ロボット物SS総合スレ 22号機

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1創る名無しに見る名無し
ロボット物のアニメ・漫画・小説・ゲームの二次創作から、
オリジナルのロボット物一次創作まで 何 で も どうぞ。


・当機はSSに限らず、イラストや立体物も受け付けています。
・投下の後、しばらく雑談は控えてください。
・ガンダムやマクロス等の有名作は、該当する専用SSスレが立った場合はそちらへ。もしなければ全部ここでやればいいんじゃあないでしょうか。
・次スレは>>950が立てて下さい。次スレが立つまでは減速を。
・また、容量が470KBを超えた場合は要相談。
・立てられない場合は報告及び相談を。スレ立ての際は必ず宣言を行ってください。でないと、黒歴史が来るぞぉぉぉぉ!!
・とある方が言っておられました。「話題が気に入らないなら、四の五の言わずネタを振れ」雑談のネタが気に入らない時は、新しくネタを振りましょう。
・スルー検定10級実施中です。荒らしは華麗スルーしてください。それが紳士の条件です。
・もう春ですね。これからもルールを守って、楽しく創作活動に励みましょう。
・縮退砲、発射!

まとめwiki
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/

ロボット作品投下用アップローダー
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/

お絵かき掲示板
http://www2.atpaint.jp/sousakurobo/

ロボット物SS総合スレin避難所 四號機
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1267084675/


前スレ
ロボット物SS総合スレ 21号機
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1267198051/


関連スレ
勇者シリーズSS総合スレ Part3
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253680895/
2創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:39:31 ID:w1yRZCzA
スレ発祥連載作品紹介!(※紹介文には多少の誇張表現も含まれています)


【荒野に生きる(仮) ◆8XPVCvJbvQ】
再生暦164年、コンクリートの荒野が広がる未来――。
獣の耳と尻尾を持つ「ヒューマニマル」の少女達はひたすらに戦う。対鋼獣用人型兵器・ヴァドルを駆って――!!
怪獣VS獣耳っ娘!? 話題騒然のデスマッチ!!

【CR ―Code Revegeon― 古時計屋 ◆klsLRI0upQ】
これは、悪夢に立ち向かうちっぽけなひとりの人間と、「怨嗟の魔王」と呼ばれた機神の物語。
アンノウンの襲撃で家族を失った潤也は、漆黒の鋼機・リベジオンの玉座に身を沈める。反逆と復讐を遂げるために……!
人類震撼! 暗黒のレコードオブウォー!

【瞬転のスプリガン ◆46YdzwwxxU】
スーパーカーから伸びる鋼の腕――神速の挙動と極微の制動を可能とする、エーテル圧式打撃マニピュレータがその正体!
異世界の侵略者・魔族により廃墟と化した街角で、幼いことねは機械仕掛けの拳法家を目撃した。
変形ロボットならではの技が炸裂する、極超音速機動武闘伝!

【パラベラム! ◆1m8GVnU0JM】
Si Vis Pacem, Para Bellum――汝、平和を欲さば、戦への備えをせよ。
遥か昔に文明がリセットされた世界。黒い機械人形(オートマタ)・リヒターと、彼のマスターとなった少女・遥(19)の神子としての生活が始まった!
軽妙な会話と、動きを魅せるアクションに定評あり? なんだかおかしなキャラ達が紡ぐ、ドタバタ日常コメディ!
「……ねぇリヒター、こんな感じでいいかな?」
<イエス・マイマスター>

【海上都市姫路守備隊戦記 ◆gD1i1Jw3kk】
「鉄の鎧を纏いし日出ずる国の兵」。帝国に虐げられる民が希望を見出した救世主伝説。
兵士として生きる男・清水静が愛に目覚めた時、戦乱の異世界に重装甲強化服のローラーダッシュの唸り声が響き渡る!
止められるものなら止めてみよ! 熱と硝煙! 剣と魔法! 凄絶無比のヘビーアーミー!

【最強無敵ロボ・ネクソンクロガネ ◆46YdzwwxxU】
ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビッドゥ! ドゥビドゥビドゥビドゥビッドゥドゥビドゥビ!
今日も今日とてロボヶ丘市で激突するのは、変な正義と変な悪!
ハイテンション! 歌うスーパーロボットバトルアクション!

【少女機甲録(仮) ◆kNPkZ2h.ro】
80年ほど前に地球上に出現し、地球上全ての生物を滅ぼさんとする謎の生命体群「ワーム」
異形の敵に立ち向かうは、全長4mのパワードスーツ兵器「機士」
陸上自衛軍第28連隊 第4中隊の少女達は、血と硝煙の匂い漂う世界を生きる!

【R,B&G ◆46YdzwwxxU】
Tueun◆n41r8f8dTs vs.瞬転のスプリガン◆46YdzwwxxU
巨大トラクターとスーパーカー ──本来なら走る場所が違う二台が、
同じ道を駆け抜ける!!
3創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:40:57 ID:w1yRZCzA
【Diver's shellU ◆a5iBSiEsUFpN】
人類共通の夢の一つに、「もっともっと遠く」というものがある――――
表面の90%が海で覆われた星、ネオ・アース。黒服達の一件から時は過ぎ、ダイバー達は今日も、夢と浪漫を求めて海を往く。
物語は2ndシーズン突入し、新たな主人公、ジュリアとクラウディアの物語が幕を開けた。
男の娘も出てくる……かも?

【人狼機兵マーナガルム ◆CNkSfJe3Zs】
2149年 春。月と地球、並んだ二つの星による戦争は、まだ続いていた。
革命軍の問題児「ラビットソルジャー」パイロット ソマ・ツクヨミは、自軍の罠にはめられ、正体不明の『狼頭』と敵対する。
兎達が支配する戦場で今、精神すらも噛み砕く異形の獣が目覚めようとしていた――――

【鋼鐵の特攻兵―Gun Strike Girles― ◆6LGb3BALUde1】
近未来。人類はBUGと呼ばれる巨大生物との戦争を続けていた。
主人公・御前静を始めとした世界各国から集まった個性的な
少女達は、鋼鐵の棺に身を沈めてBUGとの熾烈な戦いに身を投じていく。
戦争という極限状態の中で、少女達は傷付きながらも成長し、
互いに支え合い日々を懸命に生き抜く。
やがて少女達の間に芽生えるのは、友情かそれとも――
ハードボイルドミリタリーの皮を被った百合ん百合んな物語。
欝展開はないよ!

【武神鋼臨タケミカヅチ ◆YHSi90Gnr2】
其れは鋼の人型。其れは『神』の力を降ろす為の人造の依代。
剣神はその手に太刀を担い、在らざる戦場(いくさば)を駆け抜ける。 その刃は未来を切り開けるか―

【鋼殻牙龍ドラグリヲ ◆Uu8AeR.Xso】
荒廃した世界を跋扈する、『害獣』と呼ばれる異形の災厄。
人には太刀打ち出来ぬその存在を屠る、暴君竜の如き異形の鋼。その名は「ドラグリヲ」
アルビノの少年「真継雪兎」とゴスロリ姿のナノマシン少女「カルマ」の紡ぐ物語に刮目せよ!

【GEARS ◆B21/XLSjhE】
近いようで遠く、遠いようで近い未来で――――競技用ロボット、ギアが駆ける!
無愛想だが熱い漢、守屋とどこかズレてるハイテンションな少女、霧坂のテンポの良い掛け合いと個性豊かな仲間達!
スピード感溢れる描写と汗と笑いとアイリス・ジョーカーが送る、ロボットスポーツストーリーをとくと見よ!

【機甲聖騎士ザイフリード ◆gU7PBlmT6Y】
紫藤 雪人(しどう ゆきと)は、きわめて平凡な男子高校生であった――ほんの少し前までは。
雪人が目覚めた場所は見知らぬ世界。そして隣には……寝息をたてる女の子!?
ファンタジックロボットSS、ここに見参!

【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?
4創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:42:26 ID:w1yRZCzA
【守護機兵Xガードナー シクス ◆wuZfOwaq7U】
CC(コスモセンチュリー)115年。独立を宣言する火星と地球の、人類初の惑星間戦争が行われていた。
少年シュート・ダリューグは独立機動防衛部隊"Xガードナー"に参加するも自分の存在価値に惑う。
戦いを止められるのは薙払う剣か、それとも守護する盾か…
あなたの護りたいモノはなんですか?

【秘神幻装ソルディアン ◆tEulldVhj8h6】
因果の日は来たり――世界は異形の怪物アバドンに覆われた。
混迷を極める世界に機械仕掛けの神々は覚醒し、かくして今まさに黙示録が再現される。
測り知れざる過去より続く闘いの行方は、如何に。

【廻るセカイ-Die andere Zukunft- ◆qwqSiWgzPU】
「もう少しで世界が滅びる」。世界中にそんな噂が飛び交った。
そして噂の通り、国が、都市が、次々と地図から名前を消していく。人類は滅びを待つだけだった
舞台は架空の都市“揺籃”
特別な一人の少女と、普通の少年の出会いから、それは紡がれていく
「抗う術があるのに、やらないなんて選択肢、オレにはない」
……それは、似通っているようで……違う“セカイ”

【時のジグパルス ◆NXVvJGP7gI】
 21世紀初頭――――
 人類はヴォイド体と名付けられた謎の生物群に侵食されていた。
 14歳の誕生日を迎える夏の日、リノは長崎へむかった。
 そこで、巨大地下遺跡『オウロフィル』より解き放たれた
 人型生体兵器ジグに飲み込まれてしまうが――

【ビューティフル・ワールド the gun with the knight and the rabbit TロG ◆n41r8f8dTs】
 未来へと向かっていた隆昭達は、黄金のアストライル・ギアによって次元の狭間へと飲み込まれ、別世界に辿り着く。
 隆昭一行、やおよろず、レギアス、そして、神威。様々な人々の思惑がシャッフルされた物語の執着点は、果たして――――
 パラべラム×ヴィルティック・シャッフルという二作品による、全く違った世界観が交じ合った物語の行く末を見届けよ。

 この物語に、勝者はいない。

【『正義の執行者』◆8XPVCvJbvQ】
世間を震撼させたリベンジャーレディの事件から数ヵ月後。
ネットである言葉が頻繁に使用されるようになっていた。
「正義の名の下に」
その言葉と共に、人型兵器による犯罪者を処罰していく所属不明の赤い機体。
奇しくも所有する機体のフォルムが似ていたが為に、姉小路は事件に巻き込まれてしまう。

【ロボスレ学園】
ロボット物SS総合スレ、10スレ目突破記念作品! このスレのキャラクター達が織り成すどこまでもフリーダムな青春(?)グラフィティ!
参加者募集中!
5創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:44:06 ID:w1yRZCzA
完結作品はこちら! 大いなる足跡をその目で見よ!
http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/265.html


・読者側は、積極的にエールや感想を送ってあげよう! 亀レスでも大感激! 作者はいつまでだって待ってるもんだぞ!
・作者側は、取り敢えずは作品で語れ! 自分のペースでも完結まで誠実に奮励努力せよ!
・半年以上生存報告がないと、作品がテンプレから削られてしまうぞ! 要注意だ!
・テンプレに載る作品は1人1つまで! 上記の他にも作品は沢山あるので、こちらもチェックだ!
 http://www13.atwiki.jp/sousakurobo/pages/12.html
・我らスレ住人は、熱意に溢れた新作をいつも待ち望んでいる! 次スレの紹介文には、キミのロボットも追加させてみないか!?
6創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:44:57 ID:w1yRZCzA
※紹介文未定作品一覧※
【機甲闘神Gドラスター ◆uW6wAi1FeE】
【英雄騎兵ミッドナイト】
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
【機動修羅バイラム】
【都道府県対抗機動兵器決選】
【資源転生サイクラスト】
【てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM】


※紹介文候補※
【ブリキの騎士 ◆WTKW7E8Ucg】
2024年、混迷と動乱のアフガニスタン。米軍最新鋭兵器、M23機動装甲服が降り立ったその地で、奇怪な陰謀が蠢く。
陰謀の真相は? 米兵たちを待ちうける運命とは? そして、この騒乱の行きつく先は?
ハードな世界観と設定で繰り広げられる、近未来ミリタリーロボットシミュレーションSSに刮目せよ!
――――人の織り成す混沌を、機械仕掛けの騎士が撃ち抜く。

上記の候補はひとまず、作者さんの承認待ちです。

紹介文はまだまだ募集中!
作者さんが、自身で考えちゃってもいいのよ!
7創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:45:54 ID:w1yRZCzA
とりあえずテンプレはここまでか。Xガードナーが分身してしまった。すまんこ
8創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:48:19 ID:Z0CS8ToA
>>1
立てて頂いて誠に感謝感謝&乙です
ホント立てられないのに踏んですみませんorz
9創る名無しに見る名無し:2010/03/05(金) 23:53:19 ID:9UQTm6zI
乙!

さて今のうちなら支援なしでいける訳だが、間に合うことはなかったぜ!
10創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 00:03:56 ID:hwUVaJoZ
>>1乙です!
また次回に修正していきましょう!
11PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/06(土) 00:27:41 ID:Kaf5hTny
 >>1乙ピッタンコ! イェイ! >>1乙ピッタンコ! イェイ! >>1乙ピッタンコ! イェイ!
12創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 10:52:20 ID:xCHrcEd6
それペッタンコじゃなかったっけ?
13創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 12:30:15 ID:Kaf5hTny
 訂正しようとした時には既に遅かったのだ……。
14創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 16:05:35 ID:qgK3+10O
遅くなりましたが>>1乙です!
15創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:40:40 ID:fBn+XIWT
前スレ埋まったどー!

>>999
フリーダム過ぎるよ師匠w
16創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:44:22 ID:qgK3+10O
  (  ) ワタシハナニニモ
  (  )
  | |

 ヽ('A`)ノ シバラレタクハナイ!
  (  )
  ノ■|

 __[メイド]
  (  ) ('A`) ナニヲスルオドレイ…アッー!
  (  )Vノ )
   | |  | | 


さて、と。短いですけど第四話Bパートの投下に入らせて貰おうと思います!
が、初っ端から不快感を煽ってしまうような人が出てくるので、そこらへんはご了承下さい
17創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:45:15 ID:fBn+XIWT
支援するぜ!
18創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:45:16 ID:XJKOCDed
>>16
wwwwwwwwwwwwwよぉーし支援!www
19創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:46:06 ID:fBn+XIWT
 
20創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:46:29 ID:xydHaM3e

21創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:46:55 ID:fBn+XIWT
 
22ざいふり ◆gU7PBImT6Y :2010/03/06(土) 17:47:19 ID:qgK3+10O
 その少女の肩書きを聞いた時、十人中十人が「嘘だろう」と笑うに違いない。
 そして、彼らは例外なく、自らの不用意な発言を後悔するだろう。
「上辺だけでしか判断できないのだからなあ、貴族というものは」
「がっ……」
 ブルグント王国が王都。その中心に位置する王城は、いくつもの尖塔が建ち並び、白亜の外壁が王族の権力を誇示する、王都を象徴する建造物である。
 王城には、謁見の間や有力貴族達を集めて話し合いを行う評議の間、その他諸々国を運営する上で重要な部屋が並ぶ。
 また、王国軍の本部が置かれているのと同時に、地下には監獄も置かれていた。そしてその監獄のすぐ脇には、拷問部屋も。
「……クーデターを画策していたようだな、トレイター?」
「ぐっ……ぅ」
 人が二人入るのがやっとくらいの小さな部屋が、王城の地下に存在する拷問部屋であった。
 四方を壁に囲まれた、息の詰まるような場所である。くすんだ色の石畳は、幾人もの血を啜ったからであろうか。
 無機質な壁が、まるでこちらを押しつぶそうとしているかのような圧迫感を感じさせる。
 拷問部屋の空気は、地下であるからか酷く濁っていた。たまに吹いてくる風は、爽快感どころか不快感しか煽らない。
 部屋を明るく照らす照明など在ろう筈もない。ただ妖しげに、蝋燭に灯された炎が揺れているだけである。
 ぼんやりと小さな灯りで照らし出されたその拷問部屋には、一人の少女と、声にならない声を上げる男がいた。
 椅子に縛り付けた男を、無慈悲なまでに鞭で叩きつけるその少女の顔は愉悦に塗れている。
 くすくすと、可愛らしい――だがこんな場所には到底似つかわしくない笑い声が漏れていた。
 その華奢な腕を振るう度に、手から伸びた棘つきの鞭が振るわれる。
 それは鋭い牙を持つ蛇のように、男の身体をのたうち回り、牙を突き立て、肉を抉り、皮を捲り、暗い血をその皮膚に伝わせる。
 加速度的に男の傷は増え、対して少女の顔が喜色に彩られていく。男の呻き声をかき消すように、少女は笑う。くすくすと。
 その拷問は、まだ少女が為すとは到底思えないほどに痛ましい。男が鞭で抉られるのは肉だけではなく心もであろう。
 既に彼の瞳の焦点は合っておらず、半ば意識を失っているに近い。
23創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:47:49 ID:fBn+XIWT
 
24創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:47:55 ID:xydHaM3e

25創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:48:45 ID:fBn+XIWT
 
26創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:49:11 ID:qgK3+10O
「やれやれ、まだまだギブアップには早いぞ、トレイター。なぁ……?」
 くすくす、くすくす。酷く楽しそうに肩を揺らし、口の端を吊り上げた少女が、その端正な顔を男の顔へと近づけた。短く纏まった白銀の髪が、彼女の感情を表すかのように揺れる。
 呻き声を上げる男の顎を愛おしそうに撫でた後、少女は側に置かれていた桶を手に取った。
 木製のそれにたっぷり入っているのは冷水。躊躇いなく、少女はその水を男の顔にぶちまけた。
 針を刺したような痛みが男の全身に広がり、傷口を侵していく。激痛に、男は意識を強制的に戻される。
「っ、ぶっ! ああぁぁあ……!」
「まだまだ夜はこれからだ。妾を精一杯愉しませろよ、トレイター」
「ひ、あ、う、うああああ……」
「情けない、実に情けない。クーデターの首謀者とは思えんな」
 ガタガタと震え、この狂った場所から逃げだそうと男はもがく。だがそれは叶わぬ事、男はねずみ取りにかかった鼠も同然。
 それでも必死にこの悪夢から逃れようとする男の姿に、少女は酷く楽しそうな、同時に薄ら寒いほど酷薄な笑みを浮かべた。
 もがき、苦しみ、精根尽き果てた先に悪夢の終わりはないと知る――。この男が辿る道、そして今まで幾人もの輩が辿ってきた道。その道の先で、彼らがいずれ浮かべるであろう虚ろな瞳や貌。
 また、それが見られるのだと思うと、笑わずにはいられない。
 少女は鞭を床に叩きつける。乾いた大きな音が部屋に鳴り響き、男が情けない声を上げた。少女は哄笑する。
「怖いか、怖いか……トレイター! ははは、怖いのか! よく覚えておけ、これが私に盾突いた者の末路だ!」
 助けてくれ、とぶつぶつ呟く男の姿に、少女の笑い声は更に大きくなる。
 ああ、全く実に愉しい――。自分を軽んじた阿呆への懲罰。自分より二回り以上も年上の者を屈服させる悦び。跪く者たちの苦しげな顔は、嗜虐心を煽り、鞭を振るうことの幸せを教えてくれる。
「苦しいか! 辛いか! 死にたいか、トレイター! だが簡単には死なせない、それが私のやり方だ、くく、くふふふふ」
 嗤いながら、鞭が振るわれる。哄笑と、鞭が身体を叩く乾いた音が断続的に響いていく。
 肉も、心も削られていく地獄が続く。男は切れそうになる意識の中で、己の企てが端から成功するはずがなかったことを知った。この少女は狂っている。狂人相手に、何が出来ようというのか。
「ぅあ――」
 ――ぶつり、と。黒が視界を覆い、男の意識は途絶えた。
 かくんと力なく男は項垂れる。意識を飛ばしただけでまだ息はあるが、彼に死が訪れるより先に、精神の崩壊が訪れるだろう。
「……ふん。妾に逆らわおうとさえしなければ、地獄を見ることもなかったというのに。まあ、家族の行く末を見ないだけマシと思うか?」
 意識を飛ばした男の顎を蹴り上げつつ、短く鼻を鳴らした少女はつまらなさそうに呟いた。
 彼女の名はセレイナ・フォン・ルメリア・ギュグレ。齢十五にして、ブルグント王国を統べる女王である。
27創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:49:37 ID:fBn+XIWT
 
28創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:50:07 ID:XJKOCDed
S支援
29創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:50:21 ID:qgK3+10O
機甲聖騎士ザイフリード 第四話【トライアングル】Bパート


 女王セレイナは、タカ派として内外問わず有名な存在である。
 その思想から、穏健派の先代父王とは度々対立していた事はよく知られている。
 フランツァとの徹底抗戦を進言するセレイナと、対話による和平を求めた父王の間には、大きな確執があった。
 王国軍上層部はセレイナ派に。政治を主とする者たちは父王派となり、直接的な争いはないにせよ、水面下で熾烈な争いが繰り広げられていたこともよく知られていることだ。
 開戦当初、機甲騎士を農作業などに使っていただけのブルグントは、騎士団を組織し戦い慣れていたフランツァには大きく遅れを取っていた。
 だが今、二国間の戦力バランスはほぼ互角、むしろブルグントが多少有利な状況となっている。
 これは、セレイナが王位に就いてからのことだ。謎の死を遂げた父王の跡を継いだ彼女は、敵国の騎士キルデベルタのデータを元に量産型の機甲騎士クローヴェンを配備。
 自分に絶対の忠誠を誓う軍部を巧みに扱い、各地での勝利を収めていったのである。
 その甲斐あって、フランツァも大きな動きを見せることは出来なくなっている。
 しかし同時に、戦火を国内各地に広げたことから彼女に対する批判も出てきてはいる。その一端に、彼女の年若さもまた含まれていた。
 だが、そんなことはセレイナにとってはどうでも良いことだった。敵がいるならひねり潰せば良いだけなのだ。
 先日この手で自ら罰を与えた男もまた、セレイナが戦火を拡大し、女王の座に就いていることについて異を唱え、クーデターを画策していた阿呆な貴族である。
「……」
 しかし、そんなセレイナも最近多少の焦りを覚えてきていた。
 未だ睨み合いの状態が続く、フランツァとの国家戦争。
 元々我慢弱いセレイナは、遅々として何も進まない戦力拮抗の状態が何よりも嫌いだったのだ。
 この状況を脱するには、何か大きなカード、切り札が手元に無ければならない。だが、それが一枚あるだけで、戦況は一気に変わるだろう。ブルグントはフランツァを制し、そしていずれは大陸をもその手中に収めることになる。
 だからこそ、その切り札を早く見つけなければならないというのに……、
「輝素を利用した兵装の開発はまだ進まん……。第二世代クローヴェンの開発も遅れたままだ。阿呆共め、何のために研究費を回していると思っているんだ」
 その身にはまだ巨大な王座に深々と身を沈め、頬杖をついたセレイナが苦々しげに呟いた。その瞳の色からは、彼女がいかに苛々しているかがよく見て取れる。
 開発室の連中、後数週間内に結果を見せることが出来なければ楽しい楽しい地下部屋行きだ。
 部下達への非情な処遇を決定したセレイナは、少しだけ晴れやかな顔になって王座に座り直した。
 鞭は昨晩の男で飽きたから、磔車輪などが良いかもしれない。止まらない車輪に磔にされる者たちの苦悶に歪む顔を夢想して、幼き女王は小さく笑う。
「……開発を急がせることに変わりはないが、な」
 足を組み、セレイナは艶然と呟く。その顔には、不遜な笑みが浮かんでいた。
30創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:50:51 ID:fBn+XIWT
 
31創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:51:09 ID:qgK3+10O


「……あー、なんもしてないな」
 あの衝撃的な出来事――マナの口づけ――からほぼ一日以上経った。
 何が何だかわからないうちにホールを転がるようにして出て行ってしまった雪人は、二人に合わす顔などあるはずもなく、ずっと自室に閉じこもっている。
 その間、当然家事の一つもやっていない。いや、しかしそれより――。
(な、何だってんだ……あれ)
 目を閉じ、脳裏にマナのことを思い浮かべるだけで、あの時の衝撃的な感触が鮮明に蘇ってくる。
 唇は信じられないほど柔らかくて、すぐ近くにいるからか、早鐘を打つマナの鼓動も聞こえてくるような気がして。
 頬を上気させ、瞳を潤ませたマナの表情は、今まで【迷惑な女】程度にしか考えていなかった印象を、根底から覆してしまうほどの破壊力を持っていた。あの表情は反則だと思う。
「……て、俺は何を考えてるんだ……」
 こんな事があったからとはいえ、我ながら情けない。精神統一精神統一。
 大事なのは落ち着いて、彼女たちの言っていたことを纏めることだ。
「……マナとミナの目的は、エウリューデ家の復興」
 先代家長を失ってしまってからのエウリューデ家は、周りの貴族や国王に土地を根こそぎ奪われてしまったらしい。
 残されたのは年端もいかない少女であるマナとミナ。後ろ盾もなかったのだから、そうなるのは当然と言えば当然の話ではある。
 晴れて没落貴族の仲間入りを果たしてしまった家名をもう一度白日の元に返すため、マナ達は一つの決心をした。
 手元に唯一残った最後の切り札、ザイフリードを利用することを。
 だが、ザイフリードを駆るには二人では力不足だった。ザイフリードは誇り高き聖騎士。適合者を選ぶのだ。
 そこで彼女らが考えついたのが、ミナの修めている巫道による召喚。こことは違う世界から、適合者を連れてくる――。
 その結果、雪人がこの世界、ミッドガードに呼び出され、今こうして召使いじみた扱いをされているわけだ。
「無茶苦茶だ」
 今までの出来事を頭の中で纏めてみて、雪人は疲れたように嘆息した。
 本当に、何もかもが無茶苦茶と言わざるを得ない。自分たちでは出来ない事を、他の奴にやらせようなんて。
「でも、悩んだ結果があれなんだろうな」
 マナの性格を見れば何となくの予想はつくが、彼女はきっと、ザイフリードを駆れない自分に憤っているに違いない。
 同時に、易々とザイフリードを駆った自分に対する、若干の嫉妬の念を抱いていることも。
 自分には出来ない。だから、それが可能な他人の力を借りる。
 迷って、悩んで、散々時間を掛けた末に選んだ彼女たちの選択肢がそれならば――、
「――俺がやるべき事は、一つしかないか」
 夜這い魔と呼ばれ、召使いにされ、口づけまでされ。振り回されてばかりではあるけれど。
 元の世界に戻るためにはミナが修練を積むしかないわけで、結局彼女たちと行動を共にするなら、雪人の手元に残されたカードは一枚だけだ。
 うっし、と自分に気合いを入れるように頬を叩き、雪人は一日ぶりに部屋の外へ出た。
32創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:51:50 ID:qgK3+10O


 雪人のいない昼食。広いホールに、双子の姉妹が二人きり。
 妹のミナ・エウリューデは、何も言葉を発しない双子の姉、マナを静かに見つめていた。
 言いたいことは色々ある。何故雪人に口づけをしたのか。
 まだ、会って間もない謎の少年に、易々と許して良いことだったのか。
 その時、姉は何を考え、何を思っていたのか。そして、妙に自分の心がざわつくのは何故なのか。
 訊きたいことも、言いたいことも、たくさんありすぎる。
 だが生憎、ミナは口下手だった。快活な姉と違い、内向的で、静かに本を読んでいる方が好きなタイプだ。
 それ故に巫道を志し、今こうしてここにいる。
「ミナ」
「は、はいっ」
 突然マナが口を開いたので、応対が少し遅れた。
 身内相手に何を緊張しているんだろうと改めて自分の事を情けなく思いつつ、ミナは姉の言葉を待つ。
「何か、考えてることとか、悩んでることとかあるんじゃない?」
「え……お姉様……」
「話してみなさいよ」
 ふ、と口元に優しい笑みを浮かべて、マナが言った。
 幼い頃、両親に叱られた時も、よくこうして二人で話した物だ。
 マナはいつだって自分の事を気遣ってくれる、どんくさい自分を、姉の自分が守らなくちゃならないという使命感に駆られていたのだろう。
 でも、今一番悩んでいるのは、マナの方じゃないのだろうか。
「お姉様こそ。悩んでいらっしゃるのでは……?」
「ん、そうね。……この選択は正しかったのかな」
 この選択。雪人への口づけのことだろう。
「正しかった、かどうかはわかりません。まだ、これからどうなるか……」
「それもそうだけど、私さ、何であんなことしたんだろう」
「何でって……」
 何で? そんなことを言われたって、自分にはわかるわけもない。
 ただの召使いとしか見ていなかったはずの雪人に急に口づけをするなんて、マナの心情にどんな変化が起こったのか。
 そんなこと、当人以外に誰がわかるというのだ。
「……ユキトのことは、何とも思ってないのに」
「何とも……思ってない……?」
「うん……多分ね」
 困ったような笑みを浮かべて、マナは肩を竦めた。
33創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:52:02 ID:fBn+XIWT
 
34創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:52:12 ID:XJKOCDed
 
35創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:52:31 ID:qgK3+10O
 何とも思っていないのに。ああいうことをするものなのだろうか。
 わからない。全然わからない。姉が何を考えているかわからないし、何故かこの言葉に腹を立てている自分も全然わからない。
「私はただ、理由を作らせようと思っただけなんだけどね……。体が勝手に動いてた」
「……」
「笑っちゃうよね。貴族の息女たる者、そう易々と殿方に近づく物ではありません! って、お母様の言葉、全然わかってないんだから」
 マナが乾いた笑みを見せる。自嘲げなその姿に、ミナは返す言葉を持たない。
「はぁ……。顔、合わせづらいよね」
「……お姉様」
「好きでもない人にあんなことされたら、やっぱり嫌なのかな」
 さっきまで笑っていたのに、マナは一転して不安げな顔になる。
 お姉様も、不安なんだ。それがわかると、ミナの心の中に燻っていたイライラは霧散した。
 私が、いまここでお姉様の役に立たなくちゃいけないんだ。支えにならなくちゃ。
「お姉様、安心して下さい。ユキトはきっと……、やってくれます」
「ミナ……」
「お姉様の行為は、性急すぎたかも知れません。けど……、真に協力を仰ぐのなら、早いほうが良いです。ね?」
「……うん、ありがと、ミナ」
 恥ずかしそうに笑った双子の姉は、嬉しそうに抱きついてきた。
 ぎゅっ、と抱きしめられると、姉の良い匂いと、暖かな温もりが感じられる。
「そういえば、こういうのも久しぶりですね」
「うん、そうね」
 父も母も死に、領地も財産も奪われ、二人はただ、忙しく過ぎていく日々を必死に生きるほか無かった。
 二年の歳月を掛け、二人はとある計画に出ることになる。機甲聖騎士ザイフリードを以て、エウリューデの名に、栄光を再び取り戻す。
 ここに行き着くまで遮二無二やってきた。こうやって、ゆったりと、姉妹での時を過ごすのは久方ぶりだ。
「ミナ」
「あ、お姉様、やめ……」
「良いじゃない、双子の姉妹なんだから、ね」
「ひゃぅ……」
 マナの手が、ミナの身体をまさぐる。その動きに、ミナは悩ましげな吐息を漏らしてしまう。
 それに気をよくしたマナは更にエスカレートしようと手を伸ばし――、
「なに、やってんだ……」
「ゆ、ユキト!?」
 ――ホールの入り口に立っていた雪人と目があった。
 時が、止まる。
36創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:52:46 ID:fBn+XIWT
 
37創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:53:24 ID:qgK3+10O


「ホント。所詮は夜這い魔ね」
「だから違うって言ってんだろ」
「……」
 一日ぶりの、三人での食事。まだ出会って間もない三人だが、それでも雪人の不在は一抹の寂しさを感じさせるものだった。
 そんな事を考えている自分に辟易しつつ、マナは恐る恐る口を開いた。
「……それで、その。答えは、決まった?」
「ああ、決まった」
 雪人は断言する。そんな彼を、マナは期待半分不安半分の入り交じった瞳で見つめた。
 断られてしまったら、もう自分たちに残されている道は無いに等しい。
 雪人は口を開こうとして……、そこで動きを止めた。そのまま、こちらに手が伸びてくる。
「な、にゃにっ……?」
 噛んだ。緊張と、急に伸びてきた雪人の手に驚いて噛んでしまった。
 恥ずかしさに頬を紅潮させたマナの頭に、ぽん、と雪人の手が置かれる。
「……な、何よ」
「いや。無理しなくて良いよ、ってこと」
「無理なんか……!」
 していない、と言われれば嘘になる。
「お前も、結構苦しんだんだろ? 苦しんだ末の答えがあれなんだろ?」
「……」
「だったら、俺がやることは一つしかないからさ。やるよ」
 はにかんだように雪人が笑った。ぽんぽん、と軽くマナの頭を撫でた後、雪人の手が遠ざかっていく。
 それが少し名残惜しいように思え、マナは唇を噛んだ。
 まったく、何でそんなこと考えるんだろう……。ユキトはただの夜這い魔なのに。
「マナ? ミナも……、あの、俺の答え聞いてたか?」
 自分の表情がやけに硬かったことを気にしてなのか、雪人が心配そうな顔で覗き込んできた。
 その距離が近すぎて、既に口づけた相手だというのに妙に気恥ずかしくなって、マナは反射的にビンタを食らわせてしまう。
「うぼぁっ!?」
「……あ、ごめん」
「い、いきなり何すんだこのバカ女!」
「バカ――! 召使いで夜這い魔……、夜這い召使いのくせに良い度胸じゃないの!」
 流石に腹を立てたのか、雪人が噛みついてきた。当然、マナもそれに応える。
「ミナを見習ってお淑やかになったらどうだじゃじゃ馬女!」
「五月蠅いわよ! アンタこそ、もう少しその助平根性どうにかしなさいよ!」
「すけ――、お前な、全部不可抗力なんだよ!」
「大体私のベッドに入り込んでたのだって、全部が全部怪しいじゃないの!」
「あれはいきなりあそこに呼び出されたんだよ! ミナの制御ミスだろ!」
「妹のせいにするの!? 男のくせに!」
「いや純粋に事実を述べただけだ!」
「この私に夜這いしかけようとしたんだから、ちゃんと責任取って貰うわよ!」
「望むところだ! いくらでも責任取ってやる!」
「あ、そ、そう……って、え、あれ?」
「……なんかおかしくなってないか、話」
「と、ともかく、この破廉恥男!」
「う、うるさいわ高飛車女!」
 罵詈雑言の応酬が続く。少しギクシャクしていた二人の関係も、また元に、むしろそれ以上のものに戻ったと言えるだろう。
 悪口を言い合う二人の顔は、そうとは思えないほどに輝いていた。もはや、相手を打ち負かすほか無いのである。
「……」
 そう、今だけは、互いのことしか頭に入っていないから。
 二人は、ミナがいつもと少しだけ違うことに気付きはしなかった。
 笑ってはいる。けれど、その笑顔は少しだけ、哀しそうなものだった。
38創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:53:50 ID:fBn+XIWT
 
39創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:54:19 ID:qgK3+10O


「わかった。下がれ」
「はっ」
 昨晩の玩具が息絶えたという報告を受けたセレイナは、つまらなさそうな顔を見せて部下を下がらせた。
 最近の玩具はどうにもこうにもギブアップが早い気がする。
 そのせいでストレスが溜まり、余計酷い拷問を加えることになるという悪循環が続いているのだが、セレイナがそんなことを気にするはずもなかった。
 所詮は玩具、補充はいくらだって利くのだから。
「陛下!」
「今度は何だ。妙に騒々しいな……」
 先ほどの使いと入れ替わるようにして、伝令兵が駆けてくる。
 セレイナは、不機嫌そうな視線で兵士を射貫く。その威圧感に兵士が萎縮したのを鼻で笑い、彼女は続きを促した。
「は、はいっ……、東部エウリューデ領付近に、十体のキルデベルタを確認! 東部一番砦に現存するクローヴェンは二体です! 至急増援を送るための許可を――」
「――ああ、いらんな」
「え……?」
 慈悲もなく吐き捨てたセレイナに、兵士が戸惑いの色を見せた。
 その姿が可笑しかったのかセレイナはもう一度笑い、諭すように言葉を紡いだ。
「聞こえなかったか? 増援を送る必要など無い、という意味だよ」
「で、ですが、それではエウリューデ領は……」
「ふむ。エウリューデについて何か知っているか?」
 ニヤニヤと意地の悪い笑みを見せるセレイナが、謎かけのような感覚で兵士に問うた。
「い、いえ」
「あそこには何もない。エウリューデはもはや国が守るに値しない家なのだ。だから増援はいらん」
「しかし、そこを足がかりにされてしまっては」
「そこを取られようと問題はない。フランツァは攻められないさ」
 何を根拠か断言するセレイナに、兵士は疑念の籠もった眼差しを投げかけた。
「おや、国王が信じられないか」
「そ、そんなことは……」
「……くく、今日の玩具は決まりかな?」
 曲がりなりにも兵士だ。多少は嬲り甲斐のある玩具になるだろう。今夜のことを思い、セレイナは冷たく笑った。
 それは、おおよそ少女には似つかない、冷酷な笑みだった。 

続く!
40創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:55:00 ID:fBn+XIWT
 
41創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:55:50 ID:Kaf5hTny
 
42創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:55:52 ID:XJKOCDed
 
43創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:55:54 ID:fBn+XIWT
 
44創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:56:21 ID:qgK3+10O
というわけでBパート投下終了です!
短くて申し訳ない! 次回やっと戦闘ですね! 長いですね!

そしてセレイナは自分でもこんなん嫌だなって思うような感じの悪役にしてみました
でも味方陣営なんですよね彼女。
不愉快にさせてしまったら申し訳ない……。

支援ありがとうございました!
45創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:57:45 ID:fBn+XIWT
>>44
投下乙!
ではゆっくり読ませて貰うぜメーン
46創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:57:52 ID:XJKOCDed
>>44
投下乙です!
我々の世界ではご褒美です!
読ませて頂くゼェー!
47創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 17:58:28 ID:Kaf5hTny
>>44
 投下乙です!
 それでは、ゆっくり読ませていただきますねw
48創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:03:08 ID:LGkoc1sr
女王様に虐待されるには、反乱を起こせばいいのかな……?
やってやるぜッ!!
49創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:04:10 ID:XJKOCDed
>>48
これを持っていくのじゃ つ「縄」
50創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:05:07 ID:DLcaSEkF
>>48
ついでにこれももってゆけ つ【蝋燭】
51創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:07:53 ID:LGkoc1sr
自分でやっても楽しくない

こともないけど、俺は女王様に虐めてもらいたいんだッ!
52創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:11:04 ID:XJKOCDed
@兵士になる
Aセレイナの前で無粋な口を叩く
Bイィヤッホォォォゥ!! イィヤッホォォォゥ!! イィヤッホォォォゥ!!
53創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:11:25 ID:qgK3+10O
wikiの迅速な対応感謝です!

案外セレイナが不評じゃないだと……?
54創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:11:37 ID:fBn+XIWT
変態共が……よくよく好きと見える

貴様らがセレイナ女王に鞭打たれている隙に、私はまどか姫に恐る恐る蝋燭をうわたまちゃんなにをするやめ
55創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:14:11 ID:LGkoc1sr
信頼の変態率
56創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:14:13 ID:9Q/fKaB7
ババアがウォーミングアップを始めたようです
57創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:28:13 ID:XJKOCDed
叩かれて嬉しいキャラって……誰が居るのだろうときいてうわやめろそこは
58創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:31:29 ID:xydHaM3e
>>44
投下乙です!
もうちょい落ち着いたら読ませて貰いますねー
>>57
??????「私はどちらも大 好 物だ」
59創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:35:44 ID:B1Wd+mqX
21世紀も10年すぎたから設定は何年ごろにするか難しくなってくるな
おもったほど未来というのは技術が目にみえるほどハッテンしないのかもな
60創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:40:13 ID:zFa5V9GJ
>>59
今を生きてるからそう感じるだけで、割と技術発展してるもんよ?
近年における携帯電話やインターネットの普及具合とか
70年代辺りなら、日常生活そのままやるってだけで
普通に近未来SFで行けたと思うし
61創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:45:35 ID:Kaf5hTny
 前スレ埋まったんでwiki更新してきました!

>>44
 改めまして投下乙です!
 お姫様ktkr! やっぱりファンタジーといえばお姫様ですよn……って変態だーっ!? ある意味露出狂より危険な変態だーっ!?
 そしてユキトは戦う決心をしましたね。これはこれからが怖いぞ……。

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!


 百合イィヤッホォォォゥ!!
62創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 18:53:03 ID:fBn+XIWT
1イィヤッホォォォゥ!!いただきましたー
あとwiki更新乙!

>>44
改めて投下乙!
女王様までHENTAIだなんて、大丈夫なのかこの世界はw
しかし誰が敵で誰が味方か見極めるのが難しくなってきたな……これは次回も期待せざるを得ない!

百合イィヤッホォォォゥ!!
63創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:05:49 ID:XJKOCDed

>>44
トレイター…裏切り者・反逆者……改めて投下乙です!

わっしょいで持ち上げられたキ○ガイ無能王女と思いきや、有能だと…!?
正気で狂気を発露する人間ほど怖いものはないですな。いやSか。
雪人君がキーパーソン……頑張れ、青年。

最後百合wwww
64創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:09:22 ID:WrtuPNnw
>>59
うちの作品は実は2051年という設定があるけど別になんてことはないぜ!
65DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:25:33 ID:XJKOCDed
DS八話投下します。
今回もDS方式かつハイパーグダグダだったり。
進展? そんなのあるわけないじゃないですか。


あ、wiki更新した方、乙です。大感謝です。
66DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:26:42 ID:XJKOCDed
 『Diver's shellU』


 第八話「潜水機と喫茶店」



 潜水機とは、ローテクとハイテクを組み合わせた一種の重機である。
 潜水船の技術に、最新のセンサー類や電池、高い反応速度を誇るモーター……。時に一万m以上の深海で作業し、時に戦い、高速で泳ぐ。こんな荒事が可能なのは潜水機を置いて他に存在し得ない。
 では、潜水機は何処で製造されるのだろうか?
 答えは、一概に言えないということである。
 とある企業は潜水機のフレーム部分や潜水殻を製造販売し、とある個人は自らで全てを造り上げてしまう。企業の売るパーツを組み合わせて造ることもあれば、一部分を造って組み合わせることもある。
 ジュリアとクラウディアはどうかと言ったら、一部を買い、一部を造り、自分達で組み合わせるのが常だった。
 モニターと睨めっこして早五時間。自分でも驚愕する集中力にて新たな潜水機の設計データを書いていたジュリアは、眼の奥でスクワットし始めた疲労を取り払おうと眼を瞑って椅子に体重をかけて伸びをした。
 ジュリアの自室は年頃の女性とは思えぬほど質素である。
 机、本棚、ベッド、多目的テレビ、スタンド式の照明、以上。本棚にロマンス要素は粉塵も無く、流行の漫画本やらゲーム攻略本やら潜水に関する書籍が居座っている。クローゼットを開けても色っぽい服は見当たらない。
 最後の砦と下着入れを覗けば話は違うのかもしれないが、男性に見せることはないはずである。
 机の上、パソコンのメイン画面と投影されるサブモニターにはハルキゲニアの写真や、ガードロボ、合金の強度データ、遺跡に関する論文、そして新型潜水機の設計用画面が映されている。
 『遺跡とは過去の住人の遺物であると同時にメッセージである』と声高々に仮説を叫ぶ論文にざっと眼を通し、背筋をポキポキさせて体勢を戻すと、マウスをクリックした。
 万が一設計ミスや計算が違っていた場合、水圧に耐え切れず海の藻屑になったり、スラスター出力が足りずにのろのろ上昇するハメになったり……間違いはあってはならないのだ。
 また潜水機は、戦闘と作業の両方をこなす設計をするため、設計技術とセンスが求められる。殲滅して進むか作業のみに特化するかステルスを極めるか、それもまたセンスのうちである。
 ジュリアが考えていた機体は、あるときは作業特化、あるときは移動特化になれる斬新なもので、変形機構を実現しようと奮闘していたのだが、いかんせん複雑で作業は難航していた。
 通常では手足は突き出たまま、高速形態では手足を機体に寄せて水の抵抗を軽減する。
 書くのは簡単である。想像上でなら隕石を打ち落とす潜水機だっていける。だが現実は違う。
 変形機構を組み込むと複雑で整備の手間は増えるし、防御の隙は大きくなる上、使いこなせるかも分からない。費用対効果が不明なのは、怖い。
 ジュリアは鮫をモチーフとした新型潜水機が海中で行動するシーンを脳内で映像化してみた。
 高速形態で泳ぎ回り、一気に接近するや致命的な一撃を与えて悠々と去る。攻撃を通常形態から高速形態になることで回避。高速で移動して作業に移る。その後怪獣と格闘を繰り広げ……。

 「………うーん」

 と、イメージが意味不明な方向に反れる前に現実に戻る。
 両腕を組んで俯き加減に脳を働かせる。
 瞳がやや細く、眉に皺が寄る。

67創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:27:09 ID:qgK3+10O
 
68DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:27:41 ID:XJKOCDed

 「……面倒だなー……かっこいいっちゃかっこいいけど、どうなのか……」

 変形機構を採用した潜水機に乗ったダイバー仲間も居たには居たのだが、儲けは余り芳しくないと記憶している。使いこなせなかったのだろうか。
 ジュリアは、本棚の中央に位置する漫画本を見た。漫画の中で変形するロボが活躍したいたからである。
 変形はロマンか、それとも実用か。いつまでたっても答えの出ない問答。実用的と言えると同時に非実用的。悩みどころである。
 ふと気がつくと、唇に煙草を挟みライターを探している自分がいた。ライターを机から出し、火を点けると、煙草の先端を赤に押し込み火を移す。白が室内に上がった。
 高温の嗜好品こと煙草を指と指に挟み、肺に入れた紫煙を細めた口から天井に向けて吹いた。有毒のニコチンが血中に溶け、頭を活性化させていく。混じりけの無い空気を吸って、また煙草を吸う。
 室内に薄っすら煙草の白がかかるが、気にすることなく短くなるまで堪能し、机の上で鈍く輝く灰皿にねじ込んで始末した。
 ジュリアは『月光』の箱を横に叩いて中を揃え、一本を滑り出し、歯で挟んで持ち上げて火をつけると、二本目に突入する。チェーンスモーカーではないが、たまには続けて吸いたくもある。
 風邪をひいてふらついた時のような眩暈。肺胞一つ一つが満たされる重量感。十分過ぎる量が血中にどっと流れ込み、脳へと達する。
 ――吸いすぎたか?
 指の隙間で燻る『月光』を、随分早い段階で灰皿にねじ込み、肩肘ついて顎に手を置き思考を再開。
 最初に戻ろう。
 変形機構は実用的で効果を発揮するのか?
 哲学者が禅問答をするかの如く答えが出てこないのに苛立ちつつも、設計データを睨み、溜息をつく。首を傾けるとポキポキ音がした。
 では、別のことを考えよう。
 変形機構を設計することは可能か?
 可能。現に半分ほど設計してしまっている。問題はそこではない。
69DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:28:36 ID:XJKOCDed

 「…………やれやれ」

 ジュリアは設計データをきっちり保存し、更に携帯型メモリーにバックアップを取って机の中に仕舞うと、パソコンの電源を落とした。
 何も一日二日で設計を仕上げないと殺される訳じゃない。のんびりとやればいいのだ。そう思い、クローゼットから薄手の黒コートを出して羽織り煙草とライターを手に部屋から出た。
 昼間過ぎなのに、リビングのソファーに顔を埋めて山姥も素足で逃げ出すほど髪を乱し惰眠を貪る相棒を見なかったことにして、家の外に出た。
 疲労を訴える眼をぎゅっと瞑り、開ける。赤の瞳に青い空が映る。

 「ふぅ」

 外は良い。
 一歩二歩三歩。三歩目でコートの裾を直す。
 コートのポケットに手を突っ込んで四歩五歩。
 冷たくなりつつある空気を吸い込めば、新鮮さを感じた。ムサい部屋に閉じこもってままでは脳味噌まで腐ってしまうに違いない。
 テレビで聞いた流行歌を揺れるリズムに乗せて歌いつつ、ジュリアは街の影に消えていった。
 
 


 .
70DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:29:31 ID:XJKOCDed



 ジュリアが去ってからきっかり十分後、クラウディア=リィナ=イレールアはのろのろと瞼を持ち上げた。

 「ぅぅぅう〜〜……ン……ぅ」

 ダークブルーの塊がもそもそと動き、秒針が半周する頃になってようやく頭が持ち上がってくる。箸で米粒を摘んで隣の更に移動させるような慎重さ。
 生活リズムなど知らんと言わんばかりの生活スタイルの彼女は、時に早朝に寝て、時に深夜に起きるといったこともしばしばで、今日はといえば単純に寝たかったから寝ていただけだった。
 潜水機の設計の件は聞いていたが、設計は専らジュリアに任せており、どちらかと言えば肉体を使うほうが向いているので手を出さなかった。
 ちなみに彼女の家系は、遺伝子改造によって毒素に対する耐性や、疲労の回復速度、筋肉の質を向上させられている。その影響か、彼女の家の人間の髪は青めである。ただしこの技術は非人道的として現在は使用されていない。
 そこで素朴な疑問が湧くであろう。
 遺伝子的に疲労しにくいなら、なぜグダグダしているのか。疲れなど一日で消えるのではないか、と。
 正解は、遺伝子にでもなく、肉体でもなく、環境でもなく、精神にあった。
 いかに優れた体を持ちようとも、『面倒で動きたくない』などと考えたり『寝るのがもったいない』などとお酒を呑んだり夜更かしするのでは意味が無いのだ。
 のろりのろり。そろそろ。眠たげに欠伸をしつつ頭を持ち上げ、ソファーに座り、手で隠さず気持ちのいい大あくびをかます。

 「んぅ〜〜〜〜ッ」

71DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:30:37 ID:XJKOCDed

 クラウディアが両腕を上げて伸びをすると、豊満な胸元が更に大きく持ち上げられた。一般的なサイズを遥かに凌駕するそれは、腕を降ろしてもなお巨大であった。
 爆発した髪を手櫛で整え、目元をごしごしと擦ると、両手を股の間に挟んで暫くの間ぼーっとする。寝起きで脳の働きが鈍いのだ。夢うつつで部屋の隅を見つめたまま動かない。
 ふと、壁にかかった時計を見やった後に窓の外を見れば、お昼過ぎだった。
 朝から何も食べずにお昼になったらしい。

 「お腹空いたー」

 なんとなくリビングの向こうにあるキッチンに声を投げるが、反応は無い。ジュリアが居たらうんとかああとか言うはずなのだが、それすらないということは、居ないのかもしれないと判断した。
 クラウディアは、眼にかかったダークブルーの髪を指で払うと、キッチンへと直行し、冷蔵庫から冷凍のピザを出して電子レンジにブチ込んだ。
 電子レンジは長年様式が変わらずにある電化製品の一つだが、最近のだと温めが十秒程度で完了するほど性能が向上している。そのお陰で電子レンジにまつわる都市伝説が爆発的に増えたらしいが。
 レンジが唸ること十秒。
 チン♪
 恐らく数十年は変わってないであろう音。じゅーじゅー喚くピザをあっちあっちしながら取って皿に盛り付け、粉チーズをかけて完成。題名『簡単家庭ピザ(冷凍)』。
 リビングに持っていくのも面倒なので、キッチンで食べる。アツアツピザの一枚の端を摘み、口に放り込んで咀嚼する。チーズとケチャップの味が咥内を満たした。
 全て食べ終えるのに要した時間は二分とかからなかった。
 ピザを包んでいたビニールをゴミとして始末したクラウディアは、ぱむ、と手を合わせ、お皿を流しに置いた。

 「……どうしましょ?」

 そう呟いて、指を口元に当ててリビングに戻る。
 ハルキゲニアを整備しようとも思ったが、新型機を造るために分解されてしまっているので却下。掃除洗濯はジュリアが済ませているに違いなく、暇だった。
 もう一眠りしようかなとクラウディアは思ったが、一日無駄に潰すのも勿体無いと考えて、出かけることにした。たまには友人を訪ねるのも悪くない。
 そのためにもシャワーを浴びてしまおう。
 クラウディアは、誰も居ないのをいいことに服をぽいぽい脱ぎ捨て、下着のみで風呂場に歩いていった。
 



 .
72創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:30:52 ID:qgK3+10O
 
73創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:31:05 ID:fBn+XIWT
 
74DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:31:30 ID:XJKOCDed


 今日に限って、大雨が降った。
 散歩に出ていたジュリアは、傘を持っていなかったので街外れの喫茶店に逃げこんでいた。
 窓際席で肘をつき手の上に顎を乗せ、空いている片手で砂糖のみ入れたコーヒーをスプーンでかき混ぜる。無表情で雨の雫かかる窓ガラスを見つめ、コーヒーを一口飲んだ。
 ジュリアの髪が店内の間接照明に優しく照らされている。コートは椅子にかけた。
 木製のテーブルや椅子、シーリングファンに、完全に趣味の品である真空管を使用したスピーカーが音楽を奏でる、モダンな喫茶店―――……『ROST(喪失)』。窓際には万華鏡や人形。壁には地球の写真や絵画が飾られている。
 店名の不吉さとは裏腹に、古き良き地球を再現したようで、居心地が良かった。街の真ん中でポツンと建っているのを見つけられたのは幸運であった。
 
 「あー……だからか」

 写真のピントが突然合ったように気がつく。
 店名は、人類種の起源地である故郷、『地球』を失ってしまったことを示しているのではないかと。
 納得して頷き、黒々とした熱い液体を一口飲む。コーヒーに詳しくないジュリアでも、とても美味しいと感じた。普段作るインスタントコーヒーとはエラい違いだった。
 真空管スピーカーが奏でるジャズを聴きつつ、コーヒーカップを指でなぞる。鏡面のように磨かれたそれは指に抵抗を与えることすらない綺麗さであった。
 ジュリアが店員の待機しているカウンターを見てみると、いつの間にか地球儀があった。大陸と海の割合が第二地球と比べて全く違う。これも、今となっては実用的な品ではない。地球はとうの昔に消滅しているのだから。
 その店員は緑に近い髪とボーイッシュな服装をしており、双方が重なったことで生まれる存在の曖昧さが店そのものを凝縮して擬人化したようにも思えた。
 店員はジュリアの視線に気がついたのか、人形のように透き通った瞳を向けた。
 心の内部を覗き込まれたような錯覚に心臓が跳ねる。

 「いかがしましたか?」
 「いえ、特には」
 「コーヒーのおかわりはどうしましょうか?」
 「今はいいです」
 「そうですか」

75創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:31:52 ID:fBn+XIWT
 
76DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:32:16 ID:XJKOCDed

 男なのか女なのか、年齢も分からない、そんな声、そして顔。アンドロイドかもしれないが、髪や耳が人間のそれである以上人間なのだろう。不思議というほか表現できない店員である。
 いつ降り止むとも分からない雨を窓越しに見つめ、コーヒーを一口。
 店のどこかで小銭を置く音が聞こえるや、黒髪と銀髪の男女二人がドアへと歩いていく。

 「ごちそうさま。また来るかもしれないわ」
 「ごちそうさまでした」

 腰まで銀髪を垂らした長身の女性と、黒髪で仙人のように物静かな瞳の男性。
 ジュリアはどこかで見たような気がしてならなかったが、そんなことにはお構いなしで二人組みは店の外に消えていってしまった。からんからんと店内に音が響く。
 体を曲げてドアを見つめたが、二人組みをしっかりと見ることは叶わなかった。

 「ありがとうございました」

 腰を折った店員は、二人が座っていた席まですすすと歩んでいき、手際に皿やスプーンを抱え込み、店の奥に消えた。
 コーヒーを一口、二口、三口、ちびちびと咽頭に流し込む。熱くもなく温くも無く。温度が低くなりつつあるもおいしさは変わらない。
 煙草を吸おうかとポケットに手を突っ込むジュリアだったが、止めた。なんだか無粋な気がしたからだ。禁煙とは書いてなかったが、灰皿が無いところから推測するに禁煙なのだろうし。
 女性歌手が歌を紡ぐのに同調して静かな演奏が流れ出す。聞いたことは無くとも心が落ち着くのを感じる。……これも地球の曲なのだろうか?
 
 「止まないなぁ………走って帰って即お風呂にしちゃえばいいかなぁ………」

 独り言を漏らすジュリアは、暖色強めの店内から、寒色強めの店外に目を向けた。
 空から降る直線が、街という複雑怪奇な幾何学と衝突して、物理法則に従って散る。
 コーヒーを飲んでいるのに欠伸が出そうなほどにのんびりしている自分に気がつく。カップを降ろし、目元を擦る。
 折角だから、喫茶店で潜水機のことを考えてみようと、コーヒーを飲み干し、視線を彷徨わせる。
77創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:32:50 ID:fBn+XIWT
 
78DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:33:24 ID:XJKOCDed

 「おかわりはいかがですか?」
 「うわぁっ!? ………あ、下さい」

 気配も無く背後に忍び寄っていた店員が、ぼーっとして動かないジュリアに声をかけた。
 幽霊に肩を叩かれたように驚愕の声を上げてしまうジュリア。驚きに眼を見開き、キョロキョロして音源を探し、背後だったことに二度驚愕するも、おかわりをお願いする。

 「かしこまりました」

 店員は微笑みと無表情の中間の顔で頷き、ジュリアのカップを手に店の奥に歩いていく。
 彼――あるいは彼女は、女性のようで男性のようで、綺麗。丁寧に切りそろえられた髪型は、傷一つ見当たらない髪質を誇示するようで。

 「……得体の知れないってヤツか………穴場というかなんというか……」
 
 ぼそり。感想を。
 コーヒーが来る間、飲むものが無いので、独特の色を見せる木製テーブルを観察してみる。黒ずみつつも、合成の品では絶対に出せない色合いで、触れるとゴツゴツしつつも時間によって研磨されているのがよくわかった。
 店内は白熱電球が醸し出すしっとり優しい光で満たされている。
 欠伸をかみ締め、人気の無い窓の外を見やった。
 うねるダークブルーの髪に、服を押しのけて主張する胸、見慣れた顔の人が、走ってきていた。
 ジュリアは言った。

 「クラウディア?」

 からんからんっ。
 入店。ドアが乱暴に開かれた。
 雨に多少濡れた髪、肩。ほっと息をつくのは、ジュリアの相棒であるクラウディアに間違いなかった。雨宿りのつもりで入店したのだろう。
 
 「いらっしゃいませ。お好きな席に、どうぞ」
 「あら、ありがとう店員さん」

 手馴れた口調で店員が声をかける。
 片手にジュリアのコーヒー、片手に白タオル。タオルをクラウディアに渡し、カップの水面を揺らすことなく、静かにジュリアの方に歩いてきて、おかわりのコーヒーを置いてカウンターに戻っていった。
 店員を眼で追っていけば、当然、ジュリアが座っているところが眼に入るわけで。
 ジュリアは出来る限りの速度で顔を背けたが、既に手遅れであった。
 クラウディアは両手をぱむと合わせた。

 「あら」

 タオルで髪から水分を取り、水滴のついた肩をさっと一拭き。
 店員にお好きな席にと言われたクラウディアは、るんるん楽しげに歩いていって、ジュリアの向かい側、同じテーブルに座った。
 ジュリアはどうしてこうなったと頭を抱えたくなった。

79創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:33:40 ID:fBn+XIWT
 
80DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:34:09 ID:XJKOCDed

 「ひゃっほー?」
 「……………」

 淹れたてコーヒーを飲む。嗚呼美味しい。実に美味しい。家で入れるのとは一味も二味も違う。プロの味だ。
 ニヤニヤ笑う相棒を、目つきを悪くして見返す。赤い瞳で睨むと迫力があるはずだが、この女には通用しない。
 クラウディアは店をざっと見回し、白タオルを机の隅に置いた。

 「これは偶然?」
 「そーよー? 友達のところに遊びにいった帰りに、雨に降られて逃げ込んだ先がここの喫茶店だったの。神様も粋なことをするわよねー♪」
 「……その神とやらを恨むよ」
 「あー、店員さん。濃いカプチーノ頂戴ねー」

 ムスっとした表情でコーヒーを啜るジュリアをよそに、クラウディアは手をカウンターの方に向けて注文した。店員が頷いたのを確認し、水っ気を含んだダークブルーの髪を指先に絡める。
 丁度、真空管スピーカーから流れる音楽がアップテンポな曲に変わった。男性歌手が掠れた低音で歌を紡ぎ始める。
 クラウディアは、壁にかかった写真や、真空管スピーカー、その他の品々をじっくり時間をかけて見回し、唇に指を触れさせた。ボリュームのある唇がふにと形を変えた。
 店内に漂うは、コーヒーや紅茶や、甘いものが交じり合った特有の匂い。

 「素敵じゃない。彼氏と来たいわぁ」
 「居ないクセにねぇ」
 「ジュリも居ないじゃないの〜?」
 「一生独身で何が悪い」
 「もう、拗ねちゃって」

 独身女性同士の談話。
 なんだかんだで嫌そうじゃないジュリアと、くすくす笑うクラウディア。
 ショートカットと、ロング。二人とも客観的に見れば美しいもしくは可愛い部類なので、絵になる光景であったが、そんなことは今関係の無いことであった。
 軽快なピアノをBGMに話をしていると、忍者もこうはいかまいな静けさで近寄っていた店員が、朝霜のように白いクリームを乗せたカプチーノをクラウディアの前に置いていた。
 カップの中には、カプチーノを利用して文字が描かれており、『ROST』と読むことが出来た。お丁寧にピリオドまで打ってある。
 クラウディアは早速飲もうとしたが、ぴたっと手を止めてカプチーノを指差した。ジュリアがカップを置き、覗き込む。
 白い面に、やんわりと茶色の線が引かれている。
 ジュリアはほうと感嘆の息を漏らした。

 「ラテ・アートとは、ここの店員も粋なことを……」
 「ROST? ……ジュリちゃん、ロストって?」
 「店名だよ。あとジュリって言うな」

81創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:34:10 ID:qgK3+10O
 
82創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:34:33 ID:fBn+XIWT
 
83DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:35:02 ID:XJKOCDed

 慌てて駆け込んだので店名を知らなかったらしい。
 クラウディアは文字を眺めていたが、やがてカップを手に取った。
 ラテ・アートはラテ・アート。額縁に入れて飾る類のものではない。飲まないと、冷めて美味しさを損なってしまう。クラウディアは一口飲んだ。
 舌で突けばすぐに消える牛乳の泡が咥内に流れ、濃厚なカプチーノと混ざり合って、芳醇な香りと味を届けてくれる。ただのコーヒーでは味わえない風味に、クラウディアがほっと溜息を漏らす。
 
 「潜水機の件はどうなったかしらん?」
 「妙なイントネーションで喋るのを止めろ。潜水機の件は、順調っちゃ順調かな。変形機構に関する部分で詰まってるだけ」

 クラウディアが口元に纏わりつく泡をエロティシズムを感じさせる動きで舐めつつ、わざとふざけた口調で喋る。
 ジュリアはコーヒーをごくりと飲み、答える。スプーンでコーヒーをかき混ぜた。

 「変形ってのは、作業形態と高速移動形態の二種類なんだけどさ、……どう思う?」

 正直な話真っ当な答えを期待してないが、一応聞くだけ聞いておいたほうがいいだろうと、意見を求めてみた。
 クラウディアもごくりとカプチーノを飲み、カップの側面に爪をこつこつ当てた。

 「いいんじゃない?」
 「理由は?」
 「カッコイイじゃない、じゃきーんじゃきーん、ずばばーんって」
 「………」
 「冗談を抜きにしても、ジュリアがいいならいいんじゃない?」
 「……ふーん……」

 意見といえば意見だが違うといえば違う『意見』に、頷き、残り少ないコーヒーをぐっと飲む。黒い液体が咽頭に温度を与えながら胃に達し、熱さを感じた。
 手で『じゃきーん』を表現したクラウディアは、元々量の無いカプチーノをまた一口飲んだ。
 二人は、何故か同時に時計を見た。
 店の中央に据え付けられた大きな柱時計が、時刻が四時を過ぎたことをカチコチ伝えてくれた。
 唐突に、クラウディアが窓の外を指差した。

 「見て、ジュリ」
 「ジュリと……止んだ。雨が止んでる」

 会話に夢中(?)で気がつかなかったが、予期せぬうちに雨は止んでいたらしい。店の雨どいから水がぽとぽと地面に落ちている。地面に張り付いた水溜りは平穏で、波紋は無い。
84創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:35:35 ID:qgK3+10O
 
85創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:35:53 ID:fBn+XIWT
 
86DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:36:00 ID:XJKOCDed
 雨後の空気は靄がかかっているように感じられた。
 雨が降っていないなら、濡れずに帰れるではないか。
 ジュリアはぐっとコーヒーカップを持ち上げて飲み干すと、スプーンをカップに入れた。からん。寂しい音が店内でジャズ演奏と混ざる。
 
 「帰ろう」
 「ゆっくりしたかったのになぁ……」

 残念そうなクラウディアであったが、ジュリアに従ってカプチーノを飲み干し、自分の財布から二人分のお金を出してテーブルに置いた。
 ジュリアは何のつもりだとクラウディアを見遣った。

 「おごり♪」
 「借りを作ったつもりならそりゃ間違いだからな?」
 「あん、冷たいんだから。お姉さんが善意で払うだけなのに」
 「……ありがたく受け取っておくよ」

 漫才を展開してるうちに一雨来たら意味が無いので、素直に奢られておく。
 二人は席を立って、それぞれが椅子を戻した。
 ジュリアは椅子からコートを取って羽織ると、クラウディアを連れて歩いていく。

 「ありがとうございました。またいらして下さいませ」
 「ごちそうさま」
 「ごちそうさま〜」

 二人は、コーヒーミルでコーヒー豆を砕きながら会釈してくる店員に感謝の言葉を述べると、店を出て家路についた。
 からん、からん。
 店が静けさを取り戻した。


            【終】
87創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:37:05 ID:fBn+XIWT
 
88創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:37:55 ID:fBn+XIWT
 
89DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:39:11 ID:XJKOCDed
さるった?
90DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:40:00 ID:XJKOCDed
あやや、大丈夫でした。
新型機の絵は自分にはムリポということでここは一つ。
91創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:41:17 ID:fBn+XIWT
>>90
投下乙!
ではゆっくり読ませて貰うぜメーン
92創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:42:19 ID:qgK3+10O
>>90
投下乙です! のんびり読ませて貰います
中途半端な支援で申し訳ない
93創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:42:22 ID:Kaf5hTny
>>90
 投下乙です! すみません、支援できませんでした。
 それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
94創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:52:39 ID:Kaf5hTny
>>90
 改めまして、投下乙です!
 クラ姉さんをお世話したいと思ってしまう私はお節介焼き。
 ジュリアは潜水機の設計できるなんて凄いですね、なんて万能なんだ……それにしても新型は可変機ですか、これは期待が膨らみますね!
 ところでロストの綴りはLOST……もしかして喫茶店の店員さんはモリベ家の家系の人!?

 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
95DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:54:20 ID:XJKOCDed
あっ、ロストのつづり間違えたうぇぅあw3qgbhkじぇwk
96創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 19:56:40 ID:qgK3+10O
>>90
改めて投下乙です!
やっぱりDSのこういう雰囲気がたまりません。
ゆったりとした平和な時間が流れていて素敵ですねぇ。
しかし可変機だと……! ロマンが、ロマンがここにおるでよ!


以下感想返信へと……
ちなみにセレイナの夜のお遊戯だけやけに気合いが入っているのは仕様です

>>61
感想ありがとうございます。
ファンタジーと言えばお姫様ですよね!
確かに露出卿よりも危険かも知れませんが、むしろ組み合わせることで変態力は二乗に……!

>>62
感想ありがとうございます。
女王様までHENTAI、それがザイフリクオリティと言うことで一つww
味方陣営なのに味方っぽくないセレイナですが、どうぞ宜しくお願いしますww

>>63
感想ありがとうございます。
トレイター、名は体を表すということでwwこの家もまた後々関わってくる……かもしれません。
しかし何だかんだ言っても味方陣営なのが怖いですねこの少女

雪人はやっぱり影が薄くても主人公ですからねww
97DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/06(土) 19:57:52 ID:XJKOCDed
ウワアアアアアアロスガニヤニヤシテミテタラコレカヨー!
98創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:00:33 ID:fBn+XIWT
>>90
改めて投下乙!
やっぱこの雰囲気落ち着くなぁ。DS氏って緩急のつけかた上手いよね
ぐーたらなクラ姉さんに比べて、ジュリアはできる子だnうわクラ姉さんなにをするやめ
そういえばDSUにも新型フラグ立ってたね。可変機とか、これは次回も期待せざるを得ない

>>94
そんな設定にしようかな、って話はあったけどもwww
99創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:02:42 ID:Kaf5hTny
 これは極細の呪いに違いない……!
100創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:04:03 ID:fBn+XIWT
肉体言語だけでなく、呪術まで使いこなすというのかあの男は……!?
101創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:41:18 ID:qgK3+10O
お、恐ろしい……!
102創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:54:14 ID:fBn+XIWT
極細とは、人の皮を被った悪魔也……
103創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:57:00 ID:Kaf5hTny
 それにしても、突然人いなくなりましたねw
 はいそこの君、いつもの事とか言わない!
104創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 20:57:54 ID:zFa5V9GJ
休日だからってロボ要素ゼロのヒーロー物書いててスイマセン
105創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:00:54 ID:fBn+XIWT
何それときめきを隠しきれない
106創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:05:19 ID:zFa5V9GJ
ファンタジー世界での変身ヒーローみたいなノリのを
最初はロボモノで行こうかと思ったけど
やっぱ変身ヒーロー的な話は己の強化された肉体で戦ってこそだと思って
結局、ロボ要素は無しになった。

そういうの投稿するのってこの板のどのスレがいいんだっけ?
ペガスみたいなの出してロボ作品って言う訳するのもアレだし
107創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:09:14 ID:qgK3+10O
いっそここでも良いのではと思ってしまったのは秘密
なんかありましたっけ?
108創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:09:53 ID:fBn+XIWT
確か変身ヒーローのスレは存在したはず
109創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:12:50 ID:Kaf5hTny
 個人的にはアリだと思いますけど、そのへんは比率次第ですかね?
 ヒーロー:ロボで6:4くらいだったらいけると思いますよ。

 あと、こんなスレが。

【今こそ】オリジナルヒーロー小説【変身】
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1219986550/
110創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:15:09 ID:WrtuPNnw
>>109
このスレ空気悪くて好きじゃないんだ・・・
111創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:18:16 ID:xydHaM3e
DS新作だって……!?
いかん早く読みたいけど執筆進まないorz
>>106
まぁ完璧にロボ要素が無いならアレですけど、ロボっぽい敵とかいるならここでおkだと思いますよ
敵幹部とかに。ある意味俺、ロボ要素が無い(申し訳分程度の)作品書いてますから大丈夫ですよw
112創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:18:49 ID:LGkoc1sr
あんまりこのスレで独占するのもどうかと思うのよな。
メタルヒーロー的なパワードスーツでもぎりぎりな感じ。

行き場のない作品スレとかは?
感想なら書きにいくぜ?
113創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:18:51 ID:fBn+XIWT
逆に考えるんだ、このスレの雰囲気が良すぎるんだっt(URLをクリック
うん、確かにあんま空気良くないね
114創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:20:39 ID:Kaf5hTny
>>110
 そうなんですか……。
 いっそ別にスレ立てちゃうとか……駄目か。
115創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:22:40 ID:YjIFvO9b
>>109
ちとキツいなwww
116創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:24:54 ID:xydHaM3e
まぁ自分も>>109は失礼ですけどあまり……ですねw
>>112
あーあのスレも悪くないですね
自分も投下されたら感想書きに行きますよw
まぁ>>106さん自身の考えに委ねまする

んじゃ一段落つくまでさらばです
117創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:39:05 ID:hwUVaJoZ
返レスと感想などをー

前スレ
>>966
>>969
>>981
>>994
感想有り難うございます!インフレ気味の性能は「せっかくの3体合体攻撃なんだから最強でいいじゃん」と脳内火力厨が暴走した結果ですw
キャラクターや機体性能の崩壊は全て俺の責任ですのでその辺はご容赦をw
突貫工事だったんでもうちょっと描写とか練り込めたかなぁと反省w

前スレ>>981
投下乙であります!!
悪山じいさんと大首領の会話が格好良すぎますよw悪山じいちゃんの技術まじすげぇ!自己流な地球技術だけで異星技術に匹敵する性能とかwww
そして悪の格好良さにくらべてE自警団連中の小物っぷりがwww
そして主人公パワーアップ&機体乗り換えキタ─wwヘ√レvv〜(゚∀゚)─wwヘ√レvv〜─ !!
もうねw読んでてゲージ振り切りましたよw
次回もwktkしながら待ってるんだぜ!

前スレ>>993
新たな合体攻撃乙です!!
油断しててハルとデイブで撃沈しましたよwww
武器データ読んでて自分が書いた二つのバランスの悪さに泣いたw精進しますw

>>44
投下乙です!
なんか濃いめな新キャラ来ちゃったー!?w
超弩級なSで頭も切れる女王陛下……マーベラス!!(マテヤコラ
しかし双子の姉は腹黒かと思ったらそうでもなかったのねw深読みし過ぎてたw
これで雪人が領地守って女王に目を付けられる展開かなー?雪人頑張れw超頑張れwww
次回も楽しみにしております!

>>90
投下乙でござる!
機体パワーアップですかー!可変型ってこう、滾る物がありますよね!
相変わらずのナイスな空気感です!というか地の文でちょいちょい笑わせられてしまうw
クラ姉さんはダメな子。だがそれがいい
今回のジュリアの収穫はいい喫茶店を見つけたことですねwすれ違った二人組があの二人かと気になる俺ですがw
次回も楽しみにしてます!
118創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 21:42:54 ID:hwUVaJoZ
>>106
投下したらそのスレ教えてくだされ。
変身ヒーロー好きな俺としては見過ごせねぇ!w
119創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:01:25 ID:Kaf5hTny
 変身ヒーローも浪漫ですよねw
120創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:08:46 ID:hwUVaJoZ
平成ライダーも好きだけど、昭和ライダーの覚悟に満ちた感じが好きですw
121創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:14:01 ID:Kaf5hTny
 Vスリャーのかっこよさは異常。
 でも私、Xライダーが好きなの!

 ところで私が敬愛するてつをは昭和なのか平成なのか。
122創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:14:59 ID:qgK3+10O
区分的には昭和になってませんかね?
初めて見たライダーはブラックだった……

信じる奴がジャスティスなんですよね
123創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:17:09 ID:Kaf5hTny
 私はBLACK RXでした……。
 そういえば、昔は夏休みとかに初代とかV3の再放送やってたのに、最近見ないなぁ。
124創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:20:49 ID:qgK3+10O
シャドームーン……

確かに見ませんね……
しかし録画したW溜めすぎててアクセルなるライダーが出ていたことを全く知りませんでしたww
125創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:21:19 ID:hwUVaJoZ
俺的にはもう人間に戻れないのが昭和区分

久々にブラック借りてきて見るか……
126創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:21:50 ID:DLcaSEkF
初代じゃなくて1号&2号って言ってほしいなあ。

Blackは昭和。
映画版Jまでは昭和にカテゴライズされるはず。
改造人間じゃないのが平成ライダー。
まあライダーマンなんかは改造人間と少し違うけど。
127創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:23:51 ID:fBn+XIWT
てつをはギリギリ昭和な感じじゃない?
ところで影月が歩く時の音っていいよね
128創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:24:00 ID:zFa5V9GJ
サイボーグ化したパイロットの外観を仮面ライダー系にしようかと企んではいる
129創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:27:00 ID:Kaf5hTny
>>124
 歩く時の効果音いいですよね、って書こうとしたら>>127で言われていたでござるのマキ。

>>126
 すまなかった。だが私は謝らない。
 ライダーマンは腕だけですもんね。
130創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:27:31 ID:qgK3+10O
真・仮面ライダーはかなりおどろおどろしかったなあ

>>128
格好良さそうですねw
131創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:27:46 ID:hwUVaJoZ
>>127
  `¨ − 、     __      _,. -‐' ¨´
      | `Tーて_,_` `ー<^ヽ
      |  !      `ヽ   ヽ ヽ
      r /      ヽ  ヽ  _Lj
 、    /´ \     \ \_j/ヽ
  ` ー   ヽイ⌒r-、ヽ ヽ__j´   `¨´
           ̄ー┴'^´
あの音はいいよね!影月はデザインも秀逸
132創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:28:47 ID:fBn+XIWT
このスレで変身ヒーローっぽいキャラと言えばカッコマンとタカ坊とリヒトとヒーローか
133創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:31:32 ID:zFa5V9GJ
ていうか、ツクヨミを人間の限界値辺りのスペックにしてるおかげで
敵はサイボーグ化でもせんと「互角以上に戦える」にならんのだよなぁ
ライズガルムが機体性能も高いし
134創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:33:37 ID:vfSWwPgF
実は戦隊もののネタも温めてたりする私
135創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:34:38 ID:fBn+XIWT
デザインベイビー的なのはどうよ?プルみたいな
136創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:37:26 ID:DLcaSEkF
>>134 戦隊はスレあるよ。
137創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:38:38 ID:zFa5V9GJ
>>135
准将のおかげで何か微妙なイメージがあるんだよなぁ
138創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:41:07 ID:fBn+XIWT
>>137
アレは努力を怠った上にコピー重ねる内に劣化してったんだよ
139創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:42:34 ID:zFa5V9GJ
>>138
あ〜最初のキラは人間的だったけど
二番目三番目と、どんどん感情面がアレになってたのは
劣化コピーの弊害か
140創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:44:46 ID:hwUVaJoZ
脳の機能に問題無い限りは情緒面なんかは普通に環境で変わると思いますよ
141創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:46:32 ID:fBn+XIWT
最近増えたカーボンヒューマンという設定だな
まあそんな事は置いといて、あの作品だからアレなだけで、他の作品なら強かろう
トリニティ?アレは相手が悪かった
142創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:46:56 ID:Kaf5hTny
 プルと聞いてイィヤッホォォォゥ!! しに来ました。

>>130
 必殺技が目潰と頭部を延髄ごと引き抜くというのがまたw
 あれ仮面ライダーになる前にポシャっちゃったのが惜しいですよね。

>>131
 チャキッ、チャキッ、チャキッ、チャキッ……と逆光を浴びながら迫ってくるんですねわかります。
 あんなライバルを早く出したい……!

>>137
つ リボンズ・アルマーク
143創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:47:30 ID:xydHaM3e
パ、パチェリー可愛いよパチェリー
その滅茶苦茶長い髪で……

ウッ!
144創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:50:09 ID:fBn+XIWT
>>143
誤爆乙
1/100ストライクフリーダムを買う権利とMG Ex-Sガンダム買う権利のどっちがいい?
145創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:52:43 ID:xydHaM3e
/(^0^)\

最低な誤爆をしてしまった……その……ごめんなさい
146創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:53:03 ID:Kaf5hTny
>>143
 HGストフリのライフルを塗る作業に戻るんだ!
147創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:54:02 ID:fBn+XIWT
>>145
そのうち誤爆だとわからなくなりそうで怖いなw
148創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:54:33 ID:Kaf5hTny
>>145
 去年の夏も似たような誤爆してましたよねw
149創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:54:55 ID:hwUVaJoZ
>>145
ジムを量産する作業に戻るんだ!
150創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:56:35 ID:fBn+XIWT
よし、HGUCのジムクゥエルをジムカスタムに改造する権利をだな
151創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 22:57:04 ID:DLcaSEkF
神戸は鉄人なんか造らずに、
御台場のガンダムに対抗してザクを造るべきだったんだよ。

川○重工の手で。
152創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:01:25 ID:zFa5V9GJ
>>151
よし、ティマ(1/1)発注してくるわ
オリエント工業辺りに
153創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:04:11 ID:hwUVaJoZ
>>152
おい!お前の後ろに立っているのが何なのか分かっているのか!?待て極細俺は関係n
154創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:04:31 ID:CgFWteM+
その言葉を最後に、>>152の姿を見た者は誰もいなかった。
155創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:06:48 ID:fBn+XIWT
>>152
無謀な……
156創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:07:38 ID:Kaf5hTny
>>152
 ムチャシヤガッテ……。
157創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:25:43 ID:xydHaM3e
でも現実的に考えたら一番実現しそうなのはティマな件(ボソッ
158創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:30:11 ID:zFa5V9GJ
RSは立体化するだけだったら
卵の殻辺りをベースにすれば簡単に作れそうな気がしているが……
159創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:36:17 ID:9/VwbaXl
>>44
投下乙!
雪人の決意の裏で世界が大きく見えてきましたね。
女色々万華鏡…うーん。
有能な人物は性根さえ常識を超えるというのか。

>>90
可変機…だと…!?考察のリアリティが想像を掻き立てますね。
しかしこの二人の絡みは飽きないなぁ。氏の生活感の描写力には圧倒されるばかりです。
そして喫茶店の二人はもしや…


そういやロボ絵書いてるときに立体構造が自分でもよくわからなくなって顔とか肩とか手とか作ってたら紙粘土使い切ってしまった。
160創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:36:29 ID:hwUVaJoZ
>>158
卵の殻てwww確かに丸っこいシルエットですけどwww
161創る名無しに見る名無し:2010/03/06(土) 23:37:52 ID:fBn+XIWT
ペネ子はガデッサガラッゾあたりをベースにして作れそうだな
162創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:11:24 ID:fPXoaM9g
 ヴィルティックが一番難しそうですねー。
163創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:14:59 ID:hHibo270
いや、ガードナーX-01かもしれん
164創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:15:53 ID:HYVUM6nP
ネクソンクロガネはUFOロボをセミスクラッチすればいけるかな?
165創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:18:26 ID:fPXoaM9g
 ガードナーはブキヤからアシュセイヴァーが出れば何とかなりそうな……。
 ヘーシェンはヴィクセンの足とエルガイムの上半身と零式の頭で何とかなりそうですねw
166創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:19:43 ID:hHibo270
紅白鬼レグナは?
167創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:21:44 ID:fPXoaM9g
 ペルゼインから……ちょっと厳しいですかね?
168創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:34:21 ID:TRFUqTYR
SICモモタロスとズゴッグあたりをいじればあるいは…。
169創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:37:25 ID:fPXoaM9g
 モモタロス! その手がありましたか!
170創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:38:06 ID:HYVUM6nP
やっぱロボって立体で見たくなるなぁw
……いつか野生の原型師さんがロボスレに流れ着いてくれますようにw
171創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 00:44:58 ID:fPXoaM9g
 ソルヘリオンの人が一応……。
 画像消えてたし、本人からの承諾もいただいていないのでwikiに画像は載せてませんけど。
172創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:00:27 ID:hHibo270
そういえばそうだったな
ゼノライの人とかあお氏とかミッドナイトの人とか帰ってこないかねぇ

……音信不通がこれだけって凄くね?
173創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:01:48 ID:5MGZUUHK
>>172
ネットじゃ珍しくもないかと
174創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:05:01 ID:HYVUM6nP
>>172
俺はいつか再会出来たら、こんなに長い間放っていたことにありったけの文句を言ってやる!


……それから、お帰りって、言うんだ。
175創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:08:20 ID:fPXoaM9g
>>172
 音信不通というかリタイアというか。そういうの割と少ないですよね。
 とりあえず帰ってきたら盛大に歓迎せねばなるまい。
176創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:13:12 ID:hHibo270
俺、夏になったらみんなきっと帰ってくるって信じてるんだ……
177創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:25:57 ID:fPXoaM9g
 ああ、お盆ですもんね。
178創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:30:44 ID:hHibo270
まだ死んでねーよw
179創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:36:18 ID:HYVUM6nP
>>177
ちょw黄泉の国から戦士達が帰ってくるんですねわかりますん
そしてソルヘリオンの立体物再発見
( =ω=)っttp://p.pita.st/?m=fgijkpz5
180創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:44:04 ID:fPXoaM9g
 いいツッコミだ……賞賛に値するよ。  さて、ようやく半分書けたぞ。
181創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 01:52:30 ID:fPXoaM9g
>>179
 おお、発掘乙です!
 久しぶりに見たなぁ……w
182 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/07(日) 09:36:54 ID:LQMmmArp
今ならいける!新スレ記念に書き手として参戦してみるよ!
筆は遅いし厨二病入ってるけど、これからよろしくお願いします。


 ライフルの攻撃を避け、右へと肩に装着されたブースターを吹かす。
 軽い着地の振動を感じながら右腕を動かし、持ったマシンガンを乱射する。
 しかし敵はその段幕を、機体を屈めさせて避け、こちらの機体の腕を払い、そして反対側の腕に装着された格納式の超振動剣を展開。
 その動きを見てこちらも直ぐ様緊急後退用のスラスターを吹かすが、間に合わない。
 俺は成す術もなく、巨大な剣に貫かれた。

「だーっ!リョウゴお前強すぎだよ!」
 カプセルから出てきた俺は膝に手をつきながら、同じく隣のカプセルから出てきた友人にわめく。
 彼はポケットに手を突っ込んだまま笑った。
「お前回避が下手なんだよ。もっとこうバーニアを有効にだな」
「俺はアクションゲーよりRPG派なんだよ。」
 そう反論して、傍らを一瞥。
 そこには『超本格的リアルロボットアクションゲーム』を謳う、『グラウンド・ゼロ』の丸く白いカプセルがあった。
 『グラウンド・ゼロ』は二十年以上前からシリーズが続いている、人型戦闘ロボット『AACV(次世代装甲戦闘車両の略)』を操る人気ロボットアクションゲームで、
プレイヤーは『AACV』の操縦席をイメージしたカプセルの中で与えられる様々な任務を遂行したり、ネット回線を通して世界中のプレイヤーと対戦したりして楽しむのだ。
「ま、向き不向きはあるわな。」
 そして今俺の目の前で鼻の頭を掻きながらそう言った、赤みがかった髪の青年は『グラウンド・ゼロ』のAクラスプレイヤー――相当に上手い人たちが集まるクラスだ――であるリョウゴ・ナカムラだ。背も高く、運動も勉強も出来る。
「だけどそれでも俺の勝ちー。」
 おまけに調子に乗りやすい。
「たはー。」
183 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/07(日) 09:40:00 ID:LQMmmArp
 息を吐いて、まっすぐ立ち、頭をかいた。学校の制服のネクタイを緩める。
「なぁ、もいっかいやんね?」
「また対戦?」
「いや、今度は協力任務で。」
「オッケー。んじゃあやるか。」
 そうしてリョウゴは嬉しそうにカプセルへと戻っていった。
 自分も財布からコインを一枚取り出してからカプセルの中へと戻る。
 中に入ってドアを閉めると、ゲームセンター独特の騒音はほとんど聞こえなくなった。
 シートに座る。
 コインとICカードを入れ、スタートボタンを押す。
 途端に目の前にパノラマ状に設置されている画面が真っ白になり、メニュー画面が映し出された。
 頭部側面のスピーカーから、女性の声のアナウンスが聞こえてくる。
「『グラウンド・ゼロ』へようこそ。ICカードの認証を行います。パスワードをお手元のテンキーで入力してください。」
 入力する。
「パスワード確認。プレイヤー名『シンヤ・クロミネ』で登録。あなたは現在Cクラスです。」
 シンヤはこのアナウンスを聞く度に少し恥ずかしい気持ちになる。
 初めてICカードを作るときに、誤って本名を入力してしまったのだ。
 時々そのことをリョウゴにからかわれる他には不都合は無いのでそのままにしているが、やはり少し後悔もしている。
 だけどもう一度作り直すのはメンドクサイ。
「プレイヤー名『メテオ』から協力任務の要請がきています。受諾しますか?」
 「はい。」と答える。メテオはリョウゴのプレイヤー名だ。
「確認。協力任務モードでプレイを開始します。では、無事生還されることを祈っております。」
 アナウンスが切れ、画面が格納庫に変わった。
「よーうシンヤ。」
 今度はリョウゴの声がスピーカーから飛び出してきた。
「聞こえてんなら返事しろー。」
「はいはい聞こえてますよ。」
 そう返事をすると、リョウゴが笑った声がした。
「マイクの感度もいい感じだな。このゲーセンのマイク時々いかれるからなー。」
「んなことより、お前装備何にすんの?」
 手元のレバーを動かして自分の『AACV』の武装を選択しつつ訊ねる。時間は無限ではない。
「俺か?んーそうだな。今度はバズーカで行くか。」
「マジで?任務に向かなくないか?」
「お前が先に出て、俺が後から従う感じで良くない?」
「そうか、わかった。」
184 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/07(日) 09:43:08 ID:LQMmmArp
 自分の方が上手いことをわかっているから、俺が活躍できるようにしてくれてるんだな。そう直感した。
 その配慮に甘えて、こちらの武装はさっきのプレイと同じ、近接戦闘用のマシンガンを選んだ。
「こっちはオーケーだぜ。」
「おっし、じゃあ任務は俺が選ぶわ。」
 リョウゴのカーソルが切り替わった任務選択画面を横切る。
「これなんかどうよ?」
 カーソルが指したのはBクラス任務『ゲリラ掃討』だった。ステージは木々が生い茂るジャングル。
視界が悪く、機体の機動性も落ちる。が、正面から撃ち合うのが苦手なシンヤには向いている任務だった。
「ん、いいんじゃね。」
「じゃあ、これだな。」
 『任務開始』のボタンが押される。すると、画面がロード画面へと切り替わった。
 ロード画面にはシンヤが操作するAACVが大写しになっている。
 シンヤの機体は全高約6メートル、最大時速約700キロメートルの高機動型だ。空気を割く鋭角的なデザインは細身の体に鉄板を無理矢理に打ち付けたようで、見るからに脆そうだ。
 シンヤはオレンジと白のカラーリングが気に入ったのでこの機体を選んだのだが、扱うに必要なテクニックはまだまだ身に付いていなかった。
 それに対してリョウゴの機体は敵の攻撃をものともせず、とにかく大火力の武器を当てることに重点を置いた重装型だ。黒く分厚い装甲が、はち切れそうな中身を押さえ込んでいる。
 全高は8メートル程度で、シンヤの機体より二まわりほど大きい。その姿は正に黒い隕石だ。機動力は低く、最大時速も500キロメートル程。
 しかしリョウゴはそれでも高機動型のシンヤの攻撃を確実に避け、暴力的なデザインの、右腕の大型超振動剣でシンヤを貫けるほどの腕の持ち主だった。
 ロードが完了し、再び画面が切り替わる。
 画面が騒音に満ちた大型輸送機の内部へと変わった。
 シンヤたちの視点はAACVのコックピット位置に固定されているので、床からはかなり高い。
 眼下ではCGの整備兵たちが走りまわり、シンヤたちの出撃のサポートをしてくれている。
 アナウンスが流れた。
「振動によるケガ等を防ぐためにシートベルトを着用してください。」
 そういえばしていなかったことに気づいて、慌ててシートベルトをする。
『気圧調整、終わりー!作業員、撤収ー!後部ハッチ、開けー!』
185 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/07(日) 09:46:46 ID:LQMmmArp
 作業員の呼び掛けが聞こえる。
 顔を上げて前を向くと、目の前のハッチが左右に開いていくところだった。その向こうには雲海が広がっている。
「カタパルトオーケー。『シンヤ・クロミネ』射出、どうぞ!」
 女性オペレーターの声と共にカプセル全体が振動。周りの風景が高速で後ろに吹き飛び、機体は輸送機から投下され、下降していく。パラシュートを開いた。
 地面はあっという間に迫り、カプセルに大きな衝撃を下から加える。
 ゲームなのに、本当に着地したかのようなリアリティ。ゾクゾクする。
 少し遅れて後方でリョウゴの機体が着地する音がして、『作戦開始』の文字が表示された。
「さて、どうする?」
 訊きながら周囲を見渡す。
 辺りのジャングルにはシンヤたちの機体よりも背の高い木々が多く生えている。高機動のシンヤには辛い地形だ。
植物の葉のせいで視界も悪い。しかし、上手く立ち回ればこちらの姿を視認されないまま相手を倒すことも可能だ。上級者に限るが。
 天候が曇りなので画面全体が灰色がかっている。機体をもっと地味な色に変更すれば良かった。
「まずはお前が先行するんだろ?」
 リョウゴの返事。ああそうだった。
 マシンガンを構える。
「じゃ、行こう。」
 スティックを倒して背面のメインスラスターをオン。軽い振動と共に機体が滑り出す。
 木々に阻まれて行動不可になるのを避けるためにシンヤは跳んだ。そのまま腰と胸のスラスターを吹かし続け、高度15メートル程度まで一気に上昇する。
 画面に敵に捕捉されたことを示す警告が表示される。しかしそれこそシンヤの狙いだ。
 素早い操作で敵のセンサーを逆探知し、自機のレーダーに結果を反映させる。
 レーダーの情報はリョウゴと共有しているので、必然的にリョウゴのレーダーにも敵機の位置が表示されるはず。
 ならば。
 視点を下方へ。密林に適した迷彩柄の、シンヤの機体と同型のマシンがこちらにライフルを構えていた。
 肩のブースターを僅かに点火し、その射線上から外れつつマシンガンを乱射。
 相手もスラスターで軽く横に跳びつつ攻撃を避けようとしたが、出力全開で高速接近していたリョウゴの機体に行く手を阻まれた。
186 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/07(日) 09:50:01 ID:LQMmmArp
 無反動バズーカを一発、至近距離から撃ち込まれた敵機はのけ反りながら空中でコントロールを失い、そのまま側面からシンヤのマシンガンで腕を吹き飛ばされ、
装甲を剥がされ、大きな音をたてて爆発した。
「ナイスキル!」
 リョウゴの声。
「ナイスサポート!」
 少し開けたところに着地し、返す。しかし――
「油断すんな、後ろ!」
 レーダーを見る。すぐ後方に敵の反応!
 慌ててスラスターを吹かすが、間に合わない。衝撃!
「くそっ!」
 急速旋回して、マシンガンを敵に向ける。だが無意味だった。
 敵機はすでにリョウゴの剣によって真っ二つにされていたのだった。
「あぶねー。サンキュー、リョウゴ。」
「いやいいよ。それより、どんだけ喰らった?」
「ちょっと待って。」
 機体ステータスを確認。
「大丈夫、いける。」
「当たりどころが良かったみたいだな。」
 リョウゴが笑う。
「ああ、だな。」
 機体をひねり、辺りを見渡す。更なる敵機の姿は見えなかった。
 ふと、気にかかる。
「なぁ、地上ってどこもこんな感じなのかな。」
「あ?」
「いや、ちょっと気になったんだけどさ、人間が地下に移住してからもう一世紀位経ってるだろ?」
 マイクに問う。
「地上がこんな風に回復してるかって?ハハッまだまだ、後数世紀は待たなきゃならないって。」
「そうか……。」
「何?お前地上に出たいわけ?」
「いや……」
「小惑星の衝突で、地表は全部荒野になったって習ったじゃん。そんなとこより、地下都市に引きこもってた方が楽だよ。」
「……だな。」
「ところで」
 リョウゴの機体が目の前を横切る。木々がへし折れた。
「向こうに敵機見つけたんだけど。」
 レーダーを見ると確かに反応がある。
「わかった。」
 リョウゴの指す方向に機体を向け、跳躍準備の体制をとる。
「今度は油断すんなよ。」
「わかってるって。でもゲームなんだから、楽しくやれればなんでも良くね?」
「いやまあ、そうなんだけどさ。」
「……んじゃ、行くわ。」
 シンヤは再び跳んだ。
 CGのジャングルを飛び回り、CGの弾丸を撃ち込み、CGの敵を撃破していく。
 全てが嘘っぱち。その中で、小さくリョウゴの呟きが聞こえた。
「次はどうやって殺そうか……。」
 それはスピーカー越しの何気ない一言だったが、強烈にシンヤの耳にこびりついた。


とりあえずこれだけ。週1を目標に少しずつ書いていきたいです。
187創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 10:15:12 ID:ohaubA/L
>>186
投下乙!
「歓迎しよう、盛大n(ry」
新作ktkr!
これまた面白そうなものが来てお兄さん驚きですよ
人間は地下に移住したのか。ふむふむ興味深い。
それにしてもグラゼロやってみたいな! 面白そう!
しかし最後のリョウゴの呟きは怖いぞー……。
これからどうなるか楽しみにさせて貰いますね!
188創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 10:44:09 ID:TRFUqTYR
>>186
乙である!!

王道とも言えるが短い中に凝縮された良いプロローグ、どことなく壮大さが見えてきそうな感じですね。
189創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 11:08:54 ID:3V2BLqUn
>>186
投下乙です
一気に読んだ、特にラストが意味深でやばい、この描写ひとつで作品の株をいきなりあげるとは油断できないセンス!次回も期待です
190創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 11:57:22 ID:fPXoaM9g
>>186
 ようこそ、新たな書き手よ。歓迎しよう、
 盛 大 に な !

 投下乙ですw
 なんというArtificial skyが聞こえてきそうな世界観。これは期待せざるを得ませんね!
 最後のリョウの呟きにはどんな伏線が――――
 しかしワンコインでこんなゲームできるなんて羨ましいなぁ。

 それでは、次回を楽しみに待ってますね!
191創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 12:42:22 ID:hHibo270
>>186
ロボスレへようこそ!
これがティマだ。俺hうわ極細なにをするやめ
もう誰にも極細を止めることはできない。氏ね……!

改めて投下乙!
痴情から地下へと移った人々の話か……それにしてもグラゼロ面白そうだな
リョウゴの台詞、なんか怖いね。これからどう発展していくのか、期待せざるを得ない!
192創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:04:22 ID:fPXoaM9g
>>191
 ティマに手を出すなとあれほど……。
193創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:17:33 ID:FEqNa6GH
>>191
そして、新人相手にソレは気持ち悪いかと……。
以前からROMってるとかwikiの用語集見てるなら話は別だけど
194創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:24:38 ID:fPXoaM9g
 あと、今更ですけど痴情w
195創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:27:25 ID:5MGZUUHK
>>193
まあ、そういうのが増えると過疎化の要因にもなるからね
抑える所は抑えとかんといかんでしょうが
196創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 13:51:01 ID:HYVUM6nP
まぁ何はともあれ新人さん乙です!ということでw

>>186
ほほぅ、いきなり地上壊滅した世界ですかーwこれが一つのキーワードになりそうですね!
そしてグラゼロが楽しそうで楽しそうでw
ゲームという現実感のない戦闘から本物の戦闘に関わっていくんですかね?
次回も楽しみに待っております!

>>191
ドンマイ!
197創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:01:06 ID:hHibo270
正直スマンカッタ
198創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:10:06 ID:HYVUM6nP
>>197
まぁあれだ。お茶でも飲んで一息つこうや
( ・ω・)っ旦~
199創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:15:30 ID:ohaubA/L
用語集を見て作品も見れば君は立派なロボスレ住民だ!
ところで用語集に顔面兵器と露出卿追加されてんですけどww
200創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:17:01 ID:fPXoaM9g
 あ、じゃあコーヒーお願いします。
201創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:20:35 ID:HYVUM6nP
>>200
      (
       )
     r;:'ニ:ヽ、___,
      |` ー 彡|旦i 
   /!、._.___.;;!\
   \`゙゙゙゙゙゙゙゙゙ /

砂糖とミルクはご自由に、ですよ。
202創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:22:10 ID:hHibo270
>>199
本当だ、いつの間にwww
203創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:23:49 ID:HYVUM6nP
>>199
充実していくのが楽しみなような怖いようなw>用語辞典
204創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:24:25 ID:fPXoaM9g
>>201
 ありがとう。しかし私はコーヒーはブラック派でね。
205創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:26:24 ID:5MGZUUHK
ついでに言えば、女性下着もブラック派だ
206創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:31:28 ID:HYVUM6nP
>>205
ちょwおまwww
ここは抑えとくところじゃないのか!?www
昼間っから紳士すぎんだろjkwww
207創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:44:07 ID:fPXoaM9g
 黒くてセクシーなのもいいけど白くて野暮ったいのm(ry
208創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:47:37 ID:5MGZUUHK
そういやパイロットスーツって下着付けるモンなんかね?
209創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:55:18 ID:HYVUM6nP
あ、紳士な流れでいいのかw
パイロットスーツは形状でまちまちだったような?
以前読んだラノベではスキンタイトなスーツでしたが前(ゲフンゲフン
210創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:57:24 ID:nLTAFle/
下着がないと色々大変でしょう……特に女性は。
でも自分はどっちでもおいしk(ry
211創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 14:59:56 ID:5MGZUUHK
真面目な話
耐久性とか体調管理とか機能性とか考えると
パイスーそのものに下着と同等の機能があるか
パイスー用の下着があるかでないと
色々厳しいんでないかとは思うんだよね
212創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:00:38 ID:ohaubA/L
タイトな方がいろいろt(ry
213創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:02:02 ID:nLTAFle/
リアルな話をすると、長時間着っぱなしなやつだと、宇宙服のようにオムツ機能があってしかるべきだけども、あんまり描写したくないジブンガイル
214創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:09:27 ID:5MGZUUHK
コクピットの壁やパイロットシートから
排泄用の管を伸ばして股間に装着って手もあるだろうが
何かそれはそれで微妙だよなぁ
215創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:11:31 ID:M4nDczbN
>>186
「次はどうやって殺そうか……。」
の一言があまりにも深い。ネタバレになりそうだから敢えて何も言わないが、色々と『想像』してしまったではないか。
今、俺の脳内で組み立てられたストーリーの全体像が実際にそうなのだとしたら……フフ、君はとんでもない策士だな。
次の投下を楽しみに待っているぞ!

純白の白、淫靡な黒、情熱の赤も捨てがたい。
しかし、私は最も清純さを感じさせる青を選ばせて貰うッ!
青!それこそが我が命、我が運命!正にブルーディスティニーよ!
216創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:17:46 ID:fPXoaM9g
 黄色とかピンクとかもアリだと思うよ!
217創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:19:28 ID:nLTAFle/
黄金はいかんのかね!
218創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:20:31 ID:8wmnrLXV
真昼間からパッション溢れる紳士の社交場はここですか
ロボスレなのにと言うべきか、ロボスレだからと言うべきかw
しかし黒下着というのには私もシンパシーを感じずにいられない…
219創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:22:39 ID:fPXoaM9g
>>217
 そういう物言いだから器量が小さいのさ。
220創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:23:16 ID:nLTAFle/
黒下着は大好物ですよ、ええ。
お姉さんが着てるのも好き。
年頃の娘が着てるのも好き。
ロリコン属性はなくとも黒下着は刺激的。
白い肌と黒下着の差が本能に呼びかけるんですよきっと。
ニーソとかもその理屈で好きだったりね。


と、なにそれこわいな意見を書いてみる。
221創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:24:03 ID:hHibo270
おいなんか黄金大使とボンズリ様いるぞ
222創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:28:29 ID:HYVUM6nP
中身と合わさってこその下着だろ(キリッ
俺もピンクに賛同させていただこう
223創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:28:35 ID:M4nDczbN
(21)に黒下着、確かに悪くない。
しかし忘れてもらっては困る。
(21)に最も合う下着。それは、それはぁ、「くまさんおぱんちゅ」だと言う事だぁぁぁぁぁーーーーーッ!
224創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:29:22 ID:fPXoaM9g
 タイツもいいものだと言わせていただこう!
 ガードが固いほうが個人的にそそられます。もちろん薄いのも嫌いじゃないけどね!
225創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:30:03 ID:nLTAFle/
>>224
普段の絵からなんとなく分かっていたさぁぁぁ!
226創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:30:19 ID:fSsjfOvA
>>224
冬場の黒タイツJKは素晴らしいと思うの
227創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:30:40 ID:fPXoaM9g
>>223
 おぱんちゅ……なんて甘い響きなんだ。素晴らしい。
228創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:31:20 ID:hHibo270
ミスターリビドー共めがwww
229創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:35:22 ID:fPXoaM9g
>>225
 やっぱりかぁぁぁぁ!!

>>226
 あれはもう至宝と言わざるを得ない……!
230創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:38:28 ID:nLTAFle/
パンツ……ぱんつ…
縞パンはいかがなさいますか、主任。
231創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:39:26 ID:hHibo270
ロボといいヒーローといいエロといい、ここは少年ハートを忘れない人の多いインターネッツですね
232創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:40:00 ID:M4nDczbN
黒タイツは非常に良い(ディモールトベネ)
太股の魅力を最大限に、究極にまで高める神器よ。
遥の太股スリスリしたい。

【太も☆mad】 小鳥さんと夜の事務所で太ももスリスリスリスリスリスリ
ttp://www.nicovideo.jp/watch/sm7622835
233創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:40:58 ID:hHibo270
何貼ってんだw
234創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:43:54 ID:nLTAFle/
>>231
深淵(ロボスレ)にようこそ…!

>>232
逃げろ排除されるぞヤツに
235TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 15:44:07 ID:wh3M/cUJ
やっと8話オワタ……寄り道しすぎて時間掛かり過ぎたぜ……
時間的に亀ですが感想の程
>>44
投下乙です!また一人、強烈なキャラが誕生しちまったな……
ドSロリお姫様とか素敵属性にも程がありますよセレイナさんwwwいや、セレイナちゃ(鞭
何気に雪人君とマナミナの関係性が大きく動きそうなヨカ―ンも楽しみです
次回とセレイナ姫のSな活躍を期待していますw
>>90
投下乙です!これは……後継機フラグktkr!
つかクラウディアさん案外だらしねぇなwwwでもだらしないお姉さんは最高です!
偶然とはいえやっぱりジュリアとクラウディアは仲が良いですね。そんな感じが分かる温かな描写は毎度の事ながら実にお見事です

にしても喫茶店に寄っていた二人は……と二人の正体を楽しみにしつつ、次回も期待しています
>>186
初投下お疲れ様です&盛大に歓迎します
グラウンドゼロか……なるほど、ヴァーチャルでのロボット物ですか。まだこのスレでは未知数のジャンルですね
描写に臨場感があって、読んでいて面白いです。何気にキャラクターも生き生きしてて良いですね
果たしてここからどう、話が広がっていくのか……楽しみにしています


さて……美しい世界が出来たんですけど
今のパンツな流れを邪魔しちゃ悪いかなぁと……
236創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:47:57 ID:hHibo270
ぱんつの話題なんか捨てて投下してこいよベネット!
237創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:49:38 ID:fSsjfOvA
俺達がいつまでもぱんつだとおもうな!!
かかってこい!!
238創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:50:55 ID:HYVUM6nP
流れを断ち切れ!さぁ!
239創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:51:45 ID:nLTAFle/
世界の意志が投下を望んでいるのだ!
240創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:51:53 ID:wh3M/cUJ
良かった……パンツを選ばれたらどうしようかとw
ちょっと見直してるので、もうちょっとしたら投下します
241創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:52:05 ID:jrPqVRCU
>>223
隆斗「俺、トランクス派」
242創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:53:53 ID:hHibo270
馬鹿野郎!どっちも取るのがこのスレよ!
というわけで支援の準備しながら全裸で待ってる
243創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:54:14 ID:HYVUM6nP
>>241
お前じゃねぇ。座ってろw
244創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:55:14 ID:nLTAFle/
>>242
全裸では寒かろう… つ「黒タイツ」
245創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 15:56:43 ID:hHibo270
>>244
ありがとう……(頭に被る)
246TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:00:42 ID:wh3M/cUJ
お待たせしました。それでは投下します
247創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:00:57 ID:nLTAFle/
支援
248創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:01:26 ID:hHibo270
 
249TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:01:36 ID:wh3M/cUJ
苦痛の表情を浮かべながら、ライオネルはゆっくりと義手を外した。地面に置かれると如何にも重い音がして、相当な重量である事が伺える。

壁際では、ライオネルが行っていた作業の一部を神威が腕組みしながら観察している。しかし特に興味がある様には見えない。。
ツナギのホックを胸元まで開け、火照った体を冷ましながらライオネルは、ポケットからクシャクシャになった煙草の箱を取り出した。
軽く揺らし、出てきた一本の煙草を咥えて、ライターで火を点ける。先っぽから浮かび上がる灰色の煙が、鈍く回転する換気扇から外へと消えていく。

<終わったか>

神威の問いに、ライオネルは煙草を口から離すと、めんどくさそうに返答した。灰が地面に少量、落ちる。

「あぁ、テストだ」

丁度良い程度に煙草が短くなるまで吸い、踏み潰して揉み消す。そしてライオネルは目の前で鎮座している、先日強奪したカルマスのオートマタ、レガシ―に視線を向けた。
レガシ―のカメラアイは暗く沈黙しており、とても動ける状態には見えない。とはいえ神威によって切断された各部は、手を施されたのか綺麗に修理されてはいるが。
レガシ―に近づき、一回、指を鳴らした。レガシ―に反応は―――――あった。

沈黙していたカメラアイに、次第に緑色の淡い光が宿る。その光はカメラアイを覆っていくと、生気を取り戻したのか、レガシ―は自ら立ち上がった。
そして驚くべき事に、自らの敵である筈のライオネルに対して片膝を下ろし、冷淡な声で言った。

<ご命令を。マスター>

<成功、だな>
「今まで失敗した事が無いからな。流石はレファロ・グレイ。反吐が出るぜ」

レガシ―を立たせたまま、修理の為に使用した工具と、レガシ―の頭部へと移植したチップが入っている、小さなボックスケースを片づける。
そのチップは先程ライオネルが蛍光灯に透かしていた、緑色の半透明なチップ――――その名はドールチップと言い、当然市場などには出回っていない、非合法な物だ。
大体片付け終わり、ライオネルはレガシ―に近づくと、頭部へと触れながら一言。

「戻れ」

瞬間、レガシ―はロボット体型から、球体へと戻る。ライオネルはどこからか蝶つがい式の大きな旅行カバンを持ちだしてきた。
カバンを開くと、様々な色やデザインが成された球体―――――オートマタが一つ一つ、コレクションの様に整理されて嵌めこまれている。
レガシ―を拾い上げ、その中へと加えようと手を伸ばす。が、何を思ったか、ライオネルは嵌めこまれているオートマタを次々と取り出し始める。

<何をする気だ>
「どいつがどいつか分かんなくなっちまった。ちょっとした確認だ」

レガシ―含め、8体のオートマタを、ライオネルは宙へと放り投げた。
地面に落ちたオートマタが、ライオネルの周りでコロコロと転がっていく。二本目の煙草を取り出し、火を点ける。
数秒程旨みを味わい、煙草を口から離すと、ライオネルはオートマタに向かって、平坦な声で、言った。

「パラべラム」
250創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:01:44 ID:HYVUM6nP
 
251創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:02:17 ID:hHibo270
 
252創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:02:43 ID:nLTAFle/
  
253TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:03:10 ID:wh3M/cUJ
瞬間、8つのオートマタ全てが、ロボット体型へと変化した。全てのオートマタが、ライオネルに忠誠を誓う様に片膝を下ろし、指示を待つ。
形も色も、もちろんマスターさえ違うであろうオートマタが、全機ライオネルをマスターとして仰いでいる、異常な光景。
しかし一つだけ、共通点があった。全てのオートマタのカメラアイが―――――レガシ―と同じく、淡い緑色に発光している事だ。

<毎度の事ながら便利なものだな、ドールチップというモノは。この者全てが貴様の操り人形なんだろう?>

「あぁ。ドールチップが仕込まれたオートマタは、全ての記憶を強制的に抹消され、代わりに目の前の人間をマスターとして認識する様、プログラムを書き換えられる」

二本目の煙草を吸い終え、踏みつけて揉み消す。擦り切れていく煙草を見つめるライオネルの目に、暗く燃えたぎる炎が見える。

「本当に最高のくそったれだよ、お前の生みの親は。俺のやってる事全て、あいつの計算通りだと思うとな」

顔を上げ、ライオネルは軽く頬を叩くと、神威の方を見て、口元をニヤリとさせながら言う。

「そうだ、神威、次の獲物は少し楽しめるかも知れんぞ。何たって元傭兵でかつ、俺の同業者だからな」

<ほう……名は?>

「リヒト・エンフィールド」

「お前がこの前見た、あの赤毛の坊主だ」

                          

    

                          ビューティフル・ワールド

                        the gun with the knight and the rabbit




「それじゃあ行ってきます、ルガ―さん。二人も準備出来たよね?」
「はい、遥さん」
「……あのー遥さん、俺が背負ってるリュックって何でこんな大きいんですか?」

隆昭の質問に、遥は数秒ほど考える素振りを見せると、ぱあっと明るいヒマワリみたいな笑顔で答えた。

「荷物が多いから、かな。それに鈴木君、男の子だから大丈夫だよね?」
「そっ、すね……男の子ですもんね……俺」
254創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:03:19 ID:hHibo270
 
255創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:03:45 ID:nLTAFle/
 
256TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:04:17 ID:wh3M/cUJ
今朝の報告通り、遥とリヒタ―、隆昭とメルフィーはレイチェルへと向かう。目的はやおよろずの面々から頼まれたお使いと、隆昭とメルフィーの社会科見学。
遥はともかく、隆昭とメルフィーも、それぞれカジュアルな私服に身を包んでいる。とはいえ、隆昭の背中にはリタから借りた、馬鹿デカイリュックサックがあるが。
隆昭は当初一応不満げな態度を見せたが、ルガ―から男の子だから頼むねという美しき筋肉アピールを兼ねた一言には断れず、渋々ながら荷物係を引き受けた。

「なるべく夕食までには戻ってくるんだよ。すぐ暗くなるし、例の事件の事もあるから」
「はい! それじゃあ行ってきまーす!」
<行ってまいります>

「気を付けてね」

ルガ―が言ったそばから、遥がステーンとベタに転んだ。しかし元気に立ちあがり、隆昭とメルフィーと共にレイチェルへと歩き出す。
身長差のせいか、ルガ―から見ると遥が一番年上とはとてもじゃないが思えない。まるで高校生の間ではしゃぐ小学生……は少し言い過ぎか。
次第に遠くなっていく三人を苦笑交じりに見送り、ルガ―は自分の仕事へと戻る。

<全く……騒がしい連中……だ……Zzz>
日なたでは、昼寝でもしているのか杖状態の玉藻がぶつぶつと寝言を言っている。
そんな玉藻、もといたまちゃんを見ながら、ルガ―は思う。今日も一日、平和でありますようにと。


「すごーい! けど正直……キモいです」
「その反応は至極正常よ、リタちゃん」

4本の丸っこい脚部から引き出された、異様に細長い、2メートル程伸縮させたフレームを手足の様に使い、ラチェット達がガレージへとヴィルティックのパーツを運んでいく。
玩具の様なファンシーな外見のラチェットではあるが、脚部だけが枝切りバサミの如く伸びて車輪で動いているその様子は、偉くアンバランスで可愛いというより気持ちが悪い。
とはいえ動きは機敏であり、ヴィルティックの左腕を、ガレージのスペースを考えながら手際良くパーツを接合しつつ配置していく。
やがてすっぽりと、ガレージに丸々一本左腕が収まった。

「お疲れ様。また運んでもらう時に呼ぶわ」
スネイルが声を掛けると、ラチェット達は脚部を縮めて、カードへと戻った。

スネイルによるとラチェット達は自分達が朝食を取っている間、修理出来る様、ヴィルティックを各パーツごとにに分解してくれたらしい。
その分解っぷりは見事なもので、必要ならばすぐに接合できるほどブロックごとに綺麗に分解されている。腕ならば手・肘・肩、脚ならば脚・太腿といった具合に。
ただしスネイルによるとラチェット達がどのように分解したかは、ちょっと教えられないらしい。色々と企業秘密だそうだ。

ライディ―スとリタに聞きたかった事は、無論全部では無いにしろ、その分解したパーツを、ガレージに入れる事は出来るか? という質問だ。
スネイルの質問に二人は少し悩んだものの、オートマタが入るガレージである故、パーツ一つくらいは入るだろうという事で許容してくれた。
それどころかリタはスネイルに力こぶを作って鼻を鳴らすと、自信満々な態度でこう言った。

「任せて下さいスネイルさん! 私とライディースさんの力があれば、4日で直してみせますよ!」

「リタちゃん!? ちょ、4日は幾らなんでも無茶じゃないかな?」
「流石リタちゃん! とライ君。それじゃあ4日で仕上げましょう。貴方達の力、頼りにさせて貰うわ」
「はい! 任せて下さいよ!」
「ちょ、俺の意見は!? てかスネイルさんまで……はぁ……」

と、いう会話を交わし、ヴィルティックを4日間で元の状態にまで修復する事をリタは約束した。ライディースの意思は、あってない様なものである。

「にしてもガレージを貸してくれてホントに助かるわ。けど本当に良いの?」
257創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:04:22 ID:HYVUM6nP
 
258創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:04:28 ID:hHibo270
 
259創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:05:04 ID:fPXoaM9g
 
260TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:05:44 ID:wh3M/cUJ
「貴方達の仕事の支障にならないか、心配なんだけど」

スネイルがそう聞くと、ライディースはリタと視線を合わせた。二人の間に、小さく火花が舞っている、様に見える。
二人はしばしその小さな火花をぶつけあうと、根負けしたのか、ライディースが小さくため息をついて、微妙に言いづらそうに返答した。

「何と言えば良いのか……ガレージフルに使う様な仕事……無いんですよね。恥ずかしながら全く」
「あら……そう。ごめんなさい、悪い事を聞いて」


「話には聞いてたけどまじかに見ると凄いな、こりゃあ」

ヘ―シェンを連れ外に出たリヒトが、目の前に横たわるルヴァイアルを見、ポカンと口を開けてそう言った。
スネイルの話は正直冗談半分に聞いていたが、実際に見てみると驚くほか無い。それほど、目の前の赤く巨大なロボットはリヒトの想像以上に迫力がある。
スネイルには前もって許可を取ってあるので、近づいてみて装甲に触れてみる。ひんやりとした感触が伝わってきて、リヒトは感嘆の息を漏らした。

「こんなのに乗って戦ってきたんだよな、スネイル達は」
<どんな感じなんでしょうね。自分より大きいロボットに乗って戦うのって>

ヘ―シェンが口にした言葉に、リヒトはうーむと分かりやすい動作で唸ると、言った。

「そうだなぁ……ヒーロー、って感じなんじゃないか? こんなデカイのを自由に操れるんだ。気が大きくなっても、いやむしろ、気が大きくなるのが自然だと思うぞ」
<そーですかねー……。あくまで私の視点から見たらの話ですが>

<タカ坊、というか鈴木君、これに乗ってる事について、自分から何も話さないじゃないですか。って事は、ホントはこれに乗りたくないんじゃないですか?>
「そうかぁ? 俺が隆昭の立場なら鼻が高くなるぞ。こんな巨大ロボットに乗って戦うなんて男の子の夢じゃないか、なぁ?」
<なぁって……誰に同意を求めてるんですか? まぁそれは置いといて。今日の夕食の時にでも聞いてみたらどうでしょうか。彼に>
「聞いてみたらって何を?」
<だからヴィルティックに乗っててどんな事を考えてるかとか、どんな戦いしてきたのかとか、そういう事を>

「……わーったよ。けど答えてくれっかなぁ、隆昭」
<何でです?>
「あの子と微妙に波長が合わない気がすんだよなぁ……俺」


「にしても大迫力だ……」
作業しやすい様、天井から大量のハンガーに吊るされたヴィルティックの左腕を見て、ライディースは今更ながらしみじみと驚く。

今まで仕事してきた中で、これほど大きな物を修理するのは初めてだ。これは気合いを入れて修理に取り掛からなきゃな……と思い、両頬を軽く叩いた。
矢先、既にスネイルとリタは修理に取り掛かっている。二人とも何時の間にか作業着に着替えており、尚且つ腰にはやる気満々と言った感じで工具が掛けられている。
リタは何時ものツナギを半脱ぎし、黒いタンクトップを露出させたスタイルに、スネイルは自前なのか、赤い色の無駄に胸元が強調されたツナギを着ている。本当に準備が早い。

「ってちょっとちょっと! スネイルさん何か説明とかないんですか!? オートマタと全然勝手が違うんですけど!」
「ライディースさん何やってるんですか! 既にタイムリミットは切っているんですよ! 一刻の猶予も無いんです!」
「リタちゃんの言う通りよ、ライ君。時間は待ってもくれないし遅くもなってくれないのよ。私達は時間に負けないように常に走ってなきゃいけないの」
「……何ちょっと私良い事言ったみたいなどや顔してるんですか! ……あ―もう。分かりました。やりますよ、やります」
261創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:05:51 ID:fPXoaM9g
 
262創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:05:54 ID:hHibo270
 
263創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:06:14 ID:nLTAFle/
 
264創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:06:54 ID:fPXoaM9g
 
265創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:07:00 ID:hHibo270
 
266TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:07:06 ID:wh3M/cUJ
最早突っ込みし切れない二人に呆れながらも、ライディースも修理に取り掛かる。

「にしてもオートマタと……ん?」

修理をしながら、ライディースは次第に気付いていく。確かにオートマタとは装甲も駆動系統も全く違う。
違うが……意外な事に、自然と何をどう直せば良いかが手に取る様に分かる。単純な事だ。
焼け焦げた装甲を剥がしたり、駆動系のチューブを交換したりとやる事は変わらない。
どうやらライディースが危惧していた、こっちの世界のノウハウが通用しないという事は無さそうだ。

「驚いたでしょう? オートマタの修理と殆ど変らなくて」

上から顔を覗かしたスネイルが、悪戯っ気に満ちた笑顔でライディースに聞いた。ライディースは軽く頷き、答える。

「えぇ。オートマタで培ったノウハウが通用するのかと思って戦々恐々としてましたが、殆ど同じで驚きました」
「でしょ? 原動力とかの違いはあれど、構造自体は多分オートマタと変わらないのよ。同じ人型だしね」

額から流れる汗を腕で拭い、スネイルは言葉を続ける。

「多分だけど、貴方達に教えて貰えるなら私、オートマタも直せると思うな。
 それぐらい、私達のロボットであるアストライル・ギアと貴方達の世界のオートマタは同じって事ね。ロボットという共通点だけでなく」

「けどスネイルさんスネイルさん。確かに構造自体は同じかも知れませんが、ここまで直し方が同じなのもなんか変ですよね。だって全く違う世界のロボットなのに」

珍しく、リタが真面目な顔つきで、スネイルにそう言った。ライディースも同じ疑問を感じたのか、スネイルに真摯な視線を向ける。
スネイルは少し考える様にスパナを肩たたき宜しく肩にトントンと当てると、学校の先生の様な口調で答える。

「まぁ……アストライル・ギアもオートマタも同じ人間が作ったロボットって事だと私は思う。
 だから別の世界でも同じ様に修理できる。これって、何気に凄い事だと思わない? 別の世界のロボットが、同じ様に修理できるって」

スネイルの言葉に、リタが深く同意する。ライディースも深くは無いが、確かに小声で呟き頷いた。

「でも……逆に考えるとこうとも言えるわね」


「人間が作りし物なら、どんな世界の物であれ、人間の手で壊せるって」


やおよろずから続く、風に瞬く麦畑の緑の海を抜けて、三人はレイチェルへと辿り付いた。鮮やかに塗装されたゲートが、三人を迎え入れる様にそびえる。
ゲートから覗く景色は、長く長く続く石畳みの道路に、軒を連ねている色彩豊かな家々。まるで城下町の様だ。
各々の家から見える、窓から窓へと掛けられた洗濯物が、人々の生活感を感じさせる。雑多ながらも御洒落な街、レイチェル――――を一目見、メルフィーは言った。

「何だろう……何となく見覚えが……。思い出した。イタリアの町みたいです」
「イタ……リア? メルフィー……イタリア行った事あるのか?」
「短期留学で少しですけど……ね」

外国に一回も行った事の無い隆昭にとって、メルフィーのその言葉は軽くショックだった。
遥といえば誰かを探しているのか、キョロキョロとしている。と、その相手を見つけたのか、大きく手を振って声を上げた。

「トビ―さーん!」

遥に名前を呼ばれたその男が、紙袋片手にリンゴをワイルドにかじってこちらに歩いてくる。その男の容姿に、隆昭は少々ドギマギする。
ルガ―程ではないが、逞しく盛り上がった筋肉に厳つい風貌。その男を一言で表すのなら筋骨隆々。そんな男―――ートビ―と言ったか。
トビ―が、遥に向かって白い歯が眩しいにこやかな笑顔で話しかけてきた。
267創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:07:59 ID:fPXoaM9g
 
268創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:08:07 ID:hHibo270
 
269TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:08:08 ID:wh3M/cUJ
「お、遥ちゃんじゃないか。今日は買い物かい?」

「こんにちは〜、トビ―さん、ちょっと買い物と色々……ですね。それでリヒタ―の通行許可が欲しくて」

そう言いながら、遥はリヒタ―こと、持っている杖を見せた。トビ―はリンゴを半月ほど食べると、二つ返事で遥の申し出を了承する。
と、トビ―の視線は遥の後ろに居る隆昭とメルフィーに移った。普段見慣れない顔だろうし、気になるのだろう。

「遥ちゃんの頼みなら勿論構わないさ。で……後ろの二人は?」

まずい、と隆昭は思った。一応やおよろずに就職した新人とでも説明すれば良いのだろうが、もしも根掘り葉掘り聞かれた場合、非常に困る。
何たってこの世界に来て三日も経ってないのだ。どうする……どう答えれば……と困っている矢先。

「昨日新しく雇った新人さんです。まだ色々と慣れてないので、買い物がてら色々教えようかと」

た、助かった……と隆昭はほっと胸を撫で下ろした。その横でメルフィーが隆昭の表情を不思議そうに見つめる。

「ほー……って事は遥ちゃんが先輩か。こりゃあしっかりと先輩らしくしないとね」
「あ……」

トビ―に言われて遥は何となく気付く。そうか……今の私は二人に対して先輩なんだ。この世界に対して教える為の。
そう思うと自然に遥の体に力が入る。何故だか分からないが、がぜんやる気が出てきた。ビシッと胸を張りたい気分になる。

「それじゃあ持ち場に戻るから、また見かけたら声掛けてよ。んじゃ」
「はい! 有難うございます!」

胸を張り、遥は普段の三倍くらい元気にお礼を言った。しかし、幾ら胸を張っても無いモノは無い。
トビ―のグッドルッキングサムズアップに見送られながら、遥達一行は、レイチェルへと足を踏み入れていく。

明るい陽気の元、行列を組んだ様々な屋台が店を構えている。店の種類は多く、食糧品から雑貨、果ては得体の知れない武器まで異様に幅広い。
左右で商売人と客が愉快な会話をしながら買い物を楽しんでいる様子は、見てて楽しくなる。
皆、微塵の陰気臭さも感じさせない明るい笑顔を振りまいているのも、その一環だろう。

隆昭はそんな屋台の様子を見ながら、ふっと呟いた。

「……明るいな、皆。見てるこっちまで元気が貰えそうなくらい」
「凄い活気に溢れてますよね。それに……楽しそうです」

と言いながらも、隆昭とメルフィーの顔は若干暗い。やはり全く別の世界に居るという事実が、無意識に二人を緊張させているのだろう。

<これからどうなされるのですか? マスター。先程、色々教えると仰りましたが……>
リヒタ―に呼ばれ、遥は顔を向けた。遥は何か考えがあるらしく、リヒタ―にウインクして答える。

「一応お使いではあるけど……ルガ―さんに二人がある程度この生活に慣れる様に、二人が行きたい場所に行っても良いって言われたの」
「だからリヒタ―、ちょっと付き合って貰うけど、良い?」

<イエス、マイマスター>
「有難う、リヒタ―」
270創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:08:12 ID:nLTAFle/
 
271TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:09:15 ID:wh3M/cUJ
そう言って遥はリヒタ―に明るく微笑み、立ち止まると振り返った。そして、二人に言う。

「鈴木君、メルフィーちゃん、どこか行ってみたい所はある? 二人が行きたい所があれば案内するよ」

隆昭とメルフィーは遥の提案に顔を見合わす。隆昭が申し訳無さげに聞く。

「……良いんですか? お使いを先に済ませた方が……」
「大丈夫! ルガ―さんにはちゃんと言ってあるから。遠慮しないでじゃんじゃん言ってよ」

そう言って、遥は無い胸を張った。隆昭とメルフィーは互いに一分ほど考えると、遥に伝える。

「本屋さんに行ってみたいですかね……この世界の事を知りたいんで
「本屋さん……ですね。少しでも知識を得たいんで」

ほぼ同時に、二人の意見がピッタリと合った。互いに予想が付かなかったのか、二人は驚いた顔を見合わせた。
どうやら全く同じ事を思っていた様だ。遥は二人の行動に軽くパチパチと拍手すると、リヒタ―を背中に回して、言った。

「それじゃあ本屋さんできまりだね」


レイチェルで最も大きいと言われる本屋―――――シャン・グリラ。噂では、読みたいと思った本は大概、このシャン・グリラにあると言われている。
1階から3階まで吹き抜けとなっていて、各フロアにはズラリと、ジャンル毎に本が揃えられている。なお、建物の形状上、移動の際には螺旋階段を使う。
隆昭とメルフィー、遥とリヒタ―は一旦ここで別れる。遥は一階で、二人を待つ事にする。

「それじゃあ私は一階にいるから呼びに来てね。お金はいる?」

「いえ、大丈夫です」
「そっか。じゃ、また後でね」

遥と別れ、隆昭とメルフィーはこの世界について少しでも知る為に、二階にあるという歴史のコーナーへと出向く。

大量にある本棚の本から、適当に厚そうな一冊を取り出す。一先ず何でも良いから、この世界について知りえる情報を会得しなくては。

と、さっきまで全く疑問に思っていなかったが疑問が、隆昭の頭をよぎる。
もしこの世界が独特の言語で通じ合っていて、なおかつ本がそういう風に書かれていたら?
そしたら全く自分達は本が読めないじゃないかと。ここに来た意味が……というか、この世界について知る事が出来なくなってしまう……。
そう不安に感じて、メルフィーに声を駆けようとした、が。

「隆昭さん、ちょっと良いですか? この本なんですけど」
メルフィーはそう言いながら、本を広げて隆昭の方へと近づいて来た。あれ? 普通に読めるの? そう思って手元の本を開けると、全部日本語だった。
……もしかしたら変に疑り深いビビりな自分より、メルフィーの方がずっと逞しいんじゃないか。そう思うと、隆昭は自分自身が偉く情けなく感じてきた。
まぁ考えてみれば言語が通じてるし……あぁ、何かこういう映画があったなぁ。全く違う世界だと思ったら実は地球だったって奴。猿の

「隆昭さん?」
「あ、あぁ、ごめん。えっと、何処のページだっけ」

色んな意味で惚けていた隆昭だが、メルフィーの呼びかけにハッとする。雑念を拭う為に軽く頭を振り、隆昭はメルフィーから本を受け取って読んでみる。。

「何々……かつてこの世界は……」
272創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:09:18 ID:hHibo270
 
273創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:09:53 ID:nLTAFle/
 
274創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:10:22 ID:hHibo270
 
275TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:10:34 ID:wh3M/cUJ
読みながら、隆昭は次第に掌に汗が滲んでいくのを感じる。その本が記していたのは、この世界に起きた、歴史。

かつて、この世界は高度な文明が栄えていた。が、世界に突如として起こった―――――「何か」によって、世界は成す術なく崩壊してしまった。
やがて月日が立ち、生き残った人々は崩壊した世界を立て直すべく立ち上がった。世界を再建するのは並大抵の事では無かった。無かったが。
人々は再び立ち上がる事が出来た。世界は「何か」の傷跡を多少残しながらも、「何か」が残した、偉大なる正の遺産によって、世界を再建する事が出来た。
その遺産の名は―――――――――。

「オート……マタ」

まるで胸を撃ち抜かれた様な衝撃を、隆昭は感じる。のどかで、争い事とは無縁そうな様に見えたこの世界に、そんな過去があったなんて、と。
……だけど。だけどだ。やおよろずの人達は、町の人達は少しでもその過去に関して暗い影を見せたか? 否、皆前向きに、かつ明るく人生を謳歌している。

……それに比べて俺は……。

「……私達が思っているよりずっと、やおよろずの方達は、辛い経験をして来たのかもしれませんね」

メルフィーの言葉に、隆昭は頷いた。だが……だがしかし、と隆昭は思う。

「……だけどさ、メルフィー」

「遥さん……いや、やおよろずの人達も、町の人達も皆底抜けに明るいじゃないか。過去なんて気にしない、そんな感じでさ」

自然に、メルフィーと目が合う。メルフィーは何も言わず、隆昭の目を見つめて、隆昭の言葉を待つ。

「俺……もうちょっとやおよろずの人達と仲良くなってみる。上手く会話できないかもしれないけど、少しでも仲良くなってみたいんだ」

「出来ますよ」

メルフィーは顔を綻ばすと、優しい笑顔を浮かべて、言葉を紡ぐ。

「私も、遥さんやまどかさん……いえ、やおよろずの方達と、仲良くなりたいですから」

「だから……隆昭さんもきっと仲良くできます。信じてますから、私」
「……ありがとう、メルフィー」

何故だか顔が赤くなるほど、隆昭は今の瞬間を恥ずかしく感じる。けど、メルフィーが居てくれて良かったと、心から思う。
その思考の片隅でふっと、隆昭は思う。

―――――――とはいえ、今の自分にやおろよずの人達と、仲良くなる資格があるのか、と。

276創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:10:57 ID:HYVUM6nP
 
277創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:11:17 ID:hHibo270
 
278創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:11:33 ID:wh3M/cUJ
「面白そうな本無いなぁ……」
そう呟きながら、遥は本棚を行ったり来たりする。どうも自分の興味をそそる本が見つからない。
どうせだから料理の本でも見に行こうかな―――――と思った瞬間、誰かと思いっきり頭からぶつかった。

「うわっ!」
「きゃっ!」

周辺に多くの本がバラバラと散らばった。遥は慌てて、落ちた本を拾う。拾いながら、ぶつかった相手に謝罪する。

「ご、ごめんなさい! ちょっとボーっとしちゃってて……」
「ううん、私が前をちゃんと見てなかったから……」
「いえ、私が……」

と、遥は顔を上げて―――――息を、飲んだ。

そこには、白いワンピースを着、綺麗な白髪を垂らした少女が、自分と同じく本を拾っていた。
その少女は奇妙な雰囲気があり、遥にはその少女が自分より幼くも見え、しかし自分よりも年上にも見える。
しかし遥を注視させたのは、その白髪の間から覗く、瞳だ。

透き通った琥珀色のその瞳は、深く澄んでいて、また、宝石のような神秘的な美しさを感じる。遥は少女の瞳に見惚れていた。

「……貴方、名前は?」

少女が遥に、名前を聞いた。ハッとして、遥は慌てて少女に自分の名前を伝える。

「一条……一条遥です」

「一条遥……覚えやすい名前ね。私、リシェル」


「リシェル・クレサンジュ。貴方も――――本、好きなの?」



279創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:12:11 ID:jrPqVRCU
 
280創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:12:11 ID:nLTAFle/
 
281TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/07(日) 16:12:31 ID:wh3M/cUJ
――――――所変わり、やおよろずから遠く離れた、しかしレイチェルとも近くない、草原。
かつてこの世界で起こった「何か」の残骸であろう、建造物に隠れて、女性は腰を下ろし、静かに目を瞑っている。
空は快晴。太陽が作る心地の良い陽だまりの中で、女性は少しづつ目を開けると、大きくあくびをして背を伸ばした。

「流石に徒歩は厳しかったな……まぁ、これも鍛錬のうちだ」

厳しいなんてものではない。女性が車から降りた場所から、目的地である何でも屋―――――やおよろずまで、徒歩で丸1日半程も掛かる。
普通に考えて列車で行くのが常套手段だが、女性は自らの鍛錬のために、わざわざ歩いて、やおよろずへと向かっているのだ。
昨日から1日歩きっぱなしで、丁度良い感じの草原があったので少しばかり眠っていた。これから歩き出せば、明日の昼ごろ位には、やおよろずに到着するだろう。

と、雑音にも似た不快な感覚を感じ、女性は振り向いた。

何時の間に、数機の野良オートマタが、自分に向かって敵意を振りまきながら、
女性はめんどくさそうに膝に掛けていたダッフルコートを肩に背負うと、胸元から聖書を取り出した。
そして聖書を開くと、野良オートマタ達に向けて、言った。

「ちょうど鈍ってた所だ。気の毒だが――――――潰させて貰うぞ」



「パラべラム!」


女性が空中へと聖書を放り投げた瞬間、黒と白の光が、聖書を包み込む。

女性は俯いて、自らの目に入った蒼色のコンタクトレンズを取り出し、専用のケースにしまう。正面を向き、野良オートマタを見据える女性の両目は―――――。

                           

                             
                            琥珀色、だった。



                             

                             
                              第八話
  
                              琥珀

282創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:12:58 ID:hHibo270
 
283創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:13:59 ID:hHibo270
 
284創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:15:12 ID:wh3M/cUJ
投下終了です。多くの支援、誠に有難うございます

にしても隆昭が何か別キャラに見えてしまう不思議。前回登場時にギャグパートだったから尚更w
8話にしてようやくリシェルをメインと絡ませる事が出来た……
285創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:17:19 ID:hHibo270
>>284
投下乙!
というわけでゆっくり読ませて貰うぜメーン
286創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:25:48 ID:s3lQRuYb
>>186
新しい人、いらっしゃい!ロボスレにようこそ!
近未来モノってやっぱりいいなぁw地下都市が舞台ってのもますますそそられる。
そして1話からそうそう用意された伏線。先を気にさせる運び方ですね……!
週1ペース頑張ってください!次回も楽しみに待ってます!

週1ペースかぁ……。自分もそんくらいのペースで書きたいなぁ。
HAHAHA!まだ200文字しか埋ってないよHAHAHA!

>>284
投下乙!投下されながら読ませてもらいましたぜ!
今回は次へと繋がる重要な話で、もうワクワクドキドキの展開でしたね……!
ライオネルVSリヒトが迫ってきてるので毎回毎回興奮しっぱなしです。
今から次回が滅茶苦茶楽しみです!ゆっくり待ってますね!
287創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:25:58 ID:fPXoaM9g
>>284
 投下乙です!
 では、ゆっくり読ませていただきますね!
288創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 16:42:41 ID:nLTAFle/
>>94
可変機構、書かずにいられないッ!!

感想ありがとうゴザイマス。
ゆったりというか、毎度毎度ダラダラしてしまうのが困りモノ。
喫茶店は一度は書いてみたかったのです。

>>98
感想ありがとうございますー。
緩急………かん…きゅう……かゆ…うま…。

クラの生活スタイルはこれしか思い浮かばなかったのでこうしてみました。
それにしてもジュリ万能杉という突っ込みをされると実に痛かったり・

>>117
ハルキゲニアもいいんですけど、やっぱり水中で可変しちゃう変態度が欲しくて。
すれ違ったお二人について明言は避けておきまs(ry

>>159
マクロスじゃないよ! 本当だよ! 感想ありがとうございますです。

可変は必要です。かっこいいじゃないですか、がしゃこーんって。クラの言葉は自分の本音だったり。
生活感…空気感、書いてる自分には理解出来ない不思議。なぜかしらん。
喫茶店の二人はフロム脳で補完ということで…ネ。

>>186
投下乙だ!

地下とか崩壊後のセカイとか、好きな部分を突いてきたか…!
このゲームやってみたいですわぁ……十年後にはリアルでも出てて欲しい。

>>90
投下乙ですっ!
タカ坊……いいんだよ、何も過去に足を引っ張られ続けなくても。メルちゃんも…。

……ひょっとすると二つのセカイはさほど離れてないのかもしれませんね。
アストラルギアとオートマタ、技術的にさほど開きもないし、言語にしたって…。
猿の惑星という映画もあながち違ってないのかも…。

次回も待ってます。
289DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/07(日) 16:45:21 ID:nLTAFle/
ってイカン鳥つけてなかった。
師匠に質問なんですけど、オートマタにマナを供給するのは一般の人でも可能なんでしょうか。
供給するときにとうの供給者に負荷はかからないのでしょうか。
290創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 17:08:21 ID:hHibo270
>>284
改めて投下乙!
何よりも真っ先にトビーと美しき筋肉アピールに反応してしまったw
しかし、やおよろず連中にライオネルの魔の手が着々と迫ってるな……これは次回も期待せざるを得ない

>>289
一般の人がマナ供給できたら意味なくね?
291DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/07(日) 17:09:19 ID:nLTAFle/
>>290
ですよねー。アホこいた。
292創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:21:10 ID:wh3M/cUJ
>>286
感想dです
もう前半も良い所なので、色々と伏線を張らせて貰いました
ライオネル対リヒトですが、後数話かと。その時にもう一つくらい、山場があるかもしれません
というか前書いてた話だと、もう心編でクライマックスなんですよねwいやー今回は長い
>>288
感想dです
まぁ隆昭が過去に引かれるのはまだ彼が弱いためなので
これから酷(ry 過酷な事が彼の身に起こりますが、次第に彼の視線が過去から未来へと向かえる様になれば良いなと

猿の(ry下りは少し自分で上手いと思っています{キリッ
>>290
感想dです
自分で書いてて何でトビ―を登場させたんだろうと不思議に思っています
まぁレイチェルが出てくるに当たって、彼の存在が必要かなと思って書いてたら思ったより筆が進みました

ライオネルはともかく、まだリシェルも遥も互いの事について何も知りません。と言うと何となく展開がバレルかも

にしてもこの突然人稲……俺の投下か引き起こした
293創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:25:13 ID:nLTAFle/
自分の発言で人稲になると不安で不安で仕方がなくなる症候群を発症した
294創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:25:43 ID:hHibo270
いやいや、時間帯と休日効果だろうw
295創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:37:09 ID:nLTAFle/
人稲だし、きっと晩御飯だし、今日購入したラストレイヴンでライウンに初期装備で挑んでくる。
296 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:44:02 ID:KCpgi06+

私は往く。
蒼き大空を
暮れ行く空を
冥き夜空を

私は往く。
確固たる誓いを胸に
届かぬ想いを胸に
切なる願いを胸に

私は往く。
追おうとする者のその翼をもぎ
狙おうとする者のその手を潰し
食らおうとする者のその顎を圧し折り

私は往く。
だが、いつしか私は疲れていた。
だが、ただただ逃げる事に疲れていた。
だが、私はそれに気付かなかった。

私は往く。
もはや私を繋ぎ止めるのはあの誓いだけ。あの想いだけ。あの願いだけ。
いつしかそれを届ける為に、いつしかそれを成しえる為に、



私は、セカイの果てを往く。



 星が瞬き満月が照らす闇夜。
 その下、何処までも広がる鉛色の雲海。
 そして無音。ただただ静寂が時を刻む。

 いつも通りの夜空。
 何も変わる事は無く、誰も変える者は無く――否、今日は「少しばかり」違っていた。
297 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:45:38 ID:KCpgi06+

 無音の内に風切る音。それを引き摺る何者かの影を雲海は映す。
 それは銀色。淡い月明かりに照らされ光沢を放つ装甲。ただそこかしこに大小の損傷の跡があり、無事とは少し言い難い。
 それは人型。五体を持ち、されど瞳は猛禽。鋭き蒼い光を湛え、後方に光の軌跡を残しながら「無音」で空を往く。

「―――――」

 それは異形。機械仕掛けの異形の甲冑。だがどこか少女を思わせる風貌も併せ持つ。
 極超音速で闇夜を往くそれが少女というのも奇妙な話だが、確かにそれはヒトであり、人であり、女であり、子供であった。

「―――――」

 内心、「彼女」は不満げだった。
 見た目通り、「彼女」は超常の存在。人と同じ背丈で、更にヒトの形をしながらも音を遥かに超える速度で飛行する
……常識的に考えれば明らかに異常だが「彼女」にとってそれは普通。故にそれでも届かぬ自らの理想と現実との
ギャップを比較し解消する為に思考に思考を重ねる。

今の彼女に足りないもの。それは速度だった。
人の視点から見れば十分過ぎる速度だが、「彼女」にとってはそれでも不満。更にどうすればその問題を解決できるのか分かっていながら、
今の状況ではどうする事も出来ないと言う点も不満を増幅させる一因となっていた。

何故彼女はそこまで急いでいたのか。
理由は至極単純。追われていたのだ――超常の存在である「彼女」をも脅かす脅威に。

「!」

 突如後方の雲海が爆ぜる。同時に雲下より現れ「彼女」を猛追する1つの機影。
 それは巨人。機械仕掛けの巨人。
 彼女の10倍以上はあるだろう巨躯を艶の無い漆黒の重装甲で覆い、右腕で持った身の丈の更に2倍はあろうかという長槍を「彼女」に向け、
左腕の甲には機体の装甲と同じく黒い大柄な盾を取り付けたその姿はどことなく大昔の騎士の姿を連想させる。
298 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:46:57 ID:KCpgi06+

「――――!」

 「彼女」は咄嗟に軌道を逸らす。
 そのすぐ傍を掠める重装甲にして超重量。吹き荒れるソニックブーム。だがそれで終わりではない。
 息つく暇も無く巨人は「彼女」の方を向き直り、更にその長槍を突き出す。同時にその槍身は中央から三つに分かれその間を紫電が走る。

 刹那、閃光。
 槍身に添う形で放たれた眩いばかりの光の群れは独りで「彼女」のいる方向に湾曲し一斉に襲い掛かる。その数40。
一旦広がったそれらはまるで自らの意思を持つが如く彼女に向かい収束し襲いかかる。

「ッ」

 雲海を這うように駆ける「彼女」。
 だが光の群れはその背後を執拗に追尾し食らいつく。同時にそれを放った主も槍を突き出し肉迫する。

「――――――」

 傍目に見れば絶体絶命。
 振り切れないと悟ったか「彼女」は巨人に向き直り極超音速での飛行から慣性の影響も一切無く
雲海直上でぴたりと静止。胸の前で右の指を真っ直ぐに伸ばす。

「イグザブレイド、顕現化(マテリアライズ)。」

 宣言。呼応するように瞬時に右の甲に文字通り「顕現」した銀の長剣。
 その切っ先は鋭く美麗なれど、同時にこの世のものとは思えぬ光沢を放つ。

 それとほぼ同時に湾曲しつつ迫る光の群れ。
 だが「彼女」は動じない。その猛禽の瞳に冷たい光を宿し、襲い来る脅威に真正面から立ち向かう。
299創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:47:16 ID:wh3M/cUJ

300 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:49:02 ID:KCpgi06+
「はぁ!」

 左肩に添えられ、そこから一気に振り抜かれた斬撃。
 同時に大気が震えまるで見えない何かに押し出されるように吹き飛ぶ周囲の雲。
 しかもそれだけではない。吹き飛ばされた雲と同時に光の群れもまとめて掻き消されてしまった。
 邪魔なモノが無ければ「彼女」にとって超音速とは言え猪突猛進なランスのチャージなど恐るに足らない。直後に襲来したそれを軽くいなし、距離を取る。
 巨人の方も「彼女」の方に向き直り、その燃ゆる瞳により睨みを利かす。

「………………」

 敵の力は絶大。回避自体は比較的容易とは言え、一撃でも貰えばまず助かる見込みは無い。
 それに今までの戦闘により蓄積したダメージにより機体稼働率は精々30%少々。このままでの長時間の戦闘行動の続行は不可能だが、これでは奴の追跡から逃れられもしないだろう。
更にはこちらの今使える得物はこの一振りの長剣のみ。だがこれであの機体の重装甲を貫くのはまず不可能。敵も自らと同じ超常の存在。この程度で倒せるのなら苦労はしない。

(だが、ここでやられるつもりも無い。)

 この程度の危機、幾度も遭遇してきた。
 私は往かなくてはならない。立ち止まってはならない。使命を果たすまで、私に死ぬ事は許されない。

 前方の敵機が槍を突き出す。
 だが突撃の前動作は取らない。ただ突き出し、「彼女」に向ける。不審に思う「彼女」だったがその理由はすぐに分かった。

(――事象励起。新手か。)

 世界が揺れる。世界が震える。世界が壊れる。
 「彼女」の周囲の三箇所に巻き起こる超常的事象。空間が軋みを上げて歪みを生み、その内より何者かが姿を現す。
301 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:49:57 ID:KCpgi06+
「――――――」

 燃ゆる瞳。黒き装甲。
 手には戦車砲もかくやと思うほど巨大なライフルを持つ。
 今まで「彼女」を追い掛け回してきた機体が「騎士」だとすると今度現れたのは「歩兵」と言った所か。

(シュバイゼンの今までの動作はこれの為の下準備……やってくれる。)

 「彼女」や「騎士」といった超常的存在の駆動により世界に歪みを生み、そこより自身の援軍を滑り込ませる。
「ある者」を呼ぶ危険性も高いがそれ相応の技術があればこれほど効果的な増援方法もあるまい。

 敵は4。自身は1。
 完全に包囲された形だ。彼らがあのような技術を完成させていたとは予想外だったが敵が1体でも4体でも正直詰みである事には変わらない。

『お前の負けだ。投降しろ。』

 「騎士」より通信が入る。
 物静かな男の声。絶対的優位な立場にありながら、彼の言葉の端々には諭すような雰囲気も感じられる。

『今ならまだ懲罰のみで済む……アリス、お前を殺したくは無い。』

 それは「彼女」も分かっていた。
 ランスチャージも本気で当てるつもりはなく、湾曲レーザー砲撃も出力を大分絞っており、例え直撃しても「彼女」の装甲なら怯む程度の威力しかない事に。

「――――――」

 周囲の「歩兵」も同じ。
 出現した位置より動く事は無く、警戒しつつも発砲するそぶりは見せない。ただ陣形を取り包囲しているのみだ。

――だが

 私は往かなければならない。立ち止まってはならない。故にこのような場所で捕まるわけにもいかない。
302 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:50:59 ID:KCpgi06+

(…………………)

 「騎士」を駆る彼の、私を気遣う気持ちは痛いほど分かっていた。
 だがそれに甘んじてはいけない。私の使命は彼のいる場所で叶えられるものではない。

『……1分待とう。その間に投降すればよし。投降しなければ、お前を討たねばならない。』

彼の冷徹な、しかしある種彼女を思う声が聞こえる。
 だが彼は敵だ。今の私にとって打破すべき敵だ。

「………………」

 今の私の前にある道は二つ。
 投降するか、このまま立ち向かい死すか。だがどちらも進むべき道ではない。

――ならどうすればいい?

 道が無ければ作ればいい。
 その為の材料も無くは無い。だがこれは下手をすれば自らの滅びも招きかねない方法。
死するのにはまだ早い。私の使命は死しては成就できないからだ。

 「彼女」の内に躊躇の念が一瞬過ぎる。だがそれも一瞬。次の瞬間には覚悟のみが残っていた。

(――往こう。私は立ち止まってはいけない。私は、歩まねばならない!)

 自らの内の超常の力を振り絞る。事象励起。世界干渉。
 同時に周囲の世界の構造が脆くも崩れ、この世ならざる何者かがその内より出でようとする。
現象自体は先ほどの「歩兵」達の「顕現」と同じ。だが規模が桁外れに違った。

『――――!アリスッ!!』

 「歩兵」達よりいち早く異常を察知した「騎士」が全力を持って止めにかかる。
だがそれは「彼女」に届く寸前に見えざる「何か」によって軽々と押し留められた。
303創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:52:32 ID:g3Pu3XVd
支援
304 ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/07(日) 18:53:28 ID:KCpgi06+
『悪いな、ネモ。私は貴方達の所にはもはや戻れん。』

 「騎士」の動きを押し留めた何者かが実体化していく。それはまるで巨人の掌の様。
同時に「彼女」自身の周囲に「騎士」をも上回る体躯の何者かの輪郭が姿を現す。

「イグザゼン、顕現化(マテリアライズ)。」

 無感情に、冷淡に、ただ機械的に告げられる「彼女」の宣言。
 そして生まれるは超常の存在をも上回る超越的存在。世界の、時空の、全ての因果の果てより来るそれは
この世ならざる咆哮を、この世ならざる叫びを、この世ならざる産声を、三千世界に渡り轟かせたのだった。


                                        eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――



始めましてこんばんわ。ここは前から覗いてましたが投降自体は初めてです。
拙い作品だとは思いますがエターならないようぐらいには頑張ろうと思うんでよろしく
305創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:55:01 ID:wh3M/cUJ
1日に新人さんが二人とか今日は凄いなww
>>304
初投下お疲れ様です!
早速読ませて貰いますねー
306創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 18:58:14 ID:g3Pu3XVd
緊張感があっていいなw
これはつまり、新感覚☆女性巨大ロボって感じなのか。
単語選びのセンスに何だか親近感!

投下宣言くらいしても罰は当たらぬぞ!
307創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 19:04:42 ID:wh3M/cUJ
改めて投下乙です
文章が詩的で凄く素敵です。常に淡白な文章しか書けない自分には凄く羨ましいw
主人公?であろう彼女と、彼女を追う何かの描写が緊迫感があってゾクゾクしました
イグザゼン……何このネーミングカッコ良すぎる……!
ではでは、次回も激しくお待ちしております!
308創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:23:33 ID:nLTAFle/
>>304
こ、これは新感覚…! 投下乙です!

ストーリーは読めませんが、戦闘シーンに満ちた緊張感が素晴らしいです。
だーっと続くかブチブチ切れるかの文書表現の自分には無い硬派な感じで、神話を彷彿とさせるといいますか。
酉付きということは次回もあるということですね! 待ってます!



ライウンを安全領域で弾切れさせてしまった…
この先生きのこれるのだろうか…?
309創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:26:57 ID:HYVUM6nP
>>284
投下乙です!
むむむ、とうとうメインヒロインが重要キャラと接触ですかー
これは後々楽しいことになりそうですね!w
しかしタカ坊はホントに普通の子だなぁwすげぇ応援したくなるw
技術面の話も面白いですねー、収斂進化的な話でw
そして最後のシーンもむちゃくちゃ気になりますね!w同じ目の色とはw
では次回も楽しみにしてます!

>>304
初投下乙です!
最初のシーンから疾走感があって読んでてテンション上がりましたw
シュバイゼンを駆るネモとアリスの関係、そしてアリスが顕現させたイグザゼン。色々想像かきたてられてわくわくしてますw
個人的にこういう話は大好きですので、次回も楽しみに待たせて頂きますね!
310創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:28:10 ID:g3Pu3XVd
みんな読み込みすぎだなw
そういえば、ネモとアリスというとナナナを思い出すな
311創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:32:23 ID:nLTAFle/
話の流れをブチ切ることをいってみる。

廻るセカイを読むときは「素晴らしき新世界」を聞いてしまう。
312創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:35:21 ID:HYVUM6nP
俺は作品読むときは殆ど無音だけど、
たまに友達に弄って貰った曲をかけてる
313創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 20:55:10 ID:s3lQRuYb
>>304
一日に新しい書き手が二人も……!どんどん規模拡大していくな、このスレは……。
とまぁそれはさておき、初投下おつかれさまでした!
なんか話を読んでて本家スパロボみたいな雰囲気だな、と思いましたw
スパロボリアル系ルート第一話にあっても全然おかしくない感じ。
話の躍動感と疾走感がすごい良い。尚且つ読みやすい。演出と文才が素晴らしいですね!
とても面白かったです。次回も楽しみに待ってますね!

>>311
基本的に読んでるときは無音かなぁ。なんもかけてないことが常かも。

そして作者としてはそう言ってもらえるだけでささやかな幸せを感じたり。
その曲を聞いてみよう。よし聞いてみよう。知らんかったのかというツッコミはなしだぜ。
とりあえず廻セカDaZは来週までにはせめて投下したいなぁ、とか思ったり。
22スレ内に間に合うだろうか……。これ。頑張るしかねぇ。
314創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:02:08 ID:KCpgi06+
みんな感想ありがとう!返信等をば

>>306
すみません、指摘ありがとう。今度から投下宣言してから行きますね。

>>307
詩的とは恐縮。ぶっちゃけ厨二病気味ですが生暖かい目で見守ってくれれば嬉しいです。
イグザゼンのネーミングは個人的にも気に入ってたり。ある日突然降って来たものなんですけどね。

>>308
ストーリーは冒頭も冒頭なので読めないのは仕方ないかと。。。
今度から本編に入っていきます。

>>309
先も書いた通りエターならないよう頑張っていきます。
まぁある程度書き貯めしてるんですが色々手直し中……

>>310
ナナナ……?ごめんなさい分かりません(´・ω・`)

>>313
本家スパロボとは嬉しいw
次回も頑張っていきます!

自分も無音かな。音楽掛けてるとそっちの方に気がいってしま。。。
315創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:13:09 ID:wh3M/cUJ
>>309
感想dであります
やけに時間がかかりましたが、どうにか遥さんとリシェルを対面させる事が出来ました
隆昭はある意味、作品における常識のパラメーターなのでこれからも普通の子です。良ければこれからも応援してあげて下さい
スネイルの話については、何となくなんで別世界なのに修理出来るのかという事を無理やり理屈づけましたw
>>314
これからも作品投下だけでなく、雑談にもじゃんじゃん参加して下さいw
話題があれば誰かが何かしらのってくれるのでw

一重に前からスレを覗かれていたそうですが、何号機目くらいから見てたんですか?
何となく気になってw
316創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:18:44 ID:KCpgi06+
>>315
19号機目ぐらい、かな。
ただ飛び飛びで見てたんであまり皆さんの作品は読んでなかったり……
今度からきっちり読んだり感想書いていったり雑談も参加していってみようと思いまs
317創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:21:17 ID:wh3M/cUJ
>>316
結構最近なんですねw
投下は勿論、雑談の方もお待ちしておりますよー
318創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:36:31 ID:HYVUM6nP
>>316
管理人さん達の努力によってwikiが充実しておりますので、興味があれば収録作品も是非、読んでみて下さいw
雑談への参加も大歓迎ですw
319創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 21:38:01 ID:ohaubA/L
感想です

>>284
投下乙です!
ルガーの筋肉説得に笑いましたww
猿の とか小ネタもくすりと笑わしてくれる感じで良いですね!ww
だがその実ストーリーは着々と進んできているようで……。
オートマタとアストライル・ギアの技術にあまり差がないってのは驚きでした
色々な可能性を想像させてくれますね! 次回も楽しみに待ってます!

>>304
投下お疲れ様です!
ってなんじゃこりゃああああ! 
いきなり表現が素敵すぎて脳汁溢れそうなんですけど!ww
他の方々も仰ってますがスピード感半端ねぇですよこれww
凄いワクワクしますww続きが楽しみだ!ww

>>316
wikiを見れば変態の仲間入(ry


以下感想返信です

>>117
感想ありがとうございます!
マナは結構素直な娘なので小細工苦手です。直情径行のきらいがありますね。
やっぱりセレイナは濃いですよねww今更ながらそう思いますww
雪人がどう動いてセレイナがどう動くのか、などなど、どうぞお楽しみにww

>>159
感想ありがとうございます!
ザイフリ世界はカオスです。いろんな人がいると言うことですねw
セレイナは登場人物の中でも結構ぶっちぎってると思います
露出卿、メイド、ブラコンの三人と合わせてザイフリ変態四天王ってとこでしょうか

>>235
感想ありがとうございます!
何だかんだでセレイナが不評じゃないようで驚いておりますww
素敵属性ですかね……?wwちょっとやりすぎたかと思ってましたが
雪人と双子も動き出す感じで、何かやっと物語が進みそうです。
セレイナ女王のSな活躍は……あるんでしょーかww
320PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:00:26 ID:fPXoaM9g
 ふぅ……てのひら1話、ようやく書けましtって、投下作品増えてるー!?
 ロボスレへようこそ! 歓迎しよう、盛大にな!

 さてさて、すみませんが感想は後にして、てのひら1話を投下してもいいですかね?
 極大射程終わってからのほうがいーい?
321創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:07:49 ID:s3lQRuYb
>>320
カマン!カマアアアアン!投下するんだ!今すぐに!
322創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:09:48 ID:wh3M/cUJ
読みたいので投下してくださーい。是非是非
323創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:11:35 ID:HYVUM6nP
支援する!
324PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:12:42 ID:fPXoaM9g
 了解しました! 支援お願いしますね!
 あと串規制喰らったらごめんなさい!
325創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:13:47 ID:wh3M/cUJ

326創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:18:30 ID:wh3M/cUJ
……寄生されたか
327てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:18:47 ID:fPXoaM9g
「……目の前のこの荒野は、何だ?」
 乾いた笑いを浮かべるリヒトの目前に広がるのは、彼が見知った緑の海ではなく、雑草すら生えていない、赤色の荒野だった。
「……しばらく来ない間に随分変わりましたね。焼き払ったんでしょうか?」
 首を傾げなが、まどか。
 しかしながら、アウロラの広大な畑を焼き払う事は不可能に近い。それこそ、遥か古に作られたという、天を焼き、死の灰を撒き散らす爆弾でも使いでもしなければ。
 しかしそんなものは伝説上の存在だ。実在したとしても、そんな危険な代物を使うような馬鹿はいないだろう。
<……焼き払ってこうなるとは考えられません>
 遥が契約したオートマタ、リヒターが黙考の末意見する。
「……そうですよね。とりあえず皆さん警戒を怠らないようにしてください」
 懐からヘアゴムを取り出して口にくわえ、髪を纏めてそれを結った。まどかの本気モードのスイッチが入る。
「一応、機械人形は出しておいてください、何があるかわからないので」
 まどかの指示に無言で頷き、遥とリヒトが各々の杖で地面を突いてこう唱えた。
「パラベラム」


■Tuern×Para Bellum!□
てのひらをたいように
Episode 01:通り過ぎてった日を悔やむよりも。


□Chapter 01:大丈夫、折ってませんから。


 鋼の巨人と駅を出て、砂埃を被った石畳に一歩を踏み出した。街はまるで死んでしまったように静まり返っていて、どこか不気味だ。
 ピリピリとした、殺気にも似た空気を感じながら、やおよろず一行は歩いていく。
「……おかしい、まるで何年も前からこうだったみたいだ」
 静寂に耐え兼ねたのか、顎に手をやりながらライが呟く。
「誰かいるなら返事をしてくださーい」
 そう手でメガホンを作って叫ぶ遥に向かって、拳程の大きさの石が飛来した。しかし遥は特に慌てた様子もなく、手にした黒い杖“ブリューナク”を構えて、
「真芯に捉えて――――打つべし!」
 ホームラン。美しい放物線を描いて、石はいずこかへと飛んで行った。やおよろず一行が歓声を上げる。
「ふぅ……。返事の代わりに石投げる悪戯っ子はどこの誰かな。ちょっとその凛々しいお顔を拝んでくる」
 遥が建物の影へ消えた。いつもと変わらない顔だったが、声の調子が硬い。どうやら相当お冠のようだ。
 しばらくして、遥が去って行った方から痛烈な悲鳴が聞こえてきた。遥のではない、男のだ。
「な、何が起こってるんでしょう……」
 恐怖から若干上擦った声で、まどか。
「……て、手厚い歓迎のお礼をしてるんだろう」
<……い、悪戯っ子には折檻が必要だからな>
 リヒトとたま、遥の肉体言語の被害者達もまた、震える声で答えた。
 その時、突如悲鳴がぴたりと止む。
「生存者一名確保してきたよ!」
 黒髪の男性の服の襟を掴んで引きずりながら遥が戻ってきた。どうやら生存はしているようだが負傷しているし、意識もないようだ――――何故そんな状態なのかは明白だが。
「遥ちゃん、やり過ぎじゃない? 正当防衛の範疇を越えたら犯罪だよ」
 というルガーの問いに、遥は人差し指を立てて説明した。
「大丈夫、折ってませんから。それに体格差もあるし、相手は武器を持ってたので正当防衛は一応成立する……はず!」
「ははは、君は恐ろしい子だね」
 ルガーの乾いた笑いと、石を投げてきた男の呻き声が同時に聞こえ、その場にいたメンバーはなんとも言えない気分になる。
328創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:19:28 ID:HYVUM6nP
 
329創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:19:43 ID:wh3M/cUJ

330てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:19:45 ID:fPXoaM9g
「とりあえず、このへんに縄か何かないかな」
「あいよ」
 すぐさまリヒトがオートマタ固定用のケーブルを転送し、遥に渡す。どうも、と一礼して遥がそれを受け取った。
「どうするんです?」
「縛る」
 限界まで伸ばしたケーブルがギシリ、と悲鳴にも似た音を立てた。遥の表情はあくまで真剣そのものだ。
 ずんずんと失神した男性に歩み寄り、てきぱきと“慣れた手つきで”手足を縛っていく。
 それを見て、まどかが他の面子に囁いた。
「……遥さん、ここに来るまでは何してたんでしょう」
 リタとライがまどかに顔をくっつけて答える。
「……もしかすると、あれは一人旅には必須スキルなのかもしれないよ」
「……世の中割と物騒ですからね」
 それを聞いたまどか、以前見たモヒカンのわるいお兄さん達がヒャッハーしているところを想像して、なるほど、と強く頷いた。
「遥さんって、凄いんだなぁ」
 そしてそんな悪党達を成敗していく遥を想像し、尊敬と羨望の眼差しでまどかが遥を見つめる。
<何を想像してるんですかね>
「世紀末じゃね?」
<ナルホド了解合点承知。この前のアレですね>
 三ヶ月前のドッキリを思い出す。遥はドッキリに乱入してきたモヒカンの悪党達相手に大立ち回りを演じたのだ。
「よし、できた!」
 そんなこんなを考えている内に、作業は終了した模様。手を叩いて、ふぅ、と額を拭う。
「で、どうすんだコレ」
 しゃがんで男の頬を突きながら、リヒト。男は呻くが目は覚まさない。
「とりあえず、どこか別の場所で――――」
 ルガーが男を背負おうとしたその時、物影からぞろぞろと人間が姿を現した。彼らは皆手に農具を持っていて、その目は血走っている。そして彼らは、口々にこう言うのだ。
「機械だ……自動人形が村に入ってきたぞ……!」
「追い出せ、追い出せ……!」
「機械はこの村には必要ない……!」
 まるで生ける屍のようなその形相に、やおよろず一行は一歩退く。
「この人達、機械人形の事嫌いみたい……」
<確かに、ヘイトされてますね>
 じわり、一行の背中を嫌な汗が伝った。
<マスター、迎撃の許可を>
「駄目。リヒター達じゃ強すぎる」
 人々はふらふらとした不安定な足取りで、しかし確実に一行を追い詰めていく。形相だけでなく、そのそぶりも生ける屍のそれのようだ。
 一方のやおよろず一行は、各々一瞬だけ視線を合わせて頷き合う。皆考える事はただひとつ。
331創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:20:24 ID:HYVUM6nP
 
332創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:20:47 ID:wh3M/cUJ

333てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:21:03 ID:fPXoaM9g
「とりあえず今はとんずらすっぞ!」
 リヒトが杖を突き立てると、人が何人か入れるくらいの大きさのコンテナが三つ召喚された。オートマタ用のリュックサックだ。
 このリュックサックは追加のコンデンサやウェポンコンテナとして使用されるだけでなく、人員輸送用にも使用されている。
 某所では心を持たない量産型オートマタ、通称“木偶”を外部から操作する実験に使われているらしいが、それはまた別の話である。
「とりあえず、まずはルガーと女の子からだ」
 コンテナの上部が開く。
 脇に備え付けられた凹凸を使って、男を背負ったルガーとリタ、まどかが器用にそれらをよじ登っていった。
「遥、お前も――――」
「私はリヒターに掴まるから大丈夫です。私よりもライを!」
「でも、遥ちゃんは――――わかった」
 ライは少しばかり逡巡するも、遥を一瞥してコンテナに手を掛けた。
 「……よし、いい子」遥が微笑む。
「よし、おまえらマッハで背負え」
<まったく、ボケる暇もありませんね。イエス・マイマスター>
 オートマタ達がベルトに肩を通し始めると、突然現れた三つのコンテナに呆然としていた村人達が襲い掛かってきた。遥達が足払いなどで対処する。
 背部のハードポイントにリュックサックが固定されたのを確認すると、リヒターらオートマタが前に出て、人々を威嚇した。人々は恐れ、おののく。
<まるで人がゴミのようですね、怪獣の気持ちがわかったような気がします>
<むしろゴキブリか何かに見えるがな>
<なら汚物は消毒しないといけませんね>
 逃げ回る人々を見て、シロとたまが楽しそうに嘲笑する。一方の黒い騎士はいたって真面目に跪き、自らが仕える姫君に、恭しく手を差し延べていた。
<マスター、私の手に>
「ありがと、リヒター」
 遥がにこりと笑いながら、リヒターの手にぴょこんと飛び乗る。同時にリヒトもシロの肩へと飛び乗った。とんずらの準備は完了だ。
「よし、とんずらだ!」
334創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:21:17 ID:HYVUM6nP
 
335てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:22:21 ID:fPXoaM9g
 たまとリヒターがスラスターにマナを集中させ、シロが脚部を逆関節に変型させる。
<皆さん、あまり近いと怪我をするので離れてください>
 リヒターが律儀に警告をしてから、ゆっくりと飛翔する。
 マナの特性を利用した機構によって保護されたリュックサックの中のリタとライはともかくとして、両手に抱えた遥を考えての事だろう。
 ――――その傍らで、リヒトを乗せたシロは全力で跳躍していたが。


■Chapter 02:“こちら”の世界へようこそ。


 なんとか逃げ延びたやおよろず一行は、荒野にリュックサックを置いて落ち着いた。
「おいヘーシェン、お前少しは遠慮ってもんを知れ。俺が何度振り落とされそうになったか知ってるのか」
 シロの肩から飛び降りて、リヒト。一切の遠慮をせずに跳びはねていたのだから無理もないが――――
<一回もありませんでしたね>
「ああ、大体あってる」
 どうやらとりあえず言ってみただけのようだ。
「僕はこの世の終わりかと思ったよ」
 口ではそんな事を言いつつも、見た目は明らかにピンピンしているルガー。おそらく長い事付き合っているので慣れたのだろう。
「よっ……と。こっちは快適なもんだったよ。ありがとう、リヒター」
<どういたしまして>
「全然揺れませんでしたよね!」
 リタがルガーに抱っこして下ろしてもらう。
 やがて全員がコンテナから出て一息ついて、男をぐるりと取り囲む。
 男は黒い髪をざんばらにしていて、他の人々と同じように頬はこけ、ボロを着ていた。顔色も悪いし、正直あまり健康そうには見えない。
 遥は少し悪い気になったが、男が拳大の石を投げてきたのを思い出してどうでもよくなった。冗談だったとしてもあれは許せない、というか冗談だったらさらに許せない。
「どうする? 起こすか」
「うん、起こそう」
 ――――よって、ごめんなさいさせる事が必要だ。言い訳は後で聞く。
 ただでさえ月のお客さんが来ていてイライラしているのに、さらに頭に血が上った遥が指をペキペキと鳴らす。
 それを見て、リヒトが感情の矛先を別の方向へ逸らさせる事を試みた。
「遥、それやると指太くなるぞ」
「え、そうなの!?」
「小指の方向に捻ると戻るらしい」
「……なるほど」
 成功。遥は言われた通りに指を捻りだす。その様子を見ていたリヒトに、シロが跪ずき、ひっそりと話し掛ける。
336創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:22:39 ID:HYVUM6nP
 
337てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:25:22 ID:fPXoaM9g
<今日の遥さん、なんだか情緒不安定ですね>
「アレだ、月光仮面が来てんだろ」
 余談だが、月のお客さんも月光仮面も月経の隠語である。
<そういえば遥さんを助けた時にそんな事を言ったような気がしますね>
 ヘーシェンが顎に人差し指を当てる。
「お前の場合は本気なのかとぼけているのかよくわからないな」
<ネタに決まってるじゃないですか>
 「そうかそうか」と含み笑いを浮かべてリヒトは男のほうへ歩いて行った。その背中を見つめながら、拗ねたような声でシロが呟く。
<……いじわる>
 ――――別に、どういう意味か教えてくれたっていいのに。
 狡猾で悪戯好きなうさぎだけど、どこか抜けているところだってあるのだ。


 ♪  ♪  ♪


 目を覚ますと、そこはやっぱり荒野だった。転倒していた身体を、排気音を響かせながらゆっくりと起こす。
<さっきのは何だったんだろうね、ショウイ――――>
 白い機体は、どこにも見当たらない。そして、
<――――チ?>
 共に旅を続ける主の姿もまた、見当たらなかった。
 タウは考える。
 自分を置いてどこかへ行ってしまったのだろうか。だとしたら自分は待機しておくべきだとは思うが、果たしてショウイチがシステムダウンした無防備な自分に何もしないで去っていくだろうか?
 答え――――有り得ない。
 当然タウは自分自身の身体がどれだけ危険なものか知っているし、それはショウイチも同じだ。この力が悪用されれば、“また”世界を滅ぼしかねない。
 ――――ショウイチに、何かあったんだ。
 タウエルンは、“ショウイチを捜す”という、独自の判断で行動する事を決定した。
 だって彼は、“自動”人形なんだから。
 まずは全てのセンサをフル稼動させて、周囲の状況を探る。周囲は特に何も――――いや、あった。
 北西の方向、生体反応が六、自動人形の反応が三。五つの生体反応と三つの自動人形が、ひとつの生体反応を包囲している。あまりよろしい状況ではなさそうだ。
 自動人形の反応が若干覚えのないものなのが気掛かりだが、取りあえずタウは様子を見に行く事にした。
 トラクターへとトランスフォーム。静音駆動で、点在する岩の間を縫うように目標へと忍び寄る。
 目標が見えてきた。
 自動人形は、以前戦った黒騎士に似た機体が一機。オリーブ色の重装甲の機体が一機。二本のうさぎの耳のようなアンテナを装備した小型の機体が一機。
 人間は、三つ編みの少女、赤髪の男性、ブロンドの少女、黒髪の女性、筋肉質な男性、金髪に眼鏡の少年、そして縄で拘束されたボロを着た男。
 ボロを着た男はどうやらアウロラの住人のようだが、彼を取り囲んでいる連中は何なのだろう。黒騎士が配備されているという事はまさか、軍の――――
 しかしアウロラの住人を誘拐する必要はあるのだろうか。人質を使って何をするにしても、あの街にそこまでの価値はないはずだ。
 そこまで考えて、タウはひとつの例外を思い出す。
 あの街の下に、かつて大戦で使われていた兵器が眠っていたとしたらどうだろう。そう、かつて戦った、ダルナスのような。
 だとしたら早急に手を打たなければ、悲惨な事になるだろう。そんな事は誰も望んではいない。
338創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:25:37 ID:HYVUM6nP
 
339創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:26:15 ID:wh3M/cUJ

340創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:29:25 ID:KCpgi06+

341てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:31:16 ID:fPXoaM9g
 ショウイチの許可が下りなければ、ソーラーキャノンもナノマシンによる分解もできないが、仕方がない。
 それらがなくたって、通常の自動人形の10機や20機くらいへっちゃらだ。
 自らを鼓舞しながら、ゆっくりとトランスフォームを完了させる。
 ――――ショウイチがいなくたって、僕は戦えるんだ!
 紅蓮の巨人が、大きく一歩を踏み出した。黒騎士が素早い反応でその眼前に立ち塞がる。
<……その人を、放せ!>


 ♪  ♪  ♪


 遥達のやり取りを見守りつつ、警戒を厳にしていたリヒターは、いち早くオートマタの反応に気がついた。
 データベースに登録されていないうえに非常に微弱な反応だが、そんなものはゴマンといるので参考にならない。
 索敵性能に優れるヘーシェンタイプで、戦場にいた経験も豊富なのシロに尋ねる。マスターの遥に報告したかったが、今日の遥はなんだか怖いのでちょっと気が引けた。
<気がつきませんか、ヴァイス・ヘーシェン>
<正直気がつきませんでした。今も何の事なのかわかりません>
<そうですか>
 この時の二人の間には重大なすれ違いがあったのは言うまでもない。
<ふむ……>
 ならばこれはシステムの異常なのか、とリヒターが唸る傍らで、月光仮面って何の事だろう、とシロが首を傾げる。
 そして、シロよりも経験豊富な九尾の妖狐、たまこと玉藻・ヴァルパインは、
<まどか、微弱な反応近付いている>
 しっかりちゃっかり愛しのお姫様に報告していた。
「微弱な反応……ですか?」
<ああ、どの機種にもまったく一致しない。どうする?>
 黒髪の姫君は、人差し指を頬に当てて考える。
「まだ素性がわからない以上、下手に手出しをする事はできませんね……」
 助けを求めてきた、という可能性を否定できない以上、攻撃はできない。だが、敵意を持って近付いてきた場合は早急に行動しなければ手遅れになる可能性もある。なら――――
「……リヒターさん」
<何でしょう、まどか・ブラウニング>
 攻防共に非常に高いレベルを誇り、接近戦が得意なリヒターに対応してもらおう、そうまどかは考えた。
「正体不明の微弱な反応が接近しています」
<私の方でもそれらしきものを捕捉しました>
「流石ですね、リヒターさん。なら話は早いです、対象の動向を探ってください。敵対する意思が感じられた場合、攻撃しても構いません」
<了解しました>
 片膝をついた黒騎士が、短くと頷いた。
「すみません、本当はマスターの遥さんを通してするべきだったんですけど……その、遥さん、つ、月のお客さんが来ているみたいだったので……」
 まどかが恥じらいに頬を朱に染めるが、リヒターは何故彼女が恥ずかしがっているのか理解できなかった。
 ――――が、こんなのでも一応今は緊急事態なのだ、月のお客さんが何なのかは後で考えよう。リヒター、気持ちを改めて対象の監視を開始した。
 対象の反応は何度も言われている通り非常に微弱で、気を抜けば見落としてしまいそうになるくらいだった。機器の故障と勘違いしても仕方がない。
 時折その反応を消失させながらも、蛇行しながら接近してくる。皆には情報が伝わったようで、いつでも動けるようスタンバイしていた。
 そして、赤いオートマタが、一行の前にその姿を曝した。見たところブルタイプの改造機だろうか、頭部の角など、共通点が多い。
 皆が固唾を飲んで状況を見極めようとする中、そのオートマタは、拳を構えてこう言った。
<……その人を、放せ!>
342創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:31:51 ID:wh3M/cUJ

343創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:31:53 ID:HYVUM6nP
 
344てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:33:21 ID:fPXoaM9g
 猛牛が地面を蹴り、剛力を乗せた鉄拳をリヒターに見舞う。
 太ましいフォルムからは予想もつかないスピードに防壁の展開が出来なかったため、リヒターもそれを真っ向から掌で受け止めた。腕が痺れるが、そんなのは意に介さない。
<……何者だ>
 ぎり、と猛牛の片腕を握る。それなり以上の力を加えているはずだが、猛牛はびくともしない。
<君達こそ、あの人を捕まえて何をしようとしているんだ!>
 少年のような声を張り上げて、猛牛が足払いを食らわせた。倒れそうになりつつも、各部のスラスターで姿勢制御をして持ちこたえる。
 ――――面倒な敵だ。機敏で俊敏、かつ一撃一撃が重い。まるでブルタイプの皮を被ったレオーネタイプのよう。
<状況を聞こうとしただけだ>
<じゃあなんでぐるぐる巻きに!>
 ジャブからのストレートを、最低限の動きだけで回避し、暴れ牛の脇腹へ回し蹴りを放つ。が、効果は薄いようだ。少し体勢を崩したに過ぎない。
<突然、襲われたからだ……!>
 だが、その隙は攻撃のチャンス。低く屈んで、ボディーブロー。巨体が少しだけ浮いた。
<くっ……! でもそれは、自動人形が街に入ったからだって、わからないのか!>
 猛牛の正拳突きが、リヒターを後方へ大きく吹き飛ばした。そして馬乗りになって拳を振り上げる。
<アウロラは、機械人形との共存の象徴の街のはずだ>
<機械人形……あの時のヤツが言ってた――――>
 突然動きを止めた猛牛を不審に思うが、それは一瞬。すぐにパワーを全開にして突き飛ばすと、バックダッシュで距離を離した。仕切り直しの睨み合い。
 その間、リヒター・ペネトレイターは思考する。
 攻撃、防御、機動性、どれを取ってもハイスペックだ。特に防御力が凄まじい。どんな攻撃を繰り出そうとそれらの全てが決定打と成り得る事はなく、逆にカウンターでこちらが痛恨の一撃を喰らう羽目になる。
 そんな時はどうするべきかの答えは、既に決まっている。
 リヒターが、右腕にありったけのマナを集中させた。
 それを見て、猛牛が腰を落とす。なんと、真っ向勝負を仕掛ける気のようだ。
<上等だ……!>
 リヒターの闘志が、俄然燃え上がった。同じように腰を落として、右腕を引く。一撃必殺の貫手にて、その分厚い装甲に風穴を空けてやらんと双眸が光り輝く。
 背部と脚部のスラスターがマナの光を放出し、蛍にも似た光が舞い踊る。
 突撃――――しようとした、その刹那。
<そのへんで終わりにしておけ、おまえら>
 増加装甲を脱ぎ捨てたたまが間に割って入った。九本の尻尾を巧みに操って二人を制止する。
 釈然としないものを感じながらも、リヒターがその矛を納めた。それを確認して、たまが猛牛へ向き直る。
<――――まさか街ごと入れ代わるとはな。“こちら”の世界へようこそ、自動人形くん>


□Chapter 03:僕は……タウエルン。


 猛牛を加え、再び男を囲む。ただし先程と違い、男の目は覚めているが。
<……入れ代わった、とは?>
 リヒターが腰を下ろしながら遥に問う。
 何故か遥の機嫌は回復していて、未だ縛られている男は怒っているような、怖がっているような、微妙な表情をしていた。何をしたのかはわからない。
「この人の証言から判断したの」
 遥が男に一瞥をくれてやると、男の瞳に恐怖がありありと浮かんだ。
<あの、マスター、彼に何を……>
「別に、ちょっとごめんなさいさせただけだよ」
 いつもと同じ太陽みたいな遥の笑顔が、今はなんだかとても恐ろしいものに感じられた。
「畜生、子供のくせに……化物め!」
 涙目の男の悪態は聞こえないフリ。
345創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:34:03 ID:HYVUM6nP
 
346創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:34:44 ID:wh3M/cUJ

347てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:34:44 ID:fPXoaM9g
<あ、あの……君達は?>
 若干戸惑いながら、猛牛のオートマタ。
「私達はなんでも屋“やおよろず”っていうの」
 その質問に、遥がない胸を張って答え、皆の名前を猛牛に教えていった。
「そして、私は一条 遥っていうの。あなたは?」
<僕は、アル……いや、>
 何かを言おうとして尻込みしてから、
<僕は……タウエルン>
 タウエルン。その名前を聞いて遥の脳が勝手にそれ変換する。田植えるん、と。
「か、変わった名前だね」
<遥さん、笑い堪えてるのミエミエですよ>
「人の名前を悪く言っちゃあいけねーな、遥」
 そう指摘するシロとリヒトの声も笑いを堪えて震えていたのは明白だ。
「そう言う師匠達だってミエミエじゃん! ……ごめんね、タウエルンさん」
<ううん、僕は大丈夫。それよりも“こちらの世界”って?>
<それについては私が説明しよう>
 再び装甲を着込んだ玉藻・ヴァルパインがハスキーな声で説明する。
 少し前にもタウと同じ異世界からの訪問者が来た事や、恐らくその影響で時空が歪んでしまったであろうという事。
 どちらも同じタイミングで地震が起こったという事、正体不明の白亜の巨人、そして何よりも、目の前のこの状況。
 それらを総合すると、街と街が入れ代わったと考えるのが妥当だろう、と。
<まあ、あくまで推測に過ぎないがな。ところでおまえの世界は、機械人形がヘイトされているらしいじゃないか>
 そう言って、たまが縛られている男に冷ややかな視線を送る。
<僕の世界だと、機械人形じゃなくて自動人形って言うんだけど――――>
 猛牛改めタウエルンが遠慮がちに訂正を入れようとした時、ひとりの男がタウの視界に飛び込んだ。
「児童人形と聞いて飛んできたぞ!」
 ロリコンという名の紳士、リヒト・エンフィールドだ。
<あ、これ誤字なんでwiki収録時に修正しといてください>
 ただしその紳士は白いうさぎに掴まれて早々に退場したが。
<何を言ってるんだあいつらは……まあいい。しかし自動人形か、私達機械人形とは真逆だな>
348創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:35:18 ID:HYVUM6nP
 
349てのひらをたいように ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:36:11 ID:fPXoaM9g
 自動人形と違い、機械人形――――オートマタは特に嫌われているわけではない。
 オートマタが世界を破壊しようが何をしようが、世界を共に再生していったのもまたオートマタだし、古代に何をやらかしていようと、そんなものは今は関係ない。
 それに一部の調子に乗った馬鹿を除けば、特に人に危害は加えないし、むしろマナさえ与えれば仕事を手伝ってくれたりもする。
 まるで犬のようだ、と一部の野良に馬鹿にされる事もあるが、たま自身はそれでいいと思っていた。おそらくシロもリヒターも同じように思っている事だろう。
<自動人形は、大戦が終わった後も犯罪に利用され続けてるから、いいイメージがないんだ。みんながみんな、そうってわけじゃないけれど>
「機械は使う人次第、ですね」
 言い終わってから悲しそうな声で笑ったタウ。それにリタが補足する。
<機械は使う人次第、か……>
 今は姿の見えない相棒もそんな事を言っていたなぁ、と思い出す。
<そうだ、僕の相棒のショウイチに会わなかった? こういう人なんだけど>
 タウがホログラムを発生させた。それには色褪せた赤いシャツと、所々擦り切れているジーンズを身に纏った青年が映っていた。顔立ちはいいが、表情は冴えない。
 ろくな手入れもしていないだろう髪はボサボサで、腰からぶら下げた水筒がなんだか独特な哀愁を漂わせている。
 やおよろず一行は彼を見た事がなかったが、一同は同じ考えを抱く。
 ――――こんな格好なら、嫌でも目立つんじゃない? と。
「すみません、心当たりはありませんね……」
<そっか……>
 まどかが申し訳なさそうに、タウが残念そうに頭を垂れた。
「あ、そうだ!」
 ぱちん! まどかが手を叩く。
「それなら私達に依頼していただくというのはどうでしょう!」
 ――――これが、奇妙なトラクターと珍妙な人々の付き合いの始まりだった。


 To be Continued...□
350創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:37:27 ID:HYVUM6nP
 
351PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/07(日) 22:38:43 ID:fPXoaM9g
 投下完了しました!
 恒例の君と殴り合う展開とか、色々と残念な事になってますが、そのへんは平にごめんなさい。

 感想は極大射程見て、風呂から上がったらね!
352創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:39:47 ID:wh3M/cUJ
>>319
遅れましたが感想ddです
ルガ―さんはギャグもシリアスも出来て凄く便利なキャラですね
もう8話なので、そろそろ本筋に入っていかないと思ってこんな感じに。色んな意味で中途半端ですみません
アストライル〜の下りは何となく気に入ってます。理屈っぽくてw
>>351
投下乙ですー
自分も諸々が終わったら
353創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 22:50:14 ID:120Psvip
>>351
乙。

私スワガーシリーズのファンだけど映画ラストのリベンジだけはないと思う
354創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 23:11:37 ID:hHibo270
ちょっと目を離してる隙に新作とてのひら1話が投下されている、だと……!?
2人共投下乙!
というわけでゆっくり読ませて貰うぜメーン
355創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 23:32:52 ID:hHibo270
>>304
新入りさん投下乙!
歓迎しよう、盛大にな!
しかしいいね、このテンポ。すごく引き込まれる。そして中二スメルが俺のハートにビンビン来るぜぇッ!これは次回に期待せざるを得ない!

>>351
師匠投下乙!待ってました!
遥さんの女の子の日、だと……!?デンジャー過ぎて近寄れないよ!
あと遥さんにビビるペネ子かぁいいよペネ子。拗ねるしろかぁいいよしろ
でも本命はまどかsうわたまちゃんなにをするやめ
リュックサックのおかげでまた世界が広がったな……まさか有人機まであるとは
そしてタウと合流きたね、これは次回も期待せざるを得ない!
356創る名無しに見る名無し:2010/03/07(日) 23:34:02 ID:TRFUqTYR
しばらく目を放せばこれか!乙いよ、実に乙い!

>>284
ある種の収斂進化とも取れますが他にも考えることはありそうな。
接触と同時にもう片方を動かすあたり上手い演出だなぁと感心。

>>304
言葉と描写にもミステリアス感が漂っているだと…さらに最後をロボで引くなんて期待感煽りまくりじゃないか!!

>>351
いつも通りのにぎやかさもありながら、遥さんは怖い。タウエルンは可愛い。
似てるようで相反する、そんな世界の象徴とも言える勘違いバトルはやはり興奮しますね。
357創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 00:07:58 ID:o7rMObfo
>>351
投下乙でぃす!
リヒター、遥さんにこれを渡すんだ( ・ω・)っ【アスピリン】
しかしやおよろずメンバーがいつも通り過ぎるwこの異常な状況なのにw
そして勘違いからのバトルktkr!バトった状況から 冒頭の白銀>タウエルン≧リヒター な感じですかね?
次回からタウエルン+やおよろずメンバーでショウイチさん探しですね!
楽しみにしとります!
358創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 00:10:55 ID:RhfgUczd
>>351
改めて投下乙であります!
リュックサック!そういうのも(ryこれは便利な機能ww美しい世界の方にも使わせて貰いたいですw
にしても遥さんあの日か―。ちょっかいを出した男の人は本当にお気の毒様ですな……おぉ、本気で怖い
何気に本編ではタウエルンがまともに肉弾戦をしていなかったので、リヒタ―との一戦はこういう魅せ方があるのか!と興奮致しました
果たしてショウイチは何処に行ったのか……そしてタウとやおよろずの面々の次なる行動は?

次回が非常に楽しみです
>>356
感想dでございます
まー確かに他に考える事が沢山ありそうですよねw
ホントはもっと映像的に、というか臨場感が出る様に描写したいんですが、なかなか難しいですね―
359創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 00:33:06 ID:Ffx7xowd
それにしても、今日だけでどんだけ進んでんだw
360創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 00:45:16 ID:RhfgUczd
新人さんが二人も来てくれましたからね―
しかも1日連続でw
361創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:00:36 ID:Ffx7xowd
おどろきの展開だよねw
ところで、クロスのおさらいでタウとPBMを読み返してるんだけど、PBM本編だと、1話以外はみんなオートマタじゃなくて機械人形って言ってる事に気づいたのって俺だけ?
362創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:04:39 ID:RhfgUczd
マジですか。ちょっと明日読み直してみます

やっぱ師匠はこのままバタンキューでしょうかwまぁ自分も寝ますが
363創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:07:49 ID:Ffx7xowd
師匠の事だから、串規制か何かじゃない?w
364創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:18:36 ID:rIE178CK
 皆さん、投下乙です。メインシステム、感想モード起動します。

>>284
 ドールチップ……機械人形の意思を奪うとは、なんと残酷な。これはまさか――――ところで、これってカメラアイが元々緑の子はどうなるんでしょうw
 しかし<自分より大きいロボットに乗って〜>という台詞が出た後、別の作品で同じキャラが<まるで人がゴミのようですね>と過激な発言をしているのは一体何の因果かwww
 それにしても、AGと機械人形の構造が割と変わらないとか、これはてのひらでもやっちゃって構わないという事ですねッ!
 あとタカ坊のマイナス思考は悪い癖ですねw ウチの連中のプラス思考も悪い癖ですが……。
 さてさて、ょぅι゛ょとょぅι゛ょがごっつんこして、別の場所ではステイサムさんが調子ぶっこいた不良野良にからまれて……なんか次回は波乱の予感!
 それでは、次回も楽しみに待ってますね!

>>304
 なんとリズミカルな文章かーっ!
 なんだか心躍ります、こういう文章w
 “ある者”とか、色々気になるキーワードもちりばめられていて、これはいい掴みですね。はてさてイグザゼンとはどんな機体なのか――――
 それでは、次回を楽しみに待ってますね!


 感想終了。システム、レス返モードに移行します。
365創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:18:39 ID:qzeagTRL
>>319
ワクワクしてくれるのはこの上ない嬉しさ。
嬉しいですw

>>355
感想ありがとう!
ハラショー!

>>356
感想ありがとう!
ロボで引くのは反則かなと思ったり思わなかったり。。。(無闇に期待させる系の話で)


では、皆さんの作品を読む系の仕事があるので……とその前に手直しが
終了した第2話(実質1話)を投下したいのですがよろしいですか?
366創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:20:04 ID:Ffx7xowd
早い、早いよ!
支援する!
367創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:20:18 ID:qzeagTRL
おっとと

>>364
感想ありがとう!
wktkしてもらえたのは書き手として何より。
やる気も起きまs
 誰かが世界は丸いと言った。
 他の誰かが青いとも言っていた。

 丸くて青い、それが世界?

――いや。

 違う?ああ、違うとも。
 少なくとも今の俺が見る世界は違う。

 世界は平面だ。
 世界は灰色だ。

 丸くも無く、青くも無い。
 それが目で見える全てだったから。それが肌で感じる全てだったから。青くて丸い世界なんて嘘っぱちの狂言だと思っていた。

――あの時までは。


eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― Act.1


 町外れのジャンク山。
うち捨てられた屑鉄がうず高く積み上げられたその頂上で、その山の内で見つけわざわざここまで運んできた
所々バネの飛び出て朽ち果てたソファーに寝転がり、その上に広がる空を見る。

「………………」

 一面に広がるどんよりとした鉛色の雲。そして鉛色の空。
 この街は曇りが多い。多分工場地帯のスモッグなんかが関係しているのだろうが
まったく興味が無いので詳しくは知らない。ただ見てると押しつぶされそうな重圧を感じたりして正直あまり好きではない。

「ッ…………」
369創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:25:40 ID:Ffx7xowd
 
370創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:26:28 ID:Ffx7xowd
 

嫌気が差し身体を起こし、周りを見渡す。

「……………」

 空が鉛色ならこちらも鉛色。
 果てが見えないほどまで何処までも、何処までも広がるジャンク山。
 一体何をどうすればここまで溜まるのか……噂では大昔の戦争で用いられ、壊れたり必要が無くなった兵器がここにうち捨てられたなんて言われているが、
どう考えてもその類ではないモノが大部分。確かに噂の元になったであろうものも無くはないが、ぶっちゃけあってないような物。
質がよければそこそこ高く買い取ってもらえるので見つけると嬉しいが。

「……………」

 さっきの言葉でも分かる通り、俺の職業はジャンク漁りもといスカベンジャー。
このジャンク山でまだ使えそうな物を見つけて専門の業者に売り渡して生計を立てている。
勿論そうそう高く買い取ってくれる物が見つかる訳でもないので生活はあまり楽ではない。
 ただそうやって宝探しをしていると色々面白い物を見つけることもあるので退屈はしない。趣味と実益を兼ねる、というと言いすぎだが大体そんな感じである。

「ディー!」

 山の麓から聞き慣れた声が聞こえる。
 かなり距離はあるのだが、そのよく通った声は痛いほどに耳に響く。

「ディー!聞こえないのー!!」
「頭に響くぐらいには聞こえてる!どうしたんだ!ベル!」

 声の主はベル。ベル・リングダム。
 弟のウェル・リングダム、育ての親であるバール・リングダムと一緒に機械整備工「リングダム・メカニズム」を商っている。
俺のお得意先であり、保護者でもあり、幼馴染でもある。

「どうしたんだ、じゃないでしょー!そんなところでサボってないで仕事しろー!」
「はいはい……」
372創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:27:37 ID:Ffx7xowd
 

 まぁ、世話焼きなのはいいが少しは俺の自由も尊重してほしいものである。
スカベンジャーという仕事は、収入は安定しないもののその分自由な時間を個人で好きに取れる。
仕事が仕事ゆえ当たり前か。ただサボりすぎると苦労するのは自分なのでほどほどにしないと痛い目を見るのだが。
勿論俺もそれは重々承知しているのだがあの茶髪お下げはそれを許してはくれない。先月のノルマが目標より少し下だったからって一々そんな騒がなくても。今月はいいもの拾ったんだし……

 そんなこんなで外から聞こえてくる雑音はシャットアウト。
俺の自由時間を自ら尊重し寝転がり空を見上げていると、視界の一部が突然何かに遮られた。

「……?」

 始めは虫か何かかと思った。
 次に白い点に見え、その次には白くて四角い何かに見えた。

「――――」

 急激に大きくなっていくそれ。
 何かが頭上に落ちてきていると気付いたときには遅かった。

「!?」

見事顔面にクリーンヒットした何か。視界は文字通り真っ白に染まり、尋常ならざる音が自らの頭部から聞こえ、ベルにもそれが届いたのか慌てて駆け上がってくるのを感じてから俺の意識はぷっつりと途切れた。







「……ぃ……おーい」

何処からか声が聞こえる。
 目を開けると見覚えのある天井……それがウチの物置のそれだと気付き、さらに声の主が頭の脇にいると気付いた俺はそちらに顔をゆっくりと向けた。

「あ、気がついた!大丈夫?ディー兄ちゃん!」
「この馬鹿、頭だけは頑丈だからあの程度でどうこうなるワケないじゃないの。」

 純粋に心配してくれて涙目になってるウェルと、そっぽを向いてふんと鼻を鳴らし皮肉たっぷりなベル。ああ、助かったんだなと安堵し、いつも通りの2人を見て更に安堵した。

「こーれ。泣きべそかきながらワシのところまでディーを運んできたのは誰じゃったかな?」
「バ、バール!そんな事言わなくても!」
「ふぉっふぉっふぉっ」

 何やら機械のコンソールを操作しつつ楽しげに笑うバール。妻に先立たれ、子供もいなかったこの人は孤児だったベルとウェルの姉弟を引き取り、
更に何年も前に行き倒れになっていたらしい俺も拾ってくれて今まで育ててくれた。実の親のように接してくれて、ベルとウェルも俺と同じように彼を慕っている。
ちなみに2人ともバールの仕事を手伝っているが、残念ながら俺には機械の才は無かったので、せめてもの恩返しにと2年ほど前から始めたのがスカベンジャーだった。

「俺は……」
「頭の骨が何本か折れたような音がしたとベルが言っておったが外傷は無し、脈拍も安定、その他もろもろオールグリーンなのに意識だけ失っていたのじゃ。」

 そう言いつつバールは俺の周りにあった機械をてきぱきと片付けていく。
それはジャンク山で発見された自動で様々な診察を行ってくれて、更には簡単な傷ならそれも治療してくれる機械。非常に高い技術が用いられており中身は完全にブラックボックスだが
使用方法のマニュアルがあったり同じ種類の機械が結構見つかったりしているのであのジャンク山にこれを捨てた連中の間では広く普及していたらしい。
わりと高い値で取引されている保存状態のいい物を俺が少し前に見つけ、家にまで持ち帰り売り払うかどうか考えている矢先の出来事がこれだった。
374創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:28:33 ID:Ffx7xowd
 
「しかし頭に空から降って来た本が直撃したなんて、この街でも今の今まで誰もおらなんだじゃろうなぁ……」

 かわいそうにと付け加えつつ手元にあったそれを寄越してくれた。

「これが俺に……?」
「そうじゃ。そこまで分厚くも無いが、顔にぶつけるものでもあるまい。」

真っ白なノート。ぺらぺらとページをめくってみても何も書かれてはいない。その上最後まであるわけではなく途中で無造作にちぎられているときた。

「……一体何処から降ってきたんだろう。」
「さぁのぉ。世の中には不思議な事もあったものじゃ。」

 空から降って来たノート……どうせなら女の子が、という妄言は置いといて
ノートもノートで中々夢があっていいじゃないと思わなくも無いがせめて落下地点ぐらい考えてほしいものだ。

「じゃあワシは作業に戻るから、何かまた具合が悪くなったりしたらすぐ呼んでおくれよ?」
「分かった。」

 よっこいしょっと立ち上がり、工場に戻るバールの後姿を眺めつつ、俺は白いノートに目をやる。
 遭遇した出来事が出来事だからかただ単に自分が思っているだけかもしれないが、何やら不思議な雰囲気を放っているように感じる一品。
まぁ実際はただの何処にでもありそうなノートなのだが……

「気味が悪いしとっとと焼いちゃいなさいよ。」
「いや、記念にとっとくよ。ある意味貴重な体験だし。」
「ディー兄ちゃんがそう言うんだし、いいんじゃないの?姉ちゃん。」
「むー……ま、まぁそう言うならそれでいいわ。あと今日は自室で謹慎!あんなとこでサボってるからこんな目に遭うのよ!」
「それは結果論だろ!大体なんで謹慎なんか……おっとと。」

 そういいかけてふら付く足取り。
 それ見たことかとベル。大丈夫とウェル。
376創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:29:56 ID:Ffx7xowd
 
377創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:30:39 ID:Ffx7xowd
 

「そんなんじゃ仕事どころかサボる事も出来ないわね。ほら、分かったらさっさと身体を治す!」

背中を押され、自室に繋がる階段のほうまで連れて行かれる。

「あたし達も作業に戻るから、あんたの今日の仕事は身体を休む事。いい?」
「へいへい……」

 これ以上何言っても仕方ないと考え自室に向けて足を運ぶ。
 そこは元々倉庫だった場所を俺が一人部屋がほしいとバールに頼んだところ改築してもらったもの。一人の部屋としては十分過ぎる位の広さがある。
中にはジャンク山から拾ってきた使えそうで使えなさそうなものや、面白そうなものがいくつか飾ったり机に置いてあったりしているが、
そこまで散らかっては無く我ながら小奇麗にしていると思う。

「はぁ……」

 ため息一つ吐きつつベッドに横たわる。
 そのすぐ脇にはベランダがあり、暮れ行く空に色とりどりの照明が輝くこの街の工場地帯が一望出来る。

「………………」

 眺めは悪く無いが正直見飽きた光景。ノートをベッドのすぐ傍の机の上に置き、シャッとカーテンを閉め毛布にくるまり大人しくしておく事にする。
 確かに出て行きたいのは山々だがまだ少し頭がふらつくのもまた事実だし、抜け出そうものならベルになんて言われる事か
……なんて考えていると本当に眠たくなっていき、俺は夢の世界へと旅立って行った。




――机の上に置いたノートの表面に、電子回路の如くほんのりと赤い光が幾重にも走っている事も知らずに




ええ、ロボ?何それおいしいの?な回です。石、石をナゲナイデ
379創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:31:30 ID:Ffx7xowd
 
380創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:41:42 ID:rIE178CK
>>289
 一般の〜の件は>>290氏が答えてくれちゃってるので、後者の返事をば。
 マナ供給時の神子は神経使うので疲れます! 以上!

 すみません本当に大体そんな感じなんですやめて石投げないで。
 どれくらい疲れるかは、距離と神子の技量によりますね。

>>314
 ナナナって、ギアスの漫画の“ナ”イトメア オブ “ナ”“ナ”リーの事ではないでしょうか!

>>353
 あれは確かに、なんか蛇足な気がしましたw


 さてさて、皆さん感想ありがとうございます!

>>355
 リュックサックは後々出そうかと思ってたんですけど、もう出し惜しみはやめだ、という事で出しましたw
 ビジュアル的には、ギアスのKMFのコックピットみたいなのを想像していただければ。サイズ同じくらいですし。

>>356
 こんなすれ違いで良かったのかと内心戦々恐々してましたw

>>357
 い、一応いつもよりかなりギャグ控えたよ! よ!
 戦闘力は大体そんなもんすかね。といっても、今回の殴り合い宇宙はどちらも本調子じゃないんですけどw
 タウとペネ子にはレベルに差があるのでこうなってる、とRPG的に想像していただけると。
 あと、タウもソラキャ封印されてたけど、ペネ子もまだクラスチェンジ……じゃなかった、フォームチェンジがしてないんだからね! まだ負けたわけじゃないんだからね!

>>358
 因果応報というやつです! ょぅι゛ょに石を投げるなんて、ゆ゙る゙ぜん゙っ!
 R,G&Bでタウが華麗な体術を披露してたので、こっちでもやらかしてみましたw
 さらにバックアップしてくれる仲間がいるおかげでタウに弱点がなくなっちゃったよ!

>>361
 あ、バレました?
 逆に地の文だと、なるべくオートマタと表記してるようにしてたりしますw

>>363
 ドンピシャァァァァァァァァ!!

>>378
 素早い投下乙です! すみません、支援できなんだ……。
 って、まさかの非戦闘回w これは予想外でしたw
 世話焼きな幼馴染み……イイッ!
 ジャンクの中には夢がいっぱいですね! しかしこのノート、一体何なんでしょう。
 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
381創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 01:41:57 ID:7dSKf6up
乙。
引き込まれた。まずこれしか言えん。
もっと粋な感想は他の人に任せる。
382創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 02:01:01 ID:Ffx7xowd
>>378
投下乙!
ロボ活躍回じゃない……だと……!?
しかし落ちてきたノート、一体何なんだろう。これは次回も期待せざるを得ない!

>>380
>一応いつもよりかなりギャグ控えた
またまたご冗談をw
今回もPBM節全開だったじゃないかw

>なるべくオートマタと表記してるようにしてたり
おお……本当だ……。師匠って、割と細かいとこ気にするよねw
383創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 02:04:06 ID:m1jpgzCD
>>378
文章の雰囲気の持たせ方が凄く上手い
正直、見習いたいぐらい

話としては謎が散りばめられていてこれからどうなるか凄く気になります
384創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 02:27:35 ID:rIE178CK
>>382
 皆には自重してもらったッ、自重してもらった筈なんだッ!
 意外にも珍獣がしっかり自重してくれる事に驚きを隠せません。さすが気付いたら犬属性ついてた子。

>割と細かいとこ気にする
 細かいとこばかり気になって他がおざなりになる……悪い癖です。
385創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:28:33 ID:Ffx7xowd
珍獣かわいいよ珍獣
そういえばチョーさんの20号機突破絵で、珍獣だけカメラ目線じゃないよねw
386 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/08(月) 12:33:32 ID:tpKtO533
感想を書いてくださった方々、ありがとうございました。
まさかこんなに多くの反応があるとは思ってませんでしたので、少し驚いてしまいました。
投下ペースは週一と書きましたが、調子がよければガンガン投下していきたいです。
387創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:39:37 ID:rIE178CK
>>385
 珍獣らしいですよねw

>>386
 ロボスレってそういう所なのでw

>調子がよければガンガン投下していきたい
 週一よりもペースを上げていく……だと……!?
388創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:40:39 ID:sib72Owv
ドミナント出現と聞いて
389創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:43:24 ID:rIE178CK
>>388
 オマエモ……キョネンノナツハ……ドミナント……。
390創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:44:22 ID:sib72Owv
>>389
イマハ…チガウ……ジナイーダルートニハイレナイ……
391創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:48:38 ID:rIE178CK
>>390
 ワタシナンカ……チュウリツルート1ノヒコウパルルートニイクヨウニススメテタハズナノニ、ラスボスガレビヤタンニ……。

 LRPやってからこっち、パルヴァライザーと1回しか交戦してないんですが……。
392創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:52:01 ID:sib72Owv
>>391
自分は隊長搭乗のパルと会いました。ドミナントされました。ムカついて核を持ち出して粉砕。腕前関係無しだと気がついて虚しく…。
基地跡のパルはミサイルで嵌められるけど、他のACだと…(^p^)
393創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:56:47 ID:rIE178CK
>>392
 基地跡のパルは、PS2の時は引き撃ちで頑張ってましたが、さてさて今のゴミナントな腕前で通用するかどうか……。
 隊長はとっついても何とかなるよ! よ!

 ところで、最近対AC用の装備が専らとっつきとシールドなんですけど、私は何かに目覚めようとしているんでしょうかアッ――――!
394創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 12:59:35 ID:Ffx7xowd
そうか、お前がドミナント……
395創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:03:02 ID:sib72Owv
>>393
チキンだから重量級。とっつく以前に間に合わないヨ☆

自分の装備はいつもマイクロミサイル…
とっつき使いこなせるならゴミナントではないと思う。
396創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:10:54 ID:Ffx7xowd
一方私はガチタンに主砲と神バズだった
397創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:24:46 ID:rIE178CK
>>395
 いや、とっつき以外だと撃ち合いで負けるんですよw
 基本ダメージ上等で突っ込む猪武者なので……。

>>396
 貴様ッ、さては(´神`)だなッ!
398創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:31:57 ID:sib72Owv
>>396
有澤さんなにやってはるんですか

>>397
ロックサイトをくねくね動かせずに敵を中央に捉えられないオレモイル
とっつきは自分の中じゃ産廃っす。当たらないもん。月光が精一杯だもん。

399創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:38:38 ID:Ffx7xowd
いや、社長なら全ての武装をグレネードで統一せるはずだ……フロムの社長のほうは分からんけどw

>>397
さすが書いてるSSの主人公機の必殺技がとっつきなだけはあると言わざるを得ない

>>398
狭いところでブレード誘ってカウンターでとっつけばヨクアタール
……怖いから俺はしないけどw
400創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 13:43:25 ID:sib72Owv
>>399
>書いてるSS
話を詳しく聞こうか……
401PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/08(月) 13:45:03 ID:rIE178CK
 私だ。
402DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/08(月) 13:45:53 ID:sib72Owv
なんだお前だったのか。
403PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/08(月) 13:59:31 ID:rIE178CK
 暇を持て余した、
404DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/08(月) 14:05:01 ID:sib72Owv
レイヴンの遊び。


さぁて作品を読もうそして書こうっと。
感想まだだった。
405創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 14:06:51 ID:Ffx7xowd
何このデジャヴwww
406創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 14:19:48 ID:rIE178CK
 前も同じ事ありましたねw
 しかし昨日は2人も新人さん来たりぱんつだったり、非常に濃い一日であった……。
407創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 15:33:30 ID:Ffx7xowd
昨日は確かに冗談抜きで濃い日だったw
408創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 16:57:08 ID:nPEIcRCA
おおっと、てのひら一話とイグザゼン一話投下されてるーっ!?
早く読んで感想書かねば!

とりあえずお二人とも乙です!
409創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 17:33:38 ID:nPEIcRCA
連続失礼! お二人とも投下乙でした!

>>351
いきなり小ネタだらけで吹きましたww
wiki収録時には、じゃないよwww
それにしても遥さんは大変だな、こんな時に石投げつけられて……
殴り合いも白熱しててよかったです。どっちもかっけえ!
しかしショウイチ君はどこへ……? 次回も楽しみに待ってますね!

>>378
さて、連続投下乙です。
だがそれ以上に言いたいのは、すごいの一言ですね
テンポが素晴らしいと思います。引き込まれる感じ。
非戦闘回でも問題なしなしナッシングですよ
幼馴染み良いなあ……。ノートも気になるし……。次回も楽しみに待ってます!
410創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 18:12:05 ID:rIE178CK
>>409
 感想、ありがとうございます!
 いやぁ、本当に今回はネタ自重したはずなんですけどね……これも人のサガか……。

 さてさて、本スレに入れないとの事ですが、私の携帯だと普通に入れてるのは何故でしょうか。
411創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 22:23:30 ID:RhfgUczd
書けてない……ですよね
412創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 22:37:26 ID:RhfgUczd
あ、書けてる!失礼しました―
>>378
投下乙です!これが記念すべき1話ですなー
何となく日本の話かなと思っていたので意外でした。中々良い雰囲気ですなー
主人公が結構頼りがいが在りそうですなwwにしてもジャンク置き場から始まるとは……そして謎のノート
次回もどんな話になるのか楽しみにしてます
>>386
これがドミナントか……
楽しみにしてます
>>364
感想dでありんす
最初から緑色なオートマタは赤くなりますww
にしても他の作品で毒づいてるのに別の話じゃ憂いてるとかフラフラしてますね、俺w
>これはてのひらでもやっちゃって構わないという事ですねッ!
構いませんよ。むしろ大歓迎です。
次回はステイサムのオートマタご披露目と、リシェルとの隆昭・メルフィーの対面と前半の見所になる様なならないよな
413創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 22:59:02 ID:o7rMObfo
あぁ、入れたのかw
>>378
連続投下乙です!
最初の引きからの続きかと思いきや、今度は別視点とは……やるな、お主w
落ちてきたノートが何やらキーアイテムですな
余り無理をせずに自分のペースで投下してくださいねーw
414創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 23:01:01 ID:WmYtYkoB
ふけつした!
415創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 23:17:18 ID:qzeagTRL
お、復活してる。んでは感想への返信をば

>>378
ジャンクの山には夢がいっぱい。今回の話の中ではそこまで深くは関わってきそうにありませんが
なんとなくこれで一作作れそうな予感。

>>381
なんのなんの。これ以上ないぽめ言葉でありまする。
自分の書いた何かで人が楽しんでくれるのはやっぱり嬉しいものでs

>>382
人の期待する右斜め前方辺りに全力スローするのが最近のホビー
……い、いや盛り上がるところはちゃんも盛り上げますよ;

>>383
嬉しい事言ってくれんじゃないの。それじゃとこt(ry
ちりばめた謎が発展途上国の地雷みたいにならなければいいのですが。。。

>>409
嬉s(ry
ノートはキーアイテムでありまする。日常描写はどうかなと思ってましたが
皆喜んでくれて何より

>>412
どちかというと舞台は異世界であります。
主人公は頼りがいがあるのか無いのか……

>>413
その通り。これの正体を言うのは少し後になると思いますが。。。
ここで皆さんの感想を貰ってるとこれ以上なく張り切りますねw
書き溜めてる分を手直ししつつ、不定期でやっていこうと思いまする。
416創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 23:23:27 ID:RhfgUczd
>>415
ここって総発だと(バトロワ系除いて)一番感想もらえるスレだと思いますよw
感想もらえると張り切りますよねー
417創る名無しに見る名無し:2010/03/08(月) 23:56:00 ID:Ffx7xowd
携帯だとまだ入れないな……
418創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 00:04:14 ID:rIE178CK
 というか、なんかレスが消えたり増えたりするんですけど……。
 ネットにも繋がりにくいし、携帯がもうオシャカになりかかってるんでしょうか……。
419創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 00:14:05 ID:fQSBjaXL
本当だ、時々前の鯖に繋がるな
420 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/09(火) 00:42:16 ID:dbICV6q6
鯖の調子がわるいの?あげないほうがいいかな
421創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 00:45:18 ID:fQSBjaXL
どうだろう。今は誰もいないみたいだし、明日に回すのもアリかもわからんね
422 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/09(火) 00:51:19 ID:dbICV6q6
とりあえずロダにあげときます


時のジグパルス 第一回です
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/355/jig+puls+ST01+.txt


423 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/09(火) 01:11:06 ID:dbICV6q6
脚本風に書いているので登場人物表とかないとわかり難いかもしれないですはい
424創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 01:18:07 ID:s3LeEiGB
>>423
投下乙です!ちょっと今は人いないみたいですねーw
感想は明日にw
425創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:07:27 ID:KcdZf/8e
誰もいない……投下するなら明日がよさそうかな
426創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:23:49 ID:fQSBjaXL
遅くなった。支援ならするぜ!
お、では支援お願いします。

調子ぶっこいてラディカルグッドなスピードで仕上げたeXar-Xen――セカイの果てより来るモノ――Act.1後編でござい〜
多分この後はちょと遅くなると思われまs
紅い。

赤い。

アカイ、世界。

目に見えるものは例外無く揺らめく深紅に染まり、見えざるモノすら烈火の如き赤を纏う。

赤、あか、アカ。
その色彩は表面上だけの物ではない。そのモノの内面までもどこまでも、どこまでも赤く、紅く染め上げる。
そうやってありとあらゆる意味で紅く彩られた存在は既にこの世のモノではなく、異次元のそれと形容しうるしかない何かに成り果てていた。

ただ、全てが全て塗り潰したように真っ赤になっているわけではない。
その内にも濃淡はあり、水に溶かした絵の具のように音無く揺らめき、その内にある「あるべき世界」の片鱗を薄っすらと覗かせている。

そこは正しく地獄だった。そこは正しく狂っていた。
異常極まる力によって在り得ざる方向へと捻じ曲げられた理が、全てを飲み込み食らい尽くし、狂える炎として、異次元の劫火として本来あるべき世界を灰燼へと帰していく。

「はぁ――はぁ―――はぁ――――ッ!」

そんな現世へ現れた地獄の内に、ただただ逃げ惑い続ける1人の少年がいた。
己に迫る歪み狂った摂理に抗い続ける彼は、見た目10代いくかいかないかといった幼い出で立ち。小さく、あまりにも弱々しいか細い身体。それを引きずりつつも彼は歩みを止めない。

「はぁ――はぁ―――はぁ―――……」

彼以外誰一人としていない焼け爛れた廃墟を、ぼろぼろの衣服を纏った所々血の滲む、傷だらけの煤けた小さな身体で、彼はただ歯を食いしばり我武者羅に歩んでいた。

しかし幾ら彼が逃げようと、この世ならざる力は彼以外の悉くを焼き尽くしたようにその少年をも飲み込もうと魔手を伸ばす。今までは何とか逃げおおせていたが、ただそれももう限界。
無理を強い続けていた全身は悲鳴を上げ、引きずっていた右足からは既に多量の血液が流失しており、彼の歩んできた道程を示すかのように背後には蛇行する一筋の赤黒い道筋が出来ていた。

「く……そ……」

焼けつく大気に喉を焼かれ声も出ず息も出来ず、糸が切れた人形のように力無く倒れこむ少年。そこへ追い討ちをかけるように襲い来る異次元の劫火。

だが、彼は諦めない。

それでも生きる事を諦めない。ただ純粋で、真っ直ぐな彼の生への執着は微動だに出来ないはずの腕一本動かせるだけの「奇跡」を起こした。
それは客観的に見てあまりにも無意味な「奇跡」。それはあまりにも弱々しい、今まさに襲い来る大いなる力へのほんのささやかな「抵抗」だった。

「……………!」

声にならない声を上げ、彼は何処へ向けるわけでもなく手を伸ばす。当然何を掴むわけでもなく空を切る。だが彼の瞳ははっきりと、「何か」を見据えていた。

「……………」

彼は何を見たのだろうか?
もしかすると彼自身も分かっていなかったのかもしれない……だが確かに何かを、遠く、遠く、ずっと遠くに。
物理的にも、時間的にも、ありとあらゆる意味で遠く、遥か彼方にある「何か」を。彼は見据え、そしてその手の内に掴み取ろうとしていた。


――だけど、それもそこまで。


彼が掴み取ろうとしていた「何か」は、あまりにも遠くにあった。遠くにありすぎた。
その小さくか細い腕では勿論届かない。彼の瞳がそれを捉える事は出来ても、彼の腕では届く事は叶わない。
果たして異次元の劫火は彼のささやかな抵抗が終わった直後、待ち構えていたかのようにその総てを飲み込んだ。



――アリ……ス……



正義など無く、希望など無く、絶望すら無く。
明日はどす黒い黒に塗り潰され、昨日は何も映さぬ白に塗り潰され、ちっぽけな世界の、ちっぽけな命の、ちっぽけな物語はこうして人知れず静かに幕を閉じた。
それそのものはセカイに何の変革も、何の影響も与える事は無いだろう。


――だけど、それは確かにあった。


そう、それは確かにあった。それだけは誰にも覆せはしない。偽れはしない。
間違いなく、そこに確実に存在し、絶対に行われた事象なのだ。


――これが希望とならずとも。これが何も変えずとも。


彼等の再起は総ての命が願うもの。
彼等の命は総ての運命を担うもの。
彼等の運命は総てのセカイを救うもの。


――彼等の為に、セカイの為に、境界(セカイ)の果てより雄々しく歌おう。威風堂々と雄々しく謳おう。命の賛歌を、セカイの賛歌を。


全てが終わり何もないはずの世界に響く何か。
それは、力ある歌声。
されど、音ならざる歌声。
それは、紅く白く黒く揺れる影。
されど、形無き影。

それは紅く、赤く、あかく、限りなくアカク染まり続ける世界の内において何処までも、何処までも響き続ける。
それは寂しく、切なく、しかしそれ以上に力強く、高らかに、その世界の終焉を彩って――







「………………」

 夢。
 一口に夢と言ってもいくつかの種類があるが、今回触れるのは寝ているときに見る物。
それはほぼ100%自分の記憶の端々から生まれるもの。
 楽しかった事、辛かった事、思い出したくも無い事、覚えていたはずなのに無意識のうちに忘れていた事……
まぁ記憶の種類はさておきそういったものから成り立っているのが普通だ……と、以前何かの本で読んだ事がある。

 ……だけどその「どれにも当て嵌まらない」場合、自分の見た夢は一体何を元にして生まれたのだろう?

「んー……」

 寝床から半身を起こす。
 見ると机の上にはよほどよく寝ていて起こせなかったのか「暖めてから食べてね」とウェルの字で書かれた張り紙の付いた
晩御飯が置いてあるが、悪いが生憎今は食べる気にならない。

「――――――」

 とりあえず起きたてほやほやの回らない頭を無理やり働かせて考えてみる。
 ここまで色々言っておいてなんだがそもそも何を見たのかはっきり覚えてはいない。ただ妙な違和感だけが脳裏に焼き付きこびり付き、はがそうにもまるで取れない。
こんな印象からも分かる通りとりあえず決していい内容ではなかったはず。その証拠に別に暑くもないのに背中も腋も汗でぐっしょりで気持ち悪い。

「……はぁ。」

 それだけ考え疲れたようにため息一つ。
 ベッドのすぐ脇に置いてあったタオル片手に火照った身体を冷やす為、カーテンをずらしてベランダへと出る。

「………………」

 払拭できない違和感は薄っすらと残っているものの、それも手にすくった水が零れ落ちていくように早々に消えていく。やっぱりただの気のせいだったのだろうか?
ベランダの手すりに身体を預けつつその向こうに広がる夜の闇に様々な色の光を放ち、立ち並ぶ工場群を眺めそう考える。
ふと、空に目を移す。
地上に広がる光は眩いものの、空は分厚い雲に覆われ星は見えない。
 別にそれ自体はこの街では珍しい事ではない。空が眺められる日なんて年に数度あれば上出来なぐらいだ。ただ


――今日はそれだけではなかった。


「ッッ!?」

 一瞬の出来事だった。
 雲の向こう側より猛烈な閃光が視界を白く埋め尽くし、同時にすぐ近くで落雷でもあったかというほどの空気を引き裂く爆音が轟き、
しばらくその残響は町全体に響き渡っていた。

「今のは……!」

 呆然としつつも意識とは無関係に頭は妙に冷めていて、これの感覚にもっとも近い事柄を早々に思い出してくれた。
 「また」……そう、「また」だ。夢に見て、脳裏に焼きついたあの違和感。それもさっきのとは比べ物にならない、直感的な何か。

「――ッ!」

 頭が痛い。
 鈍く響く痛み。頭の中で何かが暴れているような、そんな感覚さえ覚える。

「うう……」

 一体何が、と思うも頭痛薬なんてあったかなとも頭のどこかで考えつつ頭を抑えて部屋へと戻る。

 どうしてこうなったのかはともかく、とりあえず言いつけを守ってバールに相談しに行こうとドアのある方へとふらふらと歩いていこうとしたのだが

「――?」

 ベッドの方に何か紅い靄のようなものが見えた。
 明かり一つ無い部屋の中ではありえない事。気のせいかなと思いつつも気にはなったのでそちらの方へと視界を移す。

「!?」

 ベッドの脇の机に置いてあった例の真っ白なノート……いや、今はそうではなかった。
 本の表紙全体を淡い紅い光が縦横無尽に走り、異様な雰囲気を醸し出す。

「これは、一体……?」

 頭痛の事などすっかり忘れてそれを手に取り食い入るように見つめる。
 破れたほうからペラペラとめくるものの、どのページもそのような感じで先ほど見たそれとは別物なのではないかと思えるほどの変わり様。
さっきの現象や俺の頭痛と何か関係があるんじゃないか、と確証も何も無いがそう思う。

 そのノート――大体ページ数は50ほどだろうか。ただめくるだけならすぐ終わる。どこもかしこもその異様な光を湛え、猛烈な勢いでページ内を走る。

「………………」

 ただ、最後のページ――表紙から数えると1ページ目――だけは違った。
 そこだけは元と変わらず真っ白のまま……いや、端に何かが薄っすらと浮かんでいるものの他のページと比べると変化自体は酷く少ない。

「ん……?」

 薄っすらと浮かぶそれはよく見ると他のページの紅い光とは違い何か文字を、一単語だけ記していた。




eXar-Xen




 ただ、ただそれだけ。
 別に他に何かがあるわけでも無いが、それだけが文字の形をしているのも不思議な話。

「イグザ……ゼン?」

 eXar-Xen……イグザゼン。
 何とも言えぬ不思議な響き。初めて知った言葉のはずなのに、いつか――遠い昔に耳にした事があるような、不思議な感覚を覚える。
だが懐かしいとは言えない。ただ忘れていた何かを掘り起こされたような――

「!?」

 そこまで考えたところでまたもや異変。
 淡く輝いていたそのノートの光度が急激に増し、眩いばかりの紅い光で部屋中を照らす。それと同時に今度は猛烈な振動が部屋全体を襲う。
本棚は倒れ、壁に掛けてあったコレクションの数々もまとめて落ちていく。今度は地震か!と思うも何かが違う。
 そう、何かが違うのだ。その何かが分からないのだが明らかにこれは地震ではない。もっと言えばそんな生易しいモノでもない。
ノートの輝きもそう考える理由だが、最大の理由は目の前の空間が独りでに形容し難い形へと歪み、変化していた事にある。
433創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:39:02 ID:fQSBjaXL
 

「………………」

 空から降って来た白いノートが顔面を直撃し、空が爆発したように光ったと思ったら、今度はそのノートが光り出したり、更には地震が起きたりと、
次から次へと起こる怪奇現象の数々にもう何が起きても驚かないぞと息巻いていたさすがの俺もこれには前言撤回して驚かざるを得なかった。
正直声も出ないがぶっちゃけ必要もないだろう。もうどうにでもなれと内心思う。

 その歪みは出現した直後は何がなんだか分からない不定形なモノだった。
 ただそれは着実に、着実に変化し、人の形のような何かへと姿を変えていく――宙に浮かぶ俺よりふた回りぐらい小さな何か。
それは曖昧な「人の形をした何か」から確固たる「人」へと急激に変化していき、何者かがそこより現れようとしている事だけは俺にもはっきりと分かった。
一体何が現れるのかとその歪みに面と向かって身構え、でも足はがくがく震える。部屋の揺れ自体は先ほどからずっと継続しているものの、足の震えはそれが原因では無いだろう。

「――――――!!」

 振動はこれ以上なく膨れ上がり、歪みはこれ以上なく人の体を取り、俺の足の震えもこれ以上なく大きくなり、心臓の鼓動も破裂するのではないかと思うほど高鳴る。
あと数分もこれが続けば死んでしまうのではないかと思えるぐらいだった。10秒が1分にも思える緊張感。
ただ頭のどこかではこのようなこれ以上なく非現実的な現象に立ち会えて、ある種高揚している俺もいなくも無い。


――そして、それは不意に起こった。


 人の歪みは列記とした人となり、振動は一気に収まり、部屋いっぱいを染めていた紅い光も、頭に響いていた頭痛も、全てが全てまるで潮が引けるように収まっていった。

「―――――――」

 宙に浮いていた人の形をしていた歪みは見た目幼い少女のものだった。
テレビで見た事のある軍のパイロットスーツにも似た身体のラインがもろに出る黒いスーツを纏い、銀を下地に見た事もない不思議な光沢を放つ長い髪が印象的。

「―――――――」

 ただただその子に見とれる俺。
 病的なまでに真っ白な肌、人形のように整った顔立ち……およそ現実的ではない。まるで物語の世界か何かから飛び出してきたような――なんて思っている内に現実に引き戻された。

「っ!?うぉっぷ!!」

 いきなり倒れこむように俺に向かって圧し掛かってきた少女。意識が無いのか全体重がこちらにかかってきたので
思わず相応で無い声を上げてしまったが、ちゃんとメシ食ってるのかと疑問に思うぐらいに驚くほど軽かった。

「………………」

 一体何がどうなっているのかさっぱり分からないが、妙に落ち着き払った俺。
 とりあえずこの子はベッドに寝かせておいて、バールに今回起こった事について相談しよう。あの人は自身の仕事については勿論、
顔も広いし色々な事に詳しい。今回の事についても何か分かるかもしれない。

「しかし……」

 なんて彼女がもたれ掛かったまま考えていたが、やっぱり軽いとは言え色々柔らか――
435創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:40:39 ID:fQSBjaXL
 

「あ。」
「あ。」

 もはや理知的な言葉は必要なかった。
 原始の衝動が彼女を支配する。倒れたと思った幼馴染が誰とも知らない赤の他人の女を部屋に連れ込みあまつさえ抱き合っていた――その事実だけで十分だった。

「………………」
「……あ、いや、その、これにはふかーい理由がありましてですね……」
「………………」
「ひ、人の話を必要最低限聞くと言う慈善的精神はあなたにはない、よね……」

幽鬼の如く、ゆらり、ゆらりと歩み寄るベル。
 その度に気圧され後退りするディー。少女は一応ベッドに寝かせられたが、もはや言い逃れは出来ないだろう。覚悟を決めた。

「人を散々心配させておいて当の本人は眠らせた子にコスプレさせて部屋に連れ込む。そんな趣味があったとは知らなかったが、それが答えか……
忙しくて碌々見てられなかったあたしにも落ち度もあるが――いいだろう、お前には山ほど説教がある。楽しみにしてろよ……!」
「で、で、ですよねぇ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっっ!!!!!」

その時の様子についてディーは「妙な事が色々いっぺんに起こったけど正直鬼になったベルが一番理解出来ず、一番怖かったよハハハ……」と後に語ったとか語らなかったとか。







『取り逃しただと……?』

 そんな彼らの遥か上空。雲海の上方にて静止した「騎士」――シュバイゼンを駆るネモは外部の何者かと通信を行っていた。
ネモは先ほどと変わらぬ物静かないでたち。だが通信先の声の主は焦りや不快感といった心情を露にしていた。

『ああ、面目無い。イグザゼンの顕現化(マテリアライズ)……あれはアリス一人では、そもそも彼女が持っているはずのあんな不完全な式では絶対に不可能だ。だが……』
『閃光と共に消えたと言うのだな?』
『そうだ。』
『我々の用いている遠隔顕現と同じような原理だろう。不完全なイグザゼンを顕現させ、それによって生じた世界の歪みを利用し跳躍した……ざっと言えばこんなところか。』
『無茶をする……』
『理論立った段階を通ってないとすると、転移先はさほど遠くは無く、「複雑さ」の大きい所に自ずと再顕現する筈……ジャンクヤード012にエージェントとニューロソルジャーを送り込む事にする。
ネモ、お前達はそこでイグザゼンが生んだ大規模な歪みの監視だ。秩序立った混沌で無いそれはあの者達をこの世界に呼び込む可能性が非常に高い。自然消滅するまでの間、決して警戒は怠るな。』
『了解。』
『では、次の指令が入るまで現状維持。任務を続行しろ。』

通信が途切れる。
シュバイゼンのコクピット内部。ネモは雲海直上に生じた形容し難い歪みを目の当たりにしつつ誰に言う事も無く呟いた。

「「破壊」のロストフェノメオン……それを野放しにする事がどれほど危険な事か。アリス、お前は分かっているのか……?」

 超越的存在の顕現を用いた跳躍。これは恐らく最後の賭けだったのだろう。
 専門の理論や機器を用いず、指向性を伴わない遠隔顕現は何処へ跳ぶかも分かったものではない危険な代物。
そんなものを使ってまでお前は私達から逃れたかったのか?

「……………」

 どうしてこのような事になってしまったのか……疑問は疑問を呼ぶが、まずは任務を果たす事が第一。我らの悲願の為にも、理想の為にも。

己が主の命ずるままにシュバイゼンの燃ゆる瞳は歪んだ虚空を見つめる。
それは彼の明日の様。その先に光はあるのか。その先に未来はあるのか――?

                                                                                        Act.1_end
437創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:41:43 ID:fQSBjaXL
 
438創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:42:41 ID:fQSBjaXL
 
ハイ、投下完了です。
なんだか振り絞った感。ちょっと色々チャージしてから続きを書いていこうと思います。。。
440創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 02:45:46 ID:fQSBjaXL
>>439
すまない、支援遅れたorz
それでは、明日ゆっくり読ませて貰うぜメーン
441創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 03:00:57 ID:KcdZf/8e
おっとと

やっぱり軽いとは言え色々柔らか――

の後に



「晩御飯食べたー?食べたなら洗うから持って行くよーってなんでこんなに散らかって……?」

 ノックも無くドアを開ける音。背後によく通った声。気配。悪寒。



が抜けてましたすみませんorz
442 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 08:53:59 ID:NIl675GX
鯖の移転も完了したみたいですね。
というわけで続きを投下します。話が本格的に動きだすのはもう少し先になりそうです。
443 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 08:55:52 ID:NIl675GX
 蛇口をひねって水を止める。
 手をハンカチで吹きつつ何気なく見た鏡には、見慣れた顔が映っていた。
 黒い短髪に茶色の瞳、少しやせ気味かもしれないが、目立つほどではない。身
長も体重も成績も人並み。
 どこにでもいる高校生がそこに居た。
 ハンカチをしまってトイレから出ると、長い廊下に出た。教室が並ぶ、やはり
どこにでもある高校の風景。生徒たちは皆思い思いに昼の休み時間を過ごしてい
る。
 自分の所属する2―A教室に戻ると、窓際にある自分の席の周りに数人の男子
生徒たちがたむろしているのが見えた。
 一人がこちらに気づいて手をあげる。
 返すと、彼らは自分の座る席を開けてくれた。
「おっすシンヤ。」
 隣のリョウゴと挨拶を交わす。
 自分の机の上には、全員分の弁当が広げられていた。
「なぁ、昨日の試合見た?」
 シンヤの前の席の机の上に、こちらを向いて腰かけていた浅黒い肌の男子生徒
が話題をふる。
「コロニー・ジャパン対コロニー・統一東南アジアの試合か?」
 その隣の生徒が答えた。
「そうそう、惜しかったよなー。ロスタイムでまさかの逆転だぜ?」
「いや、あれはこっちの選手のスタミナ不足が……」
 勝手に盛り上がり始めた二人をよそに、リョウゴが話しかけてくる。
「なあ、来月の定期テストどんな感じ?」
「うっ」
 危うく口に運びかけていたミートボールを落としそうになる。
「あのなー、そういう話題ふるかー?フツー。」
「あーゴメンゴメン悪かった。」
 苦笑いしつつミートボールを飲み込む。
「まぁ、なるようになるっしょ。」
 するとリョウゴはなんだか悪いことを思い付いたような顔をし、指を一本立て
た。
「地球に衝突し、生物を地下に移住させる原因になった小惑星の直径は?」
「……は?」
「直径だよ。」
 リョウゴはニヤニヤしている。
「確か……16キロ?」
「ブー残念ハズレ。正解は約20キロでしたー。つー訳でミートボール一個もら
い。」
「あっ!」
 リョウゴは素早く手を伸ばし、シンヤの弁当箱からミートボールを箸で差して
奪い取る。
 シンヤの抗議の声も虚しく、それはリョウゴの口の中へと消えた。
「ちくしょー。」
「答えられなかったお前が悪い。」
 悪びれる様子も無い。素直に諦めた。
「ま、今のテスト範囲じゃ無いんだけどな。」
「ちょっと待てお前ふざけんなミートボール返せ。」
444 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 08:57:53 ID:NIl675GX
 悪人はカカカと笑う。
 シンヤも少し笑い、両手を頭の後ろにやって、背もたれに体重をかけた。
 視線を横に流して、窓の外へ。
 四階の高さからは、周囲の建物を見下ろせる。
 計画に沿って作られた統一規格の屋根を辿っていくと、遥か向こうに飛び抜け
て高い巨大な数本の塔が見えた。
 あれは柱だ。
 柱は地下都市を覆う、人工の空を支えている。空には太陽を再現した巨大照明
群が輝き、コロニー・ジャパンのカントウ第一ブロックの穏やかな午後を見守っ
ていた。
「んで、今日もゲーセン行くの?」
 リョウゴが訊いてきた。
 シンヤは少し考え、頷いた。
「お前らは?」
 残りの二人にもリョウゴは訊ねるが、彼らは「部活があるから」と断った。
「そっかー。じゃあまたシンヤと二人かー。」
 残念そうな口調で言う。
「悪うござんしたね。」
「いや別にいいんだけどさー。毎日遊ぶ相手が男だけってどうなのよ?なんか寂
しくない?」
「彼女つくればいいんじゃね。」
「お前が女になればいいんだよ。」
「いやなんでだよ。」
「じゃあ逆に俺が女の子になるわ。シンヤくんっ!」
「裏声気持ちわるっ!」
 彼らは声を出して笑った。
445 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 08:59:01 ID:NIl675GX



 一日の授業を終え、帰り支度をしたシンヤはリョウゴに声をかけた。
 それから雑談をしながら学校を出て、最寄りの駅へと向かう。
 途中のコンビニエンスストアで買ったガムを噛みながら、二人は駅近くのゲー
ムセンターへと足を踏み入れた。
 耳を苛めるような音の嵐の中、二人はお気に入りの『グラウンド・ゼロ』のカ
プセルへと向かう。
 しかし残念なことに、店内に六つ設置されているカプセルの内五つには既に先
客が居た。空いているのは一つしかない。
 リョウゴに訊いた。
「どうする?」
「お前先にやってていいよ、俺は空くまで待ってるから。」
「そうか?」
「その代わり」
「だろうと思った。」
 悪い笑みと共にリョウゴが取り出したのは、彼のICカードだった。
「これ使ってプレイしてくれよ。一回で良いから。」
「えー、いや無理だよ。お前Aクラスで俺Cクラスだぜ?」
「俺はお前がAクラスであたふたすんのが見たいの。」
「このドSクラスプレイヤー。」
「なーいいだろ?奢るからさぁ。」
「わかったわかった。」
 呆れつつもカードと硬貨を受け取り、パスワードを聞いてカプセルの中へ。
 リョウゴはきっとカプセル情報の出る中央端末の画面を見ながら、シンヤがプ
レイを始めるのを待っているのだろう。
 シンヤはゲームをスタートした。今回はきちんとシートベルトも締める。
 格納庫の画面で機体をシンヤが普段使っている高機動型に色を除いて変更し、
武器を中距離用のライフルに設定する。
 プレイする任務の選択。リョウゴの期待に沿って、Aクラスの任務を選んでや
ろう。
 そう思いながら任務の一覧を眺めていると、突然アナウンスが響いた。
「プレイヤー名『テスター』から通信対戦の要請が来ています。受諾しますか?
446 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 09:00:54 ID:NIl675GX
 見ると、通信対戦の申し込みが来ている。相手もAクラスだ。
 丁度いい。この人を相手に粘れるだけ粘ってみよう。
 対戦を受け入れる。ステージは障害物の多い廃墟の都市にした。
 もう半分見飽きた輸送機内のムービーが流れ、シンヤの機体が射出される。
 振動と共に着地。『対戦開始』の文字が画面に出た。
「よろしくお願いします。」
 マイクに向かって言う。しかし返事は無かった。
 なんだ、失礼な人だな。
 ムッとしたが、すぐに気を取り直して先ずは周囲の状況を確認する。
 今回のステージは廃墟の都市だ。崩れかけた建物が両側に並ぶ六車線道路と、
その周囲を囲む密集した建物群で構成されている。
 普通、プレイヤー同士が戦う時はまずはその中央を走る六車線道路に出る、と
いうのが暗黙のルールになっているのだが、今回はそのルールを無視することに
した。
 無礼な人間に礼を尽くしてやれるほど俺はできた人間じゃない。
 丁度スタート地点も建物群の端だ。相手に捕捉されないように気をつけて行動
しよう。
 やる気が出てきた。絶対勝ってやる。
 脚部のスラスターを吹かした。
 ひび割れた道路を滑る様にして、建物の間をすり抜けていく。
 とにもかくにも、先ずは先手をとることだ。
 ライフルの敵機追尾機能をオフにする。こうしておけば狙いづらくなるが、セ
ンサーを逆探知されることもない。
 視点を少しだけ上にして、上空からの襲撃も警戒する。
 六車線道路が建物の隙間から見える位置にまで移動し、そこを覗きこんだ。
 中央の道路には視界を遮るものが無い。だから相手がここを通れば確実に捕捉
できる。
 考えは正しかった。
 『テスター』はシンヤから離れた道路の上空を飛行していた。シルエットから
すると、汎用性の高い標準型の機体だろう。グレーの機体色がこのステージにマッ
チしているので、よく狙わないと弾を外してしまうかもしれない。
 『テスター』は予想通り道路には降りず、反対側の、シンヤと同じ建物群の中
に着地したようだ。
 都合がいい。シンヤはライフルをセミオートからフルオートにした。
 高速接近し、ありったけの弾を全て撃ち込んでやる。狭い場所なら逃げ場も無
いはずだ。
 そう思って機体を相手が着地したであろう方向へ滑らせていく。
 建物と建物の間は狭い。もし建物にぶつかりでもしたら、相手に自分の居る位
置を教えてしまうだろう。
447 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 09:03:24 ID:NIl675GX
が、シンヤは“気をつけてさえいれば”建物にぶつからずに走ることができる。
 それがまずかった。
 シンヤは建物にぶつからないことに気をとられすぎて、いつの間にか上空への
警戒を怠っていたのだった。
 敵に捕捉されたことを示す警告が表示され、反射的に機体を急速後退させる。
目の前のアスファルトが砕かれて破片が飛び散った。
 視界の上端に相手が見え、シンヤは舌打ちする。スラスターを吹かしさらに後
方へジャンプ。
 『テスター』は武器の追尾機能をオンにしているようだった。捕捉しにくい角
度へ飛んでいるはずなのに、そのハンドガンの銃口はしっかりとこちらを向いて
いる。
 シンヤはたまらず肩のスラスターを吹かして横に飛び、建物を飛び越えて中央
の道路へと着地した。下からの振動で尻が少し痛い。
 相手もバーニアを吹かして飛び続け、シンヤの頭上を狙う。
 後退しながら間合いをとろうとすると、『テスター』は背の高い建物の上へと
着地した。
 チャンス!素早くセンサーをオンにし、一瞬だけトリガーを引いてライフルを
撃つが、弾丸は全て建物の壁に阻まれてしまった。この角度じゃ当たらないのか

 『テスター』は再び跳び、大きく弧を描く軌道で高速接近。敵は同時にハンド
ガンも乱射しつつ、装甲を貫く高熱ナイフもすでに腰から抜いていた。
 シンヤも動こうとするが、ライフルを撃った時のカプセルの振動で指先の感覚
が僅かにぼやけている。正確な操作が出来ない。
 『テスター』はもう目の前。ハンドガンの弾丸を撃ち込まれ、ナイフを胸部に
突き立てられる予感が全身を駆け抜けた。
 その恐怖のせいか、シンヤは指が勝手に動いたように感じた。
 指令を受けてシンヤの機体は素早くライフルを持つ腕を突き出して、相手に向
けて高速で振る。
 握られたライフルの腹が敵機の、既にナイフを突き出していた腕に直撃して軌
道をシンヤから反らす。そればかりか、元の位置に戻る際の動きで今度は相手の頭部
をも殴りつけ、破壊した!
 何が起こったのかわからないまますれ違うように距離をとったシンヤは振り向
いて仰天した。
 ついさっきまで圧勝しそうだった相手が、頭部を破壊されて機能不全に陥って
いる。
 今の相手は一時的にあらゆる機能が停止し、画面にも砂荒らしが起こっている
『脳震盪』の状態だ。
 今が、本当にチャンス――
 シンヤはライフルを構え、乱射する。
448 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 09:05:17 ID:NIl675GX
 『テスター』は何も出来ないまま、連続する炸裂音と共に無数の弾丸によって
穴を開けられ、やがて爆発、炎上した。


「では、又の出撃をお待ちしております。」
 アナウンスで我にかえる。画面は既にリザルトを終え、ゲームオーバーの表示
が出ていた。
 自分の手を見る。さっきのは夢だったのだろうか?
 いや、あれは確かに自分がやったプレイだ。その証拠に、まだ少し手がしびれ
ている。
 むくむくと、何かが胸の中で膨らんできた。
「……いよっしゃあ!」
 拳を作り、勢い良くガッツポーズをする。肘をぶつけた。
 肘をさすりながらシートベルトを外し、カプセルから出る。早くリョウゴの感
想を聞きたい。あんなスーパープレイ、そうそう見れるものじゃないんだ。思い
切り自慢してやる。
 リョウゴは直ぐに見つかった。
「よう!」
「おお、終わった?」
 彼は中央端末を見ていたらしく、こちらから声をかけてやっと気づいたようだ
った。
「なぁ、見た?俺のプレイ!」
 リョウゴに駆け寄る。
 彼は何故か困ったような表情をした。
「いやー、それがさ……」
「なんだよ、見てなかったのか?」
「それがさ、変なんだよ。」
「変?」
「あれさ」
 彼が親指で指したのは中央端末だった。
「普通ならさ、あれにプレイ画面とか、誰と対戦してるかとか表示されるだろ?

「違ったのか?」
 リョウゴは頷く。
「お前がゲームスタートしたら急に画面が消えてさ、お前が出てきたら復活した
んだよ。」
「……は?」
「多分ただの故障だろうけど、タイミングがドンピシャでさ。」
「へぇ、そんなことがあるんだ。」
 シンヤは端末を眺めた。いつもと変わらず、現在のプレイ画面が第三者視点で
出ている。
「そうか、残念だなー。神プレイだったのに。」
 そう言って端末に背を向けた時だった。
 どこかから視線を感じた。
 その方向を見る。
 スーツの男が逃げるように去っていくのが見えた。
 ……何故だろう、嫌な予感がした。
449 ◆tH6WzPVkAc :2010/03/09(火) 09:07:01 ID:NIl675GX
今回の投下は以上です。
誤字、脱字、言葉の用法の間違いなどがありましたらご指摘お願いします。
450創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 14:24:08 ID:H7EmZmJV
 ……よし、今なら書き込める!
 新人さんお二方、素早い投下乙です!

>>439
 やっぱりリズムが素敵ですね、私も見習いたいです。
 誤解を受けたディーにはドンマイと言いたいが、アリスにセクハラしたのでやめときましょう。むしろディーいいぞもっとやれ。
 さてさて、エージェントやニューロソルジャー、あの者達って何なんでしょうか。

>>449
 平和ですねー、学校での会話がほのぼのしてて素敵だと思いますw ドSクラスプレイヤーにはクスリときましたw
 さて、曝しプレイ画面が映らないというよくあるようなないようなアクシデントとスーツの男……これはまさか……。


 それでは、次回も楽しみに待ってますね!
451創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 15:51:43 ID:fQSBjaXL
ちょ、新人さん2人とも頑張りすぎw投下乙!

>>439
なんというすれ違い宇宙www
ディー頑張れ、マジ頑張れw
そうか、イグザゼンはアリスだけじゃ使いこなせないのか。そこに追っ手は辛いな……これは次回も期待せざるを得ない!

>>449
日常パートは凄くほのぼのしてるね、なんか等身大って感じがするw
そしてゲーセンは色々キナ臭い事になってきたね。勘違い……ではないだろう。これは次回も期待せざるを得ない!


しかし避難所がPBM祭だな……流石1周年w
452DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/09(火) 16:03:05 ID:3RAKn2eE


>>351
ヘーちゃんに月のモノは無いから分からなくて当然かなと納得してしまう。投下乙です!
世界観が真逆というか、タウ世界はロボットが嫌われ者だから、なんか心配だ。
入れ替わったということは……次回も待ってますぜ。

>>>>378
空からノート。デスノですねわかりますうわなにをするやめ

投下乙です!
スカベンジャー、死体を喰らう生物…ジャンク屋にぴったりな名称ですね。納得。
大昔の戦争は大好物です。
ACとか、PBMとか、その関係ですきだったり。

ノートが鍵か…それとも災いか。
次回も待ってます。

>>423
水中戦と聞いてティンとキテシモウタ…
敵は海賊ならぬ…なんだこりゃ…?
条約機構軍……まさかワルシャワ条約機構軍!?
戦闘シーンの緊張感、明らかに自分以上で泣きました。
次回も待ってまする。

453DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/09(火) 16:03:47 ID:3RAKn2eE


>>439
イグザゼンキター
おにゃのこキター
キター キター キター

と、投下乙です!
ベルさん怖いよ怖いよ
確かに傍から見たらコスプレして連れ込んでしかも事後にしか見えぬ…!
恐ろしきノート…!
彼女の正体と最後の連中の関係性は一体…
次回も待ってます。


>>423
これは、ゲームのつもりが実は…フラグか? 投下乙です。
彼女がどうのの下りに聞き覚えがあって全俺が泣いた。
ミートボールが好きなのか、そうかなら(ry
次回も待ってます。



感想が間に合わなぇぜ……
ロボスレがヴァーストしておる…!
454創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:26:24 ID:H7EmZmJV
>>452
 感想、ありがとうございます!

>入れ替わったということは……
 ヒント:PBM世界のアウロラには牛さんに限らず経験豊富な機械人形いっぱい。
455 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 16:37:06 ID:YvssKHiE
真面目に書こうすると時間がかかり過ぎてもう永久に投下出来ないような気がして
それぐらいならもう質が落ちたっていいや完結出来ない傑作より完結した駄作の方が価値は高いのだからいいじゃないか
二日で9KBも書けたんだからという訳で投下投下ァッ!
456 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 16:38:02 ID:YvssKHiE
八十年前に地球上に出現した謎の生命体群「ワーム」を相手に、人類は存亡を懸けて戦い続けてきた。
屍の山を築き血の河が流れる、途方も無い戦いの歴史。その中で一つ、奇妙な出来事があった。
人類、特に島国の日本はワームの動きに対して全力で警戒していた。
大陸から海を渡ってくるワームの大群勢は水際で叩き潰さなければならない。大多数のワームの上陸を許せば甚大な被害を被る。最悪、数に押し潰されて滅びる可能性すらある。
ワームの動きに対してどんな些細な流れも見落とさぬよう、一切の油断無く警戒していた。故に、その奇妙な出来事が判明したのは必然だった。
ワームの領土となった大陸。沿岸から遠く離れた内陸のとある地域で、ワームの数が激減していたのだ。
人類側は何もしていない。そもそも自国の防衛に手一杯で、ワームの領土の奥深くに戦力を送り込む余裕など無かった。
激しい戦闘が行われた形跡がある以外に理由は不明。
ワーム同士の共食いなのではないか、との意見もあったが信憑性は薄かった。
確かにワームは共食いを行う事があると確認されているが、特殊な状況下での話だ。人間も、数人が山奥などで遭難し極限状況に置かれたら人肉食いはする。それと変わらない。
限定的な状況下のみで発生する、小規模な同族同士の殺し合い。
昔に実施された対ワームの作戦で、ワームの食料である共生植物を焼き尽くし、結果的に大規模とまでは呼べないものの凄まじい共食いが発生した事例はある。だが、今回の件は過去に起こった最大の共食いとは桁が違う。
調査では大規模な共食いを行う環境には無いはずなのだ。
この過去に前例が無い奇妙な現象に対して世界中で研究が行われたが、結局何があったのか全く分からなかった。
闇の中に隠された真実を知る者は、世界のどこにも存在しなかった。そう、「この世界」には。
457創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:42:21 ID:KcdZf/8e

458創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:42:36 ID:fQSBjaXL
支援!
459創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:42:39 ID:3RAKn2eE
支援
460創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:43:30 ID:lkPiJL/H

461創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:43:31 ID:fQSBjaXL
支援!
462 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 16:43:59 ID:L+3v4qF6
真に申し訳ありません。途中ですが色々と時間が無いので続きは夜に。
463創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:46:19 ID:fQSBjaXL
>>462
なん……だと……!?
一応投下乙!じゃあ感想も夜に
464創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 16:55:23 ID:KcdZf/8e
ズゴー
や、今晩楽しみにしております。
でわ感想への返信等をば


>>449
グラゼロやってみたいなー嵌りに嵌って散財しそうだw
しかし相手の「テスター」……名前からして何かを試していたのでしょうか。
色々気になるなぁ。。。

>>450
ディーのラッキースケベは本能的に主人公タイプの性なので今後もどーなるかなー
出来るだけ読みやすいように工夫しているつもりなのでそれが効いているというのは
実に嬉しい。

>>451
ディー君頑張る。超頑張る。
すれ違い宇宙なのは偶然か必然かw

>>452>>453
ノートは鍵でもあり、災厄でもあり……物語のキー中のキーかも
今後色々触れていくと思うのでお楽しみにー
465創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:25:55 ID:H7EmZmJV
 支えn……は必要なかったみたいですねw
 では、私も感想は夜とさせていただきます。楽しみに待ってますね!

>>464
 やっぱり男の子が主人公だとラッキースケベになりますよねw
 女の子だとアンラッキースケベ……かしら。
466創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:32:39 ID:fQSBjaXL
遥さんはアンラッキーだけどハッピーでもあるなw
ところで、PBM世界ってなんかゾイドっぽくね?
467創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:50:43 ID:H7EmZmJV
>PBM世界ってなんかゾイドっぽくね?
 野良とかいますもんね。これでオートマタが人型じゃなかったら完璧にゾイドだぜフゥハハァ!

 とりあえずライガーゼロは私の嫁。
468創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:51:44 ID:sQUkiFkH
じゃあ俺サイコジェノで
469DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/09(火) 17:53:53 ID:3RAKn2eE
じゃあ自分ゾイドわかんない
470創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:55:35 ID:wGIhHEKR
>>469
まあ、全部知ろうとすると偉く面倒な作品である事は間違いない

下手すると宇宙世紀モノのガンダム全部より混乱するかもしれん
471創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:56:37 ID:fQSBjaXL
ちょっと軽率な発言だった、すまn
……って怒るどころかノリノリで嫁宣言かよ!

じゃあガンスナイパーはもらっていきますね
472創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:58:31 ID:fgWxHJOG
じゃあ女体であることが漫画で明らかにされていたジークは俺がいただく!
473創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 17:59:41 ID:wGIhHEKR
>>472
漫画版は「ゾイドは単為生殖するんで全部メス」って考えだからなぁ
474創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:01:55 ID:H7EmZmJV
>>470
 装甲巨神 Zナイトまでしっかり把握しなきゃいけないんですn(ry

 流石に宇宙世紀のほうが面倒ではないでしょうか。
 だって宇宙世紀の迷そ……じゃなかった、混乱っぷりは予想の遥か斜め上突き抜けてますから……。
475創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:03:35 ID:fQSBjaXL
よし、ならアイアンコングだ!

……俺は遠慮しときます
476創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:03:57 ID:fgWxHJOG
>>473
すばらしいと思うしかもジークボクっ娘だしな!
477創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:06:18 ID:wGIhHEKR
>>474
情報量的な意味でなく資料の少なさ的な意味で
だって宇宙世紀なら細かく解説入ってる本とかサイトとか無駄にあるのに
ZOIDSはあんま(ry

まあどんどん膨れ上がってく一年戦争の裏側とか
増え続けるガンダムに比べればマシかもしれないけど
478創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:06:54 ID:H7EmZmJV
 そういえばそんな設定でしたね、漫画版w

>>475
 ……私も遠慮しときます。
479創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:11:07 ID:fQSBjaXL
宇宙世紀……はいいとして、一年戦争にしがみつくのはもう止した方がいいと思うんだよな。F91あたりの時代で展開すりゃいいのに

……それもキツいんだろうな
480DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/09(火) 18:11:19 ID:3RAKn2eE
ガンダムの弱い量産機に魅力を感じるのは自分だけじゃないはず
481創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:12:50 ID:sQUkiFkH
個人的に金属生命体系ロボと言うと魔空戦神
美味そうにマグマ啜るロボは、後にも先にもアレくらいだろう

あと、ぶっちゃけ「兔機ノ王」って単語の読みは、魔空戦神の一体から持ってきた。
482創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:14:02 ID:H7EmZmJV
 量産機は弱くないよ! エースが強すぎるだけだよ!

 アムロさんの数え歌マジ鬼畜。
483創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:19:01 ID:fQSBjaXL
一方武者ガンダムは美味そうにおにぎりを食った

魔空戦神……ヤマトタケルだっけ?

>>482
冗談抜きで白い悪魔だから困る
484創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:20:22 ID:wGIhHEKR
そもそも量産機って試作機より強いはずなのになぁ……

こういう風潮になったのは原因はガンダムでいいんかね?
それとも桜多版グレートマジンガー?
485創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:24:13 ID:fQSBjaXL
グレートの場合は偽物より本物のほうが強い的なノリじゃね?
そしてこういう風潮になった原因というか、なるべくしてなったというか
486創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:29:45 ID:H7EmZmJV
 リアル追求し過ぎると、メインターゲットはマッハで逃げてくでしょうしね。そのへんはやっぱり難しいですよね、テレビだと。
 有名なドラグナーもカスタムになって結局ドラグーンより強くなりましたし。
487創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:30:09 ID:yxe1IynR
でもワンオフ機故のロマンがあると思いますん
488創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:30:13 ID:sQUkiFkH
>>483
そうそう

ちなみにマグマ飲むシーンは流れが凄いぞ
基本拾いモンだから、エネルギー補充方法が分からず
戦闘続きでガス欠になってたスサノオ(魔空戦神)
唯一その解決法知ってた仲間はスパイとして入り込んでた敵なんで
スサノオが動かなくなってもアドバイスできず
かといってこのまま壊されるのもマズいってんで
今攻撃してる敵さん(スパイ的には同僚)に
「トドメは周囲をマグマにして吹っ飛ばす派手な奴にしてよ!」
とリクエストして、調子に乗ってたんでその通り実行したら
スサノオがマグマの海に沈んだ後、それを飲んでエネルギー回復
逆に必殺技撃った敵はガス欠になって逆転される

ってので
489創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:42:36 ID:H7EmZmJV
>>487
 魔改造機も浪漫ありますよね!

>>488
 なんという素敵な起死回生……!
490創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 18:53:50 ID:fQSBjaXL
むしろロボットという存在が浪漫そのものなのだ!

>>488
おお、なんて敵さん涙目な展開w
491 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/09(火) 19:41:49 ID:dbICV6q6
>>452
ワルシャワじゃなくて 北半球条約機構軍という軍事同盟 という設定
になってる 長いのでセリフでは条約機構軍で統一していく

>>453はアンカー間違かな?だな
492創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 19:42:58 ID:wGIhHEKR
493創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 20:03:34 ID:fQSBjaXL
>>492
なんぞこれwwwww
494創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 20:25:09 ID:ssCZ2K5P
>>492
クソワロタ
495創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 20:32:47 ID:5mABGhOK
携帯打つの指疲れるなぁ・・・師匠・・・たいした奴だ・・・
亀ですが
>>423
一話投下乙です
今まで脚本形式というのは初めてなので、新鮮な気持ちで読めました
水面下での緊迫した戦いと、どこか不穏な雰囲気がある日常風景のギャップが面白いなと思います
これは是非映像で見てみたいですね。次回も楽しみです
>>439
投下乙です!
一話にして物凄いイベントが立て続けに起こりましたねw
主人公のディーとヒロインであろうアリスとドラマチックな出会い、そして裏で動いている何か
今後もワクワクさせて貰います
>>449
投下乙です!
皆さんが言っている様に、学生の等身大の日常って感じがしますね。中々リアルです
最後のスーツ男はやっばフラグだろうなぁとニヤニヤw
次回も楽しみにしてます


しかし新人さんは筆が早い。焦ります私
496創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 20:37:35 ID:FvIcERyC
>>466-472
ジェノハイドラは貰っておきますね
497創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 20:41:09 ID:ssCZ2K5P
あー書けども書けども全然進んでる気がしないー
目玉となるシーンだけはできたけどなー地味なところがなー
498創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 21:03:58 ID:w9+40/i2
>>496
失策だな……貴様が持って行ったのは無印!
キールアーマーは俺が貰っていくッ!
499創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 21:29:48 ID:FvIcERyC
ええいぬかったわぁ!
500創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 21:37:37 ID:s3LeEiGB
亀ですが感想を

>>423
第一話投下乙です!
皆が言うとおり確かにこれは映像が思い浮かぶw脚本形式面白いですねw
なんか色々気になるなー、一型のパイロットのカンナさんダイジョブ?w
次回も楽しみにしてますよ!

>>439
投下乙です!
ほほぅ、ラヴコメ展開……嫌いじゃないぜ?そういう変化球もwww
アリスだけじゃ喚べないんですねー、イグザゼン。これは主人公の助力フラグ?w
ネモさんは苦労性、多分間違いないwがんがれ、超がんがれw
ディーとアリスの初対面が気になるw次回が待ち遠しいですw

>>449
日常部分の自然な感じに嫉妬せざるを得ない……orz
「テスター」なるスーツの人物は最初からシンヤを狙ってたんですかね?リョウゴ狙いだった可能性も……考え過ぎかw
しかしグラゼロ面白そうだなーwブレイクエイジみたいだ、って分かる人いない例を出しちゃいかんよねw
さぁ次回はどう来るか……楽しみだぜ!w
501PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/09(火) 21:42:47 ID:H7EmZmJV
 うぉぉー! 落書きペネ子とリベジオンだぁぁぁぁぁーっ!!

http://download2.getuploader.com/g/sousakurobo/356/Knight_and_Lucifer.jpg

 凄い事になったかと思ったら、そんな事はなかったぜ!
 マントは趣味だよ!
502創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 21:49:36 ID:fQSBjaXL
>>501
投下乙!台詞がジーグwww
マントかっけぇ……そして相変わらずペネ子の胴体の目はこっち見んなな仕様なのねw
503 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 21:58:42 ID:L+3v4qF6
家に帰ってきました。
途中でやめてしまってすいません。今から続きを投下します。
504 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 21:59:50 ID:L+3v4qF6
昔々、アルカディアという名のショッカーっぽい秘密組織があった。
地球を焼き尽くした全面核戦争後で世界各国の国力が最低限までダウンしちゃった時、アルカディアは狙ったかのようなナイスタイミングで日本で蜂起した(核戦争が起きるよう仕組んだのもアルカディアらしい)
アルカディアの主力である改造人間によって、日本は北斗の拳並かそれ以上のとんでもない状態になってしまった。
軍は核戦争で壊滅しちゃったので誰も対抗出来ない。
そんな希望? 何それ美味しいの? な状況でも希望は残されていた。
それは仮面ライダー……ではなく、アルカディアに改造手術を受けたが脳改造前に脱走した男、正義の鬼神であった。
スピーディに説明しちゃうと、正義の鬼神はたった独りでアルカディアを壊滅させて、最後の決戦でアルカディアの大首領と相討ちになった。
ここでめでたしめでたし、と言いたいけど、実は全っ然めでたくなかったんだな、これが。
アルカディア壊滅後の日本は、それまで国を蝕んでいた最大の病である平和惚けを克服した。太平洋戦争なんぞ比べ物にならない地獄を味わったのだから当たり前である。それは良かったんだけど、問題はその後。
日本は富国強兵の為に一切手段を選ばなかった。そんな日本が真っ先に目をつけたのがアルカディアの遺産だった。
究極の統治システム、政治形態である完全管理社会を実現する為の、楽園計画のデータ。
超高効率で国家を運営出来る、一言で言えば超絶チートな物(ブツ)。
冗談でなくマジで全宇宙を支配出来るだけの「力」と「可能性」を持つこいつを、君主論万歳マキャベリ万歳、勝てばよかろうなのだ思考の当時の日本人は神輿の如く担いでワッショイワッショイしちゃったのだ。
気持ちは分からんでもない。金の卵を産む鶏が目の前にいたらお持ち帰りしちゃう。誰だってそーする。俺だってそーする。
しかし、良かれと思ったこの行動が最大の過ちとなってしまうのでした。
完全管理社会の核となるマザーコンピュータは完成した途端、人間の言う事を聞かなくなった。
試合に負けて勝負で勝った。戦いは始まる前から勝敗が決定しているという。最初からアルカディアが勝者だったと気付いた時にはもう遅かった。
数十年後の日本近海。そこにはマザーコンピュータに生殺与奪権を完全に握られながら海上都市で暮らす5000万人の日本人の姿が!
海上都市連合「正統日本」の生活は悪くなかった。首筋に死神の鎌が触れた状態ではあったが、穏やかな毎日を送る事が出来た。このまま偽りの平穏が何処までも続くのだろうかと思われた矢先。
正統日本の国力の五分の一を占める大海上都市群「兵庫」が、なんと異世界に転移してしまった!
そこは魔王が支配するRPGのようなファンタジー世界。
大海上都市群「兵庫」は、勇者トンズラを倒し世界を支配する魔王ボラモスが率いる魔王軍との戦いに否応無く巻き込まれてしまうのだったのだったまる
505 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 22:01:59 ID:L+3v4qF6
う〜、獲物獲物。
今、敵を求めて全力疾走している俺は大海上都市群「兵庫」軍に所属するごく一般的な重歩兵中隊中隊長。強いて違う所を挙げるとすれば、着用している重装甲強化服が主力量産機である五式重装甲強化服じゃないってとこかナ。
普通の重装甲強化服は全高3m、基本重量500kg。外見は五頭身ぐらいで、体格が大きく手足が太い。一言で分かり易く説明するとデブなマッスル。
今、俺が着用しているのは全高3mこそ同じだが重量は二倍の1トン。元々大きい体格が更に大きく、太い手足が更に太い。普通の重装甲強化服がデブなマッスルならこいつはマッスルなデブ。マッスルデブと御呼びせざるを得ない。
仮にこいつが主役のアニメが製作されたら視聴者から大顰蹙を受けるに違いない。キモーイとかキャハハーとか童貞が許されるのは小学生までだよねー、とか。
だがそれがいい(キリッ)。この外見に心底惚れたのだ。君の圧倒的な性能に私は心を奪われた。この気持ち、正(まさ)しく愛だ!
この重装甲強化服は何だと訊かれたら答えざるを得ない。その名は試製五式重装甲強化服乙型一号機改!
現在主力である五式重装甲強化服は元々甲型と乙型の二種類が試作されていた。
乙型は甲型を上回る高性能だったが、甲型に比べて重量が二倍である事と高コストによって採用されず、試製五式重装甲強化服甲型五号機に小改良を加えたのが五式重装甲強化服として正式採用された。
で、いらない子扱いされて倉庫で埃を被っていた乙型を、いらないんだろ、使わないんだろ、だったら俺に使わせろ!と根気強く軍に要求した結果、遂にゲッチュしたという訳だ。俺専用機として改造してな!俺専用機として改造してなぁっ!(大事な事なので二回言いました)
本当は海上都市「姫路」の倉庫の奥深くで眠っている試製超重装甲強化服が欲しかったのだが、受け入れられなかった。チッ。
残念な気持ちは残るが、まぁ良いとしよう。俺はこの試製五式重装甲強化服乙型一号機改「ドMスペシャル」に心底満足している(ちなみにMはマゾヒズムではなく観鈴ちん好き好き大好き超愛してるの略。心に少年少女の輝きを!)
俺は今、両手に一つずつ長方形のような箱型をした全長2.5mの物体、25mm重機関砲を二つ持っている。
ただの25mm重機関砲じゃない。まず、標準の100発ではなく200発入りの大型弾倉を使用。
25mm重機関砲の砲口には、本体と同じ全長2.5mの箱型……いや、こいつの場合は四角形と説明した方が正しいだろうか……長距離狙撃用延長砲身が取り付けられている。砲弾の威力、命中率、射程が大きく口上するスグレ物である。
ちょっと前に25mm重機関砲を全長2.5mと言ったが、すまん。ありゃ嘘だった。正確には延長砲身を+して5mだ。
本体上部に、同じ全長2.5mの箱型をした物が取り付けられている。その形状から追加装備と思えない程ごく自然に溶け込んでおり、知らない者が見れば最初からそういう形なのだと誤解するであろう。
50mm擲弾発射機。低速、短射程ではあるが、絶大な破壊力の50mm振動熱榴弾を発射する兵器。標準の装弾数は10発だが、こいつも20発入りの大型弾倉を使用している。
一つの25mm重機関砲+50mm擲弾発射機で、25mm機関砲弾200発、50mm榴弾20発。両手の二つで400発と40発。
しかし君達は運がいい。実は両手に持った二つだけじゃないんだな。
同じ物が肩部半装着式にしたのが二つ、脇を挟むように装備されている二つが、背中の大型バックパックと接続されている。全部で6基の25mm重機関砲(延長砲身)+50mm擲弾発射機を装備しているんだよ!な、なんだってーーーーー!
しかもそれだけじゃあないッ。それぞれの予備弾倉が6個ずつ背中の大型バックパックに取り付け&ぶら下げられている。つまり、25mm機関砲弾2400発、50mm榴弾240発を持っているという事だ。たった一人の重歩兵が。乙型だからこそ可能な重装備である。
敵弾迎撃用の5連装6.25mm迎撃機関銃も二つ、尻を挟むように装備されており(こいつも大型バックパックと接続されている)、外見はゴツイ。
506創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:02:19 ID:fQSBjaXL
 
507 ◆gD1i1Jw3kk :2010/03/09(火) 22:02:46 ID:L+3v4qF6
「ぼくのかんがえたさいきょうのそうび」状態が俺の中二ハートをピンピン……じゃなかった、ビンビンに高めていた。ああ、早く敵に会いたい。君を殲滅したい。
そんな恋する乙女のようにオーバーヒートしそうな気持ちでルンルン気分の行軍をしていた時、何の前触れも無く異変が生じた。
まず周囲の景色がいきなり変わった。さっきまではただの草原だったのに、なんかよく分からん植物が大量に繁殖してる、草原と荒野を足して2で割ったような場所になっていた。
中隊の99人以外、全ての通信が途絶。
他にも言いたい事はたっくさんあるが、今現在最大で警戒しなくちゃならんのは、俺達の中隊が妙な生物(なまもの)の大群に包囲されているという事だ。
陸上生活に適応したタコのような奇妙な生物(なまもの)である。キモイ。ぶっちゃけ気持ち悪い。しかし、あの触手が美少女にアレでナニでそんな事やこんな事をしちゃうと想像すると心が躍る!
触手はさ、気持ち悪くなくちゃいけないんだよ。美しい少女を気持ち悪い触手があんな事やそんな事を一杯しちゃうのが興奮するんだ。
そして、触手とグロは全くの別物であるというのが俺の誰にも譲れない信念だ。
アレでナニはオッケーでも、えーっ、とかうわー、な展開は嫌なんだよ。そんなのが好きな人もいるけどさ。俺にとっちゃ絶対許容出来ない一線なんだよ。
おっと、だいぶ脱線してしまった。
まぁ、なんだ。このタコみたいな生命体を、俺たちは知らない。コンピュータにも記録されていない。魔王軍のモンスターに似たようなのはいるが、どうやら別種っぽい。
他にも通信途絶やらを考えると、どうやらそういう事らしい。
転移。いや、再転移と呼ぶべきか。
俺達の中隊だけが、また異世界へ転移してしまったようだ。
俺達の中隊は行軍を停止し、いつでも攻撃出来る態勢で相手の出方を待っていた。
後方支援の二十人が、輸送車から取り出した重歩兵用大型シャベルを二刀流にして塹壕を掘り始める。一々命令しなくても動いてくれるのは優秀な証拠。後で秘蔵の画像ファイルから俺のオススメを一枚やろう。
さて、どうなるんだろうな。俺的には大暴れしたいけど任務とか色々あるし、あんまり戦いたくはない。また給料削られるかもしれないし。
だけど、相手の生物はこちらと友好的に接しようと考えているようには見えない、思えない。
このまま平和な展開で終わってほしいなー。もう給料削られたくないなー。
そんな俺の願いも虚しく、生物は一斉に動き、こっちに突撃してくる。どうせこうなるだろうと思ってたよ。
仕方無い。ああ、仕方無い。仕方無いから、お前ら全部ブチ殺す。悪く思うなよ。
見せてやろう。俺達の中隊の力を、試製五式重装甲強化服乙型一号機改の性能とやらを。





転移戦線異常有り!? 大海上都市群「兵庫」重歩兵中隊がワームと戦うようです 続く!……かな?
508創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:03:00 ID:fQSBjaXL
 
509創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:03:45 ID:fQSBjaXL
 
510創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:07:44 ID:wGIhHEKR
650  ◆gD1i1Jw3kk [ sage ] 2010/03/09(火) 22:07:03 ID:X.5RidMA0


本スレに書き込めない。
あれで全部です。
支援、ありがとうございました。



だそうです
511創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:09:12 ID:s3LeEiGB
>>507
投下乙です!
>>510
代理乙です!

さて、じっくり読むとしようw感想は後ほど
512創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:11:57 ID:fQSBjaXL
>>510
投下乙!パロディが濃厚過ぎるwww兵庫はこんなんばっかかwww
さて、哀れワームはどうなってしまうのか、これは次回に期待せざるを得ないw
513創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:29:48 ID:s3LeEiGB
>>510
ネタてんこ盛りで笑いっぱなしでしたwずるいよこれw
ワーム逃げてー!超逃げてー!!www
514創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 22:33:09 ID:H7EmZmJV
>>510
 投下乙です! なにこれひどいw
 オススメ画像とか、どんなのか気になります、ええ、非常に気になりますw
 兵庫の連中はどうしようもないな!
 それでは、次回を楽しみに待ってますね!
515ひどい有様だった>>882 ◆MVh6W.SAZtbu :2010/03/09(火) 23:09:52 ID:JBDaC1K5
>>501
これは無双(←二体いるが、その点について君はどう考えとるのだね、>>882君?)
個人的にリべジオンの脚がツボですね…… あとこっち見んな。

>>510
投下乙!
ひでぇ話だwwwwww
「再転移」か…… 「エルフを狩るモノたち」のある回に出てきたセリフ「きっと異世界なんてそこらじゅうにあるんだから」をちらっと思い出しました。

さて……
あ…… ありのままにこの一週間半ほどの間に起こったことを言うぜ!
俺は21号機最初の方の書き込み後、『人型ロボットを描いてみよう』とやってみていたらいつのまにかSSを書いていた
な… 何を言ってるのか(ry

ということで、投下させて頂きます。たぶん支援は必要ないと思いま……一回だけ必要なくらいかな?

では次レスから。
 文学だの芸術だの音楽だの……とにかく、そういった「作品」と呼ばれるものには、テーマというものがある。
ま、つまり、「それを通じて一番伝えたいこと」のことだ。
で、SSにおいてもそれは同じだと思う。
それでこのSSはどうなんだ、このSSのテーマ、つまり「一番伝えたいこと」はなんなんだと言われると……

「道を歩いていたら、向こうから走ってきた車に乗っていた男に
 『すみません、実はこの近くにあるっていう病院に友人が運ばれたって聞いたんですが、
  この辺りは初めてなんで、道がわからないんです!
  申し訳ないんですが、一緒に乗って案内してくれませんか!?』
 と言われたからってつい同情して車に乗っちゃいけません」

ということだと思う。

 少なくとも俺はそう断言する。
517創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:12:52 ID:fQSBjaXL
 
 で、ここはなんかウスラデカい「研究所だか工場だかっぽい建物」内の一角。
それで目の前にはソファーに鎮座する「二十歳の男性大学生拉致事件の犯人」である30前後っぽい長髪・白衣の男。
「不安にさせるようなやり方をしてすまなかったね。周りに人の目があるところでは話しにくい用件だったもので」
「……で、その要件ってやつは? 言っとくけど、俺及び俺の三親等以内の親族はそこまで裕福というわけではないぞ」

 テメエはソファーに座ってるくせに用件があって連れてきた人間はパイプ椅子に座らせているという件に関して
ツッコんでも無駄なカテゴリーの人種であろう、ということを瞬時に見てとった俺は、
その件に触れる手間は省いて、身代金目的であれば標的選択を誤ったことを教えてやった。
まあもっとも、ここに連れてこられるまでに身に染みさせられた、
コイツがなんか(主に嫌な方向性の)スゴい技術を持っている事実からすれば、
こんなセコい誘拐なんかより遥に金を得られる方法なんか掃いて捨てるほどあるだろうというのは明白だから、
今の発言ははかなり純度の高い皮肉だ。

「いや、どうも勘違いさせてしまったようだが、別にそういった目的で誘拐したんじゃない」
「誘拐なのは認めてるんかい!」
「実は君にやってほしいことがあってね。それで拐かして連れてきたんだ」
「性質悪いなオイィィィィィイイイイイイイ!!!!!!!」
「まあ取り合えず、何をやってもらうか説明しようか」
「ちょっと待て! なんでオレにやらせようって決めたんだよ!?
 オレはアンタのことなんか知らんぞ!? アンタだってオレのこと知らんはずだろ!?
やらせようとしてるのがどんなことなのか知らんけど、どうしてオレにやらせるって決められるたんだよ!?」
「ああ、それについて言えば、実は君のことを少し前から調べていてね、それで決めたんだ。
 というより、調べていた人間の中で一番良さそうだったから君のことを選んだ、と言った方が正確だな」
「調べていたってなんだよオイィィィィィイイイイイイイ!!!!!!! 適当なこと言ってるんじゃねぇよ!」
「いや、別に嘘はついていないよ。実際に君のことは調べていたんだ、佐藤和俊君」

 オレの名前を知っている…… オレは一瞬ぎくりとした。だがしかし、ここで怯んだ様子を見せてはいけない。

「へ……へぇ〜、一応名前くらいは調べてあるみたいだな。
 でもどうせ、その程度のことまでしか調べてないんだろ? そんなに深いことまでh」
「いや、割と深く調べたと思うよ。
 例えば、『お前の母ちゃんドブス』とからかわれていたけど、
 よくよく聞いてみるとその『ドブス』は佐藤君の妹さんのことで、
 それがわかってから周囲がそのことに触れなくなったことt」
「やめろぅ! その話は今すぐやめろぅ!」
「じゃあ、私が厳正なる判断の下に佐藤君を選んだ、ということを認めてくれるね?」
「認める認めます認めさせていただきます」
「では説明を始めよう…… 少し前置きが長くなるが、聞いてくれ」

 よもやこんなところで癒えない心の古傷をえぐられようとは…… とにかく、これで話を聞くしかなくなった。
何をさせられようとしているんだかわからないが、それがわかってから対処法を考えても遅くはあるまい。
そんなオレの心の動きにお構いなしに、誘拐犯は語り出した。
519創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:14:19 ID:fQSBjaXL
 
「こう見えても私は女性にもてなくてね…… それも昔からなんだ」
 ……ひょっとするとコイツは「鏡に映ってるのは自分である」、ということを知らないのかも知れない。
「そこで私は美少女アンドロイドをつくろうと思った……
 『(ちびトラウ)ぅぬぅうをををっしゃぁぁぁぁあああああ!!!!!!!』とか
 『(ちびトラウ)どぅぅぇぇえりゃぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!』とか
 のためにね……」
「全年齢板でどんな発言してくれてんだテメエはぁぁぁぁああああああ!!!!!!
 (ちびトラウ友情出演ありがとう…… おかげでマジでしゃれにならない事態は避けられた……
  それとTロG氏マジごめんなさい)」
「しかしアンドロイドをつくるというのは大変なことだ……
 私は一つ一つ問題を解決していったが、非常に苦労したよ。ただ、それによって様々な技術を開発できたのもまた事実だ。
 でも、そうやって新しい技術を実現していくうちに、私は気付いたんだ。
 こんな素晴らしい技術を、私の個人的『(ちびトラウ)セイ!!!!!!!』のための
 美少女アンドロイドをつくるのだけに使っていいのだろうか?
 世界の人々の平和や幸福のために使うべきではないか?
 悪の魔の手から、力は無いが善良な人達を救うために使うべきではないか?
 そうすりゃもてるんじゃないか?」
「立脚点にいささかのブレも無いようだな」
「そして私は決意した。
 私の技術を、既存の兵器では歯が立たない兵器を使って世界征服を企て無辜の人達を苦しめる悪の秘密組織を倒し、
 人々を救うために使おうと!
 しかしここで重大な問題が発生した……
 既存の兵器では歯が立たない兵器を使って世界征服を企て無辜の人達を苦しめる悪の秘密組織とか
 別にいなかった!」
「お前の都合と思い付きに合わせて世界が構築されるとか思うなよ!?」
「私は嘆いたよ。
 ああ、世界の人々は何て不幸なんだろう。
 せっかく私が悪の秘密組織から救ってあげようと思っているのに、悪の秘密組織に苦しめられていないなんて……」

 もしかすると、この人は「日本語じゃないんだけどはたから聞くと日本語に聞こえる言語」をしゃべっているのかも知れない。
521創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:15:43 ID:fQSBjaXL
 
「まったく困ってしまったよ……
 あまりにも困ってたんで、うっかり「NHK」を「えねーち系」と言ってしまうような日々が続いた……
 だが、そんな日々の中、私はひらめいたんだ。
 既存の兵器では歯が立たない兵器を使って世界征服を企て無辜の人達を苦しめる悪の秘密組織とかがいないんだったら、
 自分でつくればいいんだと!」
「困ったもんなのはテメエの頭だぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!
 コペルニクスも裸足で逃げ出す転回じゃねぇかぁぁぁあああああ!!!!!」
「安心したまえ、『言うこときかないと壊したり殺したりしちゃうぞ☆ テヘ☆』って宣言させたら即座にやっつけるから。
 破壊活動とかそういうのは実際にはしないから。
 だってすぐにやっつけないとその間に他のヒーローとかにやっつけられちゃうかも知れないじゃん」
「他のヒーローなんか
  (いや待て、ここで「他のヒーローなんかいねーんだよ!」とか突っ込んだら、
   この馬鹿は「あ、そうなの? じゃホントに破壊活動してる奴を倒した方がもてそうだからそうしよう」とかやりかねん。
   ここはこの馬鹿に自分の馬鹿な考えを信じ込ませておくべきだfor the human being(人類のために))
 が先に倒す可能性は確かにあるけれども!
 マジで即座に倒せるように悪の組織の兵器をそれなりには弱くしとかなきゃ!」
「フッ、そんな心配は御無用だ。自分で言うのもなんだが、私のつくった正義の美少女ロボットはかなり強いぞ。
 別に悪の組織のロボットも手を抜いてつくるつもりはないが、苦戦することはあっても負けることは無い!」
「大した自信だな」
「フッ、過剰な謙遜をするつもりは無いからな! どうだね、気になるかね、実際に見てみたいかね?」
「ああ、(歴史上稀に見るレベルの馬鹿の言葉をそのまんま真に受けるなんて不可能だから)ぜひ実際に見てみたいね」
「フッ、ならば仕方無い、見せてやろう! あっちを見ろ!」
523創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:16:48 ID:fQSBjaXL
 
 馬鹿が立ち上がり、右手を伸ばして揃えた指で指し示す先に、
スポットライト的なものが灯り、その下の床が左右に開いて、何かがせり上がってきた。

 直前の馬鹿の発言からして、せり上がってきてるのは「正義の美少女ロボット」なんだろう……
人間よりはるかにデカいみたいだけど。
まあデカいから「美少女アンドロイド」→「美少女ロボット」って呼び方を変えたんだろうな。
 でも不覚にもこの登場シーンてちょっとカッコいいって思ってしまうな。いかにも「巨大ロボ発進!」って感じだもん。
まあ実際にロボットの姿を見たらカッコいいとか思う気持ちはブチ壊されちゃうんだろうけど。
なにしろあの馬鹿がつくったもので、しかも美少女ロボだもんなあ。
まず期待出来ん。ほらどんな姿か分かるくらいにまで出てきたよ、あんな↓カッコだもん……
      http://dl2.getuploader.com/g/sousakurobo/357/figure+1.jpg

「もっと多岐にわたるもんブチ壊されたわ―――――ッッッッッツツツ!!!!!!」
「どうしたんだね!?」
「こちとらテメエの頭がどうしたのか聞きたいわ! なんじゃあの戦車!」
「そうか、言っても佐藤君はこういうことに関しては素人だもんね。
 いいかい、陸上戦闘において重要なのは火力と装甲だ。
 『避けながら連続して弱点を狙えばいい』なんてのは実戦では通用しない甘い考えだからね。
 でだ、まずは火力についてだけど、
 威力・連射性・即応性・多様な目標への対応能力というものを高次にバランスさせることを考えると、
 大口径高初速砲を主兵装として複数の種類の砲弾を多数搭載するのが最適なんだ。
 ただ、これは単純な装備の重量としても、反動に対するための全体の重量としても、重くなる。
 次に装甲については、強固なものにすれば当然その分重くなるし―――
 軽い材質の装甲をつくれたとしても、その分より厚く、つまり全体として重くすればより防御力が上がるわけだしね、
 そして、その重量を抑える、つまり強固な装甲で覆うべき面積を低減させることを考えれば、
 最も攻撃を受ける可能性の高い、つまり最も強固な装甲を配さなければならない正面の投影面積を小さいものにするべきだ。
 さらに、そうして重くなった兵器は、接地面積が広くないと接地圧が高くなり過ぎて特に軟弱な地面だとめり込んでしまう。
 そして接地面積を広くとるためには、キャタピラが有効だ。
 これらを総合すると、
 『口径が大きくて砲身が長い大砲を積み、全高と全幅を可能な限り小さく抑え、キャタピラによって走る兵器』
 となる。
 これはまさしく戦車の姿だね。
 つまり、あの形は必然により導き出されるものであって、
 各国の軍が戦車を地上戦闘の重要な兵器として配備しているのも理に叶っt」
「この場でそんな兵器のデザインに関するマジ解説求めてねーんだよ! あの生首に関する解説を求めてんだよ!」
「だってあれが無いと美少女ロボットにならないじゃないか」
「あれのおかげで美少女ロボじゃなくてホラーオカルト系統のナニモノかになってんだぁぁぁぁあああああ!!!!!!!
 >>882のヤツもあれの下書き中『生首部分をリアルに描いた方が面白くね?』って思って途中まで描いたんだけど
 あまりのホラーっぷりに消し去ってなかった事にしたくらいなんだぞ!!
 そんなに美少女にこだわるんだったら
 普通のちゃんとした戦車つくって美少女アンドロイド乗り込ませりゃいいだろうがぁ!!!!」
「!
 ……まさか……こんなところにこんな恐ろしいほどの頭脳の持ち主がいようとは……」
「テメーの物理的に一番身近な人間が恐ろしいほどの頭脳の持ち主なだけだぁぁぁぁあああああ!!!!!」
525創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:17:28 ID:fQSBjaXL
 
526創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:18:09 ID:fQSBjaXL
 
「まあつくってしまったものは仕方無い。
 正義の美少女ロボット(まだ美少女ロボットと言い張るか)を操作出来るような美少女アンドロイドを
 これからつくってると時間がかかり過ぎるし。
 それにそんなにひどく言うもんじゃない。佐藤君あれに乗るんだし」
「どういうことだぁぁぁああああ!!!!!!」
「私は『博士ポジキャラ』だからな。基地で指令とか出す役をしなくちゃならないから、自分で乗るわけにはいかない。
 だからあれに乗る人を探していてね。そこで佐藤君を選んだってわけだ」
「オレが(不幸の降りかかり先に)選ばれた理由はなんだよ」
「やっぱ最近の子だとさ、ゆとり教育って奴?
 それを受けてるから割と適当に説明すれば簡単にノリで乗ってくれるんじゃね? って思ってね」
「あんなもんにホイホイ乗るような人間に育てるには逆に極めて特殊な教育が必要だろうがぁぁぁぁああああ!!!!!!
 それにゆとり教育に対する馬鹿なネトウヨみたいな誤解持ってんじゃねぇぇぇぇえええええ!!!!!!!」
「そんなこと言ってももう仕方無いよ。訓練のために、これからシミュレーションで悪の組織のロボットと戦ってもらう」

 馬鹿がまた違う方を今度は伸ばした左手で指し示す。またその先にスポ(中略)何かがせり上がってくる。

 また戦車か? いや、もしかすると戦闘ヘリコプターとか戦闘機とかかも知れないな。
マジで何が出てくるんだよ……
頼むからオレというド素人の乗った「正義の美少女ロボット(の生首をつけた戦車)」で倒せる相手であってくれ……
いよいよ姿が分かるようになってきた。あんな奴↓か……
      http://dl2.getuploader.com/g/sousakurobo/358/figure+2.jpg

「なんで悪の組織の方はロボットなんだぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!!!」
「やっぱり悪には“悪”って感じの見た目が必要だからな!」
「なら正義にも“正義”って感じの見た目が必要だろうがぁぁぁぁぁあああ!!!!!」
「さっき説明したろ、強くすると戦車になるの! 悪の方は負けるの前提なんだから戦車じゃなくていいの!」
「もはやテメーも「正義の美少女ロボット」の方「戦車」っつっちまってんじゃねえかぁぁあああああ!!!!」
「あーもう細かいことをゴチャゴチャと! 大人しく訓練受けろ!」

 そう言って馬鹿は指をならそうとして失敗し、
5、6回のチャレンジの末あきらめたらしく大人しく白衣の裾のポケットから小さな箱を取り出して
それについているボタンを押した。
 すると突然、(恐らくは天井から)「タライらしきもの」が落ちてきて、その底がオレの頭を直撃した。
冗談抜きでクラっとなりながらオレが見たのは、
「タライらしきもの」がくるりと上下引っくり返ってオレの頭部全体にすっぽり被さろうとしている光景だった。
そしてオレの頭部に「タライらしきもの」がすっかり被さってしまうと、オレの意識は急速に遠くなっていった。
な、この「タライらしきもの」には被さった相手の意識を奪う機能があるのか…… これじゃ抵抗することもできない……
……だったらさっきオレの頭に「タライらしきもの」をぶつけた意味はぁぁあああああ!!!!!????

 そんなツッコミも実際に言葉にして口に出すこともできないまま、オレの意識は完全に闇に沈んだ。
528創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:19:19 ID:fQSBjaXL
 
529創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:20:31 ID:fQSBjaXL
 
 何か狭い部屋の中にいてモニターとか色んな機器とかに囲まれてる。
 そのことを認識して、オレは意識が戻ったことに気がついた。
 この様子は…… シミュレーションで「正義の美(中略)けた戦車」に乗せられてるんだな、多分。
意識を失ってる間に運ばれて実際にシミュレーターに乗せられてるのか、
それとも、「タライらしきもの」に脳に「そんなことしちゃらめぇぇぇえ!」なことされて
疑似体験させられてるのかはわからないけど。
しかし……、本物の戦車に乗ったことなんてないけど、
まず間違いなく戦車の中ってこんなアニメのロボットのコクピットみたいな感じじゃないな。

「聞こえるかい?」

 いきなり、通信音声が聞こえてきた。

「奇跡的なほどの馬鹿の声なら聞こえる」
「? 何か不具合でも起きてるのか……?(口調が…… マジだ!)
 まあいい、反応したってことはこっちの声も聞こえてるってことだろう。
 さっき言った通り、これから悪の組織のロボットと戦ってもらう。
 操作なんかわからないっていうだろうけど、
 その点についてはちゃんとどうしたらいいか指示をもらえるシステムがあるから心配要らない」
「ああそうか、そりゃ助かるな…… で、その指示を受けるにはどうすればいいんだ?」
「佐藤君自身は別に何もしなくていいよ。
 搭乗者の様子をモニターして、『困っている』と判断すれば向こうから指示を出してくれるから」
「へえ、そいつはすごいな!
 でも、その『あ、コイツ困ってるな』って判断は機械というか、コンピューターがするんだろ?
 なんていうか、そういう人間の表情とか様子とかいうものをコンピューターがちゃんとわかるのか?
 見落としとかあったりしないのか?」
「いや、コンピューターがやるわけじゃない。それは安心していい、ヨネさん(82)は人生経験豊富だから」
「ヨネさん(82)て何だぁぁぁぁぁああああ!!!!!!」
「ヨネさん(意外と洋食も好き)は『おばあちゃんの知恵袋システム』の要っつーか全てみたいなもんだ」
「婆さんにアドバイスされるのかぁぁぁぁああああ!!!!! 役に立つ気配皆無だろうがぁぁぁぁあああああああ!!!!!」
「失礼なことを言うな。ヨネさん(でもやっぱり朝はご飯)は人生の先輩だぞ。
 よく言うだろ、『亀の甲より歳の功』って。
 ……あ、今のは別に『亀甲縛りされるより歳をとってる人相手の方がいい』、
 つまり『SM趣味より熟女趣味の方が良いものだ』っていう意味で言ったんじゃないぞ。
 私にはどちらの趣味も無いが、人の嗜好に優劣なんかつけられn」
「聞くのが初めて過ぎる解釈だぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!
 テメエの嗜好だけは全力で否定したらぁぁぁぁぁあああああ!!!!!」
「とにかく、模擬戦を開始する。
 あ、言い忘れてたけど、
 これシミュレーションだから仮にやられて死んじゃったとしても現実には問題無いと思ってるかも知れないけど、
 脳に『え…… うそ…… そんなことするの……』ってなことして仮想現実体験させてるから、
 重傷を負ったりとか死んだりとかするとアレなことになるかも知れないんで、真剣にやった方がいいよ」
「アレなことって何だ!!! アレなことって何だぁぁぁぁぁぁああああ!!!!!!!!!」

 返事しろコラぁぁぁぁぁぁああああああ!!!!!!!
531創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:21:46 ID:fQSBjaXL
 
 オレは取り残された。いや、この表現多分間違ってると思うけど心情的にはそんな感じだ。
どうしたらいいんだよ…… 
そんなことしてもどうにもならないことはわかってるけど、体のそうしようとする反応のまま、
オレは(多分涙目で)周りを見回した。
 すると、そこはかとなく「ワタクシ通信用で御座います」という空気を醸し出してるモニターに、
いかにも縁側で日向ぼっこをしてるのが似合いそうなかわいらしいおばあちゃんが映っているのに気が付いた。
ああ、これが「おばあちゃんの知恵袋システム」だな、寸分の疑いの余地も無く。

「どうしたらいいのかわからなくて困ってるようじゃねぇ」
おばあちゃんが話しかけてきた。いかにも優しいおばあちゃんと言ったほんわかした声だ。
いや、確かにホント誰でもいいから助けてほしい状況ではあるんだけど、
ちょっとおばあちゃんにどうにかしてもらえる状況じゃなさs

「発動機始動の手順としては、キーを回す代わりにスターターボタンを押すくらいで、
 操作自体は自動車とほとんど変わらんから心配しなくてもええ。
 ただ、重量が大きいんで発動機に常に高い回転が必要とされるという過酷な使用状況になるから、
 暖機はしっかりするんじゃよ。
 まぁ、電装系や主砲の電熱砲が消費する大量の電力を賄うために大容量蓄電器を搭載しとる、
 そのおかげで発動機停止中にも砲塔・武装を動かせるから、暖機中に向こうが仕掛けてきても反撃は出来る、
 過信や油断は禁物じゃが、過剰に心配することも無いよ。
 暖機が終わったら動かすわけじゃが、基本的な操縦の操作はオートマチックの自動車とほぼ同じじゃよ。
 無論、より高度な操作が要求される機能もあるが、
 初めてじゃから、あまり特殊な操作をしろと言われても混乱するだけじゃろうから、今回は基本的なことだけにしとこうのう。
 それで勝てるように指示を出したげるから。
 で、動かす段階になったら、
 まずマップモニターに示した青いバツ印のところに行って、砲塔を青い矢印の方向に向けるんじゃよ。
 向こうは起伏の激しい地形に強いが地表が軟弱な地形には弱い、こちらはその逆じゃ、
 そのことを考慮して、向こうが選ぶであろう接近経路が限定しやすく、迎え撃ちやすい状態になるのが、
 マップモニターに示したところじゃ。
 さらに、もし向こうが裏をかいてこちらの側背から襲い掛かれるような経路をとったとしても、
 青いバツ印の位置ならば、そういう側背を衝かれるような経路は散布式警戒センサーが効きやすい地形になっとるから、
 位置につけたらそこに散布式警戒センサーを射出しておけば、十分余裕を持って対処出来る。
 まあ、さっきやられたらアレなことになると言われたが、もしそんなことになりそうだったら、
 システムを乗っ取ってそうならないようにしてあげるから、安心しなさい。
 ただ、そうは言っても訓練じゃから、出来る限り自分で頑張るんじゃよ。
 さて、今、射撃統制装置の緯度設定はデフォルトのままで日本のそれになっとるが、
 訓練ということで、ここは緯度が違っておる。
 データリンクに接続している状態なら、自己位置情報を元に、自動で緯度設定が修正されるが、
 まだ接敵しておらず秘匿性を高めるため、
 及び、敵の電子戦能力が未知であるのでデータリンクの情報を『盗み見られる』危険がありそれを防ぐため、
 という訓練上の設定から、
 今はデータリンクに関する電波の送受信を全くしておらん。
 このままではコリオリ力に関する修正が狂うから、暖機の時間を利用して、緯度情報を修正入力しよう。
 今から説明する通りにするんじゃよ……」

 このババアはナニモンだぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
 その後、「悪の組織のロボット」と戦った。
 具体的にはよくわからんけど、
少なくとも動きやら周囲へのとばっちりやら見た感じでは、「悪の組織のロボット」は結構戦闘力高そうな感じだったが、
完全なるド素人のオレでも全く危なげというものも無く楽に勝てた。
 そりゃもうあまりに楽勝だったもんで見せ場というものがまるで無く、戦闘時の描写をかっ飛ばすくらいに簡単に勝てた。
 ヨネさん(冷徹な頭脳と野生の勘を併せ持つ女)の適切過ぎる指示のおかげで。
534創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:24:42 ID:fQSBjaXL
 
535創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:25:10 ID:s3LeEiGB
 
「いや〜、完全なる勝利じゃないか! 初めてでこれなんて、佐藤君もしかしたら天才なんじゃないか!?」

 「正(中略)車」のシミュレーションから解放された(現実世界へと帰還した)オレをえらく上機嫌な馬鹿が出迎えた。

「ヨネさん(天使のように大胆で悪魔のように用心深い)の指示が完璧過ぎるおかげだわ!
 ヨネさん
 (もはや「相手がヨネさん(戦場を支配する老獪なる女狐)の考えに合わせて動いているのではないか?」と思うレベル)
 の言うこときいてりゃ誰でもあの結果になるわ!
 もうオレ乗せないでヨネさん(本当に……コイツが敵でなくてよかった……)に直接遠隔操作でもさせろよ!
 そっちのほうが強いわ!」
「あ、言われてみりゃ確かにそうだ。じゃ、佐藤君用済みだからもう帰って二度と来なくていいから。
 秘密を知ってしまったから消す、とかはしないであげるから、感謝してね」

 オレは可及的速やかに馬鹿の棲家から退去し、その足で警察署へと向かった。



「模擬戦を終えた佐藤和俊。再びの平和に、彼は安堵する。しかし、それは戦士に与えられたつかの間の休息に過ぎなかったのだ…… チャラチャチャッチャチャ チャラチャチャ!」
「勝手に続けようとするなぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!!!!」

                                                                        おわり。
537>>882 ◆MVh6W.SAZtbu :2010/03/09(火) 23:29:19 ID:JBDaC1K5
以上で投下終了です。支援してくれた方、ありがとうございました。


……しかし…… ひどいな(多種多様な意味で)
538創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:40:21 ID:s3LeEiGB
>>537
投下乙です!感想は明日にー!
539創る名無しに見る名無し:2010/03/09(火) 23:41:58 ID:TdFRq+Af
戦車ワロタw
540創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 00:36:40 ID:Y8bzl2jg
>>537
投下乙!
なんぞこれ、ツッコミ切れねえwwwwwwwwww
夜中なのに爆笑しそうになったじゃねーかwwwwwwwwww
541創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 00:42:06 ID:FE4dnCcy
>>537
 投下乙です!
 ヨネさんSUGEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEEE!!
 ネタが多過ぎてどう反応すればいいのかわかりませんwww

 それにしても、最近作品の投下数が明らかにヴァーストしている……早くwikiの編集始めないと、大変な事になりそうですね……!
542創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 00:47:55 ID:Y8bzl2jg
いやむしろ容量がパネェw
543創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 01:12:54 ID:FE4dnCcy
 まさかもう298 KBとはw
544創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 03:18:21 ID:JqC7nN95
>>537
投下乙!
せwwwwんwwwwしゃwwww
突っ込みどころが多すぎてもはや何も言えやしないww
545創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 16:59:24 ID:tgNNn16a
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/child_pornography/?1268204513

俺、東京から別の地方に引っ越すわ
このスレもアウトになりそうだし
546創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 17:09:17 ID:FE4dnCcy
 大佐、違憲です。
547創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 17:47:35 ID:fEnEzML5
ヒステリー起こしたオバハン達とそれに便乗して金を集めたい連中の仕業だろこれ……
実際に議会に提出されるって……orz
548創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 17:55:05 ID:fEnEzML5
済みません、書き込む事じゃなかった無視してください
549創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 17:57:42 ID:tgNNn16a
>>547
議会に提出されるうえに規制賛成派が多いって最悪の状況でっす
550創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:07:36 ID:Y8bzl2jg
まあ、
条例<<<越えられない壁<<<憲法
だし。表現の自由を侵害してる時点でアウトだよこれ

ところでROBOT魂でエルガイムMk-2商品化決定か……
551創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:17:40 ID:FE4dnCcy
>>550
 レーバテインやコダールなんかは商品化の可能性が高いから投票リストには入ってなかったらしいですね。
 シンケンオーとかガガガとかイングラムとかレイズナーとか、他の候補も欲しすぎて困りますw
552創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:20:57 ID:Y8bzl2jg
ファフナーとか俺得過ぎる
もし出たらアルケーと一緒に飾らざるを得ない
553創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:23:05 ID:fEnEzML5
>>550
ベスト10入りした連中の半分以上ほしいwww
554創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:24:28 ID:FE4dnCcy
 鷲尾ちゃん繋がりですねわかります。ネタでアルケードライとか出ないかしらw
 IAOのエルガイムを買い逃したのは手痛いです……。
555創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:26:40 ID:Y8bzl2jg
>>553
いやむしろ全部欲しいw
グリフォンとか出たらいいなぁ
556創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:31:51 ID:hS8TzYDO
劇場版に鷲尾枠があるんだっけ?
誰が乗るやら……やはりネーナ2か
557創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:34:25 ID:FE4dnCcy
>>555
 むしろ零式を! 貫手パーツ付の零式を!

>>556
 ネナツー、セクシーでしたねw
558創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:38:35 ID:Y8bzl2jg
でもスローネ系列って消滅したんだよね……出るとしてもリィアン的な機体かね
559創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:42:38 ID:FE4dnCcy
 鷲尾氏の独特なラインの機体、また見たいんですけどね。
 量産型スローネもジンクスあるしなぁ……。
560創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:45:27 ID:Y8bzl2jg
というか量産型スローネ=GN-Xだしね
連邦的にも機種増やすメリットあんま無さそうだし
561創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 18:53:27 ID:FE4dnCcy
 そういえばアヘッドとジンクスがコックピットの位置が違うから、現場が混乱したんでしたっけw
562創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 19:07:41 ID:Y8bzl2jg
そういやそんな設定あったなw
563創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 19:09:55 ID:tgNNn16a
手や足にコクピットがあるロボって結構いるのね
564創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 19:12:26 ID:Y8bzl2jg
ダンガイオーですねわかります
565創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 20:37:52 ID:ykt+E/t1
モーターヘッドは足にエネルギー発生源があるぞ
566PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/10(水) 20:41:10 ID:FE4dnCcy
 なんか全然SS書けないんでガリガリ落書きしてみたでござるのマキ。

http://dl8.getuploader.com/g/sousakurobo/361/Wanko.jpg

http://download1.getuploader.com/g/sousakurobo/362/Rakugaki_Rider.jpg

 ではwikiの編集行ってきますー。
567PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/10(水) 21:00:11 ID:FE4dnCcy
 あ、そういえば◆tH6WzPVkAc氏。作品名がわからないんで教えてくださいな。
 ちなみに今はグラウンド・ゼロ(仮)になってます。
568 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/10(水) 21:48:03 ID:ykt+E/t1
>>495
ありがとうございます ちなみに参考にしている本が某新世紀アニメの昔でたみたいな脚本集です
ですので内容もだんだんと被って(

>>500
一回の部分は一話のAパート部分にあたるはずでしたが
、一話まるごと書いてみようとしたら先が見えなくなり
途中で切り上げました 5回くらいまではいけそうですが
その先は未知数です
 
 


569 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/10(水) 21:58:27 ID:ykt+E/t1
バストサイズ構図のキャラ絵くらいは見てくれのいいものかけるといいんだけど
人物絵はむずすぎる
570創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 22:18:46 ID:fEnEzML5
>>569
人もロボも描けない身としてはキャラ絵描けるだけで羨ましいですw
571創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 22:55:06 ID:Y8bzl2jg
>>566
wiki更新と投下乙!
抱きしめたいなぁ珍獣!!
ペネ子かっけぇ……大剣はロマンすなぁ
つか、何故ダブルwwwしかも2号のアレかよwww
572創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:15:31 ID:FE4dnCcy
 編集完了しました! 取りこぼしがあったら教えてくださいませー。

>>571
 感想、ありがとうございます!
 ダブルがいるのは落書きだからです(キリッ
 あと珍獣は肩車するものにございます。
573創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:29:35 ID:Y8bzl2jg
>珍獣は肩車するもの
でも高い高いをしても構いませんよねッ
574創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:32:18 ID:FE4dnCcy
 もちろんSA!
 最近ロボ描く方が楽なんですけど、何故でしょうか。
575創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:35:04 ID:Y8bzl2jg
そういう時期なのでは
しかし規制のせいで本スレが静かすなぁ
576創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:37:30 ID:FE4dnCcy
 ですねー。せっかく無くしたデビルフィッシュのパーツ見つかったのに……。
577創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:41:33 ID:Y8bzl2jg
いやそれ関係ないwwwてか見つかったんだ、おめでとうw

wiki見て改めて思ったけど、ここって二次創作本当に少ないよね
ここのオリジナル作品の二次はあるのにw
578創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:46:05 ID:JqC7nN95
>>566
なにこれかわいい

イエスロリコンノータッチハ紳士ノ宿命デアリマス
579創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:49:55 ID:FE4dnCcy
>>577
 不思議なスレですよねw

>>578
 お褒めに預かり光栄の極み!
 紳士なのは17時まdうわ極細なにをするやめ
580創る名無しに見る名無し:2010/03/10(水) 23:55:47 ID:Y8bzl2jg
まったく不思議なスレだよ
ヒロインと主人公機のほとんどにビジュアルついてるあたりとか特にw
581創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:09:33 ID:0YOru/Dj
 絵師さんの勢いが凄いですからねー。
 そういえば私、他の作品の機体のデザインした事ありませんね。
 何かしてみようかと思ったり思わなかったり……。
582創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:13:33 ID:W26UJbbT
師匠もハイブリッド体でしょうがw
ヒロインはティマとカルマをデザインしてるよね

>何かしてみようかと思ったり思わなかったり
やっちゃえよ!
583創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:16:36 ID:pnQPeal7
ならば試製五式重装甲強化服乙型一号機改を……いや、何でもありません。
584創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:26:58 ID:ZHFBXw3e
コラボってる神威を・・・


何でもないさー!
585創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:27:13 ID:TQT8HY9X
>>581
ヴィル・フェアリスなんていかがでしょ?
マスコット系ならSDで培った技術を発揮できそうなw

そして筆が乗ったところで十九式時正を(通信が途絶しました
586PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/11(木) 00:38:27 ID:0YOru/Dj
 いい湯じゃった……。

 あ、じゃあ細かい特徴とかを書いていただけると助かります。○○に似てる、とかでもおkですw
 ……でもいつ出来るかはわからないんだからね!
587創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 00:50:01 ID:W26UJbbT
本気だと……!?
師匠、恐ろしい人っ
588創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:15:29 ID:0YOru/Dj
 超本気ですよ!
 いつ出来るかはわからないですけど!
589創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:18:42 ID:W26UJbbT
これはwktkせざるを得ないが……皆どこ行ったw
590創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:22:49 ID:TQT8HY9X
ヒント:よい子は寝る時間


うわ、運び屋直しながら書いてたらこんな時間だよwお先に離脱しますねw
591創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:24:29 ID:W26UJbbT
やっぱりかあああああ!!
592創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:29:13 ID:0YOru/Dj
 もう時間が時間ですからねw
 私も一応布団敷いとこうかしらねー。
593創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:29:24 ID:Qklay4g0
>>586
wktkせざるを得ないっ

他の小説のキャラも描きたいんだけどなぁ。正直容姿で覚えてるのって
PBM!勢とティマくらいしかオレ覚えてない><
|・) コソコソ

|・)ノ【書いた所までですし、わりと短いですが投下よろしいですか?】

|ミ サッ
595創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:33:59 ID:W26UJbbT
>>593
PBM!勢とティマはイラスト投下された回数が尋常じゃないもんなぁw

>>594
支援すっべ!
596創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:34:14 ID:0YOru/Dj
 支援しますよ!
 闇。

 底の見えぬ闇。

 頭上から照らすは冥き太陽。進む道は見えず、帰る道も見えず

 そして永劫とも思える逃走。殺戮。孤独。

 だが銀の瞳は揺るがない。
 銀の甲冑はただ冷たく、銀の残光を追う者達は銀の力により皆潰えた。
 銀の私はかの者の残滓。


 イグザゼン


 それは世界の力。脅威。憎悪。あるいはそれその物。

「破壊」のロストフェノメオン。

 私が託されたモノ。届けるべきモノ。私の使命。

 私の、私の


――「存在意義」


「――!?」

 光?

 遠く瞬き、近く輝く

 ――誰かがいる。

 おぼろげなそれ。だが確かにそこには誰かがいる。
 今にも消え行きそうなそれ。だがその姿に私は妙な既視感を感じた。
 遠い遠いどこかに置き忘れた、かけがえの無い大切な何か。その姿に光は――


 届く事のない思考。遠く、遠く、あまりにも遠い光。
 少女がその境地に至るには、まだ足りないものがあまりにも多すぎた。
 故に知らぬ。故に識らぬ。その果てに、その向こうに、セカイの果てにある真実を。



eXar-Xen――セカイの果てより来るモノ―― Act.2



598創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:35:27 ID:W26UJbbT
 
599創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:35:42 ID:0YOru/Dj
 
「ん、ん……」

 彼女が意識を取り戻し、最初に見たものは少し汚れた白い天井。
 次に、私の顔を覗く4つの影だった。

「お、気がついた?」

 彼女の身体に障ると思ってか小声で言うディー。酷く疲れているような顔をしているが触れてあげない方が彼の為である。

「ここは……?」
「おっとっと、焦らんでもええ……ここはリングダム・メカニズム。ジャンクヤード012「スチームヒル」の郊外で機械整備工を商っておる。」

 いきなり起き上がろうとする少女をなだめ、寝かせるバール。

「しかし驚いたのぉ……空がいきなりピカッ!と光ったと思ったら上の階からベルの怒声とディーの悲鳴が聞こえてくるんじゃもの。何事かと駆けつけてみればベルに
サブミッション極められとるディーとベッドに見た事もない可愛い子がいると言う有様……事態のワケの分からなさでは70年生きてきた中でも最上位かも知れんのぉ。」
「だからバール!いらない事まで言わなくてもいいってばぁ!」

 いつも通りふぉっふぉっふぉっと蓄えた白髭を撫でつつ愉快愉快と笑うバールと顔を赤くして文句を言うベル。

「ベル姉ちゃんもディー兄ちゃんの言い分もっと聞いてあげたらよかったのに……」
「だってあれでこうであんな状況だったらそれしか思いつかないでしょうが!……ま、まぁ問答無用で極めにかかったのは悪かったわ……ご・め・ん・ね☆」
(……今度の食事当番の時、泣くほどピーマンベルの所にぶち込んでやる。)

 ぶりっ子ぶってもあまりにも似合わないベルと、密かな(かつちゃっちい)復讐心を抱くディーをよそにただ黙ってベッドの向こうに見える夜景を見つめる少女。
その視線の先は工場群ではなく分厚い雲に覆われた空の向こうに向けられていた。

「………………」
「何が起きたのかはディーから聞いた。が、別にわしらは深くお前さんの事についてとやかく問い質すつもりは無いよ。ただ今は身体を治して、疲れを取って、気を休めるといい。全てはそれからじゃ。」

 返事は無く、バール達のほうを向く事も無くただ闇夜の向こうを見つめる少女。
 だがバールは別に何も咎める事は無く言葉を続ける。

「……今晩はこの部屋を使うとええ。トイレは廊下を右に出てまっすぐ行った所にあるからの。ディー、お前はウェルの部屋で寝るといい。確か余ってる毛布があったじゃろ?」
「はぁい……」
「何その返事?ひょっとしてここで寝るつもりだったんじゃ……!」
「あ、ちょっと欠伸が一緒に出ただけだからおま骨いたたたたたたた!」
「ちょっと姉ちゃんやり過ぎやり過ぎ!変な方向曲がっちゃうよそれ!」
「それってなんだそれって!お前のとこにも今度の当番の時ピーマいたたたたたた!!」
「ほれほれ疲れてる人がいるところで騒いじゃいかん。出て行った出て行った。」

 賑やかなままバールに促されるままに追い出されていく3人と、少し遅れてではお休みと出て行くバール。
誰もいなくなった部屋にて少女はその不思議な光沢を放つ銀の髪をほんの少し揺らして、いつまでも淀み濁った空を見上げていた……






601創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:36:22 ID:W26UJbbT
 
602創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:36:41 ID:0YOru/Dj
 
ハイ。投下完了です。あまりの短さに支援もいらなかったみたいですね。。。
とりあえず次で場面が変わるのでキリのいいとこまで投下しときたかった今日この頃

さぁ、wikiを漁る系の仕事がマッテルゾー
604創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:37:11 ID:W26UJbbT
 
605創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:38:27 ID:W26UJbbT
>>603
投下乙!
では、ゆっくり読ませて貰うぜメーン
606創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:38:59 ID:0YOru/Dj
>>603
 投下乙です! では、ゆっくり読ませていただきますね!
おっとと
少し汚れた白い天井、の後

次に、自分の顔を覗く4つの影だった。です失礼しました;


推敲大事ね。。。
608創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 01:47:12 ID:Qklay4g0
>>603
投下乙でした!いや、キリのいいところまで投下したいという気持ち、わかりますw
自分は逆に長すぎちゃって12〜14回くらいレスしてしまったということが……
今回もでてきた破壊のロストフェノメオンという単語。伏線が気になりますね……。
そしてじいちゃんがいいキャラすぎるw ディー、女の子から関節技なんてなんというご褒美なんd
次回も楽しみに待ってますね!

しっかし、毎度誰かの作品が投下されるたびに思うんだけど
>>605 >>606 文が同じだからお二人さんとも特定しやすすぎるw
609創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:00:13 ID:W26UJbbT
>>603
改めて投下乙!
関節技……これはロボスレ格闘女王の地位を不動のものとする遥さんのライバル出現か……!

>>608
しかし私はただの名無しよ……
610創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:00:57 ID:0YOru/Dj
>>603
 投下乙です!
 相変わらず詩的でいいですね! ところでベルちゃん、ウチの遥さんとコンビ組まない?
 では、次回も楽しみに待ってますね!

 あ、避難所に歯車投下されてましたよ!

>>608
 もう機械的にレスしてしまう体に……。

>>609
 いつの間にそんな称号がwww
611創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:05:17 ID:Qklay4g0
>>609
じゃあ今日からHNは常連@名無しですね!

>>610
なんという同時投下……!情報ありです。
そしてロボスレだけに機械的にレスするようになってしまったのか……
612創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:14:07 ID:hbhmmoQc
>>603
乙です
次に何か来るという予感がするのが凄くいいです
次回も楽しみに待ってます

>>608
>自分は逆に長すぎちゃって12〜14回くらいレスしてしまったということが…
俺なんて60行や1レス辺りの容量フルに使って17レスだったぜ
しかもさらにおまけがry
いや、本当に毎回読んでくれる人の負担考えない量一気に投下してすいませんと毎度謝りたい気分になります(´;ω;`)
ある程度、物語進めないとなと思ってるのですがああいう文章なせいでどうも長くなりがちに…それで毎回、冗長になってないか苦悩するというw
もっと簡潔にまとめられると良いんですが、性格が出てる文章でもあります(´・ω・`)
今度はもっとみじか・・・あれ?既に前回の量超えてるってどういう事なの・・・
今回、これ以上短く出来るところ無いので先にごめんさいとだけ…
613創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:14:15 ID:W26UJbbT
ちょ、だれうまw
614創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:20:54 ID:W26UJbbT
>>612
>既に前回の量超えてる
なん……だと……!?
615創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 02:41:07 ID:0YOru/Dj
 恐ろしい執筆量だ……私も見習いたいものです。
616創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 03:05:30 ID:hbhmmoQc
>>614
こういうの書いてみたかったという要素が今回はギッシリ詰まってるから書いてる分には凄く楽しいです
だが、本当の問題はこの話が終わってやっと2章の起承転結の起が終わるという事だった
というか既に文字数の合計が一章の七割分に到達してる気がry
SIDE C辺りは大きなイベントしかないけれどイベント自体は少ないのでそれなりに短くまとまるといいなぁー


>>615
今回の筆の進み具合はきっと遅筆氏補正
でも遅筆氏にごめんなさいをしないといけない内容(出ない的な意味)で、早く動かしてやりたいです(´;ω;`)
というか適度にまとめてコンスタントに出したほうが絶対読んでもらいやすいから見習ったら駄目だと思うw
617創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 11:54:55 ID:W26UJbbT
遅筆氏補正sugeeeeee!!
出た時に大暴れさせればいいじゃないw
618創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 12:56:44 ID:0YOru/Dj
 大暴れ、楽しみに待ってますねw

 久々に初代ACやったらHが全然倒せなくて噴いたでござるのマキ。
619創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 13:04:54 ID:W26UJbbT
バーストパルスとあの地形は鬼畜過ぎるw
620創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 13:13:04 ID:0YOru/Dj
 ガチタンじゃないと気付いたらアラームが……w
621創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 13:44:04 ID:W26UJbbT
一方セラフ戦はガチタンだと何が起こっているかも分からないという
次世代機かPSPでリメイクせんかなぁ、グラ以外仕様そのままでデモ追加したやつ
622創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 18:46:28 ID:0YOru/Dj
 自転車で爆走して帰ってきたら誰もいない……だと……!?

>>621
 それはやってみたいですねw
 フロムマジックな動きで抹殺されるハッカーとか見たいでs(ry
623創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 19:12:34 ID:W26UJbbT
平日なのに誰もいないとは珍しい……いや、平日だからこそかw

>>622
よりによってそこかよw
624創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 19:29:49 ID:0YOru/Dj
 だってなんかシュールじゃないですか、あのイベントw
 シュールなのも好みですけどね!
625創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 19:36:47 ID:W26UJbbT
ハッカーとHの間で主人公棒立ちだからなw
626創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:51:24 ID:y4lvJI0s
ここでアーマード・コアはやったことがない自分が登場。
ACEはやったことあるけど…(一番好きなユニットはバルキリー)
そして機動修羅バイラム第五話を投下します。
627機動修羅バイラム 第5話「強国の驕り」:2010/03/11(木) 20:52:26 ID:y4lvJI0s
 ステイツ、正式名称アメリカ大陸合衆国。
 発足は三十年前、3強の中で最も新しく、そして最も強大な国である。
 話はおおよそ四十年ほど前、当時のアメリカの国力が減退した時より始まる。 
 減退の原因は不景気などの経済的なものではなく、アメリカの政治体型が原因であった。
 民主主義と形を取っていたがその裏ではエリートによる特権主義が蔓延っていた。
 無論選ばれた人間による統治自体は悪ではない。しかし責任や使命といった統治者に求められるものを忘れ
た時、その支配は悪しき独裁へと形を変わっていく。
 そしてその支配に綻びが生じた時、アメリカという国は別の形でこの体面を確保しようとした。
 戦争による領土拡大である。十九世紀の悪夢の再来である。
 これによりアメリカの国力はかなり回復したが民衆による反発もまた凄まじい物となった。
 戦争が終了し、ステイツになる頃にはかつてのアメリカを支配していた政治家や大企業の社長などは誰一人
いなくなっていた。
 自らの強欲さによって滅びた者たちの末路であった。
 
 昼と夜の時間が丁度同じになり、涼しさを含んだ風と暖かな日差しを運んでくる。外の海岸からは潮の香り
と穏やかな波の音が響いている。
 ここは旧アメリカ合衆国、ノースカロライナ軍事基地である。
「おはよう、諸君」
 ブリーフィングルームの自動ドアが開くとボルスは中にいる者たちに挨拶をした。
 ユニオンの時のような背広姿ではなくステイツ特有の白い軍服をしっかりと着こなしている。
「おはようございます! 隊長!」
 筋骨隆々の黒人男性がボルスに敬礼をする。顔は彫が深くインパクトがある顔だった。そして彼もまたボル
スと同じ白の軍服を着ていた。
「おはようございます! 久しぶりの出勤ですね!」
 金髪の女性も敬礼をする。敬礼の際に豊かな乳房が勢い良く揺れた。
 男性のほうはアルフレッド・ミクソン、通称アル。女性のほうはレイア・マリアベル、通称レイ。どちらも
階級は少尉。彼らはエリートPM部隊『シルバーナイツ』の隊員である。
「ああ、ところでケントはどこだ?」
 ボルスはブリーフィングルームを見渡すといると思っていた親友の姿が見当たらない。
 いつもなら一番先にここに来て、待ちくたびれているはずなのだが今日に限って姿かたちがどこにも見えな
かった。
「ベルガン開発主任ならば先ほど研究室に入っていきました」
「研究室?」
 アルの言葉にボルスは呆れ顔で髪を掻き揚げる。
「やれやれ、また新しい武器でも思いついたのか・・・」
 ボルスはケントの”思いつき”で何度もかなり酷い目に会ったことがある。そのせいか、彼の新兵器をまっ
たく信用していなかった。
「仕方がない、私はケントを呼んでくる。他の物はいつも通り格納庫へ、今日はビーム兵器を使った訓練を行
うから機体のチェックを怠わるな」
「了解!」
 二人がボルスに対し敬礼をするとボルスはそのまま部屋を出て行った。
 ボルスの後姿を見送った後、レイがアルに耳打ちをする。
「隊長とベルガン主任って一体どういう関係なの?」
「一応親友らしい」
「一応ってどういうことなの?」
 アルの言葉に眉間に皺を寄せる。彼女にはどうにも想像が付かないようだ。あの神経質そうな男と大雑把そ
うな隊長が仲がいい様子が・・・
「知らん、そこは隊長に聞いてくれ」
628創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:53:39 ID:W26UJbbT
支援
629創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:53:45 ID:y4lvJI0s
 ボルスが研究室の前に来ると扉の横についているインターホンのスイッチに触れる。けたたましいベルの音
をが鳴り響かせ部屋の主を呼び出そうとする。だが部屋の主は出てくる様子もなく全く応答がなかった。
「おかしいな・・・」
 アルの話では研究室に篭っていると聞いたが…
 再びべるのボタンに指を伸ばす。呼び出しのベルが鳴り響くが全く出てくる様子がない。
「おい、ケント! いるなら返事をしろ!」
 ボルスはインターホンのボタンを連打した。ベルの音が何度も部屋の中に響く。半分意地になっているよう
で中の人間が出てくるまで連打を続けるつもりだろう。
「もう、いい加減してくれよ!」
 あまりの五月蝿さに観念したかのような顔でケントは出てきた。彼も以前の様な背広姿ではなくワイシャツ
の上に白衣を羽織った、いわゆる研究者のスタイルであった。顔はかなりやつれて折り目にはクマが出来てい
た。
「居たのなら返事をして欲しいものだ」
「僕としては一度鳴らしたら暫く待って欲しかったんだけどな」
 文句をいうボルスに愚痴をぶつけながらケントは呆れた顔をする。
「すぐに返事をしないお前が悪い」
「人に会うのに身だしなみを整えないのが君のやりかたかい?」
「まあ、そう言うな…」
 ケントの皮肉にボルスを苦笑いを浮かべていた。

 ナイツ、それはステイツの中で最強と名高い超高速型PMである。
 その性能は従来機のポーンに比べ遥かに高い水準を誇り、戦艦や大型戦車のみ使用可能だったビーム兵器を
搭載、及び装備することが可能であった。そしてナイツの一番の特徴は変形機構にあった。変形機構事態は案
としてあったがデメリットが大きく採用してもせいぜい当て馬程度であった。しかしボルスが確立した『可変
機による戦術の優位性』、そしてケントが作り出した新型エンジンにより『防御と機動性の両立』が可能になっ
たためナイツは変形機構を備えるようになった。
 だが、ナイツを操れるパイロットは少ない。なぜならナイツはとてもピーキーな機体あったからだ。
 しかしそのじゃじゃ馬を乗りこなせれば確実にエースとしての箔が付いた。ステイツの流星ことガルベス・
ミクトランや赤シャチの異名を持つルーベル・マクミトフなどもナイツに搭乗し、戦果を上げた。
 このナイツを派生機として『クィーン』や『ビショップ』『ルーク』などが存在するがまた別の話。

 機械の音と粘つく油の匂いが辺りに漂っている。ここはノースカロライナ基地の出撃ハンガーである。
 出撃ハッチの近くには多数のポーンがずらりと並んでおり、その向こうには銀のPM『ナイツ』が最終チェ
ックを受けていた。
「ナイツの整備、終わりました!」
「ご苦労様です!」
 アルは緑の整備服を着た男に向かって礼をいう。
 ナイツの背面には大砲というほど大きくはないもののPMの武器としてはかなり大き目のキャノン砲が付い
ていた。これがナイツが持つビーム兵器、『ビームガン』である。
「アル、ジェネレーターの点検終わったわよ」 
「そうか、ありがとう」
 レイがナイツのコックピットから出てくる。ビーム兵器を扱う以上ジェネレーターの管理は重要である。最
悪の場合機体が爆発したケースがあるくらい危険な代物であり、慎重に慎重を重ねて初めてビーム兵器は発射
できるのだ。
「おやおや、これはこれは・・・誰かと思えばエリート様じゃございませんか?」
 後ろから下卑た笑みを浮かべた男がやってきた。さらにその後ろには無数の下品な顔の男がいた。PM第五
小隊の面々だった。そしてアルに話しかけてきた男はその隊長であるギムナンだった。
「何だ、軍曹。我々に何か用か?」
「いえいえ・・・ただ大喰らいの役立たずにはちょっとどいて頂きたいな、と」
「なんだと!?」
 アルはギムナンの襟首を掴みかかる。
「ふん、エリートのお坊ちゃまにはわからねえらしいな! てめぇの機体は金食い虫だってことによ!」
 ギムナンはアルが掴んでいた手を振り解く。
 金食い虫、この言葉はナイツを表すスラングであった。ナイツはコストパフォーマンスが悪く、整備をする
にもかなりの金と人手が必要になっているのだ。ケントの新型エンジンもまたかなり具合が悪くなりやすく、
変形機構のせいで消耗が激しい部分もお金が懸かる原因でもあった。
「やめろ!」
 正に一発触発状態の時に格納庫から聞き覚えがある叫びが聞こえた。
630創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:54:37 ID:W26UJbbT
支援
631創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:54:54 ID:0YOru/Dj
 
632創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:54:58 ID:y4lvJI0s
 全員がハンガーの入り口の方を向くとそこにはボルスが立っていた。
「隊長!」
 レイはボルスの方に駆け寄る。
「これは何の騒ぎだ? 詳しく説明してもらおうか?」
「詳しく? つまりこういうことだよ!」
「!?」
 突然、ボルスの顔に向かって拳が飛んできた。しかしそれを難なく避ける。
 どうやら因縁をつけられたらしい、最近の私は厄介事には欠いたことが無いな。
「へへ、避けてばかりじゃ何も出来ないぜ!」
 再び男は拳を振るってくるがボルスは難なくかわしていく。
「そうだな、では反撃させてもらおうか!」
 調子に乗っている男の腹部に拳をめり込ませる。
「ぐぅ!」
 うめき声を上げる男をそのまま胸倉を掴み思いっきり床にたたきつけた。
「うおぉぉぉ……」
「さて、次は誰だ?」
 男はうめき声を上げ床にのた打ち回っている。ボルスは男を一瞥した後、制服の襟を直しながら群れている男た
ちを睨みつけた。
「くそっ・・・」
 男が飛び掛ってくる、そう思いきやそれは中断された。
 けたたましいサイレンの音と共にオペレーターの基地内放送が響き渡る。
「第二エリアにアンノウン出現、第二小隊、直ちに出撃せよ。その他の部隊は待機、繰り返す――」
「ちっ、命拾いしたな」
 放送を聞いたギムナンは吐き捨てながらボルスを睨みつけると踵を返し自分のポーンの元へ向かっていく。
「隊長・・・」
 レイが不安げな瞳でボルスを見つめる。
 報復が怖いのだろうか、彼女は手に持っていたハンカチを強く握っていた。
 そんなレイに対しボルスは優しく微笑みかけた。
「大丈夫だ、非は向こうにある。我々は堂々としていればいい」
 そして今度は厳しい表情をし、二人に命令を下す。
「各員、搭乗! 命令があるまで待機だ!」
「はっ!」
 二人は敬礼をし自分達のPMに乗り込んだ。

 アンノウン出現の報を受けて第二小隊が反応があった場所を捜索し始めた。
「本部、こちら第二小隊、アンノウン発見できず」
 司令室に第二小隊の隊長の声が響く。
「こちら本部、以前反応は消えない。もう少し探索を続けろ」
「了解・・・ん? なんだ?どうした!?」
 何かがあったらしい。
「どうした? 報告を。」
「こ、こちら第二小隊、ア、アンノウンに襲われて!」
 オペレータールームのティスプレイに現れた点滅が次々と消えていく。
「どうした! 応答しろ!」
 オペレーターは呼びかけるが聞こえてくるのは半狂乱になった叫びだけだった。
「本部!! 大至急救援を! あっ、ああああぁぁ!!」
 断末魔はノイズに飲み込まれていっていった。
 一体何があった?
 その考えを形にする前に第二小隊の反応は全て消えていった。
「仕方がない、第一小隊も向かわせろ! バックアップに第七小隊も出撃させるんだ」
「了解、第一、第七小隊、出撃」
 司令の言葉に従い二つの小隊に発進出撃コールを出す。
 だが数分後に再び同じような通信が司令部に送られてきた。
「こ、こちら第七小隊!敵がうわぁぁぁぁ!」
 そして先ほどと同じようにこの通信を最後に、彼らの反応は全て消失してしまった。
「ええい! 中隊に連絡! なんとしてもあのアンノウンを捕まえろ! 破壊してもいい!」
「しかし…」
 ヒステリックに叫びあげる司令官を見ながらオペレーターは口を濁す。
「構わん!ステイツはナンバーワンでなくてはならんのだ!」
 その台詞は旧国の遺物じゃないか・・・
633創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:55:19 ID:W26UJbbT
支援
634創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:55:38 ID:0YOru/Dj
 
635創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:55:42 ID:y4lvJI0s
 司令官が言った言葉にオペレーターは少し毒づきながら発進コールをだした。

 ケントがビーム兵器のチェックを終え、一息つこうと思ったとき司令部から通信コールが送られてきた。
「こちらシルバーナイツ、どうかしましたか?」
「シルバーナイツの諸君、悪いが出撃をしてもらいたい」
 司令の奇妙な愛想の良さにケントは眉をしかめる。
 いつも嫌味ばかり言ってくる司令官が今日に限ってとても愛想が良い物言いだな。
 うん? よく見ると眉間に皺がよってる・・・なるほど、何か厄介ごとだな。
 ケントは司令官に嫌味たっぷりに返答した。
「どういう意味ですか? うちとて暇では……」
「君たちの返答は聞いてない、データはそちらに送る。いいな」
 彼はそういうと一方的に通信を切ってしまった。
 どうやら何か自分の名誉に関わることが起こったらしい。
「やれやれ、体面ってそんなに重要なのかな?」
 ケントがため息を付いていると司令部からデータが送られてくる。
 そこには以前見た物が映っていた。ユニオンで自分の目の前に現れた、あの黒いPMだ。
「なるほど、これは僕たちの出番だね」
 笑みを浮かべながらボルスたちに通信を送る。
「どうした?」
 パイロットスーツを着たボルスが通信ディスプレイに現れる。
「ボルス、とうとうステイツにもバイラムが来たよ」
 司令部からのデータをボルスたちに見せる。恐らく命がけで取ったのかピンボケが激しい。
「嬉しいのか?」
「かも知れないね」
 バイラムの性能は気になるし、それに作った奴の顔を見てみたいな。
「プログラムのチェックが終わったよ、いつでも発進してくれ」
「了解、シルバーナイツ、出撃する!」
 ボルスの声と共にカタパルトが動き出す。銀の騎士団が悪魔を倒しに向かっていった。

 ボルスたちが出撃する少し前、第五小隊の面々もアンノウン狩りに駆りだされていた。
「畜生、どこに行きやがったんだ?」
 ギムナンは辺りを見渡すが肝心のアンノウンはどこにも姿を見せない。
「もう逃げちまったんじゃねぇのか?」
 仲間の一人がそう言うがなんとも言えない不気味な雰囲気が辺りに漂っていた。
 やたら喉が渇く、これ以上ここにいるのは危険だな。
「そうだな、一度てった・・・」
 ギムナンが撤退の意思を伝えようとした時、突如、謎の爆音が辺りに響く。
「な、何だ!?」
 爆発音の方へと足を向けると黒いPMがそこに立っていた。
「なんだありゃあ?」
 男が謎のPMに不可思議そうな顔を浮かべている突然こちらに接近してきた。
「やんのかぁ!」
 叫んだ頃にはすでに仲間のポーンが真っ二つにされていた。
「な・・・」
 瞬きしてる間にやられたっていうのかよ!?
 あまりの事にギムナンは動転している。そして今度は別の仲間の方へと向かっていく。
「撃てぇ!撃ち殺せぇ!」
 ギムナンの声と共にポーンのライフルが一斉に火を吹く。
 だが目の前のPM、バイラムには効果か現れなかったらしく直立不動でその場に立っていた。
「くそぉ! ふざけんなよぉ!」
 再びライフルを構え目の前の敵を撃つ。ライフルだけじゃない、ミサイルやグレネードといった物も混ぜながら
目の前の悪魔を倒そうとする。
「へ、へへへ・・・これで倒れただろ?」
 ありったけの弾薬を使ったんだ、これで倒れない奴などいない。
 だが、そんな男の希望を打ち砕くかのように敵は黒煙をふり払う。
「バ、バカなぁ!」
 うろたえるギムナンをみながら悪魔は嘲笑するかのようにニヤリと笑った。
636創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:56:03 ID:W26UJbbT
 
637創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:56:32 ID:0YOru/Dj
 
638創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:57:03 ID:W26UJbbT
 
639創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:57:28 ID:y4lvJI0s
 ボルスの後ろに二機のナイツがゆっくりとだが追いかけてきている。 
「各機、付いてきてるな!」
「もちろんです、隊長」
「しかしビーム兵器を持ち出すなんてかなり大事ではないでしょうか?」
 レイの質問は最もだった。従来、ビーム兵器を持ち出すにはそれ相応の危険レベルに達しなければいけない。
 だが今回の件にいたってはボルスとケントの独断であった。基地司令部の許可を訓練の名目として貰ってい
るが実戦で使うというケースは今回が初めてであった。
「そうだ、かなり大事だ。もし今回の責任の所在を問われたらお前達は私に責任を擦り付ければ良い」
「隊長・・・」
「そしてもし勝ち目がないと踏んだらお前達は逃げろ、これは命令だ」
「了解しました」
 ボルスの言葉にアルは感激をしながら彼が感じている”予感”に対し外れて欲しいと願っていた。
 だが、皮肉にも彼の言葉は別の形で当っていた。
 救援要請があった場所に近付くとレーダーに味方の救援信号をみつけた。
「レーダーに反応があった。全員、私について来い!」
 ナイツたちが高速形体に変形すると音速と同じスピードで反応があった場所に向かう。
「!?」
「なんだ、これは・・・」
「う、嘘でしょ?」
 反応があった場所に近付くとそこには無数のポーンの破片が転がっていた。破片といっても壊れたパーツで
はない。バイラムによって破壊されたポーンだった。コックピットを串刺しにされた者、中の人間ごと縦に真っ
二つにされた物、爆発の破片により命を奪われたもの、素手でコックピットを握りつぶされたもの。そして先
ほどボルスに喧嘩を売ったあの男のポーンも中の人間共々、無残な姿で発見された。
「酷いことを・・・」
 アルがあたりを見渡す。しかしどこにも動いているものはない。
「こちらシルバーナイツ! 救援に来たぞ! 誰でも良い応答してくれ!」
 ボルスは全周波数で生存者を探すが応答する物は一人もいなかった。周りを見渡しても動いているものはせ
いぜい木々が風で揺らいでいる程度。
 まさか・・・全滅しているのか? こちらは百機以上のPMを出撃したのに?
 圧倒的な物量で押したのにその差が全くもって現れていないのだ。
 ボルスの額に汗が流れる。その時、後ろから何かが大地を踏みしめる音が聞こえてきた。
 その音は少しずつ、少しずつこちらに近付いてきている。
 ボルスが振り向くとそこに悪魔は威風堂々と立っていた。まるでボルスを待ち焦がれるかのように。
 手には先ほど倒したと思われるポーンの首を持っており、その首を無造作にボルスの方へと放り投げる。
「待ちわびた、とでも言いたげだな!」
 ボルスはバイラムが投げたポーンの頭に照準を合わせ、トリガーを引いた。
 ナイツの腕に仕込まれたマシンガンは正確にポーンの頭部を蜂の巣にする。
 そしてその動きに合わせるかのようにバイラムは剣を構え飛び上がった。
「来い! 貴様を破壊してその素顔を太陽の下の引きずり出す!」
 ボルスも思い切りペダルを踏み込んだ。背面のバーニアから眩い光が溢れバイラムへと向かっていく。
 バイラムは剣を縦に振るがナイツはそれをサイドステップで避けた。そしてバイラムの左側頭部に向かって
ソードを振るう、がバイラムはこれをかわしそのまま横になぎ払う。しかしこれを飛んで避けそのまま高速形
体に変形し上空へ逃げた。バイラムはそれを追うがそれを待っていたかのようにナイツの集中砲火を浴びた。
「隊長!」
 アルの声を聞きボルスはすかさず指示を出す。
「アル! 空雷を蒔け!」
 空雷とは空の地雷である。陸路には地雷、海には機雷があるように航空機に対するトラップの一種である。
 アルのナイツは背面のビームガンに備えつけられている黒いボックスから大量の空雷を空に蒔き始めた。
 バイラムの周りに空雷が漂っている。
「どうくる? バイラム!」
 ボルスの問いに答えるかのようにバイラムはナイツに突進してきた。空雷が身体に触れ爆発を起こすがバイ
ラムはそれを無視して目の前の騎士へ向かっていく。
「ほう、だが何も考えずに進むのは命取りだ!」
 ボルスは背面のビームガンの照準をバイラムに合わせると充電を始めた。
「貰ったぞ!」
 銃口からビームが発射されるがそれを感知したのかバイラムはそれを螺旋状に飛んでかわし、そのままナイ
ツの両肩を掴みを岩壁に叩きつけた。
「ぐぉぉ!」
 岩に叩きつけられた衝撃がコックピットに伝わる。
 そしてバイラムが掴んだ肩からミシミシと音が聞こえてきた。ナイツの肩を潰すつもりなのだろう。
640創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:57:54 ID:W26UJbbT
 
641創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:58:15 ID:y4lvJI0s
「隊長!」
「待て! 今撃ったら隊長に当たる!」
 レイはバイラムに向けてビームガンを構えるがアルがそれを制す。
「これで勝ったつもりか・・・もしそうなら・・・甘いぞ、バイラム!」
 ボルスは思いっきりペダルを踏み込むと一気に操縦桿を後ろに倒す。
 ナイツは膝を曲げ思いっきりバイラムの胸部を蹴り上げる。
 あまりの衝撃に掴んでいた手を放し後ろに仰け反った。
 そしてボルスのナイツはそのまま大きく飛び上がる。
「いまだ、撃て!!」
 ボルスの声に二人はトリガーを引く。構えた銃口から稲妻がほとばしり光の渦がバイラムに向かっていった。
 眩いばかりの閃光と爆音と共に辺りに広がり黒い土煙をあたりにばら撒く。
「当った!」
「やりましたよ、隊長!」
 初めての射撃が当ったことにレイは喜び、アルは敵を破壊できたことに喜んだ。
 だが、その喜びを打ち砕くかのように煙の中から黒い影が飛び出してきた。
「まずい!」
 危険を察知したボルスは有頂天になっていた二人に襲い掛かる黒い影の間にが滑り込んだ。
 金属同士がぶつかり合う音が辺りに響く。
「あっ……」
「隊長ぉぉ!」
「間に合ったか…」
 ボルスのナイツが二人の前に立っている。
 黒い影、バイラムの剣はコックピットがある胸のすぐちかくを貫いていた。
「……取ったぞ!」
 ナイツはバイラムに向かってトリガーをひく。だが、受けた場所が悪かったのかビームガンは光を生まなかった。
「ええい、当り所が悪かったか!」
 ボルスはビームの使用を諦め、脚部に備え付けられていたミサイルランチャーで攻撃をする。
 激しい爆発が起こる物が案の定バイラムはビクともしない。
「くっ、現代の兵器がここまで役に立たないとは!」
 ボルスは眉間に皺を寄せ唇を噛み締める。しかしこれで諦めるような男ではない
「ならばその装甲の隙間を狙わせてもらおう!」
 ボルスは腰に備え付けられていたソードを思いっきり間接部に突き刺そうとするがバイラムはシールドを思
いっきり叩きつけて剣を無理やり引き抜いた。
「ぐぅ!」
 凄まじい衝撃がコックピットの中を走る。歯を食いしばりナイツを多少ふら付きながらも体勢を立て直す。
 バイラムもバックステップで間合いを調節した。 
「……流石と言った所か」
 ボルスは目の前の悪魔に何の力が通用しないことに恐れを抱き始めていた。
 一方のバイラムはもうボルスに興味がなくなったのか背中をむけ空に飛び上がっていく。
 そして背面のバーニアを光らせ雲を突き破った。
「おのれ! このまま行かせるものか!」
 ボルスはナイツのブースターを極限まで噴かせると逃げ行くバイラムに向かっていく。
「背面ががら空きだぞ!」
 ナイツのソードがバイラムの背面を斬り付ける。
 だが、それを見通しいたのか、バイラムはナイツの動きを読んでいたかのように宙返りをした。
「なに!?」
 突然の事にボルスの思考が一時的に止まる。
 そしてそのままナイツの背面に廻るとそのまま剣を横に振るうが背面のウィングとバーニアが破壊されであ
りが致命傷には至らない。
「まだだ! まだやられてはない!」
 ナイツはバイラムの頭部に残り全ての弾丸を叩き込む。
 だが悪魔はナイツの弾をすべて受け止めるとそのままナイツの頭部を掴み思いっきり振り回し大地に向かって
投げつけた。
「くぅ!」
 凄まじい重力がボルスをシートに叩きつける。しかし動揺することなく体勢をを立て直した頃には既にバイ
ラムの姿はどこにもなかった。
「くそ! 逃がしてしまったか・・・」
 ボルスは苛立ちを隠すかのように思い切りティスプレイを叩いた。
 一体何が目的だ? 我々を挑発しているつもりなのか?
 ボルスの疑問に答えられるは誰もいない、そして答えるべきモノは一貫して沈黙を守っていた。
642創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:59:00 ID:W26UJbbT
 
643創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:59:06 ID:y4lvJI0s
「隊長!」
「返事をしてください!」
 雑音の中から彼を心配する声が聞こえてきた。カメラを動かすと二機のナイツが彼の元へと飛んできている。
 ボルスは軽くため息を付くと通信機のスイッチに手を伸ばす。
「こちらナイト1、機体は中破したが無事だ。怪我は一つも負っていない」
 ボルスの声を聞いた二人は半壊したナイツに駆け寄っていく。 
「隊長! いやぁ、無事でよかった!」
「流石隊長! あのバイラム相手に一歩も退かないとは!」
「だが、逃げられてしまったな。これではな・・・」
 二人はボルスを憧れの目で見るが当のボルスは苦笑いを浮かべている。
「そろそろ基地に帰還するぞ、この戦闘データをケントに見せなくてはな」
 ボルスはボロボロになった”戦友”を見ながらバイラムの脅威を肌で感じていた。

 ナイツが帰投をすると整備員達が一斉にナイツに群がった。
 無理もないだろう、この基地に帰ってきたのはナイツのみで残りのPMはすべてバイラムによって破壊しつ
くされたのだ。かつてポーンがあったハンガーはガランとしており、いつも騒がしかった待機室は静まり返っ
ていた。
「……みんな、いなくなってしまったんだな」
 アルは思わず口に出してしまう。抑えきれない寂しさと怒りを。
「私、今まで実戦なんて経験したことなかったけど・・・やっぱり戦場では人が死ぬのね」
 レイも同じように口に出す。恐怖と悲しみを。
 これからこの気分を何度も感じなくてはいけない。それが軍人なのだから・・・

「……なるほどねぇ…」
 ケントはボルスが持ってきたブラックボックスを感心した面持ちで眺めながらキーを叩いている。
「何かわかったか?」
 ボルスはコーヒーカップを片手にケントに質問をする。
「ぜんぜん?」
 ケントは肩を竦め、お手上げと言ったそぶりを見せた。
「ケント、私を怒らせたいのか?」
「あのねぇ、僕だって君を怒らせるつもりでこんな事を言ったりしないよ」
 ボルスはケントの胸倉を掴みかかったが彼はそれをあっさり外す。
「どういうことだ?」
「ボルス、落ち着いて聞いて欲しい。まずバイラムと交戦したデータを調べてみたんだけど、どうもおかしいんだ」
 ケントはキーボードを叩く手を休め、大型ディスプレイの電源を入れる。
「おかしい?」
「ああ、まずこれを見てよ」
「……ノイズ?」
 大型ディスプレイにバイラムと戦った動画データが映し出される。しかし動画の中に時折凄まじいノイズが
走っていた。ブラックボックスはカメラやセンサーがすべて破壊されるまで記録を続ける物だがこれにいたっ
ては明らかに違った。
「そうだよ、このブラックボックスは戦った相手を自動的に調べるオートアナライズ機能をつけてあるんだ。
でもその機能がまるでジャミングにかかったかのようにノイズが発生した。これがどういうことか分かるかい?」
「いや」
「普通なら剣と剣がぶつかればその硬さや鋭さ、切れ味なんかが登録されるんだ、でも今回、君はバイラムと
戦ったのにそのデータがまったく影も形も残っていないんだ」
「なんだと!?」
 データは取ったはずだった。それだけじゃない機動性や装甲の厚さといった物もレポートとして提出はして
ある。だが最も重要であるこのブラックボックスにはバイラムのデータが全くないのだ。
 ケントの言葉にボルスは言葉を失った。
 そんなボルスを見ながらケントは話を続ける。
「ユニオンやアジア統連はバイラムとの戦闘部分は公表したけどバイラムがどういったもので出来てるのか?
どこから来てどこへ行ったのか? そういったものは何も公表されてないんだよ。その理由はバイラムのデー
タが取れなかったからだ。もし仮にバイラムがどこかに飛び去ったとしても軍事衛星で追跡すればいい。でも
それが出来なったからバイラムは謎、なんだ」
「軍事衛星でも追えないとは…いくらなんでも無理がありすぎるぞ」
「でも事実だ、僕は科学者だから事実である以上受け止めるしかない」
 あまりの事にボルスの頭は混乱していた。無論ケントの頭も混乱している。ボルスが口に出しているのは世
界の”常識”であり、ケントが口にしているのはバイラムに対する”事実”であった。
 ケントは軽くため息を付くと別の事を考え始めた。
644創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:59:51 ID:y4lvJI0s
「ところでバイラムが初めて世界に登場したのは?」
「忘れるものか、ユニオンの新型発表会だ」
「そしてバイラムは僕たちの目の前で”私はバイラム”って言ったんだ」
「そうだ、あそこの会場に居たのは各政府の上層部だったな」
「何故バイラムはあそこに現れたんだろう? 偶然? 違う、それならわざわざもっと危険度が低い所を選ぶ
はずだ」
「バイラムの性能はお前も知っているだろう」
 あの圧倒的なバイラムの性能はどの軍事地基地を襲撃しても全滅する事はできるはずだ。
「もちろん、でもだからと言って戸惑うことなく危ない所に投入できるかい。テストで良好でも実戦で予定通
りに動くとは到底思えないよ。規模が小さい所に新型を入れるのが普通だ」
「インパクトを出したかったのでは?」
 あの性能を見せ付けるならユニオンの新型と対比になるはずだ。
「確かにインパクトは出るけどそれなら小さな基地を一つ潰した方が効果的だ。それに新型機のお披露目会場
を潰す理由がない」
 そう、例えユニオンの新型でも潰すことは不可能だろう。
 ケントは近くにあるコーヒーカップを手に取り中のコーヒー口に含んだ。
 そして少し何かを考えるとフッ、っと鼻で笑った。
「どうした?」
「ボルス、これは僕の思い違いなら良いんだけど…」
「なんだ?」
「もしも、もしもだよ、あのバイラムが”量産機”だったらどうする?」
「何を言ってるんだ?」
 ケントの言葉にボルスは思わず首をかしげてしまった。
「ごめんよ、でもそう思うと辻褄が合うんだ。量産機ならあんな危険な場所に放り込めるし・・・」
「破壊されたとしても量産機ゆえに補強が効く」
「そしてまた作ればいい、なぜならキチンとした”製品”なんだからね」
「だが量産機ならもっと出してきてもいいと私は思うぞ」
 しかし大量に出て来たら我々は為す術も無く滅ぼされるだろうがな。
 部屋に気まずい沈黙が流れる・・・
「……とりあえず、解析を頼む」
 嫌な予感を振り払うかのようにボルスはケントの部屋を出て行こうとする。
「うん、分かったよ……」
 ケントは首を回しながらデータの解析を再び始めた。
「ボルス」
「なんだ?」
 部屋を出て行こうとするボルスの背中に声をかける。
「僕たちが話し合ったことは所詮”仮説”に過ぎない事だ。今は目の前の問題を、バイラムを倒すことから始
めよう」
「そうだな・・・」
 ケントは再びキーを叩き始める。その時に末端的な疑問が思い浮かぶ。
 もしも、もしもバイラムが現れたのが何らかの必然を含んだものだったらどうなるんだろう? もしそうな
らどうやって”彼ら”はどうやって新型の事を知ったんだろう? もしかして・・・スパイがいる・・・のか?
もしそうならユニオンだけじゃなくステイツやアジア統連にも・・・?
 キーボードの手が止まる、だがケントは首を振ってその考えを頭の外に追い出そうとする。
 仲間を疑うことは出来ない・・・
 これが彼の甘さである事を彼自身気が付いていなかった。

 バイラムがステイツに現れたことにより世界に緊張が走り始めた。
 国際指名手配を捕らえられないことに世論は大きく揺れ、政府の危機管理を問われる声がいくつもあった。
 黒いPM、バイラム。その圧倒的な力で世界をどうするつもりなのだろうか・・・?
 変革か? それとも破壊か? 彼が再びユニオンに現れるとき時計の針がまた一つ動き始める。

第6話「世界を回して」に続く
645創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 20:59:55 ID:W26UJbbT
 
646創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 21:00:34 ID:y4lvJI0s
以上です。
次回はロボットが全く出てきません。
そのため民間人である祐一君とユニオンのファルにスポットを当てて見たいと思います。
それと設定の整理をするためにPM大図鑑を作って投下する予定です。
647創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 21:00:48 ID:W26UJbbT
 
648創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 21:01:35 ID:W26UJbbT
>>646
投下乙!
それではゆっくり読ませて貰うぜメーン
649創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 21:09:56 ID:0YOru/Dj
>>646
 投下乙です!
 それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
650創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 21:33:22 ID:TQT8HY9X
>>646
投下乙です!
ゆっくり読ませて貰います!

何なのこの投下ラッシュ(避難所含む)……(゚Д゚;)
読みが追いつかないw
651 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/11(木) 21:34:53 ID:PZdex7AN
http://download2.getuploader.com/g/sousakurobo/364/jig+voido.jpg

ジグパルスの敵みたいな生物群ヴォイド体との大きさ比較図をつくってみました
が生物群の大きさはだいたいの雰囲気です 一部でかくしすぎてしまった
ここまででかくしたら戦闘が煩雑になりすぎるので没
652創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:06:01 ID:W26UJbbT
>>646
改めて投下乙!
さてさてバイラム無双はいつまで続くのか……。しかしバイラムが量産機かもしれないとか、これは次回も期待せざるを得ない!

>>651
直前に投下された作品にくらい乙してっても罰は当たらんよ

投下乙!
でけぇ上に何このゲテモノ軍団……どうやって戦うのか想像もつかない
653創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:18:40 ID:0YOru/Dj
>>646
 改めてまして投下乙です! そういえばバイラムも黒い機体でしたね!
 クイーン、ビショップ、ルーク……どんな機体が気になりますね。いつか登場するんでしょうか。
 それにしても、まさかバイラムが量産機とは……この先どうなるのかわからなくなりましたね。
 そうそう。今回は誤字が特に気になりました。投下前にしっかり見直しておくといいですよ!
 それでは、次回も楽しみに待ってますね!

>>651
 投下乙です! 何をしてくるのか全くわからないような形をしてますね。みんななんかプランクトンの類みたいで面白いですw
654創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:21:15 ID:W26UJbbT
>>653
つまり魔王と騎士に修羅が追加されると
655創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:21:52 ID:0YOru/Dj
 テーレッテーするんですか!?
656創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:25:28 ID:W26UJbbT
そ ん な ロ ボ が い る か !
つか
何 故 そ う な る
657創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:27:01 ID:0YOru/Dj
 か っ こ い い か ら だ !
658創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:28:57 ID:W26UJbbT
かっこいい……のか……?
659創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:32:32 ID:0YOru/Dj
 えー、ロボの肉弾戦ってかっこいいじゃないですかー。
 関係ないですけど、バイラムのビジュアルはSFC版DQ5のまじんのよろいみたいなのを想像してます。
660創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:34:50 ID:IjgUHfn9
>>658
カッコ良さを決めるのは他人ではなく己だ
661創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:40:01 ID:W26UJbbT
>>659
世紀末なアクセサリーを装備した機体かと勘違いしたじゃねーかw
ロボ同士の肉弾戦はいいよね。壊れた腕を引きちぎって殴りかかったりするとなおいいよね

>まじんのよろい
ああ、あのすばやさが0になるやつ
662創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:41:11 ID:y4lvJI0s
>>653
ご指摘ありがとうございます。そして誤字をしてしまいどうもすみません。
読んだ時に違和感を与えた事を深くお詫びいたします。
663創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:44:40 ID:TQT8HY9X
流れを大切断&溜まっていた感想をばー

>>537
投下乙です!とりあえず一言
俺 の 腹 筋 返 せ www
イラストとの相乗効果で笑いっぱなしだったよ!w
悪ロボットの格好良さとヨネさんの超越っぷりが素敵すぎてwww
GJですた!

>>603
投下乙です!
バールさんの懐の深さが格好良すぎる……!
そしてディーのヒエラルキーの低さが露呈しましたねw仕返しがピーマンてw
次回も楽しみにしてますよー!

>>646
では改めて投下乙でぃす!
今回もバイラムが謎の戦闘行動をした訳ですが、最後の方で出てきたバイラム量産機説に
「第四話のバイラムが人を殺さなかったのに、今回のバイラムは簡単に人を殺していた、つまり別な人間がパイロットなのでは?」
「いやしかし最新鋭機を操作できるパイロットだけ見逃しているのか?」
と色々考えさせられましたw
次回と大図鑑楽しみに待ってます!w

>>651
ほほぅ、ジグパルスは拙作の機体と近い大きさなのですなー。
……というか敵でけぇの多いよ!?wしかもまともな生物とかけ離れた外見w
これは楽しいゲテモノな予感w
664創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:47:02 ID:0YOru/Dj
>>660
 独りよがりになるのも考え物ですけどねw

>>661
 世紀末なアクセサリー……バトルクラッシャー改か! バトルクラッシャー改の事か!
 人にはできない芸当がロボにはできますからね、ロケットパンチとかw

>>662
 あ、いえいえどうも!
 次から気をつければ大丈夫ですよ!
665創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 22:53:49 ID:W26UJbbT
>バトルクラッシャー改
ちょ、ビームモヒカンwww
666創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:03:29 ID:w+Ktf0qF
フハハ
wikiのPBM!一気読みしてたらスレがやたら進んでたぜこのヤロー
続きが楽しみで仕方ないぜこのヤロー
とりあえず投下乙!と後でゆっくり読ませてもらうとして、先に感想への返信をば

>>608
前の回が個人的に長すぎたと思ったので今回はちょいちょいキリのいい所でぶつ切り
にしょうかなと思いました。あ、あと女の子からの関節技はやっぱりご褒美でしょうn(ウヴォアー

>>609
ベルさんは遥さんみたいな超パワーはありませんw
少なくともモヒカンの群れに囲まれたらなす術はありませんよw

>>610
上でも書いてますがPBM!wikiに載ってる分全部読ませてもらいました。
いやー面白い面白いw自分もああいうノリノリでアットホームでなおかつカッコいい描写を
書いてみたいものです。リヒター君カッコいいし可愛いしリヒトとヘーシェンのコンビに憧れるわぁ。。。

>>612
今回のはまぁタメなので、、、
次回をお楽しみに〜

>>663
等身大でちっちゃくてちゃっちい奴なんですディーは。
バールさんはあれかな。年齢相応の貫禄と言うか。。。
667創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:09:08 ID:W26UJbbT
つまりベルが遥さんに弟子入りをだな……
そういえば遥さん、あれだけの技術をどこで身につけたんだろう
668創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:12:10 ID:zZRyULr3
>>665
 歯車さんとこの古坂くんの機体に装備させたい武器ですよねw
 これならビーム恐怖症の守屋くんにも勝つる!

>>666
 わぁお! 拙作を読んでいただいてありがとうございます!
 大丈夫、鍛えまくればきっと身につくよ! ただし胸と身長は犠牲nジョインジョインハルカァ
 テーレッテー

>>667
 故郷の従姉妹がすげー強いとかそういう設定ががが。
669創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:18:20 ID:W26UJbbT
>>668
古坂じゃ逆立ちしたって無理www

>故郷の従姉妹がすげー強い
一条さん家の家系は何なの?戦闘民族なの?
670創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:23:01 ID:zZRyULr3
 やっぱり古坂じゃ無理ですよねw

>戦闘民族
 遥さんと従姉妹のお姉さんが突出して強いだけだよ! よ!
 ……多分。

 関係ないですけど、メタルウルフカオスのサントラ聴いてると、まどかさん主役で水戸黄門的な話を書きたくなってしまう……。
671創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:27:32 ID:W26UJbbT
古坂じゃなぁw

>まどかさん主役で水戸黄門的な話
おいBGMがバイオレンス過ぎやしないかその水戸黄門www
でも……凄く……読みたいです……
672創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:29:40 ID:w+Ktf0qF
悪党達がひれ伏す前に蜂の巣になりそうな水戸黄門。。。
しかし面白そう……
673創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:31:48 ID:W26UJbbT
それなんて西部警察になりそうな予感w
674創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:36:48 ID:0YOru/Dj
>>672
 悪党は蜂の巣にはなりませんが、悪党のアジトなんかは蜂の巣になりそうですねw

>>673
 それは流石にバイオレンス過ぎますwww
 遥さんなら旅の途中でいくらでもそういう話できますね、そういえばw
 ……って、まどかさんでもお仕事って事でできるじゃないか。
675創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:41:20 ID:W26UJbbT
やっぱバイオレンス過ぎるか、西部警察はw
そういや、何だかんだでオートマタ3機しっかり出番あるよね
676創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:44:07 ID:D0+FHrj+
てすと
677チャンバラ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/11(木) 23:46:52 ID:TQT8HY9X
wikiに収録された「―運び屋アルフの何ということもない一日―」を少々加筆修正しましたー。
一応3体の機械人形全員の性格が分かるようにしたつもりなので、
「この前のは試作にしても短すぎだ」と思っていらっしゃる方は、ご覧になってくださいw
678創る名無しに見る名無し:2010/03/11(木) 23:50:54 ID:0YOru/Dj
>>675
 しろちゃんの出番がばらけてるのが玉に傷ですがw
 しかも一度も勝ち星をゲットしていない上に壊れまくりなヤムチャさんポジションという。
 強いんですけどね、しろちゃん。

>>677
 編集乙です!
 了解しました、読んできますね!
679創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:04:29 ID:O/KK5Kkw
 読んできました! キリッてwww
 やだ……葉月ちゃんかわいい……。
 ルナールはフランス語でしたっけ。狐ってリサとかヴィクセンとかかっこいい響きが多くていいですよね。
 ヴィクセン・ルナールとかリサ・ヴァルパインとか出そうかしらw
 ブラウさんは好青年な感じですねー。
 それはそうと、たまちゃんが朱天さんに同情の眼差しを向けているようです。
680DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/12(金) 00:07:38 ID:RcSTGoyY
どうもDSです。
感想もろもろ返信もろもろ書こうかと思いましたが、トランザムしすぎてアッヒャッヒャッ状態……しかも今日は退散しないといけないというね…。
681創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:11:55 ID:k6jqPtC8
>>677
編集乙!黒猫かわいいなオイw
ブラウは青年、葉月はロリ、朱天はバbうわ朱天さんなにをするやめ

>>678
別方向で活躍しまくってるじゃないかwww
682創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:13:40 ID:p9cppGaV
>>679
感想有り難う御座いますw
最初段落の区切りは師匠の音符を入れてたんですが、遊びのぬこAAを消すのが勿体なかったので区切りに採用した次第ですw
葉月は優しいお姉さんな感じを目指しました!……すいません趣味ですw
ヴァルパイン系列の小型機ということで、可愛らしい発音さがしてたら仏語に行き着きましたw

朱天「……えぇい!何じゃその目は!」

朱天さんは(設定上まだバラせないよ!)なのでたまちゃん方式(外装で変装)が使えないのですw
なので表に出たときはもの凄くはしゃぎますよw
683DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/12(金) 00:14:58 ID:RcSTGoyY
報告。
避難所の方にタロさんが投下したようです。
684創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:15:01 ID:p9cppGaV
しかし、朱天の性別どうするか……(ボソリ
685 ◆NXVvJGP7gI :2010/03/12(金) 00:19:27 ID:0csCSa74
某新世紀人造兵器みたいに高さの設定なしってのもいいけど
スパロボで40Mてなってるけど ふろしき広げすぎるのも
首を絞めることになるねん
686創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:25:31 ID:nTHB7mwM
>>682
 その区切り、イエスだね!
 葉月ちゃん、てっきり小型だからロリかと思ってイィヤッホォォォゥ!! しそうになったじゃないですかw
 でもお姉さんもいいよねイィヤッホォォォゥ!!
 朱天さん、どんなのか気になりますね……!

たま「……お互い大変だな」

>>684
 バ・バ・ァ! バ・バ・ァ!
 ほら、たまちゃんもバうわたまちゃんなにをするやめ
687創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:28:49 ID:k6jqPtC8
2イィヤッホォォォゥ!!いただきましたー

俺もロリだと思っていた……たまちゃんがババァだかrうわたまちゃんなにをするやめ

>>686
何故だろう……おでんの屋台でグイっとやるたまちゃんと朱天さんがありありと浮かんできた……
688創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:43:42 ID:p9cppGaV
>>686-687
ぬぅ……もうちょい話し方を練り込むべきだったか……
いやこれはロリ・コンの意志を継ぐ者達の勢力が拡大しているだけじゃないか?w

ぬぅ、今ならまだ性別修正効くかなぁ………………Σ(゚Д゚;)ハッ乗せられそうになってた!?w
ババァの方が読み手に受けるかも……いやしかし蛇声のジジィも……
689創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:45:04 ID:O/KK5Kkw
>おでんの屋台でグイっとやるたまちゃんと朱天さん
 妙に似合ってるから困る……。
 流石バbうわたまちゃんなにをするやめ
690創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:47:05 ID:k6jqPtC8
>>688
いや、多分PBMという世界のせいw
どちらがいいかは自分の胸に手を当てて聞いてみるんだ!
691創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:53:36 ID:p9cppGaV
>>690
バ、もとい女性キャラは玉藻様というお方がいらっしゃるので、
ここはジジィ@蛇声で行こうと思います!w

朱天「……まぁ、呑んでくれ。極東の地酒だ」
692創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:54:50 ID:nTHB7mwM
>>688
 いえいえ、こちらがはやとちりしただけですからw
 慇懃丁寧なロリがちょうど本編にいなかったので……。
 慇懃超無礼なロリとか、アホの子なロリとか、私の理想のロリとかはいるんですけどw
 しかし、危なかった……もう少し遅かったらプリミティブな衝動のままに鉛筆でガリガリする所でしたw
693創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 00:59:06 ID:nTHB7mwM
>>691
 そういえばババァ枠は他になごみんもいましたねw
 そうか……ジジィか……新しい、惹かれるな……。

たま「極東か……何もかもみな、懐かしい……(ぐいっと煽る)」
694創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 01:03:45 ID:p9cppGaV
>>692
Σ(゚Д゚;)ナント!?
惜しかったwだがしかしお姉さんキャラは譲れない!(キリッ
運び屋の次は少し間空くかもですw次はタケミカズチ書かねばw
695創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 01:07:43 ID:nTHB7mwM
>>694
 麿眉なロリっ娘を描きそうになったでおじゃるよ。
 どちらも楽しみに待ってますね!

 てのひらの2話、いい加減書き始めなきゃナー。
696創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 01:43:23 ID:nyNq++AD
自分も転移戦線の続きを書かないと。
何とか今月中に完結させたい。

転移戦線異常有り!? 大海上都市群「兵庫」重歩兵中隊がシュワルツ一味を叩き潰すようです
転移戦線異常有り!? 大海上都市群「兵庫」重歩兵中隊は遥とリヒターにフルボッコにされるようです
とか、書きたいのが沢山あるんだ!
697創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 01:51:04 ID:nTHB7mwM
 ちょ、何してんですか遥さん!?
 わかったぞ! 兵庫の皆さん、月のお客さんが来てる遥さんにセクハラしたんd(ry

 あの日が来てる時の女の子は怖いぞー。
698創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 01:56:14 ID:k6jqPtC8
ああ、寝れない……

>>697
状態抜きで怖いから困る
699 ◆CNkSfJe3Zs :2010/03/12(金) 02:00:05 ID:FzMaR5vd
ハティ「ツクヨミ!お前にハ師匠がいルそうだガ、どんな人物なのダ?」
ツクヨミ「布振り回して生身でRS壊せる人」
ハティ「マジで!?」
700 ◆CNkSfJe3Zs :2010/03/12(金) 02:00:53 ID:FzMaR5vd

 嘘 で す 


と言う訳で

人狼機兵マーナガルム 第3話「われは人狼」E

投下します
 プロトガルム4機の内訳は、砲身の延長されたRSライフルと大量のミサイルポッドを背負ったタイプ。姿勢制御用スラスターを倍近くに
増やして背部の大型スラスターも6つ装備、更に超震動ランスで武装したタイプ。両腕を基地建設甲児に使用する巨大掘削機に換装したタイプ。
そして、ライズガルムと同様に超震動ネイルを装備し、腰からRSマシンガンを生やしたタイプ。全ての特徴として、ベースはスカンクエイプ
高機動型で脚部パーツの肥大化があるが……ライズガルムと比べると発展途上感が大きい。どれも、今ツクヨミの乗っているライズガルム以上の
性能は無いだろう。
 今回はテストである以上、前回のように命懸けの戦いにはならないだろう。ならば、まずはライズガルムに慣れる事を重視するべきか。
既に日も沈み、夜になろうとしている。夜間に足場が悪い所で慣れないRSを動かすのは何かと面倒であるが。

「ああ、そうです。今回のテストに備えて、ボイスコマンドを一つ用意しました……テスト中に『参りました』と宣言すれば、ライズガルム
 だけでなくプロトガルムも停止します。」

 RWには声による指示で動くタイプがいくつかあったが、戦闘用のRSにはあまりそういった機能が搭載されているものは無い。わざわざ用意した
のだろう。絶対に使わん。負けず嫌いのツクヨミはそう思った。

「さて、そろそろテストを開始しますが、よろしいですか?」

 ユノーの言葉と共に、フェンリルが島から離れ始める。流れ弾を警戒して距離を取り、離れた場所から小型偵察機を介してデータを収集する
そうで、フェンリルが硫黄新島から一定以上離れた瞬間がスタートの合図と言う事になっている。


「問題無い」

 答えながら、ライズガルムが捉える最新の硫黄新島地形データとプロトガルム4機の武装を確認し、どういう順序で倒していくかを考える。
まず最初に倒すべきは遠距離用の武装が充実しているタイプからだろうか。いや、先にスタスターを増やした超高機動型を潰し、ミサイルの
盾にしながら他の機体を倒して……

「分かりました。では、始めましょうか……『実験』を!」

 そう言った、ユノーの声に違和感があった。ツクヨミは思考を止め、ライズガルムの首をフェンリルへと向ける。声から感じたのは憎悪。
北極での戦いが終わった後、ツクヨミに実戦テストだと告げた時に感じていた苛立ちが、そのまま転化したような印象だ。フェンリル内での
彼女は、ツクヨミを格納庫に待たせ、いきなり容姿について酷評し、更に医務室に閉じ込めるだのと、地味な嫌がらせを何度も行ってきた。
ソレで上司の気に入らない決定に対するストレスを発散して、実験に臨むのかと考えていたが……どうやらこのテストでも何か仕掛ける
つもりのようだ。

「何をするつもりだ、Dr.ユ……」

 ツクヨミの言葉は、そこで途切れた。
702創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:01:56 ID:AevBig8N
 支援します!
 視界が広がっていく。

 暗闇の中に電燈が付いたり、雨が上がって晴れたようなモノではなく、視野そのものが広がっていくのだ。
 眼球に手を突っ込まれ、無理矢理押し広げられているような異様な感覚。伸びた眼は両耳を通過し、やがて後頭部で繋がった。

 360度全てを見渡し、その映像が頭に無理矢理入り込んでくる。目を覆い、耳を塞ごうと顔に手を伸ばすが、金属の仮面がそれを邪魔する。

 冷えて固まった溶岩。転がる石ころ。舞い散る砂。地中に溜まったマグマ。輝く銀色の月。瞬く星々。変化し続ける雲。島を取り巻く海。
海流。割れる波と水滴。5機のRSの間で回る風。蠢く流動金属装甲。人工筋肉の伸縮音。島に刻まれた足跡。掘削機のエンジン音。動くカメラのレンズ。

 無秩序で大量の情報の羅列。

「何だ、コレは」

 そう口にしたつもりだったが、声にならなかった。どうやって声を出すのだったか。今、自分の身体がどこにあるのか、どうやれば
動かすのかが分からない。

 いや、そもそも、ここはどこだ。硫黄新島だという事は分かる。硫黄新島に関すると思われる大量の情報が頭を押しつぶすしそうなほど
あるのだ。では何を知れば良いのか。何を知れば、どうすればこの状態から解放されるのか。


 脳を割る様な画像と音声に混じる、潰されたカエルのようなうめき声。

 それがチューブを喉に押し込まれ声を発する事ができない己の悲鳴だと気付いた瞬間、ツクヨミの意識は薄れていった。
704創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:03:05 ID:yVzVLcSL
 
705創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:03:16 ID:k6jqPtC8
 
「マスター!すぐにテストの中止ヲ! ソレを使うとハ聞いてませン!!」

 フェンリルの艦橋。様々な機材の並ぶ専用のオペレータ席に座って笑顔でキーボードを叩くユノーに、ハティが声をあげる。艦橋の
メインモニターに映る、テストが始まっても動かないプロトガルム4機とライズガルム、そして犬をデフォルメしたCGへと視線を向けるが、
その手の動きは変わらない。

「そうですね、言ってませんでしたけど、それがどうかしましたか?」
「『ウールヴヘジン・システム』がパイロットに与えル悪影響はマスターも知っていルはずダ!」

 ウールヴヘジン・システム。パイロットの頭部に装着した装置を介しRSの複合センサー、及びにRSのサポートを行う輸送艦、小型偵察機が
得た情報を、視神経への光信号と鼓膜への超音波、脳細胞への電磁場によってパイロットの脳へ直接叩き込む。その圧倒的な情報量は、
人が一度に認識できる量を超えており、脳組織や精神に対し何らかのダメージを与える事が実験で確認されていた。
 ユノーはウールヴヘジン・システムを開発した者ではない。しかし、開発実験には参加していたし、精神異常を起こして病院に閉じ込められたり、
意識不明のまま眠り続けたり、実験直後に自殺した等の、被験者達の末路も知っている。だからこそ、誰よりもウールヴヘジン・システムの
危険性を理解し、「このシステムが完成する日は来ない」と認識している。だが……いや、だからこそ使ったのだ。

「だって、今更『ライスガルムに人を乗せろ』なんて言うんですよ? 人が乗った状態でフルスペックが出せる機体じゃないのに。だったら、
 『何故、人が乗れないのか』という部分をはっきりさせるしかないじゃないですか」

 ユノーの考えるライズガルムの完成系であるマーナガルムの基本コンセプトは「人間以上の反応速度と認識範囲を持ち、一撃必殺の兵装を
確実に叩き込む」というモノだ。これまで彼女が得たデータは、そこに至る要素としてただの人間が操縦するならば、ウールヴヘジン・システムの
使用を前提としているのだが、システムが完成しない以上、ハティが遠隔操作する無人機である事が望ましい。しかし、エラトステネス社には
無人機である事そのものを不安材料と考え、反対する者が多くおり、そういった者がハティが操るライズガルムをツクヨミの駆るスカンクエイプ
高機動型に苦戦したのを知り「それ見た事か」と、無人機案にイチャモンを付けている段階なのだ。そんな事でせっかく完成間近だった
ライズガルム、そしてマーナガルム計画そのものがその場足踏みさせられた事が、ユノーは不愉快でしょうがないのだ。
707創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:04:02 ID:O/KK5Kkw
 
708創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:04:06 ID:k6jqPtC8
 
「だから、気に入らんツクヨミを生贄にしようってか」

 艦長席にだらしなく座り、心底どうでも良さそうにモニターを見ているパーシヴァルが口を開いた。

「そうですけど、私を殴って止めますか?」

 ハティは、まだ発動し続けているウールヴヘジン・システムを止められない。だからユノーにテストを中止するようを直訴しているのだ。
止められるのはユノー自身か、ツクヨミによる『参りました』という言葉。ツクヨミには今もなお「参りましタと言エ!」と訴え続けているが、
もう彼にその言葉は届かないようだ。
 この場で無理矢理にでもユノーを止められるのはパーシヴァルだけであったが、

「ヤだよ面倒臭い。それに、俺は非戦闘員は殴らない主義なんでな」

 ひらひらと、やる気が無さそうに手を振る。そもそも、今の彼に与えられた役目は「エラトステネス社のマーナガルム計画を革命軍内で
円滑に進めるサポートを行う事」であり、高い階級となっているのも各地の革命軍の基地や施設に話を通し易くする為だけである。パーシヴァルは
立場的にはフェンリルの艦長であるが、このフェンリルを実質支配するのはユノーである。

「ハティも黙ってテストを続行してくださいね」
「……了解ダ」

 笑顔を崩さないユノー。ハティのCGが一瞬揺らぎ、モニターから消える。

「……それにしても、戦友の危機だというのに、随分な態度ですね。やっぱり貴方も嫌いだったんですか? ソマ中尉の事」

 ツクヨミの過去の戦歴についてはざっと目を通した。彼は命令無視の常習犯であり、それによる被害をほとんど出しておらず、また敵機の
撃墜数では群を抜いている為に、軍法会議にほとんど掛けられていないような、ラビットソルジャーパイロットとしての腕はともかく
軍人としては最低に近い男だった。パーシヴァルの部下だった頃もそれは変わっておらず、パーシヴァルが彼の行動に合わせて細かく作戦を
変更する事で上手く運用していたようだが……それでも、ストレスを溜めるような事は珍しくなかったろう。だから、彼もツクヨミを
見放したのだ。ユノーはそう推測していた。
 
「どうだかな」

 否定も肯定もせず、ただただ面倒くさそうな表情のまま、パーシヴァルはずっとメインモニターを見続けていた。
710創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:04:44 ID:yVzVLcSL
 
711創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:04:56 ID:k6jqPtC8
 
 フェンリルの艦橋に漂う濁った空気。それをかき消したのはハティの叫び声だった。

「マスター!敵機出現! 硫黄新島南東部ニ複数!統合軍RS『R-49 バグス・ビィ』でス!」

 メインモニターに硫黄新島の地図が映り、ライズガルムがいる場所と火山を挟んだ反対側に、統合軍の最新鋭RSの位置を示す光点が、
その数を増やしていく。

「…………は?」

 ユノーの顔から笑みが消えた。キーボードを叩く指の動きも止まり、慌ててモニターに目を向ける。

「4……5……まだ増えまス!」
「どこから出たというのですか……いえ、そもそも奴らはどうしてこの場所を!?」

 日本列島付近はまだ革命軍の領海内であり、RSが11機も近づいてくればスクランブルが掛かるはずだ。それが革命軍に一切気付かれる事無く、
フェンリルにすら接近を探知させずにここまで来たのだ。おそらくはフェンリルと同等の……いや、それ以上のステルス能力を有した輸送艦で
ここまで運んだのだろうか。
 バグス・ビィ達の目的はライズガルムやフェンリルの奪取だろうか? しかし、このテストは極秘に、しかもついさっき決まったものだ。
統合軍が、それをどうやって知る事が出来たのか……

「全部デ11機!」
「見れば分かります!! ライズガルムを遠隔操作に切り替え!フェンリルを向かわせて回収します!」
「ウールヴヘジン・システムを切れバ……」
「今乗っている廃人に何が出来るというのですか?」
「……フェンリルかラのライズガルムの操縦システム切り替えにハ、5分ほど掛かりまス!」
「プロトガルムを向かわせて時間を稼いぎます!その間に作業を済ませて!!」

 ライズガルムの前で立ち止まっていたプロトガルムと、周囲を飛び回っていた小型偵察機の一つを、迫りくるバグス・ビィ11機へと
向かわせる。同時に、フェンリルを再び硫黄新島へと向かわせるが……速い。バグス・ビィは既に島の中央にある火山を登りライズガルム
へと近付いている。

「フン……プロトガルムを舐めない事ですね」

 プロトガルムの性能は、ライズガルムほどではないとはいえ通常のスカンクエイプ系を上回っている。また、無人機として動かす
戦闘プログラムの方も、各地の革命軍の戦闘データを元にユノーが組んだ自信作だ。11機相手でも、脱出までの時間を稼ぐ事は
余裕で可能だろう。もしかしたら、全て返り討ちに出来るかもしれない。

 大量のミサイルポッドを装備したプロトガルムが、火山の山頂に狙いを定め、残りの機体も配置に付かせる。バグス・ビィは馬鹿正直に
火山を登って攻めてくるようだ。ならば、奴らが登り切る寸前にミサイルを全弾叩き込み、数機を破壊、残りもバランスを崩させて
隙を作り、残り3機のプロトガルムで撃破していく。単純な戦法だが対処はし難いはずだ。
713創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:05:50 ID:yVzVLcSL
 
714創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:06:01 ID:k6jqPtC8
 

 小型偵察機の映す、勢いよく山を登るバグス・ビィの群れを見ながらタイミングを待つ。そして、ユノーが最良と思うタイミングで
プロトガルムに全弾発射させた瞬間、ミサイルの群れに1機のバグス・ビィが急加速し飛び込んだ。両手足、そしてRCBを広げ、ミサイルを
全て全身で受け止めて、跡形も無く爆ぜる。後続の10機は爆風によろめいた程度でダメージは無い。

「なっ……」

 ミサイルを撃ち尽くして止まったプロトガルムを、5機のバグス・ビィによるRSライフルの一斉射撃が破壊する。
 スラスターを増設したプロトガルムが加速し、山頂の敵陣に飛び込む。しかし標的となったバグス・ビィは回避行動をとらずに、
超震動ランスによる突きを受けとめる。バグス・ビィの胴体に槍が穿たれ動きを止めるが、機能停止する寸前にプロトガルムに
組み付き、他のバグス・ビィがRSロケットランチャーで諸共に破壊する。
 その爆風に紛れて、両腕に掘削機を装備したプロトガルムが回転するシールド・ドリルでRSアサルトライフルの砲弾を防ぎながら
前進する。が、2機のバグス・ビィが跳びかかって、腕に抱き付きその回転を無理矢理止める。バグス・ビィの装甲をえぐり異音を
立てながら止まる掘削機。同時に超震動刀を持ったバグス・ビィが跳びかかりプロトガルムの胴を斬った。

「何なんですかこの戦い方は!! 向こうもこちらと同じ無人機なんですか!?」
「違ウ……」

 苛立ちながらキーボードを叩き、残った1機のプロトガルムに指示を出すユノーの叫びを、ハティが震えるような声で否定する。

「人ガ乗ってましタ。あのバグス・ビィは有人機でス」

 ミサイルが直撃し爆発した瞬間の映像が再生され、部分的に拡大される。そこには爆風に舞う人間の破片がはっきりと映っていた。

「有人機であんな戦法を? まさか……クッ!まだ遠隔操作への切り替えはまだ完了しないんですか!?」
「あト1分13秒!!」

 最後のプロトガルムがバグス・ビィを1機破壊するも直後に破壊され、周囲を飛んでいた小型偵察機も撃ち落とされた。確認できた
敵の損害は5機。こちらが4機である事を考えれば良い結果と言えない事もないがあるが、こちらはまともに動ける戦力は全滅、
対して、敵はまだ6機も残っているのだ。

「バグス・ビィって言やあ、まだ開発中のRSでなかったか?何でこんなに数が揃ってんのかね?」

 焦るハティとユノーを無視するように、パーシヴァルが呟いた。バグス・ビィは既に革命軍の諜報部が存在を掴んでいる機体であり、
革命軍やエラトステネス社の上層部は、そのデータを秘密裏に入手している。とはいえ、バグス・ビィはパーシヴァルの言うように
開発中という扱いであり、まだ量産には至ってないはずだ。

 しかし、その指摘は今のユノーにとってはどうでもいい事だった。この不測の緊急事態に対して、まるで何事も無いような落ち着き
払った態度。それが、彼女には不自然に見えてしょうがなかった。

「まさか……貴方が売ったんですか!? このフェンリルとライズガルムを!!」

 勢いよく後方の艦長席に向かって振り返る。内通者がおり、このテストが行われる情報を統合軍に流した。そう考えれば辻褄が合う。

「俺がクソ統合軍のスパイだってか? ありえねぇな。もしそうなら、この場でアンタをぶん殴ってハティへの人質にするくらいしてるっての」

 鬼のような形相を浮かべて睨みつけるユノーに対し、パーシヴァルは涼やかに笑みを浮かべながら答える。

「なら、その態度は何なんですか!?」
「俺が慌てねぇ理由は一つ」

 モニターに映るのは、微塵も動かないライズガルム。障害物を排除した6機のバグス・ビィが迫る。もう遠隔操作に切り替わったと
しても無傷で逃げられる状況ではない。下手をすれば、フェンリルにまで被害が及ぶ可能性があるが……

「まったくもって危機じゃねぇからさ、この程度なんぞな」
716創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:06:43 ID:O/KK5Kkw
 
717創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:06:46 ID:k6jqPtC8
 
 頭に流れ込む情報の激流。波に砂の城が崩されていくように、薄れゆく意識。統合軍のものと思われるRSに破壊されるプロトガルムが
鮮明に見えていたが、何をする事も、何かを想う事も出来ずにいた。時間の感覚すら麻痺し、一瞬のように短く、または永劫のように
長く、宙に浮いているような感覚があった。

 気が付けば、ツクヨミは明かり一つない真っ暗なコクピットの中に座っていた。

「だぁぁぁ畜生! 何もわからん!!」

 頭を抱えながら放った声は、普段のツクヨミの生気と抑揚のないものとは違い、若く生き生きとしていた。

 これは過去だ。ツクヨミ自身忘れていた過去の記憶。それが脳内で再生されているのだろうか。もう10年以上も昔。月面都市に住み、
師の元でRWの修行に明け暮れていた頃。
 この時やっていたのは確か……「モニターや全ての計器類を停止させた状態で、コクピットに伝わってくる震動だけを頼りに周囲に
何があるかを知る」という無茶な修行だったか。

「無理!できない!今日の修行はもう終わり!」

 暗闇の中で閉じ込めら続ける事に耐えきれず、乱暴にコクピットハッチを蹴り開けて、外に顔を出して深呼吸した。

「ふむ、もうギブアップかね。まったく最近の若い者は根性が足りなくていかん」

 RWのすぐ近くで、杖をついた中年男性が残念そうに溜息をつく。

「床に置かれた震動発生装置の位置を音だけで当てろとか、普通無理だろ!! RWの中は人工筋肉がギチギチ鳴ったり流動金属装甲が
 デロデロ鳴ったりで結構うるさいのに!」
「吾輩は出来てたが」
「そりゃ、アンタみたいな天才は別だろうけどさぁ」

 ツクヨミの師の名は『クニラヤ・スウユウ』。かつては兎乗りの頂点に至った者として『兔機ノ王』などと呼ばれていたが、
数年前に救助作業中の事故で両腕両脚と両目を失い、現役を引退。RW修理屋として隠居生活を送りながら己の後継者を育てている。
 己への戒めとして金属が剥き出しの安物の義手、義足、義眼しか使わず、古い作業服をいつまでも着続けているその姿は、
月面都市の浮浪者に見えない事も無い。

「いやいやいや、貴殿はその大天才たる吾輩が太鼓判を押す自慢の弟子だ。この程度の事、すぐに出来るようになるとも!」

 RWから降りたツクヨミは、師の自分への過度の期待に呆れつつも、少し恥ずかしそうに微笑んだ。いつもこうやって、珍妙な
修行をスウユウの営む修理屋の地下格納庫で行うのが日課である。ツクヨミの成長は著しく、スウユウは彼が20歳を過ぎる
頃には、全盛期の自分を越える存在となっているだろうと確信し、熱のこもった指導を行っていた。

「まあ理屈は簡単だとも。例えば貴殿が人の多い街中を歩いていて、知り合いに声を掛けられたとしよう。街中と言うものは実に煩い。
 人々の会話、足音、宣伝だの何だのの音楽に車の走行音。だが、それでも知り合いの声を聞き分ける事が出来る。脳が不要な情報を
 シャットアウトするからだ」

 スウユウの言葉に、ツクヨミは素直に耳を傾けた。

「つまりだ。不要な音を削り、必要な音のみ耳で拾う事が出来れば、震動装置の音を認識する事も可能だ。精神を研ぎ澄ませ!
 魂を一振りの刀へと変えるのだ!!」
「う〜〜〜ん……何というかピンと来ない」
「そうかね」

 理解できずに首をひねる弟子に、どう教えたもんかと首をひねる師匠。そこに、とても小さくだが、トントンという音が鳴った。
地下へと向かってくる足音だ。
719創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:07:25 ID:AevBig8N
 
720創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:07:37 ID:k6jqPtC8
 
「お、アイツも来たのか」
「フム、ソレはちゃんと聞き取れたようであるな」

 RWも震動発生装置もまだ完全に止まっておらず、ある程度、大声でないと会話が出来ない程度にはうるさい。しかし、ツクヨミには
降りてくる人物がどんな姿をしているか想像できるほどにハッキリと、その音が聞こえていた。

「それこそが今回の修行に重要となる感覚だとも」
「なるほど、そういう事か!」

 足音が近づいてくる。

「よっし!じゃあこの感覚を忘れない内に、もう一回挑戦だ!!」
「その域だ、我が弟子よ!」

 足音がどんどん近づいてくる。そして、

「父上ぇぇぇぇ!何をやってるんですかッ!!」

 地下格納庫に降りてきた彼女は、開口一番に凄い剣幕で実の父を怒鳴りつけた。その迫力にスウユウは杖を落とし、ツクヨミは
思いっきり転んで尻もちをついた。

「……何をだと?見て分からんかね? ツクヨミに修行つけてやっていたのだよ」
「そんな事は見れば理解できます! 私は何故兎乗りの修行をしているのかと質問しているんです!!」

 猫のようなツリ目と細いフレームの眼鏡、短く切り揃えられた黒い髪。体格は小柄だが、その闘気で巨人がいるような威圧感を与えている。
722創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:08:35 ID:AevBig8N
 
723創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:09:03 ID:k6jqPtC8
 
「いいか、我が娘よ。兎乗りの修行は、一日一日が重要なのだ。一日休めばそれを挽回するのに最低でも一週間は掛かり……」
「ですが!我々は来週から試験期間に突入します! この試験が進級にも関わるものだという事は、父上も御存じのはず!
 今はRWに乗るよりも勉学を優先するべきかと!!」
「……この際だから言わせて貰うがな、そもそも兎乗りに学歴など不要なのだよ!」
「我々の理想は『月の人々の助けとなる兎乗り』となる事! 故に、何を持って『人々の助けとなるか』学ぶ為に、高校卒業までは
 学業に専念する。そう父上に宣言し、納得して頂いたでしょう?」

 実の父親に対して、一歩も引くことなく、自分の意見を主張する。彼女のその熱い性格はツクヨミには無いものであり、初めて
出会った日からずっと憧れ続けていた。ちなみに、義務教育が小学校までである月においても、きちんとした中学、高校へと行き
卒業するべきだと言い出したのは彼女自身であり、その学費もきちんと捻出できるようにツクヨミと共に働けるアルバイト先を
探したのも彼女だ。そのしっかりした性格や行動力は、ツクヨミが本当に同い年かと思うくらいであった。

「それに……試験で赤点を取り補習を何度も受けるような者に、人々を何を救う事が出来ましょうか!?」
「うっ……」

 前回の試験において最悪な結果を出し、三度も追試を受けたツクヨミは、その言葉に彼女から目を逸らした。

「……今日から試験期間中までの間は修行は休みである。ただし、試験が終わった後は通常の倍のメニューで行うが故に、再び補習だのと
 つまらん事に時間を取られんようしっかりと勉学に励みたまえ」

 娘の熱い主張にスウユウが折れ、うなだれながら答えた。

「ありがとうございます、父上」

 春になり雪が解け、草原に花が咲き乱れるように、怒りの形相からさわやかな笑顔に変わると、落ちていた杖を取りスウユウに手渡す。

 それが憧れではなく、恋愛感情だと気付いたのはいつ頃だっただろうか。いつも姉弟のように一緒に行動していた。だが、実際に
彼女を姉だと思った事は一度も無い。家族ではあった。友でもあった。だが、それ以上に異性として愛し、生涯の伴侶として共に在ろうと願った。

「いつまでそんな所で座ってるんだ? ツクヨミ」

 ずっと尻もちをついた姿勢のままであったツクヨミに気付き、呆れたように溜息をつく。その声も仕草も、鮮明に思い出せるほど脳裏に
強く焼き付いている。

「立ち上がれ、早く行くぞ!」

 だからこそ、絶対に守ると誓った。例え自分自身が泥の中を這いつくばる事になろうとも。

 誓いは、まだこの魂と共にある! 薄れつつあった意識が、その輝きを取り戻していった。
725創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:09:50 ID:AevBig8N
 
726創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:09:57 ID:k6jqPtC8
 
727創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:10:42 ID:k6jqPtC8
 
728創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:10:51 ID:AevBig8N
 
729創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:11:25 ID:k6jqPtC8
 
 覚醒したその目に映ったのは、硫黄新島と迫りくるRS、海と夜空。上空に意識を集中させる。不要なものが視界に入らなくなり、夜空だけに、
そして星々も消えて月だけが拡大されていく。

 あの月には、あの都市には、あの障壁の向こうにある家には……

「クイラァァァァアアアアアアアッ!!」

 愛する者の名を叫ぶ。月の果てでも届くように。

 直後に感じた殺気。瞬時にレバーを握り、ペダルを踏んで横に跳ぶ。ライズガルムが立っていた場所を砲弾が通り抜けた。

「意識が戻っタ! 大丈夫カ!?」
「ああ。少し転寝をして……夢を、見ていただけだ」

 目の前の敵は6機。ツクヨミはライズガルムを構えさせた。


「クイラァって何です?」

 艦橋を揺らすほどに大音量なツクヨミの叫びを聞いたユノーの疑問に、パーシヴァルが答える。

「奴の婚約者だ。フルネームだと『クニラヤ・クイラ』で……」
「別に細かい解説までは必要ありませんよ。早く遠隔操作に切り替えを。いきなり婚約者の名前を叫びだすくらい精神的にイってる奴に
 この状況をどうにか出来るとは思えません!」

 せっかくの解答を中断され、残念そうに笑う。しかし、その顔に、先程までのやる気の無さは感じられない。

「逆だな。この状況をどうにかできるのは奴だけさ。よく見ておけ、Dr.ユノー。アンタの考えがどれだけ的外れかってのをな」

 心底、楽しそうに、嬉しそうに、お気に入りの映画が始まった時のように艦長席に座り直した。
731創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:12:23 ID:k6jqPtC8
 
732創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:12:40 ID:yVzVLcSL
 
733創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:13:12 ID:k6jqPtC8
 
734創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:14:01 ID:5MqG9/k6
 
735創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:14:19 ID:k6jqPtC8
 
736 ◆CNkSfJe3Zs :2010/03/12(金) 02:14:27 ID:FzMaR5vd
え〜〜〜という感じで、
人狼機兵マーナガルム 第3話「われは人狼」E
終了です。

あれ?何かライズガルム今回も戦ってなくね?
まあ次が3話最後になるし、色んな意味で覚醒したツクヨミが暴れ回る事になるので
お楽しみに〜 次の話は早めに登校する予定ですし
737創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:14:34 ID:Z8CHs+Vq
 
738創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:15:58 ID:nTHB7mwM
>>736
 投下乙です!
 それでは、ゆっくり読ませていただきますね!
739創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:17:26 ID:k6jqPtC8
>>736
投下乙!
それではゆっくり読ませて貰うぜメーン
740 ◆CNkSfJe3Zs :2010/03/12(金) 02:19:19 ID:FzMaR5vd
ちなみに、今回出てきたクニラヤ・クイラ嬢が
何度も出て来ている「月にいる君」です
脳内婚約者じゃなかったよ!良かったね!

ちなみに漢字で書くと「国良谷九刺」(親父は国良谷崇雄)
ツクヨミが告白した際には

「もし浮気したら 私 の 名 前 の 通 り に す る 」

と、Nice boat.予告されています
741 ◆CNkSfJe3Zs :2010/03/12(金) 02:25:57 ID:FzMaR5vd
あと、統合軍新型の「バグス・ビィ」の名称は
某国某アニメのとても有名なウサギキャラが元ネタ
自分の世代的に口癖は「どうしたもんだろ?」なのだが
どうやら最近のは日本語訳が違うらしい


〜追記〜
例のアレ まだまだ募集中です
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/3274/1260109423/414-415
締め切りは「マーナガルム4話が始まるまで」
お暇な時にどーぞ

あと、自分も何か親しみやすいあだ名みたいなの考えるべきかな〜
などと悩んでいるが、思い付いていない
742創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:33:30 ID:nTHB7mwM
>>736
 改めまして投下乙です!
 今回熱いですね……マグマより熱い。やっぱりこういうピンチからはい上がる主人公っていいなぁ。
 クイラさんは委員長ですね! いや、委員長に違いない! よし三つ編みだ! 三つ編みにしよう! 髪はショートって書いてあるけど! あと小柄! 小柄イィヤッホォォォゥ!!
 バグス・ビィ、バグス・ビィ……なるほど、そういう事ですかw

 さてさて、それでは次回も楽しみに待ってますね!
743創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:46:15 ID:k6jqPtC8
ついに妄想で暴走するレベルに……2イィヤッホォォォゥ!!いただきましたー

>>736
改めて投下乙!
ツクヨミ先生、なんやかんやで熱い男だね
あと忘れかけてたけどユノーさん外道、マジ外道。いや、ある意味人道的なのか、ギブアップOKだし
しかしあのツクヨミ先生がどうしてこうなった!ライズガルムのデビュー戦といい、次回も期待せざるを得ない!
744創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:51:35 ID:0csCSa74
ペース速いなーここの書き手 
某新世紀アニメのフラッシュバックに襲われてぜんぜんすすまねえええ
745創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:53:01 ID:yVzVLcSL
 きっとユノーさんなりの配慮なんでしょうね。
 あと、ツクヨミ先生は九回刺されてもピンピンしてそうなイメージが……w
746創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 02:55:24 ID:yVzVLcSL
>>744
 冬は割とスロウリィだったんですけどねw
 春になった途端これだよ!
747創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 05:59:24 ID:JAswGpNk
>>736
投下乙でした!ツクヨミさんがなんかまたひどい目にあってるよ!w
しかし漢だなぁ。本当格好いい。クイラさんという婚約者までいるとはなんと羨ましい。
だけど、その過去もなんかあったんだろう。すごい気になる。伏線気になる!
展開もピンチ展開だし……。しかしユノーさん危機じゃないとバッサリ。格好良すぎる。
どんな展開になっていくのか、楽しみです!次回も待っています!
748DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/03/12(金) 06:36:57 ID:JAswGpNk
どうも、DaZの人です。
なんか廻セカDaZ本編を執筆中、少し詰まったので気晴らしにともう何番煎じかはわからないけど
PBM!の二次を4時から書いてたらいつの間にかこんな時間に。そしていつの間にかEpisode7より多い量に。

そしてせっかくPBM!の二次書いてるのに機械人形同士の戦闘がありません!
まぁ、そういったちょい毛色の違う物語ですが、投下したいと思います。

ああ、やめて石投げないで……!
本編書けよダラズ!とかあと100KBしかねぇんだぞこのグズ!とか言わないで……!

では、投下開始です。
749−M& ◆Ug0/0hHbqPxF :2010/03/12(金) 06:37:56 ID:JAswGpNk
          ―――――いつからだったかは、もう覚えていない。

           物心付いたときには、もう私と銃は共にあった。

          だから、私には銃が凶悪なんて意識は持っていない。

    人を殺せる力があるのはわかっている。だけど、畏怖するものでもないと思う。

               神子?機械人形?……くだらない。

        全て、私が撃ち抜いてみせる。それが、私の――――――



            ――――――生きる、理由だから――――――


  ・原作:『パラベラム!』 原作者:『PBM!の人◆1m8GVnU0JM氏』 著者:『DaZの人◆qwqSiWgzPU』
 

              −M?ium・Tireur−


750−Meium・Tireur− 1/6:2010/03/12(金) 06:39:00 ID:JAswGpNk
※文字化けしちゃったから上げ直し……ホントすみません><※

             ―――――いつからだったかは、もう覚えていない。

           物心付いたときには、もう私と銃は共にあった。

          だから、私には銃が凶悪なんて意識は持っていない。

    人を殺せる力があるのはわかっている。だけど、畏怖するものでもないと思う。

               神子?機械人形?……くだらない。

        全て、私が撃ち抜いてみせる。それが、私の――――――



            ――――――生きる、理由だから――――――


  ・原作:『パラベラム!』 原作者:『PBM!の人◆1m8GVnU0JM氏』 著者:『DaZの人◆qwqSiWgzPU』
 

              −M?ium・Tireur−


751−Meium・Tireur− 2/6:2010/03/12(金) 06:40:20 ID:JAswGpNk
小柄な体に肩まで伸びた長い金髪。そして手にはそんな少女には似合わない巨大な銃。

そんな少女がいるのは長い、長いどこまで続くかわからない谷の上。谷底から来る風が涼しくて心地いい。

「おい、アルシェ!来たぞ目標が!前方から3機!タイプ・レオーネの三機!やれんのかよマジで!?」

だが、耳元のインカムから聞こえるこの仲間の声は、正直煩わしいことこの上なかった。

「うるさい。黙ってて」

「お前なぁ……実力は嫌ってほど知ってっけど、今回の獲物はレオーネだぞレオーネ!わかる!?デカいの!」

「……レオーネを撃つより、リシャール、貴方を黙らせる方が大変……」

そうボソっと呟き、通信をこっちから一方的に断絶する。

これ以上話していても、もう何回目になるだろう自分の心配の話をされるだけ。

「今は、集中する」

私の相棒、『DENEL NTW -Anti Automata Custom-』と刻印されている愛銃を構える。
ボルトアクション式スナイパーライフル。旧時代のアンティーク品のカスタム品だが、私のお気に入り。
台座をセットし、スコープの調子を再度確認する。右側面のボルト・ハンドルを手動で回転し、セーフティを解除。……うん、問題はない。

「あと180秒で来るぞ。準備はいいな」
「いつでも、マイマスター」

隣りから聞こえる野太い声。いつもの声色だ。相手がレオーネだろうとなんだろうと、この人の声色は変わることはない。

だからこそ、私も安心して引き金が引ける。

「来るぞ……。座標を合わせる」
「了解。座標受領。一体目の撃破に入ります」

頭の中に直接入ってくるかのように送られてくる座標の情報。私はその通りに銃を構える。

地響きと共に姿を現す6mにも及ぶ機械の巨人達。だが、その姿は長いたてがみから獅子のようにも見える。

その、走る猛々しい獅子の姿を照準に捉え……引き金を引く。

谷底にまで響き渡るかのように響いた発砲音と、私の肩に襲いかかる反動。

「1体目、撃破確認。2体目の座標を送る」

その言葉が聞こえている最中に既に送られてきている2体目の座標。私は即座にボルト・ハンドルを引きリロード。銃を構える。

スコープの先では何があったのかわからず、無様にも慌てふためく2体の機械人形の姿があった。そして再び照準を合わせ、引き金を引く。

続いて崩れ落ちる2体目のタイプ・レオーネ。ようやく発砲音から私の場所を理解したのか、3機目がこちらに跳躍する姿が確認できた。

「最後だ、座標を送る」

マスターの声と共にリロード、照準を合わせる。こちらに向かうレオーネだが、追いつくより私の狙撃の方が早い。

何せ、この銃の最大射程は元々2.3km。そしてカスタムしたこの銃なら、その最大射程は大幅に伸びて5kmまでに達している。

そして迫りくるレオーネをスコープに捉えながら―――――私は引き金を引く。

「3機とも撃墜確認。よくやった、アルシェ」
752−Meium・Tireur− 3/6:2010/03/12(金) 06:41:01 ID:JAswGpNk
小柄な体に肩まで伸びた長い金髪。そして手にはそんな少女には似合わない巨大な銃。

そんな少女がいるのは長い、長いどこまで続くかわからない谷の上。谷底から来る風が涼しくて心地いい。

「おい、アルシェ!来たぞ目標が!前方から3機!タイプ・レオーネの三機!やれんのかよマジで!?」

だが、耳元のインカムから聞こえるこの仲間の声は、正直煩わしいことこの上なかった。

「うるさい。黙ってて」

「お前なぁ……実力は嫌ってほど知ってっけど、今回の獲物はレオーネだぞレオーネ!わかる!?デカいの!」

「……レオーネを撃つより、リシャール、貴方を黙らせる方が大変……」

そうボソっと呟き、通信をこっちから一方的に断絶する。

これ以上話していても、もう何回目になるだろう自分の心配の話をされるだけ。

「今は、集中する」

私の相棒、『DENEL NTW -Anti Automata Custom-』と刻印されている愛銃を構える。
ボルトアクション式スナイパーライフル。旧時代のアンティーク品のカスタム品だが、私のお気に入り。
台座をセットし、スコープの調子を再度確認する。右側面のボルト・ハンドルを手動で回転し、セーフティを解除。……うん、問題はない。

「あと180秒で来るぞ。準備はいいな」
「いつでも、マイマスター」

隣りから聞こえる野太い声。いつもの声色だ。相手がレオーネだろうとなんだろうと、この人の声色は変わることはない。

だからこそ、私も安心して引き金が引ける。

「来るぞ……。座標を合わせる」
「了解。座標受領。一体目の撃破に入ります」

頭の中に直接入ってくるかのように送られてくる座標の情報。私はその通りに銃を構える。

地響きと共に姿を現す6mにも及ぶ機械の巨人達。だが、その姿は長いたてがみから獅子のようにも見える。

その、走る猛々しい獅子の姿を照準に捉え……引き金を引く。

谷底にまで響き渡るかのように響いた発砲音と、私の肩に襲いかかる反動。

「1体目、撃破確認。2体目の座標を送る」

その言葉が聞こえている最中に既に送られてきている2体目の座標。私は即座にボルト・ハンドルを引きリロード。銃を構える。

スコープの先では何があったのかわからず、無様にも慌てふためく2体の機械人形の姿があった。そして再び照準を合わせ、引き金を引く。

続いて崩れ落ちる2体目のタイプ・レオーネ。ようやく発砲音から私の場所を理解したのか、3機目がこちらに跳躍する姿が確認できた。

「最後だ、座標を送る」

マスターの声と共にリロード、照準を合わせる。こちらに向かうレオーネだが、追いつくより私の狙撃の方が早い。

何せ、この銃の最大射程は元々2.3km。そしてカスタムしたこの銃なら、その最大射程は大幅に伸びて5kmまでに達している。

そして迫りくるレオーネをスコープに捉えながら―――――私は引き金を引く。

「3機とも撃墜確認。よくやった、アルシェ」
753−Meium・Tireur− 3/6:2010/03/12(金) 06:44:13 ID:JAswGpNk
※同じヤツをあげちゃうとか本当ごめんなさい……。なんか今回ミスしまくりだ……。

「別に、いつもと変わらない」

マスターが労ってくれるが、私にとってはいつもと変わらない仕事だ。疲れも感慨もない。

仕事が終わったので銃の分解を始め、ケースに仕舞いこんでいく。
私のDENEL NTWは工具なしで分解できるため、非常に簡単にケースに仕舞うことができる。

『さすが"メディウム・ティラール"ことアルシェ・メルセネール様ですねぇっと。旦那、後はオレの仕事だよな?』
「ああ、しくじるなよ」
『わかってますって旦那。いくぜ相棒……パラベラム!』

私が片付けた三機の機械人形を回収するために、リシャール・ヴァランタンの機械人形が姿を表す。

「では撤収するぞアルシェ。準備はいいな?」
「はい、マイマスター」

見た目齢40半ば頃の黒髪の男性。私の、マスターの車に乗り込み、銃のケースはトランクに積む。

そのまま車は谷を後にし、やがて三十分もすると今回の依頼人との合流場所に着く。

そこにはもう依頼人は待っており、初老の男性と一人の男性の姿が見えた。

車を降りて、私はマスターの後に続き、依頼人の前に並んで立つ。

「いやはや、さすがは噂に違わぬお手並みでした。正直このような女の子が……と思ってましたが、いやはや、世界は広いものです」

初老の男性が私に微笑みかける。だが、正直……感じの悪い笑みだ。

「"メディウム・ティラール"。ほぼ無傷で機械人形を無力化できるのは世界広しと貴女だけでしょう。本当、ありがとうございます……!」
「世辞はいい。報酬を」

マスターが私を庇うように前に出る。これ以上くだらない話に付き合うつもりもなかったのだろう。
初老の男性は一瞬表情を歪ませたが、すぐに笑みに戻し口を開いた。

「ああ、はいはい。ちゃんと指定の口座にきっかりと振り込ませていただきますよ」

そして隣りに控えていた男性の手からマスターに何枚かの書類が渡される。
マスターはその書類を一枚一枚確認し、その書類を閉じた。

「しかと確認した。では、私たちはこれで失礼する」

そう言い残し、私たちは車に乗り込み、街への帰路に入る。

「アルシェ」

野太い、いつもの私の名を呼ぶ、声。

「街まで時間はある。少し寝ていろ」

「はい、マイマスター……」

そう返事し、私は肩まで届く金色の髪を手で少し整え、座席に深く座りこむ。
睡魔に身を委ねると、意識が落ちるのにそう長い時間はかからなかった。


:Conte-1
  「Une personne bruyante le d?teste.C'est une personne d'adulte pour aimer.」
(騒がしい人は嫌い。私は、大人な人が好き)
754−Meium・Tireur− 4/6:2010/03/12(金) 06:50:01 ID:JAswGpNk
数万年前に世界は一度滅んだ。何がしかの理由によって、一度この世界はリセットされている。そして、そんな世界も今ではそこそこ栄えていると言ってもいいだろう。
遺跡から発掘される遺物によって、一部のテクノロジーは魔法と言ってもいいくらいの技術を持っている。その中でも代表的なのが"機械人形"(オートマタ)。
この世界を構築する"マナ"と呼ばれるエネルギーを媒体にして動く、人型ロボットである。
人間クラスかそれ以上の知能を持ち、人はマナを。機械人形はその力を分け与えている。Give and Take。持ちつ持たれつ、とも言うかもしれない。
まぁだがそんなこと今の人たちは学者しか興味を持たない。勿論、私もそれは例外ではない。

知っても意味はないから。何で動いて何が世界に起こったかなど、私にはどうでもいいことなのだから。


「よう、起きたかお姫様。オレがキスしてやったお陰だな」
「死んで、リシャール」

車に揺られ街につき、やっと起きたと思ったらこんな男にキスされたのか、私は。
とりあえずその長い青い髪がチャラチャラして目障りなので銃が入ったケースで顔面を殴り飛ばす。

私の一撃によって地面を吹き飛びながら滑走するリシャール。楽しそうでいいんじゃないだろうか。

「何をやっている、アルシェ、リシャール」
「別に。リシャールが殴ってって言ったから殴った」
「そうか、遊んでないでとっとと帰るぞ」
「はい、マイマスター」

マスターが街の窓口で身分証明を済ませ、街の中を歩いて進む。自動車は業者に指定の場所まで運んでもらった。

「アルシェ……その銃、30kgあるんだけど……あぁ、聞いてないよね。ちなみにキスは冗談だよ?おい、待てコラァ!」

後ろからリシャールが喚きながら追いつく。やはりこの男、頑丈である。

「おい、アルシェ。キスは冗談だってーの……」
「知ってる。本気でやってたら顔面を吹き飛ばしてる」

「怖ぇ女……。しっかし、まさかレオーネの装甲まで貫くとはな。さすがだぜ」

そう言いながらリシャールが私の頭をガシガシと撫でる。その手を空いている方の手で払う。

「別に、たいしたことじゃない」
リシャールから顔を逸らし、そう言う。本当、私にとってはたいしたことではないのだが。

「たいしたことだってーの。レアだよ、レーア。お前みたいなヤツ、そんな沢山いてたまるかってーの」
「神子が機械人形にマナを込められるように、私は銃にマナを込められる。それって、おかしいの?」
「あーおかしい。少なくとも、機械人形の装甲を貫通できるスナイパーなんて、お前くらいだろ」
「ねぇ、マイマスター。私はおかしいのですか?」

マスターに聞いてみる。わからないことは、まずマスターに聞けと教わっているからだ。

「いや、おかしくはない」
「ですよね。安心しました」

マスターの言葉で安心する。うん、私はおかしくない。

「あー、相変わらず旦那はアルシェに甘いよなぁー、今回あのクソでかいレオーネ回収したの、オレなんだけどなー」
「回収したの、リシャールじゃなくてリシャールの機械人形」

私がそう指摘すると

「マナをくれてやったのは、オレだっ!そんなこと言ったら、オメーだって撃ったのはアルシェじゃなくて銃じゃねぇか」
「うん、そのとおり。私は引き金を引くだけだもん」

だから、たいしたことはないのだ。
私は、ただ引き金を引いているだけなのだから。
755−Meium・Tireur− 5/5:2010/03/12(金) 06:52:30 ID:JAswGpNk

「うぐ、そこを肯定しやがるか……」
「リシャール、アルシェ。ホームに着いた。各々やるべきことを済ませろ。そのあと18時にでも晩飯だ」

いつの間にか、着いていたのか。リシャールのバカと話していたら数十分なんてあっという間だった。
木造建築2階建てのコテージ。そこまで立派な家ではないが、私は自然な雰囲気が割と気に入っている。

マスターがカギを開けて中に入る、続いて私、リシャールが入り鍵を閉める。

「フゥハハァー、マイホーム、イヤッホゥーィ!」

リシャールが叫びながら2階にある私室へとドタドタ向かっていく。私は歩きながらそれに続き、同じく2階にある自室に入る。

部屋の中は殺風景で、小さな窓にベッドと洋服棚と机があるのみ。無趣味な私にとっては、普通だ。

机の上から掃除用具を取り出し、ケースから取り出した分解されたDENEL NTWを掃除していくのだ。

一個一個のパーツを丁寧に拭いていき、交換が必要なパーツがあるかどうか調べる。

「今日もありがとね、デネル」

そう優しく語りかけながら、丁寧に、丁寧にメンテナンスしていく。

この街は海と隣接している港湾都市であり、その名をロターダム領『港湾都市リュミエール』、という。

私たち『ジルエット』はリュミエールを拠点に、機械人形をほぼ無傷な状態で捕まえ、業者などに売り払うことで生計を立てている会社だ。

社員は私、狙撃手の『アルシェ・メルセネール』と観測手でありオーナーの私のマスター。『シェーヴル・ピュニシオン』。

そして、行動不能にした機械人形を回収して運搬する役目の神子、『リシャール・ヴァランタン』の三名のみだ。

そして私は銃にマナを込め威力を強化した弾丸を、機械人形のコアを外部装甲ごと貫通し撃ち抜くことで一撃で葬り、ほぼ無傷のまま回収できるのだ。

いくら機械人形といえど、コアを撃ち抜かれては活動することはできない。

そしてそんな私のことをいつの間にかこの街の近辺では、噂が噂を呼び、こう呼ばれるようになったのだった。

『メディウム・ティラール』。"狙撃手である神子"の意らしいのだが、機械人形なんか使役できない私にはさっぱりだった。


そんなかんなで銃の整備を終え、壁にかけてある時計を見ると、18時まではまだ時間はあった。

私は、机の中の引き出しに仕舞ってある二枚の写真を取り出す。

一枚目は、白い壁に幼い私が『0305』という数字が書かれたプレートを持って立っている写真。

もう一枚目は、私とマスターとリシャール、三人で家の前で撮った写真。

一枚目については記憶はほとんど残っていないが、二枚目はとてもよく覚えている。

今と同じ無邪気な笑みを浮かべる青い髪の青年と、少し老けている黒い髪の男性。そして、背の低い金髪の少女。

そんな三人が映っているこの写真は、私にとって、これと銃が唯一の宝物。

その写真を胸に抱きしめながら、布団に潜りこむ。

まだ晩御飯までには時間はあるのだ。少しだけ、仮眠を取ることにしよう……。


:続くかも
756創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 07:32:49 ID:iMALsNOQ
DaZの人 ◆qwqSiWgzPU [ sage ] 2010/03/12(金) 06:58:24 ID:riWeETy.0  NEW!!


規制食らったから避難所に。
あー、なんか今回本当すみません……同じの2回の上げるとか、最悪だ。結局文字化けHNの部分しか直ってないし……。
とりあえず、次は廻セカDaZ本編です。これはもう間違いなく。
いや、本当、すみませんでした……。次回からはないように本当気をつけます……。

規制解除されたら同じ内容の文章を本スレに上げたいと思います。
誰か、代理できたらお願いします……。
普通ならまだしも、ミスだったんで謝罪しておきたいので……。
757創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 12:08:35 ID:k6jqPtC8
もう投下ないと思って寝て起きたら投下がある、だと……!?侮れなさすぎだよ、最近のロボスレ!
>>756
というわけで投下乙!
ま た P B M か。これは師匠の人気に嫉妬せざるを得ないw
狙撃主の話とはまた面白い
でも人が機械人形を一撃で破壊するっていうのは……レオーネが本編で鬼のように強かっただけに、なんか釈然とせんなぁ……。本編でも「マナの防壁と本体の装甲の相乗効果は、中量級でありながら重量級並の防御力を誇っている」って説明されてるし
758創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 13:27:56 ID:3KVnbdVy
>>756
投下乙ですよー
師匠さん人気者過ぎワラタ

レオーネはレオーネでもピンキリなんじゃないのかな。
野良故にマナ不足で碌々障壁も張れないなら中量級ぐらいの防御力しか持ってないと考えられなくも。。。
759創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 13:40:07 ID:k6jqPtC8
まあ、そういう好意的な解釈もできるけどさ。やっぱりあんまりイメージ良くないと思うのよ、瞬殺は
760創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 13:55:52 ID:RcSTGoyY
自分からも意見を。

射程5kmの「最大射程」がある銃でも、「有効射程」がどの程度なのかが分からないと一概に言えません。
対物ライフルで頭を狙っても一発では機能停止に追い込めないのではないかと考えています。
761創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 13:59:38 ID:iMALsNOQ
>>760
最大射程と有効射程の違いって自分もよくわからんのだが
前者が「弾体が届く距離」で
後者が「狙って当てれて、一定以上のダメージが与えられる距離」
って解釈でいいんかね?
762創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:12:20 ID:RcSTGoyY
>>761
です。
ちなみに銃の場合、弾丸が最大射程に届く頃にはひょろひょろで人の体にすら傷一つつけられません。
弾丸が爆発したりするタイプには関係ないですけど。

でも正直な話、
『そして私は銃にマナを込め威力を強化した弾丸を』
ってあるから、一撃で倒せる威力なのかもしれないと思ったり。
763創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:19:23 ID:iMALsNOQ
そういや某ゲームの小説だかでも
対悪魔用の銃について説明するシーンで
「小口径だけど効果あるの?」
「重要なのは弾丸の材質に刻まれた呪文。銃はそれを的確な速度で撃ち出せればいい」
みたいな会話してるのがあったな
764創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:24:28 ID:RcSTGoyY
ひょっとして……

@弾丸を発射
A命中
Bマナが装甲を破りコアに到達

なのかもしれない。
765創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:24:49 ID:k6jqPtC8
だとしたら、マナそのものを連続でぶっ放してるまどかさん最強になるんじゃ
766DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/12(金) 14:36:20 ID:RcSTGoyY
うーむ、謎だ……

感想とか
>>603
女の子から関節技だと、うらやましゲフンゲフンけしからんっ。代われ!

ロストフェノメオン…?
機体の名前か、それとも…。
次回も待ってます。

>>646
悪しきアメリカを浄化するべく大統領が出てくるまで読んだ(棒

変形機構、イイ!
機体名がチェスなのにセンスを感じました。

バイラム硬すぎる……この装甲はバケモノかと言おうとしたら最初からバケモノでしたw
しに上量産型の可能性があるとか…じょ、冗談じゃ(ry

次回も待ってますぜ。

>>651
きめぇ…こいつはきめぇ……
機体も大きいのに比較すると小人みたいだ。

>>736
投下乙です!
ウールヴヘジン・システムと聞いてAMSを思い出しました。
おおツクヨミよ、逆流(というか正流)してしまうとは情けn(ry

ツクヨミにもこんな時期があるなんて、予想GUY

おのれユノーめ…ツクヨミの実力を思い知るがいいよ!
次回も待ってます!

>>736
メディウム・ティラール、いい響きですなぁ。
主人公はさしずめオートマタを排除する掃除屋といったところでしょうか。
767創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:41:12 ID:xYWbGLjl
投下された方乙です!
感想はまた後ほど……。

ところで規制解除されてるかな、かな!?
768DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/12(金) 14:45:34 ID:RcSTGoyY
アンカーの打ち間違いをしてもうた……
769創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 14:47:08 ID:k6jqPtC8
誤射乙
よくある事だから気にしなくていいさw
770PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 15:00:03 ID:O/KK5Kkw
 ……私が帰ってくるまでに一体何があったんです!?

>>756
 投下乙です! ウチの世界で物語を書いていただいてありがとうございます!
 でも、狙撃銃でレオーネを一撃、というのは私もあまりやってほしくなかったですね。アルケーをティエレン長距離射撃型で瞬殺するようなものなので……。
 それもこれも、設定ちゃんと書いてない私がいけないんですけどね。すみません……orz

 こうなればこの腹かっ捌いてぇぇぇぇぇぇぇぇ!!

>>757
>人が機械人形を一撃で破壊
リヒト「正直すまんかった」
まどか「ごめんなさい」

>>764
 それができたらとっつきやヴァイス・パニッシャーの存在意義が……。
771DSUの人 ◆a5iBSiEsUFpN :2010/03/12(金) 15:03:03 ID:RcSTGoyY
つ、つまり、マナの圧力で弾丸を高速で射出してる……とか、ロケット弾のように銃弾からマナが吹き出て…………ごめんなさい自分には分からない……。
772創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:04:49 ID:KycviXT6
と言うか二次創作をやる筆者は絵師みたいに原作者にもっと相談したり質問して
原作の世界観や雰囲気、設定に矛盾が出ないようにすべきだと思うんだ。
特に新人。本当に原作読んでんのか?PBM氏の人気に乗っかりたいだけなんじゃないのか?
773創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:13:04 ID:k6jqPtC8
>>770
介錯は任せ(ry

>アルケーをティエレン長距離射撃型で瞬殺
いや、もっとやばくね?機械人形なら的大きいし。何発か弾かれた末に、元々損傷のあった場所に決定打、とかなら説得力あったんじゃないかな

>>772
気持ちはよくわかるが落ち着くんだ!
774創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:15:29 ID:FzMaR5vd
>>772
個人的に二次創作は絶対原作の設定通りにやらなくちゃいかんって訳でもないと思う
特に完結してない作品だった場合、原作者がどんでん返し的な設定を用意していた場合
実はフェイクな部分や曖昧にしてる部分も「この設定で正しいんですか?」みたいに聞いて
台無しにする可能性もあるし
まあ、原作となる作品への敬意や愛情が重要だとは思うけど

ガンダムだって一応宇宙世紀モノでも
Gの影忍やら逆襲のギガンティスみたいなトンデモ系も結構あるし
細かい設定の統合性よりもストーリーの面白さのが重要だと思ってるけどな〜
775創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:20:51 ID:k6jqPtC8
それを原作者がいる場所で言うかw

>実はフェイクな部分や曖昧にしてる部分も「この設定で正しいんですか?」みたいに聞いて台無しにする可能性もある
普通そういうのって、ぼかして回答するんじゃない?さすがに馬鹿正直に答えちゃう人はいないと思うんだ
776PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 15:27:32 ID:nTHB7mwM
>>771
 コジマ的爆発が防壁ごと吹き飛ばすんですねわかりまs(ry
 コジマキャノン当てた時の爽快感は異常。

>>772
 ま、まあまあ、落ち着いて。

>>774
 ああ、漫画版1stとかF91とかVとかですねわかりm(ry
 確かにわからない所は質問してくれると助かりますね。
 これを機に、ちょっと本腰入れて設定書いてみようかなぁ。
777創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:29:37 ID:FzMaR5vd
>>775
いや、ぼかして解答する場合でも「ああ、設定に関係して何かあるな」って勘付く人もいるし
サプライズ狙ってたんだったら、本編中でそれやった時に、読者側の衝撃が薄れるかもしれんと

てか二次創作作品を書いたり読んだりするんだったら
「うちはうち、よそはよそ」の感覚で「本編は本編、二次は二次」でいかんと
どっちも楽しめないモンだと思うけどな〜
ロボスレ学園的な作品に対して「原作とキャラが違う!」って批判する人はいないし
778創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:29:43 ID:xYWbGLjl
み、みんなおちついて自分の好きな兵装を答えるんだ!
お、俺はハモニカ砲だぜ!!!11!!
779創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:31:42 ID:nTHB7mwM
 なら私はパイルバンカー!
780創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:32:45 ID:RcSTGoyY
カラサワは貰っていきますね
781創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:33:15 ID:k6jqPtC8
ガトリングガンだ!
782創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:35:08 ID:nyNq++AD
俺は拡散波動砲だ!
783創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:37:07 ID:nTHB7mwM
 レールガンだ!
784創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:37:42 ID:k6jqPtC8
ヴァル・ヴァロだぞ!
785創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:39:08 ID:xYWbGLjl
でやあああああああああっ!
786創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:39:58 ID:nyNq++AD
ゴルディオンハンマァァァァァーーーーーッ!
787創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:41:17 ID:RcSTGoyY
ラスジナとカスケさん御用達のハンドレールガンは俺が貰ったぁあああ
788創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:42:20 ID:nTHB7mwM
 待て、その産廃を私に寄越せ!
 あ、隊長リニア確保しとこう。
789創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:47:25 ID:RcSTGoyY
産廃? 素敵性能はOPの中では指三本に入るわい! 素敵性能は!
790▼´;ω・`▼ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 15:49:17 ID:p9cppGaV
あー、失礼、先程の流れの原因の一つです。

確かに自分妄想で余計なファクター加えてしまってました。相談、確認無しに。(´・ω・`)
PBM氏の寛容さに甘えていた事を反省し、お詫びします。
もうちょっと違った形に直したいので、wikiの方から「運び屋〜」を削除しておいてください。

PBM氏と読み手の方々に深くお詫びを。あと俺はヒートロッド。
791DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/03/12(金) 15:49:22 ID:JAswGpNk
今回の自分のせいでいろいろな人に不快感を与えてしまったようで本当に申し訳ございません。
人気に乗っかりたい、などという気持ちは微塵もありませんでしたが、たしかに設定等を深く考えず
自分の思いつくままに書いてしまっていた部分があるというのも事実です。
自分自身ここまでの反響を受けることとは思いもせず、混乱しながらこの文章を書いています。
不特定多数の見れる場でこういった不快感を与える文章を書いてしまった、ということに対して責任を取り、
避難所と本スレ、まとめWikiでの当面の発言・小説・イラストの投下等を自粛したいと思います。 
今度の一件は自分が二次創作に対する重要性と責任が理解できていなかった、
そして物書きとしての自覚が欠如していたというのが原因でございます。
また、原作と原作者様に対する敬意等が足りていなかったのだと思います。
ロボスレの皆さんや原作者様、特に>>772の方にとっては多大な不快感を与えてしまったようで本当に申し訳ないです。
最後に繰り返しにはなりますが。誠に申し訳ございませんでした。
                        ・DaZの人 ◆qwqSiWgzPU
792創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 15:49:55 ID:nTHB7mwM
 何だと!? ならNXの隊長リニアとマイクロミサイルだって負けてないぞ!

 一方4のグレネードは下方修正を喰らった。
793PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 15:56:38 ID:bacND4mz
>>790-791
 え、あ、いや、別に投下とか雑談を自粛したりしなくても構いませんよ!?
 むしろ積極的にキャッキャウフフしてくれたほうが嬉しいですよ!?
794▼´・ω・`▼ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 15:57:31 ID:p9cppGaV
>>791
ちょっと落ち着いてみましょう。
大きく深呼吸して、それでもう一回スレを読み返して。
投下してしまった分は消せませんけど、その分を後で挽回すればいいんじゃないですかね?
「原作と少し違っている」というだけなんですから
795 ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 15:59:06 ID:p9cppGaV
スレじゃねぇレスだ。
コテもアレだし、真面目に話そうとしてこれだから俺はorz
796創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:02:31 ID:BKzJ45rv
ミーハーな俺がファンネルをもらってゆく!
ビット系兵器の発想はマジで天才だと思った
797PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 16:03:09 ID:nTHB7mwM
 投下してしまった分は消せないけど、wikiは編集できますよー。

>>795
 HAHAHA! ここはドジっ子が多いスレですね!
 あと、そのコテいいと思いますよ、黒猫さんw
798創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:03:33 ID:FzMaR5vd
>>793-794
二次創作で「設定が原作とちょっとでも違うと叩かれる」ってジャンルは
書き手も消極的になりがちなモンですよ
好きな作品読んで、その二次創作書くぞ書いたぞと盛り上がってる時に
思いっきり冷水ぶっかけられる形になりますから

それでも情熱が消えない事も珍しくはないですが
「少し違ってる」かどうかを細かく確認しながら書かねばならないとなると
手を出しにくくなるのは事実な訳で
799創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:11:04 ID:p9cppGaV
>>798
成る程……(´・ω・`)
800PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 16:12:00 ID:35W9GDZ6
>>796
 アレをむしろファンネルと名付ける発想に脱帽です。
 というわけでビームマシンガン貰って行きますね!
 ACだと産廃ですが……。
801創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:14:28 ID:RcSTGoyY
>>800
ジャウザーがお怒りのようです



二次創作についての意見は様々……かぁ。
自分はどうしていいのか分からなくなりました。
802創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:14:32 ID:xYWbGLjl
>>800
漏斗の英訳なんですってね
すごいな
803▼`・ω・´▼ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 16:19:29 ID:p9cppGaV
俺は「運び屋」続けようと思います。
アルフのパートナーを作って、ブラウの契約者をその相手にして。
まだ話始まったばかりですから、修正できますしw
師匠に「面白い」と言わせたいですからw

確かにビット兵器は目から鱗でしたねー。
804創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:21:34 ID:3KVnbdVy
ビット兵器に初めて手を出した御禿だし、Vやる時にやめとこうといったのも御禿
理由は戦闘が単調になるからとか。言われてみれば分からなくもない。。。
805TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/12(金) 16:22:04 ID:QuCydsIS
ちょりっす、オラTロGです

色々忙しくって中々感想書けなくてすみません
ので、お詫びという訳でも無いですが、ハルとデイブ的な物を投下しようかと


しかし携帯書きにくいぜ・・・・師匠凄すぎ
806創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:23:13 ID:p9cppGaV
確かに一方的になりますからねー。遠距離からファンネルされると……
うん、スパロボで敵機を射程外からファンネルで撃墜しまくりましたwww
807PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 16:32:03 ID:nTHB7mwM
>>804
 まあ、ビット使っときゃいいじゃん的な場面増えますもんね。
 00はその辺どう魅せてくれるのか楽しみですw

>>805
 お疲れ様ですw
 楽しみに待ってますね!

>>806
 というかビームに対する耐性が多過g(ry
808創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:32:40 ID:p9cppGaV
>>805
タロさん!どうぞどうぞ!
809創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:35:15 ID:FzMaR5vd
>>805
GO!GO!
810創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:36:13 ID:RcSTGoyY
>>805
ぐっ、俺の支援の手が疼く…
811創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:36:23 ID:Z0zqBxqC
よし、ロングシールドブースターは頂く
812創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:37:54 ID:k6jqPtC8
>>805
カモオオオオン!!
813創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:43:00 ID:QuCydsIS
何かスレを見るとおいら空気読めてない気がしてならない。流れ止めてサーセンした!


それとDaZ氏に個人的なレスを
色々とあった様ですが、必要以上に自分を責める事は全く無いですよ
失敗した分、次は失敗しない様に頑張れば良いんです
自分も、幾度か失敗したり、書けなくなったりで凹む事がありましたが、渋とく書き続けてますし
何より、作品を作る事が好きだし、他の作家さんの作品も読んでいきたいですから

だからそう落ち込まず、楽しく創作していきましょうよ、ね

文章力皆無なへぼコテとしても、一ファンとしても、あなたを応援してます
814創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:47:22 ID:QuCydsIS
すまない、まだ投下は出来ないんだ
やっと千字いった所だからなあー。三千くらいまでどうにかいけたら投下します


てか>>813のレスの方が空気読めてねー!
ホント申し訳ない
815創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:54:26 ID:p9cppGaV
>>814
b =ω=)bキニシナイ!
816創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 16:59:07 ID:k6jqPtC8
いつもの事さ!
しかし容量がえらい事にw
817創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:03:39 ID:xYWbGLjl
ああ、何かギャグばかりの話を書きたい凄く書きたい
でもオチは実は鬱でしたな話が凄く書きたい
しかし筆は進まない
818創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:04:07 ID:RcSTGoyY
500位が限界点じゃありませんでした?
819創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:08:13 ID:5MqG9/k6
 ちなみに次スレまで、あと40 KBですねー。
820創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:09:00 ID:k6jqPtC8
そうだけど、次スレ立てるのは470
821創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:24:34 ID:p9cppGaV
ちと>>803を取り消します。そのまま続けようかとw
意見がぶれててサーセンorz
822創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:25:49 ID:nTHB7mwM
 どう考えても夏より勢いが早いのが恐ろしい……w
823創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:26:34 ID:nTHB7mwM
>>821
 どういう事なの!?
824創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:28:07 ID:k6jqPtC8
>>821
つまり……どういう事なんだい!?

>>822
夏はどうなるんだろうなぁw
825創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:29:14 ID:RcSTGoyY
夏はハイパー紳士タイムです
826▼ ・ω・;▼ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 17:31:24 ID:p9cppGaV
>>823-824
言葉が足りて無くてすいませんorz
「パートナー云々は無しにして当初の3体契約のまま書いていく」ということです!
敵前逃亡はしませんよ!(キリッ
827創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:31:51 ID:nTHB7mwM
 つまりあんな話やこんな話が……!
828創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:32:38 ID:k6jqPtC8
また濃密な変態がここを支配するのか……
829創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:33:31 ID:nTHB7mwM
>>826
 よし、葉月たんの擬人化を描いて嫌でも逃げられなくしてや(ry
830創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:35:13 ID:k6jqPtC8
なにそれすげー望どころだ!
831創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:39:15 ID:O/KK5Kkw
 ちょっと待ってスケブのページがもう残ってn(ry
 ところで葉月たんはロングですかショートですか。
832Σ▼ ・ω・ ▼ ◆YHSi90Gnr2 :2010/03/12(金) 17:39:27 ID:p9cppGaV
>>829
何と!?マジスカ(゚Д゚ )
これは次回を早めに投下させねば……w
つまりタケミカヅチも急がないとw週末で何とか文字数稼げれば……w
833創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:41:03 ID:5MqG9/k6
>>834
 いっそ気が済むまで好きな事して、リフレッシュしてから書き始めるのもアリですよー。
834創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:42:27 ID:yVzVLcSL
 わーい誤爆したー。
 誰か私に罰をくれ……。
835創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:44:50 ID:k6jqPtC8
>>834
よーし、誤爆しちゃうようなドジっ子にはHGストフリを買う権利をあげちゃうぞー
836創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:46:35 ID:k6jqPtC8
そういえば>>586みんなスルーしてるけどいいのけ?
837創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:47:41 ID:p9cppGaV
>>831
ロングですが擬人化イメージが2パターンありまして、
Aパターン
真ん中分けで前髪はそのまま横髪と合流していて、肩口辺りまで。後ろ髪は髪の量が多いのででっかい一本の三つ編み。
Bパターン
Aパターンの三つ編みがストレートになってて、(巫女さん絵でありがちな)先端部分を和紙で纏めている。
838創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:50:09 ID:yVzVLcSL
>>835
 3割引でも割高だよ!

>>837
 イィヤッホォォォゥ!! イィヤッホォォォゥ!! イィヤッホォォォゥ!!
 なんとなくわかりました、なんとなく!
839創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:52:30 ID:RcSTGoyY
>>838
3イィヤッホォォォゥ!!頂きましたー 落ち着けw
840創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:52:32 ID:k6jqPtC8
合わせて3イィヤッホォォォゥ!!いただきましたー
841創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:54:24 ID:nTHB7mwM
 何を言うか! 私は、こんなに、落ち着いているぞっ!(全身から煙を噴き出しながら)
842創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:56:23 ID:k6jqPtC8
爆発するぞーっ!
843創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:56:37 ID:p9cppGaV
3イィヤッホォォォゥ!!貰っちゃった!w

>>836
師匠に機体デザインして貰うってアレですね!
落書きデッサンなら息抜きになるかな?w
十九式時正は本編にかいてある特徴で、あとは……細身で素体っぽい感じですかねー?
「〜に似てる」ってのが……フルメタのM9か、ガンパレードマーチの人型戦車ですかねー?(後者分かるヤツいるか?w
844創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 17:59:44 ID:3KVnbdVy
みんな離れろ!師匠指令が爆発する!
845創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:00:54 ID:bacND4mz
 ししょう は しぼんだ!

>>843
 ちなみに1イィヤッホォォォゥ!! は(ry

 ガンパレは知ってるような知らないような……。
 とりあえず目の前でかっこよくポーズ決めてるM9をいじいじしてラフをガリガリしてみます。
 落書きみたいになるけど、ごめんね!
846創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:03:42 ID:k6jqPtC8
しwぼwんwだwww

>落書きみたいになる
師匠落書きの方がクオリティー高いって言ってたやんw
847創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:05:14 ID:yVzVLcSL
 ふぅ……まさに息抜き、と!

>>846
 エ? ソ、ソウデシタッケ?
848Σ▼ ・ω・ ▼ ◇YHSi90Gnr2:2010/03/12(金) 18:06:20 ID:p9cppGaV
>>845
え、マジでいいんですか!?w
むしろご褒美です!師匠に機体を書いて貰えるとは……w
こんな幸運が訪れようとは思わなかったぜw
849創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:06:46 ID:k6jqPtC8
だれうまwwwww
850創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:08:13 ID:5MqG9/k6
 >>850とーっぴ!

>>848
 本気って言ったじゃないですかフゥハハァ!
851創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:09:36 ID:k6jqPtC8
ヒーロー体型に定評のある師匠だけに、これは期待せざるを得ない……!
852TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/12(金) 18:14:28 ID:QuCydsIS
唐突だけど出来たよー

帰ったら散々言ってるけど感想とかー後師匠に神威とメルちゃんに出てるあの子の特徴云々を
853創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:15:01 ID:O/KK5Kkw
 支援します!
854創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:15:13 ID:QuCydsIS
希代の天才科学者、アイン・シュタインコフちゃん10歳は、日々世界を驚かす発明を作り出し、世界中から崇められているんだ
人里離れた時価一兆で買い取った大きな古城で、アインちゃんが夜な夜なしでかしている秘密の発明ショーの一部を御覧頂こう
ちなみにアインちゃんは頭が良すぎて常人には理解出来ない思考とテンションだけど、仕方ないねな精神で生温い目で読んでくれるとお兄さん嬉しいな!
それじゃあ早速アインちゃんを呼んでみよう!せーの!


アイン「ふぅ・・・変声機型メガホンを使うのも、楽じゃ無いわ・・・」

ダウナー系天才少女的な科学者!アインちゃーん!
855創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:15:42 ID:k6jqPtC8
これは今日明日で新型かw
支援する!
856創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:15:46 ID:p9cppGaV
しえんはまかせろー(バリバリ
857創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:16:02 ID:QuCydsIS
この作品はロリ>ロボでお馴染みロボット物総合SSスレと
最近本気で方向性に迷ってるTロGの提供でお送りします

最終回
「アージョ誕生!一発ネタの未来へとレディゴー!」


アイン「さて・・・一発ネタだからいきなり最終回なのよ。ゴメンね、色んな意味で」
「まぁ一応今まで色々な発明をしでかしたって設定自体はあるのよ」
「世界中のエネルギーを担う、バックベアード様に良く似たアレの原動力とか、頭文字にGとNが付くベホマズンなアレとか」
「ゴメン嘘。終始こんな様子だから、オラこんなSS嫌だぁって幾三さんは専ブラを閉じるか戻るを押して」
「ゴメン嘘これは本気で嘘。せっかくだから俺はこのSSを読むぜ!などこかの越前さんな心境で読んでくれると嬉しいな」

「しょうもないメタネタはこれぐらいにして・・・ええっと何作ってたんだっけ。SOSOアンドロイドを作ってたんだわ私」
(一発ネタとはいえちゃんと決めときなさいよあの馬鹿・・・)「ロリコンなお偉いさんからの依頼で、私は今、アンドロイドを作っているの」
「凄いリアルさを追求したから、間違っても呂律が回らなくてですよをれすよと言ったり、ピアノを弾くと壊滅的な腕前だったり、そんなドジっ子ポイントな欠点は存在しないわ」
「それに条件に合わせて身体をナイスボデーに変化出来るから、もし奥さんとかに見られても通報されないわ。別の問題?知ったこっちゃねーです」

858創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:16:07 ID:nTHB7mwM
 
859創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:16:54 ID:k6jqPtC8
 
860創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:17:01 ID:nTHB7mwM
 
861創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:17:07 ID:QuCydsIS
「おふざけはこれぐらいにして・・・起動させてみましょう」
「上手く言えない卑猥な部分のスイッチを・・・ポチっとな」

<システム、正常に起動>
<表情筋及び人口筋肉に異常無し>
<知能言語共に良好>
<全機能オールグリーン>

「来た来たきたー!」

<ロリータ型アンドロイド、マル>



瞬間、金色の雷が、アインの古城を直撃した。
その雷は古来より言い伝えられた龍の形をしており、後にこの雷は、ドラゴンサンダーという名で、歴史に名を刻む事となる

ちなみに、上記の話は、アインちゃーんには何の関係もない

「我が城を停電させる何て・・・やるわね、あの雷。一瞬骨だけになったかと思ったわ」
「って私の事はどうでもいいのよ!それよりマル・・・」
停電が回復して、明るくなる

「良かった・・・どうにか無事だったみたいね。何か首筋の所から微妙に煙が出てるけど・・・」
「まあ、ショートした場所は直せば良いし、特に心配」


ゴロン


「頭・・・取れたー!?」
862創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:17:38 ID:k6jqPtC8
 
863創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:17:47 ID:nTHB7mwM
 
864創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:18:28 ID:k6jqPtC8
 
865創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:18:37 ID:nTHB7mwM
 
866創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:18:39 ID:QuCydsIS
「ちょっ、ちょっと!いくら何でも頭が取れるとか趣味が悪いわ雷!」
「多分基部が焦げただろうし、修理も出来ないだろうなぁ・・・」
「十億円払わされるわねー・・・憂鬱だ」

『うー・・・ん』
「!?」
『・・・おねえちゃん、だれ?わたしは・・・いったい』
(何という事でしょう。あの雷は、このアンドロイドを再起動させただけでなく、自我を芽生えさせたというの?)

「・・・取り合えず試してみますか」
「貴女、お名前は?」
『・・・わかんない。おきたらここにいたの』
「ゆっくり」
『していってね!』

『・・・は、わたしはなにをいって・・・』
(しかも知能も元より上がってる!コイツはしゅごい・・・いや、しゅごすぎるわ!)

こうして、アインと頭だけのアンドロイドの、奇妙な共同生活が始まったのであった


『ねえねえアインアイン』
「何?」
『わたしこのままじゃうごけないんだけど』
「あー・・・そういえば貴方には足が無いものね」

「転がれば?」
『わかった!』
867創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:19:19 ID:k6jqPtC8
 
868創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:19:39 ID:nTHB7mwM
 
869創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:20:20 ID:nTHB7mwM
 
870創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:20:20 ID:QuCydsIS
ゴロンゴロンゴローン

『どう、おねえちゃん?』
「おー上手い上手い。あ、ちょっと待って」

『おねえちゃん、それなぁに?』
「傘っていう、雨という気象を防ぐ人間が使う道具よ」
「私が傘を回すから、貴女なその上でゴロンゴロンしなさい。良い?」
『うん』

『まわるまわる〜!』
「あらあら無邪気ね。しかし客観的にみたら凄いホラーね、この光景」


『アインアイン〜おしえてほしいのー』
「何々?」
『なんでわたしってほかのせいぶつみたいにからだがないのー?』
「そっちの方が面白いから」
『そーなのかー』
「ホント、素直で助かるわ、貴女」

『ふとおもった』
「ほう」
『アインって、いじわる?』
「なにゆえ」

『だってよくかんがえたら、からだがあるほうがべんりだもん』
「果たしてそうかしら?身体があると色々大変よ。歩いたら、走ったり、動いた分、疲れるんだから」『そのつかれってなに?』
「身体に溜まって病気にしたり怪我させたりする、恐ろしいものよ。貴女、そんな疲れがあっても身体が欲しい?」

『むむ・・・わかった。からだいらない。ありがとうアイン。もうわたしからだがほしいっていわないよ』
「分かってくれて嬉しいわ」


(アンドロイドだから疲れもくそも無いんだけどね)
871創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:20:23 ID:k6jqPtC8
 
872創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:21:13 ID:nTHB7mwM
 
873創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:21:28 ID:k6jqPtC8
 
874創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:22:05 ID:nTHB7mwM
 
875創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:22:22 ID:k6jqPtC8
 
876創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:23:02 ID:k6jqPtC8
 
877創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:23:16 ID:QuCydsIS
「そんなこんなで結構尺稼げたからお開きよ」
『おもったよりなかみがなくてごめんねごめんね〜!』
「あ、そうだそうだ・・・貴女、名前が無かったわよね。うーん・・・」

「あ!頭だけの幼女だからアージョはどう?」
『わあい?アインとアージョでだぶるえーだね!』
「なにそのどっかの加護・辻。ま、貴女の事は嫌いじゃないし、良いわよ」
『でもあのくそさくしゃはいっぱつネタっていってたけど、わたしたちまたでられるのかな』

「そうねえ・・・幼女型アンドロイドの生首と漫才とかニッチすぎるから、もう無いかもね」
『えぇー?!やだやだー!もっとがんがんとうじょうして、ロリコンどもにあがめられたいー!』
「アージョ・・・悪いけど、一発ネタは一発ネタ以上の存在にはなれないのよ・・・」
『くそーこれがげんじつかー』

「ってな訳で今度はホントにバイバイ。とはいえ、あの作者の事だから気が向いたらまたお目に掛かれるかも。その時はよろしくね」

「それでは最後に」

「ゆっくり」
『していってね!』
878創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:23:19 ID:p9cppGaV
おーいw支援し過ぎwww
879創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:23:28 ID:nTHB7mwM
 
880創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:24:19 ID:nTHB7mwM
 ついつい張り切っちゃうんだ!
881創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:25:24 ID:k6jqPtC8
連打していたらこうなった、反省はしているが後悔はしていない
882TロG ◆n41r8f8dTs :2010/03/12(金) 18:25:37 ID:QuCydsIS
今支援数見てビビりましたww
毎度の事ながら、激しく支援してくれて有難うございます
色々レスしたいですが、一先ず家に帰ってからにします
マジ疲れた・・・orz
883創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:26:56 ID:k6jqPtC8
>>882
投下乙!
それではゆっくり読ませて貰うぜメーン!
884創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:29:25 ID:yVzVLcSL
>>882
 お疲れ様です! なんというアラレちゃんw
 何か最後の方でアージョのドス黒い本音がw あとゆっくりwww
 アージョという名前を見てアジョットを思い浮かべたのは秘密だ!
885創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:44:34 ID:p9cppGaV
>>882
投下乙です!
誕生後すぐにゆっくりとは……侮れねぇw
○ーミィを思い浮かべたのは俺だけではないはずw
腹黒(腹無いけど)生首ょぅι゛ょとはまた想像の斜め上を跳び越えてきやがるwww
というかアインなんでモノローグが舌足らずなのw
886創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:46:04 ID:p9cppGaV
○ーミアだよ、打ち間違いだよコンチクショウw
887創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 18:58:37 ID:QuCydsIS
DaZ氏大丈夫かな・・・
>>791以降応答無いから心配だぜ

あ、帰りました
投下量が凄くて戸惑うやら嬉しいやら
落ち着いたらまた
888創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 19:50:43 ID:5MqG9/k6
 時正上半身描けたんですけど、俊敏そう、というよりもただのモヤシっ子になってしまった感が……w
889創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:03:37 ID:p9cppGaV
>>888
あまり素体過ぎると通常運用に問題がw
890創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:06:57 ID:nTHB7mwM
 とりあえずDaZ氏が帰って来たら全力でお帰りのだい合唱をせねばなるまいやー。

>>889
 なんというか、腕が細くなりました……w
 ま、まあ、あくまでラフだしね!
 イメージは西洋寄りでいいんですよね?
891創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:18:30 ID:k6jqPtC8
>>882
改めて投下乙!
ちょ、生首ってwww裏をかかれたwww
>客観的にみたら凄いホラー
まったくだよwww

>>888
早いよ!
892創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:23:32 ID:p9cppGaV
俺のレス見てくれたかなDaZさん……師匠も良いって言ってるんだから戻ってきてほしい

>>890
んー、一応バイザーの描写で西洋兜と入れましたが、リアル系ロボのイメージの方が強いです。
フツヌシが和風なのは「日本の神様の器にするために合わせてある」からなので。
なので西洋鎧イメージは無しでおkです
893創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:28:22 ID:nTHB7mwM
 ナルホド了解合点承知、大体わかったヤハリソウイウコトカ!
 あ、足を描くスペースがない……w
894創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:31:23 ID:QuCydsIS
落ち着いたーので
亀杉連投長文ごめんなさい
>>501
なにこのツーショットカッコ良すぎる・・・!
しかしリベジもリヒターもヒロイックなポーズが様になりますね
>>507
久々の投下乙です!
何この密度www色んな意味で濃厚すぎるよ兄貴!
この無茶苦茶感は筒井康隆を思い出したり思い出さなかったりw
次回の投下を楽しみにしてますよー
>>572
投下乙です!
こ れ は ひ ど い(良い意味で)
ホントにどこから突っ込んだら、というか突っ込んだら負けな感じがするww
まだまだ佐藤君は不憫な目に会うんだろうな・・・頑張れ佐藤君><
>>566
投下乙&何時もながらウィキ更新乙です
上は可愛い。いや、可愛すぎる
下はもうもろ師匠の趣味が出てますなww
ライダーもうめーなおい

それと師匠、神威とヴェリについては後で別に依頼したいのですが宜しいですか?
>>597
投下乙です!
短いながらも、中身が伴っててGJです
確かにディー君うらやましいぞこのやろw
しかしこのスレの女キャラは逞しいのぉ

続きます
895創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 20:58:57 ID:QuCydsIS
>>646
久々の投下乙です!
バイラム強いなー・・・もはや一種の阿修羅ですね
個人的にギムナンの駄目人間&かませっぷりが最高ですwこういうキャラがいると物語が活きますよね
さて、今後の展開を期待しつつ次回を待ってます
>>651
正にザ・異業
こんなと戦うとか自分なら泣きますよww
なんかエボリューションっていう映画に出てくるモンスターが浮かんだり
>>677
加筆読んできましたー
キャラの立ちっぷりがもう半端ないっすww
しかし朱天さん・・・是非たまちゃんと逢わせたいなとw
>>741
投下乙です!
素晴らしい熱さとカッコ良さを兼ね備えた展開、感服しました
ツクヨミさんの知られざるが過去と、交錯すれ現在
そして人間味を顕にしたユノーさんが可愛くて・・・w何かと言ってツクヨミを信頼してるパーシヴァルさんも良いなぁと思います
これは次回がホントに楽しみですよ
>>756
投下乙です!
無口系スナイパー少女とか俺の好みすぎワロタ
まー色々ありますが、自分はこの話の続きは読みたいですよ

>>894-895>>891
感想トントンです
こんなはなしでも許容されるこのスレの懐の深さ!
実はちょっとこの一人と一機、また書きたかったり・・・

・・・何か俺の書いた奴で流れが止まっちゃったみたいでマジで申し訳ない
今日はとことん空気読めないな・・・
896創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:01:21 ID:p9cppGaV
いつもの突然人稲ですよ!w
897創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:02:36 ID:nTHB7mwM
>後で別に依頼したい
 いいですともー!

 時正(仮)一応描けたけど、毎度の如く頭でっかちに……w
 さあ次は葉月たんだ!
898創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:04:03 ID:QuCydsIS
>>884-885
でした。すみません

ちょっと流れを遡るけど、他の方から二次創作が書かれるPBMさんが正直むちゃんこ羨ましかったり
いや、PBM氏に書いて貰ってるのは激しく嬉しいんですけど、何となく俺、人気無いのかなぁ・・・と切なくなったりw
899創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:06:17 ID:k6jqPtC8
>>897
だから早いよ!w

>>898
世界観的な問題じゃないかな
900DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/03/12(金) 21:09:54 ID:JAswGpNk
えーと、なんか返って自分の発言でまた混ぜ返しちゃったようでこれは申し訳ないです。
>>791の言葉がたしかに混乱して早とちりなことを言ってしまった感はあります。

なんかナイーブになっちゃってた感がありますね。本当心が弱くて自省するばかりです。
こんなネガティブでメンヘラ野郎な私ですが、もう一度チャンスを与えられるのであれば、頑張りたいと思います。
ですが、>>772の言葉がすごく良い意味でも悪い意味でも胸に刺さったのも一つの事実です。
反省を糧に、この言葉を逆に糧にしていきたいと思います。

とりあえず、まぁ、ホント……自分で言っちゃってて恥ずかしいので、忘れてください……。
もう自分の中の黒歴史に入る出来事でした。ただの構ってチャソになってただけですね、オレ。

色々と落ち着いたら感想レス書きます。
901創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:14:14 ID:nTHB7mwM
 おかえりー!
 生きてる限りノコノコ踏み続けてるようなモンですよ!
902創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:15:50 ID:QuCydsIS
>>899
ですねー・・・色んな意味で世界観が広がりにくいというか・・・
あんま言わない様にしてたけど、本音を少し漏らすと、PBM氏やDS氏にかなり嫉妬してますw
二人とも作品作りが上手いというか、人を惹きつける凄い魅力があると思うんです

それに比べて自分はただ単に作品を完結させるのが只早いだけで、世界観に広がりが無いし、キャラは同じ様なのばかりだし・・・
考えると落ち込むので止めときます
>>900
おかえりなさい
まぁあれですよ、のんびりマイペースで行きましょうw
903DaZの人 ◆qwqSiWgzPU :2010/03/12(金) 21:18:01 ID:JAswGpNk
追記です。
今回のことは、自分がネガティブ入ってしまっていたというのが原因ですね、本当すみません。
>>772の言葉がすごく胸に残ってしまって……。あぁ、たしかにそうだと。
自分の書いている廻セカDaZですが、これは独自設定で根本から設定を変えている作品ではありますが、
個人的にPBM!氏に何度も設定聞いたりしていたので、今回の作品に関してはそういうことを一切していなかった
自分に対して、ショックを受けたというか自己嫌悪に陥ってしまったわけです。

その自己嫌悪が、最近の精神状態と相まってひどい>>791のような発言をしてしまった、というのが真相であります。
これの一件で、二次創作について考え直してみようと。そう考えてあのようなことを言っちゃったんですよね……。

なんか、みんなに迷惑をかけて本当に申し訳ないです。
自粛云々二次創作云々抜きにして迷惑をかけてしまったのは事実なので、ここで謝らせていただきます。
904創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:18:03 ID:uAqxkg8s
>キャラは同じ様な

ぐああああああああああ!?(大ダメージ
905創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:25:14 ID:p9cppGaV
>>900
お帰り。DaZさんがPBM師匠をリスペクトしているのは良く分かっとります。
今回はちょっとばかり、色々ボタンを掛け違った、ということで。

つまりまぁ、何だ。これでも飲んでくれ
( =ω=)っ【ボイラーメーカー】
心と体を熱くするぜ?

>>902
作風の違い。それはどの様な形であれ否定されるモノではない。
俺は貴殿の作品に心を揺さぶられた一人ですので、あまり(´・ω・`)されるとその、なんだ、困る。

同じモノで恐縮だが、
( =ω=)っ【ボイラーメーカー】
グラス別々なスタイルでやってくだされ
906創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:29:25 ID:0csCSa74
パイロットを13歳少女と14歳少女のどっちにするか一日中迷ってる
この年代は一年でぜんぜんかわる
907創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:39:39 ID:FzMaR5vd
>>906
スタート時に13歳で、ストーリーの経過と共に一年経過して14歳突入とかなら
どちらも楽しめる上に、成長過程も楽しめるという
一粒で三度おいしい感じにならんだろうか
908創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:39:52 ID:p9cppGaV
853 :名無しさん@避難中:2010/03/12(金) 21:19:52 ID:PONiHFqU0
本スレ>>898
PBMやDSに二次ネタが多いのは世界観とストーリーの関係だと思いますわー
「ロボが一般化されてる」「本編に日常描写が多い」とこがミソじゃないかな、と

>>900
お帰りなさいまし!

勝手ながら避難所から転載しました。


>>906
14歳に一票。理由は困難に立ち向かうなら少しでも成長していたほうが良いかとw
909PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 21:44:28 ID:nTHB7mwM
 とりあえず第一稿という事でここはひとつっ!

http://dl7.getuploader.com/g/sousakurobo/365/Tokimasa%28P%29.jpg
910創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:45:19 ID:0csCSa74
>>907
なるほどその手があったか
しかし13歳少女ってどこまで動かしていいのか
難しいな 14歳ならある程度予想はできるけど

>>908
そこはそうなんだけど14歳だと次15歳で
なんかワンランク落ちるしw
911創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:47:29 ID:k6jqPtC8
>>900
お帰り!

>>901
無限1upかよw

>>909
投下乙!なにこれかっこいいのにカオスwww
912創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:49:05 ID:KFOgLYfk
ふと思うんだが、最近何となく作品スルー率が増してる気がする
別に感想書かなきゃいけない義務も理由も無いけど
913創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:52:24 ID:k6jqPtC8
住人が増えてスルー率上がったね
とりあえず乙くらいしても罰は当たらんよ
914創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 21:58:37 ID:uAqxkg8s
2、3レスつけばいい方だった時代を生き抜いた俺たち
いい時代になったものだ・・・
915創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:04:13 ID:p9cppGaV
>>909
投下乙です!
ラフ有り難う御座います!基本シルエットは大体こんな感じです!
コクピットの展開なんですが、一番外側にある一枚成形の装甲が上にスライドして、そこから観音開き方式を考えてました。防御力欲しいんでw
頭部のイメージは、んー、人間がHMD付けたシルエットに近いイメージなんです。カメラアイにバイザーが被さってる感じですね
葉月さんの髪型はジャストこんな感じです!……というか眼鏡とケモノ耳とは……貴様!見ているな!!(俺の趣味的な意味でw
あと隅っこのたまちゃん可愛いですw
916PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 22:13:31 ID:yVzVLcSL
>>915
 ナルホド了解合点承知です!
 これだと多分、シルエット以外全然別物になりますねw この没案は機械人形のデザインに再利用しようそうしよう。

>カメラアイにバイザーが被さってる感じ
 つまるところが、ジムスナイパーUがバイザー下ろした時みたいな感じ、って事ですよね?
 それにコクピットの展開方式を加えるとなると……なんか思ったよりゴツくなりそうな予感がしますw
 や、でも30m級だからコクピットは目立たない感じになるのかしら……。

>葉月さん
 了解しました!

>たまちゃん
 ありがとうございます! 二の腕太くなっちゃいましたけどね!
917創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:16:42 ID:k6jqPtC8
装甲が上にスライドして、そこから観音開き……なんか変わった開き方だね
918創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:16:52 ID:p9cppGaV
>>916
あぁぁぁぁ、申し訳ない言い忘れておりました!!

時正
 分類:魔導甲冑
 名称:十九式魔導甲冑 時正
 全高:15.8m 重量:38.0t
 国産の量産型魔導甲冑で19番目のモデル。
 この19番目というのは最初期の人間が装着する鎧に魔導技術を付与した物も含めての数字であり、尚かつ19体全てが開発された訳ではなく、計画のみの物も含める。
 以前までの魔導甲冑と同様に汎用性重視のタイプだが、一世代前の十八式「吉兼」から新型の魔力変換炉(マナ・リアクター)の導入とスラスターの改良により、出力増加と機動性の向上が図られている。
 また試験的に■■■■■■■■■■■■■■■。

本編でまだ出してなかった機体設定でござる!いずれwikiに乗せる積もりだったので先にここでw
919PBM! の人 ◆1m8GVnU0JM :2010/03/12(金) 22:19:44 ID:5MqG9/k6
>>918
 おおっと私の嫁ことF91と似たような大きさだったぁぁぁぁぁ!!
 了解しました!
920創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:21:21 ID:p9cppGaV
>>917
出入り口の前に壁が立っているような意味合いです。
直でドアにぶつかるのを防ぐ的な意味で

素人考えだけどダイジョブかなこの設定(´・ω・`)
921創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:23:47 ID:bacND4mz
 あ、とりあえず今回のだと真逆の、観音開き→装甲が上にスライドになってたりします。

 ところで観音開きってえろくないですか? 嵌め殺しとかさらにえろい。
922創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:27:55 ID:p9cppGaV
>>921
ふむふむ、コクピットはもうちょっと資料とか見て考えた方がいいかな?
コクピットはちと保留しておいてくださいorz

えろいですねぇ。女の子に言って貰うとむやみにテンションあがりますよねwww
923創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:31:18 ID:RcSTGoyY
私を嵌め殺してうわなにするやめr
924創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:33:28 ID:nTHB7mwM
珍獣「この窓、嵌め殺しなんですね!」

 おお、えろい!
925創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:34:51 ID:k6jqPtC8
いや珍獣が言うと全然えろくねぇwww
926創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:35:58 ID:uAqxkg8s
淫らな・・・スレだ・・・!
927創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:37:34 ID:p9cppGaV
それじゃあスレ違いかもしれないけどロボの話でもしようぜ!




蛇腹関節の
928創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:38:34 ID:uAqxkg8s
>蛇腹

マ、マンダラガンダムのような・・・?
929創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:39:19 ID:RcSTGoyY
>>882
遅かれながら投下乙です!

首が取れるアンドロイドだと……
人間なら即死だった…(赤い人風に
可愛いなと思ったけど、首だけじゃどうしようもないジャマイカw

>>902
お帰りなさい。
いつでもいつまでも投下をお待ちしていますよ。

>>909
馬鹿な短時間でこのクオリティーとはじょ、冗談じゃ(ry



クラ「嵌め殺し窓だって♪」
ジュリ「こっちを見るなニヤつくな」



リヒト「ロリコンは嵌め殺し窓だァー!!」



こうですかわかりません
930創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:55:53 ID:p9cppGaV
>>928
マンダラはインパクトではGガンで一二を争いますよね!もう一方はネーデル。異論は認める

ブレイブグレイブ@ロボスレ学園で自機キャラ「安藤くん」を使ってシャッフルすると
「蛇腹アーム」が出てくるという妄想をしていた時期が俺にもありました……w
931創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 22:59:56 ID:wnhSHzOJ
やっぱマーメイドガンダムでしょ。
932創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 23:01:09 ID:wnhSHzOJ
マクロスUハジマタ
933創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 23:06:37 ID:cM64IvgI
>>909
その短時間で仕上げてくるハイクオリティー…流石だ師匠、いや!宿敵(とも)よ!
やはり私の心に火をつけるのはいつも貴方か…!
いいぜ、胸焼けしてたハートが燃えて来たああぁぁあぁ!

俺の歌を聞けえぇぇ!っじゃねえぇぇぇ!フツヌシ描いてくる!たぶんうpは無理だけど!(何っ
934創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 23:12:53 ID:p9cppGaV
>>933
!?
ちょw何が起きているんだwww
これがロボスレの爆発力だというのか……!?
935創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 23:19:10 ID:k6jqPtC8
おいおい、ここは「俺のハートを燃やしてくれ(意訳)」と要求するたろ氏を磔にしてウルティメイト・プラズマ叩き込むようなスレだぜ?
936創る名無しに見る名無し:2010/03/12(金) 23:47:14 ID:nTHB7mwM
 あまりにお姉さんが描けないから、気分転換にロリ描いたらアグネスが鬼の形相でカッ飛んできそうなものが……。
937創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:00:49 ID:o0crb3NT
>>936
取り敢えずまずそうな部分に紙の切れ端を置いて誤魔化すんだ!
そして上げてくれ!w
938創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:01:18 ID:7Kb5yLx9
待て、 何 を 描 い た
939創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:05:11 ID:0iOV9MUH
>>937
 しばしお待ちをー。

>>938
 遥さんを描いたんですけど、いつもの10倍くらいロリ化しました。てかペドりました。

 最近ロボばっか描いてたから……!
940創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:05:26 ID:loDLXbx7
アグネスも来るけど極細も来るよ!
941創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:08:32 ID:7Kb5yLx9
つまりいつもは遥さん(12)なとこが、今回は遥さん(7)くらいになったt(ry
942創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:10:23 ID:o0crb3NT
遥ちゃん降臨と聞いて
943創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:11:31 ID:0iOV9MUH
 ぶっちゃけ遥ちゃん(5)くらいでもいいような気がしてきた……。
944創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:12:51 ID:loDLXbx7
いっそのこと2歳とかうわジョインジョインハルカァ
945創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:15:25 ID:o0crb3NT
>>943
遥「腕と脚どっちからにしますか?」

凄く怖い笑顔の遥さんを幻視したぜ……w
946創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:15:37 ID:GjYdSbkN
947創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:17:54 ID:o0crb3NT
見ない方がいいかな?あまり愉快になれない感じだ
948創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:18:16 ID:0iOV9MUH
>>945
 頭からお願いします。女神の抱擁<ヘッドロック>で一思いに。

>>946
 見れない……。
おいおい人が投下しようと書いてる内に一体何が起きてるんだメーン

>>946
なにこれ露骨にいやらしい……
950創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:21:13 ID:7Kb5yLx9
待て、その前に次スレだ。ちょっと行ってくる
951創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:22:26 ID:XJ+v5b2P
>>949
次スレに投下すればいいんじゃね?
952|・) ◆5b.OeHcAI2 :2010/03/13(土) 00:23:08 ID:29rex44U
>>951
おっとと了解。
気付けばこんなに進んでた&容量めいっぱいだったとは
953創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:25:47 ID:7Kb5yLx9
別にこっちに投下しても大丈夫でしょうよ

駄目だった、次頼む……
954創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:27:08 ID:XJ+v5b2P
そして作者様の許可がでたので埋めはり
パイロット版ですが、潜水機クラドセラケ
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/366/vDS1.jpg
http://ux.getuploader.com/sousakurobo/download/367/vDS2.jpg
あと避難所にPBM氏とTロG氏の感想かいときますた
955>>882 ◆MVh6W.SAZtbu :2010/03/13(土) 00:27:31 ID:z0mPRXqs
>>882
投下乙!
いろいろフイタwww この天才少女と生首の行動原理的なモンはどこから来てるんだwww
やはりコレも突っ込んだら負けなSSなんだろうけど、あえて一つだけ
>『なんでわたしってほかのせいぶつみたいにからだがないのー?』
それ言ったらお前せいぶつじゃないだろうw

で、今回が最終回ということですけど、人気出たから2期製作が決定したんですよn

>>909
迅速乙!
師匠が遂に千里眼を身につけたと聞いて。
カッコいいですね……
上の方で「腕が細い」と言ってましたが、少なくともコレを見る限りはそういった印象は受けませんね。
むしろ、ここから大幅に太くすると、増加装備を付けたときに、
フォルム・シルエット的に「太い→すごく太い」という変化の印象になって、「細め→太い」という印象より
「変わった感」が弱くなってしまうと思います。
956創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:27:59 ID:GjYdSbkN
http://www.nicovideo.jp/watch/sm10004347
何というガッカリ感
最近のが動き過ぎてただけか
957連投申し訳ない>>882 ◆MVh6W.SAZtbu :2010/03/13(土) 00:28:33 ID:z0mPRXqs
>>920>>922
参考までに、ワタクシの乏しい知識をば。
おそらく、最もサイズの割に防御に力点が置かれている兵器である装甲戦闘車両でいうと、
ハッチのような可動部があること自体が防御上の弱点となります。
何故かというと、面一の継ぎ目のない装甲で覆われている場合と比べ、どうしても可動機構部分が構造的に弱くなり、
仮にそのハッチの装甲が耐えても、可動機構部分が衝撃に耐え切れずに破損し、
ハッチが開閉出来なくなったり、脱落してしまったりする危険があるためです。
このため、(特に戦車のような前線で直接敵と撃ち合うものでは)装甲戦闘車両では、
搭乗用・整備用等のハッチを出来るだけ被弾確率の低い場所に設けるようにしています
(具体的には、上面に持ってくるようにし、それが出来ない場合でも後面、側面に配し、正面に設けるのは出来るだけ避ける)。
それゆえ、ハッチの上に可動装甲を設けて防御力を向上させている場合であっても、
出来る限り攻撃を受けにくい部分に配するのが良いと思います
(以前投下したものですが参考に:http://dl6.getuploader.com/g/sousakurobo/146/%E3%83%99%E3%82%A2%E3%83%88%E3%80%80%E6%9A%AB%E5%AE%9A%EF%BC%88%E2%86%90%E8%B6%85%E9%87%8D%E8%A6%81%EF%BC%89%E3%80%80%E8%A8%AD%E5%AE%9A%E7%94%BB.jpg
               ベアトリーチェ:ハッチを上面に配し、正面は継ぎ目のない面一の装甲にしている
                http://dl1.getuploader.com/g/sousakurobo/31/%E7%94%BB%E5%83%8F%E3%81%AF%E3%82%A4%E3%83%A1%E3%83%BC%E3%82%B8%E3%81%A7%E3%81%99.jpg
                http://dl3.getuploader.com/g/sousakurobo/215/%E5%BE%8C%E8%84%9A%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%83%83%E3%83%81%E6%A9%9F%E6%A7%8B%E6%A1%88.jpg
                ワルレックス叩き台:わかりにくくて申し訳ないですが、上の方の図の首の前辺りに、下の方の図のようなハッチが配されています。
                          攻撃を受ける方向を規定しにくい(姿勢が変わるため&格闘戦等で上から等の攻撃もあるため)ロボットですが、
                          可動部を出来るだけ晒さないよう、前方は胸部装甲の上端を延長し、上方・後方は最悪ワルレックスの頭か首が盾になるようにしている)。

そして位置の次は機構の方ですが、複雑にし過ぎると、いざ脱出しなければならなくなったときに開かなくなってしまっている恐れが出てきます。
複雑な機構はゆがみや変形に弱い(干渉の発生により動かなくなる確率が高い)ものであり、
さらに、脱出しなければならない事態になっている時点で、高確率で何がしか大きな損害が出るような攻撃を受けているわけです。
つまり、搭乗ハッチ関係にあまり複雑な機構を持ちこむと、損害を負った機体内に閉じ込められてしまう恐れが増してしまいます。
この辺りは、他の設定との兼ね合いになります。
例えば、単純に可動部分を構造的に強固なものに出来るか否かという設定は直接効いてきますし、
主に受けると考えられる攻撃の質にもよってきます
(大口径砲からの徹甲弾、格闘兵装のような“重い”攻撃は、衝撃が大きく可動部の不具合を発生させやすく、
 成形炸薬弾、ビーム火器のような“軽い”攻撃は、上記よりハッチの不具合を引き起こす確率が低いと設定できる)。
さらに、その兵器がどのように運用されるかもポイントになってきます
(戦車的に使われるので乗員に自力での脱出が求められるのか、大きな損害が発生したら支援要員が駆けつけてくるのかといった違い。
 さらに、(勝手に例に引かせてもらって悪いですが)DSのような極限環境で運用されている場合、その場での搭乗員の自力脱出自体があり得ない)。

長々と書いてしまいましたが、要するに、

 ・ハッチを防護する可動装甲がある場合でも、攻撃を受けにくい場所に配置した方がいい
 ・機構的には、技術・運用の設定が許す中で、出来るだけ単純にした方がいい

というのを私としてはいいのではないかなあと思う、ということです。
958創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:30:49 ID:29rex44U
さらにおっとと
感想書いてなかたーかな

>>882
何この新感覚w
この2人(?)の話をもっと読んでみたいと思う心境でございま
959創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:30:51 ID:7Kb5yLx9
投下もレス返も構わんが、せめて次スレ立ってからやれよ……
960創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:31:18 ID:Y4WWFqYn
ちょっと自分が行ってみます
961創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:34:35 ID:Y4WWFqYn
何時になったらスレ立て規制解けるんだろう(´・ω・`)

立てられそうな方、宜しくお願いします
962創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:35:04 ID:29rex44U
行ってみます
963創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:35:06 ID:o0crb3NT
俺スレ建て試してみますね
964創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:35:24 ID:xdXMu60U
じゃあ今度は自分行ってみます
965創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:35:50 ID:7Kb5yLx9
>>962-963
待て!
966創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:36:49 ID:o0crb3NT
あ、危なかったw
967創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:37:05 ID:K5W7/pv8
 とりあえず皆さん落ち着いて!
968創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:37:20 ID:xdXMu60U
あぶねぇwオレは報告待ちとしますw
969創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:37:22 ID:29rex44U
オウフ
なら自分が先やって無理なら>>966さんお願いします
970創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:38:28 ID:o0crb3NT
ラジャー。報告待ってます
971創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:38:40 ID:7Kb5yLx9
危なかった……
上から順番でおk?
972創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:40:10 ID:o0crb3NT
おk
973創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:40:22 ID:29rex44U
振られました。次どうぞ
974創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:41:13 ID:o0crb3NT
では行って来ます
975創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:47:01 ID:o0crb3NT
ダメでした、次お願いします
976創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:47:28 ID:xdXMu60U
よし、いってくる
977創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:52:54 ID:xdXMu60U
作成には成功したが、前スレのURLを変えるのを忘れてた……
978創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:55:57 ID:xdXMu60U
どうしましょうか?
誰かが再び作るか、それともこちらでいきますか?
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1268408997/
979創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:57:19 ID:o0crb3NT
立てられそうな人がいればチャレンジしてもらっていいかもですが。
……どうしましょ?
980創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:57:32 ID:Y4WWFqYn
>>978
スレ立て乙です。立てられずに宣言してしまい、申し訳無いです
それぐらいのミスならスレを立てるほどではないと思います。自分が本スレを記載したレスをするので、お気にになさらず
981創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:59:25 ID:o0crb3NT
>>980
了解しました。では改めて
>>978
スレ建て乙です!
982創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:59:39 ID:XJ+v5b2P
正直スマンカッタ。ちとどうかしてたな
>>978
建てる場合は自分が行こうか?
正直うrlをテンプレの後に貼りゃいいと思うんだが
983創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 00:59:57 ID:29rex44U
>>978
乙でした。
そのぐらいなら大丈夫かと。
984創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:01:19 ID:K5W7/pv8
>>978
 スレ立て乙です!
 よくやった、遥さんに関節を極められる権利をやろう。
985創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:02:22 ID:3TElPNbT
>>978
乙です

さて埋めだ
986創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:02:26 ID:xdXMu60U
とりあえずテンプレ終了しました。前URL、>>980さんお任せします……。
987創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:03:50 ID:xdXMu60U
>>984
せっかくなのでまどかさんに穴あきチーズにされる権利も所望します!
988創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:04:36 ID:Y4WWFqYn
>>986
張って来ました
いえいえ、あっちでも書きましたが、自分が先ず指定レスを打っておけば混乱しなかったんですよね
いやーホントお騒がせしました
989創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:05:26 ID:o0crb3NT
>>988
URL貼り乙でした!
さぁ諸君!埋めと行こう!
990創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:05:54 ID:7Kb5yLx9
>>978
スレ立て乙!
よくやった、まどかさんにアツアツのローストチキンにされる権利をやろう
991創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:06:04 ID:XJ+v5b2P
>>978
>>988
改めて乙!
992創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:07:22 ID:Y4WWFqYn
あ、埋まる前に

師匠、カムイとヴェルについてですが、明日の新スレで良いでしょうか
感想も兼ねて
993創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:08:19 ID:g8MP8mEm
>>992
 いいですとも!
994創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:10:15 ID:7Kb5yLx9
>>1000なら遥さんgジョインジョインハルカァ
995創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:10:55 ID:Y4WWFqYn
>>993
どうもです

避難所でのレスが皆優し過ぎる……明日ちゃんとした言葉でネガってた事を謝らなければ
つかDaZ氏を励ましてたのに駄目すぎる俺
996創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:10:59 ID:xdXMu60U
あ、ついでにWikiのトップページの編集だけやっておきましたー
997創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:12:26 ID:o0crb3NT
>>996
編集乙です!
そして>>1000なら23号機が加速する
998創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:13:05 ID:xdXMu60U
>>995
他人が苦しんだときに励ましたのだから、いざ自分が苦しんだときに励まされるのは当然なんだと思うんだ
999創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:14:13 ID:o0crb3NT
>>1000なら23号機はメカ特盛り
1000創る名無しに見る名無し:2010/03/13(土) 01:14:53 ID:RvUFKf2/
>>995
 元気な姿を見せれば大丈夫ですってw
 言葉よりも態度!

>>996
 あら、乙です!


 >>1000なら遥さんを抱っこする権利が、私に!
10011001
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             (_´∀`)_     創る阿呆に見る阿呆!
           /,/-_-_-_-_-_\     同じ阿呆なら
    ( (   /,, /― ((神輿))―\    創らにゃソンソン!! //
        (。'。、。@,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。,。@  ) )
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