新漫画バトルロワイアル第7巻

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416創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 18:48:00 ID:fhVu7dJ2
投下乙です!
鈴子はもう、ほんとにもう……w
とらもとらでもっと落ちつけよとw

……しかし診療所の写真が意味深だなあ。
主催陣を写したものだとするとこれが歩や或に渡ったらどうなる事か。

あと、伊澄の墓を作ったのはキリコなのかな、やっぱり。
地味に響くな、こういう描写は。
417創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 19:21:23 ID:M1a6RsXX
お二方とも投下乙です

この世の果てで恋を唄う少女YU-NO(上)
リヴィオもレガートもお疲れさま
両者ともに散り際は熱くもあり胸が締め付けられるようでもあり……
それにしても由乃さんは本当に容赦がないww
死亡偽装の秋瀬、また一つ積まれた蝕フラグ、ヴァッシュと合流したぶれない歩など
今後が気になる展開乙です

花の命は結構長い。女ですもの!
鈴子ww真面目に葛藤したと思ったらww
腐ってる……腐ってるのにどこかコミカルで憎めないのがまたなんとも
主催の情報としては診療所の写真やテレビ放送も気になるところですね
衣装替えラッシュくるか!

安藤兄は由乃さんに標的にされたり盗撮写真をばらまかれたり姿を騙られたり
知らないところでさんざんな目に逢ってるなww
418創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 20:17:46 ID:Bu7afMOA
投下乙です

おまえら、落ちつけよwww
シリアスとコミカルが混ざり合ってるというかwww
しかし主催陣の写真だと? これは重要かも
そして安藤兄は知らない所で不幸だw
419創る名無しに見る名無し:2010/02/20(土) 20:22:37 ID:oMiOYFEw
>[思考] だめだこいつ。早くなんとか食わねーと。

ここでまた吹いたw
420創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 18:32:10 ID:j2e+o4AA
そろそろ放送が見えてきたな
放送担当と思しきキリエちゃんが逝っちゃったから誰が担当するんだろ
421創る名無しに見る名無し:2010/02/21(日) 19:27:36 ID:7WzceHn9
放送が見えてきたのは確かだがまだ22キャラが朝〜午前に残ってたりする
それにしても爆発しそうだったとこが6時間で残らず全部爆発したなw
新しい爆弾も山盛りで
422創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 02:02:18 ID:rM8obQT9
主催陣の仲の悪さも相当だからな、誰がくるやら
キリエちゃんもシンコウヒョウもガニシュカっぽい霧も造反、ムルムルもバックスもアイズも腹に一物抱えてそうと纏まりがなさすぎるw
忠実なのって王天ちゃんくらいだよなー、ああ見えて面倒見がいいしw
423創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 09:12:00 ID:l8GFQyUD
両氏投下乙!

しかしすごいな、このロワの歩は。将来的には前回漫画ロワのアカギポジになるんじゃないんだろうか
424 ◆yuVy4gPLQo :2010/02/22(月) 12:50:10 ID:n8SzJQBw
エド、リン、安藤兄、ひよの投下します

トリップやら、なんやらの入ったUSBメモリを無くしてしまったので念のためトリップを
変えたいと思いますのでご了承ください
425扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:51:15 ID:n8SzJQBw
旅はここに終わった。

二人で元の肉体を取り戻すという約束は失われ、もはや永遠に果たされる事はない。

弟の笑顔がまた見たい――そんな望みも、二度と叶うことはない。

だが、それでも少年は歩き続ける。このふざけた殺し合いの真実を求めて。

弱さや傷をさらけだす事を厭わずに、もがき続けるのは一歩でも前へと踏み出す為。

それは、他の誰でもない――自分との誓い。





つい先ほどまでの沈黙が嘘のように、再び鳴きはじめた虫の声が広大な山の中にこだまする。
木立ちの合間から洩れる陽光が、初夏の如き強さでエドの金色の髪を照らす。
うっすらと汗が滲む。
涼やかさを生み出すはずの清流は盛り上がった泥によってせき止められ、沈滞した、どこか湿った空気で
満たされたその一帯は少し蒸し暑かった。

「じゃあ、旅館のボイラー室からここに落っこちてきたってのか?」

安藤と名乗った少年の信じられないような話に、エドはリンと顔を見合わせる。
旅館から、この川岸までは直線距離にして四キロメートル以上はある。
以前グラトニーに飲み込まれた際、二人も似たような体験をしているが、恐らくそういった事ではあるまい。
異なる空間を繋ぎ合わせる、あるいは、空間を転移させるような技術は錬金術という分野よりも、どちらかというと
聞仲に聞いた宝貝のほうがカテゴリ的には近いような気がする。
空間そのものを操るような宝貝も、中にはあるとかないとか……
まぁ実際目にしてみないとなんとも言えないが、とりあえず今は空間が妙な具合につながっているところが
この島にはあるとだけ考えておけばいいだろう。
人はいつだって、目の前の問題から解決していくしかないのだから。

「まぁ混乱するのは判るけどよ……オレは落ちてきた兄ちゃんを助けてやったんだぜ」

エドはそう言うと、明らかに不自然に盛りあがった川の中の泥を示す。
この島では、いつもなら簡単に出来る練成一つにも相当の疲労が伴うのだ。
急なトラブルに、敵の攻撃である可能性を考慮するのもわかるが、助けてやって襲われましたでは基本的にお人好しの
エドと言えども憤慨するのも道理である。

「う……でも、その後二人とも襲ってきたじゃないか……」

助けて貰った事には感謝するし、こんな年下の少年たちに刃物を向けた自分にも責任はあるだろうが全ての責任が
こちらにあると言われても納得は出来ない。
そんな不満を燻らせて安藤は呟く。

「……リン。お前も謝れよ」
「なんでだヨ、そんな仲良しごっこやってる時じゃないダロ。
 そんな事より、さっきのアレはなんだったんダ?
 いきなり意識を奪われたゾ!!」

顔に張り付いたわざとらしい笑顔が消えると、リン本来の凶相が露わになる。
降魔杵を突き付け、先ほどの出来事について安藤に問う。
426扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:52:19 ID:n8SzJQBw
顔に張り付いたわざとらしい笑顔が消えると、リン本来の凶相が露わになる。
降魔杵を突き付け、先ほどの出来事について安藤に問う。

放っておけばいいと思いながらも放置しきれなかった理由はそれだった。
安藤が手を口元に当てた瞬間、問答無用で意識を奪われたのだ。
正直、こうして拘束していても不安を抑えきれない。
さっきの戦闘でどちらに責任があるかなど、どうでもいい話だ。
この殺し合いの舞台で、何の抵抗も出来ずに突然意識を刈り取られる。
常に暗殺の危機に晒されてきたリンにとって、その能力は脅威の一言だ。
人道主義者のエドが隣にいなければ、危機を未然に防ぐため始末していたかもしれない。
……似たような能力者が他にいないか、情報を得る事も大事ではあるのだが。

「あ、あれは……」

突き付けられた棍棒に、安藤は体をのけぞらせる。
鳥籠の柵に背中が当たる。
捕らわれの身は、目前の圧力から逃げる事も出来ない。
瞼を固く瞑る。
思わず何もかもを喋ってしまいたくなる。
喋ってしまえば脅される事もなくなる。楽になれる。
純粋な暴力を前に、腹話術など何の役にも立たないのは蝉との対決で立証済みだ。

「う……あ……」

しかし、安藤は喉まで出掛かった言葉を寸前で飲み込む。
瞑った瞼の裏に浮かんだのは、夜を共にした相棒の背中。
自分には何もないのだと語ったあの少年は、それでもゴルゴと対等に渡り合って見せた。
そこまでの交渉が自分にも出来るとは思わない。
だが、それでも錬金術の情報を引き換えに聞くくらいの事はやってみせなければ情けないにもほどがある。
鳴海のように、マクガイバーのように!
決意を込めて、目を開く。

「ま、待てよ。それは教えてやってもいいけど、引き換えに錬金術≠ノついて教えて欲しい。
 錬金術≠ナ、この首輪を――」
「それだよ、なんで錬金術の事を知ってやがる!」

それまでは三人の中では比較的に冷静だったエドが、突如として鳥籠に詰め寄る。
バキンと、大きな音がする。
見ると、鋼の腕が柵をへし折っていた。

その時、安藤は初めて気付いた。
今まで当たり前のように動いていた、エドの右腕と左足が義肢だと言う事に。
唸りをあげるベアリング。きしむ人工筋肉。鈍い光沢を放つ、鋼の義手。
機械鎧職人なら美しいと惚れぼれするような、人体工学に基づいて設計されたデザインも、ごく普通に生きてきた
安藤にとっては生まれて初めて見る、ただただ、理解の及ばぬ物であり……想像してしまう。考えてしまう。
SF映画に出てくるようなサイボーグめいたソレが、一体どれだけの膂力を持っているのか。
どんな異能を秘めているのか。
……なぜ、こんな子供が、そんな義肢を付けるに至ったのかを。

――怖い。

安藤の意地は、たやすく砕けた。


427扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:53:49 ID:n8SzJQBw
獣道を踏み進む。
ほとんど自然のままに生い茂った草木は、日中でなければ迷わずに進む事も困難なほど視界を塞ぐ。
そんな道なき道を、工場への最短距離を往く。

安藤が錬金術を知るに至った経緯について、エドは考えた。
ゴルゴと呼ばれるその男に、錬金術の情報を教えた人物は明らかに錬金術師ではない。
もし、その人物が錬金術師であるのなら、そもそもゴルゴが錬金術師を探す必要などないからだ。
そして錬金術が、自分たちの世界%チ有の技能である事は、これまでに出会った参加者たちの反応から考えて
ほとんど確定と言えた。
つまり、ゴルゴに錬金術を教えたのは名簿に載っている自分たちの世界≠ノ属する人間の中でも、錬金術師ではない
二人の内のどちらかという事になる。
その内の一人であるリンは、そんな奴には出会っていないと言う。
ならば、ゴルゴが出会ったのはウィンリィだ。
安藤とゴルゴが出会ったポイントは、研究所よりも工場に近い。
ほぼ確証とも言える幼馴染の足取りを掴んで、一行の先頭を歩くエドの足取りは早まる。

「ちょ、ちょっと待ってくれぇー」

だが、そんな強行軍にふらつき、倒れそうになった者がいた。
安藤である。
鳥籠からは解放された彼であったが、腹話術には口元に手を当てるというモーションが必要なのではないかと推測した
リンの提言により手枷は後ろへと回され、デイパックは没収されていた。
あのまま置いていこうというリンの意見と、そんな消極的な殺人とも言える行為には異論を唱えたエド。
そして錬金術という脱出への手掛かりを失いたくない安藤の、それが妥協点だった。
当然ながら山道を歩くには不適切すぎるそのスタイルに、鍛えられているとは言い難い安藤の肉体は悲鳴を上げる。
山なんて、子供の頃の家族旅行以来だった。
そもそもが、旅慣れた二人と歩調を合わせる事すら無理なのだ。

「あ、悪りぃなアンドウ。大丈夫か?」

本来、敵であったキメラの兵士ですらも気安く味方として受け入れるエドは、安藤の待遇について若干の罪悪感があるのだが
今はどうしても気が逸る。
細かい話は後回しにして、今は先を急ぎたかった。

「いや、こっちこそ済まない……山とか、あんまり慣れてなくて……
 その、ウィンリィって子。工場で見つかるといいな」

安藤にも心配する人間がおり、エドの気持ちはよく理解出来る。
エドワード・エルリック。鋼の錬金術師。
先の放送で呼ばれたアルフォンス・エルリックとの名字の一致は偶然ではあるまい。
父親か、兄弟か。
それは聞いてみなければわからないが、恐らくこの少年は先ほどの放送で家族の名を呼ばれているのだ。
それでも立ち止まる事無く、歩き続ける事が出来るこの強さは一体なんなんだろう。
安藤は、鳴海やエドの強さをうらやましく思う。

この二人からは潤也の手掛かりは得られなかった。どこにいるのか。今も無事でいるのか。
もし、自分が潤也を失ってしまったら。
その想像は、何よりも怖かった。
考える事が恐ろしかった。
弟を守りたい。
ただ、その想いだけが今の安藤の全てだった。だから

「ああ……お前も潤也って奴と早く会えるといいな」

そう、逆に心配されてびっくりした。

ああ、どうすれば、そんなに強く在れるんだろう。

前を歩く、赤い背中がやたらと遠く見えた。
428扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:54:32 ID:n8SzJQBw





なんだ、いい奴じゃないか。

エドは後ろの少年の様子から不安と怯えを感じ取っていたが、どうやら基本いい人間のようだ。
捕虜のような扱いを受けていながらも、こちらの事情を汲み取ってくれるなど我の強いアメストリス人には
中々見られない美徳である。
リンの懸念もわかるが、この分なら時間をかければ信頼関係も築けるだろう。

「そういや、そのナルミって奴だけど……」

高町亮子から聞いた、共通の知人についての話題を振りながらエドは別の事を考える。
賢者の石があればこの首輪を外せるのか、という安藤の質問についてである。
とりあえず、今のところはなんとも言えないと誤魔化しておいたが、エドの見立てたところ可能性は半々と言ったところだろうか。
賢者の石に内在されたエネルギーが首輪の吸収能力を上回っていれば、公式も過程もすっ飛ばして分解出来るだろう。
賢者の石とは、そうしたものだ。

そしてホムンクルスであるグリードが参加していたのだから、ほかにも賢者の石がこの会場に紛れこんでいる可能性自体は
否定できるものではない。


しかし、果たしてそう簡単に事は運ぶのだろうか。
本来なら無数の命を――賢者の石を内在していたはずのグリードは、あっけなく死んだ。
自分と出会う前に。
残念でした、と言わんばかりに。

もちろんそれは偶然だったのだろう。
人がどう考え、行動し、どう生きて、どう死ぬかなど到底公式で計算しきれるものではない。

だが――

だが、そんな偶然が折り重なった運命と云うものを知る者こそ――神、と呼ばれる者なのではあるまいか。


その想像は、エドの心胆を寒からしめる。
ならば、人柱とされるほどの実力を持つ錬金術師……大佐やアルフォンスが第一回の放送を聞く前に死んだのも……
残りの錬金術師に、殺し合いを否定する人々の希望を集めさせるためなのではないか。
この、安藤のように。

もし、錬金術に一縷の望みを託した参加者たちが集まり、賢者の石を持って首輪の解除に挑んだとする。
しかし、挑んだ結果、石のエネルギーがわずかに足りず失敗……などという事になったら……
それこそが、神の書いたシナリオだとするならば。

真の絶望とは、希望がないことではなく、希望を奪われることなのだと誰かが言った。
助かると思った次の瞬間、希望を奪われた人間たちの取る道は明らかだ。
僅かに残った最後の救い……神が垂らした一本の蜘蛛の糸……生き残りをかけた、たった一つの椅子を奪い合う事になるだろう。
その修羅の道に、ただの普通の女の子が座れる余地など、どこにもあるまい。



そうはいくかよ……

エドは機械鎧の掌を握り締める。
よく手入れされた、鋼の間接がギシリと軋む。
429扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:55:14 ID:n8SzJQBw
考えろ。
考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。
神の試練を乗り越えるのは、いつだって人の知恵だ。
安直に思考を止めるな。
いつだって、最善を考えろ。
発想を切り替えろ。


そうだ。




首輪が分解出来ないというのなら――それを嵌めている人間のほうを分解すればいいではないか――





自己の再構成。
賢者の石さえあれば、それが可能な事は確認済みだ。
そして、その行為で真理の扉が開く事も――
開いた真理の扉を潜り抜けた物質は分解され、エネルギーとなり、その先で再構築される。


どこで?


今朝がた、自分たちはこの首輪について一つの仮説を立てた。
首輪に吸い取られたエネルギーは、主催者の元へと送られているのではないか、という仮説だ。
もし、それが正しければ……真理の扉を潜り抜けたその先にあるのは、主催者たちのいる空間。
敵地である。

そう、もしこの計画が成功すれば、首輪の解除と同時に神との直接対決が可能になるかもしれないのだ。


先ほどの震えが嘘のように、腹の奥が熱くなった。
興奮を自覚する。
ちらりと仲間たちを見る。

まだ、この計画を話すわけにはいかない。
当たり障りのない会話を続けなければならない。
主催者たちがどのようにこちらを監視しているのか。
それすらわかっていないのだから。

これは奇襲作戦だ。
理論の正しさを検証し、賢者の石を手の内に収め、神を倒す同志を集めなければならない。
全てはそこから始まるのだ。


だが、それは恐らく最後の一人を目指すよりも難しい茨の道になるだろう。
例えば、安藤を見張りながら最後尾を歩く少年。
シン国皇帝の第十二子、リン・ヤオ。
気心知れた同じ世界の仲間であるが、だからこそ油断出来ない面もある。
430扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:56:07 ID:n8SzJQBw

リンは、不老不死のためであれば、時として何を仕出かすか分からない男だ。
自分の身をホムンクルスと変える事も厭わない。
ヤオ族五十万の命を背負った使命は、それほどに重い。
そんな奴が賢者の石を手に入れたら……
それを奪い、最後の一人を目指してもおかしくはない。
それをどう説得し、秘密裏に計画を遂行するのか。

もっとも近しい人間ですら、これほどに遠い。
見知らぬ人間に至っては、なんの困難もなく対話する事すら難しいだろう。


それでも、なんとしてもやり遂げなければならない。
ウィンリィだけは、元の世界に――
リゼンブールのばっちゃんの元へと帰してやらなければ、アルにも顔向け出来ないではないか。
錬金術師は、一人決意を秘め歩き続ける。
たった一人の、かけがえのない女の子を探して。





のんきにくっちゃべりながら歩くエドと安藤を眺めながら、リンは注意深く歩く。
自身の龍脈を探る能力が、ここに来てからというもの霞がかっている。
その感覚は、どうも山に深く入れば入るだけ鈍くなっている気がした。
この山に、竜脈を乱すような何かがあるのだろうか。
用を済ませたら早めに退散したいところだが……

パキリと、誰かが枯れ木を踏む音が響く。
工場は近い。
密集した木立ちが次第にまばらとなってゆき、開けた土地が見えてくる。
そして彼は、いや、彼らは異変を知った。
竜脈がどうこう、ではない。

風が、吹いたのだ。
血生臭く、錆ついた風が。


駆け出したエドを追いかける。
薄暗い森林を抜け、久方ぶりに陽光の中へと身を躍らせた、その瞬間。


エドの姿が、光の中に溶けるように消えた。

「エドッッ!!」

……ように見えた。

あまりにも切羽詰まったリンの声に、何かの気配でも感じたのかとエドと安藤の足が止まる。

「どうした、リン!?」

錯覚かと、細目をゴシュッと擦ってリンは気を取り直す。

「……、いや、気をつけロ、誰か一人だけいるゾ」
431扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:57:00 ID:n8SzJQBw

二度に渡る大きな戦いで、破壊の跡も著しい工場の外壁を険しい目で見つめながらリンが警告する。
これだけの戦闘の跡だ。
中にいる一人は、この戦闘の勝者である可能性が高い。
おそらくそれは……、いや、予断は挟むまい。
今はただ、戦うだけだ。
辛く、厳しい、現実と言う名のモンスターと。




いくつかの死体を、注意深く検分しながら彼らは工場の中へと侵入する。
死体の損傷を見れば、相手がどのような攻撃を仕掛けてきたのか、どのような戦闘が繰り広げられたのか
ある程度はわかるからだ。
このような場面には慣れていないのか、安藤は目を背ける。

工場の内部の損傷も凄まじかった。
ともすれば、血のぬかるみに足を滑らせそうになりながら三人は一つの部屋の前に辿り着く。

一つだけある命の気配は、部屋の中に留まって動く様子はない。
給湯室。
そう、ネームプレートのつけられたドアの前でエドは身構え、リンに確認を取る。

ここまでの道筋に、ウィンリィの姿は見当たらなかった。
緊張感と、若干の期待を滲ませたその表情を見て、リンは頷く。
ここにいるのが、この場で唯一の生存者だと。

踏み込む。
ドアを機械鎧の足で蹴破り、扉の向こうへと。


「ひゃっ……」

中にいた少女は、突然乱入してきた少年たちに驚いたようだった。
反射的に身にまとった一枚きりのTシャツを手で股下まで引き延ばし、身体を隠すのに精一杯といった様子だ。

ウィンリィではない。
振り向いた拍子にふわりと揺れる髪は同じくらいの長さであったが、色が違う。
琥珀のような金ではなく、栗色だ。
引き延ばされたTシャツは、ぴっちりと肌に張り付いて女性らしく成長した肉体のラインを艶めかしく魅せる。
必死に握りしめられたすそ野からは、デルタに形成された太腿の隙間が覗いていた。
顔を真っ赤にして、何かを訴えたそうに揺れる瞳からは戦意は見えない。


そこまでじっくりと観察した後で、エドの意識がこの異常な島での張り詰めたものから、常識的な感覚へと切り替わる。
すなわち、女性の着替えをうっかり見てしまった時の気まずさだ。
仲間たちを見る。
リンは普段は細められた目を戛然として見開き、安藤はせっかく止まった鼻血を再び垂らしていた。
また少女を見る。
俯いた表情はもう見えないが、エドはそこに幼馴染が爆発する寸前に醸し出す、見えないオーラのようなものを感じた。

……ヤベぇ。


「キャアアアアアアアアアアアアアアア!! 痴漢ですぅーーー! お巡りさーーーん!!」


直後、建物を震わせる大音量に、少年たちは慌てて部屋から飛び出した。
432扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:57:42 ID:n8SzJQBw
【E-6/工場/1日目 午前】

【結崎ひよの@スパイラル 〜推理の絆〜】
[状態]:疲労(小)
[服装]:イルカプリントのTシャツ、ストレートのロングヘア
[装備]:
[道具]:支給品一式×3、手作りの人物表、若の成長記録@銀魂、水族館のパンフレット、
    綾崎ハヤテの携帯電話(動作不良)@ハヤテのごとく!、太極符印@封神演義、自転車、
    ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム、
    秋葉流のモンタージュ入りファックス、柳生九兵衛の首輪、柳生九兵衛の手記
[思考]
基本:『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。蘇生に関する情報を得る。
0:まともな服を調達する。
1:鳴海歩と合流したい。
2:あらゆる情報を得る為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
3:安全な保障があるならば妲己ほか封神計画関係者に接触。
4:三千院ナギに注意。ヴァッシュ・ザ・スタンピードと柳生九兵衛に留意。
5:機が熟したらもう一度博物館に戻ってくる。
6:探偵日記を利用する。
7:復活の玉ほか、クローン体の治療の可能性について調査。
8:もう少し工場内部を探索、収穫が無ければ神社へ向かう。
[備考]
※清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
※手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク、太公望の外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。
※太公望の考察と、殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
 ハヤテが太公望に話した情報も又聞きしています。
※超常現象の存在を認めました。封神計画が今ロワに関係しているのではないかと推測しています。
※白スーツの男(ミッドバレイ)を危険人物と認識しました。
※モンタージュの男(秋葉流)が高町亮子を殺したと思っています。
※太極符印にはミッドバレイの攻撃パターン(エンフィールドとイガラッパ)が記録されており、これらを自動迎撃します。
 また、太公望が何らかの条件により発動するプログラムを組み込みました。詳細は不明です。
 結崎ひよのは太極符印の使用法を知りません。
※探偵日記と螺旋楽譜に書かれた情報を得ました。
※フィールド内のインターネットは、外界から隔絶されたローカルネットワークであると思っています。


【リン・ヤオ@鋼の錬金術師】
[状態]:結構な量の水を飲む。
[服装]:ずぶ濡れ
[装備]:降魔杵@封神演義
[道具]:支給品一式、包丁、バラバラの実@ONE PIECE
浴衣×2、刺身包丁×2、食糧3人分程度、固形燃料×10、チャッカマン(燃料1/3)
[思考] :
基本:エドと共にこの殺し合いを叩き潰す。
1:エドが心配
2:咲夜、ひいてはグリードの仇を討つ。
3:グリードの部下(咲夜)を狙った由乃と雪輝を無力化したい。
4:安藤(兄)を警戒。
[備考]
※原作22巻以降からの参戦です。
※雪輝から未来日記ほか、デウスやムルムルに関する情報を得ました。
※異世界の存在を認識しました。
※リンの気配探知にはある程度の距離制限があり、どの気が誰かなのかを明確に判別は出来ません。
※エドと情報交換をしました。
※首輪にエネルギー吸収と送信機能があるかもしれないと疑っています。
※ワープ出口の気配を何となく察してます。
433扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 12:58:36 ID:n8SzJQBw

【エドワード・エルリック@鋼の錬金術師】
[状態]:疲労(中)、全身にダメージ
[服装]:膝下ずぶ濡れ
[装備]:機械鎧、バロンのナイフ@うえきの法則
[道具]:支給品一式(ニ食消費)、かどまツリー@ひだまりスケッチ
[思考]
基本:リンと共にこの殺し合いを叩き潰す。
1:ウィンリィはどこだ!?
2:計画≠フ実現を目指す
3:出来れば亮子と聞仲たちと合流したい。
4:リンの不老不死の手段への執着を警戒
[備考]
※原作22巻以降からの参戦です。
※首輪に錬金術を使うことができないことに気付きました
※亮子と聞仲の世界や人間関係の情報を得ました。
※レガートと秋葉流に強い警戒心を抱いています。
※リンと情報交換をしました。
※首輪にエネルギー吸収と送信機能があるかもしれないと疑っています。


【安藤(兄)@魔王 JUVENILE REMIX】
[状態]:全身打ち身(中)。手かせ。 鼻血
[服装]:泥だらけ
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:脱出の糸口を探す。主催者と戦うかはまだ保留。
1:エドたちの信頼を得て、脱出の手掛かりを探る
2:東郷と合流したい。
3:重度の無力感。
4:首輪を外す手段を探す。できれば竹内理緒と合流したい。
5:殺し合いに乗っていない仲間を集める。
6:巻き込まれた潤也が心配。合流したい。
7:第三回放送頃に神社で歩と合流。
8:『スズメバチ』の名前が引っかかる。
9:エドの機械鎧に対し、恐怖
[備考]
※第12話にて、蝉との戦いで気絶した直後からの参戦です。
※東郷に苦手意識と怯えを抱いています。
※鳴海歩へ劣等感と軽度の不信感を抱いています。
※鳴海歩から、スパイラルの世界や人物について彼が確証を持つ情報をかなり細かく聞きました。
 結崎ひよのについて、性格概要と外見だけ知識を得ています。名前は知りません。
※会場内での言語疎通の謎についての知識を得ました。
※錬金術や鋼の錬金術師及びONE PIECEの世界についての概要を聞きましたが、情報源となった人物については情報を得られていません。
※ガサイユノの声とプロファイル、天野雪輝、秋瀬或のプロファイルを確認しました。ユノを警戒しています。
※未来日記の世界と道具「未来日記」の特徴についての情報を聞きました。
※探偵日記のアドレスと、記された情報を得ました。
※【鳴海歩の考察】の、1、3、4について聞いています。
  詳細は鳴海歩の状態表を参照。
※ゆのを危険人物として認識しました。
※腹話術・副作用の予兆がありますが、まだまだ使用に問題はありません。
※安藤(兄)の日記は、歴代特撮ヒーローについて書いたようにしか見えないようになっています。
※安藤(兄)の落下時間は15秒程度。周辺の人物は気づいていない可能性があります。
また、落下中に上空のドームを見ていますが、思い出すかどうかは後の書き手さんにおまかせします。
※旅館のボイラー室からE-4上空がワープ空間でつながっています。
ワープ出口は地上1km強あたりの上空を移動中。
移動の仕方に法則があるかどうかは次の書き手さんにおまかせします。
ただしどこに移動しても常人が落ちたら死ぬ高さなのに変わりはありません。
※E-4の川に泥の山が残っています。
434扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 13:00:23 ID:n8SzJQBw





ところで、エドワード・エルリックがこの島に賢者の石が在る事に確証を持っていないのは、別に安藤が情報を
出し惜しんだわけではない。
彼もまた、知らなかっただけだ。
ゴルゴ13。
世界一の殺し屋たる彼もまた、鳴海と同じく自分の切り札をたやすく明らかにするような男ではない。
この島で、ゴルゴ13が賢者の石を秘匿している事を知る人間は、未だにいないのだ。

そして、何かを隠しているのはゴルゴだけではない。
安藤は腹話術の射程が三十歩である事だけは隠し通し、エドワード・エルリックは脱出への計画を隠し、
リン・ヤオもまた、自分の考えを明確には表明していない。

この絡まり切ったそれぞれの思惑を、探偵の助手たる少女は解きほぐす事が出来るのか。
そしてこの場で起こった惨劇の真相に、ここにいる者たちは迫る事が出来るのか。
それはまだ、だれにもわからない未来の話。
435扉の向こうへ ◆Yue55yrOlY :2010/02/22(月) 13:01:19 ID:n8SzJQBw
以上で投下終了です
436創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 13:17:25 ID:rM8obQT9
投下乙です!

エドも強いな……、序盤から色々波乱があっただけにようやくアル達を顧みる事が出来たのか。
それだけにこれからどうなるかを思うと切ない……。
けれど、首輪や神の性格について思い巡らせてるものが確かに手応えがあるだけに頑張ってくれ。

安藤は未だに不安定か、どう転ぶのがガクブルだw
リンも悪い奴じゃないんだが心の内がどうなるか怖いな……。

そしてひよの、お前ってやつはw
歩繋がりで安藤とどういう会話をするのかが楽しみだw
437創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 13:54:06 ID:Tbzqy0EO
投下乙です
脱出の糸口が見えてきたなー
今後に期待
438創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 17:11:34 ID:fI+eyEje
投下乙です。
山にも何か仕込まれてるのか!
んでみんな揃いも揃ってじゃんけんみたいな握り合いになってる
 
それにしても安藤兄は最近投下された3作全部えらい目にあってるなww
439創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 19:10:04 ID:/vHPdOyh
投下乙
やっぱりエドは主人公だわ
安藤兄はゴルゴに遭遇して以来ロクな目に遭ってないなw

ひよのの反応がお約束w
440創る名無しに見る名無し:2010/02/22(月) 19:35:21 ID:cULotBA8
投下乙です
こいつら揃いも揃ってホント油断ならねーなw特にリン
エドの計画がどうなることやら
んで今度は潤也の方とゴルゴで予約か、期待
441創る名無しに見る名無し:2010/02/24(水) 18:45:58 ID:UGNDY1rB
今現在30人死亡で二人行方不明だっけ?
第二放送までであと3人くらいは死ぬだろうし半数切りそうだな
442創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 20:27:29 ID:469hK29e
まだまだ先だろうが次の放送はどうなるんだろう…
それと予約されたのを除いても昼に突入してないのは

エド・安藤兄・リン・ひよのの工場組
野郎三人組・暴走剛力番長
沙英、坂田銀時
ナイブズ・ハム
森あい
流・スズメバチ・ロビンの神社組
カノン

カノンが神社に顔を出す可能性もあるんだよな。この四人を捌くのが一番難しい様な
443創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 22:43:18 ID:u8DeYDs0
ナイブズとハムが剛力VS組かカラオケ周辺かどっちに絡んでくるかで結構変わりそうだな、展開が
多少なりともハムがナイブズと意思疎通できるようになって来ただけに、あの扱いづらい男がどう転ぶのか気になる
444創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 23:11:39 ID:1nHaWmZQ
神社は難しいな
普通に考えたらロビンがこいつらと組むわけないんだが、メタ的に危険人物を減らすのも
もったいないからなあ
なんとか平穏に分離してほしいもんだ
445創る名無しに見る名無し:2010/02/25(木) 23:31:35 ID:1nHaWmZQ
とか言ってたら神社来たw
期待
446 ◆L62I.UGyuw :2010/02/26(金) 00:59:44 ID:mux60d/q
投下します。
隣り合ったパズルのピースは、引き寄せられる『運命』にあったのだろうか。


***************


朝はとっくに過ぎ、普段ならそろそろ昼食の準備を始める頃合。
にもかかわらず未だ薄暗い山の中を、森あいはがむしゃらにひた走っていた。

どうして、
どうして、
どうして、
どうして、
どうして、

「どうして」

無意識に、疑問の言葉が渇いた唇の間から漏れる。
そして、よろめいて、近くの木に手を突き体重を預けた。
趙公明に脅されて走り始めてから数十分。
何度か木の根に足を取られて転び、身体のあちこちに擦り傷が出来ている。
それでもめげずに走り続けたのだが、ペース配分も何も考えずにここまで来たため、ついに体力の限界が来たのだ。

心臓が早鐘を打っている。荒い息を抑え、無理矢理整える。
額に浮き上がった汗と一緒に涙を拭ったそのとき――、

がさり、と背後から一際大きな音がした。

「ひっ!?」

慌てて振り返り、そしてその拍子に彼女は尻餅を突いてしまった。
彼女が恐れていることは一つ。

まさか、趙公明がここまで――?

最悪の想像に戦慄する森。
しかし――それは杞憂だった。

ざわざわと、木々がざわめく。
周囲に人の気配は無い。

先程の音は野生の生物のものか、それともただの風だったのか。
大きく息を吐く。そして立ち上がって尻を軽く払い、彼女は再び歩き出した。



それにしても、だ。

どうして、こんなことになったのかと。
もっとマシな選択があったのではないのかと。

幾つもの疑問と後悔が渦を巻いて彼女の頭の中で木霊する。

特に、植木を殺めたことすら赦し、立ち直らせてくれた恩人を見捨てて逃げた――その事実が森に重く圧し掛かっていた。
趙公明に対して抵抗出来なかった訳ではない。何しろ手元には銃があった。
勿論銃なんて撃ったことは無いが、それでもあの至近距離なら外さなかっただろう。
もっとも、それで趙公明を殺せたかといえば疑問が残るが――何にせよ、彼女にはまだ戦う手段が残されていたのだ。
だから。
逃げ出したのは純粋に怖かったためだ。

趙公明は自らを妖怪仙人だと称していた。
変なことを言う人だと思っていたが、今なら何の疑いも無くその主張を信じられる。
あのとき――趙公明の手が頭に向かって伸びてきたとき、蟷螂に睨まれた飛蝗の気持ちが初めて解った気がした。
絶対的な種族の差。その前では努力も意志も才能も塵芥と化す、超えることの出来ない絶望的な壁。
中途半端に戦いに慣れているが故に、一縷の希望すら持つことが出来なかった。
彼の気紛れ一つで自分の五体など瞬時に捻じ切れるのだと、否が応でも理解させられた。

あんな怪物に一人で立ち向かうなんて無理だ。
神を決める戦いに参加していたとはいえ、所詮自分はただの中学生なのだから。

「ごめん、植木――。やっぱり私、あんたがいないと、ダメかも……」

それが彼女の偽らざる本音だった。
いや、彼でなくてもいい。彼でなくても、共に戦った信頼出来る仲間がいれば――。

舗装された山道に出て、どちらへ進もうか一瞬悩み、左へ向かう。
強い理由は無い。別にどちらへ進んでも良かったのだが、強いて言えば道が左の方へ若干上っていたからだ。
下に進むのは趙公明に近付く気がして何となく嫌だ。

以前の戦いにおいても、唯一仲間だけが彼女の拠り所だった。
だが、それももういない。
植木はこの手で殺し、鈴子には拒絶されてしまった。
後に残ったのは空虚な孤独。

誰か。
誰か誰か。
誰でもいいから、助けて欲しい――。
誰か――。

――誰に?

たとえば事情を正直に話したとして、助けてくれる人なんているんだろうか?
そんな訳は無い。
正直に話すということは、キンブリーの計画も話す必要があるということだ。
『後で生き返らせてあげるから死んでくれ』なんて、そんな嘘臭い理由で喜んで死ぬ人がいるとは思えない。
現に森自信だってキンブリーの力を目の当たりにするまでは半信半疑だったのだから。
いや、今も完全に信じているかと言えば答えは否だ。
彼女もそこまで楽天家にはなれない。



急に寒くなった気がして、森は両腕で体を抱えた。
いつの間にか日が翳っている。

それでも。
それでも、もう縋るものはキンブリーの言葉しか無いのだ。
選択の余地は無い。そのはずだ。そう信じた。

俯いて、左の手首に嵌ったシンプルな腕輪をそっと撫でる。

それなら、どうすればいい?
一人では――やっぱり駄目だ。悔しいが、趙公明には絶対に勝てない。
ならば。
誰かを騙してでも味方に付けて、趙公明を殺す。
それが出来なくともキンブリーは救い出す。
これしか無い。
無謀なのかもしれないが、そもそも人を騙すなんてことが自分には出来ないかもしれないが。

「でも……もう、そうするしかないから……」

祈るように、願うように、決意する。
そして前を見ると――学生服を着た整った顔立ちの男が、ちょうど山の下の方から道へと出て来たところだった。


***************


森あいが当ても無く必死で走っていた頃。
今にも消え入りそうな足取りで、カノン・ヒルベルトはただ神社を目指して山を登っていた。

どうする、
どうする、
どうする、
どうする、
どうする、

「どうする」

無意識に、疑問の言葉が渇いた唇の間から漏れる。
立て続けのアクシデントによって、彼の精神は張り詰めた糸のようにギリギリの状態まで追い詰められていた。

だがしかし、彼はふらつきながらも、確実に効率的なコースを歩いている。
移動の邪魔になる巨大な盾と妙な石はデイパックの中だ。

完全に沈黙した機械兵器からはパーツを適当に取って来た。
浅月は首輪を外すために爆弾の専門家である竹内理緒と合流しようとしていることだろう。
もしかしたらもう合流しているかもしれない。
いずれにせよ、パーツはミカナギファイルを得るための交渉の道具になるはずだ。

ミカナギファイル。
それを持つ浅月香介。
彼の居場所は今のところ全く判らない。
だが何としても早く見付けなければ。
自分がこれほど苦戦する戦場で、彼が長く生きていられる保証は無い。
特に彼一人ならばともかく、名簿には高町亮子の名もあるのだ。
一体どんな無理をしているか判ったものではない。
とはいえ――焦ったからといって見付かるものではない。
まずは地の利を確保しつつブレード・チルドレンを捜す足掛かりとするために神社へと向かう。
これがベストの方針だ。

一見すると彼の行動は冷静沈着を絵に描いたようなものに感じられるだろう。
だが事実は異なる。
明確な目標を立て、それを達成するためだけに機械のように行動する。
そうすることで何とか自分を保っているだけで、実際のところ、正常な思考はまるで働いていない。

ミカナギファイルを手に入れるというのは、言うまでもなく逃避行動だ。
彼にしても、それが本質的な解決になると心の底から思っている訳ではない。
ましてやいざとなったら浅月に殺してもらおうなどと。
そんなことを考えるくらいなら、今からでもブレード・チルドレンの呪われた運命に立ち向かった方がいい。
何しろ、絶対に覆せないはずの運命は、あのムルムルという幼子の手であっけなく砕かれてしまったのだから。
今更運命に殉じる必然など、何処にも在りはしないのだから。

しかし――しかし、だ。
彼にはそう出来ない理由がある。
彼は『弟』であるアイズ・ラザフォードを既にその手にかけてしまったのだ。
運命を否定するということは、彼の犯した行為がただの殺人であると認めることになる。
それには耐えられない。カノンの神経は無為な殺人を許容出来るほど太くはない。
おそらくはそれが、他のブレード・チルドレンと一線を画す彼の美点であり欠点なのだろう。

だから彼は、その繊細さ故に苦悩する。
『運命に立ち向かう』という甘美な誘惑に乗らない。乗ることが出来ない。
ほとんど無意識の内にその選択を排除している。



唐突に、寒いなとカノンは思った。
何処からか森の水場特有の匂いがする。川が近いのだろう。
空を仰ぐと、雲が湧き出始めていた。

ずっと森を彷徨っていると、現実感が薄れて来る。
――いや。
もしかしたらとっくに現実感など失っているのか。

頑強だった彼の心の錠は、今やガタガタになっていた。
戦いに無関係な思考を強引に捻じ伏せるのも限界だ。
ともすれば溢れ出しそうな疑念に、彼は懸命に抗う。

考えてはいけない。考えてはいけない。考えてはいけない。
考えるな。考えるな。考えるな。考えるな。考えるな。考えるな。

それでも彼に残った理性は完全な思考停止を許さない。

錬金術。死者の蘇生。運命。ミズシロ火澄。ミカナギファイル。
死んだ。ブレード・チルドレン。殺した。違う。肋骨が。浅月。願い。
――アイズ。

戦いたい――痛切に、そう思った。
少なくとも、戦っている間だけはこの懊悩から逃れられるのだから。

いやに呼吸が苦しい。胸の奥がチリチリと痛む。
耳の傍で焼けた川が流れているような音がする。

考えたくないことを、考えてしまう。



運命を覆せるというのなら、そもそも僕の行動は――、

「間違っている、のか?」

――わからない。

――何も、わからない。

――誰か標を。

――道標を示してくれ。

――赦してくれなくていい。

――断罪してくれても構わない。

――だから、誰か答えてくれ――、

「――僕は、どうすればいい?」



震える声で呟いたとき、彼は右の方に何者かの気配を感じた。
ほとんど自動的に、体に染み付いた滑らかな動きで振り向いて麻酔銃を構える。
銃口の先にいたのは――自分以上に憔悴し切った様子の少女だった。
年の頃は中学生くらい。何故か眼鏡を頭の上に載せている。

「何でこんなところに……あ」

そしてそこでようやく、彼は自分が山道を横切ろうとしていたことを認識した。
そんなことにすら気付かなかった自分に呆れ、しかしそんな感情とは無関係に、周囲に走らせた視線を目の前の少女に戻す。

彼女は明らかに怯えていた。
何故か。
その視線が手に持った銃を捉えていることに気付き、慌てて下ろす。
彼女がまたもや人智を超えた力の持ち主で、銃を下ろした途端に襲われるかも、とは考えない。
いや――違う。それならそれでいっそ楽になれるかもしれないと心の隅で期待している。

「やあ――初めまして、可愛らしいお嬢さん。どうかしたのかな?」

そして出て来たのは百戦錬磨の"Gun with wing"にしては余りにもお粗末な一言だった。

何か深い戦略を考えていた訳ではない。
自分以上に頼り無げな彼女の姿に同情した訳でもない。
彼はただ、反射的に、『優しいお兄さん』の仮面を着けただけだ。
何故、と問うても明確な答えは返ってこないだろう。
もしかしたら、そうすれば普段の余裕をもう一度取り戻せると、そう思ったのかもしれない。


こうして、力を求める少女と力の振るい所を求める青年は出会った。

彼らの邂逅を『運命』という言葉で片付けてしまうのはあまりにも容易い。
だが穿って見る者は、もっと別の言葉が相応しいと思うのかもしれない。

そう、たとえば――『神意』と。



風が、嗤っている。


【F-6南西/山道/1日目/昼】

【カノン・ヒルベルト@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:潜在的混乱(大)、精神的動揺、疲労(小)、全身にかすり傷、手首に青痣と創傷、“スイッチ”入りかけ
[服装]:月臣学園男子制服
[装備]:理緒手製麻酔銃@スパイラル〜推理の絆〜、麻酔弾×16
[道具]:支給品一式×3、不明支給品×1、大量の森あいの眼鏡@うえきの法則、研究所の研究棟のカードキー、パールの盾@ONE PIECE、五光石@封神演義、マシン番長の部品
[思考]
基本:ブレード・チルドレンは殺すが、それ以外の人は決して殺さない……?
0:目の前の子から事情を聞く?
1:浅月香介から“ミカナギファイル”を訊き出し、西沢歩の名と照会する。
2:歩を捜す為に、神社に向かう。(山道は使わない)
3:ブレード・チルドレンが参加しているなら殺す?
4:本当に死んだ人間が生き返るなんてあるのか――?
[備考]
※アイズ・ラザフォードを刺してから彼が目覚める前のどこかからの参戦です。
※剛力番長から死者蘇生の話を聞きました。内容自体には半信半疑です。
※思考の切り替えで戦闘に関係ない情報を意識外に置いている為混乱はある程度収まっていますが、きっかけがあれば膨れ上がります。
※みねねのトラップフィールドの存在を把握しました。(竹内理緒によるものと推測、根拠はなし)
 戦術を考慮する際に利用する可能性があります。

【森あい@うえきの法則】
[状態]:疲労(大)、いくつかの擦過傷
[服装]:
[装備]:眼鏡(頭に乗っています)、キンブリーが練成した腕輪
[道具]:支給品一式、M16A2(30/30)、予備弾装×3
[思考]
基本:「みんなの為に」キンブリーに協力
0:……植木……ごめんね……
1:キンブリーを優勝させる。
2:鈴子ちゃん……
3:趙公明からキンブリーを助け出したい。
4:キンブリーを助けるために味方を探す。
5:安藤潤也に不信感。
[備考]
※第15巻、バロウチームに勝利した直後からの参戦です。
※この殺し合い=自分達の戦いと考えています。
※デウス=自分達の世界にいた神様の名前と思っています。
※植木から聞いた話を、事情はわかりませんが真実だと判断しました。
※キンブリーの話を大方信用しました。
※趙公明の電話を何処まで聞いていたかは不明ですが、彼がジョーカーである事は悟っています。
453 ◆L62I.UGyuw :2010/02/26(金) 01:08:41 ID:mux60d/q
以上で投下終了です。
残り容量が少ないので次スレを立てて来ます。
454創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 01:17:57 ID:mux60d/q
次スレ
新漫画バトルロワイアル第8巻
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1267114296/
455創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 01:56:43 ID:08W1UjQd
投下乙です
神社付近か
マーダー集団の動向次第ではぶつかりそうだな
456創る名無しに見る名無し:2010/02/26(金) 02:16:16 ID:lF6uyHo2
投下乙です

二人ともそちらに向かったか。そして出会ってしまったか
これは森が説明する時にキンブリーのことを言ったら…
神社へ向かうか、それとも…
どっとへ行っても地獄なようなw
457 ◆L62I.UGyuw :2010/02/28(日) 15:15:50 ID:gucBKHhf
感想有難うございます。

ところで今の予約分が全部投下された辺りで放送案を仮投下しようかと思うのですが、いかがでしょうか。
それと、そろそろ次の禁止エリアの話し合いもした方がいいかと思います。
ちょうどこちらのスレがいい具合に余ってますし。

ちなみに個人的にはD-6、H-2、I-8がいいかなと。
それほど深く考えた訳ではありませんので、もっと面白そうなところがあればそちらで。
458創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 20:26:08 ID:i6s0559j
仮放送案は他の書き手の人の反対意見が無ければいいと思います

それと封鎖する箇所は主催側の意図が透けて見えるような場所がいい気がする
例えば遊びで関係無い場所を封鎖するより遊びだからここを封鎖するんだよ、みたいなのがいいかも
もしくは主催側の意地悪さが出るような個所がいいと思う

行動を狭める意図なら候補としてはF-8、H-7、E-5、F-6、E-8、G-6、H-6
施設封鎖が解禁がおkなら中・高学校や工場や旅館とか封鎖でいいと思います
診療所は写真とかフラグありますからまだでいいと思います
封鎖する順番と組み合わせは任せます
459創る名無しに見る名無し:2010/02/28(日) 21:33:06 ID:j0Ib7NzC
確か、第一回はコンペで決まった(一作しかこなかったけど)ので同様の形式でいいかと思います
仮投下お待ちしてます
460 ◆L62I.UGyuw :2010/02/28(日) 22:22:30 ID:gucBKHhf
了解しました。
施設封鎖は……中・高等学校辺りならいいかもしれませんね。
仮投下までにもう少し考えてみます。
461創る名無しに見る名無し:2010/03/03(水) 08:58:29 ID:9gae+DA6
埋めネタ

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  ‐ナー   /        ノ`゙''i、_                  _,‐'ii' i,::l,      `i,         (_
 / __|_ゝ L__     /   il::l`l''‐、_            _,.i::i´  ヽヽ:i,       ヽ
.   (__)` /´         |;| |:|| |:::`‐、,       _,,.‐'´::::|l::l     `        `ゝ、,_
    _,.‐'´           l  ,i,l::::::::::::`゙'‐、,__,.‐''´:::::::::::::::i,‐,,_                `゙'''''""~
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植木耕助
462創る名無しに見る名無し:2010/03/03(水) 09:04:47 ID:9gae+DA6
          l^i___ノ^\      \
          !、`'ー   \      ヽ
         ノ/',`ヽ,_    ヽ  ',    `、
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       ノ  l__,,二ニ-`!,  !i   i  :i;  ,,',,,,、   i
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妲己
463創る名無しに見る名無し:2010/03/03(水) 09:07:43 ID:9gae+DA6
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___ノ |`--i`ー___=-―-――'" ̄ ̄ ̄l|       l|__i!二≡_ノi   `i  ::i!l|   l- |  \―――――i
__r='" ̄ ̄l| l| l⌒l- ___.`=-、__   l|___,, -―'" 'ー-/::::::::\  i    l! ____|_ | |  .| ̄ ̄ ̄ ̄i!"
       l| l| |::: |:::| l| ri -i、`=―--、       _`-'"__i::::7--"'⌒"-='"   l|、.|  .|  i⌒i  l|
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リヴィオ・ザ・ダブルファング
464創る名無しに見る名無し:2010/03/03(水) 09:11:05 ID:9gae+DA6
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新漫画バトルロワイアル第8巻
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄\                           / ̄ ̄
 お  届  オ   'l                          . |  そ
 い  .く  .レ   .'|     ヽ,,.;, ...ii;;..,,.ヽ|ヽ|∨ノl∧ ,, ,,,/;     |  .れ
 て  .と  の    .|   ;;; ;,.,. ヾヾ||:::i;;ヽiyリlll;;ii.;ヽli;,,/;;/ハ /;,   .|  な
 お  こ  剣    ヽ_,,ヽlllゞ"l;,,,ll〆ヾl;lll"::: ii;i;;i::/ハ:llハ;ii;;/ハ    .|  ら
 き  ろ  が   _ミミヽllミ"';;;''lll i;;,ミ》lll l l>;;ゝl;,,ii,,ll;iii.ヽl/;;;;,/l /l/\  _
 て  に     .ヽーヽllミミミミii;;; i;;;巛l lヽ∨lllllll/ハll;iii;ハ:ii; ヾl/ii;i|||li  //
 .ぇ       >=ll"ll;;,,,l,,ソミミll》》iiii::ii:llll/"l/l lll;;,ヽハヾlll":::ヽl//llllレ'';"
____  / .-;;ヽミllll;;ミミミll《<ミiiiii iii l;ヽii:::::iiii:::lllllllllll::i ii/ii::iii iiii lllll彡i/
     \l  ._,,:ll;,,;;,ミiiミミlll;;; ヽlllll>》ll》llll::lll"i iii"lllハ,;iii;;;iii;iii,,i,ii;;iii"lll;;iレ;
         \ii\;;;,,,,,ヾヽllll; "### ;;iii;;ll; ヾ;;;;; ; ii lllll i lll/ノl 'ii/l;ii/ノ"/
         ∠lllミミllミ"ヽi;;..;.ヽlヽlllll;, ;;llllll ii 'illl;.;lll ;llll i lll ノl;;ノ /l/i..ノr/''"
         <;;;...ゝlミミミ,,;;;lll;;;...ミlllillillillゝ:ヾll;;lヽliili ll.,.ilill; ;ll ;lllll";;ii"//;iノ7
         巛ミ;;ヾllミミミiiミミミ;:"''"'''"/ll/iiiiiiiiヽll::iiヽiiiレ"llll'';;llll::ノii彡ミ
         」ミミミ巛ミiii;;;;::,::    //i////;::;::i/iiiii:ii:::::lllll;;;iii::ヽ"'ミ彡
         丶ミ,;、ミミミミミミiiiミ>   / ||/ ./ii///iiハ,ヽii|ヽiiYiiii|,ヽゞ ヘ
         <ミ|'トヽ:::,,,ミミi:i:i;     |レ l/l |//|  | |iil liil i .iiii  l|iYヽ
ヽ         .>.Kニヽヽミiiiミ      i|  ll リl .l : | ll/ |リ  |i| . |ll
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