【軍事】ミリタリー系創作スレ【兵器】3

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415ゴルゴ13 原作脚本
 本日天気晴朗ナレドモ南支那海 波高シ
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□東京━日本 
湾岸に林立するビル群
○立ち並んだビルの前を《ゆりかもめ》が通過していく。そのなかの一棟がズームアップして、
「(声のみ)日本が立ち上がらなければ、西欧列強の植民地支配は五十年、いや百年永らえたかもしれない。日本がその構図を打ち破ったのだ。僕はその事を誇りに思っています。」
○室内
背中を向けて脚を組みソファに掛けている男(日本人・ゴルゴのように見える)の前に立った少年が熱弁をふるう。後ろには椅子に掛けた(老、壮、青)の三人の男たち。
少年「けれど、現在の日本の有様はなんですか 。。算盤勘定しか頭にない、卑屈で野卑で猥雑な商人国家日本。まったくなんという為体でしょうか。こんな情けない腑抜けの日本は本当の日本じゃない。」
男〔日〕「……。」
少年「現代の日本には、辞書の中にのみ存在して、現実には照応する対象が見つけられない言葉が三つあります。毅然と凛然と端然です。」
男〔日〕「……。」
少年「毅然とした日本人、凛然とした日本人、端然とした日本人は、あの戦争で悉く亡くなってしまった。そうして出来上がったのが、このどうしようもない戦後日本という訳です。」
男〔日〕「日本人自身が望んだ結果だろう。」
少年「もしそうだとしたら、それは間違っていた。もしそうだとしたら、大本に立ち返って、誤りは匡すべきです。然る後、日本は、日本と日本人の誇りを取り戻すのです。取り戻さなければなりません。」
男〔日〕「力抜けよ坊や。聴いてるこちとらの肩のほうが凝ってきちまったぜ。」
○男〔日〕の正面姿 
かるく笑いながら、片手を反対側の肩に持っていって揉んでいる。(シュガー、日光、伝九郎のイメージ)
少年「(むっとしている)」
男〔日〕「(少年の後ろに座っている男たちに)子供をだしに使うのは気に入らねえな。」
少年「子供じゃないっ。」
男〔日〕「子供はみんなそう言うのさ。」
少年「無礼だ。取り消してください。」
老人「(少年の肩に手を置いて)まあ、待ちなさい。(男〔日〕に)失礼した。これは私の孫で、親の、いや、爺の欲目だが良く出来た子でね。ついせがまれるままに連れてきてしまった。改めて私から説明をするので、ぜひ聞いてもらいたい。」