遅れてしまってごめんなさい。以上です。
ようやく役者が揃って来ました。これからです。ノシ
おっつー!
乙です
229 :
メサルギア:2010/06/10(木) 23:37:49 ID:F6+Buj7H
俺は梨花の話を全て聞き終えて漠然とした,世界は一つではなくいくつもの世界がある
世界はお互いを干渉しない、だから普通の人間では他の世界があるとは分からない,しかし彼女はその全てとリンクしている
彼女は他の世界で何度も悲劇を繰り返し、この村では何度も戦場となった
そのたびに彼女は戦場にならないように努力した、しかし全て努力は水の泡となり戦場となり、彼女は死んでいった
回避できたのはこの世界だけ、彼女は話した『あなたが全てを終わらせてくれた』
そんな馬鹿な話があるかと俺は言った、だが彼女の目は真実を語っている眼だった
「少ししゃべりすぎです梨花、スネークの頭がパンパンになってます」
「そうね、スネーク少し喋りすぎたわ」
「今日はこの部屋で休んで、続きは明日話すわ」
「ああ、なかなか楽しい物語をありがとう、今日は良く眠れそうだ」
「はぅ〜スネークが信じていないのです」
「仕方ないわ羽入、だって彼はこれから来るんですもの」そういって彼女は部屋を出て行った
「真実か、ただの物語か」
俺はその夜寝ることはできずに朝になった
「朝か・・・」
「その調子じゃ寝れなかったようね」
「おかげさまで」
「少し外の空気を吸ってきたら?
ここの朝は気持ち良いわよ」
「そうさせていただく」俺は彼女の家を後にして山に出た
「空気が澄んでるな」
昨日教えられていたのは偽か真実か?矛盾だらけの謎だけが頭の中に残る
あたりに朝霧が立ち込め、俺が橋を渡っているときだった
「また会ったなスネーク」
「!」向こう岸から懐かしい声が聞こえた、しかし霧が邪魔をする
「誰だ?」俺は構えた
「私だスネーク」霧の中から声の主が現れた
「ビッグボス」彼だ、俺が最後に見た彼だ、片手にパトリオットを持っていた
「久しぶりだなスネーク」
「あ、あんたは死んだはずだ、何故生きている?」彼は俺に向かって歩み始めた
「確かに私はあの場所で死んだ、だがお前は昨日聞いたはずだ、世界には平行した別の世界があるはずだと」
「梨花の話か」
「そうだ、今ここにいる私は別の世界の私、お前の世界の私ではない」
「じゃあ、その別のビッグボスが俺に何のようだ」
「今、世界は崩壊を始めている」
「馬鹿な、世界は平和になったはずだ、戦争は終わった」
「言い方を変えようスネーク、今世界はお互いを干渉を始めている」
「何が言いたい」
「梨花が言ったように世界は干渉せずに平行に保っている。
しかし今世界が干渉をはじめ、一つの世界になろうと融合を始めている」
「どういうことだ?」
「世界は過去と未来でできている、原因と結果だ
しかし今の世界が成り立つには一つの原因が抜け、世界が不安定の状態になっている
それを補おうと世界は別の世界は取り込み安定を図ろうとしている。
不安定になった原因、それがお前とこの村だ」
「スネーク、お前の最後のミッションは、世界が崩壊を始めた原因を調査し処理を行え」
「無理だ、その話が本当なら、俺は過去に行かなくてはいけない
あいにくだが、この世界には過去にいけるデロリアンもないし、猫型ロボットもいない」
「だからこれからいくのだ」ドン
「さあ、行ってこいスネーク、お前の選択肢がこの世界を変える」
「ビッグボスゥゥゥゥ」俺は落ちるさなかオタコンたちが言っていた灰色のオーロラが俺を包み、俺は気を失った
(・・・俺は死んだのか?)手足の感覚はある
(・・・確か俺は橋からビッグボスに落とされて)しかし体中が痛い
目を開けると見慣れない天井が見えた
「・・・ここは?」
「気がつきましたか?」俺の視界に眼鏡をかけ、白衣を来たドクターらしき人が見えた
本編乙! いよいよひぐらし側も潜入か、でも絶対スネークの邪魔になりそうな気がするw
メサルギア乙! なんかもうシリアスなのかギャグなのかわからないところがいいw
どちらも次回が期待できて仕方ない。ガンガレ!
ほしゅ
232 :
メサルギア:2010/06/18(金) 23:34:04 ID:eqxGF8uj
視界がはっきりしてきた、白衣を着た眼鏡の青年の顔がはっきりわかる
「・・・ここは?」
「ここは病院です、っといってもただの村の診療所ですが」起き上がろうとしたが全身に痛みが走った
「ッ」
「ああ、まだ起き上がらないで全身打撲で済んだのが奇跡なんですから」
「入江入りますよ〜」ドアから誰かが入ってきた
「ああ、さっき意識が戻ったよ」
「・・・ん?」見ると小学校の低学年くらいの子供だった
「外人さん大丈夫なのですか?」
「全身打撲だから直ぐに退院できますよ」
「大丈夫ですか?」彼女の顔が俺に近づく
「ああ、大丈夫だ」
「この子があなたを助けてくれたんですよ」
「みぃ〜照れるのです」
「ああ、ありがとうお嬢さん」
「えへへなのです」
「ところで雛美沢に戻りたいんだが?」
「ん?ここが雛美沢ですよ」
「そうか、じゃあ古手梨花と言う女性の家に厄介になっているんだがどう行けばいい?」
「みぃ〜私が古手梨花ですよ」
「え?」
「梨花ちゃんの知り合いかい?」
「みぃ〜外人さんの知り合いは居ないのです」
「俺が知っている古手梨花は20くらいの女性だったが」
「みぃ〜何がなんと言おうと私が古手梨花なのですよ、変な外人さん」
「なんだか話がかみ合わない、ここは本当に雛美沢なのか?」
「だからそうだって言ってるじゃないですか」
「頭も打ってるようですから、少し混乱しているんでしょう、今夜はここで入院です」
「おいおい、俺は」また体中に痛みが走る
「今日一日しっかり休んでください」
「みぃ〜しばらくここに居るといいのです、お祭りが近いのです」
「ところでお嬢さん君が俺を助けてくれたの言ってたが俺はどこに居たんだ?」
「橋の下ですよ」
「覚えていないんですか?」
「俺は・・・」覚えてるさ、ああ覚えてる、俺はビッグボスに突き落とされた。
ビッグボスは言った俺の選択が世界を変えると
「・・・選択」
「洗濯しにいったのですか?」
「あ、ああ、そうなんだ恥ずかしい話、洗濯をしに行く途中に足を滑らして落ちたんだ」
「そんな馬鹿な」
「あるさ人間、歳を重ねるにつれて足腰が弱くなるからな」
「どこから見ても20代にしか見えませんがね」呆れた顔をして鏡を持ってきた
「これでも年寄りですか?」自分の顔を見た
「!」
自分の顔だ
しかも若いときの顔だ
白髪も白ひげもない顔だ
「ここに全身が移せる鏡は無いか?」
「ええ、診療所の中にありますが」俺は立ち上がり、鏡を見た
「昔の体だ、若返ってる」
「やはり、頭を打ってるようだ、少し入院しましょう」入江が俺を追ってきた
「すまんが最後に一つ聞きたい」
「もう何ですか」
「今何年だ?」
「昭和58年ですよ」
「西暦で」
「1983年です」
・・・本当に過去に来てしまった
乙!!
メサルギア乙!
えーそしてこのスレをみていただいている皆様にご報告です。
本編氏に許可をいただき、よりリレーSSとして終盤まで投下ペースを上げるため、元本編ことワタクシめも本編の執筆に参加させていただくこととなりました。
どうかよろしくお願いします。
さしあたって、スネーク、オリキャラ「桜花」で投下いたします。
――無機質な金属で構築された施設の通路を、俺は慣れた動作で進む。
その一歩、一歩は、俺の知らない先の闇を切り裂いていく。
その前に、敵がいたとしたら。
その先に、罠があるとしたら。
俺の体は、その対処の方法が隅々まで染み込んでいる。
潜入任務は、どんな場所であれ、どんな状況であれ。
俺を確実に、俺たらしめていた。
不意に、耳小骨に振動が響く。
通信機能が作動し、誰かが俺を呼んでいることを悟る。
周囲に敵影が無いことを確認し、通信に応じる。
『こちらスネーク』
『スネーク! ああよかった! やっと繋がった!』
慌てたような、焦ったような、だが懐かしい声が俺の名を呼ぶ。
『その声は?! オタコン! お前なのか!』
『……う・そ』
唐突に友人の声が、少女のものに変わった。
『……何だ桜花。遊びで通信をするな』
少女の悪戯に、俺は不快を隠さずに答える。
『くす、ごめんなさい。でも似てたでしょ?』
『似ていたなんてもんじゃない。まるで本人だった。あの上ずった情けない声なんか、オタコンのやつそのものだ』
『あら、それは本人が聞いていたら怒るんじゃないかしら?』
『聞いていればな。だがここは日本で、おまけに過去の世界だ。聞こえているわけが――』
『ごめんなさい。実は通信を未来に繋げていたの。ばっちり向こうに聞こえてるわ』
無邪気な笑いとともに、小悪魔はさらりと言った。
『……冗談だろう?』
『本当よ』
微かな沈黙のあと、俺は息を吐いて、気を取り直すことにした。
『なら向こうと連絡が取りたい。通信は可能なのか』
『ごめんなさい。たった今、回線が途切れちゃったわ』
『おい』
『仕方ないのよ。未来との交信は調整が難しいの』
『……』
『……気を悪くしちゃった? それなら謝るわ』
『……別に』
『うそばっかり』
『もう用は無いな。それなら――』
『あるわ』
『どんな?』
『あなた以外の侵入者についてよ』
『何?』
聞き捨てならないことを言う。
『詳しくは、そうね……実際に見てもらったほうが早いかしら?』
『できるのか?』
『あなたがいるのは居住区でしょう? それならもう少し進んだ先のフロアにコンピューターがあるわ。わたしがそれにアクセスして、映像を映すわ』
『そうか。それならそのフロアまで行こう』
『ええ。それじゃ後でね』
通信が途切れる。
子供のお守りのようなやり取りに息を少し吐いてから、俺は目的の場所に向かうことにした。
目的のフロアの前には、兵士が二人哨戒していた。
互いに前後を見張り、警戒に余念がない。
しかし二人くらいなら――俺は手に握った麻酔銃を、ホルダーにしまう。
使える道具は限られている。なるべく温存すべきと判断した俺は、先程無力化した兵士から鹵獲した空弾倉を、天井めがけて放り投げた。
カツン――ッ。
金属の高い音は確実に二人の耳に届く。
「何だ!?」
二人が一斉に同じ方向を向いた瞬間――、俺は一人の背中に密着していた。
両腕を用いて、兵士の体を拘束。そして、重心を一瞬で崩し、僅かな力で、その男は両足が空中に舞った。
そして、さらに前方にいた兵士めがけ、その男を投げ飛ばす。
俺に投げられた兵士は頭を床に打ちつけ。そしてもう一人も、男の踵を脳天に食らい、二人とも昏倒する。
気絶した二人を部屋の中に運び入れ、ロッカーの中に隠した。
一連の作業が終わった直後。
「あら、どうやら問題ないようね」
桜花の声が聞こえた。
「……まあな」
適当な返事を返す。
コンピューターの電源が起動する。桜花の声が聞こえたモニターは、電子的な数字や数式を高速で羅列していく。
「少し待ってて。もうすぐ映るわ」
その電子的な動作が止んだ直後、桜花の言ったとおり、侵入者の姿が現れた。
そして映りこんだ画面を、俺は目を疑った。
圭一?
レナ?
魅音、沙都子、梨花――、それだけじゃない。富竹や赤坂も、あの入江もいる。かなりの大人数で、彼らはこの施設の中を移動している。
「桜花! これはどういうことだ!? なぜあいつらがここに――」
「さあ? 知らないわ」
それは当然の返答だろう。
だが、もしや彼女が呼び寄せたのではという思いもあったからこそ、確認せずにはいられなかった。
「桜花。お前が、あいつらをここに呼んだわけじゃないんだな?」
「私が? なんのメリットがあって? 彼らをここに呼んで、何の得があるのかしら? むしろこの場合は――」
そうだ。この場合は。
「……デメリットのほうが大きい。仮にあいつらが拘束されれば、オセロットに人質に使われるはずだ」
「そうね。そしてそれは、あなたの任務遂行の妨げ以外の何者でもない」
それは、彼女にとってもデメリットのはずだ。
「なぜ来たんだ……圭一、レナ……みんな」
歯噛みしながら、俺はモニターを見つめる。
「もしかして、助けに来たのかしらね?」
「何?」
「あなたを」
桜花の意外な言葉に、俺は目を丸くする。
あいつらが……俺を、助けに?
「もしもの話だけどね。考えられないことじゃないでしょ? 彼らのお節介焼きは、あなたもよく知ってるでしょうし」
くすくすと笑いながら、桜花の声はそこで途切れ、映像もそこで途切れた。
なあ、大佐――このミッションは、今までで一番。
「……厄介な任務になりそうだ」
真っ暗なモニターを眺めながら、俺はそう零した。
以上、この辺でまずは様子見です。
238 :
メサルギア:2010/06/29(火) 03:16:39 ID:xl4aiDfZ
気づいたら夜になっていた
1983年に本当に来てしまってしまったんだろうか
オタコンに電話をかけても繋がらない
「ここは本当に1983年よスネーク」病室に朝会った少女が居た
「やっぱり君は、古手梨花なんだな」
「ええ、そう、私は古手梨花、あなたがあったのは未来の私」
「何で俺は過去に」
「あなたは既に知ってる、ここ来る途中に聞いたはず」
「俺はBIGBOSSに」
「あなたの選択が、未来を変える」
「ここで何をすればいいんだ」
「私はあなたがここで何をしたのかわからない」その後も淡々と話し始めた
ここで起きる悲劇、村の人、悲劇を生み出す源
「わかった、整理しよう」
「俺は1983年にいる、これは間違いないな」
「そう」
「っで俺はここでその悲劇とやらを回避するために未来から来たと」
「少し違う、あなたがここに来た理由は、あなたが居た未来にするためにあなたが居る」
「はぁ〜」俺は深いため息が出た、余計にわけが分からない
「まあ結果は同じなんだけどね、どうするのやるのやら無いの」
「やるしかないだろ、世界の崩壊だがなんだか知らんが、様は悲劇を回避しなければならないんだろ」
「じゃあ、しばらくはうちに来ると良いわ」
「ああ、未来でも世話になったからな」
「じゃあ、また明日ね、スネーク」パタン
彼女は病室の扉を閉じ、また静かな夜が戻った
「ここで何をすればいいのか?」
「犯人が分からなかったら、戦争と言う名の悲劇を生み出す・・・か」最悪のシナリオを回避する、それは容易じゃない
「まあ、今愚痴ても仕方ない、せっかく若いときの体に戻ったんだ、どこまで動けるか見てみるか」俺は病室を抜け出し、月夜が照らす外に出た
「走っても息切れがない、体も昔のままか」
俺は走った、昔、まだ俺が若かった時代、アウターヘブン、シャドーモセス、タンカー、プラント、全ての戦いの記憶がフィードバックしていた
「はぁ、はぁ、随分と走ったな」
夜空を見上げる、息が白い、こんなに静かなのに戦場になるのか
「お前がスネークか」
「!」声が聞こえた
「誰だ」声のするほうに目を向けると灰色のオーロラがあった
「そんなに構えるな」オーロラからコートを着た若い男が出てきた
「お前にお届け物だ」男はバックを俺に渡した
「これは?」バックにオタ魂と書かれていた
「さあな、中は見ていない、眼鏡をかけた細い男が、お前に届けてくれってな」
「お前は何者なんだ?」
「質問ばかりだな」
「お前は俺の未来から来たのか?」
「俺に未来も過去も無い、俺は世界を旅している」彼は灰色のオーロラへ歩き始めた
「俺は門矢 士だ」彼は完全にオーロラに飲まれ、俺はバックの中身を確認した
「麻酔銃にスニーキングスーツ、後は無線機?」無線機を手に持ったときだった
「・・・ネーク、・・・−ク、・・・える?」
「その声はオタコンか?」
「スネーク、聞こえる?」
「ああ、オタコン」
「よかった、スネーク、やっぱりあの人が言った通り過去に行ってしまったんだね?」
「ああ、どこから話せばいいんだか」
元本編氏、メサルギア氏乙です
楽しみだなあ,wikiのCQC編見て興味持った
なかなか面白いですね
◆k7GDmgD5wQ氏が規制中なので、代理投下致します。
私達は子供だ。
まあ、ここには赤坂や入江や富竹もいるから、全員が子供だとは言い切れないのだけど。
それは疑いようの無い事実なのだし、どう言い訳しても騙せるものではないから、認めてしまったほうがいい。
そう。私達は子供。
だからこそ、私達は自分たちの弱さを知らなければならない。
私達がどうしようもなく子供で、弱くて、小さいものだということを、認識しなければならない。
……それは、私達の敵にも、言えることだが。
唐突に響く爆発音。
手榴弾のそれからは、爆風と人を殺傷する金属片が飛び出す代わりに、密度の濃い煙幕があたりを覆う。
「スモーク!?」
敵の一人が動揺した。煙幕によって私達の姿を確認できない敵が、闇雲に銃を乱射する。
「くそっ! 敵はどこだ!?」
「グレネードを投げ込んでやれ!」
動揺は更なる焦りを生み、焦りは判断を鈍らせる。
グレネードの起爆ピンに手をかけた兵士は、その時、自分の手元しか見えていなかった。
「――遅い」
自分のすぐそばで聞こえてきたその声に顔を向けた瞬間、その兵士は赤坂の拳に自分の顔面を殴り飛ばされる寸前を目の当たりにして――、意識を失った。
その刹那、更なる銃声が聞こえた。
兵士達のすぐ上から聞こえてきたその着弾音は、通路の照明を全て破壊し、彼らの視界を暗転させる。
「み、見えないっ!」
「退避だ! 退避しろぉっ!」
後退しようとした兵士達だったが、間髪入れず、赤坂が彼らの前に踊りだす。
赤坂の急襲に動揺した兵士達は、一斉にライフルを赤坂に向けようとして――背後にいた、私たちの味方であるジョニー達に拘束された。
「やったぞ! このエリアは掌握した!」
ジョニーが叫ぶ。その言葉を合図に、隠れていた私達は一同に顔を覗かせた。
「いやー、ほんっとすげえ銃撃戦だったな。この迫力ならどこぞの映画なんか超えるぜ」
圭一がふざけ半分に言う。
「うーん、でもおじさん出番なくて残念だったよ。それにしても富竹のおじさま、銃の扱い慣れてるねぇ」
魅音がそう言うと、富竹は、いやぁ、ははは、と相変わらず煮え切らない態度でお茶を濁す。
「それにしても、さっきは私達、ほんとうに出番がありませんでしたわ。活躍の機会がないなんて、部活メンバーとしては名折れじゃございません?」
沙都子が軽く息を吐いて言う。
「いやいや沙都子、あの状況ではおじさん達が動くのはかえって危険だよ。実戦に慣れているジョニーさん達や赤坂さんに動いてもらったほうが、一番確実だよ」
魅音が先程の戦闘を分析する。確かに、通路という閉鎖的な場所で、しかも銃撃戦を辞さないあの状態では、私達にできることを探すほうが難しい。
私達は、弱い。
だからこそ、自分たちの命を守ることを最優先し、隠れた。
それが、最も良い選択だった。
「しっかし、なんだろなーこの緊張感! まるで部活中の隠れ鬼をやってる時みたいだったぜ!」
「うん! 魅ぃちゃんもしかして、こういう時のために、隠れ鬼ごっこをやってたのかな? かな?」
圭一もレナも、私達がスムーズに隠れることが出来るのを、魅音の部活の成果だという。
実際、そうなのかもしれない。
魅音が今までに行ってきた破天荒な部活の数々は、極限状態で行動するための確実な指針になっていた。
突然、電子的なコール音が響く。
ジョニーが持っていた通信機が作動している。
「こ、こちらジョニ……、いや、こちら“ひぐらし”状況はクリア、現在鳴いている」
ジョニーが言ったその言葉は、私達の間で取り交わした暗号だ。
ひぐらしは、私達のこと。魅音の言葉を借りれば、いわば本体、本丸のこと。
鳴いている、とは、私達に危機的な状況がない。と、いうことだ。
「そ、そうか……了解した」
通信を終えてジョニーがこちらを向く。
「いま“あぶらぜみ”から連絡があった。先のフロアまでクリア、移動可能だ」
あぶらぜみもまた、私達の仲間となった兵士達のチーム名だ。
「よーし、そんじゃ先に進もうかみんな!」
部長の決定に、おーう、と私達はそろって声を上げた。
こんな状況でも、明るく、希望を持った声で。
「……みんなに聞きたいことがあるのです」
ただ一人、羽入を除いて。
おずおずと、羽入が口に出す。
「ん? どったの?」
魅音が羽入に聞き返す。
羽入は、困ったような顔をしながら、言い出しずらそうに、口を動かす。そして深く息を吸い込んだあと。
「みんなは、本当によかったのですか?」
そう言った。
「よかったって……何がだよ?」
圭一が羽入に尋ね返す。
「みんなは、スネークを助ける。それが目的でここに来ました。……僕も、最初はそれが正しいと思いました。けど……、本当に、それでよかったのですか?」
羽入の声は、震えていた。
それは言葉として出してはいないけれど、皆には十分伝わった。
羽入は――、いや、ここにいる全員は、死ぬことについて、どう思っているのかと。
「正直に言います。僕は……怖いです。さっきの戦闘も、これから向かう先で起こることが何かわからないのも。さっきのような戦いがまたあれば、今度は、誰かが死んでしまうかもしれない……、そんないやな考えが、ずっと頭の中を駆け巡っています」
羽入の心配は、ここにいる全員の不安を代弁するものだった。
「スネーク、……先生は、潜入のプロだと、ジョニーさんも言ってました。それなら、僕達が行っても、かえって邪魔になるかもしれません。それなら、いっそ、ここで引き返すということも……」
「……それは駄目だよ。羽入ちゃん」
羽入の言葉を、レナが打ち消す。
「え……?」
「ああ、レナの言うとおりだぜ」
圭一がレナの言葉を取り次ぐ。
「なあ羽入、……確かにスネークは潜入のプロだ。“気付かれずに敵地に入る”ってんなら、一人で十分だろ。けどな……」
「……けど?」
「ここは俺達の雛見沢で、俺達が暮らしてる場所だ。だから俺達が、ここで起きたことを見届けないでどうするってんだ?」
雛見沢の人間だからこそ、この先の未来を見届けたい。そう、圭一は決意の篭った眼差しで言った。
「……で、でも、そのためにみんなが犠牲になったら……」
「それにね、羽入ちゃん。レナ達に隠れられる場所なんて、どこにもないよ?」
「え?」
「そうだね。私達はどうであれ、スネークと同じ敵に歯向かった。それなら、敵がこのまま見逃すとは思えない。家に帰って日常に戻るなんてことは、この戦いが終わらない限り訪れない」
魅音が、自分たちの状況について口を挟んだ。
「そ、……それなら、魅音さんのお家の地下室に篭って、じっとしているというのは」
「……それも無理だ。あれだけの力を持った敵だよ。その戦い方は通用しない」
どんな巣穴に隠れようとも見つけ出される――さながら、猟犬に睨まれた兎のように。
「だからこそ、私達から攻め込んだんでございましょう?」
挟み撃ちを避けるために来た道にトラップを仕掛け終わった沙都子が、にやっと笑って言った。
「その通りだよ沙都子。向こうは私達を子供の集まりだと思っている。そこが私達の最大の強みさ」
「ああ、そんな間違った認識しか持ってないってんなら、そいつは改めさせてやらなきゃな。俺達はただの子供じゃない。雛見沢最強の一個戦隊だってことをな」
私と、羽入以外の全員が、笑顔で答えた。
「……はい。僕は、みんなを信じてます」
それは、羽入の……いや、私達の不安を掻き消すのに、十分すぎる力だった。
私は羽入の傍に近づいて、そっと囁く。
「ありがと、羽入」
「なんのことですか?」
「あなた、みんなが不安を隠してないか知りたくて、あんなこと言ったんでしょう?」
「……怖いのは事実ですよ。それよりも、みんなが意外なほどしっかりしていて、そっちのほうがびっくりしたのです」
不安を持つ――それは、私達にとって、致命的なこと。
雛見沢症候群を引き起こす可能性を広げるものだ。
だから羽入はそれを知りたかった。この戦いにおいて、その致命傷をもつ者がいるのかと。
しかし――、それは杞憂に終わったようだ。
今のところは。
「待ってくれ皆、ここで少し休憩しよう」
通路の先頭に立って歩いていたジョニーが、急に立ち止まり、全員に対してそう言った。
「休憩? どうして?」
魅音がジョニーに尋ねる。
「魅音、察してやれよ……」
圭一が魅音の肩に手を置いて言う。
「え? え、あ、あーー、そっかそっか。……ど、どうぞごゆっくりー」
「え? あ、ああ、そう」
ジョニーはそう言いながら、居住区の一室に入っていく。
圭一達は知らなかったことだが、ジョニーはその時、トイレではなく。
すでにその部屋には、入江と富竹、そして赤坂が入っていた。
「ジョニーさん、貴方に言われたとおり、集まりましたが……何かあったんですか?」
入江がジョニーに尋ねる。富竹も赤坂も、その内容について耳を傾けた。
「ああ、実は、……“あぶらぜみ”の通信が途絶えたんだ」
「それは、本当ですか?」
今度は富竹が尋ねる。
「本当だ。向こうの通信機が全く作動していない。それはつまり――」
「すでに、彼らは全滅している……と、いうことですか」
赤坂が言った言葉に、入江と富竹の表情は悲痛なものになる。
「それなら、このまま先に進むというのは」
「敵と遭遇する可能性が高い。だから別ルートで迂回しようと思う。それと――」
「それと?」
「これだけの大人数だと、敵に遭遇した時に不利になる場合がある。だからここからは分散して進んで、後から合流しようと思う」
「……確かに、僕達は少々多すぎる。敵地ではあまり良い編成ではないな」
富竹がジョニーの意見に賛成した。
「しかし、子供達は納得するだろうか」
赤坂はそう言うが、他に良い代案があるわけでもない。
「子供達には納得してもらうしかない。分散するといっても、少しの間だけだし、そんなに心配することでもないと思うんだ」
「そうですね……」
赤坂が納得すると、入江がおずおずと手を挙げた。
「あの……それなら、少しお願いがあるのですが」
「なんです? 入江二佐」
「すいません……軍籍で呼ばれるのは慣れてないんですが……まあそれはともかく、実は、寄り道したいんです」
「どこです?」
「この居住区……つまり人がいる場所なら、必ず医務室があります。……そこに」
「入江先生……まさか」
富竹が察したように、入江に声をかける。
「はい。……雛見沢症候群の抑制薬を手に入れたいんです」
「雛見沢……症候群?」
ジョニーが聞き返す。
「ええ、一種の風土病です。過度の恐怖や不安が、パニック障害をはじめ、様々な症状を引き起こします。このような極限状態なら、誰がいつ発症してもおかしくないんです。……だから」
「先生だけでは危険です。……僕も行きますよ」
富竹がそう言うと、入江は。
「いえ、富竹さんを巻き込むわけには」
「なに言ってるんですか。お互い仲良く拘束されてた仲じゃないですか。ここまで来たら一蓮托生ですよ。それに、僕も試したいことがあります」
「それは?」
「“番犬”への連絡です。通信網が遮断されていたとしても、敵の中枢ならそれがないかもしれません。試してみる価値はありますよ」
「それでは……」
「ええ、僕は通信施設へ。入江先生は医務室へ。赤坂さんとジョニーさんは子供達と一緒に先へ向かってください」
富竹の提案に、赤坂はゆっくりと頷く。
「わかりました。気をつけてください」
「そちらこそ」
赤坂が差し出した手を、富竹が握る。
その上にジョニーが手を載せ、最後に入江が手を置いた。
――必ず、生きて、また会おう。
男達の約束は、それで十分だった。
「はいはーい! それじゃみんなでくじ引くよー。赤い印があった方がAチームだからねー」
魅音の仕切りで、私達は2つのグループに分かれる。
そのほかにも、入江と富竹は別な目的で動くようだった。
「監督ー、富竹さんもまた捕まらないでくれよー!」
「ははは、……そうだね。今度はそうならないようにするよ」
「僕達にも何人か兵士の人達がついてくれます。圭一君達こそ、気をつけてください」
「わかってるって! じゃ、また向こうで会おうぜ!」
「うん! じゃあまた!」
手を振って、お互いに別の道へ向かう。
この先、どんなことがあろうと。
私達は全員で彼の元にたどり着く。
そう、強く決意していた。
……決意、していたんだ。
以上、◆k7GDmgD5wQ氏の文章でお送りしました。……最近投下できなくてすみません。
氏のレスにもありました通り、これからは二人で本編を進めて行くことになります。ノシ
リアルタイムで投下を見れたのは初めてかも
両氏とも乙です!
保守
TIPS:「桜花」
新型メタルギアがある地下施設。その施設の中でも、さらに奥の最下層、開発区。
この地を破滅に導くであろうその兵器の中に、「彼女」――「永久機関」を制御する人工知能「桜花」の意識はあった。
彼女は、じっと待っていた。
自分だけの力ではメタルギアを動かす事が出来ず、機能を破壊することすら出来ない。
「父親」一人すら、助けることが出来ない。
その二つの願いを、同時に満たしてくれる存在――ソリッド・スネークが現れる事を待ち望んでいた。
彼や「父親」が所有している無線機や、施設に取り付けられた電子機器を通じて、施設内の状況を把握しつつ、待っていた。
彼を待ちつつ、彼女はある事を考えていた。
『……わたしは機械』
自らの足で立って、物事に干渉することが出来ない。感情らしきものがあったとしても、それは偽りのもの。
そう、理解していたはずだった。
『なのに、この感覚は何……?』
開発区から離れた、さらに上にある、施設の入り口付近。新たな“侵入者達”が、施設の奥へと進んでいた。
彼女は、彼らはスネークの任務の障害になるだろうから、正直に言って邪魔だと思っていた。
だがしばらくして、彼らが奥に進むにつれて。
……彼女が彼らに意識を向けると、“感情”のようなものが、ざわめくのを感じた。
あえて形容するならば、それは「懐かしさ」という名の感情だった。
自分は数年ほど前に生み出された「人工知能」。まともに会話したのは、生み出した「父親」だけ。
その「人工知能」が、「懐かしさ」など覚えるはずも無い。
桜花は、自分から生まれた新たな感覚に戸惑っていた。
潜入してきた彼らの中にいる、一人の少女。
桜花を戸惑わせている感覚は、その少女からもたらされているものだった。
――子が親を殺し葬らなければならぬとは聞いたことがありませぬ。
――我は人にあらず。我は鬼であり、乱れし世の災厄を引き受け、人心の乱れをその身で祓うのがその使命。
――なぜ人の世の罪が、母上ひとりに背負わされなければなりませぬか。
あるはずの無い、昔の“記憶”。
――人は罪に溺れながら生き、それを誰かに押し付けねば生きてゆけぬ。
我がそれを背負い、人が祓うことで、人は人を疑い争う宿命から解放される。
全ての罪と穢れを、業と呪いを我が身に。我を討ち、祓い、沢に流し、沼に沈めなさい。
人の身に負わせるようなことがあっては、人は疑心の鬼から解放されぬのだ。
――わかりませぬ。わかりませぬ母上。
母上には確かに角がありますが、角があろうとも、私にとって母は人以外の何者でもありませぬ。
――我が子よ、お前だけがそう言ってくれる…。皆がどれほど私を罵ろうとも、お前だけが私を人だと言ってくれる…。
『「母上」なんて……いないはずなのに。……でも、あの人は……?』
ある光景が浮かぶ。自分が知るはずのない光景が。
鬼ヶ淵沼。その側にはたくさんの村人。
沼に背を向けて立っているのは、角が生えた鬼神。
その鬼神に向けて、枝を垂らす柳のような剣を向けているのは――。
『わたしは――……私、は…………?』
思考にノイズが入る。
人工知能は、そこで考えを中断した。
『……何だったんだろう……。バグ、じゃないみたいだけど』
何者かが桜花のプログラムを妨害している様子でも無かった。
敵意も障害も見あたらず、ただそこに残ったのは“感情”だった。
懐かしさに似たもの、そして何かを思い出さなければならないと言った使命感。
うーん、何だろう、と彼女は考えるが、それを答えるものは何も無かった。
ただ一つ、言えることは。
『今度から、“こっち側”も気にしてあげなきゃね。……邪魔者扱いは出来ないみたいだし』
新た“侵入者達”――圭一達を“見”ながら、彼女はそう決断した。
約一ヶ月ぶりの投下となってしまいました。
以上ですノシ
本編乙。
投下します。
ちょっと長いので、途中で区切ることになりそうです。
――部屋を後にする。
本当に、ここ雛見沢での任務は……厄介なものになりそうだった。
それでも、先に進むしかない。
先ほどの映像では、圭一達はまだ居住区にいる。
しかし、今から引き返しても合流出来るかどうかはかなり怪しい。行き違いになる可能性の方が高い。
一刻も早く、メタルギアを破壊するためにも、今はただ施設の奥深くへと向かう。
……圭一達が捕まらないだろうか、という不安もある。
だが彼らは、大勢の“仲間”を引き連れてきたようだった。
それに、圭一達なら、“ブカツ”メンバーなら、きっと捕まらないはずだ、という希望的観測もあった。
――彼らを信じるしか、無い。
あいつらは俺を信じている。なら、俺もあいつらを信じよう。
通路を曲がる。すると、桜花が言っていた通り、開けた場所に出た。
やはり兵士が巡回している。右奥の方に目を向けると、扉の横に兵士が一人立っていた。
あそこが研究区への入り口なのだろう。
辺りをもう少し観察する。監視カメラが壁際に取り付けられていた。死角を利用すれば問題は無い。
後は、兵士を排除して地下へと向かうだけだ。
足音を立てないようにして進む。すぐ近くに、辺りを見渡している兵士がいた。
CQCを仕掛けられる間合いに入った瞬間、俺は兵士の肩を掴んだ。
そして体を反転し、勢いを利用して、兵士を近くの壁に叩きつけた。
兵士はカエルのように壁に張り付いて、情けない声を出した後、床に落下し、意識を失った。
昔、訓練中にこれをやられた事があるが、壁にぶつけられるとかなり痛い。しばらくは起きられないだろう。
残ったのは、監視カメラと扉の横にいる兵士だけだ。
監視カメラはゆっくりと左右に動いている。カメラがちょうど向こうを向いた時、走り込んでカメラの真下に移動した。
カメラが反対側に首を向ける。それとほぼ同時に、俺は監視カメラの視角に入らない位置へと移動する。
扉の横の兵士は、その場所からずっと動かなかった。
先ほどのように音でおびき寄せるか、一気に行くか、それとも麻酔銃を使うか考えていると、兵士の様子がおかしい事に気づいた。
まっすぐ立っていないく、膝が笑っていて、更に頭が前後に揺れている。時折はっとして顔を上げるが、また船をこぎ始める。
半分寝ているようだ。銃をホルスターにしまい、ゆっくりと近づく。
兵士が顔を上げたが、遅かった。地面に投げ飛ばし、彼は気絶という名の眠りについた。
侵入者が来たという連絡は兵士達に聞かされているはずだが、侵入者が確実に来るはずの階段前で何故居眠りなどしていたのだろうか?
たまたまこいつが不真面目だったのだろう、と結論づけて、扉に近づく。自動でドアが開いた。
そして、階段を下り、研究区へと向かった。
くじ引きの結果、部活メンバーは綺麗に半分に別れた。
Aチームには、魅音、圭一、沙都子、そしてジョニーがついて行くことになった。
Bチームはレナ、私、羽入、それと赤坂が来てくれる。
両チームとも、他の兵士や山狗たちがついている。こちらには赤坂という強力な存在がいるが、戦力にそこまで偏りは無い。
部活メンバーがちょうど半々になったのも、まあ、魅音の仕業だろう。私はおもちゃ屋での事を思い出した。
「くじびきは全員終わったね。よし、ここからは二手に分かれて行くよ。決して無理はしないで、単独行動は絶対にしないこと!
赤坂さん、何かあったら無線して下さいねー! こっちからも連絡しますから」
無線機を持っている赤坂が頷く。
通路がちょうど二叉に分かれていた。魅音たちは右側の通路を、私たちは左側の通路を進むことになった。
「じゃあここでお別れだね。後で合流しよう!」
「うん、魅ぃちゃんたちも気をつけてねー!」
「ジョニー、くれぐれも漏らさないようにして下さいなのです」
「さ、流石にそれは無いさ。……多分」
「もう、レディの前でそんなはしたない事をしたらお仕置きですわよ!」
「あぅあぅ、とにかく気をつけて下さいなのです」
「おう! みんなも油断するんじゃねーぞ!」
お互いに励ましの言葉をかけあって別れを告げる。
皆、進む先に希望があると信じて疑っていなかった。
私たちなら、きっと彼を、雛見沢を助けることが出来る、と――。
◇
魅音たちと別れてしばらく進んだ後。
いったいどうしたら彼を見つける事が出来るのか、と私は考えてみた。
彼は私たちがここに来ていることを知らないだろうから、目的達成のためにひたすら進んでいることが考えられる。
けれど、敵を避ける為にそこら辺の部屋に隠れて、ダンボールに紛れ込んでいる可能性も否定出来ない訳で。
彼がいたという手がかりも見つけられず、捜索は困難だった。
「こっちの部屋も入ってみよう」
先陣を切る赤坂がそう言って、部屋のドアに近づいた。
この施設のドアは、自動で開くものが多い。もしもの事があったら、瞬時に臨戦態勢を取ることが必要だった。
赤坂が格闘の構えをしつつ、部屋に接近する。何名かの兵士が周囲をカバーした。
一瞬の間をおいて、赤坂が一歩踏み込んだ。ドアが機械的な音を立てながら開く。
すぐ様、赤坂と兵士たちが突入した。私のいる所からは、中の様子がよく見えない。
やがて、入ってもいいという合図があった。私、レナ、羽入と背後を警戒していた兵士と山狗が部屋に入る。
「ここは何の部屋かな、かな?」
「たぶん、休憩室なのです」
レナの疑問に対して、羽入が答えた。
部屋にはソファーにテーブル、テレビ、色々な雑誌が並んでいる本棚、ベッドまであった。
ここの兵士たちが利用しているのだろう。しかし、この部屋には人がいなかった。
「あ! あれってもしかして……!」
突如、レナが声を上げて棚に近づく。
背伸びをして、棚にあるインテリアか何かを取ろうとしていた。
その時――、棚の近くにあった、別の部屋へと通じる扉が開いた。
見知らぬ兵士がこちらの存在を認識し、声を上げようとする。
一番近くにいたのはレナだ。……レナが危ない!
だが、赤坂が動くよりも、兵士が叫ぶよりも早く。
――目的の物を取った彼女は、動いた。
スパパーン!
実に素早く、軽快な音がした。
レナはいつの間にか扉の前に移動して――、拳を掲げていた。
彼女の左手には、カエルの人形らしきものが握られていて。
彼女の目の前には、ついさっきこちらに入ってこようとした兵士が、仰向けに倒れていた。
……誰が、やったんだろう。赤坂も兵士も山狗も、その場から動いていない。
それは、私も羽入も同じことだった。
ということは……レナがあの兵士を、倒したの?
「何だ!?」
反対側の部屋から複数の足音がした。
私たちが状況を把握する前に、またもやレナが動いた。
「はうぅ〜!!」
そう、レナは「かぁいいもの」を発見した時と、同じようなテンションで喋り。
「ケロタン、かぁいいよぉぉぉ! おっ持ち帰りぃぃぃぃー!」
素早い拳や膝を、容赦なく兵士たちにお見舞いしていた。
「落ち着け、敵は一人だ!」
「だ、駄目だ撃つな! 狭い室内では跳弾して味方に当たるぞ!」
ここからはよく見えなかったけど、敵の兵士たちの焦った声と、何かがぶつかる音、人が地面に倒れる音がして。
赤坂や兵士の出番はほとんどなく、部屋の制圧は――あっけなく終わった。
◇
「まさかレナの『かぁいいモード』がここでも通用するとはね……」
「……レナも凄いですが、敵もかなり間抜けなのです」
レナにやられて気絶した兵士を拘束しながら、私と羽入はそう呟いた。
危ない状況だったとは思うが、彼女のおかげで、勝てた。
レナが部屋で手にしたのは、彼がおもちゃ屋でプレゼントしたのと同じカエルの人形――「ケロタン」だった。
どういう訳か、そのケロタンはここの休憩室に飾ってあって。
さらにそれは、この部屋と隣り合ってる部屋にもあったらしくて。
結果、彼女はそれを「お持ち帰り」しようとして、大暴れした――という訳だ。
部屋が狭くて、向こうが銃を上手く使えなかったことと、こちらを所詮「子供」だと見くびったことがこっちの勝因だ。
……勿論、レナがここぞという時で強いのも、原因の一つだ。
そのレナは、机の上にケロタンを並べて、軽く指でつついていた。
げこげことケロタンが鳴き声を上げる。それを見て、はぅー、かぁいいよーと喜んでいた。
ここが敵地であることを忘れそうなほど、平和な光景だった。
「……あの人形、敵の陽動に使えるかもな」
赤坂がぼそりと言った。あのケロタンにそんな活用法があったとは……。
「じゃあ、お持ち帰りしてもいいですか?」
レナが真剣に、かつ目を輝かせて赤坂に聞く。
赤坂はやれやれと言った感じで、
「……分かった。ただし、さっきみたいに一人で行動しちゃ駄目だ。何があるか分からないからな」
「……すみませんでした。ありがとうございます」
彼女はぺこり、とお辞儀をする。
「レナはすごいすごいのです。ぱちぱちぱち〜」
「ありがと梨花ちゃん。……でも向こうが油断してたから、勝てたんだよ。私の力だけじゃ無理だった」
「そうしたら赤坂たちがやっつけてくれますです。だから、僕たちはきっと大丈夫です!」
「みー、さっきと言ってることがまるきり反対なのです」
「あぅ、それはその……僕は、みんなが戦い抜くという強い意志を持っていることを知ったので……」
「私たちには、仲間がいるからね。仲間がいれば、みんな強くなれるよ。……ありがと、羽入ちゃん。みんなで、先に行こうね」
そして、私たちは部屋を後にした。
ちょっと中途半端な所ですが、規制が怖いので以上です。
後半は近日中に投下できると思います。ノシ
投下お疲れ様!
規制解除記念で乙る
投下乙
レナパンつよし!
ガーコとかでも反応しそうだなレナはw
「医務室」と書かれたプレートの前に陣取った兵士達が、目で合図を交わす。
そして、一斉に中へと突入した。
クリアリングを終えた後、外に待機していた者達も医務室の中へと入った。
入江が辺りを見渡す。薬品の独特な臭いが部屋中に立ちこめていて、薬品棚がたくさん並んでいた。
「少し待っていて下さい。症候群の抑制薬を探します」
「分かった。俺達は外を見張ってくる」
何名かの兵士が外に出て、残りの兵士も、手伝えるのならと薬品棚を開けた。
しかし棚には様々な種類の医薬品が並んでおり、素人目にはぱっと見では分からない。
地道に探すしか無い、と入江は怪我の治療に使える薬を手に入れながら考えた。
だが、その思考は外から聞こえた銃声によって打ち破られた。
「何だ!?」
兵士達がいっせいにドアを見る。
複数の銃声。悲鳴。複数の足音。外で異変が起きているのは明らかだった。
何か重いものが地面に倒れる音。そして。
「……クリア。突入する」
外から冷酷な声が聞こえた後、扉が開いた。
扉の外にいたのは――見慣れない、兵士。
彼らは外を見張っていた仲間では無く、ここを警備している兵士でも無かった。
第三の勢力である兵士は、中に向けて何かを放り投げる。
かつん、と放り投げられたそれは音を立て、入り口のドアは自動で閉まった。
投げられたのは――グレネードだ。
「伏せろ!!」
入江の近くにいた兵士が、判断が遅れた入江を咄嗟に突き飛ばす。
強い閃光と音が部屋を満たした。投げられたのは、音と光で敵を気絶させるスタングレネードだった。
それでも、投げられた側は多大なダメージを受ける。
気絶を免れた兵士が耳をつんざく音に顔を顰めながら、近くにあったテーブルをひっくり返した。
それとほぼ同時に、部屋の外に居た兵士達が突入してきた。
銃が一斉に火を噴く。グレネードの影響で立つこともままならなかった者は、凶弾の前に斃れてしまう。
だが、兵士が咄嗟に倒したテーブルがある程度バリケードの役割を果たした。
銃弾はテーブルを凹ませ、薬品棚のガラスを割り、破片を飛び散らせる。
「ぐっ……」
入江は気絶こそしなかったが、影響がまだ残っていた。目を閉じて頭を振り、意識をはっきりさせようと試みた。
なんとか復活した兵士が銃を持ち、入江に言う。
「……俺達が弾幕を張る。あんたは逃げろ!」
兵士が指差す方には、別の通路へと通じるドアがあった。
「しかし、それでは……」
「あんたに死なれたら、皆が困る。……だから早く逃げてくれ!」
叫ぶと同時に、その兵士は敵に向けて発砲した。
敵は部屋の外へと避難する。が、隙を狙って室内に発砲して来る。
向こうの方が大勢で、こちらはすでに戦闘不能になった者もいる。――相手に比べて、入江達は不利だった。
「……すみません!」
入江は小さく叫び、もう一方のドアに向かって走る。
敵は追撃しようとしたが、生き残った兵士たちが全力でそれを阻止した。
別行動しているジョニーの元に、通信が入った。
周りに敵はいない。ちょっと待ってろ、と圭一達に声をかけ、少し離れた所に移動する。
『こちらAチーム。どうした?』
『……ジョ、ジョニーさん。……私です』
聞こえてきたのは、息も絶え絶えな入江の声だった。
ジョニーは無線機を手で覆い、小声で叫ぶ。
『どうした! 負傷したのか!?』
『わ、……私は無事です。ですが、……敵の襲撃に遭いました』
息を必死に整えつつ、入江は続ける。
『……私だけ先に逃がされたので、今、医務室の近くにあったロッカーの中に身を潜めています。
敵とはまだ交戦中です。……ここから、まだ銃声が聞こえます。しかし――何人かは既に、犠牲に……』
『……くそっ。こっちから何人か、応援を送る。それまで死ぬな!』
『ありがとうございます。……ですが、くれぐれも子供達を第一優先で守ってあげて下さい。それと――気になることがあります』
『何だ?』
ジョニーが促す。
『私達を襲撃してきた敵の事ですが、……彼らは、ここの兵士ではありませんでした。服装や武器が、彼らのものと違いました』
『それは……どういうことだ?』
『……分かりません。私達以外にも、ここに来ている“敵”が、いるのかもしれません。……ジョニーさん、心当たりはありませんか?』
『すまない……。俺は末端の兵士だ。ここにいる真の目的も、“何”が敵なのかも知らされていないんだ……』
『そうですか……。とにかく、第三者にも気をつけて下さい。挟み撃ちにされる可能性があります』
『沙都子、って子が後方にトラップを仕掛けてくれているからな。……大丈夫だと思いたい』
ジョニーは、楽しく会話をしている子供達を見つめながら、そう言った。
『子供達には、……遠回しに伝えておく。襲撃があって何人かが怪我した、ぐらいにしておく。
あぶらぜみの全滅の事や、襲撃で死んでしまった兵士達の事は……まだ隠しておこう。……奴らの分まで、俺達が生きよう』
『そうですね……。まだ死ぬわけにも生きませんし、子供達も死なせてはいけません。色々と気を遣わせて申し訳ないですが、よろしくお願いします』
『気にするな。別れたチームと合流するのを早めるよう、提案してみる。……無理はするな。死なないでくれ』
『はい。子供達をどうか、よろしくお願いします』
それぞれの決意を胸に、男達は通信を終えた。
ロッカー内は暗くて狭く、何も見えない。
……けれど、時折響く銃声と叫び声が聞こえるから、戦闘はまだ続いていることが分かる。
緊張と暑さから、じわりと嫌な汗がにじむ。入江は今すぐに、ここから飛び出したい衝動にかられた。
……しかし、自分が行った所で…………、何もできない。
銃を扱った経験は無い。あの場に残ったとしても、足手まといになるだけだ。
戦場において、医者は後方で負傷兵を治療するもの、と相場が決まっている。
医者が前線に飛び出しては……、意味が無い。
理屈では分かっていても、入江は、やりきれなさを感じずにはいられなかった。
応援を呼んだのはいいが、加勢が“間に合う”保証も無かった。
不意に、鳴り続いていた銃声が止み、辺りが静寂に包まれる。
入江は息を潜めた。先ほどとはうって変わって、……何も聞こえない。
ロッカー付近には人の気配が無い。そっと、扉を押し開ける。
近くには、誰もいなかった。慎重に医務室へと近づいてみる。
……ドアの手前まで来ても、やはり静かだった。
意を決して、入江は一歩踏み出した。
「…………っ!!」
――目に飛び込んで来たのは、見るも無惨な光景だった。
清潔でひっそりとしていた医務室の面影は、どこにも無かった。
薬品棚はどれも無惨に破壊されている。その場に残った銃弾の跡から、戦闘が激しかったことが伝わってきた。
――そして、部屋にはたくさんの人が、倒れていた。
誰も動く者はいない。
襲撃してきた兵士の一部も、血をまき散らして倒れている。
……入江と共に行動してきた兵士達も、それは同じだった。
「誰か……、……私の声が聞こえたら…………返事をして下さい」
絞り出した言葉は掠れていた。
全滅。相討ち。嫌な単語が頭の中をぐるぐるとかき回す。
そうであって欲しくないと願っていたから、入江は呼びかけた。
「……無事、…………だったか」
その願いは叶った。
入江は声を出した兵士の元に駆け寄る。生きていた。全滅では、無かった。
その兵士は肩を撃たれ、出血していた。入江は救急用具を取り出し、兵士の治療に取りかかる。
「今治療します! 動かないで下さい」
「俺は後でいい。……もっと重傷の奴を診てやってくれ」
兵士が部屋に呼びかけると、数名が反応を示した。頭から血を流している者もいる。
入江は辺りを見渡し、治療を最優先すべき者をいち早く判断した。今ならまだ間に合う。……必ず、助ける。
比較的軽傷だった兵士が、ぽつりと呟いた。
「しかし、……何だったんだ、あいつらは」
敵は、殲滅しきれなかった。どうにか敵に痛手を与えたから、敵が退散したに過ぎなかった。
戻ってくる可能性もある。……だが、それよりも気になる“奴ら”の正体が彼には分からなかった。
奴らは躊躇無く攻撃し、部屋に突入する時もためらいは無かった。
――その様子はまるで、この施設を制圧する事が目的であるかのようだった。
だが、今は誰も、“敵”の正体を知る者はいなかった。
一方、通信施設では、富竹達が敵を制圧していた。
気絶した兵士を余所目に、富竹は通信機器へと近づく。
居住区の一帯を管轄しているらしく、たくさんのモニターがあり、監視カメラの映像を映し出していた。
かなり大がかりな設備だ。外部へと連絡するには十分だった。
通信機を手に取り、富竹は「東京」へと通じる番号を入力する。
番犬という部隊の性質上、出動には上層部の許可がいる。
だが今、こうした緊急事態が発生している以上、すぐに許可が降りるだろう。
呼び出しのコール音が鳴り響く。
……通信網が完全に遮断されてしまっているのならば、それは鳴らない。
つまり、敵の施設からは、番犬への連絡が可能だと言う事だ。
いけそうだ、と富竹は思った。
自然と通信機を握る手に汗がにじむ。
プツッ。コール音が途切れる。
――繋がった。もしもし、と富竹は呼びかける。
しかし――返事が無かった。
確かに繋がったはずなのに、今は通じている気配が、無い。
「……まさか」
冷水を頭から浴びせられたような感覚に陥ると、モニターが一斉に暗くなった。
だが、それは一瞬の事で、今度はモニターにある人物が映し出された。
全てのモニターが、ある一人の老人を映し出す。
その人物は、こちらの方を見て嗤った。
まるで、全ての行動が、見透かされていたかのように。
老人――リボルバー・オセロット――は、人差し指を立てた。
チッチッチ、と挑発するように指を振る。
そして、先ほどと同じく唐突に、全てのモニターが暗くなった。
「くそっ、やられた!」
富竹が壁に拳を叩きつける。
あと少しだった。あと少しで――救援が要請出来た。なのに、寸前で妨害されてしまった。
妨害した人物は、おそらく敵の幹部クラスの連中だろう。
外国人のようだったので、入江が言っていた「オセロット」という人間だと、富竹は推測した。
「……連絡が取れなかったが仕方ない。敵が応援を送ってくるかもしれないから、とにかく移動しよう」
富竹はやっとの思いで言葉を絞り出す。状況をただ見守っていた兵士達も、頷いた。
――せめて、子供達は無事であってほしい。
彼らはただ、そう願うしかなかった。
「……ああ、そうか。分かった。幸運を祈る」
ジョニーが通信を終える。
「今度は誰からだ?」
「富竹チームからだ。……目的は果たせなかったらしい」
「うーん、そう上手くは行かないか。……そっちのチームとの合流も、早めた方がよさそうだねぇ」
魅音が腕を組んで思案する。
入江達が襲撃にあった事も聞いたので、チームの再編成の必要性を彼女は感じていた。
合流して、戦力が均等になるよう、改めて分担しなおす。
魅音達は、居住区の最下層の方まで進んでいた。この下にあるのが研究区だという事も聞いている。
研究区で一旦集合にしようかな……と考えていると、ジョニーが声をあげた。
「どうしたんだ? またトイレか?」
「違う! ……とにかく来てくれ」
子供達が駆け寄る。そこには、兵士が物陰で気絶していた。
「この方がどうかいたしまして?」
「……俺達はまだここに来たばっかりだ。先遣隊もこのルートは通ってない。なのにこいつは気絶している。
だから、俺達より先にここに来て、こいつを気絶させた奴がいるはずなんだ」
魅音達は顔を見合わせる。各々が思い浮かべている人物は、同じだった。
「スネークだ!」
ジョニーは頷く。
「あいつは先にいるはずだ。多分、まだ遠くには行ってない。研究区で会えるかもしれない」
「よし、それなら研究区の入り口で、監督と富竹さん達と合流しよう。それからまたチームを分ける。みんなはそれでいいかな?」
「異論は無いぜ。それからスネークをしらみつぶしに探せばいいんだ」
「じゃあ決まりですわね。ジョニーさん、他のチームの方への連絡をお願いしますですわ」
「了解だ。ちょっと待っててくれ」
彼らは、先に進み続ける。
――その先に待っているものが、何であったとしても。
ひぐらしチームの後編は以上です。ノシ
うおーこういうシーンも好きだー
270 :
メサルギア:2010/07/21(水) 03:17:53 ID:dqUO0hTb
俺は全て話した
「信じられない」
「ああ、信じられない話だ、だが俺がここに居ることが何よりの証拠だ」
「これからどうするつもりだい?」
「俺はこの村を戦場にはさせたくない、だから俺はもう一度蛇に戻る」
「・・・スネーク」
すまないBIGBOSS、あの日、あの場所で俺は銃を二度と握らないと俺はあんたに約束した
「戦うんだなスネーク」無線から懐かしい声が聞こえた
「キャンベル大佐か!!」
「久しいなスネーク」
「大佐もいるのか?」
「ああ、後でメイリンも着く予定だよ」
「君は一人でじゃないスネーク」
「・・・ああ」
「オタコンこの村の情報を頼む」
「もうついてるさ、その村での悲劇は全て君が言っていた梨花と言う名の少女とその周りが大きく関係しているみたいだ」
「その少女が死ぬと悲劇が始まるカラクリになっているらしい」
「敵の情報は?」
「東京の事だね、それも調べはついている」
「東京は愛国者が生まれる前、賢者の一部だ。山犬という実行部隊が裏で暗躍しているみたいで、敵もそれなりの兵士みたいだね」
「状況は悪いな」
「いつものことじゃないかスネーク」
「ああ、こんな状況は初めてじゃない」
「ではミッションだ、スネーク」
『敵を明確にし排除しろ』
「了解だ」
「また情報が入ったら連絡するよ、それとこの無線は一方通行でそちらからはかけれないんだ」
「なんでだ?」
「原因が分からないんだ」
「わかった時間を合わせろ、今こちらの時間はマルサンマルマル時、定時連絡はマルヒトマルマル時だ」
「了解」
「では切る」俺は後ろに人の気配を感じた
「話は終わったスネーク?」暗闇から少女の声が聞こえた
「梨花か」月夜で顔が明確になった
「梨花待ってください」もう一人少女が現れた
「・・・羽入か」
「なんで知っているんですか?」
「ああ、未来であった」
「羽入は、今までの世界では私にしか見えなかった、だけどこの世界では実現している、これは何かの兆しよ」
「スネークはこれからどうするんですか?」
「しばらくは君たちの近くに居て敵を知りたいんだが」
「じゃあこうしましょう、あなたはこの村に来た英語の先生だけど、来る途中に頭を打ち混乱するが、翌日には治り学校の先生としてくる」
「無茶苦茶だな」
「無茶苦茶なのはこの世界よ」
「スネークだと不振がられるはなんて呼ぶ?」
「デイビットで良い」
「デイビット先生なのです〜」
「スネ、いえデイビット先生、もう少しで夜明けよ、入江があなたを探すわ」
「戻るとしよう」
「装備は私の家に隠しておくから」
「頼む」俺は梨花を家に送り届け、装備を置かしてもらった
「じゃあ、また明日ね」彼女を見届け俺は病院に戻った
民家の屋根から私は彼を見つけた、何年振りの再開か、正確に言えばあの時に彼は死んだはず
俺はあの男にここに連れてこられた
「お前を必要にしているやつが居る」そう言って俺をあのオーロラの中に連れてきた、そして彼を見つけた
『マサカマタオマエニアエルトハナ、スネーク』
乙
そして保守
hoshu
保守
すみません……。
どうやら夏バテ(冷房病?)というものに罹ったらしく、
執筆があまり進んでおりません。
来週中には投下できるように致しますので、どうか待っていて下さると幸いです。
お疲れ様です。
作者の体あっての作品です、
どうかご自愛くださいな