99 :
創る名無しに見る名無し:
【サナバーの どうでもいい話】
わしには両親はいなかった わしが幼い頃事故で死んだのじゃ
わしを育ててくれたのはたった一人の肉親 お祖父様じゃった…
大魔女「おそふさまて」
お祖父様はとても偉大な魔法使いじゃった
いつも家の大きな図書室で本を読んでいたのが印象的じゃったよ…
しかし お祖父様もわしが15の時に昇天なさった
わしは独りになった
独りになったわしが1番に感じたのは 町の人達の視線じゃった
わしの暮らしていた町は魔法使いに対する差別は殆どなかった
しかしそれは偉大で 普通の人間からも尊敬されていたお祖父様がいたからこそだったんじゃ…
大魔女「あんたのおそふさまは何者なのよ」
お祖父様という光を無くしたわしは迫害の対象になった
人々のわしを見る目が 冷たく突き刺さった…
わしは限界だと思った
大魔女「成る程 ここで町の人間皆アレしになだれ込む訳ね」
100 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/14(水) 22:48:13 ID:tlWj9Dsg
サナバー「ち…違うわっ!!
お主じゃあるまいし…」
大魔女「えー…そうなの?
…つまらん!! 寝ていい?」
サナバー「最後まで聞け!! ここまで聞いたんじゃから」
大魔女「めんでー…」
孤独の中暮らしていたある日 わしに一人の者が手を差し延べてくれた…
それがピリットマルムシーコHEAVEN(フルネーム)じゃった
大魔女「嘘みたいな名前ね…」
ピリットマルムシーコHEAVEN(以下:ピリコ)はわしの町に引っ越して来た女の子でカウガール
天真爛漫なピリコは同い年のわしに気さくに話し掛けてくれた
わしが魔法使いの血筋だと知っても わしに接する態度はかわらなかった
わしは嬉しかった ピリコはわしの心のより所になってくれた
いつも側にいた…
大魔女「ふーん…ふぐぇあぁ〜」
あくびあくび
それから数年がたった… 他の人達は相変わらず冷たかったが わしにはピリコが居た
それだけでわしは幸せじゃったよ…
大魔女「はいはい良かった良かったネ」
101 :
ピリコは普通の人間:2010/07/14(水) 23:25:19 ID:tlWj9Dsg
サナバー「だがしかし…その時は訪れた…」
大魔女「風呂入りたい」
18歳の春 わしとピリコは馬に乗ってピクニックに出掛けた
競争するように並んで走っているうちにわしらは随分と町から遠い場所まで行ってしまったんじゃ
今考えるとそれがいけなかった…
出会ってしまったんじゃ わしらは 出会ってはならんものに
大魔女「? なによ勿体振ってから…」
サナバー「…魔反会じゃよ」
大魔女「…魔反会ですって?!」
説明しよう
魔反会とはつまり《魔術反対委員会》の略称だ
魔反会は魔法使いの廃除を掲げていて
裏で暗殺者を使って魔法使いを暗殺しちゃったりなんかするスポーツマンシップにモッコリな集団なのだ!
大魔女「嫌〜な名前が出たわね」
サナバー「連中はわしを殺そうと襲い掛かった
腰が引けて倒れたわしをかばったのはピリコじゃ…
ピリコは連中を説得しわしを生かそうとしてくれたが 当然連中がそれを聞き入れるはずがなかった
そればかりか ピリコを反逆者と言い放ったのじゃ!」
102 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/14(水) 23:43:31 ID:tlWj9Dsg
「反逆者には死を与える!!」
魔反会の連中はピリコに剣を向けた
ピリコはそれを払いのけ自慢のじゃじゃ馬殺法でやりたい放題やったが
最後は捕まってしもうた…
そしてピリコの喉に突き付けられる刃
ピリコ「サナバー…助けてサナバー!」
その瞬間 目の前が真っ白になった…
気がついたらわしは一人…町へ逃げ帰っていた…
――
ゴツンッ!!
サナバー「そう…わしは逃げたんだ!あの時…
大好きなピリコを見捨てて 己の命かわいさに逃げた!!
わしは…最低じゃよ……」
大魔女「あんたにそんな壮絶なバックホーンがあったなんて意外だわ よく今まで隠し通してきたわね しかし」
サナバー「うむ… わしも今日久々に思い出した…
わしの精神防衛本能が記憶の底にしまい込んでいたのかもしれぬな…
本当なら忘れてはならぬことなのにな…」
大魔女「うん マジ最低よね
死ねって感じ」
サナバー「……」