2 :
名簿:2010/09/15(水) 20:49:06 ID:20yURg0v
1/2【アーケードキャラバトルロワイアル】
○ルガール・バーンシュタイン/●橘右京
0/2【あずきちゃん】
●野山あずさ/●小笠原勇之助
2/3【あたし彼女】
○アキ/●トモ/○カヨ
0/1【あの作品のキャラがルイズに召喚されました】
●ハクオロ
0/1【アニマル横町】
●イヨ
0/2【アルプスの少女ハイジ】
●ハイジ/●クララ
1/1【伊賀の影丸】
○阿魔野邪鬼
0/1【オー!マイキー】
●マイキー
1/1【おそるべしっ!!!音無可憐さん】
○音無可憐
0/1【おねがいマイメロディシリーズ】
●マイメロディ
3/6【オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
●ヴェーヌ/○狭霧嘉麻屋/●鈴木イチロウ/○ファシル(本名:鈴木次郎)/○鈴木万吉/●ロアルド・アムンゼン(その3)
0/1【快感フレーズ】
●雪村愛音
1/2【kskアニメキャラバトルロワイアル】
●渚カヲル/○kskロワ住民
2/2【仮面ライダー 誕生1971】
○本郷猛/○フランツ・フェルディナント
1/1【餓狼伝】
○丹波文七
0/3【餓狼伝説】
●テリー・ボガード/●アンディ・ボガード/●アルフレッド
0/1【寄生獣】
●田村令子
1/1【機動戦士ガンダムSEED】
○キラ・ヤマト
1/2【機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
○シン・アスカ(→リュウタロス)/●マユ・アスカ
0/2【機動戦士ガンダム00】
●刹那・F・セイエイ/●グラハム・エーカー
0/1【機動武道伝Gガンダム】
●東方不敗
0/1【究極!!変態仮面】
●色丞狂介(変態仮面)
1/1【銀河鉄道の夜】
○カムパネルラ
0/2【くそみそテクニック】
●阿部高和/●道下正樹
0/1【ゲーム・俺の人生〜無職編〜】
●俺
0/1【ゲームキャラ・バトルロワイアル】
●狭間偉出夫
1/1【源氏物語】
○六条御息所
3/5【コードギアス 反逆のルルーシュ】
○枢木スザク/●ナナリー・ランペルージ/○ユーフェミア・リ・ブリタニア/○ジェレミア・ゴットバルト/●ビスマルク・ヴァルトシュタイン
0/1【こげぱん】
●こげぱん
3 :
名簿:2010/09/15(水) 20:50:40 ID:20yURg0v
0/1【斬】
●金蔵銭太郎
0/1【シスター・プリンセス】
●可憐
2/4【七並べ】
○スペードの2/●スペードのクイーン/○ハートのクイーン/●堀部高史(ジョーカー)
2/3【シャーマンキング】
○ハオ(→プリンセス・ハオ)/●道蓮/○リゼルグ・ダイゼル
0/1【シャイニング娘。】
●吉業ひとみ
0/1【シャドウゲイト】
●しんのゆうしゃ
0/2【ジャンプ】
●ジャンプ(擬人化)/●海賊マーク
1/2【真・女神転生if...】
○赤根沢玲子(レイコ)/●ケットシー
1/1【スクライド】
○カズマ(→カズヤ)
0/1【涼宮ハヒルの憂鬱】
●涼宮ハヒル
0/2【涼宮ハルヒの憂鬱】
●キョン/●谷口
1/1【スペランカー】
○スペランカー
0/1【ゼロの使い魔】
●ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエール
2/2【装甲騎兵ボトムズ】
○キリコ・キュービィ/○カン・ユー
0/1【大番長】
●ムー大帝
0/1【退魔塔神ハチクマToK】
●西域無敵
0/1【打撃天使ルリ(ドラマ)】
●片桐唯
2/2【竹取物語】
○かぐや姫/○帝
0/1【多ジャンルバトルロワイアル】
●緋村剣心
1/2【鳥獣戯画】
○かえる/●うさぎ
1/1【テトリス】
○L字ブロック
3/7【テラカオスバトルロワイアル】
○◆6/WWxs9O1s氏/●哀川潤/●サザエさん/○ジャイアンの母/●零崎人識/○高嶺響/●野比玉子
0/1【天国に一番近い男】
●天童世死見
0/1【トゥルー・コーリング】
●ジャック・ハーパー
1/1【賭博覇王伝 零】
○宇海零(→カイジ)
1/3【ドラゴンクエストY 幻の大地】
○ああああ/●命名神マリナン/●命名神マリナンに仕える神官
1/2【ドラゴンボール】
○ヤムチャ/●セル
0/1【ドラゴンボールAF】
●孫悟空
4 :
名簿:2010/09/15(水) 20:53:38 ID:20yURg0v
0/4【ニコニコ動画バトルロワイアル】
●泉こなた/●涼宮ハルヒ/●ドラえもん/●レッドベジーモン
2/2【バジリスク〜甲賀忍法帖〜】
○地虫十兵衛/○室賀豹馬
1/2【バッカーノ!(小説)】
●チェスワフ・メイエル/○クレア・スタンフィールド
1/1【ハムスターの研究レポート】
○チビすけ
0/1【パラッパラッパー】
●ムースリーニ先生
3/5【パロロワクロスネタ投下スレ】
○◆6/WWxs9O1s氏/○柊かがみ(変態仮面)/●高良みゆき/●柊かがみ/○ランキング作成人
4/4【ひぐらしのなく頃に】
○前原圭一/○竜宮レナ/○北条沙都子/○古手梨花
0/1【ひだまりスケッチ】
●沙英
1/1【ビブリボン】
○ビブリ
0/1【ファイナルファンタジーU】
●ミンウ
0/2【FFDQロワ】
●トーマス/●ルーファウス
0/1【Faith/stay knight】
●間宮五郎
0/2【フランダースの犬】
●ネロ/●パトラッシュ
0/1【フルハウス】
●ジェシー・コクラン
1/1【満月をさがして】
○神山満月
0/1【平家物語】
●源義経
0/1【ペットントン】
●ペットントン
1/1【北斗の拳】
○ハン(→ゼロ)
2/2【ボンバーマンジェッターズ】
○MAX/○ゼロ
1/1【舞-乙HiME(漫画)】
○マシロ
0/1【マイティ?ハート】
●アリオト
1/2【魔法少女沙枝シリーズ】
○楠沙枝/●西島翔子
1/1【魔法先生ネギま!(実写)】
○ネギ・スプリングフィールド
1/2【魔法先生ネギま!(漫画)】
●椎名桜子/○雪広あやか
0/1【ママレードボーイ】
●秋月茗子
0/1【マリオテニス】
●マリオ
0/1【マリオペイント】
●ハエ叩きの手
1/1【マルチジャンルバトルロワイアル】
○恋
1/1【まんが日本昔話】
○竜
5 :
名簿:2010/09/15(水) 20:54:49 ID:20yURg0v
1/2【有閑倶楽部】
●剣菱悠理/○黄桜可憐
1/1【余の名はズシオ!】
○ズシオ
1/1【LIAR GAME(漫画)】
○秋山深一
1/1【らき☆すた】
○黒井ななこ
0/1【ラサール石井のチャイルズクエスト】
●曲がると転ぶ男
0/1【羅生門】
●下人
0/1【ラブコンプレックス】
●竜崎ゴウ
64/152
※このロワには改名されたキャラがいます。
改名されたキャラに関しては○○○(→■■■)は元の名前(→改名後の名前)という風に表記しています。
※それ以外の()内は備考のようなもの。名簿には書かれていません。
6 :
ルールなど:2010/09/15(水) 20:56:08 ID:20yURg0v
【基本ルール】
最後の1人になるまで殺し合いをする。
24時間以内に死者が出ない場合は首輪が爆発する。
【支給品について】
全員にデイパックが支給される。
中身は参加者名簿、地図、コンパス、水と食料、筆記用具、照明器具(ランタン)、ランダム支給品1〜3個。
【放送について】
放送は6時間おき。0時、6時、12時、18時に行われる。
何が発表されるのかは現時点では不明。
【時間帯】
深夜:0〜2
黎明:2〜4
早朝:4〜6
朝:6〜8
午前:8〜10
昼:10〜12
日中:12〜14
午後:14〜16
夕方:16〜18
夜:18〜20
夜中:20〜22
真夜中:22〜24
テンプレ終了
サル規制回避のためしばらく間を置いて投下します
L字ブロックで投下します
「……ん、あれ……? おかしいアル……?」
人ならざる異形の参加者。
その中でも一際異質な存在。
L字にしか見えない青い身体を持った参加者。
名簿には「L字ブロック」を表記された彼は今違和感を覚えていた。
そう『2時間も前に行われた放送』について。
「…………確かめるアル」
そう言ってL字ブロックはデイパックの中から名簿を取り出して違和感の正体を確かめるべく、ある人物の名前を探し始めた。
ちなみに名簿にはきちんとペンで死者の名前に横棒が引いてある。
え、どうやってペンを持ったかだって?――たぶんドラえもんと一緒みたいな感じ……。
「……や、やっぱり……生きているアル!?」
目的の名前をすぐに見つかった。
その名前とは『秋山深一』、教会でL字ブロックと六条御息所が共謀して殺した参加者……のはずだった。
教会でチェス、桜子、秋山の3人を殺したのは放送があった6時よりも前の出来事だ。
だからチェスと桜子は放送で名前が呼ばれたので名前の欄には横棒が引いてある。
しかし『秋山深一』の名前には横棒が引かれていない。
いやそれよりも放送で『秋山深一』の名前が呼ばれた記憶がない。
つまり秋山は死んでいなかったのだ。
「……どういうことアル?」
あの時は確かに教会の鐘に押し潰されて、原形を留めないほどの酷い死体になっている様子を六条御息所と一緒に確認している。
絶対に見間違えなどではありえない。
つまり秋山は鐘に押し潰されたぐらいでは死なないという事になる。
そのような芸当普通の人間にできるはずがない。
人ならざるL字ブロックの常人とは一線を画する頭脳がフルに回転する。
ありとあらゆる可能性を吟味して、ついに導き出されたその答えとは――。
「……なるほど……つまり秋山も不死者だったアル!!!」
――斜め上の答えだった。
「……謎は…………全て解けたアル」
一般人とは思えないほどの冷静さ。
何を考えているか分からない視線。
それも全て悠久の時を生き抜いて培われてきた老獪さという事であれば納得がいく。
……と、見当違いだが本人的には鮮やかすぎる自分の推理に酔い痴れるL字ブロック。
知らぬが仏とはまさにこの事である。
「……この殺し合いから生還できたら…………探偵になるのも悪くないアルね……世界一の探偵L字ブロック誕生アル!」
しかし真実を知らない探偵の暴走は止まらない。
彼の新たな目的地は人が集まる場所。
そこで『不死者・秋山深一』の情報を集めるのだ。
そして上手くいけば秋山の悪評をでっち上げて追い詰めたいと思っていた。
しかしその前に森の中で絶賛迷子中の現状をどうにかしないといけないのだが。
【1日目 午前/D-7 森の中】
【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】
【服装】全裸
【状態】健康、人間への怒り、迷子(本人にあまり自覚なし)
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:主催者を含めて人間は許さない、アル!
2.秋山を見つけて喰うアル!
2:六条御息所と付き合いたい……アル。
【備考】
※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。
※チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。
※秋山深一は不死者だと思っています。
投下乙です!
オールロワ復活!
オールロワ復活!
オールロワ復活!
そして感想…だじゃれかいwww
投下終了です
なにか問題あれば言ってください
勝手にスレ立てたけど良かったですよね?
以前よりは人少なくなったみたいだけど、まあ今ののんびりさも好きですけどね
投下乙ですー
探偵Lってwww
彼には是非、これからも冴え渡る推理を見せてもらいたいですねー(棒)
投下乙です
わー、すごいめいすいりだー
って迷子かよwwwww
おお、MAP乙です!
ひさびさのMAP更新超乙!
さすがに都市部に人多いな
保守
唐突に1話から順にSSを振り返っていこうの企画を始めてみる
これで書き手のやる気に火が付いて作品が投下されたらいいな
スレも少しは活気づいたらいいな
とりあえず試験的に1話1週間ぐらいのペースで
それくらいの期間あれば大抵の人は気づくし、コメントも書きやすい……かな
もちろん作品を投下するならお構いなく
「あたし彼女」知らなかったから、あんまりにも独特な文体に、これ書いた人はバカ(褒め言葉)だと思ったw
「あたし彼女」を読んでからは、この文体をロワでやろうと思ったその発想に、これ書いた人はバカ(褒め言葉)だと思ったw
結局バカ(褒め言葉)じゃないですか、やだー!
正直インパクトは抜群だったなw
ちょっと過去ログ見ていたが
>@七並べ(ギャンブル漫画編)
誰も突っ込んでないのはなぜだwwwww
キリコの部分だけなら至極まともだっただけに落差が
……あれ? 最後のシーンも含めて普通に見えるぞ?
俺の感性は大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない
でもまさか初っ端からボトムズが来るとは思わなかったわ
沙都子は中身はともかく、肉体的には完全に「無力な子ども」だからなあ
苦悩するヒーロー、本郷さんとのコンビが実に映える
でもまさかロワ開催中に書下ろしの完結編『流星1973』を加えた完結版が発売されるとは思いもしなかった>小説仮面ライダー
秋山さんよほど衝撃的だったのか思考欄の1と2が逆になっている
フツーの人だったら、自分の隣りにいきなり喋るブロックがいたら
思考欄の1と2が逆になる程度じゃ済まないだろw
それにしても、なんでL字ブロックなんだろうな?
個人的にはまっすぐな棒のヤツが好きなんだけど……
35 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 01:53:35 ID:GwIObXie
今思ったんだが、不死者の前で何でチェスは偽名を名乗れたんだぜ?
それは制限ってことでいいんじゃね
最初はいつも通り偽名を名乗ろうとしたけど、制限のせいでワンテンポ遅れて制約が発動したとか
投下させてもらいます
E-6、怪しい洞窟。
わざわざ主催者の放送で触れられたこの場所は、多くの参加者の目的地となっていた。
放送後、この地を最初に訪れたのは三人の美少年だった。
すなわちスザク、キラ、リュウタロスのチームである。
「僕たち以外には、まだ誰も来てないようですね」
「たしかに人影はないな……。けど、洞窟の奥には誰かいるかもしれない。気を抜かずに行こう」
「それくらい、言われなくてもわかってますよ。こっちもいちおう軍人なんでね」
それぞれ臨戦態勢を取りながら、三人は慎重な足取りで洞窟に近づいていく。
「あれ?」
最初に、それに気づいたのはキラだった。
「スザク、リュウタロスくん、あれ……」
半ば条件反射的に、キラは不自然な場所に落ちているデイパックを指さす。
つられて、スザクとリュウタロスも指の先に視線を送る。
直後、三人目がけて黒い球体が飛んで来た。
「危ない!」
直感でそれを危険物だと判断したスザクは、傍らの二人を抱えて地面に倒れ込む。
そのコンマ何秒か後、彼のすぐ横で爆音が轟いた。
「ああもう、ついさっきも同じようなことがあったばかりなのに……」
愚痴をこぼしながら、スザクは素早く爆弾が飛んできた方向に視線を向ける。
その瞬間、彼の意識は凍り付いた。
頭に胴体に、手足が二本ずつ。それはたしかに、人の形をしていた。
だがそれは、人ではなかった。
肉体を構成するあらゆるパーツが、人間ではあり得ない形状をしていたのだ。
(なんだ、あれは……)
未知の物体を目の当たりにして、さしものスザクも一瞬動きが止まる。
その隙を見逃さず、目の前の謎の存在……MAXは今一度爆弾を投擲してきた。
(しまった! このタイミングじゃ、よけきれ……)
スザクの顔を、冷たい汗が伝う。彼の脳裏に、あざ笑う死神の幻影が浮かび上がる。
だが次の瞬間、スザクはまたしても信じられない光景を目の当たりにした。
「はあああああ!!」
突如として目にも止まらぬスピードで太った中年の女性が現れ、爆弾を殴り飛ばしたのだ。
殴り飛ばされた爆弾はあさっての方向に飛んでいき、空中でむなしく爆発を起こす。
「あんた達、怪我はないかい?」
「は、はい!」
中年の女性……ジャイアンの母からかけられた言葉に、スザクはすぐさま返答する。
「そうかい、そりゃ何よりだ。いちおう確認しておくけど、先に手を出したのは向こうかい?」
「ええ、そうです」
「わかった。それじゃ一緒に、あいつをとっちめてやろうじゃないか!」
「了解です!」
ジャイアンの母に同意しつつ、スザクは体勢を立て直す。
キラとリュウタロスも、すでに立ち上がって戦闘態勢に入っていた。
「奇襲は失敗、さらに新手が加わったか。だが、この程度ならまだ……」
「ならば、新手がもう一人いればどうかな?」
冷静に戦況を分析するMAXの背後から、突然新たな声が響く。
とっさに回避行動を取った彼の肩を、太刀による鋭い一撃がかすめていった。
「ほう、今の一撃を避けるとは。なかなかやるな」
「貴様、いつの間に俺の背後に……。全く察知出来なかったぞ」
「この程度の気配遮断、忍びの者ならできて当然よ」
わずかな動揺を見せるMAXに、阿魔野邪鬼は余裕すらうかがえる態度でにじり寄る。
MAXから見れば、彼とジャイアンの母たちに挟み撃ちにされた格好だ。
「この状況は、さすがに不利が過ぎるか。不本意だが、一度撤退した方が良さそうだ」
勝てぬとは言わない。だが、相手は五人。加えてその中で、少なくても三人はかなりの戦闘力の持ち主だ。
しかも、相手の手の内がほとんどわからない。敵はまだ、強力な武器や技を温存しているかも知れないのだ。
自らの命をベットするには、あまりに条件が悪すぎる。MAXに、分の悪い賭けを好むような趣味はない。
「決して気分のいいものではないが、仕方ない。ハイパープラズマボム! ボンバーシュート!」
わざと狙いを外し、MAXはボムを放つ。その爆発でスザクたちを牽制し、彼はその場から退却していった。
◆ ◆ ◆
「あんた達、大丈夫かい?」
「ええ、多少かすり傷を負ったぐらいです」
「そうか、そりゃよかったよ。若い人たちには、これからがあるからねえ。
体は大切にしてもらわないと」
数分後、スザクたちとジャイアンの母たちは雑談を交えながら情報交換を行っていた。
お互い明らかに敵意を持っていなかったこと、そして邪鬼の知り合いの知り合いである室賀豹馬とスザクたちが接触していたことが重なり、彼らの交流はスムーズに進んだ。
「では、あなた方も放送を聞いてここに?」
「ああ、そうだ。貴様らもそうなのか?」
「ええ、人が集まるだろうと思いまして。どうやらまだ、僕たち以外の参加者は来ていないようですが」
「だったら、先に洞窟の中を調べちゃわないかい?」
「そうですね、いったい何が隠されているのか、確認しておいた方がいいでしょうし」
ジャイアンの母の提案に、その場の全員が賛同する。
そして五人は、最大限に警戒しつつ洞窟の中へと入っていった。
そこで彼らが見たものとは……。
続く
【1日目 午前/E-6 怪しい洞窟】
【阿魔野邪鬼@伊賀の影丸】
【服装】羽織姿の武士
【状態】健康
【装備】脇差@現実、太刀@現実
【持ち物】基本支給品一式×2、『贄殿遮那』@灼眼のシャナ、ランダム支給品(地虫十兵衛のもの1〜3/義経のもの0〜2)
【思考】
1:怪しい洞窟を調べる。
2:スザクたちから詳細な情報を聞き出す。
3:殺し合いに乗るかは未定。
【備考】
※「由比正雪の巻」後の参戦です。
※再生能力は制限されています。制限に少し気付きました。
※社長が複数いる事に気づきました。
【ジャイアンの母@カオスロワ】
【服装】:ジャイアンの母の服装
【状態】:健康
【装備】:天の羽衣@竹取物語
【持ち物】:基本支給品一式×2
【思考】
基本:他の参加者を殺す可能性のある参加者を殺す。
1:怪しい洞窟を調べる。
2:無抵抗な参加者は殺さないが殺人者には容赦しない。
3:可能であれば脱出する方法を探る。
4:阿魔野さんってダンディーで少しカッコいいじゃない!!
【キラ・ヤマト@機動戦士ガンダムSEED】
【服装】地球連合の制服
【状態】健康
【持ち物】基本支給品一式、本人確認済み支給品1〜3
【思考】
1:仲間と協力して殺し合いを止めて、主催者を倒す。
2:洞窟を調べる。
3:北へ向かって情報収集と仲間探し。
4:正午にC-6の豪邸に集まる。
【備考】
※参戦時期の詳細は後続の書き手にお任せします。
※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。
【枢木スザク@コードギアス】
【服装】ゼロの衣裳
【状態】ナナリーの死による精神的ダメージ、「生きろ」ギアス継続中
【装備】ククリ刀@バッカーノ
【持ち物】基本支給品一式、ゼロの仮面@コードギアス、ランダム支給品0〜1(本人確認済み)
【思考】
1:仲間と協力して殺し合いを止めて、主催者を倒す。
2:洞窟を調べる。
3:北へ向かって情報収集と仲間探し。
4:正午にC-6の豪邸に集まる。
5:なぜユフィの名前が?
【備考】
※R2本編最終話、ゼロレクイエム実行後からの参戦(現状ゼロとして振舞う事を止めています)
※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。
【リュウタロス(シン・アスカ)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
【服装】ザフトの制服
【状態】顔面にダメージ、改名された上に名前が格好悪いので自暴自棄&ヤケクソ
【装備】イングラムM10(22/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@現実
【持ち物】基本支給品一式×2、ドラゴンレーダー@ドラゴンボール、首輪(刹那)、不明支給品1〜3(1:リュウタロス曰く”わけわかんない何か”/0〜2:元は6/@クロススレのもの)
【思考】
1:自分の弁護をしてくれそうな仲間を探す。
2:怪しい洞窟を調べる。
3:とりあえずスザクたちに同行。しかし、あまり信用できない。
4:いろいろあったけど対主催!
【備考】
※PHASE_23「戦火の蔭」後〜PHASE_24「すれ違う視線」の冒頭あたり(ハイネ死亡直後)から来たようです。
※リュウタロス(シン)がドラゴンレーダーを持っているからって、会場内にドラゴンボールがあるとは限りません。
【1日目 午前/E-6のどこか】
【MAX@ボンバーマンジェッターズ】
【服装】なし
【状態】右肩に刀傷(軽傷)、攻撃速度上昇
【装備】三属の剣(流星虫規制)@バロック、M134機関銃@シャーマンキング、クナイ×10@伊賀の影丸
【持ち物】基本支給品一式×2、不明支給品0〜2
【思考】
基本:優勝して帰還する。
1:ゼロを破壊して己の優越性を証明する。
2:参加者の何人かをゼロに関するメッセンジャーとして利用する。
【備考】
※参戦時期は後の書き手にお任せします。
※設定上、マイティが利用可能なボムはほとんど全て使えるはずです。
以上で投下終了です
タイトルに偽りありな気もするけど、まあいいや
投下乙です
さすがのMAXも1対5では分が悪すぎたか
それにしても爆弾を殴り飛ばす主婦って…やっぱジャイアンの母パネエ…
でも邪鬼がダンディーならキラ・スザク・リュウタロスはイケメン扱いになるんだろうか
投下乙。
スザクは驚いていたけど、ジャイアンの母は似たもの見慣れているからMAX見ても驚かなかったんだろうな。
近所に青い狸型ロボットいるからw
ところで堀部高史って何か元ネタみたいなのあるんかな?
試しに調べてみたらちょっとびっくりしたw
でも見つかったじゃんw>新人
ジャンプ(擬人化)は、なんていうかもう、存在そのものがズルイと思うんだ
>停滞なんて、させやしない。俺達の戦いは、これからだ――――!!
その台詞はダメだあああああ
でもジャンプ(擬人化)といい海賊マークといいよくそういうのが思いつくなー
『アルテマ1ギル』か・・・
今気付いた
マリオ、お前もし帰れてもゲームの設定上テニスしかできないぞw
あ、でもゴルフとかバスケやっているのか
でもなんでスペードの2をチョイスしたんだろう
トランプって1枚1枚に意味があるとか聞いたことあるけど、実際どうだったかなあ
話題変わるけどWiki管理人いますか、ちょっと聞きたい事があるんですけど
鳥獣戯画って、国宝なんだぜ……
(ウィキペディアに書いてあった)
正式には「鳥獣人物戯画」なんだってな
しかも、「日本最古の漫画」とも称される、ってマジかw
でもよかったなドラえもん、猫扱いしてもらえてw
ルイズ……まさか死んでから食べられてしまうとは思いもよらなかったよ……
>>66 本人証明は作った時トリつけてなかったからできないけど、管理人です〜
反応が遅くて申し訳ないですが、なんでしょう?
>>67 おお、どうも
wikiなんですけど編集履歴使えるように出来ないでしょうか
あった方がやりやすいので
編集ありがとうございます
設定変更、完了しました
こちらこそどうもありがとうございました
これからもよろしくお願いします
サイトがこの後出なかったから良かったけど、もしも出ていたらルイズが哀れすぎる……
チェーンソーがもう少し下に当たってたら竹の中にいたかぐや姫は今頃……
ぎゃああああああああああ
なんかこの家族は見ていてほのぼのする
>基本:ビブリ コロシアイ シタクナイヨー ビエーンエンエン
萌えるッ!
「ゼロ」の多さの陰に隠れてたがこのロワ、ウサギも相当多いよな
・ビブリ@ビブリボン
・マイメロディ@おねがいマイメロディシリーズ
・うさぎ@鳥獣戯画
・イヨ@アニマル横町
これで全部だっけ?
そういや来年は卯年
まさしく題名通りだな
うん、ダメだなw
test
再度test
最後のtest
前原圭一、フランツ・フェルディナント、ユーフェミア・リ・ブリタニアで投下します
逃げなくちゃ! 逃げなくちゃ! 逃げなくちゃ!
誰から?
そんなの決まっている。
本郷猛からだ。
え? 本郷猛は日本人じゃ……いや、違う!
あんな恐ろしい顔をしながら鉈を素手で破壊する生き物は日本人とかブリタニア人とか以前の問題だ。
あれは人ではなくて化け物よ! 人ならざる力を備え持つ異形の存在!!
そんな怪物に敵うはずがない……怖い……。
だから逃げなくちゃ!
◇
「フランツさん!」
「ああ、分かっている。前原君はここで待っているんだ」
殺し合いの会場である広い島を移動するのに便利なバイクを手に入れたフランツ・フェルディナントと前原圭一。
だが早速問題が発生していた。
バイクを手に入れた時点で彼ら二人がいたのはG-6の渓谷内。
地図を見れば一目瞭然だが、その周辺は日の光も疎らな鬱蒼とした森林地帯。
薄暗い上に舗装もされていない悪路ではバイクになるなど、徒歩よりも時間がかる上に下手をすれば自殺行為に等しい。
それゆえに二人は一路バイクを走らせる事ができそうな海岸を目指して南へと移動する事にした。
なぜ南かというと南の町が一番近い平坦な部分であり、且つ時計周りで都市部へ向かう事ができるからだ。
だが名も知らぬ死者の荷物を改め終わって渓谷から出た時、西の方から誰かがこちらに近づいてくるのか足音が聞こえてきた。
それを察知するとフランツは圭一を待機させて、単独で謎の人物との接触に向かって行ったのだ。
一人待機を命じられた圭一は自然と手持無沙汰になり、ふとフランツについて思いを巡らせていた。
(フランツさん、すげえなあ)
いきなり殺し合いに巻き込まれても、死体を目の前にしても、常に冷静に物事を判断するフランツ。
その後ろ姿は実に頼もしいものに見えた。
実際圭一とは違ってフランツには熟練された大人としての風格が備わっていた。
それは同年代の圭一とは雲泥の差もあるほど鮮烈なものであった。
(でも、どう見ても俺と歳はあまり変わらないような……)
確かにフランツの外見は圭一と同年代の少年だ。
しかも誰が見ても目を留めるほどの金髪碧眼の美少年。
その優れた容姿に男なら誰もが羨望の眼差しを送るであろう。
もちろん圭一も少なからず似たような感情を抱いている。
ただしそんな単純ではなく、もっと暗い感情を……。
(ちょっと待てよ。いくらなんでも冷静すぎやしないか? 死体を見た時も見慣れた感じで……フランツさんって、いったい……)
思い出すのは先程二人の死体を発見した時のフランツの態度。
フランツはショッカーというグループに属していて、一般人とは違う環境で生きてきたと言っていた。
だがあの時の表情はそれだけでは説明できないような、どこか恐ろしい雰囲気だった気がする。
(死体に慣れているって……もしかして犯罪組織やマフィアとか、ヤバい集団なんじゃ……)
圭一の心によぎる暗い影。
それは先程まで頼もしかったはずのフランツの背中をいつのまにか不気味なものに変えていた。
◇
「そこのお嬢さん、大丈夫ですか?」
薄暗い森の中を必死になって走ってきた少女に対してフランツは少し早めに声をかけながら姿を現した。
そうした方が向こうの警戒が和らぐと考えたからだ。
見たところ高貴な血筋の生まれに見える少女が着ているドレスは本来の清楚さは見る影もなく、血塗れでボロボロだった。
ドレスがボロボロなのは走っている途中で枝に引っ掛けたからとしても、血塗れの原因は走っている途中ではありえない。
何らかの血を見るような現場に居合わせたか、または少女自身がその現場を作りだした者なのか。
危険な人物かそうでないのか、それが判断できかねたからこそフランツは一人で接触している。
それは万が一危険人物だった場合、圭一の身を案じたためだ。
「え、あ、た、助けてください!!!」
フランツの姿を確認した少女が怯えながらもまず発した言葉がそれだった。
殺し合いの場で声をかけてきた人物に躊躇なく身を委ねるなど、余程追い詰められているか、お人好しのどちらかだ。
ひどく怯えている少女の様子を見る限り前者の可能性が高い。
その一方でこの時点で少女が危険人物である可能性は低くなった。
「落ち着いて下さい。私はフランツ・フェルディナントという者です。いったい何があったんですか?」
「私はユーフェミア……いえ、それよりも助けてください! ば、化け物に襲われたんです!!」
「え? 化け物!?」
にわかには信じられない話だったが、フランツは否定できなかった。
自分も<黄金狼男>という怪人に変身できるのだ。
その時の姿を見られたら他の参加者からは化け物と見なされてもおかしくない。
この殺し合いに参加しているのは総勢152人。
その中に自分や本郷のような改造人間が混じっている可能性は十分ある。
「大丈夫、安心して下さい。まずはそいつの事を教えてくれませんか」
「え、はい。あの化け物は……」
だがまだ答えを出すには情報が少なすぎる。
ここはもう少し話を聞いてから判断を下すべきだと思い、その時の状況を教えてもらう事にした。
だが話を聞くうちにフランツは耳を疑った。
「まさか……本郷猛……!?」
「え?」
それはフランツにとって青天の霹靂だった。
敵味方の間柄とはいえフランツは本郷がどのような人物か理解しているつもりだ。
正義の味方仮面ライダーである本郷がこのようなあどけない少女を血で汚すほど襲ったとはにわかには信じがたい話だ。
そのような所業は本来なら本郷と敵対するショッカーがするものだ。
いきなり聞かされた知り合いの行動にさすがのフランツも驚きを隠せなかった。
だから少しの間目の前にいるユーフェミアへの対応が疎かになってしまった。
そのため次の質問にもよく考えずに答えを返してしまった。
「あの、あなたは本郷猛の知り合いなのですか?」
「あ、ええ、まあ知り合いと言えば知り合いですけ「きゃああああああああああ!!!!!!!!!!」」
次の瞬間、突然ユーフェミアの悲鳴が森に響き渡り、フランツは突き飛ばされてしまった。
女の細腕とはいえ本郷の凶行に気を取られていたフランツは避ける暇もなく、あっさりと地面に突っ伏した。
だがすぐさまフランツはユーフェミアの行動に驚きつつもなんとか起き上がろうとした。
だがそれは無理だった。
「化け物、来ないでえええええ!!!!!」
ボンッという炸裂音と共に視界を埋め尽くすほどの白い煙。
さらに轟いた銃声と共に右手と右足に突き刺さった激痛。
それらがフランツの行く手に立ちはだかった。
だがそれでもフランツは冷静になろうと努めて、必死に白い煙の中を動く影を見つけようとした。
一瞬、好敵手の顔が浮かんだ。
そして次の瞬間、仮面ライダーが通り過ぎたかのように一陣の風が吹いた。
それは周囲に立ちこめる白い煙を切り刻み、森の奥に逃げようとするユーフェミアの後ろ姿を晒していた。
しかしその方角には――。
「前原君、逃げろ!!!」
必死の形相で呼びかけるフランツの叫びに対する答え――それは風で流れた白い煙に代わって視界を埋め尽くす眩しい光だった。
◇
「はぁ、はぁ、ここまで来れば、大丈夫でしょう」
「はっ……はっ……ありがとうございました」
橋の手前まで走ったところで誰も追いかけてこない事を確認した圭一は連れの少女と共に休息していた。
血まみれのドレスを着た少女も体力が限界なのか顔面蒼白だった。
いや、あんな事があれば誰だって怯えるだろう。
圭一はまだ信じられなかった。
――フランツさんが危険な人物だったなんて。
最初は少し気になって様子を見に行くだけのつもりだった。
だが実際に目の前の少女はフランツを化け物だと言って逃げ出して来た。
しかも少女に逃げられたフランツは右手を血で染めながら恐ろしい形相でこちらを睨んで何か叫んでいた。
不審な点がある恐ろしげな表情を浮かべる少年と、ひどく怯えている初対面の少女。
やはり少女の方が信用できる。
だから手に入れたスタングレネードを投げてフランツの足を止めて、ここまで逃げてきたのだ。
(悪いのはフランツさん……! そうだ、フランツさんは俺を騙していたんだ!!)
さらに少女から話を聞いたところ、圭一は自分の判断が正しいと思えた。
血まみれの少女は、名をユーフェミア・リ・ブリタニアと云う神聖ブリタニア帝国の第3皇女だった。
神聖ブリタニア帝国という国は初めて聞くが、そこは見栄を張って億尾には出さずに話を聞いた。
それによると、ユーフェミアはnice boatで本郷猛という化け物に襲われたらしい。
しかも本郷は鉈を素手で破壊して迫るほどの凶暴な人物で、フランツはその知り合いだという。
当然圭一が本郷猛の名前を聞いたのはこれが初めてだ。
つまりフランツは圭一に知り合いの情報を隠していた事になる。
なぜか?
それは知られたら困るからだ。
そう、圭一を騙して油断させるために。
(危なかったぜ、ユーフェミアさんがいなかったら今頃俺は……)
森の木々の間を縫って頭上から差し込む木漏れ日も圭一を祝福してくれているように思えた。
なぜか喉元が痒くなってきたが、今はそれよりも無事に危地を脱せた喜びが勝っていた。
既に圭一の中ではフランツ=参加者を騙す危険人物という等式が確立されつつあった。
「あ、圭一。付かぬ事をお聞きしますが、もしかしてあなたは日本人なのですか?」
「え、そうですよ。この萌えの伝道師である前原圭一、いつか日本に萌えの王国を――」
そこで圭一の言葉は遮られた――ユーフェミアの手に構えられたサブマシンガンから轟く銃声によって。
◇
「こっちから銃声がしたが、遅かったか」
地図で言うとG-7を上下に流れる川に掛けられた橋の手前。
そこの地面にはフランツが聞いた銃声によってもたらしたと思われる痕跡があった。
すなわち銃痕。
ユーフェミアが持っていたサブマシンガンによるものと思しき銃痕が橋の欄干と乾いた地面にいくつも穴を穿っていた。
だが残念ながらそこにユーフェミアの姿も、もちろん圭一の姿もなかった。
「…………前原君」
あれほどフランツの心に訴えてきた少年はもういない。
この瞬間、狼は道標になり得た鎖から解き放たれたのだ。
【1日目 昼/G-7 橋の手前】
【フランツ・フェルディナント@仮面ライダー 誕生1971】
【服装】黒い詰襟の軍服
【状態】右手・右足に銃傷
【装備】特殊警棒@現実
【持ち物】基本支給品一式、猫缶、マシンディケイダー@パロロワクロスネタ投下スレ、右京のデイパック(基本支給品一式、不明支給品1〜3)
【思考】
1:???
2:前原圭一に協力する?
3:本郷猛の事がかなり気にかかる。
【備考】
※<黄金狼男>に変身できます。能力には制限がかかります。制限に気付いていません。
◇
あら、私どうしてこんなところに?
確か本郷猛という参加者に襲われて……。
逃げた先で本郷の仲間であるフランツに捕まりそうになって……。
それで近くにいた少年と逃げて……あれ……?
その後何があったか思い出せない。
とりあえず弾切れのサブマシンガンは捨てて、新しくデイパックからイングラムM10を出しておこう。
あと一緒に入っていた斧は持ち運ぶのは重いからデイパックに入れたままで、それから――。
「そうよ! 日本人は皆殺しにしないと!」
【1日目 昼/G-6 森】
【ユーフェミア・リ・ブリタニア@コードギアス 反逆のルルーシュ】
【服装】血染めのドレス
【状態】健康、本郷とフランツに対する強い恐怖心、「日本人を殺せ」ギアス継続中
【装備】イングラムM10(32/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@バトル・ロワイアル
【持ち物】基本支給品一式、煙玉×2@伊賀の影丸、スザクの騎士章@コードギアス、沙英・秋月・雪村のデイパック(持ち物@AB)
【持ち物@】基本支給品一式、サブマシンガン(弾切れ)@現実
【持ち物A】基本支給品一式、ジェイソンの斧@金田一少年の事件簿
【持ち物B】基本支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:日本人は皆殺しです。
【備考】
※コードギアス1期stage23の行政特区日本式典会場での虐殺の最中からの参戦です。
※ユーフェミアへの残りの支給品は【煙玉×3@伊賀の影丸】でした。
※秋月への不明支給品は【イングラムM10(32/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@バトル・ロワイアル】と【ジェイソンの斧@金田一少年の事件簿】でした。
◇
(ははっ、なんだ。そういうことかよ)
雲一つない青い空を見上げながら前原圭一は一人納得していた。
フランツの魔の手から逃れたと思ったら、そんな事なかった。
ユーフェミアもまた圭一を殺そうとする参加者の一人だったのだ。
幸い先程調べたデイパックに入っていた防弾チョッキを着ていたので胸に鈍痛があっただけで死んではいない。
だからこそ橋から川に落ちて、こうして川の流れに身を任せて流れているのだ。
あれから追撃がないところを見ると、ユーフェミアは生死の確認をしなかったらしい。
(甘いぜ、甘いぜ! 殺すなら、ちゃんと息の根を確認しないとな!)
もう圭一は誰も信用しようとは思わなかった。
親身になった少年も、助けた少女も、実際は参加者を殺そうとする危険人物だった。
ここで迂闊に他人を信じる事は死を意味する。
圭一は二人から殺し合いの場での作法を学び取っていた。
(レナ、沙都子、梨花ちゃん、無事でいてくれよ。俺が仲間に危害を加えるような奴らを殺してやるよ)
圭一は気付かない。
それが間違った考えだと。
それでは何も解決しない事を。
だがそれは仕方のない事かもしれない。
ある世界で疑心暗鬼に陥って親友を殺した圭一にとっては。
雛見沢症候群は確実に圭一の精神を蝕んでいた。
【1日目 昼/H-7 湖】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
【服装】ワイシャツにズボン、防弾チョッキ@スパイラル 〜推理の絆〜
【状態】健康、仲間以外への強い疑念、胸に鈍痛、雛見沢症候群Lv.3?
【装備】ワルサーPPK(24/24)@現実
【道具】基本支給品一式、双眼鏡、ロープ、味噌『トシコシ』、アンディのデイパック(基本支給品一式)
【思考】
基本方針:このくそったれなゲームをぶっ壊す。
1:命に代えても部活仲間を守るために、危害を加えそうな参加者を殺し尽す。
【備考】
※本編終了後からの参戦です。
※本郷猛とフランツ・フェルディナントは化け物のように恐ろしい危険な人物だと思っています。
※アンディの不明支給品は【防弾チョッキ@スパイラル 〜推理の絆〜】と【スタングレネード@魔法少女沙枝】でした。
◇
時刻は11:00:25、森での出来事だった。
投下終了です
何か問題あれば言ってください
あけましておめでとう 2011年もよろしく
三年連続の大晦日投下、乙です!
ついに圭一、症候群発症か……
いいコンビだっただけに、フランツと別れたのは痛いなあ
そして必要以上に投下間隔が開いてると思ったら、時間調整してたのかw
ええ、最後のレスを00:25で合わせるために調整していました
あと、もう大晦日に因んだタイトルネタが……
投下乙です、あとあけおめ
ユフィはせっかく日本人以外に会えたと思ったら……
それから圭一。フランツさんはこのロワではトップクラスにまともな人だったのにもったいないことを。
このロワはまともじゃない人や、まともだけど人じゃない何かだらけなんだぞー
あ、タイトルミスっていた
本当は「00:25森(おおつごもり)」にするつもりだったのに……
まあいいか
そういえばハヒルは投票作品の中では上位だったなあ
あと今日「パロロワ企画交流雑談所・毒吐きスレ6」にてオールロワ語り実施中、興味があったらどうぞ
てすと
新年あけましておめでとうございます
6/氏@クロスネタスレ、ランキング作成人、黒井ななこ、赤根沢玲子を投下します
◆6/WWxs9O1sは今までに、数え切れないほど死に、数え切れないほど死なれてきた。
その数え切れない死の中に、全く同じものは存在しない。
目の前の少女が感じている兄の死もまた、自分が知るどの死とも違うものなのだろうと彼は思う。
少女の悲しみを、苦しさを、本当の意味で理解することはできないのかもしれない。
けれど、少女の気持ちに寄り添うことはできるはずだと6/は信じる。
だから彼は叫ぶ。
「みんな殺して自分も死ぬなんて、そんなこと言うな!!」
黒井ななこは、この島で教え子を亡くした。
彼女はその死を哀しんだ。高良みゆきと柊かがみを殺した人間を憎んでいないと言えば嘘になる。
でも、復讐をしようとは思わなかった。
人を傷つけてはいけない。殺してはいけない。
これだけは絶対に間違ってはいないという確信と、絶対に譲れないという信念がななこにはあった。
だから彼女は叫ぶ。
「やめるんや! 人殺しだけは絶対にあかん!!」
ランキング作成人は、多くのパロロワを読んできた。
その中には現状とよく似たシチュエーションも当然ある。この場を切り抜ける方法はいくつか思いついた。
だが、作成人はそのどれも選ばなかった。
自分も目の前の少女も、今この場では創作上のキャラクター≠ナはなく生身の人間≠セ。
パロロワでのセオリーなんて関係ない。自分の想いで動かなければ駄目なんだと作成人は感じた。
だから彼は叫ぶ。
「俺は殺し合いなんてしたくないんだ!!」
そして、彼等の想いは
「マハ、ザン、ダインッ!!!」
赤根沢玲子に拒絶され、打ち砕かれる――――
玲子が放ったマハザンダインは、辛うじて残っていたブラック・マジシャンの体力を削り取り
その存在を消し去ったうえ、後ろにいた作成人を吹き飛ばした。
「サク!!」
ななこが悲鳴に近い声で作成人を呼ぶ。
だが、倒れた作成人は動かない。
6/も、ライダーの強化服のおかげで怪我は無いものの疲労を隠せずにいた。
『本気で再起不能にするんじゃなくて戦意をなくす程度』なんて言っていたが、そんな余裕はもはや無い。
戦闘開始から既に十数分。
不利なのが自分たちであるのは明らかだった。
「私は誰も許さない」
玲子が言う。
その瞳と言葉の冷たさが、少女の絶望の深さを物語っていた。
「みんな死んでしまえばいい」
言って玲子はチェーンソーを構える。
6/たちは気づいていないが、玲子にも余裕が無かった。
先程のマハザンダイン。
あれで玲子のMPは尽きた。もう魔法は使えない。
ここまで優位に立てていたのは魔法とチェーンソーという二つの武器があったからこそ。
MP切れを悟られる前に決着を着けなければ、今度は自分が不利になる。
「さっさと私に殺されて」
玲子が走る。標的はこれまで一切攻撃に参加していない女性、黒井ななこ。
呼んでも反応の無い作成人に気を取られていたななこは、玲子の動きに反応できず立ち尽くす。
一気に詰まる距離。
唸るチェーンソー。
ななこを切り裂くための攻撃――それを受けたのは、二人の間に割って入った6/だった。
「なっ!?」
玲子が驚きの声を上げる。
チェーンソーが当たったのは、偶然にも6/の首輪。
ライダーの強化服にも仮面にも守られていない首は生身だ。
刃の位置を少しずらせば首を切断できると玲子は判断したが、次の瞬間
チェーンソーは弾き飛ばされるように手から離れてしまう。
「……っ! 二人とも早く俺から離れろ!!」
6/が叫ぶ。
それはただの警告ではない、悲痛な叫びだった。
反射的に6/と距離を取った玲子。6/に突き飛ばされたななこ。
そして響く、爆発音―――
結論から言えば、玲子はチェーンソーの位置をずらす必要などなかったのだ。
チェーンソーが与えた衝撃はそれだけで、首輪の爆発を招くにはじゅうぶんだったのだから。
6/氏の、首から上だけが、宙に舞った。
【◆6/WWxs9O1s氏@パロロワクロスネタ投下スレ 死亡】
気絶していた作成人が意識を取り戻して最初に見たのは、宙を舞う仮面ライダーの仮面だった。
仮面から、見覚えのある色の髪と、噴き出す血が見える。
仮面だと思っていた物が6/氏の頭部だということを、作成人は理解したくないのに理解してしまった。
「あはははははははははは」
玲子の笑い声が、哀しみと絶望に向かいかけていた作成人の心を現実へと引き戻す。
6/の死だけを映していた作成人の目が、生きて動いている二人の姿を映した。
6/が持っていたデイパックから落ちた鉄パイプを拾い上げる玲子。
座り込み、逃げることさえできずにいるななこ。
このままでは、ななこ先生が殺されたしまう。
その直感は、確信だった。
作成人は立ち上がる。
身体中に激痛が走るが、そんなことに構ってはいられない。
作成人は、近くに落ちているチェーンソーに気づく。
―――ランキング作成人は、選んだ。
玲子は、血だまりの中から拾い上げた鉄パイプをななこに向けて振りかざした。
相手はただの女性だ。これで殴るだけで死ぬだろう。
一撃では無理かもしれないが、殴り続ければ死ぬ。
さっき死んだ奴のように、首輪に打撃を加えれば、すぐかもしれない。
後ろで倒れている男はもう死んでいるかもしれないし、生きていてもこの女を殺した後で殺せばいいだけだ。
「イデオが寂しくないように、先に行っててください」
そう言って鉄パイプを振り下ろそうとした玲子の耳に、チェーンソーが上げる唸りが届く。
「うおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
慌てて振り返る玲子。
チェーンソーを持ち、走る作成人。
玲子はとっさに鉄パイプを構えるが、そんな物でチェーンソーの攻撃を防げるわけがない。
作成人が玲子の身体をチェーンソーで切り裂く。
崩れ落ちるように倒れる玲子。
「……殺して、やる……」
玲子は、そう呟いた。
「殺すんだ……みんな、みんなっ……」
必死に立ち上がろうとする。
だが、立てない。動けない。
玲子の負った傷は致命傷だ。
それでも玲子は、自分が死ぬとは思っていない。
自分が死ぬのは、この島にいる人間を一人残さず殺し尽くした、その時だ。
それまでは死ねない。それまでは死なない。
まだ二人しか殺していないのに、こんな場所で死ぬなんてことは有り得ない。
「みんな…死んでしまえ……」
早く殺さないと。
イデオが待っているのだから。
「……まずは、あなたから…です…………」
サクと呼ばれる男、彼が三人目。
玲子はその瞳に絶望と憎しみを宿し、その視界に次の殺すべき標的を捉え、そして――――息絶えた。
【赤根沢玲子@真・女神転生if… 死亡】
ガシャン、と音を立て、作成人の手からチェーンソーが落ちる。
血や服の布を巻き込んだチェーンソーは、二度と動かないだろう。
これが武器として誰かを殺すことはもう、ない。
「サク……なんでや……?」
座り込んだままのななこが、死体になった玲子を見つめながら問う。
「なんで殺したんや」
「6/さんを殺したのはあの子でしょう?」
「仇討ちのつもりやったんか?」
「それだけじゃありません。殺さなきゃ、貴女が死んでたんですよ」
「うちのためや言うんか? うちはそんなこと、望んだ覚えはないで」
「この子に殺されればよかったとでも言うんですか」
「殺してまで生き延びようとは思わへん」
「先生はそれでいいかもしれませんけど、だったら残される俺はどうなるんですか。
この子だって、あのままじゃ人を殺し続けてたんですよ」
「殺すんが正解やったって言うんか?」
「殺されるのが正しかったって言うんですか!」
作成人を睨みつけようと視線を上げたななこは、そこで初めて作成人の顔を見て、息を飲んだ。
涙を流してはいない。
それでいて、見ているだけで苦しくなるような顔を、作成人はしていた。
人間にこんな表情ができるということ自体、ななこは知らなかった。
「……違うんです。本当は、そんなのじゃないんです……
正しいとか、正しくないとか、そんなこと関係なくて……俺はっ……」
何を言えばいいのかわからず、でも何かを言わなければならない気がして、作成人は言葉を探す。
「俺だって、殺したかったわけじゃない…… 殺そうなんて、思ってさえなかったんです……
俺は……俺はただ、このままじゃ先生が殺されるって思って、そう思ったら、勝手に体が動いてて、
気がついたら……」
必死に言葉を絞り出す作成人を、ななこは黙って見つめていた。
「殺意なんて無かった。人殺しになる覚悟なんて無かった。だけど俺は殺した!」
それが、事実だった。それが、全てだった。
「6/さんのためでも、きっと、先生のためでさえない。俺は、俺のために先生に生きてて欲しかった。
そのために俺は殺した。俺は、自分の我儘でこの子を殺したんだ!!」
そして、これが真実。
作成人の本音。
誰にも死んでほしくないと思ったことに偽りはない。
けれど、全ての人を等しく守れるほど、作成人は強くもなければ綺麗でもなかった。
ななこが死ぬかもしれないと思ったその瞬間、
作成人は無意識のうちに玲子とななこを天秤にかけ、ななこを選んだ。
その結果、玲子は死に、作成人は人殺しになった。
「呆れて物も言えないですか? それとも、人殺しと会話なんてしたくないですか?」
自嘲気味に言う作成人。
立ち上がったななこはそんな作成人を、包み込むように抱きしめた。
ななこの行動に、作成人は驚きを隠せない。
「……サク」
ななこが呼ぶ。
「……はい」
作成人が答える。
「どんな理由があろうとも、人が人を殺すんは許されることやない」
「はい」
「やからうちは、サクのやったことを絶対に許さへん」
「はい」
「助けてくれてありがとうなんて、言わへんで。サクがやったことを認めることになってまうから、言わへん」
「はい」
「けどな、サク」
ななこが作成人の手を握る。
その手が震えていることに、ななこは安心した。
人を殺して平気でいられるような人間でないのなら、大丈夫だ。
ななこは決意する。
「うちは、サクと一緒に行く」
それだけを、伝えた。
作成人が何と言おうと、玲子の死は自分にも責任がある。
だから、玲子を殺した罪を一緒に背負うことをななこは決めた。
だが、それを作成人に伝えることはしなかった。それは相手の重荷になるだけ。
ななこは思った。
サクが自分を守ったのがサク自身の我儘なのだとすれば、サクの罪を一緒に背負うのは自分の我儘だと。
「……いいんですか?」
おそるおそる、といった感じで作成人が訊ねる。
「なにが?」
「俺は、もう人殺しです」
「けど、人殺しでも、サクはサクやろ?」
ななこは、作成人の手を握る右手に、作成人の背中にまわした左手に、力を入れる。
この体勢だと、ななこから作成人の顔は見えない。
それでもななこにはわかった。
作成人は今、泣いている。
もう少しだけこのままでいようと―――このままでいたいと、ななこは思った。
【B-5 平原/1日目・午前】
【ランキング作成人@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】クロス(十字架)が大きく描かれた服(ボロボロ)
【状態】全身打撲、疲労(大)
【装備】なし
【道具】支給品一式、DMカード(ブラック・マジシャン(使用中)、聖なるバリア・ミラーフォース、光の護封剣(16時間後まで使用不能)、他2枚)@ニコロワ
【思考】
1:誰も死なせたくなかったのに、俺は……
【黒井ななこ@らき☆すた】
【服装】いつもの教師らしい服装
【状態】健康
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、カラオケ用機材一式@現実
【思考】
1:殺し合いはあかん。
2:サクと一緒に行く。玲子の死は自分も背負う。
3:沙枝を見つける。
※6/氏と赤根沢玲子のデイパックは付近に落ちています。
※チェーンソーは使用できない状態でランキング作成人の足下に落ちています。
以上で投下終了です
作成人の道具欄を直すの忘れてましたので、これはwiki収録時に修正します
他に問題点があれば指摘をお願いします
投下乙です
6/…身を呈して女性を守るとか、なんてカッコいい死に様…
そして玲子、なんかすっげえ同情する
それからサクの心情にグッときた
投下乙!
なんかこう……切ないというか、ぐっとくる話だなあ
こげぱああああああああああんんんんんんんんんん
次ー
それとWiki管理人氏へ
時間ができたらWikiの左右の空白なくすように設定できないでしょうか?
018 手相手にムキになっちゃってどうすんの ◆iet9mpGEeA しんのゆうしゃ、ハエ叩きの手、スペランカー
http://www20.atwiki.jp/allrowa/pages/45.html >※手だけです、手首と思わしき部位に首輪がついています。 どうやら人の背の高さ辺りまで浮けるようです。
え、それって首輪じゃなくて腕輪じゃ(ry
そういえば長いこと『ピッケル』が何か不明のままだったな
ラジオの時になってようやく正体が分かったんだっけ>ピッケル
すまない……
ピッケルを不明に分類したの自分なんだ……
「ピッケル@真女神転生if」って書いてたから、てっきりゲームで出てくるアイテムだと思いこんじゃったんだよ
どっちも甲賀忍者なんだよなー
全体的に今更な気がしないでもない>シュール
wiki管理人です
cssに想像以上に手間取りましたが、長さの調節完了しました!
文字サイズも少し大きめにしたので、見やすくなったかもです
>>120 息をするように殺す零崎らしいというか何というか
一行しか話してないのになんという存在感
乙です!
これは随分と見やすくなったものだ……
「人の恋路を邪魔する奴は、馬に蹴られて死んじまえ」ならぬ「人の情事を覗き見する奴は、零崎に斬られて死んじまえ」かw
>>121 wiki乙です
おお、これはなんかすっげ広くなった!
猫に襲われているゼロ(中身スザク)……なかなかシュールな光景だな
元の世界の人が見たら呆然とするだろうな
恋って……儚いよな……
クララ、せっかく手に入れた足が・・・
でも結局DQ5の主人公は未参加なんだよな
良かったんだか悪かったんだか
血まみれの木ぐるみとかシュールどころのレベルじゃねえぞ
これが最初の改名イベントだっけ?
そうだよ
そしておそらく命名神登場には
>>130の話が影響している気がする
でも出典はエロ漫画なんだよな
ところでここの人は地震大丈夫だったんだろうか
リュウタロス(シン・アスカ)、枢木スザク、キラ・ヤマト、ジャイアンの母、阿魔野邪鬼で投下します
「それで実はその時アーサーが――」
「……………………」
「そうしたら会長がいきなり――」
「……………………」
「でもまさかリヴァルが――」
「……………………」
「で、結局アーサーは――」
「あの、ところでスザクって……」
「あ、思い出した。あの時もアーサーが――」
(うぜえええええええええ!!!!! いつまでその話で引っ張るんだよ!!!!!)
やあ、俺リュウタロス……って、そうじゃない!
なんだよ、このウザク。
さっきから『アーサー』って猫の話で延々会話を引っ張りやがって!
そりゃあ、飼い猫がいたかもしれないから心配なのは分かるけど、正直空気読めよ!
俺が会話を逸らそうとしてもいつのまにか『アーサー』の話題になっているし、なんなんだよいったい!
ああ、イライラする。
いつか殺してやろうか……そんなダサくて悪趣味な真っ黒衣装でカッコつけても、この拳銃で――。
「――って、うわっ!?」
「あ、ごめん。この辺り足場が滑りやすくて」
「だからって俺の服引っ張るなよ、キラ!」
あ、危ねえ。
いきなりの赤服の袖つかまれたせいで俺まで一緒に転倒しかけたじゃないか。
オーブの時といい、連合の巻き添えなんて二度と御免だっていうのに。
「だいたいなんでザフトの俺がお前らと手を組まないといけないんだよ! 元はと言えばお前ら連合がオーブに攻め入ったから!!!」
「え、オーブって……まさか君、あの戦い――」
そうだ、なんで連合と一緒に行動しないといけないんだ!
この際胸倉つかんで分からせてやる。
こいつらのせいで、俺の父さんは、母さんは、マユは――って、痛タタタタタ。
「み、耳を引っ張るな! このババア!」
このババア、何いきなり人の耳を引っ張るん――。
「って、痛タタタタタ! 今度は両耳かよ!?」
「誰がババアだって。もう一遍言ってみな!」
「す、すみません! おばさ――いやいや、ジャイアンの母さん!!!」
「よろしい! 座布団だか、蓮根だか、オーブンだか知らないけどさ、お互い争うのはここから脱出してからにおし。
まずはここから無事に生き延びる事が肝心だよ」
くっそう、このババアちょっと強いからって威張りやがって。
いい歳して恥ずかしくないのかよ。
……ったく、『ジャイアン』って奴の顔が見てみたいぜ。
それになんだよ『ジャイアンの母』って。
ジャイアンの母親って事は分かったけど、結局あんたの本名はなんなんだよ!
……いや、俺も人の事あまり言えないか。
はぁ、なんで俺の親は『リュウタロス』なんて名前付けたんだろう。
ん、そういえば俺の妹は『マユ・アスカ』なのに、なんで俺は『リュウタロス』で苗字が付いていないんだ?
あれ? 俺もしかして何か大事な事を忘れて――。
「ん、あれは……」
ちっ、今度は阿魔野さんかよ。
いったい何があったんだ。
そういえばこうして会話しているのって阿魔野さんが「他の連中を撹乱するため」って言ったからじゃないか。
つまり全ての原因は――。
「おい、あれ見てみろ」
――って、なんだよ。
えっと、みんなランタンで照らしているけど、ここ行き止まり?
いや、向こうに何か……え、あれって……!?
続く
【1日目 昼/E-6 怪しい洞窟最深部】
【阿魔野邪鬼@伊賀の影丸】
【服装】羽織姿の武士
【状態】健康
【装備】脇差@現実、太刀@現実
【持ち物】基本支給品一式×2、『贄殿遮那』@灼眼のシャナ、ランダム支給品(地虫十兵衛のもの1〜3/義経のもの0〜2)
【思考】
1:ん、あれは……/怪しい洞窟を調べる。
2:スザクたちから詳細な情報を聞き出す。
3:殺し合いに乗るかは未定。
【備考】
※「由比正雪の巻」後の参戦です。
※再生能力は制限されています。制限に少し気付きました。
※社長が複数いる事に気づきました。
【ジャイアンの母@カオスロワ】
【服装】:ジャイアンの母の服装
【状態】:健康
【装備】:天の羽衣@竹取物語
【持ち物】:基本支給品一式×2
【思考】
基本:他の参加者を殺す可能性のある参加者を殺す。
1:何かあったのかい/怪しい洞窟を調べる。
2:無抵抗な参加者は殺さないが殺人者には容赦しない。
3:可能であれば脱出する方法を探る。
4:阿魔野さんってダンディーで少しカッコいいじゃない!!
【キラ・ヤマト@機動戦士ガンダムSEED】
【服装】地球連合の制服
【状態】健康
【持ち物】基本支給品一式、本人確認済み支給品1〜3
【思考】
1:仲間と協力して殺し合いを止めて、主催者を倒す。
2:あれは……/洞窟を調べる。
3:北へ向かって情報収集と仲間探し。
4:正午にC-6の豪邸に集まる。
【備考】
※参戦時期の詳細は後続の書き手にお任せします(少なくともオーブ戦以降らしい)。
※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。
【枢木スザク@コードギアス】
【服装】ゼロの衣裳
【状態】ナナリーの死による精神的ダメージ、「生きろ」ギアス継続中
【装備】ククリ刀@バッカーノ
【持ち物】基本支給品一式、ゼロの仮面@コードギアス、ランダム支給品0〜1(本人確認済み)
【思考】
1:仲間と協力して殺し合いを止めて、主催者を倒す。
2:あれは……/洞窟を調べる。
3:北へ向かって情報収集と仲間探し。
4:正午にC-6の豪邸に集まる。
5:なぜユフィの名前が?
【備考】
※R2本編最終話、ゼロレクイエム実行後からの参戦(現状ゼロとして振舞う事を止めています)。
※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。
◆ ◆
――って、ここで引っ張るのかよ!? 阿魔野さん、アンタって人はぁぁぁぁ!!!!
【リュウタロス(シン・アスカ)@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
【服装】ザフトの制服
【状態】健康、改名された上に名前が格好悪いので自暴自棄&ヤケクソ&違和感、スザクとキラへの敵意
【装備】イングラムM10(22/32)+予備弾(9mmパラベラム弾32発)×5@現実
【持ち物】基本支給品一式×2、ドラゴンレーダー@ドラゴンボール、首輪(刹那)、不明支給品1〜3(1:リュウタロス曰く”わけわかんない何か”/0〜2:元は6/@クロススレのもの)
【思考】
1:自分の弁護をしてくれそうな仲間を探す。
2:ここで引っ張るのかよ!?アンタ達は!!/怪しい洞窟を調べる。
3:とりあえずスザクたちに同行。しかし、あまり信用できない(いつかスザクは殺す?)。
4:いろいろあったけど対主催!
【備考】
※PHASE -23「戦火の蔭」後〜PHASE -24「すれ違う視線」の冒頭あたり(ハイネ死亡直後)から来たようです。
※ドラゴンレーダーを持っているからって、会場内にドラゴンボールがあるとは限りません。
投下終了です
何か問題あれば言ってください
いつのまにかリュウタロスがギャグキャラっぽくなっていた……
投下乙
ここでまだ引っ張るのかw
というか、記憶まで改竄されつつあるリュウタロスが地味にやばい……のか?
投下乙です
確かに引っ張りだこだ……って意味が違うw
俺なら御免被るなw
>中でも『ああああ』や『んんんん』などもってのほかじゃ!
>もしもそんな不届き者が目の前におったら、この流星虫を寄生させた三属の剣でバラバラにしてやるわ。
約一名泣くぞw
きっちりkskで当てはめるんだなあ
>1:俺がガンダムだ
>2:俺がガンダムだ
>3:俺がガンダムだ
ぱっと見、何かの暗示だなw
乙
ニート専用パジャマってどんなパジャマなんだろう
これって原作再現とか聞いたけどマジかw
マジです
これがあたし彼女書式か
オープニングもいきなりこの文体で唖然としたなあ
気にするだけ無駄な気がしないでもない
でも東方不敗って老人って年齢じゃないんだよな
49歳か、確かに老人とは言い難いか
「あらゆる格闘技をマスターした」とか「なんでもそつなくこなす」辺りからじゃないか
イヨは原作でもフリーダムなお方だから仕方ないw
172 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/12(木) 01:02:36.76 ID:RTnM6Ca8
支援age
ロリコンで何が悪い!
谷口がマシロに対してだったらイヤーンつうかアッーだな
ところで満月ってどうよむんだっけ
みつき
マンケツたんがロワに出ていたとは…
しかもプリキュアとは…
神山は「かみやま」じゃなくて「こうやま」だって、みんな知ってたか?
今まで見たまま「かみやままんげつ」って読んでいた……
確かこの時点では「一度に登場させていいのは4人まで」っていう規制があったのに
この話は何も言われず通ったんだよなw
あの時の勢いじゃそんなこと突っ込んでる暇なかったんだろww
というか、下着売り場が100階建てだったことにばかり目がいってたけど
少なくとも下着売り場周辺は深夜なのに青空が広がっていたという事実に今気がついた
【青空】
[1]雲のない青い空。よく晴れ渡った青い空。碧空(へきくう)。
[2]他の語に付いて、野外・野天(のてん)の意を表す。
深夜の空が雲一つなくて青暗いように見えたのならおかしくはないか?
それにしても読んでいたら下人に同情してしまった
デストロイガンダムが支給品かよwwwランスロットよりもヤベェ
全裸wwwww当たり前だろwwwww
でも初期位置助かったな
これがAorB列だったら桂馬の存在価値が……
俺このロワで狭霧嘉麻屋知ったけど、かなりに気に入ったわ
でも今オリロワって見れないんだよな・・・
悠理の能天気さパネェ
>「しかし、随分と日焼けしたようだな、ガンダム!体も大きくなって……まさか成長期だったとは!」
さすがにその解釈は無理があるだろwww
でもいつ見てもすごい名前だな
時間にして30分ちょっとで退場か
ロワで知って読んだり見たりした作品多いけど
バジリスクはその中でも一、二を争う当たりだったな
豹馬さんの瞳術って一見反則級だけど、夜間のみ使用可・豹馬に敵意を向けた相手にしか使えない・目を合わす、と元から制限きついな
そういえばハルヒとハヒルと続けて死亡しているんだな
本当、命題は猛威を振るったよなあw
>3:剣心は殺さないといけない気がしたので殺した
酷ッ
カイジ(宇海零)、ルガール・バーンシュタインで投下します
目の前に死体があったら、どうするべきだろう?
もし平和な日常なら警察に連絡するべきだ。
もっともその前に見つけた者の思考は驚愕で埋め尽くされるだろう。
だが今カイジ(零)がいるのは殺すか殺されるかという殺し合いの場。
そんな法も秩序もない血の匂いが漂う場では警察に連絡するなど愚の骨頂だ。
それでは何もしないままでいるのか。
いや、少なくともカイジ(零)はそこまで簡単に割り切れるような神経は持ち合わせていなかった。
見ず知らずであろうとも死体が野晒しにされていたら埋めてやりたい。
そう思ってしまうような優しさと正義感を併せ持つ人物だった。
「…すまないな、今はこれで我慢してくれ」
現在そのカイジ(零)は冷たい地面に腰を下ろしていた。
傍らには二つの盛り土。
先程見つけた二人の死者を埋めて作ったものだった。
本当なら花でも添えてあげたかったが、近くに適当な供物も見当たらないので二人分の穴を掘って土を被せるだけしかできなかった。
マシロと満月は今なお一生懸命戦っていると思われるのに、自分は簡単な墓を二つ作っただけ。
年端もいかない少女二人を戦わせて男子が休息しているというのは正直少し情けなく思える。
自分にもっと力があればと、そんなありきたりな考えがふと頭をよぎる。
「まあ、無い物ねだりしても仕方ないか」
一応収穫と言える物は死体のそばにあったデイパックが二つ。
ちなみに中身は共通の支給品一式にスタンガンと『タイムふろしき』という紙が貼られた風呂敷だった。
(でもこの風呂敷…そんなことあるのか…!)
説明書きによると、この『タイムふろしき』を被せたものは新品になったり古くなったりなるらしい。
つまり被せたものの時間を巻き戻したり進めたりできるという事だ。
普通に考えればそんな事ありえないが、この数時間で非常識な体験を数多く体験してきた身としては疑う余地はない。
とは言うものの、今すぐ使う気はないのでスタンガン共々とりあえず横に置く。
(ひとまずやる事は済ませた。二人が戻ってくるまで名簿でも眺めているか)
カイジ(零)がそう考えたのには理由があった。
この殺し合いに参加している者は名簿を見る限り152人。
だがその名簿に記された参加者はあまりに多種に渡っていた。
人種はもちろんのこと、中には生物かどうか疑わしい名前すらある。
しかも一見すると名前の並びに規則性はなく、傍目から見れば完全にランダムに選ばれたとしか思えない。
(だが違うっ…! これは無作為なランダムじゃないっ…!)
その根拠は名簿に記されたある名前。
そもそも名簿は20行×4列で構成されていて、右下が少し余る構図になっている。
さらにこの名簿は左上から順に番号が振られていて、ルガール・バーンシュタイン、橘右京といった具合に名前が記されている。
その中でカイジ(零)が注目したのは「No.19:鈴木万吉とNo.20:鈴木一郎」「No.29:アンディ・ボガードとNo.30:テリー・ボガード」「No.48:ユーフェミア・リ・ブリタニアとNo.49:ナナリー・ヴィ・ブリタニア」
「No.54:スペードの2とNo.55:ハートのクイーンとNo.56:スペードのクイーン」「No.94:命名神マリナンとNo.95:命名神マリナンの仕える神官」の部分だ。
鈴木、ボガード、ブリタニアといった名字(ファミリーネーム)は152人中この二人ずつしかいない。
さらにトランプの名称と命名神マリナン関係もまたその組み合わせしかない。
名簿が完全にランダムになっているならそれらがこのように集まるには偶然すぎる。
つまり名簿の名前はある程度の人数――リュウタロスの別世界の話からすると同じ世界の者同士――で固まっている可能性が高い。
それなら「柊かがみ」や「◆6/WWxs9O1s氏」の名前が離れているのか説明が付く。
(だがそれなら別の問題がある。
俺の名前「カイジ」の前後にある名前は「ジャック・ハーパー」と「ああああ」だが、全く聞き覚えがない。
そもそも「ああああ」なんて偽名にしても適当すぎるっ…!)
だがカイジ(零)には思い当たる節がないわけでもなかった。
それはここに来るまでカイジ(零)が参加させられていた“王の試練”。
在全無量が主催するギャンブルの代打ちを選ぶための命懸けのギャンブル試験。
そこにはカイジ(零)が名前を知らない参加者が何人もいたはず。
名前を知っている中にも「小太郎・ヒルマウンテンウィリアムス・ハリソンジャガーサタケ・ジェームス城山」が本名だと言いつつも実際は「城山小太郎」が本名だった奴もいた。
だから“王の試練”に「ジャック・ハーパー」と「ああああ」が参加していたかもしれないが、何か腑に落ちない。
(それにそもそも俺達はリムジンに乗って移動している最中…いや、違う! トイレに行きたいとか言い出して在全達がリムジンから降りて、それで――ッ)
そこでカイジ(零)は凄まじい音が背後の森から響いてくるのに気付いた。
そして次の瞬間その音の正体が姿を現した。
車だ!――もっともその車はリムジンとは似ても似つかない無骨なトレーラーだったが。
そこまで理解した時点でトレーラーはカイジ(零)の目の前まで迫っていて――。
◆ ◆
ルガール・バーンシュタインは自身が運転するトレーラーに満足していた。
張り紙によると元の持ち主はミスター・ノーブレーキと呼ばれる馬車號造という者らしいが、どうでもよかった。
何よりどんな悪路もものともせずに走り抜ける頑丈な鉄の車はルガールを如何なる場所にも運んでくれそうだった。
つまり島に散らばっている参加者の元へ行って改名する機会が増える事になる。
ただ先程は少々浮かれ過ぎてブレーキのタイミングを逃してしまって参加者一人轢き殺しかけるところだった。
別に殺してしまっても問題はないが、それで改名の機会が減るのはいただけない。
幸いな事に本人が避けてくれたようで気絶だけで済んで特に外傷はなかった。
しかも驚いた事にその参加者は殺し合いが始まってすぐにルガールが改名した人物だった。
そこでルガールは改名の力を改めて試す事にした。
それはさらなる改名。
そして結果は見事成功。
当人は意識が混濁したままだったが、名簿の「No.92:カイジ」の部分が改名後の名前に変化した事から確認できた。
そこで気を良くしたルガールは餞別代わりに剣を与えて、一路参加者が集まっていそうな都市に向かっているのだ。
「改名こそ、この世界の原動力なのだ!」
【1日目 朝/C-5平原】
【ルガール・バーンシュタイン@アーケードキャラバトルロワイアル】
【服装】赤いタキシード
【状態】健康、命名の能力を吸収、トレーラー運転中
【装備】馬車號造のトレーラー@GetBackers-奪還屋-、時計型麻酔銃@名探偵コナン
【持ち物】基本支給品一式×3、『家族輪舞曲』@現実、チェス@コードギアス
【思考・行動】
1:人の名前を変えるのが楽しくなってきた。
◆ ◆
そいつは生きていた。
トレーラーに轢かれそうになった瞬間、間一髪で道具を抱えて避ける事に成功していた。
ただし避けた拍子にこけてしまって気絶したが。
しかもそのせいでタイムふろしきが頭部に被さって、スタンガンの誤作動でタキオンエネルギーが暴走して、白髪になってしまった。
さらに過度な電撃のせいでタイムふろしきはあと1回しかもたないという事態になってしまった。
だがそんな事はどうでもよかった。
うっすらと見えた赤いタキシードの男に改名されてから、何か得体の知れない高揚感が自身の中から溢れてくる気がした。
「俺の名前は…零? 違うっ…! …カイジ? 違うっ…! そうだ、俺の名前は――」
それは果たして改名された影響か、または手にした妖刀の影響か。
「――アカギだっ…!」
そして宇海零改めカイジ改めアカギは歩き出す。
マシロと満月を探しに。
そして、もし戦っている最中なら自分も…この刀でっ…!
【1日目 朝/C-5 平原】
【アカギ(宇海零)@賭博覇王伝零@マガジン】
【服装】普通の服
【状態】健康、白髪化、アカギに改名される、得体の知れない高揚感
【装備】フムカミの指輪@うたわれるもの、紅桜@カオスロワ、
【持ち物】基本支給品一式×3、スコップ@現実、タイムふろしき@パロロワクロスネタ投下スレ、詩音のスタンガン@ひぐらしのなく頃に、不明支給品0〜2(確認済み、武器あるかも)
【思考】
1:満月とマシロが探す。そして戦っている最中なら俺もっ…!
※アムンゼンの不明支給品はタイムふろしき、ジェシーの不明支給品はスタンガンでした。
※タイムふろしきはあと1回使えば壊れます。
【馬車號造のトレーラー@GetBackers-奪還屋-】
ミスター・ノーブレーキと呼ばれる馬車號造が所有する大型トレーラー。
森の中だろうと街の中だろうと関係無しに爆走可能(他の人が運転してもそれが可能かは不明)。
【タイムふろしき@パロロワクロスネタ投下スレ】
ドラえもんのひみつ道具の一つ。
風呂敷を被せたものを新品のように新しくしたり、ぼろぼろの状態にしたりする事ができる。
【詩音のスタンガン@ひぐらしのなく頃に】
園崎詩音が護身用に携帯している改造スタンガン。一般のものよりも高出力。
投下終了です
何か問題あれば言ってください
「賭博覇王伝 零」連載…再開っ…!
おお、久々の投下だ! 乙!
復活の零(連載的な意味で)、まさかのアカギ化に吹いたw
そして馬車のおっちゃんのトラックとは、地味に凶悪なw
投下乙です
カイジで次はアカギかよwww
でも紅桜とかやばいぞ……
wiki報告
拙作「零 〜ロワに降り立った天災〜」の時間ですけど、少し思うところあって朝→午前に変更しました
あと一部改行直しました
>>214 タイトルの願望が既に叶わない気が……
地図乙です
北東方面は人いないなー
トリ消し忘れたorz
地図乙ー
面白半分で余計なことすると痛い目に遭うといういい見本だなw
見ろ、ジョーカーが53のようだ
いまさらだがこの犠牲者3人がライターつながりという事に気付いた
右京さん……南無……
右京さんがパロロワで病死せずに2話目を迎えられる日は来るのだろうか
右京さんだしなぁ
シンが供養出来なかったのは仕方ないような・・・
久しぶりに創発開いてみたらオールのスレまだ続いてたんだ……!うわー懐かしい!
3年経つんだっけ?
>>231 全裸とか今更な気も……
1 名前:名無しさん@お腹いっぱい。[sage] 投稿日:2008/10/03(金) 23:46:55
もう少しで3年だな
もう3年も経つのか……
うん、再びスレを開いたのも何かの縁。
ってことでかえると地虫十兵衛で投下します。
二年後――かえるはかがみんと新婚生活を満喫している。
「やあハニー、今日もいい湿度だね」
「あらダーリン。でもこれじゃあ、洗濯物が乾かないわ」
「いいのだよ。濡れて透けた服というのもまた乙なものだ。それに、服なら今から脱がすのだからね。さあかがみん」
「もう、せっかちなんだから……あーれー」
かがみんとかえるは大湿原の奥深くに秘密の隠れ家を作って、そこでふたりきりで愛を育んでいる。かえると人間の恋はいろいろと大変なのだ。
家の一番快適なところにはひとつ、かがみんとかえるの作ったタマゴがあって。二人は産まれてくる子供たちに愛を示しつけるように、昼夜問わずにいちゃいちゃしている。
「かがみん、かがみん、かがみぃん」
「かえる、かえる、かえる、もっとぉ」
熱のこもった甘い声の合唱。二人を邪魔するものは誰もいない。
ただただ、じめりとした空気を吹き飛ばすように愛し合う、かえるとかがみんという名の夫婦《ベスト・パートナー》がいるだけ、
「キシャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア」
というかえるの妄想が、突然おぞましい金切り声と共に妄想の中に現れた蛇にばりばり、ぼりぼりと食べつくされた。静かで激しい新婚生活の風景も、かがみんもかえるもぐちゃぐちゃになって、蛇のお腹の中に飲み込まれてしまう……
「う、うああああああ!? かがみぃいいぃん!?」
ここまでかえるの妄想。
妄想から抜け出てみると、
「って、おおおぉ!!? 落ちるぅ!」
かえるはなんと、空中に放り出されている最中だった。
そうだ。
不思議な光に巻き込まれた先に現れた《蛇》から逃げ続け、都市を駆け回ることかなりの時間。《蛇》は建物の中までは入ってこれないだろうと考えて、近くにあったビルに入ったのだ。
そして屋上まで逃げて、一息ついたところで、
「あっ。そういえばかがみんとどんな家に暮らそう」
と思いを巡らせてしまった。妄想モードのかえるは、屋上から足を踏み外すまで自分が歩いてる場所に気が付かなかったのである。
ビルは三階建て。小柄な両生類のかえるにとって、このままアスファルトに叩き付けられれば間違いなく死ぬレベルの高さだ。もう以前のように鉄化の種も使えない。
かえる、万事休す――!
「ええい、仕方のないやつじゃ」
その時だった。
地に向かって落ちるかえるは、さらなる絶望を両の目で捉えた。かえるの落ちる先のアスファルトで、件の《蛇》が顔をしかめて待っているではないか!
「たたた食べられるぅ!? 助けてかがみぃひん! 蛇こわいよぉ!」
「蛇ではないと言っておろうに……んっ!」
空中でなすすべのないかえるに向かって、地面の《蛇》は舌を伸ばした。
「!?」
いや。
もうそれは伸ばすというより、発射するといった表現のほうが正しい。《蛇》、もとい甲賀忍者のひとり地虫十兵衛は、手足の無い身体に長い長い舌と獲物を隠したとんでも人間なのだ。
ただ今回は、かえるに向かってまっすぐに向かってきた彼の舌の先には《何もなく》て……空中を落ちる相手にとても優しく巻き付いて。
落下の勢いを殺しながらゆっくり地面へ下ろすために、秘伝の技は使われたのだった。
「わ、わ……私を食べないのか、おぬし?」
「む?」
舌をかえるから離し、しゅるしゅると口内にしまう地虫に、いまだに状況が理解できないかえるが上擦った声で話しかける。
すると地虫は少し首をかしげたあと、得心した様子でこう答えるのであった。
「忍者にとって、かえるは食べ物というより化ける対象じゃ。俺には同胞を喰う趣味は無いのう」
そういって舌を出して笑ってみせるが、地虫十兵衛。
彼の顔立ちはけっこう、なんというか、強面である。
【1日目 午前/C-5 市街地】
【かえる@鳥獣戯画】
【服装】和服
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】基本支給品、こなた×かがみのエロ同人誌、ルーズソックス@カオスロワ
【思考】
0:蛇怖……い?
1:かがみんと再会する
2:かがみんと親密になる
3:かがみんに告白される
4:かがみんといちゃいちゃする
5:かがみんと朝ちゅんする
6:かがみんにプロポーズする
7:かがみんと幸せな家庭を築く。子供は男女一人ずつ
8:子供の結婚をきっかけに子供夫婦と別居、家を売り払い田舎でかがみんと農業を始める
9:孫の名前をかがみんと考える
10:年老いても夫婦二人三脚で穏やかに暮らす
11:かがみんと子供、孫達に見守られながら92歳で老衰で逝く
12:天国でかがみんを見守る
【地虫十兵衛@バジリスク〜甲賀忍法帖〜】
【服装】:まるでツチノコ
【状態】:健康?
【装備】:喉に仕込んだ槍の穂、牛車@竹取物語
【持ち物】:不明
【思考】とにかく情報収集。正午にC-5で邪鬼と合流
1:かえるを捕まえて話を聞く。
※ デイパックは邪鬼に預けてあります。
投下終了です。前のトリップ思い出せなかったや。
何か問題点があったら指摘よろしくです
投下乙!
地虫さんマジ男前
投下乙です
その妄想の新婚生活ツッコミどころありすぎだwww
なんだよタマゴってwwwww
投下乙
かえる自重しろ
それと地虫△
test
ゼロ、アキ、ネギで投下します
「え……?」
聞こえ
なかった?
キスしてって
言ったの
あたしに
×××
静かで清潔な、C−4病院2階のとある病室の中。
放送からずっと沈黙を保っていたアキは、不意にぶっきらぼうな口調で、そばにいた少年に要求をした。
口づけの要求。しかも、まだ年端もいかない、出会ったばかりの少年、ネギ・スプリングフィールドに。
「アキ、さん? どうしたんです?」
重い空気の中、どうにかしてアキに声をかけようと思っていたネギは、思いもよらないアキの言葉に動揺を隠せない。
アキは恋人のトモを失って、それで悲しみに暮れていたのではないのか。
どうしてそれが、ネギに「あたしにキスして」と頼むことになるのか。
分からなかった。分からなくて、動けなくなった。
がばっ、とベッドからアキが立ち上がり。今度は逆に、ネギを押し倒す。
「わ、アキさん、ちょ」
持っていた杖を取り落とした。
からん、と杖が音を立て、同時に華奢なネギの体はかんたんにアキに押し倒されてしまう。
どさり、背中に冷たい床の感触。腰のあたりに重さがかかる。
ネギはアキに、馬乗りになられてしまった。
そこから、無言で。アキはネギの頭の横に手をついて、前かがみになっていく。
ネギの視界に映っていた天井の蛍光灯が見えなくなる。アキの長い髪の毛がネギの顔に垂れてくる。
ふたりの目が合う。心臓が早鐘を打つ。
駄目だ。
これ以上は、駄目だ。
ネギの思いとは裏腹に、だんだんと二人の顔が近づいていって。
ぽた、と。
涙の粒がネギのほっぺたに落ちて音を立てた。
アキは、泣いている。
声を出さずに……泣いている。
そこでネギは、我に返った。
「駄目です、アキさん!」
渾身の力を込めて、ネギはアキの肩を押した。
密着する直前だった二つの唇が、再び少しだけ離される。
なんで? と、アキがかすれた声で言った。
そのときネギが見たアキの顔をなんと言えばいいのか。悲しみと、絶望と、恐怖がないまぜになったあと、すべてを諦めて投げやりにして、それでもどうしようもなく寂しくて。
誰でもいいから温めて欲しい。
そう、アキの瞳はネギに訴えている。
ネギは悟った。アキは――トモのことを忘れようとしたのだ。
トモの死について考えるのがつらくなって、つらくなって、それでも感情があふれ出して止まらなくて。
他の男と。ネギとキスをすることによって、トモへの愛を忘れようとしたのだと。
だけど……それは、間違った解決法だと、ネギは思う。
「アキ、さん」
ネギは少し起き上がって、アキの肩に手を回す。
小さな手で優しくアキを抱きしめて、ゆっくりと言葉を紡ぐ。
「こんなのは、違います。悲しみを忘れて軽くしようなんて、考えないでください。
いくら時間がかかっても、いいんです。アキさんの中から生まれてくる想い、思い出を、全部受け止めてあげて。
それは、アキさんの心の中にいるトモさんからの、メッセージなんですから。逃げちゃ、駄目です」
でも、つらいよ、とアキが呟く。ネギはそうですね、でも、と続ける。
「つらかったら、僕も一緒に受け止めます。今は病院内の見回りに出てる、ゼロさんも。アキさんの味方で、大切な仲間です。
つらいことも、楽しいことも、分け合えるのが仲間なんです。だから、心配しないで。いまはトモさんを――愛しきってあげてください」
ネギが言葉を終えると、一旦その場が静かになって。
数秒の沈黙のあと堰を切ったように、大粒の涙がアキの瞳からこぼれ落ちていった。
ごめんね、ありがとう、ごめんねを繰り返した後。
涙でぐちゃぐちゃになった声で、アキはトモの名前を叫び続けて。
そのあいだずっとアキを抱きしめてくれるネギをぎゅっと抱き返して、寂しさつらさを分け合って。
アキはこの殺し合いの世界で、初めて人の優しさに触れたのだった。
×××
一方、ゼロは。
「これは……?」
病院内の見回りをする過程で立ち寄ったある場所で、驚くべきものを見つけていた。
そこは病院の3F、最上階にある院長室。
妙に豪華なその部屋の棚に入っていたのは、2種類のファイルだった。
ずらりと並ぶファイル。
色は赤と黒があり、赤に対して黒は少ない。
赤いファイルの背表紙には、参加者名簿に乗っている名前が。
黒いファイルの背表紙には、「エミット」や「メタモン」「ポテト」など見慣れない名前が載っていて。
おそるおそる1人のファイルを取り出して、開いてみると――
「橘右京……明和元年九月二十日生……コレステロール値異常なし、肺結核あり……これは、参加者の健康情報か……しかも、顔写真つきだ」
次に、試しにMAXと書かれたファイルを開くと、顔写真に写っていたのは紛れもなくあのMAXだった。
人違い、もといメカ違いではなかったらしい。
載っているのは参加者の顔写真と名前、生年月日と住所、そしておそらく、殺し合い開催時点での健康状態のようだ。
まぎれもなくそれは、殺し合い参加者たちのカルテだった。
思えば、殺し合いが始まる前。
ゼロやアキ、ネギはもちろん全員が、拉致されたうえで気を失い、首輪を付けられてしまったはず。
そのとき他にも、色々と調べられていたとしても不思議ではない。
(つまり。参加者全員の「健康診断」が行われていた、ということなのか? この病院で?)
断定はできない。
仮にそうだとしても、こんな痕跡を残していく意味がないはず。
ゼロが主催なら、参加者に見つからないよう会場の外にでも持っていくだろう。
しかし――放送の時のテンションを考慮すると、あの社長という男は何を考えているのか全く分からない。
何が起きても驚かずに、冷静に最善手を打っていくのが最適なのかもしれなかった。
「いま打てる最善手は……ネギとアキにこのことを伝え、ここに来てもらって……少しでも参加者の情報を手に入れること。
いや、1つくらいはファイルを持って行ったほうが」
考えた結果ゼロは、1つファイルを選んで持っていくことにした。
一旦その場を後にし、ネギとアキのもとに向かう。
(それにしてもこの病院……広いなあ、横に)
この病院は高くもないし、地下にも何もないみたいだが、ずいぶん敷地面積が広い。
マップのC−4のマスは半分ほどが病院の敷地と言っても過言ではないだろう。
3F院長室を出てから2Fの病室に戻るまでには、けっこうな時間がかかりそうだった。
ゼロはほんの少し、げんなりした。
×××
ゼロさんが
戻ってきた
ときには
もう
あたしは
泣き止んでた
それで
ネギさんに
トモとの思い出
聞いてもらったり
キスするふりして
困らせてみたり
そんな感じ
ネギさん
ちょっと
かわいいかも
それで
ゼロさんが
院長室に
いろいろあったって
言って
バッグから
赤いファイル
あたしに
渡してくれた
開いてみたら
そこには
“トモの写真”
カルテなんだって
あたしは
久しぶりに
トモと再会した
みたいな
思わず
止まってた涙
もいっかい
あふれちゃった
……あたし
がんばるよ
トモ
だから
見ててね
【1日目 昼/C-4 病院(2階病室内)】
【ゼロ@ボンバーマンジェッターズ】
【服装】なし
【状態】健康、疲労(小)、全身に大小の負傷、多少の焦燥感
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、ゼロシステム搭載コクピット@新機動戦記ガンダムW Endless Waltz
【思考】
基本:この殺し合いを破壊して脱出する。
1:ネギとアキを連れて、院長室のカルテで情報収集
2:MAXを破壊する。
3:メカードの仕業か?
【備考】
※参戦時期は第45話「ゼロとシロボン」以降です。
【ネギ・スプリングフィールド@魔法先生ネギま!(実写)】
【服装】スーツ
【状態】健康、疲労(中)、全身に大小の負傷
【装備】ゲイトの杖@ドラクエY
【持ち物】基本支給品一式、ランダム支給品1〜3(杖なし)
【思考】
基本:皆と一緒にここから脱出する。
1:キスするふりするのやめて欲しい
2:桜子さん……
【アキ@あたし彼女】
【服装】普段着
【状態】健康、悲しみ
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、トモのカルテ、ランダム支給品0〜2
【思考】
1:トモ、あたしがんばるね
2:なんでカヨが?
3:ネギさんかわいいな
【カルテ】
病院の院長室に置いてあったカルテ。
赤いファイルに参加者、黒いファイルに生き物系支給品の
「名前」「住所」「生年月日」「健康診断結果」「顔写真」が載っている。
正しい情報かは不明。
※病院は横に広いみたいです。
投下終了です。
あたし彼女のあらすじをググってみたら意外とアキの設定が破天荒でびっくりしました。
16歳で100人斬りしたとは……
投下乙です
一瞬ゼロがいるのかと思って焦ったw実際あの場にいたらポカーンだろうな
そしてカルテか、名前と顔写真以外まともな情報載っているの何人いるんだろう
投下乙
カルテかあ、なんだか意味深だなあ
そして命に関わる病気持ちとわかっていながら、そのままロワに放り込まれた右京さん……
読み返してみるとすぐ死んだかがみの方はアニ2nd経由だったのか
カオス経由の方よりはマシかもだけど、かえるが同人誌で見たような柊かがみは最初からいなかったようなもんだな……
カオスよりもマシ…なのか…?
玲子から見てイデオの良いところってどういうところなんだろう
きっと昔はかっこいい少年だったんだよ
某所用にデータ
188話(+ 2) 62/152(- 0) 40.8
ひぐらし組は温度差が激しすぎるw
ライダー勢と一緒にいた(いる)圭一・沙都子→シリアス
そうじゃなかったレナ・梨花→カオスorほのぼの
ときれいに分かれてるんだよなw
そういえば沙都子も相方がライダーだったな
何かと縁があるのかな
笑えばいいと思うよ
阿部さんはマイキーのどこに突っ込むつもりだったんだか……
267 :
創る名無しに見る名無し:2011/09/28(水) 00:03:48.85 ID:QJ1s361J
考えてみると初めて施設が消滅した話でもあるんだな
そしてやっぱファシル一家はいいキャラしてる
地図見たらとらのあなって森の中にぽつんとあるんだよな
山火事にならなくて良かった
梨花ちゃん苦労人すぎる
あと偶然この前古本屋にズシオがあったから見たんだけど、この話原作再現になってたんだな
トマホーク刺さったまま川流れてるとか登場の仕方斬新だなーと思ったらまさかの原作からだったw
wiki見たら、ズシオの作者って「瀬戸の花嫁」の作者だったんだな
(……次の3連休でSSも投下できたらいいんだけど)
おお、GJ!
>>272 乙です
改名テラオソロシス
(俺もSS投下できるように……)
>>274 全話感想の人もいつも乙です
バトルロワイアルも分かんないけど、
絶対ダサいだろう七色スーツにも吹くw
イデオ、せっかく数話前で妹がハッスルしていたのに……
かがみ(6/)、竜、神山満月、マシロ
投下します
十、二十、三十。
一斉に降ってくるそれらは、流星群か、はたまた散弾銃か。
答えを確かめる暇は無い。地面にいる二人は後ろに飛んで、その攻撃を回避する。
砂地に落ちたそれらはどどど、と鈍い音を立てて地面にめり込み。
あるいは林立するクルミの木にぶつかって、ばこんと大小の枝を折る。
衝撃で巻き上がる砂が晴れれば、あちこちに出来たクレーターの中心にはそれの正体が見えてくる。
何の変哲もない、ごくありふれた普通のクルミ。
しかしこれは知る人が見れば、沢山の人々を無差別に殺してきた正真正銘の凶器なのだ。
ほんの些細な誤解から始まった不毛な戦いは、いまだに続いている。
クルミが渦巻く世界の中、地面の二人を見下ろすように竜と竜に乗った男は空に居た。
飛ばしたクルミを避けられて、竜の背中に乗る男はまた眉間の皺の数を増やす。
緑の体を揺らして空を泳ぐ竜は、それを見かねて男に言葉をかける。
「……かがみさん、かっがーみさん」
「なに? 竜」
「大丈夫アルか? さっきから吐く息が妙に荒いアル。
もしかして、疲れてるんじゃないアルか。この固有結界、確かに凄い魔法アルけど……
それだけに、かがみさんに負担がかかっているように見えるアル。もうずっと発動してるアルし」
「疲れてなんかないわよ。これは――興奮よ、興奮してるの。
ふふ。だってあの二人、どちらもとっても可愛いんだもの。お人形みたいでさ。
あっちの金髪の娘はいい声で鳴いてくれそうだし、紫っぽい娘の方はいい表情をしてくれそう。
絶対に○してやるわ……」
大きく深呼吸をして、柊かがみ(6/)は怒鳴るように叫ぶ。
「だからあんた達! いい加減に抵抗を諦めて、さっさとその尻(ケツ)差し出しなさいよ!」
「お断りです」
「お断りだよ!」
答えたのは、飛んできたクルミをやり過ごし、いまだ地面を踏みしめる二人の戦士。
正義のプリキュア、キュアフルムーンとキュアヴィントブルームである。
二人は拳を突き上げながら、上空のかがみと竜に言葉を返す。
「僕たちに言うことを聞かせたいのなら――」
「あなたたちこそ、こっちの言い分を呑むべきよ! いい加減、降りてきて戦いなさい!」
「……あんた達ほんとバカね! そんなの呑むはずがないでしょーが。
降りて来い降りて来いってね、肉弾戦相手に距離を取るのなんてあったりまえよ!」
「そうアル。勝負ごとは自分が有利になるように進めるのが定石アルヨ。
正々堂々真正面から戦おう、なんて、日本昔ばなしでもあんまりないアル」
「う。
でもさ、こっちは遠距離攻撃なんてできないんだよ? これじゃ勝負にならないよ!」
「それにあなたの攻撃もずっと単調だし。なんというか、絵にならないと思う」
「まあ確かにそれはそうアルが」
「ちょ……竜まで味方すんな! ぐぬぬ、言わせておけばなによ!
こっちはあんた達の顔に傷が付かないように手加減してあげてんのに!」
露骨に悪評を叩かれて、かがみ(6/)はテンプレっぽく額に青筋を浮かべた。
「だいたいあんた達も正義の味方気取りならこう、遠くでも攻撃できる必殺技とか持ってなさいよね!
手からビーム的な何かくらい出せるでしょ普通! ドラゴンボールだってそんな肉弾戦ばっかじゃないわよ!」
「そう言われても……必殺技。あるのかな、ヴィントブルーム」
「分からないよね、えーっと、フルムーン。結局、なんでこう呼んじゃうのかも分からないままだし」
あったら教えて欲しいよ、と、プリキュア二人は口を尖らせる。
その間も、ジェット機かと思うような速度で竜(とその背中のかがみ)は飛び回り続ける。
戦闘が始まって、すでに一時間半。
通常放送の三倍もの時間ずっと膠着状態では、視聴者もとい読者も飽きてしまう。
実際、今回の戦闘には完全に巻き込まれた形の竜は、完全に飽きが来てあくびをしてしまう有様だった。
「ふああアル」
しかしながら、竜は思う。
みんなちょっと真剣にやりすぎじゃないかアル、と。
どうせ人間なんて矮小な存在、百年やそこらで死んでしまうものなのに。
上に乗せているかがみ(6/)も、地面のプリキュア二人も、
方向性や信条は違えど、まだ瞳に炎を宿らせて言い争いをし続けている。争い、続けている。
(ホント……もし生まれ変わったとしても、人間にだけはなりたくないアルネ)
竜が飛び続けないと死ぬ生き物なんだとしたら。
きっと人間は、争い続けないと死んでしまう生き物だ。
だからこそ――誰とも知れない他人が殺し合う姿を見て、何か感情を揺さぶられることもあるのだろう。
竜は楽しくはなかった。面白くもないし、ひどいとも思わないし、怒りさえ覚えない。
ただ、早くこのつまらない遊戯が終わらないかなあと、それだけを考えていた。
「ちょっと竜。あんた何あくびなんかしてんのよ。スピードちょっと下げなさい、もう一回攻撃するわよ」
「またアルか? どうせさっきまでみたいに避けられるだけアルよ。無駄無駄アル」
「無駄かどうかはあたしが決めることだわ。それに……」
「アル?」
「あたしもそろそろ、『飽きてきた』わ。物語を、動かすわよ」
「おや。そいつは嬉しい話でアルアル」
「アルは一回」
「はーいアル……アルッ☆」
「うぜえー!? ああもう、あんた達! あと十秒!
あと十秒でいい返事しなかったら、今度こそ殺す気でいくからね!」
じゅーう、きゅーう、と間延びしたカウントダウンが、固有結界の隅々まで響きわたる。
さっきからこんなやりとりが繰り返されること、実に10回目。
かがみ(6/)のクルミ攻撃は確かに、回数を重ねるごとにだんだんその激しさを増している。
しかしプリキュアの力で常人よりも高いスピードを出せるキュアフルムーンとキュアヴィントブルームにとって、
直線的なクルミの雨を避けることは容易い。
そして。今回はそれだけでは、ない。
(満月ちゃん)
(うん、分かってる、マシロくん)
キュアフルムーン――満月と、
キュアヴィントブルーム――マシロは目で言葉を交わす。
この一時間半。アニメでいえば三話分の戦闘を耐え抜いて、二人のプリキュアとしての経験値はさらに上がっていた。
ゆえに、分かっていた。
この固有結界、敵の男が『無限の胡桃』と呼ぶこの空間が、本当は無限に続くものではないということを。
いつか必ず、終わりの時が訪れることを。
ごー、よん。カウントダウンの数字が減っていく。
そう。ほんの少しずつ、気づかれないほどにゆっくりと、この場からはいろんなものが減っている。
クルミが飛んでくる速度、相手の攻撃のパターン数。
あるいは、こちらに向けて放たれる挑発の言葉の勢い。それと……周りにあるクルミの木の数。
(最初は二十本以上あった。それが、今はたったの四本しかない。
攻撃の余波で枝が折れることはあっても、消えるなんてことはないはずなのに。
もし、あれがクルミの在庫量をつかさどってるとしたら。そろそろ向こうは、限界が近いってことだ)
(あの男はたぶん、これに気付いていない。
ずっと竜の背中に乗ってめまぐるしく視界を移動させてるんだもの、気付かないのも無理はないわ。
仕組みに気づいてるのは、私たちだけ。これは大きなアドバンテージよ)
にー、いち。
マシロと満月は、キュアフルムーンとキュアヴィントブルームは、静かに空を見上げる。
これ以上ないくらい不快そうな顔をした男の顔が、地面からでも確認できた。
あの男を。まるで何かのついでのように目の前で人を殺した男を、二人は止めなければならない。
プリキュアとしての正義感だけではない。二人の、神山満月とマシロの意思として。
答えは無言、戦闘体勢だけを取る、
「ぜろ」
かがみのカウントダウンが、終わる。
「ぜろ。ぜろ。ぜろぜろ、ぜろぜろぜろ! 0よ! ったく懲りないわねぇあんた達……。
さあて、それじゃあ殺してやる! 食らえ、クルミの斉射――全方位バージョン!」
「なっ」
「え、」
「言ったでしょ? 殺す気で行くって」
一、十、百? 二百? いやもっとだ、
これまでのクルミの最大顕現数を遙かに上回るクルミが、ドーム状になって二人の回りを取り囲む。
かと思えば、二人に向かって発射されてゆく。
しかもご丁寧に、いっぺんに対処できないよう微妙にタイミングをずらしながら!
「フルムーン!」
「分かってる! 数が多くても――軌道が一直線なのは変わらないわ!」
二人は地面を蹴りあげ跳ぶ。
遅れてクルミ群が元いたところに集中して着弾、爆音と砂塵が舞う。
かろうじて避けた……が、息吐くヒマはまるでない。
上から、横から、前後から。クルミの雨が、矢のような速度で二人に迫る。
「はぁぁぁあああ!」
「やぁあああ!」
いくつか弾きながら走る。
二人の足音を追うように、クルミが着弾して足跡をクレーターに変えていく。
なるほど――今までのクルミはすべて、最初に動き始めた方向に一直線に加速していた。
それが今回は、発射時にプリキュア二人の近くを狙うようになっているのだ。
取れる最善の行動は、移動し続けて狙いを定まらせないこと。
それもルートが読める単調なものじゃなく、複雑に、読まれないように動かないといけない。
(ここにきてこんな――でもこの数。クルミの木は?)
後ろからのクルミをデイパックで受け流し、ヴィントブルームは辺りをちらと見回す。
クルミの木はやはり0本。よし、これなら、
「ヴィント……ヴィントブルーム、二手に!」
「あ、ああ!」
「ほらほら、ほらほらあ! 墜ちろ落ちろ倒れろ死ね! まだまだクルミはたくさんあるわよ!」
怒号というか気がふれているかのようなかがみ(6/)の叫びが空間を脅す。
竜はさっきから無表情。
二手に分かれたプリキュアは無軌道に駆ける、
が、追いづらくなったはずのそれらを難なくクルミは捕捉してくる。
それでも。二手に分かれたぶん、相手が使わないといけないクルミの数は二倍となり――消耗を誘える。
肘で。
膝で。
爪先で。
拳で。
避けきれないクルミを迎撃しながら、狙うは弾切れただ一つ。
(あの男は間違いなくこの攻撃に賭けてる。だから、ここさえ乗り切れば。戦況は一気にこっちに傾く。
だけど、僕たちも消耗してるのは同じだ。どうにかここで……!)
ヴィントブルームは右に飛んだ。風を切る音とその大きさで、次のクルミの方向を予測。
デイパックで受け流すしかない――が、そもそも何度もクルミの攻撃を耐えられるようなものじゃない。
案の定、次に飛んできたクルミを受けると、デイパックが軽くなった。
裂けてぶちまけられた中身は、基本支給品の水入りペットボトルに、裁縫セットと、一枚のカード。
『六芒星の呪縛』という名前のカードは、確かフルムーンのほうに『融合』という名前の似たカードがあったな、
と思ってフルムーンの方を見れば、ほぼ同時に彼女のデイパックも宙を舞っていた。
こちらは中身が入ったまま、デイバック自体が吹っ飛ばされている。
とはいえ、ヴィントブルームのものと同様、使い道が分からないものが入っていたのは確認済みだ。
問題は、防御に使える物がもう無いこと。地面にクレーターを作るほどの威力を持っているクルミを、
ここからはどうしても体で受けなければならないこと。
「う、がはっ……!」
「ヴィント――きゃ……うう!」
空中に残るクルミはあと僅か。
しかし、かすめたクルミが服を裂き、当たったクルミが肌にアザを作る。
手が、足が、思うように動かなくなっていく。視界がかすんで、世界がぼやける。
当たり前だ。
ずっと竜に乗って動いていないかがみ(6/)と違って、二人は一時間半の間クルミを避け続けていたのだ。
どちらがより疲れているかなんて議論するまでもない。
「でも……負けられない!」
擦り傷、切り傷をあちこちに作りながら、少年少女はまだ倒れない。
走り続ける。クルミの海の中を泳ぎ続ける。
なぜ負けられないのか。自分が生き残るため? 貞操を守るため? どちらも、違う。
自分の意思を、みんなを守るという志を貫くため。
どんなに無謀でも、どんなに理不尽な相手でも、マシロと満月は負けるわけにはいかなかった。
走って、ぶつかって、転んで、起き上がって、また走って。
そして、クルミの攻撃が、ついに止んだ。
「……ふぅん、やるじゃない」
竜の上から身を乗り出し。
クレーターだらけになった地面を見て、かがみ(6/)は思わず賞賛の言葉を漏らす。
聞こえる息の音は、二つ。
「褒めてあげるわ。あのクルミの攻撃を受けて、まだ意識を保っているだなんてね。
でも勝負はあたしの勝ち。あんた達はもう、動けない」
「はぁ、はぁ……っ」
「っう……くそぉ……」
キュアフルムーンとキュアヴィントブルームは――生きていた。
そしてしっかりと大地を踏みしめ、上空のかがみ(6/)を見据えながら立っていた。
ただし、ヴィントブルームの肩をフルムーンが借りる形で、だ。
「ごめ、ん、ヴィントブルー、ム。わた、し……はぁ、足、引っ張っちゃ、った」
「謝らないで、フルムーン。大丈夫、僕がついてる」
「竜、地面スレスレで。降りるわ。ふふ、ちょっとピンクな展開になるから、嫌なら上空を飛んでなさい」
「……いいアルカ? ジェリーに噛まれても知らないアルヨ?」
「あたしはトムじゃないわ。ほら早く」
「はいはいアル」
「……はい、は一回よ」
「はいアルアル☆」
「もう突っ込む気も失せたわ」
ゆるゆると高度を落とし、竜の背中からかがみ(6/)が地面に降り立つ。
竜はけんぜんなシーンを視界に入れたくないのか、単に興味がないのか、再び空へと昇っていく。
勝敗は決し、ここからはワンマンショー。舌舐めずりを一つして、悪魔は天使に問いかける。
「さて――どんな気分かしら? これから犯されると分かっているのに、一歩も動けず反抗もできない気分は」
絶対の自信を表すように胸を張って、一歩一歩獲物との差を詰めていくかがみ(6/)。
男の姿をしながら女口調で喋るその姿は、まるで何かに取り憑かれているようで。
「悔しい? 苦しい? 痛い? それとも怖い?
大丈夫、心配する必要なんてないわ。嫌な感情はぜんぶ忘れさせてあげる。カオス仕込みの快楽でね」
ぞっとするようなことを言う。即興で作ったような笑顔を浮かべる。
迫りくる男の行動ひとつひとつが、プリキュア二人には理解できなかった。
「……なんで、こんなことをするんだ」
言葉を返したのはキュアヴィントブルーム。
単純な疑問と、ある種の諦めが混じった声だ。
「はあ? 意味わかんないこと言わないでよね。理由なんてないわ、むしゃくしゃしたからやってるだけよ?」
担いでいたフルムーンを一旦地面に座らせて。
ヴィントブルームは彼女を守るように矢面に立つ。
だが彼も、フルムーンと比べれば多少マシとはいえ、立っているのがやっと、というほどふらついている。
それでも。拳を握りしめながら、ヴィントブルームは語り始める。
「意味わかんないのは、こっちだよ。正直いって僕には、あなたのことが理解できない。
ここに来る前の生活で僕はいろんな戦いを見てきた。
でも……それは自分の正義のため、誰かのため、
あるいは、生きるため。どんな人でも、そうしなければいけない理由があって戦っていたよ。
僕は殺人は否定しない。こんな場所なら、仕方なくってこともある。
もちろんできればそんなことしてほしくないけど、願うだけでゼロにできるはずがない。
世界はそんなに甘くないよ。綺麗事を並べるには、広すぎる」
「へぇ、ただの正義馬鹿にしては珍しく、ものわかりが良いじゃない。
それで? あたしのことが理解できないのは、いったいどうしてなのかしら?」
「……それは、あなたに戦う理由がないからだ。分かってるはずだよ、あなたは、殺すのを何とも思ってない。
まるで、殺し合いが義務づけられてる世界から来たみたいだ。理由もなしに人を殺していいと思ってる。
生きたいとか誰かのためとかじゃない、ただ自分の利己のために。そんなのは、僕は許されないと思う」
「――敢えて突っ込まないわよ。続けて?」
にやけ顔で歩いていたかがみ(6/)が、ぴくりと眉を動かして不快そうな表情をした。
ヴィントブルームは続ける。顔を上げて、前を見る。
「僕は、誰かを守るためなら自分の命もかえりみない人たちを知っている。
僕のために戦ってくれる子たちを、知っている。ここには僕しかいないけれど、
だからこそ、僕は彼女たちのように、誰かを守るために戦おうと思う。
それをあなたが邪魔するというなら。誰かを襲い続けるというなら。
僕はあなたを止めなきゃいけない――たとえあなたを、殺してでも!!」
瞬間。
もう動かない『ように見せかけていた』、足を動かしてヴィントブルームは駆けた。
「いっけええ、ヴィントブルーム!」
「ああ! かがみさん、やっぱり罠だったアルヨ!」
「あらホント」
すべてはこの瞬間を作るための策だった。
負けたように見せかけ、かがみ(6/)に降りてきてもらってからの、不意打ち。
本当にギリギリだったけれど――ヴィントブルームはどうにか余力を残せたのだ。
前方、かがみ(6/)との距離はそう大きくない。クルミの木が無い以上、迎撃は不可能。
一撃。たった一撃、それだけ入れることができれば優位に立てる。
後ろからフルムーンの声援を受け、千載一遇のチャンスに乗って、ヴィントブルームは拳を振り上げた。
突然のことにかがみ(6/)はぽかんとしている。ように見える。
一時間半ずっと能力を使い続けて、やはり同じように消耗していたのだろう。反応が遅い。
これならいける、勝つことが出来る、はず。
きっと。たぶん。おそらく。
「はああああああああああ!!」
そう、数々の推論のもとに立てられた仮説に則って。それが間違いである可能性も、考えず。
例えば、いまだ地面にびっしりとおちたままのクルミにも気づかずに――、
ヴィントブルームは咆哮した。
柊かがみは、心からの笑顔を見せた。
「爆発しろ☆」
ひとこと。
そう言い放ったのを、ヴィントブルームの耳が捉えたかと思えば。
ばん! ばん! ばん! と、爆竹が爆ぜるような音がばん! ばん! ばばばばん!
と地面からばん! とそれはそれは大量にばばばばばば! と響き、
気がつけばヴィントブルームは……いや、変身が解けたマシロ・ブラン・ド・ヴィントブルームは、
地面に情けなくうつ伏せになって砂に顔を埋めてしまっていた。
「が……はっ?」
「マシロくん――!!」
「あー、あんたちょっと黙ってろ。はい、クルミのツタ」
驚愕するマシロ、助けようと立ち上がろうとしたフルムーンに、地面から現れたクルミのツタが絡みつく。
四肢の自由を奪い、地面から少し浮かせて拘束。
かがみ(6/)が人差し指を振るうと、大きなクルミがどこからともなく現れ、
何か叫ぼうとしていたフルムーンの鳩尾へクリーンヒットする。変身が解け、神山満月がぐったりと項垂れた。
この間、二秒。
「なん……で……?」
「あんた達が犯した間違いは、四つ」
思わず疑問符を口に出してしまったマシロを見下ろしながら、かがみ(6/)は解説を始める。
「一つ目は、この固有結界に関して。
あんたはどうやら、この結界の維持にはそれなりのリスクがかかると思い込んでいたらしいけど。
そんなものは無いわ。この技は基本ノーコスト。カオスロワのチート力を舐めてもらっちゃ困るわね。
二つ目は、クルミが爆発しないと思っていたこと。
爆発するわよ、クルミだもの」
いや爆発しないだろう、というツッコミは通じない。
実際に地面のクルミはマシロの近くのものだけ爆発し、中の身や破片がマシロを襲ったのだから。
「じ、じゃあ! クルミの木がだんだん減ってたのは何だったんだ! あれがあったから僕らは……」
「クルミの木? 減ってたかしら? ふふ……もう一度周りを見回してみたら?」
言われてマシロはもう一度辺りを見回す。そして驚きで目を見開く。
クルミの木が、元の本数に戻っている。
いや、むしろ増えている。まるで閑散としていた砂地が、林に変わり森になり、樹海へと変わるくらいに。
「クルミを創造できるってことはね、消滅も再生も自由自在ってことよ? クルミの木だってクルミだわ」
「あ……ああ……」
「三つ目の間違い。あたしに勝てると思っていたこと。対等な戦いをしていると思っていたことよ。
あたしはずーっと、最初から、あんたたちをいじめてただけ。
いつでもヤれるのを、あんた達が万策尽きるまで遊んでやってただけなのよ。
分っかりやすぅいフラグを立ててあげて、それっぽいバトルを演出してあげて……楽しかったわよ?」
虫籠から出ようと足掻いてるバッタみたいで、とっても愛おしかったわ。
そう言うとかがみ(6/)は、6/の、男性の体を最大限に生かして、伏しているマシロの胴体を蹴り飛ばす。
うつ伏せの体があお向けになるくらいに、思いっきり。
「うぁ……! げっ、あ、……か、はっ!」
「さてもう一度聞こうかしら。ねぇ、今、どんな気持ち?」
「く……く、そ……」
「何にもできずに踊らされて、そんで犯されちゃうわけだけど。
それでもまだ懲りずにあたしを否定するのかしら?
自分の利己のための殺しはダメ、許されない? はぁ?
あんた根本的に勘違いしてるわよ。 これが四つ目の間違いね。
殺しはねぇ? どんだけもっともらしい理由を付けようが、やりたいからやるもんなのよ?
誰かのためだとか。生きるためだとか。あたしを止めるためだとかさあ。
それは結局、自分のためだろ?
あんたは、お前らはさ。自分が人を殺す理由を、何かのせいにしてるだけだろうが!
……あたしは偽らない。正当化なんて糞食らえ。やりたいからやる、それだけのこと。
殺したら殺されるって、分かっててやってるわ」
好き勝手に放たれる言葉が、マシロの心に突き刺さっていく。反論したいのに、できない。
確かに、どんな理由があったとしても、殺すことは殺すことだ。
それでもそこに正当な理由があってほしいなんていうのは、マシロの一方的な願いでしかない。
二つの主張が、ぶつかるとき。
通って正義になるのは、戦いに勝ったほうの主張だ。
そしてもはや、マシロにここから勝つ策はない。さらに満月はクルミのツタに捉われ、意識を失っている。
命を握られているのと同義だ。……抗うことは、できない。
「……満月ちゃんには、手を出すな。その代わり、僕は何でもする」
「話が分かる子は嫌いじゃないわ。まぁ――その願いは聞かないけどね! あははは!」
「そん、な」
手が伸びた。救いを求めて天へ伸びるマシロの手、獲物をいたぶらんと、地へと伸びるかがみ(6/)の手。
少年の手は、空を切り。青年の姿をした変態少女が、己のエゴのために少年の服の襟をつかんだ。
引き上げて、はだけられた胸を観察する。
「あら? 思ったより肩幅が広いし、胸筋もあるわね……あ。男の臭いだ。
へえ。そういう趣味だったのねぇ。ま、あたしはどっちでもいいけど。穴があれば」
「頼むから……満月ちゃんには……」
「うっせぇ黙れ」
かがみ(6/)はポケットからパンツを一つ取り出して、マシロの口に詰めた。
「むが! むが……む、う!」
「さてさて、これで口の中を切る心配も無くなったことだし……一発いっとこっか♪」
「……!?」
「この握りこぶし。何に使うか分かるわよね」
返事は聞いてない。かがみ(6/)はマシロの頬骨あたりを狙って、素早くジャブを放つ。
ぱぁん、と小気味よい音がして、マシロの鼻からつつ、と血が垂れていく。
「がっ……」
「あんたホントいい顔するわね。まずその表情、分かんなくなるまでぼっこぼこにしてあげるからね! そら!」
二発目は下からのアッパー。
衝撃は顎から後ろに向かって脳を揺さぶり、一瞬白目をむいたマシロは再び仰向けに倒れる。
すかさず馬乗りになって、マウントポジションをとったかがみ(6/)はニタニタと笑いながら、
「おら! おらおら、さっきまでの威勢は? どこ行ったの?
ほらほらしっかりしないと連れの両穴がっばがばになるまで○しちゃうけどいいのかしら?
あはは、不細工な顔! アンパンマンみたいよ! ふふ、ヒーローになれて良かったじゃない!」
左から、右から、無遠慮に無慈悲に、マシロの顔に殴打の雨を浴びせる。
終わらない。止まらない。
唯一止められる立場にある竜は、かがみ(6/)が逆転してからもう地上を見てすらいない。
マシロの整った顔立ちはたちまち腫れ上がっていく、目がまともに開かなくなって、呼吸が辛くなっていく。
薄れていく世界の中で、ぼやけてかすれていく頭の中、マシロはふと思う。
ああ、これじゃあ。こんな顔になってしまったら、もう王女の影武者なんて出来ないじゃないか。
苦しい――辛い――でも、くっするのだけはいやだ。
そしたらもう――し、……、
「あら? あらあらら? ねぇねぇどうしちゃったの? もう口答えできなくなった?
え? 死ぬの?
バカなの? 死なせないわよ? そんなに簡単に、あたしがあんたを殺すとでも思ってたの?」
「――うぅが、あがっあ!」
次は首を絞められる。飛びかけていた意識が、生命の危機を感じて引き戻される。
かがみ(6/)は殺すとはひとことも言ってない。犯す、と言ったのだ。
つまりそれは、身体だけでなく、精神まで支配する、ということ。
柊かがみの心の飢え。
6/と仲違いしたことから生まれたそれは、知らず知らずのうちに自分に服従してくれる忠実な犬を求めていた。
自分の言いなりになって、何があってもそばにいてくれて、何をしても文句を言わない。
そんな都合のいい存在を、強欲にも求めてしまっている。
「……ほら」
だから、首を絞めて。
「観念しなさい」
生きるか死ぬかの瀬戸際で放す。立場を、認識させる。
「あんたの生殺与奪は――あたしが握ってるんだ」
「う……あ、ぁ」
繰り返し、繰り返し。続けられる虐待じみた行為によって、マシロの心はどんどん消耗していった。
七回、八回、一度呼吸をするごとに、沈められた海から這い上がる感覚。
したはずの決意、想ったはずの正義、全部水に流されていくようなひどいノイズが頭を埋めて、
マシロの心を黒く塗りつぶしていく。
揺れる、揺れる。気持ちが、揺れる。いのちごい、なんて選択肢が、
泣きそうなほどに頭の中で大きくなって。
「た……す……」
「あら、何よ? くすくす」
「……、け、」
その言葉をマシロが発そうとした、そのときだった。
(――Let's……sing a song――)
歌。
穢れきった場の空気を浄化するかのような、澄んだ歌声が固有結界内に満ちた。
小さくて、かぼそい声。でもとても優しくて、張りつめた空気を弛緩させるような柔らかな声。
それでいて、どこか力強さも感じられる声。
広い広いクルミの世界のすみずみまで浸透していったその声は、どこから生まれてきたのか。
マシロにも、
かがみ(6/)にも、
空でゆっくりと遊泳していた竜にも、
歌声の発生源はすでに特定できていた。
「……アル?」
竜は不思議に思う。なんで今になって、歌なんて歌うのか。
「なんのつもり……?」
かがみ(6/)も同じだった。
ボコられてる相棒を尻目に歌を歌い始めるなんて、ついに気でも違えたのかと思った。
「…………満月ちゃん!?」
ただ一人。
マシロだけが、『キュアヴィントブルーム』だけが、声の主の意図するところを体で感じ取っていた。
遅れて二人と一体は、声の主がいる場所へ目を向ける。
そこにはクルミのツタに囚われた神山満月がいて――いつのまにかキュアフルムーンに再度変身している。
しかしどうにも様子がおかしい。マシロが話しかけても、歌を歌い続けるばかりで全く反応を示さないのだ。
ただ目を閉じて、歌うことだけに集中している。代わりにマシロの体から、不思議と力が溢れてくる。
(これは……? まさか、この歌が?)
歌に乗せて、力が流れ込んでくる。
ぽかぽかと体が暖かくなって、壊れかけていたマシロの心を癒していく。
伝わってくる――満月ちゃんは、僕のために歌ってくれている。この絶望的な状況でも、諦めずに信じている。
僕を、僕たちの勝利を、信じてくれている。
そうだ、何を弱気になっていたんだ。僕は一人じゃないのに。月が欠けることはないって、言ったのに。
満月ちゃんが、力を貸してくれている。あとはそれに、僕が応えるだけだ。
「――――あぁあアァあアぁああアアッ!!」
「ん、なっ!?」
どこからそんな力が湧いてきたのか。
吹っ飛ばすようにしてマシロはかがみ(6/)を退ける。
立ち上がって、乱れた髪を軽く振ると、恐怖に濡れていた瞳はもう勇気を取り戻していた。
クルミに切り裂かれたはずの服や肌、殴られて腫れ上がったはずの頬が、どんどん元に戻っていく。
光に包まれたマシロの体が、再びキュアヴィントブルームへ変身した時には、
戦いが始まる前より元気なほどに、身体も精神も回復していた。
「フルムーンの……乙HiME(オトメ)の力、受け取ったよ」
自分の意思とは無関係に呟いた言葉は、さらにヴィントブルームの姿を変化させる。
王族衣装に似たコスチュームから、元居た世界で彼を守ってくれていた、乙HiMEに似た服装へ。
守られる側から、守るために戦う側へ。
「もう一度だ。まだ僕らは負けてない。もう一度、あなたを止めるために僕らは戦う。
いつまでもあなたってのも他人行儀かな。ねえ、教えてよ。名前」
「なぜ回復したのかしら? ……そっか、この歌の効果ってやつか。
イヤボーンなんて都合いいわねえ、あんた達愛されてるわよ。でもね、名前を人に聞くときは――、
自分がまず名乗るもんじゃないかしら?」
かがみ(6/)は皮肉を吐きながら、フルムーンを捕らえているクルミのツタに命令を送る。
ツタはしゅるしゅると伸びてフルムーンの口へ。首を絞めることも考えたが、差し当たってはこっちの方が確実。
どんな効力だか知らないが、歌がこの状況を生んでいるのは明らかだ。口さえ塞げば、
「そうだね、そうするよ。だから、もっと正々堂々やろう。騙し合いはなしだ」
阻止された。
かがみ(6/)がフルムーンの口を塞ごうとした瞬間、ヴィントブルームの姿がその場から消え、
かと思えばクルミのツタはずたずたに切り裂かれた。
砂塵の中から現れたのは、フルムーンをお姫様だっこしたヴィントブルーム。
姿はさらに変化していた――背中に光の羽を生やし、大きな長剣を携えたその姿は、
必殺技どころか第二形態と呼ぶに相応しい姿だった。
(ちょっと遊びすぎたかしら。やっべーの呼び起こしちゃったわね)
冷や汗を一滴流しながらも、かがみ(6/)はあわてずに周囲の様子を観察した。
視界の隅を竜が悠々自適に飛んでいる。これは変化なし。
発現させたクルミの森、クルミの砲弾。これも変化なし。
攻めの手はまだ、死んでいない。
ただ――気絶させたフルムーンの方に意識を向けていなかったのはミスだった。
祈るように目を閉じ、ヴィントブルームに抱き上げられながら、
綺麗なメロディを詠唱するフルムーンにはなぜか隙がない。
どこから攻めても『なにか』に阻まれてしまう、そういうビジョンが頭の中で組みあがる。
今の状況からも分かるように、こっちにちょっかいを出すのは負けフラグ。
……今までの経験からくるフラグ勘のようなものが、かがみ(6/)の脳内で警告のブザーを鳴らす。
続けて前を見る。
紫銀の髪を揺らしながら、さっきまでとは別人のようにしてかがみ(6/)の前に立ちふさがる少年。
フルムーンを静かに地面に立たせ、すっと息を吸い込んで、
「僕はマシロ・ブラン・ド・ヴィントブルーム。といっても、これも偽名だけどね。
本当の名前は、教えちゃいけないことになってる」
と片目を瞑る動作なんか、強者の余裕さえ感じられる。
支えだ。
不安定になっていた心、精神を、あの歌が支えている。
もはや今までのような絡め手は効かないだろう。正々堂々、正面から力で打ち負かさない限り、
二人のプリキュアの信念を曲げることはできない。服従させることも。
「あははは、このあたしが正々堂々だなんて。お笑い種もいいとこね。
――ようやく、退屈しなさそうじゃない。
オーケー、教えてあげるわ。あたしの名前は、柊かがみ。ロワに呪われたツンデレコンビの片割れよ」
ヴィントブルームに羽根が生えた以上、竜に乗って空には逃げられない。
かがみ(6/)に残された選択肢は、目の前の正義の味方と戦う悪へとなりきることだけだった。
でも、それは。今までとなにか違うことをするとか、そういうことじゃない。
いつだってかがみ(6/)は悪であり、そうなることで目立ってきたのだから。
目立つことで、死を逃れてきたのだから。
後悔なんて、一つもない。
「クルミの大剣」
ここは『クルミの固有結界』。……なにもかもがクルミで演出できる空間。
かがみ(6/)は右の手へとクルミを集めていく。
自在に形を変えるクルミは次第に、ある一つの形へと収束していく。
巨大な、剣。まがまがしいオーラを放つ、クルミの大剣へと。
かがみ(6/)が剣を構えたのを見て、ヴィントブルームも地面に差していた長剣を引き抜く。
そして同時に、呟いた。
「「二つの主張が、ぶつかるとき。
通って正義になるのは、戦いに勝ったほうの主張だ!」」
火花散る。
空間を満たす歌の中、二人の思いが剣となって――戦いは乱戦から、一騎打ちへと進行した。
(おおー、かっこいいアル。BGMもいい演出アルネ。
と、まあそれはいいんアルけど……いつ終わるんアルヨ、この戦い?)
その戦い上空から眺める立場の竜は、また一つ欠伸の数を増やすのだったが。
ぼーっとしすぎていたからか、竜もこの空間に起きていた異変には気づかなかった。
ぴし――、と、クルミの天井がほんの少し割れて。
青く晴れ渡った空がそこから、わずかに覗き始めたことに。
柊かがみは一つだけ嘘をついている。
カオスロワで許されるチートが、オールロワで同じように許されるとは、限らない。
【1日目 午前/C-5 クルミの固有結界内】
【柊かがみ(変態仮面)@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】上半身裸
【状態】ほぼ健康、外見は◆6/w氏(クロス)
【装備】大量の下着、クルミの大剣
【持ち物】支給品一式、不明支給品0〜1
【思考】基本:やりたいようにやる
1:6/の代わりに服従してくれる犬を作る
2:目の前の2人を正々堂々犯す
3:脱出方法を探す
【備考】
※クルミの固有結界の維持限界が近いことを隠しています。
【竜@まんが日本昔話】
【服装】全裸
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】支給品一式、不明支給品0〜1
【思考】基本:ロワはどうでもいいアル
1:いつになったらバトルは終わるアル?
2:かがみよりも6/さんが心配アル
3:生まれ変わっても人間にだけはなりたくないアル
【備考】
※飛び続けないと死にます。
【神山満月@満月をさがして】
【服装】プリキュアっぽい服
【状態】軽傷、疲労(大)
【装備】ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5
【持ち物】
【思考】
1:いろいろと危険な人(かがみ)を止める
2:マシロとアカギ(零)と一緒に都市で殺し合いを止めるための仲間を探す
【備考】
※ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5でキュアフルムーンに変身可能。変身中は病気が悪化することは無いようです。
※キュアフルムーンの容姿は原作のフルムーン状態です(金髪ツーサイドアップの16才ver、ステージ衣装っぽいプリキュアっぽい服)
※必殺技「キュアフルムーンソング」歌ってる間味方を支援する技。回復効果(中)。
【マシロ@舞-乙HiME(漫画)】
【服装】乙HiME仕様のプリキュアっぽい服
【状態】健康
【装備】ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5、長剣、光の羽
【持ち物】なし
【思考】
1:いろいろと危険な人(かがみ)を止める
2:満月とアカギ(零)と一緒に都市で殺し合いを止めるための仲間を探す。
3:満月が心配。
【備考】
※ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5でキュアヴィントブルームに変身可能。
※キュアヴィントブルームの容姿はマシロとの違いは特になし(髪はカツラではなくなる。王族衣装みたいなプリキュアっぽい服)
※必殺技「キュアダイヤモンドヴァルキリー」味方の支援を受けて乙HiMEの力を使う技。
光の羽と長剣を生成し、原作5巻の最後みたいな感じに服も変化する(支援する仲間が多ければ多いほど強くなる)
※マシロのデイパックが破れ、DMカード「六芒星の呪縛」@ニコロワと裁縫セット@現実が固有結界内に落ちています
※神山満月のデイパック(中身はDMカード「融合」@ニコロワ、不明支給品1)が固有結界内に落ちています
※クルミの固有結界にヒビが入り、外から見えるようになりました。
ここまでで投下終了
連投制限されるか微妙だったので、前のレスでも宣言してますが投下終了。
長い上にあんま進展してなくてなんかアレですいません、指摘などあればください
だいぶ感覚が戻ってきたので次はだれか死ぬ話を書きたいですねー
投下乙
かがみ、見事な外道っぷりだのー
そして、竜は某所と対極の結論に至ったか……
乙です
かがみの思考が正に外道だが、どこか納得させられてしまった
それとは逆にマシロ君のヒーローっぷりはパネェな
あとツタで拘束された満月に邪な期待を抱いたのは俺だけじゃないと信じたい…!
投下乙です!
王道でプリキュアでかがみの悪人っぷりにニヤニヤしっぱなしでした
オールロワはたまにこういうマジな戦いとかがあるから侮れんw
ボンバーマンジェッターズは後半なにげにすごいシリアスなんだよな
最初はただの子供向けアニメだと思ってたんだけど……
ニコニコチャンネルあたりで再放送しないかなー
これでゼロ3人目か
まあ義経ほどの有名人なら二人が驚くのも無理ないな
黒井先生の教師っぷりがかっこいい
それにしても主催者買収とか考えている事はスケールでかいな
このトモには惚れられないな……w
本当にルルーシュはどこへ
しかし、ナナリー本人だけに留まらず、車椅子まで魔改造しちゃうのがオールロワらしいというか
服装が源氏の鎧ってwww
では次
069 がち☆ぜろ ◆KYxVXVVDTE 零崎人識、道下正樹
>しかしこの場所、見せられない映像多発しすぎじゃね?
だって下着売り場だからw
って、理由になってないか
人識くんも災難だったな……
沙枝、パトラッシュ、チビすけ、六条御息所、カズヤ(カズマ)、
鈴木万吉、リゼルグ、雪広あやか、スペードの2
以上9名で投下します。
魂の炎は、何を焚き木に燃えているのか。
僕はそれは、自分を抑える心だと思う。
いつも知らず知らずのうちにかけてしまっている、理性や自制心という名前のストッパー。
それを押し崩した感情の波は、ほんとうは涙なんかじゃなくて、ガソリンで。
僕たちはその燃料に、ほんの少しの火種を与えてやればいい。
ねえ、そうすれば簡単に――人だって殺せてしまうんだ。
○○○○○
まるでそこは、夢の跡地とでもいうべき場所だった。
緑生い茂る山間の林を不自然にくりぬいてできたその場所はG-4、採掘場。
ごつごつとした岩肌と、数台の重機のみを残して何もない、人の手によって造られた空っぽの世界。
「……」
他には誰も居ないその場所で。
打ち捨てられた重機の一つ、巨大なクレーンのてっぺんに、一人の少年が座っていた。
緑の髪と緑を基調とした服を身にまとった少年、リゼルグ・ダイゼルは待っていた。
怪しい洞窟へと歩を進める途中、突如向こうの空からこちらに向かって飛んできた、
謎の乗り物がそばを通るのを。
「来た」
見かけは大きな猫。しかしそれは空を飛ぶバス。
そんな夢のような存在、猫バスはひとりの客人を乗せて、この採掘場の空を通過しようとしていた。
だからリゼルグは、クレーンのてっぺんで待っていたのだ。
空が飛べるらしい謎の乗り物を手に入れて、怪しい洞窟へと急ぐために。
怪しい洞窟に行く、と言った自分を追っているだろう、雪広あやかとスペードの2を待つために。
「どこに向かおうとしてるのか知らないけど、悪いね。その乗り物は、僕が奪わせてもらうよ!」
ワイヤー付き手袋から、慣れた手つきでワイヤーを発射。
丁度クレーンのてっぺんの、高さ数メートル上を通る猫バスのしっぽに、ワイヤーがしっかりと絡みつく。
――ギニャアッ!? と叫んだ猫バスにリゼルグは何の感慨も抱かずに、
さらにもう片方の手袋から伸ばしたワイヤーをクレーンの支柱にしっかりと結ぶと、手袋をはずして、
手袋同士をがんじがらめに結び付ける。
「なんじゃ、何が起きたのじゃ……これは!?」
異変を察知して中に乗っていた六条御息所が窓から外を覗いたときにはもう遅かった。
猫バスとクレーンをつなぐワイヤーは手袋を中心にぴんと張られて、猫バスをクレーンに縛り付けてしまっていて。
その、ぴんと張ったワイヤーを足場にして、緑の髪の少年が猫バスの中に侵入せんと向かってきていた!
「――っ!! お主……」
「やっぱり搭乗者が居たんだね。それじゃあ――奪t」
「この男風情がっ!! わらわの邪魔をするでないわ!!」
「な、」
男だからなんだというのか?
そんなことを頭の片隅で思いながらリゼルグがデイパックに手を突っ込むと、
六条御息所はなんと猫バスの窓から外に出て、というか飛び降りた。
「わらわは女を殺す。お主に構っている暇などない!」
「……くっ、待て!」
予想外の行動にリゼルグは慌てて逆さになり、ワイヤーを蹴って地面へ飛ぶ。
と同時にデイパックに突っ込んでいた手を離す――現れしは残り二つの支給品のうちひとつ、
棒ブロック@テトリス。
落ちることしかできないが掴まれば安全に地面に着地できる上、打撃面では武器にもなる優れものだ。
(ああやっと外に出れた。まったくリゼルグくん。テトリス界の良心たるボクをデイパックから出すのがちと遅すぎやしないかな?)
「……あの人は捕まえなきゃいけないんだ!
誰かが乗っていたら乗り方も聞き出そうと思っていたのに、逃げられたら意味がない」
(え? ああしまった、支給品枠のテトリミノは会話が許されていないんだった。黙ろう)
「それに女を殺すって、まさかあやかさんたちがこの近くにいるんじゃ――いや。あれは?」
棒ブロックにつかまりながら落ち、ぐんぐんと六条御息所との距離を詰めていくリゼルグ、
だが、六条御息所のほうが一足早く地面に着く。
そして何の準備もなしに人間が飛び降りるには危険すぎる高さ、六条御息所はなんと、
デイパックから炎の精霊のようなものを召喚し、受け止めてもらうことで衝撃を緩和していた。
あれはまさか、S・O・F(スピリットオブファイア)?
リゼルグはそちらにも意識を向けていたが、
実際に目を向けていた方向は、採掘場にやってきていた一人と二匹のほうだった。
「はあ、はあ。ようやく採掘場よ、パトラッシュ、チビすけ。
って人が二人も落ちてきてる? それにあのバスって……えええ?」
「――――女ァ!! 今殺してやるぞえ!」
「えええええっ!?」
何か紙のようなものを握りしめている少女、犬、それとハムスター。楠沙枝、パトラッシュ、チビすけは偶然にも、
ちょうどリゼルグが猫バスを奪おうとワイヤーを伸ばした辺りでこの採掘場にたどり着いてしまっていた。
六条御息所の狙いは、どうやらその少女らしい――二メートルはゆうに越す炎の精霊を手綱のようなもので手なずけ、
たったいま、少女に向けて火を放とうとしているところだった。
少女はいきなりの殺す宣言に身動きすらできていない。
『――猫バスシステムは妨害によりこれ以上の実行が不可能です。一旦地面へと緊急着陸。
六条御息所さまの搭乗はリセットされたため、ペナルティとなる休息は取りません。次の搭乗者の指示に従います』
猫バスのほうから、機械のような声がそんなことを言うのと、六条御息所が炎の精霊、イフリートから炎弾を放つのは同時。
リゼルグが炎弾と少女の間に立ちふさがって、棒ブロックで炎弾をガードして散らしたのは、その一秒後だった。
「わ、」
「邪魔だ! そこから絶対動くな! 六条御息所、あの乗り物の操縦法だけ教えるんだ。そうしなければ、僕はこの子を守る!」
「男め、邪魔だと言っておろうが……! 邪魔するなら 殺してやろう! イフリート!」
ごごごご、とイフリートが燃え盛る。
六条御息所の、女性という概念そのものに対する絶対的な嫉妬の力、それを受け取ったかのように、
炎の精霊は狂化されていく。
対峙するリゼルグはそれを見ながら、やってしまった、と思っていた。
リゼルグは少女、楠沙枝を守る必要はなかった。
六条御息所から聞き出したいことがあるのなら、まず六条御息所が楠沙枝を殺すところを待って、
あるいは加勢して、そこから聞き出すという手もあった。
でも彼は、リゼルグ・ダイゼルは無意識に、「誰も死なないやり方」を選んでしまっていたのだ。
「くそ、どうして僕は――」
「あのー、すいません、せめて状況だけでも説明してほしいんだけど……」
「僕にも分からないよ!」
沙枝に怒り口調で言葉を投げると、もうなんかがむしゃらでいい、リゼルグはイフリートに向かって躍りかかろうとする、
「じゃあ、待って! あなたは、リゼルグくん?」
「っ!?」
が、沙枝に肩を掴まれて、跳ぼうとしていたリゼルグは駆動の停止を余儀なくされる。
「何で、僕の名前を?」
「わたしは楠沙枝。こっちがパトラッシュで、頭に乗ってるのがチビすけ。色々あってわたしたち、ギャルゲ高校に着いたんだけど、
そしたらこの置き手紙を見つけて。あなたを追ってきたの」
沙枝は持っていた紙切れをリゼルグに渡すと、リゼルグの前に立って六条御息所と向かい合う。
紙切れを広げると、リゼルグは絶句した。それは、雪広あやかとスペードの2からの手紙だった。
「数枚あったから、一枚だけ取ってきたんだけど。とりあえずあなたは、それを読んでて。
その間は。わたしが持たせるから。少なくともあの魔獣を操ってる人は止めないと。パトラッシュ、チビすけをお願い」
「わん!」
「ええい何を悠長に話しておる! お主らの命の火、この炎で塗りつぶしてくれるわ! イフリート!!」
六条御息所の声に呼応し、イフリートが炎の腕を振るって二人と二匹に躍りかかった――それを沙枝は、止めた。
手で。
いや違う。「沙枝の手と炎の腕の間に具現化させた、透明で大きくて硬いガラス」によって止めたのだ。
沙枝の魔法少女としての魔法は、自分のイメージの具現化。
具体的に想像しなければ重火器は使えないが、防御という一点なら、硬いもの※さえイメージすればできるのだから楽だ。
※太くて長いこともあるアレではない。
「それに。魔獣相手なら、わたしにもけっこう経験があるの!」
「ぐぬう……! さっさと死にたもれぇ!」
イフリートwith六条御息所vs楠沙枝。
怨霊にまで成る想いの支える精霊と、想いを実現させる魔法少女がその「想い」をぶつけ合う中。
ゆっくりと、ゆっくりと。一匹の猫が猫バスのしっぽを渡りながら、そこに引っかけられたワイヤーをほどくことによって、
空中に縛り付けられた猫バスが自由を得、地面に降りようとしていた。
○○○○○
リゼルグくんへ。雪広あやかと、スペードの2より。
その書き出しで始まる手紙には、いろんな想いが、丁寧な字で書かれていた。
一人で悲しみを背負い、発って行ったリゼルグの身を案じていること。
ギャルゲ高校でしばらく時間を過ごし、そのあいだにこの「手紙」を作って置くことをスペードの2が提案してくれたこと。
怪しい洞窟へ向かうだろうリゼルグを、自分たちは追うこと。
そして、雪広あやかの級友――椎名桜子の死について。
『私の級友も、放送で名前を呼ばれました』
おそらくあやかが書いたと思われる字は、そこから数行に渡ってだけは、少し震えていた。
『でも私は、桜子を殺した人を、許そうと思いますの』
許そう、の許すという字なんか、渾身の力を籠めないとそうはならないという風に、震えていた。
『だって、憎しみは新たな憎しみを生むだけですもの。
桜子だってきっと、わたしが殺人に手を染めることなんて望んでないはずですわ。
リゼルグさん、あなたにとっての蓮さんも。わたしにとっての桜子くらい、いえそれ以上に、大切な仲間だったんだと思います。
だからこそあなたにも、その悲しみと、憎しみと向き合ってほしい。安易な復讐や、苦し紛れの殺人なんかに逃げたって、
蓮さんはきっと喜ばないのではないですか?
あのとき何も言えなかったわたしに、こんなこと言う資格はないのかもしれません。それでも、』
それでも、
『あなたにはわたしと違うことが出来るはずですわ。あなたは――』
誰かを助けることが、救うことができる人間でした。
わたしやスペードの2くんを守って、あのとき赤い男と戦ってくれた。
殺人を犯してしまった人を許すだけじゃない。あなたは殺人を犯してしまった人を救えるだけの力を持っている。
だから願うなら、もう一度。
『その力を誰かのために使ってほしいのですわ。
結果として誰も救えなかったとしても、わたしはそちらを選択する人が、強い人間だと思います』
……手紙はそこで終わっていて。
あとがきとして、手紙をリゼルグに届けてくれる人が居たらお願いします、と書かれていた。
リゼルグはなぜか、その手紙を読み終えることができなかった。最後の一文字までは読めていたのに、脳が、頭が、
最後の一文字、この優しい夢の欠片を終わらせる『了』の字を、読みたくないと告げている。
いや。なぜか、じゃない。理由はずっと、分かっていた。
「そっ、か。僕は……僕は自分の弱さから、目を背けていただけだったんだ……」
リゼルグは呟く。
自分の弱さを自覚した少年は、ついにその言葉を呟く。
背後では。魔法少女、楠沙枝が劣勢に立たされていた。
「うぅ……何で? いつもより、魔法力が減るのが早、い」
「あはあはっはあはあはあはは? どうしたのかえ、女!! 動きが鈍っておるぞえ?」
嫉妬の炎は無尽蔵だ、と言わんばかりに強引に力を振るい続ける六条御息所と、
制限がかけられていたらしく、だんだん守勢に使う盾の具現化も危うくなっていく沙枝。
楠沙枝――ギャルゲ高校に置いてあった手紙を見て、それをリゼルグに届けることをなにより優先し、
おそらく休むことなくここまで来てくれた不思議な少女。
このままでは、彼女が死んでしまう。
リゼルグに、本当の気持ちを気づかせてくれた彼女が、死んでしまう。
「ねえ。そんなの、許せないよね、君も」
にっこりと笑って。
リゼルグ・ダイゼルはきょとんとした顔でこちらを見つめていた、大型犬とその頭の上に乗ったハムスターに語りかける。
動物と人間、意志疎通の余地なんてあろうはずもないが……パトラッシュという犬も、チビすけというハムスターも、
どうやら今からリゼルグが何をするのか分かったみたいだった。
二匹とも、リゼルグの背中を押すように。うなずいてくれたように見えた。
デイパックからリゼルグは、最後の一個の支給品を取り出す。それはなんの殺傷性もない、ただ相手の目をふさぐだけの薬だ。
人を殺すことも、生かすこともできない……いつまでも迷っていた自分の最後の武器としては、お似合いのものだろう。
「沙枝さん。いったん休んでて。僕がかわるよ」
「は、はい。ありがとう」
少し間を置いて。棒ブロックと、その薬を持って、前に出る。紗枝を後ろに下げると棒ブロックを右に構えて、薬の小さな瓶は左に持つ。
不意にリゼルグは、沙枝に問いかけた。
「ねえ、沙枝さん。魂の炎は、何を焚き木に燃えているのか分かる?」
「え?」
「僕はそれは、自分を抑える心だと思う。いつも知らず知らずのうちにかけてしまっている、理性や自制心って名前のね。
それを押し崩した感情の波は、ほんとうは涙なんかじゃなくて、ガソリンで。
僕たちはその燃料に、ほんの少しの火種を与えてやればいい。
そうすれば簡単に――人だって殺せてしまう。ねえ、それだけの力を、人間は出せるんだよ」
「リゼルグ、さん?」
「見ていて。それと、最後に。スペードの2には、気を付けるんだ。あやかさんには、よろしくね」
またにっこりと笑った、リゼルグを。
そのとき沙枝はなぜだか、引き留めてはいけないような気がした。
●○○○○
六条御息所は、
もはや何かを考えたりなどはしていなかった。
女を、楠沙枝をその目に捕らえたその瞬間から、なにかがぷつんと切れて、
自分が修羅と化していることはとっくの昔に分かっていた。
すでに自分の心の中、魂の大部分が、おそらくイフリートの炎に魅せられて――同化して。
どうかしてしまったんだと思う。
憎い。憎い。
この乾いた心を満たすものは、もう女の断末魔の悲鳴のみだ。
だから焼く。
焼き払って、潰して、この世から憎い肉の塊をすべて消滅させて。
そうしてようやく六条御息所は、
何にも気兼ねすることなく、ぐっすりと眠ることができる。
しかしそんな事さえ、六条御息所はもう忘れてしまっている。ただ女を焼き尽くす、なにかのかたちと成り果てる、
そういう概念になるのも、遠い話ではないように思えた。
「あああああ……が、あああっ!!」
今、イフリートの火にその身を焼かれながら――小さな少年が六条御息所を止めようと、一歩一歩迫ってきていた。
バカな男だ。
まだ概念になっていない部分が、少年を見てそう言った。
その通りだと思った。少年はきっと、六条御息所と同じくらい何も考えていないんだろう。イフリートの火球や火拳を避けようともしない。
避けずに真っ直ぐ突き進んでくる。
服は焼け、皮膚も焼け、髪も顔も焼けて、ただれて、少年の幼い美しさはまるで暖炉に落としてしまった食事のように炭化していく。
でも倒れない。炎をいくら放っても、パンチをいくら浴びせても、
後ろで聞こえているはずの女の声が、いくら少年をあちら側に引き留めようとしていても。
こちら側に向かってくる。
死と生の垣根を越えた修羅の道に、他人の心の領域に、土足で踏み込んでくる。
バカな男だ。
この世には、バカな男しかいない。
六条御息所はそんなこと、とうの昔に分かっていたはずなのに。
「でも。そんなバカな男に惚れてしまったわらわは、きっと――大馬鹿な女なんじゃな」
「ああそうだ。僕らは、バカなんだ。バカで、弱い。でもだからこそ、バカみたいなことが出来るんだ。
種のためだとか、自分のためじゃなくて。誰かのために命を張るってことができるんだ。それが僕たち、人間だよ」
ぐら、と視界が動かされる。
右手に持っていた、棒のようなものを足場にして、少年はいつのまにか六条御息所の白襦袢の襟をつかんでいた。
そうして左手に持っていた薬瓶を、六条御息所の目に向かって浴びせて。
「じゃあね」
よりにもよって、不敵に笑い。
リゼルグ・ダイゼルは力尽きた。
浴びせられた薬は、目に張り付いて。六条御息所の目の前を真っ暗にしていく。
闇。
一寸先さえ見えないその闇を照らすにはもう、六条御息所は優しいものを見すぎていた。
心に燃え滾った火が、自らを食いつくすほどに大きくなっていた存在意義が、風船みたいにしぼんでいくのが分かる。
空っぽになる。
元に戻る。
久しぶりに戻ってきた、冷たい感覚に。六条御息所は、救われた。
●●○○○○△
鈴木万吉とカズヤ(カズマ)。
猫バスを追っていた二人が採掘場に到着したときには、ひとつの決着はついていた。
もともと山を切り開いて作られた採掘場に生命の息吹なんてものはないが、乾いて砂だけになった地面が、かなりの熱を帯びていて。
その中心にある一つの焼死体のそばで。
少女がひとり、さめざめと泣いていた。
かわいいフリルをあしらった萌え系の衣装と、それに見合う可憐な顔立ちをぐちゃぐちゃにして泣いていた。
少女は見ていたのだ。リゼルグが炎に焼かれながら六条御息所の元にたどり着き、
支給されていた目つぶし薬――七夜盲の秘薬を浴びせることで視界を奪い、無力化するまでのその全てを。
リゼルグの身体が、焼けて、ただれていくその過程を。
見届けることしかできなくなりながら……それでも目を背けずに、見ていた。
「わたしが、リゼルグくんに手紙を渡したから……こんなことに、なっちゃったのかなあ……」
近づいて声をかけようとしたカズヤは、少女の言葉に何も言えなくなり。
しばらくして少女が涙をぬぐって立ち上がるまで、カズマも万吉も、パトラッシュもチビすけも、地面に転がっている六条御息所も、
沈黙を破ることはなかった。
それから。
リゼルグ・ダイゼルの遺体は、カズヤによって採掘場の一角に埋められた。
七日間目が空くことはないという七夜盲の秘薬によって、視界と一緒に心の炎を閉ざされた六条御息所は、
自らの持っていた騎英の手綱によってクレーンに縛り付けられた。
リゼルグの遺したワイヤー付き手袋と棒ブロック、そして基本支給品は、武器の欲しい万吉に手袋が。
沙枝が棒ブロックを、そしてカズヤが基本支給品を持つことになった。
「……ところで。あのバス、乗っていいのか? 万吉」
カズヤの一言で話は切り替わる。
すなわち、猫バスについて。
戦いが終わった採掘場の隅にぽつりと置かれたそれは今、緊急停止状態と言うことで3時間に1回の制限はなく、
誰でも乗れるようにドアを開いている。
車内にあった説明書きを読む限り、誰か会ったことがある人の名を呼べば、その人の場所へと移動できるらしい。
「俺はおそらく、乗って問題ないと思う。死んだ少年か、あそこの女か、どっちかは乗っていたはず。主催の罠じゃない」
「楠は?」
「乗っても大丈夫かと……むしろ乗りたいです。ランキング作成人さんたちに合流しないといけないので……」
「そっか。んじゃ、誰のところに行くかってのは、まあ楠の知り合いの所で決まりだな」
「ああ。ただ、このルール――1つ気になることがある」
パロロワ書き手、鈴木万吉。
彼はパロロワ書き手の視点から、一つこのルールの気になる点を告げた。
「会ったことがある人、って言うなら……主催の、社長ってやつ。あいつの名前さえ分かれば、主催の所に行けるんじゃないか?」
「あ……!」
そう、会っているという条件なら、最初にルール説明を受けたあの場所で、全員が社長に会っているのだ。
万吉の読みが正しいなら。
もしかしたらこの猫バスはただの便利な乗り物だけじゃなく、別の意味も持ってくる。
「でも、……どうなんでしょう? そんな危ないものをわざわざ、向こうが用意するのかな……」
「それに万吉。それが正しいっていうんなら、迂闊にバスに乗るわけにはいかねぇぜ。
3時間に1回しか乗れないなら、主催の名前を知ってるやつに出会っても、バスに乗れないってことになりかねないだろ」
「だな。そこで主催に感づかれたら終わりだ。じゃあ、そうだ、一旦この採掘場にバスは隠す方向で……」
半信半疑ながらも万吉の考えを考慮に入れて、カズヤ、万吉、沙枝の三人は行動方針を決めていく。
とりあえずは採掘場にバスは隠す。
そして、三人とパトラッシュとチビすけで怪しい洞窟か北の市街地に行く。
ただ、放送で意味深なことを言っていた怪しい洞窟だが、
万吉的には「地理的にすぐ大勢がそこにたどり着くわけじゃないと思う」らしい。
まだこの時間だと、北の街でいざこざが起きている可能性の方が高い、とのことだ。
「よし。じゃあ北の市街地だな。楠の話じゃ、知り合いもそっちにいるんだろ?」
「はい……あ、でも。雪広あやかさんとスペードの2くん……リゼルグさんの仲間が、この辺にいるはずです。
まずはその二人を探して、わたし、いろいろ伝えないと」
「ああン? 先に言えよ、そういうことはよ。おい万吉、まずこのあたりを探索してから――――ん? おい、どうした?」
ようやく行動方針を決め、立ち上がったカズヤと沙枝は、何故か立ち上がらない万吉が二人の背後を指差しているのを見た。
「あ……あっ」
「んだよ、誰かいるのか?」
「どうしたんで……えっ!?」
つられて背後を振り返った二人が見たのは、クレーンのそば。
六条御息所が無力化したとき消えたはずの炎の精霊、イフリートが、いつの間にか六条御息所の首を片手で掴み、
ギリギリと。
絞め殺そうとしているところだった。
「……!? いつの間にクレーンから抜けた? それ以上に、何であんな、」
「と、とにかく助けないと――「来るなっ!! お主らァ、っ、早く猫バスに乗って逃げるのじゃ!!」
六条御息所は苦悶の表情を浮かべながら、助けに入ろうとした沙枝とカズヤを制す。
イフリートはそのあいだにも首を絞め続け、赤い炎をだんだん暗い紅色の業火へと変化させている。
「逃げろだあ!? 死にそうな奴を見捨てて逃げるなんてできるわけねえだろ!」
「それでも逃げろと言っとるのが、わからんか! わらわは……緑髪の少年によって恨みから解放された。
しかし、このイフリートはわらわの感情ともはや同化していた……だから、解放されたわらわに嫉妬しておるのじゃ!
自分だから、分かる――いま、わらわが死ぬと、制御を失ったイフリートが――暴走を始め、」
ゴオオオオオオオオオオオオオオ!!
採掘場全体を揺るがすような、大きな、大きな咆哮が……! 六条御息所が言霊をすべて言い終わらぬうちに響く、
そして、
枷が外れた炎の精霊が、六条御息所の身体を憑代に、魔物としてこの地に誕生しようとしていた。
首を、ごき、と、九十度曲げられ。
地面が揺れる中、六条御息所の身体が突如燃え上がった。
その炎は六条御息所が縛られていたクレーンを見る見る間に巻き込み、渦を巻き、
巨大クレーンが炎の巨人と化すまでに時間はかからなかった。
それは、哭いた。
炎の巨人はだんだん、大きさは巨大なままで、元のイフリートの形を取り戻す。
紅色の炎の巨大イフリートは、嫉妬の塊……全ての生きとし生けるものに対する嫉妬の炎。
近くの生命から順に燃やし尽くす悪鬼。
イフリートは万吉たちの姿を捉えると、笑ったように見えた。
手が伸びて。
「ぎゃあああ! 熱い! し、死ぬぅ!」
鈴木万吉の背中が炎に包まれる。
「万吉さ――ってぱ、パトラッシュ!?」
沙枝が万吉の方を見ようとしたとき、それを遮ってパトラッシュがいの一番にバスに乗り込む。
わん! と鳴くパトラッシュに我に返る。そうだ。猫バスで、逃げないと!
「衝撃の……ファーストブリットォオオ!!」
カズヤの声が聞こえる、すごい衝撃音、沙枝はどうにか走って、バスの中に入ることに成功した。
するとそこでドアが閉まり始める……! まだ自分とパトラッシュしか入ってないのに!
「なんで!? バスの中で名前を言わない限り、行き先は決まらないのに! このバスはどこに向かうの!?」
『―この猫バスは、「ネロ」行きでございます』
「ネロ……!? 誰? ……ま、まさか! さっきパトラッシュが吠えたのって――」
「くぅん」
「っ――くそ、万吉! お前だけでも乗れ!」
「わっカズヤ!? おま、ああああ!」
強引にカズヤが万吉の体を持ち上げ、すでに地面から離れつつあった猫バスの窓に投げつける。
がぽっ、と音がして万吉が窓にはまるころには――もうカズヤの跳躍力では届かない場所に猫バスはあった。
「カズヤさん!」
「待ってろお前ら! こいつ倒してすぐ行くからよ!」
そのまま猫バスは浮き上がり、炎の巨人の射程範囲から外れるように推進し始める。
楠沙枝とパトラッシュ、そして背中を火傷して気絶した鈴木万吉の三名は、こうして「ネロ」の元へ向かうことになった。
……「ネロ」がグラハム・イェーガーと交戦してその命を散らしたC-3の、すぐ近く。D-3にその遺体はある。
「って、え……あれ、わたしと、万吉さんとパトラッシュ……チビすけは!? チビすけが、いない……」
●●○○○△○○○
チビすけはその頃、森の中を走っていた。
パトラッシュはチビすけに言った。自分は猫バスを使って、ネロの元に行かなければならないと。
だから、最後に緑髪の少年に頼まれた「届け物」は、きみにたのむよ、と。
パトラッシュは鼻が利く。人間のにおいがする場所は分かっていた。
そしてもしもの時のために、案内役を付けることもしっかりと交渉してくれていた。
「……」
首輪にはアーサーと書いてある無愛想な猫。
彼あるいは彼女は何もしゃべらずに、チビすけと「届け物」を乗せて森の中を走る。
届け先はすぐに見つかった。制服を来た二人組。
「あら……? 小さな遭遇者さん」
「猫とハムスターだよ、あやかお姉ちゃん! こんなところで珍しいなあ……あれ?
ねえ、この子たち、何か持ってる」
目論み通り二人は、猫の背から「届け物」を手に取って眺め始める。
それはおそらく、彼女たちも見覚えがある紙切れ……とある魔法少女を採掘場へと向かわせた紙切れ。
「これ、わたくしたちが書いた手紙ですわ!」
「それに、裏に何か書いてあるよ。見て、あやかお姉ちゃん。これって……」
「!!」
そこに書いてあったのは、たった五文字の言葉だ。
――「ありがとう」。
リゼルグ・ダイゼルが最後に書いた、それが二人に対しての感謝の気持ちだった。
……近くで燃え上がる暴走した嫉妬の炎や、空を北に向かう猫バスに。
手紙に目を奪われた雪広あやかとスペードの2が気づくのかどうかは、まだ分からない。
【リゼルグ・ダイゼル@シャーマンキング 死亡】
【六条御息所@源氏物語 死亡】
【1日目 昼/F-4 猫バス内】
【楠沙枝@魔法少女沙枝】
【服装】ピンクのフリルが付いた可愛らしい魔法衣装
【状態】疲労(大)、新たな決意
【装備】なし
【道具】基本支給品一式、自転車@現実、棒ブロック@テトリス、
小規模イデの欠片×3@kskロワ、不明支給品0〜1
【思考】
1:もう悲しい事は起きてほしくない。
2:ななこ先生たちと合流したい。
3:とりあえず「ネロ」のところへ。でも確か、放送で名前呼ばれてたような……?
【備考】
※ルルーアンの罠によって衆人環視の中で辱められている最中からの参戦。
※小規模イデの欠片一つは本来の小規模イデ1回分の力しかありません。
※リゼルグに「スペードの2には気を付けて」と言われました。
【パトラッシュ@フランダースの犬】
【状態】深い悲しみ
【装備】ロックドッグスーツ@ペルソナ3
【道具】基本支給品一式、不明支給品1〜3、こげぱん半分
【思考】
1:ネロのところへ。
2:キリコお兄さんと、沙枝お姉ちゃんと、チビすけが死なないように頑張る。
3:沙枝お姉ちゃんとチビすけと一緒に行動する。
4:キリコお兄さんを捜す。
5:ごめんね、こげぱん。でも、すべて終わったら、僕はネロのところへ行くよ。
【備考】
※この殺し合いで死んだ者(ネロを含む)は生き返らないと思っています。
【鈴木万吉@オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
【服装】ニート専用パジャマ(背中がぼろぼろ)
【状態】背中に火傷、気絶
【装備】ウォルターのワイヤー付き手袋@HEELSING
【持ち物】支給品一式、カン・ユーの軍服@装甲騎兵ボトムズ
【思考】
基本:殺し合いをぶっ壊す。フラグ重視。
1:猫バスが対主催エンドへのカギなのか調べる。
2:何ロワイアルなのか考察する。
3:親父……敵は取る。
4:なんか似た体験をしたことがあるような、ないような?
【1日目 昼/G-4 採掘場】
【カズヤ@スクライド】
【服装】普段着(くすんだ色の革のジャケット)
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】支給品一式×2、不明支給品0〜3
【思考】
基本:殺し合いに反逆する。
1:このイフリートとかいうのをぶん殴る
2:紗枝や万吉たちとあとで合流する
3:ぶん殴りたいやつをぶん殴る
【備考】
※本来の名前はカズマです。
※G-4 採掘場に巨大イフリート@FF8が現れました。生きとし生けるものを焼き尽くそうとしています。
【1日目 昼/F-3】
【雪広あやか@魔法先生ネギま!(漫画)】
【服装】麻帆良女子中等部制服
【状態】健康
【装備】ハマノツルギ@魔法先生ネギま!
【持ち物】基本支給品一式、マスターボール@ポケモン、拡声器@現実、リゼルグからの手紙
【思考】
1:殺し合いには乗らない。
2:リゼルクを止める。そのために怪しい洞窟へ向かう。
3:年下の男の子には優しくする。
【スペードの2@七並べ】
【服装】陵桜学園の制服(冬服、小早川ゆたかのもの)@らきすた、青無地のパンツ
【状態】健康、無意識の内にあやかに対して少し罪悪感
【装備】鉈@現実
【持ち物】基本支給品一式、式紙@シャーマンキング
【思考】
基本:無力な少年の振りをしつつ、自分の出来る範囲で殺し合いを促進させる。
1:あやかお姉ちゃんと一緒にいる。
2:リゼルク君を止める(振りをする)。
3:そろそろ本来の役割(殺し合いの促進)に真剣に取り込もう。
【チビすけ@ハムスターの研究レポート】
【状態】健康、自転車のカゴに乗っている
【装備】水戸黄門の印篭@水戸黄門
【道具】基本支給品一式、不明支給品0〜1
【思考】
基本方針:家族の所に帰る。
1:とりあえず紗枝と合流?この二人についていく?
2:◆6/WWxs9O1s@カオスロワに再会したい。
3:この猫もっと愛想良くても……
【備考】
※◆6/WWxs9O1s@カオスロワを対主催だと誤解しています。
※サザエを呪術師だと誤解しています。
※所詮ハムスターなので思考回路がアレです。
※かえるの事をどう思っているかはまだ不明です。
※G-2、ギャルゲ高校に雪広あやかが書いた「リゼルグへの手紙」が数枚あります。
※猫屋敷内にいたアーサーっぽい猫は、雪広あやか・スペードの2・チビすけと一緒にF-3に居ます。
※猫バスはネロの死体があるD-3に向かっています。ただし途中で外部から著しく進行を妨害された場合、
いったん行き先はリセットされ、次に乗った人が行き先を変更することが出来ます。
※六条御息所のデイパックの中身と騎英の手綱@Fate/stay night、七夜盲の秘薬@バジリスクは燃え尽きました。
投下終了です
そういえば採掘場まだ出てなかったなと思って
感想や意見ありましたらよろしくですー。
投下乙!
リゼルグが逝ったか……
最後に復讐から解放されたのは、せめてもの救いなんだろうか
そしてイフリートの暴走はやばいな
百戦錬磨のカズヤでも勝てるかどうか……
投下乙です
六条は執念から解放されたのに最期はその執念によって殺されるのか……
>「でも。そんなバカな男に惚れてしまったわらわは、きっと――大馬鹿な女なんじゃな」
ちょっと六条が好きになった
投下乙です!
リゼルグは迷いつつもやっぱりいい奴だな…
御息所の心を救えるとは思わなかった
◆6/WWxs9O1s@カオスロワ、恋、カン=ユー、キリコ・キュービィ、高嶺響で投下します
大きな胡桃の樹の下で〜 男と神様〜 静かに休みましょう〜 大きな胡桃の樹の下で〜♪
どこかの童謡の歌詞のような状況になっているなと、デイパックを漁る手を少し休めて◆6/WWxs9O1sはふと思い至っていた。
だが実際は童謡のような穏やか雰囲気は欠片もなく、目の前に広がる光景は逆に殺伐とした異常なものとしか言いようがなかった。
大きな胡桃の樹の下で男性なのにウエディングドレスを着ているという奇妙な状況は、傍目から見ると奇異な光景だ。
そしてそれも然る事ながら、ドレスと胡桃の樹が真っ赤に血で塗れている状況がこの場の異常さに拍車を掛けていた。
それもこれも◆6/WWxs9O1sが行った狭霧嘉麻屋殺害が原因であった。
ほんの数分前、小規模イデの影響でこの地に飛ばされた◆6/WWxs9O1sと狭霧嘉麻屋は殺し合いを繰り広げていた。
その結果、不本意ながら神の力を行使した◆6/WWxs9O1sは狭霧を肉片と化して瞬殺。
それによって胡桃の樹とドレスを真っ赤に染めたのだった。
そして暫しの休息を兼ねつつ、◆6/WWxs9O1sは狭霧の支給品を回収した後、改めて荷物の確認をしていた。
先程の戦いではハズレだと思っていた支給品が実は強力な支給品である事が判明した。
もしかしたら何か見落としがあるのかもしれないと思い、こうして再度確認しているのだ。
(まず俺の残りの支給品と下人から奪ったライフル、それから殺した犬の支給品は使えるとして、問題はハズレと判断した二つか)
だがその二つがまたどう見てもハズレとしか思えない代物だった。
一つは両端が紐で縛られた小豆の入った袋。
もう一つは火打ち石が入った袋。
正直手に持って相手にぶつければそれなりの効果はあるが、直接攻撃なら手持ちの刀の方が遥かに役立つ。
飛び道具にしたとしても、下人から奪ったデイパックの中にライフル銃、ウィンチェスターM1894があったのでそちらの方がいい。
つまり現状どちらも正真正銘ハズレ支給品でしかなかった。
(もしかして先程のように何か特別な力が備わっている可能性が――)
だが◆6/WWxs9O1sが抱いた一縷の希望は――。
『残念ながら、そのような力は欠片も感じられぬな』
――他ならぬ神のお告げによって一蹴された。
「ちっ、国常立神か。俺は貴様には頼らないと決めているんだ」
『神託は素直に受けた方がいいぞ。神に誓って嘘は言っていない』
「……何故教えてくれるんだ?」
『いずれは拙に身を捧げる予定の者に協力するのは当然だろう』
「それならば一つ聞きたい事がある。この右腕も貴様の仕業か?」
そう言うと◆6/WWxs9O1sは自分の右腕に目を遣った。
先程からピクリとも動かなくなった右腕を。
確かに◆6/WWxs9O1sの右の二の腕は狭霧のナイフに深々と刺された。
だがいくら何でもここまで動かなくなるのは少々おかしい。
そして先程まであった痛みすら感じないのは明らかに異常だ。
『神の力を何の代価も無しに扱えるはずがないだろう』
「なっ、貴様」
『安心しろ、汝は拙の依り代となるべき者。寧ろ右腕一本で命を拾えたのなら安いものだろう』
「依り代である俺の身はどうだっていいと言うのか!?」
『依り代だからこそ、だ。
これなら後6回ほど先程の力を使えば、その時は汝の意思とは関係なく汝の身は拙の依り代として捧げられたも同然に……』
確かに『拙は汝の糧となる』やら『代償としてその後は拙の「依り代」として生きてもらうことになる』と言われた。
あの時は命の瀬戸際で聞き流していたが、今にして思えばある意味騙されたようなものだ。
まるで契約詐欺のような国常立神の言葉は、◆6/WWxs9O1sにとって不快を通り越して度し難いものだった。
だからこそここでもう一度はっきりと断ろうと思った瞬間――。
「殺してくれエエエェェェェェ!!!!!」
――この世を呪うような悲鳴が聞こえてきた。
◆ ◆
なぜ俺はこんな目に遭っているんだ?
俺はただ自分の心に従って行動しただけだ。
そう全ては『恋』ゆえに。
この胸の内を駆け巡る抑えきれない衝動。
その衝動に突き動かされるままに行動する事がそんなにいけない事だったのか?
なあ、誰か教えてくれよ。
「俺が書き手だからこんな目に遭うのか……」
俺はこんな目に遭わないといけないほど間違っていたのか?
「誰でもいい……」
そうだ、もう何もかも嫌だ。
目を潰され、両腕を壊され、毒針を刺され、当てもなく歩かされる。
こんな苦行はもうたくさんだ。
「……殺してくれ」
そうだ、もう死んでしまいたい。
これはロワだ。
死ねば全ての苦痛から解放される。
死ねば死者スレで思う存分「とある魔術の禁書目録」を鑑賞したり、恋に励む事ができる。
「誰か……」
そうだ、誰でもいい。
「殺してくれエエエェェェェェ!!!!!」
1秒でも早くこんな地獄のような状態から解放してく――。
「それじゃあ、俺が殺してやる」
――それが、恋の聞いた最期の言葉だった。
◆ ◆
無機質なビルの谷間に一発の銃声が木霊した。
それによって命を絶たれた者は一人。
だが◆6/WWxs9O1sは見た気がした。
名も知らぬ書き手が最期の瞬間、安らいだ笑みを浮かべたかのように。
「おい、貴様なぜこいつを殺した!?」
「どうでもいいだろう」
実際◆6/WWxs9O1s自身もなぜ殺したのかよく分かっていない。
もしかすると同じ書き手同士通じる部分があったのかもしれないが、はっきりとは分からない。
ただ一つだけはっきりしている事はあった。
目の前の男が許せないという事だ。
「答えろ、なぜそいつをここまで傷つけた? 何か恨みでもあったのか?」
「ひっ」
自分でも驚くほどドスの利いた声だった。
それほど目の前の男に対して怒りを感じていた証拠だろうか。
どんな返答であろうと殺す気ではいたが、なぜここまでしたのか答えは聞いておきたかった。
そのために巻き添えを避けるためにガトリング砲を使わずにウィンチェスターM1894を使ったのだ。
もっともガトリング砲が重すぎて持てなかったという理由もあったが。
元の持ち主である巨乳少女は軽々と扱っていたが、やはり何か特別な力でもあったのだろうか。
「さあ、早く答えろ。さもなければ――」
だが今はそんな事よりも目の前の男だ。
当然その返答次第で以降の対応も自ずと変わってくる。
「お、俺じゃない。俺はこいつを連れ回せって脅されたんだ。タカネっていう女の仕業だ。俺じゃない」
「そうか、お前じゃないのか」
結局男から帰ってきた答えは◆6/WWxs9O1sからすれば責任転嫁としか思えないものだった。
無論一書き手の立場からすると目の前の男に同情の余地がないと言えば嘘になるが――。
「そうだ、だから見逃して――」
――この時ばかりは◆6/WWxs9O1sに同情という情けを掛ける気は更々なかった。
「死ね」
だから◆6/WWxs9O1sが用済みのカン=ユーに銃口を向けた。
そして周囲に乾いた銃声が轟いた。
「ガ――ッ!?」
ただし今度の銃声は◆6/WWxs9O1sのものではなかった。
今回撃たれたのは◆6/WWxs9O1s本人だった。
そして撃ったのは最初の銃声を聞きつけてやってきた第3者だった。
如何せん目の前のカン=ユーに気を取られていたせいで気付けなかった。
(俺は、ここで終わるのか……?)
薄れゆく意識の中で◆6/WWxs9O1sは自身に降りかかる理不尽を呪った。
何度も何度もロワに巻き込まれて、その度に誤解されて、ここでは変な神に取り憑かれて、挙句に誰とも知らない奴に射殺される。
(そんなこと、認めるか……!)
だから願った。
そんな理不尽を破壊するほどの力を。
そして声が聞こえた。
『力が欲しいか?』
――それは神ではなく悪魔の囁きだった。
◆ ◆
キリコ=ビューイがその場に到着した時、まさにカン=ユーが殺されかけるところだった。
もしカン=ユーが以前のままならキリコは見逃していただろう。
だが理由は分からないが、このカン=ユーは心を入れ替えて共にこの殺し合いに抗うと言った。
最初は信じられなかったが、一度別れて改めて考えてみるとその言葉に嘘が混じっていたとは思えなかった。
それにカン=ユーには聞かなければいけない事があった。
キリコの知るカン=ユーは既に死んでいる。
もしも何らかの手段で生き返ったのなら、その方法を知りたい。
だからキリコはカン=ユーを助けるという選択をした。
「おい、大丈夫か」
まさに間一髪。
銃声とカン=ユーの叫び声を頼りに辿り着くや否や、サブマシンガンを放った。
首尾は上々で、カン=ユーを殺そうとしたウエディングドレスの男は倒れた。
だがまだ死んだとは確認できなかったので、もちろんカン=ユーとの間に身を置いて警戒は続けた。
「おい、いったい何があった――ッ!?」
そこでキリコは後ろに視線を送って愕然とした。
そこには誰もいなかった。
正確にはトランシーバーが落ちていたが、キリコが助けて後ろで庇っていたはずのカン=ユーの姿はどこにもなかった。
だがすぐに理解した。
カン=ユーはキリコを置いて一人で逃げていたのだ。
やはり数時間前の変貌は嘘だったのかと失望した瞬間――。
「I am the bone of my walnut.(体はクルミで出来ている)」
――それがキリコを死へと導く呪文だった。
◆ ◆
「はっ……はっ……」
カン=ユーは閑散とした市街地をただ無我夢中で走っていた。
高嶺響と連絡を取り合っていたトランシーバーはキリコの近くに置いてきた。
これで響がトランシーバーの電波の具合を探れば上手く鉢合わせして潰し合いになるはずだ。
◆6/WWxs9O1sに脅された時は保身のために素直に返答したカン=ユーだったが、よくよく考えてみるとその会話は全て響にも筒抜けのはずだ。
もしも響と再会すれば裏切り者として殺されるのは火を見るよりも明らかだ。
だからこそこうして一刻も早く危険地帯から離れているのだ。
「痛ッ」
だがカン=ユーの逃走は思わぬ物によって終わった。
必死に走っていたカン=ユーの頭に何かがぶつかったのだ。
それはカン=ユーの足を止めると、アスファルトの道路の上に転がった。
「なっ、馬鹿な……」
そしてそれを見たカン=ユーは絶句した。
なぜならそれはつい先程キリコの元へ置いてきたトランシーバーと瓜二つだったからだ。
一瞬キリコが作戦を見破って追いかけてきたのかと思ったが、すぐに違うと分かった。
トランシーバーはキリコがいた場所である後方からではなく、前方から投げられていた。
そうなると当てはまる人物は一人しかいない。
「カン=ユー、逃げられると思ったの?」
その声に釣られてカン=ユーは視線を地面から前方へと向けた。
カン=ユーの前方5mの黒いアスファルトの上に七色スーツに身を包んだ一人の女性が立っている。
それは紛れもなく数時間前に別れた高嶺響その人だった。
「うおおおおおおおおお!!!!!」
その姿を確認した瞬間、カン=ユーはモシン・ナガンM1891/30を連射していた。
ここに至れば今更弁解などしても助かる可能性は皆無。
それなら先手必勝で響を殺すしかない。
「無駄よ」
だが4連射も居合いの達人である響の前では無意味だった。
刀を抜かず鞘に入れたままで4つの銃弾は呆気なく弾かれてしまった。
だがそれで良かった。
次の瞬間、二つの破裂音が響の足元で轟いて、盛大な爆炎を作り上げていた。
「……やったか?」
最初から4連射は囮で、本命はその直後に投げた手榴弾。
これで仕留められずともさすがに居合いの達人も手榴弾の爆破から逃れる術はない。
何らかの負傷を負って弱っているところならカン=ユーでも勝ち目はある。
だから空になったモシン・ナガンM1891/30に弾を補充しようとしたカン=ユーは――。
「遠間にて斬る也」
――モシン・ナガンM1891/30ごと自身の命を断つ声を聞いた。
◆ ◆
勝負という名の虐殺は一瞬で終わった。
再び発動したクルミの固有結界によってキリコは狭霧と同じように肉片と化して死んだ。
そして再び血まみれの胡桃の樹の下で◆6/WWxs9O1sは立ち尽くしていた。
「今度は右目か。だがどういう事だ?」
◆6/WWxs9O1sは疑問に思っていた。
先程国常立神は後6回ほどだと言った。
当然その都度支払う代償も1回目と同じぐらいのものだと思ったのだが、今回は右目一つ。
正直割に合わない気がする。
最初は国常立神が嘘を言ったかと思ったが、当の神も現状を把握し切れていないようだ。
だから自ずと新しい右手に目が行った。
以前と同じように動く、いや以前とは違って何か力を秘めた右腕に。
◆6/WWxs9O1sは知らないが、その腕でこそ代償が変化した理由だった。
『力が欲しいならば、くれてやる』
意識が薄れた時に聞いた言葉と新しい右腕の意味を◆6/WWxs9O1sが知る時は、すぐそこだった。
【恋@マルロワ 死亡確認】
【キリコ・キュービィ@装甲騎兵ボトムズ 死亡確認】
【1日目 昼/B-4 都市部】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【服装】血染めのウエディングドレス
【状態】疲労(小)、右腕をARMS『ジャバウォック』で代替、右目失明
【装備】格さんの刀@水戸黄門、ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@マルロワ、ウィンチェスターM1894@カオスロワ、ポテト@葉鍵ロワイアル3、国常立神@日本書紀
【持ち物】基本支給品一式×6(6/・下人・翔子・サザエ・トーマス・田村)、不明支給品1(トーマス)、悟史のバッド@ひぐらしのなく頃に、ガトリング砲(残弾数3000)@現実、
小豆袋@功名が辻、火打ち石入りの袋@古事記、トーマスの首輪、クローバーの4、キングハートの日記、ハートのクイーン(人間形態)の写真
【思考】
基本:全員殺して元の世界に帰る。
1:今の状況を整理したい。
2:絶対に国常立神には頼らない……はずだったのに……?
3:今のところポテトは殺さない。用が済んだら殺す。
4:余裕があったら首輪を解析する。
【備考】
※ポテトを保護したのは非常食にするためです。
※神の力の代償が変化したのはジャバウォックの干渉のようです。
◆ ◆
種を明かせば簡単な事だ。
居合いの達人である響は4連射を放った直後に投げられた2発の手榴弾をしっかりと確認していた。
だから4連射を捌いた瞬間、デイパックからライオットシールドを取り出して爆発から身を守ったのだ。
恋の支給品の中に「武器ではないがロワで役に立ちそうなアイテム」が2つあったが、それが今懐に忍ばせているピアノ線とこの盾だ。
最初から盾を使わなかったのはカン=ユーを油断させるため。
こうすれば手榴弾で弱った自分を仕留めようとその場に止まると思っていたが、案の定響の予想通りにカン=ユーは動いてくれた。
元より生かすつもりはなかった。
自分が生き残るためなら自分を助けようとした者さえ平気で裏切る輩だ。
だからまだ使える支給品を回収し終わると、自然と次の言葉が口から零れていた。
「あんたは人間のクズだな」
【カン=ユー@装甲騎兵ボトムズ 死亡確認】
【1日目 昼/B-3 都市部】
【高嶺響@テラカオスバトルロワイアル】
【服装】七色スーツ
【状態】疲労(小)
【装備】古青江@School days、ピアノ線@金田一少年の事件簿
【持ち物】基本支給品一式×4(アリオト、恋、響、ルーファス)、H&K XM8(29/30)+予備弾薬90発(箱型弾倉×3)@現実、手榴弾×2、七天七刀@とある魔術の禁書目録、テトリス携帯機@テトリス、
ライオットシールド@踊る大捜査線、毒針の束@バジリスク、1080@シャーマンキング、ランダム支給品0〜2(確認済み)
【思考】
基本:主催を殺して主催になる。
1:レナ、カンパネルラ、kskロワ住人を探し出して殺す。
2:ちょっとどこかで休もうかしら?
【備考】
※テトリスは100面までクリアするといいことがあるかもしれません。
【全体備考】
※キリコのデイパック(基本支給品一式、登山ナイフ)、S&W M60(5/5)+予備弾薬19発@現実、UZIサブマシンガン(30/50)+マガジン3つ@現実は付近に放置されています。
※トランシーバーはキリコの死体とカン=ユーの死体のそれぞれ傍に放置されています。
※不明支給品の内訳→6/:ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@マルチジャンルバトルロワイアル、下人:ウィンチェスターM1894@カオスロワ、ハズレ支給品×2(田村):小豆袋@功名が辻、火打ち石入りの袋@古事記、
武器ではないがロワで役に立ちそうなアイテム×2:ピアノ線@金田一少年の事件簿、ライオットシールド@踊る大捜査線
投下終了です
何かありましたら言ってください
P.S.最近眺めが多いから次は短い話書いてみようかな
投下乙です!
キリコが瞬殺されるとは……
6/氏がどんどんえらいことになっていくなー
投下乙です
6/ヤベェェェ
最後の響の台詞は原作のカン=ユー死亡シーンか
異能生存体キリコならこの状況下でも回避するような気もする
投下乙!
恋はお疲れ様、カン・ユーはご愁傷様、キリコは無念な退場。
そして、これで6/氏もついにトップマーダーか……
しかも体がいろいろと大変なことに、どうなるんだ
スペランカーで投下します
人気のない教室に佇む一つの影。
それはおもむろにデイパックの中に手を入れて因縁のブツを取り出した。
そしてそのブツを思いっきり自身の身体へとぶつけた。
元より頑丈でないブツは身体にぶつかると、無残にも周囲にその破片を飛び散らせていた。
だがそれに満足しなかったのか、影はすぐさまデイパックからもう一つブツを取り出していた。
そして今後はそれを力一杯握りしめていた。
当然柔なブツは先程と同じように周囲に飛び散る結果となった。
その一連の行動を影――スペランカーは黙って実行していた。
一連の行動が終わると、スペランカーはふと周囲を眺めてみた。
自分以外誰もいない教室に先程撒き散らしたコウモリのフンが汚らしく点在している。
それを見たスペランカーの心の内には数時間前のような高揚感は湧いてこなかった。
数時間前にF-3の橋の上で爆弾の爆発を抑え込んだスペランカーは現在G-2のギャルゲ高校にいた。
ここに来たのは単なる偶然だった。
当初橋を渡り終えて北へ向かうつもりだったが、なんと爆弾騒ぎのせいで気付かないうちに北岸ではなく南岸に来てしまっていた。
本来なら以前とは違って超能力で川など軽く越えられるのだが、本能的に不味い気がしたので止めた。
そこでE-1の橋に向かうために因縁の支給品を使用した。
赤い薬。
服用すれば歩く速度が速くなり、ジャンプ距離も伸びる魔法の薬。
それゆえに以前の貧弱な身体では使用中は僅かなブレも許されぬ「死と隣り合わせの状態」だった。
だからハエ叩きの手の支給品にこれとコウモリのフンがあると分かった時、絶対に使わないと心に決めていた。
だが今のスペランカーは比類なき力を秘めた超能力者だ。
以前なら躊躇した薬を服用するのに迷いはなかった。
その強力な力と合わさってスペランカーの脚力は脅威的なものとなった。
そこで物はついでに目に付いたギャルゲ高校に足を運んだのだった。
と、ここでスペランカーの身体に異常が現れた。
吐血だ。
ギャルゲ高校の校舎に入った辺りで突然眩暈がしたかと思えば、次の瞬間鮮やかな赤い血が口を突いて外に流れ出ていた。
それまでの高揚感をかき消すかのように血は盛大に流れ出し、一気に血の気は下がった。
そのせいでスペランカーは冷や水を浴びせられたかのように我に返って、なんとなく理解した。
もう自分の身体は長くないのだと。
そもそもおかしいと思ったのだ。
これほどの力が何の代償もなく易々と手に入るはずなかったのだ。
今まで強大な力によって好き勝手暴れてきたツケがとうとう回ってきたに違いない。
そう悟った時、急に全て馬鹿らしくなった。
確かに今のスペランカーは以前の貧弱の身体とは比べ物にならないほどの力を得た。
赤い薬を使いこなして、コウモリのフンも脅威でも何でもない。
だがそれがどうした?
その力を得たために死ぬのなら、その得た力に何の意味があるのだろう。
いや、そもそもすぐに死んでしまう身なのに必死に生き延びようとするのはおかしな事ではなかろうか。
あの洞窟の底で無駄に足掻かないで無謀な洞窟探検者らしくさっさと死んでおくべきではなかったのか。
(なぜ自分はあそこで生き延びようと思ってしまったのだろう……)
そんな考えても詮のないような事に頭を巡らせつつ校舎をぶらついていた。
そんな時だった。
ある教室に数枚の置き手紙が残されている事に気付いたのは。
◆ ◆
『リゼルグくんへ。雪広あやかと、スペードの2より。』
その書き出しで始まる手紙には、様々な想いが丁寧な字で書かれていた。
送り主は雪広あやかとスペードの2。
宛先はリゼルグ・ダイゼル。
その手紙はまさしくリゼルグへの想いで溢れていた。
一人で悲しみを背負いこんで二人の元から去っていったリゼルグの身を案じている事。
ギャルゲ高校でしばらく時間を過ごして、その間にこの「手紙」を作って置こうとスペードの2が提案してくれた事。
放送を聞いて怪しい洞窟にリゼルグが向かうと考えて、二人で追って行くつもりである事。
雪広あやかの級友である椎名桜子の死、さらにあやかはその下手人を許そうと思っている事。
憎しみは新たな憎しみを生むだけで何も解決しない事。
だからリゼルグにはその力を誰かのために使ってほしい事。
手紙はそこで終わっていた。
後書きとして、手紙をリゼルグに届けてくれる人が居たらお願いします、と書かれていた。
さらにリゼルグと面識がなくても分かるように、丁寧にリゼルグの特徴を記した絵が描かれていた。
なぜか『小さい少年』という文字が目立っていたが、その絵にもリゼルグへの想いは溢れていた。
そして手紙を読み終わったスペランカーは――。
「…………ッ!?」
――困惑していた。
◆ ◆
スペランカーが手紙の内容で最も不思議でならなかった点。
それはあやかが桜子の死を悼んで受け止めて、尚且つその死を与えた者を許そうと言っている点だった。
スペランカーにとって死とは些細な事で訪れるもので、命とは路傍の石ほどの存在でしかなかった。
ゲーム開始直後のゴンドラからの落下、自分の身長ほどの浅い穴に落下、コウモリのフンに接触、少々勾配のある下り坂で前方にジャンプ、爆弾の爆発、自分の出したフラッシュに接触、赤い薬を飲んで自身の速度が上がり制御しきれない等々。
そんな些細な事でスペランカーは死を迎え、そしてまた新たな命を与えられてゲームの場に戻る。
だから初対面のしんのゆうしゃを撃ち殺すのに何の躊躇いもなかったし、それなりに行動を共にしたハエ叩きの手を実験台にしても躊躇いはなかった。
だがこの雪広あやかという者は違った。
彼女は椎名桜子という級友の死を心から悼んでいる。
そしてさらに彼女はその桜子の命を奪った者を許すと言う。
それはスペランカーにとって理解しがたいものだった。
死や命の重さが毛ほどの軽い『スペランカー』というゲームの主人公にとって、一つの死や命に対してこれほど想いを傾ける者の気持ちは測りかねるものだった。
なぜそれほど他人の死を悼む事ができるのか。
なぜそれほど悼んだ死の原因を許す事ができるのか。
「最期に会って答えを聞いてみるのも一興か」
だが会って答えを聞いた後はどうするべきか。
スペードの2やリゼルグといった近しい者を殺して反応を見るか。
危機的状況にあるところで助けに入って反応を見るか。
なぜか反応を見る方法が極端なのは探検者の性か。
一度探検に赴いた身ならば何かしらの名を残す事を望むのは極自然な考えだ。
「これがおそらくスペランカー最期の冒険か」
悪行にしろ善行にしろ、まずは追い付いて会わない事には始まらない。
一本残っていた赤い薬を服用したので上手くいけば洞窟に着く前に追い付けるかもしれない。
どちらにせよ、どうするかは追い付いてから決めたらいいだろう。
【1日目 昼/G-2 ギャルゲ高校前】
【スペランカー@スペランカー】
【状態】暴走、超能力者化 、変調(なんとなく死期が近い事に気付いている)
【装備】デスクリムゾン@デスクリムゾン、懐中電灯@現実、ブライオン@LIVEALIVE
【道具】基本支給品一式、ピッケル@真女神転生if
【思考】
基本方針:超能力で好き勝手暴れまわる。
1:雪広あやかに会って答えを聞く。
2:1の後、何かしらの行動を起こして反応を見る。
【備考】
※殺し合いの事は忘れています。
※第1回放送を聞き逃しました。
※あと一回超能力を使うと死にます。
【コウモリのフン@スペランカー】
スペランカーに出てくる敵キャラのコウモリが落とすウンコ。
これに触れるとスペランカー先生は死んでしまう。
【赤い薬@スペランカー】
瓶に入っている赤いものという点から梅干しとも言われる隠しアイテム。
効能は「歩く速度がやたらと速くなる」「それに伴ってジャンプ距離も伸びる」である。
ただしスペランカー先生は死にやすいので服用中は「死と隣り合わせのエンペラータイム」である。
投下終了です
タイトルは「無謀な洞窟探検者」
何かあれば言ってください
投下乙
これまでのハイテンションから一転、悲痛な雰囲気だねえ……
投下乙
スペランカー先生の生死観って複雑なんだな
でも一見シリアスなのに冒頭のシーン想像すると・・・
投下乙です
残機制が常なゲームキャラと、人生一度きりの人間。
命の重さの違いを疑問に持った先生がついにシリアス入りか……
名を残す死に片はできるのだろうか。
今更ですがこの間書いた「触れ得ざる声也」の内容一部変更します
変更点はハズレ支給品から火打ち石入りの袋@古事記の削除
理由はwiki編集していたら画鋲で枠が減っていたから
別に気にしなくてもよかったのかもしれないけど、まだ続き書かれていないしあってもなくても支障ないから削除しておきます
地図乙です
相変わらず左上人多いな
そして指摘
H-2の沙枝一行が被っている
雪広あやか、スペードの2、チビすけで投下します
俺はハムスターである。
名前はある、チビすけだ。
それ以上でもそれ以下でもない。
だから複雑極まりない人間の言葉など到底理解できない。
だがそんな俺でも分かる事がある。
(この二人、どちらも嘘を付いているな)
猫の背に身を預けつつ済し崩し的に二人に付いて行く事にしたチビすけの動物的な勘はそう告げていた。
◆ ◆
(さっきはああ言いましたけど、心苦しいですわね。リゼルグ君、ごめんなさい)
雪広あやかは先程の会話を思い出していた。
そしてつい忸怩たる思いに沈んでしまう。
そもそも朝方にギャルゲ高校を出発したあやかとスペードの2は本来なら既にもっと先に進んでいるはずだった。
それが未だにF-3付近をうろついていたのは端的に言えば運がなかったとしか言いようがない。
まず高校を出発した二人はF-3の橋を目指して北東に進んでいた。
F-3の橋を渡って、E-3の下着売り場で進路を東に変更して、そして怪しい洞窟に行くつもりだった。
そのルートを選択したのは、それが最短ルートだと考えたからだ。
だがその計画は初っ端から覆されてしまった。
原因はF-3の橋の焼失。
二人が橋に到着した時には橋は綺麗に焼け落ちていて、川を渡るのは不可能だった。
しかも川の両岸は切り立った崖状になっており、手持ちの道具ではどうしようもなかった。
ちなみに橋を焼け落とした張本人であるスペランカー先生はその頃ギャルゲ高校に向かっていたが、当然二人は知る由もなかった。
F-3の橋が渡れない場合、怪しい洞窟に行くルートは大きく分けて二つ。
一つは西に進んでE-1の橋を渡って東に進路を変更して行くルート。
もう一つは川沿いに上流を迂回してG-5付近で北東に進むルート。
ここに付け加えると上流迂回ルートはG-5がこの時点で禁止エリアになっているのでさらに迂回する必要があった。
だがそれでも二人はそのルートを選択した。
禁止エリアに到達するまでに橋がなくとも渡河できる地点がある可能性に賭けたのだ。
結果、そんな都合の良い地点など存在しなかった。
しかも10時を過ぎたのでH-4まで禁止エリア化したために不本意ながら引き返すしかなかった。
リゼルグと別れてから数時間、二人の決意とは裏腹に時間だけが無為に過ぎていった。
そんな時にリゼルグからの手紙を携えたチビすけを発見したのだ。
――リゼルグ君……わたくしたちの手紙はきちんと届いたんですのね……。
――でも、『ありがとう』って、どういう事なんだろう?
――もちろん『手紙をくれてありがとう』ですわ。さあ、怪しい洞窟に急ぎましょう。
――え、でももしかしてリゼルグ君この近くにいるかもしれないよ。
――それはありませんわ。リゼルグ君はわたくしたちよりもずっと早くギャルゲ高校を発っているんですのよ。
――そっか、もうとっくに洞窟に着いているはずだよね。
――それにわたくしたちは大幅に時間を掛け過ぎてしまいました。だから急いで洞窟に向かいましょう、これを使ってね。
――あ、それは!
そうしてチビすけのデイパックに入っていた『金』と同じく将棋の駒である『銀』に乗ってF-3からE-4へ移動しているのだ。
(まだ確証があるわけじゃないから嘘にはならな……いえ、それは都合の良い思い込みですわね……)
あやかは分かっていた。
おそらくリゼルグがもう生きていないという事を。
確かに死んだという証拠はない。
だが手紙を渡すのなら直接渡せばいいのに動物に任せているところに、その時の余裕のなさが伺える。
何より手紙に書かれた『ありがとう』の文字を見ると、そう思えて仕方がない。
あの優しくも切ない、まるで最期に送る言葉のように書かれた『ありがとう』の文字を見ると。
(でも、もしも仮にリゼルグ君が生きているなら……いや都合の良い思い込みだとしても、この目で確かめるまでは……!)
実のところ、あやかは背後で何かが起きている事に気付いていた。
だが背後から伝わってくる様子はただ事ではなさそうだ。
そんな状況にスペードの2を巻き込むわけにはいかない。
いや、もしかしたらそれはただの口実なのかもしれない。
今あやかの心はリゼルグの事で麻の如く千々に乱れていたのだから。
◆ ◆
(たぶんリゼルグ君は死んじゃったのか。
それを僕に悟らせないようにしているみたいだけど、本当にあやかお姉ちゃんは分かりやすいなあ。
なんだか向こうの方で誰か戦っていたみたいだけど、藪蛇が怖いから放っておこう。
参加者同士で勝手に殺し合ってくれるなら、僕も楽だからね。
それにしても、みんな次から次に死んでいってホント馬鹿みたい。
あはははは、ははははは、ははは……ホント、勝手に死んでリゼルグ君も、馬鹿だよ……!
せめてあやかお姉ちゃんに会ってから……って、僕は一体何を考えているんだ!?
リゼルグ君なんて関係ない! 僕は僕の役割を果たすだけだ……)
【1日目 昼/F-3→E-4】
【雪広あやか@魔法先生ネギま!(漫画)】
【服装】麻帆良女子中等部制服
【状態】健康、少し迷走
【装備】ハマノツルギ@魔法先生ネギま!、銀@将棋
【持ち物】基本支給品一式、マスターボール@ポケモン、拡声器@現実、リゼルグからの手紙
【思考】
基本:殺し合いには乗らない。
1:当初の予定通り怪しい洞窟へ向かう(もしも生きていればリゼルグ君を止めたい)。
2:年下の男の子には優しくする。
【備考】
※リゼルグは死んだと思っています(でももしかしたら生きているとも思っています)。
【スペードの2@七並べ】
【服装】陵桜学園の制服(冬服/小早川ゆたかのもの)@らきすた、青無地のパンツ
【状態】健康、無意識の内にあやかに対して少し罪悪感&リゼルグに対して少し苛立ち
【装備】鉈@現実
【持ち物】基本支給品一式、式紙@シャーマンキング
【思考】
基本:無力な少年の振りをしつつ、自分の出来る範囲で殺し合いを促進させる。
1:あやかお姉ちゃんと一緒にいる。
2:そろそろ本来の役割(殺し合いの促進)に真剣に取り込もう?
【備考】
※リゼルグは死んだと思っています。
【チビすけ@ハムスターの研究レポート】
【状態】健康、アーサーっぽい猫の背に乗っている
【装備】水戸黄門の印篭@水戸黄門、アーサーっぽい猫
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本方針:家族の所に帰る。
1:とりあえずこの嘘付きな二人に付いて行く。
2:◆6/WWxs9O1s@カオスロワに再会したい。
3:この猫もっと愛想良くても……。
【備考】
※◆6/WWxs9O1s@カオスロワを対主催だと誤解しています。
※サザエを呪術師だと誤解しています。
※所詮ハムスターなので思考回路がアレです。
※かえるの事をどう思っているかはまだ不明です。
【全体備考】
※あやか・スペードの2・チビすけ・アーサーっぽい猫は全員『銀』に乗ってF-3からE-4へ移動中。
投下終了です
何かあれば言ってください
どうでもいいけどしばらく禁止エリアの存在忘れてSS書いていたみたいだった
何も知らないまま突っ込ませていなくて良かった
>>350 地図乙です
投下乙
禁止エリアが地味に嫌らしい
>>350 地図乙
投下乙&地図乙です。
大分各地の時間が進んできた感
……そうか、Fー3の橋の焼失、Hー4とGー5の禁止エリア化、
さらにはIー6の橋も禁止エリアだからマップの左下あたりはかなり進路が制限されてるんだな
スペ2くんは不穏分子だなあ、マーダーっぽいキャラ多めの中心部でどう動くか気になる
地図修正乙です
禁止エリア&破壊箇所が追加されていてGJ
◆6/WWxs9O1s@カオスロワで投下します
大きな胡桃の樹の下で〜 神様と6/〜 仲良くラジオしましょう〜 大きな胡桃の樹の下で〜♪
「皆の衆ごきげんよう。拙は国常立神である」
「みんな元気にしているか? 泣く子も黙る誤解王ことカオスロワの◆6/WWxs9O1sだ―――って、なんじゃこりゃあああああ!?」
「ではさっそくこのコーナーから。『この人に注目!』」
「おい、無視するんじゃ――」
「このコーナーでは毎回気になる人物をピックアップして、その人物について語る事になっておる。
今日は『◆6/WWxs9O1s@カオスロワ』について語るぞ」
「え、俺?」
「まずはこちらに注目」
――――
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【服装】血染めのウエディングドレス
【状態】疲労(小)、右腕をARMS『ジャバウォック』で代替、右目失明
【装備】格さんの刀@水戸黄門、ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@○ロワ、ウィンチェスターM1894(4/5)@カオスロワ、ポテト@葉鍵ロワ、国常立神@日本書紀
【持ち物】基本支給品一式×4(6/・下人・翔子・サザエ)、不明支給品×1(トーマス)、悟史のバット@ひぐらしのなく頃に、ガトリング砲(残弾数3000)@現実、
小豆袋@功名が辻、トーマスの首輪、クローバーの4、画鋲@現実、登山ナイフ、キングハートの日記、ハートのクイーン(人間形態)の写真
――――
「まず目に付くのは持ち物の多さだのう」
「まあ使える道具が多ければそれだけ選択肢は広が――って、なに状態表引っ張ってきているんだ!?」
「というわけで、最初は装備と持ち物の紹介から行くぞ」
「何が『というわけで』だああああああああああ!!!!!!!!!!」
【格さんの刀@水戸黄門】
水戸黄門に仕えるおなじみ渥美格之進(通称「格さん」)が持っている刀。
たぶん普通の日本刀。
ただ格さんは柔術(関口流)の使い手なので、戦闘シーンでは主に柔術で戦う。
「所謂初期装備だのう。汝の殺害数の半分はこの刀によるものか」
「ちょっと待て。格さんが柔術の使い手ってことは、この刀って……」
「いや、関口流は柔術・剣術・居合術も伝承するため剣の腕も一流には違いない」
「あ、そうなのね」
【ウィンチェスターM1894(4/5)@テラカオスバトルロワイアル】
西部開拓時代のアメリカにおいてウィンチェスター社が開発したレバーアクションライフルの1894年モデル。装弾数は5発。
カオスロワでは右代宮楼座が使用しているが、元の由来はうみねこ本編に出てきた金蔵コレクションの改造銃。
「うおおおおおおお来いよォオオオォ!!真里亞が込めてくれた銃弾を食らいたいヤツから前へ出ろよォオオオオ、うをおおおおおおおおおおオオオォオオオォオッ!!!」
「これは元々下人に支給されたものだのう。平安時代の住人には価値が分からずに使われなかったが、汝は運が良かったのう」
「まあ片手で撃てるのには助かったぜ。さっきまで誰かさんのせいで右腕が使えなかったからな。ところで3行目はなんだ?」
「詳しくは『うみねこのなく頃に episode2 - Turn of the golden witch』を参照」
(それにしてもカオスロワに右代宮楼座なんていたか……?)
【ポテト@葉鍵ロワイアル】
ゲーム「AIR」に出てくるヒロイン霧島佳乃のペット。
人間の言葉を理解する謎の毛玉生命体(一応犬らしい)で、鳴き声は「ぴこ」。
ハカロワでは無事に生還できたが、今回はその生還後からの参戦。
「こいつは元々サザエさんに支給されていたものであるが、今では随分と汝に懐いているのう」
「そんなの関係ねえ、ただの非常食だ」
「それにしても無事にロワから生還できたのにまたロワに連れてこられるとは不運だのう」
「おい、俺は6回目だぞ」
【悟史のバット@ひぐらしのなく頃に】
行方不明になった北条悟史(北条沙都子の兄)が素振りに使っていた金属バット。
本編では後に前原圭一が発見して、同じように素振りの練習に使っている。
そして二人ともそのバットで……。
「これも下人への支給品であるな。下人にしてみれば分かりやすい武器というわけか」
「でも単純に殺傷力なら刀や銃の方が上だから、使う機会は多くなさそうだな」
「それなら汝も素振りをしてみればどうであろう」
「誰がするかっ!」
【ガトリング砲(残弾数3000)@現実】
機関銃または機関砲の一種。
その威力は凄まじいが、かなりの重量で一人では取り回すのは難しい。
ちなみに翔子は魔法で身体能力を上げて楽に使い回していた。
「これは西島翔子というミリオタな魔法少女への支給品であったか」
「ああ、あの神経質な女か。いきなり俺の服装見て変態扱いしてきたんだっけ」
「それは汝のせいであろう」
「そういえば右腕復活したが、不用意に使ったら反動でヤバそうだな」
【小豆袋@功名が辻】
中に小豆が入った両端を紐で縛った袋。
戦国時代、織田信長の妹で浅井長政の妻であるお市の方が金ヶ崎の戦いの折りに信長に贈ったもの。
その意味は「浅井が裏切って織田が浅倉と浅井で挟み撃ちの危機に陥っている」というもの。
「田村令子のデイパックに入っていたハズレ支給品だのう」
「これも非常食だな」
「それにしても二つの勢力による挟み撃ちとは、誰かさんと同じではないか」
「…………」
【クローバーの4&画鋲@現実】
トランプのカードとただの画鋲。以上。
「これも田村令子のデイパックから出てきた物であるか」
「あれ、これいつのまに画鋲が刺さっているんだ?」
「知らぬな」
「はぁ、もしかしたら名簿のトランプと何か関係があるかもと思ったが、ハズレか」
【登山ナイフ】
登山用のナイフ……というわけでもない。
実は用途の面から見ると登山ナイフという分類はなく、本来は「アウトドアナイフ」という非常に広範囲で曖昧な分類が存在する。
「登山ナイフ」という区分はナイフメーカーもナイフ愛好家も当の登山家さえ使わない。
「これは先程肉片と化したキリコ=キュービィの支給品だのう。だが他にも役立つ物があった気がするが……」
「胡桃の樹で肉片と化した衝撃であいつの持っていた道具はそれ以外使い物にならなくなったんだよ」
「強すぎる力も考えものよのう」
「貴様が言うな!」
【キングハートの日記&ハートのクイーン(人間形態)の写真】
キングハートという人物の日記と、そのキングハートが想いを寄せているハートのクイーンの写真。
日記にはキングハートの愛情と狂気が詰まっている。
写真の裏には「クイーン!クイーン!クイーン!クイーンうううわぁあああああ(ry」というルイズクンカ改変が書いてある。
「これは狭霧嘉麻屋に支給された物か。こいつも他にいろいろ持っておったが……」
「キリコの時と一緒だ。それ以外は全部使い物にならなかったよ」
「それにしても、なんであろうかこれは?」
「俺に聞くな」
【国常立神@日本書紀】
日本神話で登場する天地開闢の際に出現した最古の神。
『古事記』では国之常立神、『日本書紀』では国常立尊と表記されている。読みは「くにのとこたちのかみ」。
性別はなく、また姿を持たない。
「ねぇどんな気持ち? 『絶対に国常立神には頼らない』とか言ったのに、また拙の力に頼ってどんな気持ち?」
「いい加減にしろ! そもそも1度目も2度目も俺はお前の力に頼る気はなかった!
俺の命が危ない事を出しにして貴様が勝手に力を与えたんだろ! 体の良い押し売りじゃねえか!!!」
「だがそのおかげで汝は死なずに済んだではないか」
「勝手に押し付けておいて後から知らぬ顔で代償を徴収って、随分と身勝手なやり方じゃねえか」
「またその話か。そろそろ覚悟を決めてはどうだ?」
「もういい、決着付けようぜ。ジャバウォック起動!」
「ほう、いいだろう。返り討ちにしてくれるわ」
「ウオオオいくぞオオオ!」
「さあ来い◆6/WWxs9O1s!」
ぴこっ
◆ ◆
「――ッ、ん……ああ、うたた寝していたのか……」
「ぴこっ」
「お前が起こしてくれたのか。それにしても何かおぞましい事が夢の中であった、ような……?」
目の前には灰色の壁、そして白い犬だと思われる生命体。
ここはB-4の都市部の一角にある某ビルの5階にある一室。
そこで目を覚ました◆6/WWxs9O1sは今に至るまでの経緯を思い出していた。
キリコを殺害した後、現状整理がしたくてどこか落ち着けそうな場所を探して見つけたのが今いる場所。
正直どこも一緒に見えたので適当に選んだ建物の適当な部屋だ。
ついでに食事も一緒に済ませようと思って、一連の作業は食べながら行った。
あと邪魔をされたくなかったのでポテトには殺した犬のデイパックに入っていた食糧(犬向けのもの)を与えておいた。
そして一人で黙々と今自分が持っている支給品を確認した後、先程の出来事について考察した。
キリコのサブマシンガンで撃たれて瀕死に陥った時に聞こえた「力が欲しいか?」という声。
そして新しく生まれ変わった右腕と、その説明書。
それらを総合すると何が起きたのか全容がつかめた。
まずこの新しい右腕の正体はARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』。
やたらいろいろ説明書に書いてあったが、おそらく国常立神と同じような感じで起動した物らしい。
当初はARMSとは馴染みがなくてどういうものか把握しきれなかったので使用するのを避けていた。
だが先程6/は瀕死になった際に自身に降りかかる理不尽に憎悪して力を求めた。
それが引き金だったのだ。
その時の目覚めのエネルギーで以てクルミの固有結界の強化版である神・クルミの固有結界が発動したというわけだ。
1度目よりも代償が軽かったのは目覚めのエネルギーの大半が代償を肩代わりした影響だろう。
そこまで解決したところで今までの疲れが一気に出たのか睡魔に襲われて不覚にもうたた寝してしまったらしい。
束の間眠っている間に何かおぞましい夢を見たような気もするが、よく覚えていない。
そして今に至る。
「ああ、もう次の放送が近いのか。ここで聞くとするか」
現在国常立神の創造の力とジャバウォックの破壊の力は6/の身体の内で拮抗している。
幸いなのはそれによってどちらの力もお互いに抑えられているという事だ。
それでも腕の一振りでデイパックを引き裂けるほどに力は上がっていた。
神の力を忌避しても勝手に押し付けられて難儀していた6/からすれば思わぬ効力だった。
だが強大な力が身の内で拮抗しているという事はそれだけ6/の身に負担が掛かっているという事でもある。
また今は均衡が保たれているが、そのバランスが何かの拍子に崩れた時に何が起こるかは予想ができない。
「あいつはまだ生きているんだろうか……それに高嶺響か……」
だがその事実に6/はまだ気づいていない。
図らずも神の域に達する力を2つも手に入れてしまった◆6/WWxs9O1s。
そんな彼の頭にはいくつもの事柄が巡っていた。
すぐそこに近づいた2回目の定期放送。
今はこの場にいないあいつ。
そして、先程自らの手で殺した書き手を痛めつけたという高嶺響という参加者。
2回目の定期放送まであと少し……。
【1日目 昼/B-4 都市部の一角の某ビル5階の一室】
【◆6/WWxs9O1s@カオスロワ】
【服装】血染めのウエディングドレス
【状態】疲労(小)、右腕をARMS『ジャバウォック』で代替、右目失明
【装備】格さんの刀@水戸黄門、ウィンチェスターM1894(4/5)@カオスロワ、ARMSコア『魔獣(ジャバウォック)』@○ロワ、ポテト@葉鍵ロワ3、国常立神@日本書紀
【持ち物】基本支給品一式×4(6/・下人・翔子・サザエ)、不明支給品1(トーマス)、悟史のバット@ひぐらしのなく頃に、ガトリング砲(残弾数3000)@現実、
小豆袋@功名が辻、トーマスの首輪、クローバーの4、画鋲@現実、登山ナイフ、キングハートの日記、ハートのクイーン(人間形態)の写真
【思考】
基本:全員殺して元の世界に帰る。
1:放送を聞く。
2:今度こそ絶対に国常立神には頼らない。
3:今のところポテトは殺さない。用が済んだら殺す。
4:余裕があったら首輪を解析する。
【備考】
※ポテトを保護したのは非常食にするためです。
※現在国常立神の力とジャバウォックの力は拮抗しています(でも均衡が崩れると……)。
※↑の影響でどちらの力もほぼ抑えつけられている状態です。
※トーマスと田村令子のデイパック及び基本終品一式は食事や腕試しでなくなりました。
※狭霧嘉麻屋とキリコ=キュービィの持っていた物は6/が回収したもの以外は使い物にならなくなったようです。
投下終了です
何かあれば言ってください
国常立神の口調が難しかった、さすが神様
投下乙!
夢の中とはいえ国常立神、やりたい放題だなw
投下乙です
爆弾持ちがまた一人・・・
室賀豹馬で投下します
一歩、二歩、三歩、四歩、五歩。
『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる。28、27、26……』
地面に印を付けてから後ろに大きく一歩。
左に一歩、二歩、三歩、四歩、五歩。
右に一歩、二歩、さ(ry
『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる。28、27、26、25、24、23……』
地面に印を付けてから後ろに跳んで一歩。
左に大きく一歩、二歩、三歩、四歩、五歩、六歩。
右に一歩、二歩、三歩、四歩。
『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる。28……』
地面に印を付けてから後ろに大きく一歩、二歩、三歩。
「なるほど、そっちはどうだ」
「豹馬の旦那、ぴったり北に一直線で間違いないですぜ」
甲賀の忍者室賀豹馬とエロオコジョ妖精アルベール・カモミール。
一人と一匹がこのような行動をする原因は少々時間を遡る。
9時に禁止エリアになるI-6付近にいる参加者と接触しようと考えて北へ進んでいた豹馬はしばらくして奇妙な体験をした。
『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる』
突然首輪から社長の音声が流れてきたのだ。
最初は奇妙奇天烈な出来事に驚愕した豹馬だが、そこは甲賀卍谷十人衆の一人に名を連ねるほどの忍び。
すぐさま自らが置かれた状況を理解するや、一足で数メートルほど後退して事なきを得たのだった。
ひとまず落ち着いたところで記憶していた地図と先程の放送内容を照合。
瞬時にこの場がJ-6とI-6の境界付近という事は容易に推測できた。
(なるほど、やはり猶予はあるようだな)
最初に全員が集められた時に社長が命じたのは「最期の一人になるまで殺し合う事」であった。
つまり現状いくらかの例外があったとしても極力参加者同士で殺し合う事が望まれている状況だ。
それならば進入禁止エリアに入ったとしても即首輪爆破にはならないと踏んでいたが、果たしてその通りであった。
もしもそれで即爆破されるなら露骨に反抗を企てているキラやスザクが生きている事に説明が付かない。
(そうなると怪しいのは下か)
そして禁止エリアとの境界を調べる事も兼ねて、その付近の地面の調査を行ったのだった。
どのような仕組みかは知らないが、何かを仕掛けるなら普通は死角となる足元と相場が決まっている。
不思議と天沼矛で地面を掘る事は容易かったので作業は滞りなく進んだ。
特にエリアの境界線の交差する場所は念入りに調べた。
ちなみに豹馬自身は盲目だが境界線を割り出すのは然程苦労しなかった。
首輪から警告が流れる場所さえ正確に把握すれば造作もない。
カモにもコンパスで以て確認させたのでおそらく間違いはない。
しばらくすると豹馬はJ-6とI-6の境に沿って西へ進み、交差点を割り出し、ついにI-5とI-6の境を見出すまでに至った。
だが結局判明したのは地図の区分けが正しい事とエリア1つが10町弱つまり約1km四方である事。
確かにだいたいの距離が判明したのは大きい。
おおよそとはいえ距離が分かれば移動の際に余計な手間が省ける。
わざわざI-6の川下から西に向かって歩幅と歩数で距離を測った甲斐があった。
後からカモに川がある場所と境界までの比を確認してもらえばおおよその距離を求める事ができた。
しかし肝心の交差点では目ぼしい発見はなかった。
あるいはもっと深く掘れば何か分かったかもしれないが、確証も無しにこれ以上時間を掛けるわけにもいかなかった。
だから今はここまでだ。
「さて、行くか」
「あの、豹馬の旦那」
「ん?」
「えっと、あの出来れば兄貴を探す方向でいってもらえやしませんか?」
「なぜだ?」
「いや、そうしてくれると俺っち的には、それはとっても嬉しいなって」
「……一通りこの辺りを見回ったらC-6の豪邸に行く」
「ご、豪邸すか?」
「お前は袋の中で寝ていたから知らないだろうが、正午にキラとスザクという者達とそこで集まる手筈になっている」
「へー、そんな事が……」
「ネギと云う者の情報があるといいな」
「旦那あああ、恩に着ますぜえええ」
【1日目 午前/I-5南西部 I-6との境界付近】
【室賀豹馬@バジリスク〜甲賀忍法帖〜】
【服装】江戸時代の医者姿の装束
【状態】健康
【装備】ムラサーミャ&コチーテ@バッカーノ!、カモ@魔法先生ネギま!
【持ち物】基本支給品一式×2、天沼矛@古事記、デジヴァイス@デジモンアドベンチャー、首輪(ハルヒ)
【思考】
1:I-5周辺で情報収集と手足になりそうな者を見つけたい。
2:正午にはC-6の豪邸に赴く。
3:一応キラとスザクに協力する。
4:もしも殺し合いに乗った方が得策なら……。
【備考】
※死亡後からの参戦です。
※参加者が別の世界から連れて来られた可能性が高いと考えています。
【全体備考】
※1エリアはだいたい1km×1kmみたいです(概算)。
投下終了
何かあれば言ってください(勝手に距離決めちゃいましたので)
投下乙です
ついにエリアの広さが!豹馬さんは頼れる男だな…
広さは1km四方でおkだと思いますー
投下乙
こういうのを燻し銀っていうのかな
スーパーサイヤ人10とかインフレが凄まじいな
猫たちのなんともキマっちゃってるシーンとそれ以上に恐ろしい六条が印象的
投下しようと思ったら用事が入ってしまったのでプチ予約
たぶん今日8時〜10時くらいに投下します 秋山、黄桜可憐、ビブリ、ゼロ(ハン)で
D-9、伝説の木がある森林エリアは、異様な緊張感に包まれていた。
殺し合いをさせられている以上、常に緊張感を忘れないことは確かに大事だ。
しかし今、伝説の木の下に集まった者たちがしようとしているのは、殺し合いではなかった。
「……最後に。カードを置ける場合にあえてパスを選択することもある。ただしパスは三回まで。ルールは以上だ」
ルールを説明し終えた男の声に、その場に居合わせた者はみな頷く。
黒シャツの嘘使い――秋山深一。
玉の輿狙いの少女――黄桜可憐。
線で出来たウサギ――ビブリ。
そして、羅将豪傑――ゼロ(旧名:ハン)。
出自も体格も、容姿も時代も違う。
住む世界の異なる四名が集まって何をしようとしているかといえば、とあるゲームだった。
張りつめる沈黙の中、ゲームの主宰たる秋山が立てる、固めの紙をこすりあわせるような音だけが響いている。
その紙は一般に絵札と呼ばれ、世界中で様々な遊戯に使われる紙。
秋山がシャッフルしているのはトランプだった。
「じゃあ、始めるとしよう――”七並べ”を」
宣言がなされ、円状に並んで座る四人(正確には三人と一匹)に、52枚のカードが均等に配られる。
ゲームの名は”七並べ”。
この殺し合いを仕組んだ者の世界を象徴する単語と同じ名前のゲームだ。
(といっても、彼らはまだそれを知らないが)
秋山は、正々堂々とカードを配っていく。
イカサマは出来ない。
酒に仕込まれた毒さえ見抜く目を持つゼロ(ハン)がいる限り、この場の支配権は彼に握られている。
「ダイヤの7を出したものが最初の手番。そこから時計回りでいいか?」
「うむ」
「ええ」
「ワカッタヨー」
ルールを確認し、四人は一斉に手札を見る。ある者は落胆し、ある者は知られないように微笑む。
ほどなくして、数字の7を冠する札が、木の皮を剥いで作った即席の絨毯に並んだ。
S*××××××7××××××
H*××××××7××××××
D*××××××7××××××
C*××××××7××××××
「……ダイヤ(D)の7よ。あたしからね」
富の象徴たるダイヤの7を手にしたのは、超セレブである有閑倶楽部の可憐。
なぜだか重い雰囲気の中、落ち着かない風に辺りを見回しながら可憐はスペードの8を置く。
スペードの8――七並べの初手としては安定の手だ。
(手札は悪くない……。上手く秋山とゼロの札を止めることができれば、ビブリかあたしが”一抜け”できるはず)
可憐はじっくりと手札を眺め、また他者の顔色を伺いながら戦略を立てていく。
まさかこんな場所で七並べをするとは思っていなかったから、思考はどちらかといえば不安定だ。
他の場所では殺し合いが行われている。
ここにたどり着く際に別れたミンウだって無事ではないかもしれない。
なのに今、可憐たちはのんきに遊んで――いや、正確には遊びではないのだが、
それにしたって、卓を囲んで七並べをしている今の状況は”殺し合い”とはかけ離れすぎていて。
複雑な気分だった。
(とにかく、勝たないといけないわ。……勝たないと、どうなるか分からないもの)
隣でビブリが脳天気に、しかし確実にスペードの9を置く。
秋山はポーカーフェイスを崩さずに、じっと自分の手番を待っている。
可憐は深く息を吐いて、胸のざわめきを落ち着かせた。
正面に向き直ると、そこにはゼロの名を冠する男が座している。
「俺はダイヤの6を置こう」
楽しそうに笑いながら、大きな体躯に不釣り合いな小さなトランプを札を場に置くこの男。
すべてはこのゼロが発端だった。
そう、あれは、十数分前のこと。
◆◆◆◆
アルフレッドとの死別を悲しんでいたビブリと可憐の下にまず現れたのは秋山だった。
秋山は、伝説の木にもたれるようにして座り込んでいた二人を見ると、開口一番にこう言った。
「ようやくまともそうな人間に遭えたと思ったんだがな」
「な、なに!? あたしはまともな人間のつもりよ!」
「こんな場所で周りを警戒せずに泣いているやつが、まともな神経とは言えないぜ」
「……う」
秋山は何があったのかを可憐とビブリに尋ねることもなく、二人が周りを気にせずに泣いていたことを諌めた。
といってもこのときはビブリは泣き疲れて寝ており、可憐の腕の中に横たわっていたから、
小さな嗚咽を漏らしていたのは可憐だけだったのだが。
確かに、可憐はそばの茂みから秋山が現れるまで周りを気にする余裕さえなかった。
「それは、認めるわ。でも……それだけのことがあったのよ」
「当たり前だろ。70人も死んでて何もないわけがない。俺の周りでも、2人死んだ。訳も分からずな」
「……あなたは何が目的なの?」
「さあ、な。ただ、今欲しいのは”駒”だ」
「駒?」
「俺が使えた有用な駒は、もう使ってしまった。残っているのはこれだけ」
そう言って秋山は、ジーンズのポケットからトランプの入ったケースを取り出す。その右手には腕時計。
秋山の支給品はこのトランプと腕時計、すでにひんしとなったスライム状の生物だけらしい。
「何の機能もない腕時計とトランプじゃ、この先頼りないからな。あんたから支給品を貰いに来た」
「貰う、って……奪うつもり?」
「確かに、暴力で奪うことも選択肢の一つには入るが――聞こえるか? この足音」
「足音?」
言われて耳を澄ませてみると、確かに可憐の耳は足音を捉えた。
ざ、ざ、ざ。
茂みを踏みながらこちらに近づいてくる音はとても強い。ただの足音だというのに、”強さ”が感じられる。
「誰、なの、これ。貴方の仲間?」
「いや、敵だ」
「敵ですって?」
「遠目にだが見た。王様じみたマントを羽織った、プロレスの……いや、拳で戦いそうな騎士のように見えたな。
マントは血に塗れていたから、殺し合いに関わった奴であることは確かだ。俺やあんたが勝てるような相手じゃない」
「じゃあ、まず逃げなきゃ! こんなところでのんびりしてたら」
「死ぬだろうな。だから交換条件だ。俺はあの男からお前たちを生かしてやる。だから、お前たちの武器を貰う」
「生かしてやる、って……」
いまいち相手の理屈が飲み込めない可憐。そのあいだにも足音は近づいている。
もうすぐ伝説の木が見える場所まで来てしまうだろう。
「意味わかんないわ。貴方が私たちの支給品を持つかわりに、囮になってくれるってこと?」
「少し違う。支給品は生かした後の報酬だ。いや、”ゲーム”の報酬ともいえるか?」
「ゲーム? ああもう回りくどいわよ! はっきり言ってちょうだい!」
「――”七並べ”だよ」
「え?」
「いまから俺たちは”七並べ”をする」
何を言ってるの?
そう可憐が再度問おうとしたその時、
「フア〜 ヨクネタヨ!」
と言ってビブリが起き上がり、
「秋山。どうだ、少しは骨のあるやつがいたか?」
と言って、茂みからダンディな顔の男が現れた。
――え?
可憐は新たにこの場に現れた男、ゼロ(ハン)の言葉に違和感を覚えた。
秋山……こっちの男の名前だろうそれを、なぜあの男は知っているんだろう?
慌てて秋山の方を見ると、秋山はゼロの方を見て、
「ああ”ゼロサマ”。頭数が揃ったぜ。ゲームを変更しないといけない」
「そうか。……女か。これで3人か?」
「え、ええっ?」
「ナンダカ ヨク ワカンナイ ケド ! ビブリ モ イルヨ〜!」
「うお!? なんだこいつ。またL字ブロックの類か」
「4人か。フハハ、面白い」
偶然にも可憐以外の三人がそこで名前を交換しあう。
こっちの黒シャツの男は秋山、向こうのダンディなおじさま(世紀末風)はゼロというらしい。
自己紹介をしてない可憐だけが場の空気に取り残された形になる。
もはや何が起きたのか分からず、頭がパンクしそうだった。
「さて、首の数はこのくらいでいいだろう。秋山、説明は?」
「してないぜ」
「仕方のないやつめ。いいか。良く聞け、女、そして奇怪な動物よ。俺の名はゼロ。命のやりとりをしに来た」
「イノチ……!? オマエ ワルイ ヤツ ダナ!」
「え、あ、待って、ビブリ!」
未だに状況を把握できていないビブリがゼロの言葉に反応して、ゼロにおどりかかろうとする。
しかし、踏み出そうとしたその矢先――ビブリのうさぎ耳の先を”なにか”が掠めた。
次いで轟音。
と共に、ビブリの横……伝説の木の幹に、人の頭ほどの大きさの衝撃痕がつくられた。
それは一歩も動かぬままにゼロが放った神速の拳撃によってつくられたものであったが、
ビブリや可憐には、いきなり木の幹に衝撃波がぶつかったようにしか見えなかった。
飛び出そうとしていたビブリが、止まった。
「……!?」
「”斬風燕破”」
そしてそのまま動けなくなる。ゼロの見えない拳への本能的な恐怖が、一時的にビブリを支配していた。
――さあっと可憐の額が青ざめる。
可憐の残りの支給品は、”げんきのかけら”という健康食品らしきものと、熊用の猟銃が一丁だ。
だから秋山が「俺やあんたが戦って勝てるような相手じゃない」と言った時も、
猟銃を放てば、勝てずとも逃げられるのではと思っていたのだ。
……無理だ。銃ごときでは。
恐怖のあまり冷静になった頭は、抗いようのない現実を可憐に認めさせた。
強さが、違いすぎる。
「バカが! 話は黙って聞け。死ぬぞ。
逃げても死ぬがな。”ゼロサマ”は逃げる者がお嫌いだ」
「そう言ってやるな秋山。この者どもは赤子なのだ、お前も含めてな。
話を続けよう――俺はゼロ。修羅の国の羅将の一人だ。
この秋山もお前たちも、俺は今の通り、すぐに殺せる。
70人が死んだと聞いて、少しは骨のある奴が残っているのかと思っていたが。とんだ期待外れよ。
これでは楽しめない。俺は今、飢えているのだ。命のやりとりをするときの、あの血の煮えたぎるような風情にな」
「――だから、これだ」
秋山がトランプのケースを高く掲げる。そのあと、「七並べでいいか?」とゼロに聞く。
ゼロは数秒黙り込んだあと、頷く。そして再び語り始める。
「俺はこの秋山に出会い、殺す寸前、提案されたのだ。ゲームを行え。それで命のやりとりをしろ、とな。
この修羅の王ゼロに対して命令をしたのだ、この男は! 面白いとは思わんか?
つまりは、バトルロワイアル内バトルロワイアルというわけよ。
主宰は俺と秋山。参加者はここにいる四名としよう。
いいか、今から行うゲーム。”七並べ”の勝者一名は、下位の者に絶対の命令を下せる。それがゲームのルールだ」
「……拒否権は、ないのね」
「当然ない。俺は勝ったら、お前たち三名に死ねと言う。
いや、ゲームですら勝てぬような者ども、勝ちが決まった瞬間に屠ってくれる。
ただしお前ら三名、誰か一人が勝った場合は――俺に死ねと言っても構わんぞ」
大胆不敵にそう宣言したあと、ゼロはこちらに近づいてきた。
ど、ど、ど。威圧感を持ったその姿に、可憐とビブリは何も言うことができない。
ようやく頭が追いついた。
秋山はゼロにすでに会っていたのだ。
ゼロに殺されかけた秋山は、起死回生にゲームを提案。しかしそれを行うには人数が足りなかった。
あるいは伝説の木の様子を見てから行うことにした。
故に、ゼロは警戒されないよう、伝説の木の様子を秋山に見に行かせる。
そして秋山は可憐とビブリを見つけ、この場に二人を足止めした。
ゲームの頭数を増やして、ゼロが命のやりとりをより楽しめるように。
何より、自分の生き残る確率を少しでも上げるために……秋山は可憐とビブリを利用したのだ。
(あたしたちの気持ちなんて、最初から関係なかったってことね。秋山――こいつ、なんて奴なの!)
もはや逃げることはできない。
秋山が現れた時点ではここから逃げることもできたのに、可憐とビブリが死ぬ確率は一気に跳ね上がってしまった。
でも確かに、これで”三人が生き残る確率”は、上がる。悪い賭けじゃなくなる。
もちろん、ゼロが素直に言うことを聞いてくれたらの話だが。
「異論はないな。なら始めよう。”ゼロサマ”、その木の皮をはがしてくれ。絨毯にする」
しれっとまたゼロに指図している秋山を、可憐は力の限り睨んでやった。
だが秋山はこちらを見ることもない。
自分たちを騙していたくせに、まったく悪びれる様子が無かった。本当にムカつく奴だ。
(いいわ、やってやるわよ。でも貴方の思い通りにはさせないわ。あたしが一位になってやる)
木の皮をびりびりと剥がすゼロを見ながら、可憐は密かにそう決意した。
――とにかく、七並べは始まることになった。
ゼロ(ハン)は七並べの詳しいルールまでは知らなかったらしく、
ビブリに至っては全くルールを知らなかったため、秋山が簡単にルールを説明する。
「今は9時50分。あと1時間ほどでこの場所は禁止エリアになる。時間はまだ充分あるが、一応巻きで説明するぞ」
【七並べ(オールロワ仕様) ルール】
・52枚のトランプをよく切り、13枚ずつ分けて手札とする。この手札が最初に無くなったプレイヤーの勝利。
・まず7を持ったプレイヤーが7を縦に並べて置く。ダイヤの7を持っていた人が最初の手番で、ここから時計回り。
・自分の手番ではカードを一枚置くか、パスができる。
・置けるカードはすでに出ているカードの隣のカードのみ。また、AとKは繋がっているものとみなす。
(例)クローバーのA234567が出ていたら、クローバーの8とKが置ける。
・パスは3回まで。
・出せるカードがあってもパスをしていいが、3回パスをしたプレイヤーは、出せるカードを必ず出さなければいけない。
・その状態でパスをしなければならなくなった場合、”脱落”となる。
・”脱落”したプレイヤーは”脱落”していないプレイヤーより必ず下の順位になる。
・今回は特別に、”脱落”したプレイヤーもそのままゲームを続ける(ルール説明省略のため)。
・ただし手札は全て公開しなければならない。パスもできない。
・一位になったプレイヤーは、下位のプレイヤーに命令が出来る。
【参加者】……黄桜可憐、ビブリ、ゼロ(ハン)、秋山深一。手番はこの順番。
そして――時間は冒頭に戻り、ゲームは開始されたのだ。
ダイヤの7を引いたのは可憐、そこから手番は回り始め・……時間は一気に進んでいく。
◆◆◆◆
「パスだ」
「な……?」
――あれから何分経っただろうか。命がけの七並べはゆっくりと、しかし確実に進行していた。
S*×××45678910JQK
H*××××××7××××××
D*××34567××××××
C*××××××78910×××
置かれているカードは全体の半分弱ほど。手札は、可憐が8枚、ビブリが8枚、ゼロが7枚、秋山が9枚。
そして今――秋山が3回目のパスをした。
これで秋山はもう後がなくなる。ここからは、出せる札を必ず出さなければいけない。
まだ中盤、ともすれば序盤なのにどうして? と思ったが、次は可憐の番だった。
思考は中断される。
(あたしの手札は……悪くはない。ハート(H)の8はまだ止められる)
七並べの基本的な戦術は”相手の札を止める”ことにある。
例えば、7に近い8を手札にずっと溜めておく。
そうすれば他のプレイヤーは、それに続く9〜Kまでを置けなくなる。
今のハート列のように6と8が出ていない場合なんか、ハートは一枚も置けない。これを利用して、
相手が出せないカードにやきもきしている間に他の手札を減らせば勝ちは近づくのだ。
可憐はハートの8を持っていた。
パスはまだ1回しか使っていない。ここでパス、という選択肢もあるが……。
「あたしは、スペードのAを置くわ」
「ジャア ビブリ ハ、スペードノ 3!」
「俺はスペードの2を置く。ハハハ、これでスペードは埋まったな」
スペード(S)がこれで埋まった。残りカードが少なくなった列は消化試合。早く埋めるに越したことはない。
そして、次の番の秋山は必ずカードを置かなければいけない。
パスを続けてきたということは、置きたくないカードがあったということだろう。可憐のその読みは当たっていた。
S*12345678910JQK
H*××××××7××××××
D*××34567××××××
C*××××××78910×××
「俺は――クローバー(C)の6を置く」
秋山はクローバーの6を止めていた。これで可憐の持っているクローバーの2、3、4が置きやすくなる。
連番で手札にあるカードは、一度置けるようになれば安心できるが、それまでが怖い。
なるべく早く置ける体制を整えるべきだった。
手番が回って可憐の番。
残念ながら、現在置ける手札はダイヤの2とハートの8のみ。置いてもあまりメリットがない。
「あたしはパス」
パスを選択する。
秋山が確実に一枚はカードを放流する以上、クローバーの5が出ることにここは賭けてみる。
次の番、ビブリがクローバーのJ。そしてゼロはダイヤの8を置く。
「喜べお前ら。ダイヤの8を置いてやったぞ、フハハハ」
「ヤッター! ゼロ アリガト!」
「……」
「次は俺だな」
ゼロはカードを置くたびにこんな調子で、いまだ趣旨がよく分かってないビブリと同じくらい溌剌としている。
現時点で残り手札は可憐7枚、ビブリ6枚、ゼロ5枚、秋山が8枚。
そしてパス回数は、可憐2回、ビブリ1回、ゼロ0回、秋山が3回。
手札が腐りやすいこのゲームで、ここまでパス無しで行っているゼロは運がいいと言える。
(いえ……運だけじゃ、ない)
ゼロの顔を見ると、楽しそうに緩めている頬とは対照的に、瞳の奥は妖しいほどに冷たい。
パスが0回なのも彼なりの戦術を立てた結果なのかもしれない。
だが。
手札を減らしても、置けないカードが残ってしまったら意味が無い。
むしろ相手の置けるカードを増やすだけで勝利は遠のく。
初心者のゼロはそこまでは読めていないはず……そう信じて可憐は、もう一度場と手札を見る。
S*12345678910JQK
H*××××××7××××××
D*××345678×××××
C*×××××678910J××
可憐の残り手札はハートの2、8、ダイヤの2、クローバーの2、3、4、K。
次の番である秋山が置くかもしれないのは、
可憐が止めているハートの8とダイヤの2を除く4か所(ダイヤの9、ハートの6、クローバーの5、クローバーのQ)だ。
このうち、ダイヤの9を除く3か所、とくにC列のどちらかが置かれれば可憐の勝利が近づく。
(さあ、秋山……貴方は何を置くのかしら?)
秋山はこのゲームを仕掛けた張本人。
最後には可憐が微笑むつもりだが、まさか秋山がこんなところで脱落するはずがない。
パスを使いきったのも作戦の内なのだろう。そう可憐は思っていた。
しかし秋山は――置かなかった。
「俺はパスだ」
「……えっ?」
いや、置けなかったのだ。
驚く可憐の声に続いて、ビブリとゼロも目を見開いた。秋山の口から出た言葉はそれほどのものだった。
秋山はポーカーフェイスを崩していない。不気味なほどに冷静だ。
代わりに、他三人の動揺は隠しきれないものだった。
ビブリはあんぐりと口を開けていたし、ゼロでさえ「お前が一番に脱落するとは」と顔をしかめている。
秋山深一は、脱落した。
(……最初の手札が悪かったの? いえ、ならクローバーの6をさっさと出してしまうはずだわ。
3回目までは、出せるカードがあるのにパスをしていた。じゃあ単純に読みミス?
いえ、ゲームの主宰者がそんな初歩的なミスを犯すとは)
納得いかない可憐は、秋山の腹積もりを探ろうとあれこれ考える。
――そういえばルール説明のとき秋山は、「時間の省略」と言って、あるルールに若干の変更を加えた。
本来なら脱落したプレイヤーは、残りの手札をすべて場に置くことになっている。
しかし、そうすると置ける場所がどこなのか分かりづらくなるため、
今回は特別に、脱落したプレイヤーもそのままゲームを続けることになったのだ。
ただし手札は全て公開しなければならないし、パスもできない。
(それに、脱落したプレイヤーは脱落していないプレイヤーより必ず下の順位になってしまう。
わざと脱落しても不利になるだけじゃないの?)
いや、でも……可憐の思考回路がなんとか回答を導き出そうとしていた傍らで。
秋山は自ら決めたルールに従って、静かに手札を公開する。
「俺はルール通り、手札を公開してゲームを続ける。さあ、次はお前の番だ、黄桜可憐」
「え、ええ。ちょっと待って。今考え事を」
生返事を返しながら――可憐は秋山が公開した手札を見る。
秋山の手札は。ハートの3、4、5、9、10、そしてダイヤの1、10、Jだった。
ハートが、5枚?
え、嘘、しかも、これって。
慌てて周りを見ると、ビブリとゼロには表情の変化が見られない。
二人は気付いていないらしかった。
もう一度場を見る。
そして手札と、秋山のカード。ここからのゲーム展開を見る。
可憐は頭がいいわけではない。しかしビブリやゼロと違って、七並べの経験はある。
だから気づいた。
「あ、あたしは――ダイヤの2を置くわ」
もはや可憐は、乾いた笑いを浮かべながら、夢遊病者のようにカードを置くしかなかった。
◆◆◆◆
ゲームは終盤に差し掛かり。残り手札は可憐1枚、ビブリ2枚、ゼロ2枚、秋山2枚。
そして、パス回数は可憐2回、ビブリ3回、ゼロ3回、秋山4回。
七並べの場はといえば――、
S*12345678910JQK
H*×××456789××××
D*12345678910JQK
C*12345678910JQK
このありさまだった。秋山が見せている手札は、ハートの3と10の二枚。
そして、次は可憐の番。可憐が持つ1枚は、ハートの2。
置けない札。
「パスよ」
「パス…… ビブリ ダツラク……」
「なるほどな秋山。パスだ」
当然三人に1回づつパスが加算されて、ビブリとゼロは脱落。秋山の番になる。
秋山が置けるのは二か所だが、ここでヘマをする秋山ではない。
「黄桜。お前はハートの8を止めていた。だから、ハートの9以降のカードは手札にない。そうだろ?」
「……」
「俺が置くのは、ハートの10だ」
「あたしの番。……パスよ」
可憐も4回目のパスで、脱落。そう、つまりここで、”全員が脱落した”ことになる。
「ルールを、もう一度確認しよう。
七並べは手札が無くなった者の勝ち。そして、
脱落したプレイヤーは脱落していないプレイヤーより必ず下の順位になる。
つまり、全員が脱落してしまえば――また手札が無くなった者から勝ちになる」
「ウウ……ビブリ ハ ハートノ J ヲ オクヨー」
「提示されたルールでこの展開を見抜けなかった俺の敗北か……ククク、俺はQを置く。
これで全員が残り一枚。しかし、」
「そう。次は俺の番だ」
全員が一斉に秋山の方を向く。
秋山はここに来て始めて、その口元に笑みを浮かべていた。
最後の手札、ハートのが場に置かれ――ゲームは、決着した。
【ゲーム終了】
◆1位◆秋山深一
◆2位◆黄桜可憐
◆3位◆ビブリ
◆4位◆ゼロ(ハン)
「フハハハハ! あっぱれだ、秋山! 面白い、実に面白いぞ!」
ゼロは嗤った。
立ち上がり、溢れる闘気を発散させるように両手を広げ、伝説の木を見上げながら呵々大笑した。
その姿に、今から自分が死ぬかもしれないという恐怖は微塵も存在しないように見える。
可憐は恐怖する。
秋山が一位になったことよりも――ゼロがただ、純粋にこのゲームを余興として楽しんでいたということに。
自分の命でさえ、この羅将にとってはゲームの”駒”にすぎないのか?
ここに来る前、有閑倶楽部として様々な事件や変人に携わってきた可憐だったが、こんなのは初めてだ。
命で遊んでいるような人間は。
「黙れゼロ。”しゃべるな”。俺が一位だ。だから、俺はあんたに命令する権利を持つ。そうだろう?」
今、可憐とビブリとの約束通り、デイパックを漁っている秋山も同じだ。
七並べは最初の手札があまりにも悪ければ、少なくとも一位は取れないゲーム。
僅かな差で秋山が一位になったが、秋山の勝率は6割、よくて7割といったところだったはずだ。
上手くいかなければ死ぬ。
そんな中ゲームを勝ち抜いた秋山もまた、命を賭けていたことに変わりはない。
比べて可憐とビブリはといえば、ただ巻き込まれただけ、利用されただけだ。
そこに可憐やビブリの意思は何一つ介在していない。
可憐は悔しくなる。
だが……これで可憐とビブリ、秋山の生存は確実なものになった。
秋山にはあとでひたすら文句を言ってやろう。そう決めた可憐は、とりあえずの危機から脱した安堵から、
「ふむ。では秋山。お前は何を望む? 俺を殺すか。それとも、俺を配下に置くか?
ククク、良いものを見せてもらった礼だ。どんな命でも受けてやるぞ」
「俺は、あんたには命じない。なぜなら俺は――もう一つ。あんたたちに嘘をついているからだ」
「え?」
息を吐こうとしたそのとき。ゼロの問いに対する秋山の答えに、ため息は驚きに変わる。
これ以上、嘘を吐いてるって? 可憐が秋山を見ると、
秋山は可憐のデイパックを担ぎながら右手の手の甲をこちらに向けていた。
手の甲のすぐ下、秋山の支給品である腕時計は、”10時25分”を指している。
ゲームを開始したときは9時50分ほどだったはずだ。
30分以上も七並べをしていたのか……思った瞬間、秋山が口を開いた。
「この腕時計だが。ゼロ、あんたが俺を偵察に行かせたときに……ぴったり30分、時間を遅らせてある」
「なに?」
「え……!?」
「放送は6時ぴったりだったから、そのときまではこの時計は正確だっただろうな。
そう。今の本当の現在時刻はこの時計に30分プラスして――10時55分だ。
このD-9エリアが禁止エリアになるのは、いつだったか覚えているか?」
秋山が急に、意識をそらしていた左手からモンスターボールを投げた。
ボールから出てきたピンクのスライムは形を変えずに大きく広がり、
その場にいた他三人を包み込むようにして閉じる!
「ぬ」
「ウワーッ?」
「きゃあッ!?」
可憐が持っていた”げんきのかけら”はひんし状態のポケモンの体力を半分回復させる。
メタモンは、わざとしてはへんしんしかできないが――、
伸縮自在のその体は、3人を一斉に拘束することができる。
秋山はそれを使った。
可憐の身体はみるみるうちに弾力のあるゴム状のそれに締め付けられる。隣ではゼロ、そしてビブリも。
これでは動けない。
「地形と地図、歩いた距離と時間を照らし合わせれば、エリアのだいたいの広さは分かる。
俺の足でも5分あれば禁止エリアから抜けれるだろうな。だが、あんたたちはどうかな……?」
「秋山……貴方、あたし達を助ける代わりにって!」
「あれは嘘だ。お前、初対面の人間の言葉を信じてたのか?
とんだお人よしだな……だから生き残れねーんだよ。じゃあ、またな」
秋山は可憐たちのほうを振り返ることもなく、走ってその場から立ち去った。
徐々に小さくなっていく影を見送りながら、可憐は突然崖から突き落とされたような気持ちになる。
(そん、な!)
秋山が狙っていたのは最初からこれだった。この森の中、時計が一つしかないことを使った、時間のトリック。
七並べは、D-9が禁止エリアになるまでの時間稼ぎだったのだ!
禁止エリアによる首輪の爆発からは逃れられない。
あと5分で拘束を脱し、エリア内から出なければ可憐は死んでしまう。
やはり秋山を信じるべきではなかった。
嫌な奴だと思いながらも、可憐は最初に彼が言っていた「助ける」という言葉を信じてしまっていた。
だが全部嘘だったのだ。本当に秋山は最初から自分のことしか考えていなかった。
「待って……待ちなさいよ! 貴方、人を巻き込んどいて、そいつ見捨てて逃げるっていうの!」
可憐はもう藪の向こうに行ってしまった秋山に向かって叫ぶ。
答えは当然ない、叫んでも無駄だと分かっている、でも、叫ばずにはいられない。
傍らではビブリが何か言おうとしているが、メタモンに口をふさがれておりモゴモゴと音を立てている。
「あたし達は貴方の何だったの!?
自分だけじゃなく、他人の命まで、駒だったっていうの……!? ふざけないで、ふざけないでよっ!!」
涙が一粒、いや、二粒、三粒とこぼれた。
希望的観測に身を任せ、現実を見ようとしなかった自分に向かって一粒。
ジェレミアから逃げることしかできず、ゼロや秋山にすら従うしかなかった自分に向かって一粒。
三粒目は憎悪だ。
秋山に対する、憎悪だった。
可憐の心の中にこんなにどす黒い感情があったのかという程に、深い怒り。
「うう……あああ、あぁあ!!! 秋山!
なんとか言いなさいよ! 逃げっ、あ、うぇあっ、逃げないでよ!
あたしを助けてよ! 何なのよ、ねぇっ、アルフレッド、ミンウさん、誰か、嫌、死ぬなんて、嫌よ!」
三粒目が、増えていく。
自分のどうしようもない部分を塗りつぶすほど強い憎悪が可憐の心を黒くしていく。
暴れる、拘束をなんとか振り切ろうと暴れる、でも外れない、非力だから、可憐は一人じゃ何もできない。
ずっと可憐には仲間がいた。有閑倶楽部という信頼し合える仲間がいた。
だから忘れてしまっていたのだ。たった一人の人間になった自分は、こんなにも弱くて――、
「それがお前の願いか、女?」
泣き腫らした顔で振り向いた先、メタモンをすでに殴殺していたゼロが、ややけだるそうにそう言った。
「え」
「秋山はゲームから離脱した。順位は繰り上がって、女、お前が1位だ」
「あ……」
「俺は4位だからな。クク、女の言うことであろうと聞くしかないわけだ。我ながら面白い」
笑いすぎて顔が引きつるわ、と言うゼロ。
その体からずるりとピンクのスライムが剥がれていき、自由になる。
首を鳴らし、肩を鳴らしながら、すばやくゼロは可憐に歩みより、可憐の身体をメタモンから引きはがした。
「ホントに何でも願いを聞いてくれるの……?」
「できる範囲でだがな。ああ、回数は決めてなかったな。あと二回といったところか」
ゼロにお姫様だっこされる形になった可憐は、久しぶりに人肌のぬくもりを感じる。
あと二回。ゼロはお願いを聴いてくれる。
でもその二回が終わったら、ゼロは何をする? それを考えると恐ろしかった。
考える。自分の願いを。
あたしは今、何がしたい?
…………。
「じゃあ、ビブリも一緒に助けて、ゼロ」
「承知だ。それで? あと一つはなんだ?」
「えっとね」
可憐は願いを決めた。
そういえば、当初の目的がそんなことだったことを思い出す。
確かにその相手としては、ゼロは100点に近い。夢は叶ったのだ。あまりにも、皮肉な形だが。
ゆっくりと……抱き上げられたまま、可憐はゼロの胸板を抱き返す。
血のにおいがするマントの臭いを、嗅ぎながら。
「あたしを。あなたの、妻にして。ゼロ」
可憐はゼロに命令した。
面をくらったような顔をしながらもゼロは、口の端を歪ませて、首を縦に振った。
「よかろう。ならば――祝言を上げねばな」
口を塞がれて意識を失っていたビブリを背中に乗せると、ゼロは全速力で走りだす。
途中で警告音が鳴った。それは可憐に向かって、こう言っていたように聞こえた。
『それ以上行くと、もう引き返せません。
生きることはできますが、それで本当にいいんですか?』
答えはもちろん、■■■。
◇◆◆◆
ここはE-9、伝説の木があるD-9より一つ南のエリア。
そこに秋山深一はいた。
秋山の時計は10時31分を指している。30分プラスで11時01分。ギリギリで、禁止エリアから逃れた。
「はぁ……はぁ」
だが、禁止エリアから逃れたからといって、死の脅威から逃れられるかというとまた別だ。
秋山は地面に仰向けに寝転んでいた。
起き上がるための手と足は、すでに無い。いや、そのあたりの地面に散らばっている、のほうが正しい。
両手両足欠損。重症どころでない傷を負いつつも秋山は浅く息をして、まだ生きていた。
いや、生かされていた。
「黄桜。残しておいたぞ。やれ」
「ええ」
ゼロは、”夫”は。
人体の秘孔を上手く突くことによって、”妻”が、可憐が恨みを晴らせる分の肉体を残してあげていたのだ。
可憐は秋山から奪い返した猟銃に備え付けの弾を込めて、地に伏せる秋山の顔に突き付けた。
「死ぬけどいい? 秋山」
「ああ」
「何よその言い方。……あなたのせいであたし、こうするしかなくなっちゃったわ」
「でもまあ、助かったろ」
「負け惜しみね」
「まあな」
引き金を、引き絞る。これから可憐は秋山を殺す。
憎いからだ。――そうしなければ、ゼロに殺されるからだ。
ゼロは独自の考えを持っている。
その中に、闘いから逃げる者には死を、というのがある。
秋山はそれを破ったから、死ぬ。秋山だけがそれを破ったから、死ぬのは秋山だけでいい。
「じゃあね」
ぱん。
人を殺すために撃った初めての銃は、どうにもあっけない音がして。
「ふん」
その結末を見届けたゼロは、背負っていたビブリを秋山のかたわらに放置して歩き出した。
――トランプにゼロはない。
だからこの結末は、決まっていた。
(ごめんね、ミンウさん。ビブリ。アルフレッド。それに、悠理……あたし、ゼロの妻になるわ)
ゼロは可憐が”妻”である限り可憐を殺さないと約束した。
代わりに、”夫”たるゼロの意思に背いたら即座に殺されることも約束させられた。
最後の願いを使って作ったこの関係に従って、可憐はゼロの後をついていく。
……ゼロはやはり、参加者を皆殺しにするつもりだという。
可憐はそれを手伝わなければならない。――いや、止めなければ、ならない。
(見ていて、みんな。あたしは、この男を絶対に殺すから)
ゼロはきっと、可憐のこの思惑に気付いている。
隙を見て殺す――それこそが可憐の野心であり、ゼロはその野心を買って可憐を妻にしたのだから。
その上で楽しんでいるのだ。
隙を見せたら殺される。そんな状況こそ、ゼロが最も楽しむ命のやりとりであった。
伝説の木の下で、こうして一組のカップルが成立した。
【秋山深一@LIAR GAME(漫画) 死亡】
【1日目 昼/E-9 森の中・北側】
【ゼロ(ハン)@北斗の拳】
【服装】重厚な服とマント
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、ランダム支給品(確認済み)
【状態】ハイテンション、強い心意気
【思考】
基本: ゼロを超える者はゼロしかいない。
1:”妻”である限り、自分に従う限り、可憐は殺さないでおく。
2:残りの参加者を皆殺し。
3:南に向かうか、西に向かうか……。
【黄桜可憐@有閑倶楽部】
【服装】聖プレジデント学園女子制服
【状態】健康、悲しみ、右腕にかすり傷
【装備】アイスピック、雑賀又三郎の猟銃@名探偵コナン
【持ち物】基本支給品一式、腕時計@33分探偵、トランプ@現実
【思考】
基本:ゼロの”妻”として一緒に行動する。
1:隙を見つけてゼロを殺害する。そのためなら多少の犠牲は仕方ない。
2:騙されたとはいえ、秋山を、人を殺してしまった……。
3:友人、悠理にはできれば会いたくない。
4:ミンウさん、大丈夫かしら。
【備考】
※原作の第十三話(ドラマだと第七話)の後より参戦。
※秋山のデイパックを回収しました。
【ビブリ@ビブリボン】
【状態】気絶
【装備】なし
【道具】基本支給品一式
【思考】
基本:ビブリ コロシアイ シタクナイヨー ビエーンエンエン〜
1:ビブリ オトモダチ ツクリタイナア〜
2:アルフレッド シンジャッタヨー グスン
3:カレンモ アキヤマト ゼロモ ドウシチャッタノ〜?
【備考】
※E-9、秋山の死体のそばに放置されています。
投下終了です。支援ありがとうございます!
何かありましたら指摘よろしくです。
(ただ、七並べパートはギャンブル風に書いただけなので整合性は気にしないでほしい)
投下乙です
秋山マジ頭いいな、脱落が不利?それなら全員脱落させればいいとかw
可憐とビブリはともかくあのハンを手玉に取るとかヤベェ
と思っていたら可憐とゼロ(ハン)が結婚した…だと…!?
なんとなく秋山とルルーシュが被った(作戦は上手くいったけどイレギュラーでひっくり返される意味で)
投下乙です!
まさか七並べでここまで深い心理戦が繰り広げられるとは……
そして秋山の一人勝ちかと思ったが、どんでん返しが……
実に読み応えのある話でした
投下乙
秋山はハンに「二人を殺して自殺しろ」みたいな命令していれば…
地味にビブリがどうなるか心配だ
秋山からすれば、自殺しろと命令されて素直に聞くとは思えない、といったところか
しかも秋山は騙し騙されの世界にどっぷり浸かっちゃっていたから
ここで俺を殺したのはイフリートだったんだっけ
地下58階には驚いた……
地上100階建の下着売り場に地下58階
上下幅でけぇなおいw
もうすっかりと恒例となった大晦日年越し投下
今回はプリンセス・ハオ(ハオ)で投下します
『太陽』
“お天道様”
“お日様”
“火輪”
“天道”
“日天”
“日輪”
“日”
それを表す呼び名は多々あるが、それによって太陽の存在が変わる事はない。
太陽は毎日大いなる存在として地球を、地上を、人々を見守っている。
だがそれに対して人間という存在はどうだろう。
確かに人間も太古の昔より変わっていない。
様々な理由で憎み、争い、殺し合う。
短い目で見ればそれだけではないが、長い目で見ればその繰り返しでしかない。
身勝手な人間はその行動が周囲にどのような影響を与えるか気にもしないで平然と生きている。
偉大な太陽とは存在レベルでそれこそ天と地ほどの差がある。
だからこそハオはシャーマンキングを目指す。
そんなどうしようもない人類を一人残らず滅ぼすために。
然る後に優れたシャーマンだけの世界「シャーマンキングダム」を作るために。
そして、それはこの殺し合いでも同じに他ならない。
つまりは皆殺し。
「さてと……」
自らの預かり知らぬところで殺し合いに巻き込まれた事も誤算の一つだが、見ず知らずの奴にスピリット・オブ・ファイアを消滅させられた事も大きな誤算だった。
そのせいで幾度と無く死と転生を繰り返して進めてきた計画が台無しだ。
――と、それは後で考えるとして、そのような余計な事してくれた奴から奪った道具は中々使える物だった。
S.O.F.亡き今それに代わるものが見つかるとは思えないが、使える物はあった方が助かる。
よく分からないままS.O.F.を消滅させた代償として、せいぜい役に立ってもらわないと気が済まない。
先程のテレサ然り、そしてRPG-7という対戦車砲然り。
「だけど、この携帯とか云うものは使えそうにないな。マユって参加者も死んじゃったからなあ」
S.O.F.を消滅させた不遜な者のデイパックに入っていた最後の支給品、それがこの携帯電話だった。
一緒に付いていた張り紙には『マユ・アスカの携帯電話』とし書かれていなかった。
もしかしたらどこかに繋がるのかもしれないが、別に当てもないので現状手持無沙汰にしかならない。
(そう、あの名前さえなければ気にする必要もないんだけど……)
だがアドレス帳に記載されている一つの名前だけがなぜか引っ掛かっていた。
その名前は“シン・アスカ”。
アドレス帳と送受信メールの内容を見る限りどうやらマユの兄らしい。
(んー、この名前どこかで見た事あるようなないような。でも名簿にはそんな名前なかったしなー)
最初は同じくこの殺し合いに巻き込まれた奴かと思った。
だが名簿を見直しても“マユ・アスカ”という名前はあったが、“シン・アスカ”という名前はどこにもなかった。
ちなみに名簿でのマユの前後の名前は“リュウタロス”と“グラハム・エーカー”だった。
(そういえば、あれはなんだったんだろう?)
先程名簿を見直した際にハオは少々不思議な体験をしていた。
一瞬“リュウタロス”の名前と“シン・アスカ”の名前がダブって見えたのだ。
何かの見間違いかと思って改めて見直してみると、そこには“リュウタロス”の名前があるだけだった。
その時はそれ以上何もなかったので、ハオは微かな違和感を残しつつ名簿の詮索を打ち切っていた。
そうなるとシャーマンファイトの参加者か、あるいはその過程で会った者か?
だがいまひとつピンと来ない。
「まあいいや。それよりも今はこっち」
いくら考えても埒が明かないので、ハオの関心は足元の地面に注がれた。
そこにあるのはまだ真新しい血痕。
雑貨屋から西に進んだところに建っていたハローワーク。
その傍で死んでいた赤いジャンパーにジーパン姿の格闘家らしき人物。
おそらく彼と死闘を繰り広げたと思われる参加者が残したものだろう。
そこからさらに西へと点々と血痕が道を示していた。
それがハオを新たな祭りへと誘っていた。
だがそれはハオが纏うマントに描かれた五芒星から連想するような星の祭りではなく――。
――ハオが纏う血まみれのマントから連想されるような血の祭りだった。
【1日目 午前/I-5東部】
【プリンセス・ハオ(ハオ)@シャーマンキング】
【服装】普段着(古びたマント(血まみれ)を羽織っている)
【状態】ダメージ(小)、S.O.F.喪失、プリンセス・ハオに改名される
【装備】雷鳴の剣@ドラゴンクエストY
【道具】基本支給品一式×6、五寸釘・藁人形・金槌の呪いセット、夜のおかずセット(TMAのエロパロDVD三本+真夏の夜の淫夢)、RPG-7(成形炸薬弾3/榴弾3)@機動戦士ガンダム00、マユの携帯電話@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、ハオの不明支給品0〜2
【思考】
基本:皆殺し。
1:この地にいる者を全て殺す。
2:この血痕を辿ってみる。
【備考】
※改名による影響はありませんでした。
※マリナンの不明支給品→RPG-7(成形炸薬弾3/榴弾3)@機動戦士ガンダム00、マユの携帯電話@機動戦士ガンダムSEED DESTINY
【RPG-7(成形炸薬弾3/榴弾3)@機動戦士ガンダム00】
ソ連の開発した歩兵携行用対戦車擲弾(ロケット弾)発射器。
非装甲車両や人員といった軟目標には通常の榴弾、装甲車両やトーチカには成形炸薬弾を使用して破壊する。
本編8話でテロリストがガンダムに向けて砲撃していた。
【マユの携帯電話@機動戦士ガンダムSEED DESTINY】
シン・アスカの妹であるマユ・アスカの所有していた携帯電話。
マユが死亡してからはシンが形見として持っている。
投下終了です
何かあれば言ってください
そして、皆さんあけましておめでとうございます!
毎年の年越し投下乙です!
血痕をたどるってことは……丹波さん逃げてー
しかし名簿まで書き換える命名神パワーすげえw
いまさらですけど
>>372で現在地が間違っていたので修正しておきます
【1日目 午前/I-5南西部 I-6との境界付近】→【1日目 午前/I-5南東部 I-6との境界付近】
今年も年越し投下乙
あれ確か丹波さんの向かった先は・・・
梨花ちゃんとズシオ逃げてええええええええええ
年越し投下乙です。
ハオが橋を渡った……!
これだけで一気に橋の西側にいる人たちに死亡フラグが立つからこわい
↑で上がった参加者以外だと今西側にいるのはカズヤと豹馬さんか
あれ意外と少ない?
船で移動中の本郷さん&さとこちゃんあたりも危険かも。逆に東側のファシル一家はしばらく安全、かなあ……?
全体的に南側は人が少なくなってきたね
音無可憐で投下します
麗らかな春の日。
桜の花びらが舞い散る大学前の並木道。
そこに一組のカップルがいた。
春、桜、カップル、といえば定番は告白のシチュエーション。
もしくは――。
「グンジィー!」
「あ……」
「なにしてるの?」
「日本の桜も当分見納めだなと思ってさ。ラッキーだったな、今年は早く咲いてくれて」
――そう、別れ。
音無可憐とグンジィーこと武田軍司。
グンジィーが親の都合でアメリカに引っ越すと可憐が知ったのはついこの間の事だ。
それから可憐はグンジィーが引っ越さなくて済むようにありとあらゆる手を尽くしてきたが、その甲斐なく今日を迎えてしまった。
実はこれからグンジィーの送別会を開くつもりだったが、いつのまにかグンジィーの姿が見当たらなくなっていた。
そういう訳で慌てて探しに出た可憐はこうして大学前で桜を眺めていたグンジィーを見つけたのだ。
「みんな待ってるよ」
その可憐の言葉に対してグンジィーはただ黙って首を横に振るだけだった。
もう既にグンジィーの心は決まっていた。
「俺、ここでお別れするよ」
「そんなの……突然過ぎるよ!」
「みんなに見送られるの、苦手なんだ」
「だからって! だからって! うぅぅ……」
もうとっくに可憐の顔は溢れ出る涙でボロボロだった。
だがそんな可憐をグンジィーは優しく声を掛けて慰める。
「可憐、俺さよならなんて言わないぜ。だって、また会えるじゃないか」
これは永遠の別れではない。
またいつか会えると信じているから。
その気持ちが通じたのか、可憐は自然と自分の気持ちを正直に吐露していた。
「……ぁ、グンジィー、大好きだよ」
「なんだよいきなり」
「今まで心の中で呟いていた言葉。高校生の時も、大学生の時も、そして大人になっても、ずーっとずーっと!」
「可憐」
もう二人に多くの言葉は要らない。
お互いに見つめ合う。
ただそれだけで十分だった。
「じゃあな、可憐」
「またね、グンジィー」
去り行くグンジィーの背中を可憐は笑顔で見送る。
これは永遠の別れではない。
また会えると信じているから。
だから今言う言葉は『さよなら』ではない。
そう別れの言葉ではなく、再会を信じて送り出す言葉。
「いってらっしゃい」
こうして音無可憐とグンジィーはまた会う日を信じて別々の道を歩むのだった――。
「やっぱりグンジィーと離れるの嫌だから付いて行くのだ☆」
――数秒後、そこにはアメリカ行きの荷造りを済ませた木ぐるみ姿の音無可憐がいた。
◆ ◆ ◆
「グンジィー、待ってー……あれ?」
最初に目に飛び込んできたのは陽の光が差し込む青々とした木々。
先程まで周囲を彩っていた桜並木は影も形もなかった。
そうさっきまでの一幕は全て夢。
そこでようやく可憐は自分が寝ていた事を思い出していた。
あれは確か森の中でステッキを持った白装束の男を射殺した後。
さすがに夜通しグンジィーを探してちょっと疲れたかなと思い始めたので朝食を摂ってから睡眠タイムに入ったのだ。
そこで先程の夢を見て、現在目覚めすっきりの状態だ。
「あ、そういえば……」
起きて早々、可憐は変な緑のおっさん(セル)を殺して手に入れたデイパックを漁っていた。
先程何か食べる物を探していた時に黒いノートを見つけたのだ。
その時は食事を優先していたので碌に確かめないまま放置していたが、今は気になったので改めて確かめる事にした。
何気なく取り出した黒いノートはどことなく不気味な印象だったが、特に気にせず中身を見た。
「……こ、これは!?」
一目見た瞬間、可憐は思わず絶句していた。
そのノートの名は“DEATH NOTE”。
そこに名前を書かれた者は死んでしまうという死神の力を宿したノート。
普通に考えれば馬鹿馬鹿しいと一笑に伏すところだが、あいにく音無可憐は脳味噌だけは正常ではない乙女。
だからこのノートの力を知った時、それはそれは大喜びした。
もうグンジィーを探して島中を駆け巡る必要もない。
このノートに参加者の名前を片っぱしから書いていけば、それで全て終了。
そうすれば自分やグンジィーを危険に合わせるかもしれない奴なんていなくなるんだから。
「もう何も恐くないのだ☆」
そうと決まれば善は急げ。
早速参加者名簿を見て名前を書く作業に入るべし。
だがいざ書こうとしたが、デスノートの最初の方には知らない名前が羅列されていてページは埋め尽くされていた。
出鼻を挫かれたようだが仕方ないので名前の羅列が終わるまで機械的にページを捲っていく。
そうやってページを捲っていくと、ついに名前が書かれていないページに辿り着いた……と思ったらまだだった。
「あ、まだ書いてあるのだ。えっと、竜宮レナと園崎魅音? なんでこの二人だけ……あれ?」
可憐は脇に置いていた名簿を見てみた。
名簿を隅から隅まで調べた結果、園崎魅音の名はなかったが竜宮レナの名は間違いなく記載されていた。
「…………」
可憐がデスノートの存在を知ったのはついさっきだ。
当然ながらここまでの名前は可憐が書いたものではない。
では誰が書いたのか?
それはもちろんデスノートを支給された者だ。
その持ち主がセルか、またセルに殺された誰かは知らないが、重要なのは竜宮レナの名前が書かれた時間だ。
可憐がセルを殺したのは夜中の2時頃。
つまりレナの名前が書かれたのはそれ以前という事になる。
だがそれではおかしい。
なぜならデスノートに名前を書かれた者は40秒後に死ぬはず。
もし名前を書かれたのが夜中の2時以前なら6時の放送でレナの名前が絶対に呼ばれるはずだ。
だが実際のところ放送でレナの名前は呼ばれなかった。
つまり……。
「……偽物?」
それが分かった途端に可憐のテンションは一気に冷めていた。
さらにノートのルールを改めて確認してみると、名前の他に相手の顔を思い浮かべなければならない事が分かった。
ちなみにこの時点で音無可憐が確実に名前と顔を把握している参加者は一人もいない。
出会った参加者のほとんど出会い頭に殺している上に、逃がしたアルフレッドとビブリもぱっと見なので顔はよく覚えていなかった。
それに出会って名前を聞くよりも、直接拳銃で射殺する方が手っ取り早い。
つまりどのみち可憐にとってデスノートは有用な道具にはなり得なかった。
最終的に何か脅しにでも使えるかなと思ってデイパックの中に戻したところで、可憐は次の行き先を模索するのだった。
「この近くにあるのは怪しい洞窟か……グンジィーいるかな……?」
【1日目 昼/E-7 森の中】
【音無可憐@おそるべしっっ!!!音無可憐さん】
【服装】自前の木の着ぐるみ(略して木ぐるみ)
【状態】健康、脳みそ以外は至って正常、目覚めすっきり
【装備】デザートイーグル(9/9)
【持ち物】支給品一式×4、はさみ、コンドーム、デザートイーグルの予備マガジン×2、XM177E2(29/30)@覇王愛人、S&W M10(5/6)と予備弾24発@現実、デスノート(偽物)@多ロワ
【思考】
1:大好きなグンジィー(武田軍司)を探す……のだ☆
2:怪しい洞窟に行ってみる?
3:グンジィー以外の男や同性は邪魔なので問答無用で消す……のだ☆(特にアルフレッドともう一人(ビブリ)は許さない)
【備考】
※平均以上の顔をした男は子供だろうとなんだろうとグンジィーだと勘違いしている。
※参戦時期はどこかでグンジィーと二人きりになった時点です。
【デスノート(偽物)@多ジャンルバトルロワイアル】
ジェバンニが一晩で作ってくれた精巧なデスノートの偽物。
だからこのノートに名前を書いても人が死ぬ事はない。
多ロワでは前原圭一に支給されていた。
投下終了です
何かあれば言ってください
6/と展開が似ているけど一緒とは程遠い気がするのはなぜだろう
あと冒頭の夢の元ネタ分かる人いるかな
投下乙
黒いノートで一瞬ひやっとしたが、やっぱり偽物か
夢の元ネタは、申し訳ないですがわかりませんでした
投下乙
さらっと流されているけど
殺し合いの会場(森の中)で木ぐるみで眠る可憐パネェ
ちょっと思うところあったので
>>413のRPG-7の出典を現実に変更します
ちなみに先日の夢の元ネタはあずきちゃんの最終回から
それにしても感想が安定して付くのは嬉しい限り
投下&変更乙です
夢のシーンの元ネタ、そうだったのかw
あずきちゃんたちを殺したの可憐さんだったなあそういえば
ふと追跡表を見返してみて、ここまで一番登場回数が多いの誰だろうと思ったら、
意外にもチビすけ(10話)だったという。
出会った参加者も25〜30人くらいですごい多い
開始早々下着売り場の騒動に出くわす、6/@カオスに付いて行く
↓
6/vs翔子
↓
サザエさんと遭遇
↓
かえるが仲間になる
↓
B-5の騒動に巻き込まれる、沙枝とパトラッシュと共に飛ばされる
↓
レイコによるハクオロ襲撃
↓
2話ほどサイクリング
↓
採掘場での戦い、あやかとスペードの2の元へ
↓
『銀』に乗って洞窟へ ← 今ここ
下着売り場とB-5と採掘場の3つがでかいな
チビすけ、けっこうな冒険してるんだな……
L字ブロック、カヨで投下
たくさんの者が死んで。
たくさんの場所が血で染まって。
このふざけた催し物――バトルロワイアルが始まってから半日が経とうとしていた。
集められた152名の参加者、そして意思を持つ支給品、また、主宰たる”社長”と名乗る人物……。
様々な者たちの思惑と作為が入り乱れてこの地では誰も予想できないことばかりが起こった。
人が死に。
人じゃない者も死に。
施設はいくつも壊れ、大地は深くえぐられ。
巨大ロボットは軒並み大破した。
だがその中でも、
別世界から集められた者たちの微笑ましい交流が多数見受けられるのは、一つの救いだろう。
ある者は家族のように語らいあい。
ある者は漫才コンビのように微笑ましくある。
殺伐とした殺し合いの中にあってこそ、優しさや陽気さ、健気さは美しく輝くのだ。
「直径12マスくらいが〜テトリスを〜揃える距離♪ アル♪」
だがそんな中――ここに一人の参加者がいた。
L字ブロック。
テトリスのブロックとして消され続ける日々から脱し、人間への復讐を決めた彼は、どこまでも一人だった。
L字ブロックが今までに出会ったのは、四名。
もう死んだ、椎名桜子。
殺した、チェスワフ・メイエル。
愛すべき、六条御息所。
そして、警戒しないといけない秋山深一の四人だ。
彼は出会ったうちの二名の死に関わり、残り二人については生きていると考えている。
しかし、
彼はまだ知らない。彼の愛する六条御息所が、自らの嫉妬に殺されたことを。
彼はまだ知らない。彼の危惧した秋山深一は、自らの作戦に殺されたことを。
彼がこれまでに出会った人物は……もうみんな死んでいることを。
「四段〜一気に消せば〜テトリスボーナスアル〜♪」
たったひとつ、その体と、引きずるようにして持ち歩くデイパックだけが彼の頼れるものだった。
あるのかどうかも不明な口から謎の唄を口ずさみ、彼はあてもなく進む、進む。
じきに始まる放送は、彼に残酷な現実を伝えるはずだった。
”不死者”としてのL字ブロックから全てを奪い、彼の存在意義を一気にゼロにするはずだった。
ただ、L字ブロックにとって幸運か不幸かは分からないが、
なんと彼は間近に迫っていた第二回放送をちゃんと聞くことはなかったのだ。
その理由はいろいろあるが、もっとも大きな要因は二つ。
一つは、彼が”名探偵”だったこと。
二つは、彼が新たな参加者に出会ったことだ。
まあ、これにも皮肉めいた部分はあって、
L字ブロックはどう足掻いても”名探偵”にはなりえないし、
彼が出会った新たな参加者は――すでに”死んでいる”人間だったのだが。
それも、ゴーレムに乗った。
♪♪
カヨとL字ブロックを引き合わせたのは、とある婦人が死の間際に使った拡声器だった。
フグ田サザエが叫んだ言葉はC-6豪邸付近を中心に半径1マスほどに広がり、
D-7にいたL字ブロックの耳(?)に入ったのだ。
そうとは知らず森の中をぐるぐるしていたL字ブロックにとってこれは嬉しい知らせだった。
すぐさま即落ちモード(一気に下にブロックを落とす操作)のときのスピード感を思い出しつつ走り、
豪邸が見える場所までたどりつくとそこにはゴーレムがいた。
もう一度言おう、ゴーレムがいたのだ。
「アル……!? これは一体!」
幽玄な、って形容詞がぴったりあてはまるくらいにゴーレムは美しく、
L字ブロックはまず内心「ふつくしいアル……」と叫んでいた。
何しろゴーレムはロボットのような外観で、びーむとかろけっとぱんちとか出せそうな凄みを備えている。
玩具界隈の生まれであるL字ブロック的にはあこがれの対象だ。
「あれ / あなた / 何? / あたし / いまから / 女を / 殺しに行くの /
邪魔しないでよね / …… / でも / テトリスの / ブロックなんて / めずらしいね」
だが、どうやらゴーレムには”なかのひと”がいるらしく、
L字ブロックの姿を捉えるとたどたどしく喋った。
一つ一つの文節の区切りが一行くらい空いているような喋り方だ。
というか明らかに不審な喋り方である。
これをどう見るべきか? L字ブロックの灰色の脳細胞(?)は激しく回転する。
テトリスブロックを落とす最中に、我々が意味もなくブロックを回転させるように……。
(むむむ、このロボットの声、妙にどっかできいたことある気がするアル。
主にエコーのかかり具合とかすごく幽霊っぽいアル。そして”なかのひと”は女を殺すって今言ったアル……)
(ハッ! もしや! 中に居るのは六条御息所アルか?
夜まで会えないと言ったのに私が来てしまったから、慌ててロボットの中に隠れたのアル!
だからバレないように喋り方もなんか変なのアルね! 天才的推理!)
L字ブロックのこの推理はもちろん的外れで、ゴーレムの中にいるのはアキを殺そうと奮起するカヨなのだが、
カヨは六条御息所と同じく女(アキ)の殺害をしようとしているところや、
ぶっちゃけ幽霊なところとか共通点が多かった。容姿もアキとほどではないが若干似ている。
さらにL字ブロック自身”名探偵ごっこ”に嵌っていたのもあって、
自らの推測を真偽を確かめないまま信じて話を進めた結果――。
「すまないアル、ゴーレムさん。私はL字ブロック、通りすがりの者アル。
時に相談があるのでアル。どうやらゴーレムさんは、女が憎いようでアルが……、
人間を憎んでいる私はきっとゴーレムさんの力になれるアル。一緒に連れて行ってくれないアル?」
「え? / 別にいいけど」
「ああ、心配しなくてもそちらの名前は聞かないアル。”びじねすぱーとなー”アルよ。
なに大丈夫、死ぬときはあなたを守って死ぬアル!」
「??? / どゆこと? / …… / まいっか /
えーっと / 一応言うと / よろしく? / みたいな」
「うん、よろしくアル!」
なんとカヨとL字ブロックは組んでしまったのである。
カヨからしてみれば、殺す対象である「アキ」と「トモを殺した奴」以外の命なんか正直どうでもいい。
L字ブロックが「トモを殺した奴」という可能性もあるが、さすがにそうは見えない(というか思いたくない、
一応あとで探りは入れるが)し、いざとなればゴーレムの巫力波で殺してしまえばいいだけだ。
アキを殺すのを”協力”してくれるというのならすぐ殺さなくてもいい。
最初はテトリスのブロックがなぜ動いているのかと戸惑ったが、言動や態度を見るにバカそうだし、
幽霊に首輪をつけてしまうような主催のやることに今さら驚くのもおかしい……と、納得してしまったのだ。
(……あれ? / でも / なにかおかしくない?)
と。
何故かゴーレム越しにきゃいきゃいと懐いてくるL字ブロックを尻目に、カヨは一つの引っかかりに気付いた。
幽霊に首輪?
実体のない幽霊に、首輪なんてつけれるはずが――。
カヨは今一度自分の首を触ってみて、驚愕の事実に気が付いた。
さらに、ふとゴーレムのモニターから下のL字ブロックを見ると……さらなる事実に気が付く。
思わずカヨの唇が三日月に歪んだ。
「ねぇ / L字ブロック」
「何アル? ゴーレムさん」
「ちょっといいこと / 思いついた / みたいな」
カヨはサザエを殺したあと、次の目的地をどこにするか決めあぐねていた。
行きたい場所があることはあるのだが、
そこに行くには”邪魔するもの”があり、迂回すれば時間がかかってしまうため諦めかけていた。
しかし。
幸いなことに自分もL字ブロックにも、”邪魔するもの”は突破できてしまうらしい。
L字ブロックに作戦を話すと、彼も今気づいたらしく、びっくりしていた。
”良く考えてみたら、自分たちについている首輪は簡単に外せてしまう”ことに!
♪♪
D-6。
禁止エリアであるはずのその場所を人ならざる二つの参加者がゆったりと進む。
一つはゴーレムに乗った女性の幽霊、カヨ。
彼女の首輪は、実体と同じようにも動けるカヨ自身の思い込みで首に巻かれていただけで、
外そうと思えば首をすり抜けて外すことができたのだった。
一つはテトリスのブロックであり”名探偵”、そして”不死者”のL字ブロック。
彼の首輪は――ブロックに凹凸はないがゆえ、これもまた巻かれていただけで、
逆立ちしてゴーレムでちょっと引っ張ったら取れた。
そんな彼と彼女が目指すのはE-6怪しい洞窟だ。
「ゴーレムが / サーチしたんだけど / 洞窟には / 入口は南側の一つだけ /
でも / 北側の山のほうに / 岩盤が / 薄いとこがある / みたいな」
「ほう! そこをゴーレムの力で壊して、裏側から入るのアルね! 中に居るやつら驚くアルー♪
さすがろく……じゃなくてゴーレムさんアル!」
「ろく……? / まいっか / うん / あの女 / 居るかなあ……」
がしゃん、がしゃんと、本来なら人がいないはずの地面をゴーレムが進む。
――本来人がいるとは想定されていないため、
このエリアに設置されたスピーカーには第二放送は流れない。
(ふふふ……ラッキーすぎるアル! 六条御息所とこんなに早く再会できるなんて!
ああ、もう無敵アル! 他のやつらなんて誰もかも殺す以外ないアル!
絶対夜まで生き残って、そして六条御息所に認めてもらうアル……! がんばるぞ、アル!)
というか、まあ。
こんな状態のL字ブロックが、放送を真面目に聞くはずもないのだが。
【1日目 昼/D-6 森の中】
【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】
【服装】全裸
【状態】健康、人間への怒り、ホの字ブロック
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、L字ブロックの首輪、不明支給品1〜3
【思考】
1:主催者を含めて人間は許さない、アル!
2.秋山を見つけて喰うアル!
3:六条御息所に認めてもらうアル!
4:いざ怪しい洞窟へ、アル!
【備考】
※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。
※チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。
※秋山深一は不死者だと思っています。
※ゴーレムの中のカヨを、正体を偽った六条御息所だと思っています。
※サザエが拡声器で喋った内容を記憶してます、多分。
※首輪を外しました。
【カヨ@あたし彼女】
【服装】白装束
【状態】幽霊、ゴーレムに搭乗中
【装備】ゴーレム@シャーマンキング、火の玉
【持ち物】基本支給品一式、カヨの首輪、拡声器
【思考】
1:アキを祟る――寧ろ祟るだけじゃ飽き足らない、トモと付き合った事を後悔するぐらい殺してやる。
2:トモ殺したヤツは絶対に許さない。
3:シン・アスカに会ったら、ウザ子(マユ・アスカ)のこと、教えてあげよっかな。
4:幽霊が死んだらどうなるんだろ?
【備考】
※幽霊ですが夜が明けても消えたりしないっぽいです。
※アキと容姿がすごい似ています。霊つながりで六条御息所にも少し似てます。
※首輪を外しました。
投下終了。
まあこいつら首輪外れてもやること変わらないし……と思って外しちゃったけど大丈夫かな
何かあったら指摘よろしくです。これで199話かー
投下乙です
ホの字ブロックっておいwww
幽霊とブロックのコンビとか異色すぎるわ
で、首輪だけど、素直な気持ちで言うと個人的にはちょっと……まあ気にするのもあれなのかもしれないけど……
別に他の人が構わないのなら問題ないです
とりあえず補足というか続きの話は思いついたから一応対応は出来る
ただどんな続きになるかは……
と、真面目に意見した方が良い気がしたのでトリ付けておきます
あ、了解ですー。すいません
いま修正中なんでちょいお待ちを
なんとカヨとL字ブロックは組んでしまったのである。
カヨからしてみれば、殺す対象である「アキ」と「トモを殺した奴」以外の命なんか正直どうでもいい。
いざとなればゴーレムの巫力波で殺してしまえばいいだけだ。
アキを殺すのを”協力”してくれるというのならすぐ殺さなくてもいい。
最初はテトリスのブロックがなぜ動いているのかと戸惑ったが、言動や態度を見るにバカそうだし、
幽霊に首輪をつけてしまうような主催のやることに今さら驚くのもおかしい……と、納得してしまったのだ。
「いちおう聞くけど / L字ブロック」
「何アル? ゴーレムさん」
「アキとか / トモって / 知ってる?」
「……誰アル? 私が知ってるのは秋山アル。あいつ不死者なんアルよ」
「不死者?」
「そうアル! 不死者は危険アル、人間のくせに殺しかたがあって……」
一応、L字ブロックが「トモを殺した奴」という可能性があるかどうかを確認しておく。
返答だけでは完全には判断できないが、思わせぶりな態度や、白々しいそぶりは見せなかった。
考えてみたら「トモを殺した奴」をどうやって見つけるのかも難しい。
カヨはとりあえずこれについては保留して、
とりあえずは、L字ブロックが話す秋山という不死者について聞くことにしたのだった……。
♪♪
一方、L字ブロックの頭の中は。
(ふふふ……ラッキーすぎるアル! 六条御息所とこんなに早く再会できるなんて!
ああ、もう無敵アル! 他のやつらなんて誰もかも殺す以外ないアル!
絶対夜まで生き残って、そして六条御息所に認めてもらうアル……! がんばるぞ、アル!)
見事にホの字ブロックになってしまっていた。
それはもう、放送なんて耳に入らないくらい、彼の六条御息所への愛は強いのである。
【1日目 昼/C-6 豪邸付近の森の中】
【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】
【服装】全裸
【状態】健康、人間への怒り、ホの字ブロック
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:主催者を含めて人間は許さない、アル!
2.秋山を見つけて喰うアル!
3:六条御息所に認めてもらうアル!
【備考】
※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。
※チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。
※秋山深一は不死者だと思っています。
※ゴーレムの中のカヨを、正体を偽った六条御息所だと思っています。
※サザエが拡声器で喋った内容を記憶してます、多分。
【カヨ@あたし彼女】
【服装】白装束
【状態】幽霊、ゴーレムに搭乗中
【装備】ゴーレム@シャーマンキング、火の玉
【持ち物】基本支給品一式、拡声器
【思考】
1:アキを祟る――寧ろ祟るだけじゃ飽き足らない、トモと付き合った事を後悔するぐらい殺してやる。
2:トモ殺したヤツは絶対に許さない。
3:シン・アスカに会ったら、ウザ子(マユ・アスカ)のこと、教えてあげよっかな。
4:幽霊が死んだらどうなるんだろ?
【備考】
※幽霊ですが夜が明けても消えたりしないっぽいです。
※アキと容姿がすごい似ています。霊つながりで六条御息所にも少し似てます。
これでOKかな?
毎度超展開しちゃってどうもすいませぬー……
修正乙です
自分の都合で御手数を掛けたみたいですいません
個人的にはこっちの方がいいです
これからもよろしくお願いします
>毎度超展開しちゃって
それはお互いさまというかオールロワ書き手の大半に当てはまるような
いえいえ
書き直してみたらこっちのがいい気がしたので、
もうちょっとだけ時間おいてから見直せばよかったなーという後悔の念がつい
こちらこそ、これからもよろしくお願いしますー。
投下乙
今回もLの迷推理が冴え渡っているな
絵の方も乙
邪鬼さん…これは惚れるわ…w
地図乙
北東の教会が寂しい
前回言いそびれていましたが圭一はH7みたいです
>>446 絵乙です
あずきと勇之助お幸せに…
>>448 地図乙です
さあ北東はこのまま寂れたままになるのか
それでは件の前原圭一で投下します
「あはははははははははははははは」
前原圭一は自分の運の良さに笑っていた。
不意を突かれて銃で撃たれたが、防弾チョッキを着ていたおかげで無事だった。
川に落ちて湖に流されても、禁止エリアに注ぎ込む川に向かわずに無事に南岸に上陸できた。
とりあえず南下すると、服が半分乾く頃には無事にハロワに辿り着けた。
そして、何よりハロワ前の生垣に埋もれていたデイパックを見つけられた。
ここでも圭一は運が良かった。
数時間前にここを訪れたハオはテリーの死体に注目していたせいで生垣の中まで目を遣っていなかったのだ。
「ダイナマイトが24本! これならフランツさんみたいな化け物でも木っ端微塵だぜ!!!」
そして中身はなんとダイナマイト腹巻。
さすがにこれを身に付けて特攻する気は毛頭ないが、ダイナマイトの部分だけ分けたら24本にばらせた。
しかも親切にも着火用のガンライターまで入っていた。
その他に何やら由緒がありそうな笛が入っていたが、そんな事はどうでもよかった。
これだけあればまだ少年の身である圭一でも十分に参加者を葬る事が出来る。
「そうだ、取り戻すんだ……」
都会にいた頃は毎日が灰色の日々だった。
最初は誰かに命じられるままにただ道を歩くだけの平凡な毎日の繰り返しだった。
転機は些細な事だった。
母親の薦めで受けた試験で良い成績を出した塾に入った事でメキメキと成績は面白いように伸びた。
そしてそれに伴って自分よりも成績の劣る者を見つけては優越感に浸っていた。
それは紛れもなく喜びというものだった。
だがその優越感も時と共に当然のものとなり果ててしまい、いつしか味気ない物へとなっていた。
すぐにまた毎日が灰色の日々となった。
しかも今度は以前よりもさらに深刻だった。
だから、あんな事件を起こしてしまった。
だが雛見沢に来てからの日々は今までとは比べ物にならないくらい色鮮やかなものだった。
それはおそらくかけがえのない仲間と出会ったからだ。
もう毎日が驚きの連続だった。
弁当ってこんなに美味かったのか。
放課後ってこんなに楽しかったのか。
月曜日はこんなにも待ち遠しいものだったのか。
笑顔ってこんなにも心を打つものだったのか。
「そう、誰の命令でもない! 俺が選んだ道!」
社長だとか殺し合いだとかそんなのは関係ない。
これは仲間に危害を加える参加者から仲間を守るための戦いだ。
「全ては、あの日々を! みんなで笑い合える日々を! 取り戻すために!!!」
【1日目 昼/I-7 ハロワ前】
【前原圭一@ひぐらしのなく頃に】
【服装】ワイシャツにズボン(半濡状態)、防弾チョッキ@スパイラル 〜推理の絆〜、腹巻@ハカロワ
【状態】健康、仲間以外への強い疑念、胸に鈍痛、雛見沢症候群Lv.3?
【装備】ワルサーPPK(24/24)@現実
【道具】基本支給品一式×3、双眼鏡、ロープ、味噌『トシコシ』、ダイナマイト24本@ハカロワ、小枝@平家物語、ワルサーP38型ピストルライター@現実
【思考】
基本方針:このくそったれなゲームをぶっ壊す。
1:命に代えても部活仲間を守るために、危害を加えそうな参加者を殺し尽す。
【備考】
※本編終了後からの参戦です。
※本郷猛とフランツ・フェルディナンドは化け物のように恐ろしい危険な人物だと思っています。
※テリー・ボガードの不明支給品はダイナマイト腹巻@ハカロワ、小枝@平家物語、ワルサーP38型ピストルライター@現実でした。
※ダイナマイト腹巻はダイナマイト24本と腹巻に分けられました。
だが圭一は知らない。
この会場にはダイナマイト如きでは太刀打ちできないような参加者がいる事を。
しかし圭一がダイナマイトを手に入れて浮かれるのも無理はない。
今まで圭一が出会ってきた参加者はフランツとユフィの2人に加えて、死体となった右京とアンディとテリーの3人。
この5人とも見た目は普通の人間であり、さらに死体の状態も常軌を逸するものではなかった。
そのため無意識に圭一はこの殺し合いを「人間の範疇で行われるもの」と思いこんでいた。
フランツの冷静さもユフィの発狂もどちらも警官と狂人と考えれば十分理解できる範疇だ。
だから知らず知らずの内に圭一がそう思い込んでしまうのも無理はなかった。
しかしながら実際は人間の範疇を超える者もこの会場を闊歩している。
もしもそのような相手と対峙した時にダイナマイトを過信しすぎて無謀にも手を出すなどした場合。
♪デデ〜ン 前原OUT
にならないといいのだが。
【ダイナマイト腹巻@葉鍵ロワイアル】
ダイナマイトが大量に巻き付けられている腹巻き。
出入りや鉄砲玉の時のファッションはこれでウッボー(キマリ)。芸術は爆発だ!
ハカロワでは名倉由依への支給品だった。
【小枝@平家物語】
平敦盛が所有する笛の名器。
元は平忠盛が鳥羽院から賜ったものだが、笛の名手であった敦盛が譲り受ける。
一の谷の戦いで討ち取られた平敦盛は当初名前が分からなかったが、この笛を持っていたために名前が判明した(敦盛の最期は平家物語での名シーンの一つ)。
【ワルサーP38型ピストルライター@現実】
ルパンが愛用しているワルサーP38型の拳銃型ライター。
外見を無視すればただのライター。
投下終了です
何かあれば言ってください
どうでもいい事だけどこれ本来は年越し投下案だった
年越しに使わなかったのはタイトルが年越し以外でもやっていたから
投下乙
ダイナマイトは一般人ばかりのロワだとかなりの強武器だがここでは…
投下乙です
圭一ェ……はっちゃけたかw
だがこのロワにはそもそも存在がはっちゃけてる参加者がだな……!
あとタイトルで今回初めて年越しをガキ使で過ごしたのを思い出して、思い出し笑いしてしまった
某所用にデータ
200話(+10) 56/152(- 4) 36.8 (- 2.7)
まさに赤い衝撃だ
匍匐前進ならどうなるんだろう
匍匐前進でも転ぶんだよ
どうやって転ぶのかは想像つかないけど、転ぶに違いないよ
ハローワークか……
デスノートの余波がここにも……文七には強く生きてほしいな
ウェディングドレスなら仕方ないな
当時は服装まで頭が回ってなかったが、
改めて考えると、襲われても仕方ない服装だ……w
しかし、チビすけのハムスターらしからぬシリアス文章好きだなー
ズシオは実にいつもどおりだなw
柊かがみ(変態仮面)、竜、マシロ、神山満月、アカギ(宇海零)で投下します
先に言っておきます
今回過去最大で長くなったのでもしも投下が途中で止まっていたら規制に引っ掛かったと思ってください
とりあえず解除まで待ちますが、無理そうならしたらばの方に投下しておきます
それは例えるならオペラ。
悪の権化を体現する見た目は男性/中身は淫女なドラゴンライダー。
正義を志す見た目は少女/中身は少年なホワイトエンジェル。
悪と正義、二つの相反する主張を掲げて二人は戦う。
その戦いの背後で奏でられるのは満月の名の下に紡がれる祈りの歌。
そして時折混じる剣戟の音がさらなる彩りを加えている。
……と言葉を飾れば、それはまるで優雅な演目のように思える。
しかし実際の演目は芸術的なオペラとは程遠いもの。
生きるか死ぬかの舞台の上で行われる血生臭い過酷な武闘劇。
もちろん台本のような筋道があるはずもなく、当然いつ演目が終わりを迎えるのか知る人はいない。
だがどんな劇にもいずれ幕が下りる時は訪れる。
▼ ▼ ▼
「ハアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」
「ウオオオオオオオオオオッッッ!!!!!」
マシロと柊かがみ(外見は◆6/WWxs9O1s氏@パロロワクロススレ)。
二人の戦いの場はいつしか地上から空中へと移っていた。
天に届かんばかりの胡桃の大樹が砂漠に林立する中を縦横無尽に駆け巡りながらのヒットアンドウェイ。
傍目からだと均衡しているように見えるが、空を駆け巡る二人の動きは対照的だった。
竜の背に乗ったかがみは空中を荒々しく飛び回り、キュアヴィントブルームと交差するたびに大振りの攻撃を放っていた。
それは時に胡桃の大剣による斬撃だったり、時に竜の爪による一撃だったり。
対するヴィントブルームは天使を彷彿させる翼を羽ばたかせて敏捷に飛び回り、時折長剣による斬撃を浴びせてくる。
その斬撃は一撃一撃が小さいながらも的確であり、何度も積み重なれば軽視できないものだった。
そして何より一方の当事者であるかがみは内心かなり焦っていた。
(――ッ、このままだと不味いわね)
かがみが自身を不利だと断じる最大の理由はその飛行手段にあった。
初戦のように地上のプリキュアvs空中のかがみon竜であるなら問題はなかった。
何しろ『空を飛べる』という時点で飛べない者に対してかなりのアドバンテージがあるのは紛れもない事実だ。
だからこそ荒々しい竜の飛行でも地上で駆けずり回るプリキュアを甚振るのに支障はなかった。
だが今は状況が違う。
件のプリキュアの一人ヴィントブルームがパワーアップした事も要因だが、何よりもその飛行手段が厄介だ。
ヴィントブルームの飛行手段は背中に宿した4対の翼。
最初は慣れていないせいで付け込む隙もあったが、時間が立つにつれて翼による飛行を自分のものとしていった。
そうなるともう差は歴然だ。
例えるなら大艦巨砲主義の日本が誇る戦艦が小回りの利く戦闘機に沈められるようなもの。
別の例えを出すならガンダムの世界で地球連邦の艦隊がジオンのザクに沈められるようなもの。
つまり機動性が段違いなのだ。
しかもヴィントブルームが自らの意思で翼を羽ばたかせているのに対して、かがみの方は竜に任せるしかない。
どうしてもかがみの意思による飛行でないために次の行動が分からず、結果ヴィントブルームの攻撃に対して後手に回ってしまう。
実際はまだそこまで差は付けられていないが、もはや戦況が傾くのは時間の問題だ。
(それに、さっきのアレって、やっぱり……)
もう一つ懸念がある。
但しこちらはひどく漠然とした不安のようなもの。
先程かがみは戦闘中に自分の首輪が爆発するという光景を見た気がした。
いきなり牛車に攫われ、人面ツチノコに助けられ、バラバラに飛ばされ、ななこ先生を庇って死んだ。
一瞬の内に頭の中に流れた映像はどこか走馬灯のようなものでもあった。
もちろん今こうしてかがみの首(実際は6/の首)に首輪が嵌っている以上、それは幻でしかありえない。
だが今のかがみは入れかえロープで6/と心が入れ替わった状態だ。
もしあの時の映像がかがみの身体に入った6/の体験したものだとすれば……。
それがかがみの肉体に残っていた僅かな心とリンクして伝わってきたものだとすれば……。
確たる証拠はないが最悪の場合、“柊かがみ”が“柊かがみの身体”に戻る事はもう不可能だ。
(でも今はそれよりもこの空中戦の打開策を考えないと……手っ取り早いのはやっぱりあの歌を止める事なんだろうけど……)
“将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”。
現状ヴィントブルームのパワーアップの源は地上で歌い続けているキュアフルムーンのキュアフルムーンソングだ。
あれさえ止めてしまえば力を失ったヴィントブルームを倒すのは初戦を顧みるに造作もないはず。
だがその馬に当たるフルムーンを射る事が難題だ。
どう見ても隙があるように見えてしまうが、うっかり手を出すと手痛いしっぺ返しを食らう予感がする。
そうなればかがみはヴィントブルームに致命的な隙を晒す事になり、その瞬間勝敗は決するだろう。
この空間はかがみによる胡桃の固有結界-unlimited walnut works-なのに、自分の思い通りにいかないのは歯がゆい事この上ない。
(でもそれ以外に方法がないのよね。なんとかして私が手を出さずに歌を止める方法を考えないと……!?)
何度目かの交差の果てに地面を滑空飛行する竜の上で、かがみは天使を堕とす算段を練っていた。
▼ ▼ ▼
「ハアアアアアアアアアアッッッ!!!!!」
「ウオオオオオオオオオオッッッ!!!!!」
空を飛び回る竜とすれ違う瞬間、ヴィントブルームの右手にある長剣が竜の皮膚を僅かに削る。
本当はそこにいたかがみを狙っていたが、剣が届く寸前で攻撃を見切られて間一髪で躱されてしまった。
だが最初の頃に比べると攻撃の精度は確実に上がっている。
少し前は飛んで移動するだけで精一杯だったのに、今では背中の翼は思い通りに動いて自由自在に飛び回れる。
その姿はまるで天空を舞う乙女のようだった。
(やっぱり最初にフルムーンを助けた時は火事場の馬鹿力だったのかな、もしくは根性? いやいや、そんな事よりも!)
こんな事に考えを巡らせるようになったのも思考の余裕が出来始めた証拠だろう。
だがそこで気を緩めてはいけない。
なんと言っても今対峙している相手はゼロ(ハン)やMAXと比べて遜色ない。
さらに先の二人より謀に長けている事は初戦で痛いほど実感している。
またUWWの力を誤解させた時のように奥の手を隠しているとも限らない。
さすがに同じ手を食らうつもりはないが、決して油断してはいけない。
ふと視線を落とすと、先程すれ違った竜が一旦下降して滑空飛行してから空へと舞い昇って来ていた。
「ハッ!!!」
「――ッ!?」
再びの交差。
だが今度の攻撃は今までとは斬った時の感触が違った。
空中戦に移行して長剣を振るう事数十合。
ついにかがみの左腕に刃をかすめる事に成功した。
それなのにヴィントブルームは素直に喜べなかった。
一瞬すれ違った際に見えたかがみの両の瞳。
まるで獲物を狙う猛禽類のような鋭い瞳は未だに爛々と輝いていた。
(何か仕掛けてくる!)
ヴィントブルームの全身をそんな予感が駆け巡っていた。
▼ ▼ ▼
(はぁ、これでようやく決着が付くアルか)
▼ ▼ ▼
「ふふふ、そろそろ決着を付けましょうか」
「……こちらこそ望むところだ」
ヴィントブルームを見下ろしながら竜の背に乗ったかがみは唐突に言い放った。
もちろんヴィントブルームにも異存はない。
確かにかがみの様子が引っ掛かるのは事実だが、ここは挑戦を受けるしかない。
もうかれこれ数時間は戦っている気がする。
これ以上戦いを長引かせるよりかは一気に勝負を付けたかった。
「さあ、踊りなさい」
両手を掲げたかがみの周囲に顕現するのはすっかり見慣れた光景と化した無数の胡桃。
さすがに初戦の全方位斉射バージョンの時よりも宙に浮かぶ胡桃の数は少ない。
だがあの時はプリキュア二人だったのに対して今回はヴィントブルーム一人。
総数ではなく一人当たりの数で考えれば今回の方が厳しい状況だ。
「それじゃあ、これで終わりよ!」
かがみの号令と共に無数の胡桃がヴィントブルーム目掛けて飛来する。
だがヴィントブルームは落ち着いていた。
いくら数が増えても胡桃の軌道が直線である事に変わりはない。
それに初戦とは違って今は翼によって自由に空を駆ける事も出来る。
これなら胡桃の斉射を避ける事は可能なはず。
もちろん地上に残っているフルムーンを脅かしそうな胡桃は撃ち落とすつもりだ。
一応フルムーン自体は不可視のバリア的な何かで守られているみたいだが、過度に期待するのは危険だ。
目下最大の問題はこの攻撃に伴ってかがみがどう動くか。
だがヴィントブルームの心配は思わぬ形で裏切られる事になった。
「爆ぜろッ!!!」
かがみの号令と共に発生したのは無数の炸裂音――無数の胡桃はヴィントブルームに届く前に全て爆発した。
この意外な展開にヴィントブルームは虚を突かれる形になってしまった。
それどころか何もできないまま上下前後左右で爆音が轟き、爆風が吹き荒れ、爆煙が蔓延する羽目になった。
もちろん胡桃が爆発する事は初戦の罠で痛いほど身に沁みている。
だが爆発させるとしたらもっと接近してからだと考えていた。
そちらの方がギリギリで避けてもダメージを与えられるはずだ。
今回の爆発だと爆煙・爆風・爆音こそ大規模だが、肝心のダメージ自体は然程でもない。
(え、もしかして手違い? それとも罠?)
激情に身を任せて行動する一方でその力に溺れる事なく策を巡らせるだけの智謀を兼ね備えている難敵。
それがマシロの柊かがみ評だ。
いささか過大評価な気もするが、ここまでの戦闘を振り返るとあながち間違いとも言えない。
そんなかがみがこんな単純な失敗をするとは思えなかった。
今までの経緯を顧みてヴィントブルームはこのまま突っ込むべきか躊躇わざるを得なかった。
(周りは爆煙で全然見えない。このまま迂闊に突っ込んだら相手の思う壺な――ッ!?)
一瞬の逡巡は高速で飛来した胡桃の弾丸によってかき消された。
それはまさに弾丸という表現が相応しかった。
幸い警戒を怠っていなかったので長剣で弾く事で対処できた。
「――ッ!!!」
そして胡桃の弾丸を迎撃すると同時にヴィントブルームは飛翔した。
その行く先は胡桃が飛来してきた場所――つまり胡桃を放ったかがみがいる場所。
確かに視界が開けた先に罠が待ち構えている可能性は十二分にある。
だがそう思わせて実際は今の視界を封じた上での狙撃が目的かもしれない。
ヴィントブルームは後者に賭けた。
「ハアアアアアァァァッ!!!!!」
最大限警戒して且つ最加速で一気に爆煙を突っ切る。
そして煙の尾を引きながら飛翔するヴィントブルームの視線の先には予想通りかがみがいた。
胡桃の樹の上でこちらに右手を向けながら一人で立っていた。
瞬く間に距離を詰められる状況で槍らしきものを急いで構えようとしているが、それが終わる頃には勝負は付いている。
(よし、勝っ――ん?)
そこでヴィントブルームは得も言われぬ違和感を覚えた。
(違う! あの顔は……)
視線の先に捕らえた全裸の男の表情は驚愕や後悔ではなく――“悪魔のような微笑み”。
特に両の瞳は先程すれ違った時よりも爛々と輝いているようにも見える。
まるで全てが己の思い通りであるかのように。
だがそれ以上に何かがおかしい。
先程空中戦で鎬を削っていたかがみとは明らかに差異がある。
「――ッ、しまった!?」
今かがみは胡桃の樹の上に立っている――それなら今までかがみを乗せていた竜はどこだ?
後少しでかがみに届くという位置を惜しみなく捨てて、ヴィントブルームは空中で一気にUターンした。
そして一瞬で舞い戻った時、自分の考えが正しかった事を知った。
「くっ!」
「あ、見つかったアル」
そこに竜はいた。
ヴィントブルームのために歌を捧げている大切な仲間を襲撃するために。
もしもあと少し気づくのが遅れていたら間に合わなかったかもしれないが、なんとかギリギリで間に合う事が出来た。
この時長剣を振り上げたヴィントブルームと竜との距離は一気に詰められる程度。
だが今までの様子から竜がこの戦いに消極的なのは薄々感づいていたので本気で傷つけるつもりはない。
こちらの様子を見て動きを止めるなり鈍らせてくれれば、その隙にフルムーンを抱えて移動すればいい。
そんなある意味楽観的な思考でいたヴィントブルームは次の瞬間冷や水を浴びせられる事になる。
「リバースカードオープン、トラップカード発動、六芒星の呪縛アル」
竜の宣言と共に突然ヴィントブルームの動きは停止した。
それはまさに停止という言葉が相応しい状況だった。
突如ヴィントブルームを中心に出現した黒く光る六芒星の魔法陣。
それが現れると同時にヴィントブルームの身体は空中に縫い止められたかのように身動き一つ出来なくなってしまった。
まるで呪いが身体を縛りつけているかのような異常事態に戸惑いながら必死に足掻いたが、全く効果はなかった。
そしてそんな無駄な努力を続けるヴィントブルームを嘲笑うかのように――。
「日本昔話ドラゴンアタック、アル!」
「きゃ!?」
――祈りの歌姫は竜の突進で地面に倒されてしまい……。
「フルムーン!?」
「――突き穿つ死翔の胡桃槍ッッッ!!!!!」
そしてほぼ同時に放たれた胡桃の槍がヴィントブルームにトドメを刺しに飛来した。
▼ ▼ ▼
斯くして悪と正義によるオペラは幕を下ろした。
だがそれを快く思わぬ観客が一人……。
▼ ▼ ▼
きっかけは何度目かの攻防後に地上ギリギリで低空飛行していた時に見つけた一枚のカード――「六芒星の呪縛」という名のカード。
デュエルモンスターズの中でも割と有名な罠カードを見つけた時、かがみの脳裏に一つの作戦が思い浮かんだ。
結局のところ基本骨子は“将を射んと欲すれば先ず馬を射よ”。
そのためにかがみはいくつも準備を重ねた。
まずは胡桃の一斉爆破による爆煙・爆音・爆風の三重奏。
もちろんヴィントブルームの視界を塞ぐ意味もあったが、真の目的は竜の移動を隠蔽するため。
もしも煙だけなら移動の際の音や空気の動きで露見する可能性があるが、この三重奏なら早々露見する可能性は低い。
そこさえクリアできればもうほぼ作戦は成功したも同然。
ヴィントブルームが爆煙を突き抜けて向かってくれば適当にあしらって、竜がフルムーンを倒してくれればチェックメイト。
もし途中で気づいて引き返しても、竜に予め持たせておいた「六芒星の呪縛」を発動させればチェックメイト。
さらにトドメに突き穿つ死翔の胡桃槍(爆発する投槍)でズドン。
「――という訳よ。残念だったわね」
喜々として悦に入っているかがみはようやく一連のあらましを説明し終えた。
事前準備は怠らなかったものの、ここまで思い通りにいくとは予想以上だった。
正直なところ最後の場面はギリギリセーフとしか言いようのない状況だった。
ヴィントブルームの加速が予想以上だったので、もし満月の危機に気付かなければこちらも相応の手負いを受けての結末だったはず。
さらに死翔の胡桃槍が決め手になったから良いものの、あと少しタイミングがずれていたら「六芒星の呪縛」が自力で破られていたかもしれなかった。
だが過程はどうあれ結果が全てだ。
現状プリキュア2人の変身は解けて元の姿に戻ってしまっている。
しかもマシロは死翔の胡桃槍による一撃でかなりのダメージを負った上に「六芒星の呪縛」で拘束状態。
それに加えて満月は先程よりも厳重に胡桃の蔦で口と身動きを封じられている。
まさにかがみの完全勝利だった。
「あのカードに、そんな力が、あったなんて……」
「ふふっ、悪いわね。経験と知識の差ってやつかしら」
実際マシロは自分に「六芒星の呪縛」のカードが支給されている事を把握していた。
だが満月共々使い道が分からず、おそらく遊戯のための札ぐらいの認識だった。
このような効果があったと知っていれば手元に控えていたのにと臍を噛むしかなかった。
もっともメタ知識全開のパロロワクロスネタ投下スレ出身のかがみだからこそ説明書なしでもカードの使い道が分かったようなものだ。
この辺り反則的な経験と知識の差が諸に出る結果になった。
「おおっ、痛いアル。何か見えない壁にぶつかったみたいだったアル」
「よくやったわ、竜。あ、ちゃんと満月を見張ってなさい」
「はいアル……(相変わらず人使いならぬ竜使いが荒いアル……)」
心の中でそっと愚痴る竜であったが、この作戦の一番の功労者が竜である事はかがみも承知していた。
何しろ竜が予定通りに動いてくれなければ今頃苦汁を嘗めていたのはかがみの方だ。
最初は乗り気ではなかったようだが、最終的にこれでいい加減決着が付くならと従ってくれた。
己に服従してくれる犬ならぬ竜第1号として改めて労いの言葉ぐらいかけてもいいかなとも思う。
「さて、これで私は二度あんたに勝ったわ。もういい加減諦めて私の奴隷になりなさい」
「…………」
マシロはかがみの問いに対して沈黙を返していたが、その目は明らかに拒絶の意を表していた。
やはり生半可な方法ではもう信念を曲げる事も、況してや服従させる事も叶わない。
だがそれは“二人はプリキュア”だからに尽きる。
一人一人では無理でも二人でお互いに支え合ってこそ強固な精神で立ち向かってくる。
なんとも胸が熱くなる良い話だ。実に感動的だ。だが無意味――とも言い切れない。
なぜならこれはこれで大いに利用価値があるからだ。
「へえ、まだ逆らう気でいるんだ。それならこっちにも考えがあるわ」
よくよく考えてみればそのような事情なら簡単に壊す方法がある。
「その、デイ……パックは……?」
「さっき拾ったんだけど、これ中に面白い物が入っていたのよ。じゃじゃ〜ん」
さも面白そうにかがみがデイパックから取り出したのは一見すると普通に点滴装置。
だが中身の液体は鮮やかなオレンジ色をしており、明らかに一般的な点滴とは違った感じがする。
そして何よりマシロはその点滴に見覚えがあった。
「――ッ!? そ、それは……」
「へえ、これが何か知っているのね。ふふふ、それなら好都合だわ」
「ど、どういう意味だ……」
「そんなの決まっているじゃない――こうするのよッ!」
「うぐっ」
かがみの宣告が終わるや否や、右手に握られた点滴針は狙い違わずに満月の左腕に刺さっていた。
満月は身動き一つできず呻き声すら上げられぬまま、ただ表情だけを驚愕で歪めていた。
かがみの為すがままに無情にも点滴装置が固定されると、しばらくして満月はぐったりと項垂れた。
「満月ちゃん!?」
「あはは、良い顔ね」
マシロは自分の愚かしさを呪わずにはいられなかった。
一度ならず二度までも自分の甘い見通しで満月共々窮地に陥った挙句、今度は満月に取り返しのつかない事までしてしまった。
実のところマシロはあのオレンジ色の液体の点滴の正体が何であるか知らない。
なぜなら先程のカード同様に説明書が付いていなかったからだ。
だが明らかに普通ではない様子だったので、何かしら危険なものなのかと思っていた。
そしてこのかがみの反応と行動だ。
毒物とまではいかないまでも人体に何らかの害をもたらすものである事は火を見るよりも明らかだ。
(うふふ、この反応……やっぱり危険物だったのね……)
だが一方でかがみもこの液体が何であるか知らなかった。
ただマシロの焦る様子から何らかの害を及ぼすものだと推測しただけ。
そして曖昧な推測は満月の状態を見て確信に変わった。
人体に与える影響がどの程度かは知らないが、そんなものを身体に投与されれば最悪の場合は死に至る事もあり得る。
当初は別の方法で追い詰めていくつもりだったが、運よくお誂え向きの道具が手に入った。
「さあ、早く奴隷になると誓いなさい。今ならまだ応急措置で助かるかもしれないわよ」
「なんで……ここまで……!」
「あんたが悪いのよ。いつまでも私に逆らうから。もっと早くに私の奴隷になっていればこいつもこんな目に遭わずに済んだのにね」
「なっ!?」
「いつまでも夢とか希望とか見ているからこういう目に遭うの。世の中そんな都合の良い展開にはならないのよ。
奇跡? 魔法? はっ、そんな夢物語で救われるなら人生苦労しないわよッ!!!」
そう、世の中は常に不条理。
このような殺し合いの場であるなら、その理はさらに重きを増す。
その事実を突きつけられたマシロの表情は否応なしに苦悶に歪む。
正々堂々と立ち向かって最終的に仲間を守るために敗北した挙句にその仲間を死に追いやる心中とは如何程のものであろうか。
(二人だから支え合って立ち向かう事が出来た。それじゃあ一人になったら? しかも片方が自分のせいで死ぬとしたら?)
キュアヴィントブルームのマシロとキュアフルムーンの満月のプリキュアコンビ。
確かに二人の絆は出会ってから数時間だというのにもうすっかり本家に見劣りしないぐらい強固なものになっている。
二人だからこそ、その信念は曲がらず、また服従させる事も叶わず。
――それならば欠けさせればいい。
支援
当初はかがみも二人の強固な信念の前に搦め手を諦め、正面から正々堂々と力で打ち負かすしかないと思っていた。
だがそれ以外に相手を打ち負かせるかもしれない方法があるなら越した事はない。
空中戦に移行して彼我の実力差が開く一方なら尚更だ。
それにこういう手合いは自分よりも仲間が傷つけられる方が何倍も堪えるはずだ。
その証拠に満月に点滴が打たれてからマシロはひどく狼狽して、あれほど必死に行っていた抵抗にも力が入っていない。
やはり仲間想いの正義のヒーローにはこの手の仕打ちは効果覿面らしい。
(まあ、悪は悪らしくやらせてもらうだけよ)
正々堂々という言葉がある。
その意味は卑怯な手段を用いず、態度が立派な様。
だがその語源まで遡ると言葉の意味は異なってくる。
その語源となる孫子・第七篇軍争篇には次のように記されている。
『正正の旗を邀うることなく、堂堂の陳を撃つことなし』と。
要約すると、旗印を整然と陣を整えた敵を攻撃する事は避け、堂々の陣を敷いた強力な敵を正面から攻撃する事はない。
つまり強固な備えをしている敵に対して馬鹿正直に攻める事は避けるべきだと述べている。
だからかがみの行動もある意味『正々堂々』と言えなくもない。
もちろん本人にそういう自覚は露ほどもないのだが。
「ああ、その表情ゾクゾクするわ。このままヤりた……ん? 何よ、その目は? 何か言いたいの〜?」
これからさらにマシロを言葉責めにして追い詰めようとしていたかがみだったが、ふと横目で見ると満月が何かを言いたそうにこちらを見ている事に気づいた。
相変わらず胡桃の蔦で口を塞がれ身体は縛られて何もできない状態だが、その両の瞳は何かを訴えていた。
「満月ちゃん……ごめん……」
「うふふ、いいわ、特別に喋らせてあげる。どうせもうすぐ死んじゃうんだから。さあ、恨み事でも何でも言ってみなさい」
この時マシロが悔恨の念にかられる一方で、かがみはその嗜虐心を刺激されていた。
だから満月の身体を拘束する胡桃の蔓の内の口元部分だけ緩めてやった。
もちろん再び歌おうものなら即座に口封じをするつもりだ。
実際かがみはオレンジ色の液体の具体的な正体は知らない。
だがマシロの様子から危険なものである事は分かっているので、殊更「もうすぐ死ぬ」と煽っているだけだ。
人間という生き物は死の間際には本音が出ると言われている。
しかも力と恐怖で絶望に屈した状況であるならさぞかし醜い本音が聞けるのだと期待して――。
「…………ん」
「え、なんだって?」
――いたのだが。
「私達は諦めません――ッ!!」
満月からの力強い返答はかがみにとって予想外のものだった。
その表情には力と恐怖に屈した絶望など全くない。
身動き一つ出来ない状態でありながら、その両の瞳から光は消えていなかった。
「はあ!? あんた馬鹿? 今の状況分かっていないの!」
「確かに、私達は絶体絶命です。でも、夢も希望も最後まで信じ続けて諦めなければ、きっと奇跡も、魔法も、あります!」
元々満月は喉に悪性の腫瘍があり、医者から余命1年と宣告されていた。
だが二人の心優しき悪魔のおかげで夢と希望を失わずに済み、いくつもの奇跡にも魔法にも等しい経験をしている。
だからこそ諦めるわけにはいかない。
今諦めてしまったら二人に会わせる顔がないからだ。
「だからマシロ君、心配しないで。私ならきっと大丈夫だから」
(『きっと』か……なら、僕がこんなところで落ち込んでいたら皆に笑われちゃうな……!)
先程満月は『私達は諦めません』と強く言った。
既にマシロは満月から話を聞いていたので病気の事は知っていた。
だからこそこの状況で満月があれほど意志を強く持ってかがみに言い返した事に胸を打たれていた。
そして同時に満月の想いも理解した――まだ僕達の戦いは終わってなんかない。
最後の最後まで足掻いて足掻いて必ず勝機をこの手に引き寄せる。
パートナーである満月の激励に応えるかのように、いつの間にかマシロの瞳にも生気が戻っていた。
(ちっ、余計な事を……息吹き返しちゃったじゃない……!?)
一方でかがみは予想外の事態に歯軋りするしかなかった。
奇しくも先程と似たような状況だ。
もっともこちらはやっと追いつめたと思った獲物がまたしても息を吹き返した分、身の内を駆け巡る悔しさは半端ない。
しかもまたしても盤上をひっくり返したのは神山満月の存在。
確かに要注意人物だとは思っていたが、その潜在的な力はかがみの予想を遥かに上回るものだった。
「ああ、分かった。そうやっていつまでも夢でも希望でも抱いていればいいわ」
だからこうなればもう迷わない。
「竜! 満月を殺しなさい!」
「なっ!?」
もう満月を生かしておくのは危険だ。
こうなれば一思いに殺してマシロを強制的に絶望の海に沈めてやる。
本当はじわじわと甚振りたかったが、これ以上満月が余計な事を言う前に始末する方が良い。
「え、なんでまた自分でやらないアル?」
「私はこいつが目を背けないようにするという大事な役割があるから手が離せないのよ」
もちろん今度も直接の実行犯には竜を差し向ける。
確かにマシロが顔を背けないようにするという理由は間違いではない。
だが本当の理由は自分で直接手を下したくないだけ。
今は特に何も起こっていないが、万が一時間差で予感が的中してしっぺ返しを食らう可能性も捨てきれない。
つまりは保険だ。
これならもししっぺ返しを食らうとすればかがみではなく竜になるという算段だ。
「でも、そこまでしないといけないアル?」
「はぁ? まさか私の言う事が聞けないって言うの? それならこっちにも考えが――」
「あー、分かったアル。言う事聞くアル」
渋々といった様子で上昇する竜をかがみは嬉しそうに見送った。
先程のようにプリキュアに変身した状態ではなく、今の満月は生身の12歳の少女。
同じような日本昔話ドラゴンアタックを食らえば命の保証はない。
そして十分な距離を取った竜が満を持して急下降の加速と共に満月目掛けて突進態勢に入った。
(まあ、人間なんていっぱいいるから諦めるアル)
「あははっ、夢と希望を抱いて溺死しろオオオオオ!!!!!」
「このォォォオオオオオオオオオオ!!!!!」
(まだ、終われない!!!)
各々の叫びと想いが固有結界内に交錯する時、新たな劇の幕が開いた。
▼ ▼ ▼
次の瞬間、同時にいくつもの事が起きた。
空の天幕が割れ。
砂漠と胡桃が消え去り。
かがみが血を吐き。
竜が血飛沫を上げながら墜ち。
そして観客であった白夜叉が降臨した。
▼ ▼ ▼
一瞬にして本来の姿に戻った草原の真ん中で満月は動けずにいた。
もう既にUWW消滅により胡桃の蔦の拘束から解放されているが、目の前で起こった出来事をなんとか把握しようと手一杯だった。
最初に空が割れ砂漠が消えて、次の瞬間には辺り一面は草原になった。
おそらくかがみのUWWが何らかの形で維持できなくなったために空間が元に戻ったのだろう。
それを為したのは禍々しい刀を携えて夜叉の面を被った白装束の乱入者。
その乱入者に出会い頭に斬られた竜は落下の衝撃もあって地面に頭から突っ込んで軽く痙攣していた。
だがそんな光景もかがみの変貌に比べたら生易しいものだ。
かがみは先の吐血をきっかけに先程の威勢の良さは見る影もないほどに衰弱しているのが遠目でも見て取れた。
「あ、あんた…いったい、何――ッ!?」
だが白夜叉はそんな瀕死のかがみにさらなる追い討ちを掛けていた。
それは刹那の交差。
白夜叉が一足でかがみとの距離を詰めたかと思ったら、次の瞬間にはもう二人はすれ違っていた。
そしてかがみの右腕は握っていたカード諸共斬り潰されていた。
「ぎゃああああああああああ!!!???」
その一部始終を満月は見ていたはずだが、何が起こったのかすぐには理解できなかった。
それほどまでに白夜叉の手際は迅速で鮮やかすぎた。
当の斬られたかがみが数秒遅れてから反応した事からも白夜叉の凄さが垣間見える。
僅かな時間でこの場にいる全員は次元の違う強さを見せつけられていた。
「よし、これで動け――」
「ダメ、マシロ君! 避けてえええええ!!!!!」
「ARUARUUUUUUUUUUU」
「ガッ!?」
「六芒星の呪縛」のカードが破壊されたために身動きが取れるようになったマシロはすぐに満月の元に向かおうとした。
だがそれは叶わなかった。
先程白夜叉に斬り伏せられた竜が息を吹き返して暴れ始めたのだ。
もう飛ぶ力も残っていないのか地面を跳ぶようにのたうち回るだけだが、その巨体では依然として十分すぎる脅威だった。
竜がその巨体をうねらせて跳ねるたびに草原の大地は震え、盛大に土を巻き上げて抉れていった。
まだ回復していないマシロはそれに巻き込まれて吹き飛ばされた上に、今までの積もり積もったダメージと相まって意識を手放してしまった。
「マシロ君、しっかりして!」
だが幸いにも吹き飛んだ先が満月のすぐ近くだった。
すぐさまマシロの傍に駆け寄った満月が覗き込むと、度重なる戦闘で負傷と疲労のダメージはあるが命に別条はなさそうだった。
だがこの場は現在進行形で暴れ竜がのたうち回っている危険地帯。
それに加えていつのまにかかがみもいなくなっているので無理にこの場所に留まる理由もない。
すぐにでも離れた方がいいと思って周囲の様子を確認しようと満月が頭を上げると、目の前に白夜叉がいた。
「あっ!?」
だがよく見てみると目の前の人物は厳密には白夜叉ではなかった。
白夜叉はその特徴的だった面を暴れ回る竜に弾き飛ばされていた。
そして白日の下に晒されたその素顔は満月とマシロの知る者だった。
「ア、アカギさん……?」
「やあ、助けに来たよ。満月ちゃん」
それはかがみとの戦闘に赴く時に別れたきりのアカギ(零)だった。
だがその呼びかけは疑問にならざるを得なかった。
満月の知っているアカギ(零)は黒髪で正義感に溢れる青年だった。
それに対して目に前にいるアカギ(零)は見事な白髪で、さらに以前よりも顎と鼻が尖っているように見える。
その上その身に纏った空気も狂気じみたものへと変貌しているように思えてならなかった。
右手の刀から発せられる禍々しさと白装束に付いた返り血がその変貌ぶりを一層際立たせていた。
「アカギさん、その髪は……」
「それよりも…早くここから離れろっ…!」
満月の質問に対してアカギ(零)が返したのは答えではなく警告にも近い指示と二つのデイパックだった。
さっと中身を確認すると、一つは満月のもので、もう一つには青い宝石と裁縫セットが入っていた。
もう一つの方は竜を斬った時にアカギが奪ったもので、裁縫セットは元々マシロの支給品だったが拾われて入れられていた。
先程弾き飛ばされてデイパックをなくしたせいでアカギ(零)の所持していたデイパックはこれでなくなった。
だがそんな事よりも満月はアカギ(零)の指示の方が引っ掛かった。
「そんな……私達にアカギさんを置いて逃げろって言うんですか……?」
「ああ、そうだ…! 分かったらさっさとマシロを連れて行けっ…!」
「でも、アカギさん一人を残して行くなんて――」
「俺の気が確かな内に早く行け!!!」
その時になって満月はアカギ(零)の顔が歪んでいる事に気付いた。
何かに耐えているような、踏み止まろうとするような、そんな表情だった。
それを見たらなぜか反論できなくなってしまった。
「……分かりました。北にあるペットショップで待っています」
「待つ必要なんてないぞ」
満月は断腸の思いでアカギ(零)の言う通りにこの場から離れるためにマシロとデイパック二つを担いだ。
そして去り際に振り向いて別れの言葉を告げた。
それがしばしのものになると信じて。
「あの、私、アカギさんを信じていますから!」
そして背後から聞こえてくる大きな地響きで不安になりつつも満月はマシロを背負って気持ち早足で北へ向かった。
人一人を背負って徒歩での移動。
それは普段の満月からすれば考えられない行動だった。
いくらプリキュアの力を得たと言っても激戦を終えて間もなければ一般人でも厳しいものがある。
だが今の満月の足取りは病人とは思えないほどしっかりとしたものだった。
(やっぱり、あの説明は正しかったんだ……)
かがみもマシロも勘違いをしている。
満月に点滴されたオレンジの液体は厳密には人体に害を与えるものではない。
その正体はナノマシン。
マシロがよく知る乙HiMEになるために必要不可欠なものだ。
その本来の効力は高次物質化エネルギーによるエレメントやローブを具現、物質化。
それだけでなく平時でも利用者の体力向上や負傷・疾病に対する早期治癒といった能力を発揮する。
だがこれの正体がナノマシンだと知っているのは今この島には満月だけ。
実は支給品を調べた際に満月は説明書きを抜いていたのだ。
そのため後から見たマシロには「正体不明のオレンジ色の点滴」としか分からなかった。
説明書き無しでも分かりそうなものだが、意外と知識不足な面もあって気づく事はなかった。
では何故そのような事をしたか?
それは支給品を確認し合う前にマシロから乙HiMEの話を聞いてからだ。
これがあれば身体が弱い満月でも乙HiMEになれる可能性が出てくる。
もし正体を知ればマシロが余計な心配をするんじゃないかと思って咄嗟に説明書は伏せておいたのだ。
それが今回巡り巡って思いもかけない結果を生んだ。
正直なところナノマシンのおかげでどれくらい病状が改善したかは不明だが、今のところは特に問題はない。
これは満月も知らない事だが、普通ならナノマシンを体内に入れると何日か寝込む事もある。
そうならないのは偏に満月とナノマシンとの相性が良かったからだと思われる。
それでもさすがに点滴針を打たれてしばらくはぐったりと項垂れていたが。
(マシロ君、黙っててごめん。それにアカギさん……)
満月の両の瞳にはいつしかデイパックに眠る蒼い空を彷彿させる宝石のような涙が浮かんでいた。
【1日目 昼/C-5北部】
【神山満月@満月をさがして】
【服装】いつもの普段着
【状態】軽傷、疲労(大)、ナノマシンにより身体能力やや向上
【装備】ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5、ナノマシンの点滴@舞-乙HiME
【持ち物】基本支給品一式、DMカード「融合」@ニコロワ、竜のデイパック(基本支給品一式、蒼天の青玉@舞-乙HiME、裁縫セット@現実)
【思考】
1:ペットショップでマシロを休ませながらアカギ(零)を待ちたい。
2:マシロとアカギ(零)と一緒に都市で殺し合いを止めるための仲間を探す。
【備考】
※ピンキーキャッチュでキュアフルムーンに変身可能。変身中は病気が悪化しないようです。
※キュアフルムーンの容姿は原作のフルムーン状態です(金髪ツーサイドアップ16歳ver。ステージ衣装みたいなプリキュアっぽい服)。
※必殺技「キュアフルムーンソング」…歌っている間味方を支援する技。回復効果(中)。
【マシロ@舞-乙HiME (漫画)】
【服装】いつもの女装服
【状態】気絶中、ダメージ(大)、疲労(中)、満月に背負われている
【装備】ピンキーキャッチュ@Yes! プリキュア5
【持ち物】なし
【思考】
1:満月、ちゃん……。
2:満月とアカギ(零)と一緒に都市で殺し合いを止めるための仲間を探す。
3:満月が心配。
【備考】
※ピンキーキャッチュでキュアヴィントブルームに変身可能。
※キュアヴィントブルームの容姿はマシロとの違いは特になし(髪はカツラではなくなる。王族衣装みたいなプリキュアっぽい服)。
※必殺技「キュアダイヤモンドヴァルキリー」…味方の支援を受けて乙HiMEの力を使う技。光の羽と長剣を生成して、原作5巻のラストみたいな感じに服も変化する(支援する仲間が多ければ多いほど強くなる)。
▼ ▼ ▼
(ヤバッ、竜が足止めしている間に逃げないといけないのに……)
竜の最期の足掻きに紛れていち早く逃亡する事に成功したかがみ。
だが逃避行は順調とは言えなかった。
右腕喪失による出血だけなら応急措置の止血でなんとかなったかもしれないが、その直前の身体へのダメージが深刻すぎた。
つまりUWW破壊による身体へのダメージだ。
胡桃の固有結界、別名“unlimited walnut works”。
元々は胡桃と縁の深いシマリスが会得した奥義であったが、第3回カオスロワでシマリスによって6/に伝授されている。
それはFateシリーズに登場するアーチャーの宝具unlimited blade worksの胡桃版と言えるものだった。
アーチャーの場合は無限の剣が出てくるが、シマリスは愛する胡桃でそれをやってのけた。
そして結界内に相手を引き込んだところで、顕現させた無数の胡桃で滅多打ちにするスタイルが基本形だ。
だがその使い手である6/はUWWについて次のような感想を抱いていた。
『体力を大幅に消費するあの技』
『種のままのクルミをこんな速度で成長させるなど、本来自分の持っている能力を超えている』
元々が6/本人の奥義でないためか、どんな事でも出来るわけではないらしい。
と、ここで一つの疑問が湧いてくる。
今のかがみは身体が6/なので6/と同じ技が使える事は不思議ではない。
だが胡桃の蔦を出す事や胡桃で大剣を作り出す事は本来の力を超えているものではなかろうか。
さらにかがみはこの技は基本的にノーコストだと考えてガンガン使用していた。
不思議な事にこれだけ見ると「◆6/WWxs9O1sのUWW」よりも「柊かがみのUWW」の方が強力に思えてしまう。
その疑問に対する回答はずばりリミッター。
元々人体が普段発揮している力は本来の力の一部であり、基本的に全力を出す事はできないようになっている。
これは本当の意味で全力を出した場合、構造上人体そのものが耐えられないからである。
それを防ぐために脳が常にリミッターをかけて力をセーブしているのだ。
だがこれは正常な状態においての話だ。
今の6/の身体の中身は入れかえロープによって本人ではなくかがみになっている。
そのため6/が普段自分の身体にかけているリミッターは中身の入れ替わりによって箍が外れた不完全な状態になってしまった。
それに加えて男性と女性という性別の違いもこの乖離に拍車を掛ける一因であった。
つまりかがみは意図せずに本来の6/の限界以上の力を行使し続けて、6/よりも強力なUWWを行使する事が出来た。
だがそれは同時に6/の身体へ限界以上の負担を掛け続ける事でもあった。
そして本来の身体ではないために普通なら気付けるはずの身体が上げる初期の悲鳴を聞き逃してしまった。
さらにUWW破壊による衝撃のフィードバックも加わった事で、ついに◆6/WWxs9O1sの身体は限界を迎えてしまった。
だからこれはある意味かがみの自業自得とも言える結果だった。
もちろん当のかがみ、竜やマシロや満月、況してやアカギ(零)がこの事情を知るはずもなかった。
(とにかく! あの乱入者の狙いが私か6/か知らないけど、今あいつの相手をするのは自殺行為よ!)
どういう魂胆か夜叉面の乱入者はかがみに敵意いや寧ろ殺意を向けていた。
これが6/の誤解フラグか、それとも今までの所業に因るものかは定かではないが、明らかに話し合いに応じる気配はなかった。
だからと言って今のかがみの状態ではどう見ても敵う相手ではない。
今は一刻も早く安全に身を休める事が出来る場所まで逃げ果せる事が肝心。
一応行き掛けの駄賃にデイパックなどを拾ってきたが、中身の確認は身を落ち着けてからだ。
「きゃ!?」
少しでも早く逃げる事だけ考えていたために足元への注意が疎かになっていたのだろう。
それに加えてここは所々に暗がりや木の根っこが点在する森の中。
不覚にもかがみは何かに躓いて転んでしまった。
だが今のかがみは極度の疲労と大量の出血で体力は既に限界である。
いつもならこの程度の転倒など笑って済ませるが、今は致命的なロスになりかねない。
「痛ッ……ったく、何に躓い――え?」
それは人間の足だった。
腐葉土の上に倒れたまま首だけ後ろに回すと人間の下半身が見えた。
さらに視線を移動させると、その人物が見覚えのあるSMの女王様風の衣装を身に付けている事に気付いた。
そしてさらに視線を上半身に移動させると、一瞬かがみは心臓が止まるかと思った。
ライトピンクのロングヘア/眼鏡/巨乳/天然系ドジっ娘/優等生/曰く、歩く萌え要素。
「うそ、みゆき……なの……」
それは紛れもなく数時間前に行方が分からなくなった高良みゆき、その亡骸だった。
既に放送でその死は知っていたが、実際に対面すると多少なりと思うところはある。
ぱっと見で外見は数時間前と全く変わりなかった――ただ一点を除けば。
「ひっ!?」
その唯一変わった箇所は瞳。
あの慈愛に満ちた薄青紫色の瞳に灯っていた光は消え失せ、今はただ虚ろな視線を送るだけ。
あたかも惨めに生き延びたかがみを呪うかのような空虚な瞳に変貌していた。
目は口ほどに物を言うとはよく言ったものだ。
死してなおみゆきの瞳は雄弁に語っているようだった――ナゼワタシガシンデアナタガイキテイルノと。
そしてその呪いが届いたかのようにかがみは絶望する事になる。
もう地に伏した己の身体を立ち上がらせるだけの力が残っていない事が分かってしまったからだ。
▼ ▼ ▼
「静かな気持ちだ、怒りも奢りも感じない……ア、ル……」
よく分からない言葉を吐きながら竜はようやく地面へと倒れ伏した。
今まで散々暴れ回っていたが、今度はもう起き上がる事はないだろう。
両手両足は根元から斬り落として、長い胴体にはいくつも深い傷を刻んだ。
いくら化け物でもこれだけ致命傷を負わせれば再起不能だろう。
だが改めて辺りを見渡してみると竜の状態に負けず劣らずその惨状は凄まじいものだった。
草が一面に生い茂っていた平原の原型は欠片も見当たらず、周囲はすっかり荒れ地と化していた。
せっかく作った二つの墓も跡形もなくなり、おそらく眠っていた死体も地面ごと掘り返されたせいで原形を留めていないだろう。
だが不思議と今のアカギ(零)はその事に対して心を動かす事はなかった。
「お前、いったい……何者……アル?」
「義賊アカギだ」
「え、天狗じゃ、ないアルか!?」
「俺は人間だっ…!」
「そのちょっと尖った鼻に、化け物じみた強さ、どう見ても天狗アル」
「残念だが俺は正真正銘ただの人間だ…」
確かに今のアカギ(零)は人によっては天狗という化け物に見えるかもしれない。
そう思わせるほどアカギの周囲に漂っている空気は異質だった。
まるで闇から這い出てきたような不気味さを醸し出している。
その答えを聞いて竜は少し意外な表情をしていたが、すぐに何かを悟った様な表情になっていた。
「ふっ、夜叉かと、思ったら天狗……天狗かと思ったら、人間だった……アル。全く、滑稽、アル」
「どういう意味だ?」
「最初は、竜が天狗に倒さ、れるのも、一興か、と思った、アル……でも、人間……だったアル……」
「それがどうした!?」
「ふっ、やっぱり昔話みたいに化け物は人間に退治される運命だったという事アル!
全く!!! 本当に人間は争い続けないと死んでしまう狂った生き物アル――ッ!!!!!」
それが竜の最期の言葉だった。
その言葉の意味を知ろうとは思わなかった。
「……行くか」
しばらくして竜の亡骸を見ていたアカギ(零)は興味が失せたかのように南西へと足を向けた。
目的はマシロと満月を痛めつけていた男の始末。
あの竜の暴走による混乱の中でいつのまにか姿を消していたが、どこへ向かったかは見当が付いている。
なぜなら地面に真新しい血痕が盛大に点々と残されていたからだ。
さらに右腕からの出血は尋常ではなかったので瀕死の状態でそう遠くまで移動しているとは思えなかった。
そして程なくしてアカギ(零)は少し離れた場所で右腕が無い血塗れの男の死体を見つけた。
「結局ここで力尽きたか」
細かに確認するまでもなく先程の男に間違いなかった。
その死体の周囲には先程紛失したデイパックとその中身が散らばっていて、なんとか生き延びようともがいた形跡があった。
目に映る光景から察するにタイムふろしきを使おうとしたようだが、どうやら失敗に終わったらしい。
無理な使用が祟ったせいかタイムふろしきが煙を上げて燻ぶっているのが何よりの証拠だ。
これでもうタイムふろしきは使い物にはならないだろう。
とりあえず周囲に散らばった道具を拾ったが、その時アカギ(零)に電流が走った――!
「……ぁ、お、俺は――ッ」
今更になってアカギ(零)は自分が為した所業に恐ろしさを感じていた。
(お、俺は! いったい、何をしているんだ…!?)
アカギ(零)はこれまでの出来事を思い出していた。
いきなり訳も分からないまま巻き込まれた殺し合い。
そこで最初に出会った若輩の軍人リュウタロス。
リュウタロスには自分に支給された三八式歩兵銃を貸した。
若輩でも曲がりなりにも軍人なので銃の扱いは手慣れていると考えたからだ。
だが怪しい洞窟前で赤いタキシードの男に会って…………二手に別れた。
そして次に出会ったのは緑色の不思議な生物ペットントン。
そのペットントンはすぐにMAXに殺されてしまったが、代わりにマシロと神山満月のプリキュアコンビと出会う事が出来た。
それから惨たらしい死体を見つけて、近くで竜を見かけたから二人は先行して向かって行った。
しかし合流するつもりで竜がいたと思しき場所に着いたら、竜も二人の姿もどこにもなく見知らぬ男二人の死体があるだけだった。
詮方なく二人が戻ってくる事に期待して二つ目の支給品スコップで二人分の簡易墓を作った後に、名簿を眺めて思考を巡らせていた。
(そこまでは割と思いだせる…。しかし、それからの記憶は曖昧だっ…)
トラックに轢かれたり、赤いタキシードの男がいたり、そんな気はするがはっきりとは思いだせない。
確かなのはいつのまにか気絶して、目覚めたら髪は真っ白になって近くに刀が刺さっていた事だけ。
しばらくは自分の身に起きた変化に戸惑うばかりだったが、すぐにそんな事どうでもよくなった。
どういう仕組みか刀を手にした瞬間から妙に気持ちが昂って力が溢れてくる気がした。
またこの刀が紅桜という名刀である事や刀の振るい方も知らず知らずの内に会得していた。
“紅桜”。
その正体は単なる刀ではなく「対戦艦用機械機動兵器」と呼ばれるものである。
「電魄」と呼ばれる人工知能を有し、戦闘の経緯をデータ化し、学習を積む事でその能力を向上させていく脅威の兵器。
だが紅桜の恐ろしいところは使用者に寄生してその身体を操る事だ。
実際にこの刀の元持ち主は最終的には精神と肉体を支配されて暴走している。
頭脳・運動神経も優れていると言っても一般人の域を出ないアカギ(零)が普通でいられるはずがなかった。
初めて得た純粋な力を前にしてさすがのアカギ(零)も冷静ではいられなかった。
そして同時に悪を糺す力を得た自分は以前のように義賊として行動するべきだと強く思った。
(そうだ、だから俺は二人に加勢しようと探し回って……)
そもそもアカギがUWWを破壊してまで乱入してきた理由はかがみの殺害だった。
当初マシロと満月に加勢しようと彷徨っていたアカギ(零)だが、UWWで隔離されていたので二人を見つける事は出来なかった。
そんなこと知る由もないアカギ(零)は近辺を一回りしてから二つの墓の傍に戻っていた。
その時ふと風に乗って歌が聞こえてきた。
穢れきった場の空気を浄化するかのような澄んだ歌声。
小さくてか細いが、とても優しくて張り詰めた空気を弛緩させるような柔らかな歌声。
それでいて、どこか力強さも感じられる歌声。
そこで風に流れてくる歌を頼りに辺りを探ってみると、空中に不自然な亀裂が走っているのを見つけた。
よく耳を澄ませると歌声はその亀裂――UWWのヒビから聞こえていた。
音源が分かるや否やアカギ(零)は急いでそこに目を当てて向こうの様子を観察した。
そして飛び込んできた光景は竜が満月目掛けて突進する危機的状況だった。
そこからは今思い出しても酷いものだった。
己の奥底から溢れ出た激情に押し流されるままに刀を振るった。
敢えて言い訳をすれば二人を助ける義賊にならんがために必死だったのだ。
だがその行動の果てに残ったのは竜と男の無残な死体だけ。
なぜか本来の目的であったはずの助けた二人は理由を付けて遠ざけていた。
いや違う、ただ単に怖かったのだ。
あのまま二人をこの場に残しておけば、ふとした弾みで自らの手で傷つけてしまう気がしてたまらなかった。
「……………………」
しばらくアカギはただ黙ってその場に佇んでいた。
一見無防備にも見える態勢で立ち尽くした後、アカギの表情には落ち着きが戻っていた。
だがそれは以前のものとは違って、どこか危険な気配を漂わせるものだった。
「◆6/WWxs9O1s……変わった名前だな……」
ふと興味本位で男の首を斬ってみたところ、首輪の裏面には装着主と思われる名前が記載されていた。
自分が殺した相手だと言うのに「少々奇妙な名前だな」という感想だけで特に興味は湧かなかった。
その時点でもう既に◆6/WWxs9O1sに対する関心はなくなっていた。
だがアカギは知らない。
その名前を持つ人物の性を。
その名前を持つ人物が辿ってきた運命を。
そして誤解王と称された◆6/WWxs9O1sが最期に残した誤解を。
「初めての人殺しか…後悔なんて、あるわけないだろっ…!」
誰に言うでもなく呟いて再び夜叉の面を被ったアカギ(零)は歩き出した。
ちなみに最後の支給品である雪夜叉の衣装はなんとなく惹かれるものがあったので身に付けていた。
本当は正体を知られたくなかったからなのかもしれないが、今となってはどうでもいい。
それよりもこれからだ。
どこへ向かうかは決めていないが、どこであろうと義賊としてこの紅桜を振るうまでだ。
さりとて満月達が向かったペットショップには何故か行くつもりはなかった。
それが本当に正しい行為であるかは誰にも分からない。
ただ生者一人と死者一人を等しく嘲笑うかのように一陣の風が吹いていた。
【竜@まんが日本昔話 死亡確認】
【1日目 昼/D-4 森の中】
【アカギ(宇海零)@賭博覇王伝 零@マガジン】
【服装】普通の服、血塗れの白装束@金田一少年の事件簿
【状態】疲労(中)、白髪化、アカギに改名される、得体の知れない高揚感
【装備】フムカミの指輪@うたわれるもの、紅桜@カオスロワ、雪夜叉の面@金田一少年の事件簿
【持ち物】基本支給品一式×3、スコップ@現実、詩音のスタンガン@ひぐらしのなく頃に、首輪(◆6/WWxs9O1s@クロススレ)
【思考】
1:義賊として紅桜を振るう。
2:なんとなく今はマシロと満月には会いづらい。
【備考】
※かがみ(外見◆6/WWxs9O1s)は死んだと思っています。
※タイムふろしきは燃えて使えなくなりました。
▼ ▼ ▼
「ア、アハハ、アハハハハハハハハハハ、あっ、違ったわね。ウィキキキキキキキキキキキキキキキキキキキキ!!!!!」
地図上のD-5に広がる森の中。
その南西部のクレーター付近で一人の少女が笑っていた。
だがそれは陽気なものではなく、どこか邪悪な笑い声だった。
「まさか土壇場で成功するなんて! あいつらの言う事も満更じゃなかったのね!! これって、まさに奇跡や魔法じゃない!!!」
誤解から始まったプリキュアとの二度に渡る激戦を制したが白夜叉に瀕死の重傷を負わされた変態女王――柊かがみは生きていた。
だが今のかがみの姿は◆6/WWxs9O1s氏ではなく、全く似ても似つかない姿になっていた。
今の外見はピンクの髪に眼鏡に巨乳のナイスバディ――歩く萌え要素と謳われた高良みゆきの姿だった。
(とりあえず奪ったデイパックにタイムふろしきが入っていたなんて運が良かったとしか言いようがないわ。それにアムンゼンの死体からこのロープを回収しておいて正解だったわ)
竜の最期の足掻きによる混乱の最中、かがみはアカギ(零)のデイパックと、アムンゼンの死体から入れかえロープも回収していた。
もしもタイムふろしきだけだったら自分を健康な状態に戻すまでに出血死していただろう。
もしも入れかえロープ(使えないけど)だけだったら死体のみゆきと入れ替わったところで即死亡していただろう。
幸いな事にみゆきが死亡したのは数時間前であり、死体の状態は良好で目立った外傷はなかった。
あとは賭けだった。
死者蘇生が許されるのはカオスロワを除けば一部の例外だけ。
だから普通にみゆきにタイムふろしきを被せても、みゆきが生き返る事はない。
だが身体を“生きていた時に近い状態”にまで戻すまでなら可能性はある。
同時に入れかえロープも使用できる状態まで時間を戻せば全ての準備は完了だ。
あとはその状態でみゆきに入れかえロープを持たせて自分もロープを握るだけ。
その結果、かがみの心はみゆきの身体に宿る事になった。
こうして身体はみゆき/中身はかがみという参加者が誕生したのだった。
タイムふろしきと入れかえロープ、そして高良みゆきの死体。
この3つがあって初めて実現する事が出来た、まさに奇跡の魔法。
(さて、これからどうしようかしら。一応アムンゼンに取られた手鏡以外の支給品はあるけど……)
元々かがみへの支給品は3つ。
一つはクララの手鏡。
だがこれは入れかえロープの騒動でアムンゼンが取り出していた。
二つ目はコルト・ガバメント。
UWW内の戦いでは使う機会がなかったが、“高良みゆき”の身体でも扱えるのは助かる。
そして三つ目の支給品。
実はこれの存在に気づいたのは少々前なのだが、実際に使うかどうかずっと悩んでいた。
(これを使えば確実に服従してくれる犬は作れる。でも時間制限だし、そもそも薬に頼るのは……)
その支給品とはずばり“惚れ薬”。
服用してから最初に見た人物を好きになるというある意味定番なアイテムだ。
確かにこれを使えばマシロだろうと満月だろうとあっけなく屈するはず。
だがそれはかがみのプライド的に納得いかない結末だった。
薬の効力が半日しか効かない事もあったが、なによりそんな薬で簡単に済ませたくなかった。
(でも、これを使っていれば今頃あいつらは私の忠実な犬に……んー、背に腹は代えられないか……)
とりあえずこの件は保留。
何にしてもマシロと満月にはきっちりと落とし前を付けておきたい。
二度も追い詰めておいて取り逃がすなど思い出しただけでも悔やまれてならない。
だが今すぐ再戦するのは軽率だ。
みゆきの身体ではUWWは使えないから戦力的に大幅なダウンは否めない。
そうなると強力な武器を手に入れるか、もしくは徒党を組む必要がある。
これなら惚れ薬に関しては新たな仲間もとい手駒に使うという手もある。
それに今の姿格好なら少量でも手駒に誘惑できるかもしれない。
一応下着は手持ちから一番エロそうな黒を選んでおいたから案外簡単に悩殺できそうな気もする。
(うふふ、待っていなさい、マシロに満月。必ずあんた達を私に服従させてやるわ!!!)
【1日目 昼/D-5 クレーター前】
【柊かがみ(変態仮面)@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】SMの女王様っぽい服、黒のブラジャー&パンティー
【状態】ほぼ健康、外見は高良みゆき
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、大量の下着、コルト・ガバメント@バッカーノ!、惚れ薬@ゼロの使い魔
【思考】
基本:やりたいようにやる。
1:6/の代わりに服従してくれる犬を作る。
2:マシロと満月に復讐する。
3:脱出方法を探す。
投下終了です
>>489までが「きっと奇跡も、魔法も、あります!」で、
>>490からは「後悔なんて、あるわけないだろっ…!」です
何かあれば言ってください
支援や代理投下ありがとうございました
テス
よし、規制解除されてる
投下乙です!
なんとはなしに予想してたけどやっぱりかがみしぶてえええ!
ましろ満月はほんと良いコンビでだからこそそれを裂こうという作戦は理には適ってるがマジ外道
そして本日の主役アカギ(零)はかっこよかったんだが幸先不安だなあ
竜の言葉も意味はわかってないだろけど呪いみたいなもんだし…
すいません最後1レス投下し忘れていました
【全体備考】
※C-5の一部が荒れ地となり、竜とアムンゼンとジェシーの損壊した死体が放置されています。
※D-4に◆6/WWxs9O1s@クロススレの死体(首輪なし)と入れかえロープ(使用不可)が放置されています。
※アカギ(宇海零)への不明支給品→三八式歩兵銃、スコップ、雪夜叉装束一式
※柊かがみ(変態仮面)への不明支給品→クララの手鏡、コルト・ガバメント、惚れ薬
※アムンゼン(その3)への不明支給品→入れかえロープ、フリーザー、タイムふろしき
【雪夜叉装束一式@金田一少年の事件簿】
ファイル3 雪夜叉伝説殺人事件に出てきた衣装。
雪夜叉の面と白装束(服の上から羽織る事が出来る)のセット。
【蒼天の青玉@舞-乙HiME】
マシロが所持する伝説のロストGEM。
マスターが認証しさえすればそのままマイスターローブを纏う事ができる。
【惚れ薬@ゼロの使い魔】
水のメイジであるモンモランシーが調合した薬。
飲んでから最初に見た異性に熱烈な好意を抱くようになる。
但し効果持続時間は半日。
【ナノマシンの点滴@舞-乙HiME】
乙HiMEに必要不可欠なナノマシンを体内に取り入れる点滴装置。
ナノマシンとは超極小サイズの小型マシンで、見た目はオレンジ色。
高次物質化エネルギーによってエレメントやローブを具現・物質化するだけでなく、平時でも利用者の体力向上や負傷・疾病に対する早期治癒といった能力を発揮する。
なお男性の精子が体内に入るとナノマシンは分解・無力化されると同時に抗体を発生させて再定着は不可能になってしまう。
今度は鳥が抜けていた……
投下乙
かがみ今度はみゆきかよwww
竜はなんとも言えない最期だ
投下乙です!
マシロと満月はもう、格好良くて美しくてなんか色々ずるい!
闖入者、白夜叉と化したアカギ(零)の登場シーンの待ってました感に背筋が震え。
決着が付きながらも各キャラに禍根が残るヒキに続きが気になる、すげえ話でした。
そして最後に、かがみ し ぶ と い!w
悠理はおばあちゃん言い過ぎwww
夜のおかずセットを欲する参加者はいたのだろうかww
1番気になるのは首相官邸から一気に移動していた点
当時は全く気付かなかったw
カン・ユー、そういや最初から最後まで災難続きだったなあw
刹那のとばっちりか
1:下着をたどってみゆきを探す
最新話で再会できて良かった良かった
地図乙です
さて次はどう動くんだろう
放送だけどまだ早い気がする
いくつか書いた方がいいパートもあるから
うん、なるべく早く仕上げるように努力する
地図乙ですー
だいぶ全体的に時間帯も進んだし、あと5〜10話くらいで放送いけそうだね
>>519 そういや最初みゆき探してたんだな、忘れてたw
今すぐ放送っていうんじゃなく、そろそろ第一回放送の時のように
放送前の投下の締切を設定してもいいんじゃないかなーと思ったんですが、まだ早いですか?
具体的に言うと、4月1日が日曜なので、
きりのいいこの日に放送いくくらいで日程調整したらどうかなと
書き手の一人としては放送前に書きたいパートがあといくつかあるからーと
あと今の進行状況から見てそんな急いで締切決める必要ないと思う
わかりました
さしでがましい提案をしてすみませんでした
いえいえ
意見があるならどんどん出した方がいいので
いつも地図アップお疲れ様です
まあ自分ももう少し筆が早かったらと思いますから
エwwwクwwwスwwwカwwwリwwwバwwwーwww
これは本当にひどいww
まさに「死んでも迷惑かけるみゆき」
メガザルロックゥゥゥゥゥ
改名こわい 地味にタイトルがわかる人にはネタっぽいなw自分は分からないけど
なるほど
髭面のゼロはKOF2000ってことか
ゼロって流行っているのか
かっこいい名前だとは思う>ゼロ
この話でハオさんおとなしくなるかなーと思ってたら、
むしろ単純な火力マーダーから戦略もつかう地に足がついた強マーダーになるとは思ってなかったw
※どこかの世界の地球が破壊されましたがロワそのものには全く影響がありません
あ、うん、そ、そうだね
これはすごかったw
亜瑠怖素の少女廃寺か
もしかして一歩間違えればハオ女体化とかあったのかな
短めながら各キャラの感情を端的に喜怒哀楽で表してまとめてて、上手いなーと思うんだこのSS
プリンセス・ハオはたしかに女体化あったかもなw
でもクレアなら…クレアならやってくれる…!
そんな気がする
場外に生還しても死のさだめから逃れられないあたりAnotherすら感じるww
まさかあの不発爆弾がこうも恐ろしい結果をもたらすとは・・・
ロボに縁があるな
プロローグが意味深
自分から告白しないでかがみに告白されるところまでもっていくのかよ!?
この状態表のインパクトやばかったw
クレア・スタンフィールド、帝、ヤムチャで投下します
152人が殺し合いを興じる鮮血の島。
その北西部に広がる都市の片隅に凄惨な殺し合いには不釣り合いな建物が存在する。
その建物の名はメイドカフェ。
店内にはファンシーな柄のテーブルとイスに加えて壁にも萌え萌えなイラストが色鮮やかに描かれている。
しかも内装だけでなく外装も萌え萌えでキュートなので無機質な都市の中でも一際異彩を放っていた。
そして店内で行われている戦いもまた同様に異彩を放っていた。
「「「王様だ〜れだ!」」」
不意に聞こえる3人の掛け声。
これが開戦の合図。
その合図と共に各々は己の運命を決める札を一気に手繰り寄せる。
やり直しのきかない正真正銘一発勝負。
そして数秒後、場に放たれたのは溜息と怒声。
「はぁ、またか」
そう溜息をつくのは一見するとメイドさん。
何の事情も知らない者が見ればこのメイドカフェの店員かと思うだろう。
だが違う。
その予想はメイドから発せられた渋いオジサマボイスで跡形もなく打ち砕かれる。
このメイドの名は帝。
かぐや姫に心惹かれる日本の最高権力者だ。
どこからどう見ても完璧にメイド服を着こなしている――だが男だ。
その帝が持つ札には@という数字が書かれている。
「くそっ、また外れか!」
そう怒声を交えてテーブルを叩くのは一見するとただの盗賊。
何の事情も知らない者が見れば旅人の金品を盗もうとする盗賊かと思うだろう。
その通り。
その予想は盗賊から発せられた荒々しいボイスで確信へと変わるだろう。
この盗賊の名はヤムチャ。
荒野に迷い込んだ旅人を襲う非道なハイエナだ。
どこからどう見ても完璧に無頼の輩――だが若干イケメンだ。
そのヤムチャが持つ札にはGという数字が書かれている。
「また俺だな」
そして満を持して余裕の笑みを浮かべつつ勝利宣言をするのは一見すると普通の車掌。
何の事情も知らない者が見れば爽やかな青年車掌かと思うだろう。
それは正解でもあり不正解でもある。
その予想は外見だけなら正解だが、その男の正体まで考慮すると正解とは言い難い。
この車掌の名はクレア・スタンフィールド。
「葡萄酒」と恐れられている伝説の殺し屋だ。
どこからどう見ても完璧に車掌にしか見えない――だが殺し屋だ。
そのクレアが持つ札には『王様』という文字が金字で書かれている。
「さて、王様の命令の内容だが……」
そもそもなぜ殺し合いの場で3人は暢気に王様ゲームなど興じていたのか。
その発端はクレアと帝が対決した時まで遡る。
▼ ▼ ▼
今から遡る事30分前。
店内には対峙する二つの影があった。
一人は日本の頂点に君臨する治天の君“帝”。
一人は裏稼業の頂点に君臨する殺し屋“クレア・スタンフィールド”。
お互いに表のトップと裏のトップ。
表と裏のトップ同士が刃を交えるなど前代未聞であろう。
そして今まさにその世紀の一戦が始まった――。
「悪いな」
「くっ」
――が、1秒で決着は付いた。
(ま、当然だな)
その一部始終を窓の外から見ていたヤムチャは今の光景を起こるべくして起こった結末として受け止めていた。
ヤムチャの目から見て帝の武芸は一般人レベルだった。
それに対してクレアは雰囲気だけでヤバいと思えた。
さらに帝を負かした動き。
まず帝の振るう逆刃刀を左手の人差し指と中指で挟んで奪い取り、瞬時に右手の剣を帝の首元に突き付けた一連の流れ。
ほんの1秒にも満たない間に行われた動きは最早神業と言ってもいいぐらいの技量と言えた。
孫悟空はもちろんのこと、もしかしたらその祖父孫悟飯や武天老師をも凌駕するほどの腕前かもしれない。
それぐらいクレアの力量は規格外であり、そんな化け物に挑んだ帝は愚かとしか言いようがなかった。
(くそっ、どうする? ここは諦めて仲間集めは別の場所で――)
「覗き見は趣味が悪いぞ」
訂正しよう。
そんな化け物を覗き見していた自分も同じく愚かであったと。
こうしてあっさり見つかってしまうのが関の山だ。
そして店内に連れて行かれたヤムチャはクレアに自らの経歴を洗いざらい説明した。
・元々は盗賊として荒野に迷い込んできた旅人を襲っていた。
・ドラゴンボール集めの途上にあった孫悟空一行と出会う。
・どんな願いも叶えてくれるというドラゴンボールを手に入れるために尾行。
・だがドラゴンボールが盗まれたので奪還するために一時的に協力。
・ドラゴンボールの反応を辿って目的地に向かっている最中。
それがここに来るまでの出来事で、以下がここに来てからの出来事。
・優勝狙い(死亡者は全員ドラゴンボールで復活させて礼金をもらう)。
・「ゼロ」を探すロボットに出会って少し戦って別れた。
・ビームを放つ兎のイヨ(首が取れても死なない/首輪が外せた)と出会った。
・だが首輪を外したせいでキングハート(社長を操る者?)によって制裁を食らい、ヤムチャが止めを刺した。
・首輪が付いたぬいぐるみを海に投げたら爆発した。
・仲間を探している最中にメイドカフェに行き着いて中の様子を窺っていた。
当初は嘘の一つや二つ混ぜてやろうかと思ったが、クレアの眼を見た瞬間にそんな考えは霧散した。
結局洗いざらい全部話す羽目になった。
そしてクレアは矢継ぎ早に帝にも同じように今までの経緯を話すように要求した。
・日本という国を治める帝(いろいろあって名前は言えない)。
・なよ竹のかぐや姫というこの世のものとは思えない美しい女人の噂を聞いて一目会いたいと願ったが、断られた。
・不意打ちで姿を拝む事はできたが、一層心惹かれるようになった。
・今は手紙を書いて文通する間柄に落ち着いている。
それがここに来るまでの出来事で、以下がここに来てからの出来事。
・かぐや姫を優勝させるために全員殺して最後に自分も死ぬと決意する。
・最初に出会った海賊マークを王様ゲームの力で情報を聞き出した後に殺害した。
・アタッシュケース型爆弾の威力を確かめるために適当な男に持たせて、少し離れて尾行。
・だが奇妙な力を使う男の乱入で爆弾の威力はいまひとつ分からず仕舞いに終わる。
・束帯姿では動きにくかったのでメイドカフェでメイド服に着替え終わったところでクレアが来た。
「なるほど、お前はかぐや姫と言う女のために戦っていたのか」
「ああ、そうだ」
ヤムチャが見たところクレアは帝が殺し合いに乗った動機に興味を示していた。
もちろんシャーネを知らないヤムチャがクレアの心情を知る事はなかった。
それにしてもまさかメイドが実は男で王様だとは驚かざるを得なかった。
だが女性の前だとあがってしまうヤムチャからすれば不幸中の幸いと言えた。
「そうなると、このヤムチャという奴は……」
「海賊マークの言う事が正しいならドラゴンボールという漫画の登場人物という事になる」
だがそれ以上にヤムチャが驚いたのは自分が実は漫画の登場人物だという話だ。
帝の話によればジャンプという雑誌に連載されていたドラゴンボールという漫画にヤムチャというキャラが登場していたらしい。
それだけでなく孫悟空もそこに登場していて、話の内容もどことなく知っているようなものだった。
これがもっとギャグ色の強いウーロンなら軽く流していただろうが、ヤムチャはまともにどういうことか悩みかけた。
が、これはクレアの説明で解決した。
つまりドラゴンボールの作者はヤムチャから見て未来の人物。
どこかで過去にヤムチャや孫悟空が起こした冒険談を伝え聞いて、それを題材にして漫画を描いたのだろうと。
後に海賊の宝剣目当てでカリブ海の沈没船を引き上げる事になるクレアにしてみれば、どこかで耳にしたホメロスの話のようなものだと思ったのかもしれない。
「なるほど、これがその王様ゲームと云う支給品か。よし、ゲームをするぞ」
「ゲーム…だと…!?」
「どういうつもりだ?」
と、そうこうしているうちにクレアがある提案を持ちかけてきた。
どうやら帝から王様ゲームの話を聞いて何か思いついたらしいが、意図が読めない。
「まあ、チャンスだ。お前たちのどちらかが王様になればこの状況から脱する事が出来るだろ」
「よかろう」
「な!? ふっ、後悔するなよ」
これぞ渡りに船。
帝は一度このゲームを経験しているので即座了承。
ヤムチャも未経験ながら盗賊の嗅覚で瞬時にチャンスを嗅ぎ付けると、参加を表明した。
こうして王様ゲームが始まって、今に至る。
ちなみに戦績はクレアの5戦5勝。
1回目の命令→帝:刀で相手を斬る動作を見せろ→どこか儀式的な剣舞を披露。
2回目の命令→ヤムチャ:狼牙風風拳を見せろ→慣れた動作で一通り披露。
3回目の命令→帝:空を飛べ→無理な命令のせいか何も起こらなかった。
4回目の命令→ヤムチャ:この殺し合いから脱出する方法を言え→優勝するという答えしか返せなかった。
そして5回目のゲームを終えて帝とヤムチャは悟った――絶対にクレアには勝てないと。
▼ ▼ ▼
「よし、これで全部か」
「ああ、私の持ち物はこれで全てだ」
「俺もこれで全部出したはずだぜ」
クレアに王様ゲームで完膚なきまでにヤムチャ共々敗北した帝。
5戦目を終えて勝機がないと悟った帝は己の死を覚悟した。
だが事態は思いもかけない方向へと転がった。
「それなら始めるか」
なんと5回目のクレアからの命令は「帝とヤムチャは協力して優勝を目指せ」というものだった。
話の流れからクレアも同じく優勝を目指していたと思っていただけにヤムチャは大層驚いていた。
それはもちろんかぐや姫以外の参加者を全員殺そうとしていた帝も同様だ。
だがクレアの考えも分からなくもない。
これだけ大勢の参加者を一人で殺し回るのは骨が折れる。
だからある程度まで他の参加者同士で殺し合ってくれる方が後々楽になる。
しかしそこでわざわざ生存率を高めるために道具を分けるというのは少し理解できないものだった。
「なあ、本当にこれもらっていいのか?」
「ああ、構わないぞ。そうだ、試しにそれ付けて俺に殴りかかってきてもいいぞ」
次の瞬間、帝の目の前にはヤムチャを組み伏したクレアの姿があった。
「え?」
帝にしてみれば何が起こったのか訳が分からず、ただ驚くばかりだった。
だが当のヤムチャは帝以上に驚愕していた。
今ヤムチャがクレアから受け取った道具は“ほしふるうでわ”。
ドラクエYに出てくるアイテムで、装備するだけで素早さが倍になるという優れ物。
それを装備して背後に回り込んだヤムチャの一撃を見切ったクレアが一本背負いの要領で投げ飛ばして流れるような動作で組み伏すまでに至った。
これが一連のドタバタの真相だった。
「さて、手早く残りの道具の分配も済ませようか」
まずは帝。
・基本支給品一式×3、逆刃刀・真打ち、王様ゲームセット、9mm拳銃、束帯、ARチャージ機(いろいろやっている最中に1千万円分チャージ済み)、札束の詰まったスーツケース(1億4千万円)。
「ほう、この鉄筒はそのような武器であったか」
「正式にはルガーP08と言うんだが、本当にお前が持っていなくていいのか?」
「ああ、やはり私には使えそうにない」
そしてここに至ってようやく帝も拳銃の有用性を理解した。
それでも説明されたところで帝にとって拳銃は未知の領域。
上手く扱えそうにないので、一番扱い慣れているクレアが逆刃刀(使い辛かったから)と一緒にもらっていた。
その代わりクレアからは比較的使いやすいエクスカリバーをもらった。
あとはそのままにしておいた。
次はヤムチャ。
・基本支給品×2、望遠鏡、首輪(イヨ)、那須与一の弓&矢10本、偽・螺旋剣、雛人形、ピンクの枕、卵型爆弾。
「帝、弓矢はどうだ?」
「それなら多少狩りの心得があるから助かる」
ということで弓矢関係は帝に移動。
次いでクレアの希望で首輪クレアの元に。
「あ、もしかしてドラゴンボールってこれの事か?」
「あーーーーー!!!!! それは最後の1個の一星球!?」
そして偶然クレアの持ち物に紛れ込んでいた一星球がヤムチャの元へ。
まさにヤムチャとしては棚から牡丹餅状態だった。
実はこの時ヤムチャは知らないうちに一つの隠し事をしていた。
それはマイメロディのデイパックをスルーした事だ。
だがそれも無理はない。
元々ヤムチャはマイメロディをただのぬいぐるみだと思って拾っている。
それから色々な事があってヤムチャは精神的にかなり動揺した事で、一緒に拾った小さなデイパックの事をすっかり忘れていた。
その中にはとあるロワで現地調達された紅茶セットの他に悟空に縁が深い四星球もあったが、まさに知らぬが仏状態。
こうして紆余曲折あって道具整理は終了した。
今後の予定だが、特に決めなかった。
お互いに優勝を目指す以上、そのうちどこかで会うはず。
またその時にどうするか決めたらいい。
「クレアとやら、いろいろと感謝する(あ、そういえば、もう武器屋行けない……)」
「ふん、あとで俺を生かした事を後悔するんじゃねえぞ」
こうしてメイドカフェでの奇妙な邂逅は終了した。
一人の殺し屋の思惑を伏せたまま。
【1日目 昼/D-2 メイドカフェ付近】
【帝@竹取物語】
【服装】メイド服(Mサイズ)
【状態】健康、冷静、王様の命令『帝とヤムチャは協力して優勝を目指せ』
【装備】エクスカリバー@Fate/stay night、那須与一の弓&矢10本@平家物語
【持ち物】基本支給品一式×3、王様ゲームセット@王様ゲーム、札束の詰まったスーツケース(1億4千万円)@ハヤテのごとく!、束帯、ARチャージ機、偽・螺旋剣@Fate/stay night [Realta Nua]
【思考】
基本:かぐや姫に逢いたい。
1:かぐや姫の為なら殺人でも何でもする。
2:ヤムチャと共に優勝を目指す。
3:集団と結託する。
4:知らない物が多いな……
【備考】
※かぐや姫に求婚した直後からの参戦です。
※ジャンプが創刊されてから2008年9月頃までの漫画についての知識を得ました。
※かなりレベルの高い女装をしちゃっています。
※首輪に1000万円相当のARがチャージされました(AR換算でどれくらいかは後続の書き手に任せます)。
※王様の命令の持続時間は後続の書き手に任せます。
※ヤムチャのこれまでの経緯を知りました。
【ヤムチャ@ドラゴンボール】
【服装】盗賊の服
【状態】健康、かなり精神的に動揺
【装備】ほしふるうでわ@ドラクエY
【持ち物】基本支給品×3、一星球@ドラゴンボール、望遠鏡@魔法先生ネギま!、雛人形@名探偵コナン、ピンクの枕@あたし彼女、卵型爆弾×3@バッカーノ!、紅茶セット@○ロワ、四星球@ドラゴンボール
【思考】
基本:優勝した後、ドラゴンボールでみんなを復活させる。
1:帝と共に優勝を目指す。
2:なんであのぬいぐるみの首輪は爆発したんだ!?
3:殺し合いに乗っていない振りをして仲間を集める
4:ゼロという人物を探す(アンドロイドという単語は失念しています)
【備考】
※ピラフ編でピラフ城に行く前からの参戦。
※いろいろあったせいでマイメロディのデイパック(基本支給品一式、紅茶セット@○ロワ、四星球@ドラゴンボール、不明支給品1)の事をすっかり忘れています。
※帝のこれまでの経緯を知りました。
▼ ▼ ▼
「まずは自己紹介をしよう。私はキングハートだ。ちなみにさっきの男は社長という」
「で、何が目的だ?」
「なに、君に依頼をしたいだけだよ。葡萄酒と名高い殺し屋の君にね」
「依頼ね……悪いg」
「手間は取らせない。ほんの数日で終わるから安心したまえ」
「…………」
「依頼の内容は今から参加する殺し合いの参加者全員の殺害だ」
「さっきの社長の言っている事とどこが違うんだ?」
「一つ条件がある。殺し合いに役立ちそうな参加者は可能な範囲で生かしてほしい、もちろん最終判断は君に任せる」
「でも最後には全員殺すんだろ。それならいつ殺そうが――」
「いや、少々事情がある。そこは了承してほしい」
「ほぅ……」
「で、報酬の件だが……」
▼ ▼ ▼
(俺が望む情報ならなんでもか……『過去を消したがっている奴』の情報、シャーネの居場所、上手い告白の仕方……。
まあ、どのみちニューヨークに戻るにはここの連中皆殺しにするのが手っ取り早そうだから、ものはついでか。
それに、これだけ参加者がいれば一人や二人ぐらい本気を出せる奴がいるといいんだが――)
クレア・スタンフィールドは忠実に職務を遂行する。
ただし車掌としてではなく、殺し屋として。
(あ、そうだ。シャーネへのプレゼント用にメイド服を調達しないといけないな)
【1日目 昼/D-2 メイドカフェ】
【クレア・スタンフィールド@バッカーノ!】
【服装】普段着(つまり車掌服)
【状態】健康
【装備】シャーネのナイフ@バッカーノ!、9mm拳銃(ルガーP08・8/8)@現実、お幻の鷹@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
【持ち物】基本支給品一式×2、逆刃刀・真打ち@多ロワ、首輪×2(ルイズ、イヨ)
【思考】
基本:キングハートからの依頼(全参加者の殺害※クレアの気分次第で殺し合いに役立ちそうな参加者は生かす)を遂行する。
1:『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』として参加者全員を喰らい尽くす(つまり皆殺し)。
2:メイド服を調達する。
【備考】
※フライング・プッシーフットでニューヨークに到着した次の日辺り(1932中盤付近)からの参戦。
※帝とヤムチャのこれまでの経緯を知りました。
投下終了です
タイトルは「俺がヘタレだと、そんなの絶対おかしいぜ!」です
何か問題ありましたら言ってください
投下乙
クレアパネェー
もしかして帝って神の子孫パワーで宝具使えたりするのかな
ちょっと自分で気付いた点修正
>>563 >こうしてあっさり見つかってしまうのが関の山だ。
の下に3文追加
ん、もしかしてこれってヘタレか?
いや、そんなはずない。
俺がヘタレだと、そんなの絶対おかしいぜ!
>・不意打ちで姿を拝む事はできたが、一層心惹かれるようになった。
>・今は手紙を書いて文通する間柄に落ち着いている。
この2文は削除
>>568 クレアの状態表以下差し替え
【1日目 昼/D-2 メイドカフェ】
【クレア・スタンフィールド@バッカーノ!】
【服装】普段着(つまり車掌服)
【状態】健康
【装備】シャーネのナイフ@バッカーノ!、9mm拳銃(ルガーP08・8/8)@現実、お幻の鷹@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
【持ち物】基本支給品一式×2、逆刃刀・真打ち@多ロワ、首輪×2(ルイズ、イヨ)
【思考】
基本:キングハートからの依頼(※)を遂行する。
1:『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』として参加者全員を喰らい尽くす(つまり皆殺し)。
2:メイド服を調達する。
【備考】
※フライング・プッシーフット号でニューヨークに到着した次の日辺り(1932中盤付近)からの参戦。
※キングハートの依頼:全参加者の殺害(ただしクレアの気分次第で殺し合いに役立ちそうな参加者は生かす/報酬はクレアが望む情報ならなんでも提供する)。
※帝とヤムチャのこれまでの経緯を知りました。
【全体備考】
※ルイズへの不明支給品→シャーネのナイフ@バッカーノ!、ほしふるうでわ@ドラクエY、一星球@ドラゴンボール
ヤムチャへの不明支給品→望遠鏡@魔法先生ネギま!、那須与一の弓&矢10本@平家物語、偽・螺旋剣@Fate/stay night [Realta Nua]
イヨへの不明支給品→雛人形@名探偵コナン、ピンクの枕@あたし彼女、卵型爆弾×3@バッカーノ!
【偽・螺旋剣@Fate/stay night [Realta Nua]】
アーチャーが投影した宝具の一つ。
螺旋を描く刀身を持つ剣であり、矢としても、剣としても、どちらでも使える。
【雛人形@名探偵コナン】
File312-313「夕陽に染まった雛人形」に出てきた観野家の雛人形。
豪華七段仕様且つメイドイン京都で結構価値がある。
【ピンクの枕@あたし彼女】
トモの元カノのカヨが愛用していた枕。
アキと付き合い始めてもカヨを忘れる事が出来ないトモは捨てようとはしなかった。
そのためアキとトモの喧嘩の原因となってしまう。
【卵型爆弾×3@バッカーノ!】
テェスワフ・メイエルが作成した高性能爆弾。
見た目は銀色の卵型になっている。
【望遠鏡@魔法先生ネギま!】
(出典が不明だったので勝手に設定してみました)
ネギの教え子の一人である那波千鶴が所有する望遠鏡(厳密には天体望遠鏡)。
麻帆良祭編の最終決戦ではこの望遠鏡で運よく超鈴音を発見した事により特別報奨金を獲得している。
【紅茶セット@○ロワ】
(出典が不明だったので勝手に設定してみました)
○ロワにて真紅が民家から調達した紅茶セット。
【9mm拳銃(ルガーP08・8/8)@現実】
(詳細が不明だったので勝手に設定しました)
1908年にドイツ陸軍が制式ピストルとして採用したDWM製の自動拳銃(別名パラベラム拳銃)。
バッカーノ!ではグース・パーキンズ(フライング・プッシーフットでテロを起こした人)が使っていた。
投下、修正乙です
クレアさんはジョーカー的立ち位置だったのか!
そしてヤムチャと帝はこうしてみるといろんな情報を持ってるんだなー
ポテトのイメージが変わった
初めての分割話だな
でも容量だとまだっぽい?(この時点では)
短いながら綺麗な爆発オチだなあ
信じて稼働させたATが‥
どっちもライダー&ひぐらしペアなんだな
この剣劇好きなのよなー。流派とか出てくるとなんかテンション上がる
義経:約150cm
贄殿遮那:約130cm
義経よく振れたな
この再会が後々布石になるなんて
二足歩行とか、上だけ服着てるとか、身体の大きさとか
他にもいろいろ普通の人にはスルーできない問題が山積みなはずだ
改めて見てみて、最初読んだときは「なんで巨大トランポリンがこんなとこにww」だったのに、
オールロワSSに慣れてきた今では普通に「ああ、トランポリンかー面白いなぁ」って
感想になっちゃったからもう普通の人じゃないかもしれない
時限爆弾セットしていたのは生死の境のギリギリの臨場感で盛り上げたかったのかな
鯖落ち回避ほしゅ
最期までいろんな人が翻弄されていたなー
地味に忠犬パトラッシュの健気さが良い
さりげなく状態表でピクルが登場してたことに気づいたwロリ響はかわいいなあ
良い巡り合いだったな(笑)
古手梨花、ズシオ、丹波文七、プリンセス・ハオで投下します
古手梨花はぐったりしていた。
いきなり殺し合いに巻き込まれたのだから肉体的・精神的に疲労するのは当然だろう。
だが梨花の場合は少々毛色が違う。
他の参加者と比べると、梨花は肉体的にはそこまで酷い目に遭っていない。
別段大きな怪我や身体の不調もなく、多少の肉体的な疲労があるだけで、大部分の参加者に比べたらマシである。
その疲労でさえひょんな事から魔法少女という不思議な力を得て、さらにマシになっている。
だが精神的な疲労という面で見れば、梨花は参加者の中でも5本の指に入ると言っても過言ではない。
100年の旅の末にようやく辿り着いた運命の終着点。
仲間達と力を合わせて運命を乗り越えた梨花を待ち受けていたのは無慈悲な殺し合いへの強制参加。
しかも圭一・レナ・沙都子たち3人の仲間も同様にこの島に連れて来られていた。
それでも諦めずにこの殺し合いに抗う決意を固めた梨花が最初に出会った参加者が自称王子のズシオ。
これが全ての始まりだった。
道中ズシオとのよく分からない漫才染みたやりとりは梨花の精神を容赦なく削っていった。
さらに謎のロボットに汁婆という馬ロボットとの邂逅。
さらにさらにズシオのせいで下半身露出した変態にファーストキスを奪われるという人生最大の汚点。
さらにさらにさらに魔法少女になるためと言って人生初の妖精とのセカンドキス、しかも舌と舌で!
そしていつしか梨花は「普通な人間と出会いたい」と強く願うようになっていた。
しかしそんな些細な願いはまだ叶いそうにない。
次に梨花が出会ったものはウェイトレス型ロボ、そして今目の前に寝かせている血達磨の男。
前者は人間ですらない、後者はどう贔屓目に見ても普通だとは思えない。
それに加えて先程から頻りにおかわりを頼もうと迫ってくるズシオ。
ウザいこの上なくウザい。
(はぁ、そろそろ胃薬が欲しい……)
ちなみにこの血達磨の男はいきなり現れたかと思った次の瞬間にぶっ倒れたのだ。
だがそれも男の身体を見て納得せざるを得なかった。
全身打撲と裂傷で正に満身創痍、並みの人間なら生きているのが不思議なレベルだ。
この状態で生きているだけでなく、ここまで歩いてきた事からこの男が只者でない事は容易に想像が付く。
一応地面は草原だったから直に寝かせているが、碌に治療も出来ない状況なのでこうするしかできないのが正直なところだ。
見知らぬ男とはいえ何もできないのはやっぱり歯痒いものがある。
「梨花、そろそろ本当の気持ちと向き合えるか?」
「はぁ!?」
何度目かのおかわり要求を却下した時、いきなりズシオは藪から棒に言葉を放った。
それを聞いた瞬間、梨花はポカーンとしてしまった。
梨花にはズシオが出し抜けに言った「本当の気持ち」という単語に全く心当たりがなかったからだ。
だがもしかしたらついにズシオも己の要求の無神経さに気付いたのでは。
そんな淡い想いを抱いてズシオの次の言葉を待っていた梨花は――。
「余は分かっているぞ。そのツッコミがツンデレという愛情表現だというこ「呪うぞハレンチ小僧おおおおお!!!!!」」
――トマホークでズシオを思いっきり吹っ飛ばした。
全く何を言い出すかと思えば。
あまりの爆弾発言に思わず口調まで変わってしまった。
よりにもよってズシオに恋愛感情を抱くなど天地が引っ繰り返ってもありえない。
こんなぐうたら王子のどこに惚れる要素があると言うのだ。
と、そこで梨花の耳に聞き覚えのある音が聞こえてきた。
それは茂みをガサゴソとかき分ける音。
そしてその音は次第に大きくなっていた。
誰かが茂みの向こうからこちらに向かって近づいているのだ。
(やった、ついにフツーの人間に――!?)
そしてついにその人物が姿を現した。
それは血まみれのマントを羽織って思惑ありげに笑顔を浮かべた青年、あと雰囲気がヤバ気。
どう見てもフツーの人間じゃないです、本当にありがとうございました。
(フ ツ ー の 人 間 に 逢 わ せ て !!!!!!!)
寿命がストレスでマッハな状態の梨花が、今の状況が先程以上に危険だと気づくのは3秒後の事である。
【1日目昼/I-5草原(移動レストラン・ヘクトル前)】
【古手梨花@ひぐらしのなく頃に】
【服装】巫女服(魔法装束)
【状態】なんだか精神的に疲労(大)、寿命がストレスでマッハなため軽くキャラ崩壊中
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、エミット@魔法少女沙枝シリーズ
【思考】
1:フツーの人間に逢いた……あれデジャブ?
2:部活メンバーや楠沙枝と合流する。
3:殺し合いという運命に抗う。
4:エミットは……いいか(ああ、西島翔子が死んだって言いそびれちゃった……)。
5:G-7の橋を利用して町へ行くか、禁止エリアを避けつつ都市へ向かうかを考える。
【備考】
※エミットは制限で1時間に10分しか外へ出る事ができません。エミット自身が勝手に外へ出る事は出来ない(ただし声掛けはデイパックの口が開いていれば可能らしい)。
※主催者が複数いる事に気付きました。
※変身している時に出来る事は沙枝と大差ありません。
※首輪には8000ARがチャージされています。
【ズシオ@余の名はズシオ!】
【服装】上半身裸、ズボン
【状態】頭にトマホーク@余の名はズシオ!、大量出血
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、茶碗とマヨネーズと箸
【思考】
1:梨花、照れずとも良いぞ。
2:誰だ、あの男?
【備考】
※首輪には10ARがチャージされています。
【丹波文七@餓狼伝】
【外見】フレッシュマンスーツ(ボロボロ、血まみれ)
【状態】全身打撲、裂傷多数、気絶
【装備】なし
【道具】基本支給品一式×2、ランダム支給品1〜3
【思考】
1:俺より強い奴に会いに行く。
【備考】
※放送を聞いていません。
【プリンセス・ハオ(ハオ)@シャーマンキング】
【服装】普段着(古びたマント(血まみれ)を羽織っている)
【状態】健康、S.O.F.喪失、プリンセス・ハオに改名される
【装備】雷鳴の剣@ドラゴンクエストY
【道具】基本支給品一式×6、五寸釘・藁人形・金槌の呪いセット、夜のおかずセット(TMAのエロパロDVD三本+真夏の夜の淫夢)、RPG-7(成形炸薬弾3/榴弾3)@現実、マユの携帯電話@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、ハオの不明支給品0〜2
【思考】
基本:皆殺し。
1:この地にいる者を全て殺す。
【備考】
※改名による影響はありませんでした。
投下終了です
タイトルは「そろそろ本当の気持ちと向き合えるか?」
何か問題あれば言ってください
投下乙です
梨花ちゃんのこれまでの災難度すごいw
そしてハオがやってきたが、倒れた文七も危険なことには変わりなく
ついにこの辺も血を見る的な波乱の予感
内容は問題ないと思いますー
608 :
転載:2012/07/17(火) 21:05:15.25 ID:6tXs+A84
10 名前:名無しさん 投稿日: 2012/07/17(火) 18:54:06 ID:hadB4oE.
本スレ規制されているからこっちで
投下乙
梨花ちゃんマジ苦労人
ってハオはヤバすぎる!!!
投下乙
誰かー 誰か梨花ちゃんにフツーの人間をー
って、よく考えたらこのロワで普通の人に会うって至難の業なのでは……
ウザかったって言っているからねー
そして密かに深まる6/の誤解フラグ
「俺リュウタロスだし」が注目されがちだけど
>マジでテキトーに全力疾走したら川があった。ちょっと休憩。
この時点ですでにかなりの破壊力だろww
特に意味もなく全力疾走、これぞ青春か?
ああ、この時点ではまだ元の名前が「シン・アスカ」だって認識でているのな
ひぐらしはコンビが光るな
かえるだからしかたないw
もうかえる何者だよ!?
後で分かるけどマジでいたんだよな、霊的なアレ
ロリコンだから仕方な……あれ?
このロワの人選の謎さはほんと、どうなるんだろうなあw
6/ですら困惑するレベルの雑多加減だしな
だがそれが良い
とりあえずかぐや姫かわいいよー
桂馬は駒の性質反映したのかトリッキーな結果をもたらしたな
このロワの格闘家とか忍者系キャラのシリアス率は高い、
ただしなんかシュール
格闘家とか忍者系に関わらずシリアスシュールな奴は多いんじゃ・・・
L字ブロック、カヨで投下します
おお、ようやく儂を見つけてくれる参加者が現れたか。
ん、儂が誰かじゃと?
ワッハッハッ、皆からは対局時計と呼ばれておるぞ。
何? 対局時計を知らんじゃと!?
ああ、最近の若いもんには馴染みのない物かもしれんなぁ。
お前さん、将棋や囲碁の公式試合を見た事あるかい?
今まで一度もない?
はあ、それなら仕方ないのう。
では説明するぞ。
対局時計とは、競技者の持ち時間や制限時間などを表示したり、ゲームの時間管理を行うために使用される特別な時計の事じゃ。
アナログ式とデジタル式の2種類があり、主に囲碁や将棋やチェスなどのボードゲームで使われておる。
儂はその中でも将棋で使われている昔ながらのぜんまい型のアナログ式対局時計じゃ。
え、そんな儂がなぜこんな場所に捨てられておるかじゃと?
……それは色々と不幸が重なったせいじゃ。
あれは今から10時間17分27秒前の事になるが……なんじゃ? えらく正確な時間じゃと?
当たり前じゃ。
儂は時計であるが故に正確な時間を計るぐらいお茶の子さいさいじゃ。
で、話を戻すぞ。
儂が最初に支給された者の名は確かシン・アスk……いやリュウタロスじゃったかのう。
ともかくそいつに支給されたが、しばらくはその袋の中に入ったままじゃった。
どうやら当初は一緒にいたぜr……カイj……アカギから三八式歩兵銃をもらっていたらしい。
そのせいで儂には目もくれんかった……。
で、結局アカギとは別行動をする事になって、行き着いた先がここじゃ。
そこで初めて荷物の確認をして、ようやく儂も日の目を見る事が出来たというわけじゃ。
だが、聞いてくれ!
ここからじゃ! ここからが肝心なところで……ん? なんじゃ?
儂は“不老不死”か、じゃと?
まあ、そう言えん事もないのう。
見ての通り、儂の動力はぜんまい。
つまりぜんまいを巻き続ければ半永久的に動く事ができる。
そういう意味では不老不死は不老不死でも“出来損ないの不老不死”という事になるかのう。
ワッハッハッ。
と、そんな事、今はどうでもいい。
それよりもここからが聞くも涙語るも涙の……ん? 今度はなんじゃ!?
なに、儂に協力してほしい事があるじゃと?
ほほう、儂の力が必要なのか。
よろしい。
儂なんかで、良かったら。
お前さんに力を貸そう。
で、さっきの話の続きじゃが――。
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「あー、話が長い時計だったアル」
やっと静かになった川辺でL字ブロックはここに至るまでの経緯を思い出していた。
きっかけは些細な事だった。
女性を褒めるにはまず外見から。
そこでL字ブロックは六条御息所(ではなく実際はカヨ)が乗っているゴーレムの外見に注目した。
幽玄なほど美しいフォルムに秘められた精錬さ。
ビームやロケットパンチを繰り出しそうな重厚さ。
その二つの要素が噛み合わさった外見をL字ブロックは拙いながらも褒め称えた。
実のところ聞き手であったカヨにとってはウザいだけであったが。
だがそんなカヨの思いなど露知らず、L字ブロックはふと一つの言葉を投げかけた。
――でも本当綺麗アル。まるで天使みたいアル。もしかして飛べるんじゃないかアル?
結果、飛べた。
心中ウザいと思いつつも若干気を良くしていたカヨがなんとなく操作系を弄ると、ゴーレムは見事飛行形態へと変形を果たし、空高く舞い上がったのだ。
ちなみに上を目指したのは「いつも上から出てくるから入口から脱出できるかもしれないアル」というL字ブロック独特の根拠から。
だが結果から言うと、脱出は無理だった。
なぜならいくらか上昇すると『これより先は進入禁止エリアだ。28秒以内に引き返さなければ首輪を爆破させる』という音声と共にカウントダウンが始まったからだ。
おそらく放送で触れられていた進入禁止エリアなのだろう。
まさか地上だけでなく上空にまで設定されていたとは予想外だった。
そのためカヨは慌ててゴーレムを操縦して急降下をする羽目になってしまった。
そして着地した場所は慌てていた事もあって元いた場所から南西にずれたこの川辺だった。
だが一概に川辺と言っても、そこは向かい岸が絶壁になっているのに対して川に近付けるようになっていた。
L字ブロックが川辺に対局時計が落ちている事に気付いたのはその時だった。
最初は真面目に話を聞こうと思っていたが、あまりにも話が長いのでいい加減うんざりした。
だがその時ピキーンとL字ブロックの青色の脳細胞に電流が走った。
つまりぜんまいを巻いて動くという事は広義の不老不死に相当するのではないかと。
結果は大成功。
L字ブロックの推理通り、チェスの時と同じように対局時計の身体と知識は吸収できた。
早速勿体ぶっていた部分の記憶をひも解いてみると、どうやらデイパック確認の際に取り零されて放置されたらしい。
(どうでもいいアルね。それよりもこっちの方が重要アル)
それは少し離れた場所に横たわっている少年の死体。
彼は刹那・F・セイエイと言うガンダムのパイロットで、仇討ちという名目でリュウタロスが殺したようだ。
だが運悪く殺害現場を白いローブの男と女子高生に見られてしまったために、焦ったリュウタロスは発砲した後に逃走。
幸い残された二人の怪我は大した事はなくて去ったが、そのせいで対局時計は長らくこの場に放置される羽目になった。
以上が一連の顛末らしい。
(リュウタロス、危険な奴アル! 絶対に六条御息所には近づけさせないアル!)
余談だが、今回対局時計を喰った事でL字ブロックは新たな力を得ていた。
一つは将棋。
公式時計デビューを果たしてから今まで数々の将棋の試合を常に間近で見てきた対局時計。
それゆえに将棋の知識は並みの名人を凌ぐものがある(と対局時計は自負していた)。
もう一つは体内時計。
対局時計自身も豪語していたが、時計であるが故に正確に時を計る事は初歩中の初歩。
それゆえに体内時計は正確無比だ。
(おお、将棋が指せて時間に正確なL字ブロック。これでもっともっと六条御息所の好感度を上げてみせるアル)
こうしてL字ブロックが恋の炎を燃え上がらせている一方で、それをゴーレムの中から見下ろすカヨはふとある事を考えていた。
(もうL字ブロック
最悪
こいつのせいで
すっごい疲れた
幽霊なのに
それはそうと
首輪邪魔
というか
鬱陶しい
幽霊なのに
死んで自由なのに
もう早く外し――あれ?
あたし
幽霊
だから
もしかして
あたし……)
【1日目 昼(放送直前)/F-4 北側の川辺】
【L字ブロック@テトリス(ゲーム)】
【服装】全裸
【状態】健康、人間への怒り、ホの字ブロック
【装備】なし
【持ち物】基本支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:主催者を含めて人間は許さない、アル!
2.秋山を見つけて喰うアル!
3:六条御息所に認めてもらうアル!
4:絶対にリュウタロスを六条御息所には近づけさせないアル!
【備考】
※テトリスのゲームがクリアor破壊されない限り死にません。
※対局時計の知識(将棋の知識、正確な体内時計)と、チェスワフ・メイエルの知識を人差指の分以外全て手に入れました。
※秋山深一は不死者だと思っています。
※ゴーレムの中のカヨを、正体を偽った六条御息所だと思っています。
※サザエが拡声器で喋った内容を記憶しています、多分。
※この舞い上がり具合なら第二回放送を聞き逃します。
【カヨ@あたし彼女】
【服装】白装束
【状態】幽霊、ゴーレムに搭乗中
【装備】ゴーレム@シャーマンキング、火の玉
【持ち物】基本支給品一式、拡声器
【思考】
0:あれ、もしかして、あたし……。
1:アキを祟る――寧ろ祟るだけじゃ飽き足らない、トモと付き合った事を後悔するぐらい殺してやる。
2:トモ殺したヤツは絶対に許さない。
3:シン・アスカに会ったら、ウザ子(マユ・アスカ)のこと、教えてあげよっかな。
4:幽霊が死んだらどうなるんだろ?
【備考】
※幽霊ですが夜が明けても消えたりしないっぽいです。
※アキと容姿がすごい似ています。霊つながりで六条御息所にも少し似ています。
※何に気付いたかは後続の書き手にお任せします。でももしかして勘違いで何も気づいていないかもしれません。
【全体備考】
※かなり空高く舞い上がったので飛行中のゴーレムは島中どこからでも目撃できます(ただ結構速いので見逃す可能性も高いです)。
投下終了です
何かあれば言ってください
>>439でああ言いましたけど、あれから時間も経っていろいろと算段付いたので自分に関しては首輪外すのは構わないです
他の書き手がまだ外さない方が良いと思うならその方向で
とりあえず以前ああ言って今回こうつなげたので付け加えておきます
それと某データ集計用に
オール 204話(+ 1) 55/152(- 0) 36.2
642 :
転載:2012/09/16(日) 18:25:11.22 ID:01Ueg9AQ
11 名前:名無しさん 投稿日: 2012/09/16(日) 10:04:57 ID:85/zRPUg
規制中につき
投下乙
これ傍目から見たら理解に苦しむ場面だな
でも「将棋」と「時間に正確」で好感度上がるのか?
投下乙ですー
将棋時計が不死者、その発想はなかった
カヨさんウザキャラばかりに出会うね……w
ドラクエなら家漁りは基本だな!
なるほど旅の扉か
刹那が報われねえ
最後ヤムチャが瀕死のイヨに止めを刺すシーンが何とも言えない味出している
あんな強面の乙武さんとか嫌だぁぁぁ
原作的に同盟の脆さを実感しているからねー
ゼロ(ハン)の元からやってきたマシロと満月が出会ったのはカイジ(零)とMAX(ゼロを探している)
って、ゼロが多くてややこしいわw
L字ブロックの愛の行方が気になる
L字ブロックの存在自体で相当不思議な事になっているけど
序盤のホイミは重宝するのに・・・
そういえば原典でも何も書かれていないけど帝にも名前あるんだよな
狭霧狙うとか、全く相手が悪けりゃ仕掛け時も悪いの踏んだり蹴ったりだな
ジェレミア・ゴットバルト、MAXで投下します
この殺し合いが始まるに際して参加者一同に等しく与えられたデイパック。
その外見は何の変哲もない肩から提げる形のオーソドックスで小さめのリュックサック型。
だが外見が等しいからと言って中身まで等しいわけではない。
参加者に等しく与えられたのは、参加者名簿、地図、コンパス、水と食料、筆記用具、照明器具(ランタン)の6点。
これに加えて1〜3個のアイテムが支給されている。
その内訳はまさに千差万別。
殺し合いを有利に進められる兵器から何の役に立たないハズレまで様々な種類のアイテムが参加者を一喜一憂させてきた。
ただ参加者の中には中身を確認する間もなく命を失う者もいたので、そうやって中身を確認するまで生き延びていた者達は運が良いのかもしれない。
まあ中身を確認しても死ぬ時はあっさり死ぬのがこの殺し合い。
「はぁ、ロリっ娘ではないのか」
一般的な作業服の上に赤マントを羽織ったジェレミアの目の前にもその一例が転がっている。
傘のような髪型が特徴的な男の亡骸の生前の名は金蔵銭太郎。
地虫十兵衛と阿魔野邪鬼の話を盗み聞きしていたところを勘付かれて、脇差で胸を一突きされて死亡したのだ。
金蔵なりに十分注意していたとはいえ、甲賀忍者の中でもかなりの手練である二人の話を盗み聞きしたのが運の尽きと言えよう。
余談だが、この時金蔵と同行していた一人の参加者がいた。
その名はハイジ。
だがハイジは金蔵の死を目の当たりにした恐怖ですぐさまその場から逃げ去った。
そしてその先で親友のクララの無残な死に様を目撃して吸血鬼化してしまう。
この時クララが直前に乗っていた機体がランスロット、後にハイジを自爆に巻き込んで死なせた機体がガウェイン。
どちらもジェレミアのよく知るナイトメアという機体であったのは奇妙な縁である。
閑話休題。
「ほう、案外使えそうだな」
ジェレミアにとって幸いだったのは忍者二人が金蔵のデイパックに見向きもせずに立ち去った事だ。
元より十兵衛はデイパックを必要としていなかった事に加えて、その分のデイパックを譲り受けていた邪鬼はこれ以上デイパックが嵩張る事を避けたゆえのものだった。
だがジェレミアは気付いていた。
このデイパックが外見に反して中身が底無しだという事に。
だからどれだけデイパックを回収しようと一つにまとめてさえしまえば、大荷物になる事はない。
ただその場合一つのデイパックがごちゃごちゃになる可能性があるが、そこはきちんと整理しておけば問題ない。
こうしてジェレミアが回収した金蔵のデイパックには3つのアイテムが入っていた。
まず一つ目は黄金のインゴット。
右代宮家に伝わるベアトリーチェの黄金伝説で謳われる10トンの金塊。
その伝説の証明とも言うべき重さ10kgにもなる純度フォーナインの黄金のインゴットである。
だがそのような事情を知らないジェレミアにしてみればただの鈍器でしかない。
さすがにこの命懸けの状況では黄金であろうと札束であろうと金銭的なものは役には立たない。
シングルマザーでもブランケットに包んで振り回せば山羊頭に痛恨の一撃を与えるほどだから、成人男性が振るえば十分凶器になるだろう。
次に二つ目はスーパースター。
黄色の星型に可愛らしいクリっとした黒眼が付いたものだが、その愛らしい外見とは裏腹に効力は凄まじい。
一緒に付いていた説明書きによると、その効力は一定時間無敵となる上に加速力・最高速度が上昇するというもの。
さらに相手に接触するとクラッシュorスピンさせたり、一部の障害物を破壊or弾き飛せるという能力も付与される。
ただしこれはあくまで乗り物に使った場合であって、自分自身が使っても同じ効力が得られるかは不明だ。
だが乗り物さえ手に入れば十分強力な強化アイテムである事は間違いない。
そして幸か不幸かジェレミアはその乗り物を手に入れていた。
それが最後三つ目の支給品、モーターボート。
運良く乗り物が手に入ったが、不幸にも最大の問題は陸上では何の役にも立たない点。
一応地図を見る限り川や湖や海など水辺には事欠かない立地だが、さすがに水上戦が起こるかと言えば疑問視せざるを得ない。
「確か少し南に行けば川があったはず……よし、この機会に一度使ってみるか」
元々ジェレミアがF-7から北上してきたのは人が集まると予想される怪しい洞窟を目指すためだった。
その途上のE-7で金蔵銭太郎の死体を発見して、首尾よく手付かずのデイパックを回収できたのだ。
このまま洞窟を目指すのも良いが、確実に人が集まっているという保証もない。
その一方で新しい物を手に入れたら一度使ってみたくなるのは人の性。
だからここはボートを手に入れた機会を生かして、川を伝って湖まで下り、見晴らしの良い湖上で人探しをする事にした。
そこには幼きロリは怪しい洞窟には怖がって近寄らずに湖の岸辺で一人寂しく佇んでいるのではないか、というロリコンならではの理解しがたい思考が入っていた。
「おお、我が愛しき幼き娘達よ! 今すぐ向かいに行くぞ!」
そうと決まれば善は急げ。
コンパス頼りとはいえロリが関わった時のジェレミアの力は通常の比ではない。
鬱蒼と立ち並ぶ木々の間を軽やかなフットワークで駆け抜ける姿はまさにオレンジもとい赤き閃光。
――とまではいかないが、かなりの身のこなしだ。
この調子でいけば川まで後少しだろうか。
「ッ!?」
そこでいきなりジェレミアは横に大きく跳んだ。
一見するとロリコンが極まった末に奇行に見えるかもしれないが、それは間違いだ。
横に跳んだ勢いのまま地面を転がるジェレミア/その直後森の中に響く爆発音/数本の木々を薙ぎ倒して巻き上がる土埃。
すぐさま体勢を立て直して木の背後に身を隠したジェレミアが顔を覗かせると、木が数本倒れて地面が抉り取られた空間が目に入った。
おそらくあのまま進んでいたら直撃を受けていた事は想像に難くない。
こうして無事に回避できたのは日々ルルーシュやロリっ娘のために鍛錬を積んできたおかげだろう。
だがまだ危機が去ったわけではない。
未だに姿の見えない襲撃者はこの周囲に潜んでいるからだ。
「そこの赤マント、一つ聞きたい事がある」
「…………」
「無視か。ちっ、ゼロと云う奴に会ったら『MAXが探していた』と伝えておけ」
(な、ゼロだと!? いったいどういう――)
最初無言でいたのは返答の声で自分の居場所が判明するのを避けたためだった。
だが続いて出された言葉にジェレミアは驚愕の色を隠せなかった。
いきなり襲撃者から『ゼロ』というよく知っている名前を聞かされたのだ。
おもわず木の背後から身を出して声のする方を見ると、さらなる驚きがジェレミアを襲った。
それは真っ黒い金属製のボディーをした謎の人物が足早に立ち去っていく光景だった。
(な、なんだいったいあいつは……?
それにしてもどういうことだ? 今のゼロは枢木スザクだが、ここでもゼロの姿でいるのか?
それとも秘密裏に開発された私の後継機という可能性も……そんなの、聞いてないぞ……)
日中でも若干薄暗い森の中でジェレミアの思考は闇の中でしばらく彷徨わずにはいられなかった。
【1日目 午前/F-7 森の中】
【ジェレミア・ゴットバルト@コードギアス】
【服装】小此木造園の作業着@ひぐらしのなく頃に、アーチャーの聖骸布@Fate/stay night
【状態】健康、強い決意、隠れ真性ロリコン、若干の戸惑い
【装備】対化物戦闘用13mm拳銃ジャッカル(4/6)@HELLSING
【道具】支給品一式×4、スクール水着、手榴弾5個@現実、オレンジ49個@コードギアス、黄金のインゴット@カオスロワ、スーパースター@マリオカート
【思考】
基本:主催者から死者蘇生の力を手に入れて、ルルーシュ達を生き返らせる。
1:再び主催者に会うために参加者を皆殺しにする(苦しまないように一撃で殺す。特にロリっ娘は確実に全力で一撃で!)。
2:ボートで川を下って湖に出て、岸辺で一人寂しく泣いているロリっ娘を探す。
3:なぜMAXはゼロを探していたんだ?
【備考】
※金蔵銭太郎のデイパック(支給品一式、黄金のインゴット@カオスロワ、スーパースター@マリオカート、モーターボート@名探偵コナン)を回収しました。
【MAX@ボンバーマンジェッターズ】
【服装】なし
【状態】右肩に刀傷(軽傷)、攻撃速度上昇
【装備】三属の剣(流星虫規制)@バロック、M134機関銃@シャーマンキング、クナイ×10@伊賀の影丸
【持ち物】基本支給品一式×2、不明支給品0〜2
【思考】
基本:優勝して帰還する。
1:ゼロを破壊して己の優越性を証明する。
2:参加者の何人かをゼロに関するメッセンジャーとして利用する。
【備考】
※参戦時期は後の書き手にお任せします。
※設定上、マイティが利用可能なボムはほとんど全て使えるはずです。
【モーターボート@名探偵コナン】
劇場版「名探偵コナン」シリーズの第9作目のである『名探偵コナン 水平線上の陰謀』の出てくる豪華客船アフロディーテ号に常備されていたモーターボート。
終盤に犯人がこれに乗って船を脱出して、コナンたち少年探偵団が別のボートに乗って追いかけるシーンがある。
投下終了です
何かあれば言ってください
それから残りが50KBちょっとなんだが次スレどうしようか
ちらほら創発板に書き込めないみたいな人いるみたいだけど、どこか移転した方がいいのだろうか
一応その場合候補として思いつくのはパロロワ総合板
まあこの消費スピードならまだ先の話になるけど、気長に意見求む
投下乙!
またしてもゼロの名前が混乱をw
移転はどうなんだろう
このままでもいい気はするけど、2chでやるメリットも薄くなってきてるしなあ
投下乙です―
ジェレミア……そういえばここのあんたロリコンだったな!
本編でも最後アーニャと一緒にみかん畑とかやってたしあながち間違いでもないのかもしれないが
そしてMAXが順調にフラグを……多数のゼロの混乱とも絡まって面白いことになりそう
自分も定期的に規制されてしまうので、総合版に移るのはありだと思いますー。
673 :
転載:2012/11/16(金) 21:35:19.79 ID:6yty1qZX
12 名前:名無しさん 投稿日: 2012/11/16(金) 20:23:40 ID:GkLByuNU 規制中につき
投下乙
帝が札束を1000万円ほどARでチャージしていたけどインゴットでもできるのかな
そしてジェレミアはロリに出会えるか!?
移転については絶賛規制中の身としてはありがたいです
今のところどちらかというと移転した方が好ましい雰囲気ですね
まあまだ先なので何か意見あれば言ってください
あと
>>669でジェレミアの【道具】の欄にモーターボートが抜けていたので、Wikiで修正しておきます
地図乙です
確かに開始以来の板から移動するのは寂しいものがあるけど、どうするかねえ
総合板での規制って巻き込まれても個別に対処とかはしていれないのだろうか
この辺りは検討しておいた方が良さそう
これ以外のデメリットは……以前なら2chの方が人が集まると言われたけど、今はそこまでじゃない気がする
見てきた
したらばトップによると
・また書き込み規制に巻き込まれた方については個別にキャップを発行致します。
・メールフォームよりお問い合わせ下さい。
・またその際は携帯電話等で要望スレにメールを送信した旨をご報告いただけるとより迅速な対応が可能となります。
だそうだから、手順を踏めば対処はしてもらえるはず
初めまして、そうでない人はお久しぶりです。
現在、投票で決めた各パロロワ企画をラジオして回る「ロワラジオツアー3rd」というものを進行しています。
そこで来る12/8(土)の21:00から、ここを題材にラジオをさせて頂きたいのですが宜しいでしょうか?
ラジオのアドレスと実況スレッドのアドレスは当日にこのスレに貼らせて頂きます。
詳しくは
http://www11.atwiki.jp/row/pages/49.html をご参照ください。
おお、ラジオか
はたしてどれだけの人が聞きに来てくれるんだろう
クレア・スタンフィールドで投下します
皆さん、お集まりになったようですね。
皆さんに集まってもらったのは他でもありません。
このメイドカフェで起こった殺人事件の犯人が分かったからです。
そうです、犯人はこの中にいる!
では、まずは事件の概要をおさらいしましょう。
被害者は可憐さん、名字は不明。
6時の放送と首輪の裏側にあった名前から身元はほぼ間違いないでしょう。
まだうら若い女性で、年齢はおそらく13〜14歳ぐらい。
遺体発見場所はこのカフェの奥にある一室。
おそらく従業員の休憩室だと思われます。
死因は全身を刃物で滅多刺しにされた事による失血死。
しかし凶器は発見できませんでした。
さらにメイド服が3着、内訳はSとMとLのサイズが1着ずつ、それぞれなくなっていました。
また現場にはマグカップが2つ放置されていました。
どうやら被害者は誰かとお茶を飲んでいてその後殺害されたと推測されます。
そうです! その誰かこそ!! この殺人事件の犯人なのです!!!
さて私がここに着いた時、容疑者と思われる人物は二人でした。
一人はカフェ内でメイド姿に扮していた男性の帝さん。
もう一人はそれを外から覗いていたヤムチャさん。
ですが、ヤムチャさんは犯人ではありません。
もしヤムチャさんが殺人を犯したのなら、その後もその現場を監視している意味があまりないからです。
それにヤムチャさんは凶器となりうる刃物の類を持っていませんでした。
よってヤムチャさんが犯人である可能性は低いと推測されます。
では帝さんが犯人なのか。
確かに帝さんは逆刃ですが刀を所持していました。
しかも帝さんが着用しているメイド服はここのものと同じMサイズ。
先程触れたMサイズの紛失メイド服で間違いないでしょう。
さらに帝さんはかぐや姫のためなら殺害すら厭わない覚悟がある。
こういうのはどうでしょう。
帝さんと可憐さんはこのメイドカフェで出会った。
そして外から見られる事を警戒して敢えて奥の休憩室に入り、お茶を飲みながら話をした。
そうして可憐さんの警戒を解いた頃を見計らって、所持していた刀で可憐さんを滅多刺しにして殺害した。
さらに返り血が付いた元の服から着替えるために店のメイド服を持ち出した。
しかし一見筋が通っているように見えますが、この推理には無理があります。
まず凶器となったはずの刀に血痕が全くない。
いくら拭き取ったと言っても血の匂いはそんなにすぐ落ちるものではない。
次に帝さんの元着ていた束帯にも返り血の痕跡は一切ありませんでした。
例え洗濯してもこんな数時間で血痕を消す事は不可能です。
そして帝さんの持ち物からはSサイズとLサイズのメイド服は出てこなかった。
よって帝さんもまた犯人である可能性は低いと推測されます。
つまりどちらも犯人ではない。
では誰が可憐さんを殺した犯人なのか。
皆の眼は誤魔化せても、この私の鷹の眼は誤魔化せません!
私が真実を明らかにしようと心を決めた時、全ては終わったのです。
そう、このメイドカフェで年端もいかない少女を惨殺した真犯人はあなただ!
◆ ◆ ◆ ◆ ◆
「――という具合にシャーロック・ホームズの魂が宿った鷹と主人公のコンビが事件を解決する推理物、どうだろう」
ちなみにタイトルは『探偵鷹シャーロック・ホークス』らしい。
「シャーネみたいな物静かな女性は読書が好きだって聞いた気がするから本を一冊書いてプレゼントしてみようか」
「…………」
「だがシャーネはナイフと軍服が似合う可憐な子だ。そんな子が果たして読書好きだろうか」
「…………」
「んー、一応候補の一つにしておくとして、この仕事が終わった後にまた考えるか」
「…………」
「――って、全く返事無しか、この鷹。しかし、今の問題はこっちだな」
延々と自作の推理小説の内容を鷹に披露していたクレアの目の前のテーブルには色々と機械の部品が置かれていた。
それらは組み立てるとこの島で殺し合いをしている参加者にとっては見慣れた金属の輪になる。
皆の生死を左右する枷、つまり首輪だ。
そもそもクレアがまだメイドカフェに残っているのはシャーネへのプレゼント候補になるかもしれないメイド服を調達するため。
だが調達のために店内を探して回ると、従業員の休憩室で滅多刺しにされた女性の死体を発見したのだ。
元より帝とヤムチャの仕業ではない事は死体を一目見た瞬間から分かっていた。
死体の状況から見て殺害された時間は帝とヤムチャがカフェに来るよりもずっと前だ。
でも仮にそうでなくてもクレアにとっては可憐が誰に殺されようと関係なかった。
どうせ最後は全員皆殺しにする契約なのだから。
だから目的のメイド服と放置されていたデイパックと首輪を回収すると、さっさと営業フロアに戻った。
ちなみに件のメイド服は黒を基調としたもので実にシャーネに似合いそうだった。
なおこのデイパックの中身は一度帝が改めていたが、ARチャージ機に気を取られていたために残りのアイスピックとリフレインには気付かず仕舞いだった。
それから首輪を回収したのは別に解析しようとしたためではない。
首輪に内蔵されている爆薬が何か使えないかと考えたからだ。
どのような仕組みで起爆されるのかはまだ把握できていないが、爆発する以上首輪に爆薬が内蔵されている事は確かだ。
首輪一つでは少ないかもしれないが、今手元にある2つと合わせればそれなりの量になると推測していた。
だから手始めに一つアイスピックで多少強引に解体した。
もちろんまだ起爆する可能性を考慮して最初はアイスピックを投擲して首輪にぶつけながら解体した。
しばらくしてから起爆する可能性はないと判断して投擲するのは止めたが、結果的に投擲する意味はなかったのかもしれない。
なぜなら首輪には爆薬らしきものが一切入っていなかったからだ。
多少強引だったので詳しくは分からないが、首輪を解体してみると様々な金属片とコードがあるだけだった。
ここから導き出される可能性は二つ。
一つはクレアの知らぬ爆薬に相当するものがこの中にある可能性。
そしてもう一つの可能性は――。
(……そもそもこの首輪自体は爆発しない?)
【1日目 昼/D-2 メイドカフェ】
【クレア・スタンフィールド@バッカーノ!】
【服装】普段着(つまり車掌服)
【状態】健康
【装備】シャーネのナイフ@バッカーノ!、9mm拳銃(ルガーP08・8/8)@現実、お幻の鷹@バジリスク〜甲賀忍法帖〜
【持ち物】基本支給品一式×3、逆刃刀・真打ち@多ロワ、アイスピック@名探偵コナン、リフレイン@コードギアス、首輪×2(ルイズ、イヨ)、解体済み首輪(可憐)
【思考】
基本:キングハートからの依頼(※)を遂行する。
1:『線路の影をなぞる者(レイルトレーサー)』として参加者全員を喰らい尽くす(つまり皆殺し)。
2:首輪の構造、いったい……。
【備考】
※フライング・プッシーフット号でニューヨークに到着した次の日辺り(1932中盤付近)からの参戦。
※キングハートの依頼:全参加者の殺害(ただしクレアの気分次第で殺し合いに役立ちそうな参加者は生かす/報酬はクレアが望む情報ならなんでも提供する)。
※帝とヤムチャのこれまでの経緯(第202話[[俺がヘタレだと、そんなの絶対おかしいぜ!]])を知りました。
【アイスピック@名探偵コナン】
「ホームズ・フリーク殺人事件」で藤沢を刺した凶器。
どこにでもある一般的なアイスピック。
【リフレイン@コードギアス 反逆のルルーシュ】
ブリタニア統治下の日本で蔓延している違法薬物。
常温では褐色の液体で注射器を使って摂取すると、過ぎ去った過去の思い出に浸る事ができる。
麻薬に類するもので中毒性があり、やがては発狂に至るケースもある。
本編ではカレンの母親など多くの日本人が服用していた模様。
しえん
投下終了です
何かあれば言ってください
板移転に関して随時意見募集中
>>678 ラジオ楽しみにしています
あ、忘れていた
タイトルは「私が真実を明らかにしようと心を決めた時」です
687 :
転載:2012/11/30(金) 23:27:26.81 ID:dzabhVX2
13 名前:名無しさん 投稿日: 2012/11/30(金) 22:30:58 ID:TPnFh0IE
例の如く規制中なので
投下乙
ホームズの魂が宿った動物と主人公…
マガジンで似たような漫画があったような…
遅ればせながら、投下乙
首輪の謎が深まるな……
投下乙
チェーンソー直撃だと爆発してたよな
何がどう爆発したのか謎だけど
クレアの荷物にメイド服が抜け落ちていたので、wikiに収録する際に追加しておきました
ファシル、ハートのクイーン、かぐや姫投下します
海を目指したのは、特に意味があるわけじゃない。
むしろ島の中心から外れるのは、他者と接触する可能性が低くなるわけで人捜しには効率が悪い。
だが、それでも俺は海に行くことを提案した。
今の俺をさいなむやりきれない感情を、広大な海が少しは和らげてくれるのではないかと期待して。
◇ ◇ ◇
ファシル、ハートのクイーン、かぐや姫の3人は、J-8の海辺に来ていた。
初めて見る海に、かぐや姫は興奮して跳ね回っている。先ほど雑貨屋で調達した淡いピンクの服は、真っ青な海をバックにしてよく映えていた。
そんな彼女の様子を見守りつつ、ファシルとクイーンは砂浜に腰を下ろす。
「こんな最悪の殺し合いの場でも、海の雄大さは変わらないな……」
「ファシルは、海が好きなのか?」
「別にそんなことはない。だが、好きでなくても海を見たくなるときはあるさ」
「たしかにのう。海はよい。何もかも包み込んでくれそうなほどに広い。
お主の中のよどみもな」
「……まあ、そういうことだ」
どことなく気恥ずかしくなり、ファシルは視線を外す。
そこへ、タイミングを合わせたようにかぐや姫が駆け寄ってきた。
「ねーねー、ちちうえ、ははうえ」
「どうした、かぐや」
「あれ、なーにー?」
「ん?」
反射的に、かぐや姫が指さした方向を見るファシル。そこにあったのは、大海をゆっくりと進む大きな船だった。
「な……! 船だと!?」
予想外の光景に、ファシルは思わず声を荒げる。
それに驚き泣きそうになるかぐや姫をなだめつつ、彼は改めて船に視線をやった。
「どういうことだ……。あれも誰かの支給品なのか!? だが、それにしてはあまりに大規模すぎる……!」
「たしかに……。じゃが実際、あの船はこうしてわらわたちの前に存在しておる。
それは事実として受け入れねばならん」
「ああ、そうだな……。だが受け入れたとして、どうする。
俺たちはあの船に対して何らかのリアクションを取るべきなのか、それとも無視するべきなのか」
「難しいところじゃのう」
ファシルからの問いに、クイーンは眉をひそめる。
「十中八九、あの船の中には人がおるじゃろう。じゃが、それが安全な人間か危険な人間かはわからん。
そうである以上、いくら考えたところでどう動くのが適切なのかはわからん」
「ああ、そうだな……」
額に手をやり、ファシルはしばし黙考する。やがて彼は、決意を絞り出すようにつぶやいた。
「船を追おう。あっちは、海岸近くを航行している。
こちらが興味を示していると気づけば、向こうから接触してくるかもしれない」
「本当にそれでいいのか? 相手が接触してくるにしても、それはわらわたちを殺すためかもしれんのだぞ?」
「認めたくないが、俺たちには力が足りない。この殺し合いから解放されるには、もっと力が必要だ。
俺たちの力が足りないのなら、誰かの力を借りる必要がある。つまり、仲間だ。
仲間を得るためには、多少のリスクは避けられない」
ファシルの表情は険しかった。自分が特別な存在だと思っている彼にとって、おのれの無力を認めることは大きな苦痛であった。
だが認めなければ先には進めないと、彼は感じていたのだ。
「ファシル……」
「安心しろ。たとえ相手が危険人物だとしても、逃げるくらいなら何とかなるだろう。
最悪の場合は、俺の命に替えてでもお前たちを……」
「やめんか、馬鹿者!」
ファシルの言葉は、クイーンの怒号に遮られる。
「自分を犠牲にしようなどと考えるな! わらわたちはすでに一蓮托生!
全員で生きて帰るのじゃ!」
「そうか……そうだったな。俺が死ねば、かぐやが悲しむものな」
「ちちうえ……?」
「大丈夫だ。かぐやは何も心配しなくていいんだ」
ファシルは不安そうな表情で自分を見つめるかぐや姫の頭を撫でると、その小さな体を抱き上げる。
「それじゃあ、いくか!」
【1日目 昼/J-8 海岸】
【ファシル(本名 鈴木次郎)@オリジナルキャラ・バトルロワイアル】
【状態】健康、悲壮な決意
【装備】チェーンソー
【持ち物】基本支給品一式×3、不明支給品0〜6、成長そくしんライト@ドラえもん@ニコロワ
【思考】
1:首輪の解除。
2:ここから脱出して、主催を滅ぼす。
3:邪魔する者、ルシファーのかけらを持つ者は殺す。
4:かぐや姫を泣かせたくないが、勇者としての使命が……。
5:船(nice boat.)を追い、乗組員と接触する。
6:スペードの2がいたら、合流する(「会えたら」という程度で、積極的に捜すつもりはありません)。
7:「かれん」に会ったら、悠理の遺言を伝える。
【備考】
※成長そくしんライトは制限により一回5才までしか成長せず、12時間置かないと再使用できません。
【ハートのクイーン@七並べ】
【服装】チャイナドレス、パンツはいてない
【状態】健康
【装備】なし
【持ち物】なし
【思考】
1:首輪の解除。
2:脱出する。
3:かぐや姫と一緒にいる。
4:スペードの2が心配。
5:パンツがほしい。
【備考】
※じゅうじか@FFUで呪いが解け、人間形態になっています。
【かぐや姫@竹取物語】
【服装】あちゃくらさんの普段着@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱
【状態】健康、現在5〜6才
【装備】ハロ(ピンクちゃん)@ガンダムSEEDシリーズ
【持ち物】なし
【思考】
1:ちちうえも ははうえも だーいすき。
2:ぴんくちゃん、かわいい。
【備考】
※今のところ月に帰るつもりはありませんが、今後どうなるかはわかりません。
※服は「あちゃくらさんの普段着@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱」でした。
【あちゃくらさんの普段着@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
長門家の居候、あちゃくらさんがよく着ている服。
淡いピンクの上着と、赤いスカートのセット。幼児サイズ。
首元に入れられた「幼」の文字がポイント。
以上で投下終了です
矛盾等ありましたら指摘おねがいします
失礼、タイトル忘れてました
「海物語」でおねがいします
投下乙です
この疑似家族見ているとすごい安心する
でも前回悲壮な決意していたからファシルはこの先どうなるか
やっぱりクイーンとかぐやに掛かっているな
確か今船に乗っているのは本郷と沙都子か
よし大丈夫だ
699 :
転載:2012/12/08(土) 23:15:26.95 ID:fvhyYjF/
14 名前:名無しさん 投稿日: 2012/12/08(土) 16:59:31 ID:wzzBxCPI
規制中なので
投下乙
もうお前ら結婚しちゃえばいいよ
それにしてもロボとか支給されていると知ったらどう思うんだろ
ランキング作成人、黒井ななこ投下します
B-5の平原に、地面をえぐる音が響く。
音の主は、ランキング作成人。彼は壊れたチェーンソーを無理矢理スコップ代わりに使い、穴を掘っていた。
やがて人が収まるほどの穴を二つ掘ると、彼はそこに二つの亡骸を横たえた。
一人は赤根沢玲子、もう一人は6/の魂が宿っていた柊かがみの遺体だ。
気は進まなかったが、6/が来ていた強化服は脱がせて回収していた。
作成人は名簿に、「本郷猛」の名前があったのを確認している。
彼にこの強化服さえ渡せば、バトルロワイアル破壊の切り札となり得る。
故に、これを6/と共に埋葬するわけにはいかなかったのだ。
「終わりました」
「ああ……」
作成人に声をかけられたななこは、短く言葉を返す。二人はそのまま並ぶと、土の下の二人に向かって無言で手を合わせた。
「だいぶ時間を食ってしまいましたね。すぐに出発しましょう。沙枝ちゃんのことも心配……で……」
「サク!」
言葉の途中で、作成人の体がぐらりと揺れる。ななこは慌てて、その体を支えた。
「いや、失礼……。ちょっと疲れてしまったようで……」
「ちょっとどころやないやろ! 顔色、ひどいことになってるやん!」
激しい戦闘による疲労と負傷、さらに仲間を殺され、自らも殺人を犯したことによる精神的消耗。
それだけですでに、作成人はまともに行動できない状態になっていたはずなのだ。
その上、彼は死者の埋葬という心身ともに負担の大きい作業をやってのけた。
その結果、作成人はすでに立っているのがやっとという状態に陥っていたのである。
「こんな何もないところで休むわけにもいかんし……。とりあえず、市街地の方に移動しよう。
サク、もうちょっとの辛抱やで」
「すいません、ご迷惑をおかけして……」
「謝る必要なんてないわ。助け合うのは仲間として当然のことやろ」
作成人に肩を貸し、ななこはゆっくりと市街地に向かい始めた。
◇ ◇ ◇
しばらく後、市街地に入った二人は手近な民家へと入っていった。
中に誰もいないことを確認すると、ななこは作成人をベッドに横たわらせる。
「ここで少し休んどき」
「すいません……」
「だから、謝らんでええて」
作成人の言葉に微笑を浮かべながら返すと、ななこは近くのいすに腰を下ろす。
程なくして、ベッドの中からは規則正しい寝息が聞こえてきた。
「もう寝たんか。まあ、それだけひどい状態やったってことやろなあ……」
独り言を漏らすと、ななこは座ったばかりのいすから立ち上がる。
どのみち相棒がこの状態では、大きな動きは取れない。
ならば今のうちに、細かい作業を終わらせておこうと考えたのである。
(まずは……着替えを探すか)
同じ部屋にあったタンスを、無造作に開けるななこ。幸い、そこには何着かの服が入っていた。
その中から自分にサイズが合いそうなものを選び、ついでに作成人のために男性用の服も取り出しておく。
(そういえば……服だけやなくて、うち自身もボロボロなんよなあ)
服の状態を確かめつつ、ななこはふと気づく。たしかに今の彼女は、土や血が体のあちこちに付着した状態であった。
(汗もかいとるし、シャワーでも浴びたいところやけど……。そういうわけにもいかんよなあ)
この家に水道が通っているかわからないし、そもそも殺し合いの場で完全に無防備になる入浴など危険すぎる。
自分と長時間離れることになる、作成人に危険が及ぶ可能性だってある。
(タオルを支給品の水で濡らして、体を拭くくらいがせいぜいかなあ……。
幸い、とは言いたくないけど、死んだ二人の荷物も回収したせいで水には余裕あるし)
家の中を漁ると、タオルはすぐに見つかった。いくら寝ているとはいえ年頃の男性がいる部屋で肌をさらすのも恥ずかしいので、さすがに隣の部屋に移動する。
(まあ、このくらいの距離なら大丈夫やろ。手早く終わらせるに越したことはないけどな)
タオルに水をしみこませると、ななこは手早くあちこちが焦げた服を脱ぎ捨てて下着姿になる。
(けっこう気に入ってたんやけどなあ、この服……。まあ、しゃあないわな)
床に落ちた服を未練がましく見つめるななこであったが、すぐに気持ちを切り替えて体を拭き始める。
(それにしても……これからどうすればええんやろうな、うちら)
タオルの冷たさに顔をしかめつつ、ななこは考える。
まず第一の目標は、はぐれてしまった沙枝を探すことだ。それはいい。
だが首尾よく彼女が見つかったとして、それからどうすればいいというのか。
ななこが最終的に目指すのは、この殺し合いを止めることだ。
だがそのために何をすればいいのか、彼女には具体的な案がない。そして、力もない。
ななこも作成人も、身体能力的には完全な凡人だ。格闘技が出来るわけでもなければ、銃器の扱いに長けているわけでもない。
もちろん、超能力の類も持ち合わせていない。
おまけに、所持している支給品にも恵まれているとは言いがたい。
神罰棍は強力な武器らしいが、重すぎてとても一般人には使いこなせない。
遊戯王カードは強力ではあるが、一度使用すればしばらく使えなくなるため使いどころが難しい。
鉄パイプとなれば、もはや気休めレベルである。
いや、一般人レベルの戦闘なら充分役に立つのだが、先ほどのメイド服の少女のような強者が相手ではあまり役に立つとは思えない。
(あれ……。地味にやばい状況なんやないか、うちら。ここまで無力やと、いつ殺されてもおかしくないレベルやで)
それを自覚したとたん、ななこの顔から一気に冷や汗が吹き出る。
(落ち着け、うち……。たしかにこの場において、戦闘力は重要な要素や。
せやけど、それが全てやない。たとえ弱くても、うちらに出来ることは必ずあるはずや)
汗を改めて拭き取り、ななこは真新しい服に袖を通す。
多少動きにくい感じはあるが、問題になるようなレベルでもない。
しばらくはこの服で大丈夫だろう。
「さて、戻るか。今のところ間近の危険はないとはいえ、単独行動は控えるに越したことはないからな」
不安を紛らわすようにつぶやくと、ななこはドアノブに手をかける。
「どんなに絶望的な状況になっても、うちは諦めへん。諦めたらあかんねん……」
【B-5 市街地・民家内部/一日目・昼】
【ランキング作成人@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】クロス(十字架)が大きく描かれた服(ボロボロ)
【状態】全身打撲、疲労(大)、睡眠中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式×2、DMカード(聖なるバリア・ミラーフォース(二日目深夜まで使用不能)、
光の護封剣(二日目黎明まで使用不能)、ブラック・マジシャン(二日目午前まで使用不可)、他2枚)@ニコロワ
神罰棍@マイティハート
【思考】
1:誰も死なせたくなかったのに、俺は……
【黒井ななこ@らき☆すた】
【服装】地球連合軍女性士官用制服@機動戦士ガンダムSEED
【状態】健康
【装備】鉄パイプ
【道具】基本支給品一式×2、カラオケ用機材一式@現実
【思考】
1:殺し合いはあかん。
2:サクと一緒に行く。玲子の死は自分も背負う。
3:沙枝を見つける。
【地球連合軍女性士官用制服@機動戦士ガンダムSEED】
作中でマリュー・ラミアスやナタル・バジルールが着用していた、白い軍服。
これと言って特殊な効果はない。
以上で投下終了です
投下乙です
薄々感じてはいたけどこのコンビは戦力的にヤバいね
それでも残りのカード次第ではあるいは……
ただ残念なのはななこ先生が着替えている最中にサクが目を覚まして裸を見てしまうというラッキースケベイベントが起こらなかったこと
すいません、作成人の持ち物に二式強化服追加するの忘れてました
状態表を訂正させてもらいます
【ランキング作成人@パロロワクロスネタ投下スレ】
【服装】クロス(十字架)が大きく描かれた服(ボロボロ)
【状態】全身打撲、疲労(大)、睡眠中
【装備】なし
【道具】基本支給品一式×2、DMカード(聖なるバリア・ミラーフォース(二日目深夜まで使用不能)、
光の護封剣(二日目黎明まで使用不能)、ブラック・マジシャン(二日目午前まで使用不可)、他2枚)@ニコロワ
神罰棍@マイティハート、二式強化服@仮面ライダー 誕生1971
【思考】
1:誰も死なせたくなかったのに、俺は……
707 :
転載:2012/12/12(水) 23:51:30.93 ID:CsQKxJRm
15 名前:名無しさん 投稿日: 2012/12/12(水) 21:25:10 ID:JUR2xQCo
規制中なので
投下乙
前途多難だなー
それにしてもなぜその服をチョイスした!?
なんだかんだで残り30KBか
次の作品が来る前に次スレどうするか決めた方が良いかな
709 :
転載:2012/12/20(木) 22:42:26.27 ID:ZABjwO3L
16 :名無しさん:2012/12/20(木) 19:17:15 ID:0w//X49g
投下乙ですー
>私が真実を明らかにしようと心を決めた時
アイスピックを投擲して首輪にぶつけながら解体ってなにげにすごいことやってる!?
主催の動機やらいろいろ謎なオールロワだけど、首輪について分かるのはいつになるかな
序盤の推理!?パートのテンションの高さが面白かった
>海物語
この家族はほんといいなあ
ほのぼのなだけじゃなくて危機感もちゃんと備えてるから安心できる。
船に向かえば本郷さんと沙都子か、障害もないし上手く合流できるかな?
>絶望を希望に変えろ
作成人とななこ先生のほうも休息に入れたようでなにより。
この二人はほんと、一般人枠な身体能力をロワ知識と真っ直ぐな心でどこまでカバーできるかだよな、
ただこのロワ、普通の人にはあまり優しくない舞台だからなあ……。
>>675 それと地図も乙です!
移転については、創発経由で新しくオールロワ見る!って人ももう少ないだろうし、
総合版に移ってみるのに一票かなあ……創発にも愛着があるから名残惜しくはあるけれど、
いま書き込もうとしたら自分もまた規制されてたのでうーん
竜宮レナ、カムパネルラ、kskロワ住人で投下します
きたあああああ!!
「ねえ、猫さん。私達これからどこへ行くのかな、かな?」
「ああ、そういえば何も言っていませんでしたね」
10時に禁止エリアとなるC-3エリアを無事に抜ける事が出来たレナとkskロワ住人とカムパネルラ。
二人と二足歩行の猫一匹で構成されるトリオ、チーム“ワイルドバンチ”。
実のところ3人ともどこまで行けば禁止エリア外になるのか分からなかったために多少走ったが、10時を過ぎても何も起きなかったので無事だと判明した時はほっと安堵した。
そしてようやく「部活メンバーを探す」という目標を定めた彼らだったが、そのための目的地については特に言及していなかった。
とは言うものの、二人を先導して南下していたカムパネルラにはだいたいの方向性があった。
「ではお二人に質問です。差し当たり私達の目的は人探し。では人を探すにはどういう場所に行けばいいでしょうか?」
「モフモフはーい。人が集まる場所がいいと思うよー」
「その通り。そこに探し人がいるかもしれないし、それにいなくても誰か出会っている人がいるかもしれませんからね」
「あ、もしかして怪しい洞窟に行くのかな、かな? 確か放送で気になる事を言っていたから」
そう言いながらレナはデイパックから取り出した地図の中央を指差した。
その指先が置かれた箇所はE-6エリアで且つ『怪しい洞窟』というものが存在するという印が付けられている。
6時の放送では社長がその場所について何やら含みのある言い方をしていた事は記憶に新しい。
今レナ達がいるのはD-3エリアの都市部と森林部の境の付近。
C-3エリアにある武器屋からコンパスを頼りに南下してきたから現在地に間違いはないはずだ。
ここから洞窟に向かうにはだいたい森の中を東南東の方角に進まなければならない。
よく山で遊んでいるレナはともかく他の2人がどこまで森の中を踏破出来るかは不安材料でもある。
だがその懸念は別の方向からかき消された。
「ええ、それも一理ありますが、残念ながらそれは避けた方が良いでしょう」
「どうしてかな、かな?」
「確かに多くの人が集まる場所は人探しには最適ですが、反面そこに集まる人が安全でない可能性も高くなります」
つまりこういう事だ。
この場合放送で触れられた『怪しい洞窟』にはおそらく多かれ少なかれ参加者が集まるだろう。
それは単純に社長の言葉の真意を確かめるためだったり。
または自分達のように誰かを探すためだったり。
もしくは殺し合いを打破する仲間を集めるためだったり。
だがその理由が時として悪意に満ちている可能性もまたありうる。
例えば集まってきた参加者を一気に殺そうとするためだったり。
または集団に紛れ込んで機を見て何か仕掛けるためだったり。
もしくは誤った情報を流して参加者を混乱させるためだったり。
そういった悪意を持った参加者が集まってくる可能性も十分にある。
そして残念ながらそのような輩に遭遇した時にチーム“ワイルドバンチ”ではいざという時に後れを取るかもしれない。
何丁も銃を揃えていたところで元を糺せば力も経験も不足している年端もいかない少年少女と猫だ。
6時の放送で半数近くの参加者が死んでいるなら、もう既に残りが3分の1になっていても不思議ではない。
それぐらいこの殺し合いは殺伐としていて、それだけの殺戮を行う参加者がこの島に入るのだ。
生半可な実力でこれからも生き残れる保証などどこにもありはしない。
「うん、そうだね。確かに猫さんの言う通りかな、かな……」
「ええ、今あそこは無防備に向かって行くともれなく死が向かって来る場所。それで死んでしまっては徒死、ようは無駄死です」
「モフモフとケモノは歓迎だけど、危険人物は勘弁。そういえば自ロワでも待ち伏せを警戒しているキャラが何人かいたっけ」
「もし洞窟へ行くならもうしばらく時間が経ってからですね」
「ありがとう。今はみんなが洞窟に向かっていない事を祈ってるね」
カムパネルラの説明を聞いてレナは後ろ髪を引かれながらも洞窟行きを断念した。
実際に高嶺響という化け物級の参加者と対峙して間一髪逃げ延びる事が出来たが故に、今の自分達の戦力を少なからず客観的に見れる。
圭一達部活メンバーと再会する事が目標だが、それを果たす前に自分達が死んでしまっては元も子もない。
勇気と無謀は似ているようで全く別のものだ。
「という訳でレナさん。この地図に示されている施設の中でなたの仲間達が立ち寄りそうな場所はありますか?」
「え、みんなが立ち寄りそうな場所? んー、神社や分校があればそこが一番当てはまったんだけど……あ!」
「何かありましたか?」
「ここ、メイドカフェって場所だよ。
ここには来ていない部長の魅ぃちゃんの妹の詩ぃちゃんが働いている『エンジェルモート』ってお店がそんな感じのお店で、圭一君も好きな場所なんだ。
あとは雑貨屋かな。たまに似たようなお店にみんなで遊びに行った事もあるから他に比べると馴染みがあるかな、かな」
「よし、それならメイドカフェが近いですからそこへ行きましょうか」
「モフモフー理由は?」
「そこなら無闇に人が集まる事もないからです」
社長による放送のせいで『怪しい洞窟』は無秩序に人が集まる場所と化してしまった。
だがメイドカフェや雑貨屋は部活メンバーにとっては親しみのある場所でも、他の参加者にとっては数ある施設の内の一つでしかない。
つまり他の施設に比べて余計な参加者と会わずに部活メンバーと会える可能性が高いと言える。
しかも今の人が集まってくる洞窟とは違って、これらの施設には何時誰が来るのか分からないために待ち伏せのメリットが少ない。
よって比較的安全な場所という事になる。
それに仮に誰かが立ち寄った後でも何らかの痕跡が残っている可能性にも期待できる。
元々カムパネルラはそのような場所に向かうつもりだったが、幸運にもその一つであるメイドカフェが目と鼻の先だった。
これでチーム“ワイルドバンチ”の当面の目標と目的地は定まった。
「でも万が一という可能性もありますから気を付けてくださいね」
「うん、油断しないで行こう」
「俺はモフモフに付いて行くだけさー」
こうしてチーム“ワイルドバンチ”はレナの仲間を探し求めて一路D-2エリアのメイドカフェを目指した。
だが彼らは知らない。
レナの仲間である部活メンバー――前原圭一・北条沙都子・古手梨花の3人。
その3人全員が予断を許さない状況である事に。
果たして勇敢なるガンファイター達は間に合う事が出来るのだろうか。
【1日目 昼/D-3中央部 都市部と森林部の境界付近】
【チーム“ワイルドバンチ”】
【共通目的】
1:レナの仲間である部活メンバー(前原圭一、北条沙都子、古手梨花)との合流。
2:メイドカフェに向かう。
【竜宮レナ@ひぐらしのなく頃に】
【服装】白のワンピース、カウボーイハット、ガンベルト、頑丈な革ブーツ
【状態】Lv65、健康
【装備】コルトSAA“バントラインスペシャル”16インチver(6/6)@現実、ウィンチェスターM1873(14/14)@現実、大型トマホーク@現実
【持ち物】:基本支給品一式、予備弾薬(60/60)@現実
【思考】
1:部活メンバーを探して皆で脱出する。
2:高嶺響が気になる。
【カムパネルラ@銀河鉄道の夜】
【服装】テンガロンハット、上だけタキシード、黒いスカーフ、ガンベルト
【状態】Lv85、健康
【装備】レミントンM1858(6/6)×2@現実、ウィンチェスターM1892“ランダルカスタム”(7/7)@現実、雑嚢(予備弾倉×6@現実が入っている)
【持ち物】基本支給品一式、予備弾薬(21/21)@現実
【思考】
1:レナの人探しに付き合う。
2:僕はサンダンス・キッド!
【kskロワ住人@kskアニメキャラバトルロワイアル】
【服装】クロケット帽、Tシャツ、ジーンズ、ガンベルト
【状態】健康
【装備】ブルーノCz・M75カスタムスピアハルバード(∞/15)@オリロワ、水平二連式10ゲージ散弾銃(2/2・予備弾数14)@現実
【持ち物】なし
【思考】
1:モフモフに従うー。
2:ケモノともふもふしたいよー。
3:ロリっこかわいいよー。
【備考】
※スピアハルバードが弾数無限だからって調子に乗って使うと熱が籠ってきてとんでもない事になるかもね。
投下終了です
何かあれば言ってください
それで残り20kbちょいなのでそろそろ移転をどうするか決めたいと思います
移転する場合はパロロワ総合板になると思うので、パロロワ総合板に移転するか否かを決める流れでいいはず
ということでそちらの方も改めて意見お願いします
毎年恒例の大晦日投下乙!
楽しみに待ってたぜー
ワイルドバンチはメイドカフェに向かうかー
クレアと鉢合わせするとやばいな
移転に関しては、賛成に1票
創発板に愛着はあるけど、今の2chはロワやるには向いてない環境だし……
717 :
転載:2013/01/02(水) 00:16:21.34 ID:XTPw+tc0
17 名前:名無しさん 投稿日: 2013/01/01(火) 22:07:14 ID:thzYdlqY
規制中…
今年も大晦日投下乙
カムパネルラはしっかりしているなあ、猫なのに
結局洞窟に行った参加者多くはなかったな
移転については創発板は名残惜しいけど賛成で
久々に来て生き残ってるロワここだけだた・・・移転賛成です
だいたい賛成みたいなので次スレからはパロロワ総合板に移転するという事で
ここまでお世話になた創発板に感謝を
では古手梨花、ズシオ、丹波文七、プリンセス・ハオ(ハオ)、ジェレミア・ゴットバルトで投下します
人は何のために戦うのだろうか。
自分の強さを証明するため。
誰かを守るため。
世界を救うため。
多種多様な理由を掲げて人はいつも戦い続けてきた。
それは人の業。
おそらくそれはこれまでも、そしてこれからも変わる事のない、悲しい定め。
「…………」
だが丹波文七にはそんな理屈はないのかもしれない。
彼が戦う理由はシンプルだ。
相手が誰であろうとその芯は揺るがない。
「…………」
だから丹波文七は無言で立ち上がる。
相手が誰であろうと戦おうとするのなら戦う事を避ける気は毛頭ない。
そこにごちゃごちゃとした言葉など必要ない。
ただ全身全霊で目の前の相手と戦うだけだ。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「やあ、良い天気だね。僕の名前はハオ、よろしく」
藪から棒だがこんな台詞をいきなり向けられたら相手はどう思うだろうか。
しかも血まみれのマントを羽織ってにこやかな笑顔を浮かべた青年なら。
「……ッ!」
「ひっ!?」
当然驚く。
それが殺し合い場でならなおさらだ。
(やっぱりこういう登場だと心が読みやすいなあ)
人の感情を表す部分はどこか?
それは顔だ。
喜怒哀楽に代表される様々な感情は全て顔で表現される。
もちろんそれ以外でも感情を汲み取る事はできるが、一番雄弁に物語っているのは顔である事に変わりない。
だが人は時として感情を表に出さず、心の内を奥底に隠そうとする。
これは老若男女どんな人にも当てはまる事だろう。
だがそのような努力はハオの前では無意味だ。
(あのバカそうなのはバカそのままか。でも意外だな、あの女の子。腹の内は中々どうして……)
ハオが血痕に導かれるままに進んだ末に辿り着いたのは草原の中に広がる屋外レストランだった。
キッチン内蔵型の車とウェイトレス型のロボットによって運営されているようだが、ハオにとってそれは関心の対象外だった。
ハオの目的は遥々辿ってきた血痕の主である男、そして近くにいる参加者2人。
第一目的であった血痕の主はここまでの出血が祟ったせいか今は地面に横たわっている。
そしてその近くでこちらを警戒しているのはバカそうな男とあどけない少女。
バカそうな男は名前をズシオと云うらしく、見たままのアホ面に上半身裸にズボンだけの姿が彼をそのまま物語っていた。
だが一方のあどけない少女、名前を古手梨花と云う方は、幼い外見とは裏腹に心の内はこの場をどう切り抜けるか必死に考えていた。
一見すると可愛らしい巫女衣装をまとって健気ではあるが、中身は巫女と云うよりも同じまじない系でも魔女の方がぴったりだ。
と、ハオがこの場に現れてからズシオと梨花は満足に喋っていなかったが、相手の心を読めるハオにとって沈黙など無意味だった。
(さてRPG-7で一気に片付けても良いけど、ちょっと遊びたい気も「あ、ちょっと!?」ん? あれ、あいつ起きたんだ?)
ハオがどうやって3人を殺すか思案していると、当初の目的であった血痕の主が目を覚ましたようだった。
当然それをいち早く知る事になったズシオと梨花の心の中は驚きと困惑でほぼ満ちていた。
だが意外にも血痕の主の心の内はハオの力を以てしても探る事が出来なかった。
何かしら力に制限が掛かっている事もあるが、それ以上に相手の思考が出鱈目に強くて煩雑で読み辛かった。
例えるなら耳栓をしつつロックシンガーが歌い上げる歌詞を聞き取るような感じだ。
どうも目を覚ましたばかりというだけの理由でもなさそうだが、今はそれよりも3人の会話の方が気になった。
「ちょ、ちょっと! まだ無理よ」
「お前、名前は?」
「俺は丹波文七。あいつとは、俺が戦う。だからお前らは消えろ!」
「何言っているのよ、まだ傷の手当てが。まずは落ち着くので――」
「そうか、分かった。文七よ、この場は任せた。あ、ついでにお前の荷物は貰って行くぞ。ではさらば!」
「え、ズシオ!? これはいったいどういうことな、って肩に担ぐな! きゃ、お尻触らないでよ!」
そうこうするうちに血痕の主こと丹波文七が満身創痍の身体にもかかわらずハオと対峙するために前に出てきた。
それを尻目に梨花を肩に担いだズシオは文七の言う通りに全速力で森の中へと走り去って行った。
終始納得のいっていない梨花の反論をドップラー効果でBGMにしながら。
「――追わないのか?」
「別に。そのうち追い付くからいいよ」
正直なところハオは本当に何とも思っていなかった。
いくら文七が強くても満身創痍の状態では満足に動く事すら儘ならないだろう。
それ以前にハオには負ける気など全くなかった。
S.O.F.を失っても、プリンセスと改名されても、そこは1000年もの時を転生してきた最強のシャーマン。
どんな相手だろうとハオの中の最強の自負は健在だ。
それにすぐに殺して追いかけるよりも12時に行われる放送で文七の名前が呼ばれたところで追い付く方が面白そうだ。
(ただ未だに心が読みにくいのが気になるけど、もう少し近づけば――)
だが霊視能力を持ったハオでさえ知らなかった。
目の前にいる相手がただ純粋に強者との戦いを求める餓えた狼である事に。
【1日目 昼/I-5草原 移動レストラン・ヘクトル前】
【丹波文七@餓狼伝】
【外見】フレッシュマンスーツ(ボロボロ、血まみれ)
【状態】全身打撲、裂傷多数
【装備】なし
【道具】なし
【思考】
0:ハオと戦う。
1:俺より強い奴に会いに行く。
【備考】
※放送を聞いていません。
【プリンセス・ハオ(ハオ)@シャーマンキング】
【服装】普段着(古びたマント(血まみれ)を羽織っている)
【状態】健康、S.O.F.喪失、プリンセス・ハオに改名される
【装備】雷鳴の剣@ドラゴンクエストY
【道具】基本支給品一式×6、五寸釘・藁人形・金槌の呪いセット、夜のおかずセット(TMAのエロパロDVD三本+真夏の夜の淫夢)、RPG-7(成形炸薬弾3/榴弾3)@現実、マユの携帯電話@機動戦士ガンダムSEED DESTINY、ハオの不明支給品0〜2
【思考】
基本:皆殺し。
0:文七を殺してから放送後に梨花とズシオを殺しに行く。
1:この地にいる者を全て殺す。
【備考】
※改名による影響はありませんでした。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
昔々かどうかは知らないけど、あるところに一人の王子がいました。
王子は日々立派な王になるために鍛錬に励み研鑽を積んでいたかどうかは置いておいて、自由気儘な王子ライフを満喫していました。
そんなある日のこと、王子は使用人頭であり乳母であるチャタレイ夫人に尋ねました。
「王って何をすれば良いのだ女神?」
チャタレイ夫人はその優雅な物腰から皆から「女神様(ゴッデス)」と呼ばれていました。
ゴッデスはその顔に被った土偶のような面とドリルのような胸をズシオに向けて答えを返しました。
「王の務め、それは――」
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「ちょっとズシオ、下ろしなさい!」
天高く昇った太陽からの木漏れ日で溢れる森の中、お尻を担いだ王子もとい下半身を前にした梨花を担いだズシオが必死に走っていた。
なんとも傍目から見たら少々というより普通に変態的な光景だ。
ズシオの肩に担がれた梨花は現在巫女服でお尻が前を向いた状態になっている。
つまり今ズシオを正面から見ると自動的に巫女服の緋袴に包まれた梨花の可愛らしいお尻も拝めるのだ。
この状況に対して当事者である梨花が抗議するのは尤もな権利だが、現在梨花が抗議しているのは別の事だ。
「なんで丹波だけ残したのよ!!」
梨花が怒りを向けているのは先程から続く一連のズシオの行動だ。
あろうことか重傷の文七一人をハオとか言う奴の前に残して逃げたのだ。
しかも有無を言わさぬ間に勝手に梨花を肩に担いで。
ハオとは初対面だが、それでも僅かなやり取りでハオがどれだけヤバい奴なのかは肌で感じられた。
この島で出会った参加者の中で、いや寧ろ今まで出会った人物の中で断トツに危険な人物と言っても過言ではないかもしれない。
――アレは並みの人間が相手にしてはいけない部類だ。
100年の月日の中で積み重ねてきた経験が過剰にそう訴えていた。
そんなヤバい奴の前に残された文七がどうなるか。
しかも文七は生きているのが不思議なくらいの重傷だった。
どんな結果になるかは火を見るよりも明らかだ。
実際のところ文七とは出会ってから1時間ちょっとしか経っていない。
それ以前にまともに会話すら交わしていない。
だがほとんど見ず知らずの人だったとはいえ、目の前で見殺し同然で放り出すなど後味が悪すぎる。
文七の安否が気に掛かるが、当然ながら梨花の視界からはもう文七の姿は消えていた。
「私達も加勢すれば――」
「そんなの無理じゃ!」
「でも――」
「梨花! あいつの覚悟を無駄にするな!!!」
覚悟。
その言葉を聞いた瞬間、梨花は黙るしかなかった。
梨花だって薄々分かってはいた。
自分達3人が束になって戦ったところでハオに勝てる保証がないことぐらい。
戦闘に関して素人同然の梨花でさえそう感じさせるほどハオのプレッシャーは凄まじいものだった。
それなら誰か一人が足止めとなって残り二人を逃がすという考えは分からなくもない。
だがそれで納得できるかどうかは別だ。
(でも、納得するとかしないとか、関係ないのよね)
誰が納得するしないに関わらず、もう出された結果が変わる事はありえない。
まさしく一度出された賽の目が変えられないように。
梨花とズシオが文七を一人残して逃げた事実はどう言い訳しても変わらない。
それに文七は自らあの場に残ると申し出たのだ。
それなら今逃げた二人が為すべき事は何なのか。
文七に謝る事か?――違う。
文七に加勢するために引き返す事か?――違う。
それは文七の想いに報いるためにも無事にハオから逃げ切る事だ。
(そうか、ズシオはそれが分かっているからさっきから必死に走っているのね。それなのに私ときたら……)
今までバカでアホでどうしようもない王子(自称)だと思っていたが、唐突に意外な面を見せられた気がする。
いやひょっとして単純なズシオは直感的に文七の想いを悟ったのかもしれない。
もしそうならばズシオに対する評価を見直すべきなのかも。
これまでのズシオの所業に辟易していた梨花だったが、この一件でその評価を改めてもいいのかもしれないと思いつつあった。
「――って、いい加減にお尻触ってないで肩から降ろせ!」
「痛ッ!?」
でもだからと言ってお尻を触られる事を承諾するかは別問題。
もういい加減にしてほしい気持ちが勝って一発殴って強引に降りようとした。
「ん?」
そこで前方を向き直りながら降りようとした瞬間、梨花はこちらに向かって近づいてくる何かに気付いた。
それはややこげ茶色っぽい掌に収まるぐらいの大きさのレモン型の物体だった。
梨花はそれに見覚えがあった。
確かテレビでやっていたドラマか映画か何かだった気がする。
だがもし梨花の記憶が正しければあの物体は――。
「ば、爆弾!?」
梨花の記憶は半ば正しかった。
その物体は手榴弾。
手投げ式の小型爆弾であり、小さいながらもその破壊力は侮れない。
直撃を食らえば一般人など即死確定だ。
一応ズシオはよく分からない再生力で、梨花は魔法装束で耐えられるかもしれない。
だがそれも絶対ではない。
それに運悪く破片が首輪に当たって爆発を引き起こしてしまえば、どちらにしろ死亡確定だ。
「くっ、間に合って!!!」
梨花がエミットによってもたらされた魔法の根幹は“具現化”。
つまり頭で思い描いたものを強く念じて具現化するというものである。
だから具現化する物の詳細が分からない場合や精神的に不安定な状態だと上手く魔法は発動しない。
そしてこの時梨花が咄嗟に具現化しようとした物は“爆弾から身を守れるだけの大きさの壁”だった。
だが対象が抽象的な物だった事に加えて、突然の事態に焦ってしまった事が魔法の発動を不十分なものにしてしまった。
その結果、梨花の展開した障壁はひどく曖昧で中途半端な物になってしまい、完全に身の守る事は叶わなかった。
「きゃああああああ」
「ぐふっ」
だが不幸中の幸いか梨花とズシオが死ぬ事はなかった。
不完全だった障壁は手榴弾の爆発で壁の体を為さなくなったが、二人を破片から守る事には成功していた。
ただ爆発を完全に防ぐ事はできなかったので、二人は仲良く一緒に吹き飛ばされてしまった。
その際もズシオが梨花の下敷きになるぐらいでそれ以外に目立った被害はなかった。
もちろん梨花のパンツの下に倒れていたズシオはさらに梨花のパンチの追撃を喰らう羽目になった。
「……………………ガクッ」
爆発で飛ばされたせいか、梨花に殴られたせいか、とにかくズシオは気絶した。
その様子を目の当たりにした梨花としては前者の影響で気絶したと思いたかった。
もっとも自分のせいでズシオが気絶したところで罪悪感などほぼ皆無だったが。
「あぁ、もう! なんでこんな事に――って、まだ!?」
ギンッ
次の瞬間、金属と金属がぶつかり合う甲高い音が森の中に響き渡った。
梨花がマジカル鍬を具現化させて手榴弾を投げた犯人が振り下ろした剣を防げたのはまさにギリギリのタイミングだった。
「すみませんっ……一撃で痛みを感じる前に一瞬で殺して差し上げるはずだったのにっ……!!!」
「大きな、お世話よ!」
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
手榴弾を投げた犯人――隠れ真性ロリコンであるジェレミア・ゴッバルトは大いに喜び、そして大いに悲しんでいた。
MAXとの邂逅の後、ボートで川を下ったジェレミアは当初の予定通りそのまま湖に出る事が出来た。
だが残念ながら彼が探し求めるロリっ娘は一人も湖畔にはいなかった。
そのため傷心に暮れたジェレミアは捜索の手を広げるために湖からさらに下流へと向かった。
そして天の導きか、そこで探し求めていたロリっ娘――古手梨花の声を聞いた。
すぐさま梨花の声に導かれるままにボートから森の中へと身を躍らせ、梨花を背負った不届き者の姿を確認する。
隠れ真性ロリコンであるジェレミアの行動は素早かった。
次の瞬間には不届き者を葬るために、梨花に安らかな死をもたらすために、手元の手榴弾を投擲していた。
だが失敗した。
どうやら不可視の何かで防がれた気がするが、詳しい事は定かではない。
だから今度は確実に一撃で死をもたらすために自らの手で幕を下ろそうとした。
幸いにも手榴弾の爆発の影響で誰かのデイパックが地面に落ちて一振りの剣が顔を覗かせていた。
それは天叢雲剣という由緒ある剣だったが、ブリタニア人のジェレミアがそんな事知る由もなかった。
またそれが入っていたデイパックはテリー・ボガードのものだと文七は思い込んでいたが、実は東方不敗のものであった。
I-7からI-5へ移動する途中で拾ったは良いものの意識が混濁していたせいで勘違したのだが、これもジェレミアが知る由はなかった。
ただ自らの手でロリっ娘に死をもたらす機会をくれた神に感謝しつつ剣で一想いに斬りかかった。
だがそれも失敗した。
ジェレミアが心から慕うロリっ娘は驚くべき事にどこからか鍬を取り出して剣を受け止めてみせたのだ。
▼ ▼ ▼ ▼ ▼
「ハァアアアア!!!!!」
「くっ――ッ――このッ!!!」
ジェレミアの剣と梨花が具現化した鍬。
異色の対決を繰り広げる武器と武器はどちらも引けを足らなかった。
普通に考えれば軍人として鍛錬を積んできたジェレミアに梨花が敵うはずない。
だが今の梨花は魔法少女だ。
その恩恵で身体能力は底上げされ、しかも手にする武器は長年扱ってきた鍬。
羽入の力によって梨花は昭和58年の6月を乗り越えるために100年も時を繰り返してきた。
一口に繰り返したと言っても繰り返すごとに細部は微妙に変わってくるので全く同じ時を過ごす事はほぼない。
だがその中でも毎回行う出来事も存在する。
梨花の死の数日前に行われる綿流しという夏祭り、そしてそこで催される奉納演舞もその一つだ。
古手家の巫女が代々行ってきた所謂神楽舞。
100年もの繰り返しの中で梨花は古手家の唯一の巫女として毎回この演舞を行ってきた。
オヤシロサマに捧げる演舞という性質上、この演舞の一連の流れは定められている。
それゆえに覚えている。
鍬をどう持てば上手く振れるのか。
鍬をどう動かせば上手く舞えるのか。
本来なら幼い梨花の身体で身長以上もある鍬を振り回すのは相当大変なものだが、もう数え切れないほど行ってきた動作だ。
いつのまにか梨花の一挙一動は成人男性と遜色ないほどに自由自在に鍬を扱えるほど熟練したものと化していた。
「我が愛しきロリっ娘よ、どうして拒むのですか!? 私は一刻も早く貴女を殺し合いの場から解放させようとしているのに!?」
「だから! 大きな! お世話だって! 言っているでしょ!」
相容れない信念の元で打ち合うこと十数合、ついに均衡が破れる時が来た。
ジェレミアが振り下ろした天叢雲剣を梨花が鍬で思いっきり撥ね上げたのだ。
一見すると意外な展開かもしれないが、実際はそうではない。
ジェレミアはロリっ娘をなるべく苦しまないように一撃で殺すという目的のためにどうしても一撃一撃が大振りになっていた。
その一方で100年もの年月を渡り歩いてきた梨花はその攻撃の隙を見落とさなかった。
まさに絶好のタイミングを計って機会を窺った末に巡ってきたチャンス。
「これで――!!!」
マジカル鍬を振り上げた時の慣性の勢いのままに魔法少女の力を使って高らかにジャンプ。
そしてジェレミア目掛けて急降下してそのままジェレミアにマジカルストライクを決めればこの勝負は梨花の勝利だ。
ただしいくら相手がロリコンの変態とはいえ頭を叩き割って殺してしまうのは気が引ける。
ズシオの場合はよく分からないが大丈夫なので問題ないが、普通なら脳味噌を目の前にぶちまけてしまう。
さすがにそんな光景をあまり間近で見たくないので柄の部分で頭部を強打して気絶してもらう事にした。
だがそんな梨花のささやかな気遣いなど無駄だった。
「え?」
なぜならまだ勝負は決していないからだ。
(うそ、なにこれ!?)
その瞬間、思わず梨花は後一歩で勝利という場面で間抜けな声を上げてしまっていた。
だがそれも無理もなかった。
梨花は自分の身に起きた変化を理解できなかった。
今までジェレミアの左目を覆っていた仮面が開いた瞬間、そこから青い光が結界状に放たれた。
そしてその光を浴びた梨花の姿は魔法少女のものから緑のワンピースといういつもの私服姿に戻っていた。
しかも先程まで自分の身を包んでいたような不思議な力も雲散霧消したかのごとくかき消えてしまった。
あまりの突然の変化に梨花の理解は追い付かず、ただただ呆然としてしまっていた。
「オール・ハイル・ロリコン」
だから梨花はただ見ている事しかできなかった。
浮力を無くして重力に引き寄せられるままに落下する自分を見つめるジェレミアを。
そして恍惚の表情を浮かべながら意味不明な言葉を発するジェレミアが手にする剣を。
その菖蒲の葉のような白い刃の切っ先が自分の胸に吸い込まれるように近づく様子を。
そしてよく分からないまま最期の瞬間を迎えるのだと覚悟した梨花の目に映った光景は――。
「うおおおおおおおおおお!!!!!」
森中に響き渡るほどの叫び声を上げながら。
「き、貴様は!?」
「余の名は――」
不意を突かれたジェレミアの横腹に勢いよくタックルを決めた王子。
「――ズシオだああああああああああ!!!!!」
――ズシオだった。
「なっ!?」
「ハァァァァァアアアアア!!!!!」
そしてタックルの勢いのまま川に落ちていく二人の姿が見えなくなるのと梨花が地面に尻餅を突く形で着地したのはほぼ同時だった。
「え、うそ……?」
僅かに呟いたきり梨花は地面にへたり込んで動けなかった。
一度にいろんな事が起きすぎて混乱しているが、この場にいるのは梨花一人。
危険な変態ジェレミアも、アホな王子ズシオももういない。
先程かき消された魔法の力もいつのまにか戻っているようなので、今誰かに襲われても対処はできる。
だがそんなこと関係なく梨花の思考は今の状況を整理するだけで精一杯だった。
「そうだ、ズシオは……」
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