183 :
創る名無しに見る名無し:2013/10/03(木) 02:41:54.16 ID:M7pCxwEH
実況「セントウハハクヨムーン チョットイッパイカ ソノウチカラサンカレロ スルスルトアガッテキタ オオソトカラマイイヨジョンヌ
オオソトカラマイイヨジョンヌ イマイッチャクデゴールイン ハラン ハラン ダイハラン」
キャスター「千早ちゃん、今週も的中おめでとう。」
千早「ありがとうございます。」
胃崎「オオソトノノビヤスイババガショウインカナ」
キャスター「では今週もこの曲でお別れです。如月千早さんで【蒼い馬】」
アオイーウマ モシシアワセ
両津(千早よ。見事な予想だった。お前はこのわしをついに超えた。)
チカクニアッテモ アノダイチヲワタシハカケル
両津「さて次のアイドルを育てにいくか。」
184 :
創る名無しに見る名無し:2013/10/11(金) 22:36:37.82 ID:BER4mOTF
185 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:29:28.37 ID:23MjFYnW BE:3300793294-2BP(0)
寒さで目を覚ました
公園の屋根つきベンチで雨宿りをしていたつもりが、いつの間にか眠ってしまったようだ、よく凍死しなかったと自分を褒め称えたい
暖房の効いたデパートにでも行こうかと思ったが、そこまで行くのに雨に濡れなけゃいけないと思うと、すっかり行く気がなくって、このまま二度寝したい衝動にかられる
にゃ
と、足元で控えめな鳴き声がして、目を向ける
黒猫が一匹礼儀正しく座っていた
雑色が一切ない、きれいな毛並みの猫
手を伸ばすと、ひょっいとかわされた、かといって逃げ出すわけでもなく、まだ足元で顔を洗いはじめた
猫好きな弟を思い出す、重度な猫アレルギーのくせに、見かける度に近づいて一方的のふれあい行為に出る
そうして、いつも目や鼻を赤くして、腕に生傷を残しながら帰ってくるものだった
…実家に帰りたい、みんなで囲む鍋が恋しい
今頃帰る顔も、経済力も、わたしにはないけど
186 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:31:46.35 ID:23MjFYnW BE:2934039348-2BP(0)
ねこー ねこーと公園の外で呼ぶ声がした
お前のことか、と足元に視線をむける
黒猫はそんな声を気にもせず、顔を洗い続けていた
声はだんだん近づいて
間もなく、どこかの高校の制服を着た少女が白い傘を差し
公園の入り口に現れた
足元の黒猫を見るなり、顔を綻ばせ
よかった、とすたすた歩いて来て、抱き上げた
「あ、こんにちは」
わたしの視線に気づいた彼女は小さく会釈してきた
「こんにちは」
「えっと…傘貸しましょうか」
親切な女の子だ
「いや、いいよ、帰る場所がないんだし」自分で言いながら恥ずかしくて、顔をしかめる
「…ホームレスさん?」
「の一歩手前だよ」
「…そうですか、頑張ってください」
「…うん」
「それでは」
「うん」
礼儀正しんだか、失礼だか、都会の子はみんなこうなんだろうか、
少なくとも、わたしが住んでいた田舎では、知らない人に気安く話かけられる人はいなかった
187 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:32:51.00 ID:23MjFYnW BE:1375330853-2BP(0)
都会っ子の背中を見送りながら、寒さで身が震えた
ぐるるぅーと、内臓が振動するような感触と共に空腹が目を覚ます
一歩手前とかと見栄を張っていた(?)が
今の状態はもう立派なホームレスだ
両親の反対を押しきり都会に飛び出すんじゃなかった
田舎を出ると言って聞かないわたしに、呆れた父は二度と帰ってくるな、
と入れ歯が飛び出る勢いで怒鳴った
だから、わたしは大企業に就職して、見返してやろと思った
思った結果がこれだ
そう言えば、3月まで通っていた大学は地域の中小企業密着形だったっけ
もそもそとポケットから残り少ないタバコを取り出す
大学時代付き合っていた天パに勧められて、いやいや吸っていたこれも、すっかりやめられない快楽の一つになっていた
ライターに火を点す
しばらく、本来の目的を忘れ、むき出しの裸火で手を暖める
あったけー
188 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:36:55.81 ID:23MjFYnW BE:5134567878-2BP(0)
「あの…」
「…」振り向いたさきには、先ほどの女の子が立っていた
ライターで暖をとる、という行為が面白かったみたいで
口を押さえてうふふと笑っていやがる
「お姉さん、住むどころないんですよね」
いきなり失礼なことをきいてくるので
わたしは少しむっとなって、ぶっきらぼうに「ん」だけと答えた
すると、なぜか彼女は嬉しそうに口元をつり上げたようにみえた
わたしの不幸を蜜の味として味わってるわけではなさそうだが
不愉快であることには変わりない
「あのな」注意してやろうと少し口調を強くしたその時
ぐぅーと空腹の激しい自己主張が鳴り響く
「……」
「お腹空いてるんですか」
「…」恥ずかしさのあまり、黙り込むしかなかった
年下の前で醜態をさらした上
さっき、注意してやろうとしていた自分がいると思うと顔から火が出そう
穴があったら入りたい
そんなことはお構い無くとでも言わんばかりに、女の子は続ける
「わたし、今日久しぶりにすき焼きが食べたくなって、
高級牛を買ってきたんですけど」
「すき焼き…」
「はい、でも、わたし独り暮らしで
準備や片付けの手間を考えたら、なんか釣り合わない気がするんですよ」
「なにと?」
「すき焼き食べたぞっていう満足感と」
しらねぇよと心の中でつぶや、
ていうか、空腹で苦しむわたしへの精神攻撃?
そう思うと、胸の奥から怒りが込み上がってきた
こいつはわざわざわたしをばかにするために戻って来たのか
そういえば、さっきの表情、あれはわたしを嘲笑っていたに違いない
などと一人、脳内で盛り上がっていたら、
「なので、晩ごはんご一緒しませんか」
と予想せぬ方向からストレートを放たれた
はあ?
189 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:38:28.20 ID:23MjFYnW BE:3667548858-2BP(0)
「二人分の満足感なら、少し面倒くさくでも作り甲斐がありますからね」
「それだけの理由で、知らない人を家に呼び込もうとする君はおかしいよ」
そもそも、なにか裏があるのではないかと、こっちが疑いたくなる
ホームレスにふぐの毒見をさせる話が思い出される
まさかわたしに高級牛の毒見をさせようていうわけではあるまい
きっとこいつの家に上がり込んだ瞬間、
怖面の坊主頭が何人も奥から飛び出ってくるはずた
「ビールもありますよ」
「うぐっ」
190 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:40:24.67 ID:23MjFYnW BE:4401058368-2BP(0)
「待って、生卵がないじゃないか、そんなのすき焼きとは呼ばせないぞ
生卵ちょうだい」
「楽しそうですね、あんなんに警戒してたくせに」
結果から言うと、わたしは彼女の家で鍋を囲んでいる
怖面の坊主頭はいない、黒猫だけが床暖房のフローリングで横たわっていた
二本目のビールを開けたとき、わたしは手に持つものに違和感を覚える
「おまえ、えっと…」
「小春です」
「うん、小春は一人暮らしだよな」
「最初に言ったじゃないですか、一人暮らしですよ」
「高校生?」
「…見ればわかるでしょう」
「一人暮らしの女子高生がなんで冷蔵庫にビールを備え付けてるんだよ」
「えっ、大丈夫ですよ、ほら、ノーアルコール」
「関係ねぇし」
「ついてにノーカロリー」
「…乾杯しよう」
「いぇーい」
191 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:41:21.23 ID:23MjFYnW BE:2567283874-2BP(0)
空腹だったとはいえ、普段の一食とあまり変わらない量で腹一杯になった
胃の容量が増えたわけじゃないから、当たり前といえば当たり前だが
満腹感に満たされたままこたつに深く潜り込み、
設定温度25度の暖房器具で暖められたリビングのなかでテレビを眺める
そろそろ出ていかなきゃいけないな、と心の中で思っていても身体が言うことを聴かない
キッチンの方では皿同士がふれ合う音と蛇口から水が流れ出る音がする
小春が皿洗いをしているようだ
手伝わなきゃと思ったが、やっぱり身体が動こうとしない
黒猫はわたしに警戒心のかけらも見せずにすり寄ってくる
やっぱりきれいな毛並みだなと思ったのが、その日の最後の記憶だった
支援
194 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 03:52:31.65 ID:23MjFYnW BE:3300793766-2BP(0)
お姉さん、お姉さんと呼ばれて目を覚ました
こたつの中で寝ている状況が理解できなくて、ちょっと戸惑った
しばらくして、昨晩のことが思い出される
睡魔に負けてそのまま寝てしまたようだ
晩ごはんだけいただくつもりだったのに、ずいぶんとあつかましいことをした
「あんまりにも気持ちよさそうに寝ていたのて、起こすのが忍びなかったです」
と言って、小春は申し訳なそうに続ける
「でも、わたしもう学校にいかなくてはいけないので」
、
197 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 04:49:10.83 ID:23MjFYnW BE:1100264843-2BP(0)
時計に目を向ける、朝6時半を指している
「ごめん、つい…」
立ち上がって、ジャンパーに手をかけたとき、言い忘れていたことを思い出す
「晩ごはんおいしかったよ、本当にありがとう」
軽く頭を下げて、まだ続ける
「わたし自身がお世話になっといて、こんなことを言うのもなんだが
知らない人を家に呼び込むようなことはもうしない方がいいよ
君は善意で接しているけど、相手の方は善人とは限らないし」
そう言い残してドアに手をかけた
198 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 04:51:40.71 ID:23MjFYnW BE:733510324-2BP(0)
「待って」
振り向くと小春はなにか言いたそうにもじもじとしていた
その様子を眺めていると、彼女は意を決したように口を開く
「しばらくの間、一緒に住みませんか」と
もう、驚かないけど
正直、言われるじゃないかと少し期待していた
「お姉さんがバイトを見つけて
アパートを借りられるまで、ここにいてもいいですよ」
、
200 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 04:54:30.70 ID:23MjFYnW BE:2567284447-2BP(0)
昨日の夜、こんな会話をした
「ホームレスになってもバイトはしたくなかったのですか」
バイトを探そうとした時にはもうホームレスになっていたよ、と答えた
「どういうことですか」
「都会に出ると決めたときから金を貯め始めた、最初にアパートを借りたりするために」
「意外と計画的ですね
てっきり一文なしで家を飛び出したのだと思ってました」
「そこまでばかじゃないよ
まあ、実際それと同じ結果になったけど」
一息ついてまだ続ける
「電車ですりに遭ってね
有り金を全部財布に入れてったから、一気に一文なしだ」
「…それ、有り金、全部財布に入れてたお姉さんの責任でもありますね」
「反省はしてる」きっとやったやつは家族を養うお金もなく困っていて、そして、わたしの20万で新な人生を歩み出すはずだろうなあ
とポジティブに考えてみる
だからといって許すつもりはないけど
「なるほど、それでバイトすら見つけられなかったのですね」
「理解が速いな、住所不定じゃどこも雇ってくれないね」
「探そうと思えばなくもないでしょうけど…」
しばらく小春はなにかを考えているように黙り込む
そして、手に持つビールを仰ぐ
201 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 04:57:52.44 ID:23MjFYnW BE:1925462873-2BP(0)
その豪快な飲みぶりの裏では
住み処のないわたしを助ける方法を考えていたのか
そして、わたしをこの家に泊めるという結果に至ったみたい
返事を返すよりも先に、小春はなにかをわたしの手に握らせる
銀色の鍵だ
「合鍵ですよ、お姉さんがもしここにいたかったら
そのまま持っていてください」
「もし、いたくなかったら?」
「出ていくときに鍵かけてもらっていますよ
あとはポストにでも入れといてください」
「ずいぶんと信用されてるな
わたしがこの家にある金銀財宝、全部持ち去っていくかもしれないのにね」
自分で言っといて笑いそうになった、
金銀財宝ってまるでわたしは桃太郎みたいだな
「金銀財宝なんでないですよ、それにお姉さんが寝ている間
免許証のコピー取らせていただいてますから」安心ですと小春はにっこり微笑む
「……」
考えてといてくださいねと言って、小春は出ていった
202 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 05:00:06.91 ID:23MjFYnW BE:2200528883-2BP(0)
バタンとドアが閉まり、部屋の中に一人残された
なにか企みがあるわけではなさそうだが、これほど好意を丸出しにされると
自然と感謝よりも先に疑いの気持ちが出る
いや、もちろんそこまでお世話になるつもりはないけど
203 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 05:32:13.28 ID:23MjFYnW BE:6601586898-2BP(0)
許可もなくシャワーを使うことに少し抵抗を覚えたが
家主の性格からして、きっと気にするはずもない
ちょうど、ドライヤーをかけたとき、
黒猫がひょこっと脱衣場に顔を出してきた
そして、ドライヤーの騒音に驚いたのか、火が着いたように逃げて行った
頼ってみるのもわるくないけど、さすがに年下にはね…
まとめほどもない荷物を肩にかけ、
わたし一晩お世話になった家のドアに鍵をかける
カランと音をたてて、鍵がポスト口からドアの内側に落ちたのを確認し
小春の家をあとにした
朝の空気は冷えていた、一晩中降っていた雨はもうすでに上がっていて
かわりに眩しい朝日が地面に降り注がれている
いいことがありそうな兆しだ、と根拠もなく思ってみる
205 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 19:27:06.57 ID:23MjFYnW BE:1650396863-2BP(0)
後悔した
何度も体験していて、わかってはいたはずだが
この時期の、昼と夜の温度差にはやはり驚かれる
それに民家から流れ出る晩餐の匂いが
空腹をまだ叩き起こした
気が付けばわたしは小春の家へと向かっている
向かってどうするんだろう
一度出ていったのに、まさか
やっぱり住ませてくださいなんで言えるはずもない
ていうか、それができるならとっくに実家に帰っている
206 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/28(木) 19:47:41.41 ID:23MjFYnW BE:6601586898-2BP(0)
小春の住むマンションはもうすぐ先だ
見上げると、部屋にはすでに電気が着いていた
あそこに戻れたらどんなにいいのだろう
タバコの箱を取り出し、電柱に寄りかかる
207 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:12:01.69 ID:F2jRvWBL BE:1925463637-2BP(0)
「……」
空っぽだ
いいことなんでなんもねー
208 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:12:35.00 ID:F2jRvWBL BE:550132823-2BP(0)
「ひーっ!?」なにか冷たいものが背筋を沿って、這い上がってきた
209 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:13:06.31 ID:F2jRvWBL BE:4125991695-2BP(0)
「条例で歩きタバコは禁止されてますよ」
「…」小春の声だ
「戻ってくると思ってました」わたしの背中に手を入れたまま、小春は言う
「お姉さんのことなんだから
どーせマンションの下まで来て躊躇し出すから、むかいに来たんですよ」
全部お見通されていたようだ
「とりあえず、手を出せ」
210 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:14:40.62 ID:F2jRvWBL BE:1467020328-2BP(0)
小春の家に上がると、テーブルには豪快な食事が用意されていた
「歓迎パーティーをしょうと思って買ってきたのに、お姉さんが変に意地をはるから、冷めちゃいました」
「まだ居候になるとは言ってないぞ」なんか悔しかったので強がってみる
「食べましょうか」
「うん!」
211 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:16:11.01 ID:F2jRvWBL BE:2750661656-2BP(0)
一人暮らしの家には家族との時間を大切にしょう
という気遣いはないらしくて
食事につくと小春はすぐにテレビをつけた
実家でやったら、父さんの茶碗が液晶を割るだろう
画面の中では誤表記やら、偽造やらと騒いでいた
「たまには逆のことで起きないですか」
何のことと聞き返すと
212 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:17:22.65 ID:F2jRvWBL BE:4492746877-2BP(0)
「例えば、シャコ貝って書いてあるのに、実はアワビでした!
とか」そんなことを言い出す
「ありえないね、安い方を出すために偽造したしゃない」
「本人たちは偽造ではなく誤表記って言ってますよ」
「ふさけるな、アワビなんか食わせてってお客さんが怒るのか」
「アワビ食べさせてすみません、責任取ってやめますって
社長さんが辞任するんですよ」
「あははっ、シュールだな」おもしろい子だと思ってわたしは笑った
それにつられて小春も口を押さえて笑う
その笑顔を見て、わたしは自分でも驚くほどの安心感を覚えた
そして、意地を張っていた自分がばからしくなって
目の前の女の子に頼ろうと思えるようになった
213 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:19:19.33 ID:F2jRvWBL BE:5868077388-2BP(0)
小春と暮らし初めて、わたしはすぐにバイトを見つけることができた
駅前のファミレスでウェートレスになることだ
厨房の方がよかったが
まあ、贅沢は言えない
214 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:19:54.69 ID:F2jRvWBL BE:4401058368-2BP(0)
それと、小春からは2つ条件を出された
一つ、5時前にはバイトを切り上げること
なんでも、一緒に晩ごはんが食べたいからだそうだ
二つ、土日はシフトを入れないこと
これについては、一緒に出かけたりしたいからと言っていた
いや、わたしたちは新婚の夫婦かと
さすがにつっこまずにはいられなかったが
居候させていただいてる以上、のみ込むしかない
215 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 19:59:15.16 ID:F2jRvWBL BE:2750661656-2BP(0)
これは同居し始めて二週間目のときの話
そのごろわたしは、小春のことがすべて理解している
と思っていた
いや、別に彼女か大事とか、好きとか
そうゆうことではない
それほどわかりやすい子だから
二週間一緒にいれば、もう大体わかってしまう
216 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 21:03:44.68 ID:F2jRvWBL BE:825198833-2BP(0)
その日いつものように小春の勉強を見ていた
彼女に与えられるばっかりはいやなので
わたしは彼女の勉強を手伝っている
評論文の問題集をやっていた彼女は
「こんな、頭のいい人の書く難しい文章は
頭のいい人が読むものですよ
なんで高校生がやるんですか」
と端にある作者の写真をシャーペンで突く
217 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/29(金) 21:04:47.08 ID:F2jRvWBL BE:2567283874-2BP(0)
「それは間違ってるね」
わたしは写真にデコピンをいれる
「こいつらはちがう、ホントに頭のいい人は
こんな小難しい言葉を使わなくても
だれにもわかる文章を書くだろう」
「いいこといいますね」小春は笑った
「でも、問題を解く上ではなにも役たちません」
「そこは、気持ちの問題だよ
少しは、気楽になるだろう」
218 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:24:22.15 ID:fEjzlOV5 BE:5868077388-2BP(0)
「なるほど……」
少し黙り込むと、小春はあらたまったように
わたしの方に向く
「お姉さん」
「なんだ、急に」
「ちょっと、悩み事です」
悩み事?小春に縁のなさそうな言葉なのに
219 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:25:55.71 ID:fEjzlOV5 BE:2475594893-2BP(0)
「いじめというか、いやがらせをされてるみたいです」
「……」やっばり都会はこわい
全学年が顔見知りの田舎じゃ、いじめなんかドラマの世界だ
「これはまだ、なんで急に」
「高校生のいじめなんで、理由がなく襲ってくものですよ」
「それは理不尽だね」わたしはあんまり気にしなかった
ていうか、どうでもいいと思った
220 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:26:49.69 ID:fEjzlOV5 BE:1467019744-2BP(0)
それが、つぎの日になると
小春はになにも言ってこなくなったので
わたしはもっと気にしなくなって
忘れた
だが三日後、学校から帰った小春は手に包帯を巻いていた
「それ、どうしたんだ」包帯を指さして言った
「大丈夫ですよ
ちょっと擦りむいただけです」
擦りむいただけで包帯が必要か?
そこで、わたしは四日前のことを思い出した
「前に言っていたいじめか?」
「えっ、大丈夫ですから、本当に」
否定はしない、小春はうそがつけない
「……」
「わたしちょっと疲れてるようです
部屋で休んでます、晩ご飯お願いできますか?」
「…うん、わかった」
221 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:27:32.99 ID:fEjzlOV5 BE:1650397436-2BP(0)
やばいな、とわたし思った
理不尽さを受け入れでいる顔だ
いじめはもっとひどくなるかも知れない
でも、やっばりどうでもいい
所詮小春とわたしは二週間程度に知り合いでしかない
バイトの給料が下りたらわたしはこの家を出て行く
そのとき泣きつかれるかも知れない
わたしも泣くかもしれない
でも、やっばりそれぐらいの知り合いでしかないのだ
とりあえず、今夜は小春の好物でも作ってやろう
222 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:41:35.15 ID:fEjzlOV5 BE:1925463637-2BP(0)
翌日、小春は休んだ
昨日のことがショックだったみたいだ
わたしの前では元気に振舞っているけど
やっばり、どうでもよかった
223 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 01:50:27.14 ID:fEjzlOV5 BE:1100265034-2BP(0)
予想を反して、小春はその次の日ちゃんと学校に行った
無理するなとは言っておいた
224 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 02:14:53.14 ID:fEjzlOV5 BE:1283641872-2BP(0)
小春が学校から帰ってきたあとのこと
晩ご飯をつくりはじめたとき、チャイムが鳴った
なべがふかさないないよう見張っといてといわれ
わたしはコンロの前を離れず、小春が玄関へ向かった
聞き耳を立てるつもりはなかったが
しばらくすると、言い争うような声が玄関から聞こえてきた
すぐに理解した、いじめっ子とやらが家まで来たんだ
さすがに、困る
わたしにも迷惑がかかるようじゃ、気にせずにはいられない
火をとめ、玄関へ向かう
途中でバタンと何かが倒れる音がして、わたしは急ぐ
225 :
創る名無しに見る名無し:2013/11/30(土) 02:32:24.55 ID:fEjzlOV5 BE:3300794249-2BP(0)
「え……」
驚いた、青いコーラを見たときより驚いた
玄関には二人の女子がいる
もちろん、一人は小春だ
もう一人は見たことのない人だ
で、そいつがなにをしていたかというと
きれいな姿勢で土下座をしていた
小春はそれを見下ろすような形で立っている
226 :
創る名無しに見る名無し:2014/01/22(水) 04:24:15.51 ID:8FVKwzB1
227 :
創る名無しに見る名無し:2014/05/18(日) 23:06:00.36 ID:QxCbctro
ハリー・ポッターの二次創作でヴォルデモートの娘が主人公のやつ探してるんですが知ってる人いませんか?
前読んで面白かったんでまた読みたい!
229 :
創る名無しに見る名無し:2014/10/23(木) 01:45:19.61 ID:xY9U0W9F
普通人気なはずの二次創作総合がなんでこんな板の下の方に下がってるんだw
>>228 女主人公…夢小説とか探せば腐るほど出てきそう
230 :
創る名無しに見る名無し:2014/12/05(金) 23:12:19.12 ID:YpRfOJz0
青ピ「お前ら、なにしてんねん」
土御門「青ピも混じりたいのかにゃー?」ビュン
上条 「なわけあるか」サッ
休日を楽しんでた青ピが偶然遭遇したのは、何かから逃げてる様子の馬鹿仲間。
青ピ「え? どしたん」青髪ピアスが追う
土御門「追っかけて来ないでいいぜい」
上条「そうだな」
青ピ「?」
土御門と上条はさっと走りペースを上げ、消えた。
次の日
青ピ「土御門、かみやん、なんで走っていたんだ?」
土御門アンド上条「「サバゲー」」(嘘) 実際は魔術師に追われてました
マジで普通で謎のレベル5とかじゃない青ピとなんか非日常を体験している
土御門と上条さんを書きたかっただけ
231 :
名無しさん@そうだ選挙に行こう:2014/12/14(日) 09:58:54.44 ID:iF8/gwBi
Fateの凛が上杉ケンシンを鯖として召喚するやつがあれば読んでみたいんだけど無いかね
短すぎてなにがなにやら