1 :
創る名無しに見る名無し:
童話形式で経済について学びましょう。
2 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:37:52 ID:dxTG3Qjg
「 アリとキリギリス」
ある世界にアリさん達の国とキリギリスさん達の国がありました。
アリさん達は真面目で、朝から夜遅くまで農場や工場で働いています。。
仕事が大好きでいつも良いものを安く作る努力をしています。
キリギリスさん達は仕事は昼過ぎには切り上げて、後の時間はみんなで歌を唄い、酒を飲んで
わいわい騒ぐのが大好きでした。
あるとき、アリさん国に新しい大統領が就任しました。
この新しい大統領はアリさん国とキリギリスさん国を比較して、「キリギリスは遊んでばかり
いるから我がアリがもっと頑張ったら差を拡げることとができ、もっと儲かるのではないか」
と思いました。そして大統領就任の時に「キリギリスのように遊んでいては駄目だ。
将来の成功のためには今、頑張るんだ。競争して経済を強くするんだ。」と演説しました。
それを聞いたアリさん国の国民は拍手かっさい。
「そうだ。そうだ。遊んでいるキリギリスなど置いてけぼりにしてやれ。」
アリさん達はこれまでにもまして仕事に励みました。休みも返上、勤務時間が終わっても
タイムカードを押してからまた働く。残業代などいらないという徹底ぶりでした。
いままでよりも安くモノをつくる!他の農場や工場との競争が進みました。
3 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:39:14 ID:dxTG3Qjg
さて、キリギリスの国では困ったことが起きました。アリさんの国から安い農産物や製品が
たくさん入ってきてキリギリスさん達が作っているモノが売れなくなってきたのです。
また、アリさん達が休みをとって遊ぼうとしないのでキリギリスさん達の国でお金を使わなく
なってしまったのです。
これまでは週末になるとアリさん達が家族でキリギリスさんの国に遊びにきました。
キリギリスの歌手のコンサートに行き、その帰りに食事をしてお買い物をしていたのでした。
歌のうまいキリギリスは人気歌手がたくさんいました。また、脚が長くてスタイルのいい
キリギリスのモデルやタレントはアリさんの若者にも人気があり、そのファッションを真似して
アリさん達も服を買っていました。また、人気タレントはアリさん達の会社のCMにも出て
イメージアップにつながり、商品もよく売れたのでした。
さらに、芸術のセンスがあるキリギリスさん達には腕のよいコックさんもたくさんいました。
コツコツ品質改善している上に値段が安いアリさん国の農産物はキリギリスさん国で喜ばれ
そうした食材を使ってコックさん達は腕を振るい、遊びに来たアリさん達もおいしいと言って
喜んで帰国していたのです。
4 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:40:38 ID:dxTG3Qjg
見るに見かねたキリギリスの国の総理大臣はアリの国の大統領に会って、輸出を抑えて
くれるように頼みました。しかし、アリの大統領は剣もほろろに断りました。
「アリの国の製品が売れるのは安くて品質がいいから当たり前だ。キリギリスは遊んで
ばかりいるじゃないか。努力が足りないから国際競争に負けるんだ。 」
アリの大統領はこう言い放って、キリギリスの総理の申し出を突っぱねました。
キリギリスの総理は抗議を続けたかったのですが、アリさん国は貿易で儲けた金で
軍隊アリを増員していました。また、アリさん国は国益を重視する、との意見がマスコミ
を占めており、アリさんの国民もそれを支持していました。特に若者を中心に国に対して
忠誠を誓うことが当然の風潮となっていたのです。
やむなくキリギリスの総理は国に戻りました。
キリギリスの国の産業もそれなりに頑張ろうとしたのですが、もともとキリギリスは
農作業や工場の仕事が得意ではありません。それにアリ達の働きぶりは尋常ではなく
働きすぎで死んだりすることも珍しくなく、アリの家族が一緒の時間も少なかったのです。
アリ達は自分たちが優位に立っているのを知り、さらにそれを加速しようとしました。
同じアリ同士の農場や工場でも競争が激しくなっていたのです。
また、大農場主や大工場主はアリの大統領にお金を渡して自分たちが有利なように
法律を変えてもらうように仕向けていました。
アリ達は競争激化のあまり給料も下がり余暇の時間もありません。また、競争に負けた
アリ達は失業することになりました。その一方で収入の上がったアリ達もいました。
アリの大統領はそうしたアリを成功者、とたたえて減税をしたりして優遇しました。
社会的地位の高いアリ達から支持されているのでアリの大統領は向かうところ敵なしでした
5 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:43:07 ID:dxTG3Qjg
さて、一方キリギリスさんの国ではアリさんの観光客も来なくなりました。
今までと違い、キリギリスの歌手のCDやDVDも買ってもらえません。
アリさん達がモノを買ってくれないのです。その一方でアリさんの国から輸入品がたくさん
入ってきました。安くて大量に入ってくる製品の洪水に飲み込まれてキリギリスさんの国の
農場や工場は潰れてしまいました。
キリギリスさん達は収入を得ることができなくなりました。段々と食べ物を買うお金も
なくなってしまいました。そして冬がやってきました。
お金もなくなり、食べるものも底をついてしまったキリギリスさん達は死んでいきました。
こうしてキリギリスの国は滅んでしまいました。
その知らせを聞いたアリさん達は喜びました。
「ざまあみろ。遊んでばかりいるからだ。これからは我々アリの天下だ。」
アリさん達は完全に勝利したように見えました。
しかし、段々とモノが売れなくなってきたのです。キリギリスさん達がモノを買えなくなって
作っても在庫になってきていたのです。今までは余った食料はキリギリスさん達が買っていき
その材料でお酒を造って販売していたので無駄はなかったのですがキリギリスの国が滅んで
モノを輸出することができなくなっていたのです。かなりの食料が腐ってしまいました。
また工業製品もだぶついて倉庫が一杯になっています。
あとはアリの国内だけで売るしかありません。
6 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:43:57 ID:dxTG3Qjg
アリ達は必死で売り込みを続けました。他の農場や工場より安くすれば売れる、と考えたアリは
値段をドンドン下げて販売しました。その分利益が減りますが、従業員の給料を下げたり
あるいは年寄りのアリをクビにしたりもしました。また、農具や機械をつくる会社には価格を
下げることを要求し、できなければ取引を打ち切りました。
一つの会社がそれをして、それが次々と連鎖していきました。
大農場主や大工場主は失業者が増えているのを見て、安く従業員を使おうとしました。
アリの大統領に働きかけて正社員をクビにしやすくしたり、派遣会社を別に作ってそこから
派遣社員として採用し、給料から紹介料を天引きしました。また、社員ではなくアルバイト
として採用し、社会保険や退職金を出さないようにしました。
また経済学者はシンクタンクにたんまり研究費をもらっていたので
そうした富裕層の行動を「構造改革」といって提灯をつけるような論文ばかり
書いていたのです。
7 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:45:10 ID:dxTG3Qjg
必死の努力にもかかわらず、売り上げは上がりません。皆が必死で働いています。
もはや誰も遊ぼうとはしていません。しかし誰もが生活が苦しくなりモノを買わなくなって
いたのです。アリさん達の国に移住したキリギリスさんもいました。しかし仕事はありません。
すでにアリさん達でも失業率が跳ね上がっていました。失業者は「負け組」と呼ばれて
「自己責任だぞ」と罵声を浴びせられる状況でした。そして言われる側の不満の矛先は
さらに立場の弱い移住してきたキリギリスさん達に向けられて排斥運動の対象となっていたのです。
とてもキリギリスさん達が生活できる環境ではなかったのです。
まもなく移住してきたキリギリスさん達も自殺したり飢え死にしてしまいました。
働きづめでストレスの溜まっているアリ達の中には犯罪に走ったりするものもいました。
また、職場ではセクハラやパワハラ、いじめなどがはびこっています。
給与がすべて成果主義で決められていて、成績が悪いと簡単に首になります。
ノルマが達成できず自腹を切って商品を購入していたアリもいましたが焼け石に水でした。
8 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/11(月) 19:46:03 ID:dxTG3Qjg
困ったアリ達は大統領に相談しようとしました。
いつも自信に満ちたあの大統領なら何かいい知恵があるに違いない。
みんな期待して大統領のお屋敷にいきました。
ところがお屋敷はもぬけの殻でした。屋敷の倉の中もからっぽです。国の財産も備蓄してあった
食料もごっそり消えて、大統領は行方をくらませていたのです。
アリ達はパニックになりました。食料が手に入らないのでお札をバケツに一杯にしても
誰も売ってくれません。そして来年のための種もみまで食べつくしてしまいました。
冬の間に多くのアリが死んでいきました。食料を増産しようにも消費が落ち込んでいて
長期間に渡って農場や工場は設備投資を抑えていたのです。
古くなった設備はほとんど使い物になりませんでした。又、経験豊富なアリ達がリストラ
に遭ってしまったので技術力も失われてしまったのでした。
そして春になりました。例年なら種を植えるのですが、もう種もみも食べつくしています。
あとは他のアリとの奪い合いしかありません。こうして暴動がおき、内戦となりました。
そして夏が過ぎ秋が来る頃、アリたちは全滅しました。
アリさん達の国も滅んでしまいました。
終わり
悪くないけど既に童話じゃねええええ!?
もうちょっと言葉を噛み砕けばずっと良くなると思うが
10 :
1:2010/01/11(月) 20:08:35 ID:dxTG3Qjg
>>9 ありがとうございます。童話というより風刺でしょうか。
経済板に貼ったのですが反応がないのでこちらにきてみました。
ちなみに重商主義と新自由主義、ネオコン批判のつもりです。
オチがちょっと早いけど、面白かった。
のこりの990レスはどうすんの?
もう少し暗喩や工夫が欲しいな。
発想は実に面白いと思うが、風刺というにも直裁的にすぎる。
これでは本当にただの批判で終わってしまう。もったいない。
13 :
1:2010/01/12(火) 07:22:21 ID:HqkZD63t
>>11 ありがとうございます。童話なのであまり長くないほうがいいかと
思いました。もう一つ別の話はできあがっています。
>>12 もともと政治&経済板出身ですのでちょっとストレートすぎましたかね。
あんまりこねくりまわすのもどうかと思いまして。
でも大人対象だから気にしないでいいのかな。
この板の医療ドラマのパラレル物は面白かったです。
昨日一気読みしました。
14 :
1:2010/01/12(火) 07:26:59 ID:HqkZD63t
経済にかぎらず童話の発表ということでもいいのかもしれません。
とりあえず自分のジャンルは今のままでいこうと思います。
大統領は次のくにをつくることにしました。
大統領は女王アリなので、彼女だけでも、くにの再興は可能なのです。
前のくには田中蟻のつくった政・官・財の鉄の三角同盟が幅を利かせすぎましたから、
ザイセイトウユウシが打ち出の小槌なんて呼び名でよばれて、
それこそ湯水の如くばちゃばちゃに使って財政が傾きました。
田中蟻のライバルだった福田蟻の元秘書、
小泉蟻が財投債をつくってザイセイトウユウシを浪費した特殊法人を絞め殺しましたが、
小泉蟻はそうして浮いたお金のザイセイトウユウシを、
ヘイゾー蟻のアドバイスに基づいてブッシュ蟻に投資しました。
そのために郵便局も民営化しました。
田中蟻の票基盤だった簡易郵便局もなくしました。
小泉蟻は一仕事終えて、はたと気がつきました。
ブッシュ蟻のくにの、中古建物の値段が跳ね上がってる。
小泉蟻の脳内に、シャボンみたいに金が溢れて、
シャボンみたいにきれいさっぱりお金がなくなった、過去の悪夢がよぎりました。
やべぇ、まじやべぇ。
蟻のサラリーマンはショックをうけました。リーマンショック。
小泉蟻は福田蟻のリベンジを果たしましたが、
結果的にザイセイトウユウシを過去の特殊法人もびっくりなほど目減りさせ、そそくさと引退しました。
そうして今度は、田中蟻のやり方を再興させようと、小沢蟻が現れました。
正直な話、蟻のくには田中蟻小沢蟻のやり方が性にあっている面があります。
農耕民だった過去より、農業用灌漑等の大規模工事はひとりで行えず、仲間との助け合いを重んじ、
いってみればなぁなぁの関係を基盤にして生活を営んできました。
仲間うちでもにょもにょするのが大好きなのです。
小沢蟻は京大のアンケート結果を現実のものにしようと、
政治家の力を強めるために官僚のピラミッドと政治家のピラミッドを統合し、
統合したピラミッドの頂点に政治家を置きました。
これがいけなかった。
和を乱す蟻は殺されるのです。
そうして小沢蟻を排斥したのち、蟻のくには専制国家の色を強めました。
違法ダウンロード禁止法が出来、二次元ロリが禁止になり、様々な言論統制が進みました。
厳しい統制の末に待つのは、不満と破綻と暴走です。
大統領は遠い目をしたまま卵を産みつ、亡国の民の犠牲に痛みいりました。
今度は、短期の栄華ではなく長期の繁栄を願って。
官房学あたりから学び直そう。
大統領は心に誓うのでした。
ageときますね。。。
18 :
創る名無しに見る名無し:
>大統領は次のくにをつくることにしました。
私だったら、国を二つ作るね。
一つの国は今までどおり、『働き者の国』
もう一つの国は、ムダなもの(ピラミッドとか万里の長城とか戦艦大和とか)を徹底して作る、『ムダの国』。
そして、アリたちは、どちらにすんでもいいことにする。
すると・・・『働き者の国』の景気が悪くなったら、失業者は『ムダの国』に移動して、ムダなものを作りはじめる。
『働き者の国』の景気がよくなったら、『ムダの国』でムダなものを作っていた連中が、
『働き者の国』に移動して、まじめに働きはじめる。
そして、アリたちは、気がつきました。
『世の中には、働かないキリギリスも必要だった』と。