非リレー型バトルロワイアルを発表するスレ Part4

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1創る名無しに見る名無し
1999年刑行された小説「バトル・ロワイアル」

現在、様々な板で行われている通称「パロロワ」はリレー小説の形をとっておりますが
この企画では非リレーの形で進めていきます。

基本ルール
・書き手はトリップ必須です。
・作品投下前の登場キャラクター、登場人数、主催者、舞台などの発表は書き手におまかせです。
・作品投下前と投下後にはその意思表示をお願いします。
・非リレーなので全ての内容を決めるのは書き手。ロワに準ずるSSであればどのような形式、展開であろうと問いません。
・非リレーの良さを出すための、ルール改変は可能です。
・誰が、どんなロワでも書いてよし!を合言葉にしましょう。
・「〜ロワイアル」とつけるようになっています。
  〜氏のロワは面白いでは、少し話題が振りにくいのでAロワ、Bロワなんでもいいのでロワ名をつけてもらえると助かります。
・完結は3日後だろうが5年後だろうが私は一向に構わんッッッ!!

前スレ
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1253617012/

非リレー型バトルロワイアルwiki
ttp://www26.atwiki.jp/anirowakojinn/pages/1.html
2創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 17:38:10 ID:P5bbrQ46
新スレ立てたけど誘導出来ないぜ!
3 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 17:50:09 ID:eKbmaFDO
スレ立て乙です。
実は既にこのスレが立っていたとは知らず同じスレを立ててしまいました……。
4創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 17:58:15 ID:P5bbrQ46
おっと、それは失敬
5 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 18:00:51 ID:eKbmaFDO
>>4 いえいえいえ! 確認不足でした……。
あの、作品の投下が途中なので、続きを投下しても宜しいでしょうか?
6創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 18:02:20 ID:P5bbrQ46
ええ、どうぞ
待ってました
7掃射強襲 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 18:07:12 ID:eKbmaFDO
>>6ありがとうございます。では、
―――――――――――――――――――――――――――

大和が最初に腹部に受けた銃弾は、大和の肝臓を貫き、そこから致命的な出血が始まったのだ。
木の陰で敵の銃撃をかわしている間も、狙撃するのに絶好の位置まで移動する間も、
狙撃に成功し、年光と二人で話している間も、ずっと、血液は失われ続けていた。
もしかしたら、リフィアが二人の元へやってきた時、大和はもう意識混濁の状態だったのかもしれない。

「くそっ……」
「……」

二人はただただ立ち尽くす。
二人の仲間を失ったという現実に、二人は耐え抜くしかない。

もう何の音も聞こえない。ただ、木の葉が風に揺れる音が耳に入るのみ――。

【一日目/夕方/F-4林】

【大崎年光】
[状態]:疲労(大)、左腕に掠り傷、悲しみ、やりきれない思い
[装備]:九四式拳銃(0/6)
[所持品]:基本支給品一式、九四式拳銃の予備マガジン(6×2)、手斧、織田信治の首輪
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出。そのためにも仲間を集める。
1:……。
[備考]
※参加者詳細名簿により、全参加者の容姿と名前をある程度把握しました。
※織田信治の水と食糧は完全消費しました。

【藤堂リフィア】
[状態]:疲労(肉体的、精神的共に大)、首、胸元に貫通創(命に別条無し)、返り血(大)、
口元が血塗れ、右腕上腕部に銃創、深い悲しみ
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/4消費)、7.62o×54R弾(30)、直刀、参加者詳細名簿、
クロスボウ(0/1)、ボウガンの矢(86)、三人分の水と食糧(一人分の水と食糧消費)
[思考・行動]
基本:殺し合いはしない。 脱出方法を探る。
1:……。
[備考]
※生命力が異常に高いです。頭部破壊、焼殺、首輪爆発以外で死ぬ事はまずありません。
但し一定以上のダメージが蓄積すると数十分〜一時間ほど気絶します。
※参加者詳細名簿により、全参加者の容姿と名前をある程度把握しました。

【山本良勝  死亡】
【須牙襲禅  死亡】
【北原大和  死亡】
【残り12人】

※F-4一帯と周辺に銃声が響き渡りました。
8 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 18:08:27 ID:eKbmaFDO
投下終了です。スレ跨ぎになってしまったけど、
改めて全文投下した方が良かっただろうか。
9創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 18:09:30 ID:P5bbrQ46
投下乙!
ていうかもう残り15人切っていたのか!

そしてギャグキャラとして生き残っていくかと思っていた……ジ−サン(´;ω;`)ウゥゥ
10 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:03:12 ID:qRMVzNyP
>>8
投下乙です。その情熱にはやはり感服致しますよ。



さて、随分力の衰えたロートルだが私もオリキャラロワを投下させていただいてもよろしいですかな?
11創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 20:09:48 ID:sb9HR7FK
投下乙ですー
これはまた、一気に人が死んだなあ……

>>10
どうぞどうぞ
12OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:11:50 ID:qRMVzNyP
この学園にも七不思議と言う不可思議な噂は、存在する。
開かずの間だとか、13階段だとか、「こんなん恐がんのは小学生までだって」ってな割りとどうでもいい物が多い。まあ実際のところそのどうでもいい二つも、この学園のに含まれているわけだが…
まあ、それはさておきだ。
そんなどうでもいい七不思議にも、一つ興味深いものがある。


―放課後:とある教室―



一人の少女が、教卓の前にナイフを右手に携えて立つ。
少女は緊張していた。全身の細胞が強張っているようにさえ感じられる。
彼女の頬を一筋の汗が伝った次の瞬間、ナイフの刃が左手の平に食い込む。
肉の繊維が切れるような音と共に、血が切れ目から溢れ出てくる。

「出て来い出て来い―――」

何かに訴えかけるように、彼女は懇願する。
そして、そのまま教卓に背を向けると、血が滴る左手を前方に翳しながら、前方に歩み始めた。

「私の話を聞いてください。私の話を聞いてください。私の……」

少女は、床に血を滴らせながら、教室の中心の机にまで到達した。
そして、中心の机の上で、血の滴る左手の傷口に指を喰い込ませてさらに血を絞る。

「くっ……うぁ」

少女は痛みに悶え喘いだ。
だがその直後、少女の眼前にはある者が見えた。だが、そのある者。いったい何なのか。
何も見えない。何もない風景なのに、少女は突然現れたそれに驚愕せざるを得なかった。
その“ある者”が見えた瞬間に、その中央の机を倒しながら、気を失った。
13OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:14:51 ID:qRMVzNyP
その日は、修学旅行や文化祭、定期テストなどの行事などが一切取り行われる予定のない普通の日だった。
この事は、今下駄箱にお気に入りのローファーを収納し、学校指定の内履きに履き替えた、砂村知奈美(女子十三番)にとっても、この学園の全ての生徒にとっても同じであり、全ての教師にとっても同じ事。

「まあそれでいいんだけどね。誰にとっても」

そんな事をこぼした知奈美は、ゆっくりと歩き出す。
玄関からまっすぐ伸びている廊下の、4番目の部屋。
そこが知奈美のクラス。3年C組だ。

だが、ドアを開けて唖然。
教室には、椅子も机も何もなく、教室の真ん中にぽっかりと穴が空いていた。

「相変わらず早いね。砂村さん」

知奈美は、突然気配を背後に感じ振り向く。
そこにいたのは、クラスメイトの佐々木綾(女子九番)。やや天然パーマ気味の赤毛と、とても眩しい笑顔が特徴的の、所謂“美少女”だ。綾は、知奈美に話しかけてくる際にも、その笑顔を使っていた。
この学園は、“学年別美少女ランキング”と言うバカげた行事を毎年行っており、綾はこのランキングで、3年生の部の部で、見事3位に入賞している。
「私が一番だったけどアナタは3番目ね」
「…………何が?」
「やだなー…学校に登校した順番だよ。私ちょっと用事があったから早めに来たんだけど、相変わらず早いね。砂村さんは」
「あたし朝は強いかんね……家にいても弟の遊び相手くらいしかすることないし……」
「ところで、佐々木さん?」
「何? 砂村さん」
「ちょっと聞いていい?」
「いいわよ」

「一番最初に来たのが佐々木さんで、三番目が私。で、二番目は誰なのさ」
「高木君」

彼女が言っているのは、高木倫人(男子九番)。
どちらかと言うと、地味で自己主張の足らない、おちびさんってとこだろうか?
知奈美は、しばらくリアクションに困り、間を開けた末に一言

「……っそう………で?高木は?」
「宿直室で寝てるよ」
「……何で宿直室? 宿直の先生いんじゃないの?」
「今日は落合先生だったよ」
「いや、そんなこと聞いてんじゃなくて……」
「まあもう殺したけどね」

「え?」
14OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:16:26 ID:qRMVzNyP
「ちょっと待って? 殺したって何?」

知奈美は、綾の突然の“殺した発言”に戸惑い、彼女に問いただした。

「そんなことより砂村さん。あなた処女?」
「え゙!?」

突然何を聞いてきとるんだこの娘は。知奈美はそう思ったが決して口には出さなかった。
何か雰囲気が……空気がおかしい。
さっきから教室のすぐ前に、“ドアが開け放たれた状態”
つまり教室の穴が見えているのにも関わらず、綾はそれに触れようとしない。確実に見えているのに。

「な……何言い出すんだよ…………」
「私さ…さっき高木君とシちゃったんだよね。もちろんゴムとかもなしで」
「ちょっと待って! 話が見えないって何が言いた…………」

さっきから爆弾発言をし続ける綾に、知奈美はもう既についていけなくなっていった。
誰がどう見ても異常と分かるような事態。ようするにこの空気に中てられて、驚く事に疲れたのだ。

「…………あのさぁ佐々木さん」
「落合先生を殺したとか、高木と………その……したとかそういうのは言うべきではないって。少なくともここでは」
「何か悪い事があったんなら相談に乗るよ? あたしらクラスメイトじゃん」

「違うよ」

綾の眼差しが、変わった。

「あなたたち高木君が薬師寺さんたちに苛められてたの知ってたでしょ?」
「それでも止めなかった」
「見て見ぬふりしてね」

「それでクラスメイトとか、よく言えたわね」

綾は、知奈美にジリジリと迫ってきた。
同時に、知奈美は捕まれば間違いなく何かされると思わずにはいられなかった。
こいつはヤバい。確実に。
知奈美は綾の瞳を直視しないように気をつけながら、後ろずさる。

「……え」

突然視界が歪んだ。前触れなどはもちろんない。
本当に突然……いや、違う。
穴に落ちたのだ。

「また会いましょう? すぐに会えるわ」
知奈美が落ちて行くのを、嬉しそうな“笑顔”を浮かべながら綾は手を振って見送った。
15OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:20:39 ID:qRMVzNyP

――――――

あたしこと砂村知奈美が目覚めたのは、教室の中でだった。
何だあれは夢だったのか。そう思いほっと胸をなでおろす。
あたしは席に普通に座っている。皆だって同じだ。全員揃って…いや、いない。
佐々木さんと高木が…

「オイどうした? 知奈美」
「オトゥール! 何か変なことない?」
「オトゥール言うな。あと佐々木と高木のことだろ?」
席から立ち上がった私に話しかけてきたのは乙流(きのと ながれ) (女子六番)。
私の友人で通称オトゥール(Wik●pediaでかなり似た名前の人を発見したので愛称に流用。オトゥールは認めてないけど私たちの間では浸透している)

「何で分かるの!? まさかオトゥールエスパー?」
「悪いがお前の頭はどんなエスパーでも治せねえよ。それに恐らくこの不自然さに気付いたのも、お前が最後だ」
「マジで!?」

「マジだよ」

ボソリと話しかけてきたのはかなり不気味な容姿のクラスメイト多賀屋(多賀屋倫太郎 男子十番)

「マジもマジ」

次に高い声で話しかけてきたのは女子にしか見えない容姿のクラスメイト君波(君波凛 男子六番)

「大マジよー♪」

三番目に甲高い歌声で話しかけてきたのは、美声のトラブルメーカー。クラスメイトの野村さん(野村枝理 女子十七番)

「ちょ・ちょ・ちょ! ちょっと待ってよ! あたしが一番早起きだってのに♪」
「この事実を飲みこむのが、あたしが一番遅いってのかい♪」
「だ・か・ら」

所属する卓球部とはあんまり関係ないほど見事な宙返りでオトゥールが私の目の前に飛んできた

「さっきからそう言ってるでしょう? これって何なのさ?」
「何なのさ」
「分からない♪」

クラスの大半がはもった。
空気の読めないKY野郎の柳原英二(男子二十一番)は盛大に音を外していたようだが。

「とにかく。こう言うことだ。柳原ですら気付いてたぞ」

私はオトゥールに机の上に乗せられ、オトゥールにリードされる形で私は踊る。
机と机の少しの間隔を飛び越えながら、優雅に。

「やだ……オトゥール…………あたしたち女の子なのに…」
「それでも私より背は低いだろ? 知奈美」

オトゥールにリードされながら、教室の中央にダンスしながら向かう。ゆっくりと、ああ何だか結構ダンスっていいかも……あ! 間違えてもあたしがオトゥールに見惚れているわけじゃ……

「行くよ」

そう言ってオトゥールは、あたしのわきの下を掴んだ。
「ああもうオトゥール!? みんなが見てるって」
次の瞬間、私は綺麗に天井に投げ飛ばされていた。
16OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:22:09 ID:qRMVzNyP
少しくすぐったかったが、それもすぐに吹っ飛んだ。って言うか天井ってこんなに高かったっけ?
軽く10mはあるけど、人間ってこんなに人を投げ飛ばせたっけ?
オトゥールは、中央の机から降り、それを蹴飛ばし飛び跳ねると、ローファーでタップを奏でながら、教卓に向かって真っ直ぐ進む。
クラスのみんなは息ぴったりといった感じで、机やいすを要領よく遠ざけ、オトゥールに道を作る。

タップが心地いい音色を奏で終わる頃には、オトゥールは教卓の真ん前にいた。
そして私もどんどん教室に落ちて行く。
だが、寸前のところで多賀屋が受け止めてくれた。
そして多賀屋は教卓に向かって直列に伸びたクラスメイト達の列に向けて、私を放り込んだ。

「うわぁああ???」

人の波に揉まれながら………

「って!! ああ誰か今あたしの胸揉みやがったなゴルァア」

そんなことを叫びながらも波は止まない。そして教卓に着くと、オトゥールは私に何か被せた。

「おめでとう。お目覚めワーストワン」

それは段ボールでできたティアラだった。

―――――

「いい加減起きなよ。知奈美」
「……んあ? オトゥール? あのミュージカルは?」

「涎拭きなさい。そして速やかに夢から覚めな」
「ごめんなさいね。乙さん。砂村さんを起こすの手伝ってもらっちゃって」

…教卓には佐々木さんがいた。

「佐々木さん……何でアンタがここに……」

そうだ、本当はあたしが佐々木さんと最初に会って……あれ?
あの後何があったのか…思い出せない。

「ちょっと砂村さんが起きるのに手間取ったみたいだけど、これで全員だね?」

それに……これ何だ? この首輪。何であたしやオトゥールや、皆に取りつけられているんだ?

「佐々木さん? そろそろこれが何の余興なのか教えてくれませんかね」
「そうだね。乙さん。簡単に言うと殺し合いをして欲しいんだ」

「こ…殺し合い?」

思わず、そうこぼしてしまった。あたしらしくもない。かなりうろたえた口調で。

「ふざけるのも大概にしろよ佐々木さん。悪戯にしては悪質過ぎないか?」
「だから何? これは悪戯じゃあないから悪質であってしかるべきじゃないかな?」
「ねえ薬師寺さん」

次の瞬間、佐々木さんは制服のポケットから何かのスイッチを取り出し、それを押した。
そして、次の瞬間小規模の爆発音と共に、血飛沫が舞った。
17OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:24:13 ID:qRMVzNyP
「私の私怨も兼ねてるけど……これであなたたちが私に従うしかないって…分かってくれたかな?」

「………!?」

血飛沫をモロにかぶった稲葉さん(稲葉美智 女子四番)は直後にパタリと倒れてしまった。

「……稲葉さんくらいならいなくてもいいか。どうせ説明と聞いても生き残れないと思うし」
「ちょっと佐々木さん!」
「そうですわね」

あたしの言葉を遮ったのは、一人の女子だった。
圧倒的な美しさと共に君臨し、何故こんな人があたしたちと同じクラスにいるのかと時々疑いたくなるくらいの存在…黒崎淳子(女子七番)。

「私はこんな臭い部屋にこれ以上いたくはありませんの。殺し合いでも何でも構いませんから説明をしてくれません?」
「ちょ……ちょっと待っ…」
「別にいいよね。黒崎さんの言う通り進めても」

誰も言い返さない。いや、言い返したら殺されるかもしれないという恐怖から、何にもしないでいるんだ。あたしも、正直この空気に“呑まれている”

「じゃあ説明するね」

【基本ルール】
全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
ゲームに参加するプレイヤー間でのやりとりに反則はない
プレイヤー全員が死亡した場合、ゲームオーバー(勝者なし)となる

【スタート時の持ち物】
プレイヤーがあらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収
また、衣服とポケットに入るくらいの雑貨(武器は除く)は持ち込みを許される
ゲーム開始直前にプレイヤーは開催側から以下の物を支給される
(ただし、最低限必要と思われるもの。取捨選択は各企画で判断)
 以下の物は「デイパック」などの鞄類、もしくはそれに類する持ち運び可能な物に詰められ支給される
「地図」「コンパス」「照明器具」「筆記用具」「水と食料」「名簿」「時計」「ランダム支給品」

「デイパック」→他の荷物を運ぶための小さいリュック。鞄などの類であればなんでも可
「地図」→ 大まかな地形の記された地図。禁止エリアを判別するための境界線と座標がひかれている
「コンパス」→ 安っぽい普通のコンパス。東西南北がわかる
「照明器具」→懐中電灯。
「筆記用具」→ 普通の鉛筆と紙。枚数は常識的な範囲で
「水と食料」→ 通常の飲料と食料。量は各企画の自由だが、目安としては通常の成人男性で二〜三日分
「名簿」→全ての参加キャラの名前がのっている、顔写真の有無については各企画で判断
「時計」→ 普通の時計。時刻がわかる。開催者側が指定する時刻はこの時計で確認する
「ランダム支給品」 → 何かのアイテムが入っている。内容も数量もランダム

【「首輪」と禁止エリアについて】
ゲーム開始前からプレイヤーは全員、「首輪」を填められている
首輪が爆発すると、そのプレイヤーは死ぬ
開催者側は、いつでも自由に首輪を爆発させることができる
この首輪はプレイヤーの生死を常に判断し、開催者側へプレイヤーの生死と現在位置のデータを送っている
24時間死者が出ない場合は全員の首輪が発動し、全員が死ぬ
(首輪は下手に無理やり取り去ろうとすると、首輪が自動的に爆発し死ぬことになる)
プレイヤーには説明はされないが、実は盗聴機能があり音声は開催者側に筒抜けである
(実際に盗聴されているかどうかは、各企画の任意で具体的な方法や、その他の監視の有無などは各企画で判断)
開催者側が一定時間毎に指定する禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する
18OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:25:45 ID:qRMVzNyP

「以上だよ」

うわあすげえテンプレルール……

「じゃなかった!! これって本気の本気なの!!?」
「しつこいなあ砂村さん」


「本当に決まってるじゃないか」

正直言って、薬師寺さんは普通の人と言う印象しか抱いてなかった。
高木が苛められていたなんて初耳だ。果たして本当なのだろうか。そこのところがよく分からない。
よく…………分からな…

そこで一旦あたしの意識は途切れている。

―――――――

「ねえ倫人? 今“クラスを消す怪人”を呼んだんだけどね。それがたった今発動したよ。」
「? “クラスを消す怪人”って何かって?」
「じゃあ倫人には七不思議のことについて最初から説明しようか」


【女子二十二番 薬師寺千秋 死亡】
【残り43人】
19OP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:27:35 ID:qRMVzNyP
【参加者】
1○赤坂湊 ○相川銀二
2○雨宮要 ○安藤東四郎
3○石田裕美 ○岡田清
4○稲葉美智 ○柿原稔
5○笛吹亜美子 ○金田五郎
6○乙流 ○君波凛
7○黒崎淳子 ○熊田雄二
8○郡尾舞佳 ○佐伯史郎
9−佐々木綾 −高木倫人
10○佐々里栄里 ○多賀屋倫太郎
11○東雲清美 ○谷江泪
12○志村恵 ○中田喜助
13○砂村知奈美 ○西宮草一郎
14○橘真 ○姫塚礼二
15○藤堂桐子 ○冬木敬三
16○中川歩 ○布袋流次
17○野村枝理 ○真鍋比呂
18○羽田智子 ○道煎知美
19○花崎ひめみ ○三塚顕一
20○藤木玲子 ○森川大輔
21○遊佐千景 ○柳原英二
22●薬師寺千秋 ○鷲尾優作
23○六道未紀 ○渡辺明

 A B C D E
1店 植 道 マ マ
2店 店 道 道 店
3店 家 家 道 店
4ビ 道 宿 ア ア
5道 道 家 家 家
6道 道 店 道 店

道=道路、店=商店街、マ=マンション、植=植物園
ビ=ビル群、ア=アミューズメントパーク、家=民家

1エリア半径1km
20 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 20:29:52 ID:qRMVzNyP
投下終了です。
未だ見切り発車ですが、最低でも週に一本は投下できるようにしていきたいですね……
21 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:47:43 ID:sb9HR7FK
OP投下乙です
何ともオカルトチックなスタートですなあ
続きが気になるところです

では慌ただしいですが、自分もNIKUロワの第1話を投下させていただきます
22ライダーと怪人とただの人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:49:02 ID:sb9HR7FK
とある森の中。一組の男女が、何やら白熱した様子で言葉を交わしている。
男の名前は小野寺ユウスケ。古代の戦士「クウガ」の力をその身に秘める、次元の旅人。
女の名前は黒井ななこ。何の因果か、指揮官として異世界の戦争に関わることになってしまった高校教師。

二人が意識を取り戻したとき、視認できる範囲にお互いはいた。
二人のスタート地点は、すぐそばだったのである。
当初、ななこはユウスケを大いに警戒した。
わけもわからず殺し合いに放り込まれ、その上目の前に見知らぬ人間がいれば当然の反応であろう。
そんなななこをユウスケはねばり強く説得し、どうにか信頼を獲得したのである。
元来、二人は共に善人である。一度打ち解けてしまえば、話が進むのは早かった。
ひとまず殺し合いに乗らないことを確認した二人は、まずお互いの簡単なプロフィールを伝え合った。

「えっ、それじゃあ黒井さんも異世界に……」
「ああ、小野寺君と違うて、いろんな世界を巡っとったわけやないけどな」

異世界への来訪。それはおよそ普通の人間ならば経験しないであろう稀な事柄である。
だが目の前の女性も、自分のように異世界に行ったことがあるという。
思わぬ事実に、ユウスケは驚きを隠せなかった。

「ほんましんどかったわー。ただの一般市民が、何十年も司令官として戦争やらされてたんやで?
 そんでようやくその戦争も終わりが見えてきたと思うたら、こんなことになって……。
 やってられへんちゅうねん」
「何十年も……? 黒井さん、今いくつ……」

思わず素朴な疑問を口にしてしまうユウスケ。だが、それはななこの逆鱗に触れる。
ななこは顔に笑みを貼り付けつつ、支給品の拳銃をユウスケの額に向けた。

「ユウスケく〜ん、女性に年齢の話をするのは野暮っちゅうもんやで?」
「……はい、ごめんなさい」

いかに人間を超越した力を持つユウスケでも、「変身」していない今の状態で脳天に銃弾を叩き込まれたらひとたまりもない。
彼は素直に、自分の非を詫びることにする。その謝罪を受けて、ななこもあっさりと銃を下ろした。

「そもそも、うちらがおった世界は特殊でな。うちらみたいによそから連れてこられた人間は、肉体的にも精神的にも歳を取らん仕組みになっとったんや。
 つまりうちはあそこで何十年も過ごしたとはいっても、まだピチピチの二十代なんやで?」
「いやあ、それでもピチピチというのには無理が……」
「何か言うたか?」

再び、銃口がユウスケに向けられる。

「いえ、なんでもありません」


◇ ◇ ◇


その後、話題はお互いの知り合いのことに移った。
名簿に載っている名前でユウスケが知っているのは、鎌田、弟切ソウ、アポロガイスト、花織ことはの四人。
その内ことはは異世界を巡る旅の中で出会った、志を同じくする正義の戦士だ。
だが残りの三人は、人類に害をなす邪悪な怪人たちである。
もっとも三人とも、ユウスケのパートナーである門矢士によって倒されたはずなのだが。
そのことがどうにも引っかかるユウスケだが、何らかの手段で生き返ったのだろうと考え深く追求することはなかった。
一方、ななこの知る名前は多い。彼女の所属する幸星党のメンバーであるこなた、かがみ、つかさ、みゆき、けざわ(この内けざわ以外は彼女の教え子でもある)。
同盟国である日本の中心人物、ハルヒ、キョン、長門、古泉、みくる、鶴屋、五十六。
そして敵対国の一員であった律子、ハルビン、ルーデル、ベリヤである。
23ライダーと怪人とただの人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:49:55 ID:sb9HR7FK
「あとはまあ、呂布とか曹操は歴史上の人物やからな。知ってるといえば知ってるわ。
 ほんまにうちらの世界の過去から連れてこられたか、異世界のそっくりさんかはわからんけど」
「多いっすね……」

予想外に多く挙がった名前に、ユウスケは思わず冷や汗を浮かべる。正直なことをいえば、全部は覚えられていない。

「まあたしかに多いわな。せやけど……全員が全員うちの知り合いと同一人物とは限らへんねやけどな」
「はい? どういうことですか?」
「今ちょっと言うたけど、異世界のそっくりさんってやつや。うちらが戦争やっとった世界には、うちらとは別の世界から連れてこられた連中もぎょうさんおった。
 その中には、『違う世界から連れてこられた同じ人間』が少なからずおったんや。
 いや、この言い方やとちょっとわかりづらいか……。
 具体例を出すなら、Aという世界から来た涼宮ハルヒと、Bという世界から来た涼宮ハルヒが同時に存在してたっちゅうこっちゃ」
「なるほど……」

ななこの言いたいことは、ユウスケにもよくわかった。
彼も自分の世界では既に亡くなっているあこがれの女性と、別の世界で再会したという経験があったからだ。
しかし顔や名前はそっくりでも、住む世界が違えばそれは別人だ。現に再会した彼女は、ユウスケの知る彼女とはまったく違う人生を送っていたのだから。

「だいいち最初にルールを説明しとった女の子も、うちらの味方のハルヒとは違う別のハルヒやった。
 名簿にはハルヒの名前が二つ載っとるし、少なくともこの場には三つの世界から来た涼宮ハルヒがおるっちゅう話になる」
「つまり顔と名前は知り合いと一緒でも、中身は別人ってこともありうるのか……。
 どうするんだよ、これ。これじゃ知り合いに会っても簡単には信用出来ないじゃないか」

頭を抱え込むユウスケ。だがそれとは対照的に、ななこは冷静である。

「まあ、そう悲観的になる必要もないと思うで。別人かも知れへんゆうても、まったく知らん人間に比べたら味方になってくれる可能性は高い。
 まずはそいつらとの合流を目指すべきや。最終的にはこのバトルロワイアルとやらをぶち壊すにしても、今はまだ具体的な手段は思いつかん。
 それやったら今は、知り合いを守ることを考えた方がええ。たとえ別人やったとしても、顔と名前が同じやつが殺されたら自分も気分悪いやろ?」
「それはもちろんですが」
「せやったら、迷うことはない。さっそく顔見知り探しに行くで。善は急げ言うしな」

ユウスケを促し、移動を開始しようとするななこ。しかし、そこに第三者の横やりが入る。

「ちょっと待った。その話、俺も乗らせてくれねえかな?」
「誰だ!」

夜の闇の中から聞こえてくる声に、ユウスケはすぐさま反応を見せる。
彼がにらみつける先には、一人の男が立っていた。
闇夜だというのにサングラスをかけた、いかにも怪しげな風貌の青年である。

「おっと、そう殺気立たねえでくれよ、兄ちゃん。俺はただ、たまたまここを通りかかって話し声を聞いただけなんだからな」

飄々とした口調で言葉を並べながら、青年は軽やかな足取りでユウスケたちに近づいていく。

「俺はベガ。ただのしがない墓荒らしさ。俺も殺し合いなんてもんはごめんなんでね。
 あんたらに協力させてくれよ」

友好的な言葉を続けつつ、ベガと名乗った男はさらに二人との距離を縮める。

「どうも変な感じがするな、あいつ……。黒井さん、とりあえず名簿の確認を。
 まずはベガって名前が本当にあるか確認して」
「わかった」

ユウスケに小声で促され、ななこはすぐさま名簿を取り出す。

「ベガ……。たしかに名簿に載っとる名前やな。せやけどなんや? 括弧して横に書かれとる、『タカロイド』っちゅうのは」
「!」
24ライダーと怪人とただの人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:50:41 ID:sb9HR7FK
ななこが何気なく口にした単語を耳にしたベガは、ピクリと眉をつり上げた。

「なんだよ、わざわざ名簿に書いてあるのか。余計なことしてくれるねえ。
 まあ書いてあるんだったら、隠してる必要もねえな」

口元を笑みの形に歪めるベガ。次の瞬間、ばさりと空気を叩く音が周囲に広がる。
音の発生源は、ベガの翼。
そう、彼の背中からは、黒く巨大な鳥の翼が生えていたのだ。

「俺のもう一つの名前は、タカロイド。BADANの改造人間だ」

翼を最大限まで広げながら、ベガは改めて名乗る。

「なんや、あれ……」
「……!」

予想外の展開に、動揺を隠せないななこ。その傍らで、ユウスケは眉間にしわを寄せる。

「お前……まさか大ショッカーの残党か! それなら、俺がこの手で……」
「落ち着け、兄ちゃん。大ショッカーとか知らねえから、俺。それに言ったろ? 殺し合いなんてごめんだってな。
 正体を隠してたのは悪いと思うが、あんたらと協力したいってのは本心だよ。
 それとも何か? 俺が化け物だってだけで殺すか? 人種差別なんてのは見慣れてるが、ここでは勘弁してもらいたいね」
「クッ……」

ベガの言葉に、ユウスケの戦意は削がれていた。ベガは間違いなく、今まで自分が葬ってきた異形たちに近い存在だ。
だが、化け物だからといってすぐさま悪と決めつけ殺害するのは正しい判断とは言えない。
それは人間と怪物<ファンガイア>の共存を目指した親友・ワタルへの裏切りにも繋がる行為だ。
相手が友好的な態度で接してくるのなら、こちらも友好的な態度に出るのが筋というものだろう。
たとえそれが、人にあらざる存在であっても。

「わかった。お前を信用する。だが俺たちを裏切るようなら、その時は……」
「わかってる。殺してもらってかまわねえぜ。まあ、そんなことはねえだろうがな」

ベガは、いったん止めた足を再び動かす。そしてユウスケの眼前で止まると、はめていた手袋を外して右手を差し出した。

「これからよろしく頼むぜ」
「ああ」

一瞬の間を置いたあと、ユウスケは差し出された手を自分の右手で握った。

「さて、いきなりだが……。おたくらどっちか、バイクの運転できるかい?」
「え? 俺は出来るけど……」

突然の質問に戸惑いつつ、ユウスケは素直に答える。

「そうか。それじゃあ都合がいい。これは俺からの、お近づきの印だ。受け取ってくれ」

ベガはユウスケたちから少し離れると、自分のデイパックに手を突っ込む。
そしてそこから、一台のバイクを取り出した。

「はあー、こんなでかいもんも入るんか。無茶苦茶なカバンやなあ」
「たしかに、俺もこれがカバンの中から出てきたときはさすがに驚いたぜ。
 でもまあ、便利だから別にいいんじゃねえの?」
「それもそうやなあ」
「いや、それでいいのかよ」

朗らかに笑うベガとななこに若干の呆れを感じつつ、ユウスケはさっそくバイクにまたがる。
25ライダーと怪人とただの人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:51:24 ID:sb9HR7FK
「じゃあ遠慮なく、このバイク使わせてもらうよ」
「おう。俺は後ろから飛んでついて行くから、置いていかれない程度のスピードで走ってくれ」
「大丈夫なんか? 鳥は夜目が利かんとかよく言うけど……」
「改造人間舐めるなよ、姉ちゃん。夜だろうが昼だろうが、俺の目は普通の人間以上に見えてるんだよ。
 こんなサングラスかけててもな」
「はー、そりゃすごいなあ」
「黒井さん、早いところ乗ってもらえます?」
「おお、すまんすまん」

ユウスケに促され、ななこはバイクの後部に腰掛ける。

「しかしこのバイク、前にどこかで見たような……。まあいいか。それじゃあ、出発しますよ」

かすかな疑問を感じつつも、ユウスケはバイクをスタートさせる。
勇猛なエンジン音を響かせ、バイクは闇の中へと走り出した。


◇ ◇ ◇


(しかし……。なんでこうなったのかねえ)

先行するバイクを追って飛行しながら、ベガはふと思う。
実を言えば、彼はこの殺人ゲームの行方などどうでもよかった。
なぜならば、ベガは一度死んでいるからだ。
エジプトにおける仮面ライダーV3との対決。それに敗れ、彼はたしかに死んだはずだった。
なのに彼は、こうして生者としてこの地にいる。
生き返ったことについて、ベガは特に喜びを感じなかった。
なぜなら、今更やりたいことなどなかったからだ。
バダンに対する忠誠心も、ゼロではない。しかし、自分ではもう充分組織のために働いたと思っている。
一度死んで、生き返ってまでバダンのために行動するつもりにはなれない。
家族に会いたいとも思わない。化け物に成り果てたこんな体で、今更どの面下げて会いに行けというのか。

だからベガは、最初に会った人間に自分の進む道をゆだねようと考えた。
何もしたいことがないのなら、他人のしたいことに付き合えばいい。ただそれだけの考えだった。
しかし今の彼の中にあるのは、そんな他力本願の考えだけではない。
ユウスケの顔を見たとき、思ってしまったのだ。こいつに協力するのも、面白いかも知れないと。

(なんで俺は、あいつにカザミの面影を重ねてるんだろうな……。顔も年齢も、全然違うっていうのに……)

風見志郎。自分を倒した男であり、自分が強く興味をひかれた男。
その姿を、ベガはユウスケの姿に重ねていた。しかしなぜそんなことをしているのか自分でもわからず、ベガは困惑する。

彼はまだ知らなかった。生まれた世界は違えど、ユウスケも風見と同じ「仮面ライダー」であることを。

仮面ライダーと、怪人と、ただの人。奇妙な三人組は、先の見えぬ暗闇の中を突き進んでいく。


【一日目・深夜/F-3・森】

【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】ハリケーン@仮面ライダーSPIRITS
【道具】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
基本:バトルロワイアルをぶち壊す。
1:ことは、ななこの知り合いと合流。
2:鎌田、弟切、アポロガイストは遭遇したら倒す。
※映画「オールライダー対大ショッカー」終了後からの参戦です。
26ライダーと怪人とただの人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:52:23 ID:sb9HR7FK

【黒井ななこ@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
【状態】健康
【装備】ジョナサンの銃@犬マユゲでいこう
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:バトルロワイアルをぶち壊す。
1:幸星党&SOS団のメンバーと合流。
※南米でアメリカ連邦と交戦している時期からの参戦です。


【ベガ(タカロイド)@仮面ライダーSPIRITS】
【状態】健康、半怪人形態
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:バトルロワイアルはどうでもいいが、今はユウスケたちに協力
※死亡後からの参戦です。


※キャラ紹介
【小野寺ユウスケ@仮面ライダーディケイド】
「クウガの世界」出身。仮面ライダークウガに変身する青年。
自分の世界を訪れたディケイド(士)と共闘したあと、キバーラによって「キバの世界」に連れて行かれ士と再会。
それ以降は士たちの旅の仲間として、共に異世界を巡ることになる。
当初はひねくれたところがあったが、士と行動するようになってからは素直なお人好しとして描かれることが多くなった。
ちなみに公式には「準主人公」と設定されているのだが、その割には作中の扱いが悪く、ファンからよくネタにされている。


【黒井ななこ@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
こなた達の担任教師。出典動画ではこなた達と共に異世界に飛ばされ、幸星党の一員として行動することになる。
実は国家首班という重要ポストに就いているのだが、もっぱら陸軍司令官としての活動の方が描写されている。
ちなみに961プロの社長でもある。
序盤は空気気味だったものの、中盤以降はあやの、みさおらと共に快進撃を見せることになる。
なお結婚願望が強くなっているぐらいで、他のキャラと比べるとキャラ崩壊は少ない。


【ベガ(タカロイド)@仮面ライダーSPIRITS】
バダンの改造人間。
墓荒らしの家系に生まれ、家族の生活の保障と引き替えに自らの体をバダンに売った。
エジプトの改造人間製造プラント「黒いピラミッド」から改造人間を回収するという任務において、行方不明になった調査隊の捜索に来ていた風見=V3に遭遇。
正体を隠して同行するが、最終的には戦闘に。V3マッハキックで体を両断され、死亡した。
その言動から見るに、風見のことはそれなりに気に入っていたようである。


※支給品紹介
【ハリケーン@仮面ライダーSPIRITS】
仮面ライダーV3のバイク。時速600km、出力300馬力。

【ジョナサンの銃@犬マユゲでいこう】
No.22で石塚がプレイしたゲーム、「ポリノスーツ」の主人公が使う拳銃。
銃弾が切れても付属の△ボタンで補充できる素敵仕様になっている。
27 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/21(土) 20:53:57 ID:sb9HR7FK
投下終了です
ラジオに間に合わせるために急いで書いたので、誤字脱字があっても笑って許してもらえると助かります
28創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:17:37 ID:6d8s8+tC
29 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:40:03 ID:XAdxXoiG
えーと、創作発表板バトルロワイアル一話「小鳥遊雄一郎は炎術剣士と遭遇する」投下します。
登場するキャラ
小鳥遊雄一郎、新堂まなみ
30創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:41:12 ID:XAdxXoiG

「殺し合え、って言われてもなぁ」

そんなの死刑宣告じゃないか、と口に出さずとも俺、小鳥遊雄一郎は森を歩きながら考えた。
こちとら和穂みたいに体力ある訳でも無いんだっつーの。マジで波動の力に目覚める勢いだ。

「しかしだからといって殺し合いに乗らなくて脱出すんのは無理だろうしなぁ」

だが現実的に考えて波動の力に目覚めて覚醒して大活躍なんつー訳にもいかんし、まずはセオリーに、知り合い探してみるとすっかなぁ。

「よし、じゃあ行動かい…!?」

あれ、気のせいか?
遠く見たらなんか刀持ってる長いストレートの人がこっち来てる気がする…いや絶対来てるなこれ。
しかも、オーラみたいなの纏ってるしさ、あんなん殺る気満々じゃあねぇか…って、そんな問題じゃないな。

「ひとまず隠れるのが一番だな…」

そう言うと俺は言葉通り草が生い茂った場所へ急ぎ、なるべく最大限まで身を屈め、刀持ってる奴を見る。
目をこらすとそいつが見えてきた。
顔立ちは美人、と呼べる。女だった。
スタイルも良いし、おそらくモデルか、そんな感じの職業の理想的なプロポーションだ。

31 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:42:32 ID:XAdxXoiG
(…でも、だからといってあいつが無害って訳じゃないしな)

そして俺はそいつが早く過ぎ去ってくれるのを待つ…
三秒………五秒………と、たった一秒でも長く思える時間。
いかに自分が時間を無駄に使っているか、分かった気がしないでもない。
そしてそんな中、体内時計は一分を示した時、俺は顔を上げた。

「…行ったか?」

前を見る。
生憎あの女は居ないようだった。
つまりは、一応危機を回避出来たという事だ。

「はぁ…セーフと言えばセー…」
「動かないで」

ぴたって音が首筋から聞こえ、それと同じくして肌に伝わる、首輪よりも冷たい刃物の温度…。
…流石に終わったかも分からんな…

「えっと…今から私が言う事にはいかいいえで…」
「…降参だよ。死ぬのはこえぇし、未練が無い訳じゃねえけど、これがルールだったらあがかないし」
「…いや、私は」
「未練は残したくないし、辞世の句だとか言った訳だし、出来ればそのままずばん、って感じで…」
「ち、違うよ!別に私はそういう訳じゃないんだよ!」

…!?
え、これってもしや、殺し合いに乗ってない奴だったりする?

「え、じゃあ…殺し合いには」
「乗ってる訳が無い!」
「…」

じゃあその刃物を下ろせ、という前にこいつはおそらく先程のを見る限り強い。
戦いなんていうのにはズブの素人の俺でも普通は直前に感付くもんだが、まったく気づかないって言うんだ。
和穂と同じ、忍者の子孫か何かなんだろうか?
まぁ何はともあれ…良いか。


「つーか…本当だったら刀早く下ろせ」
「あ…ごめん、刀下ろすね」

野暮な考えの途中に、女の出た言葉。そして同じくして、俺の首筋の冷たさは無くなった。
そして、俺が振り向くと…

「もう一度言うけど…ごめんなさい!」

頭を下げる髪がロングの美人が、そっくりそのまま立っていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

32 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:43:12 ID:XAdxXoiG
「まぁ別にこの場な訳だしなよくある事だ。気にとめんな」
「うぅ…でも…今更考えると…」
「いんや、良策だと考えていいと思うが」

自己紹介を終え、俺と女二人は、先程俺が隠れていた場所に、腰を降ろしていた。

「…えーと、新堂まなみだったか」
「う、うん」

この女は新堂まなみというらしく、予想通り殺し合いには乗らない、いわば「脱出派」だった。
しかもまなみいわく、自身は炎術剣士なるもので、悪の組織と戦っているらしい。
そして今から最終決戦なんつーもんをするという時に連れてこられたらしい。
しかし…だ。
まなみから聞いた話によると、そこそこ、というか有名人らしい。
そりゃあ怪人なんかと戦えば、まなみは有名人だろう。
だが…俺の世界に怪人なんて奴は居ない。(怪人らしい奴は居るが)つーか居るはずが無い。
だから、まなみ達炎術剣士なんつーもんは存在しないんだが…

「それはおかしいよ!いくらなんでも、名前くらいは知ってるだろうと思うし」

って、頑として譲らない訳だ。
まなみ達が俺より遠くの都会から来てるとして、俺が住む場所が比較的田舎だったとしても、ニュースで見るくらいはするはずなんだが………

「とりあえずこれじゃ埒があかないし…一旦保留にするとして…雄一郎くん、一つお願いがあるんだけど」
「…なんだよ?」

そう言うとまなみはおそらくあらかじめ入れておいた地図をポケットから取り出し、おもむろに広げ始める。

33 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:44:15 ID:PoDsirKQ
ラジオを聞きながら投下するんだぜ!
感電さんお疲れ様です!鼻風邪大丈夫ですかね?
文章練習ロワダイ3話、伊達スバル、霧夜エリカ投下します。
34 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:44:50 ID:XAdxXoiG
「今私達が居るのはこのA-2の森。こっから中心地は近い訳だよね、だから…」
「人が居るだろうからそこに行きたいってか?」
「そういう事だね」

…また難しい話だな。
確かにまなみの言い分は分かる。
中心地に行けば同じ考え持つ奴とかが居るかも分からんし、知り合いにも会えるかもしれないしな。

「でもなぁまなみ…仮に殺し合いに乗ってる奴と会ったらどうすんだよ、その炎術とやらで倒すのか?」
「…相手が戦うつもりだったらだけど」
「…はぁ」

まぁ…今さっきのを見ても、普通に強いんだろうし、生き残る可能性はあるが…

「でも俺はどうすりゃ良いんだ。お前に守ってもらうのか?」
「う、痛いとこ突くね…でも、でも雄一郎くんだって、会いたい人とか居るんじゃない?」
「会いたい人…か。会いたいって訳じゃないが…一応居ると言われたら居るな」
「そ、それに私は強いし、雄一郎くんや会いたい人とかを守るくらいは出来るよ?」

…いや、それ以前の問題だろう。

「あのなぁ…そういうのは仮定の段階だろ?絶対に守れる訳でも無いし、最悪二人一緒にオダブツなんだってあるんだからな」
「…でも!」
「あぁ、じゃあこうしようぜ」

そう言って俺はまなみに提案の内容を話す。

「お前はこのまま中心地、俺はこのまま東に行く。そして互いに生きてたら、この地図にあるC-3の城に行く…朝になっても来ないなら、そっからは単独行動っていうプランなんだが、どうだ?」

と、俺はまなみの顔を覗きこむように尋ねる。
一方のまなみは少し考えた後、結論を出した。

「分かった。雄一郎くんの言う通りにするよ」

その言葉に俺は「助かる」と一言呟く。
だがまなみは「あ、でも…」と気がついた様に俺に聞く。

「もしその城が禁止エリアになったらどうするの?そうしたらその約束が…」
「そうだったなら、その近くにあるC-4の学校の校門前に行く。
学校の中よりか、校門前のが良いだろ」
「…うん、分かった」

おうむ返しする様子も無く、まなみはディパックを持ち直し、俺に向かい直す。

「じゃあ…私は先に行くよ。雄一郎くん、ありがとね」

「いや構わねぇよ」と俺はまなみに対して平坦な返事を返し、まなみの小さくなっていく後ろ姿をただ見る。
辺りの闇は更に深みを増すばかりで、すぐに見えなくなるであろう背中が、何を語るかはまだ分からなかった。

【A-2/森/深夜】
35 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:44:59 ID:PoDsirKQ
きゃー、割込みすんません!
36創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 21:45:43 ID:XAdxXoiG
【新堂まなみ@魔女っ子・変身ヒロイン創作スレ〈炎術剣士まなみ〉】
【状態】健康
【装備】エレナの長刀@学園同士で戦争するスレ
【持物】基本支給品、不明支給品0〜2
【思考・行動】
基本思考:殺し合いを止め、脱出する。
1、襲ってきたら相手になる。
2、雄一郎くんとの約束を守る。
3、身内や友達が巻き込まれてないか不安。
※名簿を見ていません。
※最終決戦間近よりの参戦。
【小鳥遊雄一郎@学校を創りませんか?】
【状態】若干のダル気
【装備】手ぶら
【持物】基本支給品、不明支給品0〜3
【思考・行動】
基本思考:殺し合いには乗らない…
1、まなみとの約束を守る。
2、和穂とかが心配だな…
※名簿を見ていません。

37 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:46:35 ID:XAdxXoiG
投下終了。
そして地図…
ABCDEF
1山森道庫原森
2宿デ原庫原原
3川園喫原原墓
4川川校病博博
5城城校湖博泉

山→山
森→森
道→道
原→平原
川→川
宿→ホテル・宿屋
デ→デパート
庫→倉庫
園→公園
喫→喫茶店
墓→墓地
病→病院
校→学校
博→博物館
城→城
湖→湖
泉→温泉
38 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:48:45 ID:PoDsirKQ
もう大丈夫かな?投下します。
39 ◆48CI6tENdQ :2009/11/21(土) 21:48:46 ID:XAdxXoiG
えー、支給品説明は少し後にします…
それと書いてた時に小鳥遊は脳内で杉田だった。
昔見たあのスレでの声優予想の影響である。絶対。
まなみは書きやすい。そして地味にチート。
40それでも生きたいから ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:53:00 ID:PoDsirKQ
月明かりが僅かに照らす深緑の森。
そんな森に似つかわしくないは金属音が鳴り響く。
音の発生源は二人の人間。
一人は剣を。
一人は刀を。

剣の担い手。
鮮やかな赤い長髪を後ろで束ね、顔立ちはどこかのアイドルグループに入っても遜色が無いといえる。
伊達スバル。
対馬ファミリーの兄貴分的な存在だ。

刀の担い手。
さらさらの金髪のポニーテール。
顔立ちは端麗。スタイルも道行く男性が振り向くほど抜群である。
霧夜エリカ。
竜鳴館学園の生徒会長を務める人物である。

この二人は同じ生徒会に属し、クラスメートでもある。
そんな二人がなぜ剣劇を繰り広げているのか。

「ふっ!いきなり後ろから襲い掛かるとはぁ……姫も落ちたもんだな!」
「あら、これはヴァーリートゥードゥ。何でもありなのよ。
 文句を言われる筋合いは無いわよ!」

スバルの剣が、エリカの刀が、相手を斬り殺そうと縦横無尽に駆け巡る。
振り下ろし。突き。薙ぎ払い。袈裟。逆袈裟。
剣劇を舞うかの如く。空中に白金の筋が幾多の線を描く。

「私はまだまだ生きたいの。やりたいことだってたくさんあるしね。
 だから乗った。どう?当然よね?誰だって死にたくないんだもの」

生き残りたい。
エリカが乗った理由はそれだけ。
乗った方がが早く帰れるから。
上段から振り下ろされたエリカの刃をスバルは軽くいなす。
だが、即座にエリカは横一閃にスバルの首を刈り取ろうと刃を奔らせる。
41それでも生きたいから ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:53:51 ID:PoDsirKQ

(っ!やっぱ手強いわ!姫は!)

だがスバルとて負けてはいない。
エリカの横一閃に放たれた刃をしゃがんでかわし、下段から剣を振り上げる。
エリカは予測していたのか素早くバックステップでかわし体勢を整える。

「ねぇ、伊達君」
「何だよ。いまさら見逃してくれとでも言うのか、姫!」
「まさか!そうじゃない……どうして乗らないの?」
「はぁ?」

突然のエリカの一言に怪訝な表情を浮かべるスバル。

(何言ってんだ?俺が乗る?ありえねぇだろ。俺にレオ達を殺せるわけがねえ)

伊達スバルに仲間は裏切れない。
これは純然たる真実。
決して変わらない。
例えどんなことがあっても。



「守りたい人のために乗るっていう選択肢は無かったの?」



スバルの顔が凍る。
そんなスバルを追い詰めるかの如く淡々とエリカは喋り続ける。

「対馬ファミリーを守るために乗るとか……そういうこと考えなかった?」

放つ。放つ。言葉の刃を。
その刃を受けスバルは――――

「そうだな……考えたさ。だがな……」
42それでも生きたいから ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:54:54 ID:PoDsirKQ



「あいつらはそんなことをされて喜ぶ下種じゃねぇんだよ」



スバルの反論は続く。

「舐めるなよ、姫!てめぇみてぇにバカな奴らじゃねぇんだよ!!
 レオだって、カニだって、フカヒレだって!!」
「そう……もういいわ。別に私のことなんてわかってくれなくて構わない。だから……」

空気が静まる。冷たい風が一陣吹く。



「さっさと死ね」



そして再び始まる剣劇。
鳴る。鳴る。鳴る!静寂の森に金属音が。
互いの白金の刃が火花を散らす。
一見、互角そうに見えるが。

「……っ!やっぱり厳しいわね!」
「そう簡単に殺れると思うなよ!」

スバルにはまだほんの少し余裕がある。
エリカにはもう余裕が無い。
持久力の差。
陸上部にも所属しているスバルとではさすがにきつい所もあるだろう。

「仕方ないわね、一度撤退させてもらうわ」
「自分から仕掛けておいていい御身分じゃねぇか……悪ぃけどここで終わりだ、姫!」
43それでも生きたいから ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:57:33 ID:PoDsirKQ
「これを受けてもそう言えるかしら?」

即座にスバルから離れ、エリカが懐からナニカを取り出してスバルに投げつける。
その正体は……!

「な……!」

爆発。
深夜の森に軽い炸裂音と閃光が迸る。
閃光弾。
光が二人を包み込む。

「じゃあね、伊達君。お互い生きてたらまた会いましょう。……次は覚悟しておきなさいよ……」

そう言ってエリカは夜の帳に消えていった。



 ◆ ◆ ◆



「姫が殺し合いに乗るとはな……」

数分後、スタングレネードの影響が薄れたスバルは視界が戻っているか確認していた。

「今の姫とレオ達が会ったらやべぇ……騙されて後ろから殺られちまう……!
 俺がレオたちを守るんだ……!」

友人を守る。
ただそれだけでいい。
あの聖域を。
無くさせはしない。
44それでも生きたいから ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:58:26 ID:PoDsirKQ


【C-05/一日目・深夜】

【伊達スバル@つよきす】
【状態】健康
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、サーベル、不明支給品0〜2
【思考】
0.とりあえずは乗らない
1.どこに向かうか?
2.対馬ファミリーとの合流最優先。他はどうでもいい。


「情けないわね……自分から襲っておいて逃げるなんて」

一方、スバルから逃げたエリカ。
悔しさが顔にありありと出ている。

「次は……こんな無様な真似はしない。見的必殺、サーチアンドデストロイよ!」

生き残るため。
ただそのためだけに乗る決意をしたエリカ。
だけど。

(……よっぴー……私は……)

この島にいる大事な親友。
その大事な親友に会ってもなお殺す決意は揺るがないのか。
それは――

【C-04/一日目・深夜】

【霧夜エリカ@つよきす】
【状態】肉体疲労(小)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、打刀、不明支給品0〜2
【思考】
0.生き残るために殺し合いに乗る
1.容赦はしないわよ。
2.……よっぴー……

【サーベル】
昔、軍隊でよく使われていた。ちなみにこのサーベルは直刀である。
【打刀】
日本刀。それ以上でもそれ以下でもない。
45 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 21:59:07 ID:PoDsirKQ
投下終了。
ラジオ頑張って下さい!
46 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 22:00:50 ID:PoDsirKQ
あ、後投下乙です。
この二人はまた合流できるかな?
47 ◆JMmC.oE5/6 :2009/11/21(土) 22:04:23 ID:PoDsirKQ
修正です。

【C-04/一日目・深夜】

【霧夜エリカ@つよきす】
【状態】肉体疲労(小)
【持ち物】 ディパック(支給品一式)、打刀、不明支給品0〜2
【思考】
0.生き残るために殺し合いに乗る
1.容赦はしないわよ。
2.……よっぴー……

【サーベル】
昔、軍隊でよく使われていた。ちなみにこのサーベルは直刀である。

【閃光弾】
そのまんま。目くらましに使える。

【打刀】
日本刀。それ以上でもそれ以下でもない。
48 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 23:21:44 ID:qRMVzNyP
投下します
49AP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 23:22:25 ID:qRMVzNyP
「殺し合いとな。いいだろう」

この華奢な男。中田喜助(男子十二番)は、鏡の前で自慢げな表情をうかべ、ポージングを取っていた。

「ぬぅ……わが肉体美をわが眼に焼き付けるにはこの服は邪魔となる………」

「ええい!! 脱いでしまおう!」

中田は、何のためらいもなく、制服を脱いだ。それも、よくアニメや漫画であるような、マントを外すときのような派手なアクションを伴ってだ。

「ふははははははは!!! ひれ伏せ! われの肉体に無駄などはない」

彼は、(何故か)パンツ一丁にまで身ぐるみを自ら剥いでいた。
中田に何が起こったのか?何故骸骨を髣髴とさせるほどに細い肢体を、晒してここまでいい気になっていられるのか?
その答えは、やはり肉体にあった。

「二年間! この肉体を得るのに要した期間だ!!」

自分語りもいいところであるが、彼は尚も語りをやめない。

「われ鍛える! 故にわれ在り………………ふぅ…いい汗をかいたな」

そもそも部屋は電気が点いている(中田が点けたのだ)。これではこのゲームに於いてあまりにも不利ではなかろうか?
だが中田は、それでも自らの“肉体”に絶対の自信を持っていた。


彼は風呂場の衣装籠にブーメランのようなパンツを投げ入れると、鼻歌を歌いながらガラス戸を開け放つ。
彼の肢体は確かに細い。だが、よく見れば、それは極限まで絞られた筋肉質とも取ることができた。
彼の身体の汗を、上から順にシャワーの湯が洗い流す。

「ふははははは………こいつはいい」

無論風呂場の電気も点いている。本当に襲われかねない状況だ。だが彼はそれすらも“鍛錬”と考えている。
彼が何を思い立ち、この2年の鍛錬を耐えぬいてきたかは及び知るところではない。と言うか知りたくない。

だが、彼は結果として得たのだ。究極にまで絞り込まれた筋肉質を。

「まだまだ鍛え足りんぞ!! 隙だらけだ!! 喉首を掻きに来い!! 返り討ちにしてくれるわ!!!」
50AP ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 23:23:51 ID:qRMVzNyP
「…………うわぁ…どうしよう。あの中田が近くにいるっスよ……」

皮肉なことに、すぐ隣の部屋の小柄なデコ少女。遊佐千景には丸聞こえであった。

「……」
「まあ中田だしいいか……さて、ここにはパソコンがあるっスね…」

地誇夏の得意分野。それはこのパソコン。パーソナルコンピューターの略である。

彼女がしようとしている行為。それは何か?
彼女がノート型のパソコンを手に取り、電源を点けた。

「ひっそりブログを更新するとしまっスか……」

彼女の目的。それはブログ更新だ。当面の間、静かにしていればやり過ごせる。
彼女はそう思っているのだろう。


【一日目・深夜/E-1 マンション2階の一室(202号室)】

【男子十二番 中田喜助】
【状態】健康、全裸
【装備】無防備
【道具】なし
【思考】
基本:参加者を血祭りにあげる
0:自分の肉体でのみ相手を追い詰め殺害する
※中田の支給品は全て202号室の中に放置されています(中田はこれを使う気はありません)

【一日目・深夜/E-1 マンション2階の一室(203号室)】
【女子二十一番 遊佐千景】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、ランダム支給品×1〜3
【思考】
基本:中田から逃げる
0:へ……変態だ!! 変態がいる!!!
1:だがまずはブログ更新じゃあ!!
51キャラクターテンプレート ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 23:26:13 ID:qRMVzNyP
【名前】砂村知奈美(すなむら ちなみ)
【性別】女
【身体的特徴】常に前髪を上げているため、デコは広め
【性格】人の話は聞かないが、KYではない。寧ろ空気を読む能力はかなり高い
【趣味】敢えて空気を読まずに場を掻き回す
【特技】場の空気を読む、チョークスリーパー、早起き
【経歴】両親は共に相手の事を心の底から嫌っている倦怠期の夫婦。 だが、空気を読み続けることで普通の夫婦生活を維持している。
そのことが知奈美の性格にも深く影響している。

【名前】乙流(きのと ながれ)
【性別】女
【身体的特徴】背が高くやや大人びた顔付き。やや緑色掛かった青色の瞳
【性格】厳格な性格で他人にも自分にも厳しい
【趣味】映画鑑賞、ランニング
【特技】反復横跳び
【経歴】一時交通事故に遭い、視力を失うが数カ月後の手術により回復。
【備考】愛称はオトゥール(本人非公認) 元卓球部部長。
ちなみに、瞳の色が青色なのは幼少期の交通事故による影響

【名前】君波凛(きみなみ りん)
【性別】男
【身体的特徴】中性的と言うよりも女にしか見えないような外見。かなり美人
【性格】常にオドオドしている弱気な性格
【趣味】女装
【特技】特になし
【経歴】過去に何度か同性に強姦されそうになったことがあり、その影響で男性恐怖症に

【名前】多賀屋倫太郎(たがや りんたろう)
【性別】男
【身体的特徴】背は高く骸骨のような体型だが、かと言って不細工でもない。前髪が異様に長く左目が完全に隠れている(靡いた時、たまに見える)
学生とは思えないほど渋い声で喋る
【性格】そのおどろおどろしい外見に似つかず、協調性に富み可愛い物好き
【趣味】ストラップ収集
【特技】早食い
【経歴】外見のことで酷い目に遭った事は意外な事に今まで一度もない

【名前】野村枝理(のむら えり)
【性別】女
【身体的特徴】髪を金髪に染めている。背が高く巨乳
【性格】我が強い。自己中心的。一切妥協しない頑固者
【趣味】歌を歌う事
【特技】歌
【経歴】合唱部所属だが、常に目立ちたがる性格ゆえにほかの部員とは不仲

【名前】黒崎淳子(くろさき じゅんこ)
【性別】女
【身体的特徴】非常にさらさらな黒髪。背はすらっと高く巨乳。透き通るような白い肌
【性格】冷淡で協調性は皆無。一方的に自分をライバル視する西宮は、既に無い者として扱うほど達観した人生観の持ち主。空気は読める
【趣味】特になし
【特技】何でもできる
【経歴】生まれてこの方努力という行為をほぼ全くしてこなかった天才中の天才。
学年の美少女ランキングは1位。
52キャラクターテンプレート ◆hhzYiwxC1. :2009/11/21(土) 23:28:42 ID:qRMVzNyP
【名前】遊佐千景(ゆさ ちかげ)
【性別】女
【身体的特徴】デコが広い。小柄
【性格】やや粘着質の気があり、人の弱みを握るのが得意
【趣味】色々なジュースを混ぜて飲む、ブログ
【特技】コンピューター操作、情報収集
【経歴】2年前に大企業のメインコンピューターにハッキングした過去を持つ

【名前】中田喜助(なかた きすけ)
【性別】男
【身体的特徴】華奢な体型に見えなくもないが、実際は極限まで無駄のない肉体の持ち主
【性格】自分に対して非常に厳格であり、同時に強烈なほどナルシストでもある
【趣味】鍛錬
【特技】早口言葉
【経歴】ある日突然、何を思い立ったのか鍛錬を始め、2年を費やして今の肉体を手に入れた




さて、投下終了です。
53 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:33:58 ID:eKbmaFDO
ラジオで大盛り上がりなこの時に俺オリロワ第六十八話投下します!
54何もかも、何もかも ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:36:07 ID:eKbmaFDO
F-3にある玉堤家で、朱雀麗雅と高原正封は休息を取っていた。
後数十分もすれば、第二回放送が始まる。その時まではこの民家にいるつもりでいた。
それに、二人共長時間足場の悪い山道を歩いていた事により、疲労がかなり溜まっていた。
特に体力に恵まれていない正封は、今は台所のテーブルに座り食事を取っているが、
余り食欲が無いのか食べるスピードがかなり遅い。

麗雅はこの平屋建ての民家の中を探索していたが、
今持っているバタフライナイフよりマシな武器になりそうな物は見付からなかった。
可能であれば刀剣類が欲しかったが、普通の民家にそんな物騒な物が置いてあるはずも無い。
民家の中はかなり薄暗かった。電気は通ってはいるようだが、迂闊に点ける訳にはいかなかった。
もしすぐ外に殺し合いに乗っている参加者がいたら、
わざわざ「私はここにいます。殺して下さい」と、存在を誇示してしまう事になる。
不便だが、電気は点けない方が安全だと、麗雅は判断したのだ。

「暗くなってきましたね。当たり前か、もう夕方の5時過ぎてるもんなぁ」
「そうね……今、何人生き残ってるのかしら」

壁に掛けられた時計を見つめながら、麗雅が考えるのは現在何人の生存者がいるか、という事。
昼の時点で23人脱落、ならば現在は? もしかしたら10人を切っているのかもしれない。
そうなると果たして数少ない生存者の中に脱出を模索している者がいるかどうか。
それに――。

(勝憲に、美琴ちゃん、まだ、生きてるかしら)

この殺し合いに参加させられている、自分の知人二人。
昼の時点ではどちらも生き残っていたらしいが、果たして今も生きているのだろうか。

(どっちも簡単には死なないとは思うけど……もうゲーム開始から半日近く経過しているし……。
もしかしたら、もう二人共……)

そこまで考えて、麗雅は思考を一旦止める。

(いや、悪い方向に考えるのはよそう。第二回目の放送まで後少しなんだから、
その時になれば分かる事よ)
「どうか、したんですか? 朱雀さん」
「ん? ああいやいや何でもないわ。こっちの事」
「はあ……」

考え込んでいる麗雅の顔を見て心配する正封。

(多分、知り合いの二人の事考えてたんだろうな……)

麗雅の二人の知り合いがこの殺し合いに呼ばれているという事は、正封は麗雅本人から聞かされていた。
昼の放送で二人の名前が呼ばれる事は無かったが、次の夕方の放送でまた呼ばれないとは限らない。
きっと麗雅は今にでも、二人を探しに行きたいのだろう。
確かに麗雅は二人を探したいと言う気持ちはあったが、
同行者である正封を自分の都合で危険に晒す訳にもいかないとも思っていた。
55何もかも、何もかも ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:39:37 ID:eKbmaFDO
「高原君は気にしなくていいのよ」
「は、はい……」

麗雅が笑顔で正封に言った。ただでさえ精神的に疲弊しきっている正封に、
これ以上余計な精神的負担をかけさせたく無いという、麗雅なりの優しさでもあった。


二人がいる民家の裏で、中から微かに聞こえる会話に聞き耳を立てる者がいた。
その者は民家の中に他参加者がいる事を確信すると、ニヤリと口元を歪めた。
手にした短機関銃を愛おしそうに擦り、ゆっくりと勝手口へと近付いていく――。


「俺、トイレ行ってきます」
「はい、いってらっしゃい」

正封が立ち上がり、トイレへと向かって行った。
台所には麗雅一人。トイレの方で扉の開閉音が聞こえた以外は時計の音が響くのみ。

「はぁ……何だか疲れたなぁ……」

流石の麗雅も疲労の色を隠せない。
二回程殺されかけた上に山中を走り回ったり歩き回ったり。
テーブルの上で頬杖を突いて、うとうととまどろみ始めてしまう。
恐らくこの時ばかりは、周囲に対する警戒心が薄れてしまっていたのだろう。
台所の勝手口が音も無く開き、侵入してきた男に気が付かなかった。
普段の彼女ならば、男が侵入してくる前に、気配で気が付いただろうに。

「――ッ!?」

そして、気が付いた時にはもはや手遅れであった。
麗雅が抵抗する間も無く、男――高野雅行が持つM3が火を噴き、放たれた無数の弾丸が椅子に座っていた麗雅の身体を穿つ。
被弾した衝撃で椅子ごと後ろにひっくり返り、麗雅は天井を仰いだまま動かなくなった。
身に付けていた赤を基調とした着物が、麗雅の鮮血により更に赤の色を付け足され、
赤を通り越してドス黒く変色していた。


雅行は獲物を求めて市街地を歩き回っていたが、またしても他参加者が見付からなくなり、
再び苛立ちと不快感を募らせていた。
まだ四人しか殺していない。これでは足りない。もっともっと殺したい。
殺人に忌避感も罪悪感も抱かない異常な思考で、雅行は市街地を徘徊していた。
そして「玉堤」と表札が掲げられた平屋建ての民家の前を通り掛かった時。
56何もかも、何もかも ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:41:33 ID:eKbmaFDO
「……?」

微かに民家の中から、人の声のような音が聞こえた。
最初は空耳かと思ったが、念のためよく耳を澄ましてみると、明らかに人の話し声のようなものが聞こえる。
民家は玄関からガラス戸に至るまでカーテンが閉め切られており中の様子は伺い知れない。
玄関もガラス戸も鍵が固く閉ざされており、開ける事は出来ない。
雅行は姿勢を低くし、足音を立てないようにして民家の裏手の方へ回る。
すると、裏口の近く、ガスボンベが設置されている台所の裏手まで来た辺りで、
その声ははっきりと明瞭に聞こえてくるようになった。

いる。確実に、最低でも二人はいる。

雅行は歓喜した。遂に次の獲物を見付けた。


そして今、中にいた赤髪の女性を撃ち殺した。
この女性だけでは無いだろう、もう一人いるはずだ。

「朱雀さん!? 一体どうし――!?」

突然の銃声に驚き、用を足し終えた狐の青年が台所に駆け戻ると、
そこには短機関銃を構えた闖入者の姿が。モミアゲを長くした、黒髪の人間の青年だ。

青年が正封に向けて何の躊躇も無く短機関銃――GM M3を掃射し、
無数の弾丸をその身に受けた正封は、悲鳴を上げる暇すら無かった。
大量に吐血し、その場にうつ伏せに崩れ落ちる。
雅行はうつ伏せになったまま動かなくなった正封を見下ろしながら、M3のマガジンを交換する。
愉悦から来る笑みを浮かべながら、雅行は今殺害した二人が持っているはずのデイパックを探すため、
正封に背を向け、台所の奥にある和室へ向かおうとした。

「!!」

そこで背後から殺気を感じ、振り向く。

雅行の喉を、千枚通しの針が貫いた。

千枚通しが突き刺さった喉元を押さえ、ごぼ、ごぼ、ごぼ、と口から赤い液体を溢れさせ、驚愕の表情を浮かべながら、
雅行は障子戸を巻き込みながら仰向けに倒れ、しばらく声にならない呻き声を上げた後、
完全に動かなくなった。
57創る名無しに見る名無し:2009/11/21(土) 23:42:06 ID:mlveklel
 
58何もかも、何もかも ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:42:42 ID:eKbmaFDO
何十人もの人命をその手にかけた冷酷な殺人鬼の人生の幕切れは、何とも呆気無く訪れた。

「ざまあ……みやがれ……」

全身血塗れの正封は、闖入者が完全に動作を停止した事を見届けると、
糸の切れた操り人形のように、崩れ落ち、そして、もうそれっきりだった。

ここには誰もいない。

ここには三人の死体がある。

何が起きたのかを、見届けた者はいない。

何が起きたのか、分かる事は無いだろう。

永遠に――。

【高原正封  死亡】
【高野雅行  死亡】
【朱雀麗雅  死亡】
【残り9人】

※F-3玉堤家に朱雀麗雅、高原正封、高野雅行の死体と、それぞれの所持品が放置されています。
※F-3一帯に銃声が響きました。
59何もかも、何もかも ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/21(土) 23:43:23 ID:eKbmaFDO
投下終了です。
60感電さんのリクエストである ◆fRBHCfnGJI :2009/11/22(日) 00:58:17 ID:YijW9K9w
感電さんのリクエストした宇宙コピペで話を作りました、投下します
61感電さんのリクエストである ◆fRBHCfnGJI :2009/11/22(日) 00:58:59 ID:YijW9K9w
ヤバイ。非リレーロワヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。

非リレーロワヤバイ。

まず怖い。もう怖いなんてもんじゃない。超怖い。

広いとかっても

「カオスロワ20個ぶんくらい?」

とか、もう、そういうレベルじゃない。

何しろ無限。スゲェ!なんか単位とか無いの。漫画ロワとかを超越してる。俺みたいな一般人に待ち受けるのは鬱だけだし超怖い。

しかもマーダーいるらしい。ヤバイよ、殺人鬼だよ。

だって普通は人とか殺さないじゃん。だって自分の知り合いがだんだん消されてったら困るじゃん。1人で生活とか困るっしょ。

知り合いが殺されて、OPのときは対主催100人だったのに、対主催戦のときは俺以外全員マーダーとか泣くっしょ。

だから某ロワのフレイザードとか虐殺しない。話のわかるヤツだ。

けどこのロワはヤバイ。そんなの気にしない。殺しまくり。主催の死亡原因がよくわかんないくらい怖い。ヤバすぎ。

怖いっていたけど、もしかしたら俺以外全員優しいかもしんない。でも全員優しいって事にすると

「じゃあ、全員の首輪爆破ね?」

って事になるし、それは全員死亡。ヤバイ。パロロワで首輪全滅ENDなんて凄すぎる。

あと超森。このロワのエリア全部森。英語で言うとフォレスト。ヤバイ。森すぎ。真っ暗森すぎて死ぬ。暗い。

それに超何も無い。超ガラガラ。それに超のんびり。完結まで10年とか平気で出てくる。10年て。富樫でも言わねぇよ、最近。

なんつってもロワは支給品が凄い。G・ゼオライマーとか平気だし。

うちらなんて支給品とかたかだかネクロノミコンが出てきただけで上手く扱えないから鉄パイプにしたり、銃と置いてみたり、道具に頼らず感電死使ったりするのに、

このロワは全然平気。チート支給品をチート支給品のまま扱ってる。凄い。ヤバイ。

とにかく貴様ら、このロワのヤバさをもっと知るべきだと思います。

そんなヤバイロワを開催した◆c92qFeyVpEこと崖鉄平さんとか超偉い。もっとがんばれ。超がんばれ。


誰が予想しただろうか、こんな展開で脱出が出来てしまったのである。

【モブI@脱出】
62感電さんのリクエストである ◆fRBHCfnGJI :2009/11/22(日) 01:00:26 ID:YijW9K9w
投下終了
投下後に誤字脱字に気づいたが、まぁいいよね
63R-0109 ◆eVB8arcato :2009/11/22(日) 01:07:44 ID:c/vv5wvj
 あ え て 

トリップ付きで。
投下乙!







あんたこそがKing of Writerだぜwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
マジwwwwwwwwwww 謎の発想wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
64創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 09:09:10 ID:mLMnkR/1
投下乙
なんでこれで脱出してるんだよwwww
65 ◆48CI6tENdQ :2009/11/22(日) 18:47:55 ID:CTVrnzCb
>それでも生きたいから
うはぁ、なんという開幕戦…
そしてさらっと見敵必殺(サーチアンドデストロイ)使うなwwwチートだぞwww
>AP
もうやだこの変態どもwww
こんなんが次々と出てくると思うと…
>何もかも、何もかも
相変わらずどんどん殺すなぁ。
しかし正封が死んじまった…好きだったのに
>感電さんの(ry
これはひどいwww
つーか脱出すんなwww
カオスwww

創作発表板バトルロワイアル
第2話「闇」
登場キャラ
太田太郎丸忠信
投下します。
66 ◆48CI6tENdQ :2009/11/22(日) 18:49:19 ID:CTVrnzCb

―――暗い闇に彼は居た―――
一部の人間からは好かれ、その人間を自らの手玉に取り、いずれは自らの奴隷にする。
―――だが暗い闇の方が彼には合っていて―――
銃器も使えて、車も運転でき、身体能力も頭も良く、顔も良かった。
―――むしろそれが彼からしたら光であり―――
彼の名は、太田太郎丸忠信。
清々しい程の悪と、それに相応しくない人間らしさを少しだけ持っていた男だった。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

「…チッ、どうなってんだよ」

闇に影が一つ。
蠢く様に、だがそれに反するかの様に静かに。
太田太郎丸忠信は、支給品であったスナイパーライフルを握りしめ、その口にクッキークルーラーを詰め込む様に入れながら、夜道を歩く。
だが、歩く忠信その表情は疑問が映る。
怒りとも受け止められる程、分かりにくい表情であった。
が、確実に疑問を抱く様な事があったのだから、忠信だろうと何だろうとそう思う。
…単刀直入に行くと、太田太郎丸忠信は、一度死んでいる。
これだけでまずおかしい。明らかに常識から大きく脱線している。
まず、最後の記憶なるものが自分の目の前に弾丸が飛んでくるのを感知した、というのならば、間接的に自分の「死」を表している。
更に気になるのが…「他参加者」だ。
最初、若侠の説明の時に、一つ、聞き覚えのある声がした。
67 ◆48CI6tENdQ :2009/11/22(日) 18:51:14 ID:CTVrnzCb
…森屋英太。それがその声の主。
厄介な相手とも言えるが、逆に単純な相手だ。
…しかし、名簿を見る限り、自分を殺したと思われる倉沢ほのか。自らのグループに居た吉良邑子。宗教団体か何かを率いていたらしい銀鏖院水晶。訳分からないが、何か裏がありそうな朱広竜。そして先程上げた、森屋英太。
…彼等が書いてあるのだが…確か、全員死んだ。

「―――じゃあ、何故…俺達は居るんだ?」

忠信の口から零れ落ちる様に、言葉が出た。
若侠一人だけじゃ、人間を生き返らせるなんて無理な話。
ならば考えられるのは、あの「願い」とやらだ。

(仮にアレが事実だったなら…若侠の後ろになんかヤバイのが居そうだな)

では、その存在とは何か?
…それは分からない。いや、分かる筈も無い。
あくまで、忠信の考えは仮説だ。しかも忠信という境遇だった人物だからこそ思いつく仮説。
―――つまりそれは、最も正解に近い仮説。
忠信は、その真実に近づく事が出来るのか。
スタンスなんて変えるつもりも無い。
また前みたいにすれば良い。
それが俺の役目だからな、と。忠信は頭の隅で感じる。
闇はまだ、終わらない。いや、終わる筈は無い。
何故なら心底まで闇に染まった男に、光は来ないのだから。

【C-2/平原/深夜】
【太田太郎丸忠信@自作キャラバトルロワイアル】
68 ◆48CI6tENdQ :2009/11/22(日) 18:52:31 ID:CTVrnzCb
【状態】怒りに近い疑問
【装備】スナイパーライフル(30/30)@こちらスネーク雛見沢村に潜入した
【持物】基本支給品、クッキークルーラー(4/5)@これ聞いて食ってやる気だす
【思考・行動】
基本思考:ゲームを潰す。男は使えなかったら殺し、女は奴隷にする。
1、若侠のバックに誰か居るのか?
2、森屋、倉沢は要注意。それ意外の奴等にも注意しておくか。
3、襲ってきたら相手にする。
4、無論こっちからも襲うけど。
※倉沢ほのかに殺害される直前からの参戦です。


こっから支給品説明
【クッキークルーラー@これ聞いて食ってやる気だす】
とても美味い。
スレで言ってた通り、こりゃあ美味い。
もう一度言う。本当美味い。
しつこいようだが(ry
【スナイパーライフル@こちらスネーク雛見沢村に潜入した】
作中で魅音が使用していたスナイパーライフル。
今回は総弾30、一回に込められるのは5発までの物とする。
【エレナの長刀@学園同士で戦争するスレ】
エレナ・ヴィレンスカヤが使用していた長刀。
比較的魔力が無くても扱えるらしいが、無かったら只の長い刀。
69 ◆48CI6tENdQ :2009/11/22(日) 18:55:56 ID:CTVrnzCb
投下終了です。
忠信は書いてて楽しいなぁ
70創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 19:10:01 ID:uqKlT0yi
投下乙ですー
自作ロワはまだ読んでないけど、これは面白そうなキャラだなあ
それはそうと、参加者が出てないスレからも支給品は出るのかw
71創る名無しに見る名無し:2009/11/22(日) 20:47:13 ID:YijW9K9w
投下乙です
こりゃあ支給品の方も目が話せないな
72 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:50:49 ID:/aJDLz9o
投下乙です! 自作ロワ大好きだったからこれは目が離せないな
では自分も投下します!
73日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:52:07 ID:/aJDLz9o
日が暮れる。
幾多もの犠牲者が眠る殺戮の舞台である島を、夜の帳が覆うとしている。
現在時刻、午後5時45分。後11分程で第二回目の運営側からの定時放送が始まる。
当初、50人もいたこの殺人ゲーム・バトルロワイアルの哀れな参加者達は、
たった半日で9人にまで減ってしまった。
ルールに則り、戦いに身を置く者と、ルールに抗い、戦いを覆そうとする者や脱出を目指す者。
生き残っている者達は第二回目の放送を前に如何なる行動を取っているのか。


四宮勝憲、金ヶ崎陵華の二人。
今度は道中で事故に見舞われる事も無く、無事目的地である市街地に到着した二人であったが、
定時放送の時刻が迫っていたため、F-2で発見したガソリンスタンドに車を停め、
奥にある事務室で放送を待つ事にした。

「暗いな……電気点けてぇ」
「気持ちは分かるけど、見つかっちゃうかもしれないし」
「まあな……我慢するしか無ぇか」

見付かる危険があるので、部屋の電気は点ける事は出来ない。
光源は基本支給品である懐中電灯のみ。もちろん外に光が漏れないようにしている。

菊池やと、葛葉美琴の二人。
G-6幹線道路上を、その顔に疲労の色を滲ませながらも、強い意志を宿した狐の少女と青髪リボンの少女が歩く。
目指すは遥か前方に見える、僅かな明かりが灯る市街地。

「あ、船が沈んでる」
「本当ですね」

客船が今まさに沈没しかかっているのを見付け、二人は思わず足を止める。
地図に「座礁客船」というランドマークがあったので、恐らくあれがそうなのだろう。
もし平常ならば周囲に救助隊やら野次馬やら報道陣やらが集まり、大騒ぎになっているだろうが、
そんな状況になるはずも無く、客船は見守る者も無く静かに海の底へ消えて行く。

「行きましょう」
「はい」

そして、唯一の目撃者であるやとと美琴も、特に気を留める事も無く、再び足を進める。
今の彼女達にとっても、客船沈没は関心の外であった。

そして5分も経たない内に、遂に客船は海の底へ消えた。
74日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:52:59 ID:/aJDLz9o
志水セナ。
F-3の民家の一つに身を潜め、放送の時を待つ。
例に漏れず電気は点けていない。家中のカーテンを閉め切り、子供部屋と思しき部屋の隅で、
懐中電灯の明かりのみを頼りに名簿と地図を開く。

「もうゲームが始まって12時間。約半日……今何人が生き残ってるのかしら?
っていうか私、山頂で三人殺してから、未だに一人も殺してないんだけど」

第一回目の放送以降、彼女は一人も殺せていなかった。
午前中に、山頂から不戦の呼び掛けを行っていた白虎獣人とその仲間の三人を殺害したが、
それからは襲撃しても逃げられてしまっていた。
サブマシンガンにショットガン、戦力は十分なのだが。

「何だか格好付かないわ……次こそは絶対に……!」

次に出遭った他参加者は絶対に仕留めてみせると、眼鏡を掛けた狐耳の少女は誓う。
自分が「仕留められる」という可能性は考えていないようだ。

新藤真紀。
現在4人の殺害数を稼ぎ、現在はH-4灯台管理人詰所の事務机に座り放送を待っていた。
ソファーの周辺に夥しい量の血痕と、引き摺ったような血痕が海に面した窓まで続いていた。
ここには彼女が手に掛けた竜人の少年とバニーガールの女性の死体があったが、
「死体と同じ部屋にいるのは嫌」と、真紀が二人の死体を引き摺って窓から放り出してしまったのである。
死体は無くなったが血の臭いが漂っており、やむを得ず真紀は換気扇のスイッチを入れていた。

「後ちょっとで放送があるわね……」

時計に目をやりながら真紀が言う。

「襲禅の奴は、まだ生きてんのかな」

この殺し合いに呼ばれている唯一の知人の事を思い出す。
冷蔵庫の中に入っていた缶ジュースを飲みながら、多くの名前が消された名簿を眺める。
75日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:54:10 ID:/aJDLz9o
大崎年光、藤堂リフィアの二人。

「……抜けられたな……」
「はい……」

ポツポツと灯る街灯、窓の明かり、放置された自動車、誰も通らない道路と歩道。
遂に二人は目的地である市街地へと辿り着いた。

「着いたな」
「そうですね……」

しかし、長い間求めて来た目的地に辿り着いた二人の顔に、歓喜の色は無い。
むしろ、悲しみや悔恨といった重々しい表情である。
二人には、後二人、志を共にする仲間がいた。
正義感が強く、道徳心溢れる若き狼獣人の陸軍兵士、北原大和。
体力に難があったが、陽気でお茶目な性格でグループ内の精神的な支えになってくれていた老人、山本良勝。
本来なら四人でこの市街地に到達するはずだった。
だが、二人はもういない。

「とりあえず放送があるな。メモる準備をしておこう」
「はい……」

間も無く始まる定時放送に備える二人。
手近な民家の塀の陰に隠れ、名簿と地図、明かり取りのための懐中電灯を取り出した。

松宮深澄。
紫髪の女性憲兵は、自らが殺害し、手に入れた首輪を、G-3役場内で調達した工具で分解していた。

(分解自体は手近にあるマイナスドライバーなどでも可能なようだが……どうも、
起動している状態で下手に分解しようとすると起爆装置が作動する仕組みになっているようだ)

既に内部構造が露わになった状態の首輪を観察しながら深澄が思考する。

(これが爆薬か……見た事も無い色、種類……特別に配合された新型爆薬か?
……ふむ、成程……これは……)

分解して内部構造を見れば見る程、この首輪に使われている超高度技術に深澄は感嘆する。
完全防水、耐衝撃性共に完璧、下手にいじればすぐに起爆する仕掛け、
生体反応を感知する最新鋭のセンサー、市販でも手に入る純国産の部品が多いが、
全く出所の分からない正体不明の部品も使われている。
おまけに……。

(これは……マイクか?)

それは感度の高いコンデンサーマイクだった。首輪の裏から収音される仕組みになっている。
なぜマイクが? その答えはすぐに見当が付いた。

(盗聴か……くそっ、主催の連中め、小賢しい真似を……あまりベラベラと迂闊な事を喋らず正解だったな)
76日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:55:01 ID:/aJDLz9o
どうやら参加者間の会話は運営側に筒抜けのようだ。
下手な事を喋れば遠隔操作で首輪を爆破されていたかもしれない。
爆破されずとも、脱出工作を妨げようとあの手この手を尽くして全力で妨害してきただろう。
今の所、何とも無いのは幸いだった。
とにかく、深澄は首輪の構造を大方把握する事が出来た。
分解するのは簡単だが、そのためには首輪の機能を停止させなければならない。
そうでなければ、起爆装置が作動してしまう仕組みになっているのだ。

(やはり……運営のメインサーバーをどうにかするしか無いか)

そう思い、深澄は役場のインターネット回線に無理矢理接続したノートパソコンの画面を覗き込む。
現在、家電製品店で手に入れたツールを駆使して、即席のハッキングソフトを作っている。
これが完成すれば、恐らく運営のメインサーバーへの侵入も可能になるはずだ。
勿論、向こうも厳重なファイヤーウォール(防護壁)や暗証パスコードを設置しているだろうが、
何とかなるはず。彼女はそれ程のコンピューター関連の知識、ハッキングの腕を持っていた。

「そろそろ放送だな」

後数分で第二回目の放送が始まる。
ブラインドやカーテンを閉め切り、深澄が使用しているデスクの電気スタンドのみが光源の役場オフィス。
そのオフィスの中で、椅子に座りながら名簿と地図を取り出す。
現在何人が生き残っているのかどうかも気になったが、
それよりも深澄が気になるのは禁止エリアである。
現在位置の役場がもし禁止エリアに指定されると、非常に面倒な事になる。

(ここが禁止エリアにならんよう、祈るだけだな……)

良い方に転ぶ事を願い、深澄は再び時計に目をやる。


――放送まで、残り、45秒。


血のように赤い夕陽が沈み、漆黒とも言える闇が訪れる――。
77日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:56:12 ID:/aJDLz9o
【一日目/夕方/F-2ガソリンスタンド】

【四宮勝憲】
[状態]:全身打撲(軽度)、金ヶ崎陵華がちょっと心配
[装備]:FN FAL(9/20)
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/3と水一本消費)、FN FALの予備マガジン(20×10)
[思考・行動]
基本:殺し合いに乗る気は無いが、襲い掛かってくる奴は殺す。
1:放送を待つ。
2:陵華と行動する。
3:麗雅と美琴の捜索。
4:あの緑髪の女(新藤真紀)には二度と会いたくない。
[備考]
※支給されたFN FALはセミオート限定モデルです。
※緑髪の女(新藤真紀)の特徴を大まかに把握しました。

【金ヶ崎陵華】
[状態]:足に軽い擦り傷、全身打撲(軽度)、精神的疲労(中)、気分が悪い、食欲不振、
[装備]:コルトM1908”ベストポケット”(6/6)
[所持品]:基本支給品一式(四人分の食糧)、コルトM1908の予備マガジン(6×10)、
調達した食糧及び飲料、牛刀包丁
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出。
1:放送を待つ。
2:気分悪……食欲無い……ああもう……。
3:四宮さんと一緒に行動する。
[備考]
※緑髪の女(新藤真紀)の特徴を大まかに把握しました。
※死体や血痕に敏感になっています。見ると気分が悪くなる恐れがあります。


【一日目/夕方/G-6幹線道路】

【菊池やと】
[状態]:健康、市街地方面へ移動中
[装備]:ミロクSP-120(2/2)
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/3消費)、12ゲージショットシェル(50)、
S&W M36”チーフスペシャル”(5/5)、38S&WSP弾(50)
[思考・行動]
基本:殺し合いの転覆。或いは脱出。そのために仲間を集う。
1:襲われたらまず説得、駄目なら戦うか逃げる。
2:首輪を外す方法も探す。
3:何で10代の頃の身体に戻ってるの……?
[備考]
※運営側による盗聴の可能性を知りました。

【葛葉美琴】
[状態]:左頬に掠り傷(治癒中)、緑髪の女性(新藤真紀)に対する憎悪、市街地方面へ移動中
[装備]:十三年式村田銃(1/1)
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/3消費)、11.15o×60R弾(ポケットに11、デイパックに22)、出刃包丁
[思考・行動]
基本:殺し合いはしない。
1:絶対に、生き延びる……。
2:首輪に盗聴器が内蔵されている事を他参加者に知らせる。
3:知人(四宮勝憲、朱雀麗雅)と合流したい。
4:襲われたら戦う。
[備考]
※運営側による盗聴の可能性を知りました。
78日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:57:36 ID:/aJDLz9o
【一日目/夕方/F-3仲販家】

【志水セナ】
[状態]:健康
[装備]:レミントンM31(2/2)
[所持品]:基本支給品一式(食糧四人分、消費中)、イングラムM11A1(30/30)、
イングラムの予備マガジン(30×6)、12ゲージショットシェル(38)
[思考・行動]
基本:優勝を目指す。他参加者を積極的に殺していく。
1:放送を待つ。
[備考]
※水色ショートヘアの少女(桂川八重)を殺したかどうか分かりかねています。


【一日目/夕方/H-4灯台管理人詰所】

【新藤真紀】
[状態]:疲労(中)、身体中に掠り傷及び軽度の打撲、左肩に掠り傷(いずれも応急処置済)
[装備]:二六年式拳銃(6/6)、長谷川俊治の野球帽
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/3消費)、9o×22R弾(26)、 ラドムVIS-wz1934(5/8)、
ラドムの予備マガジン(8×9)、ウィンチェスターM1873(14/14)、
44-40ウィンチェスター弾(140)、マークU手榴弾(3) 、サーベル、ブッシュナイフ、三人分の食糧
[思考・行動]
基本:優勝を目指す。積極的に他参加者と戦う。
1:放送を待つ。
2:知人(須牙襲禅)とは出来れば会いたくない。
[備考]
※リボンを付けた青い髪の和服姿の少女(菊池やと)の姿を確認しました。


【一日目/夕方/F-3市街地】

【大崎年光】
[状態]:疲労(大)、左腕に掠り傷、やりきれない思い、喪失感
[装備]:九四式拳銃(6/6)
[所持品]:基本支給品一式(三人分の食糧)、九四式拳銃の予備マガジン(6×1)、手斧、
織田信治の首輪、モシンナガンM1891(4/5)、7.62o×54R弾(30)、
AMオートマグ(7/7)、オートマグの予備マガジン(7×10)、日本刀
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出。そのためにも仲間を集める。
1:放送を待つ。
2:リフィアと行動を共にする。
[備考]
※参加者詳細名簿により、全参加者の容姿と名前をある程度把握しました。
※織田信治の水と食糧は完全消費しました。
79日没、そして闇が訪れる ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 22:59:27 ID:/aJDLz9o
【藤堂リフィア】
[状態]:疲労(肉体的、精神的共に大)、首、胸元に貫通創(命に別条無し)、返り血(大)、
口元が血塗れ、右腕上腕部に銃創(応急処置済)、喪失感
[装備]:コルトM1900(7/7)
[所持品]:基本支給品一式(四人分の水と食糧、食糧1/4消費)、コルトM1900の予備マガジン(7×9)、
ベレッタM92(15/15)、ベレッタM92の予備マガジン(15×2)、トカレフTT-33(8/8)、
トカレフTT-33の予備マガジン(8×4)、コルトパイソン(6/6)、357マグナム弾(27)、
直刀、クロスボウ(0/1)、ボウガンの矢(86)、
参加者詳細名簿
[思考・行動]
基本:殺し合いはしない。 脱出方法を探る。
1:放送を待つ。
2:大崎さんと行動を共にする。
[備考]
※生命力が異常に高いです。頭部破壊、焼殺、首輪爆発以外で死ぬ事はまずありません。
但し一定以上のダメージが蓄積すると数十分〜一時間ほど気絶します。
※参加者詳細名簿により、全参加者の容姿と名前をある程度把握しました。


【一日目/夕方/G-3役場】

【松宮深澄】
[状態]:右腕上腕部に掠り傷(応急処置済)、返り血(少)、ハッキングソフト制作中
[装備]:S&W M10”ミリタリー&ポリス”(6/6)、ダマスカスソード、防弾チョッキ
[所持品]:基本支給品一式、コルトM1911(7/7)、コルトM1911の予備マガジン(5×10)、
スタームルガー ブラックホーク(6/6)、357マグナム弾(60)、38S&WSP弾(24)、
マイナスドライバー、ハンティングナイフ、登山ナイフ、五人分の水と食糧、
雑貨店より調達した食糧、簡易レーダー
[思考・行動]
基本:殺し合いからの脱出。首輪の解除。
1:放送を待つ。
2:仲間になりそうな他参加者を探す。但し足手纏いは切り捨てる。
3:殺し合いに乗っている者には容赦しない。
[備考]
※簡易レーダーの使用方法及び性能を確認しました。
※首輪の内部構造を把握しました。
※運営側による盗聴の可能性を知りました。



【G-5座礁客船  沈没】


※本庄忠朝、伊藤文子の荷物の一部は新藤真紀、
北原大和、山本良勝、須牙襲禅の荷物の一部は大崎年光、藤堂リフィアがそれぞれ、
立沢義、篠崎廉、生鎌治伸、霧島弥生の荷物の一部は松宮深澄が回収しました。
※G-5座礁客船は沈没しました。
80 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/22(日) 23:00:41 ID:/aJDLz9o
投下終了です。
81 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 00:16:07 ID:TE/9NCLq
俺オリロワ第二回放送を投下します。風呂に入ってから本投下しますw
82俺オリロワ第二回放送 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 00:24:04 ID:TE/9NCLq
島を、夜の帳が覆う。
そして、この殺し合いを操る男の声が、6時間振りに島に響く。

『はいはい、皆さんこんばんわ。俺ですよー。
午後の6時を回りましたので、第二回目となります定時放送始めま〜す。

じゃあまずは死んだ人から発表しまーす。
前と同じく死んだ順番です。行きますよー。

島川奈織
鉤丸聖人
富松憲秀
一色利香
川田喜雄
桂川八重
黒牙
大木弓那
中山淳太
霧島弥生
伊藤文子
本庄忠朝
山本良勝
須牙襲禅
北原大和
朱雀麗雅
高野雅行
高原正封

以上18人! これで残りは……うおお!? たったの9人!
50人もいたのにたった半日で9人になっちゃいましたよ!
これは凄いです! 物凄いペースです!
……あーただ、この内二人は自殺してるんですよね。いけませんよ自殺は。
ちゃんと戦ってくれないと。折角こんな大舞台まで用意してお膳立てしてるんですから。
まあそれはさておき、禁止エリアの発表に移りますよ。

午後7時から、G-7!
午後8時から、C-3!
午後9時から、H-4!

以上でーす。ちゃんと聞きましたかー? 大丈夫ですねー。

でも残り9人なら、もう次の放送は無いかもしれませんね……。

あーそうだ。G-5に座礁客船ってあるんですけど、
どうやら沈没しちゃったみたいなんで、地図から消しておいて下さい。

では今生き残っている大崎さん、四宮さん、菊池さん、葛葉さん、志水さん、新藤さん、藤堂さん、松宮さん。
ここまでよく頑張りましたね。もう少しですよー頑張って殺し合って下さい。

ではさようなら〜』

ブツッという嫌な音を最後に、放送は終了した。

83俺オリロワ第二回放送 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 00:27:39 ID:TE/9NCLq
「ふ〜」

放送用のマイクから口を離し、椅子の背もたれに大きく背を預けながら、
放送主の男――柴田行隆は一仕事終えた、というような感じで溜息をつく。

「しっかし、今生き残ってんのが男二人、女七人。
その内獣人が三人で後は純粋な人間……獣人の男勢が全滅ってのは驚いたな。
人間の女は、やっぱ強ぇーって事か?」

手元にある現在の生存者9人の様子などがまとめられた資料を見ながら、行隆が言う。
人間と獣人ならば、獣人の方が身体能力的にも潜在能力的にも大きく上回っているはずなのだが、
これは人間の底力とでも言うべきか。
男性より女性の方が多く生き残っているという点も行隆を驚かせた。
生き残っている獣人三人――内一人は人間に近いハーフ獣人だが――も、全員女性だ。
やはり女性は強い、と言う事だろうか。

「まあ、何にしてもだ、こりゃ、もうすぐ終わるかもな、このバトルロワイアルも……」

最初の放送までに23人、そしてつい先程の第二回放送までに18人が脱落。
参加者が減れば遭遇率も減る、のだが、どうやら生存者9人は皆、会場である島の南西部に広がる市街地に集結。
市街地にいない者も、どうやら全員市街地を目指して移動中のようだ。
このペースで行けば、恐らく三回目の放送を迎える前に、このゲームは終了する。

「優勝者が出るのか、或いは全滅か……まあ、答えは神のみぞ知る、って奴、だな」

椅子から立ち上がり、資料を片手に不敵な笑みを浮かべながら、
行隆は数十人もの兵士が働くオペレーションルームの奥にある自室へと戻って行った。


物語はいよいよ、結末に向かって動き出す。

どんな結末が、生存者達を待ち受けるのか。

希望か、絶望か。

その答えは――。



【残り9人】
84 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 00:33:00 ID:TE/9NCLq
投下終了です。
85創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 02:08:08 ID:MWAbJGes
乙です!
とうとうクライマックスって感じだ!
86 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:08:11 ID:TE/9NCLq
俺オリロワ第七十一話「ナイトメア」をお送りします。
登場:葛葉美琴、菊池やと、志水セナ
注意:文章がいつも以上に粗い、無理矢理感たっぷり
87ナイトメア ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:09:09 ID:TE/9NCLq
「……朱雀、さん……」

二回目の放送が終了した後、美琴は呆然としていた。
いや、もはや心神喪失に近い状態だった。

「葛葉、さん……」

傍にいたやとは、美琴に掛けてやれる言葉が見付からなかった。
先の放送で呼ばれた18人の死者の中に、美琴の知人である「朱雀麗雅」の名前があったのだ。
当然、行動を共にしていた「中山淳太」の名前もあった。
美琴はただ呆然とアスファルトを見つめるばかり。
なぜか悲しくは無かった。涙も出なかった。
余りに実感が湧かなかったのだ。

「……」

ショックが大きかったのは、やとも同じだった。
やとはこの殺し合いには知り合いこそ呼ばれてはいなかったが、
放送主の男が告げた残り人数に愕然とした。
自分達を含めて、もう残り9人しかいないというのだ。
自分達を除くと、7人。この7人の中に、殺し合いを覆そうとする者が何人いるのだろうか。
あの緑髪の女性、名前が分からないので生き残っているのかどうかは分からないが、
もし生き残っていたとするならば、自分達以外に殺し合いに抗っている可能性がある者は6人となる。
――はっきり言って、状況はかなり絶望的だ。
だが――悪い方向に考えても仕方無い。賭けるしか無い。
とにかく、市街地へ向かおう。

「く、葛葉さん、あの、とりあえず、こんな開けた場所に留まっていると危ないです。
なので、えーと……」

やとが路上にへたり込んだままの美琴に立ち上がるように促す。
美琴の気持ちは痛い程分かるが、いつまでも留まっている訳にもいかなかった。
呆然としながらも、美琴は頷き、ふらふらと立ち上がった。
辛うじて理性は残っている、という感じだった。

「この道を真っ直ぐ行けば、市街地に着くはずです。行きましょう」
「うん……」

二人は再び市街地へ続く幹線道路を進み始める。
街灯がポツポツと灯り、暗い夜道を照らしていた。

そして、数十分の時間を掛け、進行方向向かって右手に林が広がる場所を通り抜け、遂に民家や電信柱が建ち並ぶ、
市街地へと二人は辿り着いた。
二人は安堵したが、市街地は小規模とは言え歩いて探索するには余り有る広さである。
まずどこから人を探すべきか、と、二人は歩きながら話し合った。
病院とその周辺は禁止エリアになっている。
もし人が集まり易いとするならば、市街地の中央付近に位置する島役場だろう、と、二人は結論付けた。

「頑張らなきゃ……まだ、四宮さんも生きている。まだ、へこたれる訳にはいかないよね」
「そうですよ……頑張りましょう、葛葉さん」
「そうだね。ありがとう、菊池さん」
88ナイトメア ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:11:54 ID:TE/9NCLq
美琴は未だ精神的に不安定だったが、何とか自分を奮い立たせる。
確かに知人の一人、朱雀麗雅は死んでしまったが、まだもう一人の知人、四宮勝憲が残っている。
とにかく、四宮さんと合流しよう。なぜか分からないけど、もうすぐ近くにいるような気がする。
やとも美琴を懸命に励ました。



ダダダダダダダダダダダッ。


突然、タイプライターにも似た音が響く。
同時に、やとと美琴の身体を、背後から無数の銃弾が貫いた。
やとと美琴の二人は、自分の身に何が起きたのか分からなかった。

分かる前に、彼女達の意識は、もう失われていた。




志水セナはF-3の仲販家の中で第二回目の放送を聞いた。
忘れようも無いあの主催の男の声は相も変わらず神経を逆撫でしたが、
特に気に留める事も無く、死者の発表に耳を傾けた。
そして「川田喜雄」の名前が呼ばれた時、セナは「やっぱり」と小さく溜息をついた。

「……川田さん……やっぱり死んだのね」

大体予想はついていた。ただの食堂経営者の中年男性が、こんな「殺し合い」という
死と隣り合わせの異常状況でそう長く生き延びられるはずも無い。
どういう死に方をしたのかは気になるが、それだけだった。
引き続き死者の発表に耳を傾け、呼ばれた名前をペンで横線を引いて消していく。
呼ばれた名前は18人。これで残りは自分を除き8人。
「大崎年光」「四宮勝憲」「金ヶ崎陵華」「菊池やと」「葛葉美琴」「新藤真紀」「藤堂リフィア」「松宮深澄」の8人だ。
続いて禁止エリアの発表があったが、三つとも現在位置からは遠く、
これから行く予定も無い場所ばかりだったので、特に気に留める必要も無いと判断した。
主催の男の話によれば、最低二人は自殺したらしい。
最後まで生き残る自信や人を殺す覚悟も無いならそういう選択も有りだろう。
もしかしたら発狂して前後不覚になった末に自殺したのかもしれないが。

「終わったみたい……残りは私を覗いて8人か。これは……優勝出来るかもしれない、本当に」

セナの心中に優勝への望みが膨らむ。
残り人数はたったの8人だ。自分の武装はサブマシンガンとショットガン。
十分に優勝を狙える。
89ナイトメア ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:14:03 ID:TE/9NCLq
「今度は、逃がさないようにしなきゃ……」

セナは二回、襲撃した他参加者を取り逃がしていた。
もしかしたらいずれも既に死んでいるのかもしれないが、
一度襲った獲物を取り逃がすのは良い気分では無い。
思えば山頂で三人殺してから自分は一人も殺していない。
次こそは、次こそは、と、セナは心の中で何度も自分に誓いを立てる。

数十分後。

リビングで武装の確認とこれからの目的地について思案していたセナの狐の耳がピクリと動く。
何か気になる音を察知したのだ。

(話し声? どうやら女性が二人……近付いてくる!)

セナはニヤリと笑みを浮かべ、イングラムM11A1サブマシンガンを手に取り、
足早に玄関へ向かった。
静かに玄関の戸を開け、門柱の陰に隠れる。
間違い無い。足音が聞こえる。こちらの方向に向かって歩いてくる。
セナは息を殺し、じっと待った。イングラムのグリップを握る右手に、自然と力が籠るのが分かった。

「頑張らなきゃ……まだ、四宮さんも生きている。まだ、へこたれる訳にはいかないよね」
「そうですよ……頑張りましょう、葛葉さん」
「そうだね。ありがとう、菊池さん」

そして、セナが身を潜める仲販家の前を通り過ぎようとしている二人の同年代ぐらいの少女を確認した。
暗くて良く分からないが、片方は犬科の獣人のようだ。
こちらには気が付いていない。まさに絶好の機会。

後は簡単だった。
二人の少女の背中に向かって、イングラムを掃射した。
少女二人は無数の45ACP弾に身体を貫かれ、路上に崩れ落ち、動かなくなった。
90ナイトメア ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:16:26 ID:TE/9NCLq
「やった……やっと仕留められたわ」

銃口から煙を噴き上げるイングラムを携えながら、セナは嬉しそうに尻尾を振り、歓喜の声を上げる。

「そういえばこの子達、名前呼び合ってたわね。葛葉に菊池とか。
そう言えば『葛葉美琴』と『菊池やと』って名前があったな。消しとこう」

セナは上機嫌に、たった今殺害した二人の少女の荷物と武装を漁り始めた。


【一日目/夕方/F-3仲販家前】

【志水セナ】
[状態]:健康、上機嫌、優勝への望み、葛葉美琴・菊池やとの荷物を物色中
[装備]: イングラムM11A1(0/30)
[所持品]:基本支給品一式(食糧四人分、消費中)、レミントンM31(2/2)
イングラムの予備マガジン(30×6)、12ゲージショットシェル(38)
[思考・行動]
基本:優勝を目指す。他参加者を積極的に殺していく。
1:今殺した二人の少女(葛葉美琴、菊池やと)の荷物を漁る。
2:次の目的地は……。
[備考]
※水色ショートヘアの少女(桂川八重)を殺したかどうか分かりかねていますが、
薄々死んだのではないかと思い始めています。



【菊池やと  死亡】
【葛葉美琴  死亡】
【残り7人】


※F-3一帯に銃声が響きました。
91 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 15:19:28 ID:TE/9NCLq
投下終了です。さて、もうひとふんばり……。
92 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 17:15:27 ID:TE/9NCLq
俺オリロワ第七十二話「滅路」投下します。
登場:新藤真紀
93滅路 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 17:21:05 ID:TE/9NCLq
G-4市街地。まばらに街灯が点くだけの閑散とした通りを、
ヘッドライトが片方破損したボロボロの乗用車が進行していた。
運転するのは、野球帽を被った緑髪の女性――新藤真紀。
コンビニエンスストアの駐車場に車を停め、ふぅ、と息を吐いて人心地つく。
24時間営業のはずのコンビニエンスストアだが、電気は点いておらず、当然店員や客の姿も無い。


運転席に座りながら考えるのは、先の放送で名前が呼ばれたこの殺し合いで唯一の知人の事。
須牙襲禅――不必要に銃を乱射し、押収物を私物化し、女癖も最悪の悪徳警官。
私自身も一体どれだけ酷い目に遭わされた事か。
でも、何だかんだ言って結構付き合いは長かった。一緒にご飯食べに行ったり、
銃の手ほどきをしてもらったり(私からお願いした訳じゃないけど)、
たまに身体を重ねたり(ほとんどレイプ同然だった……っていうかレイプされた)。

そんな襲禅が――死んだ。私の全く知らない所で。

別に悲しくは無い。「ああ、そうなんだ」みたいな、淡白な感じ。
でも、あの茶色と白の狼獣人の顔がもう永遠に見られなくなったんだと思うと、ちょっと寂しい気もした。
日常に帰ったら、ちょっと静かになる、それだけよ。

しかし、まさかもう10人切っていたなんてね……主催の男に賛同する訳じゃ無いけど、
確かに半端じゃ無いペースだわ。あの狐少女と和服少女はまだ生きてんのかしら?
男はたった二人しか生き残っていない……うーん、女ってやっぱ強いのかな? まあ私も女だけどさ。
何にせよ、私を除けば後はたったの8人。
……これなら楽勝ね、とも思ったけど、よくよく考えたらこの島中に参加者が散らばっているのかもしれないし、
どこかに隠れられてたら発見出来ずに24時間経過してゲームオーバー、なんて事にもなりかねない。
でもまあ、私以外にも殺し合いに乗ってる人はいるとは思うし、
上手く殺し合ってくれれば楽になるんだけどなー。

今私がいる市街地。もっとも人が集まりそうな場所は……島役場、かな。
94滅路 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 17:24:05 ID:TE/9NCLq
残り8人全員がいるとは思えないけど、多分何人かはいるでしょ。
今から私は島役場へ行ってみるつもり。
灯台でぶち殺したバカップルの一人から奪ったライフルもあるしねー。
それに……切り札的存在の手榴弾も。

しかし、もう四人殺しているって言うのに、蚊を殺した程の実感も湧かない。
多少の罪悪感はあるけど、私は明らかに、殺人への忌避感が薄れている。
自分では平常のつもりでも、本人の与り知らぬ所で精神に何らかの異常が起きているのだろうか。
しかもそれを思考するという事は、今の私に取ってあまり、というか全く重要な事とは思えなかった。

はあ、私、もしかしたらもうおかしくなってるのかもね。

「よっし、あとひとふんばり……」

私は再び車のエンジンを掛け、地図とコンパスを頼りに島役場へ向かう。
市街地は街灯があまり点いておらず、建物も電気が点いている所は全くと言っていい程見当たらない。
何度も路肩に停めてあるバイクや車、ゴミ箱にぶつかりそうになった。
しかもヘッドライトが片方破損していて使用不可になっている。
普通なら公道なんて走れない状態。即パトカーに止められる。
でも今は自分の他に走る車なんて皆無だし、パトカーもいない。
ただ余りスピードは出せない。電柱にぶつかって死亡、だなんて笑えないからね。
しかし元々出していなかった車の速度は、突然落ち始めた。

「え? 何よ……うわ、ガス欠!?」

ガソリンメーターが残量0を差していた。元々あまりガソリンが入っていなかったようだ。
やむを得ず路肩に車を停め、助手席に乗せていたデイパックを持って外に出る。
この車はもう使えない。ここからは歩きだ。
95滅路 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 17:26:26 ID:TE/9NCLq
「何だか寒いな……」

誰もいない夜の市街地。時折吹く風は半袖のカッターシャツにスカートという格好の私には少し寒く感じた。
夜だから、というのもあるのだろうけど。
デイパックから灯台で鹵獲したウィンチェスターM1873を取り出し、装備する。
二六年式拳銃とラドムより装弾数が多く威力も高い。予備弾薬も豊富だし、これからはこれを主力にしよう。
それじゃあ改めて、島役場に行くとしますか。

襲禅。アンタの仇なんか取らないよ。散々私を酷い目に遭わせてきたんだから、いい気味ね。
あーでも……帰ったら花ぐらいは添えてあげる。
とりあえず、生まれ変わったら、今度はもっとちゃんとした人間(獣人?)になって下さい。以上。


【一日目/夜/G-4市街地】

【新藤真紀】
[状態]:疲労(中)、身体中に掠り傷及び軽度の打撲、左肩に掠り傷(いずれも応急処置済)、
G-3島役場へ移動中
[装備]:ウィンチェスターM1873(14/14)、 長谷川俊治の野球帽
[所持品]:基本支給品一式(食糧1/3消費)、44-40ウィンチェスター弾(140)、
二六年式拳銃(6/6)、9o×22R弾(26)、 ラドムVIS-wz1934(5/8)、
ラドムの予備マガジン(8×9)、マークU手榴弾(3) 、サーベル、ブッシュナイフ、三人分の食糧
[思考・行動]
基本:優勝を目指す。積極的に他参加者と戦う。
1:G-3島役場に向かう。
2:襲禅……。
[備考]
※リボンを付けた青い髪の和服姿の少女(菊池やと)の姿を確認しました。


※G-4市街地のどこかに新藤真紀が運転してきた赤いレッドカラーのLA4型ルーチェが放置されています。
96 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 17:27:34 ID:TE/9NCLq
投下終了です。
97 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:10:20 ID:TE/9NCLq
俺オリロワ第七十三話「すくえぬもの」投下します。
登場人物:四宮勝憲、金ヶ崎陵華
98すくえぬもの ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:12:33 ID:TE/9NCLq
『では今生き残っている大崎さん、四宮さん、菊池さん、葛葉さん、志水さん、新藤さん、藤堂さん、松宮さん。
ここまでよく頑張りましたね。もう少しですよー頑張って殺し合って下さい。 ではさようなら〜』

F-2市街地に存在するガソリンスタンドの事務室内で、四宮勝憲と金ヶ崎陵華は放送を聞き終えた。
二人の手元には放送で呼ばれた名前が消された参加者名簿と、禁止エリアが書き込まれた地図。
そして二人の間には、重苦しい沈黙。

「四宮、さん……」
「……そうか……あいつ、死んじまったか……」

力が抜けた声で言う勝憲。
先の放送の死者発表で、彼の知人の一人である「朱雀麗雅」の名前が呼ばれてしまったのだ。
勝憲本人から聞かされた話から推測するに、幼馴染で、親友だったらしい。
陵華は慰めの言葉も励ましの言葉も見付からない。
一人も知り合いが呼ばれていない彼女に取って、知り合いが二人も呼ばれ、その片割れが死んでしまったという、
非情な現実を突き付けられている勝憲にかけてやれそうな言葉を見付けるのは、不可能事に近かった。

「あ、悪ぃ……ガラにも無く感傷に浸っちまった。いつまでもくよくよしてらんねぇよな」
「……」

心配そうに勝憲を見つめる陵華に気付き、勝憲は可能な限り明るく振舞う。
その姿が陵華の心をますます締め付けた。

「な、何だよその顔! 大丈夫だって言ってんだろ! まだ美琴の奴が残ってんだ。
ここで立ち止まってたらそれこそ麗雅の奴に顔向け出来ねぇーよ!」

尚も心配そうな表情を浮かべる陵華に、勝憲はやや語気を強めて言い放つ。

「……とにかく、荷物まとめろよ。移動すっぞ。
人が集まりそうな場所……そうだな、島役場に行ってみようぜ」
「うん……」

立ち上がり、有無を言わさず移動を提案する勝憲。陵華は大人しくそれに従う。
自分の荷物をまとめる勝憲の背中が、陵華はいつになく寂しげに見えた。

陵華は、自分自身が悔しくてたまらなかった。
四宮さんはいつも自分を助けてくれたのに、自分は何か一つでも四宮さんの力になった事があっただろうか。
崖から落ちそうになったのを助けられ、手榴弾を持った襲撃者に襲われた時に護衛され、
酒場で正気を失った男性に襲われた時にも助けられ、その後死体を見て気分が悪くなった自分を気遣ってくれた。
いつもいつも、助けられてばかり。
自分も何か、四宮さんの力になりたかった。
でも、どうしていいか分からない。何も出来ない。
99すくえぬもの ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:14:32 ID:TE/9NCLq
そんな自分が、陵華はたまらなく悔しかった。苛立った。悲しかった。

勝憲の目には、涙が滲んでいた。
だが、勝憲はそれを必死で堰き止める。うっかり力を抜こうものなら、もう止まらなくなる。
あまり言葉を発しないのは、どうしても声が震えるからだ。

勝憲の心の中に飛来するのは、失った知人であり親友であり幼馴染の朱雀麗雅の姿。
先祖代々続くという剣術道場を切り盛りし、道場の生徒からは「鬼の師範代」と呼ばれ恐れられていた。
しかし、実際の麗雅は他人を思いやれる優しさと心の強さを兼ね備えた好人物だった。
それは非常に付き合いが長いと自負する勝憲自身が言っている事である。
いつ、誰に殺されるか分からないこの殺し合いという状況の中、
恐らく彼女ならば、簡単に殺される事は無いと、いや、殺される事など無いだろうと、
勝憲は心のどこかで思い込んでしまっていたのかもしれない。
だが――朱雀麗雅は死んだ。

悲しかった。どうしようも無く、悲しかった。泣きたかった。涙を流して、声を上げて泣きたかった。
だが、まだ泣く訳にはいかなかった。足踏みしている訳にはいかなかった。
まだ、もう一人の知人で、自分の事を慕ってくれている狐の少女、葛葉美琴が生き残っている。
早く見付け出して合流しなければならない。
それに、今、自分には大切な同行者、金ヶ崎陵華もいる。
ここで自分がしっかりしなければ、二人共失う事になる。
そんな事になったら、それこそ麗雅の怒りを買うだろう。
まだ自分は、泣く訳にはいかなかった。

外に止めてある白いタウンエースに乗り込み、シートベルトを締め、勝憲がエンジンをかける。
助手席に陵華が乗り込み、しっかりとシートベルトを締める。
そして二人を乗せたタウンエースは、ゆっくりと加速を始め、ガソリンスタンドを後にした。
閑散とした、無人の市街地の道路を、眩しい光で前方を照らした白いタウンエースが走る。


――結論から言えば。

勝憲はやはりこの時、冷静さを失っていた。気が動転していたのだ。
冷静なように装っていたが、幼馴染の死という現実は、彼の心を確実に動揺させていた。
だから、彼は気付かなかった。いつもの彼ならすぐに気付いたはずだった。
彼が車を走らせている先は――。
100すくえぬもの ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:17:26 ID:TE/9NCLq
「……?」

無言のまま車を走らせる勝憲の脇で、陵華は何かを思い出そうとする。
何だっただろう、確かこの先には何かあったはずだが――思い出せない。
何か、自分達の安全にも関わる、とても重要な何かがあったはずだが。

その間も車はその道を進む。

「……」

勝憲は一言も発しない、ただじっと前方を見据えてハンドルを握り、車を操縦する。
彼は恐らく、必死で心の整理を付けようとしていたのだろう。

「……あ!」

陵華が何かを思い出したようだ。
焦燥が混ざった口調で勝憲に向かって叫ぶ。

「四宮さん!! 駄目!! 確かこの先は――」

だが、気付いた時にはもう遅し。
二人を乗せた車は、一線を越えてしまっていた。

ピィ――――――。

二人の首輪から、処刑の合図である無機質な電子音が響く。

「しまっ――」
「嘘、そん――」

バァン!!

フロントガラスが、内側から真っ赤なペイントを施され、タウンエースは蛇行を開始し、
歩道に停めてあった自転車や立て看板を巻き込みながら、
街灯の一つに正面衝突し、動きを止めた。

二人は――禁止エリアに入ってしまったのだ。
101すくえぬもの ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:19:00 ID:TE/9NCLq
大破した車の運転席には、首から夥しい量の鮮血を噴き出し、車内を真紅に染めた若い黒髪の男と、
茶色のツインテールの少女が、座席に座ったまま、虚ろな、もう光を失った瞳を虚空に向け、
永遠に沈黙していた――。

もし、朱雀麗雅が生きていれば、彼女の名前が放送で呼ばれなければ、
勝憲はすぐに前方に広がる禁止エリアの事を思い出し、
安全なルートを通って島役場へ向かって移動していた事だろう。
勝憲も陵華も、このような無惨な結末を迎えずに済んだかもしれない。
だが、それはあくまで「もしも」の話。
もう何の意味も無い話。


――彼らはもう、「結末」を迎えてしまったのだから。



【四宮勝憲  死亡】
【金ヶ崎陵華  死亡】
【残り5人】


※G-2市街地に四宮勝憲と金ヶ崎陵華の二人の死体、
そして所持品を乗せた大破した白いタウンエースが放置されています。
※G-2一帯に衝突音が響きました。
102 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 19:21:22 ID:TE/9NCLq
投下終了です。
103創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 19:23:14 ID:2Nfcz+uN
うおお、まさかの……
ううむ、びっくりだぜ
しかしあと五人かークライマックス!w
104 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 20:57:14 ID:TE/9NCLq
同一の書き手が二回目の個人ロワをやる、というのはアリですかね?
105創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 21:00:49 ID:rJ6dLueg
お前さんは何を言っているんだ?
もちろんありに決まっているだろう!!
106創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 21:14:28 ID:DyHs7g5l
>>104
"やった"なら使っていい!
107創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 21:41:33 ID:BW9kK2yi
うらやましいぐらいに速筆だぜ……
108 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/23(月) 22:19:05 ID:1yRqXzOC
なんという投下速度……
うらやましいなー

ではこちらも、NIKUロワ第2話投下します
109第二楽章♪キバの凡人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/23(月) 22:19:59 ID:1yRqXzOC
よう、諸君。キョンだ。
いや、こんな出だしは俺のキャラではまずあり得ないんだがな。
だいいち、俺の本名はキョンじゃなくて(禁則事項です☆)。
しかし登場するのが俺一人で一人称視点となると、最悪の場合読者には状態表が出るまで俺が誰だかわからないという危険性が出てくるわけだ。
そこで最初に名乗っておこうと思った次第である。
何? メタ発言が過ぎる? すまない、俺もそう思う。
まあ原作の「ハルヒちゃん」でもたまにメタ発言はあるわけだし、ここはどうか大目に見てほしい。
さて、それじゃあそろそろ本編に移ろう。


意識を失った俺が再び目を覚ましたのは、とある民家の中だった。
どうやら意識のない間に、ここまで運ばれたらしい。つまりここが、殺し合いとやらの会場になる無人島ってわけか……。

「まったく、夢なら冷めてほしいもんだ……」

思わず俺は、口に出して呟いていた。しかし、それで何かが変わるわけではない。
ただ、俺の言葉が静まりかえっていた室内に響き渡るだけだ。

「どうしたもんかな……」

再び俺の口から、独り言が漏れた。
とにかく、俺が殺し合いに参加させられたという事実は認めよう。そうでなければ話が進まない。
では、その殺し合いの場で俺はどうするべきか。
他の参加者を殺しまくって、最後の一人を目指す? 馬鹿を言うな。
他に誰が参加しているかは知らんが、少なくとも俺が身体能力でトップクラスに入るような面子ではないはずだ。
俺はあくまで、ただの平凡な高校生なのだからな。
つまり俺より強い人間が少なからずいるはずで、そんな奴ら相手に殺し合いをしても勝ち目は薄いわけだ。
それ以前に、あいにくと平和ボケした生活を送ってきた俺には人殺しなど出来そうにない。
ならばなんとか、この無人島から脱出するしかない。しかしあくまで面白味のないただの一般人である俺に、そんなことがそうそうできるとも思えない。
となれば、話は自然と他力本願になる。今まで俺の危機を何度となく救ってくれた宇宙人・長門有希。
彼女とコンタクトを取ることさえ出来れば……。
そういえば、あいつもこの殺し合いに参加させられているんだろうか。
いないのなら長門の側が助けに来てくれるのを待つだけでいいのだが、いるとしたらこちらからも探しに行かなければならないだろう。
そうだ、あの「ハルヒ」は名簿も渡すと言っていたな。目の前にあるカバンに入っているのか?
俺は特に警戒することなく、カバンの口を開ける。その直後、俺の額に鈍い痛みが走った。

い……今起こったことをありのままに話すぜ! 「俺はカバンを開けたと思ったら丸っこいコウモリのような物体が激突してきた」
何を言っているのかわからないと思うが(以下略)

「ちくしょう! なんだここは! 俺をどこに連れてきやがった!」

カバンから飛び出してきたコウモリもどきは、興奮した様子でわめき散らしながら部屋の中を飛び回っている。
コウモリが日本語を話すことも驚きだが、もっと驚いたのはその声が俺にそっくりだということだ。
まあそれはたいして重要ではないだろう。とにかく、コミュニケーションが取れるのなら取ってみるべきだ。
そう判断した俺は、さっそくコウモリもどきに話しかけてみることにした。
110第二楽章♪キバの凡人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/23(月) 22:20:46 ID:1yRqXzOC
「おい。何をそんなに怒ってるのか知らないが、まずは落ち着け」
「ん? なんだお前は。あの女の仲間か? というか、俺の声真似するんじゃねえよ気持ち悪い!」
「いや、真似してねえよ。たまたまお前の声が俺に似てるだけだろうが」
「いやいや、お前の声が俺に似てるんだ」
「同じ事じゃないか」
「いーや、まったく違う。あくまで基準は俺! お前が俺に似てるんだ!」
「どうでもいい意地を張るな!」
「どうでもよくはない!」
「…………」
「…………」
「…………」
「やめよう、不毛だ」
「そうだな……」


◇ ◇ ◇


その後熱くなりかけたハートを適温に戻した我々は、とりあえずお互い自己紹介と情報交換を行うことにした。
まずこのコウモリもどきの名前は、キバットバット3世というたいそうなものらしい。
しかもファンガイアという種族の王に仕える身分だという。何だかずいぶんとえらそうだな、おい。
というか、ファンガイアってなんだ。聞いたことないぞ、そんなフレーズ。
まあその辺の追求は後回しにしておこう。
とにかくキバットは、自分の主であるワタルという人と一緒にいたところを突然何者かに拉致され、「殺し合いに参加してこい」とカバンに詰め込まれたらしい。

「で、その時に渡されたのがこの紙だ」
「どれどれ……」

キバットが差し出した紙に、俺は目を通す。

『キバットバット3世
 噛んでもらうと仮面ライダーキバに変身できるよ!
 本当はファンガイアしか使えないけど、色々いじったから人間じゃなければ普通に使えるよ!
 人間でも使うことは出来るけど、体力が容赦なく持っていかれるよ! 下手したら死ぬかもね!』

「……なんじゃそりゃあー!!」

下手したら死ぬって、そんな危険なもの使えるわけねえだろ! そもそも仮面ライダーキバってなんだ! そこを解説しろよ!
それに「人間じゃなければ」って、人間じゃないやつが参加してるのかよ!
……いや、そういえば身近にいたな。宇宙人が一人。やっぱりあいつも参加させられてるのか?
そもそも、最初の目的は名簿の確認だったんだよな。それをすっかり忘れていた。
というわけで俺は名簿をカバンから取り出し、そこに並んだ名前を読み始めた。
あー、やっぱり長門もいるのか……。それにハルヒに古泉に朝比奈さん……。SOS団勢揃いか。
森さんや鶴屋さんの名前まであるぞ……。
ん? ハルヒの名前二つ載ってないか? どういうことだ?
普通なら記載ミスと考えるところだが、さっき見たあいつのことを考えると……。本当にハルヒが二人いる?
まいったな……。仮にそうだとしたら、どっちが俺の知っているハルヒか区別する方法はあるのか?

「おい、俺にも見せてくれよ」

俺が思い悩んでいると、キバットが上空から声をかけてきた。特に断る理由もないので、素直に見せてやることにする。

「よかった、ワタルはいないのか……。あっ、でもユウスケが……」
「知り合いか?」
「ああ。最近ワタルの親衛隊に入ったやつだ。人間だが並のファンガイアよりよっぽど強い。
 性格もいいから、間違いなく殺し合いには乗り気じゃない。
 合流できれば頼りになると思うぜ」
「なるほどね……。小野寺ユウスケか。覚えておこう。
 それじゃあ当面の目標は……。俺の知り合いとそのユウスケって人を捜すことになるか」
「ああ、それでいいんじゃねえの?」
111第二楽章♪キバの凡人 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/23(月) 22:21:44 ID:1yRqXzOC
俺の提案に、キバットは体を縦に揺らして肯定の意思表示をする。
というか、いつの間にこいつは俺の相棒ポジションに収まってるんだ。

「よし、それじゃ……キバっていくぜー!」
「なんだそれは」
「気合いを入れるためのかけ声だよ。さあ、お前も一緒に」
「いや、なんで俺まで……」
「いいからやれ!」
「いててっ! わかった! わかったから頭を小突くな!」
「じゃあ改めていくぞ。声を揃えろよ?」
「わかったよ……」

『キバっていくぜー!』


【一日目・深夜/D-3・民家】

【キョン@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、キバットバット3世@仮面ライダーディケイド、不明支給品0〜2
【思考】
基本:この島からの脱出
1:知り合い及びユウスケとの合流(特に長門を優先)


※キャラ紹介
【キョン@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
いちおう本編の主人公。
ハルヒの相方の男子高校生。
古泉に「いつか世界を救うかもしれない」とまで言わしめた、卓越したツッコミスキルを持つ。
この人がボケに回ると、ツッコミ役がいなくなって収拾がつかなくなる。


※支給品紹介
【キバットバット3世@仮面ライダーディケイド】
ファンガイアの王に仕える、キバット族のモンスター。声はキョンと同じく杉田智和。
本来「3」はギリシャ数字だが、機種依存文字のためこのロワではアラビア数字表記で統一する。
彼に噛まれたファンガイアは、仮面ライダーキバへと変身できる。
このロワでは、ファンガイアでなくとも人外なら共通制限(疲労の蓄積)を受けるだけで使用可能。
人間も使うことは出来るが、疲労の蓄積が大幅に大きくなる。具体的に言えば、一般人なら5分程度で過労死する。
なお参戦時期は、第4話でディケイドとキバが戦う直前である。
112 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/23(月) 22:22:51 ID:1yRqXzOC
投下終了
キョンのテンションがところどころ妙に高いのは、ハルヒちゃん仕様だからです
113 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:51:16 ID:TE/9NCLq
投下乙です! にしてもトリップが「NIKU」になったのは偶然? いや必然か……?

自分も投下します。俺オリロワ第七十四話「GAME SET」
登場人物:松宮深澄、大崎年光、藤堂リフィア、志水セナ、新藤真紀
114GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:52:19 ID:TE/9NCLq
島役場一階オフィス。
全ての窓のブラインドとカーテンが閉め切られ、光源は茶色の制服に身を包んだ紫髪の憲兵の女性が座る、
デスク上のランプのみ。施設内の照明は非常口案内板や消火栓等を除き全て消えている。
女性憲兵――松宮深澄は、ノートパソコンの画面に表示される難解な文字列と戦っていた。
キーボードの上の両手の指が驚く程の早さでキーを叩いている。

(やはり……一筋縄では行かないようだな)

彼女が操作するノートパソコンの画面に表示されている文字列は、
この殺し合いの運営側のメインサーバーへの道を守護するセキュリティプログラム。
どうにか完成させた即席のハッキングソフトを使い、運営のメインサーバーには到達出来たが、
このセキュリティプログラムを突破しなければメインサーバーの中枢には入る事は出来ない。
セキュリティプログラムはコンピューター知識に豊富に通ず彼女でさえも、
全く見た事も無いような高度な技術で作成されていた。
今までの知識を頼りに手探り状態でプログラムを解読していくが、
それは言うなれば、図書館の奥の倉庫に眠る膨大な書籍の山から、
過去の偉人が記した貴重な書物を見つけ出すようなもの。
深澄の額に汗が滲み出る。

(しかし、こいつを突破出来なければ、どうにもならん……何とか踏ん張るしかなさそうだな)

余りの難解な文字列・数字列に辟易しながらも、深澄はひたすら画面を凝視しキーボードを打つ。


同じ頃、島役場裏口の前に、白いYシャツとジーンズ姿の茶髪の男、大崎年光と、
血塗れの制服を着た狼獣人の少女、藤堂リフィアがいた。

第二回目の放送後、二人は残り人数の少なさに半ば絶望していた。
自分達を含めて、たったの9人。もう10人を切ってしまっていたのだ。
市街地で仲間を集めて脱出手段を探す、という構想が危うくなっていた。
禁止エリアは三つとも全く関係の無い場所だったので気にする事は無いと判断した。
そしてこれからどうするか二人で相談し合った結果、
市街地のほぼ中央部に存在する島役場を目指す事にしたのだ。

そして数十分後、二人は島役場へと足を踏み入れようとしていた。
裏口のノブを回し、鍵が掛かっていない事を確認する。
ゆっくりと、音を立てないようにしつつ、扉を開け、建物の内部へ年光が先行した。

「動くな」
「ちょ、ちょっと待て。撃つな。撃つなよ」

年光が建物内に足を踏み入れた直後、こめかみに銃を突き付けられる。
横目で確認すると、暗くてよく分かりにくかったが、どうやら憲兵の女性らしかった。

「中に入れ。お前もだ」
「は、はい」

女性憲兵――深澄は銃を突き付けたまま年光とリフィアを建物の中に入れた。
二人は持っている武器を床の上に置けと命じられ、言う通りにした。
ホールドアップの姿勢を取らされたまま、二人は深澄に尋問を受ける。
115GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:53:17 ID:TE/9NCLq
「お前達の名前は?」
「お、大崎年光」
「藤堂リフィアです」
「単刀直入に聞くが、殺し合いに乗っているのか?」
「乗ってない」
「乗ってません」
「その様子だと随分苦労してきたようだな。特に娘の方」
「ま、まあそうだな」
「そうです……」
「……いいだろう。悪かったな。私は松宮深澄だ」

どうやら殺し合いには乗っておらず、そこそこ戦いを経験していると判断した深澄は銃を下ろし、警戒を解いた。
緊張感から解放され二人は安心の笑みを漏らす。
その後深澄は「絶対に声を出すな」と二人に釘を刺し、役場一階オフィスに案内した。
なぜ声を出してはいけないのかと二人はいぶかしんだが、すぐにその理由を知らされる。
深澄から筆談によって聞かされたのは首輪からの盗聴の可能性。
そして今、運営側のメインサーバーにハッキングを仕掛け、首輪の解除を狙っているという事。
盗聴の可能性について聞かされた時は二人はかなり驚いた様子だった。
下手をしたらいつでも首輪を爆破される状況だったのである。
しかし、その次に聞かされたハッキングの話を聞かされた時、二人は思わず歓声を上げてしまいそうになり、
深澄にきつく制止された。
自分達の考えは間違いでは無かった。
脱出への糸口を見いだせる可能性のある人物が目の前にいる。
二人の心に希望の光が射す。しかし深澄は「過剰な期待はするな」とメモ帳に書いた。
もしハッキングがばれたら、自分のみならず、下手をすれば現在生き残っている全員が処刑されるかもしれない。
まさにこれは諸刃の剣なのだ、と。
しかし、年光は同じくメモ帳に「それでも希望が見えただけ嬉しい」と書く。
リフィアも尻尾を振りながら嬉しそうな表情を浮かべる。
そんな二人を見て深澄はフッと笑みを浮かべ、メモ帳に「年光は正面、リフィアは裏手を見張ってくれないか」と書く。
二人は頷くと、年光はモシンナガンM1891、リフィアはコルトM1900を携え、ブラインドの隙間から外を見張り始めた。
深澄は再びデスクに腰掛けると、複雑な文字列との戦いに戻った。


志水セナは、殺害した二人の少女からの戦利品を自分のデイパックの中に押し込むと、
最も人が集まりやすそうな場所という理由で島役場を目指し歩いていた。
手にはイングラムM11A1を携え、夜の街を突き進んでいく。

「このまま……優勝してみせるわ」

優勝への決意を更に固めながら、セナは島役場へ向かっていく。


新藤真紀は、島役場の正門に辿り着いていた。
敷地内に足を踏み入れようとして、思い止まる。

(もしかしたらブラインドの隙間から見張ってるかもしれないわね)
116GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:54:33 ID:TE/9NCLq
暗くて分かりにくいが、どうやら島役場の全ての窓のブラインドとカーテンが閉め切られているようだ。
これは、中に誰かがいる可能性が高い。
迂闊に近寄ると、逃げられるか、攻撃される危険がある。
さて、どうしたものか、と、真紀は周囲を見渡す。
すると、役場のすぐ右隣に面した民家に目が行った。
塀が役場の建物のすぐ右脇まで続いている。
真紀は役場右脇の民家の敷地内に入り、姿勢を低くし、塀に隠れるようにして役場建物右側面の辺りまで移動した。
そして、両手に力を込めながら、塀を乗り越えた。
役場の敷地に降り立つ際、可能な限り足音を立てないよう、ゆっくりと降りた。
そして再びしゃがみ歩きの体勢を取り、小さな窓から中の様子を探る。

(いた!)

役場正面方向を監視する男と、オフィス奥のデスクで何やらパソコンに向かって作業をしている女、
そして役場後方を見張る獣人の少女の三人。
やはり正面は見張られていたのだ。危ない所だった。

(どうやら気付かれていないみたいね、これは好都合だわ)

見た所、男はライフル、少女は拳銃を持っている。他にも武器を持っている可能性が高い。
正面から切り込めば、銃撃戦になる事は確実。
こちらも無傷では済まされないだろう。
真紀は思案する。どうすれば比較的安全に中にいる三人を殲滅出来るか。

(……ちょっと力押しになっちゃうけど)

真紀はしゃがみ歩きのまま、島役場前方部、ライフルを持った男――年光が見張っている場所に移動する。
しかし現在真紀がいる場所は年光からは死角になっており確認する事は出来ない。
しかし、真紀からはブラインドの隙間から辛うじて年光の姿が確認出来た。
流れは完全に真紀のものになっている。

(これを使う時が来たわね)

真紀はデイパックをゆっくりと開け、中から野球ボール程の大きさの黒い物体を三個取り出した。
それは――真紀がこの殺し合いで初めて手に掛けた野球選手からの鹵獲品である。


年光がブラインドの隙間から、夜の闇に包まれた役場正面広場を監視する。
動く影は見当たらない。見えるのは街灯の光に照らされた役場前の道路や建物のみ。
手にしたモシンナガンを握る手に力が籠る。
ようやく、脱出に手が届こうとしている。
何人もの罪の無い人々が理不尽な殺人ゲームを強いられ、命を落とした。
自分とリフィアも仲間の死別を経験した。
断ち切るのだ。この悲劇の連鎖を。
そして今、自分の背後で女性憲兵、松宮深澄が必死に運営のメインサーバーにハッキングを仕掛けている。
後一歩。後一歩なのだ。
邪魔させる訳にはいかない。襲撃者が来たら、容赦無く――殺す。
117GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:55:59 ID:TE/9NCLq
「リフィア、そっちの様子はどうだ?」

年光が役場後方を見張るリフィアに声を掛けるため、顔を後ろに向けた。
その時だった。

バリィィィン!!

年光がいる位置の近くのガラスが突然弾け、ブラインドを突き破り何かが投げ込まれた。
投げ込まれたそれはデスクの上を跳ね、深澄のすぐ近くで止まった。

「――――!!」

それを見た深澄が、驚愕の表情を浮かべた直後――。


ドガアアアアアアアアアアアン!!!


それ――手榴弾が、激しい爆音と爆風、爆炎を巻き起こし、炸裂した。
一階のガラス窓が、一瞬にして全て吹き飛び、ガラスの破片が外に飛び散る。

爆心地のすぐ手前にいた深澄の身体は、跡型も無くバラバラに砕け散った。
苦労してセッティングしたノートパソコンも、脱出への糸口も、深澄と運命を共にした。

リフィアは爆風によって吹き飛ばされ、巻き起こった炎に身を焼かれながら外へ放り出された。
固い路面に何度も身体を叩き付けられ、ようやく停止したリフィアの身体は、
今まさに炎に包まれようとしていた。
それだけでは無い、右腕が無くなっていた。顔の右半分がグチャグチャに損壊していた。
もう身体を動かす事も出来ない、何も感じない。痛みも熱さも。

「……私……死ぬんだ……もう……」

徐々に狭まっていく視界の中で、彼女が最期に見たものは、
大きなガラス片に身体中を貫かれ横たわるセーラー服を着たハーフ狐獣人の少女だった。

ハーフ狐獣人の少女――志水セナは、役場裏手、リフィアの監視範囲から死角になる位置で突入の機械を窺っていた。
そして、いざ突入しようと、窓へ向かったその時、突然役場一階で爆発が大きな起きた。
吹き飛んだ窓ガラスの破片は、無数の鋭利な凶器と化し、セナに襲い掛かった。
セナの足、腹、胸、腕、喉、そして左目を、ガラス片が深々と抉る。

「ぎゃっ、い、ぁ……ごふっ」

そして間もなくセナは、その場に仰向けに倒れ、活動を停止したのだった。

そして、一番爆心地から遠かった年光も、衝撃波により外へと放り出され、固いアスファルトの上に強く全身を叩き付けられ、
何度も転がり、ようやく停止した。
身体中の激痛に耐え、起き上がろうとするも、右腕と左足が全く動かなかった。
地面に叩き付けられた時の衝撃で、右腕と左足の腕はいとも容易く破断したのである。
それでも何とか視線を役場の方へ向ける。

「あ……ああ……そん……な……嘘……だろ……?」
118GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:57:06 ID:TE/9NCLq
そこで彼の目に映った光景は、まさに絶望そのもの。

役場の一階部分が、炎上していた。
真っ赤にめらめらと燃え上がる炎は、役場一階のみならず、役場全体を呑み込もうとしている。

「嘘……だ……こんな……の……て……アリ……かよ……なぁ……?」
「アリなのよ」

突然聞こえた若い女性の声。
声の聞こえた方向を向くと、そこには艶やかな緑色の長髪をたなびかせた、
白い半袖のカッターシャツと紺色のスカートを着た人間の女性が立っていた。

「……お前が……やった……のか?」

年光はある種の確信を覚えつつも、女性――新藤真紀に尋ねた。
そして、返ってきた答えは年光の予想通りのものだった。

「そうよ? いやあ、こんなに上手く行くなんて思ってなかったけどね」
「……! て、めぇ……! この糞アマがああああああああああ!!!」

年光はまるで怒りに我を忘れた獣の如く、咆哮した。
あともう少しで、あともう少しで脱出出来たかもしれないのに。
それを、この女が、この女が……!

「糞アマでも構わないわよ。糞アマなら糞アマなりの戦い方させてもらうからさ。
ってな訳で、じゃあね♪」

真紀が手にしたウィンチェスターM1873の引き金を引いたと同時に、年光の頭部が弾け、
年光の身体は全ての力が抜け、ただの有機物の塊となった。

「ふう……でも、我ながらエラい事しちゃったわね」

建物全体が炎に包まれようとしている島役場の建物を眺めながら、真紀が感嘆の声を漏らす。
手榴弾を使って人を爆殺した上に公の施設の建物を全焼させたのだ。
これが日常であれば懲役刑では済まされまい。終身刑、最悪の場合、極刑にもなり得る。

「さてと……」

残りの参加者を探しに行こうとしたその時、島中のスピーカーが一斉に起動し、耳障りなハウリング音が鳴り響く。
何事かと目を丸くする真紀の耳に、主催の男の声が入る。
119GAME SET ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:57:53 ID:TE/9NCLq
『はーいこれでバトルロワイアルは終了でーす。
新藤真紀さん、おめでとうございます! よく頑張りましたね!
あなた見事、この殺し合いを勝ち抜き、優勝者となりました!!
心より祝福致します!!

では、今からそちらに迎えのスタッフを行かせますので、申し訳ありませんが
しばらくその場でお待ち下さい。
あ、もちろん火災現場からは離れてて下さいね!

何にせよ、新藤真紀さん、優勝おめでとうございまーす!!』

「……へ? 優勝?」

予想していなかった事態に、真紀はきょとんと拍子抜けしてしまった。

いつの間にか、自分は優勝していたのだ。
つまり、あの狐の少女も、和服姿の少女も、とっくに死んでいた、という事である。
熱気が凄まじい建物から離れ、安全な位置で真紀は膝をつく。

「……何だか、実感わかないなぁ……」

今一つ実感が湧かなかったが、何にせよ、優勝したのだ。
50人もの参加者がいたこの殺し合いを勝ち抜き、最後の一人になった。
主催の男の言う事が本当ならば、これで日常に帰る事が出来る。

「はぁ……しんどかったな〜……」

遠くから微かに聞こえてくるヘリコプターのローター音を聞き取りながら、
真紀は夜空に浮かぶ満天の星空を仰いだ。




【松宮深澄  死亡】
【藤堂リフィア  死亡】
【志水セナ  死亡】
【大崎年光  死亡】
【残り1人】

【ゲーム終了/本部選手確認モニタより】

【優勝者――――女性参加者18番:新藤真紀】
120 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/23(月) 22:59:24 ID:TE/9NCLq
投下終了です。とりあえず本編はこれで終了。
後はゲーム終了後の話やエピローグ的なものを……。
121創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:05:32 ID:DyHs7g5l
優勝ENDだと……乙でした
122創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:14:41 ID:jHBkUG28
お二方とも投下乙です!

> 第二楽章♪キバの凡人

キョンがキバかwしかし五分で過労死とは中々きつい制限
果たして杉田コンビはキバっていけるのか

> GAME SET

ついに終了ですか……エピローグも楽しみにしております
123創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 23:31:43 ID:ms+UtV+l
投下乙

普通に最後の一人になって優勝ENDとか何気にかなり珍しい終わり方
どんなオチが待ってるのか気になりますがとりあえずお疲れ様でした!
124創る名無しに見る名無し:2009/11/24(火) 00:00:01 ID:7VL4bTbr
最終回乙です。
優勝エンドになるとは思わなかった。
新ロワも楽しみにしております。
125 ◆c92qFeyVpE :2009/11/24(火) 23:40:20 ID:sSjbT/HS
最終回乙です
まさか優勝ENDとは……エピローグ楽しみにしています。

一般……?人ロワ二話、玄野計、竹井久投下します
126方針決定 ◆c92qFeyVpE :2009/11/24(火) 23:41:20 ID:sSjbT/HS
A-1の洋館。
その一室で一人の青年がデイパックを探っていた。
青年の名前は玄野計、最初の部屋で一人黒い球体……GANTZに声を荒げた男である。
デイパックに入っていた物を片っ端から広げ、息を荒くしながらCOMPとはまた別の機械を手に取った。

「くそっ、地図しか見れねぇ……!」

一言吐き捨て、その機械を置き拳銃を手に取る。
ずしりと重さが伝わり、それがモデルガンなどではないということを伝えてくる。

「実銃……本当に星人じゃなくて人を殺せっていうのか」

彼は他の参加者――加藤・西・和泉の三人を除いた――とは違い、GANTZに殺し合いを強制されるのは初めてではない。
最もその内容は大分違い、GANTZに呼ばれた者全員で星人と言う異形の生物と戦うというものだ。
部屋に呼ばれた者同士で殺し合えなどということは今までなかったはずだ、少なくとも玄野の知っている限りでは。
そして彼は知っている、ただの銃などでは何十発と撃とうが星人は倒せない、こんな銃を渡されても気休めにすらならないということを。
つまり、これから自分が相手にするのは星人じゃなく、人間なのだ。

「何が起こってる……おっちゃん達はいないし、和泉の奴、死んだはずじゃないのか」

一度GANTZのミッションから解放されたにも関わらず、命のやり取りを楽しみたいと戻ってきた異常な男、和泉。
彼はミッション外に起きた襲撃事件によって死亡したはずだ、しかしあの場にいたのは和泉以外の何者でもない。
それに玄野の他の仲間、共にGANTZミッションを戦い抜いてきた仲間たちはいなかった、彼らと殺し合うなど御免だが、それでも心細いと思ってしまう。

「解放されるには300点、8人も殺せってのか……?」

ルール説明を読み、その数字に落胆の色を表に出す。
星人なら何体も倒してきた、それですら始めは生き物を殺すことに抵抗感があった、人間を殺すことなどとてもできない。

「後は、これか……」

目にとまった一文を指でなぞる。
そこに書かれているのは6時間毎に星人が呼び出されるという説明。
星人一体につき90点手に入るのならば、4体倒せば誰も殺さずに解放されることができる。
……が、それを実行に移すには最初の問題に戻る、実銃では星人に勝つことなど無理だということ。

「ああ、くそっ!」

どうしても手詰まりになってしまい頭を抱える。
星人と戦うならばどうしても武器が必要だ、最低でもいつもなら最初の部屋に用意されている「スーツ」と「Xガン」の二つ。
この二つが無ければ星人とはまともに戦うことさえできない、玄野はスーツがない状態でミッションに参加し生き残ったこともあるが、それもXガンなどの武器をもっていたおかげだ。
今はその両方がない、考えれば考えるほど自分が危機的状況に陥ってることを思い知らされ絶望感が強くなっていく。

(いやっ、まだだ! 落ち着け、落ち着け……そうだ、一人で戦うわけじゃない、もしかしたらガンツの武器を支給されてる奴がいるかもしれない、そいつと協力すれば……)

落ち続ける思考を無理やり奮い立たせ、少しでも有利になれる方法を思案していく。
この思考の切り替えと最後まで諦めない心、これが玄野がGANTZミッションの中で得た物だ。
玄野がどう動くか考えてる間に、その背後で扉が開かれ一人の少女が部屋に足を踏み入れる。
127方針決定 ◆c92qFeyVpE :2009/11/24(火) 23:42:05 ID:sSjbT/HS
「あ……」
「えっ、わっ」

突然の遭遇に玄野は咄嗟に銃を向けようとするが、相手がただの人間であることを思い出し構えることができない。
少女はそんな玄野の顔を見て自身の赤みの強い髪を弄りながら何か考えている。

「んー……もしかしてあなた、さっきの部屋ででっかい球に叫んでた人?」
「あっ、そう、だけど」
「よかった、事情を知ってそうな人がいないか探してたのよ、あ、私の名前は竹井久、よろしく」
「えっ、と、玄野、計……よろしく」

笑いかけながら右手を差し出され、玄野は銃を置いてその手に応じる。
考えてみれば、突然GANTZに呼ばれただけではどうなっているのか理解できるわけがない、玄野自身初めてGANTZミッションに参加させられた時は星人を目の前にするまで何もわからなかった。
必要以上に怯えていた自分に気恥ずかしさを感じながら、広げていた荷物をデイパックに戻し久と向き合う。

「それで、聞きたいことって……俺も、あんまよくわかってないんだけど」
「そうね……とりあえず、私たち以外にも人がいっぱいいたけど、皆無事なのかしら? 知り合いも結構いたのよね」
「それは無事……だと思う、始まったばかりなら星人がいないみたいだし」

歯切れの悪い玄野の言葉に久は困った顔を浮かべるが、気を取り直してデイパックから荷物を取り出す。

「!?」
「これ、ガンツスーツって言うらしいんだけど、玄野君、あの球のことガンツって言ってたわよね? 何か知って……るって感じね」
「あ、ああ……!」

玄野の反応ににやりと笑みを浮かべ、久はガンツスーツを広げる。
上下2ピースに分かれた黒いピッチリとしたタイツに玄野は希望を見出す。
『女性用』と書かれた紙が貼ってあるそれは玄野が着ても効果を発揮しないだろうが、久がそれを着て共にいてくれれば自分の生存確率は格段に跳ね上がるはずだ。

「それは着た方がいい、着るだけで生き残れる確率が上がる」
「……生き残る、か」

久の反応に玄野は慌てる、嘘っぽいと思われてスーツを着てもらえなければ両者にとって命取りとなりかねない。

「あっ、いやっ、嘘とかじゃなくて……」
「ん? 別に疑ってなんてないわよ、玄野君が必死だってことは見てるだけで伝わってくるわ」
「そ、そっか……」
「察するに、これに書いてある殺し合いって本当のことなんでしょ? みんなが無事かどうか、心配になっちゃってね」

想像以上にすんなりと状況を理解し知り合いの無事を祈る久に、玄野は加藤の姿を重ね合わせる。
危険な思考を持つ西と和泉を除けばこの場にいる自分の唯一の仲間、加藤勝。
彼はGANTZミッションの中でも誰一人犠牲者を出さないようにと奮闘していた、更には星人であろうとできるだけ殺さないようにと捕獲用の銃を常に持っているほどの優しい青年だった。
加藤が側にいればいくらか心強いかもしれない、そんなことを考えて少し情けなくなる。
128方針決定 ◆c92qFeyVpE :2009/11/24(火) 23:42:46 ID:sSjbT/HS
「ねえ、玄野君」
「え?」
「この殺し合いから逃げる手段って、300点獲得する以外にないのかしら」
「っ!」

久の言葉に玄野の表情は強張る。
先ほど玄野が考えていた星人のみを倒して解放されるという案……それを行うにはまだ考えていない問題点がある。
それは星人の数、二日間というタイムリミットの中、星人が現れるのは6時間に一回、タイムリミットである48時間目を除けば七体しか現れないのだ。
つまり星人だけを倒す方法をとれるのは一人だけ、残りはどうしても参加者同士で殺し合わなくてはならない。

「これを見る限りこの殺し合いに参加させられているのは30人、一人40点だから1200点あることになるわ、そこにこの星人ってのの分が630点加わって1830点……自分の分を除いて1790点ある計算になる」
「あ、うん……」
「この点数を無駄なく配分したところでたったの5人しか逃げれない……こんなのって、酷すぎるわよ」
「……竹井」

点数計算をして沈む久へ、玄野は語りかける。

「……ごめん、何かしら?」
「俺にも、ガンツから完全に解放される方法はわからない」
「……」
「けど、諦めるのは早い、今回は俺の知ってるガンツのミッションとは違う、なら何か抜け道みたいなのがあるかもしれない」
「……無いかもしれないわよ?」
「それなら、作ってやる」

それは、ただの強がりだったのかもしれない。
スーツを持ってる久にやる気になってもらおうという、打算から来た言葉だったのかもしれない。
それでも、例え何の根拠もなかった言葉だったとしても。

「俺が、ガンツに支配された世界をぶち壊してやる!」

その時の玄野は、久にとってとても格好良く見えたのだ。


【A-1/洋館/一日目 深夜】
【玄野計@GANTZ】
【状態】健康
【装備】スタームルガーP85(15/15)@現実
【所持品】支給品一式
【思考】
1:ガンツから解放される

【竹井久@咲-saki-】
【状態】健康
【装備】無し
【所持品】支給品一式、ガンツスーツ(女性用)@GANTZ
【思考】
1:ガンツから解放される
2:知り合いの無事の確認

※ガンツスーツについて
本来個人専用のスーツでない限り例え性別や背格好が同じでも効果は発揮されない。
けれど今回のバトルロワイアルでは「男性」「女性」「子供」の三通りに分かれそれぞれに合っていれば効果を発揮する。
129 ◆c92qFeyVpE :2009/11/24(火) 23:46:34 ID:sSjbT/HS
投下終了

ついでに忘れてた参戦時期です
【遊戯王5D's】ダークシグナ―編終了後
【咲-saki-】アニメ24話、個人戦終了後
【GANTZ】ラストミッション編直前
【デビルサバイバー】ジン・ハルルートクリア後
【ペルソナ4】真ED後、全コミュMAX、恋人:直人
130 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 00:59:06 ID:+KPqnbv7
投下乙です! さて、俺オリロワエピローグ投下します。
えー、楽しみにして下さった方もおられるようですが、あまり期待しない方が、いいです…。
逝きまーす!
131収束する世界 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 01:00:07 ID:+KPqnbv7
殺し合いが終わった後、真紀は迎えに来たヘリコプターに乗せられ、
ゲーム会場である孤島から東に数q離れた小島に連行された。
そこで真紀を待っていたのは、このゲームの主催者――というよりは、運営役である、柴田行隆と名乗る、
長身痩躯の人間の男。その声は紛れも無く、開催式でのあの男の声、そして放送でのあの男の声であった。

大型エレベーターを使って地下に下り、応接間のような部屋に通された真紀は、
そこで行隆からねぎらいの言葉と共に、優勝者への褒美としてこの殺し合いを開催した目的について聞かされた。

「この殺し合い、バトルロワイアルは――実験だったんですよ」
「実験……?」
「ええ、ある方の提案でしてね。
大人数の一般人を狭いフィールド内で殺し合わせると、プレイヤー達はどのような行動を取るか、
という事を検証するためのものだったんです。有名プロ野球選手や世界最高齢の女性といった有名人を、
プレイヤーとして参加させるのはどうかと思ったんですが、上層部の意向でしてね。
但し世界最高齢の女性である菊池やとさんは、流石にそのままでは戦う事は愚か歩行すらままならないので、
拉致した際にちょっとした肉体改造を施したんですけどね。
いやあそれにしても、皆さんよく戦ってくれましたよ。おかげで貴重なデータが数多く収集出来ました」
「……」

行隆が話したこのバトルロワイアルの開催の目的は、参加者達、もちろん真紀からしても、
実に身勝手で理不尽かつ馬鹿げたものだった。
一体どこの誰がそんな馬鹿げた実験を提案したのかは知らないが、お陰で自分は知り合いを一人失ったのだ。
殺人については完全に自分の意思で行ったものなのでその責任を擦り付けるような事はしない。

「……アンタらは何者なの?」
「俺らは……まあ、政府公認の超法規的組織って奴ですかね。余り詳しい事は言えませんが。
ごく一部、ほんの一握りの絶大な権力者、実力者の願いや考えを実現してあげるのが仕事なんですよ。
今回のバトルロワイアルもその一つです。しっかし苦労しました。舞台の用意に支給品の準備。
参加者の拉致にマスコミや国家警察への根回し……超過労働ですよ、ホント」
「アンタらの苦労話に興味なんか無いんだけど」
「ですよねー」

しかし行隆の言っている事が事実なら、この殺し合いはどこぞの権力者――恐らく大物政治家か、
非合法組織の頭領か、強大な軍事力、政治力を持った大名家か。
とにかく馬鹿げた考えを起こした奴が発端となってこのバトルロワイアルが起きたという事になる。

(全くいつの世になってもはた迷惑な奴はいるもんよね……おかげでとばっちり食うのはいっつも一般の民間人よ)

その提案者に呆れと怒りが混じった感情を抱きながら、真紀が溜息をつく。

「そう言えば会場になった島、住民はどうしたのよ? 追い出したの? っていうかこんな事して騒ぎにならないの?」
「住民? ああ、今でも島で普通に平穏な日常を送っていますよ」
「……へ? どういう事?」

行隆の言った事が理解出来ず真紀が疑問の声をあげる。

「この世界は元々あなた方が暮らしていた世界とは別次元の世界なんです。
本当なら海しか無いんですが、このバトルロワイアルのために、ある離島を島ごとコピーして、
そのコピーした島を会場にしたって訳です」
132収束する世界 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 01:00:57 ID:+KPqnbv7
要するに、今自分達がいるこの世界は元々自分達が暮らしている世界とは違う世界で、
あの島は自分達が住む国のとある離島のコピーらしい。
なので住民は元々あの島にはいなかった。いや、住民はコピーの元となった島で今も普通に暮らしている、という事だ。
ややこしい話だが、真紀は何とか理解した。

「それに、先程も言ったと思いますが、マスコミ、つまり報道機関は完全に我々の支配下にありますからね。
騒ぎになんてなりゃしませんよ。まあ、一日で一気に50人も行方不明者が出たのですから、
多少は騒ぎになるでしょうけど、すぐ収まります」
「……へえ……」

どうやらこの男の所属する組織とやらは、相当な影響力を持った強大な組織のようだ。

「とにかくまあ、あなたはもうすぐ家に帰れますよ。
安心して下さい。殺人の事も、このバトルロワイアルの事も、あなたが自分から話しでもしない限り、
誰にも分かりません。このバトルロワイアルに参加する前と同じ、平穏な暮らしに戻れます」

簡単に言うな、と真紀は心の中で行隆をなじる。
自分は人を8人も殺している。事故などでは無い、正当防衛などでも無い。自分の意思で、だ。
全く罪悪感を感じていない訳では無い。自分はそれを一生背負わなければならないというのに。
それで「平穏な暮らし」というのも、語弊がある気がするのだが。

「それじゃあ、おやすみなさい」
「え?」

行隆がそう言ったのと同時に、再び首輪から電流のようなものが発せられた。
そして、真紀の意識は、静かに遠退いていった――。
133収束する世界 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 01:02:09 ID:+KPqnbv7
気がついた時、そこは、真紀が住むアパートの一室、自分の寝室のベッドの上だった。
上体を起こし、辺りを見回す。
カレンダー、机、クローゼット、目覚まし時計。
間違い無い。何もかもが、殺し合いに拉致される直前の、夜の時のまま。
時刻は朝の8時23分。カーテンが閉められた窓から柔らかな太陽の光が差し込んでいた。
カーテンを開けると、そこにはよく見慣れた街並みが広がっている。
犬の散歩をする老人。自転車で遊びに行く子供達。買い物に出かける女性。
紛れも無く、いつも見慣れた、自分の町。

帰ってきたのだ。

「夢……?」

一瞬、夢だったのだろうか、と、真紀は錯覚した。
首輪にはめられていたあの首輪は跡型も無くなり、傷も全て癒えていた。
ボロボロになっていた衣服も、元通りになっている。
長い、とても長い夢を見ていた――そんな気分だった。

だが、居間に移動してテレビを点けた時、それは間違いだという事に気付く。
テレビの画面の中では、見慣れたニュースアナウンサーがニュースを読み上げていた。
日付は――自分が殺し合いに拉致される前日の夜の、次の日の日付だった。

『……続いてのニュースです。××ウィングズ所属の投手、長谷川俊治さん(27)が、先日より行方が分からなくなっています。
関係者の話によりますと……』
「夢じゃ、無かったんだ……」

やはり、夢では無かったのだ。あの殺し合いは、本当にあった。
それは殺し合いの参加者の一人であり、自分が殺した有名野球選手が、行方不明になっているというニュースを見て、確実なものとなった。
あの後、どうやって帰されたのかは知らないが、とにかく自分は、ここに帰還した。
つまり、自分は人を殺した。そして、知人を一人――失ったのだ。

「……」

真紀は、急に怖くなった。
あの殺し合いの時は、なぜか恐怖というものを感じなかったというのに。
なぜ今になって、こうも恐怖心が湧いてくるのか。
だが、理由は分かっていた。
134収束する世界 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 01:03:29 ID:+KPqnbv7
自分は、人の命を奪ったのだ。
本来なら、重刑は免れない、殺人の罪。
だが、それは真紀本人しか知らない事実。
真紀がその罪で裁かれる事は無い。

それが、真紀は怖かった。

その罪を一生、誰にも言う事無く、背負い続けていかなければいけない。

「……やるしか、ないわよね」

真紀は拳を握り締め、意を決したように言う。
自分は人を殺めた。決して許されない罪。しかし裁かれる事の無い罪。
だが、逃げてはいけない。逃げた所で、罪はどこまでも追いかけてくる。
その罪を、一生、忘れずに、死ぬまで背負い続けるしか無いのだ。

「襲禅……多分、アンタは馬鹿にするだろうけど。
私、生きるよ。それはもう、しわくちゃのばあさんになるまでね」

真紀は、死んでしまった知人――狼獣人の不良警官、須牙襲禅に、自らの決意を述べた。




殺し合いという壮絶な修羅場を勝ち残り、生還した彼女は、この後、どのような人生を送るのか。




それはまた、別のお話。





【新藤真紀――――バトルロワイアルより、生還】

【俺のオリキャラでバトルロワイアル   完】
135 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/25(水) 01:10:17 ID:+KPqnbv7
投下終了です。
えー、すみませんごめんなさい。エピローグなのになんかアレでごめんなさい。
主催の目的とかキャラの生還後とか何も考えず見切り発車でこの俺オリロワを企画した結果がこれだよ!
心理描写とか内面描写とか苦手なんですもう本当に……頑張って捻り出したんです!
実は新藤真紀生還する予定じゃ無かったんですよね。別のキャラが生還する予定だったんですけど、
優勝END自体は最初から頭の中にあったんですけど誰を優勝させようか話を進めながら色々思考錯誤した結果がこれだよ!
トップマーダーが優勝+生還っていうのもアリ? かと、思ったんです……。

とにかく、あの、読んで下さった皆様方、感想を書いて下さった皆様方に
心から感謝の意を表します。ありがとうございました!
136創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 01:12:53 ID:qvwV4Mum
貴方が神か

いや、途中から追い始めたにわかですが本当に感動しました。
アレだけのオリジナルキャラの設定を考えてしかも綺麗にシマっている……
いい物語をありがとうございました! 本当にありがとうございました!
137創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 01:26:50 ID:8ckw771m
投下乙です

>c92氏
GANTZのことをよく知っているために、状況が絶望的であることを理解してしまう……
玄野君も大変だなあ
それでも脱出目指して頑張るようなので、応援したいところ

>Uw氏
まずは何はともあれ、完結おめでとうございます
氏の執筆速度と質には驚かされてばかりでした
次のロワもすでに企画しておられるようなので、期待しております
138 ◆leUBw6he9c :2009/11/25(水) 02:29:20 ID:PFGNzTkP
完結おめでとうございます。速筆ですねー。質もいいし。
書き手として羨ましい限りです。
それとこの前の実況スレでも書きましたがトリ変えました。
後、オープニングの支給品説明の部分を地図から島全体の地図と現在位置を示すデバイスへの変更。
1話の現在位置が間違っていたので修正しました。
139 ◆5ddd1Yaifw :2009/11/25(水) 02:41:03 ID:PFGNzTkP
おっとトリミス
140 ◆5ddd1Yaifw :2009/11/25(水) 03:03:45 ID:PFGNzTkP
おっと感想書き忘れ。
>NIKU氏
杉田コンビ結成か……キバっていけるのか?
制限があるからなー結構きつそうだな。
>c92氏
いい対主催合流話。このまま脱出までいけるか?
141 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 13:07:41 ID:+OJcVS5N
昼間にこっそりと……
NIKUロワ第3話、投下します
142 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 13:09:08 ID:+OJcVS5N
海沿いの路上に、一人の男が立っていた。
見た目から察せられる年齢は、そこそこ高め。超高級とまではいかないが、質のよいスーツを身にまとっている。
男の名は、ガイ。だがこの名は、仮初めのものでしかない。
彼の真の名前は、アポロガイスト。あらゆる世界の悪が大同団結して誕生した究極の悪の組織、「大ショッカー」の大幹部に名を連ねる存在である。

「いったいどうなっているのだ……」

ガイは困惑していた。彼はBLACKとRXという二人の仮面ライダーに追いつめられ、次元を歪めて大ショッカーの基地へ逃亡したはずだった。
なのに気が付けば体を拘束され、あの場所でバトルロワイアルの説明を聞かされていたのだ。

「むう、次元を渡る力が発動しないだと……! 何らかの方法で封じられているというのか。おのれ忌々しい!」

ガイはまず、自らの能力でこの世界から脱出することを考えた。
しかし、いくら頑張ろうとも異世界に行くためのオーロラは出現しない。
彼は早々に、この力による脱出を諦めなければならなかった。

「そうなると、さっさと他の連中を皆殺しにしてバトルロワイアルゲームとやらを終わらせるしかないのか……。
 あの小娘に従うのは癪だが、それが一番早く済みそうだな」

ガイは焦っていた。彼には、時間がないのだ。
彼は改造人間である。だが改造手術の際の不備により、わずか一週間しか生きられない体となってしまったのである。
それを補うために、彼は「パーフェクター」という器具を使用していた。
パーフェクターによって他の生物から生命力を奪い、それを自らに取り込むことで寿命を延ばしていたのだ。
しかし現在、パーフェクターはガイの手元にはない。ディケイドとディエンドに奪取されてしまったのである。
一刻も早くパーフェクターを取り戻さなければ、彼の寿命は尽きてしまう。こんなくだらないゲームに付き合っている余裕はない。
ゆえに、彼は自らの優勝という形で少しでも早くゲームを終わらせることを決意していた。

「ならばまずは、どんな武器が配られたのか確認しなくてはな。
 どうやらアポロショットもガイストカッターも取り上げられてしまったようだし」

そう呟きながら、ガイは足下に置かれていたデイパックを開ける。
その瞬間、彼の視界をあるものが覆い尽くした。

「これは……。亀の山!?」

デイパックから出てきたのは、大量の亀。いや、正確には亀の甲羅だった。
色が緑のものと赤のもの、二種類あるようだ。

「投擲すればそれなりに強力な武器になるのか。
 あまり見た目はよくないが、いちおうは当たり武器だな。他には何かないか?」

付属の説明書を読んだガイは大量の甲羅をいったんカバンから出し、さらに中を探る。
その結果、彼の手はあるものをつかんだ。

「ほう、これを私に支給するとは……。皮肉のつもりか?」

彼の手の中にあるものは、傍目から見れば用途不明のがらくたにしか見えない。
だがガイには、その道具の有用性がよくわかっていた。
ある時はポールに。ある時はロープに。ある時は剣に。様々な姿を持つ万能武器・ライドル。
それこそがこの道具の正体である。
そしてライドルの真の持ち主は、仮面ライダーX。かつてガイと激闘を繰り広げた宿敵だ。

「あいにく、私はこれに動揺などしないぞ。使えるものはなんでも利用してやるのだ」

不敵な笑みを浮かべると、ガイはライドルをポケットにしまう。
そしてデイパックを背負い、悠然と歩き出した。
目的はただ一つ。目にした者を、皆殺しにすることである。

143 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 13:09:54 ID:+OJcVS5N
◇ ◇ ◇


数分後、ガイは砂浜に立っている一人の老人を発見した。

トムじいさんが現れた!

「なんだ!? 何か世界観というかそんなものが変わったような……」

「押してくれんかのー」

トムじいさんは押してほしそうにガイを見ている!

「…………」

ガイは様子をうかがっている。

「押してくれんかのー」

トムじいさんは押してほしそうにガイを見ている!

「そんなに押してほしいのなら押してやろう」

ガイはトムじいさんをつきとばした!
トムじいさんは海に落ちた!

ゴポゴポゴポ……

トムじいさんは死んでしまった!

「しまった……。支給品と首輪のチップを回収しておけばよかったか……」

静かな砂浜に、ガイのつぶやきがむなしくこだました。

【トムじいさん@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場 死亡】


【一日目・深夜/F-2・砂浜】
【ガイ(アポロガイスト)@仮面ライダーディケイド】
【状態】健康
【装備】ライドル@仮面ライダーSPIRITS
【道具】支給品一式、アカこうら@犬マユゲでいこう×3、ミドリこうら@犬マユゲでいこう×3
【思考】
基本:優勝して一刻も早く帰還する。
1:見かけた参加者は迷わず殺す。
※第27話で、BLACKとRXのダブルライダーキックを受けた直後からの参戦です。
※パーフェクターがありませんが、ロワの期間中に寿命で死ぬことはありません。
※次元を越える能力は、制限により使用できません。

144 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 13:10:42 ID:+OJcVS5N
※支給品紹介

【アカこうら@犬マユゲでいこう】
No.31に登場。「マリオカート」のアイテム。
自分の一つ前にいるキャラクター目がけ飛んでいく、ホーミング弾。
ただし途中で障害物に当たると消えてしまう。
このロワにおいては、自分の前方に存在する最も近い参加者に向かって飛んでいく。
威力は一般人が数メートル吹き飛ぶ程度。


【ミドリこうら@犬マユゲでいこう】
No.31に登場。「マリオカート」のアイテム。
自分の前方に向かって飛び、壁に当たると反射される弾丸。
基本的にキャラクターもしくは他のアイテムに衝突するか、池などに落ちるまで消滅しない。
威力はアカこうらと同程度。


【ライドル@仮面ライダーSPIRITS】
仮面ライダーXが用いる万能武器。
ボタンを押すことにより棒状の「ライドルスティック」、剣状の「ライドルホイップ」、ロープ状の「ライドルロープ」に変形する。


※キャラクター紹介
【トムじいさん@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場】
「ドラクエ4」に登場するキャラクター。
トルネコの出身地であるレイクナバの住人で、教会まで押して行ってあげるとお礼に小銭をくれる。
今回登場したのは、押田J.Oの漫画が出典。
どこにでも現れ、トルネコに「押してくれんかのー」と頼み込む。


【ガイ(アポロガイスト)@仮面ライダーディケイド】
「Xの世界」出身。元は秘密機関GODの幹部だったが、組織が大ショッカーと合併したためそのまま大ショッカー大幹部に就任した。
いちおうTVシリーズにおける、ラスボス的存在。
普段はスーツを着た紳士の姿で行動しているが、戦闘時には「アポロチェンジ!」のかけ声と共に怪人形態に変身する。
語尾に「なのだ」と付けるのが口癖。

145 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 13:12:41 ID:+OJcVS5N
投下終了です
長すぎて名前欄に入りませんでしたが、タイトルは「わしは全宇宙でもっとも押されたい存在なのじゃ」です
前半と後半でもはや別の話のような気もするけど、気にしない
146 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:24:09 ID:V/CKnzqt
投下いたします
147CL ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:25:30 ID:V/CKnzqt
「と、言うわけだ。一緒に手を組んでゲームを潰さないか? 郡尾」
「どういうわけだ佐伯。開口一番「と、言うわけだ」は流石に支離滅裂すぎるぞ」

小柄ながらも鋭い眼光を有する少女。郡尾舞佳(女子八番)は、道路を歩いていて突然出くわした佐伯史郎(男子八番)に突然呼び止められ、鬱陶しそうに振り返る。

「消えてくれ。徒党を組む気は毛頭ない」
「いやしかしだな。このゲーム明らかに組んだ方が得だろう?」
「知らん」

「あ……待てよ郡尾ッ!」
「何だまだ何か…………」

舞佳がそう言い終わる前に、史郎は舞佳の首根を叩き、昏倒させた。

――

「大人しくしていればいいモノを……クソったれアマが…」

この佐伯史郎。実は名前の「史郎」は「しろう」とは読まない。
驚くべきことに、これで「ふみお」なのだ。
学生時代何度、彼が「しろう」と呼ばれたかは分からない。
いや、それでも彼は記憶している。気絶した舞佳を軽々と背負うこの巨躯の男は、すぐ近くの民家へと姿を消して行った。

「奴は最初……俺の事を佐伯と呼びやがった…」

舞佳を乱暴にソファーに叩きつけた史郎は、一切動く事のない舞佳を余所目に、シャツを脱ぐと、シャワールームへと向かった。

「クソ……クソったれが! アイツきっと俺の事を「しろう」と思っていたに違いない……きっとそうだ…」
「あんなクソ女……俺がぐちゃぐちゃにしてやる……」

どうやら、この男、自分の欲望を満たすつもりでいる。
このような下衆とて、最初からそう考えていたわけではない。
日頃自分の事を「しろう」と呼び、それを定着させた「佐々木綾」を、この男は酷く憎んでいた。

「あの女には一矢報いてやりたかったがまずは郡尾だ……」

シャワーを浴びる史郎の目に、バスルームの壁を伝う虫が一匹。
黒光りする虫。ゴキブリだ。潔癖症な史郎にとっては何よりも憎むべき対象。
148CL ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:26:25 ID:V/CKnzqt
「クソが……存在してんじゃあねえよ屑虫が!」

シャワーの手に取り、史郎は壁を這い進むゴキブリに向けて、最大水圧で放水した。
水の張られていない浴槽に落ちたゴキブリは、飛び立てずもがき続ける。
それを見て、どうやらこの男は気分を良くしたようであった。
気味の悪い高笑いを浮かべながら、自分についた石鹸の泡を、洗い流そうとした、次の瞬間。

突然首に感じた暖かくどろっとした感触。

「あ゙っ?!」
「気持ち悪いんだよお前。どうせ最初からこいつが目的だったんだろ?」

郡尾舞佳は、ブ厚い皮グローブをはめ、手に束ねたピアノ線で、シャワーを浴びていた佐伯史郎の首を刎ねた。

「濡れちゃったじゃんか」

浴槽に落ちた史郎の生首は、叩きつけられた衝撃で何かが崩れるような音がしたかと思うと、舞佳はそれに全く目も留めず、バスルームを後にした。
血染めのバスルームを。

――

郡尾舞佳は、血と水でびしょぬれになった今の衣服にはおさらばを決め込んだようで、今いる民家。つまり史郎を殺したこの家で、衣服を漁っていた。

「あ…これ可愛い」

彼女は今バスローブを羽織っているだけ。
箪笥から見つけたピンク色のレース下着を手に取ったこの少女は、学園では不良で通っている存在とは、一見して誰も分からないだろう。
149CL ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:27:50 ID:V/CKnzqt
始まりは学校裏サイトだった。
サイトに描きこまれた誹謗中傷。それによれば、「郡尾舞佳はどんな男にも腰を振る絶倫女」だそうだ。
彼女自身、大して気にも留めていなかったが、その書き込みを見た数日後の放課後までは。

彼女は、隣のクラスの三上(みかみ)と言う男子生徒に、襲われた。
放課後廊下の曲がり角で待ち伏せて、昏倒させられたかと思うと、次の瞬間どこか暗く黴臭い場所に連れ込まれていた。

舞佳はその後強姦されたのか? 答えはNO。
結果として彼女は「2週間の停学」を喰らった。
自分を襲おうとした三上の「四肢を全て複雑骨折させたのだ」
落ちていたパイプでボコボコに、彼女を犯そうとした男子生徒は、今も病院のベッドの上。
寸でのところで公安部部長の「韮沢竜胆(にらさわ りんどう)」が止めなければ、確実に頭蓋もそのパイプで砕いていただろう。
彼女はそう言う女だ。「敵には容赦しない」そう極限までに容赦しない女。

「私が不良扱いされてんのは……「あいつ」のせいだ……いたら絶対に殺す」


【一日目・深夜/B-3 民家の一室】
【女子八番 郡尾舞佳】
【状態】健康
【装備】ピアノ線、皮グローブ
【道具】基本支給品×2、ランダム支給品1
【思考】
基本:「あいつ」がもしも同じクラスの者なら必ず殺す
0:敵は殺す。
1:「あいつ」がいたら殺す
2:それ以外は知らん

【男子八番 佐伯史郎 死亡】
【残り42人】
150 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:29:14 ID:V/CKnzqt
【名前】郡尾舞佳(こおりお まいか)
【性別】女
【身体的特徴】身長は低いが威圧感のある目付き。華奢な体型だがバストはそこそこある
【性格】口数が少なく暗い性格と勘違いされることも多いが、本当は熱い性格の持ち主
【趣味】特になし
【特技】喧嘩
【経歴】3年間、自分を苛めようと近づいてきた先輩や同級生などを、徹底的にシメ上げることで、己の地位を安定させていた。
【備考】最近学校裏サイトへの『ウェイン』による彼女の誹謗中傷がしょっちゅう書き込まれている

【名前】佐伯史郎(さえき ふみお)
【性別】男
【身体的特徴】2m近い長身
【性格】とても繊細。細かい事を真剣に悩む
【趣味】裁縫
【特技】裁縫
【経歴】史郎(しろう)と間違えられる事が非常に多く、そのことを激しく気にしている
151 ◆hhzYiwxC1. :2009/11/25(水) 20:30:42 ID:V/CKnzqt
投下終了です。
もう半分ネタバレしてしまっているので、今日中にもう一本投下したいです。
152 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 21:39:33 ID:VFxpkkO+
投下乙ですー

自分もNIKUロワ第4話、投下します
153ゲームセンターY.N ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 21:40:43 ID:VFxpkkO+
現状の把握。涼宮ハルヒとその関係者の拉致。及び外界から断絶された空間における殺し合いの強制。

実行者は涼宮ハルヒに酷似した存在。涼宮ハルヒの異次元同位体である可能性が高い。

最終目的、実行者の打倒。ただし仮定通り実行者が涼宮ハルヒの異次元同位体であった場合、死亡もしくはそれに近い状態まで追いつめてしまうと、彼女の出身世界に修復困難なダメージが与えられる危険性がある。
出来る限り彼女に危害を加えることなく無力化するのが望ましい。

第一目的、涼宮ハルヒ及び「彼」の保護。それが完了次第、その他の涼宮ハルヒ関係者の保護に移行する。
ただし、それを実行するのは……。

「このゲームをクリアしてから……」


【一日目・深夜/E-4・図書館】
【長門有希@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、初代ゲームボーイ+「カエルの為に鐘は鳴る」@犬マユゲでいこう、不明支給品0〜2
【思考】
基本:涼宮ハルヒと彼=キョンの保護。
1:「カエルの為に鐘は鳴る」をクリアする。


※支給品紹介
【初代ゲームボーイ+「カエルの為に鐘は鳴る」@犬マユゲでいこう】
No.108に登場。
任天堂携帯ゲーム機の礎を作ったゲーム機と、魔法でカエルに変えられた王子様が主人公のソフトとのセット。
なお正確には、このゲームボーイは「ゲームボーイブロス・スケルトン」である。


※参加者紹介
【長門有希@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
涼宮ハルヒを観察するために情報統合思念体が送り込んだ、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイド・インターフェース。
噛み砕いて言えば、宇宙人が作った人造人間。
高校1年生だが、実年齢は3才。
宇宙人パワーで色々出来るが、めったにやらない。
「ハルヒちゃん」ではギャルゲーにはまったのをきっかけに、オタク趣味に広く手を付けている。
またあちゃくらさんとの絡みもあってか、原作よりも感情表現が豊かである。
154 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/25(水) 21:41:45 ID:VFxpkkO+
投下終了です
155創る名無しに見る名無し:2009/11/25(水) 23:29:23 ID:L43ei7qr
投下乙ー
ハルヒちゃんの長門は実にマイペースだなw
というか支給品が(主に犬マユのせいで)フリーダム過ぎるww
156 ◆fRBHCfnGJI :2009/11/26(木) 01:00:31 ID:z5CPtMGI
投下乙、もうちょいやる気出せよww

それとオリキャラロワさん完結おめでとうございます

ではこれより自分も崖鉄平ロワ投下させていただきたいと思います
157本当はシリアスな話も考えていた ◆fRBHCfnGJI :2009/11/26(木) 01:01:12 ID:z5CPtMGI
         、ー+ヾー、;/~; ::  ; : ; ; :  `/、`―-、,~
       ;;;*〈;;;l~⌒|:|i ;! ;: : :ヾi:: :  :;lソ/〈,, _|_,ノ
     ;;+;;"+;;;*|*+:il゚ ; ;: : :: :;:: : :i'|!ノ/ヽ、 ⌒ゞ
    *;;;;;;*;;;;*;;;;ヾ゚*:i! .: ;| ;: :  'l::: : :l|!: |iヾ  i  l|
  ,,;;;* ;;;;"*   _,lヾ:i|: ; ;l: :: : :`;: .' :|l: |!   |  /i、
 ,,* ;;;;;"      / 、:!|: ;l: :: ::`;: .、, :li:゚ |l i \l/ _ノ ヾ
; ;"+"       |`ー-:i!: ; i: :: |::;: .' ;' :l:|`l'´`べ゙^´ |゙"/
゙ ;;"        ヾ_、:il: ; ';: ::: l: :: :  :i: |*ヾ l i   ハl
'+          /、,/!|: ;l: :: :!::`;: .、, :li:゚ハ、_,_/ヾ_/、ヾ
         _/´^`:il: ; ';: :: ;': :: : : :i:/_,ヾ_/'´ ̄ゞ_
   ヽ〉 |oノ  ハ、_.,:i: ;: : :: :`;:': : :l: +゚:/_,ヾ_/´ ̄
      ̄    ,/'_:i: ;: : :: :`;:': : :li:゙ |` l'´`べ゙^´
     ↑   `ゝ`i: ;: : :: :`;:': : ::l:/ ハ |_  /i、
   崖鉄平   :i: ;;i ;: : : :.:    i:゚'゙/ヽ、 ⌒ゞ_/^ー'|
゙;、;;;`゙;;゙;、;;;`゙;;゙;;、゙;;、゚ '。 :i: :; ;; ;: ::.:':  :l|//`゙`゙;;;`;゙-;、;;`:;゙;-
゙;、;;`゙;;゙;`゙;;゙;;、_,,-―`\、ヾ ': : :;: : / : ;|/_,ーi`-、、;;`:;
:::::::::::::::::::::::::::::....... ` ヾ゙゚'`゙`ヾソ/"' ''゙ハ: ":ツ/r'´.......:::::::::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::......゙ ,ヾ、_ l / , _;;,ソ:;  ノ   .......:::'::::::::::
::::::::::::::::::::::::::::::::::::::.........   _,      ............::::::::::::::::::::::::::::
         `~゙`゙` ̄`''―--'´`-、,,-―'´ ゙̄~^´

「どうも、崖鉄平です。
早速ですが落ちてます、明らかに初期位置おかしいです」

【一日目・深夜/B-1・崖】

【崖鉄平@安価カオスロワラジオ】
【状態】健康(ただし次の話で死にます)
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:(落下中)
2:とりあえず助かりたいが無理だろうな

*初期位置が初期位置なので落下中です、次の話で死にます。
158本当はシリアスな話も考えていた ◆fRBHCfnGJI :2009/11/26(木) 01:02:40 ID:z5CPtMGI
投下終了
俺は……謝ら……ない

どうでもいいけどそろそろ俺もオリキャラロワやるかもしれません
159創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 09:29:08 ID:fl36f7DA
投下乙wwww
もうどこから突っ込んでいいものやらwwww
160創る名無しに見る名無し:2009/11/26(木) 10:00:17 ID:9XNTv87S
次の話で死にますwwwww
161 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/26(木) 22:31:09 ID:Sg2b1Czr
投下乙ですww 携帯から見たらAA何が何だか分からなかったがこういう事になっていたのか!w
>>158 おおオリキャラロワとはマジですか、見たいです!
162 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:01:30 ID:qXFQs3K8
どうも、俺オリロワ作者の俺です。

新ロワの参加者及びおおよその構想が決まりましたので、
OP投下します。
163オープニングセレモニー ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:05:57 ID:qXFQs3K8
……ここはどこだろう?
私はどうやら固い床の上に倒れているみたいだけど、何も見えない。
暗闇。一筋の光も無い真っ暗闇の空間だ。
私は……確か……。

そうだ……私は死んだんだ。

クラスのみんなで殺し合いをさせられて、私は確か、苗村さんに頭を撃たれて、
気がついたら草原に横たわっていて、そこで二階堂さんと話をして――。

そこで私の意識は途絶えている。

なら、ここはあの世なのかな? 天国? それとも地獄?

そんな事を考えている矢先、真っ暗だった視界に急に眩しい光が差し込んだ。
眩しさに目を固く瞑る。そしてしばらくして光に目が慣れてきて、上半身を起こして辺りを見回した。

私が今いるのは、オペラハウスのような、広い円形のホールだった。
前方にステージらしき壇、後は豪華な木彫りが施された木製の大扉が一つだけ。
天井には大きなドーム型のガラス照明がある。さっきの光の正体はあれだろう。
そして、ここにいるのは私だけじゃ無い、大勢の人達がこのホールにいた。
まだ気を失っている人もいるけど、起き上がって困惑の表情を浮かべている人も多い。
扉を開けようとしている人も数人いたけど、どうやら開かないみたい。
赤いノースリーブのジャージを着た男の人、小学校低学年くらいの少年、
私と同年代と思われる、私とは別の学校の制服を着た狐族の少女、
そして……っ!?

「ノーチラス!?」
「う……エルフィ、か?」

死んだはずの茶色い毛皮を持った狼族のクラスメイト、ノーチラスがいた。
よく見れば他にも、ノーチラスと同じく放送で名前を呼ばれたはずの猫族のハーフ、シルヴィア、
それと恐らく私が死んだ時点ではまだ生きていたと思われる、
フラウ、サーシャ、森屋英太、北沢樹里、太田太郎丸忠信、吉良邑子の姿も確認出来る。

「どうして、あなた死んだはずじゃ……」
「ああ、確かに俺は死んだはずなんだけど……どうなってるんだ? ここはどこだ?」
「分からないわ……私も気がついたらここにいたの」

現在自分達が置かれている状況について二人で考察していた時だった。

「はーい皆さーん、お待たせしましたー」

どこからか、若い女性の声が響いた。
私とノーチラスを含め、ホール内にいる人々が声の主を探していると、
突然、壇の上に紫がかった光と共に、一人の狼族の女性が現れた。
人々の視線が、一斉に壇の方へと向けられる。
黒と白の毛皮に、これまた黒を基調とした、
ベルト付きの詰襟の丈が長いコートのような衣服に白いズボン、黒いブーツという格好。
オッドアイで、右目の瞳が血のように赤く、左目の瞳が深い青になっている。
胸の膨らみは……大きい。かなり大きい。クラスでも巨乳と有名な仲販さんも負けるかも……って、そんな事どうでもいいでしょ!
見た目、年齢は20代前半……ぐらいだろうか。
164オープニングセレモニー ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:07:27 ID:qXFQs3K8
「どもー初めまして。自己紹介させて貰いますね。私はセイファート。知ってる人もいるかナ?
よろしくネー」

セイファートと名乗った狼族の女性は、尻尾を振りながら、
やけに明るい口調とにこやかな笑みを浮かべながら話す。
一見すると非常に朗らかで明るい人に見えるけど……。

「えっとねー、今日皆さんにここに集まってもらったのは、他でも無い、
私が考えた楽しい楽しいゲームの、プレイヤーになってもらうためでーす!」

「ゲーム? プレイヤー?」
「……なあ、エルフィ、前にもこんな光景見た事無いか?」

ノーチラスの言葉に、私は記憶の糸を手繰り寄せる。
確かに、同じような光景を見た事がある。集められた人々、ゲーム……。
……ちょっと待って、まさか……。

「そのゲームの名前は『バトルロワイアル』! ……これから皆さんには、殺し合いをして頂きます」

ホール内の人々がざわめき立つ。
私とノーチラスの予想は最悪の形で当たってしまった。
クラスメイトでやらされた殺し合い。何人も死んで、ノーチラスも、私も、一度は死んだ、殺し合い。
一体なぜ死んだはずの自分やノーチラスが、今生きてこの場に立っているのかは分からないけど、
また……また、あの殺人ゲームをやらなきゃいけないの……? 嘘でしょ……!?

「ふざけんな! いい加減にしろよ!」
「私は倭国の摂政だぞ! こんな事をしてタダで済むと思っているのか!?」
「た、太子、やめた方がいいですよ……」
「あー? 何ぞ殺し合いって。どうなっとるんぞこれ」
「何でそんな事しなくちゃいけないんですか! あなたは一体何者なんですか!!」

人々がセイファートに抗議の声をあげる。当然の反応ね……。

「うるさいなぁ……」

セイファートがうんざりといった表情で、怒声をあげる人々を見渡す。
すると、突然何やら呪文のようなものを唱え、右手を高く掲げる。
直後、人々の首――勿論、私の首にも――に、光の輪が出現し、しばらくしてそれは銀色に光る金属製の首輪に変化した。
突然現れた首輪に人々の抗議の声は止み、自分の首にはめられた首輪を物色する。
この、首輪は……!

「その首輪はね、このゲームをスムーズかつ、確実に行うためのものなの。
皆さんがもし、私に逆らったり、逃げようとしたり、その首輪を無理に外そうとしたりすれば――」
165オープニングセレモニー ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:08:26 ID:qXFQs3K8
そう言いながらセイファートはどこからか取り出した小さなリモコンらしき物を人々に向け、

「こうなるからね!!」

スイッチを押した。

ピィ―――――バアン!!

「うわああああああああああああ!!」
「きゃああああああああああああ!?」
「ひっ、ひいいいいい!!」

短い電子音の後に、爆発音。そして悲鳴。
音のした方向に目をやれば、一人の男性が首から血を噴き出し、うつ伏せに崩れ落ちる様が見て取れた。
その光景はまさしく、あの教室でクラス委員長のラトが死んだ時と、ほとんど同じだった。
もう、抗議の声も怒声も聞こえない。逆らえば、殺されるという事を、人々は自覚したのだろう。

「あーやっちゃった。その人の名前、名簿から消しておかないと。
でもいいか、48人なら数的に区切りが丁度良いし」

セイファートはたった今、人を一人殺した事など全く気にしていない様子だ。
そんなセイファートに怒りの視線を向ける人もいたけど、それだけだった。
その視線を知ってか知らずか、セイファートは説明を続ける。

「じゃ、今からルールの説明しますから、よく聞いて下さいねー。
今から皆さんには私が用意したバトルフィールドにワープして貰うから、
そこで最後の一人になるまで殺し合って下さい。
最後まで生き残った一人だけ、元の自分の世界へ帰れますよー。
後、何か一つだけ、好きなご褒美を差し上げまーす。死者の蘇生とか、力が欲しいとか、ね。

皆さん一人一人には、支給品が入ったデイパックを渡します。
中身は地図や名簿といった基本的な物と、ある程度の水と食糧、そして、
ランダム支給品なるものが一個或いは二個入っていまーす。
ランダム支給品は武器や防具といった役に立つ物が多いですけど、ハズレもあるよん。
ゲームが始まったら皆さん各自で中身は確認して下さいね。
水と食糧は無くなったら自分で何とかして下さい。
後、デイパックには何でも入れられるよう私がちょっとしたおまじないを掛けてるんですが、
皆さんが入る事は出来ないようになってるので注意して下さーい。

ゲームが始まって6時間毎、つまり6時、12時、18時、24時に私から放送を流しまーす。
放送内容はその時刻までに新たに死んだ人の名前と、入ると首輪が爆発する禁止エリアの発表です。
聞き逃さないようにしてネ。

制限時間は無制限、なんですけど、最後に死んだ人が出てから24時間、
新しく死んだ人が一人も出なかった時は、もう皆さんやる気無しと判断して、
その時点で生き残っている全員の首輪を爆破させて頂きます。
まあ、多分そんな事はまず無いとは思うけど。

首輪についての説明はもう不要ですかね。でも一応もう一度説明しますね。
その首輪は無理に外そうとしたり、逃げようとしたり、私に逆らってなおかつゲームに支障を来すような行為をした時、
そして禁止エリアに入った時……さっきの人みたいに爆発します。
防水性も耐衝撃性もバッチリですから絶対に壊れないので覚えておいて下さいましー。

あー最後に、さっき死んだ人、夢野カケラさんは名簿から外しておきますので。
ゲーム開始時に皆さんに配られる名簿には、
夢野カケラさん以外の48人の名前が載る事になります。

こんな所かナ? 分かってくれました皆さん?」
166オープニングセレモニー ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:09:09 ID:qXFQs3K8
私、ノーチラス、そして人々は黙ってセイファートのルール説明に耳を傾ける。
いや、傾ける以外に選択肢など無かった。

「それじゃあ、ゲームの始まりでーす! 皆さん、頑張って下さいねー!」

セイファートが再び右腕を高く掲げるのと同時に、
私達の足元に大きな光輝く魔法陣のようなものが出現し、直後に眩い光が私達を包む。
そして、次第に妙な浮遊感を感じ、意識が遠退いていった。

……また、殺し合いをしなくちゃ、いけないなんて……。





「……さあて、どうなるのかなぁ」

一人の男の死体が残された円形ホール内で、壇上の狼獣人の女、セイファートが、
さっきまでの明るい表情と口調からは想像出来ないような、
残忍な笑みを浮かべて呟いた。





かくして狂った殺人ゲームは開始された。

48人の不運なプレイヤー達は、それぞれどのような行動に走るのか。

物語はどのような結末を迎えるのか。

それはまだ、誰にも分からない。




【夢野カケラ@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和  死亡】
【残り  48人】

【バトルロワイアル  開幕】
167 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:11:27 ID:qXFQs3K8
OP投下終了です。ロワ名は、
「個人趣味バトルロワイアル」です。

≪参加者≫
22/22【オリキャラ】
○朝倉清幸/○楢原喜三郎/○最上佳奈/○神田修次/○早野正昭/
○アルソンズ・ベイル/○エイミス・フロリッヒャー/○ルミーア・ホワイト/
○リック・ゼラルス/○レイ・ブランチャード/○費覧/○章高/○伊賀榛名/
○平池千穂/○中村アヤ/○石川清隆/○石川清憲/○宮中秀也/○リュード/
○レオーネ/○ヴォルフ/○リーヴァイ/大村寿城
9/9【自作キャラでバトルロワイアル】
○太田太郎丸忠信/○森屋英太/○ノーチラス/○北沢樹里/○エルフィ/
○吉良邑子/○フラウ/○サーシャ/○シルヴィア
5/5【増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
○聖徳太子/○小野妹子/○松尾芭蕉/○曽良/○牛山サキ/
5/5【浦安鉄筋家族】
○大沢木小鉄/○西川のり子/○春巻龍/○仁ママ
4/4【SIREN】
○須田恭也/○竹内多聞/○宮田司郎/○志村晃
1/1【永井先生】
○永井浩二
1/1【FEDA】
○ドーラ・システィール
1/1【ムーンライトラビリンス改造版】
○リリア・ミスティーズ

総勢48人

≪主催者≫
セイファート@オリキャラ
≪見せしめ≫
夢野カケラ@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和
168 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:13:21 ID:qXFQs3K8
≪ルール≫
参加者全員で最後の一人になるまで殺し合う。
参加者間のやり取りに反則は一切無し。会場内の施設の利用も自由。
最後まで生き残った一人が優勝となり、元の自分の世界へ帰還出来る他、
主催者であるセイファートに好きな褒美を一つだけ貰う事が出来る。

参加者には以下の物が入ったデイパック(リュックサック型)を渡す。

■地図……バトルロワイアル会場の地図。エリア区分も記載されている
■参加者名簿……バトルロワイアル全参加者の名前が載った小冊子
■筆記用具……小さなメモ帳と黒ボールペン
■ランタン……360度全方向を照明するランプ。電池式なので電池切れに注意が必要
■デバイス……小型の端末機。方角と現在位置、時刻が分かる
■食糧……2Lペットボトル入りの水二本とコッペパン四個。無くなったら自弁してね
■ランダムアイテム……武器、防具、日用雑貨その他といった支給品が1〜2個入っている

デイパックには何でも入れられるよう特殊な魔法が掛けられている。
但し参加者(死体も含む)や明らかに常識外れの大きさの物(自動車や大岩など)は
入れる事は出来ない。強制的に外に排出される。

バトルロワイアルをスムーズかつ確実に進行させるために、
参加者全員の首には発信機と爆弾が内蔵された特殊金属製の首輪をはめる。
運営側から特定の信号を受信する、無理矢理外そうとする、
禁止エリア(進入禁止区域)に侵入すると首輪が爆発し、該当参加者は死亡する。
参加者には知らされないが盗聴器も内蔵されており、参加者の会話は全て、
運営側に筒抜けとなる。

ゲーム開始(深夜0時スタート)から6時間毎に定時放送を行う。
その時刻までの新たな死者の発表と禁止エリア出現地域及び出現時刻を発表する。

制限時間は無制限だが、最後の死者が出て24時間経過した時点で、
新たな死者が一人も出なかった場合、全員の首輪が爆発する=ゲームオーバー。
参加者全員死んでも優勝者無し=ゲームオーバーになる。

言うまでも無いが主催者及び運営側に対する反逆行為は厳禁。
ゲーム進行に大きく支障を来すと主催者或いは運営側が判断した場合、
該当参加者に対し制裁措置(首輪の爆破)を執行する場合も有り得る。

なお、地図の外(会場の外)及び上空150M以上も禁止エリア扱いとなっている。
169 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:15:39 ID:qXFQs3K8
≪地図≫
  12345678
A 森森森森浜海海海
B 森湖森森浜海海海
C 森森森森浜海海海
D 街ホ街街草浜海海
E 街街街街草草崖崖
F 街街病街草森展森
G 街果草教墓草森森
H 森森森森森森森森

湖……綺麗な水を湛えた湖
ホ……ホテル
病……病院
果……果樹園
教……教会
墓……キリスト系の墓場
展……廃墟と化した展望台

他、詳細は本文中に表記。

≪時間表記≫
深夜:0〜2 黎明:2〜4 早朝:4〜6
朝方:6〜8 午前:8〜10 昼:10〜12
昼間:12〜14 午後:14〜16 夕方:16〜18
日没:18〜20 夜:20〜22 真夜中:22〜24


≪オリキャラ世界観≫
【現代日本風の国家(前作俺オリロワの参加者達の国家)】
○朝倉清幸/○楢原喜三郎/○最上佳奈/○神田修次/○早野正昭/
○伊賀榛名/○平池千穂/○中村アヤ/○石川清隆/○石川清憲/○宮中秀也/
○リュード/○レオーネ/○大村寿城
【現代中国風の国家】
○費覧/○章高
【現代アメリカ風の国家】
○アルソンズ・ベイル/○ルミーア・ホワイト
【ファンタジー物RPG風の世界】
○リック・ゼラルス/○レイ・ブランチャード/○エイミス・フロリッヒャー/
○ヴォルフ/○リーヴァイ/○セイファート及びその一味

※いずれの国家、世界も人間と人外(獣人とかモンスターとか)が共存。
これは言うまでも無く、作者の趣味によるもの。そう、個人趣味。
170 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/27(金) 19:20:51 ID:qXFQs3K8
目指す方向性と注意点
・前回のロワより軽いノリでいきたい
・安易に殺し過ぎ無い(一話で三人死亡多発はやめたい)
・ギリギリ全年齢版で通る濡れ場をいっぱい盛り込みたい(希望)
・出典があるキャラは把握がいい加減でも寛大な心でお願いします
(可能な限り把握は頑張ります)
・その他色々

以上です。頑張る。
171創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 19:28:22 ID:44nCzXPN
SDK!SDK!とか仁ママとか!
新作への期待が隠せません!

ていうか非リレーのギャグ漫画日和出現率はなんなんだww
172創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 21:01:19 ID:eJATMvJD
OP投下乙です
今回はオリキャラと二次創作の混合ロワですか
これは実に興味深い
応援させてもらいますよー
173創る名無しに見る名無し:2009/11/27(金) 23:47:26 ID:cs3Z5I7Q
OP投下乙
リピーターで何故か毎回参加させられる森屋カワイソスwww
まあ太田と吉良はロワ会場が生活空間みたいなもんだからいいとして
174 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 00:53:20 ID:iBdQja1W
個人趣味ロワ第1話「Forest of midnight」投下します。
登場:小野妹子
175Forest of midnight ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 00:54:17 ID:iBdQja1W
1話「Forest of midnight」

気がついた時には僕――小野妹子は、夜の闇に包まれた森の中で倒れていた。
起き上がって周囲を見渡してみるけど、やはりアホ太子――じゃない、太子の姿はどこにも無い。
それどころか人っ子一人見当たらない。
首に感じるひんやりとした感触に首に手を当ててみると、
やはり、頑丈そうな金属製の首輪がガッチリとはめられていた。
意識を失う前、あの広い円形のホールでの出来事を思い出す。


いつものように仕事を終えた僕は、帰宅して就寝したはずだったのに、
目が覚めたら全く知らない場所、そして周囲には大勢の人々。
頭がまるで、いや、狼や狐といった動物そのものの、妙な人間もかなりの数がいた。
そして、一応僕の上司であり、倭国の最高指導者である聖徳太子もホールにいた。
やはり太子も気が付いたら円形ホールに倒れていたらしく、かなり動揺している様子だった。
その時、突然紫色の光と共に現れた、狼の頭を持った人間。
声や身体付きからして女性らしかったが、セイファートと名乗ったその狼の女性は信じられない事を僕達に宣言した。

「殺し合いをしてもらう」と。

当然、人々は反発し、セイファートに向かって抗議の声をあげる。
当たり前だ。突然連れて来られて殺し合えなんて、ふざけてるなんてものじゃない。
太子も激怒し怒りの声をあげた。だけど僕はそんな太子を制止しようとした。
なぜか分からないけど……セイファートが漂わせる雰囲気が、何だか不吉に思えてならなかった。
そして、その不吉な思いは最悪の形で具現化した。
セイファートが何か呪文のようなものを唱えて右腕を高く掲げた直後、僕達の首に光の輪が出現し、
そしてそれは、今僕の首にはめられている首輪へと変化した。
僕と太子、そしてその他の人々が突然現れた首輪に戸惑いの表情を浮かべていると、
セイファートが何やら小さなリモコンのような物を僕達の方へ向け、スイッチを押した。

直後、短い電子音が鳴り響き、爆発音がホールに木霊する。
そして悲鳴。そこで僕と、太子、そして大勢の人々が目にしたのは、
首から大量の鮮血を噴き出して、倒れる男性。
176Forest of midnight ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 00:54:59 ID:iBdQja1W
「何でこんな事になったんだ……!」

すぐ近くに立っていた樹木の幹に寄り掛かり、頭を抱える。
一体なぜ、殺し合いなんてしなければいけないのだろう。あのセイファートという狼の女性は何者なんだ。
一体どうしてこんな馬鹿げた事を? 何が目的なんだ!
だけど、特に鋭い洞察力を持っている訳でも無い僕がいくらそんな事に思考を巡らせても、
納得出来るような答えを導き出せるはずが無い。
溜息をつきながらふと地面を見ると、黒っぽいリュックサックらしき物が雑草の上に落ちていた。
いや、「置かれていた」と言った方がいいのかもしれない。
リュックサックを拾い、僕はセイファートが言っていた事を再び思い出す。

「そういえば、支給品を渡すって、言ってたな……」

地図や名簿、食糧、ランダム支給品なるものが入ったデイパックを渡す、と言っていた。
多分、これがそうなんだろう。
僕はさっきまでもたれかかっていた樹木の根元に腰を下ろし、リュックサック――いや、デイパックと言おうか。
デイパックのチャックを開け、中身を漁る。
電池式のランタンがあったので明かりを灯し、デイパックの中身を探っていると、まずは白い小冊子が出てきた。
開くと、この殺し合いの参加者、総勢48人の氏名が五十音順で書かれていた。
どうやら異国からも集められているようで、カタカナの名前も多く見られる。
確かにあのホールにはまるで獣のような外見の人間や、明らかに倭国人では無い人間も多数いた。
当然、僕の名前と太子の名前もあった。しかし太子以外に僕の知り合いは呼ばれていないようだ。
名簿の次に地図が出てくる。この殺し合いの会場の地図だ。
四角のマスで幾つも区切られている。これはセイファートの言っていた「禁止エリア」と関係がありそうだ。
次に出てきた物はごく普通の小さなメモ帳とペン。多分メモを取るのに使うものだろう。今は必要無いな。
そして次は……これは?
出てきた物は小さい画面が付いた小型の機械。ボタンのような物が幾つか付いている。
機械の裏に説明書らしき物が貼ってあったので見てみると、この機械は「デバイス」といって、
方角と現在位置、現在の時刻が分かる機械らしい。
説明書通りに操作して、現在位置が地図で言うB-4の森だという事が分かった。
これは便利な機械だ。でも……誰が作った物なのだろうか?
倭国にこんな物は無かったはずだけど……いや、難しく考えるのはよそう。
そしてペットボトルに入った水とコッペパンが四つ。
これが食糧だろうか。ふざけてる、余りにも無味乾燥の上に足りない。どう見ても一日も持たない。
セイファートが言っていた通り、食糧は自分で調達する必要がありそうだ。
さて、ここまでが基本支給品らしい。僕が一番気になるのはランダム支給品。
こんな殺し合いに乗る奴はいないと思いたいが、恐らく何人かは乗る奴が出てくるだろう。
そういった奴に出くわした時のためにも、護身用の武器ぐらいは欲しい。
しかしそんな僕の願いを嘲笑うかのように、デイパックから出てきたランダム支給品は余りにも酷い物だった。

リコーダー。

革のケースに入った、何の変哲も無い普通のリコーダーだ。
ケースに「二年二組 大沢木小鉄」と名前が書かれている。
そう言えば参加者名簿の中に同姓同名の名前があったが、同一人物だろうか。
添付されていた説明書には「大沢木小鉄少年愛用のリコーダー」とだけある。
どうやら間違いないようだ。
いや、そんな事より。
僕は他にも何か無いかデイパックの中を漁りに漁ったが、もう何も出てこなかった。
177Forest of midnight ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 00:55:51 ID:iBdQja1W
「酷過ぎる……リコーダーでどうやって戦えって言うんだ」

確かにセイファートは「ハズレもある」と言っていた。つまり僕は完璧なハズレを引いてしまったのだ。
もし剣なんかを持っている相手に襲われたら、一溜りも無い。
ケースからリコーダーを取り出し、右手に持って構えてみるけど気休めにもならない。

「これならその辺の木の枝でも折って武器にした方がまだいいよ……」

しかし周囲の樹木はいずれも枝は高い位置にあり、取るのはほとんど不可能だった。
仕方が無い、襲われたら戦いは避けて、逃げるしか無いな……。
リコーダーを地面に置き、樹木の根元に腰掛けながらこれからどうするか考える。
いつ誰に襲われるか分からないこの殺し合いという異常状況下で、僕はどうするべきか。
僕は殺し合いに乗るつもりは無い。他人を殺してまで生き残りたいとは思わない。
もっともこんなリコーダーで人なんて殺せるはずはないけど。

「まずは……太子を探そう」

僕と同じくこの殺し合いに呼ばれている、倭国の摂政、聖徳太子。
なぜかジャージを奨励し、ノーパン主義、自分勝手な振る舞いが多く、
自分で制定した十七条の憲法が何条あるのか忘れる、一週間ロクに仕事をしないなど、
はっきり言ってただのアホなオッサンだが、
それでも倭国の摂政であり、統治者だ。こんな所で死んでいい人じゃ無い。
それに、太子は多少は普通の人間よりタフな面があるかもしれないが、
こんな殺し合いで生き残っていける程の力量がある人とも思えない。
何にせよ、早々に見付け出した方が良い。
でも……殺し合いの会場は地図を見る限りじゃかなりの広さがある。どこに太子がいるかなんて見当も付かない。
まずは、近い所から探してみるしか無いか。
今自分がいるのがB-4。ここから西の方向へ行くと、湖があるらしい。
とりあえずはこの湖に行ってみるとしよう。

「太子……お願いですから簡単に死んだりしないで下さいよ」

僕はどこにいるとも分からない太子の事を心配しつつ、デバイスを頼りに西にある湖を目指して歩き始めた。
178Forest of midnight ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 00:56:54 ID:iBdQja1W
【一日目/深夜/B-4森】

【小野妹子@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
[状態]:健康、B-2湖へ移動中
[装備]:小鉄のリコーダー@浦安鉄筋家族
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。とにかく聖徳太子を探す。
1:とりあえずB-2の湖へ行ってみよう。まともな武器も欲しい。
2:襲われたら逃げる。
[備考]
※単行本第九巻第168幕「聖徳太子の持っている木の棒」より後からの参戦です。


≪支給品紹介≫
【小鉄のリコーダー@浦安鉄筋家族】
主人公・大沢木小鉄少年が愛用するリコーダー。
吹くと大巨人(事故により記憶喪失となった有名プロレスラー)を召喚出来る。
しかし本ロワでは大巨人がいないため、ただのリコーダー。
179 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 01:00:12 ID:iBdQja1W
投下終了です。うーん初めて出典有りキャラのSSを書いて投下したけど、
大丈夫かな?
180創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 01:08:25 ID:vsyKISqB
乙!
問題ないと思います。
オリキャラと版権キャラ混じりのロワは初めて見るんで期待。
181 ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:02:19 ID:R8U3KiXo
投下乙です。
問題ないと思いますよ。
文章練習ロワ第四話投下します。
182独り ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:03:25 ID:R8U3KiXo



僕は誓ったんだ。



これからは強く生きるって。



◆ ◆ ◆



暗い暗い空。闇の海がどこまでも広がる。
闇の海の中にただ一つ金色の月がぽつんとたたずんでいる。
月から発せられた光が闇に明かりを灯す。
雄大な草原は緑ではなく黒を彩り、それ以外の色を写さない。
その中に僕、直枝理樹はいた。

「鈴……どうして……」

僕の目の前で吹き飛んだ幼馴染。
間近で見ていながら僕は何も出来なかった。
助けようとすることすら。
ただみっともなく震えて。

……最低だ。僕って。

でもまだ僕にはやるべきことがあるはずだ。

「郷田真弓……ッ!」

鈴を殺したあいつだけは!
183独り ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:05:05 ID:R8U3KiXo
……許さない……


許さない!

ユルサナイ!

赦さない!

ゆるさない!

絶対に赦さない!

やっと。

やっと、あの『世界』を乗り越えて。
あのバスの事故から鈴と僕だけ生き残って。



二人で強く生きていこう――



でも、そんな決意も壊れた。



鈴が死ぬことで。
僕は永遠に一人ぼっちだ。
かけがえの無い仲間はバスの事故で死んで。
鈴はなぜか首が吹っ飛んで。
神様は僕からどれだけ大切なものを奪えばいいんだ!
ふざけるな!

「絶対殺してやる……!」
184独り ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:07:20 ID:R8U3KiXo

郷田真弓。あなただけは!僕がこの手で殺す。
待ってて、鈴。
敵は必ずとるから。



仇をとった後は……。

鈴が寂しくならないように僕も逝くから。

【G-1/1日目・深夜】
【直枝理樹@リトルバスターズ!】
[状態]:健康 、激しい怒りによる自制心と判断力の欠如
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3

[思考・状況]
基本:郷田真弓を殺す
1 郷田真弓を殺す。そのためなら……
2 仇をとったら鈴が一人で悲しまないように死ぬ。
※Refrain、虚構世界から一回目の脱出後からの参戦。
※名簿を確認してません。
※支給品を確認してません。



◆ ◆ ◆



……行ったわね。

「はぁ、疲れた〜。今が深夜でよかったわ。真昼間だったら見つかってたわ」

あの子、間違いなく殺し合いに乗ってるわね。大声で殺してやるって叫んでたし。
185独り ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:08:03 ID:R8U3KiXo
こんなにも早く殺し合いに乗ってる参加者に会うとは思わなかったわ。
運がいいことに私があの子に気付いて念のために草むらに隠れたのに加えて時刻が夜だった。
相手が冷静でなかったことも要因にある。
そのおかげで何とかやり過ごせたけど。

「もうこんな緊張感はごめんだわ。麻雀と違って全然楽しめないし」

いくら悪待ちが好きだからってあの子の前にのこのこと現れるわけにもいかないし。
とりあえず、やり過ごせたことだし結果オーライね。
それにしてもみんな大丈夫かしら。まこ以外みんな巻き込まれているし。

「麻雀部部長として、竹井久として、皆を導かないと……!」

部の中では一番の年上なんだ、私は。冷静に、大局を見るんだ。
いつもみたいな悪待ちじゃない、和じゃないけど計算して、デジタルに。

「まこ、必ず皆で戻るから、待ってて……」

【G-1/1日目・深夜】
【竹井久@咲-Saki-】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3

[思考・状況]
基本:生きて仲間と共に脱出
1 知り合いとの合流
2 大局を見据えて行動する
3常に冷静に……
※直枝理樹が殺し合いに乗っていると認識しています。
186 ◆5ddd1Yaifw :2009/11/28(土) 02:09:02 ID:R8U3KiXo
投下終了。
うちのロワの理樹はやさぐれます。
187創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 02:58:02 ID:vXwzh/Vf
乙です
理樹はまたエラい時期からの参戦ですね
188創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 09:14:42 ID:hQKXmmVK

理樹がやばめだな
鈴が見せしめな時点で嫌な感じはしていたが……
189 ◆c92qFeyVpE :2009/11/28(土) 20:30:37 ID:Zl/v5sE2
投下乙です。
凄いところからきたな理樹ー!?


一般……?人ロワ三話、里中千恵、池田華菜、和泉紫音投下します
190剣撃拳舞 ◆c92qFeyVpE :2009/11/28(土) 20:33:44 ID:Zl/v5sE2
月明かりに照らされた砂浜を二人の少女が走り抜ける。
二人とも疲労困憊という表情ながらその足を止めようとはしない、何かに追われるかのようにひたすら走り続けている。

どれだけ走っていたのか、砂浜が終わり林に入ったところでどちらともなく足を止めて手近な木へともたれかかる。

「も、もう、追って、こない……よね……」
「そ……そんなの、知る、わけ……ないし……!」

たった今走って来た方向を見ながら誰ともなく問いかけたのが里中千恵。
ブラウスの上に明るい緑のジャージを着ていて、それが目を引きつける。
それに律儀に答えたのはすぐ横で息を切らしている池田華菜。
こちらはごく普通の風越学園の制服を着ていておかしいところはないが、その髪型がネコミミを思わせて妙に愛嬌がある。

「っていうか……何なのあいつ、ありえないって……」
「殺し合いなんて、書いてはあるけどさ……本気で刀振り回すとか……」

COMPのルール説明を恨めしそうに見つめながら、池田は先ほどの光景を思い出して身を震わす。
二人が出会ったのはこの場所に飛ばされてすぐのことだ、砂浜でCOMPを見て二人して首を捻っていた時、襲撃を受けた。
セミロングの黒髪の男、黒い刀を持ち躊躇なく自分たちに斬りかかってきた。
突然のことに身を竦ませてしまう池田の手を千恵が引っ張る形で何とか逃げ延びたが、本当に殺し合いを行おうとする者がいるということに衝撃を受ける。

「……って、待ってよ、あいつ放っておいたら雪子たちが危ないじゃん!」
「そんなこと言っても、他の人のことまで構ってられないし……にゅあ!? キャプテン守らないと!」

それぞれ大切に想っている人の顔を思い浮かべ、たった今逃げてきた方向へ視線を向けて――すぐに顔を引っ込める。
自分たちを襲った男がゆったりとした足取りで真っ直ぐこちらへと向かってきていた、今更隠れたところで無駄なのだが、それでも木の陰に入って身を隠そうとする。

「ど、どうしてこっち来るの!?」
「砂浜だから、足跡ついてたんじゃ……」
「し、しまった、その手があったか……!」

頭を抱えながら千恵はもう一度男の姿を確認しようと顔を出す。

(あれ?)

男のいる位置は先ほどと変わっていない、何故か立ち止まって刀を腰だめに構えている。
当然そんなところで刀を振ったところで自分たちには届くはずがない、他に人がいるのだろうかを視線を移すが誰も見つからない。
一体何を、ともう一度男に視線を戻し、

気づく。

「伏せて!」
「わっ!?」

池田を引き倒し千恵もその場に倒れこむ。
その直後、周囲の木々が黒い刀に切り倒され二人の周りに倒れてきた。

「な、なに!?」
「刀が伸びた、それに、こんな長い刀普通の人じゃ扱えるわけ……もしかしてあいつ、シャドウなの!?」

状況が分からない池田を置いておき、千恵はデイパックから支給品であるヌンチャクを取り出して男を睨みつける。
191剣撃拳舞 ◆c92qFeyVpE :2009/11/28(土) 20:34:26 ID:Zl/v5sE2
「華菜ちゃん、あいつは私が何とかするから逃げて」
「な、何言ってるんだよ!? 今の見たろ!? 一人で勝てるわけないし!」
「だいじょーぶ、私、こういう化け物みたいな相手と戦うのは慣れてるから!」

軽くステップを踏みながらそう告げ、千恵は男へと向かって駆け出していく。
池田はどうするべきか千恵と男をしばらく見つめ――

「わ、私は止めたからな!」

林の奥へと走り出していった。





男、和泉は表情を変えぬまま焦りを感じていた。
超高校生級の運動神経を持つ彼ならば、女子高生の二人程度スーツが無くともあっさりと斬り殺せたはずなのだ。
だというのにジャージの少女、今まさに彼に向ってきている少女の存在がその予想を覆した。
吸血鬼の集団さえも薙ぎ払った和泉によるガンツソードの一撃を回避する、スーツ無しで速度が落ちているとはいえ並の人間では真似できない事だ。

「何者だ、お前」
「それはこっちのセリフ!」

声と共に放たれたヌンチャクによる攻撃を軽く下がり回避。
そのまま刃の長さを戻したガンツソードを振るうが、千恵は手首のスナップのみでヌンチャクを操りそれを弾き返す。

「よし、できるじゃん私!」

千恵は重度のカンフーマニアである。
カンフーアクションの映画を何度も見て、我流で特訓をするなど相当なハマりっぷりだ。
花村達と共にマヨナカテレビの事件に関わった時もその足技で何匹ものシャドウを倒してきた。
武器を人に向けて使ったことはなかったが、実際に効果的に使えていることに自画自賛する。

その様子を見ながら和泉は数歩後ろへと下がる。
予想以上に戦いなれている相手、迂闊に攻めれば足元を救われかねない。
身体能力ならば星人や吸血鬼達の方が比べ物にならないほど上だ、だがその差を埋める物を相手は持っている。

それは「恐怖」と「恐怖に負けない心」。
恐怖の無い吸血鬼や星人達は和泉の攻撃に意識を向けず倒れていった。
恐怖に駆られるだけの者も和泉の手から逃れることはできなった。
だが、千恵はそのどちらでもない、和泉の攻撃に恐怖を抱き、その恐怖を戦うための力へと変えている。
その光景に和泉は一人の男を思い出す。

(まだ立ち塞がるか、玄野……)
192剣撃拳舞 ◆c92qFeyVpE :2009/11/28(土) 20:35:58 ID:Zl/v5sE2
突然和泉は瞳を伏せる。
武器を持っての戦いの最中に行う行為ではない、隙だらけの状態になったはずの和泉へと千恵は何故か攻め込めない。

(まずっ……この人、本気だ……!)

ほんの数瞬の後、閉じた瞳が再び開く。
その瞬間千恵は持っていたヌンチャクを捨てて全力で和泉の頭部へとハイキックを繰り出した。

「やあっ!」

今まで数えきれないほどの強敵を倒してきた、千恵が最も頼りにする自らの足による攻撃。
その蹴りは狙い違わず和泉の頭部へと迫る。

「ふっ」

一息。
たったそれだけの時間で、決着はついた。


高速で迫っていた蹴りの動きが突然乱れる。
和泉の腕が千恵に掴まれ、息遣いが聞こえるほどの距離で睨まれる。
そのまま和泉の首に千恵の手がかけられ、

「ごめん……雪子……」

和泉は静かに、ガンツソードを千恵の体から引き抜いた。


【里中千恵@ペルソナ4 死亡】

【A-1/洋館/一日目 深夜】
【和泉紫音@GANTZ】
【状態】健康
【装備】ガンツソード@GANTZ
【所持品】支給品一式
【思考】
1:強力な支給品を集め、最後の一人となる。

【池田華菜@咲-saki-】
【状態】健康、疲労(中)
【装備】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:和泉(名前は知らない)から逃げる。
2:福路美穂子を守る。
193 ◆c92qFeyVpE :2009/11/28(土) 20:36:40 ID:Zl/v5sE2
投下終了です。
194 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/28(土) 21:08:19 ID:40xFmqoP
投下乙です
ガチバトルになるかと思ったら瞬殺かー、和泉恐るべし
そして池田はやっぱり池田だし


それではこちらも呂布子ちゃん新刊発売を記念して、NIKUロワ第5話を投下します
195北郷軍の猛将たち ◆NIKUcB1AGw :2009/11/28(土) 21:09:31 ID:40xFmqoP
ここはB-2、森の中。
今ここに、一人の武将の姿があった。
彼の名は甘寧。旗揚げ当時から北郷軍に所属し、数々の武勲をあげてきた強者である。

「くそっ! なんてことをしてくれたんだ!!」

甘寧は、怒り狂っていた。この殺し合いを開催した少女に、激しい怒りを向けていた。

「僕とメアリーを引き離すなんて! メアリィィィィィ!!」

ただしそれは、自分を殺し合いに巻き込んだことそのものに対する怒りではなかった。
彼が「メアリー」と名前を付け大切にしている、愛用の鉄球を没収されたことに対して怒っているのだ。

「待っててくれよ、メアリー! 必ず君を取り戻すからね! よし! まず調べるのはあそこだ!」

甘寧が目的地に選んだのは、彼のいる位置から見て北にそびえる巨大な建築物、ホテル。
古代中国出身である甘寧にはそれが何の目的で建てられたのかは理解できていないが、かの建物の大きさが彼の心を刺激したのである。

「甘寧の名にかけて、必ずやあの建物に一番乗りしてみせる! 行くぞおおおお!!」

絶叫を残し、甘寧は北に向かって走り出した。


◇ ◇ ◇


甘寧がいるB-2の南部。ここにもまた、北郷軍の武将がいた。
小さな体に秘めた、一騎当千の武力。甘寧と同じく数々の戦場で暴れ回った彼女は、名を呂布子という。

「ええい、なんじゃあの女は! 無抵抗の相手を殺すとは、まったくもって許せぬ!」

呂布子もまた、主催者への怒りをあらわにしていた。彼女の場合は、実にまっとうな怒りである。

「北郷や愛紗はわしの味方として……。後はあの女の手下じゃな! どこの軍かは知らんが、こんな小細工でわしらを倒そうとしても無駄じゃ!
 北郷軍の強さ、見せてやるわい!」

ただ怒りそのものはまっとうでも、向ける方向が微妙に間違っているのだが。
所詮は脳筋幼女である。

「それじゃあ、善は急げ! 敵将はみんなわしが討ち取ってやるのじゃー!」

本来の得物である「ホウテンガゲッキ」の代わりにねずみ色の「棒」を手にし、呂布子は走り出す。向かう方向は、南。

こうしてすぐにでも合流出来そうな位置にいた二人の武将は、それぞれ真逆の方向へと向かってしまったのであった。


【一日目・深夜/B-2・森】
【甘寧@中華武将祭り】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
基本:メアリーを取り戻す。
1:ホテルに甘寧一番乗り!する。
※呂布軍と交戦している時期からの参戦です。
196北郷軍の猛将たち ◆NIKUcB1AGw :2009/11/28(土) 21:10:38 ID:40xFmqoP

【呂布子@中華武将祭り】
【状態】健康
【装備】棒@犬マユゲでいこう
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:北郷軍の仲間以外の参加者を討ち取る。
※呂布軍と交戦している時期からの参戦です。
※バトルロワイアルのルールを、正しく理解していません。
 北郷軍のメンバー以外の参加者は、主催者の手先だと勘違いしています。


※支給品紹介
【棒@犬マユゲでいこう】
ニンテンドーDSの付属品。正式名称は「タッチペン」だが、犬マユの中ではもっぱら「棒」と呼ばれる。
ほとんどの場合人間の身長ほどの大きさで描かれ、武器として使われている。


※参加者紹介
【甘寧@中華武将祭り】
原作は「横山光輝版三国志」。北郷軍初期武将の一人。
自分が愛用する鉄球に「メアリー」という名前を付けて溺愛し、戦場では敵の拠点に一番乗りすることに執念を燃やす。
しかしその二点を除けば、北郷軍きっての常識人である。
一騎打ちにおいては無類の強さを誇り、実質イベント扱いの呂布戦を除けば一度しか負けたことがない(五十五話現在、勝率八割)。


【呂布子@中華武将祭り】
原作は「突き刺せ!呂布子ちゃん」。北郷軍初期武将の一人。
「無双天使」になるため、三国天使界から人間界に修行に来た戦天使。
呂布の名を持つだけあって並はずれた武力を持つが、幼女なので知力は今ひとつ。
大食漢で肉に目がない。
出典動画においては蒼天張飛や一騎当千呂布とチームを組み、頻繁に最前線に繰り出している。
197 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/28(土) 21:11:49 ID:40xFmqoP
投下終了です
198創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 22:36:57 ID:ksjlWXjh
お二方とも投下乙ー

千恵は早くも退場か、相手が悪かったかもなー
そして池田ァ!






駄目だこいつら……というか支給品がタッチペンてwww
いや、でも意外と強力な部類か? 某リフォーム詐偽の狸を仕留めたりしてるしw
199 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:25:55 ID:iBdQja1W
投下乙です。犬マユゲ懐かしいなー今もやってるのかな?
自分も個人趣味ロワ第2話「森の反則王女にご用心」投下します。
登場:石川清隆、リリア・ミスティーズ
200森の反則王女にご用心 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:27:11 ID:iBdQja1W
2話「森の反則王女にご用心」

H-8森。会場マップの東南端、隅の隅に当たるこの場所で、
白い半袖のパーカーの下に黒いYシャツを着込んだ青年、石川清隆はゲームを開始した。

「マジ有り得ねぇよ、殺し合いとか。俺、ただの大学生だぜ?」

清隆はバイトをしながら地元の大学に通う平均的な今時の若者だった。
当然、今自分が置かれている状況には全く納得がいかない。
なぜ戦闘経験も無い一般人である自分が殺し合いなどしなくてはいけないのか。
しかも今現在自分がいるのは暗い森の中。
空からの月明かりによって多少は視界は利くが、それでも夜の樹海の中に一人きりという状況は、
成人男性である清隆でも不安や恐怖心を抱かずにはいられない。

「はぁ……とにかく支給品を確認するか」

そう言って、清隆は足元に落ちていたデイパックを拾い上げ、適当な木の根元に座り中身を確かめる。
参加者名簿に目を通すが、どうやら自分の知り合いは一人もいないようだ。
「石川清憲」という、自分とよく似た名前が少し気になったが、知り合いで無い事は確かなのでそのまま置いておいた。
現在位置が分かるというデバイス――小型端末機を使ってみると、この辺はエリアH-8らしい。
地図を見ると、マップの本当に隅の方だという事が分かった。

地図の外に出たらどうなるか、という考えが清隆の頭を過ったが、
首にはめられた首輪の事を思い出し、思い止まった。
主催者であるセイファートに逆らったり、無理に外そうとしたり、逃げようとすれば、この首輪は爆発するらしい。
あの円形ホール内で首輪を爆破されて殺された夢野カケラという男のようにはなりたくは無い。

そしてメモ帳とボールペン、ランタン、水とコッペパンの次に出てきた物は、
小型のリボルバー拳銃とその予備弾薬、そしてガントレットという籠手だった。
アタリを引いたと、清隆は思わず笑みをこぼす。
ガントレットを左腕に装着し、右手にリボルバー拳銃――38口径短銃を装備し、
清隆はこれからどうしようか考える。

「知り合いもいないしなぁ、最後の一人になんないと帰れないって言うし、
乗るか? 乗っちまうか? 殺し合いに、いや……待て……」
「そこのお方」
「ん?」

不意に聞こえた女性の声に清隆が振り向くと、暗くて分かりにくいが、
ドレスを着た、どこかの国のお姫様のような美しい女性が立っていた。
しかし、その背中にはまるで悪魔のような大きな翼が生えていた。
そのいでたちにも清隆は異様さを覚えたが、それよりも何よりも、
その女性が持っている得物に、清隆の表情が凍り付く。
女性は柔和な口調で清隆に話し掛けてきた。
201森の反則王女にご用心 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:28:47 ID:iBdQja1W
「あなたもこの殺し合いの参加者ですか。私もです。全く不運ですね」
「そ、そうだな、全く参っちまうよ。えーと、何か用?」

とりあえず適当に受け答えする清隆だったが、その足は既に逃げ出す準備を始めていた。
別段、普段から直感に優れている訳でも無い普通の人間である清隆だったが、
なぜかこの時は、第六感が異常な程警告を発していた、
この女はヤバイ、早く逃げた方がいい、と。

「……私はリリア・ミスティーズと申します。
あなたのお名前をお聞かせ頂けますか?」
「俺? えと、俺は石川清隆って言うんだ。ただのしがない大学生だよ。
外国の人なの? 日本語うまいね。で、何か用なの?」
「はい。会ったばかりで誠に申し訳ありませんが……」

清隆はとても嫌な予感を感じた。
そしてその予感は、すぐに現実のものとなる。

「死んで下さい」

リリア・ミスティーズと名乗った女性は、手に持ったドラムマガジン式の短機関銃、
USSR PPSh41の銃口を清隆に向け、引き金を引いた――。



「うわああああああ!! やめろマジ勘弁してくれ!! 正気かテメェェェェェ!!?」
「勿論正気ですよ? だからこそこのゲームのルールに則っているんじゃないですか」
「そういう問題じゃねぇだろおおおおおお!!!」

夜の森を、必死の形相で疾走する青年と、それを追跡し、
手にした短機関銃を青年に向けて発砲する、赤い翼を持った青いドレスの美しい女性。
青年――石川清隆は咄嗟の判断とも言うべきか、リリアが放った最初の射撃を、
ギリギリの所でかわす事に成功した。
その後はもはや無我夢中。脇目も振らずリリアからの逃走を試みる。

「抵抗しなければ、案外あっさりと死ねると思いますがねぇ」

そう言いながら、リリアは再びPPSh41の引き金を引く。
銃口から高速で連続発射される無数の7.62×25oトカレフ弾の弾頭が、
前方を走る清隆に容赦無く襲い掛かる。

「ひいいいいいい!!」

清隆は真っ直ぐでは無く、右へ左へ進路を変えつつ逃げていたので、
弾丸は運良く木の幹や地面に着弾し、清隆には当たらなかった。
清隆は反撃する事も考えたが、立ち止まれば瞬殺される可能性が高い上に、
こちらは装弾数6発の単発銃、向こうは多装弾のドラムマガジン式短機関銃であり、
火力的にも圧倒的に不利であった。
202森の反則王女にご用心 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:29:41 ID:iBdQja1W
「ふう。あまり弾を無駄遣いしたく無いんですよ。さっさと死んで下さい」
「ふっざけんなあああ!! 死にたくねええええええ!!!」

森の中に、青年の叫び声と銃声がしばらく木霊した。



「ゼェ、ゼェ、ゼェ、ゼェ、な、何とか、逃げ切った、みてぇだ……」

清隆は肩で息をしながら、森を抜け、月明かりによって照らされた草原に出ていた。
あのリリアという女性は追いかけてこない。どうやら、撒いたようだ。
あれだけの弾幕の中で怪我一つ負わなかったのは、奇跡に近い。
だが、かなり走ったせいで疲労していた。

「畜生……殺し合いに乗ってる奴は、やっぱりいるのか……」

清隆は正直な所、本当に殺し合いなど行われるのかと、まだ半信半疑な部分があった。
自分は夢を見ているのではないか、或いは、どこかのテレビ番組の悪質極まりないドッキリなのではないか、と。
だがついさっき出会ったリリアと名乗った翼の生えたドレス姿の女性に、
短機関銃で殺されかけた事により、そんな甘い憶測は潰える事になった。
やはり殺し合いは始まっている。もしかしたら、既に死人が出ているのかもしれない。

――殺さなければ、自分が殺される。

「やるしかねぇのか……!?」

右手に持った38口径短銃をまじまじと見つめ、
清隆は決断しなければならないと知る。

人を殺す、という事を。


【一日目/深夜/G-6草原】

【石川清隆@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)、葛藤
[装備]:38口径短銃@SIREN(6/6)、ガントレット@FEDA
[所持品]:基本支給品一式、38sp弾(30)
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗るしか無いのかよ……!?
1:リリア・ミスティーズという女には注意。
2:「石川清憲」が少し気になる。
[備考]
※リリア・ミスティーズの名前と容姿を把握しました。
※自分と似た名前の「石川清憲」なる人物が少し気になっています。
203森の反則王女にご用心 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:30:57 ID:iBdQja1W
◆◆◆


「逃がしたか……チッ」

銃口から未だ煙を吹き上げる短機関銃、PPSh41を携えながら、
リリア・ミスティーズは森の中で舌打ちを打つ。

「それにしても、本当に面倒な事になったわね」

折角長年自分の王家を苦しめ、さらに自分や兄まで殺そうとした変態マント、もとい、
ガレス・レクイエムをぶちのめし、帰還したというのに、
気がついたら妙な狼獣人の女が催しているこの殺し合いとやらに参加させられていた。
しかも首に窮屈な首輪まではめられたのだ。
この首輪は無理に外そうとしたり、セイファートと名乗った狼獣人の女に刃向かったりすれば、
爆発して死んでしまうらしい。

「この私に首枷をはめて殺し合いを強要させるなど……あのセイファートという女には、
思い知らせる必要がありそうね」

唯我独尊、傍若無人、残忍卑劣、冷酷無比。
そんな四文字熟語が実によく似合う彼女にとって、全く知りもしない他人から殺し合いを強制されるという事は、
到底受け入れられるものでは無い。むしろ彼女はそういった事を他人に強制する方が合っている。
この殺し合いの主催者、セイファートとやらに制裁を下す必要があると、
彼女は判断した。
ならば、手っ取り早く主催者の元へ行く方法は何か。
それはやはり――このゲームの優勝者になる事だろう。
あの女の言いなりになるのは不本意ではあったが、名簿を見る限りでは、
この殺し合いには自分の兄、クリスや伯父であるレオン、
その紹介で仲間になったスケープゴート兼非常食の子竜、バン、
ミスティーズ王家第15代王女であり、自分の曾祖父の妹にあたるが、
時の魔石の力で14歳の少女の姿と精神のままだったティアなどの、
自分の知っている人間の名前は一人も見当たらなかった。
元々殺人に対して忌避感もさほど抱いていない危険な思想を持つリリアにとって、
目的のために見ず知らずの他人を殺害する事など造作も無い事であった。

「ミスティーズ王家第18代王女、リリア・ミスティーズ……セイファートとやら、
この私をこんな下らないゲームに参加させた事、後悔させてやるわ。
すぐにアンタの所へ行ってやるから、覚悟しておきなさい……」

自身のランダム支給品、USSR PPSh41を構えながら、
翼を持った悪魔、もとい、リリア・ミスティーズは、この殺し合いの主催者へ挑戦状を叩き付ける。
その目的のためならば優勝する事も彼女は厭わない。

余談だが彼女に支給されたPPSh41には「ペーペーシャ」という俗称がある。
製造国であるソ連の母国語、ロシア語で「殺せ、殺せ」という意味である。
制式名とかけられたものだが、支給された彼女に相応しい言葉に思えてならない。
204森の反則王女にご用心 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:32:16 ID:iBdQja1W
【一日目/深夜/H-6森】

【リリア・ミスティーズ@ムーンライトラビリンス改造版】
[状態]:健康
[装備]:USSR PPSh41(10/71)
[所持品]:基本支給品一式、PPSh41の予備ドラムマガジン(5)
[思考・行動]
0:主催者セイファートに鉄槌を下す。そのために優勝する。
1:目に付いた参加者から皆殺しにしていく。
[備考]:
※本編でガレスを倒し、監獄城から脱出し帰還した直後からの参戦です。
※彼女の身体能力や必殺技に制限が設けられているかどうかは現時点では不明です。


※H-6、H-7、H-8に銃声が響き渡りました。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】石川清隆(いしかわ・きよたか)
【年齢】21
【性別】男
【職業】大学生
【性格】軽い
【身体的特徴】髪を明るい茶色に染めている今時の若者、中肉中背
【服装】半袖のパーカーの下に黒いYシャツ、ジーンズにスニーカー
【趣味】メール、音楽鑑賞、合コン
【特技】特に無し
【経歴】彼なりに平凡な普通の人生を送ってきた
【備考】これといって特筆すべき所は無いごく普通の一般人


≪支給品紹介≫
【38口径短銃@SIREN】
城聖大学の講師、竹内多聞が故郷である羽生蛇村を教え子の安野依子と共に訪れる際、
携行していた小型リボルバー拳銃。どのような経路で入手したのかは謎。
ゲーム中においては、後にこの拳銃は別の人物の手に渡る事に。

【ガントレット@FEDA】
いわゆる籠手。手を防護するために着用する防具の一種。

【USSR PPSh41】
旧ソ連が1941年に制式化したゲオルグ・シュパギン技師開発の短機関銃。
PPSh41は、Pistolet-Pulemjot Shpagina (Пистолет-пулемёт Шпагина)1941:
シュパギン式短機関銃1941年型という意味。
ドラムマガジンを採用し装弾数71発と多装弾で、取り回しも良い。
ソ連軍では制式名であるPPShとかけて、ペーペーシャ(意味:殺せ殺せ)と呼ばれていた。
205 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/28(土) 23:34:12 ID:iBdQja1W
投下終了です。ムンラビ改造版なんて分かる人いるかな……?
206創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 00:29:46 ID:Wg20QnSm
改造版なんてあったのかって感じだぜ
乙です
207 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 00:40:31 ID:wO6xjWUc
>>206
ニコニコにプレイ動画がうpされてます
自分もDLしてプレイしました、面白かったですね
208 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 08:48:21 ID:vGlUUeRs
朝っぱらからNIKUロワ第6話、投下します
209 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 08:49:09 ID:vGlUUeRs
暗い夜道を、愛紗は決死の表情で走っていた。
いま、彼女は別の参加者に追われている。
会場で目を覚ました直後に斧を手にした少女に襲われ、カバンの中身を確認する暇もなく逃げ出したのだ。

「頼む! こちらの話を聞いてくれ!」
「バルサミコ酢ー☆」

愛紗は、戦いを避けるべく何度も少女に語りかけていた。
だが少女から返ってくる答えは、意味不明の単語ばかりである。

(くそっ、問答無用で襲ってきたところといい、言動が無茶苦茶なところといい……。
 この状況でそうとう錯乱しているようだな。説得は難しいか。
 ならば、戦って無力化するしかないか? だが、さすがの私でも素手では分が悪いか……。
 そうだ、支給品! 何か私に使える武器があればいいんだが……)

走るスピードを保ったまま、愛紗はデイパックに手を突っ込む。そして取り出したのは……。

 大根

「は?」

愛紗の口から、思わず声が漏れる。

(いやいや、おかしいだろう。ここは殺し合いの場だろう? なんで生の大根がまるまる一本カバンに入れられているのだ?
 これで何をしろと? 食べろと?)

激しく混乱する愛紗だが、少しして大根に何やら紙切れが貼り付けられていることに気づく。

(これは……説明書? そうか! この大根は、何か特別な力を持った道具なのだな?
 それなら納得がいく! そうだよな、いくらなんでもただの大根が支給されるわけ……)

期待を胸に、愛紗は説明書に目を通す。そこに書かれていたのは……。

『ふんどし!』

「は?」

愛紗の口から、再び間の抜けた声が漏れる。

「意味が……わからぁぁぁぁぁん!」
「どんだけー」


【一日目・深夜/D-2・道路】
【愛紗@中華武将祭り】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、大根@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場
【思考】
基本:なんとかしてこの状況を脱する。
※呂布軍と交戦している時期からの参戦です。
210狂戦士に刃物 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 08:50:07 ID:vGlUUeRs
【柊つかさ@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
【状態】健康、バーサーカーモード
【装備】魔神の斧@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:バルサミコ酢ー☆
1:どんだけー
2:いいえ、ケフィアです
3:TIN☆TIN
※南米でアメリカ連邦と交戦している時期からの参戦です。


※支給品紹介
【大根@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場】
衛藤ヒロユキを代表するネタ、「ふんどし!」に使われた大根。
余談だが、柴田亜美が描くクリフトもなぜか大根を背負っている。


【魔神の斧@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場】
ドラクエ3に登場した武器。
攻撃が外れやすいが、その代わりに会心の一撃が出やすくなる。
この特性は、後のシリーズの「魔神の金槌」に受け継がれることになる。


※参加者紹介
【愛紗@中華武将祭り】
原作は「恋姫†無双」。恋姫世界における関羽であり、北郷の嫁1号。
北郷のことを一途に慕っているが、その分嫉妬深い。
出典動画では嫉妬が募るあまり、たまにヤンデレっぽくなったりもする。
武将としての能力は高い部類に入るが、呂布のような最強クラスの武力を持つ武将には一歩及ばない。


【柊つかさ@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
こなたの親友で、かがみの双子の妹。
出典動画ではこなた達と共に異世界に飛ばされ、幸星党の一員として戦争に参加することになる。
幸星党での役職は、軍需大臣兼バルサミコ酢第三軍司令官。
次元を越えたことによる影響で体質が変化し、体内のバルサミコ酢分が切れるとバーサーカーモードに陥るように。
バーサーカーモードのつかさは戦闘力が大きく上がる代わりに、理性を失い制御不能となる。
そのため、初期の幸星党は本気で「バルサミコ酢の確保」を目標の一つとしていた。
211 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 08:51:28 ID:vGlUUeRs
投下終了です
とりあえず、ラジオでのご希望にお応えして……お応えしたのか?
212創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 10:55:11 ID:Wg20QnSm
なんというカオスww
乙です
213 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 19:31:36 ID:2MSUN7F1
NIKUロワ第7話、投下します
214 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 19:32:32 ID:2MSUN7F1
かつてドイツに、たぐいまれなる戦果をあげた飛行機乗りがいた。
人は彼を、畏敬の念を込めて「魔王」と呼んだ。
その魔王の名は、ルーデル。ハンス・ウルリッヒ・ルーデルである。


ルーデルは、遊園地のベンチに腰掛けていた。その顔は、無表情。
だがその体から放たれるオーラが、彼の心中が穏やかでないことを如実に物語っている。
しばらくの間微動だにしなかったルーデルだが、やがて意を決したようにしゃべり出す。

「冗談ではない! ようやくドイツも戦後復興が始まったところだというのに、こんな悪趣味なお遊びに付き合っていられるか!」

ベンチから立ち上がり、ルーデルはなおも叫ぶ。

「しかも俺だけならいざ知らず、嫁のコナタまで巻き込むとは! 断じて許せん!」

いちおう言っておくが、嫁云々は彼の自己申告である。こなたの側は断じて認めていない。

「許せないことはまだある……。なぜ俺を闘争の場に放り込んでおきながら、戦闘機を渡さない!
 スツーカを渡せ! それが無理なら他の戦闘機でもいい!」

ルーデルはすでに、支給品のチェックを終えている。
だが彼に支給されたのはやたら匂いのきつい香水に、口径の割には妙に大きな銃。
そして野球チームのユニフォーム。
彼の望む物は支給されていなかった。

「こうなっては仕方ない……! 戦闘機がないなら俺が飛ぶ! 俺がスツーカだ!!」

力強く叫ぶと、ルーデルは大きく跳躍する。そして禍々しいオーラを纏うと、恐るべきスピードで夜空を飛び始めた。

「見ていろ、このくそったれゲームの開催者め! 必ずや貴様を見つけ出し、嫁を危険な場所に放り込んだ償いをさせてくれるわーっ!」 


◇ ◇ ◇


おのれの体一つで、空を駆けるルーデル。そんな悪夢のような光景を目撃した、一人の少女がいた。
彼女の名は、鶴屋さん。SOS団の名誉顧問にして、武術その他諸々に精通した才女である。

「あれは……!」

上空を突き進む生身の人間を目撃したとき、彼女は戦慄した。だがそれは、「恐怖」や「怯え」から来るものではなかった。

「舞空術……。武術を極めた者でもほんの一握りしか習得できないという、伝説の技……。
 まさかその技の使い手が、この島にいるなんて……」

鶴屋さんは震えていた。未知のものに遭遇した衝撃に。未知のものを目撃できた歓喜に。
彼女は、殺し合いに乗るつもりはなかった。ゆえに、出来る限り他の参加者との衝突も避けるつもりだった。
だが、あれを目撃してしまってはどうしようもない。
武術家としての、彼女の魂が告げるのだ。あれと戦いたい、と。

「そんじゃ、いっちょ追いかけっかい! でもあの速さ、悔しいけど私の足の速さじゃ追いつけそうにないね……。
 ならばここは、文明の利器に頼るとするっさ!」

楽しげに言うと、鶴屋さんはデイパックから一台のマウンテンバイクを取り出す。
そして華麗な体捌きでそれに飛び乗ると、間髪入れずにペダルをこぎ始めた。

「絶対に追いついてみせるっさ……。この気持ち、まさしく愛にょろ!」

215魔王飛翔 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 19:33:41 ID:2MSUN7F1
【一日目・深夜/B-3・遊園地周辺】
【ハンス・ウルリッヒ・ルーデル@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
【状態】健康
【装備】なし
【道具】支給品一式、みわくのコロン@犬マユゲでいこう、ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド、
    SOSストレンジャーズのユニフォーム@パワプロクンポケット外伝カオスフルswing編
【思考】
基本:主催者をぶっ飛ばす
1:こなたを見つける
2:売られた喧嘩は買う
※ナチス壊滅後からの参戦です。


【鶴屋さん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
【状態】健康
【装備】マサヒコのマウンテンバイク@仮面ライダーSPIRITS
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:殺し合いには乗らない
1:舞空術の使い手(ルーデル)を追いかけ、勝負を挑む


※支給品紹介
【みわくのコロン@犬マユゲでいこう】
単行本1巻のおまけ企画「犬マユRPG」に登場するアイテム。
使うと敵味方全員を麻痺させる。
ラスボスのマユナシ大魔王に対しては、大ダメージを与えられる切り札となる。


【ディエンドライバー@仮面ライダーディケイド】
仮面ライダーディエンドの変身アイテム兼武器。
エネルギー弾を発射して攻撃できるほか、「KAMENRIDE」のカードをセットすることで他のライダーを召喚できる。
召喚されたライダーは基本的にディエンドの操り人形だが、イクサや電王など明らかに自我があるように描写されているライダーも存在する。
(そういったライダーも、ディエンドの命令には基本的に従う)
このロワでは制限により、主役ライダーは一度に1体、その他のライダーは一度に2体までしか召喚できない。
(ライオトルーパーのみ、元からカード1枚で3体召喚のため例外))


【SOSストレンジャーズのユニフォーム@パワプロクンポケット外伝カオスフルswing編】
SOS団が母体となっている草野球チーム、「SOSストレンジャーズ」のユニフォーム。
帽子やアンダーシャツもセットになっている。


【マサヒコのマウンテンバイク@仮面ライダーSPIRITS】
アマゾンの「トモダチ」、岡村マサヒコが、阿蘇山に駆けつけたときに乗っていたマウンテンバイク。

216魔王飛翔 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 19:34:33 ID:2MSUN7F1
※参加者紹介
【ハンス・ウルリッヒ・ルーデル@こなたとハルヒの第二次世界大戦】
実在のドイツ軍人。
第二次世界大戦においてフィクションのキャラ顔負けの大暴れを見せ、「魔王」と恐れられる。
詳しくは検索すればすぐ出てくるはず。
出典動画においてはメンゲレに改造手術を施され、さらなる怪物へと変化を遂げている。
またロリコンであるため、幼児体型でなおかつ空軍のエースであるこなたには並々ならぬ執着を抱いている。
ちなみにナチス崩壊後には、ちゃっかりドイツの国家首班に就任している。


【鶴屋さん@涼宮ハルヒちゃんの憂鬱】
北高の二年生で、みくるの親友。
「めがっさ」や「にょろ」といった独特の言葉遣いが特徴。
実は大富豪のお嬢様でもある。
「ハルヒちゃん」ではお金持ちであることが原作よりも強調されており、SOS団でイベントを行う際には場所や機材を彼女が提供することが多い。
また天才的な武術家であり、熊ぐらいなら勝てる。でも森さんには敵わない。
217 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/29(日) 19:36:08 ID:2MSUN7F1
投下終了です
本編と支給品&参加者紹介の長さがたいして変わらないけど、まあいいや
218創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 19:39:54 ID:Wg20QnSm


えー何と言うユニーク
219創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 20:11:10 ID:vq7EV8nq
投下乙です
……何処からつっこめばいいのだろうか。とりあえずルーデル自重
220 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 20:54:36 ID:wO6xjWUc
投下乙でっすw ルーデル検索しましたww しかしカオスだ、
顔ぶれも支給品もwww

自分も投下します。個人趣味ロワ第3話「新たな道は」
登場:エルフィ、竹内多聞
221新たな道は ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 20:55:56 ID:wO6xjWUc
3話「新たな道は」

G-4に存在する、カソリック系の教会。
豪華なステンドグラスとパイプオルガンを見上げる、灰色の毛皮と瞳を持った、
学生服姿の狼獣人の少女がいた。

「また、殺し合いをする事になるなんて……」

狼少女――エルフィは、深く溜息をつきながら呟く。
彼女は、一度死んだ身だった。こことは違う別の世界でも、同じように殺し合いをさせられ、
命を落としたはずだった。
しかし、死んだはずの自分は今こうして生きて立っており、傷も体力も完全に癒え、
首には以前はめられていたものとはデザインこそ違えど、全く同じ機能を持つ死の首輪。
そして、足元には支給品が入ったデイパックが置かれている。
デイパックを拾い上げ、何列にも並ぶ長椅子の最前列に座り、中身を取り出していく。
基本支給品の次に出てきた物は、二丁の自動拳銃と、それぞれの予備マガジン。
一つはIMIデザートイーグル。強力なマグナム弾を撃ち出すが、かなり大型で重い。
もう一つはグロック19。小型かつ装弾数も多めなので使い勝手は良い。
前回の殺し合いの時、自分に支給されたのがただのボールだった事を考えると、
まさに雲泥の差。非常に恵まれていると言えよう。

だが、彼女は殺し合いなどする気は無い。元々彼女は争い事を好む性格などでは無い。
前回の殺し合いの時でも、彼女は戦いは避け、同行者と一緒、或いは単独で、
会場内を逃げ回っていた。支給品が貧弱過ぎた、というのもあったが。

「はぁ……どうしたらいいんだろう」

この殺し合いには、自分と同じく死んだはずのクラスメイト、ノーチラスや、
他にも数人のクラスメイトが呼ばれている。
それだけでは無い、全く見ず知らずの大勢の人々が、自分達と同じように、
殺し合いに参加させられているのだ。
再びクラスメイトと殺し合う事、全く知らない人々と殺し合う事など、彼女は出来なかった。
なら、自分はどうするべきだろうか。勿論死にたくはないし、人を殺したくもない。
しかしそんな甘い考えなど通用しない事は、十分自覚している。
222新たな道は ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 20:56:40 ID:wO6xjWUc
その時だった。突然教会の正面玄関の扉が開かれた。

「!!」

驚き、咄嗟に長い椅子の陰に隠れる。
扉が閉まる音が聞こえ、足音が近付いてくる。どうやら他参加者が教会内に入ってきたようだ。
エルフィは焦った。もし相手が殺し合いに乗っていたら、この状況では戦うしかない。
グロック19のグリップを握り締めながら、エルフィは足音が徐々に近付いてくるのを感じた。

「誰かいるのか?」

どうやら、侵入者は成人男性のようだ。

「いるなら出てきてくれ。私は殺し合いをするつもりは無い。危害を加えるつもりは無い」
「……」

殺し合いをするつもりは無いと言われた所で、そう簡単には信用出来ない。
一応、自分も一度殺し合いを経験した身だ、そのくらいの事は分かる。
エルフィはグロック19を構えながら、椅子の陰から飛び出し、銃口を侵入者に向けて立ち止まった。

「! ま、待て! 撃つな!」

侵入者――くたびれたジャケットを着た独特の髪型をした人間の男性は、
突然銃を突き付けられ、反射的に両手を上げ、戦意が無い事を訴える。
エルフィとてこんな事はしたく無かったが、何しろ自分の命が掛かっている事だ。

「あなたが持っているランダム支給品を、全て床に置いて下さい」

エルフィは震える手でグロック19を保持しながら、男に命じる。
男は素直に従い、決して撃たないようにと言いながら、
まず持っていた長剣を床に下ろし、
次にデイパックの中から「ダンロップ」とロゴが刺繍されたTシャツを取り出し同じように床に置く。

「これで全部だ」
「……本当に殺し合いには乗っていないんですか?」
「ああ」
「……」
223新たな道は ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 20:59:01 ID:wO6xjWUc
しばらく無言で対峙する二人だったが、男の真剣な眼差しに、
エルフィは嘘偽りは無いと判断し、銃を下ろした。
男も両手を下ろし、安堵の表情を浮かべる。

「すみません……」
「いや、こんな状況なら仕方無い事だ。誤る必要は無い。
私は竹内多聞。城聖大学で講師をしている。君は?」
「私はエルフィと言います。えーと、××高校に通っています」
「××高校? 聞いた事無いが……まあいい、ここで立ち話も何だ、
どこかに身を潜めて情報交換をしたいんだが、いいか?」
「ええ。この奥に多分、控室みたいな部屋があったので、そこで……」

竹内多聞と名乗った男は承諾し、床に置いた長剣とTシャツを拾い上げ、
同じく椅子に置いた自分の支給品をまとめたエルフィと共に教会奥にある神父控室へと向かった。


◆◆◆


男――竹内多聞は、自分が置かれている余りに超現実的な状況に、半ば辟易としていた。
自分は確か、数十年振りに故郷の村で行われるという秘祭の調査のために、
無理矢理ついてきた教え子と共に村を訪れたはずだった。
深夜の0時を回った頃、突然大地震と共に大音量のサイレンが鳴り響き、
自分は意識を失い――気がつけば、この殺し合いとやらに参加させられていた。

周囲には大勢の人々、自分と同じ日本人や外国人風の人間、
ファンタジーの世界に出てくるような狼や狐の頭を持つ、獣人のような者も多くいた。
たった今自分の目の前にいるエルフィと名乗った少女も、灰色の狼の頭を持っている。
しかし普通に日本語を話しているので、意思の疎通は可能のようだ。

自分の支給品は西洋風の長剣と、「ダンロップ」とロゴが刺繍されたTシャツ。
Tシャツはともかく、長剣は鋭利な刃を持つ本物の剣。十分な殺傷能力があった。
説明書には長剣は「ミスティーズ王家王子、クリス・ミスティーズ愛用の長剣」とあった。
名簿に「リリア・ミスティーズ」という同姓の名前があったが、何か関連があるのだろうか。
とにかく、それなりに強力な武器を多聞は支給されていた。

しかし多聞は殺し合う気など毛頭無い。
あの正体不明の狼女の言いなりになって殺し合いなど、余りにも馬鹿げている。
恐らく殺し合いに乗っている奴も出てくるかもしれない。
そういった奴と出くわしたら、正当防衛なら交戦もやむ得まい。
同行していた教え子、安野依子がこの殺し合いに呼ばれていなかったのは幸いだった。
もし呼ばれていたら、きっと真っ先に命を落としていただろう。
しかし、あの地震とサイレンの後、自分がいなくなって、彼女はどうしているのだろうか。
それに、あの地震とサイレンは――両親を失ったあの日のものと酷似していた。
もしかしたら、彼女も両親のように――。
224新たな道は ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 21:02:09 ID:wO6xjWUc
いや、ここで考えていても始まるまい。
何とかして、元の世界に帰る方法を――この狂った殺人ゲームから脱出する方法を探るべきだ。
そのためには、まずは同じ考えを持つ仲間を集めた方がいい。
今出会ったエルフィという狼獣人の少女は、仲間になってくれそうだ。
とりあえずは彼女と情報交換するとしよう。

(安野……無事だといいんだが……)

心の中で元の世界の教え子の安否を気遣いつつ、
多聞はエルフィと共に教会聖堂の奥にある扉の中へ入っていった。


【一日目/深夜/G-4教会】

【エルフィ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:グロック19(15/15)
[所持品]:基本支給品一式、グロック19の予備マガジン(5)、IMIデザートイーグル(7/7)、
デザートイーグルの予備マガジン(5)
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。
1:竹内多聞さんと情報交換をする。
2:クラスメイトと合流する……?
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。

【竹内多聞@SIREN】
[状態]:健康
[装備]:クリスの剣@ムーンライトラビリンス改造版
[所持品]:基本支給品一式、ダンロップのTシャツ@永井先生
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。脱出手段を探す。そのためにも仲間を集める。
1:エルフィと情報交換をする。
2:襲われたらそれなりに対処はする。
3:安野……大丈夫だろうか。
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、意識を失った直後からの参戦です。
従って幻視能力は目覚めていません。
※クリスの剣の持ち主「クリス・ミスティーズ」と、名簿に書かれている名前、
「リリア・ミスティーズ」は何か関係があるのではないかと考えています。
225新たな道は ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 21:03:43 ID:wO6xjWUc
≪支給品紹介≫
【グロック19】
オーストリアのグロック社の自動拳銃、グロック17のコンパクトモデル。
手頃な大きさで装弾数も多く使い勝手は良い。
本ロワでの支給者であるエルフィの出典元、自作キャラでバトルロワイアルにも登場。
女子二十三番:間由佳に支給され、エルフィは彼女にこの銃を向けられている。

【IMIデザートイーグル】
イスラエルのIMI社が生産している世界有数の大口径自動拳銃。
様々な口径モデルがあるが、本ロワで登場する物は強力な50AEモデルである。
かなり大型で重いが、女性でも扱う事は出来るという。

【クリスの剣@ムーンライトラビリンス改造版】
リリア。ミスティーズの兄でミスティーズ王家王子のクリス・ミスティーズ愛用の魔法剣。
王家の証も兼ねている。魔法剣とあるが実質的には恐らく普通の剣。
原作では持ち主であるクリスがうっかり落としてしまい、
リリアが拾うか拾わないかで、シナリオが分岐する。
改造版ではリリアが必ず拾うようになっており、「リリアスラッシュ」という技が使えるようになったり、
終盤のある敵との戦闘でクリスからこの剣を借りて一騎打ち(リリアが圧勝)をしたりした。

【ダンロップのTシャツ@永井先生】
永井先生こと永井浩二が仕事着として着ていたという、
DUNLOPのロゴが印刷された黒いTシャツ。
普段着にしているとも言われるが詳細は不明(本人は否定していた)。
現在も着ているのかどうかも不明。
226 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 21:05:58 ID:wO6xjWUc
投下終了です。
227創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 21:07:58 ID:Wg20QnSm
投下乙です
おお、コンビ結成
228 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 22:49:26 ID:wO6xjWUc
個人趣味ロワ第4話「山姥の貧乏脱出大作戦」投下します。
登場:仁ママ、サーシャ
229山姥の貧乏脱出大作戦 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 22:50:35 ID:wO6xjWUc
4話「山姥の貧乏脱出大作戦」

私は仁ママ。本名は――まあ、言っても分かんないでしょうから仁ママでいいでしょ。
昨日は仁ちゃんと一緒に寝たはずなのに、気がついたら変な黒い服着た狼女に、
「殺し合えって」言われたのよねー。
当然みんな反対したんだけど、そしたら首輪をはめられて、一人の男が首輪を爆破されて死んじゃった。
正直、驚いたし凄く怖かったわよ。その首輪は私の首にもはめられてるんだから。
それで今私は遠くの方に街の明かりが見えて海も見える草原にいるんだ。
デバイスとかいう機械と地図で確認したら、どうもここら辺はD-5らしい。

「それにしても、殺し合いね……」

あのセイファートとか名乗った狼女は「優勝したら元の世界へ帰れるし、一つだけ、何でも褒美をあげる」みたいな事を言っていたわ。
……それってつまり、私と仁ちゃんが貧乏生活から抜け出す事も出来るって事?
何の前触れも無く人を拉致したり、明らかに人知を超えたトリックとも思えない力を、
あのセイファートは使っていた。なら、もしかしたら……。

「……こんな機会、滅多に無いわよね。どっちにしても最後の一人にならなきゃ、
家には帰れないって言うし。いいわよ……やってやろうじゃない」

私は「貧乏生活から抜け出せる」という希望から、殺し合いに乗る事に決めた。
名簿には仁ちゃんの友達の名前、大沢木小鉄と西川のり子の二人の名前と、
その二人の担任である馬鹿教師、春巻龍の名前も載っていた。
優勝するっていう事は、この三人も殺さなきゃならないって事よね。
馬鹿教師はまだいいとして、仁ちゃんのお友達二人を殺すのは忍びないけど……背に腹は代えられないわ。
ごめんね仁ちゃん……。

「ん……早速見付けたわ」

前方50メートル程に歩く人影を発見。耳と尻尾……飾りじゃ無さそう。猫女かしら?
服装からして学生っぽいわね。どうもこっちには気付いてないみたい。チャンスだわ。
私はデイパックから自分のランダム支給品である蕎麦切包丁を取り出し、
姿勢を低くしながら、音を立てないようにして前方の猫女へと向かって行った。
230山姥の貧乏脱出大作戦 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 22:51:38 ID:wO6xjWUc
◆◆◆


私――サーシャは、月明かりが照らす草原地帯を歩いていた。
でも、どうして私は――確か私は、貝町さんにショットガンで撃たれて死んだはずなのに。
この殺し合いには私の他にも放送で死者発表の時に名前が呼ばれたはずのノーチラスとシルヴィア、
呼ばれてはいなかったけど生きているかどうか不明瞭だった森屋英太、北沢樹里、吉良邑子、
太田太郎丸忠信、フラウ、エルフィの名前もあった。
あのセイファートとか言う狼族の女性の仕業だろうか。
だけど……また殺し合いをさせられる事になるなんて……最悪だよ……。

デイパックの中に入っていたランダム支給品はバールだった。
前回の発煙筒に比べればマシだけど、だからって戦う気になんてなれない。
どうしようか……とりあえず、クラスメイトを探そうかな。特にシルビー。

その時だった。私は背後に異様な殺気を感じた。

振り向いた時には、もう遅かった。

「うけけけけけけけけけけ!!」

まるで山姥のような強烈な顔つきの女性が、奇怪な笑い声をあげながら、
何やら見た事も無い刃物を私に向かって振り上げていた。
バールでガードする事も出来たと思うけど、そんな暇も無く。

ザシュッ!!

女性の刃物が、私の頸動脈と気管を断ち切った。
あっという間に視界が真っ赤に染まり、息が出来なくなり、声が出せなくなった。
身体中の力が一瞬で抜け、喉元を押さえながら私はその場に崩れ落ちる。
ああ、私はまた、死ぬんだ。まさか二回も死ぬ事に、なるなんて。

ひゅー、ひゅーという空気の音がはっきり聞き取れた。

でも、段々そんな音も聞こえなくなって。目の前が暗くなって。心地良い眠気が襲ってきて――。

……ラト……シルビー……。
231山姥の貧乏脱出大作戦 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 22:54:07 ID:wO6xjWUc
◆◆◆


「はぁ……はぁ……やってしまったわ……」

ついに私は人を殺した。いや、まるで猫みたいな外見だから人なのかどうか怪しいけど、
とにかく参加者の一人を、この手で殺した。
さっきあげた笑い声は癖みたいなものね。興奮するとついあんな笑い声を出しちゃうのよ。

「もう、後戻りは出来ないわ……このまま、優勝まで突き進むしか無い!」

私は猫女の衣服で蕎麦切包丁の刃に付いた猫女の血液を拭き取り、
彼女のバールとデイパックの中の食糧(って言っても水とパンだけだけど)を頂戴した。
バールを自分のデイパックの中に押し込み、私は深く深呼吸をする。
これから私は他参加者を殺していく。全員殺して、優勝する。
優勝して、長い間の私と仁ちゃんの悲願だった貧乏生活からの脱却を成し遂げるのよ。
そのために、仁ちゃんの友達も、その担任教諭も手に掛ける。
たった今殺したこの名も分からない猫女のように。

「仁ちゃん……ママは頑張るわよ。うふふふ、うけけけけけ……!」


かくして一人の母親は修羅と化す。
全ては息子と自分の生活、人生のために。
いかなる犠牲を払おうとも、彼女は止まらない。



【サーシャ@自作キャラでバトルロワイアル  死亡】
【残り  47人】



【一日目/深夜/G-4教会】

【仁ママ@浦安鉄筋家族】
[状態]:健康、返り血(多)、狂気
[装備]:蕎麦切包丁
[所持品]:基本支給品一式、バール、サーシャの水と食糧
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗り、優勝し、貧乏生活から抜け出す。
1:他参加者を片っ端から殺していく。
2:息子の友達(大沢木小鉄、西川のり子)とその担任(春巻龍)も容赦無く殺す。
[備考]:
※原作最終話の前後の時期からの参戦です。



≪支給品紹介≫
【蕎麦切包丁】
蕎麦を切って麺状にする時に使う包丁。かなり広い刃を持つ。

【バール】
梃子の原理を利用する金属製の棒状の工具。
本ロワに登場する物は長さ約1M程の物。何かをこじ開けるのに使える。
232 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 22:56:21 ID:wO6xjWUc
投下終了です。記念すべき最初の死亡者登場。
233創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 22:57:28 ID:Wg20QnSm
投下乙
仁ママこえー
そして更新はえー
234 ◆UwuX8yY6RQ :2009/11/29(日) 23:01:19 ID:wO6xjWUc
↑くそっ現在位置間違えたwww
【一日目/深夜/D-5草原】です。
235 ◆48CI6tENdQ :2009/11/29(日) 23:45:33 ID:DYIWM1sT
創作発表板バトルロワイアル第3話『ロワとわしと少年』投下します。

登場キャラ
わし(星野仙一)、前原圭一
236創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 00:03:57 ID:VOQLzs7r
あれ?
237創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 00:15:10 ID:G8eayUXx
何があった……
238創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 00:18:44 ID:75EQyaay
これもわしの仕業か……
239 ◆48CI6tENdQ :2009/11/30(月) 06:02:19 ID:hT8xf7z1
規制されてました。すいません。
改めて投下させていただきます。

「ふざけんじゃねぇよ!」
「ぬわぁっ!?なんや、一体!?」

博物館を探索していた星野仙一は、いきなりの怒号に驚いた。
殺し合いになるのならば、まずは資料から、という事で真っ先に近かった博物館に入った星野だったのだが、その結果がこれだよ!!!と言われても文句は言えないだろう。
し か も、だ。
その声が聞こえた方向からは、更にわずかながら声が聞こえてくるのも分かる。

「あれはいかんなぁ…わしの若い頃よりもひどいやないか…少し、牛島を思い出すわ」

正直言うのもなんだが、少年のやってる事は自殺行為である。
いくら図書館だとはいえ、外に聞こえた可能性もある訳であり、早く注意しなくては、自らの命の危険も…。
ならば、止める必要がある。

「仕方ない…これも、世界のトップの指導者の役目や」

そう呟いた星野の足は、声がしている方向へと動いていた。

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
240創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 06:04:51 ID:hT8xf7z1
「ハァ…ハァ…畜生…!」

まるで何かが吹っ切れたかの様に騒いでいた圭一は、近くにあった椅子に腰を落とし、落胆の表情を見せる。
自分の息が荒いのが分かる。
憤怒と興奮、二つが混じった物なのだろう、と圭一は悟りながら、息を整える。

「…にしても…」

ふと、圭一はポケットに手を入れると、そこから黒色に光る、固いフォルムをした物が出てきた。

「本当に殺し合いをさせる気なんだろうな、あいつらは…!」

それは、拳銃。いわばハンドガンである。
後は「死徒手帳」とかいう、訳が分からない物があったが、気には止めなかった。
話を戻すが、どうやら説明曰く、これは「P220」なるものらしいのだが、圭一からしたらどうでもいい。
ただ、これは人の命を奪う物なのだ。
だからこそ圭一は更に怒りが沸き上がっていた。
こうやってるうちにも、殺されてる人が居るかもしれないのに。

「それを傍観するなんて…俺には無理だ!」
「無理、とはどういう事なんや?」

いつのまにか聞こえた声は、後ろからしていた。
しかも、後ろを振り向くと―――

「少し、話を聞かせてもらおか?」

中年のユニフォーム姿の男が、そこに居た。

【博物館/E-4/深夜】
241創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 06:05:42 ID:hT8xf7z1
【わし(星野仙一)@わしを育てるスレ】
【状態】いつも通りやないか。当たり前やろ。
【装備】困った事に何も装備してないんや。一応ユニフォームは着とるが、なんで中日のユニフォームなんやろ。まぁええわ。
【持物】基本支給品なんつーもんと、不明な支給品0から3あるみたいやな。まだ未チェックや。
【思考・行動】
基本思考:イチローはわしが育てた。
1、少年の話を聞く。少年もわしが育てる。
2、何も書く事は無いんや。すまんの。
【前原圭一@こちらスネーク雛見沢村に潜入した】
【状態】興奮、怒り(落ち着いてきた?)
【装備】P220(8/8)予備弾(24/24)@現実
【持物】基本支給品、死徒手帳@シェアードワールドを創るスレ
【思考・行動】
基本思考:あの主催、絶対に許さねぇ!
1、…こいつ誰?
2、スネークと合流したいんだけどな…

【P220@現実】
作者の好きな銃。俺の嫁。
…まあそういうのは置いておいて…。
正式名称は『SIGSAUERP220』。
SIGとザウエル&ゾーンの共同開発によって生まれたハンドガン。
警察と軍隊専用に作られた、自動拳銃である。
総弾数は八発。
P220たんと添い寝したいお( *^ω^)
【死徒手帳@シェアードワールドを創るスレ】
シェアードワールドを創るスレ内の「ややえちゃんはお化けだぞ!」より、死神の夜々重が持っている死徒手帳。死んでいるので生徒ではなく、死徒らしい。
ちょっと夜々重ちゃんはしゅみませんかわいいでスレ立ててくる。
242 ◆48CI6tENdQ :2009/11/30(月) 06:07:59 ID:hT8xf7z1
投下終了。
わしSUGEEEEE、KOEEEEEEEE。
俺はとんでもない奴をロワに出してしまったのかもしれん…

243創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 07:02:26 ID:NLN2KX8h
状態表が完全にわし仕様ww
ほっしー意外とまともというか、優しいなw
244創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 08:10:34 ID:D5qPEVpf
投下乙です
ほっしーの状態表wwww
245創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 11:39:37 ID:VOQLzs7r
ほっしーがまともだと……
乙です
246需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 12:39:15 ID:km0PXpnm
お久しぶりです
久々に来てみたら、色々ロワが増えてる上に、オリキャラが完結してるww
今更ながら、お疲れ様でした
需要ゼロロワ 第6話「宇宙人はみどり色」投下します
247需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 12:44:03 ID:km0PXpnm
第6話 宇宙人はみどり色

「ここは・・・どこだ?」
少年、風間 望は送り飛ばされた広い部屋の中で一人呟いた。
その部屋でまず目に付くのが、大量の机。続いて大きなホワイトボード。
そして、「防犯」や「交通安全」等と書かれたポスター。
どうやら、ここは警察署の一室らしい。

(警察署か・・・ここなら、わざわざ目的を持ってやって来る奴は少ないだろうな・・・
仮に殺し合いに乗った人間がここに来たとしても、広い警察署の中から僕を見つけ出すのは困難だろう。どうやら運は僕に味方しているみたいだ)
ひとまず身の安全を確認した風間は、次にデイバックの中身を確認し始めた。
デイバックには水、食料、地図、腕時計、参加者名簿など、生き残る為の必要最低限の物は入っていた。
そんな中で風間の目に止まったのは、二つの支給品だった。

ひとつは、無数のカードが収められた、黒い正方形のケース。
同封されていた説明書によると、これは「カードデッキ」という物らしい。
内容を要約すると、このケースを鏡に向ければ、オルタナティブというヒーローもどきに変身できるらしい。
さらに読み進めていくと、オルタナティブは鏡の世界「ミラーワールド」に住むサイコローグというモンスターと契約を結んでおり、カードを使えば、
いつでもミラーワールドから召還できるとの事だった。
まったく馬鹿げている。鏡の世界?鏡に住む怪物?これではまるで、新堂が話していた旧校舎の怪談話ではないか。
もし書かれている事が本当ならば、かなり強力な武器であることは間違いないが、こんな現実離れした文章を、
いきなり信じろというのは、流石に無理がある。とりあえず、カードデッキは保留する事にした。
できればこんな訳の分からない物は使いたくないが、どうしようもなく追い詰められた時は、これを使うしかないだろう。

もうひとつの支給品は、液晶画面の付いた、腕時計に似た小型の機械だった。
こちらは「人ナビ」というらしい。
この人ナビには、この会場の地図と首輪、つまり参加者の位置が表示されるとの事だった。
早速説明にしたがって人ナビの電源を入れてみる。
すると警察署と書かれた建物の中に、矢印が表示された。どうやらこの矢印が人ナビ本体の位置らしい。

(なるほど・・・これはいい物を手に入れたぞ)
さらにボタンを押して画面をズームアウトし、首輪の反応が無いかどうか確かめる。すると、西の方角にひとつ反応があった。
(結構近いな・・・西の方角にあるのは・・・博物館か)
風間は、その首輪の反応を10分ほど観察していたが、全く移動する気配が無い。これはふたつの可能性が考えられる。
ひとつは、この参加者が既に他の参加者によって殺害されているという可能性。
もうひとつは、殺し合いに乗っていない参加者が、恐怖でその場を動けずにいるという可能性。
もちろん、殺し合いに乗った者が、獲物を待ち構えているという可能性も無いわけではない。
しかしホテルや病院ならともかく、殺し合いの場でわざわざ博物館に向かう者はそうそう居ないだろう。
博物館で待ち伏せしても、あまり効率的とはいえない。
(となると・・・行ってみるしかないな)
この参加者が死亡しているなら、デイバックから新たな武器を入手できる。
既に持ち去られている可能性も高いが、それでも首輪だけは確実に手に入る。
首輪を入手できれば、自分の首にも巻きついている忌々しい首輪を解除する手がかりが掴めるかも知れない。
それが無理でも、爆弾として使用する事が可能だ。
もし怯えて動けずにいる参加者なら、仲間の振りをして接触する。
なにせ自分に支給された武器といえば、得体の知れないカードデッキだけだ。
しばらく仲間として行動を共にし、隙を見て武器を奪い、そして殺害する。
どちらにしても、移動する事で状況が悪化する事はまず無いだろう。
風間は、博物館を目指して歩き出した。
248需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 12:47:14 ID:km0PXpnm
巨大な恐竜や、中生代の古生物の化石が立ち並ぶ博物館。
昼間ならば親子連れの見学者を喜ばせたであろう、古代の地球の支配者たち。
だが無人の、不気味なほど静まり返った暗闇の博物館の中では、彼等は人気者などではなく、巨大な魔物の骸にすぎない。
「どうしよう・・・ハルくん・・・怖いよぉ・・・」
そんな異質な空間に、一人の少女が放り込まれていた。
秋姫 すもも。星城学園に通う14歳の少女である。
14歳の少女にとって、夜の博物館、そして殺し合いという状況はあまりに異常すぎた。
とある薬の影響で、夜にぬいぐるみに変身する体になってしまったユキちゃんこと、石蕗 正晴を治すために、星のしずくを集めていた時にも危険な事はあったが
直接自分の命が狙われるような事は、経験した事がなかった。
殺し合いのゲームが始まって既に30分が経過したが、すももは未だに恐怖で動けずにいた。
このままじっとしていても何も変わらないのは分かっている。
しかし、一歩外へ出た瞬間、目の前に殺人鬼がいた場合の事を考えると、とても動くことなど出来なかった。

ギィ・・・
カッ・・・カッ・・・
「ひゃあっ!?」
その時、入場口の扉が開き館内に乾いた足音が響き渡った。ついに殺人鬼がここにやって来たのだろうか。
「い、いや・・・来ないでぇ・・・」
ついにすももは恐怖のあまり泣き出してしまった。自分が殺されるかもしれないという恐怖と、二度と正晴に会えないかもしれないという恐怖。
これらは、元来気の小さい彼女にはとても耐えられる物ではなかった。
「君、大丈夫?」
「・・・え?」
死を予感していたすももは、いきなり自分に掛けられた予想外の言葉に驚く。涙を拭き、顔を上げると
「僕が来たからにはもう大丈夫だよ。だから泣かないで」
満面の笑みを浮かべる風間の姿があった。



風間とすももが遭遇し、5分が経過した。
最初は泣いてばかりだったすももだが、他人と会ったことで気分が落ち着いたのか、だいぶ平常心を取り戻していた。
だが、一方の風間は違っていた。
(参ったな・・・女の子、しかも見たところまだ中学生じゃないか。その上かなりカワイイぞ)
人ナビの反応を頼りにすももと遭遇した風間は、内心戸惑っていた。
自分が生き残るために他人を殺す事など、何の躊躇も無いが、相手が可愛い女の子なら話は別だ。
なにせ彼は、自称紳士的なカッコマンなのだから。

「あ、あの・・・」
「うん?何かな?」
「えっと・・・自己紹介がまだだったから・・・私、秋姫 すももです。あの、よかったら、名前を聞かせてくれませんか?」
「ああ、ゴメンゴメン。こういう時は男の方から挨拶しなきゃいけないのに。僕は風間 望。よろしく。」
「あ、はい・・・こちらこそ、よろしくお願いします」
「ところで、すももちゃん。僕らは殺し合いに乗る気はないけど、身を守るのにもそれなりの武器が必要だ。
 だからここは、お互いの支給品を確認しようじゃないか。」
249需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 12:49:56 ID:km0PXpnm
すももとの挨拶を済ませた風間は、殺すかどうかはひとまず保留するとして、すももの支給品を確認する事にした。
「ちなみに僕は、この首輪発信機と、訳の分からないカードデッキとかいうおもちゃだ。
 発信機はともかく、このカードデッキが役に立つとは到底思えないけどね」
風間はポケットから取り出したカードデッキを見せびらかし、ヘラヘラと笑いながらそう言い放った。

「えっと・・・私は・・・」
風間の言葉を受け、すももはデイバックの中身を探り始めた。どうやら確認がまだだったらしく、少々手こずっているようだ。

「こんな物が出てきました・・・」
すももが取り出したのは、日輪マークが刻まれた玩具のような銃であった。
風間は、すももから渡されたそれを、手に取って注意深く観察する。

(これは光線銃かな?おもちゃみたいな造りだけど、どうやら本物らしい・・・
 見たこともないタイプだけど、少なくとも地球の技術でない事は確かだな)
あらかた銃の観察を終えた風間は、すももにそれを返した。本当ならば一刻も早く武器が欲しいのだが、
ついさっきまで恐怖で泣いていた少女から、数少ない武器を取り上げるのは、流石に気が引けたからだ。

「他には・・・わぁっ!?」
すももが再びデイバックに手を入れた瞬間、中から10cmほどの昆虫が3匹飛び出した。三匹の昆虫は2mほど上空で静止している。
一見すると蜂に似ているが、見たことも無い種類だ。第一、10cmともなると、蜂としては規格外のサイズである。
「ん?これは説明書かな?」
ふと風間が地面を見ると、すもものデイバックの側に紙が一枚落ちていた。恐らく蜂もどきが飛び出した勢いで外に落ちたのだろう。
風間はとすももは、その紙に目を通す。

・ペンバリー
偵察用の小型モンスター。目で見たものを正確に記憶し、針をペン代わりにその光景を絵に描く事が出来ます。
偵察に出す場合は、地図に記されている記号で指令を出してください。
使用主が移動しても見つけ出して戻ってきます。
注:参加者を指定して偵察してくるような命令は出せません。

「なるほどね・・・」
風間は静かに呟いた。
「すももちゃん、これはいい物を引き当てたよ」
「え?そうなんですか?」
「そうさ。正直、ペンバリーだけじゃ使いにくいアイテムかもしれない。
 確かに便利だけど、参加者を指定して命令を出せないというのは少しキツイ。
 指定できるのが場所だけじゃあ、ほとんどの場合、偵察は無駄骨に終わるだろうしね。
 偵察に出した場所にたまたま参加者が居たとしても、ペンバリーが戻ってきて絵を描き終えるまでに、
 そいつがずっとそこに留まっているとは到底思えない。
 だけど、僕の持っている人ナビと併用するのなら、話は別さ。
『誰がどこに居るか』は分からないけど、人ナビに反応があった場所に偵察に出せば、『そこにどんな参加者がいるのか』は分かる。
 そいつが移動しても人ナビで追跡できるし、強力な武器を持っていたり、いかにも強そうな奴だったら逃げればいい。
 遠くは無理でも、近場の偵察には十分役立つはずさ。どう?何か問題でもあるかい?」
風間は自慢げに解説してみせた。
250創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 13:06:42 ID:VOQLzs7r
支援
251需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 13:08:06 ID:km0PXpnm
「す・・・すごーい!風間さんって頭いいんですね!」
「はは。それ程でもないよ。さて、それじゃあどこに偵察に出そうか・・・お?
 北東、D-2の採石場にちょうど反応が3つあるな。ペンバリー!」
風間が呼ぶと、3匹のペンバリーが舞い降りてきた。
「D-2の偵察を頼む。急いでくれよ」
風間の命令を聞き入れたペンバリーは、窓ガラスを突き破って外に飛び出していった。
「おいおい・・・こんな状況なんだから静かに頼むよ・・・まぁ、すぐ近くに反応が無かったからいいけどさ。
 さて、こうしてじっとしてるのも何だし、仲間になる人を探しに行こうか」
「はい!」
先ほど泣いていたのが嘘のように元気に答えを返し、風間の後を追うすもも。
彼女は自分の幸運を喜んでいた。この殺し合いの場で、風間のように優しく頼りになる人物に出会えた事に。
だが、彼女はまだ知らなかった。
風間の正体が、地球侵略計画のスパイとして、母星から送り込まれた宇宙人、スンバラリア星人だという事を。
世界で最も星に近い町に生まれた少女と、地球侵略を企てる宇宙人。
二人の出会いはどんな物語を紡ぎだすのか------

【一日目/深夜/E−1/博物館】


【風間 望@学校であった怖い話】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式、
    オルタナティブのデッキ@仮面ライダー龍騎
    人ナビ@エアマスター
[思考]
基本:首輪を外す
0:すももちゃん可愛いなぁ・・・
1:サンプルとして首輪が欲しい
2;今のところ積極的に殺し合いをする気はない(ただし、襲われた場合は容赦なし)
3:すももに人が死ぬ(自分が殺す)瞬間を見せたくない

【秋姫 すもも@ななついろ★ドロップス】
[状態]健康
[装備]なし
[道具]基本支給品一式
    サンシュート@天体戦士サンレッド
[思考]
基本:風間について行く
1:同上。
備考:名簿を見ていないため、撫子と結城が参加している事を知りません。

支給品解説
ペンバリー@冒険王ビィト
本文中の通り、偵察用モンスター。風間はロボットか何かだと思っている。
252創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 13:09:44 ID:VOQLzs7r
投下乙……
このルートかよwwwwww
253需要ゼロロワ ◆BHtXRZieJ2 :2009/11/30(月) 13:10:00 ID:km0PXpnm
投下終了。
いやー、この組み合わせはロワ開始当初から出したかったんですが、やっと登場できました
まぁ、完全にこのタイトルにしたかっただけですがwww
崖鉄平の第何話か忘れたけど投下します

        インフェルノ
――深遠たる地獄を思わせる暗き森の中、英雄騎士を思わせるが如き男が2人
       ヘカトンケイル
――男の1人は鬼を思わせるが如き
                                      コスモ        カ ッ
――2人目が男は星すら喰らいつくしかねない程に膨張した宇宙を眼の中へと寄生させていた

――男達の戦いに言葉等は必要なかった、ただ鬼が哭き、邪が放っただけだった

邪気眼の使い手「…………俺の【黒き衝動】は……貴様を仕留め切れなかったか……ッ」
範馬勇次郎「面白ぇ技を使うようだが……所詮、女子供の護身術だな」

――鬼の右腕は消滅していた

――だが、鬼は嗤う

邪気眼の使い手「そうか……それが世界の選択か…………」

              ラ・ヨダソウ・スティアーナ
【邪気眼の使い手@コピペ 死亡】

――余談だが、病気への抵抗力を無くしていた鬼は邪血を浴び、
永遠に呪われし過去を生み出す病に感染し、威なる力に目覚めた様だ。



【A-666/1日目・深夜】
【磐魔悠地@テラカオスバトルロワイアル 一周目】
[状態]:右腕消滅、中二病、邪鬼眼開眼
[装備]:無し
[道具]:未確認支給品1〜3、基本支給品一式
1:邪鬼眼が……ッ、疼く……ッ
                             中二ネーム
*本名は範馬勇次郎ッッッッッッッッ!!!!だが、感染し呪われし名を名乗ったッッ!
*中二病に感染しました、痛い言動や行動を取りますが実力が伴っているので何もいえません。

                    カノッサ
*奴は……通常の邪気眼の全てを統べる王の眼、邪鬼眼に開眼した……
最早、ランクA程度の邪気眼使いでは太刀打ち出来ぬ……
                         ト ワ
至急にSランク邪気眼使いを召集し、奴に永遠に解けぬ眠りへと誘うのだ……

*もうこの書き方止めてもいいっすか?
*結構キツいんすよね、コレ
投下の時カッコいいと思って、怪我もして無いのに目を押さえて、呻き声をあげつつ、
                    トウカ
「ク……そうか…………始まるのか受胎が……」とか言いながらメモ帳からコピペして
トウカシュウリョウ ドキオトコロワ     トウカサレル
「誕生だ……  世界  は再び生まれ変わる……ッ」なんて言ってた
スレに居た人にに「何してんの?」と聞かれると
「っふ・・・・Jane Style(自分が使ってる2chの専用ブラウザ)を持たぬ物にはわからんだろう・・・」
と言いながらわしを育てるスレのところに消えていく             ホッシー
創発ロワ投下中、静まり返った家の中で「うっ・・・こんな時にまで・・・虎を統べる鷲か」
と言って執筆始めた時のこと思い返すと死にたくなる

ラジオで最終回投下してて腕を痛そうに押さえ崖鉄平に
「が・・・あ・・・離れろ・・・ロワの主催にされたくなかったら早く俺から離れろ!!」
とかもやった感電さんも俺がどういう書き手か知ってたらしくその最終回はノーコンテストで終了
投下のある日はこんな感じだった

でもやっぱりそんな痛い書き手だと毒吐きスレ民に
 トウカ       トウカ
「受胎見せろよ!受胎!」とか言われても
「・・・ふん・・・小うるさい奴等だ・・・失せな」とか言ってスレ民逆上させて
炎上くらったりしてた……ということは別に無い。

あと文字がズレててビックリ
257 ◆fRBHCfnGJI :2009/11/30(月) 13:56:08 ID:VOQLzs7r
>>256
  トウカシュウリョウセンゲン
が永遠の堕落への誘惑だと書くのを忘れていた……ッ
258創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 17:10:40 ID:A92TalJb
投下乙ですー
これはうざい(褒め言葉)
259創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 17:19:21 ID:NLN2KX8h
 ト ウ カ オ ツ
愛されし者への祝福だぜ
振り仮名が最高すぎてもうなんていったらいいのか
260 ◆fRBHCfnGJI :2009/11/30(月) 18:11:09 ID:VOQLzs7r
執筆意欲はあるが筆が進まない……
そんなワケでオリ狂人ロワの名簿を晒すのです
そして日曜ぐらいにOPを投下するとこのスレ内で宣言することで自分を追い込むのです

歩くマネキン/生贄に捧げられた男/受身のヒーロー/エスパー少女/鬼の様な男
皮を剥ぐ殺人鬼/気狂いを疑われる男/串刺し好きな女性/毛の長い猫/姑息な殺し屋
裂く男/自殺志願者/鈴を鳴らすピエロ/せせら笑う書店員/削ぎを趣味とする殺人鬼
旅をする探偵/チートな男/貫き通す少年/底辺の男/友達の友達
悩む女性/にやけ面の狙撃者/ぬらりと動く盗人/寝る男/ノイローゼな女
ハレルヤを唄う坊主/人でなしなマホウ使い/普通であることを愛する少年/反吐を吐く聖人/掘る男
幕を引く男/水を操る女/無想な少女/目を集める殺人鬼/燃やす男
やさぐれた少女/緩やかな老人/夜
乱暴な医者/リラックスするヤクザ/流浪のニート/霊を見る女/
わざとらしい警察官
261創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 22:19:31 ID:hT8xf7z1
>>260
ウホッ、いいネーミング…



あとwikiって携帯からやるのは無理なのかなぁ?
出来れば編集出来る様にしてもらいたいんだけど…
262 ◆fRBHCfnGJI :2009/11/30(月) 22:29:46 ID:VOQLzs7r
wiki管理人さんが何とかしてくれれば……

まぁちょっとした事なら代わりに編集出来ますよ
263 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/30(月) 23:23:11 ID:SEe6wpa0
NIKUロワ第8話、投下します
264第八幕 見参魔道侍 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/30(月) 23:24:33 ID:SEe6wpa0
とある崖の上。目の前に広がる漆黒の海を見つめながら、その男は一人佇んでいた。
伸ばした髪とひげ、そして決して清潔とは言えない服装。どこか世捨て人を思わせるような外見だ。
彼の名は、不破十臓。人として生を受けながら、人斬りの魔力に取り憑かれ化け物に身を落とした「外道」である。

「俺は……生きているのか」

十臓はふいに、虚空に向かって呟く。
彼が持つ最後の記憶。それは自らが認めた強者・シンケンレッドに切り捨てられ、海に落ちていくというものだった。
彼は、自分の死を覚悟していた。しかし、十臓は死んではいなかった。
負った傷も完全に癒された状態で、こうして殺人遊戯の参加者としてこの無人島に送り込まれているのだ。
正直に言えば、十臓は自分が生きていたことに戸惑っていた。だがその戸惑いは、程なくして喜びに変わる。
あることに気づいたからだ。

「生きているということは……。もう一度味わえるかもしれないのか。
 あの、骨の髄までバラバラになるような斬り合いを……」

シンケンレッドとの決闘は、彼が生きてきた中でもっとも素晴らしい体験だった。
自分に匹敵する強者との、お互いの命を賭けた死闘。なんと楽しいことか。
その快楽を思い出し、十臓の体が震える。あれをもう一度味わえるとしたら、こんなにも嬉しいことはない。
いてもたってもいられず、十臓はカバンを乱暴に開いて名簿を取り出す。
そこにシンケンレッド・志葉丈留の名前が記されていることを期待して。
だが彼の希望は、あっさりと打ち砕かれた。丈留の名は、名簿のどこにも記されてはいなかったのだ。
十臓が知っている名前は、「骨のシタリ」の一つだけ。
さほど仲がよいわけではないが、いちおうは同じ外道衆の仲間だ。勝負を挑む気にはなれない。
そもそもあの老いぼれに、自分を満足させてくれるほどの力があるとも思えない。

「まあいい。これだけの人数がいれば、一人ぐらいは俺に快楽を与えてくれるやつがいるだろう。
 それに期待するか」

若干の失望を胸に抱きつつ、十臓は名簿をカバンの中に戻す。代わりに、彼はランダム支給品を取り出した。
彼に支給されたのは、二振りの刃。十臓はそのうち禍々しい装飾が施された大剣の方を手に取り、もう一本をカバンにしまう。

「裏正とはまったく違う感触だが……。なかなか俺の手になじむ。当面はこの剣を使わせてもらうか」

二、三度素振りを行うと、十臓は満足げに口元を歪めた。

「そうだな、まずは……。試し斬りの相手を捜すか。この剣になじむためにも、実戦をこなしておいた方がいいからな。
 最初は弱いやつでもかまわん。とにかく斬ることさえ出来れば……」


魔剣を手に、血の雨を降らせるべく動き出す十臓。
果たして、彼を止められる者は現れるのか。
第八幕、まずはこれまで。


【一日目・深夜/C-4・崖】
【不破十臓@侍戦隊シンケンジャー】
【状態】健康
【装備】破壊の剣@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場
【道具】支給品一式、鋼の日本刀@パワプロクンポケット外伝カオスフルswing編
【思考】
基本:骨の髄までバラバラになるような戦いをする
1:シンケンレッドに匹敵する強者を捜す
2:試し斬りのため、誰でもいいので他の参加者を襲う
※第二十六幕、シンケンレッドに敗れた直後からの参戦です
※花織ことは=シンケンイエローであることには気づいていません。気づいたとしても、おそらく何とも思いません
※破壊の剣の呪いが、どこまで十臓に影響するのかは不明です
265第八幕 見参魔道侍 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/30(月) 23:25:29 ID:SEe6wpa0
※支給品紹介
【破壊の剣@ドラゴンクエスト4コマ漫画劇場】
ドラクエ2に登場した武器。
攻撃力はゲーム中最高だが、装備すると呪いにより戦闘中たまに動けなくなる。
この武器を使った裏技「はかぶさのけん」はネット上で広く知られている。


【鋼の日本刀@パワプロクンポケット外伝カオスフルswing編】
火星カンパニーの社員、鋼毅(はがね・たけし)の愛用する日本刀。
切れ味はなかなかのもの。


※参加者紹介
【不破十臓@侍戦隊シンケンジャー】
元は人間でありながら外道衆に転生した、「はぐれ外道衆」。
人を斬る快感に取り憑かれ辻斬りを繰り返したため、外道へと堕ちた。
その出自のため、外道衆の長である血祭ドウコクからは邪険に扱われている。
シンケンレッドを自分と戦うに値する相手と見定め彼をつけねらうが、一騎打ちにおいて捨て身の攻撃の前に敗北した。
そのまま海に落ちて死んだものと思われていたが、後に生きていることが判明。
レッドとの戦いで折れた愛刀「裏正」の修理を条件に、筋殻アクマロに雇われる。
命がけの戦いにのみ価値を見いだす性格破綻者だが、シンケンゴールド・源太の握った寿司を異様に気に入るといった人間くさい面もある。
266 ◆NIKUcB1AGw :2009/11/30(月) 23:26:46 ID:SEe6wpa0
投下終了です
ここのところカオスな話ばっかりだったけど、ここらでシリアスな話も
267創る名無しに見る名無し:2009/11/30(月) 23:30:05 ID:VOQLzs7r
投下乙

おお何というロワ充フラグ
268創る名無しに見る名無し:2009/12/01(火) 00:15:45 ID:mkJAysfV
投下乙!
十臓ktkr……しかも支給品は破壊の剣とな
はかぶさの剣になったら手がつけられないなこりゃw
269 ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:45:25 ID:1eP+AZny
投下乙です!
うおう、十臓が破壊の剣持ってやがる……それにカオス話が続いてただけにそのギャップで怖さがすげえ




そして今は誰もいない……こっそり参戦/初投下するなら今のうち……!

と言うことで【オリジナルキャラに二つ名メーカーで着いた二つ名を元に超能力をつけてやるバトルロワイアル】
略してオリ二つ名ロワ、オープニング投下させてもらいます。
270奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:46:35 ID:1eP+AZny

ある所に、政府が非公式にある特定の児童を育成する中等学校が存在した。

そこに居る生徒は特別変わった経緯の持ち主ではない。

健康な生徒もいれば病弱な子もおり、恵まれた家庭に育った生徒もいれば貧困な家庭に生まれた子供もいる。

もっと言うならば、犯罪を犯したわけでも、選び抜かれた精鋭というわけでも、家族に訳ありというわけでもない。

普通に笑い、普通に泣き、普通に怒り、普通に過ごす。

恋もすれば、趣味に走ったりもする、何処にでも居る少年少女たちだ。

非公式であるのはその授業内容だけなため、公式の試合に出場する部活も存在する。

普通の中等教育学校となんら変わりがない。

強いて言うなら私立と名を打ち、全寮制の学校であるというぐらいであろう。

そんな普通の生徒たちの普通とは違う共通点とは、学生たちが『超能力者』であること。

少年少女は中等教育の3年間をその学園で暮らし、普通の高校や大学に進学して、政府の傘下である会社に特務として派遣される。

少年少女はそう教わり、そう信じてきた。

自分達は特別であると、普通とは違う優れた人間であると。

だから、自分の進む道は光と希望に照らされた素晴らしい道に決まっていると。

今日、この日、中学を卒業するまでは。

そう思っていた。


             【奈落 -エデン-】


             ◆   ◆   ◆


 
271奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:47:36 ID:1eP+AZny

「……ん、なんだ、ここ?」

三年A組出席番号男子1番、秋谷翔太【戦闘貫通(ペネトレイトバーサーカー)】はポツリと呟いた。
短く刈り込んだ髪をポリポリとかきながら周囲を見渡す。
翔太は先ほど待ち望みつつも口惜しく感じた卒業式を済ませ、三年A組の教室で最後のホームルームを行っていたはずだ。
なのに俊の前に広がる光景は教室とは似ても似つかぬ広大な空間、と言うか先ほどまで卒業式を行っていた体育館だ。
しかも、ここに居るのは俊だけじゃない。
見慣れた顔が大勢いる、見事に三年A組のクラスメイトだ。

「……おいおい、なんだこりゃ? あれか、下級生の盛大などっきりか? それとも噂のお礼参りが始まるのか?」

まず最初に思ったのは下級生のテレポーターの悪戯かと言うことだ。
テレポート能力を持った生徒は少ないとはいえ存在する、三年A組には居ないが。
その生徒が恐らく悪戯で三年A組の生徒を体育館に集めたのではないか、と考えたのだ。
副担任の上条弥生もテレポーターではあるが、やる意味がない、と思う。
さて、とりあえず下手人を見つけてフルボッコにするかとその中学生離れしたがっちりとした巨体で歩き回る。
どうやら身体の動きを封じるタイプの超能力は使われていないようだ。

「……ん、何だ、これは? お前がしたのか、秋谷」
「俺も知らねー、むしろ聞きてえぐらいだ」

堂々と歩きまわる翔太の足音に数人が目を覚ましたようだ。
その中で、丸坊主にそり込んだ彫りの深い顔立ちをした体格の良い(翔太ほどではないが)生徒が話しかける。
生徒の名は中村翼(男子15番)【亡骸(ウロボロス)】、学級委員を務める程度には真面目な性格をしている。
そして、連鎖反応のようにぞろぞろと生徒が目を覚ましていく。
面子は見事に卒業式を終えた三年A組の人間だけ。
そう言えば担任の村越一と副担任の上条弥生は何処に行ったのだろうか、翔太はそんな呑気なことを考えていた。
しかし、噂をすれば影と言うかなんと言うか、翔太の頭によぎった人物はすぐさま現れた。

「はいはいはいー、静かに静かに静かにー! これから最後の授業がはっじまっるよー!」

不気味で低めの、どこか嫌悪感を覚える明るい声が壇上から響く。
その声に反応するように閉じられていた幕が開かれていく。
御丁寧に壇上にだけライトが当てられて、ニヤけ面をした村越の無個性な顔が見えてくる。
相変わらずセンスのないメガネとしわしわの白衣を纏っている。
何が起こったのか分からず、ただ何となく村越を睨みつけていた翔太。
正面に居るため翔太の視線を感じているはずなのに、村越はどこ吹く風と平気な顔をしている。
翔太は村越のことが嫌いだ、大嫌いだ、人をここまで嫌いになれるのかと感心するほど嫌いだ。
翔太だけじゃない、恐らくこの学校の生徒で村越のことが好きな人間はいないはずだ。
あのニヤけ笑いが生理的嫌悪感を呼び起される。
何より超能力者でもない癖に、大人ぶって上から見下してくるあの視線が気に入らない。
そして、不意に村越がこちらに視線をやり、あのニヤけをさらに深くした。
あ、もう駄目だ、と至極簡単に翔太はぷっつんときた。
どうせ卒業式だ、しかもこんな悪戯をしてきやがったんだ、内臓をボコボコにしてやっても咎められやしない。
無茶苦茶な思考を抱きながら、一歩足を踏み込む。
だが、その瞬間、隣に立ったひとりの女子によって止められた。
272奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:48:28 ID:1eP+AZny

「あ、あの、先生」
「何だい、足立? 手を挙げての質問とは行儀がいいじゃないかー」

まだ幼さの残る高い声を大きく発して、片手をシャンと伸ばす。
その女子は足立莉子(女子1番)【地核周波数(ハッピーハードコア)】。
いつも人の中心にいる、いわゆるクラスのムードメーカー的な人物だ。
率先して行事ごとに首を突っ込み、面白そうなことと思えば何も考えずに直進する。
その性格ゆえかで男女問わず友人が多い。
ある意味こんな状況で最初に声をかけるのに最も適した人物だろう。
そんな足立の声だからこそ、それを遮って村越を殴りに行くことは躊躇われた。
それは同じ出席番号と言うことで、日直の際に迷惑をかけたという単純な負い目からだ。

「これ、何ですか?」
「これって言われてもねぇ?
 先生は数学の担当だけど、人に尋ねる時は主語述語のはっきりとした文で聞くものだと思うよぉ?」
「茶化さないでください、どうして私たちは体育館に居るんですか?」

珍しく足立が声を荒げている。
さすがにこんな状況ではまともな思考を働かすことはできないのだろう。
だのに、村越はそんな足立の反応が楽しくてたまらないと言わんばかりにニヤけ面をやめようとしない。
やっぱりぶん殴ってやろうか、そう翔太は思えてきた。

「んー、足立。少しだけ間違ってるなぁ。ここは体育館じゃないぞ?」
「……?」
「ここはなぁ、校長先生が所有する他の島から遠く遠く離れた孤島なんだよ。
 凄いだろ、校長先生は島を持ってるんだぞ」
「孤……島……?」
「そう、孤島だ。だからここには僕と三年A組の生徒、そして上条先生と校長先生しかいないんだよ。
 なんか凄くない? 孤島だけどここってそんなに小さくないんだよ?」
「おい、村越! どうでもいいからさっさと言いてえことを言えよ!」

足立が尋ねたいことを小出しにするように、いや、小出しにすらしていない村越の態度に無性に腹が立って口をはさむ。
頭は良くない翔太でも自分たちがここに居ることは村越の仕業だと言うことは感づいた。
だからこそ口を挟んだのだ、さっさと終わらすために。
だのに、村越はその声にさらにニヤつきを深くして気持ち悪く人差し指を唇に持っていく。
少なくとも四十代の男がする動作ではない。
後から女子の声で、うえぇ、って聞こえたぐらい気持ちが悪い。

「うーん、秋谷にしては良い意見だなぁ。普段からそんな風にしてくれてたら先生も楽なんだけどなぁ」
「……なんだよ、殴られたいならそう言えよ、村越」
「おいおい、村越『先生』、だろぉ?」
「卒業したんだよ、今日な!」

普段から先生などつけたことがなかったが、上手く言い返せないのは悔しいのでとりあえず詭弁を使ってみた。
だが、村越は相変わらずそのムカつく顔を変えようとしない。
ムカつく、理由は分からないがとにかくムカつく。
一応は話を進めるのが先決という頭は働くため、殴りかかりには行かないが。

「うーん、しょうがないなぁ。
 本当はもっとお前たちと遊びたいけど足立や秋谷が早く終わらせたいって言うなら、本題に移るよ」
「……さっさと、そうしとけば良いんだよ」

村越は何かを勿体ぶるように、それでいて子供のように顔を歪ませて。
その言葉を発した、ゲームが開始される、その言葉を。


「これからぁ、お前たち三年A組の生徒一同にはぁ、殺し合いをしてもらいます! ジャッジャーン!」

 
273創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:48:32 ID:PGzK+GsH
支援
274創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:49:14 ID:PGzK+GsH
 
275奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:49:39 ID:1eP+AZny

パチパチパチー!っと声を出しながら村越は手をたたく。
相変わらず四十代とは思えないはしゃぎっぷりだ。
その一方でその三年A組の生徒一同は取り残されたように村越を見つめている。
ある生徒は蔑むような、ある生徒は憐れむような、ある生徒は顔を青くしながら。
とにかく様々な表情で村越を眺めていた。

「お、お? どうしたどうしたー? そんな顔して―?」
「そんなこと言われたら、誰だってこうなります!」

ヒステリックともとれるほどの甲高い声で一人の女子が声を上げる、足立莉子ではない。
その少女は神山琴美(女子5番)【群青偽装(メビウスサーカス)】だ。
育ちが良いため、少し高飛車な面があるもののお調子者でもあるため友達は多い。
その神山がふざけることなく感情をそのままにぶつけてきた。
だが、すぐにその後ろに立った伊賀忍(女子2番)【水霊亡霊(コールドメビウス)】が諌める。
無口でぼぅっとした性格の伊賀と神山は対照的ではあるが、幼馴染と言うことで仲が良い。
伊賀に諌められたために落ち着きを取り戻したのだろう、神山は深呼吸をし始めた。

「おいおい、嘘じゃないぞー。先生は本気だし校長先生の許可も取ってる。
 っていうか、これは毎年恒例の卒業試験みたいなものだぞー? 先輩に聞いて……るわけないよなー、すまんすまん。
 ……うん、確かにこれは悪い冗談だよな、いきなり殺し合えなんて卑怯なものだよな。
 じゃあ、一人だけチャンスやるぞ! 今から出す問題に答えられた奴は無条件で卒業だ!」

『いや、重要なのはそこではない』というツッコミが頭に浮かぶものの、翔太は上手くそれを口に出来ない。
悪い冗談のように思えるが、この男は本気である。
なら、ここは手を上げてみるべきなのかもしれない。
翔太がそう思い、手を上げようかと考えだした瞬間。

「は、はい!」

誰よりも早く、間髪を置かずに角田直樹(男子5番)【混沌急報(スラップスティックチューズデイ)】が手を挙げた。
背も度胸も小さい、いつもこそこそしてるような地味な生徒だ。
誰もが目を丸くして、角田の姿を見つめる中、村越は笑みを深めた。

「そーかそーか、角田の能力なら分かるよなぁ。うんうん、超能力を上手く使ってて先生は嬉しいぞ」

その言葉に一部の生徒があっと声を上げた、角田と仲のいい生徒たちだ。
翔太は角田の能力を詳しくは知らない。
何故か超能力の授業は個々に分かれて行われる。
そのために本人が大っぴら気に自慢したり、仲のいい友達同士でないと能力を知っていないのだ。

「お前の能力は危険を察知する能力だからなー、鳥肌が凄い立っているんだろ?」
「なっ!?」
「おーっと、でも恨みっこなしだぞ?
 こいつの能力はそれだけなんだからなー、いじめっ子から逃げるぐらいしかできない無力な能力なんだぞー」

そのことを気にしていたのか、角田は顔を真っ赤にする。
やはり村越はそれを楽しそうに眺めている。
角田が「は、早く問題を……」と呟いてから、ようやっと問題を口にする。

「じゃあ、行くぞー。一回しか言わないからよく聞くんだぞー」
「は、はい……」
「では問題!」

その言葉に角田は勿論全員が次の言葉を聞きとることに全神経を集中させる。
意味がないと分かっていながらも、もしかすると二人目があるかも?という期待を僅かに抱いているのだ。
そして、全員の反応に満足したのか、ニィっとさらに笑みを深くして、ようやく問題を口にした。
276創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:50:23 ID:PGzK+GsH
 
277奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:50:29 ID:1eP+AZny






「8、+、6、は?」





「……は?」

角田の言葉に、全員の意識が一つになった。
8+6、小学校の問題とかそういうレベルじゃない。
確かに両手の指では計算できないが、こちらは高校入試にも無事受かった中学三年生だ。
その中学三年生に8+6とは、いったい何がしたいのだろうか。

「え、えっと……」
「おいおい、どうしたー? こんな簡単な問題も角田は解けないのかー?」

慌てた顔で考え込んでいる角田。
恐らく引っ掛け問題ではないかと考え始めたのだろう。
当然と言えば当然だ、普通に行くなら簡単すぎる問題なのだから。

「はーい、時間切れ間近だぞー。ごー、よーん、さーん……」
「わ、わかりました!答えを、答えを言います!」

急くように時間を数え始めた村越に、ようやく角田は答えを決めたのだろう。
引っ掛けか、それとも単純に考えた末の答えか。

「で、答えは……?」
「答えは……」

ゴクリ、と誰かが唾を飲む。
それは角田だったのかもしれないし、別の生徒だったかもしれないし、村越が演出で唾をのんだのかもしれない。
そして、角田は大声で答えを言った。




「答えは、11です!」





11、角田の出した答えは正直に算数を行った結果だ。
8+6=11、小学生でもわかる計算式。
真っ直ぐに行った結果だが、村越の答えは。
278奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:51:15 ID:1eP+AZny

「ぶっぶー! 不正解だ、角田!」
「え、え、そ、そんな……引っ掛けだなんて……ずるい……」
「いーや、何もずるくなんてないぞ、角田。
 いや、ある意味ではずるかもしれないが、とにかく問題自体はずるくないぞ」
「……え?」

村越は勝ち誇った顔をして角田を、いや、俺たちを見下ろしてくる。
気に喰わないいつもの顔だ。やはり殴ってやろうか。
だが、その前に村越は、一つの言葉を口にした。

「【迅雷消去(アサルトデリート)】」

その瞬間、誰もが惚けた顔をして、すぐに思い出した。
何故忘れていたのか、間違っていたのか、原因は分からないが思い出した。
頭の良い悪いは関係なく、誰もが思いだした。

――――8+6が14であることを。

「実はなー、先生も超能力者なんだ、能力的にはお前らの中でも結構珍しい部類なんだぞー。
 隠しててごめんな、先生の能力は【私の可愛い奇禍(ヒステリックトリック)】って言うんだ。
 分かると思うけど、お前らの深層心理に暗示を植え付けることができるんだよ」

村越は聞いてもいないことをぺらぺらとしゃべり始める、角田は絶望したようにその姿を見ている。
いや、角田だけじゃない。全員が絶望した目で村越を見ている。
何故なら先ほどのキーワードで発言したのは8+6の答えだけじゃない。
【自分達は殺し合いをしなければいけない】【どうあがいても逃げ切れない】
この二つを強く植え付けられたのだ。

「じゃあ、失敗した角田には罰ゲームだ! またな、来世では幸せになれよ!」

村越は言うが早いか行うが早いか、懐から拳銃を取り出して角田へと目がけて引き金を引いた。
それは玩具ではなく、轟音とともに何かが飛び出したように見えた。

「うん、100点だな僕!」
「きゃ、きゃあああ」
「はい、叫び声禁止!」
「―――――! !? ――――――!??」

見事に額を撃ち抜かれた角田、そしてその死体を見て叫び声を上げようとした神山。
だが、村越の叫び声禁止という声と共に神山が声を発することが出来なくなる。

「これ、見せしめって奴だからなー。もう分かってると思うけど、本気だぞ?
 学校は元々これをするためにお前たち素質ある奴らを集めたんだからなー。
 先生もお仕事だから逆らえないんだ、ごめんなー。
 角田は……まあ、運がなかったんだよ」
「て、テメエ……!」
「おいおい、どうした? お前もこれから殺し合いするんだから覚悟を決めろよ?」

翔太は食いしばりながら村越を睨みつける、村越はそれを楽しそうに眺めながらおちょくり続ける。
その姿を翔太は自分に対する挑発と受け取った。

「乗るわけねえだろ! なあ、みんな!」
279創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:51:24 ID:PGzK+GsH
 
280奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:52:35 ID:1eP+AZny

その言葉と同時に翔太は振り返る。
当然、賛同を得られるものだと思っていた。
いくら強く殺し合いをしなければいけないと暗示を植え付けられたとは言え、こんなことをやるわけがない。
翔太はそう思っていた、たとえば学級委員の中村翼は間違いなく殺し合いになんて乗らないと。
同じサッカー部の神保啓太(男子6番)【破滅雷帝(ベルベットカオス)】に間宮圭吾(男子15番)【覚醒本能(ブレイクダウン)】もそうだ。
だが、意外なことに誰もその声に反応を示さなかった。
中村翼も、神保啓太も、間宮圭吾も。誰も翔太に目を合わせなかった。

「……」
「……お、おい、みんな?」
「ははー! これは嫌われてるな、秋谷ー。まあ、そんなもんだよ。
 夢を見るのはやめて、現実を見てみるんだな。15歳ってのはそういう年齢だぞー?」

それを村越は楽しそうに、本当に楽しそうに、見れば手を叩いてまで喜んでいる。
翔太は歯を食いしばりながらその姿を見上げるしかなかった。

「んー、じゃあ分かったろ? 元々三年かけて催眠施してたわけだし、もうぶっつけでもいいよな?
 ああ、安心しろ。武器とか食べ物とか細かいルールが書かれた本とかは渡すからなー」
「ふざ……けんな……!」

村越は相も変わらず楽しそうに壇上で見下ろしている。
それに対して翔太は唸るように言葉を返すことしかできなかった。

「じゃあ、上条先生ー。テレポート準備、お願いします」
『了解しました』
「おい、待てよ村越!」
「ごめんなー、実はここだけの話、もう時間が押してるんだわ。はは、まあ先生のせいなんだけどなー」

最後の最後まで村越はふざけた調子で、こちらを下に見た調子を貫き続けた。
驚くことに、普段の表情と何ら変わりのない人を不快にさせるニヤけ面だ。
その瞬間ようやく分かった。

「ふざけんじゃねえ……!」

あの顔が、許せなかったのだ。
許せない理由が何となくわかった気がする、あの男は根っからの下種なのだ。
その下種に見下されている、それが翔太は許すことができなかったのだ。
胸の中に憎悪を抱きながら光に包まれていく最中、翔太は吠えた。

「一人でもやってやるよ……てめえの脳みそグチャグチャにしてやるぜ、村越ぃ!」


【角田直樹(男子6番)死亡】
【残り31名】
281奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:54:20 ID:1eP+AZny
【三年A組名簿】
男子
 1番・秋谷翔太【戦闘貫通(ペネトレイトバーサーカー)】
 2番・石井歩【精霊機構(エメラルドメカニズム)】
 3番・井東龍一【不死屍毒(デッドリーハッピーエンド)】
 4番・大木仁志【忘れられた覚醒(スプーキーサッドネス)】
 5番・角田直樹【混沌急報(スラップスティックチューズデイ)】
 6番・神保啓太【破滅雷帝(ベルベットカオス)】
 7番・舘野悠斗【暴かれた廃墟(ディアボロ)】
 8番・田中智司【喪神猟奇(サイレントダンス)】
 9番・津野凜太郎【幻想旋律(メロディックミラージュ)】
10番・所和真【悲愴支配(リヴァイアサン)】
11番・中村翼【亡骸(ウロボロス)】
12番・原田秀也【臨界(ゴーストブルー)】
13番・林朝陽【混濁葬列(ガトリングシェイク)】
14番・藤居宗一【永久叫喚(ジ・エンド)】
15番・間宮圭吾【覚醒本能(ブレイクダウン)】
16番・吉田春樹【錯覚空虚(ネガティブトリック)】
17番・渡辺哲也【凍結公主(スパイラルサイレンス)】
女子
 1番・足立莉子【地核周波数(ハッピーハードコア)】
 2番・伊賀忍【水霊亡霊(コールドメビウス)】
 3番・植木桃子【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】
 4番・榎本美鶴【不死暴動(マニックパーティー)】
 5番・神山琴美【群青偽装(メビウスサーカス)】
 6番・木崎奈美【残虐隠者(エクストリームミラージュ)】
 7番・北原心【虚構協会(モノクロームプロトコル)】
 8番・小暮葉月【桃色数奇(アンバランスパンドラ)】
 9番・田中真弓【笑う偽装(エクストリームサーカス)】
10番・竹澤香織【混沌戯画(サイコロジカルカオス)】
11番・棚橋玲奈【虚空幽鬼(エクリプス)】
12番・中野杏【炎色消去(バーニングデリート)】
13番・灰谷花音【消失遊戯(アサルトサーカス)】
14番・矢野梓【仮想六連(ステルスシックス)】
15番・山本咲【蠢動(トラッシュ)】

主催者
担任・村越一【私の可愛い奇禍(ヒステリックトリック)】
副担任・上条弥生【???(???)】
校長・???【???(???)】


MAP
 123456
A海崖崖海海海
B海村村森崖海
C崖村村村森崖
D崖村村山山崖
E崖森山山山崖
F海崖崖崖海海

森=森、崖=海と陸、村=民家・お店、山=山
MAP内の施設、及び能力の詳細は作中ごとに明記します。
282奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 02:55:18 ID:1eP+AZny

【ルール】
支給品は筆記用具とコンパスと地図、食糧とランダムに支給された武器、そしてルールブックです。
ルールブックには六時間に一度放送が行われることと、その際に死亡者の発表が行われるということだけが書かれています。
残りは白紙でメモ帳代わりに使いなさい、と村越一の言葉が載っています。
首輪はありません、故に禁止エリアも存在しません。


超能力一言解説
・男子5番:角田直樹
【混沌急報(スラップスティックチューズデイ)】
危険が迫ると身体中に鳥肌が立ち何となく察する、これで直樹はいじめっ子から逃げ続けていた。

・担任:村越一
【私の可愛い奇禍(ヒステリックトリック)】
深層心理に暗示を植え付けることができる。
283創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 02:55:39 ID:PGzK+GsH
支援
284奈落 -エデン- ◆.maUtDwYFk :2009/12/02(水) 03:00:04 ID:1eP+AZny
投下終了
しかし、凄いね。普通にやってたらこんな凄い二つ名いっぱい考えられないよ、二つ名メーカーさんパネエっす。
だけど二つ名メーカーさんにはお世話になると同時に振り回された……能力の内容考えるの難しいのはやめてください、あと被りも。
【オリジナルキャラに二つ名メーカーで着いた二つ名を元に超能力をつけてやるバトルロワイアル】で奈落(エデン)とか出た時はなんか感動したけど。

では、今週中には一話を投下したいと思ってます。
285創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 03:02:11 ID:PGzK+GsH
二つ名メーカーかwwwwある意味凄く斬新だww
投下乙です!
286創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 11:21:13 ID:umzBTGes
妄想してたロワが本当に行われるとはww
乙!
287凶星(サイコ)の ◆fRBHCfnGJI :2009/12/02(水) 15:22:17 ID:umzBTGes
自分のトリを二つ名メーカーに入れたら
こんなん出ちゃいました

何か嬉しいので最終回代理投下します
288凶星(サイコ)の ◆fRBHCfnGJI :2009/12/02(水) 15:23:17 ID:umzBTGes
666 :最終話 希望を胸に◆fRBHCfnGJI:2011/10/25(水) 13:66:06 ID:???
すべてを終わらせる時…! ドキ男ロワwikiは、編集未定です。 GJ師範
ファービー「チクショオオオオ!くらえサイアーク!新必殺音速火炎斬!」
サイアーク「さあ来いファービーィイイ!オレは実は一回刺されただけで死ぬぞオオ!」
(ズガン)
サイアーク「グアアアア!こ このザ・フジミと呼ばれる四天王のサイアークが…こんな小僧に…バ…バカなアアアア」
(ドドドドド)
サイアーク「グアアアア」
ゴクアーク「サイアークがやられたようだな…」
キョウアーク「ククク…奴は四天王の中でも最弱…」
レツアーク「人間ごときに負けるとはジョーカーの面汚しよ…」
ヤマト「俺はジャギだ!」
ファービー「くらえええ!」
(ズガン)
4人「グアアアアアアア」
ファービー「やった…ついにジョーカーとかヤマトとか倒したぞ…これで主催のいる魔龍城の扉が開かれる!!」
主催の死体「……」
(ギイイイイイイ)
ファービー「こ…ここが魔龍城だったのか…!感じない…主催の力を…」
主催の霊魂「ファービーよ……戦う前に一つ言っておくことがある お前はロワの脱出に『首輪解除』が必要だと思っているようだが…別にしなくても脱出出来る」
ファービー「な 何だって!?」
ベルゼバブ「そして他の参加者は何か面倒くさくなったので崖鉄平ロワへ解放しておいた あとは私の死体を越え脱出するだけだなクックック…」
(ゴゴゴゴ)
ファービー「フ…上等だ…オレも一つ言っておくことがある 実は俺はマーダーだとと思ったが…気のせいナデナデシテー」
主催の霊魂「そうか」
ファービー「ブルスコファー」
主催の死体「……」   

ファービーが自由に動くなんて幻想なんだよ…! ご愛読ありがとうございました!
289凶星(サイコ)の ◆fRBHCfnGJI :2009/12/02(水) 15:31:46 ID:umzBTGes
というわけで2年ぐらい連載したドキ男ロワも無事最終回を迎えた様です
それにしても連載中の2年ぐらい色々ありました

◆UwuX8yY6RQさんの投下速度が速すぎて世界が一巡したり
◆c92qFeyVpEさんがとうとう自分が崖鉄平であることを認めたり
むしろ俺達が崖鉄平なんじゃね?って言ってロワ書き手の通称が崖鉄平になったり
ていうか俺の隣に崖鉄平が引っ越してきたり
そして崖鉄平による統一政府が誕生したり
世界崖鉄平計画が始まり、崖鉄平で無き者は強制的に『プログラム』と呼ばれる殺し合いに参加させられたり
それでも俺は諦めずに崖鉄平に反抗してみたり

聞いてくれ皆!俺達は崖鉄平じゃないんだ!
崖鉄平という均一化されたペルソナを被ってはいけない!目覚めよ!
カメハメハ神に従うのだ!

まぁこれは反崖鉄平団結スレに書き込んだレスなんですけど(笑)


まぁ、振り返ってみれば長い2年間でした!本当にありがとうごqでrgftぐhじkolp;@:[]







崖鉄平最高!
290創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 16:24:02 ID:9CWgq4fF
絶対、ソードマスターネタのために出したと思ってたらやりやがったwwww
幾つロワを終わらせやがるwwおつかれwww
291 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/02(水) 23:07:53 ID:BcMsWU5s
投下乙です! 反崖鉄平団結スレなんてあるのかwww
292創る名無しに見る名無し:2009/12/03(木) 03:00:59 ID:JcNZ+85+
クッソwww最後までやってくれるwwwww
新しいほうも楽しみにしてるぜ!w
293 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:44:10 ID:MQ02URIh
どうも、俺だよ! 個人趣味ロワ第5話「Policeman and nymph fencer」投下するよ!
登場:朝倉清幸、エイミス・フロリッヒャー
294Policeman and nymph fencer ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:45:13 ID:MQ02URIh
5話「Policeman and nymph fencer」

「危ない危ない危ないもう! 女の子がそんな物騒な物振り回すもんじゃ無いっつの!」
「うっさいわね! さっさと死んでよ!」
「断る! 死んでたまるか! 生きる!」
「ちぃっ! 避けるのだけは上手いわね!」

月明かりが照らすD-4市街地の路上で、二人の参加者が今まさに交戦中だった。
いや、一方の参加者の攻撃をもう一方の参加者が必死で避けているだけなので、
「交戦中」という言い方はあまり正しく無いかもしれないが。

「おとなしくこのエイミス様の剣の錆になりなさい!」

長剣を振り回して攻勢を掛けているのは、桃色の艶やかな長髪を持った少女。
白いマントの下は本当に必要最低限の部分しか隠されていないビキニ鎧で、
年相応の若々しい肌をあられも無く晒している。

「だからっ、て、うおおおお帽子! 俺の帽子が横に切れたぁぁ!」

そして守勢、もとい避けに徹しているのは、たった今被っていた帽子を切り裂かれた、
青い警官の制服を身に着けた若い男。
勿論少女の高露出度の衣装に鼻の下を伸ばす余裕など無い。
何しろこのエイミスと名乗る少女剣士(?)の繰り出す斬撃を紙一重でかわさなければ、
確実にあの世行きという状況である。

「避けてばかりじゃなくて反撃してきたら? 無駄でしょうけど!」

エイミスが警官の男に向かって挑発的な言葉を吐く。
男の顔が屈辱と怒りに歪む。

「畜生!」

警官の男が装備していたポンプアクション式の散弾銃、ウィンチェスターM1897を、
エイミスに向けて引き金を引いた。
銃口から放たれたバックショットの粒弾が少女に襲い掛かる――はずなのだが。
粒弾は少女には届かず、何か見えない壁のようなものに阻まれ、地面に落ちた。
エイミスの周囲には、見えないバリアのようなものが張られているのだ。
295Policeman and nymph fencer ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:46:39 ID:MQ02URIh
「無駄無駄無駄ァ!!」
「ったくよお……ショットガン効かねぇとかチートにも程があんだろ!
何なんだよそのバリアみてぇのは!?」
「アンタが知る必要は無いわ。ここで死ぬんだから!」
「畜生! こうなったら逃げるが勝ちだ! さいならー!」

警官の男は脇目も振らず全速力で逃げ出した。
散弾銃の鹿撃ち用散弾、バックショットが効かない少女など相手にしていられない。
ましてや完全にこちらを殺す気で襲って来ているのだ。

「待ちなさい!」

当然、男が逃げれば少女――エイミスも追跡する。
その手に、刀身に炎を纏わせた長剣を握り締めながら。

「しつこいな! お前、しつこい女は嫌われるって言われた事無ぇのかよ!」
「うるさい!」

夜の市街地に、少女の怒声と男の叫び声が響いた。



数分後、市街地の裏路地、古びた室外機の陰に座り込みながら、
呼吸を整える警官の男――朝倉清幸の姿があった。
どうにか美少女剣士、エイミスを振り切ったようだ。

「あのエイミスとか言うガキは振り切ったか。ったく……他にもあんな奴がいるのか?」

清幸はこの殺し合いが始まってから、自分のランダム支給品である、
ウィンチェスターM1897を装備し、スタート位置付近である市街地を歩いていた。
警官である清幸は殺し合いに乗る気など毛頭無い。
志を同じくする仲間を集め、首にはめられた首輪を何とかして外し、この殺し合いから脱出する。
それが彼の最終目標であり、市街地を歩いていたのも仲間を探すためである。
しかし、運悪く最初に出遭ったのが、殺し合いに乗る気満々の、
白いマントを羽織った危険な程露出度が高い衣装の少女だった。
何やら装飾の施された長剣で、問答無用で斬り掛かってきたのだ。
しかも、エイミス・フロリッヒャーと名乗ったその少女は能力者か何からしく、
長剣に炎やら氷やらを纏わせて斬り掛かってきたり、
バリアのようなものを張って清幸が持つ散弾銃のバックショットを無効化したりと、
清幸が知る常識の範囲内では考えられないような攻撃と防御を展開してきた。

「あのエイミスって奴にはもう二度と会いたく無ぇな……。
ともかく、逃げられたみたいで良かった。帽子無くなったのは痛ぇけど」

黒髪の頭を擦りながら、清幸は安堵の溜息を漏らした。


【一日目/深夜/D-4市街地裏路地】

【朝倉清幸@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:ウィンチェスターM1897(0/5)
[所持品]:基本支給品一式、12Gバックショット弾(30)
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。仲間を集めて脱出手段を探す。
1:首輪を解除する方法も探す。
2:襲われたらそれなりに対処はする。
[備考]:
※エイミス・フロリッヒャーの名前と容姿を把握しました。
296Policeman and nymph fencer ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:47:56 ID:MQ02URIh
◆◆◆


そして清幸がいる裏路地からやや離れた場所の路上。
清幸と同じく息を荒げ呼吸を整えているビキニ鎧の少女剣士、エイミス・フロリッヒャーの姿があった。

「逃げられたか、くそぉ……」

標的を取り逃がした事で、エイミスの顔に悔しさが滲む。
エイミスは殺し合いに特に躊躇する事も無く、乗った。
名簿に自分の知り合いはおらず、彼女は見ず知らずの他人が死んで、
心が動かされるような人物では無かった。
この殺し合いに優勝しなければ帰れないと言うのであれば、ルールに則り、殺し合う。
エイミスが出した結論である。

「ふう、それにしても」

エイミスは朝倉清幸と名乗った警官の男に襲い掛かっている時から抱えていた疑問を口に出す。

「何だか随分、力の消費が激しくなってるわね……あのセイファートとかいう、
狼女の仕業かしら」

彼女は剣術に魔法の力を合わせて戦う、いわゆる魔法剣士である。
炎や氷などの力を剣の刀身に宿らせ、斬撃と共に炎なら大火傷、氷なら氷結、
雷なら感電、風なら威力向上など、中々強力な付加効果を与える事が出来る。
更に刀剣や銃弾などの物理攻撃を無効化出来る特殊なバリアも使える。
いずれも彼女自身の体力を消費するのだが、この殺し合いが始まってからと言うもの、
体力の消費がいつも以上に激しいのだ。
バリアもいつもならば最低でも5時間は発動していられるはずだが、
今現在では一回に30分程度、それも体力がフルの状態での話なので、
疲労している時だと10分ももたないかもしれない。
セイファートと名乗ったあの主催者による工作だろうか。

「まあ、一応魔法を使わなくても、戦える事は戦えるけど、ね」

エイミスは自分のランダム支給品である長剣の刀身を眺めながら言う。
自分の愛用している剣を没収されたのは痛かったが、この剣は十分代用が効く。

「でもバリアが使用困難となると、私も飛び道具あった方がいいかな。
ガンナーじゃないからキツいかもだけど」

銃弾をも無効化出来る使い勝手の良いバリアが発動が難しくなっている事を知り、
エイミスは銃器の必要性を考え始める。
それにしても、自分の露出度が高く防御力も低い格好を何とかしよう、
とは思い付かないようだ。

「持ってる奴を殺して、奪えばいいわね。よし……行こうか」

デイパックを背負い、マントを翻し、長剣を携えた桃髪の少女は、
次の標的を探して夜の路上を歩き始めた。
297Policeman and nymph fencer ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:48:46 ID:MQ02URIh
【一日目/深夜/D-4市街地表通り】

【エイミス・フロリッヒャー@オリキャラ】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:ヤマトの剣@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗る。積極的に他参加者を狙う。
1:念のため銃器が欲しい。
[備考]:
※朝倉清幸の名前と容姿を把握しました。
※能力には制限が掛かっています。


※D-4一帯に銃声と朝倉清幸、エイミス・フロリッヒャーの二人の声が響きました。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】朝倉清幸(あさくら・きよゆき)
【年齢】25
【性別】男
【職業】警察官
【性格】常識人で、ツッコミ癖がある
【身体的特徴】端麗と言えなくもない整った顔立ち、黒髪で体格は平均的
【服装】濃い青色の警察官の制服
【趣味】TVゲーム、映画観賞
【特技】射撃能力が高い
【経歴】所属する署内で行われた射撃大会に何度か優勝している
【備考】それなりに有能な警官
298Policeman and nymph fencer ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:49:40 ID:MQ02URIh
【名前】エイミス・フロリッヒャー
【年齢】17
【性別】女
【職業】魔法剣士
【性格】自己中心的、勝気、執念深い
【身体的特徴】桃色長髪の美少女。スタイルは抜群
【服装】非常に露出度の高いビキニ鎧の上に白いマントを羽織っている
【趣味】剣術の稽古、性に関する事を調べる事
【特技】炎、雷、氷、風の魔法剣術を使いこなす。また、
物理攻撃を無効化するバリアを張れる。いずれも本人の体力を消費する。
元々の剣術の腕も中々のもの。身のこなしも良い。
※各魔法剣術の効果は以下の通り。
■炎……斬撃+大火傷
■雷……斬撃+感電
■氷……斬撃+凍結
■風……斬撃の威力向上
これらは刀剣でなくともナイフや槍の穂先など、刃の付いたものであれば発動出来る。
本ロワでは制限により、体力の消費が激しくなるようになっている
【経歴】14歳の時に家を出て世界中を旅している。旅費や生活費は野良モンスターを倒して稼いでいる。
最近性に目覚め始めてきた(いささか遅いような気がするが)
【備考】一応銃器も扱えるが腕は悪い


≪支給品紹介≫
【ヤマトの剣@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
夢野カケラ原作のファンタジー物漫画「ソードマスターヤマト」の主人公、ヤマトが愛用する長剣。
原作最終話でヤマトはこの剣で敵の四天王四人を一気に串刺しにして倒していた。

【ウィンチェスターM1897】
1897年に米軍制式となったポンプアクション式散弾銃。
第一次世界大戦の塹壕戦において活躍し「塹壕銃(トレンチガン)」の異名を得た。
引き金を引いたまま先台を前後させる事により連射が可能。
299 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/03(木) 22:51:25 ID:MQ02URIh
投下終了です。魔法的描写目指したけど駄目だ俺には。
オリキャラの設定に振り回されたよ。難産だった。
300創る名無しに見る名無し:2009/12/03(木) 23:27:42 ID:bwq1Ofyy
投下乙でございます
ファンタジー!ファンタジーじゃないか!
301 ◆NIKUcB1AGw :2009/12/05(土) 00:16:28 ID:032kfC60
NIKUロワ第9話、投下します
C-2。地図上では「謎の洋館」と記された怪しい建物に、さらに怪しい男がいた。

「ふむ、これはこれは……」

クリーム色のスーツを着たその男は、意味もなく扇を仰ぎながら目の前のテーブルに広げた地図と名簿に視線を向けていた。
この胡散臭さ満点の男の名は、孔明。とはいっても、三国時代に名を馳せた軍師とはまた違う。
彼のもともとの出身は、国際警察機構とBF団という二つの勢力に分かれた超人たちがしのぎを削る荒唐無稽な世界である。
そこから正真正銘の三国時代に呼び出された彼は、これまでとある君主に仕える軍師として活動してきたのだ。
その君主こそは、北郷一刀。このバトルロワイアルにも招かれている青年である。

「ご主君に愛紗さん……。それに甘寧さんや曹操さんその他諸々も……。
 いくらうちが大所帯とはいっても、これだけの人数が連れてこられるとはねえ……」

自らが所属する北郷軍の構成員たちが多数殺し合いに参加させられているという事実に、孔明はたまらず顔をしかめる。

「ま、別にいいでしょう」

だが次に彼の口から発せられたのは、意外にも楽観的な言葉だった。

「あのうp主が、今更こんな展開に持っていくとも思えません。おそらく、これは外伝か何かですね。
 ここで我々が死んだところで、本編にはなんの影響もないでしょう」

おいこら、少しは自重してものを言え。いくら出典動画でメタ発言が許されてる身分だからって……。

「ならば、私の取るべき行動は一つ! 視聴者……いや、今回は読み手ですか。
 読み手の皆様に楽しんでもらえるよう、このバトルロワイアルゲームを盛り上げる!
 まるで主催者の手下のように、他人を扇動し、罠にはめ、殺し合いを活発化させるのです!
 いやあ、何だかやる気が出てきましたよ! 孔明の腕の見せ所です!
 はーはっはっはっは!!」

孔明は扇で口元を隠しながら、その行為を無意味にするかのように大声で笑った。

「それにしてもこの扇……。ちょっと重すぎやしませんかね?」


【一日目・深夜/C-2・怪しい洋館】
【GR孔明@中華武将祭り】
【状態】健康、むしろ絶好調
【装備】孔明の扇@犬マユゲでいこう
【道具】支給品一式、不明支給品0〜2
【思考】
基本:このロワを盛り上げる
1:他人を扇動し、罠にはめ、殺し合いを活発化させる
2:ご主君? まあほっといていいんじゃないですか?
※呂布軍との交戦中からの参戦です


※支給品紹介
【孔明の扇@犬マユゲでいこう】
No.92に登場。孔明に扮した石塚が持っていた扇。
中に鉄板が仕込んであるため、見た目に反してなかなか強力な武器である。


※参加者紹介
【GR孔明@中華武将祭り】
原作は「ジャイアントロボTHE ANIMATION 〜地球が静止する日」。
北郷軍の軍師として、第1話から登場する。
他の孔明と区別するため、視聴者からは「GR孔明」「BF団孔明」「クリーム色」などの愛称で呼ばれている。
「自軍の勝利」よりも「動画としての盛り上がり」を重視しており、北郷軍が勢力を拡大するたびに喜々として足を引っ張る。
具体的には横山版孔明に変装して各軍の仲を取り持ち、反北郷同盟を結成させる、逆チートで敵軍の兵士と資金を大幅に増強する、など。
そのため一刀からはかなり恨まれているが、まったく意に介していない。
ちなみに他の孔明より若干能力が低いのは、最終決定をコイントスにゆだねているため。
304 ◆NIKUcB1AGw :2009/12/05(土) 00:19:17 ID:032kfC60
投下終了です
305創る名無しに見る名無し:2009/12/05(土) 02:12:44 ID:qI3k82Wa
投下乙w
新ジャンル過ぎるだろこれwww
支給品は惇兄と鍔迫り合いができるあの扇か……犬マユ出展の支給品は本当カオスだw
306 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:25:32 ID:5CLT99U6
投下乙ですw 犬マユゲ出典支給品が多いなw
では俺も個人趣味ロワ第6話「REPEAT」投下します。
登場:須田恭也、太田太郎丸忠信
307REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:31:10 ID:5CLT99U6
話「REPEAT」

エリアG-2に存在する広大な敷地面積を誇る果樹園の一角。
ミカン畑の中を歩く、緑色の半袖ジャケットとジーパンを身に着けた少年の姿があった。
少年の名は須田恭也。この殺し合いに参加させられた不運な参加者の一人である。
背中にデイパックを背負い、片手用電動式回転鋸、チップカットソーを装備し、周囲を警戒しながら歩みを進める。



あの駐在警官に撃たれた後、一体何が起きたんだろう。
気がついたら、大勢の人達と一緒に殺し合いに参加させられていた。
首には逃げようとしたり、下手に外そうとすれば爆発すると言う冷たい金属製の頑丈な首輪。
自分はよく見えなかったけど、誰かがこの首輪を爆破されて殺されたらしかった。

そして今、俺がいる果樹園が、俺のゲーム開始場所だった。
すぐ傍に置かれていたデイパックを漁って、出てきた物の一つが、今俺が装備している片手用の電動式回転鋸。
添付されていた説明書によれば「チップカットソー」という名前らしい。
それと、「流血」と書かれたラベルの貼られた、大量の錠剤が詰まった小瓶。
こっちは説明書を読む限りだと、どうも血行を良くする薬らしいけど、
「強力過ぎるので服用の際は必ず一日に一錠のみにして下さい」と注意書きされている。
別に自分はどこも血行が悪くなってたりはしていないから、この薬は必要無いと思うけど、
一日一錠のみ、って事は、例えばこの小瓶に入っている全部の量を一気に服用したらどうなるんだろう。

……分からないけど、多分、命に関わるな、きっと。

この薬はともかく、チップカットソーは武器として使えそうだった。
試しに動かしてみた時に、激しい駆動音と共に回転する刃を見た時は、流石にゾッとした。
こんな物を人間の身体に押し当てたら、どういう事になるのかは想像に難く無い。
稼働していない今でも、ギザギザの刃は十分威圧的だ。

そして俺は今、果樹園のミカン畑を歩いていた。
時刻は深夜、だけど、夜空には明るい満月が輝いて、視界にはさほど困らない。
基本支給品の中にあった電池式のランタンを使おうとも思ったけど、
それだと、この殺し合いをやる気になっている奴に見つかりやすくなる。

あのセイファートとか言う、黒っぽい服を着て狼のような頭を持った、
まるで空想の世界に登場する「獣人」のような女性が催す、この「バトルロワイアル」と呼ばれた殺し合い。
そう言えばかなり前に、そういった内容の映画が公開され、色々騒ぎになったような気がする。
まあ、それはともかく、名簿を見た限りじゃ、参加者は俺を含めて全部で48人。
外国人らしき名前や、「聖徳太子」「松尾芭蕉」と言った、歴史上の有名人の名前もあった。
これだけの大人数で、色々な人間がいれば(セイファートのような獣人らしい奴もかなりいたけど)
殺し合いに乗る奴も出てくるだろうな、そんな奴はいないと思いたいけど……。
俺は殺し合いに乗る気なんか無いし、かと言って黙って死ぬつもりも無い。
どうにかしてこの殺し合いから脱出するんだ。
308REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:34:17 ID:5CLT99U6
だけど、それにはまず、首にはめられたこの死の首輪を外さないといけない。
俺はコンピューターに詳しい訳じゃ無いし、第一、無理に外そうとすれば、
この首輪は爆発し、俺は死んでしまう。
それに、例え首輪を外せたとしても、そう簡単に逃げ出せるとは思えない。
こんな大層な首輪や支給品まで用意しているのだから、警備なんかもしっかりしているはず。

うーん、どうすれば……。

「おい」
「っ!」

突然、左方向から男の声で呼び止められた。
驚いて声のした方向に身体を向けると、学生服を着た、
自分と同年代ぐらいの長身の男が立っていた。
右手には明らかに摸造刃とは思えない抜き身の刀を持っている。

「……何ですか?」
「いや、別に何でも無ぇんだけど……そのデイパックに首輪、って事は、アンタも参加者って事だよな?」
「は、はい、そうですけど」
「そうか……悪ィけど男にゃ用は無ぇな。死んでくれや」
「!!」

この男の真意を理解した時、男は刀を構え、俺に向かって突進してきた。
そして、かなりの速度で刀を振り上げ、俺に向かって思い切り振り下ろした。

「うわあっ!」

俺は間一髪で男の繰り出した斬撃をかわした、けど、右上腕に鋭い痛みが走った。
見れば、右上腕部に切り傷ができ、傷口から真っ赤な血を流していた。

「ってえ……! いきなり何を!?」
「さっき言ったろ。男にゃ用は無ぇって。俺が用があるのは女だからよ」
「あんた、殺し合いに乗ってるのか?」
「んー、別にそう取ってくれても構わないけど」

どうも含みのある言い方をする。この男の真意はよく分からないけど、
今の俺にとって明らかに危険な人物である事は間違い無い。
俺は右上腕の痛みをこらえ、チップカットソーを目の前の男に向ける。
しかし男は、やはりと言ったところか、特に臆する様子も無く余裕の表情だ。
309REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:36:30 ID:5CLT99U6
「おいおい、そんな物で戦おうって気か?」
「くっ……」

スイッチを入れて刃を回転させても、やはり男には通用しない。
確かに、相手が持っている刀の方がリーチが上だ。
しかも、この男、何故かは分からないけど、戦い慣れしてる、そんな気がする。
そうこうしている間にも、男が間合いをゆっくりと詰めてくる。

「……くそっ!」

少し悩んだ末、俺は、不格好ながらも男から逃げ出した。
どうしても、正面から戦って勝てる相手とは思えなかったんだ。
そして、しばらく走り続け、周囲の景色がミカン畑からリンゴ畑に変わってきた時、
ふと後ろを振り向くと、あの男の姿はどこにも無かった。
てっきり追いかけてくると思ったけど、どうやら振り切る事に成功したらしい。

「はあ、はあ、はあ……」

近くに停めてあった軽トラックにもたれかかって、呼吸を整える。
あの男は一体何者だったんだろう。年恰好は、多分俺と同じくらいだと思うけど、
何て言うか、俺とは何か次元が違う、そんな感じだった。
斬り付けられた右上腕がズキズキと痛む。
出血は少し収まったみたいだけど、包帯か、或いは布か何かを巻いておいた方がいいな。
それと、あの男はまだこの果樹園内にいるはず、ここからは早めに離れた方がいいだろう。
立てられていた案内板によれば、今俺がいるこの道を、逃げてきた方向とは反対方向に、
ずっと道なりにいけば、果樹園西口に辿り着けるらしい。
俺は右上腕の傷を左手で押さえながら、果樹園西口へと向かった。
310REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:37:36 ID:5CLT99U6
◆◆◆

須田恭也に斬り掛かった学生服姿の青年、太田太郎丸忠信は、
逃げ出した恭也を特に追撃する事もせず、暗闇に消えていく恭也をただ見届けるに留まった。
彼にとっては、別に深追いしてまで殺さなければいけないような相手では無かったからだ。



あの野郎、文字通り尻尾巻いて逃げたみてぇだな。
まあ別に、わざわざ追っかけてまで殺す必要も無いだろ。放っといてもすぐ死ぬさ。
しかし……。

「だけどまあ……また殺し合いをする事になるなんてな」

ぶっちゃけ言うと、俺は一回、死んでいる。
俺の学校の先公の一人、若狭の野郎が開催を宣言した、別の殺し合いで、だ。
まあな、中々終盤まで生きてはいられたんだけどな。
俺とした事が油断でもしてたのかねぇ、同じクラスの倉沢ほのかって奴にやられちまったって訳だ。
それで、気がついたら今度はあのセイファートとか言う、
見るからに怪しさ満点の狼族の女が催したこの殺し合いの参加者になっていた。
おまけに俺だけじゃ無ぇ、他にも死んだはずのクラスの連中が何人かいた。
エルフィ、北沢樹里、吉良邑子、シルヴィア、サーシャ、ノーチラス、フラウ、森屋英太の八人。
吉良は……多分あいつの事だから、ご主人様探しでもやってんだろうな。
森屋、ねー……あいつは俺の事殺す気でいるかもな。別に、だからってどうって事無ぇけど。
一体どうやって死んだはずの俺らがこうして生きているのか、
気にはなっけど、正直な所それはどうでもいい。
とにかく俺は再び殺し合いの場にいる訳だ。

「どうって事は無ぇ。前と同じようにやるまでだ」

男は殺し、女は奴隷にする。簡単だ。
今回はクラスの奴だけじゃねぇ、いや、クラスの女子なんて目じゃ無ぇぐらい、上玉の女がゾロゾロいやがる。
おまけに、今俺が装備している九五式軍刀と一緒にデイパックに入っていた、もう一つのランダム支給品。
「フォナ特製催淫剤注射セット」……説明書を見る限りじゃ、この薬はどんなに気取ったプライドの高い女でも、
一本打てばまるで発情期の雌犬みてぇに乱れるらしい。
この手のパチモンはよくあるから、これが本当なのかどうかは分からねぇけど、
まあ、それは女と出会った時に試してみればいい。
デバイスと地図で確認すると、北の方へ行けば街に出られるらしい。
街には物資も豊富にあるだろうし、身を潜められる場所も多いしな。参加者も集まり易いはずだ。
311REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:39:10 ID:5CLT99U6
「街へ行ってみるとすっか……へっ、いい女がいるといいな」



下劣な笑みを浮かべながら、忠信は果樹園北口を目指す。

この男、危険、凶悪につき、注意されたし、女性諸氏。



【一日目/深夜/G-2果樹園】

【須田恭也@SIREN】
[状態]:肉体的疲労(小)、右上腕に切り傷、果樹園西口を目指し移動中
[装備]:チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル(バッテリー残量:98%)
[所持品]:基本支給品一式、流血@浦安鉄筋家族(200粒入り)
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。脱出手段を探す。そのためにも仲間が欲しい。
1:果樹園から出る。その後の行き先は出た後で決める。
2:傷の応急処置を済ませたい。
3:学生服姿の男(太田太郎丸忠信)には要注意。
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、駐在警官に撃たれ川に転落し、
意識を失った直後からの参戦です。 従って幻視能力は目覚めていません。


【太田太郎丸忠信@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康、果樹園北口を目指し移動中
[装備]:九五式軍刀
[所持品]:基本支給品一式、フォナ特製際淫剤注射セット@オリジナル(残り5本)
[思考・行動]:
0:生き残る。男は皆殺し、女は奴隷にする。
1:果樹園を出て市街地方面へ向かう。
2:森屋英太、吉良邑子には要注意。一応他のクラスメイトにも注意する。
3:出来れば銃も欲しいな。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
312REPEAT ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:40:14 ID:5CLT99U6
≪支給品紹介≫
【チップカットソー@自作キャラでバトルロワイアル】
バッテリー式の片手用電動式回転鋸。人間や動物の身体に使えば、
恐らく治癒困難の重傷を負う事は間違い無いだろう。
出典元の自作ロワでは男子七番:加賀智通に支給され、
後に男子十八番:鈴木正一郎の手に渡り、クラスメイトであり本ロワ参加者の一人、
女子十七番:シルヴィアを斬殺した。

【流血@浦安鉄筋家族】
重度の肩コリに悩む菊池あかねに頼まれ、
「世紀末薬局 天国堂」という名の怪しい薬局で土井津仁が購入した薬。
天国堂の店主(明らかに死にかけの老人)曰く、
「火星から持ち帰った黄色い砂と中国の伝説の秘獣豚猿の脳ミソを調合した特効薬」らしい。
「劇薬なので一日一錠で充分」と店主が警告していた通りその効能は凄まじく、
誤って一気に一瓶分服用してしまったあかねは極度の興奮状態に陥った上、
身体中の血管という血管が破れ大流血するという惨事に発展してしまった。

【九五式軍刀】
昭和10年(皇紀2595年)に下士官兵用の三十二年式軍刀の後継として開発された軍刀。
実戦に耐えうるよう頑丈に設計されている。
本ロワに登場するのは柄や鞘が金属製の初期型。

【フォナ特製催淫剤注射セット@オリジナル】
フォナという魔導師が趣味で作った超強力催淫剤を小型注射器五本に入れセットにしたもの。
本当に強力な催淫剤でどんなに気高かったり、清楚な女性も、
身体にこの薬が入ったらもう終わり。淫乱極まりない痴女と化す。
なお、男性に対しては何の効果も無い。
効果時間は個人差はあるが、一本につき三時間程。
使い過ぎると身体が耐え切れず命を落とす恐れもある。
313 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/05(土) 16:45:56 ID:5CLT99U6
投下終了です。SIRENはやり込んだけど金に困って売ってしまった。
それと地図ちょっと変更。廃村を追加。

≪地図≫
  12345678
A 森森森森浜海海海
B 森湖森森浜海海海
C 森森森森浜海海海
D 街ホ街街草浜海海
E 街街街街草草崖崖
F 街街病街草森展森
G 村果草教墓草森森
H 村森森森森森森森

湖……綺麗な水を湛えた湖
ホ……ホテル
病……病院
果……果樹園
教……教会
墓……キリスト系の墓場
展……廃墟と化した展望台
村……廃村
314創る名無しに見る名無し:2009/12/05(土) 18:22:13 ID:7xQwvj5T
規制test
315 ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:14:59 ID:Vxdl9EWM
投下乙です
これはワッフルワッ(ryと唱えたい展開じゃないか……!
SIRENはやった事ないが、なんかヤバイと聞いたからどうなることやらーw

ではこちらもオリ二つ名ロワ第一話「何もかも、燃えてしまえばいい」投下します
登場:田中智司(男子8番)、中野杏(女子12番)
316何もかも、燃えてしまえばいい ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:16:35 ID:Vxdl9EWM

女子出席番号十二番、中野杏は同年代の少女と並ぶと必ず注目を集めるような少女だった。
と言っても、とびっきりに容姿が整っているわけではない。
いや、別に醜女であるわけでもない。どちらかと言うと整った容姿をしているだろう。
僅かに、だが鋭く釣り上がった瞳。
4歳の頃から行っている空手によって鍛えられたスレンダーな肉体。
そして、荒っぽくポニーにして纏めた髪型。
その全てがマッチしており、男性よりも女性に惹かれる凛々しさを持っている。
だが、その容姿よりも強く印象にもたれるのは、彼女の背が異常に高いことだ。
春に行われた身体測定の際で179cm、この一年でかなり伸びた自覚もあるためひょっとすると185cmを超えているかもしれない。
そのためか、男子女子問わずに避けられているような気もする。

その彼女が、思いつめた表情で目の前のガソリンとライターを見つめていた。
これは殺し合い、担任の村越一がそう言っていた。
生き残れるのは一人だけ。残りの相手は同じ、クラスメイト。
それには親友の木崎奈美や、愛想もなくおっかない姿をしている自分にも優しくしてくれた多くの友人もいるのだ。
そして何よりも、何よりもこの世で最も大事な人がいる。

「……けーくん」

その意中の人の名を呟く。
間宮圭吾、物心ついた時から傍に居た大事な幼馴染で、半年前に恋人となった男の子。
あの時のことはよく覚えている、忘れようがない。

「ごめんね、けーくん。アンは……アンは、駄目だから。こんなことしか出来ないから」

ガソリンを持ち上げて、中身を思いきり自身の体にかける。
かなりの重量だったがしっかりと鍛えられた杏には持ち上げることができた。
少し、それが女の子らしくなく嫌だった。
何度も何度も男の子にから笑われたりした自分の体のことだ。
思えば圭吾にも何度もから笑われた。

「……さよなら、けーくん」

その言葉とともに、杏はガソリンに塗れた身体にライターで火をつけた。



   ◆   ◆   ◆


 
317何もかも、燃えてしまえばいい ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:17:54 ID:Vxdl9EWM

バンダナを巻いて短い髪を隠してうろつき回っている田中智司(男子8番)は目に見えて浮かれていた。
最初はやってられない、と思った。
自身の能力は確かにこんな状況では強力だが、それ以上に強力な能力の持ち主は存在する。
その代表格が智司と同じく問題児の一人である井東龍一(男子3番)だ。
井東は自身の能力の強力さを誇って誰も彼もに自分が不死系統の持ち主だと公言している。

超能力とはおおよそ三つに分けることができる。
一つは、自分自身に作用するもの。
また一つは、他人に作用するもの
最後の一つは、物を操るor造り出すもの。
稀に分類されたものの二つに属する能力もある(村越の催眠が自己暗示も可能とすれば、それにあたる)。

智司や井東は一番最初の『自分自身に作用するもの』に分類される。
その中でもこの状況で厄介なのが不死系統のものだ。
もちろん『絶対に死なない』という能力を持つ生徒はいない。
だが、不死系統の人間はとにかく死ににくい。少なくとも病死や事故程度では死にはしない。
故にやってられるか、と匙を投げかけたが智司に渡された武器で、とたんにやる気が湧き上がってきた。

その武器とはサブマシンガン、ミニウージーである。

フルオート射撃の上に連射速度が非常に速い。
これを智司の【喪神猟奇(サイレントダンス)】と組み合わせれば、ひょっとするとひょっとするかもしれない。
【喪神猟奇(サイレントダンス)】とは、智司が発した全ての音を消し去る能力。
能力の発動中に智司が大声で歌を歌いだそうとぐーすかイビキをかこうと誰も気づかない。
それは人だけではなく機械も一緒で、能力発動中に録音をしようとしても何の音も入りはしない。

これをうまく使えば、不死系統の中でも衝撃に弱いタイプは殺せる。
それに不死系統は死ににくいだけの人間が多い。
たっぷりと支給された銃弾はかなりの重量を与えてくるが、それすらも心地よく感じる。
生まれて初めて担任・村越のへと感謝した。

「……ん、火事か?」

はしゃぎまわっていると、ちょうど真向かいの民家から火の手が上がるのが見えた。
これは良い、能力を発動させて近づけば気付かれる可能性も少ない。
万が一気付かれてもミニウージーで蜂の巣にしてやればいい。
笑いながらその方向へと足を進めていく。
木枝をいくつか踏んだが、全く音を立てない。
当たり前だが智司の能力は絶好調、なんと幸先の良いスタートだ。

「おーおー、燃えてる燃えてる。でもボヤだなこりゃ」

誰にも聞こえない大声で叫びながらそれを眺める。
明るさから家の一つは燃えていると思ったが、その実倉庫の扉すら燃えていない。
それにしてもこの程度の火でここまで明るくなるのかと思った。

「そろそろやべえな、ここは引いとくか」

だがこれ以上ここに居るのは危険、火を焚いた人間が見当たらない。
恐らく何処からか見張っているのだろう。
先制されてはせっかくのアドバンテージが台無しになる。
まあ、簡単に見つかるつもりはないが。

「それにしても暑い……!?」

そこまで考えて、ようやく感づいた。
突如、激しく民家が燃えだした。それも光を放っている民家だけじゃない、隣の民家もだ。
つまり風が全くないこの状態で炎を移動させたのだ。
318何もかも、燃えてしまえばいい ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:18:50 ID:Vxdl9EWM

「チクショウ、炎使いかよ!」

やはり誰にも聞こえない叫びを上げながら民家から転げ出る。
炎使いならば熱量や発光量も調整できる。まんまと乗っちまった、畜生。
だが、所詮は炎使いだ。ミニウージーで簡単に死体に出来る。
それを思うと頬が緩んでいた。
柄が悪いとは言え普通の男子生徒の田中智司、彼は早くもこの異常な空間に支配されていた。

「さぁて、炎系って言うと……たしかぽい能力名が女子に居たな、中野だったか?」

ぺろりと唇を嘗めながら呟く。
能力の詳細は知らないが、能力の名前ならばクラスメイト全員の名を知っている。
名簿に能力名付きで書き込まれるのだ。
その中で炎を操れるとしたらあからさまに『炎』という字が入っている奴に決まっている。

「へ……あの電柱野郎、蜂の巣にしてやんよ。っと、野郎じゃなくて女だったな」

余裕たっぷりにコンクリート製の壁にもたれかかりながらミニウージーを構える。
あの女とは思えない巨体に銃弾を打ち込む、それに不思議と嫌悪感は覚えなかった。
ただ、殺さなければ殺され、自分は十分に相手を殺せる。
その思いが智司の気を大きくしていた。
ボゥっと、何かがはじける音が聞こえる。
近づいてきている、しかも能力を使いながらだ。
上等、と呟いてミニウージーのトリガーに指をかける。
そして、素早くコンクリートの壁から通りへと出て、ミニウージーを打ち放した。
思ったよりも強烈な反動がくるものの、意外性以上にそれほどの強い力を手に入れたという興奮の方が大きかった。

「喰らいやがれえええええ!!」

叫んでも聞こえやしないのだが、とにかく叫びながら打った。
興奮のままに相手もよく見ずに、ただ正面へと向けて撃ち続けた。
ヒャハハハッハ!と狂ったように笑って空を見上げる。
智司の勝利を祝福するように満天の星たちが輝いている。

「ハァ……ハァ……!ハ、ハハハハ!」
「……田中くん、かな?」
「……あん?」

相変わらず空を眺めていた智司に降りかかったのは、勝利を称える星の光ではなく。
チリチリと肌が火傷するのではないかという熱と、その熱とは対照的な冷たい声だった。
それにようやく反応して、智司は自分が襲った人間の姿を直視した。
と、同時に、思考が止まった。

「あ……ああ……ああ、はあ?」
「……謝って済む問題じゃないけど、ごめんなさい」

そこに会ったのは智司が想像していた中野杏の死体ではなく。
人の形をしたごうごうと燃え続ける炎だった。
そう、炎だ。間違いない、だって智司のバンダナに火の粉が飛び散ったのだから。
その炎は人の形を維持し続ける。
腕のように螺旋を描き、脚のように螺旋を描き、頭のように螺旋を描く。まさに炎の魔人だ。

「もう一度だけ、ごめんなさい」

茫然とその炎の魔人を眺め続ける。
炎の魔人は一瞬だけ背を向けたような気がして。
その先からは分からない。
燃えるような衝撃が智司の頭蓋を襲い、それから意識が飛び散ったから。
319何もかも、燃えてしまえばいい ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:20:04 ID:Vxdl9EWM


    ◆    ◆    ◆


【炎色消去(バーニングデリート)】、それが中野杏の能力名。
【全身に炎が回った瞬間に『炎』となる】、それが杏の能力。
炎に衝撃は効きはしない、炎は重さを持たないから。
炎に刃は聞かない、炎に刃は立たないから。

杏は不死系統の能力の持ち主、ということだ。
最初にガソリンとライターが目前にあったのはこれを使えと言うことだろう。
そして、杏に人を殺せと言うこと。
炎を纏えば自分で能力を解除しなければ消えはしない、別の超能力で無理やりかき消されない限り。

「……ごめんなさい、田中くん」

杏は目の前に転がる一人の男子生徒を見下ろす。
コメカミに後ろ廻し蹴りが見事に命中した、こんな姿を見たために呆然して身動きが取れなかったのだ。
これで死んでいるかもしれないが、念には念を入れた方がいい。
ゆっくりと、本当にゆっくりと右脚を空へと向かって持ち上げる。
やがて天空へと捧げた右脚と地面を噛み締めた左脚が真っすぐになった。
そして、その右脚を田中智司への喉元へと、思い切り振り下ろした。

「……」

わずかに嫌な音を出しながら、田中智司の喉元は歪なデコボコを作り出した。
これで死んだはずだ、少なくとも喉元の火傷でやがては死ぬ。
それを認識した瞬間に炎を纏っている杏に寒気が走る。
炎を纏っているというのに、だ。

「けーくん……」

その寒気を打ち消すために静かに愛しい人の名前をつぶやく。
もう、会えないだろう。人を殺してしまったのだから。
でもそれでいい、それは杏の望むところだ。
自分が圭吾以外のクラスメイト全員を殺して、最後に自分が死ぬ。
そう決めたのだ。
自分以外にも殺し合いに秀でた能力を持つクラスメイト居る。
決して無敵なわけではない、単純な攻撃能力を持たない田中智司とは相性がすこぶる良かっただけに過ぎないのだ。

「けーくん、私はもうけーくんとは会えないよ」

誰に言うまでもなく自分に言い聞かせる。
ミニウージーは拾わない、自身の熱で不良を起こしてしまうだろう。
だから今必要なのは銃ではなく、リーチのある金属バットか鉄パイプの類だ。
ある程度形が崩れても使えるし、リーチがある上に高熱が加わる。
木材は燃えきってしまうので駄目だ。

「……ごめんなさい、けーくん。私はバカでマヌケだから、こんなことしか思いつかなかった」
320何もかも、燃えてしまえばいい ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:21:38 ID:Vxdl9EWM
【一日目/深夜/C−2村】
【中野杏 女子12番】
【炎色消去(バーニングデリート)】
[装備]:なし
[所持品]:なし
[状態]:人型の炎
[思考・行動]
0:間宮圭吾(男子15番)のために全員殺す。
[備考]
※C-2にデイパック二つとミニウージーが放置されています。

男子 8番 田中智司 【喪神猟奇(サイレントダンス)】
自分から発する全ての音を消すことができる。
足音や声などはもちろん、閉めた扉や何かにぶつかった音、果ては銃声や料理の際の炒める音まで消すことができる。

女子12番  中野杏 【炎色消去(バーニングデリート)】
炎を操るのではなく炎になる能力。
形は人型で固定されて、それ以外の形になることはできない。時間制限はなしの無制限。
321 ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:22:50 ID:Vxdl9EWM
投下終了です
とりあえず因果律操作と事象変更と次元破壊の類は出さない方向で頑張っていきたい
322 ◆.maUtDwYFk :2009/12/05(土) 20:51:10 ID:Vxdl9EWM
失礼しました、死亡表記が抜けていました
>>319の最後に
【田中智司(男子8番)死亡】
【残り30名】
323創る名無しに見る名無し:2009/12/05(土) 21:09:56 ID:do11kkG0
投下乙です
焼身自殺かと思ったら、こんな能力だったとは……
一本取られたぜ
324 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:47:26 ID:dekyw9Ow
投下乙です。しかし能力考えるの楽しそうだw
自分もば個人趣味ロワ第6話「どうあがいても、絶望」投下します。
登場:牛山サキ、宮中秀也、リーヴァイ
325どうあがいても、絶望 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:48:24 ID:dekyw9Ow
6話「どうあがいても、絶望」

彼女――牛山サキはアイドルになりたかった。
歌を歌い、踊りを踊り、役者としても活躍し、皆から羨望の的となるアイドルになりたかった。
そのために、自分が出来る限りの努力をしたつもりだった。

だが、現実は時として残酷。事実とは大抵、人を裏切り、傷付ける。
サイン会を開いても一人としてサインを求める者などおらず、
やっとサインを求められたと思いきや、それは借金の連帯保証人の書類。
全く知りもしない赤の他人の借金を背負う事になり、借金取りに追われ、
発表した歌は買う者も聴く者も皆無だった。

そして、今、彼女は殺し合いの舞台に立たされている。
最後の一人にならなければ、待っているのは、死。
彼女の手には、自分のランダム支給品であるマリーンコンバットナイフが握られている。
深夜の森林地帯を、特に宛ても無く歩き続ける。

(どうして、私はこんな散々な目に遭わなきゃいけないの?
一体私が何をしたって言うのよ? どうしてこんな……)

自分の境遇を恨まずには、呪わずにはいられなかった。
自分は精一杯の努力をしてきたのに、なぜ何一つ報われない?
なぜ、結果に結び付かない?
そういったネガティブ極まり無い思考を延々と頭の中で繰り返していると、
人によっては正常な判断力を失ってしまう事がある。

彼女もその例に漏れなかった。
サキは右手に持った、大きな刃を持ったナイフを見つめる。
見つめる瞳は、平時の彼女を知る者ならば、きっと違和感、そして畏怖の念を覚えたであろう。

「あっ……!」
「!」

気が付くと目の前に、スコップを持った若い男が立っていた。
暗い森の中なので、直前までサキの存在に気が付かなかったのか、
男は少し驚いた表情をしていた。

「え、えと、俺は殺し合いをするつもりは無い。信じて……くれるか?」

男は戦う意思が無い事を訴える。少なくともその表情と口調からは、嘘偽りという言葉は浮かんではこない。
326どうあがいても、絶望 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:49:50 ID:dekyw9Ow
「俺は宮中秀也って言うんだけど、あー、君は?」
「……牛山サキよ。一応、前までアイドルやってたんだけど、知ってる?」
「え? うーんと……ごめん、分からない」

サキの問いに、秀也は困り顔で答える。
その答えは、サキが大方予想していた通りのものだった。
サキの表情が曇るのを確認した秀也は嘘でも知っていると言った方が良かったか、と後悔した。

「あ、いいの。いいのよ。そんな人気無かったし、知らないのも無理は無いわ」
「う……その、すまなかった」

二人の間に気まずい空気が流れる。
気まずいだけなら、まだ良かったのだが。

「それにね、別にそんな事、今じゃどうでもいいんだ」
「え?」


ドスッ


「がっ、ああ、あっ」

次の瞬間、サキが秀也の懐に潜り込んでいた。
コンバットナイフの刀身が、秀也の腹の中に押し込まれ、赤い血がポタポタと滴り落ちる。
秀也が持っていたスコップを地面に落とすと同時に、サキはコンバットナイフを引き抜く。

「あ……ぐ……」

どす黒い血液が溢れ出る腹を押さえながら、フラフラと後ずさりする秀也。
腹だけでは無い、口からも血は流れ出ていた。

「な、何で、こんな……!?」

苦痛と目眩に苦しみながら、秀也はサキに疑問を投げかける。
しかし、その疑問にサキは答えない。答える代わりに、足早に秀也に近付き、
その胸をコンバットナイフで突き上げる。
327どうあがいても、絶望 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:50:46 ID:dekyw9Ow
「ぎゃっ、あ」

秀也が呻く。そして、それが最期だった。
間も無く秀也はその場に崩れ落ち、しばらくピクピクと痙攣していたが、
やがて草の上に赤黒い血溜まりを作り、動かなくなった。
サキは、血でぬらりと光るコンバットナイフを持ちながら、その様子をただただ見下ろすのみ。
殺人という禁忌を犯した事に対し、サキは何らリアクションを起こす事も無く、
秀也の衣服でコンバットナイフの刀身にべったりと付着した血液を拭い取ると、
後は見向きもせずに、その場を後にした。

◆◆◆

牛山サキと宮中秀也のやりとりから、サキが秀也を殺害するまでの一部始終を、
近くの木の幹の陰から目撃した一人の少女がいた。
いや、二足歩行の、若い雌の狼と言った方が良いだろうか。

「うっひゃ〜……あのウシヤマサキって言う人間の女、大胆だなァ」

薄い水色と白の毛皮を持った、獣足型狼獣人の少女。
スマートながらも程良く肉が付いた、中々に魅力的な身体付き。
名前をリーヴァイと言った。

「やっぱり殺し合いは始まってるんだなァ。お兄ちゃん、大丈夫かな」

彼女は殺人現場を見ても、特に動揺する事は無く、
同じくこの殺し合いに呼ばれている自分の兄の事を気にかける。
彼女と、彼女の兄にとって、人や動物の生き死になど、そう珍しい事では無いからだ。

「多分、簡単には死にはしないとは思うけど、早く見付けなきゃ……」

デイパックを背負い、会場のどこかにいるはずの自分の兄を探し出すために、
リーヴァイは歩き出した。


【宮中秀也@オリキャラ  死亡】
【残り  46人】
328どうあがいても、絶望 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:52:24 ID:dekyw9Ow
【一日目/深夜/C-1森】

【牛山サキ@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
[状態]:健康
[装備]:コンバットナイフ
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗る。だが特に優勝を目指したい訳じゃない。
1:私は……。
[備考]:
※単行本第五巻第72幕「家族会議」より後からの参戦です。
※リーヴァイの存在には気付いていません。また、リーヴァイとは別方向に進んでいます。

【リーヴァイ@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:不明
[所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2個
[思考・行動]:
0:殺し合い? うーん別にするつもりは……。
1:お兄ちゃんどこカナー。
2:ウシヤマサキ(牛山サキ)には要注意。
[備考]:
※牛山サキの名前と容姿を把握しました。また、牛山サキとは別方向に進んでいます。


※C-1森に宮中秀也の死体、スコップ、デイパックが放置されています。
宮中秀也のデイパックの中身=基本支給品一式
329どうあがいても、絶望 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:54:12 ID:dekyw9Ow
≪オリキャラ紹介≫
【名前】宮中秀也(みやなか・ひでや)
【年齢】24
【性別】男
【職業】ネットカフェ店員
【性格】当たり障りの無い、基本的に善人
【身体的特徴】黒髪の青年。平凡な顔立ち
【服装】白いジャケットに黄色いYシャツ、ジーンズ
【趣味】インターネット
【特技】パソコンに詳しい
【経歴】平凡な家庭で育つ。これと言って特筆事項無し
【備考】一般人

【名前】リーヴァイ)
【年齢】18
【性別】女
【職業】野生の人狼
【性格】朗らかで明るく、ちょっと子供っぽい
【身体的特徴】薄い水色と白の毛皮を持った獣足型狼獣人。魅力的なスタイル
【服装】全裸
【趣味】ボール遊び、兄と遊ぶ事(健全、性的共に)
【特技】兄から手ほどきを受けた格闘術。結構強い
【経歴】8歳の時に人間に親を殺され、同じ境遇の2歳年上の同種の雄と一緒になり、
以来、二人は兄弟として生きてきた。普通に狩猟をしたり、
人間の街に繰り出しては家畜や商品を盗んだりして生活している。
報復に来た人間の銃弾を受け重体になった事もある。
しかし、人間を嫌っている訳では無い。
【備考】ヴォルフという2歳年上の義理の兄がいる。
肉体関係を持っているが、本人曰く、血は繋がっていないので近親相姦にはならないとの事


≪支給品紹介≫
【コンバットナイフ】
ファイティングナイフとも呼ばれる大型の軍用ナイフ。

【スコップ】
穴を掘ったり土砂や雪をすくって持ち上げる時に使う道具。
ちなみに東日本では「スコップ」と呼ばれる事が多いが、
西日本では「シャベル」と呼ばれる事が多いとか。
330 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 01:57:39 ID:dekyw9Ow
投下終了です。
331 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 02:04:36 ID:dekyw9Ow
話数間違えた、7話でしたw
332 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/06(日) 19:03:34 ID:dekyw9Ow
修正。牛山サキは一応まだアイドルやってるみたいですので、
アイドルやめたみたいになっている部分を直します。
333創る名無しに見る名無し:2009/12/06(日) 20:19:01 ID:5inHT9ap
投下乙

牛山乗ってもうたで
334 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:35:01 ID:5inHT9ap
狂人ロワのOPが完成しました
独自の単語を出しまくっていますが、とりあえず投下します
335OP前の前提 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:35:43 ID:5inHT9ap
せいしん‐か〔‐クワ〕【精神科】

精神障害者の診療を専門とする医学の分野。

◆◆◆

20XX年、世界は精神病院によって支配されていた。
これだけ書くと、
「何言ってんのかわかんねーYO!FUCK!」と罵られながら、石を投げられそうなので順を追って話そう。

発端は2009年のテロ事件だった、これを読んでくださっている読者の皆様の記憶にも新しいであろう『石川消滅事件』である。
皆様も御存知の通り、この内戦により石川県は日本の地図より消滅し、
テロの首謀者であり新興宗教『崖教』の教祖である『崖鉄平』は死刑となった。

さて、これを重く見たのは精神医学の世界的権威『ナイ教授』である。
この事件に対し『ナイ教授』は「こんなに狂っているのならば悲劇が起こるのならば……狂人などいらぬ!!」
とコメントし、以前より彼が『世界政府』に提案していた『人類精神安定化計画』を強く推進する。
その1年後には『世界政府』が『計画』の遂行を決定。

人類の精神は均一化され、その精神を維持させるために『精神病院』が政治の実権を持ち、
世界は人類が地球の表舞台に立って初めて平和になった。

この物語は、正常が異常で異常が正常かもしれない、
そんな世界で必死に生きている狂人達の物語である。
336始まりは待合室で ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:36:43 ID:5inHT9ap
きょう‐じん〔キヤウ‐〕【狂人】

精神に異常をきたした人。

◆◆◆
『新都 中央精神病院』の待合室は異常な気配に包まれていた。
それもそうであろう、ソファに腰掛ける首輪を付けられた老若男女様々な『狂人』達は銃を持った『精神科医』に囲まれていたのだ。
何十分、何時間、いや5分も立っていなかったのかもしれないが、緊張が続いていた。
『狂人』達は自分たちに下される、もしやすると死刑宣告になるやもしれぬ『診断』の結果を待ち続けているのである。



「すいません、お待たせいたしました」
20分ほど経っただろうか、微笑を浮かべた『精神科医』が待合室の中へと現れた。
「…………」
『狂人』達の間には緊張が走っていた、何せ『A級狂人』であると『診断』されてしまえばその一生涯を鉄格子の付いた病室で過ごすことになるのである。
「それで診断なのですが……」
ゴクリ、何人かの『狂人』が唾を飲み込んだ。
「……おめでとうございます!」
パァ、そんな効果音が出そうなほどにその言葉を聞いた『狂人』達は笑顔を浮かべていた。
もっとも、その次に『精神科医』が言う言葉を聞くまでだが。
「皆さんは『S級狂人』であると診断されました、これから皆様には殺し合いをして頂きます!」

「…………?」
事態が飲み込めない、そのような感じで押し黙る『狂人』達。

「聞こえませんでしたか?今から皆さんには殺し合いをして頂きます!大事なことなので2回言いました!」

笑劇的衝撃、
あまりに突拍子なその言葉は『狂人』達の脳を神経毒の様に麻痺させていった。
337始まりは待合室で ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:37:25 ID:5inHT9ap


沈黙が続いた。
この異常事態を質の悪い冗談であると確認するための情報を『狂人』達は『精神科医』に求めていた。

「えー、静かにしていただいて下さって、本当に有難うございます。おかげで説明のほうがスムーズにいきそうです」
そう言って、『精神科医』が続けた説明は、この発言がけして質の悪い冗談ではなく、異常で正常な『真実』であると『狂人』達に理解させていった……

曰く 全員で殺し合いをしてもらい、最後まで生き残った一人が勝者となる
曰く 参加者があらかじめ所有していた武器、装備品、所持品は全て没収(義手など体と一体化している武器、装置はその限りではない)
曰く 『殺し合い』の会場の配置先はランダムである
曰く こちらから『殺し合い』に必要な物資とランダムな武器を支給する
曰く 『能力』には制限が掛けられている
曰く 24時間死者が出ない場合は『診断』の際に付けられた首輪が爆発し、全員が死ぬ
曰く 一定時間ごとに禁止エリアと死者を発表する放送を流す
曰く 禁止エリア内にいると、首輪が自動的に爆発する
曰く 以前名乗っていた名前を名乗ることは禁止し、こちらで用意した『患者名』を名乗ること

「そして、何よりも大事なのは……」
『精神科医』が1拍置くと同時に、『狂人』達が息を呑んだ。

「この『殺し合い』の優勝者には、『精神科医』になる権利を差し上げます!」

…………『狂人』達に衝撃が走った
『精神科医』と言うのは支配者層であり、
彼らの様な『狂人』には『診断』や『治療』等で関係を持っても、"なる"等と言うのは月と太陽程にかけ離れた言葉であったからだ。

「……ああ、嘘じゃありませんよ、『精神科医』は支配者層なので『一般人』ではなれないのです。
と言ってもあなた方は『狂人』なので私の言葉を素直に信じてくれないかもしれません」
そう言って、懐から何らかの機械を取り出す『精神科医』。


「そこで飴の前に、鞭を直接見せることにしました」

ボン、枕に向けて銃を撃ったような鈍い音がして、
『患者名 生贄に捧げられた男』の首輪が爆発した。

飛び散る血、脳髄、肉、骨、髪のついた皮膚。

悲鳴は……上がらなかった。

「さすが『狂人』の皆さん!この事態にも動じない!素晴らしい!清々しいまでに人間の屑です!」
『精神科医』は声を上げて嗤った。

「まぁ、デモンストレーションも見てもらいましたし、そろそろ『会場』に移ってもらいましょうか」
バタバタと『狂人』達が倒れていった、周囲には白い煙が漂っている。

「それでは!『治療』を始めましょう!」

【生贄に捧げられた男 死亡】

【残り 43人】
338参加者及び地図 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:39:25 ID:5inHT9ap
○歩くマネキン/●生贄に捧げられた男/○受身のヒーロー/○エスパー少女/○鬼の様な男
○皮を剥ぐ殺人鬼/○気狂いを疑われる男/○串刺し好きな女性/○毛の長い猫/○姑息な殺し屋
○裂く男/自殺志願者/○鈴を鳴らすピエロ/○せせら笑う書店員/○削ぎを趣味とする殺人鬼
○旅をする探偵/○チートな男/○貫き通す少年/○底辺の男/○友達の友達
○悩む女性/○にやけ面の狙撃者/○ぬらりと動く盗人/○寝る男/○ノイローゼな女
○ハレルヤを唄う坊主/○人でなしなマホウ使い/○普通であることを愛する少年/○反吐を吐く聖人/○掘る男
○幕を引く男/○水を操る女/○無想な少女/○目を集める殺人鬼/○燃やす男
○やさぐれた少女/○緩やかな老人/○夜
○乱暴な医者/○リラックスするヤクザ/○流浪のニート/○霊を見る女/
○わざとらしい警察官
【43/44】

  1 2 3 4 5 6 7 8
A:崖崖崖崖崖崖崖崖
B:崖平平神平平森山
C:崖平店平平劇森山
D:崖鉄平湖街街森山
E:崖平平宿街街森山
F:崖墓平平平平病山
G:崖崖崖崖崖崖崖崖

崖:いわゆる崖、別名福井県。
鉄:いわゆる鉄塔、頑張れば生活も可能。
平:いわゆる平野、特に何も無いが後ろに綾を付けると声優になるとか。
墓:いわゆる墓地、西洋式である。
店:いわゆるデパート、そんだけ。
神:いわゆる神殿、名伏しがたき神の都市を模倣しているとかいないとか。
湖:いわゆる湖、別に3つの首輪とかは関係ないし、赤い水飛行タイプとかは居ない。
宿:いわゆるホテル、カリフォルニアとの関係は不明。
街:いわゆる市街地、人居なくて住居あり。
劇:いわゆる劇場、別に怪人とかは居ない。
森:いわゆる森林、木がいっぱい。
病:いわゆるHOSPITAL、さいはてにあるべきである。
339 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 21:40:59 ID:5inHT9ap
以上で僕の考えた狂人ロワのOP投下を終了します
色々とわけのわからない世界観かもしれませんが
今後とも宜しくお願いします
340創る名無しに見る名無し:2009/12/06(日) 22:05:51 ID:43oev3Qu
投下乙です
これは新感覚の世界観だなあ
そして崖鉄平wwww
341 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/06(日) 22:26:01 ID:5inHT9ap
ちょっと修正
銃を持った『精神科医』

銃を持った『看護師』
342 ◆5ddd1Yaifw :2009/12/07(月) 00:42:52 ID:mcRRhBPE
投下乙です。
斬新すぎるwwwそしてやっぱり崖鉄平wwww
文章練習ロワ第五話投下します。
343The far end ◆5ddd1Yaifw :2009/12/07(月) 00:43:51 ID:mcRRhBPE



殺し合い―――知るかボケ―――



何やねん、いきなり。わけわからんわ。
何で俺がこんなあほらしいことに巻き込まれなあかんのや。
名簿を見てみると歩におさげさん、ラザフォードもいるやないか。
役者は勢ぞろいというわけやな。
ははっ、とゆーことはこの殺し合いの場で歩が死んだらどないなるんやろ?
  ・・・・・
俺は一人ぼっちになるやないか。
そんなのはいやや!
……俺と歩の正体……歩は『鳴海清隆』、俺は『ミズシロ・ヤイバ』の遺伝子的に同一人物。
つまりクローンなんや。たぶん人類初ちゃうかな?
世界でたった二人のクローン、まるで漫画みたいや。
今のところ哺乳類のクローン成功率はかなり低い。例えそれが成功してもその次の生存率はさらに低い。
その弊害なのか俺と歩の遺伝子には異常がある。
俺らの体は……あと数年しかもたない。
遅くとも成人までには死に至るんや。
………俺と同じ絶望を背負ってるのは歩だけ。
そして俺を救える――殺せるのは歩だけ。
そんな俺にとってかけがえのない存在である歩が死ぬのに俺は耐えられるか?
無理や……耐えられるわけないやろ!!
俺の『運命』の終着点は歩に殺されること。
俺は歩にしか殺されへん。それが『運命』やから。そう決められているから。
それに『運命』の螺旋からは逃げられへん。
普通の人やったら何で諦めるとか、死ぬにはまだ早いとか言うかもしれへんけどな。
……歩と会う前の俺は希望に満ち溢れていた。
『ミズシロ・ヤイバ』
『鳴海清隆』
『ブレードチルドレン』
『クローン』
全てを知ってもそんな『運命』変えたると思った。
344The far end ◆5ddd1Yaifw :2009/12/07(月) 00:44:39 ID:mcRRhBPE
でも…………だめやった。
まさか自分の遺伝子に裏切られるとはな。笑い話にもならんわ。
俺には『運命』を変える力なんてなかった。
俺は自分の命すらままならん『運命』の操り人形やった!
……そして、俺は気付いてしまったんや。



―――俺はこの世界で一人ぼっちなんやって―――



それに絶望して何度も自殺しようとした。
この絶望から逃げ出したくて。
でも……死なれへんかってん。
俺は完全に暗闇に囚われた。
結局のところ俺を理解してくれる人は誰もいない。
喜びを分かち合う人も。苦しみを分かち合う人も。
一緒に歩く友達も。……救いを求める人も。
絶対の暗闇。
誰にもわかってもらえない苦しみ。



でも―――いた―――



俺の苦しみをわかってくれる奴が。
鳴海歩。俺と同じクローン。



―――歩なら俺を救ってくれる―――



他人任せもいいとこや。

なぁ、歩。

俺はこの殺し合いの場でお前を探す。

俺を終わらせるために。

だから。

死ぬんやないで。


【I-9 テレビ塔/1日目・深夜】
【ミズシロ火澄@スパイラル〜推理の絆〜】
[状態]:健康 、憂鬱
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・状況]
基本:
1 歩を捜す。
2 ……救いなんてどこにもないんや……
※13巻カノン殺害前より参戦
345 ◆5ddd1Yaifw :2009/12/07(月) 00:45:40 ID:mcRRhBPE
投下終了。点がずれてるなぁ……
346創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 00:48:00 ID:2KEg4+XV
投下乙
なんというネガ
347 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/07(月) 01:16:14 ID:2KEg4+XV
>>338
参加者名簿が一人抜けていたことにたった今気づいた
霊を見る女の横に碌でも無い女を追加します
348 ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:32:32 ID:UNtSccFT
久々ですが、24バトルロワイアル第7話投下します
349逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:34:37 ID:UNtSccFT
(KOOLになれ! KOOLになれ前原圭一!)

思えばなんて馬鹿げたゲームに巻き込まれてしまったのだろう。間違いなく自分の人生の中で一番の窮地だ。
正直、あのケツホルデスという女が殺し合いだなんだと言い始めた瞬間は、冗談じゃないのかと思っていた。
だけど、その直後、首輪の爆弾によって無残にもやる美は殺されてしまった。一瞬でも冗談なんて考えてしまった俺はバカだ。
これは嘘でもドッキリでも何でもないんだ。紛れもない現実。負ける事は許されない死のゲーム。

俺はすぐさま名簿と支給品の確認に移る。周りは一面木が鬱蒼と茂る山。夜の闇も相まってほとんど何も見えない。
支給品か何かで武装しなければ、誰かに襲われる以前に、自分の神経が恐怖で参ってしまう。
ランダム支給品は金属バットだった。そして名簿には沢山のクラスメイトの名前が記されていた。
本当に最悪だ。本当に全くもってどうして……こんな悪夢みたいなゲームに付き合わされないと駄目なんだよ。

(とりあえずまずは誰かと合流する事を目指すか……阿倍さん辺りと会えたら結構頼りになりそうだけど……)

俺は金属バットを握りしめて辺りを見回した。闇と森の合わせ技で視界はほとんどないが、
少なくとも自分の周りには誰もいない、ような気がする。正直言って何の確証も得られない。
ここにいるといつ誰に襲われるか分かったものではないので、さっさと森を抜けてもう少し見晴らしのいいところに行くべきかもしれない。
緊張で、バットを握りしめた手に汗が滲む。俺は自分の安全を確保するために、森を抜ける事にした。ここは危険すぎる。

(名簿によると、俺の知り合いは全部で13人参加させられている……優勝するためには、当然みんなを殺さなければならない……)

圭一はケツホルデスの姿を思い出して、眉間にしわを寄せる。残念ながらあの外道の考えたバトルロワイアルとやらのルールは完璧に近い。
どこをどうつつけば、このどうしようもない状況を打開し得るボロが出るのか、今の時点では皆目見当がつかない。
普通に考えれば、どうあっても絶対に殺人を避けられない状況だ。どうしようもない現実を心の内で再認識して、圭一は怒りを燃やして歯噛みした。

友達の死を、見届けない限りは俺に生き残りはない。ケツホルデスが説明したバトルロワイアルのルールだと当然そういう事になる。
だが、だがなケツホルデス……俺がそう簡単に友達を殺すような薄情者に思えるかよ。
例え自分が死んだとしても、大切な仲間の命を踏み台にしてまで生きたいなんて思わない。
俺は、お前の言いなりになんてならない。俺の仲間達だってきっとそうだ。そうに違いない。
俺は絶対に負けないからな……何が何でも絶対にだ!

圭一は目の前に見えた木に向かって我武者羅にバットを打ちつけた。
どうしようもなく過酷な状況に対する不安、ケツホルデスへの怒り、仲間達への信頼、
こみ上げた感情がある種の臨界点を超え、それらの感情を全て振り払うかのように圭一は何度もバットを振るった。
バットを振る毎に、自分の気持ちが整理されていくように感じた。不安、怒り、絶望、そういった負の感情だけをバットを振る事によって消し去り、
そして勇気、信頼、冷静さ、この過酷な状況を乗り切るために必要なものだけを残していく。
圭一は何度も何度もバットを振った。絶対に負けない。絶対に諦めない。死んでたまるか。

一際鋭い一撃が、木に叩きこまれる。すっきりしてきた。心の中に確かにあった不安を、大暴れすることでやっと振り切る事が出来た。
ここまできたら、もう迷わない。後はひたすらゲーム転覆に向けて一直線あるのみだ。
仲間を死なさずに、皆でこの島を脱出して、そしてやる美の仇を必ず取る!

「俺は諦めない……いくらでも俺達を追い詰めるがいいさ。
 だがそれでも俺は屈しない。何が何でもこのゲームを破壊して、このバットでお前に一撃を叩きこむ!」
圭一は木に向かって止めの蹴りを放つ。
「この前原圭一を最初の見せしめに選ばなかった事が、ケツホルデス、お前の運の尽きだ!」
ぜいぜい息を切らしながら宣言する。もう恐怖なんて感じない。今、圭一の胸の内には、確かに青く燃える勇気がある。
ただ、圭一は恐怖を振り払うためだけに、少し大きなリスクを負いすぎていた。
350逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:35:57 ID:UNtSccFT

「なかなかカッコイイ事言うじゃあないか。そそられるね」
圭一がバットを執拗に叩きこんでいた木の裏側から、パンツ一丁の男がのそりと出てきた。
そう、あれだけ大騒ぎする事は、近くにいる参加者に自分の居場所を教えるようなものだ。
「ッ!?」
「君の決意にはなかなか心惹かれるものがあったが、さすがにこの状況で大騒ぎする浅はかさはどうかと思うね。
 まあ、若さゆえって事なのかな。そう考えると君がますます魅力的に思えてくるが……」

(なんてこった……俺、なんて馬鹿なんだ。自分では冷静なつもりだったけど、俺は恐怖の所為でCOOLじゃなくKOOLになってたのか……)
やってしまったという風に、呆然として男を凝視する圭一。
(それにしてもなんなんだこいつ……なんでパンツ一丁なんだよ……これじゃあ変態にしか見えないぞ)
圭一が大いに動揺している間、男は悠然とした態度で圭一に近づいてきた。

「俺がもし積極的に殺しをするような輩だったら危ないところだったな」
「と言う事は、あんたは殺し合いに乗っていないのか……?」
だとしたら協力者が出来る。正直言って、外見からして怪しいってレベルではないけど……。
「どうかな……最終的にどう行動するかはまだ判断しかねるな。君がさっき宣言したようにゲームを破壊できるのなら殺人を犯す必要なんてないが、
 まだ何の保証もないからね……。いざとなれば、本当にどうしようもない段階になれば、俺は殺人を犯すかもしれない」
「そんな状況にさせないためにも、俺達参加者は全員協力し合わなければならないと思うんですけど」
男のどっちつかずのスタンスに、圭一は少しイラついた。

「その通りだな。まあ、俺だって殺しがしたいわけじゃない。殺人なんてごめんさ。
 勿論、男らしい君がゲームを転覆させると言うのなら、それに協力だってするよ。
 だけどな、俺は殺しなんてしたくない以上に、死にたくないんだよ。いざとなったら、俺は自分の命を守るために殺すかもしれない」
圭一は男を少しの間睨んでから、言った。
「なんか……ずるい考え方ですね……一度やると決めたなら、最後までやりとおすのが男でしょう?」
「まあ、理想としてはそうなんだろうねえ。でも俺の場合、極限状態になって、死んでヤれなくなるくらいなら、
 罪を犯してでも生き残る道を模索すると思う。君の言うそういう心意気はフィクションの中だけの世界で、
 現実に自分の命をかけてまでやりとおす事が出来る人間なんているんだろうかね。」
「やり通しますよ、俺は。絶対に」
挑戦的に、圭一は言った。それを見て男は苦笑いした。

「そんなに怒るなよ。少なくとも今の時点では俺は君の協力者さ。君はとても魅力的だからね。
 さっきも言った通り、俺は殺人を犯すなんてなるべく回避したいんだから。
 そういえば君の名前は何だ?俺はトータス藤岡ってものなんだが……」
「前原圭一、ですけど」
「圭一君か。いい名前だ。名は体を表すってのは本当なのかね。
 さっきの勇ましい宣言でも思ったけど、君は勇気があるとても魅力的な男だ。協力するに足る男だと、俺は直感したよ」
圭一はトータスの褒め言葉に少しうろたえ、上手く言葉を返せなかった。
なんだか、さっきまでのイラつきを上手くはぐらかされているような気がするな……

「正直言ってそそられたね。圭一君は実に俺好みの漢だ」
「そ、それは正直言い過ぎでしょう。まだ出会ってから10分も経ってないのに」
「いや、圭一君には器の広さを感じるよ。どうだい、ここで景気づけに一発ヤらないか」
「え……やるって何をですか?」
「おいおいおいおい、分かってるくせに最後まで言わせるんだな。察するに君はノンケじゃないか?
 だが心配する事はない。俺は朝から晩までいい漢との交わりを妄想するような生粋のド変態だ。
 大丈夫。一発でホモセックスなしでは生きていけない体にしてやる」

さっと全身から血の気が引くのが感じられた。この男が口にする『やる』とは、やる、でもなく殺る、でもなく、ヤる……
見た目からして怪しかったが、まさかこの男がホモだったなんて……。折角冷静に慣れたのに、また混乱してきた。
なんだこの状況、おかしすぎる。殺し合いに呼ばれただけでも十分おかしい状況なのに、その上初めに出会った参加者がホモだったなんて。
351逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:38:00 ID:UNtSccFT

「君はなるべく多くの協力者を探しているんだよな。殺し合いをぶっ壊すために、当然俺にも協力してほしいんだよな。
 だったらここで俺と一発ヤるくらいいいよな。正直言って、色々あって俺も精神的に参っているんでね。
 君が気を殴ってストレス発散したように、ここらで俺も精神的重圧から開放されたい訳なんだよ」
「あ、あ、あ……あんた、正気で言っているのか?」
「勿論正気さ。第一印象で感づかなかったか? 俺はもう自分でも引くくらいのド変態ゲイだ。なあ、頼むよ」

圭一は後ずさりした。体中に悪寒が走っている。冷たい汗が額を流れる。

「思った通り圭一君はノンケみたいだな。いいねえ。ますます惹かれるよ。
 知ってるか? ゲイはみんな、ノンケが大好きなんだぜ。なあ、頼むよ。ヤってくれないと、俺は圭一君に協力しない。
 それどころか、圭一君の悪口を言いふらしてて回るかもしれない」
それを聞いて、圭一は憎しみを込めてトータスを睨んだ。なんなんだこの男は。最低だ。
ある意味殺し合いに乗った人間よりも性質が悪いかもしれない。

「ふざけんな。みんなが助かるためにゲーム転覆を狙う事よりも、自分の欲望を満たす事の方が大事なのかよ。
 って事はお前、やっぱり初めから俺に協力する気なんて0だったんじゃねえか!」
「そんな事ない。確かに俺は性欲第一で行動する人間だが、だからといって自分の命を捨てていいわけじゃない。
 死ねばもう二度といい漢達と交われないからな。君が大人しくヤらせてくれるなら、俺は君に協力する事を惜しまない」
「人の命よりも性欲を重視するような人間の協力なんて、誰がいるか!そんな人間がどうやって全員の命を救う事が出来る!?
 お前の協力なんてこっちから願い下げだ!」

圭一は吐き捨てた。なんて野郎だ。クズすぎる。反吐が出る。
最初は殺し合いに乗るとも殺し合いを打倒するともはっきりしない、中途半端などっちつかず男くらいに考えていた。
実際は全然違った。この異常な状況の中でさえも性欲を満たそうとする、尋常ではないくらいに変態野郎だった。

「散々な言い草だな。これでも職場では結構モテモテなんだがな。いいだろう?別に。
 どうせどの方向に、どれだけ頑張ったとしても、絶対に助かるなんて保証はどこにもないんだ。
 むしろ死ぬ確率の方が遥かに高い。だったらいいじゃないか。最後の晩餐として、いい漢達を頂いたとしても。
 知ってるか?ゴリラやチンパンジーの一種は緊張やストレスから逃れるために誰彼かまわず、性別の区別なしにヤるらしいんだ。
 勿論オスどおしでもな。ヤるってのは心理的にとてもいい効果をもたらすんだよ。だから軽く景気づけくらい考えて一発くらい────」
「滅茶苦茶言うなおっさんッ! 俺はチンパンジーでもゴリラでもないだろ!れっきとした人間だ!」

そう叫ぶとトータスは諦めたかのように意気消沈した。しかし、実際は諦めてなどいなかった。
圭一を油断させるための、単なる演技。体格において圭一を遥かに勝るトータスだが、
さすがに金属バットという武器を構えている男から無傷で肛門を奪う自信はない。だからこその些細な演技。
俯いて溜め息を一度吐いた直後、トータスは今まで溜めに溜めていた性欲を全て力に変えるかのような勢いで、猛然と圭一に掴みかかった。

「こいつ……!」

一瞬油断した圭一だったが、すぐさま金属バットを構え、迫りつつあるトータスに向けてバットを振るおうとする。
だが間に合わない。バットを振る時間などなかった。最初の一瞬の油断が命取りだった。
しかし、ここで何も抵抗できずトータスの思うがままにされるほど、圭一は甘くなかった。
曲がりなりにもクラスの誰よりも信頼され、中心人物だった男。クラスメイトの多くがバトルロワイアルへの絶望に打ちひしがれている中、
たった一人で、主催者へ宣戦布告した男。圭一は、ここで簡単に負けてしまうような、弱い男ではなかった。

バットを振ってトータスを殴れないのなら、手で握りしめているバットのグリップの部分、先端をそのまま突き出してやればいい。
一撃で仕留めるような高い威力は出せないだろう。だが、トータスはこちらに向かって一直線に掴みかかりに来ているのだから、
それに合わせてバットの柄をトータスの顔面に向けて突き出すだけで、少なくとも昏倒させるくらいの威力は出せるのではないか?
昏倒させられるなら、それで十分。トータスとの決着は、二撃目で決める。
352逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:39:10 ID:UNtSccFT

バットを振ってトータスを殴れないのなら、手で握りしめているバットのグリップの部分、先端をそのまま突き出してやればいい。
一撃で仕留めるような高い威力は出せないだろう。だが、トータスはこちらに向かって一直線に掴みかかりに来ているのだから、
それに合わせてバットの柄をトータスの顔面に向けて突き出すだけで、少なくとも昏倒させるくらいの威力は出せるのではないか?
昏倒させられるなら、それで十分。トータスとの決着は、二撃目で決める。

正確に突き出したバットの先端が、トータスの顔に突き刺さった。圭一の目論見通り、あまりの激痛に耐えかねて地面に倒れこむトータス。
野球の練習のために、毎日素振りした経験が生きた。バットに慣れていたからこそ、トータスの行動に慌てず、冷静に対処する事が出来た。
圭一はバットを持っていない左手で地面の土を握りしめて、トータスに向かって歩みよる。

「そんなもんなんだよ……人の命よりも自分の欲望を重要視する奴に、俺が負けるか!」

その時、パンという乾いた音が響いた。トータスが顔面の傷を負った部分を抑えながら、懐から取り出した銃を撃っていた。
幸運な事に弾丸は圭一のすぐ横を通り抜けて、夜の闇の中へと消えていき、圭一自体は無傷だ。
だが、この瞬間圭一の心を襲った衝撃は、並大抵のものではなかった。

(ぐっ……拳銃……! ウソだろ……!?)

これではどう考えても勝負にならない。戦いにおけるアドバンテージが、一気に引っ繰り返った。
金属バットなんかでは到底銃に勝てるはずがない。一転して追い込まれた圭一。トータスが不敵に笑った。

「やるじゃないか圭一君……さすが俺の見込んだ漢だ。だが少々おいたが過ぎたな……物凄く痛い」
ゆっくりと、痛みに耐えながらトータスが立ち上がる。不敵な笑みを浮かべたまま、圭一の目をじっとりと見つめている。
「諦めろ圭一君。金属バットを捨てて裸になれ。断るって言うなら、まあそれもアリだろう。
 俺は死体だって構わず食っちまうような人間だからな……」

絶体絶命、かのように思われたが、それでも圭一の目にはまだ光が残っていた。
絶対に諦めない。ゲーム打開、やる美の仇を討つと意気込んだのはついさっき。ここでいきなり死んでは何が何やら……
だから、絶対に死ねない。例え死ぬとしても、強く死ぬ。諦めて惨めに死ぬのだけは、絶対に嫌だった。

「分かったよ……分かった……ここで死ぬわけにはいかないからな……
 掘られるのは結構痛いだろうけど、死にはしない。だよな?」
圭一の言葉にトータスは口角をさらに吊り上げる。満面の笑みで、その通りだ、と答えた。
圭一は握りしめていた金属バットを足もとに置いた。そしてズボンに手をかける。

「裸になるところをずっと見られるのは恥ずかしいから、向こうを向いていてれないかな……」
「ふふ、なかなかうぶなところがあるな。いいぞ、これだからこそノンケはいい。
 だが駄目だ。目を離すといつ金属バットを拾って俺に殴りかかるか分からないからな」
その言葉を聞いて圭一は溜め息をつく。トータスは相変わらず銃口を圭一に向けたままでいる。

「分かったよ……だったら、ずっと見ていればいい……」
諦めたようにベルトに手をかけて、そして────
左手に握りしめていた土を、こちらをまじまじと見つめているトータスの顔面に向かって投げつけた。
圭一の裸体への期待と興奮によって半ば平静を失っていたトータスは、これに反応できない。
顔面に土くれをくらい、視力を失う。しかしトータスも必死だった。ここで何もしなければ、圭一に金属バットを叩きこまれてしまう。
あんなもの、頭に一発でもくらえば、反撃する事すらできなくなる。一発もヤれないままにお陀仏だ。
視力の回復を待つ余裕など、トータスにはない。

────パン

だから、トータスは目が見えないままに我武者羅に拳銃の引き金を引いた。圭一に当たらなくてもいい。
今は、圭一に対して自分が人を一撃で殺し得る得物を備えている事を存分にアピールする事が大切だ。
圭一に近寄らせるわけにはいかない。

このトータスの必死の威嚇は、思った以上の効果を上げた。掠ったのだ。圭一の髪の毛の間を、弾丸は通り抜けて行った。
圭一にとっては恐怖で鳥肌が立つ思いだった。これではトータスに近寄れない。
というより、相手が拳銃を遠慮なく使うようになったのであれば、もはや戦いにすらならない。
元々得物の火力に差がありすぎた。しかし、圭一はここでトータスの予想し得なかった行動に出た。
トータスと圭一の立場を逆転させる。起死回生の戦略。
353逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:40:17 ID:UNtSccFT

圭一は拾いなおした金属バットをトータスに向けて────全力で投げた。
金属バットは空中を真っすぐに飛び、トータスの腹に突き刺さった。本当は頭を狙ったはずだが、狙いが逸れてしまった。
だが、外れなかっただけで十分。命中したという事が重要だった。何せ、投げたものは金属。
それを苦し紛れとはいえ思い切り投げたのだから、相手を昏倒させるのには十分な威力だ。

悶え苦しむトータスに向かって全力で走る圭一。すぐに距離を縮めて、拳銃を握りしめているトータスの右手を思い切り蹴った。
その一撃でトータスは拳銃を手放す。地面に転がった拳銃に圭一はすぐさま飛びつく。
圭一はぜいぜいと息を切らせながら、トータスに向かって拳銃を向けた。

「どうだよ……まだやる気か?さっき言っただろ?人の命よりも自分の欲望を重要視する奴に、俺が負けるか!」

トータスの視力は少しずつ回復してきたとはいえ、まだほとんど何も見えない。それ故に、今の状況が理解できていない。
とりあえず、落としてしまった拳銃を必死になって手探りで探す。拳銃は見つからない。代わりに、何か堅いものがコツンとトータスの指先に触れた。
金属バットだ。これが落ちているという事は……。トータスは漸く理解した。拳銃はすでに奪われている。
そして金属バットは自分の手元へ。立場は完全に入れ替わってしまった。形勢逆転だ。

「おい、理解できたか?」
「……なるほど、なるほどなるほど。すでに形勢逆転ってわけか。とんでもない漢だな、圭一君は」
視力の方は大分回復してきた。トータスは腹を抑えながら、圭一の方へと体を向ける。
最初に金属バットで殴られた右目と、腹が痛い。だがもう戦いは終わった。もう傷つく事はないだろう。

しばらく無言で睨みあう両者。やがて、圭一がその表情を悲しげに崩す。
「なあ、頼むよ。一人でも協力者が欲しい……特に大人の協力はきっと大きな力になると思うんだ。
 だから、もう心は入れ替えて、ヤりたいとか掘りたいとか言わないでくれよ、おっさん」
「…………」
トータスは沈黙している。

「そんな事より、生き残る事の方が大事だろ?生還したら、彼氏でも作って掘り合えばいいんだ。
 そういや……おっさん、職場ではモテモテなんだろ? 掘りたい放題じゃないか。
 絶対に生き残るために頑張った方がいい。生還を諦めるなんて、駄目だ……」
「ふふふ……なかなか魅力的な言葉だな……だがな、俺は初めから言ってるだろ?
 君が俺に一発ヤらせてくれるだけでいいんだ。ヤらせてくれるなら、協力する」
圭一が顔を歪ませる。嫌だ。男とヤるなんて絶対に嫌だ。どうしても、それだけは嫌だ。

「ヤらせてくれないのなら、仕方ないな。俺は君を襲うだけ……」
トータスは手元に落ちている金属バットを握りしめた。その行動を見て、圭一は唖然とする。
「おい、本気かよ……俺は拳銃を持っている。さっきのあんたのように油断もしていない。
 あんたの行動に怪しいところがないか逐一確認しているんだ。俺が引き金を引くだけで、あんたは死ぬんだぜ?」
「ふん……いい漢を食えない人生なんて、何の意味がある? 君のような御馳走を前にして涙を飲むなんて、死んだ方がマシだ」

正気じゃない、圭一は思った。なんなんだこの男は。本当に性欲しかないのだろうか。

「だんだん、腹の痛みにも慣れてきた……どのみちお前のバット投げは苦し紛れの一撃だったからな。
 かなり痛いが、我慢は出来る。お前を掘るのに支障はない……」
そういう問題ではない。バットと拳銃では、相手にならない。そんな常識すらもトータスの頭にはないのだろうか。
バットを手にして、トータスは立ち上がる。圭一の顔は再び冷たい汗によって濡れた。

「ほ、本気かよ!撃つぞ俺は!いざとなればさすがに撃つ!こんなところでやられたら何が何だか分からない!
 それ以上近づいたら撃つ! 絶対に撃つからな!」
「撃つがいいさ。それで死んだとしても、悔いはない。俺は掘りたいんだよ!死んでも!お前を!」

(そんな馬鹿な……狂ってるだろ、こいつ……)
圭一は戦慄した。この男の性欲がここまで強いとは……まさかこれほどまでの変態だったなんて……
「おっさん、どんだけ変態なんだよ……性欲が凄すぎる」
「行くぞ……勝負だ」
354逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:42:10 ID:UNtSccFT

トータスがバットを握りしめて、圭一に向かって一歩踏み出す。
『それ以上近づいたら撃つ』その言葉通りに、圭一は半ば叫びながら引き金を引いた。三度目の乾いた銃声が響く。
銃口はしっかりとトータスの心臓へと向けられていた。いくら銃の素人とはいえ、これほどの至近距離で外す事はなかった。
実際に、弾丸はトータスの胸に向かって吸い込まれるように向かっていく。そして────命中した。

「そんな……嘘だろ……お前……」
圭一は目を疑った。夢でも見ているのだろうか。
意味が分からない。恐るべき現実が目の前にあった。銃弾はしっかりと、トータスの分厚い胸をとらえた。
確実に命中したはずだ。だが、何故かトータスはぴんぴんした状態で立っている。胸には傷一つ付いていない。

「驚いたか?正直言って、金属バットを持つ圭一君が相手だから、勝算の薄い戦いだった。
 だがお前の言うとおり、諦めさえしなければ何とかなる。諦めなかったおかげで今まさに、
 この俺の手の中に、勝敗の鍵である金属バットがある。残念だったな……」
目の前の光景に戦慄しながら、圭一は必死に思考する。

(まさか、外したのか?)
元々闇で視界が利かない。確かに間違いなく命中したように思えたが、
そもそも圭一は引き金を引いたあの時、大いに動揺していた。もしかしたら、万に一つ、見間違えるような事もあるのかもしれない。

トータスがまた一歩圭一に近づく。圭一は雄叫びをあげながら引き金を何度も引いた。
全弾トータスの胸に命中する。命中したように見える。しかし、トータスは少し顔をしかめる位で、
傷一つ負わず、ゆっくりと圭一との間合いを詰めてくる。圭一は銃に籠っている全ての弾を撃ち尽くした。
それでもトータスは死なない。傷一つ負わない。もう、弾は残っていない。

ふと、圭一はトータスの足もとに白いものが転がっているのを見つけた。
愕然とした。それを見た瞬間、圭一は全てを理解した。そうだったのか……

トータス……この男が拳銃で俺を撃ったのは今までに二度。どちらも弾丸は俺の体に命中しなかった。
あれはトータスが狙いを外したわけじゃなかったんだ。

────わざと狙いを外していたんだ!

地面にいくつも落ちている白いもの……それは、圭一が握りしめている銃に込められていたBB弾……!

「だから言っただろう?形勢逆転だと。その銃は本物じゃない。単なる玩具、エアガンだ。
 君が初めから持っていた金属バットこそが、この場における最強の武器だったんだ。
 本物の拳銃を持っていたなら、最初から使っている……」

圭一の全身に、もう一度悪寒が走った。今度はさっきのよりもずっとずっと酷い。震えが止まらない。

(そんな馬鹿な……!おっさんが拳銃を初めて出した時、俺は追い詰められたと思っていた……!
 だけど、実際は逆っ……!俺は最初から今までずっと、優位に立っていたんだ……!
 おっさんの演技に騙されたっ……!まさかのエアガンとか……なんて間抜けなんだよ俺はっ……!)

思い返してみれば確かにおかしい。本当に本物の拳銃を持っているのなら、初めからそれを使って圭一を脅せばいい話だ。
わざわざ肉弾戦に臨む必要なんてない。トータスは、ギリギリまで、エアガンを使うことを躊躇っていた。
何故なら、ばれたらお終いだから。元々トータスに武器なんてなかった。唯一持っているものが武器にならないエアガンだとばれてしまえば、
トータスに勝ち目はなかっただろう。だからこそ、トータスは苦戦を覚悟で、エアガンを最後の手段として隠し、いざ使った時も演技していた。
その覚悟の分、圭一はトータスに一歩及ばなかったのだ。

(夜の暗闇、森、ガチホモに襲われかねないという焦り、そもそも殺し合いに参加させられているという事実からくる恐怖……
 色々と精神的に追い込まれていた。だからって、だからといってエアガンを本物の銃と間違わなくったっていいじゃないか……
 一度気付けば明らかだ。銃声、銃の重量感、何から何まで玩具臭い……
 どうして俺は、この土壇場でこんな明らかな事実に気付けなかった……!? 間抜けすぎる!馬鹿すぎるぞ俺!)

「大人しく俺に肛門を差し出す気になったか?」
355逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:44:03 ID:UNtSccFT

もう圭一の目の前まで来ているトータスが、金属バットを油断なく構えて言う。
エアガンを握りしめて、圭一は憎悪を込めてトータスを睨みつけた。しかしトータスは涼しい顔をしている。もはや決着はついたのだ。
「俺の許可なしでぴくりとでも動いてみろ。頭蓋骨を砕いてやる。逃げられると思うなよ。俺は君を瞬殺出来る。一撃でな」
トータスの怪力なら、恐らくそんな事も可能だろう。

圭一の心音が次第に加速していく。もうトータスに勝てない事は明らかだ。圭一がトータスに勝てる道理が一つもない。
ただでさえ体格がずば抜けているトータスの手に、この場で唯一の武器が渡ったのだから。
故に圭一が思考するのは、勝つ方法ではなくこの場から逃げる手段。

(畜生……しかし……逃げるなんて出来るのか? 一つでも怪しい動きを見せたら、本当に頭蓋骨を砕かれるだろ。
 土くれをあいつの顔に当てた時みたいに口車に乗せて油断させれたら、なんとかなるかもしれないが、
 どうもそういう俺の領分が通用しそうにはない雰囲気。そういう小賢しい真似をしたら、トータスは絶対に疑う。
 以前俺の口車に乗せられているんだから、きっと前よりも慎重になっているはず……
 だけど、もし小細工が通用しないとなると本当に手の打ちようがなくなる……
 この場を死なずに切り抜けるには、もう、掘られるしか……)

想像する。トータスと絡み合う自分を脳裏で描いてみる。怖気が走った。嫌過ぎる。
絶対に嫌だ。プライドにかけて嫌だ。相手は女の子でないと嫌だ。絶対に。

必死に逃げる手段を考える圭一。何かトータスに隙はないか……隙……僅かな穴でもいい。
付け入る隙があれば……隙……クールに、クールになるんだ……俺っ……!

────その時、圭一に電流走るっ……!

天啓っ……!まさに天啓っ……! 圭一の脳裏に突如浮かび出た、トータスの決定的な隙っ……!

(大丈夫だ……トータスには自分で気づいていない隙がある。だから、金属バットによる一撃目は恐らく、避けられるかもしれない。
 だけど、二撃目は駄目!一撃目をかわして、そのまま必死に一目散に逃げきる事が出来れば……後は脚力の問題……!)

一撃目なら避けられるかも、というだけで、本当に避けられる保証はどこにもない。
だがこれに賭けるしかない。立場の悪い賭けかもしれないが、命を守り、尻の貞操を守るためには、絶対に勝たなければならない賭け。
やるしかないんだ、圭一は自分に言い聞かせる。

「このまま黙っていればなんとかなるんじゃないか、なんて考えてるんじゃないだろうな。
 そうはいかない。そう答えてくれ。俺とヤってくれるかどうか……」
「…………トータスさん、最後に言うけど……あんた本当に最低な人間だ!」

圭一、最後の挑発。それを聞いた途端、トータスの顔つきが変わった。
殺気を前面に出して、思い切りバットを振りかぶる。

「それが答えかッ!それじゃあ残念だが死姦だッ!」

トータスが力いっぱい金属バットを振るう。圭一が逃げつつ、避けの姿勢に入る。
なるべく身を縮めて、金属バットの軌道をしっかりと見極める。圭一には、一撃目なら避けられるという勝算があった。
それはトータスの右目の傷。一番最初に圭一がバットの柄をトータスの顔面に突き出して食らわせてやった傷だ。
右目の瞼は傷によって変色し、内出血で腫れている。きっとほとんど見えないはずだ。
人間は両目で見て初めて対象物との距離を測る事が出来る。片目では遠近感は掴めない。
何回か試せば慣れてくるかもしれない。しかし、有難い事にトータスは金属バットを手にしてからまだ一度も武器として使っていない。
だから、この一撃は慣れていない不安定な感覚の上での最初の一撃。トータスに練習でもされていたら終わっていたが、
遠近感を失った状態で、初めての攻撃だから絶対に隙がある。トータスがどう気を付けようとも、最初の一撃だけは不安定でちぐはぐな攻撃になる。
例えば、あらぬ方向を狙った一撃とか……
356逆境無類ケイイチ ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:45:44 ID:UNtSccFT

しかし────

(どうして……どうしてこの土壇場で!普通に俺の方に向かってバットが来てるじゃねえか!なんだこれ偶然か!?
 ふざけんなよ!常識的に考えておかしい!頭じゃなくて腕の方にだけど!でもそれでもどうして!
 もっと滅茶苦茶な所に向かって攻撃していても良かったのにッ!)

かわさなければならない。この一撃さえかわせば、トータスとの間合いを大きく開けられる。
それからなら、脚力にモノを言わせて逃げ切れるかもしれない。一撃目をかわして初めて可能性が生まれる。

バットが迫る。圭一が必死に身を捻る。

結果────バットは空を切った。


(二撃目は駄目っ……!トータスはきっと今の一撃に違和感を感じたはずだ!二撃目からは絶対に修正してくるっ……!)
バットを大きく振り切ったトータスから、圭一は全力で逃げた。すぐさま後ろからトータスが追いかけてくる。
ここからだ。ここからが真の勝負。逃げ切れればいいが、圭一の脚力がトータスのそれを上回っている保証などどこにもない。

「圭一くぅん!おっもちかえりして死姦してやるからさっさと死ね!」
「ふざけんなガチホモ野郎!!どこかで聞いたような台詞言うな!畜生……!
 どうして開始早々こんな目にっ……!」


逃げ切れさえすれば……バットの一撃が当たりさえすれば……
ここまできたら圭一は最後の最後まで絶対に諦めないだろう。そして、性欲しかないトータスもまた。
彼らは絶対に諦めない。戦いは次のラウンドへ。

【一日目/深夜/F-5】
【トータス藤岡@本格的!ガチムチパンツレスリング】
[状態]:健康、右目蓋に内出血、腹に打ち身傷
[装備]:金属バット
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)
[思考・行動]
基本:とりあえずいい漢を掘りたい
1:圭一を捕まえて掘る。手段は問わない

【前原圭一@やる夫スレ常連】
[状態]:健康
[装備]:エアガン(残弾数0)
[所持品]:基本支給品一式(パン残り2個)
[思考・行動]
基本:仲間を集めて対主催
1:トータスから逃げる。
357 ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/07(月) 16:47:26 ID:UNtSccFT
投下終了。書いていて、圭一がカイジみたいなキャラになってるなあとなんとなく思ったので、こういうタイトルにしました
358創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 16:51:00 ID:2KEg4+XV
投下乙
何というガチホモ……
359 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/07(月) 23:15:00 ID:2KEg4+XV
これより僕の考えた狂人ロワ第1話を投下します
360第1話前の前提 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/07(月) 23:15:40 ID:2KEg4+XV
トランキライザー【tranquilizer】

精神的興奮をしずめ不安などを緩和する薬の総称。精神安定剤。メジャートランキライザーも含まれるが、主にマイナートランキライザーをさす。

◆◆◆

20XX年、世界はトランキライザーに包まれた。
空気中のトランキライザー濃度は2%に達し、あらゆる人間の精神は穏やかになったかのように見えた。
当然、人類は死に絶えてはいなかった。

『計画』は全ての悪心を消し、世界は人類史上類を見ないほどに平和な時代になっていた。

……ああ、またなんだ。すまない、また世界観の説明なんだ。
OPの前提では、狂人ロワの世界観をアバウトに説明したと思う、今回の前提ではもうちょっと『人類精神安定化計画』について詳しく踏み込んでおこう。


トランキライザーというものがある、精神的興奮をしずめ不安などを緩和する薬の総称だ。
もし、コレを健常な人間が常に服用し続けていたならばどうなるだろうか?
詳しいことは言えないが、どれもきっと人体に悪影響があるだろう。
さてその問題を解決して作られたのが『ナイ教授』の開発した、この『サクラメント』である。
基本的に無害で、吸引しただけで人間の精神を穏やかに、理想的にしてくれる上に、生産コストも安い。

さて『人類精神安定化計画』とは何なのだろうか?
前述の北斗の拳のパク……オマージュ文章と、明らかに関係を匂わせている『サクラメント』、この二つの情報から判断される『人類精神安定化計画』とは……

      ,.ィ , - 、._     、
.      ,イ/ l/       ̄ ̄`ヽ!__
     ト/ |' {              `ヽ.            ,ヘ
    N│ ヽ. `                 ヽ         /ヽ /  ∨
   N.ヽ.ヽ、            ,        }    l\/  `′
.  ヽヽ.\         ,.ィイハ       |   _|  つまり『人類精神安定化計画』とは
   ヾニー __ _ -=_彡ソノ u_\ヽ、   |  \   世界中に『サクラメント』をばら撒く計画だったんだよ!
.      ゙̄r=<‐モミ、ニr;==ェ;ュ<_ゞ-=7´ヽ   >
.       l    ̄リーh ` ー‐‐' l‐''´冫)'./ ∠__  
       ゙iー- イ'__ ヽ、..___ノ   トr‐'    /    
       l   `___,.、     u ./│    /_ 
.        ヽ.  }z‐r--|     /  ト,        |  ,、
           >、`ー-- '  ./  / |ヽ     l/ ヽ   ,ヘ
      _,./| ヽ`ー--‐ _´.. ‐''´   ./  \、       \/ ヽ/
-‐ '''"  ̄ /  :|   ,ゝ=<      /    | `'''‐- 、.._
     /   !./l;';';';';';';\    ./    │   _
      _,> '´|l. ミ:ゝ、;';';_/,´\  ./|._ , --、 | i´!⌒!l  r:,=i   
.     |     |:.l. /';';';';';|=  ヽ/:.| .|l⌒l lニ._ | ゙ー=':| |. L._」 ))
      l.    |:.:.l./';';';';';';'!    /:.:.| i´|.ー‐' | / |    |. !   l
.     l.   |:.:.:.!';';';';';';';'|  /:.:.:.:!.|"'|.   l'  │-==:|. ! ==l   ,. -‐;
     l   |:.:.:.:l;';';';';';';';| /:.:.:.:.:| i=!ー=;: l   |    l. |   | /   //
       l  |:.:.:.:.:l;';';';';';';'|/:.:.:.:.:.:.!│ l    l、 :|    | } _|,.{::  7 ))
        l  |:.:.:.:.:.:l;';';';';'/:.:.:.:.:.:.:.:| |__,.ヽ、__,. ヽ._」 ー=:::レ'  ::::::|;   7
.      l |:.:.:.:.:.:.l;';';'/:.:.:.:.:.:.:.:.:.|. \:::::\::::: ヽ  ::::::!′ :::|   .:/
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じ‐さつ【自殺】

[名](スル)自分で自分の命を絶つこと。⇔他殺。

◆◆◆

F-5の平野にて、天を仰いで嘆く男が一人。

(ああ!神よ!俺は本来ならば城と言っても過言ではない、素晴らしく美しい自室で死ぬ予定だったんだ!
この殺し合いになど巻き込まれなければ、自分で自分の人生を華々しく終わらせているはずだったんだ!
ああ……自殺……自殺……自殺……自殺!
んああ!何という素晴らしい響きだろうか!自殺!
上から読んだらジサツ!下から読むとツサジ……何だツサジって!何だよおい!)

男の患者名は『自殺志願者』、文字通りの自殺志願者である。
ただ、彼の自殺願望は生への絶望から来るものではなく、ただ死にたいというわけではない、
彼は自分が最高の状態で死ぬことに魅力を感じているのだ。

そんな彼がこの様な殺し合いに参加させられた時、何を考えるのだろうか?

(…………まぁ、色々喚いてもしょうがないよな。
とりあえず……どう動くかだが、どうせ死ぬのに他人を殺して回るっていうのは倫理観に反するし、
もし優勝して『精神科医』になったとしても仕事が忙しくて死ぬ暇が無くなりそうだ。 
……うん、決めた。俺の自殺を邪魔したこの殺し合いをぶち壊そう。
そして、あのむかつく笑みを浮かべた『精神科医』をぶち殺して最高にハイになった所で飛び降り自殺だ。
うん、そっちの方がいいかもしれないな。逆境からの復活!そして自殺!
案外、最初に予定していた自殺よりも良いシチュエーションかもしれないぞ!
よし、行動方針は決まった!いっちょ死ぬために頑張ってみるか!)

当然、より良い自殺の方法である。

「さて、それじゃあ頑張ってみますかね。素晴らしき死のために!」
自らの決意をより強固にする為、彼は大声で叫んだ。


こうして何かが間違っている、彼の自殺への戦いは始まった。

【一日目/深夜/F-5】


【自殺志願者】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、不明支給品1〜3
[思考・行動]
基本:自殺する為に、生き残ってこの殺し合いを終了させる。
1:首輪外したいな、自分の死ぬタイミングを勝手に決められるのは不快でしょうがない。
2:仲間が欲しいな、3人よれば文殊の知恵とも言うし。
3:あまり人は殺したくないな、殺すときは殺すけど。
362 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/07(月) 23:18:47 ID:2KEg4+XV
投下終了
しばらくはマトモな文章を書くためのリハビリになりそうです
363創る名無しに見る名無し:2009/12/08(火) 01:05:50 ID:I3q/wDce
投下乙
これは面白い、変な奴等しかいないロワか。期待してます。
364 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:44:53 ID:PGGa4K2D
投下乙ですw 「自殺する為に生き残る」とは、
中々不可解な矛盾を抱えたお方だ。期待。
では俺も個人趣味ロワ第8話「乱れよ、凄絶に」投下します。
登場:ノーチラス、早野正昭。

こんかいは ぬればみたいなのが あるよ!
365乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:47:31 ID:PGGa4K2D
8話「乱れよ、凄絶に」

エリアD-2に存在する10階建てのホテル。
8階の802号室に、学生服を着た茶色い毛皮を持つ狼獣人の青年がいた。

ノーチラスは、自分が今、なぜ生きているのかを考える。
と言うのも、彼は一度死んだはずだった。こことは違う、別の殺し合いで。
死ぬ瞬間の、自分の心臓の音が消え、音が何も聞こえなくなり、
自分の全てが永遠に静止するあの瞬間の事は、今もはっきりと、鮮明に覚えている。
だが、現にこうして今自分は生きて、呼吸をしており、ホテルの一室のベッドに腰掛けている。
そして、今度は別の殺し合いの参加者になり、
首にはデザインこそ違えど、前回のそれと同じ機能を持った首輪もはめられている。

「参ったな。また殺し合いをする事になるとは」

ベッドに寝転がり天井を見上げながら嘆息を漏らすノーチラス。
自分だけでは無い、他にも数人のクラスメイトがこの殺し合いに参加している。
エルフィ。同じクラスメイトの間由佳に殺されかけていたのを自分が助け、途中まで行動を共にしていた。
途中で現れ去って行ったエヴィアンを追って、それっきり。二度と再会する事は無かった。
まあこの殺し合いの開催式で再会したのだが。
他にもクラス委員の猫族のサーシャ、やや攻撃的な性格の猫族ハーフのシルヴィア、
パソ通として有名な狐族のフラウ、テニス部所属のイケメンだがあまり良い噂を聞かない太田太郎丸忠信、
明るく馬鹿ばかりやってた森屋英太、陸上部のエース北沢樹里、どうも異様な雰囲気の吉良邑子がいる。
クラス全員では無く、自分を入れて9人、しかも獣人寄りというのは何か意味でもあるのだろうか。

「まあ細かい事はいいか。とにかく、また殺し合いって言うなら、俺はやるべき事は決まってるな」

ノーチラスはベッドに横たえていた身体を上半身だけ起こし、自らの決意を述べる。

「殺し合いはしねぇ。何とかして、このゲームから脱出してやる」

前回の殺し合いでも、彼は殺し合いに乗る事を拒否した。
今回もまた然り、彼は再び与えられた生を以て、再び殺し合いに抗う事を宣言する。

「そういや、支給品の確認がまだだったな」

ノーチラスはベッド下に置いてあった自分のデイパックを拾い上げ、
ベッドの上に胡坐をかきながら、デイパックのチャックを開け中身を取り出す。
地図と名簿、メモ帳、ボールペン、説明書らしき紙がセロテープで貼り付けられた小さな端末機、
電池式ランタン、2Lペットボトル入りの水二本とコッペパン四つ。
基本支給品は以上。前回の時はあったコンパスと時計が無かったが、
どうやら小さな端末機がその役割を果たしてくれるらしい。その上現在位置も分かるようだ。
そして重要なランダム支給品。
366乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:48:11 ID:PGGa4K2D
「おお、銃か。ラッキー」

それは目が覚めるような深い青色に塗装された自動拳銃と、その予備のマガジン5個だった。
説明書によれば、この青い拳銃は「コバルトアロー」という名前で、
レイ・ブランチャードという人物が自作した二丁拳銃の片割れとある。
名簿を見てみると同姓同名の名前が確認出来た。

「この人のなのか? 悪いけど、有り難く使わせてもらうぜ」

前回の支給品、金属バットより何倍もマシな支給品に気を良くするノーチラス。

「ん?」

ノーチラスはデイパックの奥に別の何かを発見する。
どうやらもう一つランダム支給品があったようだ。

「……エネマグラ??」

取り出した「それ」のパッケージに書かれていた名前と、「それ」の外見及び形状に、
ノーチラスは首を傾げる。
先程のコバルトアローのようにセロテープで説明書は添付されておらず、
代わりにパッケージの中に、恐らく元々の説明書が入っていた。
パッケージを開封し、エネマグラという名前の謎の器具と説明書、そして同じく入っていたミニサイズボトルのローションを取り出す。
そしてノーチラスは説明書を開き、内容に目を通し始めた。

「………………………………………………………………!!」

説明書に書かれている内容を目で追って黙読していくノーチラスの目の色がどんどん変わっていった。


〜十数分後〜
367乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:49:49 ID:PGGa4K2D
「ひぃっ…ん……くうっああああアアアアアアアアッ――――――!!
はあああっ……らめええええ!! 死ぬう!! 気持ち良過ぎて死んじゃうううう!!」

そこにはベッドの上で、全裸になり、身体を大きく仰け反らせ、両目から涙を、口から涎を垂れ流し、
左手で自分の尻を、右手で自分の大きく硬化したデリケート・ゾーン・ジュニアを握り締める茶色の狼獣人の青年の姿があった。
デリケート・ゾーン・ジュニアも大号泣している。なぜだろう?

ノーチラスはエネマグラの説明書を読み終えるなり、早速実践に取り掛かった。
衣服を全て脱ぎ、説明書通りにエネマグラを使用した。
その結果、彼は自分の体力が続く限り絶え間無く襲い来る絶頂地獄にはまってしまい、
泣き叫び、悲鳴にも似た嬌声を大声であげながら悶え苦しみ、のた打ち回っていた。

「アッ―――――!! アアアアッ―――――!!! ヒイ―――!!
アォォォォオオオオオォォォオオオオオオォォオオオオオオン!!!」

最早今の彼の思考の中に「殺し合いからの脱出」「クラスメイトの捜索」「首輪を外す手段の模索」と言った、
正常な思考は微塵も残っていないと思った方がいい。
勿論「大声を出したら危険」という事も、今の彼は失念している。
ただ、今まで感じた事の無い、狂おしいまでの快感を味わい続けるのみ。

「ハァーッ! ハァーッ! あっあああああ゛っあああアアアアア゛!? またっ、来っ」

そしてノーチラスに何度迎えたか分からない「波」が、再び、押し寄せる。



「――――――――――――――――――――ッッッ!!!!!???!」



もはや声にならない、絶叫が部屋に響く。
身体を激しく痙攣させ、ノーチラスは完全に白目を剥き、激しくベッドの上をのた打ち回る。

「……あはっ、あへ、ヒャハハハハハ……さいこおおお……!! ふへっふへへへっ。
やっ、ああああアアアアッがっアアアアアアアアッ――――――!!」

再び悶絶するノーチラスの目からは完全に光が消え、瞳は焦点が定まらず、
だらしなく舌と涎を流し笑い始める始末。

彼はしばらく元に戻れそうに無い。
368乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:51:32 ID:PGGa4K2D
◆◆◆

ノーチラスがいる部屋がある8階とは別の階、5階の506号室に、別の参加者がいた。
水色のパーカーに灰色のカーゴパンツを着用した、まだ少年に見える顔付きの青髪の青年。名を早野正昭と言った。

「現実感わかないなぁ。昨日はいつものように家で眠ったはずなんだけど、
起きたら『殺し合って下さい』だなんて」

机の椅子に腰掛けながら、現状に対し不平を言う正昭。
既に支給品は確認してある。名簿には自分の知り合いの名前は見当たらず、
地図とデバイスで現在位置はD-2ホテルだと言う事が分かった。
ランダム支給品は二つ。アイスピックとアルミ製の鍋の蓋だった。
アイスピックは辛うじて武器として使えそうだが、鍋の蓋は一体どうしろと言うのだろうか。

「それにしても首輪かぁ……厄介だな。内部構造さえ分かれば、何とか出来そうなんだけど」

自分の首にはめられた冷たい金属製の首輪を指で触る正昭。
彼は、精密機械の部品や構造に関して非常に豊富かつ高度な知識を保有していた。
普段の日常生活においても、精密部品製造工場に勤務し、その知識を如何無く発揮している。
なので彼は首輪を解除する自信があった。勿論、内部構造が把握出来れば、の話だが。
自分の首輪で試すのは非常に危険だった。主催者であるセイファートは「無理に外そうとしても爆発する」と言っていた。
首輪を爆破され、鮮血を撒き散らして死んだ男のようにはなりたくない。
ならばどうにかして別の参加者の首輪を手に入れる必要がある。
しかし首輪はどうやっても外れないため、首を切断でもしない限りは参加者の身体から剥ぎ取るなどという芸当は不可能だろう。
となると首輪は死亡した参加者から入手する、と言う事になるが、そこが問題であった。
正昭自身は殺し合いに乗る気など全く無いし、人を殺すのも嫌だったからだ。

「どうしたもんかなぁ……はぁ……」

椅子の背もたれに背を預け、両手を後頭部の所で組んで溜息をつく正昭。

「とにかく、しばらくはこの部屋にいよう。下手に動くと危ないし」

武器も貧弱なので、殺し合いに乗っている者に襲われたら一溜りも無い。
正昭はしばらくこのホテルの一室に留まる事にした。
369乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:53:13 ID:PGGa4K2D
【一日目/深夜/D-2ホテル】

【ノーチラス@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:全裸、強力過ぎる快楽による精神崩壊、ドライオーガズム中
[装備]:エネマグラ
[所持品]:基本支給品一式、コバルトアロー@オリジナル(14/14)、
コバルトアローの予備マガジン(5)、ミニローション(残り48ml)
[思考・行動]:
0:(思考不可能)
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※D-2ホテル8階802号室にいます。ノーチラスの大声は部屋のすぐ外の廊下、802号室の入口付近にしか漏れていません。
※精神崩壊しましたが、オーガズムが終われば治ります。

【早野正昭@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、アイスピック、鍋の蓋
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。人も殺さない。首輪を外す。
1:首輪のサンプルが欲しい。
2:しばらくこの部屋(D-2ホテル5階506号室)
[備考]:
※D-2ホテル5階506号室にいます。
370乱れよ、凄絶に ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:54:14 ID:PGGa4K2D
≪オリキャラ紹介≫
【名前】早野正昭(はやの・まさあき)
【年齢】21
【性別】男
【職業】精密部品工場勤務
【性格】温厚だが行動力はある
【身体的特徴】青髪。少年のような童顔で中肉中背
【服装】水色のパーカーに灰色のカーゴパンツ
【趣味】ツーリング
【特技】機械の精密機器に詳しい
【経歴】小学2年の時に野良犬に左手を噛まれ、今でも傷が残っている
【備考】大抵の精密機械なら、基盤や多少の内部構造を見れば、どうにでもいじる事が出来る。
童顔で、中学生ぐらいに間違われるのがちょっと悩み


≪支給品紹介≫
【コバルトアロー@オリジナル】
ガンナーであるレイ・ブランチャードが愛用する二丁拳銃の内の一つ。
レイが自作し、青色に塗装された大型自動拳銃で、45ACPに酷似した実弾を使用する他、
レイ自身の魔力を弾丸にして発射する事も可能。
但しレイの魔力しか受け付けないようにセッティングしてあるので、
レイ以外の魔力を持った者や、魔力を持たない者が使用する際は実弾射撃しか出来ない。
ダブルカラムを採用し装弾数は多め。

【エネマグラ】
前立腺をマッサージするための器具。
元来は医療目的のために開発されたが、前立腺を刺激する事で多大な性的快感を得られるという事実が広まり、
「大人の玩具」としての側面も持つようになった。
実体験談によると、余りの快感に、泣き叫んだり、気絶する事もあるとか。

【アイスピック】
氷を割るための調理器具。先端が尖った太い針のような形状で、刺突に使う事も出来る。

【鍋の蓋】
アルミ製の鍋の蓋。映画版「バトルロワイアル」では七原秋也が盾のように使っていたが……。
371 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:56:20 ID:PGGa4K2D
投下終了です。この展開をやりたいがためにノーチラスを出したとも言える。
夜って気が昂るよね。反省はしていない。
372 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/08(火) 01:57:41 ID:PGGa4K2D
ノーチラスの状態表:備考に

※ノーチラスの衣服は802号室内に散乱しています。

を追加します。
373 ◆.maUtDwYFk :2009/12/08(火) 02:26:25 ID:8p24xCFe
お二方とも投下乙でしたー

>>死にたいんじゃなくて自殺がしたい
それを一般には死にたいと(ry
しかしこいつ他人に殺されるかもしれねえこと考えてねえwwwお前の理屈だとそれはなによりヤバイことなんじゃないかとwwww

>>乱れよ、凄絶に
獣人が精神崩壊間際までよがり狂うとは……!深夜のテンションとは恐ろし(ry
ただエロくないよねw

ではオリ二つ名ロワ、第二話 断罪 投下します
登場:植木桃子(女子3番)
374 ◆.maUtDwYFk :2009/12/08(火) 02:28:20 ID:8p24xCFe

うなじに僅かにかかった短い髪をかき上げながら、はるか遠くへと広がる水平線を眺める女子生徒が居た。
少女は冷ややかな目で壮大な海を眺め続ける。
その目には今ここにいない誰かを見下すような色が多分に含んでいる。
彼女の名は植木桃子(女子3番)、元・演劇部部長でクラスでも一ニを争うほど気難しい生徒だ。
勝気で高慢で自尊心が高く、弱者へ哀れみを向け強者へ敵意を向ける、気の難しい少女。
自他共に厳しい性格の持ち主だが、不正を許さない正義の人でもあった。
下級生の万引きを見かけた際に、鉄拳で相手の前歯を折ったというエピソードを持つほどである。

その桃子にとってこの殺し合いは許せるものではなかった。
命を粗末にしてはいけない、人を傷つけてはいけない、小学生にだって分かる理屈だ。
聖職者であるべき教師がそれを破ったのだ。
桃子はあんな悪に教えを乞いていたと思うと自分が情けなくてたまらなかった。

「村越一……屑そのものね」

汚物を見た際に唾を吐くような機嫌の悪さでつぶやく。
村越一、もはや先生をつけて呼ぶ必要などない。あれは『悪』だ、紛れが一切ない悪そのもの。
しかも村越単独での行動でなく、副担任や校長すらも絡んでいると言うのではないか。
まさかこんな近くに悪がノウノウと生きていたとは、桃子の胸中は歯がゆさでいっぱいであった。
断罪しなければいけない。桃子のポリシーが悪だと決め、桃子のポリシーがそう断罪すると決めた。
教師だけではない、薄汚いクラスの不良どももそうだ。
清潔感とは程遠いあの汚らしい者は必ず力の弱い生徒に牙を向く。

そう、例えば同じ演劇部の棚橋玲奈(女子11番)のようなか弱い生徒に。

棚橋玲奈は中学に入った時に同じクラス同じ部活ということで桃子とはかなり仲が良い。
付き合いづらいタイプの人種である桃子にも嫌な顔ひとつせずに共に居た。
この学校でもっとも桃子と近しい人間。
そして、玲奈は人間どころか虫一匹殺せないようなおとなしい人間だ。


ならばやるべきだ、今こそが玲奈のような力無き弱者の剣となる時なのだ。



「変――――――」



右手を天高く捧げ、左手を腰に当てる。
さながら天空にそびえる月を、いや天空自体を掴むような大仰な仕草。
そして、僅かにピタリと動きを止め、一秒ほどで直ぐに動き出す。
開いていた手は拳の形に強く握り締め、右手をシャンと右へと向かい伸ばし、素早く腰へと持っていく。
そして腰に固定していた左手を天空へと掴むように伸ばす。
これは予備動作に過ぎない。
桃子の超能力【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】を使うために必要な動作なのだ。
最後に一言、溜めに溜めた言葉を発すれば彼女の能力は発動する。
彼女は天空をじっと見つめていた視線をゆっくりと正面へと下ろしていき。




「――――――身」



そのキーワードを意思の強い語調で発した。

375断罪 ◆.maUtDwYFk :2009/12/08(火) 02:29:23 ID:8p24xCFe

桃子が一瞬だけだが、全身から光を発する。
その光は刺々しく、見るもの全てから世界を消すような光だ。

そして光が消えたときには、すでに彼女の姿はなかった。
意思の強いきりっとした釣り目、機能性を重視した紙、中性的な凛々しい表情。
彼女を彼女として示す全てがそこにはなかった。

代わりに立っていたのは一人の漆黒と僅かに桃が混じった騎士のような何か。
真っ黒な全身を覆う鎧と言うよりも、ぴっちりとしたスーツと言った方がしっくりとくる。
そのスーツは機能性を重視していると言うよりは、子供向け番組に出るキャラクターのような安っぽいものだ。
だが、桃子はこれを好んでいた。
それでいい、子供の英雄にも成れない騎士に存在する意味などない。
【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】、かつてテレビの先に居たヒーローになれる能力。
そう、ヒーローショーを見に行った際に、うっかり転んで車に引かれそうになったときに、身を体して守ってくれたあのヒーローに。
桃子が演劇部に入っているのはその思い出が今も残っているためだ。
あのような人になりたい。人を守れる、子供の憧れに成りたい、そう思ったから。

そう、あの時の桃色のスーツを着た、あの綺麗な女性のように。

桃子はあの女性をもはや崇拝していた。
あんな人になりたい、その一心で努力をし続けた。
体の線が醜くならないように慎重に鍛え続け、頭脳も常に学年上位で居るように寝る間も惜しんで勉学に励んだ。
演劇部でも浮いている、と思えるほどにのめり込んだ。全てはあの女性に近づくために。
別にその中の人が運動神経バツグン、頭脳明晰というわけではない。
桃子の頭の中でそういう像が勝手に作られていたのだ。

そして今、桃子はこの殺し合いの中でも素体能力だけならばトップクラスに入るほどの超人となっている。
だが、桃子は率先として殺し合いに乗るつもりはない。
それは正義ではない、それはあの女性のやり方ではない。
彼女がやること、それはこの地獄を開いた者たちへの断罪に他ならない。

愚者の牙はもぎ取らなければいけない。
今の彼女は無力な女子中学生ではない、力を持った一人の執行官だ。
牙無き弱者の牙となる、執行官なのだ。
変身した際に共に作られた腰元の剣を手にとり、水平線へと向けて真っすぐに差し出す。
そして、大声で、ともすれば演技がかったとも取れるほどの口調で宣言した。

「全ての悪を断罪する! 悪を断つ我が剣に一切の曇り無し!」
376断罪 ◆.maUtDwYFk :2009/12/08(火) 02:30:08 ID:8p24xCFe
【一日目/深夜/E−6崖】
【植木桃子 女子3番】
【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】
[装備]:執行官の剣
[所持品]:支給品一式、不明支給品
[状態]:漆黒をベースに桃色の装飾が入ったスーツ
[思考・行動]
0:村越一ら教師を断罪する。
1:この殺し合いに愚かにも乗った愚図を断罪する。
2:棚橋玲奈ら、力無き弱者のための剣となる。

女子3番 植木桃子 【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】
変身能力、身体能力が大幅にアップする。
それ以外にもなにか効果があるかもしれない、今は秘密。

   <<変身講座>>

 右手を上空に捧げて、左手を左腰に。
⇒素早くヘソの前まで振り下ろして、直ぐ様右へと真っすぐと右腕を伸ばす。
⇒代わりに左腰においてあった左手を上空に、そして前を見て『変身』と唱える。

これで君も直ぐに【昏迷執行官(カレイドスコープペナルティ)】だッッッ!!!!!
377 ◆.maUtDwYFk :2009/12/08(火) 02:31:04 ID:8p24xCFe
投下終了です、超能力とはちょっとちがくね?というツッコミは受け付けない
378 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/09(水) 23:58:39 ID:qTj2pGUG
需要なし、むしろ-の自己満足ロワ始めちゃいます。

【メタルギアソリッドシリーズ(2/2)】
○ソリッド・スネーク ○雷電
【本格的 ガチムチパンツレスリング(4/4)】
○ビリー・ヘリントン ○木吉カズヤ ○鎌田吾作 ○ヴァン・ダークホーム
※板対抗バトルロワイアルからの参加者はhttp://wiki.livedoor.jp/br_wiki/を参照
【板対抗バトルロワイアル(14/14)】
○めろりん ○田鼠 ○vもんが ○◆PURIN//46E ○おおつか ○07 ○不死鳥
○穴 ○◆Right//mko ○霜月 ○下痢 ○さけ ○あほこちゃん ○gumi
【ニコニコ動画(3/3)】
○イチロー ○阿部高和 ○チルノ
【MUGEN(1/1)】
○カンフーマン
【SIRENシリーズ主人公(2/2)】
○須田恭也 ○一樹 守
【かまいたちの夜(3/3)】
○矢島透 ○小林真理 ○美樹本洋介
【テラカオスバトルロワイアル(2/2)】
○◆6/WWxs9O1s ○513
【オリジナル(2/2)】
○野村和也 ○守谷彩子

【見せしめ要員】
○野比玉子

【主催】
○謎のプログラマ(板対抗BR) ○?(?)
379 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 00:02:13 ID:DY739QdI
【ルール】
全員で殺し合いをし、最後まで生き残っていた人が優勝。
優勝した人物だけ、元の世界に帰ることが出来る。また願いを1つかなえてもらえる。
ゲームがスタートすると、参加者は会場にランダムワープ。
参加者全員死亡の場合、ゲームオーバーとなる。
禁止エリアは毎回の放送で決められる。(6時間ごと、0時、6時、12時、18時、24時)
首輪に強いショック、または無理やり外そうとすると爆発。どんな状態であろうと死亡する。
【作中での時間表記】(0時スタート)
 深夜:0〜2
 黎明:2〜4
 早朝:4〜6
 朝:6〜8
 午前:8〜10
 昼:10〜12
 日中:12〜14
 午後:14〜16
 夕方:16〜18
 夜:18〜20
 夜中:20〜22
 真夜中:22〜24
380 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 00:03:09 ID:DY739QdI
スタート時の持ち物
 「デイパック」→支給品一式が入ったリュック。明らかに容量オーバーな物でも入るようになっている。
 「地図」 → 普通の地図。大まかな地形と、主要な建造物の位置が記されている。
 「コンパス」 → 普通のコンパス。東西南北がわかる。
 「筆記用具」 → 普通のボールペンとノート。
 「水と食料」 → 成人男性で二日分。食料の内容に関しては、参加者によってランダム。
 「名簿」→全ての参加者の名前が羅列されている(顔は載っていない)。アイウエオ順で掲載。
 「時計」 → 普通の腕時計。時刻がわかる。
 「懐中電灯」 → 普通の懐中電灯。
 「ランダムアイテム」 → 何かのアイテムが1〜2個入っている。内容はランダム。
381 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:20:42 ID:GhRklap0
>>377
強化系能力は欠かせないよね
投下乙です

>>378
イチロー……だと……
新ロワ期待しております

投下しても大丈夫でしょうか?
382 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 00:23:17 ID:clkM7RE0
>>377投下乙です。うーむ、戦国BASARAの浅井長政を思い出した……。
その正義、間違わずに進んでくれ。

>>新ロワktkr! 期待です!

では自分も個人趣味ロワ第9話「鼻毛な奴ら」投下します。
登場:大沢木小鉄、石川清憲
383創る名無しに見る名無し:2009/12/10(木) 00:23:36 ID:mVmzEJQX
TDNコスギではなくVAN様だと……
これは期待!
384 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 00:24:30 ID:clkM7RE0
って被ってしまいましたね。
◆fRBHCfnGJI氏お先にどうぞ!
385 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:25:04 ID:GhRklap0
>>384
ではお先に投下させて頂きます
386第2話前の前提 ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:26:06 ID:GhRklap0
ふく‐さよう【副作用】

薬物の、病気を治す作用とは別の作用。有害なことが多い。「―を伴う特効薬」

◆◆◆

20XX年、平和な世界に突如異変が訪れた。
吸引した『サクラメント』が異常反応を起こし、
肉体面精神面に於いて異常が確認された人間、通称『狂人』が誕生したのである。

突如発生したこの問題に対し、
『精神病院』は予想していたかのように『狂人』及び、その予備軍の『診断』と『治療』を行っていった。

だが、この世界における『狂人人口』は軽度重度合わせて、推定3億人ともいわれており、
未だ『狂人』の全てに対する『治療』が終わっていないのが現状である。

また、『狂人』の中には『能力』と呼ばれる異能の力を扱う者が確認されており、
『一般市民』の安全の為にも『狂人』の『治療』は必須であると考えられる。
387ハレルヤを皮切りに ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:26:50 ID:GhRklap0

さつじん‐き【殺人鬼】

平気で人を殺す残忍な人間を鬼にたとえていう語。

◆◆◆

「――Hallelujah,――――――」
崖に隣接した平野にて、テナーの美しい聖歌が響いていた。
殺し合いの最中だというのにその袈裟を纏った男は気にせず、
まるで、ただ歌うためだけにここに居るかの様な、そのような様子でただただ唄っていた。

「…………」
その歌声を聞きつけたのだろうか、フードを被った若い男が唄う男の元へとゆっくりと歩いていった。
「……何をしているんだ?」
まるで世間話でもしているかの様に男は気軽に話しかける。
「みりゃ、わかるだろ?唄っていたんだ」
「見かけからするとアンタは坊主のようだが、ハレルヤ何て唄って良いのか?しかも、こんな殺し合いの中で」
そう言うと、坊主は笑って返した。
「人生はチャンポンさ、『狂人』が殺し合いの中でハレルヤを唄うぐらいのサプライズが有っても良いだろ?
それに、食いたいから食う、飲みたいから飲む、唄いたいから唄う。人生なんてそんなもんだろ?」
その言葉に、フードの男の顔にも自然と笑みが浮かんでいた。
「面白い坊主だな、アンタは……」

パァン

そして、乾いた銃声が一つ、坊主の命を奪った。

「そんな面白いアンタと…………もう少しお近づきになりたくなった」

銃を持ち、笑みを浮かべる男の患者名は『皮を剥ぐ殺人鬼』といった。
名前通りの殺人鬼である。
388ハレルヤを皮切りに ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:27:52 ID:GhRklap0






引き金が引かれて数分ほど経っただろうか、『皮を剥ぐ殺人鬼』は包丁を片手に作業を始めていた。
じゃがいもの、人参の、太ったアヒルの調理準備をするかのごとく、剥いていたのだ。

何を?皮を。
誰の?人の。
何で?趣味だから。





数十分が経過し、『皮を剥ぐ殺人鬼』の足元には筋繊維剥き出しの人間だった肉が置かれていた。
「…………」
(何時からだっただろうか?自分の人生を異常につまらないモノだと感じるようになったのは。
何時からだっただろうか?他人の人生というモノに羨望を抱くようになったのは)

当然だが、その肉に皮は無かった。
だったら、剥がれた皮は何処にあるのだろうか。

(何時からだっただろうか?衝動が抑えきれないようになっていったのは。
何時だっただろうか?初めて人の皮を剥いだのは)

皮は――『皮を剥ぐ殺人鬼』に文字通りの意味で被られていた。
人の皮を被った鬼というのは、まさにこの事を言うのだろう、
『皮を剥ぐ殺人鬼』の表情も皮膚も何もかも、ダボついた坊主の皮によって隠されていた。

(何時だっただろうか?他人の皮を被る事で、その人間の人生がわかることに気づいたのは。
何時だっただろうか?殺人に対する忌避感が完全に消えたのは)





数分が経過すると、『皮を剥ぐ殺人鬼』は再び歩き始めていた。
彼にしてみれば、殺し合いなど普段の行為の延長線上に過ぎない。
悩む必要も、怯える必要も無く、ただ他人の人生をいつもより多めに楽しむだけ。


「精々、楽しませてくれよ……」

フードに隠された『皮を剥ぐ殺人鬼』の表情は、
この世界に居るどのような人間ともかけ離れているように見えた。
389ハレルヤを皮切りに ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:28:36 ID:GhRklap0


【ハレルヤを唄う坊主 死亡】

【一日目・深夜/B-2】


【皮を剥ぐ殺人鬼】
[状態]:健康
[装備]:ハッピートリガー
[所持品]:基本支給品一式、ハッピートリガー、ナイフ、不明支給品1〜3(本人確認済み)
[思考・行動]
基本:皮の為に殺して回る
1:メスが欲しいので病院に行く

【ハッピートリガー】
装弾数7発の小型拳銃。
手ブレ補正機能があるので初心者でも簡単に楽しく人を射殺できる。
390ハレルヤを皮切りに ◆fRBHCfnGJI :2009/12/10(木) 00:29:27 ID:GhRklap0
投下終了
やっと……次で能力者が出せる……
391 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 00:42:44 ID:DY739QdI
遅くてすみません

【地図】
 1 2 3 4 5 6 7
A海海港道道道駅
B海工森湖道森舗
C海森村駅畦森舗
D海竹丘林舗街遊
E灯道道道舗高病
F海街道森舗舗街
G海林道道駅山山

道=田舎道
舗=舗装された道
畦=獣道に近い道
港=港から港に船で移動できる。
遊=遊園地跡。
工=工場跡。
山=それなりに高い山。道具があれば3-4ます先も見えるかも
丘=丘。辺り1マス分程を見回せる高さ。
灯=灯台。上まで登れば遠くまで見える?
駅=電車経由で他のエリアへ行ける。
森=森。他の参加者が見えづらい。
林=森ほど木は生えてないが、見通しはあまり良くない。
竹=竹が多く生えている。見通しの良さは林位。
街=家が多く立ち並んでいる。
村=無人の村。家は少々いたんでいる。
高=高層ビル群。中には企業のオフィスなどがはいっている。
病=病院。包帯や消毒薬など、治療に役立つ物が置いてある。

駅:電車は1時間に2本。全ての電車がだいたい10分程度で次の駅につく。
A-6からG-5へ
G-5からC-4へ
C-4からA-6へ
港:2時間に1本。港から港まで約4,50分程?
どちらも、乗物に乗っている間は禁止エリアの影響は受けない。
その他の施設
D-6:ショッピングモール
B-4:広い湖(近くに小屋あり)
?-?:伝説のコンビニ
※伝説のコンビニについて
マップ上の何処かにあり、見つけると強力な武器がはいっているデイパックがもらえる。
だが、稀に爆発するものもあり、それに当たれば致命的なダメージをくらうことは避けられない。
392 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 00:58:01 ID:clkM7RE0
投下乙ですー。
ハレルヤを皮切りに>>うおおおグロい……しかし支給品、ハッピートリガーwwww

>>391 伝説のコンビニwwww

それでは改めて自分も投下します!
393鼻毛な奴ら ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 00:59:55 ID:clkM7RE0
8話「鼻毛な奴ら」

A-5の砂浜。夜空に輝く満月の光が海面に反射し、とても美しい光景が広がっている。
もし互いに愛し合うカップルが砂浜で寄り添って座りながら海を眺めていたりすれば、
非常にロマンチックなムードで互いの距離も一気に狭まったりしたであろう。

「わーっしゃしゃしゃしゃしゃ!」

しかし今砂浜に確認出来る人影はそういったカップルなどでは無く、
大きな笑い声を発しながら砂浜を全力疾走する少年ただ一人。
短く刈り込んだ坊主頭に、半袖Tシャツと半ズボン。
少年の名は大沢木小鉄。日本は千葉県、浦安市に住むごく普通の小学二年生の少年――などでは無い。
恐らく人類史上稀に見る生命力、体力、そして「馬鹿」を備えたスーパー小学二年生だった。

小鉄少年はなぜ、この殺し合いという状況の中、
大声をあげながら走り回るという、ある意味自殺行為に等しい行動を取っているのか?
いつ襲われるか分からないという恐怖から気がふれてしまったのか?
それとも何か考えがあっての行動なのか?

「殺し合いだか何だか知んねーけど、とりあえず砂浜マラソンだー!」

否。彼は「何も理解していなかった」。
小鉄少年は自分がどういう状況に置かれているのかをほとんど正しく理解出来ていなかったのだ。
故に彼はいつもと全く同じテンションで行動する。
つまり、全力で遊び回る事。その手始めがこの砂浜全力疾走であった。

「お?」

しかし前方に何かを発見した小鉄は足を止める。

「何だありゃ……人間じゃねぇぞ」

それは、砂浜に佇む人影――否、それは人間では無かった。
夜の闇に溶け込むような黒い皮膚、トカゲに似た頭部に角、大きな翼に尻尾。
小鉄が生きる世界では空想上の生物に過ぎないはずの存在。
「ドラゴン」であった。


◆◆◆
394鼻毛な奴ら ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 01:01:56 ID:clkM7RE0
黒い二足歩行のドラゴン――石川清憲は、砂浜に座って海を眺めていた。
そして自分のこれまでの人生を振り返っていた。

「19年……長かったようで短かった人生だったなぁ。
まさか、俺の人生、こんな訳分からないゲームで終わるなんて思わなかったよ」

乾いた笑みを浮かべながらネガティブ発言を繰り返す清憲。
彼はこの殺し合いが始まった直後からずっとこの調子であった。

「殺し合い、殺し合いねぇ。ふふふ……馬鹿ですか? アホですか?
どうして俺がそんな事しなきゃいかんのよ。絶対無理だし、最後の一人になるなんて。
俺死亡決定だし」

彼――石川清憲は外見こそ精悍かつ凶暴そうだが、その実、小心かつ自虐的な性格だった。
そんな彼が生きるか死ぬかの殺し合いの場に呼ばれて絶望しない訳が無い。
もはや彼の口から出てくる言葉は自身の境遇や人生に対する恨み事、後悔の言葉ばかり。
次第に清憲の目には涙が浮かび、言葉は嗚咽へと変わっていく。

「うううっ……死にたくないなあ。でも無理だよな……ううううっ……」

黒竜はただただ嗚咽を漏らすのみ。
その時であった。

「おい」

甲高い少年の声が左傍方から聞こえた。
驚いて涙でくしゃくしゃになった顔を声のした方向へ向ける。

「……?」

そこには自分が持っている物と同じデイパックを背負った、
小学校低学年ぐらいと思われる坊主頭の少年が怪訝そうな表情で立っていた。


これが浦安在住の大馬鹿小学生と、異世界国家在住の黒竜のファーストコンタクトであった。
395鼻毛な奴ら ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 01:03:43 ID:clkM7RE0
【一日目/深夜/A-5砂浜】

【大沢木小鉄@浦安鉄筋家族】
[状態]:健康
[装備]:不明
[所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2個
[思考・行動]:
0:とにかく何か遊べそうな場所を探すぜ!
1:何だこいつ……着ぐるみか??
2:ばとるろわいある? ころしあい? 意味わかんねー。
[備考]:
※原作最終話以降からの参戦です。
※バトルロワイアルのルール及び性質を全く理解していません。
支給品の確認も行っていません。

【石川清憲@オリキャラ】
[状態]:健康、絶望感、諦念
[装備]:不明
[所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2個
[思考・行動]:
0:死にたくない。
1:目の前の少年(大沢木小鉄)に対処。
[備考]:
※支給品の確認をまだ行っていません。


※A-5に大沢木小鉄の大声が響きました。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】石川清憲(いしかわ・きよのり)
【年齢】19
【性別】男
【職業】大学生
【性格】小心者で自虐的だが、基本的に善人
【身体的特徴】黒い身体に赤い瞳を持ったの直立二足歩行の竜。
引き締まった身体付きで外見だけなら精悍。
竜と言っても人間に近い体格の種族なので身長は192pと人間サイズ
【服装】全裸(服を着るという概念が無い)
【趣味】映画観賞、自慰
【特技】翼を使っての飛行
【経歴】小学校高学年〜中学三年の時に親のセックスを何度も目撃した事がある。
勿論トラウマになったが次第に自慰のオカズにするようになっていった(笑)
【備考】やはりドラゴンなので、生命力や体力、身体能力は普通の人間の比では無い
396 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/10(木) 01:05:28 ID:clkM7RE0
投下終了です。今回は短文。
さすがに俺オリロワの時のようにポンポン投下は出来ない……か……。
397 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 01:07:34 ID:DY739QdI
それではさっそく投下いたします。

――ようこそ。参加者の皆さん。

あれ?俺、何でこんなところに?
いつものようにバトロワやろうと思ってたのに。それにこの声…聞いたことあるような。
それにここはどこだ?俺の部屋じゃないし。

―皆さんには、殺し合いをして頂きます。

殺し合い?いきなり何の話だ?頭おかしいのかよ…
「ふざけないで!どうして私たちが…」
誰かが声の主に抗議している。まあ当然だよな。

「…ちょうどいい。ルール説明も兼ねて、首輪の性能も見せてやるか。」
声の主はそう呟き、ポケットから何かを取り出した。
よく見てみると、何かのスイッチのようだが…?
カチッ
瞬間、辺りに爆音が響く。
俺は恐る恐る音のした方を向く。
…血だまりに首の無い女性の死体が!
「…!」
声も出ないほどの恐怖が◆PURIN//46Eを包み込む。
「分かったか?俺に逆らうと…そうなるぞ」
こいつ…本気だ。本気で俺たちに殺し合いをさせる気か!
「分かったなら、デイパを受け取って出口へ行け。」
今気づいたが、ここにはどうやらたくさんの人が集められているようだ。
中には俺の良く知る顔もあった。
…とにかく、行かないと。
台に置いてあるデイパックを適当に拾って、出口へ早足で向かった。


【一日目・深夜/?】
【◆PURIN//46E@板対抗BR】
[状態]:健康、困惑
[装備]:なし
[所持品]:デイパック
[思考・行動]
1:な、何なんだよこれは…
2:これ本当に現実かよ?夢とかじゃないのか

【野比玉子@(テラカオスBR) 死亡】
死因:首輪爆発
398 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 01:08:27 ID:DY739QdI
おっと、タイトルは「ゲーム・スタート」です
399困惑 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 01:37:37 ID:DY739QdI
あともう一ついきます

野村和也は、戸惑っていた。
いきなり殺し合いをしろと言われた上に、人が目の前で死んだのだから。
(くそっ、何なんだ…まるで悪夢を見てるみたいだ…)
とりあえず、和也は必死で掴んで来たデイパックを開ける。
入っていたものは、ここの地図らしき物とコンパス、筆記用具に水と食糧。
レジャーなどで良く使われそうなライト、そして…
「何だこれ、本?名前が沢山書いてある…誰だろう?知らない名前ばかりだ」
和也はそう呟くと、名簿をしまう。
そして最後に残った2つのおかしな箱。
和也は用心しながら、二つを思いきり開く…
「…なにこれ?」
中に入っていたのは、はりせんと腕輪だった。
「こんなものじゃ役にたたないよ…」
泣き出しそうになりながらも、和也は腕輪とはりせんを装備した―
…中に入っていた説明書も読まずに。

【一日目・深夜/G-2】
【野村和也@オリジナル】
[状態]:健康、困惑
[装備]:大阪名物はりせんチョップ@板対抗BR、熱き魂の封じ込められた腕輪@板対抗BR
[所持品]:デイパック
[思考・行動]
基本:死にたくない。でも人殺しはしたくない。
1:はぁ…
※はりせんは叩くとたまに相手を少し行動不能にします。ですが和也はそれに気づいていません。

≪オリキャラ紹介≫
【名前】野村和也(のむら・かずや)
【年齢】20
【性別】男
【職業】大学生
【性格】正直でまじめ。だがそのせいで融通が効かないことも。
【身体的特徴】少しがっしりした体格。引き締まった身体付き。
とはいえ、最近スポーツをしていたりするわけでは無いので、力はそれほどでもない。
【服装】ジーンズに白いTシャツ
【趣味】読書、インターネット
【特技】ブラインドタッチ
【経歴】いつも普通より高い成績を取り、普通よりいい学校に行っている。
【備考】中学、高校ともに部活はバスケ部。大学に入ってからはスポーツとは疎遠になっていたので、
体力は少し落ちている。
400創る名無しに見る名無し:2009/12/10(木) 16:02:16 ID:GhRklap0
>>396
投下乙です、ルール把握してないとか
趣味が自慰とか突っ込みどころが多いw

OP投下乙です
玉子はどっかで生き返ってるんだろうなw
401 ◆NIKUcB1AGw :2009/12/10(木) 18:14:38 ID:TTIw/KPq
NIKUロワ第10話、投下します
402ガーディアン ◆NIKUcB1AGw :2009/12/10(木) 18:16:05 ID:TTIw/KPq
「はあ……。なんでオイラがこんな目に遭わないといけないんでやんすか……」

島の端、F-6。視界の悪い森の中を、メガネをかけた一人の少年が歩いていた。
彼の名は國木田。野球を愛する、ごく普通の高校生である。

「殺し合いなんてナンセンスでやんす! オイラは絶対に人殺しなんてやらないでやんす!
 どうにかして、ここから脱出してみせるでやんす!」

憤りのあまり独り言を漏らしながら、國木田は歩く。
すると、ふいに彼の視界が開ける。どうやら森から抜けられたらしい。
だが國木田に、そのことについて何らかの感情を抱く余裕はなかった。
森を出るとほぼ同時に、自分の前に立ちふさがる奇妙な影に気づいてしまったからである。

タマネギのように上部がとんがった頭。その中で爛々と光る目。そして異様に細い腕。
そのシルエットは、以前國木田が都市伝説として聞いたことのある宇宙人に酷似していた。

「ギャ……ギャスビゴー星人!?」

國木田は、体の震えを止めることが出来なかった。
宇宙人まで参加させられているような殺し合いで、どうやって生き延びろというのか。
彼の脳は、瞬く間に恐怖に支配されていった。

「お、お助けでやんすーっ!」

迷うことなくきびすを返し、國木田は森の中に戻ろうとする。
それに対し影は宙に浮かび、上空から國木田の前に回り込んだ。

「ひいっ!」

怯える國木田の前で、影の目がさらに強く光る。

「イシヅカンダー目から連続爆裂魔光砲!」

叫び声と共に、影から無数の光線が次々と放出された。
光線は國木田の全身を焼き、消し炭に変えていく。

「ぐあああああああ!! でやん……す……」

断末魔の声を残し、國木田は息絶える。一人の高校球児の命は、こうしてあっけなく絶たれたのだ。


◇ ◇ ◇

「貴様に恨みはないが……。許せ、少年よ。これも我が主のためだ」

ギャスビゴー星人……否、留守番ロボ・イシヅカンダーVは、骸と化した國木田を見下ろしながら呟いた。
彼女の使命は、主である石塚の安全を確保すること。
つまりは、石塚を生存させることがこの場におけるVの行動原理だ。
そのためにVは、他の参加者を積極的に排除するという道を選んだ。
殺人が倫理的に許されない行為だということは、彼女も理解している。
だが彼女にとって、石塚の命より優先すべきものなど存在しないのだ。

「今しばらく耐えてくだされ、御主人。必ずや、このVが全ての敵を排除しあなた様を優勝させて見せましょう」

鋼の意思を胸に秘め、機械仕掛けの守護者はバトルロワイアルへと繰り出す。


【國木田@パワプロクンポケットカオスフルswing編 死亡】
403ガーディアン ◆NIKUcB1AGw :2009/12/10(木) 18:17:06 ID:TTIw/KPq
【一日目・深夜/F-6・森】
【イシヅカンダーV@犬マユゲでいこう】
【状態】エネルギー消費(小)
【装備】なし
【道具】支給品一式×2、スターチップ×1、不明支給品2〜6
【思考】
基本:石塚を優勝させるため、他の参加者を排除する
※No.27冒頭、イヨクが石塚の仕事場を訪れる直前からの参戦です
※内蔵された武装はそのままですが、使うごとにエネルギーを消費します 


※参加者紹介
【國木田@パワプロクンポケットカオスフルswing編】
パワポケにおけるメガネ一族のポジションと、ハルヒ本編における國木田のポジションを同時に担うキャラ。
野球部の所属だが、今ひとつやる気のない部の雰囲気に不満を持ちハルヒたちの草野球に参加するようになる。


【イシヅカンダーV@犬マユゲでいこう】
石塚が12本のSFCソフトから作り上げた留守番ロボ。
全身(主に顔)に装備された多種多様な武装で、石塚に害をなすものを排除する。
侍っぽい口調だが、実は女の子らしい。
イヨクに破壊されたあと「イシヅカンダーV2」となって復活するが、その後は出番がめっきり減った。
404 ◆NIKUcB1AGw :2009/12/10(木) 18:18:22 ID:TTIw/KPq
投下終了です
参考までに、Vとギャスビゴー星人の比較画像
ttp://takukyon.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/free_uploader/src/up0353.jpg
405いい男、降臨 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/10(木) 21:28:10 ID:fXvyJul7
「さて、どうするかな…」
いい男こと、阿部高和はしばし思案に耽っていた。
ワープして付いたところが、ショッピングモールの吹き抜けになっている広場だったのだ。
しかも待ってましたと言わんばかりにちょうどいいサイズのベンチが沢山あった。
(このベンチ…いつもの公園のベンチに似てるな…丁度いい。)
そう思いつつ、ベンチに腰をかける。
ジジーッ…
そしてツナギのチャックを開き、辺りが真っ暗な中で呟く。「…やらないか」と。

――

(まったく…またバトロワか)
そう心でぼやきながらも、支給品である首輪探知機を覗き込む。
「この中に誰かいるな…?」
小さく呟いた◆6/WWxs9O1sの前にある建物は…阿部が戦闘♂体勢で座っているショッピングモールだった。

――
「あー、誰か来ねぇかな。股間の武器も丁度力をもてあましてるしな、早く試したいぜ」
そのままでも強そうな阿部なのに、支給品はウージーと言う当たり支給品だったが、
阿部は「己の息子が武器だ」と思い、ウージーをデイパックにしまいこんでしまった…。
「ん?そこにいるのは誰だ?隠れてないで出てこいよ」
それを物陰から見ていたのは◆6/だった。
「別に隠れてはいなかったが…まあいい。お前はここで何して…!」
その瞬間、阿部の目がキラリと光り、◆6/目指して一直線に走る!
あまりにも突然で、不意を付かれて動けずに立ち尽くしている◆6/を掴んでそのまま男子トイレへ…



「アッー!」
一人目の犠牲者の叫び声が辺りに虚しく響いた…

「…ふぅ。なかなかの締まりだったぜ。だが、何か物足りないんだよな…」
すでに息絶えている◆6/の体を手放し、◆6/の持っていたデイパックと首輪探知機を拾う。
「これがあれば、少しは便利かもな…」
そして、一人目の獲物を平らげた男は足取り軽く出口に向かった。


【一日目・深夜/D-6:ショッピングモール内:吹き抜け広場】
【阿部高和@ニコニコ動画】
[状態]:健康、元気(いろんな意味で)
[装備]:なし
[所持品]:◆6/のデイパック、支給品一式、ウージー(32/32)@現実
[思考・行動]
基本:いい男を食いたい。女はどうでもいい。
1:どこに行くかな?人が集まりそうなところは…

【◆6/WWxs9O1s@テラカオスバトルロワイアル 死亡】
死因:悶絶死
406 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/11(金) 00:35:45 ID:m5QgasA6
投下乙ですwwwwさすがは阿部さんwwww
次は誰が餌食になるのか楽し、じゃない期待。

個人趣味ロワ第10話「勇者(?)の旅立ち」を投下します。
登場:リック・ゼラルス
407勇者(?)の旅立ち ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/11(金) 00:36:59 ID:m5QgasA6
10話「勇者(?)の旅立ち」

さて、俺、リック・ゼラルスはいつものように家で寝たはずなんだが。
目が覚めたら幼馴染のガンナー、レイ・ブランチャードと一緒に、この殺し合いに参加させられていた。
主催者であるセイファートという狼獣人の女は、噂は少し聞いた事がある。
確か元々はどこかの王国の高名かつ非常に優秀な魔導師だったらしいが、
次第に悪の心に染まっていき、その王国を滅ぼし、賛同する人間達、獣人達や魔獣達を従えて、
異世界に居を構えて度々様々な王国にテロ行為を仕掛けているとか何とか。
一体あいつが何を考えているのかは知らないが全くはた迷惑な話だ。
逆らったり無理矢理外そうとしたり逃げようとしたりすれば爆発するという物騒な首輪や、
広大なバトルフィールドまで用意してまでこの殺し合いを開催する目的。
「面白そうだったから」「ゲーム感覚」……そんな感じだろうなきっと。
別にセイファートについて詳しく知っている訳じゃ無いが、あの開催式の時のセイファートの様子から、
大体そんな感じだろうとは予想がついた。

そして今俺がいるのは、周囲に民家らしい建物が軒を連ねる市街地。
地面の作りといい、建物の外見といい、俺が生きる世界のそれとは随分違うな。
ここも異世界なんだろうか? 有り得るな。
街灯らしい明かりもほとんどが消えているが、夜空に浮かぶ満月の光で視界に困る程暗くは無い。
エンカウントモンスターでもいるかと思ったがどうやらそれは無いようだ。
参加者同士で殺し合わせないと意味が無いと思ったのだろう。

デイパックの中身は確認済だ。
デバイスとか言う見た事も無い機械には驚いた。コンパスと時計の役割の他に現在位置まで分かるとは。
しかしそれと同時に水と食糧の淡白さ、少なさには呆れた。
透明の見た事も無い素材の容器に入れられた水二本はいいとして、
食糧がコッペパン四個しか無いとは……ふざけている。悪意を感じるな。
まあ確かに「無くなったら自弁しろ」みたいな事はセイファートは言っていたが。
こんな食糧ではどう考えても身が持たないからな。食糧調達も視野に入れないと。

そしてランダム支給品は……一振りの日本刀だった。
説明書にはこの刀が「焔薙」という銘である事しか書かれていなかった。
よく見ると鍔の部分に漢字の「生」の字を逆さまにしたような謎の紋様が透かし彫りにされている。
この刀の由来が少し気になるが、何にせよ剣が得意の俺にとって、アタリを引いた事は間違い無い。
408勇者(?)の旅立ち ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/11(金) 00:39:19 ID:m5QgasA6
出来ればいつも愛用している自分の剣が良かったが、贅沢は言ってられないな。

夜の住宅街を歩きながらまず俺は考える。
この殺し合いの中、俺はどう動くべきか――やはり、殺し合いに抗い、脱出する術を探す事だろう。
別に俺は邪悪な魔王から世界を救う勇者では決して無い。
生活の糧を得るためにモンスターを倒したりしている一介の剣士だ。
だが、無抵抗な奴を殺してまで生き延びようとは思わない。そこまで外道じゃないと自分では思っている。

脱出するには――まず首輪を何とかしないといけないな。
何しろこの首輪で俺達参加者はセイファートに命を握られてる訳だから。
だが俺には機械知識なんてまるで無いしそもそもこの首輪の内部構造が謎。
更に無理に外そうとすれば、開催式の夢野カケラとかいう男のように首輪が爆発して死ぬ。
それに仮に首輪を解除出来たとしても、セイファートが逃げる事を許さないだろう。
これだけの大規模なゲームなのだから恐らく敵陣営にはセイファートだけでなく、
側近や私兵団もいるはずだ。
ゲームが続行不可能と判断するや、全力で皆殺しにかかる可能性も否めない。
……前途多難だな……ふう……。

まあとにかく考えていても始まらない。まずは仲間集めだな。
三人寄れば文殊の知恵とも言うし、複数人集まって考えれば何か思いつくかもしれない。
それに、俺と同じくこの殺し合いに呼ばれている幼馴染のレイ・ブランチャード。
クールでほとんど感情を露わにしない奴だけど、殺し合いに乗るような奴じゃない。
あいつとも合流したいな。どこにいるか皆目見当もつかないけど。
多分そう簡単には殺されはしないと思う。多分。

「さてと、行きますか……」

ここに俺は宣言しよう。

殺し合いはしない。必ずや脱出の糸口を見つける事を、な。
409勇者(?)の旅立ち ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/11(金) 00:41:53 ID:m5QgasA6
【一日目/深夜/D-3市街地住宅街】

【リック・ゼラルス@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:焔薙@SIREN
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いからの脱出。首輪解除の手段を探す。
1:仲間を集める。
2:レイと合流する。


≪オリキャラ紹介≫
【名前】リック・ゼラルス
【年齢】17
【性別】男
【職業】剣士
【性格】お気楽主義だが、根は熱くなりやすい
【身体的特徴】地毛の茶髪で、同年代の男子より身長が低め
【服装】青い上着に白いズボン、軽装鎧を着用。白い鉢巻を頭に巻いている
【趣味】素振り
【特技】自己流の剣術
【経歴】物心がつく前に父親がモンスターとの戦いで負った傷が元で死亡し、
母親の手で育てられた
【備考】魔法は使えないが、剣術の腕は一級品

≪支給品紹介≫
【焔薙@SIREN】
羽生蛇村の旧家、神代家に代々伝わる家宝。「ほむらなぎ」と読む。
同村の秘祭を行う祭儀場である眞魚岩から採取した隕鉄を精錬して鍛えられた刀。
鍔の部分には同村独自の信仰の証である「マナ字架」が透かし彫りにされている。
ゲーム本編では最終戦の時に入手及び使用可能になる。
410 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/11(金) 00:45:05 ID:m5QgasA6
投下終了です。それにしても今回の自分のロワは殺し合いに乗る奴が少ないな……。
次は永井浩二、曽良、シルヴィアで行きたいと思ってます。
411シベリアより「病」を込めて ◆6LQfwU/9.M :2009/12/11(金) 22:53:18 ID:QWLM4upn
「状況が掴めねーわ…何なんだ」
電車に揺られながらも、思案を巡らせる下痢。
超シベリア軍で頑張りながらも毎日バトロワをプレーしていたが…
まさか自分が現実で参加するとは夢にも思って無かっただけに、余計状況が掴めない。
「いったい武器は何が貰えたかな」
そう思いデイパックを開けると…
中に入っていたのは、変な土偶のような物に、変な凹凸の付いた枝。
電車の微妙に暗いライトに映し出されるそれは、余計に無気味に見えた。
「何だよ…これ…」
床に出した枝を拾った時…
チクっ…と何かが刺すような感覚。とっさに手をひっこめ、手を調べる。
「…?」
手を見ても、特に何も刺さっていない。枝にはささくれている場所も無いから、刺さる場所もないし…
「まあいいか…」
だが、ほんの少しずつ、下痢は「病」に侵されていた―

――

時間は少し遡り…
「あっ!行っちゃった…誰か乗ってたから見ようとおもったら発車しちゃうんだもん…」
発車した電車が向かった方向を名残惜しそうに見つめている守谷彩子。
「…まあ、いいや。乗ろうと思ってた訳じゃないし…」
「さて、獲物を探しに行こうっと♪」
狂気に染まった目をギラつかせながらその場を立ち去る守谷…
…その手には、ギラギラ光る妖刀村正をちらつかせながら…

【一日目/深夜/A-6:走行中の電車内】

【下痢@板対抗BR】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、宇理炎@SIRENシリーズ、「ふうのしん」の枝@かまいたちの夜
[思考・行動]:
基本:死にたくない。でも人殺しは…
1:仲間と合流したいな…
2:さっきの枝、何なんだ?

【一日目/深夜/A-7:A7駅:ホーム】

【守谷彩子@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:妖刀村正@現実
[所持品]:基本支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
基本:ゲームに乗る。
1:誰か、私の欲望を満たして…!
:心の奥(体が…勝手に…ゲームに乗りたくないのに…!)
412シベリアより「病」を込めて ◆6LQfwU/9.M :2009/12/11(金) 22:54:43 ID:QWLM4upn

≪オリキャラ紹介≫
【名前】守谷彩子
【年齢】19
【性別】女
【職業】大学生
【性格】お気楽で、やさしい性格。
【身体的特徴】黒いロングヘアー、身長がほんのすこし低め
【服装】普通の長さのスカートに、水色のパーカー。
【趣味】読書
【特技】特になし
【経歴】いたって普通。

≪支給品紹介≫
【「ふうのしん」の枝@かまいたちの夜】
なかは空洞になっていて、人に寄生する虫が入っている。
寄生されると、自分の中の殺人欲が血を見るたびにだんだん強くなっていく。
413 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/11(金) 22:56:28 ID:QWLM4upn
間違えました

【一日目/深夜/A-6:走行中の電車内】

【一日目/深夜/B-7:走行中の電車内】
にしゅうせいします
414ズガン要員…? ◆6LQfwU/9.M :2009/12/11(金) 23:22:58 ID:QWLM4upn
「また俺はズガンなのか?それとも速攻で死ぬのか?」
ぶつぶつ言いながら駅の待合室で電車を待つ513。
「まあ俺がバトロワに参加する羽目になったのは自分が悪いんだけどさ」
なおもぶつぶつ言い続け、その声は駅に虚しく響く。
だが、その弱気な発言に反して、その手には支給品のリボルバー、コルトパイソンが握られていた。
だが所詮一般人。銃の使い方も分からずただ握っているだけだが…
(今回はズガンなんか嫌だ…絶対に!)
ゲームに乗る密かな決意を胸に、513はホームへ向かった。
まだまだ暗い辺りに警戒しながら。


「…誰かいる…銃を持っているのか。今は勝てそうに無いな…」
そう呟き、その場を立ち去る田鼠。
(勝てそうにない相手と戦っても意味はない。勝てそうな相手を探そう…仲間も探すか)
手には支給品のダーク♂熊手を持って。
「…誰かいるなッ!」
辺りに乾いた銃声が響く。そして一瞬後に放たれた弾丸が壁に当たる音も響く。
「…!」
田鼠はあわててその場から逃げ出す!
だがその後を追わない513。
(今は…追っても追いつけない。朝になってから…朝に。)


【一日目/深夜/G-5:G5駅ホーム】

【513@テラカオスバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:コルトパイソン@現実
[所持品]:支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
基本:ズガンを防ぐために自分以外を殺す。
1:今は追っても無駄だ…



「追って…こないか。よかった…」
安堵の表情を見せ、近くの木のそばに腰かける。
(危なかった…さっきの男は危ない…注意だな)


【一日目/深夜/G-6:登山道入り口】

【田鼠@板対抗BR】
[状態]:健康、安堵
[装備]:ダーク♂熊手@本格的 ガチムチパンツレスリング
[所持品]:支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
基本:上手く立ち回って生き残る。
1:助かった…!
2:仲間を探す。


≪支給品紹介≫
【ダーク♂熊手@本格的 ガチムチパンツレスリング】
ヴァン・ダークホームがダーク除霊に使用した器具。
熊手の先から電流が出るようになっているが、あくまでSM用なので、殺傷能力は低い。
415狂気 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 00:20:43 ID:++ejkOts
「ククク。ぃょぅ」
「…」
めちゃくちゃウザったく話しかけるさけとそれを聞き流している穴。
さけは支給品が酒で、穴は高周波ブレードと業務用ポッキーだった。
(刀はともかくポッキーって何だよ…)

「おい」
さけに殺意を込めて軽く呼ぶ。
「なんだ?ククク」
その瞬間。
穴の中で何かが切れた。
そのまま、意識が途切れた―



それから、長い時間が経ったような、そうでもないような…
不思議な感覚だった。
体にはさけの返り血。
手には血濡れの高周波ブレードとさけの生首。
「…」
血に濡れたまま一言もしゃべらず、穴は民家の一室を後にした。


【一日目/深夜/F-2:街の民家】

【穴@板対抗BR】
[状態]:健康、血まみれ
[装備]:高周波ブレード@メタルギアソリッドシリーズ
[所持品]:支給品一式、業務用ポッキー@テラカオスバトルロワイアル
[思考・行動]:
基本:…
1:…

【さけ@板対抗BR 死亡】
死因:首切断
416 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 00:23:26 ID:++ejkOts
※さけの死体と酒@板対抗BR、さけの不明支給武器が民家の中に残っています。
417ストレスには甘いもの ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 01:36:49 ID:++ejkOts
「うーん…どうしたらいいんだろ?それにこれは…現実だよね?」
道を悩みながら歩くめろりん。
めろりんのスタート地点はA-4だったのだが、そのまま西へ歩いていったのだ。
そして見えてきたものは…
「…船?港かな」
めろりんの予想は半分当たっていた。
A-3の港には、丁度船が停泊していたのだが…
「廃船…かな。動きそうにないなー」
めろりんはしばし思案を巡らせ、ある答えに辿り着いた。
「あそこの事務所…何かありそうだなー」


――

「ふぅ…やっと着いたな。港には船があるはずだからな、脱出の手助けになるはず…」
少し疲労した様子を見せながらも、◆PURIN//46Eは港事務所の扉を開け、中に入る。
(足跡、かな。誰かいるのかな…ゲームに乗ってなければいいんだけど…)
一応、支給品である火掻き棒を構えながら、足跡を追う。
「…ここか。よし、一気に…」
◆PURIN//46Eは扉を蹴り開け中に飛び込む!
「めろりん!」

――

「会えて良かったよー、一人じゃ心細かったんだよーw」
「俺もだよ。リアルにバトロワすることになるとは夢にも見なかったから」
少し時間は遡り…

「…!めろりん!」
◆PURIN//46Eは中にいためろりんに驚き、一時動きが止まる。
「うわぁっ!」
すぐさまめろりんがカマで反撃する!
カマは危ういところで◆PURIN//46Eの頬を掠めた。
「め…めろりん、俺だよ。俺」

時間はもとに戻って…
「めろりんは何が支給されたの?」
その呼びかけに応じてめろりんが武器を出す。
武器はさっき反撃のさい使用したカマと、…蟹(茹で)だった。
「ふざけてるよねーwカマはいいけど、蟹って… そう言うプリンは?」
◆PURIN//46Eは手にもっていた火掻き棒と、デイパックから取り出したのは…
…狩猟などに使用される、狩猟用狙撃銃(レミントンM700)だった。
418ストレスには甘いもの ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 01:37:48 ID:++ejkOts
【一日目/深夜/A-3:港の事務所】

【めろりん@板対抗BR】
[状態]:健康
[装備]:風切り鎌@かまいたちの夜
[所持品]:支給品一式、蟹@本格的 ガチムチパンツレスリング
[思考・行動]:
基本:人殺しはしない。絶対。
1:良かったーwこれで一人じゃないよ


(めろりんは…俺が守らないと)

【◆PURIN//46E@板対抗BR】
[状態]:健康
[装備]:火掻き棒@SIRENシリーズ
[所持品]:支給品一式、狩猟用狙撃銃@SIRENシリーズ
[思考・行動]:
基本:人殺しはしない。でも襲い掛かられた場合は別。
1:心細かったんだよなあ、一人で。
2:このゲームを壊すにはどうすれば…
--
?:…こんな状況だ、気に入らない人を殺しても…
419 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 01:39:48 ID:++ejkOts
今日の投下分終わりです
420創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 02:02:00 ID:xTKGWP3W
お疲れ様
421 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:44:36 ID:/pCwJmak
連投乙です! すごい投下ペースだ羨ましいw
しかし板対抗BRキャラは名前がカオスだなー下痢だのさけだのw
では自分も投下します。
個人趣味ロワ第11話「永井先生のバトルロワイアル」
登場:永井浩二、曽良、シルヴィア
422永井先生のバトルロワイアル ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:45:41 ID:/pCwJmak
11話「永井先生のバトルロワイアル」

E-3に存在する雑居ビルの一つ。
ビルには喫茶店、生命保険会社、精神科、ダンス教室など様々な店舗や会社が入っている。

「うおわっ! 何ぞお前! そんなんで殴られたら死ぬだろ普通に!」
「殺すつもりでやってるんだ。死んでもらわなきゃ困るんだよ」

4階のダンス教室のホールで、二人の参加者が対峙していた。
一人は頭にタオルのような物を巻いた20代後半の男。
もう一人は白い着物に身を包んだ20代前半の青年。
男――永井浩二は丸腰だった。自分の支給品を確認する前に、青年――曽良に襲われたのだ。
曽良の手にはネイルハンマーが握られている。

「あんたに恨みは無いけど、少しばかり大切な人がこの殺し合いに参加させられている。
その人を生かすために、俺はこの殺し合いに乗る」
「い、いや、そんな事言っても、悪いけど俺には全然カンケーねぇし!
だからって殺される理由になんねぇだろ!」
「確かにそうだな。だが、あんたや、他の参加者が納得するしないは、それこそ俺に関係無い。
……お喋りが過ぎたな……死ね!」

ネイルハンマーを振り被り、浩二に襲い掛かる曽良。
しかし振り下ろされたネイルハンマーを浩二は間一髪で避ける。

「くっそおおおおボケがカスが! 死んでたまるかよ!!」
「チッ、逃がすか!」

ホール入口に向かって駆け出す浩二を、曽良が追いかける。
浩二はとにかく必死でこのハンマーを振り回す着物姿の男から逃げ延びようとする。



同じ頃、同ビルの1階にある喫茶店のカウンター席に、一人の学生服姿の少女の姿があった。
白いボブカットの髪に猫の耳、尻尾を持った、猫族ハーフ――シルヴィアである。

「全く、また殺し合いなんて……」

彼女は今参加させられているのとは別の殺し合いで、一度命を落としたはずだった。
しかし再び意識を取り戻した時には、セイファートと名乗る狼獣人の女性が主催する、
この殺し合いの参加者となっていた。
423永井先生のバトルロワイアル ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:50:18 ID:/pCwJmak
「だけど……やり直せるかもな、今なら」

シルヴィアは前回の殺し合いではゲームに乗っていた。
猫族ハーフである彼女はその容姿や出生で人間、獣人の両方からからかわれ続け、いじめにすら発展した事もあった。
そのため、自らを鍛え、喧嘩で勝ち上がる事で、それらは中学生の頃には無くなったが、
それから常に周りを寄せ付けない殺気を周りに振り撒いていたため、結局彼女は孤立していた。
高校生になった時、サーシャという自分と同じ猫族に、臆する事無く接っしてこられたが、
サーシャは自分と違い、外見は純粋な獣人、しかも家は裕福で、自分とは正反対の境遇である事から、
シルヴィアはサーシャに対してトラウマのようなものを持っていた。
そして始まった前回の殺し合いは、シルヴィアのクラス全員が参加者だった。
シルヴィアはゲームに乗った。
自分を見下した連中、自分を守りもせず嘲笑っていた連中が憎かったから。
しかし、途中で殺そうとしたクラスメイトの一人――森屋英太に危機を助けられ、
徐々に自分の気持ちに変化が現れていくのを、シルヴィアは感じていた。
これじゃ駄目だと、迷いを捨てろと、自分自身に言い聞かせるが――結局、襲い掛かったクラスメイトの一人に返り討ちにされた。

そして今、自分の身体の傷は全て癒え、体力も十分、まさにベストコンディションでシルヴィアはこの殺し合いの場にいる。
名簿を確認すると、何人かのクラスメイトの名前があった。
特に「サーシャ」「森屋英太」の名前には目を引かれた。

彼女にはもう殺し合いをするつもりは無い。
それまで自分が拘っていた憎しみやトラウマ。だが、それを乗り越えなければならないと、
もっと大切な事があると、サーシャと森屋英太の二人が気付かせてくれたから。
シルヴィアは二人には感謝していた。

「……ん?」

シルヴィアの猫の耳がピクリと動く。何かの音を察知したようだ。
よく耳を澄ませ音の正体を探る。獣人の血を受け継いでいる彼女の聴力は普通の人間よりも鋭い。

「男? 二人……一方が襲って、一方がそいつから逃げてる……みたいだな。
階段を伝って下りてきている……よし」

シルヴィアはカウンターの上に置いてある自分のデイパックから何かを取り出すと、
デイパックを背負い取り出したそれを装備し、喫茶店の入口付近で待ち構えた。
この喫茶店は雑居ビルのメイン階段のすぐ傍にあり、
メイン階段へは喫茶店前の廊下を通る必要があった。
つまりここで待ち伏せしていれば、上から下りてくる二人と確実に遭遇する事が出来る。
424永井先生のバトルロワイアル ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:51:42 ID:/pCwJmak
「……ろ! ……!」
「待……!」

階段を下りる音と、男二人が言い争う声がどんどん大きくなっていく。
シルヴィアは声を殺し、ドミネーター――麻酔銃を構え、静かにその時を待った。



息を切らせながら死の物狂いの形相で永井浩二は一階に降り立つ。
背後から迫る魔の手からとにかく逃げるために。

ズルッ

「ちょおおおおお!?」

ところが、廊下を数メートル走った所で、悪魔の悪戯か、足を滑らせ転倒してしまった。
前のめりになり思い切り床に身体を叩き付けてしまう浩二。
だが、激痛に悶えている暇も無く、追いかけてきた曽良が浩二に馬乗りになり、
手にしたネイルハンマーで撲殺しようと試みる。
だが、浩二もただで殺される気は無い。
即座に曽良と向き合う形になり、ネイルハンマーを振り下ろそうとする曽良の腕を掴み、必死に抵抗する。

「いい加減諦めろ」
「ふざけんなや! 殺されようとしてんのに、諦めろって言われて諦める奴なんかおるか!!」
「あまり手を焼かせ――」

その時だった。曽良は背中に小さな痛みを感じた。
何か針のような物が突き刺さった、そんな感じの痛みだった。
そして直後に、強烈な眠気が襲ってくる。
425永井先生のバトルロワイアル ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:52:50 ID:/pCwJmak
「な……」
「?? 何ぞ?」

突然攻勢を止めた曽良に目を丸くする浩二の目の前で、曽良は意識を失い、
浩二に覆い被さるように倒れ、そのまま深い睡眠状態に陥った。

「え? え?」
「大丈夫?」

状況が飲み込めない浩二の耳に、若い、少女の声が入る。
見れば、前方の喫茶店入口の扉が開き、学生服姿の白髪の少女が、銃らしき物を構えて立っている。
少女の頭の猫耳や尻尾が気にはなったが、それを考える暇も与えず少女が続ける。

「これ麻酔銃だから、その内目覚めるわ。その前に、別の場所へ移動しましょう。立てる?」
「あ、ああ。何とか……」

浩二は眠っている曽良の身体をどかして立ち上がり、床に落ちている自分のデイパックを拾い、
改めて少女と向き合う。

「私はシルヴィア。あなたは?」
「あー、俺は永井浩二って言うんだけど」
「そう、永井さん、とりあえず安全そうな場所を見つけてから、そこで色々話をしましょう。
要は情報交換ね」
「おう。分かった……」

浩二とシルヴィアは麻酔の力で完全に熟睡している曽良を残し、
雑居ビルの正面玄関へと向かった。


【一日目/深夜/E-3市街地雑居ビル1階】

【永井浩二@永井先生】
[状態]:肉体的疲労(中)
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品1〜2個
[思考・行動]:
0:殺し合いなんかしたくねーよ。死にたくも無いし。
1:シルヴィアについていく。って言うか、猫耳? 尻尾!?
2:博之とかもおるのか?
3:着物の若い男(曽良)を警戒。
[備考]:
※2007年当時からの参戦です。
※支給品の確認をまだ行っていません。
426永井先生のバトルロワイアル ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:53:49 ID:/pCwJmak
【曽良@増田こうすけ劇場ギャグマンガ日和】
[状態]:健康、麻酔による深い睡眠状態
[装備]:ネイルハンマー@SIREN
[所持品]:基本支給品一式、ランダム支給品(本人確認済)
[思考・行動]:
0:芭蕉さんを生き残らせる。そのために他参加者を殺す。
1:(睡眠中)
[備考]
※単行本第八巻第145幕「怪談奥の細道」より後からの参戦です。
※20分〜40分後に目覚めます。

【シルヴィア@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:ドミネーター(0/1)
[所持品]:基本支給品一式、麻酔弾(4)
[思考・行動]:
0:殺し合いはしない。ゲームを潰す。
1:永井浩二と共に安全そうな場所を探し、そこで情報交換。
2:クラスメイト(特にサーシャ、森屋英太)との合流を目指す。
3:もう少し強力な武器が欲しい。
4:着物の若い男(曽良)を警戒。
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。



≪支給品紹介≫
【ネイルハンマー@SIREN】
釘抜きにも使える金槌。
ゲーム本編において打撃武器屈指の威力を誇り、使用者である宮田司郎は、
白衣姿から「撲殺天使宮田」の異名を持つ。

【ドミネーター】
いわゆる麻酔銃。拳銃タイプで単発式。
使用する専用麻酔弾は対象をおよそ20分〜40分(個人差がある)、深い睡眠状態にする事が出来る。
427 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 03:56:14 ID:/pCwJmak
投下終了です。
自分は永井先生の配信をリアルタイムでは見ておらず、
ようつべやニコニコにある動画で永井先生を知った口ですので、
本人とはキャラが異なる可能性があります(他の出典キャラでも言える事ですが)。
428創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 12:57:23 ID:LvMgZgQd
奉仕マーダーだと……
投下乙です
429創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 14:42:24 ID:MBIm6cU8
投下乙です
曽良が奉仕マーダー…これはいい予想外だ
そして宮田御用達のネイルハンマーktkr
430創る名無しに見る名無し:2009/12/12(土) 18:11:37 ID:js8D2kYM
投下乙
曽良君…あんた…芭蕉さん思いじゃないか…
いかん、目からポピーが
431 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:07:17 ID:/pCwJmak
個人趣味ロワ第12話「Cruel, unjust execution」投下します。
題名の意味:残酷で理不尽な処刑(翻訳サイトで。逆に英和したら「残酷で不当な実行」となった)
登場:西川のり子、レオーネ、レイ・ブランチャード
432Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:09:14 ID:/pCwJmak
12話「Cruel, unjust execution」

「殺し合いやて……? そんなん出来るかボケェ!」

D-1住宅地の一角にある公園で、神をツインテールにまとめた少女、
西川のり子は殺し合いに抗う決意を固めていた。
あの円形ホールで首輪が爆破され人が殺されるのを見た時は確かに恐怖したが、
自分と同じく殺し合いに参加させられたクラスメイトで遊び友達の大沢木小鉄、
担任教師で成人男性とは思えない程大馬鹿の春巻龍、同級生の母親、仁ママの事を思い出し、
怯える気持ちを奮い立たせた。

「とにかく、小鉄や、春巻の奴とか、仁ママもおるみたいやし、
そいつらと合流しよっ」

デイパックを背負い、いざ歩み出そうとした時だった。

「グルルルル……」

背後から、獣の唸り声のようなものが聞こえ、のり子の身体がビクンと震え、その場で静止する。

「……な、何や?」

恐る恐る、振り返ってみると、そこにはのり子より遥かに背丈の大きい人間――では無い。
公園はライトアップされておらず、暗くて良く分からないが、全身がふさふさとした毛皮で覆われ、
しなやかな尻尾に鳥のような翼、手足の先には鋭い爪が付き、その頭部は、トカゲに角が生えたような、異形の生物。
胸の部分に乳房がある事や、身体のフォルムから、恐らく女性。いや、雌と言った方が良いだろうか。
月明かりに毛並みが照らされ、ある意味美しく映えてはいたが、
両目の鋭い光と、全身から発せられている殺気満点のオーラに、のり子は完全に気圧されてしまっていた。

「あ、な、何? 何なん?」

のり子はすぐにでも逃げ出したかったが、足が竦んでしまい動きたくても動けなかった。
恐怖に凍り付くのり子をよそに、毛皮を持った直立二足歩行の雌獣竜が口を開く。

「私はレオーネ。あなたの名前は?」
「……へ?」

前方の怪物が言葉を発した事、いきなり名前を名乗り自分に名前を尋ねてきた事に驚くのり子。
しかも意外と若々しく、穏やかな雰囲気の少女の声音。
433Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:09:57 ID:/pCwJmak
「名前、聞かせてよ。駄目?」
「え? あ、う、ウチは西川のり子っちゅーんや。えと、レオーネさんだったっけ?」
「西川、のり子……ありがとう、うん。そうよ。レオーネが私の名前」

レオーネと名乗ったこの雌獣竜の穏やかで柔和な物腰に、のり子は敵意は無さそうだと判断し、
自分の名前を告げる。
だが、次にレオーネから発せられた言葉に、のり子は再び凍り付く事となる。

「のり子ちゃん。私ね、お腹空いてるの」
「……へ?」
「デイパックの中に入っていたのを食べたけど、全然足りないの。
第一、コッペパンじゃエネルギー摂取も何も無いし。
やっぱり、肉じゃなきゃ駄目。出来れば血の滴るような、新鮮で、若々しいもの」
「う、うん」
「だからね――のり子ちゃんのお肉を頂戴」

次の瞬間、レオーネはのり子の右足を持ち上げ、のり子はそのまま逆さ吊りの状態にされた。

「うわあああああ!? いっ嫌や!! 嫌やあああああ助けてえええええ!!」

これから自分が辿る結末がおおよそ想像がついたのか、
さっきまでの気丈の振舞いは消え去り、泣き叫び命乞いをするのり子。
だが、当然レオーネは無視し、もう一方の左手でのり子の左足を掴み、
鋭い牙が何本も並んだ口を、のり子の右足太腿に運び、牙を突き立てる。

「ひぎいいいいいいい!!」

今まで感じた事の無い苦痛に悲鳴をあげるのり子。
だが彼女の苦痛はまだ始まったばかりであった。

ガリッ、ゴキッブチッバリバリッ。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛!!!!!」

肉が裂け千切れ、骨が砕ける嫌な音が響き、のり子の右足は太腿から先を失った。
レオーネの口には、のり子の右足が咥えられていた。
のり子の身体を放り投げ、まるで手羽先でも食べるかのように、レオーネはのり子の右足を味わう。
勿論、靴下と靴は外している。
434Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:10:54 ID:/pCwJmak
「ん……おいしい」

口を真っ赤に染めながら、脹脛の筋肉を噛み千切り、味わって食べるレオーネ。

「あっ、あ゛あ゛っ! たっ、助けって……!」

両目から大粒の涙を流し、鼻水を垂らし、地べたを這いずりながら、レオーネから逃げようとするのり子。
食い千切られた右足の断面からは命に関わる量の血液が噴き出し、
公園の地面にドス黒いペイントを施している。
もしこのまま失血死していればのり子はまだ幸せだったかもしれない。

「待ってよ。まだ足しか食べてないのに。心臓とか肝臓とか腸とかが一番おいしいんだから」

のり子の背後から舌舐めずりをしながらレオーネがゆっくりと近付く。

「い……嫌やっ! 嫌やああああ……!」

片足を失ったのり子に、もはや逃げる術は残されていなかった。



「うふふ。いただきまーす」



ガブッバキッゴリゴリッガリッグチャグチャバキックチュガリガリガリガリ……。



「ふぃ〜。おいしかった〜ごちそう様〜」

十数分後、気持ち少し膨れた腹部をさすりながら満足そうな笑みを浮かべるレオーネの姿があった。
そして足元には、かつて一人の小学生の少女を形作っていた、
夥しい量の血液の水溜まりと、肉片や骨片、ズタズタに引き裂かれた衣服の残骸が残されている。
唯一原型を留めた少女――西川のり子の頭部。その表情は苦痛と絶望、恐怖に歪み切っていた。
血塗れの口元を手で拭いながら、レオーネは、のり子が背負っていた、
今では血痕がこびり付いたデイパックを拾い上げ、上機嫌に鼻歌を歌いながら、その場を後にした。
435Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:11:54 ID:/pCwJmak
◆◆◆

「お、遅かったか……しかし、これは何と惨い……」

レオーネが歩き去って数分後、のり子の惨殺遺体――遺体と呼べるのかどうか不明だが――のある公園に、
何かの動物を模したような露出度の高い装具を身に着けた少女が辿り着いた。
少女――レイ・ブランチャードは、街を歩いていた時に、幼い少女の悲鳴が遠くから響くのを聞き、
聞こえてくる方向を頼りに急行したが、現場に到着した時には、もう全てが終わった後だった。
現場の予想以上の凄惨さに、レイは思わず目を背けたくなる。
今まで彼女は何度かモンスターに殺された旅人や戦士の死体を見てきた事があったが、
ここまで原型を留めていない死体は初めてだった。
唯一残された頭部で、被害者はやはり幼い少女だったという事が分かる。
大きく見開かれ血走った両目、頬にある涙を伝った痕跡から、この少女が楽な最期を迎えられなかった事を物語っていた。

「まだ小さいのに、怖かっただろうな……」

見開かれたままの少女の両目を閉じさせ、心の中で冥福を祈る。

「しかし、これは……食い殺されたのか?」

地面にべったりと広がる血溜まりの中には少女の身体だった物と思われる、
肉片や骨の欠片、衣服だった布切れが散乱しており、周囲にはむせ返るような血の臭いが漂っている。
殺し方が尋常では無い。これは猛獣か何かに食い殺されたと見る方が妥当だろう。
しかし年端もいかない少女に何と惨い仕打ちをするのだろうか。
せめて埋葬してやりたかったが、地面は土であるとは言え固く踏み固められ、
そもそも今自分が持っている物は基本支給品一式、今装備している自動拳銃「Cz75」、
その予備マガジン5個と、強力な弾薬を発射出来る大型リボルバー「フェイファー ツェリザカ」と、
その予備弾薬10発。穴を掘れる物は持っていない。何より無駄に体力を使う事になる。

「仕方無い、このままにしておくか……ん? これは……」

少女の血痕と肉片に混じって、レイは何かを見つけた。
それは、自分や、他の参加者にはめられている物と同じ、首輪だった。
血と脂肪の油に塗れたそれを拾い上げ、よく観察して見るが、どうも暗くてよく分からない。
仕方無く観察は後にする事にして、レイは首輪を自分のデイパックの中に押し込んだ。

「だが、こんな殺し方をする奴がいるとなると……益々面倒だな。
リックの奴は……まあ、大丈夫だと思うが、さっさと探して合流するに越した事は無い」

予想以上に残虐極まりない殺し方をする参加者がいる事にうんざりしつつ、
レイは同じくこの殺し合いに呼ばれた幼馴染の剣士――リック・ゼラルスの名前を呟く。
436Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:12:47 ID:/pCwJmak
「考えていても始まらない。行動するしか無いな」

レイは幼馴染であるリック・ゼラルスの捜索、及び自分と同じく殺し合いを拒否する仲間を集めるため、
夜の街へと消えていった。


【西川のり子@浦安鉄筋家族  死亡】
【残り  45人】


【レオーネ@オリキャラ】
[状態]:健康、満腹により上機嫌、口と身体が血塗れ
[装備]:無し
[所持品]:基本支給品一式(水と食糧完全消費)、ランダム支給品1〜2個(本人確認済)、
西川のり子のデイパック
[思考・行動]:
0:とりあえず出会った人から順番に殺していく。
1:お腹一杯……。
[備考]:
※西川のり子のデイパックの中には基本支給品一式とランダム支給品が1〜2個入っています。

【レイ・ブランチャード@オリキャラ】
[状態]:健康
[装備]:Cz75(15/15)
[所持品]:基本支給品一式、Cz75の予備マガジン(5)、フェイファー ツェリザカ(5/5)、
600NE弾(10)、西川のり子の首輪
[思考・行動]:
0:殺し合いには乗らない。ゲームの転覆を目指す。
1:リックを探す。同時に仲間も集める。
2:拾った首輪を調べる。
3:私がいつも使っている二丁拳銃はどこへ行ったんだ?
[備考]:
※レオーネとは別方向に向かって移動しています。


※D-1市街地に存在する公園に、西川のり子の惨殺死体(頭部と肉片、衣服の残骸)
が放置されています。
※D-1一帯に西川のり子の断末魔が響きました。
437Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:13:54 ID:/pCwJmak
≪オリキャラ紹介≫
【名前】レオーネ
【年齢】不明(精神年齢10代半ば)
【性別】女
【職業】生体兵器
【性格】物腰は柔らかいが、残虐(本人は余り自覚していない)
【身体的特徴】紫がかった黒と赤の毛皮を持った直立二足歩行の獣竜。
身長は204pと長身。よく引き締まった、魅力的な身体付き
【服装】全裸(服を着るという概念が無い)
【趣味】食べる事
【特技】翼を使っての飛行、本能的に仕込まれた格闘術(柔道、空手他)
【経歴】日本風国家内のとある極秘生体兵器研究施設で生み出された。
先に同様のコンセプトで生み出された「姉」に当たる存在がいるが、
彼女は認知していない。「レオーネ」はコードネーム
【備考】とにかく大食い。空腹になると機嫌が悪くなるため、研究所の飼育担当員は、
彼女の餌には特に気を使っていた(でないと自分達が食われるため)。
大好物は生肉。嫌いな物はチョコレート

【名前】レイ・ブランチャード
【年齢】17
【性別】女
【職業】ガンナー
【性格】冷静沈着で思慮深い、男っぽい口調で話す
【身体的特徴】深い青色のショートヘアに赤い瞳、グラマーで豊乳。大人びた魅力がある
【服装】MHのナルガ装備に非常に酷似した露出度の高い装具
【趣味】射撃練習、銃器の手入れ
【特技】精密射撃、狙撃
【経歴】同じくガンナーであった父の影響で、ガンナーとしての道を歩む。
父親は現在は後進の指導に当たっている
【備考】射撃技能は超一流。大抵の銃器(拳銃から機関銃まで)を扱える。
リック・ゼラルスという幼馴染がいる
438Cruel, unjust execution ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/12(土) 20:15:32 ID:/pCwJmak
≪支給品紹介≫
【Cz75】
1975年にチェコスロバキアで開発された自動拳銃。
「Cz」は「?eská Zbrojovka/チェスカー・ゾブロヨフカ(チェコスロバキア国営銃器工廠)」の頭文字。
命中精度が高く握り易いグリップを持つ事などから評価が高い。
本ロワに登場する物は9o×19o弾使用モデル。

【フェイファー ツェリザカ】
象撃ちに使われる強力なライフル弾、600NEを使用する超大型シングルアクションリボルバー。
全長は55p、重量は何と6sもあり、拳銃と呼べるかどうか怪しい所。
銃本体の重量が重いため反動は抑えられ、熟練者でなくとも扱えるらしいが、
そもそも6sもの重量を台も使わず保持する事自体難しい。
「パイファー ツェリスカ 」とも呼ぶ。


――――――――――――――

投下終了です。ごめんよのり子、浜岡先生……。
439シベリアの、カオスの風 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 22:14:49 ID:L0qychn2
電車に揺られること10分程度…G5駅がだんだん見えてきた。
(着いたか…それほどかからなかったな…!誰かがホームにいる!)
その時、ホームに立っていたのはさっき田鼠を襲い、戻ってきた513だった。
(どうしよう…何処かに隠れて…いや、狭い電車の中だ、隠れるところなんて…)
そんなことを思っている間にも、電車は無情にもホームへ近づいていた。

――

「電車が来たか…誰か乗ってれば好都合だがな」
そう呟き、感情が読み取れないような目で走ってくる電車を眺める。
そして、騒がしい音を立て、513の目の前に停車した。
電車に乗り込んだ513は車内を見回す。
(誰も…乗ってないか。)
そしてそのまま近くの座席に腰かける。
古いバネが擦れるような金属音が513の耳に、車内に響く。
「…さて、どこに向うのかなこの電車は」
その声を待っていたかのように、電車が発進する…

――

(誰なんだ…誰だ乗ってきたのは!?それに発車したようだし…)
電車の3輌めにあったトイレに駆け込み、音を立てずに隠れていたところに、
人の足音と、座席に座る音。
「相手が何の武器を持っているか分からない。無闇に出て行っても殺されるだけだ…」
そう蚊の鳴くような声で呟く下痢。
だが、これほど小さな声で喋らなくても、513に聞こえる心配は無いのだが…
何しろ3輌編成の電車の前と後ろほど離れているのだから。
「とにかく、今行動を起こしても良い結果には繋がらないな…まだここでじっとしていよう」
誰に言うでも無く呟く。

【一日目/深夜/G-4:走行中の電車内】

【下痢@板対抗BR】
[状態]:健康、恐怖(中)
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、宇理炎@SIRENシリーズ、「ふうのしん」の枝@かまいたちの夜
[思考・行動]:
基本:絶対死にたくない!
1:誰なんだ乗ってきたのは…怖くてたまらない…!


【513@テラカオスバトルロワイアル】
[状態]:健康
[装備]:コルトパイソン@現実
[所持品]:支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
基本:ズガンを防ぐために自分以外を殺す。
1:…誰もいないのか。
440シベリアの、カオスの風 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 22:21:27 ID:L0qychn2
「…行ったか」
そう呟き、物陰から飛び出してきたのは…ダンボール。
「危険そうな奴だな。注意しないと…」
そしてそのままダンボール…いや、ソリッド・スネークはその場を去った。
(電車の中に前からいた奴…あいつは危険なのだろうか?)

【一日目/深夜/G-5:G5駅付近】

【ソリッド・スネーク@メタルギアソリッドシリーズ】
[状態]:健康
[装備]:ダンボール箱@メタルギアソリッドシリーズ
[所持品]:支給品一式、不明支給品
[思考・行動]:
1:今の奴…要注意だな
2:電車に乗ってきたやつは…?
※下痢がスネークに気づいているかは不明です。
441シベリアの、カオスの風 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 22:24:26 ID:L0qychn2
※513は下痢には気づいていません
442策士 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/12(土) 23:23:15 ID:L0qychn2
◆Right//mkoは無我夢中で住宅街を走っていた。
なにせ何気なく自分が街の中を歩いていたら変な格好の男に襲われたのだ、動揺しない訳が無い。
そして◆Right//mkoを襲ったのは、MUGENキャラ作成の父でもあり母でもある存在、カンフーマンだった。
(痛い…くそっ…!)
◆Right//mkoはカンフーマンに襲われた時手を挫き、手の痛みと恐怖で、半ば半狂乱になっていた。
「嫌だっ…死ぬのは嫌だ…!」
死への恐怖が、◆Right//mkoを包み込んでいくのを、手の痛みがさらにそれを加速させる。
そして、それを鬼のような形相で追いかけるカンフーマン。
「くっ…いつまで追いかけ…!」
その瞬間、爆音が響く。
◆Right//mkoの進行方向にあった塀の影にクレイモアが仕掛けてあったのだ。
そしてその爆発で発射された700個の鉄球が◆Right//mkoの体をまたたく間に貫く…!
「…ぁ…ぅ…嫌だ…死にたく…な…」
そして意識に黒い部分が増え、◆Right//mkoの目の前が今の闇よりも真っ暗になった…

「…俺はキャラ作成の雛形で終わるようなキャラじゃない…!それを分からせてやる!」
胸に秘めたる思いを込め、カンフーマンはその場を後にした…






「…と、演技はここまででいいか。」
カンフーマンがその場を立ち去った後、むくりと立ち上がる◆Right//mko。
「危ない奴だな。これを着てなかったら死ぬとこだったな」
服のボタンを外し、下に着ている防弾チョッキを見せる。
「まだ死ぬわけにはいかないんでね」
次の瞬間、辺りに爆音が再び響き渡る。
◆Right//mkoの体はまるで古びた人形のように吹き飛ばされていた。
「え…?」
今の状況を理解できないような表情のまま、◆Right//mkoの意識は途切れた。


「まったく、さっきこいつの支給品を拾い忘れたと思って戻ってきたらこれか。用心してもう一つ仕掛けといてよかった」
カンフーマンは手に持っていたC4の起爆スイッチを道着のポケットにしまう。
「あんたには何の恨みも無いが、俺もやらないといけないことがあるんでな。」
そして、カンフーマンは再びその場を後にした。

【一日目/深夜/F-7:住宅街】

【カンフーマン@MUGEN】
[状態]:健康
[装備]:クレイモアとC4@メタルギアソリッドシリーズ
[所持品]:支給品一式、不明支給品、◆Right//mkoのデイパック
[思考・行動]:
基本:俺がキャラ作成の雛形で終わるようなヤツじゃないと教えてやるよ
1:恨みは無いんだが…許してくれ
※F-7に爆音が2回響きました。回りのエリアにも少し響きました。

【◆Right//mko@板対抗BR 死亡】
死因:爆死
443歪み無い生き方/イチローの冒険 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 00:39:35 ID:bnx8B+/S
「まったく、さっきの男は一体どういうことなの…歪みあるな。」
高層ビルのフィットネスクラブの一室にトレーニング器具に腰かけた男がいる。
「森の妖精」こと、ビリー・ヘリントンだった。
(しかし…一体どうなっているのか?この本に乗っている名前、カズヤや吾作は知っているが…
このヴァンとか言う男は一体…?どんな顔なのかも分からない。)
しばし頭の中でこれからの行動方針をまとめるビリー。
「…よし。まずはここを出よう。」

――

場所は変わって…ビリーがいる高層ビルから北に1エリア行った所にあるショッピングモール。
真っ暗なショッピングモールの衣類品エリアを辺りを警戒しながら進むイチロー。
(一体どうなっているんだろうか?いつもの様に練習をしていたらいつの間にかここに来ていた…)
イチローは運よく、イングラムM10と言うかなりの当たり武器を支給されていた。
そのイングラムを片手に、懐中電灯で辺りを照らしながら進む。
そうやって歩いて行くうちに、吹き抜けのような場所が見えてきた。
辺りを警戒しながら、吹き抜けから下の階を照らしていく…
(何もない…!?)
イチローが下の階を照らしていく時に、足のような物が見えたのだ。
(気のせいかな…?)
そう思い、再度足のような物が見えた場所を照らす。
だが、気のせいなどでは無かった。確かに「足」があった。
その足は…阿部に掘られ、事切れていた◆6/WWxs9O1sの物だった。
「…!!」
そんな光景が、イチローに死の恐怖と現実を知らせた。
(夢じゃ…無いんだ…)


【一日目/深夜/E-6:高層ビル内:フィットネスクラブ】

【ビリー・ヘリントン@本格的 ガチムチパンツレスリング】
[状態]:健康
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、不明支給品×2
[思考・行動]:
基本:だらしねぇゲームになんて乗らない。
1:仲間を集めたい…


【一日目/深夜/D-6:ショッピングモール:2F吹き抜け付近】

【イチロー@ニコニコ動画】
[状態]:健康、動揺、恐怖(小)
[装備]:イングラムM10@板対抗BR
[所持品]:支給品一式、不明支給品
[思考・行動]:
基本:殺し合いなんてしたくない。
1:本当に…あの人は死んでるのか…
444殺戮にいたる病 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 01:47:53 ID:bnx8B+/S
「…あ、あれ!駅じゃない?」
突然めろりんが声をあげる。
「あ、あれ?あれ俺がスタートした場所だったんだよねー」
そう返す◆PURIN//46E。
時間は少し遡り…

スタート直後。
「火掻き棒に、狩猟用狙撃銃…火掻き棒はともかく、狙撃銃は強そうだ。」
駅のホームにある椅子に腰かけ、支給品を確認している◆PURIN//46E。
(ここに座ってても埒があかない。ここから脱出するにはどうすればいいんだろ?)
色々候補を立てる。
優勝して自分だけ帰る…問題外。
何か脱出手段を探す。…まあこれだよね。
そのためには首輪をどうにかしないと…多分普通に出ればこれが爆発するだろう…
いろいろ思案した結果…1つの結論がでた。
「…港行ってみるか。ここから出るには船が無いと…」
そう思い立ち、◆PURIN//46Eは港へ足を進めた。

時間は戻り…
「…どうする?電車を待つ?」
「そうだねー、とりあえず来るのを待って乗ってみようかー」
そうこう言っている内に、電車が来た。
「隠れて様子を見てみよう。誰か乗ってるかもしれないし」
とりあえず2人は物陰に隠れて様子を見ることにした。

――

そして、C4駅に向っている電車に乗っていたのは、513(と下痢)だった。
「誰かいるんだろうか」
そう思い立ち、電車の先頭からホームを見る。
…人影は無い。
そうしている内に金属音を立てながら、電車が停止した。
ドアが開き、513がホームに降りる。
「…動くなっ!」
その瞬間、◆PURIN//46Eが物陰から513に向って狩猟用狙撃銃を向け叫ぶ!
(…プリン、いいの?もし相手がゲームに乗って無かったら…)
めろりんが小声で話しかける。
(…大丈夫。そんな人なら後で事情を話せば…!)
その瞬間、513の持っていたコルトパイソンから弾が発射された…!
そしてそれと同時に弾が何かに当たる金属音。
「うわあっ!」
慌てて物陰に隠れる◆PURIN//46E。
続いて2発、3発と弾が撃ち込まれる!
「くそっ!誰にも俺をズガンさせねぇ!絶対にだ!」
大声で叫びながらさらに弾を撃ち込む。
…不意に銃撃が止まった。
(弾切れかっ!今がチャンス!)
その瞬間、◆PURIN//46Eは影から飛び出し、513に碌に標準も合わせずに弾を撃ち込む!
「ぐああっ!」
◆PURIN//46Eの放った弾がたまたま肩に当たったようだ。
チャンスと言わんばかりに◆PURIN//46Eは513に走りよって…
火掻き棒で重い一撃を加える!
「あがあっ!」
513の悲痛な声がホーム中に響く!
なおも◆PURIN//46Eは攻撃を止めない。
「う…くそ…俺はやっぱり…ズガ」
その一言を言い終わる前に、513の意識はプツリと途絶えた。
445殺戮にいたる病 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 01:50:10 ID:bnx8B+/S

「あ…とうとうやっちゃった…」
手に持っていた火掻き棒を落とし、その場にしゃがみこむ◆PURIN//46E。
「プリン…」
めろりんが後ろから話しかける。
「めろりん…俺…とうとう…」
今にも泣き出しそうな顔でやっと答える。
「プリンは…悪くないよ…あっちから仕掛けてきたんだもん…」
「そう…だよね…俺は…悪くない…悪くないんだ」


「…!」
その光景の一部始終を電車から見ていたのは…下痢だった。
だが、視線の先は◆PURIN//46Eでは無く血を流して死んでいる513だった。
(なんだ…この感覚…血を見ると…変な感じに…)
「ふうのしん」は徐々に、だが確実に下痢を蝕んでいた。


【一日目/深夜/C-4:C4駅ホーム】

【めろりん@板対抗BR】
[状態]:健康、戸惑い
[装備]:風切り鎌@かまいたちの夜
[所持品]:支給品一式、蟹@本格的 ガチムチパンツレスリング
[思考・行動]:
基本:人は殺したくない。
1:何て言ってあげたらいいんだろう…


【◆PURIN//46E@板対抗BR】
[状態]:健康
[装備]:狩猟用狙撃銃(6/7)@SIRENシリーズ、火掻き棒(血付き)@SIRENシリーズ
[所持品]:支給品一式、
[思考・行動]:
基本:人は殺さない…でも相手から仕掛けられたなら話は別。
1:とうとう人を殺してしまった…!


【一日目/深夜/C-4:電車内】

【下痢@板対抗BR】
[状態]:健康、「ふうのしん」少し発症
[装備]:なし
[所持品]:支給品一式、宇理炎@SIRENシリーズ、「ふうのしん」の枝@かまいたちの夜
[思考・行動]:
基本:絶対死にたくない!
1:この感覚…何なんだ…!
※めろりん達は下痢に気づいていません。
446殺戮にいたる病 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 01:54:30 ID:bnx8B+/S
【513@テラカオスバトルロワイアル 死亡】
死因:撲殺
447 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 02:11:12 ID:bnx8B+/S
すいません、>>443はなかったことにして下さい。
また考え直します
448 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 14:21:02 ID:REkIP6uk
投下乙ですw 凄い投下ペースだww
狩猟用狙撃銃は予備弾薬無いのか…
449 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:22:32 ID:Qq+AZ+iZ
投下おつです。ペース早いw

一般……?人ロワ四話、白鐘直斗、木原篤郎、不動遊星投下します。
450箱庭隔離 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:23:38 ID:Qq+AZ+iZ
D-6の最東端。
後数歩でエリア外というそこに二人の青年……否、二人の男女が並んで立っていた。

「この地図を見る限りここがエリア境界線みたいだ、白鐘」
「ええ、COMPに書かれていることが本当ならこの先に進めば僕達の頭は爆弾によって爆発する……」
「それを調べるってのはいいんだけど、大丈夫なのか?」
「この提案を先にしたのはアツロウ君ですよ」

そりゃそうだけど、と白い帽子の上から頭を掻いている青年は木原篤郎、もう一人と一見すれば小柄な男子に見える少女が白鐘直人という。
この二人がCOMPのルールを読んで真っ先に考えたのが、この情報はどこまでが真実なのか、という点である。
見る限り自分たちを殺し合いへと煽りたてるルールは頭部に仕掛けられた爆弾というただ一つ。
しかし頭の中に異物を埋め込むなどという手術をされた覚えはない、直人は自身が知らぬ間に誘拐されるという体験をしたことがあるものの、流石に外科手術を気付かれないように行うことは不可能だろう。
そして爆弾を仕掛けたという事が嘘であるならば当面の危機はなくなる、30人もの人間を連れ去った方法が分からない以上安心はできないが、殺し合いを行う必要性はなくなる。
そう話し合い、二人は今エリア端で最後の確認をしていた。

「大丈夫ですよ、爆弾が本当であろうと嘘であろうと、すぐに何らかのアクションが起こる可能性は低いはずです」
「何で言い切れるんだ?」
「僕達の見ているこの光景が答えです、エリアの境界線とやらはこの端末には書かれているけれど現実には描かれていない、あやふやなものだ」
「……そうか、もしエリア端で誰かと戦ったら弾みで外に出てしまう可能性は高い」

アツロウの言葉に頷き、一歩エリア端へと歩を進める。

「この殺し合い……バトルロワイアルを企んでいる者が何を目的としているかはわかりませんが、『参加者同士で殺し合う』事を望むのであれば極力自分たち、主催の介入は避けたいはず」
「警告無しで爆破、なんてことはありえないってことだな。よくそこまで頭が回るなぁ、探偵ってのは伊達じゃないってことか」
「いえ、先ほども言いましたが爆弾のことを考えだしたのはアツロウ君の言葉のおかげですよ」

東京の大部分が閉鎖された『悪魔』による事件。
TVの中の世界に住みつくシャドウを利用した殺人事件。
この二人はそれぞれ巻き込まれた事件において、その優れた頭脳によって仲間たちのサポートしてきた、状況の把握は誰よりも――元々GANTZを知っていた者を除いて――早い。

「それじゃあ、行きますよ」
「お、おう」

気を入れなおして足を進める。
すぐに死ぬことはないはずだと理解していても、万が一の可能性を考えるととてつもない恐怖を感じてしまう。
直人も表面上は平然としているが緊張を隠しきれてはいない。
一歩、また一歩と二人は死線へと近づいていく。
その足が丁度十歩目を踏み出そうとした瞬間。
451箱庭隔離 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:24:23 ID:Qq+AZ+iZ

――ピンポロパンポン

「「っ!?」」

突然流れ出した音楽に二人は一瞬動きを硬直させる。

――ピンポロ

その硬直も一瞬のみ、直人はすぐさま後ろに飛び退りエリア内へと戻る。
が、その視界にその場に立ち尽くしたままのアツロウを見つけ驚愕の色に顔を染める。

――パンポン

「アツロウ君!?」
「まだだ、まだ……」

直人が叫ぶがアツロウは周囲に視線を巡らせながら下がろうとしない。
やむを得ず白鐘は再び地を蹴りアツロウの下へと向かう。

――ピンポロ
――ロ

「ここか!?」
「くっ!」

――パン

アツロウが何かに気づくと同時に直人が襟首を掴み力づくで引き戻そうとする。
急に背後からかけられた力に尻餅をついてしまい……

――ポ

鳴り響いていた音が止まる。
しばらくの間周囲や自分の体に視線を向け、何も変化がないと判断し二人同時に大きく息を吐く。

「はぁ……あまり焦らせないでください、何をしていたんですか」
「わ、悪い、あの音がどっから流れてるかを確かめないとって思ってさ」

呆れた視線を向けていた直人の表情が感心したものに変わる。
自分は安全を最優先として最低限のところまでしか調べようとしなかったが、アツロウは自分の一歩先まで踏み込んだ。
あのわずかな差で死んでいた可能性を考えると褒められた行動ではないにせよ、貴重な情報を得た事は賞賛に値するだろう。

「それならそうと最初に言ってくれればよかったものを……それで、音源はわかったんですか?」
「ああ、白鐘がもう一度来てくれたから気づいたんだけど、俺たちの頭の中だ」

直人がアツロウを引き戻そうと再びエリア外に出た瞬間、わずかに音楽がずれて聞こえたのだ。
これでこの殺し合いの参加者の頭部に何かが埋め込まれていることは確定した、それはこの場から逃げ出すことができないということであるが……二人の顔に絶望の色は見えなかった。

「頭部に仕掛けられているということは何らかの遠隔装置……人体の中で動作するということは、電波により動作する機械的な物である可能性が高いですね」
「ならそいつの電波をどうにか妨害しちゃえば、ここを突破できる!」

この二人は爆弾がブラフである可能性になど賭けてはいなかった。
無論そうであるならば一番よかったのだが、そんな低い確立にすべての希望を委ねる人間ではない。
すぐに次に行うべき行動を考え、必要な道具を探そうと動き出す。
452箱庭隔離 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:25:55 ID:Qq+AZ+iZ
「電気関係の材料……デパートに行けばいくらか調達できそうだな」
「アツロウ君は機械関係は強いんですか?」
「まあ、普通よりはってレベルだけど……でも電波を妨害するぐらいだったらなんとかできる」

と言いながら、アツロウは自身でも不安そうな表情を見せる。
何せ失敗は許されない、もしも電波の妨害に失敗したらその瞬間ドカン、だ。
直人も察したのだろう、その表情にわずかに影がさす。

「できれば専門家の協力が欲しいですね……」
「そうだよな……」
「そういうことなら、協力させてくれないか」

横手からかけられた声に二人はすぐさま身構える。
一拍置き、細い路地の影から一人の男が現れる。
濃紺のコート、奇抜な髪型、刺青なのだろうか? 顔に入れられた黄色いマーク。
そのどれをとっても二人には理解できないセンスだ、アツロウはかろうじてコスプレという単語が浮かぶが、それにしたって顔のマークはシールとかではなく完全に皮膚に焼き付いている、行き過ぎだ。
二人の絶句をどう解釈したか、男はデイパックを離れた場所へと放り投げ両手を上げる。

「俺は不動遊星、ネオ童実野シティで修理屋をやっている、アンタ達が話していた機械を作る協力はできるはずだ」

敵意がないことを示しながら自己紹介をする遊星だったが、戸惑った視線を返されてしまう。
それも仕方のないことだ、直人とアツロウが住む世界にネオ童実野シティなどという街は存在しない。
それでも直人はどこか自分の知らない外国の名前なのかと思考を巡らせるが、アツロウは完全に自分の仲間でもあるコスプレイヤー:ミドリと姿を重ねて「電波な人」と認識を固めようとしている。
しかし一番焦りを感じているのは当の遊星である、二人が命がけで爆弾に関する実験をしているのを黙って見ていたことを非難される覚悟はしていたが、自己紹介をしただけでこんな反応をされるとは想定していなかった。

「あー……っと、まあ色々置いておくとして、遊星さんは機械関連に精通してるのか?」
「あ、ああ、さっきも言った通り修理屋をやっている、パーツと時間さえあればDホイールも作れる程度の技術は持っている」
「でぃーほいーる……?」

聞き慣れない単語に直人は眉をひそめるがアツロウはすでに聞き流す体勢に入ってしまっている。
レイヤーに迂闊に専門用語などを聞いてしまえば延々と語り始めかねない、知らない単語にいちいち突っ込むのは貴重な時間を浪費してしまうだけだ。
それにこれだけ凝ったコスプレ衣装を作れるというのは手先の器用さなどは抜群だということを意味する、機械に強いというのもキャラになりきってるからというわけではないかもしれない。

「そういうことなら手伝ってもらっていいかもな、白鐘はどう思う?」
「……いまいち意味がわからない言葉が多いですけど、丸腰の状態で僕たちの前に現れたという行動は信用に値すると思います」
「よし、決定だな、俺は木原篤郎、こっちは白鐘直斗、よろしくな!」
「ああ、よろしく頼む」

ようやく顔を綻ばせ、差し出された手に答える。

(しかし、頭の中に異物を埋め込まれている……いったいどうやって?)

三人でデパートへ向けて歩きながら、直人は一人思考を巡らせ続ける。
先程の実験で自分たちに何かが仕掛けられていることは判明した、しかしその手術跡のような物は見つからない。
最初の部屋へと連れ去られた時といい、自分の理解の範疇を超えている技術を持っているのは確実だ。

(電波を撹乱し、とりあえず逃走することができたとしても……それだけでは解決しない)

どうやって捕らえられたかわからない、それはつまり、どこまで逃げれば安全なのかもわからないということだ。
この殺し合いを企んだ者を見つけなければ一生怯え続けることになるだろう。

(だけど、手がかりがなさすぎる)

今の状態では殺し合いの目的さえも掴めない、すべては深い霧の中だ。

(先輩……力を貸してください)

その霧の中、直人が思い浮かべるのは一人の男性。
誰よりも大切に想う人に祈りを捧げ、彼女は霧に隠れた真実を模索する。
453箱庭隔離 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:26:51 ID:Qq+AZ+iZ
【D-6/街/一日目 深夜】
【白鐘直斗@ペルソナ4】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:殺し合いの首謀者を探し出す。
2:デパートで電波を撹乱する機械を作る。

【木原篤郎@デビルサバイバー】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:デパートで電波を撹乱する機械を作る。

【不動遊星@遊戯王5D's】
【状態】健康
【装備】なし
【所持品】支給品一式、不明支給品1〜3
【思考】
1:デパートで電波を撹乱する機械を作る。
454 ◆c92qFeyVpE :2009/12/13(日) 19:27:33 ID:Qq+AZ+iZ
投下終了です。
455創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 19:32:37 ID:GHsiDMxe
投下乙です

とりあえず遊星カワイソスwwww
456羽ばたけ不死鳥 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 20:16:41 ID:uCjbUQzu
投下します

「どうなってるの?」
いまいち状況が掴めないまま、非常灯以外の電灯が点いていない病院の中を、
懐中電灯片手に歩く不死鳥。
(真っ暗な病院って怖いよねー)
そう思いつつも1つの病室に入る。
そこは個室だった。
「個室…余計に怖いよー」
そう思いながら、壁にあったスイッチを押す。
明かるい光が急に目に入り、凄く眩しい感覚のあと、視界がもとに戻っていく。

そのまま部屋の大部分を占めるベッドにごろりと横になる不死鳥。
(…どうしたらいいんだろう。武器はいいけど…)
そう考え、不死鳥は近くの台に置いたFN ハイパワーを見つめる。
それは、病室の電灯の元で黒々と光っていた。

――


手に持っているネイルハンマーを握りしめ直し、用心しながら病院の入り口を開け中に入る。
(真理なら丁度いいんだけど…他の誰かなら…どうしよう)
心の中で考えながらも、光が見えた病室を目指すために階段を探す矢島透。


(何があっても、真理だけは死なせない…!)
心の中で、そう決めスタートした場所からたまたま見えた病院に向かう途中。
「…光?」
一つの病室から光が微かに漏れているのが見えたのだ。
これは誰かいるに違いないと思い、早足で病院の入り口まで向かった。

「階段とエレベーター…どっちでもいいか。」
そう思い、階段を駆け上がって一気に病室があるであろう2階へ。
少し乱れた呼吸を整え、辺りを見回すと…あった。
用心しつつ、足音を立てないようにそっと病室を覗き込むと、男が1人ベッドに寝ていた。
「そこにいるのは誰?こっちにどうぞ」
その男がむくりと起き上がり、透に向かって話しかける。
「あ…いや…僕はゲームには…」
あたふたとその一言をなんとか絞り出す…


「すいません。誰かいると思って覗いていたんです」
謝る透。
「別にいいよ!気にしてないし!気にしないで!」
それを気さくに返す不死鳥。
どうやら、このコンビは上手くいきそうだ…
457羽ばたけ不死鳥 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 20:17:29 ID:uCjbUQzu
【一日目/深夜/E-7:E7病院:2F病室】

【不死鳥@板対抗BR】
[状態]:健康
[装備]:FN ハイパワー@現実
[所持品]:支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
1:どうしようかな


【矢島透@かまいたちの夜】
[状態]:健康
[装備]:ネイルハンマー@SIRENシリーズ
[所持品]:支給品一式、不明支給武器
[思考・行動]:
基本:何が何でも真理を守る。人殺しはしたくない。
1:やさしそうな人でよかった…
458 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:34:05 ID:REkIP6uk
えーと、投下終了したんですかね?
459 ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 20:37:42 ID:uCjbUQzu
そうです
あいまいですみません
460 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:46:56 ID:REkIP6uk
>>459 投下乙です。
>>箱庭隔離
対主催及び首輪解析グループ結成か? 解析とはまた違うか。
乙です。
>>羽ばたけ不死鳥
こちらも来たかネイルハンマー! フェニックス!
乙でした。

自分も投下します。個人趣味ロワ第13話「フラウちゃんの受難」
登場:フラウ、伊賀榛名
461フラウちゃんの受難 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:50:24 ID:REkIP6uk
13話「フラウちゃんの受難」

修学旅行に行ったはずなのに、クラス全員で「殺し合え」って言われて。
意義を申し立てたクラス委員のラトが、首輪を爆破されて殺された。
最初は何かの冗談だと思った。でも、私が脈を測り、死んでいる事が確認出来た。
そして殺し合いが始まって、会場中を歩き回って、
やっと見つけた、小学校以来の付き合いで、私の中学時代からのパートナー的存在、玉堤英人。
それと幼馴染のケトルも一緒だった。
でも、英人は私を置いていった。私を気絶させて。
目覚めた時、英人はもういなくて、私は傍にいたケトルを問い詰めた。
でも私が納得出来るような答えは返ってはこなかった。
その時の私は、どうかしていたのかもしれない。
ケトルが何か隠していると決め付けて、私は持っていたグレネードランチャーで脅しを掛けた。
ケトルは逃げ出した。私は追いかけた。そして、眼下に森が広がる崖に追い詰めた。

「教えてよケトル。ねえ、ケトル…」

でも、結局答えは聞けなかった。
ケトルに反撃されて、私は崖の下へ真っ逆さま。
……そこで私の記憶は途絶えている。


そして気が付いたら、今度は別の殺し合いに呼ばれていた。
あの後私はどうなったんだろう、死んじゃったのかな。
ケトルにサーベルで斬り付けられた時の傷や、崖から落ちた時の怪我も完璧に無くなってるし、
あのセイファートとかいう狼族の女性の仕業なんだろうか?
これは……いくら考えても答えなんて出せないな。
おまけに私と同じく殺し合いに参加させられていたクラスメイトも何人か、
この別の殺し合いに参加させられてるみたいだけど、英人やケトル、由佳ちゃんはいないみたい。

「それにしても、ここって何?」

今私が歩いているのは店舗が並ぶ市街地……みたいなんだけど、
何だか怪しいお店ばっかり。
どういう店かと言うと、えーと、そのー、いわゆる「いかがわしいお店」って奴?
「ロリっ子専門ヘルス」だの「ウルフガールハウス」だの。
本当なら私みたいな高校生が一人で歩いてちゃいけない場所よね。ここ。
もっとも、今ここを歩くのは私一人なんだけどね。

それにしても、これからどうしよう。
ランダム支給品を確認したら、出てきた物は特殊警棒と長さ8メートル程のロープ。
前回私に支給された物がグレネードランチャーだった事を考えると、結構落差があるなぁ。

「武器だっただけマシか……」

私は特殊警棒を装備し、デバイスで現在位置を確認する。
すると画面に「E-2」と表示された。地図と照らし合わせて見るとやっぱり市街地みたい。
まあ周りの風景で分かるけども。

「とにかく、下手に動き回るのは危ないし、どこか――」

「身を潜められる場所を探そう」と言いかけた時。

バリィッ!!

「あっ……」

何かが爆ぜるような音同時に、私の身体中を強力な電流が走り抜ける。
そして、そのまま私の意識はブラックアウトした。
462フラウちゃんの受難 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:51:17 ID:REkIP6uk
「ん……」

目覚めると、そこはどこかのホテルの一室のような部屋だった。

「……え? ええええええええええ!!?」

そして、今の自分の身体の状況に、驚愕する。

「ど、どうしてっ!? どうして私何も着ていないのっ!?」

私は、身ぐるみを全部引き剥がされ、ブラジャーとパンティーは愚か、
靴も靴下も履いていない! 見つけているのは首輪のみ、後は全裸という、ある意味滅茶苦茶危ない格好!
しかも、両腕は後ろに回され、何か手錠のような物で拘束され、身動きが取れないい!

「目が覚めた?」
「!!」

突然背後から女性の声が聞こえた。
驚いて振り向くと、そこには私の通う学校とは別の学校の制服を着た、私と同じ狐族の少女が。
ベッドに腰掛け、ニヤニヤと笑みを浮かべている。

「あ、あなた誰っ!? 私をここに連れてきたのは、あなた!?」
「うん。そうだよ。ごめんね手荒な真似しちゃって」
「い、一体何をするつもりなの? 私をどうするつもりなの!?」

突然気絶させて、しかもこんなホテルのような部屋の一室に連れ込んで、
しかも身ぐるみ全部剥がしているという事は、絶対によからぬ事を企んでいる、この女は。

「まあまあ、落ち着きなさいな、フラウちゃん」
「!! な、何で私の名前を……」
「制服の裏に名前が書いてあったから。あ、私、伊賀榛名って言うの。よろしく〜」

そう言うと伊賀榛名と名乗った狐族の少女は、ベッドから立ち上がり、

「え?」

目の前で、信じられない行動を取り始めた。
着ていた制服を脱ぎ始めた。
まずは靴、そしてニーソ、そしてブレザー、そしてネクタイ、Yシャツ、スカート……。

「……!?」

目の前のストリップショーに、私は困惑し言葉を失っていた。
そして、伊賀さん(一応さん付けしとく)が、ブラのフックに指を掛けた。
直後、伊賀さんのブラが外れ、明らかに私よりサイズがある乳房が露わになる。
そして最後に、パンティーをも脱ぎ捨て、伊賀さんは一糸纏わぬ、生まれたての姿になった。
私とは違った色合いの毛皮に覆われた、均整の取れた美しい身体に、
同性である私でも思わず顔を赤らめ、ごくりと唾を飲み込んでしまう……じゃなくて!
463フラウちゃんの受難 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:51:58 ID:REkIP6uk
「もう、分かるでしょ?」

伊賀さんが舌なめずりをしながら言う。
え? いや、もう分かるでしょって、私は全裸で腕を後ろで拘束され身動き出来ない状態、
伊賀さんは同じく全裸だけど自由に身動きが……。

ま、まさか。

「ちょ! ちょっと待って! ちょっと待ってえええ!! そ、そんな女同士でそんな!」
「あら? 女同士もいいものだよ? でも、フラウちゃん、処女みたいだし、まだ分からないか」
「――――!! な、何で……」
「あなたが気絶してる間に色々調べたからね。
そんなに良い身体してて美人なのに、まだ未体験だなんてもったいないなー」
「〜〜〜〜〜〜!!!」

私が気絶している間、私の大切な部分は、この変態女にじっくり観察されてたって事!?
顔が熱い、赤面しているって事が自分でも分かる。

「でも、安心して。私が筆下ろししてあげる。
それ以前にフラウちゃん、私の好みだし。可愛いもん。
大丈夫、最初はちょっと痛いけど、段々気持ちよくなってきて、何も考えられなくなっちゃうよ♪」
「ひっ、ひいいいいいいい!!」
「大声出しても平気だよ。ここ、ラブホテルだから、防音バッチリだし、
入口の扉もしっかり鍵かけておいたから」
「あああ、やめてっ、そんな、私……!」

伊賀さんがじりじりと距離を詰めてくる。
逃げられない。逃げる術が無い。
ああ、嫌だ、私の純潔はっ、こんな所でっ……!
464フラウちゃんの受難 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:53:28 ID:REkIP6uk
「いっ……やああああああああああああああああああああああああああ!!!!」









お父さん、天国にいるお母さん、お姉ちゃん、英人、由佳ちゃん、ケトル。

ごめんなさい。

私は今日、大人になります……。




出来る事なら、私の純潔は、英人に、捧げたかった、のに。




【一日目/深夜/E-2市街地裏繁華街ラブホテル】

【フラウ@自作キャラでバトルロワイアル】
[状態]:全裸、両腕を背中で拘束されている、快楽、伊賀榛名に弄ばれている
[装備]:無し
[所持品]:無し
[思考・行動]:
0:(何も考えられない)
[備考]:
※本編死亡後からの参戦です。
※フラウの衣服と所持品は伊賀榛名が預かっています。

【伊賀榛名@オリキャラ】
[状態]:全裸、快楽、興奮、フラウを弄んでいる
[装備]:無し
[所持品]:無し
[思考・行動]:
0:殺し合いはするつもりは無い。但し襲われたら対処。
1:フラウちゃんをもっと味わう♪
2:イイ男イイ女がいたら……ウフフ。
[備考]:
※衣服と所持品は部屋の中に放置されています。
465フラウちゃんの受難 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:55:55 ID:REkIP6uk
※ラブホテルの何階の何号室にいるのかは今は不明です。
※フラウが快感の余り大声をあげていますが防音設備が整っているため外には漏れていないようです。



≪オリキャラ紹介≫
【名前】伊賀榛名(いが・はるな)
【年齢】18
【性別】女
【職業】高校生
【性格】思いやりがあり優しいが、変態
【身体的特徴】黄色い毛皮の狐獣人、完璧とも言えるスタイル。青い瞳
【服装】学校の制服である赤ネクタイ付きの黒っぽいブレザーとミニスカートに黒いニーソ
【趣味】読書、料理、(性的な)食べ物探し
【特技】テクニック(性的な意味で)、力が強い
【経歴】5歳の時に両親と自分が乗った車が交通事故に遭い、両親は死亡し、
自身も大怪我を負い一命は取り留めたが、一生子供を宿せない身体になってしまった。
しかし現在はそれをいい事に学校の多くの男子生徒、女子生徒と肉体関係を持ち、楽しんでいる
【備考】変態である事を除けば非常に善人で、友人は多く人望もある。

≪支給品紹介≫
【特殊警棒】
伸縮可能な金属製の警棒。強度の面で若干不安はあるが、
打撃武器としてはそれなりに有効。

【ロープ】
長さ8M程の普通のロープ。丈夫なので簡単には千切れない。
刃物で適度かつお好みの長さに切ってお使い下さい。
勿論そのままの長さで使うのもアリ。
466 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/13(日) 20:57:11 ID:REkIP6uk
投下終了です。自作ロワで大好きなキャラの一人、フラウを出せて満足。
467創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 21:48:10 ID:GHsiDMxe
投下乙です
まったくこれだから◆UwuX8yY6RQさんは
468妖刀の恐怖1st ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 23:04:36 ID:uCjbUQzu
また投下します

「誰かいないのかしら…」
誰もいない道を、もう一つの支給品であったセグウェイに乗って走る彩子。
「道が悪くなってる…仕方ないわね」
彩子は足場の悪い道を通るのをあきらめ、西にある湖目指して走り出した…


「誰もいないのか。この小屋にも何もなかったし」
ぶつぶつ言いながら湖近くの古びた小屋から出る霜月。
(何もないならここにはもう…!)
東の方から何かが走ってくる音が聞こえる。
とっさに小屋に戻り、小屋の窓から外を見る。
東の方向から走ってきたのは、妖刀の魔力に憑りつかれた守谷彩子だった。
彩子は、その場でセグウェイを降り、霜月の隠れている小屋にまっすぐに歩いてくる。
(何でこっちに来るんだよ…まずい、隠れないと)
霜月は辺りをさっと見回し、まだ真新しいクローゼットを見つけた。
(壊れるかもしれないが、隠れないよりましか)
そしてすばやくクローゼットに隠れ、扉の隙間から小屋の中を覗く…


「誰か…いるかしら?」
小屋のドアを押し開け、中を覗く彩子。
そして誰もいないことを確認すると、中に入る。
(…刀が血を欲しがってる。早く誰か斬らないと)
そして、小屋の中の家具等を1つ1つ調べていく…
その内の一つ、クローゼットに彩子の目が止まる。
それは1見すると良く分からないが、家具の前。
霜月は急いでいたので気づかなかったのだが、
―足跡が付いている。
(隠れてるのね?まったく…手間かけさせないで欲しいわ)


(何だ、気づいてるのだろうか?そうなら、気のせいだと思ってくれ…!)
だが、現実は非情だ。
彩子はクローゼットに歩み寄り、取っ手に手を―
…かける前に、霜月が手にイングラムM10を握り飛び出す!
「動くなっ!動けば撃つ…!」
その目には、それで人を殺し兼ねない程の恐怖と殺意がこもっていた。
「あら、そんなものでどうするつもり?まさか私を殺そうとでも?」
だが、それをまったく気にかけずに余裕を丸出しにして言う彩子。
霜月と彩子の間の間隔はだいたい2,3mはあるだろう。
(この距離で撃てば、確実に仕留められる…)
そして霜月は引き金を引いた。
ぱららららっと古いタイプライターのような音がしたのち、何かを弾くような金属音。
「…え?」
彩子は傷一つ負っていなかった。
…信じられないことに、妖刀を持っている手が勝手に動き飛んできた弾を弾いたのだ。
「嘘…だろ…」
霜月はまさに信じられないと言うような顔で呟く。
「あら、その程度?じゃあこっちから行くわよ」
そう言い放ち、彩子はすばやく霜月の懐に潜り込み、下から上へ斬り上げた。
「あ…なん…で…」
最後に力無く呟き、霜月はその場に崩れ落ちた。
469妖刀の恐怖1st ◆6LQfwU/9.M :2009/12/13(日) 23:05:32 ID:uCjbUQzu

「これで満足かしら?村正さん」
血がべっとりと付いている村正を見つめながらそれに話しかける彩子。
「さあて、今度は誰がいいかしら」
誰に言うでも無く呟き、彩子はセグウェイに乗ってその場を去った…


【一日目/深夜/B-4:B-3への道】

【守谷彩子@オリジナル】
[状態]:健康、血まみれ
[装備]:妖刀村正@現実、セグウェイ@板対抗BR
[所持品]:支給品一式
[思考・行動]:
基本:村正に血をあげるためにも参加者を殺す。
1:今度は誰がいいかしら?
(心の中):どうして、こうなってしまうの…?誰も殺したくないのに!


【霜月@板対抗BR】
死因:斬殺
470 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/14(月) 01:08:19 ID:kzmmMMzB
投下乙です。セ、セグウェイwwwwしかし彩子氏無双だw
自分もいきます。個人趣味ロワ第14話「月下幽鬼」投下します。
登場:宮田司郎
471月下幽鬼 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/14(月) 01:10:27 ID:kzmmMMzB
14話「月下幽鬼」

F-3に存在する、5階建ての総合病院の屋上に佇む、
病院という場所によく似合う白衣姿の男がいた。

「どうなっているんだ……殺し合いとは……」

男――宮田司郎は、ある用事があって自分が住む村にある「蛇ノ首」という場所に、
深夜に車を走らせ出掛けた。そして、その場所で用事を済ませた直後、
地震と共に大音量のサイレンが鳴り響き、意識を失った。
そして、再び意識を取り戻した時、そこは周囲に見知らぬ人物ばかりがいる、
どこかオペラホールのような豪華な内装の円形ホールにいた。
そして、黒い服を着た狼の頭部を持つ、空想の世界の「獣人」のような女性が、
「最後の一人になるまで殺し合え」と、この殺し合い――バトルロワイアルの開幕を宣言した。

「支給品の入ったデイパックに、首には爆薬の仕込まれた絶対に外せない首輪。
どうやらあの狼女は本気で殺し合いをさせる気らしいな。
全く……厄介な事になったな」

首にはめられた冷たい首輪の感触を再確認し、やれやれといった表情を浮かべる宮田。
デイパックを開け、中身を確認する。

「これは……刀か? アタリだな」

それは柄や鍔に装飾の施された大振りの刀だった。
鞘から抜いて引き出してみると、鋭い刃が月明かりを反射し光る。
重量があったが、扱えないレベルでは無い。
次に名簿を開いて見てみるが、知っている名前は、村の外れに住む老人の猟師「志村晃」のみ。
他は皆宮田は知らない名前ばかりだ。
「志村晃」なる人物も、宮田にとって特に親しい人間では無い。
むしろ、警戒対象になっている人物である。

(牧野さんや、八尾さん、神代家の人がいるかもしれないと思ったが、どうやら誰もいない。
なら……殺し合いに乗るのも、悪く無い。それに……俺はもう、一人殺している)

満月が輝く夜空を見上げ、宮田はルールに則り、殺し合う決意を固める。
この殺し合いが始まる前、既に彼は、衝動的とは言え人を殺している。
殺人が許容されるこの状況で、それを拒む理由も、彼には無かった。
472月下幽鬼 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/14(月) 01:12:35 ID:kzmmMMzB
「それにしてもここは、何の建物の屋上なんだ?
……この小さな機械で、方角や時間、現在位置が分かるのか」

説明書通りに操作すると、現在位置は「F-3病院」と表示される。
地図を見れば、確かにF-3に「病院」とランドマークされている。

(奇縁だな。医者である俺のゲーム開始地点が、病院とは)

心の中で呟きながら、フッと皮肉の籠った笑みを浮かべる宮田。

「とりあえず、まずはこの病院でも調べてみるか。
そう焦って他の参加者を探す事も無いだろう」

白衣を翻し、ベルトに鞘に入れた刀を挿し込み、宮田は屋内へ続く扉へ歩き出した。

「セイファートだったな。良いだろう、お前の言う通り、殺し合いをしてやるよ」


【一日目/深夜/F-3病院屋上】

【宮田司郎@SIREN】
[状態]:健康
[装備]:アインの刀@FEDA
[所持品]:基本支給品一式
[思考・行動]:
0:殺し合いに乗る。但し優勝したい訳でも無い。
1:病院内を調べてみる。
2:他の参加者を見つけ次第、殺す。
[備考]:
※初日0:00にサイレンを聞き、意識を失った直後からの参戦です。
従って幻視能力は目覚めていません。


≪支給品紹介≫
【アインの刀@FEDA】
アルカディア解放軍第3遊撃部隊員、アイン・マクドガル愛用の刀。
公式絵でアインが背負っているアレ。
473 ◆UwuX8yY6RQ :2009/12/14(月) 01:24:25 ID:kzmmMMzB
投下終了です。
474 ◆N2K943LWJ1Uz :2009/12/14(月) 21:13:50 ID:p1p4y5nI
投下乙。相変わらず筆が早くて羨ましいです

では自分も久々に24バトルロワイアル第8話、投下します
475 ◆c92qFeyVpE :2009/12/14(月) 21:16:41 ID:H82Bof8l
容量いっぱいなんで次スレー
http://namidame.2ch.net/test/read.cgi/mitemite/1260792936/
476城之内はもっと評価されるべき ◆N2K943LWJ1Uz
眼下に広がる岩礁に波がぶち当たり雄々しく弾ける様を、男は溜め息をついて眺めている。
男の背後に立つ灯台に設置されている僅かな照明を除くと、光源は星々のみの暗い所だった。
辺りに民家は見当たらない。周りにある目ぼしい人工物と言えば、灯台と灯台に続く道路があるのみで、
その他には様々な雑草が生い茂る荒れ野が広がるばかりである。

────田舎だ。こんな縁も所縁も何もない、辺鄙な片田舎で、俺は最後を迎えなければならないのか? 何故、俺が?

城之内祐二はついこの間、新日暮里消防署に配属されたばかりの、まだまだ未来への可能性を秘めた若者である。
城之内には、自分ならきっと社会的に尊敬され得る人間になれるだろうと、確信していた。
自分は頭が切れるし、見てくれも悪くない。だからこそ全ての男児が必ず一度は憧れる新日暮里消防署に就職出来たのだ。
そして城之内にとっては、まだまだこれからが人生の本番だった。経験を積み、職員からの人望を集め、
いずれは消防署の署長に出世してやろうと、意気込んでいた。自分を信じて、そして相応の努力を重ねていけば、
決して不可能なことではない。自分は、野心を抱くに十分値する器を持つ人間だ、半ば取りつかれたようにそう思い込んでいた。

しかし城之内の自信とは裏腹に、新日暮里消防署職員の城之内への評価はそれほど芳しいものではない。
とはいっても、決して悪いものでもなかった。新日暮里の名をある意味で背負っている猛者揃いである職員達の目から見れば、
城之内は良くも悪くも平凡な人間だった。これといって際立つ特徴のない彼は、濃いキャラクター性を持つ職員達の目には、
格別良いものにも悪いものにも映らない。その他大勢の、どこにでもいる若者の一人でしかなかった。

そんな職員達の目が、城之内は嫌いだった。自分は平凡な人間ではない。自分は有能だ。
思い通りにいかない周囲の評価を振り払うように、城之内は必死に職務に取り組んだ。
────俺は有能だ。俺は平凡なんかじゃない。周囲の連中は見る目がない。俺の実力を見せてやる。

しかし城之内の思いも空しく、『並の人間』という評価が覆る事は今日に至るまで、とうとう一度もなかった。
それどころか、城之内が頑張れば頑張るほどに、根拠のない自信や他人を見下す性分が気に入らないという職員達がちらほらと現れ、
皮肉な事に城之内は、幾人かの職員達からの人望を失い、疎まれる事になってしまった。
平凡という評価から抗えば抗うほど、城之内に張り付いた『平凡』というレッテルは色濃くなっていく。

城之内が少数の職員達から疎まれ始めた丁度同じ頃、彼と同じ頃に入社した鎌田呉作が、
蟹になるのが将来の夢だと熱く語り、その素直で天真爛漫な性格が先輩に当たる職員達から気に入られ、人望を集めていた。
城之内が呉作に対して嫉妬した事は、言うまでもない。しかし何かしらの嫌がらせを呉作に仕掛けるような事はしなかった。
例え根拠がなかったとしても、元々自分に対して絶対の自信を持つ男である。
自分の努力が呉作に比べて足りなかったのだと城之内は反省し、さらに力を入れて職務に励んだ。

人からの評価を必要以上に意識し、自分は他人よりも優れているという苛烈な自信と愚直な公平さを併せ持つ、城之内はそんな男だった。
彼は何よりも、自分が社会的に何も成し遂げられないまま、死んでしまう事を拒む。
人として生まれたからには、何が何でも多くの人からの尊敬を得られるような、大偉業を成し遂げなければならない。
そうでなければ生まれてきた意味がない。むざむざと機会を棒に振るような事をしてたまるか。そうだろう?

幼い頃からひたすら自分に言い聞かせてきた言葉が、城之内の胸に深く沈みこんでいく。
崖の上から岩礁を眺めて、再び溜め息をついた。

────ここからどう逆転すればいいんだ。仮に優勝できたとしても、できたとしても、俺には殺人鬼と言うレッテルがついてしまう。
例え殺さずに優勝できたとしても、このバトルロワイアルとかいうゲームに参加させられたという事実が誰かに知られたら、
そいつはきっと俺を疑うに決まっている。犯罪者だの、人殺しだの、裏で好き勝手言われるだろう。
そうなると、出世なんて出来る筈がない。一度張り付いてしまったレッテルは一筋縄では剥がれ落ちない。
……『平凡』のように。

城之内は顔を上げて崖から離れる。何気なく灯台の方に足を向け、ぶらぶらと歩く。
視界には灯台と、その奥に広がる混沌とした草原のみしかなかった。改めて、田舎だ。