スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)
【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!
【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!
【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!
【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。
遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった!
軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ!
「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」
<イエス・マイマスター>
【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!
【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!
【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!
【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!
【Diver's shellU ◆a5iBSiEsUFpN】
人類共通の夢の一つに、「もっともっと遠く」というものがある――――
表面の90%が海で覆われた星、ネオ・アース。黒服達の一件から時は過ぎ、ダイバー達は今日も、夢と浪漫を求めて海を往く。
物語は2ndシーズン突入し、新たな主人公、ジュリアとクラウディアの物語が幕を開けた。
男の娘も出てくる……かも?
【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――
【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!
【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。
剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―
【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】
荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。
人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」
アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ!
【GEARS ◆B21/XLSjhE】
近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける!
無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達!
スピード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ!
【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】
紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。
雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!?
ファンタジックロボットSS、ここに見参!
【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?
【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?
【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】
因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。
混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。
測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。
【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】
「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。
そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった
舞台は架空の都市“揺籃”
特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく
「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」
……それは、似通っているようで……違う“セカイ”
【時のジグパルス ◆NXVvJGP7gI】
21世紀初頭――――
人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。
14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。
そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた
人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが――
【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】
未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。
隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして――――
パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。
この物語に、勝者はいない。
【『正義の執行者』◆8XPVCvJbvQ】
世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。
ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。
「正義の名の下に」
その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。
奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。
【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!
※紹介文未定作品一覧※
【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】
【英雄騎兵ミッドナイト】
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
【機動修羅バイラム】
【都道府県対抗機動兵器決選】
【資源転生サイクラスト】
【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】
※紹介文候補※
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。
陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は?
ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ!
――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。
上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。
紹介文はまだまだ募集中!
作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
>>1乙を忘れるなんてー!
では、投下してもよろしいでしょうか?
まあ待つんだ、
>>1乙くらいさせてやってもいいじゃあないか
20分から投下でどうよ?支援ならするぜ!
我は
>>1を乙する剣なり!!
さて、前スレが埋まったぞ、と。
ここはオレに任せて、おまえたちは
>>1乙するんだ!!
前スレ
>>1000 師匠さんwww
ああ、あっという間にボキボキのガキガキに……
では、気がついたら22分になってたのでいかせてもらいます。
eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――のAct.2中篇でござい〜
>>17 しかし見たまえ、この幸せそうな顔を
よし、支援だ!
支援しますね!
支援しすぎにゃ注意でござるよ
リングダム・メカニズムの朝は早い。
実はスチームヒル一との呼び声もあったりする腕の立つ修理工にして整備工であるバールを頼って今日も様々な依頼が舞い込んでいるからだ。
お陰でバールは歳相応も無くいつも忙しそうに働いている。最近はベルとウェルという有能なアシスタントを2人も得たが、
やはり大事なところは自分でしたいらしく、仕事量では2人を差し置いて一番となっているのだとか。
「ふむ、やはり今日の一面は昨日の謎の発光現象で持ちきりじゃな。」
と、広げた新聞を目にしつつ呟くバール。仕事柄か歳の割には目がよく、新聞でも老眼鏡付きなものの一番細かい字まで読めるらしい。
「まぁ、ならない方がおかしいよね。」
「どのチャンネルのニュースもあの怪現象で持ちきり。もっと他にやるべき事ないのかなぁ〜?」
そう愛用の白いマグカップ片手に返すベルと、部屋の隅に置かれた古ぼけたテレビに齧り付いてチャンネルダイヤルを回しつつグチるウェル。
2人とも既に作業着に着替えており、仕事に対してはやる気満々と言った様子。
ちなみにその新聞によると、ここを中心とした少なくとも半径100キロ圏内では何処でもその怪現象が目撃されたのだとか。
テレビの報道でも原因について様々な憶測が飛び交っており、ネタに飢えたマスコミを賑わせている。
正直こんなモノで大騒ぎになるのもどうかと思うが、それだけ世の中が平和って事なのだろう。最近はバリードによる被害もあまり聞かないし。
……世を騒がす怪事件と言っても、こういう誰も困らない類のならたまにならいいかもしれないと思うが
(ウチにとっては怪事件だけで済まないかもしれないけどな。)
突然目の前に現れた彼女の事を思い返す。
どっかの漫画で見たようなありきたりの展開だが、実際に起こったとなれば話は別。
色々と思うところはあるが、バールの提案で彼女が何か言い出すまではこちらからは特に触れない事にした。まぁ色々問い質した所であの子が何か言うかと思うと……
「……なーに考えてんの?」
柄に無く押し黙ってそんな事を考えていた俺の顔を、横から覗き込んでニヤニヤしているベル。
怒らせると(肉体言語的な意味でも)怖いが、いつもはあっけらかんとした明るい性格でお客さんからの人気もあって最近じゃウチの看板娘ともなっている。
これは余談だが買出しや何かでベルがいないと聞くとしょんぼりして修理も頼まず帰っていく人もいたり……あれ?ウチ、何屋だったっけ?
「あの子の事だよ。」
「やっぱり。そうだと思った。」
「さっき覗いてみたら俺達が出て行ったときとまったく同じ姿勢で空を見上げてたし……何と言うか、不思議な子だなぁホント。」
「あたしも覗いてみたけど普通じゃないオーラもびんびん出してるよねー。バールはああ言ってたけどあの子の身の上はすっごい気になったり……」
俺の返事にうんうんと頷くベル。
コーヒーの入った白いマグカップをテーブルから取り上げ、軽く口を付ける。
「俺もまぁ、気にならないと言ったら嘘になるけど実際聞いてみて何か言ってくれるかと思ったら全然そうは思えないんだよなぁ……」
「同感。やっぱりあの子が何か言ってくれるまで待ってたほうがいいかもしれないね。」
ただいくら待っていても向こうから何か言ってくれるかと思うと凄い疑問なんだが……それはこちからのスキンシップ次第か。多分。きっと。願わくは。
「……さて、と。今日も一日頑張ろうかしらね。ディーもちゃんと働きなさいよ?」
「へいへい。」
それじゃ行こうとベル。うんとウェル。2人仲良く工場へと通じる扉を潜っていった。
この部屋に残ったのは酷く落ち着いた面持ちで茶をすするバールと俺のみ。いつも面と合わせるのだが何故か緊張する。
「……何か聞きたいことがあるようじゃな?」
そわそわした俺の様子を見てか先に話しかけてきてくれたバール。これは助かる。
「そう。あの子の事なんだけど……」
「ん?」
「あんな人が突然現れるような現象、バールは聞いたこと無い?」
多分無いのだろうなぁ……と思いつつも聞いてみる。
いくらバールでもあんな超常現象の類の事について知っているはずが無いだろう。
「んむ。聞いた事は無い……聞いた事は無いが、ほんの少しだが心当たりも無くもない。」
「え!?」
ただ返ってきた返事は予想外のもの。俺の驚きを他所にバールは話を続ける。
「わしの古い友人にそういったオカルティックで奇妙な事について研究しておった奴がおる……そいつなら何か知っているかもしれんが、
もう10年以上会ってない上、元住んでいた場所にもおらず、連絡も途絶え、今頃元気にしているのかどうなのか、それすらも分からん。」
「へぇー……ちなみになんて言うの?その人の名前。」
別に参考にもならないだろう。ただ興味があって聞いた事。
「「ロン・クーロン」といったかな……これといって力になれずにすまんの。」
「いやいやありがとう。じゃ、行ってくる。」
「んむ、気をつけてな。」
ロン・クーロン。
その時は特に気にせず聞き流した名。だがそれは後々まで続く、決してその姿を見る事のない彼との初遭遇でもあった……
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「ベルの奴、自分のキャリアーの荷台にこいつ置きっぱなしにするなっちゅうに……」
母屋のすぐ隣にある大きな倉庫。
いつも着ている仕事服に身を包み、やる気満々な面持ちで臨んだ俺の出鼻を挫くそれは帰ってきた状態でそのまま放置されたベルのキャリアーと俺の愛機だった。
「まったく。」
せめて片付けとけと毒づきたいが、昨日の状況が状況だった為それはやめておく。俺にも非が無いわけではないからな。
「……こんなもんが俺の顔面に降って来たんだからなぁ。」
と、何故か持ってきてしまった白いノートを取り出す。
昨日の怪しい光はどこへやら。今では落ちてきた時と同じ様子に戻っている。
ともかく……
「さ、点検だけしてさっさと行くか。」
荷台の上で身体を丸めて三角座りをしている頭の無い人型をした全長3mの俺の愛機――「テツワンオー」を見上げて言う。
テツワンオー。
マシンダムシリーズの傑作機と名高いM−087のマイナーカスタム仕様。高性能のギアズマッスルを全身に惜しみなく用い、
高い積載量に汎用性と踏破力、持久力、耐久力を併せ持つ、スカベンジャーの仕事を行うにおいて無くてはならない相棒だ。
「アームリンク好調。フットリンク好調。推進剤ばっちり、ローラーモーター極めて正常、燃料電池残量も今日の分は十分かな……」
面倒なので荷台に載せたまま一通りチェックを済ます。
ちなみに愛機と言っても俺が買ったものではなく、元はと言えばバールが若い頃使っていたらしい奴を譲られたもの。年代物とはいえ匠の技による確かな整備に細かなチューンと、
所々に最新のパーツを用いている為、現行の最新の機種にも遅れはとらない。おまけに青春の思い出も詰まったバール自慢の一品だ。
いくら普段温厚なバールでもこいつをぶち壊したらどんな目に遭わされるか……ちょっと考えただけでもぞっとする。
「うん、チェック終了!いけるな!」
起動キーは指紋データ。操縦は基本モーションリンク。俺が手を動かせば指先一本までこいつの手も真似して動き、俺が足を動かせば歩き方の癖まで真似てこいつの足もしっかり動く。
その上で滅多とお世話になる事はないが腰には着地時の緩衝用ロケットブースター、うって変わっていつもお世話になっている平地での高速移動用にそれぞれの脚部にローラーを搭載。
他にも長年の改造により様々なオプションを持ち、正直俺の稼ぎじゃとてもじゃないが買えたものじゃないワンオフの高級機だ。ほとほとバールにはいくら感謝してもしきれない。
「……では、テツワンオー発進!」
強化チタン製の保護用シェルがコクピットにいる俺をすっぽりとカバーし、内部が一瞬真っ暗になるがどこからともなくすぐに全面青白く光り、外部の情報を取り込んでくれる。
まず慣れた手つきでキャリアーの荷台からテツワンオーの機体を下ろし、倉庫より外に出てから脚部ローラーユニットを起動。
地を駆ける軽快な音を耳にしながらテツワンオーを駆る俺は今日の獲物を探しに出かけた。
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「ジャンクのォ〜海ィ〜は俺のォ〜海ィ〜♪」
何処までも続くジャンクジャンクジャンク……
その中を我が物顔でのっしのっしと歩いていくテツワンオー。鉄くずには興味無い。もっと大物をプリーズである。
「……んーむ。中々無いもんだな。」
ついで言うとライバル(他のスカベンジャー)の姿も無い。
ここらはもう掘り尽くされた場所なのか?そんな予想も頭に浮かぶ。まぁそれなら移動するだけなんだが、何となく気になり更に探す。
「大物とは言わないが、中物小物でも……っと!」
大きなジャンクの丘の影から横に出ようとしたところ、4機編成のマシンダムの一団が視界に入ってきた。思わず機体を陰に引っ込めつつ様子を伺う。幸いこちらには気付いていないようだ。
機体はどれもパッと見ただけでも旧式と分かる上テツワンオーみたいにガチガチにチューンされておらず、脚部ローラーも持っていない。
まぁ俺が恵まれすぎているだけで大概のスカベンジャーがああいうマシンダムを用いているので別に特別な光景とは言えない。むしろよくある光景だ。
「あいつら、何か見つけたのかな……?」
オプションとして何故か搭載されている通信傍受装置。一体何に使うつもりなんだろうと疑問に思っていたがどうやら使う時がきたらしい。
バールに知られたら怒られそうだがなんの、そんなもんを積んでいるほうが悪い。
「えーと、システムオン。周辺の電波波長を検索……お!」
マニュアル通りにシステムを使用。すると特に労する事も無く彼らの使用している周波数を探知した。黙って耳を傾ける俺。
「こいつはすげぇ!いつぶりだこんな大物!」
「4人で分けてもお釣りが来そうだな!よぉし、こいつを売り払ってパーッとやるぞー!」
「「おーっ!!」」
歓喜に溢れる4人の男のスカベンジャーの声。
勿論横から掻っ攫うつもりは毛頭無い。
スカベンジャーの掟その1「初めに見つけた奴がそれの持ち主」、というのもある。内心彼らの幸運を祝いつつ、俺も負けてられないなと踵を返して探索を再開しようとした矢先
「な、なんだありゃ!?」
傍受装置を切ってなかった為拾った先ほどとはうって変わって慌てふためくさっきの一団の1人の声。明らかにただ事ではない。まさか……!
『旨ソウダナテメェラァ……食ッテモイイカァ……?』
更に傍受したわけでもなく聴こえた「電波の声」。ここで確信した。間違いない。
「い、いいワケないだろ!なんなんだてめぇは!!」
男の一人が反論する。そんな事してる暇があればさっさと逃げ出せと内心毒づく。「そいつ」には人の言葉は通じないのだから。
『俺ガ何ナノカナンテドウデモイイダロォ?オ前ラハ俺ニ食ワレチマウンダカラナァ!!』
バリード。
機械の怪物。その表現が一番しっくり来る。
真っ赤な一つ目の光学センサーを搭載した球状の本体に無数の鉄くずや壊れた機械を歪に身体に纏わり付かせ辛うじて人型をしたそれは、
金きり声を伴う合成音声を電波で飛ばしながらじわじわといたぶるように4体のマシンダムを追い詰めていく。
あんなタイプは始めて見るが、詮索は後。見てしまったからには止めないといけない。
スカベンジャーの掟その2「バリードを見かけたら放っておかないで必ず処分、もしくは周辺の自警団に連絡する」っとな。
運悪くこの周辺にジャンクヤードは無く、すぐに自警団の助けは受けられそうに無い。なら彼らの退路を開くぐらいは手伝わせてもらおう。
「ロケットブースターオン!ローラーユニット最大回転!」
このテツワンオーに武器らしい武器は無い。だがそんな機体も使い方次第では――!
「いっけぇぇぇぇぇっ!テツワンッ!キィッッッックッ!!」
ロケットブースターにより飛び上がり、細部スラスターにより軸合わせ。更にブースター逆点火。
テツワンオーの全重量と最大出力を伴った跳び蹴り及び高速回転するローラーは今まさに彼ら(のマシンダム)を食らおうとしていたバリードの横っ腹を直撃した。
『ガァァァァァァァァァァッッ!!!』
(き、決まった……!)
悲鳴を上げて纏っていた鉄くずを撒き上げつつそのまま軽々吹っ飛び、隣のジャンクの丘へと突っ込むバリード。
そして残りのブースターを吹かして華麗に着地するテツワンオー。敵の方を見ないのがお約束。
んでもってその内部で久々の必殺技が見事決まった事の快感に震える俺。まぁずっとそんな事をしているわけにもいない。
テツワンオーのいきなりの乱入に呆然としている4機のマシンダムに向けて吼える。
「あんた達!早く逃げろ!すぐに起き上がるぞこいつ!」
突っ込む前にスチームヒルの自警団にエマージェンシーは送っておいた。後は彼らが何とかしてくれるはず。
「お、おう!何処の誰かは知らないが感謝する!お前ら、さっさと逃げるぞ!」
「「「へい!」」」
リーダーらしき男の音頭でそそくさと逃げていく一団。
後は俺もずらかるかと背中を見せた時だった。
『痛ェナァ……痛ェナァ……身体ガバラバラニナリソウナグライ痛ェナァ……!』
背後から襲い来る何か。それがケーブルだったと気付いたときには遅かった。
「ぐっ!?」
テツワンオーの右腕部に巻き付くケーブル。非常に硬く巻き付き、振り解こうにも解けない。何事かと振り向いた俺(テツワンオー)は驚愕した。
『ダケドテメェ、サッキノ奴ラヨリヨッポド旨ソウダ……ダカラ食ワセテクレタラ許シテヤルゾッ!!』
一体いつの間にこんなになったのだろうか。
既に人型ではなく、ジャンクの丘そのものがバリードとなっているような状態。
その内部より更に何本ものケーブルが襲い掛かり、回避の取れないテツワンオーの四肢の自由を奪う。
「くそっ……!」
敵の力はあまりにも強大。さっきのキックで吹き飛んだのと同じ奴とは到底思えない。
完全に力負けしたテツワンオーは抵抗虚しくずるずるとバリードの方へ引き込まれていく。
『サァ、タダキマァッッッズッ!!!』
全面のジャンクの塊がまるで口のように上下に開く。その内には高速回転する無数の鋭利な回転鋸が待ち構えていた。
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁ!?」
あまりの光景に思わず叫ぶ俺。
このままじゃテツワンオー諸共俺も……!
キィィィィィィィ――
バリードの口内にて金切り音を上げ高速回転する死そのもの。
飲み込まれればまず間違いなくお陀仏だろう。ケーブルを解こうにも元々一つのパーツだったかのようにくっついて取れない。
ああ、走馬灯が過ぎる……バール、ベル、ウェル、リングダム家の長男がこんな最期を迎えてごめんなさ――
「――反応をつけてみれば脅威度D−。だが励起獣か。」
直面した死による恐怖と混乱の最中、不意に聴こえたあまりにも澄んだ声。そして回転鋸の物ではない風切り飛来する何かの音。
『!?』
刹那。熱したナイフでバターを切るが如く、次々と軽々切り飛ばされていくケーブル郡。
見れば地面に青白い短い刃のような物が突き刺さっていた。
「ッ!」
引き込まれる力を失い、食われるギリギリのところで尻餅を突くテツワンオー。何が起きたか全然理解できなかった俺はさっきのあの4人を笑う事は出来ないだろう。
『……何モンダテメェ!俺ノ食事ノ邪魔ヲシヤガッテェ!!』
状況を理解するのはバリードのほうが早かったらしい。
赤いモノアイに怒りを乗せて、遥か彼方のジャンク山を睨んで吼える。そこには確かに何かがいる。俺は逃げる事も忘れて機体カメラの望遠を最大まで上げて見つめた。
「貴様に名乗る名は無い。」
バリードの叫びを一刀両断しそこに立っていたのは、見た事も無い銀の装甲を纏い、見た事も無い青白い光を放つ鋭き瞳を持つ、見た事も無いヒトガタだった……
・
・
・
・
・
はい、投下完了です。
遅くなると言いつつ個人的に妙に早い自分。これも皆さんの感想のお陰です。
いつもありがとうございます!
>>51 投下乙です! それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>51 投下乙!
それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
>>51 改めて投下乙!
バリー度……そういうのもあるのか!しかし、ロボスレ大戦やったら世界がすごくデンジャーになるなw
鉄腕王かっこいいよ鉄腕王。ロケット付きとか惚れるw
果たしてディーを助けた遥さんと気が合いそうな人は何者なのか!?これは次回も期待せざるを得ない……!
>>51 投下乙。支援は十二分だったから自重しますた
描写が丁寧ですげぇ。グイグイ読めました
テツワンオーとはまた浪漫あふれるネーミングに展開ですね
>内心祝いながら
なんて出来た子なんでしょ!
そして兄さん!兄さんじゃないか!!
>>57 ほら、あ、アレだ、妻子を人質にされてたり、ヘリで助けに来てくれたりする確率だよ!
遥ちゃん(推定)5歳可愛過ぎるよハァハァ。
心の奥底で熱く燃え盛る炉利魂がフルドライブでオーバーヒートしちゃううううう!
乙つうううう
どこかでこういうのを書いてくださいというと人物絵を書いてくれる
スレないでしょうか VIP以外で
>>60 投下乙!
うん、これは親バカになるね、抱っこしたくなるね。つか、ぱんつはやっぱりグンパンなのかwww
>>62 ピク支部でお願いしてみるとか?
>>51 投下乙でした!相変わらずの秀逸なネーミングセンス、脱帽です。
テツワンオー。スーパーロボットっぽい名前でいいですね……!
スカベンジャーを襲うバリード。それを助けた謎の機体。
燃える展開に次回の期待が止まらない……!楽しみに待ってますね!
>>60 ちょ、ロリすぎるw
あれか、遥さん子供時代か。これは危なすぎるぞいろんな意味でw
>>62 自分くらいのクオリティで構わないのであれば言ってくれれば描きますぜ!
いや、むしろ描きたいですw
子供時代とは限らんよ、むしろ数年前nジョインジョインハルカァ
……将来の娘さんではないのか?
ペネ子とk(ry
そういえば、遥さんについては師匠が、
>今のとこ本人にどちらの恋愛もする気がないので……。
>その気がないのに、人に優しくしてその気にさせちゃったりしそうですが。
と言っていたな
>>65 >自分くらいのクオリティで構わないのであれば言ってくれれば描きますぜ!
いや、むしろ描きたいですw
その言葉に嘘偽りはなかろうなぁ!……というのは冗談で。
誰かにうちの重歩兵中隊中隊長(名無し)を描いてもらいたいです。
外見は絵師さんの感性100%で。
重歩兵中隊中隊長はガチムチお兄さんでは
うほっいい感想。ではとりあえずここまでので返信をば
>>56 ディーを助けた人物はもう既に出ていたり。。。フフフ……
あとバリードはやばいです色々と。タイプにもよりますが
>>58 サンライズボンバー!とかゴッドハンドスマッシュ!とかは言いませんのであしからずw
描写はどうかなと思いましたが楽しんでくれて何よりですハイ
>>60 ディー頑張る。超頑張る。
主人公機はタイトルにもあるように「イグザゼン」ですw
ただ一体いつになったら登場するのか……
しかし何これペドい。世の変態紳士達が黙ってにゃーよw
>>65 ちょい古臭い名前にしたかったのですがうまく行って何よりなようで
嬉しい限りですハイ
避難所
>>892 ええ、次も引き続きロボ戦です。
まぁのんびり書いていきまうす
以上、一旦書き出すと止まりませんが、そこまでエンジン掛けるのが難しいイグザの人でした;
>>77 4人たのんでいですか?
男性1女性3 ですが?
一色絵でいいのでおねがいします
>>79 >男
> 色絵でいいのでおねがいします
百合はもうあったけど薔薇はまだなかったっけか
>>79 それともモノクロという意味だったでしょうか……?
>>81 執事喫茶の話題なら出た気がするわ
>>80 おけです 全体ではなく頭部から首か胸ぐらいまでで
ガンダムについてるキャラクター紹介の絵みたいな雰囲気でいいんですw
>>83 了解です
それぞれ男性1人と女性3人の容姿についての設定等あればお願いします
皆さん感想ありがとうですの。
>>61 19にして身長144cmだから、ぶっちゃけ年齢そのままでこの格好でも十分似aジョインジョインハルカァ
>>63 ほら、ぐんぱんのがあったかいじゃないですk(ry
それに汚しても大丈bジョインジョインハルカァ
>>65 え? 今も十分子どmジョインジョインハルカァ
>>75 私もその紳士のひとりだがね。
>>85 それでは近々もろもろ(髪型指定など)まとめて一枚の画像にまとめますので
しばしお時間を そしておまちを!
>>86 ジョインジョインされ過ぎだよ師匠!あと汚しでも大丈夫ってえろiジョインジョインハルカァ
>>86 ……すごい紳士だ。
それだけジョインジョインされてもなお立ち上がるとは。。。
やはり某魔を断つ剣よろしくロrコンは不屈の精神を併せ持つモノなのだろうかw
まぁそれもわたs
>>89 尿道が短かったり、月のお客さんが来たりで、女の子は大変なのよ……。
ってマイシスターが(ry
>>90 遥さんにジョインジョインされるなんて、私にとってはご褒美だよ!
師匠ストップ!それ以上いくと自衛隊が出動する
ある意味親子の関係だから近親相姦になるのだろうk
待て、よく見るんだ。一方的に凹られてるだけぞ
逆レイプpジョインジョイン
なにいィ、一方的に娘にヤられているだと!?何とうらやまけしからん!
97 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 04:19:55 ID:6kfFRdiM
ここの人は登場人物の設定先に考えてから書いてる?
もし考えるならどのへんまで考えておいた方が後から矛盾なく進めるんだろう
某サイトのテンプレには
1 名前 性別 年齢
2 国籍 住所
3 人種 種族
4 容貌 容姿
5 社会的地位 職業 信仰する宗教
6 性格 癖 ポリシー
7 長所、短所
8 知性、知識
9 趣味 特技 好物 嫌いなモノ
10 武器 武術 魔法 その他の能力
11 口調 言語
12 履歴 過去のトラウマ
13 健康状態
14 両親、親戚、兄弟姉妹、配偶者、恋人、子供
ここまで考えないと不十分らしいが
なんかいらない項目多すぎる気が・・・
遥さんがそんなに積極的な子だったなんtジョインジョインハルカァ
むしろ本人は「恋愛? なにそれこわい」なシャイな子なんdジョインジョインハルカァ
>>92 どちらも忙しそうでしたね。元気だといいのですが……。
1番全部。 2番は国籍もとい出生地だけ。3番、4番は全部。5番は職業だけ
6番は性格は全てのキャラに。癖はあるキャラとないキャラが。ポリシーは書いてない。
7、8、9番と全部。 10番は能力と武器と武術があるキャラのみ。魔法なんてないし。
11番は書いてない。12番は全部。13番書いてない。14番は親戚除き全部。
自分はこんな感じですかねー……。正直いらんだろう、って設定が大半ですがw
>>97 設定として明文化してるかどうかはともかくとして
主要キャラだったら全部埋まる程度に作ってはいる
これくらい細かく考えておけば
「このキャラがこういう状況になったのなら、こういう反応をするだろう」
みたいに考えやすくなるのではないかとは思うし
まあつっても
自分は書いてる最中により面白いストーリーや展開を思い付いた場合
途中でキャラ設定だけでなく基本設定や世界観設定も変更しまくってるから
「最初から矛盾無く書き続ける」とか微塵も考えてないけどね!!
書いてる分とは矛盾は極力出ないように変更してるけど
自分では気が付かん部分でやらかしてる可能性が高いんだよなぁ……
>>97 ふむ……。
名前:一条 遥
性別:女の子
年齢:19(誕生日は6月上旬)
国籍:極東(日本)
住所:架空の世界ですからー。
人種:隣のお姉さん 種族:ロリータ
容貌:テラ童顔 容姿:ちっぱい
社会的地位:きっと一般人 職業:神子 信仰する宗教:日本の宗教は万華教って言われたりしますよね。
性格:お節介焼きで負けず嫌いで意地っ張りで家族思いで(ry ……よく出来た子です。
癖:ゴムが伸びたぱんつを捨てようと思うんだけど、つい洗って、干して、畳んで、また穿いちゃう。
ポリシー:本当に、困った時だけ、神頼み。人生楽しんだもん勝ち。
長所:家事全般をこなせる、腕っ節が企画外に強い。
短所:ドジ。
知性:あるよ! 知識:実は本の虫だったり、現地で学んだりしたので豊富だったりする。
趣味:探険、お昼寝。 特技:食器の早洗いとか。 好物:納豆とかネギトロとか色々。 嫌いなモノ:黒い弾丸G。
武器:グレネード 武術:ジョインジョインハルカァ 魔法:肉体言語 その他の能力:マナ供給、管理者へのアクセス
口調:目上の人には敬語を使うが、親しい人にはタメ口を使ったりもする。 言語:PBM世界の便利な言葉。
履歴:長いので省略。 過去のトラウマ:裸足でG踏んだ。
健康状態:モヒカン相手に無双できる程度には健康。
両親:健在 親戚:めちゃんこ強い従姉妹のお姉ちゃんが一人。 兄弟姉妹:シスコン気味な妹が一人。 配偶者、恋人、子供:こ、この子にはまだ早過ぎます!
やっぱそうだよね
とりあえずウィキでみつけた記事
また、湾岸戦争ではイラク空軍のMiG-25がアメリカ海軍のF/A-18を1機撃墜しており、
2006年現在、ここ30年間(ベトナム戦争後)で唯一アメリカ軍機を実戦で撃墜した機体である。
また、これは湾岸戦争における空対空戦闘に於いて、イラク側が唯一挙げた戦果でもある。
これが巨大な悪の国家に挑んだ敗戦国のロボだったらゴクリ
妄想ひろがりまくりんぐ脳汁ぱねぇっす
また、冬戦争ではソルティア空軍のライトニングがイビール海軍のスカルライダーを1機撃墜しており、
帝暦2899年現在、ここ80年間(ハルマゲドン後)で唯一イビール軍機を実戦で撃墜した機体である。
また、これは冬戦争における機動戦闘人形の戦闘に於いて、ソルティア側が唯一挙げた戦果でもある。
これの生き残りパイロットが主人公の兄貴的キャラなのー
真上に一部ネタとはいえしっかり全部埋めてる人がいるんですが……こんだけ考えてりゃキャラも生き生きするわなw
取りあえず遥さんのポリシー素敵すぎる
>>102 さあ、本編を書く作業に戻るんだ!
>>103 やろうと思えば全員分できますよ!
他には、しろちゃんの台詞には感嘆符と疑問符は極力付けないようにする、とか、ペネ子の台詞で感嘆符を使う時は、気持ちが高ぶっている時以外は前に三点リーダを必ず付ける、とか、珍獣の台詞の最後には極力感嘆符を付けるようにする、とか。
……なんだかんだでやっぱり設定厨なとこが抜けてないですね、私もw
いいじゃんいいじゃんすげーじゃん
それだけキャラを大切にしてるって事じゃないかw
キャラを大切にしてない人なんかおりませんてw
しかしもう5時を回っているとは……休日ですし、朝ご飯作って食べて、昼まで寝ますかねw
じゃあ、俺も寝ようかね
おはy……って人いねぇwww
あああ
テスト
本スレ書き込めるようになったので、今夜にでも投下します。
それは期待せざるを得ない……!
投下してもいいかな(´・ω・`)
どうぞ
呼吸する。
口から空気が吐き出す音が漏れる。
その音を極力小さくするようにしてわたしは再び呼吸する。
丁寧に周りを探査し、障害の有無を確認。
障害はビルの正面入り口に2人。
腰部に拳銃を装備しているのが見える。
出来るならば後ろ寄り忍び寄り武装解除をしたい所だが、それは叶わぬ願いである。
彼らの体調になんらかの異変があった場合、彼らの体内にあるナノマシンがその異常を本部の警備部に知らせる。
つまりは敵を一人無力化しただけで、その異変をすぐさま嗅ぎつけ彼らは敵の侵入を察知できるというわけだ。
まさに万全の警備体制と言ってもいいだろう。
つまりはここがボーダーライン。
ここから一歩先に進もうとするならば、今からこのビルにいる人間全てを自分は敵に回さなければならない。
戦う為に必要な道具は全てある。
あと必要なのは自分の覚悟と決意だけだ。
深呼吸。
心を落ちつける。
問われているのは覚悟と決意だ。
怖いのならば逃げればいい。今からわたしが行おうとしている行為は誰にも利を成さない行為だ。
助け出そうとしている人間すらも望んでいないだろう自己満足。
だから逃げた所でだれもわたしを責めはしないだろう。
もしかすると今のこの現状は彼にとっては救いなのかもしれない。
何もかも直視する事無く、ただ、全てから目をそらし、虚空を見上げる。
きっとそれは彼に許された唯一の休息なのだ。
今、自分はそれを潰そうとしている。
それを彼は望んだわけではない。
それはわたし自身がどうしても、また彼と会いたいと願っているという、どうしようも無い願いから生まれている。
覚悟はあるか?わたしは自分の中で自問する。
自答。
ある。どんな時でもわたしはあの人の傍にいる。それがわたしの覚悟。
決意はあるのか?わたしは自分の中で自問する。
自答。
ある。わたしはまたあの人に会いに行く。あの人の為に私は存在し、あの人の為だけに私の命を使う決意がわたしにはある。
全ての問への回答。
わたしはあの人にまた会いたい。だから行く、この思いだけがわたしがわたしであるという証明なのだから…。
わたしは立ち上がり、歩を進める。
イーグル本部の正面入り口にいる警備員がわたしに気づき、わたしの肩に手を当てた。
わたしはそれを体の柔らを使いいなし、首筋に手刀を当てる。
警備員は意識は遮断され、その体を地に付けた。
すぐさま、それに気付いたもう一人の警備員はわたしに腰にあった銃を向けた。
わたしは銃を構えた警備員に向けてゆっくりと歩を進める。
「止まれ、止まらないと撃つ。」そう言って、警備員は私に銃口を合わせる。
引き金を引くことへの一瞬の躊躇い、その一瞬の隙を見逃さず、わたしはすぐさまその警備員の眼前まで走り抜け、脇腹に右拳を叩きこみ、左手で首をつかんでグローブに内蔵されているスタンガンを起動させた。
電流が警備員の体を走り、意識を奪う。
警備員の体の異常を感知し警報が鳴る。
侵入者がやってきた事を、本部内にいる全てに知らせる警報だ。
わたしはグレネードを投げ、ビルの入り口の自動ドアを破壊した。
それは宣戦布告を示す爆発だ。
もう戻れない。
戻る気もない、この道で良い、元よりこの道だけがわたしの道だ。
ただ、一つ決意と誓いの元にこの道を進む。
「潤也、今、行くよ。」
そう思いを自分の心に刻みつけるように呟く
そんな自分をふと俯瞰して思った。
きっと、わたしは黒峰潤也にとっての悪夢だ。
CR ―code revegion― 第二章 「悪夢」SIDE B 黒衣の来訪者
イーグル本部地下五階の一室。
そこにはブラックファントムの操縦者である黒峰潤也がいる。
だが、彼の心は今、この世界にを見ていない。
ただ、無感動に天井を見つめ続けているだけである。
黒峰潤也が寝ているベッドの横で一人の男が白衣を着た優男が持参した機器を設置する傍らで講釈をする。
「事前に説明したとおりですが、”彼”の意識は、確かに今ここにあるのだと考えられています。ですが、その意識が我々を捕える事はありません。
ただ、そこから動かずじっと、辺りの景色を眺めているだけなのです。
何人かの医師に見せた所、身体的外傷は見受けられませんでした。医師達は、二つの仮説をたてました。
精神的な何かが彼を襲い、それによって彼の精神が壊れてしまったか、もしくはそれから自身の心を守るため自閉する事によって、自身の精神を守っているかの二つです。
なにぶん心の問題故に、我々が処置出来る事も無く、ただ、時間によって彼が心がこちらの世界に戻ってくるのを待つ事がだけが我々にできる事でした。」
そう説明するイーグル総司令、秋常貞夫の言葉を聞いて、機器を設置している白衣の優男、レイン・フォード博士は疑問を貞夫に投げかけた。
「ブラックファントム本体の方の研究は進んでいるのですか?」
貞夫は頭をかいて
「恥ずかしながらこれもさっぱりと言った所です、ベースがS−16シュバルツだという事だけはわかっているのですが、あまりにもブラックボックスが多すぎて、まともに触れないというのが現状です。
ただ、一つわかったのはあの機体は一人乗りの機体では無いという事でした。」
「というと?」
「三日前にコックピット部分とは別に背部に小さな搭乗口が発見されたんです、人が一人なんとか入れそうなぐらいの大きさのものが…。」
「へぇーではあの機体は二人乗りの機体だと言う事ですか?」
フォード博士は素直に驚く、専門では無いにしろ、鋼獣を調べるにおいて鋼機のノウハウの基本程度は熟知している。
今の鋼機に二人乗りにする意味合いはほぼ無いと言えた、かつてS−10以前のOSが不全であったころならば補佐で二人乗りの必要であったかもしれないがS−11以降の鋼機に二人乗りである利点は少ないように見えた。
それでも、そうしたという事はそれに大きな意味があるのだろうか?
「ただ、おかしいんですよね、その背部の搭乗口には人が確かに入る場所があったのですが、そこに入った所で何か出来るのか?
というと特別な機器の類も無いですし、本当にそこに人が入れるだけなわけです。こちらとしてもこの機構が何のためにあるのか理解しかねる所がありまして…。」
「それはまた異な話ですね。それでいて興味深い話でもあります。」
興味深そうに頷きながらフォード博士は機器の取り付けを終え、ベッドの上にいる黒峰潤也の着衣にいくつかクリップ型の検出器を取り付けた。
貞夫はその様子を眺め、
「終わりましたか?」
と尋ねた。
今、黒峰潤也は物言わぬ眠り人である。
彼の口からいくらか情報を得られる事を期待していた為、彼がこのような状態になっていたのは非常に手痛いアクシデントであった。
ブラックファントム本体の解析も思うように進まない今、イーグルの中には焦りがある。
それ故に燕の涙ほどでも情報を得られる可能性があるのでは?という考えからイーグルは第六機関に調査を依頼し、ナノマシンの権威であるレイン・フォード博士を招く事になった。
いまや物言わぬ状態であるといえども、その体から調べられる事もある。その一つがナノマシンだ。
ナノマシンはその発展とともに急速に拡大、普及し、今やほとんどの人間が体内にナノマシンを取り入れている事になった。
物言わぬこの青年の人物特定が早期に出来たのも、彼のナノマシンにある、IDを読みこんだ故の話だ。
だが、そのIDの読み込みを行った際、従来のナノマシンに加え、また別の正体不明のナノマシンが彼の体に注入されている事が判明した。
何度かその摘出を心見ようとしたのだが、どのような手段を用いてもそのナノマシンは摘出する事が出来ず、何せ彼の体にはナノマシンを摘出しようにも注射針一つ刺さらないのである。
それからいくつかの方法を試みたがわかったのは刃物が彼の体に刺さらないと言う事だ。第六機関にデータを回して調査を依頼したというわけだ。
そして、今、フォード博士が体内のナノマシンの一部を検出し、摘出する作業を始めている。
「今、ナノマシンが体のどの部分に広がっているかを確認しています、体のどの部位に一番ナノマシンが集まっているかを判別して、そこから摘出を行うというわけで…あ、あれ…。」
フォード博士は計器に映されたデータを見て、素っ頓狂な声を上げた。
そう驚いた顔を見せるフォード博士に貞夫は首を傾げながら、
「どうされました?」
と尋ねた。
「い、いえ、いくらなんでもこれは意外というかおかしいというか…。」
「というと?」
「ええ、普通ならばナノマシンというのは体の各部に分散しているのが普通なわけです。
一部どこかに集まっていても、基本的には散らばっていて、体の各部に存在している筈なのですが、なんというか、これは…とりあえず口で言うより見てもらった方が早いかもしれませんね。」
そういってフォード博士は計器の情報が映し出されたディスプレイを貞夫に見えるように掲げる。
ナノマシンの事など一般常識程度しか知らぬ自分が見た所で何がわかるのだろうか?という思いを感じつつも貞夫はそのディスプレイを見つめた。
その瞬間、貞夫の顔は驚愕の相貌に変化する。
ディスプレイの中には人体図に体のどこにナノマシンがあるのか光点で示すようになっている。
フォード博士曰く、一部集まる個所はあったとしても基本的には分散しているのだそうだ。
それもそうだろう、ナノマシンは体の中を駆け巡るように動いているものであり、何処かに一部に留まると言う事は無い筈なのだ。
あったとしてもそれはナノマシン自体がなんらかの機能をしているという事に他ならない。
ではこの、目の前に映っているものは何だと言うのだろうかと貞夫は驚愕する。
かつて、彼の体を探っていた時もこのような事は起こる事は無かった。
これは貞夫からしても初めてみる現象である。
「こんな事がありえたとして、一体それは何を意味しているのですか!?」
貞夫は純粋な疑問を問う。
「さあ、わかりません、ただ、彼の体内にあるナノマシンが何かに反応しているのは確かだと思います。まるで何かを検出しそれを求めている…そんな風に感じますね。」
携帯ディスプレイには黒峰潤也の右腕に全てのナノマシンが集まっているという異な光景が繰り広げられていた。
「しかし、これで採取は簡単にはなりました、作業を始めましょう。聞いた所、彼の体には注射器の針が刺さらないそうですね?」
「ええ、確かにそうです。といよりは刺さるのですが、折られてしまうというか、外気に汚染された雫程度の血液ではサンプルとしてもあまり使えたものではありませんし…。」
「となると、自己増殖型のナノマシンだと思います、秋常司令はご存知無いかと思いますが、違法とされ、作られなくなったナノマシンに自己増殖型というものがありまして、
これは外傷などを受けた場合、血中の成分から自己を増殖する事で高速でその補修に向かうという能力があります。
ただ自己増殖型のナノマシンはリスクも多くて、世界政府から研究を禁じられていたものでした。だから、第七機関ではわからなかったのでしょう。
ちなみに、あの鋼獣のナノマシン装甲にも同じような技術が使われていると我々は考えています。もしかすると彼は我々側というよりは、あちら側の人間なのかもしれませんね。」
「ふむ、しかし、これほど傷の補修が早いとなると、摘出も難しいのでは無いですか?」
「いえ、そうでもありません、ナノマシンといえども機械です、つまるところ―――」
フォード博士はバッグの中から棒のようなものを取り出した。
それから出ているケーブルを部屋の隅にあったコンセントにプラグに差し込み、棒の尾にある取っ手をぐるりと回す。
そうすると棒の先に一瞬、光が走った。
「電流を流すという事ですか?」
しえん
「ええ、そうです。軽い火傷ぐらいはするかもしれませんが、人体にはそれ以上の被害が無い程度の電圧で流すだけですので彼の体がどうこうなる事は心配しないでください。ナノマシンの機能を一時的に麻痺させて採取できるようにするだけです。」
ふむ、と貞夫は頷く。
「それならばよろしくお願いします。」
「了解しました。」
フォード博士は潤也の右腕に棒を当てる。
そうして電流を流そうとしたその時――――部屋に警報が鳴り響いた。
「えっ。」
フォード博士は警報に驚いて、棒を落とす。
落とした棒はカランカランと音を立て転がりベットの足にぶつかって止まった。
「第一級警報(コードレッド)?」
時峰九条がやってきたのだろうか?否、それならばこのような第一級警報が発令される事は無い。
彼女は人間台風である事は確かだが、彼女の起こす災害は想定された災害だ。
つまりはこの警報は本当に何か一大事が起こった事を意味している。
貞夫は直ちに部屋から出てすぐさま外にある緊急回線から、司令部に連絡を取る。
携帯端末から連絡を取っても良かったのだが、こちらから本部に連絡を取る際には、手続きを経なければならない為、内部回線であるこちらの方が手が早いと貞夫は踏んだのだ。
数秒の待ち時間の後、イーグル本部、15階にある司令本部と地下5階の回線がつながった。
「こ、こちら、司令本部、秋常司令ですか?」
回線越しに言葉をかけて来たのはオペレーターの柳瀬恵だった。
「何事だ、柳瀬くん。」
「そ、それが、現在、イーグル本部が正体不明の何かから襲撃を受けています。そんな、警備隊が全滅だなんて、一体、あ、あれは何なの!!!」
柳瀬の声は焦りの色が露わになっていた
「柳瀬くん、落ちつきたまえ、敵はいったいどれぐらいの規模でここを襲っているのかね!!」
「き、規模ですが、それが一人です、少なくともこの司令部にいる人間の目がこの世界じゃないモノを見ているのじゃなければ一人です!!」
嘘のような話だったが、柳瀬の声はそれが嘘ではないそう思わせるだけの緊迫感を感じさせている。
馬鹿なと貞夫は毒づく、そんな事が出来る人間がこの世に時峰九条以外にいてたまるものかと…。
「それは時峰副司令じゃないのかね。」
それはあの婆ならやりそうな事だった。
この本部を単独で制圧して、あー最近の若いもんはなっちゃいないねぇーこんな老婆一人に占拠されてるようじゃ、あたしゃあんたたちの今後が心配であと50年は死ねないよとのたまうのだ。
それは非現実的な話であったが時峰九条という人間を知る貞夫の中では非常に現実味のある話であった。
だがその思考は即座に一蹴される。
「い、いえ、それはありえません、副司令は中央支部からこちらに1時間前に輸送機で発ったばかりです、こちらに到着するにもどんなに早くともあと15分はかかると思われます。
それにすぐさま、私たちは確認と取りました。時峰副司令はまだ輸送機の中にいます。」
貞夫は考える。となると今、このイーグル本部は時峰九条クラスの人間に襲撃を受けているという事になのだろうか…?
あのような人間があの婆のほかにいるなど考えたくも無かったが、少なくともそれを連想させるほどの敵の襲撃を受けているという事実は認めなくてはならない。
ならば、この地下5階で自分が取れる行動とは何であるか?
貞夫の後ろでフォード博士が不安そうな顔を覗かせる。
貞夫はそれに笑って大丈夫ですよと笑って答えた。
「柳瀬君、その襲撃者の様相や目的はわかるかね?あと、私の携帯端末の方に襲撃者の映像を回せるか?」
「え、あ、はい、映像の送信は今すぐ行います。」
貞夫の持つ端末のディスプレイに、映像が映し出される。
そこには黒いフードに身を包んだ仮面の人間が映し出されている。
若干カメラの位置が遠いのと素顔が仮面で隠されていて見えない事、黒衣に体型が隠されている事から女性か男性かまで特定する事は出来なかった。
これでは実際に襲撃者を捕まえなければ単なるテロ目的か、それとも何処からかの差し金による襲撃か掴む事も難しい。
「襲撃者は今、地下2階を走行中です。あのマントの下にいくつか武器を隠しているようですが今の所、火器の類は使われた形跡がありません。ただ、琴峰さんが、え、はい、変わります。」
きゃっと柳瀬は慌てたような声を出した後、スピーカー越しに別の人間の声が聞こえて来た。
「司令、琴峰です。どうも襲撃者はバンデッドスーツを着用している模様です。」
「バンデッドスーツというとあれかね、確か、兵器開発局で考案されていた工作員用の多機能マッスルスーツ。」
「奴にやられた警備のものからもマントの下にゴム状のスーツを着込んでいるとの事でもしかしたらと照会した所、類似点が多く、まずそう見て間違いないと思われます。マントの方も防弾繊維のものかと…。」
「ん、全滅と柳瀬くんから聞いていたが、生存者はいるのかね?」
「ええ、正確には警備隊の隊員全てが、無力化されたというのが正しいです。武器を解体されスタンガンのようなもので意識を奪われていました。今、意識を取り戻した隊員から情報を集めている所でもあります。」
「ふむ、敵にどういう意図があるかわからんが、それは不幸中の幸いだな。しかし、それならばさらに謎だ、所詮はマッスルスーツで人体機能がどれほど強化出来た所で1.5倍程度の筈だ、それだけで本部の警備隊を全て無力化できるとはとても思えん。
彼らは仮にも我がイーグルの人間だぞ、機関軍あがりの人間もいる、それが全てたかだか一人の襲撃者にやられる等という事はありえるのかね?」
貞夫は純粋な疑問を問うた。
「司令の疑問は当然だと思います、九条さんでもこうも正面から私たちの警備を抜ける事はおそらくは無理でしょう、ですが、敵はそれが出来る人間だという事です。
我々はまずその認識を持たねばなりません。あんな事は可能なのかどうなのか?という疑問は今、持つべき思案では無いでしょう。」
雫の正論に、貞夫は頷く。
年をとるとどうも考えが固定観念に囚われ安くなっていかんと貞夫をは思った。
「ちなみに司令が今何を考えているかわかりますが、私も42ですよ、一般的に言うならば、頭が固くなると言われている年頃です。
そんな私でもこれぐらいの応対が出来るのですから、往年のベテランがこのぐらいの認識が出来ないでどうするんですか?年のせいにしないでください。」
釘を刺すように雫は言うのに対し、貞夫は心の中でお前はエスパーか!!と吠えた。
「しかし、琴峰くん、襲撃者が今、地下二階にいるというのは本当かね?」
「確かめるまでもなくディスプレイ見ればわかると思うのですが…。」
呆れたように雫は言う。
ディスプレイの中で閉じられた防火壁に道を防がれた黒衣の襲撃者がいる。
襲撃者は防火壁横にある端末に手を当ていた。
「奴は何をしているのかね?」
「ええ、先ほどから毎回これのくり返しですよ。」
心底、嫌そうに雫は言った。
「こちら側で隔壁を落として奴の進行を止めようとしているのですが――――」
ディスプレイの中の襲撃者は少しの間、端末に手を当てた後、そこから手を離すと、防火壁が開いていく。
つまるところ、端末からイーグル本部のセキュリティシステムにハッキングをかけ、強制的に扉を開放しているのだ。
イーグルのセキュリティシステムは世界的な幅で見ても最上位に位置する程高度なものであり、それをハッキングするというのはとても容易いものではないし、例え出来たとしてもこの短時間で出来るようなものでは無い筈だ。
しかも黒衣の襲撃者はそれを携帯端末も使わず手で触れただけやってのけた。
これではまるで――そう言いかけた貞夫の口より先に雫は告げる。
「これではまるで私の力と同じですよ、本当に困った事に…。」
ふむ、と頷き貞夫は思考する。琴峰雫と同じく生体ハッキングの能力を持つ人間という事になる。
人間は体内で発電している。それは外部に発せられる程のものではないが、薬物を摂取し体質を変えていく事で、その人間は体内から体外に電気を放出する事が可能になる。
この能力を応用し、訓練して行く事によって、人は自身の脳と電子ネットワークが繋がる事が可能になるのである。
そこから自身の脳で作り上げたプログラムを用いて、人とコンピューターは別次元のものでありながら一体となる事が出来るという理論がある。
この理論を利用したハッキング技術が生体ハッキングという。
だが、まずこの能力の会得に必要とされる薬物が副作用が酷く、最悪は死者まで出したとされている。
その為、その薬物は政府から直に使用を禁止されている代物であった。そんなものを扱っている場所など世界で探してもたった1つしか無い。
いや、1つしか無かったというべきだろうか…。
「という事は、この襲撃者も琴峰研究所の研究の被験者という事かね?」
「他国があんな研究をしているのでなければ、おそらくは…。」
「だが、琴峰研究所における研究は1人につき1つの分野のみの特化では無かったのか?奴はそれでは説明が付かないように思えるが…。」
琴峰雫も今、黒衣の襲撃者がやったのと同じような事が出来る。だが、彼女はそれ以外の事に関しては普通の人間と変わらないのである。
むしろ、薬の副作用によって左目の視力を失っているという意味では普通の人間より劣っているといえるのかもしれない。
「いえ、1つだけ可能性があるんです、私たちの妹に1人だけそんな事が出来るような被験者が…。」
雫の声に少しだけ感傷が籠っているのを貞夫は感じる。
「それは…?」
「司令は解体された琴峰研究所の最終目的を覚えておられますか?」
「超人の作成。ありとあらゆる能力を逸脱した人間を超えた人間、その完成を目指すだったな。」
「そうです、そしてあの研究所の研究者たちは、解体される前、丁度今から半年前ぐらいだったと思いますが、ついに今までの研究を1つの形にすると称して、通称:ラストナンバー、bhの製造に入ったそうです。」
「bh?」
「ええ、bhが私たち被験者と違う所はbhは私たちのような元々は普通の人間を使うのではなく、彼らがこれまでの研究成果から最も適したスペックを持つ人間を0から作る事でした。」
「クローンか、禁忌の領域にさらに踏み込むとは、やはり狂人だな彼らは…。」
貞夫が訝しげに感想を漏らす。
「事実そうであるとは思いますが、そう言われると少し心痛いものはあります、私たち『琴峰』は彼らに感謝もしているのですから…。」
「すまない、君たちは彼らに感謝の意味を込めて『琴峰』を名乗っているのを忘れていたよ。」
というのも、琴峰研究所という場所は技術として非道を用いてはいたが、完全な非道というわけでも無かったというのが一つある。
琴峰研究所の被験者は一般人より募集したものではない、成功すれば人間を逸した能力が得られるという文句があったが、当然ながらそんなリスクを冒す人間はいなかったし、彼らも普通の人間を被験体に使用しようとは考えてもいなかった。
彼らの被験者に選ばれるのは基本的にもはや命が付き果てようとしている人間だ。
彼らの用いる試薬は劇薬であるが、その反面、その人間の体を変化させ、常人では得られないような治癒力を得られる事が多い。
助かり用の無い病魔に体を蝕まれた者、紛争で瀕死の重傷を負った者に被験者として研究に協力しないかと…。
もしかしたらここで終わる命がもっと長く続くように出来るかもしれないと琴峰研究所は呼びかけ、何を行うか、カリキュラムを全て掲示し、同意を得られた場合のみ彼らはそれを被験者として扱い投薬を行うのである。
被験者側からすれば終わる事を確定づけられた命に再び火を灯すチャンスであり、幾人もの人間は自ら望んでその被験体として自らの体を差し出した。
どうせ死んでも元より終わる定めにあった命である、生き残れれば儲けものだと多くの人間は考えたのだ。
彼らの被験者になるという事は生半可なことでは無かったが、投薬によって九死に一生どころか、何をしても十死だった身に一生が宿らせる事が出来たという意味で、琴峰研究所の出身者は研究所の人間たちを恨んだりする事は無かった。
むしろ感謝の意を持っているものすらいるのが現状である。
研究所の出身者は琴峰という性を授けられる。琴峰研究所からの出身者といのは程度の差はあれど、人の域を超えた、超人の域に収まる能力を持っている。
それを示すためのある種のコードだ。
今、第七機関には数十名の琴峰が存在しているが、それらは全て、この研究所の出身者である。
「話を続けます。bhは二か月前に会った原因不明の爆発事故で研究所が無くなった際に、一緒にbh自体も死んだとされていました。
その理由は彼女を培養していたという大型試験管も一緒に破砕しており、中のモノも無くなっていたからです。我々はそこからbh自身もその事故で焼失してしまったのだと結論づけました。」
「だが、そのbhが生きているという可能性も皆無では無いという事か…。」
貞夫は頷くように考えた。
「そうです、彼女が用いた生体ハッキングの技術は琴峰研究所で研究されていた方法に限りなく近い事からも他機関やその如そこらのテロリストとも考えられません、十中八九ほどの可能性でbhとみて間違いないかと思います。」
「それで、また、なんでそのbhが我々を襲っていると思う?」
「ええ、それに関しては当てずっぽうではありますが、大体予想が付いています。
bhは今、地下3階を走行して下層へと向かおうとしていますが、上層にあるこの司令部や、地下3階の資料管理庫などに目をくれずにただひたすら下の階へと向かっています。
そこより地下にあるもので特別奪うに値するものはこの本部には無いでしょう、ただ、一つの例外を除いては…つまりその例外、bhの目的は――」
貞夫は背後の扉を見て、ため息をついた。
「地下五階、黒峰潤也か…。」
「ええ、そう考えるのが妥当です。どのような理由で黒峰潤也の元に行こうとしているのかまではわかりませんが、bhもおそらくはブラックファントムの関係者もしくは誰かの指示を受けて奪いに来たとみるのが妥当といったところではないでしょうか?」
「琴峰研究所での製造がどれほど進んでいるとかはわからないが、bhが自我をこの襲撃を持ってやってるのならば、どうしても彼女を生け捕りにしたいところだなぁー。
もし何かに操られているのだとしたら、それはそれでそこから黒幕を暴きだせるので、やはり捕縛しておきたいね。それにこれは琴峰研究所が無くなったあの事件の重要な参考人でもある。」
だが、それは難しいだろうなと貞夫は考える。
敵はものの数分で20名の警備員を一蹴してしまった程の能力の持ち主だ。
時峰九条クラスの脅威と考えるのだが妥当だろう。となると襲撃者がここまで来るのも時間の問題と考えられる。
この万全のセキュリティーも彼女の能力の前にはどこまで信用できるかわからない。
つまり打つ手は一つだけというわけだ。
「今、我々も彼女のハッキングに対し我々もプロテクトを作り直す事で時間稼ぎをしている状態ですが、その内破られてしまうでしょう、性能に関しては私の5倍ほどの能力があると思われます。」
「そこまでかね。」
貞夫は呆れたといわんばかりの相槌を打つ。
「ただの人間と、最初からそれように作られた超人ではそもそものモノが違うのでしょうね。私も今からバックアップに回ります。」
「私はあまり君に力を使って欲しくは無かったのだけれどね。」
くすりと雫は笑う。
「まあ、仕方ありませんよ、このような状況ですし、あと12分守り切ればどうであれ我々の勝ちです。では、そろそろ切ります、何か連絡があれば柳瀬に…。」
「ああ、ちょっと待ってくれ。」
貞夫は何かを思いついたように顎に手を当てて、雫を呼びとめる。
「確か、第三機関の紛争に介入した際に、テロリストから戦闘型の自動人形を10機程、鹵獲したよな、資料としてこっちで補完している奴。」
「えっと、確かあったと思います。」
「それ、ターゲットをその侵入者にして地下に送りこめ。」
「え、と、それは政府法に違反しているような…。」
「構わんよ、イレギュラー相手だ、それに我々が過大評価してなければ、時間稼ぎにしかならん、政府が禁じているのは自動人形を殺戮行為に使う事だ。
どうせ殺せんのだから、問題無い。責任は私が持つ。まあ、言い訳ぐらいは一緒に考えて欲しいが…。」
しかし、やはり過大評価かなと貞夫は内心思った。今、自分が考えているのは全てが時峰九条が相手だったらという話だ。
あれは人間の域の外にいる人間だ。だからこそ、そのようなありえない考えによる策を考える事になる。
いくら相手が、時峰九条の再現を目的とした超人を想定して作られた存在だったとしても、あの域に達しているかどうかはわからない、もしかすると殺してしまうかもしれない。
そうなれば、また別の所で大きな問題として発展してしまう。
だが、それ以外、今時間を稼ぐ手が無いように貞夫は考えた。
もし、黒峰潤也が謎の襲撃者に奪われたとなってはイーグルどころか、第七機関全体の沽券に関わる程の失態だ。
あれだけの犠牲を払って手に入れた微かな手掛かりをこんな馬鹿げた事で失うわけにはいかない。
最悪の場合は自分が全ての責任を背負う覚悟を貞夫はその時、決めた。
「わかりました。あと12分それだけの時間、守り切る事が出来れば、あとは我々の勝ちです。」
貞夫はため息をつく、本当に最悪だと思っていた事が自分たちの今自分たちの望みになっているというのはなんとも滑稽な話だ。
「まったく、災い転じて福となるとはこの事を言うのだろうな。」
「司令からしてみれば、災いがさらなる災いを連れて来たという方が正しいのかもしれませんね。」
貞夫は思わず笑ってしまった。雫の発言が非常に的を得てるように思えたからだ。
その笑いに対して雫は機械的に言った。
「今、笑った事も後ほどしっかり九条さんに報告させてもらいます。」
「この、外道!!鬼畜!!!」
「何も聞こえません。」
「ぐす、酷いなぁもう、どうしてこう、私は部下に恵まれないのか…。」
「人徳だと思ってください。」
「思えるか!!!!」
貞夫は雫の温もりの無い発言に頭を抱えた後、少し安心したように息を吐く。このような状況でも軽口を叩ける彼らなら、自分が司令部で直接指示を出さなくても大丈夫だろう。
「まあ、戯れもこの程度にして、あのどうしようもない奇天烈ババアが帰ってくるまでか弱き我々で一頑張りと行こうじゃないか…。」
そう軽口を叩く、貞夫に対して、誓いをするように雫は応えた。
「―――了解。」
イーグル本部地下三階。
わたし以外誰もいない廊下。
人による音の立たないそこは言いようのない清潔感を感じさせ、それと同時に言いようのない孤独さを感じさせる。
そのような中にいるせいか普段、耳を傾けない天井にある換気扇のカランカランという音が非常に大きく聞こえ、それがわたしの心を苛立たせた。
深呼吸をし、落ち着けと心の中でわたしはわたしに声をかける。
ここまでは非常に順調に進んでいる。
今は地下三階だが、当初手に入れておいたマップ通りならば、今、目の前にあるこれを処理すれば地下四階に繋がる非常階段に辿りつく筈だ。
幸運な事に、最初に倒した十数名の警備員と、数名の追手を撃退して以降、自分を追ってくる敵はいない。
『あの男』からもたらされた情報通り、戦力になる人間は出払っており、警備員ぐらいしか今この本部にはいないという事なのだろう。
あと片づけなければならないのは目の前にあるこの隔壁だ。
廊下の先をカメラのシャッターの蓋のような形状の扉で固く閉じ、わたしの進む道を塞いでいる。
もうこれで8つ目の処理になる。
あまり無駄な時間を過ごしたくないわたしとしては、どうせならば本部をハッキングして、制御を全部奪ってしまいたいのだが、ハッキング中はそちらに神経を回すため、無防備になる。
流石にこれだけの規模の組織の本部をハッキングするとなると時間がかかり、それは追手からもしもの追撃があった場合に対応が取れないという事を意味する。
今のわたしは侵入者であり、敵はわたしを排除の対象として襲ってくるだろう。
それを考慮するとちまちまとした作業ではあるが、短時間の意識集中で済むため比較的周りにも気を配れるこれが上策だと結論付けるに至ったというわけである。
だが、本当ならばすぐさま黒峰潤也の元に駆けつけたい気持ちがわたしの中にはある。
今すぐ逢いたい、ずっと我慢してきた、今日まで、ずっと…機会が来るまでずっと…。
それはわたしにとってみれば地獄だった。この上ない、生き地獄だった。
だからこそ、やっと到来したこの機会に危険などかなぐり捨ててわたしは最短の道を取りたいという強い気持ちがある。
だが、そう考えるたびにかつて戦いの中で潤也がわたしに言った言葉を思い出す。
それは確か、敵との出会いがしらに『因果終焉』による敵の排除をわたしが提案した時のことだったと思う。
鋼獣、鬼亀(きき)との戦闘時だ。鬼亀は呼称だけは判明している鋼獣であったが、見るからに鈍重で巨体であった為に、わたしは即座にブリューナクでの『因果終焉』で片づける事を提案したのだ。
あれ程、鈍重に見える相手ならば、手の内を見せる前に倒してしまうのが最も上策だと…。
だが、そう判断したわたしの考えに潤也は呆れたような声で言った。
「お前は今、あの亀の能力を外見から判断してその考えを言ったんだろうが、結局、奴の特性はわからないままだ。
ブリューナクの『因果終焉』は確かに最強の一撃だがそれだけにリスクが高い、もし奴の特性が俺たちの予想を大きく上回るものであったとするならば、全てが台無しになる事もある。
いいか、藍、俺たちは負けられない勝負をしている、捨てて良い命ならばそんな事を気にしなくていいが、俺たちに必要なのは生きて勝つ事だ。だから、例えそれが石橋を叩いて渡るような戦い方でも確実に一歩を踏み進める戦い方をしなければならない。
俺たちに必要なのは必勝の戦い方だ。俺とともに戦うのならば、それを心の奥にまで刻んで戦え。」
そういって、潤也とわたしは戦いに臨んだ。実際、潤也の判断は正しかった。
鬼亀の特性、それは背中から足元まで覆う甲羅は本当は巨大な電磁発生器であり、それにより磁力の反発を利用した超加速というその巨体に見合わぬ程の高速移動の能力を持っていたのだ。
もし外見から判断して『因果終焉』を執行していたら、その外見に見合わぬ速さで回避され、リベジオンは窮地に陥っていただろう。
それは非常に苦戦を強いられた戦いであったが、潤也が相手の能力から講じた奇策が功を成して、その戦闘に勝利をする事に成功した。
そこでわたしは学び、その思考を自己の中に浸透させる事になった。
そうして今、私はその教えを学び、最速とは言えないが着実な一歩を踏み、前に進んでいる。
わたしは閉じている防火壁の横にある操作パネルに手を触れた。
その操作パネルは、この施設の司令部からセキュリティロックされており、ここからは端末を操作する事が出来ないようになっている。
しかし、わたしにはそんな事は大した問題にはならない。
少し呼吸をし、精神を統一。
今、わたしが行おうとしているのは仮想世界に自身の精神を投影する作業である。
それは荒波の中に裸の自分を投げ出すような行為であり、些細な出来事が自分の心に大きなダメージを与える事がある。
だから、そういったその中であらゆる出来事を想定して耐える事が出来るようにわたしは精神集中し、意識を尖らせていく。
アクセス。
手のひらから発せられた電流を介してわたしと操作パネルの制御システムと世界を共有する。
仮想世界のわたしの目の前に様々な世界が流れる。
流石に仮想世界の中までは仮面とフードを持ってこれず、わたしは素顔を世界に晒す。だからといってどうというものでもないのだが、出来ればこの顔を仮想世界とはいえ、外気に晒したくないので少しだけ重い気持ちになる。
わたしは回路を辿り、目的の場所まで仮想世界を泳ぐ。
既に今日、8度目のアクセスだ。システムの構造も把握したし、セキュリティに用いられている暗号の法則性も理解している。
その成果もあってか、ものの10秒で私は目的地に到着する事に成功した。
目の前に第八隔壁セキュリティシステムと書かれている大きな扉がある。
これは本当にそこに本当にあるのではなく、この回路に存在している様々なプログラムをわたしが視認し脳内でそう映像化しているというものだ。
ソフトを用いて視覚化し、英数字の羅列であるプログラムを英数字を打つのではなく、触る事で操作できるようにしたというべきかもしれない。
つまりはこの目の前にある扉こそが、現実世界でわたしがあけようとしている扉のセキュリティ。
わたしはこの扉を開く事によって、あの操作パネルで隔壁を開けられるようにする為、扉に手を触れ、セキュリティ解除に必要な暗号キーの検索を行う。
暗号といっても法則性はあるもので、それを読み取る事が出来るのならば、64桁の暗号など容易く手に入れる事が出来る。
問題はここのセキュリティは2分ごとに更新され、その際に暗号も変わっているという事だ。
時間との勝負である。
とはいえ、既に手慣れたものであったし、わたしの中にダウンロードされた『成果』は容易くそのセキュリティを突破する。
第八隔壁セキュリティシステムと名前のついた扉が開く、あとはこの先にある制御装置から操作パネルと隔壁の接続を再びつなげるように操作すれば良い。
わたしは扉の奥に進み、制御装置の前に立った。
制御装置はパーソナルコンピューターのような形をした端末としてわたしの目には映されている。
わたしはそれを手動で起動させた。
その時、
「ここまで早いとは…出来ればセキュリティのロックが外される前に到着したかったのですが、これが試作品と完成品の性能差という奴なのですね。少し、ショックです。」
後ろでそんな事を拗ねたように呟く声がした。
一瞬、わたしはそれが現実で起こった事なのかと誤解する。
だが、それは機械言語でわたしに向けて送られてきたものが自動的に声として変換されたものだ。
ならば、それは現実世界にいるわたしに向けてかけられた言葉では無い。
後ろに振り返る。そこにはスーツ姿の黒髪の女性が立っていた。
容姿から20代後半辺りを思わせる。
わたしには素直に驚きがあった。目の前にいる女性がこの仮想世界にいるその事が普通ならばありえない事だからだ。
わたしの目にはプログラムが視覚化され、なんらかの形状を取るように認識はされるものの、それは所詮、命の無い機械的なものでしかない、つまりは無機物として認識される筈なのだ。
だが、目の前にいる人型の有機物はそこにあるだけ所かわたしに己の意思を持って声をかけてきている。
これが意味する事は1つ、わたしと同じ手段で入ってきた人間であるという事を意味していた。
目の前の女性は驚きを隠せないわたしに向かってふっと笑って礼をした。
「初めまして、 I、わたしは第七機関直属組織『イーグル』総司令秋常貞夫の副官を任されている琴峰雫です。大変申し訳ありませんが、2分ほどわたしに付き合ってもらいます。」
To be continued
131 :
代理:2010/03/13(土) 17:05:47 ID:o0crb3NT
やっぱり時刻指定してやったほうが良いかなー
それはともかく支援してくれた人感謝です
あと修正です
part 5のラストで
>他国が
というのがありますが
すいません、これは致命的なミスです
>他の機関が
とwikiに乗っける際は修正してもらえると幸いです
今回の内容に関してですが、始まるよ〜と言ったところまで書いた感じです
本当は始まってるよ〜という所まで書く予定だったのですが、長くなりすぎて来たので先述の通りとりあえず投稿することにしました
なんじゃそりゃという設定もありますが、その辺は・・・勢いで!!!勢いで!!!流してもらえると幸いです
この話考えてたのがサマーウォーズ見た辺りだったのが影響してるんだろうなぁw
投下乙!
ゆっくり読ましてもらいま
>>131 代理と投下乙です!
藍たんTueeeeeeeeeeeeeee!!
ババァもTueeeeeeeeeeeeeee!!www
って雫さん42だったのかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
なるほど、藍という名前はナンバーから来てたんですね。しかし藍たんと雫さんがコンタクトするとは……何が起こるのか、期待で胸いっぱいですw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
あ、wiki更新ついでに、PBMの用語辞典も色々追加してきました。そんな凄い事は書いてませんが、目を通して頂けると嬉しいですw
>>131 投下乙!なんでロボスレヒロインはこんなに逞しい子ばかりなんだwww
JUN也の身体にも秘密は一杯なのか……次回以降色々明らかになってきそうで、興奮が収まらない……!
>>134 師匠wiki更新乙!
パラペディア一気に充実したな……つか設定まで本編と同じノリじゃねーかwww
箇条書しただけですけどねw
しかし今日は本当に人がいない……。
>>131 投下乙です!
さて、戦闘系ヒロインがまた一人増えた訳ですがw
リベジの琴峰姓の人間はその研究所の被験体である可能性が高いのですな
見た目と実年齢の乖離が凄いよ雫さん!wあ、凄いのは琴峰研究所かw
しかし時峰ばあさんレベルの対応で、自動人形10機とかwホントに凄いばあさんだなw
エレクトロキネシス同士の対決は……藍ちゃんは経験が圧倒的に不足してそうだなぁwがんがれ。超がんがれw
次回のバトルを楽しみにしてるだぜ!!
休日だから仕方あるめぇ
しかし藍たんが健気過ぎて生きているのが辛い
>>134 パラベディア編集乙です!
うちの子まで載ってるwうれしいのぅw
>>131 投下乙です!代理投下の方もご苦労!
藍ちゃんがまさかのウルトラハイスペックだと…!?
ラストナンバーなのにgTというネーミングが個人的にツボですね
ってか琴峰さんがお姉さん系ババァだったとはあれ琴峰さんなにをs(黙殺
半死半生の人間に異能と命を与える…狂人達の最後の理性、いやエゴか…作品のダークな感じにあってていいと思います!
しかし指令は前回のアッパーといい琴峰さんからの扱いが緊急ですら酷いww
だけど今回の話し読んでたら本気で藍ちゃんを描きたくなってきたz(市中引き回し本日二回目開始
キャラデザと言えば随分前に聞きそびれて依頼シャーリーさんの事を聞きなおし忘れてまして…orz
すみませんが髪型とか胸囲とk(グシャバキッ)を少し教えていただきたいです
藍たんのも書くと投下する数が増えるかもしれません、機密事項ですが
>ある程度の自己進化も可能。
>カラーリングは、身体を構成するナノマシンの機能によってある程度自由に変更できる。
てか、さらっと凄い事書いてるじゃねーかwww
……地味に機械人形ヤバくね?
しかしリベジのフォード博士地味に鬼畜だよなぁ。
調べるのに邪魔だからって人体に電流流せるとかwやっぱり研究対象は自分と同じ人間じゃないんだねぇw
>>141 リヒたんがやったのが自己進化なのかな。制限時間付きと実にスーパーモード
その内金ぴかに光ったりしt
>>131 投下乙!
藍ちゃん頑張れ超頑張れ
完全体としての第一号の予定だったからNo.Iというナンバーを貰ったんだろうか。
しかし人のエゴがわきわきと沸いてくる話の展開ですな。うむ、お先真っ暗。しかし面白い。
次も楽しみにしてますね!
いや、そこはバイオリヒターとかロボリヒターに……って、元々ロボかw
>>141 設定だけ見るとなんかヤバめですねw
>>143 穏やかな心を持ちながら、激しい怒りによって水の一滴が見えて覚醒するんですねわかりますん。
>>144 その前にRXにならないと!
>>131 投下乙。
まさかの藍たん無双におったまげた私が通りますよ。
でも、普段の藍ちゃんって口を開く度に潤也君から駄目出し食らったり
ボロクソに言われたりで頼り無さげなところが目立つから読んでる最中に
すぐ様、窮地に陥るんじゃないかと気が気じゃなくて、少し心臓に悪い会でしたw
雫さん、10機の自動人形、婆の三連戦フラグがビンビンの次回を楽しみにしています。
20:55頃にGEARS10.5話投下開始致します。
支援しますよ!
>>145 それだと遥さんをリヒターが取り込んじゃわない?w
キングストーン的な意味でw
>>137 作中で琴峰という名前があったら、ほとんど関係者だと思いますw
次回のバトルはジェットコースターの予定ですw
>>138 健気すぎてそれに辛くあたる潤也たんを書くのが辛い(´;ω;`)
>>140 Iなのは字面とIで始まる単語が隠語として入ってたりもします
琴峰研究所の設定は倫理的に普通なら認められない事を容認させるという設定でもあるのでw
ちなみにバンデットスーツなんてものが出ましたが、MGS2のスカルスーツ的なものを着せるという俺の個人的な欲望がry
実は巨乳設定以外は明確に決めてなかったんだよなーシャーリーの容姿(´・ω・`)
えーとお姉さんタイプで、職業が職業なので長髪は無しの方向で、あと裁縫が趣味だけれど手先が不器用なので奇天烈な裁縫物が部屋に蔓延してるぐらいでしょうか
うーん、あんまり答えられて無い気がするw
>>142 フォード博士は研究に盲目なタイプです、一応、最低限のルールさえ守ればなんでもします
というか一番実験台にしてるのは自分という人ですので
新しく作ったナノマシンを自分に注入して仕様確認して、仕様通りの結果が出ると一人笑いするという…
>>143 この話は重たい話ですが、ここから先もっと重たくなっていきます><
この二章で謎の7割ぐらいは解明しちゃう予定なので、ちょっと説明的な描写も多くなると思いますが絶対に損はさせませんので付き合ってくださると幸いです
人間関係はいまごっちゃになってますが終わる頃には非常にクリアになってる筈…
>>146 というよりは潤也が藍に冷たいんです><
その辺りの理由もその内・・・
フラグに関してはノーコメww
支援しますよ
そろそろですね……!
それでは、GEARS番外編10.5話投下開始します
砕牙州立砕牙高等学校。
スポーツギア部がある高校で尚且つ、家から一番近い高校だったので何も考えずに入学したのだが、これがまさかの大失敗。
敗因は両親の「高校なんてボロアパートを借りるのと大して変わらないだろ?」などという呑気な言葉を真に受けた事に尽きる。
何が大失敗かと言われると、砕牙高校のギア部が弱小であるが故に廃部寸前であるという事だ。
保有するシミュレーターは旧型が二基。実機はMCI搭載型スポーツギア、ヘノレシアが一機のみ。
それも砕牙高校の予算から割り当てられて購入したのでは無く、教育会主催のくじ引きで当選したものらしい。
そこで入学希望者を増やす為の餌として急遽スポーツギア部を設立し、私のような間抜けが大漁。
蓋を開けてみれば大した設備も整っておらず、そもそも学校サイドがギア部を運営する上で何が必要なのかを理解していないと来た。
それでも、私は類稀なる優れた身体能力を武器に僅か7ヶ月で地区大会、超重兵器部門個人戦において堂々の一位入賞という快挙を成し遂げた。
そして、この功績を持って私と砕牙高校はヘノレシアの製造及び、販売メーカーであるケイアオー工業とスポンサー契約を結び
これを足がかりに規模を拡大していくという完璧な筋書きだったのだが……ケイアオー工業の事実上の経営破綻により、計画は脆くも崩れ去った。
スポンサー契約どころか、ギアの保守管理すら難しくなり、泣く泣くヘノレシアは廃棄。州立高校には金が無いのだから仕方が無い。
シミュレーターによる練習は出来るものの、大会に出られないのでは意味が無い。これも泣く泣く業者に引き取ってもらった。それも二束三文で。
「これでは、何の為に砕牙高校に来たのか分からないではないか…」
「いやいや、識ちん。ギア部で活躍したいんだったら私立高校に行くのが常識だしょ?
州立高校で大規模なギア部ったら、八坂州の宋銭高校くらいなんですよだよ?
後は〜…岸田学園にぃ、冷泉高校〜、そんでもって私立の方の八坂高校辺りがグッドだよん?」
珍妙な喋り方をする友人が偉そうに講釈を垂れてくれるが、私の家は気安く私立に行ける程、裕福では無い。
かと言って、宋銭高校は…最低でも偏差値を10上げてから出直して来いと言わざるを得ない。
「今更、そんな事を言われても手遅れだ。と言うか、全部八坂なんだな?」
「だって、砕牙って全国大会とか大きな大会の開催地になる事が多いってだけで州その物が弱小だもん。
初出場の識っちがブッチギリで優勝出来るくらいなんだから、その弱さ…恐るべし…」
神妙そうに珍妙な喋り方をされても、その何だ。気持ちが悪い。
「そう言えば、一年生の守屋一刀君だっけ?八坂高校に転校したらしいけどギア部で大活躍だってねん。…色んな意味で。」
友人の何気ない一言で、ふと思い出した。あの守屋家の次期当主が砕牙高校に入学するとかでクラスメイト達が盛り上がっていたなと。
ただ先祖や親が有名人というだけで子供にまで影響が行くのだから大変だ。恐らく、八坂でも苦労しているのでは無いだろうか。
ま、どちらにせよ―
「私には関係の無い事だ。」
2年の春にギア部は廃部になり私は退屈な日々を過ごしていた。
だが、夏休みも目前…今までは授業で暇を潰せていたから良かったものの、やる事も無いのに長期休暇で何をしろと?
いっその事、彼氏でも作って一夏の思い出でも作ってみるか?
「私の柄じゃないな。」
「何が?」
「私が彼氏を作ったら、どう思う?」
「かなりの高確率で識たんの彼氏をロリコン扱いすると思う。いや、するね!!間違いなく、ソイツはロリコンだ!」
全く持って失礼な友人である。軽く拳骨でも落としておくべきかも知れない。
確かに私の身長は140半ば程度だし、女性の象徴も控え目だが、今年で17歳。児童性愛者の対象からは大きく外れる。
そんなこんなで迎えた夏休み。やる事も無いので男漁りに精を出す……なんて柄にも無い事をやる気にもなれず
若い力を持て余して悶々とする日々を過ごしていると、八坂州野宮地区スポーツギア高校大会の中継が始まった。
強い奴も居れば弱い奴も居る。だが、全体的な選手の層は砕牙よりもずっと厚い。
夏休み前に友人が言っていた「州その物が弱小」という言葉を思い出した。
その中でも一際目立つのが、宋銭高校の矢神玲選手だった。迫り来る対戦相手を拳一つで、それも僅か一撃で頭部を破壊していく様は圧巻。
そして、矢神玲選手には遠く及ばないものの、八坂高校の守屋選手も一年生としては素晴らしい活躍を見せてくれた。
「まあ、私が一年の時程では無いがな…それにしても、この感情は…羨望か?」
決勝戦が始まり、矢神選手は初めて剣を抜き、守屋選手も初めて、構えを取る。
彼等が羨ましくて最後まで見ている気分になれず、モニタのスイッチを切り、畳の上に寝転がった。
彼等は自らの力をスポーツギアで表現し、ぶつかり合いながら青春を謳歌しているというのに、私は一体何をしているのだろうか?
良いも悪いも無く、何もせずにただ徒に時間を浪費し続けるばかりで情けない事、この上ない。
最早、学校のレベルがどうのこうのと言っていられない。宋銭高校に転校する為に両親に相談すべきだろうか?
だが、そんな悶々とした日々に終止符を打つべき出来事が私の元に転がり込んで来た。
故人曰く、捨てる神あれば拾う神ありだったか?まあ、神なんて物は過去の英霊達が全て葬り去っているので、この表現は適切では無い。
故人曰く、運も実力の内。ああ、これだ。スポーツギアを辞めたく無かった。もっと続けてたかったという事に自覚した矢先の出来事だった。
夏休みも残す所、後僅か。何か問題を起こしたわけでも無いのに何故か、学校に呼び出しを受けたのだ。
職員室には担任と校長。そして、見慣れない男性の3人が私の到着を待っていた。
年の頃は30代半ばだろうか?柔和な表情で人の良さそうな微笑みを私に向けて丁寧にお辞儀をしてくれた。
「初めまして。八坂州私立八坂高校の理事長兼、スポーツギア部顧問の弥栄栄治です。」
正直、口から心臓が飛び出るかと思った。八坂高校と言えば、名門高校。その上、スポーツギア部の強豪高校でもある。
そして、個人戦の決勝戦に出場した守屋一刀選手の在籍校だ。
だが、驚きも一瞬。何故、強豪校の顧問がギア部すら無い元弱小校に一体、何の用なのだろうか?
「初めまして。砕牙高校二年の小野寺織です。」
何はともあれ、話を進めなくては仕方が無いので無難に挨拶を済ませると弥栄理事長が話を始めてくれた。
「夏休みの最中に突然、呼びつけてしまって申し訳無いね。ただ僕としては、どうしても早めに君と会って話をしてみかったかんだよ。」
「私と…話ですか?」
「単刀直入に言わせてもらうと、八坂高校に転入してスポーツギア部に入部してもらえないかなという、スカウトの話だね。」
正に青天の霹靂!なんたる好都合!そう言いたいのは山々なのだが、八坂に行けるものなら既に行っている。
何度も言うが私の家は気軽に私立高校に行ける程、裕福では無い。それが州外であれば尚更だ。
飛び付きたいのに飛び付けないジレンマに陥っていると弥栄理事長は私に助け舟を出してくれた。
「これから僕が出す条件に承諾して貰えれば授業料全額免除、八坂州での生活の補助。
それから、新型MCI搭載ギアヴァイゼストの専属選手として迎え入れる準備が出来ているんだけど、どうだろう?」
流石は名門私立高校。正に至れり尽くせりでは無いか。だが、美味い話には必ず裏がある。
それに弥栄理事長が出す無茶な条件を確認するまでは首肯する事は出来ない。
「その条件なんだけどね。今年から八坂高校もMCI搭載ギアの個人戦を視野に入れる予定だったんだけどね
何分、八坂にはMCIに関するノウハウが全く無いと来ているんだよ。そこで見つけたのが君だ。」
成る程。確かに私は適性が高かったのか、それとも実力か、運か、相手が弱かっただけなのかは分からないが
僅かな練習期間で砕牙州地区大会で優勝という輝かしい結果を得る事が出来たのだから、目を付ける学校が出て来ても不思議では無い。
「あれだけの実力を埋もれさせるのは勿体無い!君はもっと大きな舞台に立ち活躍すべきだ!
そして、その実力を広く、大きく広めるべきだと思わないかい?」
「え、えーと…?」
「つまる所、八坂のギア部でMCI個人戦の選手兼、MCI選手のトレーナーをやって下さいというお話だよ。」
そして、八坂高校理事長、弥栄栄治氏は言いたい事だけ言って、さっさと帰路に着かれてしまった。
担任は「よく考えて結論を出して欲しい」と、校長は「どうか八坂に行って欲しい」と言っていた。
何と無く、偉い人同士で汚い密約があったんじゃないかと疑いたくなるが、あれこれ言われるまでも無い。
特に両親を説得するまでも無く、やりたいようにやりなさいと快く送り出してくれた。
気紛れな子供の我侭に嫌な顔一つせずに快諾してくれた事、感謝しても感謝しきれないというものだ。
私は八坂高校への入学手続きを終え、弥栄理事長と再会し、自分の役目を再確認した。
私の役目。それは、私自身が勝つ事と、守屋一刀を勝たせる事の二つである。
そして、守屋一刀にとっての最大の目標にして、最強の壁。それが、宋銭高校の矢神玲。
矢神玲は前年度の州大会で個人戦の装備自由型で準優勝という快挙を成し遂げ、全国大会の八坂州代表メンバーの一人に選ばれている。
戦闘スタイルは刃渡りが通常のギアの全長程もある巨大な斬馬刀による一撃必殺に拘った、馬鹿正直な戦い方を好む一方で
取るに足らない相手に対しては抜刀する事無く、拳一つで戦うという勿体付けるのが好きな一面もある。
「一応、守屋一刀は矢神玲に認められているのか…」
以前、地区大会の決勝戦で矢神玲が搭乗しているギアが斬馬刀を抜刀している姿を思い出した。
あの後、どうなったかは知らないが守屋一刀のギアが一刀両断されてしまっているのが妥当な所だろう。
「どちらにせよ、データだけじゃ対策の取りようも無いな。」
それに私は部屋に篭ったり、人に聞くような調べ方はあまり好きじゃない。そう、私は実践派の人間だ。
思い立ったが吉日、私は矢神玲に出会う為に単身八坂州へ向かった。
どうせ理事長のお墨付きなのだ。多少、入寮日が早くなったとしても咎められる事はあるまい。
「これは調査不足だったな…」
地球統合共和国は52の州によって成り立っており、全ての州で同じ価値観、同じ文化が形成されている。
だが、52の州の内の二つ。砕牙州と八坂州のみ僅かながら、倭国独自の文化が残っており他の州と比べて独特な雰囲気がある。
だから、私は八坂州も砕牙州同じような所なのだろうと。生まれて初めて砕牙から出るが違和感無く溶け込めるだろうと。
「あれ…今日。この辺で夏祭りなんてあったかなぁ…?」
先程からすれ違う人々が私の格好を見るなり、同じような独り言を繰り返している。
つまる所、私は八坂州の人々にとって、まるで違和感しか感じない格好をしているのだ。
「八坂には…倭服を常用する慣習は無いのか…」
先程から目立って仕方が無い。私にとってはラフな格好でしか無いが、こうも奇異の視線を向けられては堪らない。
その上、私は他の州の人々が指すような普通の服なんてものは一着たりとも持ち合わせていない。
こんな事ならば、八坂の制服を着ていくべきだったと少しばかり後悔するが、気にしていても仕方が無い。
私は嘆く為に八坂に来たのでは無く、矢神玲に出会う為に来たのだから。
弥栄理事長の話では、この時間は成績不良の為、補修を受けているそうだ。
ならば宋銭高校へ向かえば間違い無く彼と出会う事が出来る筈だ。
「しかし、宋銭高校で成績不良とは…これは筋金入りだな。」
私は一人ごちながら宋銭高校の校門をくぐった。さて、どうやって矢神玲を探せば良いものやら。
生憎の夏休みのせいで、ざっと見回した所で生徒や職員の姿は見えない。
校庭では夏空の下で額に汗して部活動に励む生徒達の姿を見かけるが流石に個人的な用件で中断させるのは気が引ける。
全く気に病む必要の無い暇そうな奴が理想的なのだが…夏休みだしな。暇でも態々、学校になんか来る筈が無い。
しかし、手ぶらで帰るのは癪だ。諦めて部活中の生徒を呼び止めようとすると突如、ひらめいた。
「あそこになら居るかも知れんな。」
そこで私が向かった先は宋銭高校の体育館裏だ。体育館裏と言えば暇なチンピラどもが屯している筈だ。
「期待を裏切らないな。」
体育館の裏に回ると思った通り、ボロボロになった制服を着流しているヒャッハー!なんて叫び声をして襲い掛かってきそうな連中が6人。
ダメージ加工だとか、クラッシュだとかファッションなんて人の好き好きなので、私が口出しをする事では無いのだが…
「何故、君等は被災者の様な格好をするのが好きなのだ?」
「んだぁ!?テメェは!!」
「っかすぞ、のアマァ!!」
誰か今すぐこの場に来て私を助けてくれ。八坂訛か?何を喋っているか全然、私には理解が出来ない。
「メーラ、女の子怯えさせんなヨ?お嬢チャン、綺麗なおべべ着てんねー?こんなトコに何の用?」
怯えるも何も、何を言われているか分からないので怯えようが無い。話の流れを察するに私は恫喝されていたのだろうか?
まあ、この軽薄そうな男の言葉なら如何にか理解出来、意思の疎通には問題が無さそうなので、彼に道案内を頼む事にしよう。
しかし、この男は息が臭いな。
「矢神玲という生徒に会いに来た。この時間帯は補修を受けていると聞いたのだが、何処に居るか知らないか?」
「あー?矢神ィ?ああ、2年の矢神玲ネ。今頃、クソ真面目に自習室で勉強してんじゃネーノ?道案内してあげヨーカ?」
話が分かる上に親切な男だ。被災者みたいな格好と、そのキツイ口臭を直せば更に好感度が上がるのにな。
「それは助かる。では、お言葉に甘えさせて頂く事にしよう。」
「ノヤローのロリコンはビョーキだな!」
病気?ロリコンとは児童性愛者の事では無いのか?それとも、そういう名称の病気があるのか?
それにしても彼等の言葉は珍妙不可思議としか言い様が無い。だが、私も八坂高校で生活していく内に言葉が理解出来るようになるだろう。
先の事をあれこれと不安がっていても仕方が無いので、息が臭い少年(以下、臭男)に案内に従い、彼に着いていく事にした。
「っぱあ、オレもイくわー!」
「ああ?別にいーけどヨ。オレが先だかんナ?」
「わーってるヨ!」
奇抜な服装で息が臭い割に仲が良くて微笑ましい限りだ。で、先が如何こうとか言っているが何の話だろうか?
まあ、親切な少年が一人から二人に増えただけだし気にする事も無い。矢神玲と仲の良い友人という可能性もあるしな。
しかし、彼の友人にしては些か…いや、かなり系統が違う。全く、別の人種だと言っても良い。
彼の写真を見た感じ、そう…矢神玲。彼は侍、武士という呼び方が似合う。
逆に彼等の外見は…落ち武者。または世紀末だ。外見が全てというわけでは無いが。
ああ、そうだ。ところで彼等のような人種の事をチンピラと呼ぶらしいが、チンピラって結局、何なんだ?
これまでの私の人生の中でチンピラと付き合いを持つような事が一度たりとも無かったので、よく分からんが
話をすれば分かるし、存外に親切でもある。何故、忌み嫌われているのかがよく分からない。
少なくとも私は服装が奇抜だとか息が臭いというだけの理由で忌み嫌う程、狭量では無い。
何よりも見ず知らずの私に親切に道案内をしてくれたのだ。感謝こそするものの嫌う道理は無い。
「この辺りでイーカナ?コッチコッチ。」
私は臭男に促され、古びた教室に入った。宋銭高校の自習室は畳で敷き詰められており、倭の心を大切に…埃がつもりに積もっており、その上、カビ臭い。
全然、掃除が行き届いていない部屋では生徒も勉学に励める筈が無いだろうに…いや、そもそも、明らかに使われていないようにも見える。
何か見解の相違でもあったのだろうか?それとも、この辺りで良いと言うのは、まさか…
「まさか、迷子にでもなったのか?」
いくら学力が低いとは言え、これはあんまりだ。在校生が迷子になるとは…
素直に迷子になった事を認める素直さは買うが、宋銭高校の教育は一体どうなっているのだ!?
「オイオイオイ、お嬢チャン。今の状況に気付いてないのかヨ?コリャー傑作だナ?」
「んなトコに矢神が居るわけねーべ?おー、キレーな足ィ!」
私の背後に居た男が私の足を触ろうと迫って来たので、左足の踵で臭男弐の爪先を踏み付け転倒させる。
「知り合って間もない相手に、それも白昼堂々…と言うのは些か、問題があると思うのだが如何だろうか?
それに…何だ。普通、こういった事は夜に二人だけでやる事では無いのか?」
場所も人目も気にせずとは、これではまるで獣で無いか。彼が私に欲情するのは無理無からぬ事なのだが
逢引の経験も無ければ、男女の機微に疎い私ではどう説明すれば彼に納得して貰えるのかが分からない。
「全く…どうしたら良いものやら。」
「犬みてぇーにケツ向けて腰振りゃー良いんだヨ!」
真昼間からとんでも無い事を叫ぶとは信じられない奴だ。モラルの崩壊なんてレベルを遙に超越しているではないか。
だが、臭男Aのいかがわしい発言で、漸く合点がいった。つまる所、この二人は親切な生徒を装い、人気の無い場所に
私を誘導し無理矢理、手篭めにしようと考えていたのか。神聖なる学び舎で恐ろしい事を企む連中である。
それなら、少しばかり彼らに灸を据えてやらねばならんのだが、幾つか問題がある。
問題その1.彼らが驚く程、弱過ぎるので手加減をしなければならないのだが、どの程度手加減をすれば【殺さず】に済むのかが分からない。
問題その2.殴ったり蹴ったりすると自らの攻撃の反動で怪我を負う危険性がある。私とて女だ。傷など作りたくない。
問題その3.以上の点を踏まえると投技が適切。だが、彼等の口臭は恐ろしく臭い。故に密着したくない。
それとも、手足の粉砕骨折くらいなら大した問題にならずに済むだろうか?
「んだぁ!?全ッ然、たんねぇーぞ!」
「げんな!!っかすぞ!!」
嗚呼、もうお前等は喋るな。何を喋っているか全然分からないし、頭が痛くなる。
それにしても、突きも蹴りもお粗末な連中だ。これ以上、付き合っていられないし手早く片付ける事にしよう。
「下がってろ。」
臭男達から間合いを取る為、一旦後方に跳躍すると息が臭くない生徒に背中からぶつかってしまった。
私が気配を感じ取れないとは妙な事もあるものだと首を捻ると、息の臭くない生徒は私を廊下に出し教室の中に踏み込んだ。
彼等に灸を据えるのは息が臭くない彼に任せて、私は矢神玲を探しに行く事にしようか…いや、私が困っている所を助けてくれたのだ。
片が付いたら感謝の言葉の一つくらい述べてもバチはあたるまい。ついでに道案内も頼みたいしな。
「や、矢神……クン…」
「倭服を着た女の子がチンピラに連れ回されているって聞いてな。まさかと思って来てみりゃ案の定だ。」
何という好都合。まさか目の前の息が臭くない少年が私の探していた矢神玲だったとは。
それにしても、そんな不確かな情報で態々、探しに来るとはこの少年……中々の心配性だな。
「い、いや、別に好みの顔だからちょっとオレのマグナムに火を噴かせてみたいなーとかじゃねぇんだ!」
「そうそう!あ!そう言えば、その子!矢神クンに用があるんだってー!」
チンピラ二人組の言葉に矢神玲は怪訝そうな表情で首を動かし目線を私に合わせた。
「ああ。君に用があって宋銭高校まで来たのだが、その二人に誑かされ手篭めにされかけて現在に…後ろ、危ないぞ。」
「みたいだな。それにしても災難だったな?」
臭男Aが矢神玲の後頭部目掛けて拳を振りかぶっていたので指を刺して教えてやったのだがいらぬ忠告だったようだ。
彼は臭男の方を見向きもせず、左腕で拳を受け止め躊躇い無く握り潰し、私を慮った。
成る程、相手の様子を伺いつつ加減しながら握り潰せば、やり過ぎる事無く相手を無力化出来るのか。流石は男児だな。
「ッ…ア・・・・・・ガッ!?」
ふむ。あまりの痛みに声も出ないようだ。可哀想に…骨が皮膚を突き破っているでは無いか。
まあ、自業自得だ。これに懲りたら心を入れ替えて、清い交際を始めるべきだな。
しかし、握り潰すのはあまり有効では無いな。矢神玲、彼の顔と制服に臭男の返り血が付いてしまった。
女である以上、自分の血で汚れるのは仕方が無いが、自分の服や顔が他人の血で汚れるのは気分の良い物では無い。
「コイツ連れて失せろ。それとも、お前も泣くか?」
「女の前だからってカッコ付けてんじゃ…ぶぇっ!?」
臭男Bは彼の言葉に対して小振りな白刃を煌かせ返答するが、煌かせるだけで終わってしまった。
顔面に彼の靴底の跡がハッキリと残ってしまい中々、愛嬌のある顔に変貌してしまい少しばかり気の毒になる。
だが、これも自業自得だ。これからは心を入れ替えて、仲間共々キツイ口臭を治す事に尽力すべきだ。
「女の前ですらカッコ付けられなくなったら、終わりって事くらい気付けよ。」
そう言って、矢神玲は片足で飛び跳ねながら、気絶した臭男の元へ向かい、蹴り飛ばした靴を回収した。
物を蹴り飛ばすと言うか、物を投げつけて対抗するという手段も悪く無いな。手加減用にボールベアリングでも買うべきだろうか?
「あ〜あ…鼻血付いてやがる。きったねぇなぁ…げ…歯が刺さってんじゃねーかよ…いっそ買い換えるかぁ?」
相手が気絶する程の力で靴を顔面目掛けて蹴り飛ばしたのだから、鼻血も出るし前歯も…まあ、悲惨な事になって当然だ。
「大丈夫だったか?」
「何かされる前に君が来てくれたお陰で、私は無事その物だよ。そして、君に話があるのだが…」
「ここは空気が悪い、中庭にカフェテリアがあるんだ。先生達も居るし、其処でゆっくり話をしよう。」
確かに此処はカビ臭いし埃も積もっている。おまけに彼がこしらえた、骸が二つ。落ち着いて話が出来る環境では無いな。
そうして、私は彼の提案に従い宋銭高校の野外カフェで遅めの昼食を摂りながら話をする事になったのだが…
「八坂では倭服を常用する習慣は無いんだな?」
私の格好が珍しいせいかカフェを利用している生徒や教員達が私達を注目していた。
「まあな。倭服を着た美少女に俺の組み合わせじゃ仕方無いわな。野次馬に聞かれたら困るような話なら追っ払って来ようか?」
「少なくとも私は聞かれても全く困らないが…君が如何思うかは別問題だな。」
「ま、俺もお天道様に顔を背けなきゃならんような事はしてないからな。じゃあ、早速聞こうか。」
「まずは自己紹介しておこうか。私は砕牙州立砕牙高校の二年生、小野寺識。」
「同級生!?てっきり、学校見学に来た中学生かと思っていたぞ!?」
この男…中々に失礼な奴だ。だが、今は苦言を申し立てる時では無い。私は咳払いを一つ、話を進める事にした。
「来月から条件付で八坂高校に転入する事になってね。その条件が守屋一刀を君、矢神玲と対等に戦えるだけの選手に育て上げる事。」
「ほー…守屋のねぇ…それで?敵情視察か何かか?」
「そうだが?」
「そうだがって…そう言うこと正直に言っちゃうかねぇ…普通。」
「腹の探り合いは好かん。単刀直入に言う。私とシミュレーターで対戦してもらいたい。勿論、全力で。」
見えない目標を倒す為に我武者羅に鍛錬を重ねるよりも、相手の力を測った上で育成プランを練った方が効率的だ。
そして、経営破綻という実力だけでは如何ともし難い不運に見舞われたせいで、第一線を退く羽目になった。
結果、私は半年近くギアに触れていない。自らの勘を取り戻す為にも矢神玲との対決は避けて通れないと考えていた。
「あー…何処から突っ込めば良いのか……て言うか、今はギアよりも課題を片付ける事が最優先でね。
まだ今週のノルマも終わっていないし、付き合ってあげる事は出来ない…んだが、何をやっているんだ?」
「矢神君。君の事は大体調査済みだ。守屋の練習相手として度々、八坂高校を訪れていたようだが学業が不十分過ぎて
夏休みだというのに一般の生徒とは別に追加で課題が出されており、八坂に出向く余裕も無い…ふむ。この程度か。」
私は矢上君が持ち歩いていたテキストを大雑把に眺め、彼の元に戻す。はっきり言って簡単過ぎる。悩み考える事すら論外だ。
「君が私と安心して対戦出来るように、課題を手伝ってやろう。」
「へ?お前…救世主?それとも英雄?」
「ただのスポーツギア選手だ。さあ、早速始めるぞ。」
悪ふざけとしか思えないレベルの…課題として出す意味があるとは思えない程、簡単な問題を二人で解く事数時間。
「今週のノルマ…全部終わっちまった…」
「さて、これで君は私に借りが一つ出来たと言うわけだ。早速、私の用事に付き合ってもらうとしようか。」
課題が全て片付き、彼は呆気に取られているが日も傾き始めている。さっさと当初の目的を片付けてしまわねば。
「借りって言われてもなぁ…あんまり恩着せがましい事を言いたか無いんだが、さっきチンピラから貞操を守ったって事で勘弁してくれねーかな?」
ああ。そう言えば、彼は私の事を何も知らないんだったな。そもそも、助けなど必要が無いという事を。
私は彼に視線を合わせ、ほんの少しばかり力を解放する。私の瞳孔は獣の様に縦に裂け、紅に染まる。
「残念だが、君が居ても居なくても自分の身を守るには充分過ぎる力を持ち合わせていてね。アレでは借りにすらならないよ。」
「よりによって同類かよ…」
「そういう事だ。その上、君は同級生である私を寄りにもよって、中学生扱いまでしてくれたのだぞ?」
そして、私は周りの野次馬にも聞こえるように大きな声で…
「女である私に恥をかかせたというのにも関わらず、些細な願い一つ聞いてくれないのかな?」
これではまるで逢引している男女の痴話喧嘩だな。周囲の人間はより一層、身を乗り出し此方の話に聞き耳を立てている。
彼は顔を真っ青にして周囲を見回している。意外に可愛らしいところもあるじゃないか。微笑ましくて結構な事だ。
「降参だ、降参!やるから、そういった周囲に誤解を招く言動は止めてくれ!」
「漸く、素直になってくれたか。私は嬉しいぞ。今この場で愛の言葉を恋愛小説から引用して大声で囁きたい程に。」
「いや、勘弁して下さい。本当に。マジで。しかも、大声で囁くってどうやってやるんだ?」
「私にも羞恥心というものがある。冗談でもそんな真似は出来んよ。」
飄々としているようで苛烈、隙が無さそうでからかい甲斐もある。中々に面白い男だ。
宋銭高校のシミュレータールームへ足を運ぶと、彼は後手でシミュレータールームの鍵を閉め、淡々と試合の準備を始めた。
私が「これから手篭めにされそうな勢いだな。」と軽口を叩くと彼は少しムッとした表情で「見縊るな。」と一言だけ返してくれた。
今一つ、性格が掴めない。ま、些か愚鈍ではあるが実直な少年だというのが私の印象ではある。
そして、彼は何も無いだだっ広い荒野のステージを構築。
八坂高校で私が担当予定となっている黒いスポーツギア、ヴァイゼストが産み落とされる。
重装甲、大出力、巨大な大鎌。正面から敵を叩き潰せと言わんばかりの機体コンセプトで実に分かり易い。
対する彼の愛機、リヴァーツは華奢で何処と無く頼りない風貌をしている。
とは言え、見た目に反して単純な出力だけならヴァイゼストに勝るとも劣らない程で油断は出来ない。
リヴァーツのコンセプトは高機動、高火力の両立にある。特に刃渡り8mの斬馬刀の攻撃力は驚異的だ。
試合開始のサイレンがコクピットに鳴り響いた。長期に渡る空白期間のある私では、現役の強豪選手をまともに相手出来る程の余裕は無い。
先手必勝でいかせてもらう事にしよう。跳躍し、鎌の石突に備えられた三つのブースターを最大出力で点火。巨大な鎌に爆発的な剣速を与える。
後は弧を描くように袈裟懸に振り落とすだけ…リヴァーツの華奢な体型では受け止めるなど論外。彼に与えられた選択肢は回避のみだ。
だが、信じられない事に彼は回避行動は取らず下段に斬馬刀を構え、私の斬撃に対して、斬撃で迎える。
当然だが、跳躍からの落下と、ブースターによる運動エネルギーが加算されたに耐え切れる筈が無い。
案の定、リヴァーツは地を抉りながら、後方に弾き飛ばされる。
「どうした!お前の実力はこんな物か!?」
彼はリヴァーツの体勢を立て直し、再び斬馬刀を下段に構えた。まるで打って来いと言わんばかりに。
ならば、次は地から攻めさせて貰おう。間合いを詰めリヴァーツの胴を引き裂く為、勢いを殺す事無く駆け抜ける。
だが、まただ。すれ違い様に放った横一文字の斬撃にリヴァーツは先程と同様に斬撃で迎え撃ち、弾き飛ばされる。
斬撃以前に機体の重量とて此方の方が圧倒的に上なのだ。加速に乗ったヴァイゼストの突撃を正面から迎え撃つ事が出来るわけが無い。
「やる気が無いのか…ッ!?」
彼の戦いぶりに私は苛立ちを隠す事無く吼えながら、大鎌をリヴァーツの首目掛けて振り落とす。
「三合目…次は外さん。」
次は外さん?彼は一体、何を言っているのだ?外さない?何かを狙っていた?何か目論みがあったのか?
落ち着け。彼は私を惑わせる為に負け惜しみのような言動をしたのでは無い。確実に彼は何かを仕掛けて来る。
いや、既に仕掛けていたが、それに失敗していただけに過ぎない。あの言動…十中八九、宣言だ。
思い出せ。彼の戦闘スタイルを。彼は真正面から敵を一撃で粉砕するという戦い方を好む。
つまり、彼は一撃私を仕留める為の攻撃を既に繰り出していたが不発に終わっていた。
しかし、次は外さないという宣言。私を仕留める算段が整ったという事か?
だが、真正面から敵を一撃で捻じ伏せるのに何の算段が必要だと言うのだ?
何かの策略を用いたようには見えないが…まさか、僅か二合打ち合っただけで見極めたとでも言うのか?
可能なのだろうか?僅か二合打ち合っただけで相手の攻撃を見極める事など到底不可能だ。
今更、思い悩んでも仕方が無い。既に私の鎌は振り落とされているのだ。
既にやり直しは効かない状況。ならば、私がこの一撃でその首を奪い取るまでだ。
思考も躊躇いもかなぐり捨て、全身全霊を込めて大鎌を振り落とす。
しかし、此処に来てリヴァーツの動きが変わった。左足を後方に引き摺り、上体を軽く捻り大鎌の斬撃を避ける腹積もりかと思いきや、僅か一瞬。
弓の弦の様に引き絞られたリヴァーツは放たれた矢の如く、一瞬で機体同士を密着させ大鎌の斬撃を潜り抜け、下段に構えられた斬馬刀を
掬い上げるように打ち上げ、ヴァイゼストの両腕を切断し返す刀で頭部を破壊。
「僅か二合で私の攻撃を見極め、僅か二振りで私を打ち負かすとはな……完敗だよ。」
「見極めに二合、打ち負かすのに二振り……此処まで苦戦したのは州大会以来だ。」
これで苦戦?成る程、これが全国クラスの実力か、今の私では到底敵わない相手だな。
だが、彼の実力の本質や、彼を打破する為の手段も十分に理解出来た事は大きな収穫だったと言える。
問題はそれを守屋一刀に教えた所で、それを実践出来るのだろうかという疑問。
少なくとも私には出来そうにも無い。よって、守屋一刀であれば可能という道理は無い。
まあ、私の役割は守屋一刀を鍛える事であって、矢神玲を踏破させる事では無いので私が気に止める問題でもあるまい。
寧ろ、私が矢神玲。彼に教えを請いたいくらいだ。
「ふと思ったのだが、偶にで構わないので私に稽古を付けてもらえないだろうか?」
うむ。教えを請いたいのならば請えば良い。簡単な事じゃないか。
彼程の実力者ならば眠りこけてしまった私の実力を叩き起こすには打って付けだからな。
「オイオイ…なんで、そんな話になるんだ?」
「色々あるが負けっ放しでは私の気が納まらない。心配しなくても学業の面倒は私が責任を持って面倒を見てやろう。」
私が彼の文の面倒を見て、彼が私の武の面倒を見る。完璧な等価交換ではないか。
寧ろ、効率的に課題を終わらせる事が出来、ギアに専念が出来るようになり彼にとっての利は遙に多きい筈だ。
それが分からない程、愚鈍な男ならば仕方があるまい。シミュレータールームに閉じ込められ、手篭めにされたと
宋銭高校中に言って回ると説得すれば良いだけの事だ。
「学業の面倒……うー…む…俺から一つだけ条件を出させてくれ。俺からの条件が飲めなければ、この話は無しだ。」
「物にも寄るが何だ?」
「一応、個人戦の世界では有名人でな。余所の州から野試合を依頼される事があるんだが、はっきり言って一人一人相手をしていられる程、暇じゃない。
だから、俺がリヴァーツで、それも斬馬刀を持つのは公式戦の時だけって事になっている。だから、今日の事もそうだけどよ、俺と戦ったって事は誰にも言わないで欲しい。
特に守屋の耳には絶対に入れないでくれ。色々あって、未だにアイツと本気の勝負が一度も出来てないから…」
成る程、あの時にシミュレータールームに鍵を掛けたのはそういう意味があったと言うわけか。
全くもって、有名人という奴は難儀なものだ。そして、当人の気も知らずに群がる連中の無神経さには
ただただ呆れ返るばかり…って、私も同類か。この恩と迷惑は学業や日常生活の中で報いる事にしよう。
「その条件、確かに承った。絶対に違えん。」
「ああ。それから、俺のテル番とメアドだ。見ての通り、あまり治安の良い学校じゃない。
間違えても次からは体育館裏になんて行ってくれるなよ?紅眼って言ってもお前は女の子なんだからよ。」
本当にこの男は……心配性にも程がある。だが、その厚意が酷く心地が良い。
そう言えば、異性に対し、こんな感情を持つのは初めてな気がする。こういった感情は何と言ったか…
「随分と遅くなっちまったな…今日は泊まる場所あるのか?それとも、砕牙に帰るのか?」
「入寮予定日は来週だが…今日から行っても何の問題もあるまい。」
「八坂の寮…?今、改装工事中で来週までは入れないって聞いたんだが…」
成る程。これは盲点。多少、融通を利かせてくれなどと頼み込む以前の問題では無いか。今から砕牙に戻るの正直面倒なのだが…
「あー…行き場が無いんだったら、ウチに泊まっていくか?」
これは正に渡りに船では無いか……と言うとでも思ったか?
「矢神玲、確かに君は好意に値する男だ。しかし、私とてうら若き乙女だ。最低限度の段階を踏んで貰わなくては、そんな気にはなれんぞ?」
「何を勘違いしているのか知らんが、流石の俺でも中学生には…」
「一度ならず、二度までも私を侮辱するとは良い度胸だ。守屋一刀が戦うまでも無い。今、この場で処刑してくれるわ。」
成る程。この心が温かくなるような、胸がムカつくようなこの感じの正体…敵意だな。
支援
以上、投下完了です。支援頂き有難う御座いました。
今回は番外編という事でお話の進め方を変え、殺陣は申し訳程度にして小野寺織に沢山喋ってもらいました。
番外編と言う名の殴り書き的な試作品で見苦しい点も多々あるかと思いますが、意外と変人な小野寺で楽しんで頂けたら幸いです。
>.175
投下乙であります
今ヴィヴィと出来たらホワイトデーのを書いてるので、それが書けたら
皆投下ペースが速くて凄いなー…
>>175 投下乙です!
やはり織先輩は変な子だったかw行動が一々直截的なのですよねw
やがみんつぇー!守屋が同じレベルに到達するには並大抵の努力じゃ効かないぞこれw
そしてやがみんが対戦相手だけじゃなくてフラグも叩き切ったw
おバカと天然だから絶対噛み合わなさそうだなこの二人w
次回も楽しみにしてるんだぜ!
>>175 投下乙でsイィヤッホォォォゥ!!
織ちゃん天然入ってるよイィヤッホォォォゥ!!
いやはや、まさか織ちゃんがやがみんとフラグが立つとは思いませんでしたw
そしてやっぱりやがみん強いんですね、アホだけd(ry まさかこうまで簡単に織ちゃんが倒されるとは思わなんだ……。これは守屋君、凄く頑張らないといけませんね!
しかし全国という言葉は何故こんなにココロオドルんでしょう……。
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
ところで、140cm台って中学生というよりも小学sうわ織ちゃんなにをするやめ
……織ちゃん描きたいなぁ(ボソッ)
2イィヤッホォォォゥ!!いただきましたー
>>175 投下乙!織ちゃん重度の天然かよ!無防備過ぎるよ!相手が赤毛のロリコンじゃなくて良かったね!
ふぅ……今回も面白かったでござるよ。腐っても全国区、強いぞやがみん、アホだけどw
守屋はかなり頑張らないといけないな……全国はまだ遠い
>>178 分かりきってるけど、このロリコンめ!また鬱憤のせいにしてロリ度10割増にする気か!いいぞもっとやれ
>>175 投下乙!実にいい物を読ませてもらったでござるの巻。
とりあえず身の程知らずな臭男達には合掌しといて
全国の壁は分厚い事を認識させてもらいますた。
しかし、勝てるのかなぁ……これ
>>179 赤毛のロリコンは紳士だから大丈夫だよ! スカートめくり的なセクハラはするかもしれないですg(ry
あと昨日ので鬱憤は晴れました、低確率で。
>>177 何が何でも加賀谷は独り身で余らせてやるつもりだから、やがみんと仲良くさせてみたんだ。
でも、やがみんはバカだからフラグを圧し折ってしまったんだ。残念。
>>178 設定上はとっても強い子なの14話で一気ににヤムチャ化してしまったから10.5話のメインキャラにしてみたんだ。
両腕と頭を刎ね飛ばされて、更に悲惨な結末になってしまったんだ。アーメン。
描いて頂けたら小躍りして喜びます。
作中での外見描写が薄っぺらいので一応、特徴だけ書いておきます。
・セミロングのアホ毛付き
・釣り目
・身長142cm
・着物は夏のキャバ嬢が着ているミニスカ浴衣。生足ヒャッホイ
・洋服の時はソールが高いブーツを履いて身長を5cm水増し、黒のニーソ
・小柄
・小さい
・凄く小さい
・とても小さい
これだけじゃ分からねーよ!って時は随時、お問い合わせ下さい
>>179 重度の天然で無防備で世間知らず。一見すると良家のお嬢様なのに
あまり裕福な家では無いのが彼女のアピールポイントなんだよ。
何だかんだでロリコンは紳士だから女の子を泣かすような真似はしないと思うんだ。
>>180 次回の本編から州大会で矢神と決着を着ける話を書く予定なんだけど
守屋が矢神を倒すシーンが全く想像出来なかったから、番外編に逃げてみたんだよ。
余計にハードル上げてしまって、どうすれば良いのか分からないんだよ。
無理に勝たせなくても…良いかなとか
>>181 晴れてないだろ絶対w
あとスケブは補充したのけ?
>スカートめくり的なセクハラはするかもしれない
小学生かwww
>>182 >加賀谷は独り身で余らせてやるつもり
部長wwwwwwwwwざまぁwwwwwwwww
>身長142cm
遥さんより2cm、珍獣より1cm小さいだと……!?
>>183 彼女にとって140〜141cmが140代前半、142〜148cmが140代半ば
そして、149cmが140代後半なのです。
明らかにおかしいだろと突っ込みたくなるのですが、彼女が白と言えばロリになるのです。
>>184 >白と言えばロリになる
地味にフイタじゃねーかwww俺のココア返せwww
>彼女が白と言えばロリになる
ならあまり言わないほうがいいな……師匠が暴走するw
>>182 了解しmイィヤッホォォォゥ!!
身長5cm増し……なんやかんやで気にしてるとこがたまらなくチャーミンgうわ織ちゃんなにをするやめ
あと部長虐められてるwww
>>184 やっぱり気にしtうわ織ちゃんなにをするやめ
黒猫氏を磔にする作業も早く進めなきゃ……。
ほらいわんこっちゃない!
>>1 こっ、これは乙じゃなくてポニーテールなんだからねっ!(AA略
>>51 テツワンオーとはナイスネーミングじゃないか…投下乙ですぜ!
作品を間違えたかと思うほどの熱い展開だと…
仕事の誇りって奴ですね。スカベンジャーって死骸を喰らうものって意味だからレイヴン並みにシビアかと(騙して悪いが的な意味で
最後に出てきたのはまさか…
次回も待ってます。
>>77 色塗りが徐々に上手くなっている…だと
自分はDaZさんの絵、好きです。
>>81 つ「ショタオルトロック」
>>97 簡単な設定以外は脳内だ!
>>131 投下乙です。
注射針も通らず刃物も通用しない。電流を流して機能を麻痺させる。扱いがまるで人間じゃなくて…。
電子制御された故にハッキングされてしまうなんて。いっそのことシャッターを降ろしたらスタンドアローンにすればいいのにと思ってしもうた。
藍VS雫 勝者は…それとも勝者なんて…
次回もまってます。
>>175 あぁロリなら仕方ないね(棒
投下乙です!
ヒャッハーの連中を気に入ったオレガイル……と思ったがクズだったw
リヴァーツの斬馬刀いいですねぇ。機動力重視ACにムーンライト装備する自分の趣味にぴったりです。
なんだかんだ守屋くん強杉ワロタ 次回も待ってるぜ!
>彼女が白と言えばロリになる
素晴らしい明言じゃないか……イエスロリコン
流れが速くて感想しそびれてたぜ!
>>51 投下乙です!
テツワンオーかっこいいよテツワンオー
戦闘用じゃない作業用機体での戦闘って燃えだと思うんだ……w
そしてバリードという怪物までいるとは……なかなかに物騒な世界ですな
「反応を追ってきた」という謎の人物……まさかあの人か?
次回が待ち遠しいです!
一日で200近いレス速度は夏並みじゃあるまいか?w
織たんをお下げにしろと……お下げにしろと私の中の悪魔が……!
お下げが駄目ならポニテにしろと私の中の悪魔が……!
えぇい、悪魔よ出て行kうわ織ちゃんなにをするやめ
>>192 ポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテポニテ
師匠がさっきから薙刀で刻まれてるwww
ポニテポニテポニテポニテ
和服にポニテの組み合わせが大好物だったりします。
と言うか、高校生の女の子なんて、その時の気分で服装やメイク
髪型をコロコロ変えるなんてよくある事ですし、ガンガン弄って頂いても大丈夫ですよ。
ぶっちゃけ、描いて頂けるだけでも有難いですし。
あ、いかん。俺的ポニテ基準で喋ってたw
>>197は無しでw
wikiの編集に他作品のキャラデザにメカデザにSSの執筆……何が師匠をそこまで駆り立てるんだ……!?
>>175 何この変な人、可愛すぎるんですが><
恋愛小説の下りと問題の下り大爆笑しましたw
しかし矢神さんぱねぇっす、でもフラグ逃すなよw
ふぃ〜、ようやく仮組みいけた〜w
肉付けに入れるぞー!それが終わったら見直しだー!
……がんがろうorz
>>189 ぶっちゃけ雀の涙ほどの情報が欲しいのがイーグルというか第七機関の現状だったりします
その為には多少、非人道的な行為も取ってでも情報が欲しいというのが今の彼らの現状であります
それぐらい切羽詰ってるんですね
>電子制御された故にハッキングされてしまうなんて。いっそのことシャッターを降ろしたらスタンドアローンにすればいいのにと思ってしもうた。
一応、この辺りは突っ込まれるだろうなと思って対論的な設定は用意してあります(´・ω・`)
この隔壁は防災用のものなんで電源自体が独立してて、電源を落としたりする事は出来ないようになっています
緊急時に閉じ込められてしまったという状態を回避するために、それ専用の電源を持ってきてるわけですね
上層のネットワークがなくなると、近くの制御パネルで独自に隔壁の操作が出来るようにシステムが構築されています
つまりはスタンドアローンにしちゃうと上層のネットワークによるサポートがなくなるのでさらにセキュリティ的には甘くなるわけです
彼女の能力がアレな為、セキュリティのレベルを上げる為に上層のネットワークと繋いで現状やりくりしている感じですね
とここまでぐらいは考えてるんだけれどここから先突っ込まれると・・・・・・
結構危ない橋を渡ってる設定だと思いますし、屁理屈臭い文章また増えるんでこの辺りは略しちゃいました><
ま、まあ、あれだ、勢いで!!!
今更だが
>>97やってみた
1 名前:三津木壮馬 性別:男 年齢:32
2 国籍:日本(実はあまり意味がなくなりつつある時代だけど) 住所:関東外れのどこか(超エネルギーの研究所的な意味で)
3 人種:日系 種族:地球人
4 容貌:黒髪黒目、ウホッいい男 容姿:身長186cm体重87kg
5 社会的地位:英雄 職業:ロボット乗り 信仰する宗教:特に無し(日本人的節操なし)
6 性格:自由奔放 癖:タバコは最初の一口だけ吸って、あとはくわえてるだけ ポリシー:人生楽しくカッコ良く
7 長所、短所:分別こそついているが、良くも悪くもガキっぽい
8 知性、知識:ロボットの整備や各種意見出しはともかく、新規開発は無理
9 趣味:各種娯楽、トレーニング、足長おじさん 特技:多数
好物 嫌いなモノ:何でも美味しくいただきます
10 武器:主に拳(一般的な武器は一通り精通) 武術:我流 魔法:使えるようになる前に子供ができた
その他の能力:超人的身体能力
11 口調:本編参照 言語:母国語と世界共通語
12 履歴:十二歳でSTR初搭乗→以後、幾つかの外敵と最前線で戦い続けてきた
過去のトラウマ:苦しい時こそニヤリと笑え傍から見てみな男だぜ
13 健康状態:古傷は多いが健康そのもの
14 両親、親戚、兄弟姉妹、配偶者:なし 恋人:いる(27) 子供:娘(12)
よし、全部埋まった
他の連中も多分全部埋まる
まあこいつに限らず、最初に「これくらいの年齢でこんな性格、こんな外見」(あるいはいっそ「あの作品の○○っぽい」感じ)とだけ決めて
残りの設定は後から勝手に湧いてくるのが常ですが
むしろ名前決めるのが困難なタイプだよ、俺
気付いたら織たんの隣にたまちゃんがいたでござるのマキ。
ついでだからたまちゃんもデザインしちゃおうかしら、中身だけでも。
>>206 壮馬もプラス思考だな……PBM世界の人たちと意気投合できるかもわからんねw
>>207 もう織ちゃん描いたのかよ?
>>205 成る程。なりふり構っていられる状態じゃないんですね
>>206 ほほぅ、色々気になる部分があるなぁw
>>207 早いよ師匠!w
あとちょっとお願いなんですが、葉月さんのしっぽ増やしていいですかね?w
>>209の一番下の文取り消しでw眠気が襲ってきて考えが纏まってなかったです。失礼
早すぎるwwwロリだとここまで早いのか……
>>189 騙して悪いがは作中では無さそうですが結構治安もよくありませんので
世界のどこかではあるかもしれません。皆が皆ディーみたいにいい奴じゃないんです。
>>190 分かる分かるその気持ち。
作業用機体で無理矢理戦うのはロマンですなw
>>213 あらやだ男前。
気のいい兄ちゃんっぽそうでいいねw
……そしてどうせならここまでは仕上げちゃえとAct.2後編が出来上がったのですが、投下してもよろしいでしょうか?
人稲な雰囲気もありますが。。。
>>213 思ったよりツッパってたwww
個人的に部長が見たくて仕方ないw
ばっちこーい!!
はい。では支援お願いします。
事の発端はこの事件の半時間ほど前に遡る。
リングダム家の母屋2階、ディーの部屋であったそこだが今はワケあって突然現れた謎の少女に貸し出されていた。
「………………」
彼女はもうかれこれ6時間以上、ベッドから半身を起こした体勢でジッと曇天の空を見つめていた。
……いや、正確にはそれは間違い。正しくはその向こう、分厚い雲の向こうに見える形容し難い形に歪んだ「何か」を監視していたのだった。
(不可抗力とは言えあんなモノを生んだのだ。始末は自分でつけねば、な。)
自然で起こる規模ではない、規格外のセカイの歪みはその向こう側にいる「彼ら」の格好の呼び水となる。
「彼ら」は常に「生」と「セカイ」に飢えている。ならばあのようなこれ以上ないチャンスを逃す筈があるまい。
幸いあの程度の歪みなら十分に力を取り戻したイグザゼンならソートアーマーの形態でも、わざわざ自然消滅を待つまでも無く修復可能だろう。
それまではここの世話になる事にする。何故なら――
「!」
不意に、歪みより高速で小さな何かが飛び出した。
あまりにも小さかった故か周囲を警戒するシュバイゼン達にも気付かれる事無く、それはあっという間に視界から消えた。
「………………」
十中八九それの正体は「彼ら」だろう。その証拠に注意しなければ気付かないほど僅かだが、セカイの歪み――事象励起の反応が後を引いている。
追跡を恐れてか小出しにしたようだが、奴らの目は誤魔化せても私(イグザゼン)の目は誤魔化せない。故に叩く。
どれだけ小さかろうと「彼ら」は世界の脅威に他ならない。
(……機体稼働率は50%。あれを相手にする分には十分だな。)
いつにも無くゆっくりとした休息を取れたお陰か、イグザゼンの機能は予想以上の速度で修復されていた。
これならじきにあの歪みを正せる程度には復旧するだろう。
「イグザゼン、ソートアーマー。」
次の瞬間、その部屋には誰の姿も残っていなかった。
開け放たれたベランダ、吹き込む正午の風のみを残して。
「ごめんなさ〜い……」
それからしばらくして、小さく呟く様な声にノックと共にそろぉとドアを開ける誰か。
「朝御飯のお盆取りに来ましたのとお昼持って来ましたよ〜……ってあれ?」
それはリングダム家の次男坊「ウェル・リングダム」だった。
普段暢気な兄と豪気な姉の姿に隠れて目立たないが、これはこれでリングダム家一のパシリにして心配性にして泣き虫にして家事上手との噂。要は苦労人である。
彼はお手製のサンドイッチと牛乳の入ったコップをお盆に載せ持ってきたものの、肝心のあの子の姿が無い。
更に開け放たれたベランダの戸。吹き込む風でカーテンが大きくなびいていた。
「え、え、え……っ!?」
お盆を脇に置き、震える手つきで念のため恐る恐るベランダの外を覗き込む。姿は無い。
懸念していた最悪の事態だけは避けられていた事を知り安堵するものの、今度は別の疑問が頭を過ぎる。彼女は何処に行ったのか、という事だ。
ベッドの脇に朝御飯を載せていたお盆が綺麗に平らげられて置いてあるので、多分何か不満があっていなくなったと言う事はなさそうだが……
「ね、ね、ね……」
だが彼は混乱していた。これ以上なく混乱していた。
超がつくほど心配性ゆえ。超がつくほど泣き虫なゆえ。
「ねぇちゃあああああああああんっ!!じぃちゃあああああああん!!大変!大変!あの子が!あの子があああああああああ!!!」
そしてそれ程でなくても家族も同じく心配性。
かくしてディーや彼女の預かり知らぬ所でリングダム家による謎の少女大捜索作戦の火蓋が切って落とされたとか。
・
・
・
・
・
灰色の荒野の空を駆ける銀の機影。
追っている反応はかなり遠くの方まで続き、途切れる事はない。
(一体何処まで……)
真っ先に街の方へと降下するかと思えば、こんな人気の無い場所まで移動して一体何を考えているのかと疑問に感じるが、
考えてみるに「彼ら」はこちら側の世界で活動するにはそれ相応の依り代が必要。それにひょっとしたら何らかの方法を用いて力を蓄えるつもりなのかもしれない。
何にしろ早々に叩いておくべきだ。放っておく道理は無い。
全神経を集中し、今にも途切れそうな歪みの痕跡を辿り追い続ける。間違いなく、この先に奴はいる。
「――――――」
……等と考えている内にどうやら追いついたようだ。
その場で急に歪みの痕跡がうやむやになり、中空に消えている。どこかに紛れ込んだか、あるいは……
『ダケドテメェ、サッキノ奴ラヨリヨッポド旨ソウダ……ダカラ食ワセテクレタラ許シテヤルゾッ!!』
「ッ!?」
その時、半ば強制的に何かを感受した通信装置。
聞けば下品な声に壊れたラジオのような雑音を伴い全方向に毒電波がばら撒かれている。
聞いているだけでも鳥肌が立つ不協和音だが、それからほんの僅かだが滲み出すある種の「匂い」からして「彼ら」に属する何者かが用いているモノに間違いない。
向こうから自身の居場所を教えてくれるとは好都合。隠すつもりも無いらしく、発信源はすぐに割れた。歪みの反応が消えたここからは何故か少し離れているが、
何。イグザゼンの機動力なら数秒とかかるまい。
そう思い、やってきた私を待っていたのは形容するのも憚れる醜悪な異形とそれより伸びる触手状のケーブルに捕らえられ、ひたすらあがく黒光りした作業用機械の姿だった。
「――反応をつけてみれば脅威度D−。だが励起獣か。」
そう、奴は「彼ら」――「励起獣」。この世ならざる災厄を運ぶ者達の眷属。いくら弱小でも作業用機械程度で敵う相手ではない。
ちなみにどうやら自律駆動型のロボットに取り憑いて行動しているようだが、その辺りはどうでもいい。
ゆっくりと怪物の口内へと引き込まれていく作業用機械。
言うまでも無くあのままでは不味い。そう考えた時には既に私は次の動作を実行しようとしていた。
「イグザダガー、顕現化(マテリアライズ)。」
顕現。手元に現れる高温を内包した青白い光を放つ非実体の短刀。
小ぶりだが殺傷力は折り紙付き。直接斬り付けるのは勿論投げナイフとして使用する事も出来る。いや、むしろそちらの方が主な使用用途か。
「ふっ!」
スナップを効かせて4本纏めて投げる。全発命中。
飛来したダガーは作業用機械の四肢と励起獣を繋いでいたケーブルを悉く切断した。
『……何モンダテメェ!俺ノ食事ノ邪魔ヲシヤガッテェ!!』
私の存在に気付いたようで、こちらに向けて熱烈に放たれる毒電波。
どうやら邪魔をされて大層怒っているようだが私にとってはむしろ好都合。
「貴様に名乗る名は無い。」
そう、貴様のような外道に名乗る名は無い。
そしてこうやって怒らせておけば私の方へ注意が向くだろう。
『ガァァァァァァァァァッ!!!』
怒り心頭といった面持ちか。全身からこちらに向かい数十本とケーブルを放ち襲い掛かってきた励起獣。前面いっぱいに広がったそれはまるで濁流のように私に迫る。
「だが、その手は甘い。イグザブレイド、顕現化(マテリアライズ)」
銀の長剣を顕現させつつ飛翔。
先ほどまでいた足場に叩きつけられ、あっという間に飲み込み噛み砕く無数のケーブル群。
上空を飛ぶ私に向かってもそれは放たれるがそのような単純にして愚鈍な攻撃、当たってやるつもりも無いし、そもそもお前とも
『グゾォォォォォ!当タラナイィッ!!何故当ナイィィィッッ!!!』
「教えてやろうか?」
『!?』
――遊んでやるつもりも無い。
励起獣の上方、球状に丸い光学センサーを持つコアらしき場所に取り付き馬乗りになり、イグザブレイドをセンサーのすぐ目の前に突きつけて言う。
瞬時に極超音速まで加速できるソートアーマーだからこそ出来る芸当だ。奴にとっては予想外極まりない行動だったのだろう。
混乱してかセンサー内部のカメラが目まぐるしくズームしたりズームアウトしたりしている。
『ガッ――ア?』
「お前が、ノロマだっただけって事さ。」
そして、おもむろに突立てる。火花が多少散ったものの、あまりにもあっけなく奴はその機能を停止した。同時に機体の節々から噴出す黒い靄。
これが励起獣の本体だが拠り所を失った為かこちらが何もしなくともゆっくりと分解され、宙に消えていった。
「…………………」
地べたで尻餅を突いた状態で惚けている作業用機械を一瞥する。
パイロットは気絶しているのか?それとも――まぁいい、私には関係ない事。そう考えたところで踵を返し、天高く飛翔した。
・
・
・
・
・
目の前で突如起こった謎のロボットによる怪バリードの惨殺ショー。いや、ショーというにはあまりにもあっけなかったか。
正直目が追いつかなかったので何をしていたのかもよく分からなかったが、あの機体がとんでもないパワーを持っている事だけはよーく分かった。
『大丈夫かー!君ー!!』
全部が全部終わった所でやっとやってきやがった自警団の皆さん。
戦闘用及び警備用である5機のギアズガードは旧式(といってもテツワンオーよりはよっぽど新しい)なりにどれもそれなりの武装を施されているが、
あのロボットや怪バリード相手には遠く及ばないだろう。そう考えると今来てくれてよかったかもしれない。
「はい、何とか……」
『しかしこれは一体どういうことだい?もう全部片付いちゃってるみたいだけど、ひょっとして君が?』
そこら中にケーブルを撒き散らした状態でぐったりとして機能を停止した巨大なバリードの骸を見上げつつ、自警団員の一人が言う。
この人達にも見せてあげられたら説明する面倒も省けたんだけどなぁ……まぁいいや。ちょっと考えて返事をする。
「いえ……「ヒーロー」がやってくれました。」
『ひーろー?』
「そう、ヒーロー――銀色をして、青い瞳を持った、とってもかっこいいヒーローが。」
こんな事を聞かされたら頭大丈夫?と疑われそうだが実際そうなのだから仕方ない。
ヒーロー。謎の銀色をしたヒロイックなロボット。助けてもらったのにお礼も出来なかったなぁ……その辺がちょっとだけ気掛かり。
一体どういう事かと困惑する自警団員達とそんな事気にもせず謎の「ヒーロー」に思いを馳せるディー。
そんな光景の遥か彼方、勿論その誰も気付いていない瓦礫の影に、「それ」はいた。
<――事象励起探知。イグザゼン、確認。ニューロンリンク、データ送信――事象励起探知。イグザゼン、確認。ニューロンリンク、データ送信――>
静脈血の如く赤黒く、無機質な一つ目。
それを埋め込まれた銀の卵のような形をした艶のある頭部。一変してごわごわして何が入っているのかも検討付かない黒い身体。
<――事象励起探知。イグザゼン、確認。ニューロンリンク、データ送信――事象励起探知。イグザゼン、確認。ニューロンリンク、データ送信――>
一連の事態をジッとただ見つめていた不吉な影。
そして誰にも悟られる事は無く、「それ」はゆっくりと瓦礫の影へ姿を溶かしていった……
・
・
・
・
・
「おーい、何処行ったんじゃあ〜!」
「隠れてないで出ておいで〜!」
一方その頃、リングダム家ではやって来た気のいいお客さんも巻き込んでの家から飛び出し、周辺にまで広がった大捜索作戦が決行中だった。
「まったく、この周りも夜は寒いし、更に治安も悪いからあんな格好でうろうろしとったら……」
「イエスロリコンノータッチとは言うが、そんな紳士達だけではないよなぁ……」
ずーんと落ち込むバールと馴染みの男。
『自警団にも連絡してみる?人手は多い方がいいでしょ?』
と、無線機越しにベル。
自警団はそういう為の場所ではないのだが、というバールの談でさすがにそれは却下となった。
「しかし……一体何処に行ったんじゃろうなぁ。」
配達用の大型キャリアーを一旦止め、途方にくれるバール。
彼女がどこから来たのかは知らないが、着の身着のまま独り身で生きていけるほどジャンクヤードは優しくない。その事は彼が若い頃痛いほど体験した。
そんな記憶がふと過ぎる。
だからこそここまで純粋に心配しているのだ。なんとか夜になるまでに見つかればいいのだが……
『じ、じーちゃん!ねーちゃん!』
そんな時、無線から耳に入った慌てふためくウェルの声。ちょっと掠れてすらいる。
「どうしたんじゃ!まさか見つかったのか!」
『う、うん。それが――』
「……なぁにぃ!?」
ウェルによるとふとディーの部屋――今は彼女に貸し出している――を覗いてみると元いた場所に彼女の姿があったというのだ。これには力が抜けてヘタリと座り込むバール。
多分ベルも――というより捜していた皆が皆同じ状態や気分になっている事だろう。
「そ、そうか……ありがとな、ウェル。」
『う、うん……』
まぁ見つかった事自体はよかったよかったと思いつつ、本当に彼女は一体何者なんじゃろうか……
とも彼女の事も思ってこちらから聞くつもりは無かったが、ふと思ってしまったバールであった。
Act.2_end
以上、投下完了です。
多分Act.3以降は少し投下速度が遅くなる……かも。それぐらいが丁度いいかもしれませn
>>230 投下乙!
それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
>>230 改めて投下乙!
あれがイグザだったのか!瞬殺とか、戦闘力たけぇw
どうやら居場所がバレたようだけど、どうなるんだ次回は……!
>>232 こっちも投下乙!息ピッタリwww
しかし、ロリとロボに定評があるとか、師匠はまさにロボスレの体現者だなw
>>230 投下乙!
イグザゼン圧倒的だなあ…… そしてバリードは歪みの向こうの何かの眷属だったのか……!
しかしイグザゼンの居所が割れちゃったけど大丈夫なんでしょうか。
次回も待ってるんだぜ!
それにしても、リングダム家とその周辺の人達の善人っぷりに全俺が泣いた。
>>232 投下乙!
たまちゃんのポーズがイカす! それとたまちゃんヘソあるのか…… セクシーすなぁ
>>219 投下乙!
矢神男前だな…… これで残念頭脳なのか……
そして
>>215の人と同じく、俺も部長が見たい。
しかしぁし、これで誰得を名乗ろうとは、甘い、甘過ぎる! よく見ておけ、誰得とは、こういうこと↓だぁ―――ッッツ!!!
http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/373/kaikiosage.jpg ……気が付いてみりゃ、オレ人間はTロG氏キャラしかカラー描いたことないんだな。
誰も気にする人いないと思うけど一応訂正。管理人さんもカラーで描いてたわ(ドーラさんはノーカウント…… だよな、ウン)
うぉ!?離脱したあとに色々投下されている、だと!?
感想は後ほどにさせて頂きます。
えーと、師匠、質問書いておきながら寝オチしてましたすんませんorz
夜間組の師匠はまだ寝ておられると思うんで、「はづきさんのしっぽ」については、また夜にでも避難所の方で相談に乗ってくださいw
加速し過ぎで容量がwww
>>215 おバカな子を集めた掃き溜めクラスに居るのでクラスメイトに影響されてヤンチャそうな格好なのと
自分が表情付けるのが苦手なもんで、こんなんですが性格は作中の通り。裏表の無いバカですw
>>230 投下乙です。
ジャンクヤードの治安の悪さに反して、リングダム家や周辺の住人の優しさが際立ちますね。
無償の善意を持った家庭が出てる作品って珍しい気がします。やおよろずのメンバーもある意味家族ですがw
居場所がバレて物語が大きく動き出す予感。次回を楽しみにしていますね。
>>232 きっと彼はバカなので、大型二輪の筆記で落ちまくると思いますw
織を可愛く描いてくれて有難う御座います!!
思った以上に自分がイメージしていた織と一致していてワロタw
そして、何よりもたまちゃんのヘソに目がいったw
>>234 体育以外、赤点前後を低空飛行中ですが筆記が残念なので体育も人並み程度ですw
何なの、この生首。可愛すぎるのですがw貰って帰っても良いですか?
この二人組みのやりとりも小気味良くて素敵ですwカラー付けれるって凄いなぁ…
そして、調子に乗って加賀屋(夏)を描いてみようかと思うんだ。
加賀屋(夏)ktkr!!
って、(夏)……だと……!?
>>233 というかこうなったのってほぼ私のせいなんj(ry
>>234 投下乙でsイィヤッホォォォゥ!!
三つ編みイィヤッホォォォゥ!!
やっぱり三つ編みは第二、第三の腕として使える物ですよね!
ちなみに初期ペネ子にも、たまちゃんの没だった頃の名残でおへそあるんですよw
>>236 了解しました!
>>238 でもやおよろず連中、学園くらいでしか日常描いてないんですよねw
織ちゃん、イメージに合致してたようで何よりです。
実は髪型で結構迷走してましたw セミロングだとなんか大人っぽくなってしまっtうわ織ちゃんなにをするやめ
>きっと彼はバカなので、大型二輪の筆記で落ちまくると思いますw
ギアに免許いらなくて良かったですねw
>調子に乗って加賀屋(夏)を描いてみようかと思うんだ。
イィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
>>240 >というかこうなったのってほぼ私のせいなんj(ry
確実に師匠とたろ氏の仕業だなw
>ギアに免許いらなくて良かった
まったくだよwww
ふっ……計画通り(キリッ
それにしても、なんやかんやで2号機も似たようなノリなんですよねw
妹ロボの下りとかなw
そういえば、
>戦闘はなるべくシリアスに運んでこうとは思いますが
これ、マッハで消滅したよねw
ヒャッハー感想ヘノ返信ダー!
>>232 武器召喚も浪漫のひとつ、ですハイ
ショウブハイッパツ!スペースバズーカー!
しかし尻尾ないとタマちゃんやたらめったら貧相やぬ。。。ガワのお牛さんを被ってる絵も見てみたくもありまする。
ああ、織ちゃんもひんs
>>233 まぁ今回のアレは下っ端中の下っ端だったので主人公属性なイグザゼンの敵う相手では
ありませんですた。故に瞬殺でs
>>234 正確にはバリードに歪みの向こうの何かが取り付いてパワーうpさせていたと言った方がいいのかな。
説明不足ですねハイorz
しかし何この生首かわいい。。。ひとつお持ち帰りいいですか?
>>238 治安が悪いからこそ周囲との団結も強くなるんでしょう。
人もそうだしバリードみたいな怪物もうろうろしているんで。。。
>>243 見事に消滅しましたよねw
これも人のサガか……。
>>244 実はサイドアーマーなんかも簡易的な物にしてあります。
牛さんのガワは……まあ、そのうちw
武器召喚する機体って、PBMとヴィルシャ以来だっけ?
>>246 チョーさんには負けますよw
って、何このかっこいいババァ!?
>>246 ババァkakkeeeeeeeeeeeeee!!
……なんかババァババァ言うのも失礼ですねw
では改めて、
御祖母様かっけぇぇぇぇぇぇ!
さあ、まさかのババァ大好評でございます
ありとあらゆる趣向を受け入れる事が出来るのがロボスレクオリティ
但し、エロは勘弁な!
>>246 何この男前なBBA……
絶対後ろ死屍累々だろう。。。
微エロはいいけどな!
遥さんのパンチラ二回も描いてすみませんでした。
だが私は謝らない。
このロリコンめ!
このロリベラムめ!
良いぞ!もっとやれ!
ありがとう、最高の褒め言葉だ。
師匠なら幼稚園児のコスプレをしたスモック遥さんを描いてくれると信じてるよ!師匠なら幼稚園児のコスプレをしたスモック遥さんを描いてくれると信じてるよ!(大事な事なので二回言いました)
ロボスレは今日も通常運行ですね
>>261 馬鹿野郎、ジョインジョインされるぞ……!
まったく、ここは本当にどうしようもないスレだな!
個人的にはもっと硬派なノリが好みだが……
>>267 どうしようもないからここまで来れたのさ!
こう……は?
光波? 止めろナインボールのギャアアアアアア
ブレード使う時に出せるアレじゃないですかね!
隊長の二脚パルの光波の威力も無視できませんよ!
……当たらないですけど。
マジレスするとさ、硬派にこだわって人いなくなったら意味ないと思うのよ
事実、こういう緩い雰囲気になってからロボスレは盛り上がったわけで
>>213 あら、男前
>>230 投下乙です! この執筆速度…まさかオマエモドミナント……
それにしても強い。
主人公との能力差と性能さが大きすぎる。
彼女が「励起獣」を狩る理由は一体…
次回も待ってますぜ。
>>232 umeeeee!
織ちゃん好みです…
髪型とか目とか髪型とか髪型とかカミガタトカ…
>>246 誰得俺得
オババ様カッコヨスギワロタw
>>275 愛機が重量級だからゴリゴリ当たって近接両ブレードで殺されるよ! よ!
ほとんど髪型じゃねーかwww
>>277 私もこの髪型気に入ってたりしますw
このハネた感じが織ちゃんっぽいかなー、なんて思ったり。
あと、重量級ならダメージを恐れずとっつこうぜ!
そんなにとっつきが好きかw
>>276 最近のノリは逆に住み難くなってねーかと思うが
更新されなくなった作品も増えてきてるし
まあ杞憂だといいけどな〜
自家中毒起こして消滅とかなったら困るが
>>279 活発な感じがベリーグッド!
ゴミナントたる私はマイクロミサイルと実弾オービットの引き撃ちで勝利をもぎ取ろうとするのだ!
弾切れ? なにそれおいしいの?
>>282 これで142cmとか素敵すgうわ織ちゃんなにをするやめ
マイクロミサイルは撃ってて気持ちいいですよねw
>>283 単純に連載の開きの期間が長いだけと考えてるのか
続きが投下されなくなった作品はもはや眼中にないのか
>>281 個人的には、作品を投下するや否や粗探ししたりアンチと信者の大抗争でピリピリしたりするより、わいわい楽しくしてるほうがいいのでは…と。
>>283 ちなみにミサイルとオービットじゃインターネサインの壁の動力部を破壊できないよ! よ!
>>285 何かあったかと聞いとるんじゃよ
答えられないなら、それは存在しないって事じゃん?
>>288 まとめwikiみると結構あるんだけどな〜
まあ、適当な所で中断したまんまになってても
存在しなかったって扱いになるんだったら
続き書く必要はないか
何か色々馬鹿らしくなってきたな
>>289 装備したよ!
隊長は中々動かないから核でしとめたら弾薬費がぶっ飛んだよ!
>>290 真面目な話、なかったことにはなりませんよ。
ただ更新が早い作品が記憶に残りやすく話題になりやすいのは確かです。
>>291 普段こんな人おらんし、確証バイアス持ちの嵐じゃない?
テンプレ通りに対処しましょ
>>291 つっても
>>288的な考えの人もいるんでしょ?
今自分のやってる作品も
2〜3ヶ月放置したら記憶から消えると思うとなぁ
まあ、実際そんな程度のモンなんだろうが
質問にも答えてないですしね。
>>292 だって攻撃力高いんですもの!
ひょっとしていつぞやのクレームの人ではあるまいか…
ロケット? あぁ保険として積んでおく程度です
当たらなければどうという事はないという名言を知らないのかよ!
分の悪い賭けは嫌いじゃないと、君は!
私生活が忙しいんじゃない?
やっぱり、セラフは遠〜中はラージミサイル、中〜近マシンガンが
チキンの自分には戦いやすいですわw
常に安全策を模索して保険をかける自分はヘタレイヴン…
ジャウザー君をビルの屋上に誘導して月光で切ったりライウンを倉庫の向こうからミサイルハメしたりリムをミサイ(ry
てか、それ以外じゃ勝てないw
世の中には、アレを赤ブレで倒すドミナントもいるんだよな……
304 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 18:54:44 ID:XvYVgcGQ
ダイアモンさんに勝てません><
しまったsage忘れた
セラフはザルトホックになってぴぴこで倒しましたw
>>302 ある意味それがレイヴンとして最も正しい生き方ではないでしょうかw
>>305 つ ガチタン
(´神`)よろしくガチタンに主砲でだな……
ポータブルは地獄だぜ
サイティングし辛いですもんね。
ホワイトデーSSが全然書けないよママン!
>>307 ガチタンには何度お世話になったか…!
ジャウザー簡単クッキング
用意するもの
・ブレード ……以上
@ジャウザーに遭遇します
A直ちに左に向かい、ちょっと低いビルの屋上の上にいきます
Bジャウザー君が目の前にぴょんと来ます
Cブレード乱舞で終了
ジャウザー簡単クッキング、その2
用意するもの
・とっつき
・Eシールド(できれば)
……以上
@ジャウザーに遭遇します
A直ちに左に向かい、ちょっと低いビルの屋上の上にいきます。この時にシールドを発動してください。
Bジャウザー君が目の前にぴょんと来ます 。
Cアッ――――!
これなら反撃ないよ!
修理費を取るか弾薬費を取るか、そこが重要だな
>>312 そうか、確かシールドならブレードを跳ね返せたんだ……! その発想はなかった。
G・ファウスト簡単クッキング
@扉を開けると襲い掛かってきますので、直ぐに後退して弾が当たらない位置に行ってGさんを扉のこっち側に誘導します
AGさんは奥に来れない思考ルーチンなので、扉の前をうろうろし始めます
B当て放題で終了
その後のパルで詰まるんですけどね。ええ。
やっとヴィヴィっが終わったお・……
とはいえホワイトデー用のあの二人も今から書かねば
てな訳で9時になる前に、ヴィヴィっとメルちゃんの転と、ロスガのホワイトデー版を投下します
それから諸々の感想とか…・・を。ホントすみません
よっしゃあ!!
>>315 あっ、ホワイトデーだった…何も書いてない……
支援は任せろー(バリバリ
しまった!ホワイトデー用のプレゼントを用意していなかった!
…って、バレンタインにチョコとか何も貰ってなかったじゃないか、ハハハ…orz
このスレにバレンタインでチョコをあげる側の人間はおらんのかね!
>>319 今は逆チョコってものもあるからあげる側貰う側で性別はわからないんじゃよ…
面倒な時代になったもんじゃ
つまり私は妹にお返しをしなきゃいけないのか……!
>>414 つ マイクロミサイル
>>315 楽しみに待ってますね!
乳・小と聞いて飛んできました。
>>322 2/14
兄「帰ってきたら十倍返しだ」
3/14
妹「無茶しやがって……」
327 :
遅い男:2010/03/14(日) 20:02:42 ID:+tP2iMt6
筆が進まない…恐ろしく進まない
基本的な製作の流れが
アイデアが振って来る→うおおぉ!ニャン美!うおおぉ!→完成
なので最初の一撃が来ないと筆を握ることすら出来ない…
何も来ない…
>>326 兄貴ィーっ!?
>>327 あー、それわかります。アイデアが降ってこないと遅々として進みませんよねクマ吉くん。
この静寂……SBTか……!
|ω・)
貴様見ているなッ!?
今夕飯終わったぞーっ!
いかんいかん……
サーセン、ちょい9時無理っぽなのでもうちょい伸ばして下さいORZ
大丈夫、なんとなく察しはついていたw
1時間でSS1話はキツいですもんね。
私も遅々として進まない……。
オートショップ ゴットゥーザw
誰だよこのミニチュア作ったのwww
>>327 よし、もっと楽しんでもらおう
あれもこれも入れて、あれ・・・長くね?
なので毎回投稿が糞長いというか終わるのかよとセルフ突っ込みしてる俺もいるから大丈夫(何がry
しかし実際読むとあっという間だったりするんだよね
あるある。
けどそれで書き足したりしたら野暮ったくなったり……加減って難しい。
あと、使おうと思ってたネタを使い忘れた時とか悩みますよねー。
さて、なんかやたら伸びてるんでビビってますよ、とw
感想をば
>>213 やがみん男前だなwなのにあのおばかっぷり……残念なイケメンw
>>230 投下乙です!
予想外れたwまさかアリスさんだったとはw
そしてバリードは野良ロボットなんですね。それに「励起獣」がとりついていたと。
いや色々謎があってわくわくするなぁw
リングダム家や関係者がいい人すぎるw
これから話がどう展開していくのか楽しみです。
>>232 なるほど、織先輩はこんな感じですかー。うん、可愛らしいw
というか……な ぜ ロ ボ に へ そ が ?w
>>234 ふ、不覚にも可愛いと思ってしまったw
……あ、いいのか別に(ゆっくり的な意味で
>>246 かっけぇ!?なにこのワイルド系ばばぁw
かっこよすぎワロタw
>>342 なんでロボにおへそがあるかって……?
そりゃ、なんかえろいからさ!
さすが師匠……俺にはその発想はなかったぜw
あ、ちと昨日のしっぽの件をご相談したいんですが……暇あります?
確かになんかエロいけどもw
ありますとも!
ヴアァァァァァァァァァァァァァイイ!!!どっちも終わったぁぁァァァァァァァァ!
やべぇ出来んじゃん俺! ほぼ半日+四時間つぶしたけど!
てな訳で投下します。さいしょはやっぱ長いヴィヴィで、その後にロスガを
良ければ支援のほど、よろしくおながいします
支援!
支援支援
今までのあらすじ!
ちょっぴりドジっ娘で何処にでもいる平凡な女子高生、メルフィー・ストレインは通学中、謎の落下物を受け止める。
落下物は自らの名をヴィル・フェアリスと名乗りメルフィーに事の次第を説明しようとしたが、遅刻間近と知ったメルフィーはそのまま学校へと向かってしまう。
学校には鈴木隆昭という名の転校生が現われ、メルフィーはどこかで会った様な覚えがありながらも気のせいだと思い、隆昭と顔見知りとなる。
その後、友人であるルナと町子と共に体育の授業へと出席したメルフィーだったが、予想だにしないトラブルに立て続けに巻き込まれていく。
何者かの気配を察知していながらも、その何者かの姿を捉えらないメルフィー。と、同じく気配に気づいた町子が突拍子もない行動を起こす。
その行動は驚くべき事に的中。三人の前に、不思議な少年、オルトロック・ベイスンが現われた。
姿がバレたオルトロックは逆上し、三人はおろか、体育の授業に出ている生徒や先生さえも毒牙に掛ける。
オルトロックによって命の危機が迫るメルフィー。もう駄目かと思われた矢先、メルフィーは姿を変えた隆昭によって、間一髪救出された。
メルフィーを屋上まで運んだ隆昭は、メルフィーにヴィルを使って変身するよう提言する。メルフィーは事情が全く呑み込めないものの……。
果たしてメルフィーは決意し、変身することが出来るのか、そして最凶最悪な闖入者、オルトロックを倒す事は出来るのだろうか!?
未来系!
魔法少女
ヴィ・ヴィっと!メルちゃん 転
「よく決断してくれた、メルフィー。ヴィル」
『了解しました、ご主人様』
私の返事に鈴木君は深く頷くと、ヴィルは鈴木君の左肩にちょこんと乗っかり……変形、し始めた?
ヴィルが自分の腕や足を畳んだり縮ませたりしながら、ロボットから別の何かへと変形し始めたのだ。私はその光景にただただ驚いて、呆然と眺めている事しか出来ない。
数秒程すると、ヴィルがロボットから……拳銃? 所々が角ばっていて、殴られでもしたら凄く痛そうな、大きな拳銃へと姿を変えた。
けど、拳銃と言うには何と言えば良いのだろうか、綺麗すぎる。半透明な白色に、銃身とかに入った蒼いラインがカッコ良くて、見てて惚れ惚れする。
……って何冷静に品評してるんだ、私。変形したヴィルの銃身を持つと、鈴木君は私にヴィルを向けて、言った。
「受け取ってくれ、メルフィー」
……素直にはいそうですか、と受け取れる程、私の性根は強くない。さっきは何となく雰囲気に流されて言っちゃったけど……。
鈴木君とヴィルを交互に見る。鈴木君の目はまっすぐ私の事を見据えていて、私の事を心の底から信じている様な、そんな気がする。
……ごめん、鈴木君。やっぱり……やっぱり怖い。もしこれを受け取ったら、私……もう元の生活に、戻れなくなりそうで。
「メルフィー?」
私が怯えているのを察知したのか、鈴木君が若干、険しい顔つきでそう言った。
分かるよ? 分かるけど……どうしても怖い。どうしても手が伸ばせない。怖い。……怖いよ。
「鈴木君、私……」
「私、やっぱり怖いよ。凄く……怖い。もう……もう、昔に戻れなくなる気がして」
「メルフィー……」
正直に心境を話した私に、鈴木君が心配そうな表情を浮かべた。けど、鈴木君はすぐに険しい顔つきに戻って、厳しい口調で言った。
「メルフィー、君の怯えは分かる。確かに君の考えている様に、ヴィルを受け取ったら、もう昔の様な学園生活を送れなくなるかもしれない。
だけど、大切な皆を、愛している学校を守れるのは君しかいないんだよ。オルトロックを倒して、平和を取り戻す事が出来るのは君にしか出来ないんだ。メルフィー」
「だけど……怖い物は怖いよ! 嫌ったら嫌!」
だって……だってそうじゃない! 今日は朝から訳の分からない事ばかりが起きてて、しかも何の説明も無しで、関係の無いルナや町子や皆が危険な目に合わされて……。
それだけでも頭がどうにかなっちゃいそうなのに、いきなり変身しろ? 幾らなんでも無茶苦茶すぎるよ! 私まだ何も……何も分かってないのに!
お願いだから夢なら覚めてよ! 私……私、もう嫌だよ。こんな何も分からないまま……闘えだなんて。私は耳を塞いで、その場にしゃがもうと――――。
「……分かった」
ほぼ、一瞬だった。鈴木君が、私の体を強引に引き寄せて、私の顔と鈴木君の顔が至近距離まで近づく。頭が真っ白になって、何も考えられない。
そのまま間髪いれず、鈴木君は私の唇を――――――塞い、だ? 何が起きたか自分でも理解できず、私は間抜けな表情で、鈴木君をポカンと見つめた。
次第に何が起きたかが、頭の中で整理されていく。
鈴木君が私を抱き寄せて、顔を近づけてそのまま……キ、キス……された? キス……キスされたの? 私?
急激に頭の中が沸騰した様に熱くなって、顔が真っ赤になるくらい恥ずかしくなって、それでいて、凄く……悔しくなって―――――。
「……馬鹿っ!」
私は渾身の力を込めて。鈴木君の右頬を平手打ちしていた。鈴木君の顔がオーバーなくらい右側へと振り切れる。けど、全く可哀相だとは思わない。
まだ……まだ、好きな男の子だって見つかってないのに。手を繋ぐ事さえしてないのに……こんなの……こんなのってないよ!
好きでも嫌いでもない、ただの顔見知り程度の子にいきなり初めてのキスを奪われるなんて……もう……最悪! 最悪で最低!
思いっきり泣いてやろうと思っても、あまりにも急な事で全く泣けない。代わりに頭の中が恥ずかしさとか悔しさとかで一杯になって、どうすればいいのかが分からない。
ふと気付くと、私の右手に何時の間にかヴィルが握られていた。
一体何時の間に……と思っていると、腫れている右頬を押えながら、鈴木君……いや、鈴木がしてやったりみたいな顔をしながら、言い放った。
「強引で済まない……けど、君はそれを受け取った。後は分かるね?」
もしかしていきなり鈴木がキスしてきたのは……私に、ヴィルを受け取らせる為だったの? そんな事をする為にわざわざ……。
私は心の中で思いっきり地団太を踏んだ。何から何まで手玉に取られているように感じて。けど受け取ってしまったのは曲げようの無い事実だ。
……あぁぁぁぁぁ! もうこうなったら自棄になってやる! この訳分かんないぐちゃぐちゃした感情、全部オルトロックにぶつけてやるんだから!
「分かったわよ! やればいいんでしょやれば! で、どう変身するの!」
私は今まで生きてきた人生の中では、一番凄んだ表情と声で鈴木に聞いた。よっぽど痛かったのか、鈴木は右頬を押えたまま、左人さし指を空へと向けた。
私がその動作に不思議がっていると、鈴木は右頬を押えながらな為、微妙に聞き取りにくい声で変身する際のプロセスとやらを話し始めた。
「まず、ヴィルを空中へと向けてくれ。そして引き金を引くとセーフティーロックが解除されて、変身する際の第一段階となる。
第二段階は、ヴィルに向かって変身コード、チェンジング・フェアリスと叫びながら、もう一度引き金を引く。
すると最終段階としてヴィルが変形・分離し、バトルスーツとして君の体を守る為に瞬時に装着される。分かったかな?」
つまりヴィルを上に向けて二回引き金を引いて、その間にその……ちょっと恥ずかしいけど、チェンジング・フェアリスと叫べばいいのね?
迷ってる暇は無さそう……! 私はすぐさま、ヴィルを握っている手を上へと上げて、ヴィルを空中へと向ける。そして思いっきり、引き金を引いた。
凄い……! 引き金を引いた途端、ヴィルの銃身が音を立てて左右に割れると、間から瞬く様な蒼い光が溢れだしてきた。
その光に続く様に、蒼いラインも鮮やかに発光しだす。変身するのを待ちかねているのか、ヴィルがモーター音の様な音を出し始めた。
鈴木が大声で、私に次の段階へと進むように声を上げる。そうだ、ボーっとしちゃいられない。
「良し! 早く変身コードを叫ぶんだ、メルフィー!」
「う、うん!」
ふと、私の脳裏に一瞬、思っちゃいけない事が浮かんでくる。それは昔、私が小さい頃に見た、魔法少女とかが出てくる、そんなアニメ。
主人公である女の子達は皆、何故だか知らないけど変身を遂げる前に裸になっていた。……って事は。
……やだ、やだやだやだ! 只でさえキスを奪われたのに、裸まで見られるなんて私……どこまで鈴木に辱めを受ければいいの!?
猛烈にヴィルを投げたい気分に駆られる。けどそんなことすれば裸を見られるどころじゃない、大変な事になる事も理解できる。だ、だけど……!
「何してるんだ、メルフィー! 早く叫ぶんだ!」
「で、でも……」
「安心しろ! 全裸になるのはほんの一瞬だ! だから早く!」
……今、何と? 今確かに全裸に……全裸になるって言ったよね! ちょっ……ちょっとぉ! どこまで私を辱しめたいのよ!?
というか誰が作ったか知らないけどそこら辺考慮しなさいよバカバカバカ! 真面目にヴィルぶん投げるわよ!
だけどこのままうだうだしてたらオルトロックが襲ってくる。……ええい、もう成すがままに!
「み――――つっけた!」
来……来ちゃった!? 一番聞きたくなかった声が聞こえて視線を空に向けると、そいつが残虐でかつ無邪気な笑顔を浮かべながら、私と鈴木を見下ろしていた。
足や腕に、見るからに強固そうな鎧を思わせるパーツを身につけ、頭にはカブトムシの触角を思わせる角を付けた、顔が隠れるほど大きなヘルメットを被ったオルトロックが、飛んでいる。
そのパーツ全てが真っ黒で、なおかつオルトロックの背後から、おびただしい量の光で成形されてる……翼? が見える。あれで恐らく飛んでいるのだろう。
しかし私が目を引かれたのはそれだけじゃない。身の丈の数倍大きな、両方が刃になっている剣を、オルトロックは軽々と右肩に担いでいる。
「私から隠れて二人でにゃんにゃんなんて……絶対に許さないからね」
オルトロックはそう言いながら、担いでいる大剣をゆっくりと振り下ろし、舌舐めずりした。心の奥底でゾクリとして、私は自分の体が震えている事に気付く。
勿論寒さからではない。私は本気で、オルトロックを怖いと思っている。その怯えからか、体が思った様に動かない。逃げなきゃ、と幾ら思っていても、動いてくれない。
すると大剣に細かい亀裂が入り始めた。いや、亀裂じゃない。あの大剣……分離しているんだ!
見る見るうちに大剣は、異常なほどに研ぎ澄まされた刃が百足の足の様にくっ付いた鞭へと変化した。
「ばいば〜い、私の恋路を邪魔する、憎たらしい雌豚さん!」
次の瞬間、オルトロックがその鞭を八の字に回し始めた。次第に凄まじい早さになり始め、鞭の姿が見えなくなる。
あんなにやられたら一巻の終わり……でも、体が動かない! オルトロックが迫ってくる。お願い……動いて、動いてよ……!
「死んじゃえ!」
「メルフィー!」
地面に、体が叩きつけられる。……私、生き……てる? 鈴……鈴木君が、私を……庇って、くれたの?
視線を横に向けると、あの鞭によって抉られたコンクリートの地面が見えた。さっきまで私達の居た場所は、鞭によって荒々しく削られ、更地へと変わっていた。
もし……もし鈴木君が助けてくれなかったら、私は今頃……って鈴木君!? 鈴木君の背中に……傷が……。
「……無事か?」
「う、うん。けど、鈴木君が……」
鈴木君が立ちあがって、私に心配ないと言った感じで微笑みかける。けど、鈴木君は頭を押えてふらつきながら、その場にしゃがんだ。
鈴木君の背中から一滴、二滴と血が落ちてきて……やがて、鈴木君の背中から、目を背けたくなるくらいボトボトと血が流れては、地面に水たまりを作っている。
考えるよりも早く、私はヴィルを置いて体操服を脱ぎ、鈴木君の背中へと回り込んで止血する。けど……幾ら押えても……。
あの鞭によって、鈴木君の背中には大きく肌を抉った、深い傷が出来ていた。私の体操服では止められないくらい、鈴木君は血を流し続ける。
私が……私が迷ってるから、鈴木君が……。お願い、止まって……止まってよ……。けれど幾ら押えても、血は、止まらない……。
「ごめん……ごめんね、鈴木君……私が……」
「……気にすんな、メルフィー。これくらい……かすり傷だよ」
「かすり傷って……鈴木君!」
朦朧としたのか、鈴木君は倒れそうになった。支えると、やけに……鈴木君の体が軽く……感じる。
鈴木君は私を不安にさせない様に、笑顔を見せながら話して……くる。駄目……駄目だよ、鈴木君……。
「さっきは……いきなりキスして、ごめんな。けど……あぁでも、しないと……メルフィー……戦えなかった……からさ」
「もう……もう喋らないで! これ以上喋ると、傷が……」
「変身……するんだ、メルフィー……。君の守りたい……モノの……為に……」
「あー! またイチャイチャしてる! もーオルちゃん怒ったからね! 今回ばかりはダーリンも、痛い目見て貰うよ!」
「オルトロック!」
はっとして見上げると、移動していたオルトロックが大剣をこちらに構えていた。考えるまでも無く……私達を殺すつもりだろう。
最悪……いえ、最悪なんてもんじゃない。私の頭の中には、もはや絶望しかなかった。鈴木君は息絶えそうになっており、私はこの期に及んで、決心がつかない。
ヴィルを置いた場所へと移動した所で、私は殺される。私の体は、石の様に固まって動かない。恐怖が……私自身の体を支配してしまった。もう……動けない……。
「私とダーリンの汚れなき愛を邪魔する、汚らわしい雌豚を……断罪しまーす!」
オルトロックが翼を大きく羽ばたかせて、急降下してくる。あんなスピードじゃ、絶対に避けられない……!
「メルフィー! 受け取れぇぇぇぇ!」
「鈴木君!?」
受け身をしながら鈴木君がヴェルを持つと、私へと放り投げた。宙を舞う、ヴィル。
途端、私の頭の中が白くなる。けど、放心状態って訳じゃない。私が今、何をすべきか――――――――ごちゃごちゃと絡んでいたモノが、一気にクリアになった。
ヴィルを受け取り、私は立ち上がり、こっちに向かってくるオルトロックを睨みつけながら、ヴィルを空中へと向ける。そして―――――叫ぶ。喉が枯れる程の、大きな声で。
「チェンジング……フェアリス!」
「な……何ぃ!?」
メルフィーが変身コードを叫んだ瞬間、メルフィーと隆昭を、光り輝く蒼いオーラが、ドーム状になってオルトロックの攻撃を打ち塞いだ。
歯を食いしばりながら、オルトロックは貫通させようと大剣―――――グラン・ファードを突き立てるが、そのオーラは異様な強度を保っており、傷一つ付かない。
やがてそのオーラが一か所に収束し―――――屋上へと上がる出入り口を消滅させながら、極太の蒼く巨大なビームとなって、オルトロックを直撃する。
そのビームはオルトロックを巻き込んだまま一直線に伸びていき、直線上に立つ高層ビル群に巨大な穴を開けながら貫通していく。逃げまどう、会社員達。
やがてメルフィー達が居た場所から数千qも離れた山々へとビームはぶつかった。
地面を激しく揺らす程の衝撃に、鳥や動物達が慌てて移動し始める。直撃地点にあった木々は消滅し、綺麗にクレーター上の凸凹が出来た、が。
直撃地点にオルトロックの姿は―――――――――無い。
――――――――――――私は、無意識に閉じていた目を静かに開く。いやに頭の中がすっきりとしていて、余計な事が何も浮かばない。
自分の両手を見ると、全ての指に変な機械みたいなのが付いている事に気付く。これ……手袋じゃない、よね?
……そうだ、鈴木君! 鈴木君を今すぐ運ばないと! そう思って振り向いたけど……何故か鈴木君の姿は影も形も無く消えていた。
まさかオルトロックに……いや、それだったらオルトロックが何かしら私に……あ、そうだ。
オルトロック……何処に行ったの?
混乱しているメルフィーには悪いが、少し時間を戻そう。
メルフィーが変身コードを叫んだ瞬間、メルフィーと隆昭を、広範囲に及ぶ青いドーム状の光が覆った。
その光は収束しながら、攻撃を加えるオルトロックを外敵と判断し、防護機能の一環としてビームによる攻撃を加える。少しばかり、やり過ぎた感があるが。
その間にヴィル・フェアリスを成型するパーツが全て分離すると、メルフィーの体の各部へと移動し、拡大・伸縮・変形を繰り返しながらバトルスーツへと形を変えていく。
メルフィーの膝・ひじ・両手・両足等の部分へとそのパーツは装着されていき、最も重要な頭部を覆いながら、ヘルメットが装着される。
最終的にCASなるサポートシステムとなったヴィルと通信する為に設計された、狐の耳を模した通信機が転送され、変身完了となる。
近未来的な美しさと機能性。兵器的な逞しさと重圧さ。その対照的な二つを兼ね備えており、尚且つ。 バ ト ル ス ー ツ
古来の神話に置ける、ワルキューレやヴァルキリ―の様な誇り高く、気高き女神を彷彿とさせる―――――その汎用型装着戦闘服の名はヴィル。
ヴィル・フェアリス。
ちなみに、変身を遂げるこの一瞬、0.05秒。
「は、ははっ……やっぱり、俺の見込ん……通……り……だ」
隆昭は目の前で変身を遂げたメルフィーに、吐血しながら嬉しそうに笑うと、パチンと指を鳴らした。
「少……し……遊びすぎ……たな」
次第に、隆昭の体が薄く透けていく。隆昭は朦朧としながらも、背中を向けているメルフィーに人さし指と中指を揃えると、ニヤリとしながら、言った。
「後は……頼んだぜ……ヴィル……それに……メルフィー」
次の瞬間、隆昭の姿はそこから煙の様に消えた。しかし確かに存在していた証拠として、点々とした血痕と、血だまり。
変身を終えたメルフィーが、ゆっくりと目を開ける。
ここで時間を先程まで戻そう。
まぁ、鈴木君の事は置いといて……何だか良く分からないけど……どうやら私は変身、したようだ。
変身できたは良いけど……何だか凄く恥ずかしいんだけど、この格好……。ていうか何でレオタードっぽい衣装なの?
風が吹いてきて凄く寒いんだけど。それにこう……これってなんて言うか……完全にコスプレじゃない、これ!
バトルスーツだって鈴木君は言ったけど、スーツとは思えないくらい露出度高いんだけど! もうやだホント……これ作った人、恨むわ。
『変身出来て良かったです……』
ヴィル? どこにいるの? 周囲を探してみるけど、鈴木君と一緒にヴィルの姿も何処かに消えてしまった様だ。
けど、何故か声がする。ヴィル……? いるなら出てきて?
『ここです。通信機……というか頭に付いてるこの耳の辺りです』
耳? ……あぁ、何かこの妙にとんがった変なのか。何だか妙に安心した。全く安心できる状況じゃないけど
『変身時の防護機能によって、オルトロックはしばらく襲ってこないと思います。ので、簡潔にですがメルフィーさん、貴方に何が起こっているかを説明致します』
説明って……こんな時にしている暇があるの? いや、むしろ良く分かんないけどオルトロックがいない今だからこそか。
私が頷くと、ヴィルは私に今何が起きているのかを話し始めた。
『まず、驚かれるとは思いますが……メルフィーさん、貴方と鈴木隆昭は将来、結婚いたします』
……う、うん。何となくそんな気はしてたよ。何だか今までいろんな事が起こり過ぎてその程度の事は驚く気にもならない。
『それで……』
「待って!」
耳元に飛び込んでくる、凄い勢いで風を切る、何かの音。考えるまでも無い。オルトロックだ。
遥か遠くへと目を向けると、黒い翼を肥大化させ、こちらに向かって高速に飛んでくる。あの様子だと、かなり頭にきてるみたい。
丁度良かった。色んな意味で溜まりに溜まった怒りを、本気でぶつけたかった所だし。私はヴィルの話を中断させる。
「ヴィル、話は後! オルトロックを倒すのが先よ!」
『は、はい! ではこのスーツの説明を致します!』
ヴィルがそう言った瞬間、腰元に付けられた厚い板みたいなのがガチャリと音を立てて扇形に開いた。
その間には……カード? カードらしき物が一杯入っている。これは一体……?そう首を捻っていると、ヴィルが説明し始めた。
『このスーツにはシャッフル・システムというシステムが搭載されていて、カードを引き出し、カード名を唱える事により、そのカードが持つ効果を発動する事が出来るんです』
「よく分からないけど、魔法を使えるみたいな事?」
『だいたいあってます! 一先ずカードを抜いて下さい!』
「流石ダーリンを奪っただけの事はあるわね、雌豚! でも私の愛の炎は、これぐらいじゃ収まらないんだから! それにこの程度で死ぬオルちゃんじゃないもん!」
オルトロックが大剣を両手持ちして、激しく上下左右、自在に動きながら飛んできた。何かこっちに飛び道具は無いの?
私は反射的に間からカードを取りだした。カードには、油絵風に白い翼の絵が書かれている。何々……ウイング。
ウイングって事はつまり……私はヴィルに、このカードの効用を聞いた。
「ヴィル! このカードはどんなカード?」
『そのカードはウイングと言って、空を飛ぶ事が出来る様になるカードです! どうしますか、メルフィーさん!』
「勿論飛ぶに決まってるじゃない!」
「ウイング!」
勢い良く、私はカードをかざしてそう声を上げた。ヴィルが私に続けて、そのカードの名を暗唱した。
『トランスインポート・ウイング』
う、うわ! うわわわわわわわ! な、なに!? 背中から何か凄い音を出しながら変なのが出てきたんだけど!
後ろに目を向けると、背中から蒼い光が凄い勢いで出てきた。けど、眩しくは無い。むしろ、落ちつく感じ。
その光は束となって集まっていくと、大きな翼となった。……何か私、凄く慣れちゃってるんだけど、今の状況に。
『これで空を飛ぶ事が出来ます! ではメルフィーさん、次は武器を!』
「いらないわ」
『え?』
私は翼を生やし、飛び立つ為にクラウチングスタートを取り、一気に走りだす。助走を付けたまま―――――私は屋上から、飛び降りた。
さっきまで感じてた恐怖や怯えの感情が、今は全く感じない。むしろ、こう言ったら変だけど、すっごくワクワクしてて―――――それでいて、すっごいムカついてる。
「生身で来るとかばっかじゃないの!? そのまま団子になっちゃえー!」
大剣を構えたまま、オルトロックが突っ込んでくる。何だか頭も目も、やけに冴えていて、私はその場で立ち止まった。
『メルフィーさん!』
ヴィルが慌てた様に呼びかける。大丈夫だよ、ヴィル。私は――――――死なないから。
「さーよ――なー―――ら―――――!」
両目を見開いて、しっかりとオルトロックの姿を、真正面から捉える。右腕を構えて、胸の前まで持ってきて……。今だ!
鉄と、鉄が弾ける音。右腕がそのままもがれそうなほどの衝撃に、私の視界が暗くなる。
けど……これで、隙が出来た。目の前には、大剣を弾かれて、驚いている、オルトロックが見える。
「そ……え? 弾い……たの? 右……腕で?」
理屈は簡単。ただ単に逃げようとせず、右腕で大剣の剣先を防ぎながら弾いた、だけ。
もしも少しでも外れてたら今頃私は串刺しになってたけど、上手い具合に大剣が考えた場所へと突っ込んでくれた。
それに、このパワースーツが思ったより頑丈なのも助かった。少しばかり傷が付いてるけど……構わない。さて……
「覚悟、出来てる?」
瞬間、メルフィーの全力を込めた拳が、オルトロックの右頬を正確な角度でぶん殴る。
オルトロックの端正な顔立ちが、破竹した様に歪んでいく。その威力・パワーは凄まじく、オルトロックはそのままの勢いで、地上へと落ちていく。
「ヴィル! 次は武器を召喚するわよ!」
『はい! メルフィーさん!』
オルトロック……貴方だけは、絶対に許さない! 絶対に!
続 く!!!
次回予告!
遂に未来系魔法少女として覚醒したメルフィー! しかーし! シャッフル・システムを持っているのはヴィルだけでは無かった!
圧倒的な力でメルフィーを追いつめるオルトロック! ロボット物スレ史上もっともギリギリなサービス&ハードなシーン!(になる予定)
果たして果たしてメルフィーはこの圧倒的な力の差を退けて、オルトロックを倒せるのか!?そしてぇ!鈴木隆昭の本当の目的とは!?
明らかに結で終わりそうが無いけど次回、未来系魔法少女!ヴィヴィっと!メルちゃん
最終回「結」にご期待あれぇぇぇぇぇ!!
「悪魔でも……死神でも……皆を守れるなら、私はなるわ。喜んでね」
支援ddです
では、続けてロスガの方を投下します
ティマと、喧嘩した。
喧嘩と言うと語弊があるが、初めて私は、ティマとの関係が険悪になった。原因? 無論、私だ。
外は小雨。初めて彼女と出会い、人生が変わった、あの日と同じ様な日。私は傘を差し、大通りを水溜りをちゃぷちゃぷと踏みながら歩いている。
本来は記念日というか、ティマが喜ばせる日だった筈なのだが……。ホント、自分自身の無神経さ、馬鹿さにほとほと呆れかえる。
点滅する横断歩道に、様々な色と形状の鮮やかな自動車。鼻をくすぐる、雨の匂い。その全てが今の私には感傷的に映る。
歩く人達の会話が、嫌でも耳に入る。何となく、ティマを失い孤独の中に合った、どうしようもない頃の自分を思い出す。
何故……私は心から愛する彼女を、自分の手で傷つけてしまったのだろうか。響く雨音が、まるで私に反省しろと叱っている様で困る。
晴れる兆しの無い灰色の空を眺めながら、私はぼんやりと、こうなった原因を思い返す―――――。
『adult.therefore』
久々に年甲斐も無く慌てたバレンタインから、数十日の時が流れた。あの後は、別になんかした訳でもなく、何時も通りの日常を過ごした。
ティマもあの日以来、特に……いや、変化はあった。何と言えば良いのか、バレンタインの日を皮切りに、ティマの思考や立ち振る舞いが妙に大人びてきたのだ。
大人びてきたというより、前にも増して、人間らしくなってきたと言った方が正しいかもしれない。心配したくなる程に。
思い出してみると、こんな事があった。私が修理士としての結構遠出まで出張し、仕事を終えて、家に帰ってきた時だ。
私の帰りが遅くなる時には、普段私が行っている家事を、ティマが代わりにやってくれる。疲れていてクタクタになった時に、ティマの存在はとても頼もしい。
玄関からエプロン姿のティマが迎えに来てくれた。あぁ、とても嬉しい。
「おかえりなさい。ご飯とお風呂、どっち先にする?」
靴を脱ぎながら、私はティマに答える。
「んーちょっと今日は遠出して疲れたから、風呂に先入ろうかな。すまないね、ティマ」
「分かった。……あ、マキ」
そう言って何故かティマは、私の前に立って私を見上げると、目を瞑った。……ん?
……ティマ? 何をやってるんだ? 良く分からずに頭を捻っていると、ティマが可愛らしく頬を膨らまし、言った。
「マキ〜……夫婦ならお帰りのキスでしょ? だから……ね?」
……私は一瞬、ティマの言っている意味が良く分からず、目をパチクリとさせた。
いやはや驚いた。本気で驚いた。まさかティマが、こんな新婚を迎えた新妻みたいな甘え方をするなんて。一体どこで学んだんだろう……。
とはいえ私は心の中で新体操の選手の如く跳ねまわっている。が、あくまで表情は冷静を装い、ティマの頭を撫でながら答える。
「ティマ……気持ちは嬉しいけど、ちょっと疲れてるんだ。寝る前にキスしてあげるから、それで良いかな?」
私の言葉に、ティマは私の顔を切なげな表情で見上げると、何か言いたげな動作を見せたが、私から目を背ける様に俯いた。
「……ごめんね、マキ。仕事で疲れてるのに……ごめん」
「いや、謝る事は無いんだよ、ティ……」
私が返事する間もなく、ティマは私に背を向けて、そそくさと浴室へと向かってしまった。この時、私はまだ何も気づいていなかった。
既にこの日から、あの日の予兆は始まっていたのかもしれない。しかしこの日の私は特に考える事も無く、寝床に入った。
別の日には、こんな事があった。
一般的な休日である日曜日、私とティマは近くの公園へと散歩しに来た。この散歩は、私とティマの間で日曜日になった場合の決まりごとになっている。
気持ちの良い太陽の陽ざしと、爽やかな朝の空気。子供達が元気良く、遊んでいる声が聞こえる。
私とティマはベンチに座って、しばしくつろいでいた。と、ティマが何か聞きたげに、もじもじとしている。どうしたんだろう。
買ってきた缶コーヒーを飲みながら、私はティマに聞いてみた。疑問でもなんでも、ティマには何でも話して欲しい。
「ティマ、どうした?」
「あの……あのさ、マキ」
「マキは……子供、欲しい?」
ティマの言葉を聞いた瞬間、私は思いっきり、口に含んだ珈琲を吹いてしまった。小さな虹が、噴出したコーヒーの上で浮かびあがる。
いかん……いかんいかんいかん。いかんぞーこれは。ティマ……真面目に、真面目に何処で学んだんだ、その、アレは。上手く説明できない。
一先ず8拍子に乱舞しまくる鼓動を押えながら、私は動転している様子を見せない様に至極冷静な表情で聞く。
「ティマ……その、何だ、どういう意味かな、それは」
駄目だ、本気で私は今、気が動転している。ティマは恥ずかしそうに私から目を伏せながら、たどたどしく答える。
「えっとね……私達……夫婦、じゃない? それでほら……夫婦ってその……えっと……ごめん、マキ。上手く言えないや……」
何この子可愛すぎるんだけど。鼻を弄ると、少量の鼻血が出ている事に気付く。変態か、私は。
……真面目な話、私と生きていく内に、ティマは本当に人間に近づいているんだなと思う。しかし、だ。真面目な事を言わせてもらうと。
ティマ、君はアンドロイドなんだ。その前提を外す事は、私自身のポリシーに反する。私はティマを心の底から愛している。妻として。
その前の大前提として私は君をアンドロイドとして愛している。私は人間で、君はアンドロイド。この線引きは、絶対に超えてはならない。
だからこそ……いや、でも……言えない。君は、アンドロイドなんだと、その蒼い目に見つめられると、私はどうしても躊躇してしまう。
本当の事を言えば、私は彼女を―――――ティマを、傷つけてしまう。そう思うと。私は次第に冷静になってきた頭で、ティマにどう言えば良いのかを考え―――――決める。
「ティマ」
私が呼ぶと、ティマが振りむいた。その表情は、私の答えを嬉しそうに待っている様で、心がちくちくする。だけど、言わなきゃならない。
「確かに……私達は夫婦だ、ティマ。けどね、私にとってティマは妻でもあり、そして娘でもある。
分かるかい? 君はまだ、子供なんだ、ティマ。世界に付いてまだまだ知らなきゃいけないんだ。だからまだ……」
……ティマの表情が、段々暗くなっていく。楽しげだった目が、次第に悲しみを帯びてきて、表情を無くす。
私はティマの表情の変化に戸惑いながらも、言葉を続けようとした、が。
「……マキ、もう、良いよ」
「ティマ……」
「マキは……」
「マキは……ごめん、何でも無い」
心を、鋭い矢で突き刺された、そんな痛みを感じる。ティマの言葉に、私は一瞬、放心状態になった。
ティマは私に背を向けると、ベンチを降りて、そのまま歩きだした。私は引き止めようとしたが……何故だろう、足が動かない。
私は只、ティマの事を見つめる事しか出来なかった。ティマの姿が、次第に遠くなっていく。私は声を振り絞って、呼んだ。
「ティマ!」
「先、帰ってるね」
ティマは私にそう一言、顔を見せずに言い残して、帰っていった。その時の音色は、無感情、だった。
私は……私はティマとどうしたいんだ? いや、ティマ。君は……私にどう、して欲しいんだ?
初めてかもしれない。私はティマとどう付き合っていけばいいのか、あの日を境に分からなくなってしまった。
話して欲しい。何か言いたい事があるなら、遠慮せず、私に打ち明けて欲しい。だから……ティマ。
教えてくれ。君は、私にどうして欲しいのかを。
その日を境に、私とティマの会話は前に比べて急速に減っていった。交わす言葉は、おはようとか、おやすみとかの日常の挨拶だけ。
ティマは時折、何か言いたげな表情を見せるが、すぐに口を閉じてしまい、私は私で、ティマが何を考えているかが分からず、話しかける事が出来ない。
こうして、私とティマの重苦しく、息が詰まりそうな生活は、その日まで続いた。しかしそれでもまだ、私は何処かで希望を抱いていた。
その希望が独りよがりな、馬鹿な思い違いだった事に、やっと気付く日が来る。
その日が、やってきた。
3月14日。世間では、チョコレートを貰った男性がチョコレートをくれた女性へとお返しをする、いわゆるホワイトデーと呼ばれる日だ。
会話が格段に少なくなったものの、私は別段ティマを嫌いになったとか、そう言う訳じゃない。むしろ、この日でティマと仲を戻そうと思っている。
ティマが喜びそうだと考えた物は5つある。恐らく、ティマはどれが良いか迷う筈だ。そう考えると、実に楽しみである。
今朝、朝食を取っている時に、私はティマに話しかけた。
「ティマ、今日は何の日か知ってるかい?」
ティマは私の方を見ず、TVを見ていて聞こえているのか聞こえていないのか、反応が無い。……何だろう、凄く不安な気分になる。
私は近づいて、ティマの肩を優しく叩いた。少しばかり機嫌が悪いな……。
「何? テレビ見てんだけど」
ティマが鬱陶しそうに私の方を向いた。……こんな不機嫌そうな表情を見るのは初めてだ。どうしよう、年甲斐も無く不安のせいで腹が痛くなる。
とは言え興味を持ってくれたんだ。ならば臆する事無く伝えねば。私は明るい音色で、ティマに説明する。
「今日はホワイトデーと言って、チョコレートを貰った男の人が、女の人にお返しをする日なんだ。それでさ、ティマ」
ティ、ティマ? 何処を見てるんだ? なんで目が私を見ずに、何処か遠くを見ているんだ? だ、大丈夫だ、取り乱すな私。
こんな無表情で虚ろな表情のティマは初めてだ。初めて出会った時の方がまだ表情があった……。
ええい、何故ネガティブ思考になっているのだ私は。ティマだってそういう日があるさ、きっと。気を取り直し、私は言葉を続けた。
「これから五つ、そのお返しをしたいと思う事があるが、どれが良いかティマ、君が決めてくれ。
まず一つ目は最近流行りの児童文庫。これが中々のベストセラー本でね、子供達からかなり好評なんだ。挿絵もついてるから、きっと夢中になるぞ」
反応なし。
「二つ目は手軽にアイスクリームが作れるおもちゃ! 確かティマ、前にアイスクリームを作ってみたいって言ってたよな。
こいつは中々の人気商品なんだが、ちょっと玩具会社の人と伝手があってな。格安で買えるかもしれないんだ」
反応なし。
「それで三つ目はだね」
「どれも……いらない」
……え?
ティマ……今、何て? 私が呆然としていると、ティマが立ちあがって、そのまま私を無視する様に、部屋を出ていってしまった。
私は焦る心を押えながら、ティマの後へと続く。ティマが寝室に入るのを見かけ、呼びかけようとするが、ティマはドアを強く締めて、鍵を掛けた。
ノックして、ティマに開けてくれる様に頼む。しかし、ティマは何も言わない。思わず、私は声を上げた。
「ティマ! 開けてくれ、ティマ!」
「来ないで」
私の足が、その場で金縛りにあった様に止まる。ドアノブを握る手が、小刻みに震えているのを感じる。
ティマの声が、ドア越しから聞こえてくる。私はティマの言葉を、只聞く事しか、出来ない。
「……マキ……私ね。私、マキの事、嫌いになった訳じゃないの」
「……それじゃあ、何で……」
「……あのね。……何となく、マキと……距離、感じるの」
「この前の……帰ってきてからのキスも……子供が、欲しいのって質問も……私……マキがどう、答えるのかなって楽しみにしてた」
「けど……マキは私が……私がしてほしかった答えを……出して、くれなかった、から……」
ティマの声が、押えていた感情を吐露する様に、涙声になっている。私は何も言えず、ドアの前で、立ちつくす。
「……マキ、しばらく……一人に、させて。この、ままだと……私……」
「マキの事……嫌いに、なっちゃうから……」
「……ごめんな、ティマ」
私は一言そう、ティマに伝えてその場を離れた。ティマからの、返事は無い。
窓から外を見ると、雨が振りそうな天気だ。しかし……逆に、ちょうど良いかもしれない。頭を冷やす為には。
立て掛けられている傘を持ち、私は外に出て、しばし頭を冷やす事にする。外に出た途端、ちょうどいい具合に小雨が降り始めた。
最初に、戻る。小雨に振られながら、私はティマが言っていた言葉の意味を何度も反芻して、そして考える。
ティマは言った。大人の女の人として、私を見て欲しいと、ティマにとってあの日のキスや、あの日の言葉は……。
……そうか。別にティマは変わってなんていなかったんだ。ただ、妻として、私との関係を縮めたかった、ただそれだけだったんだ。
それを私は……あのバレンタインの日を初めに、ティマの事を妙な目で見る様になっていった。大人びてるとか、勝手な思い込みで。
その結果、私はティマを、知らず知らずに傷つけていた。距離を置かれてたと感じていた私を、思いっきりぶん殴ってやりたい。
どうして欲しいのかが分からなかったのは、私じゃない。……ティマの方、だったんだ。
ふと、小さな花屋さんが目に映った。髪を三つ編みにした、小柄な女性店員が店頭で花に水をあげている。
何か花でも買って行こうかな。それでティマに誠心誠意、謝ろう。それで……ティマが私に何をしてほしいかを聞いてみよう。
そんな事をぼんやりと思いながら、店に入る。何か良さそうな花は……。んーむ、駄目だ。私はこの手のセンスにはかなり疎い。
「何かお探しですか?」
迷っていると、店員が声を掛けてきた。さっき水をあげていた店員さんだ。
失礼だがかなり背が低いな……まるで小学生みたいな背丈と、童顔だ。まぁそれは置いといて、一条……一条さんか。良い名前だな、何となく。
正直私には美的センスの欠けらがこれっぽっちも無いので、一条さんに決めて貰った方が良いだろう。そう思い返答しようとした、が。
一条さんは私が言うよりも早く、何かの花を両手で抱えてきて、温和な笑みを浮かべながら見せてきた。
紫色の可憐な蕾を咲かせたその花は、小さいながらもしっかりとしていて、美しい。
「……これは?」
「シランという花です。花言葉は、お互いの事を忘れないようにと……美しい姿です」
一条さんはにっこりと笑うと、言葉を続けた。
「何となく、お客様が何を買うかを悩んでおられる様に見えたので、この花が良いかな? と思ったんです。……如何でしょう?」
「……君は商売が上手いな。頂くよ」
私がそう返すと、一条さんは太陽みたいに明るく輝いた笑顔で、言った。
「お買い上げ、有難うございます」
こうして花を買い、私は店を出た。外は雨が上がっていて、雲一つ無い、晴れ晴れとした青空になっていた。
もしかしたら、あの一条さんのおかげかもしれない。そんな事を思いながら、私は家路を歩く
もしティマがまだ迷っているのなら、私はひたすら、彼女の話を聞こうと思う。元はと言えば、独りよがりで突き進んでいた私が悪いのだし。
階段を上がり、鍵をドアに差し込む。……ん? ドアが開いている?
不思議に思いドアを開けると、ジャンパーを羽織り外に出ようとしたティマと、目があった。
「あっ……」
「ティマ……」
「えっと……迎えに行こうかなって……」
リビングのテーブルに、買ってきたシランを飾る。ちょっとしたアクセントとなっていて、これが中々良い。
私達は何も言わず、並んでリビングでくつろぐ。ティマは大分落ち着いたとはいえ、気を落とした時には決まって体育座りをする。
私達はしばらく無言のまま時間を過ごしていたが、ふっと、ティマが口を開いた。私は一字一句、聞き逃さない様にに耳を立てる。
「……しばらく一人で考えて、分かったの、マキ」
「バレンタインの日から、変なんだ、私……。マキにお帰りのキスを求めたり、自分がまだ子供なのに、子供の事を、聞いたり……」
「私……馬鹿だよね。自分が、アンドロイドだって事を忘れて、マキに色々迷惑かけて……それで一人で勝手に怒って、落ち込んで……」
そう言ってティマは少し顔を上げると、ぽつりと、言葉を漏らした。
「ごめんなさい、マキ」
「私の事……怒ってくれる? ううん……怒って。何て馬鹿な事を言うんだって。お願い」
私は何も言わないまま、ティマを抱き寄せる。驚くティマの口を、そのまま塞ぐ。
華奢で、折れてしまいそうで、柔らかい、ティマの体を感じる。ティマの唇から、人間と同じ、生ぬるい体温を感じる。
しばらく私はティマを抱きしめ続けて、やがて唇を少しづつ離した。ティマの唇と、目が潤んで見える。
「謝るのは、私の方だよ、ティマ。私はあの日から……君に対して、妙な偏見を抱いていたんだ。君の事を、自分勝手な目線で眺めていた」
「けど、今度からはちゃんと君の事を理解するよ。上っ面だけじゃなくて、君の心まで」
「だからティマ……仲直り、しよう。また……夫婦として」
「……なら」
「もっと、もっとぎゅっと抱きしめて」
私はティマの要望通り、さっきよりも強く、ティマを抱きしめる。
冷たい温かさをひしひしと感じる。この子が持っている悲しみも、悔しみも、嘆きも、全部、抱きしめる。
この子が私を孤独から救いだしてくれた。なら、次が私が――――――この子を救う番だ。
「ねぇ……マキ。ホワイトデーだけど」
顔を上げたティマが、悪戯っ気のある顔でちろっと舌を出し、言った。
「ずっと前に新婚旅行で行ったあの島に……行きたいな」
あの島か……けど今は少しお金に余裕が……。
「約束だよ、シゲル」
彼女はそう言って、笑うと――――――――――――私の小指と、指切りをした。
全く……可愛いなぁ、君は。
愛してる、ティマ。
the end
どっちの投下も終わりました―
半端ない支援の程、誠に有難うございました!凄く助かります
しかし色んな意味で両極端だな、今日のSS……
では皆さんの作品を呼んでくるので、深夜辺りにまたノシ
>>411 投下乙!
それでは、ゆっくり読ませて貰うぜメーン!
>>411 投下乙です。では、ゆっくり読ませて貰いまうす
>>411 投下乙です! 畜生極細め、祝ってやる、祝ってやるぞ!
それでは、ゆっくり読ませていただきますねw
>>411 投下乙です。それでは、ティマを愛でて…基、読ませて頂きますね。
>>411 投下乙でござる
では読ませていただきます!
>>411 投下乙!!
感想といきたい所だけれどちょいと野暮用なんでこれだけでも。
>>411 改めまして、投下乙です。
まさかの豪華二本立てで、ドタバタ系魔法少女モノから一転、甘酸っぱい恋愛ストーリーと風呂敷の広さに脱帽です!
ところで、このスレには様々な趣向を持った住人が居ますが…実は俺…揺り篭から棺桶までOKな重度のカプ厨なんだ!
故に行事毎に投下されるロスガが凄く楽しみでして…マキ夫妻は俺の理想郷なのです。
想い合ったり、すれ違ったりしても不器用ながらに…実に理想的な夫婦ですわ。
ティマみたいな子が嫁に来てくれれば…もしくは俺の娘がティマだったらなぁ!!
そして、まさかの共演者、花売りの一条さんに吹き出してしまいましたwww
しかし、ロスガ読んでいる時の俺の顔は誰にも見せられんな。ニヤ付き過ぎて我ながらキモイwww
メルフィーの鉄拳制裁ワロタwww相変わらず、軽快なお話で楽しませてもらいました。
>>ロボット物スレ史上もっともギリギリなサービス
( ゚∀゚)o彡゜サービス!サービス!
TロG氏がメルたんの変身アニメーションを全裸込みでmpgファイルにして投下ですね。分かります。
さーて、良いモン読んで活力を与えてもらった事だし加賀谷(夏)描くか
>>411 改めて投下乙でござる!!
まさかの二本立てとは……さすがの貫禄ですね!w
>ロスガ
いやー、この夫妻は今回も甘甘でwブラックコーヒー飲みながら読ませて頂きましたぜw
心の成長著しいティマと、それを察していないマキのすれ違い……非常にGJでした!
そしてまさかのスターシステムwいや、平行世界かwまさかの一条さん登場に思わずにやりとしてしまいましたw
オチで結構な出費が確定したマキですが、これはティマを悲しませた罰として甘んじて受けなさいwww
>ヴィヴィっとメルちゃん
ヴィル・フェアリスTueeeeee!!いやこれはメルフィーが強いのかwまさかの素手拳系な開始とはw
そしてオルちゃん(男)がいい感じに怖いですw脳裏に顔芸状態のオルちゃん(男)が思い描かれてますw
次回は完結編ということですが……
( ゚∀゚)o彡゜ギリギリ!サービス!
期待しておりますよ?www
あ、そういえばタカ坊は?w
私の方も一応出来上がったので投下しますね!
感想はその後、という事でここはひとつ。
了解です
自分はその後に諸々をー
バレンタインデーの一ヶ月後、3月14日。俗に言う“ホワイトデー”という日だ。
……まあ、一部の野郎達にとっては非常にどうでもいい日なのだが。
さて、その一部の野郎達についてはお察し下さいという事で、今回はとある二人組にスポットを当ててみる事としよう――――
ロボスレ学園:白い恋人
3月14日、日曜日。あのバレンタインデーの惨劇から一ヶ月が過ぎた日の事だった。
やおよろず荘は珍しく殆どの面々が出払っていた。お祭り事が大好きな住人達なので、ホワイトデーのパーティーの準備のための買い物に行ったのだ。
そんな人気のない木造平屋建ての炊事場で、何かを掻き混ぜる男がひとり。
リヒト・エンフィールドだ。
ボールの中に入っているメレンゲを角が立つまで泡立ててから、そこにあらかじめ作っておいたゼラチン液を少しずつ加えながら混ぜる、混ぜる、混ぜる。
再び角が立つくらいになったら、容器に入れて、冷蔵庫へ。
「あー、確か30分は冷やすんだっけか?」
レシピを確認……よし、どうやらそれで正解のようだ。
「よし」
それならば居間へ行ってテレビでも見るか、と回廊に出ると、
「なんだお前、皆と一緒に行ったんじゃなかったのか」
全く同じタイミングでトイレから出てきた、しろことヴァイス・ヘーシェンとばったり出くわした。だぼだぼのパジャマに寝ぼけ眼をごしごしと擦りながら、欠伸をひとつ。
「ふぁ……おはようございます」
「おそよう、だな。もう昼間だぞ」
ぽん、としろの頭に手を置く。彼女が一瞬だけ頬を朱に染めたのを、リヒトは見逃さなかった。
「昼、食うか?」
リヒトが尋ねると、しろはしばらく黙考してから、こくりと短く頷いた。
「何がいい?」
「何がありますか」
淡白な声で即答……いや、即問か。
「質問に質問で返すなあーっ!! 疑問文には疑問文で答えろと学校で教えているのか? 俺は“何がいい”と聞いているんだッ!」
予断だが、叫んでいる本人は教師である。
しかししろは眉ひとつ動かさずにあくびをして、こう言った。
「では、甘い物で」
「よし、ちょっと待ってろ」
♪ ♪ ♪
「……とは言ったものの」
しろを居間に置いて炊事場に戻ったものの、マシュマロが出来るまでまだ時間がある上に、ボリュームがあるとは言えない。他に何か作るにしても時間がかかるし、何か買ってきたほうがいいだろうか。
しばらく部屋をうろうろしてから、まあトーストでいいか、という結論に到達し、いちごジャム片手にいつもパンが入っている発泡スチロールを開ける。
が、
「ない……だと……!?」
なんと中はからっぽで、パンの耳すら落ちていない。どうしたものかと頭を抱える。そうしている内に時間も過ぎる。
ひとしきり冷蔵庫を漁ってから時計を見ると、気付いたら既に30分なんてとっくに過ぎていた。
「まあ、とりあえずマシュマロだけでも持ってくか。どうせ今夜はパーティーだし、あんまり食べないほうがいいだろ」
マシュマロの入った容器を取り出し、コーンスターチをかけて型を抜けば、あっという間に白うさぎのマシュマロの完成だ。
それを皿に乗せて、いざ居間へ。
居間の引き戸をがらりと開けると、そこにはこたつの中ですやすやと眠るしろの姿があった。
「まったく……いつまで起きてたんだよ、こいつ」
マシュマロを乗せた皿をこたつの上に置き、少女の寝顔を覗き見る。
普段は見せない幸せそうな糸目。マシュマロのように白い髪とマシュマロのように柔らかい頬っぺたは、まるでよくできた人形のようだ。
サラサラの髪を優しく撫でながら呟く。
「まったく、寝顔は天使だな、本当に」
「んふ……泣いたり笑ったりできなくしてあげます……」
寝言は悪魔だが。
いつまでも天使の笑顔を眺めていたいが、そうはいかない。ふにふにの頬に指を当てて、
「おーい、起きろ白雪姫ー。起きないと王子様がキッスしちまうぞー」
途端しろの目がぱちりと開いた。
「おいおい、そんなに接吻は嫌か?」
苦笑しながら聞いてみると、しろは頬を赤くして、そっぽを向きながら、いつも通りの抑揚を抑えた声で言う。
「セクハラです」
まったく、かわいらしいうさぎさんだ。
「冗談だ、冗談だよ。ほら起きろ、甘いモン用意したから」
しろがもぞもぞと身を起こし、机の上にある物を見る。
「あら、うさぎさんのマシュマロですか」
「おう、今日ホワイトデーだからな。お返しだ」
少女の顔が僅かに綻ぶ。
「安心しろ、今は誰もいねぇよ」
少女の顔が、見る間にぱっと明るくなった。二人だけの間しか絶対に見せない表情だ。
ニヤニヤしながら見つめてやると、視線に気付いたのか首をぶんぶんと振っていつもの顔に戻ると、リヒトの膝にちょこんと座る。
「食べていいですか」
「ああ、いいともさ」
しかししろは手を出さず、代わりにリヒトとマシュマロを交互に見比べる。やって欲しいならそう言えばいいのに、なんて思いながら、リヒトはマシュマロを手に取って、
「ほれ、あーん」
「あーん」
ぱくり。小さな口に、マシュマロうさぎが納まった。もちゅもちゅとマシュマロを味わうその顔が、どんどん色を失っていく。
「おい、どうしたヘーシェン」
「……足りません」
「愛か!? 愛が足りないのか!?」
しろがぷるぷると首を振る。
「バニラエッセンスが」
なんてこった! こめかみに手を当てる。
マシュマロはメレンゲとゼラチン、砂糖で作れるが、それだけでは臭いがあまり良くないのだ。だから香料を入れるのだが、それをまるっと忘れていた。
「……でも、愛は足りてました」
ふっと笑う。その笑顔は、さながら雪の中に咲く一輪の花のように美しい。
そんな事を考えていた時だった。一瞬だけ、頬に柔らかい何かが触れる。間違いない、これは――――
「……んふ。キスじゃなくて接吻だと、なんだかえっちですよね」
「おいおい、やってくれるじゃねーのようさぎさん」
お互い悪戯っぽく笑う。
「私を捕まえられますか? 狩人さん」
しろが素早い動作で立ち上がって、回廊へと走りだす。
「捕まえたら、今夜は好きにしてもらって構いませんよ」
そう言って、少女はリヒトの視界から消えた。
「……上等だ! 明日も寝不足にしてやるぞ!」
リヒトもまた、白い恋人を追って居間を出た。そして――――
以上です。短いね! ギャグもないね! たろ氏に比べると見劣りするね!
あ、どうなったかはご想像にお任せしますw
乙!
今日はどうしたSSスレ。口から砂糖が吹き出しそうでs
では、たろさんのも合わせてじっくり読ませて貰いまうす
>>428 投下乙です!じっくり読ませて貰いますぜ
しかし何というか……俺今異常にテンション高いっすwww一仕事終える時気持ち良いっすねwww
て訳で超亀長文連投レスです、毎度の事ながらお許しください
前スレ
>>905 すみません、自分すぐネガる&鬱るんですorz
今後治してかないとなぁ……
>>909 時正マッシヴカッコいいよ時正
葉月たん良いな―ww聡明そうで。こういうお姉さん欲しいww
>>929>>958 感想dです
もしかしたら近いうちに復活するかもです
するかもなので、もしかしたら復活しないかもです。
ごめんなさい、何時か書きますw
>>998>>1000 これから避難所に行ってきます
ちょっと遅かったけど…
本スレ
>>51>>230 合わせて読ませて貰いました。投下乙です!
ディーの破天荒ぶりと、大暴れするカッコ良すぎるネーミングなテツワンオ―のハチャメチャぶりに笑いながらも痺れました
しかしディーを助けた、イグザゼン、正にヒーローと言った感じの鋭く重く、的確な闘いぶりに、一種の怖さを感じたり
さて、何者かに居場所をばれてしまったイグザゼンはどうなるのか、そしてディーはどのように物語に絡んでくるのか
次回を楽しみしています!
>>60 いかんあぶない危ない危ない……いや師匠、これは本気で危ないww
しかし遥さんは流石ロリの鏡、これだけ小さくても面影変わんねぇww
>>131 投下乙です!
様々な専門用語が飛び交っていて、何だか読んでて頭が良くなりそうな錯覚を覚えましたw
良いですよねーこういう謎が見え隠れする登場人物と会話って。ラストナンバー……なんて好奇心がそそられる!
つか皆が言う様に藍さん大活躍ですなww流石潤也の―――――というか荒れ潤也さん何故(ry
それでは次回を楽しみにしています!
>>175 投下乙です!
織天然可愛すぎるよ織!ホントにチンピラどもから守ってもらえて心からホッとしてます
そして矢神カッコ良すぎるだろJK……これは男でも惚れちゃうカッコよさ
と思ったらフラグバッキバキにする豪傑さwwwもー矢神君ったらwww
にしてもこの二人の空見、もっと見てみたいななんて…・・w次回を楽しみにしております!
>>217 何このイケメンたまんねぇ
しかしこれだけ威圧感なると、戦う前に大概のチンピラは逃げだしそうだww
続きます
>>217→
>>213です、すみません
>>232 流石ロリ師匠、素晴らしい妄想力である。ホント矢神勿体無いなwwこんな可愛い子をw
うしろのたまちゃんは身軽でも強そうですねwうかつに近づいたら蹴り飛ばされそうww
>>234 描かれたのなら書かないといけません、アインちゃん2
やべーあれほどキワモノすれすれな話でも、ここまで可愛くイマジネーションしてくれる
>>882氏凄いですww
一人と一機を描いて下さり、有難うございました!
>>246 うおおおおおお!
ババァ俺を殴ってくれぇぇぇぇぇ!!
……はっ、俺は何を
>>428 投下乙で
甘―――――――――――――――いっ!!
何だこの甘さはっ!あまりの甘さに虫歯確実ですよこれは!
この一人と一機・……分かり合っている故、ですね。
でもごめんなさい、最後らへんの会話はちょっと青春ドラマっぽくて笑いましたw
>たろ氏に比べると見劣りするね!
いえいえ全然ですよ
むしろ俺の方が皆様が投下されたSSを読んでレベルの高さにガクブルしている所です
皆文章上手すぎるよ―w嫉妬しちゃうジャマイカ……
>>419-420 感想有難うございます!
いやー休日効果もあり、やるならとことんやろうって事で二本同時にやらせてもらいました
ホントは00の二次創作もやろうと思ってたんですが、流石に間に合わなくなると思って残念ながら
しかし流石にロスガが評判良くて、胸を撫でおろしていますw
でもホント、マキとティマの二人には何時もお世話になっています。この二人を描くと、自分の中で初心に帰る感じがして
ヴィヴィっとの方はもう色んな意味でやりたい放題でww書いてて凄くハイになりましたww
オルトロックの外道さが本編と近くなってきたな―と思うと同時に、あれ? 魔法少女じゃ無くね?これと疑問が(ry
自分には生憎絵心皆無なので、だれか変身したメルたんを書いて貰えないかな―と
師匠とか師匠とか、後師匠とか
>>428 改めて投下乙です!
>ギャグもないね!
嘘だ!!w
>寝言は悪魔だが
ちゃんとあるじゃないですかw
しかしこの甘いクォリティー……改めて感服しましたですよw
ところでこの続きは、
二人でイチャイチャしてるとやおよろずメンバーが帰ってくる
というお約束の展開ですよね!w……べたすぎるwちょっと壮馬さんに殴られてきますノシ
>>433 _ -───- _
, '´ `ヽ
/ \
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | |
| ! | |
| │ 〈 !
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! や ら な い か ?
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l |
| | /ヽ! | |ヽ i !
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ'
`! /
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / |
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / |
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐- 、,_
>>433 くwwwそwwwどんな物でもと覚悟してた筈なのにwww
一気にもってかれたぜこんちくしょうwww
>>428 素晴らしいゲロ甘クオリティだッ!!
読み終えた今でもニヤニヤが止まんねぇ!!
誰も居ないと分かるや否やリヒトの膝の上に座るシロ
事ある毎に頬を染めるシロ
最高だッ!!
溢れんばかりの愛、ごちそうさまでした。
>「……上等だ! 明日も寝不足にしてやるぞ!」
さりげにエロスw
>>411 >ロスガ
甘い、甘いよ……砂糖の海で溺れそうです。
貧弱一般人の私には、うまくは言えませんがティマさんの恋の行く末に幸あれでs
>ヴィヴィっとメルちゃん
オルさん怖い……悪質ストーカーとはこのような人の事を言うんだろうなぁ多分と
思った今日この頃です。
そしてサービスとな!?これ以上無く楽しみにしてますn
>>428 凄く……甘いです……直視出来ない程度には。
もうそれ以上言う事が。。。サッカリン使うとか卑怯だぞーw
もうリヒトとシロくっついちゃえばいいんじゃないかnと思ったらもうくっついちゃっt(ry
>>433 興< や ら な い か >干
……しかしもう今回の分だけでも糖分の過剰摂取で糖尿病なっちゃうんじゃないかなこれw
>>438 感想有難うございます
自分自身書いてて歯が全部溶けるくらい甘ったるいですw
しかしつくづく、自分にとってロスガが大事な作品なんだな―と実感しますね、書いてると
オルトロックはこれでもオリジナルからは大分優しくなってますねw
でもまぁ別の方向に(ryサービスは期待せず(ry
>>411 改めまして投下乙です!
>ヴィヴィっ! と
ヴィルは銃にFFRするんですか! これは強敵だ……!
しかし何でしょう、タカ坊が喋る度に原作とのキャラの違いにニヤニヤしてしまうんですがwww
メルちゃんはやる気満々ですね、なんて魅力的なんだ! あとタカ坊よ、全裸になるなんていちいち言わんでよろしいw
グランファーの機能は魔法少女になっても健在なんですね、という事は――――
>ロスガ
甘い、甘いよたろ氏! 畜生極細め! 祝ってやる、祝ってやるぞ!
もうラっブラブですね二人共。なんというおしどり夫婦かーっ!
あと極細、鼻血ってwwwロスガのアフターストーリーは読んでてニヤニヤが止まりませんなぁw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
……って、
>一条
(゚Д゚ )
( ゚Д゚)
( ゚Д゚;)うわーっ! なんか小学生がいるーっ!?
ジョインジョインハルカァ
テーレッテー
>>433 警察を! 警察を呼べーっ!
ちくしょう、なんでマッチョなんだwww
確かにこれは誰でも引きますねw
>>431 >この二人の空見、もっと見てみたいな
好評頂けたようなので○.5話という形で矢神、小野寺メインの話を書こうと思います。
いつになるか分かりませんがw
>>433 加賀谷「夏になると何故か筋肉が湧き上がるんだ。まさに人体の神秘。(ムキッ」
※通常時の体付きは全男性キャラ中、最も貧相です。
>>441 筋 肉 了 解
マッチョッチョ怖いよマッチョッチョ
暑苦しいスマイルと鋼の肉体(ばでー)でヒートメタルがいけそうです(謎
ところでeXar-Xenの今のところ出せそう(で、本編では言えそうに無い事も含んだ)な資料集を仕立ててみたのですが、
ワタシにwikiを編集する技能がありませんので、どうしたらいいのか困惑していたりしていたり……
ちょっと夜食を買いに行ってたら師匠まで投下してるとかwww
>>411 改めて投下乙!
メルフィーはできる子だなぁ。てかタカ坊どこ行ったwww
なんやかんやでオルトロックの残虐性はそのまんまなのね。つかヤンデレな分こっちのがタチ悪いwww
ロスガは相変わらず甘々過ぎて困るwとりあえず極細祝ってやる、祝ってやるぞ!
あと花屋に小学生がいたような気がsジョインジョインハルカァ
>>428 W真祖様が揃って甘々なSS書いてくるとか恐ろしい日だな今日は!つか寝言は悪魔吹いたwww
シャイだけど積極的とか可愛すぎるぞうさぎちゃん!あと、ヴァイス・ヘーシェンって訳し方によっては白い恋人になるのね……なにこれ巧い
ところでこれって教師と生t(ry
>>433 なにこの殺しても死ななさそうな眼鏡www
>>431 感想、ありがとうございます! トッキーはまったくの別物になりそうですけどねw あと失礼ですけど鬱るんですでクスっときてしまった……w
>本気で危ない
あの時の私は、まさしく夏の加賀谷部長状態でした……いや、ロリベラムと言うべきか。
>これだけ小さくても面影変わんねぇ
むしろこんな小さい頃から髪型全然変えてないところg(ry
え? 今も小さジョインジョインハルカァ
>>432 まったくですね! やがみんは罰当たりな人だw
たまちゃんに蹴られるなんて、僕は……!
>白い恋人
一人と一機というか、二人ですねw 機械“人”形なら〜人と数えても問題アルマイヤー。
>最後らへんの会話は青春ドラマっぽくて笑いました
恥ずかしさをごまかそうとしたら逆にもっと恥ずかしくなっちゃったって奴ですねw
多分これを思い出す度にしろちゃんは布団の上でばたばたする事でしょうw
>師匠とか師匠とか、後師匠とか
あ、じゃあその後師匠って人に(ry
って、それメルちゃんのキャラデザもするって事じゃないですかwww
……よろしい、ならば注文を言いたまえ。
>>434 いつもより抑え目って事でここはひとつw
>二人でイチャイチャしてるとやおよろずメンバーが帰ってくる
最初はそれでウブな遥さんがバタンキューしちゃう、ってオチで行こうかと思ったんですけど、時間がなかったのでこうなりました。
それにこっちのがなんかえろいしn(ry
>>437 シロちゃんは徹底的にツンデレキャラ貫いてますよねw あの子も実はウブなんで。てか、あの子実はドMなんdうわしろちゃんなにをするやめ
>>438 もう20年くらい一緒にいるので、とっくの昔にくっついちゃっt(ry
>>444 まあ「白いかわいこちゃん」が正しいんですけどねw
>ところでこれって教師と生t(ry
年齢的にはまったく問題ありません(キリッ
>>443 テキストにしてうpしていただければ、その内私か管理人さんがページ追加しますよー。
>>446 では、ここに投下しておいて構いませんか?
量はそれほどでもないので支援のお手数は掛けないかと
>多分これを思い出す度にしろちゃんは布団の上でばたばたする
ちょ、普段澄ましてるだけにこのギャップは可愛すぎるw
>あの子実はドM
おっきしましtうわしろちゃんなにをするやめ
>>447 ばっちこーい!!
ああ、うpロダですね。すっかり失念してました;
あ、こちらでいいのね……では行きます。
本編で説明出来そうに無い事を纏めてみましたー
〜〜ジャンクヤード編〜〜
・ジャンクヤード
ディー達の住む世界における「州」(一部「国」)と呼べる存在。
ジャンクの海を掻き分けたような場所に点在し、それぞれが地下で高速鉄道「ギガライン」により結ばれている。(例外あり)
設立した順に番号が振り分けられており、ディー達の住む所は012。つまり12番目に設立した事を示している。
更に愛称のような名前をそれぞれが設立した際に公募により決められ、「スチームヒル」、「アクアリング」、「アイアンメーカー」、「ファーストステップ」などの名称が知られている。
・スカベンジャー
いつ、誰が始めたかも定かではないゴミ拾い業。
基本的に生活はかなり厳しく、社会の最底辺と認識されているが彼らがいないと社会が回らないのもまた事実。
彼らが拾ってきたジャンクは専門の業者に売り渡されそこで修理や使いやすいような改造等を施され世に出回る。
それらが不要でそのまま使用出来る保存状態のいい物は高値で取引されている。
ちなみにそのままではとても使えないモノは溶かされ、インゴットとして精錬され素材として用いられる。
・バリード
「埋葬」という名を持つそれは、スカベンジャーにとっては「天敵」でありジャンクヤードに暮らす人々にとっても長年悩まされてきた「災害」である。
元はと言えばここのジャンク山を生み出した「何者か」が用いていた自律型ロボットだったようだが、不要となってか投棄され更にそれが
何かの拍子(掘り出されたり、人が近くを通りかかったりする)に暴走状態で再起動したモノをこれに分類する。
全体的に極めて高性能な人工知能を持ち、会話すら可能なタイプもいるのだが、例え出来たとしてもこちらとの意思の疎通はほぼ不可能であり、
手なずけようにもまず出来ない。故に破壊するしか無いのだが、大概のバリードはスカベンジャーが主流として用いているマシンダムタイプよりも強力なパワーを持ち、
一対一で敵う相手ではない。いいとこ行って精々時間稼ぎ程度が限度なので
スカベンジャーの業務は多人数での遂行、武装の携帯が推奨されているが、
軍や自警団によりバリードがほぼ駆逐されている地域では非武装、更に一人での業務も可能とされている。
ちなみにとにかく沢山の種類があり、分類はあまり進んでいない。(ある程度の大分は可能だが細かいところになるとそれこそ無数に存在するため、スカベンジャー達からは似た機種は、多少詳細は違えど同じモノとして扱われている。)
人を襲わない類の大人しい者もいるにはいるが、彼らは自身の補修を目的にジャンク山に捨てられているパーツを自ら使用するので、
使えるジャンクの確保の為に実害の有無はともかく見かければ即駆逐されるという現実もある。その為始めは大人しかった者も人による攻撃を受け凶暴化するという事態もあるという。
ちなみにこれに用いられている電子部品は高性能な物が多く、それ目当てにバリードを狩る事を専門としている業者がいるとか、
大人しい種類のバリードを飼い慣らしたスカベンジャーがいるとの未確認情報もあるが真相は定かではない。
・マシンダム
ジャンク山より出土した作業用機械を祖に持つスカベンジャー御用達の半人型ロボット。
類人猿のように長い腕部にどちらかと言うと短い脚部が特徴的。極めて汎用性に優れ、かつ整備性も良好で、比較的安価。
全長は大型の物でも5mほどで小型の物となると1mほど(背後に乗って操縦する)。
全長3mであるディーのテツワンオー(M−087)は極めてオーソドックスなタイプである。
ちなみに自警団等で主に用いられているギアズガードという戦闘及び警備を主な任務とする種類の機体も大きい枠で見るとこれに該当し、
ジャンクヤードの人達の間では最も多く用いられているロボットであると言える。
・自警団
ギアズガードと呼ばれるマシンダムを基にした戦闘ロボットを主力とするジャンクヤードの防衛及び治安維持部隊。
言ってみればこの世界での公務員である。スカベンジャー達はこれにエマージェンシーを送る装置を携帯しさえいればどのような形態、
それこそ生身でもスカベンジャー業を行う事を許可される(あくまで許可であり、身の保障は一切していない。)
それぞれのジャンクヤードに駐屯しており、その規模もジャンクヤード毎にまちまち。俗に「最前線」と呼ばれる
バリードの襲撃が極めて多いジャンクヤードではその規模もかなり大きくなり、使用しているギアズガードも最新の機種が揃えられている。
逆を言うとそれ以外の場所だと特別治安が悪い場所以外は経費削減のため機種更新は遅くなり、人員もそこまで多くない。
「そのジャンクヤードに配備されているギアズガードを見れば、そこがいつ「最前線」だったか分かる」とはよく言われる話。
・軍
それぞれのジャンクヤードに駐屯している自警団とは違い、大規模なジャンクヤードにのみ存在する強力な武力を持つ組織。
いくつかのジャンクヤードによる連合が行われる際には、これを持つジャンクヤードが代表となる。(複数が保有する場合、その規模が最も大きい場所が代表に選ばれる)
ちなみに戦力はギアズガードのみならず、航空戦力や大型の機動兵器を保有する所もあるとか。
以上です。
お手数お掛けしますね。。。
>>453 設定投下乙です!
おお、なんかバリードにウチの野良達が親近感を抱いている……。
イグザともうつかクロスしたいなぁ。
>>453 設定投下乙!
なにこれ、ジャンクの山には夢と危険が一般過ぎる……
>>454 師匠がまたやる気を出したようです
一般じゃないよ一杯だよ!
どんなミスしとるんだ俺w
ジャンクの山には夢と危険が一般過ぎる……
意味としてはそれほど間違ってはいないな。
日本語としてはちょっとおかしいですけどねw
私の「うつか」なんか何語かもわかりませんが……。
た、多分PBM世界の言葉なんじゃないかな!
しかしwiki見るとたろ氏と師匠のページの充実っぷりがヤバいな
感想ありがとうです。
夢も危険も一般的なのがジャンクヤード。今日も今日とて男達は一攫千金を目指して
ジャンクの海を掻き分ける。。。
>>454 書いてる内にワタシも師匠さんとこの野良ちゃん達が頭を過ぎったのはここだけの話w
クロスかぁ……いつかしてみたいですねぇ。。。(遠い目
興味本位でwiki収録分だけ作品数えてみた
たろ氏
16作・全63話
師匠
11作・全34話+イラスト68枚+写真6枚=108=煩悩
ここにロダの半分近くを占拠してる未収録のイラストと去年の夏に投下した種の二次なんかを含めると色々おかしくなる。てか未収録含めてない時点で師匠おかしい。そして師匠の数字に目が行きがちだけど、たろ氏の63話も相当ヤバい
数えてみたらロダに上がってる師匠のイラストは53枚だった。つかそれでも大体1/6か……
つまり108+1(今回の分)+2(種)+53(ロダに上がってるイラスト)+x(@ピタに上げたイラスト)=164+x
たろ氏はタウエルンの前後編のカウント間違えてたから63→65話に。さらに今回の2作を足して67話
あ、師匠のとこ、TOP絵忘れてた
165+xだ
>>411 流石ロボスレ、ギミックがしっかり盛り込んであってニヤニヤ。
しかし緊急時とはいえ隆昭のデリカシーの無さはどうなのさと思ったら男を見せるから困る。
次回をお待ちしております。
…そしてまさかの二本立てッ!
甘い、甘いぞォォォーッッ!!
マキの反応がだんだん愉快なことになってきているが相手が相手だ仕方ない。
呼びやすいって言ってためておいて、仲直りで
「約束だよ、シゲル」
こいつは反則級だ…とんだ…策士だぜ…
そして遥さんガッツリ出ててワロス
>>428 甘いッ!甘過ぎるッ!!
気配りも料理も出来る男…流石ロボスレの紳士代表ということか!!
もう甘すぎて甘いしか言えな甘い
>>433 なんだ夏か。夏なら仕方ない。
そんなことより…
や ら な い か
>>453 トレジャー魂が揺さぶられるなぁ。
設定の端にチラリと見える要素だけでも話が作れそうな気配が!
どうでもよいけれど昨日の老婦人、リベジよりMs.Kです。
正式に本編に出てないのに作者に何も聞かずに書くとかアレな気もしますが、
デザイン云々ではなくあくまで個人のイメージなので180°違ってようが知らんがな理論です。
いや、実際この場で平謝りしますが。
>>461-463 煩悩www
@ピタは画像もう消えちゃってるのでカウントに入れなくていいんじゃないですかね。
というかマチコさんくらいしか無かったような気が……。
>>464 感想、ありがとうございます!
セクハラもできるよ! よ!
>昨日の老婦人、リベジよりMs.Kです
よし、合ってた!
と思ったら、珍獣、まどかさん×2、エリー、マチコさんの5つありました。
つまり全部で170……200になるのはいつでしょうねw
てか自分の画像だけでも60近くwikiに収録しなきゃいけないんですね。これは骨が折れるぞ……!
ど、どういうことなの…
一日。たった一日。というか半日見てなかっただけで投下ラッシュとか……嬉しいけど色んな意味でまにあわねぇ…
ロボスレはそういう場所さ……最近は特に
数日目を離しただけで22号機から23号機になってる……
しかももう半分近いとかこれはやばい……
ていうかホワイトデーネタでつまってたからか、そうなのか
※ホワイトデーネタは2つだけです
ほんとだww恥ずかしい……
時期を逃した感が否めないけれどホワイトデーネタまた後に投下するかもです
まあそれより読み進めて感想書く作業に戻らなくちゃ……
これはwktkせざるを得ない……!
さらに明日の10時にCRが来るとの予告が
しかも40 KB近くの容量が軽く吹っ飛ぶレベルの文字数という
じょ、冗談じゃ
23号機は1週間持つかすら怪しいですねw
500は行くだろうけど、
>>1000は無理くさいなw
もしかすると初めての新作なしになるかもわからんね
志村ー、たろ氏の00! 00!
>>131 投下乙でした!
藍ちゃん強い&格好ぇぇ!ラストナンバーって響きもいいし、No.Tってのもいいですね……!
そして琴峰研究所……。客観的に見れば非人道的な狂気の沙汰でも、当人たちにとってみれば
命を救われているのだから感謝している……。立場によって何が善であるかは変わる、というのが
とても自分の中で心に残りました。
次回はエレクトロキネシス同士の戦闘ですね……。今からwktkが止まらないっ!楽しみに待っています!
>>175 投下乙でした!
織ちゃん格好いいなぁ。そして色々とチンピラ共に対しての発言に笑わせてもらいましたw
被災者の様な格好がツボったw そして今回ロリコン発言が何度も出たのが笑ったw
そして眼の発動のシーンが個人的に一番燃えた……!誰か、アニメーションにしてくれ!
矢神さん強ぇぇ!あの織ちゃんを瞬殺とか、全国レベルは半端じゃねぇ・・・・・・。
個人的に守屋くんと矢神さんの本気の戦闘より、加賀谷と矢神さんの本気の戦闘が見てみたいw
番外編楽しかったです!w 次の更新は本編になるのかな?楽しみに待ってます!
>>230 投下乙でした!
イグザゼンの登場に戦闘。ダガーを使うロボットってのも珍しくていいなぁ。
投げナイフって浪漫だと思うんだ、うん。そして銀の長剣。格好いいのぅ。
そして漆黒のモノアイ機体……。この機体の活躍にも名前にもwktkが止まらない。
こいつに見つかったイグザゼン。この後の展開がどうなっていくのか……。
次回も楽しみに待ってます!
>>411 2作品同時投下乙です!
タカ坊まさかの死亡におもくそ笑ったwそして露出度の高いバトルスーツだと……!?
そして防護機能は付いているのに防寒機能はついてないのかwだがそれがお約束。
オルトロックに対抗できる力を得たメルフィーって……次回で、最終回……だと……。
死んだ(?)タカ坊とメルフィーの将来は!?最終回、今からwktkが止まらねぇ!
そしてもう一方は甘いなぁあああ。もう、めっさ甘いのぅ。カスタードクリームが苦く感じるほどの甘々だぜ。
人とアンドロイドの差に対しての葛藤にティマの人間の心の成長。それ故のすれ違いが上手く書かれていて
とても良かったです。いや、ニヤニヤが、止まらない……。
番外編に魔法少女モノにロボ物。どれも面白くて書き手として羨ましい限りです……!
次回の投下を楽しみに待っております!
>>428 何この甘々地獄。デザートでミックスパフェを頼んだら続いてチョコパフェも来たような気分。
自分の表情筋を崩壊させるつもりかぁぁ!ニヤニヤした顔が止まらないじゃねぇかああああ!
この二人の会話はそれぞれが互いのことをきちんとわかりあってる、というのがとても伝わってきますね……!
ちくしょうこのロリコン野郎、なんて羨ましいんだおいそこ場所代わrrr
今回もだだ甘ぁーな気分に浸らせてもらいました……。次回の投下を楽しみに待っておりますぜ!
>>325 おkです!早ければ1週間。遅くて2週間以内に仕上げられるかも、と。
いや、本当文章もイラストも遅筆で申し訳ないです……。これで彩色もやってたらどんだけ時間がかかるんd
胸元は大丈夫ですぜ!この資料があれば十分イラストにできます。
あと、全キャラこの服装で良いのですか?他どういった服装にしてほしい、とかあれば描きますぜ!
それと各キャラについての非常に簡単で良いのでどういった性格等描いてもらえるとありがたいかと。
表情の参考、というかどういった表情でおかしくないのかがわかりますのでw
例としては「1.ツンデレ」とかだけでもおkなのでw
平日より土日の方がハードってどういうことなの……。約2日いなかっただけで小説の感想だけでもこの量。
ロボスレの粒子量に限界はないのか……。いつまで続くのだ、このトランザムはッ……!?
いや、これはトランザムじゃない……ツインドライヴだ!
>>477 不覚にも忘れていた……ッ!
>>478 感想、ありがとうございます!
甘い話を書くと、次は戦闘が書きたくなる! ふしぎ!
>>431 感想有難う御座います。
>加賀谷と矢神さんの本気の戦闘
見た瞬間、話が出来上がったので、そのネタ使わせて頂きます。
え、なにこの展開。熱すぎる
つかあの二人の本気とか想像できないw
……ああ、夏か!夏なのか!
って、話が出来上がったじゃなくて思い浮かんだ。でした。
流石に30kb前後のお話を一瞬で書けるような能力は無いwww
>>482 いつ頃になるかは分かりませんが、必ずやります。
>>485 おふざけ抜きの平常運行でガチファイトさせたいと思いますwww
夏仕様だと加賀屋VSメインキャラ全員にwww
だめだ! 夏だとインパクト的にやがみんに勝ち目がない!
>>486 見た目のインパクト以外も最強、だと……!?
やがみんで笑ってしまうオレガイル かがみんかよw
>>489 「や〜がみん☆」って言いながら、矢神に斬りかかる加賀屋を想像してしまった。
部長キャラ立ちすぎだろwww
>>489 そのかがみんとは
1.柊かがみ
2.かがみあきら
3.戦いの神(笑)
これの内のどれざんしょ
電王は最初から最後までクライマックスでしたが、ガタックは最初で最後のクライマックスでした……。
ガタックのハイパーフォームには愛が感じられない
まぁ雑誌のおまけビデオ用じゃ仕方ないのかもしれないけど…
っていうかゴセイグレートの変型合体が酷すぎるだろ…ムゲンバインかよ…
あれちょっとゴテゴテし過ぎですよね。
というかカブトもガタックもハイパーモードじゃないほうがかっこいいという。
あんま関係ないですが、ガイキングLOD見てたら、角ついたロボ出したくなってきたでござるのマキ。
13話の角で剣ブチ折った奴ですね、わかります
いぐざくとりー。
あの回は凄すぎますよね。
>>491 モチロンツインテールの子に決まってるだろう!
感想
>>411 オルトさん、ショタ化してもテラ鬼畜とは流石やることが違うぜこの外道!w
うーむ、…なんといいますか、徐々に雲行きが怪しくなってまいりました。悲劇がまた起きてしまうのではないかと。ヴィル的な意味で。
早々に退散させられた隆昭君カワイソス
投下乙です!
祝ってやる、祝ってやるぞこのバカップルめ!w
もう色んな意味でヤバい。顔のニヤけが止まらないっ。いいぞもっとやれウェーイ夫婦っていいなぁ夫婦
それにしても子供かぁ……ひょっとして……ティマってうわなにをするやめ
>>428 リヒトさんってこんないい男だっけ…投下乙(失礼
なんだろう、甘い展開。
いちゃいちゃしやがってっ明日も寝不足にしてやるぞ明日も寝不足にしてやるぞだとォー!? ウヒョー
>>433 ウホッ いい男…
>>451 設定投下乙です。
荒廃した世界っぽくて素敵っす。
一面のジャンク山ってのも絵になりそうで。
>>486 よっしゃあああぃ!何事も言ってみるもんだ!
今から滅茶苦茶楽しみにして待っております!
>>491 え、あれだろ。矢神がやがみんで加賀谷がかがみんじゃないのkkk
しかし夏部長のおかげで筋肉野郎隊また増えたなw
>>497 感想、ありがとうございます!
リヒトサンハイイオトコデスヨ?
>>498 むしろ……かがやん?
>>500 ロリコンハショウドクダーッ!
そういえば自分ってクリスマスとかの時もそうだけど、あんまりそういうの書いてないなぁ 甘い展開のでも書くかなぁ
ええい、貴様ら俺を糖尿病にする気かーっ!
次のイベントは……夏祭りですかね?
夏はむしろ男臭い話をだなw
>>504 〜ドキッ!男だけの裸祭り〜ポロリもあるよinロボスレ〜ですね、わかります
まぁ待て諸君、その前に花見があるだろうw
19以上のキャラによる宴会ですねわかります
おい何人か小学生gジョインジョインハルカァ
その場合遥さんとか桔梗ばあさんみたいな合法ロリータ組はどうなるw
>>509 そういう場合には個人の敷地内でやればいいんですよw大人も巻き込んでw
死屍累々だな…いろんな意味で
よし、じゃあ学園かやおよろず荘借りよう
じゃあやおよろず荘の中庭に桜の木植えときますね。
桜が破壊されないように鉄条網配置してっと
よし、じゃあ罠も仕掛けとこうか
なんか花見じゃなくて戦争になりそうな予感が……w
盛り上がると色々暴走しそうな連中ですしねw
ビームとか実弾とか拳とかw
桔梗「いや、桜全体に結界を貼ろう。触れられるが過度の力は分散させる術式を心得ている」
タカ坊の生写真をエサに落とし穴っと
いかん途中送信
これでビーム撃ち込まれても桜は無事だよ!分散したビームで建物がどうなるかは運次第だけど!w
厳重過ぎるwww
てか花見のシーズンかなり近いな
>>520 落とし穴はやばい位に深くしておいてくれw
対象が引っかかったら、何らかの手段で動きを封じて埋めなきゃいかんね
もう二度と悪夢が繰り返されないためにも……
じゃあ建物のほうはロリババァその2のなごみんに超強力なバリアをですね。
>>525 次のシーンで何事もなかったかのように復活してそうで怖いんですけどw
コンクリートだと染み出てきてしまうな……
例え隆昭君が何処に隠れようと、私の犬の500倍以上の嗅覚と1000qをも見通す視覚で銀河系のかなたまで追いかける
ってあの人が言ってた
どうにかならんのか、あのバケモノはw
ロボスレ最強なのは間違いないな
不死性に関しては最強だなw
怖すぎるwww
ジャジャンジャンジャジャン
ギャグとはいえ、ホラー物のクリーチャーみたいな設定ついてますもんねw
多分あいつとバトル的な意味でなく、精神的な意味で渡り合えそうなのはツクヨミ先生くらいだと作者は思ってたり
つかツクヨミ先生とあいつが1対1で話してる所が凄く見たいですww
と、1夜経ったら凄い感想数でオラ吃驚してるぞ
もうちょいしたらレス返します
会話繋がらなさそうな気がするんだけどw
お互い自分の言いたいこと言うだけで終わるなw確実にw
ここで久々に、
<ロボスレの主人公達を同じ部屋に閉じ込めてみた>
という話題をですね。
恐ろしい…
>>538 部屋というのが医務室かどうかで状況が大きく変わるな
前その話題出した時よりも皆キャラ立ってるから酷いことになるなw
医務室はらめぇwww
>>540 馬鹿野郎、前よりも女の子増えてるんだぞwww
剛より強い柔の拳を持つ遥さんがいれば大丈夫だと思うマス
極細もいるよ!
遥「生命(いのち)とは投げ捨てる物……」
テーレッテー
>>246 このババアSUGEEE
ふふふ、今日はババアがみんなの度肝を抜く筈
いや、うん、やっと出ると思ったら嬉しくてなんか色々やりすぎたんだ…正直
>>411 乙です、何この二本立ててかお馬鹿なノリ(いい意味で)
このとろけるような甘い展開のさじ加減がたまらねぇー
あいもかわらず半端無いキャラ描写力に惚れます
変身からCC的な戦闘シーンへの移行、そこで武器で攻撃に行くと思いきや鉄拳の流れで糞笑いましたw
そしてロスガのとろける様な甘さ、ニヤニヤが止まらないのが良いです
>>428 あめぇ、なんでこんなにロボスレの人間は甘い話を書くのが上手い人が多いのか
ああ、甘い、甘くて甘くてうらやましぃぃぃぞぉぉぉぉ
>>478 >立場によって何が善であるかは変わる、というのがとても自分の中で心に残りました。
うわーん、凄く嬉しい感想ktkr
いや、実はこの設定に関してはそれを書いてみたいなぁーというのがあったんですよ
この作品、ガチに狂ってるキャラは二人しかいないので、その辺りも見てもらえると面白いかも・・・
今日続き投下予定なので楽しみにしてもらえると幸いです、現在誤字脱字とか文章の手直し中(´・ω・`)
しかしSIDE Bのエピソード分割前合計すると4万2千字とかシャドウミラージュ3話にあと一歩で届くレベルだった…
>>547 フフフ…wktkしながら待ってますぜ!!
よーし、空気も読まずにどんどん投下しちゃうからねぇー(一作だけ)
『Diver's shellU』
第九話「風邪」
第二地球暦148年 13月2日
気温が零下を下回るようになって久しい今日この頃。
天に昇った太陽は疲れたから休むわと言わんばかりの超特急で地平線の下に休みに行き、俺の出番だベイビーと乱舞しながら夜が押し寄せる、そんな季節、冬。
冬ともなれば空気が乾燥して風邪が流行る。乾燥した空気は人体に害をもたらす細菌の多くに利を与え、活性化させる。予防をしっかりすべき時期だ。栄養睡眠はしっかりとろう。
ジュリアは、孤児院のベッドの上で、意識を朦朧としつつ思った。
どうしてこんなことに、と。
原因は少々前に遡らなくてはなるまい―――。
.
新型潜水機『クラドセラケ』の製作は順調「だった」。
設計と必要な製品の選択に合計一ヶ月かけて、製作に今日までかけた。ホイホイ造れるものではないため、現段階でも未完成だが、順調に行けば年内の試運転にこぎつける筈だったのだ。
クラドセラケ(Cladoselache)―――……古生代デボン紀後期の地球に棲息していた、原始的な鮫の一種。復元図を見ると現在の鮫とは口部が大きく異なり、体の形状も鰻に見えなくも無い。
メインスラスターは造らず、安定性や耐久性に定評のあるフェブルウス社製を使用。帰還用背面部スラスターは、小型のものを。固定兵器はハルキゲニアから流用し、三連装遠距離魚雷ランチャー、熱音波煙幕弾投射器に決定した。
製作する部分が比較的少なかったので短期間で済んだ。
設計で一番苦労したのは勿論、クラドセラケの変形機構であった。
鮫から人に。これを実現するには可動する部位を増やし、鮫形態の時は水の抵抗を少なくして、人型の時は両手足を伸ばす……一晩中悩んだこともあった。学術書を読み漁り、数々ある潜水機の設計図を読み潰した。
そうして、やっと製作に漕ぎ付け、完成はあと少し―――という時に、ジュリアは作業を停止するしか道が無かった。理由は風邪である。
潜水機を造る為に徹夜したり食事をお粗末にしたために体の抵抗力が減少して、増殖を狙う風邪菌に襲撃され熱を出して倒れた。夢中になるのも程ほどにしておけばよかったのだ。
倒れたのが孤児院前だったのが幸い(?)して、ジュリアはオルカの手で部屋の中に担ぎ込まれた。
そして今。
ジュリアは、クラウディアのお陰で帰るに帰れずオルカが用意した一室にあるベッドで臥せていた。
最初はオルカに自分を自宅に連れて行かせようとしたのだが、クラウディアが家に帰ってくるまでに風邪が悪化するだの、帰るのは危険だの、大掃除をするんだだの、潜水機を一人で頑張って造ってるからゆっくりしててなど、理由をつけられて帰れなかった。
頭が熱い。体が熱くて、鉛のように重い。眼の奥で鈍痛がする。関節が軋むように痛い。
ぜぇぜぇ、と熱い吐息を吐いては、部屋の空気を吸い込む。
頭の中に蒸気を詰め込まれているような錯覚が離れない。
「くそ……」
彼女は孤児院の一室に居る。
元は白かったであろう壁紙はくすんで灰色に近く、窓もなんとなく覇気が無い。シーツこそ新しいものの、肝心のベッド本体はボロボロだった。部屋の隅で寂しげに立つ黒ずんだ机と椅子が年季を感じさせる。
ジュリアは、体の上にかかった布団を跳ね上げて篭った熱を逃がすと、汗で皮膚にべっとり張り付いた男物のパジャマの胸元に息を吹き込んだ。
黒い前髪も汗で張り付き、額から零れた汗が鼻の横を通って口に流れる。舌を出して舐めるとしょっぱかった。
熱に浮かされている所為か過去の記憶がどっと再生され始めた。
走馬灯ではないと信じたい。
頭を振って再生を強制停止させる。
風邪で死ぬものかと強く思うも、風邪をひいた経験がほぼ無い為に抗体が無いことに気が付いて弱気になりかける。風邪をひくとマイナス思考になるものなのだろうか。
喉の渇きを癒そうとベッドの横にある小さい台の上から水の入ったコップを取ろうとしたが、中身が無くて断念せざるを得なかった。喉の粘膜がヒリヒリしている。水が欲しい。水が欲しくてたまらない。
上半身を起こす。ベッドのスプリングがギシと音を鳴らす。
ジュリアはドアに体を向けると、俺は働きたくないと主張する喉に鞭打ち声を上げた。ベッドに寝た段階で居たオルカは眼を覚ますと消えていたが、呼べば来るかもしれない。
「………、はぁ…………はぁ、……オルカぁ……?」
…………。
自身の声がエコーがかって聞こえたが、きっと気のせいであろう。
声を上げても一向に返事は返って来ず、冬風で虚しく窓がガタついただけだった。
孤児院に宿泊してるも同然なのだから、身の回りの世話は全て自分ですべきなのかもしれない。オルカとて孤児院で働いているのだし、人一人に付き添って看病できるほど暇じゃないはずなのだから。
のろのろとベッドから起き上がったジュリアは、ベッドに手をかけて体を安定させつつ立ち上がった。スリッパを足に引っ掛けた。
一歩……を踏み出そうとしてよろめく。
「うわ……っ、とっと……」
足が言うことを聞かない。
すっ転びそうになったので、床にへたり込む。
ジュリアは、脳震盪を起こしたように体の制御が利き難くなっていることを自覚した。寝ていたせいではなく、風邪をひいたせいだろう。
自分が情けなくなってきた。水一つ取りにいくのも酔っ払いみたいにフラフラしなくてはならないのだ。平素なら眼を瞑って両手を縛られても水一杯程度なら調達可能なのに。
慎重にコップを握ると、ドアを開けて廊下に出る。
ふと思う。今はいつだ?
窓の外は曇りで、時間を知ることは出来ない。
倒れたのが昨日の夕方。運び込まれて眼を覚ましたときは夜だった。では、今は次の日の昼間なのか? それとも朝? さっぱり分からなかった。
水分補給のついでに、ぼんやりした頭をスッキリさせるためにも、水を飲むべく一歩一歩確かめるようにして歩む。歩く度スリッパがかぱこんかぱこん特有の音を立て、それが耳に染み入るようで。
ふと、孤児院なのに子供の姿が見えず声一つ聞こえないことに気が付く。
事件でも起こったのか、自分がおかしいのか……?
急に不安が津波のように押し寄せてくる。セカイから自分だけが剥離して滑り落ちた気持ち。孤島の周囲を渦が廻り続けるような不安。雪山で遭難して助けを待つ冒険者の心情。
ジュリアは、いつか読んだ小説の中で人類最後の生き残りの主人公が居たことを思い出した。
このままじゃいけない。
歩調を速めて、かつて生活を送っていた孤児院の中を歩いていき、リビングに出る。家具の少ない広間にも、人っ子一人居ない。本格的に恐怖がせり上がってくる。
ジュリアの赤い瞳が一度強く閉じ、そろりそろりと開く。
「………誰か、居ないの……?」
震えそうになる言葉を制してやっとのことで冷静に呼びかけるが、返事は無い。部屋を照らす照明がジジッと呻いた。
昔孤児院に住んでいたジュリアでも、この奇妙な静寂に耐えられる気がしない。だから本能を優先した。
リビングを歩いていき、両手の汗をパジャマにこすり付けると、キッチンに入ってコップに水を並々と満たす。透明な硝子に透明な液が限界まで注がれ、表面張力で縁を越えて震え。
零れないよう、自分から口を近づけて水を吸い取る。量が減った。今度はコップの中身を一気に飲み干す。ごくりごくりと喉が鳴る。冷たい水が胃にどっと流れ込み、体に染み渡る。
生き返った心地がした。
筈だった。
「………な……!?」
ジュリアが顔を上げると、全ては一変していた。
一面の火炎。
孤児院が火事になっていた。
目に入るもの全てが赤と朱の高温に嬲られ、蹂躙されている。
行動する機会を与えられることすらなく、体に火が燃え移る。熱い。熱い。死んでしまう。体が焼ける。嫌な臭いと音がする。
これは、なんなのだ、なんなのだ?
セカイが完全に赤で包まれ―――……。
その中心に一匹の猫が現れたかと思えば、鳴き声を上げた。
瞬間、意識が反転した。
.
「うああ………っ!?」
「……気がついた?」
ジュリアは悲鳴を上げながら飛び起きた。
まず最初に見えたのは、三つ編みにだぶだぶの服を着込んだ少女が自分の肩に手を置いている光景だった。
混乱に包まれた脳に命令を下し、情報の海から一つのファイルを引きずり上げる。
クー。
確かそんな名前だったはずだ。その彼女が、何故孤児院に居るのだろうか。そんなことはどうでもよかった。さっき見た一面の火が彼女を錯乱に近い状態に追い込んでいたのだ。
クーの肩を押しのけベッドから跳ね起きるや床に降り立ち、気が違ったように周囲をきょろきょろ見回す。火は無いのか、安全なのか、誰か居ないのか。
「だ、大丈夫か?」
敬語の無い、聞き覚えのある声がした。敬語をつければピンと来る声。オルカ、その人が部屋の入り口のドア前にてびっくりした様子でジュリアを見ていた。
ジュリアは知らずの内に涙を流していた。やっとさっきまでの全てが気まぐれの見せた悪夢だと分かったのだ。安心して体を抱えその場にうずくまる。悪寒が酷い。
クーは感情の読み取れない顔で部屋の隅に歩いていき椅子に座ると、片手に持っていたリンゴを果物ナイフで皮のみ削っては机の上の皿に落としていく。皮は全て繋がっていることからクーは器用なのだと分かる。
オルカは、スポーツドリンク入りのコップをベッドの脇の台に置けば、ジュリアの元に大急ぎで寄って目線の高さに顔を合わせる。涙だか汗で顔をぐちゃぐちゃにしているのが至近距離から見えた。
細い肩に手で触れて、柔らかい微笑を浮かべてみせる。
「大丈夫。夢で何を見たかは分からないけど、俺はここに居るし、安全だから。な?」
「………」
それこそ子供を諭すような優しい喋り方で話かけられれば、平常心の堤は一波の元に決壊してしまう。喉が渇きとは別にしくしくし始め、涙がぽろりと床に落ちた。
次の瞬間、オルカが心の準備をするより素早くジュリアが胸に飛び込んでいた。熱い体躯をオルカに寄せ、引き寄せるように腕で抱きしめる。
予期せぬ抱擁に、オルカの思考回路は限界を超えてフリーズした。ぽかんと口を開いたまま硬直して成すがままにされる。よほどの衝撃だったのか、呼吸が止まり、瞼が開いたままになった。
ジュリアは相手の胸元に顔をぐっと押し入れたまま無言で泣き続ける。限度を超えてしまったが故の行動か、それとも。
暫くの後。
ぐすぐす泣くジュリア。
ハッと我に帰ったオルカ。
抱き合う男女二人。
その場に居たのがクーで良かった。彼女はリンゴの皮を剥く作業に没頭しているが、例えリンゴがあろうが無かろうが、男女二人が抱き合っていることに関心は示さない人種であった。
オルカ、腕の中にあるのが最も大切で壊れやすく手に入らないもの―――……表現を簡略化すると好きな女性が泣きついてきていることをやっと把握すると、顔を真っ赤にした。
彼は、このシーンが発生する確立は、隕石が落下する確率の方がよっぽど高いと思っていた。今日はきっと弾丸の雨が降るに違いない。それもトリガーハッピーな少女がブチかますのだ。気持ちのいい破壊シーンではないか。わっはっは。
「な、な、な……!?」
ジュリアの体型はお世辞にも豊かとはいえないが、れっきとした女性である。無駄な肉の無い引き締まった腰回り。穏やかに柔らかみを主張する胸。相応の格好をさせれば引き立つであろう細い脚。そして凜とした顔立ち。
普段絶対に見せない弱弱しい表情は、いい意味でギャップを感じさせる。ちらりと見えただけだが。
体が密着すれば、平素より尚お熱い体温が皮膚を通じて伝わってくる。母を見失った幼子のように身体は震え、汗のニオイに混じってシャンプーのような甘い匂いも感じ取れた。
鼻を鳴らして胸に顔を埋める彼女を、つい抱きしめたくなる。抱きしめるだけ。鼻も触れ合おうかという距離なのに、何故か遠く感じた。
二人をヨソにリンゴの皮を全て剥いたクーは、果物ナイフを皿に乗せ、おもむろにリンゴをかじり始めた。むしゃむしゃ咀嚼しつつ、二人を見遣り、首を小さく傾げると部屋を出て行こうとする。
リンゴは風邪人用でなく自分用だったようだ。
「ごゆっくり」
「え、ちょっ、クー……!」
慌てたオルカがあたふたして呼びとめようとしたが、クーは指をひらひらさせてドアの外に出て行ってしまった。なんの為に居たのか、さっぱり分からない。本人は二人の会話がうるさいからと平気な顔でいいそうで怖い。
こうして、部屋に居る人間は二人だけになった。
オルカは最初はゆっくりと片手を伸ばし、1cm、2cm、と近づけていくとジュリアの頭に手を置いて、母親が子供にするように撫でる。これだけでも心臓破裂ものだった。
ジュリアの肩がぴくんと跳ねるも、手つきに安心したのか大人しく撫でられるままになった。よほど怖かったのだろう。
オルカの手が、またも恐る恐るジュリアに近づいてジュリアの背中に置かれ、抱きしめる。友情とも愛情とも慈悲とも形容し難い、不思議な感情が二人をなかなか引き離そうとしなかった。一体感とでも言うのだろうか。
「………」
「………」
孤児院のどこかで子供達が駆け回る音が聞こえた。
昔、ジュリアがまだアイリーンに会ってない頃もこんな感じに抱き合ったことがあった。子供の時期によくやるおふざけである。でも、成長するにつれてしなくなった。
ジュリアがやっと顔を上げた。白目まで真っ赤に充血していて、涙の跡が顔を汚していた。手の甲でごしごし乱暴に擦って簡単に綺麗にしながらオルカに背中を向けて座りなおした。
沈黙。
沈黙。
沈黙。
一番に口を開いたのはジュリアだった。
「……ありがと」
「どういたしまして」
「………あー恥ずかしい。ヤバイ超恥ずかしい。無かったことにしてくんない?」
「いいですよ。何もなかった、そういうことで」
「サンキュ」
二人だけの密約を、一方は背を向けて一方は背中に語りかける形で交わす。
ジュリアはヨタヨタとベッドに這って行くと腰掛け、傍らの台の上にぽつんとあるスポーツドリンク入りのコップに口をつけゴクゴクと一気に飲み干した。舌で唇を舐め、下半身を布団の中に。
「悪いけど濡れたタオルと、代えの服を持ってきてくれない? 汗でぐちゃぐちゃで」
コツン。コップを置けば、胸元に指を差し込んで水分を吸い込み湿ったパジャマを摘み、ひらひら振る。
そういえば幼馴染の風邪は完治していないどころか、高熱で悪夢を見てしまうほど悪い状態だったのだ。早めに治すことに越したことは無い。治療法は、薬を飲んで栄養を摂って寝ることだ。濡れた服を着たままは論外である。
オルカは、うんと頷き、部屋から出る直前で足を止める。男性にしてはやや長めの灰色髪が慣性の法則に隷従し揺れた。
「分かりました。夕飯も僕が運びますから、ゆっくり休んでください」
「……ふん。突然敬語に戻ったな。別にいいけど」
「さてなんのことやら?」
病人はベッドに寝て、孤児院勤務の男は部屋を出た。
風邪が治るのにどれほど時間が必要なのかは神のみぞ、否、体とウィルスのみが知るか。
.
ジュリアが居ない家。
潜水機の整備・製作を行う格納庫にクラウディアは居た。
お古のハルキゲニアはバラバラにされて部品ごとに使えるものと使えないものに仕分けられたので原型を止めず、照明を反射するだけの置物と化していた。
ジュリアが体を壊してまで造り続けていたクラドセラケは、組み立て作業に入っていた。各パーツはほぼ完成しており、接続して調整するのみ。ハルキゲニアのパーツが並ぶ隣には、クラドセラケの体躯がある。
組み立てだけなら一人でも十分であり、女性としては腕力のあるクラウディアがやれば楽々である。明白に分けたことは無いが、頭脳労働は専らジュリアで肉体労働はクラウディアが専門も同じだったりする。その割にはダイブ中頭脳を使う補助者をクラウディアがやるが。
頭部パーツの耐圧構造を確認したクラウディアは、小型クレーンの操作スイッチを押して胴体にはめ込められる位置に下げて押し当てた。穴にのろのろと頭部が引き込まれ、歯科用ドリルに酷似した雑音を発しながら固定される。
ふぅ。額に薄っすら浮かんだ汗を手で拭って地面に払い、キャットウォークを駆け下りて、コンクリートの地面上に置いておいた天然水をぐっと呷って空にした。機械を使う都合上、コンクリートの箱である格納庫は暑くなるのだ。
やっと直立するまでに組み立てられた我が機体を見上げる。
全体的に細いシルエットながら、多くは滑らかに構成され、細く伸びた足や切れ込みを入れたように鋭いモノアイ、背中から生えた「尾」が通常の潜水機とは一風変わった造形美を生み出している。
無塗装の潜水機は、天井からぶら下がった強力な照明に当てられ、今にも大海へと飛び込みたいと主張しているかのようだった。
クラウディアは手ごろな場所に座った。そしてこめかみに指を置き、考える。
「え〜っとお………大体終わっちゃったけど、何か足りてないような………あぁっ」
ぽん。
手と手を合わせ、自分の額にデコピンで一撃。すっかり忘れていた。よいしょっとなどとオッサン……オバサン臭いことを言いつつ立ち上がって、意味も無くスキップを決めつつリビングに直行。携帯電話でとある人物に通話。
意外なことに、目的の人物は数回のコール音で電話に応じた。
リビングのソファーに飛び込み、ダークブルーの髪を電話のコードよろしくくるくる指に絡め回して口を開く。クセっ毛が更にクセを強めカールかくやというところだ。
「オヤジさーんおひさー!」
『………なんだぁお前さんかい。寝てンのに起こすとはいい度胸だ』
催促電話の相手は旧都市外れ在住のダイブ屋経営、つまりオヤジさんだった。
電話の向こうで我慢しない大欠伸がわんわん唸ること十秒。聞こえてくるのは、嘘偽りなく昼間過ぎまで怠惰に惰眠を貪っていたことを主張する、倦怠感丸出しの声だった。
仕事はきっちりやるのに生活はきっちりしていない点がクラウディアそっくりである。
クラウディアは携帯電話を耳に宛てたままソファーで体を反転させ仰向けになった。
「電池、まだ届かないんだけど」
『……おぅ』
「いつ来るの?」
『そのうちって事にしておいてくれや。ちょっと一悶着あったんだからよ』
「ふーん。どんな?」
『セントマリアから出た船が沈没したって話、聞いてないか? ヤバい物資を積んでたとかって、気になって調べてたらこの有様って寸法さ』
セントマリアといえば、ギャングの根城だとか悪い噂が絶えない島。
ヤバい物資とやらが何なのか見当も付かないが、普通に暮らす人間にとってどうでも良いことであることは分かった。
興味はあれど深く聞いたり調べるのは面倒だった。片足を上げ、もう片方の足も上げて、ストレッチ。
「ふぅーん、ドンパチ?」
『らしい。運び屋姉妹が見てたらしい。マ、兎に角電池は数日以内に届けさせるから安心してオジさんとデートでも』
「ざぁ〜んねん。オジさん趣味は無いの。じゃーね」
冗談にしか聞こえないというか明らかな軽い冗談を跳ね返し、通話を終了する。クラウディアは電話を適当に放るなり、ソファーに顔を埋め、あっという間に眠りについた。
なんとなく締りが無いなぁ、なんて頭の端で思ってたりするのだが、それも睡魔が悉く記憶の収納スペースに叩き込んでくれた。睡眠時に物事を考えるのは明晰夢などを例外とすればほぼ不可能である。
ジュリアが帰ってきたのは、宿泊して数日後のことであったという。
【終】
一応終了ですねー……。
ロボモノなのにロボがチラ出という暴挙に及んだ今日この頃。
クラドセラケさんは次回活躍のご予定です。
>>573 投下乙でsイィヤッホォォォゥ!!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>573 改めまして投下乙でsイィヤッホォォォゥ!!
クーちゃんイィヤッホォォォゥ!! 三つ編みイィヤッホォォォゥ!!
弱気なジュリアイィヤッホォォォゥ!! クラドセラケイィヤッホォォォゥ!!
こういうチラ見せって凄くワクワクしますよね! あと、普段強気な子が弱ってるとドキドキしますよね!
しかしクーちゃんかわいいよクーちゃイィヤッホォォォゥ!!
久々にあんな人やこんな人が出てきたり、事件の臭いがしてきたり、今回何気に重要回ですねw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
>>546 一条有情破顔拳
\ テーレッテー /
\ /
.|∩( ・ω・)∩|
/ 丶 |/ \
/ ( ⌒つ´) \
>>575 6イィヤッホォォォゥ!! 頂きましたー!
感想ありがとうございます!
師匠三つ編み娘好きすぎワロタ 脇役メンバーのつもりがどうなってるんだwwww
>普段強気な子が弱ってるとドキドキしますよね
激しく同意。
強気な子がヘタってなってると猛烈な萌えを感じてしまう。ギャップ萌えなのか…!
そのために風邪を引かせたわけじゃないと言い訳を書いてみるテスト
>今回何気に重要回
じゅ、重要回だよ!!
さるさん食らってたぜフゥハハァ。てか、案の定師匠が暴走してるぜフゥハハァ
>>537 投下乙!
弱気なジュリア……イイッ!もうオルカ襲っちゃe(ry
そして新型をチラ見せとは、我々に忍耐力を鍛えろとでもいうのかDS氏は!
何やらきな臭い事が起こってる上に新型……これは次回も期待せざるを得ない……!
>>576 だって三つ編みですよ! ロリですよ! それってつまり最強ですよ!
イィヤッホォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォゥ!!
>>478 全キャラこの服装でいいですよ まだ本編も一話だけなので
それより私服のことなんか考えていませんしまだ
*各キャラの性格設定というか大雑把な人物像みたいなもの
女1 18歳
*性格はクールで知的ですが力強い感じでツンデレではないです
下の面倒も見なければならないのですが、そういうことには
不器用です。年齢的に大人びた感はあります
表情は目線をはずして遠くを見ているような感じでいいかと
女2 15歳
上二人とは能力的に劣っていることは自覚している
それについては半ば諦めているので出来る範囲で
やっている人物 上二人とちがい俗世間に重きを置いている
表情は後ろ髪を見せるためにも斜め横な感じで
目は力強く口元緩めている感じでいいかと
女3 13歳
非常に明るく優しくいい子であり
わりとぽんやりして周りに可愛がられるような少女
これは普通に笑顔でいいかなと
男1 16歳
女1の補佐的な立場にいる人物です
そのためわりと自由な立場です
平平凡々としていますが回りはちゃんと見えている人物であり
そこそこ下の面倒も見るがあえて自分のことを優先している
表情は考え込んでいるような感じでいいかと
だいたいこんな感じです。
*さっき本屋で立ち読みしててパイロットスーツには対Gスーツというものがあるということが判明
つうことで
>>325の上着は対Gスーツだった!ということに決定
>>573 投下乙です!
クーちゃんは孤児院を餌場の一つに含めたんですねwいかにも猫っぽいw
リンゴが自分用で不覚にもフイタw
ジュリアとオルカ両方に萌えた俺は異端なのか!?w
風邪ひいて弱気になったジュリア可愛いwあとがんがれ純情青年w
クラドセラケの初お目見えがチラ見せとは……w次回も楽しみにしてますよ!
>>578 もうアンタはどうしようもないなwww
>>579 直前に投下された作品にくらいは乙しような?
>>581 もう ク アンタはどうしようもないですって!?
>>478 構図はお任せしますが、人の絵で全身もみてみたいなあとは
思いますw
>>582 そういえば劇場版00にティエレン出るってね
>>577 暴走は予想済みですよw
オルカ君は紳士なのでやましいことはしませんよきっと。頑なに否定するでしょうな。ムッツリじゃないよ!
新型機の外見は以前投下されていた絵を参照に。
脳内でぎゅんぎゅん変形しまくってて早く書きたいです。右腕が痛いのにこれは地獄です、ええ。
次回も頑張ります。
>>578 だめだこいつ……はやくなんとかしないと…(AA略
>>579 設定が細かいですねぇ…
細かい部分は脳内の自分涙目
>>580 猫はえさをくれる人間になつきますからねー、野生少女のクーには魅力に映るのでしょうw リンゴ? 自分以外に誰用なんです?
純情青年とクール少女の組み合わせは自分の大好物。
どっちに萌えてもなんら恥ずかしいことではない…そう、いざとなれば女体化も(ry
次回も頑張りますっ。
最近めっきり絵が描けなくなってきたなぁ。
練習が足りないのかしらん。
>>573 投下乙です。
この弱気なジュリア良いですね。オルカに抱き着いた瞬間、職場から見ているのにも関わらず、ニヤケMAXにwww
そして、オルカが切ねぇ…同じ経験をした身として物凄く共感してしまいました。お前だけはその恋を実らせてくれ!
因みに俺はお前と同じ展開後、2日でオワタ\(^o^)/
クーちゃんのキャラも良いですね。マイペースなのか空気読んでんのかwww
見え隠れする新型機に危険な香りのする事件と…美味しい伏線が多すぎて次回も楽しみすぎる!!
>>584 G-Roomsで水島監督が言ってましたねw
>>585 >猫はえさをくれる人間になつきますから
ちょっとクーちゃんに食べ物を献上してくる。
>>586 同じ展開……だと……!?
おいまて同じ展開ってなんだ
>>586 同じ経験……だと……!?
……(つдT)
>>588 なんだも何もオルカ君と同じ状況になって、これは脈アリかと思ったら
その二日後にその子が別の男に告られて、持って行かれたってだけの事ですよw
随分、昔の話ですし今じゃ笑い話です。
食いつき良すぎてワロタw
>>586 感想ありがとうございます。ありがたやかりがたや……!
ニヤニヤして頂いたなら、自分の企みは成功したも同然ですw
幼馴染ってのはお互いがお互いに知ってるようで知らない関係で、恋愛は難しいと思うんです。
友達以上恋人未満……それ以上にもそれ以下にもなれない、そんな関係……書いてる自分が言うのもアレですけどオルカ頑張れ。
クーちゃんは主に欲を満たすために生きてます。飴に釣られてホイホイ行っちゃうような気がしないでも…w
新型機は次回無双の予感がするよ! よ!
ところで。
同じ展開………だと。
>>587 止めろー! 財布がからっぽになるぞー!
>>591 >新型機は次回無双
ひゃっほーう!俺はカップルも次期主役機の無双も大好物なんだッ!!
何故か一瞬クーたんの水着姿が脳内をよぎって変な声上げたのも私だ。
>>590 フラグって、気付かぬ内にブチ折れてるんですよね……。
>>591 いざとなったら私の身体を捧げるまでぇ――――っ!
じゃあ、次はその妄想を変な声上げながら形にしようか
妄想の独り占めイクナイ。そんな素敵な妄想は皆で共有すべきだ。
>>590 泣いた
>>592 無双の「予定」だよっ
>>594 師匠、クーの仲間猫のエサにされてしまうぞ…!
>水着
wktk
キスフラグをへし折った自分がここにいますよっと
>>591 ヒャッハー!クラドセラケ大暴れだっぜー!!w
これはwktkものだw
>>594 取り敢えず色々落ち着いて師匠w
脳内麻薬出過ぎっぽいからw
>>597 このスレの予定は決定だと俺は信じていますw
おいまさかこの空気は……修学旅行の夜……!
修学旅行のしおり
1.知らない幼女について行かない事
2.知らない幼女を連れて行かない事
後は任せました
やべっ、先行きたぞ!
それも私だ
>先行
何が来たんだよw
606 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/15(月) 21:05:15 ID:qFVLgoJb
え、えーっと……先行者!
…先公と言いたかったのではあるまいか
先行者の中華キャノンですねわかります
中華キャノン、だと……!?
先行者か……初見でフイタあれはw
※ロボットです
修学旅行で先行者が見回りに来たら間違いなく腹筋崩壊するwww
先行者「まだ起きてるヤツはいるかー?………………いきなり中華キャノン(ボソリ」
>>612「………………ぶあっはははははは!」
デデーン
アナウンス「
>>612ー、アウトー」
しかし、もしこういう企画にツクヨミ先生が出たら最強だなw
>>618 要所要所で出てくる板尾ポジションですねわかりますw
バス乗ってきたら死ねるw
山崎邦正ポジは誰なんです?
いいリアクションしてくれそうなキャラは……マスター草川?
ライとかタカ坊もアリじゃね?
話の流れをぶった切って申し訳ないですが、感想レス+αです!
>>573 投下乙でした!いや、弱気な女の子……いいですねぇ。
男にとってはこんな娘可愛すぎるよ!そしてオルカが羨まsss
しかしオルカの紳士っぷりが凄ぇwいや、それよりも凄いのはクーの空気の読みっぷりかw
次回は新型機無双のお時間ですか!新型機無双はロボット物の花形、見せ場中の見せ場ですよね!
これは次回にwktkせざるを得ないっ……!投下、心待ちにしております!
>>579 性格設定お疲れ様&ありがとうございました!これで描き始めることができる……!
遅筆&まだまだ絵の練習中の非才の身ですが、全力で描かせていただきます!
期待しないでゆっくりとお待ちください!
あ、後廻セカDaZEpisode7を今夜中にでも投下できそうかと。まだわからないけどね!
wktkしながら全裸待機せざるを得ない……!
あ、それと
>>573 投下乙です!
これから読ませてもらいますNE!
>>626 う、うめぇぇええ!ちくしょう!その画力を寄越せぇぇぇっ!
よし、今すぐその腕をこちらに郵送するんだッ……!時間はかからない、なに、痛いのは一瞬で済mmm
>>573 投下乙ですよー
描写が一々細かく鮮明に想像出来るからこそ
より一層2828させてもらいました。いいなーこんな関係
そしてクーちゃん。リンゴ自分用かよw
そして危険な香りに新型機。次は盛り上がりそうですn
今度も楽しみに待ってますよー
>>626 投下乙!
kakkeeeeeeeeeeeeee!!
これが開いてビームが出るのか……!
レス数の確認と容量あわせしてます
10分ぐらいに投稿予定(´・ω・`)
支援のほどよろしくです
>>626 凄いぞぉぉぉぉお、格好いいぞぉぉぉぉっ、ぉほぉぉぉぉおぉぉぉ
>>626 投下乙です!
嫌ん、なにこれかっこいい……。特に真ん中のタービンが素敵ですね!
>ポニテ
やっちゃいなYO!
支援しますよイィヤッホォォォゥ!!
俺も支援するぜ!
ちょうどいいので俺も支援しますぜ
返し自重で支援
おうふ、ちょっと早漏でしたねw
んじゃ、ちょっと遅れたけれどいくよー
仕事自重で支援
イーグル本部襲撃事件から4ヶ月前。
琴峰研究所地下第一特別研究室。
そこには人一人を収容するような大きな試験管が中心に置かれ、その周りに白衣の研究者が器機の前で作業をしていた。
試験管の中には試験管に入るだけの液体と一人の少女がいる。
「I、プログラム着床まであと3分です。」
試験管の前に立って実験の進行具合を眺めていた高齢の研究員に若い研究員がそう伝えた。
「ふむ、少々強引な方法だったが、これでなんとかといった所かな?」
「そうですねぇ、あんなものが手に入るとは予想外でした。『道化師』でしたっけ?彼には感謝をしても仕切れませんね。これでIも超人の域に達する事が出来るのではないでしょうか?」
「まだ足りないよ、これから私たちの成果を総てこの人類の新たな雛形の中に入れなければならない作業が残っている、これからが本番だ。」
「これで私たちたちは新たな種へと進化をする足がかりを掴むことに成功するのですね。」
そう嬉しそうに目を輝かせる若い研究員に対し、高齢の研究員はふっと笑って言った。
「そうだな、これで、我々は人の身でありながら人を超える事に成功するのだ、CR計画など知ったものか、我々は我々の手で生きる道を得る!」
「ええ、そうです!その通りです!!!」
そこには己の言葉に酔う男とそれに賛同する信徒がいた。
「ん・・・あれ・・・。」
若い研究員は驚きの声をあげた。
「ん、どうしたのだ?」
「いえ、その、今、Iがこちらを見たような…。」
そういう若い研究員を高齢の研究員は笑った。
「冗談はよしたまえ、我々はIには自我を与えていない、自我は経験によって形成されるが、我々は彼女に我々の技術以外の何も与えていないのだ。
そんな彼女が私たちを『見る』等といった自発的な行動を出来るはずもなかろう。
最終的に彼女には自我を芽生えさせる予定ではあるが、それはまだ半年ぐらい先の話だ。ここのところ働き尽くめだったから幻覚でもみたんじゃないかね。
あと少しで終わる、これが終わったら1日ほど休みたまえ。」
「そ、そうですよねぇ。」
そう笑って若い研究員も納得し、自分の作業に戻った。
だが、しかし、それは幻覚ではない、再び試験管の中の少女は瞳を開ける。
自らの作業に没頭している研究員たちはその瞬間を誰も見ることは無かった。
そこで少女は初めて、ものを見る。
白衣の男たちが自分たちの前で様々な機器を操作している。そんな光景。
そして少女はある筈の無い自我でこう思った。
ここはどこだろう?…と…。
これは時峰研究所が謎の爆発事故によって無くなる2ヶ月前の出来事である。
CR ―code revegion― 第二章 「悪夢」SIDE C 時峰九条の帰還
第八隔壁セキリュティシステム内、それを再現した仮想世界。
琴峰雫は自身の目の前にいる少女に自己紹介しながら素直に驚いていた。
目の前にいるのは高く見ても15、6歳の若い少女だ。
クローンとは聞いてもいたし、外見の中身が違う事は重々承知していたが、それでも、こんなに幼い少女がこれだけの事をやったという事実はにわかに信じられない事でもあった。
それどころか少女の実年齢はまだ1歳にすら達していない筈だ。
いくら彼らの技術が結集された素体とはいえ、やはり、驚嘆せざるおえない事実ではある。
「もしあなたが誰かという事を私が勘違いして呼称したりしていたのならば申し訳ないのですが…その時は、許してもらえるとありがたいです。」
そう言いながらも雫は確信に近いものがあった、今、目の前にいる少女は、自分とまったく同じ方法でこの仮想空間を構築している。
このプログラムを視覚化し手で触れるように干渉する事が出来るようなシステムを作り上げたのはこの琴峰雫、本人なのだ。
この技術は彼女と琴峰研究所の人間以外は流出していない技術である、それをこの少女は使っている。
つまりはこの少女がNo.I以外で無いことなどありえないのである。
「で、何の用なのかな?あまり時間ないから、さっさとやる事、終わらせてここを出たいんだけれど…。」
少女は不快そうな顔を浮かべてそう言う。
「あなたにもあなたの事情があるというのは私たちも理解しているのですが、あなたをこのまま下の階に行かせると色々問題が出るのですよ、そういうわけであなたをここで足止めさせてもらいます。」
そう言う雫を少女は嘲笑した。
「足止め?ここでわたしの意識を飛ばせば、現実のわたしも気絶するのに随分、弱気な事言うんだね。」
その声は非常に感情的なものを感じさせた。雫はそれを聞いて直感的に少女には自我があるように感じる。
クローンといっても早々に自我が形成されるわけではない。
彼らが研究に使っていたとされるIは、経験もなく生まれた生命体であり、それゆえに経験から形成される人格もなくただの虚ろな入れ物でしかなった筈だ。
時間をかけ様々な経験を詰ませる事によって個性ともいえる人格を形成する事も可能かもしれないが、少なくとも琴峰研究所は少女に自我を与えなかった筈なのである。
Iの脳と体には、洪水のように彼らの得た研究成果を注ぎ込んだのだそうだ。
それは気が狂わんばかりの大きな苦しみを素体に与える事になるのだという。
それ故に研究所は成果であるIには自我を与えなかったのだ
つまりこの少女が自我を持っている事などありえないのである。
その為、雫は最初、この目の前にいる少女が誰かに命令を書き込まれて、人形としてここに来ているのだと思っていた。
だが、彼女から感じられるそれは非常に人間的な何かを思わせるこれは、つまるところ、彼女は自我を持っている可能性があるという事を示しているのである。
もし、たかだか半年も生きていない少女が何故そのような人格を持っているとするならばどのようなことが起これば人格を持つことが出来るのだろうか…。
雫はそこでこの思考を打ち切る事にした、これ以上考えてもこの結論はすぐには出ないだろうと考えたからだ。
「分をわきまえない大人では無いんですよ、先ほどまでのセキュリティ解除の仕方を見ていてわたしはあなたにどれほど大きな差があるかは理解しています。この仮想空間でまともにやりあえば、私などあなたの前には蟻同然でしょう。」
「また、凄い卑下するね。」
「冷静に能力を数値化し比較した上での事実ですので…あなたが10ならわたしは2と言った所です。」
人間をベースに作られた雫と始めから超人として作られた少女ではそもそもの器の出来が違う。戦力差は火を見るより明らかであった。
この中で勝機を見出せと言われたのならば、それは限りなく勝つ見込みが低い勝負である。
だが、雫の役割は勝つ事では無い。
ここで雫が行うのは少女があの端末で扉を開いてしまうのを極力、遅らせる事だけなのだ。
「まあ、それでも、あなたを同じ施設出身の先輩として叱ってやる事ぐらいは出来ますよ。」
そう言って、雫は自身の脳内で組み上げたプログラムを展開した。
雫の体から無数の光が走りだし、少女に向けて矢の如く突撃する。
少女はそれを片手でいなすように弾き飛ばす。
「これだけ?」
少女は呆れたように言う。
「いえ、まだまだです。」
弾かれた光が拡散し、それがまた複数の光の矢となって少女に向けて襲いかかる。
少女はそこから飛び、光の矢を回避した。
回避された矢は各々がぶつかり合い、反発、さらに拡散する。
そしてそれがまた新たな光の矢となって増殖する。
少女はその時、この攻撃の特性に気付き舌打ちをした。
この光の矢は攻撃への行動を起こせば起こすほどその数を増やし、自分に襲ってくるのだ。
「ワームというのをご存知ですか?自己増殖によってメモリを喰い散らかし過負荷でCPUやネットワークに被害を与える。
ウィルスでは無いのですがそのようなものです。これはその自己増殖作用を応用した、対侵入者用迎撃プログラムといった所ですか。」
回避や防御を行えば、それはより己の数を増やし、再び対象に向けて攻撃を開始する。
数は増えども一つ一つの威力は変わらず、それが少女の身を貫けば、即座に少女はこの仮想世界にいられなくなるほどのダメージを負わせるだろう。
時間がたてばたつほど、矢の数は増え少女は逃げ場を失う。削除で対応しようにもこのデータ量である、全てを削除しきる前に増殖が先に終わり、いたちごっこになるのは明白。
さらに時間がたてばたつほど本数は増え、対策も立てづらくなる…このままでいけば少女がこの矢にその身を貫かれるのも時間の問題と言えた。
少女は回避行動を止め、立ち止まる。
立ち止まった少女に向けて既に数百となった光の矢が放たれた。
少女は矢に向けて手のひらを向ける。
その瞬間、彼女に向かって放たれた矢は動きを止めた。
それを見て雫は舌を巻く。
この光景は想定していなかったわけではないが、それでも想定していたよりも早くこの状態になってしまった。
自分とIとの性能差、それを理解はしていても、目の当たりにするのでは受ける印象の重みが違う。
そう驚く雫の顔を見てくすりと少女は笑った。
「結構、面白い手だったけれど、このプログラムには誰かを狙うようにとターゲッティングを施してあるんだよね?それはつまり目標を私としてこの対侵入者迎撃用プログラムとやらは襲ってくるわけだ。
ならば、その私を対象としているという一文だけを書き換えてしまえばこのプログラムは私を襲う事はなくなる。これぐらいの作業ならば削除するよりも時間かからないでしょ?」
そう得意気に言う少女を見て、その力に雫は呆れたとジェスチャーする。
「あなたはそれがどれほどの事か理解しているんでしょうか?まあ、やれるだろうとは思っていましたが、その方法にここまで早く気付かれるとは…。
見かけによらず冷静で頭の回りも早い、これはほとほと困り果てました。」
「困ってる場合なのかな?」
少女は光の矢の設定を改竄する。
宙で静止した光の矢は矛先を雫の体に向けた。
少女は一瞬で自身に設定されていた数百の矢の目標設定を雫に書き換えたのだ。
それを見た雫は何かを確認するように頷いた後、
「1分30秒と言ったところでしょうか、想定していた時間よりは短いですが、まあ、足止めにはなったでしょう。」
「さっきから足止め、足止めって一体、何を言ってるの?」
「ふふ、すぐにわかりますよ。」
純粋な疑問を問う少女に雫は不敵にわらってそう答えた。
それに不快な表情を顔に出し、少女はため息をついて、宣告した。
「もう、いいや、わたしも先に進まないといけない。それじゃあ、さようなら…。」
そう言って、少女は雫に向けて光の矢を発射した。
雫はその発射と同時に仮想世界から姿を消す。
仮想世界との意識の接続を切断したのだ。
標的を見失った光の矢が、床に刺さり、その後、消滅する。
少女はそれを見送った後、「逃げ足の速い奴…。」と呟き、再びセキュリティの解除作業に取り掛かった。
仮想世界から帰ってきたわたしは目の前を隔壁が開いていくのを見届けた。
想定外のアクシデント、まさかあの世界に入って来れる人間がこんな所にいるとは思いもしなかった。
琴峰と名乗っていた事から、あの研究所の出身者と見て間違いないだろう。
つまる所、自分にとっては姉と呼ぶべき存在なのだろうか…あのせいで予想外の時間を喰う羽目になってしまった。
このような事態は流石に想定してはおらず、わたしは念には念をとあえて危険を冒して一つの保険をかけた。
既にセキュリティを解除しはじめてから、今まで2分の時間がたっている。この半分の時間で終わらせる予定だったのに、酷いイレギュラーだ。
わたしの目の前にある、開いた隔壁、この階層の最後の隔壁の筈だ、あとはここから40mほど真下にある地下四階に通じる階段を見つけて、そこから降りるだけだ。
あと少し、あと少しの所まで来た。
あの日、狗達と戦った後、彼らに連れられて行く潤也を見送って時が来るまで身を隠していた。
わたし自身、あの戦いで大きく力を消費してしまっており、動くことすらままならない状態で潤也が連れて行かれるのを見ている事しか出来なかった。
辛かった、情けなかった、悔しかった。
彼の前で、どんな事があっても潤也の元にいて、潤也の事を助けるって誓ったのに、わたしは連れて行かれる潤也をただ見ている事しか出来なかった。
それは地獄の炎で身を焼かれるような思いだった。少したった後、体が少し動くようになったわたしはすぐに潤也を助けに行こうとしたのだ。
だが、そこでわたしを縛ったのは助けようとする彼の言葉だった。
最短かつ確実に潤也を助ける為にも、今、このまともに動かない体で行くのは自殺行為だ。
相手は第七機関でも特に優秀な人材が揃うとされるイーグルだ、万全な状態では無いお前が言ってどうやって彼を助け出す事が出来ると言うのだ?
逆にわたしまでが捕まるという予想は簡単に付くじゃないか…ミイラ取りがミイラになっては駄目なのだ。
だから、わたしは数日間、体が万全な状態になるように回復に努めた。
日に日に潤也の元に行きたいという思いは激流のようになる、それを彼女は心に堤防を作る事によってせき止めた。
唇を噛み、まだ、早い、まだ早いのだ…と自分の思いに耐える。
そんな日々が三日ほど続いた。
そうして彼女は体の万全の域に達すると同時にただちに行動を開始する。
とはいえ土地勘の無いわたしにしてみればまだ、大きな行動をとるには危険この上ない場所であり、潤也の助けにいく為の下調べという作業が残っていた。
わたしは気が重くなった。まだ、まだ行けないのかと、まだ、我慢しなければならないのかと…。
そこに現れたのが『あの男』だった。
その特徴的な細い銀髪を風になびかせ『あの男』はわたしにこう言った。
「やあ、こんばんは、僕は君にプレゼントを持ってきたんだよ。うん、下心は…あるけれど、これは君にとって凄く益のある情報じゃないかなと思うんだけれどいらないかい?
大丈夫、君たちにとって不利益なものは何もないよ」
悪魔的な笑みを持って、わたしを『あの男』は誘惑した。
わたしは最初、その誘惑に抵抗しようと無視したが、彼の口から潤也の名前が出てしまえば、わたしは抵抗を止めざるおえなかった。
おかげで『あの男』から受け取ったプレゼント、この今着ている装備一式とここの内部構造図、そして潤也の居場所の情報をわたしは手に入れることに成功した。
もし、潤也は『あの男』の協力があったという事実を知ったのならばわたしに対して怒るだろう。
この世界で黒峰潤也が心の底から憎む人間がいるとすれば『あの男』ただ一人なのだ。
それ以外の彼の憎しみは彼が自分で作り上げた憎しみに過ぎない。
それはそうであるべきではなくそれはそうでなくてはならない、そう考えて彼は憎んでいるのだ。
だから潤也はその決意を口にする度に、今にも泣きそうな顔で笑う。
だが、『あの男』は違う、黒峰潤也は『あの男』にだけは純粋な憎悪を抱いている。
なぜ、そこまで憎むのか?という詳細な理由はわからないが、潤也が『あの男』の顔を見たときのわたしにも見せたこと無いような怒りの形相から、あれが黒峰潤也という人間にとっての敵であるのだとわたしは悟った。
潤也の敵はわたしの敵だ。だから『あの男』の手など死んでも借りたくなかった。
だが、わたしが取るべき最善は、どう考えてもその最悪の手をとる必要があった。それはわたしにとって苦渋の決断だった。
結果、正しかったのだろう『あの男』の協力があればこそ、ここまで容易に来れたともいえる。
この施設の地下は広い、もし内部構造を把握せずに進入したら、この十数倍の時間はかかっていたのは予想に難くなかった。
地下四階に繋がる階段を見つけ、一息つく。
あと、一頑張りといったところか…。
その時、カラン、カラン、カランという音が聞こえた。
それは人間が立てるような足音ではない、金属と金属がぶつかって鳴り響く金属音。
最初は少し遠くに聞こえたが、ほんの数秒ばかりでそれは大きな音としてわたしの耳に聞こえる。
わたしは音の聞こえた背後に振り向く、L字の廊下の壁に半径50cmほどの金属の球体がぶつかるのが見えた。
球体はその球面にある一部を蓋のように開きそこから、カメラアイを出し辺りを見渡す、そして、わたしを認識した。
わたしは背に寒気が走るのを感じるのと同時に反射的に右に向けて跳躍した。
金属の球体はわたしを認識した後即座にその内部機構を展開し、体内から機関銃を取り出し私に向けて発射した。
反射的に回避行動をとったのが良かった、発射された無数の弾丸はわたしに当たらず機関銃は階段前の分厚い扉に銃痕を付けただけだ。
わたしは今は階段を下りることを諦め、T字の廊下を向かって右に曲がり走る。
その最中に仮想世界で会ったあの女が言っていた言葉を思い出す。
「1分30秒と言ったところでしょうか、想定していた時間よりは短いですが、まあ、足止めにはなったでしょう。」
そしてその言葉の意味をわたしはやっと理解した。あいつの目的は最初からわたしの元にアレを送り込む為の時間稼ぎだったのだ。
そんな事も知らずにわたしは保険を張るためにあの空間に居残り、さらにあれが来る為の時間を奴らに与えてしまった。
カラン、カラン、カラン。
その音は背後から聞こえると同時に、前方からも聞こえてくる。
「ああ、もう!!」
アレは一体だけではない、耳を澄まして聞いてみれば、複数の同じ金属音が聞こえる。
わたしはすぐさま自分の装備を確認した。
無装備だったわたしに『あの男』が提供したのは、グレネード×2、電線ワイヤー、コンバットナイフ、バンデットスーツ、防弾マントの以上5種だ。
銃器の提供もあったが、わたしはそれをあえて断った。
銃は人を殺す為の道具だ。
人を殺すことに躊躇があるか?と問われるのならば無いのだが、問題は殺した後の事だ。
殺された人間は、リベジオンのDSGCシステムによって、その怨念を吸い上げられ、その怨念の一部が黒峰潤也の精神にフィードバックされる。
その時に、わたしが殺した人間の思念が潤也の中に入る可能性も考えられた。
わたしへの憎しみや恨みを怨念が潤也に向けて伝えるのだ…。
それだけは―――例え、自分が黒峰潤也という人間から好かれていなくても、それだけはなんとしても避けたい事だった。
本当ならばグレネードも断りたかったのだが有事の際には爆砕も必要だと考え、威力の高い道具として最低限の個数だけは確保した。
不幸中の幸いといった所だろうか…最悪と最善は同居しうるんだなとわたしを見て呟いた潤也の言葉を思い出す。
このグレネードは奴らを破壊しうる数少ない武器だ、とは敵の数は未知おいそれと目先の敵に簡単に使うわけにもいかなかった。
十字路、後方と前方からあの球体型の殺戮自動人形『オートマーター』が迫る。
双方がカメラアイで私を認識し、発砲。
わたしはまた飛び込むように右の通路に横転した。
そうやって飛び込んで発砲を回避。
前後のオートマーターはお互いを撃ち合う羽目になり破壊されただろう。
同士撃ち、本当にここの構造図を先に把握しておく事が出来てよか――
カタン、カタン。
倒れこんだ通路の先、そこにはまた半径50cmの金属球が私の目の前に転がってきた。
ああ、もう、なんであんなものがここにいるの!!
わたしは体のバネを活かして瞬時に体を立ち上げる。
オートマーターはカメラアイの部分を展開しわたしを認識する。
次に機関銃を展開し、わたしへの射撃が来る。
もう横転する事によって避けることができる脇道は無い。
ならば――する事は一つ。
「あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」
わたしはオートマーターに向けて走る、それと同時にバンデットスーツの機能を一つ作動させた。
オートマーターは機関銃をその体内から展開し発射体制に入る。
その構えと同時にわたしは跳躍。
そして機関銃の発射、そして大量の鋼弾が豪雨のようにばら撒かれた。
本当についてない、わたしはその時そう思う。
本当についてないのだ、『あの男』が寄越したものが全てわたしに好転するようになっているのだ。
足元でコイルが回る音がなる。
バンデットスーツの足底に内蔵された電磁石発生装置が作動する音だ。
わたしはそれを利用して、ブーツから発生する磁力を利用し壁を床にして走った。
正面にいたわたしが目の前から消えたことでオートマーターはわたしを見失い。
再びカメラでわたしを探し始める。
そうして、すぐさまわたしを発見する。
――流石に、早い…でも!!!
認識から射撃への移行。
その一瞬の間にわたしはオートーマーターの元にたどり着き、そのカメラアイに向けて腰から抜いたコンバットナイフを突き刺した。
わたしを認識できなくなったオートーマーターは見境の無い乱発魔のように機関銃を乱射する。
だが、既にオートマーターの背後を取ったわたしにはその攻撃はあたりようも無かった。
わたしはすぐさまオートマーターの首を掴み、精神統一を行う。
アクセス。
オートマーターの中へと侵入。
このオートマーターとリンクしているオートマーターを確認する。
4、5、6機。
先ほど破壊した2機とわたしが今、侵入しているオートマーターを含め合計10機でわたしに攻撃しにきているようだ。
オートマーターは警報を鳴らし、自身の仲間にわたしが今、ここにいるという事を伝えていた。
つまりここに追撃の追っ手が来るのも時間の問題という事だ。
わたしはそのままさらに深部まで侵入する。
オートマーターの中で組まれているシステムは非常に単純なものだ。
登録された対象を発見し次第、射殺する。
ならば、先ほどのワームもどきのように、制御を奪取してしまえば。
「えっ…。」
わたしは思わず呟いた、オートマーターの中の世界の深層部では謎のカウントが始まっている。
今、目の前に移っている数字は『5』という数字だ。
それが、すぐに『4』に変わる。
――カウントダウン!?
その変化でわたしはこのオートマーターに何が起こっているのかを察知した。
すぐさまにリンクアウトを行い、カメラからナイフを抜き、全力でそのオートマーターから離れた。
その2秒後に爆発が起こる。
その爆風の体は吹き飛ばされる。
「――――っ。」
直撃は避けたが、爆発の余波で吹き飛ばされ、体のあちこちが痛い。
まさか、自爆コードが組み込まれているとは…。
あれはオートマーターが半壊し戦闘能力を失った際に、発動するシステムだった筈だ。
おそらくは仮想世界であったあの女がわたしの能力を警戒して行った処置だろう。
まったく、本当に同じ能力を持った人間がこの組織にいたというのは想定外もいい所だ。
わたしはすぐさまに自分の体の状態を調査する。
軽く頭から血が流れているが、いずれも軽傷ですんだようだ。
もう少し深刻なダメージを受けている事を想像していたわたしにしてみればそれはいささか意外だった。十分な距離も離れる事も出来なかった筈なのである。
となると考えられるのは、この施設自体に大きな規模のダメージを与えないように自爆用の火薬の量が少なめにされていたという所だろうか…。
今はとりあえず大きな傷は無く五体満足でここにいる幸運に感謝しつつ、わたしは額から目に流れてきている血を手で拭った。
――――違和感。
今、わたしは出来ないことをしなかっただろうか?
何故、わたしは今、自分の顔にその手で触ることが出来たのか…。
その時、わたしは今まで自分の顔を覆っていたものが無くなっている事に気づいた。
そう、さきほどまでわたしが付けていた仮面が…無い。
慌てて右手で素顔を覆い、辺りを見渡す、さきほどの爆心地からそう遠くないところに、爆発に巻き込まれ焼き焦げた仮面があった。
気分が重くなる。
きっと、この施設の所有者たちはわたしの動きをモニターしているだろう。
今、戦っている敵は素顔を片手で隠したりしながら闘ったりできるような相手ではない。
つまり、この素顔を晒して闘わなければならないという事だ。さきほどの仮想空間とは見られる数も違うし、事を成した後、データとして残されてしまうだろう。
それはわたしとしては好む状況ではなかった。
わたしはこの顔が嫌いだ。
潤也はわたしの顔を見るたびになんとも言えない表情を見せ、わたしに敵意を向けようとする。
この顔じゃなければ、潤也ともっと普通に話して貰えるようになったかもしれない。
そう思うとこの顔が憎くて、憎くてたまらなかった。
その顔を衆目に晒してしまう、それがまた嫌で嫌でたまらない。
カタン、カタン。
オートマーターが近くまでやってきた事を示す音だ。
さっきまでの攻防で大体オートマーターを倒すコツを掴んだ。
いうなればオートマーターの欠点を見つけたともいえる。
だが、相手は加減するような戦い方で勝てる敵でも無い。
わたしは覚悟を決めて、素顔から手を離した。
「本当に研究は完成していたんですね…まったく、あなたたちの執念にはその是非はどうであれ敬意を表したくなります。」
総司令部のモニターに映されるこの世において、ありえない事象の数々を目の当たりにして琴峰雫が呟いた。
モニターの中ではグレネードを使いオートマーターを破壊するあの少女が映されている。
「6号機と4号機もやられました。残るのは3号機、5号機、8号機、10号機の四機になります。あ、あれ、に、人間がやれることなんですか?」
柳瀬恵は恐怖するように告げる。
「どんなに信じられない事でも目の前で起こっている事が事実だ、受け止めて冷静に対処する事が肝心。」
そう言葉をかけ、雫は恵の肩をポンと叩く。
「あ、あの副官よろしいでしょうか?」
両腕に書類を大量に抱えた男が雫に声をかけてきた。
「なんだ、急な用件か?」
「はい……あのたぶんなのですが、襲撃者の身元が判明しました。」
雫は驚く。
襲撃者はIと考えてわたしたちは行動している。ならば、彼女の身元など判明しようも無い筈なのだ。
それの身元が判明した?
「どういうことだ、政府のデータバンクで人物照会をしたにしても判明するのが早すぎる、一体、何故そんな事がわかった?」
「はい、彼女の顔を、えっと、あの始まりから申しますと、私は彼女の顔をどこかで見たことがあると感じたのです。」
「顔?」
モニターの前にはオートマーターと闘う少女が映されている。
既にさきほどまで付けていた仮面は外れており、仮想世界で雫が見たあの素顔を晒していた。
「ブラックファントムの資料をまとめていたときに私は黒峰潤也に関する資料を集めていたのですが、彼は半年前の第四区画消失事件の生存者である事は既に報告したと思います。」
「確かに、目を通したな。」
雫は思い出す、鋼獣が最初にこの地上に現れて起こした事件。
それは第七機関統括地区中部に位置する第四区画にて巨大な爆発が起こり消滅したという事件だった。
原因不明の爆発であったのだが、周囲を飛び回っていた謎の飛行物体、後に鋼獣と呼称される機械が辺りを飛び回っていた事から、鋼獣の仕業であると我々は結論付けたのだ。
それから鋼獣は我々にその牙を向き、襲い掛かってくる事になった。
黒峰潤也はその事件の数少ない生存者なのだという。
「それであの襲撃者の顔を見たとき偶然、思い当たる所があって、確認を取ったのですが彼の家族に――」
「家族?彼の家族はたしかあの事件で全員死亡とされていたのでは無かったか?」
「ええ、ですが、そっくりなんです、そのこれをまず見てもらえればわかると思うのですが…。」
男は腕に抱えた書類の中から一番上の書類を雫に向けて差し出した。
雫はその書類に映し出されている写真を見て、驚愕した。
「これは一体…どういう事なんだ…?」
書類には黒峰潤也の家族の顔写真が映されている。
その中に一人、どう見ても、今、モニターの中でオートマーターを破壊している人間の顔が写っているのだ。
そしてその顔写真の下には顔の人間の『黒峰咲』という名前が書かれていた。
「ええ、つまりは、あの、今我々に襲撃をかけているのは黒峰潤也の妹となるという事なのですが…あの事件では死亡としていますが、死体は確認されてはいないわけですし、可能性としては0ではありません。」
「馬鹿な…。」
雫は信じられずに、その書類を読み進める。
黒峰咲、16歳。黒峰豪徹と黒峰香の間に生まれた第二子であり長女と記されている。
モニターで闘っている少女と写真何度、見比べてもそれは他人の空似というにはあまりにもそのままだった。
では、今、目の前に移っているあの襲撃者はIではないというのだろうか?
いや、それはありえないと雫は考える。先ほど雫は仮想世界にてあの少女と会っている。
少女が使った技術は明らかに自分の作り上げた能力の模倣品であり、発展させた上位互換といえる代物だ。
そんな能力を琴峰研究所に無関係の人間が持てる筈は無い。
Iの研究は極秘裏に行われており、雫もその話を間接的に聞いていただけなのでしっかりとした面識は無かったが、あれがIで無い筈が無いのだ。
つまりは―――どういうことだ?
Iはクローンでは無く、人間を実験体にしたとでも…クローン?
そうか、Iのオリジナルとなった細胞の提供者がいるはずなのだ、半年前に始まったIの製造に使われた細胞の提供者が…。
その時、雫が自分が考えている事に違和感を感じた。いや、違和感というよりはあまりに事象がことごとく一致しすぎているのだ。
半年前に起こった第四区画消失事件、その事件と共に行方不明になった黒峰咲とそれと同時期に始まったIの製造、黒峰咲と瓜二つの顔を持つI、ブラックファントムを操縦していた青年黒峰潤也、黒峰潤也の下に向かうI。
それぞれがあまりに近い、近すぎるものを感じる。
偶然だと考えるべきなのだろうか…だが、それは偶然と考えるには余りにも近いところにありすぎた。
考えすぎだと雫は頭を振る、例え、Iの細胞提供者が黒峰咲であったとしても、黒峰潤也と琴峰研究所には何の関係も無いのだ。
関係者であるのならば、かつて自分たちが黒峰潤也の経歴を調べた時にその話が浮き出ないわけが無い。
ならば、このあまりに近い偶然の数々はなんだというのだ?
まるで目に見えない何かが幕の後ろから糸をたらして裏で操っているような感覚を雫は受ける。
偶然というにはあまりに作為的だ。まるで全てが最初からそうなるのように画策されていた。そんな考えすら沸いてくる。
自分たちが今、目の当たりにしている事象は自分たちが想像しているような領域を飛び越えるほどの所で何かが行われようとしているのではないか?
妄念だと振り払おうとしつつも雫の頭からその思考が一向に消えなかった。
「あ、あの副官、大丈夫でしょうか顔色も悪いですよ…。」
男が心配したような声で雫に呼びかける。
「ああ、すまない、ちょっと考えごとにふけっていた。ありがとう、だが、この事は今は内密にしておいてくれ、今は余計なことに頭を使わせたくないからな。」
「あ、はい、わかりました。」
そういって男は下がる。
「副司令…本当に無理はしないでくださいね。ところで、朗報が一つ来ましたよ。」
そう呼びかけたのはオペレーターの柳瀬だった。
「ん、なんだ?」
「時峰副司令を乗せた、輸送機がこちらの飛行場に到着したとの連絡が入りました。」
その報を聞き雫は安堵の息を漏らした。
「ついに、来たのか…副司令にはすぐにこちらに来てもらえるように伝えてくれ…司令にも回線を繋いで現状報告を頼む。」
飛行場からここまで、車を飛ばせば、大体3分ほどで来れる距離にある、これならばあのIが地下5階にたどり着く前に彼女をIの元に送り込む事も可能な筈だ。
地下5階、あのセキュリティがそう簡単に突破されるとは思えないが、Iの能力は未だ未知数だ。何の目算もなくここに来ているとも思えない。
もし突破され中にいるレイン・フォード博士や秋常貞夫総司令を人質などに取られてしまったら事がさらに面倒になる。
だからなんとしても、地下5階に到達する前に、彼女を捕らえなければならなかった。
だが、これならば間に合う、彼女ならばこの窮地をなんとかしてくれる筈だ。
スピーカー越しに司令部では聞きなれた声が聞こえた。
「九条が来たというのは本当か?」
地下五階にフォード博士、黒峰潤也といるイーグル総司令秋常貞夫だ。
「ええ、さきほど九条さんを乗せた輸送機がこちらに到着したという連絡が入りました。」
「よし、奴の方はどうなっている?」
「敵の位置は現在オートマーター10号機と戦闘中、まあ、やられるのは時間の問題といった所ですが、それでも残り3機のオートマーターがいます。九条さんが来るまではなんとか持つでしょう。」
スピーカー越しに貞夫の安堵の息が漏れた。
「まあ、これで一安心といった所だな、ずっとオートマーターが襲撃者を殺してしまったらどうしようと肝が冷える思いでもあったが、まあ、奴が強くて万々歳だ。あとは――」
「あ、あの、ちょっと良いでしょうか?」
そう尋ねたのは柳瀬だった。
心なしか顔が青ざめている。
「どうした柳瀬?」
「あ、あの、飛行場から連絡がありまして、と、時峰副司令が……輸送機内のコンテナの中にあった鋼機アインツヴァインカスタム『雪花』に乗ってどっかに飛んでちゃったそうなんですけれど…」
その瞬間、これで一安心だと安堵していた司令部をかつて無いほどのブリザードが襲った。
その柳瀬の言葉に司令部の人間全てが固まり、司令部の時間は止まったのだ。
雫は酷い頭痛と眩暈に襲われながらも問い直す。
「すまない、柳瀬、もう一度いってくれ、ちょっと言葉を聞き違えたみたいだ。」
そう頭を抑えながら言う雫に柳瀬は申し訳なさそうに…
「いえ、どうもあの輸送機が着地すると同時に『雪花』に乗って、副司令どっかに飛んでちゃったらしいんです。
輸送機の方に置手紙があったらしくて『いい天気なので散歩にいってくるよ、ああ、お月様が綺麗だねぇ』と達筆で…。」
「…………………………………間違いないのか?」
「3回確認しました、間違いありません。直接連絡の方も取ろうとしました、でも携帯端末の電源を切っちゃってるみたいで…。」
柳瀬が泣きそうな顔をして雫に助けを求める。自分も信じられなくて何度も確認したのだと…。これ以上、私にこの事を言わせないでくれと…。
そして、司令部は混沌に包まれていた。
ある者は幻聴を聞いたのだと思い耳をかき、ある者は悪夢を見たのだと思い頬をつねり、ある者は現実を受け入れ絶望に涙し、ある者は明後日の方向に笑い始める。
挙句の果てに、スピーカーからは50超えたおっさんの泣き声が漏れているのだ。「信じた私が馬鹿だった〜。」と年不相応の涙声をあげて…。
そこは絶望という名のカーニバル。なんかもう今まで頑張りが無駄だったと知らされる絶望の淵。
「柳瀬くん、今、イーグルが置かれている状況の説明は副司令にしたんだよね?」
べそかいたような声で貞夫が柳瀬に尋ねる。
「はい、機内の無線装置越しですが、副司令とモニター越しに私の説明を真摯に聞いてくれていました、あんな真剣な表情で私の説明を聞いていたのですから、まず説明を聞いてなかったという事は…。」
「それでな、柳瀬くん、説明中に副司令は何か発言したかね…。」
「いえ、何もただずっとモニターの方の先にいる私の方を真剣に見ていました、それで説明が終わった後、何か質問がありますでしょうか?と尋ねたら、少し首を振って『いや、わかったからいいよ』と言われました。
そういえば、質問があるかと聞いても中々反応が貰えなかったので何度か同じ質問をしました、5回目の質問で最後に何か気づいたようにして首を振っていたような…。」
その時点で時峰九条と付き合いの長い秋常貞夫と琴峰雫が輸送機の中で何があったのかを理解した。
ああ、そうだ、時峰九条はブリーフィングや説明とかがとにかく苦手でよく眼を開けたまま―――
「説明中、寝てたな…あの糞ババア…。」
「こちらも大慌てでしたので、九条さんの特技を忘れていました…すいません、私が対応すべきでした、私のミスです。」
えっ、えっ、とおろおろしながら柳瀬は涙を流す。
イーグル司令部は世界終末が訪れたかのように暗く重い雰囲気が漂う。
こうして、第七機関のトラウマメーカーはまた、新たなトラウマをイーグルの人間に作り上げたのだった。
あと二機。
カタン、カタンと金属と金属がぶつかりあうような音を立てて、わたしの元にオートマーターがやってくる。
オートマーターそれ自体は殺戮に特化した人形である、だが、機械ゆえに単調なのだ。
オートマーターはまずわたしを見つけた時にわたしがターゲットであるか照合し、確認した後、ターゲットに向けて発砲してくる。
彼らはそれを作業として一々行わなくてはならない。それが隙になる。
目の前にオートマーターが二機現れる球状の胴体からカメラアイを覗かせわたしを確認する。
それと同時に、わたしはオートマーターに向けて走り出した。
2体のオートマーターはわたしを照合した後、すぐさま機関銃部を展開し、わたしに向けた。
その瞬間、わたし腕に付いたワイヤーを射出し、一体のオートマーターの体に絡め、後ろに向けて引いた。
ワイヤーを体に巻きつけられたオートマーターはその球体上の体が災いぐるりとその体を100度ほど倒す。
発砲、一体のオートマーターは体を倒した為、地面に向けてその機関銃を発射した。
しかし、もう一体のオートマーターは構わずわたしに向けてその機関銃の引き金を引く。
だが、わたしにはそれは当たらない。
これはオートマーターのリンク機能が仇になって起こった事だ。
二機での襲撃故に射撃する範囲が被らぬようにリンク機能を使って情報をやりとりし、わたしに逃げ場が無いように射撃を行おうとしたのだ。
だがその内、一機の射撃能力が奪われてしまうと必然その一機の射撃を予定していた領域は安全領域へと変貌を遂げる。
わたしはそれを利用して、その安全地帯を走り、オートマーターの射撃を回避し、滑り込むようにして懐に潜り込み片方のオートマーターのカメラアイにはコンバットナイフを突き刺し、もう片方のオートマーターの機関銃を持ち上げてるアームにその手で触れた。
アクセス。
わたしはオートマーターの世界の中に入り、自爆装置を起動させ、すぐさまリンクアウトを行う。
そして、ナイフを引き抜き、そのままワイヤーを断ち切り、跳躍して、その場から離れた。
5秒後に爆発、二機のオートマーターはその中に組み込まれた自爆装置によって自らを破壊する。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ。」
疲労の息が漏れる。なんとか、10機のオートマーターを破壊した。
もし、何も知らないあの頃のわたしだったら、このオートマーターにやられていたかもしれない。
でも、その全てをわたし一人の力で破壊する事が出来た…それは潤也と共に戦いを勝ち抜いてきたという過去があるから出来たことだろう。
潤也と一緒に闘ってきた経験が今、わたしの中で生きているのを感じ、何か満ち足りたものを感じた。
「うん、潤也、わかってる、まだ安心しちゃ駄目だよね…。」
わたしはほつれかけた気持ちを引き締める為にぎゅっと手を握りしめる。
そう、まだ安心してはいけない…これからが本番だ。
何もまだ終わっていないのだから…。
わたしは通路を戻り、先ほど見つけた緊急用の階段へと向かう。
地下3階から地下4階を繋ぐ緊急時の避難用の階段だ。
あまり階段から離れないように闘っていた為、銃痕の付いた地下四階への扉はすぐに見つかった。
わたしは呼吸を整え、階段を下りる。
この階段は本来緊急事態の際に使われる階段だ、地下四階に向かいそこから180mを一気におりる地下五階への直通エレベーターに乗る。
エレベーターを動かす為のコードも『あの男』から提供されていた。
わたしは階段を降りていく。
一歩を踏み出すたびに先ほどの戦いの疲労がわたしを襲ったが、その疲労は自分が潤也の元に近づいている事を示しているようで嬉しかった。
3ヶ月前、あの日、黒峰潤也と出会ったあの日の事をわたしは忘れたことが無い。
琴峰研究所の地下1階にある特別研究室。
そこの大型試験管の中でわたしは育てられていた。
辛い、痛い、苦しい。
当時、わたしに自我というものが芽生えてから覚えた感情はそんなものばかりで、この世界は地獄だった。
なんでわたしは生きているんだろう?そんな事を考えるのがわたしの日常だった
試験管の前の白衣の男たちはわたしは見るたびに、これでは近づけないだの、まだ足りないだのいってわたしの頭の中になにかを入れるのだ…それは苦痛を伴うなんてレベルじゃなかった。
毎日、気が狂いそうになるぐらいの苦痛を味わう、でも苦痛しか知らないわたしは狂うという事すら出来なくて、その境を幾度も往復した。
地獄だった。
彼らはわたしを自我の無い人形だと呼んでいた、ていの良い実験動物だと…。
つらいよ、苦しいよ、なんでわたしはこんな目に会わなくちゃいけないの?
それが当たり前の日常だった。
それを壊したのが潤也だった。
試験管の中のわたしを見て、彼が最初になんて叫んだか、今でも覚えている。
「なんで、咲がこんな、ところに…。」
咲というのはなんだろうか?と当時は思ったものだ。
潤也は分厚い試験管のガラスを壊してわたしをそこから出してくれた。
今にも泣きそうな顔でわたしを抱きしめてくれたのを覚えている。
わたしを抱きしめてくれたその両腕は暖かかった。
暖かかったんだ。
その温もりを今でもわたしは覚えている。
そして生涯忘れることも無いだろう。
負の思いしかなかったわたしに違うものを与えた原点。
それは本当に、暖かくて、優しくて、幸せだった。
その全てが今までのわたしには無かったもので、わたしはそこで初めて幸福というものを知った。
その後、潤也は何かを思い出したかのようにしてわたしを見たくないもの見る眼で見た。
そうした後、酷く冷たい声でわたしにこう言ったのも覚えている。
「お前がIって奴か?」
I、それがわたしに振られていたコードだというのはその頃はまだ知らなくて、わたしはうんともすんとも答えることが出来なかった。
潤也は近くで怯えている研究員を殴り飛ばし、情報を聞き出し、わたしがIだという確証を得る。
「俺にはお前の力が必要だ、一緒に来い。」
わたしにその手をとらないという選択肢は無かった。
Iというわたしのコード名を、それは人の名前じゃないと言い藍と名づけてくれた。
その後、安直で済まないと潤也はわたしに謝ったが、わたしは彼がくれたものというだけでこの上なく嬉しかった。
琴峰という性を付けたのはわたしだ。
わたしのいた施設の出身者は皆、琴峰と名乗っているという話を知り、ならば、わたしもそう名乗るべきなのかなと思い名乗ったのだ。
あそこにいた時に良い思い出など無かったが、わたしはそれ以外に苗字として付けれそうな名前を知らなかった。
それからわたしは潤也のパートナーとして一緒に闘った。
潤也は、それから出会ったあのときのように優しくわたしを抱いてはくれなかった。
いつもわたしを見るたびに何かを思い出し、噛締めるようにしてわたしに辛く当たるのだ。
傷つかなかったといえば嘘になる。わたしに暖かさをくれた人間が今度はわたしの心をナイフで刺すような発言を繰り返すのだ。
最初は理由がわからなかった。最初はわたしが、あんなところにいた汚いものだからなんじゃないかと思った事もあった。
だから、わたしは自分を責めた。なんでわたしはこんなに無能なんだろう。もっともっと潤也の役に立てるようになりたい、もっともっと潤也に褒めてもらえるようになりたい。
そして、わたしの努力の日々が始まった。きっといつかあの日のように優しく暖かく抱きしめてもらえると信じて…。
けれど、その努力はそう簡単には実らなかった。
わたしは時折、直感的に感じていた、根本的に潤也はわたしに辛く当たらざる終えない何かがあるのだと…。
わたしはそれを知りたかったが潤也はそんな事を教えてくれる由も無かった。
けれど、わたしは知ってしまった。
『あの男』、銀髪をなびかせる『あの男』から全ての真実を教えられたのだ。
全ての原因はこの顔と声だった。
わたしが潤也にあのように扱われていたのはわたしの性格や生まれなどでは無くもっと根本的なものだった。
これは変えられない、わたしが作られたときにもって生まれたものだ。
ならばどうすれば良いのだろう?わたしは体の中に溶けている、あの図面のせいで顔も声も変える事は出来ない。
その時、わたしは初めて、わたしを作った者たちを恨んで呪った。
そして、潤也もわたしが真実を知ってしまった事に気づいた。
「最低だろ?俺はお前をお前として見れてないんだ、別の名前を付けて、別の人間だと思って見ようとしたんだけれど、そう見れなくてな…そういう意味じゃ、お前を作った奴らと俺は変わらないな、はは、まったく自分に吐き気がするよ。
藍、お前は俺を見捨てても良い。それをするだけの理由がお前にはあるし、そうされても俺は恨まないさ。」
そう、潤也は自分を責めるように言ったのは今でも覚えている。
潤也を捨てる?そんな事が出来るはずが無い、こんなに、こんなに好きなのだ。わたしにとって潤也は全てなのだ。
あの痛みと苦しみしかなったわたしの世界に暖かさをくれたのは潤也だけなのだ。だから、わたしはその時、例えどんな事があっても潤也の傍から離れない事を誓った。
リベジオンの中にあるシステムとわたしは深化で繋がり、わたしという存在が黒峰潤也という存在に隷属するものと作り変えた。
こうしてしまえば、わたしの心など関係なくてもわたしは黒峰潤也という人間に逆らう事も出来なければ離れる事も出来ない。
そしてわたしが潤也のものだという証がそこにはあった。
それがわたしの決意だった。
「ふざけるな、馬鹿!」とわたしがやった行動に潤也は心の底から怒った。
それは黒峰咲にではなく、琴峰藍というわたしに対しての怒りだった。
わたしはわたしの事を思って、本気で怒っている潤也の気持ちがただ、ただ嬉しかった。
それだけでわたしは満たされたのだ。
それからも潤也は自分に辛く当たったが、わたしは潤也と一緒にいる事が出来る、そして潤也に必要とされているというだけでこの上なく嬉しかった。
これからもずっと潤也と共に歩んでいこう、わたしはそう思った。
けれど、今、わたしの傍には潤也はいない。
あの狗との戦いの中で、潤也は自らの精神を守るために外界との接触を全て断ってしまった。己の心を箱の中に閉じ込め、鍵を閉めたのだ。
そして、潤也は彼らに連れて行かれた。
外の世界との干渉をたった潤也はもはやそこに生きているだけの人形のようなものだ。彼らへの抵抗など出来るはずも無かった。
そして、わたしはここに来た。
潤也をここから助け出すために…。
もしかすると潤也はあのままの状態のほうが幸せなのかもしれない、妹を殺さなければならないという呪いを忘れ、ただ、何も考えないで閉じこもっていられる。
そんな、何にも縛られなくてもいい孤独な世界、そんなところに潤也はきっといる。
潤也をここから助けるという事は、即ち潤也を戦いに引き戻すという事だ。
それはきっと、いや、間違いなく潤也を不幸にする。
わたしが今、やろうとしているのはそういう事なのだ。
きっと、このまま放っておくのが潤也の幸せなのだろう…。
けれど……わたしは……潤也と一緒にいたい、一緒にいたいんだ。
その思いだけがわたしを動かす。
きっとわたしは潤也にとっての悪夢のような存在だ。
彼に闘うための力を与えてしまい、彼の逃げ場を無くしていく、わたしの顔は否応なく彼のしなければならない事を思い出させ、彼はその身を戦いに投じざる終えなくなる。
そんな風にしかわたしは潤也に関わることの出来ない、わたしはわたしが嫌いでたまらなかった。
扉が見えた、地下300mにある地下5階、そこにたどり着くための直通エレベーターがある地下四階への到着を意味する。
あとはこの扉を抜けた通路にあるエレベーターでコードを入力して、進めばいいだけだ。
わたしは、小さく呼吸し、その扉を開いた。
目の前には地下3階と同じような人工的なというような清潔さを感じさせる廊下が広がっていた。
わたしはすぐに近くの直通エレベーターに向けて歩を進める。
「―――お嬢ちゃん、ちょっと待ちなさいな…。」
後ろから声がした、知らない人の声。
わたしは慌てて後ろを振り向く…そこには一人の白いワンピースに身を包んだ白髪の老婆がいた。
わたしはその老婆という存在に背筋に寒気が走るのを感じた。
いつでも敵襲に応じられるように最新の注意を払って、周りの気配を探っていたというのに、声をかけられるまでわたしはその存在にまったく気づかなかった。
老婆はその枯れ枝のような腕を伸ばし、こぶしを顎にあて、考えるような仕草を取る。
「ここはお嬢ちゃんのような可愛い娘が来るような場所じゃないんだけれどねぇー、どうしてここに来たのやら…。戻り方がわからないのならばこの賢いお婆ちゃんが、上に連れてってあげるよ。」
そう子供をあやす様に笑って老婆はわたしに言葉をかける。
「必要ない、わたしの目的は下だから…。」
「そうなのかい、でもお嬢ちゃん、ここから下はコードが無ければいけないよ?」
「持ってる。」
わたしはエレベーターの操作パネルに触れ、エレベーターを使うために必要なカードキーを読み込ませパスコードを入力した。
「あらら、ウチの馬鹿どもはこんな子供にまで情報漏洩させてしまっているのかい、後で、きっちり怒っておかないといけないねぇ…。」
今、地下300mにあるエレベーターがこの地下四階まで上がってきている。
「ところでお嬢ちゃん、今、暇かい?」
そう笑いを含んで、老婆は問う。
「暇に見える?」
わたしはこの老婆が敵なのか測りかねていた。
彼女からは上の階にいた警備員がわたしに発したような敵意を感じないのだ。
「少なくともそのエレベーターが来る2分ぐらいは、やること無くて暇だと思うかねぇ。」
「だから、何?あなたもここの人なら知ってると思うけれど、わたしにちょっかい出すとただじゃ済まないよ、そのまま上の階にいた人達みたいになりたくなかったら戻ったほうがいいんじゃない?」
脅し文句だった。見た所、体格からして戦闘要員というわけでもない、力加減を誤って殺してしまうのが少し怖かったという思いから発した言葉だったけれど、それと一緒にいい様の無いざわめきのようなモノをわたしの奥にある何かが感じていた。
そんなわたしの言葉を受けて、そうかい、上の階があんなになってたのはこの娘がやったのかいと老婆は頷いた後、大声をあげて笑い始めた、まるで子供のような笑い声だった。
おかしい、こんなおかしい事があったのかと笑った。
「そうかい、そうかい、お嬢ちゃんがあれをやったのかい、たまらないねぇ!こんなお嬢ちゃんがイーグルを、そうかい、そうかい、そうかい、お婆ちゃん関心しちゃったよ。」
その笑い声にわたしは言いようの無い恐怖を感じた。
「いや、ごめん、こんなに面白いことを聞いたの久しぶりだったから、つい、ねぇ…10年ぐらい若返った気分だよ。そうだ、お嬢ちゃん、せっかくだし遊んでいかない?」
「遊び?」
「お嬢ちゃん、地下五階に用事があるという事は例のCR-02の適格者に用事があるんだろう?だから、もし遊びに勝ったらこのあたしが地下五階にいってお嬢ちゃんの目的の成就から脱出まで手伝ってあげるよ。」
老婆は子供をあやす様な声でわたしに言う。
「あなたなんかいなくても一人でやれる…。」
「いやいや、あたしがいると楽だよ?わたしがこの施設を作ったんだから、だからわたしがいればこの施設のどんな所もフリーパスで入れる。」
地下五階のセキュリティはかなりの難関だとは聞いていた。
その概要をわたしはほんの少し聞かされただけだったが、一筋縄ではいかないだろうと考えていた。
あまりに時間がかかりそうならば『力』を使う事も考慮していた程だ。
もし、この老婆の言っている事が本当ならば、それはわたしにとっても時間短縮に繋がるし、余計な危険を冒さなくても良いという事を示している。
でも、だからといって、
「その話が本当だって保障はどこにもないでしょ?それに遊びって何をするつもりなの?」
そう尋ねるわたしに老婆は少し考えるようにした後、
「それに関しては信じてもらうしかないなぁー、遊びの内容はまあ、なんでもいいだけれど…そうだね、お嬢ちゃん腕っ節には自信あるんだろう?
じゃあ、それで行こうじゃないか、わたしと格闘戦やって勝つことができたらお嬢ちゃんの勝ち、それでどうだい?
武器はなんでも使って良いよ、あたしは見ての通り、何も持ってきてないけれど…。」
「そう…。」
告げると同時に、わたしは老婆に向けて一気に駆け出した。
さきほどからサイレンのようにわたしの中で鳴る何かがこの老婆に異常な警戒を示している。
だから、わたしはたとえ、老婆の言葉が嘘でも真でも、今ここで倒しておいたほうが良いと判断した。
わたしはすぐさま老婆の懐に潜り込む、そのまま体を捻り、上段からの後ろ回し蹴りを放つ。
そのとき、パスッと間抜けな音がなった。
蹴りが人の体に喰いこむ際に感じる感触が感じられない。
わたしは驚いて、蹴りを放った方の足を見る、その視線の先に待っていたのはさらなる驚愕だった。
老婆の体に食い込む筈のわたしのかかとが老婆のしわだらけの手のひらに収められ止められていたのだ。
驚くわたしを見て老婆はにやりと笑って言った。
「自己紹介がまだだったね、お嬢ちゃん、あたしの名前は、九条、時峰九条、この『イーグル』の副司令にしてピチピチの82歳さ。」
イーグル司令部は先ほどよりもさらに激しいブリザードに襲われていた。
司令部の人間は全てそのブリザードで凍ったように棒立ち状態で動かなくなっており、ただモニターの中で起こっている事象をただ、ただ信じられず眺めているだけだった。
いや、なんであの人、あそこにいるんだろう?
誰もが、モニターに写る老婆を見て、そう思っていた。
行方不明になった時峰九条を司令部はありとあらゆる情報網を使って探した。
だが、見つからなかった。近辺を出来うる限りの手段を使って探したのにいなかったのだ。
それなのに、何故か彼女は今、地下四階であの襲撃者の少女と戦っている。
意味がわからない、月見にいったんだろ、あの人?
てか、雪花どこにやった?
自分たちに気づかれずどうやって地下四階まで降りた。
意味がわからない。理解できない。なんなんだ、あのババア。
そんな感情が司令部の人間の心を支配した。
時峰九条の奇行は今に始まった事ではない。
彼女はふざけるのが大好きな人間なのだ、人をおちょくり、それで慌てる人を見るのが趣味なのだ。
それを、その尋常ならざる能力を生かして、やってくるのだからまったくをもって洒落にならない。
彼女と関わってその心に大きなトラウマを作らなかった人間はいないのだ。
それは『時峰九条だから仕方ないという』免罪符のような言葉がイーグル内では周知になっている事からもよく分かることだ。
大慌てで彼女を探していた自分たちの徒労は一体なんの為の徒労だったのだろうか…。
そんな事を考えて固まっていた司令部の人達は目に涙を浮かべた。
「そ、それにしてもどうやって、副司令、地下四階までいかれたんでしょう?流石にこのビルに入ってきたら私達でも気付くことは出来たと思うのですが・・・。」
そんな疑問を柳瀬が告げる。
「そんなの考えるまでもないじゃないか、時峰ワープだよ、時峰ワープ!!たぶん副司令は空間を操る力を持っていてそれを使って目的地までビュビュッと飛べるんだ。」
そう職員の一人が涙を浮かべながら答えた。そんな顔で無理して笑顔を作ろうとしているのが痛々しい。
「え、そんな、いくらなんでも人間にそんな無茶苦茶な―――――」
「頼むから、柳瀬、あの人の事をまともに考えさせるのはやめてくれ!!考えると俺たちの身が持たない!!!!」
常識的な突込みをしようとした柳瀬に対して職員の一人はそうやって狼狽する。
考えるだけ無駄なのだ。あの人はそういう人なのだと、これ以上あの人の事を考えさせないでくれと、その声にはそんな悲しい思いが乗せられていた。
そんな中、コホンと琴峰雫が咳をして、言う。
「まあ、どうであれ、事態は好転したんだ、とりあえず後は事の顛末を見守ろうじゃないか、あとは九条さんに任せておけば、きっと大丈夫だから…ですよね、司令?」
そうマイクの先にいる秋常貞夫総司令に雫は尋ねた。
司令からの激を貰い、この混沌に満ちた空気をなんとかしてもらおうと考えたからだ。
しかし、司令からの激の声が流れる筈のスピーカーから流れてきたのは、秋常貞夫の声ではなかった。
「あ、あの、すいません。」
若い声、第六機関からやってきたナノマシン工学の権威、レイン・フォード博士の声だった。
「フォード博士、どうされました、総司令がそこにおられるのでしたら変わって欲しいのですが…。」
そう尋ねながらも、雫は凄く嫌な予感というものを感じていたのは特筆するまでも無い話である。
「あ、あの、それがですね、地下四階の映像を端末で見た後、『あの糞ババアァァァァァァアァ』と大声あげて何度も壁に頭突きを繰り返し頭から血を流して倒れられてしまいした。え、っと、あのこういう時の応急処置ってどういう事をすればいいんでしょうか?」
そうやって慌て切羽詰った声色でフォード博士は尋ねてくる。
雫はそれを聞いて、先ほどより強烈な眩暈を感じ、
「もう、この仕事やめていいですか…。」
とポツリと呟いた。
To be continued ?
イーグル本部内の5Fにある接客用の待合室。
その部屋は電気がつけられておらず、暗い一室だった。
そこには銀髪の男がいた。その銀髪は窓から少しだけ入ってくる月の光を浴びて妖艶なというべき光を放つ。
その銀髪に支えられた男の容姿は非常に均整が整っており、まるで人形のような美しさがあった。
その男の名をグレイヴ・スクワーマーという。味方殺しの異名を持つ、世界最強の鋼機乗りである。
「本当にあなたって変な趣味よね、灯りが嫌いなんて…。」
そうグレイヴに声をかけたのは第六機関代表セレーネ・リア・ファルシルだった。
「別に僕は灯りが嫌いなわけじゃないよ、無意味な灯りでこの綺麗な月夜を楽しめなくなるのが面白くないだけなんだ。」
「ロマンチストっぽいこと言うわねぇ、らしくないにも程があると思うわ…。」
「そうかい?風流という言葉を僕は母からよく聞かされていてね、意外とこういうのも好きなんだよ。」
「その口調もあなたらしくないわ、あなた、場合、場合に応じてキャラがすぐに変わるからどういう人間なのかつかめないのよね。」
「ふふ、僕は道化だからね、ある時は狂人にもなるし、ある時は英雄にもなる、世の人々を楽しませるエンターテイナーなのさ。でもメンバーの中でも一番付き合いの長い君にそういわれると少しショックかなぁー。」
そうおどけたようにグレイヴは言う。呆れたとセレーネはため息をつき、
「それで、あなたが演出した今回の事件、首尾はどうなの?」
「今の所は順調だね、時峰九条とIが接触したみたいだよ。中々面白い勝負になるんじゃないかなぁー『所有者』同士の戦いなんて前代未聞だ。君は楽しんでるかい?僕は最高に楽しんでる。」
なんとも楽しそうにグレイヴは笑った。
「別に…いくら『所有者』といっても機体に乗ってなかったのならば、たいした意味は無いでしょ、それにあの時峰九条にあのモルモット如きが勝てる図なんて想像も付かないわ。」
「普通に考えればそうだろうね、でも、あいつは兄弟と一緒に何度も死線を潜り抜けてきてはいるんだ、もしかするとがあるかもしれないじゃないか。それを考えると楽しくて、楽しくてたまらないよ。」
そういうグレイヴを見て、セレーネは笑った。
「何かおかしいところがあったかい?」
「いえ、ね、鏡で自分の顔を見てみればいいと思うわ、あなた、さっき風流がなんだといってロマン語ってた時よりずっといい顔をしてる。」
「それは仕方の無い事さ、兄弟の事なんだから、ああ、君に僕の心は奪われている。永遠に続くと思っていたこの牢獄の中で生まれたイレギュラーそれを愛さずにいられるわけがないじゃないか。」
そういって悦に入るグレイヴにセレーネは苦笑した後、
「そういえば『エンジェル』の方がついに、動き始めるそうよ。」
「メタトロニウスか、UHにせっかく適格者と共にくれてやったんだ、そろそろ使ってもらわないと困るよ。」
「そういえばあの子、今、あそこの女王様なんだっけ?」
セレーネは笑いを堪えるようにして言った。
「ヤー、ヤー、今や彼女は地下世界に閉じ込められていた彼らを解放した救世主だからね、今やUHの奴らは彼女の忠実にして敬虔なる僕だよ。信者たちは盲目で怖いぞ〜、自らの滅びを恐れないからね、本当に強敵この上ない。」
「でもそろそろ、こっちも放出するんでしょう?対鋼獣装備の鋼機を…。」
「セレーナが見込んだ英雄君がやる気になってくれたらね。それに対鋼獣装備といってもスペック差は歴然だ、どんなパイロットが乗っても三獣神機や至宝を持った怨念機には適わないよ。」
「でも、勝てないのはそれぐらいだわ、大抵のオリジナルやレプリカには理論上は勝てるという領域に達してしまう。あとは数の暴力で攻めればなんとかはなってしまうでしょう。」
「だねぇー、そして『エンジェル』はあの純白の怨念機を携えて出てこざる得なくなる。彼女の目的は泣かせるからね、僕もあそこまで純真だと感動して自然に涙が出てくるよ。」
「純真?あれが?」
呆れたといわんばかりのジェスチャーをセレーネは取った。
「父を、母を、彼女は救おうとしているんじゃないか、方法はどうであれ…。」
「そうなるよう仕向けた本人がよく言うわ…それにしてもあなたその内、やってない事までも『それも私だ』とか言って、自分のした事にしそうよね。」
「その方が面白ければそうするよ。」
グレイヴ・スクワーマーの行動原理、それは面白いか、面白くないかである。ありとあらゆる行動がこの思考を根幹として行われている。
彼がかつて味方を殺した時の理由も、この方が意外性があって面白そうだったから、そんなどうしようもない理由だった。
グレイヴは両手を天に掲げて、祈るように言った。
「さて、前座もそろそろ終わりつつあるし、メインイベントが近づいてきてるみたいだ。
今まで自己を閉ざすという、あの状態になって帰ってきたものはいない、誰も辛い現実などまた見たくはないからね。
でも僕は兄弟に期待してる、普通に考えれば無理なんだけれど、彼なら、その存在自体がイレギュラーな彼なら帰ってこれるかもしれない。
ああ、僕の知らない未知、未知よ、どうか、それを知る喜びを僕に与えてくれ、あぁ、期待してるよ、黒峰潤也。」
To be continued
まず、数々の支援、皆様本当にありがとうございました
ここまでが当初の予定のSIDE Bになります
実はSIDE Cにするにあたって冒頭の部分ちょっと書き足したりはしたんですが、いやーなげぇーね
半端ないね、こんなの一回で投稿しようとしてた俺は馬鹿だね!
いや、本当長くてごめんなさい(´;ω;`)
書いてる本人がいうのもなんだけれど、
本編の内容に関してはシリアスな筈なんだけれど、一人の人間がそのシリアス成分を全部喰っちゃってるの気がするのが恐ろしい気がします
この人、なんか色々危なすぎる…
今回、量が量なので、結構見直ししましたが、文章ミスとかあるかもしれません(´・ω・`)
気づいたらwikiに乗ったあとひっそり修正するかも知れない、基本的な流れは変えないけれどね!!
んで、実はシスターズもあと次回予告作るだけの所まで出来てたりw
>>722 投下乙!レス被してすまんorz
それでは、ゆっくり読ませて貰うぜメーン!
>>722 投下乙です!
じっくり読ませてもらいますね、しかし凄い量だww
って…
>シスターズもあと次回予告作るだけの所まで出来てたり
なん…だと…!?
貴方がラディカルグッドスピードか…
>>722 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
>>722 投下乙です。
そろそろ、店を閉めるので自宅に帰ってから、ゆっくり読ませて頂きますね。
このスレとは直接関係の無い事なのですが、最近、クレカ関係の違法行為がやたら目立ちます。
普段、あんまりクレカを使わない人でもカード発行会社から届いた明細書は隅々までキッチリと
確認して不審な点があったら、すぐに請求元、カード会社、警察に相談して欲しいんだ。
被害を受けている自覚が無い人が多くて気付いた時には既に遅し…なんて事も多々。
ロボスレ民の中にも被害者が居たらと思うと、お兄さんは気が気ではありません。
>DS氏&古時計屋氏
力作投下乙です
後でじっくり、読ませて貰います
そういや容量って大丈夫なのだろうか
>>722 投下乙でした……ってなんという分量だ。自分の執筆が終わり次第感想を書きます……!
>>728 自分の今夜上げる予定、あくまで予定のEpisode7はおそらく15KB〜20KBくらいなので、
オレの含めて2作品。ギリギリ3、4作品行けるかってくらいの容量ですかね……多分。
現在393 KB。実は割とヤバいw
>>722 改めまして投下乙です!
謎が謎を呼ぶというか、真実が謎を呼ぶというか……かなり盛り上がってきましたね!
てかババァ何者www“所有者”って言われてましたが……。
しかし今回は特に情報量が凄まじいですね、頭パンクしそうですw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
ところでちょっと気になったんですが、藍たんや雫さんの能力で自動人形とか機械人形にダイブしたらどうなるんでしょう?w
>>722 投下乙!
謎が説き明かされると思ったら更に深まっていたというか鬼なる。
BBAの破天荒さ加減も鰻上りだし、藍ちゃん強いし、
このお2人の勝負の行方が実に楽しみなところ。
つか2日で700越えとか、冷静に考えると創発的に有り得ない事なんじゃ……w
>>722 改めて投下乙!
謎が解けるかと思いきや謎が増えて、もうなんかwktk止まんねぇw
所有者って、何のだろう……
>なんなんだ、あのババア
まったくだよwww
>>731 盛大に関係してくれるんじゃなかろうかw
>>722 改めて乙で御座った!
いや、なんつうか……ババァ自重しるwww
到着したと見せかけて鋼機で出かけたと思わせて地下にいる……何なんだよもうwホントにwww
藍ちゃんが切ない……(´・ω・` )
さて色々謎が出たり、暗躍してたりで今回も盛り沢山でしたね!
次回も待ち遠しいぜ!
>>681 >「副司令…本当に無理はしないでくださいね。ところで、朗報が一つ来ましたよ。」
あーん、副官なのに副司令になってる(´;ω;`)
これは本当にごめんなさい
というわけで返レス
>>731 所有者の意味は凄く頑張れば気づけるかも(´・ω・`)
その意味になるピースはもう全部置いてきたし、あとは点と点が繋ぐことができれば・・・
ババアは仕様ですw
一応、ダイブ中は繋がっている必要があるので
>>732 謎は7割ぐらいは二章で明かしちゃう予定です
今回、増えた謎は最後まで大きな要素になる予定なので、頭の片隅にもで置いといてもらえると嬉しいです
>ババア
ええ、あの人、なんなんでしょうね!!!!
>>735 ババアに自重なんて二文字は無い!!ババアこそ至高、これこそババア萌えのものがたry
いや、最初は普通に地下に送ろうかと思ってたんだけれどババアが「あたしの登場がそんな地味なので許されると思ってるのかい?」と俺に語りかけてきまして・・・
もう、なんなんだ、あのババア!!!
藍は次回が2章での一番の見せ場になる予定です、いや、次回は結構切ない話の予定(´・ω・`)
避難所四号機埋まったどー
>ええ、あの人、なんなんでしょうね!!!!
胸張って言うなwww
>>733 抜けてた><
謎は本当に2章でトリネタ関係以外はほとんどが解ける予定です
二章終わる頃には各キャラの立ち位置もきちっと確立できるはず、俺の力量が足りてれば!!!
>ババア
ババアは神です、ババアは信仰するものです、ババアこそが正義なのです
さあ、あなたもババア教にry
新しい派閥ができたのかババァに洗脳されてるのか判断に苦しむんだがwww
>ババァに洗脳
なにそれなんか九条さんならできそうでこわい。
>>736 所有者の意味か……
……藍ちゃんが図面っていってたよな……図面……
……一応予想は立ったけど自身無いなぁw
>>573 ええい!この二人は見てるこっちがもどかしいわ!!
さて次回は新型機…wktkが止まらん!!
>>626 いかにも展開してくれそうな感じがカッコいい!!
マゲは…紅い光放出して表現するのも手じゃないですかね。ゴーダンナー的に。
>>722 ……ババァキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
藍ちゃん強くて切なくて、それでいて謎は深まりつつ…
兎に角ババァキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
さりげなく番外時とは正反対の服装ですね。
最後にババァ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
>>742 ああ……なるほど! なんかわかったような気がしますw
気がするだけ、ですが……w
>>744 お互いに心に秘めておきましょうw
外れてたら恥ずかしいですしw
>>722 改めて投下乙でした!
全体的に謎が謎を呼び、伏線がかなり張り巡らされていて読んでるこっちまで焦燥感が伝わってくる書き方。
読んでてかなりテンションが上がっていく……!どうなるか、先が気になってしまって仕方がない……!
そして藍ちゃん相変わらず良い娘だのぅ。すっげぇいい娘だのぅ。
本当、一途な娘って可愛いですよね……!最後には、この娘の想いがきちんと結ばれることを願っとります。
そして婆ちゃん格好ぇぇ!藍ちゃんの蹴り片手で止めるとか何者だよこのご老体……!w
今回も躍動感が止まらない話で読んでいてとても面白かったです!次回も楽しみに待っております!
そして廻セカDaZ-Episode7-、書き終わったので投下しますー。
支援のほど、よろしくお願いします……!
「「はぁ……」」
我が安田俊明邸のリビングのテーブルに、に深い溜め息と共に突っ伏する少年少女。
ここに帰って来れたことが一つの奇跡。今日はそう言ってもおかしくない出来事だった。
「疲れましたね……心身共に」
「オレなんて、腹に風穴空けられたんだぞ……」
思わず腹部の傷があった場所に手を当ててしまう。そこにはもう凄惨な傷跡など微塵も残っていない。
そう、異常なことなど何も無かったかのかのようにすら思えてくる。
「(いや……、そう思いたいだけ、か)」
現実から目を背けたいだけなのだろう。逃げてしまいたいだけ。
「(イェーガーの言う通りだよな、オレは……)」
シュタムファータァを助けてやりたいという偽善の蓋を、好奇心という器に被せていただけだった。
だからと言って、ここで逃げ出すわけにはいかない。
「(それは、自分の責任だ)」
どうせ放っておいても消えてしまうのだ。なら、少しくらい頑張ってみてもいいだろう。
自分の頬を両手で叩く。乾いた音と痛みで意識を覚醒させる。
「ど、どうしたんですかヤスっちさん、いきなり。頭おかしくなりましたか」
シュタムファータァが心配そうにこちらを見る。というか、最後のは喧嘩売ってるだろ。
「シュタムファータァ、イェーガー……倒すぞ」
本気で倒す。シュタムファータァ一人に任せるなんてことはしない。オレが自分から関わってしまった責任を取る。アイツを、本気で倒す。
「……しかし、私に、それができるんでしょうか……?」
「まずお前が真正面から戦って倒せる確率は0だろ。だから、せめてもの勝率を上げるしかない」
「うっ……、はっきりいいますね……。しかし、固有兵装……ですか」
「そうだ。別に凝った武器じゃなくていい。自分が扱いやすそうだと思ったモノを作ってくれ」
あのときハーゼが言った言葉。情報は全てを制す。
今、オレに与えられている情報からやるべきことを一つずつやっていこうと思う。
まずは、シュタムファータァ自身を戦えるようにしなくちゃいけない。そのためには武器が必要だ。
小学生が殴りかかってきても怖くはないが、小学生がナイフ片手に突っ込んでくるのは怖いものだ。
それは、武器が傷を負わせるものというのがわかっているからだ。つまり明らかに格上の相手でも牽制になるということ。
「扱いやすそうな物、ですか……」
「3日以内に仕上げろ。イェーガーだってそんなのんびりしてるタイプじゃないだろ、あれは」
「3日ですかっ!?無理無理無理っ、無理ですよ!」
シュタムファータァが慌てながら必死にNOサインを出す。だが、残念ながらそれを聞いてる余裕はない。
「ハーゼが数日で生み出せるって言ってただろ。イェーガーがいつ動き出すかわからない緊急事態だ。頑張ってくれ」
「うえええ、わかりました、わかりましたよぉ……」
これで固有兵装の件はクリア。あとは、オレが頑張るだけだ。
「と言ってもヤスっちさん。私、固有兵装作っても勝てる気がしないんですけど……」
「わかってる。だから、別の方法で倒すしかないだろ」
「別の、方法?」
そう。別に強さで勝るだけが戦いというわけじゃない。いくらだってやりようはあるんだ。
「ああ。……確認だが、リーゼンゲシュレヒトに現実兵器ってダメージあるんだよな?」
「もちろんありますよ。ミサイル一発食らっただけで気の抜きようによっては大ダメージです」
「待て、気の抜きようってことは、注意してたら食らっても耐えられるってことか?」
「そうですね。例えるのなら、腹筋に力を入れてると殴られても痛くないのと同じ……と考えてください」
腹筋に力を入れるのと同じでミサイルを耐えられるのか。嫌すぎる。
「つまり意図してないことなら大丈夫ってことか」
「ヤスっちさん、ミサイルでも持ってくるんですか!?」
シュタムファータァがキラキラとした目でこちらを見てくる。だが生憎ここは日本なんだ。
「持ってるわけないだろ。……まぁ、でもミサイル並の威力なら出せる方法がある。というか思いついた」
オレが用意できる最大の威力を秘めた攻撃。トラックを突っ込ませるとかいろいろ考えたが、これがやはり一番威力があるだろう。
「そ、それはなんなんですか?」
「……"粉塵爆発"だ。それもとびっきりのを用意して、な」
「……粉塵爆発、ですか?」
「ああ。ニュースとかで見るだろ。それなら兵器なんて使わなくても威力がある」
思いつきではあるが、悪くはない発想のはず。素人でも簡単に起こそうと思えば起こせる非常に安易な方法だ。
そして、肝心の爆発させる場所も問題はない。
廃墟群。あんだけドンパチやっててもバレなかったんだから爆発くらい大丈夫だろう……多分。
大丈夫じゃなくても、まずはイェーガーを倒すことだけを考えよう。全てはそれからだ。
「それだけの威力を出す粉末の量を、どうやって運び出すんですか……?」
「もちろん、リーゼンゲシュレヒト状態になればかなりの量が運べるだろ。夜だったらまぁ、姿を見られる心配もあんまないだろうしな」
「いえ、姿だけだったら大丈夫ですよ。"認識阻害"がありますから」
また聞きなれないファンタジー用語が出てきた。リーゼにセカイに固有兵装に今度は認識阻害、か。
「で、なんなんだその認識阻害ってヤツは」
「その名の通りリーゼンゲシュレヒトをヒトから認識できなくする能力です。リーゼンゲシュレヒトであれば誰でも使える力ですね。
と言っても認識できなくするのは視覚だけですし、ヤスっちさんのようなリーゼンゲシュレヒトと契約を交わした人間には意味がありません」
「視覚だけなのか。ま、そんなことができるんだったら余計楽だな」
「というより認識阻害がなかったら公園でも街中でもリーゼンゲシュレヒトになれませんし、なりませんよ」
軽く苦笑しながらシュタムファータァがそう言う。まぁ、たしかに言われてみればその通りだ。
どのくらいの量でどれだけの威力が出せるかはわからないが、まぁ現実工場で使ってるレベルで屋根吹き飛ばせるのだから、
建物一杯くらいの粉を用意すればいくらイェーガーでも耐えれないだろう。多分。
「それをどっからどこに運び出すんですか?」
「製鉄所に行けば金属粉はある。あとは木粉かな。これはリサイクル工場にでもあんだろ。ニュースで見たから確実のはず」
「やたら詳しいですね、ヤスっちさん」
「一般常識の範囲だ。そんじゃ四日後の夜、三時に行くからな。それまでにお前は、武器を頼むぜ」
それまでにオレは工場の場所を把握しなければならない。こういうときにインターネットが本当に役立つ。
「わかりました。なんとかやってみます……」
「オレにはお前しかいないんだ。頼んだぜ」
頭を軽く撫でてやる。……なんとなく、気恥しいな。でもまぁ、子供の頭を撫でるのは普通の行為だと思う。たぶん。
「それじゃあ、私は帰りますね」
「おう。……そういや、お前って生活費とか払ってんのか?」
ふと気になった。まぁ、オレには関係のないことではあるのだが。
「うーんと、私って自分でお金ってあまり管理してないんですよ。"セカイの意志"から振り込まれるお金は全部久遠に預かってもらってましたから」
「子供かよ、お前。いや……子供か」
まじまじとシュタムファータァの外見を見る。顔はたしかに可愛いが、いかんせん子供に対しての可愛いという気持ち以外思えない。
「一応ヤスっちさんより年上ですっ」
「実感ねぇなぁ。……そういや、その久遠ってヤツはリーゼンゲシュレヒトなのか?」
「はい。本名は"時の鍵人"エーヴィヒカイト。革命派と対立する保守派のリーダーでもある、非常に強力なリーゼンゲシュレヒトです」
「そいつに助けを求めることはできないのか?」
オレがそう聞くとシュタムファータァは首を横に振った。
「難しいですね。保守派のリーダーがセカイの意志の任務を放棄している私に味方し、革命派の一人に戦いを仕掛けるなんてことがあったら、
それこそセカイの意志を二分したリーゼンゲシュレヒト同士の戦いになってしまいます。そしていざ戦いになれば……」
「今のところ戦力の乏しい保守派に勝ち目はない……ってか」
「強力なリーゼンゲシュレヒトの数でだったらそこまで劣ってもいないんですが、戦争は数で全てが決まってしまいますしね」
「……だよな」
まぁ、そもそも誰かの力を借りるのはまだ早い。今はまだ、自分たちで責任を取れる段階だ。
「話が逸れちゃいましたね。一応、私の持ち合わせていたお金は孝明さんに渡してありますよ。なかなか受け取ってはもらえませんでしたけどね」
「孝明さんみたいな大人が、お前みたいな子供からお金をはいありがとう、って簡単に受け取るわけないもんな」
というかそもそもこんな女の子が生活費レベルの金額を持ってるところに驚くのが最初だとは思うが。
「まぁ、固有兵装については全力でなんとかしておきます。粉塵爆発で倒す以上、その場所に誘導できる程度の力は必要ですもんね」
「そういうことだ。んじゃ、よろしくな」
「はい。できたら携帯の方に連絡しますねーっ」
そう言い残し、シュタムファータァは家を後にした。オレは誰もいなくなったリビングを後にし、自室に戻り早々にベッドに身を投げる。
「本当、生きてんのが奇跡だわ……」
腹部の傷。今まで経験してきた中で一番痛かった。ハーゼがいなければ死んでいたかもしれない。
そしてそのハーゼも次からは助けてはもらえない。甘えは許されない。オレとシュタムファータァが、やるしかないんだ。
「とりあえず、今はやることをやんなくちゃな」
ベッドから起き、机の上に設置されているPCの電源を入れる。
そしてPCが起動するまでの時間、リビングに降りて棚から揺籃の地図を引っ張りだす。
パソコンから揺籃に存在するリサイクル工場と製鉄工場の場所を調べ上げる。地図と照らし合わせながら場所をメモっていく。
戦後開発がかなりの勢いで進んでいった揺籃だ。この手の工場が存在しないわけがなかった。むしろありすぎて困るくらいだ。
一つ一つ丁寧にメモしていく。メモが終わる頃には、もう時刻は零時を回っていた。
「……そろそろ寝なくちゃな」
明日は学校をサボってこの工場を下見してみようと思う。さすがに白昼堂々襲われはしないだろう。多分。
風呂に入って心身をリフレッシュさせ、布団に潜りこむ。
色々なことがあった今日。その疲れのおかげで意識が落ちていくのに、さしたる時間はかからなかった。
待ってwお二人さんw
―――――いたい、あつい。あかい。あかい。いたい、あつい、いたい。
―――――みずのおと?なんのおと?なんのこえ?
―――――これは、ぼくのこえ?だれのからだ?
―――――わからない。わからない。
―――――だれ、だれ、おかあさん、おとうさん。
―――――たすけて、たすけて?
―――――ぼく、ぼくはね―――――
「ッ……!!」
布団から飛び跳ねるように起き上がる。悪夢を見たということを理解するまで、時間はそこまでかからなかった。
手を額に当てると冷や汗で濡れていた。おそらく背中も同じようにびっしょりと濡れているだろう。
「ひっさびさに、あの夢見たな……」
最後に見たのは去年くらいだった。おそらく、昨日の出来事が精神的に負担になっていたのだろう。
「吹っ切れていることとはいえ、朝っぱらからこれだと鬱になるな。幸先悪ぃ……」
別によくある「なんだこの夢は……!?」というものではない、よくある心的外傷の一種だ。
原因も夢の内容もわかりきったことなので、不快感しかない。
とりあえず頭を無理矢理リセットし、寝巻きを脱いでタオルで汗を拭き取る。クローゼットにある制服に手を伸ばしかけるが、学校に行くわけではないので洋服棚の私服に着替える。
「親父たちは大丈夫だろうけど、千尋が問題だよな……」
ウチの両親はそういったことを気にするタイプではないので大丈夫だが、千尋は違う。オレが休むと言ったら自分も休むと言いかねない。
メールで済ませてもいいがそうしたら絶対に家に来る。隣りというのはこういうときに厄介だ。
「前みたいに一度行って早退って手もあるけど、一度やってるから千尋に目付けられてるだろうしな……」
いっそのことインフルエンザで面会謝絶ということにしてやろうか、とも考えたが……。だがなんだかんだで両親の許可を経て朝食を食べ、家を後にする。
「ま、メールが一番無難だろうな」
携帯に今日休むから一人で行ってくれという内容のメールを送り、千尋に追いつかれる前に自転車で自宅を離れる。
同じ生徒に姿を見られるのも厄介なので、通学路を避けながら工業地区へと向かう。
数十分後到着。自転車をとりあえず工業地区の入口付近に自転車を止め、メモしていた地図を開こうとポケットから携帯を取り出す。
「さて、一つ一つ場所だけでも確認しないとな。いざ運び出すときに地図で確認していくのも面倒だし」
一個一個の工場の場所を確認して、頭に摺りこませていく。そうしている内に、携帯に着信が入った。
画面には『守屋千尋』の文字が。内心溜息を吐きながらも通話ボタンを押して電話に出る。
「ヤスっち!?どうしたのさいきなり今日休んで!病気?怪我?」
案の定いきなり早口で話しかけてくる。だが、これは予想済み。
「千尋……いってきマスターアジア」
「え?い、いってらっシャイニングフィンガー……ってかこのやり取りって昨日するはずのじゃないの?しかも相手ヤスっちじゃないよね、たしか」
「気にするな」
そのまま電話を切る。間髪入れず再び電話がかかってくるが、即座に切り地図を再び開く。
「ヤスっちさんって、千尋さんのこと嫌いなんですか?」
「いや、嫌いじゃねぇよ。アイツに余計な心配かけさせたくないだけだ。……って、なんでお前がここにいんの」
いつの間にいたのか。後ろにはシュタムファータァの姿があった。
「はい、実は……」
「どうせ、『ヤスっちさんのセカイを感知しただけですー』とか、そんなんだろ」
「よくわかりましたね!」
いい加減もう慣れた。あそこまでセカイセカイ連呼されているともう何でもありなんだろうと思ってくる。
「えへへ、実はヤスっちさんに報告を、と思いまして」
「なんだよ?」
シュタムファータァが得意気な笑顔で胸を張って口を開く。
「なんと、僅か数時間で!私の固有兵装が完成しましたっ!」
「おう、早かったな随分」
「なんか淡泊な反応ですね!まぁいいです。なんか、作り始めたら頭から勝手にイメージが湧いてきたと思ったら気づいたら完成していました」
理由はどうあれ早く完成するのはいいことだ。なんなら、今日の深夜にでも予定を早めることができる。
「で、なんかお約束通りに名前はあんのか?」
「モチのロンですよ!ふふ、聞いて驚かないでくださいよ……」
ムダに勿体づけるシュタムファータァ。早く言えよ、とは言わずに大人しく待つことにする。
「その名も!シルバアルジェントブラタセリェブローアスィミフェッダインアルゲントゥム銀式です!」
「パクりな上に長ぇよ」
噛まずに、しかも記憶していたことは凄いのだがとりあえず一刀両断する。こいつは固有兵装を使うたびにこの名前を言うつもりか。
「ちなみに冗談です。本当は名前なんてないですよ」
「本当だったら今すぐ作り直させてたわ。……そういや、固有兵装の経常って何にしたんだ?兵装って言ったって色々あるだろ?」
ヴゥァージョントゥー
「ふっふっふ。聞いて驚かないでくださいよVer.2。私の固有兵装はですね……」
そして再び無駄に勿体付けたように一呼吸置いて、シュタムファータァは口を開いた。
「トゥインジャプァニーズソード。双刀。日本刀の二本持ちですよ!いいと思わないですか?ヤスっちさん!」
あれか。日本刀って……マジか。日本刀だけだったらまだ良かった。よりにもよって……二刀流、か。
「お前なぁ……。日本刀がどんだけ扱いにくいのか知ってるのか?しかも二刀流も目茶苦茶難しいんだぞ。
試しに竹刀でもなんでも二本持って体動かしてみろ。生半可な素人ができる戦い方じゃない」
実際にやってみたことのある人間から言うんだ。間違いない。え?子供のときに一度くらい試したことないか?
「で、でもイデアールは、ちゃんとイェーガー相手に善戦してたじゃないですかっ」
「あれは、イデアールが強かっただけだろ」
オレがそう言うと途端にシュタムファータァの顔が落ち込んだような表情になり、オレの心にグサグサと良心という名の刃が刺さっていく。
「ま、まぁお前が闘えるんならいいんだけどさ。でも、こんな短時間にやってくれたことはすげぇ感謝してるし、助かってるからさ、な?」
そう言いながらシュタムファータァの頭に手を乗せ、優しく撫でてやる。子供をあやすにはこれが一番だと聞いたらからじゃないぞ、断じて。
「えへ、大丈夫ですよ。戦ってみせますって……」
途端に喜んだ表情になるシュタムファータァ。よかった、機嫌は即座に治ったようだ。
「やっぱりお前、子供だったんだな……」
「うん?なにか言いましたかヤスっちさん?」
「いいや別に何も言ってない。さて、じゃあお前も来たことだし一緒に工場の場所を把握していくぞ。お前も覚えた方が楽になるしな」
携帯を取り出し、地図情報をシュタムファータァの携帯に送信する。最近の世の中は便利になったもんだ。
「……はい、了解です。じゃあ出発しましょう!」
先導するシュタムファータァを一歩後ろから着いていく。そうして数時間くらいで、工場の場所確認は終わってしまった。
「案外、時間がかかるもんなんですね……。私、一時間くらいで終わるかと思ってました」
工業地区の近くにある公園で自販機で買った飲み物片手にベンチで休憩するオレとシュタムファータァ。その最中の一言だった。
「戦後間もなく揺籃の大開発が進んだからな……。工業地区とかが発展してるのは当然なんだ。ビジネス街なんてもはや同じ街とは思えないぞ」
「なるほど……。それでなんですか。って、担当地区のはずなのに知らないなんて、おかしいですよね私」
「いいんじゃないのか別に歴史なんて知らなくても、さ。……っと、オレちょっとトイレ行ってくる」
「はい、いってらっしゃいです」
いってらっしゃいですって日本語的に変だろ。しかし数時間トイレに行ってなかったから尿意が……。
公園に設置されてあるトイレに入る。すると、思いもがけない先客が居た。そして、それに伴う強烈な臭い。
「お、お前は……!」
「おう、小僧じゃねぇか。こんな場所で会うなんて奇遇だな」
その先客は、オレを半死にまで追いやった『赤銅色の狩人』イェーガー、本人だった。
「っ……!なんつー運の悪さ。しっかしお前、臭ぇ!マジ臭ぇぞ!?」
「仕方ねぇだろ。誰のだってしたばっかってのは臭いもんだ。つか俺自身が臭いみたいな言い方すんじゃねぇぞ」
「いや、これは臭いぞ。つかなんでお前公園なんかでクソしてんだよ。ホテル帰れ」
「馬鹿野郎。公園で充分夜を越せるってのに、なんでわざわざホテルに行かなきゃならねぇんだ」
「それを世間一般じゃホームレスって言うんだよ!」
「ベッドがなきゃお前は寝れねぇのか。傭兵や兵士としちゃあ三流だなぁ、失望したぞ」
「ならねぇから三流で結構だ!」
ぜぇはぁと必死に臭いに耐えながら声を荒げ反抗する。何故だろう。こいつを前にだともの凄く怒鳴りたくなる。
「っ……くそ……マジ臭ぇ……」
「おい、小僧。ここで会ったのも何かの縁だ。今からおっぱじめるか?」
イェーガーが獲物を狙う狩人のような瞳でこちらを真っすぐ見据える。正直怖い。だが、この臭いの方が驚異だ……!
「いや、イェーガー。今からだと時間的に思いっきり戦えない。そうだな、明後日のAM02:00からで、どうだ?」
「それは、あれだな?言い方的には明日の深夜2時から……という解釈でいいんだな?」
よし、乗ってきた……。こいつの好戦的な性格のことだ。絶対に乗ると思っていた……!
「ああ。そういう解釈だ。場所は前回の廃墟群。それで、いいな?」
「オーケー。こっちとしては思いっきり戦えるし仕事も片付けられるしのに二石一鳥だしなぁ。その条件、飲んだ」
了承したことに密かに心の中で安堵の溜息を吐く。正直、冷や汗が止まらなかった。
「じゃあ、ゆっくりクソでもなんでもしていきな。んじゃな」
そう言いながらイェーガーはトイレを出て行った。肝心のトイレも設置されている換気扇によって臭いは緩和されていた。
そして本件だったトイレを済ませ、シュタムファータァの所に戻る。
「ヤ、ヤスっちさん!今、トイレからイェーガーが!」
「ああ。で、ついでに戦いの約束も仕込んできた。いきなり襲いかかってくるヤツじゃなくてよかったよ」
「そうですか……。よかった。ヤスっちさんがイェーガーに襲われてたらと思うと、トイレの中まで駆け込もうかずっと悩んでましたよ……」
シュタムファータァが安心したかのように胸をなでおろす。良かった。トイレに突っ込まれないで本当によかった。
「これで準備は全部整った。あとは、今日の粉の配置を済ませて当日なんとかできるか。それが、問題だな」
「ええ、きっと楽にできることじゃない。むしろ成功率の方が全然低いことだと思います、ですが、それでも」
「「やるしかない」」
お互い言葉が重なり、そしてオレたちは自然と互いの拳を軽く合わせていた……。
よし。やっと投下終了……。途中改行制限を直しているときに結構時間間隔が空いてしまい、申し訳なかったです。
あれ、第2章イェーガー編前編中編後編で終わるはず……じゃなかったっけ……?あれだな。きっと前編中編後編で次は終編だ!
支援してくれた方々、本当にありがとうございました!
投下乙です!1日に三つもSSが投下なんてロボスレ・・…恐ろしいスレ!
ではでは明日
>>781 投下乙です! それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
あーっとですね、続けて投下出来そうなのですがよろしいでしょうか?
容量的に危ないような気もするのですが……。
786 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 01:03:19 ID:E1lc/2cX
一応まだ大丈夫だと思う
誰かいたら支援頼む
俺で足りるか?
支援しよう
支援!
支援しますよ!
……あれ?蜥蜴氏どこ行った?
最後に見直ししてるんじゃないですかね?
ここで規制突入
それはないと思いたい……
おっーと申し訳無い、ちょいちょいと手直ししてました、では投下開始致します
だとしたら運営にプッツンだぜ……。
よし、支援!
蜥蜴氏ー?
雪兎とカルマが本拠地に帰還して早一週間が過ぎた。
二人が病院と調整槽に引き籠もっている間、珍しくも害獣の侵攻が一時的に止み、平和な時が続いた。
宵闇の空に瞬く星々が消え、東の空が白み始める。
程なく荒野の果てから巨大な火の玉がテカテカとした頭を出し一日の始まりを告げる。
夜の領域を闊歩する害獣共は塒へと帰り、地の裏に姿を隠していた線路が姿を現す。
その上を大量の食料と武器を乗せた貨物車両が電流を迸らせつつ疾駆し、地平線の向こう側へと消えて行く。
荒野のど真ん中に建てられた巨大な建造物が朝日に照らされ,紅く染まる。
旧首都とは比較にならないほどに巨大で厚い防壁が人が生きる街を外套の様に包み込み、守る。
その防壁の上に無数に連なる迫撃砲に対空砲、防壁に格納された大量の機関砲が外敵の接近を拒んでいた。
防壁近くに積み上げられた無数の亡骸が、その頑強さを知らしめる。
要塞都市緑の御社
旧首都から保護した尊き血を引く御方≠元首に据え、自衛隊と在日米軍そして日本に駐在していたPMCが建造した最も古く最も堅牢な都市。
太平洋の米加船団、要塞大陸オーストラリアに並ぶ人類に残された拠点の一つである
旧時代の営みをそのまま続けるその街は、まさに現在に残された桃源郷とも言えた。
太陽が防壁よりも上に昇らぬ明朝、街中を警備兵達が害獣探知犬を引き連れ、パトロールを行う一団がある。
重々しい足取りの中、地面を踏みしめる度に砂塵が立ち、風に乗り吹き抜けてゆく。
眠気混じりの眼を必死に開き周囲を注意深く見渡しながら、隊員達は人の姿一つ無い路地を行く。
黙々と歩く中、ヘルメットに内蔵されたヘッドセットから逐一通信が入る。
『こちらアルファ、担当区域異常無し』
『こちらブラボー、酔っぱらいがぶっ倒れていた以外には異常無いぜ。』
『こちらチャーリー、異常見当たりません』
他の隊から続々と届く報告、数分後麗しくも厳しい女性オペレーターの声が隊員達の鼓膜を叩いた。
[此方本部。デルタ、聞いた通り後はお前達の部隊が最後だ、サッサと終わらせて帰って来い。お前達が帰って来ないと朝食も採れないのでな。]
愚痴混じりの指示を発すると同時に無線が荒々しく音を立てて切れた。
この美しい声に魅了される兵士も数多くいるらしいが、その声の主が三十路過ぎの行き遅れという現実が泣けてくる。
アレ?(´・ω・`;)
〔グルルルルルル……〕
担当区域を一通り回り終え、最後の路地に差し掛かろうとする直前、突然犬たちが低く唸り始めた。
倦怠感混じりで歩き回っていた部隊全体に一気に緊張が走る。
「…ちょっくら失礼っと。」
先頭を歩いていた隊員が鏡を持って角の入り口付近に音も無く張り付き、それをそっと伸ばして何がいるのかを確認する。
小さな鏡越しに見えた物、それは複数の害獣だった。
茶色い甲殻に身を包み、口吻を仕切りに伸ばして野良犬の死骸の血を啜っている。
「ノミ≠ナす…ひい、ふう、みい……三匹います。」
「こりゃ昼からドブ掃除か、めんどくさいねえ。」
「訓練が無くなるだけマシだがな。」
「静かにしろ……」
忽ち無線が賑やかになるが、紅い肩当てをした男の一言で一気に静まりかえった。
周囲の隊員達とは明らかに別格と分かる佇まいをした男が部下を後ろに退かせ鏡を借り、ノミ°、の位置取りを確認する。
防弾スーツの上からでも伺える鍛え上げられた筋肉の隆起が、その男の熟練と強靱さを物語る。
被ったフルヘルメットの奥に宿る鋭い眼光が角の向こう側で屯する化け物共に突き刺さった。
[発砲を許可する、逃すな。]
会話を盗み聞いていたのか、報告する間もなく伝達される命令。
もっとも命令が無くとも逃すつもりは、誰にも無かった。
赤肩の兵士は片手で持っていたミニガンを胸の前に構える。
他の隊員達もそれに倣い突撃銃の安全装置を外し、赤肩の兵士の後ろに付く。
一人の隊員が胸元から閃光手榴弾を取り出し、合図を待つ。
耳鳴りがなる程の沈黙が周囲を包む、聞こえるのはノミ°、の気味の悪い呼吸音だけ。
全員の準備が整ったと悟った赤肩の兵士は徐に右手を挙げた。
その合図と同時に投げ込まれる閃光手榴弾、カランカランと音を立ててノミ°、の足下に転がり込む。
{{{……!!!}}}
一時を置いて、耳を劈く破裂音と目を潰す閃光が一瞬路地裏内に迸った。
「撃てやコラァアアアアアアア!!」
赤肩は怒鳴りながら角から飛び出し、その引き金を引き絞った。
唸りを上げて銃身が火花を放ちつつ回転し閃光が放たれ、流星群の如く降り注いだ。
それに応じ隊員達も角から一斉に飛び出し、害獣に向けてありったけを弾丸を撃ち込む。
五月雨の如く飛び出した金属の塊はコンクリートの壁を砕きつつ、化け物共の皮膚へと突き刺さる。
ボロボロに引き裂かれ、内臓を露わにした野良犬の死骸は瞬時に紅い塵となり、大気へと消えた
直撃した弾丸と壁が破片となり、さらに砕けた砂塵がノミ°、の身体に叩き付けられる。
{ギョアアアアアア!!!}
{…ギィィィィ!}
{ギッ!!}
突如閃光に視界を奪われた挙げ句、銃弾の雨に見舞われたノミ£Bは混乱した。
跳ねて逃げるにも身体が言う事を効かずに、変な姿勢で跳ねて壁に頭をぶつけ、大穴を開ける始末。
一番手前で棒立ちになっていた個体は哀れにも弾丸の雨をマトモに受け、瞬時に原型がほぼ残らない巨大な肉塊と化した。
しかし残り二匹にとってそれは幸運であり、隊員達にとって思わぬ障害となった。
その肉塊が壁となり、残り二匹を弾丸の雨から守り抜いたからである。
まるで自分の分まで生き抜いてくれと言っているかのように。
やがて二匹を縛り付けていた閃光手榴弾の効果が切れるとノミ≠ヘ大地を蹴り、颯爽と逃げて行ってしまった。
「アァ!しまった!!」
「チィ…!追え!追うんだ!!」
一番手近にいた部下を思わず怒鳴りつけ、赤肩の兵士は即座に胸ポケットに入れていた犬笛を吹き鳴らした。
それを聞き、後方で伏せていた探知犬達はビルの壁面を蹴りながら逃げる害獣を逃がさんとばかりに一心不乱に追いかけて行った。
その後ろを歩兵達がナノマシンをフル稼働させ遅れまいと追尾する。
しばらく追いかけるうちに何を思ったか、共に逃げていた二匹のノミ≠ヘ突如二手に分かれて逃亡を始めた。
それを見た一人の隊員が苦み走った顔をして呟く。
「不味いぞ…あの方向には医療区と産業区が…」
[産業区の奴は放っておいていい!それより医療区に逃げた奴を追え!彼処に逃げ込まれたら面倒になるぞ!!]
唐突に入る司令部からの通信、その命令に赤肩は少し不服を覚えた。
たしかに産業区には対害獣の装備が豊富に仕掛けられている、しかしそれらは専ら大型害獣に対して使われる物であの程度の相手には威力が大きすぎる。
具体的に言えば蚊退治にTNTを使うようなものである。
下手すれば逆に自滅して被害を広げかねない、そういう懸念が赤肩の脳裏にはあった。
「しかし…奴相手には…。」
それを口にしようとした矢先、あちら側から先手を打たれた。
[首領の命令だ!ツベコベ言わずに黙って従え!!]
そうと言われれば従わずを得ない、従わなければ自分の生活が危うい。
内心反目しながらも赤肩は口を開いた。
「…分かった!」
そしてそれを忘れようと部下を追い抜き、全力でノミ≠フ後を追った
HMDに表示される探知犬達の追跡データを元にひたすらに駆け続ける。
しばらく追うと一斉に反応が動かなくなった、レーダーは病棟前を指し示めす。
犬が殺られたか…それとも捉えたか。
後者であることを願いつつ一人先行していた赤肩は中途半端に弾の残ったミニガンを投げ捨て、弾が十分に残っている背中のライフルを構えつつ角を曲がった。
だがその予想は両方とも外れることになる。
「ひ…ひいいいいいいいい…やめろ!やめてくれええ!!!助けてくれ……誰かぁ!」
巨体に組み伏せられ、情けない悲鳴を上げる白衣の男。
その格好を見るにこの施設の関係者だろう、男の数歩後ろには落としたカルテと思われる書類が散乱している。
男を救い出そうと猛然と飛びかかる犬達を軽々と蹴散らし、ノミ≠ヘ捕らえた獲物を食しようと口吻を伸ばした。
「不味い!」
急いでトリガーを引くが焦りで照準がぶれ、一発は病棟の壁にもう一発はノミ≠フ足下へ着弾する
「ちぃ…この俺が何てザマだ!!!」
思わず舌打ちする赤肩、ノミ≠フ方も近くに弾が落ちたにも関わらず捕食に夢中で音に気付かず、淡々と白衣の男の脳天に狙いを定める。
(もうダメか、クソったれ!!)
赤肩の脳裏に諦めの二文字が過ぎった。
その時、病棟の最上階のマジックミラーが砕け散り、何かが飛び出した。
「何だ!?」
落ちてくるガラスの雨に怯み、右往左往する犬達を尻目に赤肩は咄嗟にその影に銃口を向けた。
現れた影は病棟の外壁を蹴り、弾丸顔負けの勢いでノミ≠フ背中へと向かい、一気に加速する。
ノミ≠煖から落ちてきた何かに気付き、何事かと伸ばした口吻を引き込み空を見上げる。
{グオオオォォ!!!」
コートをマントの如くはためかせ、ヒョオと大気を切り裂き落ちてきた影はケダモノの如き唸り声を立てノミ≠フ顔面に着弾した。
ミシミシとひびが入る茶色い甲殻。
突然の衝撃で思わず怯み、仰け反るノミ≠サの隙を、闖入者は見逃さなかった。
刹那、手から伸びた銀に輝く刃をノミ≠フ複眼に深々と突き立て、抉り抜く。
抉られた複眼が宙を舞い、距離を開け唸り声を上げていた犬達の目の前に落ち、飛び散った。
{ギャアアアアァァ!!!}
途端に吹き出す脳髄液と緑の血漿。
視界を奪われ、痛みに喚き、呻き、のたうちまわるノミ
そんなノミ≠フ苦しみなぞいざ知らず、その影は背中の硬い甲殻を斬り開き、躊躇すること無く体内に潜り込んだ。
体内に異物が入った事をノミ≠ェ理解する暇も無く、忽ち側面、頭、腹の甲殻に亀裂が奔り、血が滴る。
{ギ…ギギ…ギャアアアアアアアアアアア!!!}
程なくノミ≠フ断末魔が静まりかえった病棟全体に響き渡った。
その瞬間、体中に切り込みを入れられた化け物の身体が体内から外骨格を押す力に耐えきれず爆裂した。
「うわぁあ!!?」
突然の出来事とあまりのグロさに思わず目を瞑る男。
甲殻、脚、複眼、内臓が四方に飛び散り、吹き出したペンキの様に濃い緑の血が、純白の病棟の壁を塗り替える。
全ての血液が飛散した、その中心から先ほどの影が現れた。
緑の血がコートに染み込み、汚い色に変色している。
先ほどまで持っていた刃物は仕舞ったのか、既にその手に握られてはいなかった。
「た…助かった……、誰かは知らないが…ありがとう……ありがとう………。」
闖入者に向かい膝を付き深々と頭を下げる白衣の男、闖入者はその姿には目もくれずにさっさと立ち去ろうと後ろを向いた。
「お…おい待て!!」
赤肩が思わず声を掛けるが、腰まで掛かるコートとフードで体中を覆ったそれは、掛けられた言葉を無視し駆け出してゆく。
そのまま軽やかに壁面に取り付くと、窓の日除けを次々と蹴って駆け上がり、指を僅かな凹凸に引っ掛けながら屋上まで軽々と登り切ったかと思うと、あっという間に逃げて行ってしまった。
「何だ…アレは……」
呆然と一人立ち尽くす赤肩、その後ろからやっとの事で部下達が騒ぎながら次々追い付いてくる。
部下が周囲をしきりに見渡し何事かとしきりに喚いていたが、赤肩の耳にそれらの言葉は届かなかった。
フードの奥底に一瞬見えた、焼けた鉄のように真っ赤な光が何時までも脳裏にこびり付いていた。
=================
{…ゼェ…ゼェ、グゥゥ…。」
屋上に設置された貯水タンクの影に隠れ、雪兎は呻いた。
一刻を争う自体だったとは言え、この行為はさすがに無謀だったと自分でも思っていた。
身体中の人としての部分が侵蝕により悲鳴を上げ、痛みが雪兎の精神を苛む。
顎が砕け散らんとばかりに歯を食い縛り、その痛みに耐えた。
{馬鹿しちまったぜ、畜生…!」
身体に浮かび上がり激しく点滅する紅い紋様。
それに呼応して髪の中に隠れていた角が勢いよく迫り上がり、フードを突き破る。
頬の一部が鱗化し、背中に歪な背鰭が形を成す。
最後に頭がファンタジー世界のリザードマン宜しく変形し始めた時だった。
「馬鹿が…。」
突然浴びせられる罵声、それと同時に首筋に薬を打たれ、身体の変貌が止まる。
そして侵蝕を始めていた部分がゆっくりと巻き戻り始めた、ーーーーーその頭に生えた銀色の角以外は。
「このアホ、本気で人間辞めるつもりか?」
そして再びの罵声。
声の主の方へ振り返ると、黄色い染みが所々に付いた白衣を着た無精髭の男が何時の間にか背後に立っていた。
右手に握られた注射器を最寄りのゴミ箱投げ捨て、左手に持っていた麻酔銃をクルクルと回し自分の懐にしまうと代わりに内ポケットから取り出した紙束で
雪兎の鼻面をピシャリと叩いた。
{ブフ…ご、ごめんドク!発作的に出なきゃいけないかなと思っちまって…ほら、只でさえ怪我人が多いのに人手が減ったら大変だろ?」
鼻の頭を手で庇いながら、ボソボソと言い訳がましく口を動かす。
「あんのなぁ…」
それを聞いたドクと呼ばれた男は呆れた様な顔をし、紙束で雪兎を引っぱたき続けながら説教を続けた。
「前々から言ってると思うが、自分の立場を理解して欲しいもんだ。
お前が死んだら、もっと大勢の人間が奴等の餌食になるって事を何で理解出来んのか?
お前の脳味噌は豚、蛆虫、ミジンコにも満たないのか?ついでに俺の名前は毒島だっつーの、いい加減人の名前の読み位覚えんかい。」
言葉の句切り句切りにピシピシと雪兎の鼻面を叩き続けながら、毒島は遠慮無しに有りっ丈の罵詈雑言をぶつける。
{それ位いいじゃないの、ほら…ドクターのドク≠ニ毒島の毒≠ェ合わさって最強に………」
「うるせえっつーんだよ、このスポンジ脳味噌。」
スパンパシンと小気味良い音を立てて、再び雪兎の顔面を紙束の打撃が襲う。
{痛い!地味に痛いから止めて!」
その打撃を防ごうと、雪兎は自分の手を毒島の顔の方に無意識に伸ばす。
「臭い臭い!!えぇい…このクソったれ!、その汚い血の付いた手で俺に触るな!!」
引っぱたきながらその手から逃れようと身を捩り、後方に身体ごと逃れる。
大の男二人が罵り合いながら戯れるその様は、傍から見れば滑稽極まりない物だった。
「しかしまぁ…アレだけ侵蝕が進んでも、ある程度コントロール出来る様になっただけ上出来といった所だな…」
しばらく後、毒島は空調の空冷パイプの上に腰を下ろし、煙草を咥えた。
パチンと音を立て手の平の金属から生み出される小さな炎、安物の紙巻き煙草の先端が焦げ、紫煙が青い空へと消えてゆく。
{貴方のお陰ですよドク。僕がまだ人として生きているのは。」
貯水タンクから拝借した水を使って身体を洗い、屋上にタイミング良く干されていた私服に着替えた雪兎は
向かい側の排熱パイプの上に座り、礼を言った。
一週間前、デンと生えていた尻尾は獣化のコントロールという無茶なリハビリを続けるうちに
いつの間にか体内へと還り、跡形も無く消えていた。………もっとも体調を崩すとすぐ又元通りになるのが悩みの種だが。
「礼なら最初にお前と同じ症例を出した患者に言ってくれ…
それがなかったら、今頃お前はモルモットか殺処分にされてる所だ。」
毒島はそう言って、吸い込んだ煙をフーッと吐き出す。
吐き出された煙は輪を描き、大きな室外機目掛けて滑る様に飛んで行くと、吹き出した風に煽られ虚空に消えた。
{その最初の患者って………どうなったんです?ちゃんと治ったんですか?」
怖さ半分、興味半分で雪兎は訪ねた。
しばらく沈黙した後、毒島は煙草の火を消さぬよう慎重に携帯灰皿の上に置くと、ゆっくりと口を開く。
「俺が直に見た訳じゃ無いから詳しくは知らん…。データベースの片隅から拾ったモンだからな。」
雪兎の真剣な表情を横目に、毒島は話を続ける。
「それを見る限り……経過回復自体は良好だったらしい……
何しろその希有な症例故に、連合軍の研究チームが彼女のDNAの提供という条件に最高の医療体制を敷いたとか。」
そこで突然話を打ち切り、しばらく黙り込んだ。
その表情は話すことを躊躇っているようにも伺えたが、再び口を開いた時は何時も通りの仏頂面に戻っていた
「しかし退院するに先立つ二週間前…、その存在に危機感を持った一人の研究員に頭を撃たれ、窓から投げ落とされたそうだ。
遺体は見つからなかったらしいが…高層ビルから叩き落とされりゃ普通は死んでるだろうな……。」
{……………………そうですか。」
「…聞かない方が良かったと後悔してるか?」
言わなかった方が良かったと自ら後悔しつつ、毒島は気遣う様に雪兎に話しかけた。
{…いや、聞いて良かったと思います。人に殺されなければ確実に治ると分かりましたから。」
そう答え、雪兎はニコッっと笑うもそれを最後に完全に下を向き黙り込んでしまった。
重苦しい沈黙が二人の間を包む。
その時、突然毒島が持っている携帯無線に突然連絡が入った。
「ちょっと待て。」
そう言って、毒島は無線のど真ん中に配置されている液晶を覗き込む。
しばしば黙り、目を動かし続ける。
そして読み終わると同時に雪兎の方へと向き直り、口を開いた。
「今日でお前退院な。」
{………は!?」
突然の訳の分からない宣告に、雪兎は驚愕した。
何しろさっきまで真剣な話をしていた筈なのにこの展開である。
「えーっと?僕にはよく貴方の言ってる事の意味が分からなくてデスね…。」
「人の話は最後まで聞け、このクソ蜥蜴野郎……………渋江バーサンのお呼びだ。」
{…!!首領が……!!?」
>>722 改めまして、お疲れ様です。
藍ちゃんが強い上に切ない。この健気で一途な子が報われる日は来るのでしょうか…
それにして、このご老体一体何者…神出鬼没な上にバンデットスーツを着た藍ちゃんの蹴りを受け止めただけでは飽き足らず
何と服装が白のワンピース!なんてハイカラさんでハイスペックなご老体なのでしょうかw
=================
緑の御社 産業区 特殊車両格納庫
最後の一匹のノミ≠ヘ人気のない暗く広い小屋へと逃げ込んでいた。
外は殺獣機関砲をデンと乗っけた装甲車が、集音装置とサーモレーダーの感度を全開にして必ず仕留めんと言わんばかりに産業区全域を目まぐるしく駆け回っている。
感情も、理性も存在しないが、本能が外に出ては死ぬだけだと全力で告げていた。
そろそろと気配を探りながら闇の中に身を潜めるノミ
元々この時間は自分たちの時間ではない、日が沈み、猿共が寝静まるまで待っていようと微睡み始めた時だった。
『貴方に安らぎ等ありはしません』
突然背後から掛けられる声、ノミ≠ヘ反射的に飛び退いた後、瞬時に声のした方へと身体を反転させる。
金属の壁の中から、とろける様に姿を現したのはカルマだった。
何時も雪兎に見せる可愛らしい表情はいずこへと消え失せ、冷たい眼差しがノミ≠ヨと注がれる。
瞳は燃えるような紅蓮に染まり、炎の様に揺らめく。
ノミ≠ヘ一瞬困惑したが、その姿を見て警戒心が一気に薄れ、代わりに食欲がノミ≠フ小さな脳味噌を刺激し始める。
その猿に満たされた甘美なる液を一滴残らず啜れと。
その欲望のままに、ノミ≠ヘ躊躇うこと無くカルマに襲いかかった。
弾かれる様に突き出された口吻が、彼女のの眉間目掛けて加速する。
だがその口吻がカルマに突き刺さる事は無かった。
『さようなら、けだもの。』
そう言葉を発した瞬間、カルマが手に包むように持っていたライターの火が爆発的に増大して炎となりノミ≠フ身体を荒々しく抱き込んだ。
その力はカルマの学習システムによって生み出された王の力の欠片だった。
{………????????????????}
ノミ≠フ思考が物事を完全に理解する暇も無く、その身体はその間抜けな姿形を維持したまま炭化する。
しばらくするとその炭は、自らの意志で大気へと還っていった。
カルマはその姿を一瞥すらすること無く、一人闇の中で呟いた。
『来る…彼が…………傲慢≠ノ魅入られし蜂の王が…。』
第十二話 破られし平穏
投下完了です、所々止まってしまって誠に申し訳御座いません。
支援してくださった方々に感謝しつつ、お風呂に行ってきます。
>>843 投下乙!
それでは、ゆっくり読ませて貰うぜメーン!
>>843 投下乙です。
そして、操作ミスでレスを被せてしまいました事、誠に申し訳ございませんでしたorz
>>843 投下乙です!
それでは、ゆっくり読ませていただきますねw
>>781 改めて投下乙です!
紫蘇が明るさを少なからず取り戻しましたね! というかイェーガー、貴様何故トイレにいるwww
こういう、強い奴にペーペーの素人が立ち向かってくのっていいですよねw
>>843 こちらも改めて投下乙です!
おお。雪兎くん、ある程度能力をコントロールできるようになったんですね。よかったよかったw
ところで最初の患者ってまさか……。
って、カルマたんどうしたの!? 何か変な物……はいつも食べてますね、はい。
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
>>781 改めて投下乙!
敵とトイレで会話とかwww緊張感があるのやらないのやらwww
そして紫蘇がアホの子になっている……だと……!?
それにしても、ヤスっちの過去に一体何が
次回は遂に決戦か……これは次回も期待せざるを得ない……!
>>843 改めて投下乙!
治るというか、何とかなる見込みがあって良かったね雪兎。しかし最初の患者か……心当たりがあるような、ないような
カルマが言った傲慢≠ノ魅入られし蜂の王って何だろう。こっちも次回に期待せざるを得ない!
しかし勢い277か……いやむしろ3日でスレひとつ使い潰しそうな方が恐ろしいか
もう447KB!?……なんという、なんという速度だ!これがロボスレの力なのか!?
>>781 投下乙です。
打倒イエーガー対策が着々と進んでいますね。
二刀流+粉塵爆破で何処まで対抗出来るか…
それにしても、イェーガーは遊び感覚で戦いを持ちかけたり、戦いの誘いを受けたり
この余裕さが却って怖いけど、う○こkuseeee!!!
そして、撫でられて喜ぶ紫蘇が可愛過ぎる!
>>843 改めて投下乙です。
最初の患者は撃ち殺された…順調に回復へ向かっていたのに何故?
何やら雪兎君一人だけでは無く、もっと根の深い問題みたいですね。
そして、カルマたんが恐ろしい事に!?
女の子の日か!?それとも、哀華さんが居るから嫉妬しているのか!?
だったら、微笑ましいのですが【傲慢≠ノ魅入られし蜂の王】コイツァ危険な香りしかしねぇぜ!
というか過去類を見ない異常事態です、ロボスレ的にも
>>851 >女の子の日
カルマたんに果たして女の子の日は来るのだろうか……
>>853 ごめんよ。女の子の日のせいで情緒不安定になって雪兎君を困らせたり
女の子の日終了後に自己嫌悪に陥ってベッドの上でもがいてるカルマたんを夢想したかっただけなんだ。
>>854 馬鹿野郎、想像したらキュンと来たじゃねーか!
wikiを漁ったり自分のページ編集したりしてる内になんだかえらい進んでいたり……
ともかく皆さん投下乙!明日にでもゆっくり読ましてもらいますね。
お知らせ:eXar-Xen Act.2多少手直しした上で後編までwikiに置いときました。
ほんとに微調整ですが、これが無いと色々面倒なので。。。すっかり入れるの忘れてましたが。
てか、今のところ女の子の日ネタがあったキャラってロリばっかじゃね?
>>857 編集乙!
>>859 いなかった……ような気がするけどどうだろう
近い内に読み返してみるかね
質を問わなきゃ何でもある……じゃなくて量は何とかなった。
という訳で続きを少し投下。
背中に特大サイズのバックパックを背負った二十人の後方支援担当重歩兵が、早送り再生しているかのようなスピーディーさで、二刀流にした重歩兵用大型シャベルでひたすら土を掘っている。
生身の人間に換算したらどれくらいの労働力なんだろうなー。最低でも十倍の二百人分くらいはあると思うが、メンドッチーので誰か代わりに計算してくれ。それはさておき、今の状況である。
前後左右、四方八方、全包囲からこっちに向かってくるタコっぽい巨大な生命体に対して、俺達はいつでも攻撃可能な態勢のまま待機していた。
なんで攻撃しないの、遠慮無くブッ放しちゃえばいいじゃんと御思いの方もいるだろう。だけどほら、アレだよアレアレ。分かるよね? ほらぁ、だからアレなんだってさ、アレアレ。大人の事情って奴?
どんな形であれ先に手を出したら色々不味いじゃん。だからシッカリ照準したまま待ってるんだよ。それにグロい外見の生物(なまもの)だけど、もしかしたら美少女ボイスで「僕達と御友達になろうよ(はぁと)」とか言ってくるかもしれないし。全く信じてないけど。
そんな訳で、俺達は一応様子を見ていた。で、すぐに様子を見る必要は無くなった。生物が攻撃してきたのである。身体の成分かなんか、そういう生命の神秘っぽいので作られたっぽい針弾を発射してきた。
針弾といっても、正統日本軍が使ってる名前の通りそのまんま針サイズの敵弾迎撃用針弾と違い、菊の門にブッ刺さったら大変な事になりそうなすごく……大きいです……な太さである。
菊の門が何か分からない子はお父さんとお母さんに訊いてみよう。聞くは一時の恥 聞いたら一生の恥。お兄さんとの約束だぞ(キラッ)
良い子へのアドバイスは横に置いといて、後ろの穴に刺さったら大変な事になりそうな針弾である。
相手にとっちゃ悪いが、そんなもんの直撃を食らう温い鍛え方をしたド腐れ脳味噌のド低脳半人前重歩兵はうちの中隊に一人も存在しない。マニュアル通りにやっていますというのは、阿呆の言うことだ!
6.25mm迎撃機関銃や頭部側面に装備してある迎撃針弾発射機などの間接防御兵器を使うまでもなくカレーに回避。今日の晩御飯はカレーにしよう、今決めた。
無論、回避するだけでなく生物を殺戮するべく迎え撃つ。足底に装備している、通常の15cmと違い、高さ30cmの高性能機動靴の自在車輪が地形に合わせて自在に形状を変化し最高の速度で俺を前進させる。ヒャッホー、ローラーダッシュ最高ッ!
「それでも」
両手に持った二つ、両肩の二つ、腰の二つ。計六つの25mm重機関砲の砲口から25mm機関砲弾を放つ。
「守りたい世界があるんだ!」
一度に最大6目標への同時攻撃が可能。短時間で60目標に五発ずつ、計300発の攻撃を加えた。
旧時代の火薬と違い、電力によって発射されるケースレス弾。過負荷出力(200%)で放たれた直径2.5cm、長さ5cmの25mm振動熱徹甲榴弾は全て生物に直撃。
熱したナイフでバターを切るように、砲弾の先端に発生した強力な振動熱が、装甲みたいな強靭な皮膚を分解、蒸発し容易くブチ抜く。
体内に侵入した砲弾は割れやすいよう急激に脆くなった後、砲弾内部の高性能炸薬が爆発。砕かれた数千の破片は再び硬化し、振動熱を発生しながら塵も残らず溶けていく。全身に拡散しながら。一発だけでも中がぐっちゃぐちゃ、そんなもんを五発も食らったらどうなるか。
きっと生命力が凄まじい生命体なんだろうな、タコみたいな外見だし。でも残念。振動波と特殊熱によって物質を分解、蒸発させる振動熱兵器は甘くない。
スライムみたいな生物とか液体金属で姿を変えるような奴とか、物理攻撃なんざ効かないZEってヘッチャラヘノヘノカッパ不死身野郎との相性は最高なのだ。特に対生物の威力は究極と言っても過言ではない。
全身の細胞を破壊され水分を蒸発させられても、まだ生きていられるか? 答えはノー。
五発の25mm振動熱徹甲榴弾を食らった60体の生物は、キモいタコから大量の水蒸気を発しながらボコボコと泡立つグロい肉の塊(体積大幅減少、現在進行形)に進化しました、めでたしめでたし。
「よし、この技をハイマットフルバーストと名付けよう」
25mm重機関砲6機による多目標制圧射撃。我ながらカッチョイイネーミングセンスである。が。
<隊長。最後に(笑)を忘れてるぞ>
<汚いフリーダムだなぁ>
<汚いな流石隊長きたない>
<ハイマットフルバースト(笑)クソ受けるwwwww>
長年連れ添った仲間からは不評だった。
屋上へ行こうぜ……久し振りに……キレちまったよ……。まぁ、冗談だが。半分ぐらい。
他の皆も情け無用で振動熱兵器のフルコースを叩き込んだらしく、生きてるタコは一匹もいなかった。ディ・モールト良しッ!
だが、世の中そんなに甘くないのである。
重歩兵にはどんな兵科だろうが、余程の例外を除き装備していなければならない基本装備が定められている。
その一つが小型浮遊監視装置、通称V3ホッパーである。なんでV3ホッパーなのかって? 小さい円筒形の形がそのまんまだからだよ。
背中のバックパック側面に装着された円筒形の容器に4つ、中隊全部合わせて400基あるのだが、実は再転移した時点で既に周囲へ放っていた。その小型浮遊監視装置から送られてきた情報が、これまたとんでもなかった。
さっき全滅させたばかりのタコと同じ種類の生物が、一斉にこちらへ向かってきているのである。それも、さっきとは数の桁が違う。99822体以降、数えるのが馬鹿らしくなってやめた。
塹壕を掘ってる途中の部下に告げる。
「40秒で掘り終えな」
<無茶苦茶言わないでくださいよ隊長>
無茶苦茶? そりゃ言いたくもなる。こっちはたった百人だってのに、敵の数がふざけてるってレベルじゃねーぞ。
さっきのは前座。これからが本当の地獄だ。さて、孤立無援でどこまで戦えるかな?
以上。質を犠牲にして量と投下速度は大幅に改善しました。
>>864 投下乙です!
相変わらずテンションおかしいwww
あと99822って、エレガント閣下じゃないですかw
それでは、次回も楽しみに待ってますね!
>>864 投下乙です!
地の文のテンションとか小ネタにいちいち笑いますww
ハイマットフルバーストとかww守りたい世界があるんだとかww
しかし敵多いですね……。どうなるんだろうww
次回も楽しみに待ってます!
>>624 感想ありがとうゴザイマス!
弱気なのがいいんじゃない、ギャップがいいんだ!
クーちゃんは空気を読むよりリンゴがお好きのようです。
新型機無双の予定がいつの間にか確定になってる…だと……!?
恐ろしいぞロボスレよ!
次回も頑張るしかないっ!
>>626 うぉおおおおおおおおお!
おおおおおおおおおおおおお!!
すげぇ、相変わらずの独特なタッチと緻密なデザインじゃないですかぁ!
剣本体からちょっとはみ出た放熱用のピストンっぽい部品とかアンタぁぁあああ!
>>629 感想あちがとうございますですよー!
描写を薄めるのは自分には許せないという理由であんなゴッチャゴッチャ書き連ねてしまったり…
テンポが欲しい…。
お二人の関係はまだ未定です プロットも何も無い白紙状態なのでお楽しみあれ。
ちなみに病人用のリンゴと見せかけて自分用というネタは前々から考えてありましたw
次回もがんばります!
投下速度が速すぎて全く間に合わない……だと
1夜経ったらまた作品が投下されてるだ……と?
ロボスレマジ凄い!ww亀ですが諸々―
>>453 設定投下乙です!
細かく設定されてて素晴らしいです。バリードが災害扱いな所に、宇宙怪獣を思い出したり
様々な兵器を所有してるであろう、軍の活躍が楽しみだったり。大型兵器とか
>>573 投下乙です!
常に気丈なジュリアが弱弱しくなっている姿はエロ(ry何というかこう言っちゃアレですが、可愛いですねww
そしてオルカの余計な事を言わない男っぷり。というか二人とももう素直になっちゃえとww
ク―ちゃんはホントマイペースだなぁw我関せずというか、我が道を行くというかww
ジュリアが見た謎の記憶と、後継機の活躍、どちらも期待して次回を待っています
>>626 こいつはかっけぇや!リべジオンに見合うシャープでカッコいいデザインですね
これといっしょにリべジが変形するのを想像してカッコ良すぎて鼻血が(ry
>>722 投下乙です!何時にも増して激動ww
失礼ですが慌てふためくイーグルに笑いましたwまぁパ二くるわなとw
にしても九条婆ちゃんの軽快さはホントに凄いですねwwなんか超人の域に達してるというか
それと藍の切なさを秘めた決意と、必死な戦い方に胸が切なくなりました……
さてさて、藍ちゃんと九条婆ちゃんがどんな戦いを繰り広げるのか……期待しています!
>>781 投下乙です!
前回から決意を決めたヤスっちが実感籠ってて素敵だな―と。不安ながらも前に進もうって感じがして
それに紫蘇がww元気になったというかちょっとノリが良くなったというかww
宿敵であるイェーガーとの再会が、生活感あふれてて笑いましたw
でも緊張感があるのはやっぱイェーガーが良いキャラだからなんだろうなw
さて、次は再戦という事で……楽しみにしています!
>>843 投下乙です!相変わらず臨場感パネェ……
ノミの描写が良い意味でグロキモくて、読んでて虫嫌いな自分はゾクゾクしましたww
雪兎君とドクさんの軽妙な会話もさることながら、最後のカルマ……怖いというか、美しいというか
傲慢に魅せられし峰の王……一体どういう事なのか……
次回も楽しみに待っています
>>864 投下乙です!これはwww
前もでしたが良い意味でテンションがぶっ壊れてますねwwタコグロいよタコw
つかハイマ(ryの所は地味に……いや、もろに皮肉ってるのかと思ったり思わなかったりww
次回も楽しみにしてますw
それと皆さん、多くの感想、有難うございます!
>>440 もっと元ネタっぽく変形機構をリアルに描きたかったのですが描写力が(ry
隆昭は色んな意味でオリジナルとの対極的なキャラにしてるというか。・……ちょっと小ネタで会話させてみますか
ロスガでの鼻血はギャグとして入れたんですが凄く……生々しいですねww
ちなみにこっちの一条さんもサブミッションの(ry
>>444 出来る子と言うか、主人公なので・・…隆昭はその、あそこに行きました
ある意味オリジナル以上にきもちわるいオルトロックになってて・…・・・w
あれ何で花屋に小学(ry
>>464 やっぱロボット物って事でギミックは外せないですぜ
マキがあーなるのは本と不可抗力と言うかなんというかww
しかし名前を呼ぶって良いですよね……
>>478 隆昭はギリ生きてます。まぁ相当危なかったんですが……
次は最終回になるかどうか自分でもかなり不安です。もしかしたらもしかするかも
にしても師匠も言ってましたが、甘甘な話を書いてると反動で格闘を書きたくなりますね。色々と
>>497 まー痛い事はあっても、鬱る事は無いですから大丈夫です。これでもヒーロー物書いてるつもりなのでw
ホントにバカにバカを重ねたバカップルですよね。自分でもニヤニヤが止まりません
にしても子供かぁ……ちょっと今考えるとまずい気がするw
>>547 メルフィーさんがどうしても素手でぶん殴ってやりたいと(ry
どっちもある意味馬鹿になって書き切りましたww書いてる時にどれだけテンション上がりまくってたかw
今回のロスガでどれだけの人が糖尿病になった事やら……
連レスすみません、次で最後です
えー師匠、依頼する依頼する言ってて凄い遅れちゃっててすみません。改めて、師匠に書いて欲しいロボ(らしきの)を依頼します
まず依頼したいのはビューティフル・ワールドに登場させたカムイと、この前投下したヴィヴィっとの変身したメルちゃん、もといヴィル・フェアリスです。
形状と言うか詳しい特徴とかはなるたけ本編に描写されてると思いますが、こんな感じで書いて欲しい!って所を箇条書きにしておきます
まずカムイですが
・たまちゃんみたいな感じで、主に曲線的で人間に近いフォルム
・頭部はツインアイで、ツリ目
・また、各部から赤いマナを放出させるダクトみたいなのが搭載されており、頭部にはフルメタのコダ―ルみたく、マナを髪の毛の様に放出させる大きなダクト
・イメージとしては、ゼノギアスのヴェルト―ル・イドみたいな
ヴィル・フェアリス
・装甲が装着されている部分は、両腿・両膝・両足・股間・両腰・胸・両腕・両肩・背中・頭部(バイザーは透けてる感じで)
・頭に機械的な狐耳
・へそ出し
・それとヴィヴィっと版のメルフィーは、ヴィルシャ完結後のショートヘアverで宜しくです
なんか色んな意味で分かりにくくてすみませんorz少しでもイメージが浮かんできたなら幸いです
完成を何時でも楽しみに待っています!
>>864 投下乙!ハイマットフルバーストwwwあの作品は磐梯先生に酷い事したよね
つか、ネタ豊富過ぎてツッコミ追いつかねえwww
この速度は色々おかしいwロボスレにしてもwww
では感想をばー
>>626 これは……か、カッコイイ……!!
これが展開してビーム出るとか……あぁもう!GJです!
>>781 おお!漸く真剣になりましたね、この二人!
二刀流と粉塵爆発ですかー。これでどこまでいけるのか、楽しみでもあり不安でもありますね!w
そして紫蘇たんかわいいよ紫蘇たんw
次回も楽しみにしてますw
>>843 ほほぅ、緑の御社はこんな場所だったんですねー。
そしてその厳重な中にも入り込んでくる害獣……ノミきもいよノミw
雪兎君、なんとか回復したね!おめ!……前例の彼女は気になるなぁ
そしてカルマたんが新たな力を!最強のツンデレの力をラーニングするとかカルマたんすごい!
傲慢、ですかー。雪兎の憤怒と近しいモノですねー。蜂の王というのが謎ですがw
続きをお待ちしております!
>>864 たwいwちょwうwww
相変わらず主成分:ネタな感じで笑わせて頂きましたw
ハイm(ryとかwww
しかし物量差はとんでもないですねー。中隊がどうなるのか非常に気になりますw
続き待ってますよーw
次スレまであと5kbかよ……
会話形式の小ネタは投下出来るのだろうか……
てかその前に師匠からの返事を聞かねば
わぁい、あと4 KBで次スレだね!
>>870 了解しました、カムイはポニテ般若、メルちゃんはショートですね!
何気に変身キャラのデザインって新境地だったり……が、頑張ろう。
しかしへそ出しとは……!
遥さん(上はフードで下はタイツの全身ガード)「若さっていいねぇ……」
まだ感想も書いてないのにィー!
>>875 そういえば、普段の遥さんは滅茶苦茶ガード堅いなw
>>875 キタ━━━(゚(゚∀(゚∀゚(☆∀☆)゚∀゚)∀゚)゚)━━━!!!
マジで嬉しいですぜ師匠!楽しみに待っております!
やっぱ小ネタは次スレに取っておこう…DS氏が感想書いてないし
>>864 投下乙!すごく……ネタいです
重歩兵強いよ重歩兵。しかしスコップ二刀流ってw
そしてタコの増援……質は量に敵わないのか、はたまた――続きが楽しみですハイ
あれ?何気に師匠かなり仕事溜まってね?
>>878 ずっと前から来てたけど、書き込めなかっただけだよ!
さて、色々確認するためにゼノギアスやろうそうしよう。
これは戻ってこないフラグだw
>>51 投下乙です!
テツワンオー…王道ながら色のある良い名前ですね
しかしバリード怖えぇぇ!金属生命体?.
適役の巨大化に伴う新勢力の参入に燃えました!
>>175 投下乙です!
140でツルペタとは良い趣味してr(銃声
個人的にチンピラの方々のチンピラっぷりが素晴らしかったですww
何故彼等の言語はああも難解なんでしょうね…
そして矢神のチートばりの強さがYABEEEE!!
>>213 投下乙です!
やはりツンツンボウヤかw
>>230 投下乙です!
イグザゼン格好良すぎるだろjk…
銀色の機体に武器の名称を呼びながらの戦闘は良いですね!
前回あんなに影の濃かったバリードがすっかりやられ役に…
敵を倒したら場所がバレるのはお約束ですねww
>>232 織ちゃんかわEEEEEE!
でもたまちゃんがちょっと貧相d(銃声
しかし…なるほどツルペt(銃声
>>234 投下乙です!
これは…あー…アウトォ!(流石に趣味の範囲外だったようです
まさに誰得、ロボスレ出オチ絵師の称号は伊達じゃないな(褒めてます
>>246 投下乙です!
ババァカッケェww誰得とはご謙遜を!
>>411 投下乙です!
>メルちゃん
何故だ、血だの何だののシリアスシーンなのに笑えて仕方ないのはww
そしてオルトロックの相変わらずの壊れっぷりが酷い(褒めてます
確かニヒルでナルシーな弩外道ナイスガイだった気がするんだけど…気のせいだよね!
>ロスガ
ちょっと糖尿病で病院いってきますね、たぶんなったと思いますので
ティマが外道なほどに可愛いwwってか可愛すぎるよ!
可愛さのあまり吐血しかけるレベルですね(意味不明
ちょっとマキられてきます、自省のために
>>428 投下乙です!
こっちも甘い!甘すぎるよOZAWAさん!
しろちゃんの寝言がらしくて笑いましたww
リヒトがロリコンだということを忘れればこれ以上無いイイお話ですねww
>>433 投下お…ってなん…だと!?
>>435のAA以上に適切なものが見当たらないZE!ww
そうか…そうだったのか(遠い目線
>>573 投下乙です!
自分用の林檎…そういうのもあるのか(そこ!?
クラドセラケも次回から活躍ですかー、あれがDS氏の手で動き回ると思うと…ヒィー!ハ(銃声
しかし、やはり風邪で弱った強気っ娘はいいものだ、うむ
次回を楽しみにしています!
一旦投下っす!
>>722 投下乙です!
視覚化された電子戦闘を見たのは攻殻機動隊以来じゃないかしら。
こまけぇことはいいんだよ物理排除だよ! と考えが飛ぶ自分には無い発想で素晴らしい。
オートマーター……PBM氏のとは違って徹底排除の殺戮マシン、ありとおもいます。量産されたらじょ、冗談じゃ(ry
副指令の意図が解せぬ…
グレイヴも解せぬ……
正気で狂える人間ほど危険なものはないな。
実験動物状態の潤也超頑張れ。
次回も期待しています。
>>743 もどかしさはDSの大好物です(^p^)
>>781 粉塵爆発ですか……現実では大したことおっと、だれかきたようだ
投下乙です!
ヤスっちさん という呼び方に俺さまちゃんに似たものを感じたのは自分だけでいい
シルバアルジェントブラタセリェブローアスィミフェッダインアルゲントゥム銀式……シルバアルジェントブラタセリェブローアスィミフェッダイn(ry
何度でも噛むがドイツ語では良くあること。日本刀なのもナイス。分かってるじゃないか…
二本あるなら、予備にすればいいじゃないとか。
トイレのイェーガーさんに吹いてしまった。
勝ち目があるのか…?
次回も待ってます。
>>853 投下乙です。
雪兎君が完全に人外になってもうた…侵食率が100になったらどうなるのだろう…。
「さようなら、けだもの」……まさかバイド(ry
カルマたんも一体どうしたんだろう。
徐々に不穏な空気が…次回も待ってますぜ。
>>864 投下乙だよーッ!
ネタ濃度が凄すぎる……これはひどいwww
>>868 感想ありがとうゴザイマス!
エロスを感じるんですね、エロスエロスえうわやめろななにを
オルカ君は言わないというか言えないサイドかもですね。
進展があるかどうかは自分の指運び次第。
クーちゃんは主に食欲で行動したようです。
次回も頑張ります。
>>883 感想、ありがとうございます。
風邪人用と思わせて実は自分用というガッカリは前々から書きたかったネタだったりしますw
クラさん(潜水機の)はマクロスな動きで脳内再生が止まらないのでそれを出力したいなぁと
強気→弱気 このギャップはいまだかつて無い破壊力を生むのです。
次回も頑張ります。
容量がシャレにならないことになってる件について
>>884 >侵食率
よもやココで既に変貌した世界の同胞に出会うとは……w
まぁまだ判定で戻ってこれてる段階ですし、問題無いかとw
誰かスレ立て行ってくれー!
俺は前スレ立てたから無理だーっ!
ジャーム化と聞いt(ry
いやかじった程度しか知らないですけどw
さあ減速だー。
そろそろ回復してるかな……と
行ってみます
あ、ちなみに私は未だ携帯です……orz
>>722 改めて投下乙です!
九条さんへの苦情が止まらないんですね、わかりm(銃声
ってか本当に雪花どこやったww
アインツヴァインのカスタム機がまさかこんな扱いになるとは…
藍ちゃんメインの話なのにババァが気になってしょうがないんだぜ!!
総司令…おいたわしや
>>781 投下乙です!
ロボもので粉塵爆発って何気にほとんど聞いたことが無いので斬新な感じがして良いですね!
やはり主人公サイドはチャレンジャー視点が燃えますよね!
でも一流の兵士だって近場にホテルがあればホテル使うと思うよイェーガー!
>>843 投下乙です!
ドラグリヲの話はロボスレ内でも異色な感じがしますね!
雪兎君は何とか自省が効いてるようで何より
そしてノミは現実世界にいたら確実に会いたくないものランク上位に食い込んできますねw
ドク…デロリアn(銃声
>>864 投下乙です!
ネタの数が多すぎてツッコミが間に合わないww
ハイマットフルバーストなんて名づければ不評にならない筈が無いだろうにww
とりあえず40秒で掘り終えれるのは阿部さんだk(銃声
次回を楽しみにしています!
あぁ…次は返レスだ
あ、テンプレのXガードナーが分身しっぱなしだから修正してくれなー
やっぱり駄目だった……
どなたか立てられそうな方は、宣言の後、お願いします
自分が行きます。
減速願います。
やっぱりかぁぁぁ!
無理でした、どなたかお願いできますか。
>>628 感想ありがとうございます!
腕は明後日の夕方頃に届くと思いまs
嘘です、そんなスプラッタな郵便物は御免ですw
>>630 感想ありがとうございます!
展開方法考え中という…世間はそれを未完成と呼ぶ!
>>632 感想(?)ありがとうございますw
落ち着くんだ、素数を数えるんだ!素数を!
とりあえず第一稿という感じで
>>633 槍の刀身部分にタービンってお前…と思ったんですが強行しましたw
しかし腕の展開部分といい槍といい、リベジオンにとってタービンは最早欠かせない記号ですね
>>743 感想ありがとうございます!
実は顔の横のアレから紅い光放出しようとか考えてた時期がありましたw
どう見てもツインテールです本当にありがとうございました
>>867 感想ありがとうございます!
独特なタッチといえば、これだけ絵師がいてその全員が個性バラバラってのも凄いなぁ…と地味に考えてたりします
埋もれないように頑張るよ!ただでさえハイブリッドじゃないからね!
>>868 感想ありがとうございます!
俺も妄想で鼻血を流しながら机に向かっておりますww
正直リベジオンで御飯三杯いけるよ!
>>872 感想ありがとうございます!
格好イイはロボ絵師にとって最高の褒め言葉!ありがてぇ!
展開する槍とか最高ですよね、同感ですww
これで…全部…のハズ(バタッ…
行ってみる
何故ロボゲに立てたし……
>>899 スレ建て乙!
義妹型ロボットを買う権利をやろう
ロボゲ……板……?
あ、ホントだ。良く確認せずに乙してしまったorz
このレベルの誤爆は前代未聞だぜ……どうする?
再建立なら自分が行きますぜ
俺立てにいってみますね
久しぶりに着たけど何故ロボゲにたってるん?
今乱立荒らしでピリピリしてるからヤバいよ
削除依頼……ですかね。一応別板に立てたのなら原則として
てか俺が立てられなかったからですね、すみませんorz
>>912 何だこのダチョウ倶楽部なノリはw
まぁいいや、行ってくる
行っていい…よね?
あ、ごめんなさい間違えました
>>914さんお願いします
あ、失礼。
>>914氏お願いします。相談必要なら避難所でしましょうか?
今ロボゲ板、ただでさえプリキュアアンチが立てたスレが乱立してるから削除あとまわしになるかも
取りあえず落ち着きましょうぞ。
大丈夫、いざとなれば避難所がある。
>>922 それとXガードナーのダブりを消してくださいな
>>926 まぁドタバタしてたし仕方ないです
ホントに乙でした
>>926 お気になさらず!( =ω=)b
スレ建て乙でした!
>>926 スレ立て乙!
空から降ってきた巨人の腕からロボットを作る権利をやろう
>>926 スレ建造乙!
コジマ粒子配合キャンディーを購入する権利をやろう
この景気の良さ。
勇者スレも見習いたい。
勇者もクロス企画で盛り上がってるジャマイカ
>>926 スレ立て乙です!
埋めネタで私と一緒に最近の落書きを曝す権利をやろう。
何気に
>>1000行けそうですねw
>私と一緒に
なにをするきだきさまー!
>>927 感想と返レスで消費しまくった俺の責任ですから…orz
そして
>>929-930 相変わらずろくな権利が無いww
>>933 落書きが無いので今から作ります…じゃ駄目ですかねw
なので、できるなら減速していただければと( ´・ω・)
確か502が容量限界だったはず。
埋めネタが来ると予想。
>>926 スレ殺陣乙!
1/1ガンダムを作る権利をやろう
んじゃー無事に立った所で、ちょっと埋め&小ネタでも考えようかなぁと
隆昭(オリジナル)&隆昭(メルちゃん)&隆昭(偽予告)&ハクタカの同一人物語り場でも
魔装機神を造るのがろくな権利じゃないとな!?
コジマ粒子おいしいよう
>>937>>939 造れないよ!どう考えたって造れないよ!
減速は無理そうだから次スレに持ち越しますねw
師匠は投下する方向で!
でも真魔装機神って……
というわけで師匠の落書きを全裸待機である
もちろん髪型は三つ編み……できる程長くねーよ!
そんじゃ1〜2レスでも使って
>>938やりましょか
それまでにスレが持ってればいいけど
じゃあ1/1イデオンを造る権利を……。
ダメならダンガードA(ry
たろ氏の埋めネタに期待
自分も早く執筆中の短編を書き終えねば
でも、アニバスターのおかげでスパロボに出会えたんで、否定はしたくないという……。
守護機兵Xガードナー
月奪還作戦(オペレーション・ムーンテイカー)編
予 告
刻一刻と迫る地球統合軍と火星月面駐留軍との決戦。
「俺は…子供は親の…親父の駒でしかないんだ」
睨み合う両軍の艦隊。
「エホバ・バイシクルは、この戦いには参加しません。Xガードナーは戦う為にあるんじゃありません
私たちは平和な世界を守る為に有るのです」
(何を青臭いこと言っているんですか艦長…所詮、少女か)
暗躍する影。
「これが君の新しい玩具だ…いや、正確に言うとアレをさらに強化したモノだ」
「火星様々ですねぇ。行ってきなさい…行って存分に暴れてらっしゃい…ミア君」
そして、
「私は火星軍月面駐留部隊第01小隊隊長、竜宮零だッ!」
「リュウグウレイ?レイリュウグウ…レイン・ダリューグ…兄 貴 !」
「ディストーションキャノン…発射…」
(ゥ…使い…たく…なかったのに…ッ!)
世界は、再び動き出す。
よーし、誰もいないし埋めネタ投下しちゃうぞ―
諸々はその後で
隆昭「と、言う訳で並行世界と言うか、色んな世界の俺に集まって貰ったんだけど……」
隆昭(メルちゃんver以下メ)「……ずいぶんとバラエティ豊かなメンツだね。皆並行世界の私なのか……」
隆昭(嘘予告以下嘘)「くっ……俺の右腕が奴を殺せと疼きやがる……」
ハクタカ「……」
隆昭「えっと……取りあえず皆さん自己紹介をお願いできますか?」
隆昭(メ「ヴィヴィっと! メルちゃんに登場した鈴木隆昭だ。職業は開発者ってとこかな」
隆昭(嘘「俺に名など無い……あるのは憎悪と言う名の紅き記憶だけだ……」
ハクタカ「……見ての、通りだ」
隆昭&隆昭(メ(どんな通りだよ……てか一人だけ場違いすぎるだろ……)
隆昭「えーそれでは自己紹介が終わった所で! 今回のお題を発表します。今回のお題はー」
ババン!
隆昭「これからの人生、もといメルフィーとどう付き合っていくか……何かエグくないですか、これ……まぁ良いですけど」
隆昭(メ「ほぉ〜中々深いテーマじゃないか。じゃあとりあえず私から」
隆昭「では鈴木さんからどうぞ」
隆昭(メ「まぁ俺は決まってるんだけどね。メルフィーと結婚して」
隆昭「結婚!? メルフィーと結婚するんですか、鈴木さん!?」
ハクタカ(僅かに顔が上がる)
隆昭(メ「何々その反応……え、てか君、メルフィーと恋人にならないのかい?」
隆昭「いえなりたいです! ……じゃなかった、その色々……」
ハクタカ(凄まじいオーラを隆昭に向ける)
隆昭「……色々あって、彼女とは付かず離れずの適度な距離感を」
隆昭(メ「そうか……訳ありなら仕方ないな。まぁともかく、私自身は彼女とそれなりに波乱万丈な人生を送るつもりだよ」
隆昭「有難うございました!」(メルフィーが未来の俺の娘さんじゃなきゃ……うう……)
ハクタカ(深く頷く)
隆昭「では続いて鈴木君は……?」
隆昭(嘘「人生……そんな言葉、俺はあの日を境に自らの辞書から黒く塗りつぶしたぜ……」
隆昭「はぁ」
隆昭(嘘「スネイル……あの女が俺の全てを奪い去った……メルフィーという、俺が唯一愛した女神もな」
隆昭「あっちの世界のスネイルさんは凄い事になってるみたいですね―。はいはいそれで」
隆昭(嘘「全てを失った俺は、死に物狂いで生き、戦う術を身に付けた。俺の右腕には、亡者どもの魂が生への執着を叫んでいる……」
隆昭「そうですか」
隆昭(メ「適当な所で切らないとまずいんじゃないか?」(ヒソヒソ)
隆昭「面白いんでもう少しだけ」(ヒソヒソ)
隆昭(嘘「俺は奴を……スネイルの裏に潜む影を倒す。俺はこの右腕に誓い、世界を奪還する……例え何が、相手でもな」
隆昭「オッケーですか?」
隆昭(嘘「俺の話は終わりだ」
隆昭「はい有難うございました―。……では最後にハクタカさん」
ハクタカ「俺から言う言葉は無い。この質問はお前に返す。鈴木隆昭」
隆昭「えっ……」
ハクタカ「俺は俺が成すべき事を成す。一筋の流星―――――暗き世界に光を灯す、それが、俺のこれからの人生だ」
ハクタカ「鈴木隆昭。俺には、ハクタカという人生を歩む事しか出来ない。だが、お前にはお前自身の人生がある」
ハクタカ「そこでもう一度、お前に問う。お前は、メルフィーをどうしたい?」
隆昭「俺は……」
ハクタカ(隆昭をじっと見つめる)
隆昭(メ(隆昭をじっと見つめる)
隆昭(嘘(隆昭をじっと見つめる)
隆昭「俺は、彼女を愛している。だけどそれは一個人としてだけでなく、俺の娘として、俺の帰る場所として彼女を守りたい、と思う」
隆昭「俺は―――――守りたい。メルフィーだけじゃない。俺が守りたいと思う、全ての人を。この、手で」
隆昭「それが俺の人生にして―――――メルフィーをどう思うかに対する、ただ一つの返答だ」
ハクタカ「……頼んだぞ」
隆昭(メ「違う世界だけど、応援してるぜ、隆昭」
隆昭(嘘「ふっ……亡者共よ、一人の男の決意に、祝福を与えたまえ」
隆昭「ありがとう、皆……! 俺、がんば」
ドゴッ
隆昭「いてっ! ……ゆ……夢?」
メルフィー「あ、おはようございます、隆昭さん。何かぶつぶつ寝言言ってましたけど、大丈夫ですか?」
隆昭「あ……あぁ……おはよう、メルフィー」
メルフィー「……私の顔に、何かついてますか?」
隆昭「メルフィー、その……何と言うか……」
メルフィー(笑顔で見つめる)
隆昭「……君を、愛し」
スネイル「何々面白い話〜?わ〜たしも混〜ぜ〜て」(と言いつつ隆昭にぶつかる)
隆昭「うわぁ!」
触れる、唇と唇
スネイル「はわわ!ごめんね隆昭君!つい不可抗力で!」
隆昭「不可抗力って明らかにワザとじゃないですか!ご、御免メル……」
メルフィー「いきなり……」
メルフィー「いきなり何ですか! 隆昭さんの馬鹿ぁッ!」(目に涙を溜め、鋭い張り手)
隆昭(あぁ……こんな僕だけど頑張るよ……皆……)
三人の隆昭(空からサムズアップ)
続 か な い
あ、投下終わりました
にしても凄い感想レス貰えたな―。これだけ多く貰えたのは初めてだ
>>883 感想有難うございます!
オルトロックは……駄目な方に変化しましたwまぁ真剣なシーンなのに笑えるのはある意味嬉しいですw
ホントにもー書いてる俺自身が糖尿病になってますよ―ロスガは行かんね、うむ
でも定期的になると書いちゃう!悔しい、でも(ry
>>952 おぉ!かーなーりお久しぶりです!
これは中々面白い展開になりそうだ…・・本編を楽しみにしてます
てかロボゲ板在住ですか?ww同郷ですよw
ロボゲ板にはある意味兄弟スレのような所もあるしね
設定はあっちで生まれた話もあったよな、確か
>>952 久方ぶりですな、シクスさん!!
これはまた面白い展開になりそうな予告だw
投下楽しみにしてますよ!
>>954 埋めネタ投下乙です!
こwれwはwじわじわ来ますねwww
親馬鹿なハクタカさんとかw完全に向こう側な鈴木(嘘)とかwww
GJですた!
皆さん、ただいま。はずかしながら帰って参りました
なかなか世の中は上手くいかないものでSS書きをサボっておりました
そもそもPSPからなんで書くのがオックウになってしまうんですね^ ^;
危うく「俺達の戦いはこれからだEND」になる所だったガードナーでしたが
時間を飛ばし予定していた月奪還作戦編から始めたいと思います
自分の力量が及ばずこんな展開になってしまってすいません…少しづつ、また進めたいと思います
あまり期待しないで宜しく
なんてこったあぁぁぁぁぁぁ!!
ヴェルトールまんまみたいな感じで描いたから、神威がふとましくなってしまったあぁぁぁぁぁぁ!!
しかもペネ子と神威を見比べるとペネ子が神威を金玉滅殺剛覇弾で瞬殺しそうなデザインじゃないか……。
あ、二人共投下乙です! 感想は後でねっ!
>>958 ぼくの かんがえた
スレですね。あまり表には出てこないですが、太く長く、続いてるみたいです
>>959 何か嘘予告の隆昭の話が書いてみたくなりましたねw
まぁあっちはスパロボOGでいうシャドウミラーの世界的な感じだとは考えていますが
>>960 はい!改めて宜しくです
>>952 おかえり&投下乙!
wktkしてきたが、なんか重大なネタバレしてないかwww
>>955 投下乙!これってみんなタカ坊の可能性達なんだと考えると、深いというかなんというかw
>>961 今のデザインの元になった落書きなんか腕組みしてたよねw
してましたねw
しかもこの神威、武士っぽい所マゲくらいしかないよ……。
でも甲冑みたいな感じにすると太くなるというジレンマががが。
そこでマスラオ的な装飾をだな
>>963 ハクタカ自体は未来の○○ですけどねー
まぁ世界は一つじゃないって事で、ごくごく普通にメルフィーと恋人同士な隆昭も居るかもしれませんし
>>961>>964 全部師匠にお任せしてますからねw
自分はwktkwktkしながら待つだけっすw
>>964 いっそのこと大鎧のイメージじゃなくて、新撰組みたいな羽織を着た和服姿をモチーフにしてみては?w
しかし、しろちゃんよりも細身ってどんなんだろう
すげーおどろおどろしい外見な気がするw
>>967 もう上半身はデザインできちゃったんですよね……。
しかたない、色々削ったり伸ばしたりするしかねぇ!
どうも、ダメ絵師
>>882でございます。ちょっと見ないうちに次スレまで立ってて驚嘆しておりますですハイ。
で…… なんで「ちょっと見」てなかったのかというと、まあ感の鈍い方以外はお分かりだと思いますが、
ヤツをデザインしてたらPCとペンタブが美事な不調の連携をしかけてきて浦島太郎状態になってしまったんですね。
そいで、そのデザインの件について、ちょっと貼ってTロG氏に確認というか、こーゆーのでいいのか聞きたいことがあるんですが
(鎧ということで思うさま趣味に走ったデザインしたもんで不安なのだ)、
次スレにした方がいいか、今スレにした方がいいか、どうでしょうか。
>>969 やべぇこれは期待せざるおえねぇ……!
あ、でも無理はなさらないで下さいね、お体に何かあったら大変ですから
>>970 まだ大丈夫だと思いますので―
お聞きしますよ―
あ、あかんやん容量的に今次スレに貼ったら回答がスレまたいでまうやん。アホですみません。00:45頃次スレに貼らせて頂きます。
そ、そうですか
すみません、早とちりしてました
奴……やはり奴ですかw