ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第十部

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1名無しさん@そうだ選挙に行こう
         ,. -‐'''''""¨¨¨ヽ
         (.___,,,... -ァァフ|          あ…ありのまま 今 起こった事を話すぜ!
          |i i|    }! }} //|
         |l、{   j} /,,ィ//|       『おれは奴を倒したと
        i|:!ヾ、_ノ/ u {:}//ヘ        思ったらいつのまにかジョジョキャラ同士の殺しあいに参加させられていた』
        |リ u' }  ,ノ _,!V,ハ |
       /´fト、_{ル{,ィ'eラ , タ人        な… 何を言ってるのか わからねーと思うが
     /'   ヾ|宀| {´,)⌒`/ |<ヽトiゝ        おれも何をされたのかわからなかった…
    ,゙  / )ヽ iLレ  u' | | ヾlトハ〉
     |/_/  ハ !ニ⊇ '/:}  V:::::ヽ        頭がどうにかなりそうだった…
    // 二二二7'T'' /u' __ /:::::::/`ヽ
   /'´r -―一ァ‐゙T´ '"´ /::::/-‐  \    死にネタが苦手な人は要注意だとか残酷描写もあるよだとか
   / //   广¨´  /'   /:::::/´ ̄`ヽ ⌒ヽ    そんなチャチなもんじゃあ 断じてねえ
  ノ ' /  ノ:::::`ー-、___/::::://       ヽ  }
_/`丶 /:::::::::::::::::::::::::: ̄`ー-{:::...       イ  もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ…






ー-ニ _  _ヾV, --、丶、 し-、
ニ-‐'' // ヾソ 、 !ヽ  `ヽ ヽ
_/,.イ / /ミ;j〃゙〉 }U } ハ ヽ、}
..ノ /ハ  〔   ∠ノ乂 {ヽ ヾ丶ヽ    ヽ
 ノノ .>、_\ { j∠=, }、 l \ヽヽ ',  _ノ
ー-=ニ二ニ=一`'´__,.イ<::ヽリ j `、 ) \
{¨丶、___,. イ |{.  |::::ヽ( { 〈 (    〉
'|  |       小, |:::::::|:::l\i ', l   く  詳しくはまとめサイトで
_|  |    `ヾ:フ |::::::::|:::|  } } |   )
、|  |    ∠ニニ} |:::::::::|/ / / /  /-‐-、
トl、 l   {⌒ヽr{ |:::::::::|,///        \/⌒\/⌒丶/´ ̄`
::\丶、   ヾ二ソ |:::::::/∠-''´
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   〉:: ̄::`'ァ--‐''゙:::::::/::::ヽ
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::`ヽ:::ー-〇'´::::::::::::::::/-ニ::::(
           /    \
2名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:20:04 ID:QqFpKMsk
まとめサイト
http://www10.atwiki.jp/jojobr2/

したらば
http://jbbs.livedoor.jp/otaku/11394/

前スレ
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第七部
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1250743192/


【第一部:ファントムブラッド】11/11
○ジョナサン・ジョースター/○ディオ・ブランドー/○ロバート・E・O・スピードワゴン/○ウィル・A・ツェペリ/
○エリナ・ペンドルトン/○ジョージ・ジョースター1世/○ダイアー/○黒騎士ブラフォード/○タルカス/○ワンチェン/
○ジャック・ザ・リパー


【第二部:戦闘潮流】10/10
○シーザー・アントニオ・ツェペリ/○リサリサ(エリザベス・ジョースター)/○ルドル・フォン・シュトロハイム/
○スージーQ/○ドノヴァン/○ストレイツォ/○サンタナ/○ワムウ/○エシディシ/○カーズ


【第三部:スターダストクルセイダース】15/15
○ジョセフ・ジョースター/○モハメド・アヴドゥル/○花京院典明/○J・P・ポルナレフ/○イギー/
○ホル・ホース/○ラバーソール/○J・ガイル/○エンヤ婆/○ンドゥール/
○オインゴ/○マライア/○アレッシー/○ダニエル・J・ダービー/○ヴァニラ・アイス


【第四部:ダイヤモンドは砕けない】12/12
○東方仗助/○空条承太郎/○虹村億泰/○広瀬康一/○岸辺露伴/○山岸由花子/○矢安宮重清(重ちー)/
○トニオ・トラサルディー/○川尻早人/○片桐安十郎(アンジェロ)/○音石明/○吉良吉影


【第五部:黄金の旋風】15/15
○ジョルノ・ジョバァーナ/○ブローノ・ブチャラティ/○グイード・ミスタ/○レオーネ・アバッキオ/
○パンナコッタ・フーゴ/○トリッシュ・ウナ/○サーレー/○ホルマジオ/○ペッシ/○プロシュート/
○ギアッチョ/○リゾット・ネエロ/○ティッツァーノ/○チョコラータ/○ディアボロ


【第六部:ストーンオーシャン】 15/15
○空条徐倫/○エルメェス・コステロ/○F・F/○ウェザー・リポート/○ナルシソ・アナスイ/
○エンポリオ・アルニーニョ/○ロメオ/○グェス/○サンダー・マックイイーン/○ラング・ラングラー/○ケンゾー/
○ヴィヴィアーノ・ウエストウッド/○ミュッチャー・ミューラー/○ドナテロ・ヴェルサス/○エンリコ・プッチ


【第七部:スティール・ボール・ラン】 10/10
○サンドマン/○マウンテン・ティム/○リンゴォ・ロードアゲイン/○マイク・O/○オエコモバ/
○スカーレット・ヴァレンタイン/○ブラックモア/○フェルディナンド/○ミセス・ロビンスン/
○ベンジャミン・ブンブーン


【88/88人】


3名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:22:44 ID:QqFpKMsk
新規の方のためにネタバレ名簿は貼らないようにお願いします
4名無しさん@そうだ選挙に行こう:2010/07/10(土) 23:28:11 ID:QqFpKMsk
そしてまたしてもやっちまったorz

前スレ
ジョジョの奇妙なバトルロワイアル2nd第九部
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1265890636/l50
5創る名無しに見る名無し:2010/07/12(月) 22:02:36 ID:+vOXH2+r
スレ立て&投下乙です
さっそく親指姫の感想

ホルマジオが綺麗な状態なのが逆にフラグっぽくて恐怖
でも、乗った状態もフラグという罠
こういう地味で使えなさそうな能力の人たちほど頑張ってほしくなるなぁ

グェスは花の国の王子と会えるといいですね

大混乱(予定地)のナチス研究所、予約済みの◆Y0KPA0n3C氏の投下が気になります
6創る名無しに見る名無し:2010/07/15(木) 21:06:20 ID:m+L7Nh/v
ネタバレ名簿もあった方が便利じゃないか?
現状が把握しやすい
新規は見なければいいだけだろ
7創る名無しに見る名無し:2010/07/15(木) 23:36:26 ID:UGVVqMcJ
>>6
wikiにネタバレ名簿があるからこちらに貼る必要はないかなと思います
あちらは見るか見ないか選択できるのに対してスレの方に貼ってしまうと見たくないのに見てしまうという事態も起きてしまうでしょうし
そちらがおっしゃった現状の把握という点でも最新の情報へと常に更新されてる以上、あちらの方が利便性も高いので無理に貼らなくてもいいのではないかと
8 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:34:24 ID:eRtSq1NG
スレ立て乙です。

ディオ・ブランドー、ジョナサン・ジョースター、吉良吉影、アンジェロ、J・ガイル
投下します。
9撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:35:12 ID:eRtSq1NG

ところで、説明するまでも無い事を一つ、語らせていただきたい。

『同盟』とは各々の思想、利害、あるいは目的を同じくする者同士が、『約束』する『協力』の『体勢』を呼ぶ物である。

以上を踏まえた上で、吉良が提案した同盟は締結される。

J・ガイルとアンジェロにおいては、差し迫った殺し合いを効率よく実行するためのツールとして。
ジョナサンにおいては、目的を達するための近道として。
ディオにおいては、自身の体のパーツを奪った卑劣漢から目を離さない為の監視塔として。

※    ※    ※

「エリナが…死んだんだ。」

DIOの館、その一室にて。
ベルベットが目張りされた木製の椅子に深く腰を下ろし、少し前かがみになり膝の上に肘をつき、両手を組んで。
ジョナサン・ジョースターは言った。
彼の視線は床に落ち、そこに敷かれた毛足の長い絨毯の模様を追うように、ちらちらと動いていた。

「フン…それにしては、お前は泣き顔一つ見せないな。」

ジョナサンの座る椅子に向かい合う形でおかれた革張りのソファ。
そこに腰をかけ、ディオ・ブランドーは膝に置いた地図に書き込みをしつつ言う。
紙は無くなった左腕で器用に抑えられ、さらさらという小さな音と共に禁止エリアの場所と時刻がつづられる。
傍らに置かれた参加者名簿にはすでに、先程の放送で読み上げられた死者の名に線が引かれていた。

ディオはちらりとジョナサンを盗み見る。
絨毯の模様を見ていると思っていたジョナサンの瞳は、紋様に沿って動きながらもその実何も見てなどいないかのようだった。

「…うん。だってもうすぐ全部、還ってくるから。」

「何?」

答えず、ジョナサンは床に伏せていた視線をふと上げると、まじまじとした様子でディオの姿を見た。
傾いているとはいえ窓から差し込んだ日光が、近くに腰を下ろしたディオに確かに注がれている。
表面的ではあったが平穏だった日々を思い出しているのか、ジョナサンのアーモンドの様な形の良い目がすうっと細められた。

「吸血鬼になって無い君と話すのは何だか懐かしいな。」

ディオは地図から目を上げ、口に咥えていたキャップにペンを差し入れつつ、ほんの少しだけ怒気を含ませた声色で言う。

「…ジョジョ、話題を逸らすな。時間を超えて俺たちは存在する、さっき説明しただろう…。」

答えず、ジョナサンは引き締まった両腕を天井に向け、伸びをする。
放送前後に交わされていた話し合いと、今まで乗り越えてきた戦闘での疲労は、波紋で軽減しているとはいえ全くのゼロでは無いのだろう。
固まった筋肉をほぐす様に引き延ばし、ゆっくりと弛緩させている。
そして息を丁寧に吐き出しながら、彼はまだ関係の無い話を続けようとした。

「うーん、まあね。覚えているかい、ラグビーをしていた頃の事。」

「俺にとってはつい最近だ。…質問に答えろ。」

「うん?言うまでもないさ。僕が全部殺して、ミスター・荒木に全部元に戻してもらうんだ。それから彼も殺す。」

ディオは沈黙で答える。
目の前のジョナサンの異常さ。はっきりと心で理解できる異常さ。
10撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:36:00 ID:eRtSq1NG
その言葉は、悪いジョークというにはやけに重く。

___勿論、ディオ、君も殺す。

口の端より言葉の出ずる前に、すでに目は物事を語るけれど。

ディオは、ジョナサンの瞳の奥で小さな灯がぱちりと爆ぜた気がして、目が離せなくなる。
質問の答えを追求せず、噤んだ口を開く事も出来無い。
吉良が語った同盟の規約が頭の中で響く。

『各々、最後まで同盟者には手を出さない』

吉良吉影、あの『最初の場所』で前の方に頓挫していた男。
何が起こったのかわからぬ、という顔をしていたのは他の参加者たちと同じだったが。
ディオの直観は吉良を「こいつは危険だ」という部類に属した。
思えば、プッチとジョルノと共にこの屋敷に着いた時から狂い出していたのかもしれない。
あの場にいたのは、ほとんどが「危険」に属する類の輩だったのだから。
しかし、もう関わりを持ってしまった。もう戻れない、吉良を殺すまでは。

「ディオ。君はなぜ、吉良さんの提案に乗ったんだい?」

束の間の沈黙ののち、ジョナサンは強い何かを秘めた瞳で、黙ったままのディオの目をさらに覗き込んできた。
ジョナサンは、どうやら優勝をするつもりらしい。
だが一人で虱潰しに殺して回るには時間と労力がかかる。

「色々あって揺らいだりしたけれど、この同盟を組んだ人たちを見て思ったんだ。ああ、こういう人たちは許せない。やはり僕が、殺さなくては。全部無かった事にしなければ、って。」

だから効率よく参加者を減らせる上、悪党どもを確実に始末できるこの方法を選んだと、ディオに言った。
おそらく、死んだエリナ・ペンドルトンを生き返らせるつもりなのだろう。
あの生真面目で、見ている方が羞恥を覚えるほどの正義感をもっていたジョナサンをそこまで駆り立てさせる彼女。
やはりただの女では無かったのだ。

そう考えつつディオは、何か言おうと反射的に口を開きかけた。
が、咄嗟に言うべき言葉を作り出せずに不自然な間が開く。

「ディオ?」

微笑と言ってもいいような穏やかな表情で、けれども暗く光る黒曜石の瞳をディオと合わせたまま、ジョナサンは首を傾けた。

「…吉良を殺すためだ。あいつから目を離すわけにはいかない。そしてお前と同じく、邪魔になるものを排除する為。徒党を組んだ方が効率がいいからな。」

そして最後にこの会場に立っているのはこの俺だ。と付け加えると、ジョナサンは再び床に視線を落とし己のつま先を見つめた。

「君らしいや。そうか…じゃ、最後に残ったら。」

「俺達で、殺し合いだ。」

交差する思惑は、確かな殺意に彩られて黒い。

ディオは無意識に、残った右手で左腕を撫でる。
先刻、ディオの左腕はジョナサンの波紋で治療された。今、出血は完全に止まり、清潔な布が巻かれている。
ジョナサンは当たり前のように、ディオの先端が無くなった腕を見て言ったのだ。
11撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:37:52 ID:eRtSq1NG
その言葉は、悪いジョークというにはやけに重く。

___勿論、ディオ、君も殺す。

口の端より言葉の出ずる前に、すでに目は物事を語るけれど。

ディオは、ジョナサンの瞳の奥で小さな灯がぱちりと爆ぜた気がして、目が離せなくなる。
質問の答えを追求せず、噤んだ口を開く事も出来無い。
吉良が語った同盟の規約が頭の中で響く。

『各々、最後まで同盟者には手を出さない』

吉良吉影、あの『最初の場所』で前の方に頓挫していた男。
何が起こったのかわからぬ、という顔をしていたのは他の参加者たちと同じだったが。
ディオの直観は吉良を「こいつは危険だ」という部類に属した。
思えば、プッチとジョルノと共にこの屋敷に着いた時から狂い出していたのかもしれない。
あの場にいたのは、ほとんどが「危険」に属する類の輩だったのだから。
しかし、もう関わりを持ってしまった。もう戻れない、吉良を殺すまでは。

「ディオ。君はなぜ、吉良さんの提案に乗ったんだい?」

束の間の沈黙ののち、ジョナサンは強い何かを秘めた瞳で、黙ったままのディオの目をさらに覗き込んできた。
ジョナサンは、どうやら優勝をするつもりらしい。
だが一人で虱潰しに殺して回るには時間と労力がかかる。

「色々あって揺らいだりしたけれど、この同盟を組んだ人たちを見て思ったんだ。ああ、こういう人たちは許せない。やはり僕が、殺さなくては。全部無かった事にしなければ、って。」

だから効率よく参加者を減らせる上、悪党どもを確実に始末できるこの方法を選んだと、ディオに言った。
おそらく、死んだエリナ・ペンドルトンを生き返らせるつもりなのだろう。
あの生真面目で、見ている方が羞恥を覚えるほどの正義感をもっていたジョナサンをそこまで駆り立てさせる彼女。
やはりただの女では無かったのだ。

そう考えつつディオは、何か言おうと反射的に口を開きかけた。
が、咄嗟に言うべき言葉を作り出せずに不自然な間が開く。

「ディオ?」

微笑と言ってもいいような穏やかな表情で、けれども暗く光る黒曜石の瞳をディオと合わせたまま、ジョナサンは首を傾けた。

「…吉良を殺すためだ。あいつから目を離すわけにはいかない。そしてお前と同じく、邪魔になるものを排除する為。徒党を組んだ方が効率がいいからな。」

そして最後にこの会場に立っているのはこの俺だ。と付け加えると、ジョナサンは再び床に視線を落とし己のつま先を見つめた。

「君らしいや。そうか…じゃ、最後に残ったら。」

「俺達で、殺し合いだ。」

交差する思惑は、確かな殺意に彩られて黒い。

ディオは無意識に、残った右手で左腕を撫でる。
先刻、ディオの左腕はジョナサンの波紋で治療された。今、出血は完全に止まり、清潔な布が巻かれている。
ジョナサンは当たり前のように、ディオの先端が無くなった腕を見て言ったのだ。
12撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:39:14 ID:eRtSq1NG
ごめんなさい、2重投稿してしまいましたorz




「ディオ、腕がそれじゃあ、戦闘をするには問題があるんじゃないか?同盟を組んだ者として、僕は君を治療する事を申し出るよ。」

頑張って参加者を減らさないと、お互い組んだ意味が無いからね、と。

ディオはこれを別に屈辱とは思っていなかった。
腕がこのような状態で正しい処置も施さずにいれば、必ず行動の障害になる。
ならば使えるものはすべて使う。過程や方法などなんとやら。

『他の参加者が全滅したのち、最後に残った同盟者同士で殺し合う』

片腕欠損のハンデを負った今の状態では、最後に計画通り5人が残った時でも、一番にターゲットになるかもしれない。
だから、治療にジョナサンの力を借りてしまったとしても、そんなことは目的達成のための小さな踏み台に過ぎない。
スタンドを完全にものにし、吉良への復讐を心に穿つ様に刻んだディオの自尊心は、そのくらいでは動揺しないまでに成長出来た。

ディオは考える。
仮に今攻撃を仕掛け、吉良を殺せたとして、無傷のままでは済まないだろう。
吉良だけを殺して終わりではないのだ、他の参加者も殺さなければこのゲームは終わらない。
それならば同盟を組んだ他の奴らに働いてもらえば良い。

ヤマギシユカコの様に、年に不相応な働きを見せる人間もいる。
彼女も是非自分で仕留めたいディオには、他の人間にかかずらっている暇など無いのだ。
どうも中には快楽的に人間を殺して回る下らない殺人者もいる様。自分一人であくせく動き回る必要はない。
吉良主導という不快感に目をつぶれば、この同盟には多数のメリットがある。

ただ、ジョナサンの口から当たり前の様に紡がれる「殺す」、「減らす」、という言葉にひどい違和感を覚えたことは確かだった。
だが考えても仕様の無い事だとも思っていた。
自分も同じことをしようとしているのだから。

そう割り切っても払拭できないジョナサンへの違和感は、彼の全身にこびりついた血のせいなのかもしれない。
いや、あるいは坩堝の様に愛憎渦巻く、光の無いあの瞳か。
それとも、それとも。

ディオは首を振る。金の髪が左右に軽く散り、その位置を変えた。

それに加え、この同盟が目的とする『参加者を殺して回る』。
つまり『息子』だというジョルノ・ジョバァーナを、手にかけなくてはならないのか。
息子を持つ自分という存在がはっきりと理解できない今、ジョルノに対する感情など自分にはわからない。
出会ったときに感じた奇妙な『違和感』。あの感覚の正体もつかめないまま、永遠に別れるのか。
何故なのだろう、ジョルノが死ぬ様子を想像すると鳥肌が立つ。

ジョナサンはそんな彼の様子を不思議そうな顔で見ている。
逸らすまいと強く己に言い聞かせ、ディオはジョナサンと目を合わせると言い放った。

「ジョジョ。今は、同盟を組んでやる。だが、最後は残った俺達で殺し合う。それまで勝手に死ぬのは許さん。」

そのディオの言葉に、眉を眇め小さな声で笑い頷くジョナサン。今はその名を捨てた者。

『参加者を殺して回る、この過程において、我々は絶対に協力し合う。』
13撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:40:43 ID:eRtSq1NG
※   ※   ※

吉良は耳を澄ます。
だみ声と言い切ってしまって構わない様な、荒れた低い男の声が2種類、しっかりと聞こえてくる。

「なあ…おい。そろそろ真面目に考えなきゃあなんねぇんじゃねえのか?」
「何をだよ、うざってえ言い方してんじゃねえ、J・ガイル。」

「ま、言っちまうと、だ。俺達、誰か一人しか生き残れねえんだぜ?」
「そーだな。でもそんな心配はいらねえぜ、てめえはここで死ぬからな。さっきの爆発で俺が負った傷を見ろ、クソ野郎…ッ」

「めんどくせーな。今ここでそんな騒動起こしてみろ?仮に俺を仕留めたとして、その瞬間後ろから他の奴が来てボン!だろうが、てめえ。」
「試すか?」

「ちょっと待てって。やっぱここは同盟の話に乗っとくべきだ。いいか?悪魔の虹はもう俺らとあのガキだけだぜ?」
「……今は数減らしをする段階、ってことかァ?」

「飲み込み早えじゃねえかアンジェロ。趣味とか娯楽とか、浮かれてる時間はちょいと置いとかなきゃあなんねえ。おふくろもずいぶん前に死んじまったし、やっぱDIO様には手を出せねえ。まだ、な。」
「いっちょ前に忠義面、息子面か。きめえ。」

「は、ねーよ。どうもあの人は吸血鬼じゃねえみてえだし…まだ何の能力かわからねえ、それだけだ。最終的にどうなるにせよ、協力したってデメリットなんかねえだろ?」
「フン…ビビりやがって。じゃあ、どーすんだよ。ちょっと考えてから返事するって言っちまっただろうが。」

「基本的に今までと変わらず動き回って殺しまくればいいって事だぜ?それにプラス、『同盟者同士は最後になるまで殺し合わず、お互い助け合う』ってのがいいじゃねえか。」
「ノーリスクの保険みてえなもんかァ?それだってどこまで守られるのかわかったもんじゃねえが、言いだしたら切りがねえ…ってか。」
「そりゃ、お互いおんなじ条件なんだぜ。悪魔の虹の時と同じく、いらなくなったらおっぽりだせば問題ねえ。」

「ケッ、どっちかってーと、おっぽりだされたのは俺らだったがな。さっさと言いに行って来いよ。俺は爆発の衝撃でしんどいんだよ。」
「ならその素敵なスタンドでドアを開けてくれよ、アンジェロさんよ。」

嫌味を含めて吐き出された言葉の後、しばらくの無音。
吉良は背中を向けて張り付いていた壁から離れ、手近な椅子に腰かける。サイドテーブルには紅茶が湯気を立てている。
一瞬の間の後に、ドアが半分ほど開かれた。
見れば、ドアノブには透明な液体の塊が蠢いていて。
そちらに気を取られていると、手に持っていたスプーンから声が投げかけられた。
スプーンは、紅茶を混ぜようと館から拝借したものだ。

「おい、俺たちは同盟に乗る。姿を現わせなんて言わねえよな?俺ら2人は別行動だ…心配すんな、俺らは殺しが好きなんだ。ちゃーんと参加者減らしはするぜ。」

まあ、どっかでピンチなのを見たら助けてくれや、と。
スプーンの丸みに合わせて湾曲した姿で、包帯だらけの奇怪なスタンドヴィジョンが笑っている。
吉良は、スプーンと会話する様で滑稽な己の姿に眉を歪めた。

「…そうか。協力に感謝しよう。」

スプーンに写った『吊られた男』はケラケラと笑い、次の瞬間にはドアにはめ込まれた硝子にうつっていた。

「俺らはテキトーに人がいそうなとこを回る。お前ら3人もサボるんじゃねーぞ。特に言い出しっぺのてめーは、がんばってくれよなァ?」

吉良は答えず、優雅な動作でスプーンをカップへと差し込み、紅茶を混ぜる。
そしてゆっくりと風味をも口の中で転がす様に、コハク色の液体を口に含ませ。

それを飲み下す頃には、ガラス窓には何も映ってはいなかった。
14撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:41:46 ID:eRtSq1NG
※   ※   ※

時は遡り、第3放送前。
5人が不安定で唐突で衝撃的な出会いを、再会を果たしたころ。

「…どうやら興味を持ってくれたようなので、私の提案を引き続き聞いてもらえると解釈するよ。いいかね?『協力』とは、そう、同盟だ。」

まるでプレゼンテーションのようだった。
スタンドヴィジョン2つと、睨み合いから一転、己に視線を投げかける青年二人に対し、吉良は饒舌だった。
上質に仕立てられたヴァレンチノのスーツにしわが寄る事もかまわず、彼は身ぶり手ぶりを大げさなまでに交え、語る。

「まず、君たちは参加者を殺して生き残る事を目的としている。そうだね?何、隠す必要なんかない。そう考えるのが、こんな状況では最も正常な思考だ。」

頷きもせず、4人の回答は沈黙だった。
しかし、それでは彼らが吉良の質問にNOと答えた事にはならない。
先刻、4人の瞳全てに闇を見た吉良は、改めて全員の眼を見渡す。
そこに宿っているのは、明らかに肯定の意。
再び満足そうに息をつくと、吉良は続けた。

「私が提案する同盟が共有する目的は、『参加者を殺して回る、この過程において、我々は絶対に協力し合う』。」

ジョナサンは吉良の方へと2,3歩近づいた。依然背後の窓から覗くディオに、意識を向けつつ。
ディオは吉良の姿とジョナサンの姿を交互に見、歯ぎしりをしたままピクリとも動かないのだった。
『吊られた男』と『アクア・ネックレス』は2度目の同盟の申し出に、皮肉を含めて笑っていた。
4人の思枠は一つ、同盟を組むことの目的は理解した。
では、同盟を組む上での規約はいかなるものなのか。

「ずいぶんいい気になってやがるようだが…お互いがお互いを信頼して無いんだぜ?どうしていざって時に裏切って逃げたり、ここいいる奴らを先に殺しちまおう、と考えないって言い切れる?」

「言い切れるね。『殺さなければ優勝できない』この前提がある限り。少しは自分の頭で考えてもみたまえ。」

『アクア・ネックレス』に吉良は断言する。
それは保身という目的から導かれた結論。
つまり、生き残りたい5人は、殺す以外の選択肢を考えていないことが分かった以上、言われ無くても殺しを行うだろうと言う事。
その強固な意志の上に、同盟を組み集団で動くことにより、己の殺しがやりやすくなる事。
分担する事によって一人一人の負担が5分割されると言う事。

サボって殺さなかったり自ら同盟者を減らす様な事をすれば、結局は自分に負担が増え、時間が長引き、体力が削られる。
自分たち以外にも殺しに乗り気の奴らがいたとすれば、その人物達とやり合う可能性だってある。
正義感面した奴らが既に徒党を組んでいれば、その集団と正面衝突する羽目になるかもしれない。

ならば『同盟者同士は、他者を排除する過程においては協力し合う』。
時間と体力の消費を最小限にするには、この同盟で堅実に仕事をこなす事が最も優勝に近い道。


___ここで、唐突に音楽が空気を揺らした。

少し遅れて聞こえてくるのは最早聞きなれた男の楽しげな、無邪気な、忌々しい声。
それは5人の間を流れてゆき、一方的に情報を告げると始まった時と同様、唐突に終わった。
5人は身じろぎもせずに聞き入っていた。
メモを取る者すらいない。お互い動けなかったのだ。
そのような緊迫感の中、流れて行った音楽はドボルザークの「新世界」。
各々が想起するイメージが何なのか、彼らの表情からは分からない。
少なくとも誰の心を癒す事も安らがせることもなく、音楽は彼らの耳をすり抜けて行った。
15撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:42:41 ID:eRtSq1NG
吉良は音を追うように宙へと向けていた視線を4人の方へと戻すと、肩をすくめて言った。

「……今の放送を聞いたかね?テレンス・T・ダービーとか言う輩が新たに参戦したらしい。1人とはいえ参加者が増えた今、殺人者同士で効率良く行こうじゃあないか。」

「へぇ…『アトゥム神』のダービーか。『9栄神』の奴らなんぞ、スタンド名しか知らねーがな。」

包帯だらけのスタンドヴィジョンは考え込むように腕を組む。
何か知っている情報があるのかと、全員の視線が『吊られた男』の映っているガラス窓へと向くが、彼はそんな視線にも構うことなく一人ごちている。

「や、マジに名前しか知んねーぜ。ちょっと前に兄貴が死んでたなァ…どんな酔狂かは知んねーが、このタイミングで参加ってことは乗り気なんじゃねーのかね。」

J・ガイルが大した事を知っているわけでもないと知った『アクア・ネックレス』は、『吊られた男』を遮る様に彼が映ったガラス窓の前へ出しゃばり、言う。

「乗る乗らないは置いといて…だ。5人てぇのは目立ちすぎねーか?3人と2人に分かれた方がいーだろ。団体行動はいい気になりだす奴が必ずいるから嫌いなんだよ。」

形の定まらない流動的な体をくねらせ、『アクア・ネックレス』は訴える。
吉良は腕を組み、憮然とした様子で反論した。
男5人でぞろぞろと、それも虫の好かない赤の他人たちと長時間行動を共にするなど、彼とて好きで望んで居る訳ではない。

「私だって団体行動なぞ大嫌いだ。だが、このゲームを脱出しようといきがっている正義のミカタが徒党を組んで襲ってきたらどうする?ひとたまりもないだろう?」

「…でも、彼の言う事には一理ある。あまり大人数だと、見つかりやすいかもしれないな。」

黙っていたジョナサンが、小さくはあったがしっかりと良く通る声で言った。
ディオがジョナサンを凝視する。
血まみれの義兄弟を見て彼が何を想っているのか、その表情からは読み取れない。
ジョナサンの言葉を受け少し考えた様子で、吉良は顎に軽く手を当てて頷く。

「…では、どういう分け方が最善だと思うんだね?」

「おい、まだ話を飲んだわけじゃねえ。考えさせろ。放送内容もメモりてーしな。」

『アクア・ネックレス』は噛み殺した様な声で答えた。
アンジェロは先程の爆発で負った傷の痛みを忘れたわけではない。
だが、今は目先の獲物、楽しみよりも最終的なゲームのいく末を見定めるべき時。
どのみち、生き残っていればJ・ガイルを心ゆくまでいたぶって殺すチャンスがあるのだ。
『アクア・ネックレス』が、来るべき復讐の時を夢想するようにゆらりと、不穏に動いた。

「まあいいだろう…。だがあと二つある。『他の参加者が全滅したのち、最後に残った同盟者同士で殺し合う』、『各々、最後まで同盟者には手を出さない』」

吉良は指を2本、眼前に立てて示す。

「我々五人以外が全滅したら、その場で殺し合うも良し、一度離れて体力回復を図るも良し、その隙にぐさり!といくも良し、だ。」

吉良の言葉を聞きつつ2つのスタンドヴィジョンはいずこかへと消えていった。
それを見送った吉良は眼前に佇む屈強な青年と、先程右手を奪い、徹底的に叩きのめしてやった青年に目を向ける。
2人は未だその立ち位置を変えず、眼前に佇んでいた。
16撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:43:32 ID:eRtSq1NG
「で、君たち二人はどうするね?」

吉良の懐のポケットには、未だ新鮮さの残るディオの手が確かに存在している。
だが、右手を奪い終わった以上、ディオにはもう利用相手という立場でしか接しない。
おそらく自分を恨んでいるだろうが、同時に恐怖もあるはず。
吉良はそう考え、ディオと視線を合わせて薄く、笑った。

ディオは、眼下に佇む男の視線と笑みの意を解し、碧い瞳を憎悪の炎で光らせた。
しかし、彼は首を縦に振る。

「……いいだろう。」

自分の賭けが成功し、吉良は満足そうにうなずいた。

「…僕も、乗ります。」

酸素に触れ、赤から黒へと変わりだした血液を夕陽に光らせたジョナサン。
彼もゆっくりとうなずく。

浮かべた笑みを一層深め、吉良はゆっくりとした足取りで屋敷の扉をくぐった。

※   ※   ※

以上が事の顛末である。
常にナンバー3、目立ちすぎる事もなく軽蔑される事も無い位置にいた吉良だが、今回の大きな賭けは人生のターニング・ポイントとなるかもしれない。

少しくらい矢面に立ってもかまわないと考えていた。なぜならどうせみんな死ぬのだから、と。
中途半端に身を隠し、及び腰で決定的な行動を起こさずにいるよりは、さっさと事を起こし、自分を知るものを殲滅させた方が良いに決まっている。

吉良は2杯めの紅茶に口を付ける。
柔らかな蒸気が顔に当たり、肌に温かさを運ぶ。
口内に注ぎ込んだ液体は、リーフの香りと渋みを舌ににじませ。
遅れてやってくる甘みにため息をこぼし、吉良は掛けていたいた椅子の背もたれに深々と身を沈めた。

どの道、荒木にはばれている。山岸由花子にもばれている。
億泰にも、早人にも、ばれている可能性がある以上、吉良の思惑は一つ。


___全てを消す。
木の葉が風雨に飛ばされるように造作もなく、我が『キラークイーン』で死の中に吹き飛ばしてやる。

間近に夜。

私は吉良吉影。
今夜はここで休むとしようか。


【悪魔の虹、再び】
17撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:45:54 ID:eRtSq1NG
【C-4 DIOの館/1日目 夜】
【吉良吉影】
[時間軸]:限界だから押そうとした所
[状態]:左頬が殴られて腫れている、掌に軽度の負傷、爪の伸びが若干早い
[装備]:ティッシュケースに入れた角砂糖(爆弾に変える用・残り4個)、携帯電話、折り畳み傘、クリップ×2 、ディオの左手
[道具]:ハンカチに包んだ角砂糖(食用)×6、ティッシュに包んだ角砂糖(爆弾に変える用)×7、ポケットサイズの手鏡×2
    未確認支給品×0〜2個、支給品一式×2、緑色のスリッパ、マグカップ、紅茶パック(半ダース)、ボールペン二本
[思考・状況]
基本行動方針:植物のような平穏な生活を送るため荒木を含む全員を皆殺し。
0.少し休んでから2人と話し合い、今後どこへ出向くか決める。
1.植物のような平穏な生活を送るため荒木を含む全員を皆殺し。ただし無茶はしない。
2.手を組んだ由花子と協力して億泰、早人を暗殺する。ただし無茶はしない。
3.危険からは極力遠ざかる
4.利用価値がなくなったと思ったら由花子を殺して手を愛でる。
[備考]
※バイツァ・ダストは制限されていますが、制限が解除されたら使えるようになるかもしれません。
※プッチの時代を越えて参加者が集められていると考えを聞きました。
※シアーハートアタックに何らかの制限がかかっているかは不明です。

【ディオ・ブランドー】
[時間軸]:大学卒業を目前にしたラグビーの試合の終了後(1巻)
[状態]:内臓の痛み、右腕負傷、左腕欠損(波紋と、ジョナサンが持っていた包帯で処置済み)、ジョルノ、シーザー、由花子、吉良(と荒木)への憎しみ
[装備]:『ホワイトスネイク』のスタンドDISC
[道具]:ヘリコの鍵、ウェザーの記憶DISC、基本支給品×2(水全て消費)、不明支給品0〜3
[思考・状況]
基本行動方針:なんとしても生き残る。スタンド使いに馬鹿にされたくない。
0.吉良が憎い憎い。ジョナサンの様子が気になる。
1.吉良は絶対に殺すが、今は同盟の規約を守る。
2.少し休んでから2人と話し合い、今後どこへ出向くか決める。
3.スタンド使いを『上に立って従わせる』、従わせてみせる。だが信頼などできるか!
4.ジョルノ、由花子に借りを返す
5.勿論、行動の途中でジョージを見つけたら合流、利用する
6.なるべくジョージを死なせない、ジョナサンには最終的には死んでほしい
7.ジョルノが……俺の息子だと!?
[備考]
※見せしめの際、周囲の人間の顔を見渡し、危険そうな人物と安全(利用でき)そうな人物の顔を覚えています
※ジョルノからスタンドの基本的なこと(「一人能力」「精神エネルギー(のビジョン)であること」など)を教わりました。
  ジョルノの仲間や敵のスタンド能力について聞いたかは不明です。(ジョルノの仲間の名前は聞きました)
※ラバーソールと由花子の企みを知りました。
※『イエローテンパランス』の能力を把握しました。
※『ホワイトスネイク』の全能力使用可能。頭部を強打されればDISCが外れるかもしれません。
18撲滅の賊 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:46:46 ID:eRtSq1NG
【ジョナサン・ジョースター】
[時間軸]:エリナとのハネムーンでアメリカに向かう途中の船上でワンチェンと遭遇する直前
[状態]:波紋の呼吸、唇と右手から少量の出血、鼻の骨折、右肩と左ももに隕石による負傷、額に切り傷
    頬がはれてる、内臓にダメージ(中)、身体ダメージ(大)(いずれも波紋の呼吸で治療中)、ブチャラティの眼光に恐怖
[装備]:“DARBY'S TICKET”、サブマシンガン(残り弾数80%)
[道具]:デイパック*3、不明支給品1〜5(全て未確認)、メリケンサック、エリナの首輪、エリナの指輪、ブラフォードの首輪、
    ダニーについて書かれていた説明書(未開封)、『プラネット・ウェイブス』のスタンドDISC
[思考・状況]
基本行動方針:優勝し、荒木に全部なかったことにして貰った後、荒木を殺す
0.――――ただ、全て打ち砕くだけだ、勿論ディオ、君も。
1.同盟の規約を守る。
2.少し休んでから2人と情報交換をしつつ話し合い、今後どこへ出向くか決める。
【備考】
※ジョージ・ジョースター一世を殺したと思い込もうとしてます。
※参加者が時間を超えて集められた説を聞きましたが、今は深く考えていません。人間のディオを懐かしがっている程度です。
【C-4 /1日目 夜】
【J・ガイル】
[時間軸]:ジョースター一行をホル・ホースと一緒に襲撃する直前
[能力]:『吊られた男』
[状態]:左耳欠損、左側の右手の小指欠損、全身ずぶぬれ、右二の腕・右肩・左手首骨折(治療済み)
[装備]:なし
[道具]:支給品一式
[思考・状況]
基本行動方針:とりあえず殺しを楽しみつつ、自分が死なないよう立ち回る
0.大きな施設を回り、参加者を殺害する。
1.同盟の規約を守る。でもいらなくなったら同盟なんか知るか。
2.ほかの参加者を可能な限り利用し、参加者を減らす。
3.自分だけが助かるための場所と、『戦力』の確保もしておきたい。
[備考]
※『吊られた男』の射程距離などの制限の度合いは不明です。
※ヴァニラアイスの能力、ヴェルサス、ティッツァーノ、アレッシーの容姿を知りました。
※第二放送をアンジェロに話しました。

【片桐安十郎(アンジェロ)】
[スタンド]:アクア・ネックレス
[時間軸]:アンジェロ岩になりかけ、ゴム手袋ごと子供の体内に入ろうとした瞬間
[状態]:全身を火傷(中度)、身体ダメージ(中)、プッツン
[装備]:ディオのナイフ ライフルの実弾四発、ベアリング三十発  
[道具]:支給品一式×2
[思考・状況]
基本行動方針:安全に趣味を実行したい
0.大きな施設を回り、参加者を殺害する。
1.同盟の規約を守る。でもいらなくなったら同盟なんか知るか。
2.J・ガイルは絶対に殺す。だが今は参加者の数を減らす事に専念する。
3.荒木は良い気になってるから嫌い
[備考]
※アクア・ネックレスの射程距離は約200mですが制限があるかもしれません(アンジェロは制限に気付いていません) 。
※ヴェルサス、ティッツァーノの容姿を知りました。
※第二放送をJ・ガイルから聞きました。
※ミューミューの基本支給品を回収しました。
19 ◆33DEIZ1cds :2010/07/16(金) 23:48:20 ID:eRtSq1NG
以上です。
何度も言っておりますが、期限オーバーについては誠に申し訳ありませんでした。

矛盾・誤字・脱字などのご指摘がありましたら引き続きお願い致します。
20創る名無しに見る名無し:2010/07/19(月) 00:03:57 ID:DShLCvsq
おつかれー
ジョナサンとディオのやりとりがいいな
この2人の戦い見てー

Jガイルとアンジェロも今後が気になるな
アンジェロはかなりイラついてるし、戦闘になったら真っ先に裏切りそうだ
まあJガイルの方もそれは当然分かってるだろうけど
21創る名無しに見る名無し:2010/07/19(月) 19:45:24 ID:hTePSFMj
悪人だらけおつかれさまです

これはまたいい流れになったね
次回も期待してます
2289人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:07:34 ID:QEl+OMpB
「歴史だとか過去のノスタルジィを感じさせてくれるものは場所に限らず心を落ち着かせてくれるね。
だからこそそーゆーものを後世のために残しておくことは非常に大切だと僕は思ってる……」

地図上には存在しない島、『ダービーズ・アイランド』。
この私、テレンス・T・ダービーのファミリーネームと同じ名を持つその小島にて、私の目の前に立つ男は一人、マイクに向かって語りかける。
第三回放送だ。
安物のチャチな小物にしか見えないが、あのマイクで話すだけで、会場全体に放送が聞こえるようだ。
実際に放送の様子を見るのはこれで二度目だが、相変わらず薄気味悪い男だ。
淡々とこれまでの死者の名前を読み上げるその男の傍らで、私は気を静め、決意を固める。
もう後戻りはできない。

この放送が終わったとき、私の真の戦いが始まるのだ。


「……ゲームもいよいよ終盤、残り人数次第じゃ今日中にも終わるかもしれないね。とりあえず次の放送は深夜24時!
その時まで生き残れるよう、みんな頑張れ!応援してるよ!」

放送を締めくくり、その男、荒木飛呂彦がこちらを振り返る。
大した筋肉も付いていない、こんな東洋人の華奢な体のどこにそんな力があるのか……
無邪気に笑いかける表情が、かえって私の体を恐怖に縛り付ける。

「待たせたね……ダービー。どうやら覚悟は決まったようだね……」

そう、私はこの男に恐怖している。

承太郎よりも……DIO様よりも……

この男に秘められたパワーは底が知れない……


「このゲームをより愉快に楽しむために君を呼んでいたんだが、まさか自分から参加者になりたいと言い出すなんて思ってもみなかったよ……
いや、大いに結構なことだ。物語というのは予想外の展開がないと面白くない。
君だって18時間命をかけて戦ってきたんだ。誰も文句は言うまい、存分に優勝を目指してくれ……」

現在生き残っている参加者の中で…そうだな、例えばあの花京院やポルナレフ、そして先ほど私を負かしたジョルノ・ジョバァーナ。
奴らはおそらく、荒木を倒し仲間全員でゲームを脱出するつもりなのだろうが……

荒木を倒すことは不可能だ。
奴と18時間も一緒にいた私にはそれがわかる。
私たちは所詮盤上の駒にすぎない。
神の気まぐれで、生かすも殺すも自由なのだ。
ならば、生き残る道はひとつしかない。
荒木が最も好む駒に成る……すなわち、優勝するしかないのだ。
2389人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:08:34 ID:QEl+OMpB
「…君はせっかくいい話し相手だったのに、少し寂しくなるね。チェスの決着だって未だだったのに……」
『禁止エリアに侵入。30秒後に首輪が爆破されます』

荒木の言葉(最もほとんど聞き流していたのだが)を遮ったのは、私の首輪が禁止エリアへの侵入を知らせる警戒音だった。
考えなくとも分かる。今ここが禁止エリアになったのだ。

「おおっと、のんびり話し込んでいる場合ではなかったね。参加者になったと同時に禁止エリアで首輪が自爆……なんて、出オチもいいところで笑い話にもならないからね」

そう言って、私にデイパックを投げ渡す。

「中身は基本的に他の参加者と同じものだけど、ランダム支給品は強力だよ。それこそ、戦況を一変させかねないほどのね……
さて、では早速会場に送ってやるとしよう。じゃ、いってらっしゃ〜〜い!!」

その言葉を最後に、景色が暗転した。



89人目の参加者、テレンス・T・ダービーの戦いが始まった。


【荒木飛呂彦】
[状態]:健康
[装備]:無し
[道具]:日記、ダービーズチケット、放送用マイク、???
[思考・状況]
基本行動方針:運命そのものになって、それに抗う人々を見る。
0.僕は皆の運命になりたい。
1.さすがだ、ジョルノ君。
2.ダービーはいい話し相手だった。支給品喜んでくれるといいな。
3.ダービーズ・アイランド閉鎖しちゃったし、このチケットどうしようかな?

※荒木パートはこの後 180:第三回放送 の後半部分につながります。
2489人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:09:16 ID:QEl+OMpB



南国を思わせるダービーズ・アイランドから、景色は一変してごく一般的な町並みに変わる。
ビデオゲームが発展している日本に訪れたことは何度があるが、ゲームの舞台にされている杜王町というこの場所は、コンクリートジャングル・トウキョーと比べ、かなりの田舎のようだった。
すぐに姿勢を低く身構え、辺りの様子を伺う。
夕日はすでに落ち、空は薄暗く視界はあまり良くないが、まわりに人の気配は感じられない。
荒木のことだから、いきなり誰かの戦いの最中に突然晒される、という可能性も考えたが、流石にそこまで悪趣味な男ではなかったか…?
警戒をやや緩め周囲を見渡すと、民家の塀やコンクリートの地面がぼろぼろに壊れている。

ここで激しい戦いがあったようだな……
まあ、気にしていても仕方ない。
とりあえず現在地を確認するか…



ぐにイ



静寂の中、私の踏み出した第一歩は、何かを踏んだ。
異様な弾力があるこの感覚……
一瞬うんこかとも思ったが、違う…こいつは……


「う……ぐわあああああ――――ッ」


思わず大声で叫び、のけぞった。

私の心臓が鼓動を早める。

私が踏んづけたのは、人の顔だったのだ。

脳がはみ出て、原型を半分もとどめていない、まだ生温かさを保った、人の頭の一部分だった……。


私の兄、ダニエル・J・ダービーの無残な頭部だった……。


「うぐッッ!!!おえェェェッッ!!!」

嘔吐を堪えながら、私は走り出した。
畜生ッ!!荒木の野郎、前言撤回だッ!!
奴は最低で悪趣味のゲス野郎だったッ!!

襲い来る吐き気を我慢しながら、私は懸命に場所を移動した。
死体は兄の他にもう一体あった。
そちらは兄のようなバラバラの肉片ではなかったが、首が胴体から離れて転がっていた。
ここで何が起きたのかはわからないが、とにかくこんな目立つ死体の近くにはいられない。
私はデイパックを抱えて走り、2〜300メートルほど離れた地点で、適当な民家に駆け込んだ。

「う…ゲェェェェェ」

早速私はお手洗いを借り、もう一度盛大に嘔吐した。
2589人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:09:59 ID:QEl+OMpB



「行ったか……」

ダービーが立ち去った後、F・Fは再び動き始めた。
ティッツァーノの生首に寄生している彼は、突然現れた男に肝を冷やした。
咄嗟に死体のフリを決め込んだが、詳しく調べられたら発見は免れなかっただろう。
ダービーが兄の死体に驚き逃げ出したのは、彼にとって幸運だったと言える。

「……水が……欲しい………」

しかし、このままではいられない。
生首状態の彼は戦闘はおろかまともに動くこともできず、ナメクジのように這いまわることしかできない。
そしてここは先ほどの激戦の現場跡だ。
こんな目立つ所にいて、もう一度誰かに見つかったら命は無い。

「ジョリーン……」

薄れゆく意識を堪えながら、彼は水辺を求めて這いずり回るのだった。


【F-3/1日目 夜】

【F・F】
[スタンド]:『フー・ファイターズ』
[時間軸]:DアンG抹殺後
[状態]:身体ダメージ(大)精神状態不安定(極大) 生首状態
[装備]:なし
[道具]:支給品一式×2(ペットボトル一本消費)、壊れた懐中電灯、加湿器、メローネのマスク、カップラーメン、携帯電話
[思考・状況]:
基本行動方針: 空条徐倫を生存させるために彼女を優勝させる
0.水が欲しい
1.湿地帯へ向かい、ケジメをつける
2.ブチャラティチームとプッチの一味は敵と判断
3.ブチャラティ一行を始末できなかった事を後悔
4.余裕が出来たら自分の能力(制限)を把握しておきたい
5. もしも荒木が倒せるならば対主催に益がある方法で死ぬ
6.無力感と虚無感で打ちひしがれている
[備考]
※リゾットの能力を物質の透明化だと思いこんでいます。
※リゾットの知るブチャラティチームの情報を聞きましたが、暗殺チームの仲間の話は聞いていません。
※ジョルノに対してはある程度の信頼を寄せるようになりました。出会ったら……?
※ダービーとアレッシーの生前の記憶を見たので三部勢(少なくとも承太郎一派、九栄神、DIO、ヴァニラ、ケニーG)の情報は把握しました。
※エシディシは血液の温度を上昇させることができ、若返らず、太陽光に弱く、スタンドを使えると認識しました。 (太陽光が致命傷になることも把握)
※リゾットから聞いたブチャラティチームのスタンド能力についての情報は事実だと確信しました(ジョルノの情報はアレッシーの記憶よりこちらを優先)
※自分の能力について制限がある事に気がつきました。
※ディアボロの能力を『瞬間移動』と認識しています。
※参加者の時間のズレを何となく理解しました。
※アナスイが、脱出は不可能だと知ったときに殺し合いに乗りうるという事を把握しました。
※ティッツアーノとダービーのものであった肉片がF-3に散らばっています。
※ダービーの肉体は大半が焼失しました。
※ティッツアーノの生首の中で生存しています。
※テレンスの顔は見ていません。
2689人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:11:42 ID:QEl+OMpB



気分がようやく落ち着いたのは、時計が既に18時半を指す頃だった。

「ちっ…荒木め……やってくれたな…………」

ともあれ、とにかくついに始まってしまった。
たった一人の生き残り=優勝者を決めるまでの殺し合いゲーム。
私は18時間前に始まったそれの参加者に自ら加わってしまった。
もう後戻りはできない。

後は私が優勝し生き残るか…、死ぬかだ……!


さて、まずは現在地の確認だ。
デイパックの中身の確認をする。
中にはパン数個、飲料水、懐中電灯、方位磁石、時計、紙と鉛筆、そして地図と参加者名簿と、さらに別に数枚の紙の束と1枚のDISCがあった。
とりあえず、地図と方位磁石を取り出し、民家の窓から辺りの景色と見比べる。
北にコロッセオと思われる石造りの建物が見えることが分かった。
となると、ここはF-3エリアの北東部……
最初に飛ばされた…兄の死体があったのはこのエリアの中央部あたりか。

今更だが、危ないところだったかもしれない。
このエリアの北東E-2はすでに禁止エリアになっているし、ここは市街地の中心付近。
北にはコロッセオ、西にはナチス研究所と目立つ施設にも囲まれている。
先ほどは取り乱して走り出してしまったが、ここまで他の参加者に出会わずたどり着けたのは運が良かったかもしれない。


何をしているのだ、テレンス……
腹をくくってこの戦いの場に来たはずだ。
これまで執事としてDIO様に仕え、館で血を吸われ殺される女たちを何人も見てきたはずだ。
いくら兄の無残な姿とはいえ、死体を見て取り乱すようでは、ここではやっていけない。
冷静さを欠いては、このゲームで優勝することなどできはしないのだ。

そういえば……と、荒木とチェスをしていた時の会話を思い出す。
兄の体を借りている者がいる…と。
第二回放送のとき、兄とどちらの名前を呼ぶか、という話をした。
確か名前は……


「F・F……」


F・Fという名前は、確かまだ放送で呼ばれていないはずだ。
第三回放送直後にくたばってあの姿だったのか……それとも別の借り宿を見つけ、違う姿で今もどこかにいるのか……

このとき、私は妙な感覚を覚えた。
今の仮説、前者ならどうしようもないが……仮に後者が真だったとしたら、私はどうするつもりなのだ…?
兄を殺したのは、十中八九F・Fで間違いないだろう。
そして、兄の体を死後も利用し弄び、挙句の果てあのような姿でゴミのように捨てられていたのだ。
……もしかして、自分は兄の復讐を考えているのか?
ここに連れて来られる前の世界で、兄は承太郎と戦って敗北した。
あの時私は敗北した兄が『悪』であり、恨みなどという感情は一切湧かなかった。
だが、兄の無残な死体を見せつけられた今、私は憤りに近い感情を持っていた。
今後もしF・Fと遭遇したら、自分がどんな行動に出るだろうか…?
2789人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:13:39 ID:QEl+OMpB
そこまで考え、一度冷静になることにした。
兄を倒した相手ならば、似たタイプのスタンドである私も相性が悪い相手かもしれない。
あくまで目的は優勝なのだ。
無謀な挑戦をして危ない橋を渡ってはいけない、そう思うことで自分を落ち着かせることにした。

次に、手持ちの情報の整理をしよう。
地図には今までの、そして今後の禁止エリアの記入し、参加者名簿にはすでに放送で呼ばれた名前を消していった。
島にいたときは死人が出るたびに荒木が嬉しそうに教えてきたので、記憶に残っている。
メモを取っていたわけではないが、ゲーマーの記憶力を侮ってもらっては困る。
結果、57人の名前に横線を引くことになった。
残り31人に、名簿に名前が無い自分を合わせた32人が残り人数というわけだ。

そういえば…もう何枚か紙の束とDISCが1枚あったな。
おそらく荒木が言っていたご自慢のランダム支給品なのだろう。
DISCの方も気になるが、まずは例の紙束を取り出し、広げてみる。
そして、一目で内容を理解する……


「フッフッフ……荒木の野郎、味な真似を……」

思わず笑みがこぼれてくる。
そこにはこの様な情報の羅列が記されていた。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


ジョナサン・ジョースター 人間(波紋使い) 参戦時期:1889年2月3日 支給品:ダニー(犬)/OOO/△△△
ディオ・ブランドー 人間(一般人) 参戦時期:1888年×月×日 支給品:チャーイ/ロードローラー/□□□
ロバート・E・O・スピードワゴン 人間(一般人) 参戦時期:1889年2月3日 支給品:リサリサのマフラー/ダニー(鼠)/植物イラスト図鑑


中略


空条承太郎 人間(スタンド使い『スター・プラチナ』) 参戦時期:1999年7月◇日 支給品:携帯電話


後略


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


参加者詳細データ集……

そこにはゲームの参加者全員の種族、参戦時期、そして初めに渡された支給品が顔写真付きですべて記されていた。
スタンド使いには丁寧にスタンド名まで記されているじゃあないか……
この情報によると兄の支給品が『顔写真付き名簿』だったらしいが、これはその完全上位互換と考えていいだろう。
もっとも参加者の顔だけは荒木に知らされて知っていたのだがな。
荒木が言っていた、戦況が大きく変わりかねない強力な支給品というのはこいつのことだろう。
なるほど……たしかにこれはすごい情報だ。
持つべき者が持てばこれほど強力なものはない…。

そしてここからはさらに勘だが、おそらくこれはダービーズチケットを使って島に来た参加者が私に勝った場合に渡される予定だったご褒美(ボーナス)の転用だろう。
結局私を負かしたのはジョージ・ジョースターとシーザー・ツェペリを救出しに来たジョルノ・ジョバァーナただ一人だったし、『ダービーズ・アイランド』を閉鎖した今、不要になったご褒美を私に持たせた…といったところだろう。
ゲーム終盤における更なる盛り上がりを見越して……ね。
2889人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:14:31 ID:QEl+OMpB
さらに、元々はこれこそが、荒木が私に渡そうとしていた参加者全員の情報とやらではないだろうか?
初めに私は邪念が入らぬよう参加者の詳細な情報を断っていたが、それは『荒木に守られた島』での『ゲーム対決』に限っての話。
参加者として殺し合いの場に来た今、自分の土俵だけで戦えるとは思っていない。
この情報は大きな武器となるだろう。

有益な情報と言えば、例えば花京院だ。
参戦時期が私と戦った2週間ほど前の日付になっている。(たしか奴らがエジプトに上陸したあたりの日か?)
つまり私は奴のことをよく知っているが、奴は私のことを何も知らないということ。
DIO様の手下であることを隠して取り入れば、利用できるかもしれない。

そしてそのDIO様…いや、ディオ・ブランドーか…フフフフフ……
参加者としてここにいる事は知っていたが、まさか100年前からの、人間…それも一般人としての参戦だったとは驚いた。
なるほど顔つきも私の知っているDIO様とは少し違う。
優勝に向けて大きな障害の一つが無くなったと思っていいだろう。

それに知らない奴でも、波紋使いやスタンド使いであることが即座に分かるというのは便利だ。
もっとも、生き残っている中で一般人は、ディオ、ジョージ・ジョースター、そしてこの川尻早人という少年だけのようだが……

支給品情報は…もう18時間も経っているので誰が何を持っているのかはあまり当てにならないだろうが、少なくともこの会場内にどんな危険物が出回っているのかがわかっただけでも上出来だろう。
拳銃やマシンガンもちらほら紛れているようなので気をつけなければいかんな。

そしてもう一つ良い点がある。
このデータ集には、88人の参加者の情報は載っているが、本来の参加者ではない私の情報は一切載っていない。
仮にこれが人の手に渡っても私の情報だけは漏れることが無いということだ。
2989人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:15:21 ID:QEl+OMpB
準備は整った、行動開始だ。
私は民家を出た。

まずは利用可能な相手を探す。
これ以上ない情報を手にした。
さらに私のスタンド『アトゥム』は、人の心を読むことができる。
私は暴力が得意なタイプのスタンド使いではないが、心理戦においては私の上を行くものはそうはいない。
利用できそうな相手に取り入り、隙を突く。
今はこれが最良の道だろう。

一番の候補はオインゴだ。
九栄神唯一の生き残りにして、私以上に戦闘向きではないスタンド使い。
二度も私に助けを求めてきたという例もあるし、変身能力と相性がいいこの顔写真も付いたデータ集をチラつかせれば、取り入るのは容易い。
オインゴの支給品に『首輪探知機』とあることだし、まだ奴の手元にあるのなら向こうから先に私を見つけるかもしれないしな。

他には、少し会話をしたジョージ・ジョースター、私と再戦したがっているであろう岸辺露伴とシーザー・ツェペリあたりか……





そういえば、参加者データ集にばかり気を取られていたが、荒木が寄越した支給品はもう一つあった。
データ集と一緒にデイパックに入っていた、例のDISCだ。
音楽用のコンパクトディスクかとも思い民家にあったオーディオプレイヤーで再生を試みたが、うまく読み込まなかった。
これが荒木の寄越した物で、戦況を大きく変えるかもしれない強力な支給品というのならば何か特別な意味があるのかも知れないが、使い方が分からない。
私はそのDISCと、その表面に描かれている屈強なスタンドヴィジョンの意味するものが分からなかった。

そのDISCが、今回の殺し合いの参加者に成りえなかった未来のDIOの持つ最強のスタンド……
『ザ・ワールド』の力を秘めたDISCであることなど……
3089人目 ◇vvatO30wn.氏代理:2010/07/25(日) 18:18:04 ID:QEl+OMpB
【F-3 北東部 住宅街/1日目 夜】
【テレンス・T・ダービー】
[スタンド]:『アトゥム神』
[時間軸]:承太郎に敗北した後
[状態]:健康(若干の吐き気)、覚悟を決めた
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、参加者詳細データ集、『ザ・ワールド』のスタンドDISC
[思考・状況]
思考0.荒木に対する恐れ…この男には勝てない…
思考1.優勝して生き残る、そのために利用できそうな奴を探す
思考2.このDISCは一体…?(深くは考えていません)
思考3.F・Fは兄の敵…? 実際会ったときにどうするかは自分でもわからない。

[備考]
※荒木に科せられていた行動制限はすべて解除されました。
※積極的に参加者を殺して回るつもりはありませんが、最終的には優勝するつもりです。
 なぜなら、荒木を倒すことは何人(なんぴと)にも不可能であると考えているからです。
※利用相手の候補は オインゴ>ジョージ>露伴たち>その他 です
※支給品が元々テレンスに勝ったときの景品である、という仮説は概ね当たっているようです。
※参加者詳細データ集には以下のことが書かれています。
 ・名前
 ・顔写真
 ・種族(人間、犬、吸血鬼、屍生人、柱の男など)
  また、波紋使いやスタンド使いであること。
スタンド使いならスタンド名まで載っていますが、スタンドの能力までは載っていません。
 ・参戦時期(wikiの参戦時期まとめをより一般化したものです。参戦年月日が載っているようです)
 ・初期支給品(wikiの支給品情報>初期支給品一覧と同一の情報です。未だ不明の支給品も全て載っているようです)
 また、情報はすべてゲーム開始前のものです。
 ディオやエシディシがスタンド使いになったことなどは載っていません。
※テレンスはスタンドDISCの使い方を知りません。
 『ザ・ワールド』のスタンドヴィジョンも見たことが無いようで、関連には気づいていません。
 何か秘密があるとは思っているようですが、少なくとも『頭に刺し込む』という発想は今のところありません。
 テレンスに『ザ・ワールド』のスタンドが使いこなせるかどうかは不明です。
※アトゥム神の右足首から先は回収しました。
※ジョージ・シーザーと会話をしました(情報の交換ではありません)
※ダービー兄、ティッツァーノの死体を発見しました。
 生首がティッツァーノの物であることは確認していません。
 また、F・Fがティッツァーノに寄生していることにも気づいていません。
※DIOへの忠誠心は無くなりました。





【テレンス・T・ダービー 参戦】
【残り 32名】
31創る名無しに見る名無し:2010/07/28(水) 16:30:34 ID:yzFqJUBL
ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ゴ ・・・
32創る名無しに見る名無し
投下乙です!

ダービーはいい味でてるなー。
兄の顔を踏ませるとは、自分には絶対無い発想だ、すばらしいw
驚いたし、動揺するシーンが良かった〜
今後は出張ダービーズアイランドみたいな感じで、ギャンブル戦に期待だな。

そしてF・F、おもわず応援してしまう…「必死に生きてる」感じがすごくいい!

改めて乙です。
新しい方のようですので、次回作に期待させていただきますが構いませんねッ