ロボット物SS総合スレ 28号機

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1創る名無しに見る名無し


ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二次創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで 何 で も どうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物も受け付けています。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。スレ立ての際は必ず宣言を行ってください。でないと、黒歴史が来るぞぉぉぉぉ!!
・とある方が言っておられました。「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」雑談のネタが気に入らない時は、新しくネタを振りましょう。
・スルー検定10級実施中です。荒らしは華麗スルーしてください。それが紳士の条件です。
・早くも黄金週間ですね。これからもルールを守って、五月病に気をつけながら楽しく創作活動に励みましょう。
・ いいも悪いもリモコン次第。鉄人鉄人どこへ行く。

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/

ロボット物SS総合スレin避難所八号機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1272551032/


前スレ
ロボット物SS総合スレ 27号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1271779256/


関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/

2創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:24:51 ID:NJaOHlxe
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。
遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった!
軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ!
「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」
<イエス・マイマスター>

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!

【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!
3創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:29:22 ID:NJaOHlxe

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――

【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!

【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。
剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―

【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】
荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。
人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」
アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ!

【GEARS ◆B21/XLSjhE】
近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける!
無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達!
スピード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ!

【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】
紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。
雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!?
ファンタジックロボットSS、ここに見参!

【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?
4創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:30:03 ID:NJaOHlxe
【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】
因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。
混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。
測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。

【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】
「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。
そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった
舞台は架空の都市“揺籃”
特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく
「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」
……それは、似通っているようで……違う“セカイ”

【時のジグパルス ◆NXVvJGP7gI】
 21世紀初頭――――
 人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。
 14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。
 そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた
 人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが――

【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】
 未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。
 隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして――――
 パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。

 この物語に、勝者はいない。

【『正義の執行者』◆8XPVCvJbvQ】
世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。
ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。
「正義の名の下に」
その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。
奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。

【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!
5創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:30:56 ID:NJaOHlxe
完結作品はこちら! 大いなる足跡をその目で見よ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/265.html


・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・半年以上生存報告がないと、作品がテンプレから削られてしまうぞ! 要注意だ!
・テンプレに載る作品は1人1つまで! 上記の他にも作品は沢山あるので、こちらもチェックだ!
 http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/12.html
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
6創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:31:51 ID:NJaOHlxe
※紹介文未定作品一覧※
【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】
【英雄騎兵ミッドナイト】
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
【機動修羅バイラム】
【都道府県対抗機動兵器決選】
【資源転生サイクラスト】
【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】
【グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc氏】
【eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2氏】



※紹介文候補※
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。
陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は?
ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ!
――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。

上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。

紹介文はまだまだ募集中!
作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
7PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/02(日) 00:43:33 ID:yuvqY/fN
 どんなに大きな力を持ったとしても、>>1を乙するために役立てるならそれでいいとは思わないかい?
8創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 00:49:49 ID:1P6tpWWP
>>1乙、いーち乙、いーちーおーつ
9|・) ◆5b.OeHcAI2 :2010/05/02(日) 01:29:19 ID:0aNIJAoR
>>1乙!
何となく紹介文でも出してみようかそうしようか


【eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― ◆5b.OeHcAI2氏】
ガラクタに覆われた世界の片隅で、少年と少女は一冊の書によって結ばれた。
その出会いは白く、黒く塗り潰された過去を、未来を、それ以外を呼び覚ます。
迫り来るこの世ならざる怪異、有り得ざる可能性、そしてセカイの果てより来るモノ……

――総てを越え、彼らは何を見るのだろう?



とりあえずこんな感じかなぁ〜……また何か気の利いたものを思い付けば入れ替えてもらいまする。。。
10 ◆gD1i1Jw3kk :2010/05/02(日) 03:22:58 ID:badc++i4
他の皆は文章が上手くて書くの速いのに自分は情けないなぁ、と軽く鬱ですが私は元気っぽい?です。

少女機甲録・イナバが大陸奥地に送られるようです、の続きが楽しみ。ティアーナ・稲葉少尉はちゃんと生きて帰れるのか。

という訳で、短いですが投下!
11ワームと戦うようです:2010/05/02(日) 03:25:08 ID:badc++i4
狙撃部隊と砲撃部隊の攻撃、試製小型自走爆弾と試製小型飛行爆弾の自爆、現在こちらへ帰還途中の試製小型偵察機の小型ミサイルで多くのオルトロス四型を葬ったが、全てではない。
こちらの攻撃を一切受けず無事に砲撃を行ったオルトロス四型も多く存在した。千を越える生体化学反応ロケットがこちらへ飛んでくる。
大火力の砲撃だ。いくら重装甲強化服が頑丈に造られているといっても、戦闘車両と比べれば装甲は紙でしかない。元々直接防御など考慮されていない攻撃特化型の兵器があれを食らえばひとたまりもない。だが、それはまともに食らえばの話。
遮蔽は無く、広域妨害も無く、こちらのセンサーは一切阻害されず性能を100%発揮出来る。そんな理想的環境で飛んでくる砲弾を撃墜するなど、俺達には蚊を叩き落すよりも簡単な事。
塹壕の近くに着弾し、こちらに損害を与える可能性のある危険なロケット弾のみをピンポイントで迎撃する。
砲身がそれぞれバラバラに動き、多目標への同時迎撃が可能な6.25mm迎撃機関銃。5連装2基10門の銃口を目標へ合わせ単発射撃。放たれた10発の6.25mm振動熱徹甲弾は正確無比に10発のロケット弾を貫いた。
他の仲間が撃った分も含め、数十の爆発が空で発生し、轟音が轟く。その後、塹壕から離れた位置に数百発のロケット弾が着弾。凄まじい爆発が発生し、着弾点に大きなクレーターが出来る。
大威力ではあるが所詮は遠い場所、塹壕に立て篭もった俺達にかすり傷一つも無い。それに対してオルトロスにはこちらの攻撃を防ぐ手段は無く無防備。これだけ数に差があるのだから「たかがこの程度」のハンデは大目に見てもらいたい。だから、心置きなく死ね。
「ポチッとな」
仕掛けを発動させる。生身の人間では、優れた感覚器官を持つオルトロスでも全く見えも聞こえも感じもしないが、「それ」は確かに地面から空中に飛び上がった。

跳躍地雷。

空中で爆発した数百個の跳躍地雷は一個辺り数百発、計数万発の大粒振動熱散弾を下方へ広範囲にばら撒いた。
オルトロスの体を貫き体内に侵入した散弾は、それだけでは終わらなかった。球状をした散弾の中心部には少量の高性能炸薬が内蔵されている。それは、つまり「そういう事」だ。
高性能炸薬の威力が損なわないように軟化し、「『最大の被害を』与えられるよう弾殻に最適な細かい亀裂を走らせた」散弾は爆発、再硬化し、無数の振動熱破片がオルトロスの全身に拡散していった。
一発だけならともかく十数発をその身に受けたオルトロスは……御免なさい、あまりにもグロ過ぎてどう表現すればいいのか分からないの。笑えばいいと思うよ。なんだ、そうだったのか! フハハハハーッ、最高にハイって奴だぁぁぁぁぁーーーーーッ!
オルトロスに直撃しなかった散弾は空中で爆発し破片を飛び散らせる。一発たりとも「無駄弾」は存在しない。
跳躍地雷は敵にかなりの損害を与えはしたが、全体の数からすれば極一部。オルトロスの軍団は何事も無いかのように進軍してくる。
そして唐突に、何の前触れも無く、何事も無いかのように進軍してきたオルトロスの軍団の最前衛が細切れとなった。次から次へとオルトロスはところてんのように斬断されていく。何が起こったのか。無論、俺達が仕掛けた罠だ。
現代の鉄条網、振動熱伸縮可変鋼線の網。その名も「ウォルター結界」。あ、ウォルター結界ってのは正式名じゃなくて俺が今思いついて勝手に名付けた名前な。
12ワームと戦うようです:2010/05/02(日) 03:27:42 ID:badc++i4
不可視の鋼線で編まれた網に引っ掛かったオルトロスは一匹残らず「ところてん」と化した。それ以上生きて進軍する事は出来ず、流石の大軍勢も停滞せざるを得なかった。絶好の機会を見逃しはしない。むしろ、最初から狙っていた。
6基の25mm重機関砲に装備された50mm擲弾発射機から、直径5cm、全長10cmの50mm振動熱榴弾を120発全弾撃ち尽くし、弾倉を素早く交換して更に120発、計240発をブッ放す。
仲間が撃った分も合わせて千発以上の50mm振動熱榴弾が放物線を描き、ウォルター結界の後方に着弾する。凄まじい量の小規模爆発は見た目こそ地味だが、確実にオルトロスの命を奪っていった。
近接部隊が全弾撃ち尽くす勢いで、37.5mm散弾砲から37.5mm振動熱散弾を撃つ。
敵の上空で砲弾は破裂し、一発辺り十数発の、跳躍地雷と同じ大粒散弾をばら撒く。直撃した散弾は体内の奥深くで爆裂し、直撃しなかった散弾は空中で破裂して殺せないまでも確実に損傷を与える。これで一先ず良しとしよう。時間内に与えられるだけの損害は与えた。
オルトロスはウォルター結界を乗り越えてきた。
振動熱伸縮可変鋼線網は元々、重装甲強化服を着用した重歩兵、軽装甲強化服を着用した軽歩兵を相手に開発された代物。数千数万の巨大生物を相手にする事など最初から想定されていない。早い話が、電力が尽きたのだ。
電力が尽きてしまえばただの丈夫な網でしかない。振動熱を発生させられない素の状態でも生身の人間程度なら触れただけで骨ごと切り裂けるが、相手と数がとことん悪かった。
「ところてん」のようになった大量のオルトロスの死骸がウォルター結界を埋め尽くし、土台となり、安全な踏破を可能とした。こうなってしまえば、もう何の役にも立たない。
試製小型偵察機がようやく帰還する。
試製小型偵察機の母艦として大改造劇的ビフォーアフターした牽引式輸送車の天井、飛行甲板には交換用電池と小型ミサイルがずらりと並べられている。
牽引式輸送車の後方から速度を緩めずに、試製小型偵察機は電力の少なくなった電池を飛行甲板に投棄し、機体下部に取り付けられた二本の伸縮可変鋼線で電池と小型ミサイル一つずつを引っ掛けて収縮、機体に装備し再攻撃に向かう。目標はオルトロス四型。
オルトロスは最終防衛ラインの直ぐそこまで迫ってきた。仕掛けた最後の罠とこちらの攻撃でどれだけ数を減らせるか。
無人小型弾薬補給車「イグルー」の触手状給弾管で消費した弾薬を補給する。手数が多く、短時間で多数の敵に対処出来る近接部隊は最後の要だ。最後の罠と大火力を叩きつけた後、塹壕に迫るオルトロスを片っ端から殲滅する。さぁ、来い。
13 ◆gD1i1Jw3kk :2010/05/02(日) 03:30:40 ID:badc++i4
以上。
次の次か、次の次の次ぐらいに完結予定です。今月中に完結出来たらいいなぁ。
14創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 11:03:43 ID:1P6tpWWP
投下乙!それではゆっくり読ませてもらうぜメーン!
15創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 14:02:19 ID:0aNIJAoR
>>13
投下乙!
いくら潰しても押し寄せてくるオルトロスの恐ろしさ……戦いはやはり数なのか
しかし味方の死骸を足場に更に向かってくるとは凄まじいやり方。
近接部隊はどれだけ頑張れるのか。。。次も楽しみにしてますねー
16創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 12:53:12 ID:pI9fIfuo
>>13

オルトロス超怖ェ
これが全部ロリロリした美少女ロボだったら天国だったのに
……いや、それはそれでグロか

完結楽しみにしてます〜
17創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 12:54:55 ID:aermhAy5
>>13
 投下乙です!
 備えあれば嬉しいな、ですね。果たしてワームは兵庫の皆さんに一矢報いる事ができるのか……次回も、楽しみに待ってますね!
18創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 13:07:41 ID:pI9fIfuo
避難所で雑談しようゼ!って誘いがあったので
今悩んでいる作品ネタについての相談をやってみます

「複数ヒロインのヒーロー系ロボ作品」ってのを考えてまして
軍属で生真面目な性格のバトルヒロインと、
数千年生きてて独自の思考形態してる人外ロリッ娘に
もう一人、日常の象徴的なヒロインを加えようと思ってるのですが

テンプレート的に「主人公が好きだけど言い出せず、嫉妬したりする幼馴染」
みたいなのを入れた方がバランス的には良んでしょうが
これまでに見てきた漫画、アニメやプレイしたゲームを思い返してみると
自分自身がそういうタイプのヒロインで好感持った事が殆ど無く
実際に作品を書いてみたら、キャラの扱いが悪くなってしまうのではないか?
と悩んでおります

苦手なキャラにあえてチャレンジしてみるべきか
多少、バランスを欠いて王道を外れてでも
自分が萌えられる属性のヒロインにするべきか
どうしたもんですかね?
19創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 13:17:23 ID:EBhTkY3d
>>12
投下乙です
感想は後々
>>18
これは難しいですねw
まあでも、物語云々以前に自分が楽しんで書けるかが大事だと思うので
ちょっと新しい分野に自信が無いかな……と思われるなら、自分が萌える属性のキャラを選んだ方がベターかもしんないです
けど、少し違う分野に挑戦しようかなと思うなら是非、チャレンジしてみてはどうかと
後、もしどっちかを選んでむむむと詰まったら、他のヒロインを進めたりすれば、何かしら閃けるかもしれません
20病気の人 ◆e2usW7RJMY :2010/05/03(月) 15:46:26 ID:OwrS261+
相変わらず謎のタイミングにやってくる病人。
新スレ記念、今回は味方サイドの砲撃機。

“プロト・ケーニギン”
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/488/ally1.jpg
銀河連邦の新型量産機コンペに提出された実験機。
強大な火力を有する代わりに、白兵戦には対応していない。
機体の全出力を火器に回すことで最大火力を発揮することもできるが
その際には味方艦や一定以上の質量を持った天体にアンカーを打ち込む必要がある。

>>18
物語のテーマと、そのキャラが持つであろう役割とを照らし合わせて
いちばん有効に機能する“属性”を付加してみてはいかが?
とりあえず、私がキャラを考えるときはストーリーやテーマありきで始めます。
まあ……あくまで参考程度に。
21創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 16:05:57 ID:bB0bUT50
なんでそんなに紙が黄ばんデルの?
22創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 16:46:35 ID:OwrS261+
>>21
昔描いたものだからさ……!
おそらく今の私にこのデザインは出来ない。
リファインしたら全く別物になってしまうであろう機体のひとつなのですよ。
23創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 17:19:58 ID:KTHSlXVj
昔描いたものって、一体何年前なんだ。一年や二年じゃないだろう? 紙的に考えて。
24創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 17:33:06 ID:OwrS261+
>>23
なに――ほんの四、五年前さ!

描いた時期にバラつきがありまして、これは一番古い部類ですね。
保存状態が悪かったのは申し訳ないと思います。はい。
25創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 18:01:26 ID:aermhAy5
>>18
 嫌いなタイプも、書けば好きになれるかもしれませんよ!
 少なくとも、私はそうでしたw

>>20
 投下乙です!
 プロトって事は正式採用型が……wktk。
 しかし4〜5年前でこれって、今はどこまで進化してるのか非常に気になるんですが……!
26創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 18:23:49 ID:YAtKk17N
投下乙!しかし忙しいから感想は後ほど!
27創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 19:17:28 ID:bB0bUT50
>>24

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/492/ally1s.jpg

勝手に素人テクにフォトショで補正したよ!
28創る名無しに見る名無し:2010/05/03(月) 19:51:05 ID:RRn6ious
>>18
まず複数ヒロインもの自体が上手く話を運ばねば空気キャラを産み出すでしょう。
そのリスクを承知で着手するのであるなら、話を転がしやすいキャラで固めるのが良いのでは?

キャラとして牽引させるのか、舞台装置として動かすのかは、作り手の判断によるでしょうががが
29創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 01:04:24 ID:e2/g471r
30 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/04(火) 01:48:17 ID:MOZH5TE+
>>29


カッコイイな〜
てか、等身大ヒーロー系描けるようになりたいわ〜
どうしても肩幅を広くして「小型ロボ」っぽくしてしまうので……

と連続となりますが小ネタを投下開始
31 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/04(火) 01:49:32 ID:MOZH5TE+
クイラ「私がふとましい……だと? いいだろう!そこまで言うのなら見せてやろうとも!!」

http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/499/Quilla-underwear.jpg

クイラ「ど、どうだ? 脚以外は、そこまで太くないだろう? クッ……勢いで脱いでしまった……」

 負けず嫌いで、行き過ぎた行動をする傾向は、別に月面人に共通するものではなく
単純にクイラの性格の影響受けてツクヨミまでああなった、という結果です。
32勇者超光 ゼッタイガー ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/04(火) 01:53:41 ID:MOZH5TE+
──少年、お前は何を求める? 我が魂の断片に残された力を以て何を望む?

  「そりゃ決まってンだろ? 牙だ!」

──牙?

  「誰よりも強ぇ… どんな奴にも屈しねぇ…
   護りたいモンを全部護って、気に入らねぇ連中を噛み砕く……
   最強の……絶対無敵の牙だッ!!」

──フッ……面白い。ならば私が持つ、残り全ての力をお前に託そう!
  お前は私と一体になるのだ!

  「何だって構わねぇ! あの野郎を……フザけた怪物をブン殴れんならなッ!」

──ならば吼えろ!我が名を呼べ!

──我が名はッ!

  「俺の名はッ!!」


  ゼ ッ タ イ ガ ー ! ! 


http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/500/Z-Tiger.jpg
33勇者超光 ゼッタイガー ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/04(火) 01:57:20 ID:MOZH5TE+

..    オレノダチ
テメェは 地球 に喧嘩を売った!


つまり俺に喧嘩を売ったンと同じだ!!

    オレノシマ
二度と 地球 に近付く気にならねぇくらい徹底的にボコってやる!!


 覚 悟 は 出 来 て っ か !?


http://dl3.getuploader.com/g/sousakurobo/501/Z-Tiger2.jpg
34 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/04(火) 01:59:52 ID:MOZH5TE+
以上で投下終了〜

・クイラ下着絵
 この前のアレでふとましいふとましい言われたので脱がしてみましたが
むしろふとましいのを定着させかねない感じに……
身長低くて筋肉も付いてるってのを描こうとすると
結局ふとましく見えてしまうのではないか?とも考えたが、
単純に私の画力が足りないだけなのだと思う事にする。


・勇者超光 ゼッタイガー
 オリジナル勇者ロボ的な何か。戦闘機から人型、さらには虎型に変形する。
『超光』という、精神力に呼応する未知のエネルギーを燃焼(burn)する事で力を得ている。

バーン超光、略してバンチョー。というノリで「番長風の勇者ロボ」を描いた物体。

 胸の顔や全身の縞は、白虎をネガポジ反転させてあるので、白虎もモチーフには加わっている。
 ゼッタイガーという名称は響きの良さだけを基準に10秒ほどで決めたダジャレ。漢字で書くと「絶対牙」だが
そこら辺は後付けサクサク。
 とりあえず、巨大宇宙船、新幹線、ドリル戦車と合体して『ゼッタイガーX(クロス)』となる予定。

 なお、練習のネタ絵に見せかけて、割とガチでコレ使って何かやろうと企んでいる。
 何で勇者スレで投下せずにこっちに投下したかって?もし何かやるとしても、勇者シリーズ的な話をやる気は無いからさ!HAHAHA!
 ……ゴメンナサイ
35創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 02:01:24 ID:MOZH5TE+
やる事はやったので寝ます
36創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 02:30:48 ID:e2/g471r
>>34
 投下乙です!
 クイラさんが実はちっこいと聞いて飛んできましtうわ刺さないで。
 そしてゼッタイガーかっこいいですね、惚れてしまいますw
 モチーフがわかりやすくて、いいデザインだと思いますよ!
37創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 03:00:54 ID:8vBa5lhF
なんというラッシュ……投下乙!感想はまた明日!
38創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 03:10:27 ID:e2/g471r
 ほんと凄いラッシュですよね、避難所と合わせると感想おっつかないw
39創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 03:18:58 ID:8vBa5lhF
規制がなかったらと思うと残念でならない
40創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 12:36:38 ID:e2/g471r
 しかし本当に本スレが静かだ……。
41 ◆NXVvJGP7gI :2010/05/04(火) 15:20:52 ID:zR0bCqL6
http://dl8.getuploader.com/g/sousakurobo/502/jig5.jpg


新スレ乙!!!!

自作ジグパルスの機体を書こう!ということで
本体だけ書いて、そうだ敵と背景もつけようと
つきたしていき戦闘シーンぽくしようと目論だが
画力尽きまったく躍動感のない妙な四型機戦闘シーンの静止図

なんか画像の容量がでかくなってしまったすいません
42創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 16:32:31 ID:iTy2mEuM
>>41
投下乙!
左の奴が怖すぎワロタw
43創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 18:47:18 ID:e2/g471r
>>41
 投下乙です!
 左の奴、どこがどう動くか想像がつかないぞ……!
 あ、そうそう、もっと奥行きを描くといいですよ! 以前、同じような事をして、みんなの足を引っ張った大馬鹿野郎からのアドバイスだ!
44 ◆NXVvJGP7gI :2010/05/04(火) 19:24:55 ID:zR0bCqL6
>>42
テキトーにかいたよ!

>>43
奥行?パースか!
サウスパーク参考に背景つくりなおしてみるわ
45創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 19:44:37 ID:e2/g471r
 なしてサウスパークw
 そういえば脅迫されたんですよね、サウスパーク。
46創る名無しに見る名無し:2010/05/04(火) 22:09:38 ID:e2/g471r
 てすと。
47 ◆NXVvJGP7gI :2010/05/05(水) 01:37:24 ID:42OpyW7q
サウスパークがすきなんですよ
前回はメカゴジラのパロがでてましたし
初期には日本の特撮ネタのパロ回もありますよ
妙な日本語曲とともにw
48創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 01:38:29 ID:X3RZTlyO
ふう、ようやっと感想が書けるわ……みんな投下乙!

>>13
まだ完結してないしあんまり言いたくないんだけど、クロスの仕方が今の所あんま上手くないと思う。敵とはいえ、人様のクリーチャーを有無を言わさずフルボッコっていうのはちょっとアレすぎやしないかい?見方によっては俺Tueeeeeに見えるぞ
あと、この際だからついでに言っとくけど、書き込む度に動画とかのリンク貼るのはよした方がいいと思うよ
とりあえず、次回以降の展開に期待しとく

>>20
亜光速とか規模やべぇw
ところでAMAUSとかCOMAUSってなんぞ?

>>29
感想は避難所にて!
とりあえずまろ子は俺の嫁

>>34
俺、女の子はちょっとぽちゃっとしたくらいがいいと思うんだ……
あとゼッタイガーのデザインが秀逸過ぎる、割と本気で

>割とガチでコレ使って何かやろうと企んでいる
これは期待せざるを得ない……!

>>41
相変わらずおどろおどろしいなwだがそこがいい
漫画っぽいエフェクトつけたらある程度は躍動感出るんじゃない?
49創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 01:46:35 ID:7xbxbQMz
 あ、管理人さん誕生日おめでとうございまーす。

>>47
 色々と容赦ないですよね、サウスパークw

>>48
 お疲れ様ですw
 まあ、本人の間で特に問題がなければ大丈夫でしょう、一応は。

 あとまろ子は擬人化したサリサなんかいいんじゃないかとか思ったり、思わなかったり。
50創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:00:57 ID:X3RZTlyO
容赦なさすぎてイスラム教団体から脅迫されたけどな!

>まろ子は擬人化したサリサ
この瞬間、俺の中でサリサの株が一気に上がった
51創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:11:50 ID:7xbxbQMz
 私の中でも急上昇しました。なんたって三つ編みだからな!

 多分なごみんの専属メイドとかそんなノリになりますね、学園だとw
52創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:20:46 ID:X3RZTlyO
あとどうみてもつるぺたです、本当にありがとうございました

>多分なごみんの専属メイド
なにそれ素晴らしすぎる。てかサリサってPBMの中でも数少ない常識人だよねw
53創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:26:04 ID:7xbxbQMz
 人は人でも機械人形ですけどねw
 ただしサイズはルガーと同じですが。
54創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:33:16 ID:X3RZTlyO
そういえば今のところ最小のオートマタか、サリッサタイプって
55創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 02:47:28 ID:7xbxbQMz
 今のところは最小ですね、サリッサ型は。
 ちなみに最初は槍にファイナルフォームライドする予定だったんですが、確実にデザイン難航するんでやめときましたw
56創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 03:20:19 ID:X3RZTlyO
そっちの展開も見たかった……!
57創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 10:33:02 ID:7xbxbQMz
 私も書きたかったけど時間がなかったんだ……!
58創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 11:19:22 ID:X3RZTlyO
誠に遺憾でござる……
59創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 11:38:16 ID:7xbxbQMz
 むぅ、これはいかん。
60創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:09:09 ID:X3RZTlyO
>>59
死ぬがよい
61創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:13:17 ID:7xbxbQMz
 この体滅びても……魂は……ふ……め……つ……。
62創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:16:58 ID:X3RZTlyO
やっぱり滅びるのかw
63創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:21:40 ID:xXD6Nicq
そして、即座に復活。気力120以上で毎ターン復活がかかってるとしか思えないw
64創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:30:28 ID:7xbxbQMz
 なんでウチのラジオだとNHK-FMが聞けないんだぁぁぁぁぁぁ!!
65創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:32:04 ID:oNoowJX8
師匠ってアレかね、解ってもらえんかも知らんがアークの骸骨剣士みたいなもんかね?
66創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:33:32 ID:l80d4x79
                          ,、._         _.,、
                     _,,-'⌒ー'´/;;;`7 _V_  ヘ
                  _,,-'";⌒`ー;,'"|\;;;  ャf亊tャ ;;;/|
                _,,.''";⌒_,,-''''''')爿\,○冂Y⌒Y冂○/片
        _,,,----ー'''''''""Z7/゛,,_〉/~~ ̄7\/L〔ヽ○ノ〕.」ヽ/<
    ,,,-'''''"",==''''""Z7不ノ/∪_,,--,,' / /  ̄弋廿ナ ̄ \ \
 ,.:-ー'"~~""~==''''"乂`9 ̄/=,‐^~ ,,'" /^/ /7ヒ二函二アベ, \^\
ゞー''''" ̄,,‐~フ~こノ/,,ノ^//  _,,'"ξう/ ,,'|/く /| |ヽ Y |  \ごき
,_,,,,...‐''"",,.ヌ ,,ノ,ノ,,ノ/,//  _,,'"_,,'",,'",,'_,, ,,' |/ |\y凵イ,-イ`V
``ー-‐''''"_,,‐.',,ノ,,.",.'’,' /’  _,,'"_,,'" ,,' ,,'_,,' ,'   |ハ、|~~!;; |
     ~ ̄ ,'´, '  |/  _,,'" _,,'" ,,' ,,'_,,' ,,'    |. | 〉 〉/^i
        ノノ    _,,'"  ,/  ,,',,_,,'-_,,'^'’   /| |/ヽ、;;;!;;ノ
            ,,'" ,,,-'/,,,-‐''"         | |_| |;;;/
            '"~^               V ^V′/
                              |几|| :::!'
                             〔[中]〕;/
                             || サ ||
                             | |冖| |
                             \二/
67創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:35:00 ID:X3RZTlyO
>>64
落ち着けw

>>65
いいえ、でっかいミジンコです
68創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:39:14 ID:X3RZTlyO
>>66
なぜゼロカスがw
69創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:41:32 ID:7xbxbQMz
 弟にiPodを借してもらってようやく聞けたでござるのマキ。さっすが弟、話がわかるぅ!

>>65
 ただの……人間だ!

 ちなみに私はゼロカスよりゼロのが好きです。
70創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:43:19 ID:rPEMc1Gq
>>66
何誤爆してるんですか!!
71創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:48:33 ID:X3RZTlyO
>>69
>ただの……人間だ!
うそつけwww

俺もゼロ派かな、どっちかというと
72創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:55:57 ID:7xbxbQMz
 ゼロカスもかっこいいんですけど、ゼロのカラフルな感じが好きなんです。

 でも私、ゼロ以外はEW版の方が好きなの!
73創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:57:43 ID:xXD6Nicq
ゼロカスは羽がなぁ…ウイングの羽に付け替えると良い感じ
74創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 12:59:37 ID:X3RZTlyO
ただ、あのデザインを採用したところは賞賛に値すると思うんだ
75創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:01:10 ID:rPEMc1Gq
ゼロカスは変形ギミックオミットしたのが個人的に気にいらないからゼロ派かな
とはいえゼロカスは素直に格好良いとは思うけれど
76創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:01:59 ID:7xbxbQMz
>>73
 それって変形しないアーリーウイングなんじゃw
77創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:04:22 ID:X3RZTlyO
ウイングも出たしMGで出ないかね、ゼロ
78創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:06:49 ID:7xbxbQMz
 MGもいいけどHGAUCで欲しいです……。
79創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:09:07 ID:X3RZTlyO
ほっときゃ出るから大丈夫でしょw
それよりリーオーが出るかどうかだ……
80創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:17:00 ID:7cdOw3Pd
逆にあの鳥っぽい翼でネオバードモードに変形したら
怪鳥っぽくてかっこいいんでないの?とは思う

しかしゼロのが旧式なのにネオバードモードなのはなんでなのだろうか
81創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:21:20 ID:7xbxbQMz
79
 私としては早くプロトタイプリーオーがほしいです!

>>80
 意外とサマになるかもしれませんねw

>ネオバード
 設計はゼロが先だけど、実際に建造されたのは後だからじゃないですかね?
82創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:27:11 ID:X3RZTlyO
そういや昔はトールギスはTUVのコンパチがあったなぁ……今じゃ考えられんw
83創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 13:48:59 ID:7xbxbQMz
 今じゃ絶対別々で出しますよねw
 まあ、どのみち出たら全部買うんですけどw
84創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 14:05:55 ID:X3RZTlyO
とりあえず旧HGの驚きの白さっぷりは異常w
85創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 14:18:08 ID:7xbxbQMz
 逆に考えるんだ、私色に染めやすいんだって考えるんだ。
86創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 14:35:27 ID:7cdOw3Pd
私色というと
00の前日談である00Pの小説で
リボンズが「最近、金色は食傷気味」とか愚痴ってて吹いた
87創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 14:43:47 ID:X3RZTlyO
銃まで金色だからな、あの大使w
88創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:06:16 ID:7xbxbQMz
 スペドラ様だから仕方ありませんね(棒)
89創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:21:37 ID:X3RZTlyO
そうだね、スペドラ様だもんね
90創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:48:03 ID:7xbxbQMz
 さて、なんか今日も投下ラッシュになりそうだから私も何か描いてみようか……と思って机を引っ張り出してきたわけですが、何描こう?
91創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:49:53 ID:X3RZTlyO
そこでハクタカじゃよ
92創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:51:24 ID:7xbxbQMz
 そ れ だ !

 いや、神威やエクシードの事も忘れてませんよ!?
93創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 15:59:05 ID:X3RZTlyO
wktk
94 ◆NXVvJGP7gI :2010/05/05(水) 17:07:55 ID:42OpyW7q
http://download4.getuploader.com/g/sousakurobo/504/jig6.jpg

GW最終日に全力で仕上げた
背景はフリー素材からトレスした
はぁはぁ


>>48
自分なりのエフェクトをつけてみたw
95創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 17:20:14 ID:X3RZTlyO
>>94
投下乙!おお、前よりよくなってるじゃん
96創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 18:33:21 ID:RREt6p01
>>94
投下乙です!
おお、以前より見やすくなりましたね!
しかし相手きめぇw
97創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 19:16:23 ID:bUZJ++/m
やっほい、いつの間にか規制解除で本スレ復帰だぜ!
98創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:06:53 ID:X3RZTlyO
おめでとう!
99創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:21:26 ID:bUZJ++/m
ありがとう!
ていうか、ちょっと来れなかった間に、スレが一新しまくってて全然追いつけないw
絵ロスオーバーは現状、どうなったんじゃろ
100創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:25:16 ID:X3RZTlyO
とりあえず参加は今日締め切り
お題はタロットかゲームの機体選択画面でまだ決まってない

こんな感じかな?
101創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:29:33 ID:bUZJ++/m
>>100
おお、サンクス!

つうか、この調子だと30スレ突破記念絵もすぐにとっかかることになりそうな予感w
102創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:30:19 ID:X3RZTlyO
って、まさかチョーさんかい!?
103長目@珍獣使い:2010/05/05(水) 20:36:30 ID:bUZJ++/m
YES I AM!
修羅場を終えて帰ってきたよー
104創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:38:25 ID:X3RZTlyO
規制はもう解除されないって言ってたからビックリだよ!
105創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:40:03 ID:7xbxbQMz
 わー! 超サンダー!
106創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:43:10 ID:7xbxbQMz
 あと>>882氏のペンタブが復活しましたね!
107創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:44:58 ID:bUZJ++/m
自分でもびっくりだよ!
まさか、解除される日が来ようとは……プロバイダさんがなんかイカす仕事をしてくれたんだろうか……!
108創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 20:47:41 ID:X3RZTlyO
だとしたらGJと言わざるを得ない……!
109創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 22:10:57 ID:7xbxbQMz
 投下だオラァァァァァ!

 さて、ハクタカ描くついでに色々描いてみました。遥さん、意外にポニテも似合うから困る。
http://download4.getuploader.com/g/sousakurobo/509/Exceed_Charge%21.jpg
110創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 23:14:05 ID:X3RZTlyO
>>109
投下乙!まさかここまでハクタカフィーバーになるとは思わなんだwしかし師匠のデザインは相変わらず描く度に改良が加えられてくな
そしてポニテ遥さんかわいすぎ惚れた。やっぱりロリは比較対象があってこそ100%の威力を発揮するな

まろ子かわいいよまろ子
111創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 23:36:14 ID:7xbxbQMz
>>110
 感想、ありがとうございます!
 肩になんかつきましたね、ハクタカw
 あと遥さんのポニテわしゃわしゃしたい。
112創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 23:41:31 ID:X3RZTlyO
俺はまろ子のアホ毛引っ張りたい
113創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 23:45:45 ID:7xbxbQMz
 じゃあまろ子の腋くすぐりたい。
114創る名無しに見る名無し:2010/05/05(水) 23:49:29 ID:X3RZTlyO
よし、お腹はまかせろ!
115創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:07:51 ID:ZuYOeM5n
 そして島流しへ――――
116創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:11:25 ID:zdoZSDg7
島にはロボスレ民が溢れ、島からさえも追放され――るんじゃないかと少しだけ不安に思っている
117創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:13:30 ID:3Q1smebz
そしてロボスレ民は、新たな島を作り出した……
118創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:16:55 ID:ZuYOeM5n
 暴走しすぎるとそうなる可能性も無きにしもあらず、ですねw
119創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:20:32 ID:3Q1smebz
まあ、忙しくてエロどころじゃなさそうだし、今は大丈夫でしょうw
120創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:24:46 ID:5QlP7Rvb
ロボスレ民はエロで本気出したら凄いことになると思うw
121創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:26:36 ID:3Q1smebz
師匠とDS氏が島で既にやらかしてるなw
122創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:28:36 ID:ZuYOeM5n
 私が島に流したのは予め本スレに投下してあった奴ですけどねw
123創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 00:42:02 ID:3Q1smebz
あんたらの行動力は何なんだ一体w
124創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:03:19 ID:ZuYOeM5n
 若狭……かな。
125創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:08:55 ID:5QlP7Rvb
甘鯛ですねわかります
126創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:11:52 ID:3Q1smebz
若狭、マッカーサーって何だ?
127創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:12:38 ID:5QlP7Rvb
振り向かn……あれ?
128創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:13:28 ID:ZuYOeM5n
 兄貴ィィィ――――ッ!

 って、

 何だ?
129創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:20:44 ID:3Q1smebz
MaわレMEら輪な居

こ と (゚Д゚)サァ?
130創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:24:58 ID:ZuYOeM5n
 ギャバン! あばよ涙。

 ギャバン! ってなんだ?(゚Д゚) よろしく勇気。

 宇宙刑事――――の ぎゃあああああああ!!


 ババ――――ン!
131創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:27:14 ID:3Q1smebz
懐かしいなギャバソwww
132創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:29:16 ID:ZuYOeM5n
 あの頃はFlash全盛期でしたねー。
 個人的にはガッチャマンのが好きです、「誰だ! 誰だ! 駄目だ……!」のやつw
133創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 01:34:49 ID:3Q1smebz
あったなぁそんなのもw
種のFLASHもあったよね
134創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 02:04:04 ID:ZuYOeM5n
 ああ、あの本編より面白いと評判の(ry
 あの頃は私も若かった……。
135創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 08:33:51 ID:3Q1smebz
思えばあれから8年か……時が経つのって早いねぇ
136創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 09:56:24 ID:ZuYOeM5n
 あと2年で10年ですねー。
 つまり私はHGエールストライク×2を8年間も積みっぱなしなのか……。
137創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 10:46:50 ID:qvz/RQBO
後二年で三十路だw
138創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 11:00:48 ID:ZuYOeM5n
 あなたは、魔法使いになれますか――――?
139創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 11:04:24 ID:9k3mUjf3
ワロエナイ…
140創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 14:29:42 ID:ZuYOeM5n
 2年後はこのスレどうなってるんでしょうねw
141創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 14:54:25 ID:C0/ZLwO5
予想できないなw
142創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 14:58:11 ID:ZuYOeM5n
 実際、去年の今頃はこんな勢いのあるスレになるなんて夢にも思いませんでしたしね。
 まさか本当にGW中で避難所1スレをほとんど使い潰す事になるとは……。
143創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 15:02:57 ID:C0/ZLwO5
避難所「私を削りきるとは……化け物め」
144創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 15:12:46 ID:ZuYOeM5n
 マシンガンのようなレスがPAを削っていく!

 なんか最近絵ばっかり描いてるような気がする……SSもちゃんと書かないと。
145創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 15:39:25 ID:C0/ZLwO5
絵なんてうまく描けるか! 俺は自分の部屋に戻るぞ!
146創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 15:47:31 ID:ZuYOeM5n
 下手には下手なりの戦い方があるんだ!
147創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 16:44:25 ID:+n1r2WDW
確かにハイブリッドが多くて気後れしそうになるが、SSに絞って現役張ってる人がいるから遠慮する必要ないと思うぜ
TロG氏とかイグザゼン氏とか
148創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:11:14 ID:3Q1smebz
つか、二人共SSで自身の代表作がある上に自作はおろか他作品のキャラデザとメカデザまでやってる時点で凄いからあんま気にしなくていいと思うんだ
149DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/06(木) 17:25:02 ID:R9jb2R4p
なぜ自分だとバレた……!    メカデザは黒歴s(ry
150創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:35:09 ID:3Q1smebz
フロムのネタを積極的に使う人は限られてくるからな!
他作品のデザインやった事あるハイブリッドって師匠とDS氏と882氏だけだっけ?
151創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:42:30 ID:R9jb2R4p
フロムネタ大好きなのぉおお



超サンダーはデザインしたことありましたっけ?
152創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:44:57 ID:3Q1smebz
なごみんとかライとかルガーさんとか
153創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:46:05 ID:R9jb2R4p
長目さんだよ!
154創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 17:51:45 ID:3Q1smebz
いや、ちょっと前にうpしてたじゃないか、成金っぽいなごみんとかw
155 ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:46:40 ID:k1BUSMiU
流れぶったぎって申し訳ないですが、ちょっと投下させてもらいに来ましたよ…
量はそんなに多くないので支援は結構です
156グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:48:02 ID:k1BUSMiU
 この幽霊屋敷に来て初めて知ったことがある。
 乗り物酔いにも二日酔いがある、ということだ。
 一晩経っても世界が揺れている。気分は相変わらず最悪で、とても何かする気
にはなれなかった。
 だがそれでもAACVに乗らなければならない。
 キチンと飲んだ酔い止めが効いてくれることを、真剣に、神様に願った。
 シンヤはまたパイロットシートに寝そべっている。
 眼前のモニターには昨日と同じように、遠くでこちらを見る青いAACVが映
っていた。
「ハイじゃー昨日に引き続いて模擬戦やるぜー?」
 タクヤからの通信。
「勝つまで、ですよね。」
「勝つまで、だな。」
「……よし!」
 覚悟を決める。今度は絶対負けない。
「状態は昨日と同じ。武器はペイント弾のライフル。オカモトもクロミネも、手
加減しちゃー駄目だぜ?」
「手加減できるほど上手くないです。」
「その、手加減したら、私が死ぬから……」
 オカモトの声。
 こうして相手と話していると、あたかもグラウンド・ゼロをプレイしているみ
たいだ。あのゲームのシミュレーターとしての出来はかなりのものだったのだな
、と感心する。したくないけど。
 操作レバーを握り直した。
「それじゃ、いくぜぇ?“テストモード キドウ”ってな」
「……はい?」
「……よーい、ドン!」
 今のは何だったのだろう。
 考える間も勿体ない。シンヤはスラスターを吹かした。
 急加速によるGで胃が引き絞られるが、今日は逆流するまでに至らなかった。
どうやら酔い止めが効いているらしい。
 未だ残る酔いも、AACVの高速移動の浮遊感に紛れて気にならない。
 イケる。シンヤは敵機を睨んだ。
 オカモトの青い機体は大きく旋回しつつこちらをロックオンしようとしている
ようだ。
 しかし彼女の盲目故か、その軌道は地面を舐める平面的な動き。
 グラウンド・ゼロならDクラス、Eクラスの初心者の動きだ。
 距離を離しつつ冷静になって観察すると、昨日、レベルの差を感じた自分が信
じられない。
 だって、負ける相手じゃないのだから!
 唇を舐める。
 シンヤは背面スラスターを点火、空中へジャンプした。
 右肩のスラスターを左下へ向かって吹かし、高速で地面へ。しかし着地する前
に左腰部のスラスターを吹かして前進しつつ、右方向へ地面スレスレを飛ぶ。
157グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:49:05 ID:k1BUSMiU
 右足で地面を蹴り、また右肩のスラスターを左下へ向かって吹かす。
 AACVの最大の特徴、戦車等の装甲戦闘車両が対応できない高速三次元機動
戦闘の基本となる、三角形軌道だ。
 これが出来ることが、AACVが“次世代”装甲戦闘車両たる所以でもある。
 なんだ。慣れれば大したことはない。嵐の日にボートに乗っているようなもの
だ。
 シンヤは不思議な高揚感を感じていた。
 今俺は、AACVを乗りこなしたんだ!
 口元がにやける。ヤバい、楽しい!
 いとも簡単に敵機の背後をとる。
 オカモトも察したようでバーニアを吹かして急速旋回。
 しかしその照準は全く正確でない。このままの動きを続ければまず当たらない
。そう確信できるほど。
 シンヤはスラスターの出力を上げ、三角形軌道から大きく外れて、高速でオカ
モトの側面に回る。
 サーフィンのような、流れに乗る感覚。
 トリガーを引いて、感覚の赴くままに敵機の脚部を撃つ。青い装甲がピンクの
血を流す。
 さらに相手が振り向く前に再び背後をとり、射撃。
 弾は全て命中した。
 シンヤはその時にはもう何も考えていなかった。
 まるでリズムにノってダンスを踊るように、動きが思考を置いてきぼりにして
いた。
 この感覚、前に――
「ストップ!」
 いきなり耳元で大声をたてられ、ビクリとする。
 操作を誤り、バランスを崩した。
 横からの衝撃で全身を打ち、同時に鋼鉄のぶつかる音でシンヤは機体が転倒し
たことを知った。
 幸いプロテクターと固定具のお陰でさして痛くはなかったが、操作レバーを動
かすのに手間取り、機体を立ち上がらせるのに少し時間がかかった。
 その間に通信が入る。
「なかなかじゃねーか。これなら、良いな。お前本当にCクラスかよ?」
「まぁ、そうですけど。」
「大きすぎる……修正が必要だ……」
「……はい?」
「良い動きだったぜ、ってこと。」
「はぁ」
 なんで残念そうな声なんだろうか、タクヤは。
 ハッチを開け、固定具を外す。シートの上に立つと、クラリと立ちくらみがし
、落ちないように慌てて装甲の縁に手をついた。



 その様子を別室のモニター越しに見ていたタクヤは、椅子を回転させて後ろを
向く。
 腕を組んだアヤカ・コンドウがそこに居た。
「……で、どんな感じすか。」
 タクヤはアヤカに問う。
「昨日の結果ではとても使えそうになかったけれど、これなら十分ね。」
「そすか。」
158グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:49:51 ID:k1BUSMiU
 アヤカはタクヤに視線を向ける。
「何か言いたげね。」
「気のせいっすよ。」
「そう」
 タクヤはまたモニターに向かった。
 通信機のスイッチを入れる。
「はいゴクローさん。……と言いたいが、これで終わらせる気など初めから無い

 シンヤの間抜けな「へ?」という声。
「騙して悪いが、仕事なんでな。次に回避行動の訓練に移ってもらおう。」
「また乗るんですか!?」
「このネタ二度目だよな。」
「いや知りませんけど、これで終わりじゃないんですか。」
「まーねー。ま、頑張れ。死にたくないだろ?」
 明るく言ってやると、シンヤは黙った。
「んじゃ、モニターしてるから。まずはロックされにくい動きからな……」



 アヤカはそれから数分の間、再び通信機越しに指示を始めたタカハシの背を眺
めていたが、その内にインカムを耳に当てた。
 通信先を弄り、接続する。
 繋がった。
「失礼します。こちらは幽霊屋敷特別職員のアヤカ・コンドウです。少々お時間
よろしいでしょうか?」
「何だ」
 低い男性の声。
 老人のものだ。
「たった今シンヤ・クロミネの二度目の模擬戦闘が終了しました。結果から申し
上げますと、即実戦に出せるレベルです。」
「AACVに乗った回数は」
「まだ二回です。」
「二回目でそのレベルか。」
「はい。通常Aクラスプレイヤーでも実戦レベルになるには一週間、早くても四日
かかりますが、彼は二日でそのレベルに達しました。」
「なるほど。これはやはり……」
「やはり、そうなのでしょうか。」
「模擬戦闘だけで判断するのは早計だがな。しかし、もう良いだろう。」
「では、地上に?」
「ああ。もし本当にそうならば、少しでも長くAACVに乗せた方が良い。しか
しまだ直接戦闘はさせるな。」
「了解しました。では、二時間後にそちらに映像と解析データを送らせていただ
きます。」
「ああ、頼む。」
「では、失礼いたします。」
 通信を切る。
 いつまでたっても、あの老人と話す時は緊張してしまう。
 眉間を押さえ、ファイルを開いた。
「……そんなもの、負け犬の言葉よ。」
 アヤカはひとりごちた。
 開いたファイルのページには『Gifted』の文字があった。



「はい訓練終了。おっつかれるえ!」
「耳元で大きな声出さないでください。」
 頭が痛い。
 酔い止めの効果は絶大だった。
159グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:50:57 ID:k1BUSMiU
 訓練中、昨日の酔い以外の更なる酔いは全く感じられなかった。医学万歳。
 再びハッチを開け、立つ。
 ヘルメットを脱いで、大きく鼻から息を吸いこんだ。硝煙の匂いが僅かに
鼻を刺激する。
「んじゃ、後片付けはこっちでやっとくから、シャワーでも浴びてきな。」
 返事をしつつ、ワイヤーで床に降りる。
 少しフラついた。
 ふと見ると、少し離れたところのオカモトも、杖を持ってAACVから降りる
ところだった。
「オカモトさん」
 声をかけるとオカモトは気づいたようにこちらに顔を向ける。
 つい手を振ろうとしてしまった。
「お疲れさまでした。」
 そばに歩み寄る。
 彼女はヘルメットを外し、お辞儀をした。
「お疲れさま……です、クロミネさん。凄かったです。」
「オカモトさんこそ、目が見えないのにあれだけ動けて、凄いよ。」
 二人は自然と出口へ向かって歩みはじめる。
「一体どうやって?」
「えと、それはですね……」
 オカモトは脇に抱えたヘルメットをこちらに差し出す。
 受けとると、自分のものとは微妙に形状が違うことに気づいた。
「カメラとか、そういったものを取り払って、代わりに集音機能を強化してある
そうです。ヘルメットが違います……よね?」
「確かに違うね」
「立体的な音が聞こえるので、どこに何があるか、それでわかるんです。あんま
り周囲がうるさいとわからなくなりますけれど。」
「へぇ。なんかアレみたいだな。」
「アレ、ですか?」
「ほら、時代劇の主人公でさ、盲目で、凄腕剣士の。」
「座頭市……ですか?」
「そうそれ。カッコいいよ。」
「すいません、座頭市はあまり詳しくは……」
「大丈夫、俺も良く知らない。」
 シンヤのその言葉に、オカモトはクスクス笑った。
 笑顔になると、彼女の重苦しい雰囲気が薄れたような気がした。
 テストルームを出て、やがて更衣室前へと差し掛かる。
「それじゃあ……これで。」
「お疲れ。また訓練やる時はよろしくな。」
「ええ。……訓練なら、いくらでも。」
 そうして彼女は女子更衣室へと消えた。
 自分は男子更衣室に入り、パイロットスーツを脱ぐ。
 ベンチに腰かけると、はっきりと酔いが感じられた。微妙にテンションが高く
なっているのはこのせいか、と今更ながら自覚する。
 ああ、寝たい。三半規管を休ませたい。
 タオルで体を拭いていると、知らぬ間にかなり汗をかいていたことを知る。
 シャワーを浴びなければ。
 シンヤは立ち上がった。


160グラウンド・ゼロ ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:52:43 ID:k1BUSMiU
 学校も終わったが、家に帰る気分にはなれなかった。
 リョウゴは駅前広場の花壇に腰かけ、ぼんやりと道路を行き交う自動車たちを
眺めていた。
 時間はもう夕方で、街は暗くなりかけている。
 トラックが視線の先を横切ると、今は亡き友人の顔がどうしても浮かぶ。
 はねられる姿を想像してしまう。
 あんな酷い状態になるなんて、一体何があったのだろう。
 はねられて、それで……。
 リョウゴは俯いて、目をこすった。
 悲しくなる。だけど、動きたくない。
 いつも通りモノレールに乗って家に帰ってしまったら、シンヤのことを考えな
い時間を一秒でも多く経験してしまったら、その分この悲しみは薄れていくに違
いないのだ。
 そしてその内、声も、顔も思い出せなくなる……。
 そんなの、悲しすぎる。
 一秒でも長くアイツのことを覚えてやることが、自分なりのシンヤに対しての
友情の表し方だと、そうリョウゴは思っていた。
 体がぶるりと震える。
 段々寒くなってきた。
 明日は休日で、四連休の初日だ。
 そして、シンヤの告別式の日でもある。
 腕時計で時間を確認する。
 ひび割れたガラスのそれがリョウゴの腕に馴染むにはもう少し時間がかかりそ
うだった。
161 ◆tH6WzPVkAc :2010/05/06(木) 18:59:42 ID:k1BUSMiU
今回はこれで終わりです。
感想が中々描けなくて本当すいません。


↓オマケ GW中に描いたAACV スキャナー欲しいなあ
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/510/2010050423040001.jpg
162創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 21:24:11 ID:ZuYOeM5n
>>161
 投下乙です! またACネタがwww なるほど、タクヤがイレギュラーを排除しに来るんですね、わかりますw
 しかしタクヤが残念そうなのが凄く引っ掛かりますね。Gietedとやらと何か関係があるんでしょうか。
 そしてリョウゴが本当に気の毒です。彼にはシンヤの分まで幸せになって欲しい……。

 AACVかっこいいですね、腕の可動域がしっかり確保されてていい感だと思いますw

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
163創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 21:49:28 ID:+PLrBvi6
GJです!
AACVのコンピューターのグレードが電子音声のローグレードなのはよく判った!

主人公の突然の開眼(?)、気になります。
AACVのデザインは、私はボダブレのエッジ・シリーズを連想しました。

私も次回を楽しみにしていますね。
164創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:02:28 ID:ZuYOeM5n
 そういえば、今日規制解除された人ってどれくらいいるんですかね?
165創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:04:41 ID:DkYTHDtd
test
166創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:10:25 ID:DkYTHDtd

>>161
投下乙です!

またACネタかwwwwいいぞもっとやれw これでガチ装甲AACVがd(ry
オカモトさん、強化人間になって神経接続はいかが(ry

リョウゴ……
シンヤ君は愛されていたんですなぁ……友情的な意味で。
腕時計が悲し過ぎる……

絵、なんかスーパーシミターのような感じっすね。
ACが脳裏にあったんで、イメージと違いました。
次回も待ってますね!
167創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:13:46 ID:E3EFB4cm
>>161
投下乙です!

何この主人公チート?俺は楽しんでいるので良いのですが。
『Gifted』、天啓とかそう云った意味でしょうか?これが何を意味するのか、僕には想像が付かないですけれど、何となく引っ掛かりますね。
それにしても>>160きついです……友人を喪った哀しみはそう簡単に無くなるものではないでしょうけれど、
「失いたくない」と思う気持ちがまた……

AACV、僕の想像とは全然違いましたね。どう、と云われると表現しにくいのですが……
これが動いていると云うのを頭に叩き込まなければいけないようです。
168創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:44:12 ID:ZuYOeM5n
 大体の主人公は何かしらチート能力持ってるもんですってw

 アムロさんとかアムロさんとかアムロさんとか……ガクガクブルブル。
169創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:48:01 ID:3Q1smebz
>>161
投下乙!
シンヤに一体何の才能が……タクヤの反応を見るにあまりいい事はなさそうだけれど、果たして……
リョウゴはやっぱりいい奴過ぎる。彼が厄介事に巻き込まれない事を願ってやまないぜ……

>>168
君も数え歌の被害者か……
170創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:50:38 ID:DkYTHDtd
ニュータイプ+試作型・新型機=狂気の沙汰
171創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:52:52 ID:ZuYOeM5n
>>169
 超反応の犠牲者でもあります……。

>>170
カツ「そう思っていた時期が、僕にもありました」
172創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:55:37 ID:DkYTHDtd
よそ見なんかするからァー!
173創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:56:27 ID:3Q1smebz
>>171
いやお前の機体はGディフェンサーじゃねぇから!Gディフェンサーのコクピットブロックだから!

……新型には変わりネーナ
174創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:57:29 ID:DkYTHDtd
気をつけろ MSは急に 止まれない
175創る名無しに見る名無し:2010/05/06(木) 23:58:56 ID:ZuYOeM5n
カツ「じゃあスペースファイターのコクピットブロックは急に止まれるっていうんですか!」
176創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:00:30 ID:XpL5J4bz
てか、MSは割と急停止してないかw
177創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:02:43 ID:O3ZwjX4L
 クイックターンなんて日常茶飯事だよ!
178創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:03:23 ID:gmYyTOf5
じゃあ、なんでぶつかった! まさかMS世界の隕石はAC世界の河童と同意義だというのか!
179創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:07:01 ID:XpL5J4bz
そりゃカツがアホなだけだw
180創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:07:47 ID:gmYyTOf5
ひでぇww
181創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:10:50 ID:O3ZwjX4L
 あと禿のマイナス補正の賜物ですねw
 しかも新訳でも死因変わらなかったカツカワイソス。
182創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:12:16 ID:XpL5J4bz
まあ、カツだs(ry
しかしスパロボZのカツの使いやすさは何だったんだ一体w
183創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:16:12 ID:O3ZwjX4L
 それでも僕はジョゼフ・ヨットを使うよ!
 ……何故私は奴をリ・ガズィに乗せて無双させたし……。
184創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:16:34 ID:gmYyTOf5
ホラー映画とか戦争映画でノッてる奴は大抵あっさりと(ry
185創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:20:31 ID:O3ZwjX4L
 つまり私は真っ先に死ぬと、君は!
186創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:23:25 ID:gmYyTOf5
こんなスレに居られるか! 俺は自分の部屋に帰るぞ!
187創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:24:00 ID:XpL5J4bz
いや、確実にあんたは最後まで生きのこるタイプだw
188創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:25:34 ID:XpL5J4bz
>>186
あんたもフラグ立てんなw
189創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:27:00 ID:gmYyTOf5
……ん? 脅かすなよ……ただの黒ネコか
190創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:28:39 ID:O3ZwjX4L
 やったぜフラン!
191創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:30:38 ID:XpL5J4bz
戦場でな、恋人や女房の名前を呼ぶときというのはなぁ!瀕死の兵隊が甘ったれて言うセリフなんだよ!
192創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:45:03 ID:gmYyTOf5
ゲイナーのことかー!
193創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:52:51 ID:O3ZwjX4L
 シャアの事かー!
194創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:53:19 ID:0aw2FsIR
ドモンの事かー!
195創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:56:00 ID:XpL5J4bz
ガロードの事かー!
196創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:57:05 ID:O3ZwjX4L
 ソードビッカー!
197創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 00:59:56 ID:XpL5J4bz
剣は投げ捨てるもの……
198創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:01:13 ID:gmYyTOf5
マモリタイセカイガアルンダー
199創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:06:09 ID:JG/XWEeD
>>181
小説版の「敵MSにぶん殴られて、浮遊物にぶつかって、また戻ってきた所を再度殴られて、コクピットの中でトマトジュース」
とどっちが幸せかは
200創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:15:12 ID:O3ZwjX4L
>>198
 そんな事言われたら種死のSS書きたくなっちゃうじゃないかー!

>>199
 どっちも不幸せなんじゃw
201創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:23:38 ID:YMHpcEjT
>>198
似た台詞云う奴がいるから困るwwww
202創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:25:50 ID:O3ZwjX4L
 なーに、台詞なんて言う人によって重みは変わりますってw
 というかあの台詞は、言い負かされて苦し紛れに言ったようにしたか聞こえないのが問題だと思うんですヨ。
203創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:26:32 ID:gmYyTOf5
チョットウチュウマデイッテクルー
204創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:28:08 ID:O3ZwjX4L
 Mr.President!?
205創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:38:45 ID:gmYyTOf5
あの装甲服が欲しくてたまらないのは自分だけじゃないはず
206創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:40:09 ID:XpL5J4bz
そもそもあの作品は全体的に台詞に脈絡がないからなぁ
事前にこの世界が好きなんだ、って描写なり台詞なりあれば良かったんだろうけど
207創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:45:26 ID:O3ZwjX4L
>>205
 着心地どんな感じなんでしょうねw

>>206
 伏線? 知るかバカ、そんな事より801だ! な脚本ですので……。
 反面教師としては非常に優秀ですよね。
208創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:47:58 ID:gmYyTOf5
>>207
でもだめだ。
だって大統領魂が足りていないもの……




なにかモワモワとしてドス黒い気を感じるぞ……w
209創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:48:39 ID:XpL5J4bz
いいシーンはそれなりにあるのに、前後が酷いからなぁw
改変したくなる人が多いのもよくわかる
210創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 01:51:21 ID:O3ZwjX4L
>>208
 よろしい、ならばRed Rideを聞きながらチャリで全力疾走する権利をやろう!

>>209
 本当に惜しい作品ですよね、予算とかスタッフとか凄く豪華でしたし。
211創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:00:50 ID:XpL5J4bz
椛島……

しかしオルさんついにおっさんにまでなるとは。これはなごみんも対抗するべき
212創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:01:36 ID:1MhvAtqF
なごみんをおっさんにするとな!?
213創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:04:04 ID:gmYyTOf5
そういえば男性化メリッサっていたなぁ…
214創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:05:51 ID:O3ZwjX4L
 おっさん顔で「わち」とか言われても反応に困るんですがw
215創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:08:11 ID:XpL5J4bz
性転換したタナカさんが美人だったのが忘れられないw
216創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:09:43 ID:O3ZwjX4L
 私は性転換したオヤジさんが忘れられません……w
217創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:13:04 ID:gmYyTOf5
オヤジさんはツナギ着たきょにゅー美人……タナカさんはワンピースか和服の似合う黒髪ヤマトナデシコ風ですものね……エリアーヌは(電波が乱れました
218創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:15:22 ID:XpL5J4bz
オヤジはてっきり化粧の濃いババァになるかと思ったらそんな事はなかったぜ!
219創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:17:23 ID:gmYyTOf5
まぁ、ぶっちゃけネタなのであまり深く考えて(ry
220創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:19:22 ID:XpL5J4bz
他作品でTSやったらどうなるんだろうw
221創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:20:24 ID:gmYyTOf5
PBMが世紀末覇者の闊歩する作品に!
222創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:22:36 ID:XpL5J4bz
なるほど遥さんは世紀末覇者になるのか……w
なんかライが凄く可愛くなりそうな予感
223創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:23:36 ID:gmYyTOf5
リタ「俺の名前を言ってみろ!」
224創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:25:51 ID:O3ZwjX4L
 そしたら多分まどかさんが超イケメンになりますねw
 え? 遥さんと珍獣? ぶっちゃけあんま変わらないんjジョインジョインハルカァ
 いや、いつまでも変わらない美しさとかそういう意味dテーレッテー
225創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:28:37 ID:O3ZwjX4L
>>223
 サマになってるから困る(普段の言動的な意味で)。
226創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:32:26 ID:XpL5J4bz
珍獣の言動はいつも唐突だからなw
むしろ唐突じゃない珍獣は珍獣やない、ただのロリや
227創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:35:47 ID:O3ZwjX4L
 思考がボソンジャンプしますからね、あの娘w
 だがそこがいい。
228創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:41:08 ID:XpL5J4bz
ある意味最大のシリアスキラーだよ、あの珍獣はw
229創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:43:24 ID:gmYyTOf5
シリアルキラーかと思ったら違ったw
230創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:46:15 ID:O3ZwjX4L
 シリアルキラーがオルトロック。
 シリアスキラーが珍獣。
 シリアナキラーがショタトロック。
231創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:46:40 ID:gmYyTOf5
だれうまwwwwww
232創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:49:03 ID:XpL5J4bz
>>230のせいで眠気吹っ飛んだじゃねーかwwwwwww
233創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:50:50 ID:O3ZwjX4L
 正直すまんかった。
 だ が わ た し は あ や ま ら な い !
234創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:55:07 ID:gmYyTOf5
謝らなくていい     いいぞもっとやれ
235創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 02:57:48 ID:XpL5J4bz
この野郎www
236創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 10:13:27 ID:O3ZwjX4L
 ガンガンEXのロケテが気になって気になって夜しか眠れません。
237創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 15:53:53 ID:XpL5J4bz
そんないつもと変わらない日常を送っているあなたに!

ttp://fx.104ban.com/up/src/up17000.jpg
ttp://fx.104ban.com/up/src/up17001.jpg
238創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:04:54 ID:O3ZwjX4L
 運命がいない……だと……!?

 ケルディムかっこいいのぅ、フルアーマーZZかっこいいのぅ、ヅダかっこいいのぅ、スカルハートかっこいいのぅ、サイサリス(ry
239創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:09:05 ID:XpL5J4bz
待て、スカルハートはX1改・改だw
240創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:12:09 ID:Bz2T2kOv
ガンダァーム!
241創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:13:15 ID:O3ZwjX4L
>>239
 失礼、興奮して間違えてしまいましたw
 F97全機出たら俺、神様信じちゃう!
242創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:16:38 ID:XpL5J4bz
じゃあ金ジム出たら、俺、神様信じちゃう!
243創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:17:02 ID:Bz2T2kOv
( ´神`)<ヴァリアブル・インフィニティを買うんだ……
244創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:18:54 ID:XpL5J4bz
社長、ガンガンEXとV.I.に何の関係があるっていうんです?w
245創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:19:49 ID:Bz2T2kOv
( ´神`)<……ガッ、ガッチターン
246創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:20:42 ID:O3ZwjX4L
>>242
 金ジムなんか出たら持ち機体にしちゃうよ!

>>243
 ACER買います社長。
247創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:24:03 ID:XpL5J4bz
そういやストフリのデザインがMG準拠になってるなw
248創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:27:00 ID:O3ZwjX4L
 エクシアR2が出てきてくれたら、俺(ry

>>247
 ザク改がHGUC準拠じゃなくて本当に(ry
249創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:34:39 ID:XpL5J4bz
ザク改がHGUC準拠だったらブーイングってレベルじゃねぇw

なんでHGUCのザク改はあんな事になったんだ……
250創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 16:43:31 ID:O3ZwjX4L
 ザク改は犠牲になったのだ……。

 プレイ動画が上がり始めてますね。なんか挙動がクイックブーストっぽくなってるような……。
251創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:00:19 ID:XpL5J4bz
つか爆発エフェクトが絆っぽくなってないかw
252創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:04:08 ID:/SpV5r69
書きあがった事だし、投下しようと思うんだけど、そろそろ本スレに投下したいよねとか思いつつ
どうせ規制解除なんてされてねーんだろうなーべ、別に期待なんかしてないんだからねとか思うけど
いい加減に規制解除されているよねという一抹の願いと、いい加減に規制解除しろよコノヤローという怒りを胸に今必殺の


て す と
253創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:05:28 ID:O3ZwjX4L
 支援しますよ!
254創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:06:48 ID:XpL5J4bz
www

支援は任せろw
255GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:08:37 ID:/SpV5r69
どうせ解除されて無いと思って、アホな事書き込んだら規制解除されていて若干怯え気味です。こんにちは。
GEARS16.5話の投下を開始致しますので、ご支援の程、宜しくお願い致します。
256創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:09:20 ID:O3ZwjX4L
 織たん支援イィヤッホォォォゥ!!
257創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:10:01 ID:XpL5J4bz
久々の支援だ!
258創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:10:44 ID:O3ZwjX4L
 
259創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:11:13 ID:XpL5J4bz
 
260創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:12:04 ID:XpL5J4bz
 
261創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:12:45 ID:XpL5J4bz
 
262創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:13:26 ID:O3ZwjX4L
 
263GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:14:07 ID:/SpV5r69
ごめんなさい。メッセージ長過ぎと怒られてしまったので、文章整理してきますorzサーセンサーセンorz
264創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:14:46 ID:O3ZwjX4L
 了解しました、楽しみに待ってまsイィヤッホォォォゥ!!
265創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:21:11 ID:XpL5J4bz
師匠落ち着けw
266GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:23:31 ID:/SpV5r69
今度こそ準備が出来ましたので、改めて投下を開始致します。
267創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:24:35 ID:O3ZwjX4L
 織たんの出番ですよ! これが落ち着いtイィヤッホォォォゥ!!
268創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:25:02 ID:XpL5J4bz
 
269GEARS16.5話 1/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:25:06 ID:/SpV5r69
紅眼種。常人とは一線を画す強靭な肉体を持つ限りなく人間に近い種族の呼称だ。
ほんの少し普通の人間と身体の構造が違うとか、能力を使うと眼が紅に染まるという違いがあるが
社会的には一応、人間としてカテゴライズされている。気違い染みた奇麗事や精神論では無く
紅眼種が人間であると認めざるを得ない事情があるからだ。

紅眼種夫婦の間に生まれて来る子供が必ず、紅眼種とは限らない。
寧ろ、普通の人間が生まれる確率の方が高く、普通の人間の間に紅眼種が産まれる事も珍しくは無い。
現に俺の家族や親類縁者は全員、普通の人間で、この俺―矢神玲、ただ一人だけが紅眼種だ。
一応、拾われた子供だとかって事実は無い。そもそも、最初から紅眼種だったわけじゃないしな。
俺が紅眼種になったのは今から10年前、7歳の時に交通事故に遭い死に掛けた事が原因だった。

トレーラーに跳ね飛ばされ、地面に叩きつけられ朦朧とする意識の中で子供心ながら死を確信した。
確信はしたものの、納得をしたわけじゃない。死ねと言われて分かりましたなんて子供だって言わない。
自分が生きるのに、死を拒否する事に理屈なんざいらねぇ。

だから、俺は死にたくない一心で、必死に意識を繋ぎとめていた。
そして、迫り来る死神の腕を跳ね除け、現在、高校生としての日々を謳歌しているというわけだ。
俺の命を繋ぎ止めたのは医療の力では無い。そして、俺のゴキブリ並の生命力のお陰でも無い。
病院に担ぎ込まれた時、既に俺の命はとっくに峠を越え回復に向かっていた。この紅い眼のお陰でな。

俺は命と引換えに普通の人間で無くなったわけなんだが、この眼が如何して俺に宿ったかは分かんねぇ。
紅眼が備わった原因なんて人其々で、生まれ付きの奴や俺みたいに何かの切欠で紅眼になった奴もいる。
語弊の無い様に言っておくが、死に掛けたり、死の淵から逃れようとすれば紅眼になれるってわけじゃない。
それで紅眼になれるんだったら今頃、病院じゃ紅眼が大量発生している頃だろうよ。よく分かって無いのが現状だ。

偶に勘違いした馬鹿な奴がギリッギリで死なない程度の怪我を負って、紅眼になれないまま後遺症に苦しんだり
最悪、そのまま、おっ死んじまう奴がいる。真似する奴は滅多に居ねぇとは思うんだが、万が一って事もあるからな

それじゃあ、話を元に戻そうか。

紅眼を手に入れた直後の俺は…まあ、タイムマシンがあるんだったら、今すぐでもぶっ殺してやりたくなる程
手の付けられない、どうしようもない捻くれたクソガキだった。はっきり言って、穴があるなら生き埋めにしてぇ。

紅眼の力で強靭な肉体を得た俺に敵う奴なんて同級生は勿論、上級生にだって一人も居なかった。
時には逆恨みされて闇討ちを喰らった事もあれば金で雇われたチンピラどもに囲まれた事だってある。
勿論、一人残らず半殺しにしてやった。

武術、喧嘩、運動、素質、努力、人数、何をやっても俺の強さに着いてこれる奴なんて一人もいやしない。
ガキの内からそんなもんだから、年齢に比例して傲慢さもハイスピードで駆け上がっていくわけだ。
だけど、いつまでも猿山の大将を気取っていられるってわけでも無ぇ。どんな奴だって挫折の一つくらいはある。

俺にとっての初めての挫折は高校の入学式直後の部活勧誘の日に味わう事になる。
ドイツもコイツも俺が紅眼種と知ると何がなんでもと言わんばかりに勧誘しに来て、鬱陶しい事この上無かったもんだ。
ま、俺は何処ぞの優等生の皮を被った凶暴な銀髪とは違うからな。キレる事無く、大人の対応をしたけどな。
第一、ありきたりな部活は中学の時に潰したというか制圧したというか、まあ…その、何だ。飽きてたんだ。
それに宋銭高校と言えば、州立高校でありながら大規模なスポーツギア部を抱えている事が一番の特徴だ。

だから、俺は勧誘しに来た奴等を蹴散らし、スポーツギア部の扉を開いたってわけさ。
俺が真っ先に志望したのは搭乗者の動きを忠実に再現する操作形式MotionLink Control Interface:通称MCI。
コイツを積んだギアの個人戦の選手だ。ロボットを俺の手足の様に動かす事が出来るってのは面白いだろうと思ってな。

当時の俺は恥知らずで負け知らずの、怖いモン知らずだったからよ。
ついつい、調子に乗って大口を叩いてしまったんだわ。詳細については想像にお任せするよ。
これ以上に無い程、人生の恥部を晒している最中だし、隠す必要も無いんだが…割と最近っちゃ最近だろ?
当時の事は反省しているので、これ以上は勘弁して下さい。ごめんなさいって気分なんでな。
270創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:25:32 ID:O3ZwjX4L
 落ち着いて支援。
271GEARS16.5話 2/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:25:52 ID:/SpV5r69
それで当時の部長さんにカンカンに怒られた上に日が沈むまでギアでボコられちまった。
シミュレーターでの話しなんだが、限りなく現実に近付けられているもんだから
打撃を受けた時の衝撃はコクピットの中に直接響くわけよ。それが半日も続くとどうなるか分かるか?
脳味噌はグラッグラで、マシンの中と俺はゲロ塗れで流石の俺も半ベソでワビを入れたもんさ。

それからの俺は心を入れ替えたってわけじゃないんだが、中学の時に比べて少しだけ大人しくなった。
別に部長にビビっていたわけじゃない。産まれて初めて負けた事に驚いていたというか混乱していた。
ガキの時に紅眼になって、その日まで負け知らずで来た俺が何の変哲も無い普通の人間に負けたんだから
驚天動地?青天の霹靂?意味が分かって言っているわけじゃないが、フィーリング的にはそんな感じだ。

初の敗北を経験した俺は大人しく部長に扱かれまくって区大会、市大会と初出場で優勝。
部長に負けてから暫く、人を見下す事が無くなったんだが、俺も大概、馬鹿だからな。
実は市大会で優勝した辺りから、また天狗になりかけていたんだよ。

だってよ、普通の人間、紅眼、部長以外で俺に勝てる奴は一人としていやしない。
本当に恥ずかしい話なんだが、俺は強い。部長はもっと強い。他はゴミクズって思うようになっていたんだよ。

天狗になったまま迎えた州大会で、思い上がった性根を諌めろと言わんばかりに運命的な出会いが俺を待ち受けていた。
いつも通り適当に雑魚どもを蹴散らしながら決勝まで駒を進めて、普段通りに優勝する筈だったんだが
久方ぶりに地面と辛酸を舐める事になった。俺にそうさせたのが八坂州の王者、岸田学園の月島静丸だ。
はっきり言って実力は部長よりも遥に上だが、以前に部長に負けた事が良い方向に動いていたんだろうな。
見るも無残な敗北だったが、そんなに悪い気分じゃなかったんだよ。
それどころか、人間ってのはスゲェって、改めて心から素直にそう思えたからだ。

どんなに強くなっても世の中には何故か、一人か二人くらい如何しても勝てない奴が居る。
俺にとって如何しても勝てない相手ってのが紅眼種では無く、文字通り極普通の人間。
スポーツギア選手になってから、俺の戦いは常に普通の人間が中心となって動いている。
此処まで来たら人間の事見下す事も馬鹿にする事も出来なくなっていた。

こんな感じの日々を送っていく内に俺は負ける事も悪くは無いと思うようになっていた。
何故かって?今まで最強だと思っていた俺を軽々と叩きのめす連中を見ているとな
鍛えりゃ同じ所に、もっと上に、更に上に、俺の強さはまだまだ限界を迎えていないってな。

俺も頭が悪いなりに考えに考えたもんさ。今より、もっと強くなるには如何すれば良いのかってな。
自分が如何強くなりたいのかって具体的な目標は既に二人居る。今となっちゃ、片方は卒業しているから一人だけどな。
そして、俺が強くなるにはもう一人、別の役割を持った奴が必要だ。

―互いに競い合い、高め合えるライバルの存在だ。

だが、いざ探そうと思ってもコイツが中々に難しい。実力も成長速度も均衡していて
尚且つ、コイツよりも上でありたい、認められたいと思える人間性を持った奴でなければならない。
と条件を付けたは良いものの…良いライバルってのは嫁探し…いや、それ以上に難しい。

女作るのと違って誰彼構わず、声をかければ良いってわけじゃない。
相手に求める条件に妥協は絶対に許されないが、そんな相手が都合良く居るわけじゃない。
自分にとって良いライバルが居るってのは幸せな事だ。人とのめぐり合わせに感謝しろよ?

俺は感謝しているんだぜ?ライバルが欲しいと思った数ヵ月後に出会う事が出来たんだからな。
ライバルの名前は守屋一刀。遥か古、まだ世界が分かれていた頃、俺達の祖先、倭国を守護し続けて来た一族。
紅眼よりも化物染みてはいるが、一応、ギリギリで普通の人間。実はひ弱なボンボンのお坊ちゃまだと思っていた。

だが、守屋の戦いぶりを初めて見た時は、流石の俺でも爆笑するべきなのか苦笑するべきなのか迷ったもんだ。
素人とは思えない程、出鱈目に鋭い攻撃を繰り出すくせに斬り返しはお粗末で、攻撃以外はてんで駄目。
だが、一番笑えるのは守屋の操縦技術の歪さじゃ無い。機体特性を完全無視した自分の身体能力頼りの攻撃。

―これな、まんま去年の俺と同じなんだよ。
272創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:26:25 ID:XpL5J4bz
 
273創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:26:30 ID:O3ZwjX4L
 
274GEARS16.5話 3/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:26:38 ID:/SpV5r69
スポーツギアは新世代のモータースポーツだと言う奴が居る。まあ、間違いじゃないが正解でも無い。
機体の操縦をプログラムによって制御するSCI搭載ギアは確かに、その通りだろうよ。
だが、MCI搭載ギアは違う。生身と機械の身体を融合させた何でもアリの次世代型総合格闘技だ。
身体能力、機体性能の両立が出来て初めて、スポーツギアは完成する。

残念な事に守屋みたいに身体能力に優れた奴、俺みたいな紅眼種はなまじ身体が完成しているせいで
機体性能を引き出す事を疎かにするどころか完全にシカトする傾向が非常に強い。だから、アイツは弱いんだ。

確かに身体能力任せで戦っても並大抵の奴には勝てるんだよ。身体能力だけじゃなく踏んだ場数も違うしな。
だが、上に行けば上に行く程、MCIの扱いを理解している連中が相手になると、それが通用しなくなって来る。
身体能力が劣っていても、メーカーが想定した通りに機体の性能を引き出す事が出来る奴の方が有利だしな。
強いだけでも、上手いだけでも駄目。何事もバランスが一番大事って事さ。

守屋の間違った操縦方法さえ矯正すれば大化けすると確信した俺は、守屋を俺のライバルに相応しい
実力を身に付けさせる為に戦いの中で鍛える事を決めた。諸事情により、その役割は織に譲る事になったがな。
そして、州大会で俺はトーナメント表を見て随分と悩んだ。いや、見る前から悩み考えに考え続けていた。
俺には今年の州大会で三つの望みがあった。

1つ、守屋と本気でぶつかり合い、今の守屋の実力を測る事。
2つ、守屋を月島と戦わせ、俺以上に巨大な壁の存在を知らしめる事。
3つ、去年からの俺の悲願、月島を打倒する事。

守屋を倒さなければ月島と戦う事は出来ないが、守屋を倒してしまったら、月島と戦わせる事が出来ない。
準決勝が始まっても俺は悩みを抱えたまま守屋と対峙する事になり、結果的には守屋に勝ちを譲る事になった。

12月24日、聖誕祭前夜という事もあって街並みも人波みも何処となく華やいで見えた。
誰が生まれて、何がおめでたいのかはよく分からないが、まあ、そんなノリが許される行事らしい。
昔の人間の考える事はよく分からんが、一応は世間の波に乗らなきゃなぁと思った独り身の17歳。

共に一夜を過ごす相手のアテなんて両手に余る程居るが、そういう気分にもなれず
普段から世話になっているという事もあって織を連れて、行き着けのバーに来たわけなんだが…

「矢神、まだ月島の事を拘っているのか?」

やっぱり話題は其処に行き着いてしまう。何と無くだが、織も州大会の結末を引き摺っていたのは感じていた。
馬鹿騒ぎ出来ればと思っていたんだが、酒の力を借りても、こういう話になるとはなぁ…
どうすれば織を納得させる事が出来るのやら…誰でも良いから俺に説得力をくれ。

「会場でも言っただろ?心残りが無いわけじゃないが、その分、守屋が強くなってくれりゃ良い。
月島さんは3月で卒業。あの人が居なくなったら、俺は一体、誰と張り合っていけば良いんだ?」

「…そう…か。」

「守屋も俺が手ぇ抜いてたって事に気付いた頃だろうしな。まだまだ強くなるぞ、アイツは。」

織が納得のいかないという表情で俺を睨んでいるのか、見つめているのかよく分からない表情をしている。
お前がそんな表情しなくても納得していないのは分かっている。俺だって完璧に納得したわけじゃ無い。
八坂州最強のMCI搭載ギア乗り、月島静丸。去年と比べて俺が奴と何処まで戦えるか試してみたかった。
そもそも、強くなった理由が月島さんをぶっ倒す事だったわけだしな。ある意味、俺と守屋の関係に近いかも知れない。

「なあ、織。」

「酸味強め、ウォッカベースのフェザーにしてくれ。」

おかわり要るか?って聞きたかったわけじゃないんだが…ま、良いか。ギア云々ってのは休みだ。
最初から純粋に聖誕祭の夜を織と楽しむと決めていたわけだし、偶には真っ当な高校生らしく楽しむのも良いさ。
275創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:27:08 ID:XpL5J4bz
 
276創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:27:19 ID:O3ZwjX4L
 
277GEARS16.5話 4/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:27:25 ID:/SpV5r69
「ああ、そうだ。矢神。」

「何だ?」

「お前に聖誕祭にプレゼントがある。明日、何時もの場所で会えないか?」

鼻からブランデーを噴出するかと思ったぜ。似合わないにも程がある。
これが赤面しながらとかだったら、ありとあらゆる穴から色々、吹き出していたかも知れない。

「何を考えているかは聞かんが、失礼極まりないぞ?」

言わなくても9割方バレているのが怖い。そんなに俺って分かり易いのか?
っいう顔をしたせいで、織が喜色満面で笑みで俺を睨みながらグラスを傾け、カクテルを嚥下する。
喜びと敵意を同時にぶつけて来るとは…本当に、このちっこいS姫様は如何にかならんのか。

「悪かったよ。だけど、織が聖誕祭のプレゼントだなんてなぁ…」

女の子っぽくて似合わないと言おうと思ったが…口を閉じた。

武の一辺倒で料理とかやらせたら鍋を爆発させたり、高い所に手が届かず半泣きで大暴れして
キッチンを撃滅していそうなイメージとは裏腹に家庭的なんだよな、コイツ…料理は美味いし
土日に会う時は弁当を持って来てくれて、男女関係に関しては堅物。

「偶に忘れそうになるんだが、織って意外と乙女チックだよな。」

「チックと言うか、私は乙女そのものなんだが?」

強くて、家庭的で勉強も出来て…見た目を除けば完璧超人だな、コイツ。
ただ、強過ぎる上に倭国訛りが強いせいで、一般男性が思い浮かべる乙女像とは遠くかけ離れた
幼女の皮を被ったアルティメットバイオレンスクリーチャーみたいに見えてしまうんだろうな。

「それにしても何時もの場所でプレゼントか…なんか、エロい事を想像してしまうな。」

「抱いて欲しいなら明日では無く、今夜、私の部屋に寄って行けと言っている。
尤も、女にそんな事を言わせるような男、私は願い下げだ。」

「そうなのか?じゃあ…」

「黙れ、酔っ払い。酔いや、その場の勢いで私の初めてを捧げてたまるか。恥を知れ、馬鹿者。死ね。」

ただの冗談なんだから、ネタ潰しせずに最後まで言わせてくれたって良いだろうによ。
お前に呑ませるカクテルのアルコール量…どんどん濃くするどころか、薄めていってやろうか?
それとも、ごめんなさい!実はこの子小学生なんですッ!ってマスターにチクってやろうか。
どっちも拙い事になるからやらないけどな。片方は懐が、片方は内臓が。

そんな感じにクダクダと語り、笑い、時に睨まれ時間は夜8時。

「そろそろ、寮の門限だ。矢神、送ってくれないか?」

全く…寮生ってのは面倒だな。しこたま酔っ払うにはこれからだろうに…
だけど、織との酒の呑み方を多少なりとも勉強出来たので、今回はこれで良しとしよう。

下戸などと言うから、連れて来てやったが嘘八百どころか嘘八億ってなもんだ。
織が呑んだ酒の量…この小さな身体の何処に入っているんだと突っ込みたくなる。
こんなに呑める奴だと分かっていれば一杯、ワンコインで呑める店を選んだってのによ。
278創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:27:51 ID:XpL5J4bz
 
279創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:28:12 ID:O3ZwjX4L
 
280GEARS16.5話 5/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:28:22 ID:/SpV5r69
因みに、良い酒を呑ませた事を切欠に織が安酒を一切、受け付けなくなり、俺が就職するまでの間
極貧生活を送る事になるのは、また別の話だ。女に金を払わせたくない。だって、オトコノコだもん。

そして、俺は同情したくなる程、薄っぺらく痩せこけた財布を仕舞い
胃の中に大量のアルコールを溜め込んだ織を連れて八坂高校の女子寮へと向かった。

「一応、言っておくが…送り狼になる様なら殺すからな。」

「バーで小学生にはお酒売れないよ〜!なんて言われるような奴にナニかをするつもりは無い。」

「今に見ていろ。卒業までにグラマラスな美女に成長してやる。」

織…お前が、たったの一年で其処まで成長したら、それは変身とか変形とか変態とかだ。
それは決して成長とは言わない。上を目指すのは悪くないが…まずは人並を目指す事を始めるべきだ。

「それすら厳しいな。」

「死ね。」

織の小さな脚が轟と音を立て俺の背中に突き刺さり、1テンポ遅れて突風が背を叩き俺の髪をなびかせた。
酔っている事もあって、痛い程度にしか感じないが、俺以外の奴なら背骨が粉々に砕けて大事になっている。
偶に俺が見ていない所で加減が効かず、人を殺していやしないかと心配になる。証拠隠滅に埋めたり…

「心配せずとも、君以外の相手にこんな事はしない。」

そうか。それだったら一安心だ。だけど、俺にも容赦なく蹴りを入れるの止めてくれないか?
て言うか、まだ俺、何も喋ってないよな?お前はアレか?エスパーとか超能力者とかの類か?

「それでは、また明日。何時もの場所で。」

「あ、ああ…」

そして、織は寮の格子扉を開き、一度たりとも振り返る事無く中へと入っていった。
つーか、マジでナニも無いのかよ?こんなに健全な聖誕祭は相当、久しぶりじゃねぇか?
いつまでも女子寮の前に突っ立っているも何だかな…俺もさっさと帰るか。

「まるで高校生みたいだな…」

正真正銘、十七歳の高校生なんだけどよ。流石にコレはちょっと寂しい気もする。
それとも、何か?家に帰ったら「今すぐ抱きに来い!」とか言われて、ホイホイと引き返したら
既に爆睡していて起こしたら「起こすな!」と言われ寝かせたままだと翌朝に「起こせ!」とか
温厚な俺でもブチ切れそうになる程、理不尽な展開が待ち受けているのか?

織がそんな面倒臭い事を言うとは思えない。確かに物足りないのは事実なんだが、俺が織を…ねぇ。
違う意味で物足りんわ。つーか、ほろ酔い程度の筈だったのに酔い過ぎだろ。俺が織を抱く?

「うげぇ…」

悲劇なのか喜劇なのか、それとも犯罪か?色んな意味で厳し過ぎる。却って笑えんぜ。
そういや、織とつるむようになって以来、すっかり歓楽街から足が遠退いていたな。気を使う必要は無いんだが
無作為に選んだ女を無感情に抱く。今まで当たり前のようにやっていた事に抵抗を感じるようになっていた。
今の酔った勢いなら、その辺で女を拾って抱けるんじゃないかと思ったが、やっぱり駄目だな。
何故かは知らんが、織の睨んでるんだか、笑っているんだか謎な表情が頭を過ぎりやがる。

最近…いや、織と出会って以来、四六時中、一緒に居るわけなんだが…
やっぱり、止めた。考えて分からない事は考えず、なる様になれだ。
281創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:28:37 ID:XpL5J4bz
 
282創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:28:52 ID:O3ZwjX4L
 
283GEARS16.5話 6/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:29:06 ID:/SpV5r69
それよりも、明日の事だ。

何時もの場所でプレゼント…ねぇ。場所的にアレでナニがソレな事しか考えられない。
考えられないんだが、それだったら云々って言っていたしな…本当に何を考えているんだ?

って、結局、織の事になんのかよ!!

悶々としながら迎えた翌朝、適当に仕度を済ませて、俺と織の何時もの場所。
宋銭高校のギアシミュレータールームで織の到着を待つ事、半刻。

「待たせたな、矢神。」

シミュレータールームを訪れたのは織。そして―

「加賀屋さん?」

そう。八坂州最強のSCI搭載型スポーツギア乗り、加賀谷望その人だ。

「大体の話は小野寺に聞かされたんだが…矢神はそうでも無いようだな。」

そりゃあ、加賀谷さんが来る此処に来るなんて想像が出来るわけが無いだろ。
つーか、何?この謎な組み合わせ。柄にも無く怖気づいてるんだけど俺。

「矢神、加賀屋部長が私からのプレゼントだ。」

「さあ来い。」

「全ッ然!意味が分かんねぇッ!!」

加賀谷さんが両手を広げているが、これは何だ?加賀谷さんに飛びつけと?

「…不服か?」

「頼むから順を追って説明してくれ。俺は織と違って頭が悪いのは知っているだろ?」

「最強と戦えなかったのが心残りだったのだろう?個人戦最強の選手を連れて来るのは不可能だが
団体戦最強の選手ならば非常に身近なのでな。少しばかりお時間を頂戴して連れて来たわけだ。」

「MCI搭載型とSCI搭載型、確かに互いに得る物は無いだろうな。
だけど、面白そうじゃないか。折角だし矢神、手合わせ願えるか?」

「聖誕祭のプレゼントとして渡されてしまいましたからね。」

加賀谷さんがその気なら、俺も本気で行くとしようか。しかし、俺を相手に何処までやれんのかね?
織が指摘した事は間違っていない。だけど、加賀谷さんが相手じゃ、俺を満たせるとは思えない。
加賀谷さんを侮っているわけじゃない。SCI搭載ギアの選手の中では間違いなく八坂州最強の男だ。

だが、加賀谷さんの役割は団体戦の司令塔、単体での戦闘能力では無く、瞬間的な作戦立案能力や指揮能力が重要視される。
つまり、俺と加賀谷さんとでは強さのベクトルも、求められている役割も違う。
それでも八坂州最強の一角だしな。守屋よか楽しませてくれる事を期待する事にしよう。

シミュレーター起動、何も無い真っ平らな平原を生成、愛機リヴァーツを降り立たせると
遥か遠く、紅の流星が空を切り裂きながら此方へと一直線に突っ込んで来る。

「一応、言っときますがブースターとかの使用を制限してこちらに合わせる必要は無いですからね?
加賀谷さんのやり方で本気で叩き潰しに来て頂けると俺もやり甲斐ありますし。」
284創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:29:23 ID:XpL5J4bz
 
285創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:29:40 ID:O3ZwjX4L
 
286GEARS16.5話 7/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:29:49 ID:/SpV5r69
「全国に備えて個人戦の勘を取り戻さなければならないと思っていた所でな…遠慮なく全力でやらせてもらう。」

何気無い一言でも、随分な威圧感を放って来る人だな…強さのベクトルは違っても最強は最強って事か。
織と初めて戦った時の様に何発か打たせて、加賀屋さんの実力を測ろうと思ったが悠長な事をしていられない。

スカーレットが急激に飛行高度を落とし、鋭角な装甲で地面を切り裂きながら此方へと肉薄する。
だが、スカーレットの掌は軽く開かれたままで、二振りのソードライフルは腰にマウントされたままだ。
あんな得物で、居合いでもやるつもりか?こっちも刃を重ねて力を測る余裕も無さそうだしな。
間合いに入り次第、一撃で叩き落すしか無いな。

リヴァーツの姿勢を落とし、両足に力を籠める―スカーレットの両手は未だ無手。
右腕一本で肩に担いだ斬馬刀を両の腕で構える―スカーレットの両手は動かない。
距離100―俺達の間合いだ。蹴り飛ばした大地が、遥か後方で爆ぜる。

「行くぜ、相棒!」

スカーレットのブースターから吐き出される焔が一際、大きくなり予測していた相対速度が大幅に狂う。
とは言え、既に我が身を撃ち放った以上、そんな事は関係無い。後は斬馬刀を振り落とすだけだ。
しかし、至近距離からの急加速で目算を誤り、スカーレットの肩の装甲を撫で斬りにしただけで終わる。

「あのタイミングでも迷い無しか。」

加賀谷さんは涼しげな顔で、リヴァーツの切り裂かれた脇腹を眺めている。そんな気がした。
すれ違い様にソードライフルを抜刀し、リヴァーツを分断して払い抜けて行くつもりだったようだ。
まあ、微塵にでも迷いを見せていれば、そうなったかも知れないが元より肉も骨もくれてやる代わりに
首を叩き落す算段だったんだから、真っ二つにされそうになったくらいで恐れてらんねーさ。

「生憎と頭が悪いモンで、何がどうなるとヤバいのか分からんのですよ。」

「成る程。ただの虚勢では無いようだな。」

しっかし、この人と背中合わせで会話していると生きた心地がしないな。
首筋に死神の鎌でも当てられている気分だ。スカーレットにゆっくりと向き直ると
両手に握られていたソードライフルは再び、腰にマウントされ両手は無手に戻っていた。

「攻撃はもう終わりですか?その武器、飛び道具にもなるんでしょう?」

「まあ、撃っても良いんだがな。無意味な攻撃はしたく無いんだ。」

すると、神業とも言える早撃ちで両腕に握られたソードライフルから銃弾が吐き出される。
被弾する寸前に斬馬刀を旋回させ即席の盾をでっち上げ、次々に迫り来る銃弾を叩き落す。

「な?無意味な攻撃だろう?」

何事も無かったかのような軽い口調で加賀谷さんは射撃を止め、銃口を逸らした。
そりゃあ、フェイントも無しにただ鉛弾をぶっ放すだけなら誰だって捌けるだろうよ。

「何を企んでいるのかは知らないが…加賀谷さん、アンタはまだ俺の間合いの内側だぜ?」

頭の良い奴とやり合うのは如何も調子が狂っていけねぇや。相手のペースに乗せられてちゃ日が暮れちまう。
ステップを踏みながら水平に構えた斬馬刀を全身で薙ぎ払う。スカーレットには頑丈な盾も装甲も無い。
下手に受け止めようとすればハムのように輪切りだ。避けなければ終わるぜ?

「尤も…アンタの反応速度じゃ避けられまいッ!!」

「確かに俺だけでは無理だな。」
287創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:30:10 ID:XpL5J4bz
 
288創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:30:54 ID:O3ZwjX4L
 
289創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:30:56 ID:XpL5J4bz
 
290GEARS16.5話 8/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:30:57 ID:/SpV5r69
加賀屋さんは反論する事無く、あっさりと涼しげな口調で認めやがった。なのに勝った気がしねぇ。
本当によく分からん御人だが、斬撃は既に放たれている。肩を抉り込む様に捻り、右足を軸に全身で斬馬刀をぶん回す。
渾身の出来だ。どんな盾や装甲でもギアごと分断出来る程の完璧過ぎる程の斬撃だったが、手応えは無い。

「力任せの荒々しいだけの攻撃かと思えば、素人でも分かる程の綺麗な剣筋だな。」

加賀屋さんの言葉に首筋の産毛が総毛立ち、眉間に針を突きつけられたような不快感を感じた。
斬馬刀を地面に突き刺し、身を翻し両腕を交差しながら飛び退る。加賀屋さんが何処に居るか視認していないが
恐らく、後方距離4m、高度15mの地点で滞空した状態でライフルを構えていやがる。

銃声が鳴り響くより早く身を翻し上空のスカーレットと向き合うと同時に、ライフル弾がリヴァーツの手首に被弾。
中のクナイのお陰で神経系に到達していない。だが、大事無いと一息吐く間も無く、広がった黒煙を切り裂き
スカーレットが二振りのソードライフルを振りかぶりながら突っ込んで来る。

「だったら、手数で勝負といこうかい!!」

腰部装甲のカバーを開きクナイを構える。本来の役割は投擲道具なんだが今回は違う。
タメも隙もデカい斬馬刀じゃ、加賀谷さんの反応速度でも、スカーレットのブースターで簡単に避けられちまう。
だったら軽くて手数を得られそうなクナイで斬り合った方が幾分か勝算もあるってなもんだ。

ホント、ヤになんぜ!手加減している時ならいざ知らず、勝ち目が薄いって理由で
この俺が本来のバトルスタイルをかなぐり捨てる事になるなんてな!

「だけど…やっぱ、強ェ奴とやんのは面白ェな。此処まで必死になったのは1年ぶりか?」

クナイでド突き合いすんのは初めてだからな。コイツの強度がどれ程のモンか知らねぇが良い機会だ。
直の殴り合いにどれだけ向いているのか試すとしよう。出来れば、コレが最初で最後であってもらいたいがね。

スカーレットの右腕から振り落とされる斬撃を受け止め、左腕から繰り出される刺突を受け流す。
クナイがぶッ潰れそうな感触も無い。斬馬刀に比べりゃ頼りないが、足の速い奴とのド突き合いには
十分、実用可能なレベルだ。屈辱的な事には変わりねーけどな。

両腕を塞がれ、がら空きになったスカーレットの股間目掛けて右足を蹴り上げるが
俺の蹴りに合わせてブースターを吹かして前転宙返りで、あっさりと背中を取られてしまう。
つーか、ブースターの扱いが上手過ぎて気持ちワリィ。ついでに後頭部にも殺気ビンビンでキメェ。

勘だけを頼りに後頭部にクナイを交差させ放たれたライフル弾を受け止め、身を翻しクナイを投擲。
だが、クナイがスカーレットを貫くよりも早く銃声が二発鳴り響き、甲高い音を立ててクナイが地に転がる。
どんだけ出鱈目なんだよ、この人。避けるだけなら話は別だが、あんなモン、普通撃ち落せるモンか?

「今の応酬…全部、直感か?まるで野獣と戦っている気分で些か、ゾッとしたぞ。」

加賀屋さんが感嘆の声を上げながらクナイに貫かれたソードライフルをちらつかせた。
流石にあのタイミングで二発とも打ち落とされていたら自信喪失で再起不能になりかねんな。

「こっちは精密な機械を相手にしている気分ですよ。」

確かに加賀屋さんの動きは機械みたく精密なんだが、殺気の出方がハンパねぇからな。
何から何まで直感任せでも充分…何から何まで目視している余裕が無いとも言う。
改めて、クナイを取り出そうとするが、ヤロウめ…完全にしてやられたぜ。
クナイが腰部装甲ごと撃ち抜かれてオシャカになってやがる。そういう神業は腹一杯だ。

「久しぶりだな…俺から攻撃を仕掛けたいと思ったのは。」

オイオイ、アレでも後の先返しのつもりなんだろうかね?
もう充分に仕掛けていらっしゃるじゃないですか!なんて突っ込みを入れている余裕もねぇ。
291創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:31:40 ID:XpL5J4bz
 
292創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:31:46 ID:O3ZwjX4L
 
293GEARS16.5話 9/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:31:52 ID:/SpV5r69
両手首の装甲に仕込んだ四本の内、ライフル弾を防いで潰れた二本を投擲。

「何処でも良いから当たりやがれ!」

銃声が轟き一本は撃ち落され、もう一本は射撃能力が生きている方のソードライフルを貫いた。
これで背中を撃たれる危険性は無くなった。後はガチの斬り合い…こりゃ、何がなんでも負けられんね。
残ったクナイを逆手に持って大地を駆ける。態々、スカーレットが間合いに飛び込んで来るのを待つ気は無い。

そろそろ、一矢…一矢?おいおい、いつから俺はそんなに謙虚になったんだ?
訂正だ。そろそろ、ケリ付けようか。勿論、俺の鮮やかな勝利でな。

両腕を凶鳥の翼のように伸ばして迫り来るスカーレットの間合いを無視して懐に飛び込む。
凶鳥の両翼が蜘蛛の足の様に折れ曲がり、リヴァーツを肩口から刺し貫く。ンなモン知った事かよ!

「相手が八坂最強でも…ガチンコで負けるわけにはいかんのですよ!」

反応が鈍った両腕を交差させ、スカーレットの首を挟み切るかの如く剣閃を斬り放つ。

「このタイミングなら避けられまいッ!!」

「大したものだ!だが、詰めが甘い!」

加賀谷さんの咆哮と共に二機のギアの間に大爆発が起き、背中から大地に叩きつけられる。今度は何をしやがった!?
左上半身の異常を知らせる警告音に吊られて、首を左に動かすとリヴァーツの肩を中心に左半身が消し炭になっていた。

愛機を灼いたモノの正体、それは…

「ソードライフル…まさか、暴発させたってのか!?」

肩口に刺さったソードライフルは無残な残骸と化し、マガジンは中から破裂していやがる。
とんでもねぇ裏技を使ってきやがる。つーか、よくリヴァーツの頭が吹っ飛ばなかったな。
それよか、スカーレットはどうなった?手には何かを切った感触がまだ残っている。

残ってはいるんだが…シミュレーターは試合終了のサイレンを鳴らしてねぇ。
つまり、黒煙の向こう側に紅のキリングマシーンがいやがるって事だ。
あのタイミングでミスったのは大誤算…あの人が出鱈目なだけだ気にしたら負けだな。

予測なんて出来やしねぇが、思いもよらない幸運が転がり込む事なら珍しかねぇ。
今の爆発でクナイは二本ともどっかに飛んで行ったが、俺が吹っ飛ばされた先に
斬馬刀が出番はまだかと言わんばかりに威風堂々とそびえ立っていた。
そうさな。俺も相棒もお前が居ねぇと駄目みてぇだわ。アレに勝ちたいんでな、力貸してくれや。

左腕は殆ど使い物にならない。右腕も使えない事は無いが刺された影響で反応が鈍い。
おまけにさっきの爆発で地面に叩き付けられた時にリヴァーツの背骨をやらかしてしまった。
踏んだり蹴ったりの泣きっ面に蜂ってか?けどな、俺もコイツも一撃ありゃ充分ってなもんさ。

右腕で斬馬刀を引き抜き、左腕を支えにして肩で担ぎ上げると同時に黒煙が晴れ
スカーレットが飛び込んで来る。アンタなりのやり方でやれって言ったのに真正面からかよ。
やり合うのは初めてだけど、それはアンタのやり方じゃねぇだろ?態々、俺等に合わせたのか?
律儀って言うか何て言うか…此処までお膳立てされて負けちゃ、俺の立つ瀬がねーよな。

「踏ん張れよ、相棒。一撃ありゃ充分だが、この一撃で限界だからな。」

渾身の力を込めて一歩踏み込み、斬馬刀を背負い投げの要領でリヴァーツ目掛けて叩き落す。もうぶん回す力は残っていねぇ。
リヴァーツの背甲を中心に破砕音を広げながら、斬馬刀が重力に従いスカーレットの肩に吸い込まれていく。
294創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:32:23 ID:XpL5J4bz
 
295創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:32:34 ID:O3ZwjX4L
 
296GEARS16.5話 10/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:32:41 ID:/SpV5r69
「チッ…上手くいかねぇもんだ…」

スカーレットの背中で吐き出される紅い残光が一際大きくなり、斬馬刀の軌跡を潜り抜け
密着状態から急上昇、スカーレットの右腕が宙を舞いながら地に堕ちる。
急上昇したスカーレットはブースターを180度回転させ急降下、リヴァーツの両肩を踏み砕きながら着地し
頭部をソードライフルで刺し貫かれ、試合終了を告げるサイレンが鳴り響いた。

「勝負あったな。」

「完敗ですよ。強さの際限が全然、見えやしない。才能からして違い過ぎるんすかね?」

「才能か…矢神。君はギアに乗ってどれくらいになる?」

「え?高校に入ってからだから一年と七ヶ月ってとこっすかね。」

「俺は守屋の様に身体能力が優れているわけでも無ければ、君や小野寺の様に紅眼種でも無い。
文字通り、極普通の人間だ。だがな、俺は七年近く、絶えずギアに乗りこなし続けて来たんだ。
今まで積み上げて来た物を易々と打ち破られるわけにも、才能なんて言葉で片付けられるわけにはいかんよ。」

俺に初めての敗北を与えたのは普通の人間。八坂の最強二人も普通の人間。
そして、俺の背中を目指して必死に追い縋ってくるライバルもまた普通の人間。

人間って奴は圧倒的な力を見せ付けて叩き潰しても、努力だの時間だのを積み重ねて簡単に種族差を覆してしまう。
確かに全然、簡単な事じゃないさ。困難と苦難の連続だろうよ。だけど、やっちまうんだよ。こっちがのうのうとしている間に
簡単な事では無い事を、さも当然だと言わんばかりにやってのけるから、人間って奴を見下す事が出来なくなったんだ。

「ほんっとに…かなわねぇよなぁ…」

加賀谷さんは州大会後、オーバーホールに出していたギアの搬入作業があるらしく
「卒業前にまたやろう。」と一言残して、さっさと帰ってしまった。

「紙一重…惜しかったな。」

「紙一重なものかよ。遠く及びやしない。」

「呆れた奴だ…あのクナイがもう少し深く入っていればスカーレットの首が飛んでいたんぞ?
スパークが走っていたのを見ていないのか?だから、加賀谷部長も再戦を望んだというのに…」

クナイで首を斬ろうとした時のアレか?何かを斬った感触はあったが、てっきり不発とばかり思っていたぜ。
それに突き刺したソードライフルを暴発させて爆弾代わりにするなんて荒業を使われた事もあって
一々、確認している余裕も無かったんだが…最強を追い詰める事は出来ていたって事か?マジかよ?信じらんねぇ。

「私の見立てでは十もやれば二、三は勝てると思うんだが?」

結局、大惨敗な勝率じゃないか…ま、あの人が卒業するまでに再戦を希望してくれたしな。
シミュレーターってのが少し面白く無いが、本気で勝ちたいと思える相手が増えたのは嬉しいもんだ。
何より、次の機会で勝ちを逃したら、再戦のチャンスが無いと思うと余計に何がなんでも負けらんねぇ!

「やれやれ…漸く、らしくなってきな。これで私も安心だよ。」

「何がだよ?」

「軽口を叩き取り繕い、酒に逃げても、戦いの中で生まれたわだかまりは戦いの中でしか解決出来ん。
少しは気も晴れたんじゃないのか?強者と戦えず内心で嘆く君の顔は見るに耐えられんかったぞ?」

何から何までお見通しってのは本当に勘弁して欲しいんだが…確かに内心の苛付きは解消された。
297創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:33:06 ID:XpL5J4bz
 
298創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:33:21 ID:O3ZwjX4L
 
299GEARS16.5話 11/11 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:33:26 ID:/SpV5r69
目先の事よりも後の事と思って、月島さんとの戦いを守屋に譲り渡した事は俺が思っていた以上に
心の中で大きなわだかまりとなって、俺を苛んでいたのも事実だ。此処までとは思っていなかったけどな。

「しかし、来年以降の事を考えて目先の目標を守屋に譲るとは本当に大馬鹿者だな、君は…
君にとって強者足りえる巨壁が消え、気を揉むようなら私が君の巨壁になるつもりはあるのだぞ?」

「織が?だったら、もっと強くなって…」

「四割三分。今月の私の対戦戦績だが不服か?腑抜けていた君相手にこの戦績では威張れたものでも無いがね。」

腑抜けていたから明日からこうはいかないぜ!と言った場合、織と真剣に向き合っていなかったという事になる。
一旦、戦いが始まれば抱えているモンなんて関係ねぇ!と言った場合、俺と織の実力差が埋まりつつあるという事になる。
さて…どう答えるのが無難なのやら…どう答えても微妙だな。

「ま、明日には矢神本来の実力に戻っているだろうし、それに期待させてもらうよ。」

そうだったな。何も言わなくてもお見通しだからな…本当に誤魔化し効かねぇな。

「そういや、聖誕祭のプレゼント…何も用意してねぇな…」

「昨晩は初めての経験で楽しませてもらった。別に気を使わなくても良い。」

相手に気を使うのが倭国人のサガなんだから仕方が無い。その相手が織なら尚更だ。
男をプレゼントされたのはアレだが、結果的にスランプからは脱する事が出来たわけだしな。
何と無く、何かしてやらないといけない気分なんだがな…今日は聖誕祭だしな。

「別に恋人同士というわけでも無い…無理に聖誕祭の空気に合わせる事も無いだろう?」

そう言う織の顔は何処と無く寂しげな風に見えるのは俺の気のせいだろうか?
俺の勘はギアバトル専用だ。織が何を考えているかなんて俺にはさっぱり分かりゃしない。
そりゃあ、俺達はよく行動を共にしているが、確かに恋人同士だとか甘い関係じゃないさ。
だけど、俺の事ばかりじゃなくて織の事を織の声で教えてくれと思うのは俺の我儘なんだろうか?

「だが、元の調子に戻った君と改めて、酒を酌交すのは昨日よりも楽しそうだ。当然、付き合ってくれるよな?」

そう言って、俺の返答など聞くまでも無いと言わんばかりに俺の手を引く織の横顔が…何故か、綺麗だと思った。
300創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:33:56 ID:XpL5J4bz
 
301創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:34:06 ID:O3ZwjX4L
 
302創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:34:41 ID:XpL5J4bz
 
303創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:35:28 ID:XpL5J4bz
 
304GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 17:35:30 ID:/SpV5r69
以前に頂いた矢神vs加賀谷を見てみたいとリクエストを漸く、形にする事が出来ました。
肝心な殺陣が短い上にあっさり風味で物足りない感もしますが、殺る気満々の達人同士の戦いが
冗長になり過ぎるのも何か違うよなーと思って、敢えて、腹八分目にしました。
穴埋め程度に紅眼種についてのお話と、矢神と織の日常会話で糖分をぶち込む練習をしてみました。
またリクエストを頂く事があれば是非、挑戦してみたいと思います。

※二人が飲酒している描写がありますが、八坂州条例で満16歳以上の飲酒が認められています。

自分の不手際でお手間を取らせてしまいました事、誠に申し訳御座いませんでした。
そして、重ねて、ごめんよ。PBM氏、今日の語り部は織じゃないんだorz
305創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:37:06 ID:O3ZwjX4L
>>304
 投下乙です!
 イインダヨー! 織たんが登場すればそれでイインダヨー!
 というわけで、ニヤニヤしながらゆっくり読ませていただきますねw
306創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:40:21 ID:XpL5J4bz
>>304
投下乙!それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
307創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 17:47:12 ID:gmYyTOf5
>>306
投下を確認。乙を開始。
308創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 18:00:12 ID:gmYyTOf5
アンカー打ち間違ったZE
309創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 18:04:26 ID:FMykoNqF
>>304
投下乙です!じっくり読ませて頂きます!
310創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 18:10:34 ID:O3ZwjX4L
>>304
 改めまして投下乙です! やっぱり織たんとやがみんの会話は読んでてニヤニヤが止まらないですねw このすれ違い宇宙っぷりが面白くもあり、切なくもあり……。
 あと、紅眼ってそういう設定だったんですね。てっきり先天的なものだとばかり思ってました。
 しかし変態部長強い、変態なのに強い。……いや、変態だから強いんでしょうか。それにしても、ますます月島がどんな人か気になってきました。やっぱり月島も変た(ry
 それでは、次回も楽しみnイィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!


 それにしても、織たんと遥さんの絡みが書きたくなってきtイィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
311創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 18:23:44 ID:gmYyTOf5

>>304
投下乙です!

紅眼=ニュータイプ ですねわかります。
後天的に目覚める……わからん、どうして……? どうやらこの世界の人類はナニカサレテイルと推定できる……というか以前チラッと(チャクラムチャクラム

識さん可愛いなぁ。クーデレというんでしょーかw
というか、

>俺以外の奴なら背骨が粉々に砕けて
( ゚д゚)

>俺が織を抱く?
( ゚д゚)

戦闘、いいんですけど、もうこいつら学生じゃない……
この学園はひょっとしてエヴァの(チャクラムチャクラム

次回も待ってますぜ!
312GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 19:12:16 ID:/SpV5r69
>>310
ニヤニヤして頂けて何よりです。TロG氏やDS氏の様に甘い話も書けるように頑張りたい今日この頃です。
先天的に紅眼種で周囲から有りの侭に受け入れられ、愛情を持って育てられてきた織も、矢神と向き合い
支えてやりたいという想いが強いので、逆の境遇で物事の価値観がアレな矢神は若干、戸惑い気味ですがw


>>311
中学校入学と同時に問題行動を起こしてばかりの矢神は家から追い出され、歓楽街周辺の廃墟を巣窟にして
その境遇に同情したキャバ嬢達が食べ物やお金を云々…その流れから、女性を抱く事が何でも無い事になってしまったのです。
ただ一番、多感な時期にそんな生活をしていたせいで、織に対する感情が友情なのか愛情なのか、分からず戸惑っています。

織はただの恋愛小説中毒で一種の中二病みたいなモノを患っているとでも思って頂ければwww
10.5話の恋愛小説から引用して愛の言葉を云々はその名残です。
313創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:23:27 ID:O3ZwjX4L
>>310
>織はただの恋愛小説中毒
 「私が恋愛? ないないw」な病気を患ってるどっかのチビとは大違iジョインジョインハルカァ
 遥さんはもっと自分に自信もってmテーレッテー

 やがみんもなかなかどうしてハードな人生送ってたんですねぇ……。
314創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:24:58 ID:gmYyTOf5
>>312
>女性を抱く事が何でも無い事

( ゚д゚)……

(゚д゚)
315創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:28:56 ID:O3ZwjX4L
>>314
 こっちみんな!

 しかし恋に恋する乙女だったとは……さらにかわいらしくなったな、織たん!
316創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:35:11 ID:/SpV5r69
>>313
織が遥さんに恋愛小説をオススメしたがっているようです。

>>314
こっちみんなw

身長180以上で筋肉質。ワイルド系の顔付きのせいで何もしなくてもセックスアピールになっているせいで
その手の女性にはたまらん!みたいな。ただ中高生のガキなんて相手にしてらんねーので、
一回、ヤったらバイバーイ的な恋愛童貞なんです。SEXがオ○ニーレベルな代わりに恋愛は人一倍萎縮する感じです。

>>315
番外編に守屋を書かないというルールのお陰でサブキャラの深い掘り下げが出来て楽しいですw
317創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:36:10 ID:XpL5J4bz
>>304
改めて投下乙!変態眼鏡つええwwwしかしクリスマスプレゼントが変態眼鏡って……粋なことなんだろうか、果たして粋なことなんだろうか
しかし、なるほど確かに織たんは完璧超人だな、体型以外hうわ織たんなにをするやめ
そのへん遥さんとも共通点gジョインジョインハルカァ
318創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:41:05 ID:gmYyTOf5
>>316
それ以上は島流しだZE☆

>>317
体型も完ぺきではないだろうか、師匠的な意味で
319創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:47:13 ID:N5dJumTA
>>304
投下乙でした!リクした者です!もう念願のこの二人の戦いが見れて思い残すことはn(ry
加賀谷さん強えええええ!さすがだぜこの人……!熱い戦闘シーンがたまらんかったですw
毎度見ても思うのですが本当に読みやすくてわかりやすい殺陣の描写ですよね……。羨ましいですw
よし、次は月島さんと加賀谷さんの戦闘を所望すrうわなにをするやめ
本編ともに次の番外編も楽しみに待ってます!
320創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:47:54 ID:O3ZwjX4L
>>316
 是非ともお願いしますw

>>317
 体型も完璧じゃうわ織たんも遥さんも何をテーレッテー
321創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:49:52 ID:XpL5J4bz
てか、織たんより遥さんのが年上なんだよな……w
322創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:52:19 ID:gmYyTOf5
だが待って頂きたい。
遥さんは星から無限力供給が可能なモンスター。
つまり……
323創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:53:37 ID:O3ZwjX4L
 そいつに触れる事は死を意味するッ!
324創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 19:56:40 ID:XpL5J4bz
アームドフェノメノンするのはロリコンの方だろw
325GEARSの中身 ◆B21/XLSjhE :2010/05/07(金) 20:19:09 ID:/SpV5r69
>>317
多分、彼女なりに精一杯、気を使ったつもりなんです。
私が強ければこんな事には…と歯軋りしながら、変態眼鏡にリボンを巻く織を、お楽しみ下さい。

>>318
申し訳ありません。調子に乗りすぎましたorz

>>319

>月島さんと加賀谷さんの戦闘を所望

( ゚д゚)……

(゚д゚)番外編じゃなくて本編に挟むネ

>>322
永遠にロリバディを維持可能な、永久の幼女という事ですね。わかジョインジョインハルカァ
326創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:23:25 ID:XpL5J4bz
>私が強ければこんな事には…と歯軋りしながら、変態眼鏡にリボンを巻く織
なにそれかわいい……
327創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:24:14 ID:gmYyTOf5
>私が強ければこんな事には…と歯軋りしながら、変態眼鏡にリボンを巻く織
不覚にもワロタw
328創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:26:32 ID:O3ZwjX4L
>私が強ければこんな事には…と歯軋りしながら、変態眼鏡にリボンを巻く織
 逃げないようにしっかり縛らないといけませんね!
329創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:32:45 ID:gmYyTOf5
私が強ければこんな事には…と歯軋りしながら、気絶したタカ坊にリボンを巻くショタオルさん



ちょっと変えてみた
330創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:33:28 ID:XpL5J4bz
次の番外編は加賀谷を捕獲する話かw
331創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:34:30 ID:/SpV5r69
>>329
笑いながら、タカ坊のご冥福をお祈りしたw
332創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:37:42 ID:O3ZwjX4L
>>329
 シリアナキラーは十分強いと思うんですがw

>>330
 夏バージョンだと難易度が跳ね上がりますねw
333創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 20:48:53 ID:XpL5J4bz
アレのストーキングからことごとく生還してるタカ坊も大概なんじゃなかろうかw
334創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:10:39 ID:gmYyTOf5
ドロイデカかっこいいよドロイデカ
335創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:19:57 ID:XpL5J4bz
ああ、今日スターウォーズか
336創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:26:13 ID:O3ZwjX4L
 ゲルググが出るんですよね(棒)
337創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:27:53 ID:gmYyTOf5
ドコニツレテイケトイッタ? アダメダプログラムニナイ
338創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:31:18 ID:O3ZwjX4L
 ドロイド兵かわいいですよねw
339創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 21:32:15 ID:gmYyTOf5
R2D2「yzせrbjfrlk!」
340創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 22:22:21 ID:YMHpcEjT
>>304
投下乙です!

紅眼種に先天的やら後天的やらの話がありますが、結局種と云うからには植える何某かの存在が無ければいけないわけですよね?
そして発芽せにゃならんと。異能にしてはまた随分と面倒臭いですね。
織さんは可愛い。素っ気無いところが特に。
部長も十二分に強いように感じるんですが、月島は更にその上を行くわけですよね。どんな風になるんでしょう。
それでは、次回も楽しみにしていますね!
341創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 22:24:17 ID:XpL5J4bz
「何某か」ってw
部長はあれで指揮までこなすとかマジで恐れ入る
342創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 22:32:44 ID:O3ZwjX4L
 団体戦も読んでみたいですよねw
343創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:11:00 ID:YMHpcEjT
>>341
セ、セルフ突っ込みを忘れただけなんだからね!!
素で今気付いたと云う……orz
344創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:11:14 ID:gmYyTOf5
とんでもない乱戦になりそうなヨカーンw
345創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:16:01 ID:XpL5J4bz
>>343
あ、俺も間違いに今気づいた……w
346創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:27:32 ID:/SpV5r69
避難所の勢いが200越えwww絵ロスオーバーが如何なるのか楽しみで仕方が無いです。

>>340
紅眼種については次回作以降で追々、明かしていきたいと思います。
紅眼の根源となる存在がGEARSシリーズにはあまり関係の無い存在なので…
取り合えず、気力120以上で攻撃力が25%UPするような連中程度に考えて頂ければw

>>342
次回作の主人公の内の一人が部隊指揮を取る立場の人間なので、練習がてら
加賀谷にもう一暴れしてもらおうかと思います。その一言でインスピレーションが沸いた事ですし。

>>344
乱戦な上にクソ長いくせに全然面白くなかったらどうしようかと、今から恐怖に慄いていますw
347創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:31:14 ID:PAJAgIuf
てすと
348創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:31:54 ID:PAJAgIuf
お、戻ってこれたー!
349創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:32:11 ID:O3ZwjX4L
>>346
 おお……! 楽しみに待ってますね!
350創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:33:35 ID:gmYyTOf5
( 0w0)<オメデトゥゴゼィマス!
351創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:37:43 ID:XpL5J4bz
おかえり!
352創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:40:51 ID:O3ZwjX4L
 おかえりなさいw
353創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:41:06 ID:/SpV5r69
おかえりなさいませ!
354創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:41:19 ID:YMHpcEjT
おかえりなさい!
355創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:41:53 ID:Tn7rPA1Z
みすと
356創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:42:34 ID:Tn7rPA1Z
イィィィィヤッタァァァァァァァ!!!
357創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:42:36 ID:gmYyTOf5
おめでとう

      おめでとう            おめでとう



 おめでとう      おめでとう

      おめでとう
358創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:46:44 ID:O3ZwjX4L
 アトリームにだって規制がありましたよ……。
 地球の規制とは比較にならないほどの巨大な規制がね……。
359創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:48:19 ID:6ir5EaK8
え〜
過去に「投下したイラストを元にSSを書いて貰う」的な奴があったじゃないですか
アレ、自分もやってみていいですかね?
360創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:50:41 ID:O3ZwjX4L
 どのイラストのSSを書くんです?
361創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:51:17 ID:gmYyTOf5
wktk
362創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:51:55 ID:6ir5EaK8
>>360
逆ですかね〜
絵を投下するんで、SS書いて欲しいな〜的な
363創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:52:47 ID:gmYyTOf5
描ければ描こう……!
364創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:53:02 ID:O3ZwjX4L
>>362
 なるほど、そいつぁ面白そうですね!
 さあイラストを投下するんだ!
365創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:54:50 ID:Tn7rPA1Z
何人かで書いて解釈の違いを見るってのも面白そうだn
366創る名無しに見る名無し:2010/05/07(金) 23:56:12 ID:YMHpcEjT
>>365
俺の文章力の無さと構成力の無さが浮き彫りになっちゃうじゃないかwww
367 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/07(金) 23:56:15 ID:6ir5EaK8
まあネタも描く奴も新鮮さはありませんが
↓こんなんです
http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/512/neta.jpg

……避難所に書き込んだ小ネタを絵にしてみました!ってだけのブツです
とりあえず、キャラ設定とか特に考えてないんで
そこら辺から好き勝手に作って構わないので
SSが付けばなぁと
368創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:05:11 ID:NUKF8ULJ
アレかwお仕事中の後ろのが縦ロールに見えたのはここだけの話
にゃるほどにゃるほど。。。
369創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:05:26 ID:4NipDvyu
>>358
でもそれってぶっちゃけ情報統制ですよね?
(こんなことをするアトリームに守る価値なんてあったのか……?)
370創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:12:04 ID:6XdSaNDt
マモリタイセカイガアルンダー!
371創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:25:02 ID:jZmg8K+c
というかアトリームまで信じ無くなったらだめww
あれは神聖化しないとw
372創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:27:58 ID:deOkA2J1
>>367
 投下乙です! 背中の装備がなんか禍々しいですね……w
 あと、安西先生……SSはもうネタが投下されちゃってるので書き辛いです……。
373創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:38:50 ID:nZrHH/Nk
>>367
投下乙です!
これは見事なドMホイホイw

スレをあちこち読んでたもんで、どこか分からずに探してしまったとかw
今日(というかもう昨日)のネタとは、手が早い

俺の場合、元レスのイメージから、SSってか台詞系の文章で想像してしまいそうw
374創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:42:48 ID:q7+LS8l1
>>367
投下乙!
一瞬カッコマンがやられてるのかと思ったが、そんな事はなかったぜ!
375創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:50:53 ID:deOkA2J1
 言われてみると、なんかカッコマンに見えてきた……w
376創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:51:26 ID:kVpeGaFG
カッコM
377創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:52:56 ID:q7+LS8l1
( M)<カッコマン参上!
378創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:55:59 ID:6XdSaNDt
( 悲 )<呼ばれた気がして
379創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 00:57:37 ID:deOkA2J1
 あなたはまさか、Mr.So sad!
380創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:24:15 ID:6XdSaNDt
どなたか……ワームの能力データ等を恵んでくださいまし………迷走中なのです……
381創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:39:58 ID:q7+LS8l1
自爆……はもうあるから、擬態とかどうよ?
382創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:40:57 ID:kVpeGaFG
脱皮とクロックアップも追加ですか?
383創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:42:03 ID:6XdSaNDt
いえ、本家さまの方で登場したワームの詳細データが欲しいなと思いまして。
384創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:42:21 ID:NUKF8ULJ
自身の戦闘力は低いが、殺すと仲間を呼び寄せるフェロモンをばら撒く偵察型とか
385創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:44:24 ID:q7+LS8l1
>>383
wikiか過去ログ読めばよかろうなのだ
386創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:44:58 ID:NUKF8ULJ
>>383
ああ、そういう事ね。過去ログ読めばいいじゃなかろうか
387創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:46:48 ID:6XdSaNDt
ですよねー。
もうですね、いっそのことAC世界にワームがきてしまう作品を書こうかと。DSUが終了した反動なのか、続編が手に付かない…
388創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 01:51:08 ID:q7+LS8l1
最近はワームと戦うのが流行ってるのかw
389創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:13:03 ID:6XdSaNDt
ワームってどのぐらいの数で来るんでしょうねー……フロム脳に任せようか
390創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:21:43 ID:deOkA2J1
 そりゃもう、特攻兵器並にうじゃうじゃと……。
391創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:23:50 ID:6XdSaNDt
了解した。
数万規模とかで登場させましょう。ガンバレ企業。
392創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:25:42 ID:q7+LS8l1
ワーム、それはAMIDAと特攻兵器を組み合わせた、まったく新しい(ry
393創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:27:25 ID:NUKF8ULJ
下水道に放てば完璧だn
394創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:27:27 ID:6XdSaNDt
キサラギ「新しい……惹かれるな……」



あ、レイヴン全滅状態なのでオリジナルも考えないといけないのか。
あひゃひゃひゃひゃ
395創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 02:31:14 ID:deOkA2J1
 そこでSL〜NXの間の時代をですね。
396創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 03:29:54 ID:6XdSaNDt
誰もいない……勢いで書いたから投下ためらう前に投下投下
397DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 03:32:27 ID:6XdSaNDt
AC世界にワームが来てしまった場合

「一話 ワーム確認」

 『調査支援』
 依頼主:クレスト派
 作戦目標:地点αの調査支援
 作戦開始:0915
 作戦領域:ザイアル山脈

 作戦を説明します。
 我らアライアンスは先の動乱により所属AC全てを失い、またMTや通常兵器の量を大幅に減らされてしまったことは、貴方であれば十分承知であるかと思います。
 我々としては、特攻兵器、そして動乱により消耗した世界の修復を行いたいところなのですが、ザイアル山脈にて展開中の一般部隊から生体兵器の存在が報告されています。
 しかし我々の保有する戦力では、キサラギ派の作りだした「AMIDA」などの討伐すらままならないのが現状です。
 そこでレイヴンには、ザイアル山脈に赴く我々の部隊を支援して頂きたいのです。
 我々の派遣する部隊は一般兵士から構成されています。言うまでも無く攻撃には脆弱なので、敵勢力が現れた場合には防衛を最優先にお願いします。
 我々クレストは貴方を高く評価しています。報酬も弾みましょう。どうです、決して悪い話ではないと思いますが。





 とある企業がかつて存在した広範囲殲滅兵器を作動させてから暫く。
 特攻兵器と言う名の、自律式巡航爆弾が世界各地を焼き払い、最強と言われたレイヴン達を片っ端から飲み込み、世界を牛耳っていた企業に手痛い損害を与えて暫く。
 ミラージュ、クレスト、キサラギの三大企業は自分たちの権益を守るためにアライアンスという組織を立ち上げ、世界の修復に入った矢先にジャック・O率いるバーテックスの襲撃予告がなされて暫く。
 一人のレイヴンと、一人の女性レイヴンにより特攻兵器と進化を続ける絶対的な悪夢の権化、パルヴァライザーの製造プラント「インターネサイン」を破壊して暫く。
 ザイアル山脈という場所で生体兵器が目撃されて暫く。
 この段階では誰もが世界の平和を信じていた。インターネサインは既に無く、イレギュラー要素の介入はあり得ない。誰もが、そう信じていた。
 だが、それはあっさり裏切られた。
 最後の生き残りとなったレイヴンが任務を受け、ザイアル山脈に侵入した、その時に。
 ラストレイヴンである彼に襲いかかったのは、後に「ワーム」と呼称される、敵対的生物との初戦であった。


 0920:ザイアル山脈麓に全部隊到着。
 0930:全部隊、地点αまで前進開始。
 0949:敵対的生物「ワーム」、クレスト派派遣レイヴン及び三個小隊と遭遇。総数5000。付近の森林が新種の菌糸類による浸蝕を受けている模様。
 0955:クレスト派三個小隊全滅。派遣レイヴン撤退開始。総撃破数約100。
 1011:派遣レイヴンにより任務放棄連絡。
 1013:派遣レイヴン、森林のあちこちに潜むワームに阻まれ脱出困難。総撃破数約300。
   同時刻。初の被弾。約5mほどのワームによるロケット弾に酷似した攻撃により左腕部に損傷。行動に支障なし。
 1020:飛行型を確認。ロケット推進器官を持つ模様。総撃破数約450。残弾数残り僅か。森林地帯を抜ける。
 1021:武装の残弾無し。退却開始。ワーム、総撃破数約500。

398DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 03:34:08 ID:6XdSaNDt


 生体兵器と思しき敵性因子の存在は、もはや組織として成り立たなくなっていたアライアンスの各勢力に恐怖を与えた。
 対して戦力も持たない各企業にとって、いつのまにか現れた大量の生物兵器は、特攻兵器と等しく脅威だけにしか映らなかったのだ。……一企業だけは喜んだが。
 ただでさえ動乱で戦力を使い果たしていた企業たちは、なりふり構わず戦力の増強を図ろうとする。些細なことで小競り合いが生じ、「世界の為」にあったはずのアライアンスはあっけなく瓦解し、かつての時代に逆戻りした。
 即ち、企業がそれぞれの利益をむしり合う時代が再来したのだ。
 しかも当初ザイアル山脈にのみ生息していると思われた「ワーム」は、地球上至るところで発見されるようになっていた。
 恐ろしいのはその繁殖能力。
 菌糸類を栽培し、それを喰らうことで殖える。たかがキノコと馬鹿にしてはいけない。菌糸一つあれば、たちまち木々など腐らせるほど増殖するのだ。ワーム本体も。
 ワームにとっては動植物人間は等しく食物であるようで、例え企業連中であれ容赦なく襲いかかる。本来なら人類が力を合わせて対抗すべきはずなのに、企業たちは脚を引っ張り合う最悪の世界を作り上げた。
 それがただの企業ならワームの物量に擂り潰され、他の企業に吸収されて終わるだけだ。それが、唯の企業なら。
 この世界における企業はそんなものではなかった。世界の富を吸い取り続け、大昔から戦い続けてきた彼らが、「たかが」ワーム如きに屈服するはずもなかったのだ。
 企業はあっという間に力をつけていき、ワームに対抗し始めた。
 一方のワームも、着々と勢力を広げつつあった。

 そして、アライアンス解散から暫く。
 ワーム達はとうとう大規模な行動を開始した。

 
 『ファザード前線基地迎撃作戦』
 依頼主:クレスト、ミラージュ、キサラギ同盟軍
 作戦目標:ワームの迎撃。遊撃。
 作戦開始:0300
 作戦領域:ファザード前線基地
 追記:ランカーAC「ベイビーズブレス」「カスケードレインジ」「ダーティースレイマー」「ラ・ルー」、MT「CR−MT85M」×5機 同行

 緊急事態だ。
 ワームのタイプA、B、Cを主力とする大群がファザード前線基地に向かっている。
 数は少なくとも30万規模。もしもここを通してしまった場合、我々企業の要とも言えるサークシティ及びその複合都市軍に致命的な打撃を被ることとなる。
 そこで我々は、ファザード前線基地にてワームを迎え撃つ作戦を立案した。アバクス平原で迎え撃つことも検討されたが、基地で迎え撃つほうが効果的と判断した。
 なお作戦には複数のレイヴンを同行させる。
 補給も十分用意しよう。
 報酬も撃破数に応じて支払おう。
 この依頼、ラストレイヴンである君ならばきっと成功させることが出来るだろう。レイヴンと高級MTを同行させる。うまく使ってやってくれ。
 頼んだぞ。

 出撃しますか?
 【はい】 【いいえ】
399DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 03:35:38 ID:6XdSaNDt
……終了。

書いてみたけどままならないなぁ……
400創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 09:33:28 ID:floV7+Jf
>>380
タイプA 2mで8本足 歩兵を担当するらしく、足の先に獲物を捕獲する指あるいは爪の様な突起がある
   捕獲した機士の装甲やハッチを引っぺがして操縦者を引きずり出して殺すなど、器用でもある
NATOコードでは「スキュラ」

タイプB 3mで8本足 歩兵の直協支援を行う種で胴体側面より太い針状の弾丸を高圧の空気で発射する
   発射寸前に呼吸器が大量に空気を吸い込み胴体がやや膨らむ 発射部は穴が一列に10〜12個並んでいる
   タイプAと組んで浸透戦術を行う事が多い
NATOコードでは「ヒュドラ」

タイプC 4mで8本足 胴体前面に角のような突起と硬質で剣状の背びれがあり、時速60kmで突進攻撃を行ってくる
   しかし、一度スピードに乗ると方向転換や急停止は出来ず、旧世紀の重騎兵のような性質を持つ
NATOコードでは「パイア」

タイプD 5mで8本足 胴体上面の複数の穴から生体ロケット弾を5分間に18発生成し、後方より制圧射撃を行ってくる
   タイプCと組んで弱点を補い合い、直協火力支援を行う突撃砲的な性質も持つ
   ロケットの最大射程は12km
NATOコードでは「オルトロス」

タイプE 12mで10本足 最も大型の種だが、何をしているのか不明 多くのタイプA〜Dを引き連れている
   タイプEとその集団が一つの戦略戦闘単位であるらしい 指揮個体と推測される
NATOコードでは「テュポーン/エキドナ」

タイプF 1mで8本足 偵察種 物陰に潜んだり、見つからないように移動するのが得意
   保護色による擬態(ステルスモード)では光学による隠蔽の他に体温を下げて、熱センサーからも隠蔽する
   発見されたと感知すると突撃・内部の化学反応榴弾による自爆攻撃をしてくる
   ただし、攻撃能力は低く偵察に徹する習性のためこちらから刺激しなければ何もしない
NATOコードでは「カルキノス」

タイプG 4mで8本足 胴体と足から生体ロケット噴射を行う飛行種 
   飛行速度は最大時速710km程度 飛行持続時間は約40分 空挺降下兵かつ、制空戦闘機の役割を果たす
   足のうち4本が生体ロケットの噴射、2本が涙滴状の弾丸を発射し、残りの2本は爪で、地上ではこれで近接攻撃を行う
   飛行するものを熱心に攻撃し、追い掛け回す習性があり、地上の攻撃目標より優先してしまう事が多い
NATOコードでは「タゲス」
401創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 11:37:24 ID:deOkA2J1
>>399
 投下乙です! キサラギ喜ぶんじゃないwww
 キサラギが中盤あたりにワームとAMIDAたんを組み合わせた全く新しい生物兵器を投入してきそうですねw

>>400
 うわぁ、やっぱカルキノスが1番キツいでござる……。
 それにしても、ただ本能で動いてるわけでもなさそうですね、こやつら。
402DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 12:01:36 ID:x68bXlia
>>400
設定ハラショー!

>>401
キサラギ「新しい……惹かれ(ry」
403創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 12:11:31 ID:q7+LS8l1
キサラギに限らず、ACの企業はほぼ必ず何かミスやらかすからやめれwww
404DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 12:17:04 ID:x68bXlia
ムラクモ・キサラギ・トーラス「新開発の(ry」
405PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 12:18:47 ID:deOkA2J1
 生物兵器開発したケミカルダインの親会社ってクロームじゃありませんでしたっけ?
406DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/08(土) 12:25:01 ID:x68bXlia
           /^l
          ,-‐-y'"゙"''゙゙"´  |
          ヽ、,;'   ・ ω ・ ミ
             ミ====[==]=l==ミ
            ミ   ヽ)  (ノ ;;
            ';,        ミ
             ;;,,⊃   ⊃;゙
              ∩"゙"゙'''"∩
              //     | |
             //Λ_Λ  | |
             | |( ´Д`)// <うるせぇ、 くびわつきぶつけんぞ
             \      |
               |   /

407創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 12:26:03 ID:deOkA2J1
 よぉ、首輪つき。
 よかったぜ、お前とは……。
408創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 12:28:02 ID:x68bXlia
依頼書作るの楽し過ぎワロタwww
この際、ここの板キャラがレイヴンになったのを入れよう
409 ◆gD1i1Jw3kk :2010/05/08(土) 13:22:45 ID:D39uZABa
>>400
来た、設定来た! これで勝つる!

タイプDは生体ロケット弾を5分間に18発生成するんですか。
てっきり発射口は一つのみで、ドデかいのを一発撃った後は再生成に時間が掛かると思ってしまった。
410秋水 ◆3C9TspRFnQ :2010/05/08(土) 14:51:43 ID:c1UbThdr
一週間ほど山の中に出張していました…もうコテージに泊まるのは嫌だ…
さて、ながれぶった切って、地球防衛戦線ダイガストの3話を投下します。

少々量が多いので、ゆっくり目に投下しようと考えています。
人いなさそうだし、答え聞かずに投下開始。

あと予定では9レス+1
411第三話 たずさえぬ手と手 1/9:2010/05/08(土) 14:54:20 ID:c1UbThdr
地球防衛戦線ダイガスト

第三話 たずさえぬ手と手
 その日のGBCの限定攻勢中継は異様な緊張感の中で行われていた。
 未開惑星である地球で、銀河列強有数の大国である帝政ツルギスタンが敗れた。
これは由々しき事態であり、この2週間というもの、GBCはダイガストの情報収集に躍起になっていたし、列強の市民たちも辺境での椿事に興味津々であった。
 しかしダイガストが所属するという『大江戸先進科学研究所』の情報封鎖のヴェールは厚く、今もってその全貌は掴めない。
 …その方が視聴率的にも注目を集める、GBCはむしろ、そう開き直っていた。
 例によってレポーターが日本とツルギスタンの参加兵力を読み上げてゆく。
「帝政ツルギスタンは前回と同じくランツェタイプの儀仗兵が5機に、アフバルト・シュバウツァー大刃士が搭乗するブレーディアンという変わらぬ布陣です。
 解説のリッケントロップさん、これはどういう事でしょうか?」
「汚名返上の機会では?ツルギスタンでは名誉も重んじられますし」
「なるほど。さて、問題の日本国ですが…やはり今回もダイガストの名前があります。
 それと90式装甲戦闘車両、AH-1Sコブラ対戦車ヘリコプター。
 それにしてもダイガスト、未だ謎のヴェールに包まれております」
「圧倒的な戦闘能力でしたが、未開惑星の科学技術とは思えません。
 先日の特番でも示唆されておりましたが、やはり列強の植民地支配より逃れた亡命者による技術供与があったと考えるのが妥当でしょう。
 GBCでは地球への亡命者が60年ほど前に存在したことを掴んでいます。
 彼らの亡命先はアメリカ合衆国、エリア51という疎開地であり、また彼らの技術供与により、アメリカ軍は限定戦争でも善戦をしています。
 かのダイガストも、同じような経緯ではないでしょうか?」
 90式戦車の砲手席で私物のワンセグ携帯でGBCを見ていた若い二尉は、苦笑いを浮かべて自分の後方ちょっと上にある戦車長席を見上げた。
「聞きましたか戦車長、ロズウェル事件は本当だったそうですよ」
 話を振られた東和樹三佐はどんな顔をしたものか判らず、力無い笑いを浮かべる。
「マスコミの言うことなんて、いちいち真に受けるな。この調子じゃツングースカの爆発まで亡命者の仕業と言いかねんぞ」
「そういやロシアも何のかんのと上手いこと凌いでますよね。やっぱりツングースカには…」
「ロシアは国土の縦深が深いだけだ。独ソ戦の時と同じく、下がりながら戦っているだけだよ」
 言いつつ東は部隊内に蔓延している楽観ムードに心の中で舌打ちする。
 ダイガストの参陣が自衛官達から緊張感を奪っていた。
 2週間前の虚脱状態と比べるのは酷だが、しかし楽観は同じくらいに危険だった。
 東は部隊を率いる隊長なのでまだしも、果たして彼と同じような危惧を抱いている隊員は、青森平野に布陣した陸上自衛隊の中にどれ程いるものか。
「しっかし…」
 砲手はGBCのテレビ番組に目を落としながら言った。
「せっかくスーパーロボットなんてもんと共闘するのに、打ち合わせも無くて良いんですかね?」
「ぶっつけ本番で人型兵器との共同作戦なんてとれるか。
 符牒は? 通信帯は? 作戦は?何よりあっちは民間だぞ。アニメじゃないんだ、ホイホイ共闘できるかよ」
「アニメじゃない、ホントの事さー…でも現実は夢も浪漫も無いんですね」
「お前の現実は120o滑腔砲のトリガーだってことさ」
 ちょうど話がひと段落つくところで、彼らの上に爆音が響き始めた。
 何事かと東がコマンダーズキューポラから空を覗いてみると、
 彼の目に飛び込んできたのはスコップの先端のような、マンボウを横に寝かせたような、ともかく奇怪な大型航空機だった。
 大型機は見る間に高度と速度を下げると、失速寸前で機首を上げつつ後部ハッチを開いて、あのダイガストに合体した『形だけは90式戦車』を放り出す。
412創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 14:58:58 ID:q7+LS8l1
 
413創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 14:59:43 ID:deOkA2J1
 
414創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 14:59:47 ID:q7+LS8l1
 
415創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:00:33 ID:q7+LS8l1
 
416創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:00:40 ID:deOkA2J1
 
417第三話 たずさえぬ手と手 2/9:2010/05/08(土) 15:01:09 ID:c1UbThdr
 ああ、ああやって馬鹿でかい戦車を持ってきていたのか。東は変なところに感心する。
 失速寸前といっても巨人機は110ノット――時速、約200キロ――は出しているだろう、
 それで大地に放り出されるのだからあの巨大戦車は無事なのかと勘ぐってしまうが、
着地の寸前に覆帯にロケットパンチ――ブラストマグナム――の時に発生した力場と同じ発光現象が確認できた。
 おそらく衝撃は本体とは別の部分が受け取ったのだろう。
「まったく、民間はやる事なす事、豪勢で羨ましいな」
 東は呆けたように呟いた。

「まったく、金があるのならダイガストに飛行能力くらい付けらるもんを」
 大江戸博士は不機嫌そうに呟いた。
 手狭な部屋には壁面と一体化したディスプレイが配置され、その前には女性が席について、画面と繋がっているであろうパソコンのインターフェースをいじっている。
 艶やかな黒髪を長く伸ばした乙女…笠置透(カサギミナモ)嬢であった。
「『獅子王』、着陸しました。慣性制御フィールドは順調稼動。サスペンションに疲労は有りません」
 透は部屋の中央、手狭な部屋を更に狭くしている台座の前に立つ白衣の怪人物に報告する。
 怪人物などと対象の人格を否定するかのような表現ではあるが、何しろ白黒ストライプの頭髪を、講談の由比正雪みたいに伸ばしたおっさんである。
 怪人物としか言いようがない。
 自称地球が宇宙に誇る碩学、大江戸多聞博士は、白衣に手を突っ込んだまま台座の上をつまらなそうに眺めては、何やらぶつくさと呟いている。
 部屋にいるのは、この二人だけだった。
「くだらん。つまらん。どいつもこいつも杓子定規に時間と場所を合わせてヨーイドンで戦争。
 攻撃側が侵攻地域を指定、防御側が攻撃側の戦力発表に応じて防衛戦力を配置、
 攻撃側の戦力変更は不許可…なんだかんだと公平なルールとか言っとるワリに、
 防御側が守り切っても逆侵攻は禁じられている。結局は攻めて来た側、列強諸国に利する不平等なルール。付き合うほうがバカバカしいわ」
 作業台ほどの台座の上面は液晶になっていて、今日の限定攻勢に関する両国の諸元が表示されている。
 その中には日本側の戦力表示である青い三角――古今東西、友軍とは青であり、敵軍とは赤である――の集団から徐々に遠ざかる大きな三角が映っている。
 インフォメーションには大鳳(タイホウ)との表示。
 つまりはこの部屋を含み、獅子王と呼ばれた巨大戦車を空輸してきて、東三佐を呆然とさせた、大型の輸送機のこと。
 東三佐は豪勢と言っていたが、実際のところは米国製C-17輸送機を川崎重工が
 (※この物語はフィクションです。実際の団体とは関係ありません…たぶん)
研究用として購入したのを、研究終了に伴い大江戸研究所で買受け、いわゆる魔改造を施したものである。
 ちなみに、自衛隊の次期輸送機開発計画を受領したのは川崎重工である。
 生まれ変わったC-17輸送機は大江戸研究所の『研究実証用飛行試験体・大鳳』という、海の物とも山の物とも付かない物体となったが、
同研究所の研究員達はその外見から『雷鳥2号』という不可解な愛称で呼んでいた。
 さてその大鳳のメインの通信設備の前で、軍艦のCIC(戦闘指揮中枢)も真っ青の情報処理設備を取り仕切っているのが、
大江戸先進科学研究所のアルバイトである透だ。
 彼女はヘッドセットのマイクのスイッチを入れると、
「鷹くーん、土岐さんは到着したよ」
 と、なんとも気の抜けた報告をいれる。
 彼女の前のモニターに苦虫を噛み潰したような顔の幼馴染が現れたのは、まぁ当然の流れであった。
「俺の機体の通信符丁は『太刀風』だと言ったろうが!」
「えー、鷹くんは鷹くんだよ」
「取り決めなの!通信記録が残ってるの!後で聞く人がいるかも知れないのっ!!」
418創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:01:23 ID:q7+LS8l1
 
419創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:02:06 ID:deOkA2J1
 
420創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:02:11 ID:q7+LS8l1
 
421創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:02:53 ID:deOkA2J1
 
422創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:03:33 ID:q7+LS8l1
 
423創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:04:17 ID:q7+LS8l1
 
424創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:06:52 ID:q7+LS8l1
 
425第三話 たずさえぬ手と手 3/9:2010/05/08(土) 15:07:07 ID:c1UbThdr
「ふぅんだ、わたしはただの大学生ですー。鷹くんみたいに自衛隊から出戻りになった訳じゃないもん。
 小難しいことはわかりませーん」
 当事者同士にしか判らない痛いところを突かれ、鷹介は言葉に詰まる。
「お、お前、まだ根に持ってるのか?」
「…太刀風、通信は記録されているのでは?」
「うぐぁ…」
 透は直ぐに事務口調に戻ったもので、鷹介は変な唸り声を上げるしかなかった。
 総じて透は抜けた口調から『頭が残念な子』に思われがちだが、彼女の後ろに陣取る『宇宙に冠たる変人』の愛弟子であるからして、生半な秀才では勤まらない。
 おそらく脳味噌の変わりに高性能な餡子が入っているのだろう。彼女のことを昔から知る鷹介には、そう思えてならない。
 ただ気掛かりなのは、彼女は国文寄りの歴史を学んでいた筈なのだが、何故に大江戸博士の研究室の扉を叩いたのかだった。
 超考古学。だいたい学会では閉会1時間前にピストン発表されるイカモノの類である。
 どうしてこうなった。
 鷹介は自分の身の上に微かな後悔を感じつつ、F-15もどきである『太刀風』を青森の上空に進出させた。

 アフバルト・シュバウツァーは今回は警告無しに行動していた。
 ダイガストは紛れもなくツルギスタンの覇道に立ち塞がる敵である。
 過去の武人達の逸話のように、鉾を交えていない時なら友人の様に振舞う、そんな真似は出来そうに無かった。
 ブレーディアンを先頭に立たせ、儀仗兵を二列縦隊にして後に従わせる。
 モニター上のダイガストは既にあの巨砲を腰だめに構え、戦闘準備を整えていた。例によって砲口は真円を描き、水平射で直撃を狙っている。
 モニター上のインフォメーションが、攻勢開始までの時間をカウントダウンしていた。
 多数の棒線で構成された彼らの数字は、どの文明でも同じなのだろう、時間経過と共にどんどんシンプルに変わってゆく。
 すなわち、1に、0に。

「鷹介、『46センチ ヤマト砲』の照準、完了だ」
 頭上からの虎二郎の報告を聞きつつ、鷹介はそれぞれの手に握ったサイドスティックを柔らかく握り直す。
 本来なら弾道軌道で――飛ばすだけなら――40000メーターを飛翔する筈の砲弾を、
精々2000メーターで直射するのだから、照準なんて有って無きが如しだ。
 地球人類史上最大の艦載砲が何ゆえダイガストの携行火器となっているのか、それはいずれ語られる時も来るだろう。
 それよりも今は1,4トンの金属塊を、何として音速の2倍で異星人の侵略軍にお見舞いするか、これに尽きた。
 何しろ今回は陸自のコブラが周囲を旋回している。
 彼らには彼らの役目が有るのだろうが、しかし砲の発射時に生じる衝撃波に巻き込んでしまったら、回転翼機など一溜まりも無く弾き飛ばしてしまう。
 悪いことに、自衛隊との協調は執られていなかった。
 それは面子とかの生臭い話より、むしろ東三佐が指摘したような、極めて現実的な不具合だった。
 ダイガストの性能諸元は当然不明のままであり、通信帯も判らないので通話手段が無い。
 そもそも陸上自衛隊には異星人との交戦ドクトリンが無い。…ある訳が無いのだが。原則論の無い状態で協力のみを現場に求めるのは酷だ。
 自衛隊側の法整備の不備にも問題があった。
 日本国自衛隊の軍法や交戦規定に値するものは、警察予備隊の時分から曖昧なままである。
 戦場で彼らを守り、律するのは、あくまで日本国憲法であり、罰するのは警察である。
 自衛隊法では義務と責任を行使する機会が不明瞭であり、その名誉を保障するには余りに心許無い。
 極端な話ここで戦死したとて、白木の箱に収めて国旗に包み、その死が無駄でないことを国民に周知してくれるのかも定かでない。
 その上で、誰がこれ以上の面倒と責任を請け負うのか?
426創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:07:45 ID:deOkA2J1
 
427創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:08:50 ID:deOkA2J1
 
428創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:09:37 ID:deOkA2J1
 
429創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:10:24 ID:q7+LS8l1
 
430創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:10:25 ID:deOkA2J1
 
431創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:11:08 ID:deOkA2J1
 
432創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:11:13 ID:q7+LS8l1
 
433第三話 たずさえぬ手と手 4/9:2010/05/08(土) 15:12:03 ID:c1UbThdr
 青森平野に集まった自衛隊員達が、ダイガストの巨体をまるで他人事のように見上げていたとて、誰が責める事が出来ようか?
 そして当事者達に意思の疎通が無かったとて、侵略者達の茶番劇は放送時間通りにやってくる。
 まるでスポーツの試合開始のように、戦闘開始を告げるサイレンが青森の空に響きわったった。
 東三佐は戦闘開始と同時にヘッドセットのマイクにむかって声を張り上げた。
「前進用意、前へ!」
 そして逡巡の後、全車に私用通信である一言を付け加えた。
「プロの仕事を、アマチュアに見せてやれ!」
 十数両――中隊規模――の臨時編成された90式戦車達が一斉に黒煙をあげて前進を開始する。
 射撃指揮装置はいかなる戦車の機動でも、120mm滑腔砲の筒先を侵略者たちに据え付け、微動だにしない。
 頭上にコブラを伴って進撃する90式戦車の姿は勇壮であり、時と場所が違えば自衛隊の広報映像であると勘違いしそうになる。
 彼らの向かう先に広がる驚天動地の光景が無ければ、だ。
 迫り来る剣を逆さにしたような化け物と、その後ろに連なる、槍を構えた首の無い西洋鎧をディフォルメさせたような巨人たち。
 そして化物の行進に立ち塞がる、スーパーロボットととしか言い表せない何か。
 ああ、ああいうのに乗ってないと、ここにいてはいけないんじゃあ…少なくない何人かが、漠然とそう感じていた。
 と、唐突に彼らを現実に引き戻す、凄まじい号砲が響き渡る。
 ダイガストが抱えた巨砲を発砲したのだ。
 通常装薬量、実に360kgが瞬時に燃焼し、砲口からこの世に煉獄の光景が生み出されるや、1,4トンの砲弾が音の壁を突き破り吐き出される。
 発砲の衝撃は大気を揺らし、分厚い空気の波となって90式戦車を叩くや、コブラのパイロット達を慌てさせるほどの気流の乱れを作り出した。
 自衛隊員達が驚愕するのと同じころ、アフバルトもまた46センチの洗礼を受けていた。
 砲弾とは装甲に対し垂直に突き立つ時に最大の効果を発揮する。数千メーターを弧を描いて飛来し、
哀れな標的の直上に降り注ぐのが理想的な砲撃である。
 が、帝政ツルギスタンとの限定戦争に関しては、砲戦距離という言葉が意味を成さない距離で戦闘が開始される。
 結果、砲弾は戦車砲のように水平に飛来し、装甲に対して垂直に食い込んでゆく。
 弾道軌道を描かないため位置エネルギーによる加速が無く、破壊力は理論値よりも低くなるが、
まぁ1,4トンをぶつけられてもビクともしない質量塊というのにブレーディアンは含まれない。
 砲弾は修理とともに増設したはずの複合装甲が、形成炸薬効果を減衰する前に物理的にそれを破壊し、
機体表面に存在する限定的な慣性制御の力場を瞬時に飽和させ、ツルギスタンが誇る特殊鋼の装甲を直接食い破り、
その内部で弾殻が爆発するや、モンロー/ノイマン効果に従い高温高圧の金属粒子を機体内部へと押し込んでゆく。
 瞬時に機体表面は爆発で引き千切られた増加装甲でささくれ立ち、右肩辺りに引き裂いた粘土の様な破孔が開いていた。
 機体の損壊にアフバルトはしかし凄絶な笑みを見せ、破孔の向こうに後ろの光景が見える事に虎二郎は舌打ちする。
「破孔が思ったより広がらない…バリアか!?ダメージを局限されてるぞ!」
「第二射、いきます」
 鷹介は効果を気にせずにトリガーボタンを親指で押し込む。
 ツルギスタンの兵器にも人間が搭乗している。その上で砲火に身を晒しての、無策な突撃などする訳がない。
 彼らは政治将校に見張られた共産国の軍人と言うわけでもあるまい。ならば考える頭を持っている。その突撃には意味がある。
 さし当たっては、このままなら済し崩しに六対一の乱戦に巻き込まれてしまうだろう。
 視界を朱に染める発砲炎の中、鷹介はいまだ突撃を続けるツルギスタン軍に、尻の座りが悪くなるような不安を感じていた。
434創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:12:32 ID:q7+LS8l1
 
435創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:13:22 ID:q7+LS8l1
 
436創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:13:31 ID:deOkA2J1
 
437創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:14:46 ID:q7+LS8l1
 
438創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:15:30 ID:deOkA2J1
 
439第三話 たずさえぬ手と手 5/9:2010/05/08(土) 15:17:12 ID:c1UbThdr
 第二射も過たずブレーディアンを打ち据え、その装甲を食い破った。
 下半身にあたる剣の刃のような部分が石榴のように裂けて黒煙と破片が噴出する。
 が、行軍速度は衰えない。
 46センチ砲弾という規格外の巨弾の再装填には時間を要する。機動戦には甚だ不向きだ。
 鷹介は次弾装填の時間は無いと判断し、ダイガストに46センチ砲を投げ捨てさせる。
 既に敵は指呼の距離に接近していた。
「鷹介!ミサイルならまだ間に合う!」
 虎二郎が悲鳴じみた声をあげる。
 鷹介としては取り合っている暇がない。とっさに昔の癖が出た。
「ユーハブ!(この場合の意訳:任せた)」
「あ、アイハブ!?」
 よくもまぁ母国語でないのに土壇場で出てくるもんだと、
虎二郎は妙なことに関心しながらコンソールパネルから火器管制に直接指示を送る。
 その間にもダイガストは拳を固めて踏み出していた。
 僅かな助走距離からGを感じるほどの加速に移ると同時に、ダイガストの後方の空間に波紋のような揺らぎが現れ、
そこから4発のミサイルが飛び出した。
「次元背嚢(はいのう)転張終了、99式誘導弾/改を4発発射、目標は先頭のブレーディアン、残弾ナシ」
「了解、格闘戦に入ります」
 二人は淡々と受け答えを続けながら、増大した相対速度の中を一気にツルギスタンの軍勢へと突っ込んでゆく。
 突進の力をそのままに、繰り出した右の拳ごと、矢のようになって突き込む。
 同時に99式誘導弾/改――空自の標準装備のバンカーバスター仕様――がブレーディアンに殺到した。
 連続して黒煙を伴う爆発が起こり、止めにダイガストの拳が唸りを上げて飛んでくる。
『わざわざ突撃を受け止める必要なんて無い。こっちから鼻っ面に一撃くれて衝力を砕いてやる』
 鷹介の思惑を知ってか、ここで初めてアフバルトが動いた。こちらも突撃の速力そのままに、剣となった腕を袈裟懸けに振りおろす。
 ぶつかり合った両者の得物が金属の火花を上げて弾き飛ばされた。互いの上体が反発力で仰け反り、その動きが瞬時、止まる。
 直後、アフバルトの宣言が外部スピーカーからほとばしった。
「勝ったぞ!」
 その言葉を待っていたように、儀仗兵が全速力でダイガストの両脇を素通りする。
「し、しまったぁぁああぁあぁぁああぁあぁああぁぁああああぁあぁあぁ!!」
 大江戸博士の絶叫がコンソールのモニターから轟く。その余りの驚きように虎二郎が目を白黒させるほどだった。
「は、博士?」
「奴等の狙いはダイガストの撃破じゃない!戦線の突破だ!!
 ツルギスタンとの戦時協定では敵戦線を2キロ越えれば、攻撃側の勝利とある!!」
 聞いてないよ、とか使い古しのギャグを言いたくなるのをグッと堪え、鷹介は直ぐに左手の操縦桿のトリガーボタンを押し込む。
 左腕がブラストマグナムとして発射され、遠ざかりつつあった儀仗兵の最後尾の一機の背をまともにブチ抜いた。
 右腕のみと思っていた射出拳が左腕にも装備されていたことにアフバルトは少なからぬ驚きを覚えたが、
その拳が左肘に帰還する前にブレーディアンの腕の刃で叩き落す。
「再装填なぞさせん!」
 重々しい音をさせてダイガストの左腕が土にめり込む。不首尾に大江戸博士のヤジが飛んだ。
「早く拾わんか!!ヤマト砲を構えろ!雑魚を撃ち漏らすな!!何のために飛び道具を用意したと思っとる!!」
 しかし鷹介は対峙したブレーディアンとの決闘にまんじりとも動けず、
虎二郎も大立ち回りを控えたダイガストの出力調整に神経を尖らせている。
 地球人類が手にした暴力の中で間違いなく過去最高であるダイガストを操るには、大人二人でも手一杯であった。
 …それでも大鳳からの通信のボリュームを下げたのは二人同時であったが。
440創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:17:52 ID:q7+LS8l1
 
441創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:17:59 ID:deOkA2J1
 
442創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:18:39 ID:q7+LS8l1
 
443創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:19:30 ID:deOkA2J1
 
444創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:20:09 ID:q7+LS8l1
 
445第三話 たずさえぬ手と手 6/9:2010/05/08(土) 15:21:29 ID:c1UbThdr
 張り詰める緊張の中、ダイガストの右足が土に深く沈みこむ。
 出る、そう思わせた瞬間に鷹介はバーニアのスロットルをメカニカルロックまで押し込み、ダイガストの巨体を全速で飛び退らせた。
 フェイントに、しかしアフバルトは引っかからない。すぐさま突っ込んで、ダイガストに追いすがる。
 いや、フェイントで有ろうと無かろうと関係ないのだ。今日の彼の役目は、ダイガストの足止めに他ならなかった。
 復仇と、任務のために、ただ雄々しく戦い続ければよい。これほど楽なことは無い。
 何しろ彼は勇猛果敢であれと薫陶行き届いた、ツルギスタンの模範的貴族仕官であるのだから。
 ブレーディアンの両腕が竜巻のように絶え間なく襲い来る。
 ダイガストは右腕一本で刃を打ち払い、いなし、徐々に後退してゆく。それは落着した左腕との距離が開いてゆくことも意味する。
 拳に展開したフィールドが斬撃の負荷に光の飛沫となって飛び散り、右腕の装甲が火花をあげた。
「土岐さん、30mmレールガン、預けた!」
「諒解!」
 寸刻みに戦力を削がれてゆくなか、虎二郎の照準でダイガストの胸部から電磁パルスを伴う弾丸が射出される。
 しかし46センチ砲弾ですら止まらないブレーディアンの巨体には足止めにもならなかった。
 手数が足りない。鷹介はこの闘いに没入せざるを得ない状況に陥っていた。
 それは同時に彼らの後方で行われる戦いが、過酷なものになることを物語っていた。
 
 一機減って四機となった儀仗兵ランツェは、それでも見事な動きで横隊に移行し、陸上自衛隊へと突進を開始した。
 土煙を上げて迫りくる巨人の集団。
 殆どの隊員達が頼りにしていたであろうダイガストは、敵の主力に吸引されていた。東三佐の脳裏に過去二度の戦いの悪夢が蘇る。
 彼らの頭上で風を巻いてAH-1コブラが進出した。
「目標、前方の『槍持ち』…発射よーい…発射」
 相対距離の関係で直ぐに射点に達したコブラ達は、機体の左右に吊り下げたTOW(対戦車ミサイル)を次々と発射した。
 多数の白煙を引いて有線式のミサイルが飛翔する。前回のダイガストのミサイルによる儀仗兵各坐の戦訓から、目標は脚部と定まっていた。
 低空でホバリングしながらミサイルの照準を続けるコブラに、儀仗兵の胴体から赤色の可視光線が延びたのはこの時だった。
 横薙ぎに振るわれたのはレーザーであり、まるで据え物斬りの様にコブラが溶断されていった。
 TOWは着弾まで照準を続けねばならない、誘導兵器としては些か旧式の部類だ。当てようとするなら、大きな回避行動はとれない。
 誰もがその危険性を理解していた筈である。しかし、結局、義務は履行され、コブラの搭乗員達は次々に『英雄』に散華してゆく。
 ほんの何発かが儀仗兵の膝頭に突入したが、黒煙の後に現れたのは先んじて砕けた増加装甲だった。
「『槍持ち』は足に装甲を付けている!装甲の破壊を確認したのは、1番と4番!繰り返す!!1番と4ば…」
 通信がノイズに変わる。
 最後のコブラが火達磨になると、力を失ったローターの回転に引きずられ、くるくる回りながら大地に還っていった。
 くそっ!
 東は心中で舌打ちすると、彼らが命に変えて伝えてきた事をヘッドセットのマイクへと叫んだ。
「一小隊は『槍持ち』1番に、二小隊は4番、三小隊は2番、ついで3番の装甲を狙え!!」
東が直接率いる4台の90式戦車は儀仗兵の進路に直角に侵入し、
「小隊、『槍持ち』1番、徹甲、班集中、撃(て)ッ!!」
 俗に殺人ブレーキと呼ばれる90式戦車自慢の急停車を見せるや、直後に4台が殆ど同時に44口径120mm滑腔砲を発射する。
446創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:22:31 ID:deOkA2J1
 
447創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:23:11 ID:deOkA2J1
 
448創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:23:14 ID:q7+LS8l1
 
449創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:24:20 ID:deOkA2J1
 
450創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:24:44 ID:q7+LS8l1
 
451第三話 たずさえぬ手と手 7/9:2010/05/08(土) 15:26:21 ID:c1UbThdr
 体感的には音も振動もただの一度きり。
 そして発砲炎を引き裂いてAPFSDS(Armor Piercing Fin Stabilized Discarding Sabot)が飛び出した。
 タングステン製の矢のようなこの徹甲弾は、儀仗兵の膝頭に触れるや、速度でもって自身の形状を変形させながら、
装甲の奥深くへと穿孔してゆく。
 異星の科学技術で作られた脚部は地球人の第4世代戦車の正面装甲より厚く、
タングステンの浸透体は次々に装甲の半ばで質量の全てを変形し尽くし、運動エネルギー弾としての役目を終えてゆく。
 しかし、誰の放った弾か、その一発だけはTOWが作り出した装甲の歪みの、ほんの僅かな凹みに浸透し、
最後の数ミリを残った運動エネルギーとともに間接部の機械部品へと解き放った。
 突如として儀仗兵の一体が片膝を着き、大地の上に身を投げ出すように転がった。
 各車から歓声があがる。
 が、それも直ぐに爆発音に掻き消された。
 奇跡はそこまでだった。彼ら以外の小隊は儀仗兵の脚部装甲を貫徹できず、あるいは命中弾を得られずに、反撃…いや、駆逐の憂き目にあっていた。
 破壊する筈だったロボットの足でもって蹴たぐられれば、質量差から簡単に複合装甲はひしゃげ、あるいは裂ける。
 そこに偏光器から照射される赤色破壊光線がものの数秒降り注いだら、あとは弾薬庫の砲弾が自分達ごと車体を誘爆させる。
 爆発音の正体はそれだ。
 東はもはやどれだけ残っているかも判らない戦車中隊に指示を飛ばす。
「全車、『槍持ち』4番に集中…」
 彼は最後まで命令を口にする事が出来なかった。
 凄まじい衝撃に車体が浮くような奇妙な感覚を味わい、彼の意識は途切れていた。
 各坐したはずの儀仗兵が寝転びながらに振り回した槍が、車体を吹き飛ばしていたのだ。

 ハンス・グラーフ・ルドガーハウゼン大剣卿は執務室の豪奢なデスクでGBCの戦闘中継を視聴していた。
 殖民惑星から取り寄せた巨木――原住民が信仰の対称にしていたらしい――から切り出した一枚物のデスクの上では、
中空へと実体のないモニターが映像を投影している。
 リポーターはツルギスタンの日本の防衛陣地突破による勝利を伝えていた。
 また、火中のダイガストとブレーディアンの『引き分け』を名勝負と褒めちぎり、しきりにゲストの巨乳タレントが黄色い声をあげている。
 アフバルト・シュバウツァー発案による戦線突破案。
 消極的に過ぎると一部の幕僚から非難があがったものだが、最終的に妥当としたのはルドガーハウゼンだった。
 GBCも盛り上げるのに必死であり、作戦は概ね『速攻』として報じられている。
 まずは汚名返上。
 ルドガーハウゼンは椅子に深く背をもたれると、安堵に小さな溜息をついた。
 いずれはダイガストを撃破せねばならない。が、勝ってなんぼの銀河列強。
 今回の件もツルギスタンやその他の銀河帝国文明圏の臣民・市民達は、演出された苦戦と捉えているに違いない。
 対策はその間に立てねばならない。誰しもに、本当の苦戦と気付かれるまでに。
 と、鬱々として愉しまないルドガーハウゼンの元を、緊張した面持ちの幕僚が訪ねてきた。
 彼は北海道支配に関する進捗データを入力した端末――まさに色付きの半透明下敷き――を手渡すと、
落ち着かない様子で上官の閲覧する様子を見守っている。
「ん?」
 はたしてルドガーハウゼンは膨大な数値が入力された表の中に、気になるものを発見する。
「通貨の交換率が芳しくないな。情報の周知は徹底したのかね?」
「はっ。ホッカイドウ住民にはツルギスタンへの編入と、それに伴う『エン』の価値の消失を説明しております。
 放送は一日に朝、昼、晩と三度。既に一週間に渡って告知を続けています」
452創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:26:30 ID:deOkA2J1
 
453創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:26:57 ID:q7+LS8l1
 
454創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:27:54 ID:deOkA2J1
 
455創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:28:14 ID:q7+LS8l1
 
456創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:29:04 ID:deOkA2J1
 
457創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:29:17 ID:q7+LS8l1
 
458創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:29:43 ID:f4DFUgHU
支援
459第三話 たずさえぬ手と手 8/9:2010/05/08(土) 15:30:03 ID:c1UbThdr
「…ふむ、ではそれ以外に不備があった?」
「各市役所に充分なスタッフを派遣し『エン』と『ツルギスマルク』の交換を行っています。
 交換レートは未開惑星格付けに照らし合わせ、10:1で」
「交換比率が彼らに受け入れなかったのか?」
「いえ…無いのです」
 幕僚は実に控えめに答えた。
「何が、かね?」
 ルドガーハウゼンは悪い予感を覚えていた。
「『エン』が、です。我々の『ツルギスマルク』と交換するための種銭が。
 銀行や証券会社にも調べに入りましたが…日本国総理大臣の命令により、
 取引が凍結、あるいはニホン本土に引き上げられた後でした」
 音高く席を立ち、ルドガーハウゼンは驚きに戦慄いた。幕僚は続けた。彼自身、その事を信じられないのだが、言うだけだから苦労は要らない。
「大手金融機関ほど徹底して通貨と証券が引き上げられています。
 ご報告した通貨交換の数値は、つまりは民衆のポケットマネーです。
 麻痺した市場にはなけなしの『ツルギスマルク』を握った民衆が溢れていますが、通貨量が圧倒的に足らず市場経済が成り立ちません。
 現地通貨との交換を基本とした植民地市場計画は…破綻します」
「すぐに経済スタッフに市場復興に必要な金額を試算させろ!配給計画の終了は当分先送りに。
 それと、GBCには絶対にスッパ抜かれるな!!全宇宙の笑いものになるぞ!」
 幕僚は復唱の後、敬礼をすると、慌ただしく司令官の執務室から出て行った。
 残されたルドガーハウゼンは喉の奥から搾り出すような怨嗟の声をあげるのだった。
「おのれクニバミチアキィィィッ!!」
 敵はダイガストだけでは無かった。
 まさに、ルドガーハウゼンにとって、最強の敵とは。

 頭の中で割れ鐘が響いているようだった。
 不快な鈍痛に耐えながら東三佐は、ようやっとガンナーシートから引きずり出した砲手を地面に寝かせた。
 操縦手席には何かがブチ当たり、血の泥濘と化していた。そこにいた操縦手の痕跡は、たった一つの色のみ。
「…東三佐」
 血の気の失せた顔で砲手は口を開いた。顔にあるべき色は、こちらは腹部に大量に移っていた。
「負けっちまいましたねぇ…」
「喋るな。すぐに回収班が来る」
 東は自分がどんな顔をしているか判らなかった。ただ、無性に目頭が熱かった。
 たぶん、しこたまヘルメット越しに頭をぶつけたからだ、そうに違いない。
 砲手はチラリと頭上を見上げる。
 地響きをさせてダイガストが歩いていた。時折しゃがみ込んで、ひっくり返った90式戦車を起こし、ひしゃげた車体を指で器用に戻して回っている。
「あ〜あ、不甲斐無いとか思われてるかなぁ…」
「そんな事は無い!誰にも言わせない!!」
 東は砲手の手を握り、焦点を失いつつある部下の瞳に語りかける。
「俺たちは『槍持ち』を1機各坐させたろ。戦えるんだ、まだ、俺たちは!」
 それは自分に言い聞かせているようなものだった。
「敵1両撃破だぞっ!俺が考課表に書いておいてやるからな!昇進も早まるぞ!!だから寝るなっ!まだ寝るな!!」
 砲手は何時の間にか事切れていた。その顔に浮かんだ力ない笑みは、成し遂げた事への満足だったのか、東への同情だったのか。
 東は慟哭した。

460創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:30:42 ID:deOkA2J1
 
461創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:30:49 ID:q7+LS8l1
 
462第三話 たずさえぬ手と手 9/9:2010/05/08(土) 15:31:35 ID:c1UbThdr
 暗い表情で絶望的な救出活動を続ける鷹介は、ふと、誰かの泣き声を聞いたような気がした。
 蹂躙された戦車とヘリを見るに、肉体を失った誰かの声が聞こえてもおかしくない状況だった。
 ダイガストの損害は軽微だ。研究所に戻り、大江戸博士に嫌味を言われて、腕の装甲板を取り替えれば、戦力を取り戻すだろう。
 しかし限定攻勢の結果は日本の敗北。ことに、ここまで生き残ってきた将兵の損失が痛い。
 装備はまた作れば良い。しかし経験は直ぐには準備できない。
 ミッドウェーの大敗で、独ソ戦の泥沼で、枢軸軍が数値化できない貴重な戦力を失っていったように。
 もっと上手く立ち回れなかったのか。
 それは鷹介と虎二郎の心の奥に凝る、遣り切れない何かだった。
 同じ頃、回収艇で帰還するツルギスタン将兵の中、アフバルトも煮え切らない感情を抱いていた。
 決定的な破局はないが、決定的な勝利もない。僅かな時間斬り結び、ルールに則って勝利を得る。
 おかしな事は何も無い。これが銀河帝国に属した人々が、長年にわたる不毛な小競り合いの後に見出した、文明人に相応しい闘争の形なのだ。
 それでは自分の中に渦巻くわだかまりは何なのか。
 アフバルト・シュバウツァーは、その理由を追求するのを無理に止めた。
 青森平野を夕日が照らす。
 大地が吸った幾多の血潮を映したようなその色は、やがて来るであろう北海道と同じ混乱を予感させた。
 兵の血の色か、民を焼く火の色か。
 しかし、安易に流血を否定するのなら、より過酷な現実が突きつけられる事となる。
 ただ家畜であるべし、と。

つづく


次回予告
 ツルギスタンの進駐に混乱を極める青森で、
 広域指定銀河暴力団『モンタルチーノ商会』が跳梁跋扈を始めた。
 水に落ちた犬を棒で突くような下種に、鷹介とアフバルトは図らずも怒りを共有する。

次回、地球防衛戦線ダイガスト 第4話
 『誰がために『金』は成る』
 この国を好きではいけないのですか?

463創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:31:41 ID:deOkA2J1
 
464創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:31:55 ID:q7+LS8l1
 
465秋水 ◆3C9TspRFnQ :2010/05/08(土) 15:33:38 ID:c1UbThdr
支援、感謝します。(`・ω・´)ゞ

以上です。
異なる勢力による軍事行動とは、古来より失敗の代名詞でした。
アニメでは発艦してから僚機を指示され、作戦行動をその場で出すような作品もありましたが、
まぁ、その辺をクソまじめに追求すると、こんなお寒い話になる、と。
…前回の次回予告とは、少々イメージが違ってしまいましたがねww

さて、それでは近いうちに、また。
466創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:34:45 ID:deOkA2J1
>>465
 投下乙です! それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
467創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 15:36:14 ID:q7+LS8l1
>>465
投下乙!それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
468創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 16:34:59 ID:6XdSaNDt
>>465
乙樽!
469創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 17:22:44 ID:deOkA2J1
>>465
 改めまして投下乙です!
 砲主、いいキャラしてたのに……。しかし手痛い敗北ですね、これを機会に色々と改善する事ができればいいのですが。
 しかし現地通貨を引き上げるのはしてやったり、ですね。現地の人はちょっと可哀相ですが。
 しかし次回のサブタイトル上手いw
 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
470創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 20:39:19 ID:deOkA2J1
 人いない……だと……!?
471創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 21:18:26 ID:6XdSaNDt
呼んだかね!



素甘おいしいよ素甘
472創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 21:38:36 ID:NUKF8ULJ
>>465
投下乙!
まさに「通常兵器では太刀打ちできない!ノーマルはまだか!ノーマルは!」気分でした(ネタが分からなければ申し訳ない;)
戦車やヘリで異星人の巨大ロボットに挑み、「英雄」となっていった彼らに合掌。。。連携取れなきゃやっぱり不味いよね、うん。
まぁそもそも巨大人型ロボットとどうやって連携とるかというのもあるんですが……

ツルギスタンに一泡食わされ、こちらも食わせ……次は広域指定銀河暴力団とwスケールでかいなw
鷹介とアフバルトの共闘が見れるのかどうなのか。。。次も楽しみにしてますねー
473創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:04:11 ID:6XdSaNDt
>>465
投下乙!

やだ……自衛隊がかっこいい(失礼
46センチ砲で撃破出来ないとか……これが超技術なのか。通常兵器では殺しきれんようだ。ええい、ガンダムはまだk(ry
第一世代戦車と第三世代戦車並みに能力に開きがあるってことか……戦車砲でこれなら歩兵はゴミ同然なんでしょーか。

最後の経済的な逆襲は意外でした。
戦力的抵抗と経済的抵抗。日本の未来に明るい兆しが……

次回も待ってます!
474創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:32:03 ID:q7+LS8l1
>>465
改めて投下乙!勝利した矢先のこの敗北、辛すぎる……自衛隊の方々のご冥福を祈ります
しかし、勝利のためならやっぱり連携は必須よな。次から改善されるといいけど、果たしてどうなるか……
475創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:34:23 ID:deOkA2J1
 誰得なネタできたんですけど、投下してもいいですかね?
476創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:37:52 ID:6XdSaNDt
構わん投下しろ
477PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:41:29 ID:deOkA2J1
 ではお言葉に甘えて投下させていただきますねw


※わからない人には本当においてけぼりです。
※ついでに数字は適当なので、酷いバランスブレイカーになっている可能性があります。
478創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:43:27 ID:6XdSaNDt
シェー
479創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 22:45:15 ID:7JfIZyrD
>>465
投下乙です!
うぅ、イタイなぁ。正面からダイガストには勝てないから、足止めして戦線を突破。
上手いこと相手の策がハマったって所ですか。
ダイガストは損傷軽微なのに隊員の方々が……って所がまたやるせなくなりますた(´;ω;` )

あと通貨の凍結で思わず唸りました。勝っても実入りが無ければ意味がないですからねw
次回も楽しみにしとります!
480VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:48:02 ID:deOkA2J1
 なんか衝動でVSシリーズの武装解説みたいなのしたくなったでござるのマキ。あと忘れてましたが、ネタバレとかミスリードとか含まれてるので注意してください。

リヒター・ペネトレイター
正式名称:M-12 リヒター・ペネトレイター(自称)
マスター:一条 遥
コスト:2000 耐久力:500 ガード:○ 変形:× 換装:△(フォームチェンジ)

射撃 ※()内はフォームチェンジ時の数値
メイン射撃:光弾 弾数:3 威力:50(60) 備考:撃ち切りリロード・3連射可能。

サブ射撃:ワイヤーアンカー 弾数:− 威力:0 備考:射程が短めのアンカー。格闘、特殊格闘に派生あり。

サブ射撃格闘派生:切り抜け 弾数:− 威力:80(100) 備考:−

サブ射撃特格派生:連続とっつき 弾数:− 威力:182(217) 備考:威力高、カット耐性皆無。

特殊射撃:フォームチェンジ 弾数:100 威力:− 備考:フォームチェンジ発動。

フォームチェンジ時特殊射撃:抜刀 弾数:− 威力:− 備考:格闘がブレイドモードに変化。
481VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:49:17 ID:deOkA2J1
格闘 ※()内はフォームチェンジ時の数値

地上通常格闘:貫手×2→左手刀→右肘打ち→裏拳→左正拳 入力:NNNN 威力:211(233) 備考:特格、サブ射でキャンセル可。

地上横格闘:ダガー抜き胴×2→回転切り 入力:横NN 威力:182(206) 備考:よく動く多段ヒット攻撃。特格、サブ射キャンセル可。

格闘前派生:切り抜け 入力:(任意段)前 威力:30(40)

格闘横派生:シャイニングウィザード 入力:(任意段)横 威力:100(130)

地上格闘後派生:アッパー 入力:(任意段)後 威力:30(40)

空中通常格闘:左横薙ぎ×2→右突き→切り払い 入力:NNNN 威力:180(210) 備考:特格、サブ射キャンセル可。

空中横格闘:蹴り上げ×2→殴り→サマーソルトキック 入力:横NN 威力:180(193) 備考:特格、サブ射キャンセル可。

格闘前派生:切り抜け 入力:(任意段)前 威力:30(40)

格闘横派生:シャイニングウィザード 入力:(任意段)横 威力:100(130)

空中格闘後派生:叩き落とし 入力:(任意段)後 威力:40(50)

後格闘:マナバリア 入力:後 威力:0 備考:射撃を一発だけ防ぐバリア。隙大きめ。攻撃時消滅。

BD格闘:飛び蹴り 入力:BD中前 威力:116 備考:特格、サブ射キャンセル可。

特殊格闘:掴み→拘束攻撃→とっつき 入力:特 威力:105〜160(120〜174) 備考:掴みダメージ50。掴み中は格闘連打でダメージ上昇。
482VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:50:07 ID:deOkA2J1
ブレイドモード時の変化

射撃

サブ射撃:大剣巨大化→薙ぎ払い→振り下ろし 弾数:− 威力:331 備考:薙ぎ払いにスタン属性。使用後通常フォームへ強制チェンジ。

特殊射撃:納刀 弾数:− 威力:− 備考:剣闘から拳闘へ。


格闘

通常格闘:胴薙ぎ→突き→袈裟掛け→多段切り上げ 入力:NNNN 威力:199 備考:−

前格闘:切り払い→切り払い→二刀流回転切り 入力:前NN 威力:185 備考:−

横格闘:切り抜け×2 入力:横N 威力:182 備考:切り抜け初段にスタン属性。

後格闘:カウンター 入力:後 威力:150 備考:成功後、残像を伴う切り抜け。

BD格闘:突き→切り抜け 入力:BD中前 威力:135 備考:切り抜けにスタン属性あり。



機体解説

近距離戦に特化した格闘機。耐久は3000コスト中最低クラス。
BDの速度は優秀だが、持続は並以下の短距離スプリンタータイプ。
赤ロック距離が短いが、格闘機なのでそこまで気にする程ではない。

通常の格闘の発生はトップクラスで判定・誘導・威力も強いが、地上横格と前派生以外はあまり動かないためカット耐性は低め。
フォームチェンジ後に換装できるブレードモード時は威力と判定が下がるが、カット耐性とリーチが格段に上がる。
当てていきやすくなり巻き込みも狙えるが、発生も若干遅くなるので慣れた相手にはがむしゃらに攻撃を繰り出すだけでは通用しないだろう。

時間経過によって発動できるフォームチェンジによって火力の底上げができ、根性補正も高い、という爆発力のある機体だが、ブースト持続がよろしくなく、バリアがあるとはいえ耐久力は並以下なのでアウトレンジで立ち回られると苦戦は必至。
相方との連携や闇討ち、丁寧な立ち回りが要求される機体でもある。

タイマンでは比類ない強さを発揮し、ペースを握れば一気にダメージ勝ちにもっていける。
483VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:52:43 ID:deOkA2J1
射撃武器

【メイン射撃】光弾
[撃ち切りリロード][リロード:3秒/3発][属性:ビーム][よろけ][ダウン値:2.0][補正率:70%]
手甲についている宝玉からビームを撃つ。
最大3連射可能。3HITでダウン。

銃口補正、誘導が悪い。
途中でキャンセルする事によってコンボの始動に使える。


【サブ射撃】ワイヤーアンカー
[特殊リロード][属性:アンカー][捕縛][ダウン値:1.0][補正率:0%]
射撃属性のワイヤーアンカーを伸ばして敵を捕縛する。
射程は短く、誘導は皆無。発生も遅い。
吹き飛びダウン状態の相手に命中させれば攻めを継続できる。
単発で当てるのは難しいので、コンボに組み込むといい。

捕縛後、格闘、特殊格闘で専用の派生技が出る。

格闘派生は切り抜け。特格派生より威力が低いが、動作時間は遥かに短い。

一方の特格派生は、相手を引き寄せて貫き、持ち上げてからとっつきを4連発するという非常に豪快なもの。受け身不可のダウン属性。
カット耐性は皆無だが高火力、超誘導。

なお、この技で勝利すると専用の勝利ポーズが拝める。


【特殊射撃】フォームチェンジ
[時間リロード][約20秒/100][効果時間:約20秒]
ゲージが100の状態で発動可能。フォームチェンジする。
開始後約30秒で使用可能に。
発動までには若干とはいえタイムラグがある事に注意。
フォームチェンジ後は姿が代わり、全ての武装のダメージが上がる。さらに機動性が向上し、抜刀も可能になる。

終了後は即座にリロードを開始するため、溜まったらできるだけ早期に使っていくといい。

なお、格闘中にゲージがなくなっても攻撃を出しきるまでは解除されず、格闘終了後に解除モーションが入る。


格闘
全体的に伸びがいいが、カットに対する耐性はあまりよくない。
空中で格闘を放った場合、落下速度が遅くなる。


【地上通常格闘】
左右で貫手を繰り出した後、左手で手刀、右腕で肘打ち、そのまま裏拳、そして左で正拳を繰り出す。最終段で画面揺れのエフェクト。
任意段で派生の他、特格でキャンセル可能。しかし最速でないと当たらないためタイミングはシビア。


【地上横格闘】
抜き胴で往復してから、回転切りで相手を地面に叩きつける。
抜き胴がよく動くため積極的に使っていくといい。ただし回転切りのカット耐性は低い。
ちなみに、多段攻撃のため付近に破壊可能な障害物があると引っ掛かってしまい、膨大な隙を曝す可能性がある。使う時は周りに注意しよう。
484VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:54:39 ID:deOkA2J1
【空中通常格闘】
某Black RXの名乗り時のような動作で相手を切り刻み、吹き飛ばす。
あまり動かないが、この機体の格闘の中では早く終わる方。

【空中横格闘】
回り込み性能が高い。敵を上方に吹き飛ばす。
比較的特格やサブ射に繋げやすいのが特徴。


【後格闘】マナバリア
射撃に対するバリアを張る。
自身が攻撃行動をとるか時間経過、ダメージを受ける事によってバリアは消滅する。
何度でも使えるが、展開するまでが長い。敵の目の前でやると余裕で狩られるため注意が必要。
ちなみに爆風のある攻撃は、射撃自体は防げても爆風は残るので突っ込まないよう注意。
ゲロビ等の連続ヒットする攻撃には無力である点にも注意。


【BD格闘】
伸びの優秀な飛び蹴り。発生は少し遅め。


【特殊格闘】とっつき
攻撃判定が出続けるタイプの突進技。左手で掴んだ後に格闘連打で移動しながら追加ダメージ、そして右手で貫手を喰らわせた後に不可視のパイルを叩き込む。
発生・判定・速度・誘導・攻撃力全てにおいて高水準な、この機体の代名詞。だがブーストを消費するため、使う時は注意が必要。
ただしブーストゲージが空でも発動する事は可能。

コンボに組み込む事でダメージアップを狙いやすい。
さらにダウン値が低いため、場所によっては特格連>特格連>特格連なんて事も可能。タイミングはシビアだが。

予断だが、元ネタとなるアーマード・コアシリーズのとっつきは非常に当て辛い。


格闘派生

【前派生】
地上、空中共通の抜き胴。
ヒット後は相手を打ち上げる。
動作中の突進速度と移動距離が優秀。

【横派生】
シャイニングウィザード。画面揺れエフェクトあり。
ダメージが非常に優秀なのでコンボの締めに使える。

【後派生】
地上
打ち上げ。ダウン値が低い。
比較的とっつきに繋げやすい。

空中
相手を地面に叩きつける。動作の終了が早いのでコンボの締めにでも。
485VSシリーズっぽい機体解説 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:56:10 ID:deOkA2J1
フォームチェンジ時


【特殊射撃】抜刀
その場で大剣を構える。キャンセル不可のウェイトが若干あるため注意。
発動モーションを出し切ると大きな隙を曝す事になるのでキャンセル推奨。


ブレイドモード時

【サブ射撃】大剣巨大化
絶大な攻撃力と隙、ブースト消費を誇る必殺技。
初段で右から左に薙ぎ払ってスタンさせた後、巨大化した剣を振り下ろす。
攻撃の成功・失敗に関わらず、発動させた場合強制的に通常フォームに戻される。
攻撃力は高いが、スーパーアーマーはないので高確率でカットされる。相方との連携は必須。


【通常格闘(ブレイドモード時)】
胴薙ぎの後に突きで大きく移動し、袈裟掛けに切り裂いた後に多段ヒットの切り上げを放つ。
攻撃時間は長いが、突きで前に、切り上げで上に大きく動くためカット耐性良好。
とっつきに繋げる事が可能。


【前格闘(ブレイドモード時)】
左右交互に切り払った後に、大剣を分離させた二刀流で回転切り。
よく動き、よく回り込む。発生と判定はやや頼りない。
範囲は広いので巻き込みが狙いやすい。


【横格闘(ブレイドモード時)】
高速で切り抜けた後にクイックターンしてまた切り抜ける。一発目にスタン属性あり。
突進速度と伸びが非常に優秀だが、発生はそこまで早くない、闇討ちに適した攻撃。
これを連発するのはなかなか楽しい。


【後格闘(ブレイドモード時)】
剣を構える格闘カウンター。
成功すると一瞬姿を消した後、残像を伴った高速の切り抜けを左右から繰り出す。
ヒットした相手はスタンし、最後の決めポーズで爆発と共に打ち上げ。
成功すればカットは困難な上、見た目もいいので使う価値は高い。


【BD格闘(ブレイドモード時)】
大剣を前に突き出して突っ込み、切り抜け。切り抜けにスタン属性あり。
発生は遅いが判定は非常に強い。コンボの締めに。
486PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/08(土) 22:57:53 ID:deOkA2J1
 以上で投下終了です。wikiの編集もてのひらの続きも書かずになにをやっとるんだ私は……w
487創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:02:12 ID:deOkA2J1
 あ、>>482のところを2000コストに修正するのを忘れてた……3000コストで耐久500はいくらなんでも低すぎるでござる……。
488創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:02:57 ID:6XdSaNDt
投下乙!

詳しく書き過ぎてちょっとワロタw
ふふ……自分も書きたくなってきた…………が、機体が(通信が途絶えました
489創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:35:46 ID:7JfIZyrD
>>486
投下乙です!
動画でしかVSシリーズを知らない俺は隙だらけだったorz
とりあえず、ガチデータなのがよく分かりますw
490創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:37:52 ID:IBv/E2zD
>>486
投下乙です!
VSシリーズが購入未遂で終わった私には良くわからんが、作品愛と情熱は伝わったZE!
良くこれだけ考えつくな師匠ww
491創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:44:10 ID:6XdSaNDt
オートマタは個人的に防御薄で再生能力が設定されている感じ。
ヴィルはカードシステムを再現したらいい感じになりそうw




潜水機? 海の中です
492創る名無しに見る名無し:2010/05/08(土) 23:51:43 ID:q7+LS8l1
>>486
投下乙!VSシリーズをやってるとモーションが鮮明に浮かんでくるなwしかし格闘機で耐久500は少なすぎるような気も……540とか560くらいがいいんじゃなかろうか
それにしても、連続とっつきでとどめを刺せた時はさぞかし気持ちいいんだろうなぁ……
493創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:04:54 ID:rYp9y3qM
 みなさん、感想ありがとうございます!

>>488
 YOUも書いちゃいなYO!
 なーに、最近のVSシリーズはアッガイがアクシズで暴れ回るようなゲームだから大丈夫じゃて。

>>489
 やってみると意外と楽しいもんですよ!
 一応足りない頭で真剣に考えてみましたが、一部の数字は限りなく適当(ry

>>490
 ほとんど既存の機体のアレンジみたいなものなんですけどね!
 あと、こういう妄想ってやっぱり楽しいじゃないですかw

>>491
 ミッションモードのスキルで再現されそうですねw<再生能力

>>492
 確かにコスオバしたら悲惨ってレベルじゃないですね。でもその辺は根性補正でバランスを……あれ? NEXTって根性補正ありましたっけ?
 あと連続とっつきはアレですね、シャイニングフィンガーとはこういう物かァ!
494創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:23:29 ID:xYuvtuQb
NEXTも根性補正あるある

>シャイニングフィンガーとはこういう物かァ!
遥さんが叫ぶんですねわかりますw
495創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:26:27 ID:kGAdLpgT
三つ編みがマナで神々しく光るんだよ!
496創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:27:31 ID:48aXPTOY
>>486
投下乙!師匠の溢れんばかりの愛で前が見えない
エゥーゴ対ティターンズしかやった事はないけどこだわりっぷりは良く分かるw
497創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:34:48 ID:rYp9y3qM
>>494
 ああ、あったんですか、よかったよかった。
 しばらくやってなかったから仕様が頭から抜け落ちてましてねぇ……。

>シャイニングフィンガー
 酒飲ませたら酔った勢いで言いそうな気もしますが、そういう台詞が似合うのはやっぱり白ウ詐欺さんか珍獣じゃないかとw

>>495
機械人形殺し「貴様のマナを吸収しつつ、神の国へのインド王を渡してやろう!」

 こうですか? わかりません><

>>496
 感想、ありがとうございます!
 ガンネク基準ですまんねぇ……。
 エウティタはZのハイメガのリロード速度がやたら印象に残ってますw
498創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:39:40 ID:xYuvtuQb
珍獣は異常なテンションで叫びそうだから困るw
499創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:40:14 ID:kGAdLpgT
一方まどかさんは大統領であった
500創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:40:48 ID:uFHORPSR
ロボスレVSロボスレ
501創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:41:53 ID:xYuvtuQb
そういえばそうだったなw
そういう意味では一番まともなのはシロちゃんか、たまちゃんか……
502創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:43:22 ID:kGAdLpgT
>>500
生きのこれない……
503創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:43:48 ID:rYp9y3qM
 真面目っぽい台詞ならたまちゃんが一番なんじゃないでしょうか。
 あくまで真面目「っぽい」ですがw
504創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:46:19 ID:rYp9y3qM
>>502
 まだだ! まだホバー走行という捏造がある!
505創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:47:57 ID:kGAdLpgT
つまり……どういうことだってばよ?
506創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:50:18 ID:rYp9y3qM
>>505
 地上でも動けるって事だよ!

※設定に突っ込む事は死を意味するッ!
507創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:51:33 ID:kGAdLpgT
だが安心しな。
エアバイクのホバリング機構と、脚部背面部スラスターをジェット式に換装する無茶をすればエセバルキリーに!
508創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:53:03 ID:Zl9p5mn2
空気を水だと思いこめば、大気中も泳げるようになります
509創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:55:08 ID:xYuvtuQb
その発想はなかった
510創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:00:01 ID:uFHORPSR
まああれだ

推進器も飛行能力も無いのに浮遊して移動してくるワームさんとか
面白いものが見られるわけですな
511創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:01:40 ID:xYuvtuQb
ガンバトシリーズかw
512創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:03:48 ID:kGAdLpgT
じょ、冗談じゃ
513創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:07:23 ID:rYp9y3qM
珍獣(喜)「右足が沈む前に左足を前に出せば水の上も歩けますよね!」

遥さん(冷)「いやいやいやいや」
514創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:10:57 ID:xYuvtuQb
>>513
こいつ……目が本気だ……!
515創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:11:09 ID:kGAdLpgT
発想を変えるんだ。
マナを全身から噴出させて飛ぶんだと。
516創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:11:26 ID:48aXPTOY
珍獣なら出来るんじゃないかなw
517創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:18:20 ID:xYuvtuQb
珍獣なら……というか、PBM世界の連中ならできてもあんまり不思議じゃないようなw
あと某ババーン大首領w
518創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:20:04 ID:kGAdLpgT
なぜなら、私は! アメリカ合衆国大統領だからだ!

     ちょっと宇宙まで行ってくる!
519創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:22:14 ID:rYp9y3qM
 あのババァなら何をやっても不思議じゃないと思いますw
520創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:23:45 ID:kGAdLpgT
ごめんねぇ! 大統領って読んじゃったの!
だが私は謝らない
521創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:25:27 ID:xYuvtuQb
突然大統領ネタが来たから何事かと思ったら、そういう事だったのか
522創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:31:44 ID:rYp9y3qM
 さて、私も母の日ネタ書かないと……。
523創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:32:20 ID:kGAdLpgT
ははの……ひ………?
524創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 01:37:24 ID:rYp9y3qM
 そうさ、ママンの日だ!
525創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 10:34:56 ID:kGAdLpgT
ちょっとVOBでスピリットオブ母さんのところに出撃してくる
526創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 11:27:33 ID:rYp9y3qM
 その手があったか……!
527創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 12:03:57 ID:xYuvtuQb
どの手だw
528創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 12:28:37 ID:rYp9y3qM
 えーと、隠し腕とかそういう。
529創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 13:17:29 ID:xYuvtuQb
つまり遥さんのスカートの中から隠し腕gジョインジョインハルカァ
530創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 13:25:38 ID:rYp9y3qM
 ハラワタをブチ撒けろと申すか! ハラワタをブチ撒けろと申すか!
531創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 13:33:18 ID:xYuvtuQb
こうして魔法少女フィジカルはるかさんに新たな武器が追加された!
532創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 13:50:25 ID:rYp9y3qM
 賢者の石で武装錬金ですねわかります。
533創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 14:06:48 ID:uxij2jQr
最初はツンツンだけど後からデレデレになるんですね、分かります。
534創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 14:08:46 ID:xYuvtuQb
カズキンポジとパピヨンポジは誰なんだw
535創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 14:14:19 ID:rYp9y3qM
 カズキンポジは置いといて、パピヨンポジは間違いなくニコラスですね。
536創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 14:25:04 ID:xYuvtuQb
ユトが変態兄貴に食われるwww
537創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 15:22:47 ID:rYp9y3qM
ユト「アッ――――!」

ニコラス「弟ならおいしくいただいたZE!」
538創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 15:34:13 ID:xYuvtuQb
……存在感は若干食われ気味かw
539DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/05/09(日) 17:53:34 ID:kGAdLpgT
ユトは受けに違いない……作者の自分がそう言っておく暴挙
540創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 20:31:38 ID:xYuvtuQb
つまりメリーに毎夜責められまくってたと
541創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 20:46:13 ID:kGAdLpgT
責めるときもあるよ! よ……
542創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 20:47:48 ID:vsaRC+kT
羨ましすぎて握ってたシャーペンが折れた
543創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 20:49:32 ID:kGAdLpgT
ここじゃどう頑張っても投下できませんが、まぁラブラブしてるということでw
544創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 21:19:45 ID:xYuvtuQb
僕たちには島があるじゃないか!
545秋水 ◆3C9TspRFnQ :2010/05/09(日) 21:35:45 ID:GB+niOHo
ちょっと流れ切って感想への御礼をば…
これであと10年戦えます。

>>469
それら含め、前回の首相らしき人物の『焼かれる国民がでても』発言なんです。

>>472
アーマード…コア…?
あとスケールは小さいですよ。なにせ我々地球人のやって来た事の縮図に過ぎませんからww

>>473
歩兵は…ストーム1が必要ですねw

>>474
相手が人間である限り、やられっ放しってのは有り得ない訳で。

>>479
 過去の戦争
  補給は現地での略奪→水源に毒や、作物の焼却で対抗

 ダイガスト世界
  略奪するのは現地市場 →市場の価値を無くせばいい
焦土作戦から出た短絡の妄想です。もちろん、国は荒れます。


あと >>480
VSシリーズ、最近じゃ低コスト機使いに厳しい世の中…
ロボスレだと、どなたのが最低コストですかねぇ。
私が使いますよ、きっと!
546創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:00:35 ID:xYuvtuQb
いや、ネクストはそれなりに使えると思うんだ。一芸に秀でてるの多いから使ってて楽しいし

>ロボスレだと、どなたのが最低コストですかねぇ。
アイツヴァとかスカンクエイプとかヘーシェンとかかな?
547創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:08:34 ID:rYp9y3qM
 デュエルが持ち機体の私に隙はなかった。
 低コ面白いですよね、尖っててw 特にドムの火力怖い。

 ロボスレで低コ……ポンピリウスがそんなイメージあります。自分のフィールドに持ってくとコスト以上の働きをしそうなw
548創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:18:02 ID:kGAdLpgT
>>544
島に投下せよと言うか!

>>546
問題は、核反応物噴射で推進する戦闘機的な感じってことで(ry

>>547
潜水機は低コストですねー、きっと
549創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:19:30 ID:xYuvtuQb
>>548
そ っ ち じ ゃ ね ぇ
550創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:23:32 ID:kGAdLpgT
ごめんよ……ネクストと聞くと脊髄反射的にこうなるの
551創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:24:03 ID:qNRYTA7A
ガチ量産機のブルーショルダーカスタム、アインツヴァイン、時政じゃまいか
552創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:24:52 ID:E+W4LSZC
皆はVSシリーズが好きらしいですけど自分はACEですね
ツキオミ少佐とシュート君を使いたいです
553創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:25:46 ID:xYuvtuQb
時正・改は中コだなw
554創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:30:50 ID:456fUmTb
スポーツギア全般がコスト低いそな気がする
555創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:32:52 ID:xYuvtuQb
というか高コ連中はタウ以外軒並み大型機な予感がしないでもない
556創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:33:59 ID:kGAdLpgT
でもスポーツギアは軍用ギアと比べると「おもちゃ」とかなんとかいってたような希ガス
557創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:37:31 ID:xYuvtuQb
てか設定はそこまでコストに反映されないぞ、特に最近のVSシリーズは
558創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:38:06 ID:dsAwBRna
起動戦士ウィンダムXPみたいなのが作れたらよいんですけどね。
559創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:41:40 ID:xYuvtuQb
ウィンダムXPは面白いよね、あれ。確かちょっと前に有料版出たんだっけ
560創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:48:06 ID:dsAwBRna
>>559
結構前だった気はしますけど>有料版
ゲームパッドかコントローラーの変換機でも持ってれば填まったんでしょうけど、
キーボードでは操作し難かった印象しかありませんでした。
561創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:51:29 ID:rYp9y3qM
 コントローラーでやると世界が変わりますよ、あれw
 というかキーボードはほぼ無理ゲーな気が。
562創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:55:05 ID:dsAwBRna
>>561
それ以外にも抜刀しなきゃ格闘出来ないってのが連ザ2PLUSのプレイヤーとしてはキツかったですね。
他の機体ならそんなことも無かったのかもしれませんが。
563創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:56:28 ID:rYp9y3qM
 敵の目の前で隙曝す事なんてしょっちゅうですよね。
 気をつけててもついついやっちゃうw
564創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 22:58:01 ID:kGAdLpgT
ウィンダムXPとか言うからギャグゲーかと思ったら大真面目でちょっとビビった。こんなゲームがあったのか!
565創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:00:48 ID:rYp9y3qM
 ウィンダム面白いですよー。
 好きなキャラパイロットにして戦えますしね!
566創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:18:59 ID:dsAwBRna
>>565
それをやったことなかったんで使えそうなデータあさってみたらエロゲ関連しかなかった件について。
一般ゲーの画像とか音声とかのデータってどう持ってくれば良いざんしょ。
567創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:19:10 ID:kGAdLpgT
俺が……俺がウィンダムだ!
568創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:21:27 ID:rYp9y3qM
>>566
 そういうフリーソフトがあったやうな気がしますでございます。
569創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:33:06 ID:dsAwBRna
>>568
有り難う、探してみます。
570創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:35:22 ID:kGAdLpgT
妄想で埋める自分に隙はなかった
571創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:41:59 ID:rYp9y3qM
>>569
 確かウィンダムXPのwikiに書いてありましたよー。
572創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:49:46 ID:dsAwBRna
>>571
云い方がマズかったかもしれませんw
確かに書いてありましたけど、CSゲーの時どうすれば良いんだっけ?とか思ってしまいまして……
エミュレーターとかなんですかね、やっぱ?
573創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:52:40 ID:kGAdLpgT
ところでその『云い』って意図的なもんなんですか? ちょっと気になりまして
574創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:53:50 ID:dsAwBRna
>>573
ごめんなさい、割と意図的なものです。
直せってことなら直しますけど……
575創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:54:26 ID:kGAdLpgT
いえ、いいんじゃないかと思いますよ。タイプムーン的な感じで。
576創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 23:56:58 ID:dsAwBRna
>>575
全然違うライターから取ってきてるからなんか困るwwww
ちなみにどうでも良い情報ですが、某所で二重鍵括弧を使って長文打ってエロゲ薦めてるのは間違い無く僕だとでも思っておいてください。
577創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:11:40 ID:3K6VonDo
>>576
なん……だと




最近脳みそ弄られてネクスト乗りたいとか考えるようになってきた。もう駄目です。
578創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:13:26 ID:CK8+4XNW
 ライターがライダーに見えて、タイプムーン(というかFate)とライダーで仮面ライダー龍騎を思い浮かべた私は戦わなければこの先生きのこれない。

 まあ、悲しいかな型月あんま詳しくないんですけど。

>>577
 さあ借金を溜め込む作業に戻るんだ!
579創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:15:17 ID:3K6VonDo
夢、破れたりか………。
やったねたえちゃん! 神経が光ファイバーになってもう後戻りできないよ!
580創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:16:41 ID:CK8+4XNW
 ワイルドキャットみたいになるといいよ!

 さて、変な声になるのとピーピーピーボボボされるの、どっちがいいかしら?
581創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:17:26 ID:3K6VonDo
ワタシハ……ナニカサレタヨウダ……
582創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:48:08 ID:5e5Hqc0F
>>580
変な声のほうがマシなんじゃないかなw

では、唐突に現れて唐突に投下していく私イグザ。
避難所の通り、Act.6上編をお送りしようと思いまする。。。
583創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:48:49 ID:3K6VonDo
シェー
584創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:49:00 ID:D4Jv36vW
よし、支援だ!
585創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:49:11 ID:CK8+4XNW
 やっちゃる!
 言いたい事というものは、そういう事に限って言い出しづらいもの。
 相手が迷惑を被る可能性があるとなれば尚更だ。

 覚悟を決めろという内面の声も聞こえたような気がした事もあったが、そもそも私が覚悟を決めたところでどうなるわけでもない。
 なら彼に決めてもらうのか?それこそ巫山戯るなとしか言いようがないだろう。
 彼はただの一般人だ。確かにイグザゼンとあそこまで適応出来る人間が早々いるわけではないが、だからといって私の都合で巻き込んでいいものか?
 決める覚悟などありはしない……いや、元より覚悟を決める必要など無い彼を、だ。



eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――Act.6



 この家に世話になって早3日が経つ。
 「歪み」は更に大きくなっているものの、危惧していた励起獣などの襲撃も無く見える範囲では平穏そのもの。
 そして彼に対してどう接するか考えている内に、私の内のイグザゼンのダメージはほぼ完全に修復されてしまったと言う有様。
 置かれる環境によって修復速度にも違いが出るようで、どうも普段の倍近い速度でここまで漕ぎ着けたようだ。まぁ早い事に越した事はないので何よりなのだが――

――これなら、私1人でも何とかなるのではないだろうか?

 ふと、そんな事を考えた。
 今の「歪み」の規模なら私だけでもまだ間に合う。警備を突破するのも機会を見れば何とかなる。
 他者を巻き込まずに済むのならそれ以上の事はないな。

 ……そう、私は今まで何を考えていたのだろう?この道を歩むのは私1人で十分なのだ。故に連れ添いは要らない。必要ない。
 彼らの生活を間近で見た後だと尚更そう思う。光指す世界に生きる者達――護るべき者を戦わせてどうするか。
 そう叱咤し呆けていた頭を叩き起こし、私は「いつも通り」1人で脅威と向き合った――筈なのだが


 ……どうしてこうなったのか?
 ますますもって分からない。


「これかなぁ〜?」

 いつも通りリングダム亭の工場より飛び出たベランダにて、「歪み」を監視していた私。
 警備の薄くなった瞬間を突くつもりだったのだが

「こっちの方がいいかなぁ〜?」

 今、何故かスチームヒルの一角のとある洋服店の姿見鏡の前にいる。

<ランラ「それ以上はいけない。」
「いや〜ホントみんな似合うから迷っちゃうわね〜♪」
「さっきも言ったけどあんまり高いのはダメだからな。気をつけとけよ。」

 木目調の床と壁に囲まれ落ち着いた店中には、こちらの様子など気にもせず新聞を読み耽る店主と
 私に後ろから手を回し次々とっかえひっかえ様々な服を合わせていくベルに、その横でそれを呆れ顔で見ているディー、そして何故か以前出会った1人と1機の姿まであった。

 ……どうも言っている内に更に混乱してきたらしい。順を追って整理するべきか。




 いつ「歪み」を叩くか思慮していた私の前に現れたあの2人。ベルに聞けば私の為に服を選んでくれるらしい。

 「いつまでもウェルのお下がりじゃあんまりだからね。あなたさえ良ければ買ってあげたいんだけど、どうかな?」
587創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:50:03 ID:3K6VonDo
 
588創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:50:17 ID:D4Jv36vW
 
589創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:50:20 ID:CK8+4XNW
 
590創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:51:03 ID:D4Jv36vW
 
591創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:51:11 ID:CK8+4XNW
 

 気遣い自体は嬉しいが私自身まったく困ってはいない。故に断るのが筋と言えるが、何故か断れなかったのも私。強く押されると成されるがままと言うか、なんと言うか……

「……嫌なら嫌って断ってもいいだぜ?あんまりのる気でもないみたいだし……」

 ディーの言葉も嬉しいが、目の前で爛々と輝く彼女の瞳の力には負け……結局私も彼らと共に街に降りる事となった。ちなみにウェルはベルに誘われてはいたが
 読みかけの本があるとの事で付いてくる事はなかった。人が多い所や騒がしい所が苦手というのもあるらしく、その点については私も共感出来なくは無い。

 私達を乗せ走り出すキャリアー。
 向かう先、荒れ果てた荒野の内にぽっかりと空いた巨大な穴は、見慣れぬ者がまじまじと見ると怪物の巨大な口腔か何かにも思えてくる。


 ……様々なセカイを渡ってきた私だが、その目的ゆえにそこの住人と同じ視点で物事を見ると言う事は今まで1度も無かった。
 故に新鮮。故に不安……ただ、全体からすれば悪い気はしなかった。

 幾多の人々が行き交う街のメインストリートを走る私達を乗せたキャリアー。
 一本道の遥か彼方には巨大な城や要塞の如く聳え立つヒルズコンビナートが見え、脇を連なる統一されていない雑多な建材を用いて作られた建物や露店の群れは、前を行き交う人々も手伝って活気に満ち満ちていた。

「ん〜……この辺でいっかな?ディー、キャリアー置いてきてね。」
「あいよ。」
「じゃ、行こうアリスちゃん!」
「ああ。」

 私の手を引きキャリアーを降りるベル。
 私達が歩道に降りたのを見届けてから走り去っていくキャリアー。

 ガラス越しではなく、肌で感じる街の空気。
 人の寄り付けぬ場所ではなく、等身大で感じる街の雰囲気。

「………………」

 大気は排気により汚染され、雰囲気も一見華やかだが、どこか黒く危険な匂いも孕む。
 私の歩む道と比べれば人が暮らせるというだけでも大分ましと言えばそうだが、それでも決してよい環境とは言えない。

――だが

 何処か安らぐものを感じた。
 ……このようなところで、だ。不思議なものだな。

「……?アリスちゃん?」
「……いや、なんでもない。行こう。」

 目の前に佇む一軒の商店。周囲の街並みに違わず建物自体は雑多なものの、入り口から覗く店内は小奇麗にされており悪くない印象を受ける。

「ここの服屋さん、あまり来る事はないけどウチで着てる服は作業着以外みんなここで買ってるのよ。ちょっと高いけど質がいいのよねぇ〜♪」

 楽しげに語りながら店内を物色するベル。
 気に入ったらしい服を手元に着々と並べていく。

「……おー、やってるやってる。でも出来る限り安くていい奴探してくれよ?あんまり余裕無いからな。」

 5分ほどするとディーが戻ってきた。
 ベルが取り出した服を一着一着眺めつつ、そんな事を言う。
593創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:51:48 ID:D4Jv36vW
 
594創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:51:51 ID:3K6VonDo
 
595創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:52:03 ID:CK8+4XNW
 
596創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:52:31 ID:D4Jv36vW
 
597創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:52:45 ID:CK8+4XNW
 
「安くて、ねぇ……それにしても予算低すぎやしない?」
「キャリアー。」
「……あ。」
「俺も工面してやってんだから文句言うなよな……」

 鉄より布が高価なのがこの街の常識らしい。
 回す金に余裕がないというのなら私の為に無駄な負担を掛けてくれなくても……なんて行きしなの車中で聞いてみたが

「いいのいいの!いつまでも男物の服じゃあアレでしょ?」

 なんてその時は返された。しかし、やはり断った方がよかったのだろうか?


「お金にお困りなら僕が出してあげようか?」
<HAHAHA!久シブリダナァミンナァ!>

 なんて考えているとどこからともなく現れたリョウとミッチー……だったか。
 買い物袋をミッチーの頭(サドル?)に載せ、以前会った時と変わらない食えぬ笑みを浮かべている。

「お断りだ……って、なんでお前がいんだよ!?」
「僕のウチの近所だからいてもおかしくないだろう?」
「言うほど近くないだろ。つーかお前が外出とは、なぁ。」
<2ヶ月ブリグライラシイゼ?買出シツイデニ服モチョット買ットク事ニシタッテヨ!>
「2ヶ月ぶり!?足に根が張りそうね……あたしだと退屈で死ぬかもしれない……」
「なぁに、本さえあれば死にはしないさ。ああ、あとヒトとして最小限必要なものがあればね。」
「本当に本だけでも死にそうに無いけどな、お前。」
「かもしれないね。」
「肯定すんな。」




 ――――で、今に至る。

「う〜ん……」

 目の前に重ねられた服の山の前で考え込むベル。
 それを覗き込み楽しそうにしているリョウ。

「アリス君に似合う服ねぇ?地がいいから何でも似合いそうだね……特にとならば、こんな感じかな。」

 と、取り出したのは黒いシックな色合いに同じようなフリルのついた――なんだろう?言いようのない病的な印象を受ける……ドレス?なのだろうか。

「こっちのほうがいいんじゃない?」

 対するベルが取り出したのはこっちもやはりドレスなのか?ピンク色の下地にフリルのついた……舞踏会にでも出席するのかという服装。
 あの紅い怪異を思い出すが、あそこまでの華美さや、ある種の毒々しい印象はない。

「お前ら……」

 後ろで呆れるどころか少々の怒りを篭った声を吐くディー。
 何故そんな声を上げているのか知らないが……彼らの選別に何か不具合でもあったのだろうか?

「じょ、冗談よ冗談!ハハハ……」
「これ以上無く似合うと思うんだけどねぇ……」

<……黙ッテルト多分トンデモナイ物着セラレル事ニナルト思ウゼ?言イタイ事ガアレバキッチリ言ウコッタ!>
「ふむ……」
599創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:53:16 ID:D4Jv36vW
 
600創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:53:25 ID:CK8+4XNW
 
601創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:53:31 ID:3K6VonDo
 

 ミッチーの言うとんでもない物の正体が分からないものの、確かにあれらでは身体の動きを著しく制限されて鬱陶しそうだ。
 私としてはもっと軽めの物のほうがいいか?

「私は……」


――あなたに似合う服なんてそれこそあの冷たい機動服ぐらいじゃないかしらねぇ?


「――ッ!?」

 次の一声を挙げる直前に割って入った何か。
 まただ。また、あの紅い声が頭に響く。

――男物でも不相応よ。あなたが人らしい服を着るなんて、アタシが許さない。

 不意に襲来したそれに対応する間もなく更に声は続く。
 以前の言動とは異なり愚直で、頑な。何故ここまで怒りを露わにしている?

――あなたはイグザゼン。人である前にイグザゼンなんだから。

 人である前にイグザゼン?
 確かに私はイグザゼンの器。だが、あの怪異の声にその意味は含まれてはいない。

(……どう言う事だ?)

――その内嫌でも知る事になるわ!ALICE-28!

 それきりぷっつりとリンクが途切れた。
 言いたい事だけ言って……しかし

(ッ……――28?いや、それより!)

 何処から見られている?
 私がここにいる事が分かっているという事は、即ちそういう事。

「………………」

 全身の感覚を総動員してその根源を探す。

<「「「……?」」」>

 突然黙り込んだ私の異変に気付いたのだろう。皆して心配そうに見てくれるが、説明している暇は無い。

「……!そこかっ。」

 右手の指の間にダガーを1本顕現。すかさず投擲。
 それは違わずある一点を貫いた。
603創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:54:04 ID:D4Jv36vW
 
604創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:54:12 ID:CK8+4XNW
 

「あ、アリス!?」

 店主……だと思っていたモノが広げていた新聞。その内側の頭部があるであろう箇所を。
 倒れ伏すそれ。そして――

「ちょっと!何を……」
「よく見ろ。まったく、手の込んだ事を……」

 額を割られたそれの輪郭がぼやけていく。その内側にあったのは、顔の中心にカメラアイを1つだけ持つ銀色の卵のような形状をした頭部。
 身体も黒いゴムだろうか?得体の知れないごわごわしたものに覆われ、人型ではあるがとてもではないがヒトには見えない異形。

「え、ええ!?」
<……ナンダコリャ?>
「人形……?いや、マネキンか?」
「……ニューロソルジャーだ。光学ジャミングを掛けここの店主に成り済ましていたらしい。これによって分からなくなっていたようだが、動体反応を改めてひとつ感知した。助けてやれ。」

 そう言いつつ店の裏側へ続く入り口を指す。
 殺さないのはややこしくなるのを防ぐ為か?いや、そもそも監視するならするでもっといい方法があるだろうに何故このような回りくどく面倒な事を?

「……確かに、裏側で簀巻きにされてぐっすり眠ってる本物の店主さんがいたよ……しかしこれは一体どういう事だい?」

 彼が疑問に思うのは無理も無い。
 ただ全て説明するのにはあまりにも時間に余裕が無い。あの怪異の声を聞いてからこれ以上無くイグザゼンが告げているのだ――怪異の予兆を。


――オオオオオオオオオォォォォォォォォォォォ……


「……来たか。」

 直後に聞こえた吠え猛る獣の声ならざる声。
 間違いなく、励起獣のそれだ……だが、単体のものではない。輪唱の如く無数に響き、呻き渡る声――どういう事だ?

「え、何?まさか、またあの化け物?」
「そういう事だ……お前達は早く逃げろ。奴らは私のようなモノを最も優先的に狙う。近くにいれば巻き込まれるだけだ。」

 逃げられるのか?という疑問も浮かんだが、私の近くにいるよりかはそちらのほうが幾分かましだろう……なんて、その時は考えたが

「あららら……」
「ふむ、ある意味絶景かな?」
「同感……って、なんか全部こっち向かって来てる気がするんだけど。」
<モテル男ハ辛イネェ?――ット、言ッテル場合ジャネェカ?来イヨ化ケ物!群レテナイデカカッテコイ!!>
606創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:54:43 ID:3K6VonDo
 
607創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:54:48 ID:D4Jv36vW
 
608創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:55:02 ID:CK8+4XNW
 
609創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:55:33 ID:D4Jv36vW
 
610創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:55:44 ID:CK8+4XNW
 

 未だ目の覚めない店主をディーがおぶり、急いで外へと駆け出してみると店前の通りに次々と落下してくる怪異の群れ。
 鼻の曲がりそうな異臭を放ちつつ、車道でも、歩道でも、建物の上でも、キャリアーの上でも、無差別に着地していく。

 たちまち大混乱に陥る大通り。
 歩道にいる人々は勿論キャリアーに乗っていた人々もそれらを捨てて逃げていく――が、奴らはそれらには目にもくれず、私に向かいまっすぐ進んでくる。

――オオオオオオオオォォォォォォォォォォォ

 以前私とディーが退けたモノと同種らしいが言葉は介せないらしく、ただ唸り声とも叫び声とも付かない異様な「音」を立てながらにじり寄って来るヒトガタの群れ。
 その内のキャリアーの上に陣取ったモノの一部が無人のそれに溶け込むように姿を重ね――

「ッ!」

 奴らに同化し操られ、無人のキャリアーが猛烈な勢いでこちらへ突っ込んできた。私一人なら回避も容易なものの、今の私の背後には5人もの護るべき者がいる。故に回避は不可能。よって

「くぅぅぅ……!」

 真正面からそれらとぶつかる事と相成った。
 この状態でのベクトル干渉ではこの質量の物体相手では勢いを殺し受け止めるのが精一杯。両手を翳し、前方より迫る5台のキャリアーを「受け止める」。

「早く、行け……っ!」
「わ、分かった。無理すんなよ!」
「何も出来ないのが悔しいけど……気を付けてね!」
<俺モ一緒ニ「やめておけ。足を引っ張るだけだ。」
「……善処する。ミッチー、お前の気持ちもそれだけ受け取っておくよ。」

 駆けていくディー達。これでいい。
 奴らが彼らを追う様子も無い。殺到するのがこちらだけなら私一人でもなんとかなる。

「そう、お前達の相手はこの私だ……それ以外の何者でもない。」

 彼らの姿を見送った後、正面を見直りベクトル干渉で車体の制動を少しだけずらす。
 ずれたベクトル同士がぶつかり合い、側面衝突を繰り返し動きを止めるキャリアー。だがそれらは内部より細長いケーブルの類を延ばしつつなおもこちらに迫る。

「イグザゼン、ソートアーマー。」

 それらを一瞥し、宣言。
 セカイの方式が揺れ、私の姿を白銀の異形へと変えていく。

「――往くぞ。」

 更に手の甲より伸びる銀の剣を構え、身構える。
 敵は無数。対するこちらは1人。だが、負ける気はまるでしなかった。
 ――――少なくともここまでは。


「さぁて、好きなだけ暴れなさいよ獣達。強壮なる「在り得ざる「解」」の贄となる為にねぇ!あはは!あはははっ!!」

 遠く、ヒルズコンビナートから突き出た鉄塔に頂点に佇み、その様を眺めながら嗤う紅い怪異。
 更なる悪意の、怪異の、脅威の予感を漂わせて。
612創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:56:18 ID:D4Jv36vW
 
613創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:56:25 ID:CK8+4XNW
 
614創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:57:04 ID:D4Jv36vW
 
ハイ、投下終了です。
支援どもでした!
616創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:57:51 ID:D4Jv36vW
>>615
投下乙!それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
617創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 00:58:20 ID:3K6VonDo
>>615
投下おーつ!
618創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 01:00:15 ID:CK8+4XNW
>>615
 投下乙です!
 それでは、ゆっくり読ませていただきますねw
619創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 01:29:29 ID:CK8+4XNW
>>615
 改めて投下乙です! ベルかわいいよベル!
 盛り上がってるところで乱入ですか……無粋な輩め、許せんっ!
 しかしALICE28だとか、“人である前にイグザゼンなんだから”だとか、“解”だとか、今回も気になるキーワードが出てきましたね。
 敵は多いな、アリス……。いや……たいした事はないか……。
 ……今日はお前と俺で、ダブルイグザゼンだからな。

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
620創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 01:47:41 ID:YqzOhjbV
母の日で小ネタを書いたので投下させて頂きます。もう日付変わっちゃったけどw
武神鋼臨タケミカヅチの番外編です。
621チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2010/05/10(月) 01:48:44 ID:YqzOhjbV
 日曜の昼時を過ぎた時間。
 俺こと、物部・京介は携帯電話を取り上げた。
 電話帳から目当ての相手を選び、通話ボタンを押す。
 呼び出し音。呼び出し音。呼び出し音……。
 五度目の呼び出し音で、相手が出た。
 「もしもし、京介で…」
 話し出そうとした俺の声を、
 「お兄ちゃん!?久しぶりだね!」
 妹、鹿島・清香(かしま・さやか)の元気な声が遮った。

 武神鋼臨タケミカヅチ番外編 ―とある糸目の家庭事情―

 俺は、相変わらず七歳年下の妹が元気でいるらしい様子に頬を緩めつつ、両親の様子を尋ねる。
 「うん、久しぶり。正月以来だね。…皆は元気かな?」
 「お父さんもお母さんも元気だよ!勿論私も!」
 「ははっ、清香が元気なのは声で分かるよ。……義父さんは今はお務め中かな?」
 義父、鹿島・雄治(かしま・ゆうじ)は神主として鹿島神宮の分社である神社で神事を執り行っている。
 ちなみに自宅は神社の裏手だ。
 「お父さんは昨日から用事で出かけてるの。だから本殿の掃除と朝のお務めまで私とお母さんでやらなきゃいけなくて…」
 大変だったよー。と大袈裟に溜め息を吐いてみせる清香。
 その様子に笑いを誘われつつ、俺は用件を切り出す。
 「ははっ、お疲れさま。……ところで、俺からの荷物は届いたかな?」
 「うん、言われてた通りお家の方で受け取っておいたよ。母の日のプ・レ・ゼ・ン・ト♪」
 嬉しそうに妙な節回しを付ける妹。
 「……最後のアクセントは何だ?」
 「んー、お兄ちゃん。そこは『か、慣習だから仕方なくやってるんだ!』って焦りながら返事しないと」
 妹が俺に何を求めているのか分からない。
622チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2010/05/10(月) 01:50:02 ID:YqzOhjbV
 「生憎だけど、俺はそういうキャラじゃないし、義母さんに感謝していることを隠す理由がないし、第一そのネタは去年もやっただろ」
 「つまんなーい。もうちょっとジョークを交えつつ、可愛い妹と会話でイチャイチャしようよー」
 表現はともかく、会話を弾ませる努力をしろということか。しかし、
 「俺はお年頃の男子だからそういうのは照れるんだ」
 「冗談言う時はもうちょっと抑揚付けて言わないとー。減点だよ?モテ偏差値下がっちゃうよ?」
 矢張り失敗だった。
 「ソレハシンコクダナー」
 「うわ!ムカつく!」
 苦し紛れに口にした棒読みの返答に、笑いながら切り返す清香。
 自然に俺も笑っていた。
 「はははっ。……じゃあ、そろそろ切るよ。義母さんには夕方にまたかけるから…」
 と、会話を切り上げようとした時、清香が弾むような調子で声を上げた。
 「はい社務所前にとうちゃーく!」
 「ん?どういう事だ清香?」
 「会話しながら歩いて来たんだよー。じゃあお母さんに代わるね」
 妹の行動に困惑する俺。
 「義母さんは仕事中だろ?邪魔になるし、後でかけるって…」
 「良いの良いの。どうせウチみたいな小さな神社、祭り以外は暇なんだし」
 「それとこれとは……清香?」
 「………………」
 返事がない。
623チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2010/05/10(月) 01:50:54 ID:YqzOhjbV
 「もしもし?おい、清香?」
 通話中になったままの携帯に声をかけていると、
 「京介さん、久しぶりね。元気にしてる?」
 「あ……」
 義母、鹿島・千里(かしま・ちさと)の声が聞こえてきた。
 僅かな時間で言うべき言葉を纏め、それを告げる。
 「……うん。元気だよ義母さん。それから、」

 「いつもありがとう」
624チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2010/05/10(月) 01:58:03 ID:YqzOhjbV
えー、短い上に「なんじゃこりゃ」な感じですが、以上です。
人物紹介

鹿島・清香
京介の義妹。10歳。黒髪ボブカットの元気系娘。

鹿島・雄治
京介の義父。白髪混じりの短髪、身長180超えの格闘家体型。

鹿島・千里
京介の義母。黒の長髪。実年齢より若く見える。いつも笑顔を絶やさない。
625創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:02:15 ID:YqzOhjbV
事情その他は本編で書いていこうと思っていますのでこれくらいで。
というか母の日というより、義妹SSだよなこれorz
626創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:05:25 ID:q0Y6+jrd
だがそれがいい(キリッ)
627創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:05:59 ID:CK8+4XNW
>>624
 投下乙です! 清香かわいいよ清香! やっぱり妹っていいですね!
 それにしても、なんかほっとするお話ですね……しかし実家が神社とは、これは清香たんの巫女服姿gうわ糸目なにをするやめ
 それでは、本編も楽しみに待ってますね!
628創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:13:06 ID:D4Jv36vW
>>615
改めて投下乙!
慣れ始めたところで襲撃とはなかなかどうして残酷な……いや、もしかするとこれからさらに残酷な真実が明らかになってきそうで怖いな
しかし紅い悪魔は真実をどこまで知ってるんだ……これは次回も期待せざるを得ない……!

>>624
こっちも投下乙!確かに義妹SSだ、だがそこがいい!
それにしても清香かわいいよ清香。しかしこんなかわいらしい義妹がいるとは京介うらやまし過ぎるぞ……!
629創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:25:40 ID:rrRnCNcl
>>615
投下乙です!

日常回で終わるかと思いきや反転して緊迫した空気に変わる……こう云うのはギャップあってこそかな、と思います。
それにしても紅い怪異は綺麗に水差してくれちゃって、何をするつもりなんでしょうか?
『人である前にイグザゼンなんだから』やら『ALICE-28』やら『解』やらと云った散りばめられている単語に過剰反応しそうになりますね……。
それでは、次回も楽しみにしていますね!


>>624
こちらも投下乙です!

確かに義妹SSに見えないことも無いですが謝らないで下さい……だって大好物だからw
何と云いますか、物凄くほっこりするお話だったように思います。
清香かぁいいよ清香。それさえ解れば僕にとっては十分です。
本編はどんなものか僕は見たことが無いので、妄想が膨らみますね。
630創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:28:43 ID:D4Jv36vW
>>627
このシスコンめ!
そういえば遥さんの実家も神社かw
631創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:32:23 ID:CK8+4XNW
>>629
 さあwikiを見るんだ!

>>630
 割と忘れがちですがハルカナも神社の子ですねw
632 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/10(月) 02:34:02 ID:D7YEVDCH


        悪 役 募 集 中 !!

只今、人狼機兵マーナガルムに登場する悪役が足ません!
四天王がいる職場にしたいのですが、現在、3人しか集まってません!
我こそは!というやる気のある方、悪役経験の有無に関わらず
是非一度お問い合わせください。お待ちしております!!



ツクヨミ「同僚に『お前はこっち向きだろ?顔的に』と言われたので来てみた」
???「帰れ主人公!」
633 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/10(月) 02:35:36 ID:D7YEVDCH
嘘です。
実際に募集はしておりませんのであしからず。

という訳で
人狼機兵マーナガルム 第3話「われは人狼」F
こんな時間ですが、投下開始いたします。

では、どうぞ↓
「本当に大丈夫カ? すぐニ遠隔操作ヘ切り替えた方ガ……」
「その必要はない」

 後ろに跳ぶと、目の前をRSライフルの砲弾が通り過ぎるのがはっきりと認識できた。元々動体視力には自信があったが、ここまで
鮮明だった事はない。この異様なまでに研ぎ澄まされた感覚の原因は、己の認識できる範囲が拡大しているからだ。向けられた
RSライフルの砲口と、その引き金。発射するタイミング、炸裂音、大気に広がっていく衝撃波。その全てを一度に観る事が出来るのだから。
 別の2機の新型がRSアサルトライフルを向ける。予測されるその弾道は、通常の回避動作ならばほぼ確実に命中する。咄嗟に脚元にある
0.5mほど出っ張った岩に、ライズガルムの足指を引っ掛けてながら背部の大型スラスターを吹かし、脚を軸に回転して横へと飛ぶ。
本来ならばRCBで防ぐ状況だが、ライズガルムのそれは細長くて盾としては使えず、また本来、その役割を担う両肩のシールドも取り付けられて
いない以上、回避に徹するしかない。砲弾が数発、肩装甲を霞めるが損傷はほぼ皆無。

「ちょっと待テ! オマエ、ウールヴヘジン・システムを使いこなしてル?」
「そういう名称なのか」

 大量の情報の奔流は、上手く受け流せば意識が飛ぶ事は回避できる。そうなれば、欲しい情報に対してのみ意識を向けるだけで
即座に情報が読み取れ、モニター切り替えや縮小拡大を行う必要が無く、純粋に便利で良い。ロケットランチャーの弾が、しゃがんだ
ライズガルムの頭上を通り抜け、海上で爆発する。

「ウールヴヘジン・システムは、少し慣れたらどうにかなった。それだけだ」

 例えるなら、紙媒体の辞書を使う感覚か。大量の頁と記された文字の羅列の中から、知りたい項目のみを見つけ出し読むのに似ている。

「慣れタだト!? そんナ理由デ、使っタ被験者を全テ病院送りニしてきタ、このシステムを使いこなしテいるのカ!?」

 なるほど、その犠牲者を一人追加する目的で、ウールヴヘジン・システムを使用したのか。ユノーの企みを理解したツクヨミは、
瞼が固定された状態で、器用に眉を寄せた。

「とにかく、俺はもう問題なく使える。行動に理屈を付けるのは学者の仕事だ。俺の役割ではない」

 原理が分かってなくても経験則から、複雑な物理現象や化学現象などを使いこなす者は多い。それは特殊な職人やスポーツ選手に
限った話ではなく、電子機器を扱う者の多くがそうだ。「どうして動くのか?」は「どうすれば動くのか?」より重要視されないものだ。

「それはそうだガ……」

 こちらに向けられた武装は、RSライフルが3、RSアサルトライフルが2、RSロケットランチャーが1。それぞれが絶え間なく撃ち続けられ、
止まらずに動く事で何とかかわしている状態だ。視界が異様なほど広く鮮明になっているとはいえ、曲芸のような回避動作が長く続くとも思えない。
 6機は攻撃を続けながら、ライズガルムを囲んでいく。今、ライズガルムの背にあるのは海だ。RSは元々月面開発用人型工作機械なので
気密性は高く、水没したくらいでは壊れはしない。だが、水中用の装備を付けていなければその機動性は大幅に制限され、海に飛び込めば
集中砲火を受けて終わる。だが、全身のスラスターで空を飛んだとしても、飛行機能を持たないRSならば同じ末路を辿るだろう。

「追いつめられたゾ! どうするんダ?」
「逃げればいい。道はある」
635創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:37:21 ID:CK8+4XNW
 支援しますよ!
636創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:37:42 ID:3K6VonDo
 
637創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:38:13 ID:CK8+4XNW
 
638創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:38:32 ID:D4Jv36vW
 
 ツクヨミは、迷う事無く敵機に背を向けて、ライズガルムを夜の暗い海へと飛び込ませた。巨大な金属の塊であるRSの着水に大きな水柱が上がる。
このまま海中に潜るにしろ、空中に揚がるにしろ、すぐに破壊できるように銃を海面に向けた。しかし彼らが見たのは、予想外の光景だった。

 ライズガルムが海面を走っているのだ。

「ニンポー!?ニンポーなのカ!?」

 『RSが海上を走る』という不可思議な行動に混乱するハティ。パーシヴァルが見ていた映画の知識から、かつて東洋人が使っていたらしい
魔術の名称を口にする。

「川面を二本足で走る爬虫類を、南アメリカ大陸辺りで見た。その真似だ」

 名前は『ジーザス・クライスト・リザード』だったか。移動速度と1秒間の歩数、踏み込む力と足首から先の動きが重要になる。スラスターを
細かく吹かして、バランス調整や重量負荷軽減を行うが、直接の推進力は踏み出す両脚であり、脚部の人工筋肉を酷使する為に長時間は使えない。

「それハRSで出来るモノなのカ?」
「やったら出来た。それだけだ」
「またそれカ!!」

島の近くといっても、硫黄新島は陸から少し離れただけでも急激に深くなっており、ライズガルムが走る位置も本来ならRSが肩まで浸かるはずだ。
そうでありながら、ライズガルムは脚を忙しなく動かし続け、島から一定の距離を保ち、回り込むように海上を走る。バグス・ビィ達が慌てて
銃火器を撃ち始めるが、不安定なライズガルムの動きに照準を合わせられず、砲弾が命中する事はなかった。

 島の反対側まで走った辺りで、強く海面を蹴って水柱を立てながら島へと跳躍。そのまま岸に着地する。

「なア……今のでフェンリルまで帰還できタんじゃないのカ?」
「帰還できたな」

 ライズガルムとフェンリルはリンクしているので、互いの現在位置は随時把握できる。現在、戦闘に巻き込まれず、また最悪の場合はライズガルム
を破棄して撤退できるように、島から離れている。だが、今のように海面を走れば、バグス・ビィの攻撃を避けながら行けない事も無い距離だ。

「ならバ……何故逃げなイ!何故島に戻ル!?」
「俺は負けず嫌いだ。勝機があるなら戦い続ける」
「勝機!? 武装ノ無いライズガルムで、どうやって勝つつもりダ?せめテ一度帰還して、換装してから出直すべきダ!!」

 フェンリルが放った端末の一つが、バグス・ビィが火山を抜けて一直線にこちらへ迫る姿を捉える。このまま戦闘になれば、再び回避し続ける
しか出来なくなるだろう。ハティのアドバイスは、正しい。だが……兎乗りの魂が、ツクヨミに囁くのだ。このライズガルムの性能ならば、
武器が無いくらいで、退却する必要など無い、と。

「まず、あの新型」
「……バグス・ビィ?」

 ハティの呟きを敵機の名称と理解し、ツクヨミは言葉を続ける。

「バグス・ビィとは一度戦っている。一対一ならば、スカンクエイプ改でも破壊できる程度の性能しかない」

 1週間くらい前、統合軍の追撃部隊を潰すついでに破壊した新型と、細部が違うだけの同型だ。一度しか戦っていないが、一度戦えば
機体の性能や癖は大体理解できる。バグス・ビィの性能は、6機いるという事を考えても、彼にとって撤退する理由にはならなかった。

「厄介なのハRSだけじゃなイ! アレの操縦者達もおかしいんダ!」

 ハティは、有人機でありながら驚異的な反応速度と、自身の生命が失われる事に対して微塵も躊躇しない敵のラビット・ソルジャー・パイロットを
思い出しながら叫んだ。バグス・ビィ達はそろそろ山を登り終える。今ならまだ間に合う。フェンリルをギリギリまで新硫黄島に接近させ、
もう一度、ライズガルムが水上走行すれば、ほぼ無傷のままこの場から撤退できるのだ。しかし、ツクヨミはその主張に耳を貸さない。
640創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:39:31 ID:CK8+4XNW
 
641創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:39:37 ID:D4Jv36vW
 
642創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:40:13 ID:CK8+4XNW
 
「アレは統合軍の人体実験の産物だ。ナノマシンによる神経組織の改造により反応速度を高め、薬物投与で不要な記憶と感情を奪われている」
「ナッ……」
「奴らとも一度戦っている。操縦パターンも、さほど変わっていない」

 半年ほど前、ツクヨミは「統合軍の実験施設を襲撃し、そのデータを収集しろ」という命令を受けた。そこで見た人体実験は、そして戦ったRSから
伝わってくる感情は、ツクヨミでさえ、はっきりと不快感を持ったほどに醜悪なモノであり、この技術が二度と研究されないように、施設から
何一つ回収せずに、研究員や被験者ごと跡形も無く破壊した。
 任務失敗後に上層部に出した「統合軍が情報漏洩を恐れて自爆した」という虚偽報告はすぐにバレて、更に立場が悪くなったが些細な事だった。
だが、それでも完全に闇に葬り去れなかったようだ。

「人体実験などト……統合軍メ!まだそんな事ヲ!!」

 憤るハティ。ツクヨミは「俺も現在進行形で人体実験されてるんだが」という言葉を、口に出さずに飲み込んだ。

「それらを踏まえた上で、俺はライズガルムが勝てると判断している。勝利の鍵は、コレだ」

 視線の先にあったのは、プロトガルムの超震動ランス。機体が爆発した際にここまで飛んできたのであろう。所々、焦げたりへこんだりしているが、
奇跡的に、目立った破損は見受けられない。

「ソレ一本でどうにカするつもりカ?」
「いや、武器として使うつもりはない」

 言いながら、ツクヨミは認識範囲を広げる。既に山頂に達したバグス・ビィ達。彼らの有効射程範囲に入るのはもうすぐだ。だが、知りたいのは
彼らの足元……新硫黄島そのもの。

「来たゾ!」
「特等席で見せてやろう。『本物の兎乗りの技術』をな」

 寝る前にハティにした宣言を、再び口にする。ライズガルムが低く身構え、出力を最大にセットした超震動ランスの槍頭を山頂へと向ける。
そのまま、巨大な四肢の人工筋肉を爆発的に収縮させ、投擲。勢いよく真っ直ぐに飛んだ超震動ランスは、バグス・ビィに掠る事すら無く、
深々と山に突き刺さった。

「……これガ『本物の兎乗りの技術』なのカ? 思い切り外してるじゃないカ!!」

 焦るはハティの怒鳴り声。バグス・ビィ達は一切気にせず山を降りはじめている。それぞれの武器を構えて臨戦態勢に入っている。

「RSに関する復習問題だ」
「いきなリ何を言い出すんダ!?」

 一切動揺する事無く、突拍子もない事を口にし出したツクヨミ。渾身の一手が不発に終わりおかしくなったのではないか?とハティは思った。

「俺が今投げた『超震動兵器』は、どういう経緯で造られたか、知っているか?」
「今は関係ないだろウ、そんナ事!」
「解答を。答えられないのなら『知らない』のだと判断する」

 ライズガルムを構えさせもせずにそんな事を言うツクヨミに、苛立ちながらハティは答えた。

「月面開発時代に製作されタ人工月震発生装置を元二、RSが持ち運びできルまで小型化しタのが震動兵器!それを更に小型化させ、流動金属装甲をモ
 破壊出来ル程に出力を上げたのが超震動兵器ダ!」

 ハティの模範的な解答に、ツクヨミは満足気にうなずく。

「超震動兵器の本質は月震発生装置。それをこの島に突き刺したらどうなる?」
「……まさカッ!?」
644創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:40:58 ID:CK8+4XNW
 
645創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:41:01 ID:D4Jv36vW
 
646創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:41:41 ID:3K6VonDo
 
647創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:41:42 ID:CK8+4XNW
 
648創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:41:45 ID:D4Jv36vW
 
 出力を上げたとはいえ、小型化された超震動兵器には月震も地震も起こせるだけの出力はない。だからツクヨミは探した。最大出力の超震動ランス一本で
一時的に休眠状態である火山を、再び目覚めさせられるポイントを。

 やがて、轟音と共に新硫黄島が揺れ始める。不測の事態に動きが止まるバグス・ビィ達と、対称的に身構えるライズガルム。……そして、火山が爆発した。
 揺れる足場と爆音に噴煙。薬物で正気を失った奴らにどう映るのかツクヨミには分からない。ただ一つ分かるのは、これが彼の待ち望んでいた勝機である
という事だけだ。

 爆発した火山。巻き起こる黒煙がバグス・ビィの視界を奪う。生じた隙を付いて、ライズガルムが飛びかかった。スラスターを最大にして、全質量を
乗せた飛び蹴りでバグス・ビィ2機を弾き飛ばし火口へと突き落とした。持っていたRSロケットランチャーが溶岩に触れて爆発する。
 RSアサルトライフルを向けたバグス・ビィの腕を引き、別の機体から発射されたRSライフルの盾に使う。砲弾で穴のあいたバグス・ビィを踏み台にして、
RSライフルを撃ったバグス・ビィに跳躍。ライフルごと腕を両脚で挟みこみ、スラスターを吹かして、腕ごと武器を圧し折る。流動金属装甲といえども、
関節部をねじる攻撃には弱いのだ。そのまま両脚を捻って折り、背部の大型スラスターも踏み折ると、残る2機へ向かう。
 2機はRSアサルトライフルを乱射するが、敵機の動きと揺れる地面のおかげで狙いが定まらず、ライズガルムは左右に跳ねて砲弾を避けながら、
少しずつバグス・ビィ2機に迫る。弾が切れ、マガジン交換をする隙を付き、間合いを詰めたライズガルム。しかし、その内の1機が、
RSアサルトライフルを捨てて飛びかかってきた。膝の関節を狙い蹴りを叩き込むライズガルム。しかし自身の機体を破壊されながらも、その右脚に
しがみ付いたのだ。

「拙イッ!!」

 回避動作は間に合わない。撃たれる前に相手を破壊しようにもライズガルムの腕では届かない。残された手は防御。しかし、ライズガルムの装甲とて、
この距離からの砲撃に耐えられるとは思えない。砲口を向けられ、引き金が引かれるまでの刹那、複数の思考がツクヨミの脳裏に浮かんでは消える。
ハティの声がやけにはっきりと聞こえた。

 腰を低く落として構えながら、バグス・ビィに向けて動いたライズガルムの腕。それに躊躇することなく、掃射されるRSアサルトライフル。
降り注ぐ砲弾の雨に、ライズガルムは対抗する術を持たず、破壊される……はずだった。

 だが、ライズガルムは立ち続けていた。

 高速で回転するライズガルムの両腕。腕部の装甲が削られながらも、砲弾を逸らす。逸れた砲弾がライズガルムの周囲を削っていく。
 弾道を読み、最も角度で受ける。それを毎秒30発のペースで撃たれる全ての砲弾に対応させる。ツクヨミの技量と、ライズガルムの性能、そして
ウールヴヘジン・システムによって鋭敏になった感覚があるからこそ、可能となった出鱈目な防御は、バグス・ビィが構えたRSアサルトライフルの
取り換えたマガジンから、再び砲弾が尽きるまで続いた。
 もう一度、マガジンを取り変えようとするバグス・ビィ。その攻撃が止まる。

「……今のハ?」
「スペースデブリ対策の緊急回避手段。しかし、まだ未熟か」

 砲弾を流し切れず、破壊されたライズガルムの右眼と左手の指を見ながら、ツクヨミが残念そうにつぶやく。初めてやった芸当なのだから、
失敗しなかっただけでも上出来だが、可能ならば成功させたかった。ともあれ、

「これで、終いだ」

 動こうとしたライズガルムの右脚を、まだバグス・ビィが掴んでいる。流れ弾で下半身が完全に吹っ飛んでいるというのに大した執念だ。
 ライズガルムは左足の指で地を掴むと、右脚をバグス・ビィの残骸ごと振るった。勢いの付いたたソレは、まるでハンマーのように
マガジン交換を終えた最後のバグス・ビィのRSアサルトライフルごと、その左腕を破壊する。慌てて身を引き、近接用の武器を取り出そうとするが、
その間に右脚を一回転させ、更に加速。勢いを殺す事無く前転の要領で両手を地面に付けて全身で回り、バグス・ビィの脳天から叩き付けた。

 轟音と共に、2機のバグス・ビィが潰れて一つの塊となっていた。火山の爆発は続いているが、それ以外で動くモノは、ライズガルムと
フェンリルの端末以外に無い。無茶な動作で機体の各所が発熱しているのか、ライズガルムが口を開き、音を立てながら空冷をを開始する。

 それはまるで、人狼が勝利の雄叫びを上げる様であった。
650創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:42:28 ID:CK8+4XNW
 
651創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:42:31 ID:D4Jv36vW
 
「これが、『兎乗り』だ」

 呟きながら、まだ右脚にこびり付いていたバグス・ビィの腕を引き剥がす。

「なるほド……確かに、人間に対すル評価を改めねばならンようダ……」

 呆れたように、ハティが答えた。

「兎乗りにとってハ、RSこそが最大ノ武器。武装なドあっても無くても変わらなイ……という訳カ」
「いや、普通に武器を使った方が早い」

 RSが火器を使わなくても普通に強かったのなら、多彩なRS用の武装は発達しなかっただろう。ツクヨミ自身、この状況も武装があれば
もっと楽だったと考えている。

「だったラ、最初から武装を取りにフェンリルに戻レ!!」

 それでも、武装を使わずに戦ったのは、久々に師を思い出したからか。「RWというものは、武器など持たなくとも最強なのだよ」という言葉が、
記憶の奥底から蘇る。

「武装が無くても倒せた。その結果が全てだ」
653創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:43:08 ID:CK8+4XNW
 
654創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:43:13 ID:D4Jv36vW
 
655創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:43:43 ID:3K6VonDo
 
656創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:43:55 ID:CK8+4XNW
 
657創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:43:59 ID:D4Jv36vW
 
658創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:44:37 ID:CK8+4XNW
 
659創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:44:41 ID:D4Jv36vW
 
「どうよ、Dr.ユノー? これがソマ・ツクヨミだ。RSに乗った奴がくたばるなんてのは、地球が逆回転するよりもあり得ない。アンタのつまらねぇ企みなんぞ
 奴にとっては屁でもねぇって事よ!」

 心底、嬉しそうに話し掛けるパーシヴァル。ユノーはそれに反応する事無く、肩を震わせていた。

「………しい」
「あ?」

 ユノーの呟き。パーシヴァルが聞き返したのは、聞き取れなかったからではない。声に、怒りや悔しさを感じなかったのだ。

「素晴らしい! 私が求めていたライズガルムのパイロット……いいえ、マーナガルム計画の要は、彼のような存在です!!
 この出会いは、まさに運命! ああ、何て素晴らしいラビット・ソルジャー・パイロットなのでしょう!! 彼こそ真の兎乗りです!!」

 満面の笑みを浮かべ、心の底からツクヨミを褒め称えるユノー。つい数分前まで、彼を実験ついでに殺そうとしていた事はもう過去の事なのだろう。

「ああ、出迎える準備をしないといけないですね! あとはよろしくお願いしますね〜」
「…………変わり身の早いこったな。だから苦手なんだよ、女って奴は」

 溜息を付きながら、艦長席を立つパーシヴァル。すぐにユノーが艦橋を出た為に、彼は気付かなかった、

「これで……これでやっと、やっとあの男と戦える! 私のマーナガルムが……やっと……あの子の仇を!!」

 彼女のその笑みが、少しずつ歪んでいっていた事を。
661創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:45:21 ID:CK8+4XNW
 
662創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:45:30 ID:D4Jv36vW
 
663創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:46:14 ID:D4Jv36vW
 
664創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:46:19 ID:CK8+4XNW
 
665創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:47:00 ID:D4Jv36vW
 
666創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:47:11 ID:3K6VonDo
もうたいりょくが
667創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:47:39 ID:CK8+4XNW
 
668創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:47:45 ID:D4Jv36vW
 
「何をしていル?」

 戦闘を終えたライズガルムは、破壊したバグス・ビィの頭部を手に取っていた。革命軍の回収班が来るそうなので、残骸は放置したままで
問題ないそうだが、それを待たずにやっておきたい事があった。

「いや、『挑戦状』の返事をな」
「挑戦状?」

 RCBを外して、ボールのように握る。

「11機のバグス・ビィは、武装したライズガルムならば正面からぶつかっても倒せる程度の戦力だった」

 ユノーが武装を全て外していなければ、わざわざ火山を噴火させる必要も無かっただろう。ライズガルムやフェンリルの奪取を目的としていた
にしては数が少なすぎる。しかし、データ収集を目的として送りこんだ戦力とも思えない。なのでツクヨミが考えた結論は、

「これは、ライズガルムへの挑戦状だ」

 やっとパイロットを見つけ、出来あがったであろうライズガルムへ、「これから戦いを挑んでやろう」という意思表示。だたそれだけの為に11機の
バグス・ビィを消費したのだろう。

「そういう事をやってくる相手に、心当たりは?」
「……………あル」

 ハティの答えに、ツクヨミは己の読みが当たっている事を確信する。バグス・ビィの頭部を握るライズガルムの腕に力が入り、

「これが俺の返事だ」

 勢いよく投げ付けた。標的は、フェンリルですら認識出来ない、高度なステルスシステムを使っている輸送艦。バグス・ビィを運んできた後、
そのまま待機し続けているのだろう。広がった認識範囲の隅で、何も無いはずの空の一部に、ツクヨミは僅かながら違和感があったのだ。

「その行動に何ノ意味があるんダ?」

 ハティには、何も無い海に向かってバグス・ビィの頭部を投げたようにしか思えなかったのだろう。しかし、放物線を描き飛んで行った頭部は
何も無い場所はずの空中で何かに当たり、跳ねてから海に落ちた。
670創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:48:29 ID:D4Jv36vW
 
671創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:48:34 ID:CK8+4XNW
 
672創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:49:14 ID:D4Jv36vW
 
673創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:49:23 ID:CK8+4XNW
 

「ははははは!見事なモノだ! そうは思わんかね、諸君」

 バグス・ビィをライズガルムが破壊した映像を見ながら、白衣を着た男が笑う。

「まさか、一切武装していない状態で、あのバグス・ビィの群を退けるとは!」

 笑いながら、ぺチペチと、気の抜けた音で拍手をする。

「クヒャヒャヒャァ!! そりゃあそうだ!ツクヨミを、あんなヤク中どもに倒せる訳が無ねぇ!」
「……それだけの敵というのであれば、即座に消去しますか?ライズガルムごと」
「フン、強敵というのならば、それこそ正面から焼き尽くしてこそ、我らの強さが示せるというもの!」

 その背後に立つのは3人の人影。全員が、金属の鎧のような異形のパイロットスーツを着込んでいる。

「その通り、彼はこのショウに招待したかった人物の一人だ。もっと楽しんで貰わないと面白くない。今日はあくまで、挑戦状を送っただけさ」

 男は芝居掛かった動きで3人の方を向き直る。それと同時に彼らのいる部屋に、金属が当たる音が小さく響いた。

「おお、返事も来たようだな、これはこれは……きちんと挨拶するのが楽しみだ」

 3人は微動だにせず、モニターに映るライズガルムを見ていた。

「しかし、どうやって彼を誘おうかと悩んでいた所だったのだが……まさか、彼がマーナガルム計画の中核に収まるとはねぇ!
 出来損ないの割には、良い仕事をするじゃないか! ユノー!」
675創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:50:04 ID:D4Jv36vW
 
 フェンリルに戻ったライズガルム。そのコクピットから降りたツクヨミを出迎えたユノーの態度は、凄まじかった。いきなり飛び掛かるように
抱き付くと、歯の浮くような称賛を浴びせた。マニ・アーマーを解除し、口からチューブを抜く際に発生した軽い吐き気を催した事に対しても、
心配そうに「大丈夫ですか?」と訪ね、ウールヴヘジン・システム使用でツクヨミにどの程度負担を与えたのかデータを取るという精密検査に関しても
わざわざ、ツクヨミの部屋まで装置類を持ち込んで行うというくらい気が利いていた。
 それまでにツクヨミに向けられていた悪意を一切感じさせず、心の底から嬉しそうにツクヨミに話しかけるユノー。その急変した態度を見ながら、
ツクヨミは昔の記憶を思い出していた。昔、玩具屋で働いていた時に見た「新しい玩具を親に買ってもらっていた子供」がこういう表情をしていたと。

「……すまないナ、ツクヨミ」

 そうハティが話し掛けてきたのは、精密検査を終えたユノーが笑顔で去っていった後だ。最初に部屋に来た時と同じように、モニターが勝手に付いて
犬をデフォルメしたようなCGが表示された。

「何がだ?」
「マスターについてダ。本気で殺そうとしタのに、今度はいきなり優しくなっタ事に対シ、オマエが不愉快に思ってルであろうと思ってナ。
 マスターに変わって謝罪すル」

 そう言って、モニターに映る犬が頭を下げた。

「別にどうとも思っていない」
「いや、遠慮する必要はないゾ? マスターのあの態度ハ、オレとしてモちょっとどうかと思ってるんダ」
「説明が足りなかったか」

 謝り続けようとするハティに、ツクヨミは表情を変えずに答えた。

「昨日も言ったが、俺は生きている。それだけが事実だ。Dr.ユノーがもう俺に悪意を向ける気が無いのであれば、気にする必要も無い」
「オマエ……」

 モニターに映るCGが、何とも言えない表情に変わる。

「これから、俺達はライズガルムで戦う事になる。互いに迷惑を掛け合うだろう。些細な事で謝る必要はない」
「些細……カ?まあ、オマエがそう思っているのなら良いが……」

 検査を受けている間に、パーシヴァルがツクヨミをライズガルムの正規パイロットとして申請していた。ユノーから指示があった訳ではなく、
彼が独断で決めた事であったが「気に入ったんだろ?そのRSがよ」というパーシヴァルの言葉に反論出来ず、その立場を受け入れる事となった。
 それは、月に帰れるのが遅れる事を意味するが、ツクヨミはそれでも、自分がライズガルムに乗り続けるべきだと考えていた。それは、
単純にライズガルムに魅入られているのか、マーナガルム計画というモノが引っ掛かっているのかは分からない。

「話はそれだけか?」
「あア……」
「なら、今日はもう寝させて貰う。お休み、ハティ」
「お休みダ、ツクヨミ」

 ハティの声と共に部屋の照明が消える。ツクヨミは目を閉じて眠りに就いた。
677創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:50:47 ID:D4Jv36vW
 
678創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:50:57 ID:CK8+4XNW
 
679創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:51:33 ID:D4Jv36vW
 
680創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:51:39 ID:CK8+4XNW
 
   〜次回予告〜


見よ、天を舞う巨大な怪鳥を
 その翼は天を覆い、万物を
   焼き尽くすだろう


見よ、地を進む究極の巨獣を
その巨大は如何なる攻撃でも
  揺らぎはしないだろう


見よ、海を往く最強の怪物を
 その鱗は触れるもの全てを
  破壊し尽すだろう


 人狼機兵マーナガルム

 第4話「魔獣」

「面倒だ、まとめて掛かって来い」
「……正気カ!?」
682創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:52:23 ID:CK8+4XNW
 
683創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:52:35 ID:D4Jv36vW
 
684 ◆CNkSfJe3Zs :2010/05/10(月) 02:52:54 ID:D7YEVDCH
え〜〜〜という感じで、
人狼機兵マーナガルム 第3話「われは人狼」F
終了です。

無駄に長くなった3話が終わった〜
やっとツクヨミがライズガルムのパイロットになり!
メインの敵も姿を見せ始め!
ユノーもデレ期に入りました!
ここからが本番ですかね〜次回で味方の新キャラも出しますし
次を早く投下できるよう頑張りたい所……

ではでは支援して下さった皆様ありがとうございます。
お休みなさい。
685創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:54:34 ID:D4Jv36vW
>>684
投下乙!それでは、明日ゆっくり読ませて貰うぜメーン!
686創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 02:56:12 ID:CK8+4XNW
>>684
 投下乙です!
 それでは、ゆっくり読ませていただきますね! あと今日はもう遅いので、感想は明日という事でw
687 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/10(月) 07:24:13 ID:MfaT3s/7
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/522/%E3%83%AC%E3%82%B0%E3%83%8A.jpg
紅白鬼レグナ

日々の忙しさに感けていたら放置気味になってしまっていた……。
以下、正義の執行者投下。
688正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/10(月) 07:27:54 ID:MfaT3s/7
1章 まずは一杯どうでしょう

1.
 例の銀行強盗の一軒から凡そ一月が経っていた。
 萩尾はあの赤い人型兵器に関してあるだけのデータを掻き集め、調査し、ある人物ならばこの人型兵器について
何か有力な情報を持っているのではないかという仮説を立てていた。
 そしてその人物と会う為に、萩尾はおよそ五メートル四方の巨大な貨物エレベーターに乗せられている。
 ゴウンゴウンとエレベーターの重低音が響く中、萩尾は改めて、極自然を装って周囲に視線を巡らせた。彼の眼前と
やや背後の両脇の計三箇所にガードマンが立っている。

(厳重だな)

 彼等の足の運びや何気ない手足の動きを観察するに、常日頃から機動警備隊としての鍛錬を欠かさない萩尾と
同等か、それ以上の実力を有していると思われる。つまり、これから会う人物はそれほどの実力者達が警護するだけ
の存在であるということらしい。

(今となっては、それも納得かもしれないが、まさかココまでとは……)

 意図的にゆっくり下降しているのであろうエレベーター内で、萩尾はそんな事を考える。
 その人物に対する扱いは罪人であるものの、政府から見れば絶対に手放したくないVIPの様なものだ。世間一般には
反感を買わないように地下施設にて収容していると報道し、またそれは事実であるが、その内面はおそらく、人々が想像
している収容施設とはかけ離れているに違いない。
 どれくらいエレベーターに乗っていたであろう。 エレベーターが止まり、ドアが開いた。
 萩尾の前に立つガードマンが振り返り、どうぞ、と萩尾を引き連れる形で歩き出した。萩尾の両脇に立っていたガード
マンの一人はそのままエレベーターの前に留まり、結果として、彼は二人のガードマンに挟まれて歩く形となった。
 地下施設の通路は明るく、広く、そして清潔であった。数分も掛けてエレベーターで下りてきた萩尾ですら、本当にココが
地下数十メートルであるのかと疑ってしまうほどである。
 閉鎖感や圧迫感を全くと言っていいほど覚えない廊下に、三人分の靴音だけが響き渡る。
 廊下はゆったりと右にカーブしていた。枝分かれの無い一本道の廊下を暫く歩くと、一行は行き止まりにぶつかった。
 その壁全体がドアであり、隔壁であるという事に、萩尾はガードマンがソレを開けるまで気が付かなかった。

「お入りください」

 隔壁の一部がスライドして開いた、丁度人間一人が歩いて通り抜けられる位のスペースを手で指しながら、ガードマンが
言った。

「ん?」

 言われるままに隔壁を越えた所で、萩尾はガードマンが付いてこない事に気が付く。

「貴方達は付いてこないんですか?」
「はい。基本的に、ココから先はあの方の敷地という扱いになっていますので」
「敷地……? つまり、家と同じ、ということですか?」
「ええ。ココからは非常時以外は面会を許された方しか入ることは出来ません」

 彼らの言葉に、なるほど、と萩尾は頷いた。
689正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/10(月) 07:31:47 ID:MfaT3s/7
 おそらくは、常に監視されているというストレスを極力与えないようにと言う配慮と、"彼女"の仕事柄、機密を守る
為……といった所であろう。
 隔壁の向こう側も同じ様に廊下が続いていた。
 今度はなだらかに左にカーブしており、地図に描くなら、アルファベットのSを裏返したような形状をしているので
あろう。
 ガードマンが居なくなった事もあり、萩尾は通路を軽く監察しながら歩いた。
 小型で気付きにくいが、数メートル置きに監視カメラが設置されている。コレは恐らく、先ほどのガードマン達に
映像を送っているのではなく、"こちら側"で生活している人物へと送られている筈だ。

(外側からの警備と、内側からの警備、そしてその両方が許可した時でないと外と中が繋がらず、行き来できないと
言うことか――)

 再び彼は行き止まりにぶつかった。
 その壁もやはり隔壁で、人が通る為のスペースを開ける場所も存在したが、今度は、隔壁の側の通路の壁に、
普通の自動ドアが設置してある。
 萩尾が自動ドア気付くと同時に、ドアの隣に備え付けられているスピーカーから、女性の声が響いた。

「ようこそ。アナタが萩尾さんですね?」

 マイクが見当たらないので相手に聞こえるか不安であったが、萩尾は軽く会釈しながら答えた。

「面会を許可してくれた事に感謝しています、エムレイン・ブルー博士――」



2.
 船本春江は鈍い感覚の中に居た。
 体は鈍く、重く、まるでドロリとした粘液の中を漂っているかの様だ。生理の最中の煩わしさにも似ていたが、夢の中の
様なおぼつかない感覚が四六時中それも毎日続く分、生理よりも厄介だった。
 空気か肌を舐める感覚に吐き気を覚え、指先が思うように動かない事に苛立つ。全てが不快で、憎らしい。
 彼女は今日もまた、いつもと同じ感覚に肉体を支配されている。
 午前九時。人込みで溢れた電車に船本は乗り込み、大学へと向かう。ソレもその筈、彼女は大学に在学中の学生なのだ。
 人込みもまた不快ではあったものの、肉体的な圧迫に気を取られ、精神的な苦痛が紛れる分、街を歩く時よりは気が安
ぐ気がすると彼女は考えている。
 今日もまた、電車は許容を越えた数の人間が詰め込まれていた。船本もそんな一人となり、鮨詰めの電車に押し込まれる。
 身動きの取れない車中で、する事も無しにボンヤリとしていると、週刊誌の吊り広告が目に付いた。
 ソレは購読者となり得る人々の興味を引きたいが為の、無責任な煽り文句と低俗な内容が大小さまざまな文字で書き連ね
られているだけのモノであったが、その片隅に『例』の人型兵器についての記事も特集しているらしき事が書かれていた。
 それを見て、この日初めて船本は小さく口元を緩めた。
「所属不明の赤い人型兵器による襲撃、殺人事件、これで四件目」と綴られたその見出しは如何にも馬鹿馬鹿しく、彼女の
笑いを誘った。
 この記事を書いた、あるいは、読んだ人物は、ココに書かれている「殺人鬼」が「正義の使者」であるという事実を知った際、
どの様な顔をするのであろうか。
 そんな事を考えている船本にとって、その事自体は、あまり興味の対象ではない。彼女が知りたいのは、そんな人間の
感情と言動の変化の様である。一度植えつけられた先入観をどれだけ覆せるものか、どれほど簡単に意見を百八十度入れ
替えることが出来るのか、ソコが知りたいのだ。
 船本は目的の駅で降りた。
 また、粘ついた深いな感覚に包まれながら街を歩く。
 周囲の人並みの様子も、船本同様、学生らしき若者達の数が増えてきていた。
690正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/10(月) 07:34:36 ID:MfaT3s/7
 それらの中に、一人、見覚えのある顔を見つけた。

「小泉――」

 ふと彼女の名前を呼んでしまい、船本は慌てて口を閉じた。
 小泉茜。船本とは高校入学からの友人である。同じ大学に入ったものの、学部が違う事から最近は顔を
合わせる数が減ってきている。とは言え、学食などで顔を合わせれば、簡単な近況報告を出来るくらいには
気心が知れた中であったが、今現在、船本はそんな彼女だからこそ、会いたくないと思っていた。
 高校時代の小泉は、携帯すらろくに扱いきれない機械音痴であった為に、メールアドレスを初めとした連絡の
手段を未だに交わして居なかった事を、今更になって船本は思い出す。

「あ、船本さん」

 船本自信はあまり大きな声を出したつもりではなかったが、小泉は彼女の声が聞こえたらしく、船本の存在に
気が付き、人懐こい笑顔を浮かべて軽く手を上げた。
 船本はソレに応えるか一瞬迷ったが、自分から名前を呼んでしまい、目が合ってしまった手前、今更気付か
なかったフリをするのも不自然で、応えない訳にも行かなかった。
 小泉は船本の側へとやってきて、ソレだけで世の男達が蕩けてしまいそうな笑みを彼女に向けた。

「相変わらずのようだな」

 そんな小泉を見て、船本は小さく笑った。

「ん、何が?」
「いや、相変わらず、天然の男殺しだな……ってさ」
「なにそれ」

 小泉はフフッと肩を竦めて笑った。
 船本達は肩を並べ、大学へと歩き始めた。
 自分から声を掛けたにも拘らず、自分から振るような話題を持ち合わせて居ない事に内心で舌打ちしつつ、
船本は小泉を横目で見た。
 どれ程前だったであろうか。
 小泉が、腰ほどまでありそうな綺麗な黒髪をバッサリと切り、活気に満ちた笑顔を見せるようになったのは。

(恋をしているんだろうな)

 漠然とした予感は、直ぐに小泉自信の言動から確信へと変わった。
 ソレまで絵に描いたような清楚なお嬢様だった小泉が、急に生き生きとして来た気がして、船本はその変化を
喜んだ記憶が在る。
 自分自身は何も変われず、刺激に飢え、しかし刺激を求める事のリスクすら負う勇気が無かった自分には、
彼女はとても眩しく見えたのだ。
 だが、今は――。

「小泉は……赤い人型兵器の事を、知っているか?」

 先程見た吊り広告のせいだろうか。
 船本は、無意識の内にそんな事を小泉に尋ねていた。

「赤い……?」
「そう。赤い、人型兵器」

 "私"の乗る、所属不明の人型兵器。
 またの名を――正義の執行者。
691正義の執行者 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/10(月) 07:38:32 ID:MfaT3s/7
以上

次回の投下は何時になるやら……。
ロリ分? そんなもの、うちのSSには存在しないよ!!
(べ、べつに、皆のロリ談義なんてうらやましくなんて無いんだから!)
692創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 09:41:37 ID:D4Jv36vW
>>684
改めて投下乙!
ツクヨミ先生は相変わらず規格化だな……さすがに敵の施設を無許可で破壊し尽くすのはどうかと思うがw
しかし火山を噴火させるとは凄いなライズガルム
今回はまた色々伏線がバラ撒かれたみたいで、回収される時が楽しみだw

>>691
投下乙!ロリか三つ編みキャラを出したら師匠にマッハでデザインされてしまうぞー!
しかしエムレインさんがまた出てくるとは、しかもこんなに早く
というか
>"私"の乗る、所属不明の人型兵器。
>またの名を――正義の執行者。
船本犯人はお前かー!?いかん、展開が予想外すぎて変な汗出てきた……
693創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 11:03:16 ID:PlHWztU0
皆さん投下乙!  なんだこの投下速度は。連休は終わったのだぞ…w
694創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 15:30:38 ID:CK8+4XNW
 みなさん投下乙です! 感想は家に着いたら書きますね!

>>693
 逆に考えるんだ、休日過疎オワタって考えるんだ。
695創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 16:53:18 ID:AODlNtS0
696創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:07:20 ID:CK8+4XNW
 改めましてお二方、投下乙です!

>>684
 火山を爆発させるとはまたツクヨミ先生らしい豪快な戦術ですねw こういう使い方があるとは予想外でした。
 しかし、ユノーさんの過去って一体……うごごご!
 それにしても、

>施設から何一つ回収せずに、研究員や被験者ごと跡形も無く破壊した
 これって軍法会議モノじゃあ……。

>>691
 お久しぶりですw
 ブルーまさかの再登場に驚いて、小泉の近い存在が犯人だった事にさらに驚きました。なんだか後味の悪い話になりそうですね……。
 あと、やっぱりレグナはふとましくてかっこいいですよね、好みの体型ですw

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
697創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:31:49 ID:D4Jv36vW
……まあ状況にもよるけど、よっぽどの事がない限りアウトなんじゃないかね。ぶっちゃけ戦略的にも人道的にも政治的にもこれはマズいと思う
698創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:36:52 ID:D7YEVDCH
>>692
>>696
感想どうもです〜

ツクヨミがやらかした事に関しては、
もともと潜入するよう命令出したのが人体実験のデータを欲しがってた方々で、
あんまり他の奴に知られないように極秘でツクヨミを単独行動させてた結果、
問題を大っぴらにする事が出来ず、軍法会議まで持ち込まれる事はなかった。
という感じの裏設定が……

なお、今回の戦闘で、1機だけパイロットを殺す(コクピットを破壊する)描写を入れてないので
上記の方々が、生きたサンプルを入手し何かやらかす可能性もありますが、
それを本編で使うかどうかは未定です。
699創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:38:08 ID:D4Jv36vW
なぜツクヨミ先生を潜入させたしw
700創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:44:35 ID:CK8+4XNW
 ツクヨミ先生を潜入させた結果がこれだよ!

>1機だけパイロットを殺す(コクピットを破壊する)描写を入れてない
 なんと、気付かなかった……楽しみにしてますw
701創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:53:06 ID:D7YEVDCH
>>699
操縦技術”だけ”は一流だから……

腕は良いのに素行不良等で軍での立場が危うくなってる奴を
後ろ盾になってやる代わりに汚れ役押し付ける担当にしようとしてたけど
ツクヨミが体面とか一切気にしない真性のアホだったおかげで大失敗でゴザル
という流れです
702創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:53:06 ID:D4Jv36vW
月側はやっぱ人的資源が足りないのかね、ジオンよろしく
703創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:57:21 ID:CK8+4XNW
>>701-702
 同時、だと……!?
704創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 18:58:16 ID:D4Jv36vW
息ピッタリ、だと……!?
705創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:02:19 ID:CK8+4XNW
 息ぴったしカン・カンですね!

>>702
 やっぱり地球相手はキツいんじゃないですかね?
706創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:06:07 ID:D4Jv36vW
>ぴったしカン・カン
古いわw

そういえば、Gガンみたいな世界観ならキツくはないか……
707創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:11:17 ID:D7YEVDCH
>>702
革命軍(月):RSに慣れてる兵が多く、RW時代から蓄積された運用データがあるが
         資材も人員が足りておらず、割とギリギリで踏ん張ってる状態
統合軍(地球):RSの経験が少ない兵士が多く、またRSに関してのデータも殆ど無いのだが
          資材も人員も十分にあるので、時間が掛かれば掛かるほど有利になっていく

という状態なので、月側の勝機はもうほとんどありません(笑)
RS関連の月側の優位性も、現在は色々あって消えつつありますし。
ちなみに「マーナガルム計画」も、戦況をひっくり返す逆転の切り札ではなく、
もっと別の目的の為に存在する感じ。
708創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:25:53 ID:D4Jv36vW
一年戦争で例えるとチェンバロ作戦前くらいかな?
709創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:27:05 ID:26qSlfcu
私が亀なのではなく、このスレが速すぎるのだと主張したいが……どうやら私が遅いだけだな!
タイミングを逸しているとは思いますが、レスを頂いた方に対する私なりの誠意として。

>>25
ご感想ありがとうございます。
まことに申し訳ないことに、画力は進化していないものと思われます……。
ベクトルは年を追うごとに変わっているので、近年のものも後日晒した際には
「ああ、こいつは中二病が悪化している……!」などと比較していただけるかもしれません。

>>27
なんというテクノロジー。その発想はなかったッ
本来なら私がスキャン時にやっておくべきだった作業ですね……ありがとうございます。
次回以降、紙の状態が悪いものは可能な限り修正を試みます。

>>48
銀河系全体を巻き込む戦争の話ですので、基本となる単位が既にインフレしているのですw
(亜光速ミサイルやレールガンは、炸裂弾頭ではなく単純な衝突による運動エネルギー兵器として運用されますが
 基本的に空間戦闘兵器は高度な重力工学による装甲を持っていますので、これでも牽制ぐらいにしかならなかったり)

COMAUS(コ-マウス)やAMAUS(ア-マウス)は機動攻撃端末システム『MAUS(マウス)』、いわばビット兵器の分類です。
COMAUSはConsciousness Operating(以下略)……つまりパイロットが意識によって操作するもの。
AMAUSはAutonomus(以下略)……つまりコンピュータによって自動制御されるもの。
いろいろと種類があり、だいたい高級機には何らかのMAUSが搭載されています。
ニュータイプ専用とは言いませんが、実戦での効果的な運用に技倆を要するのは確かです。
ご質問の答えとなりましたでしょうか。
710創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:29:45 ID:5e5Hqc0F
フゥハハハーなんかちょっと目を離すと投下ラッシュが来てるじゃないですk
皆さん投下乙!後でゆっくり読ませてもらいますね!

>>619
感想ども!ベルかわいいさベル。
無粋なのは悪い奴の基本。。。光る杖でトゥア!してやるぐらいで丁度いいかもしれません。
散りばめたキーワードのいくつかはまたまた後々語っていきますんででわでわ。。。

……なんかいつもこんな感じねw

>>628
残酷なのが待っているのか、それとも……
紅いのは……今のところなんとも言えませn

>>629
ふむ、ギャップかぁ。難しいなぁ。
まだまだ精進精進……

過剰反応すると多分損するだけだからまぁのんびりと見といてくだしあ
711創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:34:56 ID:D4Jv36vW
ああ、大体わかった!
712創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:38:14 ID:CK8+4XNW
>>708
 ルビコン計画あたりですかね?
 ジオンなら完全に詰んでる(というかルウムの時点でほぼ詰んでる)ところですか……革命軍危うし、ですね。

>>709
 そういう設定を考えられるのって凄いと思いますみん。

>>710
 遥さんは娘なんで、ベルを嫁にギャァァァァァァァァァァ!!
713創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:43:21 ID:D4Jv36vW
>>712
レビル将軍さえ奪還されなきゃなあ……
ところで何故まつらいさんの名前がw
714創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 19:52:15 ID:CK8+4XNW
 ああ、携帯の予測変換の仕業ですね。許せん!
715創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 20:05:31 ID:2RJqPkHr
どうでもいい話だが各作品に主題歌を付けるなら何が良いかな?
716創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 20:25:48 ID:D4Jv36vW
ヴィルシャにはステポニのツキアカリのミチシルベとか似合いそう
717創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 21:19:28 ID:CK8+4XNW
 人いないどー!
718創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 21:23:27 ID:3fabyYwM
>>715
「Faze to Love」橋本みゆき
をどこかの作品の主題歌に押したい
719避難所よりコピペ:2010/05/10(月) 21:25:57 ID:D7YEVDCH
463 名無しさん@避難中 [ sage ] 2010/05/10(月) 21:13:40 ID:b1epLHxM0
本スレ
>>715
作品自体とはちっと違うけどロボのデザインする時なんかに曲からイメージを引っ張ってくることはかなり多いでっせ
ラルクのDRINK IT DOWN
JAMの鋼の救世主
グランロデヲの慟哭の雨
この歌がどの機体のモチーフかわかったら俺に感性が近い残念な人ですw
720避難所よりコピペ:2010/05/10(月) 21:26:37 ID:D7YEVDCH
464 名無しさん@避難中 [ sage ] 2010/05/10(月) 21:22:45 ID:9fCG5yOI0
>>615
投下乙ッ!!

大丈夫と思うのは何かの前触れフラグですねわかりますw
アリスの気持は分かる。ゴミゴミした街、スラム的なあの感じ……だからDSで旧都市区を(ry

>「かもしれないね。」
>「肯定すんな。」
本が養分ですねわかります

人である前にイグザゼン……制御装置たる彼女なしには動くことすら不可能なんですからある意味当然なのかな…
適性のない搭乗者ではネクストがロクに動かないように。
でも、アリスだって「家族」がいる。帰る場所があるんだ!

最後、またお前か。
どう考えても黒幕の女。人殺してにっこり笑うタイプにしか見えません。

次回も待ちますよ!

>>624
糸目ッ!! 希少種じゃないか! 投下乙!

>「ソレハシンコクダナー」
( ;∀;)ソレハシンコクダナー

妹ってやっぱいいですわ……現実は非情ですがn(ry
母の日作品、ごちそうさまでした。

>>624
投下乙だよー!
ウールブヘジンとはなんというAMS。でもひょっとしてダメージ喰らったら逆流して(ry

>水没したくらいでは壊れはしない
乙樽がお話があるようです

変態技術って素晴らしい!
幼体固定とか強化人間とか脳髄直結とか試験管型操縦席とか生物兵器とか!
っていうか噴火させた……だと。
ツクヨミさんも歪んでますよね、正常に。でもこれはいつか殺されかねない。大丈夫か?
ユノーも相当キテるし……使いつぶすつもりか。
次回も待ってます!
ところで我は人狼に敵は海賊のニュアンスを感じる。

ピロリン
ライズガルムにMAP兵器「超震動兵器」が搭載されました


>>691
仮にオッサンしか出てこなくても自分は一向に構わんぞ! 投下乙じゃ

電車の描写には感服いたしました。
どろりとした空気の中無理な体勢で耐え続けるあれは拷問ですよね。
正義の執行者か――はたして本当に正義なのかすら…
次回も待ってます。
721創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 21:36:19 ID:D4Jv36vW
>>718
雰囲気的には少女機甲録あたりが似合いそうかな?

>>719-720
転載乙!
722創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:11:54 ID:5e5Hqc0F
>>634
投下乙!
ツクヨミさんマジパネェ。。。しかし彼に潜入調査を依頼するのは間違ってるね;
……しかし超振動兵器を用いて火山を噴火かw一番活性化出来るであろう一点をピンポイントで
見つけ、そこに正確に突き刺すとはウールヴジンの応用はかなり効くみたいですn

ユノー怖いなぁ。。。また豹変しそうで困る。
次は三つのしもbもとい陸海空のやばいもんがやってくるみたいですね。
みんなまとめてかかってこいとは凄まじい言い様w彼らしいですがw
次も楽しみにしてますよー!


>>691
投下乙!
電車の気分は痛いほど良く分かる。
もうちょっとなんとかならないもんなのかねぇ、アレ……

しかしエルレインさん、凄い待遇ねw
罪人ではあるがVIP待遇。。。扱う側としては難しいだろうなぁ。

正義の執行者。。。アンタかw
一体何を思ってあんな事を……今後の展開に期待大ですよ!

>>712
あー無残にも全身の骨という骨が。。。
まぁ5分で元通りになりそうだけどn

>>719>>720
転載乙!そして感想ありがとう!
自分も分かる。この貧弱もやしだとすぐに疫病か何かにかかっちゃいそうですがががggg

まぁ本当に本だけで死にそうに無いから何とも
本と水だけで育つ胡散臭い男ぷらいすれす
723創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:23:08 ID:CK8+4XNW
 三つのしもべと聞いてビッグファイア様のために飛んできました。

>>722
 何を思って、よりも何を患って、のほうがしっくりくるような気がしますw
724創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:25:53 ID:D4Jv36vW
>>722
>エルレインさん
愚かな愚かな愚かな愚かな愚かな愚k(ry

>>723
そりゃもちろん中二(ry
725創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:28:12 ID:rrRnCNcl
>>724
神にケンカを売った男がそちらに向かったようです。
……ってか元ネタ間違ってないよな?
726創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:33:28 ID:5e5Hqc0F
>>724
オウフ

エムレインさんでした;

>>725
うーむ、多分そこで勘違いしたと思いまs
727創る名無しに見る名無し:2010/05/10(月) 23:48:14 ID:CK8+4XNW
 ブルーの方で覚えると覚えやすいよ!
728創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 00:21:36 ID:YbI1zjIz
戦慄のブルー……いやなんでもない

今更だけど、PBMにOPつけるとしたらラルクのReady.Steady.Go!とかいいじゃないかな
729創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 00:35:21 ID:sJTkkDBF
 蒼を受け継ぐ者……いやなんでもない。

>Ready.Steady.Go!
 疾走感あっていいですねw
 でも『太陽に焦がれて』とかもいいカナー。
730 ◆9MC6FR8UMj7S :2010/05/11(火) 09:21:40 ID:nq7AiVqO
短い分にかんそうどもども

>>692
 今回は警察・犯人・小泉(&姉小路)・プラスαと複数の視点があるので、前回やった犯人の視点メインは最低限にしてます。
 これだけの情報があればいいかな、で書いているので、逆に複雑になっているかもw
 話の内容自体は簡単な筈です。

>>696
 エムレインさんは犯罪者の皮を被った日本国政府のVIP扱いなので、以後ちょこちょこでるかと。
 パイロットの設定が設定なので、いろいろな意味で後味が悪くなりそうです。でも、規模が小さいとはいえ戦争だもの。仕方ないんです。
 シャープなロボもいいけれど、殴り合いが出来るゴツイロボが大好きなんです。重装甲バッチこい!!

>>720
 オッサン率はともかくお姉さん率が高くなりそうです。
 初めて満員電車を見て、乗ったとき、生きた心地がしませんでした。以来、込んだ電車はなるべく乗らないように意識しています。

>>722
 日本の満員電車は乗車率(?)400%越えだとか何とか。想定している人数の4倍近く乗れば、そりゃあ……。
 海外で言うSWATですら手玉に取るマシンに乗った女子大生がまさかの犯人――って、前回も女性だった気が……。
731創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 10:33:14 ID:sJTkkDBF
>>730
 ロボの損傷上等な殴り合いっていいですよね!

>前回も女性だった気が……。
 つまり見届け人シリーズの女性には地雷が多いと、君は!
732創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 10:57:01 ID:uU5ZmIle
電車の中で香水プライマルアーマー装備のオバハンに何度ニオイ殺されたことか
733創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 10:58:48 ID:4+OaG5rC
常にドア付近に移動し外気を吸えるポジションをキープする俺に隙は無かった
734創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 11:00:55 ID:uU5ZmIle
おい押すなよ! 押すなよギャアアアアアアア!?
735創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 17:19:35 ID:sJTkkDBF
 一瞬ダチョウ倶楽部かとw
736創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 17:43:09 ID:YbI1zjIz
いいか刹那、トランザムするなよ。絶対にトランザムするなよ!
737創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 17:47:00 ID:sJTkkDBF
刹那「トラ了解ンザム!」
738創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 18:24:31 ID:YbI1zjIz
おいwww
739創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:03:16 ID:sJTkkDBF
 本スレが淋しいでおじゃる……。
740創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:07:33 ID:+YDZkSt1
実際、ロボスレ大戦雑談は本スレでやってもいいような気がするねw
規制中の方が多いのかな
741創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:10:37 ID:YbI1zjIz
谷亮子の件での大規模規制だっけか
巻き込まれる側はいい迷惑だよなぁ……
742創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:12:08 ID:sJTkkDBF
 悔しいのぅ、悔しいのぅ……!
 さて30分後にバイファムか……。
743創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:15:28 ID:YbI1zjIz
まったくだ。GW規制が解除されたばかりだったのに

ところでたろ氏は大丈夫だろか
744創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:17:58 ID:sJTkkDBF
 大丈夫だと信じるしかありませんよ……。
745創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:20:17 ID:YbI1zjIz
まあそうだよな……
746創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:25:09 ID:sJTkkDBF
 それに、私達がネガティブになってどうすんです!
 ああ、風邪っぽい……。
747創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:27:32 ID:YbI1zjIz
唐突すぎる上に言ったそばから微妙にネガるなw
大丈夫け?
748創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:32:34 ID:sJTkkDBF
 雨の中、傘も差さずに自転車で爆走すればこうもなろう!
 帰りが遅れたからこんな事に……。

 とりあえず一晩寝れば大丈夫だと思います、馬鹿は風邪ひかないって言いますしね!
749創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:40:08 ID:YbI1zjIz
無理すんなよー
750創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:40:46 ID:4+OaG5rC
完全に二人きりのラブラブ空間だな
邪魔はしない方が良さそうだ
751創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:42:20 ID:YbI1zjIz
いやいやいやいやwむしろ邪魔してくれwww
752創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 22:45:58 ID:sJTkkDBF
 これは>>750氏を巻き込んで3Pせざるを得ない!
753創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 23:09:11 ID:hgrM19T/
アッー!
754創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 23:27:55 ID:YbI1zjIz
どういう展開だよw
755創る名無しに見る名無し:2010/05/11(火) 23:36:11 ID:sJTkkDBF
 ヤマなしオチなしイミなしな展開です。
756創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:01:07 ID:gmh7jIfS
ロボスレで801とな!?
757創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:02:25 ID:Gc8Q6TEc
オルトとエリーがアップを始めたようです
758創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:06:16 ID:gmh7jIfS
タカ坊が逃走を開始したようです
759創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:08:07 ID:a2OxNufV
http://www.youtube.com/watch?v=Oe3St1GgoHQ
割と人間技の範囲内だったんだな……水面走りって……
760創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:11:47 ID:infcBoxX
 むしろユト×タナカさんとか(ry

>>759
 なんだこれは、たまげたなぁ。
761創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:14:59 ID:gmh7jIfS
じゃあリヒト×ルガーとk(ry

>>759
すげぇ……こういうバカバカしい事を真面目にやるっていうのは大好きだw
762創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:29:27 ID:SpaC/y+P
>>759
かっけぇwww
763創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 00:33:03 ID:gmh7jIfS
夏にプールで真似しちゃ駄目だぞ!
764創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 10:44:26 ID:a2OxNufV
http://nagamochi.info/src/up11983.jpg
http://nagamochi.info/src/up11984.jpg
言いたい事は色々あるが、まず一言

 ボ ン 太 く ん 参 戦 か よ !?
765創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 10:58:04 ID:infcBoxX
>>764
 陣代高校生徒会があった時点で予想はできていたものの……変態企業め、よくよく好きと見える……!
766創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 16:15:08 ID:gmh7jIfS
>>764
ボン太くんもだが、ディジェとかどんなチョイスだよ








俺得過ぎる
767創る名無しに見る名無し:2010/05/12(水) 17:11:55 ID:infcBoxX
 そういえば、スクリーンショットにあったVF-0ゴーストブースターが機体一覧にありませんねー。

 つまりまだ発表されてないプレイアブル機がある……かも?
768創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 00:07:01 ID:50uOIkLF
あったらいいなぁ。せめてVF-0 Sは欲しい
769創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 00:19:22 ID:h5FU6NvS
 コダールとかエリゴールとかも欲しいですね。
 まあ、フルメタ出るだけで八割方満足なんですけどw
770創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 00:29:03 ID:50uOIkLF
多分俺、強攻型アクエリオンが使えたら鼻血噴くw
771PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/13(木) 01:21:20 ID:h5FU6NvS
772創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 01:32:31 ID:50uOIkLF
投下乙!感想は避難所に書いてしまったよ……
つかVガンネタやめい、縁起でもないw
773創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 22:55:43 ID:h5FU6NvS
 本スレは死に体ですけどね!
774創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 22:58:27 ID:50uOIkLF
まだだ、まだ終わらんよ!
775創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 23:40:43 ID:92ma7BJl
誰もいないのはチャンスと考える事にした
776創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 23:46:02 ID:50uOIkLF
投下かい?来いよベネット!
777創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 23:50:08 ID:G0dWncDe
               |
    (・L・).        |
   ◎(^ω^)ヽ     .|
   (3⊂∩∩ノ      .|
    | |   |       |   (^ω^;)  \WWWWWWWW/
    | ∪∪|        |   ( ̄\ ヽ  < ROMってないで >
    |  ||  |.        |  / 7ヽ   /   < 投下してこいよ!>
    (__)(__)       |  / ./  `ーi   < ベネット!!    >
               |  し'    ⌒i  /MMMMMMMMM\
               |/  / ̄|  |
               (__)   (___)
778創る名無しに見る名無し:2010/05/13(木) 23:52:30 ID:h5FU6NvS
 支援ならするぞー!
779創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 00:43:58 ID:2mu2UVBV
そして誰もいなくなった……
780創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 00:45:08 ID:uy0+vkpI
だが私がいる
781創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 00:48:41 ID:QnemfVsG
 私がいるぞー!
782創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 00:50:15 ID:2mu2UVBV
おお……生きた人を見るのは久々じゃ……
もっと近くで顔を見せておくれ……
783PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/14(金) 00:53:31 ID:QnemfVsG
 私だ。
784長目@珍獣使い:2010/05/14(金) 00:59:50 ID:uy0+vkpI
私だ。
785創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:00:58 ID:2mu2UVBV
ああ、なんだ神か
786創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:02:29 ID:QnemfVsG
 てのひらが一行に進まない私は人間だ! 人間でたくさんだ!

 珍獣の過去話とかやりたいネタはたくさんあるのにィー!
787創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:07:27 ID:2mu2UVBV
>珍獣の過去話
想像つかねぇwww
788創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:13:01 ID:QnemfVsG
 それはもう壮絶な過去が(棒)
789創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:14:09 ID:uy0+vkpI
過去ログ追うのが一向に進まない私も人間で十分だ!
つかDSV書き始めてぇ!

>珍獣の過去話
こんなに想像つかねぇこともそうはあるまいw
めっさ気になるw
790創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:15:07 ID:wGHABdsl
そういや、ストーリーを書くにあたって
「本編にはほとんど関わらないが、コイツはこういう過去があった」
的な、キャラのバックボーンの設定とかってどれくらい考えるモンですか?
791創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:22:45 ID:QnemfVsG
>>789
 まあ、落ち着いたらそのうちw

>>790
 大小問わずストーリーに関わらせる私に隙はなかった。

 私は思いつく限り詰め込む派ですが、別になくても問題ないんじゃないかとw
792創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:22:55 ID:uy0+vkpI
避難所、新スレ建ちましてございます

ロボット物SS総合スレin避難所10号機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1273763863/
793創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:25:10 ID:uy0+vkpI
>>790
割とまちまちですわー

時系列がっちり考えないといけない時は、がっちり決めたりするけど
本編と関わりないなら、積極的には決めないことの方が多いかもです
794創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:28:08 ID:2mu2UVBV
>>790
一応考えておいた方がキャラは固まるんじゃないかな?

>>791
よし、早く落ち着くんだ!

>>792
報告乙!
795創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:29:09 ID:uy0+vkpI
あ、ただ、キャラの本編の様子から「こいつこんな過去かもなー」とか
勝手に浮かんでくることは割とありますw

>>791
期待して待とう!(鎮静剤入り注射器を構えながら)
796創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:32:38 ID:2mu2UVBV
しかし珍獣の過去は思い浮かばないw
遥さんとまどかさんは幸せな日々を過ごしていただろう事は想像に難くないが
797創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:34:13 ID:wGHABdsl
ていうか、自分の奴だと
「このキャラが異常行動に走ってるのは過去にこういう事があって〜」
ってのを後に本編中でちゃんとやろうと考えて、色々仕込んではいるのだが
「それを明かした時に読者に納得されるかどうか?」ってのが不安でしょうがない
798創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:35:46 ID:2mu2UVBV
まあ、それはやってみなきゃわからんさw
799創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:43:00 ID:QnemfVsG
>>794-795
 が、がんばるよ!

>>796
 だいたいあって(ry

>>797
 やっぱりそういうのって、積み重ね次第じゃないですかね?
 大なり小なり、ちゃんと伏線さえあれば納得できると思いますヨ。
800創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:45:55 ID:2mu2UVBV
比較的初期の方に過去をバラしておくのも手だね
801創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:50:40 ID:QnemfVsG
 さりげなーく伏線を張れば言い訳に(ry
802創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:56:05 ID:uy0+vkpI
伏線は割りとポイントですなー
特に予期しない部分が伏線だったりすると、驚かされるしニヤリとさせられるw
803創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 01:58:47 ID:QnemfVsG
 ガンダム00のリヒティーの水着とかそんな感じですねw

 しかし微妙な所に伏線を仕掛けとくと、間が開いた時に回収を忘れそうに(ry
804創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 02:10:48 ID:mX+KNkSw
何か新しい妄想が浮かんできましたよ。

けど、けど、僕には……書かなきゃいけない元ネタがあるんだ!!!!111!!
そっちはロボが出せなくて唸っているところなのですがorz
805創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 02:15:29 ID:QnemfVsG
 必殺の、
 いきなり戦闘からスタート→回想形式で本編へ。
 という手もありますよ!
806創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 02:23:28 ID:mX+KNkSw
>>805
と云うより、ロボを出す必然性が見出せないんですよ。ロボが居なくても話が回りそうなだけに、どうしたものかと。
その手はアリですけど、また別の機会にでも。
807創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 07:58:08 ID:2mu2UVBV
ロボが居なくても話が回りそうって、どんな話なん?
あらすじプリーズ
808創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 19:19:15 ID:mX+KNkSw
>>807
遅くなって申し訳ありませんorz
有体に云うと「ALLガチムチvsALLガチ百合に振り回される女装少年と男装少女@女子校&男子校」ですよー。
少なくとも師匠と貴方が期待しないで待っていて下さるだけに出来るだけ早く投下したいのですが……どうしたものかと。
809創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:12:30 ID:PY2QgqNR
>>808
自分で良ければ何かアドバイス出来るかもですw
さて……と書いといて解除されてるかな
810創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:12:55 ID:2mu2UVBV
ああ、アレかwww
別にそのネタなら多少無理矢理でもよかろうw
811創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:14:41 ID:2mu2UVBV
>>809
解除おめ!
812TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/14(金) 20:15:07 ID:PY2QgqNR
恥ずかしながら戻ってきました
何も書けてないのに戻ってきて申し訳ないです
一先ず先日はリアルで色々あり精神的に脆くなってました、ごめんなさいorz
813創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:18:09 ID:2mu2UVBV
結果的にちゃんと戻ってきたから問題ないさねw
お帰りなさい!
814創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:18:23 ID:QnemfVsG
>>812
 おかえりなさい! そして規制解除おめでとうございますw

 なーに、結果オーライですよw
815創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:24:45 ID:PY2QgqNR
ホントなら解除記念として何か投下するのが筋ですよね、のこのこ戻ってきてアボカドうましかかと(ry
土日中に何か投下出来ればと思いつつ、ちょいと日が経ち過ぎたので感想は最近のに絞ろうかなと……怠慢ですみません、けどちゃんと読んでますので
816創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:26:06 ID:2mu2UVBV
そこでハルとデイブを(ry
817PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/14(金) 20:27:25 ID:QnemfVsG
 これは私が一肌脱がざるを得ない……!
 えぇい、てのひらは後回しだ!
818創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:32:54 ID:2mu2UVBV
よし、脱げ脱げ!どんどん脱げ!
819創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 20:34:24 ID:QnemfVsG
 そしてフル・フロンタルへ……。
820創る名無しに見る名無し:2010/05/14(金) 21:30:02 ID:2mu2UVBV
遥さんが全裸になると聞いtジョインジョインハルカァ
821創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 00:44:57 ID:hteBoKd5
 全裸より着衣のがえろ(ry
822DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/05/15(土) 04:38:02 ID:yoAcLg/Q
どうも、DaZの人です。大変ご無沙汰してましたw
こんな時間になっちまったですが廻セカDaZ、2ヶ月ぶりに新話投下したいと思いますw

それでは、Episode8をどうぞ。
823廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 1/13:2010/05/15(土) 04:39:19 ID:yoAcLg/Q
―――同日深夜。……いや、零時過ぎてるから正しくは翌日か。

オレとシュタムファータァは、日中に下調べしていた工場に木粉鉄粉を頂戴にしに来ていた。

「しかし……いいんでしょうかヤスっちさん。これ、私たち完全な泥棒ですよ?」

「揺籃の危機なんだ。そこら辺は気にしないでいこうぜ。それに、言い始めたら廃墟群に立ち入るのも不法侵入だし建物壊してるのも器物破損になるしな」

「それもそうでしたね」

シュタムファータァは苦笑しながらその身を光と共に白銀の巨人に包ませる。そして同時にオレもコックピットの中に入る。

動かせないとは分かっているのだが自然と手足はレバーとペダルに伸びる。外観が同じなのだ。わかっていたとしても癖でやってしまう。

『それではヤスっちさん、サポートお願いしますね』

「っても、あんまやることないけどな」

そして全長3mの白銀の巨人が壁を飛び越え、音を立てずにふわっと着地する。

「……そんな体で、随分とまぁ器用な真似するな」

『戦闘は苦手な方ですけど、こういうしょうもないのは得意なんですよ、私』

「お前もう作業用でいいじゃねぇか」

『今からやることがまさしく作業用がやることですけどね……物資運搬なんて鉄板じゃないですか』

誇ったと思ったら再び落ち込み始めるシュタムファータァ。まぁ、本気で落ち込んでるわけじゃない。冗談だ。

イェーガー戦を前に冗談を言えるほどの精神が落ち着いてるのは良い傾向だ。それほどシュタムファータァの中で意志は固まったということだろう。

『……ヤスっちさん。私、肝心の粉を保管している場所がわかりませんでした』

「勿論それも調べてある。っても、衛星写真とサイトの外観の写真からこれじゃないのか、ってくらいの自信しかないけどな」

それらしき建物の場所まで行き、倉庫のシャッターを強引に取り外す。幸運なことに、中には期待通りの代物が入っていた。

粉袋を一つずつシュタムファータァは手の平に載せていく。しかし、リーゼ状態のシュタムファータァが一袋ずつ手の平に載せていく光景は激しくシュールだ。

『ヤスっちさん、必死に笑い堪えてるの、今の私でもわかりますからね」

「っく、悪いな……。あまりにもロボットらしからぬというか、なんというか」

『そりゃ見た目はロボットでも挙動は人なんですし、仕方ないじゃないですかぁ……』

シュタムファータァが肩を軽く落とす。勿論ロボットの外見で。

「ははっ、マジ面白ぇ」

『絶対、ぜーったい後でヤスっちさんに仕返ししてやりますから』

「期待しないで待ってるわ……」
824廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 2/13:2010/05/15(土) 04:40:20 ID:yoAcLg/Q
そんな会話をしながら作業は進み、気がつけばシュタムファータァの手には袋が山積みにされていた。

何段もピラミッド状に積まれている粉の袋。よくもまぁこんなことができるものだ。こちらからすれば落としそうで非常に怖い。

「お、おい。それ落とすなよ」

『落としませんって。さっきも言った通り私こういう細かい作業得意なんですから』

「頼むぜ。お前のこの作業に揺籃の命運がかかってるんだからさ」

『大丈夫ですって。やりとげてみせますよ。それに本番は全て準備が終わってからなんですから』

そうだ。だからこんなとこで絶対に躓くわけにはいかない。というかここで躓いたら馬鹿らしすぎる。

「おう。そういやさっきから疑問に思ってたことが一つあるんだが」

「なんでしょうか?」

「いや、こんだけ大々的にやっておいて工場内の警備装置はなんで反応なしなんだろうか……とな」

普通に警報の一つや二つは鳴らされていてもおかしくはない。なにせシャッターを強引に外すという暴挙に出ているのだから。

『言われてみればそうですね……。でも、まぁ反応してないんだからいいじゃないですか。理由なんてどうでも』

「まぁ、たしかにどうでもいいことではあるんだが……少し気になってな」

こんなずさんな警備態勢でいいのか、揺籃。

まぁイェーガーにバレるという最悪のパターンは今のところないみたいだし、順調に事は進んでいる。

そんな些細なことに疑問を持っている暇があったら、戦略の一つでも考えた方が無難だろう。
825廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 3/13:2010/05/15(土) 04:41:10 ID:yoAcLg/Q
そうして非常に危なげな量の粉袋を積んだまま、シュタムファータァは無事に廃墟群までたどり着くことができた。

『この袋、どこに入れるんですか?』

「……今さらで言いづらいんだが、粉塵爆発ってのは実際にそこまでの威力は出ないんだ」

建物の破壊等や数々の事件はある。だが、そのどれもが極めて特殊な条件下のみでの爆発だ。

その特殊な条件下を作りだすことさえ難しいというのに、戦闘中にその条件を満たすのは至難の技だろう。

『えぇ!? だ、駄目じゃないですかっ! 今さらどうするんですかぁっ』

「仕方ないだろ、発案したときの知識じゃそこまでわからんかったんだから。ほら、粉塵爆発って名前的に威力ありそうじゃないか?」

まぁ、それでもこの粉塵爆発を使うという戦法をやろうと思ったのには、ちゃんとした理由がある。

今のシュタムファータァなら、おそらくできるはず。……できると信じたいというのが本音だが。

『ええぇ……、じゃあこの粉、無駄になっちゃったじゃないですか』

「いや、粉塵爆発は起こす。粉塵爆発だけじゃたしかにイェーガーは倒せない。でも、お前がいる」

リーゼンゲシュレヒト・シュタムファータァ。ある意味、こいつじゃなければできないことをやる。

「いいか、作戦はだな…………」

シュタムファータァにオレが考えだした作戦を聞かせる。誰でもわかる、非常に単純な作戦を。

『……そんな、上手くいくでしょうか?』

「上手くいくかいかないかじゃない、いかせるしかないんだ。これが、最後のチャンスなんだから」

『最後のチャンスに、こんな単純な作戦で戦わせないでくださいよ……』

「シンプルイズベスト。思いつきにしては結構悪くない戦法だとは思うんだけどな」

オレにはそこまで何重の罠を仕込んだり、裏の裏の裏をかくような戦法や作戦は思いつきそうにない。

『わかりました……。私が必ず成功させてみます』

「頼んだぜ、シュタムファータァ」
826廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 4/13:2010/05/15(土) 04:42:58 ID:yoAcLg/Q
そうして実際に爆発を起こせそうな場所を選んでいく。学校跡の体育館が結構綺麗なままで残っていたのでそこを使わせてもらうことにした。

「これ、校庭で戦えたらいいんじゃないか?」

『そうですね。ここならば私の剣も多分引っ掛からないと思います』

おそらく半径150mくらいだろう。リーゼンゲシュレヒト同士の戦闘であれは充分すぎる広さだった。

「よし。これで正真正銘戦う準備が揃ったな」

『あとは、本番だけ……ですね』

シュタムファータァがそう言い、白銀の光と共にリーゼンゲシュレヒトからヒトの姿に戻る。そしてポケットから携帯を取り出し、イェーガーに対してこちらの位置を知らせるメールを送る。

お互い無言になり、じっとイェーガーが到着するのを待つ。無意識に握った自分の手の平は、汗に濡れていた。

「(やっぱ、怖ぇよ)」

揺籃を守るだなんて言っておきながら、本質はファンタジーのような世界に憧れを抱いて首を突っ込んだ自分。そして自分が傷ついて初めてそれが愚かだったと気づいた自分。

今だって本当はファンタジーのような世界に憧れてないわけじゃない。でも、今はそれだけじゃない。

「(自分の命が危険になって、初めて死にたくないなんて思えたな)」

だから、自分の命を守るために、オレはシュタムファータァを利用させてもらう。

……まぁ、男として女の子一人に戦わせるのはどうなのか、という気持ちがなくもないのだが。

「うーし、よく逃げなかったじゃねぇか」

突如後ろから大きな声がし、振り返るとそこにはいつの間に居たのか。イェーガーが校舎の入り口、校門を出たところにに立っていた。

「逃げたってどうせ追っかけてくるだろうが、イェーガー」

「そりゃあ、仕事だしな」

イェーガーがこちらに向かい歩き出す。コツコツと革靴が地面を叩く音が反響して学校全体を包んだ。

「シュタムファータァ、気合い入れろよ」

「わかってます。私に、任せて下さい」

その声は若干震えていた。だが、凜とした瞳はイェーガーを真っ直ぐ見抜いている。
827廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 5/13:2010/05/15(土) 04:54:08 ID:yoAcLg/Q
「ま、期待を裏切らないでくれよな。……『我は獲物を捉える紅の牙。赤銅色の狩人、イェーガーッ!』」

相変わらずの圧倒感を持った赤銅色の巨人が顕現する。思わず後ずさりしそうになるが、そうするわけにはいかない。

「『現界せよ我が体。罪深き始祖、シュタムファータァ!』」

白銀の光がオレ諸共周囲を包み込み、6枚のプレートを背部に展開した白銀の巨人が現れる。そしてオレは、動かすことはできないコックピットの中へ。

レバーを握り締める手に力が籠もる。動悸が止まらない。緊張で頭がおかしくなりそうだ。

『ヤスっちさん、これが私の……固有兵装です!』

シュタムファータァが両手を前に構えると、手の平に白銀の光を放つ粒子のような物が集まって、やがて実体が形作られる。

現れたのは、流れるような曲線を描いた二振りの白銀の長刀。流麗な白銀の刀身は長さによる錯覚か。端から見れば折れてしまいそうな儚さと、芸術品のように綺麗であった。

『ほう……二刀流か、シュタムファータァ』

『行きますよ、イェーガー』

シュタムファータァがそう言うと同時に、白銀の巨体が持つ刃は狩人に目掛け振り下ろされていた。

『うぉっ……!』

イェーガーが思わず呻き声を漏らす。振り下ろされた刃は鈍く光る手甲によって受け止められていた。

だが、まだシュタムファータァの猛攻は止まることはなかった。

狩人の脇腹を切り裂くように横薙ぎに迫る斬撃。それをイェーガーは肘と膝で白刃取りという化け物地味た技で受け止める。

「嘘だろっ!?」

『遅ぇっ!』

もう片方による斬撃が来る前に肘打ちでシュタムファータァを弾き飛ばす。だが剣を支えにしすぐ立ち直し、再びイェーガー目掛け突貫する。

流れるような銀色の曲線を描いてイェーガーに襲いかかる二本の斬撃。だが、刀身の横を弾くことで回避するイェーガー。そして、再びカウンターの肘打ちが放たれる。

だが、シュタムファータァはそれを短く後ろにステップすることで回避した。今まで避けたことがなかった攻撃を……避けた。
828廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 6/13:2010/05/15(土) 04:56:08 ID:yoAcLg/Q
『ほぉ……ッ!』

自分自身も予想外だったのか、肘打ちを回避されたイェーガーに僅かな一瞬の隙。そこにシュタムファータァの突きが放たれる。

肩部の装甲を貫く白銀の太刀。そして追撃に振り下ろされたもう一本の斬撃は刀の鍔の部分を押さえられ止められた。

『罪深き始祖……てめぇ、その剣術はなんだ?見たことがねぇ』

『私流80%漫画流20%ってところでしょうか』

肩に突き刺さっていた太刀を引き抜き、一度イェーガーと距離を取る。いくらイェーガーが強力な白兵戦能力を持っていたところで、リーチはこちらの方が上だ。

「しかし、お前そんな戦えるなら初めからやれよな」

『私にもわからないんです。なんか、実際に刀を持って戦うと次に何をどうすればいいか自然にわかるんですよ』

シュタムファータァの声色は先程までと違い自信に満ちた明るい声色だった。たしかに、この前まで手も足も出なかった相手に戦えるようになれば嬉しいだろう。しかし……。

「(双刀がシュタムファータァにとって"合っていた"武器だとしても、戦えなかった相手にいきなり戦えるようになるのはおかしいんじゃないか……?)」

イェーガーが手を抜いているのか、それとも他の何かなのか……。今のオレにはそれを判断出来る情報は持ち得ていなかった。

『やるじゃねぇか、やるじゃねぇか罪深き始祖……!この間とは大違いだ。楽しくて仕方ねぇっ!』

今度はイェーガーから距離を詰めてくる。ライフルの弾丸の様に放たれる拳。それは、人間の動体視力で捉えられる速度を越えていた攻撃だった。だが。

だが、それを軽やかに、銀の軌跡を残し体を捻り回避するシュタムファータァ。カウンターとばかりにイェーガーに迫る斬撃。

『今の私なら、貴方にすら勝てる』

『戦えるようになったからって、あんま上から目線で語ってくれんなよぉ!』

イェーガーが急に体を倒れるように横にし、斬撃は空を切る。そのまま地面に手を着き蹴りがシュタムファータァの体に直撃する。

そのまま体を反転させ、シュタムファータァに突撃するイェーガー。

『このっ!』

『たしかに前とは段違いだったよ、お前』

突撃してくるイェーガーを挟み込むように襲いかかる二本の長刀。だが、鍔を拳で受け止め、跳躍して顔面に放たれる回し蹴りが直撃した。

『だが悪いなぁ。さすがにオレも素人に負けるわけにはいかねぇんだわ』

『私だって、負けるわけにはいきません!』
829廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 7/13:2010/05/15(土) 04:58:30 ID:yoAcLg/Q
追い打ちとばかりにこちらに弾丸のように迫り来る拳に対して、カウンターで刀を上から振り下ろす。

金属と金属がぶつかり合う甲高い音と共に、ぶつかり合った刀身と手甲で鍔迫り合う形になる。

『ははははっ、マジでお前どうしたんだ!?前回とは別人すぎるじゃねぇかよ!』

『ヤスっちさんの死が私を強くした』

「いや、死んでねぇから」

前回で腹に穴空けられて死にそうにはなったが。

時間にして僅か数秒ばかりの鍔迫り合い。ほぼ同時のタイミングで互いに後ろに跳躍し距離を取る。

こうして第三者の目からしてもはっきりとわかる。シュタムファータァの力の上昇ははっきり言って異常だ。

だが、それでも実力はイェーガーの方が上である。分かりやすく言えば動きの"キレ"が違う。

長年の戦闘から培われた動きは粗がなく、洗練されているのだ。

『なぁ、坊主』

ふとイェーガーがオレに対して呼び掛けてくる。こちらの声を届かせるためにATTのVC(ボイスチャット)の範囲を全体に変更する。

「(これで出来るか不安だな……。リーゼンゲシュレヒトのこのコックピットの再現率なら出来るとは思うんだが)」

モニターに変更を知らすマーカーが表示されたのを確認し、通話をONにする。

「あーあー、なんだよいきなり。戦闘中だろうが」

『いやぁ何。そういやお前の答えを聞いてなかったと思ってよ。……お前、本気になったのか?』

「さすがにあんな目にあって、好奇心だけでここに居るほど無神経でもねぇよ。今はただお前を倒す、それだけだ」
830廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 8/13:2010/05/15(土) 05:00:00 ID:yoAcLg/Q
『倒す……ねぇ。そんなんじゃなくてだな。結局お前の気持ちはなんなんだってことを聞いてるんだが』

「……オレが今ここいる理由は非日常に憧れたから。それと、自分の住んでる島を消されたくないからだ。
漫画の中のような世界が実在して、それに自分が関わっている。人間なら誰もが憧れる舞台に、今オレは立っている。
そんな夢のような世界を、終わらせたくないに決まってるだろうが!男ってのは、命をかけてもそういうのに憧れんだよ!」

初めてこんなに自分の想いを曝け出した。常に熱くなっている連中を一歩引いた目で斜に見ていた自分。
だが、それを楽しめなかったのは自分のせいだ。常に何かに縛られ、囚われ、純粋に物事を楽しもうとしなかった。

「それにな、イェーガー。抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」

『ヤスっちさん……』

……でも、やはりこんなことを言うのはとても恥ずかしい。この場の雰囲気がなければ絶対言わないであろう台詞だ。特に、オレは。

『……まぁ、昨日と違って好奇心からを認めただけ上場、か。つまりこの戦いに参加できるのが楽しいからいるってことか。
 たしかに、ここでオレに殺されたらお前の世界は終わっちまうもんなぁ』
 
「ああ。こんなのもう二度と体験できないだろ?なら、早く終わらせるのは勿体ないってもんだろ」

『そうだな!そうだよなぁ、楽しいよなぁ!勿体ねぇよなぁ!いいじゃねぇかその台詞が聞きたかったってんだよオレは!
 世界を守りたい?世の中冷めた目で見てんじゃねぇよ。世界を守ってるオレ格好良いって浸ってんだろ?なら、その気持ちに素直になれや!」
 
「ああ。だからさイェーガー。もっと楽しもうじゃねぇか。どうだ?マンガみたいにこの一撃で決着つけるぞみたいなの、やってみないか?」

『……あぁ?どういうことだ』

突如イェーガーの声色が怪訝なものに変わる。オレの額に冷や汗が流れるが、一度言い出したことを止めるわけにはいかない。

「あるだろ?互いに向かい合って真っ向からぶつかり合うってヤツだよ。いいと思わねぇか?」

『オレに真っ正面からのカウンターは通じねぇってのにその誘いかよ。罪深き始祖、お前はいいのかよ?』

『私は、ヤスっちさんの希望通りに戦うだけです。それに言ったでしょうイェーガー。今の私なら、貴方にすら勝てる、と』
831廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 9/13:2010/05/15(土) 05:01:24 ID:yoAcLg/Q
シュタムファータァが刀を一本消失させ、一つの刀を両手で持ち真っ正面に構える。

『遥かに力が増してもその実力はオレよか下だ。それがわかってていってんだろうな?』

『ええ、だから策を用意してあります。思いっきり引っかかって負けてください』

シュタムファータァが隠すこともなく堂々と策がある、と言ってのける。そんなシュタムファータァの言葉にイェーガーは笑いをこらえきれなかった。

『だははははっ!なるほどなるほど!この坊主の誘いは策にハメるためのもので、お前がいきなり一刀流にしたのもその策の一つってわけか!
 さすがにオレとしても、そんな堂々と宣言されたんじゃあ逃げるわけにはいかねぇわな!』
 
「お前がそういう性格で、助かったよイェーガー」

『なに、気にすんな。お前らみたいな素人の策でやられたらオレはそこまでの存在ってわけよ。ま、オレは負ける気はさらさらないがな』

その言葉には力が籠もっていた。幾度もの戦場を潜りぬけた実力から来る、圧倒的な自信の表れだろう。

だが、ここで勝つのはオレたちだ。この立ち位置、この展開に持って行けた時点で僥倖なんだ。負けるわけにいかない。

『では、始めましょうかイェーガー』

『おうよ。……行くぜッ!!」

イェーガーが手に固有兵装のトンファーを装備し、こちらに突進してくる。対するシュタムファータァは、腰を低く落とし、刀を腰だめに構えるだけ。

『居合切りでカウンターってか!?やってみろぉ!」

そしてイェーガーがある程度の距離まで近づいてきた瞬間に、シュタムファータァは脛を地面に付くくらいという低さまで腰を落とし、
 着地を考えない低さまで腰を落とした状態でイェーガーに突進した。刀の高さは、イェーガーの脛に合わせられていた。
 
『足がなければ貴方とて、自由にできませんよねっ!?』

『ハッ!舐めんな!』

イェーガーは全速力で突進しているという不安定な体制にも関わらず、それを跳躍で回避してみせる。だが、着地したときのスピードを殺せるわけがない。
車や飛行機、乗り物。人間や生き物は、急には止まることはできない。ましてや、全速力であるならば余計に。

『終わりですイェーガー。焼けてくださいね?』

シュタムファータァの先ほど立っていた場所は体育館の前であった。今や立ち位置は真逆になった。イェーガーは、体育館の前に。
速度を殺せるはずもなく。そのまま体育館の壁を突き破って堅牢な装甲を持つ巨人は突っ込むことになった。

体育館の壁は鉄筋コンクリート。そこに鋼の巨人が高速で突っ込んだのだ。火花が起きないはずがない。
イェーガーは突っ込んだときにおびただしく舞い散る大量の粉に驚く隙もなく。

凄まじい爆音と共に、赤銅色の巨人は爆炎に包まれた。
832廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 10/13:2010/05/15(土) 05:02:36 ID:yoAcLg/Q
「シュタムファータァッ!!!」

『いっけえええええええええええっっ!!!!!』

そして、その爆炎の中に目掛け、白銀の巨人は刀を槍のように構え、力の限り投擲する。

凄まじい炎と煙の中だ。シュタムファータァが刀を投げたことなどにイェーガーは気づけるはずがなかった。

だが、それを防ぎきるのが歴戦のリーゼンゲシュレヒトの力だった。

突如の予想し得ない爆炎。さらに炎と破片による激痛が体を襲おうとも集中力は失われることはなかった。

振り払われた両手に握られたトンファーは、迫りくる二つの物体を弾いていた。そう、二つの物体を。

『あくまで爆炎は目くらまし。その爆炎によって生まれた隙に投擲された刀を当てる。……そこまでは、防げたんだがなぁ……』

イェーガーの背中から生えている白銀の刀身。それは紛れもない、シュタムファータァの刀。

『まさか、刀と一緒に飛ばしたのがバインダーだったなんて、さすがに炎の中じゃわかんねぇわ』

『知ってました?私のバインダー、ある程度の簡単な動作なら動かせるんですよ。……もっとも、私にとっては弾けるだけ恐ろしいですが』

シュタムファータァはその手に握られた刀でイェーガーを直接突き刺していた。心臓部分に深々と刺さる、白銀の長刀。

「炎を目くらましにして、投げられる刀は囮。本命はそれを弾いた一瞬の隙だ、イェーガー。誰でも攻略したと思った瞬間が一番の隙なんだってよ」

『まさか炎の中突っ込んでくるなんてなぁ。……あーあ、格下の相手に負けるなんて、だから狩りは楽しいん……だよ、なぁ……』

シュタムファータァが刀を引き抜く。それと同時に、イェーガーの体が人間の状態に戻る。それを手のひらで優しく抱え、炎と煙の中から脱出した。

充分な場所まで後退し、シュタムファータァも人間の状態に戻る。少女の顔は心底疲れ切ったものであった。

「シュタムファータァ、イェーガー、これ、死んでるのか?」

「……いいえ、リーゼンゲシュレヒトは頭を飛ばされない限りは即死しません。存在を維持するためのセカイが集まる中心部である心臓部を貫いただけですから」

「つまり、エネルギー切れで気絶してるだけってことか」

「そう、なります」

イェーガーの顔は死んでるようにも、寝ているようにも見える。それほど安らかな表情だった。

「……殺すんですか?」

「ああ、殺すしかないだろ」

そう言ったオレの言葉は震えていた。先ほどまで戦っていたとはいえイェーガーも一人の人間だ。それを、自分の手で奪う。
833廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 11/13:2010/05/15(土) 05:04:12 ID:yoAcLg/Q
たしかに命と命をかけた戦いではあった。だが、いざ勝ってみるとこのままイェーガーを見逃してしまいたいという気持ちが強くなってくる。

「(くそ、いざ殺すって言ってもどうすりゃいいんだよ)」

「いいんですよ、ヤスっちさん。元々ヤスっちさんは悩む必要はないんですから」

そう言ってシュタムファータァはポケットから折り畳みのナイフを取り出し、イェーガーの額に手を当てる。

「お、おい、シュタムファータァ?」

「こうして完全に無防備に、しかもセカイがほとんど残っていないリーゼンゲシュレヒトならば普通の人間より、遥かに死にやすいんです」

「そんなこと聞いてねぇって、おい、シュタムファータァ!」

「こうして人を殺すのは、私たち化け物の仕事ですよ」

そう言ってシュタムファータァがナイフを突き刺そうとした瞬間、彼女はナイフを捨てオレに向かって突進してきた。

「っ痛ッ!……いきなりなんなんだっての、シュタ…ム、ファータァ?」

オレは、驚きのあまりにきちんとした言葉を発することができなかった。シュタムファータァがオレの胸に飛び込んできた理由が、目の前にあったのだから。

先ほどまでシュタムファータァがいた場所に突き刺さる、漆黒の長剣。そして、それを両手で持っている漆黒の巨人。

外観は背中から大きくなびくマントに腰の両脇から長く垂れさがるコートのようなもの。夜の暗さのような黒色をしていなければ、騎士を彷彿とさせるその外観。

何よりも驚きなのがそのリーゼンゲシュレヒトが、イェーガーを庇うかのように出現していたことだった。

『やはり裏切ったんだな。シュタムファータァ』

そのリーゼンゲシュレヒトから発せられる若い青年の男の声は、シュタムファータァに向けられていた。

「"漆黒の夜"、ナハト……!まさか、貴方自身がここに来るとは予想外でしたよ……!」

『あそこまで議論で対立し、さらにはイェーガーが貴様相手に何日も掛けたのだ。不審に思ってもおかしくないだろ?
 それに予想外なのは、イェーガーが貴様に敗れたことだ』
 
「単刀直入に聞きます、ナハト。貴方は、ここに何をしに来たのですか?」

シュタムファータァがそう言うと、漆黒のリーゼンゲシュレヒト……ナハトは剣を引き抜き、腰の鞘に華麗に収める。
834廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 12/13:2010/05/15(土) 06:20:08 ID:yoAcLg/Q
『お前を消しに来た……というのが私の本心だが。生憎イェーガーの回収と貴様に対する意思確認だけだ。と言っても、意志確認などする必要はなさそうだがな

「ええ、ディスに伝えてください。私は揺籃に手を出さない限りは、貴方たちには関与しないと」

『……シュタムファータァ。覚えておけ。そこまで世界も、セカイの意志も甘くはないぞ』

そう言ってナカトはイェーガーを手に持ち、廃墟の街を出て行った。その姿が見えなくなるまでオレとシュタムファータァは、身動き一つ取ることができずにいた。

「……シュタムファータァ、アイツ、何者だ……?」

「漆黒の夜、ナハト。セカイの意志の革命派の一人で、ディスの右腕です。はっきり言って、今の私とイェーガーが共に挑んでも勝てない相手でしょう」

「おいおいおい、イェーガーでさえあんな化け物だったんだぜ?ならナハトってのはなんなんだよ……、チートじゃねぇか……」

「それが本来の"エクスツェントリシュ"と呼ばれるリーゼンゲシュレヒトの力です。伊達に"希少種"だなんて呼ばれていないんですよ」

非常に頭の痛くなる話だった。今回は引いてくれたが次回はどうなるかわからない。イェーガーよりも強い敵の存在なんて、考えたくもなかった。

「まぁ、でも、イェーガーの件は……これで、解決なの……か?」

「少なくとも戦線復帰には3、4ヵ月はかかるダメージは与えましたし、後続のリーゼンゲシュレヒトが来るにも手続きを考えたら、少なくとも1ヵ月は安心でしょう」

それでも……1ヶ月か。もしかしたらこれからずっと続くのかもしれない。撃退して撃退して撃退して……。いつか必ず、限界が来るだろう。

「大丈夫ですよ、ヤスっちさん」

シュタムファータァがオレの心中の不安を読んだかのように、オレの手に自分の手の平を重ねる。

「私が、なんとかしますから。だから……大丈夫です」

……まったく。今回だってオレの発案した作戦がなければヤバかったくせに、人を気遣うのだけは一流なんだな。

「……言ってろ」

「はい、言ってます!それでは、いい加減私たちも帰りましょう! もう、時間も時間ですから」

そう言ってシュタムファータァがオレの前を歩きだす。オレはゆっくりとその後を付いていく。

ふと、見上げた空。いつもと変わらずやってくる綺麗な朝焼け。

いつもと変わらぬ日々が、今日も訪れてくれたのだというささやかな喜び、達成感。

そんな気持ちに身を任せながら、長いようで短かった戦いは正真正銘に幕を終えたのだった。
835廻るセカイ-Die andere Zukunft- Episode8 13/13:2010/05/15(土) 06:23:27 ID:yoAcLg/Q
―――セカイの意志、革命派の支部の一つであるビルの最上階にある一室に、一人の男性が立っていた。壁一面に広がる巨大な窓に手を当て、どこか遠くを見るような視線を眼下の街々に向ける。

そこの窓からは、都会の街々が一望出来た。そして、彼の目線の先にあるのは僅かに視認できる海の向こうの、一つの島。

その島の名は、新興都市"揺籃"。戦後国から多額の援助を受け、発展を続けている島でもある。

「……ナハト、戻ったか」

「はい、先ほど。イェーガーの体は本部の医療施設に搬送しました」

その男性の後ろに立つ一人の青年。革命派のリーダー、『冥王の心臓』"ディス"の右腕的存在である、『漆黒の夜』ナハト。

「そうか。……ナハト、何故わざわざお前に頼んだのか……気になっているだろう」

「いえ、私は貴方の命に従うだけ。疑問を持つことなどありませんよ、ディス」

ディスと呼ばれた男性が、ゆっくりと振り向きナハトと向かい合う形になる。

「疑問に思ったことがあったなら言ってくれていいよ、ナハト」

「……貴方が、そう命じるのならば従いましょう」

ナハトの真っ正直な忠誠心に思わず心の中で苦笑してしまうが、勿論表情には出さなかった。彼なりの誠意を無為にしたくはない。

「……シュタムファータァは私にとって希望なんだ。適当なリーゼンゲシュレヒトに、様子を見に行かせるのは些か不安でね」

「希望ならば、何故イェーガーを向かわせたのですか? まさか、シュタムファータァが勝つと読んでいた、と?」

「違うよナハト。その程度の障害で消えてしまうような存在では希望ではない。つまり、私はただ彼女に期待していたのさ。そして、彼女は期待通りに格上だったイェーガーを打ち破った」

「……あの固有兵装の力、ですか。本来固有兵装はただの武器。リーゼンゲシュレヒト自体の能力を上昇させるなんて有り得ない。
固有兵装に備わったあの異質な能力がなければ、最初と同じくイェーガーに葬られていたでしょう。ディス、貴方はあれに心当たりが?」

ナハトの疑問は最もだ。あの少年が立てた作戦は、"イェーガーと勝負になる"という前提でこそのもの。だからあの少年はその確率は非常に低いだろうと思っていた。

だが、実際はどうだ。イェーガーと勝負にすらならなかったのが、固有兵装を手に入れるだけで勝負になった。これを異常と言わずなんと言おうか。

「……ナハト、たしか今ヴィオツィーレンは海外に飛んでいたね?」

「え、ええ。2日程前にイタリアに新たなエクスツェントリシュの発見報告があったので、捕獲任務を任されています」

「(すまないね、ナハト)」

今はまだナハトにすら話す時期ではない。まだ、私の……彼女の計画は始まったばかりなのだから。

「ヴィオツィーレンがいないのならば好都合だ。イェーガーの後釜に"月面ウサギ"の双子を回せ」

「…… ヴァイスとシュヴァルツを、ですか。わかりました。手配しておきます、……イェーガーより格下ですが、よろしいので?」

「構わないよ。頼むぞ、ナハト」

「了解しました」

軽く一礼をするとナハトは部屋を出ていった。……しかし、人一人いなくなるだけで、部屋の雰囲気は結構変わるものだ。

再び視点を窓の向こうにある、揺籃に向ける。あそこに今、シュタムファータァがいるのだ。その事実が私の心を踊らせる。

「今回も私の期待通りに動いてくれ。……シュタムファータァ」

そう呟いた窓に移った私の顔は、とても、満ち溢れた……歪んだ、笑顔だった。
836DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/05/15(土) 06:26:34 ID:yoAcLg/Q
以上で投下終了です。ちょっとばかし長くなってしまいましたがいかがでしたでしょうか。
とりあえず今回で第2章の「イェーガー編」は終了で、次回からは「月面ウサギ」編が始まりますw

次はできればホント1,2週間で上げたいんですが……、まぁ、精進するしかないw
837創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 14:37:28 ID:oBvrk/Qj
>>836
投下乙!紫蘇のパワーアップの要因って一体……
何はともあれ、狩人には勝つことができて一件落着と思いきや、次回から情け容赦無用のウ詐欺さん達が登場、だと……!?
838TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/15(土) 23:24:30 ID:au8YdXHe
>>836
久々の投下、乙です
落ち着いたらゆっくり読ませて貰いますね

明日、影を掴んでの最終話を投下しようと思うのですが容量大丈夫ですかね
文字数が2万超えてるんですが……一応分割はしようと思いますけど
839創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 23:31:49 ID:oBvrk/Qj
今332kbだから一応大丈夫かな?
840創る名無しに見る名無し:2010/05/15(土) 23:39:07 ID:au8YdXHe
けど容量的に自分ので一杯って感じですかね。
まぁ投下出来れば良いんですけど

しかし二次でかつロボット物なのにこの構成は大丈夫なのだろうか……
841創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 00:12:15 ID:twpySK+D
逆にwktkしてしまうじゃないか……!
842TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:16:22 ID:mtOeUJFP
何と言う文字数……自分でもドン引き

ってな訳で影を掴んでの最終話が出来上がりました。長すぎるので分割して投下します
すんなり収まる量では無いので、宜しければ支援宜しくです
843TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:17:52 ID:mtOeUJFP
運命とは得てして残酷な物だ。それがどんな物であれ、予期する事は出来ず、只受け入れる事しか出来ない。
当事者以外には常にドラマティックな物事として羨ましがられたり、面白がられたりするが、それは違う。
当事者にとって、運命は暴力的とも言える突発的なタイミングで降りかかって来る。抵抗する事も出来ず、抗う事すら許されない。

喉元がやけに涼しい。直に空気を感じているようだ。触ってみると、掌が赤く粘着質な液体でべったりと濡れていた。

次に来るのは、体の力が抜けるほどの脳味噌を抉る激痛。数秒くらいすると冷静に、あぁ、これは血なんだなと認識する。握っている拳銃とヘルメットを放り投げる。
まともに立てずに、俺は壁に寄り掛かってその場にズルズルとしゃがんだ。視界が薄暗くなってくる。この出血量では、手で押さえる程度じゃ到底無理だ。
早く止血……する気が起きない。何もかも馬鹿馬鹿しくなってしまった。俺は俺自身を嘲笑う。

目前では、俺の喉を撃った事に自分自身驚いているのか、フォレイリが呆然と、俺の事を見つめていた。
が、数秒程経つとフォレイリは掌に握っている拳銃を脱力した様に落とすと、驚愕や後悔、様々な感情が混在した表情で俺の元に駆け寄ってきた。

「セ……セレウェイ!」

おいおい……ノートパソコンを落としちゃ駄目だろ? 命よりも大事なもんが入ってる……んだろうに。
フォレイリの背後の壁に目を向けると、一発の弾痕が刻まれているのが見えた。なるほど……俺か。俺が、外したんだな。
あくまで威嚇のつもりで、俺はフォレイリの背後に狙いを定めて引き金を引いた。流石にもう一発撃てば素直に投降するだろうと。

甘かった。俺は最後の最後まで、お前に勝てなかったよ。覚悟とか色んな面で、俺は永遠にお前に後れを取った。一生この溝は埋まらない。

流石幹部だ。お見事。自嘲して笑おうとすると、喉から血が噴き出る。

「よく、撃ったな。すげえよ、お前」
「違う! 本当に当たるとは思わなかったんだ。あくまで……威嚇のつもりだった」

考えてみるとコイツは撃つ瞬間、目を瞑っていたのを思い出す。覚悟はあるにしても、あくまで戦いの面に関しては素人だった訳か。
しかし当たった。当たってしまったんだ。俺も威嚇のつもりだった。肩擦れ擦れを狙ってな。
運命の女神様は俺には微笑まなかった。いつもそうだ。お前ばかり、あの人は微笑む。俺には一回も、微笑んじゃくれなかった。

「止血するぞ、少し我慢しろ」

と言って近くを転がっている救急箱から包帯を取り出し、フォレイリは俺の喉元に巻こうとする。俺は、それを手で払って拒否する。

「無駄な……事をするな。俺はもう……助からん」
「諦めるな! まだ、間に合う、間に合わせて……みせる」

俺の喉元に乱雑に切った包帯を巻くフォレイリ。その目には一切の曇りは無い。本気で俺の生死を案じている。
どこまで馬鹿なんだ、コイツは。俺とお前は敵同士でかつ、さっきまで殺し合おうとしてたんだぞ? 其れなのになんで……お前は……。
どこまで俺を馬鹿にすれば良い。お前は何処まで……俺に屈辱を味あわせるんだ。

「畜生、止まらねえ……」

もう無理だって言ってんのに……。既に止血しても駄目な事くらい、分かってるだろうに。実際視界の上半分は暗くなっている。
もうすぐ死ぬってのに、俺の心はいやに落ちついていた。いや、待て。俺は視界が暗闇に落ちる前に、コイツに絶対に思い出させ、贖罪させなければならい。
あの4年前の出来事を。コイツをそれをさせるまで、俺は、まだ……。

あらん限りの力を込めて俺はフォレイリの襟首を掴んで手繰り寄せる。顔を近距離まで近づけ、俺は叫ぶ。

「4年前……」

「4年前を……思い出せ……」


―――――――――――――――――――――――――――――2312年。


「思い……出せ!」

844創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:18:35 ID:AN63qwpX
845TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:19:05 ID:mtOeUJFP
                            影を、掴んで    後編 (前/後)


――――――――――――――――――――2307年。

昨日から僕は学校の授業をそっちのけで、ある事を考えていた。それは運命的とも言える出会いを迎えた謎の少女、インについてだ。
インの事が頭から離れない。今もヴェントさんの町工場で、何時襲ってくるかもしれえない追手に怯えているのだろうか。
そう思うと、早く彼女をこのコロニーから脱出させないといけない。しかしだ……どうしても方法が浮かばない。考えてみよう。

軌道エレベーターはまず無理だ。登場する前に身分を明かす必要がある。税関を通り抜ける方法なんて思いつかない。
僕達には架空の人間の戸籍だとか偽造する技術もなきゃ財力もある訳がない。なら地球に向かう輸送艦に忍び込ませて……。
馬鹿だな、そんな事が出来てるなら軌道エレベーターの方がずっと楽じゃないか。軍人でもなんでもない僕達が、そんな事出来る筈がない。
そういやどこまでインをかくまう事が出来るんだろう。実はもう超人機関の追手が町に入り込んでるんじゃないか?

あぁもう詰んでるみたいなもんじゃないか……! 僕は本気で頭を抱えた。

「授業に集中しろー」

と後ろから呆れ声と共にノートで軽く頭を叩かれる。振り向くと拓馬がため息を吐いて僕を見ていた。そうか、もう休み時間になってたんだな。
って、こっちはそれどころじゃないんだよ! 一人の少女の人生を変えられるかもしれない時なんだ!
拓馬も一緒に考えてくれよ! と言おうとした瞬間、先手を取られた。

「もっぱらインの事を考えてたんだろうが、只でさえ勉強が出来てないのにそんな事ばっか考えててどうする? 真面目に留年するぞ」
「だって……インの事が心配じゃないなんだよ! 後1週間しかないのに!」
「あのなぁ……」

空いている机の上に腰かけ、拓馬は苦笑しながら僕に言う。こういう時の拓馬は何時もより年上に見える。

「そうやって同じ事ばっかり考えた所で、同じ所をグルグル回るだけの、負のスパイラルを繰り返すだけだぞ。今やるべき事に集中しろっての」
「だけど……」
「だけどもけれども無い。まぁ、ひょっこり思い浮かぶかも知れんから今は授業に集中しろ。良いな」

拓馬の言う事は一理、いや、百理あると思う。確かに僕は何回、同じ事を考えてはグダグダと悩んでいるのかと思う。
しかしそうは言っても他の事が全く手に付かないのだ。こんな事は始めてだ。僕はここまで勉強以外の事で熱心になった事は無い。
例えそれが力不足だろうと、無謀だろうと、僕は彼女の力になりたいんだ。

「そういやお前、もう一週間切ったけど考えてんのか?」
「考えてるって?」

僕の言葉に拓馬は尚更呆れたように大きくワザとらしいため息を吐いた。僕何か変な事言ったかな……?
拓馬はメガネをくいっと上げて腕を組み、僕に言う。

「俺達が修理したティエレンを、ヴェントさんの伝手で軍に紹介して貰うってずっと前から言ってるだろ」
「あぁ〜それ……ごめん、全然考えてなかったや……」

ホントに考えてなかった。インに夢中になっていた様だ。ティエレンの事も忘れてたなんて。
……そういやティエレンって軍に持ってくんだよな。で、輸送艦なりを使って、地球に配備されると。
ん、待てよ。って事はこのコロニーから離れる可能性もあるんだよな。待てよ……イケるかも知れない。
僕は湧き出てくる興奮を押えながら、拓馬に納得してもらえるかをドギマギしながら聞いた。

「あのさ、拓馬。考えてみたら、俺達が納めたティエレンって戦地に配備されるんだよな」
「まぁそうだな」
「って事はさ、インをその間に紛れこませて」

「無理無理。ていうか超人機関って軍と繋がってると思うんだが。お前インを自分から手渡す様なもんじゃねーか」
「ですよ……ね」

丁度チャイムが鳴った。拓馬は呆れるあまりか僕に何も言わず、黙って自席へと戻った。
僕も仕方なく目の前の授業に集中する事にする。早く学校終わらないかな。今すぐに工場に行きたい。
それで話したいんだ。インと。
846創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:21:15 ID:AN63qwpX
847創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:22:15 ID:CvIi6TNe
 
848TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:22:32 ID:mtOeUJFP
―――――――――――――――――――――2312年。

「あの日俺は……お前に言ったよな……。超人機関は……」

視界が消えない様に精神を保つ。息を吐いて吸って。痛みの中で気を失わない様に。
駄目だ、力が抜ける。俺の手はするりとフォレイリの襟元から落ちた。包帯から汗みたいに滲んだ血が流れる。

「軍と……繋がって……たって……」

「……全部、お前の……掌、だったのか?」

俺がそう言った途端、フォレイリの瞳孔が大きく見開いた。この反応は……否定、か。
分かってるよ。俺自身、如何に馬鹿な事をほざいているのかが。だが、そうでも言わんと……やりきれんよ。

「やっぱ……りな」
「違う! 俺は……」

「所詮お前も……」
「違うんだ、セレウェイ。俺にはああする事しか……」

「無かったんだ……」


――――――――――――――――――――2307年。

「こんにちはー!」

元気よく挨拶すると、ヴェントさんと工員さん達が僕達の方に手を上げた。けど僕の目は直ぐに、壁際で佇む彼女の方に向く。
ヴェントさんから貰ったブカブカのジャケットを羽織ってはにかんでいる、イン。僕達に気付いて、小さく手を上げる。
誰かに電話を掛けていたヴェントさんが気づいて、僕達の方へと歩いてきた。

「良く来たな。悪いんだが、お前らに手伝って貰う程の仕事がなくてな。その代わりと言っちゃあ何だが」

ヴェントさんは僅かに振り向いて親指を立てると、壁際に居るインへと親指を差しながら、言った。

「ちょっとインと付き合ってくれるか。お茶汲みとか雑務諸々やらしてるけど、暇でしょうがないだろうし」

ヴェントさんの空気の読みっぷりに感激せざるおえない。僕達は二つ返事で、というか僕がフォレイリの意思に関係なく返事した。
フォレイリに小突かれる僕を見て、優しく微笑するイン。こんな女の子が超人機関だとか訳分からない事に巻き込まれてるなんて、僕には思えない。
言葉は悪いけどドッキリか何かではないかとさえ思う。だってそうじゃないか。

僕の目の前で小さく笑っている彼女は、普通の女の子に他ならないから。

初めて会った時の帽子を深く被り、インと僕達は近場の町へと出る事にした。

849創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:22:51 ID:AN63qwpX
850創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:23:44 ID:CvIi6TNe
 
851創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:24:20 ID:AN63qwpX
852創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:25:02 ID:CvIi6TNe
 
853TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:25:05 ID:mtOeUJFP
護衛する様に僕達はインの前を歩き、それっぽい奴らが居ないかを確かめる。
と言っても特徴とかが分からないからどんな奴らかは想像もつかないけど、黒いスーツを着ててサングラス……的な奴が居ないかどうか。
不安に反してそんな外見の奴は全然いない。とは言え拓馬によるとそういう奴らは一般人に化けてるかもしれないから、油断はできないけど。

インはヴェントさんから貰ったお金で、本屋さんに言ってみたいと書いた。断る理由は何一つ無い。

本屋さんで本を読むインは、凄く嬉しそうだった。如何わしいゴシップ本から自動車まで、ありとあらゆる本を隔てなく読み漁る。
その度に、僕達に向かって無邪気笑顔で見せる。また、絵本を読んで何かが琴線に触れたのか、うっすら涙ぐんだりと感情的な所も見せてくれた。
30分くらいで凄い量の本を読んでる気がするけど、インが嬉しいならそれで構わない。

それから数日間、僕達はヴェントさんの特に仕事は無いというナイスな気遣いの元、インを連れて町だとか廃墟だとか色々な場所に遊びに行った。
僕達にとっては普段の日常で見飽きてる光景でも、インにとっては何もかもが新鮮で斬新らしく、子供みたいにキラキラした、好奇心旺盛な表情を浮かべて楽しむ。
拓馬は分からないけど、僕にとってそんなインの様子を見るのは心がときめいた。それと同時に思う。

この子を護ってあげたい。いや、悪い奴らから救ってあげたい。心の底から、そう思っている。
インは感動した事があると一々ノートに書いて、嬉しそうに僕達に見せる。

<ファーストフードってこんなに美味しかったんですね。感動しました>

<屋上から見る夕日はとても美しくて、私はこれほど綺麗な光景を見れる事に幸せを感じます>

<今まで資料でしか見た事が無かった動物達が、これほど可愛らしいとは思わなかったです>

<蒼い空の下、体を動かす事に歓びを感じます>

<貴方達と居れて、心から幸福だと、実感しています>

日が過ぎる度に、僕の中でインに対する感情は寄り強く、強固になっていった。彼女が微笑む度に。彼女が、ノートに僕達へのメッセージを書く度に。
だけど僕と違って拓馬は時折、インに対して懐疑的……? 複雑な面持ちで、インを見る様になっていった。
ある日の事だ、帰る間際、拓馬は僕の後ろで立ち止まった。僕が振りかえると、拓馬は僕に言った。

「……セレウェイ、あのさ」

「何?」

「……何時までこうしているつもりだ、セレウェイ。もう、三日も無いんだぞ」

一瞬拓馬の行っている事の意味が分からず、僕は目をパチクリさせた。三日……あぁ、そうだった。
件のティエレンの日まで、今日入れて後三日だったな。拓馬は僕が何か言おうとするのを遮り、言葉を続ける。

「本当は分かってるんだろ? インを救う事なんて出来ないって。もう充分……彼女には夢を見せただろう」
「夢?」
「彼女を待っているのは……絶望だけだ。せめてそれに至る前に、俺達は充分、彼女に幸福を与えたんだ。もう良いだろう、セレウェイ」

「……嫌だ」

その時、僕の口から自然にその言葉が出た。僕は何も考えず、拓馬に言葉を返す。

「嫌なんだよ、そういうの。僕は諦めないよ、拓馬」

「僕は必ず、彼女を絶望から救ってみせる。何をしたって、構わない」

拓馬は僕の言葉に、何も言わない。僕達はそのまま無言で、帰路を歩き、互いの家に着いた。

「じゃあな、拓馬」
「……あぁ、じゃあな」

854TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:27:08 ID:mtOeUJFP
思えばこれが拓馬の僕に対する、最後の忠告だったのかもしれない。いや、警告だったのかな。

ティエレンの日から二日前、僕達はゲームセンターに行こうと言う事になった。
レースゲームだろかシューティングゲームだとかを、手取り足取り教えながら、インと遊ぶ。
上手く操縦が出来ずに何周も遅れているけど、一生懸命なインとか、狙いを付けられずに気付いたら死んでいるインとか、その全てが僕には魅力的に感じる。
少し良い所を見せようかなと、僕はUFOキャッチャーに挑んでみた。だが何度挑戦しても上手く行かず、貯金箱みたいに金が吸い込まれていく。

「たく、貸してみろよ、セレウェイ」

「ほれ、イン」

拓馬は僕が何度挑戦しても取れなかったぬいぐるみを一発でゲットした。ゲットしやがった。
拓馬からぬいぐるみを受け取ったインは、嬉しいのか拓馬に照れ隠しする様に頬を染めて微笑む。畜生……畜生……! 凄く悔しいです……!
その後適当に店内をブラついて、目に付いたので格闘ゲームを選んでみた。一応操作方法としては簡単な格ゲーな様だ。

「操作方法は大丈夫か? イン」

拓馬にそう聞かれて、インは軽く頷いた。僕が相手になるが、勿論全力を出すつもりはない。
あくまでインが勝てる様に軽く優しく、相手になるつもりだ。さて、手合わせ願おうか、イン。


あ、あれ? 数十秒も経ってないぞ? モニターには僕が選んでキャラが既に延びており英語で貴方の負けという文字。
台の向こうを見ると、モニターを凝視しているイン。その顔は今までの儚げで切なげな表情では無く、まるでロボットみたいに冷たくゾッとする表情だった。
感じてしまう。感じたくなくとも、インが普通の子ではない事に。

「何やってんだよセレウェイ。ほれ、俺と代われ」

インの顔を見ておらずにモニターだけを見てた拓馬が、笑いながら僕に交代する様に言う。
僕は頷いて席を交代し、気のせいだと思いつつ、モニターに目を向ける。気のせいである事を願う。

「俺はセレウェイみたいに甘くないぞ」

と言って自信満々にキャラを動かし始める拓馬。……え? 何だ? インの操作しているキャラが初めてとは思えない鮮烈なコンボを、拓馬のキャラに浴びせる。
拓馬はインの攻撃に手も足も身動きも出来ないまま、ものの数秒でインに倒されてしまった。
拓馬はポカンとして驚いていたけど、偶然だと思って明るい声でインに言った。

「ちょっとばかし油断したぜ。それじゃあ次は本気で行かせて貰おうかな」

もう一度コインを入れて、拓馬はインと戦う。大人げないというか意外と拓馬って負けず嫌いなんだなと思いつつ……。
結果は同じ。インは余裕で拓馬を負かす。珍しく拓馬は感情を露にして、インに何度も何度も勝負を挑む。が。
全く勝てない。そもそも動き方が根本的に違うのだ。拓馬が反応する前から、インは先手を打っている。

「おいおいおい……嘘だろ?」

拓馬が素で驚嘆しており、席を立ってインを覗いた。そして拓馬も僕と同じく、緩んでいた表情が強張る。
モニターを見ているインの、モニターを凝視して微動だにしない姿に。インは僕達の方を全く見ずに、視線をモニターの一点に集中させている。
しばらくインの様子を見、拓馬は少し僕に顔を向けると、声を潜めて言った。

「こういう事……なのかもな」
「こういう……事?」

「インが超人機関とやらでされてる事ってさ……こういう」

855創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:27:19 ID:CvIi6TNe
 
856創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:27:54 ID:AN63qwpX
857TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:28:34 ID:mtOeUJFP
「いい加減席代われよ、お前ら」

野太く下品なダミ声がしてその声の方を振り向くと、チャラけた恰好でガムを噛んでいる大柄な男が、僕達を見下ろしていた。その後ろで笑う、同じ様な服装の3人。
インの方を見るとこいつらの仲間あろう2人の男が、インをニヤニヤしながら眺めている。何を考えてるかなんて分かりたくもない。
こいつら言う事は分からなくもないというか、普通に退けば良い話だ。

退いてどうにかなる……かな? どう見てもカツアゲとかされそうな雰囲気がする。何せこっちは3人でかつ1人は女の子。
あっちは6人でかつ、腕っ節と言うか喧嘩というか、暴力を好みそうな連中だ。どう考えたって勝ち目は無いし、もし手を出して警察沙汰にでもなったらとんでもない。
目の前の男は何も言わないでガムをくちゃくちゃしながら見下ろし続けている。と、拓馬が僕の腕を軽く突いた。僕は小さく頷く。

「……すみませんでした。行こう、セレウェイ」
「うん。イン、行こう」

僕がインを呼んだ瞬間、インの近くに居る2人組の内の1人がインの肩を無遠慮にも掴んだ。
やっぱりそうか……! そう気づいた時には、僕達は囲まれていた。上手い具合に逃げられない様に。
周りのお客さん達は目を背けて見て見ぬ振りだ。けどしょうがない。誰だって自分から厄介事には関わりたくないだろう。
とはいえ、インだけでも逃がしたい。ゲームセンターに誘ったのは僕達だ。インには何の責任もない筈だ。

「セレウェイ、インを連れて逃げろ。ここは俺が引き受ける」

ひそひそ声で、拓馬がそう言った。きっと確信は無いけど、拓馬ならこの6人相手に一歩も引かないと思う。
けど、駄目だ。もし警察にでもバレたら、拓馬が昔から抱いている技術者という夢を、拓馬自身が壊してしまう事になる。

「どうした? 早くしろ」
「そんな事は駄目だ。もし学校にバレでもしたら、お前……」
「馬鹿! もしインが乱暴されたらどうすんだ!」

「お前、インの事が好きなんだろ? だったら護ってやれよ。男だろ?」

そう言って笑う、拓馬。……いつもそうだ。なんでコイツって何時もこんなに……カッコいいんだろう。というかバレてたのか……。
僕が何時も追いつけない、出来ない事を拓馬は平気で超えていける、実行出来る。僕は正直に言えば嫉妬していた。同時に。
憧れていた。明確な夢も目標もあって、それでいて実力も合って未来を見据えられる、拓馬の事が。

「何こそこそ話してんだよ。オラ、こっち来いよ!」

拓馬の腕を掴もうと男が手を伸ばす。拓馬が僕に目配りした。僕は大きく頷いてインを連れていこうとした、瞬間。


人間の声とは思えない悲痛でけたたましい叫び声が店内に響いた。僕達と不良の動きが驚きのあまり、一寸止まる。
振り向くと、インに突っかかっていた2人組の内の、インの肩を掴んでいた男の腕が……あり得ない方向に折れ曲がっていた。
もう一人の男は目の前の光景に怯えているのか膝をがくがくさせながら、尻餅をついていた。


帽子が外れて、インの顔を露になる。

僕を見るインの目から、一筋の涙が流れた。


そこに居るインは、さっきまでのロボットみたいに感情を感じれない表情ではなく、今までの弱弱しく儚い、一人の、女の子でしか無かった。
他のお客さん達が、事態を把握できずにザワザワと近寄ってきて――――――――――――途端、連鎖的に悲鳴が起こる。
止まっていた時間が動き出した。僕は間髪入れずに呆然と立っているインに近づいて手を握り、拓馬に叫んだ。
858創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:29:02 ID:CvIi6TNe
 
859TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:29:32 ID:mtOeUJFP
「逃げるぞ、拓馬!」

僕の叫びに拓馬がハッとすると、一緒に走りだす。そして僕達は一目散に、ゲームセンターから逃げ出した。
何処に逃げるかなんて考えてない。ただ、遠く、遠く、僕達は逃げる。何から? 何からだろう、警察かあの男達か。それすらも分からず。
只、逃げたかった。握っているインの手は冷たくて幽霊みたいけど、インは人間だ。紛れもなく、人間なんだ。

「セレウェイ」

どこまで来たんだろう。何だか知らない所まで来ちゃったみたいだ。冷静になると思う。あのゲームセンターにはもう二度と行けないな。

「おい、セレウェイ」

インの手を離す。インと目が合う。インは泣きだしそうな目で、僕を見ている。

「セレウェイ!」
「ご、ごめん!」

拓馬の声に我に帰った。……インを引っ張ったまま、無我夢中で僕達は走ってきたみたいだ。
周囲を見ると、寂れている遊具や今にも壊れそうなボロいベンチが、砂利や雑草の上に乱雑に配置されている。ここは……小さな公園みたいだ。
三つの街路灯が侘びしく、月明かりの如く僕と拓馬、インを照らしている。荒いでいる呼吸を整え、拓馬がずれているメガネを掛け直すと、僕を真正面から見据えて、言った。

「……もう無理だ、セレウェイ」

僕は何も言わず、拓馬の言葉を聞く。メガネの奥から拓馬の目は、見えない。こうなった拓馬は、本気で怒っている。

「自分の目で見ただろ。このインって女が、どれだけヤバいのかをさ」

インが拓馬の言葉に落ち込む様に深く俯いた。コントラストのせいか、インの顔に暗い影が落ちて、顔が見えない。
拓馬の言葉に、僕は言い返せない。言い返せないのは僕が拓馬を恐れているとか反論が見つからないとかじゃない。実際にこの目で、見てしまったからだ。
とても腕が細く、普通の女の子よりも力が無さそうなインが、自分よりもずっと大きい男の腕を折った所を。目の前で見た事を否定できるほど、僕は馬鹿じゃない。
拓馬は僕の目を見据えたまま、言葉を続ける。その一字一句が、僕には重いジャブに思える。

「どれだけ俺が今最低な事を言ってるかは分かるよ。自覚してる。けどな、セレウェイ」

「明らかに普通じゃないだろ。経緯にしろ、今の出来事にしろ、インは俺達の住んでいる世界とは全く違う世界に住んでるんだよ」
「だけど」
「だけどじゃない。俺達には無理なんだよ。インを如何こうするってのは」

「イン、悪いが俺達はもう、お前には関わりたくない。俺達はただの一般市民なんだ。厄介な秘密を抱えてるお前とは……超えられない、壁があるんだよ」

「……嫌だ」

「セレウェイ?」


「僕は、嫌だ。僕はインを救いたい。それが……僕の夢、なんだ」

紛れも無く、それが僕の本音であり、初めて僕が抱いた、何がしたいかという意思証明だった。

分かってる。理性でも本能でも、インに関わる事がどれだけ危険なのかを。それでも、僕はインを手放したくは無かった。
インを手放せれば、僕は一生自分自身を変える事が出来ない気がした。インの存在は、僕を必ず変えてくれると信じて疑わない。
インに目を向けると、驚いている様な戸惑っている様な、何とも言えない表情を浮かべて、僕の事を見ている。
860創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:30:13 ID:CvIi6TNe
 
861TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:31:01 ID:mtOeUJFP
「……本気で怒るぞ、セレウェイ」

拓馬が先日インを問い詰めた時と同じ様に、低いトーンで僕にそう言った。メガネの奥から感じる視線が、僕を鋭く突き刺す。
けれど僕は拓馬から、目を逸らす事はしない。真っ向から拓馬を見据える。ここで退いたり諦めたら、僕はこれから先、永遠に負け続けると思う。

誰に? 僕自身にだ。

「お前の人生を破滅させるかも知れんぞ。これは忠告でも無きゃ警告でも無い。俺は本気で言ってるんだぞ、セレウェイ」
「僕の人生は僕自身が決める。……誰にも邪魔はさせない。例え、親でも」

途端、拓馬の手が僕の胸倉を掴んで抵抗する間もなく引きずり込まれる。信じられないくらい強い力で拓馬は僕の胸倉を両手で掴むと、声を荒げる。
メガネの奥の目が見え、今まで見た事がないほど、拓馬の目は怒っていた。

「乱暴に言えばお前自身がどうなろうと構わん。お前が傷つこうと何だろうとお前の人生だ、勝手にしろ。
 だがな、お前の親は、お前の友人はどうする? もしその人達に危害が及んだらお前はどうする気だ?」 

服ごと喉を絞め上げられて、息が苦しくなる。凄まじい眼光を向けながら、拓馬が僕を一喝した。

「お前の言う夢は夢じゃねえ! 只の妄想だ! お前の一時の妄想で、周囲の人間を危険に曝すんじゃねえよ、馬鹿野郎が!」

妄……想? その言葉を聞いた瞬間、僕の頭の中が真っ赤に染まってマグマみたいに沸騰した。
そして―――――――僕の右手は、拓馬の頬目掛けてぶん殴っていた。拓馬の眼鏡が砂利の上に転がった。

「妄想……だって?」

「僕の……僕の夢を、妄想なんて言うな! インは……インは僕を何の夢も目標も無い、空っぽな日々から目覚めさせてくれるかもしれないんだ!
 初めて僕は心の底からから何かをしたいって思った、それがインなんだよ! だから僕は……」

「拓馬、何と言われようが僕はインを救う事を否定させない! させてやるもんか!」

「いい加減にしろよ手前!」

起き上がると同時に、拓馬が僕の鼻に向かって真っ直ぐに拳を当てた。鈍い痛みと一緒に鼻の筋が切れる音がして、鼻血が凄い勢いで噴き出る。
だけど僕は怯む事無く、起き上がった拓馬の左頬の頬を殴る。怯んだ所を体とか顔をとかを殴り続けて、頭に頭突きをぶつけて倒す。
そのまま馬乗りになって、僕はひたすら、拓馬の顔を殴ろうとする。が、拓馬は振り下ろそうとした僕の手を掴むと、右側に押し倒した。
マウントポジションを取られ、拓馬は僕の顔を左右で殴りつけると、再び首を絞め上げながら、言った。

「前から気付いてはいたよ。お前が何時もフラフラしてて、何がしたいかを迷ってるのかをさ。俺をどんな目で見てるかもぼんやりと分かってた」

「だがな、お前の夢ってこんな事なのか!? 得体も知れない不気味な女を一時的な恋愛感情でかくまって、しかも脱出させるなんて抜かしてよ!
 創作物の主人公にでもなるつもりかよ! いい加減にしろよ! これは現実なんだよ!」

「違う! 僕は……」

「僕は、ただ……インを救いたい、ただ、それだけなんだ! インに幸せになって欲しい、一人の女の子として生きて欲しい、ただそれだけなんだよ!」
862創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:32:51 ID:AN63qwpX
863TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 15:33:02 ID:mtOeUJFP
拓馬の僕の首を絞める手が緩む。分からないでも無いんだろう。だけど目は未だに、怒ったままだ。
けれど僕も、拓馬も、互いに引く気にはならない、なれない。拓馬が言いたい事は何も間違っていない。分かっている。
分かっているけど理解はしたくない。嫌だ。もし拓馬の言う通りにインを手放せば僕は夢を手放す事になる。絶対に嫌だ。

僕も拓馬も睨み合う。僕は多分、これ以上僕の事を否定されたら……殺してしまうかもしれない、拓馬を

その時、バタンと音を立てて何かが倒れた。僕と拓馬は急激に醒めてきて、その音がした方を向いた。
イン……? インがその場に倒れたまま、動く様子がない。イン……? おい、イン。
拓馬が僕から手を離して、インに駆けよる。僕も慌てるあまりに足をもたつかせながらも、インの元へと駆けてしゃがんだ。

「おい、イン。……イン!」
「落ち付け、セレウェイ。気を失ってるだけだ」

そう言って僕を宥める拓馬の目は既に怒っておらず、冷静に戻っていた。けど、気軽に話す気にはなれない。
僕は拓馬に何も言わず、インを背中に担ぎ、町工場へ戻る為に歩き出す。インに目覚める様子は無い。多分朝までこの調子だろう。
僕も拓馬もその過程で一言も、言葉を交わさなかった。


「……絡まれたか?」

こんな夜に誰に電話してたんだろう……と若干不思議に思いながらも、ヴェントさんが僕達を見、そう聞いた。
顔を腫らしてそこら中に生傷を付けた僕達を怪訝な表情で見ている。まぁ、当り前だよね。
ヴェントさんは僕の背中で眠っているインを見ると、さらに表情を曇らせた。そして少し疑る様な声で聞いてきた。

「インは……どうした?」
「その……絡まれた時に色々ありまして。怪我はしていませんから、大丈夫です」

拓馬がそう答えるけど、ヴェントさんの目は疑っている様に感じる。嘘を付いていないかと詰問する様に、厳しく、冷徹に。
けれど何はともあれヴェントさんは話が分かる人だ。数十秒程僕達を見つめると、やがて一息吐いて事務所の方を親指を向けた。

「インをソファーに寝かせといてくれ。んで……」

「何があったかはお前らの問題だ。聞かねえ事にする。だけどな、もしやましい事だとかあるなら絶対に隠すなよ。
 もし後からバレてみろ。今までの比じゃないくらい、俺はお前らを怒るぞ。分かったな」

「……有難う、ございます」

インをソファーに寝かし町工場を後にし、僕達は家路を帰る事にした。その間、言葉は何も交わさない。
拓馬とここまで気まずく、尚且つピリピリするのはのは初めてだった。もし大喧嘩しても、大抵帰る時には仲直りしてるから。
互いの家に着いたとき、拓馬が家に入ろうとした僕に、声を掛けた。僕は拓馬の方を振り向かずに、耳だけを向ける。

「お前はインをここから連れ出せれば救えるって言ったよな。
 じゃあ聞くが、連れ出した後はどうする? 駆け込み寺にでも保護して貰うか? それとも警察の力でも借りるのか?」

「……どちらにしろインはもう救われないぜ。どう……足掻いてもな。
 ……セレウェイ、お前が本気でインを救いたいなら、よく考えろ。お前が何をすべきかをな」

僕は拓馬に返事する事無く、黙って家の中に戻った。真っ暗闇の玄関が、今は何故か心地が良い。
目を閉じると、インの姿が瞼の裏に浮かぶ。何時も見るあの姿も、ゲームセンターで見たあの姿も、全部イン、その物だ。
僕はインの存在を絶対に否定しない。そして諦めない。絶対に諦めてなるものか。

救ってやる、イン。君の苦しみは全部、僕が救ってやる。
864創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:33:38 ID:CvIi6TNe
 
865創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:34:01 ID:AN63qwpX
866創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:36:45 ID:mtOeUJFP
前半の投下、終了です。
素早い支援、有難うございました

ちょこちょこ誤字が見えますが、特にひどい物を

インはヴェントさんから貰ったお金で、本屋さんに言ってみたいと書いた。断る理由は何一つ無い。

本屋さんで本を読むインは、凄く嬉しそうだった。如何わしいゴシップ本から自動車まで、ありとあらゆる本を隔てなく読み漁る。
その度に、僕達に向かって無邪気笑顔で見せる。また、絵本を読んで何かが琴線に触れたのか、うっすら涙ぐんだりと感情的な所も見せてくれた。



インはヴェントさんから貰ったお金で、本屋さんに行ってみたいと書いた。断る理由は何一つ無い。

本屋さんで本を読むインは、凄く嬉しそうだった。如何わしいゴシップ本から児童書まで、ありとあらゆる本を隔てなく読み漁る。
その度に、僕達に向かって無邪気な笑顔で見せる。また、絵本を読んで何かが琴線に触れたのか、うっすら涙ぐんだりと感情的な所も見せてくれた。

に脳内補完宜しくですorz
ってな訳で、まだ後半がありそれを投下して最終回となりますが、私用で出かけるので帰ってきたら投下したいと思います
改めて支援、有難うございました。出来ればまた、宜しくお願いします
867創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 15:39:57 ID:mtOeUJFP
あぁ、後

「あの日俺は……お前に言ったよな……。超人機関は……」



「あの日お前は……俺に言ったよな……。超人機関は……」

の間違いです。意味変わっちゃうじゃないかこれじゃ
868創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:08:33 ID:GOSQIxOT
【民主党】の実績(たった7カ月でこれだけ実現)
●国家公務員の天下りあっせんを全面禁止
●子供手当支給
●生活保護の母子加算復活
●記者会見オープン化
●父子家庭に児童扶養手当支給
●公立高校生授業料無償化
●密約解明
●私立高校生年12〜25万円助成
●社会保障費年2200億円削減方針撤回
●基礎的自治体に事務事業の権限と財源を大幅に移譲
●医師不足に悩む救急や外科、産婦人科、小児科医などの診療報酬引き上げ
●国と地方の協議の場を設置
●全ての国直轄事業における負担金制度を廃止
●非正規労働者の雇用保険への適用条件を緩和
●原則として製造現場への派遣を禁止
●先進国では常識の農家へ戸別所得補償制度実施
●バリアフリー改修、省エネ改修工事などを支援
●分娩の公的助成
●肝炎患者のインターフェロン治療の自己負担限度額を月7万円→1万円
●自殺者が政権交代後減少中
民主党を誤解している皆様、考え方を変えてください。
869創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:20:57 ID:mtOeUJFP
帰って来ましたので、早速投下したいと思います
870創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:23:26 ID:twpySK+D
支援!
871創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:25:06 ID:0oLT8m8E
 支援、必要ですかい?
872創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:26:43 ID:mtOeUJFP
>>870-871
宜しくお願いします!
873創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:27:21 ID:twpySK+D
任せい!
874TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:27:35 ID:mtOeUJFP
                             影を 掴んで  

                             後編(後/後)




―――――――――――――――――――――2312年。


「あぁ……ねみぃ……」


強烈な眠気。出血多量による貧血を起こしている。ここが倒壊するか、それとも俺が敗血症で死ぬか。
……どう考えても後者の方が早いな。にしてもこれから死ぬってのに何だってこう安堵してんだろうか、俺は。
前々から死にたがってたし、丁度良いのかもな。……フォレイリ、お前もホントに……。

「そう……か」

「……それしか……無かったもんな……俺、達には……」
「もう良い……もう喋るな、セレウェイ」

そう言ってフォレイリは俺の腕に鎮痛剤を打つ。せめて死ぬのを遅くしてやろうって訳か。
どこまで良い奴なんだ、お前は。お前はホントに昔の昔から……腹立つくらい、優秀だったよな。
……もう、良いか。俺は拓馬に言う。

「教えてくれ……拓馬」

「お前……知ってたのか? ……ヴェントが」

言いかけた瞬間、盛大に吐血する。ダークな色調でもはっきり分かるくらい、鮮明な血がパイロットスーツを汚す。
拓馬が俺の手を握った。どうせもう全て無駄なのにな。全て……無駄なのに。

「……俺も知らなかったんだ。あの人が通じてたなんて」

「……てっきり……通じてると……思ってたよ。あの……」

「……俺には、ああする事しか出来なかったんだ」



――――――――――――――――――――2307年。

翌日。僕も拓馬も、学校で顔を合わせても一言も喋らない、傍から見れば下らない意地の張り合いかもしれない。
けれど僕は拓馬と話す気にはならない、話せばインの事で酷い喧嘩をする事は想像するまでもないから。
拓馬も同じ事を思っているのか、僕に話しかけてこない。僕と拓馬の仲には、険悪ってレベルじゃないほど拗れていた。
周囲も空気を察してるのか、それとも顔中を覆っている絆創膏に引いているのか、僕にも拓馬にも話しかけてこない。まぁ話す事なんて何もないから良いけど。

にしても最悪だ。もうティエレンが軍に行く1週間まで後1日しかない。
結局僕は何も思いついちゃいない。インを救いたい救いたいなんて壊れたテープレコーダーみたいに連呼してたわりに、このざまだ。
1日経って冷静になると拓馬の言う事は何も間違っていない事を尚更実感する。所詮僕は一時的にインに惚れ込んでただけだ。将来の事なんて何も考えちゃいない。
だけど……また、だけど、か。つくづく僕は駄目な奴だな。全然決意が決まっちゃいないじゃないか。

今日も町工場に行く……行きにくいな。というか拓馬は行くんだろうか。僕はどちらにしろ、インに会いに行くけど。
ようやく退屈でしか無い授業が終わり、僕は拓馬の動向を見計らった。拓馬より先に、町工場へと向かう。
後ろから付いてくるのを見るに、やっぱり行くのか。とは言え全く近づいてこない。構いやしない。

町工場に着くと、珍しく工員さん達が誰もいなかった。休みか? 正月でもヴェントさんが怪我とか病気をした訳でも無いのに。そう思って正面に目を向けると。
875創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:27:54 ID:0oLT8m8E
 じゃあ私の投下は次スレですかね!

>>872
 それでは、支援します!
876創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:28:41 ID:twpySK+D
 
877TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:29:03 ID:mtOeUJFP
……ヴェントさんと、イン? その二人の前に、微妙にセンスの悪い紫色のスーツを着て、同じ色の帽子を被った知らない男と、黒いスーツを着た二人の男が立っている。
追いついた拓馬と目が合う。言葉は交わさないけど考えている事は多分同じ。僕も拓馬も町工場へと近づく。
鼓動が速くなる。まさかという気持ちと、ありえないという気持ちがぐちゃぐちゃと掻き混ざって来て、何だか泣きたくなる。
僕達が近づくと、気づいたヴェントさんが向いた。そして――――――――――哀しみを帯びた目で、僕達に顔を向ける、イン。

「おうお前ら! ちょっと」

呼ばれて一緒に走りだす。紫色のスーツの人……帽子男が振り向くと、僕達に平坦な口調で言った。

「この方達は?」
「俺の元で働いてるアルバイトだ。それでそっちの眼鏡掛けてない方」

と言いながら指を指すヴェントさん。僕の事だろう。良く分からないけど、小さく頭を下げてして一歩前に出る。

「コイツが件の奴で、アンちゃんを保護した子だよ。すぐに運んでくれたから助かったよ」

ヴェント……さん? 何でそんな事を言ってるんです? ていうかアンじゃなくてイン……。
……嘘だ。あと1日って所で……違う、その前にヴェントさん……何で……。守ってくれるって、言ったのに……!
取りとめの無い色んな言葉が頭の中で錯乱しては、バラバラと落ちていく。ヴェントさん、嘘でしょ? ねぇ、ヴェントさん!

頭の中が混沌となって混乱していると、帽子男が帽子を取って小さく頭を下げた。

そして帽子男が次に発した台詞が、僕の中で決定打となった。

「娘が……お世話になりました。貴方のお陰でこうして無事に戻ってきて心から安心しています。
 一週間前程に旅行中にはぐれてしまいましてね。本当に無事で良かった」

娘だって? ふ……ふざけんな! そんな事、インから聞いた事が無い!
僕はインの方を見た。インは僕から目を逸らしていた。その目は潤んでいて、僕にはそれが……。
帽子男が何かもごもごと言っているが聞こえない。僕の目は只、インを見つめている。

「それじゃあ行こうか、アン」

帽子男が親子だと言う事を強調する様に、インと手を繋ぐ。インが帽子男に引かれて歩きだす。後ろから続く、黒い服の人達。
僕はその場に立ち尽くしていた。あまりにもあっさりと、僕の夢が奪われようとしている。どうしようもなくどす黒い、大人の事情で。
ヴェントさんを見ると、僕が言わんとしてる事が分かるのか、静かに首を振った。……アンタを信じてた俺は、どうしようもなく馬鹿だったみたいだ。

信じてたのに。心から信頼してたのに! ……思い返してみれば、何時も誰かに電話してたのは、そういう事だったのか。
僕は……僕は裏切られたのか? 信頼していた大人に。どうしてこんな事になったんだ。
インの姿が小さくなっていく。小さくなっていく……。あの車に乗せられたら、インはもう二度と、ここには帰ってこれない。

するとインが振り向いた。

インは、必死に出ない声を振り絞って、僕に何かを伝えようとしている。僕には、その言葉がこう聞こえた。



                                
                               た  す   け   て



878創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:29:20 ID:0oLT8m8E
 
879創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:29:24 ID:twpySK+D
 
880創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:30:03 ID:0oLT8m8E
 
881創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:30:06 ID:twpySK+D
 
882TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:30:12 ID:mtOeUJFP
何回も、インは必死に出ない声を出して、僕に叫ぶ。。
溜めている涙が決壊した様に、インは泣き叫ぶ。だが、いくら叫んでも、インの喉から声は出ない。
帽子男がインを押えようと無理やり車に連れ込もうとする。僕は……僕は、僕は。


何故か、拓馬がいった言葉が、僕の頭を反芻した。


創作物の主人公にでもなるつもりかよ!


なってやる。その主人公に。
考える様も早く、僕の足は走り始めた。僕に気付いた黒スーツの二人が、僕を阻む為に両腕を広げる。
僕はインに、叫ぶ。喉が枯れて声が出なくなっても良い。大声で、叫ぶ。

「イン! 僕と、一緒に来るんだ! イン!」

阻まれながらも腕を差し伸ばす。きっと只じゃ済まない。それでも、僕はこうするしか無かった。
君を救えるなら、何をされようと死んだって構わない。だからイン、僕の手を掴んでくれ。

インは帽子男に幾ら急かされようが動かずに振り返った。涙を枯らして鼻を赤くした顔で。そして帽子男の制止を、振り切る。
僕はしゃがみながら阻む両腕をすり抜け、近づいてきたインの手を強く、握った。

そして僕とインは走った。ひたすら追ってくる黒服の人達、大声を張り上げて止める様に叫ぶ、帽子男から。

何処に行くかなんて何も考えてないけど、インをこの場から連れ出せた、それだけで十分。
町の合間を縫い、人の波を掻きわけ、ぶつかって怒鳴られても、僕達は走った。走って、走って、走って。息が切れようと、死に物狂い
インの手が、僕の手を強く繋いでいた。もう、前みたいに冷たくさびしく感じない。
手を繋いでいる間、僕は感じている。インの命を、鼓動を。この子は生きている。兵器でもなんでもない。

ただの、女の子だ。

息を荒げながら、僕達は気づけばインと出会った翌日に来た、あの秘密の隠れ家に辿りついていた。
ここなら追手も追跡できないだろうと僕の中で思ったから。ここを知ってる人と言えば――――――――――――。
……止めた。多分あいつは……大丈夫だ。ヴェントさ……ヴェントに裏切られたのは凄く傷ついたが、僕はまだ、あいつを信じてる。

手を離して、インを見る。インは疲れたのか、両ひざに手を当てて激しく息を荒げている。ごめんよ、突然走らせて。
大分落ち着いたのか、一息吐くとインは、僕の方を向いた。その表情は安心した様に見えて……違う。何故か……悲しんでいる? 
僕は何も言わずに、インの事を見つめ返す。何か言おうとするけど、息を飲む様なインの美しさに、言葉が煙みたいに消えていく。
インは僕からゆっくりと目を逸らしながら何時ものノートとペンを取りだすと、文を書きはじめた。

そして文を書いたページを千切って、僕に手渡した。

<ごめんなさい。私のせいで、貴方を酷い目に逢わせて……>

何でそんな事を言うんだ。僕はインの言葉が分からず、インの顔を見た。
インはまたページにペンを走らせて文を書き、千切って渡す。

<数日だけだったけど、夢のような日々でした。貴方と拓馬さんのお陰で……短かったけど、最高の、日々でした>

そうしてインはまた泣き出しそうな顔になると、泣き顔を見せない様にか僕に背を向けると、文を書き始める。
声は出せないけど、インは泣いていた。胸の奥から苦しそうに、嗚咽する様に。震える手でペンを走らせている。
僕は何もせず、彼女が書き終わるのを待つ。永遠に続くくらい、待っている時間は長く、感じた。

震えない様に、片方の手を押えながら、インが僕に文を書き終え、ノート自体を渡した。受け取って、開く。

883創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:30:46 ID:0oLT8m8E
 
884創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:30:52 ID:twpySK+D
 
885創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:31:32 ID:0oLT8m8E
 
886創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:31:41 ID:twpySK+D
 
887創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:32:14 ID:0oLT8m8E
 
888創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:32:21 ID:twpySK+D
 
889TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:32:50 ID:mtOeUJFP




               研究所にいた頃は、毎日の様に薬を投与され、ひたすら銃を撃ち続ける、地獄……にも感じる日々でした。
               私は……人間としての生き方を忘れてロボットみたいに同じ事を繰り返し、繰り返し強制されました。
                 教官、教える人からは、いつも……敵を、殺せと言われ続けました。

                        何度も、何度も、何度も何度も何度何度も何度も
                     
                        何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も

                    でも、私は気付きました。敵ってどこにいるのか、私は敵と呼ばれる人を探しました。
                   けど、敵はいなかった。毎日敵を探しても敵は何処にも
                   敵って、どこにいるんですか? 教えてください、敵ってどこにいるんですか? 私の頭は、おかしくなってしまいました。
                    
                    次第に私の知らない私が顔を出して、その敵を……探す為に、人を殺しました。
                     教官は、私が人を殺す度に、褒めてくれます。だけど……その……敵は……

                わたしと おなじ こどもたちでした わたしは、わたしの知らない私の手で、皆を、ころしたんです

                      
                          セレウェイ さん                     

                         
                 私を置いて ここから逃げて下さい。沢山人を殺した私は、幸せになる資格は無いんです


                        今まで 私に幸せな夢を見せてくれて 有難うございました

                         私の分まで、生きて下さい。それが、私の願いです







僕は顔を上げた。その時の表情はさぞ滑稽な間抜け面だったんだろうなと思う。
インは指で涙を拭いながら、僕を見つめた。その目は弱弱しいけど、強い意志を感じる。覚悟が、決まってるみたいだ。
イン自身分かってはいたんだろうは最初から逃げる事なんて無理な事くらい。だからそう書いた。
インは何も言えない代わりに、僕から一歩ずつ引いていく。自分から帽子男の元に出ていくつもりだろう。

……駄目だ。上手く言えないけど、君は絶対、行っちゃ駄目だ。

僕はインの腕を掴んで、止めた。インは動かないけど、反応もしない。
だけど僅かに、腕が震えている。僕の方を振り向かずに、インは前を向いたままだ。

「イン、僕と一緒に逃げよう。それで……僕は君を幸せにする。僕がどうなろうと、君を」

イン、答えてくれ。何でもいいから、反応を見せてくれ。イン……。

インは振り返ると、掴んでいる僕の手を指で優しく、離した。

そしてインは、僕に、言った。
890創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:33:02 ID:0oLT8m8E
 
891創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:33:09 ID:twpySK+D
 
892創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:33:48 ID:0oLT8m8E
 
893創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:33:56 ID:twpySK+D
 
894TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:34:17 ID:mtOeUJFP



ごめん、なさい


何度も、言う。僕に頭を下げて、何度も何度も、インは言う。ごめんと。
何も悪くないのにどうして謝るんだ。むしろ君は被害者なんだぞ。生き方を自分の意思と関係無しに弄られて玩ばれて。
どうして謝るんだ。どうして……、如何して君が……!

「どうして……君が謝るんだ! 君は……何も悪くないじゃないか!」

僕はみっともないし情けないと思いながらも、そう叫ばずにいられなかった。
だけどインは何も言わずに、ただ僕に対して涙を溜めて何度も、ごめんと言っているだけだ。何で……。
君は何も悪くないじゃないか! 君はむしろ……言葉が出てこない。
くそっ、僕は……僕は君を……。

「そこまでだ、セレウェイ」

ある意味、今一番聞きたくなかった声が聞こえた。反射的に僕は見上げる。
無造作に雑木林を掻き分けながら、ティエレンが……。何で……こんな所に……ティエレンが? 
というかあの刻まれてるマーク、僕と……拓馬が相談して付けたマークじゃないか。
それに拓馬が乗ってる……頭の中がミキサーみたいに滅茶苦茶になってきた僕は、髪をくしゃくしゃにして頭を抱えた。

ティエレンが広げている掌に乗った拓馬が、メガホン片手に僕に、言った。

「簡潔に説明するぞ。インを引き渡すんだ、セレウェイ。さもないと、お前に処罰を加えなきゃならなくなる」

意味が、分からない。茫然と見上げていると、拓馬が再び言葉を発した。

「なんで俺が乗ってるのかって言いたそうだな。……悪いな、セレウェイ」

「ヴェントさんが提案してな。お前を追い詰める為にこいつに乗って、尚且つお前を説得する為に俺が駆り出されたって訳だ」

「……拓馬! お前、お前は、僕を……!」


「……許してくれ、セレウェイ。俺には……こうする事しか、出来ないんだ」


……お前なら理解してくれると思った。一握の希望を掛けていた。本当はインを助ける事に、手を貸してくれるんだろうって。
違うんだな。お前も結局、悪い奴らの仲間なんだ。あんなに世界を変えたいだの大層な事言ってたくせに結局……! 見損なった、お前の事を心底見損なった!
ティエレンが片膝を下ろして、インを迎える為に、もう片方の掌を広げて地面に着く。

イン……行くな、行っちゃ駄目だ、行っちゃ駄目だ!

「イン!」

掌に乗ったインが、僕の方を振り向いた。そしてインは、僕に伝えた。
895創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:34:31 ID:0oLT8m8E
 
896創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:34:45 ID:twpySK+D
 
897創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:35:20 ID:0oLT8m8E
 
898TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:35:26 ID:mtOeUJFP


あ り が と う


「……何が有難うなんだ。イン、何が有難うなんだ」

「イン! 有難うって何だ! 君が本当にしたかった事って何なんだ!」

「イン! 待ってくれ! イン!」



「僕は何の為に……」



「何の為に……君を……」



「うあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!」


899創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:35:41 ID:twpySK+D
 
900創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:36:03 ID:0oLT8m8E
 
901創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:36:30 ID:twpySK+D
 
902創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:36:48 ID:0oLT8m8E
 
903TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:37:14 ID:mtOeUJFP
それからの事は思いだすに価しない。いや、今の俺を成型するに絶対に欠かす事が出来ない事柄が一つ。

あの日以降、最悪殺される事を覚悟していた俺だが、意外な事に特に何をされる訳でも無かった。ただし1年間、監視を付けられたが。
家族には政府の奴らが適当な理由をでっち上げて、尚且つ目ん玉が飛び出るほどの額を書かれた小切手を手渡された。
考えるまでも無く、真実を隠す為に、

俺はその1年で軍人となるべく猛勉強した。確率は低いんだろうが、もしかしたらインが超兵となっている場合、また会う事が出来ると信じて。
今までの人生で一番必死な時期だったと思う。何時頃だっただろう。俺は自分の事を僕では無く、俺と呼ぶようになっていた。
俺は地元を、というかコロニーから離れて単身地球に降り、一人で暮らす様になった。とはいえ鬱陶しい監視は付いてたけど。

そんな日、俺はインターネットで数週間前のあるニュースに目を付けた。
世間ではとっくに風化しているニュースだったが、勉学にのめり込んでいた俺には初めて聞くニュースだった。
CBのガンダムの一機が、人革のコロニ―へと侵入し、政府の研究所やらという建物を木っ端みじんに破壊したらしい。
ミサイルによる攻撃で跡形も無いほどに。

TV等の一般メディアには政府の研究所として説明されていたがネットを探っていると……。
その研究所は―――――――超兵と呼ばれる兵士を創り出す、超人機関と呼ばれる場所である事が実しやかに囁かれていた。
俺は一時的に勉学を止め、その記事に関する情報を必死になって収集した。どんな情報でも構わない。何でも知りえる事を。
どれだけ経っただろう。俺は政府関係者と名乗る男から、隠蔽の為に破棄されていた、その場所に携わっていた関係者の情報が収録されたメモリを入手した。馬鹿みたいに高値だったな。

凄まじく不明瞭で明らかに違法な物だが、その時の俺はひたすら、真実を知る事に固執していた。早速メモリを閲覧してみる。
読んでいく内に、俺の鼓動は早くなっていく。俺の手は下へ下へスクロールして……。

一瞬通り過ぎて、上にスクロールする。自分自身の目を疑いたくなる。だが。
俺の目はしっかりと、その画像を焼け付けていた。嫌でも目に入る。心では拒否しても、脳味噌は認識してしまう。
吐きそうになるが堪える。今まで求めてたんだろ? 真実を。

1-B-AAというコードが打たれた、そのデータの中の顔写真に写る少女の姿は間違いなく、インに他ならなかった。

その情報が確証が取れるかどうかは半信半疑ではある。だけど。
CBによって超人機関その物が壊滅されたのは揺るぎの無い、紛れもない事実だ。実際、隠蔽されていた超兵機関は、既に存在しない。

イン、君はいま何処に居るんだ。目標が無くなってしまったよ。俺はこれから何のために、生きていけばいい。
君と会いたくて、君を助け出したくて、俺はここまで自分を投げ捨てて、軍人として生きていこうとしていたのに。
君は何で俺に助けを求めたんだ。どうして俺に感謝したんだ。謝ったんだ。どうして君は……。君は、俺にどうして欲しかったんだ。



敵って、どこにいるんですか?



インはノートにそう綴っていた。

敵、そうか、インはどこぞの敵を殺す為だけに生かされ、人生を弄くられてきたんだ。
それがインが抱える存在意義だった、彼女はそうする事でしか、生きていけなかったんだ。なら、ならば。

イン、俺は君を苦しめようとする、その敵を一人残らず滅ぼすよ。そうすれば君と同じ様に、戦う事を強制され、挙句人生を潰される子供がいなくなる。
例え一兵士に過ぎなくとも、一人でも、二人でも救えりゃそれで構わない。インと同じ存在を一人でも生み出しちゃいけない。
そう思うと俺の中で新たな目標が確立されていった。イン、分かったよ。俺は、君の分まで生きぬく。

君という存在を生み出した敵、その物を根絶やしにするまで。
904創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:37:16 ID:twpySK+D
 
905創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:37:33 ID:0oLT8m8E
 
906創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:37:57 ID:twpySK+D
 
907創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:38:17 ID:0oLT8m8E
 
908創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:38:37 ID:twpySK+D
 
909TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:38:42 ID:mtOeUJFP
1年後。俺はある高層ホテルの事務所で、似合いもしないホテルマンのスーツに着替えていた。無論俺はホテルマンになった訳ではない。
これは目的を隠す為のカモフラージュ、言わば変装だ。傍らのアタッシュケースには今回の任務を遂行する為に仕事道具が入っている。
柔らかなクッションに収められているそれを取り出す。

取りだしてグリップを握る。ひやりとした冷たい感触に、不思議と俺の気持ちは穏やかな気分になっていく。その道具の先端に、ある道具を取り付ける。
さらに道具自体を隠す為に、右腕に白い布を被せ、左手にアタッシュケースを持ち、エレベーターに乗り込む。3……8……10……15。到着。

エレベーターのドアが開いて、俺は目的の部屋へと早歩きで急ぐ。考える事は一つだ。ドアを開けたら、撃つ。
心臓に恐怖は感じない。むしろ吐き気を催す程の高揚感をひしひしと感じる。俺はこれから初めて、自分自身の手で人を殺す。
302号室303号室30430530630730830931

310号室。目的地に着いた。息を潜めて、胸元からハッキングによって作られた偽造のカードをキ―に通す。

水面の様に張り詰めた緊張感の下、俺は、310号室のドアを一気に開くと同時に、右腕の布を取った。

部屋の奥では、ホテルマンを変装した俺の姿に驚いた標的が、驚嘆で瞳孔を大きく見開き、口を開けた。
アタッシュケースを落として左手でドアを閉め、俺は標的の右足を狙いに定めて、握っている拳銃を発砲する。音はしない。サプレッサーを着用しているから。
標的は予想だにしない痛みに、ふんぞり返っていたイスから転げ落ちた。俺は音も無く近づき、撃ち抜いた右足を思いっきり踏みつける。
耐えがたい苦痛と屈辱に、標的が呻き声を上げて顔を歪めた。良いぞ、その顔。最高に爽快な気分だ。

「貴……様……何者だ!」
「メイラン・カッポ。貴様を静粛する。公正なる権限の名の元に」

間髪入れずに、左足を撃ち抜く。床のシックで麗しい模様のカーペットが、コイツの汚らわしい血に侵されるのは見ていて実に不愉快この上ない。
次に右腕、そして左腕を打ち、身動きが取れない様にする。弾は余裕で残っている。良い顔だな、メイラン。素晴らしいぞ、その絶望に満ちた表情。

メイラン・カッポ。忘れもしない、インを連れていこうとした、紫色のスーツと帽子の男。
その実体は超人機関の運用に深く携わっていた人間の一人であり、「かつて」の人革連での役職は准将。
表向きはさぞ立派な軍人面だったんだろうが、裏じゃビジネスとしてインを含めた子供達を、超兵として育て……否、開発していった。
しかし正直に言えば憎くて仕方がないが、あのCB共が起こした破壊行為によって、コイツの私腹を肥やしていた超人機関の存在が露わになった。

だが、コイツは巧妙にかつ老獪に、かつて自らが超人機関に関わっていたという事実を隠した。金と権力を使って。
あまつさえ、その役職を使いCB壊滅後、世界が統合され連邦軍として形を変えた時、ゴキブリみたいにしぶとく居座り営利を貪り続けた。
しかしコイツの存在は、連邦内で新たに発足された組織にとっては役職に居座るコイツ含めた老人達……いや、老害達は目の上のたんこぶとなった。
コイツ自身は、その組織にも媚びれると思ってた様だが――――――――生憎、お前の存在はこちらにとって不必要だった。

「権……限……? 私を、誰だと思って……!」
「貴様が私腹を満たせたのは、連邦軍に所属していたからに他ならない。だが、貴様が知っているは連邦軍は死んだ」
「貴様、何を、言って……!」

メイランの額にサプレッサーを突き付ける。心が満たされていく。強者と言うなのを愚者を、いたぶる事によって。

「我々の名は独立治安維持部隊、アロウズ。連邦に代わる、新たなる正義の執行者」

握っている拳銃を放り、ズボンからナックル代わりの指輪を嵌める。この指輪は、コイツの自宅から押収した物だ。
変装の為に借りたスーツを汚す訳にはいかない。俺はスーツを脱いで下着姿になり。メイランの上に馬乗りになる。そして。

「メイラン・カッポ。貴様の存在は―――――――――」

「アロウズには、不要だ」

910創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:39:04 ID:0oLT8m8E
 
911TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:39:38 ID:mtOeUJFP
殴る。殴る。鼻も頬も耳も目もメイランの顔のパーツと言うパーツを変形するまで殴り続ける。ここまで人間の顔って滅茶苦茶になるのかと感心する。
だがメイラン、貴様の受けている苦しみは、インを含めた、お前の欲望の為に人生を弄られ続けた子供達の痛みに比べれば何でも無い。
時間の感覚が無くなっていく。俺の下着はすっかりコイツの汚い血で真っ赤に変色している。くそ、存在自体が迷惑だってのに本当に屑だな、コイツは。
手が痺れてきた。肉は削げるが骨はやはり固い。ていうか誰だコイツ。殴られ過ぎて顔が分かんなくなっちゃったな。まぁ、良いか。

全ての指輪を取り外して叩き付ける。拳銃を拾い上げて、額に当てる。もう意識と言うか何も聞こえないし何も見えないだろうが、一応言っておこう。

「それとお前の家族も処分しておいた。悪しき芽は全て刈り取らないとな」

一瞬俺の言葉を聞いてメイランの眼球が動いた気がするが、俺の銃撃の方が早かった。
メイランの頭部から吐き出された血が、歪な模様をカーペットに描く。これからこれを掃除しないといけない人達の事を思うと、心から気の毒になる。

ついでにシャワーを浴びて、汚れを流し落とす。アタッシュケースには着替えが入っているから、別に心配無い。

と、ケース内の携帯電話が鳴った。シャワーを止めて体を拭きながらケースを開け、取り出す。

「私だ。メイランの始末は付いたのか?」

「只今遂行いたしました。この折は是非とも。グッドマン准将」

「ふん。まぁなるたけCBと前線で戦える部隊に配属させてやる。せいぜい役に立て。セレウェイ・ブルース」


「有難う、ございます」
912創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:39:50 ID:0oLT8m8E
 
913創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:39:55 ID:twpySK+D
 
914創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:40:32 ID:0oLT8m8E
 
915創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:40:40 ID:twpySK+D
 
916創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:41:16 ID:0oLT8m8E
 
917創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:41:22 ID:twpySK+D
 
918TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:41:59 ID:mtOeUJFP
それから先は覚えてない。正式にアロウズ――――――――言うなれば連邦軍以上の権限を持ちうる軍隊に配備された俺は、敵を倒す為に課された任務をひたすらこなした。
アロウズに対し反旗を企てる反政府組織、カタロンと言ったか。それに対して一切の容赦はせず、巣という巣に火を点ける。慌てて出てきた所を銃で撃つ。
組織の中には10代にも満たない子供もいたが、後に反抗分子になる危険性を考慮して非常に胸が痛いものの纏めて殺した。
それもこれも、この世界を混乱させ、歪みを生じさせたCBの存在が悪いのだ。奴らの存在は悪、その物だ。

しかし幾らそいつらを焙りだしても、肝心のCBについては出てきやしなかった。たまにスクラップ寸前の奇妙な機体に乗り、アヘッドを討伐している変人の話を聞く位だ。
それから何の変化も無いカタロン討伐に精を出し続けて2年。丁度、CBが来襲してきてから4年後の―――――――――。



―――――――――――――――――――――2312年。

ようやく、CBが本格的に始動し始めた。俺の心は些か時めいたさ。
何故なら機体が捕獲されて幽閉されていた、インを殺したガンダム、キュリオスガンダムのパイロット、アレルヤ・ハプティズムをこの手で殺せるんだからな。
だがグッドマンはあろう事かライセンス持ちと名乗る訳の分からない連中を戦線に参入させやがった。
結果、俺は奴らの尻拭いとして雑魚を狩る役割ばかりを与えられている。ガンダムと戦えるのは奴らか、実力はあるんだろうが生意気なエリートパイロットばかり。

次第に俺のストレスは貯まりに貯まってきた。目の前に殺したくて堪らない相手が居るのに、他の奴らに堂々と横取りされる歯痒さ。
これではインに対して申し訳が経たない。俺は死にたくなってきた。だが、カタロンを潰す事で少しでも敵を減らせるなら、構いやしないさ。
そんな日、アロウズにたてつく連邦の雑種共があろう事か軌道エレベーターの占拠によるクーデターを企てた。

カタロンとCBが加担している事が判明し、配備されたものの、どうせガンダムを倒す事などできない。
そう考えるとやる気など毛頭出なかったが、何故だか俺はMSではなく、軌道エレベーター内に潜入しての首謀者、ないし幹部の確保の名を受けた。
不思議に思っていると、グッドマンは俺を呼び寄せ、ある名簿を見せた。

「このリスト内の名をよく見てみろ。貴様の旧友が居る筈だ」

旧友? そう思いながら見――――――――――――――。



最初に、戻る。もう、視界は真っ暗だ。

俺は、聞きたかった。あの日以来、俺と拓馬は完全に袂を分かった。いや、拓馬も拓馬の家族も何も言わずに、俺の隣から姿を消した。
俺はどうしても、聞いてみたかった。どうしてあの時、インを連れ戻したのか。どうして、俺に味方してくれなかったのか。
分かってはいる。分かってはいるが、理解できない、理解しえない事がある。俺は……。

俺は……お前に着いてきて……欲しかったんだ、拓馬。

親友として、俺の馬鹿で無鉄砲で、どうしようもない、そんな俺に呆れながらも、同調して欲しかった。俺は……。

919創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:42:03 ID:0oLT8m8E
 
920創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:42:09 ID:twpySK+D
 
921創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:42:48 ID:0oLT8m8E
 
922創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:42:56 ID:twpySK+D
 
923創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:43:37 ID:0oLT8m8E
 
924創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:43:42 ID:twpySK+D
 
925TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:44:14 ID:mtOeUJFP
「勇気が……無かったんだ」

「今更詫びてもどうしようもない事は分かってる。けど……あの時の俺は、インよりも……俺自身の夢が、大事だったんだ」

分かってる。……分かってるよ。

「ホントの事を言えば……ヴェントさんがインの事を内通してた事も薄々感じてた」

あぁ……そうだろうな……。俺が……馬鹿みたいにお人よし……だっただけだ。

「……あの後、俺、いや、俺の家族は軍の手引で、高級な避暑地に引っ越したんだ。正確には引っ越しさせられたかな。
 多分お前と同じく、奴らにとっては小金程度の小切手と、適当な理由を付けて。
 だけど俺は、どうしても奴らが許せなかった。インの事をあからさまに隠そうとする奴らの事が」

そうか……それで……カタロンに……入ったのか……。

「知れば知るほど、超人機関から続く人革連……いや、腐敗した上層部の内情が分かってきてな。俺は憤りを感じたよ。この世界は歪んでる。どうしようもなくな」

「だけどその歪みを破壊し、正す存在が現われた。それが、ソレスタル・ビーイングだった。
 俺は彼らの事を調査する内に、彼らが世界を変え得るために必要な存在だと確信したんだ。
 裏で糸を引く連中に仇名し、大義の名の元に弱気を助け強きを挫く。……彼らがいなければ、世界は今以上に混沌と化していたと思う」

「セレウェイ、知っているかは知らないけど、お前が恨んでいるであろう、アレルヤ・ハプティズム」

「彼はかつて、超人機関の実験体だったんだ。インと同じ様にね」

……何、だって? そんな事……知らなっ……かった……。

「彼は自分の中の呵責に苛まれながらも、自分と同じ末路を送ると考えた子供達を建物ごと、この世から消し去った。傍から見れば大量殺人に他ならないだろう。」

「けどな、かつての同胞を自分の手で皆殺しにする。そう考えながらも、彼は彼彼女を救う為に、そうするしかないと考えた。きっとそうだと思う」

それじゃあ……俺が……やってきた事は……全部……。

「……セレウェイ、インが……インが、お前に望んでたのは……」


「……お前に、戦場で人を殺して仇を討つ事じゃない」

「自分の分まで普通に生きて、普通に生活して、普通に……幸せになって欲しかったんだよ。彼女は、お前が幸せになる事を、望んでたんだ」


……拓馬……俺、何やってきたんだろうな。この手で俺……沢山、沢山殺しちゃったよ。
男も女も、子供も老人も、敵だと思ったら皆皆、分け隔てなく殺しちまった。なぁ、拓馬。
敵って、どこにいんだろうな。俺の敵って誰だ? 拓馬、拓馬!

何も見えない、拓馬、お前の姿がどこにも見えない。俺を一人にしないでくれ。
頼む、拓馬。俺は何の為に人を殺したんだ? 教えてくれよ、拓馬……。
926創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:44:20 ID:0oLT8m8E
 
927創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:44:29 ID:twpySK+D
 
928創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:45:10 ID:0oLT8m8E
 
929創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:45:23 ID:twpySK+D
 
930創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:46:04 ID:0oLT8m8E
 
931TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:47:04 ID:mtOeUJFP


「かく……」

消えてしまいそうな意識の中、俺は喉から直接声を出す。これが恐らく、俺の、最後の――――――――――――――。

「かくのうこ……おれの……アヘッド……」

「おそらく……のれ……る……のって……にげ……ろ」


音も途絶えた。何も見えず、何も聞こえず、感覚は死に、真っ暗闇の、無。
俺の体はその空間で何をする訳でも無く、漂っていた。いや……朧げながら小さな光が見える。
俺はその光に向かって歩き出した。地面に足が付く。段々、光に包まれて―――――――――――――。

『こちらβ部隊、セレウェイ・ブルース、応答せよ。セレウェイ・ブルース』

『先程代表幹部の一人、拓馬・フォレイリを拘束したが抵抗した為発砲。
 やむを得ず射殺した。そちらに負傷は無いかを確認したい。応答せよ、セレウェイ・ブルース』






「なぁ、拓馬」
「何だよ、セレウェイ」

「お前の将来の夢って何?」
「何だよ藪から棒に。俺は技術者だな。世界中のMSを修理して回収して、俺特製のMSを作るんだ!」
「へーすげえな。つっても僕達みたいな小学生じゃ、せいぜいプラモくらいだけど」
「お前馬鹿にすんなよ! これでも親父の手伝いして、マジでMSとか作るんだかんな、俺。じゃあセレウェイ、お前の夢はなんだよ」

「僕の夢? 僕の夢は……」

「正義の味方かな。困ってる人達を助けたい。翼とかマントとか生やして、こう、ビューンと」
「じゃあMSで飛べばよくね?」
「それじゃあ正義の味方っぽくないじゃん! やっぱスーパーマンみたいに」
「分かった分かった。何か腹減ったな。俺んち来るか?」

「うん。あ、待って。何か泣いてる女の子が居る」
「そんなのほっとけよー……っていお―い、置いてくなって!」

「君、大丈夫? 名前は言える?」
「私……私は……」


「アン・レインズ」
「アンか、僕の名前はセレウェイ」



「セレウェイ・ブルース。どこかで、会った事無い?」


932創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:47:17 ID:twpySK+D
 
933創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:47:54 ID:CvIi6TNe
 
934創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:48:11 ID:twpySK+D
 
935TロG ◆n41r8f8dTs :2010/05/16(日) 16:48:21 ID:mtOeUJFP





                         原作 機動戦士ガンダム00/セカンドシーズン




                               影を、掴んで

 
                                 了











                           貴方 の 夢 は 何 ですか?













936創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:48:53 ID:twpySK+D
 
937創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:49:55 ID:twpySK+D
 
938創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 16:52:33 ID:mtOeUJFP
投下終了です。すっごい!支援、有難うございました
月日にして一か月ぶりでしたが、散々伸ばし伸ばししてきたので完結出来てよかったです
最初から鬱全開で行くと宣言したので、宣言通りもやもやする終わり方にしました
特にテーマとか決めてる訳ではありませんが、まぁ……セレウェイのどうしようもない生き方に何か感じてもらえたら、ちょっと嬉しいかなと

では皆さんの作品を読んできます、後ほどノシ
939創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 18:09:41 ID:twpySK+D
>>938
投下乙!そして完結乙!
宣言通り報われない話になったな……最後まで空回りしてたセレウェイが特に
しかし相変わらずたろ氏の作品の終わらせ方は余韻があるなぁ

>スクラップ寸前の奇妙な機体に乗り、アヘッドを討伐している変人
せっさん何してんすかw
940創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 19:52:07 ID:mtOeUJFP
どうでもいいけど休日過疎とはいえスレが止まってると罪悪感沸くよね
では最近のですみませんが、感想の程を
>>684
投下乙です。悪役、考えたい……冗談ですよw
ライズガルムとツクヨミさんの相性の良さは素晴らしいですね。バグス・ビィに一歩も引かずに戦うとは
慌てるハティが実に人間らしい。というか悪い意味じゃなくて全く慌てないツクヨミさんが人間らしくな(ry
遂に姿を現した敵サイドと、ユノ―さんの企みを愉しみにしつつ、次回を期待してます
>>691
投下乙です
伏線が心地よく散りばめられていく……!ていうか小泉さん……
ミステリーの妖しく不穏な雰囲気に唸ります。こういう感じの文章、好きですね
果たして正義の執行者は何を成し、どんな事件が起こるのか。次回を楽しみにしてます
>>771
遥ママン可愛いよ遥ママン
つかエクシードむっちり堪りませんねw完成版に期待せざるおえない(性的な意味で
>>836
2か月ぶりにお帰りなさい&投下乙です
イェーガーの好敵手っぷりに目から炎飛び出た。俺の頭の中で藤原啓治声で再生余裕でした
安田君と紫蘇が一人の強敵に挑み、勝利する。まっすぐで正統派な決着、熱かったです。御馳走様です
さて、次回はPBM世界では絶賛ボケ倒し中のあの子が再登場とな……これは楽しみだわい!

さて、個人レス
941創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 19:55:41 ID:twpySK+D
次スレが立ったら師匠のターンか……!
942創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 19:57:56 ID:mtOeUJFP
>>939
感想有難うございます。どうにか寄り道作をもう一つ完結で来てよかったです
ホントはこれで美しき世界に集中出来るんですけど、おいら馬鹿だからもう一本増やしちゃ(ry

まぁこれでも物語として成立するレベルでの鬱に留めました
本当はもっと、それこそイン関連で表現ギリギリのも考えていたんですが、流石にそれはまずいだろうと
バッドエンドを考えるのは簡単でしたが、そこに至る過程を考えるのにやけに時間が掛かっちゃいましたね

一応ハッピーというか明るい方の終わり方も考えてました
セレウェイと拓馬が銃を撃つ場面で、どちらにも当たらず何故か殴り合いに発展して互いの過ちに気付くみたいな
気が向いたらそっちのルートも書きたいですね。何かあんまりにも救いがないんで
943創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:00:54 ID:twpySK+D
おお、wktkしながら待ってるぜ!

遥ママのかわいらしさは異常。人妻なのに
944創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:04:33 ID:mtOeUJFP
まだ全然書けねえっす。やる事あり過ぎて
ていうか主人公がガチで人殺して尚且つ死亡って面白かったけど二度は書けないですねw
精神的にw
945創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:09:36 ID:twpySK+D
デスヨネー。5月は精神的にもキツい……w

>主人公がガチで人殺して尚且つ死亡
>二度は書けない
てっきりヴィルシャがそんな終わりになると思ってたから意外だ……
946創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:11:36 ID:mtOeUJFP
あーあれはちょっと言えないんですが、セレウェイみたいな終わり方はしないです
考えてるのはもっと違う形ですね。観念的な
947創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:13:40 ID:twpySK+D
なるへそ。そっちも楽しみに待ってるんだぜ!
そういば、ヴィルシャ二期にタウエルン二期にBWに、たろ氏やる事いっぱいだねw
948創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:18:10 ID:mtOeUJFP
タウエルンは少し後悔してたりwずっと前の座談会ネタで吐いたんですが構想だとすげー長いんですよ、アレw
それにヴィルシャ劇場版みたいな並行世界の隆昭が揃う奴とか、あと予告編だけを書いた奴とか……

……誰か書いてくれませんかww
949創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:22:01 ID:twpySK+D
そして師匠が劇場版ヴィルシャを……確実に今川GRみたいになるなw
ところでたろ氏、スレ立ていける?
950創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:23:14 ID:mtOeUJFP
久々に行ってみます
951創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:26:08 ID:mtOeUJFP
駄目でした。役立たずでサーセンOrz
どなたかお願いします
952創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:27:39 ID:twpySK+D
よし、行ってくる!
953創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:48:31 ID:twpySK+D
テテテーン↑ 新スレ、大地に立つ テテテーン↓

ロボット物SS総合スレ 29号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1274009967/
954創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 20:56:22 ID:twpySK+D
さあスレ埋めるぞオラァァァ!
955創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:00:26 ID:mtOeUJFP
にしても人居ないですね……俺投下するタイミング間違えたかなと思うw
避難所で明るい話ネタって訳でも無いですが、某鈴宮さんのパロとか書いてみたいなと思うこの頃
ルナ→涼○さん
メルフィー→朝○奈さん
マチコ→長○さん
オルトロック→○泉

草川→キョン
鈴木→パソコン部部長

の配役で
956創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:04:38 ID:twpySK+D
いくらなんでもパソコン部部長はタカ坊不憫過ぎるwww
957創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:08:14 ID:sGax/qXt
テスト
958創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:11:41 ID:mtOeUJFP
>>956
じゃあ……谷口辺りで
どうしても隆昭をキョンにするのは俺の脳が拒否するww
959創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:13:19 ID:twpySK+D
>どうしても隆昭をキョンにするのは俺の脳が拒否する
扱いが悪いのはもう作者公認かよwww
960創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:22:29 ID:mtOeUJFP
でもそれって僕の愛です(棒
けどまぁ、自分が率先してやってますが不憫だとか空気とかでネタにされてるから好感は持たれてるのかな、って思いますね、>隆昭
961創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:25:30 ID:twpySK+D
タカ坊悪い奴じゃないしね。優柔不断だけどw
ほんとに良くも悪くも即決即断な遥さんとま真逆よのぅ
962創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:27:30 ID:Qdy33nvH
まあ迷うのは重要ですよ
躊躇無く行動する奴はアレなのしかいないし
963創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:28:52 ID:twpySK+D
>躊躇無く行動する奴
ツクヨミ先生ですn(ry
964創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 21:30:01 ID:CvIi6TNe
>>938
そういや言ってなかった投下乙!
ゆっくり読ませてもらいますねー
965創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:07:13 ID:twpySK+D
そういや、スレ作品の機体ってあんまりMSと同じくらいのサイズの機体いないよね
966創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:16:12 ID:mtOeUJFP
うちのヴィルシャは大体F91時代のと同じ感じですね>サイズ
作中でデカブツ言われてるデストラウも20メートル前半だし
967PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/16(日) 22:16:53 ID:0oLT8m8E
>>953
 スレ立て乙!
 よくやった、イナクトタンクでジンクスVと交戦する権利をやろう。

 あ、45分くらいに10号機にSS投下しようと思うので、可能な方は支援お願いします!
968創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:18:33 ID:twpySK+D
>>966
あとパッと出てくるのが時正とアイツヴァ、リベジオンくらいかな?

>>967
待ってました!
969PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/16(日) 22:19:13 ID:0oLT8m8E
 あ、感想は投下終わったら書きますね!
970創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:21:25 ID:CvIi6TNe
今回出てきた真なる解のイグザゼンは40m大の大型機だったり

>>467
分かりましたー
971創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:24:29 ID:twpySK+D
だとすると、イグザがロボスレ最大……かな?
972創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:26:47 ID:CvIi6TNe
全体的にかなり小さいんよね、ロボスレのロボ。等身大〜10mが大半という
それぐらいが扱いやすいのはよく分かるけどね
973創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:29:57 ID:twpySK+D
まあ、生活密着型のロボなんかはデカいと色々アレだからねえw
974創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:31:09 ID:j2MfkmYV
ユニクロンサイズまでいくと生き過ぎだけど
せめて100メートル台のロボットが欲しいな
975創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:34:33 ID:CvIi6TNe
実はまだでkゲフンゲフン

>>973
PBM!なんか見てたら良く分かるねw
もう人じゃないというロスガはまぁ置いといて
976創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:34:56 ID:twpySK+D
100m級っていうとダイターンとかイデオンとかガンバスターあたりか
個人的に大型ロボは50m級が好きかな
977創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:38:43 ID:mtOeUJFP
避難所でDSさんに言われてハッとしたけど、やっぱ二次創作は難しいと思いました
なるたけ固有名詞は最低限に抑えて、何となく読んでてあー単語とかよく分からないけど、こういう話なのかって分かる様に書こうと思ったけど
やっぱ原作とのクロスを考えるに固有名詞が出ちゃってて、書いてる時は無我夢中だったけど、冷静になるとちょっとどころか凄く出てて反省しますね
……他のクロススレとか勉強してみようかな。なのはさんのとことか
978創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:40:52 ID:twpySK+D
事前に用語を説明しとくとかどう?
979創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:46:26 ID:mtOeUJFP
それだとなんか違う気がするんですよ―
自分はあくまで用語とかは分からなくても、何となく話の筋が分かって楽しめるみたいなのが書きたかったんですね
けどやっぱまあ至らない所がありまして。書き手としての未熟を恥じますです
980創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:47:29 ID:Qdy33nvH
そういう時は用語説明用のキャラが便利で良いよな
981PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/16(日) 22:50:29 ID:0oLT8m8E
 すみません、23時10分くらいまで延長お願いしますorz
982創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 22:51:46 ID:mtOeUJFP
>>981
了解です
所で今回を何を投下するんで?w
983PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/16(日) 22:52:35 ID:0oLT8m8E
 てのひらですヨー。
984創る名無しに見る名無し:2010/05/16(日) 23:01:54 ID:twpySK+D
これは期待せざるを得ない……!
985PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/16(日) 23:10:03 ID:0oLT8m8E
 さて……投下行ってきます!
986創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 01:29:19 ID:g9RUwiGj
 遅ればせながら、みなさん投下乙です!

>>836
 紫蘇かわいいよ紫蘇。
 それにしても、紫蘇強くなりましたね、さすが(ry
 原作版の紫蘇とは違って、ちゃんと覚悟ができてるところがまたいいですね!
 さてさて、ディスはナハトに何を隠しているのやら……。

黒ウ詐欺「次から私達が主役ですって! ほら、シロ! ここぞとばかりに目立ちまくるわよ!」
白ウ詐欺「あ、私レギュラー作品あるんで別にそういうの興味ないです」
黒ウ詐欺「あ、そう」

>>938
 うわぁ……報われませんね。やっぱり人革連はブラックだ……。
 セレウェイはとんだ大馬鹿野郎ですが、憎めない大馬鹿野郎ですね。よかれと思ってやった事が全部空回りして、友人とは別れ、一目惚れの相手は気付かない内に死んでいた……せめてフォレイリ共々安らかに。
 それにしても、少しだけ救われるような〆方が本当にたろ氏らしいと思いました。
 なにはともあれ完結乙です! BWも楽しみに待ってますね!
987創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 05:18:16 ID:rRzdNCwC
本スレ28号機分の返レス諸々

>>938
投下乙でした!毎度思うのですが、本当たろ氏の文の書き方は憧れます。読みやすいし、面白く読める書き方だよなぁ。
さて、「影を、掴んで」完結乙&おめでした!終わり方は暗いものでしたが、これはこれで良かったのだと思います。
セレウェイの苦悩と、拓馬の苦悩。両者の感情が話からとても伝わってきてとても感情移入しちゃいました。
読んでいて胸が苦しくなるほどに話に引き込まれました。願わくば最期の世界のように幸せであれ、と願わずにはいられません。
BWに各二期。大変だとは思いますが頑張ってください! 次の投下も楽しみに待ってます!

>>836
感想ありがとうございます!何故パワーアップしたのかは一応伏線です。
というより廻セカDaZの本筋に関わる理由です。明かされる時をお待ちくださいw
べべべべ別に、イェーガーに勝つ方法が思いつかなかったからっていう理由じゃないんだからね!か、勘違いsry
そして次からはシロクロ編になります。PBMとはまた違う彼女たちの活躍をご期待くださいw

>>940
感想ありがとうございました!2ヶ月ぶりにただいまです!w
イェーガーの機体色も濁った赤だし、声は藤原啓二なんだ。そして真名はアリー・アル・サーsry
もうイェーガーはオレ好みのキャラ丸出しのやりたい放題になりました。原作だともっと狩人してた気がした。
というかDaZのイェーガー、狩人じゃなくてもう戦士とかに改名した方がいいんじゃないだろうかw全然狩人っぽくないw
そして次回はボケ倒し中のあの子です。まぁと言ってもオレが描くあの子たちはあくまで原作「廻セカ」の「シロクロ」
の「DaZ版」であって、「PBM」のシロクロとはかなり違ったものになると思いますw

>>986
感想ありがとうございます!紫蘇かわいいよ紫蘇!久々に師匠の描いた紫蘇が見たいな!wとかさり気無く言ってみたr
なんかもう色々と恐縮です。もう調子に乗って原作とバンバンかけ離れた物になっていってますねw
DaZ版のナハトやディスもまたかなり違ったものになっているとお見受けしますw
そんなかんなんのDaZですが、これからも見守っていただけるのならファン冥利につきますw

988創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 08:57:12 ID:N8JAAW/y
>>986
機械人形殺しにインパクト奪われていまいち目立てなかった黒ウ詐欺さん乙でs(ry

>>987
>あくまで原作「廻セカ」の「シロクロ」 の「DaZ版」であって、「PBM」のシロクロとはかなり違ったものになる
ほう……これは楽しみにせざるを得ない……!
989創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 13:01:07 ID:g9RUwiGj
>>940
 感想、ありがとうございます!
 エクシードは今メット無しを(ry
990創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 17:38:03 ID:g9RUwiGj
非難所>>170
>寧ろ、ロボスレヒロインズの日記が見たいわ

 というわけで埋めネタついでにやってみようじゃなイカ!
991あるメカニックの日誌 ◆1m8GVnU0JM :2010/05/17(月) 17:41:48 ID:g9RUwiGj
May 9
夜、くじ引きで食事当番を決めた。
リヒトさん、ずっと休みが続くみたいだけど、きっといかさまにちがいない。


May 10
今日、チーフから、新しい食材の買い物を頼まれた。
犬の絵が書かれたジャーキーのような奴だ。
なるだけ多いのがいいっていうから、お得用を買ってったら、あの人、マヨネーズをつけたり、湖沼をかけたりしたあげく、やっと食べるんだ。


May 14
朝起きたら、なんとも言えない匂いが漂ってきた。
食事中誰もいないんで、当番を見たら今日から五日チーフだった。
同じ人が五日続くくらいで逃げるなんて、食事を作ったチーフに失礼だ。


May 15
昨日、夕食から逃げ出そとしたリヒトさんが、毒さつされた、て 話しだ。
 夜、
お鍋のふた あけ たら
泡ふいてやがた。
いったいこれ どうな て


May 16
やと めし くえた も とてもまずい
今日 おなかへったの、いぬ のエサ くう


May 17
まずい まずい おかわり―――― きた
ひどいあじなんで のこし
まずかっ です。


4
まずい
めし
992創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 17:52:06 ID:N8JAAW/y
バwwwイwwwオwwwハwwwザwwwーwwwドwww
珍獣パネェwww
993創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 18:03:14 ID:G+IwaTcn
クソワラタ
珍獣ドッグフード食うなww
994創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 18:31:04 ID:N8JAAW/y
つかロリコン毒殺てw
実はPBMキャラの中で珍獣が最強なんじゃないかw
995創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:26:24 ID:N8JAAW/y
人いねええええええ!
996創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:28:20 ID:BLHZx7Z8
話進まねえええええええええええええ!
997創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:46:01 ID:g9RUwiGj
 遥さんがかわいくて仕方ねぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!
998創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:47:09 ID:N8JAAW/y
>>997
特定しました
999創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:50:07 ID:g9RUwiGj
 おっとっと。感想、ありがとうございます!

>>992
 奴は人ではない……人の形をした何かだ……!

>>993
 味は薄いけどけっこう食べれるって(ry

>>994
 色んな意味で最強ですね、色んな意味でw
1000創る名無しに見る名無し:2010/05/17(月) 21:50:53 ID:g9RUwiGj
 >>1000ならみんな規制解除。
10011001
             /■\
             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
        ∩ヽヽ∩ヽXXXXXXXX/ .∩
        i||i ∩i||i:||::::¥_][_¥::::||. i||i
         †人=†††¶┌┐¶††††              このスレッドは1000を超えた!
  /■/■\[/■ /■\/■\]  /■\■\     今度は新しいスレッドで
 (´∀(匚二二( ´∀( ´∀( ´∀`).□´∀` )Д´)□           レッツ 創作発表!!
  |_ | | ノつつ|創)~| |創) ̄||創) ̄|つ ⊂|_((|創)~ノ
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