THE IDOLM@STER アイドルマスター part4

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113武田の歌姫調査1
「もし幸っせー近くにあーてもー♪」

技術の進歩はめざましい。画面の向こうと繋がっているかのようなこの音質。

酷いな。
技量もだが、まるで歌詞を無視した明るい歌い方。
なぜこの曲をこの子に歌わせているのだろう。
まぁ、大体察しは付くのだが。確かに面白い趣向ではある。
「蒼い鳥」……いや、如月千早を知らぬ者は今や殆どいない。
いよいよ、僕の城に招待しなくてはならない頃合だろうな。
いきなり会う前に人柄も確認しておきたいのだが、
彼女はあまり他人を近付けないらしく、欲しい情報が出てこない。
何か方法はないものか。
例えば彼女が気を許していて、彼女の情報を教えてくれそうな存在。
と、そんなに都合良くはいかな……

「千早さん。私の歌、どうでしたか?」
「ええ、とても可愛…コホン、素敵だったと思うわ、高槻さん」
……都合良くいくかも知れないな。
114武田の歌姫調査2:2009/12/27(日) 00:35:49 ID:CS9vXHop
「プロデューサー、見ててくれましたか?」
「ああ。やよい、今日は良かったぞ」
「うっうー、ハイターッチ!いぇい!」
「俺はこれから次の打ち合わせだ、先に帰ってるか?」
「うーん、ウチに電話してから決めます」
「そうか」
「メール入れておきますね」


「"お母さんがウチに帰ってるそうです。私は建物の中にいておきます"……送信」
どこで時間を潰そうかな?適当にぶらついてみよう。
「うー、えっと」
やっぱりテレビ局の中って複雑……。道、間違るところだった。
「おや!?おやおや!?」
「はわっ」
「高槻やよいちゃんじゃないですか。おっはようございます」
最近よく見る芸人のEさんだっ!
「お、おはようございまーす!」
「おっと出ました!ガルウィング!撮った?ねぇ撮った?」
がる……?カメラさん苦笑いしてる。
「ところで今暇かな?」
「えっと、今は人を待ってるんです」
「あっらー、今からお仕事?」
「そういう訳でもないんですけど」
「じゃ、ちょっといいかな?」
「うーん……」
「時間はかからないから。ね?」
これってチャンスなのかも?けど……ううう、困りました。

「おや?君は……」
「へっ?私、ですか?」
「あっ、武田蒼一!?」
「仕事中?」
「いえ、何でしょう?」
「なーに、梅こぶ茶のストックがなくなってね。」
「お茶……ですか?なら私、いい所知ってるかも!」
「ほう……?君たち、彼女をお借りしても良いかな?」
「は、はい」
あっ、あっと言う間に行っちゃった。
「あの、私……」
「とりあえず、その辺に座ろうか」
115武田の歌姫調査3:2009/12/27(日) 00:42:30 ID:CS9vXHop
「聞いたことのない店名だ」
「"あなば"らしいです。同じ事務所の子がお茶が趣味で」
「その子の名前は?」
「萩原雪歩さんです」
……ハズレ、か。
「あっ、そうだ。私、765プロの高槻やよいですっ!」
「知っているよ」
「えっ、ホントですか?ありがとうございます!」
「………」
「………武田、さん?」
「ん?」
「失礼かもですけど、どういうお仕事を?さっきの人たち、驚いてましたけど」
テレビに顔を出し始めたのは最近だし、知らなくとも無理はない、か。
116武田の歌姫4(終):2009/12/27(日) 00:46:35 ID:CS9vXHop
「僕は音楽プロデューサーだ。色々な音楽活動に携わっている」
「よくわからないけど、何だか凄そうですー!」
「よくわからないのに凄いのかい?」
「うちのプロデューサーも凄い人なんですけど、大物って呼ばれたりは……」
「君の事務所で凄いと言えば、まず如月くんじゃないのかい?」
「千早さんですか?」
「あの年齢であの実力、まさに歌姫だ」
「そうですね、いつも歌とか音楽のこと考えてるみたいです」
やはりそうか。
「一人でいる事が多い?」
「前はそんな感じでしたけど…最近は明るくなりました」
「というと?」
「歌ってる時も難しそうな顔が、楽しそうになったって言うか」
「ふむ。確かに近頃彼女の歌は変わった」
「理由は分かりませんけど……私、ホッとしました」
「?」
「もしかしたら歌うの楽しくないのかな、って思ってたから」
「……なるほど」
「やっぱり歌はみんな一緒に楽しまなきゃ損ですよねっ」
「!……そうだね、僕も同意見かな」
「えへへ」
「質問ばかりですまなかったね。これを。僕のメールアドレスだ」
「えっ?」
「君に少し興味が湧いた。今日のお礼もしたいしね」
「あ、でも、プロデューサーに聞いてみなくっちゃ……」
「返事を期待しているよ。じゃあ僕はこれで」
「あ、はい。さよーなら!」
「最後に聞きたい。君は如月くんをどう思う?」
「私は……」
高槻やよい、か……意外な掘り出し物かも知れないな。



「そうですか。高槻さんが、そんな事を……」
「周囲に愛されているようだね」
「……からかってます?」
「そう見抜いてもらえたのは久しぶりだ」
「もう……」
「で、この話、受けてくれるのかい?」
「こんなに光栄なお話、蹴れるはずかありません」
「では……」
「オールド・ホイッスルへの出演依頼、お受けいたします」

117いさしげP:2009/12/27(日) 00:51:46 ID:CS9vXHop
×道、間違る
○道、間違える

×武田の歌姫4
○武田の歌姫調査4

という訳で駄文乱文失礼いたしました。
ではドロン(死語