【没ネタ】未完成作品の墓場【殴りがき】 Part2

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134某シェアワ用に書いてて頓挫したヤツ:2012/12/06(木) 00:21:59.35 ID:k/7hRpV/
「くっ!」

“魔人”といえど、連中の数の多さには旗色が悪い。
そこへきて力と執念深さがあるために、一撃で振り払うことはなおかなわない。

「アグゼス! どうにかならないか?」
「考えうる最高のパフォーマンスで処理している」

っふ、と舌打ち混じりの溜め息をつく。
連中は今現在も増えている。
最近はイヌ型ばかりではなく、翼手のような造形や地を這うタコのような造形など、バラエティに富んできた。

ダガーを両手に、襲い来るミュータントを捌く。
背後の“魔人”は、鉤爪のついた三本指で連中を切り裂く。

「もうじき群れが切れる。そこを見て抜け出す」
「どうやって!」
「抱える」

言うが早いか、背後から太い腕が私の腰に巻きついた。
私は即座に、衝撃に備えて腹に力を入れる。
魔人、アグゼスが跳んだ。

コウモリとヒトがくっついたような、翼手が追いすがってくる。
ダガーを投げつけようとしたその時、眼前の翼手の身体がビクンと跳ね、次の瞬間には視界の下方へ去っていた。

「助っ人と呼んでも差し支えない存在が出現したようだ」
「……会いたくもない奴だけれどね」


翼手が墜ちた場所のそばに、一人の男が立っていた。
135創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:23:04.61 ID:k/7hRpV/
アグゼスの跳躍は見事にミュータントたちの群れを抜けだした。
まだ数体、翼手が追ってきていたが、そのくらいの数ならば十分対処可能だ。

「“助っ人”はずいぶん手を貸してくれたようだ」

アグゼスの無機質・無感動な声が、気に障る。

「バッカじゃないの。あいつはあいつの“オシゴト”してるだけでしょうが」

つい、ヒステリックに叫んでしまった。
言った後から気づく。

――こんなところが、ダメなんだ。

「そろそろ時間だ」

“魔人”アグゼスは、私の剣幕など意に介さない。
うっすらと東の空が明るくなってきているのを見て、私は漸く腕時計を見たのだった。



連中も、日中には活動性を落とすタイプだった。もう大人しくなるだろう。
始発は動いているだろうか……と頭を巡らす。
数年前まで新興住宅地だった、郊外の町。
今は誰も住んでいない、ゴーストタウン。
例の隕石災害、そしてその後現れ始めた奇妙な“生き物”たち。

――予想はしていたけど、こんなに増えてるとは思わなかった……。

ここには、用事があったのだ。
私は、最初の目的地に戻ることにした。
136創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:25:13.06 ID:k/7hRpV/
「……」

男は、道路の真中に立っている。
さきほど翼手を一体撃ち落とした、アグゼス言うところの――私はそれを認めないけれど――“助っ人”だ。
無言で、こっちを見ている。

私は無視して、道路の端を歩いて通りすぎようとした。

「『アイビス』」

男が言い、私の行く手を塞ぐ。

「何をしている」

鷹揚な物言い。
目を合わさず、極めて不機嫌に、言ってやる。

「……その名前で呼ぶのはやめてくれないかな。私はもうあんたたちの仲間じゃない」

男はフン、と鼻で笑い、皮肉っぽい笑みを浮かべて言った。

「一般人だ、とでも? ならばなおさらだ、ここは特別禁止区域に指定されている。理由は……分かっているだろう」

昔から、変わっていない。

――だから、こいつは嫌いなんだ。

「それが何? 私は忘れ物を取りに来ただけ。用が済んだらすぐ帰るし、自分の身は自分で護れる」

言いながら、奴の脇をすり抜ける。
男は私を通らせたが、背中から声を掛けた。

「昼行性のガーゴイルも出てきているぞ。昼間に、昨夜のような事が起こる可能性は十分にある」

――ちっ。やっぱりそうなるんだ。

私は、奴がどういう人間か比較的知っている。私が奴を嫌いなのも、そのせいだ。
もっとも、最大の理由はもっと別のところになるのだけれど。

私は、奴を無視してスタスタと歩く。
振り返らずに、捨て台詞を吐く。

「あんたは、頭痛の心配でもしてれば!?」
137創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:28:14.93 ID:k/7hRpV/
Code name;アイビス。
とうに捨てた、私の昔の名前。

馬鹿の集まり。カッコつけに○班、なんてナンバリングしている。
あの頃は5班まであった。今はもっと増えているだろう。そんな勢いだった。
私は、その「1班」に所属となった。
今はその班は無い。
他の班はどうなっているか知らないけれど、知りたいとも思わない。


警察学校を卒業する時、教官から呼び出された。

「三島、貴様に話がある。後でここに来るように」

教官の立場を利用したセクハラとは。私はこの手の犯罪に虫酸が走る。
この教官がそういう肚ならちょうどいい、社会のダニを駆除するいい機会だ。

そう思った。
私はまだ二十を過ぎたばかりで、自分でも恥ずかしくなるくらい、血の気が多かった。


教官から手渡されたのは、一枚の地図だった。
“そういうこと”をするなら教官室とかを指定しそうなものだが、ラブホテルの場所でも書いてあるのだろうか、私は軽蔑の念を込めてその紙を受け取った。

「1時間で塵になる。光学処理されているので、複写および撮影は出来ない。よく頭に入れろ」
教官は、そう言った。

手渡された紙は不思議な質感を持っていた。
138創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:31:04.70 ID:k/7hRpV/
地図は、一般常識からいうと不親切極まりないシロモノだった。
グーグルマップで言えば、「色分けおよび建物名が一切記載されない市街図」。
後で気付くのだが、北を上に記載されているでもなかった。

そして、指定の場所は地図に明記されていない。
地図の下部に数字の羅列が並んでいるだけだ。

「3時間後、現地だ」
教官はそう言うと、さっさと教室から出ていった。


約一時間が経つ頃、その紙はボロボロと崩れ始めた。
手に持ったさきから粉になり、表面もどんどん色褪せてくる。
私はこの時初めて、地図を覚えるのに必死になった。
それまで、教官の言った意味や目的などを、漠然と想像して遊んでいたのだ。

“地図”には特徴的な図形が一つ描かれている。
私は学校から少し行ったところにある建物を思い浮かべた。
すぐに(一般の)地図を検索する。

おそらく、間違いない。
そっちの“地図”はもう無くなってしまったから、突き合わせることは出来ないが……あの“図形”は、この建物を指しているはず。
だとすると、あの“地図”は北が上ではない。

ああ、なんとややこしいことを! まるでスパイの情報戦じゃないか。
私は髪をぐしゃぐしゃとかき上げながら、周辺図をプリントアウトする。
頭の中にある“地図”と重なるように、それを回して東西南北を合わせる。


……待てよ。
はたと気づいた。
目的地は示されていないのだ。
あの地図に、目印のようなものは何一つ無かった。
あるとしたら、変な数字の羅列……

あれが、目的地を示す“記号”なのか?
それだけはメモした。
メモを見返し、プリントアウトした図と見比べる。
あの“地図”の中心に来ていたのは、この建物だ。
数値は座標を示すものか? 仮にそうだとするなら、かなり端っこに寄った地点にある。
けれどそこには建物はない。大通りが走っているど真ん中だ。

こんなこと、前にもあったような……

私は、以前に姉から聞いた話を思い出した。
139創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:33:29.20 ID:k/7hRpV/
この“座標”が、「中心点からの距離」を指すものだとしたら……?

目的地は、中心からややそれた場所にあり、それを示すために数値が与えられている。
それであらためて図を見返す。
“座標”の示す位置に、果たして“それ”はあった。
商店街の外れにある喫茶店に、“それ”はピタリと合っていた。


時計を見る。
あの通達から3時間後、ということはあと40分。

いつの間にこんなに時間が経っていたのか。
こんなことなら、ダメ元でもっと早くからあらゆる検討を重ねるべきだった。
歯噛みする思いをしながら、私は急いで支度をした。

化粧と洋服? とんでもない。
何が待っているか分からないのだ。
実技で満点だった短刀を両腿に仕込み、GPS発信機を封入したピアスに付け替える。
24時間以内に外して解除処理をしないと、現在地を通報されるものだ。

今となっては、それも無駄な足掻きだと分かるのだが、当時はそれが最先端の護身技術だと信じて疑わなかった。


電車を使って行く発想は無かった。
なぜか、こういうことになったら公共機関はヤバいと思ったのだ。
で、自転車を漕いで行くことになる。
時間的に、目的地まではギリギリだ。

ここで、なんでそうしたのか、当時の私の愚行を責めないで欲しい。
とうの私が「バッカじゃないの!?」と言いたい気分なのだ。
若かりし頃、というのは、そういうものだ。それから4年しか経ってないのだけれど。
140創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:36:57.07 ID:k/7hRpV/
結果を先に言うと、時間には間に合わなかった。
けれど、約束には間に合った。
もったいぶっているわけじゃない、話を進める。


自転車を漕いでる途中で、時計のアラームが鳴った。

タイムリミットか……!
私は、脱力感に襲われた。

けれど、思えば得体の知れない“指令”に振り回されただけのこと。
守れなくても、卒業がどうにかなるものでもないだろう……
私は早くも諦める理由を考え始めた。

しかし、気にかかることがある。
私だけでは無いにしろ、まるでゲームを解けるかどうか試されているかのように、教官から呼び出しを受けている。
その場に居るのがどんなメンツなのか、それに興味があった。
そんなことを考えているうち、目的としていた喫茶店に辿り着いた。


何の変哲もない、ともすれば明日にでも潰れてしまいそうな、古い喫茶店だ。
私はドアを押し、数秒(数十秒、あるいは数分だったかもしれない)あってから「いらっしゃいませ〜」の声を聞いた。

店内には、客が一人だけ。よく見慣れた人物だった。
141創る名無しに見る名無し:2012/12/06(木) 00:43:30.45 ID:k/7hRpV/
「2分オーバーだ、三島柚子」
「すみません……」
言い訳をする余裕は無かった。それよりも、この“密会”の目的が気になってしょうがなかったのだ。

「三島、貴様は捨てるものがあるか」
教官は、世間話をするようなふうで言った。

……?

意味が飲み込めない。
あの、お冷いただいていいですか。あ、これですね。ふう。えっと? あ、はい。

「貴様の『能力』は非常に優秀だ」
教官は静かに言い、コーヒーカップを口に運ぶ。

「『バッフ』あるいは『エグザ』とも呼ばれる、特殊能力。これを使った犯罪が後を絶たない」

黙っている。

「そうした犯罪を専門に扱う課、というのがある。……もちろん非公式だが」

教官が私を睨む。この時の目ほど、“眼力(めぢから)”のある目を、私は見たことがない。

「過酷な仕事だ。犯罪組織と、第一線で殺り合う。頭脳戦も情報戦もある。『能力』を使ったテロ行為は毎日のように起こっている」

私はただ、教官の目から視線を逸らすことが出来ず、ただ見返して、黙っている。

「戦闘に特化した、優れた『能力』のある者でなければ、この課の人員は務まらない。私の言うことは、つまり、それだ」

言い終えて、教官は再びコーヒーカップを口に運んだ。
何故か顔を苦そうにしかめる。

砂糖なりミルクなり入れればいいのに。



私の『能力』。

私以外の、人型の何者かを召喚できる能力。
“そいつ”について、私は詳しく知らない。

でも、召喚すると、なぜか昔から知っている古い友人か、疎遠になっている親戚かのような感覚が私の中に満ちる。
何を命令するでもないのに、私の思うとおりに動いてくれる。
ただし、殴る蹴るなんかの単純な作業だけ。


“魔人”アグゼスを十分に認識していなかった頃の私は、こんな感じだったのだ。
142創る名無しに見る名無し:2013/05/05(日) 23:35:02.38 ID:deY5it8h
 ガチャリ、とオーブンを開けると、熱気と共に甘い香りが漂った。
 ミトンを嵌めた手を伸ばし、鉄板を引き寄せる。柑橘と蜂蜜が熱に混じって鼻をくすぐる。綺麗に焼けたマドレーヌに思わず頬を緩ませながら、網棚の上に手早く取り出していく。
 袋とリボンを用意してる内に粗熱が取れたので、綻びや割れのあるものを取り除いていく――とその時。

どたどたどたどた!

 廊下を走る騒がしい足音。反射的に手元にあるマドレーヌを一つ掴む。

 ばーん!

「おやつ――もがっ!」

 勢い良く開け放たれた扉に向かって鋭く投擲。狙い違わずターゲットの口に飛び込み、その動きを止める。
 が、次の瞬間には全て咀嚼されて口の中から消えていた。相変わらずの早食いだ。
 嘆息し、意味が無いと分かりつつも忠告する。

「心美。厨房に飛び込むなといつも言ってるだろう」

「だって甘い匂いがしたんだもーん。要人お兄ちゃんこそ食べ物を粗末に扱っちゃダメじゃないのー?」

「今投げたのは一番焦げてた奴だからな。元々捨てようと思ってたから丁度良かった」

「ひ、ひどい! でも美味しかった!」

 この焦げたマドレーヌで満足する食わせ甲斐の無い少女は、妹である心美だ。
 菓子が焼き上がると何処からともなく嗅ぎ付け、厨房に飛び込んでくる。
 餌を与えないと暴れて埃が舞うのでロスを提供して黙らせるのが常だ。
143創る名無しに見る名無し:2013/05/05(日) 23:37:43.56 ID:deY5it8h
「で、何の用だ?」

 溜め息混じりに聞くと、心美は思い出したように言った。

「そうそう、朝御飯できたから来いってお母さんが」

「最初に言え。……今行くから先に用意手伝ってろ」

 はーい、と元気に返事をして騒がしく飛び出していく心美を尻目に、マドレーヌに触れて温度を確認する。
 袋詰めするにはもう少し冷ましてからの方がいいだろう。
 幾つも並ぶ焼き菓子にペーパーを被せてから手早く手を洗い、厨房を出る。
 廊下を歩きながら腰に巻いたサロンと頭に被ったタオルを外し、居間の扉を開けた。

「おはよう、早かったね。もう少しで準備終わるから待っててな」

「その言葉はオレが言うべきだと思うぞ」

 ぐってりと机に伏しながら顔だけ向けてこっちを向いたのは母である陽子。
 仕事の途中だったのか目の下に酷い隈が出来ている。
 それにツッコミを入れながらキッチンから顔を出したのは、父親の陰之。
 猛禽の如き鋭い目つきはカタギと思えないレベルだが、この家の家事全般を片付けているのはこの陰之である。
 つまり主夫だ。
 何も知らない人が見れば怯えて愛想笑いを浮かべながら逃げそうな視線をじろりとこちらへ向けた。
144創る名無しに見る名無し:2013/05/05(日) 23:39:06.95 ID:deY5it8h
「仕込みは終わったか?」

「一段落ついた。あとは袋詰めと、追加分くらい」

「そうか。テーブルに着いてろ、すぐに運ぶ」

「あ、いや手伝うよ」

「いらん。大した量じゃない。心美だけで十分だ」

 言い残してまたキッチンに引っ込んだ。態度で誤解されがちだが優しい父親なのである。
 程なくして心美が料理の載った皿を持ってきた。こちらも邪魔な人間を動かし箸や取り皿を並べて準備をする。

「……大事な母親に対して、何か言うことは?」

「ジャムはバナナでいいよね?」

「邪魔な物を退かすように扱ったことに謝罪はないのね……あ、新作?それちょうだい」

 背もたれにぐったり体重を預けながらトーストに強い匂いを放つジャムを塗っていく陽子。
 要人はジャムも作って販売しているので時折試作品を食卓に置くのだ。
 今回はバナナ。我ながら良い出来だとは思うのだが、濃厚なバナナの風味と同じくらい強烈なバナナの芳香が漂う物となってしまった。
 バナナ嫌いが一人でもいる家庭には売れるまい。
 心美とエプロンを外した陰之が席に着くと、全員が両手を合わせて唱和する。

「「「「いただきます」」」」

 日野家の家訓その一。食卓を疎かにすることなかれ。
 雑談もテレビも許されるが、家族全員が席に着くまで食事を始めることは許されない。
145創る名無しに見る名無し:2013/05/05(日) 23:40:44.47 ID:deY5it8h
ここまで書いて、8割がたプロットもあるがどうしても進まない
いつか書こうと思いつつ塩漬けになってたものを供養
146創る名無しに見る名無し:2013/05/06(月) 09:20:51.74 ID:P9G/v4z3
>>142
二次創作……?
と思ったけど、とりまググってもそれらしいものは見当たらない
オリジナル作品かな?


文章は読みやすい、キャラ構成もなかなかにそそるものがあった
続きを書いてくれたらいいのに!
147創る名無しに見る名無し:2013/05/06(月) 10:26:44.20 ID:SX95/OM0
>>146
オリジナルだけどキャラは意図的にラノベっぽく名付けたから一見二次に見えるかも
ファンタジーな要素なんて欠片も無い、ラズベリーのように甘酸っぱい恋愛モノに…なる予定だった
反動でその後がファンタジー祭りになったけど

好評価貰うのに慣れてなくて、なんか照れるな
そう言ってくれてるのなら気合入れて少しずつでも書いてみましょうかね
148創る名無しに見る名無し:2013/05/06(月) 13:47:21.86 ID:KGE4U7Pa
血の匂いなんてしないじゃないか!
するのは糞尿の吐き気がする匂いだけ。
足元に転がる最愛は。
ねぇ、ロマンチックなデートのお誘い嬉しかった?
「あの山を登ったらすっごい夜景が綺麗なんだって!見に行きたいなぁ」
嘘じゃないよ、とっても綺麗だよ
。人気の無い山道を一人で帰ると思ったら憂鬱だよ。
脂肪でテカったナイフを舐めて見る。うん、鉄の味しかしない。
本当に美味しいのかなぁ。
太ももの肉を五センチ程度削ぎ取る。
プルプルしてて、血まみれで、いかにも怪しい肉っぽくて食欲は湧かない。
ちゃんと火を通さなきゃ。
私は牛も豚も鳥も食べる気になれないんだ。
今まで?食べてたよ。肉を食べなきゃ早死するからね。
食は人生で結構大事な位置の行為なのに疎かにしたくないよ。
肉は美味しいし。
だから人を食べてみるの。
カニバリズムのシーンがある漫画や小説を読み漁ってみたけど、どう料理すればいいのかは分からない。
料理本でもあればいいのに。
腹にゆっくりナイフを皮膚に沈める。程よい弾力で心地良い。
死体に穴開けてセックスしたがる人の気持ちが分かった気がする。
ミイラ化した死体をお湯でふやかす人、心臓をセックスするための臓器だと信じて疑わない人、死体を切り貼りして芸術作品を作り上げる人。
彼等彼女等に妙な親近感を抱いて、今すぐにでもこの死体を分け合い語り合いたい気分になった。
「どうして人を食べようと思ったの?」
身元確認済みの遺体は尋ねた。
「骨を、肉をミキサーで砕いて飲めば石鹸箱の毒に侵されずに生きていけるからね」
先人からの答えはマカロニチーズの中に
「なんでわざわざ人間なんか食べるのですかぁ?」
違法な何かで薄まった私の意識にこっそり滑り込んできた。それは私の後ろに立っていた。
小学二年生の女の子を貼り付けた"ロイ"だ。
「貴方方人間様には沢山出来る事があるというのに!」
驚きの跳躍力でピョンと跳ねて私の前に躍り出る。
「人間様には権利があります!」
空中にゴシック体の文字が浮かぶ。
「人間様のお望み通り!人間(あなた)は神であって良いのです!さぁ!"人間と動物"!人間は動物じゃないかのように振る舞えるのです!」
ロイが両手を広げクルッと回ると鶏がそこに居た。
ふわっと羽毛が舞う。
「人間様のお望み通り!人間様は自然(わたし)達を好きなだけレイプして殺して食べていいのです!」
百羽に一羽は心臓疾患で死ぬという肉のための鶏は騒いだ。
「いやだよ。私は人を食べるの。鶏を食べちゃ可哀想」
せっせと肉を切りタッパーに詰め込む。ああ、今ここで焼いて食べる事が出来たのに。
「人間様、共食いなんて止めてくださいよぉ!さぁ!ファックしたいなら人間ではなく自然へ!」
「うるさいなぁ、私は人を食べたいの」
ロイは小学二年生に戻ったり鶏になったりして私の周りを動き回る。
「人間様は私をどうしたいですか?くちばしを切り取りますかぁ?脳を殺して体だけ生かせて太らせますかぁ?」
終わった。十四個のタッパー全てに肉を詰め終えた。
「よし、埋めるか」
麓の家の森田さん、私有地(こんなところ)で肥やしを作ってくれてありがとう!
おかげで臭いでバレる事は無いよ。あなたが土砂崩れでペチャンコになる事がありませんように!
森田さんのシャベルも拝借してザクザク埋めよう。
「人間様は馬鹿ですね」
ロイはじっと私を見つめた。
「こんなに愛らしい鶏を食べるなんて、人間はなんて非道なんでしょう」
そっと頭を撫でるとロイは俯いた。そして、フワッと宙に溶けて消えた。
残ったのは私とタッパーと腐った生ゴミだけ。
149創る名無しに見る名無し:2013/05/06(月) 13:48:46.49 ID:KGE4U7Pa
ロイはじっと私を見つめた。
「こんなに愛らしい鶏を食べるなんて、人間はなんて非道なんでしょう」
そっと頭を撫でるとロイは俯いた。そして、フワッと宙に溶けて消えた。
残ったのは私とタッパーと腐った生ゴミだけ。


『犬と猫の里親分譲会』
「篠ちゃん、この子見ててもらっていい?」
私の知る限り最も笑顔が素敵なお姉さんにリードを渡された。
先には絨毯みたいな滑らかな毛皮の大型犬。ミックス犬だ。
「わかりました!」
この子が分譲会に出るのはもう七回目だ。殆どお姉さんが飼ってるようなもの。
子供、子供、大人、大人。
飼う気も無い人々が犬や猫に癒しを求めて集まる。
「お前はお姉さんのところで幸せ?」
ミックス犬はゴロンと寝っ転がって周囲に愛嬌を振りまく。
「まぁまぁ。お姉さん喪女だから甘やかしてくれるよ」
彼の口がCGのように不自然に動く。
「へぇ、既婚だと思ってた」
午後二時。人が増えた。
ミックス犬にお水をあげて戯れる子供の相手をする。
突然意識に靄がかかる。けど行動に支障は無い。何時もの事だ。
遠くの景色が赤っぽくなったり青くなったり、グルグルと入れ替わる。
「ああ、本当に君の毛皮は絨毯みたいだね」
「そりゃどうも。でも絨毯になるのはごめんだよ」
「そんな事はしないよ。でも世界に絨毯は必要だからね。君の代わりに誰かを絨毯にしてみるよ」
そうだ、人間の皮をなめしてみればいい。絨毯にはならなくとも服にはなるかもしれない。
人間はウサギの皮を着るのだからウサギには人間の皮を着せてあげよう!そうだ!いい考えだ!
「そうかな?」
高校一年生男子を貼り付けた"アン"はいつの間にかそこに居た。
「昨日は君の友達に会ったよ」
「ロイのことかい?ロイは魔法の部屋に行ったよ」
「本当に?そう、残念だ」
通るだけでパックに詰められる、魔法の部屋に行ってしまったらしい。
「君は知らない。僕は毛皮をとられる事はないんだ。羊のように刈られるだけさ」
「それって楽しいかい?」
ミックス犬は楽しそうに聞いた。
「変なこと聞かないの、楽しいに決まってるでしょ?」
アンの居た場所にはいつのまにかフワフワのウサギが立っていた。
「君は可愛いから可愛いままでいるべき」
思わず抱きしめたくなるアンの頭を撫でる。
「君はそのままでいて。人間の皮を剥ぎ取れば服なんて着れないから」
ヘラジカこちらを凝視して横切る。
「人間は醜い!気持ち悪い!」
チワワを撫で回していた少女の首が飛ぶ。子猫を抱いていた少年は胴から親猫が飛び出す。
「人間は醜いから何しても許されるの」
ミックス犬は吹き出した。
「誰が許すのさ」
どこからともなく白いパックの上で整列したロイが飛んできた。
「勿論神様(わたし)だよ」
150創る名無しに見る名無し:2013/05/06(月) 13:52:00.97 ID:KGE4U7Pa
統合失調症の女の子の話が書きたかった
妄想と現実のゴチャゴチャ感をうまく表現できない
151創る名無しに見る名無し:2013/05/09(木) 17:30:43.38 ID:4G9tTwi8
おお
152代行:2013/05/16(木) 22:41:11.10 ID:GgaBseo3
昔の児童用特撮本みたいにしようと思ったんだけど、そういう塗り方時間かかるし、
グズグズしてたら完全に時宜を逃してしまったので没に。
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/421/rks.jpg
オレ純粋な絵そのもののセンスや技術は酷いもんだから、 この手のネタで時宜外しちゃうとどーしようもないわけよ。

上のと一連として一緒に投下しようと考えてたもの。
今回の投下のためにわざわざ描いた。没ネタの描きかけのために新しく描きかけを描く俺。なにをやっているのか。
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/422/rkss.jpg
153創る名無しに見る名無し:2013/06/03(月) 12:32:09.63 ID:yzY4mUb5
相変わらず尻尾きめえw
154創る名無しに見る名無し:2013/06/24(月) 00:31:59.82 ID:zs0OD+wV
アクロカンとサウルス描こうと適当にアイデアラフ描いてっから資料見たらプロポーション違い過ぎ
どうもオレ無意識に小型ティランノサウルス科のプロポーションで描いてるらしいがヤツらスタイルが良過ぎる
よいこのみんなはこんな大人になってはいけないよ
これ晒すのって実は絵描きとして致命的な気がするけどまあオレこんなダメ絵描きなんですよってことで
ちなみにそのままだと何だかわからなさ過ぎるんで頭部はある程度描いたものを縮めて貼っつけてある
http://dl6.getuploader.com/g/sousaku_2/490/%E3%81%82%E3%81%8B%E3%82%93%E3%81%9D.jpg
155創る名無しに見る名無し:2013/07/14(日) NY:AN:NY.AN ID:/3FS17vk
はさみさんにバレたのでボツネタ晒し

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4335372.jpg
最初に出てくるのは某マンガだった。
ちょっと狙い過ぎかなーと思い没に。

http://www.dotup.org/uploda/www.dotup.org4335374.jpg
サムネバイバイ用。流石に怖いので自重。
この他に「おさげイーター」顔も候補にしてたけど
結局現行の形に
156創る名無しに見る名無し:2013/10/06(日) 01:41:50.70 ID:0e4HUKqC
人類が自ら遺伝子を選択できるようになり、早数十年。
果たしてどのような遺伝子が価値があるか。
それは頭が良いだとか、足が速いだとか、そういった単純な能力であれば単純である。
しかしながら、それらの能力において、全てを内包する結果というものは得られない。
例えば重いものを持ち上げる上半身の筋肉は、ただ走るならば錘にしかならない。
全人類のレヴェルが等しく引き上げられたのならば、一つの事象に対しても複数の答えが存在し、優劣はつけられぬ。

であれば、何をもって人類は遺伝子を選択するのか。
それは純粋に、その個人が持つ価値観に依存する。
そしてその価値観は遺伝子ではなく、成長の過程によって形成されるものだ。
無論、備えられた能力によって、これが左右される事はあるだろう。
だが忘れてはならないのは、個人の価値観に完成形がないという事である。
同じ遺伝子をもった一卵性双生児でも、その思考は異なる。
それは一つの遺伝子から、複数の異なる結果が生まれる事を生物が是としている事に他ならない。
遺伝子の交配による分化は、あくまで生存の手段の一つに過ぎないのである。

人類が複数の個による社会構造を作り上げる事でここまでの発展があったのは、
異なる価値観同士の接触、そして変化が、遺伝子同様に環境に適応する術として優れていたからである。
地球を人類が埋め尽くし、生態ピラミッドの頂点を極めた時、果たして生物としてのこれ以上の適応が必要だろうか。
そう思った瞬間、人類は生物としての価値を失う。生きる意味を。
集として肥大化した人間の社会は、もはや個による制御の手を離れつつある。
遺伝子よりも、遺伝子を選ぶ価値観が勝り、そして価値観による環境の変化が巻き起こっている。
これらは、自然災害を上回る人類への脅威となっていた。
生存のための適応によってあらたな適応を強いられているのである。

この問題に対処すべく、人類は奔走したが、その答えは考える以上に生物の根源にあるものであった。
あらゆる力を統一するために量子論が生まれたように、それは環境に対する比較不可な能力の優劣を突き詰めるものである。
己が遺伝子に刻まれた能力を、積み上げてきた価値観によって行使し、そして次なる変化に対して必要なものを予測する。
そしてその組合せによって生まれる個こそがその時点における最適の解である事を、集へ証明し、帰属させる事で自らの遺伝子を継がせる。
そこへ至るまでの過酷な試練。人類はそれを、かつて行われていた儀式から取り――「婚活」と呼んだ。



バトルものにもってこうとしたが駄目だこりゃ
1571/3:2013/10/24(木) 16:28:48.34 ID:2+cDrTn3
「子供の頃の夢、なんだった?」

窓ガラスがまるで鋼鉄のように感じられる。
モエがマフラーの端を固く握りながら、その鋼鉄に触れていた。

「ええ?」

故意に聞き逃したふりをすべきか、素直に聞き入れるべきか、リオは
委員のプリントをまとめる手を止めなかった。傍らに座っているヒカルの
純白の耳には届いていたのだろうか。
ヒカルの返事の代わりに、本をめくるページの音が囁きを続けていた。

「ちょっとー、聞いてんですけど。それ終わったらカラオケ行くんだから」
「ご、ごめん。あと3枚で終わるから」
「犬上ィ、あんた私の問いに答えるべきとか思わないの?この女子高生様が
 聞いてんのよ?何でも静観すれば済むとか思ってんなよ」

今日のモエはいばらのようだ。触れている窓を突き刺す程の棘を出している。
攻撃のためか、自衛のためか。
いばら姫のご機嫌は直線ではなかった。憂さ晴らしに大声を出せば少しは
解消されると思っていた。放課後に残っている姫の護衛は、二人。
しかし護衛の兵士には雑務がある。姫はうやうやしくそれを待っている
はずだった。
教室の広さはいばら姫の寝相か、寝起きの機嫌をおさめるためには十分なのか。
でも棘は、鋼鉄に突き刺さったまま動かない。

「モエ、ほら飴ちゃんあげるよ。昨日コンビニで売ってた期間限定の
 アップルミルクってやつ。甘くていいよ」
「マジ変り種ー。あ、美味い」

棘を溶かすためには甘いものか。あるいは口に封をするためか。
そのまま先手の動きを見ていればよかったものを、ヒカルはカウンターを
返す。

「…芹沢は何だった?子供の頃の夢」
「聞いてんのは私だっつの。……あのね、私は典型的にお花屋さんか
 ケーキ屋さんか、お嫁さんだったのよ。でもさあ、それって夢見てた
 だけよ。なんかさー、いま思い出したらむなしくなってきて」

確かに夢を見ていただけだ。小さな頃の夢なんて、眠った時に見てしまう
夢と大差ないのだろう。
1582/3:2013/10/24(木) 16:30:29.59 ID:2+cDrTn3
「私は…絵を描く人、になりたかったかな」

漫画家というのは言葉にしない。防御壁を崩さないためだ。たかが夢で、
まるで素肌に近いわき腹をくすぐられるわけにはいかない。

「あー、授業のノートになんか描いてるもんね」
「えっ、あ、見てたの?」
「私の大きくな瞳は何物も逃さないかんね。犬上は?」
「僕は…学校の先生」

リオが真っ白な耳を赤く染める。ガラス越しに照らしてくる夕日か、己の
羞恥心か。ヒカルがぽつりとこぼした言葉がモエの棘をそぎ落としたのか
トーンダウンした返事がきた。

「それってさぁ、今でもなろうと思えばなれるよね」
「モエだって、なろうと思えばなれるじゃない」

自分の夢は棚上げをし、遠くへ置き去りにする。遠ざければ、また羞恥心に
苛まれることもない。

「…だって、もう高校生じゃん。進学するか、就職するか、あっという間に
 責めて問われるわけじゃん。って、うちお金なさそうだから就職希望
 なんだけど」

まるで自分自身に言い聞かせているようだ。小さな子供ではない。大人に
我が身を委ねたまま安らかに死に至ることはあり得ないのだ。

「あーあ、どうしよ。私なにが似合う?ショップ店員?」
「え…と、服屋のおねえさんとか」
「化粧品売り場の店員とか」
「学生のまま、みんな時間止まればいいのに」

棘はわずかに残っていたようだ。モエの耳は一度外側を向き、そのまま
外界の声を隔てるようにそっぽを向く。
棘のある空気、棘のある言葉、棘のある我が夢。自分から広げた会話だというのに、
モエは後片付けもせず小さな子供のように手を離した。
沈黙は夢を赦してくれるというのか。
その時、いばらどもを裂くようにトロイメライが流れ始めた。
子供は帰る時間の合図だ。
1593/3:2013/10/24(木) 16:31:29.22 ID:2+cDrTn3
「プ、プリント閉じ終わったよ!さ、カラオケ行くんでしょう、モエ。
 犬上も行く?」

饒舌になるわけは、逃げの言い訳を常に備えているからだと誰が言っていたか。
モエは握り締めていたマフラーの端から手を離すと同時に、勢いよく椅子から
立ち上がる。

「学校の先生になるんだから、歌も上手くないとねー犬上」
「いや、僕はこのまま帰る予定だから」
「はあ?」

ヒカルの傷跡のない毛並みにモエのつめが深く刺さる。静観はゆるさないと
吠えたいばら姫の効果が発揮されたのか。
返事代わりのページをめくる音はもう、聞こえてこなかった。

トロイメライが子供達の帰宅を急かす。
ここにいてはいけないのか。

三人が玄関で兵士から子供へと還る。

「モエ」
「ん」
「夢ってなんだろ」
「え、さあね」
「切り替えが早いなぁ」

ヒカルとリオがモエの切り替えし地点で置いてけぼりを食らいそうになる。

「子供のままじゃ、駄目かぁ」
「うん」
「大人のモエだってきっと素敵だよ」
「へっへ」

いばら姫がいつ夢から覚めるかは、誰も知る由はないのだ。
1601/4:2014/01/10(金) 17:45:06.58 ID:cR3EzK+o
                        ____
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    ヽ/ヽ    _/ヽ | |__||__|~|__| `―-.^゙,ニフl.ニl、ロ b ∠、二'L_/(__/ | / /\|
    <   L- ̄/V二/´-'―`ー | |` ̄| |   | | `ー'| |   `―``―、__ノ|/  /
     ヽ∠― ̄          \\ [_]  [_] .//           \/
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                        \\   //ドラゴンクエストU
                         \\//  〜悪霊の神々〜
                           \/
〜〜ムーンブルクの城〜〜

今から およそ 100年前――

3人のロトの子孫たちの 手によって

大神官ハーゴンと 破壊神シドーは 倒されました。

ハーゴン率いる 魔物の軍団によって 攻められて

一度は 廃墟となった ここ ムーンブルクの城でしたが

100年が過ぎた 今では すっかり 復興を 遂げていました。

そして今、新たな物語が この地で誕生しようとしていたのです――
1612/4:2014/01/10(金) 17:48:50.45 ID:cR3EzK+o
〜〜玉座の間〜〜

王様「父上……。 お気持ちは 分かりますが……。」

王様「すこし落ち着いて お座りになっては いかがですかな?」

隠居「そ そう 言われてものう……。」ウロウロ



**「お 王様! お産まれになりました!」

王様「そっ そうかっ!」

**「本当に かわいい 玉のような 男の子です!」

王様「おおっ! なんと 男の子とな!?」

隠居「よ ようやく 産まれたか……うっうっ……」

大臣「ささ お二人とも! はやく 王妃さまのところへ!」

王様「うむっ!」
1623/4:2014/01/10(金) 17:51:50.43 ID:cR3EzK+o
〜〜王の寝室〜〜

王妃「あなた……。」

王様「うむ。 よくやったな!」

王様「これで わが ムーンブルク王家は 安泰だ!」

赤子「おぎゃあ おぎゃあ……。」

王様「おうおう このように 元気に泣いて……。」

王様「よいしょっ……。 ほらほら……」

隠居「わ わしにも 抱かせてくれ……」

隠居「おお よしよし……。 いい子じゃ……」

王様「わっはっは。 父上も 孫には 弱いようですな。」

隠居「誰だって やっぱり孫は かわいいものじゃよ。」
1634/4:2014/01/10(金) 17:54:07.97 ID:cR3EzK+o
赤子「ほぎゃあ ほぎゃあ……。」

隠居「よしよし あばばばばー。」

隠居「ああ ほんに かわいい子じゃのう。」

隠居「近ごろ あちこちで 魔物が 増えておるとか。」

隠居「この子が 大きくなるまでに 平和が戻ってくるといいのう……。」

王様「はい。 全く おっしゃる 通りですな。」

王様「……あのう ところで 父上」

王様「そろそろ その子を……。」

隠居「も もうちょっとだけ……。」

王様「そんな……うくく……。」
164創る名無しに見る名無し:2014/01/10(金) 18:00:14.18 ID:cR3EzK+o
ここまで書いたけどなんかドラクエらしくなくて途中で葬った
>>160の設定で多分なんか書くとは思うけど
これみたいなプロローグ的なものが長々と続くようなのはドラクエじゃないし……
それに2レス目でいきなりドラクエ5のパクリだし

とにかく成仏しろ
165創る名無しに見る名無し:2014/01/17(金) 21:25:31.87 ID:yibaQNRO
構わん、書け
166創る名無しに見る名無し:2014/01/23(木) 15:24:07.94 ID:J5soXYYD
〜〜鷹狩場〜〜

ガサガサ……。

家来A「お〜い!茂みを出てそちらへ行くぞ!」

兎「ピョンピョン」

家来B「山の斜面を下ってゆきますぞ!」

家来C「向こうへ追い込めっ!」ササッ

兎「ピョンピョン」



傅役「若……好機でござりまするぞ」

若殿「……ようし!今じゃゆけい!」バッ!

鷹「ピエーッ!」

ヒュウウウン……
167創る名無しに見る名無し:2014/01/23(木) 15:27:47.28 ID:J5soXYYD
鷹「ピエーピエーッ」バサバサ

兎「ェ……」ピクピク

若殿「おお!ようやったぞ!」

傅役「う〜む、これは見事な兎ですな!」

傅役「ところで若、お体の調子はいかがでござりまする」

若殿「あぁ、ちと喉が渇いたのう!」

傅役「おい!若の水筒をこれへ持てい!」

中間「……ありゃりゃ?」

傅役「いかがいたした?」

中間「水筒が……見当たりません」
168創る名無しに見る名無し:2014/01/23(木) 15:28:43.21 ID:J5soXYYD
傅役「見当たらんってお主……」

傅役「さっきまで持っておったではないか」

傅役「いったい何処へ置いてきたのじゃ」

中間「はて……見当も付きません」

傅役「こ、このたわけ者めがッ!」

中間「あっしの瓢箪で良ければ代わりに……」

傅役「飲みかけではないであろうな」

中間「いえ、飲みました」

傅役「そんな不浄なものを若様に飲ませるわけにはいかぬわっ!」

中間「ひ〜〜っ!ご容赦を〜〜っ!」
169創る名無しに見る名無し:2014/01/23(木) 15:30:39.52 ID:J5soXYYD
若殿「これ爺や、もうよかろう」

若殿「そのあたりで許してやれ」

傅役「はっ?」

若殿「たかが水筒くらいのことでそう叱ることもあるまい」

傅役「いえ、お言葉ですが若……」

傅役「このような手合いはビシッと叱らねば……」

若殿「よいと申すにッ!」

傅役「はは〜〜っ……!」

中間「くくく……」

傅役「ええい!笑うな!」

傅役「元はといえばお主の不始末じゃぞっ!」
170創る名無しに見る名無し:2014/01/23(木) 16:00:10.01 ID:J5soXYYD
かかる次第でありまして、

若殿様は僅かな御供の者を引き連れて

喉の渇きを癒すために

鷹狩場の付近にある村へと

向かっていったのでございます。

その道中のこと……。

ひっそりと静まり返った地に

薄汚れた屋敷がありました。



それは、方々の木々で

あまたの蝉がやかましく鳴く

夏の日のことでありました。
171創る名無しに見る名無し:2014/02/02(日) 11:47:52.79 ID:skZIgCUI
なんだこれは(困惑)
172創る名無しに見る名無し:2014/02/18(火) 21:00:19.47 ID:aMv4aLjm
両津「ソチ五輪の裏で…!?の巻」



ガラリ!

大原「おはよう」

寺井「おはようございます部長!」

大原「おや……?」

大原「両津の奴はどうしたんだ?」

寺井「奥でソチ五輪を見てます」

大原「まったくあいつめ!」

大原「勤務中だというのに何を考えとるんだ!」
173創る名無しに見る名無し:2014/02/18(火) 21:01:57.78 ID:aMv4aLjm
〜〜奥の部屋〜〜

テレビ「いよいよ日本の選手団の入場です!」

両津「いよっ!待ってました〜〜っ!」

大原「両津君」ゴホン

大原「勤務時間に何をやっているのかね?」

両津「げげっ!ぶ、部長!」

大原「バッカモーー……おっ!?」

大原「いま入場してるのは日本人か!」

両津「はい!」

大原「ま、まあ少しだけなら良いだろう!」

大原「わしもちょっとだけ見せてもらおう……!」
174創る名無しに見る名無し:2014/04/17(木) 16:47:46.94 ID:a4ntCB9k
なるほど
書いてる途中に時期外れになってしまったんだな
1751/4:2014/05/19(月) 16:44:37.81 ID:WWHByfOI
男二人が並んでいるだけで、一瞬耽美なものを感じてしまうのは、いやそもそも
僕が男である前提だけど、何だかよくわからなくなるほど、ちょっと
かっこいいと思ってしまったのは、異常なのか。それすらも忘れてしまった。

              ♪

今日はよく声をかけられる日だと思う。

「犬上先輩……あの、今日の放課後、中庭に来てください。話したいことが
 あるんです」

「犬上ィ、あんたさーチョコ食べる?え?別に余ってただけだし。変な
 勘違いしないでよね。クラスメート同士ならこんくらい普通でしょ」

「犬上っ、委員の雑用終わんなくてさ……明日ケーキ奢るから!ね!
 お願い!犬上しか頼れる人いないんだって!」

ただし、女子からだけど。

自分の顔はとくにイケメンでも渋い顔でもない、と思う。至って平均的な、
普通のような(普通ってなんだ?)、そこら辺の通行人Aのような。
違うところと言えば、周りから言われるくらいの「文学少年」くらいだ。
女子と積極的に絡んだり、かといって同級生の男子と馬鹿騒ぎするほど
でもない。
……何か、ずば抜けてやることがあったっけ。
読書くらいだな。

              ♪

浮ついた話がなくても、日課があるとすれば頻繁に図書室へ通うことが
楽しみだったりするのだ。
開けてみるまでわからないパンドラの箱がたくさん並べられているような、
もしくは樹海に落とされたような、そんな気分で本棚の前を歩く。
きっとこれは誰にもわからないだろうな。

まあだからといって、宝が見つかるかと言えばそうではなかったりするのだ。
今日の収穫はゼロ。おまけに呼び出しをくらった女の子は、なんと言えば
いいのか、僕よりもひどくおとなしそうで、つついただけで破裂してしまう
ような緊張状態で話もろくにできなかった。
路面電車の停留所で降りると、きらと光るものが視界をかすめる。

目を上げてどきっとしてしまった。
何なのだ、今日は。

「よお!ヒカルくーん」
「…あ、ああ。淺川さん」
1762/4:2014/05/19(月) 16:45:22.67 ID:WWHByfOI
素直に驚いた。西日に当たり輝いていたのは、淺川のおかしな髪の毛だった。
女性ならともかく、男性相手に心臓を動かしてしまうとは。
僕は「普通」のはずだ。

「ヒカル君?」
「ヒカル君だよ」
「ヒカル君、です…」

思わずオウム返しをしてしまった。なかなかコントのようで、口の中で
ふきだしてしまった。
淺川さんの隣に居たのは、これまた長い黒髪が艶やかで、それと同じ毛色が
まるでビロードのようにつやつやな犬の男性だった。淺川さんよりだいぶ
背が高い。
二人並んでいると、まるで自分が檻に閉じ込められているような錯覚に陥る。

「こいつは花岡。ここら辺の地元を拠点にしてバンド組んでライヴやってんの」
「犬上ヒカルです」
「花岡さんと呼んでくれたまえ」

変なの。


「で、さ……やっぱ若い子に托そうぜ」
「ええー……いいけどさあ、俺ぜってー責任もてないって」
「だからだよ。本には旅をさせろというだろ」
「それだいぶ違うよな」

二人が何かこそこそと話しているが、犬耳の僕は「本」という単語を聞き逃しは
しなかった。何せ文学少年だ。

「ヒカルくーん……この本、タダで上げると言ったらもらってくれる?」

もらって『くれる』?

「中身は別に至って普通の本だぜ」

『普通』の本?

「ただまあ……呪われた本だって、ジンクスがあるんだけど」

変なの。

「呪われたって……あのう、殺されたりとかそういう…」
「いやいや、そんなんではないんだ。ぜんぜんね。だけど呪われてる」
「もらう前に呪われてるなんて言われて欲しがる奴はいないんだけどな」

二人ですすめているくせに、手をひっこめるような言い方をする。
きっと商売人レベルが高いに違いない。くすぐられるような話し方をして、
爪をたてないわけがない。

「…それ、もらっていいんですか?」
「お!いくかー?いっちゃうかー?どうぞ!ヒカル君にあげよう!」
「要らなくなったら遠慮なく売り払うなり寄贈するなり…煮るなり焼くなり
 していいから」

捨てていいから、と言わなかった辺り、この花岡という人も本好きなんだなと
かんじた。
でも、煮たり焼いたりって……
やはり本当に呪いが。
1773/4:2014/05/19(月) 16:46:13.41 ID:WWHByfOI
「その本ねえ、俺が海外で仕事中に見つけて買ったんだけど……ちょっとね」
「俺も興味本位で淺川から本もらったんだけどね。なんつーかよう……
 うん、まあ、若い子ならちょうどいいくらいだと思うし」

一体なにが…とは聞かなかった。だって猫箱もパンドラの箱も、先に答えを
聞いてしまったら絶望しか残らない。

              ♪

二人を見送り、足早に自宅へと戻る。
ありとあらゆるものを終わらせ、そして至福の時間へ浸る。読書タイムだ。
もらった本のタイトルは「思慕」だ。別に痛さも、恥ずかしさも、呪われそうだ
とかもない。やはり「普通」だ。
中身も。後書きも。

でもおかしいな。

作者のプロフィールが破られていた。

              ♪


「犬上先輩……あのっ…ごめんなさい!!!」

夜更かしの頭によく響く、透き通った声だった。いや、叫び声に近いか。
昨日、呼び出しを注文した1個下の後輩だ。
朝の登校時、しかも校門前。いまだかつてこんなに注目されたことはあったか。

「私…一晩考えて……わかったんです。先輩のこと、好きだと思ってたけど
 ただの憧れで、私にとっての特別ではないんだって……
 呼び出しなんかしてごめんなさい!」

叫び声と共に走り去る少女。短いスカートを翻し、可愛らしい足音が鳴っていた。
でも、なぜ、いま。
1784/4:2014/05/19(月) 16:47:22.18 ID:WWHByfOI
「犬上ィー。昨日のチョコさあ……感想来ると思って超待ってたんですけど」
「へ?」
「だーかーら!!家庭科の時に時間余ってたから皆と作ったやつだったの!
 私ってば料理スキル高くねーの!そんで無差別に配ってさー感想求めていた
 わけ!でもあんた、受け身なだけで感想とかめっちゃスルーじゃん。
 ほんと、サイアクなんですけど」
「ご、ごめん」

なぜ、いま。

「犬上……昨日手伝ってもらった雑用あるじゃん…私、あんたと二人っきり
 だったせいで……せいで……このっ!よく、わかんないけど、もう、
 ばか!!」

なにが。いま。なにがおこって。

怒涛の女性の表情フルパターンをくらって呆然と校門で立っていると、後ろから
げらげらと笑い声がかかってくる。

「何だよ今のーー。ひー、うける」
「犬上も一丁前に女子をフることのできる年齢になったか」
「意外だよねー」

塚本が僕の頭を鷲づかみにし、来栖が背中を叩いてくる。鎌田は僕と目を
合わせないで笑う。

僕は「普通」のはずなのに。

あ。
そういえば昨日、淺川さんと花岡さんが言っていた。「呪い」って?
若い子には何をさせろと?

「あ、そういえばよう」

待って。聞きたくない。

「バイク屋の…何だっけ、杉本ねーちゃん?おめえがパンクしたチャリ
 取りにくんの忘れてるって、ツノ生えてたぜえ」

これはどういう「呪い」なのか、確かめる余裕すら、わいてこなかった。
179創る名無しに見る名無し:2014/05/21(水) 22:57:31.41 ID:PUsB5IqW
ヒカルくんの後輩!
180創る名無しに見る名無し:2014/06/23(月) 21:05:36.81 ID:zN+HnUw/
181創る名無しに見る名無し:2014/06/24(火) 22:10:45.17 ID:28c/lfAh
182創る名無しに見る名無し:2014/07/21(月) 22:44:02.17 ID:786rMKUY
183創る名無しに見る名無し
魔王「最近の魔王界はたるんどる」
魔王「勇者と馴れ合ったり、高い志を持っておったり」
魔王「魔王に必要なのは、絶対的な恐怖の筈だ」
魔王「人間界に媚売って、平和ボケする魔王どもを、成敗してくれるわ」

俺にはネタが思い浮かばんからこんな感じで誰か描いてくれんかな