スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています) 【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】 再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。 獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!! 怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!! 【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】 これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。 アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……! 人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー! 【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】 スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体! 異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。 変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝! 【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】 Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。 遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった! 軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ! 「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」 <イエス・マイマスター> 【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】 「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。 兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る! 止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー! 【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】 ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ! 今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪! ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション! 【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】 80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」 異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」 陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる! 【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】 2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。 革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。 兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――
【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】 近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。 主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な 少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。 戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、 互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。 やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも―― ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。 欝展開はないよ! 【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】 其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。 剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか― 【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】 荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。 人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」 アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ! 【GEARS ◆B21/XLSjhE】 近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける! 無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達! スピード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ! 【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】 紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。 雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!? ファンタジックロボットSS、ここに見参! 【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】 CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。 少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。 戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か… あなたの護りたいモノはなんですか? 【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】 因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。 混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。 測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。
【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】 「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。 そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった 舞台は架空の都市“揺籃” 特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく 「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」 ……それは、似通っているようで……違う“セカイ” 【時のジグパルス ◆NXVvJGP7gI】 21世紀初頭―――― 人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。 14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。 そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた 人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが―― 【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】 未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。 隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして―――― パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。 この物語に、勝者はいない。 【『正義の執行者』◆8XPVCvJbvQ】 世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。 ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。 「正義の名の下に」 その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。 奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。 【eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2氏】 ガラクタに覆われた世界の片隅で、少年と少女は一冊の書によって結ばれた。 その出会いは白く、黒く塗り潰された過去を、未来を、それ以外を呼び覚ます。 迫り来るこの世ならざる怪異、有り得ざる可能性、そしてセカイの果てより来るモノ…… ――総てを越え、彼らは何を見るのだろう? 【ロボスレ学園】 ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ! 参加者募集中!
完結作品はこちら! 大いなる足跡をその目で見よ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/265.html ・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・半年以上生存報告がないと、作品がテンプレから削られてしまうぞ! 要注意だ!
・テンプレに載る作品は1人1つまで! 上記の他にも作品は沢山あるので、こちらもチェックだ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/12.html ・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!
※紹介文未定作品一覧※
【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】
【英雄騎兵ミッドナイト】
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
【機動修羅バイラム】
【都道府県対抗機動兵器決選】
【資源転生サイクラスト】
【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】
【グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc氏】
【Robochemist! ◆a5iBSiEsUFpN氏】
【パラベラム!〜開拓者達〜 ◆RS4AXEvHJM氏】
【グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc氏】
【地球防衛戦線ダイガスト 秋水 ◆3C9TspRFnQ氏】
【KillerMachine ◆wHsYL8cZCc氏】
【壊れた世界の直し方 ◆H48yyfsLb6氏】
【Pheriss Strike! ◆hKFmPDid7g氏】
※紹介文候補※
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。
陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は?
ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ!
――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。
上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。
紹介文はまだまだ募集中!
作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
「自作に関する絵を描いてもいい」という了承を頂いている作者さん一同はこちら↓ ・TロG ◆n41r8f8dTs氏(tueun、ROST GORL、ヴィルテック・シャッフル他) ・シクス ◆wuZfOwaq7U氏(守護機兵Xガードナー) ・パラベラム! の人 ◆1m8GVnU0JM氏(パラベラム! 他多数) ・古時計屋 ◆klsLRI0upQ氏(CR ―Code Revegeon―、ザ・シスターズ、シャドウミラージュ、電瞬月下) ・◆YHSi90Gnr2氏(武神鋼臨タケミカヅチ、パラベラム! ―運び屋アルフの何ということもない一日―) ・秘神 ◆tEulldVhj8h6氏 (◆hdZAMWOUEU)(秘神幻装ソルディアン) ・◆Uu8AeR.Xso氏 (鋼殻牙龍 ドラグリヲ) ・DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN氏 (◆9L0XSDdmxM)(Diver's shellシリーズ、Robochemist! 他) ・GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE氏(GEARS、GEARS外伝 Berserker) ・◆46YdzwwxxU氏(瞬転のスプリガン、最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ、R,B&G) ・|・) ◆5b.OeHcAI2氏(eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――) ・◆CNkSfJe3Zs氏(人狼機兵マーナガルム 他) ここに名前の無い作者さんの作品を絵にしたい場合は、直接ご本人にお伺いを立ててみたらいかがかと。
>>1 乙
>>1 これは乙じゃなくてポニーテールなんだから勘違いしないでよねっ!(AA略
10 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/13(日) 12:15:17 ID:QSQB7NE/
しかしここは勢いあるスレだな テンプレにある作品は放置されたやつもあるのかな?
>>1 乙か……なにもかもみな懐かしい
>>10 テンプレにある通り、半年以上生存報告がないとテンプレから削除されるから、一応ない……と思っていいはず。ソルディアン氏は最近見ないけど
放置というか諸々事情で休止状態なのはあるな 作者自体は確認出来る人が多いから、言葉は悪いけど完全未完なのは少ない(そういうのはまとめウィキにあり) 途中離脱が少ないのは勢いの他に古参が先頭で引っ張ってるからだと思う
今残ってる古参なんか特に途中離脱しそうにない人ばっかだからなあw
スプリガン氏は古参として復帰してほしいと思う。投下順見てると 格段に作者が増えた三号機までに参加した人を古参として省みると、今現役なのは ・PBM氏 ・TロG氏 ・荒野に生きる氏 ・古時計屋氏 ・姫路氏 ・少女機甲録氏 ・本格的な活躍は後々だが882氏 後、休止中だけどスプリガン氏と ホント、途中離脱がしょっちゅうなSS系スレでこれだけ現役は凄いと思うよ
スプリガン氏は今、勇者スレの重要ポジションにいるからねえ
病気の人は昂って
新スレが立つとすぐ
>>1 乙しちゃうの!
“恒河沙”
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/589/forbidden2.jpg 阿僧祇と同じく存在そのものが生命倫理を嘲笑う、禁忌のソード。
両腕を持たない代わりに、背部に一本のフレキシブルアームを持つ。
標準的な人体との相似形を成していないため、一般のパイロットには
操縦できないが、生体制御ユニットの少年少女らは機体のために
製造されるパーツである。彼らは生まれて間もなく両腕を切除され、
欠損を補うために他の部位が発達するという人体の特性を利用して
背部アームを自在に動かすための神経ネットワークを得る。
唯一最大の武器であるフォトン・ブレード・カノンは複数の機能を兼ね備えており、
・艦砲クラスの高出力フォトンドライバー(パルスレーザー)
・長時間・長射程の照射が可能なフォトンカッター(照射レーザー)
・白兵戦用の加重力ブレード
と、遠近に対応する。手数を犠牲にして威力を高めた装備だが、
面制圧能力の欠如など、恒河沙が多数連携を前提とした
『量産機』であるという恐るべき事実の前では、何の弱点にもならない。
>>14 好ましいサイクルが出来ているんでしょうね。
読者がたくさんいて、感想も付く。作者はやる気が出る。
作者が増え、読者も増える……びっくりするほどユートピア!
あの人休止中だったのか。
>>16 ぎゃあああああ!?
なんか何もかもヤバい兵器だなおい
>>16 投下乙です!
私はGN-Xよりもビルゴを連想しました、設定的にw
タッチの差で
>>1000 取れなかった! くやしい、でも感じちゃ う わ ら ば
遅筆氏参戦と聞いて俺の期待がトランザム
前スレさあ……
>>1000 取りでまで胸胸胸胸おっぱいおっぱい何やってんだよ……
ここには胸より足のが萌える奴は
ないのか
どっちにも萌えるよ! 下手に優劣なんてつけられないよ!
胸にも萌える、脚にも萌える、優劣をつけるほうが間違ってる……が、胸企画が近いのでおっぱいおっぱい
八宝菜め……!
黒タイツ最高とでも言えば満足なのかよ!(おもに師匠が)
>>16 投下乙!俺もビルゴ思い出したなあ
しかしおどろおどろしい機体だ……
>>16 おおう、投下乙!
きめぇ……こいつはきめぇ……某シューティングの技術がふんだんに使われてそうだw
>(おもに師匠が) 何故だ、何故バレた!
あれだけ娘に黒タイツ装備させてりゃ誰でも気づくわいwww
黒タイツ履いた遥さん(睡眠中)をここに置いておきますねっと
やった! 遥さんのほっぺぷにぷnジョインジョインハルカァ
釣れたよ!
三つ編みとロリさえあれば、師匠を釣るなど容易い事!
遅ればせながら、スレ立て乙です。 ひゃっほう、ついに私の作品が連載作品の端くれに! …〇〇省からの仕事で続きが中々書けないのですよ。 チラ裏スレでもないのに 談GO まがいのお話までチラホラと… 政治ネタを扱っていた私が、リアル陰謀の世界にぃ…
お、お疲れ様です!
>>33 果たして本当にそうかな!?(釣り針をくわえて引きずられながら)
>>34 な、なんてこったい……。
巻き込まれる方はたまったもんじゃないですよね、そういうのって。
>>34 淫棒か……そこはSSのネタになると思ってこらえるんだ!
>>36 釣られとる釣られとるw
>>36 何という諦めの悪いクマーww
って結局間に合ってないじゃないか埋めネタ!
それにしても、1スレにつき最低1作は新作があるって凄くね?
>>42 これは……ヴィルティック! なんという埋めネタ……!
>>42 投下乙です!
ドット絵とな! 素晴らしい……!
これがスーパーロボスレ大戦の素体になるとは、まだ誰もが想像すらしていなかった――
せっかちな私にはドット絵なんてとてもできないので尊敬します。
>>41 いじけながら完成させるぉ 田-(´;ω;`)-田
>>42 ドット絵祭りだとでも言うの!?埋めネタにするにゃ勿体無いぜー!
絵を描ける人って本当に尊敬します。
文はぶっちゃけた話キーさえ叩ければいいんですが、絵はそうはいきませんから。
画力欲しいなー……
>>47 埋めネタがあるというのか……! 期待しよう
>>42 投下乙!これはいいSDヴィルティック
ドット絵はおろか普通のイラストすら描けない俺には絵師が神か何かに見えるわい
休日過疎というか、静かだなあw あるいは長目氏待ちかw
チョーさんが来たらどこからともなくわらわら沸いてきそうで怖いなw
日記帳最後のページ ひ と いな
人稲たん「あ、明らかに潜伏してるじゃん……」
語尾がじゃんでワロタ
何か笑える要素あるか……?
ごめんな、疲れてるんだ
もう人稲たんがチータスの声でしか脳内再生されなくなったじゃん……
ビーストウォーズの見すぎジャン。 ちゃんと外に出て遊ばないと先生怒りますよ!
偶然だが今日動物園に行っていたんだ まさか!
ダイノボット「ところがぎっちょん!」
そうよ、そのまさかよ!
おのれ飼育員め!
前スレ
>>982 ブルーショルダーカスタムの顔……だと? そういやまともに想像した事すらな(ry
以前に遅筆氏が書いてくれたのが能面みたいでしたが、あれよりもうちょい人間というか、ロボットっぽい感じですかね。
2mちょいでほぼ着てるやつを考えてるんですがこれはロボじゃなくてパワードスーツになるんですかね。 中の人がダルマ故に動力補助にあたるか微妙なんでロボとも言えそうな気はするんですけど。
>>64 君がロボと思っているなら間違いなくロボだ。
うちの全高3mの重装甲強化服とか、ぶっちゃけロボットと言うにh(ry)
細かい事気にしないで投下しちゃいなYO!
構わん投下しろ! パワードスーツもロボットに違いないのだよ
>>63 どうも、こんばんはー!
さておき、大別すると
・ツインアイ
・モノアイ
・複眼(アクエリオン系)
・カメラ(ボトムズ系)
・スクリーン
・無し(能面)
があるので、どれが該当するのかなと思いまして
目を中心に顔のデザインを決めるので、聞いておきたいなと
それ言ったら電瞬月下なんて、凄いヤバイ事になるw
ベルガ・ギロス「ゴーグル系がないなんて!」
単眼が無いなんて!
ゴーグルはツインアイの細分にあたるかと
むしろ胴体と頭部が同化しているってタイプも
単眼もモノアイの細分に入りますね、大別なので細かいことは気にしたら負けですw
そうだったァー
ゴーグルの奥で光るツインアイはカッコいいですはい
ダグラムみたいなのはスクリーン系ですかね?
ラーズアングリフカッコイイよね!
>>69 というか自分、魔法少女とか全くロボット物にかすってないのを(ry
流石に今思うとまずかったかなと思わざるおえないw
っと、改めて
>>1 乙です
感想書こうと思ってた瞬間に次スレになってて吹いた&焦りましたw前スレのも含めてちょっと待ってくだせい
>>78 ダグラム含め、共和国ゾイド系もスクリーンに大別できるかと思います
しかしカメラアイの話でこれだけ盛り上がるとは流石ロボスレ
>>68 ツインアイと能面を足して二で割ったような感じでしょうか。線が少ないスッキリした顔を想像してます。
本音を言うとターレットレンズがガチャガチャ動くカメラ(ボトムズ系)がいいんですが、まぁ、色々とアレなので。
ん……まてよ、ダルマに手足くっつけてるからサイボーグか。 バーチャロイドはスクリーン系……?
目ってのは特徴の一つになりうる重要パーツですからw 新しい目の形式でも考えますかな
>>80 フェアリスとちびトラウで言い訳はできるし、何よりロボスレ作品のスピンオフだから他スレでやるわけにもいかないし、問題ないんじゃないかなw
ジムのゴーグルの下はツインアイなのかモノアイなのか……。
>>83 お早い返答ありがとうございます!
了解しました、ツインアイ中心で進めてみます
あと手数ですが考えていた質問が他にもいくつか
・機動靴はキャタピラで良いのか
・上半身と下半身どちらが長いのか(小型なのでこのバランスで印象がかなり左右されます)
・振動熱斬刀の鞘は1つの鞘の中は→[Ш] こんな感じで並んでいるという解釈で良いのか
以上です、すみません
ジム神とな!?
総員、はやぶさに敬礼ッ!
彼はもう落ちたのか? オ カ エ リ ナ サ イ
最敬礼! ( ´・ω・)ゞ
オ カ エ リ ナ サ イ (`・ω・´)ゞ
( ´・ω・)ゞ
帰ってきたのか。。。 無理だったから落としたんだけど拾ってほしかったなぁ…… (`・ω・´)ゞ
機動靴は車輪ですね。(以前書いてもらった絵を見ながら)キャタピラ方式だと前後はともかく、横移動が出来ませんから。 (以前書いてもらった絵を見ながら)上半身より下半身の方が長いですね。 振動熱斬刀の鞘は0の中心に縦線一本入ったような構造を想像していましたが、[Ш]の方が予備刀身を納めるのに適しているかもしれないですね。 と、こんなものでしょうか?
(´;ω;`)ゞ
長い間の任務、お疲れさまでした 心からオカエリナサイ(・ω・)ゞ
彼は今燃えているんだと考えると複雑な気持ちになりますよね……。
(まさか
>>90 が誤爆だなんて、口が裂けても言えないな……)
地球か……何もかも懐かしい
田-(´・ω::...:.:..... もう……眠っても…いい……よね……
>>99 例の新シャアですね、分かりま(ry
微妙にツインアイと被るけど
>>68 で名称分かんないけど人間みたいな目もあって良いと思ったんですぜ
ニルヴァ―シュspec3とかジャイアント・ロボみたいな
なんかロボットでありながら人間味を感じさせてゾクリと来ませんか?
はやぶさ「僕にはまだ帰れる故郷<ばしょ>があるんだ……こんなに嬉しい事はない……。 分かってくれるよね? 宇宙には、いつでも会いにいけるから――――」
>>96 了解しましたー!
以前の絵の見当違いっぷりが酷くて顔から荷電粒子砲が出そうだぜー!ヒィーハァー!
ジャンピングスライディング土下座でお詫びを……orz
鞘も0に線を入れた感じで進めたいと思います
他の絵師様もなんか違うぜこれってのあったらがんがん注文を下さい、お願いします
>>102 このスレだとネクソンクロガネですね
ドラグリヲも複眼だけど黒目ありますし
60億kmの旅から帰ってきても、結局最後には燃え尽きる運命なんだと思うと胸が熱くなるな……
だが
>>99 台無しだよ師匠www
>>102 このスレだとネクソンクロガネとダイソードがそれだね
>>102 分かるっ 人じゃないのに人っぽいあのロマン!
いかん、はやぶさヤバイ
地球への帰還を目指す小説書きたくなる
>>105-106 そういやとダイソードが黒眼でしたね
けどやっぱクロガネが一番印象強いですねwこう、強そうだけどどこか親しみが持てる感じなw
こう、鉄人28号を見た時の感覚に近いというかw分かりにくくて申し訳無いんですがw
つか素晴らしいイラストを貰っているのに、自分全く手ぶらという……
正直言って何も進んでないです、ホント自堕落というか、なんというか……すみませんです
>>108 (´;ω;)ゞ
>>102 自分はガンダムなんかのカメラアイが透けて下の機械部分がまるで人の目の様に見えるのが好きです
Gガンナーの瞳の入れ方がメカっぽさと両立されてて凄く格好いい。 パッと見分からないからこそアップの眼力が効いてくる。
っとすみません言葉が足りてなかった >そういやとダイソードが黒眼でしたね は >そういやドラグリヲとダイソードが黒眼でしたね です
>>108 Return to earth.
Mission complete.
ACなんかのクレストの目が好きかなぁー……でもミラージュ式も捨てがたい。
戦闘中に目が妖しく光ると背筋がブルッとくる。
>>105 あ、言い忘れてましたが振動熱斬刀は日本刀っぽい感じでお願いします。
幅が広く、刀身が厚く、あくまで日本刀「っぽい」ゴツイ形状ですが。
それでは、完成を楽しみに待っています。
はやぶさ「日本の位置が分からなくなっちゃった……」
>>116 に先越されたでござる
それにしても、美しい……!
>>118 散るときは皆美しいのだよ(´;ω;`)
はやぶさは最期に地球の姿をレンズに映した……らしいですよ。
青く美しき地球を。
>>122 「ペルセウス」を聞いてはやぶさ関連見てましたが、これもいいもんだ…・・
>>123 これですね。
No.1438 :写真撮影
投稿日 2010年6月13日(日)22時52分 投稿者 柴田孔明
撮れなかったと発表されていた写真撮影が1枚成功していたと訂正発表がありました。途中で通信が切れたそうです。地球が写っているそうです。
>>124 最期に見れてよかった……日本人のサガ何でしょうか、どうしても擬人的要素が脳裏に浮かんでしまう。
故郷にオカエリナサイ。
何か今凄く良い流れだな 普段おっぱいだの太股だとか言ってるけど意外と真面目なスレなんだな…… 分かっちゃいるがギャップに笑うw
>>127 そこではやぶさのロボ化ですよ! え? だめ?
>>125 はやぶさよ、君は何よりも美しい……。
そういえば、某国の人がカプセル狙いに来て拘束されたらしいですが……大丈夫ですかね。
にしてもやっぱ長目さん間に合わなかったかー まあ大仕事だし、完成までじっくり取り組んでほしいな
>>129 これが、はやぶさが最期に見た光景か……。
おっと失礼、目から汗が……。
深宇宙探査人型ロボット……なんでもない。もう脳ががっがggg
>>129 途中で途切れてるのは、撮影してる最中に途絶したせいなのだろうか……
しかしこれただの機械が撮ったもんじゃないだろ。。。
>>129 最後に美しい故郷を見る事ができて、はやぶさは幸せだったんだろうか……
>>130 何か危害を加えたらバッシングどころじゃ済まんな
>>137 うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお投下乙キィィイイイイック!! ボインズだよ! 来たよ保存だよ!!
>>137 _ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
_
( ; ゚д゚) ハァハァ
し J
_
(;゚∀゚) ニコッ!
し J
おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい おっぱい! おっぱい! おっぱい! ∩ ∩ ノ) おっぱい! おっぱい! 川 ∩ 川彡'三つ おっぱい! おっぱい! ⊂ミ∩、⊂ミ∩彡⊃ おっぱい! おっぱい!⊂三ミ( ゚∀゚)彡三彡三⊃ おっぱい! おっぱい! ⊂彡川⊂彡川ミ⊃ おっぱい! おっぱい!⊂彡川∪⊃ U川彡⊃ おっぱい! おっぱい! (ノ ∪ 川 ∪ミ) おっぱい! おっぱい! ∪ おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい! おっぱい!
間に合ったぁぁぁぁ!! 間に合わないとか言ってホントにごめんなさいチョーさん! やべえこれやべえwwなんかマジで豪華絢爛っていうw
おっぱいおっぱいおっぱいおっぱいおっぱぁぁぁぁぁーーーーーいッ!
イイイイィィイイイイイイイヤッホオオオオオオオゥウウウウ!!
>>137 おっぱいキタ━━━( ´∀`)・ω・) ゚Д゚)・∀・) ̄ー ̄)´_ゝ`)´,_ゝ`)・A・)━━━!!!
光よりも早く観賞用・保存用・宣教用・実務用の4枚保存した!
あんさん漢の中の漢やでぇ…
個人的にユノーさんに罵られたくて堪らない件 こう、胸が上に来る角度で
>>137 投下乙です!
ワァオ! ワァオ! ワァオ! なんという大艦巨乳主義! なんというおっぱい祭!
これぞまさしく、 巨 乳 艦 隊 ッ ッ ッ ! !
野郎共、そして淑女諸君……はいないか? 祭だよ! カーニバルでフィスティバルだよ!
流れぶった切ってごめんよ はやぶさの話題の途中ですが、おっぱいです 作業時間かっつかつなのに、USTのウィンドウ横に置いて、はやぶさの最期を看取ってたのは秘密です スピッツの8823聴いてたら、泣きそうになったのも秘密 というわけで、遅くなりましたが30号機突破記念絵を ちなみに、例によってなにがしかやらかしてたらロスタイムです 後列:左から ・ユノー(マーナガルム) ・たまちゃん(PBM!) ・まどか(PBM!) ・クラウディア(DSU) ・マチコ(ヴィルシャ) 前列左から ・龍聖寺院研究員(ネクソンクロガネ) ・メルフィー(ヴィルシャ) ・ウィスティリア(DST) を描かせて頂きました
はやぶさ帰還の流れから一瞬にしてスイッチしよったw あいかわらず聖なる狂気に満ちたスレですね
人間に一貫性を求めてはいけないw
それにしても、はやぶさのしんみりした流れからおっぱい祭でイィヤッホォォォゥ!! とは、まさにロボスレのノリを体言する流れですね! メルフィーのおっぱい揉んだりまどかさんのスカートめくったりマチコさんと眼鏡交換したりユノーさんの三つ編みはふはふしたi三つ編みイィヤッホォォォゥ!!
>>137 投下乙!
素晴らしいな素晴らしい!
とりあえず手を振っておきます
_ ∩
( ゚∀゚)彡 おっぱい!おっぱい!
⊂彡
>>150 プラーナに満ち溢れておる……
あえて言う、スレの流れkimeeeeeeeeeeeee!!! さりげなく初お目見えが……と思ってよくよく考えたら前回のロリのイラスト化率がおかしいだけだった件。
>>148 はやぶさでおっぱいね、了解だよサンダーキック!
自作品キャラ描いていただいてありがとうございます! 飾ります! クラ姉胸がwwww
全体の手を抜かない、流石長目氏クオリティー!
龍聖寺院の姐さんは今回初お目見えですねw
ロボスレ住人の脳内スイッチの切り替わりは宇宙刑事の変身よりも早い
俺もあえて言おう (今のスレの流れは)不健全すぎる……修整が必要だ…… しかしこれだけ美人さんでおっぱいさんがすぐ近くにいる各主人公が憎くなってきたぞ☆
修整だと!? ……じょ、冗談じゃ(通信途絶☆
まったく、本当に紳士しかいないスレだな(この上なく棒読み
ユノーさんの目と胸で殺されたい
修正だけどこんな誤字どうでもよかった にしてもクラ姉さんの迫力がヤバイww今にもこぼれそうなw
クラ姉こんなに大きかったのねと作者が言ってみるw
他人のクオリティ高い作品を見ると創作魂が燃え滾るなー!マイコー!
流れを断ち切って悪いですが 避難所に投下された『XG月奪還作戦』の3話と4話を代理投下いたします
作者って原作者のことだよマザー! 絵は長目氏だよ!
>>166 おお!
CC112年。地球、欧州の統連軍・研究基地にて。 運動場に二十人の少年少女達が集められていた。全員、黒の身体にフィットした戦闘スーツに身を包み、ライフル等の武装を装備していた。年齢は十歳そこらか、子供とは思えないほど冷静、いや冷酷な雰囲気を漂わせている。 「これより試験を開始する!」 黒い軍服の男が叫ぶ。 「二人一組チームを組み、ベルトに付いている勲章を奪い合え!その際どの様な手段を用いても構わん!」 「「「サー、イェッサーッ!」」」 一瞬の乱れもない敬礼。 「舞台は基地の裏山だ。生き残ったチームには特別な物をやる!…ん?」 ふと端の列に男の目が止まった。 「おい、ナンバー3A。装備はどうした?」 3Aと呼ばれた少年の様な風貌の少女はうつむいたまま黙っていた。ライフルはおろか防弾チョッキすら装備していなかった。 「…」 口が微かに動いてはいるが声は出ていない。3Aは無言で刃の大きなナイフを差し出す。 「…」 「なんだぁ?言いたい事があるならハッキリ言え!」 「…」 大きく口は動くが声は出ていない。 「お前、ナメるのも大概にしろよ?」 「…」 パクパクと口は動くも声はなし。 「貴様ぁぁぁーっ!いい加減にぃっ!」 男の苛立ちがピークに達し今にも拳を振り上げようとしたその時、 「教官殿ッ!」 すぐ横、二人のやり取りを一部始終見ていた少女がピンと手を延ばして上げた。 「彼女は『自分ならこのナイフ一本あれば十分です。教官殿をあっと驚かせる成果を上げて見せてさしあげましょう!』と、言っております。はい」 彼女はポニーテールを揺らしながら自信満々に言った。 「…ナンバー7C、本当だろうな?」 「はい、私は口の動きで何を喋っているかが分かります!あとナンバー3Aは『教官を凄く尊敬している』とも言っています」 「そ、そうか…そこまで言うなら見せて貰おうか、3Aの、その実力とやらを」 男は少し照れ笑いをするが、イカンイカンと思いすぐ険しい顔に戻す。 「各自チームを組み所定位置に待機、合図がありしだいスタートだ!いいな?!」 「「「サー、イェッサー」」」 各少年少女兵がチームを組みスタート位置に向かっている中、まだ運動場に残されている3Aと7C。 「…いやぁまいったねぇさっきはさぁ、アイツのパンチ痛いんだよぉ」 (なんで僕の事かばった?) 声は出ていない。7Cは口の動きを読んだ。
これはいい…実にグッド…グレィト…パーフェクトです。 でも何人か名前の分からない方が………。 長目氏、宜しければ今回描かれた方の名前を列挙して頂けませんでしょうか?
「だってアナタをほっとけなかったし…」 (それにしても、よくあんなデタラメが言えるね。本当に言ってること分かってる?) 「もちろん!アタシ読心術ぐらいしか取り柄ないし戦闘なんてカラっきし、なんかアナタの自信タップリの言葉がなんか気に入っちゃった!」 気恥ずかしそうに7C。 「にしても凄いわ教官目の前にしてあんな暴言吐くなんて。それにしてもマジにナイフ一本だけ?大丈夫?アタシ防弾三枚重ねだよ?よけい重いわー!なんつってーアハハ」 端から見れば7Cの一人喋りである。 (…うるさい女) 3Aは吐き捨てた。 「…え?」 (足手まといだ、僕の前から消え失せろ、目障りだ。まずお前から勲章をうばってやろうか?) 「…あ」 そういって3Aは裏山へ続く門へ向かっていく。 「…決めた」 7Cはダッシュで駆け寄る。 「アナタが私のパートナーけってぇーい!」 後ろからギュッと抱きしめる。が、バランスを崩し前方へ倒れた。 「あだ名を付けなくちゃ!前から決めてたの、ナンバー7Cだから“ナナシィ”。アタシの事は今日からナナシィって呼んで?君はナンバー3Aだからぁ…サン…サン?…ミ…ミエ…違う…ミ…ア…ミア!そう“ミア”よ」 「ミア?」 「そうミア!いや?…って今しゃべった?」 (いや…好きに呼ぶがいい) 「本当?うれしい」 この日、そんな名を呼ばれ、ほんの少しミアは生まれて初めて笑顔を見せた様な気がした。
「全く統連軍の無能には呆れますよ」 エディン・マクレインは大量の資料に目を通すとため息を吐いた。 「Wガードナー?大気圏の残骸処理部隊…いつのまにガードナーはゴミ拾いになったんですか?そんな何処の馬の骨とも分からない集団がコロニー落とし阻止の任務についたんですか…そりゃ落ちるはずですよ」 WGによりコロニーの半分は破壊に成功、しかし、もう半分は地球へ落ちた。幸い、大陸には落ちず、大西洋に墜落したが、周辺の島や海岸沿いの街に被害が出た。 「人員が減ってる今、計画を早めないといけないとは…まったく役立たずばかりだ」 エディンは資料の山から一つファイルを取り出す。 「この前の演習の結果ですか…どれ」 制限時間は十二時間。 草木が生い茂る裏山で夜の零時丁度にスタートした。 戦いは混戦すると予想された。しかし、とあるチーム、性格には一人が18人9チームをたった二時間で終わらせたのだ。 「肉体強化のCグループの三番機と超能力実験体のAグループ七番のペアですか。Cの少女の武装は、ナイフ一本…?格闘センス特Aですか。彼女は暗殺班か護衛に転属ですね。そしてCの少女は…ん?」 7Cの身体評価欄の備考に注目する。 “アルターアイ、覚醒の兆し在り” 「ほう…やっと“二人目”ですか」 エディンは怪しい微笑を浮かべる。 「ね、凄いでしょ?こんなに可動範囲が…」 「ナ、ナナシィ…もう僕、寝たいよ」 かれこれ三十時間になる。 「折角の特別休暇なんだしフルに使わないとモッタイナイよ!」 「だからってずっとアニメばっか見てたら疲れちゃうよ…」 「ただのアニメじゃないよ、ロボットアニメ!」 ポニーテールを振り乱しナナシィは超合金の人形をミアに突きつける。 「裏ルートを経由してやっと手に入れた“勇者革命ヴァンゼルガー”のディスクとフィギュア!燃えるぜぇ?超ー燃えるぜぇ?」 「…ナナシィって案外男っぽいよね」 「そう?むしろミアの方が男の子みたいだよ?初めて会ったときも思ったけど髪も短いし…顔は可愛いんだから髪延ばしなよ。ツインテとか可愛いんじゃない?金髪なんだし」 「ツ、ツインテ」 「このヴァンゼルガーに出てくる澪ちゃんみたいしようよ、うん決定!」 それから約半年、ミアとナナシィはいつも一緒だった。 任務をするのにも絶対ペアで挑む。そして無敗。 いつしか姉妹の様な関係となり、暗かったミアの表情も明るく変わっていった。
ある日。 「あと一ヶ月よ」 ナナシィはカレンダーとにらめっこしていた。 「ついに待ちに待った日がやってくるのね」 「うれしそうね?」 あれから少し髪が延び、両サイドを赤いリボンで結んだミアが問う。 「うれしいも何も忘れたの?来月にこの前の演習のご褒美が来るのよ!」 「なんだっけ?前の休暇がそうじゃないの?」 「…見えるのよ。二体の、機械巨人が」 「機械巨人?」 「そう、ロボットよ。色は黒。何というか敵キャラっぽいシルエット、あぁ見える!見えるわ!」 そう言うナナシィの顔は嬉しそうに見えるが、どこかオカシイとミアは思った。 コンコン ノックと共にドアが開く。 「ナンバー7C、検診の時間だ」 黒い軍服の教官が突然入ってきた。 「なんだろ?今週はもう済んだのに…」 「早くしろ先行ってるからな」 教官は言うだけ行って去ってしまった。 「検診って?」 「うん、超能力班は週二で身体検査があるんだ。でもおかしいな今週はもう二回とも終わったはずなのに…まぁいいや行ってくる。帰ってきたらヴァンゼルガーのCD一緒に聴こ」 壁に掛けていた制服の上着を羽織るとナナシィは部屋を出た。 向かうは医療室。 「失礼します。ナンバー7C、入ります」 扉を開ける。待っていたのは医師では無かった。 「待っていましたよ。“ナナシィ”さん」 「こ、これはエディン・マクレイン司令!部屋を間違えました、失礼します」 ナナシィは慌てて出ようとする。 「いいんですよ…ここで、いいんです」 「え?」 ナナシィの腕を掴み止める。 「貴方に…早くプレゼントを渡したくてね」 エディンは微笑するのだった。
『勇者革命ヴァンゼルガーのテーマ』 現在に巣くう邪悪な影 平和を乱す者を許さない 青い空を自由に飛ぶ翼で 君と一緒に行きたいよ BRAVE EVOLTION 例え絶体絶命の瞬間でも BRAVE REVOLTION 必ず迎えに駆けつける 君の明日を奪うのは誰だ? NEXT COMING ヴァンゼルガー その日、ナナシィは部屋に戻らなかった。ミアは彼女の置いていったCDを聴きながら待っていたが、いつしか眠りについた。 ナナシィが帰ってきたのは、それから二週間後だった。 顔は酷くやつれ、眼光は鋭く殺気を放っていた。あの快活で天真爛漫な笑顔は見る影もない。 ミアはいつも通り接しようと近づくも、ナナシィは避ける様に何処かへ言ってしまう。 (おかしい…あの日、絶対に何かあったんだ) ある日、部屋を出るナナシィを呼び止めた。 「ナナシィ!」 「…」 「どうしたの?最近のナナシィはおかしい!」 だが、心配するミアの言葉を無視し、立ち去ろうとする。 「ねえ」 腕を掴む。 「触らないでッ!」 振り払う手がミアの頬を打つ。物凄い力で通路の壁に叩きつけられた。 「ハァ…ハァ…この悪魔め」 「…ナナ…シ」 「わかってるんだから…全部“視えてる”んだから!全部、ぜんぶ、ゼンブ…う、わあぁぁあぁぁっー!」 響く叫び、怒号。意味不明な言葉を喚き散らすナナシィにミアはただ、呆然とした。 数分後、彼女は駆けつけた職員に取り押さえられて、何処かへ連れて行かれた。 二週間後。司令室にて、 「その後の調子はどうかねナンバー3A…いやミア君と言った方が良かったかな?」 と、ブラインドを撫でながらエディン。 「いえ、3Aで結構です…司令。何だか視力がスッキリしてます」 「最新鋭の視力回復治療だ。これからはあまり、部屋に引き隠ってばかりいるんじゃありませんよ?」 「はい、すいませんでした」 「…それにしても惜しい人材を失ったよ。未だ昏睡状態なんだって?」 「はい、面会も謝絶で…」 「そうか…所で今日アレの演習だがシミュレーターで訓練はしましたか?」 「はい!六時間で特A全クリしました」 刹那、爆音。格納庫の方に煙が上がっている。同時に緊急通信が入った。 『司令!試作機1号が暴走を始めました!』 「…わかった、そちらに応援を向かわせる」 司令室からその様子が見える。 駐留部隊が対処しているが歯が立たないようだ。
「さっそくだが“実戦”となった…行ってくれますか?」 格納庫一帯は火の海になっていた。意を決し中へ突き進む。 「そこの嬢ちゃん!アンタがパイロットなのかい?!」 ベテランの整備兵が叫ぶ。 「はい!そうですー!」 「こっちだ着いてこい!」 整備兵に誘導される。こちらのハンガーはまだ被害が少なかった。 「これが…」 無駄な装飾はなく無個性なシルエットの機体。漆黒の装甲が炎で揺らめいく。 「相手はコイツの同型機だ。無人機なのに勝手に動いちまった!どうなってんだ?」 「起動させます。どいてください!」 機体を固定していたボルトを強制解除する。ミアの2号機は暴走する機体の元まで走った。 頭部バルカンを乱射しながら建物を破壊する1号機。その姿、まるで野獣。 「これ以上、基地はやらせない!」 ミア機は急加速、1号機に体当たりする。1号機ごと監視塔に突っ込んだ。 「…ぐ…ぅぶっ?!」 初めて体感するコクピットの揺れにミアは吐しゃ物をまき散らす。 一瞬の隙を突かれ、形勢は逆転する。 1号機はミア機の頭部を掴む、ヘッドロックだ。必死に腕を外そうとするが、頭部を砕かれてしまった。 『頭部破損・各機能低下』 まだ終わらない。今度は胸の装甲を引き剥がそうとする。上に多い被され馬乗り状態だが、モニターが破損して上手く状態が把握できない。 そうこうしている内にこじ開けられコクピットが露わになった。 外に晒されたシートに外の高温の熱気が吹き付ける。 意識が遠のいた。 「あたしね、いつかココを出て宇宙旅行がしたい」 宿舎の屋上で二人は天体観測をしていた。 「けど今って戦争中じゃない?戦いで宇宙になんて絶対いや!全然ロマンチックじゃない!」 「…いいな。私も行きたい」 「ちょっとある計画をしてるんだけど…誰にも言わない?」 「…うん、約束する」 「じゃ教えたげる…今度貰えるご褒美ってロボットじゃないかって気がするの」 「…ロボット?」 「そう、それに乗って宇宙へ行こうって考えてるの」 「…でも、人型機動兵器一体のパワーじゃ行けないんじゃないの?」 「そ、それは、途中でアレよ?ジャンク屋とか寄って改造してもらうのよ」 「…でも脱走だよ?捕まったら」 「うーん、でもでもウルサァーイ!デモデモ星人かッ!」 「……じゃ、例え宇宙に出られたとしても敵と遭遇したらどうするの?」
「もちろん戦うわよ!悪の火星帝国め!このナナシィ様が叩き潰してくれるわ!」 「…もう言ってる事メチャクチャ」 「あたし、歌うわ!ミアも一緒に」 「…童謡なら歌えるけど」 「何よそれ?もっと、燃える曲をだね…ったく、しょうがないなぁ、良いわそこで聞いてて、あたし十八番を披露するわ」 「…もう夜中の一時だよ」 無意識にミアはそれを口ずさんでいた。 「そうだった、こんな所で終わる訳にはいかないんだった…」 視界のよくなったコクピットから目の前の敵をミアは睨みつけた。 現在に救う邪悪な影 平和を乱す者は許さない 馬乗り状態からミア機は足で1号機の腹を蹴り上げる。 「…ナナシィごめんね。壊しちゃうから」 青い空を自由に飛ぶ翼で 君と一緒に行きたい 「宇宙に行けなくなっちゃった…」 1号機は尚も暴走を続ける。 例え絶体絶命の瞬間でも 「メインカメラをやられたから何だって言うの!」 一号機は建物を使って高く飛び上がった。上空から死角を狙うつもりだ。 「むしろ好機!」 腰のラックからソードを取り出す。ミアは神経を集中させた。 必ず迎えに駆けつける 世界がゆっくりに見えた。 極度の精神状態で時間がとまって思える事はなんどもあったが、すこし性質が違う。 確実に正確に敵機の中心部へ刃が抉り込む様子が伺える。 (これで止めッ) 剣の鍔の部分から粒子の光が洩れる。それが装甲を溶かし次第に広がるのを、 広がるのを 敵機の中心に 装甲を溶かし コクピット 「あ」 君の明日を奪うのは誰だ 「どうですか司令?開発は順調に進んでますか?」 旧時代の日本の僧侶の恰好をした坊主の青年がお茶を啜りながら訪ねた。 「まぁぼちぼちですね。第一世代と第二世代のアルターアイ同士で戦わせたんですがね?第一世代がちょっと暴走しまして…全く、“視え”すぎるのも困りもんですね。言動が酷い」 「と、言うと?」 「木星軍の反乱とか宇宙怪獣襲来とかブラックホールが太陽系を飲み込むだとか…」 「ハッハッハッ!それは傑作ですね?木星ですか…まだコロニーすら無いのに軍ですか?いや参った!火星もピンチですね?」 「結果はギリギリで第二世代が勝利したんですが、今は精神洗浄中です」 坊主は手元のリストを眺める。 「なかなか可愛らしい女の子じゃないですか?萌えって奴ですか?いやぁ良いですなぁ」
「はい養子にしようと思いまして」 「本当ですか?」 「私もそろそろ子供が欲しいと常々思ってまして」 「じゃあ、ミア・マクレインちゃん?」 「いえ、とある亡くなられた富豪の方から援助を頂いてまして、名字を買わせていただきました。キャイリーと言います」 ほう、と感銘をあげる。 「いい名前じゃないですか。あの悪名高いグール・キャイリー…亡くなられたんですか?」 「亡くしました」 「あれま」 わざとらしく驚いて見せる坊主。 「…そろそろ時間なんじゃないですか?」 壁のデジタル時計は午後三時になる所だ。 「そうですね、今日はこの辺で失礼します」 「ではまた来て下さい。ディオルド大佐」 「来るにしても大変なんですよ?火星から地球に来るの」 「次来るときはそんな不便もなくなってます」 「期待するとしますか…じゃ」 そういってディオルドと言う坊主はお土産の火星あられを置いて去っていった。
作戦開始まで三時間を切った。 Xガードナー隊の母艦エホバ・バイシクルは艦隊の一番後方にいた。 「…まだ、踏ん切りが付きませんか?艦長」 副官の青年グラン・バールは心配そうに声をかける。艦長と呼ばれる少女は複雑な顔で前方の艦隊を見つめていた。 「…シュートも出てっちゃって、ミアちゃんも連れて行かれて…私は」 「元々、このXG隊はシュート・ダリューグ捜索の為に結成された様なモノです。それを正義感の強い貴方が、ルージュ司令に自分が代わりに探す引き替えに部隊志願すると言い出したんじゃないんですか? シュート捕獲後はガードナー隊としての任務を果たす。そう言う約束でしょう?」 「でも、平和を守る為に頑張って来たのに、これじゃあ…」 「“こちらから戦いを挑むのはガードナー隊の信条に反する”…そう言いたいんですか?」 「だって!…だって」 「だって、なんですか?私達は軍人です。上から命令は絶対、逆らう事は許されない。それとも、今まで遊びで指揮していたんですか?」 冷たく言い放つグラン。ルーナは何も言い返せない。 「それに、この戦いは地球を守る為の重要な作戦です。やらなければ地球は火星軍に負けてしまいますよ?」 「…けど、それでも」 「大丈夫ですよ」 ブリッジの前、オペレーター席からサラー・リベルト。 「私は艦長に従います。艦長がそうしたいなら私達はその考えに乗ります」 「サラーさん…」 「まぁ軍の爪弾き者の俺達にとっちゃあ拾ってくれた恩もあるしねぇ」 操舵手のアレキサン・R・ドミナは笑いながら言った。 「誰彼構わず女性士官をナンパしまくった貴方と一緒にしないで欲しいわ…」 「あれぇ?サラーちゃんだって秘書官だったのに、セクハラした提督ボコボコにしてんじゃない?」 「下劣な上官に従うつもりはありませんから…」 「きっついねぇ…でもそう言う所が俺は好きな、ぐはぁッ!?」 抉り込むようにアッパーを顎めがけて打つ。軽く二メートルは吹き飛んだ。 「フン…馬鹿はほっといて、艦長が望むままに私達は付いていきます」 「…そ、そうそう。ルーナ艦長は笑っていた方が可愛いよ」 またアレキサンが余計な事を言ってサラーは止めをさす。 「で、艦長…どうするんです?ご決断を…なさらないなら」 グランは懐から何かを取り出す素振りをした。 「私はーーー」
作戦開始まで、あと二時間。 パイロット更衣室にて、サイバとライドが着替え中。 「いよいよだな…なんだか緊張してきたぜ」 ライドは制服の上着をロッカーに掛けながら緊張して手が震えていた。 「こんな事で毎回緊張していたら身が持たんぞ?」 「あれ?随分と馴れてるんだな」 「…まぁな、場数は踏んでいる」 少し寂しげにサイバは言う。 「俺はさぁ…元々メカニックとして配属されたはずだったんだけどなぁ。最新鋭の機体をいじれるってんで来たら、まさか自分の専用機だったとは夢にも思わなんだ…はぁ」 深いため息をつく。ライドにとって嬉しい反面、悲しかった。 「だってメカニックだよ俺?そりゃメカを知るには操縦も、と思ってシュミレータも実機訓練もしたけどさ」 「良いんじゃないか?なかなか居ないぞ、そういう奴」 「…まぁ前に居た所よりは自由にやれてるんだけどなぁ…サイバは何でXG隊に?」 「俺か? …よっ」 サイバはパイロットスーツに足を通しながら、 「シュートさ」 「…え?」 ガシャン、とライドの電子ゴーグルが床に落ちた。 「ま、まぁ耽美な顔立ちだとは思ってはいたが…そうか、うん」 「違うぞ、お前は勘違いをしている」 取り合えず一発殴る。 「興味があるのは彼奴の家系だ」 「家系ぃ?」 「ダリューグ家は代々軍人の名門中の名門の家系だ。そこの子息だと聞いたから、さぞ強いのかと期待して来てみれば…だ。ハッキリ言って損をしたと思っているし今でも後悔している」 「あのVG隊のリーダーだっけ?ルージュ司令と違って滅茶苦茶おっかなそうだったもんなぁ。あんな怖そうな親父さんだったら俺でも逃げるわ」 「ん?何を言ってるんだ…さっきからオカシな事言うなお前は」 「…は?お前も会話が噛み合ってねーよ!」 しばらく気まずい雰囲気が続く。黙々と着替えを続けた。 先に口を開いたのはランド。 「…VG隊と言えば、あのパツキン禿げのオッサンはなんなんだ?」 「エディン・マクレイン少将…この作戦の総指揮者だな」 「いきなり人の艦に入ってきて、勝手に作戦に参加しろなんて横暴だよな?こっちに自由はないのかよ!」 「軍隊である以上、上官の命令に従うのは当たり前だけどな…」 「しかもだ、俺達の3アイドルの一人、ミアちゃんを連れていくなんて何なんだよったく!」 「元々ミアは少将の居た基地の出身だからな」 「あの禿、ミアちゃんに耳打ちしてたぞ、怪しくない?」 あの日、ミアは何か殺気立っていた。 それがエディンが来て、ミアに何か耳打ちをした瞬間、 『すぐ戻って来ますから心配しないでください』 と、笑顔で別れを告げたのだ。 「サイバ、お前ミアちゃんと仲良いんだろ?何か聞いてないのか?」 「…いや」 長い髪を後ろで結うサイバ。その姿にライドは一瞬だけ、ドキっとしてしまった事を後悔する。 「て言うかお前、よなよなミアの部屋でコソコソ何やってるんだよマジで!?てめぇうらやまし…いや、ロリコンでホモってちょ、おま」 再び拳で黙らすサイバ。 「ムービーを観ているだけだ。なかなか珍しい物を沢山持ってるからなアイツ。知ってるか?勇者革命ヴァンゼルガー。あれは良い作品だ」 「…い、いや知らねえ興味ない、てか…出撃前に俺が死ぬ」 「俺はアイツと続きを観る約束しているからな。こんな所で死ぬわけにはいかない…」 ヘルメットを引っ提げサイバは更衣室を出る。 (そうだ、まだ“あの人”とも出会ってない。こんな通過点でくたばってなるものかよ) そう思い、格納庫へと走り去った。 「あ、おい!待ってよ!置いていくなぁぁー!」
CC(コスモセンチュリー)115年。 ついに、地球統合連合軍(以下、統連軍)による月奪還作戦、 『オペレーション・ムーンテイカー』が発動された。 作戦を指揮するのは統連軍作戦参謀長、エディン・マクレイン少将。 さらに、アグリット・ダリューグ中将とルディーオ・シュバルツ・ルージュ大将。 かつて、第一次月面攻防戦に参加した「Vガードナー隊」の三人。 この戦いで月を火星軍に占領されてしまい、彼らにとっては、まさに、名誉挽回のチャンス。 約百隻からなる艦隊が今、月へと進攻する。 統連軍のほとんど戦力が結集し、戦いは大規模なものと予想された。 迎え撃つは「火星月面駐留軍」。 未だ全貌の見えない火星軍に勝利する事は出来るのか? そして、「Xガードナー隊」。 自ら部隊を去り、父の元へ行くシュート。 エディンによって強制的に仲間から引き離されたミア。 艦長として、ガードナー隊としての目標を見失うルーナ。 亡き師の敵討ちに燃えるビーク。 記憶喪失の男、竜宮 零。 そして、裏で暗躍する者たちは…。 様々な思いが交錯する戦場で、はたして何が起きようとするのか? 今、戦いの火蓋が切って落とされた。 いざ『開戦』。
以上で、代理投下を終了いたします 皆様ご協力ありがとうございました このまま各種作品への感想等の書き込みをお続け下さい
>>210 乙です!
いい代理だな、感動的だ。
だが(感想は)避難所だ(腹パン)。
>>210 乙でございます。感想はせっかくなので避難所に書くことにしました。
割り込み&レス読み忘れとは何なる失態… 長目氏並びにシクス氏!お許しください!
感想サンクスです
いや、今回は本当に難産だったよ……燃え尽きたぜ
色々と小ネタは仕込んであるので、気づいた方はニヤリとしてやってくださいw
>>157 ですなー、それ以外のキャラはすでにイラスト化されております
ちなみにマチコさんは顔→882氏、髪型→PBM氏の絵を参考にさせて頂いております
>>165 大体、想定したのはIカップ前後(H〜J?)ですかねー
さらにサイズが大きく見えるよう、クラ姐さん得意の例のポーズでキメて頂きましたぜ
それより大きく見えるとしたら……うん、きっとこう、フォトショ修正とかがw
>>210 代理乙です
絵作業で遅れに遅れた作品読みを再開しよう
あと、ひそかにオペレーション・ムーンテイカーって名前が好きな俺がいる
>>210 代理乙!だが感想は二度は書かない主義でね
>>160 遥さん「あの、私女だからこれといってメリットはないんだけど……」
>>212 何故ニーサンだよwww
>>212 やめてくれないか!何処にでも現れるのは!
ニーサンというと最近あの笑顔しか思い浮かばないから困る。
さてさて、40号記念は何カナーw
>>218-219 だって今日WないからDCD見てたから、ニーサンが頭から離れなくて……。
あの笑顔(
>>220 )の破壊力は異常ですよねwww
>>223 止めて長目氏が過労で爆発しちゃう!
ニーサンとはあの身長が低いお方で(爆発しました
このスレで笑顔が素敵なキャラって誰だろう と思ってリタの前にオルトロックが即座に浮かんで泣いた あのニーサンみたいな笑顔で
>>226 オルト「両手を合わせてお前の頭をパーン☆」
>>227 yurusanae…………許早苗だと?
あとは たまちゃんの簪や着物の模様は彼岸花(狐花)だったり まどかさんの銃がブラウニング拳銃(FN ブローニング1910)だったり、持ってる銃繋がりで不二子ちゃんぽいポーズだったり ウィス姉さんのアオザイの、藤じゃない方の模様はウォーターウィステリアだったり 竜聖寺院研究員のペンダントトップは、作者氏のカッコマン絵のヘルメットに描いてあったE自警団の((E)かっこいー)エンブレムだったり します ついでに、たまちゃんの帯の結びを「円(まどか)」という形にしようかと思ったけど アングル的に隠れるのでオミットしたとかなんとか
しかしスレ立ってもう200切ったぞw 休日過疎は何だったんだw
> 休日過疎は何だったんだw 幻覚だ(キリッ
>>226 PBMキャラはみんな笑顔が似合う気がする。よく笑うしw
>>231 今はもう月曜だぜメーン!
勢い253…土日を待たず、33号機をロールアウトする事になりそうだw
>>227 素晴らしい笑顔www
>>230 き、気がつかなかった……! 細か過ぎて気がつかなかったがこんなにあったのか……!
ウィスティリア=藤 なのをキッチリ仕組むとは、流石長目氏……恐ろしい子!
>>231 32号機「残像だ」
次でもう弾切れだってのに、容赦ない速度だぜ…… いま新しい弾を増産すると、ほぼ確実に人型じゃなくなるから困るw
>>210 代理乙です。
しかし既に避難所で通過した場所だッッッ
ところで◆Ps/JE/do86氏おられますかね。
スプリガンのイラストを参考にしたいんですが時既に遅しとなっとりまして。
>>235 サイズ調整したら、どれもちっちゃくなってて俺namidameではあるw
描いてる時は楽しかったから万事オッケーなんですがww
>>226 オルトロック「はい、バイスウェア・ベイスンは、僕の弟です(例の笑顔)」
こうですね、わかります!
>>230 ブローニング1910しか気付けなかった俺僕私……。
とりあえずまどかさんのドロワーズが性的過ぎて平静を保っているのが辛い
だが待ってほしい、そもそも平静を保つ必要があるのだろうか?
>>241 /
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\_ `ー- 、/ /
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`v-、 / /
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 ̄〈 `ヽ | ,イ
`ー--く ゝ一' ノ
( ヽ---――ー'´
ヽ-'
その手の繋ぎ方はなんか違うぞwww
宇宙人と握手してるんだよはやぶさ的に! ベントラーベントラー 今回のはやぶさの件、ロボケミに全然関係ないどころか関係あるから偶然って怖い。
>>243 ワラタ
ボーイミーツガールな匂いがするぞw
いやー、でもこういう繋ぎ方って、見てる分にはいいんですけど実際にやると凄く恥ずかしいんですよねw
>>245 なに、よくある話だ(ネタ帳を見ながら)。
>>245 そうさ、よくある話さ(ネタ帳を見ながら)
>>246 甘酸っぱい感じですねわかります
>>247 さぁその早くネタを書くんだ! じゃないと自分がどうなってもしらんぞー
>見てる分にはいいんですけど実際にやると凄く恥ずかしいんですよねw >実際にやると凄く恥ずかしいんですよねw >実際にやると 師匠、貴様まさか……!
ははは……いやだなぁ、師匠に限ってそんなことあるわけないじゃないですかー…………とキス未遂にまで至った自分が……おや? こんな時間に配達とな
>キス未遂にまで至った自分が >キス未遂にまで至った >キス未遂 貴様ー!
や、やだなぁ、妹とですよ(棒) シャイな私は、キスはほっぺまでが限界でしたよ……(遠い目)
結局ヘタレだったせいで駄目だったんですが……あの日が悔やまれる
> キス未遂にまで至った自分が > キスはほっぺまでが限界でしたよ ファック!
ちくしょう!師匠とDS氏もげろ!
>>1 まずはこの言葉から始まろう……、1乙ッ!!
>>16 投下乙!相変わらずの高クオリティのロボット絵で羨ましいばかりですw
こういった感じのリアル系じゃないロボ絵が描けるというのがすごいと思います。
いや、それ以上にすごいのはこういったのを思いつけるセンスですがw
次回の絵の投下も楽しみに待ってますね!
>>42 投下乙!これは……なんというクオリティ。ドット絵ができる人はどこか凡人とは頭の構造が違うのだと思うのだが。
一個一個ポチポチしていくあの作業ができるのもそうだが、小さくなったときの絵を想像しながら描けるというのが凄すぎる。
そしてこのクオリティ……!SRCとかで動かしても違和感が全然ないクオリティだぜ……!
おつかれさまでした!次回の投下も待ってます!
>>137 投下乙!( ゚∀゚) おっぱい!おっぱい!おっpp
相変わらずの画力にもう本当尊敬と憧れと嫉妬の入り混じった感情が渦巻いております!
自分もここまで描けるようになりたいもんだ……!努力あるのみですねw
こういうオールスター絵はやはりいいですねw複数の人を並べて違和感がなく描けるのが本当凄いですw
色々と絵を見て学んでいきたいと思います!本当、おつかれさまでした!次回の投下も待っています!
>>210 代理投下乙!
ロリコンでホモなサイバが大好きです。え、違う?そんなわけがない、彼はこちら側の人間SA!
そしてオペレーション・ムーンテイカー。名前の格好良さがとても素晴らしい。展開も燃えてくるというもんですw
次回から"開戦"するようで、展開的にも次回から一層熱く、楽しくなりそうで期待が止まりません!
それでは改めて、投下乙でした!
話の流れを両断するようで非常に申し訳まりません。
さて、1、2週間で投下したいとか言ってたのに結局1ヵ月かかってしまいましたが、
「廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode9」を投下したいと思います!
そして最後にちょっとした物ではありますが、遅ればせながら、30スレ記念にとご用意したものもあるので、
そちらの方もご覧になっていただければ、自分にとってそれより嬉しいことはないですw
5分後から投下していくつもりですので、できたら支援していただければ幸いです。
>>253-254 【審議中】
|∧∧| |∧∧| (( ) ) (( ) ) ((⌒ )
__(;゚Д゚)___ __(;゚Д゚)___ (( ) ) (( ⌒ ) (( ) )
| ⊂l l⊃| | ⊂l l⊃| ノ火.,、 ノ人., 、 ノ人.,、
 ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄  ̄ ̄|.|. .|| ̄ ̄ γノ)::) γノ)::) γノ)::)
|.|=.=.|| |.|=.=.|| ゝ人ノ ゝ火ノ ゝ人ノ
|∪∪| |∪∪| ||∧,,∧ ||∧,,∧ || ボォオ
| | | | ∧ (´・ω・) (・ω・`) ∧∧
| | | | ( ´・ω) U) ( つと ノ(ω・` )
~~~~~~~~ ~~~~~~~~ | U ( ´・) (・` ). .と ノ
u-u ( ) ( ノ u-u
`u-u'. `u-u'
高校時代に別れた別の学校の彼女と大学で再開した時の気まずさが貴様にわかるのかーっ!
結局あの日々は今も宝物であり負の遺産だよー! もげたよ色々と!
>>257 しかし支援する
>>259 同じ部署と子会社と掛かりつけの病院に元カノ居るけど全然、気にならないお年頃になりましたw
ロボスレ深夜の恋バナですねw 磔にはされないぜ!
支援しますね!
シェー
……イェーガーの一件から、二週間の時が過ぎた。 廃墟区域だったとは言え、あれだけの大爆発を起こしたのだ。揺籃ではちょっとしたニュースになったが、結局廃墟区域に居る浮浪者が起こした事故ということで決着が着いた。 浮浪者がどうやってもあれだけの規模の爆発を起こせないのは誰でもわかったのだが、誰一人深く事件を追う者はいなかった。 "セカイの意志" が情報操作の介入をしたのか、そうでないのかはオレにはわからないが、そういう事で事態が片付くことに不満はなかった。 あれからシュタムファータァはイェーガーの後続を警戒して毎日揺籃島を巡回し、オレは日常へと戻ることになった。 だが、いざ学校に行ったと思えば千尋たちの尋問が待っていた。なんとかやり過ごすことはできたのはまた別の話。 あと1週間で6月になる初夏の日。今現在オレは、そんなかんなで今前と変わらぬ生活を送っている。 「暑すぎるだろ……」 「揺籃だから仕方ない」 「ああ……揺籃なら仕方ないな」 オレと椎名と松尾が、学校の裏庭のベンチで飲み物片手に並んで座っている。 男三人でベンチに並ぶと非常に狭いのだが、日影で自動販売機が近くにあって座れる場所は、残念ながら学校内にはここにしかないのだった。 「こうも暑いとあれだな、海に行きたくなってこねぇか?」 「たしかに。せめて海とまで言わんからプールくらい入りたいものだ」 「プール開き、6月からだもんな。まぁあと少しの辛抱だろ」 「オレらの修学旅行の場所、山だもんな」 「7月の頭だっけか。高校生活の思い出の花形だ。今から結構楽しみだぜ」 「(……そうだ。修学旅行があったんだ)」 すっかり忘れてた。せっかくの行事なんだ。あと1月中になんとか完全にこの一件を片付けて、何も憂いのない状態で修学旅行に行きたい。 「よし、んじゃそろそろ帰ろうぜ。今日はどうすっかー。どっか寄ってくか?」 「適当に繁華街をぶらつくのも悪くはなさそうだがな。安田、お前はどうしたい?」 椎名と松尾が空き缶をゴミ箱に投げ入れ、オレにそう問いかける。 「悪い、オレ用事あるから無理だ」 「えぇー?安田ーっ、お前最近付き合い悪いぜーっ」 「いや、そうでもないから安心しろ。用事があるなら気にするな、安田」 椎名がそう軽い微笑を浮かべながらフォローしてくれる。 「悪いな、松尾。んでサンキュー椎名」 そしてそのまま二人と校門で別れ、オレは一人自転車を走らせる。 十分くらいで目的の場所に着く。……伊崎病院。オレはそのまま自動ドアを潜り、迷うことなく病院の中を進み、ある病室の前で立ち止まった。扉をノックし、返事を待つ。 「はいはーい。どうぞー」 了解をもらったので、オレはそのまま扉をゆっくりと開けた。 「よ、千春」 「わぁ……俊明くんが一人で来るの、久し振りだね」
病院の入院棟の個室のベッドに寝そべる少女……伊崎千春。日本の法律上年齢的に許されてはいないため、書類上は婚約者だが、伊崎の妻だ。 「4、5月は色々とバタバタしてたからな。あんま時間が取れなかったんだ」 「この前はみんなでだったしねぇ。まぁ、たいしたもてなしも出来ないですが、ゆっくりとしていてくださいなー」 千春が上半身を起こし、柔らかな笑みを浮かべる。 「もてなしを期待して病院なんざ来ねぇよ」 部屋の端に立てかけてあるパイプイスを取り、ベッドのすぐ横に座る。窓から見える夕日が少し眩しく感じた。 「こっちこそ悪いな。見舞いの一つもなくてさ」 「えへへ、気にしないで。……それで俊明くん。今日はどんなご用で?」 「いつもと同じ。お前と話しに来ただけだよ」 「うん。じゃあ、お話ししよっかー」 相変わらずの千春らしい喋り方だ。こう、なんというか良く言うと明るい、悪く言うと脳天気なテンションというか。 「伊崎が愚痴ってたぜ。修学旅行が近いから準備委員の仕事でお前に会う時間が取れないってな」 「こーちゃんらしいね。私のこと、そこまで心配する必要ないのに」 「まぁそう言ってやんな。というか、今のお前の状況なら誰だって心配するだろ」 「俊明くんも心配してくれてる?」 千春と視線が交わる。内心を見透かされているような錯覚に捉われてしまう。 「そりゃ当たり前だ。心配するに決まってる」 「……俊明くん、なんかあった?前と少し違う感じ」 「オレがお前の心配するのが、前とは違うってか?」 そんなことはない。前から千春のことが心配なのは事実だし、それを千春も知ってると思ってたが……。 「そうじゃなくて。なんて言えばいいのかな。なんか、違和感がある」 「……ま、実を言うと少しな。色々と自分の考えを確認する機会があったから、そのせいかもな」 「そうなんだ。……うん。前より少し格好良くなってる。それはきっと、俊明くんにとってはマイナスな出来事じゃなくてプラスな出来事だったと思うよ」 マイナスな出来事じゃなかった……か。たしかに、揺籃にとってはマイナスな出来事だったかもしれないが、オレにとっては精神的に少し成長できたのだろう。 そう考えると、オレにとってはプラスだったのかもしれない。 「それでも、こーちゃんの十分の一だけどねっ」 「千春がそう言うならオレもプラスって考えることにするわ。なんてたって、伊崎の十分の一にまで至れたなら大きい成長だからな」 「頑張ってね俊明くん。幼馴染兼親友として応援してるから」
そうして千春と他愛ない世間話をする。学校のことや、千尋や伊崎のこと。もちろんリーゼのことは一切話さなかったが。 「そういや俊明くーん、千尋とは最近どうなのー?」 千春がオッサンのような真似をしながら問い掛けてくる。どうでもいいが激しく千春には合ってない物真似だ。 「どうもこうも。千春が期待してるような話はねぇよ。仲が悪いってわけじゃねぇけど、そんなお前らみたいな関係になるのはまず無いって」 「むー、俊明くんは千尋のこと好きなんだから、付き合っちゃえばいいのに」 「たしかにアイツのことは好きだが恋愛感情はねぇよ。お前と同じ、友達として好きなだけだ」 千春と伊崎は二人揃って事ある毎にオレと千尋を付き合わせようとする。 幼馴染四人の内二人がくっ付いたのだから、残り二人も……と言いたいのだろうが、生憎オレにその気はない。 「まぁ千尋はどうとしても、俊明くんは好きな女の子とかいないの?」 「いねぇよ。可愛いとかそういう風に思ったりする時はあるが、好きな女ってなるといない」 最近はそれどころじゃなかったし、そんなことを考えてる心の余裕がなかった。どのみち余裕があったとしても変わらなかった気はするが。 「そうなんだ……。たぶん、俊明くんも好きな人ができたらまた考えが変わると思うよ」 「そう思えるような人に出会えたら、だな。 じゃ、オレはそろそろ帰るわ」 パイプ椅子を片付け、肩にバックを背負い直す。これ以上いても千春に負担をかけるだけだろう。 「じゃあ、俊明くん。またねー」 「おう、またな」 千春の笑顔に見送られながら病室を後にする。窓を見るともう夕日は沈みかかっていた。千春の病室に少し長居しすぎたようだ。 心なしか早歩きで駐輪場まで向かい、自転車に乗り病院を後にする。病院から少し離れると街灯の数が減るため自転車のライトをつけた。 そしてそのまま真っ直ぐ家までの帰路を進んでいると、ふと目に入るものがあった。 海沿いの道の街灯の光で見えた、二人分の小さな人影。なによりオレが目を引いたのはその容姿である。 二人共に夜の中目立つ白銀の長い髪。そしてシュタムファータァと同じ真紅の瞳。二人とも外見年齢はシュタムファータァと変わらない、少女だった。 そしてオレはそのまま二人の横を自転車で通り抜ける。二人との距離は段々と開いてゆき、後ろを振り返っても二人の姿は見えないほどになった頃、ふと思った。 「まさか……アイツ等、リーゼンゲシュレヒトじゃないのか!?」 ハーゼやアーシェと出会ってたから感覚が麻痺していた……!常識的に考えて銀髪の髪の毛の人間なんて早々いないし、 ましてやこんな時間に女の子二人だけで歩いているなんてあきらかに不自然だろう……! 「っくそ、まだいてくれよっ……!」 片手で携帯を操作しシュタムファータァに電話をかけながら急いで先ほどの場所に向かって自転車を走らせる。 だが、先ほどの場所に戻っても二人の姿は確認できなかった。一応先を確認してみたものの、見つけることは出来なかった。
『ヤスっちさん!ヤスっちさん!?返事して下さいヤスっちさん!』 「……大丈夫だシュタムファータァ。すまん、掛けといてすぐ返事出来なかった」 アイツ等を追っかけるのに夢中で電話を掛けていたことすら忘れていた。額の汗と携帯のモニターを軽く腕で拭き、再び携帯を耳に当てる。 『いえ……私は、ヤスっちさんが無事なのならそれでいいのですけど……。一体何があったんですか?』 「確証はない。でも……たぶん、リーゼンゲシュレヒトを見つけた。怪しいだけでオレには"セカイ"を感知できなかったし、それだけなんだけどな」 するとシュタムファータァは考え込んだかのように黙り込むと、意を決したかのように口を開いた。 『ヤスっちさん。そのリーゼンゲシュレヒトらしき人たちの外見を教えてください』 「銀髪の女の子で、外見年齢はお前と同じくらいの二人組だ。……なにか、心当たりがあるのか?」 『いえ……。少なくとも私が知る限りでは覚えがありません。だからまだその二人がリーゼンゲシュレヒトであるかは私にもわかりません。 なので、明日から私がその娘たちを探します。ヤスっちさんはその二人を見つけても絶対に一人では接触しないで下さいね?私に必ず連絡を取ってください』 さすがにオレも一人で深追いするようなヘマはしないさ。イェーガーの一件でひどい目にあったし、あのときだってアーシェがいなければ死んでいたし。 「わかった。お前も気をつけろよ。もし"セカイの意志"の連中だったら戦闘になる可能性の方が高いだろ」 『私はヤスっちさんじゃないんですからそんなヘマはしません。心配しないでください』 「ならいいけどよ。……しっかし本当、オレの勘違いであることを祈りたいな」 『……そうです、ね。私もそうであることを願っています』 そうしてシュタムファータァとの通話は切れた。携帯をポケットに仕舞い、ふと空を見上げる。 星が一面に輝く綺麗な夜空。新興都市とはいえ自然が多く残されてもいる揺籃だ。星はとても綺麗に見ることができる。 だが、揺籃が消されたらこんな景色を見ることも二度とできなくなる。何も、感じることができなくなる。 そんなことを考えてしまうと、思わず右手の拳を力一杯握りしめてしまう。 「あのイェーガーだって撃退できたんだ。今度だって……やらせねぇ……!」 今のシュタムファータァになら、きっとそれができる。オレはそれを信じるしかないのだから。
翌日、いつも通りけたたましくなる目覚まし時計のアラームで目が覚める。スイッチをオフにし、ベッドから起き上がる。 「……今日も、平和な日常が続いてくれることを願うんだがな」 だがそんなことを思った日に日常が崩壊するのが常である―――。オレの持論だ。 内心馬鹿らしいと思いつつもオレはそんな思考を振り払い、制服を着て、バックを担いで一階に降りる。 今日も変わらずいつも通り朝飯を食べ、自宅を出て千尋の家に行き、インターホンを押す。 「ヤスっちさん、おはようございます!」 驚いたことに、千尋の家のドアを開けたのはシュタムファータァだった。いつも孝明さんか千尋だったから、少し新鮮な気分だ。 「よう。千尋はまだか?」 「もうすぐ来ますよ。孝明さんが洗い物をしてたので、私が代わりに出たんです」 「なるほど。お前が出たのは初めてだったから、少し驚いたぜ」 「私もこうしたのは初めてでしたから、少し緊張しました」 すると千尋ん家の奥からドタドタと足音が聞こえ、栗色の長い髪を揺らせながら千尋が走ってくる。 「ほいほいほーいっ! 待たせたなヤスっち!ありがとね紫蘇ちゃん!んじゃ、いってきまーす!」 「おいバカ千尋引っ張るな痛い痛いっ!んじゃまたなシュタムファータァっ!」 「はい、お二人とも行ってらっしゃーい」 境内まで来たところでオレの襟を掴む千尋の手を引きはがし、態勢を整える。 「んで、相変わらずのこの暑さなんだが、今日はどうするよ千尋」 「夏場はもう自転車が基本っしょ!バスは限られた勇者にのみ許される乗り物だからな!」 「たしかに、この気温の中あの人口密度によって起こる熱気に耐えられるのは勇者だけだろうよ」 この季節、バスの中の空間歪んでるもんな。 「じゃあ私自転車取ってくるわ。下で合流ね!」 千尋が自転車を取りに行っている間に石段を降り、自分の自転車に跨る。そして間髪入れず千尋が自転車に乗りながら石段のスロープを降りてくる。 「今日も天気が嫌になるほどいいねっ!絶好の自転車日和!」 「少しは曇ってくれてもいい気がするけどな」 千尋の後を追うように自転車を走らせる。いつもよりスピードを出しているため、顔や体に当たる風が心地いい。 「……ヤスっち、なんかあった?」 ふと千尋がオレにそう問い掛ける。……相変わらず、オレの微妙な変化に鋭い。付き合いが長いだけはある。 「どうしたんだ突然? 別に、何もねぇよ」 「なんかこの前も一回似たような顔してたよね、ヤスっち。二週間くらい前かな。学校サボったり早退したり……。 ねぇ、なんか困ったことあるなら言ってよ。私馬鹿だから役に立たないかもだけど、一人より二人じゃない?」
「…………」 オレは千尋の言葉に対して即答することが出来なかった。一瞬シュタムファータァのこととかを忘れて千尋の善意に甘えそうになったからだ。 「大丈夫だっての。ちょっといつもより疲れてるだけだ」 「……馬鹿」 千尋はそう一言言うとそれ以上深く突っ込んでくることはしなかったが、オレが誤魔化したのも看破されているようだった。 「(千尋に話したって千尋が危険になるだけだ。事が事だから仕方ねぇだろうが)」 そりゃあオレだった出来るのならせっかく心配してくれている千尋に対して応えたい。だが、応えるわけにはいかないのだ。 「千尋……悪い。だけど、心配してくれてんのは素直に嬉しい」 だから。せめて千尋に対して、感謝の言葉だけは伝えたかった。 「うん……わかった。私から切り出しておいてなんだけど、この話はここまで。学校までこの感じのまま行きたくないっしょ」 「そうだな」 そうしてこの話を互いに掘り返すこともなく学校に到着し、駐輪場に自転車を停める。すると、見知った人物が前に歩いてるのを見つけた。 オレはそのまま挨拶せず見過ごしたかったのだが、千尋がそれを許すはずもなかった。 「おっはよーハル姉っ!久し振りーっ」 「うわきゃっ!び、びっくりしたぁ……、守屋さん、挨拶するときはもう少し静かに、ね。それとハル姉じゃなくて「神守先輩」、でしょ」 神守遙……先輩。椎名が所属する弓道部の主将にして、一応オレや千尋、伊崎と千春とは幼い頃から知っている仲である……が。 「えええーっ、いいじゃんハル姉でーっ」 「おい止めろ千尋。……神守先輩、おはようございます」 ギャーギャー騒ぎ立てる千尋を神守先輩から引き剥がし解放してやる。朝っぱらから飛ばしすぎだろう。 「ぶー、なんだよヤスっちーっ」 「いいから行くぞ」 そのままオレは千尋を引っ張りながら神守先輩の横を通り過ぎて校舎に入り、ある程度進んだところで千尋が口を開いた。
「なんかさー、気のせいかもしんないけど、椎名さんとヤスっちって何か妙にハル姉に冷たくない?」 「お前の態度が変なだけだ。神守先輩、迷惑そうだったろ。……それに椎名もオレも他人に対してはあんなもんじゃないか?」 「他人……ねぇ」 千尋が溜め息を吐きながらそう言い、オレが言葉を返そうとするも一足先に教室に入ってしまう。 「おっはよーっ」 皆に挨拶する千尋の横を通り過ぎて、オレは静かに自分の席に着きバッグを置く。そして松尾と椎名が話している所に向かう。 「お、うーっす安田」 「おはよう安田」 「おう」 適当に会釈を済ませ、先生が来るまで他愛のない雑談で時間を潰す。先生が来て、授業が始まり、いつもと変わらぬ日々が過ぎていく。 蒸し暑い気温の中つまらない授業が過ぎ、いつもの面子で昼食を終え、気が付けばあっという間に放課後になっていた。 「シュタムファータァから連絡はなし……か」 携帯にはメールも電話も来ていなかった。1日探しても見つけられなかったということは、やはりオレの勘違いだったのだろうか? 「安田ー、帰ろうぜーっ」 松尾が後ろから背中を軽く叩いてくる。椎名の姿はない。……今日は部活か。 「おう」 軽く返事をしてバッグを肩に担ぎ、松尾と並んで教室を出る。時刻は午後四時。窓から見える夕日が綺麗だった。 そのまま階段を降り、校門を出て駐輪場へ向かう。すると、オレの自転車のところに人影があった。 その人影はこちらへ携帯のディスプレイを向ける。そして、ディスプレイに表示されていた文章が目に入った。 『私の名前は、リーゼンゲシュレヒト・シュヴァルツ。騒いだら、この男を殺す』 携帯を掲げ、オレの自転車に優雅に座る―――銀髪の少女が、ニヤリと口を歪めた。
「ふーむ、やっぱりヤスっちさんの勘違いだったんでしょうか」 一日中揺籃を回ってみたが、私以外のリーゼンゲシュレヒトのセカイの残滓すら見つけることが出来なかった。 「(私が"感知"に優れたリーゼンゲシュレヒトだったら別だったのかもしれないですけど、私自身人並みかそれ以下ですしね……)」 まぁ今日のところはここまでにしておこう。仮にリーゼンゲシュレヒトが襲来してきたとしてもまだ戦いを仕掛けては来てないし。 私とヤスっちさんはこの揺籃を守ろうとしてるだけだ。不必要にこっちから仕掛ける必要もない。 今日の連絡をしようと思って、ポケットから携帯を取り出すと、"突然携帯が爆発したように粉々になった"。 「っ!? 敵、どこから!?」 即座に私は走り出し、近くにあった森林の中に逃げ込む。 今、私の携帯を破壊したのはリーゼンゲシュレヒトによる"セカイ"の弾丸。 実弾に"セカイ"を付加して撃つより威力は劣るが、痕跡を残さないという点で暗殺者や狙撃手のリーゼンゲシュレヒトが好んで使う技だ。 「そして弾には"セカイ"を感じたけど射手の"セカイ"は感じることが出来なかった。つまり……!」 私の感知外の距離から攻撃してきたということは十中八九相手はスナイパーだ。尚且つ相手の感知距離と能力は私より遥かに優れている、ということ。 私が認識すら出来ない距離から私を見つけ出し、あまつさえ私の携帯だけを狙い撃つという技が出来るリーゼンゲシュレヒトは、感知タイプしかいない。 「おそらく相手は"ラングオーア"タイプ。しかも狙撃で戦うほどに距離が離れてる相手に対して私が持ってるのは刀のみ。……マズいですね……」 "ラングオーア"とは固有名詞を指す言葉ではなく、リーゼンゲシュレヒトの"種族"の一種を表す言葉だ。 "ラングオーア"はドイツ語で"長い耳"を意味する。その名の通り、リーゼンゲシュレヒト状態になると頭部に長い耳のような物があることからその名が付けられた。 そして、"ラングオーア"に共通するのは"長い耳"、そして――― 「普通のリーゼンゲシュレヒトを遙かに凌ぐ、感知能力……!」 『よく知っていますね、さすがです』 頭の中に直接声が響いてきた瞬間、私の隣りにあった木に弾丸が撃ち込まれ、メキメキと音を立てながら倒れていく。 「くっ……!貴方は一体何者ですか!?"セカイの意志"ですよね!?」 森林の中をどうにか住宅街の方向へと走っていく。方向があってるかどうか自信はないが、止まったら殺される……! 『何者と聞かれて答える敵は物語の中だけですよ、罪深き始祖。あ、私"純白の雪華"リーゼンゲシュレヒト・ヴァイスと言います。よろしくお願いします』 答えてんじゃん!とツッコミを入れようとした瞬間に再び着弾する弾丸。私の目の前の地面に小さなクレーターが完成した。 『貴女と一緒にいたあの男も、私の仲間が丁重に迎えに行ってます。貴女も大人しく投降すれば命の保証はしますが』 「これはどうも丁重にありがとうございます。ですが、まだ王手はかけられてないので足掻いてみようと思いますっ!」
咄嗟に横に飛び出し、森林から一般道へと出る。目の前には、駅の建物……! 私は全速力で駅の中へと駆け込み、"認識疎外"を掛けて改札を飛び越える。金を払えないのは悪いとは思うが、今はそれどころではないので勘弁して欲しい。 「ヤスっちさん……、どうか、私が迎えに行くまでどうか無事でいて下さい……!」 ホームの壁際に立ちながら、彼の無事を祈る。先ほどのリーゼンゲシュレヒトの言葉を思い返すあたり、私みたいに会ってすぐ殺すことはないと思っても大丈夫だろう。 相手は『丁重に迎えに行っている』、『投降すれば、貴女"も"命は保証する』と言った。つまり、今のところヤスっちさんの命はすぐ奪われることはないだろう。 故に私は『王手はまだ掛かっていない』と言ったのだ。私にとっての王手は、彼を失うことでもあるのだから。 『ホームに入ったからって、油断しましたね』 その言葉が頭に響いた瞬間、私は咄嗟に顔を上に上げた。 向かいのホームの屋根の上で、純白の長い耳のリーゼンゲシュレヒトがこちらに銃を構えていた。 『チェックメイトです。私はあまり無意味な殺生はしたくないんで、投降してくれませんかね』 万事休すだ……!何故ここまで接近されたことに気付かなかったんだ。自分の馬鹿さ加減に苛立つが、後悔しても、もう遅い。 「私は投降しません。最後まで、貴女たちに抗います!」 『そうですか。では、少し眠っていて下さい』 そして、相手の拳銃の銃口が一周が光り輝いたかと思うと同時に、私の意識は深い闇に落とされた。
>>316 あ、すんません……。白い恋人じゃない、「死のバレンタイン」の「おまけ」ですw
これはひどい誤植すぎる。どこで認識を間違えたんだオレは……orz
>>316 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>316 投下乙です!
あえて言おう、最低です!
>>316 投下乙!それでは、ゆっくり読ませてもらうぜメーン!
>>316 投下乙です!
廻セカに加えて、漫画……だと……?
なにこれSUGEEEEE!
もう300越えだけど一日かかってない件について
投下があると早いのさw
>>316 改めまして投下乙です!
おお、新章突入ですか! ラングオーア……そんな設定もあったなぁ……(遠い目)
しかし白い子と黒い子登場ですか。こっちの二人は名前に子ウサギはつかないんですよねw
そして漫画、ありがとうございます! しかし携帯では容量不足で見れない……orz
とりあえず、
リヒト「あれ、俺いつの間に髪伸びた?」
ウ詐欺さん「似合わないんで早く切ってください穀潰し」
絶望した! 人間キャラ上手く描ける絵師ばっかで絶望した!(自分に
希望した……このスレの成長に希望した……だが今日はもう無理ぽ
>>316 改めて投下乙!
ウ詐欺さん登場とな!?しかしPBMのせいで白い子はともかく黒い子がなんやかんやでやられるようにしか思えないwww
そして遥さんのせいでハル姉ぇが世紀末救世主のような活躍をするんじゃないかと(ry
しかしこれはなんというピンチ。しかしPBMのせいd(ry
そういえば、二次のウ詐欺さんって本編と比べると罵倒が優しいよね。いや、本家が辛辣すぎるだけか……?w
そして漫画sugeeeeeeeeee!!ウ詐欺さんかわいいよウ詐欺さんwあとロリコン師匠髪長いwww
>>324 感想ありがとうございます!
ラングオーアや"純白の雪華"等の設定は原作変わらず引き継いでおりますw
なに、後々シュヴァイゲシュファイフトも出す予定があったりなかったr
そしてリヒトの髪はwikiにあったイラストを元に描いてたらいつの間にああなってしまいましたw
オレが描くと……男って……ロン毛になるんだ。え?勿論オレの趣味に決まってr
>>327 感想ありがとうございます!
黒い子はどうなるんでしょうねwまぁ極論な話、敵な以上やられるのは前提なわけですがw
一応彼女にも活躍シーンはありますよ!……10話以上先の予定ですg
実は最終話辺りのプロットでハル姉が廻セカ版ペネ子に乗ってラスボスを倒すとかいう話を真面目に考えてましたw
まぁさすがにやり過ぎ感があったんでプロット段階で没りましたがw
たしか原作廻セカのシロはそこまで罵倒してなかったよ!してなかったと思う。してなかった……はず
ぶっちゃけた話最後の「最低です」の笑顔が描きたかっただけに漫画を描いただけだったr シロ可愛いよシロ!
>最終話辺りのプロットでハル姉が廻セカ版ペネ子に乗ってラスボスを倒す 主人公の活躍食っちゃらめぇw
遥さん「この物語の主人公さ!」
ヤスっち「ムセテンナヨ!」
>>327 本編も最近は易しいよ!
まあ、初期に比べて出番が少ないだけですが……w
涙が止まらなくなってしまった。鼻水が止まらない。こんなに泣いたのは久しぶり
ちょwwwFF12www
>>331 おお……ちゃんとサンプルが回収されてるといいけど……
>ウ詐欺さんから毒舌と意地っ張りを取っ払うと廻セカの白い子になりまs(ry
なにその綺麗なウ詐欺さんw
こんばんは 書き終えて来て見ると32に突入してました。 投下された皆さま乙でございます。 やはり創作活動はたまらない魅力を感じます。 本日、第一章となるカーティス編が終わりを迎えました。 後に加筆・修正版がテキストで度々出るかもしれませんがお許しください。 一気に最後まで投下出来るか分かりませんがよろしければお付き合いください。 数分後から投下いたします。
俺の通信後、どれくらいの時間が過ぎただろう。 動きが無いんでまた撃たれるかとも思ってた。 次は警告か本気かは分からないけどな。 すると森の奥から移動する何かが見えた。 緊張で息を呑んだぜ。 するとどうだ、 見えたと思ったら物凄ぇ速度でこっちに向かって来るじゃねぇか。 その行動には意表をつかれた。 突っ込んでくるのは考えもしなかったからな。 だけど俺に焦りは無かった。 ビビッて怖気づいた訳じゃないぜ? 冷静さを保ってたんだよ。 雪煙を上げて急速接近する奴の機体。 速度を下げる気は無いらしい。 俺は迎撃態勢を取った。 同時にコクピットで鳴り響く急速接近の警告。 奴の機体にもレーダーロックの警告が鳴り響いたはずだ。 あと僅かな距離で奴との戦いが始まる。 俺が最も望んだ事が今ここで……。 そう思うと否応にも手に力が入った。 メインモニタに映るレーダーの警告が100m以内を告げる。 80、70、60……、速度は下がらねえ。 ――――こいつは一気に来る! 俺はそう思って構えると奴は急停止したんだ。 A226 <<何ぃッ!?>> 殺る気満々だったタイミングは見事にずらされ、 俺は勢い余って一歩前へ出てしまう。 A226 <<ぐっぅ……。>> その時の俺の姿はきっと最高にダサかったと思うぜ。 奴の黙ってたたずむ姿が余計にそれを際立たせたしな。 ったく、何がしたいんだ。 俺は機体の中でぼやいた。 奴との距離は約50m。 視認でのファーストコンタクトだった。 初めて見る奴の機体。 フェリスなんて偵察機は何処の隊でもガレージに一機は居たんだぜ? こんな珍しくも無い機体いつでも見ることが出来る。 気にもならない機体、の筈だった。 筈だったんだ。 ―――だがな、 あの時だけは……、言葉にならなかった。 A226 <<…………………………>>
目の前に見える奴の機体。 森を背景に全身を白で統一したペイントは軽装甲特有の細めで流線型のフォルムを際立たせた。 直立不動してこちらを見つめる赤いカメラアイが俺の視線を誘導する。 外観のカスタムなんて僅かなもんだった。 色だけであんなに変わるかと疑りもした。 少しだが雪も降ってたし、月明かりもさしてた。 状況として神秘的に見えちまう条件が揃ってたかもしれない。 ―――それでもだ、 それでもやつの白い機体は異常なほど美しいんだ。 仲間を殺った敵機、なのにそう思わせるオーラがあれからは出てた。 数秒だろうか俺は奴の機体を見て惚けちまった。 そして気づいた。 奴の機体は真っ白じゃない。 白を基調にした都市迷彩だと。 それに奴の右腕。 人で言うところの二の腕の部分が真っ赤に塗られている。 何かのまじないかジンクスか―――? 白い機体だけにそこがやけに目に付いて見えた。 奴は微動だにしない俺に呆れたのかこちらに銃を放り投げて見せた。 それで俺は我に帰ったよ。 A226 <<!? は、は、は。ははははは!! お前馬鹿だろう!?>> 余韻が残ってて言葉がおぼつかなかったが俺は奴の行動を見て叫んだ。 無線はオープンのままだ。 この言葉は奴にも聞こえてる。 テメェで誘っておいてなんだが流石に呆れたぜ。 この状況でこちらの誘いに乗って来るんだ。 ただの無計画野郎か俺が相当弱そうに見えたんだろうな。 奴はこちらの言葉など気にせず自身の近接武器を確認していた。 そんな態度を見たら、わかるだろ? もちろんムカついたよ。 奴は右腕を胸の前に出し見つめるとピタリと動きを止めた。 その瞬間、大きな炸裂と共に手の甲と内側からパイルが突き出す。 A226 <<あっは、こいつぁ……良いぜッ!!>> そうだ、奴もまたパイルを装備してる超近接戦闘機体って事だった。 それもえげつねぇ、デュアルパイルときやがった。 俺と同じで白兵戦が大好物ってやつさ。 対して俺のは、ADF-X709A ヘビーメイス。 重装甲と高機動ブースターに併せて後方バーニアを4発積んだ特注機だ。 迎撃を得意として白兵戦に大きく特化させたバランスはこういう時にこそ発揮される。 俺は奴の姿を見て右腕を胸の前に出すとしばらく静止した。 奴に対する敬意と思ってもらっても構わない。 戦う前の高揚って奴なのかね、身体が震えたぜ。 俺も奴も準備は万端だ。 身体が前へ行きたくてうずき始める。 この時の感じをどう形容して良いんだろうな。
A226 <<パイルか……、同じだったんじゃねえか。……同じなら分かっちまうだろ?>> A226 <<抑えきれねぇ…………。この感情をなぁあぁあああッ!!>> 俺は全身で叫ぶと同時に奴の懐に飛び込んだ。 この機体で50mなんて一秒もかからねぇ。 その代わり体感するGも半端じゃねえがな。 A226 <<まずは挨拶といこうぜぇッ!!フェリス・ドライブ!>> 俺は左肩でのフェイントを入れながら急接近すると、 右の拳をボディアッパー気味に放つ。 パイルのタイミングは触れるか触れないかで炸裂させるのがベストだ。 次の行動も取りやすいしな。 もちろん奴はこちらの動きを読んでいた。 フェイントなんて効いちゃいない。 軽いステップで後ろに軸を置くと こちらの右に合わせて奴も振り下ろして来やがった。 A226 <<はっはァッ!!やっぱり単純にはいかねぇなァ!!>> 綺麗に交差する俺と奴の右腕。 俺は構わずそのまま腕を振り抜いた。 互いの腕が火花を散らして接触すると引きずるかの様に接近し、 メインカメラ近くで互いのパイルが炸裂する。 俺も奴も不安定な位置で腕が跳ね上がると体勢を大きく崩した。 A226 <<これがどちらかの心臓を抉るかと思うとゾクゾクするぜッ!! お前もそうだろ?フェリス・ドライブ!!>> 俺は素早く体勢を立て直すと奴に向きなおした。 モニタに捕らえたときには奴も完全に建て直し終わってた。 A226 <<凄いな!!こいつはすげえェっ!!>> 攻撃のモーションの度に脳みそから何かが出てる。 異常なテンションだ。 様々なものがスローに見える感じがした。 あの時は冴えるって言うレベルじゃなかったぜ。 今までどんな戦場に行っても経験をした事が無い感覚。 俺はこれが死闘なんだと直感した。
奴は特別だ笑いがこみ上げる程のな。 俺は一挙一動に集中した。 互いの息遣いが聞こえるような錯覚を感じる。 脳の中では様々な攻撃を想定してはそれに反撃を繰り返した。 今の俺にどんな死角も無い。 そう思えるほど神経が高ぶっていた。 互いの攻撃が空を切ると同時にパイルが炸裂する。 俺と奴の攻撃は避ける事が出来なければ終わりだ。 受け流しなんて技術は使えない。 受ければそこに風穴が開くからな。 そして、奴が避けた場所には必ずキルゾーンのトラップがあった。 下手に手を出せばそこで待ってるのは死だ。 一瞬の判断ミスが死に繋がるそんな時間を奴と過ごした―――― A226 <<……ったく。流石としか言い様がねえ>> 戦いが始まってすでに何時間経過したんだ。 俺達は一度距離を開けると互いに停止する。 A226 <<あーあ、何だよこりゃ……>> パイル用の残弾数を見ながら俺はつぶやいた。 一体何発撃ちゃあ済むんだ。 パイルフレームにガタは来てないが換装は必須だ。 フレームモニタの映像は真っ赤になっている。 これだけやって互いに被弾はゼロ。 撃った数も新記録だが当たらなかった数も新記録だった。 俺の残弾は……、残り4発。 今更嫌な数字とかは言ってられねえ。 何しろこのまま行くと今度は燃料がヤバイ。 無数のSTOP AND GOを繰り返す戦いでかなりの燃料を食っていた。 それはきっと奴も同じだろうけどな。 このタイミングを境に俺たちは段々と手数が減り始める。 互いに接近戦用の兵装はパイルのみ。 なくなっちまえばただの殴りあいになっちまう。 悪かねぇがその前に燃料切れで共倒れだ。 ウォーカーを降りてまでの殴り合いは勘弁してほしいところだ。 そうなっちまったら興ざめ以外の何でもねえ。 奴のパイル用弾数も気になったが隙あらば打ち込む。 奴に勝つ為にはそれしか方法は無かった。
――――それにしても。 奴の機体は何だってんだ。 考えても謎しか出てこねえ。 奴のはフェリスの形をした別の機体、そう思えてくる。 特にあの異常な機動力だ。 何度も死角を突いたがそれをかわし切られちまう。 近接格闘のセオリーが全く通用しねえんだ。 セオリーを通すつもりも無いが奇抜な事をやったところで それもかわされちゃ手の打ちようが無い。 後ろを何度も見たがブーストしてる気配も無え。 バーニアらしき機構も見受けられねぇ。 ありゃあどうやって移動してんだ……。 俺は戦闘中だってのにまた考えこんじまった。 それが原因でやられてるってのに俺もつくづくお調子者だぜ。 奴がそれを感じ取らなかったのは救いだったけどな。 それから数回、奴と交わったがやはり埒が明かなかった。 毎回仕切りなおしてる様なもんだからな。 強さが均衡してるのか相性が合わないのか……。 モニタを見るとパイルの数はあと2発。 ――――いよいよ正念場だ。 俺の気迫を感じ取ったのか奴も動きを変えてきやがった。 さあどうする? フェリスのパイロットさんよ。 俺は心の中でそうつぶやくと奴に詰め寄った。 左右のけん制を織り交ぜた奴のパイルが炸裂する。 もちろん俺に当たりはしない。 奴の射出用弾数はあと何発なんだ……。 そんな言葉が頭をよぎった時だった、 再び奴の攻撃が俺の機体をかすめる。 パイルの射出は、 ――無しだ。 弾切れ、……か? 撃たないからと言って安易に弾切れとは考え難いがな。 そう思いながらも俺は心の奥でほくそ笑んだ。 俺もきついが奴も同じ状況らしいからな。 俺は細かな攻撃を繰り返し奴の動向を疑った。 そこで訪れる初めての好機。 こちらの攻撃をかわし切れずに体勢を崩すと片ひざを付いたフェリス。 奴の動きが初めて止まった!
A226 <<こいつでッ!終わっ……>> 俺はここぞとばかりに数少ないパイルを打ち込む。 しかし、 手ごたえは―――― 奴はこちらの動きに合わせて素早く持ち直すと、 俺のパイルは空を切っていた。 ……あの機動力は反則だろ。 とうとうパイル用弾数はあと1発。 燃料は1時間がいいところだろう。 奴もあれからパイルを出していない。 温存してるか本当にゼロのどちらかだ。 燃料も然りだろう。 これは誘いに乗ったほうが負けだ。 下手な手は出せないが相手を誘わないと勝てねぇ。 何だかんだでジリ貧になっちまった。 脳裏に一か八かと言う言葉がよぎるがその考えはまだ早い。 余裕なんて全然無いんだけどな。 さてどうする――― 俺は一瞬だが気を緩めた。 ……これが最悪な結果を引っ張っちまった。 偶然にも奴はそのタイミングで俺に詰め寄ってきやがったんだ。 俺は完全に不意を付かれる形で接近を許しちまった。 A226 <<なッ!、ッんだとッ!?>> この戦いのファーストヒットは奴だった。 奴は低い大勢で一気に幅をつめると頭部を打ち上げるように左を放つ。 もちろん俺は完全に出遅れたままだ。 A226 <<畜生ッ!!動けェェェェッ!!!!!!>> 俺は身体を捻ると緊急回避を試みた。 当たるのは確実だったが直撃だけは避けたかった。 僅かにずれた奴の左が頭部に当たるとカメラアイの一部が弾け飛んだ。 それと同時に全身へ走る大きな衝撃。 コクピット内のサブモニタが変型して弾けると俺の頭部に突き刺さった。 A226 <<ぐぁぁぁあああああぁぁあッ!!>>
SYSTEM <<サブモニタ反応消失。左メインカメラ中破。視界レベル-45%>> A226 <<うるせえッ!!分かってる!!>> 素っ気無い音声が警告を促すと俺は怒鳴りつける。 今の攻撃でスクリーンの半分が信号をロストしやがった。 いくら割れにくい素材とは言え今の衝撃じゃとても耐えられない。 モニタは歪な形で砕けていた。 食らった破片による傷も酷い痛みだったが俺の視界に問題はなかった。 攻撃と同時に視界の隅に消えた奴は反動を付けて返しの右を左肩近くに合わせる。 奴の狙いは―――― そうコクピット側面だ。 A226 <<調子に乗るな!!誰が続けて貰うかよッ!!>> 俺は体勢を崩しながらも奴の右に合わせて打ち返す。 火花を上げてぶつかり合う右アーム。 反動で僅かに間が開くと俺はそこに左腕を入れ押し返した。 しかし、 奴は素早くそれに反応すると交差する機体の間にパイルをねじ込ませ炸裂させる。 左肩のジョイント部に直撃するデュアルパイル。 接合部が一瞬で炎を上げると小規模な爆発を起こした。 SYSTEM <<左スレイブアーム大破。駆動低下領域-97%>> 俺は近距離の爆発でコクピットの四方に身体と顔を打ち付ける。 口の中が大きく切り裂け大量の血液が溢れ出た。 A226 <<ぐぅぅぅぁっ!くそがぁッ!!やるじゃねぇかッ!!>> 切り返そうと俺はメインモニタを睨む。 すろと、 奴は無理な状態でパイルを炸裂させた事で体勢を大きく崩していた。 A226 <<―――――ッ!!>> ここで訪れた起死回生の好機。 このチャンスを逃したらもう後は……。 考えてる暇は無かった。 俺は一気に間をつめると奴はそれに合わせて体勢を立て直そうとした。
A226 <<遅ぇッ!!させるかよッ!!>> 俺は更に身体を密着させると、 立て直す動作に合わせて奴の胴元に右腕を打ち込む。 そして、 すかさずパイルのトリガーを引いた。 A226 <<もらっっッ!!たぁぁあぁぁああぁぁッ!!>> 叫ぶと同時にモニタへ鮮血が飛び散る。 炸裂音と共に奴の胴体に射出されるパイル。 火花と共に金属の拉げる大きな音が響き渡ると、 フェリスの軽装甲は一瞬で貫通し胸に大きな風穴が開いた。 奴は食らった反動を逃しきれずに後方へ倒れこむ。 A226 <<どうだッ!!風穴が開いてちょっとは涼しくなっただろっ!?>> 俺は右腕の反動で後方に下がると奴の機体を確認する。 あのパイルにはかなりの手ごたえを感じた。 まるで素手で殴った様な感覚だ。 位置的に考えても致命的なダメージは免れない。 俺はそう確信すると身体が震えた。 A226 <<……………終わった……な>> 俺は突然訪れた静寂に少し戸惑っていた。 奴の機体の側で小さな風が吹き抜けると粉雪が舞う。 その光景にさっきまでの戦いが嘘の様に感じた。 心臓の鼓動と共に頭に受けた傷が疼く。 身体から奴と戦っている感覚が全然抜けない。 俺は静かに目を閉じるとこの状況を噛み締めた。
――――今ここに立ってるのは俺だ。 奴の機体はあれからピクリとも動かない。 あの位置での直撃だ間違いなく大破している。 水平に入っていれば機体はもちろんパイロットも絶命しかねない。 急いで打ち込んだ事もあり正確性は欠けていたがな。 俺はモニタで確認しながら慎重に近づいた。 そして―――― 俺は奴を見下げる位置まで近づいた。 奴は死んだのか……? フェリス・ドライブは完全に沈黙している。 胴体に空いたパイルの痕。 興味本位とは言え安易だった。 それを覗き込もうと機体を傾けた時だった。 モニタに映る言葉を見て俺の背筋は凍りつく。 SYSTEM <<Hard enemy radar spike!!>> (注意しろ、ロックオンされた!!) 突然鳴り響く警報。 想像もしてない出来事だった。 こんな状況で反応なんて出来るわけが無い。 固まった俺を尻目に一瞬で上体を起こすフェリス・ドライブ。 奴は俺の頭部を鷲掴みにするとすかさずパイルを炸裂させた。 A226 <<なッ!?うぐぉァアアああアッ!!!>> 激しい爆発と共に弾け飛ぶ頭部。 衝撃で口の傷が大きく開くと例えようの無い激痛が身体を走った。 SYSTEM <<メインカメラ及び頭部計測機器からの反応消失。メインモニタ使用不能>> 一瞬で機体の全視覚を持っていかれた。 見えているのは僅かな計器が示す数字だけだった。 A226 <<ぐぅぅうぅううッ!!な、何て野郎だッ……。>>
痛みを堪えながら俺は叫んだ。 奴はやられたふりのまま俺を誘っていやがった。 俺は致命的なダメージを与えたと油断しきってたんだ。 言い様がねえ失態だ……。 起死回生の筈が即裏目に出ちまった。 目となるカメラをやられた俺はどうする事も出来なかった。 とにかくベイルアウトしないとヤバイ。 そう思った矢先だ。 奴は俺を一気に押し倒すと素早くマウントポジションを取った。 A226 <<うおぉぉあぁぁああぁあッ!!!!>> 激しい振動と共に至る所から金属のきしむ音が鳴り響く。 コクピットの中は飛び散った血で酷い事になってた。 まるでホラー映画の様にな。 俺は完全な形でマウントを取られた。 これじゃ逃げることも出来ねぇ。 殴られ続ければ衝撃でのショック死か潰されての圧死が待ってる。 俺は見えないながらも右腕で交戦したが炸裂音と共に動かなくなっちまった。 悪あがきも呆気なく止められちまうと遂に手の打ちようが無くなった。 俺は動きを止めると辺りには静けさが戻る。 奴は俺の殺り方でも吟味しているのか? 前方から感じる見えない圧力に嫌な思考が頭を巡る。 にしても嫌な静けさだ。 自分の心臓の音しか聞こえないんだからな。 もちろんそんな時間は長く続かない。 デカイ音と同時に機体に激しい衝撃が走ると目の前のメインモニタが大きく歪み始めた。 奴は俺のコクピット部分の装甲板を殴り始めたんだ。 一発、また一発と大きな衝撃と共にモニタが砕け散る。 A226 <<ぐぁああぁぁっ!!畜生ッ!!>> 激しい衝撃と共に傷口が開くと俺は言葉にならない叫びをだした。 A226 <<くそがぁ!!一思いに殺りやがれッ!!>>
まさに生殺しだ。 これから死ぬってのにドラム缶の中に入れられて殴られている気分だった。 すると奴は数発後に殴るのをやめたんだ。 ああ、もちろんそれは終わる為に止めたんじゃねぇ。 今度は不気味な金属音が聞こえ始めやがったんだからな。 A226 <<なんだ……。こんどは何だってんだッ!?>> 割れたモニタの奥から金属のきしむ様な音が聞こえる。 ギギギ、ギギギと言った感じの嫌な音だった。 その音がしばらく続くとコクピットの淵がきしみによって開き始めてた。 一体何を考えて……。 俺がそんな事を思った時だ、そこに現れたのは白くてデカイ塊。 ―――奴の指だ。 指先はその穴を外側にこじ開けると俺の顔が見える程度の小さい穴を作った。 月明かりと共に目前に見えるフェリスの頭部。 俺は望まない再会を果たした。 A226 <<一体何がしてぇんだテメェッ!!殺すなら早く殺りやがれ!!>> 奴の行動に俺はキレていた。 なぶり殺しにされる奴はこんな苦しみを味わうのだろうか。 何も出来ないまま相手の好きなように弄られ……。 そう思うと俺は恐怖していたのかもしれない。 ―――――そして向けられた右腕。 226 <<へっ、最後までパイルとは光栄だね。一体何発もってやがるんだ>> もう奴の特別仕様にはうんざりだった。 俺はいやらしく過ぎる時間の中で、 その右腕を見つめながら最後の時を待ったよ。 そして時は来た。 炸裂音がなると同時に奴の腕が光ったんだ。
――――なあ、知ってるか? 人は事故や死ぬような出来事を体験するとき それまでの人生を一瞬で思い出すそうだ。 あとスローモーションでその場の時間が通過するんだってな。 しかし俺は信じてなかった。 経験した事も無かったしな。 だけどそれは本当だった……。 奴の右腕を見ていたあのとき、炸裂の光を見たあの時。 パイルが物凄いスローモーションでコクピットの装甲を突き抜けてきやがった。 杭の先が間近に見えた。 あんなでかいのが来るのかってな。 音も何も無かった。 ただただ壮絶な光景が見えてるだけでな。 その後は覚えていない。 俺は暗闇の中に落ちちまったからな。 ……………。 ………。 ……。 ――――暗い。 暗くて静かな世界だ。 死んだらこんな世界がまってるんだと思った。 身体も全く動かねぇ。 ただひたすらにこんな時間を過ごしてれば良いのか。 死んだ後ってのは楽なもんだな。 俺はそう思った。 ――――ん。 何処からかフクロウの鳴く音が聞こえやがる。 死んだらフクロウが迎えに来るのか……。 そんな事を頭に思い浮かべると冷たい外気で俺は我に帰った。 畜生、身体が冷えてやがる……。 一体どうなってるんだ。 俺は死んだ筈じゃ――― そう思うと無意識に目が開いた。 開けたと同時に差し込む強い光。 俺は目を細めながらその明かりを見つめた。
「な……、どうなっ……」 目の前に見えたのはあのやけに明るい満月だった。 俺は混乱している頭を左右に振った。 途端に走る激痛。 俺はその痛みで自分が生きている事を確認した。 鮮明になる視界と共に目の前に広がる光景。 それを見て俺は絶句する。 モニタが在るはずの前面装甲はまるでハッチが開いたかのように消し飛び、 完全に破壊された前面モニタはフレームが僅かに残るだけだった。 機体の横には大きな穴の空いたプレートが横たわっている。 辛うじて残った計器には俺から飛び散った血痕が大量に付着していた。 こんな状況で俺は死を免れたというのか……。 生きている事が納得出来無い俺は無言のままで考え込んだ。 意識を失う直前に俺は突き抜けてきたパイルを見た。 あんな物が目の前から出てきたのに俺は死ななかった。 プレートの穴を見ればどれだけ凄まじい威力を持っていたか分かる。 パイルは俺だけを突き抜けて……。 いやいや、マジックじゃあるまいしそんな訳あるか。 じゃあ一体どういう事……、 俺は視線を穴の方に向けると頭にある言葉が浮かんだ。 ――――「進入角」 ふとその言葉が頭に浮かぶと俺はコクピットの中を見上げた。 頭上に見えたのは斜めにずれた穴だった。 まさか……。 あの近距離で外れた……のか?
生きてるとはいえ納得がいかない展開だった。 完全に動けない俺を狙って打ち込んだパイル。 状況的に考えても外す方が難しいだろう。 わざとに外すとしたって数センチ違うだけで俺は死んじまってるからな。 ――――しかし、 俺の上にある穴は現実にそれを物語っていた。 偶然……としては出来過ぎだろうか。 どんなに考えても納得のいく答えが出ることは無かった。 俺はいい加減考えることをやめると目を閉じた。 冷たい風に空気が澄んでるのを感じる。 死んでいたら気にする事も出来ない感覚だ。 ゆっくり目を開けるとそこにはあの満月が見えた。 今となっちゃ奴だけが知っている。 俺に敗北をプレゼントしたあのフェリスの行き先を。 「…………はぁ」 小さく溜息をつくと辺りを見回した。 あれからどれだけの時間が過ぎたんだろう。 ウォーカーの動力はとっくに切れちまってた。 こういう事態にウォーカーってのは強い。 身体を包み込む構造のコクピットは非常時には体温低下を防いでくれる機能があったからな。 お陰で顔周辺しか寒くないんだ。 しかし動力が無くなれば身動きが取れない……。 「メインフレームの強制解除は……」 あったぜ。 俺は両手の小指の下ある小さなレバーを器用に引いた。 空気が抜けるような音と共にフレームロックが開放されると前面のパネルが勢いよく弾けた。 同時に発生した激しい振動で痛みに悶絶したぜ。 それから程なくして俺は自由を手に入れたんだ。 「あーあ……、ひでぇもんだぜ……」 月明かりが照らす中、改めて見直す自分の機体。 損傷のレベルが半端では無い。 違うなこれはすでに損傷じゃない。 全損だ。 そんな愛機の胴体部分に腰掛けると俺は途方にくれる。
「助かったって言ってもよ……、どうしたもんかね……。」 空では月が俺を見つめている。 その明るさが痛々しかった。 たまに香る草木の香り。 それだけが俺の心を落ち着かせてくれた。 ――――すると。 風が吹くたびに何処からか擦れる様な音が聞こえる。 考え事ばかりして気づかなかったんだろうな。 俺は耳を立てた。 ……かなり近い。 しかし、いつからこんな音が。 一度気がついちまうと今度は気になって仕方が無い。 やる事も無かった俺は音の方向を隈なく探し始める。 「どこだ…、どこにある」 近づくにつれその音は紙が風にあおられてる音だと気づく。 俺の機体にマニュアルなんてものは乗ってない。 こんな場所で存在しない物が音を立ててるんだ、好奇心をそそるだろ? 見つける事に意味も無く集中したよ。 ……が。 何処を探しても見つからねぇ。 音は近いってのにな。 まさか俺の背中か? なんて思って探ったがもちろんそんな場所には無かった。 畜生、無駄に動いて体中が痛ぇ…。 奴に散々やられた挙句の宝探しときたもんだ。 とんだクリスマスになっちまったよ。 俺は面倒くさくなって機体に寄りかかると、満月の見える空を見上げた。 その明るさはまるで人工物の様だった。 そして、 更に上を見上げると満点の星空と一緒に見える紙切れ。 「…………………。」 ――――――紙切れ? 俺は急いで振り返ると機体のコクピットを見た。
「すげぇ近くじゃねぇかよ……。」 捜し求めた音の正体。 それは俺の乗っていた場所のすぐ横にいたんだ。 がっちり貼り付けた粘着テープと共にな。 俺はその貼り付けられた紙を凝視した。 どう考えてもコレは人の手によるものだったからな。 その紙切れを手に取ると手触りを確認する。 厚手のノート用紙か……。 薄い青の葉がモチーフで飾られていた。 俺は表面に何も書かれていない事を確認するとおもむろにひっくり返した。 ―――――そこに現れた一文。 俺はそれを見て思わず笑っちまった。 Yo buddy. Still alive? (よう相棒、まだ生きてるか?) 何があるかと思えば……ったくよ。 あれだけやっといて生きてるかだと? 互いに殺し合いをしてたってのにふざけた野郎だぜ。 さらに奴は俺が見ることを前提にこの手紙を置いていきやがったんだ。 こんながっちり張り付けやがって。 ―――しかし、なんだ。 終われば相棒か……。 奴に認められたって事かね、まあ悪い気はしなかった。 俺はそのつまらねえメモをポケットにしまうと、 機体に付いてる救難信号の事を思い出した。 やられた事が無かったからなそれまで存在すら忘れてたんだ。 手短な内容で基地に救援を頼むとしばらくその場に座り込んだ。 結局、奴は何の為に現れたんだ……。 目的も掴めないまま部隊は全滅。 おまけに陸の孤島に置いてけぼりときた。 唯一判ってる事と言えば、 どっかの刑事も真っ青なくらい不幸なクリスマスだったって事くらいだ。 それから10数時間後だったな。 俺の元に救援隊が到着したのは。 ほんと寒くて死ぬかと思ったよ。
そして、 救援隊から知らされたのは驚愕的な内容だった。 俺の確認と一緒に死んだと思ってた3人の生存が確認されたんだからな。 聞いた瞬間何を言ってるか分からないくらい驚いた。 やられ加減は様々だったが全員命に別状は無いと聞いた。 診断を受けて分かったが俺のほうがよっぽど危なかったらしい。 奴との戦いで至る所を負傷してたからな。 結局、一番最後に退院したのも俺だった。 軍病院を出て本営に戻る前日だったかな。 俺は奴らとの再会を果たしたんだ。 バーで顔を見合わせた瞬間に全員が目を潤ませやがった。 俺はまだ死んでねぇってのに。 まったく情けないったらありゃしねぇ。 ……俺も危なくもらいそうになったけどな。 全員が集まった所で始まったのはもちろんデブリーフィングだ。 負けたとは言え全員生きてたんだ。 反省会は必要だろう。 俺自身当時の状況が気になっていたしな。 まずは最初にやられたジェリーだ。 奴は発見当時かなり高い木の上で貼り付けにされてたらしい。 ジェリーの機体は最初の一撃で頭をやられたと言っていた。 その後フェリスによって首元の穴から引き抜かれるとそのまま木の上に持っていかれたんだとさ。 まるで獲物を奪い取るサルのようだぜ……。 しかし、 頭をやられた瞬間にオートイジェクターが効いたのは不幸中の幸いだ。 オートイジェクターはベイルアウトする際に働く内部のロック解除システムだ。 これが動作してなかったらジェリーは身体が抜けずに引き裂かれちまってたからな。 奴は最初から知ってて頭を? まさか偶然さ。 トムとブルは俺と同じやられ方だな。 絶妙な射撃で特定の位置を打ち抜くと動力源をうまく殺してそこでストップ。 俺より楽にやられただけ幸運さ。 奴らも過去の記憶とスローモーションは見たって言ってたぜ。 かなりきわどい位置を撃たれてたからな。 何はともあれ共通の話題があって良かった。 俺は今回の出来事を適当に締めくくると酒盛りを始めた。 今はまず生きていることを喜ばねぇとってな。 久しぶりに奴らと朝まで飲んだぜ。
俺たちが本営に戻れたのはこの出来事の4日後だった。 まずは病院送りだったからな。 結局、 俺達の前に現れた奴、フェリス・ドライブは、 いいだけ部隊を翻弄した後、何故か全員を殺さずにどこかに消えちまった。 目的も何もあったもんじゃねえ訳のわからない結末だった。 カーティスはそう言い終えるとまた冷めたコーヒーを口に運んだ。 「…………………。」 彼の話が終わると私は呆けてしまう。 ……確かに結論も目的もあったもんじゃない。 彼の戦闘体験談を聞いたに過ぎないからね。 これじゃ今後の話が全くまとまらない。 今までの内容はなんだったのか……。 そのことを問いただそうとした時、 彼は口を開いた。 「今話した内容は黄昏の始まりに過ぎない」 始まり……? 私は彼の言葉に再び耳を傾けた。 始まり……、にも達しちゃいないかもな。 きっとトリガーに指をかけた程度だろう。 そして、 目的が無いと思われた奴の行動には重要な意味があった。 それは裏で同時に起きていた出来事を把握すれば分かる事だ。 そう言い残すと彼は席を立ち上がる。 この無計画とも取れる襲撃は同時進行によって行われたもの……。 確かにカーティスはそう言った。 彼の足を止めてまで行われたもう一つの出来事とは……。 偏狭の地に赴いていた彼を足止めする理由なんてあるのだろうか……? 見えてこない今後の展開に私は苦悩した。 こんな断片的な情報じゃどうにもならない。 私は今後のインタビューの予定も含め彼との交流を深める事にした。 この物語は彼抜きでは始まらない。 そう心から思ったからだ。 しかし、 先ほど立ち上がったカーティスの姿が見当たらない。 どこにいったのだろう。 私は辺りを見渡そうとソファーから立ち上がった。 その時だった。
360 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/14(月) 18:25:21 ID:hEeAgfbF
さるさん……ですかね?
「まずい! 非常にまずい状態になった」 彼はおもむろにテラスへ戻ると私にそう告げる。 その手には先ほどの双眼鏡が握られていた。 まずい? 一体なにがまずいんだ。 私は状態が飲み込めなかった。 すると彼の口から衝撃的な事実が告げられた。 「俺の嫁さんが戻ってくる」 嫁さん……。 妻って事だろうか。 ――――って。 「カーティスさんって既婚者なんですか!?」 私は思わず叫んだ。 い、いや、結婚してても問題は無いんだ。 ましてや嫉妬とかでもない。 ただ、彼との対話の中で感じた雰囲気からは、 奥さんが居るなんて想像は全くつかなかったわけで、 ある意味今回の内容より衝撃的と言うか……。 彼はやれやれと言った表情でこちらを見るとこう切り替えした。 「まあな、俺自身結婚なんて考えても居なかったし、するつもりもなかったんだが……」 いやらしくニヤリとわらい続けるカーティス。 「それはそれ、運命ってやつでな」 ぐっ、ムカつく。 結婚してる事実にも遺憾だがその顔が更に許せん。 私は顔には出さなかったが心の中で何度も舌打ちをした。 「あとな……」 まだこの内容に続きがあるのか。 私は少し目を背けた。 「俺の事はカーティスと呼んでくれ。"さん"付けは不要だ」 予想と違う内容に私は彼を見つめると、 自分の取った行動をちょっとだけ反省した。 ほんのちょっとだ。
「とまあ、そういうわけで今日は帰ってくれ」 何て単刀直入な退場勧告だろうか。 私は成す術も無く背中を押されると出口まで戻されてしまった。 しかし、 話はまだ中途半端で、次回のアポも取り付けてない。 私は急いで今後の予定を立てようと彼の方へと向き返した。 すると、 そこに突き出されたのは一枚の封筒だった。 「あんたはまず知らないといけない事がある。」 彼は私にそう告げると封筒を手渡してくれた。 「その封筒の中に書いてある人物と合うんだ。そこから全てが始まる。」 手渡された封筒。 そこには見慣れないマークが押し印されていた。 「無事に帰ってきたら話の続きをしよう。その時にきっとトリガーはひかれる。」 意味深なその言葉に私は息を飲んだ。 封筒の中に書かれている人物とは一体…。 無事に帰ってこれたら……。 ―――――無事に帰ってこれたら? 私は彼の言葉を心で復唱すると意味を悟る。 「ちょ、ちょっとカーティスさん。無事に帰ってこれたらってなんです!?」 真実を知ることに危険が伴うのは良くあるが 唐突にそれを突きつけられてしまうと流石に動揺した。 「ははは、冗談だよ。冗談。後。さん付けはやめろよ」 私の動揺した態度に笑いがこみ上げたのか、 肩を叩きながら言葉を訂正するカーティス。 本当か!? 本当なんだな!? 私は心で叫んだ。 「中に書いてある人物は俺の元上司さ。だから安心して行ってきな」 その言葉で私は少し安心した。 なぜ少しかって? そりゃそうさ、 彼の上司だった人がどういった人物かなんて想像もつかないからね。
彼は家の前まで見送ってくれると私はその場所を後にした。 来たときには頭上にあった太陽も今は沈みかけている。 私は思い出したように彼の見ていた丘を見つめた。 米粒ほどの小さな人影が見える。 あれが彼の奥さんだろうか……。 わざわざ待ち伏せしてまで人の家庭を覗く趣味は無い。 私はそう思うと町へ向かって歩き始める。 夕暮れをバックにのどかな風景が続く。 この場所は心を癒してくれる。 そう感じた。 ――――――偶然なのか必然だったのか。 私は今回の戦争に於ける重要な人物と巡りあった。 きっとその出会いはこれから始まるであろう物語で大きな意味を持つ。 私はそう確信している。 その彼によって示された新たな道。 この手渡された封筒は私をどう導くのだろう。 不安と期待が入り混じる中で私は新たな一歩を踏み出す事となった。 そして、 知ることとなる。 出会いによって語られていく真実とそれによって紡がれる運命を。 黄昏のもとに戦場を駆け抜けたあのエース達の存在を……。 Pheriss Strike! - The War Of Strait - 第一章 カーティス・ウィンストン編 P.s. 真実を知ると言うのは儚い事さ。 一日一本のバスが出た後にバス停で待つ私と同じでね。
補足 (※1) UAV - 無人航空機(Unmanned Aerial Vehicle)の略。 本作品で登場するスキャン用UAVは使い捨てです。 ミサイル形状の射出されるタイプの為、 現場まで行くのは速いが細かい操作は殆ど受け付けないと言った感じです。 (大雑把な誘導は可能とします) したがってプレデターのように操作して動き回るタイプでは無いです。 そもそも航空機として扱われて無いので雰囲気としてとらえていただけると幸いです。 (※2) 先進国オリュンポス 士郎正宗氏の漫画「アップルシード」に登場する科学の発展した仮想の国家です。 氏の描く漫画が好きなのもありますが、 作品に登場するLM(ランドメイト)と言われるパワードスーツが ウォーカーのイメージに一番しっくりくるので技術協力と言う曖昧な設定で登場です。 パロディ以外ではどうやっても出来ない設定ですね……。 (※3) ペネトレイター ホラーアクションFPSのF.E.A.R.と言うタイトルで登場する杭撃ち銃。 爽快な発射音と共に敵が壁等のオブジェクトに貼り付けになる姿は昆虫標本の様。 対装甲兵用として絶大な威力を持つこの銃をイメージにそのまま流用させて頂きました。 頭にばっすんばっすん撃って楽しんだ記憶があります。Steamで9.99ドルにて販売中。 投下終わりです! ご支援ありがとうございました^^ 途中の無言1時間はさるさんです>< 結構シビアなタイミングで来るんですね……。今後気をつけます。
>>374 さるさん喰らったら避難所に報告していただけるとありがたいです。
というわけで、投下乙です! それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
避難所! そうですねその手があったのか……。 今後活用させていただきます>< UPローダーの方にver1.0を投下しました。 結構様々な部分が書き換えられてます。 カーティスの名称も変わり部隊名も入りました。 (また微妙かもしれませんが……) その他諸々変えましたのでよろしければお楽しみください。 第二章では海峡戦争の原因・両国の関わりなどが語られる予定です。 国の歴史とかを書くので誤字脱字・言い間違いなど多発するかもしれません ご指摘よろしくお願いします。 第二章を前にヘビーメイスとカーティスのイラストもUPできればなぁと思ってます。 ロボットは書いたことが無いのでどうなるか分かりませんが…。 しばらく読めてなかった他者様の作品を見るために潜水します。 それではまた後日お伺いします^^
すまん急いでいるのでこれだけ
つか早すぎて追えねーえよ!
・・・いつも自分のことばっかでほんとすみません
>>14 が、がんばる!
>>148 ホトバシル☆エロス! あなたはすごい絵師だ。すごいエロい絵師だ。
ううむ誰も彼もみな美しい・・・俺のお宝がまたひとつ・・・
はぐれが負傷バージョンで二度ビックリ。ところで、そのペンダントの柄は?
>>334 その節はありがとうございました。
携帯電話の待ち受けにしてるよ!
wikiの編集を自力で何とかと思ったのですが どうもページ編集の仕方が分からなく断念しました……。 更新欄が汚れてしまいすみません。 項目分けして文章を入れても何故かすべての項目が同じに うーん難しい。
>>379 更新乙
自分も更新を心がけてるんですけど…
作品を薦めるので手一杯だ…
一息ついたらこちらも更新します
>>379 自分がやった時は他の人のとりあえず編集だけ開いてそれを見ながらやったよ〜
結構それでなんとかなる
>>376 改めまして、投下乙です!
見逃してくれた、だと……!? 人間じゃないんじゃないのかとも思いましたが、そうでもないみたいですね……一体何が狙いなんだ……!?
というか、まさか嫁さんって(ry
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
それにしても、本スレのなんと寂しい事か!
自分が投下したあと突然人稲になると地味にヘコむw あ、Wikiを更新してくださった方、ありがとうございました!
逆に考えるんだ、みんな読んでるんだって考えるんだ!
>>376 投下乙です! 後でじっくり読ませてもらいます。
最終話Bが中々進まないので割とどうでもいい設定を投下。
小型牽引式輸送車
全長4m 全幅2m 全高2m
中型牽引式輸送車
全長5m 全幅2.5m 全高2.5m
大型牽引式輸送車
全長6m 全幅3m 全高3m
無人小型弾薬補給車「イグルー」
全長4m 全幅2m 全高2m
触手状給弾管で戦闘中、移動しながら重歩兵の各種武装の弾薬を補給出来る支援車両。
便利であるが、搭載出来る弾薬量が少ない、触手状給弾管の仕様上、重い弾薬の給弾が出来ない欠点がある。
大型牽引式輸送車改 小型偵察機母艦「観鈴」
全長6m 全幅3m 全高3m
搭載機 試製小型偵察機100機又は試製小型双発偵察機50機。
某重歩兵中隊が使用している支援車両。小型偵察機の発艦、着艦、各種装備の装着、損傷した機体の修理など全てを全自動で行える。
試製小型偵察機
固定武装 翼内迎撃針弾発射機×2 上部後部可動式迎撃針弾発射機×1 下部後部可動式迎撃針弾発射機×1
下記の一つを選択。
装備1 小型ミサイル×4
装備2 500g爆弾×1
装備3 小型浮遊監視装置×4
試製小型双発偵察機
固定武装 機首可動式迎撃針弾発射機×1 上部後部可動式迎撃針弾発射機×1 下部後部可動式迎撃針弾発射機×1
下記の一つを選択。
装備1 小型ミサイル×8
装備2 500g爆弾×2又は1000g爆弾×1
装備3 小型浮遊監視装置×8
全般的に適当ですが、特に小型偵察機の設定が超テキトー。
性能はどれぐらいだろうとか、適当に50〜100機にしたけど、大きさはどのぐらいで全長6m 全幅3m 全高3mの車体に何機積めるかとか。
多分ラジコン飛行機ぐらいの大きさだろうけど、1kgの荷物を搭載して飛べるのか? とか、突っ込み所満載。
誰かに代わりに設定を考えて欲しいです。
>>374 投下乙です。後でゆっくりと読ませていただきます!
>>386 投下乙でした!
こういうリアルロボット物の設定でいいですよね。見ると創作意欲が湧いてくるw
輸送車とか浪漫溢れすぎてヤバい。設定見てるだけで乗りたくなってくるw
ということで自分も設定資料をWikiの方に追加しました!w
つってもまだキャラとロボットの設定の方が未完成ですが、用語は埋めたので、
話を読んでいて「これどんな意味?」的なワードがあれば設定を見ていただければわかりやすいかとw
いや、一応話の中でも解説は出しているのですが、やはり設定があった方がわかりやすいですしねw
本編の執筆作業の合間に、キャラとロボットを埋めて画像等を追加していきたいと思ってますw
はい! “リーゼンゲシュレヒト”は独語で“巨人族”だったような気がします!
>>388 師ぃ匠おおおおおおおおおおっ(Gガン風に
げ、原作を最近見てなかったから間違っちゃっただけなんだからねっ、か、勘違いしないd
頭の中に認識疎外がかかっていたようで。さすが師匠だぜ……原作者は伊達じゃねぇ……!
ただいま修正してきましたw
や、私もうろ覚えなんですけどね! それにしても、意外と相違点多いんですねw
今改めて自分の設定見ると原作との変わりように自分で驚いてしまった。 オレ、こんな変えてたのか……w人物設定とかもはや千春くらいしか原型とどめてねぇw
>>390 なんか1年間構想を練るに錬るにつれどんどんとあらぬ方向へと頭の中で自動変換されていきましたw
設定並べてみると本当別人にしかならないですよねw
ところがぎっちょん! ※実はは千尋と千春さんはあんまり似てな(ry
>>393 だ、DaZだと似てるんだよきっと(キリッ
頭の中で勝手に自動変換された設定の1つですねw今言われるまで原作も似てると思ってた自分がいたり←
ΩΩΩ<(ry 千春さんはふわっとした栗毛、千尋は黒髪ストレートなんでござるYO! >設定並べてみると本当別人にしかならない まったくですね!(遥さんとハル姉ぇを見比べながら) PBM! 世界で揉まれたせいで逞しくなっちゃってまあ……。
>>395 千尋が栗毛とかどこでオレはそんなことを思ったのだろうかw
たぶん原作読む→千春LOVE→千春って栗毛→千春と千尋→千尋も栗毛じゃね?→どや
的なのがオレの頭の流れだったのでしょうw
遥さんの変わりようにはオレ自身このスレに来たときかなりびっくりしましたw
廻セカ遥さんの画像とPBM!の遥さんの画像を比べてみると姉妹にしか見えないですよねw
廻セカがもしPBM!の遥さんだったらセクハラに来た千尋とか余裕で投げ飛ばしそうw
同姓のセクハラにはあまり耐性がないのでなすがままかとw 問題は戦闘に巻き込まれても泣き言ひとつ言わずにざっくり解決してしまいそうな(ry 無力な一般市民から、どうしてこうなった!
>廻セカ遥さんの画像とPBM!の遥さんの画像を比べてみると姉妹にしか見えない しかもちっこい方が年うeジョインジョインハルカァ
テスト
400 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/15(火) 12:34:18 ID:QJWvqXTn
解除だったら今日中にカインドの三話と四話とヘンヨの絵投下。
401 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/15(火) 12:35:27 ID:QJWvqXTn
うをををを!! マジかよ!?解除なんて一生ないだろとタカくくってた! 言わなきゃよかったw
おお、書き込めた
>>397 むしろ俺はざっくり解決しない遥さんが想像できないwww
405 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/15(火) 12:46:01 ID:QJWvqXTn
>>404 そんな遥さんもやおよろず連中の中だと(ry
……決してキャラが薄いわけじゃないのに、何故だw
>>405 投下乙!
なにこのイケメン、普通にかっこいいじゃないか……!
>>405 投下乙です!
これはこれは……素晴らしいイケメンじゃないですか……!
マッチョっていいですよねw
>>406 半分くらいは間違いなくまどかさんのせいだと思います、あの子何でもできますしw
あとの半分は紅白夫妻の使い勝手のせいw
408 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/15(火) 12:59:30 ID:QJWvqXTn
>>408 さらに投下乙です!
なんてセクシーなマッチョなの……!?
>>407 確かに何でもできるって点が遥さんと被ってるね、まどかさんw
>>408 投下乙!
ワイルドかつセクシーでいいじゃないかヘンヨさんw
てか、さりげなくマッチョキャラ多くないかw
ルガーさん、タナカさん、ヘンヨ、マーチス、etc.etc... 地味ーに多いですよねw
しかしガチホモはマーチスだけ……だったっけ?w ロリは何人いるんだろうかw
か、数えないぞ! 私は絶対数えないからな!
つ三つ編み限定
イィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
おまwww 三つ編み限定だと遥さんとクー……かな?
釣れたよ!
だ、断じて釣られてないよ!
つロリっ子
イィヤッホォォォォォォォォォォォォォゥ!!
ぜ、全然釣られてないよ!
>>425 マwwwシwwwンwwwガwwwンwwwグwwwレwwwネwwwーwwwドwww
なんとなく想像はつきましたが、これはひどいwww
こういう派手な弾幕っていいですよね! そして排除君かっこいい……。
このスレの機体だとどれくらいいたっけ、レッツパァリィィィィ!な機体w 排除君は主人公機としてもいけそうなデザインだから困る
たまちゃんとか、プロトファスマとか……。 排除君は是非ともV.I.で欲しいですw
確かフィギュアはあるんだよね、排除君
しかし、遅筆氏がたまちゃんを描いてくれたおかげで派生機の妄想が止まらな(ry
さぁて投下すっか。 めんどくさいという理由でタイトルをカタカナにした。
煤けた天井。コンクリートが剥き出しの壁。金庫のような扉に高い位置の窓。そして、鉄柵と巨大なロッカー。 まるで監獄だった。冷蔵庫やテレビが無ければそう錯覚してしまいそうだ。そこで目覚めたアリサは、ここで三日も過ごしているのにまだここが人が住む家だとは思えない。 ヘンヨが用意した隠れ家はインテリアや居心地を犠牲にしてまで安全を追求している。一度、銃撃戦に巻き込まれている立場としては有り難い事ではあるが、いかんせん厳つ過ぎる造りに改造された監獄もどきにはうんざりしていた。 とてもじゃないがリラックス出来る場所では無い。ベッドの向かい側のソファで、座って腕組みしたまま平然と寝ているヘンヨを見て、アリサは少し苦笑いをする。 この男は本当に何者なのか、と 三話:【襲撃、再び】 アリサがベッドからのそのそと出てスリッパを履くと、さして物音もしていないのにヘンヨは瞬時に目覚める。寝ながらも警戒しているのか、まるでノラ猫のような素早さでぱっちりと活動モードに入った。 腕時計で時間を確認して、アシンメトリーにカットされた髪を掻き上げてボリボリ頭を掻きながら大きな欠伸をしてみせた。 ヘンヨが唯一見せる油断した姿はこの寝起きの欠伸くらいだ。それも安全を確認した後だけの。 「……まだ六時か。割と早起きだな」 ヘンヨがタバコを取り出してながら言う。 アリサは普段から決して寝起きがいい訳ではないが、こんな場所ではリラックス出来るはずも無く、自然と目が覚めてしまう。 「おはようヘンヨ」 ヘンヨに朝の挨拶を言う。 アリサがリラックス出来ない理由は監獄のような部屋だけではない。このヘンヨにもある。 ここなら襲撃者が来てもそう簡単には落ちはしないだろう。だが、敵は外からとは限らない。 仮にも男と女が一つ屋根の下に居るのだ。しかもここはまるで監獄のような場所。襲われでもしたら逃れようがない。 一度だけ冗談でそんな事を言ったら「ガキに興味は無い」と一蹴されたが、警戒するに越した事は無い。 前の銃撃戦の際にアリサは一度抱き抱えられている。その時の感触がまだ残っていた。 それもまた、要らぬ警戒を呼び起こすのに一役買っていた。
「ねぇヘンヨ、冷蔵庫にバターとピクルスしか入ってないよ」 「棚に缶詰とパスタが入ってる」 買い込んだ冷蔵庫の食糧は三日で食べ尽くした。遂に保存食に手を出す事になったが、棚の中にあるそれも持って一日二日の量しかない。 ヘンヨは普段、隠れ家を転々としているらしいが、それでもあまりに用意が悪いと思わざるを得ない。 妙に出来のいい手作りピクルスとケチャップをかけたショートパスタで朝食を済ませ、アリサはアンダースから借りてきたキースのレポートを手に取る。 ヘンヨは初日で読み切って、その後はもう見てもいない。 ヘンヨが「仕事」で出ている間はテレビのつまらないニュースと、このレポートだけがアリサの唯一の暇潰しだった。だが、さすがに三日目ともなると飽きて来る。 あくまで一般人のアリサにとっては、監獄もどきに三日も居る事だけでも中々のストレスとなっていた。 「……アイスクリーム食べに行きたい……」 心からの愚痴だった。 「じゃあ食いに行くか」 「え?」 横で何やら資料を漁っていたヘンヨからの提案である。出歩くなと言われていたアリサには意外な事であった。 「……外に出ていいの?」 「当たり前だ。閉じ込めてるわけじゃ無い。一人で出歩くなとは言ったが俺と一緒なら問題無い」 「え? え? いいの? ホントに?」 「本当だ。外行きたいなら言えばよかったじゃないか」 「出ちゃダメなんじゃないかと……。なんか忙しそうだし邪魔しちゃ怒られそうだし……」 「なんだそんな事か。雇い主のアリサがボスなんだ。言いたい事があれば言えばいい」 ヘンヨは資料を放り出してホルスターを腰に巻く。壁にかけたジャケットを着て、さっさと出かける準備を始めた。 「ホントに行くの? 行っていいの?」 「もちろんだ。閉じ込める気ならアンダースの所にもスレッジの所にも連れて行かなかったさ。それにもう少しマシな場所にする」 ヘンヨは少し笑いながらマグナムオートにマガジンを差し込む。さすがに銃は持って行くらしい。スライドを引いて弾薬をチェンバーに送り込み、セーフティをロックの位置にする。 ボディガードとしてはこの上なく頼もしそうにアリサの目には映った。
「で、何処に行きたいんだ」 どこにでもあるアイスのチェーン店だとアリサは言った。 「それなら車で少し行った所だ。外で待ってろ。車を回してくる」 ヘンヨは車のキーを持ってガレージへと降りて行った。アリサはガレージへ向かうドアとは反対方向にある玄関へと向かい、三日ぶりにドアを開ける。 「うわ……! 眩しい」 見えたのは太陽。そしてそしてその下にある工場と、運送業者のトレーラーが並ぶ光景。 立っている場所は非常階段のような鉄製の階段の上の四階部分だ。ここが四階だという事すらアリサはすっかり忘れていた。 階段の隙間から見える遠い地面に思わず足がすくむ。 下を歩く作業着姿の男達はこれから仕事に向かうのだろうか。皆、どこかガラの悪そうな連中ばかりだ。 スラムから割と近い位置にあるため、そこの出身者も多いのだろうかとアリサは推測する。アリサがキースと暮らしていた一等地とはまるで異なる光景だ。とても同じ街とは思えない程に……。 階段の手摺りに捕まりしばらく風景を眺めていると、聞き覚えのある爆音が聞こえて来た。 狂暴なエンジン性能を押し殺した、ヘンヨのクーペだ。その姿を確認し、アリサは勢いよく階段を駆け降りて行った。 ※ ※ ※ 「キースのクソったれめ。アイツのせいでメチャクチャだ」 白衣の男が喚いている。机の上の資料や筆記用具を薙ぎ払い、イライラした様子で室内をぐるぐる歩き回っている。 「まったくイライラさせやがる。てこずらせやがって……!」 フリオ・アンダースは散乱した資料をお構い無しに踏ん付けて、まるで壊れたオモチャのように壁から壁へと行ったり来たりを繰り返していた。入口のドアをノックする音にも気付かずに。 あまりにも応答が無いので、ノックをする者は勝手にドアを開け、中の様子を伺う事にした。そして、明らかに憤慨しているアンダースを見付けて抑揚の無い音声で淡々とアンダース話し掛ける。 『……アンダース主任、いらっしゃるなら返事をお願いします』 部屋に入ったチタンの塊を確認したアンダースは、さらにイラついた態度を見せながら問い掛けに答える。
「なんだベリアルか。何の用だ」 『社長が進捗状況の報告を求めておられます』 「トライゼンか……。あの狸親父め。こっちはキースのおかげでメチャクチャだ。進捗も何もあったものか」 『社長には何と?』 「そのまま言えばいい。『何も出来てません』ってな」 『よろしいのですか?』 「いいも悪いも無い。正直キースが居なきゃ始まらん。あの探偵が頼りだな。 奴が見付けてくれりゃこっちも有り難いくらいだ」 『では、その様に伝えておきます』 「ところで、あの探偵野郎は何者だ? 調べはついたのか?」 『不明な点もありますが、大体の経歴はすぐに判明しました』 「そうか。教えてくれ」 『少々長くなりますが……』 「構わん。どうせしばらくはここに缶詰だ。ゆっくり聞かせて貰おうじゃないか」 『分かりました』 アンダースはデスクチェアーを引っ張ってそれに座り、資料を床に撒き散らしてこざっぱりした机の上に足を乗せた。 じっくり聞いてやろう。どうせ焦ったところで何も出来やしないのだ。そう言わんばかりの体勢だ。 そして、ベリアルと呼ばれたチタンの塊は調べられる限り調べたヘンヨの経歴を音声で出力し始めた。 ※ ※ ※ スラムに近い場所とは言え、駅前の通りはそれなりに人通りが多かった。 スーツのサラリーマンや買物袋を持った主婦と思われる人物と小さな子供、さらには警察官と、明らかにスラムからやって来たガラの悪い人物が駅周辺に見事に共存している。 監視カメラが幾つも見える。さらには町中で歩哨しているアンドロイド達が、駅前の治安を守っている。おかげでギャングが闊歩するこの区域での犯罪発生率は思った以上に低い。 もっとも、彼らはホームに近い場所で無駄な騒ぎを起こしたくないだけなのだが。 その静かな混沌が渦巻く駅前の小さな店舗が、アリサが行きたかったチェーン展開しているアイスクリームの店だった。 決して大きくは無い店構えではあるが、チェーン店である以上、味は何処でも一緒だ。入口を潜ると、一直線に伸びるショーウインドーと、通路を挟んで並ぶテーブル席が幾つか見える。
「ふふふ」 少し離れた駅の駐車場からとぼとぼ歩いて、ようやくたどり着いた店に入った瞬間、アリサは思わず笑う。 大好きで毎日の様に通っていた店だった。場所こそいつもと違うが、見慣れたメニューは心を踊らせるには十分だった。 「さて、御所望の品はどれかなボス」 「えーっとね。チョコミントのLLカップとね、ナッツとね。それからそれから……」 ヘンヨが少しばかり込めた皮肉に気づきもせずにアリサはメニューに目を奪われていた。 注文を受け付けるアンドロイドすら呆れていそうな勢いだったが、結局は最初に選んだチョコミントの特大カップ一つに決めた。一度に大量に頼んでも融かしてしまうだけだし。そう言っていたが、つまりは追加注文する気があるという事だろう。 注文を受けると、アンドロイドの横に居た人間の店員が大きな紙のカップにアイスを盛り始める。チェーン店とは言え品質を売りにしている店だった。盛り付けにもそれは現れている。 その作業は、いまだ機械では及ばない領域が僅かに存在していた。 「そんなに食って腹壊さないか?」 店の中程のテーブルでアイスに貪りつくアリサを見てのヘンヨの率直な感想だった。 あの隠れ家でそれほどストレスが溜まっていたのかと、少しばかり自責の念すら覚える。それほどの食いつきぶりだった。 「ねぇヘンヨ?」 「なんだ?」 「おじいちゃん、見つかりそう……?」 唐突な質問。当然と言えば当然の事だが、一番のストレスはそれだった。 「……正直な所、今はまだ見当も付かないといった感じだ。 あのレポートも特に手掛かり有りそうな物でも無かったし、スレッジもメモリーの中身を見るのに四苦八苦してる。中身事態が複雑な暗号だそうだ」 「そうなんだ……」 ヘンヨは有りのままの現状を伝える。ヘタな慰めなどしない。 アリサは一瞬だけ落胆した表情を見せたが、すぐに別の質問をヘンヨにぶつける。その切り替えの早さは、単に彼女が強いのか、それとも用意していた質問の答えに対する好奇心なのか。 かねてから聞いてみたかった事だった。 「ねぇヘンヨ?」 「なんだ?」 「あなたって何者なの?」
「俺か? ただの探偵業だ。何でもやるけどな」 「何でも?」 「そう。何でもだ」 「例えば……何?」 「例えば? そりゃ今回みたいな人捜しに警察を手伝ったり、浮気調査や猫捜しもするさ」 「さっき何でもやるって言ったよね?」 「ああ」 「それだと普通の探偵さんじゃん。『何でも』やるんでしょ?」 「聞きたいのかそんな事?」 「うん」 アリサはスプーンを加えたままじっと見ている。あまりおおっぴらに触れ回らない事を約束するならと前置きし、ポツリポツリと仕事の内容を説明し始める。 「最初に言っておくが、あまりいい仕事とは言えないぞ。稼げはするがリスクが付き纏う」 「うんうん。もう何となく分かってる。で、具体的には?」 「一番多いのはギャング連中のボディガードだな。いくら隠れても他のメンバーやグループに筋を通さなきゃならない場面ってのがある。そうなれば幹部連中は表に出なきゃならない事があるが、その時は暗殺する絶好のチャンスでもある。 そういう時の警備や身辺の護衛ってのが一番多い。連中はまともな警備会社を雇えないからな」 「他には?」 「懸賞金を狙って逃亡犯を追ったりもする。公的な懸賞金は意外と額が大きいんだ。いい稼ぎになる。殺す事もしなくていい」 「じゃあ……。やっぱりたまにそういう事もするの?」 「殺しか? リスクが大きすぎる。ヒットマンを撃退しようと撃ったならまだしも、こっちがヒットマンだと重罪だし、場合によっちゃ手厚く反撃される。 俺は無敵じゃない。死ぬのはゴメンだし、もうそういう仕事はウンザリなんだ」 「やった事はあるの……?」 「この仕事を始めてからは無い。前職の時はたまに――」 ヘンヨはそこで言葉を一旦切る。他の客が横を通りそうだったからだ。 その客は手にしたカップと持ってすたすたと歩き、ヘンヨ達の横まで来る。一番奥の席にでも座りたいのだろうか。アリサはそう思っていたが、その客はヘンヨ達のテーブルの前でぴたりと立ち止まり、手にしたアイスのカップを床に落下させた。 「えっ?」 アリサは床に転がるカップを見る。一方のヘンヨは、既に異様な気配を察知していたが、少しばかり反応が遅れてしまったようだ。
刹那、ヘンヨ達の横に立った客の裏拳がヘンヨに見舞われる。紙屑の様に吹き飛んだヘンヨは、そのまま後ろの席のテーブルをも巻き込んで床に転げ落ちる。 一瞬だけ目を離した隙に目の前から消えたヘンヨをアリサは目で追ったが、気付いた時にはテーブルの残骸にまみれて寝転んでる。 その一撃はとても人間とは思えない。案の定、ヘンヨへ繰り出した裏拳は手袋こそしているが、裾から覗く腕は金属が表に出ている。顔面だけが、バイオ表皮によって人間そっくりに作られていた。 そのパワーは間違いなく、違法改造されたアンドロイドだ。 「ヘンヨ!?」 アリサは叫んだが、即座に襲撃してきたアンドロドが間を遮る。そして、意味の解らない事を言い出す。 『何処だ』 「……え?」 『アリサは何処に隠した!?』 「私!?」 アンドロイドはアリサの首を掴み、軽々と持ち上げる。 喉に冷たい感触が伝わり、頸動脈は自らの体重で締め付けられる。辛うじて声を出せる程度に首を掴まれていた。 尋問する気なのだ。 『アリサは何処だ!!』 アンドロイドが再び問い掛ける。 「わ……私よ……。私が……ア――」 私がアリサだ。そう言いかけた時、首を掴む力が少しだけ増す。今度は声が出ない程度の力だった。 『戯れ事を聞いている暇は無い。もう一度聞く。アリサは何処だ!』 同じ事を繰り返すアンドロイド。アリサは何か言おうとするが、質問の意図が掴めなかった。文字通り言葉に詰まってしまう。 『……さっさと吐け。我慢した所で苦痛が続くだけだ。知らないならそれはそれですぐに楽にしてやるぞ』 アンドロイドは人工の声で言う。それは暗に、「知らないなら用は無いから殺す」と言っている。アリサにもそれは理解出来た。 殺される。そう思うと、初めて経験する恐怖に震えた。銃撃戦の時とは違う、明確で直接的な殺意が目の前にある。 そして声を出そうと必死に喉から空気を送り出そうとした時、今度は突然床に落とされる。 喉は掴まれたままだった。アンドロイドの顔も先程と同じ位置に見える。まるで空間だけがせり上がってきたような錯覚を覚える。 だが実際は、アンドロイドが膝を付いただけだ。
そしてその背後には、吹き飛ばされたはずのヘンヨが立っている。 あれだけ派手に攻撃されたにも拘わらず傷一つ無い。そのまま平然とアンドロイドの首にあるチューブを切断し、銃でアリサを掴む腕の肘を撃つ。 するとアンドロイドの握力が緩み、アリサはようやく解放される。 「へ、ヘンヨ!? 大丈夫なの!?」 「すまない。油断した。逃げるぞ」 大丈夫なのかという問い掛けの明確な答えでは無かったが、態度はいつもと変わらない。それが答えとなっていた。 「どこで見付かったんだ? まぁいい。とにかく一体だけとは思えない。裏口から外へ出る。車まで行けばあとは簡単だ」 ヘンヨはアリサの手を引いて躊躇なく店のバックヤードへ侵入する。そして裏口から外へ出ると待ち伏せしていた一体を素手で地面にたたき付け、後頭部に銃弾を見舞う。 アンドロイドはまるで人形の様に、なす術なく機能を停止する。そのまま横へ銃口を向けたヘンヨはさらに二発発砲する。その先に居た者は金属とプラスチックの部品を胸から撒き散らして倒れて行く。 「どこから沸いて来たんだ? そこら中に居やがるな」 ヘンヨの言葉通り、敵はどこからともなく次々と現れる。それぞれサブマシンガンで武装し、迷う事なく発砲してくる。 その銃は、スラムのアパートで襲撃してきた者たちと同じ機種だった。 「どどど、どうするのよ!? 殺されちゃう!!」 「どうやらずっと俺達を捜してたっぽいな」 二人は、敵で溢れた駅前の真ん中に立たされていた。 ――続く
皆さん支援感謝です! しかし避難所に落とした瞬間に支援来てくれるとは、俺はなんと間の悪い男なんだw
>>444 投下乙です! すみません、支援遅れましたorz
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>投下乙! 支援できず申し訳ない それではゆっくり読ませてもらうぜメーン!
>>444 改めまして投下乙です!
アンダースくんはやっぱりぁゃιぃ、というか真っ黒ですねw
そしてヘンヨの前職って一体……。
アリサにもどうやら何か秘密があるみたいですし、これは面白くなってきたぞ!
それでは、次回も楽しみに待ってますねw
>>444 改めて投下乙!
なんというピンチ……というか、変だーソンが黒幕ってわけじゃなかったのか。じゃあアンドロイドを差し向けてきてるのは、まさか……!
これは伏線が回収される時が楽しみでならないw
さて、帰宅したらまた避難所暮らしに戻るのか……早く規制解除されんかなぁ
って、 ○ ヘンダーソン × 変だーソン 俺はどんなミスを……www
>>448 変だーソンってw
何はともあれ、お疲れ様です!
……さて、父の日が近いから、記念に何か書きましょうかねぇ。
ロボットのギミックを決めておこうと思った しかし妄想の中では突然 実はこんな武器が仕込んであったんだ!<なんだってー!? という展開が腐るほど思いつく ビックリな仕掛けも良いけど突然設定や描写に無い物を出されても困るよね…
そこで叙述トリックですよ ……自分が使えないのに云うなよ俺orz こう云うのにも使えるんですかね?
>>451 私はそんなに気にしないですよ?
連発はさすがに駄目ですけど、ここぞ! っていう時にはいいんじゃないですかね。
うおー! しーずーかーだー!
test
半日周期で規制されたり、解除されたり……イライラする
規制解除、おめでとうございます! 半日周期って……運営何やってんだ一体。
僕も1日でしたねぇ>全鯖規制 運営と云うよりもプロバイダがあんな早い対応をすると思ってなかったので少々吃驚しています 何時になったら書き上がることやら……orz
規制解除されても作品は書きあがっていないので、投下物は無いとです(´・ω・`)
私は完成目前で筆が止まりました……。
避難所より転載でござる。 761 :秘神 ◆hdZAMWOUEU:2010/06/16(水) 00:23:01 ID:Ol9YCZks0 どうも、お久しぶりでございます。 このたびwikiの「秘神幻装ソルディアン」第1話を少々編集しました。具体的には段落や誤字脱字を含むちょっとした本文の追加修整を。
462 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 02:58:28 ID:N37nyTcL
三時間ほど遅れたが投下。
463 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 02:59:47 ID:N37nyTcL
街中で銃弾が飛び交う。その中を平然と歩く男と、背後をついて回る少女。男が歩いた道の後にはスクラップと化したアンドロイドが横たわる。 次から次へと現れるアンドロイドの襲撃者は、どちらが機械か解らない程の正確な射撃で破壊されていく。 警官に見つかれば面倒だが、敵が代わりに片付けてくれているようだった。。 「所構わず撃ちやがって。街を戦場にする気か?」 ハタから見ればそこは既に戦場だが、ヘンヨにはまだそうは思えない。なぜならば、彼は本物の、それも最悪な戦場をよく知っているからだ。 それに比べれば、今の状況などちょっとしたアクシデントに過ぎない物だった。 「どうやって逃げるの……?」 「今考えてる。安心してついて来ればいい」 四話:【Red Dragon Part1】 今、ヘンヨはアイス店の裏口から出て道路へ面した建物の角に居る。 背後からの攻撃は無かったが、すぐに追っ手が来るはずだ。そして、道路側からも敵が迫って来る。 何処に居たんだという程の数だった。さっき倒した三体と合わせ、ヘンヨはざっと数を数える。四、五、六、七……。 合計で十二体。さらに後続も居るだろうとヘンヨは予測する。 この突撃形式には覚えがある。ターゲットに接近し、一人の合図とともになだれ込み、一瞬で数の力をたたき付ける。逃げようとすれば、さらに追っ手を放つ。 昔、ヘンヨもよくやっていた事だった。 「面倒だな……。ケガは無いか?」 「こっちのセリフなんだけど……」 アリサはいぶかしげにヘンヨの顔を覗き込む。機械の裏拳を喰ったはずの顔はかすり傷すら無い。代わりに右前腕のジャケットの裾が少しばかり綻んでいる。 一瞬で防御したのだろう。それにしても、だが。 「……腕、大丈夫?」 「何の事だ?」 「何の事って……」 「これか? ちょっと痣できただけだ。問題ない」 いよいよ人間かどうかも怪しくなってきた。そうアリサが考えたと同時に、ヘンヨが逃亡プランを話し出した。 「よし、道路は渡れない。遮蔽物が無いし、広すぎる。あそこを見ろ」
464 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:01:14 ID:N37nyTcL
ヘンヨが指差した先にアリサは目をやる。そこにあったのは、地下鉄へと降りる昇降口だ。 「地下鉄はそのまま外に繋がる通路が幾つかある。そのまま適当な場所まで逃げる」 「でも……車は? 走って逃げるの?」 「途中までな。ちゃんと考えてる。あの車は高いんだ。手放すワケには行かない」 ヘンヨは横たわるアンドロイドからサブマシンガンを奪い取り、マガジンを交換する。そして、それをアリサに差し出した。 一瞬だけ自分に渡されているとは思わなかったアリサは、少しの間を置いて驚きと焦りの口調で抗議する。 「ちょ……。銃なんて撃った事ないし、私が撃ったって当たるわけ……」 「分かってる。ただの脅しだ。近づいてきたら適当に撃て」 ヘンヨは明かに銃の扱いに慣れていた。おかげで感覚が鈍っているのだろうか、ただの女の子にサブマシンガンを手渡して撃てと言うのは無茶な要求だ。 映画と実銃は違う。その威力を目の当たりにしているアリサには、銃は忌むべき道具にしか映っていない。あくまでそれは、テレビ画面の向こうにある物という感覚だった。 「行くぞ」 いぶかしむアリサを尻目にヘンヨは手を引っ張って走り出す。 中腰のままだったが、その速度は普通に走っているようにさえ感じられる程だった。 そのまま前方へと発砲し、巨大なマグナムオートは強烈な銃声と意外な程に小さい薬莢を吐き出す。 そしてまた一体、スクラップと化した敵が倒れて行く。 地下鉄の入口まではほんの数メートル程度の距離であった。そしてそこへ向かう二人を見た襲撃者達もその意図を感知し、速やかに追撃に入る。 迷う事なく撃ち出される銃弾。アリサは地下への入口に半分まで体を入れた所で叫ぶ。 頭上には十字砲火された超音速の金属が飛び交い、モルタルの壁に当たり破片をアリサとヘンヨに降らせる。命を狙われているという感覚が改めて沸き起こり、足が震える。 一方のヘンヨには、まるでその気が無いように見える。 たしかにピンチではあるが、襲撃者の攻撃は素人の戦闘ごっこにしか見えて居なかった。必要な程度に急げば、特に撃たれる心配も無いと判断してた。 『荷物』さえ無ければ、反撃して殲滅させてもいい。その程度のお粗末な襲撃に思えたのだ。 だが、それにアリサはついていくのが精一杯だったようだ。
465 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:02:38 ID:N37nyTcL
階段の一番下の段で、アリサは躓いていた。素人離れしたヘンヨについて行こうとし、あまつさえ震える足で一気に階段を駆け降りたのだ。 ある意味では十分予測される結果ではあったのだが……。 「大丈夫か!? 早く立て」 「解ってるわよ! ちょっと踏み外しただけ――」 「――立つな!!」 アリサに向けた言葉と同時に、ヘンヨはその背後を撃つ。そして、膝を破壊されたアンドロイドが階段を転げ落ちてアリサの横で静止した。 横で転がるアンドロイドはアリサの方へ視線を向け、その腕を伸ばして来る。硬直するアリサに手がかかろうとした次の瞬間、二発の銃声と共にアンドロイドの腕と頭部は破壊された。 前を向くと、銃口を向けたヘンヨがすぐ目の前まで歩み寄って来ていた。 「大丈夫か? 立てるか?」 ヘンヨはそう言うが、その返答を待たずにアリサを立たせる。 銃口は階段の上を向いたままだった。 「すぐに次が来る。脇の通用口に入るぞ」 アリサは小さく頷き、ヘンヨはそれを確認すると通用口のドアを開ける。 ギギギと、金属が擦れる嫌な音がこだまする。中は小さな照明があるだけで、どこと無くカビ臭い湿った空気の流れる空間だった。 道は所々に曲がり角が有り、割と入り組んでいるようにも見える。 地下鉄の間のみならず、様々の地下施設へと通じている、文字通りの「作業用通路」だった。 二人はその中を走っている。 アリサに手渡されたサブマシンガンはシングルハンドで撃てるサイズとはいえ、それでも一キロ超はある。体力そのものへの負担はほぼ無いが、にぎりしめる握力には厳しい物があった。 ヘンヨにはそれが伝わっているかは定かでは無かった。彼は走りながら携帯でずっとメールやりとりしている。 「ず……ずいぶん余裕なんじゃない……!?」 「ああ。今、増援を呼んだんだ」 増援? 誰が来るのか? とはいえ、この男と同類だとしたらどんな輩が現れるのか。頼もしいが、ついていく身としては多少、イヤな気分になる。 そう思う程にヘンヨとアリサの危機感には温度差がある。 背後から疲れを知らないアンドロイドが迫って来ているとは思えない程、ヘンヨは落ち着いている。 「ねぇヘンヨ!」 「なんだ!」 「あなたってホントに……きゃあ!!」
466 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:04:01 ID:N37nyTcL
アリサが叫ぶ。背後から銃撃されたらしい。弾丸は横を通過して行った。通路に響く銃声は外より一段と大きく聞こえる。 直ぐさま身を伏して後方を向いたヘンヨは銃を構える。先程までより少し時間を使い照準を合わせ、狙ったのは敵のサブマシンガンのマガジン。 スチール弾芯を仕込んだホローポイント弾がマッハ二でそれにぶつかり、薄暗い通路に青白い閃光が走る。 後方へ弾けとんだアンドロイドのボディは足止めにも一役買うだろう。そう思っての射撃は、思惑通りの結果になる。 「あと少しだ。行くぞ」 「なんでそんなに余裕なの!?」 「とんでもない。『それなり』に大変だ。」 事もなげに言い放つ。 アリサの胸に去来したのは頼もしさよりも疑問。それは、ヘンヨという人間そのものに対する物だ。そう言えば、先程の事もまだ最後まで聞いては居なかった。 一体、ヘンヨは何者なのか。好奇心をこれでもかと擽るが、今はそれどころではない。逃げるのが優先だ。 そして、また二人は駆け出した。 ※ ※ ※ 「大丈夫か?」 「大丈夫……じゃない……」 地下に潜ってから既に三十分以上経っている。 所々で襲撃を受け、ヘンヨが撃退する間に足を休めたものの、それでも疲労感は隠しきれない。 アリサの体力は限界に近い。 「出口はまだ……?」 「あと百メートルちょっとだ。そこからは車だ」 あと少しと聞いて少しばかり安堵したが、そのあと少しの百メートルがアリサには異様に遠く感じる。 疲労は感覚さえ奪って行く。その僅かな距離を走る体力が自分に残っているのか、正直なところ自信は無かった。 壁に手をついて息を荒くし、手にしていたサブマシンガンを落とす。 カツンと、プラスチックのフレームが地面に落ちる音が通路の中へこだましていく。 命懸けの逃走などした事など無い。それは予想以上の精神的疲労が伴う。そしてそれは肉体にも顕著に現れている。 走れない。いや、もう走るな。身体はそう言っていた。 うなだれていると、不意に身体が宙に浮く。
467 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:05:26 ID:N37nyTcL
胴体には腕が回され、困惑している内にヘンヨの肩に担がれている。 「急ぐぞ。休んでいる暇は無い」 アリサが何か言う前にヘンヨは走り出す。女の子とは言え人を一人担いでいるとは思えない脚取りだった。 「ちょっと……!!」 「グダグダ言うな。走れないなら走れないでいい。とにかく急ぐんだ」 胴に回した腕から僅かに体温が伝わってくる。有り得ないとは思っていた「まさかヘンヨはアンドロイドでは?」という疑問は、この時点で消えた。 アリサが落としたサブマシンガンは、結局は一度も撃たれる事無くその場へと放置される。 出口のドアの前までは僅かな十数秒だった。その僅かな時間でもアリサの残り少ない体力には有り難い物だ。 そして、ドアの前まで辿りつく。ヘンヨは静かにドアを開け、外の様子を伺うと、一息漏らして安心した様にドアを勢いよく開く。先程のメールの相手が待っていたようだ。 外に出る二人を見て、待っていた増援は口を開く。乗っていた車はヘンヨのクーペだった。 『はぁーい。お二人さん。随分楽しそうじゃない』 「車ぶつけてないだろうなKK?」 増援とは、アンドロイドのKK。いつの間にかヘンヨの車をここまで回していたらしい。 先程のメールはこれを要請していた物だったようだ。 『早く乗りなさい。まだ追っ手来るかも知れないんでしょ?』 「え? でもこれって2シーターだよね……?」 ヘンヨはニヤっと笑い、何の躊躇も無くシートの裏にアリサを押し込む。 「ちょっと!! ムチャしないでよ……いたた!!」 「仕方ないだろ。俺らがそこに収まるか?」 『ちょっとガマンしてねアリサちゃん。じゃ、ブッ飛ばすわよ』 ヘンヨのクーペは待ってましたと言わんばかりに、エンジンの回転を上げけたたましい爆音をたたき出す。 クラッチを繋ぐと同時に、狂暴性を剥き出しにしたエンジンパワーがシャフトからホイール、そして地面へと伝わる。白煙を上げ、低い車体は一気に加速していく。 「よし。このままスラムを抜けてスレッジの所まで行ってくれ。スラムまで行けば追ってくる奴は居ない」 『追って来たらどうするの?』 「俺のホームだ。そうなりゃ好きにやらせてもらうさ」 『じゃあ、今後ろに居るバイクはどうするの?』 「……何?」
支援
469 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:06:53 ID:N37nyTcL
ヘンヨは後ろを振り向く。 すると、二人乗りのバイク二台、猛然と接近して来るのが見えた。 高速道ならまだしも、街中ではそのクーペの加速性能は最大まで引き出せない。それならば、小回りが効き加速に優れる大型バイクならば十分に追い付ける。 「それにしても速いな。本当にどこから沸いて出てるんだ?」 『そこら中に居るんじゃ無い? 紛れ混んじゃったら解らないもの』 バイクの後席の射手は、器用に立ち上がりサブマシンガンを撃つ。時速百五十キロ以上に達して居た為か命中精度は著しく悪い。ほとんどが遠くへ逸れて行く。 「節操の無い連中だ。アリサ、お前の下にカービンがある。取ってくれ」 「え? 何を取れって? ……いたた!」 『アリサちゃんに言ってもわかんないわよ。そこの下にある銃の事よアリサちゃん』 KKの言う通り、シートの影にライフルが見える。無理矢理引き抜いて、隙間からヘンヨへと手渡す。それを受け取ったヘンヨは、高速で走る車の窓から身を乗り出し、箱乗りで銃を構える。 そして、じっくりと狙いを定める。次の瞬間。 ガチン! 金属音。 後部のボンネットが一発被弾したようだった。 「……。マジかよ」 『あらら。直すのお金かかるわね』 「いくらすると思ってやがんだ……」 ヘンヨは落ち込んだような声で一言漏らすと、セミオートでライフルを撃つ。追っ手のバイクは前輪に被弾し、瞬時に体勢を崩してオモチャの様に道路の上を跳びはねて行く。続くもう一台も同様に、今度は後輪を狙撃される。 時速百五十キロで横転したバイクは火の粉で道路に軌跡を描きながら、摩擦によって減速し、投げ出されたアンドロイドは粉々に砕けて路上に散らばって行く。 「あとは……居ないな」 ボソッとヘンヨは言う。車内へ身体を戻し、今度はアリサの方を覗き込む。いや、実際はアリサでは無く、リアガラス越しに見える被弾したボンネットを見ていた。 「ねぇヘンヨ……」 「……後にしてくれないか?」 『昔は気にしなくてもよかったんだけどねぇ。今は全部自分で用意するから……。ていうかこんな高級車使わなきゃいいのに』
もっかい支援、さるさん食らいましたか?
471 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:08:28 ID:N37nyTcL
始めて見せるヘンヨの苛立った表情は、言いようのない淋しさが滲み出ている。 ヘンヨの前職や、そのタフさの正体。それはあとでじっくり聞こう。隠すつもりもないようだし。 そう思い、アリサは今は口を閉じている事にした。 ※ ※ ※ 「もう一度言ってくれないかベリアル?」 『もう一度ですか?』 アンダースの発言に少し戸惑いを見せるチタンの塊。アンダースは前屈みになり、ふたたびベリアルの発言を待っている。 『長くなりますが……』 「解ってる。とにかくもう一度、その探偵の経歴を聞かせてくれ」 『分かりました………。 ヘンヨ・シュレー。三十歳。 両親は幼少の頃に殺人事件により死亡。祖母へ引き取られスラムで少年期を過ごす。 十五歳で陸軍少年兵学校へ入学。十七歳で卒業し、高校修了資格を得ると同時に陸軍へ正式に入隊。 十九歳でアフリカの紛争地域の治安維持部隊に従軍。三年間戦闘を行い、帰国と同時に陸軍士官学校へ。 一年間教育を受け、卒業後に統合軍に転属し、陸軍傘下の特殊部隊隊員として主に国外で任務を行う。 二十五歳でその部隊を離れ、その二年後に退役。最後の二年の経歴は不明ですが、最終的な階級は中佐。 主な資格は、コンバットシューティング教官。市街地戦闘特殊技能教官。野営指導教官。CQC技術指導員。格闘指導員。爆発物取扱特殊技能員。 ヘリコプター操縦者及び兵装オペレーター資格。対空兵装取扱者資格。大型特殊車両運転者資格……』 「解った……。もういい」 ベリアルの説明はまだ途中だったが、アンダースはそれを遮る。 自ら求めた物とは言え、これからまだまだ続くヘンヨの技能を表す事柄を延々と再び聞く事に嫌気が刺した。 「つまりは……その探偵野郎は?」 『兵士です。一流の』 「なぜそんな奴が探偵なんか? 高級将校じゃないか。ある意味で安定している」 『解りかねますが……。最後の二年間に何かあったのでは?』 「調べられないのか?」 『前半の経歴は軍の資料に残っています。最後の二年間は在籍している事しか公開されていません。まだ未知の技能を有している可能性も』 「もしそんな奴が本気になったら……」 『キース様はすぐに見つかるでしょう。安心出来ます』 「だといいがな……」 ーー続く。
大丈夫みたいですね、支援
473 :
カインドオブマシーン ◆wHsYL8cZCc :2010/06/16(水) 03:09:53 ID:N37nyTcL
投下終了。 秒数規制が50秒になってる。 規制されてたから全然知らなかった。
474 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/16(水) 03:11:30 ID:N37nyTcL
支援の皆様、感謝です。 お蔭様であのスパルタ猿は来ませんでしたw
>>474 投下乙です!
ヘンヨの愛車はいったい幾らするんでしょうかww
何となくですけれど、ヘンヨにとってもアリサにとっても面倒な退却戦だったような印象を受けますね。
勿論この二人が感じた「面倒臭さ」は別物でしょうが。ってかアリサはそれどころじゃなかったか。
しかしヘンヨの資格(?)多いですねぇ。ある程度は潰しが効くものもありそうですが、一介の私立探偵に必要なものではないようなw
随分と意味深なシーンでしたからこのように煽るのはいけないかもしれませんけれど、ふと感じてしまって。
それでは、次回も楽しみにしていますね!
PS:貴様が恐怖していたスパルタ猿はこの俺様が懲らしめてくれたわ!フハハハハハ!
……悪乗りごめんなさい、ってかこんなこと云うのもなんですけど僕しか支援してなかったはずですが。
476 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/16(水) 03:51:56 ID:N37nyTcL
ホントだ支援一人だたw とにかく感謝ですw
>>473 投下乙です!
なんというマッチョ無双……! しかし強い強いと思ったら、やっぱり経歴は凄い事になってましたね。さらに空白の二年間……KOMには謎の多い登場人物ばかりやで!
それでは、次回も楽しみに待ってますねw
478 :
長目 :2010/06/16(水) 20:16:34 ID:CDi0e1jd
>>378 感想サンクスですー
そういやこっそりネクソンはPBMと共に記念絵皆勤ですな
毎度描かせて頂いて多謝というかすいませんというか……w
>はぐれ
そういえば自分の中でも、龍聖寺院や光よりも、はぐれ研究員の呼び名の方が馴染んでる事実w
>そのペンダントの柄は?
大分前の氏の投下絵で、カッコマンスーツのヘルメットに描いてあった「E」(E自警団のE?)をイメージ元にしとります
「カッコよくない、ヘルメット」という田所君の発言が、横に書いてあったので
それを受け、()をつけてカッコイー感じにしてみたとかなんとか
元の意匠からは離れてますが、アクセのアレンジということでどうかひとつ
ちなみにざっと正面図を描いてみると、こんな感じです
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/599/NK_%28E%29.jpg
ポリマースーツのヒーローや、GGGみたいな勇者系に似合いそうなエンブレムですね!
チョーさんの生存を確認! こんなに嬉しい事はない……!
>>478 投下乙です! 不覚にも笑ってしまいましたw でも普通にカッコE……!
>>478 投下乙です!
ネタ臭く見えるのに普通にカッコEのが何か困りますww
上の出っ張りを少し大きくして左右にずらせばサムズアップに見えないことも無い……かな?
僕個人のセンスなんか当てにしない方が良い気がしますがwwww
∧∧ ヽ(・ω・)/ ズコー \(.\ ノ 、ハ,,、  ̄
うわー誤爆したぁぁぁぁぁ!?
∧∧ ヽ(・ω・)/ ズコー \(.\ ノ 、ハ,,、  ̄
ば、馬鹿な! 本スレに人がいるだと!?
私はいつでも見張っている!
だっ、だれだきさまー!
488 :
人稲様 :2010/06/17(木) 02:17:58 ID:sit6Vm4R
私です
あ、なーんだ、人稲さまかー。 Σ(゚Д゚;)だれだおまえー!?
新しい人稲キャラとな!? 人稲様は巫女服姿の巨乳お姉さんに違いない!
口調はババァですねすごくよくわかります!
人稲ちゃん、人稲さん、人稲巫女、バリエーション多過ぎワロタ
住人の数だけ人稲さんは存在するのです。
師匠の人稲さんの髪型は(ry
無論、三つ編みであぁぁぁぁぁぁる!!
自分はポニテかストレートであぁぁぁぁああああある!
特定したwww
そこにニーソがつくと大盛り上がり……ばかな特定されるわけがない! ステルス性は万全のはずだ!
そういう貴様の人稲さんはどんな娘なんだ!
あ、じゃあ私黒タイツで!
可変式……だと
ですよね! 気分によって三つ編みが一本になったり二本になったりしますよね! 個人的に三つ編みが一本だと大人っぽくて、二本だと子供っぽいイメージががが
>>503 そっちが変わるのかYOwwwww
ならば四本位の三つ編みをば
あと三つ編みの位置も変わるよ! 三本以上は変わった子ってイメージですかねー。
三つ編みバカメ!
ショートに麦藁は譲れんね。
特定した
そして太さと長さも変わりますね!
>>506 ありがとう……最高の褒め言葉だ。
510 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/17(木) 13:30:48 ID:vZqTDpTN
>>509 >太さと長さも
個人的に太いのが好きです……太いのがね
私もどちらかと言えば太めの方が好きですが……細くて長い三つ編みが縦横無尽に動き回るのもまた素敵なのだ……!
全身からよくわからない力がみなぎって髪の毛がフワフワするんですね!
それ凄く好きですw
遥さんならできそうな気がするw<全身からよくわからない力がみなぎって髪の毛がフワフワ
オラわくわくしてきたぞ!
あえて断言しましょう! 遥さんならできます、それw
な、なんだってーーーーー!?
マナフィールドで背中から虹色の翼を生やしてですn(ry
というか、神子ならマナを使えばできそうだw
ロリコン師匠「奴は……超ロリータだ!!」
そしてリヒトは超ロリコンかwww
そしてたまちゃんは超ババaデストローイ
タマ姉って呼べよデコスケ野郎!
だ が 断 る。
ロボスレで逆転裁判ってネタがちょっとツボった件について
さあ、そのネタで一発描くんだ!
ツクヨミ「異議あり。その証言は明らかに嘘だ」 ユノー「な、何を根拠に! 今の彼の証言に、何かおかしな所があったんですか!?」 ツクヨミ「証言の最中に、僅かだが呼吸が乱れて、声が高くなった。この証言者が嘘をつく時の癖だ」 サイバンチョ「……変化がまったく分かりませんが」 ツクヨミ「証言者の心拍数が増えた。嘘を暴かれて動揺したか」 ユノー「それは貴方がいきなり変な事を言い出すからでしょう!!」 ハティ「……というカ、そういうゲームじゃナいだろウ、逆転裁判というのハ」 ツクヨミ「そうか」 ユノー「逆転検事で細かく証拠探しする方が似合ってますよ、貴方には」
ts
この静寂……。
女装した人稲きゅんが男だとバレるかもしれない恐怖を抱えながらも必死で頑張っている様子を思い浮かべると、私のエクスカリバーは極限まで大きくなるのです。
もうバレて(ry
避難所生活が長かったし帰還出来るとも思ってなかったから本板に来ると妙に違和感が……w したらばは相変わらずです。
帰還できても、今は人いないんですけどね……orz 規制がッ、規制が憎いッッッ!!
536 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/18(金) 02:20:30 ID:bxdCKHSx
解除されてても避難所8に本板2の割合でしたらば生活w 寄生め……
しかしなんやかんやで本スレも1日100は進んでる計算になるんですよねw 規制がなかったらどうなってた事やら……。
てすてす
規制解除イィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
おお、おめでとうございます!
てすてす 風邪辛いお……
この時期に風邪かね?
ははは、私も風邪をひきそうです……(土砂降りの中で自転車を漕ぎながら)。
土砂降りにあってびしょ濡れの女の子って萌えませんか、これってトリビアになりませんか
実際にやってみた ……りする人がいたら、俺、神様信じちゃう!
どんなキャラがびしょびしょになって家のシャワーを使わせてやる展開gジョインジョインハルカァ
よし、なら珍獣を……おいこら、半裸で走り回るな!
>>547 その前に身体を拭け!廊下がビチャビチャじゃないか!
仕方ないな、自分がバスタオルで拭いてジョインジョインハルカァ
まずはちゃんと服を脱がsジョインジョインハルカァ
test
ロボスレよ、私は帰ってきた! 壁|・ω・▼<いやホント久しぶりだw
解除されてたら誰も描いてないキャラなんか勝手に描く
まさか普通に行けるとは……/(^o^)\ナンテコッタイ こんなこと言えるような技量じゃないのに調子に乗った罰だ、やれるだけやってみよう。
おお……次々と規制が解除されていく……!
てすてす
>>558 喪連の割にはワイルドな野郎じゃないかw
>>558 投下乙!あれ……草川のくせにいい男じゃないか……!?
>>558 投下乙です!
くさ……かわ……!? 嘘だ! こんなイケメンが草川であるはずが(ry
>>561 さらに投下乙です!
なぜあなたが描くとこうも渋くなるのかwww
遥さんの髪を下ろしてストレートにしたら誰かわからなくなったでござるのマキ。やはり遥さんは三つ編みに限る……。
遥さんの本体は三つ編みだったんだよ!
ΩΩΩ<(ry
>>558 投下乙です!……というか草川のくせにkakkeeeeeeee!?w
あれ? タカ坊の肩身がまた一段と狭く!?w
>>561 投下乙です!何このイケメン悪役w
よし、段々初期オルトロックのイメージが戻ってきたぞw
ついにタカ坊と会長以外はイラストが起こされているという悲惨な事に……。 さらに会長はメルフィーと瓜二つだから実際は――――
タカ坊ェ……
イメージが無いのがイメージ それが鈴木隆昭である 個人的なイメージだと軽いおかっぱに優しげな垂れ目って感じ>隆昭 まあよくあるギャルゲの(ry
典型的な顔無し主人公ですね、分かります。 まぁ、最近のは主人公にもちゃんと顔があったりしますけどね。 理樹きゅんときゅんきゅんしたい。
BWでも、沢山のレギュラーの中でひとりだけビジュアルがないという罠w
やおよろず全員にビジュアルがある方が異常なのかもしれないけどw
>>561 び……美形だ……ッ!
そんな子が仮面ライダーになっちゃうんだから面白いっていうか でも空気とか言われてるけど主人公として人気的にも劇中的にも(笑)みたいな侮蔑はされてないのが絶妙というか 良いポジションだよね
ネタ的な意味で空気なだけだしね。当然ながら本編じゃ出ずっぱりだしw ぶっちゃけ作品内の出番で言うとここ最近の遥さんの方がジョインジョインハルカァ
>>558 投下乙です!
おちゃらけてる姿が似合うイケメンって感じですね。
>>561 こちらも投下乙です!
ふ、ふつくしい…………!
でもどうして片目が隠れてるんでしょうね?
>>569 まあ世の中には主人公を真っ先にキャラ紹介に登場させるメーカーがありましてね……
特定しますた
村正の湊斗さんとか顔濃すぎると思うんだ いや、そこが良い所だけれど… うう、あのキャラ造形が衝撃的すぎる…
あれ?俺が挙げたメーカーは特定されて無い気がするぞ?
>>576 やっぱ村正って面白いんでしょうか……
あのライターが書いたフリーのネット小説は読んだことあるんですけど、もうクドくてクドくて。
嫌いでは無いのですけれど……
578 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/18(金) 23:27:33 ID:bxdCKHSx
>>577 嵌まる人はとことん嵌まる感じかな
くどいのはリアルで剣術の師範な人が書いてるリアル志向に近い理詰めタイプの殺陣なので
そういうのがクドイと感じるか、面白いと感じるかで結構評価が違うと思う
体験版でかなりやり応えあるし2章までやって先が読みたいと思わされたのならば全編一気に読めると思うよ
個人的にはテーマやシナリオが面白いのもそうだけれど、あのキャラの立ちっぷりは凄いと思わされた
ええ、信者ですよ
まあ出来の良し悪しや感性以前の段階で人を選ぶのは事実。 万人向けかと問われれば否と言わざるを得ないので、合わないなら合わないでスルーしても仕方ないのではないでしょうか。
万人向けじゃないけれど色んな人に読んで欲しいってジレンマはある話だったなぁ…村正、去年一押しは個人的にこれでした 奈良原テキストはいわゆる時代小説とか剣客小説のテイストが多めなのでそういう固い文章をまったく読んだこと無いと受け付けないかもしれない(かなり読みやすいようにマイルドにしてるけれど) まあ、一番辛いのは1章ってのは言い得て妙だと思う 伏線処理とかキャラ立てとか、ギャグとか、殺陣描写とか、世界観の造形とか個人的にはもう見習いたい所ばかりで頭が下がる 笑いの中に一々伏線仕込んである辺りが凄いと思うと同時に憎い
無垢なる剣からハマったにわかだけど、あぁいう文章は大好物です(^q^)
流れをぶった切って外伝4話の投下を開始致します
シエン
ふと気付くと、セピア色に染められた今は懐かしき、遠き故郷の景色が目の前に広がっていた。 無音の世界に包まれた八坂駅周辺の景色に気を取られていると、駅の中から二人の男女が現れた。 一人は俺の妹、茜華。もう一人は俺自身、霧坂涼夜の姿だった。 ああ。そうか……俺は夢を見ているのか……茜華…… 目の前に広がる光景が夢だと認識すると、セピア色の世界が溶け出し、暗闇に閉ざされる。 故郷の夢に一抹の寂しさを覚えながら目を開き、上体を起こすと俺の肩から毛布が滑り落ちる。 周囲を眺めると木々の隙間から差し込む木漏れ日を反射して、青々とした光を放つ泉が目に映る。 異常成長したリザードとの戦闘中に魔力が枯渇し、湖底へと落下して……其処から先の記憶は無い。 耳を澄ますと木々が擦れ合う音、水が流れる音、鳥や虫の鳴き声が響く、眼と耳は使えるようだ。 右腕、左腕、右足、左足と順番に指先を動かし身体に違和感が無いか確認していく。 五体満足で五感も機能し、シルヴァールが封印されている指輪も定位置の右中指に嵌っている。 最悪の事態だけは避けられたようだが、水底に沈んだ俺を拾い上げたのは誰だ? 「目を覚ましたか」 事態を測りかねていると背後から低めの声が投げかけられた。 早速のご登場とは好都合なものだ。こんな危険な辺境に好き好んで居る様な奴ならば、同業者の類だろう。 返礼し易い相手に助けられたものだと思いながら振り向くと、黒装束に身を包んだ男が俺を睥睨していた。 「その顔……貴様は!」 忘れもしない。闇の上級刻印装甲の適合者にして、コルセルスカ共和国の暗殺者。 この男のせいで家が吹き飛び、余計な回り道を強いられた上、変な奴に好かれる羽目になったのだ。 どれ程の間、眠りについていたかは知らんが、魔力は充分に回復している。今回は谷底では済まさん。 「落ち着け。此方に戦う意思は無い。」 「何のつもりだ?」 ロワール王国が戦端を開く大義名分を与え、暗殺者としての面目も、装甲持ちとしての格も貶められ 腸が煮えくり返って、億回殺しても足りんと思う程の憎悪を持っていたとしても不思議では無い。 「貴様が意識を失って二日。この二日の間に世界は大きな変革を迎えた。それも最悪の方向にな。 最早、国の違いなど瑣末な事で争い合っている場合でも無ければ、そんな余裕も無い」 ―莫迦が。魔獣どもが跋扈している中、人間同士で争い合っている場合か? 以前、俺がアランに吐き捨てた言葉がふと脳裏を過ぎった。 「……魔獣が一斉に攻勢に出たのか?」 「当たらずとも遠からずと言ったところだな」 魔獣が一斉蜂起し世界に攻勢を振るったとしても、一大事ではあるが人類が団結する理由にはならない。 上級刻印装甲を保有する程の軍事大国ならば、何百もの魔獣が現れようとそれは脅威になり得る事は無い。 上位の魔獣ならば話は別だが、そもそもの絶対数が少なく考慮に値しない。 刻印装甲の総数は六十六体。上級は内十一体。現在の稼働台数は半数程度と言われている。 それに対し、この世界の国は大小含めて三十七カ国。全ての国が上級刻印装甲を保有出来ないだけでは無く 刻印装甲を保有していない国とて、それ程、珍しくは無い。 全世界で魔獣が一斉蜂起したところで、大多数の小国が滅亡の危機に晒されるだけに過ぎず 大国にとっては混乱に乗じて、小国の併呑に乗り出す絶好の機会が訪れるだけでしか無い。
甚だ不本意な対立関係だがロワール王国の俺と、コルセルスカ共和国の暗殺者という関係上 併呑競争の障害物同士でしか無く、これまでの感情を抜きにしても、この男が俺を助ける道理は無い。 上級刻印装甲を保有するロワールやコルセルスカ等の軍事大国による併呑競争が始まった場合 魔獣がもたらす被害など誤差の範囲でしか無く、力無き人間同様に力を持つ人間に捻じ伏せられるだけで 魔獣如きでは精々、人間同士の対立の図式を強化するのが関の山だ。 しかし、この男は当たらずとも遠からずと言った。 人間同士の対立の図式を覆す程の魔獣…… それどころか単体で同族の生態系を破壊出来る程の例外的な存在が居る事を俺は知っている。 「異常個体の一斉蜂起……」 「貴様はこの世界の誰よりも先駆けて、その脅威をその身で知った筈だ。 下位の魔獣リザードですら、単体で魔獣の生態系を破壊し、高位属性の上級刻印装甲に匹敵する。 異常進化した上級の魔獣ならば、軍事大国が総力を結集しても一夜を待たずして屍山血河が築かれよう」 「まるで異常個体化した上級の魔獣の手によって、何処ぞの軍事大国が滅んだような言い草だな」 「如何にも。我がコルセルスカ共和国は昨晩、本城の陥落と共に瓦礫の海に沈んだ」 「コルセルスカが……陥落しただと!?」 コルセルスカ共和国はロワール王国の西隣に位置する八体の刻印装甲を保有する軍事大国だ。 世界最強の軍事国家を滅ぼす事が出来るだけの化け物が、今も世界を悠々と闊歩している。 最悪としか言い様が無いが、確かにこの世界の人類が団結する絶好のチャンスでもある。 「それで、相手は誰だ?」 「上位種ハイドラ。貴様も一度くらいなら、戦った事はあるだろう?」 「ああ……出来れば、二度と戦いたくない相手だ」 八つの蛇の頭を持つ全長三十m程の巨大な眼球の化け物で最強の魔獣と呼ばれている。 八匹の蛇と本体の眼球とで合計九つの命を持ち、完全に殺し切るまで九回殺さなければならない。 その上、八つの頭は其々に異なる属性と固有能力を持ち単体で九つの属性と十八の能力持ち 実質、九体の上位種をまとめて相手にしている様なもので、それが異常個体化しているとなると コルセルスカ共和国程の軍事大国が陥落するのも無理は無い。いよいよ、この世界も終わりかも知れんな。 「現在、ハイドラはロワール領に向けて侵攻中。元々、足の遅い魔獣ではあるが滅亡まで時間の問題だ」 「それで貴様は……自国の同胞を見殺しにして、ハイドラと戦わせるために俺を生かしたわけか」 昨夜、ハイドラを相手に死闘を繰り広げていた割にしては、暗殺者の表情に疲労感など微塵も無く 内包する魔力も、今まで温存していたとしか言え無い程に充足している。 「異世界で暗殺者の真似事をして遊ぶのにも、いい加減に飽き始めていたところだったのだ。 そんな折に貴様がオルベリオンという地球に戻るための手掛かりを得、都合良くコルセルスカも滅んだ。 私自身の為にも、そろそろ、貴様の方に加担してやろうと思っただけだ。 「貴様は……まさか……」 「オストハイル州のスポーツギア選手、アディン・グロウズ……まあ、何だ。貴様と同じ地球人だ」
自国が滅んだ事に何の感慨も無く、敵対者の命を救うなど大国の暗殺者らしからぬ言動や行動に 妙な違和感を感じ、罠や策の可能性も考慮していたのだが、同じ地球人であれば不可解な態度も肯ける。 どれ程の大異変が起きようとも、それは地球では無く、この世界の出来事であって他人事でしか無い。 だが、この男が地球人だとしたら新たな疑問が一つ浮上する。 「アディン、貴様が地球人だという事は信用しよう。最終的な目的は俺と同じという事で良いんだな?」 「如何にも……この世界は中々に刺激的ではあるが、長居する程面白い場所でも無い」 「概ね同意見だが……何故、貴様がハイドラと戦う気になっている? 確かにハイドラの異常個体は途方も無い凶悪な存在だが、俺達には何の関係も無い事だろう?」 寧ろ、戦いの舞台が魔獣の住処では無く、人間の領地へと移り変わるのであれば好都合だ。 この世界の脅威に阻まれる事無く、背中を気にする事無く、オルベリオンの捜索に集中出来る。 精々、この世界の人間と、この世界の化け物とで仲良く殺し合っていれば良い。 これが地球での出来事ならば家族や友人、故郷を守る為に命懸けで戦うのも、やぶさかでは無い。 だが、此処は地球では無く、異世界だ。文明崩壊の危機だとしても、それは戦う理由にはならない。 それに、俺は聖人や正義の味方の類では無い。一介の学生、ただの事故被害者でしか無い。 シルヴァールの力が絶大とは言え、魔術などという妄想や妄言の類が何食わぬ顔で社会に溶け込み 既存の生物学の定義を完全に無視した、おぞましい化け物や魔族という人類の敵が存在する世界で 俺自身を守り、生きて行くための力であって、他者を守るための力では無い。 ―何より、他人を慮れる程の強さなど持ち合わせていない。 「私とて我が身が一番可愛いからな。この世界の危機如きに命を賭けられる程、お人好しでは無い。 だがな、地球に戻るための絶対的な手段を手にしたわけでは無い。それは貴様にも分かっていよう?」 アディンの言う事は間違っていない。オルベリオンはただの可能性の一つに過ぎない。 それにオルベリオンを入手する事が出来たとしても、適合者をどうするのかという問題点もある。 「ならば、最悪の事態に備えて、最低限の地均しをするのも当然だという事だ」 戻れなかった場合の保険というわけか……文明も社会も無い退廃した世界で一生か。笑えない冗談だ。 「三体の上級刻印装甲、ロワール装甲騎士団。カンザス湿地帯の遺跡に封印されていた、三体の刻印装甲。 合計十二体……この世界の有史以来、最高最大規模の戦力だ。これで駄目なら諦めるしか無いな」 一つの陣営に刻印装甲が十二体……世界征服に乗り出す第一歩を踏むには充分な戦力だな。 「オルベリオンは?」 暗殺者は首を横に振り、三つの指輪を俺に投げ渡した。水の中級が一つと、下級が二つか…… 「まあ良い……今は貴様の口車に乗ってやる」 「私は純粋な地球人だから知らんが、貴様等倭国民族とは義理堅い民族なのだろう? 不服ならば命の恩人たる私に恩を返すつもりで戦え。それにロワールにも借りの一つや二つあるだろう?」 一々、小うるさい奴め……数分前まで見殺しにする気だった以上、不満が無いわけでは無いが 殺ると決めた以上は半端な真似をするつもりは無い。中途半端な気概で対峙出来る相手でも無い。 言われるまでも無く、冒険者ギルドのマスターにアラン。それにアディン。 貴様等から受けた恩義は熨斗と利子を付けて、まとめて返礼してやる。
「それでは、狂戦士と暗殺者。偶には英雄らしい事の一つでもやってみせるとしようか。」 狂戦士と暗殺者が英雄とは、不釣合いな上に似合わな過ぎて笑えてくる。 精々、地獄の肥溜めから這い出て来た、薄汚い悪鬼辺りが関の山だ。 「勝手にやってろ……さっさと行って、片付けるぞ」 ≪シルヴァール展開≫ 二日も眠っていただけあって、異常個体との戦いで枯渇した魔力は完全に回復している。 疾風に包まれ、白銀の五体に紺碧の甲冑に身を包む天焔の騎士がその姿を出現させる。 「乗れ、アディン。貴様のシェイサイドよりもシルヴァールの方が速い。」 アディンは一息でシルヴァールの脚を駆け昇り、シルヴァールの玉座へと身を躍らせた。 翼を羽ばたかせ、空を切り裂く。ハイドラの姿は見えないが、シルヴァールと一体化した今なら ハイドラの化け物染みた理不尽且つ、途方も無く出鱈目な魔力を嫌でも感知出来てしまう。 「直線距離で三百q……三分後に接敵。それで貴様……やれるんだろうな?」 アディンとは一度、対決しており大体の実力は分かっている。 対魔術干渉能力の高さには目を見張るものがあるが、それ以外の能力は俺よりも低く 本当にスポーツギアの選手なのかと疑いたくなる程、戦い下手で背中を任せるに値する実力があるとは思えない。 「異常個体とは言えリザード如きに遅れを取った貴様が言えた台詞か? 貴様の方こそ私に遅れを取るなよ?」 「アテにしても良いんだろうな?」 「追っ手を撒く為にも、貴様に殺された事にした方が好都合だったから醜態を晒しただけだ」 刻印装甲の適合者から裏切者が出るのは対外、対内、軍事と様々な意味合いで厄介だというのに 上級刻印装甲の適合者でありながら、暗殺者という役割上、多くの情報を持つアディンの裏切りは 軍事力の大幅な低下と重要情報の流出を意味する。 だが、俺に殺されコルセルスカ共和国が上級刻印装甲を失ったという風聞を世界各地に流せば 上級刻印装甲を保有する軍事大国はコルセルスカ共和国に対し、開戦に乗り出す可能性が高くなる。 そうなれば、コルセルスカ共和国に併呑された小国も独立に向けて行動を起こすだろう。 当然、自国の象徴の命を奪われかけたという大義名分を振り翳し、ロワール王国も進軍する筈だ。 ―結果、コルセルスカ共和国は瞬時に世界の敵として四方を囲まれ…… 「ハイドラが居ようと居まいと結局、滅びる運命にあったというわけか……皮肉なものだな?」 「私の安全を確保する為にコルセルスカ共和国が滅びる切欠を作ったに過ぎん。 ハイドラが出現したせいで、計画は全て徒労に消えてしまったがな」 「それで、俺に組する機会を狙って、周囲を嗅ぎ回っていたというわけか」 「半分はな。もう半分は暗殺者としての役目を全うするためだ」 「大国から命を狙われる覚えは無いのだが」 「霧坂涼夜。貴様は上級刻印装甲の適合者が持つ影響力というもの自覚した方が良い。 最強の一角を担う、シルヴァールの適合者が特定の組織に所属せず、冒険者という中立の立場で この世界の人間の予測を大きく越える独自の判断基準で、世界各地で無軌道に暴れている。 その矛先が自分の首元に差し向けられる事を恐れる者は多い」
―尤もらしい理由ではあるが、実に下らない話だ。 「世界最強を誇ったコルセルスカ王国も、その一つというわけか……情けない話だ」 「前回の一件で霧坂涼夜はロワール王国に恭順の意を示し、いつ爆発するか分からない不発弾から 主の命に従い、確実に全てを焼き尽くす核弾頭に昇格し、ロワール王国はコルセルスカ共和国に代わり 最強の軍事大国になり、他国からの干渉を一時的に抑える……という筋書きだったのだが」 「貴様の魂胆は全て、ハイドラに横取りされたというわけか、一個人の意思で簡単に世界を動かせると思うな」 「ほざけ……」 音速を越え天を切り裂きながら、無益で下らない会話を続けている内に出鱈目な魔力の発生源が視界に映る。 ハイドラはゆっくりとした……足は無いが、ゆっくりとした足取りでロワール本城を目指して、領内を突き進んでいた。 吐く息は猛毒。奴が前進しながら呼吸をする度に、木々や動物が死滅し、大地は腐敗していく。 少々、デカイ図体をしていようと霊薬の数だけグラビトンランサーを撃ち込んでやれば良い。 いくら異常個体の力が凄まじいとは言え、最強の一角を担う三体の刻印装甲の内、二体。 そして、ゴルトゲイザーを初めとするロワール装甲騎士団が居る。 悪い事にはなるまい―そう考えていたのだが…… 「全長何mだ? ロワール本城より大きい気がするんだが……」 「何、高さと幅では負けているが、長さに限ればロワール城の方が上だ」 「何もかも奴の方が上なら貴様を置いてでも逃げるぞ」 尚、ロワール本城は長さ六百m前後、幅百三十0m前後、高さ百二十m前後。 それに対するハイドラの中心核の直径は恐らく百五十mくらいか……よく分からんが魔力に違わぬ巨体だ。 「奴の足止めは私が引き受けよう。貴様はロワール城へ向かい、雷帝どもを引き連れて来い」 アディンは淡々と言を発し、身を乗り出す。大草原を越えれば、ロワール城は目と鼻の先だ。 強固な城壁の中には多くの無力な人間達が居る。城壁が強固とは言え、対魔術防御など程度が知れている。 そもそも、城壁如きでは、ハイドラの吐息の流れを阻む事は出来ない。この辺りで進攻を食い止めねばならんが…… 「貴様……一人でハイドラの相手をする気か?」 「私とて一人でアレを如何にか出来るなどと思い上がってはいないが、属性の優位は私にある。 それに無駄に時間を食っていると城壁を破られ、有象無象どもが骸を並べる事になる。 この世界の事など知った事では無いが、人が死ぬ様を見て動じない程の冷血でも無い」 「フン……霊薬だ。持っていけ。」 高速移動で使い切った魔力を回復するために霊薬を自身に投与し、アディンにも幾つか投げ渡す。 属性の優位があるのならば、この戦いの鍵は奴が握っている。欠落は絶対に避けねばならん。 「狂戦士の源か。その気遣いをこの世界の者どもにも出来れば良いのだかな。」 皮肉で返事が返って来る。余計なお世話だ。 「精々、死なないようにする事だな。」 「誰に物を言っている?」 ハイドラの真上でシルヴァールの玉座を開くとアディンは宙に飛び出し、地表に落下しながら指輪を翳す。
≪シェイサイド展開―≫ 主の言霊に従い、黒煙を切り裂き、黒の四肢を持つ巨人が常世の世界に滑り落ちる。 開花する花の様に胸部が開き、アディンを飲み込むと黒煙が紫の甲冑となり黒の巨体に装着され 黄金色の双眸が閃光を放ち、右腕から煉獄の化け物の顎門を彷彿とさせる巨大な爪が伸びる。 常闇の刻印装甲、シェイサイドがその身を視覚化させ、左腕で印を結びながら まるで幾何学模様を描くかのように魔力の残光で、ハイドラを包囲し、言霊を唱える。 <深淵より隠れし者。幾千の猛毒を呷り、災禍の不浄を侵せ! インダクトベイン!> インダクトベイン―俺と戦った時は千本の短剣を周囲に配置し攻撃対象に自動攻撃するという 子供騙し以下の下らない攻撃だったが、今なら、俺がどれだけ手加減されていたのかが、よく分かる。 シェイサイドが魔力の残光で描いた陣から、闇の呪詛が刻まれた巨大な毒剣が次から次へと吐き落とされ 振り落とした左腕を合図に千本の剣が、ハイドラの頭上から滝の様に降り注がれる。 存在の痕跡すら残らない程の無慈悲で理不尽な攻撃……だが、異常個体が相手なら話は別だ。 天地を揺るがすような、ハイドラのおぞましい絶叫を背に受けながら、ロワール王城へと向かい シルヴァールから飛び降り、王座へと駆け抜けると― 「漸く、お出ましかね。待ちくたびれて君抜きで総攻撃に出ようかと思っていたところだよ」 間髪入れず、開口一番にラウバルト将軍が人の良さそうの笑みで、皮肉を吐く。 てっきり、滅亡寸前の危機に瀕し、雁首揃えて不景気そうな面をしているのではと思っていたが まるで余裕その物……寧ろ、俺がこの場に現れるタイミングまで予見していたのような態度だ。 「シェイサイドにハイドラの足止めをさせている。将軍、手を貸せ。上級刻印装甲3体に装甲騎士団。 世界を滅ぼしても尚、有り余る程の戦力だ。生きる意志があるのならば、負ける事はあるまい?」 「やれやれ、傍若無人も此処まで一貫していると感心するね」 「泰然自若と言ってもらいたいな」 皮肉を吐きながら肩を竦める将軍に意趣返しというわけでは無いが、皮肉で返す。 「だとしても、あまり年寄りを扱き使ってくれないでもらいたいね。私は騎士では無く政治家なのだからね。 装飾品としての適合者に戦力的な期待を寄せられても、それに応える事は出来ないし、困るのだがね?」 「だからと言って、大した魔力も持たない冒険者に多くを期待されても困る」 「フッ……飾りの雷帝に無力な狂戦士。それを束ねる無能な指導者。3人合わせて1人前くらいにはなろう?」 謙遜と言うよりは、自虐にも似た皮肉にロワールの無能代表にアランが名乗りをあげる。 だが、悲壮感は欠片も無く、負ける気がしないという顔をしている。俺が加担するのだから当然だがな。 「あら、皆様。口先だけの姫を忘れてもらっては困りますわ」 アランに続いて、イリアが此方へと駆け寄ってくる。軽口を叩く余裕があるのならば問題は無さそうだ。 こいつ等はこの国の飾りだ。飾りが光りを放たずに陰っていては、多くの者に悪影響を与える事になる。 それがどんなに滑稽な事であっても、勝つ気があるのならば、こいつ等には笑っていてもらわねばならない。 「将軍は俺と共にシェイサイドと連携。上級刻印装甲3体でハイドラを直接叩く。 アランは装甲騎士団の指揮を頼む。長距離法撃でハイドラの足を止めてくれ。絶対に城壁を抜かせるな。 イリア、お前はこの国の顔で、戦う者達の拠り所になる。何があっても泣くな、嘆くな、毅然としていろ」 「当然ですわ! それに涼夜様が居ますもの。勝利は揺るぎませんもの。嘆きようが御座いませんわ」
「では、これも頼む。カンザス湿地帯で入手した水の刻印装甲だ。手の空いた者と共に適合者を探してくれ。 もしも、恐れる者が居たら、お前が勇気付けてやれ。イリアはこの国の顔だからな、イリアにしか出来ない事だ」 指輪を手渡すとイリアは力強く頷いた。虚勢などでは無く、負ける事など微塵にも考えていないようだ。 態々、負ける事なぞ考えなくても良いがな。どうせ、そんな危惧は無駄になるのだからな。 「我々に命令するとは何処までも不遜な男だね。此処まで徹底していると却って清々しい気分だよ」 「大口を叩いただけの結果は出してやる」 言うべき事は全て言った。今の高揚感と士気を全員が持続出来れば、まず負ける事はあるまい。 ―後は往くのみ。 「待て、涼夜。」 「何だ?」 「お前はこの国の騎士では無く、冒険者だ。見返りは何を望む?」 この国がどうなろうと知った事では無い。俺の目の届かぬ所で何人死のうと俺には関係の無い事だ。 だが、俺とて目の届く場所で危機に晒されている人間を看過出来る程、酷薄な人間では無い。 俺は英雄で無ければ、救世主でも無い。偶々、目の届く場所で襲われている奴が居るから戦うだけだ。 だが、報酬を与えてくれるというのであれば、有難く要求させてもらう事にしよう。 「出来れば、王立図書館を自由に使わせてもらいたい」 「良いだろう。では、改めて依頼する。この国……いや、世界を滅亡せしめんとする魔獣ハイドラを討て!」 「委細承知。往くぞ、将軍。」 「やれやれだね。では、死地へ向かうとしようか」 将軍と共に踵を返し、外を目指し城内を駆け抜けていると、ふと一人の少女の顔が頭を過ぎった。 「そう言えば、嘉穂は如何している?」 「あの子なら騎士団の兵舎で待機中だよ。会って行くかね?」 「いや、変わり無いのなら構わない。合流が遅れてシェイサイドが撃破されては敵わんからな」 新たに地球人の仲間が増えた事を伝えておきたいところだが、まずはハイドラを片付けてからだ。 中級以下の刻印装甲は全て後方に回したのだから、彼女に危険が及ぶ事はあるまい…… 「では、急ぐとしようかね」 ≪ゴルトゲイザー展開≫ 将軍の言霊に応じ、落雷が大地を蹂躙し大穴を穿ち、地の底から紫電を纏った蒼き獣が現れた。 俺は中庭に伏せていたシルヴァールに乗り込み、大鷲の様な鉤爪を模した脚でゴルトゲイザーを掴み 空へと舞い上がり城壁を飛び越え、ハイドラの元へと肉迫し、ゴルトゲイザーを蹴り飛ばす。 ≪我は神槍、此処に顕現せり―テンベストランサー≫ ハイドラとの距離を一気に詰め、ゴルトゲイザーは額から伸びる直槍の様な角から雷光を放ち 蛇頭の一つを貫き体内に直接、剛雷を流し込むが、大したダメージは通っていない。
「全然、効いていないみたいだけれど、これはどうかね?」 ≪閃光より溢れ出でよ―リグ・ヴァジュラ≫ 単騎でまともに戦える様な相手では無いという事は将軍も承知の上なのだろう。 ダメージが通らなかった事に対し、何の感慨も持たずにハイドラの皮膚に埋没した額の角から 雷の刃を構築し、内部を焼き貫き食い破る。どうでも良いが詠唱が短くて羨ましい限りだ。 「……ぼやいている場合では無かったな」 ≪我が手に集いし閃光よ愚者を穿つ刃となりて、その名を示せ! ライボルトスクリーマー!≫ 穂先が五つに分かれた巨槍を形成し、五条の雷光を収束させハイドラの中心核を狙うと奴の結界に弾き飛ばされる。 だが、弱点を狙われた事で本能的に結界を全面に集中させてしまった為、他の部位の守りが疎かになっている。 「アディン! 結界を破壊しろ!」 「……漸く、お出ましか。では、本格的に攻めるとしよう」 機会を見計らっていたシェイサイドが、最初から其処に居たと言わんばかりにハイドラの背後に音も無く立ち上がり 左腕で印を結び最も結界が薄くなっている箇所に陣を貼り付け、巨大な爪を振りかぶった。 ≪混沌より生まれし楔よ、生を飲み干し万遍の滅びを我が前に示せ! ケイオスファング!≫ シェイサイドの巨爪に幻惑を鋳造した無数の刃が生え揃い、右腕に金色の獣が張り付き、肩から長い尾が伸びる。 闇の存在感を完全に無視した獣を模した刃が結界を引き裂き、風船のように破裂させる。 「攻撃目標ハイドラッ!! 全軍、一斉法撃ィィィ!!」 結界の消滅に合わせてアランが装甲騎士団に号令を出し、ローザンシュレイクを初めとする刻印装甲達が 一糸乱れぬ動きで各自、魔術兵装による術法撃でハイドラの巨体を一斉に蹂躙する。 流石のハイドラもその身を揺るがし、大蛇の頭が其々に咆哮をあげる。 だが、その咆哮は苦悶による悲痛な叫びか? それとも、蝿の様に群がる人間に対する苛立ちか。 考えるまでも無く、後者だ。ハイドラは俺達は振り払うかのように猛毒を纏った七色のブレスを吐き出す。 まるで人間が群がる虫に殺虫剤を振り掛けるかのようにも見える。 対魔術結界すらも融解する程の猛毒。適合者の魔力が視覚化された刻印装甲とて、例外では無い。 魔術干渉能力を持つシェイサイドは姿を消し、ゴルトゲイザーは疾風迅雷の如く安全圏まで逃げ延びる。 俺もシルヴァールを瞬時に天へと舞い昇らせ印を結ぶ。 「全員合わせろ! 最大火力でハイドラを殺し尽くす!」 此方の意図を理解したのかアディンと将軍がハイドラから離れ、其々の最適位置で印を結び アランは怒声じみた号令を出し、装甲騎士団の攻撃が更に苛烈さを増していく。 「この力で一切合財が無に帰してくれれば楽な話なのだがね」 ≪我は森羅万象を貫く蒼古の裁き―ヴィングトール≫ ゴルトゲイザーが地を蹴り、一角獣を彷彿とさせる角で落雷を受け止めると、四足の華奢な足が折り畳まれ 巨人の手足が再構築され全身に纏った紫電が弾け飛び、蒼雷の様な甲冑が装着され一本角を持つ獣から 雷を纏う騎士へと姿を変え、ゴルトゲイザーは外套を翻し、巨大な鎚を構えた。 「無に帰さぬのならば、力尽くで帰すまでだ」 ≪宵闇の腐海に浮かびし混沌の使途、我は惨禍。災厄の鎖より逃れる術も無し―ファントムヴォルド!≫
シェイサイドの右腕に張り付いた金色の獣が粉々に砕け散り、破片の一つ一つが黒く巨大な針になり 肩口から飛び出した鎖がガンベルトの様に黒針を繋ぎ止め、シェイサイドの右腕を取り囲むように九本の黒針が浮かび上がる。 「霊薬の残量は充分。一度で死なぬのならば結構……死ぬまで撃ち続けるまでだ」 ≪汝、呪われた顕界に踊りし者。その無慈悲な暴を以って、堕落せし愚物に絶望を刻め……グラビトンランサー!!≫ シルヴァールの巨体を覆い隠す程の巨槍を携え―ハイドラの中心核に目掛けて投擲した事を皮切りに 巨塔のような黒針がシェイサイドの右腕から断続的に放たれ、ハイドラの巨体を貫き、全身に黒い血の花を咲かせ ゴルトゲイザーの鎚からハイドラの巨体さえも覆い尽くす程の巨大な雷光が叩き落され、八つの蛇頭が苦悶のあまり喉を詰まらせる。 城壁から色鮮やかな光筋が次々に放たれ、ハイドラの巨体を穿ち、間髪入れずに重力の結界がハイドラを押し潰す。 様々な属性が一度に一つの攻撃対象に殺到し、ハイドラの咆哮さえも掻き消す程の轟音を伴う魔力爆発が発生する。 アランや生身の連中の鼓膜が破裂していないか少しばかり心配になるが、まあ死にはしないだろう。 爆煙を切り裂きシルヴァール、シェイサイド、ゴルトゲイザーに大蛇が二匹ずつ襲い掛かる。 本来ならばオーバーキルを軽く通り越す程の攻撃だった事もあり、俺達は完全に不意を突かれ回避が遅れてしまった。 大蛇の口腔に集束された魔力が空を塗り潰す程の暗い影を広げ、全周囲から金色の飛礫がシルヴァールに放たれる。 ハイドラの弾幕の層は分厚く避ける術は無い。どうせ避けられないのならば、被弾覚悟で奴の闇を一点突破で切り抜ける。 全身を穿たれるような錯覚にも似た痛みを感じながら闇を切り裂くと、眼前には大地が迫っていた。 「平衡感覚を奪う幻惑付きか……ッ!!」 翼を羽ばたかせ、シルヴァールを無理矢理急停止させ地面への激突を防ぐが、 眼前に浮かび上がった陣をいぶかしむ暇も無く大地の槍に突き上げられ腹部を串刺しにされる。 「クソッ……まるで百舌のはやにえだな!」 悪態を吐いていると、光を遮る黒い影がシルヴァールを覆いつくす。今度は魔術による影響では無い。 大蛇が陽光を遮りながら巨大な口を開き、シルヴァールに喰らい付こうと覆い被さって来る。 つい二日前にもリザードに食われかけたというのに、またこの展開か! しかも、今度は丸呑みか!? 冗談では無い。翼から羽を一枚引き抜き長剣を形成し、シルヴァールの下半身を斬り落とす。 大地の槍から転がり落ちながら、翼を羽ばたかせるとシルヴァールの下半身が大地の槍ごと大蛇に喰われた。 ≪化け物が……シルヴァール、再構築を開始しろ≫ 失った下半身を再構築し、体勢を立て直すとシェイサイドと、ゴルトゲイザーも失われた部位を再構築している最中だった。 改めて、ハイドラを視界に収めると、大蛇の首が一つ消し飛んだだけで、七つの首は未だ健在。奴の残された命は八つ。 「最大火力でやっと頭一つか……三つは持っていけたと思ったのだがな」 「最大火力って君ね。出し惜しみをして、やられているのでは話にならないよ? 其方の君もそうだけど、上級刻印装甲の力を完全に引き出す事が出来ていないのかね?」 どういう事だ? 確かに俺の適合者としての格は下から数えた方が早いレベルだが、出し惜しみ……? 「天焔の刻印装甲にはヘブンランサー、宵闇の刻印装甲にはメギドクレイモア。 契約属性では無く、支配属性による攻撃では折角の上級でも中級以下の刻印装甲と大差は無いよ」 「そう言われても、契約時に頭の中に流れ込んで来たのは支配属性の攻撃ばかりで契約属性の攻撃など……!?」 将軍の話に気を取られているとハイドラが攻撃を再開する。シェイサイドに二体、ゴルトゲイザーに二体 シルヴァールに三体……俺に攻撃を集中させるとは理不尽且つ、ふざけた展開だな。 こんな展開ばかりでいい加減に慣れたがな。昨日今日で何回死んだかすらも分かりやしない。 「アラン、攻撃の手を緩めるな。中心核に火力を集中させろ。俺達は奴の頭を叩く!」
口から臓腑を吐き出しそうな程の苦痛に耐えながら立て続けにグラビトンランサーを三本生成し 襲い掛かる大蛇の口腔目掛け投擲し大蛇の首と術から逃れながら、強烈な嘔吐感に耐えながら霊薬を嚥下する。 急激な魔力の増減に精神に負担が掛かりすぎている。だが、次の一手を討つためにも脱落するわけにはいかない。 だが、ハイドラに襲い掛かる重力の結界の悉くが、大蛇の口から放たれる術式の数々によって相殺される。 これだから、異常個体って奴は……人が苦労して生成した魔術兵装を前準備も無く、掻き消すとはふざけた真似を! それより、ヘブンランサーとやらだ。刻印装甲は契約の際、操作方法や使用出来る魔術兵装の呪文や効果 刻印装甲を運用する上で必要な知識が勝手に頭の中に流れ込んで来るという仕組みになっている。 流れ込んで来た知識の中にヘブンランサーに関する情報は一切、含まれていない。 確かにシルヴァールは天の刻印装甲でありながら、天属性の攻撃手段を持ち合わせていない。 何か特別な発動条件でもあるというのだろうか? 一先ず、目の前の脅威から身を防ぐのが先か。 視界はハイドラの蛇頭で埋まり、空の青が完全に遮られており、何と無く笑えた。 「涼夜様ッ!! 今、お助け致しますわ!!」 この場で聞こえる筈の無い少女の声と共に防壁を展開した二体の刻印装甲がシルヴァールの盾となり ハイドラの攻撃を塞ぐが拮抗状態も極僅か。割り込んできた二体の刻印装甲の全身に亀裂が走る。 翼に魔力を結合し、俺を庇った二体の刻印装甲を回収しようとするが、新たに現れた刻印装甲が シルヴァールを掴み、助けに入った刻印装甲を置き去りにして飛び退く。 安全圏に離脱すると同時に二体の刻印装甲は粉々に砕け散り、押し潰されてしまった。 アレでは流石に助からんな……俺一人の為に二人の人間が犠牲になり、怒りが込み上げてきた。 「何のつもりだ、イリア!!」 「ご心配には及びませんわ。涼夜様から預かった3つの指輪は全て、私の制御下にありますわ。」 ≪レヴィアザン、ガイオス―展開!≫ イリアの刻印装甲―レイスヴォルグに付き従うかのように先程、俺の助けに入った二体の刻印装甲が視覚化される。 「3体の刻印装甲の同時使役だと!? イリア、お前は……」 「非常時に適合者を探している場合では無いと思いまして……涼夜様、私は戦いの術など何一つとして存じ上げておりませんわ。 ですが、知識として一つだけ存じている事が御座いますの。刻印装甲は魔力を通じ、適合者の想いに従うという事を。 其処に前例や知識は関係ありませんわ。ただ想うだけですもの。」 ただ想うだけ……イリアが何を想い願ったのかは知らないが、現に3体の刻印装甲と契約し、人形師の様に操っている。 本来、一体の刻印装甲に適合者は一人、一人の適合者に契約出来る刻印装甲も一体というのが契約のルールだ。 「適合者とは想いの体現者ですわ。戦って駄目なら想ってみるのも宜しいかと」 「良いだろう……口先だけの姫君。お前の口車に乗ってやる。アディン聞いていたな? しくじるなよ。」 刻印装甲がただの道具では無く、適合者もただパイロットの役割を果たす者では無いとすれば…… 想いの体現者、その言葉が指し示す意味―ヘブンランサーの正体を掴む事が出来たかも知れない。 「心外だな? 本来守るべき筈の姫君に守られている男に言われるまでも無い。メギドクレイモア……確かに理解した。」 アディンが霊薬を嚥下したのを確認して同時に想念を組上げながら、ハイドラに肉迫する。 あらゆる結界、幾万の兵、巨大な獣、膨大な魔力―それら全てを塗り潰し、蹂躙する力を。 ―この乱痴気騒ぎを次の一手で終わりにしてやる。
以上、投下完了です。 涼夜が色んな人達に対して、当初の予定よりも頑なになり過ぎていたので、デレさせてみました。
>>602 投下乙です!じっくり読ませていただきます!
乙でございます。 いいところで切りやがってw続き待ってますw
>>602 投下乙です! 落書き終わったらゆっくり読ませていただきますね!
>>602 投下乙です、後で読ませて頂きますね
本日の22時ぐらいに自分もCR2章MAIN(起)を投下予定です
今回も長い(苦笑)ので、二日に分けて分割投下しようかと思います
その時はまた支援よろしくお願いします
>>602 投下乙です! 後でゆっくり読ませてもらいますね。
>>607 楽しみに待ってますよー。
さて、ワームと戦うようです最終話Bが(ryなので、ちょっとした設定を投下。
「重歩兵」
全高3m、基本重量500kgの重装甲強化服を装着した歩兵。
砂漠のような灼熱地獄や極寒の地。車両では移動が困難又は不可能な山岳、密林地帯。病原菌、毒ガスや放射能、ナノマシンなどの極小兵器が蔓延した場所。
夜間、豪雨、嵐の中での行軍、戦闘など、生身の兵士や軽装甲強化服を装着した軽歩兵では活動、戦闘が困難な天候、環境、地形でも安定して戦える「最強の歩兵」。
ただし所詮は歩兵であり、戦車などの戦闘車両に比べて戦闘力は大きく劣る。(重装甲強化服は「重装甲」強化服ではなく、軽装甲強化服より大きく重い「重」装甲強化服と理解するのが正しい)
「突撃兵」
主に近距離の戦闘を担当する。
重擲弾発射機などの射程が短い代わりに大火力の兵器を持って可能な限り接近し、戦車などの強固な戦闘車両、陣地などの破壊を任務とする。
突撃兵が最も活躍するのが、敵味方共に弾薬を大量に消耗した中盤以降の戦い。
近接兵、狙撃兵、砲兵、後方支援の支援を受けながら振動熱斬刀を手に敵へ突撃し白兵戦を行う突撃兵は真の主力と呼ばれる程恐ろしい存在である。
「近接兵」
主に近距離〜中距離の戦闘を担当する。
威力が高く射程が長く弾数が多く間接防御兵器としても優秀な25mm重機関砲を主力兵器として使用する。
全兵種の中で最も多彩な兵装を持つ戦場の花形である。
「狙撃兵」
主に中距離〜中長距離の戦闘を担当する。
高威力、長射程に加え極めて高い命中精度、重歩兵最強の兵器とすら呼ばれる50mm狙撃砲と、25mm重機関砲と50mm狙撃砲の中間の性能である37,5mm狙撃砲を主力兵器とする。
突撃兵、近接兵を護衛に付けた一方的な狙撃は正に戦場の悪夢であり、敵から最も憎悪の対象とされる。
対空攻撃力が非常に高く、遮蔽で隠れた状態で放たれるステルス誘導砲弾は、航空機パイロット達にとっても悪夢であり、恐れられる。
「砲兵」
主に中距離〜長距離の戦闘を担当する。
全兵種の中で最も火力が高く、純粋な攻撃力では最強である。反面、戦闘力はそれ程でもなく、必ず護衛を必要とする。
「後方支援」
修理用、治療用、電子戦用、索敵用など様々な種類の大型バックパックを背負い、戦闘を支援する。後方支援と呼ばれているが、実際は直接戦闘部隊に含まれる(非常に紛らわしい)
後方支援用大型バックパックが大きく重い為、基本的に自衛用の軽武装のみである。
これが正統日本軍重歩兵部隊の編成だ! 分隊 約5人 小隊 約10人 中隊 約100人 大隊 約1000人 連隊 約2000人 旅団 約5000人 師団 約10000人 分隊 突撃兵1 近接兵1 狙撃兵1 砲兵1 後方支援1 無人小型弾薬補給車「イグルー」2〜3両 牽引式輸送車、弾薬車1〜2両 小隊 突撃兵2 近接兵2 狙撃兵2 砲兵2 後方支援2 無人小型弾薬補給車「イグルー」4〜5両 牽引式輸送車、弾薬車2〜3両 中隊 突撃兵20 近接兵20 狙撃兵20 砲兵20 後方支援20 無人小型弾薬補給車「イグルー」約50両 牽引式輸送車、弾薬車 約25両 大隊 突撃兵100 近接兵100 狙撃兵100 砲兵100 後方支援100 輸送補給工兵その他500 無人小型弾薬補給車「イグルー」約250両 牽引式輸送車、弾薬車、その他各種車両 約250両 連隊 突撃兵200 近接兵200 狙撃兵200 砲兵200 後方支援200 その他1000 無人小型弾薬補給車「イグルー」約500両 牽引式輸送車、弾薬車、その他各種車両 約500両 旅団 突撃兵400 近接兵400 狙撃兵400 砲兵400 後方支援400 その他3000 無人小型弾薬補給車「イグルー」約1000両 牽引式輸送車、弾薬車、その他各種車両 約1500両 師団 突撃兵800 近接兵800 狙撃兵800 砲兵800 後方支援800 その他6000 無人小型弾薬補給車「イグルー」約2000両 牽引式輸送車、弾薬車、その他各種車両 約3000両 以上。 編成に関しては軍オタや自衛官の方から見れば突っ込み所しかないというか、かなりアレな代物でしょうが、まぁ大体こんな感じと理解してもらえれば。
>>608 うおー、遥さん、うおジョインジョインハルカァ
父の日SSですかー。五歳の時に両親が離婚して父親の顔も名前も覚えていない自分には関係無いですねー。
ぶっちゃけ父親に会いたいとかそういう感情は完全に零だけど、この日本の何処かに自分と半分血の繋がった妹がいるかもしれないと考えると心が萌える!
同じく両親が離婚しているので、自分が父親になるまでは無縁な日ですね。 14歳年下の妹が5歳くらいまで、自分の事を父親と勘違いしていたのも今では良い思い出www
まとめて投下乙!
>>578 さすがオルトロック、口角つり上がりまくってもなんともないぜ!
それにしても、一瞬口紅塗ってるのかと(ry
>>602 ちょ、なんというクライマックスな急展開……これは淫棒のにおいがするぜぇーっ!
しかし新必殺技とは素晴らしい。そしてこんな所で役に立つとはドリルロリ素晴らしい。しかもなんか凄い才能を持ってるっぽいドリルロリ素晴らしい
それにしても、異世界の住人を見下しがちだった水没兄貴が、ちょっとずつ変わり始めてるね。これはいい傾向だ……
>>608 遥さんかわいいよ遥さん。なんだかんだで遥さん好きだ、危害を加えなきゃいい子だしw
ところでこのペネ子はどこで売ってますか?
>>609-610 スペックや規模については詳しくないけど、最強の文字が三回も使われてるところがちょっと気になったかな
>>602 改めて投下乙です!
さて……盛 り 上 が っ て 参 り ま し た !!w
前回の水没から、どんな展開になるかと思っていたら、まさかのライバルキャラ(しかも同郷)復活
そして上位魔獣の異常個体というとんでもない敵の出現と、実に熱い展開ですねw
次回は覚醒回ですね?wそれでは楽しみに待ってます!
>>561 、578
なんてわるいかおなんでしょう!
ギャップが引き立っていかにもって感じですね。
デフォルメをうまくつけれるスキルは羨ましいです。
>>602 共同戦線に必殺技ぶっつけ習得だと……熱い、熱すぎる!!
オーバーすぎるほどの力と力のぶつかり合いはファンタジーならではの醍醐味ですね。
次回が楽しみすぎる!
>>608 玉ちゃんを見るに実際にこのサイズで動けるんじゃないかと想像したらシュールすぎて吹いた。
草川はナンパ君なので阿呆4:イケメン(笑)6ぐらいで中身が残念なタイプを想定して描いてたんですがそこら辺の表現はむつかしいですね。
そしてタカ坊包囲網の流れ……計 画 通 り
そろそろ投下しようと思うのですが支援よろしくです 今回はちょっと切りの良い所が早かったので短めです(´・ω・‘) ってなわけで投下してもいいかな?
私は一向に構わんッッッ!!! と思ったが他にいるだろか。やれるだけやります。
この物語は悪意に満ちている。 これは走馬灯である。 黒峰潤也が、琴峰藍の元に駆け寄るまでに黒峰潤也の脳裏に走る記憶の一つ。 全ての終わりであり、全ての始まり。 ブラックファントム捕獲作戦から4ヵ月前。 まだ、黒峰潤也と琴峰藍が出会っていなかった頃、その最悪が最悪と定義づけられた時の物語。 さて、それでは旋律が戦慄となる第二章本編の開幕で御座います。 ―――――ああ、素直じゃ無いなぁ…。 CR capter2 The Nightmare THE MAIN STORY 起 ―Harlequin― 第七機関統括区域 第二区画 日が地平線に迫り、オレンジ色に空が染まる頃、破壊された街で二機の機械が闘っていた。 一機は漆黒の鋼機『リベジオン』、もう一機は猿のような姿と大きな腕が異様な存在感を示す紫色の鋼獣『獅猿(しえん)』。 リベジオンは翼を展開し、ブーストをかけて、獅猿の元に突撃する。 無手で向かうリベジオンに対して、獅猿は大きな拳を向けて撃ち放つ。 しかし、未だ、獅猿の拳の届く範囲に漆黒の鋼機はいない。 故にその攻撃は届く筈もない攻撃であった。 だが、獅猿はそれを可能にする鋼獣である。獅猿の腕を構成するナノマシンの構造を組みかえる事で体の一部を延長し、射程を延ばす。 これが獅猿の特性だった。 「ちぃ。」 リベジオンの中にいる青年、黒峰潤也は忌々しげにそう吐き捨て、回避行動に移った。 リベジオンの顔をかすり横を通り抜けていくその拳。 獅猿の拳先は大きく振動しており、触れただけでリベジオンの装甲など容易く砕く程の威力を持つ一撃である。 再び潤也はリベジオンに獅猿との距離を取らせた。 (クソったれが、近づけない!) 既に、闘いが始まって、5分程の時間が過ぎたが、潤也はそれからずっと同じ問題に直面していた。 それは射程の問題である。 通常の鋼機の武装では、あの鋼獣に傷一つ付ける事が出来ない。 だから、リベジオンの攻撃手段はDSGCシステムによってエネルギーを纏わせた体なのである。 紅い光を纏ったそれは鋼獣の装甲すら破砕する威力を持つが、いかんせん射程が短いのが欠点であった。 だが、あの獅猿はリベジオンの射程外からも自身の腕や脚を伸ばす事によって攻撃が可能なのである。 これは二機の間に決定的な差を生む事になっている。 リベジオンが近づこうとするとあの伸縮する振動拳を振りかざし迎撃する。 それを回避する為には行動を起こすと、また近づこうとして距離を詰めたのがまた離れてしまう。
この獅猿の特性は相手に懐にすら潜り込ませない力があった。 まさに、遠距離武器を持たないリベジオンにとってこの獅猿の能力は天敵とも言えたのかもしれない。 単純な射撃攻撃であったのならば、怨念を用いた防壁で弾丸ごとそのエネルギーで消滅させえたが、これほどの大質量となると処理する事が出来なくなってしまう。 回避行動をとったリベジオンに追撃の獅猿の左拳が襲いかかる。 潤也は即座にリベジオンを上昇させ、その攻撃を回避した。 (糞!!このままじゃ不味い。) 現状、獅猿はその射程差を活かし、リベジオンに対して一方的な攻撃を行っている。 今はなんとか回避出来ているが、潤也の集中力も限界近くになってきており、もはや当たるのも時間の問題とも言えた。 一瞬でも操縦を誤れば直撃は避けられないし、機体にも無理のある回避行動をとらせ続けてきた結果いい加減ガタがきている。 あと持って1、2分といった所だろうか? それまでに突破口を見つけそれを実践し奴を破壊しなければならない。 どうする? 高速で腕が伸縮し、その先端にある拳は絶対破壊の振動拳。 単純かつ隙があるように見えて、腕を伸ばした後、伸びた腕を鞭のようにして振りまわすそれは、反撃の糸口を与える間もなく、リベジオンに回避するので精一杯という状況を作り上げていた。 このままいけばジリ貧での敗北は必至である。 だから、仕方がない―――と潤也は思う事にした。 このままリスクが少ない方法で戦えば、突破出来る余地は無いが、リスクを背負えば突破出来ないわけではない。 つまりリベジオンに搭載された力を解放するのである。 アテルラナから支給されたサポートシステムを仲介して潤也はリベジオンのシステムを起動させる。 ―DSGCシステム起動― リベジオンの肩、下腕、膝、翼の各部が展開する。 そしてその展開した各部に大地から組み上げられた紅い光が収束されていき、その後、再びリベジオンの中から漏れ出した紅い光が拳に纏われた。 それと同時にDSGCシステムの副作用である、怨念の奔流が潤也の精神を襲った。 死んだ者の死の追体験。 それは痛みを伴うものであったが、それは奴らに殺された自分の家族の思いを代弁しているように感じるものでもあり、その怨念たちの苦しみや絶望が潤也の中にある怒りをかきたてる。 そして、その怒りが己が何をしないといけないのかを強く悟らせてくれる。 だからこの怨嗟を、忌々しいなどと潤也は思う事は無かった。 少なくともその時の黒峰潤也はそうと感じていた。 リベジオンは再び獅猿に向けて滑降を開始する。 獅猿は迎撃にまずその左の飛拳を放った。 リベジオンはそれを真っ向から、紅い光、即ち怨念のエネルギーを纏わせた右拳を相撃たせる。 拳と拳が激突する。 鋼獣の装甲の耐久力を遥かに超えるエネルギーを纏ったその拳は獅猿の右拳を破壊するが、その反動でリベジオンの右拳は破壊された。 それに構わず潤也はリベジオンを獅猿に突撃させる。 それに対し、獅猿は拳を失ってもその右腕を鞭のようにリベジオンに向けて振り払った。 だが、潤也はそれに対してリベジオンに回避行動は行わせない。これを回避すれば、再び、獅猿から遠く離れなければならないからだ。 右腕を犠牲にしてまで行った得たこの機会を逃さない為に、あえて受けたのである。 獅猿の拳鞭を受け大地に吹き飛ばされ、リベジオンが落下した地点から土煙があがる。 そしてその土煙の中から立ち上がる機影が一つあった。 獅猿はその機影にトドメを刺す為に右拳を放った。 右腕の構成を変える事でその射程を延ばし、機影に迫る。 金属と金属がぶつかり、機械が壊れる音が響く。 土煙の中にあった機影はそれと同時に獅猿の元に駆けた。 獅猿は放った左拳の腕を再び鞭のようにして土煙から姿を現した漆黒の機影へと向ける。 だが、遅かった。既に、土煙の中から現れた漆黒の鋼機リベジオンは既にその射程内に獅猿を抑えていたのだから…。 土煙の中から現れたリベジオンの容貌はそれは酷いモノだった、頭部は半壊し、翼は折れ、左腕は呪魂手甲を用いた弊害で原型を留めぬ程、砕けていた。 だが、これでいい。 もはや半壊していると表現しても問題ない程のダメージを受ける事を代償にして、ついに潤也とリベジオンは獅猿を己の射程圏内へと収めたのだから…。
「うぉぉおおぉぉぉぉぉおおおぉぉぉ!!!!!」 受ければ動けなくなる程のダメージ受ける攻撃のみ迎撃を行い、他のダメージは全て無視して仕掛けた捨て身の特攻。 それが、この瞬間、実を結んだのである。 右脚部の踵に紅い光、怨嗟によって生まれた膨大なエネルギーが右足に収束される。 その膨大な熱量は、リベジオンの周囲の空気が歪むほどのものだ。 そして、そのまま、リベジオンはその右足を振り上げ、獅猿に向けて振り下ろした。 リベジオンの怨嗟を纏ったの踵により肩から真っ二つに裂かれ、その鞭のような左腕はリベジオンに当たる直前で止まる。 間一髪のタイミングで獅猿はリベジオンの攻撃により戦闘能力を失い大破したのである。 だが、潤也はそこで攻撃を止めなかった。 潤也は倒れた獅猿の頭部を踏みつける。 そして、怨嗟を纏ったリベジオンの脚を使い獅猿の頭部に少しづつ自身の自重をかけていく…。 鋼獣のコックピットは、頭部にあるとされている。 それがわかっていて潤也はあえて、踵落としを頭からではなく、肩から真っ二つにするように放ったのである。 「思い知れ……思い知れ……思い知れ……。」 そう呟きながら、潤也はリベジオンに鋼獣の頭部を怨嗟を纏った右足で踏みつけた。 鋼獣の頭部はリベジオンの足と大地に挟まれて徐々に潰されていく。 これが俺の父の受けた痛みだ、俺の母が受けた痛みだ、俺の妹が受けた痛みだ。 それがお前らが俺から奪ったものだ。 怖いか?徐々にコックピットが押し潰されていくのが怖いか? 幸福じゃないか、そんな事がまだ思えたのならば、なんで死ぬのか納得して死ねるだろう? お前たちはそんな思いすら俺の大切な人たちに抱かせずに殺したのだ!!!! ただでは殺してやらない、苦しませて殺してやる、生まれてきた事を後悔する程恐怖させてから殺してやる。 お前らのようなクソったれ共は苦みもがき絶望しながら死ね。 そして、リベジオンの脚は獅猿の頭部を踏みつぶした。 獅猿の頭部から紅い怨嗟の光がリベジオンの機体へと取り込まれ、その怨嗟の念がリベジオンのDSGCシステムを通して、潤也の中に流れ込む。 それには死への恐怖と自身の主への救いを求める声があった。 「く…くふふ、あはは、ははは、はははは、ハーハッハーハッハー」 それを感じて、潤也は頭を抱えて笑った。 おかしかった。おかしくてたまらなかった。 なんでこんな簡単に死ぬんだ?なんで簡単に殺されるんだ? お前は、もっと強く生きていなくちゃ駄目じゃないか…。 父さんを殺した奴らの仲間なんだろう?母さんを吹き飛ばした張本人どもなんだろう? あの辺り一面焼け野原の絶望を作り上げた絶対的な侵略者なんだろう? それが、なんで、なんでこんな俺にすら勝てないんだ。 滑稽だ、これ以上の笑い話はあるか? 俺が怖いだと?咲はもっと怖かった筈だ。ああ、クソったれな笑い話だ。 こんな笑い話がなんで、この世界にはあるんだ。 ああ、死ね、シンデシマエ、オマエラノヨウナヤツラハ――――― ―DSGCシステムの稼働が危険領域に突入、対応措置として全システムの緊急停止を実行します― 操縦室内のディスプレイの灯りが消え、リベジオンの機能の全てが眠っていく…。 サポートシステムがこの機体が暴走の域に達した事を察知し、セーフティが起動させる。 そして、潤也の中に取り込まれたナノマシンがサポートシステムとリンクし神経に電気を流した。 「ぐがっ…。」 それは微弱な電流ではあるが、神経に直接に流されれば想像を絶する痛みとなる。 だがそれによって、潤也は失いかけていたが己を取り戻す。 「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……………。」 潤也は周りを見渡し、己が今どのような状態にあったのかを理解した。 それと同時に酷い頭痛と吐き気を感じた。 あれに乗っ取られそうになるといつもこうだ。 電子音が鳴る。通信が入った事を示す音だ。 「ちっ。」 潤也は心底嫌そうに唾を吐く。 この機体の通信コードを知っている人間は一人しかいない。 「やあ、兄弟、また酷い具合に怨嗟の魔王を壊したみたいだね、僕の手が必要だろ、合流地点の所は第七機関の第4区画あたりにしよう、あそこならそこからも近い、座標も添付しておいたから見ておいてくれよ。」 そういって通信をしてきた男は一方的に用件だけを告げて通信を切った。
支援するぜ
第七機関、第4区画、そこはかつては日本の中部と呼ばれた地域である。 あの男が指定してきた場所はそこにある小さな廃工場だった。 潤也はリベジオンを歩かせ、廃工場の中にいれ、コックピットから降りた。 強い錆びた金属の臭いに潤也は顔をしかめた。 その後、辺りを見渡しあの銀髪を探す。 「いやっほーっ。」 潤也の耳の後ろに息を吹きかけながらそう囁くものがあった。 潤也は構わずそれに裏拳をかます、後ろにいた人間はよろけ、倒れそうになるのをなんとか踏みとどまった。 男は殴られたにも関わらず面白可笑しそうに笑っている。 その人間は流れるような銀髪が印象的な男だった。 「アテルラナ、ふざけるな、もう一発喰らいたいのか?」 アテルラナと呼ばれた男は殴れた鼻頭を触りながら… 「なんだよー、兄弟、3日ぶりじゃないか、この感動を分かち合う為の僕の挨拶をこんな酷いボディーランゲージで返すなんて…ねぇ、この久しぶりの再会が嬉しくない?嬉しくない?僕は嬉しい。」 潤也はそれにため息を吐いて、頭に手をあてる。 「俺は最悪な気分だ、アテルラナ、大体、血も繋がって無い人間を兄弟呼ばわりするな、殺されたいか?」 そう怒気を込めて、吐き捨てた。 それを受けて大げさに驚くような仕草をした後、仰々しく、手をあげて感情的にアテルラナは言う。 「出来もしない事を言うなよ兄弟、器がちっちゃく見えるぜ、それに兄弟は兄弟さ、ソウルブラザー、同じ境遇の人間、だから僕にとって君は兄弟なんだよ。」 「同じ境遇?」 そう問う潤也に対して、アテルラナは顔を笑い顔を浮かべながら黙る。 この男はいつもそうだ、理解出来ないような事をうれしそうに語ってはそれが何かと問うと煙に巻く。 潤也はニタニタと何かを観察するように自分を見るこの赤い瞳がたまらなく嫌いだった。 「ちっ、俺の事情はあれだけ根掘り葉掘り聞いた癖に、自分の素姓はひた隠しなんだな…。」 「くす、DSGCシステムからの思念の流出にでも当てられたのかい? やたらと気がたってるみたいだけれど、あれを御するには平常心が重要だよ。 今は君の復讐心と怨念が上手く同調しているから精神的な負担も少なめで済んでるんだろうけれど、その分浸食も激しい、あんまり馴染ませているとその内、取り込まれて自我が飛んじゃうよ、その点には気をつけてね。」 「まるで使った事があるみたいなもの言いをするな…。」 「まあ、君の機体の修理をやるさいにDSGCシステムの調整をやっているのは僕だからね、あのシステムの検査をやる為に、あの思念の影響を受けたりはするよ。 だから危険性は身を持って知っているというわけ、まあ、君みたいに戦闘機動で使ってるわけじゃないから、ほんのちょっとぐらいのものだけれど…。」 アテルラナ、この男に黒峰潤也が出会ったのは3週間ほど前の話だ。 3週間前、家族を失ったあの日から2度の鋼獣との闘いを経て、リベジオンはボロボロになっていた。 鋼獣獅猿との闘いのような事を2度も行ったのだ、ある意味はそれは当然の事と言えた。 2度目の戦いを終えた後、既に、リベジオンはまともに歩く事すら出来ない状態にあった。 だが、潤也には当然ながらリベジオンを修理するというような知識は無い。 リベジオンにデータベースに問いなおしても修復は至宝で行えとただそう返してくるだけだった。 そんな潤也の元に一人の銀髪の男が訪れる。 男は自身をアテルラナと名乗り、無償でリベジオンの修復を行うと告げたのだ。 たった1日自分に預けて貰えば完全に元通りに修復する所か強化して潤也に返す。 それがアテルラナが最初に潤也につきつけたモノだった。 相手に得する事は無いのになんで自分にそんなに無償の協力をするのか? 潤也はそんな率直な疑問を投げかけたが、それにアテルラナは笑って言った。 あの一週間前に現れた未知の敵に現状で立ち向かえる唯一の戦力として、自分達の危機を救える可能性があるから無償の協力をするのだ。 アテルラナは自身で言うには自分は資産家の息子なのだという。
趣味で昔の電子文献を集めていた際に怨念機と呼ばれる機体のレポートが発見されたのだそうだ。 かつて史竹孝三郎という男が作り上げた怨念を力に変える特別な鋼機。 それに関する詳細な内容がそこには記されていた。 そこに書いてあったのは余りに非現実的な話であったので最初は信じていなかったのだが、偶然、リベジオンと鋼獣との戦闘に遭遇し、それを目の当たりにした際に、それがその怨念機である事を確信したらしい。 そして、その記述を持つ自分がそれをベースにしてリベジオンを自身の鋼機工場で修理するというのだ。 アテルラナ本人の気味の悪さもあったし、この話に疑問を抱く点も多かったが、潤也からしてみればだからといってどうする事が出来るわけでもなく、その申し入れを断る理由も無く受ける事になった。 そしてアテルラナはリベジオンを運びだし、その三日後に潤也の元に完全な状態で修復されたリベジオンを持ってくる。 いや、正確に言うならば完全以上の状態で持ってきたのである。 かつてのリベジオンには無い一つのシステムがこのリベジオンには搭載されていたのだ。 そしてそのシステムが、彼がその史竹孝三郎のレポートを元にして改善し組み込んだというサポートシステムであった。 DSGCシステム、怨念変換機関とも呼ばれるそれはこの数世代前の鋼機のカスタム機に搭載されている唯一無二の特色である。 怨嗟をかき集め、その魂の力をエネルギーに変える事で常軌を逸したパワーを得る。 このシステムによって、リベジオンは数世代前の機体ながら、現行機を遥かに超える、パワーを持つ。 だが、このDSGCシステムの怨念収拾を行うシステムは出来が悪いものだったのだとアテルラナは当時、潤也に語った。 怨念の組みあげを行ってもそこまで大きな出力を出す事が出来ず、怨念の汲み上げもあまり効率的なやり方を行っておらず機体にも無駄に負担がかかるようになっていたのである。 それをこのアテルラナは現行機のシステムとすり合わせ、使い勝手やより高い出力を出す為のサポートシステムを開発し、リベジオンの中に組み込んだのだそうだ。 リベジオンの体の各部に搭載された展開機構がそれである。 この展開部はリベジオンのDSGCシステムにおける怨念の受け皿の役割を担っているのだそうだ。 サポートシステムの搭載前は小さな受け皿だったが、怨念がその受け皿から吸収される際に、受け皿に入りきらない怨念が大量に出て、その怨念がリベジオンの機体にダメージを与えてしまうという大きな欠陥部分を持つ。 だが、アテルラナはこのサポートシステムをリベジオンに組み込んだ事によりその展開し大きくなった受け皿により、短時間でかつてより大きなエネルギーを得る事が可能になり、また漏れ出る怨念も減り、機体自体が背負うリスクも小さくなったのである。 当時、たったの三日間でこれだけのシステムを組み込み、そしてリベジオンを完全に修復したこのアテルラナという人間に潤也は驚愕せざるおえなかった。 まるで、最初からリベジオンを修復し、それを組み込む事を計画していたかのような、そんな速さで彼はリベジオンの改修を行ったのだ。 潤也は何度か、本当は何を知っているのか?等と聞いたが、アテルラナは「史竹博士のレポートの出来が良かっただけだよ。」と笑ってはぐらかすだけだっだ。
潤也自身も結果的にこのアテルラナのお陰で、あの敵と戦えているのだという事もあり、そこまで深く追求する事はしなかった。 アテルラナの本人の気味の悪さも手伝って、これ以上深く関わりたくないとも思っていたというのも追求をしなかった一つの要因であった。 それに裏でアテルラナが何かをしていようと、そんな事は潤也にはどうでも良い事であったし、仕事が早く、見返りを求めないアテルラナは潤也からしても非常に有用であった。 そして、今も潤也とアテルラナの付き合いは続いている。 「さて、兄弟、この機体は預からせて貰うよ、3日後、いつもの手筈で君にこの機体を返すよ。 それまでは、そうだね、ここから少し離れた所にセントラルシティがある。 そこでゆっくり羽でも休めててくれ、宿もとってあるしね、それにお金に関しては前に渡したカードを使ってくれればいいよ。 今回は中々に激戦だったみたいだし、しっかり休養取って、次の戦いに備えといてね。工場の前に車の方も用意してあるから、遠慮せず乗ってくれ。 用意周到準備万端、ああ、僕って凄く良い人だよねぇ。」 アテルラナはそう自己陶酔して、彷彿な表情を浮かべる。 「知るか…。」 と唾を吐き捨てるようにして言った後、潤也は工場前にあった黒い車に乗る。鍵は車内の引き出しの中にいつも通り置かれていた。 そして、潤也はその車に乗って、工場を離れる。 アテルラナはそれを見送った後、ふふっと笑い。 「未知ほど甘い蜜はこの世に無し、故に我、その蜜を求めて、無限の道を歩こう。あらゆる既知を通り越す未知を知るたびに出よう。さあ、兄弟、君は僕にどんな未知をもたらしてくれるんだろうね。ふふふ、期待しているよ。」
いつもに比べりゃ短い前編です、8000字ぐらいしかないしね 避難所ホスト規制されてるので、結構ビクビクしながら投稿してやがります 日付変更辺りにもう一度投稿しようかなと思ってるのでその時またよろしくです 後編は1万3千字程度なのでこれよりもう少し長くなる予定です
>>629 投下乙です。潤也の激情が戦闘からもビシビシ伝わってきますね。
新キャラは以前のあの人なのだろうか、なにやらしでかしてくれそうな雰囲気。次を楽しみにしてます。
>>630 感想ありです〜
潤也の面白みとしては、藍に言ってた事とやってること違うだろお前、みたいな
戦闘に関しては短くテンポ良い感じを心がけてみました
この頃の潤也はかなり我武者羅に戦ってた感じなので、リスクなんて知った事かな闘いが今の潤也からすると信じられない感じですw
乙。 戦闘が血生臭くていい。
さて、ちょっと時間かかったけれど投下するよ〜 支援たのんます
第七機関統括領第四区画セントラルシティ。 そこは第四区画の最大ともいえる都市であり、第七機関の8つある中枢都市のひとつである。 「ちっ。」 黒峰潤也はその中の街を苛立ちながら歩いていた。 苛立ちの原因は街中の視線がよく自分に集まり、それを見た人が好奇の目で自分を見るからだ。 だが、潤也は特別目立つようなことをしていたわけではない、ただ、普通に街道を歩くだけで、必然そういう風に見られてしまうのだ。 つまるところそれは風貌だった。 黒峰潤也の髪は第七機関白い髪だといえるだろう。 透き通るような白、老化によってもたらされる白とも違うその白は大きく人目を引くものであり、潤也が望もうが望むまいが彼自身を目立たせてしまっていた。 この髪も染めたわけではなく元々リベジオンに乗り込んだ際に、体内に注入されたナノマシンによって変わってしまったものだ。 何度か黒く染めようと試みたがそのたびに、ナノマシンが色素を分解し、染めた髪はすぐ白くなってしまう。 それ故に潤也はこの髪のまま外を出歩くしかなかった。 (どこかで帽子でも買うかな…。) そんな事を思いつつ潤也は街を散策する。 ここには4年ほど前、観光旅行で家族で訪れたことがある。 その為、なんとなくであるが、この都市の構造は覚えてはいた。 そう遠くないところにショッピングモールがあるはずだ。 「一ヶ月前にあった第三区画での大規模な爆破テロに関する続報です、犯行を行った組織はタカ派の――」 都市の中心にあるビルにかけられた大型モニターから、ニュースが流される。 潤也が家族を失ったあの事件だ。現状では鋼獣に関しては政府も機関もどうやら大きな情報統制をしいているらしく、真実はまるで語られていない。 鋼獣もテロ組織が用いた出来損ないの鋼機と称して説明している。 現在、鋼機と鋼獣にある絶対的な力の差があることなど説明しようともしないのだ。 だが、その嘘がもっともらしく聞こえるようなストーリーをアナウンサーは語る。 わざわざポストの犯人をでっちあげて、発表してしまっている始末だ。 何も知らなければ、うっかり信じてしまうような話だ。 けれど、潤也はそれが嘘だと知っていた。 リベジオンの中に残されていた資料の中にあの鋼獣に関する詳細を記したデータがあったのだ。 鋼獣を操り、今、地上を襲っている者たち。 それはデータではアンダーへブンもしくはアンダーヘルの住人、UHと呼ばれていた。 自分たちよりはるかに高度な文明を持ったが、それ故に、地下に追いやられ封印された者達。 そう、データに記されていた、そしてかつて確認された鋼獣のデータもいくつかそこにあった。 おそらくは彼らは再び、この地上を取り返そうとしてあの地下からやってきたのだろう。 数千年もの間、地下に押し込められていた者達…彼らにも同情の余地はあるのかもしれない。 だが、そんなことは知ったものか…と潤也は毒づく。 だからといってUHが自分の家族を奪ったという事実は変わらないのだ。 たとえ彼らがどんな思いで今、地上で戦っていたとしてもそんなことは関係ないのだ。 思い出すたびに波のように押し寄せる止めようの無い怒り。 それを糧に黒峰潤也は今、行動を起こしている。 あの呪われた機体に乗って、仇である敵と戦っているのだ。 だから、今その力が手元に無いこの時間がなんとももどかしくもあった。 街を歩く、第三区画の事件から、色々な厳戒態勢をしかれているせいか、街のセキュリティも相当厳しくなっているようだ。 街中は比較的、普通の光景が見られているが、この都市に入るまでに様々な身分証明や持ち物の調査を求められる。 都市外部では機関の兵隊が、鋼機まで持ち出して警備している始末だ。 それに普通といっても人々の顔には不安そうな顔をしている人もいくらか見受けられるし、かつて家族でここに来た際にはこの街はもっと活気にあふれた町に思えたが、そんな雰囲気はあまり感じさせないものになっている。 隣の第三区画であんな大きなテロがあったと報道されれば、次はわが身にそれが降りかかるのではないかと人々も不安に思いながらも暮らしているのだろう。 (ん、ここは…。) 見覚えのある大きな公園が目に入った。
とりあわけて何か特別なものがあるという公園ではなかったが、家族で来た当時はここらでは大きな祭りがあって、そこに出店が来ていたのだ。 屋台という文化が既に廃れてしまっており、こういった祭りでないとこの手のものは見れなかった為、もの珍しさもあって、たくさんの観光客でにぎわっていたのが印象的だった。 (ああ、そういえばあいつは好きだったな。) かつて家族でここに来た際、咲は屋台というものに目を子供のように光らせたものだった。 日時を決める際わざわざその祭りがある日と決めたのも咲だった。 あれやこれやと買いあさり、食べてはうまいだのまずいだの値段と釣り合ってないだの嬉しそうに文句をぐーたれていたのを思い出す。 得に印象的なのが射的で目当てのぬいぐるみを当てようと躍起になった際、目当てのシェットランドシープドックのぬいぐるみだけは当てる事が出来ず他のぬいぐるみに全て命中させてしまった件だ。 不器用とかそんなレベルじゃない、むしろ狙ったもの以外、全てに当てるなんて我が妹ながら不器用が一蹴回って習得できるようなスキルに笑ったものだった。 そして旅行の為に貯金したお金を湯水のように放出し、底が付いて、ふぐぅ〜と目に涙を浮かべていたのを思い出す。 あれは我が妹ながら弄りがいがあり、それでいて愛らしかった。 「はは、俺って結構、シスコンだったんだなぁ……。」 「え、今更自覚したの?」とそう咲の幻影が目の前で無邪気に笑っているのが映る。 それを見て少しモノ悲しい感傷に浸った後、潤也は目をつむり、頭を振って、再び目を開く。 そこに再び映るのは静かで誰もいない公園、質素で人気ない公園、先ほどまであった網膜に過去の光景が重ねて映されているような情景はそこにはもうない。 ここはあの日ではなく、現在なのである。 もはや、潤也の傍にあの陽気でいじっぱりで、犬好きな妹はいない。優しく、料理が上手く、少し天然な母はいない。厳しく、それでいて高潔なあの父はいない。 黒峰潤也の周りにはもはやだれもいない、一人ぼっちで黒峰潤也はここにいる。 彼が最も愛し、彼を最も愛したものは既にはそこにはいない、この世界のどこにももういないのである。 それは怒りと同時に虚しさを感じさせる事実だった。 時折、潤也は空虚に囚われる事がある。 こんな事をしても何にもならないんじゃないか?という疑問が胸を襲うのだ。 いつもならばそんが疑問を振り切るようにして闘いに挑むのだが、今、その闘う力が潤也の元には無く、その思いが潤也の精神にいくらか留まっている。 この感覚が潤也はたまらなく嫌いだった。 それはまるで自分がこの数ヶ月間命をかけてやってきた事を無為にするような事だ。 頭を振ってその妄念を振り切る。 そして、殺された家族の事、今まで体験してきた死者の念と重ね合わせてイメージする。 その無念さを思い、それを怒りとして、自身に顕わす。 憎しみ。 後の事など知った事では無い、今、黒峰潤也に必要なのはこの感情だけでいいのだ。 それ以外の感情など忘れてしまえ。 最悪、黒峰潤也などの意思など消えてしまっても良い。 お前は家族の無念を晴らす為、怒りによって行動する傀儡でいいのだ。 そうだ、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め、憎め! 「お兄ちゃん、大丈夫?どこか痛いの?凄く辛そうな顔をしてるよ。」 その時、女の声が聞こえた。 えっ、と思い潤也は振り向く。
そこには少女がいた。 白いガーディガンに赤いスカートをはいた7、8歳ぐらいの見知らぬ黒髪の少女。 どこにでもいそうな少女だったが異質なのは少女が裸足であったという事だ。 兄と呼ばれた事で一瞬、潤也はそれが自分の妹である咲と錯覚したが、すぐに違う事に気づく。 潤也の記憶にある妹の声はもっと高い。 「なんでもないよ、そんな顔をしてたか?」 そんな気分でも無かったのだが、潤也は無理矢理、笑顔を作って少女にそう言った。 そういえば、笑顔を作るなんて事をするのもどれぐらいぶりだっただろうか…。 少女はすこしもじもじと指と指を合わせた後、 「凄く、辛そうな顔をしてたよ、泣きそうな顔してたの、お母さんがね、よく言ってたんだ、辛そうな顔をしてる人は体のどこかが悪いかもしれないから、すぐに病院につれていってあげないといけないんだよって、私、近くにある病院を知ってるよ。」 「そうか…俺はそんな顔をしていたのか…。」 「うん、だからね、病院いこ。」 少女は潤也の袖を引っ張ってそう言った。 顔は似ても似つかないがその仕草に潤也は妹である咲を思い出し、胸を締め付けられるような感覚に受けた。 「なんでもないよ、きっと辛い顔をしてたってのも気のせいさ、さっさとお母さんの所におかえり。」 そう言って潤也は少女を帰そうとする。 けれど少女は首を横に振って、 「お母さん、第二区画に出張してていないよ、だから私は今、お留守番してるの。」 そう少女は笑って言う。 (――――第二……区画…だと…。) 潤也はそれに嫌な予感といったものを感じた。 それは昨日、黒峰潤也が鋼獣と闘っていた区画だ。 「実はね、さっき『こじいん』って所の人がね、私の所に訪ねて来たんだ、お母さんは遠い所に行っちゃったからこれからはおじさん達と一緒に暮らそうって…くす、遠くに言っちゃたのなんて当たり前なのになんで、一緒に暮らすって話になるのかなぁ…。 お母さんはね、『3日、留守にするけれど一人でちゃんとお留守番が出来たら、おいしい料理屋さんに連れて行ってあげる』って言ってたんだよ、私のお母さんはね、私に嘘を吐いた事が無いんだ。」 少女は腰に手をあてて自慢気に笑った。 「そう教えてあげたのにおじさん達は私の手を引っ張って無理矢理連れて行こうとするんだ、だから股間にグーでパンチして逃げてきちゃった。 これね、お母さんが教えてくれた怖い男の人をやっつける必殺技なんだよ。まったくもう、ああいうのがゴーカンっていうんだね、お母さんが言ってたよ、ゴーカンは最低最悪、女の仇敵だって…。」 怒ったようにして少女は言う。 しかし、少女が言っている事が何を意味するのかを潤也は察した。 あの紫色の鋼獣は潤也がリベジオンで駆け付けた時、そのいた街を全て破壊しおえていたのである。 第三区画のあの事件のような区画の都市が全て消滅するような大規模な話では無かったが、街一つが破壊しつくされてしまったというのは事実である。 もし、その中にこの少女の母親がいたとしたら―――――否、おそらくはいたのだろう。 少女の話からすればそれは明白な事実である。 おそらく、この少女の母親はおそらくあの襲撃に巻き込まれて、死んでいるのだ。 それでこの少女を引き取りに施設の人間が現れたというわけだ。そして少女はその施設の人間から逃げだしてきた。 少女が裸足なのもその推測が正しいと確信させる要素だった。 「本当に嫌になっちゃうよね、あの人たちずっと家の前に張ってるから私、家に帰れなくなっちゃった。明日になったらお母さんが追い払ってくれると思うけれど、それまで家には帰れないなー。」 潤也は、少女の言うおじさん達が彼女が考えているような悪い人間などでは無いという事を伝えていいものか少し迷った。 それは彼女の母親が死んだという事実をこの少女の目の前に突きつけるような行為だからだ。 「お父さんはいないのかい?」 そう潤也は聞いた。 だが、その望みは薄いなと潤也は思う、もし父親がいるのならば施設の人間などが来るわけが無いのだ。 「いないよ、お父さんはね、ずっと昔に天国にいっちゃたんだって…。」 「そうか、悪い事を聞いたな。」 そう潤也は少女に謝る。 「何が悪い事なの?お父さんは今、天国ですっごく幸せに暮らしてるんだってお母さんが言ってたよ。」 無垢な笑みを浮かべて少女は言う。 それに対して潤也はどう答えていいのかわからなかった。 「君は今かからどうするつもりなんだ?」 「どうするって?」
「いや、家に帰りたくないのだろ?どっかに行くあてはあるのかなって…。」 「無いよ、だからノジュクする予定〜、よくドラマでやってるのを見てたんだけれどね、一度やってみたかったんだ〜。」 そう言って少女は笑って、手に持った青いお守りを潤也に見せる。 「お母さんがもしもの時の為にお守りの中にお金を入れておいてくれたんだ、これがあればご飯は食べにいけるし、お布団も買いにいけるよ。」 そうこれから待っている冒険に目を輝かせるように少女は言う。 それがどれほど危険なものなのか少女は理解していないのだろう…。 引き取りに来た施設の人間に引きわたすべきなのでは無いかとも思ったが、理不尽で家族を失った時の悲しみを思い出し、こんな少女にそんな思いをさせるような真似をする事はいささか抵抗があった。 どうせ、いつかは知ってしまう事実であるのは間違いないのだが…。 仕方ないと潤也はため息を吐く。 「俺の所にでも泊まりに来るか?正直、やたらと毎度とってある部屋が豪華でな、俺一人じゃ持て余してるんだ。」 他人のような気はしなかった。ある意味、同類故の同情めいた感情を抱いていたのかもしれない。 「え〜、でもお兄ちゃん知らない人だしなぁ。お母さん、知らない人についてっちゃダメだよと言ってたよ。」 まあ、これは当然の反応。 「そうだな、まあ、俺を信用できるかどうかはお前が決めれば良いよ。」 潤也はそういって、静かに少女の反応を待つ事にした。 (まったく、何の気の迷いだ。) そう潤也は心の中で自嘲する。咲の面影をこの少女に重ねているのだろうか…? 少女はう〜んと悩むように腕を組んで少し考えた後、 「いいよ、一緒に行く。」 そう笑って言った。 この答えは潤也からすればいささか意外だった、てっきり断られるものだと思っていたからだ。 「そうか、しかし、俺みたいなの信用していいのかい?お母さんの言いつけは守らなくても大丈夫なのか?」 うん、と頷いて少女は言う。 「さっき、お話したからもう知らない人じゃないしね、それにお兄ちゃん凄く優しそうだし、信用できるよ。」 「優しい?俺が?」 とてもじゃないが、潤也は自分の事が優しい等とは思えなかった、この数週間ずっと憎悪の火をともし、復讐に身を焦がしてきたような人間が優しい人間である筈が無いと思っていたからだ。 それに潤也の今の風貌は白髪に目の下に大きなクマがあるという自分で鏡を見ても気味が悪い部類に入ると思っていた。 簡単にいえば、子供に恐れられても不思議じゃない顔をしている筈なのである。 それをこの少女は何を持って優しいというのか? そんな潤也の心中を知ってか、知らずか少女はニコっと笑い言った。 「目を見れば、わかるよ。お母さんとおんなじ目だもん。」 「うぁー凄い、まるでお城見たい〜。」 少女は嬉しそうにアテルラナ用意されたホテルの30階にあるロイヤルスイートルームを走り回っていた。 扉という扉を開けては、ここにキッチンがあるよ!とか、二階があるよ!とか嬉しそうに潤也に報告してくる。 それに潤也は苦笑交じりにそうかと返した。 アテルラナはいつもこのような部屋を潤也の寝床として提供している。 潤也自身こんな部屋は持て余していたし、もっと質素な部屋が良いとアテルラナに言っていたのだが 「いやいや、最上の部屋でゆっくり休んで貰わないとね」と言って、毎回その宿泊先の一番良い部屋を取るのだ。 「ねー、お兄ちゃん、お兄ちゃんってお金持ちなんだね。」 そう目を輝かせて少女は言う。
しえん
「そんな事は無い、そもそもこの部屋取ったのも俺の金じゃないしな…さて、ベッドルームは二階と一階に二つあるみたいだけれどどっちが良い?」 「う〜ん、二階!!」 そういって、少女は階段を上ってベッドルームにあるダブルサイズのベッドにダイブした。 「はしゃぐのは勝手だが、怪我しても責任取れないからな。」 そんな潤也の呆れたような言葉を気にも留めずに「ふわふわ〜、気持ち良いよ〜。」と嬉しそうにベッドの上を転がってる。 それから少したった後、何故か、青くなった顔で少女はベッドルームから出てきた。 「ん?どうした、やっぱ二階は嫌か?」 違うと、少女は首を横に振って答える。 「なら、どうした、さっきまでの元気のよさはどこにいったんだ?」 「あのね、お兄ちゃん、私ね、ゴンザレスがいないと寝れないの…。」 少女の言に少しの間、潤也は固まった。 その後、いかんいかんと頭を振り、 「ゴンザレスって何だ?」 と純粋に疑問を投げかけた。 少女は少し考えるような事をした後、 「あのね、ゴンザレスはね、お母さんが誕生日に買ってくれた、私の腕に丁度抱きしめられるぐらいの小熊のぬいぐるみなの。毛が凄くふわふわ〜ってしてて抱いてて気持ち良いの。」 このぐらいだよと手でサッカーボール程の大きさをあらわすようにジェスチャーする。 「あ、ああ…。」 潤也は少し返答に困りつつ相槌を打った。 そういえば、咲にはこの手の趣味はなかったんだよなぁ。 「それをね、お家に忘れてきちゃった…。」 と少し目に涙を浮かべて少女は言う。 少女が何を言わんとしているのか潤也は気づき、 「それは、今、必要なのか?」 「これがないと私寝れないの…。」 「今日ぐらいは我慢できないか?」 せめてもの抵抗をと思い潤也はそう問いかける。 「無理なの…。」 そうやって涙目で少女は潤也にそれを取りにこうと暗に訴える。 (直接取りに行きたいと言えばいいのに、まったく…) おそらくは少女なりに遠慮しているつもりなのだろう、まあ、彼女の内心で思っているだろう願いを聞いてやらなければ、 ここですぐにでも泣きだしそうな勢いなのもあって、遠慮が脅しと化してるなと思い潤也はため息を吐く。 「まーた、ため息吐いてる、そんなんじゃ幸運が逃げっぱなしだよ、お兄ちゃん。それにね、私一人でも取りにいけるから大丈夫だよ。ふふーん、お母さんとこの辺によく来るから道も詳しいんだ。」 そう、ちょっと自信無さ気に胸を張る少女。 目が泳いでいる…どうみても虚勢だ…。 言ってしまえばこれが、トドメだった。 「わかった、わかったよ、了解した、後で一緒に取りに行こう、それでいいんだろう?」 「え、いいの?迷惑じゃない?」 「迷惑だけど、一人で行かせると俺はもっと嫌な気分になるから仕方なしについていってやるよ。」 「わー、ありがとうー!でも…本当に良いの?お兄ちゃん疲れてない?」 そう言って、少女は潤也に満面の笑みを返した後、不安げに少女は潤也を心配した。 (まったくなんでこんな面倒なのを俺は拾ったんだろうな…。) そう思いながらも、心配そうに自分を見つめる少女に「別に問題ないよ」と潤也は少女に告げようとしたその時、ポケットの中にある携帯端末の音が鳴った。 潤也は携帯端末のディスプレイを見た後、そこに表示された名前を見て嫌な顔をし、少女に「ちょっと待っててくれ、その話は後で続きをな」と断った後、2階の寝室に入り、その呼び出しに着信ボタンを押して応える。 回線が繋がりスピーカー越しに聞こえてくるのは当然あの男の声だ。 「よう、兄弟、休暇を楽しんでるかい?」 「少なくともお前のせいで台無しにはなったな。」 「ははは、そういえば、兄弟、部屋に子供の女の子を連れ込んだりしたりしてるそうじゃないか。ペドフィリアの素質があったとは僕も驚きだぜぃ。」 「誰がペドだ!!!」 そう叫ぶ潤也に対し受話器のスピーカーの向こうで大笑いしているアテルラナの声は潤也を苛立たせるに足るものだった。 毎度のことながらこちらをモニターしているらしい。だから潤也が少女と共にいるという情報も筒抜けなのだろう。 「別にお前には関係の無い事だよ。それで、何の用だ?俺をおちょくりたいだけならば、この通話はすぐに切っても良いんだが…。」 そういう潤也に対してアテルラナは笑う。 「あひゃひゃひゃ、大丈夫、大丈夫、聞いておかないと後悔するような話だよ。兄弟、お前の生死に関わる……ね。」
「なんだ?」 少しもったいぶったようにアテルラナは間をとって 「―――――――お前のいるセントラルシティに1体の鋼獣が向かっている。えーと名称は轟虎って奴かな。」 ある意味予想通りの解答が帰ってきて潤也は舌打ちする。 この男が連絡を寄こす場合はロクな話じゃない事がほとんどだ。 「それで、リベジオンは使い物になるのか?」 「現在、急ピッチで作業してるけれど、まだ無理かなぁと言った所、あと1時間ぐらいあれば最低限の戦闘は出来るように出来るよ。だから呼ばないでね。」 リベジオンには潤也の体内に注入されたナノマシンからの信号を受け取っていつでも潤也の元に駆けつける機能がある。 それを使えば機体がどんな状況だろうとリベジオンは潤也の元にやってくるようになっているのだそうだ。 ただ、この機能を潤也が使った事はなかった。 それはリベジオンの航空速度の問題だ、怨念変換機関を使えないリベジオンの速度は1世紀前の骨董品程度の性能でしかなく、大した速度を期待出来ないという点から来ている。 これはアテルラナの鋼機工場に実装されているらしい、レールガン式の射出機を用いたケースの場合の方が数倍早く潤也の元に辿り着く事が出来るのである。 「1時間か…轟虎って奴はクラスとしてはどれほどの能力を有しているかわかるか?」 「大丈夫、そのあたりは史竹博士のデータベースにアクセスして調べたよ。三獣神機の内の1つ、白虎のレプリカ、つまるとこ準上位種って奴だね。 前にも説明したとおり、鋼獣にも質の差があるらしくて、こいつはそいつらの中でも二番手。 基本的にはレプリカとオリジナルだとオリジナルのが性能が高いみたいなんだけれど、こいつらは元になったオリジナルがとてつもない能力を秘めているみたいでね、レプリカでもオリジナルの数段上の性能持つ存在ってところ。 さて、兄弟、褒めてくれ、君の非常に賢いサポーターがしっかり調べて、敵の能力も把握してるよ〜、褒めて、褒めて〜。」 「よくやったな、死ね。」 「おお、珍しいなぁ、兄弟が僕を褒めるなんて、予想してなくて照れちゃ――――って、ええ?死ね!?」 一瞬の沈黙。 それにため息を吐いて潤也は言った。 「気にするな、心の声だ。話を先に進めよう。」 「―――――――ここ最近、思うんだけれどさ、兄弟、僕の扱いどんどん酷くなってるよね。」 「俺はお前が嫌いなんだよ、わかってるだろう?」 「うん、なんとなく。でも僕、諦めない!兄弟といつかわかりあえる日が来ると信じて!!」 「こねーよ、そんな日、てか、さっさと情報寄こせ、時間ねーんだろ…?」 「ぐす、ネタ振りしたのそっちの癖に酷いや、理不尽だよ、この理不尽大魔王め。 ああ、そんな受話器越しからでもわかるような怒気を発さないで、わかったか、わかったから…真面目にやるよ。 さて、轟虎の能力、つまり特性は電子迷彩だそうな。レーダー機器を全て無力化する、地味といえば地味だけれど…基本スペックの高い機体でこれってのは色々とんでもないものを感じるね。 機体が完全な状態でもキツイ勝負になると思うから…正直、今回は大人しくしていて欲しいね。」 そういうアテルラナを潤也は、ふんと鼻で笑った。
「そんな事が出来ると思っているのか?」 「戦略的撤退さ、いずれどうせ闘う、ならわざわざ不利な条件を受け付けて闘ってやる事は無い、万全な状態で挑んでやればいいさ。 まあ、でも轟虎の電子迷彩のお陰で防衛にやってきていた軍の奴らもさっきやっと奴の存在に気付いたみたいだ。 防衛任務についてた機関軍の奴らは滑稽なぐらい大慌てしてるみたいだよ。もうちょっとすれば警報がなってシェルターへの批難を促すようなメッセージが発せられるだろうよ。 ああ、それと安心して、そのホテルの地下にはシェルターがある、昔、僕が作らせたんだけれどね。 (恐ろしく不安な話だな、それ…) そう思う潤也の胸中を知らず、アテルラナは続ける。 「そこにほとぼりが冷めるまで、逃げてて貰えればいいよ。大丈夫、安全性に関しては保証する。核が投下されたって大丈夫な代物さ…。」 「はっ、どうだか、それはようは前に闘った紫猿とかいう奴がやったようにこの街が瓦礫の山になるぐらいまで破壊されるって事だろ?」 そう言って潤也は毒づく。確かにアテルラナの言うそれは現状では最善の行動であるのだろうか、それがどこか気にいらなかった。 奴が言っているのはこの街の人間を見捨てろと言っているのと同義だ。 他にも批難シェルターがあるのは事実だろうが、逃げ遅れた人々は確実にその鋼獣の毒牙にかかる事になる。 電子迷彩によって鋼獣の発見が遅れたというのならば、シェルターに逃げる時間も大幅に短縮されるという事に他ならないからだ。 つまりは通常に考えられるよりも多くの人間が逃げ遅れると言う事を意味する。 それは、このセントラルシティにいる人間の多くが今回の襲撃で死ぬということだ。 「ああ、もしかして君、その殺されるかもしれない街の人間に心を割いてるのかい? 優しいねぇ、自分以外を省みない復讐者にあるまじき発言だ。ひゃひゃひゃ、いや、ほらほら、そんなに受話器越しからでもわかるような怒気を発さないで……… ねぇ兄弟、君は誰かの為に闘ってるわけじゃないんだろう? 君の目的は復讐だ。君から全てを奪ったものから、全てを奪い取る事だ。ならば、だ。君はそれだけを考えていればいい、生きて、生きて、生きて、生きて、奴らを殺戮し尽くす。 それだけに君の思考のベクトルを向ければ良いんだ。じゃあ、さ、今、リベジオンは使い物にならないんだから、君は生き残る事だけを考えるべきなんだ。 わかるかい?ならば誰が死のうが関係ないじゃないか。」 「―――――――お前はリベジオンのDSGCシステムにおけるの思念の影響を受けた事があるんだったよな?」 「触り程度だけれどね。」 「お前はあれをおぞましいと感じたか?」 そう問う潤也に対して少し笑って、 「それ以外にあれをどう感じるというんだい?」 アテルラナは問い返した。 潤也はそれを肯定と受け取り答える。 「だろうな、何度もあのシステムの影響下にあってわかった事が一つある。 あれは悲鳴なんだ。死んで行く人々の無念、その絶望が、念となってこの世に留まり続けている。それがDSGCシステムが組み上げているエネルギーとやらの正体だ。 その光景が俺の中に毎回入り込んでくるんだよ。わかるか?アテルラナ。あんなものが出来る原因を俺に見過ごせというのか?」 潤也の語尾に怒りが籠る。 それをいなすようにしてアテルラナは優しく言った。 「でも、それは君に関係の無い事だ、別にここで人が死ななかったからといっても、DSGCシステムが君の精神に与える負担が減るわけでもない。 この世界は既に死で溢れている。それだけの歴史を人類は積み重ねてきたわけだしね。」 そもそも見解が違うと潤也は思った。 これが潤也がアテルラナを気にいらないと思う最大の理由でもある。 この男が物事を見る際にいる立ち位置と、潤也が物事見る際にいる立ち位置はまるで違うのだ。 潤也は、己が見える視点から見える事を見て考え行動する。だがアテルラナは違う。 見えるものを直接的に見るのではなく、俯瞰してまるで神の視点から見ている。 人一人が死ぬ事を100が99になった程度にしか考えていないのである。 ある意味、世界的な視野にたって見るのならばアテルラナの思考は正しいと言えるかもしれない。 だが、潤也はそんな風に考える事は出来なかった。
「そうか……お前は凄いな、アテルラナ、全て天上から物事を見る事が出来る……この街にいる人間もお前にとっちゃ駒みたいなものなんだろう、だがな、俺はそこまで賢くなれないんだ。 いいか、アテルラナ、俺はな、俺の我儘でこんな闘いを続けている、誰かの為じゃない、自分の為にこの闘いを始めてずっと戦ってきたんだ。」 「――――だったら、」 そうして何かを言おうとしたアテルラナを遮って潤也は続ける。 「いいか、アテルラナ、俺はな、単なる我儘な復讐者だ。だから、俺は目の前で死ぬ人を見逃す事なんて出来ない。 奴らのように命をゴミのように扱う事なんて出来ないんだ。 殺されて良い人間なんているわけがないし、それを脅威からどうにかする力があるのに、それを行使する事すらせず、ただ、傍観して俺の家族のように殺されていく事を許す事なんて出来ない。 死者がいつも俺になんて言ってくるか知ってるか?あいつらは生きたいと言っているんだ。 もっともっと生きたくて、生きたくて、生きたくて、その無念が怨嗟となって、この世に留まっている。そんなものが出来るのを黙って見過ごすような事は俺には出来ないんだよ!」 「それは矛盾しているよ、兄弟。君はその死者を生みだすものじゃないか、UHの人間と戦っていつもそれを殺している。 それとも何か、君が戦っているUHの奴らにはそんな温情を受ける価値は無いというのかい?」 「――――無いな。」 それはぞっと背筋に寒気が走るような程、冷たく放たれた言葉だった。 それまで飄々としていたアテルラナも流石に驚いて、 「ははは、君は、それを正気で言っているのかい?君だって知ってるだろう?どうであれ彼らにだって同情の余地は――――」 と真剣な口調で問う。 「無い。俺が助けたいと思うのは殺される理由なんてない人間の話だ。人を殺そうとしている奴らに対して何で温情を抱かないといけない? いいか、アテルラナ、勘違いするなよ、俺は俺の家族のように死ぬような理由が無い人間が死ぬのをただ傍観している事が出来ないだけだ。 あんなどうしようもない理不尽な絶望だらけの思念を残して逝くのが許せないだけだ。いいかアテルラナ、それだけの話なんだ。 これは美談でもなんでもない、俺が嫌なんだ。だから俺は戦おうとしている。」 そう言った潤也に対して、くすくすとアテルラナは笑った。 「何がおかしい。」 潤也はそう訝しげに尋ねる。 「おかしい、おかしいよ、おかしいに決まってるじゃないか、兄弟、だってその理屈を当てはめるならば君だって死すべき人間じゃないか。 UHからすればそう考えられてもおかしくないぜ。彼らからすれば彼らの居場所を奪って地下に封じ込めていた地上人は最低最悪の敵だって考えててもおかしくは無いからね。」 「それでいい、それでいいじゃないか、アテルラナ。俺がな、奴らに与える死は理不尽じゃないといけないんだ。奴らに同情の余地があるかどうかなんて知った事じゃない。 むしろ奴らがそれを正当化し、正義として掲げているのならば、結構。それを俺とリベジオンの理不尽で飲み込んで叩き潰す。奴らは俺を憎むだろう。 むしろ、そうなって貰わないと困るんだよ、アテルラナ。憎んで悲しんで貰わないと俺が失い得た絶望の一片でも奴らにくれてやらないと俺の気が済まない。」 少しの沈黙。 その後、アテルラナは一息ついた後、感嘆して言う。 「兄弟、君は本当に面白いね、理不尽を嫌いつつも己は理不尽であろうとしている。この矛盾、なるほど我儘な復讐者か……言い得て妙だ。 僕は君のその自分勝手さを心の底から愛しく思うよ。本当に君が君で良かった。」 「五月蠅いな、アテルラナ、てめぇの気持ち悪い愛情なんでいらねーよ!俺はお前と違ってその気は無いんだ。大体、いつまでこの戯言を続ける気だ?」 「了解、了解、わかったよ、理解した、理解したから、そんな受話器越しから怒気を発さないで…。まあ、時間も無いしこの話はこのぐらいで終わりにしとこう…。」 「それでアテルラナ、あと一時間だったな?」 「正確には55分と39秒、大丈夫、修理の点においては信頼してくれ、僕は君の期待を裏切ったりはしない。まあ、急場なものになる予定だからそれなりの不都合は考慮しておいてくれよ?」 「十分だ、切るぞ。」 「じゃあ、あと55分と3秒、頑張って生き延びてね〜。」 そうして潤也は携帯端末の通信を切断する。 そして一呼吸した。これから一時間、まず自分がやるべき事はなんだろうか?と考える。
支援します、気休めじゃなければ良いのですが……
ふと頭に思い浮かんだのは先ほどから一緒にいた少女の事だった。 まずは彼女を地下にあるというシェルターに連れていこう。あの男は気にいらないが、あの男のやる仕事が確かなのはこの一月付き合ってきて散々に思い知らされた事だ。 (本当に柄じゃないな。) 潤也は寝室の扉を開き、二階から少女のいる一階に下りる。 「おーい、いるかー?」 返ってくるだろうと思った少女の返事は無い。 ふと疑問に思って、どこかで寝てるのではないかと、潤也は部屋の扉を開けて呼びかけた。 こういう時、ロイヤルスイートルームなんてものは不便なものだ、部屋が多い分、どこに人がいるのか探すのも一苦労である。 そうして2分ほどたった。 いなかった、少なくともこのロイヤルスイートルームには少女はいなかったのである。 潤也の背に嫌な悪寒が走る。 ふとテーブルに見慣れないメモ用紙とボールペンが置かれているのに、気付いた。 潤也はその紙を手にとる、よく見れば綺麗とは言えない字でなにか書いてあるようだ。 そして、そこにはこう書かれていた。 お兄ちゃん、すごくつかれていたみたいだし、めいわくをかけるのもわるいので、ゴンザレスは自分でとってきます。 いっしょにとりに行ってくれると言ってくれて、私はすごくうれしかったです。 このあたりのちりはよく、お母さんといっしょにきているのでだいじょうぶ。たぶんあのへんな人たちももう家にはいないと思う。 だから、すぐにかえってくるから心配しないでまっててね。 「あの馬鹿!!」 潤也は壁を握り拳で殴り付けた後、すぐさま、部屋を出た。 バタンと締まる扉の音と同時に外で敵襲を示し、避難を促すサイレンが鳴った。 まだ、悪夢は始まってすらいない。 To be continued
さて、これにてMAIN編 起の終了となりました 今回はいつも以上に血なまぐさい話になってしまった気がします。 少女とか最初、プロットにいなくて、あー女気なしで変人と根暗いシスコンだけだと物語に明るさが欠けるしむさいなと思って登場したキャラでした。 シャーリーや藍がいないだけで、この物語はこんな話になるんだなーと書いてて思いました てか、これどうみてもry 戦闘パートはまだまだここから広がりを見せる予定ですのでご期待ください。 今回、新キャラらしき人が二人出ましたが、一人は…まあ、なんか兄弟とか言ってる時点でバレバレな気がします。 でも、実は違うかもよ?と言ってみたり…。 さて、SIDE Aと同じく今回の話は発端でしかなくてここからジェットコースター式に一気に盛り上げていく予定です。 時間かかったのは納得いく出来に中々ならなくてもう突貫工事で良いやと削岩機使って荒削りな文章作りをしたせいだったり… うう、結構ラストの方は勢いで書いたので変な事になってないか凄く心配です 正直この話自体俺のスペックを大幅に上回っててsakjdalksklaeaeadaふじこ それでは次は電瞬2か承編 あとシスターズのDW機体名募集中ですw まあ、書こうと思ったら決まってない分全部自分で決めちゃいますがw 現在アスカロンだけほぼ決定ですが、テキトーに言えばたぶんそれ決定になっちゃうと思いますよ
>>632 感想ありです
ぶっちゃけエグイですよねw
いやー、いいのかなぁーこれとか書いてました…実は今回は殺陣の仕上がりが恐ろしく早くてw
復讐モノはやっぱ血の臭いが欲しいですw
後半乙。 これは続き気になる。さすが古参の実力よ。
てす
この静寂……人稲様の仕業かッ!
ぺろっ……。これは……皆、作業中
ぬふぅ、なんか今日中には完成しそうにないので、トリアーエズ生存報告と乙をば。 感想は投下後に書くので、すみません、もう少し待ってくださいorz
やっと美しい世界が書き終わった……つか一週間も感想溜め込むとか駄目人間過ぎる俺w
てな訳で、亀ってレベルじゃない、かつ感想なのに激しく連レスですがご容赦下さいorz
では前スレから……
>>830 >
>>882 氏、素敵な紹介文、誠にありがとうございます
今度はマジで登録しますので……遅れて本当にすみませんorz
>>831 うおおおお!神威来た神威!
いやーこのド直球の悪役顔!これは本編でもっと活躍させなければ……!
後リタちゃんは遥さんと石驚( つか何このどや顔ww可愛い、けど何かイラッとするw
>>854 何とかわいらしい霧ちゃん……
てか凄い巨乳だ、揉みしだき(ry
何げに名言が入っていてセンスの良さを感じます。こんな可愛い子がこの台詞はある意味反則です
>>946 これは何とカッコイイロボット刑事物
マーナガルムも含めて楽しみにしております
では本スレ分です
>>16 あれまカッコイイ。つか設定のえぐさが外見と上手くマッチしてるというか
武器が一見単純な様でいて超多機能なのが面白いですw
毎度ながら病気の人のロボットは動いた所を激しく見てみたい
>>42 ……小さいながらもクオリティの高さに良い意味でぞっとしました
これが本家みたいにガンガン動くと考えたらカッコ良すぎて気絶しちゃいそうです
いやあ……堪らんです。マジで
>>137 うおおおお!!
おっばいがいっぱいだー!
おっばいおっばいおっばぁぁぁぁい!!
ふう……
マジで待った甲斐がありましたぜ。皆ドレスという事で可愛らしさと豪華さと華やかさが合わさって最強だと思います
スネイルとメルフィーの可愛さに作者ながらハッと致しました
皆あまり見てないけど、個人的にメルフィーのドレス越しのうっすら見える足にムラム(撲殺
>>210 避難所で読まして頂きましたがこちらでも投下乙です
3の挿入歌が奏でるまさかの展開から続く様な、良い意味で不穏な展開、面白いです
果たしてムーンテイカーで何が起き、そして何が失われるのか
次を楽しみにしています
>>316 これは……こうやって穏やかな日常があると、この後の落差がマジで怖いですw
つか師匠の原作とは良い意味でウ詐欺さんのキャラが読めないww一体ヤスっちにどう絡んでくるのか……
そしてこれから物語にどんな谷、それか山が来るのか
戦々恐々としつつ次を楽しみにしてます
漫画スゲー!!ww
つかウ詐欺さんってこんな可愛いかったんですね……そりゃあリヒトも惚れるわ
>>374 力作、投下乙です
空中の凄まじいドッグファイト、お見事でした。インタビュー形式なのが臨場感があって素晴らしいと思います
日常に回帰したカーティスの平穏を願いつつ、次回を楽しみにしております
>>386 >>609-610 正直スペックだけでは図りしれないので
是非本編で活躍を見たい所ですw
>>405 >>408 うほ、これは……
この胸に抱かれたい……嘘ですw
>>444 >>474 投下乙です!
何というか、少年漫画を読んでるみたいなワクワク感を感じますねw
にしてもヘンヨもアリサも脇役達も良いキャラ立ちしてるわい……
自分にはこういう、軽妙で洒落の効いてる世界観が書けないので羨ましく思います
次回を楽しみにしてますー
>>478 これは普通にカッコイイですww
アクセサリとして売ってたら買っちゃうな、割とマジに
>>558 何と言うリア充イケメン
これは会長も惚れる
だがもげろ
>>561 >>578 いかにも強敵な感じにあれ、コイツこんなカッコイイキャラだっけと作者自身(ry
特に顔の表情、良いですね
ある意味本編以上にぶっ飛んでるかもw
>>602 投下乙です
スピーディーでかつ、熱い展開にただただ圧巻されました……
しかも暗殺者の意表を付く正体に、最高のタイミングの助っ人
そしてデレ涼夜素敵過ぎるよデレ涼夜
次回ワクテカしていますぜ
>>608 健やかな遥さん可愛いですなー
でもなんか構図がラスボス的な……w
>>646 一気に読ませて頂きました、投下乙です
潤也の内面に鋭く迫る回で、鋼獣に対する壮絶な戦い方に彼の強さと弱さを垣間見た気がしてゾクリと来ました
それと潤也と渡り合うアテルラナのまー癖者感w好きになりそうです
さて、少女と潤也を待ち受ける運命とは……怖いけど次回をまってます
これで本スレは終わり……一応
四レスも消費してしまい、本当にすみませんでした
と、言いつつ現在絶賛規制中で携帯で打ってます。師匠マジ凄い
父の日は過ぎちゃいましたが、後で避難所で美しい世界を投下するので良ければ読んでくだせえ
ではでは
後、
>>654 のおっぱいがおっばいになってるのは興奮しすぎたって事でご容赦して下さいw
投下来た支援しなきゃと思ったらw これは感想乙といわざるを得ないw あとタカ坊に関してはごめんなさい。
>>648 遅くなったけど、投下乙!
リベジオンの装甲の展開はてっきり攻撃のためだと思っていたが、そんな事は無かったぜ!
しかし潤也、現在と比べるといくらか態度が柔らかいような気がするけれど、ここからどうやってああなってしまうのやら……
しかし続きが読みたくなるけど怖くてよみたくないというジレンマががが
それにしても、アテルラナの胡散臭さは異常
中二とメアリさんを気にしているようではまだまだ
どんなに憎しみが強くても人間だし時間の経過と共に磨耗してしまうでしょうしね。 今の潤也は藍が居るお陰で大切な家族を失った現実を常に突き付けられている状態になり 憎しみパゥワー全快でいられるのでしょうね。
なるほど、言われてみれば確かに。潤也にとって藍といることは拷問に近いな……
そもそも特殊過ぎる能力やら過去やら因縁やらが無いのでまさかの12点という
昨日過疎ってたのはage氏がいなかったからかw 避難所にも投下があったから見てやってやー
今感想書いてるから、ちと待ってくださいな
感想書いてきたでござるのマキ。短くてすまんこ
投下します。多分さるは大丈夫。
「連中はまだ捕まらないのか?」 《はい。抵抗が激しく……。故障者多数です》 「それほどの数で行ってもか? まぁいい。防犯カメラの映像を追えば居場所はまた特定出来るはずだ」 《二人はスラムに入りました。スラムでは街中に防犯カメラは設置されておりませんが……》 「スラムへ? ……まったくどこまでも面倒な奴らだ。わかった。奴をそっちにやる」 《奴? まさかアイツを? そんな……我々だけでも――》 「スクラップの山を作っておいてよく言えるな。いいか、お前等ポンコツもタダじゃ無いんだ。それなりに費用がかかる。これ以上ムダに金を使う訳にはいかないんだ。 奴が着くまで待機していろ。合流したら一緒に探し出せ。いいか!」 《……分かりました》 「よろしい」 電話での会話だった。 受話器をたたき付けるように置き、報告をしてきた配下のアンドロイドの無能さに腹を立てる。資料には確かに相手が元エリート軍人だったと書かれている。だが、まさか戦闘能力の差を見せ付けられるだけになるとは予想外だった。 素人では相手にならない事は十分理解出来た。ならば、こちらもそれなりの切り札を切るまでだ。彼は電話の前でそう考えている。同時に、先程の配下のアンドロイドの姿を思い出し、再び腹を立てる。 そして、イラだった感情は電話機への八つ当たりとなって現れ、電話機は粉々になってしまった。 五話:【置いてけぼり】 「ええぇぇ〜!」 「我が儘を言うな。一番安全だ」 何やら喚く少女と、それを宥める厳つい男。ドーナツが置かれたテーブルを挟んで今後の事を話し合っていたが、下された決定にアリサはいささか不満があるようだ。 「どこか別の場所にしてよ!」 「ここが一番なんだ。前居た牢屋よりはマシだろ」 「まだ牢屋のほうが色んな意味で安全よ!」 この調子でかれこれ二十分以上は騒いでいる。横で見ているKKは笑っていたが、スレッジの方は少し引き攣った笑顔だ。
「ここなら世話焼いてくれる奴も居るし、いざって時は一番安全なんだ。我が儘言うな」 「何よ! 『言いたい事あれば言えばいい』ってほざいたのはどこの誰?! だから言ってるんじゃない!」 「それはそうだが……」 とほど不服なのだろうか、今までに無い程に喚き散らす。 一体何が不満なのかと言えば、安全の為にこれからしばらくの間は、アリサは隠れ家に置いたままヘンヨ一人で活動すると言う事。つまりはアリサを閉じ込めるという決定だった。 それだけならば問題は無かった。だが、場所がどうにもアリサには受け入れられない。 「絶対イヤ! あのキモ……あのおじさんと一緒に居るなんて!」 スレッジをチラっと見ながら言う。スレッジも前から嫌われていたのは知っていたが、ここまで嫌がられるとは思っていなかった。おかげで作り笑いすら今はうまく出来ない。 「確かにキモい奴だが、頼りにはなる。KKも居るんだ。変なマネはさせないから、安心してくれ」 「生理的にイヤなの! 解るでしょ!? だいたいね、なんでこんな所に居るくらいなら……」 「面倒くせぇガキだ……」 ヘンヨは目でKKに合図する。向こうもその意図を理解したが、『ホントにいいの?』という表情を見せる。機械とはいえ驚きの表情は人間と代わらない。 ヘンヨは小さく頷き、KKは申し訳なさそうにアリサの後ろに移動する。そして。 バチッ! どさっ…… 「お疲れさん。まったくここまで嫌がるなんて……」 『あなたもたいがい酷いわね。いくらうるさいからって失神させて黙らせるなんて。女の子よ?』 テーブルに突っ伏したアリサの後ろで、指先から小さく放電させるKK。 指先に仕込んだスタンガンは一発で見事にアリサを失神させた。 「元から無理にでも置いて行くつもりだったし、別にいい」 『そういう事じゃなくてね。嫌われちゃうわよ?』 「だからなんだ。死なれるよりはマシだよ。俺だって守りきれない物もある」 『まぁ……。しつこい感じの連中だったしねぇ……』 KKはアリサを抱えて移動する。テーブルの上で寝かせておく訳にも行かない。
ぐったりとなったアリサはそのまま奥の客室へ連れていかれる。KKのスタンガンを食らえば簡単には目覚めない。 ヘンヨは引き攣った笑顔のスレッジの方を向く。なんとも言えない表情は滑稽に見えたが、本人の心中は穏やかとは思えない。もっとも、ヘンヨには元々何の遠慮も無かったが。 「……お前等、よく本人の目の前でキモいだの生理的にムリだの言ってくれたな」 「ちょっとした冗談だ。気にするタマかお前は」 「目の前で言われりゃ話は別だ。遠巻きに二人して喧嘩売ってんのかと思ったぜ……」 頭をボリボリかきながら悪態を付く。 怒りと悲しみが入り交じった表情のまま、テーブルの上のドーナツを一つとってかじる。よほどイラついていたのか、それはすぐに胃袋へ消えていった。 「ったく。人をバカにしやがて……」 「そんな事より、聞いておきたい事があるんだが?」 「そんな事だと? フン。もうなんでもいいや。で、聞きたい事って?」 「例のメモリーだ。中身が暗号とか言ってたな?」 「ああ……。確かにそう言ったが」 「解けないのか」 「ちょっとムリだな。異常な量のアナグアムだ。延々と続く意味不明のマトリクス……って所だ。解くには解答ソフトが要る。」 「解答ソフト?」 「そう。あんな物、まともに解いてたら一万年かかっても終わらない。解答を収めたソフトがあるはずだよ。多分それ持ってるのは……」 「襲撃してきた連中だな」 ヘンヨは立ち上がる。銃のチャンバーと予備のマガジンを確認し、出掛ける準備を始める。 「メモリーを俺に預けてくれ」 「……何する気だ?」 「好き勝手やられたからな。今度はこっちから仕掛ける。連中はそのメモリーを探している。そして、恐らくキースの失踪にも絡んでる」 「おびき出すつもりか」 「そうだ。適当な所でメモリーを使って、襲ってきた連中を取っ捕まえてやる。ついでにアリサの家にも行ってみる。キースの手掛かりが何かあるかも」 ヘンヨがアリサをここへ置いて行くと言った理由はこの作戦を行う為でもある。解答ソフトの事も気になるが、ヘンヨにとって重要なのはそんな物では無い。
「メモリーの暗号はどうする?」 「後でいいさ。正直、キースさえ見つかればどうでもいいしな」 「じゃあ、俺は何してればいい?」 「後で電話する。ああ、アリサに近づくなよ」 「バカにしやがって……」 ※ ※ ※ 暗闇。最初はそれだけだった。 今、自分がその中に居ると自覚するまで少しばかりの時間を要した。意識はいまだ闇の中。いつそこで目が覚めたのかすら解らなかった。 やがて、皮膚の感覚が戻ってくる。少し暖かい。 何かが身体を包んでいる。重くは無い。むしろ、身体の周りに在り続けるのが不思議なくらい、ふんわりした感触だった。 まだ闇の中。でも、そのふんわりした物のおかげで非常に居心地が良い。できれば、このままずっとこの感触を味わっていたい。そんな気持ちになった。 今度は音がする。規則性をもったそれは、少しずつ暗闇を引き裂いて存在感を増していく。一定のリズムで聞こえる音は、ある程度まで大きくなるとそもままの音量でそこに居続ける。 けっしてうるさい訳ではないが、このふんわりした感触をじっくり味わうのには多少耳障りな物だった。 さらに今度は、首筋に痛みを覚える。それはじわじわ広がっていき、頭まで来る。鈍痛は頭の中に居座り、やがてふんわりした感触を味わう事すら忘れさせる程になる。 頭を押さえようにも、自分の手の感覚が無い。いや、正確には自分の身体が今どうなっているのかすら解らない。 頭痛はそのままに、暗闇の中に今までにない感覚が現れる。 口の中の感覚だ。唾液が嫌に少ない。喉の乾きではなく口そのものが渇いている。 不快感が増して行く。頭痛は脈打つ事に鋭くなり、口の乾きは全身の乾きへとなっていく。最初に聞いた音は一定のリズムを保ったままに、今はハッキリと耳に届く。 先程までとは打って変わり、今度はここから逃げ出したいと考えはじめる。無限の静寂を思わせた暗闇は、今は不快感の坩堝に思える。 そもそも、どうして今ここに居るのだろうか。 ようやくその疑問にたどり着いた時には、不快感は絶頂に達していた。
もう嫌だ、十分だ。そう思った。そして、唐突に暗闇は引き裂かれた。 「……?」 天井が見えた。同時に、口の中が渇いている感覚がして、口が半開きになっている事に気付く。渇いた舌は動かすのも億劫だった。 自分が横になっている事に気付いて起き上がろうとするが、腕の感覚がない。身体がだるい感じがして面倒だとも思い、とりあえず起き上がるのは止めた。 そして、自分がなぜ寝ているのかを思い出そうとする。昨日どんな日だったか。寝る前に何をして、何時に寝たのか。 だが、思い出せなかった。何時にベッドに潜ったのか覚えて居ない。それどころか、ベッドまでたどり着いた記憶すらない。 最後の記憶は確か……。 そうだ。誰かに文句を言っていたんだ。ずっと言い続けて、さらに畳み掛けようとして、その後……。 「ヘンヨ……?」 『あら、目が覚めちゃった?』 「……!?」 横に居たKKがアリサの目覚めに反応して声をかける。まだ状況を把握仕切れていないアリサは周りを見渡して情報を集めようとする。 マットレスは少しばかり堅い物だったが、かけられている毛布はふんわりと柔らかく、重量をあまり感じないほどに空気が混じっている。お陰で見た目以上に軽い。壁に掛けられた時計はコチコチと一秒おきに規則正しく針を動かし、静かな部屋にはその音が響いている。 アリサは起き上がろうとする。が、手が痺れて感覚が無い事に気付く。気付かぬ内に肩より高い位置に腕が置かれていた。 それでも何とか起き上がり、今度は水平になった視点でさらに周囲を見る。 首に痛みが走った。まるで針が刺さったようなチクリとした痛みは、アリサの寝ぼけ眼を一気に開かせる。首の鋭い痛みとは反対に、頭には鈍い痛みがあった。 「……ここ、どこだっけ?」 『ごめんなさいね。ちょっと強すぎたかしら……』 「……え?」 KKが心配そうな顔をしている。何の事かはよく分からなかった。 「えーっと……。確か、アイス屋から逃げて、そのあとスレッジのトコ行って、それで……」 『そうそう。ヘンヨもう行っちゃったわ。大人しく待ってろって伝言残してね』
「ヘンヨ? ……ああ、そうだ! たしか此処は……!」 『首大丈夫? 痛み残ってなきゃいいけど……』 「私に何したの……?」 『ええまぁ……。ちょっとね。あんまり騒ぐから、ね』 「結局、私置いてけぼりか」 『まぁあれだけハデに襲われればねぇ。あれでヘンヨは小心者だし、連れてけないのも解るけど』 アリサは一眠りして落ち着いたのか、うっすら解っていたヘンヨの意図をようやく受け入れる。場所はまだ気に入らないが。 「スレッジは……?」 『さぁ? あなた達二人に相当ヘコまされたし、どこかで泣いてるんじゃない?』 首が痛む。激しく痙攣した後のような感覚だった。 (諦める……しかないか) そう思うしかなかった。スレッジと一緒に居るのはガマンならないが、一人で抜け出そうと考えるほど浅はかでもない。 『これからスレッジにエサあげなくちゃ。あなたも何か食べる?』 KKの言葉にアリサは小さく頷いた。それを見たKKは部屋を出て行く。また、部屋は時計の音が聞こえる程度の静寂が訪れる。時刻は夜の十一時を回った頃だった。 まだ寝起きの為か身体が怠い。首の痛みは目を開かせるには十分だったが、身体を目覚めさせる効果は無かったらしい。 アリサは再び横になる。ばさっと音を立てた枕はアリサの頭をやさしくキャッチしてくれた。 首の痛みとは違う、寝起き特有の頭痛は、まだ消えないままだった。 ―続く。
投下終了。 あれ……? ロボ……。 次回出るよ!
投下乙です!毎度の事ながら、火サス的な謎と少年漫画的な軽快なテンポが読み易くて良い感じですね。
>>675 投下乙!スレッジ酷い言われようwwwそしてKKスタンガン搭載とはなかなかデンジャーな女性じゃないか……
しかし「ヤツ」とはまた凄いのが来そうな予感がプンプンするぜぇー!
>>676 まぁ……。読みやすいなんて言われたのはじめて///ビクンビ(ry
>>677 おかげでスレッジの脳内イメージがヒドすぎてイラスト化出来ないw
誰か描いてくれw
これは882氏が描くプラグに違いない……w
フラグのはずがプラグになっている……だと…… どんなミスだよ俺
>>679 882氏がジャックインするのに必要なんですねわかります。
自分の脳内スレッジはトルネコを油ギッシュにして、鼻の頭に古い角栓ビッシリで 胸毛がシャツの襟口からはみ出ていて、歯が茶色で、息と体臭がキツくて ちゃんと風呂に入っている筈なのにフケとか、目脂がゴイスーで、足が短い上に臭い (作者さん、ごめんなさい)
>>675 投下乙。
うん、確かに読みやすいと思う。
作者ですらイラスト化できない……だと……
自分の中のスレッジは
鷲尾ちゃんデザインの巨大宇宙船の一区画を丸ごと沈めてる汚水で
モップ頭のサイボーグをクソの海に溺死させ――
なに? これはスラッジ?
鷲尾ちゃんといえば、G-ROOMSは何描いてくるんかなぁ テラオカノフはとっくの昔に描き終わってたみたいだがw
随分と遅くなってしまいましたが
>>646 投下乙です!申し訳ありませんが前編と纏めて感想を書かせていただきます。
潤也は我武者羅と云うよりかは討ち滅ぼすべき敵しか眼中に無いような、そんな印象も受けますよ。
まぁ復讐の為なので当人としてはそれはそれで良いのでしょうけれど、見てる側からすると随分と危うい感じに写りますね。
孤児の少女が良い感じに潤也を引っ掻き回してくれてますなー。結局シリアスな方向性にはなってますが、和ませ役として十分かと。
どうでも良いんですけど、アテルラナって云い難い名前ですね……
それでは、次回も楽しみにしていますね!
>>675 こちらも投下乙です!
スレッジの扱いHIDEEEE!!!11111!!!1wwwww「でろんでろんのなにものか」なんつーイメージですがどうしましょうかコレwww
貴方の文が読み易いのは動と静がはっきりしてるからじゃないかなー、と愚考しました。
ヘンヨはこれから(多分ですけど)一対多の戦闘をすることになると思いますが、どうなることやら。ヤツもいることですしね。
次回も楽しみに待たせていただきます!
というわけで、試しにアテルラナって10回言ってみた ……無理だった
先に返信だけ
感想は水曜日の夜ぐらいに(´;ω;`)
>>648 感想ありです
古参の中でも最も筆が遅いのが難点ですw
もっと早く書けるといいんだけれどなーストーリーは大体出来上がってるだけに・・・
2章終わったら色々面白いこと考えてるのだけれど、それを実らせるためにもまず二章終わらせないとなぁー
>>656 感想ありです
今回は、真相に至って無い潤也というのが一つのキーとなるように書きました
アテルラナに関してはもうモノ凄く温めてたキャラなので、楽しみにしてもらえると幸いです
彼が爆発するのはずっと先な気がしますが・・・少女は・・・うん、まあ、ノーコメw
それなりに名前が味噌なのが少女だったりします
>>659 感想ありです
ああ、リベジオンの展開は収集と放出の両方を兼ねてるんですよ
ちょっとその辺りもっと詳しく触れておくべきだったかな・・・
大型きく吸い、大きく吐き出す、ある意味に人間の口のみたいな器官ですね
アテルラナは胡散臭い上に、わけがわからない人と感じてもらえてるのならば嬉しいですw
個人的にはちょっと露骨にやりました、実はこのキャラ、書いてる時に7〜8回暴走しやがりましたんですよね…
>>662 この頃のがまだ純粋に憎悪で戦ってたかもしれない(´・ω・`)
藍がいるから逃げるという選択肢が無くなってしまっているのも潤也の辛いところです・・・
>>675 投下乙です、感想は後々><
>>685 感想ありです
潤也の憎悪ってちょっと変わった憎悪なんですよね
その実、家族の死に目を目撃してないから、殺された瞬間を思い出して憎むという事が出来ないのですよ
なので時間が憎悪の磨耗が早くて、DSGCから来る憎悪を自信の憎悪に置き換えているという気はあります
アテルラナの意味はググれば出てきます
避難所
>>280 ああ、そもそもリベジオン自体の防御力は低いです
今回、怨念で自らを破壊してましたが、それも耐久力が低いという点から来てます
藍が来るととある事情が絡んでそれがある程度解決するのですが、現状のリベジオンは攻撃力だけ凄いけれど
性能自体はバランス取れてないですね・・・射程短いのは絶望的だし、だからって拳以外で鋼獣にダメージ与えられないしで・・・
ちなみに展開機構はどっちの要素も入ってますw
上でも言いましたが口を大きく開いて吸って、吐いてをしてるようなものなんですよ
アテルラナはババーンの同類だったのかwww
>>688 毎月1回とか思って書いてたのに、今回こんなに時間かかったのはほぼこいつのせいですw
>>689 確かに、改めて読み返すと暴走の可能性孕みまくりなキャラだね、彼w
というか以前言ってたのはババーンじゃなくてアテルラナの事だったのか……
>>690 基本的にふざけてていてその本性をまるで見せない、潤也が好きで好きで堪らない、陶酔癖あり
まあ、気持ち悪いやっちゃですよねぇw
>基本的にふざけてていて ババーンとの共通点はここかな。ババーンは本人はいたって真面目かもしれないけどやる事がふざけてるって意味でw
流れ切っちゃって悪いんだけど…… 1、4m級のロボット兵器に積む近接武装 2、同程度の機体を大破させる事ができる威力を有している 3、ビームサーベル等の超科学を用いない事 この要件を満たす武器って何かあるかな? パイルバンカーとかドリルはなんか違う感じがするし……
高周波ブレードとか?
>>693 人型という前提だと……
・スケールを合わせたショットガン。
>>693 アヴェンジャーとかいいんじゃないか
でかいけど
>>693 合金製のトンカチでぶんなぐりゃいいんじゃね
他作品で例えれば、ボトムズのスコープドッグだと大きさ4mぐらいで装甲12、3ミリぐらいじゃなかったっけ? むしろ破壊出来ない兵器の方が少ないような……。 いや、強力な武装が出来るだろうから、装甲を丁度ブチ抜く威力の兵器があれば勝てる、と簡単にはいかないか。
ゼロ距離発射はロマン
>>696 アヴェンジャーは無理っぽくない? 20mmでもいっぱいいっぱいになりそう。
今のところいけそうなのは
・
>>694 の高周波ブレード
・斧や鉈等の質量+切断武器
・
>>695 のショットガンから構想を得た『クレイモアパンチ』又はそれに類する武器
・
>>698 みたいな単純な鈍器
辺りになるかな?
ガンダム00のティエレンが持ってるカーボンブレードみたいなのはどうだろう 塹壕掘るのにも使えるし
>>679 ロボスレで覚悟無しにやってはいけないことが三つある。
一つは、ティマにちょっかいを出すこと。一つは、遥さんをイジること。
こ の 俺
そして最後の一つは6スレ目
>>882 にネタを振ること。
>>701 個人的に、ロボットにおける近接兵器の問題点は
「いかに攻撃力を高めるか」より「自身の構造が近接兵器使用時の衝撃に耐えられるか」により多くかかってくると思う。
というわけで、俺はこの、ドイツ軍も使った吸着地雷を推すぜ!
単分子ブレードは超科学になっちゃうかな?
>>693 棒の先に炸薬つけてモンロー効果でどついた相手を吹き飛ばす
HEATロッド(単発使い捨て)とか
杭の先から電撃を流して相手の電装系を破壊してしまう
電磁パイルとか
先端からプラズマジェットガスを噴射して装甲を溶断してしまう
プラズマトーチとか
相手を切るというか摩擦で掘削してしまう
超高速ノコギリとか
ペンチの如く、挟んだ相手をそのまま挟み切ってしまう
フレキシブルシザー(格闘クロー)とか
いうのを同じく4m級ロボット兵器の装備に設定しているぜ
パイルとノコギリは既に登場した
ブランクブレットで拳を加速する大砲パンチってのはどうだ?
火炎放射器とか
4m級ロボットの手に持てる手榴弾となると、大きさはどのぐらいになるんだろうか?
ロボットの手の大きさや出力にもよるからねぇ・・・・ 流石に全長と同じくらいの大きさの手榴弾投げるって事は無いだろうけどw
>>709 >流石に全長と同じくらいの大きさの手榴弾投げるって事は無いだろうけどw
そこまでいくと手榴弾というより爆弾w
スイカぐらいの大きさになるのかな。現実的に考えて。
スイカよりもうちょっと大きくなりそうな気が
一斗缶くらいかな?
>>702 なるほど、良さそうな感じだ。一般支給されるのはこんな感じでいいかも。
>>703 >>705 吸着地雷とか、クローとかは思い描いているロボットのコンセプトに合いそうw
>>708 大体ハンドボールくらいじゃないかな? しっかり握れる大きさってのが大切な気がする。
4m級ロボットは関節の多さに加えて排熱の問題もあるから、破片でも焼夷でもかなり効いちゃいそうだ。
RGD-33&旧ソ兵と4m級のロボットで比較すると全長42cm、直径11.5cm、重量1.7kg、炸薬177.7gと非常に浪漫も面白味の無い数字になりますた
>>629 >>646 投下乙です!
まだガムシャラに戦ってた頃かー、なりふり構わない戦闘の荒さで殺陣が生々しい感じにw
リベジオン自体も、展開機構の改修やら人力による修理、と正に最初期の雰囲気。
アテルラナが来なかったら、潤也くん復讐仕切れない内にリベジオンと一緒に大破してるよなぁw
あと、児童保護施設の職員さんに同情w
さて、最後の場面からして何か嫌な予感しかしないけど、次回も待ってるぜ!
>>675 投下乙です!
KK出てるから、ロボットくりあーだよ(棒
スレッジマジカワイソスwというか、生命の危機なのにキモイおっさんがいるからイヤとかドンだけ危機意識ないんだアリサw
今までは受け身だったけど、次はヘンヨが攻勢に打って出るんですね!楽しみにしてますw
>生命の危機なのにキモイおっさんがいるからイヤ 良くも悪くも現代っ子代表って感じですよねw
ヘンヨがアレ過ぎて多少ムリ効くんじゃね?という思考が働いたのかも……
逆に考えるんだ、スレッジと一瞬にいる方が生命の危険を感じるんだって考えるんだ
>>718 そ の 発 想 は な か っ た w
720 :
◆wHsYL8cZCc :2010/06/22(火) 18:31:41 ID:6nzZCTmN
>>718 採 用 決 定 w
いや冗談だけどさw
>>718 何故か、部屋の隅でガタガタ震えているスレッジを敵のアンドロイドから守るために
アリサが無双しているシーンを妄想してしまった
人型のロボって色んな作品があって、大きさとかのデータがある程度参考になるけど、 非人間型のロボのサイズって結構難しい。人間以上となると特に
ちょ、なんか採用されたwww
しかし
>>682 みたいな外見なら、誰だって少なからず生命の危険を(ry
遅くなってしまいましたが、改めまして、皆さん投下乙です!
>>646 アテルラナ……なるほど。まさしく名は体を表すというか何というかw
しかし潤也がいつになく熱血主人公してますね。藍の潤也に対する影響はやはり絶大か……。一緒にいるとどちらも幸せになれないっていうのは辛いですね……。
あと、ょぅι゛ょがどうなってしまうのかが怖いです……。
>>675 スレッジ可哀相www
アリサは肝が据わっているのか危機感がないのか……良くも悪くも普通の子ですねw
しかしヤツとはいったい……うごごご!
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
スレッジにはKKがいるよ! よ!
>>725 そんなだから、結婚出来ないんだよってKKに言われるんだよw
それはKKしかいないって言うんです!
なんだよスレッジのこの言われようはwww
メタクソだなw
ディスティニー(棒
新たなイジられキャラ誕生の瞬間であった
スレッジさんはピラニアの住む池に放り込まれたお肉なのだ!
また随分食べごたえのある肉だなw
寧ろ、ピラニアの方が逃げるんじゃねーの?www
結局彼にはKKしかいないのか……w
魔法使いになれるから大丈夫ですよ! え? 何がって? 聞くなよ。
738 :
◆wHsYL8cZCc :2010/06/23(水) 06:53:37 ID:KIdkt41d
>>737 これは本当に採用決定w
いただきまぁーす!
>>737 投下乙です!
確かにこの目つきは生命の危機(というか貞操の危機)を感じるwww
>>737 投下乙!
これは結婚できなくても仕方ないねw
とりあえずスレッジさんは髪を切って髭を剃るべきだと思います!
近所のおっさんにそっくり過ぎてクソワロタwwww
ついでに服装もちゃんとすれば今よりは遥かにマシに……なるといいなぁ。
>髪を切って髭を剃る >風呂に入る >服装もちゃんとすれば おいおい、そりゃあ別人ってもんだぜw
風呂入らない設定までは考えてなかったw
って言うか、スレッジ人気ありすぎだろwww俺も好きだけどさw
ロボスレにおいて愛される(可愛がられる)とは、いじられるのとほぼ同義である 関係ないけど、とりあえずスレッジは目が怖いw
ちょっと目を離した隙に擬似太陽路のバーゲンセールになっとるがなwいい加減に二期も見ようかな
>>749 ブレイヴの爪先のデザイン、これキット化した時ちゃんと自立できるのか?w
しかし00は開発の系譜を本当に大事にするなぁ
バーゲンセールと言っても、殆どの部隊は旧式使ってるんですけどねw え? 本編であまり描写されてない? そんな事はいいから3話を見て建物に突っ込むホバ鉄に悶えるんだ!
旧式機は擬似太陽炉搭載機より稼働時間が長いから、警備なんかにはお誂え向きなんだよね あとブレイク・ピラーでピラーを迎撃する旧式も見るべき。鉄人かわいいよ鉄人
>>751 デザインがアレな割に驚異の自立能力持ってんのが00ガンプラの恐ろしい所
技術の進歩もあるだろうけど、何よりシンプルな分バランスがいいからね 劇場版の柳瀬ガンダム達は自立できるか心配になるデザインだけどw
サバーニャとハルートは背中じゃなくて腰だから大丈夫なんじゃないですかね。 ラファエルもキャノンっぽいのがアウトリガーとして使えそうですしw
それにしても、今日は怖いくらい静かだな……
これが水曜過疎。
雑談スレが盛り上がってるから、てっきり、皆そっちに行っているとばかり
俺は寝てたYO!
雑談にロボスレ民来るのかなぁw なんかこのスレで見事に消化してるイメージがw
話題によっては混じってるよ、雑談スレにも
俺は時々足を運んでるYO!
ずーっと落書きしていた私は隙だらけだった。 だって終わる直前でスランプになったんだもん、仕方ないじゃないか!
なるほどw
しかし今日の流れはけっこうウッハウッハだ雑談スレ(というより誤ry
>>764 自分これから落書きっす。
そうかーっ!
自分も一応安価のベル描いてますよ、時間と体力の関係で遅れてますが 夏場は疲れが取れないから嫌いだー!
設定が決まらない俺も隙だらけだった。 ロボットの開発コンセプト、機体開発の系譜、運用方法、機体の駆動形式、整備方法、操作要領、武装の詳細、耐弾性能、武装以外の装備品等々…… 考えなきゃいけないことが山積みの割には、はっきりとは決まっていないジレンマ
昨日話題に上がったので魔女っ娘っぽい遥さんを描こうとしたらカースメーカーになってしまったのも私だ。
>>769 蒸し暑いからゆっくりできないですしね。
ベル、楽しみに待ってますw
>>770 そこまで細かく考えようとしているお前に感心する
自分なんて精々
「こういうロボットを作ってみよう!」
「このかっこいいロボを脳内で遊ばせてみよう」
ぐらいだもの
師匠、ベルの髪型が良くわからんとです、遥さんをパッツンにした感じで良いんでしょうかアレ
あくまで物語の中心は人間って考えているから、ロボットの設定自体は適当だわw
775 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/24(木) 00:11:58 ID:OX6mBwb1
そりゃまだいい。 俺なんて今妄想中の奴は続き物だからここだけど最悪ロボださ無くてもいい。 むしろ軽くジャマw
久々に文書くか→詰まったぐぎぎ……よし、ロゴ作ろう→詰まったぐぎぎ……よし一枚絵描こう→詰まったぐぎぎ…→今ここ これはひどい
>>773 ふふふ、よくわからんような絵ですみませんです……。
>遥さんをパッツンにした感じ
はい、大体そんな感じです。あと髪の分け方と三つ編みの長さ(←ココ重要!)が違いますです。
>>771 魔女になってんじゃねーかw
あとカメ子って事は裸マンtジョインジョインハルカァ
>>775 俺は続きものでも無いのにロボ出せないぜwww
諦めて別のに取り掛かってますよん。
何で学校の制服考えるのに小一時間も使ってるんだよ俺……
セーラー服じゃ駄目なんです!?
>>771 >遥さんを描こうとしたらカースメーカーになってしまった
マントの下に何もつけてない遥さんと聞いて(ガタッ!!
リビドーを爆発させるんじゃない! じゃあ俺ブレザーで
さ、さすがに破廉恥な絵ではないよ! あとすみません、タイツ装備してます。
>>777 了解です、三つ編みの長さと三つ編みの長さと三つ編みの長さですね
>>780 何処のエロゲ制服ですか?とか云われるような感じになってしまいましたよorz
セーラー服も大好きなんですが、そうするとお堅くなりすぎるのが怖かったので……
下手したら「軽くして構わないよ」って云う自己暗示の意味合いもあるかもしれません。
>>784 はい、遥さんより細く長くでお願いします!
セーラーやブレザーにしても、デザインは一捻りしたりできますからねー
はじけ過ぎない程度であらば、ちょっとした改造セーラーorブレザーとかもありかもですな
>>783 座ってろということですね、わかりました(ガタタッ
だがうpだ
上の流れで思ったけど設定とかで悩んでる人はひとまず本編を書いてみてはどうかな 案外実際に書いてみると何が必要で何が不要かが分かるかもしれない 雑談スレを読んでてふと、このスレも夏で多少の差異はあるけど二周年な事に気づく 去年のこのスレって何があったっけ
三つ編み職人の朝は早い(ryとかいう電波を受信した
>>787 画才がこれっぽっちも無いので、つーか今GIMPすら無いので文章でうpしますww
ロリータファッションの影響を多少受けた形で、少女趣味の生徒や保護者には物凄く人気が高い逸品。
パフスリーブに始まり、やや緩めのコルセットや背中に誂えられた大きめの蝶結びが潰れる形になるリボン、
チェックのミニスカートの下にはアクセントとしてのフリルが縫製されている。
白のブレザーに青系の色を配色した形で、具体的なものとしては
上:ブレザー、ブラウスともに白。胸と背中の両リボンに、コルセットの紐及び袖、ボタンは紺色。
下:スカートは濃紺の生地に白と水色のチェック模様。靴下はハイソにニーソとタイツ(ストッキング?)が可で、紺か黒が多い。
取り敢えず初稿はこんなものですねw
問題は近未来設定とは云えこれが女学院の制服ってことだ……学院創立からあまり年数経てない設定ですけど。
でもこれ以上にマズいのはキャラの名前が決まらないことorz
>>798 去年の今ごろは、まだ3号機の前半戦ですなw
確認してきたら、6月24日はスプリガンの第六話が投下されたところでした
>>789 祭だー!……と思ったら師匠以外誰も間に合わなかったという非常にロボスレらしい事がw
あ、去年のって、一周年の記念投下ってことかw 10号機が翌月だったんで、そっちの方が記念投下は多かったかと
>>791 よく わからないが すごい ねっきを かんじる
ここまでこだわるなら是非本編で反映してほしいなww
後、キャラの名前は何か由来とか無いなら適当に決めても良いと思う
それか外見や性格から連想するとか
>>792 あれ意外、なんかもっと進んでる気がしたw
>>793 ロスガ祭だっけ、長目氏が先導切ったw
>>788 ごめんねぇ! まだ描きかけさぁ!
そして改めて見るとカメ子と白魔のハイブリッドな感じに見えてきたり。
>>791 タイツイィヤッホォォォゥ!!
名前の決め方はアレですよ、適当なところからもらってきて組み合わせたり、直感で決めたりですよ。
そしたら名前が漢字にすると一文字になる女性キャラばっかになったわけですが(遥、円、悠)。
797 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/24(木) 00:59:09 ID:OX6mBwb1
名前は海外のギタリストからよくパクるw
>>795 ロスガ祭はその少し前かな。確か一周年の日はヴィルシャの二話が投下されてたはずだから
ついでに珍獣初イラスト化の日でもあるw
>>791 たしかにこれはギャルゲっぽいw 考えつく限りのフル装備感がw
俺の場合、日本人名なら適当に決めちゃいますなー
または漢和辞典ぺらぺらめくってみたり
横文字の場合は、言語ごとの人名辞典ブクマしてあるんでそこからとってきたりしますわ
>>795 ティ祭ありましたねw
あれはたしか一周年ちょい前の、ロスガ完結記念だった記憶が
師匠のキャラ名からは若干法則性が感じられるというか何というか たろ氏はどうやって決めてるんだろう
>>796 まだ脱がなくていいってことですね、わかりました
カメ子と、白魔……だと……? どっちも非常に優秀なデザインなだけに、期待せざるを得ない
>>796 超期待してるぜ!
>>798-799 今考えてみると祭という程祭じゃなかったねw>ティマ祭。まあ盛り上がったけどさ
つかヴィルシャが二話か……
あの頃から考えるとここまで目立つ作品になるとは失礼だけど思ってなかったな。オルトロック登場からガーンと来た覚え
き、期待しないで待っててね!
>>802 ロスガが色んな意味で凄い勢いでしたからねw
ぶっちゃけメイドロボの聖衣をマジでやるとしたらおにゃのこにそのまんまロボ装着させるのもなんなんで 私服は当然のこと制服も物凄くフェミニンにしてやろうと考えてたらごらんの有様だよ! 名前は頑張るしかないですね、このスレに直接は関係無いですけど 女装主人公且つ女学院潜入物の妄想が多すぎた所為でストックが切れている状態なのですがw
>ティ祭
それでも、当時スレに投下してた絵描きさんの何割かがティマ絵描いたって意味じゃ
結構なもんじゃないですかねw
>>804 もういっそ開き直って西又神を目指してみるというのは……!w
今現在連載が続いてる古参作品って往々にしてそんなもんじゃなかろうかw 最初見たときは、失礼ながらPBMがここまで続くとは思わなかったし
俺のはるかくんは女子校vs男子校の主人公のようです
ってか何時出来ることやらwwwwwworz
>>805 それ散るの食い倒れ制服とかおれつば第1章のあの制服とか大概だと思うんですよwwww>西又神
……どっちもやりたいなぁ
ところで あなたは 針玉ヒロキ という イラストレーターを ごぞんじだろうか
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/617/jig2maia.jpg しばらくぶりに絵をうp
左はジグパルス二型機 全長約30m強
右はウーラマイヤ 全長35mくらいあるかもしれん
プロット的には中盤テコ入れ時期に登場させる予定の機体
形状が異なるのは、ジグは地下遺跡より出現した巨人を
兵器として使えるように、換装したもの。
一方、ウーラマイヤは敵の生物群をとっ捕まえて
研究して、巨大兵器として使えるようにしたもの。
ジグを建造した組織とは、別の組織により建造された。
パイロットは女性研究者の娘(17歳)。
ちなみにジグを建造している組織の主席研究員はその父親。
つまりは組織内の研究方針の食い違いが、やがて夫婦同士の別居離婚という自体になり、
母親は娘をつれて他の研究メンバーとともに島を出て行ってしまったということです。
まあ、そんなこんなで飛び飛びの設定ばかりが生まれて本編が停滞!
>>808 「西又神(あるいは針玉ヒロキ)」と書こうとして、通じなかったらアレだと思い、バックスペースを押したのが私だ
普通の絵を描いても塗りのせいでエロゲになるオレに隙はなかった
>>808 西又さんは正直叩かれすぎだと思うんだ!w
判子絵判子絵言うが、判子絵にしないようにする難しさと言ったら……orz
針玉ヒロキ>知らないですねー……
>>809 投下乙!こういったタイプのロボが描けるのがとてもうらやましいですw
どことなくキングゲイナーに出てきても違和感なさそうな印象がw
>>809 投下乙!
設定からして暴走しそうな匂いが(ry
>>812 今の私はクワトロ・バジーナ大尉だ。それ以上でもそれ以下でもない。
>>814 大尉、(殴られるなら)アムロとカミーユどっちがいい?
>>809 投下乙です!
敵生物をベースがゆえでしょうか、ウーラマイヤのシルエットがまた独特ですなー
特にサイドから見た時のラインが……その……エロイ
色々と伏線がありそうというか、ストーリー展開に妄想が膨らむ設定ですな
本編の続きにも期待しておりますw
>>807 だってすっぽんぽんの上から着せられるわけ無いじゃん
ってか僕が行為に至らないのに露骨になるエロ表現を嫌ってるだけですけどね……
>>809 投下乙です!
何故僕はこの2機をエヴァっぽいと思ってしまったんでしょうか……ほとんど見た覚えが無いので、謎ですね。
設定の家庭事情が面倒臭いですな。どんな登場になるでしょうか?
819 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/24(木) 01:59:47 ID:OX6mBwb1
>>809 投下乙です!
ウーラマイヤの前傾姿勢がなんかユーモラスですねw
>>817 鷲星座の魔鈴「え?」
寝る前にれす
>>811 キンゲは想定してなかったが影響は大いに受けている
>>813 おいおいバラすなよ
>>816 はっきりとした頭部がない機体にしようと考えたので
メリハリつけないとどうもいまいちになって苦心した
>>817 おっと!エヴァっぽいはNGワードだぜ ヒュ〜〜
正直似ないようにするにはどうすればいいか、苦労している
魔鈴さんの聖衣(特に原作版)はエロいw シャイナさんもエロいw でも一番はアンドロメダ瞬(ry
ただ単に話の筋に関係ないサービスシーンが嫌いだってだけだったと云う
>>821 あれま、ごめんなさい
>>823 知ってるよぉ! ただちょっと弄っただけですってw
>>809 ウホッいいナマモノ
こういう類のロボは大好物です。
見た目からでは何をしてくるか分かったもんじゃないウーラマイアの活躍に期待したいw
あと似ないように頑張るとむしろ似てしまうジレンマなんてのもあるらしい。
適度に気にしないほうがいいかもしれないねぇ。。。
>>817 >だってすっぽんぽんの上から着せられるわけ無いじゃん
龍星座の青銅聖闘士&蜥蜴星座の白銀聖闘士&双子座の黄金聖闘士「どこがおかしいのかさっぱりわからない」
天馬星座の青銅聖闘士「…………」
腕とか伸びそうですよねw
蜥蜴星座のは魚座とキャラが被っt(ry
では、避難所で言ったとおりに投下いきまー
支援だー!
しえんだオラー!
次の日は、朝から雨だった。 暗い空より汚れた街を、荒野を、全てを、洗い流すようにしとしとと降り続ける。 「…………」 ふと、窓の外を眺めた。 靄の向こうにはいつもと変わらぬ街並みが広がっている。 スチームヒルに雨が降る事はあまり無いとは言え、これぐらいでどうとなるわけでもない。ただ街で暮らす人達の出勤が少々億劫になるぐらいだろう。 「ふぁーあ……」 ひとつ全力で欠伸。 時計を見ればまだ5時過ぎ。俺が目覚ましよりも早く起きるなんて我ながら非常に珍しい事と言わざるを得ない。 ベルに言えば「明日は槍でも降るんじゃない?」 ……なんて言われかねないな。 「……?」 なんて考えている内に、足元にベルとウェル、枕元のすぐ隣にアリスがいるのに気が付いた。2人は毛布をかけられ倒れ伏すように眠り、アリスは壁にもたれ腰を降ろした状態で瞳を閉じていた。 ここで下手に動いて起こすのも悪い。 なのでこのまま二度寝してしまおうかとも考えたが、どうにも目が冴えてしまって眠れる気がしない。普段からこうならいいんだけどなぁ…… 「――――」 一旦上げた半身をベッドに沿わせ、窓の外を見つめる。 (……雨は見ている分にはいいものだなぁ。) 何気なくそんな事を思った。 ぽつぽつとトタン製の屋根を不規則なテンポで叩く雨音が、普段遠く聞こえる街の喧騒を打ち消し不思議な静寂を生み、それは何処か心地よく、そして何処か寂しくて。 「……………………」 こうしていると昨日の事が夢の中の事だった様に思えてくる。 街を襲ったバケモノ共、そして白銀の巨人。全部が全部妄想の産物だったのじゃないかなんて思えてくる、が
ああ、違う。 あれは夢なんかじゃない。実際にこの街で起きた出来事。 「…………」 少なくとも俺にとっては、これが夢なら何が現実かと言ってやりたい程度にはリアリティがある。残念ながら、不本意ながら、腹立たしいぐらいに。 何故アレが夢じゃないのか。何故アレが現実なのか。 わけも分からないまま、何処から湧き出たのかも分からない激しい感情と共に怪異を叩き潰した白銀の巨人「イグザゼン・ソートギガンティック」。そして垣間見た光景。 思い出すだけでも身震いする。触れてはいけない何かに触れてしまったような背徳感。そして今俺に何が起きて、どうなってしまったのかと、困惑し、混乱し、恐怖し、だが言いようのない高揚感のようなものまで感じて。 「――――ッッ!!」 様々な感情をない交ぜにしたワケの分からないそれ。 毛布を思わずきつく巻きつけ、震える身体を押さえ込もうとした。 だがそれも無意味。溢れ出る何かは俺の思考を染め、染め、染め、そして―― 「――それが、“イグザゼン”だ。」 何処から聞こえたかあの子の昂揚の無い声。 「無事か?」 いつの間にかベッドのすぐ脇に佇み、こちらを静かに見下ろすアリス。 「あ、ああ……」 「起きるのにはまだ早い。休んでおいた方がいいだろう。」 「…………」 彼女の声の後、さっきまでの妙な感覚は潮の引くようにスッと飛んで消えてしまっていた。それを感じたのかあの子もさっきのように壁にもたれ瞳を閉じる。 「……………………」 あれは一体何だったのだろう? 寝転がりつつも眠れず、妙に冴えた頭でしばし考える――が、それもじきに止めた。 やはり寝起きは寝起き。寝転んでいれば眠くなるのも道理であり、まどろみの中、夢の世界へと再び旅立とうとするのもまた道理。 深く考えるのは起きてからでも遅くは無い。そう考えて夢の中へと再び旅立とうとした そんな時だった。
不意を突き、至近距離で爆弾が炸裂したかのように耳を劈き、これでもかと大気を震わす強烈にして猛烈な爆音。 柱は軋み、壁に亀裂が走り、下手すると家自体が崩れてしまうのではないかと思えるほどのそれは、現と夢見ていた者を叩き起こすには十分過ぎる代物だった。 「な、何!?」 「地震!?」 慌てて飛び起きるベルとウェル。 その動きの何テンポも前に2人を庇う様に前に立つアリス。ウトウトとしていた俺も、しどろもどろになりつつ何事かと周囲を見渡す。 「皆動くな!そのまま――!」 困惑する俺達を右手で遮り制止し、珍しく声を張り上げるアリス。 「目標の顕現座標を確認。遮蔽物の強度確認……」 「……?」 間違い無くただ事ではないその反応。ただ俺達が一体どうしたかと尋ねる前に 「悪いな。」 「!?」 彼女の姿は鋭い音や土煙と共に、俺達の前から消え去った。 ・ ・ ・ 迂闊だった。 「…………」 「彼ら」が私の居場所を知らないという保障は何処にも無かったのだ。 ただ泳がされていたという可能性を省みず、何故あんな腑抜けた戯言を言ってここに居座り続けたのか。自身の低能さ加減にこれ以上無く腹が立つ。 床を踏み抜き突き破り、着地した場所は作業場周辺。 工具や機械の群れが立ち並ぶ周囲は早朝の静寂に包まれ、一見普段通り――――だが 「――それで隠れているつもりか?」 イグザダガー、顕現化(マテリアライズ)。 力も入れず振り抜かれた1本の短刀は、14,5m離れた一見何も無い地点の虚空に突き刺さり亀裂を入れる。 『――――――』 そこにいたのは「彼ら」の駒“繋脳兵(ニューロソルジャー)”。 右の手甲によって短刀を受け止め、同時に迷彩を解き実体化するその異様。
だが、奴はそれと同時に後方へ飛び退く。 別に臆したわけではあるまい。彼らは純然たる機械。目的の為ならば自身の身の安全など省みる事は無い。ならばその行動にも意味がある筈。 「……付いて来い、と言う事か。」 向かう方向に一抹の不安を覚えつつ、その姿を追った先には案の定と言うべきか、バールの部屋があった。 周囲には工具類や書籍が散乱し、更には見違うはずのない 「―――――」 極めて不自然にして非日常的な 「ネモ……!」 「――久しいな、アリス。」 脅威がいた。 ・ ・ ・ 男。 黒い男。 深い黒色のコートを身に纏い、その黒と同じ色をした髪を短く纏めた長身でありながらがっしりとした体格の男。 「彼は預かっていく。」 ネモ。 「彼ら」に属する者――エージェント。 「アリス……」 バールは奴の後方にて二体の繋脳兵にて左右から拘束されていた。 「……どういう事だ?お前は私を捕らえるのが目的では無かったのか?」 「今はお前を捕らえよとの命は受けていない。その代わりがこれだ。」 「理由は?」 「命じられたまで。それ以上の理由は無い。」 「だろうな。」 ネモはただ淡々と事務的にそう言う。 「――しかし解せんな。やろうと思えば私以外の誰にも気付かれずに、痕跡1つ残す事無く浚う事ぐらい容易に出来ただろう?一体何が目的だ。」 「言ったはずだ。私はただ命じられた指令を果たしたまで。故に問うても答えは無い。」 「…………」 彼の言う通りだろう。この問いも無駄なものに違いない。ただ―― 「確かにそうなのかも知れんな。だが、今の私は――――」 瞬く間に閃光と共に顕現した、右の甲より伸びる銀の切っ先をネモに突きつけ 「――――――妙に腹が立っている。」 真っ直ぐに見つめ、そう答えた。 ・ ・ ・
そこで待っとけと言われて、分かりましたと待ってられないのが俺達。 自分の家で今何が起きているのか知りたいのは当たり前だが、そもそもあの子を放って置けないというのもある。 「兄ちゃんの部屋の真下って作業場だったよね?」 「ああ。だけど飛び降りた後すぐいなくなったみたいだし……何処行ったんだか。」 「アリスちゃんの事も勿論心配だけどバールも気になるわね……いくら寝てたといってもあれで起きないはずは無いし、とりあえず見にいきましょ――――きゃ!?」 3人で作業場へ向かう階段を下りる最中に襲う再度の揺れ。 皆して左右の壁に捕まりなんとか耐えるが―― 「い、今のは……?」 「――ッ!」 「兄ちゃん!?」 今の揺れ――間違いない。さっきの物と同じ類の揺れだ。 事象震……アリスがそう呼んでいたこの世ならざる異様な揺れ。 ――――eXar-Xen might access それが切っ掛けとなったのか。 瞬時に超越的な機構をもって情報が脳内を伝達し、統合し、結合し、出力され、知覚される。 ――……お前が他人の為に剣を執るのか? “イグザゼン”を介し、脳裏に響く何者かの声。 聞いた事も無い低い男の声。誰の声かは分からないが、少なくとも温情は一切感じられない背筋の凍るような冷たい、機械的な声。 ――奇妙だろう?私も自分でそう思う。だが、この家の者に私は世話になった。それをこのような仇で返すとなれば、それ相応の償いはしなければなるまい。 続いて聞こえるアリスの声。 仇?一体何を言って…… ――この男、バール・リングダムはお前の使命に一切関係は無いというのにな。 ――意味は無くてもやらねばならん。そう私は判断した。 バール?何でバールの名前が出てくる?バールにこいつは一体何をした!? 「……ディー?どうしたの?ディー!」 「心、ここにあらずって感じだね……」 皆の声が遠く聞こえる。が、返事をしている余裕は無い。 ただ、やる事は決まった。 「……行かないと!」 「え?」 「兄ちゃん!?」 2人を置いてとにかく急ぐ。 走り、駆け、飛び、瞬く間に階段、作業場、廊下を突き抜け、バールの部屋にまで駆けつける。
「バールッ!!」 息を荒げ、声を上げ、辿り着いたそこには―― 「そのまま動かずにいろと言ったはずなのにな……」 少々呆れたような声を上げるアリスと 「君か。」 彼女に銀の剣を突きつけられた、先ほどの声の主らしい黒い男。 そして昨日も見た銀の卵のような形をした頭を持つ良く分からない人型のモノに捕まったバールの姿があった。 「おい、バール!」 「ディー……か……」 「一体何がどうなって……いや、そんな事はどうでもいい!てめぇ!バールを離せ!!」 そのままの勢いで黒い男に向かって喰らい付く。 だが当の奴はさして気にもしないように 「断る。彼を連れて帰る事が我が主よりの使命。返して欲しければ力づくで奪ってみるのだな。」 「何!?」 そんな事を言ってくれる。 「それが無理なら彼は連れて行く。どうだ?今のお前にはそうする私を止める事が出来る“力”があるのだろう?使わざる力など力なものか。行使してこそ始めて意味がある……違うか?」 “力”。 俺の内でそれに該当するモノはただ1つ。他に何があるものか。 それは聞こえるはずの無いものを聞かせ、見えるはずの無いものを見せ、砕けぬはずのものを砕いてみせるある種理不尽極まる力。 「何が目的かは知らねぇが……俺を釣る為にバールにこんな事をしたのなら、てめーをぎったんぎったんにぶっ潰すまで!」 その名は 「イグザゼン、ソートアーマーッッ!!!」 湧き上がる想いのままに全身全霊を持って吼える。 それに呼応し瞬時に律動するこの世ならざる方式。そして解。 それは俺が意味を理解する前に形を成して、その身を包む白銀の甲冑へと姿を変えた。 「御する者のソートアーマー、か……出来うる限り今のお前達の力を測れというのも私の任務。」
「――故に見定めさせてもらうぞ。シュバイゼン、ソートアーマー。」 男はソートアーマーの顕現の完了を見定めつつ、高揚の無い声でそれだけ呟いた。 同時に黒く沸き立ち、周囲の家財道具や書類などを一切合財巻き込みつつ渦を巻き、変革してゆく空間、世界、全て。 それは超常の力をもってこの世の理を悉く塗り替え、この世ならざる方式へと「変形」させていった。 「これって――!?」 妙に既視感を感じる光景。 思い返してみれば、イグザゼンのソートアーマーを行った時とそっくりなのだ。このような奇妙奇天烈極まるモノが2つもある事自体驚きだが、アリスは別段驚いた様子も無く 『“ソートアーマー”。イリーガルコードの攻質変性第1段階であり、もっとも基本的な攻撃形態……今貴方が纏っているモノと同質の存在だ。』 耳元でそう呟いた。 やがて奴を覆っていた黒い渦は収まり、その中心にはさっきの奴よりももっともっと黒い人影が佇んでいた。 悪魔的とも言える攻撃的な装飾を施された夜の闇より尚冥い、全身をくまなく覆う艶の無い闇色の装甲。 いかつい胴体に反し不釣合いなほどに細長い奇妙な四肢を持ち、爛々と紅く燃える両瞼はこちらを真っ直ぐ睨み付ける。 その姿はまさしく異形。夢に出てきそうな怪異だが、頭に血の昇った俺はそんなもの微塵も臆する事は無く 「先手必勝!その細腕、圧し折ってやるッ!!」 猛り、吼えながら、全力を持って突貫した。
以上でありんす。 難しいなぁ、うん。。。
>>860 投下乙!こんな時間ですので、明日ゆっくりと読ませていただきますw
>>860 投下乙です!
明日読ませていただきますね!
>>860 投下乙!明日ゆっくり読ませてもらうぜメーン!
866 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/24(木) 07:10:03 ID:OX6mBwb1
オルトロックテストロック
今更ながらエヴァ破を観た。シンジが漢前になり過ぎて噴いたw 旧版との違いはシンジが終始綾波に萌えていた事か。 ここ数年の萌えブームによって愛が人を強くする事が証明されたので綾波に萌え狂ったシンジは悩みを振り切り覚醒して神になったのだな…。
>>860 改めまして投下乙です!
やだ、前回といいバールにフラグがビンビンに立ってる……。
そしてついにネモが前線に出てきましたね。SAはストレートにカッコイイ系を想像してたんですが、まさかゲテモノ系だったとは……!
さて、果たしてディーとアリスはネモを退ける事ができるのか、あとベルたんの活躍はあるのか!
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
870 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/24(木) 19:16:37 ID:OX6mBwb1
>>860 改めて乙。
おいおいいいトコで切りやがってw
続き待ってますw
>>868 一番違うのはゲンドウとアスカのキャラだけどなー
アスカの病気の部分がほぼカットされて普通にツンデレやってて劇場で笑ったなぁ
>>860 改めて投下乙!バールは何者なんだろう、立ち位置としてはゼノギアスの村長みたいな感じかな
しかしネモが来たか、ビュトスとの再戦が先だと思ってたから意外だったのぜ
何?オーラロードが開かれたの?
>>868 単純に周囲の人間の対応がマシになっただけです
スパロボ世界じゃ熱血漢に成長するのと似たようなもん
返信をば
>>869 気付けばゲテモノになってたよ!よ!
ただ冒頭で出てきた形態はストレートな感じの黒騎士なんでさ。
色々便利な設定ですよええ
>>872 ビュトスはまぁまた後々……
避難所
>>658 >ディーに敗北フラg(ry
ハ、ハハ。ナンノコトカナ?ワカラナイヨ?
勿論理由は大有りです。
ただまぁまだ語るときでは無いのでまたまた後々……
おっとと
>>870 いつもの事ですw
キリのいい所で切ると毎度毎度こうなる不思議。
全部一気にやると20,30なって読むの大変だろうし。。。
しかし等身大ヒーロー増えたなあw
だから早くロボスレの格ゲーを作れとあれほど(ry 生身で戦えるキャラもいれたらどれだけになんだろう、等身大ヒーロー
>>860 投下乙です!
やっぱ引きが上手いなぁ、と思います。読んでるこちらからしたらたまったものではありませんがwww
ネモが使ってるソートアーマーって黒いみたいですが特別仕様(?)か何かですか?
それにしてもバールの立ち位置が読めない……
それでは、次回も楽しみにしていますね!
>>860 感想ありがとう!
イグザゼンとシュバイゼンという機種(?)の違いからです>仕様の違い
同じイグザゼンでもアリスが顕現させたソートアーマーとディーが顕現させたソートアーマーは姿が違うし、
違う機体ならそれこそ大きな差が出るというもので……
バールはまぁ後々……今の状況じゃ何ともいえないのはまったくおかしくないので。。。
さぁ今度もガンバルゾー
>>879 変身キャラは
ロリコン師匠&ウ詐欺さん
機械人形殺し
ハクタカ
ヨタカ
メルちゃん
ショタトロック
ディー&アリス
ビュトス
ネモ
カッコマン
カッコマンエビル
こんなところかな?探せばまだまだ出てきそうだw
何とバラエティ豊かな ちゃんと体格差があるのもマジっぽいなww 何だろう、タイプ的に投げキャラがいない様な…… 全員スピード&パワーだww
885 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/25(金) 00:42:40 ID:Ct7tjIw6
>>860 投下乙です!
シュバイゼン、黒騎士かと思いきやまさか異形タイプとはw
いよいよ冒頭以来の因縁であるところのネモとの交戦開始ですな
バールの話も含め、次回にも期待せざるを得ない
>>884 投げキャラ→遥さん
当て身キャラ→桔梗ばあさん
なのでこの二人が変身すれば……!
あー、遥さんは、投げっていうか掴みからの関節技かw 格ゲーキャラのタイプ的には、投げキャラ扱いでいいと思うけどw
>>886 フィジカルはるかさん
ラディカルオドレイ
ここら辺の扱いはどうなるんでしょ?
遥さん、作中で投げもしてるから大丈夫なんじゃね?……と思ったら返し技だった 遥さんのバトルスタイルがわからんw
自分よりデカい相手にサブミッション決めまくる遥さんとか脳内再生余裕でした しかし特撮的なヒーローやロボットの中に一人三つ編みロリは良い意味で凄い違和感出そうw
まあでも超必は有情破顔拳なんですけどね!
>>888 >フィジカルはるかさん
その手があったか!
しかも一人だけ黒いローブというバリバリファンタジーな格好だしw
>>888 フィジカル遥さんはサブミッション&杖(リヒタン)を使った打撃技
ラジカルオドレイさんは某型月格ゲーの家政婦さんみたく、自分を模したロボでどうよ
メカオドレイw
>>891 一撃必殺ですねわかります
……一番壊れキャラになりそうなのが遥さんってどうなんだw
……隠しキャラは露出卿ですか、解りませんwww
ネコアルク的な意味でニコラス仮面も隠しで ギャグ補正である意味壊れに(ry
898 :
創る名無しに見る名無し :2010/06/25(金) 01:16:53 ID:Ct7tjIw6
>>897 投下乙です!
そしていやっほおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお
確かにこの格好は浮きますなww
>>886 期待に背かない程度には頑張りたいと思いまする(´・ω・`)
>>897 イィィィヤッホォォォォォォォ!!
間違いなくペネさん召喚技が付きますn
>>897 投下乙!
杖が明らかに杖じゃなくて毎回吹くwそして足がやたらエロいwww
……ふぅ
>>897 カメ子遥さんキタコレ!
こういうシルエットいいですなあ。個人的にかなり好みです
さりげにリヒターステッキがザンバーっぽくなってますなw かっけえ
しかし……っ! はいてる、超はいてるよ遥さん……!ジョインジョインハルカァ
早くこう云うネタに自作のキャラとかを絡めたいなぁと思う今日この頃
テンプレとか夢のまた夢ってね
>>900 召喚したら楯にでもするんですか?wwww
ブリューナクならけっこう前からビーム出てたような気がw
皆さん、感想ありがとうございます!
>>898 イィヤッホォォォゥ!!
>>899 というか、明らかに場違いですよねw
>>900 ※ただしサイズは13cmです。
>>901 いいえ、これは杖です(迫真)。
あと足がえろいのは私の趣味です!
>>902 はいてないのもいい、素晴らしい。だけどそうすると私の大好きな黒タイツが描けないんだ……!
ちなみにブリューナクの左右についてるビーム発生基は展開します。理由? かっこいいからだ!
>足がえろいのは私の趣味 知っとる知っとるw
ハハハ流れでああは言ってみたけどぶっちゃけ俺も黒タイツ好きなんですけどね(急に素で) 黒ストも大好きだけどね! >ビーム発生基は展開 ヤハリソウカ……妄想余裕でしたと言わざるを得ない……! そしてかっこいいってのは重要ですよね!
>>906 何故ばれたし。
>>907 黒ストもいいですよねw
ロリにアダルティーな格好は凶器だと私は思うんですよ。そう、まさに――――
ピンポーン!
珍獣「キチガイに刃物!」
遥さん「おしい!」
遥さん、そこはつっこむところですw
クイズの解答よりも先に、「ピンポン(チャイム)→こんな時間に配達が→刃物持った珍獣が玄関先に」と想像してしまった俺は隙だらけだった
何しに来たんだw
珍獣「はて、なんで私は包丁なんか持ってるんでしょうね!」
あずまんがでそんなシーンがあったなw
お前もう帰れwww
ヤンデレな珍獣、アリだと思います!(違
嵐の前の過疎……か?
※チャージ中です
総員対ショック、対閃光防御!
何か最近じゃもう戦記物は国際情勢(設定)は適当に歴史からかいつまんで ストーリーに神話と創生記(オカルト)を絡めたら何でも売れる気がしてきた 後国家間の策謀とか哲学とか戦闘密度を濃くするとか・・・ もう駄目ぽ 即興で考えた物も「宇宙から来た超機体が大気圏に突入する際にバラバラになり テクノロジーが分散され(国際情勢)、とある国が研究する内に真の性能を発揮させるには 元の部品を全て集めなければならないと知り(オカルト)荒ら仕事を生業とする主人公に パーツを集めさせる・・・と(策謀)既にどろろやゼノギアスで使われたネタしか思い浮かばない
ロボとオカルトが結び付かない俺には十分斬新に感じるw
ロボとオカルト結びつけるって意味じゃライディーンとかイデオンとか まあ、昔からあるネタって言えばあるネタだねー
一週間近く遅れてしまいましたが、もう少ししたら父の日SSを投下しようと思います。量は少ないので支援はなくても大丈夫だとは思うんですが……誰かいるかな?
時間が時間なんで誰もいないみたいですねw それでは、投下を開始します!
天高く、雲は流れ。 群れの仲間達と別れてから長い時が過ぎて、あいつと出会ってから長い時が過ぎて、そして俺――――ジャン・ルプスは、空を眺めていた。 ルプスは狼の機械人形、そして狼とは群れるもの。なのにあの時の俺は文字通りの一匹狼だった。 希望を持って群れを出たわけじゃない、やっかまれて追い出されたのだ。 俺は群れの敵を廃除し続けただけだ、だが、それがいけなかった。やりすぎたんだ、俺は。 ――――強すぎる力は恐怖を呼び、恐怖はいつしか争いを呼ぶ。 いつの間にか、俺自身が敵を呼び込む原因になっていたのだ。 英雄から転じて厄介者へ。かくして俺は一匹狼になったわけだ。 ひとりでいるのは気は楽だが、退屈で……何よりも、寂しい。 だからだろう、俺があいつと一緒に暮らし始めたのは―――― パラベラム! 狼さんの子育て 夏の夜、七月の終わり。俺は近くの廃村にある遺跡へ向かった。 戦いで得たマナは十分。しばらくは安泰だが、流石に無駄な行動でマナを消費する事は控えたい。それに、疲れた身体を休める必要もある。 遺跡に入った俺を待っていたのは吹き抜ける風の音だけだった。誰もいない、何もない。孤独感が膨れ上がる。 しばらく歩いて、壁にもたれて腰下ろす。 身体を動かしている間はいいが、いざ休むと、退屈だ、つまらない、寂しい――――ネガティブな感情が次々と押し寄せてくる。 こうやって生きている事に何の意味があるんだ、いっそ死んだ方が楽なんじゃないか。そんな事を考え始めた、その時だ。 風に乗って微かに聞こえた、赤ん坊の泣き声が。 こんな場所に赤ん坊……? 立ち上がり、吸い寄せられるように俺は声がする方へと歩みを進めた。 近付く度に微かな声は確かな声に変わっていく。 だが、この声は本当に人間のものなのだろうか? 発情期の猫のものかもしれない。 そんな疑念を抱きつつも、足は勝手に動いていく。そしてたどり着いた遺跡の最奥、確かにそいつはそこにいた。白い布に包まれて、確かにそいつはそこにいた。 <おまえも……ひとりなのか> 捨てられたのか、まだひとつにもなっていないだろう、小さな赤子に手を差し延べる。するとどうだろう、さっきまで泣いていた赤子がぴたりと泣き止んで、俺の手をまじまじと見つめ始めたのだ。 俺はそっと、赤子の頭を撫でてみた。瞬間、きょとんとした顔が笑顔になった。 俺は人々はおろか仲間からも恐れられていたので、笑顔を見たのは久方ぶりだった。 ネガティブな感情の波が、すっと引いていくのを感じた。 <俺と一緒に……行くか?> 自然と出てきたそんな言葉に、無垢な赤子は笑顔で返した。 その日から、俺の日常は変わったんだ。 〜狼さんの子育て、一日目〜 <俺と一緒に……行くか?> なんて勢いで言ってしまったが、さてさてどうしたものか。 何せ俺は全高四メートル級の機械人形だ。子育ての経験はもちろん、そのための知識も本当にあやふやなものしかない。 血の通わない物が、血の通った者を育てるなんて、神子と契約した機械人形数百機相手に勝利するくらい無謀な事だ。だが、極東ではそれを本当にやらかした化物がいるらしい。なら、できない事もないんじゃなかろうか。 それに、放置したらこの子は確実に死んでしまう。それはあまり気持ちのいい事ではない。 やれるだけやってみよう、俺はそう考えた。
……さて、機械人形が動くためにマナを必要とするように、人も生きるためには栄養が必要だ。生まれたばかりの子供に必要なのは……確か“おっぱい”だったか。 <ふむ、おっぱいか、ふむ……> おっぱいって、なんだ……? 何やら甘美な響きだが――――まあいい、どうせ考えても答えなんか出てこないだろう。こういう時は人間様に聞くのが一番いい。 というわけで、朝になったら通り掛かった人間にでも尋ねてみよう。 ♪ ♪ ♪ 翌朝。赤子を抱えて遺跡を出る。赤子はまだ、寝たままだ。 そして街道で、人が通るのを待つ――――早速来た、しかも女性だ、これはついてる。 <おはようございます> 恐れを抱かせないよう、爽やかに。 「お、おはよう、ございます……」 俺の姿を見た妙齢の女性は目を丸くした。さもありなん、狼の機械人形が街道に降りて来る事なんて滅多にないからだ。 だが、ここは勢いで押し切るしかない。 <“おっぱい”をくれませんか> 蹴られた。 ♪ ♪ ♪ 「――――ああ、なんだ。そういう事だったんですか」 理由を話すと、女性――――アルトル・アルマーニというらしい――――は快活に笑いながら、私の脚を叩いた。ロングの金髪が揺れる。 <ああ> 「でも……すみません、私じゃ力になれそうにありません。だって私、まだおっぱい出るようになってないですから」 <なら、おっぱいを出せる人間を紹介してくれないか?> また蹴られた。 「素直に粉ミルクをあげなさい!」 <粉ミルク……そういうのもあるのか!> つまりおっぱいとはミルク的なものなのか。 「本当に何も知らないんですね、まったく……」 <君は詳しいな> 「まあ、家事育児の手伝いはよくしてますし。とりあえず、必要なものを持ってきて色々教えるので、ここで待っていてください、いいですね?」 行ってしまった……。 <今の娘、おまえの事を話した途端に元気になったな> 手の平に乗せている赤ん坊に話し掛ける。 「あー?」 ……おまえに言っても無駄か。
それからしばらくして、なんか凄い荷物を抱えてあのお節介焼きが帰ってきた。 さらに無理矢理遺跡まで案内させられ、レクチャー開始。 生活リズムをきちっとするために朝になったらとりあえず起こせだの、衣服は汗ばまない程度に着せろだの、ちゃんとお風呂に入れろだの、三時間ごとにミルクをあげろだの、寝かせっぱなしにするなだの。 <……大変そうだな> 「まあ、一日一回はあたしが様子見に来ますから、大丈夫ですよ!」 ぽむっ、胸を叩いて見せる。おお、なんか凄く心強い。 「そういえば、この子、名前はなんて?」 名前か……。 <そういえば、まだ決めていなかった> 「じゃああたしが決めてもいいですか?」 <え? あ、うーん……じゃあかわいい名前を頼む> 女の子らしい名前なんて考えても浮かんでこないし。 「そうですね……じゃあ、他人の事を思いやれるように……よし、決めた。この子の名前は――――」 〜狼さんの子育て、一年目〜 あれから一年が経過し、あいつは立って歩く事を覚えた。 髪も伸びてきたし、くりっとした青い瞳が愛らしい。 それと、なんだか最近言葉っぽい何かを発するようになった。パパと呼ばれたりするのか……悪くない、むしろいい、最高だ。 <ほーら、パパって言ってごらん> 娘を手に乗せ、優しく声をかける。 「あ……ぱ……」 言いそう、パパって言いそう! 感動の瞬間だ。これで、晴れて俺もお父さんに―――― 「ぱー……おとん!」 <え?> 「おとん! おとん!」 なんだそれは。 <パパだよ、パーパ> 「おとん!」 なんか凄く目が輝いている。 パパじゃないのか……。 娘が喋ったというのに、なんだろうこの複雑な心境は。 <ああ、そうだ、おとんだ、もうおとんでいい> その日から、俺はおとんになった。お父さんでもパパでもなく、おとんになった。 ♪ ♪ ♪ 「あははははは! ジャンさんがおとんって! あはははははは!」 アルトルが腹を抱えて笑う。なんだ、おとんがそんなにおかしいか、奇遇だな、俺もだ。 「でも、お父さんとかパパっていうよりもそっちの方が似合ってると思いますよ、あたしは」 よちよち歩み寄ってきた彼女をアルトルが抱き上げる。……なんか似てるな、この二人。まるで本当の娘みたいだ。 「おとん!」 「せめておかんと言いなさい」 「あうー、……おかん!」 おお、ちゃんと言えた。偉いぞ娘よ、かわいいぞ娘よ。
「じゃあ、次はママって言ってみて」 「おかん!」 <……プッ> 蹴られた。 〜狼さんの子育て、四年目〜 いつの間にかあいつは四歳に、アルトルは二十歳に、俺は――――あれ、俺いくつだっけ。 ……まあいいや。 あいつはすくすくと成長してかわいらしい女の子に、アルトルは綺麗な女になった。そして俺は―――― 「おとーん!」 未だにおとんのままだ。まあ、それはそれでいいのだが。 <どうした?> 「ごはんのおかたづけするのでカウントしてください!」 ずっと一緒にいるせいでアルトルの口調があいつに感染ってしまったようだ。ついでに外見もさらにアルトルに似てきた。 <ああ、カウントな。わかったわかった> アルトル曰く「嫌がるような事をやらせるには、それを楽しませるための工夫が必要」だそうだ。なので試しに片付けをタイムアタック制にしてみたら、あいつは片付けを進んでするようになった。……仕上がりは若干雑だが。 <記録更新出来るように頑張れよ> 「はい!」 <じゃあいくぞ。よーい……ドン!> ♪ ♪ ♪ ――――あいつが大きくなって、もうひとつ変わった事がある。俺が働けるようになったのだ。 おかげで戦わなくてもマナは貰えるし、お金で生活必需品も買える。これは俺達にとって大きな進歩だった。 ちなみに職場はあろうことかアルトルの住む街のなんでも屋だったりする。 以前はまったく考えられなかった事だが、こういう生活もいいものだ。求めていた安定がある程度得られるし、孤独を味あわずに済む。 「どうしたんですか、おとん?」 月光を反射して艶やかに輝く金色の髪。 <ああ、アルトルか> 後ろ手を組んで俺の顔を覗き込むアルトルがいた。身長も乳房も大きくなって、面影こそ残っているものの初めて出会った時とはまるで別人のようだ。 「ふふっ、恋でもしましたか?」 <なんでそうなるんだ……おまえはどうなんだ、もう二十歳だろう?> 「あたしは……まあ、そのうち」 困ったような笑いを浮かべる。 <おまえならいい母親になれると思うんだがな……ああ、いや、おかんか! ははははは!> 蹴られた。 「怒りますよ!」 顔を真っ赤にして頬を膨らませる。まだ微妙に子供っぽいところがまたいいじゃないか。 <すまんすまん。そういえば、ずっと疑問に思っていたんだが……なんで俺なんかを助けたんだ?> アルトルには悪いが、果たしてたかが捨て子と野良の機械人形にここまで良くしてくれる人間がいるだろうか。 「私、この通り変な名前でしょ」 <ああ……> 確かにアルトルなんて女性の名前は聞いた事がない。 「これ、“他人の幸福を願う”って意味なんです」 “他人の幸福を願う”か……、ん? <それって、あいつの名前も――――> 「はい。だから私は、その名前に込められた願いに従って、困った人を助けただけですよ」 <そうか> 「変な人ですよね、私」 顔を赤らめて自嘲するアルトル。そんな彼女が、俺にはとても麗しく思えた。
……成長すれば、いつかあいつもこんな風になるんだろうか。 馬鹿な話だが、時々あいつとアルトルが本当の家族なんじゃないかと思う事がある。だからこんなに世話をしてくれるんじゃないか――――なんて。 まあ、証拠も根拠も無に等しいのだが。 「そんな事よりジャンさん? 仕事はいいんですか?」 <……あ> 忘れてた。 ♪ ♪ ♪ 夕方。仕事を終え、遺跡に帰った俺に目を輝かせながらあいつが駆け寄ってきた。 「おとん、お帰りなさい!」 <ああ、ただいま。ちゃんとお留守番してたか?> 「はい!」 差し出した俺の手の平に飛び乗ってくる。なかなかどうして運動神経のいい子だ。 <そうか、偉いぞ。それじゃ、今日は何して遊ぼうか> するとあいつはウーン、と唸って、 「模型作りたいです!」 女の子の趣味じゃないよな……まあいいか。 <よし、じゃあおとんと一緒に買いに行くか> 俺は小さな身体を抱き抱え、遺跡を出る。 <ひとりにした時間の分、たっぷり遊んでやるからな> 手の平に乗ったプラチナブロンドの少女が、俺を見上げてえへへと笑った。 ♪ ♪ ♪ そして、夜。俺の目の前には黙々と模型を作り続けるあいつがいる。手先は俺に似て器用なようだ。さすが我が愛娘。 ちなみに買ったのはノンスケールのカーネタイプ、結構大きい奴だ。ルプスタイプは探したが、残念ながら見つからなかった。 「おとんおとん」 <ん? どした?> どうやらカーネが完成したようだ。 <おお、よくできたな。凄いぞ!> 頭を撫でてやると、とろけるような笑顔で甘えてくる。 「いつか、おとんも作れるようになりたいです」 <ほほう、それは楽しみだ> 嬉しさで変な声が出そうになるのを我慢しながら、俺はもう一度、娘の頭を撫でた。 〜狼さんの子育て、九年目〜 あの日から早くも九年が過ぎた。流れていく日常は変わりなく、だが確かに俺の娘は成長していた。美しく、かわいらしく。そして、アルトルは―――― 「あの、ジャンさん」 <どうした、おかん> 「えっと、あの、その……」 もじもじと、何かを告げるのを躊躇しているようだ。……何かあったんだろうか。 「あたし、今度――――」 躊躇いがちに彼女が口をもごもごと動かした、その時、
「お姉ちゃーん!」 無邪気な声がした。 <……妹か?> 「あ、はい」 アルトルが声のした方と俺を交互に見比べる。 <――――行ってこい、話ならいつでも聞けるから> ♪ ♪ ♪ 夜。モヤモヤした気分を抱えたまま、遺跡のある廃村に辿り着く。 途端――――殺気を感じてその場から飛びのく。俺がいた場所に複数の機械人形が殺到した。 皆一様に黒いローブを頭から被っていて、バイザー型のカメラアイからは意思を感じる事ができない。 <木偶、か……!> 木偶(デク)とは、人の手によって作り出された機械人形の事だ。現在の技術力では心までは作る事ができないので、侮蔑の感情を込めてこう言われる。 だが、何故木偶がこんな所に? 捕らえて聞き出したい所だが、いかんせん相手は木偶、口を割るとは思えない。 敵はカーネタイプが四機。まともに戦えばそれなり以上の損害は覚悟しなきゃいけないだろう。 木偶達が散開する。 一体何なんだこいつらは。 <チッ……!> 跳躍。 一機目を地面に思いきり叩きつけ、二機目の頭部を握り潰し、三機目の腕をへし折り、四機目の脚をもぎ取る。 呆気なく、そして造作もない事だった。 一体どこの連中だ、こんな突然―――― 倒れた木偶達が起き上がる。考える暇も与えてはくれないようだ。 ――――さすがにこの程度じゃ撃破は無理か。 再び爪を構える。防壁を貫けるだけの威力を持った攻撃はマナの消費がバカにならないので、長期戦はこちらが不利だ。 次で終わらせよう。そう思った、その刹那。 「……おとん?」 <目標、確認> 木偶が、俺の背後――――遺跡から出てきたあいつに狙いを変えた。 すべての木偶が急接近。鋭利な爪がひとつの命を絶とうと迫る。 <危ない!> いくつもの腕が、俺の背中を貫いた。衝撃で膝が折れる。 木偶達が腕を引き抜くと、血の代わりに緑のマナが噴き出した。 「お……とん……?」 視界には、呆然としているあいつの姿。 <大丈夫、大丈夫だ。おとんは強いからな> 頭を撫でて立ち上がり、木偶の方へと向き直り、睨む。 <逃げろ。何か知らんが、こいつらはおとんがなんとかする> 「嫌。私、おとんと一緒にいたいです」 ぐずる娘。そりゃそうだ、こんな状況になったら誰だってぐずるだろう。 だが、ここは危険だ。それに俺が戦う姿をあいつに見られたくない。 <……すぐに戻るから。おとんが約束破った事あったか?> 首を横に振る。 <だろ? なら今回も大丈夫。だから――――先に行って待っててくれ> 涙を拭うと、今度は首を縦に振る。……よし、いい子だ。 「……約束、破っちゃ駄目ですよ」 走りだす、小さな身体で。
そして、木偶達の前に俺は立ちはだかる。 <どこのどいつかハ知らナイが、人ノ娘ヲ狙うトハいイ度胸ジャナイカ> 戦闘に必要な部分以外、マナの供給を最低限に、あるいはカットする。 この瞬間、俺は獣になる。 <生キテ帰レルト、思ウナヨ> ウォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!! 満月の下で、狼の咆哮が響き渡った。 〜狼さん達のそれから〜 天高く、雲は流れ。 家を出ていく子供と夫を見送ってから、あたしは家を出た。 二人があたしの前から姿を消して、もう十年。その間にあたしは結婚して――――ジャンさんに伝えたかったのはこの事だ――――子供を授かり、あっという間に母親に。 二人がいなくなっても、日常は流れていく。それに反比例するかのように、過ぎていく時間の中で、二人の姿は遠ざかっていく。今では二人の顔も声も、はっきりとは思い出せない。 だけど、二人と過ごした思い出は覚えている。いなくなった日の事も、はっきりと。 そして二人が住んでいた遺跡は、あの日からほとんど姿を変えていない。まるでここだけ、時間が止まったみたいに。 破壊された機械人形の残骸や、朽ちた建物。その中に、人影を見つけて立ち止まる。 見覚えのある後ろ姿は、風になびくプラチナブロンドの少女のもの。 少女は遺跡の入口の前に跪き、何かを呟くと立ち上がり、振り返る。 「あ」 「あ」 目が合った。 「もしかして、あなた――――」 記憶の中、二人の姿が、近づいた。 ♪ ♪ ♪ 天高く、空は晴れ。 遠く離れたとある地で、機械人形の被害が相次いだ。 その機械人形は、何故か女子供だけを狙うという事だ。 襲撃犯と思われるルプス型の機械人形を、人々は“ジェヴォーダンの獣”と呼んだ。 ――――今夜もまた、彼の地に咆哮が響き渡る。 To be Continued?
というわけで、投下完了です。 ――――まあ、その、なんだ。やっちまったなぁオイ! ……なんか最近すごくスランプで、文がちゃんと書けんとですよ……しばらく絵だけに専念した方がいいのかもしれませんね。 まあ、その絵もぶっちゃけ下手(ry
>>931 乙!
おっぱい! おっぱい!
そしておとんw おとん!おとん!おt………うわぁああああああああん!
>>931 投下乙!おとんに一体何が……
あと捨て子ってもしかして……
感想、ありがとうございます!
>>932 おっぱいおっぱい!
おとんはあれですよ、ほら、なんていうか……ゴニョゴニョ。
>>933 そうよ! そのまさか(ry
投下乙! ああ……おとん……女子供だけを狙うって…… ロリコンになってしまったのですね……
いや、女「子供」だからショタコンでもあるんじゃ(ry しかしおとん、19になってもあなたの娘はまったく成長してな(ry
>>931 投下乙!おっぱい!おっぱい!
しかしおとんの身に一体何が起こったのか……
>>931 投下乙です!
おっぱいおっぱい!おっぱいおっぱい!
おとんwwwwww(´;ω;`)
>>931 投下……ヒグッ……乙です……グスッ
……(´;ω;`)ブワッ
。・゚・(ノД`)・゚・。ウワァアアアン
チクショウ……色々切な過ぎるぜ……。途中までいつものPBM!節かと思ったら……(´;ω;`)ブワッ
おとん……何でこんな……
切なすぎ&完成度高過ぎだぜ……(´;ω;`) 切ないけどGJ!
スレがステイシスしている、だと……!? みなさん、まとめて感想ありがとうございます! とりあえず、おとんがどうなったのかは本編の珍獣メイン回で描いていこうと思ってます。 ……いつになったらそこまで進めるかが問題ですがw
休日だから仕方ないw しかし珍獣メイン回か……オラワクワクすっぞ! そういやPBMって未だに謎がひとつも解明されてないよねw
……作者は今すぐにでもバラしたい衝動に駆られてますけどねw
近頃では珍しいくらい、はっきりした休日過疎気味の突然人稲でしたねw ところで、うpろだ使ってる方に質問が。……うpろだってどうやって使うのでしょうか?w 文章貼りたいんだけど、やり方が(;´・ω・`)ワカラナイ
>>943 私は「アップロードできない方はこちらへ」ってとこからやってますね。
通常のアップロードはその上からです。
あとパスワードは編集のとダウンロード用の二種類があるので注意ですヨ。
>>944 ありがとうございますm(_ _)mちょっと試しにやってみます
>>945 実際にやってみるのがいちばんですねw
そしてあと少しで次スレの季節ですか。32号機は長生きしたなぁ……。
えーと、師匠いらっしゃったら、今あげたtestっていうのが開けるか見てもらえませんか? パスは、師匠のコテの最初の4文字を半角です。
>>947 ふははははは! ふはははははは! 質問に答えたのが私だと気付けないとは未熟千万ッ!
あとすみません、ただいま妹と弟がPCを占拠してましてですね……。
>>948 (;`・ω・´)<シュバルツ! あんただったのか!?
とまぁ、冗談はこれくらいにしてwでは明日にでも確認よろしくですw例の運び屋の本文です
おかしな所があれば、指摘お願いしたいです
スレ立てチャレンジしてみるYO!
あ、そうだ。返事はtxt.で上げた方がいいですかね?
>>952 お願いしますm(_ _)m
私はPCが使えないので指をくわえて見ている事しかできない……ッ!
取り敢えずやってみます。確か1の一番下ってフリーだったはずなんでいじってみてもかまいませんかね? 後、テンプレに変更点ってありました? ……実にどうでも良いこと。 避難所の過去スレを見て思ったんですが、独語で騎士ってRitterじゃなかったですっけ師匠? Richterは裁判官とか出てるんですが……独語で無ければ申し訳ありません。 ほんとこんなことで師匠の手を煩わせるなと思うんですが、どうも気になってしまって。
>>951 すまんですorz作業してますた(・ω・`)
>>952 お願いします!
>>953 出来ればtxt.でお願いしたいですm(_ _)m
調子に乗るとネタとかしゃべっちゃう方なのでw
>>955 師匠じゃないけど、返答をば
確か師匠が使っていた辞書が古くて、記述が違っていたんじゃなかったかな?
それで何度か話題になった覚えがw……記憶違いだったらスマソ
>>955 >確か1の一番下ってフリーだったはずなんでいじってみてもかまいませんかね?
>後、テンプレに変更点ってありました?
フリーはいじっておkです。あとテンプレはそのままで大丈夫かと
>>960 今ざっと確認したところ、大丈夫だと思われます。……という訳で、
スレ建て乙です!
民間の研究所で秘密裏に建造されていた、巨大ロボットを遺産として相続する権利をやろう!
>>955 あと方言で地方によって言い方が若干変わったりとかするらしいんだな、これが
>>960 スレ立て乙!珍獣におとんと呼ばれる権利をやろう
>>960 スレ立て乙です!
よくやった、ヒロインを三つ編みキャラオンリーにする権利をやろう。
……気を抜くとそうなりそうで怖いでござる。
>黒猫ちゃんばら氏
今しがた確認してきました!
txt.にして上げるまでもなく、これくらいなら全然OKですw
一条一家が出ると似たような感じになるなw
そして、そのうちペネ子も三つ編みに……!
なるんかいwww まったくアンタはどうしようもない三つ編み馬鹿だな!
ナドレの髪がもうちょっと長かったら三つ編みにできたかなー(^q^)
>>966 ありがとう、最高の褒め言葉だ(いい笑顔)。
ただ、ペネ子にお下げは激しく似合わなさそうですねw
>>967 ナドレくらいだったら余裕でできるよ!
“!?”
バッカオメー、似合わないのがいいんじゃねーか そういえば、ペネ子って凄く髪長かったようなw
腰より下くらいですねw 長い三つ編みか……素晴らしい……!
あんたの場合長くても短くても素晴らしいって言うだろw
何故バレたし……!
>>963 感謝! やりすぎで突っ込まれるかと恐々としておりました実はw
では一応埋めネタとして投下しますかね。「運び屋」続きです。
▼`・ω・´▼キリッ
葉月に支えられてアルフが運ばれたのは丘の上。
<距離から換算して、あと数分でブラウ様に追っ手の方々が接触します>
視界を遮る物は無く、先程アルフが召喚した多機能センサー内蔵型ゴーグルを装備した葉月には、丘の真下から少し離れた平地で待機しているブラウの姿が見えている。
「葉月、問題はありそうかな?」
地面に下ろされ、周囲の地形を観察していたアルフは、同じように周囲を確認している葉月に声をかけた。
<……そうですね。特に問題はありません。風も殆どありませんし>
膝立ちになっていた葉月は、ゴーグルをカメラアイの上に押し上げ、立ち上がりながら答えを返す。
「分かった。じゃあ、いつも通り頼むよ。……パラベラム」
キーワードと同時に葉月の周囲にマナの光が踊り、彼女がその本来の姿を取り戻した。
機体の重要な部位に流線型を描く装甲が、左右の下腿部にそれぞれスラスターが2基ずつ、背部に可動式スラスター2基が追加され、テールスタビライザーが合計5基にその数を増やす。
武装は左腰部前面に、大型の回転弾倉式拳銃が一丁。
そしてアルフは
「解放符号(リリースコード)、『其は魔弾、其は神速にして必殺』」
<『万里を飛翔し、月すらも穿つ』>
コードの詠唱と共に、アルフの眼前に、極東の文字で埋め尽くされた一枚の空間投影型スクリーンを浮かび上がった。
そしてアルフはそのスクリーンの中央、大きく五芒星形が描かれた部分目掛け、
「特殊武装第一段階限定解除(エグザーム【ExArm】ファーストリミテッドリリース)」
そう口にしながら握った右の拳を突き出し、星形ごとスクリーンを叩き割る。
葉月は間髪入れずに使用を許可された自分の固有兵装を召喚。
<―久しぶりですねぇ、この重みも>
少しも重そうな様子を見せずに、そんなことを口にしながら、実体化した『それ』を右脇に抱えるようにして保持する。
地面に長い影を落とす『それ』は、全長が葉月の体高を越える一丁の長砲だった。
―対機械人形用加速投射砲 【月穿(げっせん)】― 『機械人形のマナによる防壁と装甲を突破できる威力を持った武器』を『使役する機械人形に運用させる』という思想を、実戦レベルにまで昇華させた、ある集団によって開発された兵器である。 懸架・衝撃緩和用のフレームで葉月の背部に繋がっているそれは、火薬で弾丸を射出する本体部分と、使用する機械人形からのマナで弾丸を加速させる砲身部分で構成されている。 大型機械人形の装甲を破壊するだけの威力を得るために、加速用の砲身部分が全体の3分の2を占めており、更に弾丸自体にもマナを纏わせて威力を高める工夫が施されている。 その為にマナの消費が激しく、連射は出来ず、常に神子のサポートが必要という欠点が生じてしまっている。 しかしこれはあくまでも、「大型機械人形の装甲を破壊するのに充分な威力」を出す為に必要であって、それ以外の用途に使用する場合は、マナの消費量はさほど大きくはない。 葉月はゴーグルを再び装着すると、砲身上部のグリップを左手で握り、右手に銃把を収め、左脚を前に右脚を後に軽く開いて射撃姿勢を取った。 改めて右手で切替機を操作し、特殊加工を施していない通常弾を選択、装填桿を引き初弾を薬室に送り込む。 <主様、準備が整いました> 「よしっ」 葉月の報告を受けたアルフは、ブラウに言葉を送る。 「……ブラウ、用意は良いかい?」 ≪無論です。危うく待ちくたびれて寝てしまう所でしたよ≫ 「ハハッ。……じゃあ、頼むよ」 そういってアルフは葉月の隣に立ち、裸眼では豆粒程の大きさにしか見えないブラウに視線を向けた。
▼`・ω・´▼キリッ 前方から来る複数の機影とマナの反応を感知し、ブラウは改めて気を引き締めた。 ―己の契約者が背後にいる。 <ならば、守りきるのが友である私の役目> 放熱索の役目を持つ鬣(たてがみ)と尾を乾いた風に靡かせ、右前足で軽く地面を掻く。 間もなく、黙視できる距離まで敵が近づいてきた。 仲間と合流したのか、フリューゲルタイプが2機とカーネタイプが5機。 そしてカーネタイプの中の一機は他の機体より一回り程大きい。 おそらくあれがこの集団のボスだろう。 <止まれ> その、静かだが力のこもった呼びかけに、近づいてきた集団がその足を止める。 <私たちに何の用だ?> <……> ブラウの呼びかけに、相手は答えない。 しかし悍馬の外見を持つ機械人形は辛抱強く言葉を重ねる。 <マナの補給を望んでいるのなら、私を破壊するよりも効率のいい方法を提供できるが?> しかし、頭目格のカーネタイプからの返答は、 <何処ニ隠レテイルカハ分カランガ、神子ガイルノダロウ?ナラバ貴様等ヲ破壊シテカラ、神子ヲ殺ス> 著しく非友好的な物だった。 今までの経験から、返答は決して変わらない事を理解していたブラウは首を一度振り、 <……交渉は決裂か。ならば、今から私は貴様等の敵だ> 全身にうっすらとマナの輝きを纏い、 <我が名はブラウ・プフェーアト。破壊される事を恐れぬならば……> 右前足で地面を一度強く蹴り付け、 <……掛かって来るが良い> 目の前の群れを見据えた。
▼`・ω・´▼キリッ ブラウと野良の遣り取りの様子を、ゴーグルで確認していた葉月は、ブラウが障壁を纏った様子を確認すると、 <マナを受け取って帰って下されば、争う必要もないでしょうに……> 溜め息でも吐きそうな様子で、感想を述べた。 アルフは小さく苦笑しながら、葉月を宥める。 「まぁ、あのヒト達の気持ちも分かるよ。……彼等にしてみれば、神子との契約は“下僕に成り下がる”ってことなんだろうから。神子っていう存在自体が我慢できないんだよ」 <主様……> アルフの発言に、ゴーグル越しに視線を向ける葉月。 その視線に、流石に言い方が不味かったかと気付いたアルフは、 「まぁ、だからって殺されてあげる訳にもいかないし。さぁ、葉月。ブラウの支援頼むよ」 情けない表情で、ごまかしの言葉を口にした。 ▼`・ω・´▼キリッ 先手を打ったのは野良の集団だった。 <行ケ!オ前タチ!> リーダー格のカーネタイプ―ボス(仮)は号令を下した。 先ずは牽制として二体のフリューゲルタイプが、ブラウへ急降下での接近を行いつつ、機銃を掃射。 僅かな時間差を以て標的の真上で交差するような機動をとり、銃口から弾丸をばらまいていく。 それから少しの間をおいて、カーネタイプが二体ずつ左右に展開し、挟み込むようにして、馬の形状を持つ機械人形へと襲いかかる。 上空からの射撃で獲物の動きを封じて、複数体で一斉に(時には時間差を付けて)攻撃を行う。 一撃を与えたら即座に離脱し、反撃の隙を与えず、徐々に獲物を疲弊させていく。 中型はおろか、防御力の高い大型に分類される機械人形相手でも、この方法で狩ってきた。 マナが頭に回っていない野良にしては悪くない連携であるが、今回に限っては致命的な敗因が一つ存在していることに気付かなかったのが、この野良達の不幸だった。 それは、相手がただの機械人形ではなく、ブラウ・プフェーアトと、葉月・ルナールということだった。
▼`・ω・´▼キリッ 2体のフリューゲルタイプ―フリューゲルAとBは、機銃を撃ちながら翼を畳み、急降下による強襲を行い、そして再接近した時点で翼を広げ、急上昇による離脱。 <ヒャッハーッ!モウ一丁ー!> ブラウから十分な距離を取った二機のフリューゲルA、Bは、再び銃撃を行うために反転を行う。 僅かに速度を落とし、旋回を行おうとしたその瞬間、 金属質な破砕音と衝撃がフリューゲルタイプAの機体を震わせる。 <ナ……!?> 胴体の中央、丁度コンデンサが存在する部分に開いた破砕孔を確認したのを最後に、機能停止に陥ったフリューゲルAは空気抵抗を受けながら、作成に失敗した紙飛行機のように墜落していく。 <ド、何処カラ撃ッテヤガル!?> コンビの相方を失ったフリューゲルBが攻撃が来たであろう方角にカメラアイを向ける。 <……アノ距離カラ、コンデンサだけを狙った狙撃ダト!?> 最大望遠にして漸くその機体―豆粒ほどの白いルナールタイプを確認したフリューゲルBだったが、次の瞬間その機体を衝撃と破砕音が襲う。 <……カ、ハッ> 一撃目から間髪入れずに放たれていた第二射によって、相方と同じように胴体への狙撃を受け、フリューゲルタイプBは為すすべもなく落下していく。 <……もう少し制動をかける拍子を工夫なさらないと、いい的ですよ?> 装填桿を操作し、次弾の装填を行いながら静かに呟く葉月。 <それに……> 静かに言葉を続けながら砲身で周囲を薙ぎ払うように、一挙動で180度右回転。 背後から襲いかかろうとしていた、カーネタイプより一回り小さな犬型―フントタイプ3体に向き直り、 <……忍び寄る時は、もう少し穏形に気を遣う物です> 月穿の引き金を引く。 一体が腹部のコンデンサを貫かれ、機能停止。 葉月は地面に頽れるフントAを確認しつつ、神速の手捌きで次弾装填。 地を蹴り、アルフに飛びかかるフントBに近距離での砲撃。 二体目も同じく、コンデンサを貫かれ機能停止。 二体を連続で撃破した葉月に対して、三体目のフントCは仲間が後方に吹き飛ばされるのにも構わず、鈎爪をアルフの背中に突き立てようとする。
▼`・ω・´▼キリッ 白いルナールタイプの長砲が、こちらの動きを追うが、 ―アノ長砲ハ手動装填ダ!間ニ合ワン! 装填、照準、発射の3動作よりも、既に爪を突き込むだけの1動作の方が確実に早い。 <貰ッタ!> 鈎爪の先端が神子の作業服の生地に触れる、 <えいっ> その寸前に、殴られたような衝撃とともに、真横に吹き飛ばされた。 ―馬鹿ナ!? 一体……。 吹き飛ばされる視界の中、フントCが自分のカメラアイを、原因であろうルナールタイプに向けると、こちらに向けて伸ばされた右手に、硝煙を立ち上らせる一丁の、規格外とも言える巨大な回転弾倉式拳銃が握られていた。 ―アノ一瞬デ武器ヲ切リ替エテ早撃チ(クイックドロウ)ダト!? シカモ、拳銃弾ノ一撃デ俺ヲ吹キ飛バシタ!? ルナールタイプはそのまま、手にしていた回転弾倉式拳銃を真上に投げ上げると、長砲の砲口を素早くこちらに向け、弾丸を装填。 ―クソッ!! コンナ所デ……! 罵倒する思考を最後まで続けることは出来ず、腹部への衝撃と共に、フントCはその機能を停止した。
以上で、投下終了です。 ……相変わらずの低クォリティーですが、ご勘弁をw あと師匠、葉月のしっぽが増えましたw武装がシンプルなので、ボリュームを足したくてついw 今は反省している(キリッ
あー、もうちょっと量増やしてから投下すれば良かったorz もうちょい殺陣も詰められたかも……作業の続きに戻ります(;´・ω・`)
>>981 投下乙です!
なに、五本くらいババァの九本に比べたらどうって事は(ry
しかしデカ物はやっぱりいいですね、惚れてしまいますw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
でもちっちゃいも正義!
デカイとちっちゃいの中間も正義!
>>981 投下乙!たまちゃんといいはづきんといい、狐型の機械人形って設定的に優遇されてるような気がするのは気のせいじゃない……というか師匠も黒猫ちゃんばら氏も狐好きだろw
結論・正義の敵はまた別の正義なのさ。
>>987 狐もウサギも犬も猫もみんな好きだよ! よ!
しかし主人公機は「貫通」だった ええい、バンカースキーめ!
>>983-984 感想ありがとうございます!半端な一場面で感想付けづらくて済みませんw
月穿の形状は、某○ーバテインのデモリッション・ガンの砲身と機構部分を長くして、ハイパー・メガ・ランチャー風味にした、
細身の長物をイメージしていますw細身の高機動型が長い獲物をぶん回すのが個人的燃えポイントなもんでw
バスターランチャーを想像してた俺は隙だらけだった
訂正、×獲物 ○得物
>>987 感想ありがとうございます!
キツネって童話なんかのイメージでスマートでテクニカルな感じがするんで、大好きですw
あとリアル狐さんのもふもふ具合もね!w
>設定的に優遇
ふふふ、俺の「俺様tueeee設定」はこんなもんじゃないぜ!?w
厨二+メアリーで突っ走る積もr……おやこんなじかんにだれだろう
>>991 >バスターランチャーを想像してた
……orz こんな基本的知識(○ルガイム)を見落としていたとは……不覚(;´・ω・`)
バスターランチャーのイメージの方が近いかもですw
ならば私は本編でその俺様tueeee設定をぶち壊す! あ、今更ですがメアリー・スーのテスト、遥さんでやったら23点でしたw
一方私はオクスタン・ランチャーを大きくしたのを想像した。
それってハウリング・・・あれはゲテモノにしただけかw
賢者の石がある時点で既に(ry ……のはずなのに、ひらがなコンビや紅白夫婦にルーキーコンビが勝利してるところが想像できないのはいい傾向なんだろうか?w
>>996 ハウリングは一回り大きくしてゲテモノにした感じですかね? Xモードでさらに大きくなりますけどw
>>997 だって今のところ、遥さんマナの扱いがド下手で賢者の石の利点まったく生かせてませんしw
本気のひらがなコンビやルーキーコンビと戦ったら絶対ボコボコにされます。
>>981 乙!でかいは正義!
いいな、それっぽい召喚コード。そういうのが思いつけばなぁ……
あとワンコさんの間ニ合ワンで思わず笑ってしまったのはここだけの秘密。
次回も楽しみにしてますね!
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