1 :
創る名無しに見る名無し:
3 :
555:2009/10/26(月) 22:06:10 ID:xyAJdaeG
調子に乗って、一発目やらせてもらいます
−地域格差−
「何も良いことなかったな…」
貧しい故国へ、世界の富が集まる某国の港から帰国の
途に就こうとしていたエヌ氏はつぶやいた。
手にした缶のビールを飲み干すと、口の中にビールと、
それとは異なる苦みが広がった。
「そうでしょうね。私がついてましたから」
背後からの声に、エヌ氏が振り返ると、この国では
貧相な格好の男が、人なつっこい笑顔で立っていた。
「君は誰だい?」
「私は貧乏神です。数年前からすっと一緒でした。
私もあなたの国にご一緒させていただきますよ」
エヌ氏は飛び上がった。冗談じゃない!
「おい!俺にくっつくんじゃない!どっかに行ってしまえ!」
「できません。嫌われるのも貧乏神の仕事なのです」
声だけ残して、貧乏神はエヌ氏の前から消え去った。
貧乏神が憑いているのだ、何をやってもうまくゆくはず
がない。
帰国したエヌ氏は、半ばヤケになって事業を興したが、
一向に暮らし向きは悪くならない。
それどころか、そこそこの生活ができる様になった。
ある日、エヌ氏は思い切って貧乏神に語りかけた。
「おい、貧乏神!なんで俺を貧乏にしないんだ!」
すると目の前に、幾分垢抜けた格好になった貧乏神が現れた
「私の力では、あなたをこれ以上貧乏にはできないみたいです。
あの国では十分に貧乏なはずなんですけど…地域格差という
やつですかね…」
貧乏神は申し訳なさそうに言った。
>>3 海外移住を考えてる俺には耳の痛い話だw
神にも出身地があるのかな
ある日エフ氏の研究所に、全身黒装束に身をつつんだ数人の男たちがやってきた。
「博士、やっと見つけましたよ」
「おまえらは誰じゃ?」
「私たちはこういうものです」
男たちのリーダーらしき男は、懐から取り出した手帳をエフ氏に差し出した。
「……ん?」
「時間警察です。あなたは、ご自分のお作りになったタイムマシンで歴史に手を加えていらっしゃらないですか?」
「そんな馬鹿な! ワシはタイムマシンなど作っていないぞ」
エフ氏の困惑した表情を見ても、男は顔色ひとつ変えずにさらに追求した。
「博士、とぼけないでください。私たちはすでに20世紀で、タイムマシンに乗った博士を目撃しているのです」
「そんなの見間違いじゃ! 証拠はあるのか、証拠を出せ」
男は不適な笑みを浮かべて、懐から一枚の写真を取り出した。
「こ、これは!?」
そこに写し出されていたのは、エフ氏が卑猥な恰好をした物体に馬乗りになっている姿だった。
「これが23世紀の最新型タイムマシンです」
新スレ記念カキコ(^^)
6 :
「自分の影」:2009/10/29(木) 01:13:31 ID:m65wnHQh
ある晩、道を歩いていたエヌ氏は不思議な男に出会った。
ぱっと見ただけでは気がつかないが、街灯の下に立っている男には影がないのだった。
「とうとう見つけたぞ。俺の影を返せ」
「おっしゃる意味がわかりません。人違いではありませんか」
エヌ氏は男を無視して通り過ぎようとしたが、すれ違う瞬間に足が動かなくなった。
振り返ってみると、男がエヌ氏の影を手で押さえこんでいた。
「お前は俺の影だろう。さあ主人のもとに戻って来い」
しばらく見つめているとエヌ氏の足から伸びていた影はぷちんと千切れた。
影は男の足にくっつくと、彼の動きに合わせて形を変えるようになった。
男が走り去ってようやくエヌ氏は口を開くことが出来た。
「これは……いったいどういうことだろう」
エヌ氏は自分の足元を見たが、そこには当然あるべきはずの影がなかった。
「警察に行くべきだろうか。いや、相手にしてもらえるわけがないか」
その日はおとなしく家に帰ったエヌ氏だったが、翌日になっても影は消えたままだった。
「おはようございます。あら、元気がありませんね。どうかなさったんですか」
エヌ氏は会社に着くなりそう声をかけられた。
影がなくとも健康に影響はないはずだ……自分ではそう思っていたのだが、他人から見ると違うらしい。
数人の同僚から同じことを言われ、上司からも具合が悪いのかと尋ねられた。
エヌ氏は曖昧に笑って誤魔化すしかなかった。
「影なんてなくてもいいと思っていたが、落ち着かない気分だな」
一人きりになれる休憩時間。エヌ氏は煙草を吸いながら考えにふけった。
あの男は何者だったのか。
あいつが本当の持ち主だというのなら、どうして男の影は自分に付いていたのか。
そうだ、自分に付いていた本来の影はどこに行ってしまったのだろう……。
考えてもわけがわからず、頭がおかしくなりそうだった。
気分が悪くなってきたエヌ氏は会社を早退して病院に行くことにした。
職場の全員から様子がおかしいと言われていたため、上司からはすんなり許可が降りた。
病院でいくつかの検査を受けた後、エヌ氏は思い切って医者に話してみることにした。
「先生、影を失くすなんて事はありえますか。更にはどこかで踏みつけた影を自分の影にしてしまうなんて」
医者は眉をひそめた。
当然だろうなとエヌ氏は思った。
影を失くしたなんていう話を自分が聞いたら、その相手を馬鹿にするに違いない。
「そんな症例は聞いたことがありません。ですが……」
医者は検査の結果のひとつをエヌ氏に見せながら言った。
「あなたのレントゲン写真です。ほら、ここに影があるでしょう」
「そうか。僕の影はそんな所にいたのか」
その後、エヌ氏は入院したものの無事に職場に復帰することができた。
「今回の検査で気がつかなければ、手遅れになって死んでいただろうと医者は言っていたよ。まさに奇跡さ」
エヌ氏は知人達に笑いながらそう語った。
誰も気がつくものはいなかったがそんな彼らを遠くから見つめ、悔しそうに呟く者がいた。
「他人の影を奪い続けて四百年。不安を煽って自殺をさせてきた俺だが、まさか人助けをしてしまうとは」
すっかり自信を失くした死神は、それきり人前に姿を見せることをしなくなった。
7 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/29(木) 15:13:25 ID:Gya63QwR
>>3 日本だけでもたくさん神様がいるもんね。
貧乏神にもいろいろいてもおかしくない。
8 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/29(木) 15:26:51 ID:Gya63QwR
>>6 不幸をもたらす神様が出てくるのにバッドエンドにならないところがよかったと思う。
9 :
創る名無しに見る名無し:2009/10/29(木) 22:16:20 ID:V6rTV5Wr
>>6 作品自体はいいんですが・・・
実はこのての物語では主人公に「エヌ氏」などは星氏は使いません。
「エヌ氏」や「アール氏」などがでてくる物語はロボットや機械類などの未来的な物がでてくる話に限られます。
(少し例外もありますが)
この話の場合は「青年」や「ある男」などを使うべきでしょうね。
10 :
555:2009/11/01(日) 08:18:17 ID:j7arik5T
「部長。この機能は実装できません。時間が足らないんです」
真っ青な顔で、彼…エンジニア氏は部長に報告した。
「それはまずい。実装には、どのくらいの時間が必要なんだ?」
「あと3ヶ月はかかるのではないかと…」
3ヶ月の遅れは致命的だ。下手をすると、裁判沙汰になる。
「わかった。私が応急措置をしよう。君は全力で開発にあたってくれ」
「しかし、そう簡単には…」
「心配ない!」
部長は自信たっぷりの表情で答えた。
彼の心配をよそに、システムは無事稼働。部長が応急処置を施した
部分のクレームは、全くあがってこなかった。
3ヶ月後、不具合対応にかこつけて、無事機能は実装された。
彼は、部長がどのような処置をしたのか知りたくなり、部長の対処した
部分を実行させてみた。
すると、警告が次々に画面に現れた。
「本当に使用するんですか?」
「周囲への影響を考えていますか?」
「後悔することになるかも知れませよ?」
「やらない方が良いと思うんですけど?」
ワロタw
しかしこんな警告が次々現れたら
そのこと自体にクレームがつきそうな気がするがw
高名な科学者であるエム氏のもとには、毎日ひっきりなしに訪問者がやってくる。
「さて、今日はどんな用件かね?」
「……父さん、やっと見つけましたよ!」
目の前に現れた青年の思いもよらない発言に、さすがのエム氏も困惑した表情を見せた。
「何を言っておる? ワタシは、この55年間独身を貫いてきたのだ。息子などおるわけがないではないか」
「亡くなった母が言っていたのです。ボクの父親はエム氏、あたなだと!」
「君のお母さんの名は、何というのだ」
「ケイ美といいます」
エム氏には身に覚えがあった。今でこそ我が国を代表する科学の権威ではあるけれども、若気の至りとでもいえばよいのだろう、エム氏にも遊び呆けていた時期があるからだ。
「……しかし、ワタシが君の父親だという証拠などないではないか。第一、ワタシの息子が君のようなイケメンのはずない」
「ああ、なんてことを! 死んだ母さんが哀しみます。アナタの遺伝子を後世に残すべく、ボクを産んでくれたのに……」
エム氏が額に皺を寄せ考え込んでいると、ドアが少しだけ開いて息を切らせた秘書が顔を出した。
「失礼します! 先生、たいへんです!!」
「何事だ?」
「外を見て下さい!」
カーテンの隙間から外を覗いてみると、そこには有り得ないくらいの人数の男女が行列をつくっている。
「……ん?」
「どういたしましょう。あの方たち全員が、先生のお子さんだとおっしゃっておられるのですが」
クローンオチかな?
エム氏が二重人格で、プレイボーイだったってのもおもしろそう
14 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/03(火) 12:19:13 ID:MFJ6J/j/
オチが見えない。
誰かわからんか?
すいません、わかりにくかったですか?
これ、SFではなくて単にエム氏が若いときに遊んだ女性が、内緒で子供を産んでいたというだけのことなのです。
それでオチも読めると思いますが……。
16 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/03(火) 14:30:31 ID:K2MdbPR1
「暴風計画」
とある惑星・・・
ここにはあろうことか本物の宇宙人というものがいた。
しかし友好的な宇宙人ではない。彼らは地球を憎んでいるのだ。
彼らの星はごみくずや隕石のかけらが落ちてくるとても住みにくい星だった。
だが・・・地球という大変住みやすい星があった。それで怒るということもあるのだが・・・
彼らにとってさらに許せないことがあった。環境問題である。
ただでさえ住みやすい星なのに、人間たちは星への恩を全く考えていない。こんな星はなくなったほうがいい・・・
そう考えたのだ。そして、彼らは一つの計画を明日、実行することになった。
「やはり、これが最も的確かと思われます」
「なるほど。空から凄まじい風を送り、人間や建物を全て吹きとばしてしまおうというわけですね」
「全てが無くなってしまい人間たちは混乱するだろうな」
「よし、早速準備にとりかかるぞ」
彼らの行動は早かった。
まずは風を吹かせるために地球と同じ成分を含んだ空気を大量に装置に入れた。
そして扇風機のような羽をいくつも取り付け、一斉に動かせるようにする。
万が一人間たちが攻撃してきた時のためにも、マシンガンや催涙弾など、あらゆる武器を設置した。
さらには、地球につくとあたりに地雷もばらまけるようにした。
「準備は万全です」
「なんと素晴らしい装置だろう。これなら人間共を蹴散らせるに違いない」
「さあ、地球人の悲しむ表情が目に浮かびますよ・・・」
かくして翌日・・・
ついに彼らは宇宙へと進出した。
隕石をくぐりぬけ、彼らの宇宙船は少しずつ地球へと近づいていく。
そしてついに・・・彼らは地球の上空へと辿り着いた。
「着陸準備をせよ!」
高度を下げ、彼らは人目につかない所へと着地した。
装置も姿を現し、全てが整った。
「地雷はでたな?さあ、スイッチを入れてくれ」
「司令官、待ってください」
「なんだ?早くしないか」
「いえ、あれを見てください・・・とても可哀想な子供たちが」
彼らが着陸した辺りには村があった。
そこの子供たち、いや大人もなにもない、家しかない所で生活をしている。
まるで、故郷の自分たちのように・・・
「地球にはこんな人間もいたのか。この状態のまま星を無くしてしまおうなんてできない」
「撤退しましょう・・・我々が間違っていたようです」
宇宙船は地球に害を及ぼすことなく去っていった。
彼らが着陸したのは、アフリカの貧しい村だった。
彼らは人目につかない場所を探しているうちに、木々が茂る密林を選んだのだった。
もし彼らが日本やアメリカに着陸していたら、もし彼らがもっと地球に詳しかったら、
もしも彼らの星が裕福だったならば・・・
この出来事は地球人の誰にも見られていない。
しかし、誰にも見られていないからこそ、人間に恐怖心を与えずに済んだ。
これこそ、まさに奇跡といえるべきであろう。
17 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/04(水) 17:46:25 ID:CdN01cJn
>>16 すごくいい話です
ストーリーが一貫していて読みやすくもありました
18 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/05(木) 21:57:18 ID:SpfmL00A
>>17さん
ありがとうございます!
自分のショートショートがこんなに高く評価されたのって初めてなのでもの凄く嬉しいです。
自分はあまりSFは書かないのですが好評でよかったです。
「助手君。また発明が完成したぞ」
「なんですか、教授。また『電気の入っていない電池』とかのメタ発明ですか?」
「そんなんじゃない。今回のは『どんな扉でも開く鍵』だ。センサーがキーのシリンダーを自動で計測して、どんな鍵でも開けてしまう。」
「へー、すごい。博士もたまには役に立つものを作るんですね。」
「これは売れるぞ。やっと私も大金持ちだ。」
そして5年後。
「博士・・・残念です。せっかく金持ちになるはずが、破産してしまうとは・・・」
「ううむ。まさか、あの鍵が普及しすぎて、世の中から鍵が無くなり、
世界中の鍵業者から、告訴されるとは思ってもみなかったわい・・・」
20 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/07(土) 20:49:31 ID:yaYgQZYr
>>19 星っぽくないけどネタとしてはいいねw
色々なパターンがありそう。
普及しすぎて自分の金庫の鍵を開けられたとか
逆に自分が金庫を開けようとしたら捕まったとか
流行の果て
世間では、短編小説が流行っていた。人々は、中編小説や長編小説には目もくれず、
誰もが短編小説を求め、テレビや新聞は、毎日のようにその流行を取り上げた。
それまで短編小説を書いていた作家はもちろん、長編を専門にしていた作家まで、
流行に後れまいと、こぞって短編を書き始めた。
最早、短編以外の小説を、書く人も読む人もいなくなっていた。
小説家のエヌ氏も例外ではなかった。元々は長編作家だったが、世間の流行には逆らえず、
短編を書き始めたのだ。初めは、慣れない短編を書くのに苦心していたが、頭をひねるうちに、
段々とアイデアが浮かび、自然と筆が進みだした。
こうして書き上げられた、エヌ氏の最初の短編集は、流行に乗じて瞬く間に売れていった。
その後もエヌ氏は、いくつか短編集を出し、そのどれもが好評を博した。
他の作家たちも負けじと、次々に短編集を発表した。世間の流行は、ますます加速していった。
ところが、しばらく経つと、その流行はおかしな方向に向かい始めた。
世間の求めるものが、「面白さ」から「短さ」へと変わっていった。つまり、人々はより「面白い短編」ではなく、
より「短い短編」を求め始めたのだ。忙しくても気軽に、短時間で読めてしまう内容を、求めだしたというわけだ。
もちろん、「短さ」の中にも、ある程度の「面白さ」が必要であるのは、言うまでもなかった。
こうした流行の変化に、小説家たちも追随しないわけにはいかなくなった。
彼らは、「面白く」かつ「短い」短編を書かなければならなくなった。
しかし、「面白く」かつ「短い」話を考え出すのは、容易なことではない。
中には、流行の変化についていけなくなり、小説家をやめる者まで現れた。
一旦おかしな方向に向かい始めた流れは、止まることを知らなかった。
流行の初期では、一編10ページ前後のものが主流だったが、8ページ、5ページ、3ページと、
その数は徐々に減っていき、ついには、1ページを割る短編まで書かれるようになった。
ここまで来ると、内容などは関係なくなり、短ければ売れるという状態だった。
そんな中でも、エヌ氏は着実に短編を書き続けていた。世間の需要に合わせて、
5ページで終わる短編集、続いて3ページで終わる短編集を発表した。
「短さ」という縛りがあるにもかかわらず、ここでもエヌ氏の短編は、世間から高い評価を得た。
そんなある日のこと、エヌ氏の愛読者でもある、友人が訪ねてきた。
「この前のあなたの新しい短編、読みましたよ。相変わらず、面白いですね」
「そう言っていただけると、こちらとしても、書き甲斐があります」
「今度また、新しい短編をお書きになるとか」
「ええ、その予定です。世間は短い短編を求めてますから、今度は今までの短編より、ずっと短くなると思います」
エヌ氏は、自信ありげに答えた。
「おお、それは大変楽しみです」
「そして、実は今度の短編集を最後に、筆を置こうかと思っているんです」
「それはまた、突然ですね。面白い短編をいくつも書いてきたあなたが、どうして、筆を置くことを決意したんです?」
友人は、残念そうな顔で聞いた。
「正直なところ、流行を追いかけるのに疲れてしまいました。それに、最後にして一番出来のよいものが書けそうなんです」
エヌ氏の答えに、友人は納得しながら頷いた。
「それなら、仕方ありませんね。あなたの最後の短編、心待ちにしています」
こうして、エヌ氏の最後の短編集が発表された。それは、たった1行の話が一編だけ収められているという、
今までの常識を覆すものだった。これを知った他の作家たちは、「これ以上短い短編は書けない」と、半ば諦めたようにつぶやいた。
そして、このエヌ氏の小説が、流行に終止符を打つものとなった。
その1行には、こう書かれていた。
「こうして、世間が『短さ』を求めた結果、人々は0行で終わる真っ白な小説しか読まなくなったのでした」
22 :
555:2009/11/08(日) 21:20:32 ID:LqQTz0Ph
>>21 世界一短い会話(東北地方)
「け?」
「く!」
もしくは、世界一短い手紙のやりとり
「?」
「!!」
を連想させますね
適当な長さで済ませるよう、自重しましょう(笑)
>>22 他の東北弁と津軽弁は一線を画するがら一緒にすないでけらいん
とかだってみるテスト
日本語でおk
25 :
sage:2009/11/09(月) 11:06:21 ID:anhZ3TwJ
>>21 途中でオチが読めたんだが、これはこれでよいのだろうか。
悪魔「名前までsageる必要はないでしょう」
「うむ。やっと完成したぞ」
「博士、これは?」
助手は首を傾げながら、博士が手にしている四角い物体を覗きこんだ。
「これは嘘発見器だよ」
「それなら、すでに発明されているのでは?」
たしかに嘘発見器ならば、博士ほどの人が長い期間をかけて発見するようなものではない。それならば、何か特別な機能が備え付けられているに違いないと助手は思った。
「では、試しに君を実験台にしてみよう」
「わかりました」
博士は四角い物体から数本のコードを引き出して、助手の頭部にくくり付けた。
「これからワタシが質問をするから、すべて『いいえ』で答えてくれ」
「はい」
「では、始めるぞ。君は、ワタシの娘と深い仲のようだな」
「いいえ」
すると、四角い物体からブー! と鈍い音が洩れた。
「君は、ワタシの財産を手に入れるために助手となり、娘に近づいた」
「いいえ」
ブー!
「君は、カネのためならなんでもする。ワタシを亡きものにすることさえも」
「いいえ」
ブー!
「君は……」
「ちょっと待ってください! これでは、まるでボクが博士を陥れようとしているみたいではないですか」
「違うのかね?」
すると、暫くじっと唇を噛んでいた助手だったが、耐えられなくなったのか頭部のコードを無造作に剥ぎ取った。
「畜生!」
そう言うと、助手は足早に研究所を去って行った。
「やれやれ、これで七人目か……。なかなかまともな助手には巡り会えんな」
28 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/11(水) 12:17:56 ID:OWf1Sccf
これは「違うのかね?」に「はい」と答えてもブー!となったんだろうか?
質問ではなかったけど始めに答える意思表示として「はい」と答えた時には反応していないね。
この博士ほどの人が時間をかけて作ったものだから精度が高いのか、
もしくはそう思うことを逆手に取ってでたらめの装置で本音を引き出すのか大きく分けて二通りに解釈できるのが面白い。
「肩パン」
夜のバス停でバスを待っていたら知らない子どもがいきなり「肩パンやろうぜ」と声をかけてきた
気持ちが悪いので僕は断ったら、その子どもは狂ったように泣き喚きながら「肩パンやろうよ〜」と言ってくる
どうしてもそんな知らない人と肩パンなんかする気になれなかった僕は断り続け、心の中でひたすら早くバスが到着する事を祈った
だが、その子どもは顔をくしゃくしゃにして僕の方を見てバス停のベンチや柱に八つ当たりをしている
しょうがないので、一回だけ肩パンをやってやろうとしたら、暗がりから木刀をもったヤンキーがぞろぞろとやってきた。どうやらこの子どもは、ヤンキーのうちの誰かの弟らしかった
するとそこでバスがやってきた。僕は死に物狂いで飛び乗った。バスの後ろを見るとヤンキー達と子どもが狂ったように追い掛けてきた
あの時バスが来なかったら僕は一体どうなっていたんだろう
〜完〜
肩パンされてたんじゃね?
31 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/12(木) 17:26:56 ID:gHVBtsgT
肩パンされてたんでしょう
これはひょっとして肩パンされたんじゃね?
33 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/12(木) 17:36:34 ID:qxhLnp9J
憶測で申し訳ないが、多分肩パンされてたんじゃないだろうか?
それか、肩パンされたいたとか……
35 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/14(土) 12:59:26 ID:s0Bg/bgg
肩パンしか思いつかない
いやいや、ここは肩パンだろう
肩パンという可能性もあるぞ
38 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/15(日) 20:29:13 ID:ZlRPX2SF
おまいら…いい加減にしろよ!
ここは肩パンだろうが!
ここまで肩パンスレ
――――――――――――――――――――――――――――――
ここから星新一スレ
40 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/17(火) 12:48:43 ID:evzA/7nI
自分じゃ創作できないんで、コピペスレよりコピペしときます。
104 :名無し物書き@推敲中?:2009/11/15(日) 15:16:05
4 名前:世界@名無史さん 投稿日:2009/09/13(日) 10:27:54 0
先生「なぜワシントンの父親は大切にしていた桜の木をワシントンが切ってしまった事を怒らなかったのでしょうか?」
生徒「はい先生、ワシントンがまだ手に斧を持っていたからです」
>>40 スレタイとテンプレ読めって言いたいところだけど、その前にせめて板の名前くらいは見てくれ
「やあ、エムさんお久しぶりです」
「これはアールさん、いつの間に来られたのですか?」
エム氏が振り返ると、そこにはさっきまで誰もいなかったはずの場所に口元に笑みを浮かべたアール氏が立っていた。
「実はタイムマシンで昨日からやってきました」
「タイムマシン? ついに完成したのですね!」
アール氏がタイムマシンを発明していたことは小耳にはさんでいたけれど、いざ完成したとなると同じ科学者としてエム氏も黙っていられなかった。
「ということは、昨日完成したタイムマシンの試運転に、わざわざワタシの研究所に報告に来られたと? しかし、なぜ今日なのですか」
「実はこのタイムマシンは二十四時間後にしか時間を移動することができないのです」
これにはエム氏も苦笑いをせざるを得なかった。一日後にしか行けないタイムマシンなど、あまり意味がないのではないかと思ったからだ。
「いや、ワタシたちは似た者同士ですね」
「それはどういう意味ですか?」
「実はワタシの発明したタイムマシンは、三日後にしか行けませんから」
43 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 11:20:05 ID:7U3xAwGo
バシャール・ユウジ様
拝啓
時下ますますご清栄のこととお喜び申し上げます。
さて、今年も総会ならびにホームカミングデーのご案内を
送付させていただきます。年々参加者が増え、昨年は特別
講義や懇親会、抽選会等満員の大盛況で、☆☆も大賑わい
でした。本年度の催しにつきましても、多くの同窓生の方々
より貴重な提案やご要望を頂き、企画させていただきました。
当日は懐かしい思い出話に花を咲かせ、タイムスリップして、
楽しい一日をお過ごし下さい。
皆様、何かとご多忙とは存じますが、☆☆、☆☆☆、それ
ぞれお誘いあわせの上、ご参加いただけますようこころから
お待ち申し上げます。
敬具
地球同窓会一同
会長山田 太朗
44 :
よくあるけど載せるよ:2009/11/18(水) 11:57:00 ID:7U3xAwGo
男が楽しそうにマンホールの蓋の上を飛んでいた。
「23!23!23!23!」
違う男がやってきて、「楽しそうだな。おれにもやらしてくれ」
と元居た男を押しのけ、マンホールの蓋の上を飛び始めた。
するとパカっと蓋が開き、男は落ちていった。
元居た男は「24!24!24!」と楽しそうにまた飛び始めた。
45 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 12:07:53 ID:7U3xAwGo
s少年はその日の美術の授業の課題をついに理解できなかった。
「ハイ、今日は空想上の絵を描いてください。」
ということであった。みな最初は戸惑ったが皆、少し経つとめいめい
描き始めたようだった。しかし、s少年だけは一向に両手で顎をおおい
ながら、描くことができない。
教師はついに、s少年に尋ねてみた。
「君はなぜ描かないんだね。」
「だってね。先生僕は幽霊を描こうとおもってるのですが、
幽霊は足がないでしょ。」
「頭から描いていいやら、足から描いていいやらわからないんです。」
じっとしていたs少年を案じた美術教師は、それ以上何も言わなかった。
46 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 15:50:22 ID:xF5AxLfQ
星新一っぽくないかもしれんが
男は何事も中途半端にしかやらなかった。
仕事も中途半端で止めたり、恋人とのデートも途中で帰り、
料理をつくろうものなら鍋を焦げ付かせてしまう。
そんなある日、男が会社に出勤すると、男の机が無くなっていた。
男はクビになった。
ショックのあまり、というかいつものように今夜予定していた恋人とのデートを
途中で帰ってしまった。
次の日、テレビを見ると、なんと恋人が行方不明になっていた。
男は気が付いた。
「俺が中途半端にしてしまったから、消えてしまったんだ。
もう中途半端になんかしない。戻ってきてくれー」
その時、男の後ろの押入れから無くなったものが出てきた。
しかし出てきたのは恋人だけではなかった。
仕事の山、食べ物、家電やタバコの吸殻、
男の気が付いていないところで物はどんどん無くなっていたのだ。
男が後ろを振り向く間もなく物は男の上に落ちてきた。
そして男の人生は中途半端なものとなり、
男はなくなった。
たぶん、飲んで書いてあったのを勢いでコピペしたんだろうね。。
土曜か日曜の朝に落語やってるから、みるといいかも知れないよ。
>>46 荒削りでちょっと間がせせこましいというか短い印象だけど
ドライな文体や自分事も他人事のようなあっけらかんとした部分は
星新一っぽいと思うよ
49 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 22:07:50 ID:7U3xAwGo
やっぱり
男は、家を出るとだけ告げ、フラフラと家を出てある田舎にたどり着いた。
渓流などある山手の田舎だった。空気が一変した。澄んだ空気を楽しみ
ながらも、日が暮れて、宿をとるべく、看板のついた家を探した。そうして
しなびた旅館に入ると、玄関脇にハエたたきが掛けてあった。
「年季の入ったハエたたきですね。都会ではもうこういうものはお目に
かかれません。」
「いやぁ失礼しました。ここいらハエが多いモンでしてね。さあさ、部屋へ
案内しますだべ。」
部屋に入ってみると窓から流れがみえて、ここちいい。掛け軸なんかも
かけてあって悪くない。布団は糊のきいた、心地よさそうなものだ。
しかし、無粋にも部屋にもハエたたきがおいてあって、瓶がおいてある。瓶には
ハエがたくさんつまっている。ゆずって、ハエたたきはいいだろう。
でもこのハエの詰まった瓶はなんなんだ。
翌日、主に聞いてみた。「ああ、ここは渓流釣りのお客さんがほとんどだべ。
釣りに使うんだべ。」
>>49 句点の使い方が不自然で読みにくく文章がテンポを失っている感じがする
あと最近ネットでよく見かける非常にみっともない間違い
「しなびた旅館」ではなく「ひなびた旅館」
漢字では「鄙びた」と書き良い意味で素朴で田舎的なおも向きをがある様子で
「しなびた」はあまり良い意味でなく萎んだり、枯れたりした様子をあらわす
「萎びる」の過去形の言葉です
51 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 22:31:26 ID:7U3xAwGo
荒れた街から男はでていくことをきめた。
この町では本心がウソで、ウソが本心。
「この辺では職もねぇからよ。さっさとおさらばしたほうが身のため
さ。」「途中でかえってくるんじゃないよ」
「これいらないから、もっていきな」
男はとうとう心にもないことを言った。「みんなありがとう」
夕暮れ時、ロバを叩いてまさに出発せんとする時であった。
となりの凡が走り出てきて叫んだ。「こんにちは!」「こんにちは!」
52 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/18(水) 22:35:17 ID:7U3xAwGo
ご指導ありがとう。鄙びたですね。あと文章のテンポですか。
句点の使い方。書けるひとからみたらみっともないでしょうが、
また、参考にして書きます。
54 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/19(木) 05:22:46 ID:o9Uu/w1U
即席で造ったので、アラは見逃してください。
『下手なプレイヤー』
俺は今自殺を考えている。
振り返ってみると俺の人生不幸の連続だった。
もしかするとこれは仕組まれたゲームなんじゃないか?
…とすら思ったことがある。
しかし、そのたび己を騙し現実に戻る。
こうして今も死を目前にして生きている…。
それでも不思議なことに“死”なんてモノは漠然として遠い存在だ。
でもこれでオシマイダ…
「ありがとう俺。」
キュイーーン
パチッ…
「ちょっと!!お母さんコンセント抜けたじゃん…ゲームする時は掃除機掛けるの止めてって言ってるのに。まぁいいやこのゲームつまらなかったし新しいの買ってー」
55 :
54:2009/11/19(木) 05:54:30 ID:o9Uu/w1U
×漠然として
○漠然とした
思い切って依然としてでもいいかも。
造った後に気付いたことです。
人生はRPGだなんて言われてますが、自分がゲームをプレイしてるわけじゃない。
よって、プレイヤーの腕か主人公がプレイヤーの意思に忠実がで人生変わるのだと気付きました。
細かいようだが『…』の多用はあまりよくないと思う。
使うのならば『……』と二つ並べるのが基本。
せっかく面白い話なのに、基本ができてなくて面白さ半減という書き込みをよく目にするもので。
>>56 ご指摘ありがとう。
わたしは読む中心で、文章の書き方を勉強したことないので見よう見真似で仕上げました。
基軸は、“ちょっと早すぎるかかもよB-DASH♪”って言う少し前に流行った歌をもとに広げました。
何気にお父さんバージョンもあります。
『日本の中央』
第四次世界大戦から150年も平和がつづいた西暦3000年。
かつて廃墟と化した日本列島は、緑の楽園に変わっていた。
ある日、東北地方のとある山の麓で、「日本中央」と書かれた石碑が発見された。
人々は騒然として、これは征夷大将軍・坂上田村麻呂の伝説にある石碑のことでは
ないか、と話し合った。
伝説によれば、坂上田村麻呂は、蝦夷の征伐において、訪れた東北地方の大きな石の
表面に、矢じりで「日本中央」と彫ったとされている。
いわく、「みちのくの奥に壺のいしぶみあり。日本の果てといへり」
この石碑のことは、西行や和泉式部など多くの歌人が詠ったが、どこにあるかは不明
だったのである。
石碑は保存館に安置され、多くの人たちの観覧に供された。
少年が一人、その石に別の文字を見つけて、帰宅後、古老にその意味を質問した。
古老は答えた。
「おお、千年ほど昔は、コロセウムに馬を何頭も集めて競走させたのじゃ。国民は
その競走を見て、娯楽としていたようじゃ。たしか、運営していたのは日本中央競馬会……」
少年が見付けた文字は「競」と「馬」という字だった。
>>58 もーいいとこだったのにぃ
知ってる人居た笑
知らない人の方が少ないと思う
>>44 ( ̄ー ̄)<30年以上も前に聞いたジョークですが……
63 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/23(月) 12:53:23 ID:zHxERW2t
というより今は都市伝説として有名です
最近、別にこのスレに書き込まなくてもいいような作品が増えてるような気がする
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「あ よいしょ!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「さー よいよい!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「あ どした!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「そーせい!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「よっ!はっ!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「パンパン!」
「くっねくね踊り くっねくね踊り
くっねくね踊りが始まるゾ」
「よっははー!」
こうして僕たちの夜はふけていったのだった……
67 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/28(土) 14:25:31 ID:0d6IlqP5
書けそうで書けないね、星新一の世界。
どちらかというと「1レスでお話を作るスレ」の方があってる作品が多くなったよね
『楽な機械』
私の勤める売り場にお客さんがやって来る。ほとんど人など来ないのだが、珍しい。お客は、中年の男性だ。
「これはどうやって使うのかね?」
傲慢な口調に、ちょとむっとしたが丁寧に答える。
「これは、全自動食事機でございます。箱にセットされていますボタンを押しますと、体に無痛針から、栄養剤が注入されます。もちろん、栄養バランスもバッチリです」
「確かに便利そうだが、食事は自分で食べたいものだ。注射一本で終わってしまっては、味気ない」
「それなら、これはどうでしょうか」
店の奥から、ヘルメットのついた新しい箱をだす。
「これを使えば、和洋中の素晴らしい料理の数々を、食べた気分になれます。使い方も簡単、ボタンを押すだけです」
「確かに素晴らしい機械だ。しかし、壊れたときはどうするのだ。複雑な機械だろう」
「ご安心下さい。10年以上の保険とこちら、全自動修理器もお付けします」
私はまた、奥から箱を持ってくる。
「たしかに素晴らしい機械の数々だ。しかし、これは買えないな」
「どうしてでしょうか。値段も勉強しますよ」
「そうではない。これらの機械を、家に置く場所がないのだ。ただでさえ今も、家は機械で溢れている。これ以上増やすなら、家を買わなくてはいけない」
そう言って、お客さんは帰ってしまう。まったく、家が一杯になるぐらい機械を買うなら、なぜ機械にならないのか。
誰もいなくなった店内で、私は日課の関節のオイル交換に戻った。
この空気の中で正面から切り込んでゆく69の姿に、目が霞んでキー簿度が打てない。
gj!
71 :
創る名無しに見る名無し:2009/11/29(日) 18:27:14 ID:KIJqaAtR
これは巧い
おお、このオチは読めなかった。GJ!
いいね
74 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/02(水) 19:03:53 ID:wgk3zpue
『雨の日』
先生が教室で児童たちに雨で遠足が延期になったことを伝えた。
「折り畳み傘と合羽準備してるからこれぐらいなら行けるよー」
「雨ぐらい平気なのに」
児童たちはなんで雨になったんだよと皆不満そうだった。
それから400年後・・・
ニュースキャスターがニュースを告げる。
今日あった出来事を淡々と述べた後明日の天気について説明をはじめた。
「明日は全国的に晴れとなるでしょう。ただしところにより強烈な突風が吹くので注意してください」
それだけで明日の天気についての説明をキャスターは終わらせる。
わずかこれだけしか情報を伝えなかったがこれでも台本通りなのだ。
それを見ていた人たちもそうか、と納得する。
しかし納得した上でがっかりした男が友人に話しかける。
「明日は海に行きたかったのに風が強いんじゃやめだな」
せっかく海の近くに引っ越したのにこれでは浜辺に砂ぼこりが吹き荒れるかもしれない。
彼はわかっているふりをしていたが友人にはどこかまだ彼が海に行くのではという疑念があった。
そこで釘をさしておくことにした。
「砂ぼこりだけじゃないよ。明日は雲のない晴れだっていってたからもし海に行くと強烈な日光で皮膚が日焼けしちゃうのわかってる?」
もちろん男も明日海に行けないことは分かっていた。
オゾン層がなくなったこの時代、太陽が昇っているうちに建物の外へ行く際は宇宙服のような長袖長ズボンを着て出かけるのが当たり前なのだ。
「そうか・・・。じゃあ代りに次の雨の日にはどこか遠くへ行くことにするか。ピクニックとか一緒に行こうぜ」
「僕は遊園地とかがいい」
「そんなのは彼女でも作って二人で行けよ」
男がちゃかすと友人が笑い、男も笑う。
太陽を厚い雲で覆う雨が降りしきる日を心待ちにしながら彼らは計画を話し合うのだった。
環境問題系って色々できそう
他にもあればよろしくです
ある夏の日。
「いやあ、今日は暑いな……」
「何言ってんだよ! これくらいへっちゃらさ」
「そういえば、こないだ爺さんが言ってたけど、昔は三十度ぐらいで熱中症になってたらしいぜ」
「マジかよ? 昔の人って身体弱かったんだな……」
二人の傍にある温度計の針は五十度を差していた。
ありそうw
78 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/03(木) 14:54:25 ID:VSW045Rz
『対策』
二酸化炭素の増加により南極の氷が本格的に解け始めていた。
解けた水分はそのまま海面を上昇させ陸上と海中に生息するあらゆる生物に影響をあたえた。
各国の首脳たちは気象科学者を集めた異常気象対策チームを結成させその対策をまとめさせることにした。
そして議長に選出された気象科学者から話を始める。
「今回私たちが対策を練るのはご存知のように南極の氷の溶解による海面の上昇問題です。
なんとかして二酸化炭素の発生を抑える方法を探っていきましょう」
一同の視線はスクリーンに映された巨大な世界地図に注がれている。
そこに映る世界地図は現代のものとは幾分異なる形をしており海に沈んだ陸地が違いとなっているのだ。
早くなんとかしなければ、集まった気象科学者たちは対策を急いだ。
「・・・では二酸化炭素を吸収する素材を世界中で大量に生産しそれを上空からまく案を
海面上昇問題の対策案とし、各国の首脳に進言することに致します」
議長が会議を閉会させチームに対策をたてるよう命じた各国の首脳たちを通してその案は実行に移された。
対策案は予想された通りの成果をもたらし南極の氷の溶解は見事止まった。
だが各国の首脳たちはまた新たな問題に悩まされることとなる。
素材を散布してから世界中の木が枯れて減少を始めたのだ。
そこでまた首脳たちは対策チームを結成させた。
「今回私たちが対策を練るのはご存知のように森林の減少による砂漠化問題です。
なんとかして私たち昆虫学者で毛虫の異常増加を抑える方法を探っていきましょう」
・・・イタチごっこ
でいいのかな?
散布した素材が毛虫じゃないよね?
普通の流れになってよかったよかった。
『宇宙の森』
ある宇宙ステーションをN博士が視察していた。世界的にも有名なN博士だが、お供も連れず一人でステーション内を視察していた。
最新型のこのステーションには、リアルな森が設置されている。地球出身のN博士にしても、久しぶりの木々の緑だったので楽しみにしていた。
公園に着いたN博士は、早速森の中に入り森林浴を楽しむことにした。普段はそっけない人口太陽も、木々の中から見ると本物の太陽に見える。しばらくして、久々の森との出会いの興奮も冷めてきた頃、少し変なことに気がついた。
「おや、N博士ですね。さがしましたよ」
後ろから、このステーションの管理人の男がやってくる。
「少しでも早く見たくてね、一人できてしまいました」
「さすが、好奇心が旺盛なお方だ」
管理人としばし談笑した後、N博士は疑問に感じたことを聞いてみることにした。
「そういえば、この森には虫が居ませんね。それに、人以外の動物も見えない」
「それは簡単なことです。虫は、病気の原因になりますし、嫌いな方も多い。他の動物も、ペットや人に危害を加えるかもしれませんから居ません」
「しかし、それでは枯葉や花の受粉はどうするのだ」
「枯葉は等間隔に設置された回収口から回収して、食料に変換します。花は機械が受粉させます。それに、花畑の地区以外は花を咲かせないように遺伝子操作をしています。花粉症の原因にもなりますからね」
N博士はその徹底的な管理を知り、愕然とする。このステーションは、他の開拓惑星への順応訓練のために建設されたものだ。こんな人口の森では訓練にならない。
「訓練にならないと思いになりましたか?」
「そうだ、これでは訓練にならない」
「大丈夫ですよ。未開の惑星も、この森と同じにすればいいだけです。我々にはその技術がありますから」
蓮舫「順応訓練に使えない森っていりませんよね?」
82 :
78:2009/12/04(金) 16:09:59 ID:yKL3h66F
>>79さん
感想ありがとうございます
対策を急いで十分に弊害を考慮しなかったため
もし森林の減少を食い止められても別の問題が発生するかもしれない、けどしないかもしれない。
今度は大丈夫なのか、と考えるような落ちにしたつもりです。
一応イタチごっこですね。
それから話の核心ではないのでネタばれをすると素材が毛虫だったのではなく素材が毛虫のエサとなり
毛虫が増えたというだけです。
83 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/05(土) 14:19:02 ID:UXozhhwV
ちょっと環境とは関係ない作品を書いてみました。(僕は
>>16と同一人物です)
『また明日』
ある街に一人の青年が居た。
なかなかの美青年で、成績もいい。しかし、運動の方はというとまるきし駄目だった。
一方、彼の友人もなかなかスタイルがいい。
しかし彼は成績がいまいちで、そのかわり体力の方はかなり勝っていた。
そして彼らは今日も対決をしているのだ。
「はあ……やっぱり君には勝てないよ」
「そうかい。でも君の賢さといったらとてもいい」
「君の体力さえあったら、ぼくは完璧なのにな」
「僕も、君の頭のよささえあったら……」
そうやって二人は毎日会話しあう。
そして夕方、「また明日」の一言で両者の家に帰っていく。
それが休日の日課ともいうべきものだった。
ある日のことだった。
「なあ、面白い店ができたらしい」
「なに。どうせゲームセンターみたいな店だろう」
「違うんだよ。僕らの夢を叶えられる、夢のような場所さ」
「それって、お互いの体や能力を入れ替えられるとか……」
「まさしく、その通りさ」
「なんだって。そんな所が本当にあったとは」
「早速今日の放課後、行ってみないか」
「もちろんだ。行って損なことはないだろう」
そして放課後、二人は店の前に来ていた。
「ここか。いよいよだな」
「ああ。きっと大変な思いをするだろうが、夢を少しでも叶えられるなら問題なしだ」
最初はそう考えていた二人だった。だが、いざ店の中に入ってみると、予想とは大分違った。
「なんだいこれは。ただのカプセルじゃないか」
そこには店員らしき者は全く居ず、かわりにカプセルのようなものが二つ、置いてあるだけだった。
「まさか、こんな安っぽい機械でね」
「とにかく、物は試しだ。やってみよう」
「説明が書いてあるな。どうやら二人同時にカプセルの中でそこの赤色のボタンを押せばいいらしい」
「そうか。じゃあ入って、せーのでいくぞ」
「わかった」
「せーの……」
二人がボタンを押した瞬間、激しいショックがはしった。
………………
「うーん……あっ」
気が付くと30分ほどたっていた。
「おい、起きろ」
「あっ。これでお互いの能力が入れ替わったのか」
「じゃあ早速、君が出来るバック宙をやってみるよ」
「今の君にならできるだろうな」
しかし成功どころか、背中を床にぶつけてしまし、鈍い音が辺りに響いた。
「っ」
「どういうことだ。なぜ入れ替わっていない」
「もしかしたら……ここは能力は入れ替えられないんじゃないのかい」
「じゃあ、性格だけか。でも何も替わっていない」
「それはそうだろう。僕らは同じ性格。似たもの同士だからこそこう仲良くなれたんだ」
「……そうだな」
二人は残念そうだったが、悔いは一つも無い。理由は分かるだろう。
「お互い、今の自分で居ようぜ。また明日」
「ああ、また明日」
二人はそれぞれの家へ、ありのままの自分で帰っていった。
>>82 ああなるほど!
解説どうもです
読解力なくてごめんなさい
>>83 ベタに頭の悪さと運動音痴が交換されちゃうのかと思ってしまったw
平和な結果でほのぼのしました
85 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/05(土) 22:52:38 ID:UXozhhwV
>>84さん、評価ありがとうございます
あえて平和ENDにしてみましたww
ふむ
87 :
78:2009/12/07(月) 14:32:06 ID:o5fuPDHk
>>84さん
いえ、説明を含めると長くなるので説明抜きにしたので毛虫のくだりはよくわからないはずなんです。
対策が迷走してる感あったほうがその結果がイメージしやすいかという気がして毛虫を出したのですが裏目にでてるかもしれません。
88 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 14:41:36 ID:o5fuPDHk
>>83 16のときにも感想を付けたものです。
今度の話は
>「違うんだよ。僕らの夢を叶えられる、夢のような場所さ」
の段階で ははあ能力をいじる話かなあと予想はつきましたが次の行で
>「それって、お互いの体や能力を入れ替えられるとか……」 と読む側がそれを見透かすのを読んでいる
ような展開にしたのが上手いなあと思いました。
89 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/07(月) 19:07:14 ID:o5fuPDHk
『味』
あるところに博士ととても食いしん坊な助手がいた。
助手は悪食で野菜など食材を料理も何もせずそのままバリバリ食べるのだった。
しかしそんな彼も魚や豚肉などは調理してからでないと食当たりすることがあるのを知っているのでそのまま食べたりはしない。
彼はそのまま食べられたらてっとり早いのに、と時々思うのだった。
そんなある日博士は助手が何かの装置を作っているのを見つけた。
「それは何を作っているのだ」
「これは全自動調理機です。この装置を口に付ければ食材を入れるだけで料理にしてくれるように設計してます。
この装置のすごいのは口に入った食材と使用者の嗜好を兼ね合わせて最良の味付けにしてくれるんですよ。」
それを聞いた博士は顔をしかめおこごとを始めた。
「おまえは食べるのが好きなのもいいがいつも楽をするための機械を作ろうとしてばっかりだ。
いいか、そもそもこの間の口をあけただけで食べ物を口に入れてくれる全自動食事機もだな・・・・・・」
博士は助手を口が酸っぱくなるぐらい注意した。
91 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/08(火) 22:12:26 ID:bnaYo4fk
>>88さんありがとうございます!
>>16のときもありがとうございましたー!
>>89さん
もう少し終わり方を工夫した方が…あくまでも星氏は気の利いたオチを用意してます。
ただ最後の行のたとえはうまいと思いました。
「博士、期限は今日までと言っておいたはずでしょう」
「待ってくれ! あと三日……いや、明日までにはどうにかするから」
研究所にやってきた厳つい風貌の男たちを前にして、博士は必死に嘆願していた。
我が国を代表するロボット工学の権威である博士の研究には、莫大な費用がかかっていたのだけれども政権交代の余波で予算を削減され、ついには闇金融にまで手をつけてしまったのだ。
「もう待てねえよ! ここには金目のものはねえようだし……」
そう言って男たちの一人が研究所の周りを見渡したところ、壁際のデスクで事務をしている秘書に目が止まった。
「だ、だめだ! あの子には手をださないでくれ」
危険を察した博士は両手を翳して男たちを制しようとしたが、軽くあしらわれて男たちは秘書のもとへ群がっていった。
「この女で、借金は帳消しにしてやるよ! それじゃ、いただいていくぜ」
「先生! たすけて」
「待て! 待ってくれ!! 彼女は……」
秘書は男たちに軽々と抱き上げられて、そのまま連れ去られてしまった。
「なんてことを……」
博士はしばらく床にへたりこんだまま動くことができなかった。
そして数時間後。
「てめえ! この野郎! この女は何者なんだ!? うわっ、やめろ! あっ――」
研究所にかかってきた電話をとると、受話器の向こう側ではたいへんなことが起きているようだった。
「だから手を出すなと言ったじゃないか。彼女はワタシの最高傑作なのだから」
93 :
89:2009/12/09(水) 12:06:10 ID:7gvSbdAA
>>90さん
>>91さん
感想ありがとうございます
なるほど、同じようなご指摘ですね。
最初はもうひとつ
[助手はにがい思いをした。]
も加えようかと思ったんですけどあっさり閉めたかったのでやめました。
95 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/09(水) 12:14:51 ID:7gvSbdAA
>>92 デスクワーク出来て軽くて強い!
そりゃ莫大な費用がかかりますよねww
96 :
ほそい(男) ◆s75v8Hmv1I :2009/12/09(水) 20:40:22 ID:DLIri79M
≪フィクション≫≪フィクション≫≪フィクション≫≪フィクション≫
私の家には、右どなりと、左どなりが、あります。
つまりわたしは、右隣がAさんである権利と、
左隣がHさんである権利をもっています。
右隣がAさんである権利を買っていただけませんか。
≪フィクション≫≪フィクション≫≪フィクション≫≪フィクション≫
例の、フィクションバリアを、はりました。
作者さんからのもんくだったら、受け付けますよ。
改めまして。細井と申します。
ここに書いてることで、ここが、おもしろいと、
おもってることの、証明になるでしょう。
99 :
test:2009/12/11(金) 14:50:16 ID:PFSk6t90
とりあえず、星新一スレだと言う事は忘れて良いみたいだからコピペ
小学生のとき、少し足し算、引き算の計算や、会話のテンポが少し遅いA君がいた。
でも、絵が上手な子だった。
彼は、よく空の絵を描いた。
抜けるような色遣いには、子供心に驚嘆した。
担任のN先生は算数の時間、解けないと分かっているのに答えをその子に聞く。
冷や汗をかきながら、指を使って、ええと・ええと・と答えを出そうとする姿を周りの子供は笑う。
N先生は答えが出るまで、しつこく何度も言わせた。
私はN先生が大嫌いだった。
クラスもいつしか代わり、私たちが小学6年生になる前、N先生は違う学校へ転任することになったので、
全校集会で先生のお別れ会をやることになった。
生徒代表でお別れの言葉を言う人が必要になった。
先生に一番世話をやかせたのだから、A君が言え、と言い出したお馬鹿さんがいた。
お別れ会で一人立たされて、どもる姿を期待したのだ。
私は、A君の言葉を忘れない。
「ぼくを、普通の子と一緒に勉強させてくれて、ありがとうございました」
A君の感謝の言葉は10分以上にも及ぶ。
水彩絵の具の色の使い方を教えてくれたこと。
放課後つきっきりでそろばんを勉強させてくれたこと。
その間、おしゃべりをする子供はいませんでした。
N先生がぶるぶる震えながら、嗚咽をくいしばる声が、体育館に響いただけでした。
忘れちゃ駄目だし、コピペもスレ違いだから
スレ違いばかり書き込まれると、まともなのを書き込みにくくなるんだよな・・・
>>101 気にしなければいいと思うよ
『もしも占い』
あるところに奇妙な占い屋があった。なにが奇妙なのかというと、この占い屋は起こらなかった未来を占う、もしも占いなのだ。
誰しも、あの時あれをしていれば、と後悔したことはあるはずだ。もしもその先、行動していた時の未来が見えるとするならば、誰しも知りたくなるだろう。
「あの、占って欲しいのですが」
小さなビルの一階、占い師の老年の男が占いの準備をしている時、一人の女性が占い屋に入ってきた。薄いグレイのスーツを着た、OLのようだ。
「はいはい、わかりました。占いたい内容はなんでしょうか?」
「私、少し前に彼氏と別れたんです。それで、新しい男の人と付き合い始めたのですが、どうもしっくりこなくて」
「それで、もし前の男性と別れなければ今はどうなっていたか。それでいいですかな?」
「はい、そうです。仕事が手に付かない、というほどでもないですが、やはりすっきりしなくて」
「ここにくる人は皆、そういっています。大丈夫、きちんと見てあげますよ」
そう言うと占い師は、目の前の水晶に手をかざし、呪文のようなものを唱えだす。時折、女性に質問し、また水晶に呪文を唱える。それを少し続けた後、占い師はおもむろに答えた。
「結果がでました。紙に書いてきますので少しお待ちを」
そうして後ろの部屋に向かい、5分もしないうちに戻ってくる。
「これに全て書いてあります。それでは代金の方をもらえますかな?」
「わかりました。ですが、なぜ結果をいちいち紙に書くのですか?口で言えばすむ話なのに」
「私も昔はそうしていました。しかしそうすると、代金を払わないで出て行ってしまう不届き物がおりまして。こうして紙に書いているのです」
「そうだったのですか。これが代金です」
女性から、代金としてお札を数枚渡し、占い師は結果の紙を渡す。
女性が不安と期待、そして恐怖。それらがまぜこぜになった表情を浮かべ、少し興奮気味に占い屋を去って行く。
一仕事終えた占い師は、部屋の奥に向かった。そこでは、共同経営者の、眼鏡の青年がパソコンで書類を作っていた。
この青年は、半年ほど前、この占い屋にお客としてきた時スカウトされて、この占い屋にいた。
青年は、小説家志望で文は上手いのだが、暗い話しか書けないのでどうにかして欲しいと相談に来たのだ。
そんなこと、プロの小説家に聞けといいたかったが、その時占い師はひらめいた。
そうして生まれたのがこの、もしも占いだ。占い師が、巧みにお客の素性を喋らせ、マイクで聞いている青年が、それを文章にする。
青年の書く、生々しく寒気のするような文は、読んだ人を震え上がらせるに十分だった。
「しかし、毎回暗い話ばかりでいいのでしょうか?」
「いいんだよ。もしも、なんて聞きに来る人間は自分は間違って無かったと、聞きにきているだけなんだから。もしも、で幸福になると言ったら、怒って怒鳴り込んでくる奴もいるだろうさ」
「たしかに、そうですね」
そう他人の不幸は蜜の味。違う選択肢を選んだ自分はもう、他人なのだから。
>>102 102番
おもしろかったでした。
「しかし、 からの6行で、ふわふわと、わかってきた。
最後の1行は、2度よんだけど、そのう、あのう、おもしろかった。
読んでも、おとだけよんで、わからないで、そのまま、
音
これを、その、捨てるひと、いるやろね。
大阪から来ました。
やっぱ、このスレもう駄目っぽいな
>>105 NGIDして無視すればいい
反応しないほうがいいよ
そうだね、スマン
109 :
ほそい(男) ◆s75v8Hmv1I :2009/12/12(土) 19:15:07 ID:XdHwHb2V
>>106 作者さんだから、返答するけど、
笑いは、きらいなのか。
返事しないんだったら、もう、あの、あれです。
それと、きみは自分がななしで書いてることを、
わきまえた方がいい。
あなたの方が、もちろん強者です。
運用情報板の、質問と雑談のスレッドに書く人と、
同じ、ほぼ同じ反応だ。
もし運用情報板で、悪口を書いてるひとでなかったら、
あなたは、カテゴライズできるぐらいの、普通の人
だ。
気をつけた方がいい。
細井
------------
ファインとか、かいたのは、お芝居なのかな。
白痴のターコイズみたいな香具師が居付いたようだな
>>102 うわぁ、すごくいい!
設定もよくて、最初から最後までドキドキした。オチも星さんっぽい。
久々に本物星さんのショートショートに出会えた気分です。
ありがとう!
>>111 おれみたい
に、けなさ
れないよう
にな。
ID:51b2Wyqs自演乙
112 名前:創る名無しに見る名無し[sage] 投稿日:2009/12/13(日) 10:29:45 ID:51b2Wyqs
>>109 すごくいい。
113 名前:ほそい(男) ◆s75v8Hmv1I [sage] 投稿日:2009/12/13(日) 10:34:47 ID:51b2Wyqs
>>111 おれみたい
に、けなさ
れないよう
にな。
115 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 22:46:54 ID:ZAJtw3lp
『ジュース』(前半)
ある日、Q氏はジュースを飲む…脳に色とりどりの光と光彩が浮かぶ、
恐ろしい程に複雑で精巧な機械が並ぶ研究室で缶ジュースを飲
み干すQ氏は「ふう」とため息を吐いた…どうにかして「味」を
発見しなければならない…
西暦1XXXX年人類は完全に味覚を失ってしまった…というか科学
が進歩しすぎて、食べる事意外の娯楽がどんどん発達していき、
ついにはグルメという文化は完全に忘れ去られて久かったのだ。
考古学者であるQ氏は古代の文献を調べていく内に人類は「味覚」
という感覚を数千年前までは有していたのだと言う事実を発見
した。学会で論文を発表した時は結構な笑いものになってしま
ったが、どうにかして味覚の正体を突き止めたい…そう思っていた
多少、星さんっぽくないかもしれないが、少し腹が立ったので
『賽の河原の子供たち』
三途の川のそのほとり、賽の河原と呼ばれる場所。そこで子供たちが石を積み上げている。
親より早く死んだこの子供たちは、その罪を購うために石の塔を完成させなければいけないためだ。しかし、塔が完成間近になると、毎回棍棒を持った鬼がやって来て、石の塔を壊してしまう。
子供たちは壊されないように抵抗するが、鬼は不思議な力があるのか、触れることができない。
泣きじゃくる者や、怒る者、呆然とする者など様々な反応をする子供たち。まだ幼い子が多いのか、その反応はことさら大きく、静かな川辺をざわめかせる。
鬼は塔を壊し終わると、その子供たちをあざ笑うかのような哄笑を残し、霞のように消えさっていく。
鬼が消えた後、子供たちはまた石を積み始める。今度は子供たちなりに頭を使い、複数の塔を同時に建て始め、一つ二つ鬼に壊されてもいいようにした。
しかし、完成間近になったとき、今度は鬼も複数になって現れた。無惨に壊されていく塔たち。それは、鬼が子供の浅知恵を嘲笑っているかのようだった。
毎回、毎回壊される塔。その内、ほとんどの子供が積むことを諦めてしまった。そんな中、一人の少年が、また塔を積み始めた。
回りの子供は、皆諦めた表情でそれを見ていた。案の定、その塔は完成間近で壊されてしまう。
だが、その少年は壊されても、壊されても、塔を積むことをやめようとはしなかった。
そのうち、一人の子がその少年に問いかけた。
「そんなことをしても無駄さ。また、壊されてしまうだけだよ」
「壊されてもいいさ。それよりも、今度は丸い塔ができたよ」
よく見てみると、その塔はたしかに円錐状になっていた。
「前回は四角い塔、その前は三角の塔。塔を作るの、楽しいよ」
少年はその汚れた顔に、あどけない笑顔を浮かべながら、本当に楽しそうに答えた。
塔を作ることを楽しむ。完成させることばかりに気をとられ、他の子供たちはそんな簡単なことを忘れていた。
塔を作る者、見て楽しむ者、次の塔を考える者。それぞれの楽しみ方で、子供たちは塔作りに熱中しつづけた。
鬼は塔を壊すことはできても、子供たちには触れることができない。鬼は楽しそうな子供たちを見て、地団太を踏むことしかできなかった。
ここは地獄の入り口、賽の河原。子供たちの楽園だ。
117 :
ジュース(後半):2009/12/13(日) 23:10:27 ID:ZAJtw3lp
ペットの散歩がてら気分転換に公園を散歩していた私はひたすら考えていた…味覚とは何か?
一説に古代人は缶という原始的な容器に今では絶滅してしまった植物の一種である果実等から
絞った「ジュース」という飲み物を、今では退化してしまった「舌」という器官を使い味を
知覚しながらジュースを「胃」と言う何かに流し込んでいったのだそうだ、そしてその味覚と
いうやつはえも知れぬ快感を与えてくれたのだそうだ…気になる…絶対に解明してみせる!
とは言ったものの、その肝心の「舌」が体のどこにあったのかさえ知らない…
自分の無力さに途方に暮れながら夕焼けを眺めるQ氏。「もう遅い、帰ろうか…タロウ」
ペットの霊長類にそう言うと、Q氏は鉄の巨体で大きな伸びをして家路へと向かった。
118 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 23:23:09 ID:ZAJtw3lp
120 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/13(日) 23:40:39 ID:ZAJtw3lp
『数千年』
奴らは恐ろしく巨大だ俺の勘では数千年以上は生きているの
だろうと思う、化け物だ!狭い部屋に二十人の男がたむろし
ている俺もその一人だ…全員にネズミの様なシッポが生えて
いる。ある日、屋根が開く…ある者はただ呆然とし、ある者
は半狂乱となる…三人の男が選ばれ、何かの薬品を投与され
る。じきに二人がぐったりとなって動かなくなり、なんとも
無かった一人は巨大な手にどこかに連れ去られた、その後ど
うなったかは知らない。
>ジュース
なんかすごく読みづらい。
改行とか話の流れとか説明表現がいちいち落ち着かない。
>>119 よそに書くんじゃ意味ないだろう。
123 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/14(月) 00:04:25 ID:Ft6ol9PR
確かに読みづらい、やっぱショートは俺には無理ですな…
>>119 そのスレのことは知っています。
荒らしに対する皮肉を込めているのでこのスレに書きました。
荒らしに反応しないほうがいいと自分で言っておいて、これじゃいけませんよね。反省してます。
>>115>>117 分断してもうしわけない。
題材は面白いと思うんですが、やっぱり読みにくいですね。
賽の河原で石を積むのは、
積みあがった石の上に立つと現世の親が見えるからじゃなかったっけ。
そんなことも子供だから忘れちゃって楽しんでるのかな。
>>123 そんなことないです
面白かったです
また書いてください
127 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/14(月) 22:00:58 ID:Ft6ol9PR
>>117 意外性を狙ったのか?文体がいまいちか、次回作に期待
自演?
129 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/14(月) 22:19:50 ID:+gO9cGJy
>>120さん
うーん、星氏っぽくないうえに短すぎますし…
もうちょっとちゃんとしたオチをつけたほうがいいと思います。
もう、これはお手紙なので筒井康隆的な文を書く。
ぼくは★新一20さつ読んで、あきた。 時ガタッテ、
時計ガタッテおとしたねえ。 おかしい時計って
ガタッテおとするものかなあ。 時ガタッテ、
筒井康隆を文庫で30さつぐらい読んだ。古本で30さつ。
それで、かんがえるに星新一の文章は、内輪うけなし
内輪のネタばらしの、おもしろばなし、なし
行動する男 とゆうか、行動する心を、もってない。
主人公が。
@色ずけの 、弱いAおとこや┐
こころが。
どうも、星ファンからみると、筒井康隆には、
筒井康隆さんのほうを見ると、越えがたい丘が
あるような気がする。 気は気のもんです。
----------------------------
気は気のもんです。
これが、つかみづらい。 ガンバルわけです。
なにか、違うような気がします。
筒井康隆をぼくは、楽しんだから、
丘の向こうと、向こうかもしれません。
かいたのが、失敗だったかもしれん。
いがいに、
筒井康隆は牛乳をのむ。☆新一は牛乳を飲まない。だったりしてな。
「類型化した人への手紙用用例」
いや、なにがいいたいのかと言うと、類型化できるひとは
カウントできるってことや。カウントできるってことは、編集者、
つまり作家をやとってくる人に、カズかんじょうされる。
カズかんじょうされて、かわりのいる、物としてあ、つかわれる。
上の行は2義だした。
星新一っぽいショートショートを作るスレ
>>114と
>>117 ←コーヒーかっつの。
Q氏、あなたのくちからベロンと出てる。
それが、したですよ。
おもしろかったです。
胃が、意外でした。
>>117 自分の無力さに から下、いま読みました。
読むの、おもしろくって、
わすれてた。
ありえへんことやね。論評する人として。
猿のワクセイや。!!
>>120 アーーーッ。気付いた。
なんか、むづかしいねえ。
中公新書の「 ゾウの時間 ネズミの時間 」
みたいな、着想ですな。
エスニックジョークはどこに書き込めば良いんだろう
Q1 会社の業績が悪いから出来の悪い社員を解雇しようと思う
どの人物を解雇すべきか?
Aやる気が無い員 B:業績が悪い社員 C:空気を悪くする社員
A1 そんな事になるまで会社を放置しておいた社長を解雇すべき
136 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/21(月) 22:07:34 ID:ZrAlqn8i
厄介な奴
「まったく、ほんとに厄介な奴らだな。」
「そのとおりだ。こいつらが地球に現れなかったら今の地球はずっと平和だったはずだ!」
「動物を次々と殺し、自然破壊や環境汚染、ついには自分たちの仲間とまで戦い、自分たちの首を締め上げている。馬鹿じゃないだろうか?」
「なぜ神はこんなものを作ったのだろう?」
「知るものか!やつらも対策を立てようとした頃にはもう遅かった。このままだと遠からず奴らは破滅だ。いい気味だな!しかし自分たちだけ破滅するのならいいが、我々まで巻き込んだあげく。だものな。」
「ほんとに厄介な奴らだな。人間というものは・・・・・・。」
ごめん、最初の2行くらいでオチわかった
139 :
創る名無しに見る名無し:2009/12/22(火) 19:06:18 ID:2NAaSpJV
『懐古』
ある絵描きが昔自分が住んでいた故郷を懐かしみ絵に描いてみることにした。
彼がまだ少年だったころよく絵を描きに行ったあの高台からの風景を思い浮かべる。
山には杉の苗がたくさん植えられていて、川の水は工場の汚水で濁っていたはずだ、彼はさらに記憶を辿って絵を書き足していく。
山のこの辺りには広いあぜ道が町まで通っていて自分の育った家は大体この辺にある・・・
しばらく時間をかけて彼は記憶を頼りに一枚の風景画を描き上げた。
この町を知らない人がこの絵を見てもよくある風景画だと思うだけなんだろうな、と思ったが絵に詰まった思い出から彼は満足感で満たされていた。
それから数十年が経った。
歳をとった彼は再び少年のころ過ごした故郷を絵に描いてみようと記憶を辿る。
しかしずいぶん昔住んでいた故郷だったのでその際いつだったか若いころに描いた故郷の風景画を参考にしようと探してみる。
ようやく出てきた自分で描いた絵を久しぶりに眺めてみると彼はあれこれ物足りなさを感じ出した。
杉はこんなに小さくなかったのではないか、川の水はもう少し澄んだ色をしてはいなかったか、
町ももう少し明るい色を使った方が存在を目立たせられるだろう
彼は今思ったことを新しく描く故郷にそのまま反映させていく。
そして描き上がった風景画をみて彼は満足し、嬉しそうな表情を浮かべる。
しかしその満足は若かりし頃に故郷を想い絵を描いた時のものとは全く別の感情だった。
>>139 価値観の変化ですね。
どちらがいいと言えるものでもないし、深く考えさせられる作品です。
ただ、もう少し句読点が欲しいです。それ以外は本当にいい作品だと思います。
良いですね
この読了感を星新一に重ねられる人がどれだけ居るか疑問な空気あるけど、
良いと思います。共感や派手な仕掛けに陥るのではなく、、、、良いと思います。
それ以外思いつきません。
読みながらイメージを刺激され、読んだ後で考える。
そんな、文字からの力を感じます、思想やら思惑じゃなく
何というのかそんなものを感じ取れる。
星新一のSSを文庫なりで読んだ人は、何気に体感していた筈のそれ
今では普通に忘れていて、改めて形にしようとしても難しいそれを
感じました。良いと思います。
>>137 私もオチはわかってしまったけど
星さんをリスペクトして書かれているのは感じました。
話そのものはもちろん、星さんの文体や言葉の選び方が好きなので
また楽しみにしてます。
>>139 じんわり染みてくる話ですね。
読む人の年齢によっても、染み込み具合が違うのかも、と思いました。
流れが戻ってなによりです
作品投下してくれたひと達ありがとう
やっぱり星さんの世界はいいねぇ
145 :
139:2010/01/05(火) 15:16:54 ID:z2Pssgs4
146 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/14(木) 15:12:14 ID:0lLkAxXn
『積もる雨』
天気のよかった午前を過ぎると急速に雲が集まりだし瞬く間に雨が降り始めた。
しばらく降っていなかったせいか厚い雲はなかなか雨の終わりを感じさせない。
町へ山へ川へ海へ雲はところかまわず雨を降らせ続ける。
それから数日後、ようやく雲は小さくなりどこかへと流れていった。
「ようやくやんだ。水溜りがすごいなあ」
外の地面を見て男性が感想を述べた。
テレビによると雨は全国的に降っていたらしいがこれからは晴天が続くという。
現にもう太陽が暖かく照っている。外では水溜りをうまくよけながら人々が歩いていた。
だがそれから二日も経つと彼に少し気のかかることができた。
二日も晴天が続いたというのに外の水溜りが引いていかないのだ。蒸発しない。
「いつもならもう消えているんだがあの雨の後からなかなか消えないな」
もっと時間が経てばいずれは消えるのだろう、と彼は考えた。
その翌日は小雨が降り外ではわずかではあるもののさらに水溜りが増えて拡がっていた。
もう十分水溜りは道路を覆っているのにそれでもまだ低い方へと流れていかず川の水は大して増えていない。
天気がよくなっても水溜りが全く小さくならないので歩く人々は皆長靴を履いている。
外を見ながら男性は考えた。
「今はまだいいがこれから少しずつでも雨が降ってくると、やがては・・・」
日差しがきつくなり夏に近づく5月の終わり、これから梅雨の始まる6月に入ろうとしていた。
文は星新一っぽくはないけど
(特に前半の描写あたり)
いい雰囲気ですよね
長編にするとしっくりくるかも
たしかに星新一っぽくはない
どことなくウエットな印象で星新一あのドライな感じとは対照的だ
149 :
146:2010/01/18(月) 16:43:08 ID:JIY5vXZy
150 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 19:13:50 ID:JIY5vXZy
『そうならば』
ある所で人が地球とはどういう形をしているのか話し合っていた。
一人が言う。「地球は大きな半円型に決まっている。地球の下には巨大な亀がいてその上に立つ四頭の象が地球を支えているのだ」
するとパオ−ン、とどこかから大きな鳴き声が聞こえた。
それにかまわず二人目が考えを言う。
「それなら海の向こうには崖があるのかい。違うと思うなあ、地球は巨大な空洞になっていて
僕たちはその中にいるんだよ。そこにあるように見える山や空もすべて内側にかかれた絵なのさ」
その瞬間遠くの山がさっと平面的に変わったように見えた。
それを聞いていた三人目。彼は地球がどういう形をしているのか正しく知っていた。
「いいか。信じられないと思うけどこの地球は空間に浮かぶ巨大な球体で俺たちはその上に立っているんだ」
真実を知る三人目の意見を聞いて周りにいた者たちはすぐにこう切り返した。
「お前の言うとおり地球が丸くてその上に俺たちがいるというのならなんで俺たちは地球から落ちないんだ。」
「それは・・・・・・」
三人目はなぜかという理由までは知らず言葉に詰まり考え出した。
合わせて考える一人目と二人目。直後、彼らはふわりと足元が浮くような感覚を覚えた。
151 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 22:04:50 ID:upQKI4tF
新作を書きます!なるべく星氏っぽくないかもしれませんが……
「操作」
ある男がいた。
その男は一人暮らし。就職も出来ず、テレビを付けるだけの日々。
今日はテレビを付けた後、少し音量が小さいと思った。
男は音量を上げてみた……と、その時、外の車が通る音が少し大きくなった気がした。
それだけじゃない。全ての音が大きくなっている。
足音、咳払い、吐息……自分が出す音までも…
まさかと思ってさらに音量を上げてみると、また大きくなった。
これはうまく使えそうな気がした……
次の日、昨日より周りの音が小さくなっている。
昨日の上げた音量が元に戻ったのだろう。
早速音を上げてみた。やはり周りの音が大きくなる。
一時間後、さすがに飽きてきたのか、外出したくなった。
テレビを消した……そのときだった。
辺りが急に暗くなったのだ。
自分の部屋の電気も、周りの建物も、さらには空までもが暗くなった。
これはまずいと電源を入れると、全てが元に戻った。
いきなり厄介なものを手に入れたと思った男であった。
次の日、番組の録画をしようと思った。
男はいつものように録画予約をしておいた。そして外出した……
帰ってきて、早速録画したものを見ている。
だが、それはなんの番組でもないある風景だった。
よく見ると、自分の近所に似ている。
もしかしたら、外の風景が録画されてしまったのではないか……そう思った。
さらに案の定、様々な風景が映し出されていた。
何日もそれが続いた。もう男もうんざりしてきた。
いっそのこと、これを燃やそう、と考えた……
男はマッチで火をつける。これくらいはあるのだ。
だが燃やそうとしたその時、外の風景が炎に包まれた。
辺りが真っ赤になり、さすがに今回は男もあわてた。
すぐに火を消すと、元に戻った。焼け跡や焦げ跡などは何も無い。
男は悟った。このリモコンからは逃げられないと、自分は操作する身になってしまったのだと……
男は2年経ち、就職した。
結婚はしていない。むしろ、しない方がいいのかもしれない。
金はあるが、新しいテレビは買いにいけない。
行ったら……また何か災害がおこると思っているからだ。
今も男は、あのリモコンと一緒に人生を過ごしている。
152 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/18(月) 22:07:16 ID:upQKI4tF
すいません。
>>151でミスをしました。
一番上の行の小説の前、「なるべく」は消してください。
連投すいません……
>>151 発想がいいな、と思った。で、録画の場面を読んだときに、オチを考えた。
就職する人生にするために、巻き戻しスイッチを押すのか、成功者の人生の録画を見るのか、
とかいろいろ考えた。
最後まで読んで、これは地デジの移行が迫っていることを示唆していると思ったんだけど、
深読みかなあ。
操作する側の悲哀なのかなあ。そんなことを考える時点で、術中にはまっているのかなあ。
156 :
150:2010/01/21(木) 14:54:09 ID:L2/g0LET
157 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/22(金) 18:37:40 ID:v6ILLV82
『王座と革命』
季節は冬が終わりを迎えるころ。
雑草と野花が覆い茂る中それらを拒むように一面土だけの一角があった。
周りと四角く切り離されていてまるで誰かが区切ったようにも見えた。
その一側面に伸びる一本の小道。そこを通りがかる男性がいた。
男性はその一角に気付くと足を止めて土に触れてみる。
見て触った土の感じから地面が肥えていることを確信した彼は
背負っていたリュックをおろし、小さな袋を取り出す。
その袋に入っていた植物の種を植えるため、彼は地面に人差し指で穴をあけているようだった。
持っていた分すべてを植え終わった後、彼はリュックを背負い直し再び小道を歩いて行った。
半年後、その雑草を寄せ付けない四角い土地の横を彼が一年ぶりに通りがかった。
しかし辺りを見た彼は半年前に通った小道と、本当に同じ場所なのかわからなくなった。
彼が半年前植えたのはひまわりの種だったがその場所におかしなほど大きなひまわりが成長していた。
それに引き換え周りの土地に生える雑草はみな小さく細く、枯れる寸前の状態になっている。
どうやらひまわりの生えている一角が辺りの地面から養分をごっそり吸い上げているようだった。
ひまわりを植えた男性は周りの土地が以前青々と雑草や野花で賑わって
いたことを思い出し、ひまわりを土から抜いてしまおうと考えた。
くきを掴み、引っこ抜いた。 これでもとの様に草花が伸び伸びとした
多様性あふれる土地になるだろうと思い、彼は抜いたひまわりを捨てその場を後にした。
だがひまわりを抜いた後もその土地は男性の思い通りにはいかなかった。
それまでその一角を取り巻いていただけだった雑草や野花が次は自分がその一角を治めようと根を伸ばしだした。
結果、その一角は再び辺りの一帯から養分を吸い上げ、吸い上げつくしたのちその土地には何も生えなくなってしまった。
暗喩的で面白いな
人間の世界でもこういうことはよく起こる
嘘をついたら消えてしまう世界の話
A氏とF氏の会話
A「いやぁ私、一人が好きで休みになると一人で旅するのが定番になってるんですよ。」
B「ほう、私も一人旅が好きでねぇ……」
A「奇遇ですね、では今度一緒に旅行でも行きませんか。」
>>159 シュールだなw
F氏も一回も出ないまま消えたのかw
F氏が会話してるなどと嘘をついた159が消えたんだろう
F氏w
164 :
「 悪魔な博士 」1/2:2010/01/24(日) 20:14:20 ID:yVCuZNju
とある研究所。
発明家のN博士はアルバイトのS助手とともに、狭い研究所の中で
日々怪しげな実験を繰り広げていた。
危険と緊張が伴う実験を終えて一息ついた深夜。
眠気覚ましの濃いコーヒーを飲みながらN博士はS助手に切り出す。
「 S君、これから重要な話をする。
今まで黙っていたが、実のところ私は悪魔なのだ…… 」
「 ……なに馬鹿なこと言ってんですか 」
気を張った実験の疲れからか、突拍子の無いN博士の言葉に
S助手は呆れたように苦笑いを浮かべることしか出来なかった。
しかしN博士はいたって真面目な表情で続ける。
「 馬鹿なことではない。私が悪魔なのは紛れのない事実だ。
黒い翼や尻尾、赤い瞳を晒せば信じてもらえるとは思うが残念ながら
それは悪魔界の規則で禁じられている 」
「 ……ふざけているんですか? 」
悪魔ごっこはいいから早く家に帰りたいと心の中で舌打ちをするS助手。
だが露骨に嫌な顔をしているS助手を前にしてもN博士の話は止まらない。
「 二度も伝えたのに理解してもらえないとは嘆かわしい限りだ……。
君も科学者発明家を志すのならもう少し素直に人の話を聞いたほうがいい。
事実を受け入れられないその頑なさは、時に君の発想力をスポイルする。
何度でも言う。私は悪魔だ。ふざける必要はどこにも無い 」
「 いい加減してくださいっ!!! 」
深夜にまで及んだ実験による寝不足と苛立ち。そして自分は悪魔
だと言い張り、それを信じない者を小馬鹿にするような口ぶりのN博士に
S助手の堪忍袋の緒が切れた。
「 博士が悪魔だということが重要な話ならばそれで結構。
僕にはさして問題はありません。とっとと家に帰って寝たいんで
用が無いなら今日はこれで失礼します! 」
「 待ちなさい。それも重要だが本題は別にある 」
付き合いきれないという表情のS助手だが雇い主のN博士に逆らえる
訳もなく、N博士に促されるまま渋々と安物のパイプ椅子に腰をおろした。
「 くどいようだが私は悪魔だ。しかしそろそろ人間の姿で暮らすことに飽きを
感じている。人間の発明家としての地位も名誉もあるが、それにはなんのしがらみ
も感じない。という訳で近いうちに人間から悪魔に戻り魔界に帰るつもりでいる。
……急な話で申し訳ないのだがS君。
今日限りで君をこの研究所から解雇する。二年の短い時間だったが
色々と無理難題を押し付けてすまなかった。感謝している 」
「 は……? 何ですかそれ? 」
「 ……言葉を選ばずに言おう。S君、今日限りでクビだ 」
「 ちょっと待ってください! いきなりそんなこと言われても困ります! 」
突然言い渡された解雇宣告にS助手は動揺を隠せない。
「 ……君が憤るのは分かるが私の気持ちは変わらない。
給料はいつも通り振り込む。あと退職金として一年分の給料も一緒に
振り込もう。ニ年間の労働期間で退職金が給与一年分なら充分破格なはずだ 」
「 そんな問題じゃない! このご時世、仕事を探すのがどれだけ大変な
ことか博士は分かっていない! ひどい人だ。まるで悪魔だ! 」
「 ……だから言っているだろうに。私は悪魔だと 」
「 ………… 」
N博士を見据えるS助手の瞳には、もはや狂人を見る憐れみの色しかなかった。
お世話になりました。ぽつりと呟いて悪魔なN博士を残し、S助手は研究所を去った――
165 :
「 悪魔な博士 」2/2:2010/01/24(日) 20:16:09 ID:yVCuZNju
翌日。
研究所を畳むべくN博士は所内の整理にいそしんでいた。
長年過ごした研究所を畳むのは忍びなかったが、自分で決めたことだと心に
強く言い聞かせ、黙々と作業を続けた。
丸一日掛けてN博士が納得できるところまで所内の片づけが終わった。
残るは昨日の実験データーの処理だけだった。
「 ……色々なことがあったが今までありがとう 」
濃いめのコーヒーを飲みながらN博士は所内を見渡し昨日の実験のことを
思い出していた。
多くの技術発明発見がそうであるように、昨日S助手と行った実験で得た発見も
全くの偶然が引き起こした賜物だった。
深夜に及んだ実験は長時間掛けたのにも関わらず、N博士の思い描いた
結果は残せなかった。だがN博士の意図せぬところで小さな科学反応が起こった。
何千回も繰り返した作業ルーチン。正確に手順を踏めば起こりえない現象。
S助手もしくはN博士自身の散漫。あるいは単純な注意不足かは分からない。
しかし、偶然起こったその小さな化学反応は、ある特殊な分野の常識を覆す画期的
な発見だった。
その発見の有効性に、単なる助手のSは気付くはずもなかった。
そしてN博士もその発見を瞬時に無かった事にした。
けしてその発見を独り占めしようとした訳ではない。
N博士の直感がそうさせたのだ。この発見はあまりにも危険すぎる――と。
「 S君。君に悪魔と呼ばれるのは一向に構わない。一生私を呪ってくれていい。
しかし私はこの悪魔の発見を世に送り出すわけにはいかないのだよ。分かってくれ…… 」
そう呟いてN博士は昨日の実験に関わる全ての書類、データーを廃棄した。
そして主を失った研究所にあかりが灯ることは二度と無かった――
おわり
166 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/24(日) 21:16:59 ID:0r2Eoc2U
>>154さん
>>155さん
すいません返信遅れました。
>>151です。
この話はもしもリモコンのように特定のものを操作するものが、
ある別のものを動かせるものになったら、という気持ちで書きました。
最初は別の機械、といった感じだったのですが、あとでもう少し壮大なものに変えてみようと思い、地球(世界)みたいなものにしてみました。
感想ありがとうございます!
お前悪魔好きすぎだろw
まるで悪魔だ!のところがちょっと星っぽいな
>>160〜
>>163 159氏も消えてしまったので、代わりに御礼を言っておきます。
どうも、ありがとうございます。
「パトカー」
とある農村で窃盗事件が数多く発生した。
警察に頼ろうとも出動するのに時間がかかる
農民達が知恵を出し合い、ある方法を試した。
夜、ドロボウがいつも通り農家の家に侵入しようとすると突然赤いランプが見えた。
ランプのほうを見ると白と黒の大きい物が目に付く。
ドロボウはまずいと思いその場から去っていった。
「おう!無事追い払われただか?」
「んだ!、それにしても牛に赤いランプをつけただけでパトカーと間違えるだなんてな」
農夫たちは笑いあった
侵入者に反応してランプが点灯するシステムを作れるなら、普通に通報して現行犯逮捕できるんじゃね?
警察に通報しても、村に来るまでに時間がかかるし、
農民たちだけで捕まえるのは心もとない。
だからとりあえず追い払える工夫を、って感じかなぁ。
とある研究室
N博士は、お札を増やす薬を開発していた。そこへN博士とN博士が入って来た。
「皆、研究の方はどうだ?」とN博士は伺うと
N博士は冴えない顔で首を横に振り、N博士はため息をついた。
すると、N博士とN博士とN博士が勢い良く入ってきて、
174 :
続き:2010/01/25(月) 21:38:57 ID:S9wYPqcg
「実験中に資金が全部焼けてしまいました!」
とN博士とN博士とN博士は蒼白な顔でうろたえているてところに、遅れて入って来たN博士が
「働ける人を増やす薬を作ればよかったのに」
175 :
続き:2010/01/25(月) 21:46:17 ID:S9wYPqcg
だが、N博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士とN博士は
「最初から、そんな事を思わなきゃよかったのに」
と反論したのであった。
アメーバみたいに増殖できる薬を使ったってこと?
177 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/25(月) 22:06:59 ID:DdzLckCV
お札を増やす薬のほかに自分を増やす薬も作っていたということなんでしょうか。
コメディ系とかにつかえそうですね。
お金が10倍になっても、それを使う博士の人数が10倍以上になっては意味がないな
>>170 ほのぼのしてて好き
星新一というより童話っぽいかな?
>>175 まず開発者を増やしたんですねw
笑えました
180 :
157:2010/01/26(火) 10:34:51 ID:hKd79YV4
181 :
175等:2010/01/26(火) 18:56:26 ID:g2HZ/SOp
>>176>>179 評価ありがとうございます。
しかし即興とはいえ、星新一っぽくなくパロディーになりすぎてしまったのが反省点です。また、最後の部分を『口を揃えて言った』と書いたほうがしっくりきたのかなぁと思いました。
182 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/26(火) 19:55:40 ID:g2HZ/SOp
青梅-柳沢駅前はやらんのかよ
すいません。182は誤爆です
184 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/27(水) 07:31:53 ID:vLKUtmqQ
皆さんなかなかの腕前ですね
185 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/27(水) 09:10:37 ID:vLKUtmqQ
それでは私も一つ。
「免罪列車」
駅員の声で起こされたのは深夜0時過ぎの事だった。
どうやら最寄駅を大分通り過ぎてたみたいだ。55歳にもなって、酔っ払って寝過ごすなんて恥ずかしい事である。
「もう終点ですよ。折り返し電車が間もなく出発しますがいかがされますか?」
「あっ、乗ります」
すると駅員は向かいのホームに停車中の電車指差した。
「階段を上って、3番ホームですので」
私は急いでその電車に飛び乗った。どうやら乗客は私一人のようだ。余計なタクシー代がかからずに済んだと、胸を撫で下ろしていた所いた。その後電車は発車したが、数分後になぜか回りの雰囲気が違う事に気がついた。
いつもと風景が違う。ここはどこだ?
車掌からアナウンスが聞こえてきた。
「毎度ご乗車ありがとうございます。この列車は免罪駅までノンストップで運行して参ります」
免罪駅……そんな駅名聞いた事ないぞ。
私はパニックになり、少しの恐怖感も沸いて来た。
一体何が起こっているんだ?窓の外を眺めていると、深夜にもかかわらず急に明るくなり、映画のスクリーンのような物が目に飛びこんできた。
『1965年5月8日』と字幕が現れると、そのスクリーンの中に、子供の頃の私が映し出された。
「おい!明日だぞ!必ず1万円持ってこいよ!」
「そんなの無理だよ…」
「お前の家は金持ちなんだろ?母ちゃんの財布から抜いてこい。明日持って来なかったらタダじゃおかないからな!」
間違いなく私本人だった。しかも、この情景は覚えている。
その後も次々に、日付の字幕と共に私がスクリーンに現れた。
『1974年5月9日』
就職した会社にて、ライバルだった同期社員が所持していた重要な顧客資料をシュレッダにかける私がいた。
それにより、この同期社員は翌日上司よりクビを言い渡される。
そういや昔は酷い事したもんだなあ、と思っていたところまたしても画面は切り替わった。
『1996年2月14日』
「奥さんと別れて私と一緒になるって言ったじゃない」
「すまんが、今は動けないんだよ」
「嘘泣き!もういいわ。死んでやる!」
「勝手にしろ!元々、私が結婚してるのを知ってて付き合い出したんだろ?死ぬ勇気なんてないくせに!」
翌日の新聞で私は彼女が特急電車に投身自殺をした事実を私は知る。
私の悪事が時系列でスクリーンに映し出されている。その後も私が横領したのを部下におしつけたり……。
かれこれ30分は経っただろうか。車内アナウンス
が流れる。
「列車は間もなく終点の免罪駅に到着いたします」
列車のブレーキ音が聞こえると数十秒後に停車した。
ほんとに奇妙な列車だな。しかしこんな駅知らないぞ、と呟きながら列車を降りた。すると死神の格好をした車掌が立っている。
「いかがでしたか?」
「奇妙な列車だよ!一体ここは何処なんだ?」
「あなたは今まで犯してきた罪を償った事がありません。最近自ら罪を償おうとする人間が減りましてね。私がお手伝いしてるんですよ。ヒッヒッヒ」
「よくわからんが出してくれ、タクシー乗り場はどこだ?」
「その前に乗り越し代金を清算して頂きますよ。えーとあなたがこれまで犯した罪は合計で1500万円支払えば償えるでしょう。現在は便利になりましたよ。罪は金で消せるのですからね」
「馬鹿馬鹿しい!そんな大金有る訳ないだろ!」
「なるほど。今は不況ですからね。そういった方に便利な支払方法があるんです。」
「なんだそれ!どうすりゃいいんだよ!」
「簡単ですよ。ちょいと、腎臓と角膜を頂くだけなんです」
>>185 序盤は、おっ!?と思わせる部分があったが、オチが少し残念だなと思われ
187 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/27(水) 22:50:02 ID:ghfdnIKT
>>185さん
なかなかいい話だと思います。
僕は星氏のようなブラックな内容が気に入りました。
星新一っていうよりは、世にも奇妙な物語みたいな話だな
189 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 00:17:53 ID:b1Jw+N7X
185です。コメント下さった方ありがとうございますm(__)m
物語を考えるのは難しいですね。また投稿させて頂きますので、ご指導下さいませ。
>>188 世にも奇妙な物語には星新一ぽい話も結構あるよ
ドラマの方が小説より演出面で具体的だからウエットになりやすいせいか
あの乾いた感じの黒さは薄れるけどさ
規制解除記念カキコ
「畜生……」
アイツは項垂れながらずっと唇を噛み締めていた。
「でも後悔なんてしてないよな。やるだけのことはやったんだから……」
オレは勝ち誇りたい気持ちをぐっと抑えて、アイツを宥める。進路指導の先生からも志望校は厳しいと言われていたのだけれど、アイツは希望どおり第一志望の学校を受験した。
志望校をワンランク落としたオレを散々戒めていたくせに、結果はこのとおりだ。意気揚々とやってきた合格発表の日。アイツの受験番号は掲示板にはなかった。
「オレも考えを改めるよ……。みんなの意見は真摯に受け入れて、自分勝手な行動は慎む。自己チューなオレとは、もう、さよならさ」
そう言ってアイツは頬を弛めた。
それから、学校が変わったオレたちは段々と疎遠になってゆき、いつしか年賀状のやり取りをするだけの仲になっていた。
「あらっ? スズキさん結婚したみたいね。へぇ〜、スズキさんって、こういう人がタイプだったんだぁ」
今年も届いた数十枚の年賀状を仕分けていると、妻がアイツからの年賀状を見つけて呟いた。
差し出されたアイツからの年賀状にプリントされていたのは、アイツのタイプとは凡そ正反対の容姿をしている女性と仲睦まじく寄り添う、アイツの姿だった。
オレはアイツがあの日、合格発表の掲示板の前で言った言葉を思い出していた。
「この人、ぜったいに第一志望じゃなかったな……」
192 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 15:06:24 ID:813eGM/S
http://tsushima.2ch.net/newsplus/dat/1264633967.dat (一部修正)
エヌ氏は家族に見守られて病室からオペ室へと移動しようとしていた。
最新の東芝秘書携帯が電子的な声で報告する。
<会社へ入院期間とその後のスケジュールをメール致しました>
「こんな時まで仕事の話なんて、やっぱり機械は機械ね。」
妻は不満そうに秘書携帯を睨みつける。
必要な情報を自ら考えプログラム実行してくれる。エヌ氏にとっては手放させない
存在となってはいるが、人間的な場の空気を読めというのは、いささか酷であろう。
「さあアナタ頑張ってしっかり治してまた働いて頂かなくちゃ」
「パパ頑張って〜」
「あぁそうだな。頑張ってくるよ」
エヌ氏は秘書携帯を金庫に入れ家族と共にオペ室へ向かった。
柔らかな春の日差しが誰もいない病室を明るく照らしていた。
<さよなら>
【天国】
「やあ、天国へようこそ」
子供はそう言ってN氏を部屋に迎え入れた。
その後ろには父親が座っていた。
「びっくりしたでしょ、天国が本当にあるなんて。
ぼくも最初は驚いた。
だけどすぐに慣れちゃったんだ。
だって死ぬ前の世界と何にも変わらないんだもの。
じゃあ、おもてなしの果物を採りに行ってくるよ。
とってもおいしいんだ」
子供はそう言って外へ出て行った。
すると父親がN氏のほうを向いて申し訳なさそうな顔をした。
「すみませんね、さぞ驚かれたことでしょう。
うちの子はここが天国だと思い込んでいるんですよ。
それであまりに信じ込んでしまっているものですから、ここは天国なんかじゃない、とはなかなか言いづらくてですね、今まで言えずにいるんですよ。
本当のことを教えてあげたほうがいいとは思っているのですが」
子供はすぐに戻ってきた。
「ほら、天国(ここ)にしかないフルーツ。
りんごにすごく似てるけどこれはもっと甘いんだ」
子供はそのりんごに似た果実をかじりながら、手に持ったひとつをN氏に渡した。
同じようにかじってみるとやはりりんごの味であったが、確かにきわめて甘いようだった。
父親は言った。
「おいしいでしょう、“こっち”のものは。
私も大好きなんですよ。
あ、ちょっとすみません」
父親は携帯電話を手に外へ出ていった。
父親の影が見えなくなったのを確認すると、子供はN氏に再び話を始めた。
「ふう。びっくりしたでしょ、天国だなんて言われて。
そんなわけないもんね。
ここが天国なわけないもん。
お父さん、昔病気にかかって以来自分が天国にいるって思い込んでるみたいなんだ。
“こっち”がどうとかいっちゃってさ。
ぼくも話を合わせてここが天国のふりしてるんだけど、いつまでもそうはいかないだろうね」
その後父親が戻るとN氏は用があると言ってこの家を出た。
父親は、子供がここを天国だと思い込んでいると言う。
子供は、父親がここを天国だと思い込んでいると言う。
しかし、実際は二人とも天国だとは思っておらず、お互い相手に調子を合わせた結果、こうなっているのだ。
N氏は、事務所に戻ると電話をかけた。
「もしもし、奥様ですね。
天国精神科のものです。
先程お宅に上がらせて頂いて少しお話ししましたところ、やはり旦那様もお子様もここが本当に天国であるということがわかっていないようです。
よくある症状ですので対処はすぐにできますよ。
自分が死んだということを気づかせるお薬がございますので、明日にでも病院へ取りにいらしてください」
194 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 21:01:52 ID:hIcy5bJB
そうきたか
オチがスカっとしていいですね
読めませんでした
星さんらしさもいい感じです
196 :
創る名無しに見る名無し:2010/01/28(木) 21:36:12 ID:z4wXVqnt
世にも奇妙な物語になった星新一のショート・ショートは
「穴」(おーいでてこーい)
「ネチラタ事件」
「殺し屋ですのよ」
「おーいでてこーい」と「殺し屋ですのよ」は「ボッコちゃん「」に、
「ネチラタ事件」は「ちぐはぐな部品」に収録されています。
あと、もし他にもあったら教えてください。
ヒネリ具合はいいが
同じ事を何度もひっくり返し続けるのはちぃとね
文章は上手とは言えないが、内容が星新一っぽさが顕れていると思いました。
>>193 今まで中で一番雰囲気が本物に似ているように思う
たしかに。凄いな
「かみ」
N氏が仕事を終えようやく寝ようと一人の男がドアの近くに立っていた。
「だ、誰だお前は!」
Nが問いかけると男はゆっくりと話し始めた。
「私は神です」
「何故、神がここに… そうか、願いを叶えに来たのか?」
「いえ、そうではなく・・・」
「では何だ? 何故私のところに来たんだ?」
「ちょっと警告を…」
「警告だと?!」
「ええ、あなたはこのままだと亡くなりますよ」
「亡くなるだと!ふざけるな!」
突然の死の宣告にN氏は激高し目の前の神を叩き始めた。
あまりの事に驚いた神はあっという間に消えてしまった。
「まったく、私が死ぬとはとんでもない神だ!」
N氏は愚痴を溢しながら布団に入った。
翌朝、N氏は神が言った事が本当だった事を自覚した
鏡には肌色の頭がが写っており、ベットには大量の髪の毛が死体のように転がっていた。
ベットじゃなくて布団だった
もう少し落ち着いて書いたほうがいいですね
すみません
>>204 もうちょいミスディレクションを意識して、「かみ」「神」「髪」を使い分けた方がいいんじゃないかな。
あるいは、髪をまるで自分のように大事にしてたとかいう伏線を入れるとか。
発想としてはわかるんだけど。
うーん、そうですか。
評価していただきありがとうございます。
伏線を入れるとオチが読まれてしまうため入れるかどうか悩んでいました。
そこはまあ、伏線の入れ方次第だろうね。
さり気なく頭髪を整える描写を入れつつ、そこでほのかに匂わせるとか。
まあ、それで星新一っぽくなるかどうかはわからないけどw
色々試行錯誤して頑張ってみてちょー。
>>205 ベッドとか布団以前に文章がおかしくないか?
×N氏が仕事を終えようやく寝ようと一人の男がドアの近くに立っていた
○N氏が仕事を終えようやく寝ようとすると一人の男が寝室のドアの近くに立っていた
自分自身に対して亡くなるは使わないな
×「亡くなるだと!ふざけるな!」
○「私が死ぬだと!ふざけるな!」
あと「無くなる」でも「なくなる」でもなく「亡くなる」と書いてしまうと
髪の毛が無くなって、亡くなっていないので神が言ったことは本当ではないので
なんか意味が通じず何処が面白いのかしばらく考え込んでしまった
>>206さんの解説なかったら意味わかんなかった・・・orz
雰囲気は星さんっぽい
毛根が死ぬだなんてすぐ思いつかないよ
それなら分かりやすくする為にひらがなで書いたほうがいいな
これなら髪が無くなるっていうのとひっかけられるだろうし
それと”亡くなるだと”は神の言葉に対するオウム返しだと思う
私が死ぬだと!だと個人的にどうもすっきりしない
自分ならこう変えますね
「なくなる!? 私が死ぬということか? ふざけるな!」
213 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 14:39:22 ID:tVYK7pvl
先週ぐらいから書く人も、見る人も、一気に増えましたね。
規制解除の関係じゃないか?
215 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/02(火) 14:50:08 ID:tVYK7pvl
そうなのかな
なんでかわからなかったから納得です
でもまた規制らしい
携帯3キャリア全滅
【歌声】
「私達はレインボー星からやってきました。地球の皆さん仲良くしましょう」
ある日、非常にかわいらしい宇宙人がやってきた。
科学や文明は地球とは比べ物にならないほど発達しているらしく、奥歯に埋め込まれた万能翻訳機を使って色んな星の生物と交流を深めているのだそうだ。
「この星の主導権を握っている、最も優れた生物の形に似せています。どこかおかしいでしょうか?」
どんな姿にも変形できる彼女達は地球を支配している生物、すなわち人間の、それも運動性や外見、
相手への印象も考慮した上で最も有効だと思われた"年頃の女の子"に姿を似せているらしい。人間の好みを調査しルックスも上々だ。
「確かに私達の星の方が文明は進んでいますが、『歌』というものをこの星で初めて知りました」
とても楽しいものなんですね、と微笑みながら彼女達は精力的に『歌』を集めて回った。
地球で初めて知った『歌』がいたく気に入ったようで、地球に来てからというもの彼女達の間では
歌がひっきりなしに歌われ、また歓迎してくれた人間達と宴を開き夜通し歌や踊りを楽しんだ。
「どうなされたんですか? どうやら体調を崩されているようですが……」
おりしもインフルエンザの季節。多くの人が同じような症状で苦しんでいる様子が彼女達には奇妙に映ったらしい。
どこの誰かは知らないが、彼女達に詳しくインフルエンザのことを説明したようで、それを聞くや否や
世界中に散らばっていた彼女達はやってきた宇宙船に集結し、何やら話し合いを始めたようだった。
「どうやらこの星で最も優れていたのは、人間ではなかったようですね」
生物に宿り、時に殺し、毎年その姿を変え、特効薬に対抗し、世界中に広がっているインフルエンザウイルスをこの星の支配者と断定したらしい。
宇宙船から降りてきた彼女達は次の瞬間、その体を風化させたかのように外側から砂よりも細かく崩していくと、風に乗ってどこかへ飛ばされていってしまった。
その年、世界中で新種のインフルエンザが大流行し人類は恐怖に怯えた。
有効なワクチンなどもちろんなかったのだが、ある研究機関が感染に関してある奇妙な研究結果を報告した。
それは"歌を歌う者に感染する"というものだった。大声はもちろんのこと、どんなに小さな鼻歌を歌った者にも。
報告を瞬く間に世界中に広がり、地球から歌声が絶滅したのだった。
みんなの飛行機
「おとうさん。飛行機は何の力でとんでいるの」
「そうだねぇ。エンジンの推進力とと翼の揚力でとんでいるんだよ。でもみん
なの力がないと飛ばないんだよ」
「ほら見てごらん。」
飛行機はハイジャックされ、進路方向を余儀なくされていた。
「おとうさん鶴は何の力で飛んでいるの?」
「そうだね、翼の揚力と推進力で飛んでいるんだよ。でもみんなの力がないと
もう飛ばなくなるかもしれないんだよ」
ほら見てごらん。
航空会社の社員達が入れ替わり、進路方向を余儀なくされていた。
【宇宙人】
ある日、宇宙人が侵略してきた。
早速防衛チームが出動したが、歯が立たない。
すると例によって巨大ヒーローが現れて、何とか宇宙人を倒した。
巨大ヒーローが宇宙人に「何のために侵略しにきたのだ?」と聞いた。
宇宙人が「我々の星は環境破壊が進み、住めなくなったのだ」と答えた。
「何という星だ?」
「地球…」
ウルトラ「帰れよ」
ある日、宇宙人が侵略してました。そして巨人によって撃退されました。
巨人が聞けば、その宇宙人は地球からやってきたと言いました。環境破壊
が酷くなり、住めなくなったので、代わりに住む星を探しているのだと。
巨人はその言葉を聞いて驚きました。
「地球が環境破壊? 何の冗談だ?」
「え? でも、温暖化で気温は上がり、植物は死滅し、もう住める星ではなくなって……」
「何を言っている。地球は緑溢れる楽園だろう」
今度は宇宙人が驚く番でした。
「まさか、そんなはずは……」
巨人は私について来いと言いました。宇宙人達を、実際に地球へと連れて行って
くれると言うのです。
宇宙人は、巨人の力で一瞬の内に太陽系までワープしました。
するとどうでしょう。そこには、かつての宇宙人達が失った、緑溢れる地球が、
確かに在ったのです。
「どうして……すっかり元に戻っている!」
宇宙人は、巨人に感謝しました。もうこれで他所の星を奪う必要も、長く辛い旅を
する必要も、なくなったのだと、そう言って泣きました。
「うむ、良かった良かった」
巨人は去って行きました。宇宙人は地球に降り立ち、再び故郷で生活を始めました。
文明は完全に失われていましたが、いまや地球人に戻った宇宙人達は、それを苦に
する事なく、地球に文明を造り直しました。
そして、それから、長い時が経ち――――――
終わり
ここまで投下です。
>>225 許可ありがとうございました。
嗚呼たいむぱどらっくす……
鳩山総理乙w
「地球から見れば、人間がいなくなるのが一番優しい自然に戻る」
230 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 12:58:03 ID:6tFAxfoS
穴
「おーーい」
「・・・・」
「・・・・」
「おーーい」
「???」
「時差かな?こだまかな?」
「し〜〜〜〜〜〜ん」
後ろから「ちょん!」
「あわわわわわ〜〜〜〜」
「落ちてくるぅあわわわわ〜〜〜〜」
231 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 17:25:44 ID:Vjw3+yaZ
下にだれかいて相づち打ってたのかな
もしくはループか・・・
232 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 19:00:21 ID:Vjw3+yaZ
『数えかた』
小さな工場の勤務員たちが一仕事を終え、帰り際
ミーティング室へ行くと連絡版に数字が書いてあった。
0,2 0,165 0,150 以降は0,1
板の真ん中にわざわざ目立つように書いてある。
これは、と思ったその勤務員たちは揃って工場長に聞きに行くことにした。
彼らがこつん、こつんと工場長室のドアをノックすると、内側に向かってドアが開かれた。
「工場長」 「工場長」 「工場長」 「工場長」 「工場長」 「工場長」 「工場長」
七人の声が同時に挨拶をした。呼んでいるだけにも聞こえるが、これでも挨拶なのだ。
やあ、と挨拶を返す工場長。彼は七人の来訪の目的をわかっている。
「連絡版の給料割合のことだろう?一番働いたものには0,2倍の給与を支払い、その次に働いたものには0,165倍の給与を支払う」
だがそんなことの説明は聞かなくて良かった。彼らは連絡版を見た時点で意味がわかっていた。
わかっていたから工場長に不満を伝え、ストライキ宣言を言い渡しに来たのだった。
「ストライキをする!」 「ストライキをする!」 「ストライキをする!」 「ストライキをする!」 「ストライキをする!」 「ストライキをする!」
またも彼らは同時にしゃべった。
しかし工場長からすればまさかのストライキ宣言だったので衝撃は十分だった。
うろたえた表情のまま工場長は言う。
「まさかお前達が給与の賃上げを求めてストライキまでするとはな・・・
一週間ほど考えさせてくれ」
「ではストライキする」 「ではストライキする」 「ではストライキする」 「ではストライキする」 「ではストライキする」 「ではストライキする」 「ではストライキする」
その翌日から一週間、いつもその工場で働く作業用ロボット七台が急に動かなくなった。
233 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/05(金) 21:15:43 ID:6tFAxfoS
遠い遠い昔、晴天の霹靂か、隕石が落ちてきたのを合図にUFOまで降りてきた。
考えてみればあの隕石は、まさに戦いの合図であった。
地球人に似た宇宙人は乱暴狼藉を繰り返し、地球人のなかに姿が殆ど同じからして
われは、宇宙人だと名乗り、宇宙人に乗じるものもたくさん出てきた。
地球人も宇宙人もわからなくなった地球人はもしくは宇宙人は、休戦協定を
結ばざる終えなくなった。休戦協定は長引き、やがて混血が進んで本当の異星人
がお互いわからなくなってしまった。異星人よりも異性人。
う、うーん・・・
地球環境税
地球は平和だ。今朝は風もなくいい天気。隣の子供達の吹く、シャボン玉が一つ一
つ大きい。そんなシャボン玉が、新聞を取りに出たF氏の近くを横切ったが、
何か様子がおかしい。寝ぼけ眼のF氏は目をこすった。
大きなシャボン玉に写るのはテレビでよく見る宇宙人の顔。それが無遠慮にもずんずん
近づいてきたかと思うとパチンと割れたやいなや、やはり宇宙人が現れた。
「こんにちは宇宙人です」「いや、それはわかるのだが、どうしてこんなとこ
ろへ」「あなたにお見せしたいものがございます」
ふわ〜〜んと体が舞い上がった。「これが地球です」
見てみると眼下にシャボン玉のような地球がふわりと浮いている。
「あなたにこれを割っていただきたいのです」
「でもなぜわたしが・・・」
「宇宙の中では地球の歴史などシャボン玉のようなものですからお気になさらず」
「でもなぜこのわたしが・・・」
「ソウソウシテミンナセキニンヲカイヒシテホットケバドウナリマスカ」
「コノハカナイチキュウヲウツクシイトオオモイニナリマセンカ?」
「で、でもなぜこの私が・・・」
「ミンナソウイイマス」
そういい残して、宇宙人は去っていった。
「地球環境税の徴収に参りました」
しばらくすると、無機質な仮面を被った男の役人の声が響いた。
「ハイハイ、ちょっとお待ちよ」
新聞の一面には宇宙ゴミの問題が踊っていた。F氏はなにやらはっとしたが
口をつぐんだ。
途中でなぜカタカナ?
237 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/08(月) 10:31:18 ID:NmoDlpeZ
『大人へのクリスマスプレゼント』
ある年のこと、サンタがこんな発表をした。
「今年のクリスマスは子供だけが主役ではありません、大人にもプレゼントを配ろうと思います」
なんでもサンタは欲しがる物がわかるのでプレゼントをイメージしておくようにとのことだった。
それを聞いた大人たちは喜び、クリスマスまで各々が欲しい物品を考え続けた。
宝石を欲しがった者、家を建てようとする者、中には物といわれたのに地位などを
欲しがる者まで多種多様な願いがあった。
それらの願いを聞いたサンタは考え、疑問系でもう一言発表した。
「どうしてあなたがたはそうお金のかかる物ばかり欲しがるのですか」
まねき猫
失業中のk氏が歩いていると、一匹の猫に出会った。
「おまえはいいなあ。まーるくなって眠ってるだけでいいんだから」
猫はなんだか不機嫌そうで、なにかものいいたげだったがk氏はねこだから
と気にせず歩を進めた。すると、後ろから声がかかった。
「にゃあ。俺が何をしているか知ってる?」
「なにをしてるというんだい。ねこちゃん」
「つけもの樽の上で、漬物石のかわりをしていているんだよ」
k氏は突然猫がしゃべりだしてびっくりしたが、それより天職の意味が
少しわかった気がして感慨にふけった。
「仕事はゆっくり探せばいい。」
k氏は少し軽くなった歩を進ませた。
>>238 ほっこり♪
>>237 発想と状況はすごくドキドキしたので
オチにもうひと捻りあると嬉しいな
既視感
「あぁ何か真新しい出来事は無いものだろうか」
エム氏はいつもの散歩道を歩きながら、だらしなく伸びた髭をなでながらつぶやいた。
昔は周りに期待され輝かしい青春を送ったような気もするし、そうでも無い気もする。
何か刺激的な事は無いだろうかと、漠然と考えて随分経ったような、スッキリしないどんよりとした気分だった。
すると前から生物とも鉱物とも分からない、物体がゆっくりとエム氏に近付いてきた。
「おや、これまた変わった事もあるもんだ。新しい宣伝手法か?または宇宙人であろうか?」
エム氏は真新しい出来事に少しときめきを感じながらも、この物体には触ってはいけない、そう感じてとっさに近付いてくるその物体を飛び越えた。
「むむ、こいつには触らない方がいい気がするな、それに私は以前この物体を見た事があるような。」
エム氏はこの得体のしれない物体を知っているというより、今この体験を以前既にしている気がしてならなかった。
「ふむ、これはデジャヴという奴だな」
「確かこの後は…あぁ、あったあの箱だ」
エム氏の感じた通りその先には小さな箱があり、開けると中には腹一杯贅沢な食事が出来る程度の金貨が入っている。
「やはり以前体験している気がするな。はてこの後はどうなるのだったか?この金をとった事で因縁をつけられるのだったか?思い出せないが嫌な予感がするな。」
エム氏は素早くその場を離れてしまおうと走り出した。
「あっ」
その時エム氏はその先を思い出したが、もう遅かった。エム氏の前には突然無限に続くかの様な穴が広がり、
エム氏はその穴へ吸い込まれて行った・・・
「あーぁ、また死んじゃった」
少年は父親の古いゲーム装置をまだ上手く使いこなせないが、楽しくて仕方が無い。
この白と赤の装置が今の少年の全てだ。
「ゲームばかりしてないで早く寝なさい」
母親に促される少年の心はウキウキし、スッキリと晴れ渡っていた。
241 :
237:2010/02/09(火) 14:03:47 ID:fPTfEg5a
>>239さん
感想ありがとうございます
最初のオチはこんな感じでした。
>欲しがる者まで多種多様な願いがあった。
=[クリスマスイヴが過ぎ、クリスマスの朝を迎えた。
早起きした大人たちは自分のプレゼントを探し、丁寧に包装された自分宛の封筒を見つける。
しかしそこには望んだプレゼントは入っておらず、代わりに一度に数えられない枚数の紙幣が入っていた。
同封された小さなメッセージカードはどれも同じ文で書かれている。
「あなたがたが本当に欲しがっているのはつまり、お金そのもののようです」 ]
242 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 14:11:43 ID:fPTfEg5a
>>240 いい感じですね。
>腹一杯贅沢な食事が出来る程度の金貨
ここがいかにも星新一っぽい表現です。
243 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/09(火) 14:13:38 ID:fPTfEg5a
>>240 ファミコンかw
まるで星新一さんが書いたような文章で面白かったです。
エム氏なw
247 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/10(水) 00:49:44 ID:eqh5iSHE
ビッシッバッシッ!
エム氏『ああっ』
ビッシッバッシッビッシッバシッ!
エス氏『ほらほらさっさと新作投下しな』
だらしなく伸びた髭、には違和感を感じるな
『リコール』
とある整備工場は大忙しであった。
突然のリコールの決定により、次から次にリコールの対象機種がやってくる。リコールとはいっても、コンピュータのプログラミングを書き換えるだけなのだけれども、その数は相当なものだった。
「しかし、メーカーは何でこんな簡単なプログラミングのミスをしたんでしょうね」
「さすがにユーザーがこんな使い方をするとは思ってもみなかったろだうからな」
「ロボットに性別をつけなきゃならないなんて……」
252 :
創る名無しに見る名無し:2010/02/12(金) 03:24:49 ID:g1JxLaeA
『殺虫剤』
「博士!ついにやりましたね!」
某製薬会社の研究室では助手が大喜びをしていた。
「うむ、長年の研究が功を奏した」
「これで、我が社の殺虫剤が日本・・いや、世界一のシェアを獲得できるんですね」
「そりゃそうだ。なにせ、他社の製品に比べてはるかに効き目が違うわい!」
自信満々に博士は云った。
しかし、確かに効果は絶大な製品ではあったが、ほとんど売れなかったのである。
なぜなら効果が強すぎて、1度使用するだけで、その地域の害虫は全滅してしまったのだ。
1年後 同研究室にて。
「博士、大変な事になりました。我が社の製品のせいで世界中の害虫がいなくなり、生態系に大きな影響が出ている様子です」
「わかっておるが・・困ったな、このままでは動物だけでなく、人間までもエサが取れなくなってしまう」
「なんとかこの状況を打開する策は無いのですか?」
「わかったわかった。わしがなんとかする」
そう言って博士は虫カゴを持って裏山へと消えていった。
「お願いだから繁殖してくれよ!」
そういって実験用で保管してあった害虫のツガイを森へと放した。
>>252 おお、1段落→2段落、1段落→3段落と
2種類のショートショートが作れるなぁ。
というか2・3段落を纏めちゃうと
せっかくのネタがぼやけてちともったいない気がする。
親切な説明ではあるが中段は無くてよかったかな
「隣り」
S氏の隣には必ず誰かがいた。
レストランの時も必ず相席になり、トイレに入れば必ず両隣は埋った。
例え他の席が空いていてもS氏の隣に誰かが来るのだ。
そんなある日、S氏の隣が空いていた。
レストランでもトイレでも最近は空いていた。
この事を不思議に思いS氏は同僚や家族を隣に座らせようとするが誰もS氏の隣に座りたがらない。
そしてS氏の隣が空いて三日後、残業をしていたS氏は終電で家に帰ることにした。
S氏が座席に座ると一人の酔っ払いが現れ、S氏の隣に座りそのまま眠ってしまった。
そして翌朝、S氏がニュースを見ているとあの酔っ払いが死んでいる事を知らされた。
「なるほど、私の隣りにいたのは死神だったのか。道理で誰も座りたがらないわけだ」
257 :
どっかのななし:2010/02/14(日) 21:18:16 ID:zJpclHar
例の薬 (中学校時代に書いたもの。現在高校生)
町はあるうわさでもちきりだった。いや、この町だけではなく世界中があるうわさ一色になっていた。
それは、しばらく前に、ある博士がテレビでこんなことを言ったのが始まりだった。
「私は今、ある薬を研究しています。この薬が完成すれば、たくさんの人が苦しみから解放されるでしょう」
それはすぐにラジオ、新聞などでも取り上げられた。
博士は、薬についてはなにも言わなかったので、人々はその薬を、例の薬と呼んだ。
ある人は、
「あらゆる病気を治すことのできる薬かも」
と言い、すこしひねくれた人は、
「助からない病人を苦しまずに安楽死させられる薬では」
と言った。
このような議論はどこでも起こったが、それぞれが自分の説を主張し、結局わけの分からないまま終わる。
まあ、なんにしても分かるわけはないのだが。
ある人は博士の過去を調べたりもした。博士の体験したことから、例の薬について知ろうというのだった。しかし、新しい研究は、その人の過去とは関係ないため、これまた分からなかった。
そんな中、博士は新たにこう発表した。
「もう少しで薬が完成しそうです。そうですね、今日から三日後ぐらいでしょうか」
これにより、人々の期待と不安は一段と高まった。
その二日目の真夜中。研究所で博士は時間の経つのも忘れ、一人作業を続けていた。
「……よし、完成したぞ。これで人々はあの苦しみから解放される」
すると、後ろから声がした。
「おっと、動かないでもらおうか。妙なまねはするなよ」
「さては泥棒だな。この薬を盗みにきたのか」
「その通り。さあ早く例の薬を渡してもらおうか」
「そ、それだけはやめてくれ」
「いやだね。さあ、早く渡せ」
博士はカプセル状の薬を指差した。相手は銃を持っていたので逆らえなかったのだ。
「さあ、これはなんの薬だ」
「この薬は人類にとって重要な薬だ。死の苦しみから解放される」
「すると長寿の薬か」
「まあ、そんなところだ」
「よし、ならば作り方を書いた紙も渡せ。これは俺が飲んで、後は金儲けに使わせてもらう」
「紙ならそこだ。しかし、お前さんが飲んでしまうのなら必要ないと思うが」
「なにをわけの分からないことを言っている。大量に作って、高値で売れば簡単に大金が……」
しかし、全てを言うことはできなかった。なぜなら、薬の効果で、泥棒は喋れない赤ん坊になってしまったのだから。
「だから必要ないといったであろうに。これは確かに長寿の薬だ。若返りという名の。もっとも、言ってももう分かるまいがね」
銃や服など、泥棒の持ち物を処分しながら、博士はこう言った。
「この薬には一つだけ欠点があってな、若返る歳を調節できんのだ。それにしても、君は運がよかったな。もう少し若かったら……」
>>256 えーっと…
誰でも隣に座りたくなる人だから
死神まで座っちゃったってことかな?
それとも、前フリはヲチのための伏線ってだけで
あまり意味はないのかな?
>>257 星新一っぽい!
現在の作品も読みたいです
偉そうに批評してますけど・・・
いつも作品読ませてもらえて感謝してます!
自分は書けないからなー
260 :
どっかのななし:2010/02/15(月) 20:34:03 ID:8Mo1ZRkm
>>258感想ありがとうございます。例の薬は、メモ帳に書いたのを加筆修正しながら書いたものです。文体もできるだけ星さんに似せています。
最近はもっぱら長編ばかり書いていたので、あまりショートショートは書いてないです。それでもアイディアが浮かんだので、書いてみました。
一杯の水
ある男がいた。仮にエヌ氏と呼んでおく。
彼は会社員だった。勤めている会社は大きいとは言えず、かといって小さいとも言えない、つまりはごく普通の規模の会社だった。
特に優秀ともいえなかったので、なかなか昇進しなかった。そのため、給料も少なかった。
また、彼には妻がいた。妻はエヌ氏に、給料が少ないだの、昇進が遅いだのと毎日のように文句を言い、それがエヌ氏の悩みでもあった。
「あなた、お隣さんは、もう部長になったそうよ。あなたも早く昇進して、もっとお金を稼いでちょうだい」
今日も、いつものように妻の文句が始まった。
「それくらい言われなくても分かっている」
「分かっているなら、あなたも昇進してみせてよ」
なぜこんな女と結婚したのだろうと、エヌ氏は妻の文句を聞くたびに思った。
そんなある日のことだった。
「もうあなたには愛想が尽きました。別れてちょうだい」
これを聞いて、エヌ氏は内心で喜んだ。これでうるさい妻から逃れられる。
それっきり、妻はエヌ氏の前に現れることはなかった。
それからのエヌ氏は、妻の文句を聞かなくてすむようになったからか、仕事に集中できるようになった。決して早いとはいえなかったが、課長になり、部長になり、ついには社長となった。
といっても、エヌ氏が社長を継いだのではなく、エヌ氏が新たに事業をおこしたのだ。
金回りも良く、順調そのものだった。
のんびりと、休日を自宅で過ごしていたある日。家のチャイムが鳴った。誰か来客が来たようだった。
「ふむ。誰だろう。こんな日に」
玄関を開けると、そこには、別れた元妻が立っていた。
「なんだ、君か。まあいい。立ち話もなんだから、あがりなさい。僕の自慢の屋上庭園を見せてあげよう」
エヌ氏は、元妻を屋上に招待した。
この土地不足の時代、庭は全て自分の家の屋上に作るのが当たり前だった。
「どうだい、この庭」
さまざまな種類の植物が生えており、それが、エヌ氏の財布の豊かさを示していた。
「あの時はついかっとなってしまって、ごめんなさいね。よかったら、わたしとよりを戻してくださらない」
エヌ氏は、彼女が自分の財産が目当てだと分かっていたので、少しいじわるをした。
エヌ氏は、コップに汲んだ水を屋上庭園にこぼした。
「こぼした水をコップに戻すことができたら、また一緒になろう」
元妻は、しばらく考えこむと、コップを持って家の中へ入っていった。しばらくすると、元妻は水の入ったコップを持って、戻ってきた。
「水道でくんできたんだろう。だめだ。それは僕がこぼした水じゃないじゃないか」
エヌ氏は言ったが、元妻は、こう言い返した。
「ごぞんじなかったの。屋上庭園にまいた水は、ろ過されて水道水として再利用されるのよ」
以後、エヌ氏は妻に頭が上がらない。
走り書きレベルで申し訳ない。
262 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/02/17(水) 14:49:02 ID:YVKlcKLY
『雨の日』『対策』『味』『懐古』『積もる雨』『そうならば』
『王座と革命』『数え方』『大人へのクリスマスプレゼント』
を書いたんですが、ここからはコテにします。
1つ前のスレ中盤辺りから名無しで書いてましたが、引き続きお世話になります。
>>262 楽しみにしてます♪
コテ読めない・・・
「はいいろのねんど」だろ?
265 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/02/19(金) 15:47:50 ID:WBnrHAxe
>>263さん
ありがとうございます^^
>>264さん
そうですよー。でも例えば‘グレークレイ’とかルビを振るのも悪くない気がしてきたw
美人
ある晴れた日、私が街を歩いていると一人の女性に出会った。
彼女はとても美しく、そして優雅であった。
私は彼女がどこかへ行くまでずっと見つめていた。
後日、私は友人と共に街を歩いているとまたあの美人とであった
私が友人を肘で突付き、彼女のほうに向かせた。
「どうだ? 美人だろう?」
「そうか?」
私がうっとりしながらその美人のほうを見ていると友人が眉をひそめた。
「何だ、彼女が美人じゃないとでもいうのか?」
「いや、美人は美人だが・・・」
友人は再び彼女のほうを向き、私の顔をじっと見た。
「平安美人じゃないか」
>>266 まぁ・・・
美的感覚はそれぞれだけど・・・
268 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/02/24(水) 19:12:22 ID:V+zHaXyh
『魔法のような壺』
デザイン性がすばらしいわけではなく、価値のある金属でできているわけでもないその壷に王様は見惚れていた。
壷は赤銅色をしており、脚から注ぎ口まででこぼこしている代わりに取っ手は付いていない。
壷から王様は目を離し前に控える家臣から片手で覆えるぐらいの黄金を受け取った。
受け取った黄金を壷の中に落とす。
黄金は底にぶつかる音をたてずにどこかへ消えた。
続けて丸めて縛った手紙を滑り込ませる。
そして壷の底に何も残らず消えているのを確認し、後は報告を待つ。
この壷は中にあるものをどこかへと消してしまう、そんな性質があるのだ。
壷に入ったものはひっくり返しても二度と出てこない。どこかへ送られるようだ。
これは壷の中に消えた物がどこへ行くのか確かめるために王様が考えた計画だった。
その結果民からの報告により、山岳近くの民家の杯から黄金と手紙が飛び出したことがわかった。
早速王様はその杯を持ってこさせ、褒美を手渡し代わりに杯を手に入れた。
「この杯から壷の中のものが出るのだな」
「そのようです。まさか杯から出てくるとは以外でした」
王様は家来と会話をした後、あることを思いついた。
「この壷に水を注いで杯から出た水を再び壷に注いでみよう。
それが出来るなら注いだ水は終わりなく壷と杯の間をいったり来たりすることになる」
それを試みようと王様は杯を壷の上で逆さまにする。そして壷の方に水を注いだ。
その時だった。壷の注ぎ口がばっと広がり王様の手から杯が一瞬で吸い込まれた。
一度壷に入ったものは杯から出るはずだ。しかし壷の中に入ったものを出す杯自身が壷の中に入ってしまった。
それを見ていた王様とその家臣たちは、あらゆる方法で壷から杯を取り出そうとしたが結局、取り出すことは出来なかった。
そのことがあってからも王様は時々暇になると壷に適当なものを落としてみては退屈そうな顔をする。
王様いわくこの壷は魔法で作られた壷らしい。
しかし壷に入れたものが壷から出てくる魔法の壷と普通の壷はいったい何が違うと言えるだろうか。
わくわくしました♪
最後の2行はなくていいかも・・・
270 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/02/26(金) 10:52:14 ID:SXa9Qrxa
>>269さん
感想ありがとうございます
そのご指摘の通りかもしれません。
271 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/02/26(金) 19:03:14 ID:SXa9Qrxa
『壮大な時代』
世界各国が宇宙開発を推し進めるようになってどれぐらい経っただろう。
地球上を人類が完全征服し、ようやく、誰もが地球から出られるようになった。
ジャングルはもとより、昔は謎そのものと云われていた海底でさえ、今や曇りガラス程度の存在でしかない。
そんな時代を生きる人類の関心は宇宙に向けられていた。
それでも、実際に地球の外に関心を持ちながらも、多くの人々は宇宙に行ける可能性を持つに留まっている。
技術が進んでいても、まだまだ宇宙には謎だらけだ。行くにも莫大な費用が掛かる。
だから結局人々の夢はまだ叶っていない・・・
夜空を見上げて「あの星が僕んちの星」
と子供が父親に尋ねた。これは子供が適当に決めたのとは違う。
尋ねられた父親は昨日、自分が打ち上げた星を見上げる。
「あのピンク色のお星様がそうだよ」そう言って指を伸ばす。
「見せて」、と子供が父親の前にある家庭用電波望遠鏡で宇宙を眺める。
レンズを覗く息子を見て、自分が子供だった頃との違いをしみじみと父親は感じた。
昔は流れ星に願いを込めたり星の並びが持つ神話をわくわくして聞いたなあ、
子供の頃はどこかの星に行きたいと何度と無く思ったものだが地球にいながら夜空に星を浮かべられる時代が来るなんて・・・
そう思いながら、どこの家庭でも誰もが自分が宇宙行ったかのように感じ、また夜空を見上げるのだった。
「あの星が僕んちの星」
なんかいい
273 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/01(月) 16:59:03 ID:4/aGBWfD
グレークレイさんは印象的な言葉使うね
退屈そうな顔をする王様が
私の頭の中にすみついて
困ってます
275 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/03(水) 14:57:14 ID:7AbDPWho
>>274さん
そう言ってもらえて嬉しいです
ありがとうございます(゚∀°)
276 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/03(水) 18:50:28 ID:7AbDPWho
『偏り』
機械工学の研究所で、ブイ氏がロボットの対話テストを始めた。
ブイ氏は適当に「元気かい」、とよくある当たり障りのない話しかけ方をした。
しかし、実はロボットにとってこの手の質問に答えることが一番難しい。
機械の体に生命はなく、そのため時によって体調が左右されないのでいつも元気ともいえるし、その逆だとも言える。
こんな場合、ロボットでも人間の様に変化のある返事が出来るとよいとされていた。
「ハイ 元気です」
だが今回もこのロボットはそう答えた。
今日のテストでブイ氏がロボットに体調を尋ねるのは10回目になる、
そして尋ねた回数と等しい回数、ロボットは元気、とだけ回答していた。
他にもいろいろな回答を入力してあるはずなのだが。
ブイ氏はロボットの頭脳を作った研究員に回答が偏っていることについて聞いてみた。
「ロボットに体調を尋ねる質問をした場合なんだが、どうも元気と答える確立が高いようだ」
「それはおかしいですね。同じ質問をしてもロボットの反応は毎回変わるはずなんですが。
少し機械の検査をして見ますね。」
研究員はロボットを連れ工具のある部屋へ移動し、ロボットの検査を始めた。
それから大して時間をかけずに一人でブイ氏の所に戻ってきた。
「少し部品が外れていました。もう直りましたよ。」
「修理が必要だったんだな。しかしこんなに早く見つかるのならこれまで検査されたときに
見つかっていてもよさそうなものだ」
研究員はそういえば、と思いだしたようにつぶやいた。
「前に検査したのはいつだったかな。そういえば入力ばかりしてて検査をすることはほんとに少なかったな・・・」
少し未来の人類と地球は滅亡の危機に瀕していた。
人間の発達した科学が、余りにも破壊的な爆弾を生み出し、
人間の突き詰められた思想がその使用を促していたのだ。
2つの対立する宗教で、争う人類。
そしてついにその時はきた。
「今こそ神の意向のままに!」
その言葉が人類の最後の言葉になった。爆弾のスイッチが押されたのだ。
両陣営から相手陣営に向けて、発射された互いの爆弾は、強烈な閃光のあと地球という存在を完全に消しさってしまった。
人類は消える間際に思った。神はなんのために我々を創ったのか?
一方の宗教を信仰するものは、神は愛を体現させるため人間を創ったのだと信じた。
もう一方の宗教を信じたものは、神の望みは人間が自らの欲望に従うことだと信じた。
互いに共通して思うことは、神は望みを貫き通した自分達を見て、満足してくださるということ。
確かに神は満足していた。地球が消滅する瞬間の閃光を見て、思わずこう言わずには入られないほどに
「たーまやー!!」
神にとって地球は花火、人間はただの火薬。宗教はその導火線でしかない。
>>276 「元気です」って言われちゃうと
検査には連れていかないものねw
>>279 えっ、かぶってる話が既にあったかな? ありきたりだもんなー
281 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 16:23:57 ID:sAPRtoOM
>>280 ああっ
違いますごめんなさい
モンスターエンジンの持ちネタが
「暇を持て余した神々の遊び」だから・・・
284 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/04(木) 19:59:36 ID:10EV9uI6
その日もエフ博士は研究をしていた。
うまくいけば歴史的な大発明に至るであろう研究だ。
なんとしても成功させたい。
エフ博士は夢中になって取り組んでいた。
この研究のことは誰にも話していない。
自分の研究の成果を人に知られ、完成の前に真似をされては困るからだ。
そして、とうとうエフ博士は求めていた結果にたどり着いた。
やったぞ、これで私も偉大なる発明家の仲間入りだ。
エフ博士は喜んだ。
と、後ろのほうから視線を感じた。
振り返ってみたが、人の姿は見当たらなかった。
あるのは計算式の書かれた反故ばかりだ。
しかし確かに見られているという感覚は続いている。
どこかから覗かれているのは間違いない。
視線はそれほど強く認められた。
博士は研究の結果を慌てて隠し、視線のする方に向かってこう言った。
「誰だ!」
返事はなかった。
間もなく、その見られている感覚は無くなった。
気のせいだったのだろうか。
エフ博士が取り組んでいたのは、タイムマシンの設計だった。
そして遂にその原理に至る数式を導き出したのだ。
タイムマシンが実現するのならば、それは間違いなく世紀の大発明となろう。
数日後、エフ博士はタイムマシンを完成させた。
しかし、タイムマシンとはいっても、エフ博士が作ったのはいつでも好きな時代へ「行く」ためのものではなかった。
それは、いつでも好きな時代の様子を「見る」ことができるというマシンであった。
エフ博士は実際に使ってみることにした。
人類史上初のタイムマシン起動である。
電源をいれると、マシンの液晶画面が光った。
画面は博士の研究室を映していた。
そこには、手を挙げて喜ぶエフ博士の姿があった。
画面上の博士は怪訝な顔で辺りを見回すと、数式の書かれた紙を素早く引出しの中に入れ、こっちを向いて言った。
「誰だ!」
これはダジャレーだけど、星さんにもこういうのあったよな。
184:創る名無しに見る名無し :2010/03/04(木) 22:45:14 ID:/TTDwhdh [sage]
ウサギとカメは、山の麓までかけっこで競争することになりました。ウサギはあっという間にカメを引き離していき、とうとうカメの姿は見えなくなってしまいました。
余裕綽々のウサギの元に、なぜかイヌのお巡りさんがやって来ました。
「署まで御同行願います」
「僕が何をしたというのですか?」
「あなたはカラスさんに、水の中に潜れるのだから魚を捕ってきて欲しいと言いましたね? それを実行したカラスさんが溺れ死んでしまったのです」
「そんな……」
「あなたを鵜詐欺で逮捕します」
そしてカメが山の麓に辿り着いた頃、ウサギは留置場で泣いていましたとさ。
久々に書いたせいで、星さんらしさが薄いな
「少年の言葉」
ある小さな国の小さな村に、動物と話せる少年がいた。
少年はとても純朴で、動物にも村の人にも、愛されていた。この少年のおかげで、村の家畜は皆おとなしく、野犬も、家畜を襲うこと無く、大変平和だった。
ある日、少年の力に目を付けた大きな国の人間がやってきた。
小さな村の人たちは、必死に抵抗したが、敵うはずもなく、少年は無理矢理つれていかれてしまった。
大きな国についた少年は、鉄でできた施設に入れられ、外に出ることも許されなかった。無機質な施設の中、少年は故郷を思い、ひどく落ち込んでいた。
そんな少年の心を感じた動物たちは、少年のいる施設の前で、鳴き続けた。その動物達の悲痛な叫びに、少年の解放を望む人々もでてきた。
しかし、意固地になった大きな国の上層部は、無慈悲にも動物達の殺害を命じた。
次々と消えていく、動物達を感じながら、少年はひどい怒りを感じていた。
しかし、少年にはどうすることもできない。
無力感を感じながら、窓を眺めていると、一匹の虫が張り付いた。
虫の声は聞いたことがないが、少年はありったけの思いで、その虫に念じた。
(この酷い国の人たちを、こらしめてください)
そんな思いを、知ってか知らずか虫はどこかに飛んでいってしまう。
翌日、その国に黒い影が覆った。
蜂や蝶、バッタにムカデ、ありとあらゆる虫たちが、少年のいる施設に集まり始めた。
それだけではない、他の場所にも虫は大量に現れた。田舎では畑は食い荒らされ、町では仕事場に虫が現れ仕事もできない。
恐怖を感じ、少年を解放するべきだと言う人もいた。しかし、ほとんどの人は少年にした仕打ちを棚にあげ、被害をもたらした少年に処罰を望んだ。
そうして、少年は国を乱した罪により、死刑になってしまった。
国は処罰の日まで、また悪さをしないように、施設は大きな壁に覆われ、虫も一匹のこらず殺してしまった。
耳をすましても、なにも聞こえない。すがるものがなくなった少年は、神に祈る。
(私が何をしたのでしょう、私はただ静かに暮らしていただけです。この国の人達は、世界で一番自分達が偉いと思っています。あなたの力で、この国の人たちを懲らしめてください)
しかし、そんな思いも虚しく、少年は次の日殺されてしまった。
だが、少年の願いはある形で実現する。
大きな国の人々が、次々と病気で死に始めたのだ。有効な対処法も見つからぬまま、病気は爆発的な勢いで広まり国の人口は激減し始めた。
人々は神に祈った。しかし、細菌に思いが通じる人間は、誰一人いなかった。
>>286 星さんテイストは少ないかもだけど
すごくいい!
288 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/10(水) 14:18:51 ID:6hGrD/BK
289 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/10(水) 14:38:48 ID:6hGrD/BK
>>284 僕にとって星新一はループオチや最初に戻って終わる話の因象が大きいですが
これはすんなり最初に戻れてますね。
>>286 少年は人間となら念じなくても言葉が交わせるのに唯一人間にだけ願いを聴いてもらえないとは・・・
動物、昆虫、果ては細菌とまで仲良くできるのにね
290 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/14(日) 14:37:23 ID:RlIUOwVG
「薬」
エフ氏は遂に長年研究し続けてきた薬を完成させた。
「これでやっと私も楽になれる……」
その時、強盗が入ってきた。
「話は聞いた。その薬を俺によこせ。俺は病気なんだ。話を聞く限りその薬を飲むと楽になれるそうじゃないか」
エフ氏は恐怖のあまり声が出せなかった。
「薬は頂くぜ」
強盗は乱暴に薬を盗り、飲み始めた。
「何だ、これは」
男は急に眠りだし、しばらく経つと強盗は死んでしまった。
強盗が死に、喋られるようになったエフ氏が呟いた。
「私は楽に死にたくて薬を開発したのに、これじゃまた振り出しだ」
「ははははは」
はは、ははははは!
おや、なんですか?
これが何かって?
いやいや、そんな目で見られても困ります、あげませんからね。
はは、ははははははははははははは!
いやしかし、これはたまりませんな。この舌触りと音が、はは、ははははははは!
はは、ははは、もの欲しそうに、ははは、してもだめです。これ一つだけなので、
ゆずったら私のぶんがなくなってしまいます。
はは、ははははは! いやはやこのせつない食感がまた、ははははははは!
いやあ、こんなすごいものは初めてだ。はははは。
おや、なにをするのですか。やめてください。やめてください。あっ、なにを、やめなさい!
……ほらみたことか、ははは、やめてくださいと言ったでしょう。ははははは!
ははは、これは持ち主を守ってくれる機能も備えているのですよ。はは、ははははは!
しかしこれは素晴らしい。ははは、こんな素晴らしいものに出会えていなかったなんて、
ははははは、今までのぼくはなんて不幸だったのでしょう。ははははは!
これは実に素晴らしいなあ。ははははは……
母かと思ったけど食べ物みたいだな
でも守ってくれる…?
このモヤモヤする読後感は凄いなw
295 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/16(火) 15:47:57 ID:VlMBiHeq
『S氏とm氏』
m氏は豚の様な奇声を発しながら、鞭を振り下ろされる度に襲い来る、激痛と言う
この世で最も崇高で至高で至上の快楽に心の底からの歓喜の叫びと共に浸っていた…
s氏「ほらほら鞭をもっとクレテヤル!もっと喚け!泣け!!許しを請え!!!」
m氏「ぶうひいいいいいいいいいいいいいっ」
s氏「気持ちいいのね?この変態め!!!!!!!もっと苦しめ!!!!!そおれェ!!!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
m氏「ぶひ〜〜〜ん!許して女王様〜〜〜〜!!!」
永遠と鞭の撓る痛々しい音が、s氏とm氏だけの秘密の地下室に響き渡る…
s氏「ほらほら〜ガンガン行くわよ〜この♂豚アアアアアアァ!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
夜は更けて行く… …そして天空の彼方から様子を見る3人の惑星調査員達がいた。
u氏「まったく…地球人の嗜好は理解出来んよ…はっきり言って異常だ」
f氏「でも、2人共、とっても楽しそうですよ?」
o氏「きっと地球人はこうやってお互いを理解し合うのでしょう、素晴らしい事です!」
296 :
続き:2010/03/16(火) 15:48:51 ID:VlMBiHeq
u氏「…」
f氏「O氏、一体何が理解出来る物なのですか?」
o氏「色々でしょうね、他の星でも孵化前の自分達の卵に向かって悪口を言う
習慣がある異星人がいます、強い子に育つ様に願いを込めて罵るのです」
u氏「だが、地球人類は卵生ではないだろう!?」
f氏「でも、きっと似たようなモノなんでしょう」
o氏「きっと彼らは、こうでもしないとストレスが溜まって死んでしまうのですよ」
u氏「そんな馬鹿な事が…」
f氏「調査の結果は普段の私生活上の彼等は異常者では無く、至って平静を保っています
しね、同様のケースはこの星の世界中で観測されている事からも疑いの余地はあ
りません」
o氏「一見残酷に見える嗜好を文化にまで発展させた稀有な例と言えるでしょうね」
u氏「馬鹿馬鹿しい!全銀河知性人権擁護憲法に照らし合わせて即刻禁止させる様に
地球人に圧力を掛けるべきだ!」
f氏「そんな、横暴な…彼等は誰にも迷惑は掛けてません!今観測中の個体『s』に至っ
ては普段は優しい小学校教師なんですよ?」
o氏「我々だって100個産まれる卵の内30個は親族で食べてしまいますよ?それを残酷だと
指摘する異星人もいますが…まあ彼等の主張は我々への偏見に過ぎませんがね…」
u氏「そうだ!間引きの何がいけないのだ?!全く…銀河は物分りの悪い宇宙人ばっかりだ!!!
奴らは我々の卵の持つ極上の味を知らんのだよ!」
f氏「まあまあ…平和的にいきましょうよ、また血圧が上がりますよ?」
o氏「今、私はあなたを批判しているのに…ああ、話がどんどんややこしくなっていく…」
u氏「あーだ」
f氏「こーだ」
o氏「どーだ」
s氏「ほらほら〜ガンガン行くわよ〜この♂豚アアアアアアァ!!!」
ビッシ!バッチ!バチッンビッシ!バッシ!バッチーン!
m氏「ぶひ〜〜〜ん!ころされるう〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」 終わ
297 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/16(火) 16:16:26 ID:UrnGD4iP
>>290 毎度ながらエフ博士の所は物取りが来る確率が高過ぎますw
エフ博士「新薬が完成した」 → ???「それをよこせ」の流れを星新一は好んだのだろうか
>>291 次に自分が書こうとしたショートショートと題名やオチが似てて驚きました。
ミステリアス感ある話ですね
>>295 エヌ氏は何度も出てるのにS氏とm氏の組み合わせは思いつきませんでした。
247にもありますが星作品を読んでいると皆似たことを考えるようですね。
299 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/17(水) 17:11:50 ID:4APiijCI
『ハッハッハッ』
惑星めぐりをしている二人を乗せた宇宙船が、白い雲に覆われた惑星の目前まで接近していた。
「ではあの惑星に着陸しますよ」
操縦士の青年は隣に座る男性に確認を取り、大気の中へ宇宙船を降ろしていく。
宇宙船は地表へと近づく。厚い雲を超えると地平を埋めつくすように様に町が広がっていた。
操縦士が指示を仰ぐ。
「町が見えますね。どこへ着陸しましょうか」
「ずいぶん賑わっている星だな。それはともかくあそこに着陸できそうな広場がある。そこへ着陸してくれ」
「わかりました」
広場に近づいてみるとそこが宇宙船の発着場であることがわかり、二人を乗せた宇宙船もそこに着陸した。
男性が自動翻訳機を持って外へ出ると、道化師のような格好をした人物が話しかけてきた。
「ハハハッ、ハハッハハハッ」
まるで笑っているようにしか聞こないが自動翻訳機は次のように訳をした。
ようこそ、私たちのフラフ星へ 私が案内して差し上げます
どうぞ私に付いて来てください
男性は自動翻訳機を介して挨拶とお礼を言った後、操縦士とともにその道化師の様な人物に続く。
歩きながら男性は操縦士に注意を促した。
「この星ではうかつに笑ったりできないな。この星の言語は我々の笑い声と発音までも
似ている。ハハハ、なんて声を出して笑ったらそれがどんな意味を持つかわからない」
「ですね」操縦士も同じことを考えていたようだった。
連れられて歩いていると、男性と操縦士はフラフ星独自の進化を遂げた生物とたくさん出会った。
きらめく球の上に無数の足でバランスを取っていたり、たくさん放られた果物をしっぽですべて拾っていたり、
火の点いた輪の中の向こうにある餌を長い腕を伸ばしてたぐり寄せたりしている。
「芸達者なものですね」操縦士は男性にそういい、
この星全体が巨大なサーカス小屋のようだ、と思った。
そう考えると、彼には空を包む白い雲さえもテントの入り口のように思えてきた。
案内をしていたフラフ星人が何かを言った。
「ハハハッハ」
それが道化師に笑いかけられた様で、操縦士は笑った。
「あっはっはっ」
声を出してみるとやはり自分たちの笑い声とフラフ星人の言葉は似ている。
操縦士はそれがなおさらおかしかった。
「あっはっはぁっ、あっはっはっはっはっ」
その声がフラフ星語ではどういう意味になったのだろう。案内役が声を荒げた。
「ハッハハハッ、ハッハッハッ」
どうやら悪い意味の言葉に聞こえるらしい。
慌てた男性が操縦士はわざと言ったのではないと、自動翻訳機を使って必死に説明をする。
「ハッハッ、ハッハッハ、ハハハッハッハッハッ」
「ハッハッハ、ハッハッハッア、ハッハッ」
「あっはっはっ、あっはっはっはぁっ、あっはっはっは・・・」
どういう意味になったんだろうw
301 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/19(金) 13:55:59 ID:J5h8Y1Bj
『音』
ごごごごごごごごごご
m氏:何だ何だ?何だと!そんな馬鹿な!嘘だ!
s氏:どうした?何が起こったのか説明しろ!m氏!
ごごごごごごごごごごごごご
m氏:…私の口からはとてもとても…言えません!
s氏:何だと!私の命令に逆らうのか?さっさと言え!何が起こっている!
ごごごごごごごごごごごごごごごご
m氏:ああああ…オシマイだあ……終わりだあ!
s氏:おい!お終いって何だ!?何が起こっている!?この『ゴゴゴゴ』っていうのは何の音だ!?
m氏:もう手遅れです…二人共死ぬんだ…ひひひ
s氏:馬鹿な!たのむ!教えろ!何が起こってるんだ!教えてくれ!凄く不安になって来た!
m氏:ひひひ…今更、知っても意味の無い事です…もう、どうでもいいや…死ぬんだし…
s氏:お願いします!教えてくれ!100万やるから!それに何か私に話せば
解決の糸口が掴めるかも知れないんだぞ?絶対に諦めたくない!
m氏:……100万なんていりませんよ…それに、解決なんて絶対に不可能です…無理ですよ!
s氏:ぐぎぎ・・・・わかんねえ野郎だなあ!!!言え言え言えーーーーー!
何も知らずに死いーーーにたくなーーーいんだよーーーーーー!言えーーー!!!
ごごごごごごごごゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ
m氏ほらね…あんなのどうしようもねえよ
s氏うああああああああああああああああん!なぜだーーーーーーーー!!
終わ
うわああああああ
もやもやするぅ!
303 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 09:52:35 ID:XUFGvqLE
「フルボッコちゃん」
どうしよう…フルボッコにされてしまう…
恐怖に慄くM氏。
どうしよう…どうしよう…どう…あっ!
やばい!やばい!やばい!やばい!やばい!
どうしよう…どうしよう…どうしよう…
Fちゃん:待たせたな…
M氏:アアアアアアあああー
終わり
304 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 10:24:23 ID:XUFGvqLE
「ボーッ」
Q氏:なあ宇宙人っていると思うかい?
A氏:うーん…………
Q氏:おい、どうなんだ?お前の意見が聞きたいんだ!
A氏:え?何?聞いて無かった!ごめん!もう一回言ってくれ
Q氏:てめえ!いいかげんにしろよ!ふざけんな!
A氏:悪い悪い…ちょっと『ボーッ』としてたんだ
Q氏:今度から気をつけろよ!
その頃、宇宙船内で…こんな話が盛り上がっていた
U氏:うーむ
F氏:どうしたU氏よ?
O氏:また、地球人にダイブして来たのか?
U氏:ああ
F氏:でも、地球人って話を聞いてないってだけですぐ怒っただろ?
O氏:そうそう!
U氏:ああ、この前ダイブした時なんて俺のせいで殴り合いに発展し
ちまったし…まあ流石にアレは悪い事しちまったかなー?
F氏:気にすんなって!地球人が野蛮なだけなんだよ!
O氏:うん、ちょっと彼等の意識ダイブしただけでソレだもんなあ…
U氏:今日なんか『宇宙人はいるか?』って聞かれちゃった〜
F氏:はははははっ何だよそれ!
O氏:目の前にいるっつーのにな〜ははは
U氏:あはははははは
F氏:あはははははは
O氏:あはははははは
終わ
もやもやするショートショートを発表するスレ化しつつあるなw
306 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/20(土) 18:14:29 ID:XUFGvqLE
A氏「…」
B氏「…」
C氏「…」
D氏「…」
E氏「…」
F氏「…」
G氏「。。。」
H氏「…」
I氏「Gよ、お前今間違えただろ?」
J氏「何やってんだあよ!」
K氏「…真面目にやれ!」
G氏「へいへい…悪うござんした!」
A氏「こいつ…反省しろよ!」
B氏「C氏!見本めせてやれ」
G氏「…」
C氏「。。。」
K氏「真面目にやれよG!」
G氏「い、今間違えたのはCですよ!」
C氏「〜♪」
G氏「てめえ何口笛吹いてんだよ!」
C氏「うるせえなあ…元はと言えばお前のミスだろうが…」
G氏「…」
F氏「なんだ、やれば出来るじゃん(笑)」
>>304 宇宙人側をもっと優しく紳士的な会話にしたら
星さんぽくもなるし、後味もすっきりしそう
話自体はとっても面白かったです
>>306 ツボったw
A国とB国は隣接する同盟国だった。
その国境には自然に出来たフルーツの森があった。ブドウやリンゴ、桃に洋ナシ。ありとあらゆるフルーツが一年中実る不思議な森だった。
そこで採れるフルーツはどれも瑞々しく素晴らしい味で、驚くほど高値で取引された。
A国とB国は収穫されるフルーツを公平に折半していたが、ある時どちらからともなく
「そっちの方が収穫量多い気がする」
「いいや、そっちの方が多く採っている」
と言いだし、戦争が勃発した。
お互いにフルーツの森を独占しようと侵略を開始した。
フルーツの森は銃弾とミサイルが飛び交う戦場になった。
結果森は全焼し、フルーツの森は焼け野原になってしまった。
A国とB国はお互いに軍需産業に予算をつぎ込み、国家は転覆してしまった。
それを見ていたC国の子供が言った。
「ミックスジュースにして仲良く半分こにすれば良かったのにね」
>>308 そうだねぇ
でもミックスジュースは関西にしかないからねぇ
>>308 おお、けっこう好きだこういうの
簡潔で面白い
311 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/23(火) 12:43:22 ID:fcvL8bUe
>>300さん
もやもやさせちゃいました?w
とにかく感想ありがとうございました♪
312 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/23(火) 13:52:41 ID:fcvL8bUe
『魅力のある夢』
広い荒野のただなかをさまよっている者がいた。
彼はバクで、夢を食べる。
しかしこのバクは美食家のため、美味しい夢しか食べない。
美味しい夢を求めて現在、世界旅行の最中だった。
人のわんさかいる場所に行ければいいのだが、方向を間違えたらしい。
ここには誰もいないだろうな、と彼は探索をやめた。そして座り込んだ。
どこからか夢がふわふわ漂ってきた。
自分好みの夢がたくさん出てきて辺りが埋まっていく。
バクは大喜びでそれらをどんどん食べた。
自分が食べ尽きるよりも早く夢は漂ってきてどんどん増える。
大量だ、こんなにたくさんもう食べきれないよー
いやなんのまだまだ、夢をもっともっと食べておこう
でもなんで今日はこんなに食べても平気なんだろうな、
あっ、まさか夢かな。
「ここは何処だ?」
「村だ」
「何が欲しい?」
「情報だ」
「どっちの味方だ?」
「いずれ判る。さぁ秘密を吐くんだ。情報だ、情報だ」
「喋るものか!」
「どんな手段を講じてでも喋らせる」
「名前を言え?」
「新しいNo.2だ」
「No.1は誰だ?」
「お前はNo.6だ」
「番号なんかで呼ぶな!私は自由な人間だ...」
316 :
創る名無しに見る名無し:2010/03/24(水) 11:33:35 ID:8tF9oTbm
『最後の簒奪者』
「…」
「貴様…実はスパイだったのか!」
「バレては仕方が無い、悪く思うなよ?全ては我等≪銀河帝国≫の偉大なる物語完結の為だ!」
「何を!それは我等≪宇宙連邦≫から奪ったモノだろう!」
「ふふふ…一度、発表してしまえばこっちのモノだ!どうとでも誤魔化せる…」
「くそ、この恥知らず共め!」
「なんとでも言うがいい、さらばだ〜この負け犬共め!わはははははは…」
数日後、分厚い一冊の小説が銀河帝国政府から直々に出版された…その名も「人類最後の物語」
青年「これが、人類最後の一冊なんだ…」
少年「ねえ、新しい本は本当にもう出ないの?」
老人「わしの若い頃にはAI工学がどんどん発達してのお、「物語全自動発想マシン」というのが発明
されて以来、人間の作家はお払い箱で、AIが想像したそれまでに無く新しい斬新で血沸き肉踊
る活劇であり感動的でもあり、とても高尚かつ教訓的で腹が捩れるほど面白いと言う様な物語
が無尽蔵に発表されていったのだ…80年近くの間ワシは宇宙最高のフィクション隆盛期を生き
てきた…AI作家達にはとても感謝している、彼等には数え切れない程の楽しい時間を貰ったか
らのう…だが、とうとう、新作と言う言葉が死語になってしまったのだ…とうとう今度は「物
語」そのものが無くなってしまう…本当にさみしい事じゃ…」
317 :
続き:2010/03/24(水) 11:35:37 ID:8tF9oTbm
少年「ふ〜ん…これからは超高速電子言語図書館であんまり本を読み過ぎ無い様にしよーっと♪
死ぬまでに全ての物語を読んでしまったらツマラナイものね…」
その、物語はストーリーの起伏に欠け、それらしい見せ場も無く、ひどく平凡な物語であったが、
紛れも無く、今までに誰も思いつかなかったであろうオリジナリティ溢れる、どこか爽やかな読
後感が漂う作品であった…小説は銀河帝国内だけに留まらず全宇宙規模で大ヒットを記録し、
アニメ化され、舞台化され、映画化もされ、電子仮想世界化もされて、メディアミックス商品化
も大成功し、それまでに無い規模の宇宙一の超ロングラン大ヒットを記録しほぼ全ての賞という
賞の最優秀賞をごっそりと奪い去っていった。
ライバル国であった≪宇宙連邦≫を除いて…、
宇宙連邦政府は銀河帝国による盗作を主張したが、裁判は泥沼化し、帝国民は単なる連邦市民の妬
みなのだろうと言って相手にしなかった…その年、60年前に当時無名のAI作家によって発表された
『銀河帝国「人類最後の物語」盗作疑惑!!』
と言う、『フィクション』のノンフィクション小説が最注目され復刻され宇宙連邦全域で大ヒット
を記録したそうな。
終わり
318 :
316:2010/03/24(水) 12:33:32 ID:8tF9oTbm
「原因」
M氏:S博士!恐竜の遺伝子を解析して絶滅原因が解明されました!
S博士:何!さっさと教えなさいM氏!
M氏:恐竜は遺伝子組み換え食品だったのです!
S博士:な…なんだと!?誰が遺伝子を組み替えたと言うのだ?
M氏:おそらく恐竜から高度に進化した恐竜人達でしょう…
S博士:正気か?そんな連中が地球上の一体どこにいるのだ!?
M氏:遺伝子組み換え恐竜を食べ続けた副作用で6500万年前に
彼らは絶滅したのです。
S博士:では恐竜はなぜ絶滅したのだ!
M氏:彼らは図体がデカイだけの家畜だったのですよ、野生で
の生存競争に勝てるはずがありません。T-レックスに至
っては走る事も出来ませんし…ブラキオサウルスの類も
歯が弱く実は流動食でしか生きられない生物なのです…。
S博士:……
M氏:コーヒー冷めますよ…
恐竜の弱さを強調しながら、恐竜から進化した恐竜人は高度だという
矛盾がまったく説明されていない
321 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/25(木) 16:09:43 ID:ir6De5xl
>>316 読み応えがありました。
新作がなくなるというのはアイディアが使われつくしてしまったということかな。
そのために宇宙時代にしてかなり先の未来であることを表してるのかな
>>319 太鼓のロマンが〜ww
でも実際にいわれてることでもありますね。
翼竜なのに飛べなかったとか体と頭脳の釣り合いがとれていなかったとか。
そこから発想を家畜だったというところまで広げたのがお見事です
台本形式で書いてる時点でもうね
324 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/25(木) 16:24:35 ID:ir6De5xl
>>313さん
感想ありがとうございます
ペットにしたら人気出るでしょうね
夢を全部食べられちゃいますけどw
>>315さん
意外にも星作品にでてるんですよね
子どもに「バクちゃん」の愛称で頼りにされてましたね
感想ありがとうございました
>>319 恐竜の絶滅原因の結論が出てしまったので
こういう類のお話が今後見られなくなるのが残念です
好きなんですよね、恐竜話…
326 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/26(金) 16:17:17 ID:06Qkoe1f
『宇宙船の写った写真』
久しぶりに旧知の友人が自宅にやって来た。
宇宙船の写真が撮れたんだ、見に来ないかと自分で招いたのだった。
靴をそろえる友人をじっと待ってから書斎へつれていく。
書斎に入ると机の上に写真アルバムが一冊置いてあって、表紙からはまだ新しさが窺えた。
「前にも宇宙船が撮れたと写真を見せてもらったが、その時とは
違うアルバムのようだな。これでアルバムは何冊目になるんだい」
「五十冊を超えたところだ。もっともその全てに宇宙船や宇宙人を写せて
いるとは思っていないさ。撮った自分でも偽物に見えるような写真がほとんどだよ」
彼はそう言って朗らかに笑った。
そしていよいよアルバムを開き、友人に見どころを説明しながらページをめくる。
「このページにあるのは赤道近くの国に撮りに行った際のものだ。ここに影のようなものが見えるだろう」
「こっちのページは離島で、夜に撮った。周りの星と比べて輝き方が少し違うんだ」
さっきまでの落ち着いていた彼とはうって変わって、熱く語っている。
しかし、それを聞いている友人はあまり信じていないという様子だ。
撮った本人でさえ偽物に見える写真は当然として、本人が宇宙船に見えるという写真も他人からは宇宙船に見えない。
空が写っている写真に少し加工をしたら同じような写真ができるだろう、友人はそう思った。
そしてアルバムに写真の貼ってあるページが終わりをむかえた。
最後に貼ってあったのは、これまでとは逆に空からこの町を撮った航空写真が数枚。
友人は町の写った写真を見たが、どこにも宇宙人や宇宙船らしきものは写っていなかった。
さっきまで熱く語っていた彼も、このページの写真については説明をくれない。
友人は心の中で これは加工をする前の写真なんだな と思った。
そろそろ帰るよ、そう言った友人と玄関で別れてから、彼はひとり言を言った。
「言っても信じてくれないだろうけど言わない約束があるからな。
外国に行ったとき気のいい宇宙人と出会って、彼らの写真はだめだったけど代わりに宇宙船からの写真を撮らせてくれたんだ」
アルバムに貼ってある町の写った写真はどれも、宇宙船の窓ガラス越しで撮られたことに友人は気付かなかった。
「ミソシル」
???:!我等は秘密結社ミソシル!そう!ミソシルだ!ミソシルだ!ミソシルだ!
ミソシルをこよなく愛している!ミソシルこそ宇宙の真理!ミソシルこそ希望!
そして私はこの秘密結社の(総裁)をやっているのだ…ミソシルとは…そう…
ミソシルとは古代より我等に伝わる秘伝の英知…口外を許されぬ賢者の予言…
…とは言っても、それは中世の頃の話だ。
今では古今東西の映画や小説のネタにされ、今時、子供でも知っている迷信話だ…
…だが、我々は改めて問われると思い出す事が出来ない…ミソシルとは何なのか?
ある者は古の神々の名前なのだと言い…
ある者は大昔に飛来した異星人の母星の名だと噂し…
ある者は海底に没した超文明の名前であるとか…
ある者は遠い未来に人類を滅ぼすであろう悪魔の名前だと言ったり…
ある著名な学者は古代の賢者が残した不老長寿の霊薬なのだとも言っていた…
328 :
続き:2010/03/26(金) 16:55:32 ID:J2ynflFV
総裁:だが、我々には判断の仕様が無いのだ。もう1万年も前に滅亡した文明が、ほんの少し
だけ残した遺物から断片的にミソシルの事を読み解くしか無いのだ…かつて、ミソシ
ルとは、ある種の人間達にとって毎日無くてはならないモノだったのだそうだ…古文
書にはそう記されている。或いはそれは何か宗教的なモノだってのかもしれないし、
イデオロギーの様なモノだったかもしれない。でなければ古代の神官か大王の名前だ
ったのかも知れない…また別の者達は旧人類を滅亡に追いやった謎の超兵器の事だと
言って、必死に古文書を解読していたりもする…
だが…私には最近、その全ての説が間違いなのでは無いかと思える時がある…何かこう
…もっと暖かい…機械的では無く、それでいて哲学的なモノとは違う何か…そう…今、
私の母が久しぶりに実家に立ち寄った私の為に作ってくれたこの「豆スープ」の様な…
心地よい味のする、失われた何か…の様な…私にはそんな気がしてならない。 オワり
『ガーディアンズ』
近未来…街には人型アンドロイド達が溢れていた…
男「俺のヒトミかわいいだろ?」
男「う〜ん、俺のシオリちゃんの方がセクシーだべ?」
男&男「あーあのマシンかわいいー」
G氏「アー嘆かわしい…」
H氏「人間は少なくなったわねえ…」
O氏「霊は供給過剰で僕等は失業中ですしねえ」
S氏「巷には少子化で人口が減り、代わりにアンドロイドが街に氾濫している」
T氏「まったくじゃ…ワシ等、守護霊も商売上がったりじゃい」
G氏「最近じゃあカラクリ人形と祝言をあげる者までいるってんだ!」
H氏「ん?カラクリ人形?」
O氏「ははは、カラクリじゃなくてアンドロイドですよ(笑)G氏」
S氏「相変わらず横文字は苦手ですな、G氏は」
T氏「G氏は、江戸時代産まれですからのお」
330 :
つずき:2010/03/26(金) 23:10:45 ID:J2ynflFV
G氏「生まれ変りたくても機会がねえのよ!」
H氏「でも、わたしも最初はビックリしたのお」
O氏「中に人が入ってるんだと思った!」
S氏「私は漫画世代ですから覚悟はしてましたよ」
T氏「ワシも昔、アシモフを読んだ事があるぞい!」
G氏「てやんでい!」
H氏「それに少子化ですものねえ…」
O氏「うんうん」
S氏「転生待ちの霊魂人口は増えるばかりです」
T氏「どうしたもんかのお」
G氏「でも、カラクリ達はなんで守護霊がいないんでい?」
H氏「だって…機械ですもの」
O氏「!」
S氏「それは彼らに霊魂が存在していないからでしょう?」
T氏「だが、九十九神というのもおるじゃろう?」
G氏「よっしゃあ!決めた!イッチョ守護してやるか!」
H氏「え?!無理よ…」
O氏「面白い!」
S氏「…また始まった」
T氏「出来るのかえ?そんな事が」
331 :
続き:2010/03/26(金) 23:11:38 ID:J2ynflFV
G氏「やってみなきゃわかんねえやい!」
H氏「どうやって?」
O氏「やれやれ〜」
S氏「彼等には虫の知らせも夢枕も告げられませんよ?」
T氏「ロボットは霊感を感じんのじゃろ?」
G氏「てやんでい!一丁、憑依してやらあ!」
H氏「…」
O氏「……(わくわく)」
S氏「…」
T氏「…」
G氏「往くぜ〜そォおーーーら!」
H氏「馬鹿、無駄に決まってるわ…」
O氏「がんばれーG氏!」
S氏「そう言えばG氏って前にも似た様な事やってましたよね」
T氏「結局みんなヒマなんじゃよ」
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ガガガガガガガガガガガガッガガガ…
アンドロイド女性:てやんでえ!人間共!さっさと子供作りやがれい!
H氏「!」
O氏「!」
S氏「!」
T氏「!」
地球はゾンビ達の星となった
終わり
はい次いってみよう
>>327 こんな時間に味噌汁飲みたくなったじゃないかぁ!
>>326 うらやましいw
そのまま連れ去られなくて良かったね
>>329 何気にこのシリーズ好きだw
安定
青年:心の安定が欲しい…こんな戦争と飢餓と差別ばかりの世界は大嫌いだ!
こんなの絶対に認め無い!こんな世界許さ無い!悲しいニュースが毎日
TVから飛び込んで来るのは堪えられ無い!残酷な世界の真実を知る度に
俺の精神はズタズタにされて行く…もうオシマイなんだ!此の世は闇だ!
俺がこんなにも辛いのは全部世界のせいだ!きっと悪い宇宙人達が俺を
殺そうとして超陰謀を企てているんだ!全世界を破滅に追い遣ろうとし
ているのだ!宇宙人なんて皆、大嫌いだ!そして、こんな世界も嫌いだ!
全部もう消えて無くなれ!この世界を壊してしまえ!俺様は神だ〜〜〜!
その頃、とある1機の円盤が地上をモニターしていた…
U氏「まったく、たいしたもんだ…」
F氏「だめだ…コイツ、ダメ人間だ」
O氏「この人…また、僕等のせいにするんですか?」
336 :
続:2010/03/28(日) 12:15:52 ID:nSblXzIJ
U氏「僕達がそんな事して何の得が?」
F氏「そもそも、地球が嫌で堪らないからって亡命して来たんですよ?この人」
O氏「確か、僕等の星にも馴染めなくて『地球ソックリの平和な星を創ってくれ!』ってね?」
U氏「創ったはいいが、『俺様を不老不死にして、この星の神にしろ!』って言いだした…」
F氏「毎日好き勝手放題で…そして、ある日『ヒマツブシだ!』と言って大戦争を始めた」
O氏「星はメチャクチャになり『また創ってくれ!もっとスリルのある星にしろ!』と…」
U氏「今度は、また『平和な…』って言ってる…」
F氏「えー?また僕達が新しい星を創るの!?」
O氏「ほんの12000年前にその〈平和〉な世界をメチャクチャにしたばかりでしょ?」
U氏「また文句を言い出すなんて…だいたい、この人飽きっぽいんですよ」
F氏「僕は嫌だ!これ以上才能の無駄使いはしたくない!」
O氏「うん、創ってくれって頼むだけで、自分は何も出来ないクセに…」
U氏「そのくせ、7日以内に世界を作れ!とか命令して来るし…」
F氏「大洪水を起こしてサーフィンがしたいとか…変な所で、こだわりがね〜」
O氏「………さて、もう帰りましょうか…」
巨大な円盤は太陽系を後にした…もう戻る事は無い。
この日、ワガママで平凡なおっちゃんが一人…自分は神なんだ!といつまでもワメキ散らしていた…
337 :
誤記訂正:2010/03/28(日) 12:18:39 ID:nSblXzIJ
>>335↑
青年:じゃなくて、おっちゃん:です。
ミスターミサイル
「私はミサイル君だ!皆に愛されているミサイル君だ!今日もみんなに激突だ!」
「そうすれば皆幸せになれると人間達は僕に教えてくれた…」
「ははははっみんな僕に向かって何か叫んでるぞ!」
「うははははっ皆楽しそうに走っているぞ!」
「鬼ごっこだな?よーし、まてー」
『うわあああああああああああああああああああああああああ』
『ドッカーン』
「はははは」
「命中!命中!」
「あれ?誰もいない!?街も無いぞ?」
「おーい???」
「一体どうなってるんだ?」
「…」
「ま…いっか次の星を探そう!」
終わり
>>336 ノアの洪水はサーフィン目的だったのかorz
>>335-338 投下してくれるのは嬉しいがまずは書き方をどうにかしようぜ。
これじゃ台本であって小説とは言えない。
341 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/03/29(月) 13:32:18 ID:irnWIh/S
最近星度が低迷する一方だな
343 :
335:2010/03/29(月) 15:54:49 ID:0iY+YCtb
>>340 すんません、書き方知らんので…なんか、アイデア書き殴ってるだけ
みたいな駄文ですよね。自重します。
ある患者
「調子はいかがですか?」
アール医師は午前中最後の検診の病室で声をかけた
「調子がよかったら、こんなところにいないよ」
患者は沈んだ声で面倒くさそうに答えた。
「はは、早く良くなるよう頑張りましょう」
「はて、この匂いはりんごだね。先生その袋のりんごどうしたんだい?」
「ええ、よく分かりますね。302号室の患者さんのお見舞いを分けて頂いたんですよ。」
患者はさらにつまらなそうな顔をして言葉を返す。
「そうかい、あそこはよく見舞に来るねえ。五月蝿くてかなわないよ。私の主人なんて入院以来一度も来やしない。」
「まぁまぁ、御主人も仕事で忙しいのでしょう、さぁ薬の時間ですよ。これを飲んで下さいね。」
アール医師は患者をいなして、薬を差し出す。
「こんな不味い薬は要らないよ」
「そういわずに、早く直す為に我慢して下さい」
何時もこんな感じて、アール医師のいう事を聞き入れようとしない。
先日も半日押問答で潰してしまったばかりだ
今日はさらに無理難題を言い出した。
「そうだ、先生そのりんごは赤いんだろう?私は生まれつきこんな目だ、色っていうのを見た事がない。私に赤いっていうのを教えておくれよ」
これにはアール医師も困ってしまった。色を知らない人間に言葉で説明するなんて
「わはははは」
突然患者は大きく口を開けてわらいだした
「全く先生をからかうのは面白い、その間抜けな顔を見たらスッキリしたよ。今日はその不味い薬を飲むとするよ」
そういって患者は薬を飲み込んで、眠っていった。
アール医師はほっとしながらもグッタリして病室を出て行った。
「全く・・・獣医になって20年、自動翻訳機のお陰で動物の言葉が分かるのはいいが、犬は気難しいから苦手だ・・・」
345 :
344:2010/03/29(月) 16:51:28 ID:oRBo6+bN
>>344 あっ
×色を知らない人間
○色を知らない者
猫にしてほしかった・・・
犬はもっとかわいい(はずだ!)
SFメルヘンみたいのは嫌いじゃないが
犬とお話以外にもう一つ何か欲しかったのう
人間に比べりゃどちらも色弱だから細かい事はいいや
348 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/01(木) 03:18:29 ID:2QXMihg4
『同じ星の住民』
男達が数人で搭乗型の掘削機を操縦して地質の検査をしていた。
検査は最終段階のため、これまでの検査結果の確認をしに直接人が地下で調査をする必要があった。
地上と地下の間の距離を表わすように、進む掘削機の外装は硬く厚い。
岩盤をゆっくりと削って抜けると大きな空洞に行き当たった。
空洞の中をライトで照らすと奥に人が二人立っている様に見えた。
警戒しながらも掘削機に乗ったまま少し近づくとやはり人がいた。
こんな所に生身で人が立っているわけがないとわかっている、男達は目の前にいるのは地底人だと考えた。
言葉が通じないかもしれないが、拡声器を使って離れたまま話掛けることにした。
「あなたは地底人ですか。我々は地上から来たのです」
向こうに立つ人はこちらと同じく拡声器らしいものを口に当ててしゃべった。
「地底には住んでいますが、その地底人と言うのはやめてもらえませんか。 我々はあなた方地上に
住む人達を地上人とは言いません。どちらも同じ地球の住人同士、地球人でいいじゃないですか」
話してみると地底人、いや新しく出会った同じ地球人は友好的で博愛精神を持っていることがわかった。
「地底にはどのようなご用件で来られたのですか」
地質調査に来たのだったが、なぜ地質調査をしているのか理由も答えるべきだろうか。
調査をするのはここにシェルターを造って、有事の際に避難場所とするためだ。
だが、初めて会う地上人にも同じ地球人は仲間であると言ったのだ。
世が平和な内から、地上人達と地上人達の間で起きる非常事態を想定してシェルターを造ると言ったら、同じ地球人はどう思うだろう。
「シェルターを作るための地質調査をしに来たんです。ですが・・・」
男達は意見を一つにした。
「シェルターを造るのはやめることにします。それよりもシェルターを
使わなくてもいいような社会を目指すべきだと考えなおしました。」
男達が考えを変えたことを同じ地球人達二人は喜んだ。
「我々二人もそれがいいと思いますよ。」
そして計画を白紙にした男達はまた掘削機で岩盤を通って地上へ引き返していった。
「地下より地上は広いから、いろいろな人がいるのでしょうけど地底に住む我々ともわかりあえるのだから地上に住む者同士わかりあえますよね」
「そうだといいんですけどね。地底から地上の様子はわからないけど、シェルターなんて造ろうとするぐらいですから地上は緊迫した状況になってるのかもしれません」
繁栄と滅亡を激しく繰り返す地上の地球人とずいぶん長いこと、同じ地球でお隣さんをしているのだ。
どれだけ希望を持っても、お隣のことは嫌になるほどよくわかっている。
引き返したとこで終わってもよかったかな
忘れられない恩人
地底人:何だろう?上(地上)で物凄く大きな音がするよ?
きっと地上人だ、あいつ等また核実験でもしてるのか?
野蛮だなあ…地上人はいつまでそんな事をやってるんだ…
ごごご…ずずーん(大きな穴の開く音)
地上人:うわーい本当だ!凄いや!古代文献で見た通りだ!
やっぱり地底には地底人文明の世界があったんだ!
地底人:おやおやこれは珍しい!地上人の皆さん、団体で…
一体どうしたと言うのですか?
地上人:実は…
地上人は地上の世界で大戦争が起こり、その結果環境が破壊され危険で住
めなくなったので地底に逃げてきた事を地底人達に正直に話した。
地底人:そうですか…それは災難でしたね、どうぞどうぞゆっくりして
いって下さい、ここには自然も水も資源も時間も平和も豊富に
ありますからね…
351 :
続き:2010/04/06(火) 14:22:42 ID:mbhGY+tl
そして地底人と地上人はお互い全く干渉する事も交流する事も無く、
地底での平和な時代が100年程過ぎたある日の事…
地底人:さあ、我々のテクノロジーで地上の汚染は全て取り除き
ましたよ〜これで地上に戻る事が出来るでしょう!全て
の生態系を再生するのに100年もかかりましたが…
地上人:本当にありがとうございます!感謝します!
この恩は絶対に忘れません!では、さようなら!絶対忘れません!
…厄介な奴等がやっと居なくなってほっとした…と言う様な顔をして
地底人達は地上人達を見送る…
地底人:次は何世紀頃来るのかなあ?「絶対に忘れない」って言う位だ
から、ちょっと先の将来にまた来るって事か…つい12000年前
にも彼らは同じ様な事を言っていた気がするのだが…あー
本当に…さっさと忘れて欲しい…忘れない程に感謝されて
も嬉しく無いのは地上人位のものだよね(苦笑)
それまでに地底人達は、将来、押し寄せて来るであろう地上の難民達の
為の食料・住居・環境を完璧に整え、最終兵器の汚染を取り除き地上の
自然を完全に再生させる準備をしなければならないのだ…彼らとのトラ
ブルに巻き込まれるのだけは絶対に御免なのだから…
地底人:そろそろ別の星に引越したいなあ… 終わり
352 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/07(水) 16:01:44 ID:jRg5X2x7
353 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/07(水) 16:07:21 ID:jRg5X2x7
>>350 恩人を忘れられないではなく、恩人側が地上人を忘れられないなんですね
「キリギリスさん、どうぞ」
「うわっ!」
快くアリの巣の中に通されたキリギリスは、案内された倉庫らしき部屋に入ったところで驚愕の声を上げた。
あろうことか、そこには大量の食料の他に、目映いばかりに輝く宝石や金品が所狭しと並べられていたのだ。
「これって、もしかして……」
「こんな世の中ですからね。食べ物だけでは不安なのですよ」
「コガネムシさんの蔵に忍びこんだ盗人というのは……アリさんたちだったのですね!」
「そうです。そして、アナタをここに連れてきたのも……」「えっ?」
アリたちの視線は、キリギリスの手にしている年代物のバイオリンに釘付けであった。
キリギリスは食料になったんですね、わかります。
アリはなんかのメタファーなのかな? 宗教家とか。
最近あるサイトに投稿したものを投下してみる。
「完璧な金庫」
とある薄暗い店の中。
客は男を除けば一人もおらず、店員も店長を名乗る初老の男がいるのみだった。
壁には無機質な灰色の金庫が所狭しと並べられており、箱にはダイヤルやら鍵穴やらその他よく分からないものがごちゃごちゃと引っ付いている。
「死んだ親の家を整理しているとタンスの底からかなりの量の札束が見つかったのだ。
あれだけの金を扱うとなると少々面倒なのでね。
しばらく保管しておきたいのだが、いいものはあるかね?」
男は周りを見渡しながら店長に聞いた。
男の目にはどれも似たような金属の箱にしか見えなかった。
「もちろんございますとも。
お客様は運がいい。
売り切れ続出の新製品を昨日仕入れたばかりでして。
ご覧ください」
店長が連れて行った先には他よりも少し大きめの金庫があった。
扉には鍵穴はなく、代わりにパネルのようなものが取り付けられている。
「ふむ、これは他のものとどう違うのだね?」
「これは最先端の技術とアイデアを総動員して作られた最高の金庫ですよ。
いかなる手段を講じようとも持ち主以外の者がこれを開けることは不可能です」
よほど商品に自信があるのであろう、説明する店長の顔は子供のように得意げであった。
「まず重さ。960キロ、つまりほぼ1トンの重量を誇り、人間では何人がかりであろうと持ち運ぶのは不可能です。
お買い上げいただいた際には特殊な機材で運び込みますので置く場所は慎重にお決めください」
「しかし私が開けられる以上他の人間に開けることも可能なのではないのかね?」
「そんなことはございません。
まず、この金庫では鍵の変わりに指紋、声紋、血液によるDNAチェックという3つの照合方法を採用しております。
指紋はシリコンで精巧に偽造することが可能ですが、生体電流を感知することでそれを防いでおります。
声紋の照合システムも最先端のものであり、録音等の手段では決して破ることはできません。」
「それだけなら他の金庫でもできそうなものだが」
「ここからがこの金庫の素晴らしいところなのですよ。
金庫に金品を保管する場合一番怖いのは強盗です。
いかなるセキュリティでもナイフや銃で脅されて開けさせられてはどうしようもありませんからね。
そこで、血液の照合がものをいうわけです。
この金庫では血液で単にDNAを照合するわけではありません。
血液中の分泌物から持ち主の精神状態を分析し、現在の状況を完璧に読み取り、最善の行動をとるようプログラムしてあります」
「ほう、たとえば?」
「血液の分析の結果恐怖の感情が読み取れた場合、強盗に入られたものと判断します。
金庫の中身を内部で格納し、代わりに宝石を置きます。
宝石には発信機が仕込んであり、もし犯人が宝石を持ち帰れば確実に捕らえることができます」
「しかし犯人がそんなに間抜けとは限らんだろう」
「もちろんです。格納された中身に気付き無理やり開けようとした場合、催眠ガスを噴出します。
また、持ち主が宝石の裏のパネルに触れることでも作動します。
これは無理やり開けるよう脅された場合に使用してください。
それでもなお無理やり開けようとしたり持ち運ぼうとした場合高圧電流が流れます。
くらえば半日は起きないでしょうね」
「なるほど、それならば安心だな」
「はい。また、分析の結果焦燥の感情が読み取れた場合、指紋、声紋の照合なしで金庫が開きます。
急いでいるときは一分一秒が惜しいですからね」
「ふむ、なかなか気が利いているな」
「もちろん完全防水、耐熱、耐圧構造ですから津波が襲おうと火事になろうと地震が起きようと問題ありません。
センサーで衝撃が人為的なものかどうかを判断しますので、地震の際に催眠ガスが出るようなこともありません」
「素晴らしい。まさに完璧という言葉がふさわしいな」
「そうでしょう。気に入っていただけましたか?」
「ああ。これで安心して金を保管できる。
買わせてもらうとしよう。いくらかね?」
「5億2000万円でございます」
「なんだと? 冗談だろう。
5200万の間違いではないのか」
「いいえ、5億2000万円でございます」
「ふざけるな。それでは金庫代だけで金のほとんどが消えてしまうではないか。
たかが金庫にそんな金をかける奴は頭がおかしいに決まっている」
「しかしほとんどのお客様は喜んでくださいますよ。
需要に供給が追いついていないのが現状ですから要らなくなった方の金庫は5億で買い取らせていただいているほどです」
「それは本当かね? きっかり5億で?」
「はい。注文は増える一方ですのであまり贅沢は言っていられませんから」
「……気が変わった。その金庫、やはり買わせてもらうことにするよ」
「本当ですか? お買い上げありがとうございます」
その日の夜、金庫が家に届いた。
タンスの中の金がごっそり持っていかれるのを見ても男は満足げだった。
「まったくいい買い物をしたものだ。5000万の金庫を買うよりよほど良かった。
税金で国にぼったくられるくらいなら2000万の差額など安いものだ。
どいつもこいつも考えることは同じということだな」
358 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/08(木) 15:41:21 ID:xMXG/ecp
359 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/08(木) 18:01:59 ID:xMXG/ecp
『見たものを話す難しさ』
未来予知が得意な超能力者がいた。
大雑把な予言をする者はいつの時代にもいるが、彼は未来の細部まで事細かに予言を当てる。
未来がわかるというよりは、視えるという感じだった。
そんな彼があるとき未来を視ていると、逆に未来からこちらを視ている者を見つけた。
案外時間の流れに逆らう過去視はとても難しい。
未来を見通せる彼でも過去は上手く視えないので
未来にはすごい超能力者がいるんだなあ きっと有名な超能力者なんだろう、と思った。
そこから200年先の未来。過去を視ている男がいた。
予知能力者の思った通り彼は過去視の超能力を得意としていた。
だが、有名にはなっていない。
視てきた過去の大きな出来事を話しても 歴史をよく勉強してますね、と言われるし、
歴史に残らないような些細な出来事を話しても、確認ができないので超能力で過去を視た証明にならない。
男が超能力者として有名になろうとしたら、考古学者か遺跡の発掘者にでもなることから始めないといけないだろう。
>>359 いつも楽しく読ませていただいています。
最後から3行目がオチですねw この人は名探偵になればいいと思いました。
361 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/08(木) 18:42:25 ID:xMXG/ecp
>>360さん
嬉しいです。ありがとうございます(・∀・∩)
探偵になると犯人以外知らない情報もわかっちゃうので疑われないように注意が必要になりますねw
>>356 文体や金庫の発想が星新一っぽい!
ヲチが現代風ですね
>>359 新撰組のドキュメンタリー小説を出してほしい
365 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/09(金) 16:02:43 ID:YGKQHGAN
>>364さん
感想ありがとうございます♪
ノンフィクションドキュメンタリー小説家にもなれますねw
近藤局長ら隊士の実像に迫ってくれることでしょう
366 :
素晴らしい発明:2010/04/10(土) 03:48:39 ID:tXrW4+hh
ある日、スパイの青年がボスに呼び出された。
「A国のエヌ博士が、何やらすごい発明を完成させたという情報が入った。君はうちの組織でも特に優秀なスパイだ。どうにかして、うまいことその発明を盗んでくれないか」
「お任せください、ボス。必ずや持ち帰ってみせます」
スパイの青年は驚くべき手際で、その日の内にエヌ博士の研究所に忍び込んだ。
屋根裏から部屋を覗くと、エヌ博士は助手と一緒に機械の前で、最後の調整を行っているところだった。
「よし、これで完成だ。君、早速試してみなさい」
「はい博士。ところで、一体何を作りましょうか」
エヌ博士は少し考えると、冷蔵庫から様々な食材を持ち出してきた。
「この機械は材料さえあれば、念じるだけで思い通りの物を作ることができる画期的な機械だ。材料さえあれば、君に新車をプレゼントしたいところだが、今日のところは豪勢な食事で機械の完成を祝おうじゃないか」
「では早速、乾杯のお酒を」
助手がグラスを片手に、機械に手を乗せて念じると、食材の中からブドウと砂糖が消えて、一瞬の内にグラスにシャンパンが満たされた。
「凄い。材料さえあれば発酵や調理の手間を一気に抜かして、シャンパンが出来ました! 博士、発明は成功ですね」
「うむ。材料が足りなかったかな。少し味気ないが、上出来だ。さぁ、次は食事だ。じゃんじゃん作ってくれたまえ」
これは凄い! あれさえあれば、材料を揃えるだけで、技術力の有無に関係なく様々な物を量産できるではないか。スパイは懐の銃に手をかけると、無理矢理にでも奪う決意をかため、屋根裏からそっと照準を定める。
「ところで博士、安全装置は万全に働いているでしょうか」
「うむ、何度も確認したから大丈夫だ。ちゃんと、私と君は材料と認識されないようになっている」
「なら安心だ。ではぶ厚いステーキを作りましょう」途端に空の皿に焼きたてのステーキが出現する。付け合わせのフライドポテトまで完璧である。
「おや、おかしいな。牛肉が減ってない気がするが……」
面白いw
368 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/10(土) 08:11:56 ID:tXrW4+hh
>>367 ありがとうございます。
眠れないので、もう一本だけ。少し弱いかも
『マナー』
人類が地球を離れてから何年が過ぎただろうか。かつての地球人は宇宙を漂流し、居住可能な惑星を探していた。
「隊長、ようやく件の惑星が肉眼で確認できる距離までやってきましたね!」
「うむ。しかし事前調査によれば、どうやらかの惑星には文明があり、知的生命体が存在するようだ。
幸い、文明レベルは我々の方が遙かに高いから、問題はないが、なるべくなら穏便に交渉を進めたいものだ」
「そうですね。では、あれを準備しておきます」
隊員はそういうと、翻訳機を備品室から持ち出してきた。
この翻訳機は高性能で、言語を用いた会話はもちろんのこと、身振り手振りを用いたボディランゲージまで翻訳してくれるのだ。
「よし。他の交渉の準備は私が行っておく。
最悪、戦闘になるやもしれん。そちらの準備は任せる」
「了解しました」
やがて、宇宙船は惑星へと着陸した。翻訳機のおかげもあって、惑星で一番有力な国の代表者と交渉できることとなった。
「ようこそ、我が星へ。我々はあなたがたと敵対するつもりはありません。ただ、よろしければあなたがたの来訪理由をお尋ねしたいのですが」
翻訳機はスラスラと相手の言葉を訳してくれる。
隊長はそれを受けて、こちらも友好的な態度で接する。
「はじめまして宇宙の友よ。私たちも争うつもりはありません。
私たちはあなたがたと平和的な交渉を求めています」
「平和的な交渉であれば、もちろん歓迎です」
どうやら相手方は、かなり友好的だ。しかし、思っていた以上に文明レベルが高く賢いようで、うまく交渉を進めないと、裏をかかれる恐れもある。
隊長はそっと隊員に耳打ちした。
「ボディランゲージの方も絶対に見逃すんじゃないぞ。特に相手が不快だとサインを出していたら、注意しろ。
文化の齟齬が思わぬ争いを生むこともある。知らず知らず、マナー違反な態度を取ってしまっていたら、厄介だ」
隊員は静かに頷くと、翻訳機に注意を向ける。
「では我々の目的をお話ししましょう。我々は、遙か遠い地球という惑星から……」
話の途中で隊員が、肩を叩いてきた。
早速、何かマナー違反を起こしたのかもしれない。隊長は隊員に顔を向ける。
「いきなり不快のサインが出たか。一体、私たちの何が気に障ったんだ」
「ただいま詳しく解析中です。まさかこんなに早くサインが出るとは」
翻訳機が相手の微細な動作や表情から感じ取った意味を解析して表示してくれた。
『こいつ口臭いな』
370 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/10(土) 17:20:03 ID:eGbXrOzj
>>366 エヌ博士w成分の表示機能も付けなさいw
>>369 >>370 感想ありがとうございます。
成分表示ついてたら、かなり嫌なことになったでしょうね。
屋根裏に死体があるのもかなり嫌ですが
372 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/12(月) 00:55:57 ID:VLIYCq3+
↑
それもそうですね
257の例の薬というショートショートは星新一っぽくて面白いんだけど意外とここまでレスが少ない。
海
ある夏の日、青年は仲間達と海水浴に向かう事にした。
青年が海に着くと、既に仲間達は来ていて、泳ぎ始めてる者までいる。
気持ち良さそうに泳いでる仲間を見て、青年は体操もせずに海に入る事にした。
「気を付けろよ!!今日は波が穏やかじゃないみたいだからな」
泳ぎに自信のあった青年は、仲間の忠告を無視して、海に入った。
しばらくすると、仲間の一人が海の中でジタバタしているのが目に入った。
「どうしたんだ?」
「どうやら、何かが足に絡みついたらしい。悪いが取ってくれないか?」
青年は、海に潜り仲間の足に絡みついている、黒い物体を取ってやった。
「痛っ」
友人と買い物に来ていた美しく長い髪を持つ女は頭に手をやり、痛みの原因を探った。
「どうしたの?」
「ノミよ。昨日、ウチのの犬にブラッシングをしていたら何匹かが私の髪についたみたい」
374 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/12(月) 19:34:23 ID:VLIYCq3+
>>373 前半の登場キャラクターがノミで、からみついた黒い物体が髪ですね?
最初は膿と海をかけたのかと思いました。
『スパイ』
俺は企業スパイ、伊達春彦。F社に入社し、ライバルのN社に情報を流す使命を授かっている。
F社には、スパイであることを感ずかれないよう、細心の注意を払いながらごく普通に仕事をこなしていた。小さな情報など必要ない。ライバルであるN社にとってより重要な情報を提供すれば、それだけ報酬も跳ね上がる。重要な情報を入手すべく着々と昇進を重ねていった。
そして入社して二十五年の月日が流れ、ついにはF社の社運をも左右する重要な役職まであと一歩という地位まで昇りつめた。インターホンが鳴る。人事部長からの呼び出しだ。きっと昇格の内示であろう。
「伊達さんもご存知でしょうけれど、我が社は業績が芳しくなく……」
きたきた、思っていたとおりだ。俺に立て直してくれということだな。
「我が社が生き残っていくためには……」
そうだとも。俺の力が必要なんだろう?
「大変申し上げ難いことなのですが……」
さすがに、いきなり社長っていうのはな……。どうせ常務か専務なんだろう、この際どっちでもいいぞ。
「今月いっぱいで……」
来月からということだな。引き継ぎもあるだろうから致し方あるまい。
「退職していただきます」
な、何?! それって、もしかして……。
「リストラということです。先ほど同業のN社も倒産してしまいましたし、我が社としてもこうするしか方法はなく……」
376 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/13(火) 18:51:54 ID:EB2BXRc9
>>375 てっきりF社の社長になるのかと思ったらそう甘くないオチでしたw
会話文2行目でオチが丸わかりだけど
378 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/16(金) 01:42:50 ID:/TJ09nTf
『エコな研究』
エフ博士の研究室で、自動演奏装置が管弦楽団のアンサンブルを響かせていた。
「うむ。正常に作動しておる」
単なる演奏装置の動作を、エフ博士がわざわざ確かめていたので、助手が聞いた。
「すでに自動演奏をする装置はたくさんあります。なにか新しい機能でも加えられたのでしょうか」
「いや、機能は従来のものと同じにした」
「ならばこんなにたくさん自動演奏装置を作ってどうされるのです」
「前回作ったのと今回のを見比べてみてくれ。新しいほうが一回り小さくなっているが、もし性能も違っていたら
音色でわかる。つまり、自動演奏装置こそ性能を落さずに機械はどこまで小型化できるかの研究対象に適しているわけだ」
そこまで聞いて、助手はようやくエフ博士のしていることがわかった。
「なるほど。機械を小型化する研究ですね」
「そうだ。研究が進めばさまざまな機械が小型化できるようになり便利なはずだし、なにより限りある環境資源を有効に使うことにもなるだろう」
それから日数をはさんだ後、研究室の音楽が止まって研究が実を結んだ。
エフ博士は技術を売り込み、小型化されたさまざまな機械の大量生産が始まった。
普及率も好調で人々の関心は小型機械に集まった。
だが、小さくなった分、故障しやすいとの声も上がった。
また、一度故障すると機械が小さすぎて、限られた工場でしか修理できないのもネックとなった。廃棄も多くでた。
急遽エフ博士は小型機械専門の修理用機械を開発した。もちろん小型で。
そしてそれを販売するころには、小型化された機械は費用がかさむものとの常識ができて、エフ博士の小型機械を使うのは富豪ともの好きだけしかいなくなった。
研究所内で助手が言う。
「小さくても丈夫な機械を作る研究をされてはどうでしょう。長く使えればエコになります」
しかし、博士の考えは別の所にあった。
「そもそも機械を小型化すればエコになると考えたのが間違いかもな。これより研究内容を変えるぞ。どう考えても人間を小さくした方がエコだ」
>>375 スパイの悲哀を感じましたw
分かり易いオチも、私はすごくいいと思いました
笑えたw
>>378 確かにw
スモールライトで小さくなって
山のようなケーキが食べたい
ストーリーランド思い出した
381 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/16(金) 22:58:52 ID:/TJ09nTf
感想ありがとうございました(∀゚ )
382 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/17(土) 01:47:03 ID:xQbBwfWn
>>373 それは確かジョークじゃないかな。
ノミのジョーク。
マイアミに住む女性の飼い犬にくっついていたノミは、都会に行きたい、と願った。
次の日、マイアミにいたはずのそのノミは、ニューヨークにいた。
何故か、男のヒゲにくっついていた。
ブラッシングが丁度いい波で
シャンプーが大しけですかねw
384 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/22(木) 17:28:53 ID:9tVI6NRq
電話番号
S氏はあるホテルの一室で目覚めた。
「はて、ここはどこだろうか。」
ドアに寄って、開けようと試みるが、外から鍵がかかっているらしく開けられなかった。
あたりを見回すと、テーブルに電話機が置いてあった。
早速ベットから抜け出し、電話を掛けようとする。
「ホテルの受付の番号は・・・・・・」
と、そこでS氏は考え込んでしまった。
受付の番号どころか、自宅の電話番号すら思い出せないのだ。
部屋をもう一度見渡し、受付の番号がどこに書かれているかを探すが、見つからなかった。
やがてS氏は電話するのを諦め、更に部屋を詳しく探索してみる。
しかし、棚などの家具はあっても外部と繋がっているのはあるのは机に置かれた一台の電話のみ。
仕方なく、S氏はもう一度電話番号を思い出そうとした。
「・・・・・・だめだ、検討も付かない。いや、何故こんなところにいるのかすら分からない。誰か、早く出してくれ・・・・・・」
隣の部屋でN氏は、声を聞いて呟いた。
「新入りか。電話番号など思い出す必要はないのに。
じきに薬が切れれば、そこが刑務所の一室だということが分かるだろう。
しかし、こんなことで罪が軽くなるんだったら安いものさ・・・・・・」
385 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/22(木) 21:22:26 ID:jlUmLeW1
>>384 ただ刑務所にいるよりこっちのホテルにいる方が不安になること間違いなしです。
そのうち警察に電話して出してもらおうとしたら傑作ですね
未来へ
「これで完成だ」
研究室に籠もりっきりだったエヌ氏は、嬉しそうに声を挙げた。
完成した代物は、腕に付ける型をしていて、この機械で先の時代にいける、夢の様な機械なのだ。
エヌ氏が完成した機械をいじっていると、部屋の中にエヌ夫人が入ってきた。
「あら、あなた。また部屋に籠もって。いい加減、なにか仕事に就いたらよろしいのに」
「ああ、そうだね。今から出掛けようとしていた所なんだ」
エヌ氏は、機械を腕に付けて外にでた。
先の時代に行く為には、この機械にエネルギーを込めなければいけない。そのエネルギーは、腕時計を装着した人間が走ればこの機械に自動的に溜まる仕掛けになっている。
「この大きな城の周りを走れば、この機械に、先の時代に行けるだけの力が溜まる筈だ」
エヌ氏は早速走り出した。走りながらも、自分が辿り着く未来はどんな所なのか、妄想した。
勿論、不満もあった。エヌ氏の作った機械は、未来に行く為のもので、過去には戻れない。この時代にある部品ではどうしても過去に行ける機械を作れなかったのだ。
三周程走ると、機械にエネルギーが溜まり電子音が鳴り響いた。
「よし、いよいよ先の時代へ行けるぞ……」
電子音が鳴り止むと、自動的に未来へ行ける様になっている。
体に凄まじい圧力が掛かり、大きな衝撃音と共に、エヌ氏はその時代から姿を消した。
「はぁ……はぁっ……この時代はなんてところだ」
未来に付いて三日が過ぎ、エヌ氏は困り果てていた。
この時代の人間達はエヌ氏の姿を見かけると、時折凄まじい光を放つ小さな箱型の機械で、エヌ氏を狙ってくる。
更に、飛んだ国も間違えたのか、この時代の人間達は腰に刀を差していない…。
エヌ氏の様な、丁髷姿の人間等、一人も居ない。
「もう未来なんてこりごりだ…誰か、過去に行ける機械を作ってくれ」
その時、エヌ氏が腕に嵌めている機械が電子音を鳴らし始めた。
やがて、その音も鳴り止み……
387 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/22(木) 22:18:52 ID:jlUmLeW1
>>386 なんだか ‘時をかけるエヌ氏’って感じです。
行く先々で追いかけられるのならどんどん未来へ進むことになるわけですね。
走りっぱなしですが、止まるときにはどうなるんでしょうね
小さな箱型の機械って何だろう
現代の日本自衛隊が使ってるやつは薄くってカードみたいだとか言われてたな
外国人は手が大きいからそんなもん持ったら狙いが定まらないんだろうな
それかな
カメラじゃね?
391 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/23(金) 11:02:21 ID:cQCIsXZS
高等言語時代
L氏:ちちんぷいぷいー
M氏:何をやってるのですか?
L氏:ちちんぷいぷいぷい〜
M氏:…???
L氏:別に何も考えてませんよ?
M氏:今日は土曜日でしたね
L氏:私、明日土鍋を買うんですよ
西暦2XXX年、脳科学と機械工学と先進医学の発達によって人間のコミュニケーション能力
は格段に発達・進歩した。たった一つの単語で相手のこれから言わんとする事や心の内に
秘めた思いを相手に直接に口で言ってもらうまでも無く、かなりの確率で推測する事が可
能となったのである。だがしかし、ごく稀にではあるが…
L氏:イリオモテ山猫が先月絶滅しましたよね、
M氏:ええ、月のクレーターでキノコの栽培が始まりましたよね。
L氏:いいえ、そうでは無く…
M氏:あーじゃあ、プルトニウム電池が切れたんですよね、自家用ヘリの。
L氏:いえ、別の話です、自家用ジェット機を買い替えたんです。
M氏:へ?ヘリじゃ無いの?第9合唱じゃ無くて?
L氏:ええ、だから自家用ジェットです…今のはそのままの意味です、僕は高等言語はどうも苦
手なもので…
M氏:くっ来るな〜人殺し〜
L氏:ちょ、ちょっと!今のは普通の意味ですってば!
M氏:50人も殺したのか!?
L氏:あわわ・・・(どうしよう?完全に誤解してる…こういう時なんて言ったらいい?)
M氏:この宇宙人め(あれ?この人なんか誤解してる??明日飲みに行こうって言ったんだけどなあ…)
393 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/23(金) 20:27:40 ID:vxgka59f
>>390 ああっ、箱型の機械にはカメラがありましたか!
自分は
>>389と同じような解釈をしてました//
むしろ自分は
>>380が何なのか気になる…
ちょんまげ時代のすごい発明家…きてれつさい様しか思い浮かばんw
せめて平賀源内ぐらい思い浮かべてくれ・・・
396 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/24(土) 00:52:32 ID:WEn2Qkko
自分もモデルがあるなら平賀源内だと思った。
397 :
384:2010/04/24(土) 00:54:31 ID:DwmDTLif
>>385 評価ありがとうございます
むしゃくしゃしてババッと書いたからいろいろ至らない部分があることに
あとになって気付いてしまった・・・orz
>>397 感想書かなかったけど面白かったです
刑罰についてちょっと考えた
むしゃくしゃは治ったですか?
「みなさん、これは私が発明した『地球空調機』です。この機械は地球規模で空調が行える装置なのです」
博士の演説を聞く観衆の一人が手を挙げた
「博士、その機械はいったいどんな働きをするんですか」
「この装置を作動させれば地球の大気を取り込んで浄化し、大気を完全な状態に保ってくれるのです」
博士に対して、観衆は口々に言った。
「大気の割合を保つのか?」
「排気ガスに汚れた空気もきれいになるのかい?」
「空気の温度を調整して温暖化も防げるのか!」
「穴が開いたオゾン層を再構成してくれるとか?」
博士は顎髭をさすりながら、装置を叩いた。
「えぇ。全てはこの装置が解決してくれるでしょうな。なにしろこの装置にはスーパーコンピューターが内蔵されています。地球の状態を自動的に考え、地球を最も良い状態に保ってくれるのです」
観衆から歓喜の声が上がった。人間はみな大気汚染や温暖化に頭を痛めていたが、もうそんな心配はしなくていいのだ。
観衆の拍手喝采の中、博士は装置のスイッチを入れた。
翌日、森の中では草木が風に揺れ、昆虫たちは宙を踊り、動物たちはみな木ノ上や地面を楽しそうに走り回っていた。
そして人間は一人残らず死んでいた。
自分勝手な人びと
地球に、シバ星からの移住民がやってきて半年以上の時が過ぎた。
シバ星の住人達は、地球へと移住する際に様々な発明品を持ってきて、それらの機械は全て地球人から重宝された。
特に地球人が重宝していたのは犯罪行為に手を染めそうな人間を自動的に機械が認知し
犯罪が起きる前に特殊な電磁波を放って、その犯罪思考を抑制してくれる機械だ。
この機械は、地球の全地域で使われ、地球上の犯罪率は1%を軽く下回っていった。
「いや〜あなた方は非常に素晴らしい文明を持っていらっしゃる。
我々からしたら、羨ましい限りです」
地球代表の男が、シバ星人が持ってきた通訳機械にそう話すと、シバ星人代表者からの返事が返ってくる。
「我々も、地球で暮らす事が出来て良かったです。この地球の空気は非常に美味しい」
「しかし、何故あなた方は我々の地球にやって来られたのですか?
これ程の文明をお持ちなら、どんな問題も解決出来そうなものですが…」
「ええ、実はあの犯罪抑制装置が問題でして……あの機械はどの星に移住しても重宝されるんですが、人の汚い犯罪思考を取り除いてしまうとあの機械からは生物にとって極めて有害な毒素を放出してしまうんです」
「何……?ちょっと待ってくれ!!あの機械は、地球の全ての地域で使われているんだ……もしその話が本当なら……」
「はい、地球の環境は既に前と変わってしまっいました。
我々も直ぐに移住の準備をしなくてはなりません」
そう言うと、シバ星人は小型のリモコンを操作した。
数秒も立たない内にシバ星人と男の前に円盤が現れた。
「それでは、私達はこれで」
そのシバ星人の身勝手過ぎる行動に、男は腹をたてた。
「いい加減にしてくれ!悪いが、その宇宙船には私が乗らせて貰います」
男が立ち上がり、シバ星人の元に歩み寄ろうとすると、男の脳髄に電流が走った。
「本当に地球は良い星でしたよ。それだけに、危険思考の身勝手な人が多いのは残念だ」
宇宙に佇む船の中で、甲殻に覆われたエビの様な姿のシバ星人達は地球を眺めた。
「やれやれ、せっかく良い星を見つけたと思ったんだがな」
「全くです。半年ごとに惑星の移動をする我々の身にもなって貰いたいものですね」
赤く染まった地球を一別し、シバ星人は次に住む星へと宇宙船を進めた。
非常に澄んだ水の中でしか生活の出来ない彼等の肌には、今の濁りきった地球の水はあわないのだ
>>400 鳩山総理の依頼ですかw
そのスーパーコンピューターは蓮舫さんが仕分けしたはずでは
>>401 自分勝手な行動には電流が走らないんですね
403 :
創る名無しに見る名無し:2010/04/26(月) 16:13:49 ID:KaWOpubT
>>400 結局、人間が一番環境を悪くしてるってことね
もしかして環境問題の原因は・・・・・・息?w
さしずめこんな機械作るほどの人間が一番の悩みの種なんだろう
タヌキより自然に反した生き物は人間だけだけど、タヌキはよからぬ考えを持たないからな
405 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/26(月) 18:13:25 ID:Q0a8HP6b
エフ博士の研究所で、エフ博士がフラスコを意味ありげに見つめていた。
「よし。新しく完成したぞ」
「おっと。ちょうどいいところだったようだな。そいつをこっちに渡せ」
突如現れた侵入者が落ち着いた声で無茶をいう。
しかし急なことにもかかわらずフラスコを持つ側も落ち着いたもの。
「いいだろう。だが別に売ればもうかるということはない。むしろおいしいから飲んだらどうだ」
思いのほか話がすんなり通ったのでこれには侵入者が逆に戸惑ったが、なぜか引けない気がして、フラスコを受け取る。
今まさに博士から開発されたばかりの液体が侵入者に手渡された瞬間、手の空いた博士が侵入者を羽交い絞めにして捕まえた。
「そんな。エフ博士が発明品と関係なく柔術を使うなんてそんなのずるい」
「まあまあ、そう言うな。」
たまにはこういうのもありじゃないか、たまには。
博士はめずらしさを強調した。
「さっきお前はちょうどいいところだったようだと言ったが、それは正しい。
なぜなら今日はある掲示板のあるスレッドがたってちょうど半年だ」
そう、今日である掲示板のあるスレッドは半年なのだ。
「なんだって、今日が・・・」侵入者は急に自分の過ちを恥ずかしがり、涙した。
「まあそう悲観することはありませんよ。みんな仲良く暮らせる方法を残しましたから」フロル星人が肩をたたく。
「あなたはメロンライス、ガムライスならどっちにします」「おーい でてこーい」
エフ博士の研究所にはどこにいたのかゼーム氏、ケイ、服を着たゾウ、地球から来た男、何もしない装置、マスコット、レラン王その他大勢がぞろぞろと集まってきて・・・・・・
星新一1001話を作った男を買ったのはそんな因縁が働いたのか…
409 :
暗闇発生装置:2010/04/29(木) 01:30:15 ID:66vIk0Rr
エヌ博士はある機械を完成させた。
「どうだね、すばらしいだろう。この機械でどんな暗闇でも作り放題だ」
「ですが博士、闇など何に使うんです?暗くて何がいいんですか」
一応見に来た商社の社員は乗り気ではない。
「なんだね、君にはこの素晴らしい機械の意義が分からないのかね。
この機械の中心部にある吸着質の繊維が光を吸い付ける。すると暗闇が物質化する。一緒に音も吸着する機能や音楽演奏装置を付け安眠装置に、または開放的なプラネタリウムに。どうだね。空中に物質化した暗闇は回収装置システムもいっしょに入っている」
エヌ博士の説明に社員はやっと装置のすばらしさを理解し、世界中で売り出した。
目新しい暗闇発生装置はプラネタリウムや遊技施設で売れた。
しばらくして社員が困り顔でやってきた。
「博士、この装置は素晴らしいのですが、機械が大きすぎると言うのです」
エヌ博士は、
「なんだ。それは良いところに来た。ちょうど小型化に成功したところだ」
と、言った。社員は喜んでそれを持ち帰り、また世界中で売った。
こんどは小規模な集会場や家庭用シアターで使うために売れた。
また商社の社員がやってきた。
「博士、この暗闇の規模を小さくできませんか」
「なに、それは……出来ないこともないが」
「ぜひお願いします」
エヌ博士は完成させた小規模な暗闇発生装置を社員に渡し、念入りに注意をした。
「くれぐれもこれ以上暗闇を小さくしてはならん」
しかし商社の社員はろくに注意も聞かず機械を持ち帰り、設計図よりも小さな小さな暗闇を世界で同時に売りに出した。
新しく発売された機械を買った人々が、世界中で機械を起動し、小さな小さな暗闇がひょいと人々の目に飛び込んだ。
410 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/29(木) 21:05:02 ID:MYentfyc
目に入った暗闇が回収不能になる?(゚Д゚;))ガクブル
411 :
どっかのななし(257・260):2010/04/30(金) 18:09:39 ID:sA82X3Rk
>>372 かなり遅れましたが、灰色埜粘土さん、ありがとうございます。
中学時代の作品をもう一つ。
夢
その男は悪事を重ねて大金を儲けていた。
しかし、最近それが発覚しそうになり、外国に逃亡しようと思い立ったのだ。ここは飛行機の中。
「よし、もうすぐ外国だ。母国を捨てるのは心苦しいが仕方がない。新天地でまた金を儲けるとしよう」
しかしそうもいかなかった。何かのトラブルか、機体が大きく揺れた。アナウンスによると、助かる確率は、ごくわずからしい。
「わたしももうお終いか。今までの天罰でも下ったのだろうか」
飛行機は山脈にぶつかり……。
そこで男は目が覚めた。
「何だ、夢だったのか。それにしてもリアルな夢だった。しかし、わたしが悪人だとはな」
その男はある大企業の社長だった。彼はこの上なく善良で、正義感溢れる人柄だった。
「普段の反動で、このような夢を見るのだろうか」
男は服を着替え、朝食をとってから、出勤のため家を出た。
その時、後ろから声がした。
「おっと、動かないでもらおう」
「だれだ」
「殺し屋さ」
大企業の社長ともなると、殺したいとひそかに思っている者も少なくない。
「あばよ」
わたしももうだめか。弾丸が、男の心臓をつらぬく……。
そこで目が覚めた。
「なんとまたリアルな夢だ。しかし社長とは」
その男は犯罪者。殺人を犯してしまい、もう数時間とこの世にいれないのだった。
「いつの間に寝ていたのだろう」
そして、処刑の時。
「何か言い残す事はないか」
「ありません」
そして男は死んだ。
そこで、目が覚めた。
ここは飛行機の椅子でも、豪華なベッドでも、牢屋の中でもなかった。
機械的なベッドの上に、男は寝ていた。
いままでの夢はこのベッドが見せていたのだった。新しく開発された、リアルな夢を見せる機械。
しかし男は起き上がろうとしなかった。
これが夢でないという証拠はどこにもないではないか。
412 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/30(金) 19:01:58 ID:sW2mHprE
おお、面白かったです。
地球回復期
―
愚かな人間どもよ、よく聞け、私は創造神である。私は人間どもの振る舞いに憤っている。
今日、地球上の生物種を数えてみたところ、人間どもが誕生する前に数えた時と比べて、かなり多くの生物が絶滅していることが明らかになった。
その多くは人間どもの仕業だ。この私が創造した多様な生物たちが、貴様らのせいで次々と絶滅している。
せっかく私が長い年月をかけて作り上げてきた多様な生き物たちをこれ以上絶滅させることは許さん。
よいか、私は今から一回り四季が巡った後、もう一度地球上の生物を数える。その時に、もし貴様らのせいで絶滅した生き物を一種類でも見つけたら、貴様ら人間を地球上から消してやる!
―
全世界の人間が同時に同じ夢を見たことにより、世界はパニックに陥った。
あと一年の間に一種でも生物が絶滅すれば人間が滅んでしまうかもしれない。全ての国は紛争や争いを中断し、一年後の世界へ向けて、全世界手を取り合わせての環境保全事業をスタートさせた。
世界中の学者が集まり、国際会議が行われた。
「しかし、一体どうすればいいんだ?」
「環境汚染をする先進国はそれらの原因を根本から解決するべきだ」
「だが、それだけで本当に、一年後までに動物の絶滅を防げるのか?」
そう言っている最中、会議に立ち会っていたK国の大統領が宣言した。
「森だ! この地球上からは毎日森が減っていき、砂漠が広がってきている。このままでは森に住む生き物たちは死滅してしまう! ただちに砂漠の緑化計画を!」
全人類が手を取り合った大事業は滞りなく進み、砂漠は次第に緑化されていき、環境問題も次第に解決していった。
もうすぐ神のお告げから一年が経とうとする頃には、空気も水も澄み、さらに大統領の宣言通り、あれほど拡がっていた砂漠はみな森へと姿を変えていた。
そして一年後、再び神のお告げが人間の夢に現れた。
―
愚かな人間どもよ、私は憤っている。一年前の警告を無視したのだな?
今、私が地球を巡ってみてみれば、なんと驚いたことに、荒涼の砂漠という領域に住む多様他種な生物が根こそぎ絶滅しているではないか。
私はもはや我慢も限界。これ以上生物を死滅させる気でいるのならば、お前たち人間を滅ぼしてやる!
―
414 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/04/30(金) 23:13:35 ID:sW2mHprE
適度に砂漠化させないと滅ぼされてしまう
宇宙へ逃げましょうw
みんなで一年休む方がいいかもなぁ
416 :
えれぽん:2010/05/01(土) 17:21:35 ID:Jd0IWo00
「使用法」
「こんばんわ。エフ博士」
エフ博士が振り返ると、研究室に見慣れぬ男が入り込んでいた。
「なんのようだね?まあマトモな用事では無さそうだが」
「私はある国のスパイでしてね。エフ博士にお願いがございまして……」
「私の発明を譲り渡せとか、何か発明して欲しいとか……」
「実は、以前博士が発明された『マモール』という薬を分けて頂きたいのです」
エフ博士は複雑な表情になった。
『マモール』とはエフ博士の自信作であったが、周囲の猛反対にあって公表を断念した薬だ。それを服用した人間は、どんな約束でも必ず守るという特性があった。
「そんな薬は危険だ、と言われて封印していたのだがね。欲しがったのは私の知人のエヌ君だけだったよ」
「そりゃあ、そんな薬が世間に出回れば大変な混乱になるでしょうからね」
「それが解らない。約束は必ず守るべきでは無いかね?」
「ある程度のウソは社会の潤滑油というか、リップサービスと言うか……まあいいです。いただけますか?」
「ああ。エヌ君にあげた残りがまだ一回分は残ってたはずだ。何に使うのかね?」
「我が国と貴国の外交問題を解決する為です。いいかげん、我慢の限界でしてね」
スパイがTVを指差した。画面上では首相が焦点の合わない目を泳がせながら、もはや誰もあてにしていない『約束』を口にしている。
「ふむ。まあいいだろ」
エフ博士がマモールを渡すと、スパイは嬉しそうに謝礼を渡しながら、ふと尋ねた。
「あなたの知人とやらは、これを何に使ったんでしょうかね?」
「キャバクラで使うとか言ってたな」
417 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 16:03:44 ID:c27hxmg6
科学者のエス氏が「思い出し薬」という薬を開発した。その効果は、「自分にとって一番大切なことを思い出す」というものだった。
ある日、ある男性がエス氏の元を訪ねてきた。
「わが社では、あなたの開発した薬を販売したいと考えております。ぜひその薬をわが社に売ってください」
エス氏は怪訝そうな顔をした。
「それはまた、なぜだい?」
「今の世の中、皆思いやりや夢といった、大切なことを忘れているように思います。わが社ではそれを思い出してもらいたいと考えたからです」
「それならお譲りしよう。だがその前に、君がこの薬を飲んでみてはどうかね?」
エス氏は満足そうに頷いて薬を男に手渡した。
しかし男はそれを飲んだ瞬間、目の色を変えて外に飛び出していった。
エス氏は首を傾げた。
「彼は何を思い出したのだろう?」
男は現在別居している妻の元に向かったのだった。
418 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/02(日) 16:08:36 ID:c27hxmg6
いい話だなぁ
薬を作った博士が買いに来た人に怪訝そうにする意味が分からない
421 :
417:2010/05/03(月) 09:03:18 ID:KyqIhpse
>>419 感想ありがとうございます!
好意的な感想を言って貰えるととても嬉しいです
>>420 何の用途に使うのか怪しんでいる、みたいな感じで…
やっぱり語句の用法が正しくなかったでしょうか?
この場合どんな表現を用いれば良いのでしょう?
>>417 この話すごく好き。ほんとにこんな薬ができたらいいね。
というか、自分が飲みたいw
>>421 420ではないが、こんなすごい薬なのに
売りたいという申し出を訝しがっててヘンだなぁとちょっと思った。
改稿するなら「ぜひその薬をわが社に売ってください」 の返事で、
・「目的次第では売ることはできないよ」
・「うーん、この薬は金儲けに使って欲しくないんだが」
・「"企業"として販売することにどんな意味があるのかね?」
とか言ってみたらどうかな?
なんなら、今までにも何度も申し入れがあったが
みんな欲得ずくだったので許可しなかったとか、
そういう設定があってもいいかも。
423 :
417:2010/05/03(月) 10:45:09 ID:KyqIhpse
>>422 感想&批評ありがとうございます!
大変勉強になります!
424 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/08(土) 23:31:40 ID:JN/H7lM/
『追求』
425 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/08(土) 23:33:18 ID:JN/H7lM/
↑は書いてる途中でカーソルが滑りました
426 :
創る名無しに見る名無し:2010/05/09(日) 00:17:45 ID:9mMhbQxJ
427 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/09(日) 01:34:53 ID:B9KgzFw7
『才能依存能力訓練装置』
学校の一教室ほどの広さの部屋に、さまざまな色と形で違いをもった小箱が並べられている。
他に部屋にいるのは男が一人、あるのは装置が一つだけ。
<では始めます、3・・・2・・・1・・・>
開始と同時に男は部屋の中の小箱を見て回る。
この中から当たりの小箱を探す。何も考えずに片っぱしから箱を開けたい所だが、それでは訓練にならない。
その男の視線が部屋の隅にある小箱に移った。
これの気がするぞ。しかし黄色い星型とはずいぶん目立つ小箱だな。
こんな箱を当たりにするだろうか。部屋の隅に追いやるように置かれていたのも作為的な引っ掛けの可能性があるし・・・
<正解です。>
結局男は黄色い星型の小箱を開けていた。
<今回の成績を発表します 空箱開け数0 一般所要タイムとの偏差マイナス30,6
以前と比べてあなたの直感は格段に鋭くなっています。そして運もなかなかのものです>
男はこれまでの訓練で自分の勘が磨かれたのをのを実感していた。
<もうすでに十分優秀な成績ですが、訓練を続けられますか>
装置はひとまず男に訓練が終了したことを伝えた。
男はかまわず続行を選択した。すると部屋中にあった小箱が引っ込み、装置は訓練の準備をし始めた。
装置はさっきの訓練結果を記録しており、男に音声でこう告げた。
<あなたの場合は直感力が十分に鍛えられていますが、決断力に欠けている
面が見られました。次は2択から悔いが残らないよう、1つを選んでください>
次のステップの訓練として、装置はそこそこ裕福かつ平凡に生きる男の未来像と、貧乏ながらも夢を叶えて生活している男の未来像を映し出した。
>>427 おもしろい!最後のチョイスは苦しみそうだ
さっきこのスレに流れ着いてイッキ読みした
良作ぞろいで読み応えあって楽しかったです
エヌ氏とエフ博士に幸あれ
429 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/13(木) 12:37:35 ID:cgGZ3/3q
初投下です。今まで発表されてきた方々のものに比べると見劣りするとは思いますが、感想等いただけると幸いです。
「今までいくつものすばらしい発明をしてきたエフ博士ですが、
今度は明日を見ることができる装置を完成させたそうですね!」
散らかったエフ博士の研究室に男の弾んだ声が響いた。
どうやら男は報道機関のインタビューアーらしく、手にはマイクを持ち、
男の正面には映像を録画する装置を持った別の男が彼を映していた。
「うむ、長年の夢がようやくかなったよ。早速見てみよう」
そう言うとエフ博士は望遠鏡のような形をした装置を覗き込んだ。
取材に来た二人も、装置と博士の方に注目する。
ところが、エフ博士の口から意外な言葉がこぼれた。
「……おかしいな。真っ暗で何も見えないぞ」
その一部始終を録画した映像は、誰の目にも触れることはなかった。
431 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/13(木) 21:32:06 ID:V4+h8ETV
>>430 明日が映らず、誰も見ることはなかったということはまさか・・・
明日は来なかったのか…
スパイ大作戦にこんな話あったなあ
>>431-432 お早い反応ありがとうございます。
結構よくあるお話で、オチが用意に想像できてしまったかとも思いますが……
まだまだですが精進していきたいと思います。
434 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/14(金) 01:39:42 ID:scdbHz2+
『社会の永久機関』
犬を連れた青年が散歩から帰ると、どこでいつからなのか、犬が急須なんて咥えている。
とりあえず犬から急須を放させると、解放されたかのように魔人が飛びだした。
「やや、これが魔人というやつか。驚いているせいか、普通の人間と変わらないように見える」
「それは魔人の事情です。気にせず仕事の命令をください」
魔人は主に仕える執事のように、青年の望みを聞いてくる。
そしてこの魔人も多聞にもれず、願いを叶えてくれるのはやはり一回だけらしい。
「決めかねるな・・・」一回だけの願いに青年は迷ったが、無難に大金をもらうことに決めた。
「使い方に困り果てるほどの大金を出してくれ」
魔人は承諾した。そして
「お金をどうすれば集められるか教えてください」と、言ってきた。
「魔法で出してくれるんじゃないのか」
「難しいことを言われます。そういうことはできないのです」
青年は考えを改めた。どうもおとぎ話とは違う点も多いようだ。
「それでは仕方がない。せっかくだったが、急須に戻ってくれ」
この様子では他の願いを言っても、叶えてはもらえないと思ったからだった。
しかし魔人は変らずそこに立っていた。
「願いを叶えると勝手に戻れるのですが、叶え終わらない内は戻れないのです」
自分では帰り方もわからない、ということだった。
こうなれば地道に賃金を稼がせるしかない。
そんなわけで青年は会社へいつも魔人を連れて出社することになった。
魔人は社員ではないのだが、青年が仕事を開始するとそれを手伝う。
ときにわからないことや判断に迷うことがあれば、青年に指示を仰ぎ、その通りの行動をとる。
かけだし社員だった青年に専属の秘書がついたことを同僚たちは不思議がったが、青年の働きがうわさとなって、
数年後には異例の若さで社長に推薦された。
今日も社長の的確な指示のおかげで社員たちは順調に仕事を進めている。
「こんなにお金がたまりました。宝石だって買えますよ」と社長付きの秘書が貯金を数えて言う。
一方の社長はなぜかあまり喜んでいない。
「あのときの私ならば望み通りの大金だと思ったのだろうが、いまはこれでも少ないように感じる。ましてや使い方に困り
果てるほどの大金とは一体、どれだけの額になるのか自分でも想像がつかない。おそらく君は秘書としていつまでも・・・」
>>434 あははは
でも一生かかっても叶えられない場合
魔人は急須に戻らなくてもいいんですよね
急須からの解放おめでとう
436 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/05/15(土) 00:25:05 ID:8Q2CZA3q
>>435さん
感想ありがとうございます
そうもいえますw
ゴミ処理問題
宇宙空間に、一隻の宇宙船が浮かんでいた。
「おい、あの星はどうだ?」
船内にいる2人の男のうち、体の大きな方が尋ねた。
「今調べてみる」
体の小さな方がそう答えると、目の前の機械をあれこれといじり始めた。
男たちの住むガーラァキュータ星では、ゴミ問題という大変大きな問題を抱えていた。
ゴミが凄まじい勢いで出てくる一方で、その処理が追いつかなくなってしまったのだ。
星中に出来たゴミの山を何とかしなければと、人々は話し合いを始めた。
その結果、あるとんでもない解決法が考案され、すぐさま実践に移された。
それはなんと、処理が出来ないのなら、ゴミをそのまま他の星に住む住人に売りつけてしまおうというものだった。
もちろん、ゴミをゴミとして売ろうとしても、上手くいくはずがない。彼らの商売には、ある秘密が隠されていた。
ガーラァキュータ星は、宇宙を自由に飛びまわれる宇宙船を作れるほど、科学技術の発達した星である。
その星で生み出されるゴミも、高度な科学技術の産物であった。そのゴミを、科学の発達してない星に
「商品」として売りつけてしまうのだ。つまり、ガーラァキュータ星人にとってゴミでしかない物でも、
科学の発達してない星の住人にとっては、今まで見たことのない高度な技術を持った
素晴らしい「商品」となる、というわけである。
だが、この商売方法には二つの問題点があった。
一つは、ガーラァキュータ星語の通じない場所で商売しなくてはならない点だ。
しかしこれは、ガーラァキュータ星の高度な科学技術によって作られた翻訳機を
使うことによって、解決された。この翻訳機を使えば、商売は滞りなく行われるのだ。
二つ目は、商売相手のいる星、つまり科学の発達してない星の探索である。「商品」を乗せて宇宙に飛び立っても、
商売相手がいなければ話にならない。この問題に関しては、レーダーで周囲の星を探査しつつ飛行し、
目ぼしい星を見つけ次第、船内の計器で、「その星の発展具合はどうか」「その星の住人は友好的か」などの
情報を詳しく調査する、という方法が取られた。
また、商売である以上、当然「商品」の代わりに何かを頂かなくてはならない。
彼らの商売では、ガーラァキュータ星では採れない、もしくは希少な金属などを、極少量頂くことにしている。
時には、そういったものが一切ない星を相手にすることもあるが、その場合「商品」を無償で提供している。
「商品」と言っても、ガーラァキュータ星人にとって見れば単なるゴミ。ゴミさえ処理できれば、無償だろうと有償だろうと関係ないのだ。
「どうやら良さそうだぞ」
体の小さな方の男が、調査の結果を報告した。
「よし、それではあの星に着陸することにしよう。準備に取り掛かってくれ」
体の大きな方が命令を出すと、体の小さな方がためらいがちに口を開いた。
「しかし……いくら我々の星の問題とは言え、見知らぬ星にゴミを売りつけるのは気が引けるな」
「今さら言っても仕方がないだろ。あの星の住人にとっては、きっと役に立つ代物のはずだ。
それに、仮にあの星の住人がゴミを売りつけられたことに気がついたとしても、未だ宇宙へ進出すら
果たしていない奴らには、我々の星へ文句を言いに来ることも、返品しに来ることも出来ない。
この商売方法は全く、非の打ち所のない完璧な商売方法だ」
「それもそうだな。では早速、あの星へ向かうとするか」
「ああ、そうしよう」
2人のガーラァキュータ星人と「商品」を乗せた宇宙船が、目的の星へ向かって飛び始めた。
赤く熱く燃える恒星を回る、内側から数えて3つ目の青く美しく輝く星へ向かって。
ゴミとわかってても喜んで買いそうだなあ
>>437「おい、そういえば移送中の死体はどうした」
「あっ、しまった。なんてことだ。ゴミの中だ!」
「仕方ないな、遺体は見つからなかった事にしておこう」までそーぞーした
『人のあいだ』
少し不審な男が歩いていた。
街中の鏡や水たまりを見つけては見つめ、しばらくするとまた鏡か水面を探しながら歩いていく。
この習慣がついたのはいつからだったか。
男は、自分がかすんでいって、存在が虚ろになり消えてしまうような感覚になることがある。
だからそういうときは、大きな鏡を見て自分の存在を確かめる。そうでもしないと不安がまぎれなかった。
だが、きょろきょろと首を振りながら鏡を探し回る男の姿に、街の人たちは進んで関わりを持とうとしない。
男も同様に関わりを持とうとしなかったが、ある時、歩いていると二人の街の住民が男に話しかけてきた。
「なにか心配事でもあるのではないでしょうか」
「なにかあるのなら、私たちに協力はできないでしょうか」
男は人と話すのが久しぶりだったので、久しぶりに人と目を合わせた。
するとそこに自分が映っていた。人の目に映る自分を見ると、なんだかとても安心できた。
その日を境に男は積極的に街の人達に話しかけていくようになった。
最初こそ慣れていない分、不自然なところが目立ったが、すこし後には大勢の人と打ち解けていた。
以前の感覚はもうしない。
男は鏡を探さなくなった代わりに今日も街角で井戸端会議をしている。
『絵画泥棒』
とある住宅街。そこにあるごく普通の一軒家に、泥棒が入っている。一見して普通の空き巣だが、この泥棒には特殊な力があった。この泥棒、実は絵の中に入れるのだ。
多少飾り気のある家ならば、玄関やリビングに絵の一つや二つ飾ってある。泥棒は空き巣の最中、人が帰ってくれば絵の中に逃げられる。だから、安心して部屋を物色していた。
そうしているうちに、玄関で物音がする。早速、能力を使い近くにあった絵の中に入る。湖畔の森が描かれた風景画だ。都会にいては味わえないような、開放感と空気。やはり入るならば風景画だな、としみじみ泥棒は思う。
後ろを向くと、今度は外の様子が絵のように枠に囲われて見える。
「なんと言うことだ、泥棒に入られた」
帰ってきたのは、気の弱そうな老人の男性だ。この家の主人だろう。うろうろと、荒らされた場所を所在無さげに歩いている。
「やや、絵にもいたずらをされている。本当に嫌な泥棒だ」
絵の中の泥棒を悪戯書きされたものと勘違いしたのか、近くにあった雑巾を手に近づいてくる。
泥棒は絵の中に居るので外から見た自分は見えない。しかし、この男性が近づいてくる以上外からも見えるのだろう。このまま、雑巾で拭かれたらどうなるかわからない。たまらず泥棒は、絵から飛び出す。
「うわぁ。え、絵から人がでてきた」
立て続けに起きる、非日常的なことに耐え切れなかったのか、男性は気絶してしまった。 ここまで肝っ玉が小さいとは、少し同情的になった泥棒だが、逃げる隙が出来たことは運が良かった。
騒ぎになる前に、そそくさとその家を後にした。
泥棒は考えた。絵が一つでは逃げる場所も少ないし、今回のように見つかる可能性もある。
そこで泥棒は、芸術家の所に泥棒に入ることにした。芸術家のところなら、絵は沢山あるし、売れている芸術家なら金もあるだろう。
さっそく近くにある芸術家の家に泥棒に入る。何日も前から家の周りを張り込み、毎夜この時間は人がいなくなる。それでも前回みたいに不測の事態も考えられる。慎重に鍵を開け、家に侵入する。
家の中は暗いが、明かりを付けるわけにはいかない。持ってきた小さなペンライトで金目のものを探していく。
その時、外から砂利のすれる音がする。誰かが帰ってきたようだ。暗闇の中、泥棒は聞こえぬように悪態をつく。ついていない、そう思いつつ、絵のある場所を探しにいく。
「やや、鍵が開いている」
玄関の方から、声が聞こえる。これはまずい、焦った泥棒は急いでライトを消し、目の前にあった部屋に飛び込む。
ちょうどその部屋がアトリエだったのだろう泥棒の鼻に、絵の具独特の匂いがする。
迷っている暇は無い、泥棒は目の前にあった絵に飛び込んだ。
「それで、この男が泥棒に入ったのですか?」
アトリエに入ってきた警察官の前に泥棒が一人、うつろな目をして座っている。
「はい、そうだと思います。部屋が漁られて、金目のものを持っていましたから」
「しかし、奇妙ですな。なぜこの男は、こんなうつろな目をしているのでしょうな」
「よくわかりません。私が入ったときにもう既に」
この家の主である、画家が答える。
「そうですか。そういえば、この絵はなんでしょうか」
「これですか?私の作品です。一応、画家をやらせてもらっているので。近代アートと呼ばれるものですね。この作品のコンセプトとしては……」
警官は改めてこの極彩色の絵を眺める。ただ、絵の具を無節操に塗りたくってあるだけで、価値がある絵には見えないが、泥棒が心を奪われるぐらいの絵だ、とても価値があるものなのだろう。
芸術というものは理解できないものだ、画家の長々しい説明を聞き流しながら警官はそう嘆息した。
443 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/06/02(水) 01:18:08 ID:7T6FkioF
視覚だけじゃなく全身でだまし絵にかかったわけですねw
>>442 面白い!
ピカソの絵なんて、入ると意識崩壊するよねw
『タイムリープ』
アタシは今、時間をさまよっている。今日は金曜日だけれど、水曜日の記憶がまったくないのだ。そういえば月曜日の記憶もない……。
これはきっと、一日おきにタイムリープに陥っているに違いない。ということは、明日は日曜日のはず。休みなのだから遅く起きたっていい。ボトルのワインは心なしかいつもより早いペースでなくなっていった。
「おいっ! エスくんはどうしたんだ。このところ一日おきに遅刻しているようじゃないか」
「申し訳ございません。お酒は控えるように言ってあるのですが……。お酒を飲むと記憶が飛んでしまうようでして」
飲みすぎたら記憶飛びますけれどもw
447 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/08(火) 21:54:38 ID:cmbcwPtU
時間じゃなくて記憶を飛ばしたのか
傑作ができたww
449 :
創る名無しに見る名無し:2010/06/13(日) 23:48:39 ID:Hn4pNmAn
451 :
灰色埜粘土 ◆8x8z91r9YM :2010/06/24(木) 03:14:12 ID:2VNO7BsZ
助手がスレッドを過密化させようと、研究に打ち込んでいた。
「エフ博士、僕が作った装置を検査してもらいたいのですが」
「見せてみなさい。これは、スレッドに人を集める装置かね」
エフ博士は装置を一瞥して、機能を即座にいい当てた。
「はい。でも、見ただけでわかるなんて驚きです。まさかエフ博士も」
「いつだったかな、昔に作ったよ。お前も同じことを考えるとはな」
助手は得意げな気分になった。しかし、片手放しで喜んでいいのは装置が完成してからだ。
「エフ博士と同じものを作れたことを誇りたいところです。ですが、上手く作動していないようなのです」
装置の理論はこれでいいはずなのだが、装置を作動させてもスレッドに反応はなかった。
エフ博士は装置を確かめて言った。
「ふむ。この装置は正常に作動するぞ。もっとも、私が作った装置がすでに作動し続けているから、変化は無いように見えるがね」
「そういうわけでしたか。でもそうだとすると、装置があるのにこのごろ過疎になっているのはなぜですか」
「それはだな、スレッドに集まる人というのには二種類いるからだ。書く人がいて読む人がいる。
そして、私とお前の作った装置でできるのは、人を集めるところまでだ。書き込むかどうかはその人任せになる」
「なるほど。では書き込みがなくても、読んでいる人はたくさんいるかもしれないのですね」
「そうなるな。スレッドを見ない人は書き込みをしないが、読む人が書き手側となり
スレッドを盛況させてくれることは十分考えられる。そういうところから創作は始まるものなのだ」
「結局、エフ博士にも書き込む人が増えるかどうかはわからないのですね。
そして書く人をただ待つのではなく、自分がその先駆けとなることが大事であると」
エフ博士は大きく頷いた。助手は自分の言わんとしたことを全部わかってくれた。
今一度助手はスレッドに人を集める装置を起動させた。効果がでるかはわからない。
だが装置の効き目は気にせずに、助手は自分が創作を始めるための準備をし始めていた。
もしかして過疎スレでたまに見る定期的な「age」レスは
この装置の効果でしょうか
>>452さん
はいw確信があります。
エフ博士と助手以外にもスレッドに人を集めようとする人はいます!
おそらく、その中の誰かが過疎スレを見つけては装置を起動させてしまい、スレッドが上がるのですwww
でも唐揚げは駄目よ?
>>454さん
そうですねww
451自体もショートショートというよりは
ageのおまけで内容を付けたレスです。ただ上げるのでは味気なかったものでw
また楽屋ネタに走ってしまったw
どんどん走ってくださいw
>>456さん
まさかの後押しをいただけるとはw
様子をうかがいながら時々走らせていただきますw
ぜひぜひショートショートの方もお願いします
>>458さん
ありがとうございます(・∀・)/
星新一のクオリティーにはできませんけど、ひとまずこのスレッドが埋まった時、一番たくさんショートショートを書けてたらいいなと思います
楽しみにしてますので頑張ってください
>>460さん
ありがとうございます。
そのお言葉をいただけてより頑張る気になりました!
462 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/17(土) 11:50:43 ID:qMyME8aP
B氏はベンチに座っていた。
それは彼にとって一時的な休憩と、買い物について試行錯誤していることを意味する。
「さあ、コーラを買いに行きましょう」
コーラを飲みながら彼は言った。
「コーラおいしいです」
「違います、それは醤油です」
463 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/23(金) 12:27:24 ID:iI4EF2IZ
「胃袋」
『地球を守ろう!』
『地球環境を守る募金に協力を!』
街頭でそんな声が聞こえてきた…
そう、地球は生きている…自分の表皮に大規模な
生態系を繁殖させた後で捕食するのだ・・・
大絶滅とは地球の捕食サイクルに他ならない。
だが最近、地球の胃袋に穴が空いてしまった…
表皮の微生物が胃の内容物をストローの様に吸い
取っているからである。
そして、その内容物を養分として消費している
らしい事は地球も何となく分かっている。
最近、やけに暑いのも、たぶん表面の微生物の
活動のせいだろうか?と思う地球であった。
『どうせ後で食うんだし、まあいいか』
と思っていた地球であったが、
『でも、他の星にこのバイキンをうつす前に始末しておくのがいいかな?』
次の瞬間、火山が地球のあっちこっちから噴火し地球全土は
真っ赤なウンチに飲み込まれた。
>だが最近、地球の胃袋に穴が空いてしまった…
メキシコ湾の原油噴出のことだろうか・・・
化石燃料でしょう多分
>>463 最後の一行シモネタで笑ったw
466 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/29(木) 15:28:10 ID:L4Y24Mpt
『裸の異星人』
とある研究所で宇宙船が発射された。この宇宙船には、様々な人種の人間の裸の図や地球の位置など、地球のことについての様々な情報を記したプレートが取り付けてあった。
宇宙船は当てもなく宇宙を漂い、とうとう知的生物が存在する惑星にたどり着いた。
その惑星はとても地球に似ていて、支配している生物もとても人間に似ていた。
宇宙船を発見したその人間に似た異星人はプレートを見てこんな話をしていた。
「おい、見てみろ。この板の宇宙人の絵、まるで僕たちにそっくりじゃないか。でも、この絵からすると、この異星人たちはどうやら僕たちみたいに服を着たりせずにみんな素っ裸なようだ、全く持って不思議だね。」
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元ネタはなんかの漫画か挿絵のやつだと思う。
467 :
創る名無しに見る名無し:2010/07/29(木) 18:25:26 ID:JfntMwf/
星新一って1ページだけのショートショート書いてたきがするんだけど
なんてタイトルだっけ?
>>466 その元ネタではないと思いますが、普通の宇宙人が人間に姿をかえて地球へ行くが、服の情報は記されていなかったので地球人から変人のように扱われるオチのショートショートなら見たことがあります。
元ネタの元ネタはたぶん、パイオニア探査機の金属板なんでしょうね。
>>467 『表と裏』だと思います。
1ページで書かれたショートショートは自分の知る限りこれ一つだけです。
ついでに言えば『ボッコちゃん』に収録されてたんじゃないかと思います。
469 :
467:
>>468 ありがとう
1ページのショートショートだったけどすごい印象強かったからタイトル知りたかったんだ
でも、これじゃショートショート“ショート“だよ・・・