドルの親衛隊たちもいた。
清純派アイドル好きのロリコン集団でおなじみの、狂信的アイドルマニアの連中だ。
エリナは受け入れがたい欺瞞を感じた。うその作り笑いで、彼らをだましているような、そんな気分。
虚構の世界だ、とわかっていても、やはりその気持ちは抑えられない。
エリナはステージの横をチラリと見た。そこにはマネージャーの美穂がいる。
美穂は満足げな微笑んでいた。エリナはその笑顔をみて、少し安心できた。
大丈夫、私はやれる、そう自分に言い聞かせて・・・。
・・・マネージャーの美穂さんは、凄く素敵な大人の女性だ。
昔はアイドルグループの一員として活躍したらしいが、今は知的でクールで(抜群に美人の)キャリアウーマンって感じ。
スタイリッシュなスーツと、切りそろえた短髪、シンプルなメイクでも十分綺麗な面立ち。
颯爽としたそんな美穂は、エリナにとって憧れの存在でもある。
いつかあんな素敵な女性になりたい、美穂はエリナにとって、そんな女性だった・・・。
「・・・ご苦労さまエリナ。今日のイベント、うまくいったわね。」
握手会を終え控え室に帰ると、美穂は労うように声を掛けてきた。
正直言って、イベントは決して楽しいものではなかった。
好きでもない相手に愛嬌を振りまく自分に、どこか嫌悪を覚えているのも確かだ。
でも、美穂さんのこうした一言で、そうした悩みも吹き飛んでしまう。
この人が支えてくれるから、私は頑張れる、エリナはそう思っていた。
「でもねエリナ、まだちょっと躊躇があるみたいね」
美穂はそう付け加える。その一言は、喜んでいたエリナの心に、チクリと刺さった。
もしかしたら、見抜かれているのかもしれない・・・美穂さんくらい賢い人なら、それくらい分かってしまうかも。
「まあ大丈夫よエリナ、慣れの問題だから。プロの水に馴染むまでは気合入れて・・・ねっ!」
美穂はそう言うと、エリナに微笑みかけた。端正で怜悧でクールな美穂さんが時折見せる、抜群の笑顔。
その笑顔は、不安定なエリナの心を解きほぐす・・・。
だが、美穂の眼鏡の奥の瞳は笑ってはいなかった。笑顔の奥で、エリナのことを冷徹に見つめるその瞳。
エリナは、その冷ややかな視線に、全く気づくことはなかった・・・。
「・・・エリナ、今日はこれから打ち合わせがあるの・・・大丈夫よね?」
タクシーに乗り込み、美穂が運転手に行き先を告げると、そう言った。
「・・・打ち合わせ、ですか?」
事務所を出発するときに確認した限りでは、今日はこれで終わりのはずだった。
久しぶりのオフ・・・少し部屋の掃除でもしようかな、と思っていたのだが。
エリナは美穂の顔を見る。
携帯を覗き込む美穂の横顔・・・その端正な横顔を、窓から差し込む夕日が照りつける。
細身の眼鏡のレンズが、日差しを反射して茜色に輝く・・・素敵な人だな、とエリナは思った。
「あのね、急遽決まっちゃったの・・・突然なんだけど、何か用事でもあったの?」
美穂は携帯のメールをチェックしながらたずねてくる。
用事、といっても別に大したことはなかった。何の問題もない。
「いえ、特にありません。大丈夫です・・・ところで何の打ち合わせなんで・・・」
エリナがそう聞き返すと、その言葉を遮るように、
「そう、よかった空いてるのね・・・ありがと」
美穂は有無を言わさずそう答えると、どこかにメールを打ち始めた。
その美穂の冷たさが、エリナは気になった・・・どこかおかしい、と・・・。
「・・・エリナちゃんかぁ・・・可愛いねぇ」
湾上都市、南大路区にある南大路インペリアルホテル。
そのスイートルームには、湾上テレビジョンのプロデューサー、野上忠信が待っていた。
たるんだ腹の肉、薄くなった頭髪、下品な笑顔を浮かべたその中年男は、それでいて芸能界では重鎮だ。
湾上テレビジョンのドラマ部門のプロデューサーであり、そこのトップだからだ。
野上はエリナの直ぐ隣に腰掛けた。エリナは笑顔を作りながらも、僅かに腰を引いてしまう。
作り笑いの虚しさを、ここでも感じる。しかも今回は、さっきのようなファンではなく、テレビ局のプロデューサーだ。
エリナはぎこちない声で、ありがとうございます、と答えるのが精一杯であった。
すると、「・・・ちょっと、電話を掛けてきますね。」
美穂は突然そう言うとソファーから立ち上がり、素早く隣室に向かった。
ごく自然に、何気ないような動作で。
「えっ?」
エリナは思わずそうつぶやいた。
美穂さんが立ち去れば、この部屋は自分と野上の二人きり・・・。
不安になったエリナは、扉の向こうに消えゆく美穂の後姿を目で追う。
美穂さんは全く振り返らない。ハンドバッグの中から携帯を取り出しながら足早に隣の部屋へ歩いてゆく。
そのまま美穂さんは向こうへ消え、扉は閉まってしまった・・・。
・・・突然、首筋の生ぬるい息が吹きかけられた。
酒くささとヤニ臭さ、それに加齢臭の入り混じった嫌なにおいが鼻腔を突く。
ゲエッ!きもい!
エレナは思わず身体をのけぞった。もう、それは反射的な動作だった。
だが、野上の力強い腕が、エリナの肩を掴む。
「今日はねぇ、エリナちゃんの、主演ドラマの企画の話があって君に来てもらったんだよぉ」
野上は満面笑みを浮かべ、甘ったるい声でささやいた。
エリナの耳元で。熱い吐息を噴きかけながら。全身の怖気が走る。背筋に鳥肌が沸き立つのを感じる。
エリナは、野上の目を見た。笑顔を浮かべた気持ち悪い中年男がそこにいた。
だが、その目は笑っていなかった。欲情の炎がちらつく血走った目が、エリナを真っ直ぐ捕らえていた・・・。
「・・・い、あうあ。」
エリナは言葉を出すことができなかった。
自分が震えているのが分かる。どうしていいのか、わからない。
すると、野上はエリナの手首を掴んだ。力強く。
「・・・大丈夫だよ、エリナちゃん。優しくしてあげるからねぇ」
野上はエリナの身体を抱き寄せた。抗おうと身をよじったが、野上はそれを許さない。
さらに頬を強引に引き寄せられ、唇がいきなりエリナの唇に重なった。
「・・・んっ! んんっ! や、やめてください!」
エリナは野上の身体を突き飛ばした。
「こんなの嫌っ! ひどいっ!」
素早く立ち上がったエリナは、捕らえようとする野上の手をすり抜け、出口へと向かった。
「助けて、美穂さん!」
エリナは叫んだ。目からは涙が溢れ、頬を伝うのを感じる・・・。
・・・突然、目の前で部屋の扉が開いた。
「・・・み、美穂さん!」
そこには、美穂が立っていた。エリナを見下ろしながら。
普段とは打って変わって、まるで物を見るような冷ややかな視線で。
だが、エリナはその視線に気づかず、泣きじゃくりながら美穂の胸に飛び込んだ。
「助けて美穂さん! 私っ・・・ワタシッ!」
美穂の胸にもたれながら、エリナは泣き喚く。
だが、美穂は抱きとめてくれなかった。
いつもの美穂さんなら、エリナを優しく抱きしめてくれるはずなのに・・・。
・・・美穂の手が、ゆっくりとエリナの肩の上に乗せられた。
それは何かを探るように、首筋からエリナの後頭部へと移動する。
黒くつややかな黒髪を、美穂の手は優しく撫でた。まるでその髪を梳くように、丁寧に。
そのまま美穂は、エリナの耳元に口を近づけた。
口元には、微笑みが浮かんでいる・・・どこか残酷な、それでいて喜んでいるような微笑が。
「・・・ダメね、エリナ。そんなことじゃ」
美穂はエリナの耳元でそう囁いた。そしてフッ!と笑った・・・。
「・・・えっ?」
エリナは顔を上げた。
そこには美穂さんの顔があった。相変わらず微笑みを浮かべて。
細身の眼鏡の奥の目は、エリナに注がれていた。
そしてエリナはようやく気づいた。その目が決して笑っていないことに。
その目はまるで温情の無い、冷酷非情なものであることを・・・。
・・・突然、エリナの腕を掴んだ。それは力強く、乱暴な手つきだった。
そのままエリナを羽交い絞めにすると、エリナの上着を破りとった。
とっさのことに、エリナは全く抵抗できなかった。
破かれたブラウスは無残に垂れ下がり、ブラに包まれた小ぶりな乳房が敏感に弾ける。
美穂はその乳房をブラの生地の上からやさしく撫で回し始めた。
乳房の周りから、指先で丁寧に、なぞるように、徐々に中央へと。
「・・・み、美穂さん?」
エリナの声は震えている。その声に応えたのは、美穂の冷たい笑みだった。
「・・・ねえ、言ったでしょ、エリナ。あなたにはまだ躊躇があるって」
美穂の手がエリナのブラの中に差し入れられる。
冷たい指先が、エリナの乳首を捉えた。その冷たさが、エリナを思わずたじろがせる。
「芸能界ってね、エリナ・・・そんなに甘いところじゃないのよ」
乳房を弄っていた美穂の手が素早く滑り降りた。
そのままエリナのスカートをめくり、太ももを撫で回す。
「・・・い、いやぁ」
エリナは逃れようとする。だが、美穂のもう一方の手はエリナを硬く締め上げて離さない。
ももを撫でていた美穂の手が、ゆっくりと上へと登る。さするように、肌のキメの一つ一つを堪能するように・・・。
なぜなのだろうか?
エリナは、自分の恥部が僅かに熱を帯びてきているのを感じた。
今まで感じたことの無い感覚。だけど、どこかそれを予感していたような。
そしてそのことを、美穂に見抜かれているような・・・。
「うふふっ・・・」
耳元で美穂さんが微笑むのが聞こえた。その吐息がうなじを這い、エリナの首筋を舐める。
ぞくっ、とエリナは震えた。だがなぜだろう、先ほどの野上の時とは違い、どこか甘い。
そのタイミングを見計らったように、美穂の手はエリナのショーツの下に侵入した。
「・・・み、美穂さん!」
足を閉じようとする。だけどできない。美穂さんの指が、あまりにも巧みに蠢く。
それは密生した恥毛を掻き分け、なおも進む。より敏感で、より潤った、熱い場所へ。
冷たい美穂の指先が、ゆっくりと包皮をめくる。
その下の、豆粒のようなクリトリスに、美穂の指が触れた。
「あ、ああっ!」
膝がガクガクと震える。
抑えていた何かが崩れた。と、同時に、自分の体の芯から、何か熱いものが迸った。
息がますます上がる。鼓動はどんどんと高鳴ってゆく。腰から力が抜けてゆくのが分かる。
美穂さんはエリナの体を抱きかかえる。
ショーツが濡れたのがわかった。自分でもそれが信じられなかった。
だが、ショーツの生地が恥部の肌に張り付くような、あの嫌な感じがはっきりと感じ取れた。
美穂の指は遠慮しなかった。その潤いを帯び始めたクレヴァスに、滑るように侵入する。
まるで勝手を知ったような、実に手馴れた動きで。
ビクンッ! と腰が反応した。同時にもう一度、体の奥から熱く何かが滲み出た。
反射的に膝を閉じようとする。だが、美穂の膝がその動きを許さない。
全く抵抗ができない。抵抗しようという意思がくじかれてゆく。
そしてついに美穂の手がエリナのヴァギナを探リ当てた・・・。
「・・・もうこんなにお漏らししちゃってるのね、エリナ」
ヴァギナを優しく弄りながら、美穂は囁いた。
そしてそのまま美穂は、エリナと唇を重ねる。
美穂の舌がエリナの唇を割り、舌と舌が絡み合う。
生暖かい吐息が溢れる。それはとても甘い香りがした。
唇がゆっくりと離れた時、美穂とエリナの唾液が混ざり合い糸を引いた。
それは名残惜しそうに長く伸び、音を立てずに切れてゆく。
美穂と目が自分に注がれているのが分かった。
これから獲物を味わおうとする凶暴な獣の目が・・・。
・・・エリナはベッドの上で、うつ伏せにされた。
既に幾度かの絶頂感を味わっていた。美穂の巧みな手業で。
体に全く力が入らない。既に全ての服は脱がされていた。
自分のヴァギナから自分自身が迸らせた液が垂れるのを感じる。
それは予想以上に量が多く、あふれ出て太ももの内側をゆっくりと流れた・・・。
・・・誰かが、エリナの目の前にひざまずいた。
手がそこから伸ばされ、エリナの顔を撫でる。
その手は頬を捉えると、エリナの顔をゆっくりと持ち上げた。
野上だった。
既に全てを脱ぎ払った野上が、己の股間の一物を突き出していた。
絡み合った陰毛の中から汚らしく起立するそれは短く、節くれだっている。
独特の悪臭がそこから立ち上り、エリナは思わずむせ返った。
そのエリナの口の中に、勃起した野上のペニスが強引に進入してきた。
それはエリナの口を塞ぎ、なおかつ奥へと突き出される。
吐き気がした。
だが、エリナはその野上のペニスに丁寧に舌を這わせた。
そうせざるを得なかった。自分でも何故だかはわからぬままに。
鼻腔が野上の密生した陰毛の中にうずまる。
野上の濃い体臭がする。汗と加齢臭が入り混じった、怖気の立つような悪臭だった。
「ああっ!エリナちゃん・・・」
野上は腰を振っていた。脈打つペニスがエリナの口の中で暴れる。
エリナは泣いていた。泣きながらも、必死になって野上のペニスをしゃぶる。
もう自分が何をしているのかがわからなかった。とにかく、この地獄のような時間が早く終わって欲しかった。
涎が口の中にたまり、唇の端から溢れ出る。それはときおり、ポタポタとベッドシーツの上に滴り落ちた・・・。
「・・・最高だよ、エリナちゃん! う、・・・あ、があぁっ!」
野上はついに達した。
達したと同時に、一度大きく腰をビクッと弾ませる。直後、脈打つ男根から大量の精液が吐き出された。
それはエリナの口の中に全て注がれた。
「・・・ん、うぐんっ」
あまりの生臭さに、エリナはむせ返る。顔を顰め、その不快感に必死に耐える。
だが、沸き起こる吐き気を抑えるのはつらかった。
何度もえづき、ついには咳き込み、その汚らしい欲望のしずくをベッドシーツの上に吐き出す・・・。
もう、終わった?
エリナは呆然としながら、そう願った。とにかく、早く終わって欲しい。
まるで靄の中を漂っているような、そんな曖昧な意識の中でエリナは願った。
これが現実ではありませんように、悪い夢でありますように、と・・・。
「・・・よく頑張ったわね、エリナ。 ご褒美をあげないと、ね」
後ろから美穂の声がした。それはとても遠くから聞こえてくるように思えた。
美穂さん? ねえ、これ、夢なんですよね?
エリナはそうつぶやきながら、縋るようにその声の方を振り返った。
・・・そこには、美穂が仁王立ちしていた。
裸の上半身には、形の良い乳房が二つ並んでいる。
そして下半身は、巨大な張型を仕込んだぺ二バンが巻きつけられていた。
蛇が鎌首をもたげたようなその巨大な張型は、蛍光灯の光の下で鈍く輝いている。
まるで血に餓えているように、ゆっくりと揺れ動きながら獲物に狙いを定めているように。
エリナは恐怖した。その信じがたい目の前の光景に。
ありえないような美穂のその姿に。
そんなエリナを、うっすらと微笑みを浮かべた美穂が冷たく見下ろしていた・・・。
・・・体が動かない。声が全然出ない。
おそらくはバーサーカー・・・最近芸能界で流行している新型麻薬の影響なのだろう。
もちろん、エリナにはそんなことはわからなかった。
恐怖におののきながらも、エリナは何も抵抗できなかった。
そんなエリナの後ろに、美穂はひざまずく。
「可愛いお尻・・・」
美穂は、エリナの小ぶりな尻をゆっくりと撫で回した。
美穂の視線が、エリナの恥部に注がれる。
そこでは濡れそぼったラビアが痙攣していた。ときおり花芯から、ゆっくりと花の蜜が滴る。
その美穂の視線が、エリナの体を熱く火照らせる。
何故だろうか、自分にそんな嗜好があるなんて今まで知らなかった。
「この可愛いお尻で、バカなヲタの坊やたちがオナニーしてるのよ・・・エリナ」
クスッ、と美穂は笑った。おかしそうに、なのに恐ろしく残酷に聞こえる。
美穂さんの本性を、エリナは初めて知った気がした。
今まで怜悧な仮面に隠されていた、その残酷きわまりない本当の美穂さんの姿を・・・。
「・・・でもね、エリナ。あなたもそろそろ学ばなきゃだめよ」
美穂さんの声が恐ろしかった。猫なで声のように、優しく甘い囁き。
なのに何故だろう、これほど恐ろしいのは。
なのに何故だろう、これほど快感なのは・・・。
「・・・ひっ!ひぐっ!」
それは突然だった。
美穂の指がエリナのヴァギナに突き入れられた。
一気に、迷うことなく。それと同時に、その美穂の爪がエリナのヒーメンを裂く。
「痛っ!ううっ!」
激痛がエリナを貫いた。
まだ誰もたどり着いたことのない、エリナの体。
それが今、破られた。それも美穂の手によって。
幾度も体がのたうつ。未体験の激痛が、エリナを苛める。
膣の中から、血が流れ出てくるのを感じた。それはゆっくりと溢れ、クレヴァスに滲む。
それを美穂は、ゆっくりと舌で掬い取った。
美味そうに、丁寧に、エリナの秘所をぬぐうように・・・。
「・・・ごめんなさいね。エリナも早くコレを捨てたほうがいいと思ったの」
美穂の舌は更に奥に進む。
膣に差し入れられたそれは、先をすぼめ、さらに奥の粘膜を舐める。
女の体の全てを知り尽くした、絶妙な舌技。
エリナは短くあえいだ。そして再び絶頂に達した・・・。
・・・それから、どれくらい時間が経っただろうか?
美穂の張形がエリナの膣内で無遠慮に暴れる。
穢れを知らぬ桃色の粘膜が、硬い張型で無残にいじめられる。
エリナは嗚咽していた。ベッドシーツを歯でかみ締め、その激痛に耐える。
だが、その痛みの中に、確実に快感を感じ取っていた。
幾度も絶頂に上り詰め、そのたびに熱い愛液を吹き出し、痙攣する。
そして、再びエリナの目の前に野上が現れた。
まだ勃起していない、ふにゃふにゃなペニスをエリナの口にあてがう・・・。
「・・・エリナちゃん、もう一回頼むよぉ。これから長い付き合いじゃないかぁ」
絶望的なその言葉を遠くで聞きながら、エリナの意識は徐々に薄れてゆく。
エリナは、その野上のペニスを口に含んだ。朦朧としながら。
そして野上がついに果て、エリナの口の中に精液を放ったとき、既にエリナは失神していた・・・。
・・・ヴァギナを貫く激痛で、エリナは目覚めた。
軽い頭痛がする。体を起こすのが億劫だ。
ここはホテル。南大路にある、インペリアルホテル。確かそうだった。
昨日の夜、打ち合わせでここに来たんだ・・・。
エリナは寝転がりながら、横を向く。
そこは窓だった。地上54階のプレジデンタルスイートの。
窓の外は快晴だった。南大路区の向こうの、房総半島を望む海が広がっていた。
その海は日差しを受け、キラキラと輝いている。
眩しい光が、エリナの顔を照らす。その眩さが、なぜか無性に痛く思える・・・。
・・・そして、ふいに昨晩の事を思い出した。
ここで繰り広げられた、あの恐るべき凶行を。無残に引き裂かれ、穢されてしまった自分を。
美穂さんの、あの姿を。
エリナは身震いした。だが、ヴァギナに残る痛みが、それが現実であることを残酷に訴える。
血で染まるベッドシーツが目に入る。自分が流した血、それに愛液、野上の放った精液、唾液・・・。
それらが全て入り混じり、生臭いセックスの匂いが立ち上っている。
その汚らわしさに、エリナは慄然とした。
エリナは泣いた。
はらはらと、目から溢れる涙が頬を流れ落ちた。
それを拭おうともせず、エリナは涙が流れるままに任せた・・・。
・・・突然、携帯が鳴った。
エリナは、その携帯をゆっくりと取り上げる。
着信画面を見ることなく、そのまま電話に出て、耳をすませた。
「・・・よく眠れたかしらエリナ?」
美穂さんだった。昨晩のことなどうそであるかのような、そんな爽やかな声色。
エリナは無言だった。返事の言葉が浮かばなかった。
ただ呆然と携帯を手にしながら、美穂さんの言葉を待つ。
普段なら、美穂さんは叱るだろう。言われたらちゃんと返事をしなきゃダメよ、という感じで。
だが美穂さんは何も言わない。それが怖かった。
「いい報告よエリナ、あなたの主演ドラマが決まったの。月9枠で」
美穂さんの声は笑っているようだった。喜びでキラキラしている。
それが、エリナには残酷に響く。エリナはなおも呆然とし、返事をしなかった。
「・・・あと今日はオフよ。詳しい話は後でするから、じゃあね!」
美穂は明るく電話を切った。
その美穂の声を、エリナは眩しい日差しの中で呆然と聞いた・・・。
まるで現実とは違う世界の話のように。(おわり)
test
>>177 ・・・五十嵐知徳は死んだ。
その死は実にあっけなかった。まるで虫けらのように死んだ。
仕事中、とつぜん白目を剥いてぶっ倒れ、全身を激しく痙攣させ、
体中の穴という穴から真っ黒な血を噴き出しながら、のた打ち回り、
耳を劈くような凄まじい悲鳴をあげ、そのまま息を引き取ったのだ。
五十嵐の死体のむごさは筆舌に尽くしがたかった。
髪の毛は殆ど抜け落ち、体の皮膚はところどころが腐って剥がれ落ち、
むき出しの肉からは腐った肉汁がダラダラと流れ、すさまじい悪臭を漂わせる・・・。
そんな凄いことになっちゃった五十嵐くんだが、つい十分前までニコニコと笑いながら仕事してたのである。
「自分は妖精と話せるんだよ。妖精たちが言うには、僕は近いうちに神として生まれ変わるんだってさ」
そんなたわ言をほざきながら。痛み止めのバーサーカーで完全にラリホーになりながら。
何というあっけない最期なのだろう。でももしかしたら、とっても幸せだったのかもしれない・・・。
・・・五十嵐知徳の死体は、ありとあらゆる毒物と放射能で汚染されていたため、数日間放置された。
その間にも彼の小太りの肉体は崩れ、腐肉は溶け出し、恐るべき悪臭を放ち続けている。
だが、トヨタ自動車(※という名前の架空の会社)側も、いつまでもラインを止めておくわけには行かない。
利益のためなら奴隷を使え、それがこの悪徳企業(※あくまでも架空の会社だけど)のモットーなのだ。
・・・さて、五十嵐の死体だが、危機管理の専門家たちが色々な委員会で会議を開き、その処分方法が検討された。
結局、湾上帝国大学医学部医学科教授、山之辺友厚教授の研究室が研究材料として買い取ることになった。
100グラムあたり2円、処理費用は買い手側負担、それが湾上トヨタ側が提示した条件であった。
山之辺は煙草を二本ばかし灰にし、数本の電話を掛けたのちにそれを了承した・・・だが・・・、
「・・・うっ、おええっ!」
殆ど原型をとどめないほどに腐りきった肉の塊を前に、研究員の一人、牧村忠則は思わず吐き気を催した。
手にしたガイガーカウンターの針は完全に振り切れている。凄まじい放射能だ。
五十嵐の腐った肉体からは高濃度のプルトニウム239すら検出されている。
そもそも、この五十嵐知徳なる男は何者なのだ?
"俺はDWWのかっこいい特殊部隊員なんだぜ"と世迷い事を言うオツムの弱いミリヲタ。
幼女アイドル絵梨ちゃん(※後に"エリナ"という名でグラビアアイドルデビューをした)のファンのロリコン。
実際はただの社会不適合者の落ちこぼれのワープア奴隷・・・。
何でこんな男が、ここまでもてはやされなければならないのか?
研究員たちは怖気を感じつつ、そんな疑問を抱く。
腐りきった五十嵐の体のあちこちには、瘤のように盛り上がった腫瘍がある。
山之辺教授によれば、これは特殊なバイオケミカル処置を施した新種のアンスラックスによるものだ。
胸から腹の辺りには、謎の巨大なカビがビッシリと生えている。
その先端にはそれぞれ胞子嚢が出来ており、胞子とともに紫色の瘴気を吐き出している。
これも山之辺教授曰く、「地球上のどのBC兵器よりも強烈」らしい・・・。
「・・・と、とにかく早く、地下の研究施設にこの腐った肉の塊を運ぶぞ・・・さあっ!」
牧村は研究員達に声を掛ける。
だが、研究員達の表情には戸惑いが浮かぶ。
そりゃ牧村だって嫌だ。
でも仕事は仕事なのだ。研究は研究なのだ。
シャベルのような道具で床にへばりついた液状の肉をこそげ取る。
掬い取るたびに、その半液状の物質はどろどろと溶け出し、床に流れ落ちる。
防護服を纏い完全に外気を遮断しているのだが、それでもその匂いが伝わってくるようだ。
その汚物を、彼らは黙々と運搬用の容器の中に流し込んでゆく。
悪夢のような作業だった。
胴体であった部分はまだ骨が残っており、腐った肉を貫き黄褐色の先端が突き出ている。
牧村がそこにシャベルを突き入れた瞬間だった。
膨張した腹が突然破れ、中からおぞましいハラワタが吹き出るように流れ出た・・・。
「・・・もうっ、もう嫌だ!俺、こんなの扱うのなんか絶対に嫌だっ!」
若手の研究員の一人が泣きながらへたり込んだ。
おそらく胃なのだろうか、袋状に膨張した臓器が弾け、中身が飛び散る。
さらに毒々しい無数の原色に染まったハラワタが、床一面に流れ出た。
それをみて、研究員は全員、悲鳴を上げた。
散らばった五十嵐のはらわた・・・そこには見たこともない芋虫がびっしりと蠢いていた。
それらは腐りきった肝臓や脾臓などを喰らい、薄気味悪いほどに丸々と太っている。
「凄まじいな・・・。」
普段は冷静な牧村も、この凄まじい惨状に思わず目を瞑った・・・。
・・・ところが、である。
「・・・ん、あれは何だ?」
牧村は、不思議なものに気づいた。
おぞましいほどに腐りきった五十嵐の死体。
その腐肉と腐汁と畸形の蟲たちの間に、奇妙なものを見つけたのだ。
それは、ちんこだった。
間違いなかった。腐ったはらわたの中から、勃起したちんこが隆起していたのだ。
短小で包茎、包まれた包皮の中から奇妙な亀頭を覗かせながら。
腐敗せずに、まるで生きているときと同じく、名残惜しそうに勃起をしていた・・・。
「・・・なんで生殖器だけ、腐敗せずに残ったんでしょうかね?」
同僚の研究員、村上洋二は不思議そうに尋ねた。
牧村は無言だった。そりゃそうだ、そんなの分かりようがない。
牧村の目の前で、その五十嵐知徳のちんこは、時折痙攣を繰り返す。
小さめなそのサイズながら、その逞しさに牧村は思わず唸った。
死してもなお、欲情を続けているのだ。
それほどに五十嵐は女に餓えていたのか?
確かに五十嵐は、モテる気配の無い男であった。
ロリコンでミリヲタ、五十嵐知徳という男を評すれば、たったこの二語で終わる。
それくらい退屈で何も無い男なのだ。
だが今、牧村たちの目の前で、死してもなお勃起し続けるちんこ・・・。
その凄まじい妄執、恐るべき執念・・・五十嵐知徳の魂は、未だ欲情を燃え上がらせているのだ・・・。
・・・牧村は、思わず目が潤んだ。
防護服ゴーグルで顔を覆っているため、流れ落ちる涙を拭うことができない。
他の研究員たちに涙を見られないよう、牧村は顔を背けた。
すると、どうしたことだろうか。
牧村の後ろにいた研究員たちが、両手を合わせている。
まるで祈りを捧げるように、目を閉じて。
「・・・神だ」
誰かがつぶやいた。
「・・・神が降臨なされたのだ」
別の誰かが、それに続く。
神? 何のことだ? ここに居るのは全員研究者じゃないか。
中世の狂信じみたオカルティズムを排し、近代的理性と論理をもって全てと対峙する科学の使徒であるはずだ。
それが安易に神という言葉を語り、神に祈りを捧げるとは・・・愚かではないのか?
そんな牧村の思いとは裏腹に、彼らのつぶやきは、いつしか祈りの詠唱へと変わってゆく・・・。
・・・そして牧村は見た。
五十嵐知徳の、その腐肉となった死体の中で、勃起したちんこが輝きだしているのを。
チェレンコフ光か? と牧村は思った。が、そうではなかった。
ちんこは、輝きながら痙攣している。
そしてそれは徐々に、ゆっくりだが徐々に大きく成長しているのだ。
まるで、腐った肉を滋養分のしているのかのように。
そんな光り輝くちんこを、研究員たちは祈り、崇めている。
詠唱の声はいつしか絶叫に近くなり、泣き出しているものもいる。
その声の呼応するように、五十嵐のちんこも振動する。
振動するたびにますますその大きさを増し、かつて勃起時12cmほどだった短小ちんこが、今や1mを越えている。
「・・・一体これは何だ! お前ら、そんな祈りは止めろ!」
牧村は叫ぶ。目の前のその光景は、彼の理解の範疇を完全に超越していた。
だが、研究員たちは祈りをやめない。それどころか、防護服を脱ぎさり、五十嵐のちんこを前に跪くものすらいる。
「防護服を脱ぐな! 放射能や菌に汚染されるぞ! やめろっ!」
牧村の必死の制止も虚しかった。
その間もちんこは更に巨大化し、その輝きをさらに増す。
そしてついに、その亀頭は天井にまで達した。
そのまま天井の板をメリメリと破壊し、突き破る。
「避難だっ! みんなもうダメだ! ここから出るんだ!」
牧村は命ずる。
だが誰もそれに応じる気配がない。中には全裸になり、踊り狂ってる者すらいる。
詠唱は歌となり、その歌は五十嵐のちんこの糧となり、そして・・・
「うわあーっ!」
五十嵐のちんこはついに天井を突き破った。
同時に建物は崩壊し、牧野を含め、そこに居た研究員全てを押しつぶしてしまった・・・。
・・・それは壮大な光景であった。
夜ともなれば東京湾のど真ん中に浮かぶ煌びやかな摩天楼。
10億ドルの輝きは海の水面に反射し、その壮麗な景観に更に彩りを添える。
そんな湾上都市のど真ん中に、恐ろしく肥大化した男根が聳え立っているのだ。
グロテスクなまでにリアルで、しかも仮性包茎。
見てるだけでイカ臭さがにおってくるような、そんな汚らしいちんこ。
それは五十嵐知徳のちんこだった。
湾上都市の摩天楼群の中から突き出たそれは、さらに逞しく成長している。
月明かりが輝く夜空に向かって、真っ直ぐ、一直線に。
だが、その根元は地獄絵図であった。
突如現れた巨大なちんぽは、湾上都市の町を破壊してゆく。
ビルはなぎ倒され、道路や橋は寸断され、石油コンビナートは爆破し、大地は地割れた。
人々は欲情の渦に飲み込まれ、老若男女が入り乱れて壮大な乱交パーティーの修羅場と化して行く。
追いも若きも、みな欲情でギラ付きながらその辺で交尾を始める。
そのまま破壊され行く町の瓦礫に押しつぶされ、巻き起こった竜巻に飲み込まれ、波にさらわれてゆく・・・。
・・・いつしか雲を突き抜け、その先端の陰茎亀頭が成層圏に達する。
大気圏を突き抜けた五十嵐のちんぽは、宇宙空間に到達した。
それは恐るべき光景であろう。
青く美しい地球から、五十嵐知徳の仮性包茎のちんぽが悠然と起立しているのだ。
そのおぞましさ、冒涜的な汚らわしさは、もはや筆舌に尽くしがたい。
地上に生き残っている人々は、その突如として現れた巨大なちんぽを、ただ唖然と見つめていた。
意味などまるでわからない。理解などまるでできない。ただただ驚愕しながら、立ちすくんで。
天高く聳え立つ五十嵐知徳の仮性包茎ちんぽ。
果たしてこれは、現代に現れたバベルの塔なのだろうか?
それとも、新たなる時代を向かえ、降臨した神の顕現なのであろうか?
ああっ!
・・・突然、五十嵐知徳のちんぽが激しく痙攣を始めた。
痙攣、と表現してよいものなのだろうか?
大地より天を貫く巨大なペニスが、何かを堪えるように揺れ動いたのだ。
その振動は、大地と空気を激しく揺らした。
赤黒いその肉の柱から、衝撃波と言うべき凄まじい振動が放たれたのだ。
その衝撃はもはや圧倒的であった。
それは世界に嵐を呼び起こした。台風なみの巨大竜巻を発生させた。
地殻そのものを揺すり、大地震を引き起こし、挙句に巨大な津波を引き起こした。
山脈は割れて崩れ、川は溢れ返り都市を押し流し、大海は荒れ狂った。
火山が噴火し、巨大な火炎弾が雨あられと都市に降り注ぎ町を破壊し、人々を焼き尽くした。
それでも五十嵐知徳のちんぽは、痙攣は止めない。
表面に浮き出た静脈は不気味なほどに脈打ち、膨張してゆく。
さらに膨張す五十嵐ちんこは、もはや破裂寸前だ。
天を貫かんばかりに、その仮性包茎ちんちんは激しく脈動する・・・。
「・・・な、何なんだあれは!」
湾上都市の外れ、更科区の河川敷で、ユウジは叫んだ。
真っ暗な夜空に突如現れた、巨大な、そして実に汚らしいちんこ。
辺りに突風と波が押し寄せ、遠く汐入区の石油コンビナートの辺りからは、巨大な炎が上がっている。
大地は揺らぎ、立っているのもつらいほどだ。
地面は方々で地割れを起こし、破裂した水道管からは水が溢れかえっている。
方々のビルは倒壊し、人々が押しつぶされる。
だが何故だろう、押しつぶされる人々はみな、老若男女入り乱れて激しく乱交セックスを繰り広げていた。
大波が押し寄せようと、突風が吹き荒もうと、大地が割れ、建物が倒壊しようと、彼らはセックスをやめない。
それどころか満面に笑みを浮かべ、詠唱の言葉を叫びながら、何度も何度も絶頂し、それでも腰を振り続ける。
一人の女学生は、数人の薄汚い浮浪者の男たちの口もヴァギナもアナルも塞がれ、中出しされている。
だが、さらに肉棒を求めようと女学生は次から次へと男のペニスを求める。
男たちもそんな女学生に次々と己の精液をぶっかけ、白い柔肌にペニスを擦り付ける。
むさ苦しい浮浪者たちのうめきと、女学生の喜びの声は、祈りの詠唱の中へと綴られてゆく。
中年のおっさんが老婆とセックスをしている。
しなびた乳房を露にしながら、老婆は中年の太鼓腹の下で数十年ぶりの絶頂感を味わっていた。
快楽の叫びはそのまま崇拝の言葉となり、祈りの詠唱へと連なる。
女教師は担当する男子生徒数人のペニスを何本もくわえ込み、その若きエキスを搾り出そうと奮闘している。
性欲過剰な年頃の男子生徒たちは、何度射精してもすぐさま勃起が回復し、再び女教師の乳房やヴァギナに放つ。
その法悦のあえぎは何時しか祈りとなり、神を求める言葉として紡がれてゆく。
聖クリトリス教団の教団本部ビル最上階では、フェアリーマザーがオナニーしていた。
本名:高橋マユミ・・・変な超能力を持つ中毒女は、巨大な張型をヴァギナにねじ込み、ぐりぐりかき回している。
もう何度も絶頂に達し大量の潮を吹いても、己の肉体の火照りが抑えられない。
「ああ、ユウジ! 私にぶち込んで!」その彼女の言葉すら、祈りとして昇華してゆく。
もはや地獄、いや天国。
湾上都市に住まう人間全てが、理性の仮面を脱ぎ捨てて本能の喜びを解放し、
その情欲の炎のながで悶え、叫び、そして昇天していく。
そして、その尽きることなきその快楽のヴァイヴは、五十嵐のちんこの振動と共鳴していた。
五十嵐のちんこが震えるたびに、数十万の男たちが射精する。
五十嵐のちんこが痺れるたびに、数十万の女たちが潮を噴き出し昇天する・・・。
「・・・あ、哀号」
ユウジに殴り飛ばされた独立共和連合の親衛隊員が苦しそうに唸る。
純度の悪いバーサーカーを満州連邦から密輸し、シマ荒らしをしてた朝鮮族のチンピラだ。
ユウジはハッとなった。
今、殴りつけていた朝鮮族のチンピラを見下ろす。
そいつは砕かれた鼻から血をダラダラ流していた。
へし折られた前歯の間から血泡を吹いていた。
そして制服のジッパーの間からはみ出た極小のペニスは・・・勃起していた。
己のペニスを右手で弄りながら、哀号、哀号と叫んでいるチンピラ。
ユウジにへし折られた指で、勃起してもなお小さいペニス握っている姿は・・・恐ろしく醜かった。
そして、そのチンピラは、ユウジのことを見ていた。
まるでユウジの美丈夫なその姿に欲情しているような、そんな目で。
「・・・こ、この野郎・・・」
生理的な嫌悪感が、ユウジの体を電撃のように駆け抜けた。
それはもう理性の範疇を超えた本能的な嫌悪感であり、抑えの効かない憤怒だった・・・。
・・・気づいたらユウジは、鉄パイプを振り回していた。
それを何度も何度も、目の前の汚らしいチンピラの頭蓋骨に叩き込んでいた。
打ち込むたびにその頭は形状を失い、柘榴のように潰れてゆく。
頭髪の生えた頭皮が剥け、その裂傷から頭蓋骨の骨片や黄褐色の脳組織がむき出しになる。
顔はもはや原型を失い、ズタズタになった顔面からは血がダラダラと流れ出す。
それでもユウジはやめなかった。
自分がコントロールできなくなっていた。
隣で別のチンピラを殴っていたマサアキが、あわててユウジを抑えようとする。
やめろユウジ、もう死んでる、と叫びながら。
だがユウジはやめなかった。
高杉を突き飛ばすと、今度はマサアキがぶん殴っていたチンピラの方に飛び掛っていった。
逃げようとするそいつの後頭部に鉄パイプを振り下ろし、それから何度もたたきつけた。
殴りつけるたびに飛び散る血や肉片が、端正なユウジの顔にこびりつく。
その顔は笑っていた・・・憤怒を通り越し、ついには躁的な狂気の世界にたどり着いた笑みだ。
ユウジの狂いっぷりに、同じ北市原フリーダムのメンバーたちが蒼然とする。
ここまでキレたやつだとは、彼らも知らなかったのだ。
もう、誰も止めるものは居なかった・・・。
・・・天を貫く五十嵐知徳のちんこ。
それはついに嵐を呼んだ。
突如沸き立った黒雲が、美しかった月の夜空を覆う。
そして怒涛のごとく激しい雨が降り出した。
血まみれとなったユウジは、その雨の中でもチンピラの虐殺をやめなかった。
もう5人目・・・チンピラの持参したマチェットを奪い取り、それでチンピラのボスを切り刻んでいる。
ザクッ、ガツッ、という肉と骨を断つ音が、激しい雨音の中でも不気味に響く。
そしてついに、そのチンピラのボスの首を、マチェットで切断した。
綺麗に切断するのではない、マチェットの刃でゴリゴリと千切りとるように。
フリーダムのメンバーたちは、そのユウジの姿を呆然と見守っている。
だが、先ほどと違うのは、彼らのユウジを見つめるまなざしが、憧憬と敬意に溢れていることだ。
感動のあまり泣いているものすらいる。
ユウジは彼らの方を振り返った。
顔は血まみれ、その血は激しく降る雨と入り混じり、ユウジの美しい首筋を伝う。
そしてその目は完全に見開かれていた。
薄いブラウンの瞳が、遠くコンビナートからの爆炎に照らされ、琥珀のようにきらめく。
それは澄み切った瞳だった。
気味悪いほどに。
ユウジはチンピラのボスの首を右手で頭上に高く掲げた。
散々殴りつけられ、何度も刻まれたその生首は、ほぼ原型をとどめていない。
だが、それは新生フリーダム誕生の旗印であった。
ここは俺たちの王国だ、俺たちはここの支配者なのだ。
ユウジの目は、他のメンバーたちにそう訴えていた。
敵の首を高らかに掲げるユウジ。
その背後には、天を貫く巨大な五十嵐知徳のちんこ・・・。
それはまさに王権神授であった。
「・・・うおおおーっ!」
ユウジ・・・本名、松沢ユウジは叫んだ。
言葉にならない叫びを。
それに呼応するかのように、他のメンバーたちも叫びだした。
その雄叫びは、血に染まる北市原の河原に響き渡った。
荒れ狂う風雨すら、その叫びを消し去ることはできなかった。
今、ここに新生フリーダムが誕生したのだ。
松沢ユウジをボスとする、狂気の集団が。
彼らは叫びながら手に武器を握った。
彼らの聖戦が、これから始まるのだ・・・。
・・・そんな酸鼻極まる下界の殺戮を睥睨するちんこ。
そんな酸鼻極まる光景をよそに、五十嵐知徳の仮性包茎ちんこはぐんぐんと伸びてゆく。
ついには月軌道を超えた。
亀頭は月面をかすめながら、それでも先を目指す。
金星を抜け、水星を通り過ぎ、太陽すら通り過ぎてゆく。
太陽の数万℃の灼熱すら、このちんこを押しとどめることができない。
長らく五十嵐知徳の亀頭を覆っていた包皮は、その熱で焼き消えた。
ついには完全にズル剥け、赤黒い亀頭が全て露わになる。
これほど壮大なスケールで行われた包茎手術など、かつてあっただろうか?
だが、充血した亀頭は灼熱の炎を受け、尚も怒張をやめない。
敏感な亀頭は太陽の熱を直に受け、神々しく輝きだした。
同時に尿道から、大量のカウパー氏腺液を滴らし始めた・・・。
・・・遥か彼方から地球を眺めた宇宙人がいたら、おそらく驚愕しているに違いない。
青く美しい地球から、下劣で汚らしい一本の巨大な包茎ちんこが大宇宙に向かって勃起しているのだから。
果たしてこのちんこは、どこに向かうのだろうか?
永遠の虚無が広がる深宇宙の果てに、このちんこを受け入れてくれるヴァギナがあるとでも言うのであろうか?
ああっ・・・!
・・・ついに宇宙が震えた。
地上では生きるもの全てが、神の降臨を祝福した。
全世界が、この巨大なちんこに祈りを捧げる。
その詠唱はさらにちんこを喜ばせる。
ちんこは激しく振動し、それが宇宙を揺すり、かき乱す。
ソドムとゴモラ・・・いや、ノアの洪水以来とも思える災害が世界各地で巻き起こる。
その滅びの嵐の中でも、人々は祈りをやめない。むしろ喜んで己を生贄に捧げる。
遠く南方の宇宙から、火炎の剣を携えた大天使ガブリエルが降臨した。
天空を切り裂く巨大な翼が海をなぎ払う。
人類がかつて経験したことのないタイタルウェーブを巻き起こる。
極星から舞い降りた蒼き馬に跨る髑髏の騎士は、手にした巨大な鎌で地上をなぎ払った。
堕落した魂たちが刈り取られ、黄泉へと送られた。
生きとし生ける者全てに、審判が下されたのだ・・・だが、それは祝祭であった。
祈りの全ては、己の死や滅亡すら歓迎する歓喜そのものだった。
そう、その全ては歓喜・・・悦びなのだ!
そして、ああそして!
・・・突然、振動が止まった。
そう、今まで天地を揺るがしていたあの脈動が、突然止んだのだ。
すべてが静寂に包まれる。
シンとした、空気すら動かないような、喩えようも無い沈黙。
それでもそれは浄暗の闇夜のような、静謐とした神聖。
全ての人々は待った。天国が現れるのを。
そしてついに、その瞬間は訪れたのだ・・・。
・・・硬直したちんぽが、再び大きく反応した。一度だけ大きく。
直後、膨張しきった亀頭の最先端から、大量の精液が吐き出された・・・。
・・・痙攣しながら精液を吐き出し続けるちんぽ。
ビクン、ビクンとときおり弾けるように、ちんぽは脈動する。
痺れながらもなおも、名残惜しげに精液を吐き出し続ける。
最後の一滴まで、残すことなく全てを搾り出すように。
五十嵐のちんこは、星々の明かりを受け、鈍く輝く。
その輝きの中から奔流となって吐き出される精液。
五十嵐知徳という男の、恨みと苦しみと苦悩の全てが、昇華されているのだ。
銀河宇宙を汚らしい精液で汚しながら。
どんな女性にも決して受け入れられない、ミリヲタでロリコンの醜男。
その男の人生の業の全てが、遥かなる大宇宙で希釈されてゆく。
大量の精液を受けてもなお、その無限の深遠は漆黒の帳に包まれたままであった。
その闇の奥に向かって、五十嵐の精液は流れてゆく。
永遠に・・・どこにもたどりつくことなく。孤独のまま、未来永劫。
無限の虚無のみが、五十嵐知徳のカルマを受け入れてくれたのだ。
五十嵐のちんこはなおも射精を続ける。
射精を終えるまで、実に5日間も掛かった。
それは五十嵐知徳という男の、最後の意地であったのかもしれない・・・。
・・・最後の一滴の精液を吐き出し終えた五十嵐のちんこ。
それはしばらくそのままの形を保ち続けた。
まるで死んだような静寂を保ちながら。
そしてゆっくりとちんこは萎縮していった。
膨張していた亀頭は緩み、肉茎は力を失ってゆく。
最後には、まるでもたれかかるように、大地に崩れ落ちた。
そしてその瓦礫の中から、五十嵐知徳は再び湾岸都市に降り立ったのである。(おわり)
199 :
東京都戦場市:2011/04/04(月) 18:11:42.33 ID:fZnwzftR
>>171続き
姉貴が言葉に詰まったのを見て、教授とやらが
ここぞとばかり上から目線で諭す様に語りかける。
「我々は世界に於ける日本及びアジア全体の有り方をめぐって
戦っているのだ。常に大局に目を向けて戦っているのだよ。
君も目先の事に捉われず大局を見る目を養う事だ。世界の為
そして君自身の為にも」余裕の捨て台詞で手を振り歩み去る。
その後ろ姿を見送りながら姉貴は力無くその場にヘタり込んだ。
200 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/05(火) 09:25:46.20 ID:ilxg8L5Y
エロ設定は全部無しッスカ?
・・・まだ、東京湾に湾上都市ができたころの話。
ここは汐見台地区にある汐見台第二小学校の5年4組。
その教室で、小学生だった五十嵐知徳くんは一心不乱にオナニーに励んでいた。
ズリネタはクラスメイトのエリナちゃん。
斜め前の席に座る彼女の、そのスカートから伸びる素敵な脚線美に五十嵐くんの目は釘付けだぁ!
今までに何度も、担任の加藤先生にオナニーを注意されたのだが、そこは五十嵐くんだ。
加藤先生の鬼のような目を巧みに盗んで、机の下でこそこそとオナニー・・・そのへんのテクはバッチシなんだぜ!
まだ完全に包皮に覆われたおちんちんを半ズボンの裾から引っ張り出し、汗ばんだ手で握り締める。
舐めるような視線でエリナちゃんの脚線美を睨みつけ、五十嵐くんは一心不乱の右手を上下させる。
五十嵐くんの頭の中では様々な妄想が駆け巡る。
五十嵐に組み伏せられ、おちんちんをねじ込まれたエリナちゃん。
五十嵐が腰を突き出すたびに、エリナちゃんは可愛らしい喘ぎ声を漏らす。
熱く濡れたエリカちゃんの蜜壺が五十嵐の茎に絡みつき・・・ああっ!
今はオナニーで我慢してやるけど、いつかエリナちゃんをどこかに連れ込んで・・・ウッシッシッ!
五十嵐くんは笑った。
笑いながらもオナニーの手は休めない。
だが、その笑い声がまずかった。
「・・・そこ、五十嵐っ! 何笑ってるんだ!」
突然、加藤先生が怒鳴った。
加藤先生に見つかってしまったのだ。
成績は最悪、授業態度も集中を欠く学習障害児。
隙あらば女児を眺めてエヘラエヘラとしている。
そんな出来の悪い生徒、それが五十嵐知徳だった。
そんな生徒を受け持たざるを得ない加藤先生の苦労もひとしおだろう・・・。
「・・・おい、五十嵐のやつ、おちんちん出していじくってるぜ!!」
クラスメイトの拓馬浩くんが五十嵐くんを指差し、大声でさけんだ。
その声にクラス中が五十嵐くんに注目する。
「・・・きゃあ!」
「・・・やだ、五十嵐くんきもーい!」
女子生徒たちが、悲鳴を上げる。
もう、教室中が大騒ぎ。
五十嵐くんの周囲に座っていた児童たちが、一斉に五十嵐くんから逃げ出す・・・。
・・・だが、五十嵐くんはオナニーを止められなかった。
十分に勃起しきったちんちんに、痺れるような快感が走り出していたからだ。
こんな素敵な快感を今すぐに止めろなんて、そんな殺生な!
・・・まわりから蔑むような視線が注がれる。
嫌悪、拒絶、憎悪、その他ありとあらゆるネガティブな目線が突き刺さる。
そんな視線を注ぐクラスメイトたちの中に、もちろんエリナちゃんもいた。
エリナちゃんは露骨に嫌そうな表情を浮かべている。
まるで気持ち悪い汚物をたまたま目にしてしまったかのような、そんな表情で。
そんな表情を浮かべるエリナちゃんを、ジッと見つめる五十嵐くん。
オナニーする右手は更に激しく上下運動を繰り出し、ちんこはますます硬度を増してゆく・・・。
・・・すると、エリナちゃんが五十嵐の視線に気づき、思わずキャッ! と悲鳴を上げた。
それに気づいた男子生徒たちが、エリナちゃんを守られるように後ろに引き下がらせた。
エリナちゃんの全身が嫌悪で震えている。
そりゃそうだ、自分がキモ男のズリネタにされてんだから・・・目の前で。
だが、そんなエリナちゃんの姿を見た五十嵐くん。
そんな姿のエリナちゃんでも超かわいい、と思った。
いや、むしろ嫌悪の表情を浮かべてる時のエリナちゃんこそ、一番美しいと・・・。
・・・もはやこいつ、立派な変態である。
エリナちゃんは後ろに下がった。
そこにいた友達の高橋まゆみちゃんとひそひそと何か話し始める。
五十嵐くんはなおもエリナちゃんを注視する。
その視線を避けるようにエリナちゃんは人影に隠れようとする。
そして、彼女の口元にある言葉が浮かんだのを、五十嵐くんは見逃さなかった。
エリナちゃんが口にした言葉・・・それは・・・
「超キモイ・・・」
ごもっともである。
が、その瞬間だった。
机の下でちんこを握る五十嵐くんの手に、力がこもった。
それはもう、意識的な動作ではなかった。
ちんこを握る右手はそのまま激しくラッシュを掛ける!
ああっ、エリナちゃん、そんな冷たい視線でボクを見つめないで。
いや、もっと見つめてくれエリナちゃん!
その氷のような視線で、もっとボクのことを蔑んでくれ!
「・・・ああっ! (ドピュッ!!)」
エリナちゃんの嫌悪の視線を感じながら、五十嵐くんは果てた。
情けない叫びとともに。
逞しく怒張した五十嵐のちんぽから、勢いよく精液が迸る。 それは至極の瞬間であった。
なにせ憧れのエリナちゃんの目の前で、ついに思い切り射精できたのだから。
五十嵐の表情は呆けたようにゆがむ。
「エリナちゃん・・・大好きだよぉ。」
五十嵐はそう呟きながら、なおもあふれ出る精液を、ちんぽの先から思い切り吐き出した・・・。
・・・だが。
その精液が、事もあろうにエリナちゃん・・・ではなく、
加藤先生の髭面に思いっきり降りかかってしまった。
一瞬、教室が静まり返る。明らかに空気が凍り付いている。
やばい、切れるぞ。そんなささやき声が僅かに聞こえる。
「・・・い、五十嵐・・・き、貴様ぁっ!」
加藤先生は体を震わせながら、五十嵐を睨みつける。
怒気を帯びた加藤先生の顔・・・そこにはたった今吐き出した五十嵐くんの汚らわしい精液が!
「ひいいっ!」
五十嵐はちんぽを丸出しにしながら、腰を抜かした。
そのままその場で座りしょんべんを漏らし始める始末。
そんな姿を見た他の生徒達が五十嵐くんを「変態!」「虫けら以下!」「サイテー!」と罵る。
もはや修羅場だった。
全身から殺気を発散する加藤先生が、阿修羅のごとき表情で五十嵐くんに向かってくる。
固く握られたその拳、そして火を噴きそうなその視線は、真っ直ぐ五十嵐くんをロックオン。
加藤先生、暴力はいけませんよ。教育委員会やマスコミが大騒ぎしますよ。
五十嵐くんは混乱する中、そんなことを泣き叫んでいたと思う。殆ど記憶に残らなかったのだが。
あふれ出る涙。恐怖のあまり震える体。
そして何故なのだろうか、再び勃起を始めるちんこ。
逃げようともがくも、もう逃げられない。蛇に睨まれた蛙のごとく、五十嵐くんは体がこわばっている。
目の前で、加藤先生のアイアンフィストが大きく振り上げられる。
その拳を、五十嵐くんは真っ直ぐに見上げた。
ああ、この拳がボクの顔面を打ち砕くんだな、
五十嵐くんはそう思った。そんな記憶がかすかにある。
その直後だった。
五十嵐くんは加藤先生のフルスイングのパンチで吹き飛ばされた。
体ごと吹き飛ばされた五十嵐くんは、ちんこ丸出しのまま、教室の壁に激突した。
壁で大きくバウンドし、五十嵐くんの体は一瞬、宙を舞う。
そのままゆっくりと、崩れ落ちてゆく五十嵐くん。
だが気絶する刹那だった。
大喜びして飛び上がるエリナちゃんのスカートの下から、あこがれのパンティーが見えた。
ほんの一瞬、だがそれで十分だった。
その瞬間的な映像を脳裏に焼き付けながら、五十嵐くんの意識はゆっくりと暗闇に包まれていく。
だが、五十嵐の顔は微笑んでいた。実に気持ち悪い笑顔で。
そして顔面が教室の床に叩きつけられる寸前。
もう一度、五十嵐くんは思い切り射精して果てた・・・。
本望だったのだろう・・・。
・・・その後、罰として五十嵐くんは職員室で折檻されることになった。
教師達に30分近く殴りつけられた五十嵐くんは、職員室の床の上に血まみれで倒れている。
何本もの骨がへし折れ、歯も砕け、全身、裂傷や打撲傷だらけ。
「エリナちゃん・・・助けてエリナちゃん」
もはや泣くこともできない五十嵐くんは、床の上で呻く。
そんな五十嵐くんを見下ろす鬼教師たち。
「エリナちゃん助けてだと? ・・・本人の目の前でズリネタにしてオナニーしてたくせにか?」
学年主任の鋤川先生はそう言うと、五十嵐くんの腹を思い切り蹴り上げた。
鋤川先生は空手部の顧問でもあり、都大会の常連だ。
その凄まじい蹴りの連続に、五十嵐くんの肉体が数十センチも宙に浮く。
「・・・ゲホッ!」
五十嵐くんは嘔吐した。
さっき食べた給食が、全て胃袋からあふれ出し、職員室の床に飛び散る。
床一面に散らばる嘔吐物・・・。
胃液交じりの、汚らしい吐瀉物が、聖なる職場であるこの職員室に散乱してゆく。
・・・すると、
それを見た教員たちの目付きが変わった。
今までとは比べ物にならないほどに。
「おう、コラ! 五十嵐。 てめえ、何てことしくさったんやっ!」
高村先生が五十嵐くんの顔面を蹴飛ばした。
まるでサッカー選手がフリーキックを蹴るように。
高村先生の足が五十嵐くんの顔面に炸裂した瞬間、
数本の乱杭歯が砕け、血とともに五十嵐くんの口から吹き飛んだ。
このままじゃ、殺されちゃう!
五十嵐くんもさすがに悟った。
いくら鈍い彼でも、ここまで激しく折檻されればさすがに気づく。
もう遅いって感じだけど。
床に倒れる五十嵐くんの周りを、教師たちが取り囲む。
憎悪と殺気、軽蔑と嫌悪・・・それに満ち溢れた視線が、血まみれで涙ぐむ五十嵐に注がれる。
「・・・おい五十嵐、テメエいい加減にしろよ。」
加藤先生が言う。冷え切った声で。
その目もまた、冷え切っていた。
もう、こんなクズなんて相手にしたくない、そんな気持ちなのだろう。
「うべぉっ?」
五十嵐くんは返事をしようとするが、言葉にならない。
歯を何本も砕かれ、口の中はズタズタ。ついでに貧弱なおつむも痛めつけられたせいだ。
教師たちは蔑むような視線を、五十嵐に注ぎ続ける。
加藤先生が再び口を開いた。
「まあ、とりあえず今日のところは、この床の汚いのを掃除したら許してやる」
床に散らばる五十嵐くんの吐瀉物。
まだ未消化のにんじんや鶏肉が、ペースト状の汚物に混じってるのが見える。
「・・・あ、ありがとうございます先生。すいませんでした」
五十嵐くんは声を上げて泣き出した。
もう二度と教室でオナニーしません、深く反省してます。
五十嵐くんの言葉に嘘はなかった・・・さすがに今回の拷問はきつかった。
その五十嵐くんの言葉を聞くでもなしに、教師たちはその場を離れた。
正直、こんな生徒なんてどうでもいいと思ってるのだ。
猿並みか、もしくは猿以下の知能しかないこんなクズ・・・進学実績とか何も関係ないし。
五十嵐は泣きながら起き上がった。
そして、すぐ傍にあった雑巾とバケツを取ろうとした。
だが五十嵐くんがバケツに手を掛けた瞬間、職員室の空気は凍り付いた。
雑巾とバケツを手に立ち上がろうとした五十嵐くん。
ふと、先生たち全員の視線が注がれていることに気づいた。
「・・・あ、あの? 何ですか?」
五十嵐くんはたずねる。
だが、誰も答えない。
その代わりに、川口先生がツカツカと歩みより、
いきなり五十嵐くんの顔面をフルスイングで殴りつけた。
「ふぎいっ!」
ブタの鳴き声みたいな悲鳴をあげ、床に倒れこむ五十嵐くん。
今度は一体なに?
何がいけなかったんだよ?
「お前何やってるんだよっ!・・・この雑巾とバケツは職員専用なんだよ!」
川口先生は怒鳴った。
「へ?」
五十嵐くんがそう返した瞬間、川口先生は再び五十嵐くんを殴りつける。
もう痛みと恐怖で何もわからない。
混乱する中、目の前にあったバケツと雑巾が取り上げられ、元の位置に戻された。
「・・・これはお前が食べた物だろ五十嵐。食べ物を粗末にしちゃいかんだろ」
加藤先生が笑いながらそう言う。
加藤先生はしゃがみこんで、五十嵐の血まみれの顔を覗き込む。
「ちゃんと食べて掃除するんだよ、五十嵐。わかったか? このオナニー野郎がっ!」
そう言って近くのパイプ椅子を掴むと、それで五十嵐くんを殴りつけた・・・。
・・・床の上の嘔吐物を泣きながら食べる五十嵐くん。
「モタモタすんなよコラ。次の授業が始まっちまうじゃんかよ」
教師たちが口々にそう言う。
そう言いながら先生たちはゲラゲラ笑っている。
笑いながら五十嵐くんを足蹴にしたり、腹を蹴り上げたりしてる。
どうやら楽しくて仕方が無いみたいだ。
・・・それと、実は美人揃いのこの小学校の女教師たち。
密かに五十嵐くんががオナニーのおかずにしていた美也子先生も大笑いしていた。
色香ムンムンの京子先生にいたっては、ピンヒールのかかとでのび太の尻を蹴り付け、唾を吐きかけてくれる。
気づくと五十嵐くんは勃起していた・・・。
・・・自分の嘔吐物を舌で掬い取りながら嚥下する五十嵐くん。
教師達はそんな五十嵐くんの姿を嘲笑いながら、次の授業のための準備を始めている。
ついさっき、京子先生が床に吐き捨てた唾があった。
五十嵐くんはそれを目ざとく見つけ、隙を見て素早くそれを舌で舐めとった。
その瞬間だった。
白ブリーフの中で勃起したおちんちんが思い切り射精した。
一瞬、快感のあまり腰を痙攣させる五十嵐くん。
発見されたか?と思ったが、教師達は気づかなかったようだ。
京子先生の唾は、歯槽膿漏の味がした。
早く歯医者さんに行ったほうがいいですよ、京子先生。
五十嵐くんは、心の中でそう呟き、ちょっと笑ってしまった。
そしてその笑い声を、加藤先生は逃さず聞きつけていた。
五十嵐くんがそれに気づいた瞬間、加藤先生の手にした金属バットが大きく振り下ろされた。
頭に凄まじい衝撃が走った。
そのまま五十嵐くんは失神した・・・。
test
聖クリトリス教団の戦士のみなさん! そして聖クリトリス教団のエスパー戦士のみなさん!
私、フェアリーマザーと共に最終戦争を戦いませんか?
みなさんの力が必要なんです!
聖クリトリス教団の光の戦士となって、私とともに悪魔王ポンペロン一族を倒しましょう!!
私は現在、女子高生ですが、これは世を忍ぶ仮の姿でしかありません。
私の正体は、古代アトランティスの王家の末裔、アトランティス王国の王女マハラーヤなのです。
え? 高橋マユミですって?誰ですそれ?私はフェアリーマザーですよ。
誰か別の人と勘違いしてませんかあなた。ふざけると教団本部に連行して生贄にしちゃいますよ。
お、おほん。ともかくです。みなさん聞いてください。
私は龍族の血を引くアトランティス王家の最後の生き残りとして、アトランティス王国の再興を目指しています。
だけど、この私の正体を周囲の愚衆たちに明かすわけにはゆかないのです。
古代アトランティス王国を滅ぼした悪魔王ポンペロン一族に見つかれば、私の命は危険に晒されるからです。
でも、このままだといずれ彼らに見つかってしまうでしょう。
ついこの間も、学校の進路指導で、教師を名乗る謎の中年男が、
「お前この成績でどうするんだ?来年受験なんだから偏差値37じゃどこにも行けないぞ」と言いました。
王女である私に対し無礼にも程があると思いました。
そもそも受験なんて王女である私には全く関係ないはずです。
もしかしたらこの中年の冴えない教師を通じて、ポンペロン一族の魔の手が私に迫ってるのかもしれません。
また母と名乗る平民の女も、「来年受験なのに漫画ばっかり読んでないの!」と言い、大切にしていた蔵書を全て捨て去りました。
そう、大切にしてた「翼を持つ者」「アリス学園」「スキップビート」など花とゆめコミックス全巻も捨てられたのです!
こんな暴挙、絶対に許せません。もしかしたらこの女も、ポンペロン一族によって洗脳されているのかもしれません。
アトランティス王国が再興された暁には、この女には凄い刑を科すつもりですが…。
とにかく、このままでは危険です。 そこで私はついに決意しました。
そうです、現在に残るアトランティスの戦士たちの末裔に呼びかけようと。
王女マラハーヤである私の下に、聖なるアトランティスの騎士団を再結集させ、この世に蔓延る悪と戦おうと!
そのために私は、この聖クリトリス教団を結成し、悪と戦う選ばれし戦士たちを募ったのです。
そしてここ、東京湾上特別行政都市に現代のアトランティック王国を築き上げようと思ってます。
永遠の愛に包まれた地上の天国を、この東京湾上特別行政都市に実現したいと願っているんです。
でも今のままでは世の中は穢れ、汚れ、堕落しきってます。
それもこれも全てあの悪魔王ポンペロン一族の陰謀なんです。
このままだとこの現代社会も破壊され、悪魔王ポンペロンによる暗黒の千年王国の支配が始まってしまうかもしれません。
現代社会に残るアトランティスの聖戦士の皆さん、私のところに集ってください!
龍族の方、エスパーの方、そして七色の光を帯びた聖なる戦士のみなさま、お待ちしてます!(了)
いい感じに発酵してきてるな
五十嵐くん
test
「すいません・・・食べ物を分けてもらえないでしょうか?」
五十嵐知徳は、目の前のアリさんたちに懇願した。
空腹のせいで眩暈がする。もう立っているのもやっとだ。
冬の寒さのせいで、体は芯まで凍えている。
今、ご飯を食べないと、死んでしまう、と五十嵐知徳は思った。
それと何か暖かいものをいただきたい、と。
「・・・お願いですアリさん。少しでいいんです。何か食べ物と、出来れば暖かい上着を一枚・・・」
アリさんたちが、困ったような表情で五十嵐を見返す。
今まで巣の中で、楽しくパーティーでもやっていたのだろうか。
アリさんの家の奥から、子供たちがキャッキャッとはしゃぐ声がする。
ドアの隙間からは、アリさんの家の中の暖気が、あふれ出る。
五十嵐のいる外とはえらい違いだ。
「おいおいどうしたんだい?」
奥の方から別のアリさんたちが声を掛けてきた。
「いやあ、あの・・・五十嵐さんが、食べ物を分けて欲しいって来てるんだけど・・・」
「五十嵐さん? 五十嵐さんて、あの五十嵐さんのことか?」
「そう、あの五十嵐さんさ。何か素寒貧で腹を空かせてるみたいだよ」
アリさんたちが話す声が聞こえる。
その声がどこか遠いところから聞こえてくるようだ。
もう、五十嵐は疲労と空腹で意識が朦朧としてきている。
早く、何でもいいから早く食べ物を!
五十嵐は倒れそうになりながら、必死にそう願った。
「・・・ダメダメ! そんな余裕はないよ! もう五十嵐さんには帰ってもらえよ」
「そうだよ、五十嵐さんは夏の間、ミリヲタ薀蓄語ったり、幼女ポルノ眺めてオナニーばっかしてたじゃないか!」
「そうそう、俺たちはその間、額に汗して一生懸命働いていたんだぞ!」
「オナニーばっかしてたミリヲタニートになんか用はないよ!」
絶望的な声が、アリさんの家の中から聞こえてくる。
五十嵐の目から涙が溢れた・・・。
・・・確かに五十嵐は、夏の間はずっとオナニーばかりしていた。
新人アイドル・エリナちゃんという凄い美少女のグラビアがそのズリネタだった。
妄想の世界では、五十嵐くんは特殊部隊のエリート隊員。
そんな五十嵐くんが戦場みたいなとこでカッコよく活躍し、エリナちゃんがそんな五十嵐にぞっこんになって・・・
そんでそんで、五十嵐くんすてき!私をどうにかして!ってエリナちゃんが抱きついてきて。
そんな妄想を抱きながら、きわどいポーズをとるエリナちゃんのグラビアでマスかいていたのだ。
東京マルイのガスガンとコンバットマガジンとバトルアクション系のラノベや漫画を抱えながら。
目の前でアリさんたちが、一生懸命働いていた。
最近、東京湾上特別行政都市の大徳寺区にある南六条大通り沿いにあるビルに会社を作ったらしい。
アリさんたちは販路拡大のためにフル回転で営業に走り回り、顧客を開拓している真っ最中だった。
そんなアリさんの働く姿を横目で見ながら、五十嵐くんは鼻でフッ、とバカにするように笑った。
バカじゃねえの、このクソ暑いってのにそんなに汗だくで働いててよ。
そうやって五十嵐くんはオナニーにふけり、美少女バトルアクションラノベとか読んで、
ダラダラと無駄な日々をすごしていた・・・。
・・・そして今、ついに冬が来てしまった。
気づいたら五十嵐くんは、もう見事に素寒貧になっていた。
夏のころからズリネタにし続けてきたエリナちゃんのグラビアも、五十嵐くんの体液でグチョグチョのパリパリ。
ゴミ箱をあさって生ゴミを食べたり、道に生えていたペンペン草を煮て食べたりして食いつないできた。
でももう、それも限界だった。
そうして今日、五十嵐くんはアリさんの家にやってきたのだ・・・。
「・・・お、お願いです。お礼に何でもしますから! 暖かい食べ物を恵んでください!」
五十嵐くんは最後の力を振り絞ってそう叫ぶと、膝をついて土下座をした。
もう形振り構っていられなかった。ここで何かを食べなきゃ死んでしまうのだ。
「頼みますアリさん! 今後は心を入れ替えてちゃんと働いたりしますから!」
五十嵐くんはついに、大声で泣き出した。
アリさんたちは困っていた。
そんなこと言われても、こっちだってようやく決算で黒字に乗せられたけど、正直余裕ないし。
銀行からの融資返済も結構きびしくて、正直こんなミリヲタのオナニー野郎を助けるほどこっちも恵まれてねーしさ。
すると・・・。
「・・・まあまあ皆の衆、そんなに邪険にせんでもよいではないか」
奥から貫禄のある声がした。
「しゃ、社長!」
アリさんたちは口々にそういうと、社長さんのために道を明けた。
社長アリはゆっくりとした歩調で、こちらに歩み寄ってくる。
「・・・困ったときはお互い様、というではないか。中に入ってもらいなさい」
社長アリさんは顔の満面の笑みを浮かべながら、周囲のアリさんたちにそう諭した。
だが、アリさんたちは頑として首を縦に振ろうとはしなかった。
「でも社長、この五十嵐って奴は我々の可愛い娘にいたずらをしようとしたりした酷いクズなんですよ?」
「そうですよ社長! こいつ自分は特殊部隊員だとか吹聴してて、ロクに仕事しようともしないし・・・」
「前にも女子高生のスカートの中を盗撮しようとして補導されたりしてて、どうしようもないクズなんです・・・」
「こんなロリコンのミリヲタオナニストを、どうしてわざわざ助けなきゃいけないんですか?」
アリさんたちは次から次へと五十嵐の過去の悪行を口にする。
その一つ一つが、五十嵐の心とプライドのグサグサとぶっ刺さる。
このままじゃヤバイ・・・このままじゃこの寒いお外に放り出されちゃう。
そして寒さに震えながら、腹を空かせて餓死してしまうよおおおお・・・。
「・・・おぬしらの気持ちはようわかった」
社長アリはアリさんたちの意見を全て聞いた後、一言そう言い放った。
「そこでじゃがの、皆の衆。一つワシのアイデアを聞いてほしいんじゃが・・・」
社長アリはそう言って、アリさんたちを集めた。
五十嵐くんとやら、ちょっとそこで待ってておくれや、と一言添えて。
アリさんたちは、ちょっと先の玄関ホールのところに集まって何やら相談を始めた。
社長アリが何かを言うたびに、何人かのアリさんが不満そうな表情をする。
一体なんの相談をしているのだろう、と五十嵐くんは訝った。
それよりも早くしてくれ、もう腹が減りすぎて死にそうなんだよ。
社長アリが、アリさんたちを何やら説得している。
先ほどまで反対していたアリさんたちが、今度は社長アリの言っていることに頷き始めた。
「それならばいいと思います」「最初からそう言っていただければ・・・」
そんな声が入り混じる。
そしてついに話し合いが終わった。
アリさんたちが一斉に、五十嵐くんの方に向き直った。
驚くべきことに、みんな笑顔を浮かべている。
「・・・いやあ、さっきは邪険にしてごめんよ、五十嵐くん」
「やっぱり困ったときには助け合わなきゃだめだよね」
「五十嵐くん、入りなよ。そして暖かい食べ物を召し上がれ」
アリさんたちは口々にそう言うと、五十嵐の手をとり、家の中に入るように誘った。
えっ?
五十嵐は驚愕した。
いきなり、アリさんたちの態度が急変している。
社長アリさんは、社長になるだけあって、立派な人格者なんだな。
こんなに困窮しているおいらを助けるよう、アリさんたちを説得して回るなんて・・・素敵。
「あ、ありがとうアリさん。このご恩は一生忘れません」
五十嵐くんは、泣き声交じりの声でそう言った。
「何、良いってことよ」
「そうだよ、助け合いの精神って大事だからさ」
アリさんたちは次々とそう答えた・・・。
・・・五十嵐くんの目の前には、見事なご馳走がならんだ。
「え? こ、こんなにいいんですか?」
五十嵐くんは運ばれる食べ物を見つめながら、アリさんたちに尋ねた。
「いいってことよ。それより腹が減ってるんだろ。早くお食べ!」
アリさんたちはみんな笑顔だ。
それも心が洗われるような、そんな素晴らしい笑顔。
五十嵐くんは再び泣き出した。
今まで生きてきて、こんなうれしいことは無かった。
人の善意、人の温かさ、というものが、こんなに素敵なものだったなんて。
そう思いながら、五十嵐くんは出されたご馳走をむしゃむしゃと食べ始めた。
美味い、美味すぎる! 空きっ腹にどんどんと流し込まれる素晴らしいご馳走の数々・・・。
・・・夢中でご馳走を食べる五十嵐くんの様子を、アリさんたちはジッと見つめていた。
もちろん顔には笑顔。
だが何故だろうか、その笑顔が恐ろしく見えるのは?
五十嵐くんは出される食べ物を遠慮なくどんどん喰らってゆく。
よほど腹が減っていたんだろう、凄い食欲だ。
それが最後の食事になるとも知らずに・・・。
「・・・ふう、たくさん食べた」
五十嵐くんは満足そうにため息をした。
「もういいのかい?五十嵐くん。」
アリさんはたずねる。
「いやもう結構です。こんな美味しい食事は久しぶりですよ」
五十嵐くんは笑った。
アリさんたちも笑った。
「ほら五十嵐くん、これ・・・」
アリさんは食後のコーヒーを五十嵐くんに差し出した。
五十嵐くんはそのコーヒーカップを手にとると、ズズズッとコーヒーを飲み干す。
「いやあ、食後の一杯は・・・中々、その・・・おい・・・美味しい、あ、あれ?」
五十嵐くんは急に眠気に襲われた。
無理も無い、今までずっと腹を空かせて放浪していたんだ。
疲れがたまっていたんだろうね。
眠りに落ちる寸前、五十嵐くんはアリさんたちが自分を見つめているのに気づいた。
みんな笑っている。目を爛々と輝かせて、嬉々とした表情を浮かべて。
その笑顔を見ながら、五十嵐くんは微笑み返した。
ありがとうアリさん、おいしい食事を本当にありがとう、と心でつぶやきながら。
そしてそのまま五十嵐くんは、テーブルに突っ伏して眠りに入った。
「・・・ようやく眠ったみたいだね」
「ああ、全く、遠慮せずにバクバクと食いまくりやがってさ」
「まあまあ、皆の衆、良いではないか」
社長アリが言う。
「彼は何でもお礼をしてくれる、って言ってたんだから、ちゃんとお礼をしてもらおうではないか」
社長アリさんがそういうと、アリさんたちは全員で高らかに笑った・・・。
・・・翌日の夜、アリさんたちは再びパーティーを開いた。
パーティーのメインディッシュは、そう。
五十嵐知徳くんだった。
五十嵐知徳くんが眠ったのち、アリさんたちは五十嵐くんを綺麗に解体した。
内臓を丁寧に引っ張り出し、モモ肉や胸肉を丁寧に仕分け、脳みそすらも余すところなく料理に利用した。
「久しぶりの大量だな、みんな」
コック担当のアリさんは、みんなの目の前で五十嵐の首を切り落としながらそう笑った。
コックが五十嵐の生首を掲げたとき、アリさんの家の中全体がワッ!と沸く。
そう、今日は久しぶりに人間の肉が食えるのだ。
夏中働いても決して食糧事情は楽ではない。
でも、人一人分の肉が、こうやって手に入ったのだ。
これでこの冬は、食べ物には事欠かない。
結構贅沢だってできるんだぜ!
アリさんたちは、五十嵐知徳の肉をたっぷりと味わい、
弱者をだまくらかして搾取することが資本主義の基本なんだな、ということを肝に銘じましたとさ。
めでたしめでたし。 (了)
216 :
東京都戦場市:2011/04/18(月) 18:29:05.15 ID:UNkwLo/V
>>199続き
教授とやらが去った後、姉貴はしばらくへたり込んでた。
俺は姉貴に声をかけたかったが何と言ってやれば良いのか
解らなかった。やがて姉貴がヨロヨロと立ち上がり、力無く
歩き始めた。俺は後をつけた。どう声をかけたら良いのか
解らないが、このまま放ってもおけなかった。
217 :
東京都戦場市:2011/04/18(月) 18:40:51.62 ID:UNkwLo/V
イメージはかなり先まで出来てるのに文章化しようとすると
どうも進まんなぁ・・・スケジュールの都合で、なかなか
ネカフェに来れないし、来ても予算の都合で長居は出来ないし。
引き続き幅広く投下作品を募集します!
大地震や核戦争で世界が滅ぶ事無く「北斗の拳」や
「バイオレンスジャック」的な世界になっている
イメージの世界観です。
218 :
名無しの青二才:2011/04/18(月) 19:28:14.54 ID:OLi7H5wj
シェアードにすれば?
まとめwikにまとめれば荒らしも少なくなるだろうし。
219 :
名無しの青二才:2011/04/18(月) 20:12:30.73 ID:OLi7H5wj
世界の主要都市は戦闘機で爆撃され壊滅状態。
瓦礫の上の機関銃座は残り後少しの弾薬を残し放置されていた。
ボロボロになったジープの運転手はこちらを見ながら見下した表情で見ている。
・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!
カッとなる衝動を抑えてゆっくりとこの数年のことを思い返す。
アメリカの南北分裂、第6次中東戦争、ヨーロッパ内戦。そして、東京都湾上市の抗争。
この数年間で世界は大きく転覆した。
主要国家は紛争内戦で壊滅状態。発展途上国は資源の奪い合いでボロボロ。
かつて世界に危険とみなされた国はこの惨状を高台から見下ろしている。
何でこんなことに…?
誰もが絶望し、誰もが希望を捨てて武器を持って戦いを挑んだ。
そして誰も助からず、誰も助けることはできなかった。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。
悪魔なんてものは存在しない。
「・・・バ〜カ! 悪魔はいるぜよっ!」
突然、地下教会の礼拝堂に不気味な声が響き渡った。
それとともに『湾上フリーダム戦隊』の面々を罵倒するような高笑いが続く。
「ど、どこだっ! スラムキングめっ!」
『正義の味方・湾上フリーダム戦隊』の隊長、山下信幸くんは怒鳴った。
ようやく悪魔軍団の魔人、スラムキング伯爵をここまで追い詰めたのだが・・・。
だが、山下くんの怒鳴り声にかぶせるように、スラムキングは笑い続ける。
可笑しくてたまらない、という感じで。
「で、出てこいっ! スラムキング!」「逃げるとは、卑怯だぞ!」
『湾上フリーダム戦隊』の隊員たちは口々に叫ぶ。
秋山君や山口さん、それに吉田くんも。
だが、スラムキングは笑うのをやめない。
どうやら完全にツボにはまったらしく、苦しそうにあえぎながら笑い続ける。
あひいっ! く、苦しいっ! わはははっ! てな感じで。
その笑い方は、『湾上フリーダム戦隊』の面々の怒りの炎を、更に煽った。
「いい加減にしろっ! スラムキングめっ!」
痺れを切らした高橋くんはついに、手にしたサブマシンガンを礼拝堂の祭壇に向かってぶっ放した。
ガガガガッという9oの軽快な連射音とともに、祭壇に飾られた聖母マリア像が砕ける。
そして、『湾岸フリーダム戦隊』の面々は見てしまったのだ。
その聖母マリア像の中から、出てきたものを。
血まみれになって息絶えた、正義のヒーロー・バイオレンスジャックの死体を。
砕けた大理石の破片に塗れたバイオレンスジャックの巨体は、そのまま祭壇の台に崩れ落ちた。
筋肉の塊だったその体は、今や見るも無残に切り裂かれ、殆どひき肉といって良いほどにつぶされている。
両目にはダガーナイフが突き立てられ、両耳には焼き火箸が突き立てられ、
鼻の穴には鉛筆が突き立てられ、口の中には巨大なバイブレーターが突っ込まれ、
右手と左手は丁寧に蝶々結びにされ、右足と左足は強引にねじ掛け結びにされ、
ちんこは切り取られて、自身の肛門に突っ込まれていた。
なんとも痛ましい、なんとも凄まじい死に方・・・。
「・・・えっ?」
初めは戸惑いだった。目の前のその死体を見ても、困惑するしかなかった。
それはそうであろう、この無残な死体を見て、これがバイオレンスジャックだとは俄かに信じられない。
それほどまでにその死体は、無残に汚されていた。
もうそれは冒涜的なまでに・・・まさに、悪魔の実在を証明するかのように。
「おっと〜、見つけちゃったかぁ〜」
スラムキングはおどけたような声で言う。そして再び笑い出した。
「まさか、まさかこれ、ジャックなのか!」
隊長の山下くんは、そう叫ぶと死体に駆け寄った。隊員たちも次々と山下くんに続く。
山下くんは、バイオレンスジャックのその頭を抱きかかえる。
間違いない、それはあの正義の味方・バイオレンスジャックその人だった。
山下くんの腕のなかのそれは、かつての荒々しさを残しながらも、無念な表情を浮かべていた。
徹底的に辱められ、ありとあらゆる苦痛を与えられて殺害されたジャック・・・無念だったろう。
林原くんや、中村さんが嗚咽を始めた。
それに釣られるように、隊員たちは次から次へと泣き始める。
もう、誰も涙を抑えることなどできなかった・・・。
・・・バイオレンスジャックは、この世紀末世界となった東京湾上特別行政都市に現れた世紀末救世主だったのだ。
絶望と、恐怖に支配されるこの都会の荒野で、『湾上フリーダム戦隊』と共に戦ってきたのだ。
この正義なき地に、再び正義と希望をもたらそうと。
そして再び、あの平和な東京湾上特別行政都市を復興させようと・・・。
そう、正義のヒーロー・バイオレンスジャックがいたからこそ、『湾上フリーダム戦隊』は今まで戦ってこれたのだ。
なのに、なのにっ!
「ははははっ! そうさ湾上フリーダム戦隊の諸君! バイオレンスジャックは死んだのだよ!」
ふはははっ!と再び高らかに笑うスラムキング。
その声はまるで全ての勝利を確信したかのような、喜びに溢れている。
その笑いは、『湾岸フリーダム戦隊』のメンバーたちの、絶望を掻き立てた。
「う、嘘だっ! バイオレンスジャックが死んだなんて、嘘だっ!」
山下くんは立ち上がると、姿無き声に向かって怒鳴り返した。
だが、それに応えたのは、遠ざかってゆくスラムキングの笑い声だった。
メンバーみんなが泣いている。
正義のヒーロー・バイオレンスジャックを失った悲しみと、正義が挫けてしまった悔しさで。
バイオレンスジャックのその巨体を取り囲み、彼らは延々と泣き続ける。
その声は悲しげに地下教会の礼拝堂の中に響いた・・・。
・・・だが、この中で一人だけ、バイオレンスジャックの死体の傍に駆け寄らなかったメンバーが居た。
ジャックの巨体に寄り添うようにして泣き崩れるメンバーたちから、少し離れた場所で立ちすくんでいるメンバー・・・、
それは田村和義くんだった。
田村くんは、泣き崩れるメンバーたちを見つめながら、黙り込んでいる。
なぜであろうか、田村くんのその目には涙ではなく、後悔の色が浮かんでいる。
「ど、どうしよう。 ボクの裏切りのせいで、バイオレンスジャックが・・・」
田村くんはそうつぶやくと、そのままうつむいてしまった。
この正義の戦隊『湾上フリーダム戦隊』の中で、一番目立たなかった存在、それが田村くんだ。
いつも他のメンバーたちにコンプレックスを抱き、劣等感に苛まれていた日々。
そう、田村くんは、ついつい悪魔王サタンの誘いに乗ってしまったのだ・・・。
「・・・童貞を捨ててみないかい? 田村くん」
悪魔王サタンは、田村くんに向かってそう言い、微笑んだ。
その微笑みに、田村くんは凍り付いてしまった。
そりゃそうだろう、そのとき田村くんは、自分のお部屋で下半身丸出しだったのだから。
最近売り出し中のグラビアアイドル、エリナちゃんのきわどい写真を眺めてオナニーの真っ最中だったのだから。
そんな田村くんの姿を見て、悪魔王サタンはちょっとおかしそうに笑った。
そして実に洗練された丁寧な物腰で、君を侮辱するつもりはないんだよ、と一言付け加えて。
しかし素晴らしいことに、その間も田村くんのちんこは隆々と勃起したままであった。
これには悪魔王サタンもさすがに驚嘆してしまった。
一方田村くんは相変わらず硬直したままだった。
田村くん自身も、田村くんの股間の頑張り屋さんの方も。
どうしてよいのか、とっさに考えが浮かばなかった。
もちろん羞恥心はある。
そりゃそうだろう、オナニーの現場を発見されて恥ずかしがらないやつはいない。
だが、それ以上に、田村くんは恐怖心に襲われていた。
なにせ正義の戦隊『湾上フリーダム戦隊』の仇敵、悪魔王サタンが目の前に居るのだ。
なのに自分のおちんちんは痛いほどギンギンに勃起したまま。
どうしたことだろうか、混乱でちんこの回路がぶっこわれてしまったとでもいうのか・・・。
「まあ、とっても逞しいのね・・・うふっ!」
突然、女の声がした。同時に悪魔王サタンの背後から、一人の女が出現したのだ。
網タイツに包まれたスラリと長い脚線美。切れ切れのハイレグはクレヴァスに食い込む。
くびれた腰つきからヒップへと続く見事な曲線。紐ビギニで締め付けられ窮屈そうなメロンのような乳房。
端正で妖しげな美女がそこに居た。
熱のこもった視線で、田村くんの股間から堂々と起立するおちんちんを見つめている。
悪魔王サタン率いる悪魔軍団きっての美女・・・キャットウーマンであった。
この世のありとあらゆるセクシーを体言したようなインキュバス。
欲求不満の男たちが夢みる究極のセクシーレディ。
それが今、田村くんのお勉強部屋に!
「えっ・・・う、ああっ」
田村くんは唸った。
羞恥と、それとキャットウーマンのセクシービームな視線の強さに圧倒される。
肛門が思わずキュッ!と閉まるような緊張が、全身に走った。
その様子を、キャットウーマンは可笑しそうに見つめる。
妖艶な微笑みが僅かに崩れ、肉感的な唇にちょっと吊り上げて。
キャットウーマンは、田村くんを注視しながら、ゆっくりと歩み寄った。
腰をわざと揺らしながら、モモとモモをすり合わせるような独特のモンローウォークで。
そして田村くんの肩に手を置き、その場にしゃがんだ。
「大丈夫よ、田村くん。そんなに緊張しなくても・・・」
耳元でキャットウーマンがそうささやく。艶かしい、誘うような声で。
さらにキャットウーマンは、田村くんの前腕に手を乗せ、それをゆっくりと撫でる。優しく、じらすように。
「ねえ、田村君・・・お姉さんがいっぱい、教えてあげる」
言い終わらないうちに、キャットウーマンの指は田村くんのペニスを的確に捉えた。
キャットウーマンの指がペニスに触れた瞬間、
「あっ」
田村くんは思わずあえぎ、腰を引いた。もはや射精寸前であった。
ゆっくりと、優しく、それでいて巧みに田村くんのちんこを刺激する。
既にカウパー氏腺液で溢れる尿道を、人差し指でちくちくと刺激する。
手のひらの皮膚が亀頭のヘリを巧みに擦りあげる。
もう限界であった。
「あ、ああっ!!」
ちょっとな情けない声を上げ、田村くんは絶頂に達した。
と、同時にキャットウーマンは、田村くんのちんこを素早く口に咥えた。
吹き出す田村くんの精液を逃すまいと、丁寧にバキュームする。
キャットウーマンに咥えられながら、田村くんはなおも精液を吐き出し続ける。
それを全てキャットウーマンは口で受け、喉を鳴らしながら飲み込んでゆく・・・たまらない。
大量に射精した田村くんが、息も絶え絶えにぐったりと椅子にもたれた。
それでもキャットウーマンの口は田村くんを咥えたままだった。
そのまま舌を這わせて、田村くんの勃起を促す。そのテクの巧みなことと言ったら・・・。
一分もしないうちに、田村くんは再びフル勃起してしまった。
「まあ、逞しいのね、田村くん・・・うふっ!」
キャットウーマンは田村くんのちんこに頬ずりしながらそう言い、微笑んだ・・・。
・・・それから数時間後。
田村くんとキャットウーマンは、ベッドの上で絡み合っていた。
既に幾度も精を放っている。だが、芯から湧き出る欲情に果てはなかった。
田村くんが求めるたびにキャットウーマンはそれに応える。
その若く、逞しいエネルギーに、キャットウーマンも本気で感じてきているようであった。
田村くんが上り詰めると同時に、キャットウーマンも熱い迸りを放つ。
精液と愛液の入り混じったものが、ベッドのシーツを湿らせてゆく。
その様子を、悪魔王サタンはジッと見つめていた。その顔には満面の笑みが浮かんでいる。
これで、あの目障りなバイオレンスジャックを斃す手はずが整ったのだ。
これが笑わずにいられるかってんだ・・・。
「・・・あの夜に、あんなことがあったせいで」
そのせいでバイオレンスジャックは死んでしまったのだ。
田村くんの裏切りのせいで。
その思いが、田村くんの心に鋭く突き刺さる。
こんな馬鹿げたことで、この荒廃する世界に灯った希望の炎を消し去ってしまったなんて・・・。
「・・・くそっ! 弔い合戦だ!」
「そうだそうだ! バイオレンスジャックの仇は、俺たちの手で討つ!」
『湾上フリーダム戦隊』のメンバーたちが、次々とそう叫ぶ。
「悲しみに暮れているだけではダメだ。ここから一歩、歩みだすんだ!」
彼らは口々にそう叫び、己を鼓舞している。
みんな、心が折れそうなのを必死で堪えている。
絶望的なこの状況の中で、それでもバイオレンスジャックのために戦おうと、自らを励ましている。
なんて健気なんだろうか。
そんなメンバーたちの姿が、田村くんを更に苦しめた。
そして「ごめんよ」と心の中で何度もつぶやく・・・。
「・・・ねえ、どうしたの?」
うつむく田村くんに、声を掛ける者がいた。
田村くんはその声に、思わず顔を上げる。
目の前にいたのは、『湾上フリーダム戦隊』の副隊長、真由美ちゃんだった。
真由美ちゃんは、この『湾上フリーダム戦隊』の副隊長にして、アイドル的存在である。
抜群の美人で、成績優秀、品行方正で非の打ち所がない抜群の女の子だ。
さらに正義感も強く、隊長の山下くんと共に隊を引っ張ってゆく頼りがいのある存在。
もちろん田村くんも、この真由美ちゃんに密かに思いを寄せている。かなわぬ恋、と知りつつも。
噂では隊長の山下とは幼馴染であり、付き合っているとか。くやしいけれど、確かにお似合いではある。
正直、隊のお荷物みたいな田村くんとは、レベルが違うっていうか・・・。
「え、・・・う、ああっ」
真っ直ぐに田村くんを見つめる真由美ちゃんの双眸。
その澄んだ瞳に、思わず田村くんはたじろいだ。
「田村くん、さっきから様子が変だから・・・」
真由美ちゃんは、優しい声でそう言う。
その声が優しげであればあるほど、田村くんの心に痛みが走る。
田村くんは顔を背けてしまった。
真由美ちゃんに合わせる顔などなかった・・・。
すでにあの夜以来、幾度もキャットウーマンとまぐわっている田村くん。
性の喜びを快楽の渦に溺れ、どんどん穢れてゆく自分。
そんな穢れてしまった自分が、どんな顔して真由美ちゃんと向き合うべきなのか。
自分のせいで正義のヒーロー・バイオレンスジャックは死に、『湾上フリーダム戦隊』は危機に瀕しているというのに・・・。
・・・だが突然、真由美ちゃんは耳を疑うようなことを言った。
「・・・ねえ田村くん。田村くんも、悪魔王サタンさまに忠誠を誓ったんでしょ?」
唐突に、真由美ちゃんの口から、あの悪魔王サタンの名が出たのだ。
へ?
田村くんは耳を疑った。
驚愕のあまり、ほんの数秒、完全に思考が停止してしまう。
鼓膜で捕らえた真由美ちゃんの言葉を、脳が理解を拒絶している。
一瞬、自分がやってしまった裏切りがばれた、と思った。
悪魔王サタン? 忠誠を誓った? 田村くん「も」?
どういうこと?
田村くんは、真由美ちゃんの方へ向き直った。
真由美ちゃんは、微笑みを浮かべながら田村くんを見つめていた・・・相変わらず澄んだ瞳で。
言葉が浮かばなかった。何を言ってよいのか、全く思い浮かばなかった。
ただ唖然としたまま、田村くんは真由美ちゃんを見返していた。
そんな田村くんに向かって、真由美ちゃんが再び口を開いた。
「実はね、田村くん。私もなの」
私も? 私も、何だって? 真由美ちゃん。
真由美ちゃんはもう一度微笑みを浮かべる。
「私もね、悪魔王サタンさまに忠誠を誓ってるのよ、田村くん」
そう語る真由美ちゃんの瞳は、澄み切っていた。
ブラウスの胸元に手をやり、胸の第一ボタンと第二ボタンを外す。
そこから生白い、美しい肌がのぞく。年頃の娘の、きめの細かな肌が。
そして田村くんは見たのだ。
そこにあの、悪魔王サタンが刻んだ悪魔の紋章を。
田村くんのおちんちんんも刻まれたあの、”666”という悪魔の刻印を。
「ね?」
真由美ちゃんは、胸元の悪魔の紋章を見せながらそう微笑んだ。
整った美しい顔立ちで微笑むその顔は、まるで天使のようだ。
だが、その純粋すぎる真由美ちゃんの瞳の色が、田村くんの怖気を誘った。
美しく輝く双眸に浮かんでいるのは純粋な・・・悪。
紛れもない純粋な狂気が、そこにあったのだ・・・。
「・・・ねえ、田村くん。今って結構チャンスじゃない?」
呆気にとられて立ちすくむ田村くんに、真由美ちゃんは言う。
相変わらず無邪気な、天使の微笑みを浮かべながら。
「え、・・・チャンスって?」
そう返すのが精一杯であった。
「だって、メンバーのバカ共は、今、冷静さを失ってるわ。油断してる今が皆殺しにするチャンスよ」
信じられないことを言いながら、真由美ちゃんは背負っていたナップザック(※隊の備品)をおろす。
ジッパーを開け、中身をごそごそと探り、田村くんにそれを見せた。
そこには、UZIサブマシンガンが二丁、その弾倉が十数本。
それとパイナップル手榴弾が十個以上入っていた。
「これで全員、ぶっ殺しちゃいましょ、田村くん?」
無邪気なその笑顔・・・可愛らしく、美しい真由美ちゃんの笑顔。
その笑顔に、田村くんは戦慄する・・・。
「・・・おい、田村!」
突然、沈黙を切り裂くような大声が響いた。田村くんは、その声の方に振り返る。
声の主は『湾岸フリーダム戦隊』の隊長、山下くんだった。
少しイラついた表情を浮かべ、田村くんの方に向かってズカズカと歩いてくる。
「何をモタモタしてんだよ田村。これから地下迷宮に踏み込むってのに」
しまった、と田村くんは動揺する。
足元には、真由美ちゃんのナップザックが口を開いたまま置いてある。
隊の備品とは違うUZIサブマシンガンやパイナップル型手榴弾など、山下くんに見つかったら・・・。
裏切りが、バレてしまうかも。
「バイオレンスジャックの弔い合戦だぞ田村。いつもみたいにモタモタすんじゃねーよ」
山下くんはそう言うと、真由美ちゃんの横に立った。
そのまま、田村くんを睨みつけ、真由美ちゃんの肩を抱き寄せる。
真由美は俺の女なんだぞ、といわんばかりの態度だ。
「とにかく、今すぐ出発するからな。地下迷宮のどこかにスラムキングが潜んでるはずだからよっ!」
スラムキングが潜んでるって根拠は何? と一瞬田村くんは思う。
だが、それどころではない。今、足元のブツを見つかってしまったら・・・。
「ん? 何だこれ」
しまった。
山下くんは真由美ちゃんのナップザックを目ざとく見つけ、しゃがみ込んだ。
田村くんは口の中にたまった唾を、ゴクリと飲み込んだ。
「え、あれ? こ、これってUZIサブマシンガン?」
見つかった。
「何だよこれ、真由美ちゃん? これって『湾上フリーダム戦隊』の標準装備じゃないよね・・・」
山下くんが立ち上がろうとした、その瞬間だった。
真由美ちゃんが動いた。まるで舞うように。一瞬、ギラリと銀色の輝きが視界をよぎった。
真由美ちゃんの長い黒髪が、パッと乱れる。少し短めのプリーツスカートの裾が、ふわりと揺らぐ。
そしてそのギラリとした刃が、山下くんの太ももに、グサリと突き刺さった・・・。
「・・・うぎゃーっ!」
地下教会の礼拝堂に、山下くんの悲鳴が響き渡った。
「うぜえんだよっ! このブタがあっ!」
今度は真由美ちゃんの叫び声であった。
普段の真由美ちゃんからは想像も付かないような、獣の雄叫びのような声。
うずくまる山下くんの体を、真由美ちゃんは思い切り蹴り上げる。その細く、美しい足で。
山下くんの頭が、サッカーボールのように蹴上げられ、そのまま地面に叩きつけられる・・・。
・・・真由美ちゃんの動きは素早かった。
山下くんが床に倒れ伏すころには、ナップザックから銃を取り出して素早く田村くんに投げ渡す。
田村くんが銃を受け取ったころには、すでに真由美ちゃんは自分の銃を構え、セーフティを外していた。
メンバーみんながこっちを見ていた。呆気にとられたような表情で。
おそらくは事態を理解していないのであろう。
そりゃそうだ、まさか副隊長の真由美ちゃんが裏切り者だなんて、誰も思わないもんな。
全ての動きがスローモーションのように映る。
その中で、真由美ちゃんのサブマシンガンの銃口から、発射炎が眩しく煌く。
田村くんも、夢中でセーフティーレバーを動かした。
コッキングレバーを操作し、初段をチェンバーに送り込む。
目の前で、『湾上フリーダム戦隊』のメンバーたちが、血しぶきを上げていた。
真由美ちゃんの放った銃弾を喰らい、体をくの字に折り曲げて倒れてゆく。
田村くんは叫んでいた。叫びながら銃口をメンバーたちに向け、トリガーを引く。
タタタッ!という軽い衝撃が、腕に伝わった。それとともにマズルから、オレンジ色の発射炎が吹き出す。
事態を把握したのだろうか?幹部メンバーの高橋くんが、こちらに飛びかかってくる。
田村くんは高橋くんに銃口を向けた。同時に高橋くんの胴体が引きちぎれ、崩れるように床に倒れる。
逃げようとする渡辺さんの後姿が見えた。かつて田村くんのことを「どん臭い」とあざ笑った女だ。
田村くんは思わずニヤリと笑い、渡辺さんに向けて弾丸をぶっ放した。
渡辺さんは走りながら宙に浮き、体のあちこちから血を吹き出した。
そのまま床に叩きつけられ、数回転がる。めくれたスカートから、太いモモが露になる。
それがちょっと卑猥だな、と田村くんは思った。
ふと、田村くんは真由美ちゃんの方を見た。
そこには夢中でサブマシンガンをぶっ放す真由美ちゃんの姿があった。
阿鼻叫喚の地獄が繰り広げられるこの地下教会礼拝堂の中で、彼女は悪魔の微笑みを浮かべていた。
美しい顔を、狂気と悪意で歪めながら。
その横顔に、田村くんは引き込まれてしまった。
血まみれの悪鬼のような真由美ちゃんの横顔は・・・もはや喩えようもないほどに、美しかった。
・・・気づくと田村くんも叫んでいた。
絶叫しながら、かつての仲間たちをブチ殺して回っていた。
時折、弾倉を交換しながら、逃げ惑うメンバーたちを一人ひとり、確実にしとめて回った。
泣き叫び、命乞いをするかつての仲間たち。
そんな彼らを嘲りながら、遠慮なく銃弾をぶち込む。
教会のオルガンの陰に逃げた連中に向けて、手榴弾を投げ込んでやった。
爆発と同時に、瓦礫と引きちぎれた手足が四散する。
ざまあみろ、と毒づきながら、田村くんは大声で笑った。
礼拝堂の床は、一面に血と内臓が撒き散らされている。
メンバーたちの悲鳴と血の匂いが、田村くんを更に昂ぶらせてゆく。
最高だ。
マジで最高だぜ・・・。
殺戮しまくればしまくるほど、己の中で何かが目覚めた気がした。
今までの鬱屈していた自分が嘘であるかのように、全身に力がみなぎる。
ああ、俺は生きているんだな、という実感が、激しい衝動とともにわきあがる・・・。
「俺は神だ。いや違う。俺は、悪魔だ!」
田村くんはそう叫んでいた・・・。
「・・・な、何で? ねえ真由美ちゃん」
山下くんが、弱々しくつぶやく。まだ生きていたようだ。
だがすでに右腕は吹き飛び、破れた腹から内臓が溢れ出ていた。
「ねえ、真由美ちゃんどうして? 俺は真由美ちゃんのこと、マジで愛してたのに・・・」
その声も、もう弱々しかった。
かつて隊長として『正義の味方・湾上フリーダム戦隊』を率いていた雄姿は、その面影も無かった。
その山下くんの呟きに、真由美ちゃんはピクッと反応した。
山下くんの方に振り向くと、そのまま早足でツカツカと歩み寄り、しゃがみこむ。
「・・・ごめんなさいね山下隊長。私ね、あなたなんて全然好きじゃなかったのよ」
真由美ちゃんは少し憐憫の表情を浮かべ、そう言う。
その言葉に、山下くんは泣き始めた。
愛する女性から告げられた、絶望的な言葉。
そんな山下くんの様子を見下ろしながら、真由美ちゃんはクスリと笑った。
「あのね隊長。私、『湾岸フリーダム戦隊』の活動資金を結構な金額、横領してたのよね」
さめざめと泣く山下くんに向かって真由美ちゃんは言う。
その声はどこか楽しそうだ。
「だからね隊長、副隊長になれば、そういう証拠消せるしさ、丁度よかったのよ。」
あはははっ! と真由美ちゃんは笑った。
笑うと同時に真由美ちゃんは立ち上がる。
そしてUZIサブマシンガンの弾倉を交換すると、その弾丸30発を躊躇することなく、全て山下くんにぶち込んだ。
山下くんの肉体は、一瞬にしてミンチになった・・・。
・・・全てが終わった。
田村くんはそれでもなお、地下教会礼拝堂の中を歩き回っていた。
歩き回りながら、まだ息のある者を見つけ出し、そいつに引導を渡してやる。
これって優しさじゃね? と、田村くんはちょっと重い、クスリと笑った。
しかし千切れた手足や内臓が邪魔で歩きにくいな、とブツブツ文句を言いながら。
すると・・・、
「・・・ねえ、あなた。中々やるじゃない」
と、突然背後から声がした。
その声が終わらぬ内に、田村くんは素早く振り返る。
まだ生き残りがいるのか、と警戒しながら、銃を向けて。
だが、そこにいたのは、真由美ちゃんだった。
一糸纏わぬ、美しい姿で。
田村くんの方を見つめながら、微笑んでいた。
血まみれのその裸体は、まるで美の化身のようだ。
神々しいまでの美しさが、そこにあった・・・。
・・・百人近い『湾上フリーダム戦隊』のメンバーたちの死体が散乱する、この地下教会礼拝堂。
血と肉の満ち溢れる礼拝堂の置くの、祭壇の上で、
田村くんと真由美ちゃんは、激しく交わっている。
透き通るように白く艶やかな真由美ちゃんの素肌。
その素肌に己の欲情の全てをぶつけるように、田村くんは真由美ちゃんを激しく愛撫する。
田村くんは、己のペニスを真由美ちゃんの蜜壷へと突き出す。
熱く濡れるそのヴァギナの、敏感な粘膜が田村くんのペニスにからみつく。
「ああっ! す、凄い! も、もうイっちゃう!」
真由美ちゃんは、田村くんの腕の中でうめく。
快感に身を打ち震えさせながら、それでもなお田村くんのペニスを求めて。
「俺もだよ、真由美ちゃんっ!」
田村くんも叫んだ。もう限界がそこに来ていた。
疼くような快感が、田村くんのペニスを痺れさせる。
二人は唇を重ねた。
舌と舌を絡ませ、吐息を弾ませながら。
その瞬間、二人は同時に絶頂に達した。
熱い精液が真由美ちゃんの膣に中に、勢いよく吐き出された・・・。(おわり)
230get
231 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/20(水) 18:11:34.70 ID:w038ae0l
232 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/22(金) 21:30:38.05 ID:JypqU45b
「――世界の主要都市が戦闘機の爆撃で壊滅、だと?」
>>219の書き込みに、その場にいた誰もが首を傾げた。
もちろん、それは私も同じである。本当にそんなことがあるなんて、信じろという方が無理だ。
「何かの間違いではないのかね?」
統合参謀本部長はそう言い、眉をひそめた。会議室の方々で、将官たちは声を抑えてささやき合った。
無理も無かろう、私だってこれを上梓すべきかどうか、数時間も悩んだのだから。
私は微妙な空気が漂うこの統合参謀本部会議室の、そのど真ん中で一人突っ立っている。
円卓状に並べられたテーブルには、派手な勲章で飾り付けられた軍の重鎮たちが鎮座している。
彼らは一様に
>>219で書き込まれた事実についての私の分析報告を議事として図りかねている様子だ。
何故だろう、私が
>>219のような意味不明な書き込みをした責任を追及されているかのようだ。私だって知らない。
第一、問題はこれだけではないのだ。
「――もう一度、尋ねたい。少佐、この
>>219で書かれているこの文章は、事実なのかね?」
統合参謀本部長は、私を睨みつけながら質問をしてきた。
睨まれても困る。私は一介の情報将校に過ぎない。
戦略分析担当は、作戦部の作戦一課あたりで検討すべき問題であろう。
私は大きくため息をした。統合参謀本部長の刺すような視線が、いらぬ緊張感を誘う。
「いえ、本部長。その確認はとれてはおりません」
私は素直にそう答えた。そりゃそうであろう。
そして予想通り、私の返答に対する反応は、更なる困惑であった。
抑え気味だった会話はざわつき、方々で討論が始まる。
認識により創造されたその世界に住まう人間は、その認識の外の世界を知覚しうるのか?
多元的な平行世界が存在するならば、それらは完全に独立して成立しうるものなのか?
世界そのものを認識する存在に無意識の衝動がある場合、その世界は如何に変容してしまうのか?
彼らは私には意味不明なことを話している。私自身、情報将校であるから、幾分事情は理解しているつもりだ。
――すると突然、本部長はマイクのスイッチを押した。
ブツッという音と、軽くハウリングする音が会議室に響き渡る。
その音で、会議室にいる面々は無駄話をやめた。全員、本部長の方を見る。
その視線の中で、本部長は手元の資料を手にし、老眼鏡のツルを指でつまみながらもう一度見直す。
「――今、ここにある資料だけで判断するのは早急ではあると思う」
本部長は資料を見ながら、マイクに向かって話し始めた。確かに本部長の言うとおりに情報が圧倒的に足りないのだ。
>>219の書き込みを見る限り、脳内で壮大な世界観を描こうと気負いだってるが、それを描き出す筆力が圧倒的に足らず、
舌足らずな描写に終始している。そもそも情景描写だけでストーリー自体が何も始まっていないのだ。
しかもどうやら自分の気に食わない書き手を「荒らし」だと言って露骨に嫌っている模様でもある。
下手でもいいから一本最後まで書いてみればいいんだよ――まあいい。
233 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/22(金) 21:32:27.80 ID:JypqU45b
「戦闘機だけで、世界中にある主要都市を壊滅できる、という点を考えねばなるまい」
そう、まずはそこだ。
戦闘機――おそらくは主力戦闘機のことであろうが、こうした哨戒活動や空中戦に特化した機動性重視の機体に、
果たして巨大な都市を丸ごと壊滅状態に追い込むほどの火力を搭載できるのであろうか?
制空戦闘機や要撃戦闘機の場合、主要都市壊滅の攻撃力は、本来的目的から大きく外れてしまう。
機体そのものがマルチロール機として開発されたものであれば、戦闘爆撃機に換装し、
大都市近郊の核エネルギープラントを攻撃目標とすることで作戦目的を達成可能かもしれない。
だが、制空支配をその前提として考えねばならない以上、あまり現実的な考えとは思えない。
「マッハ4レベルのスーパークルーズが可能な戦闘機が開発されてる可能性は?」
「それはない。材料高額上それに耐えうる資材はないし、操縦するパイロットがそんな速度に耐えられない」
「無人機という可能性は? それに大気圏離脱機の機体技術ならば何とか・・・」
「まさか、費用対効果の面で現実的ではないよ――それに戦闘目的と大気圏離脱目的では求められる性能が違う」
「いや、空対空ミサイルのレベルに小型化された熱核ミサイルが開発されていたのでは?」
「まさか、そのレベルの熱核爆弾じゃいくらなんでも巨大都市を壊滅までは無理だよ」
「何も単発というわけじゃなくて、複数の超小型熱核ミサイルを撃ち込むという――」
「そんな小型になるなら、わざわざ戦闘機に搭載なんぞせんでも、スーツケースに入れて持ってけばいいさ」
「そもそもそのサイズで核反応制御なんか不可能だよ。保管の上でも問題が生ずるし――」
「中性子爆弾という手は? あれなら――」
「いや、
>>219では巨大都市が瓦礫になっているとある。ならばそれだけの爆発力のあるミサイルってことになる」
「そんな爆発力のあるミサイルを、そもそもなんで戦闘機に搭載せねばならんのだ?」
「戦略核ミサイルで十分なんだが、そもそも人が操縦する戦闘機で運搬して狙う意味が分からん」
「巨大都市を廃墟にするほど破壊力あるなら、都市のどこに打ち込んでも変わらんだろ」
「確かに。戦闘爆撃機でわざわざ現地でターゲットを捕捉させる必要なんかないだろうし――」
「戦略核ミサイルならGPSで命中誤差が数センチレベルなんだがね」
「――だが、
>>219は、『戦闘機によって主要都市が壊滅状態』と言っているんだぞ」
統合参謀会議室が俄かに騒がしくなった。
そうなのだ。
>>219に書かれているのは、明らかにオーパーツじみた軍事技術なのだ。
これが事実であるならば、世界の軍事バランスが完全に変わってしまう。
それが統合参謀本部に集う面々を悩ませているのだ。
234 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/22(金) 21:35:59.87 ID:JypqU45b
――それよりももっとまずいことがあるんじゃないのか?と私は思う。
だってそうであろう、
>>219よりも問題なことが、それ以降に書かれているのだから。
悪魔王サタン――我々が問題にせねばならないのは此方ではないのだろうか?
彼がこの世界で復活してしまっているというのに、この会議室の誰もがそれを見逃している。
オカルティズムがこの世界に闖入してしまえば、戦闘機レベルの火力で巨大都市を瓦礫にできるかなんて議論は意味がなくなるだろう。
何でもありの世界になっているんだから、指先一つで地球をつぶすことだって許されてしまうのではないか?
しかも正義のヒーローが裏切りで殺されてるし、正義の戦隊は裏切りで皆殺しにされてるんだが?
だが将軍たちは、そんなことをよそに、戦闘機で如何にして巨大都市を壊滅するかという軍事技術の方に関心が集中している。
私は彼らのど真ん中で立ち尽くし、ため息をついた。これが官僚主義の弊害というやつなのだろうか、と。
そもそもクラウゼヴィッツ以来の近代的軍隊は、オカルトをその軍事的対象としていないのだ。
結局、軍官僚エリートである彼らは、自分たちの専門外の事態が起きても、相変わらず前例主義を踏襲するしかない。
もっとも戦闘機問題も前例がないから、彼らも戸惑って空虚な議論を繰り返しているだけなんだろうけど。
――私の結論?それは簡単だ。
戦闘機で巨大都市が崩壊したという
>>219の報告は、
>>220-229までの報告によって、その事実性が補強されていると言える。
スーパーナチュラルな力が軍事利用可能であるならば、戦闘機どころか紙飛行機一つでアメリカ合衆国を全滅させることも出来るだろう。
ましてや悪魔王サタンはかつて明王と呼ばれ、天使たちの長であったのだ。つまり創世主の一人なのだ。
この東京戦場街みたいな小世界を創造することも可能であろう。ならば滅ぼすこともまた可能とはいえないか?
第一、バイオレンスジャックの結末はそうであったじゃないか。デビルマンで滅亡したあの世界をサタン自らが再創造しているではないか。
だが、私は今思ったことを全て飲み込むことにした。
なぜなら私も軍官僚の一人でしかないのだ。私もまた官僚主義に毒されている。
それが国益をそこない、ひいては国民や国家を犠牲に導く可能性もあることは理解している。とはいえ、今の私に何ができる?
私にできることと言えば、この骨の髄まで官僚主義に毒された将軍たちに、キャリアに傷が付かないよう無難な報告をするだけだ。
それについての結果責任は、果たして私にあるのだろうか?少なくとも私は嘘は付いていないのだから。
――会議室の中でなおも議論を繰り返す将軍たち。彼らの胸に輝く勲章の数々が、虚しく輝く。
その姿を私は見つめながら、統合参謀本部長席に向けて最敬礼をした。思い切りかかとを打ち鳴らしながら。
統合参謀本部長もまた、私の存在などどこへやら、熱心に陸軍大臣と議論をしている。
私は彼らを振り切るように回れ右をして大きく一礼すると、統合参謀本部会議室から外へ出た。
勝手にしやがれ、と小さくつぶやきながら。
test
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
ボロい機関銃をこちらに向け、
>>219は怒鳴った。
え、なぜに
>>219だと分かるかって?
それはだな、その男の額に『俺は
>>219だぜ!』と刺青が彫られているからだ。
派手に染められたモヒカン頭の額に大きく、遠くからでも分かるようにデカデカと。
一方、『その男』はまるで動じる様子はない。
タバコをくゆらせながら、涼しい瞳で
>>219のことを見つめている。
『その男』の周囲には、
>>219の仲間たちが転がっている。
もちろん生きているものなど誰も居ない。
『その男』の、まるで魔術のような殺人術で、皆殺しにされたのだ・・・それも一瞬で。
死神か? と
>>219は思った。
>>219でミリオンセラー&ノーベル文学賞級の名作を描いてみせた自分が、
これほどの恐怖に囚われているというのが俄かに信じがたかった。
恐怖を振り切るように、
>>219は『その男』の方を睨みつける。
彼の視界にいる『その男』は、口元に微笑みを浮かべていた。
それが
>>219をいらつかせた。
「・・・蜂の巣にしてやるぞ! それと戦闘機で世界中の主要都市を壊滅状態にしてやるからな!」
>>219はカッとなる衝動を抑えきれず、銃座から喚き散らす。
額には汗が浮かび、
>>219ご自慢の『俺は
>>219だぜ!』という刺青が滲む。
水性マジックで書いたのがまずかったようだ。
午後の日差しが眩しい。
乾いた大地に、
>>219の仲間たちの流した血が染みてゆく。
今、この東京湾上特別行政都市の大地は、さらなる血を求めていた。
力と力がせめぎ合い、暴力と姦計が情けを引き裂く、この地獄のような世界。
息を呑むような静寂が、辺りを支配する。
瓦礫となった周囲の建物には、この辺りに住む難民たちが息を潜めて隠れていた。
彼らもみな、瓦礫の隙間から
>>219と『その男』の対峙する様子を眺めている・・・。
「・・・誰もが絶望し、誰もが希望を捨てて武器を持って戦いを挑んだんだぞ!」
静寂が、
>>219へプレッシャーとなって襲い掛かる。
意味分からない言葉でも叫んでいなければ、気が狂ってしまいそうなのだ。
つい先ほど、
>>219の仲間たちは一瞬にして皆殺しにされたのだ。
どのように殺されたかも分からないほどに、あっさりと鮮やかに。
全員、まるで体内に小型の爆薬を仕掛けられたかのように、奇妙に破裂し、歪んでいる。
こんな殺され方など、今までお目にかかったことがない。
一体、この男は何者なのだ・・・。
「・・・それに、何度も悪魔がささやいたんだ。悪魔は人間だ。悪魔なんでものは存在しないって!」
これは決まった、と
>>219は思った。
そう、これは
>>219が
>>219を書き込む際に、頭をひねりにひねって搾り出した超かっちょいい決め科白なのだ。
なんというか、暴力の支配する世紀末的世界観とか罪を重ね続ける人間の愚かさとか、
そういったのを全て表現した感じがスゲエかっこいい、と自分でも思ってるんだぜ。
だが、
「・・・人間が悪魔で、悪魔が存在しないなら、人間は存在しないってことか?」
『その男』は、
>>219に質問をぶつけてきた。
相変わらず涼しい表情をしたまま。そして『その男』はゆっくりと此方に歩み出す。
「・・・く、来るなっ! 来ると撃つぞっ!」
>>219はあせる。機関銃を向ければビビッて逃げる、と思ったのに。
だが『その男』は、機関銃など意にも介さない様子だ。
「・・・悪魔である人間が存在しないなら、お前にその戯言をささやいた悪魔ってのは一体、誰なんだい?」
『その男』は歩みをやめない。距離はまもなく10メートルほど。
「それ以前に
>>219。お前は本当の悪魔ってのを知ってるのかい?」
「ほ、本当に撃つぞっ!」
>>219の声は上擦っている。何故だろう、今まで感じたことの無い恐怖だ。
この距離ならば、間違いなく弾は当たるだろう。一瞬で『その男』をひき肉に出来るであろう。
だが、何故だろうか。それなのに、湧き上がる恐怖を抑えることが出来ないのだ。
『その男』の静かな双眸が、
>>219を捕らえる。
春風のように優しく、爽やかなその瞳が・・・確実なる死を物語っていた。
「うおおおっ!」
ついに
>>219は引き金を引き絞った。ガガガガッ! という連射音が高らかに響き渡る。
同時に『その男』の立っていた場所から、派手に土煙が舞い上がった。
狂ったように機関銃を撃ちまくる
>>219。
白褐色の土煙の中に向けて、その中に潜む死の影を追い払おうと必死に。
>>219は笑っていた。
目を見開き、まるで狂気に取り付かれたように。
そもそも最初から気に食わなかったのだ。
なんかイラつく文章を大量投下するこいつが。
俺の気に食わないことを書くこいつは、荒らし認定して追放してしまえばいい。
そう、この変な長文を延々と投下してくるやつは、荒らしなんだ!
荒らしなんだからハブってしまえばいい。
そうなのだ、自由な書き込みだって言っても、こんな奴の書き込みは認めないぞ。
「どうだ! 俺の
>>219の素晴らしい作品は! この俺の名作を前にしたらお前のなんかクズなんだよボケッ!」
撃ちながら、
>>219は叫んでいた。
そうだ、まとめwiki作って、こいつのだけ採用しなきゃいいのだ。こいつの駄文だけ全部捨てちまえばいいんだ。
もちろん俺の
>>219は歴史的な傑作だから、まとめwiki作ったら即メインで採用だがなww。
へっ、ざまあみろ・・・。
・・・ガチンガチン、という音と共に、機関銃は弾を吐き出すのを止めた。弾が切れたのだ。
銃身から陽炎が立ち上る。チェンバーの付近が、赤熱しているようだ。
こうなってはもう、この機関銃は使えないだろう。
硝煙の煙が立ちこめ、
>>219の目を刺激する。
溢れる涙を手で拭うと、少し恐怖心が薄れてゆくのが分かった。
「・・・撃ちすぎたかな? へへっ」
>>219は苦笑いした。
辺り一帯に薄靄が掛かったようだ。
弾丸で舞い上げられた土煙が、ゆっくりと風にたなびく・・・そして。
・・・『その男』の姿は消えていた。
「・・・えっ?」
>>219は、土煙の中を凝視する。確かにあそこに『その男』はいたはずだ。
地面の土はまるで鍬で掘り起こされたように、えぐられている。
そしてその辺りには
>>219の仲間たちの死体や、『その男』が乗っていたボロいジープの残骸が転がっている。
だが、肝心の『その男』の姿はなかった。
初めは弾丸を喰らいすぎて肉体が完全に四散したのかと、
>>219は思った。
だが、そうではなかった。血肉の破片すら、そこにはなかったのだ。
まるで存在そのものが掻き消えたかのように。
「・・・ま、ど、どうして?」
逃げられるわけがない。
周囲には、『その男』が身を隠せるような障害物など何も無いのだ。
砂交じりの乾いた大地の上で、この毎分1200発もの7.62oNATO弾から逃れられるわけがない。
>>219の全身に怖気が立った。吹き出した汗が、一瞬にして氷のように冷えた。
辺りの沈黙が、
>>219に一斉にのしかかってくる。
機銃の銃把を握り締めながら、
>>219は立ち尽くす・・・。
・・・ふと、こめかみに何かが当たった気がした。
>>219は、それを初めは錯覚だと思った。そして何故だろう、そのつもりが無いのに
>>219は後ろを向く。
まるで操られたかのように。
そこには『その男』がいた。
目に映った『その男』の姿・・・そのことが何を意味するのかを、
>>219は理解しようとした。
だが、次に来たのは、自分の中で何かが弾けたような感触だった。
「・・・経絡秘孔の一つ『回天』を突いた。お前の命はあと20秒」
『その男』は、
>>219の目の前で、優しげにそう告げた。
今、何と?
>>219は何かを言おうと、その口を開いた。すると・・・、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。・・・」
口が勝手に「馬鹿だ。」という科白を吐き出した。
とめどなく、
>>219の意思とは無関係に。
な、なぜだ? どうして?と、『その男』に向かって
>>219は言おうとする。だが、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。・・・」
「お前はあと残り五秒間、ずっと馬鹿だ。という科白を言い続けながら死ぬんだよ」
そう言って『その男』は、悲しげに微笑む。
「まあ、こういうのを、『馬鹿の一つ覚え』というのかな?」
憐れむように見つめる『その男』が、つまらないジョークを言ってしまったかのように、申し訳なさそうに言う。
何でそんなマヌケな死に方をしなきゃならないんだよ、と、
>>219は思う。
もちろんそれは言葉にはならない。己の口がそれを許さないのだ。
それこそ馬鹿の一つ覚えのように「馬鹿だ。」を連呼し続けるだけなのだ。
それより、貴様は一体何者なんだ?
そう『その男』に問いかける。だが・・・、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。・・・」
相変わらずだ。己の口がいうことを聞いてくれない。
「・・・ん? 俺が誰かだって?」
『その男』は
>>219の疑問を察したようだ。
そして悲しそうに笑う。
「こんな出来の悪いネタ話でさ、この俺が誰かなんて悪魔の不在証明以上にどうでもいいことじゃないのかな?」
『その男』はそう言いつつ、ジャケットの胸をはだけ、露になった自分の胸を指でさした。
ここをご覧、これを見れば分かるだろう、と言わんばかりに。
その胸には、なぜかチーソウそっくりに並んだ七つの傷が・・・。
・・・さっぱり意味が分からない。
北斗七星じゃないのかよ! と、
>>219は言おうとする。だが、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。・・・」
>>219はあがいた。
>>219ほどの傑作を描いてみせたのに、なぜ俺がこんな馬鹿な死に方をしなきゃならないのだ。
これから俺が紡ぎだす小説は、こんなやつの荒らし駄文とは比べ物にならないほどの傑作になるっていうのに!
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ・・・らぁ!
ボンッ! という破裂音とともに、
>>219の肉体は吹き飛んだ。
それとともに戦闘機で世界の主要都市を爆撃して壊滅状態にするという壮大な野望は潰えた。
というか、そんなこと気づきもしなかったし、どうでもよかったけど、改めて指摘されると確かに変だよな。
それと悪魔の実在性に関わる
>>219自身の見解について一言申し添えておく。
びっくりなことに悪魔は実際にいるんだぜ。やっかいなことに。
そういうことなので、残念ながら
>>219氏の見解は完全に誤りなのだ。
幸いなことに、
>>219はそのことを知らぬまま死んだ。
「それが唯一の救いだったのかもしれない・・・」
『その男』はそう言うと、
>>219の亡骸を一瞥し、目を閉じた。
そして閉ざされた目から、一粒だけ涙が溢れ、頬を伝い落ちた。
乾ききった無情の大地に、『その男』の流した涙が染みる。
その涙は夭折した天才中二病作家
>>219へのはなむけなのだろうか・・・?(おわり)
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
ボロボロになったジープの運転手はこちらを見ながら見下した表情で叫んだ。
そんなこと言われても、俺は困る。それよりも問題なのは、先ほどから俺の横で、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
と延々としゃべり続けている悪魔人間をどうにかしてほしいものだ。
ちなみに俺はカッとなる衝動を抑えて、この惨状を高台から見下ろしている。
高台の下に広がるのは、たった一機の戦闘機によって壊滅させられた世界の主要都市だという。
ネクロポリスと化したこの街では、資源の奪い合いや紛争内戦が行われているという。
とりあえず一言言っておこう。何でこんなことに…?
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
ボロボロになったジープの運転手は再びこちらを見ながら見下した表情で叫んだ。
どうやら運転手は本気らしい。機関銃座でどうやって蜂の巣をつくるのかは少々興味深いところである。
まず、機関銃座はあくまで機関銃を据えつけた銃座であって、それ自体には弾丸を発射する能力はない。
それはいいとして、次に問題になるのは、蜂の巣を作る原材料である。
通常、蜂の巣の原材料となるのは、ミツバチの場合は働き蜂が分泌する蜜蝋である。
それをハニカム構造に組み合わせるのだ。よく知られている六角形の穴が集合したあの構造である。
あれは幾何学的に極めて高い強度を生み出すと証明されているのだ。
さらに蜂の巣においては、巣の内面の内張りにプロポリスを用いる。これによって抗酸化、抗菌性を持たせる。
かのような複雑な構造を、ミツバチたちは極めて高い社会性の中で共同作業で作り上げるのだ。
一方、スズメバチの巣は少し様相が異なる。スズメバチの巣の材料は木材の繊維なのだ。
この繊維を強力な顎で噛み砕いて細かくし、それを唾液成分で固めたものが材料となる。
つまりこれは、紙に近い。また、有名な巣のまだら模様が生ずるのは、その材料となる木材の種類の違いによる。
これらを組み合わせて、ミツバチと同じく強度の高いハニカム構造で巣を作り上げるのだ。
なお、スズメバチはさらに保温や保湿、その他の防壁のための外皮を作るのが特徴である。
この外皮に包まれた中で、数百から数千のスズメバチが営巣をする。
さて、ここであの半分切れた運転手が、機関銃座で蜂の巣を作り上げると言っている。
しかも彼の表情を見る限り、どうやら本気であるらしい。
俺は横で相変わらず馬鹿の一つ覚えのように、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
としゃべり続ける悪魔人間を疎ましく思いながら、彼の様子を観察しようとした。
すると何故だろう、脇で延々と馬鹿の一つ覚えを繰り返していた悪魔人間が、突然俺の耳元でささやいた。
「悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
俺は少し驚き、この悪魔人間の顔を覗き込んだ。
悪魔人間は俺の目を真っ直ぐに見返し、誰もが絶望し、誰もが希望を捨てたようなさびしそうな表情で笑った。
そんなことを今ここで言われても、誰も助からず、誰も助けることなどできやしない。
俺は困惑した。おそらく俺の顔にも、その困惑が表情となって現れていたと思う。
だが、悪魔人間は俺のそんな気持ちなど意に介さずに、もう一度俺にむかってささやいた。
「悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
その言葉をさらに三回ほど繰り返し言い、満足げに微笑んだ悪魔人間は再び、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
という馬鹿の一つ覚えを繰り返す状態に戻った。
俺はそんな悪魔人間を見つめながら、さてどこから突っ込んだらいいのかを考え始める。
突っ込みどころは色々ある。それは分かっているんだが、どう考えても落ちがみつからないのだ。
悪魔=人間という命題を提示し、その上で悪魔は存在しないとなれば、悪魔=人間も存在しないことにはならないか?
ならば悪魔人間を名乗るお前の存在は一体なんなのだ?
そうか、こいつが期待してる落ちというのは、悪魔人間ことデビルマンということなのか?
そんな単純な落ちが、この21世紀のお笑いとして受け入れられると思っているのか?
いや待てよ、まさかこの「21世紀のお笑いとして受け入れられると思っているのか?」という突っ込みを期待しているのだろうか?
だとしたら今までの俺の思考ルーチンは完全にこの悪魔人間に読まれていることになるのだが。
だとしても、自分で認めるのも恥ずかしいのだが、突っ込みとしては全然面白くも何とも無いのだが。
それよりもこいつが延々と馬鹿だ馬鹿だと繰り返し言っている意味が分からない。
そう言ってないと死ぬとでもいうのだろうか?
俺がそうやって思考の迷宮をさまよっていると、
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
と、これまた再びあの運転手がこちらに向かって怒鳴ってきたのだ。
俺は一体どうすればいいのだろうか?ボケが二人もいて一向に落ちの見えないボケを繰り返されても、こちらとしては困るのだ。
俺は別に突っ込み役を買って出たわけではない。というよりなんで俺はこんなところにいるのだろうか?
俺は勝手にボケまくる二人のアホを無視し、高台の下に広がる惨状を再び見下ろした。
眼下に広がる地獄絵図のような世界は、たった一機の戦闘機によって作り出されたものらしい。
凄い戦闘機が開発されたものだと、俺は感心する。まあそれはいい。
地平線の彼方まで、かつて3000万人もの人口を抱えた東京の街が全て瓦礫になっているのだ。
凄い光景だとは思わないか?その光景を思い浮かべてみて欲しい。
自分の両脇に馬鹿の一つ覚えのように延々と繰り返し同じ事を言い続ける悪魔人間とジープの運転手がいることも含めて。
そしてその瓦礫の山のどまんなかに一際大きい宮殿が聳え立っていた。
そう、あれこそがパンデモニウムだ。
噂によると、悪魔王サタンが復活をとげ、この東京の街に悪魔王国を築きつつあるのだ。
あのパンデモニウムこそが、悪魔王サタンの住む居城だという。
言い忘れたが俺はこのパンデモニウムを中心とした悪魔王千年王国の調査のために組織から派遣されたエージェントなのだ。
俺の任務はありとあらゆる情報を集めることと、積極的な調査行動をとることだ。
積極的な調査行動とは、諜報活動だけでなく攻撃や暗殺なども含めた実際的な行動を行い、より対象に密接に関わることをいう。
そのようなとても危険な任務であるために、俺のような超一流の工作員が選ばれたのだ。どうだ凄いだろう。
だが、ここに来るまでにもう色々とトラブルが生じており、俺はちょっと行き詰まっている。
まず、ここまで俺を運んできてくれたジープの運転手が、先ほどから何度も見たように蜂の巣を作りたい作りたいとうるさいのだ。
ジープの運転手なる仕事に見切りをつけて養蜂家にでもなりたいのだろうか?
それと俺の現地での手足となるべく採用したこの悪魔人間も、何か宇宙から電波でも届いたのだろうか、
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
と先ほどから言いっぱなしなのは皆さんもご存知のとおり。俺はほとほと困り果ててしまった。
こんな状態で俺はこれからこの悪魔王国に踏み込まなければならないのだ。
それもこれもすべて
>>219のせいである。どうしてくれるってんだ?オラ。
まあいい。ともかく俺は俺の任務を果たさなければならない。
ため息をつき、俺は二人の連れを見た。
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
二人とも狂ったようにそう叫び続けている。
俺は自分の荷物の中から自動小銃を取り出し、組み立て始めた。
H&K社のG3という旧式のライフルだ。予算の関係で組織が出せるのはせいぜいこのレベルまで。
俺は超電磁ライフルとライトセイバーを申請したのだが、実際に支給されたのはこのライフルと錆びかけたサバイバルナイフ一本。
転職しちまおうかなという誘惑が何度も何度も脳裏を駆け巡ったことは素直に認めよう。まあいい。
俺はとりあえず自動小銃を組み立て、30連装の弾倉を装着した。
セイフティーを外してチェンバー内部に初弾を送り込む。うむ。中古品とは言え、さすがドイツ製だな。と俺は少し安心した。
俺は銃を構えながらもう一度、連れの二人の方を見た。
もはや二人ともテンションが振り切れているようだ。体を激しくゆすりながら、
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
と、繰り返している。もうその声は絶叫と言ってもよい。
俺はやれやれ、と一言つぶやき、彼らに自動小銃の照準を合わせた。そして踊り狂う二人めがけて引き金を絞る。
タタタッと少し篭ったような銃声とともに、彼ら二人は血まみれになり、崩れるように地べたに倒れた。
俺は彼ら二人に確実なる死を与えてやるために、頭に向けてそれぞれ二発ずつ弾丸をお見舞いしてやった。
こいつら二人のボケに対する、俺の突込みってやつだ。どうだ満足したか?
ふと見ると彼らの頭は砕けて柘榴のようになっていた。ふう、これで厄介はすべて切り捨てることができたな。
そうして俺は小銃をもう一度分解し、荷物の中にしまいこんだ。
そして荷物のバックパックを背中に背負い込むと、瓦礫の王国となった東京に向かって歩き始めた。
ここで一体何が起こっているのかはわからない。もしかしたら世界の命運に関わることが起きているのかもしれない。
おもしれえ。と俺は思わずクスリと笑ってしまった。さあ、仕事を始めるか。
244 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/25(月) 02:05:58.03 ID:XAEoE2lA
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
それは突然だった。授業を受けていたとき、俺は教室中に響き渡るような大声でそう叫んだ。
もちろんこれは俺の意志ではない。俺の頭の中に住み着いているイタズラ好きの妖精が言わせたのだ。
しまったと思ったときにはもう遅かった。今日もまた唐突に俺の脳神経を勝手にいじくりやがったのだから。
「くそ、ふざけるなよ」と、俺は何とかこやつをを抑えようとする。
だが妖精は、してやったりと笑い、俺の脳細胞の迷路の奥へと逃げ込みやがった。
目の前で教室中が静まり返っているのが見える。クラスメイト全員の目が俺に向けられているのがわかる。
そしてみんなが口々に「なにこいつ?」「また中二病?」とささやいているのも分かる。
待ってくれみんな、俺のせいじゃないんだ。俺の頭の中に勝手に住み着いた妖精のせいなんだよ。
俺はそう弁明しようとした。だが出てきた言葉はまたもや俺の意思とは無関係な言葉だった。
「――それに世界の主要都市を戦闘機で爆撃して壊滅状態にしてやろうか!」
もちろんあの妖精に俺の脳神経を勝手にいじくりまわされたからだ。
まだ大学出たての国語の女の教師は、教団の上から心配そうに俺を見ている。
いや正確ではないな。心配というよりも何か気持ち悪い虫を唐突に見つけてしまったときのような顔をしてる。
そりゃそうだろう。俺だって今の俺を傍から見てたらあんたと同じ反応をしてると思うよ。
だけど厄介なのは、その気持ち悪い虫並みに気味の悪いことになってるのが当の俺自身だってことだ。
――ともかく落ち着こう。このままだとまた赤っ恥をかいてしまう。
俺はカッとなる衝動を抑えてゆっくりとここ最近の出来事を思い返した。
だが頑張って思い返そうとしても、頭の中に浮かぶ言葉は、ただ一つだけだった。
「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
またやりやがった。妖精のやつめ。今度という今度は絶対許さないぞ。
俺は脳神経細胞のロココ的迷宮の中を逃げ惑う妖精のやつを必死に追いかけた。
だがやつは巧みに俺から逃れ、さらに奥へと逃げ込んでゆく。しかも妖精のやつ楽しそうに笑ってやがる。
マジむかつく。ふざけんじゃねえよ。てめえ逃げんなよ。ここは俺の脳味噌の中なんだぞ。
245 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/25(月) 02:08:40.32 ID:XAEoE2lA
一方で教室の中の俺は「――馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。――」と、
壊れたレコードのようにエンドレスで言い続けてやがる。
国語の女教師は完全に引いている。何で私の受け持ちの生徒にこんなのがいるわけ?というメッセージが顔に書いてある。
これも俺のせいなのか?俺のせいじゃないだろう。俺の脳の中に勝手に住み着きやがった妖精のやつが全部悪いんだよ。
――それよりも頼むみんな。俺を頭が完全におかしい人を見るような目で見るのはやめてくれ!!
――そうだ。ここ最近のことなのだ。この妖精が勝手に俺の頭の中に住み着いたのは。
ある日突然に俺の脳味噌の中に奇妙な妖精が引っ越してきたのだ。それからというもの俺は散々であった。
半裸で女子更衣室に突入して無期停学処分を喰らったり、体育の時間中に突然校庭の隅で野グソを始めたり、
奇声を上げながら三階の教室の窓から中庭に向かって放尿したり、同級生たちの行き交う廊下でオナニーをしたり、
うちのばあちゃんに近い年齢の女教頭に突然愛の告白をしたり、ついでに結婚を申し込んだり、挙句に断られたり、
ショックで四階の窓から飛び降りようとしたり、でも誰も止めてくれず本当に飛び降りたり、
なのに無傷で校庭に着地してしまったり、なぜかそのまま一匹の美しいアゲハチョウに変身して飛び立ったりしたのだ――本当に。
――え?何を言ってるか全然わからないって?
そんなの俺にだってわからないんだよ。俺にもよく分からないことを君たちに解るように説明しろという方が無理だ。
とにかく俺は今必死なのだ。自分の脳の迷路の中で妖精と鬼ごっこをしながら、
一方で教室でバカの一つおぼえみたいに馬鹿馬鹿言ってる自分を抑えようとしているのだ――察してほしい。
――この際はっきりと言っておこう。それもこれも全て
>>219の責任なのだ。
>>219に書かれたたった十数行のレスだけで、せっかくのスレ主のアイデアも全ておじゃんにしてしまったのだから。
だってそうだろう。
>>219のレスを読んでしまったら「笑うな」というほうが無理だ。
こんなオモシロ文章など、狙ってもまず書けないだろう。
俺だって結構我慢してきたんだ。これは本当だぜ。結構我慢して笑いを堪えていたんだ。
――だが、ついに
>>219に反応してしまった御仁が現れてしまったのだ。
それが
>>220だ。
>>220もまた
>>219のネタを読んで俺以上に敏感に反応してしまったのだろう。
その結果
>>220氏の中に悪魔が目覚めてしまった――俺の中に突然妖精が住み着いてしまったように。
つまり
>>219の投げつけた爆弾が
>>220氏の中に眠っていた悪魔を目覚めさせたと言っても過言ではない。
さらに
>>240氏が新たなドラマを勝手に始めてしまったじゃないか。なんだよこれ?意味わかんねえよ。
246 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/25(月) 02:10:38.97 ID:XAEoE2lA
――そして俺の中では今問題となっている妖精が暴れまわっている。
今までROMオンリーでたまに適当に読み流してたのに急に堰を切ったように書き出したのもこの妖精のせいだ。
そして今俺は海馬から脳梁を渡り左前頭葉に逃げこんだ妖精をショットガンをぶっ放しながら追い掛け回しているところ。
なのに妖精のやつはすばしっこくて、俺のぶっ放した散弾を全部ひょいひょいよけてあっかんべー。
ブチ切れた俺は「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」とわめきながら全力で飛びかかる。よっしゃ捕まえたぞと思いきや、
腕の中にいるのは小学校二年生のときに学校の教室でウンコを我慢していたときの思い出だったり(結局もらしたんだけど)、
ふと見上げると妖精のやつは俺のことを見下した表情で見ている。超むかつく!
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
俺は怒鳴りつけ再びやつに飛びかかった。すると脳内の神経束にもんどりうって転がり込んでしまう。
もちろん妖精のやつは逃げやがったさ。だけど大変なことに俺の脳の神経が見事に混線してしまいやがった。
――ところで問題だけど、脳の神経回路がグチャグチャに混線してしまったら、どうなると思う?
――はい正解。その通りだよ。もう教室での俺は大変なことになってるんだ。
だがそれをいちいち記す必要を俺は認めない。いや本当に勘弁してくれ。
もうそんなことしたら俺は壊れてしまうかもしれない。
え?もう壊れてるだろうって?いや壊れてないさ。こうなったのも全てあの妖精のせいなんだから。
というよりも妖精を目覚めさせ、俺の脳味噌に送り込む原因となった
>>219に責任をとってもらわなきゃならない。
そんなことを俺は考えながら、教室の中でクラスメイトたちの前で服を一枚一枚脱ぎだしていた。
――頼むやめてくれ!俺!なぜそんなに楽しそうに鼻歌を歌いながら色っぽく脱いでゆくんだ?
周りを見ろ!クラスのみんがが全員引いてるぞ。
さっきまで笑っていた田中や高橋や渡辺すら洒落になんねえって顔してるぞ。
おい、よせそれは!なぜパンツに手を掛ける!馬鹿やめろ!パンツを下ろすな!頼むよ俺!
ああっ!何でだよおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!(暗転)
247 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/25(月) 02:12:33.22 ID:XAEoE2lA
――しばらく後、俺は屈強な教師たちに組み伏せられていた。
そのとき俺は全裸だったと思うが、誰かが持ってきた毛布に包まれていたように思う。
毛布の隙間から周りを見ると、俺を見つめるクラスメイトたちがいた。
みんな呆然としている。女子の中には泣いているのもいた。
俺は何とかそこから脱出し、全ては妖精のせいであって俺の責任ではないと弁明しようとした。
だが、体育教師の正岡が俺の顔面を思い切り殴りつけて「いい加減にしろ!この変態め!」と怒鳴りつけた。
なんで?何で俺が変態なんだよふざけるなよ。全部妖精のせいなんだよ!
――そんな俺の目の前に、あの妖精が現れやがった。教室の床に押さえつけられている俺の目と鼻の先に。
羽をパタパタ羽ばたかせながらこっちを見下ろしてニヤニヤ笑ってる。俺は思わず、
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
と叫んでしまった。よく考えたら教室内に機関銃座などない。
あるのは先ほど射精したばかりの萎びかけた俺のペニスくらいだ。
だが俺の体は教師たちに押さえつけられて身動きが取れない。
それを見越して妖精のやつは俺の鼻先で笑いながらお尻ぺんぺんしたりあっかんべーしたりしている。
この野郎!と俺はもう一度もがくが、もちろん全く身動きが取れない。
まもなく遠くからパトカーのサイレンが聞こえてきた。どうやら学校にやってきたようだ。
周りのクラスメイトたちのざわめきが更に高まる。隣のクラスの連中もやってきているようだ。
すると妖精のやつが俺の耳元にやってきた。俺が身動きできないからって大胆になってやがる。
そして妖精は嘲笑混じりの声で、俺に向かってこうささやいたのである。
「――何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
――????
全然意味わかんねえよ。おい
>>219。全部お前のせいだぞ、どうしてくれるんだよ。
かくして俺は全裸に毛布をまとった格好でパトカーに乗せられて学校を後にした。
その後俺は家庭裁判所なる場所に引っ立てられ、精神鑑定とやらを受けることになったのである。
すげえ!
「・・・何?俺のせいだと?」
>>247の言葉を聞き、
>>219の表情が変わった。
「そうだ
>>219。お前のせいで悪魔は目覚め、妖精はイタズラをしてまわり、戦闘機が爆撃を始めたんだぞ!」
そう、すべては
>>219の書き込みから始まったのだ。
彼の天才的な創造力を駆使して作り上げられた
>>219の歴史的名文。
その影響力はすでに世界のいたるところに及んでいた。
まず、五十嵐知徳が忘れ去られてしまった。
え?五十嵐は死んだんじゃなかったの?と疑問に思うかもしれない。
だがこの閲覧者数が恐ろしく少ないスレの中での話だ。世間一般の人はそんなことは知らない。
というよりも五十嵐知徳自体を知らないから関係ない。
実は五十嵐知徳くんは、現在
>>247も入院しているこのイエローピーポー病院に収監されている。
重い鉄製の扉に巨大な南京錠を幾つも掛けたとても厳重な部屋の中で軟禁状態になっているのだ。
なぜ?なぜって?
それは決まってる。たった今思いついたからだ。
すべては書き手の思いつきで決められる理不尽な世界であることを忘れて貰っては困る。
次に
>>219の書き込みのせいで大銀河帝国がアンドロメダ大星雲連邦に宣戦を布告してしまったのだ。
細かいことをすべて話すと途方も無く長い話になるので端折るが、要するに
>>219のせいなのだ。
今後、
>>219はその悪名を宇宙全体で語られ、永遠に罵倒されることはおそらく間違いない。
さらに
>>219の不用意な書き込みによって、トロイア戦争が始まり、オデッセウスは10年も放浪し、
ナポレオンのロシア遠征は失敗に終わり、エリシャ・グレイは電話機の特許をとりそこない、
松下くんは算数の宿題を忘れ、山本さんはお母さんに漫画を全部捨てられ、その他いろいろ・・・。
・・・これほどの悪行を成した
>>219に対し、民衆の怒りは爆発寸前だった。
「酪農家への政府補助金減額反対!ゼネスト断固遂行!」
>>219の住まうベルサイユ宮殿の前に集った民衆たちは口々に叫んでいる。
不思議なことに群集は全員セーラー服姿であり、スカートの裾は膝上15cmと取り決められていた。
もちろんキュートな魅力で男たちを篭絡し、もって世界平和の実現をゼネストの目的としているためだ。
そんな危急存亡の中で、ついに
>>247はぶちきれたのである・・・。
「・・・貴様のせい、そう貴様がすべて悪いんだ
>>219!」
>>247はもう泣きそうであった。
そうであろう、
>>219のせいで妖精の罠に陥り、学校で公開オナニーして退学になってしまったのだから。
だが、
>>219は無言だった。無言のまま、ジッと
>>247を睨み返す。
どうやら
>>219も腹に据えかねていることがあるようだ。
戦闘機だけで世界の主要都市を爆撃して見せた軍事の天才
>>219。
それだけの才を持ちながら、なぜアメリカの南北分裂を阻止できなかったのだろうか?
そして何故、第六次中東戦争の勃発を許してしまったのだろうか?
そう、それはすべてこのスレを荒らしまくる有象無象の書き手たちのせいなのだ。
たとえば
>>247のように、ハードボイルドになるべきスレで平然とギャグ作品を投稿するような輩のせいなのだ。
彼らがすべての混乱を招き、ヨーロッパ内戦や東京湾上都市のフリーセックス天国状態を引き起こしてしまったのだ。
>>219は椅子から立ち上がった。
「・・・あの機関銃座で蜂の巣にしてやろうか!?糞野郎が!」
>>219はついに怒鳴り返した。その顔は真っ赤で火を噴きそうだ。
それほどに
>>219の怒りは激しかった。
「いいか
>>247!誰もが絶望し、誰もが希望を捨てて武器を持って戦いを挑んだんだぞ!」
ツカツカと
>>247に歩み寄りながら、
>>219は続ける。
「そして誰も助からず、誰も助けることはできなかった。何でこんなことに…?」
>>247の目の前に立ちはだかり、
>>247を睨みつけながら質問する。
>>247も負けてはいなかった。殺意で満ちたその目で
>>219のことを睨み返す。
そのまま、しばしの沈黙。
窓からは夕日が差し込み、掲示板に張られた”第23回 納涼!里山盆踊り大会 8月3日(日)”というポスターを照らす。
どうやらその日は花火大会もあるらしく、里山の川べりの広場はたいそう賑わいそうだ。
昨年は市会議員がお祭りの主賓として招かれ、その僅か一週間後に収賄事件で逮捕されたのもいい思い出だ。
「何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。」
そんな沈黙の中で、ついに
>>219は口を開いた。
そのまま膝を付き、ガクリとうなだれて両手で顔を覆う。
>>247は驚愕した。
今の
>>219の言葉に、激しい衝撃を受けたのだ。
何度も悪魔がささやく。悪魔は人間だ…。悪魔なんてものは存在しない。
その事実が告げるのは、悪魔が悪魔は人間であり、悪魔も存在しないということだ。
「・・・そ、そんな。そんなまさかっ!」
>>247はその場で立ちすくんだ。
そんな
>>247の足元で、
>>219はついに泣き出してしまった。
「馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。
馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。馬鹿だ。」
そう叫びながら・・・。
夕日はゆっくりと山の稜線の陰に沈んでゆく。
暮れなずむ部屋の中で、
>>219の泣き声だけが、虚しく響いていた・・・。(おわり)
251 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 06:39:34.10 ID:KiJCI9Bo
「――オナニー禁止ですね、
>>219さん」
医師のやつはカルテに何かを書き込みながら、極めて事務的な口調で俺こと
>>219に告げた。
俺こと
>>219は最初、この医師が一体何を言っているのかわからなかった。
奴の言葉を理解することを、どうやら俺こと
>>219の脳が拒絶したらしい。
オナニー禁止。オナニーをしてはいけないということ――その言葉を繰り返し咀嚼し、ようやく俺は意味を飲み込めた。
「そ、そんな殺生な!先生、嘘だといってくれよ先生!」
俺こと天才ミリヲタ作家
>>219は起き上がると、医師の肩を掴みながら、気づいたらこんな風に怒鳴っていた。
医師は初めちょっとびっくりしたような顔をし、それから表情を取り直して告げた。
「――オナニー禁止ですよ
>>219さん。それと私は君に嘘つき呼ばわりされる覚えはない!」
ピシッ!と叩きつけるようにそう言うと、不機嫌そうな表情で診察室から出てゆくように手で促す。
俺はそんな医師の横顔を、怒りをこめた視線で睨みつける。だが、医師はそんな俺の視線など軽く受け流す。
そして横にいた中年の看護婦にカルテを渡すと次の患者を呼び入れるように命じた。
俺はそれから数秒ほど粘ったが、結局諦める。そのまま憤然とした足取りで診察室を後にした――。
――オナニー禁止。オナニー禁止。それは俺こと
>>219にとっては絶望的な宣告である。
寿命があと3日だ、と言われたのとそれほど変わらないくらいに、俺にとっては衝撃だった。
俺こと
>>219にとって、オナニーは唯一と言ってもよいくらいの生きがいなのだ。
ちんこをいじくり、その電気で痺れるような快感をたっぷり味わい、ギリギリまで粘って射精する。
この快感の素晴らしさを言葉で表現しようとするのは難しい。
とりあえず
>>219の文章で表現しているのだが、みんなに伝わっているだろうか?
まあいい。俺こと世紀の天才作家
>>219だけがわかっていればいいのだ。
お前らみたいな平凡でゲスな連中にわかってもらえなくても別に構わないさ。天才ってのは常に孤独なんだからな。
それよりなぜ俺こと世紀の天才作家
>>219がオナニーを禁じられてしまっかって?
そう、それは確かに俺の不覚であった。俺のちんこが今のような惨状になってしまったのは、俺の不注意からだ。
――実は俺、先日、どういうわけか精神病院に送り込まれたんだ。俺も事情はよくわからないんだが。
頭に妖精が住み着いてる!と喚き散らす男や、東京に悪魔王サタンが目覚めたと絶叫する男たちとともに、
俺は謎の黄色い救急車に乗せられて、数時間のクネクネした山道を通ってここに来たのだ――。
――ふと思ったんだが、ここって東京湾にある湾上の都市だったかじゃなかったっけ?何で山なんてあるんだ?
まあいい、そんな問題など些細なことに過ぎない。それよりも俺がここに送り込まれた理由だ。
まさにその理由こそ、俺がもっとも知りたいことなのだから――。
252 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 06:40:23.74 ID:KiJCI9Bo
「――えっと?
>>219さんですね」
面接を担当したのは、何か胡散臭そうな学者ヅラした医師だった。
俺の個人データだかが色々と書き込まれてる書類を、銀ブチ眼鏡のツルをつまみながら凝視してやがる。
俺は屈強な看護士の男二人に拘束衣を着せられ、椅子に縛り付けられている。
先ほど散々暴れまわったせいで体のあちこちが痛い。このプロレスラーみたいな看護士にぶん殴られたからだ。
俺は目の前の胡散臭そうな医師を怒りと殺意の篭った目でジッと睨みつけていた。
この世で俺が一番嫌いなのは荒らしだが、その次にに胡散臭い学者ヅラした医師が嫌いなのだ。
やっかいなことにこのスレにはその両方がいるんだ。俺の絶望的な状況を理解してくれたかい?
俺は何かをしゃべろうとしたが、しゃべれなかった。言い忘れたが俺は口にギャグボールを咥えさせられてる。
胡散臭そうな学者ヅラした医師の奴は、書類に目を通しながら俺をチラリと見た。
――あ?何だテメエ、ホモか何かか?と、俺は言おうとしたが、さっきも言ったように俺はしゃべれない。
それから数分間、まるで食肉牛の品質でも確認するかのような目で俺を観察してやがる。
やべえ、ちょっとションベンがしたくなったぜ。早く済ましてくれないか?俺はそう訴えたかった。
何とか俺がションベンもれそうなのを伝えようと、俺は股間の辺りをモジモジさせ、看護士の一人に目で訴えた。
すると、そのゴリラに似たヒゲ面の看護士の野郎は、何を勘違いしたのか俺の目を見つめ、ウィンクしやがった。
そう、このせいで俺はその日よりずっと、このゴリラみたいな看護士に時折ケツを掘られる羽目になったんだ。
つい最近、このゴリラ看護士は患者(※全部男)の何人かを性具として弄んだ廉でクビになったんだが、
それまでの三ヶ月ちかくの間、俺こと
>>219はほぼ毎晩こいつにケツを掘られ続けるという素晴らしい天国――
――じゃなくて地獄を味わい続けたんだぜ。最悪ったらないよなマジで。
で、だ。俺の話というか回想は、このホモの毛むくじゃらのゴリ看護士のおっさんのことについてじゃないわけ。
俺が何でこんな山奥にある精神病院に収監されることになったか、というその理由なわけだ。
それは実に単純であり、なおかつむかつくくらいに不可解な理由だった。
「――中二病ですな。それも相当末期の」
その胡散臭そうな学者ヅラした医師の奴は、あっさりとそう言うと俺のカルテだかをバインダーにしまいこんだ。
「長期入院が必要ですな、
>>219さん。隔離病棟に個室がありますので――」
そう告げるとこの胡散臭そうな学者ヅラの医師は、俺を連れ出すように看護士たちにアゴで合図した。
もちろん俺に反論の機会などなかった。というよりさっきも言ったとおり俺の口はギャグボールで完全に塞がれんだよ。
俺は「むうーっ!むうーっ!」と唸り声を上げながら、屈強な看護士の奴に引きずられて部屋から連れ出された――。
253 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 06:45:29.89 ID:KiJCI9Bo
それから連日のごとくホモのゴリラ看護士にアナルを掘られたり、変なクスリを飲まされたりと散々だった。
中二病ってのは精神病なのかよ!と俺は聞いたら、あっさりと「そうだよ」と答えられて変な注射打たれたりした。
しかし、俺がどうして中二病なのか、ということを一度聞いてみたことがあった。
すると週一で面会する担当医師(※冒頭に出てたやつね)は、こう答えたのだ。
「そりゃ
>>219の文章みれば、一目瞭然でしょ」
マジかよ。俺こと
>>219はこの名文美文でノーベル文学賞とノーベル医学生理学賞を貰うつもりだったのだが。
とにかくそのとき俺はこの担当医師にゴリラ看護士にケツを掘られて肛門が痛くてたまらないと訴えたのだが、
重症の中二病患者の欲求不満からでた妄想だと片付けられ、また変なクスリを注射されて隔離病棟に放り込まれた。
このゴリラ看護士がガチホモだとわかったのはそれから三ヶ月近くで、俺の肛門括約筋がすっかり緩みきったころだった。
俺の隔離病棟で俺のアナルをがっつり掘っているところを、医師団たちにばっちり見つかったのだ。
医師団たちは珍しい中二病患者がいるとの報告を受け、俺の隔離病室にまで観察に来たところだったらしい。
そこで毛むくじゃらのゴリラにケツを掘られた俺の哀れな姿を発見したというわけだ。
ついにこのガチホモゴリラ看護士は解雇され、警察にとっ捕まり、その後どうなったかは知らない。
ともかく俺はホモホモ地獄から解放され、そんですっかりアブノーマルになった性癖をノーマルに戻すことにした。
――ともかくだ。俺こと世紀の天才
>>219は、もともとがっちりのロリコン野郎だったわけだ。
それは
>>219の文章を読んでもらえば、ある程度察しがつくと思う。
なにせ中二病といったら幼女ロリ好きなのが定番と言ってもよいくらいに定番だしな。
俺こと
>>219もご他聞に漏れずそうなわけだ。わかったかいみんな?ロリじゃなきゃ
>>219みたいな名文は書けんのよ。
さて、俺は隔離病室の中で日々想像力を働かせ、ロリータ娘のあられもない姿を想像してオナニーに励み始めた。
最初、すっかりホモに開発されてたせいか、いくら幼女の全裸をイメージしてもちんこはピクリとも動かない。
あれ?おかしいな?俺こと
>>219はがっちりロリ好きなはずなのに。俺は激しく落ち込んだ。
でもこんなことでめげる俺こと
>>219ではない。俺はそれから看護士に見つからないようにオナニーに励み続けた。
――おそらく一週間くらいだろうか?俺は憧れの美少女のエリちゃん(※上の方のアイドルらしい)でついに射精。
やった!ついに俺こと
>>219はロリコンに戻れた!これで
>>219の続きが書ける!
そして俺の渾身の中二病文学を世界に知らしめることが出来る!俺は欣喜雀躍した――。
254 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 06:47:01.50 ID:KiJCI9Bo
それからというもの、俺はありとあらゆるものから幼女を想像し、オナニーに励んだ。
そしてある日のことだった。俺こと
>>219はふと、こう思った。
「このストローを尿道に挿入してオナニーしたら、超気持ちいいんじゃないかな?」
俺は早速チャレンジした。俺のような立派な中二病患者は、こういう快楽の発見に対するチャレンジに躊躇しない。
>>219を見れば解るだろう。俺は戦闘機で爆撃して世界中の主要都市を完全に破壊してしまう男なんだぞ。
早速俺は、昼飯についてきた牛乳パックのストローを手に取る。
中々よさそうだな。こんなので尿道の中をゴシゴシしたらさぞかし気持ちいいだろうな。
俺はさっそく、これを挿入することにした。
もちろん脳内では、憧れのエリちゃんをイメージする。イメージして僅か2秒で俺のちんこはフル勃起。
さすが俺だぜ。.
>>219のような全ての女性を酔わせる素敵な文章を書くだけのことはある。
そして俺はちんこを手でゴシゴシとしごきながら、そのストローを尿道にゆっくりと差し込む――。
「――おおうっ!おおおうう!」
俺こと
>>219は監獄の中で唸った。あまりの快楽で一瞬で射精寸前になっていた――まずいな。
今すぐ射精しちゃうのはもったいない。まだストローが尿道に十分入っていないのだから。
俺は元気すぎる俺のちんこを宥めるために、あのガチホモゴリラ看護士の毛むくじゃらを思い出してみた。
――やばいっ!もう射精しちまいそうだ!俺はもう少しで射精してしまうところだった。
あの毛むくじゃらの手でちんこを手コキされた思い出は、まだ俺の心にトラウマを刻んでいたのだ。
俺は大きく深呼吸をしてなんとか射精を抑えた。元気すぎるのも問題だな、と苦笑しながらつぶやく。
数分して、俺のちんこはガチガチになりながらも、余裕が出てきた。
俺は注意深く、ゆっくりとストローを差し込んでゆく。ストローは徐々に、徐々に俺の尿道の中へと沈んでゆく。
俺の尿道の中でストローの外壁が擦れ、結構な快感が生ずる。
俺はその快感をコントロールしながら、さらにストローを奥へ奥へと差し入れてゆく。
――素晴らしかった。こんなに気持ちがよいとは思わなかった。
俺は笑った。呆けたように笑った。頭の中でエリちゃんのセクシーポーズを想像しながら。
ああエリちゃん!天国は近づけりっ!
255 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 06:49:11.08 ID:KiJCI9Bo
――と、その瞬間であった。
めりっ、という嫌な感触とともに、尿道の中に痛みが走った――。
後はもう描写したくない。頼む勘弁してくれ。もうあんなこと思い出したくないんだ。
――ともかく俺が覚えていることは、ちんこを抑えながら悶え苦しむ俺を発見した看護士たちが、
俺のところに駆け寄り、そのまま担架に乗せて運び出したところかな?
俺のちんこの辺りは真っ赤になってて、物凄く痛くてさ。
担架で運ばれてる途中もキャスターがガツンガツンと何処かに当たるたびにちんこに痛みが。
もういい、それからまもなくして俺は失神したわけだ。
そして冒頭のシーンに戻る。俺はこうしてオナニー禁止を告げられたわけだ。
診察室を後にし、うれしいことに俺は今一般病棟にいるんだぜ。なぜって外科治療が必要だからさ。
俺の隣のベッドにはなぜか左手と左脚と左目の無い元特殊部隊員がいた。(※上の方のどこかに書かれてるやつ)
そいつが苦しそうにケツの穴をほじり、自分のウンコを掻き出しているのを見て、俺は反省した。
五体満足の俺が、こんな馬鹿げたことでちんこを血まみれにしちゃうなんて、馬鹿だな、と。
まあ、そういうこと。俺こと
>>219はこれから当分オナニーを我慢することをここに誓うよ――。
256 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/30(土) 08:45:20.69 ID:s+LvZBTn
このスレ最高。面白すぎだろ!www
応援するわまじで
257 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/01(日) 20:37:24.46 ID:kj9ut16v
>>219本人による続きは?
そろそろネタを投下してやれw
【のび太と悪魔王サタン 〜 東京都湾上副都心・ハルマゲドン伝説】
[ 第一章 ]
その日、のび太は男子トイレの個室でオナニーをしていた。
のび太がその顔に押し付けてスーハーのしているブツは、あのしずかちゃんのブルマだ。
体育の授業終わりでじっとりと汗ばんだしずかちゃんのブルマは、若い女の体臭でムンムンしていた。
先ほどまでクラス一の美少女が見につけていた宝物の中に、のび太は鼻先を埋め、思い切り息を吸い込む。
思春期に突入した生娘の放つたまらないフェロモンの芳香が、のび太の鼻腔と脳髄をビンビンに刺激する。
「しずかちゃん……ああ、しずかちゃん!」
のび太はそう呟きながら、自らのペニスを固く握り締めた……。
……つい先ほど、休み時間開始のチャイムとともに席を立ったのび太。
ジャイアンやスネ夫の呼びかける声を無視し、そのまま教室を脱兎の如く飛び出した。
さっきの授業時間中もずっとこの興奮を抑え切れなかったのだ。
もちろん授業など耳に届いていない……まあ、そんなのいつものことだが。
黒板に書かれた非線形微分方程式の応用問題を解くように先生に指名されたのだが、
それに大してイラついた態度で「わかりません」と答えたのび太。これで放課後は居残りが決定だろう。
「ふん、まあいい……。」
それよりもポケットの中には先ほどしずかちゃんから失敬した、脱ぎたてのブルマ。
夏の日差しの下でたっぷり汗をかき、少しムレたしずかちゃんの股間を覆っていたブルマだ。
そのことを考えただけで、のび太の胸の鼓動は高鳴る。
もはや五時限目に提出しなきゃならないサンスクリット語のレポートのことなど頭に無かった。
そしてのび太は、全力疾走でこの男子トイレに駆け込んだのである……。
……たまらなくなったのび太はついに、しずかちゃんのブルマを口にくわえ込んだ。
裾に溜まったしずかちゃんの汗から、少ししょっぱい味がする。
「む!た、たまらない!」
既に真っ赤に腫れ上がった己のペニスは、小学五年生にしてはサイズはかなりでかい。
大男の疎チン・ジャイアンや、モロの短小包茎のスネ夫に比べると、そのグロテスクな巨大さは群を抜いている。
その灼熱を帯びた巨大なペニスは、今、のび太の手の中で破裂しそうだ。
「あ、ああっ、し、しずかちゃん!」
脊椎が震えるような感触が伝わり、肛門括約筋が引き絞られる。
そしてその快感は右手で握り締める男根に伝わり、熱く膨張した男根全体が痺れた。
「そろそろ出ちゃうっ!」
そう思ったのび太は口にくわえ込んでいたしずかちゃんのブルマを取り出す。
そのブルマで自分のペニスを包むと、一気に手の動きを速めた。
しずかちゃんのヴァギナに接した布地が、今、己の亀頭を激しくこすり上げる。
しずかちゃんから染み出した女の汁が、今、己の亀頭のカリに擦り付けられている。
「しずかちゃん、ああっ!!」
一瞬、大きく体を痙攣させたのび太。
その直後、のび太のペニスの先端から、夥しい量の精液が放たれた。
熱を帯びた精液はそのまましずかちゃんのブルマの布地に流し込まれ、繊維の隙間にしみこんでゆく……。
……ちょうどそのとき、授業開始のチャイムが鳴った。
「どうせレポート書いてないしさ、五時限目の授業なんてサボっちまおう……」
のび太はしずかちゃんのブルマで自分のペニスを拭い、精液をふき取ると、便座に座ったまま軽く尿をした。
廊下からは、教室に戻る同級生たちのあわただしい足音や、早く教室に戻れと怒鳴る教師の声が聞こえる。
そんな日常の喧騒を遠くに感じながら、のび太はポケットからタバコを取り出して口に咥えた……。
(※なお、当作品における小学校五年生は、現在の19歳に相当するという設定です)
「そういや前に、俺の吸ったタバコの吸殻のせいで、ジャイアンの奴が停学処分になったよな……」
ふと、そのことを思い出して、のび太は微笑んだ。
微笑みながらのび太は、髑髏のレリーフの刻まれたニッケルシルバーのジッポライター
(22世紀製でドラえもんから奪い取ったもの)で、口に咥えたハイライトに火をつける。
大きく煙を吸い込むと、一瞬軽い目眩が起きた。この瞬間がたまらない。
血液中にニコチンが巡ってゆく快感に浸りながら、のび太は煙を天井に向かって吐き出す。
……ようやく興奮が収まり、自分の精液で塗れたしずかちゃんを見た。
濃紺の生地に、べったりと自分の精液が染み付いている。
「どうすっかな〜?」
のび太は悩んだ。このまま持ち帰ってオナニーネタにするって言っても、もう俺のザーメン塗れ。
なら、いっそのこと誰かに変態行為の罪を擦り付けちゃえ、と思いついた。
それと同時に、のび太の脳裏にスネ夫の顔が浮かんだ。
あいつでいいや、あいつのロッカーにでも放り込んでおけばいい、と思い、のび太はもう一度クスッと笑った……。
……廊下に出たのび太は、見回りの教師に見つからないように注意しながら廊下を進む。
もちろん目指すは5年3組のロッカールームだ。すでにクラス全員のロッカーの合鍵は取ってある。
ドラえもんの未来の道具(名前はなんつったけなあ…まあいいや!)でアッという間だ。
通りかかった理科実験室では6年生のクラスが理科実験実習をやっていた。
なにやら常温核融合の実験らしく、重水素抽出装置やフォトンレーザー共振器などがウンウン唸っている。
特殊バイザーをつけたアホ面の上級生たちが、理論物理学博士号を持つ理科教師の熱弁を熱心に聞いている。
「馬鹿だな…こんなのドラえもんを脅せば、ミノフスキー・イヨネスコ型核融合ジェネレーターくらい出してくれるぜ」
嘲笑いながらのび太はそこを通りすがる。
だが、そのときだった。
「のび太くんっ!」
と、呼びかける声がした。その声に、射抜かれたように立ち竦むのび太。額に汗がぶわっと浮かぶ。
……まずい、見つかった!
ツカツカと背後からのび太に近づいて来る足音が響く。
固いヒールがリノリウムの床に当たり、長い西校舎の廊下に響き渡った。
ゴウンゴウンという空調の音と、時折発せられる実験室からの機械音……その中で一際甲高く靴音が響く。
「のび太くん、今、授業中でしょ?」
女の声だ。のび太は恐る恐る振り返る。
そこには鮮やかな白いブラウスを着た、美人英語教師茉莉子先生がいた。
鼻筋の通った端正な面立ち。薫り立つような濃厚な色香がどことなう漂う。
紅のルージュが引かれた口元は僅かに微笑み、だが刺すような視線でのび太を見つめる。
「こんなところで何をしているの、ダメでしょう、授業をサボったら」
そう言ってのび太の目の前まで歩み寄る茉莉子先生。
細身の体から我儘に隆起した乳房が、のび太の鼻先で揺れる。
たしかにまずいことになった……こんな状況じゃ誤魔化しようがない。
担任の谷口に報告が行けば、こんどこそ間違いなく停学だ…のび太の頭は必死に打開策を探る。
「せ、先生はこんなところで、何をしてるんですか?」
結局そんなことしか言えなかった。見回りに決まってるじゃんかよ!
そんなの馬鹿でもわかるはずだ。
ふと、のび太は「全力疾走で逃げる」という選択肢を思い浮かべ、それを実行しようとした。
だが、その瞬間だった。
「私?…うふっ!私もサボりよ」
茉莉子先生は、そう言って妖しげに微笑み、再びのび太の目を見つめる。
なんて熱い瞳なんだ、とのび太の奥の官能がくすぐられる。
「……生理痛だって誤魔化して、5年1組の授業をすっぽかしたの」
熱い瞳でのび太を見つめながら、茉莉子先生はのび太にそういい、妖しげに笑った。
唖然とするのび太。そののび太の表情を楽しむかのように、茉莉子先生は付け加える。
「だからね、サボりッて意味ではあなたと同罪なの。……あ、黙っててよ、のび太くん」
そう言いながら茉莉子先生は懐からタバコを取り出した…ヴァージニアスリム。
それを一本取り出し、口に咥えた瞬間、「あ、ここじゃヤバいか!」と言って、振り返って歩き出した。
それよりものび太は、茉莉子先生の話で動転していた。
無理も無い。のび太もまだ小学校五年生なのだ。
(生理痛……生理痛って、茉莉子先生は今、生理なのか?)
のび太の中で妄想が膨らむ。そして視線は歩き出した茉莉子先生の後姿を無意識に追っていた。
年頃の男子生徒を挑発でもするつもりなのか、切り詰められた短いスカートから長く健康的な美脚だ。
そのグレーのタイトミニの下で、ことのほか肉感的な尻が、歩くたびに躍動するように蠢く。
(ところで生理って……マジすか?茉莉子先生?)
先ほどたっぷりと放精したにも関わらず、のび太の股間が疼いた。
のび太の目線の先には、窓から差し込む午後の日差しの下で蠢く見事な美脚。
そしてそのスカートの中では、生理。女性のあの部分から、出血するんだよな、確か。
すると、
「……のび太くんも、来る?」
いきなり振り返った茉莉子先生が、のび太に向かってそう声を掛けた。
そして自分に向けられるのび太の視線を素早く察し、悪戯に微笑んだ。
そこには美の化身がいた。日差しの中の茉莉子先生はそれほどまでに美しかった。
そしてその顔に浮かぶ微笑は、まるで奇跡のような輝きを放っていた……。
[ 第二章 ]
「……茉莉子先生、ボク、もうダメですっ!」
のび太の巨根を巧みに玩ぶ茉莉子先生の舌技に、のび太はもはや限界であった。
教材用具倉庫にある机の端に腰掛け、のび太はズボンとパンツを下ろした格好で仰け反った。
そののび太の前に跪き、長い黒髪を振り乱しながら茉莉子先生は一心不乱にのび太をくわえ込む。
大きく開かれた胸元から豊満な乳房が揺れている。先ほどまでのび太の顔がうずまっていた場所だ。
たくし上げられたスカートからは、見事なまでに丸みを帯びた臀部が剥き出しになり、のび太の視界の下で蠢く。
その白い地肌が、窓から差し込む西日を浴びて痛々しいほどに白い。
「ああっ!」
ここは人気の無い北校舎…その狭い教材用具倉庫の中に響き渡る喘ぎ声を上げて、のび太はついに果てた……。
体中が震えるような快感が駆け抜け、その疼くような快感がのび太のペニスに伝う。
前立腺の奥から湧き出した熱き迸りが、長く太いのび太の男根を伝い、茉莉子先生に向かって噴出した。
「……んんっ、むんんぐっ!」
のび太を口に含みながら、茉莉子先生は唸った。
口腔内にことのほか大量の精液が満ち溢れ、その熱を帯びた奔流が茉莉子の喉に流れ込む。
小学五年生としては考えられないほどに巨大なのび太のペニスが、茉莉子の口の中で痙攣して暴れた。
若草をすり潰したような生臭さが、茉莉子の鼻腔を刺激する。
その若き生命力を味わい、茉莉子は自分の体の芯が熱くなっていくのを感じた。
机の端に腰をかけたままの格好で、のび太は快感に余韻に浸り、大きく喘ぐ。
そののび太の腰に手を回し、茉莉子はさらに彼自身を深くくわえこんだ。
「あうっ!ま、茉莉子先生!」
のび太は腰を引かせる。茉莉子はそれを押さえ込むように抱きしめ、のび太の太いペニスを吸った。
一滴も残さず彼の雫を吸い出す、彼女の本能がそれを求めていた……。
「……随分たくさん出したわね、のび太くん」
体育用のマットの上で横たわる二人。
茉莉子先生はヴァージニアスリムを一本取り出すと、それを口に咥えた。
「あ、ライター……」
と言いながら、横たわるのび太の上に身を乗り出し、向こう側にあるバッグを探りはじめた。
のび太の目の前に、無造作に晒された丸い乳房が揺れる。
少し汗ばんだ白い肌が、ホコリ臭いこの用具倉庫の中で一際新鮮に輝く。
目の前のこの女の肉体で、自分は初めての経験をしたのだ、と改めて振り返った。
その瞬間、精を放って萎れたのび太のペニスに、僅かだが疼きが走る。
茉莉子先生はライターを取り出すと、のび太の横に座り、タバコに火をつけた。
少し目を閉じ、煙を味わった後、ルージュが滲んだ唇をすぼめて天井に紫煙を吐き出した。
のび太はそんな茉莉子先生の姿を横目で見ていた。
快感の余韻が彼の思考力を奪い去る。力なく横たわる体は、まるで自分のものではないようだ。
そんなのび太を、茉莉子先生は見下ろす。悪戯っ気たっぷりの微笑みを浮かべながら。
「まったく……こんなことしてるなんて、結構可愛いところあるじゃない」
茉莉子先生はそういいながら、のび太が持っていたしずかちゃんのブルマを手にとって見せた。
「あっ!……いやそのっ!それは……」
のび太は寝そべったまま、恥ずかしさのあまり視線を逸らす。
見られたくなく、知られたくない自分の恥部が、このように晒される。
激しい自己嫌悪と後悔の念が、のび太の中で渦巻く……。
「えっと? みなもと……しずか、かぁ。ああ、あの娘ね」
茉莉子は指先でつまんでいるブルマを宙で数度振った。
濃紺の生地に、のび太が放った精液がこびり付き、乾いてカピカピになりかけていた。
「のび太くんは、この娘のこと、好きなの?」
顔を背けるのび太の目の前にそれを突き出し、タバコを咥えながら聞いてくる。
その声はどこか楽しんでいるようで、妙に明るい。
「いえ……別に、そういうわけじゃ」
のび太の口は重い。そりゃもちろん大好きだ。
幼馴染であったしずかちゃんが、思春期を向かえ最近は徐々に女の体になってゆく。
そんなしずかちゃんに、抑えられない熱い思いが沸き立つのを、のび太は知っていた。
今まで意識していなかった原始的な衝動が、のび太の中で激しく燃え上がってきている。
その捌け口を求めて日夜苦悶している……その結果が、これだ。
すると突然、茉莉子先生がのび太にのしかかってきた。
「ひねくれてるのね、のび太くん。……もっと素直にならなくちゃ女の子にモテないわよ」
そう言って微笑むと、茉莉子先生はのび太の唇に己の唇を重ねた。
長い黒髪で視界を奪われた。濃厚すぎる女の薫りが、一気にのび太を包み込む。
茉莉子先生の舌が、のび太の前歯を押し広げた。そのまま中に侵入し、のび太の舌と絡まりあう。
唾液と唾液が交わされる…茉莉子先生の唇から溢れた唾液を、のび太は飲み込んだ。
のび太は思わず先生の首に縋りついた。夢中になって茉莉子先生の唇を求める。ああ、たまらない。
だが、茉莉子先生はのび太の抱擁を面倒くさそうに払うと唇を離した。
のび太の肩を押し、上半身を起こす……長い唾液の糸が、二人の唇の間で光った。
もう一度、二人は見詰め合う。刺すような視線が、のび太に注がれた。
茉莉子先生の目は美しさを越えて、どこか恐ろしい。
無言のまま、ジッと茉莉子先生はのび太を見つめる。緊張し、唾を飲み込むのび太。
すると突然、茉莉子先生の手が、のび太のペニスを握った。
「ううっ!」
まだ勃起しておらず、下腹部で萎れたままの柔らかなペニス。
そのペニスを茉莉子先生の手が揉む…少し冷たい手の指の感覚が、たまらなく心地よい。
「こんなに大きいの、あなたは持ってるじゃない……凄いわ、これ」
茉莉子先生はゆっくりと顔をペニスへと近づける。
「この凄いので、しずかちゃんのことを貫いちゃいなさいよ……男でしょ?のび太くんは」
そのまま肉茎を口に含んだ。肉茎をこすり上げ、陰嚢を丁寧に揉みながら、亀頭に軽くキスをした。
「まだ、時間はあるわ……今度は私を気持ちよくさせてよ、のび太くん」
四つん這いになった茉莉子先生は、のび太のペニスを掴んだ。そのまま己の秘所に導く。
「で、でも……先生もマズいんじゃないですか?」
自分のペニスがゆっくりと茉莉子先生の中に入ってゆく。
熱く濡れた粘膜が、のび太の硬直した肉茎をくわえ込んでゆく。
「忘れたの?私、今日は生理痛で半休なの……」
ついにのび太のペニスが、茉莉子先生のヴァギナに埋まった。
茉莉子先生は顔を顰め、小さく唸る…のび太の肉茎の圧力に、少し驚いているようだ。
のび太は茉莉子先生の膣の熱さを感じ取りながら、茉莉子先生の乳房を掴んだ……。
……窓から差し込む夕日が眩しい。裸のままのび太と茉莉子先生は、用具倉庫の床に横たわっていた。
一体、どれだけのオルガスムスを迎えたのだろうか?
こんな激しい童貞喪失を迎えるとは予想だにしていなかった。
散々放精し、力なく萎びた己のペニスがのび太の下腹部に張り付く。
小学生にしては巨大なペニス…ついには茉莉子先生を貫き、何度も悦ばせた灼熱の凶器は今、
まるで先ほどまでの激しさなどウソであるかのように、静かにのび太の上でその身を横たえている。
さすがに先生もきつかったのだろうか、汗ばんだ女の肌の、独特の匂いがのび太の鼻をくすぐる。
「ねえ、のび太くん……」
少し疲れた声で、茉莉子先生はのび太に語りかける。
そのまま茉莉子先生は顔をのび太に近づけると、頬に軽くキスをした。甘い吐息が、のび太の官能をくすぐる。
「私、良かったかしら?」
先生はそう言うと、クスクスと可愛らしく笑った。
良かったに決まっている。大人の女の肉の重み、女の肌の脂の匂い、その甘いあえぎ。
その全てがのび太を襲い、その官能の渦の中、のび太は何度、茉莉子先生に向けてはなったことか。
心地よい疲れが、のび太の身体を包み込む。
まだ温もりが残る夕日の陽射しが、のび太の剥き出しの肌を焼く。
のび太の巨大な肉茎が茉莉子先生の敏感な蜜壺を刺し貫いた瞬間、女の蜜に包まれたのび太の凶器は爆発した。
その後も幾度も繰り返し、女の花芯の中で欲望の雫を吐き出し続け、そのたびにのび太はわなないた。
それは今まで体験したことのない至福のひと時だった。
それとともにのび太の幼年時代は終わりを告げた。激しい快楽の波に砕かれ、流れさってしまったのだ。
そしてそれは同時に、のび太の何かを呼び起こした。
原始的な衝動のような何かを。体の奥から、何か熱いマグマのようなエネルギーが湧き出るのを感じる。
それはのび太の中で勢いを増す。自分自身が別の何かに変わってゆくような、そんな感覚がする。
いや、違う。今まで気づかなかった本当の自分というものが、今のび太の中で目覚めたのだ。
物凄く凶暴で、残酷で、そして逞しい何かが。思わず、のび太の頬に微笑みが浮かんだ。
だが、彼の目はそれは今までののび太とはかけ離れた、凶暴な一匹の猛獣のそれであった……。
「……凄いわ。」
茉莉子先生はのび太の胸の上で、小さくそうつぶやいた。茉莉子先生もまた、淫らに弾けたのだ。
力強いのび太の侵入。これほどまでに凄まじいセックスなど、今までに味わったことなどなかった。
そんなのび太に引き裂かれそうになりながらも、その肩に縋りつき、茉莉子先生は幾度も絶頂に昇りつめた。
幾度も幾度も尽きることなく全身を貫く快感の中で、彼女は恥じらいも無くすすり泣いたのだ。
野比のび太……彼がこれほどまでの少年であったとは、彼女にも予想外だった。
逞しく、猛々しく女を組み伏せ、その激しい欲情の嵐の中で女を殺してみせる。
のび太は天性の女殺しだ……素敵。本当に素敵。
でも、茉莉子の本当の使命はこれからなのだ。
この野比のび太という真の魔王を、彼女が目覚めさせて導くのだ。悪魔王サタンの元へと。
それが、悪魔王サタンが茉莉子に命じた、決してミスの許されない使命なのだ。
そのために茉莉子はこの学校の英語教師として赴任してきたのだから。
……茉莉子は再び身を起こした。横たわるのび太を見下ろし、意地悪く微笑みかける。
のび太は力なく笑い返した。少年には過酷な快楽の宴だったのだろう、のび太の頬にやつれの色が浮かぶ。
だが茉莉子は躊躇するつもりはなかった。
彼女はもう一度のび太に微笑みかけると、そのまま指をのび太の腹に這わせ、その巨大な肉の凶器に触れた。
触れた瞬間、のび太の腰が敏感の反応する。その反応を楽しむかのように、茉莉子はのび太の凶器を指でなぞる。
茉莉子の指の間で、徐々にそれが熱を帯びてゆくのが分かる。
「ま、茉莉子先生。ぼ、僕もう無理ですよ…ああっ!」
茉莉子の指が亀頭を探った瞬間、のび太は可愛らしく喘いだ。
その表情……まだ少年のあどけなさを残すその表情を見た瞬間に、茉莉子は気づいた。
自分がのび太を愛してしまっているということを。ついさっき体を重ねたばかりの小学五年生のこの少年を。
そして今、遥か年下のこの少年の肉体を、茉莉子は狂おしいまでに求めている。
茉莉子の膣が再び潤いを帯び、あの熱い疼きが甦ってゆく。
……この少年を、私の手で本物の男にしてみせる。それが、私ののび太くんへの愛。
悪魔王サタンから下された使命ではない。こののび太という一人の男のために、尽くしたい。
茉莉子はそう思った。それがたとえ悪魔王サタン様を裏切ることになったとしても!
茉莉子の指先の愛撫に反応しあえぐのび太を、愛おしげに見つめる。
思わず茉莉子の目に涙が浮かんだ。それは喜びの涙だった。
そのままゆっくりと茉莉子は、のび太のその肉茎を口に含んだ。
口から溢れそうなほど巨大なそれは、茉莉子の舌の中で断続的に痙攣し、さらに膨張してゆく。
それから一時間ほどの間、のび太と茉莉子先生は言葉を交わすことなく、抱き合った。
それはただの欲情の遊戯ではなく、愛を交わす純粋なセックスだった。
遂にのび太が遂に果て、大量の精液を茉莉子の膣内に吐き出したその瞬間、茉莉子も何度目かの絶頂を味わった。
そのまま崩れるように茉莉子は倒れ、のび太の胸の中で悦びのあまりすすり泣いた……。
[ 第三章 ]
……のび太は変わった。あの日の午後を境にして。
その日、学校の東校舎第12棟裏にのび太を呼び出し、軽くリンチするつもりだったジャイアン。
だが、ジャイアンは拳をふるうことができなかった。
身体がそれを拒んでいた。何故だろう、今までと違う。何かが違う。
のび太の、ジャイアンを静かに見つめるその眼光の輝きに、ジャイアンはおののいた。
まるで獣……のび太の奥に野蛮で凶暴な猛獣が潜むのを、ジャイアンの本能は感知したのだろうか。
何も気づかずにのび太を罵る言葉を吐くスネ夫をよそに、
ジャイアンは春の生暖かい気温が一気に十度くらい下がったような寒気を覚える。
「ねえジャイアン。のび太の奴、今日金持ってきてないみたいだぜ! 殴っちゃおうぜ!」
スネ夫はジャイアンにすがる……こいつはしょせん腰ぎんちゃくでしかない。
自分が虐められたくないがために、強い奴に引っ付いて弱いものいじめをするだけの、下らない男だ。
ジャイアンはスネ夫のその無邪気な笑顔を見下ろし、激しい嫌悪感を感じた。
何だろう、この下らなさは。それに比べてこの目の前で静かに佇む、のび太の異様なまでの落ち着きは?
「……い、いくぞスネ夫!」
ジャイアンは踵を返した。のび太の双眸から注がれるあの輝きに耐えられなかった。
スネ夫は、何でだよ? のび太は金を持ってこなかったんだから、ヤキ入れなきゃだめじゃん!と抗議する。
その刹那、ジャイアンは切れた。
文句を言いながら騒ぐスネ夫を、気づいたら殴っていた。反射的に。
固く握った拳に、スネ夫の歯を砕く嫌な感触がした。それとともにスネ夫のグウッ!という情けない呻き。
気づくとスネ夫は、ジャイアンとのび太の間に倒れこみ、驚いたような顔でジャイアンを見上げている。
その目は涙でにじみ、何でボクが殴られなきゃならないの?と驚いたような顔だ。
鼻血が流れ、口元が裂け、その血が頬を伝い地面に滴り落ちる。前歯も折れているようだ。
ジャイアンもまた驚いた。自分が今してしまったことが信じられなかった。
握ったままの拳は震えている。鼓動が高鳴り、額に汗が滲んでくる。実に嫌な感じだ。
……ふと視界の端に、のび太の姿を捉えた。
のび太は、立ったまま震えるジャイアンの姿と、倒れ伏してすすり泣くスネ夫の姿を、冷ややかな目で見つめていた。
その冷徹なまでの眼光に、ジャイアンは恐怖した。何かが違う、今までとは何かが!
「こらっ! 貴様ら何をやってるんだっ!!」
校内を見回る教務課の教員が、この校舎裏にやって来ていた。
まずい、見つかった!ジャイアンは焦った。もう一度ここで学校側から処分が下れば、おそらくは退学処分。
つい先日、ロッカーの中から憶えのないハイライトの箱が教師に見つかり、三週間の停学処分になったばかり。
あれは冤罪だったが…おそらくジャイアンの横暴っぷりに反発した卑怯者の陰謀だろう。
だが、今回は言現行犯、もはやい訳ができない。
「……貴様ら、こんなところでリンチか! ここは神聖な学び舎だぞ!」
教師達はツカツカと歩み寄ってくる。手にした竹刀をブンブンと振り回しながら。
スネ夫はジャイアンを詰るように睨み、その視線を教師達の方に向けた……決定的だ。
これで退学になるジャイアンに、スネ夫はもう容赦はしないだろう。
ジャイアンに殴られた、その一言を教師に言えば、それでジャイアンはここから永遠に消え去る……。
「おい! 殴られたのはスネ夫か! 一体誰がやったんだっ!」
教師は怒鳴りつける。……その声がジャイアンにはどこか遠くから響いてくるように聞こえた。
ジャイアンの学園生活がここで終焉を迎えるのだ。
この学園を卒業し、エリートコースへ乗るという夢も、今ここで崩れさる。
そして実家の零細青果店の下働きをさせられ、そこで生活に追われる日々……。
……この瞬間、ジャイアンの脳裏に浮かんだのは、その絶望的な未来予想図だった。
だが、ここで予想外のことが起きたのだ。
スネ夫が口を開こうとしたその瞬間、それを遮るようにのび太が一言。
「ボクがやりました。」
そう言って教師たちの前に進み出た……。
……一瞬、空気が止まった。
唖然とするスネ夫の表情がジャイアンの目に映った。
ジャイアンもまた、状況を掴みきれていなかった。
今、のび太の言った一言が信じられなかった。
「野比! 貴様が骨川を殴ったというのか! そうなんだなっ!」
教師はそう叫び、のび太に詰め寄る。
だが、のび太は教師達を前にしても、泰然自若とした態度を全く崩していない。
それどころか、口元にうっすらと笑いを浮かべている。
そののび太の視線が一瞬、ジャイアンとかち合った。
それだけで充分だった。ジャイアンはその一瞬で全てを理解した。
……のび太はジャイアンをかばったのだ。今までのび太のことをいじめ続けたこの男を。
決して恩を売りつけるような、そんな態度ではなく、ただちょっとした些事を軽やかにこなすかのように。
のび太の態度は冷静そのものだった。
教師たちが激しい口調で叱っているにも関わらず、まるで表情を変えない。
今までののび太からは想像も付かないほどに、のび太は変わってしまっている。
ジャイアンは己の卑小さを悟らされた。これで充分であった。
拳はおろか、言葉すら交わすことなくジャイアンはのび太の前に敗れ去ったのだ。
だが何故だろうか、悔しさはなかった。
むしろ本能的な恐怖が、ジャイアンの心を暗鬱に支配していた。
「……ちょ、ちょっと待ってくださいよ先生!」
我に返ったスネ夫が叫んだ。涙声で。
自分を殴ったのはジャイアンであって決してのび太ではない、そう主張したかったのだろう。確かに真実はそうだ。
それにのび太ごときに殴られたとなっては、スネ夫は学園中でバカにされる。
そう、今までののび太であったならばそうであろう。だがスネ夫はのび太の変貌に気づいていない……。
「先生違いますっ! ボクを殴ったのはっ……」
スネ夫が口を開こうとしたその瞬間であった。
目の前で俄かに信じがたいことが起きた。
のび太の蹴り上げた足が、スネ夫の側頭部に打ち込まれた。
鞭のようにしなるその蹴り足が当たった瞬間、バツンと渇いた鈍い音が校舎裏の空間に響く。
嫌な音だった。無情で容赦ない、真の暴力の音だった。
サッカーボールのように蹴り上げられたスネ夫の頭部は一瞬ぐらつき、その後、激しく地面に叩きつけられた。
スネ夫はそのまま失神した……いやそれだけではなかった。
スネ夫のズボンがみるみると濡れてゆく。失禁したのだ。
今目の前で起きたことに、教師たちも絶句した。
ジャイアンにも信じられなかった。まるで虫けらを踏み潰すかの如きのび太の暴力……。
一方、のび太は何事も無かったかのように、教師の方に向き直った。
「骨川くんを殴ったのは僕です。ちょっとこいつ生意気だったんで、ヤキを入れただけです」
のび太は教師にそういうと、何と微笑んでみせた。
その無邪気な微笑みに、ジャイアンだけでなく教師たちすら慄然とした。
「ただ今は反省しています。だから先生方の下された処分はキチンと受け入れます。申し訳ございませんでした」
のび太だけが話していた。淡々と、冷静に。
それ以外の人間は全て時が止まっていた。
……騒ぎを聞きつけたのだろうか、無数の生徒たちがこの校舎裏に集まってきた。
無言で立ち竦む教師たちとジャイアン。その目の前で教師にしおらしく謝罪の弁を述べるのび太。
そして地面に倒れ伏しているスネ夫。
流血し、泡を吹いて倒れるそのスネ夫の姿に、女子生徒たちが悲鳴を上げる。
その悲鳴を聞き、我に返った教師たちは、のび太を生徒指導室に連行してゆく。
その後姿を、ジャイアンは呆然と見つめていた。
間もなく、救急車のサイレンの音が遠くから響いてきた……。
「……ねえ、のび太くん。ちょっとやりすぎじゃない?」
茉莉子先生はそう言うと、クスリと笑った。
生徒指導室には茉莉子先生とのび太の二人。
ガラス天板のテーブルを挟んで、のび太と茉莉子先生は向かい合って座っている。
一方、のび太は無言のままだった。
ソファーにドカリと座り、茉莉子先生からもらったヴァージニアスリムの煙をゆっくりとくゆらせている。
他の先生方は、全てを担任の茉莉子先生に任せて授業に戻っていった。
混乱する校内を押さえるためにも、学校運営はあくまで平常どおりに進めるために。
「……救急車で運ばれた骨川くんは、そのまま緊急の開頭手術ですって。かわいそうにね」
茉莉子先生はそう告げると、驚くことにそのままクスリと笑った。
自分の受け持ちの生徒が重篤になったにも関わらず、悲しむ様子など微塵も無い。。
別にあんな下らない坊やなんて、茉莉子にとっては正直どうでもよかった。
まあ、のび太に傷害致死罪が加わらなかった分、よかったかな、という程度。
のび太はなおも無言のままだ。ただ煙草の煙が立ち昇るさまを、無感動な目でジッと見つめている。
眼鏡の奥のその瞳は、あくまでも冷徹のままだ。
この件でかなり重い処分が下るのは間違いないにも関わらず平然としている。
……その冷たさに、茉莉子の中の女が疼いた。
目の前の少年の中に潜む、暴虐なまでの逞しさ。
茉莉子は涙が出るほどの感動を覚えた。
おそらくのび太に下る処分は長期停学であろう。
だが、正当防衛を主張し、それを軽減する余地はある。
何せ彼は今までジャイアンとスネ夫にいじめられてきたのだ。
そしてジャイアンはのび太に不利になる証言はしない。
既に先ほど茉莉子がジャイアンに行った事情聴取で分かっている。
初めにスネ夫を殴ったのはジャイアン。
ジャイアンはあのままでは退学だったのだ。それをのび太は庇った。
のび太もその事実はとりあえず認めた。面倒くさそうに。
そんな些細なことなど、どうだっていい、そんな態度だ。
悍馬の如く荒々しいその性は、本来のび太の中に眠っていた本性そのものだ。
今までその目覚めは抑えられてきたのだ……あの”ドラえもん”なる下らないおもちゃのせいで。
のび太は煙草を灰皿の中でもみ消した。茉莉子先生はその指先をジッと見つめている。
まだ時間はたっぷりある。ここでのび太を”事情聴取”し、”反省を促す”ための時間がたっぷりと…。
なお、のび太の親への連絡はとっくに済ませた。
ちなみにのび太の両親の反応は驚愕と困惑だった。
「うちの息子がまさか!ウソでしょ!そんな酷いこと、うちののびちゃんがやるなんて!」
電話口でそう叫ぶのび太の母は、取り乱していた。
(あんたの息子は本来はこういう男なんだよ。今までアンタたち両親は気づかなかったんかい?)
茉莉子は呆れながら母親のたわ言を聞き流し、その電話を切った。
こののび太の親とは思えないほど、実に下らない母親だ。
あんなくだらない母親から、よくまのび太のような野獣が生まれ落ちてきたものだ。
……茉莉子は再びのび太を見つめた。
ブラインド越しに差し込むのび太の顔は、どこか危険な薫りがただよう。
眉が引き締まり、幼さを残しつつもその表情は力強さが漲っていた。
眼鏡の下のその瞳…あのジャイアンすら恐怖をおぼえたほどの鋭い眼光。
おそらくのび太はこれからその瞳で多くの女を殺すのだろう……。
茉莉子はコーヒーを淹れるために立ち上がった。
ゆっくりと、のび太に己の美脚とヒップをアピールするように、艶めかしく。
短く切り込まれたスカートの奥は、既に熱く潤っていた。
何せこの狭い空間に、のび太と二人きりでいるのだ。
コーヒーを淹れる水音だけが、静かな部屋の中で響く。
背中越しにのび太の存在感を意識し、茉莉子は無意識に緊張する。
それは同時に期待だった。のび太を激しく求める女の本能の昂ぶりだった。
茉莉子はコーヒーカップをテーブルに置き、そのまま今度はのび太の隣に座る。
のび太の腕にしなだれかかるように身体を添え、頬をのび太の肩に預ける。
のび太の息遣いが聞こえる。まるで落ち着き払ったその息遣いに、茉莉子は軽く苛立つ。
私ほどの美女が寄り添っているのに、何で興奮してくれないのかしら、と。
ついに耐えられなくなった茉莉子は、のび太の頬に軽くキスをした。
その後数度、のび太の頬のキスを繰り返し、のび太の耳朶を唇で噛む。
「……ねえ、ここで抱いてくれる? ドアの鍵は掛かっているから…」
茉莉子は囁く。その声はどこか上ずっている。のび太は無反応なままだった。
茉莉子はゆっくりとのび太の股間に手を這わせ、そのジッパーを引き下ろす。
まだ眠ったままの女殺しの凶器に手を触れた。
怒張していないにも関わらず、茉莉子の手に余るほどの大きさ。
あの日の午後以来、幾度も茉莉子を苛め、茉莉子を快楽の園に導いた逞しい男の鉄槌。
ブリーフの中からそれを引き出し、ゆっくりと指でしごく。
のび太は茉莉子の好きにさせた。まるでセックスしたければ奉仕してみろ、といわんばかりに。
そのクールな態度は、茉莉子をさらに昂ぶらせる。
ブラウスのボタンを自ら外し、ブラのホックを解く。
ブラインド越しに差し込む午後の光の中に、その豊かな乳房が露わになった。
丸くたわんだその乳房と、その先端にある敏感な桃色の乳首が、のび太の胸にこすり付けられた。
のび太は尚も動かない。徐々に茉莉子の息遣いが荒くなる。
茉莉子はのび太の股間に顔を寄せ、のび太の肉茎にキスをした。そのまま唇で亀頭を包み込む。
ゆっくりとのび太の肉茎が熱を帯びてくる。茉莉子はそれを口に含み、舌で刺激を与えてゆく。
のび太の手が、茉莉子の髪を掻き分けた。己の巨根をくわえ込む美しい女の顔を見るために。
茉莉子はその視線を意識し、のび太の方を見上げながらフェラティオを続ける。
唾液をたっぷりと分泌させ、のび太のその凶器を鍛え上げてゆく。
もはや口の中に納まらないほどに巨大となったのび太のペニス。
それを茉莉子は魅入られたようにうっとりと眺めた。
(欲しい、この肉の凶器で私のあそこを刺し貫いて欲しい!)
堪えきれなくなった茉莉子はスカートをたくしあげ、自らショーツを脱ぎ去るとのび太の上に跨った。
もはや前戯など無用であった。液が滴るほどに濡れた茉莉子のヴァギナは、そのままのび太のペニスをくわえ込んだ。
まるで茉莉子を引き裂くように、のび太が侵入してきた。
茉莉子は夢中でのび太の上で弾み、己の膣の奥へとのび太をさらに誘う。
一方のび太はテーブルの上においてあったヴァージニアスリムの箱を取ると、そこから一本取り出して火をつけた。
それを口にくわえながらのび太は茉莉子の淫らな姿を見下ろす。
はだけた上着から覗く乳房は、茉莉子が腰を弾ませるたびに上下する。
その敏感な乳首を、のび太は指先で弄った。既に隆起している乳首の反応を楽しむ。
茉莉子はさらに昂ぶり、ほんの僅かの間に数度、絶頂感を味わった。
そのたびに苦しそうに呻き、大量の愛液を迸らせ、しかし尚も貪欲にのび太を求めた……。
のび太は煙草の煙を吐きながら、茉莉子先生を冷徹に見つめる。
素晴らしい女だ。俺に大人の女の快楽とは何かを知らしめてくれた、愛すべき女だ。
それが、何か目論見があってやっていることは既に分かっている。
確かに茉莉子先生は食えない女だ。
だからそれだからこそ、今この時、この瞬間の悦びを貪り合おうではないか。
のび太は煙草を灰皿に放り投げると、己のペニスに跨る茉莉子先生を抱え上げた。
その瞬間、茉莉子先生は再び達し、のび太の太ももを濡らすほどの熱い液を吐き出した。
……息も絶え絶えに、のび太に縋りつく茉莉子。
その可愛らしいあえぎを耳元で聞き、のび太の中のオスは解き放たれる。
茉莉子の身体を床の上に乱暴に押し倒す。そのまま己のペニスを、茉莉子の熱い膣の中に叩きつける。
殆んど悲鳴に近い声をあげ痙攣を繰り返す茉莉子を、のび太は押さえつけるように抱いた。
肉と肌と粘膜がぶつかり合うような、激しいセックス。
互いが互いの快楽を求め合い、凄まじい勢いで絶頂へと上り詰めてゆく果てしない高揚感。
ついにのび太のペニスも限界に達した。
茉莉子先生の粘膜の齎す女の柔らかさに、のび太は疼きを抑えられなくなっていた。
数秒後、のび太は射精した。茉莉子の華奢なその肉体を床に押し付けるように抱きながら。
子宮の奥まで突き入れた巨大なペニスからは、大量の精液が吐き出される。
それは茉莉子の膣からあふれ出し、愛液と入り混じりってリノリウムの床に滴った。
のび太と茉莉子は互いに抱き合ったまま、痙攣を繰り返す。
遂にのび太が全てを吐き出したとき、茉莉子先生はのび太の腕の中で失神していた。
その表情はしかし女神のように美しかった。
のび太もまた、茉莉子先生の乳房の中に顔を埋め、快楽の余韻に酔いしれた。
茉莉子の中で徐々に力を失ってゆく己のペニスの、心地よい痺れを感じ取りながら。
[ 第四章 ]
のび太に下された処分は、停学一ヶ月だった。
なお、あと二週間で夏休みとなり、その間も停学期間は加算されるために、実質二週間の停学でしかない。
一時は危篤状態に陥ったスネ夫の容態を考えれば、この処分は軽すぎると言えた。
スネ夫の実家の骨川家はこの程度の処分を不服とし、野比家と学園サイドを訴えると息巻いていた。
……だが、それも立ち消えになってしまった。
長期休養となったスネ夫のロッカーを学園側が整理したところ、
中から煙草やブランデー(これはスネ夫が実家から持ち出したもの)が見つかり、
さらにはしずかちゃんの盗まれたブルマその他数点まで見つかってしまったのだ。
これをもみ消す代わりに学園側ものび太とスネ夫の間で起きた不祥事に”目をつぶる”ことになり、
かくしてのび太の停学期間はこれほどの短いものと決定されたのだ。
だが、のび太にとっては、そんなことなどどうでもよかった。
停学なんてしょせんは長期休暇のようなもので、夏休みが他の連中より二週間ばかり伸びたと思えばいい。
その”特別休暇”を、彼は”有意義”に費やすことにした……。
「……ああっ! す、凄いっ! もう駄目ェ!」
のび太の腕の中で、峰不二子は激しく悶えた。
逞しいのび太の突き上げに、不二子のグラマラスな肉体は翻弄される。
不二子に分け入ったのび太の並外れて巨大なペニスは、不二子の膣の粘膜の中で実に横暴に振舞った。
普段は取り澄ましたような不二子が、のび太の獰猛な愛撫にすすり泣きを始める。
のび太は不二子に圧し掛かり、無言で腰を突き出す。
その突き出すリズムに合わせ、マットレスの上のグラマラスな女怪盗は悶え、喘ぐ。
栗色の長い髪の分け目から、不二子の表情がうかがえる。
冷静で、ツンと気取ったこの女が、のび太の凄まじいセックスの下で理性の箍が吹き飛び、痴態を露わにしている。
「も、もう駄目っ! ああ、もう許し……あうっ!」
もちろんのび太は容赦しなかった。
そして不二子のヴァギナを力強くえぐった瞬間、不二子は絶頂に達した。
シーツをぐっしょりと濡らすほどの愛液を垂れ流す不二子。
その生暖かい愛液の感触が、のび太の内腿を伝う。
不二子はのび太の視界の中で、顔を顰め、何度か嗚咽のような声を上げる。
同時にのび太の巨大なペニスを締め上げる括約筋が引き締まり、のび太を絶頂へと誘う。
だが、のび太は許さない。
彼の年齢や経験数から考えれば信じられないような自己抑制で、
己のペニスにチリチリと走る快楽の痺れを押さえつける。
のび太は不二子の乳房を吸った。
大きく丸みを帯びたその乳房を両手で寄せ、その乳首を舌先で激しく転がす。
同時にスラストを再開し、べっちょりと濡れそぼった不二子の股間に己の腰を叩き付けた。
ヴチュ! ヌチュ! という粘液質の音が、不二子の膣から漏れる。
「あぐうっ! あひいっ!」
絶頂からほんの束の間、再び押し寄せた凄まじい快楽の波に、不二子はもはや抗することが出来なかった。
自分の体を押さえつけるのび太の力強さ、自分の子宮を焦がさんばかりののび太のペニスの熱さ。
メスの悦びの全てが不二子に殺到し、彼女の理性は完全に吹き飛んでしまっていた。
吠えるようにあえぐ。ベッドルームにはマットレスのスプリングが軋む音と、不二子の悲鳴だけが響き渡る。
その中で、のび太だけは不二子を冷たく見下ろし、ひたすらペニスをヴァギナに突き入れ続けた。
まるでマシーンの如く。そう、のび太はもはや立派なセックスマシーンであった。
再び不二子が絶頂に達し、快感のあまり意識が飛んだ。
だが、のび太は意に介さずペニスを暴れさせ続けた。
取り留めなくあふれ出す不二子の愛液の熱さを感じながら、額に流れる汗を拭おうともせず。
こんな高飛車な女はとことん狂わせてしまえばいい。
とことんまで痴態を晒させてセックスで洗脳して、メス奴隷にしてやれ……そう、これは調教であり、拷問なのだ。
この女は己の魅力で馬鹿なフランス人怪盗を手玉にとっているみたいだが、こののび太にはそれは通用しない。
その事を、このベッドの上で体で分からせてやるのだ。
……ついにのび太が絶頂に達したとき、不二子は完全に失神していた。
のび太は己の欲望の雫を不二子のヴァギナにたっぷりと注ぎ込む。
二十秒ちかくもの間、勢いよく吐き出されたのび太の精液はことのほか大量で、不二子のヴァギナを満たし、溢れた。
……のび太はベッドの脇に座ると、ハイライトを取り出し、火をつけた。
ベッドの上で不二子は白目を剥き出し、ヴァギナからはのび太の精液を溢れさせている。
失神し、口元からヨダレを垂れ流す不二子は、レストランでの取り澄ました姿からは想像もつかない変貌ぶりだ。
のび太はそんな不二子をジッと眺めた。まるで実験用のモルモットを観察する医学者のような目で。
仰向けになっても形を崩さない不二子の乳房に、のび太は少し驚嘆する。
あれは中々見事だ。ルパン三世なるアホが夢中になる理由も分かるというものだ。
今はだらしなく開かれた両足の間には、きちんと切りそろえられた陰毛が見える。
毛先に汗と愛液を光らせ、赤紫色のヴァギナをデコレートしているそれはとても卑猥だった。
そのクレヴァスの間から、今もなおのび太の放った白い粘液が溢れ出ている。
その粘液は、不二子の愛液と入り混じり、臀部を伝ってベッドシーツに新たなシミを作っている。
のび太はベッドルームに密かに据えつけたビデオカメラの一つを抱えた。
煙草を吸いながら、まず不二子の顔をアップで映し出す。
失神して白目を剥き、浅く息している不二子の顔は不様だ。
真珠のように白い歯も、緩んだ唇から剥き出しになり、そこから溢れた唾液が頬まで流れ出ている。
それからのび太は、不二子の乳房を舐めるように撮り、さらに不二子のヴァギナをアップで捕えた。
のび太のペニスで荒々しく開発された膣口は、そののび太のペニスの巨大さゆえか、今は少し広がっている。
そこからは流れ出る精液は、ヴァギナ全体を白く染め、肛門の方にまで溢れていた。
のび太はさらに不二子の両脚を押し広げ、その模様をじっくりと撮影した。
おそらくこの映像を見れば、あのフランス系の怪盗が冷静さを失うことは請け合いだ。
使うかどうかはわからないが、こういうネタはとりあえずカードとして持っておくべきだな、とのび太は思った……。
……のび太が撮影機材を仕舞い、服を着はじめたころになって、ようやく峰不二子は目覚めた。
全裸でだらしなく横たわっている姿を恥じらい、慌ててシーツを体の上に被せる。
いつもの自信満々の姿はもはやどこにも無かった。
これほどまでに不二子を狂わせた男は、のび太が初めてであった。
今までならば、不二子の方が様々なテクで男たちを狂わせ、その財産や財宝を奪い去ってきたのだ。
だが、もう今は駄目だ。本能が、女の性が、のび太に逆らうことを拒絶している。
この男に蹂躙され、支配されたいという、今までの不二子からは考えられないような欲望が芽生えていた。
「目が覚めたかい?」
のび太は不二子の方を剥き、眼鏡の奥から微笑んだ。
そののび太の視線……茉莉子先生曰く、女殺しの瞳に射すくめられた不二子は、思わず頬を赤らめる。
それと同時に、ぎこちなく、恥ずかしげに微笑み返す。
のび太はもう一度微笑むと、そのまま帰り支度を始めた。
やることはやった。もうこれ以上長居する必要は無い。
そのあたり、のび太は極めてクールだった。
かつてのひ弱なのび太の面影など、もはやどこにも無かった。
「……ねえ、泊まっていかないの?」
不二子は言った。とりすましているようで、声には本音が滲んでいた。そこには哀願があった。
せめてこのままのび太と一緒に夜を過ごしたい、そういう本音が声色に出ていた。
のび太は無言であった。シャツのボタンを留め、茉莉子からプレゼントされたアルマーニを羽織る。
姿見の前でネクタイを直し、髪を撫で付ける。
背後から、不二子の視線を感じる。のび太を求める女の目線だ。
だがもう今日はこの女に用は無かった。既に彼女の仮面は剥がれ落ちたのだ。
後は時折メンテナンスをこなし、利用できるときにとことん利用し搾り取る。もちろん邪魔になったら殺す……。
「……ごめん、ボク宿題があるんだ。だから今日は早く帰らなきゃ」
のび太は申し訳なさそうにそう言った。そしてここで笑顔、これは忘れてはならない。
この笑顔一つで女は安心し、さらにのび太への愛を深める。
のび太は微笑みながらベッドに腰掛け、不二子の栗色の髪を撫でた。
不二子はまるで少女のように従順に、のび太に身を寄せる。
「近いうちにすぐ会えるさ。そのときは一緒に朝日を眺めよう」
のび太はそう言うと、不二子の唇に己の唇を重ねた。
そのまま舌を差し入れ、さらに軽く乳房に手を触れる。
一分ちかいキスの後、さらに求めようとする不二子を優しく押し戻す。
不二子は少し拗ねた。その拗ねた横顔にもう一度キスをして、のび太は立ち上がった。
「多分来週の火曜日には会えるよ。それまでに例の件をお願いね、不二子さん」
のび太はさりげなく念を押し、名残惜しそうな目で見送る不二子を残し、部屋から出た……。
……ホテルのロビーを抜け、のび太はロータリーで車を待った。
夏の日差しが眩しい。空気には潤いと熱気が満ち溢れ、のび太の額にたちまち汗が浮かぶ。
気を利かせたポーターがハイヤーを呼ぼうとするのを丁寧に断り、そのままのび太は玄関の庇の下に立つ。
数分して、アストンマーティンがロータリーに入ってきた。
12気筒エンジンの心地よい響きが、ビル間に響き渡る。
のび太の前に停車するアストンマーティン。
素早く扉を開け、のび太は助手席に座り込むと、アストンマーティンは再びエンジン音を響かせてスタートした。
「……ねえ、どうだった? のび太くん」
運転席には茉莉子先生がいた。
サングラスを掛け、真っ赤なルージュを引く姿は相変わらずセクシーだ。
のび太は茉莉子先生の太ももに手を置き、軽くさすった。くすぐったそうに笑う茉莉子先生。
のび太はそれでも太ももを優しく撫でる。スカートの裾に手を入れ、内腿の素肌を優しく。
「そんなことしたら、事故起こしちゃうわよ」
茉莉子先生はモモを閉じようとする。おそらく感じてしまったのだ。
「……先生と一緒に事故に遭って死ねるなら、ボクは本望ですよ」
のび太はクールに言った。
そしてその言葉で、茉莉子先生の心が揺さぶられたのが目に見えるようにわかった。
そのままのび太は窓の外を見る。太平洋に近い分、ここ東京都湾上副都心の夏の訪れは早い。
もう日差しはもう真夏のそれだ。今年の夏はいつも以上に暑くなりそうだ。
「大丈夫ですよ茉莉子先生。首尾は上々です」
のび太はそう答えると、レカロのシートの中に深々と身を横たえた……。
[ 第五章 ]
「……ねえ、のび太くん。どうしたの? 何か最近、変だよ?」
ドラえもんが、心配そうな声でのび太に聞いてきた。
今、のび太は机に向かって夏休みの宿題をやっているところだ。
科目はラテン語U。今までのび太が比較的苦手としていた科目である。
すでに民法総則や刑事訴訟法、回路理論や量子力学、非線形微分方程式論は全て終えている。
ラテン語を終えた後には担保物件法、破産法などの法学系のレポートや、物性物理学の問題集を終えるつもりだ。
……のび太はドラえもんの問いかけを無視した。
鉛筆がノートの上を走り、ラテン語の文法問題を次々と解いてゆく。
間もなく夏休みの課題分の問題は全て終える。かなりのハイペースである。
今、のび太の脳は知識と理解を激しく渇望していた。
渇いた砂に水が染み入るが如く、のび太の知識体系は脳内に着実に築きあがってゆく。
ラテン語の問題集を終え、見直しを終えた後、それらを既決のトレーに放り込む。
これからはキケロの著作をまとめたテキストを読み込めば、おそらく二学期のテストはトップであろう。
次にのび太は本棚から法律のテキストを取り出した。
瑕疵担保責任の制度趣旨…何故、無過失の債務者に責任を課すのかという、その法的根拠を学ぶ。
具体的な判例を判例集から拾い上げ、それらを吟味し、理解のためにノートの端にメモを採る。
しばらくそれらを読み込んだ後、民法の論文問題の過去問集を紐解く。
それには民法の各制度ごとの問題の索引があり、のび太はそれから三つほどの過去問を解いてみた。
関係者の法的関係を図示し、それらを検討し、論文構成を決定する。
その後、既に記憶した論述パターンを組み替え、今度は実際にそれを記述してみる。
模範解答例のページを開き、そこで自分の論述と比較検討。出来は中々だな、とのび太は思った。
一学期の間、比較的苦手にしていた民法もこれでかなりの高得点を期待できそうだ。
理数系を比較的得意としていたのび太だが、語学科目と法学科目を苦手にしていた。
これらをこのひと夏の間に全てマスターし、新学期からはトップレベルの成績をとる。無論実力で。
茉莉子先生は教師という立場を利用して、のび太の成績を改ざんすることを提案した。
が、それはのび太のプライドが許さなかった。実力で全て取るつもりなのだ。
自分を徹底的に鍛え上げ、どのような困難にも立ち向かう力を自ら培うつもりなのだ。
勉強でも、それ以外でも全てで。そののび太の決意は堅固だった。
さらに刑法…共同正犯の正犯処罰の根拠とは、意思の連結が正犯の結果惹起の危険性を高めるから。
刑法総則60条の法制度趣旨をきちんと学び取り、事例問題集を解く。なるほど上々だ。悪くない。
今までこのような勉強をサボっていたことが実に惜しまれる……。
……次は人権の比較考量的解釈による判例。
表現の自由とプライバシー権の比較考量判例の判例には三島由紀夫の「宴のあと」が使われていた。
プライバシー権の条文規定は現在のところは存在しない。だがそれは憲法の人権規定の趣旨から導かれるもの。
憲法21条の表現の自由と、人権趣旨から当然の如く導かれるプライバシー権は両者相譲らず重要な人権。
ゆえに事例を具体的に考量し、個別具体的に判断するのが妥当である……。
「……ねえ、のび太くんってば! 聞いてるの?」
ドラえもんの声は少し怒っていた。
どうやら今まで何度ものび太に声をかけていたようだ。
のび太はその声を聞き、苛立ちを覚える。
今、俺は目の前の勉強に集中しているっていうのに。
だが、のび太は自らの心を落ち着かせた。
不必要に感情的になるな、それがのび太が己に課した掟の一つ。
のび太は椅子を回転させ、ドラえもんの方に向き直ると、柔和な笑顔を作ってみせた。
「なんだいドラえもん。今、ボクは夏休みの宿題に打ち込んでいたところなんだよ?」
どうせ下らない要件だろう、とのび太は思っていたが、それは一切表情に出さない。
ドラえもんは、今はのび太の最高の友達だ。表面上はその関係を崩したくはない。
そのためにはある程度、感情を押さえる我慢は必要だ。
……ドラえもんは心配そうな顔でのび太を見つめている。
一体何が心配なのだろうか?ドラえもんなんぞに心配されるようなことなど何もないってのに。
「ねえのび太くん。さっきから何度も声をかけてるのに、まるで耳に入ってないみたいだけど?」
お前なんかネズミにかじられて耳そのものが無いじゃん、とのび太は言いかけたがやめた。
人の心の傷をむやみやたらに触れるのは、良い結果を伴わないのだ。
とはいえ、このドラえもんは人ではなく未来の世界からきた青タヌキ型ロボットなのだが。
「いや、だってほら、ボク、夏休みの宿題に没頭してたから……ゴメンね心配かけて」
のび太はしおらしく謝った。
というより、人が熱心に勉強しているのの、どこがおかしいのだろうか?
ドラえもんは黙った。
心配そうに見つめる瞳…未来の世界の技術は凄いな、とのび太は感心する。
こうした微妙な心理を、目や表情筋の動きでたくみに表現してみせてしまうのだから。
「……で、なんだいドラえもん。何か用?」
黙したまま一向に口を開かないドラえもんに、今度はのび太の方から質問した。
今度はドラえもんは溜め息を付く。
さすがにこのロボットも、最近ののび太の変貌くらい気づいているはずだ。
幾ら適当にはぐらかしても、これだけ毎日一緒に居て気づかないという方が変である。
「あのね、のび太くん。……今日の午後、空き地で少年探偵団の会合があるんだけど……」
ドラえもんは語尾を濁した。そのまま目線を逸らし、困惑げな表情を浮かべる。
……おそらくはスネ夫の件であろう、とのび太は推測した。
スネ夫を病院送りにして以降、同級生たちはのび太から距離を置くと決めたようで、連絡一つ寄こさなくなった。
まあそうだろう、あれだけ派手に蹴り入れたからな。
「今日の午後かい?……そうだね、別に用も無いから行けるけど、何か問題でもあるのかい、ドラえもん?」
用はある。女をたっぷりと抱いてやるという大事な用事が。だがそれは夜のことだ。
それよりも歯に物が詰まったかのようなドラえもんの態度に、のび太は少し苛立つ。
ドラえもんはなおも目を逸らしたまま、どこかまごついている。
下らないことにこだわってるんだな、とのび太は呆れた。
スネ夫みたいなクズがどうなろうと、正直どうだっていいことじゃねーか。
だが、のび太はそんな考えは一切、表に出さない。柔和な表情を作り、ドラえもんの言葉を促す。
ドラえもんは意を決したように、のび太に向き直った。
決然とした目といえば大げさだが、一応大事なことらしい。
「ねえ、のび太くん。今日はスネ夫くんも来るんだ。だから……」
「だからスネ夫に謝って欲しい、そう言いたいんだろ?ドラえもんは」
下らない、実に下らないことにこだわってるんだな。
だがドラえもんの表情はパッと晴れた。今ののび太の、たった一言で。
気のせいか、目が潤んでいるようにも見えた。
「分かってるよドラえもん。みんなの前で、ちゃんとスネ夫に謝るから心配しないで」
のび太はそういうと、それで用は済んだだろ、と肩をすくめて見せて、机に向き直った。
ドラえもんは携帯電話を取り出し、おそらく団長の山下くんに電話を入れているのだろう。
「今日、のび太くんも行くってさ。ちゃんとスネ夫くんに謝るって言ってたから……」
そんなドラえもんの声を遠くに聞きながら、先ほどまでやっていた憲法の事例問題に取り掛かるのび太。
取り掛かってほんの数秒で、先ほどまでのドラえもんとの会話など完全に頭から消え去っていた……。
[ 第六章 ]
空き地に集まった少年探偵団のメンバーたちの目が、一斉にのび太に注がれた。
そこには微かな怯えの色が見える。のび太という級友との関係を図りがたい不安感が見て取れる。
真夏の陽射しが差し込む空き地は、目を開けていられないほどに眩しい。
そこに夏休み中の少年少女たちが群がっている。
……今日は少年探偵団の定例会議の日だ。
毎週木曜日、少年探偵団は全員の招集をかける決まりになっていた。
少年探偵団規約第二章7条にそう書かれているのだ。
また、必要に応じて幹部資格のあるメンバーの呼びかけにより緊急会議が開催することがある(第二章8条)。
悪魔軍団との戦いが始まって以来、この緊急会議の開催の頻度が増していた。
それだけこの悪魔軍団の活動が盛んになってきた証拠である。
だが、今日は通常通りの定例会議であった。
最も、のび太はあのスネ夫への暴行事件以来、呼ばれていなかったのだが……。
実は一時、のび太の少年探偵団からの追放も検討されていたのだ。
暴行事件は団内部の風紀の乱れの問題として重要視され、幹部会(第二章12条)でその後何度も討論され続けた。
当初、のび太の行った凄惨な暴行行為に対する風当たりも強かったが、それ以上に問題となったのがスネ夫だった。
ジャイアンの陰に隠れて卑怯なマネばかりするスネ夫に対する、ヒラ団員たちの不平不満が表面化したのだ。
のび太の行為は、幹部や中堅団員たちが行うヒラ団員への嫌がらせに対する抵抗だと、支持する声もあった。
幹部会はそれらの声を受け、のび太に対する処分を無期限謹慎とした。
一時的に少年探偵団の団員資格を停止させ、その後の事態の推移で復帰の可否を検討する、という結論に至った。
同時に団上層部からヒラの団員に至るまで再び風紀粛正が図られ、団内の引き締めを厳しくした。
余談だが、のび太はドラえもん原作では主人公であるにも関わらず、ここではヒラの団員に過ぎない。
その他の主要キャラは全て少年探偵団の幹部である。
ジャイアン(初代団長で現突撃隊長)やスネ夫、しずかちゃん(現副団長)、出来杉(現副団長)など。
さらに少年探偵団に協力するドラえもんもまた幹部であり、顧問であった。
……実は学園内では、この少年探偵団の序列が物を言う。
この序列の低い者は学園内でも立場が弱く、発言権も弱い。
今までののび太は、こうした学園のスクールカーストの底辺を彷徨っていたキャラであった。
周囲でものび太のことを、ドラえもんに引っ付いてきた不良債権くらいにしか思っていなかった……。
……だがスネ夫を殴って停学になって以来、のび太はこうした学園内の秩序を超越してしまっていた。
のび太自身もそう思っていたし、本日集まった少年探偵団の団員全員の目も、それを無意識に悟っていた。
メンバーたちが困惑するのも無理はない……彼はもはや一匹狼なのだ。
クビにしたくばすればいい、それがのび太の本音だった。
もちろん余計な波風は立てたくない。だが仮にクビだとしても、それはそれで構わない。
ドラえもんとともに空き地に入ったのび太は、他のメンバー全員からの違和感に満ちた視線を感じた。
それでものび太の心は平然としていた。のび太にとって、連中などただの虫けらでしかなかった。
一方、一切動揺の色を見せないのび太の態度に、メンバーたちは困惑した。
あれほどの事件……人を一人殺しかけるという事件を引き起こしたにも関わらず、
のび太のこの落ち着き払った態度は一体なんなのだろうか、彼らは一様にそう思っているようだ。
のび太は笑いたくなった。馬鹿なのだろうか彼らは。何をこだわっているんだろう。
スネ夫なんて虫ケラ一匹死んだところで、別に世の中にとって損にはならないだろうし。
……もっともそうした本音が表情にでることは無かった。
それくらいの自己抑制など、今ののび太には朝飯前だ。
……そして、車椅子に座っているスネ夫の目は、明らかに怯えていた。
未だ包帯の取れない頭は、確かに痛々しい。
のび太はスネ夫を見た。そのまま視線を注ぎ続ける。
その視線に気づいたのか、スネ夫はさらに怯え、車椅子の中で小さくなっていく。
つまらない奴だな、そうのび太は思った。それ以上の感慨は全く浮かんでこなかった。
ドラえもんに促され、のび太は団長の山下くんと、副団長の出来杉、しずかちゃんに挨拶をする。
今まですまなかった、団に迷惑をかけたことは心から謝罪する。そう心にも無いことを平然と並べ立てて。
剛毅な性格の山下団長は、のび太に向かって明らかに上からの目線で何かを言っている。
何を言ってるのか興味がなかったので、のび太は完全に聞き流した。どうせ下らない訓示かなにかだろ。
……それよりも出来杉が自分を見つめる目が気になった。
初めはのび太の行為を詰ってるのかと思いきや、どうやらそうではないらしい。
真っ直ぐにのび太の横顔を見つめる出来杉の目線が、徐々に煩わしさを増してゆく。
こいつは何かを知っている?のび太はその視線を意識し、警戒した……。
「……分かったかな、のび太くん!」
目の前で団長の山下が言った。のび太は適当に、だがはっきりと「はい」と答えた。
一瞬、しずかちゃんと視線がかち合う。しずかちゃんの目にも、やはり怯えの色が浮かんでいる。
童貞喪失の前、自分がこのしずかちゃんをズリネタにしていた、ということが信じられなかった。
確かにしずかちゃんはヒロインらしい抜群の美少女だ。
ただそれだけ、特に感興も湧かず、のび太はあっさりと目線を外した……。
……もう一度、スネ夫に向き合う。
のび太はスネ夫の方へと歩み寄った。スネ夫はあきらかに怯えている。
その様子がのび太はおかしかった。スネ夫はもう学園内でもショボイ地位に堕落したのだ。
恐らく遠からずこいつは学園の周りの連中から軽んぜられ、学園にいられなくなってるんじゃないかな?
ジャイアンの腰巾着じゃなかったら、こんな奴は真っ先にいじめのターゲットだし。
そんなことを思いながら、のび太はスネ夫の前に立ちはだかった。
もはや恐怖を隠せないスネ夫。その哀れな姿が、物凄く面白かった。
だが表情には出さない。あくまでも平静に。
そして、周りの目線をたっぷりと意識しながら、のび太はスネ夫に向かって謝罪の弁を述べ、頭を下げた。
死ねばよかったのに、と心の中で呟きながら……こんなのは所詮はただのパフォーマンスなんだから。
とにかくこれで禊は済んだ。
ふとドラえもんの方を見た。ドラえもんはのび太の方を見て微笑みながら頷いていた。
押し付けがましい友情を語るドラえもんらしい、良い子ぶった態度だな、と少し呆れる。
……その横の、出来杉の目線がやはり気になった。
よそう、今は分からないことは考えないようにするんだ。
のび太は始まった定例会に参加する振りをして適当に聞き流し、
今夜、茉莉子先生のマンションでの熱い夜を思いながら、軽くペニスを勃起させる。
陽射しが眩しかった。誰かをブッ殺してやりたくなるくらいに……。
「のび太くん…何で少年探偵団なんかに戻ったの?」
茉莉子先生は気だるそうに聞いてくる。耳元で囁くように。
のび太は天井を見上げながら、その質問にどう答えようか考えていた。
「……まさか、あの源しずかって娘?」
茉莉子先生は言った。その声には僅かながら嫉妬が混じっていた。
それがちょっとおかしかった。今までの茉莉子先生らしくなかった。
ちょっとかわいいな、とのび太は思う。
「……嫉妬してるんですか、茉莉子先生」
のび太はからかうように言う。
すると茉莉子は少し身を起こし、拗ねたような顔でのび太を睨んだ。
のび太はその目を真っ直ぐに見返した。ジッと目を逸らさずに。
茉莉子先生の瞳の奥に、明らかな嫉妬の炎が見える……実に分かりやすい。
かつては憧れの美人教師であり、お姉さん的な存在であった茉莉子先生は、今はもはやのび太の女だ。
彼女の体を翻弄し、彼女の心を玩ぶ。
全てを支配しているのはのび太で、茉莉子はのび太の支配を望むだけでなく、歓迎すらしているのだ。
そんな女が、のび太に対し自分の感情を隠すことなど出来るわけがない。
「意地悪ね、のび太くんっ!」
そう言うと、茉莉子先生は強引に唇を重ねてきた。
前歯と前歯が軽くぶつかる。茉莉子先生は意に介さず、舌を強引にのび太の口に滑り込ませる。
茉莉子先生の手がのび太のペニスを探り当てた。
先ほどの放精により力を失った巨大なペニスに、茉莉子先生のしなやかな指先が這う。
のび太は茉莉子先生の好きにさせた。
のび太の乳首にキスしながら、その手はのび太の巨根をしごいている。
その心地よい感触を味わいながら、のび太の思考は別の場所に飛んでいた……。
……とりあえずは資金だ。既にあの峰不二子からは、十数億円ほどの上納を受けている。
ルパン三世らのチームから、あの馬鹿なルパンを騙しに騙し、多額の資金を巻き上げている。
その資金の大部分は、今のび太のペニスに刺し貫かれている茉莉子先生も知らない。
”必要経費”として不二子や茉莉子に廻す分を除いて、全てはのび太の野望のためにストックしてある。
不二子……あの女はもはやのび太の奴隷だ。
週に一〜二度ほど貫いてやるだけで、どんな命令にも従ってくれる。
既にのび太は、ルパン一党が自分の存在に気づいていると読んでいた。
少なくとも、峰不二子に男の影がある、ということに。それに対応しなければなるまい……近いうちに勝負だな。
「……ああっ! あうんっ!!」
のび太に跨っている茉莉子先生は、長い髪を振り乱しながら喘いでいる。
とはいえ勝気で衝動的な女である不二子とは違い、この茉莉子はきちんと自己抑制ができている女だ。
あれだけのび太と情事を重ねているのに、この間の学園の夏季講習授業の際に、そのそぶりを一切見せなかった。
のび太もいる教室の教壇に立ちながら、以前から変わらぬクールさで授業を淡々と進めていた。
大した女だ、とのび太は思った。
あの夏季講習の期間中、のび太の命令で茉莉子先生は、普段より裾の短いスカートを履いていた。
もちろんそれはのび太によるプレイの一つだ。さらにその下はノーパン。
ブラウスも胸元が広く開いたものをあえて身につけさせ、その下にブラウスに透けるように黒いブラを装着させる。
さすがにあの時の茉莉子は、こういう格好に抵抗を見せた。
だが、のび太の熱いキス一発であっさりと崩れ、それを受け入れる。
授業中、思春期どっぷりの男子生徒連中の目線は、茉莉子に釘付け状態。
おそらく多くの連中は、その日の夜、この茉莉子の艶姿を想像しながらマスターべションに励んだに違いない。
もちろんのび太もその日の夜、茉莉子のいつも以上に燃え上がったエロスを鎮めるために励まざるを得なかったが……。
「……ああっ! も、もう駄目っ! あぐっ!」
茉莉子は何度目かの絶頂に達し、体を痙攣させながらのび太の胸元に倒れこんできた。
汗ばんだ茉莉子の乳房が、のび太の胸板との間で押し潰され、形を崩す。
のび太の顔に、女の匂いに満ちた長い黒髪がふぁさっと覆いかぶさる。
茉莉子先生の荒い吐息が、のび太の胸板に吐きつけられる。
その生暖かさが、のび太の官能を呼び覚ました。
のび太は茉莉子先生の体を抱き上げた。
そのまま今度はのび太が上になり、茉莉子先生を組み伏せる。
「ああっ! のび太くん駄目! こ、これ以上されたら、私、壊れちゃう!」
茉莉子先生はすすり泣いている。愛する男に翻弄されつくした女の、可憐なその表情。素晴らしい。
「でも先生、しずかちゃんに嫉妬してんだろ? 答えろよ」
のび太は己の巨大な根に、さらに力を込める。熱く濡れた茉莉子先生の膣内で、そのペニスをかき回す。
先ほど絶頂に達したばかりにも関わらず、茉莉子先生はものの数秒で再び昇りつめた。
だがのび太は許さない。完全に勃起しきった己の凶器で、茉莉子先生をとことん苛め抜く。
もはやこれは拷問であった。愛の拷問だ。
力強いのび太の愛撫を前に、茉莉子先生は壊れてゆく……。
……のび太が絶頂に達し、巨根から大量の精液を吐き出したのは、それから実に一時間近くあとであった。
勢いよく発射された精液が茉莉子先生の膣の中で愛液とぐちゃぐちゃに混ざり合う。
快感で痺れるペニスで、茉莉子先生の膣内に溜まったその粘液をかき回す。
この女を完全に征服したことを確認するかのように。
それを受け入れる茉莉子先生は、のび太の下で力なく横たわり、もはや息絶え絶えであった……。
……一方、のび太の胸の下で、この美人教師茉莉子は、のび太を本気で愛してしまったことにおののいていた。
のび太はいつか自分の下から立ち去るであろう。
そうなれば自分はのび太無しの人生に耐えられないであろう。
そのときは、茉莉子は迷うことなく死を選ぶであろう、そのことを彼女は理解してしまった。
必ず破滅で終わるこの禁じられた愛の関係。
だが、もう彼女は後戻りできなかった。
死で終わるならば、私はのび太の為に死にたい。
のび太の野望の礎となって、のび太の夢に殉じたい。
射精し終わったのび太の巨大なペニスが引き抜かれるのを感じながら、茉莉子は涙した。
全てを焼き尽くすこの愛にはまり込んだ自分の運命に、喩えようもない女の悦びを感じながら……。
[ 第七章 ]
……のび太が超高級マンションの一室で、茉莉子先生と熱い夜を過ごしているころ。
少年探偵団の団員全員に緊急招集が掛かった。
携帯電話にメールが行き渡り、メンバーは最優先で少年探偵団の秘密基地に駆けつけた。
……ただ一人、のび太を除いて。
「……何をやっているんだ! アイツは!」
のび太の団員復帰後、いきなりのサボタージュに対して、山下団長は憤っていた。
集った団員達は戦闘装備の準備に追われ、この秘密基地内部は騒々しい。
悪魔王サタンの送りこんだモンスターが、この東京都湾上副都心の住宅街で暴れているのだ。
その事件の解決のために、学園民兵組織でもある少年探偵団は警察の治安部隊とは別の作戦行動に打って出ようとしている。
「ドラえもん、君はのび太と同居しているのだろう! 何でのび太の行方を知らないんだ!」
山下団長はドラえもんに向かって詰問する。
ドラえもんは困惑した。実はドラえもんは、最近ののび太の行動を把握できなくなっていた。
かつては、困ったときにはドラえもんといわんばかりに、のび太は全面的にドラえもんに依存する生活を送っていた。
ただひたすら、成長や成熟を回避するのび太の生活。
だが、スネ夫への暴行事件の頃から、のび太のそういった生活は一変していしまっていた。
今夜ものび太は「これからバイトがあるから」と一言残し、家を出ている。
ここ最近、ずっとこんな調子なのだ。
何か秘密を抱えているのは間違いない、ドラえもんもさすがに気づいている。
だが、のび太を捕まえることはできない。のび太のドラえもんに対する警戒心は、異様だった。
普段接する態度では、そんなそぶりは一切見せないのだが。
未来の世界の便利すぎる道具の数々を用いてのび太の追跡を試みたが、
さすがにのび太もドラえもんの道具を使い尽くしてきただけあり、その全てをかいくぐって行方をくらましてみせた。
何かおかしい、ドラえもんはそう思っているも、のび太は一切、しっぽをつかませてくれない。
「……すいません山下団長。バイトだからと言って出て行ったきり、何処に行ったのか分からないんだ」
ドラえもんは申し訳なさそうに言った。事実、ドラえもんの監督の不行き届きを責められても仕方が無い。
だが、山下団長はそれ以上、このことを問題にしなかった。
このあたりが、ジャイアンから団長の地位を襲った団長らしい切り替えの早さだ。
「まあ、のび太はヒラ団員でしかないし、今回の召集命令の無視の件についても後日改めて審議すればいいさ」
そう言うと山下団長は、副団長の出来杉やしずかちゃん、特攻隊長のジャイアンに指示を与え始める……。
ドラえもんもまた四次元ポケットから、今回の戦いに臨むための様々な道具を出した。
ヒラリマント、空気砲、タケコプター…おなじみの道具を取り出し、それをチェックし始める。
のび太……ボクはのび太のことを助け、正しい道を歩ませるために未来からここに来たのに。
だけど、最近ののび太は、ボクの手の届かないところに去ってしまった…そんな感じだ。
かつてはなんでも打ち明けることができた友人同士だったのに。
のび太くんとの関係は人間とロボットの関係を遥かに超えた、真の友情と信頼で結ばれていたはず。
そうだったはずなのに……一体何が、のび太くんを変えてしまったのだろう。
「……ドラちゃん?」
しずかちゃんが、ドラえもんに声を掛ける。どうやら団長との最高幹部会議は終わったみたいだ。
ドラえもんは、なるべく平静を装い、しずかちゃんの方を振り向いた。
しずかちゃんは、悲しそうな目でドラえもんを見ていた。
この少年探偵団きっての美少女であり、この団のヒロインでもある彼女の笑顔は、陰鬱に曇っている。
「ドラちゃん……のび太さん、最近一体どうしちゃったの?」
しずかちゃんは心配そうに尋ねる。
だが、その問いにドラえもんは答えることが出来なかった。
何かがおかしい、それは分かっている。だけどのび太の心は既に閉ざされてしまっていた。
「大丈夫だよしずかちゃん、今日はのび太くん色々忙しいから来れなかったけど、次はちゃんと来るよ」
ドラえもんは笑って見せた。自分でも不自然な笑顔だとわかっていた。
ドラえもんに組み込まれた高度なAIは、プリインストールされたプログラムによる感情表現を超え、
人間のそれと同じくドラえもんの心理そのものを表すようになっている。
そのドラえもんの心理は、のび太やその友達たちとの付き合いにより、人間と変わらないレベルまでに達している。
もはやドラえもんに、メカニカルに作られた表情など無かった。
その表情は人間のそれと同じ、心の窓そのものであった。
「……そう。忙しいのにごめんね、ドラちゃん」
しずかちゃんはそう語ると、その場から立ち去った。
寂しそうに歩くしずかちゃんの後姿を、ドラえもんはいたたまれない目で見る。
やはりしずかちゃんは、のび太のことをずっと気にかけていたのだ。
ヒラの団員のまま打ち捨てられたも同然ののび太と、最高幹部の一人になってしまったしずかちゃん。
日常の付き合いも殆んど皆無になっていたにも関わらず、しずかちゃんはまだのび太を気にかけてくれている。
まだ、希望はあるかもしれない。そうドラえもんは思った……。
まだ、友情を信じることが出来る、しずかちゃんならのび太の心を動かせるかもしれない。
それを優しく見守ってあげよう、そしてのび太を信じてあげよう、それが友情じゃないか……。
それが儚い希望でしかなく、この先には破滅しかないということなど、この時のドラえもんは知る由もなかった。
[ 第八章 ]
「……くそっ! フォイエルバッハ将軍めっ!」
悪魔王サタンが送り込んだモンスター、フォイエルバッハ将軍の攻撃の前に、
少年探偵団のメンバーたちが次々と斃されてゆく……。
フォイエルバッハ将軍の阿修羅のように無数に並ぶ腕の先から、毒を含む糸が次々と吐き出されてゆく。
その糸に絡めとられた団員たちは、身動きがとれずもがき苦しみ、悲鳴とともにドス黒い血反吐を吐く。
……この住宅街は地獄絵図だった。
近隣の住民たちは将軍の糸に囚われて、電信柱や家屋の軒先に吊るされている。
フォイエルバッハ将軍と共にここに来たポンパドール夫人は、その住民たちの肛門にぎょう虫に卵を植え付けて回る。
「何と言う、何と言う非道!」
山下団長は歯噛みした。これほどの強敵を送り込むようになるとは、悪魔王サタンの世界征服計画は予想以上だった。
ドラえもんはショッカーが放ったネズミに仰天し、その場であっさり失神してもう使い物になら無い。
「団長、ここは一度、生き残った団員たちを全部呼び戻すべきです!」
出来杉は山下団長に訴えた。しずかちゃんも同調する。
「このままでは、分散した班ごとに個別撃破されてしまうわ! お願い早く決断して!」
そうこうしている間も、目の前で団員たちがフォイエルバッハ将軍の手にかかり、打ち倒されている。
各団員たちは自主判断でショッカーの群れを打ち倒すも、ボスたる将軍にはまるで歯が立たない。
だが、ジャイアンが孤軍奮闘して頑張っていた。さすがに彼は頼りになる。
バッドの先端に火を付け松明とし、フォイエルバッハ将軍の放つ毒糸を焼き払いながら将軍に向かって突進している。
その勇猛果敢な戦いぶりで崩れそうになる少年探偵団を殆んど一人で支えていた。
「……みんな! ジャイアンを援護するんだ! 早く!」
山下団長は退却ではなく、ここで乾坤一擲の勝負をかけることにした。
ジャイアンのあの勇気……仲間を救おうとたった一人で最前線に立ちはだかるその姿に、心が震えた。
山下団長もまた陣所から飛び出した。
狙撃銃でジャイアンを狙うショッカーを打ち倒すと、返す刀で乱戦の只中に飛び込む。
残りの団員たちも突撃を開始する。
おのおの武器を振り上げ、将軍を守るために集ったショッカーを次々と斃してゆく。
将軍の目の前にまで迫ったジャイアンが駆ける。
「とどめだ! 覚悟しろフォイエルバッハ将軍っ!」
ジャイアンは叫んだ。大きく振りかぶったバッドはフォイエルバッハ将軍の頭を性格に狙っている。
渾身の力を込めたその一撃が、フォイエルバッハ将軍の頭蓋骨を打ち砕こうと振り下ろされ……。
……フォイエルバッハ将軍の顔の口元が歪んだ。彼は笑っていた。
「まずいっ!」
その笑顔を見た出来杉くんは思わず叫んだ。だが、その声がジャイアンには届かない。
次の瞬間、フォイエルバッハ将軍の胸から発射された巨大な繭玉が、一瞬にしてジャイアンを包み込んだ。
それは数十メートルもの距離を飛び、どこかの民家の壁に張り付く。
繭玉の中でジャイアンはもがく声がする。初めは怒号……だがその声は徐々に悲鳴に変わってゆく……。
「はっはっはっはっ! 掛かったなジャイアン!」
フォイエルバッハ将軍は高笑い。それと同時にショッカーたちも大笑い。
勝利を確信したかのような、そんな笑い声が住宅街に響き渡った。
「き、貴様! ジャイアンに何をした!」
出来杉が怒鳴る。その声に気づいたフォイエルバッハ将軍は、その獰猛な目を出来杉に向けた。
「目障りだったジャイアンを斃せるんだ! ジャイアンが死ねば、お前らなんぞ烏合の衆だぞ!」
そう叫ぶと、今度は心底嬉しそうに笑ってみせた。
歯噛みする山下団長や出来杉くん、泣きそうな顔のしずかちゃんを睥睨し、嘲笑う。
「さ〜あ、どうするよ、少年探偵団の諸君! もう少しでジャイアンは全身に毒が回って、紫色に変色して死ぬぞ!」
どっ、と沸き立つショッカー軍団。それに対して一気に意気消沈する少年探偵団の面々たち。
繭玉の中のジャイアンの声が苦しそうな呻きに変わる。
ジャイアンが中で暴れて揺れていた繭玉も、今はジャイアンの衰弱とともに徐々に収まってゆく。
「こ、このままじゃ、ジャイアンが死んじゃう!」
「な、何とかしてくれ、団長! 出来杉!」
「ドラえもんは一体なにをしているんだ!」
ドラえもんはネズミ攻撃にやられ、機能停止状態に陥っていた。
システムダウンからの復旧は、最低でも24時間は掛かる。
「……もう駄目だ。」
団員たちは絶望し、次々と膝をつく。中には涙を流す団員すらいる。
夜の住宅街に、ショッカー軍団の歌う勝利の歌と、フォイエルバッハ将軍のけたたましい笑い声が響き渡る……。
少年探偵団は、負けてしまうのか!
……と、その瞬間であった。
ジャイアンを取り込んだ繭玉が、爆発音とともに吹き飛んだ。
突然の爆音に、悪の軍団たちが驚く。
少年探偵団の面子も状況が読めず、唖然としている。
爆発した巨大な繭玉は、その破片をメラメラと焼きながら崩れてゆく。
そしてその中には既にジャイアンの姿は無かった。
空っぽの繭玉が、燃えながら焼き崩れ、消滅してゆく…。
「う、うぬうっ! 何者だ、貴様!」
フォイエルバッハ将軍は屋根の上の人影に向かって怒鳴りつけた。
その声に少年探偵団たちも反応し、その人影を見上げる。
月明かりに照らされたその人物……気絶しているジャイアンを両腕に抱えて仁王立ちをしている人物。
その姿を見て、少年探偵団たちは思わず唸った。
「のび太さん……」
しずかちゃんは、信じられない、そんな声でそう呟いた。
のび太は悪の軍団と少年探偵団の群がる車道を、その眼鏡をかけた目で冷ややかに見下ろしている。
表情は読めない……月明かりが照らしつける地獄絵図の中で、のび太だけただ一人、別世界の人物のようだ。
歯噛みするフォイエルバッハ将軍。驚きのあまり声を失う少年探偵団たち。
その全ての目線がのび太に向けられている。
その注目の中で、のび太は気絶しているジャイアンをそっと屋根の上に寝かせた。
表情を崩さないまま、のび太はもう一度修羅場を見下ろす。
そののび太の動きに敏感に反応したフォイエルバッハ将軍が身構えた瞬間だった。
……のび太の姿が掻き消えた。
「う、ぬうっ! おのれ何処だ!」
のび太を見失うフォイエルバッハ将軍がキョロキョロしている間に、
電柱や軒先にぶら下がった繭玉が次々と燃え落ちる。
同時に中に閉じ込められていた住民たちや団員が、そこから転げ出てくる。
「……な、何っ!」
驚愕するフォイエルバッハ将軍。
だが次の瞬間、その将軍の目の前にのび太が立っていた。
眼鏡の奥の、のび太の冷たい目が将軍に注がれる。
その冷徹とした視線に、将軍は激しい恐怖に襲われた。
「くそっ!」
そう叫んだ将軍は、胸から巨大な繭玉を発射する。繭玉は瞬く間にのび太を包み込み、その姿を飲み込んだ。
「はっはっはっはっ! 口ほどにも無いわ! 驚かせおって、大したことないではない……」
フォイエルバッハ将軍がそのセリフを言い終わる前に、ケリが付いていた。
繭玉は破られ、そこから伸びたのび太の逞しい腕が、フォイエルバッハの胴体を真っ二つに切り裂いていたのだ。
同時に繭玉は燃え上がり、その中からのび太の姿が現れる。
信じられない、と言った表情でのび太を見つめるフォイエルバッハ将軍。
その将軍に目もくれず、のび太はただ一言言った。
「うぜえんだよ、このクズ……」
それがフォイエルバッハ将軍が生涯最後に耳にした言葉だった。
聞き終わると同時に将軍の魔力は解け、小さな一匹の蜘蛛となり、燃え上がった。
こうしてフォイエルバッハ将軍は、地上から永久に消滅した……。
[ 第九章 ]
「……ねえ、のび太くん。」
茉莉子先生は、ベッドの中でのび太に抱きついた。
いつの間にか鍛錬された、逞しいのび太の体へ、茉莉子先生の手足が絡みつく。
のび太は無言で天井を見上げている。眼鏡で隠されたその表情は見えない。
薄暗い照明の中で、のび太はただ黙っているだけ。
茉莉子先生は、太ももをのび太のペニスにこすり付けた。
巨大なペニスは、先ほど茉莉子を貫いていた時と違い、今は静かに休息のときを迎えている。
その巨大なペニスの感触を、茉莉子は内腿の素肌で感じ取った。
のび太の陰部の剛毛が、茉莉子の滑らかな素肌をチクチクと刺激する。
「ねえ、のび太くん。私たち、もう引き返せないのよ……」
茉莉子は囁く。
悪魔王サタンへの反抗…昨日の夜の、のび太の活躍はまさしく悪魔王サタンへの裏切り行為そのものだ。
のび太も薄々と感じ取っているに違いない。彼女が悪魔王サタンの手の者である、ということを。
のび太の横顔は、相変わらず静かなままであった。
先ほど、茉莉子の肉体を虐めたときの、あの猛々しさは今は無い。
茉莉子の愛撫に身を任せながら、のび太はただ黙っていた……。
……昨日の夜、のび太は悪魔王サタン配下の四天王の一人、フォイエルバッハ将軍を瞬殺してみせた。
少年探偵団を救い、ジャイアンを救い、ドラえもんを救出したのだ。
あと一歩で全滅というところまで追いつめたにも関わらず、のび太一人の活躍でひっくり返ってしまったのだ。
悪魔王サタンの配下のモンスターたちの中でも、最強クラスであったフォイエルバッハ将軍。
それはいとも簡単に葬り去ってしまうとは。茉莉子は、のび太のその本性に、慄然とした。
昨日ののび太の行動は、もはや完全に悪魔王サタンへの敵対行為だ。
それは同時に、のび太の中に眠る魔性を覚醒させて悪魔王サタンの配下に導く役目を負った茉莉子のミスでもある。
おそらく悪魔王サタンは、茉莉子の事を許しはしまい。
少年探偵団の中でも出色の戦闘能力を持つジャイアンなど問題にしないほどの強さ。
ドラえもんの助けなど必要としないどころか、己一人の力で最強クラスの敵を撃滅してのける凄まじさ。
……のび太は変わった。
それは茉莉子の想像以上に。もはや茉莉子がコントロールすることなど、絶対に無理。
むしろ茉莉子の方が、のび太に翻弄され、のび太に惹きつけられている。
茉莉子は、のび太の横顔を見た。相変わらず無言。一体何を考えているのか、茉莉子にすら読めない。
(もしかしたら、私は、起こしてはいけないとてつもないものを目覚めさせてしまったのではないか?)
のび太の心の奥に、茉莉子すら見通すことが出来ない漆黒の闇が存在する。
それはかつて悪魔王サタンの中に茉莉子が見たものと同じだ。
その無限無窮の闇の奥には、おそらく普通の人間では想像も付かないような魔性がとぐろを巻いているのだ。
決して開けてはならないパンドラの箱……その奥に希望すらない、圧倒的な虚無が。
……おそらく、あのドラえもんはのび太の魔性を封印する目的で送られてきたのだろう。
未来の世界からの、現在の世界に対する対抗処置がこれだったのだ。
なら、のび太そのものを誕生させなければよかったのではないか?
なら、のび太をどこかで殺してしまえばよかったのではないか?
のび太を歴史から完全に消去すれば、そもそもこのような魔物が目覚めることなど、無かったはずだ。
……だが、それはできなかったのだろう。未来の世界の高度なテクノロジーを持ってしても。
その理由は分からない。ただ、茉莉子は漠然と察している。
のび太と、それに加え悪魔王サタンの中に潜むのは、人類の原罪のようなもの。
それはたといのび太を殺しても、その原罪自体は決して消え去ることはない。
結局、未来の世界の人間たちは、対症療法を選んだのだろう。それがドラえもんなのだ。
ドラえもんという”装置”を送り込んで、のび太の魔性を眠らせておくことが、彼らに出来る限界だったのだ。
急激に、茉莉子の心が揺れた。
今、茉莉子が唯一頼れるのは、ここにいるのび太だけなのだ。
そう、もう茉莉子は悪魔王サタンの下には戻れなくなってしまった。
昨夜の、のび太のあの行動によって。
そののび太は、おそらく悪魔王サタンに匹敵しうる恐るべき存在そのものだ。
それは決して目覚めさせてはならないもの。
そして茉莉子が、本気で愛してしまった男……。
「……のび太くん、もう一度、抱いてくれる?」
茉莉子はのび太に縋りついた。
自分の心に去来する喩えようもない孤独感から逃れたかった。
のび太の愛撫が欲しい、のび太の荒々しい愛撫で自分を滅茶苦茶にしてほしい。
茉莉子はのび太に跨ると、のび太に激しくキスをした。のび太はそれを黙って受ける。
そのキスは徐々にのび太の分厚い胸へ、見事に腹筋の割れた腹へ、そして巨大なペニスへとたどり着く。
いまだ眠ったままのその巨大なペニスを、茉莉子は口に含む。
唇と舌を使ってのび太を刺激し、のび太の欲情を促す。
茉莉子は夢中でしゃぶった。のび太のペニスを慈しむように頬ずりし、キスをし、舐める。
徐々に硬度を帯び、熱くなってゆくのび太のペニス…そのペニスをフェラしながら茉莉子は涙を流し始めた……。
……のび太は茉莉子の全てを見抜いていた。
茉莉子が、おそらく悪魔王サタンの送り込んだ女であることは予想が付いていた。
悪魔王サタンが、この茉莉子を使ってのび太を篭絡しようとしていたのだろう。
少年探偵団を潰すため、もしくはのび太自身をダークサイドへ引き込むため。
だが、茉莉子がどこの女であるかなど、今ののび太にとってはどうでもよいことであった。
確かにのび太は、茉莉子によって覚醒した。
本来、自分の中に眠っていた魔獣が目覚めたのだ。
本当の自分を見出した気持ち……それは最高であった。素晴らしいものであった。
……そのことは、今のび太のペニスを咥え込んで喘いでいる茉莉子先生に感謝せねばなるまい。
だから今、感謝と慈しみを持って茉莉子先生の子宮の中で己の巨根を暴れさせてやっているのだ。
だが、もう俺は誰のものでもないのだ。俺は俺だけのもの。俺の人生は俺自身が切り開くのだ。
悪魔王サタンだろうと、少年探偵団だろうと関係ないのだ。
俺の前に立ちはだかるものは、全てが敵だ。全ては俺が利用し、俺が奪い、俺が打ち倒す。
俺はたった一人で戦える。恐怖など微塵も感じない。俺は強い……のび太は笑った。
今、のび太の下で組み敷かれている茉莉子先生が幾度目かの絶頂に達し、激しく痙攣している。
のび太は茉莉子先生の両脚をさらに押し広げ、絶頂感の中であえぐ茉莉子先生のヴァギナをさらに抉り上げる。
茉莉子先生のあえぎは、もはや悲鳴だった。華奢な肉体はのび太の筋肉の中でバラバラになりそうだ。
だが茉莉子先生の表情には喜悦が溢れかえっていた。
涙を流す美人教師のその表情は、一人の男を愛する女のそれであった。
徐々に高まってゆく快感を確かめ、それをコントロールしながら射精を促す。
ペニスに走る疼き、亀頭に伝わる快楽の痺れ、前立腺が躍動し、陰嚢に満ちた精液が出口を求める。
のび太は軽く唸った。その声も茉莉子のあえぎの中で掻き消える。
上り詰めてゆく快感の波を感じ取りながら、射精のタイミングを見定める。
そして数分後、遂に射精に達したのび太……尿道を伝う大量の精液の感触がたまらない。
その精液は、のび太の巨大なペニスから勢いよく迸り出て、茉莉子の膣の中に吐き出された。
茉莉子の膣内は、のび太の精液で溢れかえり、入りきらなかったそれは茉莉子の膣から滲み出る……。
「……ねえ、私にはもう、のび太くんしかいないの、わかっているでしょ?」
激しい情事の後、まどろんでいたのび太に、茉莉子先生が身を寄せた。
不安げな、まるで少女のように無力な女の、その細い肩がのび太の胸に圧し掛かる。
のび太は仰向けのまま、煙草の煙を天井に向かって吐いた。
心地よい快楽の余韻。セックスの後の一服は、確かに素晴らしい。
「わかってますよ先生。ボクも先生しかいませんから……」
のび太は淡々とそのセリフを吐いた。
茉莉子先生の表情が動いたのが分かる。見ないでもそれが分かった。
その言葉で、茉莉子先生の心が大きく揺さぶられることなど、のび太には計算ずくだった。
のび太は煙草をくわえながら、茉莉子先生の肩に手を添えた。
そのままその手で首筋を、頬を、さらに唇を軽く愛撫する。
栗色の長い髪の毛から、汗の匂いに混じって女のフェロモンの匂いがする。
のび太はその匂いを味わうように、髪の毛の中に鼻先を埋めて息を吸った。
メスの匂いは、やはりたまらない。
「……しずかちゃんは?」
唐突に茉莉子先生は呟いた。その抑制の効いた囁き声の中に、確かな嫉妬が混じっているのをのび太は察した。
男子生徒たちの憧れの美人教師が、ションベン臭い女子生徒に対し嫉妬心を燃やしているのだ……。
のび太は思わずクスッと笑った。
「おかしい? のび太くん」
茉莉子先生は再び呟く。のび太が誤魔化している、と思ったのだろうか?
別に構わない。嫉妬と焦燥の中でこそ、女は美しく燃え上がるんだ。
「俺はね、先生。先生と何処までも突っ走るつもりですよ……最後まで」
のび太はそう言い、茉莉子先生の汗ばんだ脇を探り、豊満な乳房を撫でた……。
茉莉子先生の目から涙が流れているのが分かった。
その涙が頬を伝い落ち、のび太の胸に落ちた。
のび太は、天井へと立ち昇る煙草の煙を見つめた。
完全に冷え切った、ひたすら暗いその双眸で……。
[ 第十章 ]
……人気の無い倉庫の床に、次元大介が倒れていた。
顎鬚を蓄えたそのニヒルな面は、既に完全に打ち砕かれ原型をとどめていない。
引き千切られた右腕が、数メートル先のコンクリートの床に転がっている。
その右手には、全ての弾丸を撃ちつくしたS&W M19コンバットマグナムが握られたまま。
しかも、その人差し指は、トリガーに掛かったまま。
次元大介という男の、死に臨んだその瞬間に見せた最後の男の矜持がそこにあった……。
一方、深手を負った石川五ェ門が立ち上がった。普段は寡黙な彼にしては珍しく、感情を剥き出しにしている。
「おのれ……よくも次元を!」
五ェ門は刃毀れした斬鉄剣を握りなおした。
構えは正眼。捨て身の覚悟でのび太を打ち倒す悲壮な覚悟がそこに見える。
……のび太は、倉庫のど真ん中に立っている。
峰不二子を抱き寄せ、その長い髪を撫でた。
不二子は俯きながら、それでものび太の胸に身を寄せる。
のび太は不二子の顎の先に指を添え、顔を向けさせる。そのまま五ェ門の方を見ながら不二子と唇を重ねた。
そののび太の目は、明らかに笑っていた。ルパンが見たら、これをどう思うだろうか?
……いや、五ェ門という男もまた、この峰不二子に少なからず魅かれていたいたのだ。
それは決して語られることのない密かな思い。
だが、のび太はそれを完全に見抜いている。
丸眼鏡の奥の、嘲笑の色が浮かぶその瞳は、そう物語っていた。
のび太に抱きしめられた不二子は、のび太のキスに酔いしれている。
あの勝気で奔放な女が、まるで初恋に身を焦がす乙女のようにのび太に従順に身を委ねている。
表情はどこか悲しげな色があった。だがそれも、これから死に行くルパン一党たちへの餞なのだろう。
そう、次元を背後から撃ったのは、この不二子なのだ。
迷い無く、一切の躊躇なく、次元に向けて平然と引き金を引いてみせたのだ。
今までの裏切りとはわけが違う。既に不二子はルパン一党を完全に切り捨てていた。
(ルパン……ここに来るな! これはのび太の罠だ)
ルパンは今頃、この倉庫に向かって金塊を満載したトラックを走らせているはずだ。
そしてここにたどり着けば、間違いなくルパンは死ぬ。
この眼鏡の青年、野比のび太という男ならそれは可能だ。
しかも、たった一人で。小賢しいトラップなど無く、真正面から己の力のみで。
ここでのび太を斃さねばならない。この裏切り者、峰不二子ともども……。
「……なんだ貴様、妬いているのか?」
のび太は五ェ門に言い放った。その表情はにやついている。五ェ門の焦燥を完全に見抜いている。
のび太はここでルパン一党を全滅させ、その全てを奪い去るつもりなのだ。
この倉庫の地下の秘密保管庫にある、ルパン一党が長年に渡って盗んできた宝物全てを。
それを探り、のび太に漏らしたのは不二子だ。
のび太の腕の中で、うっとりと酔いしれた顔の不二子。
……信じられない、あの女が一人の男に蕩けているのだ。
のび太の手が不二子の腰をさするたびに、不二子の表情はうれしそうに歪む。
その優しげな愛撫に、この希代の悪女が完全に篭絡されていた。
……五ェ門の中の殺意が一気に集約し、凝固した。
裏切りへの憤り、死した次元への恨み、女への嫉妬、ルパンのため……そんな理由はどうでもよかった。
これは己の戦いだ。己の全てをかけての戦いだ。
この野比のび太という凄まじい悪党を斬鉄剣の錆びとせねばならない!
その斬鉄剣の切っ先が、港の灯台の照明で一瞬ぎらついた。
距離は遠い。のび太も、不二子もまた銃を持っている。
不二子の銃の腕はともかく、こののび太はわからない。
おそらくは次元に匹敵する、もしかしたら上回る腕の持ち主であるかもしれない。
……一方、のび太は溜め息を付いた。やれやれ、という村上春樹風の溜め息だ。
そして苦笑いしてみせた。こんな下らない勝負に付き合うなんて、俺も大した暇人だな、という、そんな感じに。
のび太は不二子の腰に廻した手を外すと、数歩脇に置いてあるバッグを開く。
今が絶好のチャンスであった。
この瞬間に五ェ門は一気に踏み込み、のび太を切り払えばよかったのだ。
だが五ェ門は、あえてそうしなかった。
あくまでのび太とは、きっちりと決着をつけねばなるまい、そう五ェ門は思ってしまった。
おそらくそれすら、のび太は読んでいたのだろう。
まるで無防備に背中をさらしてしゃがみ、バッグの中をゴソゴソと探っていた。
そして、のび太が取り出したのは、一本の日本刀であった。
……鬼丸国綱。
かつて皇居宮内庁御物倉庫に厳重保管されていたそれを、ルパン一党が散々の苦労の末に盗み出したものだ。
皇宮警察部隊との激しい戦闘を繰り広げ、数多くの死線をくぐり抜けて盗み出せたお宝中のお宝。
それが今、のび太の手に握られている。
おそらく不二子が渡したものだろう。
五ェ門の中で、何かが弾けた。
「不二子ォーッ!」
憤りは、もはや抑えきれずに叫びとなった。その叫びは、空虚な倉庫に響き渡りこだまする。
今までの五ェ門が発した事のない、心の奥底からの叫びだった。
不二子はビクッ!と体を震わせた。
五ェ門の視線を避けるように、顔を横に向ける。
五ェ門は尚も睨み続けた。炎が吹き出しているような、凄まじい目で。
「何だ、女の嫉妬で狂ったのか? このムッツリスケベ」
のび太の声は笑っていた。明らかに五ェ門を挑発している。
ルパンの到着までの時間はまだある。その時間つぶしに五ェ門で遊んでいるのだ。
「女を怒鳴りつけても、しょうがないだろう?」
のび太は笑いながら鬼丸国綱を抜き払った。
見事に鍛え上げられた剛剣。
ヌラリと青光りするその刀身は、魔剣と語られるに相応しい威容だ。
のび太はそれを気だるそうに構えた。
剣術も居合いもまるで知らぬのだろう、その構えは適当で、その場で思いついたかのようだ。
のび太の笑顔……石川五ェ門など、虫けら同然と見なしている笑い。
だが同時に五ェ門は見てしまった。そののび太の笑顔の中にある、眼鏡の奥の瞳を。
そこに広がる無限の暗黒を。漆黒の闇しか存在しない、果てしない虚無を……。
気づいたときには、既に五ェ門は踏み出していた。
チェスト! と大音声の叫びが、倉庫の中に響き渡る。
膂力に全てを込め、のび太を鬼丸国綱ごと真っ二つに切り裂く、その気合いだ。
数メートルもの距離が、瞬きする間も無く詰められ、斬鉄剣の刀身がギラリと光り……。
……次の瞬間、石川五ェ門の胴体は上半身と下半身に分断されていた。
上半身は勢い余って宙を舞い、のび太の後方数メートルの場所にドサリと落ちる。
腰より下は、その場で一瞬動きを止め、その後力なく崩れる。
石川五ェ門が生涯最後に見た映像は、こちらを振り返ったのび太の目であった。
全く温度が無い、冷たく冷え切った目。
薄れゆく意識の中で、その瞳の冷たさが、石川五ェ門を震わせた。
「……寒い。」
それがルパン一党の剣客、石川五ェ門の生涯最後の言葉だった……。
[ 第十一章 ]
「……ウソだろ。 なあ、ウソだと言ってくれよ、不二子ちゃん!」
銃弾が打ち込まれた胸と腹から、血が溢れ出てドクドクと流れ去ってゆく。
ホローポイント弾であったのだろう、銃弾はルパンの体内で砕け、破片が内臓をズタズタに引き裂いていた。
おそらく腹腔はそれ以上の内出血が起こり、その血で満ちていることだろう。
信じられない、という面持ちでルパンは不二子の方を見上げた。
……ルパンに向けて、銃を構える不二子。
その背後には、眼鏡をかけた一人の青年が、薄ら笑いを浮かべてこちらを見ている。
「がふっ!」
ルパンは跪き、口から大量の血を吐いた。意識が徐々に遠退いてゆくのが分かる。
視界は既に朦朧とし、倉庫の天井から照りつける光の中で、あのグラマーな不二子の姿が揺らぐ。
不二子は泣いているように見えた。そうであって欲しかった。
だが、ルパンにピタリと銃口を向ける不二子の口元は、笑っているように見えた。
真っ赤なルージュが塗られた、ふくよかでセクシーな唇。
その唇の端が、頬に向かって吊りあがっていた。
「悪いわね、ルパン。 これが真実なの…」
ルパンに向かって不二子はそう言い、言い終わると同時に引き金を引いた。
正確に放たれたその銃弾はルパンの眉間を貫き、脳をグチャグチャに砕いて後頭部を抜けた。
見開かれたルパンの目が、それでもなお不二子を信じようとこちらを見つめていた。目の端に涙が溢れている。
その涙が目からこぼれ出た瞬間、ルパンの上体は崩れ、コンクリートの床の上にドサリと倒れた。
希代の怪盗・ルパン三世はこうして死に、伝説となった……。
……終わった。これで全てが終わったのだ。
ルパン一党の女怪盗として、日のあたらない道を歩み続けた日々がこれで終わったのだ。
目の前に転がるこのルパンなる男の情婦としての、屈辱と悔恨の日々が。
これで私は自由だ。過去のしがらみは全て断ち切ったのだ。己自身の手で。
そう、これからは、愛するのび太との人生が始まる。
不二子は銃を下ろした。それと同時に目から涙が溢れ出た。
だがそれは、ルパンの死への悲しみではなかった。
全てを終わらせ、忌まわしい過去を終わらせた女の達成感。
愛するのび太のために尽くせた、女の喜びがそこにあった。
不二子の背後から、パチパチパチ、と拍手の音がした。
その音に我に返った不二子は、涙を拭うのを忘れ、笑顔で振り返る……そこに、のび太が居た。
彼はこちらを笑顔で見つめていた。初めて出会ったあのときと同じ、突き抜けるような笑顔で。
その笑顔のまま、のび太は不二子の方へ歩み寄ってくる。
「よくやった不二子。これで君は自由だよ」
のび太は笑顔でそう言う。
この私の過去を全て知り、その上でこの私を受け入れてくれた男。
この堕落し、汚れきった私に、全く新しい人生と新しい愛を与えてくれた、最高の男。
不二子はのび太に駆け寄った。そのままのび太の胸に飛び込んだ。
のび太はその不二子の体を強く抱きしめた。力強い抱擁だった。
「ありがとう、愛してるわのび太さん!」
不二子は泣きじゃくりながら何度もそう叫んだ……。
……ドンッ! という一発の銃声がした。鈍い銃声であった。
それと同時に不二子の腹に衝撃が走る。
周囲の空気が一瞬、全て停止したかに思えた。
その刹那、再びドンッ! という鈍い銃声が響く。
同時に不二子の背中が裂け、そこから血飛沫が飛び、床に散った。
事態を悟るのに、不二子は時間が掛かった。
それでも自分が撃たれたのだ、という現実を受け入れるのを、どこかで躊躇している。
少し遅れて激痛が不二子を襲った。
おそらく脊椎が銃弾で砕かれたのだろう、下半身に感覚がない。
慌ててのび太に縋りつく不二子だが、のび太はもう抱きとめてくれなかった。
そのまま腕でのび太の肩にすがり付こうとする。
だが、のび太はそれでももう、抱きしめてくれなかった。
のび太にもたれかかるようにして、不二子は崩れた。そのままのび太の足元に倒れる。
「……何で、一体どうして?」
不二子は床を濡らす己の血を見た。
自分の腹に大きな銃創が開き、そこから大量の血がなおも流れ出てくる。
その大量の血を見て、不二子はようやく我に返った。
私は撃たれたのだ。いまここで――のび太に。
震えながら不二子はのび太の顔を見上げた。
のび太の、その端正で逞しい眼鏡の顔は、こちらを向いていなかった。全く表情の無いその顔……。
目の前で自分を愛してくれた女が死ぬというのに、その顔には感情一つ浮かんでいない。
眼鏡は照明が反射しており、その奥の瞳はうかがえない。
だが、いまや不二子は、その瞳がどのような色をしているか、分かった。
おそらくは漆黒……初めて出会ったときに見た、危険な男の持つあの虚無の闇。
女を狂わせ、女を破滅させる危険な輝きそれでも女はこの瞳を持つ男を愛さずにはいられない。
「……どうして?」
その声は震えていた。尚も血が流れ続けている。
それはあたかも生命がこの体から抜け出ていくような、そんな感じだった。
あれほど執着した己の生命や若さ、美貌が、今は脆くも崩れ去ろうとしている。
死にたくない。生きてのび太と一緒に人生を過ごしたい。
この後に及んで、不二子は本気でそう思っていた。
「……私、あなたの事、本気で愛しているのよ。」
不二子は力を振り絞ってそう言った。言ったと同時に口から血が溢れ出た。
それでもなお、自分がのび太を愛していることに驚きを感じながら。
すると、のび太が不二子の方を見た。
そこには微笑みが浮かんでいた。少し悲しそうな、だがどこか取り繕ったような、そんな笑顔だった。
そしてのび太は言った。
「ボクも愛してますよ、不二子さん。」
消えゆく意識の中で、不二子はその言葉を喜びとともに受け取った。
それがウソであることなど分かっている。だが、のび太のその言葉を聞いた瞬間、己の膣が潤むのを感じた。
それが峰不二子の生涯最後の記憶となった。
裏切られてもなお愛するものを信じきったルパン三世。
それと同じく不二子もまた、のび太への愛に縋りついたまま死んでいった。
だが、不二子がそのことに気づくことは無かった。
のび太を想ったまま、遂にルパンの事など思い出すことなどなく不二子は絶命した……。
295get
296 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/03(火) 06:42:24.20 ID:5S9LydUC
「――ああっ!」
森の泉に向かってションベンをしてた俺は、思わず悲鳴を上げてしまった。
そう、それは俄かには信じがたいことが起こったのだ。
――そのとき俺は小さめで包皮が被ったかわいいおちんちんから尿を垂れ流していた。
ジョボジョボ〜ジョボジョボ〜と小粋な水音を立て、みるみる泉の清らかな水を穢してゆく。
そんな心地よい罪悪感と膀胱の開放感に、俺は思わず気持ち悪い笑みを浮かべていた。
そのときだった。俺のおちんちんが、突然とれてしまったのだ。
俺の肉体から分離したおちんちんはそのまま泉にポシャン――そのまま見る間に水底に沈んでゆく。
「――ああっ!ああっ!」
俺は叫んだ。静かな森の湖畔で、俺は言葉にならない悲痛な叫びを上げたのだ。
そんな俺の目の前で俺のちんちんが泉の底へと消えてゆく。
俺はその絶望的な光景を見つめながら、そのまま呆然と立ち竦んでしまう。
「――ど、どうしよう! ボクのおちんちんが、おちんちんが無くなってしまったよおおっ!」
俺はその場でひざまづいた。だがその股間には自慢のエクスカリバーはもう無い。
これから数多くの美女を刺し貫き(予定)、雌たちの法悦の蜜壺をかき回す(予定)のエクスカリバー。
現在は排尿とオナニー以外の何も役に立たない汚らしいシロモノでも、この俺にとっては大事な相棒。
――それが今、泉の底に失われてしまったのだ。
「うわあーっ!」
俺は森中に響き渡る叫び声を上げた。
これから俺はどうやって尿をすればいいのか?
大好きなオナニーはもうできなくなってしまうのか?
そう考えると俺は溢れ来る悲しみに耐えかねて遂にその場で慟哭し始めた――。
――さて、どれくらいの時間が経ったのだろうか。
すでに森は夕日の朱に包まれ、カラスがかぁかぁ啼き、森の鳥達は巣に帰ってゆく。
月は東の空に赤々とした姿を見せ、その傍で宵の明星が煌々と輝いて見せる。
――俺は泣き続けていた。
泉の畔でただ一人、おちんちんを失ってしまった悲しみに打ちひしがれて。
これをお読みになっているみなさんも考えてみてほしい。
ある日突然、自分のおちんちんがとれて無くなってしまうことを。
え?女性?あなたは女性なのか?女性が何でこんな書き込みを呼んでいるんだ?
おちんちんのない女には、今の俺のこの恐怖と悲しみは理解できるわけないだろ!
で、そんな時だった。目の前の泉の水面が、ゆっくりと揺らぎ始めた。
さざ波が湧き、夕日に染まる水面が沸き立ってゆく。
――俺は目を上げた。
その泉の変容を、涙が滲む汚らしい目でジッと見つめる。
するとどうであろう。その泉の中から、一人の美女が現れたのだ。
――泉の女神さまだ。
「う、うぇ? えへっ?」
突然現れたその美しい女神を見つめながら、俺はわけの分からない声を発した。
女神さまは大変に美しかった。
端正な面立ちに、深い緑の瞳――だが何故だろう? その瞳はどこか怒っているようだった。
その目は泉の畔に佇む俺を見つめる――それはまるで汚物を見るような、軽蔑しきった眼差しだ。
――そういえばその表情も、どこか強張っているような――。
「――あなたは、この泉におちんちんを落とした方ですね?」
女神は俺に言った。
その声は上品で優しげだった。
だがなぜだろうか、どこかキツい。
「う、えうっ?」
俺はその女神を見ながら驚愕して腰を抜かしていた。
俺の口は、先ほどと同じくわけの分からない音を発するのみ。
――女神さま、とっても綺麗だな、こんな女の人とエッチなことしたいな。
でも今、俺はおちんちんを失ってしまってんだよなあ――俺はそんなことを呆然と考えていた。
297 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/03(火) 06:44:54.36 ID:5S9LydUC
――するとどうしたことだろうか、女神さまは痺れを切らしたように俺を怒鳴りつけた。
「おいコラ、ちんこ落としたのテメエだろ?」
その声は怒気で満ちている。というか目つきがスゲエ怖い。女神さまは更に続ける。
「オメエだろがよ!?私の住まいであるこの聖なる泉にションベンした罰当たりはよっ!」
女神さま完全にブチ切れてます。もはや威厳も何もあったもんじゃありません。
かつてアーサー王にエクスカリバー(こっちは本物)を授けた伝説があるけど、
あの時の神々しさや威厳なんかは、もうどこかへ飛んじゃったみたいです。
「あ、はい。――あの、その、おちんちんを落としてしまったのは僕です」
俺は女神様(凄い美人)の怒気に押されながら、そう返事した。
のび太くんの凄まじい活躍っぷりに思わず感動してしまったというのも関係してるかもしれないんだが。
そんな風に動揺してる俺に、女神さまは聞いてきた。
「そうか、面倒くせーから前置き無し! アンタ、落としたちんこを取り戻したいんだろ? あ?」
――へ?
「――ったく、冗談じゃないわよ。私の家にションベン引っ掛けた上に、汚ねーちんこまで捨てやがってよっ!」
女神様は何かブツブツとぼやいている。俺のせいか? 俺が悪いのか?
「いや、あの――ちんちんは捨てたんじゃないんです。何故か突然、取れてしまったんです」
俺は弁明した。すると女神様は俺を睨みつけ、
「それが罰なんだよ馬鹿。ったく、よりにもよってあんな汚らしいものまで泉に落っことしやがって―― 」
女神さまはマジでキレていた。俺はどうしていいかわからなかった――。
「――ったく。 で、アンタの落としたちんちんは以下の三つのうちどれだよ?」
と言い捨て、なにやらゴソゴソと取り出し始めた。
――ん? まさか、と俺は思った。
三つのちんちんのうち落としたのはどれ?って、
これはまさしくイソップ童話の金の斧、銀の斧の話じゃないか!
ということは、ここで俺が、自分のおちんちんを正直に指し示せば、
金のちんちんと銀のちんちんまでもを手に入れられるのでは?
てか、金のちんちんとか銀のちんちんとか、一体なんだろ?俺は混乱した。
そんな俺の困惑をよそに、女神は陳列台を水面の上に置き(女神ならではの魔法)、
さらに手袋を填め、長い菜箸しでちんちんをつまみ(顔を思い切り顰めながら)、それらを台の上に並べた。
――陳列台の上にならんだのは、三つのちんちんだった。
1、金色ラッカーで塗られただけの、勃起時10センチの包茎ちんちん
2、銀色ラッカーで塗られただけの、勃起時10センチの包茎ちんちん
3、ごく普通の、勃起時10センチの包茎ちんちん
「……」
こんなの、どれも同じじゃないか。
俺はどうすればいいんだろう、素直に3番を選ぶべきか?いや、えーと。
「とっとと選びな、この愚図。このあたしの前にこんな汚らしいものを何時までも並べさせんなよ! ボケッ!」
女神様はもたついている俺を怒鳴りつけ、激しくプレッシャーをかける。
その怒鳴り声を聞いた瞬間、俺のマゾッ気は突然ビンビンに反応した。
凄い美女にこんな風に罵られたら、どんな男だって「おおうっ!」ってなっちゃうんじゃないかな?
――だが、それに答えて勃起するペニスは今、失われているのだ。
そのことに思い当たり俺はさらに混乱した。
激しく動揺した挙句、俺は咄嗟にこう答えてしまった。
「――3番のちんちんが、ボクのおちんちんですっ!」
しばしの沈黙が、この森の泉を支配した。
月明かりだけが、この静かな水面をやさしく照らしつけている。
――俺は思わず唾をゴクリと飲み込んだ。
すると突然、泉の水面は一斉に輝きを放った(※とはいえこれはただの演出であって、別に深い意味はない)。
そして女神さまは、俺に向かって優しく(※だけどその奥には明らかに嫌悪がある)声で言った。
「正解ですっ!その正直さを称え、この三つのちんこを全部――って、とっととこの汚いの持ってけやっ!」
そういうと女神は、さらに煌々と輝きを放った。こうやって派手な演出で神々しさをアピールしているのだ。
そして女神様は俺に向けて中指を立て、ファックユー!と怒鳴りながらて泉のさざ波の中に消えていったのだ――。
298 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/03(火) 06:45:45.75 ID:5S9LydUC
「――はっ!」
俺は目覚めた。どうやら今まで気絶していたみたいだ。
身体をゆっくりと起こす。丸々とした月は既に天空高くに昇り、真上からその輝きを降り注いでいた。
どうやら俺は、森の中で、今までぐっすりおねむだったようだ。
不思議なことに、目の前にあったはずのあの泉はどこかに消えていた。
――しかしおちんちんが突然とれて泉に落っこちてしまったような気がしたんだが?
あれは本当にあった出来事なのだろうか?
いや、あれは夢、悪い夢だったんだ。ちんこが取れて落ちるなんて、何て悪夢だよまったく。
俺はそう一人合点した。
それよりも、寝ている間に膀胱がパンパンになっているようだ。激しい尿意が、俺を苛める。
俺は慌ててズボンを下ろし、ブリーフパンツを下げた。そしてちんこをさらけ出し、尿を垂れ流し始めた。
――その瞬間、
「うわあーっ!」
俺は再び絶叫を上げた。
夜の森の静寂を切り裂くような、凄まじい叫びだった。
――俺の股間には、ちょこんと生える小さめのおちんちんが三本。
金色のおちんちんと銀色のおちんちんと普通のおちんちん。
そのおのおのの先端から、月明かりを受けて輝く尿が、綺麗な放物線を描いていたのだ。
/ \
// /, イ l 、 ヽ
// // ! l| ヽ ! ヽ
// / 〃 」_ | ! |\ ! l !
!│ | |/´ | !ヽ ! ヽ ̄、丶、 ! | |
!| | l '| __,,二ヽ.! \ ! -ヽ \ | | !
|l |ヽヽl //:: r` 丶、\ヽ , ̄=、 \ l / |
|! ! lヘ-'、 ヽ:::::7 `'│::::<`ヽ 7 /、| |
. / ト| .| `` ー ̄ , ヽー'_ トイ- | │ !
. / , -r'/ ̄ヽ、 ` ,´-、/_ |./| |
/ |,〃 ′ ヒj | y /'ト、 |
/ ,l 丶、 ⌒ , 'ァ / | |ヽ| !
/ /ヽ 丶、 / ´ ! /ヽ |
'/ \ \ / / \|
/ |!丶、 | ̄ ! / | 丶、
/ !! r/` | | -イ | | /ヽ
′ \ || /ヽ、 / ! / ヽ! ! / !
| \ !/ \ /| /! / ヽ | / |
うんこ共和国の建国の父、うんこマン一世閣下は、
中天の夜空にアナル星が輝く夜にこの世に生を受けたのじゃ・・・
,. -─ '' "⌒'' ー- 、 __,,. -──- 、.
./ ,r' ´  ̄ ̄ `'' ‐-r--、 r=ニフ´  ̄ ̄ ~`` ‐、 \
/ ,r--‐''‐ 、.._,,二フ-、 ,. -‐゙ー-‐ ''、'ー--''-_、 \
/ / , '´ ,.イ ヽ__ }ノ´二 -‐ヽ._ \
{ i >{ L ,'ー 'ー ''´ ̄}
ト、 !. 〈/ } / ,.イ
ヽ、___ヽ、 ./ カパッ  ̄レ' _, ‐'
、 " `,二ヽ! r''二  ̄
` ‐- 、..__,. -‐─┴─' ゙─‐'--''─- 、..___ ,.
‖‖
‖‖
λ
( )
ヽ( ・∀・ )ノ ウンコー
(____)
その夜、東方の三賢人がアナル星の輝きに導かれ
神の御子の誕生を祝うためにうんこマン一世閣下の下を訪れたのじゃよ・・・
/||
/ ::::||
/:::::::::::||____ \\ ウンコダ ワッショイ!! //
|:::::::::::::::|| || \\ ウンコダ ワッショイ!!/+
|:::::::::::::::|| ガチャ
|:::::::::::::::|| + || 人 人 人 _人人人人人人人人
|:::::::::::::::||: || (__) (__) (__)
|:::::::::::::::|| + ||(__) (__) (__) < この幼子は将来、世界の王になるぞよ!
|:::::::::::::::||. + ( __ ) ( __ ) ( __ )
|:::::::::::::::|| ( ´∀`∩ (´∀`∩) ( ´∀`)  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
|:::::::::::::::|| + (( (つ ノ (つ 丿 (つ つ
|:::::::::::::::|| ヽ ( ノ ( ヽノ ) ) )
\:::::::::::|| ̄ ̄ ̄ ̄ (_)し' し(_) (_)_)
\ ::::||
\||
両親の愛に包まれ、すくすくそだったうんこマン一世さま・・・
しかしある日、うんこマン一世さまはおもいなやんだのじゃ
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ ) 世の中にはあんなに不幸で貧しいひとたちがくるしんでいるのに・・・
||// (__)|(__) <
||/ ( ,,・д・)( ) ぼくだけこんなに幸せに過ごしていてよいのであろうか?
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ ) ぼくは一体、何のためにこの世に生まれ出でてきたの?
||// (__)|(__) <
||/ (n,,・д・)n ) それに、この頭のうんこは・・・もしや?
|| (ソ 丿|ヽ )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
_____
|| 人 | 人
|| (_ )| (_ )
||// (__)|(__) < もしや僕は救世主なのでは!?
||/ r( n(,,・∀・,,n)
|| ( )|( )
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ u―u'
うんこマン一世閣下は、ついに神の意思に目覚めたのじゃ!
うんこマン一世閣下は遂に立ち、記者会見の場でうんこ共和国建国を宣言
国民を不当に弾圧し、搾取を繰り返す今のビチグソ帝国の打倒を訴えたのじゃ!
_人人人人人人人人
人
(__) ビチグソ大帝は、できそこないのうんこ汁だ!
(__) <
( ・∀・ ) そんな男に国家はとても治められない!
U θU
/ ̄ ̄T ̄ ̄\  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
|二二二二二二二|
| |
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ パシャ
∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧ ∧_∧
( )】 ( )】 ( )】 【( ) 【( ) 【( )
/ /┘ . / /┘. / /┘ └\ \ └\ \ └\ \
ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ ノ ̄ゝ
でも、世の中はそう上手くゆかないのじゃよ・・・
うんこマン一世閣下の人気ぶりをみて、革命が起こることを恐れたビチグソ大帝は
うんこマン一世閣下を逮捕し、投獄したのじゃ
____ 人 ____
ヽ=@=ノ (_) ヽ=@=ノ
( ・∀・) (__) ( ・∀・) < お前は死刑だ、うんこマン!
⊂/| ̄ У フつ○(・∀・ )○⊂/| ̄ У フつ
| =◎=| 丿 ノ | =◎= |
(_) __) ,,,,,,(,/(,/ (_) __)
ズルズル
しかしうんこマン一世閣下の人気は絶大だったのじゃ
うんこマン一世閣下の素晴らしさは人づてにどんどん広まっていったのじゃよ・・・
人 人
(__) (__)
(__) (__) \ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
( ・∀・)人 (・∀・ ) |< うんこマンさまの考えは素晴らしいよね!
_)( (__)( ) _| \______________
_) (__) ̄ ̄ ̄/.//|
) ( ) /┃.| |
 ̄ ̄ ̄\ )_/ |__|/
|| ┃
|_)
国民はたちあがった! うんこマン一世を解放しろとデモ行進を始めたのじゃ
国民達のビチグソ大帝への怒りは、頂点に達していたのじゃな・・・
人
\ ウンコ (__) ウンコ / _人人人人人人人人
\ ワッチョイ (・∀・) ワッチョイ /
_/∪\∪\_ < うんこマン一世を解放しろ!
((/,。,。,。,。,。@,。,。,。,。,。\))
| |!!! !!!| | |!!! !!! !!!| |  ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^
人 人. | |;;;; 人 | |;;;; ;;;; ;;;;| | 人 人
(__) (__).| |;;;(__).|;;;; ;;;; ;;;;| | (__) (__)
(ロ二二ロ二(__)二(__)二二二二(__)二(__)二l
(^∀^∩ ∩(´∀` ) (・Д・ ) ∩(・∀・,, ) (・д・# )
┌〔〔 〔〔V) ヽ〔〔 〔〔 つ〔〔 〔〔 つ ヽ〔〔●〔〔 つ〔 〔〔 つ
(_ノ〈 ||_| (_ノ〈 ||_|(_ノ〈 ||_| (_ノ〈 ||_|(__ノ〈 ||_|
(__) (__) (__) (__) (__)
ビチグソ大帝の居城のある帝都になだれ込んだデモ行進は、革命運動に発展!
ついにビチグソ帝国は倒され、ビチグソ大帝は捕らえられたのじゃ
人
ノ⌒ 丿
_/ ::( 『 処刑を前に、泣き叫ぶビチグソ大帝の図 』
/ :::::::\
( :::::::;;;;;;;)
\_―― ̄ ̄::::::::::\
ノ ̄ ::::::::::::::::::::::)
( ::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;)
/―――― ̄ ̄::::::::\
/ ::. _ .::::::::::::: _::::ヽ_
/ / °ヽ_ヽv /:/ °ヽ::::::ヽ
/ /.( ̄( ̄__丶 ..( ̄(\ ::::| オウ!!オウ!!オウ!!オウ!!
. | .:::::::: ) )/ / tーーー|ヽ) ) .::::: ::| ゥ,ウンコ〜ッ!、ウンコォ〜!!
. | .::::...( (..||. | ( ( ::| ウワァァァァァン!
. | :::. ) )| |⊂ニヽ .| ! ) ) ::::|
| : ( ( | | |:::T::::.| ( ( ::|
\: ) )ト--^^^^^┤ ) ) 丿
ついに解放されたうんこマン一世・・・
国民の圧倒的な支持を集め、臨時政府の国家最高指導者に指名されたのじゃ
; 人
; (__)
( ゚∀゚) ウンコー!
⊂ つ
(つ ノ
(ノ
\ ☆
| ☆
(⌒ ⌒ヽ /
\ (´⌒ ⌒ ⌒ヾ /
('⌒ ; ⌒ ::⌒ )
(´ ) ::: ) /
☆─ (´⌒;: ::⌒`) :; )
ウンコー!のちからを信じなさい
待ちに待ったうんこ共和国が樹立したのはそれから間もなくじゃ・・・
その朗報は、マスコミを通じて世界中に打電され、世界から祝福のメッセージが届いたのじゃよ
_人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人人_
世紀の大スクープ! うんこ共和国ついに建国!
 ̄^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^^Y^Y^Y^Y^ ̄
人
人 (__)
(__)ウンコー____. | (__)ウンコー
(__). ||\ \ ̄| ̄~| | (・∀・ )
( ・∀・) ,|| l ̄ ̄ l |:[]/\ | _| ̄ ̄||_)_
┌‐ミ つつ/ ̄||/  ̄ ̄/ ,| /) \| /旦|――||// /|
|└ヾ,, ,,|二二二」二二二二 (__)ウンコー\ | ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| │
 ̄||∪∪ | || /( ・∀・)/ ̄ ̄/ 、 .| ____ |三|/
―――――――――――< ( _つ_//WC,/〜' >―――――――――――
(__)ウンコー \ _{二二} 三三} / __ ____ (__)ウンコー
( ・∀・) , ____ \ ̄ ̄ ̄ ̄"/ =| / / || (__)
/ つ _// / \. /.|  ̄| l ̄ ̄ l ||(・∀・ )
し'`|\// UNKO / |\/___,| =| \ ̄ \ ||¬ ⊂ ヽ/
\}===========}. | [二二二二二二二
国民の圧倒的な支持を受け、うんこ共和国は驚異的な発展を遂げたのじゃ
そして今の、平和なうんこ共和国ができあがったんじゃよ・・・めでたしめでたし!
n 人 人 n
(ヨ ) (_ ) (_ ) ( E)
/ | (__) (__) | ヽ 世界の中心で ウンコー!
\人/( ・∀・)∩(・∀・ )ヽ/ 人
_n (_ )u ( ⌒) uu)∩_ (_ )
( l (__) ./,. 人 i ,,E)__)
\ \ (・∀・ ) / /_) ./ .ノ( ・∀・ ) n
ヽ___ ̄ ̄ ) / /____) ,/ ./ ̄ \ ( E)
/ ̄| . 人 / / ・∀・) / フ 人 ./ヽ ヽ_//
| |. (__) / (__) \_///
| |. (__)\ 人 ヽ (__) / /人
,― \( ・∀・) (__) ∩ ・∀・)∩ ./ .(__)
| ___) | ノ (__) 〉 _ノ / ∩(__)
| ___) |)_) (,,・∀・) ノ ノ ノ / .| ( ・∀・)_
| ___) | ( O┬O .し´(_) .// | ヽ/
ヽ__)_/ ≡ ◎-ヽJ┴◎ " ̄ ̄ ̄ ̄"∪
平和なうんこ共和国に、突如大怪獣うんこザウルスが襲来!
人 ウ〜ン〜コ〜!!
( . .:.::;;;._,,'/ (:::__)
).:.:;;.;;;.:.) (::_:_) ズシーン
ノ. ..:;;.;..ノ ●(・::∀・ )
( ,..‐''~ ワー ⊂|::::⊂:::..|
(..::;ノ )ノ__ |:::::::::::::.| キャー __
)ノ__ '|ロロ|/ ̄\A.::.|ロロ|/ ̄\ __ |ロロ|..__ / ̄\
_|田|_|ロロ|_| ロロ| | | _|ロロ|_| ロロ|_|田|.|ロロ|_|田|_.| ロロ|_
逃げまどう市民達 街は大混乱だ!
ウンコー ウンコー
人 人
(__) (__)
≡≡(__) ≡≡(__)
≡≡ミ,( ,,・∀・) ≡≡( ,,・∀・)
≡≡ミ_u,,uノ ≡≡ミ_u,,uノ ピョンピョン
"~" """ ::: "~""~"
うんこ共和国軍が出動するが・・・
人
(__)
━━━━O(__)━━━━ロニニ>● < くそっ! 我々の町を壊されてなるものか!
∧,,∧(・∀・,,)
/ο ・ )Oニ)<;;> ウンコー!
/ ノ lミliii|(ヾゝ
(o_o,イ__ヽ´|(__) ノ~⌒)彡 ┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨
ノllllllllヽ| | ̄ノl ノ
/ /~ヽ ノ'''''''~ヽヽ\ヽ_
ヽニフ|_| (_/ ヽノ
(_ヽ
あっけなく敗れ去り、水洗トイレから流されるうんこ共和国軍の兵士達・・・ああっ!
__ノ ジャー | _
| | | ノ\__ヽ
ヽ二二 ヽ -―人 、 | \ノ(◎)
_____/ /'(__)ヽ____|
/ / _(__)∩ \
| |/ ( ・∀・ )ノ <うんこーー!!
.\ヽ、∠___ノ\\ \
.\\::::::::::::::::: \\ \
そんな時だった・・・
\ 人
\ (__) < とーうっ!
(__) ウ
(,, ・∀・) ン
 ̄  ̄ ⊂ つ コ ̄  ̄  ̄
( つノ オ
/ (/ \オ
/ : ォ
/ || . ォ \
/ | : ォ \
/ | /
∧__∧ /
r( ) < あ、うんこマンだ! うんこマンが助けにきてくれたぞ!ウンコー!
〉 つ /
⊂○ ノ...,_ /
し' )
あっ! うんこマンが必殺技のスーパーうんこ砲を繰り出した!
三●
人 三●
(__) 三●●●●●●● 三●●● 三●●●●●●
(__) 三● 三● 三● 三●
∩ ・∀・)∩ 三● 三● 三● 三●三●●●●
〉 _ノ 彡 三● 三● 三●
ノ ノ ノ 三● 三● 三●
し´(_) 三● 三●●● 三●●●●● ☆゚+.
うんこ砲直撃! 爆発するうんこザウルス・・・やったー!
*.∴☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∴ *
*∴☆★☆°\°☆☆★☆☆°/°☆★☆∴
.. ※☆☆*°°★°° 人 ★ °°*☆☆※ *
∴☆★☆°°☆ (__) ☆ °°☆★☆∴ < うんこーーー!!!
∴☆☆*°°☆ (__) ☆°°*☆☆∴
※☆★☆――★ ∩ ・∀・)∩ ★――☆★☆※ ⌒★
∵☆☆*°° ) :::::::::::: _ノ °°*☆☆∵ *
∵☆★☆°°☆ ノ::::ノ:::: ノ ☆°°☆★☆∵
※☆☆☆*°°★ し´(_) ★ °°*☆☆☆※ *
*∵☆★☆°/°☆☆★☆☆°\°☆★☆∵
∵☆☆☆°°°°|°°°°☆☆☆∵
平和がもどったウンコ共和国では、市民達が祝福の踊りを踊っています!
「う〜〜っ」
人 人 人
(__) (__) (__)
(__) (__) (__)
( ´∀` ) ( ´∀` ) ( ´∀` )
( つ⊂ ) ( つ⊂ ) ( つ⊂ )
ヽ ( ノ ヽ ( ノ ヽ ( ノ
.(_)し' (_)し' (_)し'
「ウッ!!!」
人 人 人
(__) (__) (__)
(___) (___) (___)
( ´∀`) ( ´∀`) ( ´∀`)
/, つ /, つ /, つ
(_(_, ) (_(_, ) (_(_, )
● しし' ● しし' ● しし'
「 ウンコー!!」
人 人 人
(__) (__) (__)
(__) (__) (__)
∩ ´∀`)∩∩ ´∀`)∩∩ ´∀`)∩
〉 _ノ 〉 _ノ 〉 _ノ
ノ ノ ノ ノ ノ ノ ノ ノ ノ
し´(_) し´(_) し´(_)
これで平和がもどったね・・・ありがとう、うんこマン!
人
(__) 人
(__)(__)
_ ( ・∀・(・∀・ )__ ウンコー
|≡( )( )≡|
`┳(__)(__)(__)(__)━┳
,..,..┴,...,...,...,....,....,....., ┴,,,,..
そう、うんこマンがいる限りうんこ共和国は不滅なのです!
\ │ /
/ ̄\ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
─( ゚ ∀ ゚ )< うんこうんこ!
\_/ \_________
/ │ \
人
人 (__)
(__) (__) / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\∩(__) \( ゚∀゚ )< うんこうんこうんこ!
うんこ〜〜〜! >( ゚∀゚ )/ | / \__________
________/ .| 〈 | |
./ /\_」 / /\」
. ̄ . / /
舞い上がるうんこ共和国・・・その先には輝かしい未来があるのだよ、諸君!
:::::::::::::::::::: ::::::::::/ ):::::::::
:::::(\::::::: _人 / / ):::::::::::
:::::/\\ ノ⌒ 丿 / / /ヽ::::::::::::
:::: ヽ \\ _/ ::( / / / /::::::::::::::::
:::: ( \ \\ / :::::::\ l 三 / / ):::::::::::::::
:::::::ヽ ヽ . ミヽヽ ( :::::::;;;;;;;) / 二 / /::::::::::::::::::
::::::: ( \ ヽミ ヽヽ \_―― ̄ ̄:::::::::: / 二 ___/ヽ ...::::::::::::::
::::... /ヽ ヽ ニ ヽヽ ノ ̄ :::::::::::::: // ニ _______/ ...:::::::::
:::. ヽ____ ニ ヽ ( .::::::::::::::;;;;// ニ ____ノ .....::::::::::
ヽ___, ニ/ ̄――――― ̄ ̄::::::::\ ニ ___ノ + + ....:::::::::
ヽニ -‐( :::::::::::::::::::::::::::::::::≡ __ノ+ ┼ *:::::::::
ヽ---\__::::::::::::::::::;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;;ノ_ + ┼ .::::::::::
:::::... + ┼ + + ー-、___~'''''ー-、 :....::::::::::::
:::::::.... + ┼ *+ +~~'''ヽ ..:...::::::::::::::::::::
:::::::::::::::::..... + * . ┼ :....:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::....: + * + .....:::::::::::::::::
, .. -.‐:<:. :ノ:. /:. :. :. ://o:. :. :. :. /:. :. :. // / ゝ、:. :. :. :. :. :/
,_==_´:. :.-V:. :\r─┴:─oナ<:. :. /Y:. :. :. :.| ' ノ:. :. :. :. :. ヘ
i \ ,ー_、:. :\: . : o. /o: . :/:. :. :. ヽ:._:i_,、--<:. :.-‐─:. :. :. :ヘ
{ \ ヽ=ミ、_:. :.ゝ三人レ´:. :.r.r '´ / \:. :. \:. :. :. :. :. :. :.
>.、 ー- _ フ ‐‐' `ー-二 --‐ '´ ̄ V´ / , \:. :. :\:. :. :. :. :. ;
く:. :. \ --. 〉 __>=ニ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄``ーV ./ r、ー--、'´:.\_: -┴ ' ´  ̄
\/:/://ー´´ ` ー ` ー─- 、__ `ヽ、〉;ヽ:. :. :/´ ̄
Y/:/ ヽ ` ー-- 、 _ ̄ ̄ ̄Y:. :. :. 〉
レ´ ヽ  ̄ ̄` レ:. :. く
/ ヽ ト、:. :./ こっそりパンチラ
/ ヽ / !::..::く
j ヾ / !::..::..::\
j V`ーーイ´ ト、::..::..::.\
i jヽ,-、,┤ ! ヾ;:..::..::..::.\
| |:./ V:i ! ヾ;:..::..::..::....\
| |'´ Vi ! V::..::..::..:..:..:.ヽ
l | ヘ ! V::..:..:..:..:..:..:..ヽ.
l | V ! V:..:..:..:..:..:..:..:..:〉
. ! j V ! V:..:..:..:..:..:..:..j
! j V i }:}:..:..:..:..:..:..jj
. ! j V i Vj:..:..:..:..:../j