2 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/07(火) 20:52:27 ID:0HL9QcL/
男は日課である2ちゃんねる創作発表板の巡回を行っていた。
今日も板には新しいスレッドが立つ。立ったスレッドの名は、【2】リレー小説【何でもアリ】。なるほど、と男は頷く。
リレー小説を行う為のスレッドという事だったが、男には一つの懸念があった。リレー小説となると、何故か皆
ちんこまんこに話を持っていきたがる、という事だ。それはこの板に限った話ではない。
テンプレにて、最低限の対策はとっているようだが……男は、僅かな不安を覚えながら、キーボードを叩いた。
3 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/08(水) 22:42:05 ID:RXXGjqbZ
しかしそうした不安もすぐ消えうせた。
ここには私以外誰もいなかったからだ
さあ、今日はどんな一人遊びに興じようか
5 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/09(木) 05:00:05 ID:0WL42AtX
とりあえず私は、それを考える間に腹ごしらえをしようと思った。
棚から取り出したるは味噌味のカップラーメン。お湯を入れて一分の生麺タイプだ。
意気揚々とお湯を注いだ訳だが……。
「熱い! ちょっと、なにすんですか! やめてください!!」
カップの中から人の声が聞こえたような気がした。
疲れているのだろうか……。
「ちょっと、ちょっと! もう少し温度をさげてくださいよ。じゃないとこの生麺はすぐのびてしまうんですう」
やはり、人の声が聞こえた。
なんだ? と不思議に思い、カップの中を覗いた。
中には五センチにも満たないチョコエッグのおまけにもなりそうな、小さな人間がいた。
8 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/09(木) 22:30:53 ID:Z2iTVXlt
よく見たらケフィアだった。
これが噂のケフィア人間か
ケフィア人間らしき物体は不気味なうめき声をあげた。
すると、みるみるうちに2mの大きさに成長してしまった。
私は、何故か怖くなかった。理由はわからないが怖くなかった。
(こいつは見越入道の一種だ!)
ふとそう思った。
特に理由はないが、私の直感がそう告げていたのだ。
ならば見越入道見上げたぞ! と言いさえすればよいはずなのだが、
実際に遭遇してしまうと恐怖で体がすくんでしまい、とても声など出せるものではなかった。
その恐怖心も、見越入道の頭部がパッとはじけるのと同時に消えた。
タンポポの綿帽子ように、つよい風に吹かれると種がどんどん飛んでいく様子と似ていた。
しょせん菌類は巨人になっても菌類だったのだ。
だが、今度は新たなる悩みが私を襲った。菌類の性質から考えると、これは大量の胞子をまき散らしている最中なのだ。
子供の姿をした数百万の小さなケフィア人間が、西からの風にのって東京方面に広がっていった。
13 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/10(金) 20:15:10 ID:YGaXy/wv
『何とかしなければ』
男は実に20年ぶりに部屋の戸を開けた。
扉の向こうには家族の姿が見えた。
変わってなかった…。そう呟いた。
私は、驚いた様子の家族をしり目に外へ飛び出した。
15 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/10(金) 21:43:54 ID:Ihvum9Sf
そのはずだった。
だが、飛び出したその先にも、やはり家族がいた。
何も変わっていない、一分たりとて変化の無い、二十年前のままの家族が。
私は気付いた、これはケフィア人間からの幻覚攻撃なんだと。
「やいやいケフィアども幻を使って邪魔しようしているのは、この桜吹雪にはもうわかっているんでい。お江戸はおまえたちのやりたい放題にはさせないからな!」
遠山の金さん口調で叫ぶと、家族の幻影は消えた。
なにゆえに金さんかというと、菌に対抗するには金かなっと考えただけで、特に意味はない。反省もしない。
17 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/12(日) 00:10:01 ID:v/n+FFqq
「おほほほほほ、精進なさい」
ダジャレー婦人が駆け抜けていったような気がしたが、気のせいだったぜ。
いやそんなことはどうでもいい。
家族の幻影に続いて、現実の風景までもが揺らぎ始めたではないか。
これは、いったい……?
混濁する意識の中で私は理解してしまった。
決して認めたくはない事実を。
そう、ケフィア人間の真の正体は・・・
20 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/12(日) 06:34:20 ID:N3WICnIJ
幼少期に無くした私の夢だった
幼少の私はケフィアをとても食べてみたかった。
小学校の頃「わたし、毎朝ケフィアを食べているの」と自慢する女の子が隣の席にいた。
私の家は裕福ではなく、こういった発酵食品で口にできるのは味噌か納豆あたり、
精一杯なところでは駄菓子屋で売られているモロッコヨーグルぐらいだった。
だからこそ私はケフィアを食べたかった。
その想いがケフィア人間として実体化したのだろう。
私が全てを理解した。そして、受け入れた。
23 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/12(日) 16:52:20 ID:v/n+FFqq
ケフィアとの合一。
それが自分を殺すという事だと、私は本能で理解していたが、それでもそれを
取りやめようとは露程も思わなかった。
身体が飲み込まれていく。
真っ白に――染まっていく。
24 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/12(日) 17:03:17 ID:dKCp7Rlp
――奇跡。
その感覚を一言で形容するとしたらそれ以外無かった。
その体験は私の身体の細胞の隅々まで行き渡り、感じた事のない何かが私を支配したのだ。私はこれを言い表せない人類の言語の語彙の矮小さに苛立ちすら覚えた。
そして、ついに禁断の扉が開かれた。
私は「やずや」になった。
自分が持つ語彙のセンス無さにさえ、苛立ちを覚えていたのに、
「ヨーグルトいいえ、それはケフィアです」
このフレーズを口ずさむと、どういうことか安堵を覚え至福な気持ちになった。
「ケフィアとは一体――」
単なる発酵食品の枠を超え、それは私にさらなる難題を与えてくれたのだ。
こうして私は自らの白き欲望を受け入れ、人類を超越した存在「やずや」となった。
だがこの時の私は、それがどれほど残酷な選択であったのか真に理解してはいなかったのだ。
私は考えた。何故「やずや」のCMが“やずや…やずや…やずや”と3回も繰り返すのだろう?
私はある結論に辿り着いた。“やずや…やずや……やずや”。何かのリズムに似ていないだろうか?
そう。射精のリズムに限りなく似ているのだ。
私はこの仮説に辿り着くまでに私自身のペニス、そして何人ものサンプルのペニス、時には犬、猫、象、キリン、シャチなどの哺乳類のペニスを刺激し射精のリズムを研究した。
私、ペニス一郎はやずやのCMは射精のリズムを応用した『サブリミナル効果』を利用していると結論付けたのだ。
この研究結果には大きな反響があった。
だがこの時私はまだ気付いていなかった。
自分の明かした真実が「彼ら」を……
あの恐るべき「彼ら」を刺激してしまうことになろうとは!
私は叫んだ。それしか出来なかった。「彼ら」はそれほどまでに凶悪で、執念深く、かつ慎重だった。
ケフィア人間となり人の姿とは違うそれとなった私ですら、それはあまりに悍ましい物に見えた。
「ブルガリアヨーグルト……!」
彼らは迫ってきた。
31 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/14(火) 13:17:12 ID:uwbU8v/H
下巻に続く。。。
ブルガリアヨーグルト。
彼らはケフィア人間がやっと移住できた領域までをも脅かす。
しかもLB51という新種が出現したかと思うと、プロビオヨーグルトLG21という強力な奴まで登場する。
噂では1073R-1というなるものが実験投与されたとか。
我々はカフカースからやっと出たばかりだというのに。
私は全てを理解した。
ケフィア人間は彼らに対抗するために、私をとりこんだのだ。
そして、私はやずやマンになったのだ。
景子は祖母が好きだった。
父と母は普段は優しいのに怒ると怖い。
それは景子にも責任があるのだが、景子にはまだわからなかった。
「うがい、手洗い、にんにく卵黄」
景子は祖母から習ったメロディで唄った。
大きな音がした。「何だろう?」景子は思った。
私は派手に吹き飛ばされた。
ケフィア人間、やずやマンとなり、圧倒的なパワーを得てもなお、ブルガリアヨーグルトもまた同様に強大なパワーを持っていた。私はある民間へと衝突した。朦朧とする意識の中、瓦礫と粉塵の先から、誰かが私を見ていた。
「あなたは……だれ……?」
「私は……。私の名前は――」
それが私と景子の出会いだった。
「出会いだった」と書くと二人は最初から意気投合したかのようにみえるから不思議だ。
のちのちにはそういうことにもなるのだが実際はそんなものではなく、景子が次にした行動といえば。
フマキラーを納戸から取り出し、私に向けて薬を噴射した。
私のことをむちゃくちゃ大きな白アリだと思ったらしい。
地球上のどこに人並みに大きな白アリがいるというのだろうか……。
「おがぁぢゃーん!」景子は泣きじゃくりながら叫んだ。
「ぷあッ! や……やめろ! 人にそんな物吹きかけるんじゃ……」
「しゃ……喋った!? おばけ白アリが喋った! ぎゃああああ!!」
お互いの第一印象は最悪だった。
まぁ。この風貌が仕方ないが……
???「このシロアリ目め!拘束する!」
「つまらん」
多古部長は原稿用紙を破り捨てた
高島は多古部長を観葉植物の鉢で殴った
多古部長は頭から血を流して倒れた
高島はアドバルーンにつかまって空に逃れた
40 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/20(月) 00:16:42 ID:t2C6h7eF
また没を喰らってしまった……。
やはり、ヒロインとの出会いがシロアリにも似た化物姿の時だった、
という点が不興を買ったらしい。
最近は萌えとか美少女とか、そういった物ばかりが持て囃される
嫌な時代だ。そこに一石を投じたかったのだが……ダメだったという事だ。
高島はラピュタに辿り着いた
円形闘技場でチャック・ノリスとヤン・スエと須藤元気がアップをはじめていた
高島はベルトにメダルをセットした
オケラ!ナマコ!ホッキョクグマ!
オ・ナ・ホ!オナホ!オ・ナ・ホッ!
今回はタッグマッチ。3対3の戦いでチームメイトにはサンダーブルガリアとプロビオヨ・グルトがいる。
高島はブルガリアヨーグルト団体の一員だった。
戦う前にする儀式「オナホダンス」が終わると選手紹介と入場がはじまった。
高島は誓う、今度こそチャック・ノリスとヤン・スエと須藤元気を多古部長同様の姿にしてやると。
43 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/20(月) 09:27:11 ID:jKHda5Uy
だが−−試合直前になって、高島は異常な便意にまとわりつかれた。
力を込めて押し込めようとしても、圧倒的な力で次の波が押し寄せてくる。
「す、すまん。タイムだ」
高島は赤面して手を挙げ、地下トイレへと駆け込んだ。
トイレの前に、美女が立ちはだかっていた。この国の人間では−−ない。
彼女はトルクメニスタン人だった。
幸か不幸か私はこの人に出会ってしまった。
「はぁ〜」と私はため息をついた。
女は無言でトランクを差し出した
私はトランクを受け取るときにウインクをした
女はノーリアクションだった
トランクの中にはプロテクトギアとMG42が入っていた
「またこいつを着ることになるのか…」
「伝言よ」女は言った。
「誰からだ?」
女は私の質問を無視して続けた。
「背後を気をつけろ、よ」
女はクルマのドアを大きな音を立てて閉めた。
タイヤとエンジンが悲鳴を上げるを私は為す術もなく聞いていた。
47 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/22(水) 05:56:58 ID:hdiScfas
「ちょっと待て」高島はトルク…なんとか…タン人の美女に待ったをかけた。
「何よ。早くして。時間がないんだから」
「俺だって時間が…ないんだ」
「だから何よ?」女は不審げに高島を振り返る。
「まずウンコをさせろ。話はそれからだ」
「勝手にすればいいじゃない」
「ズボン脱がせて」
女の右アッパーが私のアゴを打ち抜いた
「姉ちゃんいいパンチ持ってるじゃねえか…」
私はズボンの中に脱糞しながら仰向けに倒れた
これが二日酔いだったら、ボトル何本分だろう。
吐き気を感じると同時に吐いた。口の中に嫌な味がしぶとく残っている。
「ここはどこだ?」
50 :
創る名無しに見る名無し:2010/09/22(水) 11:08:24 ID:37bu6eHA
スネ夫「ドラえもんワールドさ」
スネ夫か……
ちょうどいい。
こいつを真正面から見たらどうなるのか、前々から気になっていたところだ。
この機会を逃してなるものか……!
私はスネ夫の真正面にまわろうとした……したのだ。しかしッ!
だまし絵というのをご存知だろうか。まるであれを見ている気分だった。 スネ夫の髪は、たとえ正面から見ても左右どちらかを向いていたのだ。視覚では違和感がない。だが、物理的に有り得ない現象なのだ。
「フフ。ボクの髪の秘密……。君が知るにはまだ早い」
その時の私は、そこに時空間を捩曲げる程の秘密が隠されているとは知らなかった。
「これで邪魔ははいらないだろう。お茶でもどうだい?」
差し出されたお〜いお茶を受けとり飲む。
うまい。どうやらスネ夫に害意はないらしい。しかし、この警戒体制は異様だ。
「誰が邪魔をするというんだ?」
「ココニイルゾー」
壁をぶち抜いてストライカーユニットBW239を履いた北欧系の美少女が飛び込んできた
「コイツハモラッテクカラナー」
見事な棒だった
少女は私を抱えて飛び立った
少女はどんどん高く舞い上がっていく。
ふと私は気が付いた。
(このユニット、蝋でできてるYO!)
やばい。このままではギリシャのイカロスさんの二の舞だ!
だがいくら注意しても少女は聞く耳を持たず、さらに高度を上げていく。
しかし、蝋は溶けなかった。
「さっさむい。息がくるし・・・」
私は思い出した。イカロスの話はフィクションであること。そして、高度が上がる程に気温と気圧が下がる事を。
前方には雷雲渦巻く大きな嵐が迫っていた。
-間-
わたし
みほ
今海岸
ていうーか
オジサンが倒れてる
「ねえ、オジサンってサーファー?」
6時間前−雷雲の中からUFOが現れた
少女は開いたハッチに私を投げ込む
中で待っていたのは松平伊豆守(まつだいらいずのかみ)
伊豆守は刀を抜いて飛び掛ってきた
そういや多古部長はコイツの弟だった
伊豆守は多古部長の仇をとりにきた。しかし、私はその刀を真剣白刃取りで受け止め
刃を折り、奴の腹にさしてやった。「無念」と言葉を残し伊豆守は死んだ。
私は少女みほをレイプし、さんざん楽しんだあと伊豆守同様に始末をした。
いがいなところでUFOを入手する。これを使ってケフィア人間どもをいためつけることにした。
だがどうやって動かすのだ?
私は操縦席らしいシートに座った
目の前に黄色と黒の縞模様の枠で囲まれた赤いボタンがあった
押したらヤバそうだ
でも押したい
ふいに後ろを見るとみほが立っていた。
彼女の手には大きな斧が握られていた。
そして不気味な笑みを浮かべ、その斧を私に振り下ろした。
と同時に
「ぽちっとな」
と言いながら赤いボタンを押した。
世界は核の炎につつまれた
だがいまは世界のことよりも
目の前に迫った脅威を何とかしなければ……
私「まて…話せばわかる!うぉぉおおお」
番組の途中ですが臨時ニュースです。
首相官邸から中継です。
首相官邸.2010.9.27
首相「中国、話せばわかるアル!うぉぉおおお」
記者A「そんなことより総理、世界は今、炎に包まれているのですが、どうお考えですか?」
総理「ククク……。我等が世界を掌握する時が来たという事よ……」
官房長官「以上をもちまして、記者会見をおわらさせたいと思います」
(このパカ! なにを言い出すんだ)
みほは私を襲うことも忘れ、この間抜けな記者会見に、しばし見入っていた。
テレビもつけっぱなしにしておくものだ。
隙あり!!
と言ったのはみほだった。みほは記者会見に見入っているからと、私は油断していた。
そしてみほは私を斧の側面で頭部を殴った。斧を鈍器のように使うやつは彼女しかいないだろう。
日本は炎に包まれていないのだ。そうプログラミングしてある。みほはUFOを操り、神奈川のとある海岸へ降り、私を抱えてUFOを降りた。
UFOは自動操縦である場所にある秘密基地へと帰って行った。
そして、あの電話をかけたのだ。
一方その頃―総理官邸
総理「愚かな人民ども抵抗は無意味だ」と総理は薄ら笑いを浮かべた。
だが、様子がおかしい。総理の顔にひびが入りだした。
「ククク…こんな下等生物の皮を被るのは終わりだ」
そこから白と黒のまだらの生命体が姿を現した。
「この大事な選挙前になにかましてくれとんじゃこのダァホがああああああ!!」
官房長官の一撃で、まだらの生命体はあっけなく絶命した。
総選挙前でみな気が立っているというのに、バカなことをしでかすから……
「官房長官どの、頼まれた高島暗殺ミッションは終了しました」
みほの電話相手は官房長官だった。
「そうか、こちらの様子も中継でみてくれたかい、キミたちの超テクノロジーのおかげで総理殺害が堂々と出来たよ」
なんてことだ。みほと官房長官は組んでいたのだ。
だが私の血はどんどん流れ出て、意識がつづかず「無念」と一言を残し、あの世に旅立つことにした。
冥土への道は途中で二手に分かれていた。
それぞれ聖ペドロさまとお地蔵さまが手招きしているところを見ると、
キリスト教系のあの世か仏教系のあの世かを選べるらしい。
最近じゃあの世も変わったもんだ。
「チョットイイデスカ?」
黒いスーツの外人が声を掛けてきた。
「アナタハアッラーをシンジマスカ?」
イスラム系だった。
どうやら日本では馴染みの薄いイスラム教を広める為に死後もこうして働いて居るらしい。黒人とは意外だったが、聞くと中東、アジア、アフリカと広範囲な勢力があるそうだ。
だが、死んでから勧誘とはこれいかに?
「ふざけんな!アッラーに俺を復活させたら信じてやるよと伝えやがれ」
俺は気がたっていたからか暴言を外人に雨のように浴びせかけた。
「ワカリマシタ ツタエマス」
はぁ?こいついかれてんのか
しかし待って欲しい。あの世でわざわざ勧誘するという事は、コイツはそれなりにハイレベルな宗教家ではないか。ならばアラーへの報告などたやすい。
なによりここはあの世だ。すぐそこに居ても驚かない。
仕方ないとばかりにキリスト系のあの世へと逃亡した。
だが待ってほしい。キリスト系に逃げたとて、アラーもヤハウェもキリスト教でいう神様も同一の存在ではないか。
私は選択を誤ってしまったようだ。
悩んでた時、一匹の蜘蛛が尻から糸をひいて天から降りてきた。
「まさか、これは!」
私は天を見上げた。はるかかなたにある雲の隙間から釈迦を顔を覗かせ、
「まよえる子羊よ、その糸を辿ってここまできてごらんなさい」
台詞の一部が宗派を間違えているようだが、私は釈迦の言葉にしたがって蜘蛛の糸を上りはじめた。
だがその時、私はうかつにも失念していたのだ。
蜘蛛が糸を出すのは、獲物を捕らえるためなのだということを。
そして自然界の生物の中には、「擬態」という技を使うものがいるのだということを……!
蜘蛛は糸をズルズルと引き上げる。
私は一抹の不安を胸に拭いきれずにいた。その不安は徐々に膨らみ、いっそのこと手を離してしまおうかとも考えた。
だが下をみると地面は遥か、下。私は軽い目眩をおこした。
バランスを崩し、靴が脱げ、靴は小さくなって消えていった。
糸はみほのハサミで切れてしまった。
みほ「これで死んだわね」
「……だれが死んだって?」
そこには想定外の、いや、あまりにも信じられない人物がたっていた!
89 :
【大吉】 :2010/10/01(金) 09:37:53 ID:afgCwNwC
落下した私を受け止めてくれたのは……
「フッ……大丈夫か?」
白と黒のまだらの生命体!
ああ、そういえばこいつも死んだんだっけ。
だが、なぜ、助けてくれた?
「俺とおまえは同士だからだよ」
まだらの生命体は私の脳に直接意思をとばしてきた。テレパシーってやつだろう。
「あっけなく官房長官殺されてしまったが実は俺、やずやマンゾフィーなのだ。そして、おまえはブルガリアヨーグルト団のタカシマン。助けたのは敵味方だったが似た物同士だからだ」
「貴様が伝説のやずやマンゾフィーだったのか、それで、敵なのにわざわざ助けてくれたのか? 貴様は変な趣味をもっているな」
「ああ、めんどくさいやつだ。ジャンプ系のマンガでは敵だったのに味方になるやつがいるじゃないか。説明が長くなるからそういうことにしてくれ」
ここまでのみほの行動をまとめよう。
お気づきだろうか。みほは一度レイプされて殺されているのだ。
しかしその後、乗っていないはずのUFOに乗り、高島を暗殺した。
それからあの世へ行き、高島を捕えている蜘蛛の糸を切ったのだ。
この行動は凡人ではないことはおわかりだろう。
みほの正体は天使だった。
天使ちゃんマジ天使!
天使といってもミホの場合は、一般的にイメージされるエンジェルという部類ではなく。
パワーズと呼ばれる、天使職のなかでも3K的な階級の持ち主であった。
みほは上司のケルビムによるパワハラに悩まされていた。
我慢の限界に達したみほは遂に、コンプライアンス部門のセラフに相談したのだが――!?
94 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/06(水) 10:00:33 ID:PNE6OGWa
しかし、肝心の返答が
『はぁ〜? 聞こえんなぁ〜』
だったので、他をあたる事にした。
「俺三条」と名乗る
96 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/06(水) 22:01:45 ID:cHJb81h+
新手のヒーローが来た
三条「どっちが悪いかは関係ない!俺は正義の味方だ!正義とは勝者のこと、よって俺は勝った奴の味方だ!」
どうしても味方してほしい。
そしたら、こっちも策を練らねば…
でも、ケムビルに打ち勝つ方法がわからない。
ということで、次を当たることにした。
98 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/07(木) 20:23:50 ID:aVKG76iq
職業安定所にはホームレスたちが長い列を作っていた。
最後尾のホームレスなら何かを知っているかも知れない。そんな予感がした。
話しかけてみる。
しかし、そのホームレスは高島だった!
復讐の鬼と化した高島は、何故かナマコをぶつけてきた!
100 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/08(金) 18:22:36 ID:P2Eizo87
そのナマコでナマコ酢のつまみを作って酒を酌み交わす。
本音で語り合ってみると高島は悪い奴ではない。
たちまち親友となった。
デジタル電家.jp
10月リニューアルOPEN!!リニューアルOPENを記念いたしまして
本日液晶TVを6万円から販売しています!!
Googleで『デジタル電家.jp』と検索下さい。
当店のHPやブログが出てきます。
>>101の広告につられてケルビルが家電製品を買いに行った。
「家電製品を買いたいんだが」
103 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/09(土) 23:39:24 ID:7OHtqoES
何故か店員に「感電製品」と聞き間違われ、電気椅子を買わされてしまった!
とりあえず持ち帰り、みほに座らせてみる。
当初、マッサージ機と思っていた高島は、リモコンでスイッチを入れてみた!
105 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/10(日) 01:31:48 ID:s7K6Cvdp
ビビビ、ビービービー
液晶に文字が表示される
『コイン一個入れる』
私は迷わず電気椅子を壁に投げつけた。
106 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/10(日) 01:59:29 ID:Q5f76VbI
壁が壊れた
中から黒電話が出てきた
しかし、この黒電話どこか変だ。
違和感の原因はすぐにわかった。
なんと、ダイヤルもボタンもなく、それらがあるべき場所には代わりに
ぜんまい仕掛けの玩具のような巨大なねじ巻きが付いていた
110 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/10(日) 03:44:47 ID:IEKxnPq/
不思議な電話を見たまだらの生命体が血相を変えて叫んだ。
「こ、これはネジを強く回せば回したぶんだけ、大きな願いの叶う魔法の電話!
ククク……そうか、いくら探させてもないと思っていたらこんなところにあったのか」
そうか、こいつが総理になりすましていたのは、その権力でこの電話を探すためだったのか。
……ん、待てよ? これを使えば私が甦ることもあるいは可能かも知れないぞ。
111 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/10(日) 07:36:37 ID:Zwc2Bk0F
まだら「ていうか高島とケルビルって同一人物?」
112 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/10(日) 08:43:29 ID:ehbPJ0ic
同三人物だった!
>>112という名前の犯罪者(マッドサイエンティスト)
みほを狙っている(実験用の個体として)
ちなみに、高島はケルビルの人間体
114 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/11(月) 01:49:37 ID:RUUTYpYC
ケルビル「よいしょー!」
ケルビルはネジをおもいっきり回した、その瞬間まだらが弾けた。
粉微塵になるまだら。
その時誰かの笑い声が聞こえた。
?「ふふふふふ」
115 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/11(月) 09:00:09 ID:zD10w7J6
「誰だっ?」
ケルビンは叫んだ
116 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/11(月) 17:00:16 ID:fs37GIfq
「真・やずやマングレートVアース接続型だ!ケビルンよ」
などと名乗ったのはなんと……
一回り小さくなったまだらの生物(ナマモノ)だった!
117 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/11(月) 18:43:16 ID:7zTCL40M
ケルビル→ケムビル→ケルビム→ケルビン→ケビルン
高島の呼び名が次々と変わっていくのはある理由があった
そう。ブルガリアヨーグルトによる情報操作が行われていたのだ!
119 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/13(水) 09:41:27 ID:3Fys/qIB
「な、なんで情報操作なんかしたんだよ!」係官といっしょに面会室へ現れたブルガリアヨーグルトを見るなり隆は涙目で叫んだ。
アクリル板の向こう側、ブルガリアヨーグルトは虚無的な笑みを浮かべている。
「昔のお前はそんな奴じゃなかった!お前は、お前は……」声を詰まらせ、ついには泣き出す隆。
ブルガリアヨーグルトは答えた。「人間は変わっちまうものなのさ。もう、昔の俺じゃない」
「マスゴミはマスゴミである外資と組んでいる」
ブルガリアヨーグルトはそんなことを言い出した。
馬鹿馬鹿しいと俺は思った。
「みほに会いたくないか?」
「会いたくないと言ったら、嘘になるな」
ちょっとかっこつけてみた。
実際は会いたくてしょうがなかった。俺はみほのぴちぴちした身体に恋してしまったようだ。
レイプからはじまる恋愛ってやつだ。あっ、それは女のほうから出される言葉だったか。
まぁ、いいや。とにかく俺はみほのことが好きなってしまった。
122 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 04:07:41 ID:Cu/gzYrz
だがそれは俺の思い込みに過ぎなかった
俺は誰のことも好きではない
ただ、マーリンぺージのことだけはちょっと気にになるな
123 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 04:57:12 ID:xx8zH9G/
とか思っていた矢先、みほが襲いかかってきた!
「誰かは知らんが、これも任務なのでな。覚悟!」
そう言って取り出した凶器は……
「ぎ……牛乳を拭いた雑巾……!」
125 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 07:53:39 ID:EniPdXkY
ちなみに牛乳を拭いた雑巾とあるが、正確にはみほの母乳を拭いた雑巾、である。
そう、みほは乳のみ子をかかえていたのだ!
「認知して!」
みほは次に乳臭い雑巾をつくっているおおもと、乳のみ子を俺につきつけてきた。
「この子のために父親と認知して!」
「なんだって! まっまさか、その子の父親って……。馬鹿な……、計算があわないじゃないか」
「この世界でアナタは二日ぐらいしかたってないかもしれないけど、地上の世界ではもう一年も経過しているのよ」
127 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 16:13:40 ID:mjwcZUAe
高島は混乱した、いくつもの矛盾が生じて何が本当なのか分からなくなった、高島が考えるのを止めようとしたその時!
スネ夫「惑わされるな高島!すべて奴の幻覚だ!」
スネ夫の声が聞こえた瞬間周りの景色が歪んだ
128 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 16:34:56 ID:Cu/gzYrz
歪みんだ空間には、陽炎のように揺れる虹色の丸い窓が開いていた
島波は「これは?この先は別の世界に繋がってるのではないか?」
そう考えた
129 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 17:44:55 ID:EniPdXkY
と、とつぜん島波の立っていた地面に1メートル四方ほどの線が浮き上がるやいなやぱっかりと2つに割れて落ち込んだ。
「うわああああああ!」真っ暗な中へと落下していく島波。
いったいあの虹色の窓には何の意味があったのだろう……。
地上からみほが島波を憐れな目で見つめていた。
島波「この窓の先に答えがあるかもしれないぞ!行ってみるから、待ってろ高島!」
そういうと、島波は虹色の丸い窓の先へと入っていった。
「2007年1月27日、島根県松江市、答えはそこに。」そういうのがテレパシーで島波に伝わってきた
なんかあったっけ?・・・・・「女性は産む機械」・・・。ふと思い浮かぶ。そうか!みほは子供を産む機械だったのか!
一方、待機中の高島は、
131 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/14(木) 19:44:08 ID:xx8zH9G/
何故かコウモリの着ぐるみ姿で子守りをしていた。
高島は俺を落ちくぼんだ目で見てこう言った……
「児童虐待する親父の気持ちが少しわかったよ」
それを隣で聞いていたペニス一郎は
自分のムスコを虐待し始めた
下品なペニスはキエロ
136 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/15(金) 03:11:07 ID:mcMPL6DS
下品なベニスは消えた
「大統領! ヴェネチアが消失しました!」
138 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/15(金) 12:27:43 ID:EuzL8ayl
「よし、ならばコリン星に移住だ!」
139 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/15(金) 15:38:09 ID:vnMgBQQa
「大統領! コリン星がフリーザに滅ぼされました!」
140 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/15(金) 18:28:33 ID:1ilSZd3x
そんな時〜安心のー
オ・ワ・タ保険〜♪
>>133から↑ここまでCM
141 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/15(金) 21:48:35 ID:W5apdTAT
一郎さんは死んだ。
だからこそ俺がみほをヤラねばならない!
仇を取ってやる…待っていろみほ
打倒みほに萌えている、まちがい、燃えているのに高島は変わらず落ちくぼんだ目で俺を見つめる。
俺は一郎だけでなく、高島おまえのためにも、みほを倒すんだからもうすこし活力がもてる視線で、戦場にいく男・島波を見送ってほしいんだが。
「あのさあ、少しぐらいは声援してくれもいいんじゃね?」俺はいたたまれなくなってとうとう思っていたことを、ぶつけてしまった。
「そう思ってんだけどさあ……、ところでオマエ誰?」
えっ? 俺は島波なんだけど……といいかけたが、よくよく
>>127-129までふりかってみると、俺は脈絡なく出現したことに気付いてしまった。
そうやってショックを受けている島波の隙を突いて
背後から異様なまでにマッチョな天使に強制的に人間大砲へと押し込まれ、天高く打ち上げられたのだった!
(尚、その天使は即座に退場したのである)
そして1週間のときが過ぎた…
145 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/16(土) 19:09:48 ID:Lj/58gnL
またもや意気投合したみほと高島は、二人して子供の相手をしていた。
だがその子供は…
めっちゃでっかくなっていた。
しかも…
ドリルライナー!と叫びだした
さ〜て来週のサザエさんは
「タラちゃんの初ドリルライナー」
「花岡さんの秘密訓練」
「マスオ、覚醒」
話に関わる前に人間大砲でお星さまにされた。
152 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/19(火) 02:55:47 ID:Eter8fFu
その直後、フジテレビ社屋の球体部分が外れて社屋を破壊しながら地上に落ちた
球体は何度もバウンドしてお台場の地を転がり
東京湾へ落ちた。
そして太平洋を
ドンブラコッコ、ドンブラコ
ドンブラコッコ、ドンブラコ
154 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/19(火) 11:50:35 ID:rUrz1ImG
そしてハワイに流れついた
155 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/19(火) 13:26:31 ID:KZf7LX65
ハワイの海で洗濯をしていたお婆さんは巨大な球体を見て腰を抜かした。
球体にはこう書いてあった
ネギ せいじんを ころして くだちぃ
でも、洗濯をしていたのはハワイのお婆さんだったので、「ワタシ日本語ワカリマセーン」
しかも、腰を抜かしたので、「コノ身体デハ、ネギ聖人ナンテコロセマセーン」
お婆さん、しっかり日本語がわかるじゃないですか。
「ええ、実はワタシ戦前に移住したもので……、わかりましたよ。これから桃太郎でもしこみましょうかね」
お婆さん、その晩、お爺さんとはりきってがんばったのですが、高年齢のため二人とも脳卒中でたおれてしまいましたとさ。
158 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/19(火) 15:55:27 ID:LgufitRi
ペニス一郎「ネギ聖人、出テこいやー!!」
159 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/20(水) 01:34:49 ID:usBX+H3W
などと叫ぶ輩を豪快に踏んづけつつ現れて一言
「呼んだ?」
とほざく者の名は……
やずやマンでした。いまは景子との融合も果たし、改名もして「ネギ聖人」となっていたのでした。
「なんかさぁ、高島や、みほばかりが活躍するから、忘れられているような気がして。ホントこうでも強引に出番でもつくらないと。でも、どうせ、俺ってこの場かぎりの登場なんだろ?」
まあ、リレー小説のキャラって、えてしてそういう宿命ですし。
「いいんだよ。俺って正統派だけど地味だし。派手でヒールなやつが活躍したほうがいいんだよ。ぶつぶつ……」
どうやら、やずやマン改めネギ聖人はあまりの出番のなさにすっかりひねくれキャラになってしまいました。
161 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/20(水) 19:23:50 ID:TFUYF5Kv
しかしそのひねくれっぷりは稚気あふれるものであり、ネギ聖人はたちまち人々から愛される存在となった。
ネギ聖人を見た者は誰でも自然と笑顔になってしまう。
まさに聖人、であった。
しかしそんな聖人にも、のがれられない人のサガがあるのだった。
聖霊ではなくてあくまで肉を持った人だからである。
そのサガとは
「正義とは正義の心がもつものなり!」
164 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/21(木) 01:17:02 ID:fKT9l39h
と言って現れたのはチョンマゲを結った黄色い顔の生き物だった。
いや、生き物なのかどうかは定かでない。何かしら無機的な雰囲気も漂っている。
小さな体で、背中にくくりつけているのは日本刀なのか。
くりっとした目玉が愛らしい。
165 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/21(木) 02:09:06 ID:dMi4qebN
コロ助と名乗るその少年は空腹に悩まされていた。
もう何日も何も食べてはいない。
八百屋のせがれをたたっ斬った報酬で買い込んだコロッケもすぐに平らげてしまった。
166 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/21(木) 07:54:31 ID:26KIbjfp
そんな時に偶然まだらのナマモノと出会い、食い物としてつけ狙うようになった。
167 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/21(木) 17:28:02 ID:fKT9l39h
しかしナマモノは自分が命を狙われているなどとは夢想だにしていない。
コロ助の笑顔から殺意を読み取れる者など皆無であろう。
(俺のことが好きなのかな)と、ナマモノ後ろを振り返ってそう思う。
自分を見上げてちょこちょこ歩くコロ助はやはり可愛らしい。
が、ナマモノがふたたび前方に視線を戻したその瞬間である。
――コロ助の瞳が餓えた獣の光りをたたえ、ペッターハンドの如き丸い手が背中の日本刀へと伸びていく……。
168 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/22(金) 01:39:24 ID:YD2/5JIS
しかし、その背にある日本刀はナマクラだった
169 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/22(金) 01:59:55 ID:H0LnOLqv
ナマクラだけになかなか斬れず、斬られた相手はもがき苦しむのだ。
血糊がついたまま手入れもしないナマクラ刀をコロ助はあえて差し続けているのだった。
そんな彼の眼に、突如として怪しげな光が宿った。
うぁぁぁぁ・・ 第2の人格が目覚めた。
172 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/22(金) 08:38:10 ID:ZlQeLkDX
第二の人格――それはまんまドラえもんであった。
コロ助は白の塗料を頭からかぶり、続いて体の周りを青く塗る。
見た目までドラえもんにする必要があるのかどうかは疑問だが、とにかくコロ助はそうした。
残りは四次元ポケット。これがいちばんの難題だ……。
173 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/22(金) 11:39:03 ID:W4XhYQFZ
「変な物は変な奴のところにあるだろ 多分…」
という思考のもとに、とりあえず高島の所へと向かってみた。
174 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/22(金) 12:22:26 ID:H0LnOLqv
お台場に程近いとあるマンションの一室では、三十路がらみの女が昼間から酒をあおっていた。
めざましテレビから弾かれて以来、仕事らしい仕事もなく、番組やめたついでに会社もやめちまえという幻聴に苛まれてついには出社拒否にまでいたってしまったのであった。
出社拒否について母親に問うと
そんなものは知らんと言う
実はその女は四次元ポケットの保持者であった。
彼女は現実に飽き、四次元に逃げ込んだのだ。
ただし、ポケットの在処については何と……
高島は飽き飽きしていた。
毎朝、色黒のホモ親父の相手などしていられない。
イライラは高まるばかりだ。昨日も修学旅行で来ていたカッペをエアガンで蜂の巣にした。
ゴーグルをかけていたので顔は分からない筈だが、いつかはバレるかもしれない。
そんな時、昔、ひょんな事から授けられた四次元ポケットの事を思い出した。
あの未来から来たというボンクラからもらった(カツアゲした)四次元ポケットの事を。
あのボンクラはこう言っていた。
「これは君にあげる物ではないんだよー」
イラついたので高島は気が済むまで顔を蹴り続けた。
「使ってみるか・・・」高島は焼酎を飲むのを一時的に止めた。
一方、ドラもどきと化したコロ助は・・・
180 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 20:06:58 ID:kh8pjLeR
口の周りを血でぬらし住宅街の四つ角を右に折れたところである。
深夜の2時。ひとけはない。
日本刀の鞘の先端につけたキャスターがカラカラ、カラカラと不気味に響く。
目指す先は高島の住むマンション。
コロ助の次の獲物である。
181 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 20:36:22 ID:8evJx7U/
そんなコロ助に何者かが殴りかかった
コロ助「!」
とっさに避けるコロ助、プロの殺し屋であるコロ助に感ずかれず近くのは一般人には不可能なことだ
コロ助「何者ナリ!」
?「父の名は高島、母の名はみほ、菌人間と天使の血を継ぐ者だ」
コロ助「まっ、まさか!?」
やる夫「親父は殺させねぇ!このやる夫の名に賭けて」
182 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/23(土) 22:22:16 ID:cOuSZiDb
その時、やる夫目掛けて一台の乗用車が突っ込んできた!
やる夫は飛ばされた!当然、やる夫のそばにいるコロ助も飛ばされた。
その飛ばされて地面にたたきつけられるまでの間のわずか1秒ほどでコロ助は刀を抜き、やる夫の急所を打った。
そして2人は地面にたたきつけられた!
コロ助はすぐに立ち上がり、何も言わずに再び歩き出した。
184 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 01:56:55 ID:Mwz2mOCf
頭を強打した影響だろうか。さっきまでとは世界がまるで違って見えた。
俺の両手はきちんと五本指に別れ、体もごくふつうの人間と変わりのないものになっている。
右手に握りしめた日本刀だけがかろうじてさっきまでの時間との連続性を俺に伝えているといえよう。
いつの間にか夜になった街にはネオンが瞬き、不穏なざわめきが裏路地を吹き抜ける風とともに俺の頬を舐めた。
勝負は一瞬でついた。
コロ助とやる夫は互いに固い握手をした。
>>185のような余分なテロップを出して混乱させようとした輩は戻ってきた自動車に轢かれ、空の彼方まで吹き飛んでいった!
高島がみあげた夜空では、星が一つ流れていった。
「流れ星か、今夜はいいことがありそうだ」
顔を戻すと、路地裏の向こうからみたことがある人間モドキがこっちに向かって歩いてくる。
高島は長年の勘と男が持っていた日本刀からそいつを【コロ助】だと見当した。
「さっそくいいことずくめだぜ、息子やる夫を殺してくれたお礼をしなきゃなんねぇな」
188 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 15:27:51 ID:8KMOWllj
懐中電灯の光の輪の中に半人間化したコロ助をみとめて悲鳴をあげる警備員。
「ひ、ひぃぃぃっ!」そのまま白目を剥いてぶっ倒れた。
体は機械で顔と手だけが成人男性のコロ助は化け物以外のなにものでもない。
口からぶくぶく泡を吐き気絶している警備員を無視して一階のメールボックスルームへと足を踏み入れる。
350号室。――高島の室を確認したコロ助の顔に酷薄な笑みが浮かんだ。
「そうはイカンザキ」
190 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 17:26:14 ID:zA5Zrzur
コロ助「お前はイカンザキ!モグラ叩き世界チャンピオンのお前が何故!?」
イカンザキ「今はここで雇われて警備員をしているんザキ、早速気絶してもらうザキ」
イカンザキは巨大ピコピコハンマーを持って襲ってきた
191 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/24(日) 19:25:54 ID:Mwz2mOCf
コロ助は獣のような俊敏な動作でイカンザキが振り下ろすハンマーの柄と彼の首筋を同時に斬った。
床に倒れ痙攣しながら血を吹き上げるイカンザキには目もくれず、ポストからはみ出たダイレクトメールで刀を拭うと、コロ助はエレベーターに乗り込んだ。
高島は黒い革の手袋、グッチの本店で特別に作らせた物だ、を取り出した。
それをモニターを見ながらゆっくりと両手にはめる。
「全く、デザートイーグルをここで使えるなんて」
高島は呟いた。
「今日は良い日ね」
高島はデザートイーグルをジャケットの裏に隠し持ち、家を出て、階段へ向かった。
エレベーターだと監視カメラが回ってる。となると後で証拠が残って厄介なことになる。
そう考えての判断だ。
そして、高島は一階に着いた。
1999年に生産中止になった.50AEの14インチのグリップの感触を高島はグッチのグローブ越しに感じていた。
ハンターとしての性から来る高揚感を高島は久々に味わう。
この感覚は湾岸戦争の時以来だと高島は思った。
賢明な読者諸君はもうお気づきであろう。
コロ助はエレベーターに乗り込んだ。 高島は一階に着いた。
二人は、どうして鉢合わせすることがなかったのか。
それは、高島が住んでいるマンションにはエレベーターが二基あったからなのだ。
コロ助も高島も行き違いになったのをまだわかっていなかった。
196 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 15:13:10 ID:dzgz+y6O
高島は階段を使い、コロ助はエレベーターである。行き違いになっても何の不思議もない。
が、それではあまりにも面倒だ。
1レス5行規制のリレー小説なのだから、もうここらへんで二人を合わせてしまった方がよかろう。
そんな神の声が聞こえた瞬間、コロ助はエレベーターが故障していることに気がついた。
階上からはコツコツコツ、と足音が近づいてくる。
197 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 16:43:37 ID:VA92PwQp
そして何事もなく通りすぎた。
しかし……
高島は久しぶりに己の中の野獣の血が煮えたぎるのを感じていた。
その体は女豹のように撓う。
鈍く輝くデザートイーグル52口径はまるで高島にはある筈の無い肉棒のようだ。
199 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/25(月) 22:11:22 ID:yMz7atyk
「肉棒」より「男根」のがいい表現かもしれない、などとどうでもいい事を考えるのと同時に、どうやら標的と行き違いになったようだと高島は冷静に分析していた。
直ぐに踵を返して三階に戻ると、305号室の前でコロ助が佇んでいた。
すでに抜刀して全身から殺気を漲らせてはいるが、まだ高島に気づいてはいないようだ。
問答無用でデザートイーグルから火が噴く。
勝負はあっけなくついた。305号室の前には、ズタズタとなった肉塊が散乱していた。
「ちっ、なんだよ。見かけ倒しだったか。もう少し楽しめるかと思っていたのによぅ」
コロ助をコロコロした高島は新たなる獲物を探してマンションを後にしたのであった。
対決コロ助篇 了
時間は遡り、なぜかコロ助がコロコロされる10分前に戻った。
「その大砲でワガハイと勝負するつもりナリか?」
高島の方を振り返らずにコロ助が言った。読まれていたのだ。
「剣と大砲ではあっけなく勝負はつくだろう。残念だがワガハイのズタズタとなった肉塊が目に浮かぶようだ」
コロ助は完全に戦意を喪失したかのように言い、一旦言葉を切ってからこう続けた。
「剣で戦わんか?お前をただの刺客ではなく、戦士と見込んで立ち合いを申し入れたいのだが?」
高島は黙って背に挿してあった正宗を抜く。
一瞬、正宗は妖しく光った。血に飢えた獣が腹を空かせて鳴いているようだ。
高島は己の中心に正宗を構える。
それはまるで高島にはある筈も無い男根のようだ。
コロ助が構えたかと思うと、次の瞬間には奇声をあげて踏み込んで来た。
「なに、居合い切りか!」高島はコロ助の動きの早さに焦った。
しかし、しょせんナマクラ刀。名刀に勝負を挑むのは無謀でしかなかった。
コロ助の刀はここぞというときに錆びて抜けなかったのである。305号室の前ではコロ助の首がコロがっていた。
「ちっ、なんだよ。見かけ倒しだったか。もう少し楽しめるかと思っていたのによぅ」
コロ助をコロコロした高島は新たなる獲物を探してマンションを後にしたのであった。
対決コロ助篇パート2 了
205 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 13:57:47 ID:LKARgX4J
夜中の繁華街を高島は充血した目で歩いている。ほとんど瞬きもしない。
右手に持った名刀正宗がアスファルトに血の染みを点々と残し、行く先々の人ごみがモーゼの十戒の如くに割れる。
次の獲物を探すことに頭がいっぱいの高島は、自らの異様さにはまるで気づいていない。
と、ビルの谷間の駐車場からヤンキー風の三人組が現れ、街灯の光の輪の中に入った。
「おい、兄ちゃんたち」高島は喜びに弾む声をかけた。
206 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/26(火) 16:42:14 ID:m/t5/AjH
「秋刀魚はいらんかね?」
と言いつつ、手にした物を振るう!
それは何と…大根おろしだ!?
辺りに飛び散る大根おろし。醤油も加えてあるようだ。
ヤンキー3人組と高島に大根おろし(醤油入り)が体中に付いてしまった。
「くせぇwwwwww」
それを見て爆笑する男、そいつは…
本物のコロ助だった
「もう高島ネタ飽きたわ」
唐突にこんなことを言い出す男。何者だろうか?
「「「そうだそうだ、いい加減新しいストーリーを出すべきだ」」」
その男に便乗し声をあげるモブたち。
ノックの音で目が覚めた。
拳で叩いている音だ。
長野は舌打をしてベットから抜け出す。
群馬は女のパトロンが戻ってきたと驚いて窓から飛び降りようとした。
岩手は借金取りが来たと思って押し入れに隠れようとした。
山梨はジェイソンがきたと考えてチェーンソーを取り出した。
香川はふてぶてしくも居座った。
山口はフグをあわてて食べて毒死した。
私は言った
「この流れは…」
213 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 12:13:19 ID:q719TEsD
皆が動揺するなかで一人だけ微動だにせず平然と座している者がいる。
香川「ワシじゃ〜!ワシが香川照之ぜよ」
214 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/27(水) 18:19:55 ID:PmlUb2OH
しかし香川はお気に入りの美少女フィギュアを取り上げられた瞬間ぶち切れた!
「なにすんのじゃ、おんどりゃあ!」
120キロの巨体をゆすって飛びかかった。
富山が香川を受け止めて、新潟が宙にあげた。
福井がアタックするとみせて、
石川が切り切ざんだ。みごとな北陸時間差攻撃だった。
「ふっ、またつまらぬものを切ったでござる」
石川の下の名前は五ェ門であった。
ところで、ノックして訪ねてきたのは300kgの超巨体、北海 道 であった。
217 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 04:09:46 ID:tB2i5pPe
北海道が訪ねてきた理由は余った皮膚の切除である。
北海道はダイエットをしたのだ。600キロから300キロに!しかも、たったの半年で!
これでは皮膚がぶよぶよに余ってもしかたない。
もぐりの無免許医である石川県が立ち上がり、奥の部屋へと北海道を連れて行く。
その時、佐賀とすれ違ったが気付かなかった。
219 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/28(木) 12:05:50 ID:qcWFopUO
その頃、沖縄は鏡の前で頭を抱えていた。
視線はつつましやかな自分の胸に向かっている。
ダイエットに成功した北海道の話を聞いてかなり焦っていた。
昨日、支那ジジイが自分の胸の先端をじっと見つめていたことを思い出して身震いした。
あのクソジジイは「沖縄は俺の嫁」とあちこちに言いふらしているらしい。
沖縄のことが好きなのは、支那ジジイだけではなかった。
鹿児島は別れた元女房、沖縄のことがまだ忘れられなかった。
「ハイハンチケンがなかったら今でもおいどんの嫁でごわはったのに、なして東京どんはおいどんと沖縄どんの仲を裂くのかのう」
鹿児島は東京を恨んでいた。そしてどさくさまぎれに沖縄を手込めにした亜米利加のことも恨んでいた。
その時、佐賀は自動ドアの前でただ立ち尽くしていた。
ドアが開かない。
そんな時、ちょうど後ろから来た香川に踏み潰された!
何の因果か全く気付かれなかったせいで、敷物と一体してしまった。
223 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 02:06:40 ID:eyrlF8U/
香川照之「おもしろくないぜよ〜〜〜〜っ」
そう叫ぶと自動ドアのガラスを粉々に蹴破り、深夜の渋谷駅前へと駆け出した。
そして泣きわめきながらガードレールを引っこ抜き、信号待ちのタクシーめがけて放り投げる。
224 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 14:29:58 ID:orLwYEDY
しかしそのガードレールは目標を逸れた。
深夜のゴミ拾いをしている男女のグループへと飛んでいく。
その深夜のゴミ拾いをしているグループは引きこもりからの脱出をはかる男女の集まりだ。
はたして、彼らになんの罪があったというのだろう。
1円にもならぬ深夜のボランティアをしていた優し過ぎる彼らの悲鳴が街にこだました。
『速報です。つい本日未明、渋谷駅前で突然飛んできたガードレールに、ボランティアの男女数名があたり、
男女は意識不明の状態であるとの情報が入ってまいりました。
目撃情報によりますと、ガードレールは突然宙に舞い、飛んだということです。
また、詳細が入り次第、お伝えいたします。』
226 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 17:23:31 ID:Weeht73c
香川の行為は唐突に現れた天使みほによって断罪された!
果たしてその結果とは……
「またか・・」
星野は思った。
最近、気がつくと何やら訳の分からぬ妄想をしている時がある。
眠れないのはそれが原因かもしれない。
シートベルトを着用せよとのアナウンスがあった。着陸だ。
228 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:06:21 ID:eyrlF8U/
突然上京してきた妹、みほにこっぴどく叱られ、気まずくなった香川は買い物に行くと言って部屋を出た。
その頭上を飛行機が轟音を立てて通り過ぎる。
229 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/29(金) 23:26:31 ID:Weeht73c
その風を受けてか、平面化した佐賀が一反木綿のように飛んできた!
230 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 00:39:39 ID:PPzggUCd
佐賀は香川に復讐しようと襲いかかったが、再び突風にあおられ、上空はるか飛ばされ、見えなくなった。
香川照之「何やら、胸騒ぎがするぜよ。こんな時は飲むに限るぜよ」
てくてくと歩き、やがて代々木公園にたどり着くとベンチに腰を下ろし、缶ビールを飲み始めた。
231 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 01:35:31 ID:0Bcs8AsW
その頃、星野を乗せた宇宙船「てふてふ」は砂嵐の吹き荒ぶ惑星ミャーンに着陸した
すると偶然、パトロール中の警官がやってきた。
警官「おい、君、未成年だろ!ビールなんか飲んじゃダメだろ!」
香川「違う。わしは、未成年じゃないぜよ」
警官「じゃあ、身分証明書か免許証みせて」
233 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 02:58:02 ID:0Bcs8AsW
砂漠の惑星ミャーンに降り立った星野に向かって地平線の彼方から丸い物体が飛んできた
ビューム ビューム ビュームと音をたて、風を切り、ものすごい速さで近づいてくる白い物体の中に
海鼠のような生物が乗っているのが見えた
「課長、ここです」
星野は手を振りながら言った。
星野が課長と呼んだ、海鼠のような生物はケフィア聖人だった。
ケフィア聖人はあまり活躍しない、やずやマンたちを見限り、星野へとシフトしていた。
「よいか星野、にんにく卵黄が日本で流行るのは、もうお前の双肩にかかっている」
星野は課長からにんにく卵、一億人分を受け取り惑星ミャーンをあとにした。
「監督、監督」
星野は目を覚ました。マー君がいた。
「マー君、ここは?」
「ここはって、仙台ですよ、仙台」
「に…にんにく卵は?」
「何スかソレ?」
などという無意味なやりとりをかましながら、二人は空港に降り立った。
238 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/30(土) 19:17:19 ID:axMKxdWN
星野とマー君が空港に降り立った瞬間、全身から触手を生やした球体の宇宙人に一口で骨までばりばりと食べられてしまった。
空港は宇宙人たちでいっぱいだ。
「あー、よかよか。よかばってん。ワシの生み出したる宇宙たちよ、あっぱれじゃ!」
星野とマー君を食べた宇宙人の後ろから千鳥足の香川が真っ赤な顔で現れた。
泥酔しているに違いない。
今の彼は空想を現実化する超能力者である。
239 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 00:01:41 ID:PPzggUCd
そうだったのか !
香川照之は泥酔の果てに新しい自我を手に入れ、舞い踊った。
深夜の渋谷駅前交差点には紙吹雪が舞い、109から溢れ出した何万人もの全裸の若い女たちが競って香川照之を愛撫しはじめた。
240 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 03:56:30 ID:KMCGpXQk
その全裸の女たちの中に見覚えのある顔があった。
十年前生き別れとなった香川の妹だ。
「せ、節子!」香川は唖然とした。
「監督、監督」
「おお、マー君、生きてたか?」
「はい、でもここはどこです?」
「多分、怪物の腹の中だな」
暗くて湿気が立ち込めているが、温かく、この匂いを我慢しさえすれば、居れない事は無い。
「しかし不思議っす。監督、僕ら骨までばりばりやられたのにまだ生きているなんて」
「ああ、そうだな痛みがないどころか恐怖することもないなんてな」
「宇宙人だからでしょうかね。すごいっす。監督。僕、生まれ変わることができるのなら宇宙人になりたいっす」
「ああ、そうだな私も生まれ変われたら……」
こうしてマー君と星野監督は宇宙人に消化されてしまったのであった。
243 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 20:59:38 ID:e8NRHFhF
作りもののくだらない夜
街は光に溢れてた
しかしながら、世の中にはその光を異様な程に嫌う人々だって存在する。
今日はその、『異様な人々』の一人について語ろうと思う。
名前は確か……何か都会にある老舗を想起させるような、変な苗字だったことは覚えている。
245 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 22:28:00 ID:tShH7u8D
そうだ思い出した彼の名前は『フィッシュ竹中』
彼も運命に翻弄された犠牲者の一人だった
彼にかかった呪いについて話すとしよう
246 :
創る名無しに見る名無し:2010/10/31(日) 23:04:41 ID:beWxgKR9
その呪いとは……
必ず駄洒落を絡めないと喋れないという代物だった。
247 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 02:34:36 ID:3r8rSVmY
フィッシュ竹中―下北沢界隈でその名を知らぬ者はないという―彼は、とある雀荘を本拠に賭博で生計を立てる、言わばアウトロー的存在であった。
248 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 09:38:51 ID:M9RNAza7
彼が麻雀に目覚めたのは子供の頃である。
市営団地の階段の踊り場にむしろを敷いて近所のクソ餓鬼どもと卓を囲み、ドンジャラに興じていたのだ。
あの頃から竹中は大役を連発していた。不思議なことに配牌でドラえもんばかりがよく揃った。
クソ餓鬼どもの飴玉やメンコなどをごっそりと巻き上げていたものである。
今夜もフィッシュ竹中は絶好調だった。
「ロン。メンタンピンのドラドラえもーん、でもって親のマ○コやで」
「またかいな、フィッシュさんにはかなわんなーっ、もう鼻血も出んで」
「さぁ、はらってんかーっ」
いつものメンバーとわきあいあい打っているところへ、邪魔する者が現れた!!!!!!!!
「コロ助の次は・・・」
高島はグレネードランチャー装備のM16アサルトライフルを構える。
251 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/01(月) 21:35:45 ID:3r8rSVmY
「あっ自分抜けるんでどうぞ」
高島「えっ」
東家 フィッシュ竹中
南家 奈美悦子
西家 風間杜夫
北家 高島彩
■■■■ 東一局 ■■■■
252 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 00:18:07 ID:qlsX4rg+
竹中「ドン!まさか出るとは」
高島「いやぁ〜もうワケわかんないよぉ」
奈美悦子「あんた素人なんじゃないの」
風間杜夫「あんな見え見えの四萬切っちゃってさすがに引いちゃうよね」
253 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 08:53:27 ID:2m08AeGT
竹中は鬼の形相で麻雀卓をひっくり返した。
「ぐおおおっ」咆哮の如き叫び声をあげて立ち上がり、傍らにあった鉄パイプで店内を滅茶苦茶に破壊する。
これは彼の常套手段だ。彼は自らの負けが見えるといつもこうやって誤魔化す。
だから麻雀の月の収支はかならずプラスである。
254 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 18:13:46 ID:UWD9pXug
ていうかいつから高島女になった?
255 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/02(火) 23:06:07 ID:qlsX4rg+
その言葉が高島の逆鱗に触れたらしい。
負け分の支払いとして半泣きで下着姿にまでなっていた高島が、やおら立ち上がりライフルを乱射し始めた。
瞬く間に死体が山のように積み重なってゆく。
眠っていた野獣の血が高島の表の顔を食い破っていく。
死体の山はまるで鬼神高島への献上物のようだ。
獲物たちが文字通り消え、高島はM16を撃つのを止めた。
女鬼神となった高島を隠れてみている者がいた。
「ええのぅ、ええのう。女になった高島もええのう。もう、みているだけで射精しそうじゃわい」
香川だった。そして高島を女にしたのも香川だった。
渋谷ハーレムの中で高島の姿をみつけたとき、思わず彼と妹の節子との面影を重ねてしまった。
どんなところが重なったのかは、香川は黙秘して語らないが、
高島は香川の空想を現実化する超能力によって女にされてしまったのであった。
高島の中の野獣が殺気を感じた。
本能の赴くがままにM16の銃身をその方向へ向ける。
それはまるで高島にはある筈の無い男根のようだ。
259 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 12:57:49 ID:M3OhBRVS
黒光りする銃身の先の闇に、男の姿が浮かび上がる。
男は両手を頭上に挙げて、ゆっくり高島の方へ向かってきた。
「はっはっは…。これは、立派なモノをお持ちで…。銭に変えたら一体いくらになるもんかのう…?」
260 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/03(水) 16:57:12 ID:3Ip+bluW
高島「俺は男として生きてきたこれからもそう生きるつもりだ」
香川「ワシの女になれば何でも手に入るぞ?金も、射撃用の奴隷も、そして天界に抹消されたみほとコロ助に殺されたやるおを蘇生させることもでk」
ズギャンン!
高島「お前に何がわかる!」
その時佐賀はバスの中にいた。
車庫にバスは入っていて運転手は先程出て行った。
鍵を閉められて外に出れない。
その時ひとりの少年が窓ガラスをぶち割って車内へ入ってきた。少年の右手には出刃包丁が握られている。
佐賀は、面食らった。「な、なんだ君は!?」
少年は何も答えない。自暴自棄な目で片頬だけを吊り上げて笑った。
「北へ・・・」
少年は言った。
佐賀はどうして良いか分からず、ただ黙っていた。
「北へ、行きたい」
どうして良いかわからないではない。
正確には、どうもできないのだ。
この薄っぺらい体では。
265 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 01:32:59 ID:aZsItEx+
車庫内の暗闇に目が慣れるにつれて、佐賀は目の前の少年がさながら少女のような美貌を湛えているのを尻、いや知り、ゴクリと唾を飲んだ。
佐賀「北か…よし。私が連れて行ってあげよう。しかしながら、私は見ての通りとある悪漢に襲われて身体が潰れてしまった。
…風船を思い浮かべてみようか。穴から空気を吹き込むことで膨らむあの風船だ。」
穏やかな口調で話しつつ、微笑みを浮かべながら佐賀はズボンを脱ぎ始めた。
266 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 02:01:41 ID:qHw4cY8A
少年はその赤い肉感的な唇で佐賀の起立したぺニスをゆっくりと包み込む――わけなどない!
なんのためらいもなく出刃包丁で叩っ切った。
「ぐわああああああ!」下半身を血まみれにしてのたうち回る佐賀。
出刃包丁をもった奴にそんなものを突き出したらどうなるかは、馬鹿でも分かるはずだ。
救いようのない男である。
正座をするのは久しぶりだと忠夫は思った。
もう引退したと自分では考えていたが、彼にはまだ自分が若造に見えるのだろう。
御大はいつものように遅刻している。人を待たせることについて罪悪感が無いのだ。
「忠夫、お前は勘が鋭いから気付いておるやろ?」背後から御大の声がした。
「西高島家と東高島家の関係の悪化を、ぼちぼちではすまされへんで」
268 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/04(木) 21:36:25 ID:aZsItEx+
香川「…なんで殺さんがじゃ」
高島「殺す理由がない。俺は上からの指示で動いているにすぎない」
香川「…イラクの内戦っちゃあ、時の米政権もいわゆる多国籍軍も、そりゃあ血の気の多い連中ばかりじゃった。
それがあんなにすんなり収束に向かうとは…誰が予想できたぜよ?えぇ!?
アレもおまんの仕業じゃろ?」
人間大砲へと押し込まれ、天高く打ち上げられた島波は、太陽風に押し戻され、なんとか地球に帰還した。
「ふう、やばかった。もうちょっとで焼け死ぬところだったぜ」
島波が周りみると、故郷は一変していた。
触手を生やした球体の宇宙人が街の人たちをバリバリと食している場面にでくわす。
バスに乗ろうとしたら、少年が一旦木綿のチンコを切り取っていた。
なんとかいきつけの雀荘たどりつくが、死体の山をみる。
そのなかには同窓生のフィッシュ竹中のむざんな姿もあった。
「だっ、だれが、こんな世界にしたんじゃーーーっ」
270 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/05(金) 20:50:14 ID:JTw297Tp
と、島波が何気なく振り返ると駅の向こうから黒い小山のようなものがこちらへ向かって押しよせてきた。
島波はそれが何なのか最初は分からなかった。ただぼんやりと眺めていた。
「山津波だぁ!」という人々の叫び声を聞いて、やっとそれの正体に気がついた時にはもう遅い。
「うわああああああ!」
大音響を辺りにこだましながら山津波は眼前に迫り、駅舎もろとも島波を呑みこんだ。
271 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/06(土) 05:56:46 ID:IOFJbmEM
気が付くとそこは村だった。
村人は青白い顔で、血の涙を流していた。
山津波はどうやら異世界の門を開き、島波・岡部いざーく・歌田一樹の三人を投入したらしい。
村の雀荘ではフィッシュ竹中が「ロン・・・・・・アハハハハ」と誰も居ない方に話しかけている。
歌田一樹は言った。「どうあがいても絶望ってか・・・・・・」
岡部いざーくは言った「この自衛隊員数・・・・・・一個連隊くらいいる・・・・・・」
272 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/07(日) 06:18:26 ID:F7qx+xyi
ちなみにここは邪魔なキャラの墓場であった。
この場にいる者は出番を奪われ、フェードアウトする運命にあるのだ。
273 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 17:23:28 ID:hWaBdTXM
全ての者がフェードアウトした後に残ったのはコロ助のみであった。
彼はロボットだから「者」の概念に外れていたのだろう。
コロ助は廃墟と化した街をトボトボ歩いている。行くあてなどない。
夕焼け空を「カーッ」と鳴いて、カラスが飛んだ。
274 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 18:43:13 ID:3DgehO9h
どこからともなく「風の憧憬」が流れてきた
何だか泣けてきた
精密に作られているため涙がでた
無償にキテレツといっしょにコロッケが食べたくなった
275 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 19:10:25 ID:+9RvdghK
ふと空を見上げると、何とコロッケに羽根が生えて空を飛んでいた。
「秋も、もう終わりか・・・・・」
夏の終わりは悲しいが、夏の始まりは心躍るものがある。
冬の始まりは悲しく、冬の終わりには心躍る。
277 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/08(月) 21:44:37 ID:EYrB4UOP
羽根の生えたコロッケに見えたのは、やはり山へと帰るカラスであった。
そこかしこの家から立ちのぼる夕げの匂いが、空きっ腹のコロ助に堪えた。
278 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 05:38:01 ID:pvtzkE2V
しかし墓場であるここで夕げの香りがするのはおかしい。
そこで匂いの元をたどってみると、何故か皿の上にコロッケらしき物があった。
空腹のあまり即座に食ってみると、それはコロッケではなくメンチカツだった!
「メンチか・・・・」
彼は呟いた。昼に食べた弁当のオカズがメンチだったのだ。
彼は途端に食欲を無くした。
ふとテレビを見る。
『臨時ニュースを申し上げます』辞めたはずの高島がフジテレビに出ていた。
「西高島家と東高島家がとうとう内部抗争へと発展した模様です」
高島彩は自分の家とは無関係なのか、淡々した口調でアナウンスした。
「では、中継へつなぎたいと思います。現地にいる高島さーん」
「はーい」と現れたのは高島彩だった。
なんと高島彩は一人だけではなかったのだ。
この時期。
混沌としたこの物語を、規律と秩序ある方向へ大きく転回させる男は西にいて、未だ浅い青春の夢の中に在った。
彼の名を、大阪という。
282 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 17:54:07 ID:OITmGxGB
安普請のボロアパートの一室で大阪は考えた。
このような場合は主要な登場人物たちを一ヶ所に集めてトーナメント方式のバトルをやった方がいい、と。
少年漫画にありがちな手法ではあるが、これなら破綻しかけた物語も楽にまとめることが出来る。
「よし」と、呟いて大阪は立ち上がった。
窓から見おろす緑色の道頓堀川は今日も相変わらず毒々しい。
283 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 23:32:44 ID:pvtzkE2V
そのためにはまず、みほの同僚の退場天使(マッチョ)を味方にしなければならない。
しかし登場自体を拒否された!
284 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/09(火) 23:40:36 ID:+73vdw1v
「さあ!雲一つない空の下、ここ国立競技場では一回戦第一試合、フィッシュ竹中vsコロ助の試合が始まっております」
身長とリーチに勝る竹中が、コロ助をコーナーに追い詰めて良いように殴り飛ばしている。
そして、夕刻を迎える頃、すべての登場人物たちは戦いの中に死に絶えた。
「…さて」
大阪は己の目論見が外れていなかったことに満足しつつ、
文字通り焼け野原となったこの物語をいかに再構築するか考えながら
二度と物言わぬ骸たちをじっと見降ろしていた。
「…あのぉ…」
突然、背後から声をかけられ、大阪はやや驚いて振り返る。
高校生らしい濃紺の制服。眼鏡を掛けたポニーテールの美少女が、そこに立っていた。
286 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 05:14:34 ID:DmBYkuat
大阪はその少女の美に人工的な印象を受けた。
二重瞼のパッチリした目に筋の通った鼻、形のいい唇。
制服の上からでもかなりの巨乳であることが分かる。
だがそこには人間臭さといったものがまるでない。
大阪はぶしつけに訊いてみた。「てめぇ、美容整形しているだろ!」
287 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 12:25:12 ID:tLV+4q2+
少女「ワタシ整形だなんてしてないヨ?
あなたテリカシ足りない、私凄い怒るヨ!?
鼻筋とまぶたと歯をちょっとキレイにしたかもしれない、けどそれは皆ヤッテル事、整形そんな大げさなモノ違うヨ」
288 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 17:39:54 ID:T8TprtRI
「ダメだっ!また失敗だ」
大阪は素早く懐から超電磁銃を取り出すと、ロボトミー少女に発射口を向けて
引鉄を引いた。
−バシュッ! 大気を切り裂く音が鋭く響き、少女は瞬時に気化し、蒸発した。
289 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 18:42:46 ID:tLV+4q2+
…と見せかけて、その蒸気は素早く大阪の背後に回り込み、再び実体化した。
少女は大阪の首に腕を掛け、強く締め上げた。
ごきっ!という鈍い音が響いた。
「マスター」
「何だい」
「このドアの具合、悪いみたいだ」
「古いからね」
いつもの席に着くとマスターは缶ビールをよこす。
292 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 21:03:43 ID:DmBYkuat
テレビではいかにも低予算で撮られたらしいB級映画をやっている。
関西人の男性と美少女の愚にもつかない戦いだ。
「マスター、テレビを消してくれないか」
日曜日の真夜中にバーでひとり静かにお酒を飲みたいだけなのだ。
こんな映画を観にきたわけじゃない。
293 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/10(水) 23:50:36 ID:tCJp5cQ5
「…気分じゃないようだね」
マスターは少し笑うと、テレビを消した。そうして、またグラスを磨く。
こちらから話さない限り、余計なことは言わないマスターだ。
訪れた静けさの中、ギネスビールを呷ると、ようやく気持ちが落ち着いてきた。
その時、カランカラン、と音がして、バーのドアが開く。
入ってきた人物を見た俺は、我が目を疑った。
さっきまでテレビでやっていた映画の中の少女にうり二つだったからだ。
295 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 05:29:38 ID:9PUrtbls
しかし次の瞬間、突然開いた落とし穴に落下していった!
驚いてマスターの方を見ると、何故か天井から下がった謎のヒモを握っていた。
俺がそれにツッコむ暇も与えられず、閉店という理由で追い出されてしまった。
私は夜の街を独り歩く。
コートを着てくるべきだと後悔し始めていた頃、青白い発光物体が私の頭上に現れた。
その物体は下降してくる。
「課長、課長」
下平だ。
297 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 08:19:44 ID:NCnXkas7
何故か下平は右手に肉切り包丁を握っていた
298 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 12:22:20 ID:uLKLlcRY
私の部下の中では最も若く、女性としては長身でなかなかの美貌の持ち主である。
一昨年の忘年会の二次会を契機に懇意になり、密会を重ねて深い仲になったのだ。
299 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 15:13:08 ID:52f8ZUG5
私には妻がいる。非の打ち所のない、まるで絵にかいたような良妻賢母だ。
その妻を裏切ってまで、私は不倫をしている。
「不倫は蜜の味」という友人の言葉が思い出された。
友人は続けてこうも言った。「とにかく女房に浮気がバレたら謝れ。もう二度としませんと土下座しろ。女房が求めるのは贖罪なんだ。そしてその贖罪が終わる日は一生こない。ずっと女房に頭があがらず、家で肩身の狭い思いをする。浮気がバレた時、それは地獄の始まりなんだ」
今の私は地獄の門の上を覚束ない足取りで歩いているといったところなのだろう。
明日は門の内側に落ちているのかも知れない。
300 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 16:05:35 ID:F+N/xBo0
そんなことを私は、ぼおっと考えていた。
しかし、小柄な下平京子は、いつからこんなに背が高くなったのだろう。
いや、違う。私が、地面に倒れているのだ。
下腹部が異様に熱い。そこから下はすでに感覚がなかった。
「あ…あなたがいけないのよ」
震える声で下平京子は言った。
「…い、いつまでも…奥さんと別れてくれないから!あなたが!」
そうか。そういうことか。
私は震える手で、胸ポケットから携帯電話を取り出す。
301 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/11(木) 19:21:02 ID:9PUrtbls
その時空気も読まず突っ込んで来た男に盛大に踏んづけられ、無情にもそれがトドメとなった!
その男の名は西高島家のコロ助。
通称『大阪』であった。
「忠夫、わかっとるやろな」
「しかし私は今東京におりますし息子達も・・・」
「しかしお前は神戸やないか」
「そうですが・・・・」
御大は不機嫌そうだ。
下平と課長はどーなったーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!
304 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 00:44:20 ID:IEjAlslU
上手な人とキチガイが棲みついてる
「・・と、まあこんなわけやな」
「混乱してますね」忠夫はハンカチで額の汗を拭った。
「もう結婚してるんやろ?二人の息子は」
御大は話題を変えた。忠夫は頷く。
「彩を消してくれへんか」御大は少しの間の後、忠夫の眼を見据えて言った。
京子は課長の携帯電話をたたき落した。
「課長おねがい、私だけみてよ。一人にしないで。私のこと好きなんでしょう」
課長は恐怖した。妻を裏切ったことを心底から後悔した。
もう落ちよう。こんなことからおさらばしようと思った。
そして、地獄の門は表にしても裏にしてもどちらへ落ちても地獄だということに気がついた。
307 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 17:28:13 ID:kDSJiJEi
と思っている矢先足下の地面が突如消失し、二人共奈落の底へと消え去った!
あまりにも関係ない連中を抹消するため『退場落とし穴』が発動したのだ。
308 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 18:04:55 ID:nqw14T5p
…眩しい。
奈落の穴に落ちた夢を見ていた。
私は目を開いた。自分がどこにいるのか分からず、眩暈を覚える。
「…お気づきになりましたか」
見知らぬ若い男が私を覗き込んでいた。白衣を着ているところを見ると医師なのだろう。
すると、ここは病院で、私はどうやら一命をとりとめたということか。
下平京子は一体どうなったのか。
309 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 18:37:36 ID:1ZKiwXwT
「ここはあなたの心、精神の中の病院。すなわち精神病院と言うわけだ。」
白衣の男は愉快そうに笑い、コーヒーを入れた。
「いや冗談。ここは『退場落とし穴』だよ。…絶望したかい?そうだろうね。君は今この小説の登場人物で在ることを根底から否定されつつあるんだからね」
310 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 20:03:11 ID:PP3mHqrn
ということは下平京子は私を消し去るためだけに現れた存在だったのかもしれない。
それが失敗しかけて、私は荒唐無稽な手段で落とし穴にはまったと考えれば筋も通る。
「さて、そろそろ始めるとしましょう」白衣の男はコーヒーカップをゴミ箱へと放り投げ、手袋をする。
私の体は皮のベルトで手術台の上に固定されていて動けない。
パチンと無影灯の明かりがつくのを見とめて私はたまらず悲鳴をあげた。
311 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/12(金) 20:28:29 ID:kDSJiJEi
「いや、邪魔なのは君もだよ」
という声と共に、医師と二人まとめて台上により厳重に拘束された!
この一連の退場騒ぎを画策したのは、ここのところ出番を奪われ続けていた天使ケ…… ケブ…?
…… えーと何だったっけ? ……… まぁいいや
とにかく、天使上司こと高島の仕業だったのだ!!
「あかんのや」
「は?」
「彩がな、力を使い始めたんや」
「力ですか?」
「そうや、力や。使うてはならん”力”や。昔、神さんから封印された”力”や」
御大はため息をつく。
313 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 00:21:27 ID:iwUNYOIr
拘束された医師と課長をあざ笑う者がいる。
「ケケケ…俺の名はベニス一郎。自分で言うのもアレだが有名人だな。
さて、お前らは下平京子が憎いよな?殺したいほど憎いよな?」
無影灯が眩しく、声の主がどんな風貌をしているのかを窺い知る事もできずに焦る私をよそにかれは続けた。
「助かる道はある。お前は俺に『殺し』を依頼するのだ。下平京子のな。
さすれば、俺がとある女刺客にそれを伝え、お前はその依頼者として少なくともこの場で消えなくてはならない理由は、なくなる」
314 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 05:37:00 ID:bF5F38fp
それはできない、と私は思った。
不倫関係であるにしろ私は下平京子を本当に愛していたのだ。
「断る!」
「ほう、断るねぇ」ベニス一郎の瞳が嗜虐的にぬめりと光った。「こういうふうになるとしてもか」
白衣の医師をメスで切り刻み始めた。
「”力”ですか?」
「そうや”力”や」
御大はお茶を啜る。
「二つの世界があってな、表と裏や。それらは繋がっていてな、普段は50年周期で穴が開く時行き来できるんやが」
「彩にはな、その穴を自由に開ける力があるんや」
316 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 11:04:37 ID:iwUNYOIr
拘束された白衣の医師を暴漢がメスで切り裂く、まさに地獄絵図だ。
「落ち着いているな。ではもう一つ。
あの下平京子はね、おたくの専務のコレなのよ?」
小指を立てるベニス一郎。
「ヒャハハ…さすがに動揺したね。まあそんなもんよ、女なんてな。
で、どうよ?気は変わった?」
317 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 12:48:12 ID:AntA1Ck7
しかし返答の寸前、いきなり暴漢は謎のハンマーで思い切り床に叩き込まれて消え失せた!
「私の出番を取るなと言っただろう!?」
退場天使に命じ、退場ハンマーで男を抹消した高島は既に涙目だった。
318 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 14:27:16 ID:bF5F38fp
と、とつぜん手術室が大爆発した!
どかあああああああん!!
観葉植物の鉢植えが手術室を横切って吹っ飛び、瓦礫や木っ端といっしょくたになぜか高島だけが窓ガラスをぶち割って外へと吐き出された。
そして悲鳴を上げながら崖の下の民家めがけ落下していく。「うわああああああ!」
民家を囲む先の尖った鉄柵が眼前に迫りくる。が、もはや高島にはどうすることもできない。
鉄柵が体を貫く寸前に気を失えたのがゆいいつの幸いであった。哀れ、高島。
合掌。チーン。
319 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 17:46:20 ID:42XDgHl4
下平京子は、地方都市のビジネスホテルの一室で目覚めた。
頭痛がする。どうやら、昨夜の酒が過ぎたようだ。
酒を過ごしたと言っても、別に楽しい酒を誰かと飲んだというわけではない。
何の飾り気もないこの部屋で、買い溜めしてきた酒をひとりで飲んでいただけのことだった。
あの街から逃げ出して数日、怖くて、テレビを点ける気にはならない。
自分はやはり殺人を犯してしまったのだろうか。
ノックの音がした。
320 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 18:36:05 ID:iwUNYOIr
下平京子は一瞬びくっと身じろぎ、そろそろと出入り口へ向かった。
「湯川さん…私怖かった…!」
言うなり下平が抱きついたこの初老の男こそ、極東エンタープライズ・専務取締役の湯川秀樹である。
「大丈夫。よくやってくれたね。これで、今までのあの会社での裏取引全てはあの男が背負いこんでくれたわけだ」
「昔な、シュレーディンガーという男がおってな」御大は遠くを見つめる。
「不思議の国のアリスの、アリスを手に入れようとしたんや。そいでなヒットラーに近づいてな、向こう側の世界への入り口を作ろうとしたんや」
御大は煙草を取り出した。確か禁煙しているはずだと忠夫は思った。それも50年前に。
「ロリコンの執念は怖いな。作ってももうたんや。ベルリン大学に」
「ここだけの話や」御大は声の小さくする。「彩は”アリス”や」
合掌。チーン。
私が死んでも代わりはいるもの
そう高島彩は一人だけではなかった。フジテレビの司会をしている高島彩もいるし、
現場中継をする高島彩いるのだ。(
>>280参照)
こんなこともあるかと香川の妄想によって高島彩はクローン化されていた。
死んだ高島の魂は別の高島に受け継がれていったのであった。
323 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/13(土) 21:59:55 ID:iwUNYOIr
とある週末の夕刻、都内某所の酒場「みずの」の二階に高島彩の姿があった。
相席の男はベニス一郎である。『使命』が告げられるのだ。
324 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 06:02:46 ID:/Qwb2Pa4
「AKB48に入ってもらう」ベニス一郎は有無を言わさぬ強い口調でそう言った。
「わ、私がですか!?」目を白黒させる高島。
「うむ。そうだ。何か問題でもあるのか」
「だって私けっこうな歳だし、だいいち私が入ったら48じゃなくなるし。49人にな」
「うるさい、うるさい、うるさい!」途中で言葉を遮ってベニス一郎はカウンターをドンと叩いた。「これは命令だ!従え!」
325 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 12:51:23 ID:qiGzID3O
しょうがないので不承不承ながらも手続きをしてみたところ、何故かあっさり受理された。
(人知れず1人放逐されたらしいが、関係ないので省く)
そして、たった1週間で人気トッブの座に登り詰めた!
326 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 14:37:14 ID:Ci3cWDtl
その週末の夕刻、酒場「みずの」の二階に再び高島彩の姿があった。
相席の男はベニス一郎である。
「さすがだな。冗談のつもりだったのにホントになっちまうなんてな。しかも人気ナンバーワンとはな」
「もう気はすんだだろう?では、今度は本当に今回の使命、標的を聞かせてもらおうか」
「一週間でAKB48のトップに立てた。この事実が、お前の背後の強大な後ろ盾の存在を物語っているよな」
「・・・」
「ベルリンがお呼びだ、彩」
「お前、どうしてそれを?」
「50年前のある実験のレポートが今、西側諸国で話題になっているのさ」
「場合によってはここで殺すぞ」
「ぎゃあああああああああ」
329 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 22:18:06 ID:qiGzID3O
「冗談こいとる場合とちゃうでぇ 忠男ー」
と言いつつ車でピンポイントに踏み潰して登場したのは西高島家のコロ助だ。
ベニス一郎と名乗って指令を与えていた忠男の行動で、『計画』が遅延する事をおそれた黒幕の差し金により現れたのだ。
そのまま彩が何か反応する前に車に押し込み、反対側の壁をぶち破って目的地へと急行した!
330 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/14(日) 22:51:07 ID:Ci3cWDtl
どこへ向かうのか?…そして死んだはずのコロ助がなぜ…?高島彩が状況を掴みかねているところへ、コロ助が口を開いた。
「クフフ…どうした彩。お前らしくもないな…。オレだよ。ベニス一郎だ」
コロ助の覆面を脱ぎ去ると、正真正銘ベニス一郎の顔があった。
すると、さっきまで相席していた男は…?
「ヤツは西高島家の参謀・高島忠夫だ。ついに奴ら、本腰入れてお前を消しにかかったようだぜ」
331 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/15(月) 06:15:41 ID:wy1t5zKg
「あははははは」と、とつぜん彼女は笑い出した。
「な、なにがおかしい」少しばかり狼狽えた表情を浮かべるベニス一郎。
「本物の高島は今ごろ日本を出ているよ」
「なんだと!?」
「私は高島の影武者さ」そう言って彼女は高島の覆面を剥いだ。
壁があった時の方が良かった、とカールは思った。
あの時は適当に仕事をしている振りをしていれば、決して高くはない、給料が無条件でもらえた。
共産主義でもファシズムでも俺みたいな人間には関係ない。仕事があって金がもらえればそれでいい。
壁が震えた。床が振動している。何かが起動しているような音がしている。徐々に高くなっているようだ。
あの部屋はずっと閉鎖しているはずの部屋だ。噂だと50年間ずっと。仕事の終わりを告げる鐘がなった。カールは考えるのを止めた。
高島の覆面をとると、下平京子の顔がでてきた。
「でも、これも本当の姿ではないのよね」
「なっ、なんだってーーっ」MMRのように驚くベニス一郎。
謎の女は、下平京子の顔を剥ぐと、天使みほが現れた。
「あるときは高島彩、あるときは下平京子、その正体はこの天使みほだったというわけよ」
「なっ、なんだってーーっ」またMMRのように驚くベニス一郎であった。
334 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/15(月) 13:11:39 ID:HwnrAyn+
あまりにも驚いたので運転を誤り、どこかよくわからない建物へと突っ込んだ!
程なくしてガソリンに引火し、盛大に爆発したため運転手と巻き添えになったどこぞの男(カールという名らしいが関係ないので省く)は丸焼けになった。
どうやったのかは不明だが、みほ一人は無傷で脱出していた。
335 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/15(月) 16:08:02 ID:YQpxvZ0p
そう、天界から罰を受けたのはみほではなく高島だったのだ
336 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/15(月) 18:09:55 ID:Nx1cKLH5
西暦10,000年。
地球は滅びようとしていた。
337 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/15(月) 23:55:21 ID:HwnrAyn+
……というオープニングの映画撮影現場にエキストラとして潜り込んでいた高島の身に、理不尽な災難が訪れようとしていた。
338 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 00:04:53 ID:d4NKMeo5
ブラックホールが地球を飲みこもうとしていたのだ。
ブラックホールというコードネームで呼ばれるそれは、
340 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 12:11:30 ID:m/gVjXgw
ヒクヒクと蠢き、粘液でそのめくれあがったビラビラを光らせながら物欲しげに侵入者を待ち構えていた。
341 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 13:27:35 ID:ViLJcLLU
勿論目薬の事である。
どういう期待をしてたかは知らんが、中でも特に高島がひどく落胆していた。
342 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 14:55:53 ID:m/gVjXgw
肩透かしを食った高島は火照った体を鎮めるべく、夜の六本木へ向かった。
343 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 16:01:22 ID:f5sEHSYz
夜の街を独り歩く。
コートを着てくるべきだと後悔し始めていた頃、青白い発光物体が頭上に現れた。
その物体は下降してくる。
「課長、課長」
下平だ。
344 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 16:12:11 ID:jz6Lt//y
今度は私の妻もいっしょである。
二人は飛行物体の下部から光のスロープを降りてきた。
私に詰め寄る。「さあ、ハッキリしてちょうだい!どっちを選ぶのよ!」
下平と妻は鬼の形相だ。
「もう時間がないねん」
「?」
「ループしてんねん。これは前兆や」
御大は煙草を揉み消す。
「彩を、アリスを始末せんと」
346 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 20:43:48 ID:m/gVjXgw
業を煮やした下平がガードレールを踏み台に跳躍し、妻の喉笛目掛けて強烈な膝爆弾を浴びせる。
不意をつかれ、アスファルトに後頭部を強打した妻の顔面をヒールのかかとで粉砕しようと迫る下平。
しかし妻は素早く下平の股ぐらに潜り込み、肩車の体勢から後ろに倒れ込む。
今度は下平の後頭部が電柱から突き出たボルトに激突し大量の血飛沫が吹き上がった。
347 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/16(火) 23:01:58 ID:oLkOyQbb
その時、目が覚めた
348 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 00:21:55 ID:0T8SSAlW
「……なんて夢だ」
ボッタクリバーで有り金全て巻き上げられ、挙げ句の果てにゴミ捨て場へと打ち捨てられた高島はそう吐き捨てた。
見ると東京の空はもう明け始めていた。
カラスが、えさ場に横たわる高島を遠巻きにしながら朝のごみあさりを始めている。
350 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 02:17:41 ID:w+hBwZm8
そんな夢をみた朝に限って靴下が見つからないのはなぜだろう?
その理由を探しに、男は旅に出た。
しかしそれが、人類に隠された巨大な陰謀を暴く旅になるとは、この時は予想だにしていなかったのだ。
裸足に革靴を履いて電車の椅子に座っている高島は女子高生たちのエジキになっていた。
キモイ、という言葉があちらこちらで飛び交っている。
高島は体の芯が疼いてくるのを感じていた。
「もっと、もっと」
高島は思った。
女子高生たちに視姦されている。
ゾグゾクし、股間がイチモツがどんどんもっこりしていくのであった。
そこで高島は気がついた。
「あれ、俺いつのまにか男へ戻っているぞ」
思わず射精した。
354 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 09:17:48 ID:Tltj8zXz
射精の余韻に浸っていると、青白い発光物体が頭上に現れた。
その物体は下降してくる。
「課長、課長」
下平だ。
355 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 09:21:37 ID:0T8SSAlW
そんな事をしたものだから、臆面もなく女子高生に混じっていたみほに変質者として警察へ突き出されてしまった!
356 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 12:25:07 ID:w+hBwZm8
警察でさんざん絞られてやっと解放された高島。
とりあえずみほに復讐する事にした。
わたし
みほ
今お風呂
ていうーか
タカシマが壁をこわして家宅侵入してきたーっ
358 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 14:10:37 ID:Yuqh/3Qb
高島「何が家宅侵入だ、ここは俺の家だ」
みほ「わたしたちの家でしょ、ループの作用でやるおも生き返ったしまた一緒に暮らそうよ」
359 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 14:55:11 ID:w+hBwZm8
高島「ことわる」
ビチャビチャに濡れたタオルでみほの背中を激しく打ち据えた。
360 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 17:51:20 ID:pNLsckOO
高島は濡れタオルで執拗にみほを打ちすえ、浴室まで追い込んだ。
泣き叫ぶみほ。しかし、この部屋は防音設備がいき届いている。声が漏れる心配はない。
「いひひひひ」口の端からヨダレの糸を引いて高島は濡れタオルをさらに高く振り上げた。
――と、みほの背中に赤い一筋の線が走るやいなや、そこから真っ二つに割れていく。
みほの中では別の生き物が蠢いていた。
「監督」
「マー君」
「いつの間にかここに転送されたな」
「転送ってスタートレックじゃないんですから、監督」
「マー君、里田まいとはどーなんだ?」
「監督、僕たちラブラブっす。なにか問題でもあるっすか?」
「そっそうか……、試合などに影響さえでなけば俺はかまわんのだが」
一方、みほの中では。
みほの体をやぶってでてきたのは、なんと里田まいだった。
次回、里田まい篇へ突入
「…ふう、出来た」
下平京子は、書きあげた原稿に目を落とした。
500枚を超える大作だ。
明日、ポピラ社の編集者にこれを読んでもらおう。
364 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 23:35:03 ID:pNLsckOO
みほの原稿を読んで担当者は目を見張った。
「す、すばらしい!」テーブルをどんと叩いて立ち上がる。「直木賞、いや、ノーベル文学賞ものだ!」
みほの肩をつかんだ。「主人公が天使の微笑みを浮かべて馬から落馬するところとか、二人が向かった先は地元でも有名なスーパーに足を踏み入れたところとか、君はまさに天才だ!」
きょとんとするみほをそのまま回れ右させて部屋の外に押し出す。
「こんな大天才はうちじゃ、もったいない。他を当たってくれ!」
365 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/17(水) 23:37:09 ID:pNLsckOO
>みほ×
京子○
下平京子は公園のブランコに腰掛け黄昏れていた。
「はぁ、自信作だったのに、私って才能がないのかなぁ」
「お嬢さん、才能ってのは無いのなら、無理矢理でも掴み取るもんなんやで」
京子はびっくりした。さほどはっきりとした声を出したわけではなかったのだが。独り言を聞かれたはずかしさとで、おそるおそると声の主へ振り向いた。
京子の左横に香川が立っていた。
「どうでっかーっ、ワテの超能力でアンタの才能を開花させてあげましょかーっ」
367 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/18(木) 00:46:24 ID:kDWcx3ei
香川の自信に溢れた物言いはさて置き、右手に握られた奇妙な物体―透明なサボテンに似て、グニグニと生き物のように蠢いている―が気になって仕方なかった。
368 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/18(木) 01:47:32 ID:2bw6nqpT
事の顛末を話せば長くなるのだが、下平京子は
22年の間、何となく守り続けてきた処女をこの夜、香川に捧げた。
そして、香川の能力によって、ものの数十分で妊娠し、元気な女の子を出産した。
さらに1時間後、その子は17歳の美女に成長し、なぜかすでに、ブレザー、ミニスカートの制服を着ていた。
京子はというと、香川の能力で処女に戻った。
娘は、香川によって「みほ」と名付けられた。
みほは、身体こそ17歳の女子高生だったが、その精神は生後1時間の乳児なみだった。
「何時間経ったのだろうか、否、何日経ったんだろうか」忠夫は御大を前に考える。
御大は相変わらず重々しい口調で忠夫に語り続けている。
忠夫はふと、ここに来る前のことを考えた。
思い出せない。どう考えてもここに来る前のことを思い出せない。
「俺は誰だ?」忠夫は語りつける御大の前で形容しがたい恐怖に襲われた。
372 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/18(木) 11:02:00 ID:Wwt95/hU
「……話はそれだけだ」
やっと御大の話が終わったようで、忠夫は内心ほっとした。
しかしそう思ったのも束の間
「ナオ秘密保持ノタメ、コノ指令ハ自動的ニ消滅スル」
そんな機械的な音声と共に、御大を中心に壮絶な大爆発をひきおこした!
それは核爆発だった。
ここのところ御大はちょっとボケが入っていて、
ウラン爆弾とプラスチック爆弾を付け間違えてしまった。
かわいそうな忠夫、たいした活躍もしないうちに、
老害によって西高島家組員一万人ともどもと灰となってしまった。
御大も護衛を失い、東高島家に雇われたゴルゴ十三に射殺されてしまったのであった。
374 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/18(木) 21:40:19 ID:GnikAJCT
御大と忠夫の死に世界中が狂喜した。
あらゆる国々で夜通し祭りが行われ、御大と忠夫が死んだ日は世界共通の祝日と決められた。
人々は武器を捨て戦争さえもなくなった。
日照り続きの地には恵みの雨が降り、豪雨にみまわれていた地には光が。
それはまるで神の祝福のようであった。
375 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/19(金) 00:01:47 ID:FEjNPWYq
『祝福の日』だからとクラスメートたちは連れ立って街で楽しんでいるのだろう。
それに引きかえ僕は
僕はどうしてアリなんだ。
目が覚めると僕はちっちゃなアリになっていた。
起きると先輩アリに叱咤されてエサを探しにいく。
途中でクラスメートたちに出会った。楽しそうなクラスメートをみて、このカフカ的な理不尽な状況を呪った。
どうしてアリなんかにならなきゃいけなんだ。僕がいったいなにをしたんだ。
「たまたまですよ」
声がした。
「誰だ?」
「私ですか?神ですよ。神」
「!」
378 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/19(金) 09:01:54 ID:VcO+Wyh8
「…よし、今度こそ面白くなったと思うぞ!」
下平京子はトントン、と机の上で原稿用紙を揃える。
編集者に絶賛される夢想に浸り、口元を緩めてしまう京子である。
379 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/19(金) 10:16:31 ID:qBmYE/15
郵便局の角から下平京子の姿が現れたとたんポフラ社はパニックに陥った。
下平京子は小脇に分厚い封筒を抱えて嬉々としながら歩道をこちらへ向かってやってくる。
「うわああああああ。またあの女だ!」以前、京子の原稿を読んだ編集者は目をかっぴろげた。
編集長がすばやく皆に指示を出す。「窓のカーテンはしめてドアの鍵をかけろ。電話の受話器は外しておけ。何も喋るな。音を外に漏らすな。居留守を使うぞ!」
階下からは、はやくも受付嬢のものらしき悲鳴が聞こえてきた。
結局、根負けしたのはポフラ社の方であった。
7時間も閉じたドアの前で立ち続ける下平京子に編集長が音を上げたのだ。
「た、田村、お前が相手してこい」
気の弱い中年の編集者、田村勉が今回の貧乏くじを引かされた。
狭い事務所の応接室で、下平京子は得意げに分厚い原稿用紙をズズイ、と差し出す。
一枚目に、大きく小説の題名が記してあった。
「2Q87」
田村は己の運命を呪い、天を仰ぐ。
「やれやれ」僕はナフタリンの匂いが付いたダッフルコートがこの気候に少し似つかわしくない事に悪態をつきながら言った。
鼠は相変わらず不機嫌そうだ。コルトレーンのサクスフォンを吹くときの指使いみたいにイライラしている。
「気にする事はないさ」Jはそう言ってビールを差し出した。
「全く、ここは大した所じゃないな、キズギ」
僕はそう呟いた。「キスギ、お前のいる所はどうだい?」
382 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/19(金) 22:15:25 ID:FEjNPWYq
彼はリセッシュの匂いが
383 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/19(金) 22:31:08 ID:FEjNPWYq
彼はリセッシュの匂いが付いたセーターが愛人との蜜月の時間を想起させる事にワクテカしながら言った。
なつみは昨晩は特に上機嫌だったな。ジミ・ヘンドリックスの指がギターの指板上を縦横に這い回るようにカラダ中をくまなく…
「もう我慢できないよ」
そういって枕元の避妊具に延ばしかけた手を
「直にしていいのよ」
彼の動作をさえぎり、騎乗位の姿勢でまたがり、挿入してきた。
「ねえ、生のアソコの具合はどう?」
「すごいや、まるでミミズ千匹… んっ?」
彼がそのとき感じたのは、
双子の女の子のことだった。
Jが気が向いたときに作ってくれるギムレットみたいに冷たく晴れた11月の空の下、僕は双子の女の子に会った。
「ねえ」双子の女の子の片方が言った。
「あなたは何をする人なの?」もう片方の女の子もそのことを知りたそうだった。
「大した事はしていないよ」僕は空を見ながら言った。そう言えばJのギムレットを何年も飲んでいない。
(初期の村上春樹でしばらく続けないか?)
387 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/20(土) 09:10:54 ID:+yWGBnkW
そういや、そんな短編を書くスレがあるよな…。
信号が変わったのに右折車のせいで進めない。そんなに右折したいのかよ。
クラクションを鳴らしかけて、やめた。
後部座席の双子がミラー越しに微笑んだからだ。
「くすくす」双子の女の子は不思議の国の猫みたいに笑った。
「どこかに案内してくれるのかい?」僕はミラー越しに聞いた。
双子の女の子はデザートイーグルをバックから、よくあんな大きな物があんな小さなバックに入ると思う、から取り出した。
「地獄へよ」
形而上的にツイていない一日の始まりだった。
やれやれ
「それで、どうやったらその地獄とやらへいけるんだい?まさか、ここが地獄ですなんてご丁寧に標識があるわけじゃないんだろう?」
僕はため息まじりに双子にきいた。
「交わるのよ。」双子はひどく無機質な声でこたえる。
「交わる?ずいぶん暗喩的だ、もう少しわかりやすくおしえてくれないかい?」
「交わるのよ、私たちと。」
「君たちと?それはきっとなにかの暗示なんだろう?まさか、実際的な意味を持っているわけじゃないんだろ。」
僕らの乗る車を後ろから沢山の車が追い抜いてゆく。重たそうな雲が悩ましげにたち込めている。
僕は車を止め、双子の顔をまじまじとながめ、再度確認する。
「僕はきみたちと交わる?」
「そうよ。」双子の表情にはなんの戸惑いも見られない。
「それは決してメタフィジカルなものでもなくとても実際的なことだ、間違いないんだね?」
「ええ、それはひどく実際的で、きわめて現実感を帯びた行為なの。」
「そうすることで僕と君たちは地獄へゆく。それは避けられないし、もう決まっていることなんだね?」
「ええ、けれど地獄へ行くのはあなたひとり。私たち二人はあなたを地獄へ送るだけ。」
やれやれ
とんでもない話だ、僕はこの双子と交わる、そして地獄へ行く。もし地獄で「貴様はどうやってここにきた?」って閻魔様に尋ねられたら僕はなんと答えればよいんだろう?
「はい、閻魔様、私は双子の二人と交わってここにきたのです。」
ずいぶん冴えない話だ、ジョークにしてもひどすぎる。
私は魔法の靴を履いて踵を鳴らしながら唱えた
「セガサターン、シロ!セガサターン、シロ!セガサターン、シロ!」
「どぉりゃぁぁぁぁぁぁっ!」
壁をブチ抜いてせがた三四郎が現れた
「行けせがた、こいつらみんなブチのめせ!」
391 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/20(土) 22:25:35 ID:+yWGBnkW
せがた三四郎というのは屈強な武道家を模したキャラクターである。
しかし、今目の前に現れたかれは何かに怯えるように小さくうずくまり、ぶるぶる震えながら辺りを見回している。
身に着けた柔道着の白さといい、さながら群れをはぐれた羊のようだ。
「寒いよー寒いよー」その羊もどきは震えていた。
そう言えば、〜「羊をめぐる冒険」参照〜、だったな。
「鼠、君だろ?」
「久しぶりだな」
「自殺したと思ってたよ」
「ふりをしただけさ」
こんな展開になるなんて、村上春樹もびっくりだ。
やれやれ
393 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/21(日) 07:14:22 ID:qXhoIcxR
………何だこの内容
田村は絶望した。
まだ二割も読んでないというのに、頭がおかしくなりそうだ。
心底逃げたいと切望してはいるのだが、応接室に閉じ込められているこの状況ではどうにもならない。
394 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/21(日) 08:24:44 ID:mpHgCToJ
「ではあなたが面白いネタを振ってください」
女の声が聞こえ、田村の首筋に刃物が押し当てられた。
「私はこのパターンを快く思わない者からあなたを消せとの使命を受けたのです」
395 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/21(日) 10:30:57 ID:hW8fgwNi
田村は、身体の弱い妻と、今年中学生になったばかりのひとり娘と、
それからあと25年残っている家のローンのことを思った。
平平凡凡にしか生きられない自分だが、それでも一家の支柱である以上、まだ死ぬわけにいかない。
「ま、待ってください、下平さん、妙案があるんです」
喉に突き付けられた刃の圧力が、わずかに緩む。
「馬鹿め、風下に立ったがうぬの不運!」
田村は自身の意思で体内の男性ホルモン(通称:漢汁)を自在に出し入れできる
そして気化した漢汁を吸った女性はみな色狂いになってしまうのだ
「はぁぁん…」艶っぽい声を出しながら服を脱ぎはじめる女
さあ、■■■の始まりだ!(ナレーション:政宗一成)
と、その時であった!
「この女は食べられないよ。偽者だ!」
男の声が聞こえてきた。彼は後ろを振り向くと、絶句した。
「あ、あんたは……」
「美食倶楽部の山岡士郎だ、そして、俺の隣にいるこの男は」
士郎の隣を見やると、肌が白く、長髪の黒い西洋の鎧に身を包んでいる男がいた
「私は、メルニボネのエルリックだ。永遠の戦士の一人さ」
と、黒い剣「ストームブリンガー」を手にかけた
悶える下平京子の後ろから、初老の男が現れた。
「お、おまえは海原雄山!」
「士郎よ。メルニボネのエルリックを連れて来て悦に入ってるんだろが、
しょせんそんなものはまやかし、本物のファンタジー・サーガじゃない」
「エリルック・サーガは40年以上つづく立派なファンタジーなんだぞ、
なにを根拠に本物じゃないというんだ」
「だからおまえは三流なんだよ。未だに洋物のサーガに頼ると嘆かわしい。
漫画やアニメの分野おいてもう世界基準となってきているのに、
メルニボネのエリルックを輸入してくるとはおかしいわい。
ファンタジーは未だに日本は西洋から脱して無いと言っているようなものではないか」
「じゃあ、あんたは日本には世界に誇れるファンタジー・サーガがあるといいたいのか?」
「そうだ」
「そんなものなどあるか。あのドラクエだって相手にされなかったジャンルなんだぞ」
「ふふ、あまいな士郎よ。だからおまえは未だに三流なんだよ」
「じゃあ、みせてみろよ」
「いでよ、日本が誇る伝説のファンタジー・サーガ」
海原雄山の背後から、豹頭の仮面を被った戦士が現れた。
そう、グインが登場した。
「いまは亡き栗本薫先生を忘れたとは言わせぬぞ、士郎よ」
「あああ……盲点だ。なんてことだ日本人のほとんどはグインから出発したんだった。
そして英語版だけでなくフランス、イタリア、ドイツ、ロシア、韓国にも……」
「そうだ、わかったか士郎よ。グイン・サーガシリーズは累計3000万部以上だぞ、
それにくらべてエリルック・サーガの知名度なんて……。
これでおまえが無能だということが、よーくわかっただろ」
「くそうぅぅぅ」
ごみん、タイプミス エルリックでした。
400 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/21(日) 22:55:17 ID:mpHgCToJ
パチリ。有線のスイッチを切り、饒舌なDJのトークが止むと、店内は静寂で満たされた。
店長である私とパートの下平二人きり、やるべきことは一つ。
レジにもたれた下平はエプロンを脱ぎ、私は彼女の白いブラウスのボタンをはずしてゆく。
ドラッグストアに働きに出る主婦にしては、妙に色っぽい柄のブラジャーに包まれた小ぶりなバストを揉みしだく。
私は、頬を染め恥ずかしさに顔を背ける下平の耳に熱い息を吹き込んでみた。
401 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/22(月) 01:18:55 ID:xNWvX+rW
猫のような声を出して身をくねらせ、私に背を向ける下平。
私はブラウスを剥ぎ取り、下平の乳房をブラジャーの下から手を強引にねじ込んで握り締めた。
わざと潰れるほど力を入れてみたり、乳首を強く引っ張ってみたのだが、この女、虐めれば虐めるほどに感じるようだ。
狂ったような大声を上げて感じ始めた。
「うぉぉぉぉぉーー」
下平は雄たけびを上げた。
その瞬間、下平は炎に包まれる。
そして下平は巨大化した。
グレート下平の誕生である。
「ダッダーン!ウリャー!プルプルプル!アーアアーッ!」
謎のパフォーマンスを繰り返すグレート下平
同時刻:札幌市
突如大地を割ってビルの谷間に出現する身長57メートル体重550トンの巨体
グレート下平の呼びかけに答え七万五千年の眠りから目覚めたヒグマドンである
404 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/22(月) 09:46:00 ID:CPL5fT3W
「これまでの小説って著者が自分で自分を縛っているんですよね!」
メガネを外し、こめかみを抑えている田村が休憩しているだけと思ったのだろう、
下平京子は得意げに己の文学観を語り始める。
「恋愛なら最後まで恋愛、SFなら最後までSF、ミステリーなら最後までミステリー…
でも、それって違うと思うんです、人生ってそんな割り切ったものじゃないでしょう!」
田村は微動だにしない。
「私の小説は違う!時の流れも空間も国も人種も、すべての規制と常識を飛び越えて!」
「そう、あたかも極彩色の朝焼けの雲海に一輪の真っ白な薔薇を見つけた少年と少女の交わりのように!」
「私の物語に涙する人々、ひとりひとりに、自ら考え、そして行動して欲しいんです!」
405 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/22(月) 09:46:13 ID:irJpk59d
「ウオオオオーーーー!!! アッーーーーー!!!!」
「ウェエエエアアアアアッーーーーーーーーー!!!!!」
東京で邂逅を果たしたグレート下平とヒグマドン。
彼らは出会うなり激しい交尾を繰り広げた。
ヒグマドンの余りの腰を振る速さで発生したソニックブームがスカイタワーをなぎ倒し、
グレート下平は快楽の高まりによって口から巨大なビームを射出。東京二十三区をなぎ払う。
「What,s crazy Japan!!」
米国、オバマ大統領は日本へ向けた核発射ボタンを握り締めていた。
中国、ロシアも同等である。
これだけの核が日本へ落ちれば、日本は焦土と化すだろう……。
406 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/22(月) 09:48:52 ID:irJpk59d
>>406 こちらこそ失礼!しかしこれはこれで、悪くない流れかとw
全世界が確信していた。日本の死を、誰もが信じて疑わなかった。
しかし、その国だけは違った。
その国だけは、日本を手助けした。
災厄の渦中にあった日本に、救いの手を差し伸べた。
その国の名を、北朝鮮と云う。
噂によると、謎の人物からにんにく卵三十年分で買収されたらしいが、そんな事はどうでも良い。
彼の国が採った手段とは……
日本沈没作戦だった。
小松左京のSF作品から構想をえて、こつこつと日本の地下を改造していた。
放射能さえなければいいんだ。日本人なんていらないという鬼畜な救出方法であった。
日本は被爆はしなかったものの、日本人のほとんどが水死してしまった。
キムは核攻撃が止んだころあいを見て日本を浮上させたのであった。
411 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/22(月) 17:28:04 ID:EeKsqq+l
と、なるはずだった!
が、日本全域に結界が張られていて国民皆無事であった
香川「何とか間にあったな、日本の恐ろしさ見せてやるよ」
香川が言うと共にゴジラ、ガメラ、ウルトラマンセブン、ジ・アースが現れた
更に一番最後に核の影響で融合した全長700mのグレート熊のプー下平が雄叫びを上げた
そして彩が覚醒した。
「ワタシ、アリス」
413 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/23(火) 02:59:30 ID:SLxrDXbT
そして高島彩が大きく目を見開くや否や、渋谷駅を中心に道玄坂、スペイン坂辺りまでが一気に消し飛んだ。
香川「おお〜う、派手にやりおったのう。ワシが筆おろししたあの店もきれいさっぱり消し飛んでしもうたわ。わははは」
その様子を二つの塔より見下ろしている男がいた。
男は目を、癖なのか何かの病なのか、閉じたり開いたりしながら、ほくそ笑んでいる。
男はソファに座った。
誰にでも分かるぐらい上等な生地を使って仕立てたスーツが撓る。
415 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/23(火) 18:32:29 ID:I/II7jKm
『 ――北朝鮮が韓国に砲撃、対する日本の動向は―― 』
男のイヤホンから音が漏れる。ラジオのニュースのようだった。
「ああ、もう始まってしまうのか」
憂えるような、表情をする。笑みはしかし絶やさない。
「世界の終りが」
男が呟いた刹那、彼の視線の先で爆発が起こった。 PM 8:03
416 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/23(火) 18:42:59 ID:SLxrDXbT
香川「よう、高島。オレだよオレ。ひさしぶりだな」
焦土となった渋谷〜原宿へと歩を進める高島彩に脇から声をかける香川照之。
高島彩「香川か。お前には悪いが俺はもう我慢ならん。ベトナムの戦災孤児だった俺を拾い育ててくれた小父、いや高島様の恩義に報いるためにも身勝手な人間どもを抹殺、戦争を阻止せねばならん」
417 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/23(火) 18:49:32 ID:I/II7jKm
そして、電話が切れた。つー、つーという音が、香川の耳に空しく響いた。
香川「……高島……」
はかなげな声音は、爆発の音によって掻き消された。
高島は電話を切ると、空を仰いだ。
「ああ……星がきれいだ」すっと、目を細める。
高島は白銀の翼を広げ、空へと飛翔した。
男は久しぶりに、確かこの前は弟が亡くなった日だ、涙を流した。
「始まったか・・・・」
そして男の、誰もを振り返らせる笑顔を生まれたときから物にしている、弟の名前を呼んだ。
「始まったよ、裕次郎」
男の後ろで女が言った。
「計画通りよ」
419 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/24(水) 17:34:24 ID:IQX1t5Qv
糸冬
────────
制作・著作 犬HK
420 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/24(水) 17:36:08 ID:awkoiZQS
男は涙をぬぐうことなく、女を見やる。下平京子がそこにいた。
「……本当に、計画は成功するんだろうね?」
疑心暗鬼に満ち満ちた声音で、男は問う。
「安心しなさい」女は胸を張った。「必ず成功して、そして、貴方の弟は帰ってくるわ」
男は小さく、そうか、とだけ返答した。胸の中に立ち込める不安は、なくなることなく広がっていく。
香川は空を見ていた。
はるか上空には、彩の姿。翼を広げた姿で、空を泳いでいる。
「……必ず」噛みしめるように、香川は漏らす。「必ず、帰ってこいよ。彩」
同時刻、米軍が動き出した。
日本には幼い頃、母親に連れられて行った事があった。
ダイブツという巨人が座っている像を見て、アイスクリームを食べた。
そのアイスクリームは緑色していて舐めると彼の知らない味がした。不味くは無かった。
「これで良いのだろうか?」
「博士のレポートはお読みですよね?大統領閣下」
確かにあの世界で一番有名な物理学者、モジャモジャ頭のユダヤ人の書いたレポートはホワイトハウスに入った初日に読まされた。
それもMITの腕っこきが3人付きっ切りで。
これは夢だ。夢の中、自分はそう気づいていた。この世界は虚構の世界。幼いころの記憶の焼き直し。
「もちろん読んださ」
自分は簡潔にこたえる。
アイスクリームをなめる。日本のマッチャという味なのだと、母は言っていた。
上からの視線を感じて、自分はアイスクリームから顔を上げた。
ずぅんとそびえるダイブツが、自分を見下ろしているような、気がした。
各国が臨戦態勢に入っていた。
しかし上空を飛ぶ化け物たちは、未だ攻撃する気配を見せない。
「……何が目的なんだ、奴らは」
英国の空軍に所属する大佐は、誰にも聞こえぬ声で呟いた。
ダイブツを見た後、自分はナラという街を見て回った。
もうすぐ終りだね、彩が小さく見える。
オレは思わず君を、抱きしめたくなる。
オレ等は自由だね、いつかそう話したね。
まるで今日のことなんて、思いもしないで。
さよ奈良。さよ奈良。さよ奈良。
もうすぐ外は白い冬。
愛したのはたしかに君だけ、
そのままの君だけ。
424 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/24(水) 23:31:21 ID:KKjTzhN9
「シッカー・センペイ?」
母は、舌を噛みそうな名前の薄っぺらいクッキーを僕に手渡した。
それを公園に放牧された鹿に与えようと手を伸ばしたのだが、鹿はクッキーに目もくれず僕の耳を舐め回したのだ。
みんなで腹の底から笑い転げた。幸せだった――
幸せの余韻のまま、鹿の首に手を回す。
鹿は静かに目を閉じた。正にこれからの運命を受け入れたが如く。
鹿はゆっくりと崩れ落ちた。
そしてその見開いた目をそっと閉じてやるのが、最後の優しさだったのかもしれない
さよ奈良。さよ奈良。さよ奈良。
もうすぐ若草山は白い冬。
愛したのは鹿の君だけ、
そのままの鹿だけ。
427 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/25(木) 15:46:26 ID:HraDGzSL
日本が世界に誇る古都、奈良は文字通り炎上していた。
大仏殿は紅蓮の炎に飲み込まれ、やがて土台を焼かれた大仏も火の中に崩れ落ちた。
鹿も、奈良公園も、伝統的長屋が建ち並ぶ平城町も、近鉄線奈良駅も、平城京跡も
斑鳩の里も吉野の桜も全て焼き尽くされた。
人々に逃げる間はなかった。奈良はわずか15分で完全焦土と化したのである。
開発コードネーム「Automatic-Yellow-Arm」、通称「AYA」は黄色に輝く羽を拡げ
次の目的地へ向かった。
「大統領閣下、現在日本は謎の計画AYAによって、徐々に焦土になりつつあります。」
「ふむ、それは大変だ。我が国の重要な基地である沖縄にも被害が行きかねない。
そして何より・・・・・私は熊本が好きなんだ。だから、これ以上侵略させるわけには」
「熊本?ああ、九州地方のですね。しかし、なぜです?・・・まあいいや。とりあえず嘉手納から偵察機を飛ばし、敵の状況を報告するよう指示しておきます。」
「わかった。・・・場合によっては"アレ"を使わなければならないかもな…」
その十分後のことである。
中国が陥落した、という知らせが、大統領の耳に届いたのは。
「武……」
ビルの屋上にたたずむ京子の隣にいる男……宏は、自らの弟の名を呟いた。
「お前のいない世界なんて、滅んでしまえばいい」
宏のイヤホンから、雑音にまみれた声が聞こえた。
『 ――中国 滅 で 首 北京 壊 ―― 』
大統領は重々しい口調で、部下に告げた。
「……“アレ”を用意しろ。今すぐだ」
部下は、はっ、と敬礼すると、そのまま大統領室を出た。
本当は政治家なんかなりたくなかった。新聞記者にも、だ。生まれた家が、たまたま人様よりも良い家だっただけだ。
取り巻きが400年くらい前からいた。彼らにも生活があった。彼は幼い頃から優しいかった。だから彼らに従った。彼に好きだった祖父の言いつけ通りに。
その結果、総理大臣になった。別になりたくもなかった。
「殿、殿、何処にお出でですか?」
「私はここにいるよ」
彼はため息をついた。
「熊本か・・・」
431 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/25(木) 20:02:49 ID:/qudbveH
「右往左往しておる。無理もない。しかし彩の目的はテロリズムでも計画的犯行でもない。」
そこまで言って初老の男は目を細め、窓際の椅子に腰掛けた。
「クリステルを使う時が来たのかもしれんの…。
おい、忠夫。滝沢博士に連絡を取れ」
忠夫と呼ばれた従者とおぼしき男は驚き、言葉を返す事ができなかった。
「“クリステル”…それは“アリス”の暴走を止める言わば非常弁。やはり毒は同じ毒を持って制さねばならん」
「えっ殿。しかし」
言い馴れない口答えのせりふが、忠夫ののどから声にならずに消えていった。
「なんだ」
「いえ。すぐに滝沢博士に連絡してまいります」
退去した忠夫が、廊下の向こうに消えていった。
433 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/26(金) 01:28:03 ID:y3YeWGcM
「御大の期待に応えられますること、光栄に存じます」
滝沢と名乗る老いた技師は“御大”の前に跪き、深く頭を下げた。
「“クリステル”は戦闘力において“アリス”とは互角かと。
決定的な違いは…」
薄曇りの空へと一筋の光が上昇してゆく。
「“クリステル”の感情素子にはモラルの概念をあえて与えておりませぬ。
…任務の遂行に要する非情さでは“アリス”以上…」
熊本城、地下30階、滝沢研究室
分厚いガラスの向こう側に女がカプセルに入っている。
黒い髪をした女で目鼻立ちに癖がある。純粋なアジア系では無い様だ。
女は目を閉じている。
「クリステル・・・・」
眠れる森の王女のようだ。七人の小人の代わりにコンソールが丁度7個、オレンジの文字を静かに光らせている。
435 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/27(土) 18:39:41 ID:Xkk31e7c
「動くコレを見るのは初めてだわ」
柱の陰から女の声が地下のホールに響く。
西高島家の血統にある女、礼子である。
「起動に時間がかかっておりまする。礼子様、何かご用ですかな?」
滝沢博士は顔を上げて礼子に問い返した。
それと同時に激しい爆発音と揺れが研究所を襲う。
「気づかれたようね。このままだと“彼女”が目覚める前に全員あの世行きだわ」
「ところで私たちはなにと戦っているのかしら」
ふと礼子は疑問に思ってしまった。
437 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/27(土) 23:34:58 ID:xIXiFojX
その言葉は禁断の、そして約束のキーワードだった。
すべての世界は消失し、世界は闇に戻った。
そして、数万億年の時間が経過したとき、ひとつの意思が生まれた。
彼は言った。
「光あれ」
438 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/28(日) 03:24:33 ID:MR8QjxWy
そう言って彼は100円ライターでタバコに火をつけた。
白い煙が線を描いて立ち上ってゆく。
ストーブの上のやかんがシュンシュンいっているが、この赤外線つき健康こたつの拘束力には抗い難いものがある。
傍らで寝ている猫はしっかりと目を閉じて眠っている。幸せな冬の朝の風景だ。
こたつの上にずっと放置されたままのインスタントコーヒーの瓶を彼は取った。
そして軽く舌打する。
コンビニエンスストアまでの距離を彼は考える。
しかしカフェインの甘い誘惑に彼は負けた。
そしてそこら辺にあるはずのコートを探した。
彼の名前は山田輝有【やまだ てるあり】。
壁にかかったコートを羽織ると、早速アパートのドアをあけた。
屋根無し階段ではカンカンと音を鳴らし、山田はネスカフェ・ゴールドブレンドを買いに行く。
彼は、これ以外のインスタントは飲まないと決めている。
住宅街の三叉路を曲がろうとしたとき、
パンをくわえた女子高生とぶつかった。
441 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/28(日) 10:45:55 ID:JYh9H2Kt
「ちょっと、気を付けてよ、どこ見てるのよ!」
尻もちをついた女子高生は、山田を見上げていきなり毒づいた。
ショートカットに切れ長の目。気が強そうだが、可愛いと言えないこともない。
走って角を曲がってきたこの子に非があるとは思ったが、それを言うのも大人げなかった。
「ごめんね、パン、落ちちゃったな」
山田は、女子高生の手を取って立ち上がらせる。
「ああ!ボク、もう間に合わない!」
腕時計を見た女子高生は悲痛な声をあげた後、山田に向かって言った。
「ねえ、自転車持ってる?」
442 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/28(日) 11:20:54 ID:mRGSDRiB
「ヌベヌユラャマならあるぜ?」
女子高生は「はあ、なにいってんの?」と呆れ顔をする。
「ああ、ごめん。フェラーリならあるぜ、と言おうとしたんだがロレツがうまくまわらなかった」
「フェラーリって、ウッソー! 本当に?」
「フェラーリと命名した国産車だけどな、それでよかったら乗っていくかい?」
「や、やめとく、送ってあげると言って、おじさんラブホに連れ込みそうだし」
殺意に近い不信な目を向けられた。
「ラ、ラブホっ! ははは……っ、キミってにべもないことを堂々と言うんだね。
悪いと思ったから車で送るつもり――」
「朝っぱからナンパするなんてサイテー。ここで叫び声をあげなかっただけでも感謝しなさいよ。
バーカ変態おやじ、一人でマスかいとけ」
罵声を浴びせると女子高生は逃げるように走り去った。道ばたにかじりかけのパンを残して。
よくみると生徒手帳らしきものが落ちていた。
山田はそれを拾う。
「二年B組の紺野瑞穂ちゃんかぁ」そして、ニヤっと笑みを浮かべた。
444 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/29(月) 17:11:46 ID:3TM2WFmg
「ねえ瑞穂。あの男の人、さっきから瑞穂をじいっと見てるよ」
放課後、校門を出ようとした所で、隣を歩いているクラスメイトの早瀬みのりが言った。
「…ん〜?男?」
そちらを見た瑞穂は、それが朝にぶつかったあの男だとすぐに気付いた。
「げっ!あのラブホ連れ込み男!」
「えーっ!瑞穂、ラブホに連れ込まれたのっ」
みのりが大声を挙げ、廻りを歩いている生徒たちが一斉にこちらを振り向く。
「…ば、ば、ばか、違うわよっ、大声で何言ってんのよっ」
そうこうしているうちに、男はこちらに悠然と近づいてきた。
「やあ。朝はどうも。待ってたんだ。これ、キミの落し物だよ」
そう言うと、山田は爽やかに笑って生徒手帳を瑞穂に差し出す。
「ところで、キミにお願いしたいことがあるんだ」
445 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/29(月) 18:07:26 ID:sSQy6iL0
「ヌベヌユラャマの生け贄となれ」
グジョッ!
山田の持っていたツルハシが振り下ろされ瑞穂の頭がカチ割れた
「ヌベヌユラャマはウザいガキが嫌いなんでね」
呟きながらヌベヌ教、教祖山田は本部に逃げた
が、まだ本部には信者はいない。いや、ヌベヌユラャマはそれだけの力を持っていない。
今のでちょっとの力が付いた。が、微々たるものでほとんど影響はない。
本部にいるのはヌベヌユラャマだけ。しかも姿を見せない。姿を知っているのは山田だけ。
山田が教祖になったのも、ヌベヌユラャマ初めて会い、命じられたからなのである。
半年後。
早朝の春日神社で、早瀬みのりが本殿の前にて熱心に拝んでいる姿があった。
目の前で紺野瑞穂が惨殺されてしまった。
一時期はショックで失語症までになった彼女だったが、強靭な精神力で回復した。
大勢の生徒が見ている中での事件にも関わらず、未だに犯人は捕まらなかった。
無能な警察などあてにしない、自ら手で大親友の仇を取ることを誓うのであった。
448 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/30(火) 10:20:45 ID:BWVsSYdp
最後に深々と礼をしたあと、腕時計を見ると6時50分。
早瀬みのりはそわそわした様子で辺りを見回し始めた。
間もなく石段を駆け足でこちらへ向かう足音が聞こえてくる。
スポーツウェア姿の若者が姿を見せ、鳥居をくぐって早瀬みのりに近づいてくる。
早瀬みのりは手荷物を賽銭箱の傍らに投げ捨て、若者に抱きつき唇を合わせた。
449 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/30(火) 16:36:35 ID:pHFNO4TV
「み、みのり!もう、おどかすなよ」
重なった唇が離れた後、若者は笑いながら言った。
「もう来る頃だと思ってたの」
みのりは若者への好意を隠しもせず、その首筋に抱きついたままだ。
若者の名は、坂上浩太郎。
この半年間、みのりの担当医だった24歳の青年である。
自分を立ち直らせようと奮闘する若き医師に、みのりが恋心を抱いたのは自然のなりゆきで
今は二人、固く将来を誓い合う仲であった。
微笑んでいた浩太郎は、次に表情を引き締めると言った。
「…そうだ。みのり、ようやく尻尾が掴めて来たよ。ヌベヌユラャマの」
450 :
創る名無しに見る名無し:2010/11/30(火) 20:20:38 ID:BWVsSYdp
それを聞いてみのりは一瞬我に返ったが、再び浩太郎の首に腕を回し唇を強く押し付け、離した。
「えへっ…」
みのりは照れくさそうに頬を染めながらスカートを脱ぎ、唖然とする浩太郎の目の前で全裸になってしまった。
息も白む寒気をものともせず、みのりは浩太郎の腕をつかみ賽銭箱の上で開脚してみせる。
「み…みのり…」
が、偶然ランニング中のおっさんに見られてしまった!
452 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/01(水) 00:30:20 ID:llX1pkYZ
だが、おっさんは優しかった。
「ふぉっふぉっ、若いオ○○コっていいのう〜っ、早起きは三文の得っていうが本当じゃのぅ」
人が通るとは思っていなかった二人は慌てて隠した。
おっさんはマジ顔になると、
「だが、ヌベヌユラャマ化しつつある山田輝有を倒すには、そんな浮ついた精神では到底無理じゃよ」
「ど、どうしてそれを!? 山田輝有を知るだけでもリサーチが困難だった情報なのに貴方は一体何者なんですか?」
半年がかって山田が犯人だと突き止めた浩太郎は驚いた。
「ワシが何者かと聞くのか若者よ? それはワシが新興勢力であるヌベヌユラャマ神のことを疎ましく思った一人だからじゃよ」
ここからは長々とおっさんと浩太郎との問答が続くのだが、行数の都合で省略。
早い話し、ランニング中のおっさんの正体は、春日神社の神様だった。
454 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/01(水) 00:50:25 ID:hq10Njbq
おっさんはくるりと後ろを向き、二人にはっきり聞こえる大声で、
「いやあー今日はなんてすがすがしい朝だろー。こんな素敵な朝は僕が独り占めしたいなー。
だから僕はここに立って誰かが来やしないかしばらく見張りをするとしよー」
と言い、後ろを向いたまま右手の親指を立てて見せた。
みのりは呆然とおっさんの方を見ている浩太郎の手を取り、羞恥心の為にかえって激しく濡れそぼった陰唇へと導いた。
「ヌベヌユラャマヌベヌユラャマヌベヌユラャマヌベヌユラャマ」みのりは呟いた。
浩太郎にはもう余裕が無く、みのりの声など聞いている場合ではない。やりたい盛りだから仕方が無いのだ。
しかしおっさんは違った。
「始まったか・・・・」おっさんは遠くを見ながら言った。何処を見ていたか誰も知らない。
456 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/01(水) 12:32:25 ID:hq10Njbq
ヌプヌプ濡婦濡婦…浩太郎の中指がゆっくりとみのりの膣に飲み込まれる。
外は寒いのになんと温かい事だろう。浩太郎は歓喜し、心持ち曲げた中指を出し入れしてみた。
みのりは小動物のような鳴き声をあげ、けだるそうに体をそらす。
真上を向いたお椀形の乳房の頂で縮れた桃色の蕾が小さく震えている。
浩太郎は右手でみのりの膣をかき混ぜながら、同時にその乳首を口に含んでみた。
何かが爆発した。
「リア充爆発しろ」
つぶやきにも似た声が遠くから聞こえてくる。
見ると、自分の腰から下が吹き飛んでいた。
459 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/01(水) 23:23:16 ID:hq10Njbq
恋する二人を守るため、自らを盾にして爆死したおっさんをよそに、浩太郎の愛撫によってみのりは絶頂寸前であった。
膣に出し入れする指がクチャクチャと音を立て始めると、浩太郎とみのりは顔を合わせて笑った。
挿入する指の数を増やし、ピストン運動を速めるにつれみのりの喘ぎ声も大きくなる。
「…はっ…あっ…!ああ〜〜…もう、ダメぇ…」
ガクンと力が抜けたように賽銭箱の上で寝そべるみのり。浩太郎の指をくわえ込んだ膣内がヒクヒクと痙攣している。イったのだ。
神社の祭壇の上で、女の悦びを極め、荒い息をつくみのり。
半開きの口から覗く八重歯は、「可愛い」と言われるみのりの少女の頃からのチャームポイントだが
もう、彼女の身体は、少女を卒業し、大人の女性の妖艶さを身に付けつつあった。
浩太郎としては、処女であったみのりを、ここまでに仕込んだのは自分だと言う喜びが大きい。
「あっ!もうこんな時間!…遅刻しちゃう」
時計を見ると、8時30分を廻っている。
みのりは恥ずかしげにパンツをあげると、セーラー服の乱れを整えた。
大人の火遊びはここまで。女子高生としての一日が今日も始まるのだ。
461 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/02(木) 23:49:57 ID:9MuXYdJ7
しかしそれはいつもと同じ一日ではなかった。いつものように学校へと赴き、いつものように教室の扉を開けるみのり。同日同時刻、NASAが全世界に向けてある一つの発表をおこなった。最悪の一日が幕を開けようとしていた。
重大発表は、恐るべき宣告であった!
「日本の首都にエルリックというメルニボネの帝国の王子が
来るようです。彼は白い髪と赤い目を持ち、魔術を使います
彼の目的は日本の政治を変えるそうです、続報は後日に伝えます」 ここで中継は途切れた。
日本の人々は知らなかったのだ。彼がどんな人物かさえも
それを知るのは後になる。
ヌベヌユラャマはほくそ笑んでいた。
「山田よ、いよいよ運命の日が来るな。」
「ええ。春日神社もあなたの言う通りにやりました。とりあえず一番危ない邪魔者は消えましたね。」
そのころ、2ちゃんねるのニュー速では…
「誰だよ、エルリックというメルニボネの帝国の王子ってw」
「アレだろ、なんか小説に出てくるやつ」
「どーせ、コスプレ厨かインチキ占い師だろw」
「NASAとか頭いかれちゃってんじゃね」
その頃、東京タワーの頂上には――
「くくっ 日本人よ 私がお望み通り来てやったぞ」
白い髪に赤い目の剣士であるエルリックが悪魔の様にほくそ笑んでいた。 そして、黒い剣を取り出し、上空に掲げ呪文を唱えた
「アリオッホ、アリオッホ 日本人の 魂と血を捧ぐ!」
空が暗くなり もやもやっと巨大な人の姿が現れた
「エルリックよ 久しぶりだな」
彼の目の前に消えると、エルリックは笑い声を上げた
「ああ、生とは何たる苦しみだ」
466 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/06(月) 01:11:02 ID:uH0vdUHa
「あっ!東京タワーの頂上に人がいるぜよ」
誰かのその声に、街はにわかにパニック状態に陥った。
ネットカフェの窓際のペア席で確かめ合っていた浩太郎とみのりもこの騒ぎに気づき、続々とタワー下に押し寄せる人波をじっと見守っていた。
すると、人混みからひとりの男が飛び出し、タワーによじ登り始めた。
仙石長官だった。
468 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/06(月) 16:33:14 ID:SBXE9aeP
その名前は禁断の、そして約束のキーワードだった。
すべての世界は消失し、世界は闇に戻った。
そして、数万億年の時間が経過したとき、ひとつの意思が生まれた。
彼は言った。
「光あれ」
どうしてこのICで下の道に降りたのか、鶴田には分からなかった。
高速が混んでいたわけでもなく、別にトイレに行きたいとか、腹が減っていたとかでは無い。
しかし途中では引き返せないので、鶴田はそのまま行く事にした。別に予定があるわけではない。
片側二車線の、ナビが名前を告げたが聞き漏らした、道路に入る。
メールを受信した、という着メロが鳴った。ハルマゲドンでエアロスミスが唄っていたものだ。
鶴田は目に付いたファミレスの駐車場にカウンタックを入れる。
470 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/06(月) 21:33:04 ID:uH0vdUHa
浅黒い肌と長身のせいで男にしか見えない、安物の香水がその容姿の奇特さに拍車をかけている南米系のウェイトレスに促され、鶴田は窓際の喫煙席に腰を降ろした。
赤ラークを取り出し、鯛焼を象ったZippoで火をつける。
「光あれ、か…」
鶴田は自嘲的に笑いながら大きく煙を吐き出すと、携帯電話を開いた。
メールは別れた妻、聡子からのものだった。
頻繁ではないが、定期的に連絡を寄越すのは、彼女の几帳面な性格ゆえだ。
鶴田は文面に目を通す。
「聡子です。元気にしていますか?」で始まったメールの後半の文章に鶴田はじっと見入った。
「雄太が、私に隠れて時々泣いています。貴方に、会いたいのだと思います」
ウェイトレスがテーブルに来て乱暴に水の入ったコップを置く。表面が波打った。
「ナンニシマスカ?」メニューをテーブルに投げてよこす。「オススメハコレデス」
「じゃそれをくれ」
「ワカリマシタ」
無駄にスタイルが良いウェイトレスの後姿を眺めながら、鶴田は息子の雄太のことを想った。
473 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/07(火) 08:19:37 ID:DGU4C3q2
初めて対面したのは雄太が四歳の頃、とある若い母親向けの雑誌の撮影のときだった。
実は雄太は聡子の連れ子であり、鶴田とは血のつながりはない。
それでいてこんなメールをよこす臆面のなさがいかにも聡子らしいな、と鶴田は苦笑した。
474 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/08(水) 17:50:30 ID:Wv9ey7db
「オマタセ、シッシタ」
怪しげな日本語を操るウエイトレスがでん、とテーブルに皿を置く。
いかにも冷凍物だと分かる鶏の唐揚げに、これでもかというほどの
ポテトサラダとキャベツのみじん切りが盛られている。
「…水をくれないか」
鶴田が言うと、ウエイトレスはやや面倒くさそうに、奥に設置してある
ウォータークーラーを指差した。「アソコ、ネ」
肩を竦めて鶴田は立ち上がる。どうやら雨になりそうだ。
ウォータークーラーでまず一杯鶴田は水を飲んだ。少しため息をつく。
爆発音がした。
反射的に鶴田は身をかがめる。
鶏の唐揚とポテトサラダとキャベツが床に散らばっている。
ウェイトレスが聞きなれない言葉を大きな声でわめき散らしている。
「俺を狙ったのか・・・」鶴田は思った。
476 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/09(木) 09:36:05 ID:fl4tdwff
…油断していたようだ。鶴田は軽く舌打ちする。
まさか、こんな田舎町まで奴らが追ってこようとは思わなかった。
ウエイトレスの甲高い叫び声に気づいたのか、店長らしき男が厨房から飛び出してくる。
鶴田は、財布からありったけの壱万円札を抜き出すと、それを男に強引に握らせた。
「…悪かったな。裏口を借りる」
それだけ言うと鶴田は厨房の中へ素早く駆け込み、従業員用の裏口から店の外に飛び出した。
手には、既に愛銃のサイレンサー付きワルサーP99が握られている。
ヘリのローターの音が強い風圧と共に鶴田を襲った。
音がする方向へ鶴田はP99を撃つ。そしてカウンタックのキーのスイッチを入れる。
駐車場のクルマは嫌な発射音と同時に大きな穴が開き地面から数センチほどジャンプする。ガラスが飛び散る。
鶴田はカウンタックに飛び乗る。エンジンはリモートで掛けてある。
一速にシフトを叩き入れる。12気等は不機嫌そうに咆えた。
478 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/09(木) 23:00:31 ID:9xOkyJwI
route246を東京方面へ。
高速は万一の時に逃げ道を塞がれるおそれがある。
座間に差し掛かった辺りで追っ手のヘリとは別の機体が鶴田の頭上を低空で飛行する。
敵か?見方か?星一つない曇天であり、狭い路地を有り得ないスピードで蛇行する鶴田にはそれを知る余裕などない。
閉まりかけた踏切を強行突破するのと同時に後方上空が眩く発光し、すぐに耳をつんざくような轟音が鳴り響いた。
ナビが後方に物体を感じてリアビューを映し出す。電車が爆発、脱線していた。
前の国産セダンを抜いて、少し直線が続く事確認した鶴田はアクセルを踏み込む。
携帯電話が鳴った。鶴田は背中の12気等に負けないくらい大きな声を出した。「誰だ!」
「その先に長いトンネルがあるわ。そこに入って」
「お前は、誰だ!」
電話は切れた。トンネルが見える。
幸運にも、前を遮る車はない。
ヘリが再び背後に迫る気配がする。
鶴田は限界までアクセルを踏み込み、トンネル内に突っ込んだ。
「…あれか」
前方を走る大型トレーラーの格納ハッチが開き、スロープが降りている。
鶴田は己の運を信じ、減速しながらスロープを通じて格納ハッチへ乗り上げた。
ハッチの入り口に屈強な男がいる。その右肩にロケットランチャーを背負っている。
トレーラーがトンネルを抜けた。
右後方から、カウンタックの出現を待つヘリが急降下してくる。
だが、その動きに、トレーラーの出現をどう判断すべきかの躊躇が見えた。
次の瞬間、男が狙い済ましてランチャーを発射すると、ヘリは爆発四散した。
481 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/11(土) 00:22:49 ID:IHT5WCRT
トレーラーは突然左折し、停車した。
屈強な男の無言の合図に従い、鶴田もトレーラーの荷台から降りる。
ここはどこだろう。冬枯れたまばらな木立。細いロープの仕切り。災害時の避難場所兼自然公園といったところか。
屈強な男がトレーラーの荷台から二台の中型オートバイを降ろしている。
運転席から現れたコンバットスーツ姿の小柄で細身の男が、オートバイに跨り鶴田に同乗を促した。
「おい!」鶴田は出来る限り大きな声で言った。
「お前らは誰だ」
男たちは無言でオートバイに乗っていた。エンジンのアイドリングが続いている。
「いいか?もう一度聞く」鶴田はP99を抜いた。
「お前らは誰だ?」
483 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/12(日) 01:45:00 ID:IMxgTfpz
不穏な表情で鶴田に歩み寄る屈強な男を制し、細身の男が口を開いた。
「今は時間がない。堕ちたヘリから奴らが脱出する所を捕縛するのだ。」
驚いた事に、女性の声だ。
「米軍に見つかる前に、な…」
「お前も知っているはずだ」女の声だ。
「米軍に見つかったら、どうなるか」
細身の男はさらに女の声で続けた。
「ついてくるのか?来ないのか?」
ニュートラルから一速にペダルを蹴り下げながら細身の男が言った。
「鶴田、過去は変えられないが、未来は変える事が出来るぞ」
485 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/15(水) 16:55:23 ID:PsNoyvDf
「お前は…さっき携帯に電話を掛けてきた女か」
鶴田は聞いた。
納得のいく答えが返ってくることは期待していないが、この連中が
自分のことをどこまで知っているのか値踏みしておかなくてはならない。
屈強な男が、焦れたようにバイクを走らせた。谷に落ちたヘリの様子を確認に行ったようだ。
「…お前を殺すまで奴らは諦めない。それは分かっているだろう、鶴田啓司」
細身の女は抑揚のない調子で言った。
「私たちは味方だ。もちろん、この世界では味方なんて言葉にさほどの意味はないが」
背後で、銃声がした。
鶴田が身構えながら振り返ると、屈強な男がバイクから崩れ落ちるのが見えた。
屈強な男を倒したのは
長くて白い髪に赤い目の男であった
右手に黒い剣を持っている
「この男は エルリック 小説のキャラがなぜ ここに」
「マイクル ムアコック ですよ それ描いたの」
エルリックはそんな二人を見て 腹ただし気に口を開く
「貴公達、 何をそんなに驚いてるのだ 私を知ってるな 」
「知ってるにも何も 有名ですよ エルリックさん 白き狼と」
487 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/15(水) 21:07:41 ID:9E8tu+X3
「蒼き女鹿。ふふふ…そこまで知っているのか」
エルリックは含み笑いをし、空を見上げた。
「いい気分だね。有名になるってのは。いい気分だから見逃しちゃおうかな」
そう言って黒い剣を鞘にしまおうとする。
その隙をついて、倒れていた屈強な男が立ち上がり、エルリックに襲いかかる。
はあ
ENDマークが画面いっぱいに現われた。
観客は一斉にため息をつく。
馬場はゆっくり立ち上がった。
「やはり」馬場は思った。
「ノルウェイの林なんて、見るんじゃなかった」
490 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/18(土) 13:14:44 ID:uIO9QjJ/
「なんでもありとはいえ、なんの脈絡もない固有名詞を並べて強引に場面転換するのは頂けなかったよね」
「馬場さんの言う通り。でもそれ以前にすでに劣化傾向にはありましたね」
「寛ちゃんもそう思う?俺も実はそう思ってたんだよね。」
「まあ、なんでもありですからね。他人への批判は厳禁というか無粋ですからね」
「しかし寛ちゃん」
「何ですか?馬場さん」
「リレー小説というのはおもしろいんだよね。何かワクワクするじゃない。見知らぬ人と物語を作るというのは」
「まあ、そうですね」
「例えば、プロの編集者がオブザーバーで居てさ、軌道修正とか、もちろん添削とかするわけよ。そーゆーサイトがあったら面白いと思わない?」
「確かにニーズはありそうですが・・・」
「失礼」
後ろにいた男が不意に掛けてきた言葉で、馬場と寛の会話は遮られた。
振り向いた二人に、男は言葉を続ける。
「今のお話、耳に入ってしまいまして…いや、実に興味深いなあと」
馬場と寛に較べれば、10歳は若く見える。眼鏡の奥に、切れ長の利発そうな目が光っていた。
「あんたは?」
馬場が聞くと、男は内ポケットの名刺入れから、一枚差し出した。
『株式会社クリエイティブ・ワークス ゼネラルマネージャー 丹波浩一郎』とある。
「お時間ありますか?」丹波と名乗る男は言った。
「特に予定はないよ。な、寛ちゃん」
「まあ、話だけなら」と寛。馬場は興味がありそうだ。寛は少し心配する。
「このシネコンの地下に喫茶店があるんですよ」
「サンドイッチがうまいんだよね」馬場は笑顔になる。
寛はますます心配になった。
494 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/20(月) 00:59:12 ID:8kzCU9tu
「もう、結構久しぶりだよね。ここで食べるの」
エスカレーターの手すりにもたれながら、馬場が笑顔で言う。
「昔はよく、先生と馬場さんと三人で来ましたがねえ」
「そうそう。先生と寛ちゃんと…本当によく飽きずにねえ」
「丹波さんも、よくこちらで映画を観られるんですか?」
495 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/21(火) 17:14:39 ID:c7pNRMXr
「僕の場合、映画は仕事の息抜きなんですけどね…」
丹波は笑ったが、馬場と寛の表情を見て、これ以上の芝居を諦めたようだった。
「いや、すみません。お遊びはやめましょう」
エレベーターがB2に到着した。ゆっくりと扉が開く。
馬場と寛に先に出るように促しながら、丹波は言った。
「元東邦テレビの敏腕プロデューサー、猪田寛さん…それから、
演出家のエクセレント馬場…さんですよね?」
496 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/22(水) 01:15:15 ID:OgLk99Y2
馬場と猪田は顔を見合わせて笑い、両側から丹波と肩を組んで歩き始めた。
「なんだあ〜、どうも変だなぁと思ってたよ。ていうか、実は寛ちゃんと丹波さんがグルなんじゃないかと思ってたんだよね」
「アハハハ…僕の方こそまた馬場さんのイタズラが始まったもんだと思ってましたよ」
愉快極まりない様子で大笑いする二人の大男に挟まれ、丹波は恐縮した。
変に凝ったところが無いのが居心地の良い理由なのかも知れないと寛は思った。
馬場はサンドイッチに満足し食後のコーヒーを飲んでいる。
「それで」丹波は話を切り出した。馬場がサンドイッチに熱中している間、色々考えていたのかも知れない。油断なら無いと寛は思う。
「これから休みに入る訳です。このスレの今後の方向性について話し合いたいのですが、勿論、馬場さんが提示しているビジネスについても、です」
「ビジネスって」馬場はコーヒーカップをテーブルに置く。「あれは単に遊びだよ」
498 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/22(水) 09:48:42 ID:SPWnxrQr
「…それに、スレの方向性と言ってもさ」
馬場は続ける。過去、オリンピックを始めとする数多くのビッグイベントを演出したり、
かと思えば寛と組んで国民的アイドルグループを育成したりしてきた“寝業師”の血が騒ぎ始めたようだ。
あまりしゃべり過ぎないようにと寛は目配せするが、見えていない。
「筒井康隆クン風に言えばさ、我々は、しょせん2次元世界の操り人形に過ぎないわけだ」
丹波は肯定するでも否定するでもなく、ただ耳を傾けている。
「今は確かに僕は有能演出家ということになっているけど、誰かがパソコンに悪戯をして文字を
打ち込むだけで、あっという間に殺人鬼に変貌してしまうんだからねえ」
「…つまり、操り人形の我々が方向性を決めるのは不可能だと?」 丹波の利発そうな目が光る。
丹波は馬場の言う事に深く感銘を受けたらしい
何か言いたげに口を開いた。
「例えると、エルリックサーガという小説の主人公、いや
「永遠の戦士」のエレコーゼ、コルム、ホークムーンが架空の
人物とあいつらが気づいてしまうようなもんでしょうか?」
馬場は彼の例えに苦笑いを浮かべた
「その通りになるかもな 作者も予想外だろうなあ」
「そうですか」
「人間が神の作った物語の中の登場人物であったならば」寛が言った。
馬場も丹波も黙り込んだ。
501 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/23(木) 00:11:26 ID:lBdJwuPe
「しかし、その神もまた、誰かの物語の登場人物だった…」
寛が続ける。どうやら寛自身も、話の流れに興味を持ち始めたようだ。
「そりゃ、萩尾望都の“百億の昼と千億の夜”だね」
馬場が、自分を取り戻したように笑う。
「しかし、だからこそ!」
丹波は思わず大きな声を出していた。
「2次元の操り人形であればこそ、我々はせめて秩序ある世界の中で操られたいと願うのです」
丹波がそう言って眼の脇に皺を寄せると、嘲笑うかの様な声が響いた。
「2次元の操り人形ならば、ここにはおるまい」
一同が声の出所を見れば、そこには一人の少年がブリッジしていた。
「エ……」
声を漏らしたのは、馬場。
押し黙る一同を気にもかけずに、続ける。
「エキセントリック卓郎……」
「エキセントリック卓郎!?」
馬場の漏らした名前に反応したのは、猪田である。
「なんのことだ」
目を細めた丹波が問うたが、馬場は押し黙っている。
しばしの沈黙の後、ポツリと呟いたのは、意外にも寛であった。
「エキセントリック卓郎……」
感嘆した様子で続ける。
「10年前に死んだ……俺の異母兄弟……」
したり、とエキセントリック卓郎は返した。
「2次元の繰り人形ではなく、1次元の繰り人形。線と点で創造された存在が、お前たちであろうな」
その言葉の真意はわからない、ただ、その言葉は間もなくして返された。
「次元が揺れ始めている」馬場はもう一度コーヒーカップに手をつけた。
馬場が手にした以外のコーヒーカップが、カタカタと揺れ始めていた。
「次元が?」
丹波がやや狼狽した声を上げる。
卓郎は4人掛けのテーブルの残った1つの椅子に腰掛け、丹波を睨むように見た。
「違うことを考えよ」
「なに?」
「次元の壁を壊してはならん。思ってもみろ。古今東西、星の数ほどもある物語の英雄やヒロインが
操られている自分に気づき、怒りをもって次元の壁を壊してやってきたら」
卓郎の目は本気だった。丹波はごくり、と唾を飲み込む。
「我々は滅ぼされ、きゃつらの奴隷と化すぞ」
「…し、しかし、丹波さんの話では、あなたも10年前に死んだ、と…」
「霊界と現世の壁はすでに破られておる」
>>504 訂正
× 「…し、しかし、丹波さんの話では、あなたも10年前に死んだ、と…」
○ 「…し、しかし、寛さんの話では、あなたも10年前に死んだ、と…」
「俺らがさ、ここにこうしている事さえあやしいものだよ」馬場が言った。コーヒーカップはまだ持ったままだ。
「考えてもみなよ」馬場は続ける。
「俺らも登場人物の一人なんだよ。で、俺らが今いるこの物語を書いている奴だって。誰かが書いている物語の登場人物かもしれない」
暗い笑みを浮かべたまま、馬場は問いかける
「その意味がわかるか?」
そう言って片手を挙げると、まず、猪田が吐血した。
「つまり、俺は最初から僕じゃあないのだよ。」
>>498が伏線だったことに一同は気付くが、だからといってどうにもならなかった。
「操られて、いる!?」
息絶え絶えに猪田が言った。
「違うな、元から操られているのは、あいつを含んだわしら全員だ」
「馬場は、まさか」
丹羽が感嘆する。
「ああ、次元を超えるつもりだ。目立つキャラとなって、絵師に書いてもらうつもり……」
「絵……師……!?」
「逃げろ。ここはわしが食いとめよう。」
メタメタメタメタメタメタッ
轟音が響き渡る。
510 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/24(金) 14:21:37 ID:bbY/X2Oc
丹波は仰天した。
轟音がしたと思うと、アンドロメダ大星雲が足元に展がっている。
周囲は漆黒の宇宙空間と化し、丹波はただそこに浮遊していた。
「こ、これは」
そして、呼吸が出来ないことに丹波は気づく。
パニックに陥りかけた耳元で、猪田の声がした。
「落ち着け」
「い、猪田さん」
「ここは、馬場の世界だ。そして馬場を操る別次元の何ものかの世界だ」
「さ、さっきまでの、映画を観ていた幸せな時間に、も、戻りたいですね」
彗星が頭の上を掠めて飛んでいった。彗星の尻尾に、エクセレント卓郎が掴まって笑っていた。
>>510 また間違えた、訂正 orz
× エクセレント卓郎
○ エキセントリック卓郎
512 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/24(金) 19:06:53 ID:7czcztcp
「それじゃあ、行こうか」
エキセントリック卓郎が歩き始めた
「お、おい何処行くんだよ?」
「何処って、決まってるじゃないか?僕等の原点である
>>2へさ、大丈夫、道はすでにヌベヌユラャマが作ってくれてある」
513 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/24(金) 23:12:41 ID:dhmGlDcc
銀河の海に浮かぶ白い道を歩くエキセントリック卓郎と丹波。
道は大きく曲がりくねり、輪っかのある大きな惑星の裏側へと続いている。
あの向こう側まで行けば帰れるのだ…。
そう信じて歩を進め、やっと曲がり角にさしかかると、その向こうには変わりなく果てのない道が続いている。
そんな事を何回繰り返しただろうか。
気付けば、俺達はキーボードの上を歩いていた。
画面に文字が打ち込まれていく。
「まずいんじゃ……」
猪田が震えた声で言う。
ループを懸念しているのである。当然であろうか。
それを察して、なだめるのはエキセントリック卓郎。
「案ずることはない。たしかにわしらは
>>2に還り、歩いている」
ゆっくりと、振り向いた。
「しかし、同じ道だが、違う道だ。現に、「最初の一人称」と「わしら」が混在しておるだろう?」
「それに時間の流れが決まった方向へ流れているなんて、誰が証明したんだ?」
エキセントリック卓郎は続ける。
「脳は時間の逆行を感知、認識できないのだ。既存の測定器具も然り」
517 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/25(土) 16:11:32 ID:Umwl0hw8
「脳は時間の逆行を感知、認識できないのだ。既存の測定器具も然り」
エキセントリック卓郎は続ける。
「それに時間の流れが決まった方向へ流れているなんて、誰が証明したんだ?」
「しかし、同じ道だが、違う道だ。現に、「最初の一人称」と「わしら」が混在しておるだろう?」
ゆっくりと、振り向いた。
「案ずることはない。たしかにわしらは
>>2に還り、歩いている」
それを察して、なだめるのはエキセントリック卓郎。
ループを懸念しているのである。当然であろうか。
猪田が震えた声で言う。
「まずいんじゃ……」
画面に文字が打ち込まれていく。
気付けば、俺達はキーボードの上を歩いていた。
518 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 00:54:43 ID:pQ/pLwM6
画面に文字が打ち込まれていく。
「まずいんじゃ……」
猪田が震えた声で言う。
ループを懸念しているのである。当然であろうか。
それを察して、なだめるのはエキセントリック卓郎。
「案ずることはない。たしかにわしらは
>>2に還り、歩いている」
ゆっくりと、振り向いた。
「しかし、同じ道だが、違う道だ。現に、「最初の一人称」と「わしら」が混在しておるだろう?」
519 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 04:34:14 ID:OuQ+mvKt
「もうその手には乗りませんよ」
猪田は言い放ち、一人細いわき道へと逸れていった。
「ちよっ…まってくださいよ。」
慌てて後を追う丹波。
「丹波さん…。あなたは私について来ちゃダメだ。
少なくとも我々よりもこの空間の事を熟知しているエキセントリック卓郎について行く事だけが唯一の脱出への糸口なのだから」
「では、寛さんはなぜ?」
「私は賭けてみたい。まだほんの子供の頃から一緒に戦い、生きてきた馬場さんの作り出したこの世界が、果たして奴の言うような無限地獄であるのかどうかをね」
520 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 10:39:44 ID:H5bl/ROJ
「寛さん、しかし…」
丹波がなお言い募ると、猪田は胸に沁みる様な笑顔を浮かべた。
「丹波さん。これがお別れになるかも知れないが」
手を差し出してくる。丹波は、少しためらった後、その手を握った。
「もし僕が帰らなかったら、いや、馬場と僕が帰らなかったら」
「寛さん」
「これを、僕の妻…そう、馬場の妹に、渡してください」
猪田は左手の薬指から引き抜いた指輪を、丹波に握らせる。
「寛さん…」
「…立派な、本物のクリエイターになるんだ、丹波さん!」
猪田は走り出し、一度手を振ると、柿の木が生えている垣根の曲がり角にその姿を消した。
数秒置いて、猪田の叫びが遠くから聞こえた。
「…馬場さん!これなのか…これが、これが、あなたの求めたものか!」
それから、猪田の悲痛な絶叫が世界に木霊し、ぱたりと止んだ。
丹波は周囲を見渡した。目撃者はいないようだ。
「さてと」丹波は独り言を言った。
「酒でも飲みにいくかなっと」
丹波はウンザリしていた。この展開はちょっとね。
522 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 19:18:06 ID:OuQ+mvKt
モール街にはまだ方付けてないクリスマス飾りと、新年向けの祝い品を扱う店が並びたち、すっかり師走の風情である。
丹波はとある花屋の隣の店【江戸前海鮮・海老蔵】の前で立ち止まった。
「そういや昼にサンドイッチを食べたきり歩き通しだから腹ぺこだな…。
ボーナスも少なかったけど今夜は思い切って、寿司いっちゃいますかな。」
丹波は財布の中身を確認すると、足取りも軽く細い階段を登り始めた。
523 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 20:52:41 ID:53bTigZy
帰宅した丹羽は、カップ麺に湯をかけていた。
思ったより残金が危うく、寿司はこらえたのだ。
「熱い! ちょっと、なにすんですか! やめてください!!」
カップの中から人の声が聞こえたような気がした。
(疲れているのだろうか……)
524 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/26(日) 21:14:03 ID:OuQ+mvKt
「…その通りだよ…」
今度は確かに姿なき声が聞こえた。
「疲れてるんだよ。疲弊してるの。せっかく話を広げようと寿司だの海老蔵だのを振ってるんだからさ、そういう小さな伏線を拾おうよ」
聞き覚えのあるこの声は馬場の声だ。
「まあなんでもありとスレタイで謳ってる以上、こういう指摘は不粋なんだけどね。おっと、もう三分経ったから伸びないうちに召し上がれ。じゃあね」
ピリリリリリリリリリ!!!
携帯電話の耳障りな着信音で丹波は目を覚ました。
どうやら酒を呷ってそのままコタツで寝てしまったらしい。
コタツの上には伸びきったカップ麺が無様な醜態を曝している。
丹波は自己嫌悪を感じながら携帯電話を手にした。画面には「非通知設定」としかしるされていなかった。
「もしもし」不機嫌そうな声で丹波は言った。もう少し寝ていたかったのに。
「・・・・」
「もしもし、切りますよ」
「ニゲロ」
「?」
「ニゲロ」
527 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/27(月) 12:49:34 ID:EPIfTTAh
どこか判然としない場所に、馬場と猪田は並んで立っている。
そして、起こっているすべての出来事を俯瞰し、睥睨している。
「…混乱してる者もいるようだね、寛ちゃん」
「やむを得ないよ。というか、良い方向だよ」
「間違いなく、選別と淘汰が進んでいるからね」
「うん。僕たちの理想郷に近づいていくんだ。これは産みの苦しみってやつさ」
528 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/27(月) 23:22:31 ID:YNwwCbcV
場面は再び丹波の部屋。
「ニゲロ…ニゲ…プツン…ツー…ツー…ツー」
丹波は携帯を握りしめ、小刻みにふるえ始めた。
「逃げろ…だと…!?
この俺を誰だと思っていやがる…!それにさっきから訳の分からない事ばかり…一体どうなってるんだ!?」
息を荒げ、ふと窓の外を見ると若い男女が談笑しながら通り過ぎる。
「笑っていやがる…!この…この俺様をコケにしやがったぁぁ…っ!ゆ…許せん」
丹波は携帯を握りつぶし、ガラス窓をぶち破った。
「ねえワタナベ君、このアパートの人、おかしいんじゃない?」
「緑、そっちを見ないほうがいいよ」
「そうね」
「そうだよ」
僕は居心地の悪さを少し感じ始めていた。もうこのパターンで発展することは無いだろう。全てには終わりがある。ドーナツには穴があるように。
530 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/28(火) 13:55:37 ID:4kt4cXKB
「もう年末だぞ、どうやってこの物語の落とし前を付けるんだ!」
「シーッ!」
「…なんだ?」
「シーッ」
「だから、何がシーッなんだ!」
「…落とし前だけに、音、しまえ。なんちゃって」
531 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/28(火) 21:43:30 ID:4BUAUwSt
「さて、宴もたけなわではございますが、ここでこの【仕事納めの会】を中締めとさせて戴きたいと思います。
それでは、中締めの挨拶として、丹波専務、宜しくお願いします」
532 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/28(火) 22:37:53 ID:bzLX5JgH
「専務の丹羽です。この度はこの小説に御集りいただき、誠にありがとうございます。今回は中編の主人公をさせていただきました。この物語、一本締めとさせていただきましょう。それでは、お手を拝借」
「ちょっと待ってください。中編の主人公はこの私、猪田でしょう。最後には黒幕の一人と判明したこの私が、一本締めを取らせていただきます」
「おいおい待ってくれ寛ちゃん、ここは主人公で黒幕の俺が、一本締めをしようか」
「物語で狂言回しというのは、主役みたいなものさな。このわし、エキセントリック卓郎が一本締めをしてみようじゃあないか」
「みんな主人公というのはどうでしょう?」
「「「みんな?」」」
「いいかも。」
「そうだね。だって俺達」
「「「「仲間だもんげ!」」」」
533 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/28(火) 22:52:18 ID:fq9a1ZAC
5行までってルールは誰もまもらないんだね
男は今までの小説を見て、そう思っていた。
いや、きっとだれもがそう思っている。
5行以上の書き込みを無視するルールだが、無視すれば混乱が生じてしまう。
だから、5行以上の書き込みがあっても、無視しないのが暗黙のルールになってしまっているのだ。
男は、この解決策に悩んでいた…
悩んでいても腹は減る。カップめんが確か一つ残っていたはずだが、食指が動かない。
ソバでも食うかな、男は思った。駅前の立ち食いソバでも行くか。
ヤフオクで落としたコートを取る。
見るからに安アパートの階段を音を立てながら男は駅へと急ぐ。
年末の街は何やら忙しそうだが彼には関係ない。
536 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/29(水) 15:50:00 ID:sNO7kNag
少し頭が痛む。
昨晩の仕事納めの会合ではずいぶん飲んだから、そのせいだろう。
本社から専務が来られたって事での幹部らのあのバカ騒ぎ。
まあもう休みに入ったのだから、会社の事は忘れて羽を伸ばすのもいいな。
信号が変わり、男は駅前のスクランブル交差点を斜めに渡り始めた。
537 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/29(水) 16:45:23 ID:i5echBBH
駅前のさびれた商店街の始まりにある立ち食い蕎麦屋が見えてくる。
暖簾をくぐると、ガラガラの店内には若い女がひとり、ざるそばをすすっていた。
(…この寒いのに、ざるそばかよ)
男はそう思いながら、女とやや離れた場所に立ち、中年の女性店員に注文する。
「天ぷらそば。それから、いなり二つ」
「はい」女性店員が無表情で言った。
良い匂いがする。ここは注文を受けてから天ぷらを揚げるのだ。男はその良い匂いを楽しむ。
「いなりは先でいい?」厨房から声がする。男は「お願いします」と言い返す。
ざるそばをすすってた若い女がふと気がつくとこちらを見ている。
何だろうと男が気にかけるといなりが出て来た。「天ぷらが揚がるまで、これで」
539 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/29(水) 20:59:32 ID:A7/v8ZA8
でかかった。がむしゃらにでかい、おいなりさんだった。
そこで私は初めて気付く。
女の興味の意味と、壁に貼られている「完食!」の写真に……
バレーボールくらい大きな稲荷寿司だった。
男はしばらくそれを見つめる。無言のままだ。
店内を男は見渡す。
”当店の稲荷は特大サイズとなっております。1個1万円”
”お一人様で完食された場合のみ無料です”
541 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/30(木) 10:09:54 ID:u1TosINA
それが、2つ。
まるで外人の巨乳かのように並んでいる。
財布の現状を頭に浮かべるが、諭吉が一人しかいなかった時点で考えることをやめた。
542 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/30(木) 15:29:49 ID:3clWC4T8
考えることをやめると、男の行動は素早かった。
「この世界のどこにそんな立ち食いソバ屋があるんだよ」
男は巨大いなりの並んだ茶碗を手でカウンターから払い落とした。
ガチャ、ガチャンと容器の割れる音が響く。
ざるそばの女が、飛び散った破片を避けて、そばをすすりながらステップを踏んだ。
メールの着信音が鳴った。
男はポケットから携帯電話を取り出す。
「逃げろ」
男はもう一度画面を見直した。
「逃げろ」
544 :
創る名無しに見る名無し:2010/12/30(木) 20:26:51 ID:MlSrwMbf
男は返信した
「逃げろ」
男はもう一度送信した
「逃げろ」
「馬場さん、メール送ったの馬場さんでしょ?」
「寛ちゃん、知ってたの」
546 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/01(土) 02:35:01 ID:TDGc+HK3
と、突然入り口のガラスが破られた。
長さ30センチ程の鉄パイプを手に、ハアハァと荒い吐息を漏らしている。
「いらっしゃいませ。そちらの券売機で食券の方お求め下さい」
店員は何事もなかったように言うと、
「そちらのお客様天ぷらそばお待たせ致しました。ご注文の品以上でお揃いですか?」
だめだだめだだめだ。
こんな調子じゃ今年のポプラ新人賞は狙えない。
そうだ、次は警察小説にしてみよう。
男は放火を趣味にしていた。
ただし、彼が普通の放火魔とはちょっと違っていた。
彼は家に火をつけるのではないのだ。
ハートに火をつけるのだ。
男は獲物を探していた。この街は良さそうだ。
ある交差点に悲しそうな眼をした女を見つけた。女はコートを着ていた。
552 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/06(木) 16:07:33 ID:lkwuen+U
男はさっそく女のハートに火を点けた。
女は売れないダンサーだった。
もう故郷へ帰ろうかと思案していた女は、その場でステップを踏み始める。
やがてそれは美しく情熱的な路上のダンスとなり、そこへ人だかりが出来ていった。
男は次の獲物を探した。
一旦、休憩入ります
終了でいいよ
乙
「終了でいいよ、乙」と男が高らかに宣言した瞬間、東京都警察の庁舎が爆破された。
平成の治安維持法と謳われた青少年育成条例に反発する武装勢力「ロリの会」の仕業である。
00:30、時を同じくして秋葉原某所にて武装した集団を発見。総勢50名と推測される。
00:30時点、衛星からの画像を分析した所、6台の大型トラックの集団4方よりが都庁へ向かっているとの事。
尚、これは確認されている限りである。
「戒厳令でも発令するかね」
「いや、もうちょっと、相手の出方を見てみよう。」
トラック一台には80名の武装兵が乗っていた。それが6台。
480名の武装兵が次々とトラックから現れ、都庁へ乗り込んだ。
夜勤の職員は少なく、あっという間に都庁は乗っ取られてしまった。
「今日からここが本部だ」
ロリの会会長、露璃 露璃男(本名は不明)は言った
559 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/21(金) 23:05:37 ID:KqolaEHJ
「その欲望、解放しろ」
ふいに背中から聞こえた声に思わず振り向く露璃 露璃男(本名不明)
その眉間に開いたスリットにセルメダルを投入するのはご存知緑の妖精さん
「ツルペタシマパンランドセル〜」
生まれたのはなんとも名状し難いヤミーだった
「あいつらが何人集まっても大した事無いよ」
「しかし・・・」
「大丈夫だ。俺が保証する」
「世代が違い過ぎますし、若さ故の力も・・」
「俺もそう言われたよ。障子を破ったりとかな。ま、俺の弟よりはマシだったがな」
そう言った男は目をシバシバさせながら電話をする。
「ま、よろしく頼むよ。ああ、その件はまた電話する」
「自衛隊が出るよ。演習には最適だ」
「しかし、被害が・・」
「君は心配症だな。警視庁にも連絡済みだよ」
「なあ、猪瀬君」
その頃の巴マミ
「ふう、胸に予備の頭を仕込んでなかったら死んでたわ…」
そして…混沌の中
マツコDXが魔法少女になるのであった
しかし誰も見る者はいなかった!
何故なら、住民全員某トーナメントの観戦に行っていたからだ。
564 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/31(月) 07:46:56 ID:1fs8WZJC
すると、ブラックジャックこと間黒男が血相をかえて窓から飛び込んできた。
素人がリレー小説など、おこがましいとは思わんかね…
566 :
創る名無しに見る名無し:2011/01/31(月) 13:35:00 ID:3UOS+RUE
キリエル人「この星の愚かな素人はプロ小説家の導きを待っていたのだよ」
「よろしい、では戦争だ」
小太りメガネが言った。
「なるほどポキン金太郎」
顔の半分に火傷を負ったロシア女が小太りメガネの首をポキンと折った。
貴賓席で御覧になっていた昭和天皇がステンディングオベーションを送った。
"ステンディングオベーション"の結果、
>>569は即座に処刑された。
だが死んだのは影武者だった。
どうやら、影武者を雇えるほどの権力を持っているらしい。
その男の名は「ともだち」
ドイツ実存主義の巨頭たちに肩を並べる知性とオーソン・ウエルズの話術を持つ
セガール拳の使い手だ
ともだちはカバラの秘術で召喚した冥闘士ベヒーモスのバイオレートに命じた
「間黒男のタマ獲ってこい」
573 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/02(水) 01:36:35 ID:tT9MO2Du
かくして日本に潜入したバイオレートは山田と名乗りつつ間黒男と接触した。
山田「やあどうも。お噂はかねがね」
間黒男「ご用件は?」
山田「まあなんていうか…タマをだね…」
間黒男「はい、タマ一丁入りまーすっ!」
「はいよ、タマいっちょおー!」
「うぃーっす!!」
山田はテーブルでタマを待ちながらタバコに火をつけた。
スパッ!
煙草がフィルター部分を残して切り飛ばされた。
「あれが読めるか?」
右手に包丁を持ったオールバックの中年が大塚明雄の吹き替えで言いながら「禁煙」と書かれた張り紙を指差した。
山田は無言でナイフを抜いた。
576 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/04(金) 01:35:07 ID:x2UlZ/6z
山田はカウンターの上に飛び乗ると「禁煙」の張り紙をナイフでズタズタに切り裂き、二本目の煙草に火を付けた。
「酒を飲むのは緩慢なる自殺と言った男がいてね」
声がした。
山田は煙を吐き出しながら周囲を見渡す。
「画家の話なんか書く奴でさ」
硬い物が擦れた音がした。昔聞いた事がある。あれは確か、何処だったんだろう?
煙草の匂いだ。
「俺だよ。山田、忘れたか?」
山田の目の前にてつをがいた。
振り返るとせがた三四郎がいた。
右隣にはジャン・クロード・ヴァンダムがいた。
左隣にはドルゴルスレン・スミヤバザルがいた。
四人は輪になって山田の周囲を回りながらウクレレ漫談を始めた。
579 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/05(土) 00:45:13 ID:ynS7w5gX
山田は不機嫌そうにしばらくその様子を見ていたが、やおら立ち上がりナイフをそれぞれのウクレレの穴に突き刺した。
ウクレレ越しに心臓をひと突きにされた四人は即死。
動揺する客を尻目に山田は格子戸を蹴り破り店を後にした。
確かに山田はナイフを突き刺した。
だがその瞬間にてつをはバイオライダーとなり攻撃を無力化、
そしててつをに戻って倒れてみせたのだった。
581 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/05(土) 01:31:39 ID:z8V5SraZ
おっぺけぺ〜ん
ぽわっちょぽわっちょ
582 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/05(土) 05:01:16 ID:kaSt497i
数が多いだけのチンピラの集まりは壊滅した。
チンピラを皆殺しにした桑畑三十郎に熱い視線を注ぐ女がいた。
その女=ミザリィを見て三十郎は言った
「う〜ん、寝てみたい」
通りすがりのポール・カージーが三十郎を射殺した。
ポールとミザリィはホテルに入った。
584 :
創る名無しに見る名無し:2011/02/05(土) 08:40:54 ID:ynS7w5gX
山田は生の陰茎をミザリーの膣の奥まで挿入し、恥骨でクリトリスを圧迫しながら円を描くように腰を動かしてみた。
はっ!なんだ、夢か。
リリエンタールはベッドから半身を起こした
隣ではガガーリンがすやすやと眠っている
畳を跳ね上げて飛び出したスターリンが鎖鎌を投擲した
鎌の刃がメンデルスゾーンの頭蓋に突き立った
「イヨマンテーッ!」
587 :
黒羽:2011/02/25(金) 19:14:51.29 ID:aub1ObpK
しかしメンデルスゾーンは無傷だった!!
「ナ、ナンダッテー!!」
CAのアナウンスで眼が覚めた。
欠伸をした。そしてここが機内であることを思い出し、あわてて口を押さえる。
上手な人は全員去った
前の席の男がわざわざ後ろを向いてそう言った。
機は滑走路へ向かう。機体が傾き始める。
「上手な人は全員去った」
男の言葉を彼は反芻する。そう言えば、
あれから何年経ったのだろうか?
機体は90度垂直に傾いたまま滑走路に突っ込んでいった。
スペースコロニー「新埼玉」にようこそ!
電光掲示板に「埼玉」の文字が大きく映る。
与野空港からアームが数十本出て来て機体を収納した。
シートベルトを外しても構わないとの有り難い指示が出る。
京浜東北ラインのシャトルの時刻を私は確かめる。
さして遅くはない午前2時。
眠れない午前2時のことである。
眠れない午前二時。
すべてが休息に変わった。
「次は西川口、西川口」
アナウンスがあった。私は念の為にベレッタ2097年型の安全装置を外した。
シャトルは減速する。居住区に入った。景色が変わる。
キャピ男「俺は…ただ待つのみだ…なーんつて、なーんつて☆」
キャピ女「やだーもー濡れちゃった/// 」
向かいの席に座っていた男女二人を射殺する。
この車両にいるのはこれで私一人になった。
あとは眉間に穴の開いた肉の塊だけだ。
――夢だった。
「ふあー…」
私の名前は立花源五郎ノ助
今年で30になる普通のサラリーマンだ
「あー…なんかむしょうにアレが食べたいなぁ、アレ」
人肉ステーキ。
601 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/14(月) 02:10:34.98 ID:yDQc+C0F
「人間の肉体はステキだ…」
と、自称天才哲学者イノー・マル=サルが言った
603 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/16(水) 16:04:37.67 ID:0o6Bv6vY
彼の発言は世界中から注目されるのであった。
と、同時に
世界の破滅が始まった。
東◯スカ□ツリーが倒れ、
この地球の目標のソースが失われたことが
原因である。
606 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/18(金) 02:56:39.59 ID:728g3UiG
東京ス〇イ☆リーの崩落の現場では、新型が、静かに覚醒を待っていた。
まさかこんな都会の中心部に隠されているだろう、とは誰もが思っていなかった新型兵器である。
あらゆる災害に耐え救援や軍事行動を遂行できる究極の兵器。
608 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/21(月) 16:50:43.08 ID:vz7VDEj3
この情報をキャッチした某国は腕利きのスパイを呼び寄せ
兵器の奪取を命じた。そのスパイの名は
極秘なので公開されていないのだ。
そんな彼のミッションは、八足歩行戦車バイオギア29の奪取と破壊、
そして世界中にICBM を発射し、救援活動を行うことで世界を牛耳る
ビターロリポップ計画をバイオギアの破壊で破綻させること。
某国、統一化推進機構、白い血の大隊の三つ巴の戦争が始まる。
チャッチャラチャラ チャッチャッチャ!
「ショウタイムだ!」
イノー・マル=サルが出てきた
彼は人体改造のスペシャリストで、人工物に頼らず人体をサイボーグ並みに強化できるのだ。
名も無きスパイも世話になったことがある。まさかデコピンでコンクリを削り飛ばす程になるとは思いもしなかったが。
そして世界征服に乗り出した
615 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/23(水) 04:48:49.95 ID:jZLg7cX5
「モルダー、貴方疲れているのよ…」
「違う!俺をコードネームで呼ぶな!!俺は・・・」
ジ ェ ー ム ズ だ ! ! !
「ああ、つい…ごめんなさいね」
618 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 08:25:20.96 ID:86Ji7pXY
「なんだ夢か。」
少年は起き上がり、ベッドから降りた、急いで支度せねば遅刻してしまうだろう。
「なんか変な夢だった気がするけど…もう思い出せないな。」
数歩で窓にたどり着き、押し開ける。
そのまま少年は転落していった。
いた
頭をぶつけ意識は深い闇へと沈んでいった
鏡を見ると彼はユンゲラーになっていた
621 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/25(金) 20:47:44.83 ID:5DN116A3
と伝わる。そう、後のペニス一郎その人である。
ユンゲラーはナイフを持って、
刃の先を融かしていた。
溶けだした金属は
625 :
創る名無しに見る名無し:2011/03/29(火) 20:14:21.29 ID:C3Hjs4A8
禍々しくうねり
ヤドンと化した。
火は吹くが、意外と優しいヤドンである。
よく見るとヤドンのしっぽに何かが噛みついていた。
628 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/02(土) 01:52:39.92 ID:dx9X92gx
ヤドン「うわッハブだ!」
あれから何年が経っただろうか…結局彼はあの時のハブによる神経毒が原因でこの世を去ってしまった。
そしてヤドンという唯一無二の英雄を失った反乱軍が蹂躙されるのはもはや時間の問題でしかなかった。
そんなとき。
「……ねぇ。この小説、ホントに終わるの?」
どこからか、少女の声がした。
透きとおった、凛とした声だった。
631 :
13号ライダー:2011/04/02(土) 23:12:54.86 ID:sLrCeDlq
「修正が必要になった…」
金色のライダーが、そう呟くと、どこからか杖を取り出した。
そして、その杖にカードを差し込む。
『TIMEVENT』
――電子音が響き渡った――
男が気がつくと、そこはいつもの自宅のパソコンの前だった
体はユンゲラーになってなかった
「夢…だったのか…?」
男はいつものように2ちゃんねるを開く
633 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/06(水) 00:47:35.55 ID:vgyTuUCl
開いてみるとあるスレッドが男の目に留まった
【2】リレー小説【何でもアリ】
そのスレには男に起こった行動の全てが記されていた
「なん…だと…」
そして未来の出来事も
男は2ちゃんねるの記述にしたがいリュウケンの弟子となり
北斗神券のみならず南斗聖券さえも習得し
胸に七つの傷をつけるとフルフェイスのヘルメットを被り
モヒカン達を率いて天下統一に乗りだした
636 :
13号ライダー:2011/04/08(金) 18:38:37.03 ID:B8QjHzUf
夏コミに!!
637 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/09(土) 08:41:44.80 ID:JDwlN7xA
夏コミの恐ろしさをなめていた、そう言い出すまであと4時間である。
638 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/11(月) 01:56:52.81 ID:kBLEczLN
そして5時間後…
「さぁかかってこい豚野郎!」
それが彼の最期の言葉だった
この日を境に彼は失踪した。
そして1週間ほど後に、彼の部屋から書き置きが見つかる。
そこにはこんなことが書かれていた。
「
白い紙に1つだけ書かれた、その屈折した形の記号。
どんな心情を意味するのだろうと、皆は頭をひねった。
643 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/15(金) 18:58:58.42 ID:uZWYE/V3
皆うーんうーんと考えているとハッと気が付く
腕を組み首を傾げたその姿が 「 である事に
644 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/18(月) 07:35:43.95 ID:/rULP8UW
からかわれたのだろうか。
しかし、わざわざそのためだけに 「 を?
部屋を見渡すと、「 の示す方向には押し入れがある…
645 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/18(月) 23:26:11.02 ID:jtSrkizk
誰かが押入の戸に手をかけ開けようとしたが、金属音が響いて開かない。
「やぁゲームを始めよう」とビリー人形が三輪車をこいで出てきた
「ギャーーーーーッ!」
その場に居た全員が失神した
気が付いたとき、彼らは見知らぬ部屋にいた。
錆び付いたドア。
割れた窓ガラス。
埃塗れの古ぼけたブラウン管には、モノクロの映像。
映っていたのは、
プロレスの試合
「おい、あれは力道山じゃないか!」
どうやら50年ばかし昔にタイムスリップしてしまったようだ
650 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/22(金) 18:15:55.86 ID:7dnbbSiG
とりあえず50年前の世界を探検する事に
651 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/22(金) 22:23:15.42 ID:xhfRq2MI
ならなかった。
彼らはプロレスのビデオを見続けるとどうなるのかの実験台に選ばれたのだった。
「今度の被験者は誰が連れてきたんだ?」
モニター越しの部長の鋭い眼から視線をそらしながら小鹿は答えた。
「ええと、少しお待ちいただけますか」
その瞬間、モニターから部長の顔が消えた。セイバーのいつもの模様が現れる。
「全く」小鹿はため息をついた。「これで何回目だ?」
653 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/28(木) 07:38:34.56 ID:9vONj0cB
この施設のある地域は今でも、日に五回は計画停電があるのだ。
654 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/28(木) 08:47:55.58 ID:NuLkb06w
ここから逃げるには停電を利用するしかないだろう。俺は今か今かと停電を待ち続けた。
数時間後、突然電気が消えた。
「いまだっ!!」
655 :
創る名無しに見る名無し:2011/04/28(木) 19:51:54.88 ID:9vONj0cB
「お疲れさまでーす。お飲み物を…おブッ…!」
職員と正面衝突した。
「痛っ」俺は舌打しながら立ち上がる。頭をぶつけたみたいだ。
手を頭にやる。覚えの無い感触があった。
「髪が長い?」
俺はスキンヘッドな筈だ。髪がある訳が無い。
「?」
「うわっ…」
それは髪ではなく陰毛だった。
俺の頭と股間は入れ替わっていた。
つまり目の前にはズボンがある訳で、何も見えない。
そして上はもろ出しだ…?
「ちょ、待て、俺いまどんな…どんな……はっ!」
キモい生き物を思い浮かべたところで目が覚めた。
どうやら衝突のショックで気を失っていたらしい。
「もうこんな時間か・・・」
俺は腹がかなり減っていることに気付いた。
「なんかあったはずだ」
ユッケだ。
662 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/05(木) 16:43:39.25 ID:jtqA4/5h
ペニス一郎「あぶりやきです」
極度の飢餓状態にあった俺は、あろうことかペニス一郎を食してしまった。
トリミングされていないペニス一郎は表面の猛毒をそのまま喰らう事になり、非常に危険である
俺は食中毒で命を落とした
666 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/12(木) 16:44:21.76 ID:CMr0WLdl
〜NEW GAME〜
667 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/13(金) 18:43:37.27 ID:kpdy5bmD
名前を入力して下さい
668 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/14(土) 10:12:01.96 ID:WlL38ZYJ
とんぬら
あんたとんぬらって言うのか。強そうだな。
俺の名は、ああああ。一緒に冒険しようぜ。
670 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/15(日) 21:50:22.73 ID:3rIY8eem
ああああ、と名乗る男が私とんぬらに話しかけてきたのは
ポートセルミの酒場でのことだった
671 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/16(月) 07:34:55.65 ID:M+Lmaf0k
ここポートセルミは、高い灯台と大きな宿が特徴的な港町だ。
しかしそれだけではない。
二つの勢力により、この港町は支配されていた。
町の東西を横切る国道を境に綺麗に二つに分断されている。
もともとこの町は二つの隣接する町が合併して出来た物だ。
だから警察署も二つあった。市役所も二つ。市議会も裏社会も二つあった。
しかし一つの町に二つの警察署や市議会も必要ない。
中央官庁の命により、あと3ヶ月でこれら二つは一つになることになった。
つまり、二つの内の一つは無くなるのだ。
673 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/18(水) 07:04:25.77 ID:SI+HVgmv
しかし、それはこの町の問題であり、よそ者の自分が関わるべきことではない。
私はああああという男を観察する。
674 :
創る名無しに見る名無し:2011/05/18(水) 19:22:51.10 ID:hrZbAxFa
(適当そうだな……いやいや、偏見はいかんぞとんぬら!)
内心自分を叱咤しつつ、俺は尋ねた。
「君は何が得意なんだ?あーーあ、ああーあ…あ・あー…
うおおおお呼びづれえええええ!」
とんぬらが叫んだ拍子に手にしたコップからこぼれたビールが
隣に腰掛けていたプーチン閣下のスーツを濡らしてしまった
「あまり私を怒らせないほうがいい…」
閣下のハダカ絞めがとんぬらを襲う!
とんぬらはにげだした!
しかしまわりこまれてしまった!
とんぬらはかくごをきめた!
アーッ!
プーチン閣下はにげだした!
それはプーチン閣下、御年7歳にして初の敗北だった。
「このままでは済まさん!」
プーチンはオーバーマン・オブイエークト199を呼んだ
パイロットはシュガポフ軍曹だ
オブイエークトのオーバースキル<腰振りダンス>が生み出す振動波は
人体をお粥のようにグズグズにしてしまうぞッ!
「くっ…ならばこちらも!行け、ああああぁぁっ!」
「おうっ……って…え…えええ!?」
グズグズにとろけたお粥のように菊座からあふれでる白濁した熱い粘液。
とんぬら「ハッハッ…はふぅ…」
681 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/01(水) 21:38:10.40 ID:tiJvRKvI
そこに突然、顎の長い男が現れた。
「ミハエル、助けてくれ」
と、とんぬらは言った
682 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/02(木) 22:20:44.97 ID:31qiC3iM
だがそれはミハエル・シューマッハではなくアントニオ猪木だった。
683 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/05(日) 00:44:47.81 ID:sVa8Cxy/
馬場「ひさしぶりだよね、寛ちゃんと会うのもさ」
猪木「ホントにねぇ…何年ぶりかで…お変わりなく(笑)」
馬場「お変わりなくってさ、死んでんだから変わりようもないよね(笑)」
一同爆笑
684 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/14(火) 19:48:04.37 ID:n9LQcj2b
フワッフワッフワッ
685 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/20(月) 13:39:05.51 ID:kqMBtfCX
その時馬場の霊体に変化がッ
686 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/23(木) 22:14:01.02 ID:JIWjiK7y
ぐにょぐにょぐにょ…
霊体はスライム状になり再び別の姿をとった
それは、まるで蟹と海老を足して3で割ったような形だった。
つまり、何かが足りないザリガニである。
689 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/26(日) 10:10:42.00 ID:zwAvf4b/
「何かが足りない…それは君の心の内面を表しているのさ」
「誰だ」
690 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/27(月) 00:35:12.28 ID:36cCoYdo
「はっはっは…俺の名は虻能丸。」
「虻能丸!?」
「貴様の菊座を頂きにきたのだ」
「な…なんやて?」
691 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/27(月) 18:58:15.56 ID:/BWc1aTN
「そうはいかない、その菊穴は我々のものだ」
、と我々団のメンバーが取り囲んだ。
692 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/27(月) 22:24:03.56 ID:62bxrWud
それはまるで満員電車だ!!メンバーの一人の息子がため息をした瞬間だった!
693 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/28(火) 00:36:10.94 ID:ckUOJwKn
息子が全開した
694 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/28(火) 19:15:14.94 ID:MZzs2KYi
全開というより全壊だった。
695 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/28(火) 20:30:48.98 ID:ckUOJwKn
崩壊した息子を飲み込んだ肉のドームがヒクヒクとうごめきながら白い煙を吐き出した。
俺は満足し、タバコに火をつけた。
696 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/28(火) 21:15:23.01 ID:s8ZHkknB
ついでに、自分の服にも火を点けた。
697 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/29(水) 01:38:46.05 ID:yLZBRJjC
炎に包まれながら俺は246沿いを歩いていた。
すれちがうキャバ帰りの若い女が俺の炎で煙草に火をつけた。
「アリガトゴザマシタ」
698 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/29(水) 21:50:56.27 ID:qHgud03U
俺はそのフィリピーナをレイプした。
行動しようとしたとき、逆にレイプされた。
700 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 18:26:15.57 ID:iFlro2X3
「それは、チン毛太郎の仕業じゃ」
701 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 18:31:46.28 ID:w2npfEEz
などと妄言を弄する老人を無視して俺は俺の男としての尊厳を踏みにじり腐ったフィリピン女に
復讐する方法を考えるのである
そうだ!京都へ行こう。
703 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 20:34:44.58 ID:SijejCLH
思い立ったらすぐ行動するのが俺のモットーだ。
早速京都に行くための準備を始めた。おやつはもちろん800円までである。
だが俺は300円しか持っていなかった。どうすればいいか悩むに悩んだが、いい案は浮かばなかった。
その時だった。
704 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 20:36:13.31 ID:iFlro2X3
「チン毛太郎から奪えばいいのじゃ」
705 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 20:48:51.64 ID:sP9GpsAe
我ながらいい考えだ。俺はチン毛を抜いた。予想以上の痛みに耐えながら、そのチン毛を店長さんに「これが目に入らぬか!」と言いながら渡した。
706 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 21:00:42.46 ID:mYZlEwNt
ひれ伏す店長の懐から抜き取った乗車券を手に、俺は新幹線に乗り込んだ。
どこかの女子高の修学旅行とかち合ったらしく、車内は若い女の体臭でむせかえっている。
席が見つからない俺は床に寝っ転がり、スカートから覗く白いナマ足の景観を堪能した。
707 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 21:11:05.70 ID:sP9GpsAe
数時間後…京都に着いた。修学旅行中のjkを盗撮しまくった。金閣寺が目の前にあったが、jkを撮った。まさに、男の中の男の中の男だ。
708 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 22:54:50.66 ID:J8hEK1J5
その女子高生軍団の中に、見慣れた顔があった。
709 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 23:02:57.35 ID:w2npfEEz
あのときの俺を逆レイプしたフィリピーナだ!
710 :
創る名無しに見る名無し:2011/06/30(木) 23:09:23.56 ID:SijejCLH
純白の女子高生達の中に、一人だけ明らかに年を喰った色黒の女が混ざっているのだから気づかないわけがなかった。
――――やるなら、今がチャンスだ―――
そう考えた俺は、コートの内ポケットに隠しておいたリボルバーを握りしめた。
銃弾は6発しか入っていないが、今の俺にはそれで十分だ。
俺はフィリピン女の背後に回り込むと、息を殺して近づいて行った。
そして、古都京都に一発の銃声が響いた・・・
711 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 00:04:07.66 ID:Xh1iw05u
俺は、目の前が真っ白になって、気付いたらベッドに倒れていた。「な…何が起きたんだ?」辺りを見回すと、妙なものがあった。
712 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 00:20:00.60 ID:RgfYHRxP
部屋の中央に置かれたそれは、巨大なガラスシリンダーのようだ。
容器内にはたくさんの人間の男の死体が裸にされた状態で詰め込まれている。
シリンダーの下部に取り付けられた蛇口からはポタポタと白い液体が滴り落ち、大ぶりのデキャンタの中へとゆっくり注がれている。
713 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/01(金) 00:31:16.28 ID:Xh1iw05u
何でこんなところに?フィリピン女め…。そうだ!フィリピンに行こう。
714 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 02:49:51.46 ID:EmDyQRFz
と言いながら、家に帰って、カップラーメンを食べた。
715 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 10:24:25.33 ID:wiDn4p15
はっ、と目を覚ますと、俺は留置場の中にいた。
金閣寺のど真ん中で拳銃をぶっ放したのだから当然だろう。
銃刀法違反、及び殺人未遂であっけなくブタ箱行きだ。
俺は、もう少しうまくやるんだったな、と後悔した。
だが、あのフィリピン女は死んだ筈だ。
復讐を果たしたという達成感に俺は酔いしれ、微笑していた。
716 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 11:53:36.07 ID:+zopdJeZ
「いいえ、あの女はまだ死んでいないわ」
「誰だ?」
振り向くと鉄格子の向こう側に数年前に生き別れになった妹が立っていた。
717 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 12:38:49.61 ID:EmDyQRFz
その妹がフィリピン女だった。
718 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 13:46:56.13 ID:MuabrtZJ
平成9年4月月例会. 発表者: 小澤正人氏(京都私立大学)
題 目: H. G. Wells, Sea Lady ... 5 小澤正人「『英雄と悪漢』における女性主人公の旅」. 雑. 同人活動報告 月例会発表記録:
イギリス小説ノート同人住所録: 編集後記
719 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 16:00:28.09 ID:TQMfvw47
13年の刑期を終えた俺は郊外のアパートで暮らし始めた。
縁とは妙なもので、あのフィリピン女との同居生活、しかも彼女の連れ子付きである。
書架に乱雑に詰め込まれた日本語の書籍たちから、彼女の日本での生活の苦闘ぶりが窺い知れ、俺はしばし感慨に耽った。
720 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 16:59:38.01 ID:EmDyQRFz
ある日、俺は家出を試みた。
721 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/02(土) 18:06:48.86 ID:wiDn4p15
だが家の前で大型トラックにはねられた。トラックの後輪に頭は押しつぶされ、四肢はあらぬ方向に捻じ曲がった。
こうして俺は死んでしまった。今思えば人生をなんと無駄に浪費していたのだろうか。
俺にも昔、夢があった。だが日常の生活に追われる中、夢は色あせ、朽ち果てていった。
現実はムショを出て世間には犯罪者として後ろ指を指され、再就職もかなわず、月々12万円の生活保護で国の財産を食いつぶす…
そして挙句の果てにはトラックにひき逃げされて死ぬ…なんという不幸な男なのだろうか。
生まれ変わったら私は貝になりたい…
薄れゆく意識の中で、俺はそんなことを考えていた。
完
「完」
スクリーンに映し出される巨大で無粋な一文字
下らない映画だった。
魅力のない主人公の不幸話で、お涙頂戴を狙うにしても話の筋は支離滅裂。
映画代を返せといいたい。
723 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 00:16:19.51 ID:BIT+McIu
当然俺の隣で映画を見ていた彼女も不満を漏らす。俺はそれを慰めて、お題目を唱えた。
気分転換のため、草加学会会館へこの世の神であり最高支配者である池田犬作先生のお話を聞きに行くことにした。
724 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 04:25:37.83 ID:V7vk8PQ3
金はないので当然徒歩である。
案の定五分も歩かぬうちに彼女が文句をたれ始めた。
この彼女、なかなかの美貌であり、よくこじはるに似ていると言われるそうな。
しかし見た目以外に本当に取り柄のない女だ。
それを知らぬ同僚やら友人が俺を羨み、冷やかし、時にはあからさまに敵意をむき出しにしてくるものだからたまったものではない。
725 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 19:35:35.74 ID:V0WakISb
そのため、俺は彼女に別れを切り出そうと思っていた。
しかし性欲には勝てなくて
何より彼女はメンヘラである。
別れを切り出した次の瞬間には俺の首が地面に転がることは容易に想像できた。
728 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/03(日) 21:09:35.99 ID:V7vk8PQ3
やむなく、近くのビルの漫画喫茶に入ることにした。
エレベーターに乗り、戸が閉まると同時に彼女が笑顔で目くばせしてきた。
いつものように彼女を抱き寄せ唇を合わせる。
すっかりマンネリ化した作業なのだが、彼女は飽きもせずスリルを感じているようだ。
こじはる似の、いわゆるいい女とこのような関係になりつつ、ときめきという感情だけをスポイルされた俺は、あるいはとても不幸な
「ナイスですね〜!」を言った。不幸なナイスとは些か語弊があるが、とはいえこれを言わなければ、
「据え膳喰わぬは」の類いになってしまふ。冷たくなってしまった焼きバンをかじりながら、何回も繰り返すのである。
すると、バカにしたと思った彼女が包丁を振り回し始めた。
ヤンデレの標準装備をきちんと用意していたとは...
731 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/04(月) 00:45:17.85 ID:U3MR043e
振り回していた包丁が、なんと!!出刃包丁だったのだ!!!!
732 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/04(月) 08:01:57.46 ID:GSdGZOiq
彼女の振り回す出刃包丁がエレベーターの操作盤に突き刺さる。
プルルル…キュゥン…と音がしてエレベーターが停止してしまった。
こじはる似の彼女もさすがに動揺の色を隠せずにいる。
733 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/04(月) 11:18:17.72 ID:NcwKSmY1
女を罵倒したい衝動に駆られたが、そんなことをしても何の解決にもならない。
俺は心を落ち着かせるためにお題目を唱えた。
すると散らばっていた点が一本の線でつながれるように、心に情景が見えてきた。
美しい黒の長髪と御髭、すべてを包み込むような細く、黒い目…
そう、真理の御魂、神聖法皇である麻原彰晃尊師であった。
735 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/04(月) 19:46:00.69 ID:RDWuy+Gn
そして俺は悟りを開いた。
そう、尊師の言葉は神の言葉だと!
俺は立ち上がり、彼女の手を握った。
「行こう、オウム真理教青山道場へ」
オウム信者とともに、この腐りきった世の中に鉄槌を加えてやるのだ!
俺たちは泣きながら明治通りを駆け抜けて行った。
736 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 01:55:07.35 ID:SlpuFnhq
サティアンと呼ばれる巨大な建物の中の板張りの大広間に、白い服を着た男女が規則正しく交互に並んでいる。
傍らには布団が用意されている。
737 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 13:40:34.93 ID:8BDYK31m
今から、枕投げが始まるようだ。
738 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 19:20:06.22 ID:5ug4nkh3
そこに現れた人物は・・・。
739 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/05(火) 20:59:52.05 ID:Wuhcmc0d
松井重松だった
740 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 02:35:33.25 ID:BIo1Z77i
松井は仰々しい仕草で衣服を脱ぎ捨て、仁王立ちで吠えた。
場内の男女たちから感嘆のどよめきが起こる。
女たちの視線を集めるその部位は赤黒く輝き、反り返って天を仰いでいる。
俺の隣で彼女がゴクリと唾を飲み込む音が聞こえた。
741 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/06(水) 22:32:52.67 ID:szcACyyu
彼女はその肉感的な唇で重松のペニスを包み込んだ。
742 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 02:20:49.63 ID:7vK+be5Q
周囲からはさらなるどよめきが起こるが、好奇の視線をよそに彼女は目を閉じて松井の男性自身を喉の奥までくわえ込み、ゆっくりとグラインドさせ続けている。
悪い夢のような光景を目の当たりにした俺は卒倒しそうになるのをこらえつつ松井の表情を窺った。
松井は俺の彼女の奉仕を受けながらうっすらと笑みを浮かべて天井を仰ぎ見ている。
上目遣いでそれを見ながら彼女の動きがさらに速くなる。
743 :
忍法帖【Lv=4,xxxP】 :2011/07/07(木) 10:14:20.23 ID:dsk2SBBP
アカーン!!!
744 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/07(木) 18:13:37.80 ID:4D434K8g
と、松井重松は歓喜の雄叫びを上げた。
彼にとっては6年ぶりのフェラだったのだ。
745 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 19:30:08.92 ID:5nX8x6cB
しかし、彼にとっての6年は一般人にとっての3日に過ぎない。
松井重松はもはや気が狂っていた。
746 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 20:39:17.72 ID:NfsCublm
★★★
★
*真実をもっと広めましょう!!!
今“超”話題の、課 題 :「 男 は 世 界 に 不 必 要 」
’【男児は不要なんです!!】’
■今も、昔も、男は消耗品
男は一生奴隷のごとく、女性や子供のために命削って働く人生
お洒落も出来ず、馬力のように働かされる
一方、犯罪者や障害者(精神疾患)などは男のほうが圧倒的に多く、不安定な性
■男という醜い生き物■
・殺人、テロ、学級崩壊は全て男によって引き起こされている
・犯罪の男女比は親の教育の仕方だけで説明できる問題ではない
・男がいるから無駄な戦争がおきる。
・男はお母さんの遺伝子を他の娘に提供する権限を巡って殺し合わせるためのものなので
戦争イラネなら男イラネも同然だ
・戦争の何が悪いかというと女子供地球環境まで巻き添えにする事だ、男だけが死ぬならバンバンやれ
・男の頭は女より悪い、人間関係処理には不適合。所詮殺しあうための存在なんで
・男がいないと女も子を生むことができないというのはウソ
【犯罪者の95%は男です!】
http://toki.2ch.net/test/read.cgi/baby/1310121099/5 ★★★
★
母親の9割は女児希望!いつの時代でも男児は需要なし
女性の約6割は、公共の場での男の存在が不愉快と感じている事実!
汚い、臭い、見るだけで不愉快!君たち男は本当に存在価値無し.
747 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/08(金) 23:01:09.44 ID:fjhtVkux
そんなコンプレックスに打ちのめされ、消耗すらされない消耗品として生きてきた42年の日々。童貞の日々。
そんな爛れた日常に今ピリオドが打たれようとしているのだ。
射精寸前で松井は彼女を制し、跪いて彼女の服を脱がし始めた。
松井にすっかり身も心も許し切った彼女は、一糸まとわぬ姿になると仰向けに寝そべり、ゆっくりと静かに足を広げた。
748 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 16:31:19.13 ID:sBj0eYmW
そのまま彼女の両脚を押し広げると、既にパンパンに勃起したペニスを前戯なしにいきなりぶち込んだ。
「ひ、ひぎいっ!」
甲高い悲鳴が響く。 しかし松井は無遠慮に彼女の尻に己の全てを叩きつける。
髪の毛を引っ掴み、乱暴に唇を奪いながら、激しく攻め立てた…。
749 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 18:49:51.54 ID:NE0wZ38/
痛みに耐え、全身をこわばらせている彼女を冷徹なまでに責め立てる松井。
その黒ずんだ尻や背中に浮かぶ筋肉の溝が責め苦の激しさを物語る。
そして彼女の表情が穏やかになってゆき、半開きの唇から甘い吐息が漏れ初めた。
感じているのだ。自ら腰を浮かせて髪を振り乱して快楽に浸っている。
「てめぇは殺す!ぶっ殺してやる」
俺は松井への嫉妬から思わず叫んだ。
しかし松井は俺を見向きもしない。
屈辱感と敗北感に俺は涙を流した。
状況などなにも変わるはずは無いのに...
752 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/09(土) 22:28:29.04 ID:NE0wZ38/
こじはる似の彼女を文字通り寝取られ喪失感に暮れる俺に、彼女は一瞬申し訳なさそうな表情を見せた。
だがその刹那、彼女は松井の逸物を膣内にくわえ込んだまま体位を変えて尻を突き出し後背位の姿勢になった。
ピストン運動を続ける松井の太ももと彼女の尻がピシッ!グチュッ!と淫猥な音を響かせる。
「あんっ!あっ!…はぁぁん…」
俺とのセックスでは決して発する事のなかった、心の底から感じている、子宮口を突かれながら妊娠を望んでいる、幸福感に満ちた喘ぎ声が俺の耳に突き刺さる。
妄想に逃げるのはそこまでだ・・・
そういいつつ、颯爽と登場したのは竹内ブルボンであった。
颯爽と登場した竹内ブルボンに向かって俺は渾身の右ストレートを放ち、瞬殺してやった・・・
756 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/10(日) 20:59:33.35 ID:8XBKfoCO
ドワーッと歓声が巻き起こる。
彼女を寝取られた腹いせに人を撲殺するなんて格好いいもんじゃないが、今のストレートはタイミング、スピードとも申し分ない。
少し自分に酔ってしまったぜ…。恥ずかしいからみんなもう静まってくれよ。
と思い顔を上げると俺のほうなど誰も見ていない。
歓声が上がったのは俺のストレートが鮮やかだったからじゃなく、松井の責めに耐えかねた彼女の股間から勢いよく潮が吹き上がったからだったのだ。
757 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/11(月) 16:43:57.06 ID:4gIbq+VV
獣のような情事を目の当たりにし、気づくと自分のペニスを右手でこすり始めていた。
自分が獲得した女が、今目の前で別の男に穢される…その背徳にマゾヒスティックな喜びを見出したのだ。
悲鳴を上げる彼女に憤りを覚え、松井重松の乱暴な愛撫に反応してゆくことに殺意を覚える。
しかしそれも、今の俺にとっては欲情を掻きたてるだけのものだった。
758 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/13(水) 01:21:06.25 ID:BEacZEn7
悔し涙を流しながら自慰にふける俺を一瞬見やった彼女だったが、松井の強靭な腰の律動に耐えかね、再び淫猥な笑みを浮かべて歓喜の喘ぎを揚げ始めた。
こじはる似の清楚で端正な彼女の面影はすでになく、「あっ…あぐぅ…くふふふっ」と阿片中毒のような声を漏らしながら狂気の表情で快楽に溺れている。
松井「…おおう…。もう…出そうだ。中に出すぞ。思い切り中に、ふっ!シュッシュッシュッシュッシュシュシュシャシュシュシャアアアアアッ!!」
「そこまでだ、お前たち」
ゆっくりと、目線の高さに曇りガラスを嵌めこんだ木製のドアが開かれると、そこに男が立っていた。
男は紺色のスーツを着ており、硬く強ばった表情で、半透明なフレームのメガネの奥に、覚悟を決めたような、疲れきったような、重く据わった目を光らせていた。
侮蔑を込めた冷たい目で見下ろす男の目は、嫉妬でピリピリしていた。
760 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/14(木) 21:21:44.83 ID:YA0by4pw
「お、お兄ちゃん・・・」
と、彼女は言った。
そう、そこに現れたのは彼女の兄であり、俺の親友でもある小島ジュゲムその人だった。
761 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/14(木) 23:52:01.49 ID:znLkjS2N
彼女に挿入したまま中座させられた松井が顔を真っ赤にしていきり立つ。
「おうおう。兄貴なら空気読めや。妹の幸せを邪魔して何が楽しい?」
すっかり萎えた逸物が彼女の膣から抜けてダラリと垂れ下がる。
「まずは服を着たまえ。それから、わが妹を汚した落とし前をつけるとしようか」
762 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/15(金) 11:27:39.38 ID:yPIf6Oku
「いいのか?俺はノンケでも構わず食っちまう男なんだぜ・・・」
と、重松はいきり立つ。
「面白い、貴様の力を見せてもらおうか」
ジュゲムは自ら衣服を投げ去り、その筋肉質の肉体美を見せ付けた。
観客からは歓声が上がった。
763 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/15(金) 21:05:58.50 ID:3wPUoD9j
ジュゲムは重松のアナルに自らの極太ペニスをメリメリとめり込ませた。
恍惚の表情で腰を前後に振りながらジュゲムは叫んだ。
「妹を連れて逃げろ!俺がここは食い止める!」
764 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/15(金) 22:47:10.67 ID:52u8Za0Z
「そうはさせんぞ…アナル・クランプ!」
重松の尻に大臀筋の溝が浮かび上がり、ジュゲムの逸物を締め付ける。
「うぐっ…動けん」
「幾多のハッテン場で鍛え上げた括約筋による地獄締め。その締まりはノンケ男をも二度と女では満足できないカラダにしてしまうのだ」
快感を通り越し悶絶したジュゲムの口から嘔吐物が吹き上がる。
まだだ、まだ終わらんよ!!!
766 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/16(土) 17:43:37.99 ID:hpixV+z9
「私とて負けてはいないぞ。これならどうだ!アルティメット・エレクション・ギア・セカンド!」
ジュゲムの下半身の諸筋群の隆起とともに陰茎体積がさらに増大し、裂けんばかりに拡張された松井の菊座から筋繊維の断裂するプチプチという音が響く。
「うっ…痛い…いたたた」
「見せてもらおう…ハッテン場仕込みの肛門の締め具合とやらを」
767 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/18(月) 22:55:30.19 ID:/hoMdS+O
男同士で交流を深めあってる隙に俺は彼女を連れてその場を離れた。
768 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 18:44:21.53 ID:b49Qn8FE
俺は興奮のあまり、失禁している事に気づいた。
769 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/20(水) 22:22:27.15 ID:clRNdkGJ
土砂降りの雨のおかげで彼女には俺の失禁がバレてはいないようだ。
俺は努めて明るく振る舞い、彼女の手をとって地下鉄の階段へと避難した。
そういえば、彼女は全裸のままだった。
突然失礼する。
俺の名前はミスターアヌス。その道ではちょっと名の知れた肛門鑑定士だ。
今日は俺が今まで受けた仕事の中で、もっとも印象深かった話をしよう。
――それは、一年前のことだ。
その日の俺は下痢気味で、銀座の街中を内股気味に闊歩していた。
すると、俺の前にワインレッドのスパンコールドレスを着た、美しい女が現れて言った。
「お兄さん、臭うわよ」
莫迦な! ……漏らしているはずは無い。さては貴様、くぁwせdrftgyふじこlp
七瀬ぇぇぇぇぇぇ!
773 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/22(金) 22:25:39.08 ID:6nmlWG6P
どっぴゅんこ!
いやはや、ヘルスで二発はさすがに無理かとおもったけど、どうしてなかなか。
七瀬ちゃんの絶妙にソフトな舌遣いにたちまち息子も昇天!タハ…
774 :
創る名無しに見る名無し:2011/07/25(月) 21:39:18.66 ID:Fs/AaKQq
しかしそれだけでは終わらなかった
775 :
創る名無しに見る名無し:2011/08/13(土) 20:41:39.08 ID:NkYx3ZhJ
ぴっちゃんこ…ぴっちゃんこ…
古びた木造アパートの二階の一室に響く水を打つ音。
綿のすっかり抜けたようなくたびれた布団の上に横たわる若い女の肌が、月明かりを浴びて青白く浮かび上がっていた。
その太ももをかき分け、黒々とした毛の群がりに顔をうずめて一心不乱に舌を遣う男…
と、妄想した彼の名は
777 :
創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 10:46:14.15 ID:jCcwWLkP
ペニス一郎である。
778 :
忍法帖【Lv=28,xxxPT】 :2011/08/15(月) 19:58:57.50 ID:vF5F9HMh
そんな男は存在なんてしない。頭の中に作られた異端な存在なのさ。
いつの間にか狂っていたのさ。知りもしない間に・・・
異常なのは分かっている。だが何もできなかった。
それにしても777とはフィーバーではないか?
絶望の縁に感じたことがこれとはな・・・
779 :
創る名無しに見る名無し:2011/08/15(月) 20:46:09.38 ID:6+no3NxV
フィーバーといえばパチンコ、ちんこ、ペニスか…
俺は眉を潜めて煙草を取り出し火をつけた。
吐き出した煙が夜空へと散ってゆく。
あの女の膣内に放たれた俺の精液のようだな。
カ♂「そろそろそろそろわたくしが登場してもいいですか?」
781 :
創る名無しに見る名無し:2011/08/22(月) 00:43:10.53 ID:GMBPMnPb
その言葉をかき消すようにナナは俺の上で激しく腰を振り、忘我の境地へと至っていった。
彼女は愛くるしい童顔ながら女として充ちるべきところは遺憾なく充ちてい、幾多の風俗遊びを経てきた俺をも十分に虜にした。
「誰か来たみたいだよ?」
「ウン。ダメ。今良いところ…あっ…はぁぁぁ…っ…もう…イく…」
コードNo.999「そこのお兄さん何やってんですか!?この世界は禁煙ですよ?」
コードNo.9999「えっええーえええっーえええっーええーえええええっーえええっええええええーえええっーえっえっえっえっえっえっえっー」
私は、この人に気がついた。
すかさず不意打ちのハリセンを喰らわした
しかし、それは地球から見ればなんともない。
786 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/19(水) 16:14:14.96 ID:pNLnWJXr
1. 初恋ばれんたいん スペシャル
2. エーベルージュ
3. センチメンタルグラフティ2
4. ONE 〜輝く季節へ〜 茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司のSS
茜 小説版、ドラマCDに登場する茜と詩子の幼馴染 城島司を主人公にして、
中学生時代の里村茜、柚木詩子、南条先生を攻略する OR 城島司ルート、城島司 帰還END(茜以外の
他のヒロインEND後なら大丈夫なのに。)
5. Canvas 百合奈・瑠璃子先輩のSS
6. ファーランド サーガ1、ファーランド サーガ2
ファーランド シリーズ 歴代最高名作 RPG
7. MinDeaD BlooD 〜支配者の為の狂死曲〜
8. Phantom of Inferno
END.11 終わりなき悪夢(帰国end)後 玲二×美緒
9. 銀色-完全版-、朱
『銀色』『朱』に連なる 現代を 背景で 輪廻転生した久世がが通ってる学園に
ラッテが転校生,石切が先生である 石切×久世
SS予定は無いのでしょうか?
ふふふっ・・・。 薄暗い部屋の中で、女はふと、笑みを漏らす。
部屋に電灯はなく、やけに白っぽいパソコンにデスクトップが化粧っけのない鼻筋を照らしていた。
「大分錯綜してきたか・・・。ま、無理もないわね。」
視線の先に広がる、「何でもアリ」と銘打たれたそのリレー小説は、文字どおり迷走を繰り広げていた。
何度もエンドを迎え、さらに物語が展開し、夢オチ、場面転換、まさに何でもアリの展開。まとまれ、と言うほうが無理なのかもしれない。
「でも、」
だからこそいいのかもしれない。
何人とも知れない人物たちが、あるときは主人公、あるときは使い捨てキャラ、またあるときは書き手本人として、物語を紡いでいく。
最初に「5行以上は禁止」とか、「エロ、グロは禁止」とかあったはずのルールもいつの間にか新たに秩序に置き換わっている。
「もうちょっと応援してみようかな・・・。」
女は再び画面に目を落とす。右手にはマウス。ポインタは既に[sage]チェックボックスを空にしていた。
「書き込み・・・と。」
これからどんな物語が繰り広げられるか、それは誰にも分からない。
けれど。
女は、また更新ボタンをクリックする。
788 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/19(水) 23:34:02.94 ID:NVF4rdGj
だが
>>787の書き込みはsageられていた
自分では[sage]チェックボックスを空にしたつもりだったが・・・どうもうっかりしている
789 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/20(木) 22:11:18.07 ID:symDKRFP
それに加えて最近物忘れも多い・・・。
認めたくはないがこれは年のせいなのか・・・?
いや・・・
まさか・・・
これは・・・!!!
「新手のスタンド使いね!」
791 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/21(金) 11:51:18.53 ID:hP6vpDZS
どうやら幻覚が見えるようだ。近年、認知症は増加しているが、私はレビー小体型のようだ。
そして女は言いました。
793 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/21(金) 20:30:01.03 ID:uwYACAEL
いや、何も言いませんでした。
794 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/22(土) 01:52:50.36 ID:Lt56nIaF
いつまでたっても、サマルトリアの王子がいない。
END
796 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/22(土) 20:41:33.04 ID:il0Em9VF
と同時に安っぽいエンディングテーマが流れる。
女はテレビゲームの画面に向かっていたのだった。
こんな訳分からん糞ゲーをシリーズ最新だからと言って、
予約までして買った自分にムカムカしてきた。
取り敢えず気晴らしに…と手を伸ばす。
しかし、なぜか手がまだまだ伸びる……。
まりこ「おらがいつ悪魔の実を食べたっけ…」
大先輩「きみはゴムゴムの実を食べたのか?能力者になれたのか?よし、おれと勝負だ。」
798 :
創る名無しに見る名無し:2011/10/23(日) 16:10:45.02 ID:ivIwb5yX
先ずは、牛丼早食い勝負である。
勝負は最寄の某牛丼チェーン店で行われた
勝負の様子はテレビ局により全県に放映される
レポーター「では、勝負の前にお二人にインタビューしたいと思います。まずは大先輩さん」
大先輩「はっはっは、何でも聞いてくれたまえよ」
大先輩は上機嫌だ。テレビに出れたことが嬉しくてたまらないようだ。
レポーター「いつ死ぬんですか?」
大先輩「えっ?……死?…」
レポーター「おれが決めてもいいんだぜ。」
802 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/01(火) 07:21:22.65 ID:1wru/IpI
そう言ったレポーターは恐るべき正体をあらわにした
レポーターは右手をそのあごへ導くと、バリリという音とともに顔をやぶり捨てた。
そのマスクの下にあったのは・・・
「なっ・・・何も・・・ない・・・?」
「はっはっは、よく見たまえよ。私の真の姿を!そしてこのスレのレスを!見覚えがないか、この私の姿に!」
よく見ると、顔面の取り去られたレポーターの首には、5cmに満たない、チョコエッグのおまけにもなりそうな、小さな白い物体が蠢いている。
よく見ると人の形をしたそれは・・・
「け・・・ケフィア人間・・!?」
その直後、レポーターが全員死んだ。死因は全員心臓麻痺。
大先輩「…キラか?…本当にデスノートってあったんだなwwwwww」
ドサッ…
大先輩が死んだ。死因は心臓麻痺。
ゴミ男(キラ)「新世界の海賊王におれはなる!!」
ゴミ男「削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除っ…」
806 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/12(土) 22:42:29.98 ID:ucMxzHS3
ゴミ男はデスノートを使って今までの登場人物を殺しまくった
高島も、みほも、香川も、コロ助も、皆ゴミ男のデスノートの毒牙に斃れた
古いキャラを一掃することにより、まさに自分が新世界の神(主人公)になろうというのだ
807 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 10:54:49.72 ID:o9VkAbzy
しかしコロ助は死ななかった。何故なら心臓がないから、である。故に、心筋梗塞や心不全にはなり得ない。
コロ助「わ・ワガハイをコロスケ(=殺す気)ナリか!」
809 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/13(日) 13:08:55.11 ID:N8Ad4k15
「笑えないダジャレだ」
煙草の煙をくゆらせながらキテレツは呟いた。
ゴミ男「削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除削除っ…!…ぶほっ!!」
コロ助「うるせぇ」
コロ助はゴミ男の顔面を殴りつけた後、
自分の持つなまくら刀で倒れたゴミ男を滅茶苦茶に打ち据えた
812 :
あ:2011/11/14(月) 23:08:58.50 ID:EEunOcq5
と
813 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/14(月) 23:15:02.76 ID:EEunOcq5
コロ助は自慢の刀をペロリと舐め、売春窟へ向かった。
「ヒトを斬った後は無性に興奮するナリ。女を抱かずに寝るなど不可能ナリ」
スナック“ブタゴリラ”のドアを開け、カウンターに頬杖をつく女、ミヨと目が合った。
814 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/15(火) 00:05:56.43 ID:WLnRCj6k
ペニス一郎「ご注文は?」
「今日は寒いからお湯割り」
「かしこまりました」
一郎にオーダーをつげながら、コロ助はミヨから目を離さなかった。
(やだわ、このロボット、あたしの裸を想像してる)
ミヨ―もちろん偽名である―は、普段は掛けている「心の掛け金」を
酒の作用もあって今日は下ろしていたのだ。
ミヨ、本当の名前は…
「独りかい」
ロボットの思念に自らの一糸まとわぬ裸体を投影させられて
ミヨはうんざりした。
「そうよ。あなたは」
「独りさ」
コロ助は謎めいたこの美女に内心を気取られぬように
煙草をくゆらせた。
(何でこんな変な能力が身に付いちゃったんだろう)
ミヨ(仮名)に人の心が「見える」ようになったのは子供の頃からだった。
(お父さんも…そうだった)
彼女の父―製薬会社に勤めていた―も娘同様に人の心を読んだ。
818 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/16(水) 14:12:40.38 ID:ISBg5gHp
父は勃起していた
しかし、それは彼の本当の能力とは少し違うものだった。
彼も娘同様他人の心を読めるのだった。
いわゆる精神感応能力者(テレパス)であった。
そして、また娘であるミヨもテレパスなのだった。
820 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/17(木) 20:21:00.96 ID:qT4qFMlm
コロ助によって自分の裸体を弄ばれる映像に辟易させられながら、ミヨは顔色一つ変えず酒を用意した。
男達の自分に向けられる視線の卑猥さには慣れていたが、この男から感じられる、単なる身勝手な性的妄想とはどこか違う不気味な雰囲気に警戒心を強めていると、
「お湯割りはまだナリか」
はっ…!脳内に映し出されたコロ助の心象風景の恐ろしさに全身が凍った。
この男は私を屍姦しようとしている…!!
吐き気がしそうだった。
このロボットの思念が私を犯しているのだ。
ミヨはコロ助におかわりをあげながら、トイレに行きたい衝動に
駆られていた。
と、一郎のカウンターの奥から見慣れた顔が覗いた。
「ミヨさん、どしましたか?顔色悪い」
いつもミヨを庇ってくれる黒人のバーテンダー、チャーリーだった。
「アッシ〜モットニィ〜カラミィ〜ツックゥ〜」
チャーリーはミヨの気が晴れればと歌いだした
店の隅で壁を背にして飲んでいたジャック・ペインが立ち上がった
「その歌はやめろ!」
ペインはズボンのベルトを緩めた
「キャ〜ッ!」
ジェーン・ペルドリッチが目を覆った
ペインがズボンから取り出したのは銃身を切り詰めたショットガンだった
「イエスは主なり!」
ペインは引き金を引いた
823 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/19(土) 23:36:08.67 ID:AcSVb0iU
と同時に銃身がぐにゃりと曲がりペインの方を向いた。
銃声とともにペインの頭部が砕け散り、壁にべっとりと血痕が残った。
(ヘンリー、助かったよ…だが、この後どうする?)
チャーリーの思考に彼の弟と思しき若い黒人男性の顔が浮かんだ。
(フロアから人を出せ。遺体以外は全てな)
チャーリーの思念に呼びかける声が聞こえた。
(とは言っても客にはこの記憶が遺っている)
(それだ。俺もそれを考えた)
チャーリーは声に応えた。
(藤子を呼んだ。藤子に頼むんだ)
「えっ」チャーリーが振り向くと、そこに若い女性が立っていた。
「漁…藤子です」
「仕事…させてもらいます」
いきなり脱いだ
100インチは下らぬ巨大なバストがばるん!と揺れた
藤子は叫んだ
「記憶を失えーーーーー!」
叫びながら店内の誰彼構わずチチビンタを喰らわせていった
チャーリーは頭を抱えて蹲った
「これは夢だ…悪い夢だ……」
826 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/20(日) 21:25:16.68 ID:fTSbNSvc
「アッシ〜モットニィ〜カラミィ〜ツックゥ〜」
チャーリーはミヨの気が晴れればと歌いだした
店の隅で壁を背にして飲んでいたジャック・ペインが立ち上がった
と同時に店のドアが開き、豊満なバストを揺らしながら小柄な女性が入ってきた。
そしてチャーリーの歌に露骨に不機嫌な表情を見せ、腰の銃に手をかけつつあったジャック・ペインに歩み寄り、
「ヒドい歌ね。よかったらアタシの部屋で飲まない?」
827 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/20(日) 21:47:47.25 ID:Ufb8MdtH
ジャック・ペインは『西川きよし』ばりに目を丸くした。「っ誰かと思ったら、相変わらず口がわるいんだなぁアニータ。クルクルパーマやめたのか。柄にもなくストレートヘアにしたんだな。」
「そうよ。なかなかなもんでしょ?ところで、あんたモアイに似てるわよ。チリを懐かしく思うわ。」とアニータはため息をつき遠い目をした。
828 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/21(月) 00:56:17.15 ID:a6bKg8yN
(私の事を誰かと勘違いしているわ。この男、薬物依存かもしれない。この男に拳銃なんてまさにキチガイに刃物だわ。)
アニータと呼ばれた女の意識を辿っていたミヨは思わずはっとして顔を上げた。
本当なら今頃は壁際の男が拳銃で自殺をしていたところを、この女―本名を漁 藤子という―が時間を遡行する事で阻止したのを知ったのである。
(あら、さっきからあたしの顔ばかり見てるあの娘…何かしら嫌な感じ…まさかあたしの能力を知ってるなんて事…)
ミヨは内心しまったと思いつつ、新顔にも愛想を振りまく女給に自らを擬して無理に笑って見せた。
「お姉ちゃん、おかえりなさい」
疲れきった足をアパートの階段に無理やりへばりつかせながら
ミヨが部屋のドアを開けると、そこに年格好が5歳くらいの男の子が
顔を出した。
男の子の名はノリオ。ミヨとは血縁関係はない。訳あって彼を引き取ることになったのだが、
詳しいいきさつはまたの機会としたい。
(嫌なこと、いっぱいあったの)
ミヨにノリオの思念が入ってきた。
(チャーリーや、えっとアニータ?ふ、藤子って女の人に逢ったの)
ノリオもミヨと同じ感応能力者(テレパス)だった。
831 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/22(火) 20:39:30.88 ID:CRuHb1Ua
疲れた体をソファーに沈めるミヨ。
蛍光灯の明かりをぼんやり眺めているうちに眠ってしまっていたらしい。
くすぐったいような感覚に目を覚ますと、ミヨのスカートから覗く股間をノリオが意識の中で舐めるように見つめながら自分の未成熟な陰茎を扱いているのだった。
精神感応者であるノリオならミヨが目覚めて彼の意識を覗いていることに気が付くはずである。
だが彼は今、初めて知る己の本能的欲求に突き動かされ、ただ無心にミヨを視姦しながら自慰に耽っているのであった。
(五歳の子がもうこんなことを)
少しばかりの驚きを隠せないまま、同時に彼に自分の心を
覗かれているのだという二重の気恥ずかしさでミヨは赤面した。
(ごめん、お姉ちゃん)
目覚めたミヨの意識に気づいたノリオは慌てて彼女に背を向けた。
(いいのよノリオ。ところでお腹すかない)
ノリオの行為を咎めないようにミヨは別の話題に話を変えたのだった。
833 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/23(水) 01:41:09.83 ID:9ZhnVU1l
(お腹は空いてない)(恥ずかしい)(お姉ちゃんのあそこ)(毛)(オチンチンがない)(どうなってるんだろう)(嫌われたかな)(大きくなった)(ぼくの)(変な気持ち)(確かめたい)(お風呂で)
「いいわ。先にお風呂に入りましょう」
ノリオの目まぐるしい意識の流れの中に、子供なりの自責の念を感じたミヨは明るくそう言った。
(お姉ちゃんが作ってくれたカレー、チンして食べたよ)
「そう。ああもうこんな時間ね」
思念だけでの会話に危うさを感じてミヨは声を出した。
時計は午前3時を回ったところだった。
「ごめんねノリオ。遅くまで付き合わせちゃって。
今日はもう寝ましょう」
クタクタだった。身も心も何もかもが疲れきっていた。
ノリオを寝かしつけると、自らも倒れ込むようにしてベッドに横たわった。
次の日もまたあのロボットが店に来ていた。
「ミヨって子いるナリか?あの子と飲みたいナリ」
(お姉ちゃん…)ノリオが呼んでいた。
(また嫌なヤツが来たの?)
ミヨは、コロ助に微笑みかけながらアパートのノリオに答えた。
(大丈夫よ。今日は遅くなるから早く寝なさい)
836 :
創る名無しに見る名無し:2011/11/27(日) 21:26:36.60 ID:NG7xzY8R
ミヨの隣に座り、武勇伝を語りながら脳内でミヨを裸にして陵辱の限りを尽くすコロ助。
テレパスであるミヨにはこんなことは慣れっこだったが、この思考がノリオにも伝わっているかと思うといたたまれなかった。
「…てなわけ。じゃあ、明日はこれでよろしくナリ」
帰りがけにマンションのキーを置いていくコロ助の脳内は、これから抱きに行く連れ出しスナックの女の裸体が浮かんだ。
(あの女)(飽きたな)(また何かねだられたらそれを理由に)(乗り換え)(ミヨ)(いい女だ)(若い肉体)(セックス)
(このロボットに私は抱かれるというのだろうか)
ミヨは渡されたキーを見ながらため息をついた。(お姉ちゃん、どうしたの)
心配そうにアパートから思念を送るノリオに大丈夫だとつぶやきながら、
彼女は別の思念を店内に感じていた。(ミヨさん、私はアナタの賛美者です)
838 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 17:29:50.82 ID:75r8CokU
(ああ…ミヨさん…私はあなたの…)
黒人バーテンダーのヘンリーの意識が流れ込んできた。
どうやら彼もまた某かの能力者ではあるようなのだが、厨房で皿を洗いながら妄想の中でミヨを裸にし、欲望の対象とするところは普通の男と何ら変わりなかった。
(ミヨさんの裸)(胸はそんなに大きくない)(着痩せするタイプかも)(揉みしだく)(感じてる表情)
ステロタイプな若い男の妄想に苦笑し、ミヨがため息をついた瞬間、店のドアが開いた。
839 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/03(土) 23:32:22.33 ID:je91kwro
「うおあああー!金をだせ!!!」
覆面をかぶった男がマシンガンを構えのりこんできた
840 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/04(日) 18:56:17.35 ID:+KoRGwtr
「お金ならないわ」
「へっへっへ…金がなければしかたない。さあ脱いでもらおうか」
ミヨは仕方なく立ち上がり着ていた安いドレスを脱いだ。
豆電球を色とりどりのセロハンで覆っただけの粗末な電飾の下で、ミヨの均整の取れた裸体が露わになった。
「女…なかなかいいカラダしてんじゃねえか…。さて、カウンターに手を着いてケツをこっちに向けな!」
「これこれ無体はいかんな」
カウンターの隅で静かに飲んでいた老人が立ち上がった
「うるせえ、クタバレ!」
覆面の男−仮に横川としておこう−がUZIの銃口を老人に向ける
引き金を引こうとした瞬間老人の姿がかき消えた
目にも留まらぬ素早さで横川の背後に回りこんだ老人の短剣が首の後ろの急所を貫いていた
入り口のドアが開いてもっと年寄りの老人が入ってきた
「ここにおったかハサン・サバー」
842 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/05(月) 22:07:34.67 ID:U7jUpFyW
「これは老人様。おひさしゅうございます」
「うむ。ハサンも元気そうで何より。ワシの伝授した殺人剣法を正しき事に使っておるようじゃの」
「ハッ。只今もこの女性が暴漢にパコられようとしているところをこの私が…」
「ホッホッホ……余計なことを」
(この人たちは一体…?)
ミヨはつい老人二人の心を読んでしまった
途端に洪水のように流れ込んで来る血煙と殺戮のイメージ
(殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺)
(凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶凶)
「エクセレメントォーーーーーーーーーーッ!」
ミヨは全裸のまま店を飛び出し時速96キロで走りはじめた
844 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/06(火) 23:23:16.65 ID:wQeRdEfd
時速100キロに達しなかったのには理由がある。
そう、ミヨはその胎内に子を宿していたのだった。
父親の名は勉造。恋敵を惨殺し、刑に服していたのだ。
刑期を終え、過酷な肉体労働に就いていた彼の唯一の心のより所こそが、苦しい浪人時代を過ごしたこの町のスナック“ブタゴリラ”であり、そこの若いホステスであるミヨだったのだ。
人に言えない秘密を持つミヨもいつしかそんな勉造に心を許し、関係を持つようになっていった。
なんて事情は知ったことかとばかりに青梅街道を南下するミヨ。
その前方でマンホールの蓋がスライドし、全裸の金髪美女がせり上がってきた。
「私はバーバラ、ラストアマゾネス地下王国よりお前を迎えにきた」
さすがのミヨもびっくりして立ち止まった。
「ジュディ女王様がお前を伴侶にお望みだ、拒否すればこの場で首を刎ねる」
バーバラはくの字形のカーブを描いた肉厚の山刀をかざした。
846 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/07(水) 19:07:46.41 ID:r8QWkSXp
バーバラの振り下ろす山刀に対してミヨはよける素振りを見せない。
(怖気づいたか、小娘…!)
斬った!…そう確信したバーバラの眼前にミヨの拳が迫る。
(な…なんという速い動きだ!まるで私の心を読み切っていたとでも言うのか!!!)
顔面にまともに拳を受け、バーバラは大きくのけぞった。
その頃ラストアマゾネス地下王国では奴隷生物ショゴスが叛乱を起こしていた。
王国の住人を食い尽くしたショゴスは下水道を伝って蟻賀瀬家のキッチンに現れる。
ショゴスはその場にいた姉妹のような母娘、礼子(35)と涼子(16)を裸に剥くと触手プレイを始めようとする。
「そこまでじゃ!」
ハサン・サバーと羽化真人であった。
848 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 00:34:21.08 ID:Vbf2i2rC
「だまりな」
ショゴスの触手による平手打ちがクリティカルヒットとなり、ハサンの首が落とされた。
礼子と涼子はキッチンの床にへたり込み、湯気の立つ小水を漏らしている。
真人は素早く流しの下の戸を開いて包丁を取り出し、ショゴスに激しく斬りかかった。
「ぬははは。そんななまくらで私が倒せるか。馬鹿者め」
849 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 18:30:17.24 ID:L3sII8Hv
切り落とされたはずのハサンの生首の目がハザードランプのようにパァッパァッと光ると同時に
強烈なオレンジのレーザー光線がショゴスへと放たれた。
そしてショゴスの腹をいとも簡単にくり抜いたのだった。
「。。ぁあぁぁ。。なんたるちあー。」と情けないうめき声ともにショゴスは倒れたのだった。
850 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/09(金) 21:01:55.90 ID:Vbf2i2rC
「さて、役たたずの貴様にも死んでもらおう」
ハサンは自らの首を胴体に戻すと立ち上がり、羽化真人に向き直った。
「な…何を言うんだハサンよ。女ならちゃんと二人いるじゃあねえか。
おめえが先に好きなほうを選んでいいからよぅ。妙な事は言いなさんなや」
薄笑いを浮かべる羽化真人だったが、ハサンは全身から本気の殺気を漲らせている。
真人「フフ、おいおい、女ごときで殺気立つんじゃねーーーよ。こうなったら剣で勝負しようぜ。よう、三銃士みたろ??」
真人とハサンは最近二人で映画「三銃士」を観たばかりだった。
ハサン「俺さ、アラミスじゃね??雰囲気的に似てね????」
真人「ははは。おまえはポルトスだろ。俺はオーランドブルームのバッキンガム公だな。」
ハサン「ひひひ。おまえはリシュリューだろっ。」
真人「この御嬢さんたちの前で俺たちがどんだけカッコイイか、みせつけよ〜うじゃんか?」
ハサン「ああ。膝まつかせてやるさ。『今夜アテクシをどうかお願いします』ってな。ひひ。」
853 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/10(土) 21:51:53.34 ID:5oAzLyDK
「やれるもんならやってもらおうかね、オッサン」
キッチンの隅で震えていたはずの礼子と涼子が、ハサンと真人の後ろに立っていた。
そして素早い動作で礼子はハサンを肩口に担ぎ上げ跳躍、涼子は真人を逆向きに肩車して同じく跳躍、空中で足首を掴んで真人を変形パイルドライバーの体勢に捉えた。
礼子「くらいな!至高のツープラトン・ホールド【マッスル・ドッキング】を!!」
ハサン「ククク…女だてらになかなかやりよる。だが我々には通用しない
蟻賀瀬家が吹っ飛んだ。
RPGが撃ち込まれたのだ。
ロールプレイングゲームの略ではない。
ロシア製の対戦車ロケット砲RPG−7だ。
発射したのはシーシェパードのテロリスト、マット・クルーズ。
礼子の夫であり涼子の父である蟻賀瀬直哉は捕鯨船の船長だった。
855 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/11(日) 21:21:45.81 ID:YGfQel7n
突然の爆発に吹き飛ばされ、半ば気絶状態の4人。
しかし先に目覚め、立ち上がったのは大砲を打ち込んだ直哉の妻礼子でも、彼の愛娘涼子でもなかった。
「キョキョキョ…皮肉なもんだな、女どもめ。だが我らはこの展開を初めから予想していたのだ。だからこそ、貴様等の繰り出すまさに一分の隙もない連携技にも動じることなく構えていられたのよ。なあハサン?」
呼びかけに応じ、むっくりと立ち上がった羽化真人。
その顔には勝ち誇ったかのような邪悪な笑みが浮かび、爆風で吹き飛んだ下穿きの間からは赤黒く巨大な陰茎がのぞいている。
856 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/13(火) 03:17:35.92 ID:zrKW3E2Q
だがいきなりその股間のモノが砕け散った
「うぎゃああああ!!?」
羽化真人の股間のモノが砕け散る1分前のことである。
バーバラを倒したミヨは、越中褌を締め、頭に巻いたねじり鉢巻の両サイドに赤い風車を刺した裸女と対峙していた。
「私は真・アマゾネス千年帝国最強の戦士キャサリン!戦士ミヨよ、私の挑戦をー」
ミヨは殴った。
仰向けに倒れたキャサリンの胸からパイオツミッソゥが放たれた。
一発は羽化真人の股間で炸裂し、もう一発はヘンリーのアヌスにめり込んだ。
858 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/17(土) 15:42:12.61 ID:Zilce/SQ
ヘンリーは勃起していた。
859 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 00:50:20.73 ID:Hm016Uwu
「オゥ!ワタシはあなたの崇拝者デス。シコシコ」
前立腺を突然襲った刺激にたまらずヘンリーはオナニーを開始した。
(ねえお姉ちゃん。この人変だよ。お姉ちゃんの裸を想像してる。シコシコってなあに?)
(ダメよノリオ。すぐに心を読むのをやめなさい。でないと…)
「アアッ…ミヨさん…もうダメです…逝ってしまう…アッアッアッアアッ…!!」
860 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 02:00:39.87 ID:zoTMAaYH
という夢を見たんだが
861 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 02:18:13.59 ID:Vliy8+oI
やはりヘンリーは勃起していた。
862 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/19(月) 02:25:26.69 ID:zoTMAaYH
このままではまずいと思い
夜の町へ……
863 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/20(火) 00:13:57.30 ID:WaEtt0vQ
川沿いにずらりと建ち並ぶピンクのネオン小屋がヘンリーの心を踊らせた。
「オニサンどう?時間ユックリするヨ」
(若作りしてるが…三十路のババアか。論外だな)
大陸系の整形美女をスルーし、ヘンリーは細い路地へと入っていった。
屈曲した狭い路地の一角には、これでもかと肌を露出した女達がサッシ窓越しに通りを行く男達に媚態を晒していた。
864 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 13:16:29.15 ID:LDZWWYU5
「……(shit!)」
奥に進むたびに年齢層が上がっていくことにヘンリーは後悔していた。
まださっき通りすぎた迄がそれでも商売が通用するレベル。もうここからはマニアでもない限り老人介護以外の何物でもない。
しかし、もう退路は願ってもない「若い客」を逃がさんとばかり、亡者か生けるミイラとしか形容し難い色ぼけた「女」達が塞いでいた。
865 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 18:18:21.12 ID:lZs1wKRR
この危機をどう乗り切るか?ヘンリーは懸命に考えを巡らせた。結果、ヘンリーは同性愛者を装う事にした。
866 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/23(金) 23:00:01.40 ID:1IDF4pky
親の勧めで通っていた子供劇団での経験がひょんな事で役立つものだ。
女性に興味を示さない男特有の醒めた視線。女を汚らわしいものとしてしか見ない態度をヘンリーは如実に演じ切っていた。
両脇の窓から手を伸ばす遊郭の女達もヘンリーの態度に気後れし、携帯を見たり鏡に向かって前髪を整えるふりをして無関心を装った。
(成功した…!)そう思った矢先、突き当たりの窓のカーテンが開き、長身で肩幅の広い、見るからにオカマとわかる女装の男がヘンリーに向かって叫んだ。
867 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/24(土) 12:18:20.05 ID:9wPq3Nf+
「ヘンリーじゃないか!」
真人だった。まさかとは思うが変装で切り抜けたのか、それとも素なのか現状では判断し難い。
868 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/25(日) 20:37:52.16 ID:eqrS+609
いや、実を言うと、それほど難しくはなかった。
ただそのことにヘンリー自身が気付いていないことが問題だった。
それはかつてヘンリーが「tan1°が有理数であるのかを証明せよ」という問題で苦悶していたときと似ていた。
その証明法はそれほど難しいものではない。
>>869が書いてくれるので、みなさん期待して待っててくれ。
そのときのヘンリーが何に苦悶していたのかといえば、答えを出すことにではない。
ただ答えを出すだけなら、ヘンリーだってもう立派な大人だ、いくらでもできる。
難しいのは、自分の納得する答えを導き出すことだ。
ヘンリーは頭の中で、いつかの算術の課題を思い出している。
――そうだ、タンジェントの加法定理というものがある。
学生時代のヘンリーは、髭の生え始めた顎をこすりながら考えた。
――加法定理というのは、1度のタンジェントの値と、N度のタンジェントの値を使えば
N+1度のタンジェントが足し算と割り算だけで計算できるという定理だ。
「だから、もしも1度のタンジェントが計算できるなら、
その値を使って1+1度、つまり2度のタンジェントも計算できるし
それを使って2+1度、つまり3度のタンジェントも計算できるし、
さらにそれを使えば3+1度、つまり4度のタンジェントも計算できる。
このようにすれば、たとえば30度のタンジェントだって計算できるだろう。
「でも、30度のタンジェントは、ルート3分の1という無理数だから、計算できないはず。
「つまり、1度のタンジェントは、計算できる数であってはいけないんだ。」
ヘンリーは、そのときの気持ちを思い出す。
「確かに理由はわかった。でも、もっと納得のいく答えがあるのではないか。」
迷路で、まだ十分探しつくしていないのに、とにかく出口にたどり着いてしまった時の気分だ。
今、女装した男の姿を前にして、ヘンリーの脳裏に出ている答えは、
たしかに答えではあるのだろうけれど、納得できる答えではない気がする。
870 :
創る名無しに見る名無し:2011/12/26(月) 20:40:47.82 ID:eMgxPMKM
納得するためにはどうしたらよいのか?
数学の定理とは違うこの世の真理を求むるべく、ヘンリーは目の前の女装男の部屋へと上がり込んだ。
男を抱くのは、そして抱かれるのは初めてである。
耳の穴に舌を挿入され、同時に自らの菊座をも貫かれた瞬間「√-1=(*^^*)」と言う文字が火花とともに脳裏に浮かんだ
871 :
創る名無しに見る名無し:2012/01/06(金) 03:00:28.70 ID:f1TwA2pD
その火花は隣の火薬庫に引火し大爆発
872 :
創る名無しに見る名無し:2012/01/11(水) 01:55:17.37 ID:Ux8QYleb
ヘンリーは勃起した。
873 :
創る名無しに見る名無し:2012/01/16(月) 23:06:57.64 ID:RmSMzC3R
が、急激に体が老化しインポに。
火薬庫においてあった玉手箱が開いてしまったのが原因だった
874 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/01(水) 04:32:27.35 ID:kiXA1REa
絶望したヘンリーはあてもなく彷徨い歩き
ついには最果ての地、バラムギオンにたどり着いた。
バラムギオンの主要産業は人肉だった。
876 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/03(金) 10:10:39.49 ID:GHo6N0sF
ここで八百屋を開こうと思いついたヘンリーは
新鮮なピチピチギャルに目をつけ
878 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/04(土) 15:34:22.63 ID:+a/hRhRi
捕まえて三枚におろした。
879 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 11:21:42.77 ID:p9sbVVaA
ヘンリー「しかし店に出す前に、自分が試食してみなければな」
ヘンリーはピチピチギャルの人肉を焼いて食べてみた。
ヘンリー「まあまあだな。これなら売り物になる。
その時警官が入ってきた。
警官「君、ちゃんと許可をとって人肉をさばいているのかね? 許可証を見せたまえ」
880 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/05(日) 13:20:24.69 ID:p9sbVVaA
ヘンリー「許可証? そんなもんねぇよ」
警官「じゃあタイホする」
ヘンリー「冗談じゃねえ。何がタイホだ? ふざけるな」
ヘンリーは物凄い速さで警官の顔面にパンチを食らわせた。
881 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 17:44:33.64 ID:UqK7a/x3
警官「うっ…見えなかった…これがモノホンのワン・ツーか…」
ヘンリーは気を失った警官をついでにさばき、焼いてみた。
ヘンリー「ウウッ!こいつはまずい!こりゃ売り物にならんな」
ヘンリーは警官の肉をお家用に冷蔵庫にしまい、ピチピチギャルの肉を店頭に並べた。
ヘンリーズ・ミートショップ、開店である。
882 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/11(土) 19:46:28.79 ID:fv4aTNyp
老婆がやってきた。「肉を分けてくれんかね」
「金はあるのか?」
「金はないが、恨みはある」
「というと?」
「お前が売ろうとしている肉は、私の大事な孫娘の肉だよ。キエーッ!」老婆はヘンリーに日本刀を振りかざした。
一歩踏み込んで老婆の手元を抑え、右膝を腹部に叩き込む
悶絶するのを見下ろしてしばし考える
「この商売は割に合わないな、先に進もう」
日本刀を手に入れた!
罪悪感をおぼえた!
884 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 10:25:13.48 ID:OtlPj5Dr
ヘンリーは手に入れた日本刀を使って殺し屋になることにした。
885 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 21:17:55.68 ID:5uqIAVYO
が、日本刀は錆びてボロボロ、それに気付かなかったヘンリーは返り討ちにあう
886 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/17(金) 23:10:38.76 ID:MTeDkfFJ
傷ついたヘンリーの血が錆びた日本刀に染み込んだ時、奇跡が起こった。
日本刀は、妖刀・偏狸丸(へんりまる)へと生まれ変わった。
888 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/21(火) 16:47:20.15 ID:iv5LXvCz
そしてへんりまるに隠された能力を手に入れんとやってきたのは
889 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/21(火) 21:05:28.46 ID:cKtzf0h5
ゴメスという太った男だった。
ゴメス「ヘンリー、その刀、俺に売れ、売れ、売れ!」
ヘンリー「断るぜ」
ゴメス「どうしたら偏狸丸、売ってくれるか?」
ヘンリー「お前のそのボテ腹の肉1ポンド、俺に食わせろ。それが条件だ」
(ヘンリー、ヘンリー)
ゴメスとの交渉で気付かなかったが、かすかに彼を呼ぶ声に
ようやくヘンリーは気付いた。
(ヘンリー、ボクだよ、わかる?)
可愛らしく、懐かしい声だった。
(ノリオ?ノリオですか?)呼び声にヘンリーも意識の中で問い質した。
(えっ? ・・・、ノリオじゃないです)
(違うなら敵でゲス!)
ヘンリーは意識の中でアクロバティック且つ日本人特有の気遣い溢れる必殺技を見せつけた。
その名も、
ヘンリーは勃起していた。
今だかつてない必殺技の名称にゴメスは驚愕した。
894 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 04:14:14.90 ID:m0AksPHJ
そこに見知らぬ旅の侍が現れた。
侍は刀マニアで、偏狸丸を狙ってやってきたのだ。
896 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/25(土) 18:26:13.66 ID:c8/5M1Yn
旅の侍は勃起していた。
肛門に電極っぽいものを刺していた。
激しい雨の中、旅の侍は女をクルマで跳ねた。
これでカレとの新しい生活を始められる。侍は無我夢中で
現場を走り去った。
899 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/26(日) 02:40:34.34 ID:ShEb+OfV
そして侍のカレは政略結婚のために、侍との関係を抹消するつもりだった。
「ダーリン!」
「お別れだ、ハニー」
轟音と共に甘い恋が砕け散っていった。
轟々と舞う粉塵。
侍が生きてはいないことは明らかだった。
「やったか!?」
「……甘ぇよ」
舞っていた粉塵は、砂糖だった。
902 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/28(火) 23:07:06.03 ID:q+0DgIRu
どこから降ってきたのだろう。ササリーンシャは上を見上げた。
903 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/29(水) 03:09:03.00 ID:xo/xYAH6
「ばかな…砂糖だと?こんな事が起こるはずは…」ササリーンシャには見えなかったが、砂糖降る空から微笑みかける侍がカレにだけは見えていた。「甘い、な…。なぜだ…なぜ笑ってくれるんだ?…ハニー…」
懐かしい囁きがカレの耳に届いた。《…あなたはわたしの愛したひと…愛はすべてを越えるもの…》
それは天樹ユグドラシルの起こした奇跡。あまねく星と次元に根を張り葉を繁らせる、至上の神秘が共鳴していた。侍の愛はカレを許し、星々の賛歌を勝ち得たのだ。
カレは地に崩れ落ち、熱い涙を流した。「すまない…すまないな…ハニー…だが俺は…」汚れた顔を上げ、強い眼差しを空に向けた。
「こんな俺でも成り上がれると信じているんだ…たとえどんな手段を使ってでも…!」
904 :
創る名無しに見る名無し:2012/02/29(水) 08:04:51.96 ID:Lyz+K4VR
ササリーンシャは勃起していた。
だが、彼には分からなかった。その勃起が何に対してなのかを。
「オレはいったい何の対象物にいきり立っておるのだ」
答えは簡単には出せそうもなかった。それは彼自身よりも宇宙全体の「意志」が
介在しているからなのかも知れないと感じたからだった。
906 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/01(木) 14:53:10.64 ID:l00D6QdT
宇宙全体意志「いししししwwwwww」
宇水「何がおかしいッ!!」
「働きたくないでござる!! 絶対に働きたくないでござる!!」
ヘンリーはとりあえず偏狸丸を携え旅立った。
910 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/03(土) 19:52:55.39 ID:DSKi1+Pc
始めに神が天地を創造された。
言うまでもなく万物は神が創り給うたのだ。一部のマルクス主義唯物論者たちの曰う進化論だの
自然科学なるまやかしの悪説に惑わされてはいけない。全ては神のなせる「業」なのである。
そして俺はその「業」を我が身に宿す、罪人だ。
それは恥ずかしながらもかつて進化論を信じ、科学という名の詐欺師に騙されそうになっていたからだ。
今では、神の御前に接し、神の言葉のみがこの世の真理であるという喜びに満たされたからだ。科学者という
マルクス主義者(共産主義者)の讒言を信じ、万物より神の御業を奪う者たちに今こそ正義の鉄槌を食らわす
時なのだ。この世の中の全ての現象は人間や他の生命を創造し給うた八百万の神の福音なのだ。
914 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/05(月) 18:23:25.65 ID:dJe+oncw
あるときヘンリーの知人のジェイムズが現れた…
彼は言った
「メアリーを探している…知らないか?」
今朝はいやにあたりに霧が立ち込めていた
「メアリー?何だって?昔つき合ってた女か」
ヘンリーは怪訝な顔で聞き返した。
「お前さんの息子の、ええと確か…」
「ジェイクか」ジェイムスが答えた。
「そう、そのジェイクの母親なのか?」
ヘンリーは目を丸くしてジェイムスを眺めた。
「そんなことよりも、お前あと30分で本番じゃないのか」
ヘンリーの問いかけにジェイムスは黙って頷いた。
916 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/05(月) 18:49:43.77 ID:dJe+oncw
2人の真上を濃い霧の中、バサバサと何かの羽音が近づいてくる…
「おや…?」見上げたジェイムスの顔に大きな黒い影が振りかぶった
あぶない…!!
咄嗟にヘンリーは彼を庇って頭を両手で押さえた
917 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/05(月) 21:19:28.97 ID:dJe+oncw
路上にかがみ込む2人を囲むように次々と黒い影が舞いおりてきた
霧の中から光る赤い目を輝かせて…
キイロショウジョウバエがいた。
眼が赤いところを見るに野生型のものだろう。
二人はいつの間にか蠅に囲まれていた。
「おやおやお二人さん、ごきげんよう」
蝿はうやうやしく帽子をとりながら挨拶した。
「あんたがたのことを少し上から眺めさせていただきましたよ」
蝿はいたずらぽく笑った。
920 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 10:55:07.39 ID:zMmTQM9l
「あぁ、ヤだわ…このハエったら!」
その時メアリーが歩きながらそこらの蠅と挨拶する蠅を追い払った
蠅の帽子も吹き飛んだ
「わァッッ!!」転がる蠅
921 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 12:29:03.87 ID:Zpy9X4ZQ
転がった蠅はハローワークにたどり着いた
922 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 16:16:34.63 ID:zMmTQM9l
「ム、ただでさえ濃い霧でうっとうしい日なのに…なんだこの汚らしいデカイ蠅は!」
入口を掃除していた店員にデカイ蠅叩きでつぶされる、鳴く蠅、逃げる蠅
そのころ
路上で出会った3人は…
「メアリーじゃないか!探していたんだよ…ジェイクが不良どもにヤられて…大変なんだ来てくれ!」
3人は濃い霧の中を立ち去った…
後にはうなる蠅の音が鳴り響く
濃い霧は人体には何も影響がなかったが、他の生物には微妙に変化を与えていた
ショウジョウバエはこぶし大のデカさになり、高い知能で自分たちを攻撃するものに反撃してきた
まず、先ほどのハローワークの店員を襲ってきた
「ギャッ?!!」掃除中でフイをつかれた店員の背後から彼らは卵をうみつけた…
ヒトに産みつけられたタマゴは早々と孵化してやがてホストから養分を吸い取ってゆく…
というわけでもなく店員は勇敢にハエと戦った
「くぬやろ、このバケモンが!ただでさえ景気が悪いってのにテメェらにやられてたまるかっての!」
ナニがあったのかは知らないが彼は鬱憤を化け物で晴らしていた
926 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 23:06:45.36 ID:zMmTQM9l
霧の中を歩く3人
「ヒドイ霧ね…前が見えないくらい危ないわね」
マリアは手でモヤを払うようにして言った
「まぁ、そのうち晴れるだろう」とヘンリー
ジェイムスは息子の安否が心配だった
927 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/06(火) 23:43:41.45 ID:zMmTQM9l
そのころ
ストリートで息子のジェイクは年上の不良たちに囲まれていた
「…言っただろ?アンタたちにやるカネはもうないって」
「ほほぅ、言う事をきかないとどうなるのか…」
不良の背後に巨大な影が迫っていた、そいつはクモのような形をしていた
928 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/07(水) 00:02:27.49 ID:CHY6GVOG
ストリート近くにはジェイムスの父親の経営しているアパアトメントもあった
丁度、買い物に出てきた父親は霧の中の怪物らに襲われていた
通りがかったアパアトメントの住民がそれを助けにはいる
が、得体のしれない怪物に共に襲われてしまう
そこへいつかの(ヘンリーと出会った)警官が現れてスプレー缶で色つきの塗料を噴射した
怪物には効果てきめんのようで一斉に逃げ出した
「大丈夫ですか?良かったらまだ危ないのでコレ使いますか?そこのバスの中にあったものですが…」
と彼はとと親と住民にその不思議な缶を渡した
930 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 11:35:58.90 ID:/pZi7U5/
トウガラシスプレー これで料理も防犯もバッチリ!
そのストリートの通りにはその手のカンバンが並んでいた…
最近流行のコマーシャルなんかで良く見る商品にこのスプレーはあった
バスの中には誰かが放置したままのそれがあったのだ
或いはキッチンつきバスの中で、料理に使われていたのかもしれまい…
「あっ丁度買い忘れてたからこのスプレー使おう」
最近ボケ気味の管理人の親父はそう言ってアパアトに戻る
「おい、ちょっと…管理人さん!ソレ、どうする気だよアンタまさか料理に使うんじゃ無いだろうね?」
管理人はふり返り、住民にふりかけた
普段から生意気だと思ってたので復讐したらしい
933 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/08(木) 23:54:29.94 ID:VBXRhvBv
「どうした?」ヘンリーはそう言った
ジェイムズはブルルと身震いした
彼は何か、父親に関して不吉な予感を身に覚えたのである
「何もなければいいんだが…」
そんななか、ジェイクは父親のジェイムスに電話をかけた。
何度か呼び出したが、電話に出ることはなかった。
「シット!」ジェイクは歯ぎしりしたが、すぐに思い出したようにつぶやいた。
「親父のヤツ、今はオンエア中じゃないか」
カーラジオをつけたジェイクにいつもの父親の楽しそうな声が聞こえてきた。
935 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 13:37:12.02 ID:8Zj7QW9u
ジー ジジ、ジ、ジジジ… ……
ヘンリーの持ってる携帯レディオから音が聞こえてきた
「おや…?どこかの局が流れてきているぞ」
「ソレ、ボクの出てる番組じゃないか!」驚くジェイムス
「コレ、生放送?でもアナタここにいるじゃない、どーして…」とマリアもいぶかしがる
3人は不気味な思いに包まれていた…
936 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 18:41:43.39 ID:8Zj7QW9u
実は息子の所に向かっていた3人は「裏世界」に迷い込んでいた
いつの間にやらあたりは暗くなり、霧が晴れて代わりに闇が訪れていた
「もう夜だな… 急がないと」
「でも、ヘンリー、一体ここはどこかしら?いつもの街とは違うみたい?」
マリアは不安そうにあたりを窺った
灯りが無かった。
背伸びをして遠くまで見回して見たが灯りが無いのだ。
その為か月と星の光が強い。
「・・・何だが昔に来たみたいだね」
ヘンリーは言った。
誰も答えない。
答えたらそれを認めることになるかもしれないからだ。
938 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 20:53:45.04 ID:8Zj7QW9u
「…ジェイクが心配だ」
飛び出すジェイムス、その先は道のない断層になっていた
「危ないわッッ!!」足を踏み外しそうになる彼を2人は引きとめた
「道が… ない…だと ?!…」
断層したからはヒュウヒュウと冷たい風が吹き上ってきていた
3人は途方にくれた
939 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 21:15:18.74 ID:8Zj7QW9u
現実の裏の世界に迷い込んだ3人とは別に、息子のジェイクは今「表」の世界にいた
ストリートの不良連中から何とか逃げ出し、クルマを乗っ取り祖父のアパアトメントに向かっていた
めちゃめちゃにクルマを走らせて最後はアパアトメントの塀にぶっつけて彼はクルマを止めた
「…フゥ、ヤレヤレだぜ それにしても人ッ子ひとりいねェな、どうなってんだ?」
「親父には会えないし、仕方ないからじぃさんにでも会おう、無事かな?」
940 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/09(金) 22:46:57.94 ID:8Zj7QW9u
アパアトメントにも夜が訪れていた
管理人の部屋から見える窓の外には遠く街明かりがにじんでいた
大きな広告塔の辺りをウサギの形の気球がゆっくりと東に向かって飛んでいた
広告塔のネオンは時々その気球に呼応するように不揃いな数字をピカピカと打ち出していた
…静かなアパアトの入口付近には人影もなく、ジェイクの乗り捨てた一台のクルマしかなかった
「ジェイクは…ほんとの息子じゃないんだ」
裏世界に迷い込んだジェイムスは、ヘンリーに向って答えた。
「そいつは初耳だな」
あまりにも疲れきって、テレコキネシスも使えなくなっていたヘンリーは
友の告白に少し驚きながら返した。
「あいつは、人間じゃあない」
薄々は感じていた。なぜ息子と暮していなかったのか、なぜ彼だけが名古屋市内に
住んでいたのかを。途切れていた疑問の糸が今ようやくヘンリーの中で一つになって
いくのを感じた。
942 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 00:45:44.76 ID:zXvArTqQ
そんな彼らの思惑など知らず、当のジェイクは管理人である祖父を探し、アパアトメント内に入った
「えっと、管理人室ってどこだろ?」
薄暗い通路を歩いて行くとロビーの階段から若い女性が降りてきた…
彼女は肩の出た赤いしゃれたドレスを着ていた
「シャンなねェちゃんだな…」ジェイクは思わず見とれてツバを呑みこむ
同時に女が振り向いた。
「ねえ」
女は微笑む。
「あのさ、管理人室を探してるんだけど」
「案内して欲しい?」
「場所だけ教えてくれるだけでいいんだ」
「案内して欲しい?」
女は微笑んでいた。
しかしその表情に変化が無いことをジェイクは感じ始めていた。
◇
「・・・なんだよNPCかよ」
同じ応答しかしないパシコン画面の中に移る美女に、思わずジェイクがっくし。
彼はネトゲで出逢いを探す毎日を送っていた。
945 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 13:59:05.66 ID:zXvArTqQ
と、どういうことかというとココもまた「裏世界」に閉じ込められているもうひとりのジェイクであった
ナゼか電波は通じていて生活はできるが一歩外に出るとそこは「異世界」なのだ
そして、電波は通じるのだから連絡手段はあるのだとしても実際父親にデンワしたとしても
相手は同様に「裏世界」にいるジェイムスでしかない…
つまり「表世界」の人間とは一切交信できないのだ
しかも当の「裏世界」の父親もここのとこ何度もデンワしても通じなくなっていた…
946 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 19:09:33.10 ID:zXvArTqQ
「あーあ、どぉなッてんだよ!外は真っ暗でおかしいし…親父はいくらデンワしても
通じないし…」
フト、窓を開けてみた
外は暗く、ぬめつくような空気が流れ込んでくる…
遠くからは何か奇怪な金属的な音や声が聞こえてきた
ジェイクは身の危険を感じ、本能的に窓を閉めた
一人で書くなよ
厨房
zXvArTqQ
ジェイクの耳に、奇怪な声はそんな言葉になって届いた。
もっとも、後半は金属音になってしまって、よく聞こえなかったのだが…。
厨房、というのが、ジェイクの問いに対する答えなのだろうか。
ジェイクは他に頼りにできるものもないので、ひとまず厨房へ向かうことにした。
祖父は料理も得意だった、管理人室を厨房と呼ばせていても不思議はない。
旨そうな匂いがした。
チーズバーガーの匂いだ。
そう言えば祖父は昔ジェイクの為によくチーズバーガーを作ってくれたものだった。
「じーちゃん...」
ジェイクは旨そうな匂いがする方向へ向かった。
950 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/10(土) 21:33:35.08 ID:zXvArTqQ
「あった」
1階の管理人室のドアーをジェイクはノックした
返事はない、物音もしないどうやら今は留守らしい…
「出直すか…」とブラブラ他の部屋も見ていると
先ほどの女性が廊下で中年男と何やら話していた、男の腰にはマグナムが一丁携帯されていた
いきなり撃たれた。
ジェイクは一体何が起こっているのかわからずただ立ち尽くしていた。
もう一発。
「逃げろ!ジェイク、逃げるんだ!」
じーちゃんの声だ。
否、声じゃない。直接頭の中に響いてくるような。
「何をしている?逃げろ、ジェイク!」
952 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/11(日) 15:09:38.26 ID:9OMM1JrX
「○○号室のあんた、孫にナニしてるんだ!」
ジェイクが手を押さえながら見るといつの間にか祖父が男を抑えて叫んでいた
「…ああ、おじいちゃん…!」
女性は悲鳴をあげている、男は祖父ともみ合いながら床に何発か銃弾を撃ち込んだ
「た、助けを呼んでくるからねッッ!」ジェイクは慌てて転がりながら外へ飛び出した
しかしあまりに勢いよく転がったため、
もはやジェイクはボーリングの球になるしかない体になってしまったのだった!!
954 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 19:15:13.82 ID:7SQ8p6Gx
「わっはっはっはっ」
マグナムを奪った管理人。だがもうタマはない…
「わしの部屋に予備があるんだ、今入れてくるッッ!」と勇むんでその場から離れた
「狂ってやがる…ダメだあいつなんとかしないと」
男はアキれて女性を連れて逃げて行った
ジェイクは無我の境地でそのまま転がって、路上でバイクと衝突した
955 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/12(月) 20:58:43.14 ID:7SQ8p6Gx
「疲れたわ…」
あてどもなく歩き回っていた3人、メアリーはため息をついてブロックの瓦礫に座り込んだ
「…ん、アレは?」ジェイムスは前方の朽ちた家の庭に犬小屋を見つけた
犬小屋の中で何か光って見えた
「何かあるのか?」中を覗くと、大きなカギが落ちていた
「名前が彫られている…」○○ホテル…と背面に文字が刻まれていた
「いやあ、昨日はさあ、3.11で一日中震災の特番だったよなあ。
オレも見ながら泣いちゃったよ。特にオレの祖国である米軍のトモダチ作戦はな。
彼らの姿にほろっと来ちゃった。今回の震災での最大の功労者だよ米軍は。あとは
どうでもいいけど…」
父親の番組が遠くで流れていた。ジェイクはしばらく気を失っていたのだった。
「シット!ヤツは…どこへ行った…?」
じーちゃんの声だ
「○○ホテルだ。ジェイク」
958 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 01:07:40.90 ID:CbwbTs2M
〜最終章、最後の出会い〜
皆が皆、ひとつの場所に向かっていた
暗闇の向こうに見える湖、そしてそのはるか先に蜃気楼のようにかすむ建物…
「ねぇ、アレがそのカギの名のホテルかしら?」とメアリー
「たぶんね、しかし湖を回っていくとかなりの遠回りだ、ボート小屋がある」
「あれに乗って湖を真っすぐ行くか?」
3人はボートで進むことにした
「行くぞ、ジェイク」
じーちゃんはそう言うとボーリングの球になったジェイクを拾い上げた。
そして胸の前で狙いを定める。
「若いときは良くやったもんだよ。良い線まで行ったんだよ」
バックスイング、きれいなフォームだ。
フィニッシュ!
放たれたジェイクは物凄いスピードで路面を転がっていく。
「行け!ジェイク、決着を付けて来い」
960 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 13:04:41.05 ID:CbwbTs2M
路面を転がる球をクルマが弾き飛ばした
飛んで飛んで湖水近くのボート小屋までついた
「…イテテ」
あちこちの衝撃のショックで少年は元の姿に戻っていた
「ジェイク!そこにいたのか!」ボート付近で呼ぶ父の声がした
961 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 14:18:17.79 ID:BN2k9EAm
じーちゃんは勃起していた。
「行こうか?」
野戦服の大柄な白人が遠くを見ながら言った。
「ああ、これは私の役目だ」
じーちゃんはそう言って迎えに来た武装ヘリに野戦服の男と共に乗り込んだ。
「大佐殿、準備完了です」
「出してくれ、そしてホワイトハウスへ連絡、”老兵は消えていなかった”」
「了解」
武装ヘリが土埃を撒き散らしながら飛び立った。
963 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/13(火) 17:56:50.25 ID:CbwbTs2M
「…おい、見たかアレ」
ヘンリーと一行は怪しげなヘリに乗り込む武装グループを眺めて言った
「…お父さんのような気もしたが…まさか、気のせいだろうな?」
ジェイムスはつとめてかぶりを降りながら冷静さを失わずに言った
「きっとなにか、事情があったのよ」メアリーはボートの用意をしながら言った
ヘリの中でじーちゃんはヘッドセットを手に取った。
「軽くなったもんだ」
野戦服の男がそれに答える。
「あの当時の約半分です。将軍」
じーちゃんはそれを頭から被った。
「本時刻を以って指揮は私が取る」
野戦服の男は嬉しそうに言った。
「了解です。将軍」
965 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 01:26:21.20 ID:HN9vTKKH
ギーコギーコ…
2手に別れて一行はホテル目指してボートを漕いだ
「…無事、たどり着けるのかしらね?」
「まぁ、なんとかなるだろ、それより久ぶりで手が痛い」
一方はヘンリー、メアリーでもう一方はジェイムス父子になった
「パパ、こうして向き合うのなんて久しぶりだよね?」
親子の対話に2人は少しテレていた
「ジェイムス、漕ぐのを止めろ」
「パパ?」
じーちゃんのケータイが鳴っていた。
人差し指を立てて”静かに”というサインを送る。
「大統領閣下、私です。今、”城”に向かっている所です」
「大統領だと思ったか? ククク…私だ。ヤツはもうこの世にいない」
968 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 17:57:07.01 ID:HN9vTKKH
霧は濃くなってきたが湖は静かで穏やかな光景を映していた…
男女2人のボートはなんとなくロマンチシズムを醸しだす
「…ヘンリー、手、大丈夫?代わりましょうか?」
「あぁ、いや 平気だ、キミにまかせたらもっとシンパイじゃないか」
まぁヤァね! メアリーは叩くフリをする
笑いあう2人の声は湖面に響き合う
辺り一面が暗くなった。
低く重い音が振動と伴って響き渡る。
「何だろう?」
「怖いわ」
ヘンリーとメアリーは空を見上げた。
大きな、大きなとい形容詞では表されないくらい大きな円盤が浮かんでいた。
「あれは何?」
メアリーが言った。
970 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 21:35:40.96 ID:tsZjk3LX
「ワレワレハ府中人ダ」
971 :
創る名無しに見る名無し:2012/03/14(水) 23:21:28.97 ID:HN9vTKKH
「…ちょ、☆★!」
「もう何なの?次から次へと…こんなのって…」
ヘンリーはもう一方のボートにピーッと口笛で合図をした
「急ごう!そら、対岸に明かりが見える…おいっ、キミらも早く漕げよ!」
メアリーは不安そうにジェイムス親子に手を振った
「予言通りだな」
「はい、全て予言通りです」
城の主とその執事は塔から米粒ほどの二つのボートを眺めていた。
「最後に来るは、二隻の小船、、、か」
主の手にはかなりの年代ものであると思われる本があった。
この本には人の目を引く奇妙な特徴があった。
本の後半部分が欠けている事だ。
最後の章がそっくり無いのだった。