カスミ「うん、一週間以内に帰らなくちゃいけないから、後2,3日しか、一緒にいられないんだ・・・・・」
カスミはかなり暗くなっていた。
そう、カスミは2人の旅仲間のうちの1人、サトシに特別な気持ちを抱いていたのだ。
カスミがその気持ちに気づいたのはつい最近のこと。
タケシに相談し、その気持ちが恋愛感情であることに気づいたのはついこの間の話。
カスミは近いうちに告白しようと決めていたのだ。
しかし、その矢先に別れなくてはならなくなったのだ。暗くなっても無理はないだろう。
サトシ「そうか・・・・」
サトシもまた暗くなっていた。
そう、サトシもカスミに恋愛感情を抱いていたのだ。
そして、2人を暗くさせている気持ちはたった1つ。
「別れたくない・・・」ただそれだけだった。
そして、2人とも、一緒にいられる最後の日に告白しようと心に決めていた。
そして、2人が暗くなった原因を知っていたタケシは、2人にかける言葉がなかった・・・・・・・・
そして、別れの前日の朝・・・・・
サトシはカスミの部屋にやって来ていた。
サトシ「カスミー。起きてるかー。」
カスミ「サトシ・・・・どうしたの?」
サトシ「カスミ、お前、明日、帰るんだよな。」
カスミ「うん・・・」
サトシ「だったら、今日1日2人でどこかへ行かないか?最後の思い出づくりに
カスミ「ええ。」
サトシ「それじゃあ朝飯食べたら出発って事で。」
カスミ「ええ、そうしましょう。」
こうしてカスミとサトシはテーマパークで1日を過ごした。
そして、夕闇も迫った頃・・・
サトシ「それじゃああとあの観覧車のって帰るか!」
その言葉を言ったサトシの本音は・・・「(ここで告白しなければもうチャンスはない!)」だった。
カスミ「そうしましょう。」
カスミの心の内は・・・「(観覧車って言ったらデート&告白スポットの定番じゃない。ってことはまさかサトシ、あたしのこと・・・)」であった。
そして、観覧車に乗ってしばらくした後・・・・・
サトシ「カスミ・・・・聞いて欲しい話がある。」
カスミ「サトシ・・・・・」
サトシ「カスミ・・・・・オレ、お前のこと・・・カスミのこと、好きだったんだ・・・」
カスミ「サトシ・・・」
カスミはサトシのこのセリフを聞いて思わず泣き出してしまった。
サトシ「おい、カスミ。どうしたんだ?」
カスミ「うれしいの・・・・サトシがあたしと同じ気持ちだったことが・・・」
サトシ「同じ気持ちって、まさか、カスミ、お前・・・」
カスミ「そうよ。あたし、ずっと、サトシのこと好きだったの。」
サトシ「カスミ・・・・」
カスミ「でも、あたしたちは、明日、別れてしまう・・・・」
サトシ「カスミ・・オレ、街に着くたびにお前に連絡するよ・・・絶対。」
カスミ「サトシ・・・・」
サトシ「それで、もしカントーに戻ったら、オレ、絶対お前に会いに行くよ。」
カスミ「サトシ・・・ありがとう」
サトシ「カスミ・・・さあ、ポケモンセンターに戻ろうぜ。」
カスミ「うん。」
こうしてサトシとカスミはポケモンセンターに戻っていった。
そして、翌朝、ついにサトシとカスミに別れの時が・・・
カスミ「じゃあね、サトシ。あたし、サトシがポケモンマスターになれるように祈り続けてるから。」
サトシ「サンキュー、カスミ。」
そしてカスミは別れていった。